平成26年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成26年10月17日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 高  橋  勝  重
議事管理担当課長 渡  辺  謙  一
主任主査 清  川     勝
主任主査 村  上     聡
主任主査 藤  澤  壮  仁
主査 藤  枝     修
主査 田  内  慎  也
主査 菊  地  友  和
1説明員
保健福祉部長 根 子 忠 美
副部長兼
保健福祉企画室長 紺 野 由 夫
医務担当技監 菅 原   智
医療政策室長兼
医師支援推進室長 野 原   勝
参事兼長寿社会課
総括課長 齋 藤 昭 彦
参事兼障がい保健
福祉課総括課長 鈴 木   豊
保健福祉企画室
企画課長 伊 藤 信 一
保健福祉企画室
管理課長 佐々木   亨
健康国保課
総括課長 五日市   治
地域福祉課
総括課長 千 田   充
子ども子育て
支援課総括課長 南   敏 幸
医務課長 葛 尾 淳 哉
地域医療推進課長 高 橋   進
医師支援推進監 佐々木 勝 広

医療局長 佐々木   信
次長 大 槻 英 毅
参事兼職員課
総括課長 菊 池   儀
経営管理課
総括課長 小 原   勝
医事企画課
総括課長 千 葉 雅 弘
業務支援課
総括課長 小笠原 一 行
薬事指導監 本 庄 伸 輔
看護指導監 青 山 節 子
医師支援推進監 佐々木 勝 広

医師支援推進室長 野 原   勝

会計管理者 菅 原 和 弘
出納指導監 田 中 耕 平

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 佐 藤 和 彦
監査第二課
総括課長 豊 岡 直 人

財政課総括課長 五月女 有 良
〇岩崎友一委員長 これより本日の会議を開きます。
 初めに、10月20日月曜日に予定されている商工労働観光部審査において、株式会社DIOジャパンに関連する事項については、ほかの質疑と分けて進行することを当職からきのうの世話人会で提案させていただき、その取り扱いについて御協議いただいた結果を報告いたします。
 この件につきましては、当職からの提案どおり、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めた後、まず、株式会社DIOジャパンに関する事項以外の質疑を行い、次に、株式会社DIOジャパンに関連する事項の質疑を行うよう進行することといたしましたので、御了承願います。
 また、その際の世話人会において、10月20日月曜日の審査の順序について協議したところ、商工労働観光部と労働委員会を入れかえるとの結論に至りました。
 お諮りいたします。10月20日の当委員会の審査の順序については、商工労働観光部と労働委員会を入れかえることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一委員長 御異議なしと認めます。よって、10月20日の当委員会の審査の順序について、ただいま申し上げたとおり、入れかえることに決定いたしました。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、及び議案第37号から議案第39号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部、医療局関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇根子保健福祉部長 平成25年度保健福祉部関係の決算について御説明いたします。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について御説明いたします。
 当部においては、いわて県民計画に掲げる岩手の未来をつくる七つの政策の一つである、医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向け、地域の保健医療体制の確立、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備、福祉コミュニティの確立の3点を政策項目として掲げ、取り組んできたところであります。
 まず、一つ目の地域の保健医療体制の確立についてであります。
 県民一人一人がみずからの心身の健康づくりに主体的に取り組み、地域に必要な医師等が確保され、県民が必要な医療や検診を適切に受けることができるとともに、感染症などによる健康被害を心配することなく安心して生活できる体制を確立するため、奨学金等による医師の養成や即戦力医師の招聘、病院勤務医の離職防止に向けた処遇改善などの医療を担う人づくりを初め、地域医療連携体制の推進や災害医療コーディネーターの養成、在宅医療と医療、介護の連携推進や医療機関の復旧支援などの質の高い医療が受けられる体制の整備、新型インフルエンザやウイルス性肝炎対策の推進などの感染症対策の推進、市町村など医療保険者による特定健診などの受診率向上の支援や民間団体と連携した啓発活動、被災地における保健活動の支援などの生活習慣病予防等の推進に取り組んでまいりました。
 その結果、人口10万人当たりのがん、脳血管疾患及び心疾患で死亡する数については、健康いわて21プランに基づいて、健康づくりに関する普及啓発や地域住民の自主的な健康づくりへの支援などに取り組み、男性の死亡数についてはおおむね順調に進み減少しましたが、女性の死亡数については、目標には達しなかったところです。
 また、沿岸地域の医療機関が被災したことにより、沿岸部の中核病院に軽症患者が集中して受診する状態が続いたため、県立病院救急患者総数のうち当日帰宅措置患者の割合については目標には達しなかったところです。
 今後とも、地域における医療人材の確保、定着に取り組むとともに、質の高い医療サービス提供に向けた医療機関の機能分化と連携体制の構築、被災市町村の新しいまちづくり計画や住民ニーズなどに対応した医療機関の復興支援に取り組んでまいります。
 さらに、新型インフルエンザなどの感染拡大防止対策、生活習慣病予防のための健診受診率向上や健康づくりの普及啓発などの取り組みを推進してまいります。
 次に、二つ目の家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備についてであります。
 安心して子供を産み育て、次代を担う子供たちが健やかに育つ環境を整備するため、子育て支援などに関する情報提供や普及啓発、結婚支援に関する環境整備などの若者が家庭や子育てに夢を持てる環境の整備を初め、周産期医療体制の整備や親と子の健康支援などの安全・安心な出産環境など親と子の健康づくりの充実、地域ニーズに対応した保育サービスの拡充や放課後児童対策、企業による子育て支援活動の促進などの子育て家庭への支援、児童虐待防止や被災地における子供への各種支援などの子どもの健全育成の支援に取り組んでまいりました。
 その結果、本県の平成25年合計特殊出生率、放課後児童クラブの設置数は、目標を達成したところであります。
 なお、いわて子育て応援の店協賛店舗数は、新たな協賛店舗の登録はあったものの、店舗閉鎖等による登録解除が多かったことなどから、目標には達しなかったところです。
 今後とも、子育て支援に関する情報発信の充実、周産期医療体制の整備や妊産婦のメンタルヘルス対策など安全・安心な出産環境の充実、多様な地域ニーズに対応した保育サービスの充実、被災児童の支援や継続的な心のケアなどを推進してまいります。
 三つ目は、福祉コミュニティの確立についてであります。
 県民誰もが、必要な福祉サービス等を利用しながら、住民相互の支え合いなどにより、安心して生活できる福祉コミュニティづくりを進めるため、地域の支え合い体制づくりの支援や福祉を担う人材の育成などの生活支援の仕組みづくり、介護予防や地域包括ケアシステムの構築、被災地における介護サービス提供体制の復旧支援などの高齢者が住み慣れた地域で生活できる環境の構築、障がい者の地域生活移行と定着の促進や被災地における障がい福祉サービス提供体制の復旧支援などの障がい者が地域で安心して生活ができる環境の構築、災害時における要援護者等の支援や被災地における見守り活動の推進などの安全・安心のセーフティネットづくり、自殺対策を担う人材の育成や自殺リスクが高い方への支援体制づくりなどの自殺対策の推進、被災者の心のケアを行う体制づくりなどのこころのケア活動の推進に取り組んでまいりました。
 その結果、地域福祉計画を策定し、施策に取り組んでいる市町村数、地域密着型サービス拠点数、障がい者のグループホーム等利用者数、人口10万人当たりの自殺者数は目標を達成し、元気な高齢者の割合についてもおおむね順調に進んでおり、また、被災地における介護サービスや障がい福祉サービスの提供体制についても、順調に復旧しております。
 今後とも、市町村地域福祉計画の策定や福祉マップづくりの促進などを通じて、地域の実情に応じた生活支援の仕組みづくりを支援するとともに、被災地の福祉コミュニティの復興支援、地域包括ケアシステムの構築に向けた地域密着型サービス拠点の整備促進など介護サービスの充実、グループホームや就労支援事業所などの整備、岩手県災害派遣福祉チームの体制整備や福祉避難所の設置など災害時要援護者支援体制の構築、心のケアに関する地域ネットワークの強化などに取り組んでまいります。
 引き続きまして、平成25年度保健福祉部関係の決算について御説明いたします。
 なお、平成25年度の決算は、平成26年度に総務部から移管された認定こども園に係る事業につきましても、現在所管している当部から御説明申し上げますので、御了承願います。
 お手元の平成25年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出決算は、3款民生費のうち、1項社会福祉費、3項児童福祉費及び4項生活保護費並びに5項災害救助費の一部で支出済額810億6、935万円余、4款衛生費のうち、1項公衆衛生費の一部並びに2項環境衛生費を除いた支出済額166億7、153万円余、16ページに参りまして、10款教育費のうち、9項私立学校費の一部で支出済額2億6、420万円余、11款災害復旧費の一部で支出済額24億7、874万円余、12款公債費の一部で支出済額96万円余、13款諸支出金のうち、1項公営企業貸付金支出済額103億円、2項公営企業出資金で支出済額203万円余、3項公営企業負担金の一部で支出済額214億1、292万円余であります。当部関係の支出総額は1、321億9、976万円余で、翌年度繰越額は38億7、767万円余、不用額は23億9、039万円余となっております。
 以下、順次、各項目ごとにその主なものにつきまして、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明いたします。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明いたします。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書の186ページをお開き願います。3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費の主なものでありますが、まず、備考欄冒頭の管理運営費は人件費が主なものであります。次に、上から八つ目の社会福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行う低所得世帯等に対する生活福祉資金の貸し付けと相談援助の事業の支援に要した経費であります。2目障がい者福祉費の主なものでありますが、189ページに参りまして、この目の備考欄上から六つ目の障がい者介護給付費等は、障害者総合支援法に基づく介護給付費等の障がい者自立支援給付について、市町村が支弁した一部について負担したものであります。次に、その下の障がい者自立支援医療費は、障害者の自立した日常生活又は社会生活促進を図るために必要な医療を給付した市町村に対し、その費用の一部を負担した経費であります。
 なお、繰越明許費7、179万円余は、下から四つ目の障害者支援施設等整備費補助及び、191ページに参りまして、備考欄の上から五つ目の障害者支援施設等耐震化等整備補助において、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 事故繰越7、766万円余は、189ページにお戻りいただきまして、下から四つ目、障害者支援施設等整備費補助において、補助事業者の事業実施が遅延したため繰り越したものであります。
 190ページに参りまして、3目老人福祉費の主なものでありますが、備考欄下から九つ目になりますが、介護給付費等負担金は、介護保険法に基づき、市町村が行う介護保険事業に係る介護給付及び予防給付に要する費用の一部を負担した経費であり、193ページ、備考欄冒頭でございますが、後期高齢者医療療養給付費負担金は、岩手県後期高齢者医療広域連合が、被保険者に対して支弁する医療給付費の一部を負担することにより、被保険者の適切な医療を図るための経費であります。
 なお、繰越明許費及び事故繰越でありますが、繰越明許費20億3、530万円余は、191ページに戻りまして、この備考欄の上から三つ目の老人福祉施設整備費補助と193ページに参りまして、上から二つ目の介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業費、その下の介護サービス施設整備等臨時特例事業費、支出済額はなかったため備考欄への記載はありませんが、医療介護複合型施設復旧事業費補助が関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。事故繰越6、000万円は、193ページ、上から三つ目の介護サービス施設整備等臨時特例事業費において、補助事業者の事業実施が遅延したため繰り越したものであります。
 5目国民健康保険指導費は、市町村の国民健康保険財政基盤の安定化に資するための負担金や積立金などであります。194ページに参りまして、6目婦人保護費は、婦人保護施設及び婦人保護一時保護所に保護しているDV被害者等の生活環境改善を図るため、これらの施設への入所保護等を支援するものであります。7目社会福祉施設費は、県立の社会福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 少し飛びまして、198ページに参りまして、3項児童福祉費1目児童福祉総務費の主なものでありますが、この目の備考欄の下から八つ目でございますが、地域子育て活動推進事業費は、市町村が行う放課後児童健全育成事業に対し、その経費の一部を補助するものであります。次に、201ページ上から二つ目の子育て支援対策臨時特例事業費は、保育所の整備などを図るため設置している基金への積み増しや保育所の整備に対する支援などに要した経費であります。
 なお、繰越明許費及び事故繰越でありますが、繰越明許費7億5、855万円余は、201ページ備考欄上から二つ目の子育て支援対策臨時特例事業費において、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。事故繰越2、092万円余は、199ページに戻りまして、この目の備考欄上から八つ目になりますが、児童福祉施設整備費補助において、補助事業者の事業実施が遅延したため繰り越したものであります。
 200ページに参りまして、2目児童措置費の主なものでありますが、この目の備考欄冒頭、児童保護措置費は、県立以外の児童福祉施設及び障害児入所施設に措置された児童等の入所に要した経費であります。3目母子福祉費の備考欄下から二つ目の児童扶養手当支給事業費は、父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の安定と自立の促進に寄与するため児童扶養手当を支給し、児童の福祉の増進を図るものであります。4目児童福祉施設費は、県立の児童福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 202ページに参りまして、4項生活保護費1目生活保護総務費は、生活保護指導職員の人件費や生活保護給付事務、指定医療機関等に対する指導監査などに要した経費であります。
 204ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費は、この目の備考欄上から二つ目の災害弔慰金負担金から、その五つ下、被災者生活再建支援金支給補助までが当部関係の事業であり、平成25年度豪雨災害の被災者を対象に市町が実施した生活再建支援の取り組みに対する補助などに要した経費であります。
 206ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の主なものでありますが、備考欄上から二つ目の母子保健対策費は、小児慢性特定疾患治療研究事業、未熟児に対する養育医療給付、周産期医療対策などの実施に要した経費であります。
 なお、繰越明許費でありますが、繰越明許費1億6、351万円余は、備考欄上から二つ目の母子保健対策費において、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 208ページに参りまして、3目予防費の主なものでありますが、備考欄上から三つ目の特定疾患対策費は、特定疾患患者の医療費自己負担分の公費負担などに要した経費であります。4目精神保健費の主なものでありますが、211ページに参りまして、この目の備考欄一番下の被災地こころのケア対策事業費は、東日本大震災津波による被災者の精神的負担を軽減するため、長期にわたる継続した専門的ケアの実施に要した経費であります。5目高齢者保健費の主なものでありますが、この目の備考欄上から二つ目の特定健康診査・保健指導事業費負担金は、市町村が行う特定健康診査及び保健指導事業に要した費用に対する負担金であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、220ページをお開き願います。3項保健所費1目保健所費は、保健所職員の人件費等の管理運営などに要した経費であります。
 4項医薬費1目医薬総務費は、人件費等の管理運営費がその主なものであります。222ページに参りまして、2目医務費の主なものでありますが、備考欄上から六つ目でございますが、救急医療対策費は、救急医療の確保充実を図るため救命救急センター運営やドクターヘリの運航等に要する経費の助成に要した経費であります。225ページに参りまして、この目の備考欄上から六つ目でございますが、地域医療再生等臨時特例基金積立金は、地域における医療の確保、東日本大震災津波において甚大な被害を受けた地域における医療提供体制の再構築を図るための基金の積み立てに要した経費であります。
 繰越明許費1億9、179万円余の主なものは、この目の備考欄上から九つ目になりますが、被災地医療施設復興支援事業費などが、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 3目保健師等指導管理費の主なものでありますが、この目の備考欄下から二つ目の看護師等養成所施設整備費は、老朽化が著しい県立一関高等看護学院の移転整備などに要した経費であります。
 また、繰越明許費1、725万円余は、看護師等養成所施設整備費が、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 226ページに参りまして、4目薬務費の主なものでありますが、備考欄一番下の被災地薬局機能確保事業費は、東日本大震災津波により被災した沿岸地域の調剤業務を行う薬剤師の確保対策に要した経費であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、338ページをお開き願います。10款教育費9項私立学校費1目私立学校費のうち、本年度当部に移管された主なものは、備考欄下から六つ目でございますが、認定こども園整備事業費補助で、認定こども園の施設整備に要した経費であります。
 なお、繰越明許費でありますが、繰越明許費2億3、679万円余は、認定こども園整備事業費補助において、関係機関との調整に時間を要したことにより繰り越したものであります。
 340ページに参りまして、11款災害復旧費1項庁舎等施設災害復旧費1目庁公舎等災害復旧費のうち、当部所管に係る支出済額は、この目の備考欄一番下から六つ目になりますが、保健福祉部399万円であります。
 342ページに参りまして、3項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費の主なものでありますが、この目の備考欄上から二つ目の老人福祉施設等災害復旧事業費補助は、東日本大震災津波で被災した介護サービス事業者に対し、被災地で介護保険サービスを提供するに当たっての復旧支援のために要した経費であります。
 なお、繰越明許費でありますが、繰越明許費2億4、408万円余は、関係機関との調整に時間を要したことにより繰り越したものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、354ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金には、当部所管の災害援護資金貸付金の国への償還金が含まれております。
 356ページに参りまして、13款諸支出金1項1目公営企業貸付金のうち、当部所管は、県立病院等事業会計への運営資金貸付金103億円であります。
 2項1目公営企業支出金のうち、当部所管は、県立病院等事業会計への運営資金出資金203万円余であります。
 3項1目公営企業負担金のうち、当部所管は、県立病院等事業会計への負担金214億1、292万円余であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 引き続きまして、特別会計について御説明いたします。
 ページを飛んでいただきまして、376ページをお開き願います。母子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、収入済額は377ページの収入済額の欄の末尾、歳入合計の欄の4億9、295万円余であり、その主なものは、貸付金元利収入、前年度からの繰越金及び一般会計からの繰入金などであります。収入未済額は、一つ欄を右に飛んだところの1億6、009万円余で、その主なものは、母子福祉資金償還金であります。
 次に、378ページに参りまして、支出済額は379ページの支出済額の欄の末尾、歳出合計の欄の1億8、705万円余であり、その主なものは、母子世帯及び寡婦に対する修学資金、修業資金及び技能習得資金などの貸し付けに要した経費であります。
 以上で保健福祉部関係の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
〇岩崎友一委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いするとともに、決算の審査であることを踏まえ、当該年度の決算に関する質疑とするようお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇嵯峨壱朗委員 通告の順番と違うんですけれども、款の順で質問したいと思います。
 児童相談所の件、3款民生費3項児童福祉費1目児童福祉総務費、福祉総合相談センター管理運営費または児童相談所管理運営費等に関してお伺いしますけれども、昨今、子供にかかわっていろいろな不幸な事件等が多発しておりますが、その相談の入り口でもあります児童相談所、最近の相談件数とかその内容等についてお示し願えればと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 平成25年度の児童相談所における相談の状況等についてでございますが、相談件数は2、050件となっておりまして、その主な内容は、知的障がい等に関する障がい相談が1、062件、51.8%、養護相談が585件、28.5%、そのうち児童虐待相談は363件、17.7%、不登校やしつけ等に関する育成相談が248件、12.1%となっております。
〇嵯峨壱朗委員 平成25年ということですけれども、この2、050件というのは、それまでと比べるとどういう状態と見ていいのか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 県全体での平成25年度の相談件数2、050件と申し上げたわけでありますが、平成24年度におきましては2、124件、平成23年度におきましては2、480件となっているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 相談件数は減っているということですけれども、相談する事象がないから減っているのか、ちょっとその辺は、そういうふうに単純に考えていいのかどうか、どう捉えていますか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 相談件数の動向、推移等につきましての詳細な分析というものは、私どものほうでまだ精査したものはございませんけれども、まず一つは、児童に係る相談所、児童相談所ということもございますので、まずは、出生数の減少に伴うそもそもの児童が減っていることも当然要因としてございますでしょうし、また、一方では、ここ平成24年から25年にかけての2カ年は、県内の虐待相談の件数は減ってきているところでありますので、そういった要因等もあって減ってきているものではないかと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 何となく実感からすると、減っているというのと違ったような気がしているんですけれども、まあ、結構なことかもしれませんが、もしかしたら、相談に行かずにという部分もあるかもしれないので、それぞれアンテナは高くしていると思うんですが、高く対応していただければと思います。
 そうした中で、地域的に、例えば被災されたわけですけれども、いろいろな地域的な特徴とかといったものがもしあるのであれば、わかるのであれば、お知らせ願えればと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 県内3カ所の児童相談所があるわけでありますが、この3カ所の児童相談所における相談件数は、ほぼ同様の割合で相談を受け付けておりまして、いわゆる地域的な特徴というものは、あいにく見受けられないところでございます。
 ただ、それぞれ三つの児童相談所ごとの受け付け件数の割合といいますかウエートというものを見てまいりますと、福祉総合相談センターは1、104件、53.9%、一関児童相談所は594件、29.0%、宮古児童相談所は352件、17.1%という構成割合となっているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 この児童相談所にかかわってですけれども、養護施設があるわけですが、恐らく親が亡くなったとか、そういったいろいろな条件の中で養護施設に入らざるを得ない子供たちがいるかと思うんですが、その状況とか、それで今、例えばそれぞれ定員があると思うんですけれども、そのかかわりで、定員に対してどうなのかということもお聞かせ願えればと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 児童養護施設の県内の状況でございますが、県内には、児童養護施設が6カ所ございます。定員にいたしますと、6カ所合計で336人ということでございます。
 入所児童数ですね。ちょっとお待ちください。
 失礼いたしました。入所児童数の平均は、平成25年度の実績で286名となっております。
〇嵯峨壱朗委員 福祉事業団が運営しているものがありますね。それは、もともとは県が直営していた。それで、平成17年に福祉事業団が、そのころ指定管理という言葉があったのかどうかわかりませんけれども、いわゆる民間という形で運営を現在しているわけですが、県がやっているときと、そういうふうに民間に委託してやった場合と、どうですか、どういう変化を、現在と変わらないという認識ですか、どう見ていますか。運営の内容ですね。
 もっと具体的に言うと、民間ということになったので、例えば職員の定数削減とかといったことをそれぞれ年度ごとに計画を立ててやっているようです。法人の調査のこの中で見ると、ずっといわゆる経費削減という観点から職員の定数削減を進めているようなんですね。それは、例えば県が直営しているときと比べるとどうなっているかと。
 もっと直接的に言うと、人が、恐らく定数が減っていると思うんですね。それによって、もっと手をかけるべき部分に手が届いていないとかという事例はないのかと思う、それを心配して聞いているのですけれども。ないと言うのでしょうけれどもね。
〇南子ども子育て支援課総括課長 児童養護施設のうち、和光学園については、委員御指摘のとおり、従来は県立施設として運営していたものを、今回、社会福祉事業団に運営を譲渡したという形になっているわけでありますが、その直接処遇に当たる職員とかという形で、その処遇の低下が懸念されないかどうかという話でございますが、基本的には、児童福祉法に基づく最低基準がございますので、これがいわゆる県でやった場合であろうとも、民間でやった場合であろうとも、法律上の最低基準の要件がございますので、そういう意味においては、最低基準が確保されている以上は、処遇の低下はないものと認識いたしております。
〇嵯峨壱朗委員 そうですよね、そうでなければ困りますね。ただ、この法人が取り組むべきことということで、それぞれ各年度ごとに目標を立てて、計画を立ててやっているわけで、その中に経費削減ということがあって、計画的に職員削減を行いという、また補助金の削減に向けてと明記されています。そういった場合でも、じゃ、どういった職員を削減しているのですかね。いわゆる定数が法律的に問題ないというのであれば、削減されないはずですね。そういうふうに思うんですが、どうなんですか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 民間における定数削減、それは民間の中での独立採算の考え方もございますので、当然そういう経費削減の観点から定数を削減するという計画があるのもやむを得ないものと考えておりますが、実際にどういう部分で削減をしていくかということにつきましては、先ほど申し上げた児童福祉法上の最低基準の部分は、まず最低限クリアしなければならないわけでありますので、それ以外の、具体的にどの部分というのはちょっと申し上げられないんですが、最低基準上の縛りのない部分での定数削減、さらには、事業団ということでありまして、和光学園だけではなく、全体の事業団という大きなくくりが、法人がありますので、その中での施設職員全体の中での定数削減という形で行われているものと認識しておりますので、和光学園だけで削減していくという考え方ではないかと認識いたしております。
〇嵯峨壱朗委員 これについてはもうあれですけれども、私が聞いていると、本来最も必要な専門指導員の部分が、いわゆる待遇が劣化というんですか、それによってやめていくとかといった事例があるやに聞いております。そうなると、例えば保育園に通う子供とかもいるわけですけれども―幼稚園か、例えば、きちんとおしめをかえない状態で行くとか、そういった事例も実際にあるんだそうです。恐らく手が届いていないか、あってはいけないと思うんですけれども、質的に、劣化という言葉が正しいかわからないけれども、忙しくて手が回らないのか、そうかなと思っていましたが、そういった事例があるようです。ぜひきっちりと、民間にやったからといってサービスが低下したとかとならないように、子供たちがかわいそうですので。そういう意味で指摘したんです。それについて、何か所見があれば。
〇南子ども子育て支援課総括課長 ただいま御指摘賜りました内容について、私どもちょっとその辺まで、詳細まで把握していなかったところがございます。ただ、私どもは、和光学園のほかに、地域の方々あるいは学校の先生方、そういう方々を含めた運営協議会が毎年開催されているところであります。そういった中におきまして、いろいろと前年度の事業報告、そして来年度の事業計画といった協議等がなされるところもございますので、そういう場面での情報収集や、さらには、個別に和光学園、社会福祉事業団にもそういうお話等を伺いながら、今後、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひ、指定管理者の盲点というか、減らしてはいけない部分を結局減らしていくということにならないように、ただでもかわいそうな子供たちですのでと思って、ぜひしっかり対応していただきたいと思います。
 次ですけれども、4款衛生費2目医務費、医師確保対策費にかかわってですけれども、先般、久慈市の山形診療所で医師が不在になる可能性があるという話が出ていました。これは、この地区だけではなく久慈地区全体がそうですけれども、旧山形村は人口が3、000人以上いますかね、その中で、現在、お医者さんが1人いると。以前、無床化とか有床化という議論がありましたけれども、それ以前なわけです。医師がいるかいないかという世界で、ベッドがあるか、なくなるか―今、蒸し返してもしようがないですけれども、そういった状態です。これについては、ここだけにかかわらずですけれども、県として、この国保診療所の医師とかの確保に対しての支援というのはどういったものが可能なのか、お知らせ願えればと思います。
〇佐々木医師支援推進監 国保診療所等の医師がいなくなった場合の支援策についてでありますが、国保診療所等の医師の退職等に伴い、市町村から医師確保についての相談があった場合は、診療所等への勤務を希望する招聘医師のあっせん等に努めております。
 また、診療所等への診療応援の依頼がある場合には、各圏域の県立病院から医師を派遣するなどの支援調整も行っているところでございます。
 なお、市町村が設置している国保診療所等の診療体制の確保については、これまでも市町村と緊密に連携しながら対応してきているところでありますが、今後も引き続き、即戦力医師の確保に積極的に取り組みながら、地域医療の確保に努めてまいります。
 次に、委員からお話のありました今年度末で退職する予定の久慈市国民健康保険山形診療所医師の後任の確保についてでありますが、先日に久慈市から協力要請があったところであり、今後、久慈市と連携しながら、その確保に向けて取り組んでいこうとしております。
〇嵯峨壱朗委員 ぜひお願いしたいと思います。
 これは山形だけの話ではないと思うんですけれども、本当に、普代村もそうですし、田野畑村も野田村もそうですが、お医者さんが1人しかいません。あそこは3、000、4、000、5、000人という人口ですけれども、それぞれ1人しかいないという状態。そこだけじゃないのかもしれませんが、いつ、どうなるかわからない。県立病院ももちろん医師確保は大変ですけれども、もっと基本的な地域医療を確保するという意味では、岩手県の特色なんでしょうが、一生懸命やっているんですが、ぜひその辺、さらに強く目を向けて対応していただきたいと思います。
 何かありましたら。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 委員から御指摘いただきましたとおり、本県の医師不足につきましては、いわゆるがんや周産期その他を担う専門医もそうですが、地域医療を担う診療所の医師確保まで、本当に医師不足が深刻なものと理解してございます。やはり住民にとっては、身近にかかれる医療機関というものは貴重なものだと我々も十分理解しているところでございまして、今後とも、引き続き、中小の医療機関を初めとした医師の確保に向けまして、市町村とも連携して全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 私から大きく4項目についてお伺いいたします。
 まず最初に、看護職員の確保及び人材育成、定着事業についてお伺いいたしますけれども、看護職員の養成施設の中からの新卒者の動向ということで最初にお伺いいたします。
〇葛尾医務課長 看護職員養成施設の新卒者の動向についてでございます。
 平成26年3月に県内の看護職員養成施設を卒業した597名の状況を見ますと、県内就業が354名、県外就業が180名、進学が39名となっており、県内就業率は59.3%と、統計が整っている平成10年以降最も高い状況になっております。
〇工藤勝博委員 この事業の推進に当たっての成果だろうとは思いますけれども、平成22年度は県内の定着が42.6%、それから数字がかなり伸びているわけですが、そういう県内の医療機関に就職ということになっているだろうと思いますが、それらに向けて、これからいかに定着させるかということも課題だろうと思います。
 また、昨年は、県立病院では採用募集の定員に満たなかったという状況がありました。そういう状況から一変してこういう数字になったという、その辺の具体的な話をお聞きしたいと思います。
〇葛尾医務課長 看護職員の定着に向けた取り組みについてでございますけれども、県では、これまで看護職員確保定着アクションプランに基づきまして、看護職員の養成確保や定着に向けた取り組みを総合的に実施してきているところでございます。
 特に、定着対策といたしましては、県内の医療機関に一定期間勤務した場合に償還を免除いたします看護職員修学資金貸付枠の大幅な拡充ですとか、離職者の割合が高い20歳代を主な対象としました早期離職の防止などを目的とした新人看護職員研修などに取り組んでおります。
 さらに、働き続けられる職場環境づくりのため、ワーク・ライフ・バランスの推進や院内保育所の運営支援などの就労環境改善事業などに取り組んでいるところでございます。
〇工藤勝博委員 前段に昨年の県立病院の募集定員に満たなかった部分をお願いしたいのですけれども、その離職者のそういう対策をしているという中でもまだまだ、数字では7.8%の離職者がいるということなんですが、その辺の捉え方はどのように分析しておられるでしょうか。
〇葛尾医務課長 看護職員の離職の要因についてでございますけれども、平成25年度に各保健所が実施いたしました病院看護業務指導の結果を見ますと、平成24年度の県内病院の退職者は780名となっており、定年退職ですとか他の医療機関への転職などを除いた離職理由としては、健康上の理由が116名、14.9%と最も高くなっているところでございます。次いで、結婚、家族の転勤、家族の健康上の理由、他職種への転職などとなっているところでございます。
 なお、日本看護協会の離職原因に関する調査によりますと、個人の状況に関する理由として、妊娠、出産、結婚、子育てが、職場環境に関する理由としては、勤務時間が長い、超過勤務が多い、責任の重さ、医療事故への不安などが挙げられておるところでございまして、本県も同様の傾向にあると認識しておるところでございます。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 さきに御質問ございました医療局、県立病院の離職や、あとは定員に満たなかったというところでございます。こちらにつきましては、医療局の分析等については我々も詳細に把握していないところではございますが、昨年の状況につきましては、まずは、定員に満たなかったところについては、やはり募集の時期等、また、さまざまな本県の県内のほかの医療機関との兼ね合い等の状況などもあって、満たなかったと理解しているところでございます。
 また、離職の状況につきましては、昨年、特段に離職が進んだとは我々認識していないところでございますが、一方では、例えば国家試験資格者を多く病院は雇うわけでございますけれども、国家試験の合格率が非常に低くなったりしますと、入職する予定の方々が採用できなかったりとかといったような形で欠員等を生じたりといったような状況などもあって、医療現場の職員の確保は、年によって若干状況等が前後しているものと理解しているところでございます。
〇工藤勝博委員 定年で退職されるのはそのとおりだろうと思いますけれども、しかし、健康の問題とか、あるいはまた子育てとかで、一旦というか離職されるということだろうと思いますが、今よく言われる女性の活躍の場ということも含めると、看護師を初め、職場についている皆さんの環境改善も当然図っていかなければならないと思いますが、その辺は特段、これからどういうお考えを持っているかお伺いしたいと思います。
〇葛尾医務課長 看護職員の職場環境の整備に関係してでございますけれども、各病院の中にある院内保育所の運営支援ということでこれまでもやっておりまして、昨年、平成25年度ですと、七つの医療機関に対して運営の補助を出しているところでございます。
 あと、働き続けられる職場環境づくりの研修会ということで、多様な勤務形態の導入ですとか、夜勤の改善、職場風土の改善などの推進を目的に実施しているところでございます。
〇工藤勝博委員 わかりました。
 次に、同じようですけれども、介護職員育成定着促進事業ということに関して、年間の育成数と、あとは、それぞれの施設に対する専門職の介護士の充足率といいますか、そういう点でお伺いいたします。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 介護職員育成定着促進事業に関しての御質問でございますが、この事業は、介護現場における緊急の雇用拡大と人材育成を図ることを目的といたしまして、平成25年度は35人を育成したところでございます。
 また、専門職員の各施設ごとの充足率という御質問につきましては、各施設ごとの状況についての把握は現在してございませんが、本年8月時点の県内の介護職員の有効求人倍率は1.53倍と全産業の0.96倍に比較して高くなっておりまして、介護人材不足は、依然厳しい状況にあると認識しているところでございます。
〇工藤勝博委員 やっぱり国家資格の取得ということでありますけれども、この育成する機関、県内では四つの専門学校があると伺っております。2010年から連続して減少傾向ということで、2014年度、今年度ですけれども、入学者も定員250人に対して168人しか入っていないということで、年々これはこういう傾向が続くとなれば、その資格者が減るとなると、逆に、それに反して介護施設がふえていくだろうと思います。今後の介護保険を取り巻く、特にも2025年という大きな区切りがありますけれども、それらに向けての人材の育成はまさに急を要するだろうと思いますが、そういうことから、この資格者と、あるいはまた、途中で離職する方も相当あるだろうと思いますが、それらの取り組みということをまたお願いいたします。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 ただいま御質問の介護の、特にも資格のある職種の不足の問題でございますけれども、現在、国におきまして、福祉人材確保対策検討会というものが設置されておりまして、この中でも、限られた人材を有効活用するためにも、介護職の機能分化を図った上で、専門性の高い人材が中核的な業務を重点的に担う必要があるという意見が出ているところでございます。
 具体的には、介護福祉士研修などを修了した一定の水準のある人、基本的な知識、技能を持つ人の3層に大別するなどというような議論が今されているというところを、私どもとしては現在、承知しているところでございまして、これらの国の検討などを注視しながら、今後の介護人材確保についても考えてまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 そういう中で、介護現場でもいろいろなそういう問題というか課題が出ているだろうと思います。よく言われるような3K、汚い、きついとか、あるいは給料が安いとかという話があります。それらに向けての取り組みというものはなされているのか伺いたいと思います。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 ただいま3Kというお話もございましたが、介護現場に対するイメージアップということも極めて重要であろうかと思っておりまして、県では、テレビ、ラジオの媒体を活用しての放送でありますとか、セミナーの開催などというようなことで、これまでも取り組みをしてきたところでございます。
〇工藤勝博委員 そういう現場の中で、どこかの大学の教授が、現場の実際の皆さんにアンケートをとったということでありますけれども、そういうところで職員に対するセクハラがあるんだと。そういうことも含めまして、県内のそういう事例があれば示していただきたいと思います。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 私も、介護職場における利用者からのセクハラということについては、新聞報道で、そういうことが施設の中であるというような御指摘の記事を読んだところではございますが、岩手県内において、そのことがあって、人事管理上または就業上の問題というようなことについては、聞いていないところでございます。
〇工藤勝博委員 岩手県には、そういう施設の利用者はいないということで安心したところでもあります。
 次に、在宅医療の推進ということでお伺いしたいと思います。
 在宅医療、介護推進に当たっての今後の課題ということでお願いします。
〇高橋地域医療推進課長 在宅医療、介護の推進に当たっての課題についてのお尋ねでございます。
 高齢化を背景といたしまして、在宅における急変時の対応やみとりなど、住みなれた地域で適切な在宅医療が受けられる体制が求められており、地域が、その実情に応じて、適切な役割分担と連携により在宅医療を提供する仕組みを構築していくことが必要となってございます。
 このため、在宅医療の推進は、地域包括ケアシステムの構築を担う市町村の役割が極めて大きいと考えておりまして、県では、市町村が主導的な役割を果たすことができるよう、医療、介護の連携拠点の整備等を支援しているところでございますが、平成25年度においては、その連携拠点は2カ所にとどまっている状況でございます。
 今年度、市町村や地域の医師会を訪問し実態把握と意見交換などを行っておりますが、市町村や医療従事者の在宅医療に対する意識に差がございまして、そのために医療、介護の連携体制の構築や医師、医療機関の参入につながっていない状況にあるものと考えております。
 県としては、今後、市町村ごとの在宅医療の必要量も盛り込む地域医療ビジョンを策定することとしておりまして、その策定段階から市町村や医療従事者とも情報を共有しながら、在宅医療への意識づけを図るとともに、在宅医療の実施に係る具体的な事例の情報提供や普及啓発などを通じまして、医療従事者や介護関係者の不安や負担感も軽減しながら、連携体制の構築あるいは在宅医療への参入促進を図ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 県内で平成25年度は2カ所ということなんですけれども、それだけかなという感じがするんですけれども、実際、療養ベッドも大分減っているだろうと思います。みとりを在宅でという、誰しもが思うんですけれども、そういう医療機関に対する積極的なアプローチというのは今後どういうふうにあるべきだろうと考えているかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 平成25年度において連携拠点が2カ所にとどまっているというお話をさせていただきましたが、今年度になりまして新たに一つの市において実施することになっておりまして、現在、3拠点ということになってございますし、今後も2市におきまして実施する予定ということで、今、調整を図っているところでございまして、今年度には5カ所程度になるのではないかと考えているところでございます。
 ただ、この連携拠点と申しますのは、直接在宅医療などを実施するということではなくて、在宅医療や介護を推進するに当たり、在宅医療の役割をどの地域については誰が担うのか、介護との連携をしながらどうやっていくのかといったような拠点でございまして、そういった拠点が今後もふえていくようにしていきたいと思っております。
 また、医療機関あるいは医師に対しましては、先ほども申しましたが、いろいろとお聞きしますと、そもそも在宅医療というものが必要なのかといったような意識であるとか、あるいは在宅医療をやるには大変忙しいのでなかなかできない、あるいは24時間対応しなければならないということについて不安がある、ちょっと難しいといったような意識等をお聞きしているところでございますが、県内でも、例えば複数の開業医の方がグループを組んで24時間でみんなで対応していきましょうといったような取り組みなども行われておりますし、先ほど申し上げた連携拠点などでそういったことを調整しながら進めていくことができるのではないかと考えておりますので、先ほども申しましたけれども、具体的な事例の情報提供であるとか普及啓発あるいは研修といったようなことで参入を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 実際、医療業務を行う医師の皆さんにとっては、診療報酬も一番課題だろうと思います。県では平成26年から診療報酬も下げているということがあるようですけれども、そういうサービスつきの高齢者住宅についての在宅サービスが、こういう一つのブレーキになっているとすれば、当然改善していかなければならないと思いますので、その辺に向けた取り組みというのはどうなっているのでしょうか。
〇高橋地域医療推進課長 在宅医療に係る診療報酬の関係でございますが、委員御指摘のとおり、今年度改定されまして、特にサービスつきの高齢者住宅などに対する訪問診療の単価といいますか、そういったものが下げられたことが全国的にも話題になっているところでございます。
 県といたしましては、以前から、在宅医療の実態に合った診療報酬とするよう国に要望してきているところでございまして、今年度におきましても、そういった今回の診療報酬の改定も踏まえた形で、より実態に即した診療報酬の改定をするよう国に要望してございまして、引き続き要望を続けてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 次に4点目です。認知症の対策についてお伺いいたします。
 厚生労働省の研究班によれば、65歳以上の高齢者の認知症は2012年時点で462万人と推計しております。さらに、数年以内に認知症になる確率が高いと言われている方が、予備軍も合わせると800万人という推計もされておりますけれども、これは、65歳以上の年齢層からいうと4人に1人が認知症になるのだ、予備軍だと言われております。それらに対する今後の対策といいますか、介護とあわせたそういう状況の中で―対策の中で、認知症サポーターという部分で、かなりの皆さんがそのサポーター役を担っているわけですけれども、その果たしている役割ということをお聞きしたいと思います。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 認知症サポーターの果たしている役割についての御質問でございますが、認知症サポーターは、認知症について正しく理解し、認知症の人とその家族の見守り支援の役割を担っております。本県では、平成17年度の制度創設から、市町村との連携によりまして認知症サポーター養成講座を開催し、その養成を図っておりまして、サポーター数は本年3月末現在で8万5、787人、総人口比では全国第5位となっております。
 また、サポーター養成の本県独自の取り組みといたしまして、平成19年度から小中学生を対象とした孫世代のための認知症講座を開催しておりまして、これまでに、小学校133校7、798人、中学校96校1万1、316人が受講し、子供のころから認知症に関する正しい知識と理解が得られるよう努めてきたところでございます。
〇工藤勝博委員 そういう中で、認知症にもいろいろ、何といいますか、種類とは言わないけれども、人それぞれの対応があると思うんですけれども、それらを家族の中から理解を進めるということも本当に大事だろうと思います。
 そういう中で、先般、男女共同参画研修会の中で、及川幸子会長が盛岡市内でそういう介護施設の紹介をいただいて、あるところでは断られたんだけれども、大丈夫ですよ、うちではやりますよということで、徘回する方、あるいはまた話もしない方が、そういう施設に入って、理解のある施設で回復したという事例もあります。そういう介護と認知症に対する受けとめ方をこれからもっと進めていかなければならないだろうと思いますし、いずれ、減ることはない、増大する一方だろうと思います。そういう介護施設についての取り組み、あるいはまた介護職員の皆さんの対応をこれから進めるべきだろうと思いますが、その辺についてはどのようにお考えになっているでしょうか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 介護職員の認知症の介護技術についてという御質問でございましたけれども、介護施設、特にも認知症のケアの中心にある認知症グループホームでありますとか、入所施設である特別養護老人ホーム、または介護老人保健施設などの職員に対しましては、それぞれの段階に応じた研修を県でも実施してございまして、また、それらの施設を経営なさる方についても、認知症に関する十分な理解が必要だということで、開設者の方に関しての研修というものも行っているところでございます。
〇工藤勝博委員 最後になります。通告はしておりませんでしたけれども、長寿県と言われる長野県の事例ですけれども、川上村といってレタスの生産高日本一です。ほとんどの村民が野菜づくり農家なんですけれども、その農家の皆さんが出荷場に行って、ついでに健康診断をする。血圧とか尿酸値だったか、そういうことをやっているということで、本当に日常的にやっている村が長野県の中でもさらに1歳長生きだと。それは、やっぱり日ごろのそういう取り組みというのが一番大事ではないかと感じております。それらも含めて保健福祉部の皆さんも何かいいアイデアを出しながら、それぞれの市町村で予防をするということを進めていただければと思います。
〇及川幸子委員 冒頭、部長から福祉コミュニティづくりということで、高齢者が住みなれた地域で住める環境づくりを目指すという力強い発言をいただきました。
 それでお伺いいたします。低所得者に対する支援策についてお伺いするのですが、低所得者というのは、月々年金3万円から4万円の方々のことを対象に言うのですけれども、その方々が病気をして、どこかに入りたいというときに、なかなか大変だということをお聞きします。そこで、低所得高齢者への支援策はどうなっているのかお伺いいたします。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 私のほうからは介護保険における低所得高齢者への支援について御答弁をさせていただきたいと思います。
 介護保険制度では、高齢者個人が費用負担するものとして、介護保険料、利用料、施設入所等に伴う食費、居住費がございまして、各費用について低所得者への負担軽減制度が設けられております。
 介護保険料については、負担能力に応じた負担を求める観点から、所得段階別の定額の保険料が採用されておりまして、これにより低所得者への負担が軽減されております。
 利用料につきましては、利用者の自己負担額が上限額を超えた場合、超えた分が払い戻しされる仕組みがございまして、例えば、収入が老齢基礎年金のみの単身者の場合は、利用料の自己負担は月1万5、000円に抑えられております。
 施設入所に係る食費、居住費については、低所得者を対象に、負担限度額を超える分を施設に支払う補足給付という制度が設けられておりまして、例えば、先ほどと同様に収入が老齢基礎年金のみの単身者が介護保険施設に入所した場合、利用者の実費負担を除けば、毎月の食費と居住費を合わせた負担限度額はユニット型個室利用で3万6、300円となり、利用料と合わせると、自己負担額は月5万1、300円となります。これらの負担軽減制度により、低所得者であっても必要な介護サービスを受けることができる制度となっているということでございます。
〇及川幸子委員 トータルで月5万1、300円とおっしゃいましたけれども、私がお聞きしたのは、月々の年金が3万円から4万円ぐらいの大変低い方々が大変危惧をしていると。これから動けなくなったらどこに入ればいいんだということで、すごく心配しているんです。それで、この金額が5万円でしょう。その差はどうなるんですか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 介護の施設を利用する方で、先ほど申し上げましたような負担額もお支払いがなかなか困難だという方については、介護施設を利用する中には、生活保護を受給し、その介護にかかる費用を生活保護の介護扶助というもので給付を受けている方も実際はいらっしゃるということでございます。
〇及川幸子委員 今後において、市町村の窓口をお訪ねして、では、介護扶助という部分で相談すればいいわけですよね。
〇千田地域福祉課総括課長 介護扶助につきましては、生活保護法による扶助の一種類でございますので、生活保護の相談ということで、まずは市町村の窓口で御相談できるものでございます。
〇及川幸子委員 大変高齢の方々も生活保護を受けるまでにすごく勇気が要るんですよね。その相談をされているんですけれども、生活保護を受けるということは大変だよねと。かなり縛りがくるので、なかなか行けないということで、今、すごく困っていらっしゃるんですけれども、その点については、生活保護というのはすんなり受けられるとは思わないんですけれども、いかがですか。
〇千田地域福祉課総括課長 生活保護の場合、いわば収入が足りないということのほかに、資産要件あるいは扶養家族からの扶養といった要件がございまして、確かに生活保護受給についてかなりハードルが高い意識はあるという思いでおられる方がいらっしゃるということは認識してございます。
〇及川幸子委員 これからの大きな課題だと思うんですけれども、それで、低所得高齢者の方々が施設に入りたいということで手を挙げるんですけれども、順番待ちだということで、かなり長い順番を待っております。その辺のところの入居状況というのはどうなっているのでしょうか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 介護施設への入所については、現実といたしまして、特別養護老人ホームには、入所を希望しても全ての方に応える施設整備は追いついていないというのもございます。また、他の老人保健施設やグループホームなどについても、それぞれの限られた施設数の中で、利用を希望する方々が各施設に申し込みをなさっているものと考えております。これらの方々が、それぞれの心身の状況でありますとか、家庭環境でありますとか、そういうものを勘案しながら、それぞれの施設において希望する方々と契約を結ばれて入所に至っていると認識してございます。
〇及川幸子委員 なかなか入所には至ってないと思うんですよね。順番待ちで、いつ入れるかわからないという高齢者がいっぱいいる中での対応はどうなさるのですかということをお聞きしたんですけれども。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 県といたしましては、これまでも、先ほど申し上げましたような特別養護老人ホームでありますとか介護老人保健施設、認知症グループホーム、または小規模多機能型の居宅介護、短期入所サービスなどの施設の整備に努めておりまして、今後とも、今お話し申し上げましたような施設も含めて、他にもさまざまなサービスがございますので、その中から、それぞれの要介護高齢者の方々に最も適したサービスが提供されるような取り組みを市町村とともに進めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 これについては、その都度御相談申し上げていきたいと思います。
 次に、子育て支援策についてお伺いしたいのですが、部長の説明では、整備事業費としてことしの補正予算で19億2、100万円余が計上されるようですが、県内の保育所の整備状況と県内待機児童の状況についてお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 県内の保育所の整備状況等についてのお尋ねでございます。
 平成26年4月1日現在の保育所待機児童数は8市町村193人となっており、近年は年々増加する傾向にございます。県におきましては、待機児童解消に向けた取り組みといたしまして、平成20年度に造成いたしました子育て支援対策臨時特例基金を活用いたしまして、保育所の緊急整備に集中的、重点的に取り組み、その結果、平成21年度から平成25年度までの5年間で67カ所の保育所整備を行い、1、454名の定員増を図ったところでございます。これによりまして待機児童が解消または減少した市町村がある一方で、待機児童が増加している市町村もあるところでございます。
 平成27年4月から実施予定の子ども・子育て支援新制度におきまして、市町村が中期的な保育ニーズを把握し、施設整備や子育てに関する各種事業による確保策に関する計画を策定することとされておりますことから、引き続き、保育所の整備等に当たりましては、市町村と十分協議をしながら適切な整備がなされるよう助言等を行ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 この5年間で67カ所1、454人の定員増ということですが、待機児童が減ったところもあるあるけれども、ふえたところもあるというけれども、ふえたところというのは中心部でしょうね。
〇南子ども子育て支援課総括課長 平成21年度から平成25年度までの5年間で保育所を整備し、その中で待機児童が増加した市町村というのが5市町ございます。ただ、いわゆるその市の中にあっての中心部かどうかということについては、今、ちょっとこの中でのデータは持ち合わせておりませんが、参考までに、5年間で保育所整備をして解消されましたのが1市2町、減少いたしましたのが2市、増加いたしましたのが4市1町の5市町ということでございます。
〇及川幸子委員 やっぱり増加したところの5市町をこのまま構わないでおくわけにはいかないと思うんです。子ども・子育て支援新制度がスタートしましたけれども、はっきり言って、私はこれも全然うまくいっていないと思います。
 それで、5市町の待機児童の解消について、今後はどうなさるおつもりでしょうか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 5年間で保育所を整備しながら、待機児童が増加した市町村に対する今後の県としての取り組み方針ということでありますが、先ほど申し上げましたように、委員の御指摘によれば、新制度はうまくいっていないというお話ではございますが、来年4月からの新制度の中では、先ほど申し上げましたように、新たなる保育ニーズの量の確保、そして、それをどのように質を確保していくかというふうな需要と供給のバランスを定める市町村の子ども・子育て支援事業計画というものを策定することとなっております。
 この中におきましては、需要と供給のバランスを見て5年間の計画を立てていくわけでありますので、その5年間の計画で、どのような形で保育所整備をしていくのか、そしてまた、保育士をどのように確保していくのか、さらには多様な保育サービスである一時保育、延長保育といったものをどのように組み合わせて待機児童を解消していくのかといったものがその計画の中に盛り込まれてまいりますので、その計画の策定に当たっては、県といたしましても最大限のバックアップをしながら、計画策定に向けた助言をしてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 南総括課長には大変お世話になっていると思いますが、子ども・子育て支援新制度は県でも大変困っているんじゃないかと思うんです。国の方策がしばらく前に打ち出されて、スタートしたにもかかわらず、園児募集にも間に合わないという。園では、今までどおりにやっていくという方策をとったところもあります。やっぱり園児募集に間に合うような、価格の部分を発表できる国の施策でなければならないと思うんですが、何か、走り出しているのが国のほうが一方的なので、県からは少しは意見を申しているのでしょうか、お伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 先般の園児募集にかかわる件で、県から国のほうに対して何か申し入れをしているのかというお尋ねでございます。
 先般、10月1日を皮切りに県内の私立幼稚園の園児募集が始まったわけでありますが、園児募集の募集要項の中には、保護者、利用される方々の誤解を招くような表記が一部見受けられたということで、私どもの保健福祉部、そして総務部のほうからそれぞれで、市町村、幼稚園等に注意喚起の通知を出させていただいたところでございます。
 一方では、やはり委員御指摘のとおり、国の制度の骨格が固まっているものの、まだ詳細部分まで決まっていないとか、あるいは準備がおくれているというようなこともございまして、いわゆる地方へのしわ寄せが今来ている。そしてまた、現場で混乱を来しているという実情を踏まえながら、そういう声を、今回、国のほうに対して個別に私どものほうからお話を差し上げて、強く申し入れをさせていただいたところでございます。
 それが功を奏したのか、成果と言っていいのかどうかわかりませんが、その数日後には、今般の園児募集等に当たっての保護者説明会用の、保護者向け用の広報資料のサンプルといいますか、そういったものを国のほうが今般作成して、各都道府県あてに通知したところでございます。
 今後とも、現場に混乱が生じないように、私どもも現場の方々あるいは市町村の方々の声を十分踏まえながら、国のほうに対して強く申し入れるべきは申し入れてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 総括課長のお話を聞いてちょっと安心したんですけれども、市町村とか現場のほうは大変困っております。どうぞ、今のような強い意思を持たれて、国に強い要望をしていただきたいと思います。
〇根子保健福祉部長 ただいまお話がありましたような今般の子ども・子育て支援新制度ですけれども、極めて複雑でわかりにくい制度だということで、現時点でもまだ詳細が定められていない部分もあるということでございまして、このため、施設や市町村で混乱を生じていると。ひいては保護者にも不安を与えているのではないかと私どもも考えております。
 それで、実施主体である市町村というのはやるべきことはたくさんございまして、必死でやっているという状況でございますので、県としても、それぞれの市町村から個別にいろいろ事情を伺いながら、支援に努めていきたいと思っております。
 それから、国に対しても、こういった事情を伝えまして、まだ決められていない事項については、早急に対応方針を示すよう強く要請してまいりたいと思います。
〇軽石義則委員 私からは大きく2点について質問させていただきます。
 まず1点目でございますが、事項別明細書の189ページ、201ページに関連しまして、重度心身障がい児・者への対応、支援並びに療育センターのあり方などについて質問させていただきたいと思います。
 初めに、重症心身障がい児・者の両親、御本人たちもですが、年々年をとってきているわけでありまして、非常に心配だという声も多く聞こえてきております。県内における重症心身障がい児・者の実態をどのように把握されているのか。重症心身障がい児・者それぞれの居住地域別とか、また、過去5年、経年変化はどのような形で把握されているのかお示し願いたいと思います。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 重症心身障がい児・者の実態でございますけれども、県で毎年調査をしているわけではございませんが、ただいま進めております新しい県立療育センターの基礎資料を得ることを目的に、平成21年6月と平成25年7月に調査を実施しております。調査対象機関につきましては、重症心身障がい児・者を入所あるいは通所等でお世話しているであろう医療機関あるいは施設、市町村等を対象に調査を実施したものでございます。
 直近の平成25年7月の調査結果を申し上げますと、こうした施設、医療機関等から御回答いただいたのが71.7%でございます。本県の重症心身障がい児・者は、それによりますと、全体で530人ということになっておりまして、このうち18歳未満の重症心身障がい児は172人、18歳以上の重症心身障がい者は358人となっております。
 居住地別でございますが、盛岡圏域が174人、次に両磐圏域が91人、岩手中部圏域が90人ということで、内陸部に重症心身障がい児・者が多くお住いになっておられる状況でございます。
 平成21年6月と平成25年7月の調査による経年変化でございますが、調査に回答のあった医療機関、施設などが異なっておりますので、また、回収率も異なっておりますことから、単純比較はできないものでございますけれども、そうした上であえて申し上げますと、結果だけで申し上げますが、平成21年調査では551人、平成25年調査は、先ほど御説明申し上げましたが、530人ということになっておりますので、ほぼ横ばいの状況となっていると認識しております。
〇軽石義則委員 しっかりとした母数といいますか、全体像を把握し切れないという実態もあるということだと思いますけれども、71.7%というのは、県としての回収率として、本当に全県の数字を把握できているものという認識なのかどうか、改めてお聞きします。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 平成25年調査でございますと、病院92カ所、診療所587カ所、その他入所施設あるいは訪問看護事業所、特別支援学校、市町村まで含めまして、合わせて998機関に調査票を送付いたしまして、716機関から回収いたしまして、回収率71.7%ということでございます。
 委員御指摘のとおり、そもそもが重症心身障がい児・者が何人いて、その状況がということ自体がわかりませんので、重症心身障がい児・者をお世話しているであろう施設、病院等、想定されるものを全部想定して出したということになっております。そうしたことでは、想定でありますので、すっかり100%把握するというのはなかなか困難ではありますが、そうした中でも、できることであれば100%に近い御回答をいただきたかったところではありますが、調査自体が強制力を持つものではありませんので、現状のところは把握できる範囲での状況を把握しながら、それをもとにした対応を進めていくということが現状であると考えております。
〇岩崎友一委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
〇軽石義則委員 しっかり把握できていないと。これは岩手県のみならず東北、日本全体を見ても同様の状況でしょうか。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 全国的にも特に調査をしているものではなくて、出現率のように、例えば1、000人のお子さんが生まれれば、そのうちどのぐらいの割合で重症心身障がい児の方がお生まれになるかという、学者のそういう研究はありますが、全国的にも把握できていない状況ではあります。
〇軽石義則委員 そういうことであれば、国全体で具体的な対策をとることも今後求められていくとすれば、その部分については、国に対しても、そういう実態把握をしっかりするべきだというものをこれから要請していくことも大事ではないかということを、まず指摘したいと思います。
 次に、その障がい児・者の皆さんをお世話しているといいますか、一緒に暮らしている家族もいると思います。その方々がさらにつらい思いをしているのではないかと思われますけれども、保護者などからの要望、また具体的な課題などを把握するすべは持っているものなのか。把握しているとすれば、今、県としてどのようなことを把握されているのかお示し願いたいと思います。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 保護者などからの要望についてでございますけれども、県では、重症心身障害児(者)を守る会、保護者の会でございますけれども、こうした会の要望にその都度対応してきておりまして、同会が主催する意見交換会等の場を通じて御意見を伺ってきております。今年度は、5月以降10月まで4回、要望とか意見を聞く機会を持ったところであります。
 その中での主な要望事項でございますけれども、在宅で障がい児の介護をしている親御さんが病気をしたときなど、ニーズに応じて、待つことなく利用できる短期入所事業でありますとか、日中預かってくれる日中一時支援事業などの在宅サービスの充実を図ってほしいというのが一つ目です。
 大きく二つ目としては、重症心身障がい児・者というのは医療ニーズが高うございますので、そういう医療知識を持って生活全般の支援がでるような相談支援員をぜひとも育成してほしいというのが二つ目。
 三つ目として、盛岡圏域に、濃密な医療的ケアを常に必要とする18歳以上の超重症者の入所施設を整備してほしい等の御要望をいただいているところでございます。
〇軽石義則委員 切実な要望だと思われますし、できるだけ早くそのことには対応しなければならないことが多く含まれていると思っておりますが、それはそうとしても、その次に、やはりそれを受け入れる態勢なり、対応する態勢というものが整っていなければ、そのことにはつながらないと思いますが、受け入れをされている医療関係者、関係施設などから、やはり課題等もあると思いますし、医療内容を含めていろいろ考えていることもあると思いますが、それらについては把握されているのでしょうか。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 受け入れ医療関係機関、関係者等からの要望でございますけれども、県では、重症心身障がい児・者の支援を担っていただいております医療機関等のサービス資源はごくごく限られておりますので、そうしたした中で、貴重な資源を、互いに連携しまして効率的に支援していくことを目的に、県内で重症心身障がい児・者を支援している病院の院長先生でありますとか施設長等で構成します岩手県重症心身障がい児・者支援体制検討委員会というものを設置しております。委員の皆様は全て医療関係者でございますので、この委員の中からいただいている、出されている意見として、濃密な医療的ケアを常時必要とする超重症児・者等の受け皿の確保でありますとか、重症心身障がい児が18歳に達した以降、つまり18歳以降は今度は重症心身障がい者の施設に行かなければならないのですけれども、そういう障がい児施設と障がい者施設の連携体制の確保でありますとか、さらには、重症心身障がい児・者を支援する医療関係者、特にも看護師の資質の向上を図るための研修の必要性等について御意見をいただいているところでございます。
〇軽石義則委員 それぞれの立場からの要望、意見を把握されているということであります。特に、先ほど、人数の実態調査の上では盛岡圏域が非常に多い状況でございます。盛岡の中でもいろいろな声を私もお聞きしているわけですけれども、盛岡圏域での状況はどのようになっているでしょうか。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 先ほど御紹介しました保護者、医療関係者からも、盛岡圏域に重症心身障がい者の施設の整備が必要でないかということの御意見をいただいているのは、そのとおりでございます。
 今後のことになりますけれども、今月29日に今年度の第1回目の検討委員会を予定しておりまして、そうしたことも含めまして、厳しい医療環境あるいは財政事情の中で、どのように進めたらいいか等につきまして、委員会で検討を進めていきたいと思っております。いずれ、県としても、盛岡圏域にそういう声がある、ニーズがあるということは承知してございますので、その対応策について今後検討してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 検討に時間がかかるようでは、やはり現場はさらに困っていくと思いますので、早期に対応をお願いしたいと思いますけれども、平成25年度でそれぞれの要望に対して具体的に改善した事項があればお示し願いたいと思いますし、今、新たな療育センター整備も進められているわけでありますが、そのことも含めて、今後の支援体制、取り組みをどのように考えているのかお示し願いたいと思います。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 課題を踏まえた今後の取り組みでございますけれども、先ほどお答えしましたとおり、重症心身障がい児・者を受け入れ可能な医療機関等が限られておりますので、まずは、そうした関係者の連携、役割分担を明確にしていくということが大事でございますし、ショートなど在宅支援の充実に向けた取り組み、それから、専門的な知識、技術を持つ相談員の養成等が課題ということでございます。
 まず一つ、今、療育センターの整備を進めているわけでございますけれども、超重症児・者の平成21年、平成25年調査で把握したニーズに基づき、そうした子供たちへの対応をするために、今、岩手医科大学矢巾キャンパスへの移転を予定しております療育センターでは、重症心身障がい児・者用の病床の確保、外来診療科の増設とその機能強化を行い、高度小児医療提供体制の構築に向けて取り組んでいるところでございます。
 それから、先ほど御紹介申し上げました検討委員会で、医療機関との密接な連携による支援体制、役割分担に関する検討を進めておりますほか、人材育成としての相談支援員―これまでやってきたことでございますけれども、今年度の相談支援員の専門研修に、そうしたスキルを持つ方をお呼びしまして、研修科目に入れて、研修を実施してきているところでございますし、さらに、こうした専門的な知識、技術を持つ相談員の確保について、さらに努めてまいることとしております。
〇軽石義則委員 ぜひ、それら要望をしっかり踏まえた整備というものにしていただくことを改めてお願いしたいと思います。
 今ほど相談員のお話もございました。やはり家族にとっては心のよりどころといいますか、相談するところがしっかりしていることによって安心できる体制ということになっていくと思います。そういう意味で、現在の相談窓口の現状はどのようになっているのでしょうか。夜間、休日また緊急時など、具体的にそういうときにこそ必要だという声もあります。また、それらのPRはどのような形でされているのでしょうか。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 こうした重症心身障がい児・者等への相談窓口でございますけれども、総合支援法あるいは児童福祉法に基づく相談支援事業所でございますが、平成26年10月1日現在、県内に計80カ所ございます。平成18年に施行されました障害者自立支援法、現在の障害者総合支援法でございますが、制度上、どの障がいにも対応できる仕組みにはなってございますが、先ほどの答弁の中でも触れさせていただきましたが、特にも重症心身障がい児・者に対する相談支援というのは、福祉的知識のみならず医療的な知識も求められますので、こうした知識、技術、対応力のある相談支援員の養成が急務、課題になっております。
 それから、夜間、救急の対応ですが、相談支援事業所はいわゆる8時5時体制で、緊急があれば夜等も対応しますが、深夜帯あるいは休日になりますと対応しておりませんので、これに対応するため、県では岩手県障がい者社会参加推進センターに委託しまして障がい者110番というものを設けております。夜間であれ、休日であれ、24時間対応で電話がつながることになっておりますが、相談対応を受ける方は専門知識は持っていませんので、週明けなり、しかるべき機関につなげて対応しているということでございます。
 いずれ、この障がい者110番を含めて、県のホームページ、当課のホームページにも周知してございますが、さらに周知に努めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 しっかりとそういう制度を持っているとすれば、さらにサービス向上のための周知を含めてお願いしたいと思います。
 このような重症心身障がい児・者の家族にとっては経済的負担もかなり大きいものがあると言われておりますし、聞いております。そういう意味で、医療費の現物給付化の要望もあるかと思いますけれども、それらの対応はどのようになっているのか。また、岩手県では今そういう制度はありませんけれども、仮にそういう制度を導入した場合の影響はどのようなものがあるのかお示し願いたいと思います。
〇五日市健康国保課総括課長 現物給付化への要望についてでありますが、平成24年度以降、県内5市町村及び7団体から要望があり、うち障がい者団体や患者団体が3団体となっております。また、18市町村議会から意見書が提出されている状況でございます。
 次に、要望への対応についてでありますが、現行の償還払いにつきましては、市町村等と協議の上、平成7年8月から実施しており、昨年7月、改めて市町村へ現物給付について調査したところ、市町村国保への国庫支出金の減額措置が継続されている状況では、慎重に考える必要があるとの意見であったことから、償還払いを継続しており、県では、この減額措置の廃止について、毎年度、国に要望しているところでございます。
 それから、現物給付化した場合の影響についてでありますが、本県単独の医療費助成で現物給付を導入した場合、粗い試算ではありますが、県全体で市町村国保への国庫支出金が約7億3、000万円減額されると見込まれております。
〇軽石義則委員 要望も実際あるということでございますし、国に対しても要望するという状況ですけれども、やはり現場で生活している皆さんが安心できるものにしていくことが大事だと思いますので、ぜひ、引き続き、そういう実態をしっかりと把握した上で対応していくことをお願いして、次に移ります。
 195ページのふれあいランド岩手の関係でございますけれども、現状、利用率もかなり上がっているようですけれども、設備そのものも大分古くなってきていると。私も何度も足を運んでいる状況ですけれども、入居団体もかなりふえて、非常に狭さを感じるようなところも多くあるわけでありますが、そのような実態をどのように把握されているのか。また、課題があるとすれば、その課題をどのように把握されているのかお示し願いたいと思います。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 ふれあいランド岩手につきましては、委員御指摘のとおり、障がい者、高齢者あるいは一般県民の交流施設として整備されているものでございまして、これまでも地域の住民等を委員とした懇談会等で運営状況についての御意見をお伺いしましたり、あるいは入居団体と、連絡会議を開催して、施設の利用促進を中心に情報交換をしております。利用状況につきましては、御指摘のとおり、堅調に利用者が推移しておりまして、この4月には入館400万人を超えているところでございます。20年目ということで、施設自体が20年たって経年劣化しているところもございます。
 そうしたことなどを踏まえた課題でございますが、まず一つは、400万人は達成したものの、利用者視点に立って、障がい者、高齢者を初めとする多くの県民に利用拡大をさらに図っていく。それから、地域懇談会でいただいている意見としては、ふれあいランド岩手が実施する事業についての住民周知が不十分ではないかと。もう少し周知を図ったらどうかということと、ゲートボール場の利用状況が低いようであれば、ほかの使い道を考えたらどうかというふうな施設整備に係る御意見などもいただいております。引き続き、さまざまなPRによる利用拡大に努め、あるいは利用者アンケートなどにより御意見をいただきながら、運営面での工夫、あるいはスポーツ教室、文化教室などの工夫もしていきたいと思っておりますが、経年劣化でいろんなところの痛みも目立ちますので、毎年、点検も実施してきておりますが、今後も計画的に施設設備の点検あるいは必要な修繕を行いまして、施設の安全性を確保してまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇軽石義則委員 そのような課題について把握されているということでありますし、今後、その課題を解決していきたいということもわかりましたけれども、私も行って体育館などに入ってみますと、非常口が少ないという―我々であれば逃げる方法は選べますけれども、例えば車いす、知的障がいの家族を含めて多くの皆さんが、非常時ですからパニック状態になる可能性もあるとすれば、真っすぐ屋外に避難できるような経路をさらに確保するべきではないかと思いますけれども、非常時における経路などについてはどのように把握されておりますでしょうか。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 ふれあいランド岩手の体育館の非常時の経路でございますけれども、直接外に抜けるものが1カ所と、間接的に廊下を通じて外に出る避難路の2カ所表示してございます。ただ、表示はしておりませんが、このほかに男子更衣室、女子更衣室を経て廊下から避難誘導できるようになっております。建築基準法上あるいは消防法上、こうしたことで認められておりますが、いずれ、委員御指摘のように、想定外の事態で、一度に利用したときにパニックにならないように、もう2カ所の避難誘導経路があることなどの表示もしまして、あるいは定期的に訓練もしておりますが、そうしたことを通じて、より安全性を確保してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 今の対策ではやはりちょっと不足を感じるわけでございますので、車いす、知的障がいの皆さんが、例えば、火事で廊下に煙が入っているところに入ってもう一回逃げろということは、多分無理だと思います。我々でもそれは拒むと思いますので、直接屋外に逃げる経路をぜひつくるべきだと思いますし、それにあわせて、さらに放送施設等、まだまだ整備を必要とする箇所は多くありますので、優先順位はあるとは思いますけれども、やはり命にかかわる部分から優先して手をつけていくことをぜひお願いしたいと思いますし、20年も経過して、駐車場なども非常に狭くなってきているというふうにも聞いておりますから、具体的な将来展望があれば、そのことも含めて示していただいて、質問を終わりたいと思います。納得いかない場合は、さらに聞くことがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 委員御指摘のとおり、まずは生命の危険から守るということが第一でございまして、例えば今年度あれば、車いす駐車場通路の屋根の確保でありますとか、あるいは外壁の修繕―これは剥落して危険な目に遭わないようにということでございます。以降、平成27年度、平成28年度、平成29年度まで現在計画を考えておりますけれども、来年度は外にありますトラックの修繕でありますとか、平成28年度はアーチェリーの防矢ネット、あるいはトレーニング室の床材張りかえ等々を予定しておりますが、一にも二にも利用者の安全を優先して、必要な整備に努めてまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員長 軽石義則委員、簡潔にお願いします。
〇軽石義則委員 ぜひそうしていただきたいと思いますし、ロビーに仮設の事務所を持っている団体もまだございますので、それらも十分承知はしていると思います。それも加味した上で、さらに改善していただくことをお願いして、終わります。
〇福井せいじ委員 関連。重症身障者の関係で伺いたいと思います。
 まず、医師、看護師が不足している中にあって、重症身障者を受け入れる医療機関、そしてまた医師、看護師の確保についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 重症心身障がい児・者の医療等にかかわる医師等も限られております。県内では、三つの国立病院機構の病院と療育センター―みちのく療育園、もりおかこども病院等がそれに当たります。今進めておる県立療育センターでも、先ほど申し上げました外来診療科の増設に向けて医師確保を進めているところでございますが、療育センターの医師のみならず、本県の医師全般が大変な状況にありますが、医師支援推進室と連携しながら医師確保に努めておりますほか、個別に、例えば療育センターの嶋田所長を通じて岩手医科大学に働きかけるなど、そうした取り組みをして、医師、看護師の確保に努めているところでございます。容易でない実態ではございますけれども、いずれ、必要な医療職員の確保にこれからも努力してまいります。
〇福井せいじ委員 非常に特別な領域でありますので、医師、看護師がそういった機関に入ってくること自体がなかなか難しい、そしてまた、確保自体が難しいと思います。そういった意味では、民間事業者が参入しやすい、参入の意欲が持てるような制度設計が必要だと思いますので、そのようなことも国へ働きかけていただきたいと思います。
〇岩崎友一委員長 答弁はよろしいですね。
〇福井せいじ委員 はい。
〇岩崎友一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時59分 休 憩
午後1時3分 再開
〇高橋但馬副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ14人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇神崎浩之委員 2点質問いたします。
 障がい者歯科医療対策費662万9、000円。知的障がい者等の全身麻酔で歯科治療をしなければならない患者は、岩手医大まで通院して今やっている状況であります。親御さんからも、100キロも離れた盛岡の医大まで通院しなければならないんだ、これがとても負担であるということであります。障がい者の親御さんももう70代になって、子供も50代で、体格も大きいしというような状況になっておりますし、また、実は、子供が小学校の若い親御さんからも、やはり障がいの子供を連れながら盛岡まで行くのは大変だということを聞かされております。
 一方、受け入れ側の医大のほうも3カ月待ちだという状況も聞いております。春に相談して、治療が秋になるという状況もあるということであります。
 この件について、私は当選以来、野原室長にも相談しているところでございましたが、当局とすれば、この地域からの要望についてどういうふうに把握されているのか、それから、県として、家族、患者にとって、100キロも離れた地方から盛岡の医大への受診の負担を県はどういうふうに捉えているのかについて、まずお伺いしたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 まず、障がい者の歯科治療に係る地域からの要望についてでございますが、平成24年度に、気仙地域の県立支援学校から、現在地域での治療が不可能である児童生徒たちが、全身管理のもと歯科治療を受けることができること、被災地に住む保護者が経済的、時間的負担を心配することなく、地元である気仙地区において歯科治療を受けることができることについて、要望があったところでございます。
 なお、要望が正式に表明されたのは気仙地域からだけとなってございますけれども、このほか、一関地域などにおきまして、地域で歯科治療が受けられる体制の整備を求める声や動きもあるものと承知しているところでございます。
 次に、岩手医大で受診するための家族、患者の負担についてでございますが、広大な県土を有する本県におきましては、委員おっしゃるとおり、岩手医大へのアクセスが十分でない地域もございまして、患者やその家族の時間的、経済的な負担は大きいものと認識しておりまして、リスクに応じて、できる限り地域における治療が可能となるよう検討していくことが必要と考えているところでございます。
 要望への対応についてでございますが、気仙地域からの要望を踏まえ、県の歯科医師会からも要望がありましたことから、県では、平成25年度に岩手県歯科医師会、岩手医科大学、沿岸の県立病院、県関係部局等による検討会を開催するなど、取り組みを進めたところでございます。
 この検討会におきましては、まずは、実態の把握が必要との指摘がありましたことから、要望のありました気仙地域の県立支援学校の実態調査を実施したところでございます。
 その結果、学校の歯科健診におきまして虫歯がございました児童39名を調査しておりますが、39名のうち5名につきましては、岩手医大の受診を要する全身管理が必要な患者でありました。一方、残りの34名につきましては、地域の歯科医療機関において治療が可能と判断されたところでございます。
 なお、全身管理が必要な患者5名のうち3名につきましては、調査時点で既に岩手医大を受診されておりましたけれども、残りの2名につきましても、岩手医大への受診を勧めまして、その後の受診につながっているところでございます。
〇神崎浩之委員 平成25年度において、行政、それから関係機関では動きがあったということであります。これは、患者にとって直接動きがあったわけではないのでありますが、気仙地区の養護学校の親御さんからの要望において実態調査をなされたということであります。県の歯科医師会、それから地元の歯科医師会、それから岩手医大と入って実態調査をなされたということであります。
 その実態調査を受けての課題、それから、今後の組み立て方をどうしていくのかということをお聞きしたいと思います。
 平成25年度の実態調査においては、地元で対応が可能な方、それから、やはり岩手医大のほうに通院しなければならない方もいたということでありますが、今後の組み立てとして、地域の歯科医療関係者で対応できること、それから、医大までの通院の支援、それから、地域の県立病院で対応できないかという要望もありますが、この点については今後どういうふうに組み立てていく予定でありますか。
〇高橋地域医療推進課長 障がい者歯科治療に係る課題と今後の取り組みについてでございますが、平成25年度に行いました気仙地域での取り組みを通じまして、全身管理が必要な患者については、現状では、やはり岩手医大に通院していただくことが必要な状況でありますけれども、全身管理に至らない程度の患者につきましては、地域における治療が可能であると考えられることから、患者の状態に応じたスクリーニングを実施する体制の構築が重要であると考えているところでございまして、今定例会にも提案いたしました補正予算におきまして、地域において一定の障がい者の歯科治療が円滑にできるよう、スクリーニングや診療技術取得のための研修会開催等を歯科医師会に委託する経費について計上したところでございます。
 地域においてこうした体制を構築した上で、将来的には一定のリスクに応じた診療に対応する地域の歯科医療機関の設置も考える必要があろうかと考えておりますが、そうした医療機関には、専門的診療に対応できる歯科医師のほか、全身麻酔の実施に係る麻酔医や看護師などの医療従事者の確保、あるいは医療用ガス設備の整備などが必要でございまして、今後、例えば委員がお話しされました地域の歯科診療所であるとか、あるいは県立病院など、地域の実情に応じて、その診療を担う場所あるいは機関を検討していくことが必要と考えているところでございます。
 なお、医大までの通院の支援ということもございましたけれども、これにつきましては、今後、医大での診療が必要となる患者がどれだけいるのか、あるいは地域で先ほど申し上げたような体制を組む中で、障がい者に対する歯科診療をどれだけ行うことができるかといったような実態を把握した上で、県の障がい者施策の中で支援のあり方を考えていくことが必要だと考えております。
〇神崎浩之委員 やはり医大までの通院を必要とする方はいると思うんですね。それで、障がい者にかかわらず、がんの患者も、やはり地域から100キロ離れて自分のお金で通院している方もいるわけですが、障がい者、障がい児、特に知的、精神の場合には、やはり車に乗って、それから電車に乗って1人で通うことができないわけですね。受診の意味すらわからないような状況の中で、やはり家族がついていったり、車椅子だったりバニーカーに乗せていくということで、ほかの患者とは別に、特に通院の支援というものも考えなければならないのではないかと思っております。
 それから、地域の県立病院でということで、これについては、県立病院に歯科があるところ、ないところもあるわけでありますが、医療局にも私は通告を出しておりましたけれども、医療局で聞いていきたいと思っています。
 それから、地域の歯科医療機関でありますが、地域の歯科医師会が非常に積極的でありまして、ただ、やはりこれを地域でやるということは、経験的にも、人材的にも、能力的にも、ハード面も、手術室とか静養室とかということも、人手だけの問題ではなくて解決しなければならない部分がいっぱいあるわけであります。そんなこともあって、ぜひ、県立病院があるところ、ないところもありますし、保健所単位で、地域の社会資源、歯科資源、バックアップ資源をみんなで話し合いながら、早く体制をつくっていただきたいと思っております。
 例えば両磐地区であれば、磐井病院に歯科もありますし、それから、国立岩手病院にもやはり歯科があります。それから、公立の国保の歯科、市でやっている歯科診療所もあるので、こういうものは、やはり保健所単位で、地域によって社会資源が違いますので、そういう方と意見交換をしながら、そして、私も岩手医大の歯科の先生、それから看護師とも話をしたのですけれども、やはりなかなか難しいよ、経験が必要ですし、たまには足を蹴られたりもするよということもあって、教育をいただきながら、地域の中で地元の歯科医師と連携をとっていくことを早急にやっていただきたいと思います。私は、12月に一般質問の予定もありますので、ぜひそのときにも聞きたいと思いますので、進んでいくようにお願いしたいと思います。
 次に、二つ目ですが、深刻な介護人材不足への対策ということで、平成25年度もさまざま対策をとられておりますが、それらについてお伺いしたいと思います。それから、介護人材不足への県の対応の総額は幾らなのかということもお聞きしたいと思います。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 介護人材確保に関する県の支援策についてでございますが、平成25年度に介護人材確保事業により介護事業所の労働環境整備、改善やITの活用などを促すセミナーを17回開催しておりますほか、介護事業所で働きながら資格取得を支援する介護職員育成定着促進事業により、35人の育成を行い、人材確保に努めたところでございます。
 また、介護事業所等での就業を支援するため、県内4圏域に7人のキャリア支援員を配置いたしまして、就職面接会や職場体験、潜在有資格者への再就職支援など、きめ細やかな支援を行っているところでございます。
 本年度は、特に人材不足が深刻である沿岸部において、事業者が行う新規採用職員住宅の確保に要する経費の一部を支援しているところであり、また、ことし9月には、岩手労働局や介護労働安定センターと連携し、介護事業者団体に対し、介護人材の確保、定着のための魅力ある職場づくりを要請したところでございます。
 以上が県の取り組みでございます。
 なお、介護人材確保に関する総額につきましては、今、手元に資料がございませんので、後ほどにさせていただきます。
〇神崎浩之委員 人材不足で施設の建設が進んでいっていないというような状況もあります。県内の保険者―市町村ですね―において、人材不足が理由で約束した施設整備ができなかったところはあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
 ただいま5期の介護保険事業計画の中でありますが、そろそろ5期の締めくくりということでありますけれども、予定した介護サービスの量に対して、人材不足が理由で施設設備ができなかった保険者、自治体についてお伺いしたいと思います。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 全ての介護事業に関して調べてはございませんが、特別養護老人ホームにつきましては、平成25年度に整備が計画されたうち、取りやめになったものは6施設104床(後刻「148床」と訂正)分でございまして、その取りやめの理由は、事業者を公募したものの応募がなかったことや市町村の計画変更によるものであると把握してございます。
〇神崎浩之委員 平成25年度6施設104床ということでありますが、公募しても手を上げる法人がなかったと。この理由についてはどうお考えですか。私が聞いている範囲では、やはりお金の問題ではなくて、建設費の問題ではなくて、職員を集められるかどうかわからないということもあったわけですが、どういうふうに分析しておりますか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 先ほど御答弁申し上げた理由というように、我々は市町村、保険者から伺っているところでございます。
〇神崎浩之委員 我々が徴収されている介護保険の金額というのは、この介護保険事業計画の介護サービス計画の達成を前提として事前に決めているのであります。向こう3年間これぐらい老人ホームのベッドをつくりますよ、だから、前倒しでこのぐらい払っていきますよということなんですけれども、平成25年ということであれば、半分の状況でも104ベッドができていないということで、最終的にどうなるかますます心配なわけであります。
 例えば、今、うちの市は300ベッドで保険料が月5、000円なんだよ、それに対して100ベッドさらに追加するから5、500円にしますよということで、その100ベッドをつくる、完成の前から前倒しで5、000円のものを5、500円ずつ払っているわけですね。それは、最終的には100ベッドふえるという前提で払っているわけなんですけれども、今のように、計画に対して中間でも100ベッドも足りないということであれば、保険料に対して、それはうそをついたことになるんではないか、詐欺ではないかと市民から言われているところもあるんですが、これに対してどういうふうにお考えでしょうか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 まず、先ほどの答弁で、取りやめになった施設のベッド数の話をさせていただきましたが、6施設148床でございますので、104床と発言したかと思いますが、訂正させていただきます。
 また、今の御質問の保険料の取り扱いについてでございますけれども、65歳以上の高齢者の介護保険料は、保険者において3年に1度、要介護認定者数とサービスの利用率の推計に基づき定めているところでございます。
 施設整備が進まないなどにより介護サービス給付がサービス見込み量を下回った場合には、保険者において、介護保険料の剰余分を介護給付費準備基金に積み立て、次期計画期間に繰り入れを行うことにより介護保険料の軽減を図ることとなり、被保険者が納めた介護保険料は、介護サービスの提供に使われる仕組みとなっております。
〇神崎浩之委員 介護保険前は、市町村が責任を持ってその社会資源をつくってきたわけですよ。ところが、介護保険になって、事業者が手を上げてきているので、市町村は、どっちかというと任せ切り、県も、事業者が手を上げてくるので任せ切りという状況になっている。以前は、市町村がきちっと社会資源を組み立てていったということもあるので、ぜひ、県として、市町村の支援を強力にしていただきたいと思っています。前のとおりの状況になってほしい。
 それから、一方で、介護施設の経営者は、国が定める介護報酬が低いので給料を上げられないと言っております。一方、国では、社会福祉法人は内部留保が多いんだということで、上げる必要がないんだということを言っております。
 県は、社会福祉法人の監査を実施しておりますけれども、県内の社会福祉法人の内部留保というのはどういうふうになっているのか、国が言う状況であるのか、それに対して指導等しているのかお伺いいたします。
〇千田地域福祉課総括課長 社会福祉法人の内部留保につきまして、国が公表している数値がございますけれども、これは、特別養護老人ホーム1施設当たりの数値でございまして、これは、国が直接調査を実施したものでありますため、本県に係る数値は確認できないところでございます。
 社会福祉法人の指導監督は、平成25年度から、県は町村または二つ以上の市町村に施設を設置する法人を、市は、当該市に施設を設置する法人を対象としているわけでございますが、県が対象とする法人ごとの内部留保額につきましては、恐縮ですが、現時点で集計しておらず、平均額など算出していないところでございます。
 なお、法人情報の公表につきましては、これまでは各法人の判断に委ねられていたところでありますけれども、今年度から、国の通知によりまして、法人がみずから財務諸表等を公表することが義務化されております。今後は、全ての法人について、内部留保を含めた財務状況の透明化が図られることになってございます。
 それから、この社会福祉法人の内部留保が、国が言うように多い状況なのかどうかということでございますが、これにつきましては、内部留保を蓄積していると申しましても、将来の施設の建てかえ費用として合理的に説明可能な部分も多いことなど、必ずしも内部留保の額だけで一律には判断できないところでございます。
 国の社会保障審議会福祉部会において、内部留保の適正水準あるいは活用のあり方について、今、検討されているところでございまして、検討状況の推移を見ながら対応したいと考えてございます。
 この内部留保に関しての県の指導ということでございますけれども、社会福祉法人指導監査におきましては、国の社会福祉法人指導監査要綱に従いまして、法人の業務及び財産の状況について確認を行うこととしておりますけれども、そこで確認された内部留保について、社会福祉法人への指導事項とはされていないところでございます。そういうことから、これにつきましても、国の今後の検討状況を見ながら対応したいと考えてございます。
〇神崎浩之委員 今、国がこの社会福祉法人の内部留保の基準等をつくっているというようなことの答弁もありました。今は市町村が監査することになっているところも多いわけなんですけれども、以前、ずっと社会福祉法人、老人ホーム等を監査しているんですが、年間の事業費に対する事業規模に応じた経営体としての事業費の内部留保の適正なパーセントなりというものは、かつてでいいですよ、そういうことはあったのかどうか、指導とかがあったのかどうかをちょっとお聞きしたいと思うんですね。
 人件費比率は何%とかということはよくあるんですけれども、事業費に対して人件費比率はこれぐらいだとちょっと高いな、低いなとかというようなことはよく聞いていたわけですが、この内部留保についてどのぐらいが妥当かどうかということは、今まで県のほうの監査関係では、基準なり、それから指導なりがあったのかどうかお伺いしたいと思います。
〇高橋但馬副委員長 神崎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
 また、執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。
〇千田地域福祉課総括課長 県の監査におきましては、先ほども申し上げたところでございますけれども、基本的に、社会福祉法人指導監査要綱に従って行うということで、これまで、その要綱等の中で、内部留保の適正水準あるいはどのような活用のあり方が適正かといったようなことは、基準が設けられてございませんので、かつても、いわゆる正式な形で指導ということは実施できなかったかと思われます。
〇神崎浩之委員 きょうの新聞にも、地域医療充実の新基金、本県に10億円という記事がありました。これは、介護確保ということで、消費税増税による増収分を基金にということでありましたので、先ほどいろいろな支援策もお話しされておりましたけれども、問題はやっぱり給料なんですね。資格を取るとかITとかじゃなくて、給料がどれだけ高くなるかということなので、こういう基金を利用しながら人材確保に努めていただきたいと思います。
 答弁は要りませんので。終わります。
〇喜多正敏委員 私からは2点お伺いします。
 事項別明細書211ページ、がん・脳卒中対策事業費についてお伺いします。
 がん検診は、がんの早期発見、早期治療、回復、病後の生活の質の向上や社会復帰、医療費節減の上からも極めて重要と思うわけでありますけれども、がん検診について、平成25年度の取り組みの内容、それから、がん検診率あるいは市町村別や性別、世代別、胃がん等部位別の実態、格差は改善しているかなど、成果と今後の取り組み、予算編成を迎えているわけでありますけれども、がん対策等の充実が必要と思いますが、がん対策課の検討も含めて今後の対応についてお伺いします。
〇五日市健康国保課総括課長 まず、平成25年度の取り組みについてでございますが、県では、平成25年3月に策定いたしました第2次がん対策推進計画におきまして、主要な課題の一つとして、がんの予防や早期発見を掲げているところであり、がんに関する正しい知識やがん検診の意義についての周知を図るため、受診勧奨リーフレットの作成、配布やイベントによる普及啓発を行うとともに、市町村担当者を対象とした課題対策検討会を開催し、未受診者に対するコール・リコールの普及などに取り組んできたところでございます。
 次に、がん検診率の改善、向上等についてでございますけれども、平成25年国民生活基礎調査によりますと、本県のがん検診の受診率は、胃がん40.7%、肺がん49.0%、大腸がん41.3%、子宮頸がん29.5%、乳がん検診が29.7%であり、おのおの全国平均より高い水準にあり、地域や職域において、対象者への普及啓発や受診勧奨などのきめ細やかな取り組みが進められる中、前回調査である平成22年に比べまして受診率は向上している状況にございます。
 しかしながら、健康いわて21プランやがん対策推進計画において定めました目標である50%には達していないことから、さらなる取り組みが必要であると認識しているところでございます。
 次に、がん検診の市町村あるいは性別等の格差についてでございますけれども、地域保健・健康増進事業報告に基づきまして、県内の市町村の受診率を見た場合に、目標である50%を上回る市町村がある一方で、受診率の低い市町村もあることから、市町村の受診率が改善しているとは、一概には言えない状況だと認識してございます。
 それから、平成19年以降の国民生活基礎調査によりますと、性別の受診率については、胃がん、肺がん、大腸がんのいずれにおいても、男性より女性の受診率が低い状況にあり、この差が改善しているとは一概には言えない状況であると考えております。
 また、世代別の受診率についてでありますが、恐れ入れますが、統計データがございませんでした。
 また、部位別の受診率につきましては、女性特有のがんである子宮頸がん、乳がんの受診率が、胃がん、肺がん、大腸がんの受診率に比較して低くなっており、この差が改善しているとは言えない状況にあると認識してございます。
 それから、今後の取り組みについてでございますけれども、このほど施行されましたがん対策推進条例の基本理念を踏まえまして、県民一人一人の意識を高め、県、市町村、保健医療従事者、事業者などの関係者が、それぞれの取り組みや連携した取り組みを推進していくことが重要であると認識しているところでございます。
 特に、がんの予防、早期発見については、これまでの取り組みに加え、医療保険者や企業等と幅広く連携し、県民が、がんの予防に関する正しい知識を持つことができるよう普及啓発に努めるとともに、休日や夜間における検診の実施などにより、働く世代ががん検診を受診しやすい環境の整備に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 そうした取り組みの推進に必要な予算の確保についても努めながら、受診率の向上など、がんの予防、早期発見に取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木保健福祉企画室管理課長 私から、がん対策課等、がん対策に係る体制の充実について御答弁申し上げます。
 がん対策の推進に当たりましては、がんの予防、検診、治療、さらには、がん登録など多岐にわたる取り組みが求められているところでございまして、当部の健康国保課、それから医療政策室などの保健予防や医療の担当部署が、互いに連携しながら取り組みを進めてきたところでございます。
 今後、本年4月に施行されました岩手県がん対策推進条例の基本理念でございます県民の視点に立ったがん対策の推進、関係者が相互に連携、協力したがん対策の推進が、一層重要になってきていると考えているところでございます。
 このため、保健医療にとどまらない分野との連携や新たな課題への対応など総合的な企画調整も求められることから、効率的、効果的な組織、職員体制がいかにあるべきか、各都道府県の状況等も踏まえながら、新たな専門組織や職の設置を含めて研究してまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 やっぱりこういう重大な問題ですので、他県では、がん対策課を設置しているところもあるわけで、前向きに研究していただきたいと思います。
 それから、市町村を見ますと、例えば胃がんでは、岩手町は56.3%に対して、被災市町村は除きますと、盛岡市は9.8%、奥州市は13.4%と、肺がんでは、大槌町は83.2%、金ケ崎町は82.1%、これに対して紫波町は17.6%、平泉町は20.4%とか、大腸がんは、最近ふえているわけですけれども、岩手町は70%、九戸村は51.9%、これに対して盛岡市13.7%、奥州市21.7%と、非常にばらつきがあるわけであります。
 一方、これは職域のがん検診が入っていないので、逆に言うと都市部では職域でやっているのだということもあると思うんですが、それにしても極めて格差があるわけです。がん検診率を高めるために、職域のこともあるわけでありますけれども、こうした極めて低いがん検診率のところと高いところがあるわけですが、これについて重点的に、その低いところのレベルアップのために努めていかなければならないのではないかということについてお伺いしたいと思います。
 続けて質問いたします。受診についてコール・リコールが非常に効果があったと。それで、コール・リコールをやっている、先ほどの市町村とも絡むわけでありますけれども、どの程度の差があるのか。もしそのコール・リコールが効果があるとすれば、その拡大策についてはどうか。
 そして、がん検診をした結果、再検査が必要であるといったことで、再検査の受診についてどのような状況であるかお伺いしたいと思います。
〇五日市健康国保課総括課長 委員御指摘のように、市町村によってはかなりばらつきがあるというような状況でございます。
 コール・リコールの関係でございますけれども、これまでも一部の市町村におきましては、保健推進員による個別訪問やダイレクトメールなどの方法によりまして実施されてきたところでございまして、その一例としまして、岩手町におきましては、住民に対するきめ細やかな対応により、未実施の市町村に比べて高い受診率になっているといったところでございます。
 がん検診の受診率向上におきましてコール・リコールが効果的であるとの認識のもと、県では、平成25年度に市町村担当者を対象といたしました課題対策検討会を開催いたしまして、全県への普及に取り組んできたところでございます。
 こうした取り組みによりまして、過去に市町村から乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポン券の配布を受けたものの、未受診であった方々に対するコール・リコールを平成26年度より全市町村において実施することになったところでございます。
 県では、こうしたコール・リコールに関するすぐれた取り組みについて、課題対策検討会などを通しまして、引き続き市町村に情報提供を図っていきたいと考えているところでございます。
 それから、先ほど市町村の間で受診率にばらつきがあるという御指摘があったわけですけれども、これについては、ただいまも若干申し上げましたが、やはり受診率が高い市町村では、先ほどの例で言えば岩手町になりますが、きめ細やかな対応を、例えば受診環境の整備では、土日あるいは休日検診を実施しているとか、あるいは、先ほども申し上げましたが、保健推進員による住民への個別の受診勧奨ですとか、普及啓発とか、そういったような取り組みを行っていることが、やはり受診率の向上に結びついているということで、こういったことが県全体に広まって底上げが図られれば、そういった格差というものも解消されてくるのかなという期待もございます。
 それから、がん検診の再検査受診の状況でございますけれども、地域保健・健康増進事業報告から推計しました本県のがん検診の再検査の受診率でございますが、直近である平成23年度では、胃がんが88.3%、肺がんが88.2%、大腸がんが80.3%、子宮頸がんが88.9%、乳がん検診が92.2%と見込んでいるところでございます。
〇喜多正敏委員 同じ県民でありながら、最終的には本人の自覚もあるわけでありますけれども、私は、こういったような資料をホームページに公表してはどうかと。そうすると、なぜうちの地域は低いのだと住民が問題意識を持つ。そして、今お話のとおり、祝日もやっているわけですけれども、一つの方策とすれば、土日とか、受診しやすいような設定を取り入れていっては、あるいは広域で、例えば滝沢市で受けられない場合は盛岡市でも受けられるとか、そういったような工夫が具体的になされる必要があるのではないかと思いますので、検討をお願いしたいと思います。
 次に、事項別明細書199ページの地域子育て活動推進事業費についてお伺いします。
 学童保育は、子育て、幼児教育、女性の社会進出の中で非常に重要と思っているわけでありますが、本県の学童保育の実態、施設数、利用児童の学年別利用者数、規模別施設数あるいは終了時刻の状況、設置場所の状況、運営主体、指導員の配置状況の実態、そして、そうした実態から見ての課題と平成25年度の改善の取り組みについてお伺いします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの実態についてでありますが、平成26年5月1日現在で306クラブが設置されておりまして、登録児童数は全体で1万2、010人、学年別では、小学1年生から3年生までが9、104人、小学校4年生から6年生までが2、906人となっております。
 規模別施設数は、登録児童数が40人までのクラブが168、41人から70人までのクラブが120、71人以上のクラブが18となっているところでございます。
 終了時刻は、17時から18時までのクラブが78、18時から19時までのクラブが200、19時以降のクラブが28となっているところでございます。
 設置場所は、学校の余裕教室や学校敷地内が95、学校外の専用施設が81、公民館など公的施設利用が48などとなっているところでございます。
 運営主体は、社会福祉法人が89クラブと最も多く、次いで父母会が73クラブとなっております。また、指導員数は1、235人となっているところでございます。
 こういった現状を踏まえました課題についてでございますけれども、放課後児童クラブの登録児童数は年々増加してきているものの、利用を希望しながら登録できなかった児童がいることや児童にきめ細やかな対応をするため、71人以上のいわゆる大規模クラブの解消を図ることなどが挙げられるところでございます。
 平成25年度の改善の取り組みといたしましては、登録できなかった児童や大規模クラブの解消に向けては、市町村に対して登録児童数の増加にも配慮しながら、施設整備費補助の活用について情報提供するなど助言をしてきたほか、教育委員会と連携を図りながら、放課後子ども教室における居場所の確保に努めてきたところでございます。
〇喜多正敏委員 新たな子ども・子育て支援制度が始まるわけで、その対応について、それから、今お話がありました待機児童の解消、指導員の養成と配置、待遇改善あるいは大規模保育施設の適正規模化、あるいは専用区画の設置、遊びと静養の場の分離とか、職員のスペース、調理施設等あるわけでありますけれども、そうしたこと、あるいは1人当たりの専用面積の適正化、開所時間の改善、充実など、今後の対応についてお伺いします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 子ども・子育て支援新制度への対応等についてでありますけれども、現在、市町村におきましては、放課後児童クラブの利用見込みなどを含む教育、保育の提供体制等を定める市町村子ども・子育て支援事業計画の策定に向けた検討が進められているとともに、放課後児童クラブの設備及び運営に関する基準を定める条例の制定がされつつあるところでございます。
 県では、こうした市町村における取り組みに対しまして、制度の円滑な実施を目的といたしまして、制度説明会やヒアリングを行いながら、個別具体の支援に努めてきたところでございます。
 また、待機児童の解消に向けては、市町村に対して施設整備に係る経費を支援するなどしながら、新たな放課後児童クラブの設置を市町村に促してきているところでございます。
 指導員の養成と配置につきましては、子ども・子育て支援新制度において、現在の放課後児童指導員にかわり、新たに設置される放課後児童支援員に対する研修を県で実施することとされたところでありまして、今後、この研修の適切な実施について検討を進めていくとともに、放課後児童支援員が必要数配置されますよう働きかけてまいりたいと考えております。
 指導員の待遇改善につきましては、これまでも放課後児童クラブに対する財政支援の拡充を国に求めてきたところであり、引き続き、運営費の拡充について要望してまいりたいと考えております。
 大規模クラブの適正規模化につきましては、待機児童解消と同様に、施設整備に係る経費を支援するなどしながら、クラブの分割等について市町村に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 専用区画等につきましては、遊びや生活の場及び静養スペースなどは1人当たりの面積基準が設けられておりますが、それ以外の場所や設備等につきましては、設置主体において検討していただくものと認識いたしております。
 なお、必要に応じて、既に整備されたクラブの専用区画の整備状況等につきましては、各設置主体等に情報提供してまいりたいと考えております。
 開所時間の改善、充実につきましては、各地域において、保護者の就労状況等を考慮いたしまして適切な開所時間が設定されるよう、今後とも助言をしてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 さきに岩手県あるいは全国から約4、000人以上の方が参加して花巻、盛岡で第49回全国学童保育研究集会が開催されました。参加者は非常に熱心に受講、学習をしておりましたが、研究集会について御所見をお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 全国学童保育研究集会についてでありますが、去る10月11日及び12日に、花巻市と盛岡市を会場といたしまして開催されたところであり、東日本大震災津波で被災した本県において開催されたという面から、これまでの温かい御支援に対する謝意を伝えることができる機会であったとともに、被災県の放課後児童指導員からの報告など、被災地から全国に向けた情報発信の場としても大変貴重な機会であったと考えております。
 また、来年度から子ども・子育て支援新制度が本格的に実施されるこの節目の時期に、約4、000人規模の全国集会が本県において開催されましたことは、非常に意義深いものと考えておりまして、新制度への円滑な移行と放課後児童クラブのさらなる充実に向け、市町村と連携を図りながら、今後とも取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 最後であります。学童保育については、本県の待機児童が何人いるかということもちょっとお伺いしたいと思いますが、1年生の学童保育の入所児童数は、保育所の卒業生の約6割程度と全国的に言われていると。全国では50万人以上の待機児童がいるのではないかということで、言われている数字よりもさらに多いのではないかということでありますし、また、障がい児の受け入れも非常に不十分ではないか、岩手県も同様ではないかと思います。
 国も2007年に放課後児童クラブガイドラインを定めましたが、これに満たないクラブもあり、子ども・子育て関連3法が2012年8月に成立しましたが、国の基準を守るということは、指導員の資格とか配置基準のみで、施設の広さや整備、開設時間等の策定は、市町村が国の基準を参酌して決めることになっているのにとどまっておりまして、市町村の実施責任も利用促進の努力義務にとどまっているということで、なお制度の拡充が必要ではないかと思っているわけであります。
 全国学童保育連絡協議会2012年の実態調査によれば、学童保育で過ごす時間は、小学校1年生から3年生の平均で年間約1、680時間、小学校で過ごす時間より約460時間も多いという実態が報告されています。学童保育は、今や小学生の大事な生活と教育の場でもあるわけであります。
 また、指導員は、非常勤、臨時職員が多く、年収も150万円程度が60%になっている。社会保険もなかったり、実際は、指導員は半年ぐらいで半数が入れかわっている。施設規模も40人以下が望ましいということでしたが、本県でも40人以上を超えているものが138もあるという状況であります。また、ぐあいが悪くなったときに休む静養室が半分ぐらいしか設置されていないというのが、全国的な状況であると。
 また、子供が生活するスペースは、児童1人当たり、おおむね1.65平米以上確保することが望ましいが、これに満たないクラブもまだまだ多いということであります。
 それから、利用する場合に、親が就労している、労働時間等で昼間家庭にいないということが一つの要件になっているわけでありますけれども、親が病気になったとか、あるいは技能訓練等の就学、介護、休職、産休……
〇高橋但馬副委員長 喜多委員、簡潔にお願いします。
〇喜多正敏委員(続) はい。
 そういうこともまた明確化される必要があると思いますが、最後に部長にお伺いしたいと思いますが、よくこうした現場の声を、実態を聞いて、県としても、さらに国に必要な制度の改正や取り組みについて意見を述べるとともに、学童保育の充実に努めていただきたいと思うわけでありますが、部長の見解、決意をお伺いしたいと思います。
〇根子保健福祉部長 まず、待機児童でございますけれども、入所希望で入所できなかった児童数については、平成26年5月1日現在、47人となっています。
 それで、いわゆる放課後児童クラブの重要性というのは、今、人口減少問題というのが大きな課題の中で、少子化対策がその柱の一つでございますので、やっぱり非常に重要な施策だと私ども感じております。
 それで、保育所から小学校へのそういった流れの中で、ここの充実も大変大切でございますので、今後とも、そういった意識のもとに、国へも必要なことを要望しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 よろしくお願いします。
〇小西和子委員 まず、私からは、事項別明細書199ページの児童虐待対策についてお伺いいたします。
 何度もこのことについては質問しておりますが、最近では、虐待が子供たちの脳を傷つけ、その後の人生に大きな影響を落とすことが近年の研究でわかってきました。このことをまず皆さん踏まえておいていただきたいと思います。
 そこでお伺いしますけれども、昨年度の児童虐待対応件数についてお伺いしたいと思います。それから、虐待種別、社会的、家庭的要因もあわせてお伺いいたします。取り組み、成果、課題、それから、今年度の直近データと虐待種別をお伺いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 平成25年度の児童虐待対応件数等についてのお尋ねでございますが、児童相談所における児童虐待対応件数は363件でありまして、前年度376件と比較いたしまして13件減少したところであり、平成24年度から2年連続して減少したところでございます。
 減少の要因といたしましては、県の児童虐待防止アクションプランに基づきまして、市町村等関係機関と連携しながら、虐待防止に向けた総合的な取り組みを行ってきていることなどが考えられるところでございます。
 次に、虐待種別、社会的、家庭的要因についてでありますが、虐待種別は、身体的虐待が146件、40.2%、心理的虐待が133件、36.6%、ネグレクトが74件、20.4%、性的虐待が10件、2.8%となっているところでございます。
 虐待の社会的、家庭的要因といたしましては、核家族化等による家庭養育機能の脆弱化や子育ての孤立化、妊娠期からの育児不安のほか、児童虐待の通告義務についての意識の高まりなどが考えられます。
 次に、取り組み、成果と課題についてでありますが、11月の児童虐待防止推進月間における広報啓発や児童虐待防止に係る研修の実施等によりまして、児童虐待防止アクションプランにおける発生予防や早期発見など全ての項目にわたりまして、取り組みの充実が図られてきたところでございます。
 児童虐待対応件数は、減少してきているものの、依然として高水準にあると認識いたしておりますことから、関係機関と緊密に連携を図りながら、こうした取り組みを引き続き進めていくことが必要と考えております。
 次に、平成26年度の直近の対応件数と虐待種別についてでありますが、平成26年4月から9月までの児童相談所における児童虐待対応件数は165件となっており、前年度の同時期より41件減少いたしております。
 虐待種別は、身体的虐待が56件、33.9%、心理的虐待が63件、38.2%、ネグレクトが41件、24.9%、性的虐待が5件、3.0%となっているところでございます。
〇小西和子委員 ありがとうございます。減ってはきておりますけれども、震災前の数値に近づいてきたというようなことだと思います。
 それでは、沿岸部の子供が置かれている状況、児童虐待の実態と取り組み、成果と課題についてもお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 沿岸部における児童虐待についてでありますが、震災による転居や応急仮設住宅への入居など、これまでの生活環境が大きく変化したことによりまして、不安やストレスを抱えている子供が多くいるものと認識いたしております。
 児童虐待の実態につきましては、平成25年度の児童相談所における児童虐待対応件数のうち、沿岸12市町村は69件でありまして、前年度79件に比較いたしまして10件減少したところでございます。
 次に、取り組み、成果と課題についてでありますが、児童虐待防止に関する啓発活動や保護者支援の研修会を実施してきたほか、市町村要保護児童対策地域協議会に職員が参画するなどの運営支援等に取り組んできたところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、虐待通告の意識の高まり、市町村、学校、警察等の関係機関との連携の強化、そして、地域における相談支援の充実が図られてきたものと認識いたしております。
 沿岸地域では、震災後の生活環境の変化に伴う家庭へのさまざまなストレスが虐待につながることも懸念されておりまして、こういったことも課題として認識をいたしているところでございます。
〇小西和子委員 沿岸部の直近のデータによりますと、今年度は38件ということで、昨年度の69件から比べると、つまり1年間で69件だったものが、今年度は38件とふえているかと思いますので、このあたりの相談体制を強化しなければならないのではないかと思います。
 それでは、今年度事業の進捗状況をお伺いいたします。
 相談体制については、平成24年でしたか、幾らか交付税措置されて人数がふえたというような報道もありましたけれども、もしおわかりであれば、今年度の体制についてお伺いしたいと思います。進捗状況と体制ですね。
〇南子ども子育て支援課総括課長 まず、今年度事業の進捗状況についてでありますが、児童虐待防止アクションプランに基づきまして、総合的な取り組みを推進することとし、通告先の周知など普及啓発に取り組んできたところでございます。
 特に、来月11月は児童虐待防止推進月間でありまして、オレンジリボン街頭キャンペーンの実施や県民等を対象とした講演会の開催、鉄道の駅及び路線バスへの広告掲示を拡大するなど、虐待の早期発見、早期通告の取り組みを進めることといたしております。
 また、今年度は、過去2年間に養成いたしましたコモンセンス・ペアレンティングトレーナー、いわゆる暴力や暴言を使わずに子供を育てる技術を学ぶ研修でありますが、ここで研修を終えたトレーナーを対象といたしましたフォローアップ研修の実施や、妊産婦の乳幼児虐待を予防するための研修に事例検討を新たに加えるなど、市町村や保育所の職員を対象とした児童虐待対応の研修を充実させることにより、虐待の発生予防に重点を置いた取り組みを進めているところでございます。
 それから、児童相談所の体制のお話でございますが、児童福祉士につきましては、年々、逐次増員し、体制を強化しているところでございますが、平成20年以降、児童福祉士を増員してきているところでありまして、平成19年に22名の児童福祉士の体制を、平成26年におきましては28名の体制まで現在ふやしてきているところでございます。
〇小西和子委員 子育てが難しい家族にさらに貧困が重なると、ますます虐待が起きやすくなると言われております。子供を保護するだけではなくて家族を支える体制を強化しないと、虐待の連鎖が世代を越えて続くことになりますので、そのあたりの取り組みもよろしくお願いいたします。
 次は事項別明細書201ページ、子供の貧困についてお伺いします。
 本県の子供の貧困というものでは特には数値というものは出していないということでございますけれども、最悪の貧困率が報告されております。日本の貧困率が16.3%ということで、どんどん悪化しているということですから、岩手県もそうだと考えていいのではないかと思います。本県の子供の貧困についてどのように捉えているのかお伺いします。あわせて、取り組み、成果と課題もお願いいたします。
〇南子ども子育て支援課総括課長 子供の貧困への認識についてでありますが、先ほど委員から御指摘のありましたように、国レベルでは、国民生活基礎調査から貧困率というものを出せるのですが、都道府県別には、あいにくそういう形での算定ができないということもございますので、例えば、本県において公的支援の対象となっている児童生徒の状況について申し上げますと、厚生労働省の被保護者調査によりますと、本県では、生活保護を受給している18歳未満の子供の数は、平成25年7月は1、679人であったものが、平成26年7月では1、565人となっておりまして、114人減少しておりますけれども、県内の子供の数に占める割合は0.8%で、昨年とことしも同率となっているものでございます。また、小中学校の学用品などを市町村が支給する就学援助の受給者数でありますが、平成25年度は9、684人で、前年度より220人減少し、援助率についても9.52%と前年度を0.03ポイント下回っているほか、低所得者を貸し付け対象とする生活福祉資金につきましては、平成25年度の教育支援資金の貸し付け件数が726件と、前年度より62件増加しているところでございます。
 貧困は世代を越えて連鎖することも指摘されておりまして、子供期の貧困が子供の成長にも影響いたしますことから、あらゆる観点から施策を講ずる必要があり、県においても関係部局が連携して取り組むべき課題と認識いたしております。
〇千田地域福祉課総括課長 子供の貧困への取り組みについてでございますが、貧困の連鎖防止の観点の取り組みといたしまして、本県では、平成25年度から盛岡広域振興局において、低所得世帯の中学生を対象として、2市町で、高校進学に向けた学力向上を図るための学習会を実施しており、本年度は管内の5町全域に拡大して、順次実施しているところでございます。その成果としましては、平成25年度は、受講生13人のうち、中学3年生の5人全員が高校に進学したところでございます。
 子供の学習支援の当面の課題といたしましては対象地域の拡大と認識してございますが、この取り組みは、平成27年度から施行されます生活困窮者自立支援法におきまして、福祉事務所設置自治体で任意に実施する事業として位置づけられていますことから、県では、この事業の対象地域の拡大に向けて検討を進めていくとともに、各市においても取り組みが進むよう働きかけてまいります。
〇小西和子委員 拡大しているということを聞いて、うれしく思います。ここでは学習だけではなくて食事を提供したりもしていると聞いておりますので、そういうことで、そこで栄養補給もできるのかなと思います。
 ここにこのような記事がありますけれども、母子家庭の貧困深刻化ということで、どんなに被災地の母子家庭が大変かということの記事ですけれども、子供が成長すると足が大きくなる、靴も変えなければならない。だけれども、靴が買えなくて小さい靴のかかとを踏んで履かせている。
 それから、生活保護を受けるには自家用車というものを持てないのでしょうか。それで、被災地は交通事情が悪く、車が必需品だけれども、現行制度では車の所有が生活保護受給のネックになっているということで、かなり苦しくても生活保護を受けないで働き続けているというお母さんもいます。ひとり親で子供を抱えて生きる困難というのが被災地では浮き彫りになっております。そういうひとり親家庭の人々が暮らしやすい社会が、誰にとってもよい社会だと思います。
 そこで、県議会としても消費税増税反対の意見書を送付したところでございますけれども、さらに消費税増税に向かっている安倍政権がいるわけですので、それに伴う影響をどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇千田地域福祉課総括課長 消費税増税に伴う生活保護世帯への影響についてお答えしたいと思います。
 生活扶助基準は、平成25年8月から3年をかけて段階的に引き下げを中心とした改定が行われることとなっていたものですけれども、本年度は、消費税率の引き上げをも勘案し、全ての世帯においてプラス2.9%の改定が行われておりますので、消費税増税に伴う影響は生じていないと認識しているところでございます。
〇小西和子委員 そこで、スクールソーシャルワーカーというのが貧困家庭と福祉を結ぶ役をしているわけですけれども、スクールソーシャルワーカーと福祉のところがなかなかうまく結びつかないという話を実際にスクールソーシャルワーカーの方から訴えられました。やはり先ほどお話があったように、部局横断で連携しながら、子供の貧困のために取り組んでいただきたいと思います。
 大綱ができましたので、そのことについて、子供の貧困対策に関する大綱を受けての県の取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇南子ども子育て支援課総括課長 国の大綱を踏まえました県の対応についてでございますが、子どもの貧困対策の推進に関する法律におきまして、都道府県は国の大綱を勘案して子供の貧困対策についての計画の策定に努めることとされているものでございます。
 大綱におきましては、幼児教育の無償化に向けた段階的取り組み等の教育の支援、保護者の自立支援等の生活支援、就労機会の確保等の保護者に対する就労の支援、そして養育費の確保等の経済的支援などを重点施策と位置づけておりますことから、子供の貧困対策を総合的に推進するために、委員からただいま御指摘がありましたように、今後、関係部局と連携を図りながら計画を策定してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
 児童虐待と子供の貧困など、こういうことを解決していくためには、やはり国連子どもの権利条約を下敷きとした権利条例というものが必要だと思いますけれども、子どもの権利条約というのは、1989年に、児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約が採択され、25年になりますし、1994年に日本政府が批准して20周年を迎えました。先ほどの虐待、貧困について、解決に向かうためにも、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利が明記された国連子どもの権利条約に基づいた条例が必要だと思います。
 そこで、県の見解を伺いたいと思います。保健福祉部長、お願いします。
〇根子保健福祉部長 子どもの権利条例についてでございますけれども、これにつきましては、委員から県議会でも何回か御質問を頂戴しておりまして、その趣旨については理解をしております。
 今般、仮称ではございますけれども、いわての子どもを健やかに育む条例の制定について検討しております。これについては、人口減少問題への対応が大きな柱の一つだということで、子供の健全育成、子育て支援に対する県の基本的な考え方を、県の最上位の法規である条例で定めようとするものでございます。子供の権利の尊重とか権利擁護については、この重要性は、委員御指摘のとおり、私ももっともだと考えております。
 一方で、県の最上位の法規である条例に定めるということであれば、子供の権利のみならず、子供をめぐるあらゆる課題についてどうしていくかという県のスタンスを示す必要があると私どもは考えております。そういうことでございますので、委員の御意見も踏まえながら、条例の検討に際しましては、子供の権利についても、基本理念や基本的な施策などにどのように盛り込むかについても検討していくので、御理解をお願いしたいと思います。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
 では、事項別明細書191ページの認知症対策についてお伺いいたします。このことにつきましては何人かの委員のほうからも質問がありましたので、簡潔にお答えをお願いいたします。
 本県の認知症のおよその人数、今後の見通しと、平成25年度と平成26年度の相談件数、内容についてお伺いいたします。あわせて、その取り組みと成果と課題について、まずお伺いいたします。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 認知症対策についてでございますが、まず、およその人数でございますけれども、日常生活で見守りや介護が必要な認知症高齢者は、平成26年3月末で4万2、347人となっているところでございます。
 今後の見通しでございますけれども、要介護要支援認定者における認知症高齢者の割合をもとに推計いたしますと、平成37年には、本年から約1万4、000人増の約5万6、000人となると見込まれております。
 次に、相談件数と内容についてでありますが、岩手県高齢者総合支援センターで実施いたします福祉、看護等の専門職による相談件数を見ますと、平成25年度は65件、平成26年度9月末現在では、前年比較35件増の62件となっております。また、認知症の人と家族の会が実施する相談では、平成25年度は267件、平成26年度は9月末現在で前年比較6件増の137件となってございます。
 相談内容といたしましては、家族の言動から認知症が疑われるが、どう対応したらいいかというようなものとか、認知症と診断されたけれども、家族として生活上どう対応したらいいかというようなものが主なものとなってございます。
 平成25年度の取り組み成果、課題についてでございますけれども、主なものといたしましては、岩手医科大学に委託しております岩手県認知症疾患医療センターにおいては、専門外来が1、332件、鑑別診断179件、専門医療相談763件となってございます。そのほかに、かかりつけ医105名が認知症対応力向上のための研修を修了しておりますし、介護職員など530名が介護対応力向上等のための研修を修了してございます。
 また、市町村と連携いたしまして、小中学校35校を対象とした認知症講座の開催などによりまして、9、994名の認知症サポーターを養成したところでございます。
 家族支援といたしましては、認知症の人の家族の会による交流会を12カ所で開催し、参加が889名となってございます。
 また、これら課題といたしましては、今後の認知症高齢者の増加に対応するため、認知症の早期診断、早期対応に向けた医療体制等の充実、地域全体で見守る仕組みづくりの促進などが必要であると考えているところでございます。
〇高橋但馬副委員長 小西和子委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう議事の進行に御協力をお願いしますとともに、執行部のほうにも答弁は簡潔にお願いいたします。
〇小西和子委員 それでは、(3)は割愛いたしまして、今年度事業の進捗状況お伺いいたします。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 今年度事業の進捗状況についてですが、新たな取り組みについて申し上げたいと思います。認知症医療体制の充実のため、本県で2カ所目となる認知症疾患医療センターの指定に向けて、現在、専門医から意見をいただきながら、その準備を進めているところでございます。
 また、新たに、病院勤務の看護師等が認知症の人や家族の支援に必要な知識などを習得するための研修を実施することとしております。
 このほか、行方不明者の早期発見のための県内市町村や他の都道府県、県警本部との情報共有の仕組みを構築いたしまして、9月から運用を開始しているところでございます。
 また、被災地におきましては、高齢者等サポート拠点職員等を対象とした研修におきまして、認知症の理解を研修項目として、認知症の予防や早期の気づきによる専門機関につなげるための支援を行っているところでございます。
〇小西和子委員 認知症はいつ誰がなるかもわかりません。そこで、やはり地域全体で見守る体制が必要だと思います。
 それから、孫世代のための認知症講座というものをある学校で4年生を対象に行ったと。そうしましたならば、やっぱりおじいちゃん、おばあちゃんにもっと優しくしなければならないと思ったとか、近所のおじいちゃん、おばあちゃんのこともよく見ようとか、そういうふうに感想を書いているんです。そうすると、親世代とかおじいちゃん、おばあちゃん世代にも子供から伝わるので、県独自の取り組みというのはすばらしいなと思いますので、よろしくお願いします。
 認知症カフェとか臨床美術というものもすごくいい取り組みだと思いますので……
〇高橋但馬副委員長 小西委員、簡潔にお願いします。
〇小西和子委員(続) 今後ともよろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 私は、最初に被災者の状況と見守り支援の強化についてお聞きします。
 この間、岩手医科大学、日本医療政策機構の調査、岩手大学教育学部社会学研究室の調査などが行われていますが、その調査で明らかになっている被災者の状況というのは具体的にどうなっているでしょうか。
〇五日市健康国保課総括課長 岩手医科大学が沿岸4市町で実施している東日本大震災津波被災者の健康状態等に関する調査研究の結果について、平成23年度と平成25年度を比較しますと、健康状態がよくないと答えた被災者の割合は、平成25年度は男性で14.2%、女性で14.7%となっており、平成23年度の14.3%、15.7%と比べ、ほぼ横ばいとなっておりますが、応急仮設住宅の住民では、健康状態がよくないと答えた割合が17.7%と、それ以外の住民に比べ、割合が高かった状況にございます。
 また、肥満者の割合についても、応急仮設住宅の住民では、60歳未満の男性で45.1%、女性で28.0%となっており、それ以外の住民に比べ、割合が高かった状況でございます。
 また、心の健康に問題のある者の割合は、男性が35.2%から22.7%へ、また、女性が46.8%から31.6%へとそれぞれ減少しているものの、応急仮設住宅の住民は、それ以外の住民に比べ、心の健康に問題のある者の割合が高かった状況でございます。
 次に、日本医療政策機構が平成26年6月から7月に、山田町在住者を対象に実施しました山田町の健康生活に関する調査によりますと、睡眠の乱れで日常生活に支障を来している者が回答者のうち26%でございました。また、心の健康については、回答者のうち、抑鬱症状が疑われる人が28%であり、応急仮設住宅の住民は、それ以外の住民に比べ、抑鬱症状のある人の割合が高かったという結果でございます。
 次に、岩手大学教育学部社会学研究室が大槌町の応急仮設住宅入居者を対象に実施しました調査によれば、心の平穏について、平成24年度と平成25年度の回答者の割合を比べると、気持ちの面でほとんど変わりがないというのは30.8%から35.7%へ、かえって厳しくなっているというのは27.4%から31.1%へとそれぞれ増加しており、平成25年度では、この二つの回答で6割を大きく上回っていた状況でございます。
 また、平成25年度に精神的健康状態について初めて調査したところ、精神的健康状態に問題がある者の割合は41.7%と高かった状況でございます。
 これらの調査は、対象者や調査手法が異なっているので一概には言えませんが、総体として、被災者の状況は発災当初よりは落ちついてきているが、依然として、応急仮設住宅の住民は健康全般に問題のある者が多いと認識してございます。
〇斉藤信委員 3年7カ月が経過して、私は、被災者の状況というのは本当に厳しいものがあると思っています。
 この間、岩手県は保健師による被災者訪問もやっていますが、その結果はどうでしょうか。あわせて、今、支援が必要な被災者を具体的にどういうふうに把握して、どういう対策を講じているでしょうか。
〇五日市健康国保課総括課長 保健師の被災者訪問の状況についてでございますが、被災者の健康状態の把握を目的とした健康調査や家庭訪問支援は市町村を中心に実施しているところでございますが、県では、市町村の要請に応じ、内陸部の市町村や保健所、岩手県看護協会などの協力を得ながら、保健師や看護師の派遣を行っているところでございます。
 各市町村では、地域の実情や健康課題に応じて、心の健康状態を中心とした健康調査、あるいは身体状況や食事状況などの健康調査、その他継続的な支援のための戸別訪問を行っているところでございます。
 被災者訪問等の集計結果がまとまっている3市町からの聞き取りによりますと、訪問健康調査対象者の2%程度が、心のケアや生活習慣病などにより保健師の継続的な支援を必要としているところでございます。
〇千田地域福祉課総括課長 支援が必要な被災者の全般的な把握ということでございますが、この状況につきましては、市町村社会福祉協議会に配置されている生活支援相談員が、地域や応急仮設住宅あるいは災害公営住宅等を巡回しまして、被災者情報の把握に努めております。この際に、各市町村で開催している被災者支援に取り組む各種団体等の連絡会議の場を活用しまして、必要な支援に係る情報収集にも努めているところでございます。
 社会福祉協議会が訪問や相談対応の対象として把握している世帯数は、平成26年8月末現在で1万6、354世帯でございまして、そのうち、ひとり暮らし高齢者など特に支援ニーズが高いと認められる1、505世帯を中心に、訪問等による相談支援を行っている状況でございます。
〇斉藤信委員 阪神・淡路大震災のときにも、3年を一つの区切りにして孤独死もふえる、自殺もふえるというふうに報告もされています。私は、今話された被災者生活支援員、仮設住宅に市町村が配置している生活支援員、さらには災害公営住宅に1、000人以上も生活していますが、新たな公営住宅に対するそういう支援員の配置が必要だと思いますが、どうなっているでしょうか。
〇千田地域福祉課総括課長 生活支援相談員等の配置状況でございますが、9月30日現在、県社会福祉協議会及び20の市町村社会福祉協議会に172名が配置されているところでございまして、この生活支援相談員の活動範囲は、応急仮設住宅やみなし仮設住宅のみならず、災害公営住宅あるいは自宅再建した世帯まで拡大して、地域全体を対象とした活動を展開しているところでございます。このほか、委員御指摘の災害公営住宅のためには、復興住宅ライフサポート事業によりまして、現在、1市において3名の復興住宅サポーターが配置されているところでございます。
〇斉藤信委員 災害公営住宅は釜石市だけがやっているんですね。これは何で―今、公営住宅が建設中だということもありますけれども、既に1、000人以上が入居しているんですよね。これが活用されない理由、原因はどういうふうに受けとめていますか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 災害公営住宅のライフサポート事業につきましては、その移行に伴って、主に高齢者の方々の生活変化での困難というものがあるであろうということで、各市町村に対してその事業を勧奨し、各種の研修を通じてその重要性を県としても伝えてきているところではございますけれども、災害公営住宅の建設が、各市町村において当初想定よりもまだ進まなかったということや、他の災害関連事業などもあり、なかなかそこへの着手に至っていないというような現状であると認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 せっかくの制度が使われなかったら、これは意味がないし、本来必要な事業ですから、よく実態を把握して対応していただきたい。
 次に、学童保育の取り組みについて、喜多委員がかなり立ち入ってやりましたので、私は簡単に。
 306クラブ1万2、010人ということでした。1年生から3年生が9、104人ですが、これは全体の児童の中でどういう比率を占めるのか。4年生から6年生が2、906人でしたけれども、これは全体の中でどういう比率を占めるか示していただきたい。
〇南子ども子育て支援課総括課長 先ほど、登録児童数が全体で1万2、010人と申し上げましたが、内訳といたしまして、小学校1年生から3年生までが9、104人、これは75.8%、小学校4年生から6年生が24.2%となるものでございます。
〇斉藤信委員 それじゃなくて、1年生から3年生の生徒数に対する比率。全国的には3割と言われているんだけど、わからないか。わかったら後で教えてください。生徒に占める学童の比率を私は聞きました。
 それで、今度の新制度で市町村が設置基準をほぼ9月に決めていますが、あのまま国どおりに決めたところ、国の基準を超えて決めたところ、これは具体的にどうなっているでしょうか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 市町村における設置基準の状況についてでありますが、市町村におきましては、現在、制定または制定を進めている放課後児童クラブの設備や運営に関する基準を定める条例につきましては、制定済み及び制定予定の32市町村におきまして、おおむね国が示した基準―これは厚生労働省令でありますけれども―のとおりとなっているところでありますが、1市についてのみ、1クラブを40人以下とする国の基準を、60人以下としているところがございます。なお、残る1自治体につきましては、現在、放課後児童クラブがないことから、今のところ、条例を制定する予定がないものでございます。
〇斉藤信委員 放課後児童クラブというのは、特に低学年は学校にいる生活より長いんですよ。ですから、こうした子供たちの遊びと生活を支える、これが学童保育で、多様な子供たちを受け入れるという点で、本当に専門的な資格を持った指導員が必要だと私は思いますが、小学校6年生まで今回は拡充されると。そして、法律で、条例で定めるということですから、指導員の質も高めなければならない。そういう点で量的拡充、質的強化はどういうふうに図られるのか、県の方向として示していただきたい。
〇南子ども子育て支援課総括課長 指導員の量的拡充あるいは質的強化のお尋ねでございますが、平成26年5月1日現在で306クラブに指導員1、235人が配置されているところでございます。
 現在の指導員につきましては特段の資格要件がございませんけれども、来年度から施行されます子ども・子育て支援新制度におきましては、現在の放課後児童指導員にかわり設置される放課後児童支援員に対する研修を県で実施することとされたところでありますが、これにつきましては、来年度以降、適切に対応するよう検討を進めてまいりたいと思います。
 なお、この研修を実施することによりまして、当然、その職員の質の向上ということにつきましては、今現在よりも向上が見込まれるところでありまして、また、その待遇等につきましても、子ども・子育て支援新制度の質の改善といたしまして、放課後児童クラブの常勤職員の処遇改善が盛り込まれているところでありまして、県では、国に対して、その着実な実施を図るための財源の確保を要望したところであり、今後も、放課後児童クラブに対する財政支援の拡充に向け、要望を実施してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 量的拡充も質的強化も必要だと。それで、この法律には経過措置というものもあるんですけれども、おおむね40人以下と。そして指導員は、私は不十分だと思うけれども、40人基準で、資格を持った人が1人以上ということになっているんですが、この経過措置については市町村ではどのように設定されているか。
 もう一つは、今、1、235人の指導員がいますが、私は、基本的には全て資格を持って学童保育に当たるべきだと。さらに指導員はふえると思いますけれども、今、全ての指導員を対象にしたそういう研修というのがやられるのでしょうか。
〇南子ども子育て支援課総括課長 先ほどの市町村で定める設備及び運営に係る基準の経過措置の設定状況といいますか、市町村の状況についてのお尋ねでございます。
 市町村の条例の内容を見てまいりますと、先ほど申し上げました制定済み、制定予定の32市町村のうち、設備の基準について経過措置を設けているのが15市町村、経過措置の内訳といたしましては、5年間という経過措置期間を設けているのが3自治体、経過措置期間を当分の間と定めているのが12自治体、合計15自治体であります。
 また、もう一つ、経過措置を設けている項目がありまして、児童の数―先ほどの40人をおおむねの数ということ、40人以下というものがありますが―につきまして経過措置を設けているのが17自治体。内訳は、経過措置期間が5年間というのが3自治体、経過措置期間が当分の間というのが14自治体、合計17自治体となるものであります。経過措置については、この二つの項目について定められております。
 また、指導員1、235人、これら全てについて、新たな支援員としての研修を受けさせるべきではないかというお話でございますが、今後、国からの具体的な研修カリキュラムあるいは手続的なもの、あるいは要綱等といったものが示された上で、個別具体に検討を加えながら、そしてまた、予算の中でどのような形で反映させていくかについては、今後検討させていただきたいと考えております。
〇斉藤信委員 新制度が学童保育の画期的な拡充に結びついたとなるように、ひとつ市町村と協力してやっていただきたい。
 幾つか割愛して、最後、まとめてお聞きします。
 ひとり暮らし老人の実態と対策ですが、全国に600万人いて、120万円のいわゆる生活保護基準以下というのが200万人だと言われています。NHKでは老後破壊ということで特集をしました。岩手の場合はひとり暮らし老人の実態はどうなっているでしょうか。
 先ほど、認知症の高齢者の実態が出ましたけれども、そのうちひとり暮らし、そして行方不明者の実態と対策はどうなっているでしょうか。
 追加して、国保の問題についても簡単にお聞きします。
 平成25年度決算における国保ですが、1世帯当たりの国保調定額、課税所得負担率はどうなったでしょうか。資格証明書、短期保険証の発行状況に改善があるのでしょうか、その状況を示していただきたい。
 あと、資産の差し押さえです。3、820件13億円余の資産の差し押さえがされていますが、滞納がふえている中で、私は、これは少なくとも給与の差し押さえというのはやるべきではないと。これは生活を保障する原則に反するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 県内のひとり暮らし老人の実態等についてでございますが、本県における65歳以上の高齢単身世帯数は、平成22年国勢調査結果によれば、県内で4万3、479世帯となっております。これらの方々の収入の状況については把握していないところであり、厚生労働省の平成25年国民生活基礎調査によりますと、平成24年の高齢者世帯の1世帯当たりの平均所得金額は309万1、000円となっているところでございます。
 認知症高齢者の実態についてでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、その数については、平成26年3月末時点で4万2、347人となっておりますが、これらのうち、ひとり暮らし高齢者については把握していないところでございます。
 行方不明の実態と対策についてでございますが、県が6月に市町村を通じて行った実態調査によりますと、行方不明となり、居住する市町村外で発見された事案は19件となってございます。このような調査結果を踏まえまして、県では、行方不明者の早期発見のため、県内各市町村や他の都道府県、県警本部との情報共有の仕組みを構築し、9月から運用を開始したところでございます。
 また、県では、市町村による徘回SOSネットワークの構築を支援し、認知症高齢者を地域全体で見守り、支え合う仕組みづくりを促進してまいりたいと考えております。
〇五日市健康国保課総括課長 国保税の負担率についてでありますが、所得状況に関する数値については、国の公表データをもとに把握しているところでございまして、昨年度の数値についてはまだ公表されていないことから、平成24年度の数値についてお答えいたします。
 平成24年度における本県の1世帯当たりの総所得金額は111万9、000円であり、この金額から基礎控除33万円を差し引いた課税所得額は78万9、000円、国保税額は13万9、000円となっており、1世帯当たりの課税所得額に占める国保税の割合、いわゆる負担率は17.6%となっております。
 次に、資格証明書、短期被保険者証の発行状況についてでありますが、平成26年9月1日現在で、資格証明書及び短期被保険者証の発行状況は、資格証明書発行世帯数が212世帯、これは、平成25年9月に比べまして114世帯減少しております。短期被保険者証発行世帯数は8、306世帯、これは平成25年9月に比べ1、069世帯減少というような状況となってございます。
 次に、資産差し押さえの状況と改善についてでありますが、平成25年度における滞納処分、いわゆる差し押さえは、差し押さえ件数3、820件となってございます。これは、対前年度に比べまして2、163件増加しております。差し押さえ金額は13億円、これは対前年度より3億5、000万円増加となってございます。
 なお、給与を差し押さえしたのは23市町村となってございます。
 滞納処分につきましては、税負担に関する公平性等を確保するため、担税能力がありながら納付していただけない方に対して、市町村において十分な調査を行った上で実施されているものと認識してございます。
 なお、給与あるいは年金などについては、国税徴収法の規定の例により、1月につき本人分として10万円、また、生計同一親族がいる場合は、これに1人当たり4万5、000円を加えた額までは差し押さえができないこととされており、一定の生活への配慮がなされているものと考えてございます。
 県といたしましては、納付できない方は、失業や疾病などに起因する経済的理由による場合などさまざまなケースがあることから、分納相談等にきめ細かく対応するよう市町村に対し助言しているところでございます。また、滞納者の資産を調査した結果、滞納税を支払う資力がないと判断された場合は、滞納となっている国保税については、漫然と滞納状態を継続することなく、適切に執行停止や不納欠損処理を行うよう、引き続き市町村に助言するということでございます。
〇高橋但馬副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時47分 休 憩
午後3時9分 再開
〇岩崎友一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 先ほど神崎委員から御質問があり、答弁の保留をいたしておりました介護人材確保等に関する関係事業の決算総額についてでございますが、その総額は、4事業で1億4、221万円余でございます。
〇岩崎友一委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ10人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇高田一郎委員 私は、まず、被災地の福祉灯油について伺います。
 平成25年度の福祉灯油の実績はどうなっているのか、それから、内陸で避難生活をしている被災者にはどれだけ利用されたのでしょうか。
〇千田地域福祉課総括課長 まず、昨年度の福祉灯油の県補助事業の実績でございますが、沿岸12市町村において被災地福祉灯油を実施いたしまして、助成世帯数は1万7、158世帯、県の補助額は4、289万1、000円となってございます。
 なお、内陸への避難世帯についても、福祉灯油の対象となる要件を満たし、かつ、市町村が助成する場合には県補助の対象としてございます。市町村に昨年度の取り扱いを伺ったところ、沿岸12市町村のうち8市町村が住民票を移さずに内陸部に避難している世帯についても助成対象としたとのことでございますが、この市町村では、内陸避難世帯の申請状況を確認していないので、その助成件数の実績を把握していないと聞いてございます。
〇高田一郎委員 被災地福祉灯油については3年ですか、4年ですか、連続実施したことは大変いいことだと思いますが、ただ、内陸に避難生活をしている方々に対する支援は十分にやられなかったということで、非常に課題を残したと思うんですね。
 それで、平成25年度の福祉灯油の教訓を生かして今後取り組む必要があると思いますけれども、福祉灯油について、新年度、9月30日に行われました意向調査でも、県が支援をすれば実施したいというのが圧倒的多数でありますし、また、この間、県議会での福祉灯油の実施というものの採択を受けまして、いよいよ実施できない理由はないのではないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇千田地域福祉課総括課長 委員お話の今年度の9月末時点の調査によりますと、これは、国及び県の動向にかかわらず実施を検討中が4町村で、今後実施の要否を検討する予定と回答したのが29市町村となっており、このうち、県の支援があれば検討する予定が13市町村、全体の約4割となっている状況でございます。
 そういうことで、9月末時点では、ほとんどの市町村が福祉灯油を実施するかどうかの検討はこれから行うと伺ってございます。さきに採択されました請願も踏まえまして、灯油価格の推移や国による支援の動向を注視し、実施主体である市町村の意向をさらに確認しながら、県のこの補助の必要性を検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 灯油価格の推移を検討して対応したいということですけれども、もう10年前の2倍を超える価格になっているというのが動かしがたい事実でありますし、それから、市町村の意向についても、9月30日の地域福祉課が行った意向調査においても、被災地福祉灯油についても、内陸の自治体も、ぜひやりたいというのが圧倒的多数なんですよ。だから、これまでの、平成25年度まで行ってきた被災地福祉灯油は、沿岸自治体が実施すれば内陸部に住んでいても支援しましょうというスキームなんですね。だから、実際は、住所がもう移ってしまった方々については対象にならないということです。
 この意向調査から見れば、内陸の自治体も、ぜひやりたいというのがほとんどの自治体ですから、市町村が実施主体になれば支援できるというスキームにすれば、私は矛盾なく対応できると思うんです。私はそうすべきだと思いますし、やっぱりどうせやるんであれば早く決断することが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇千田地域福祉課総括課長 9月末に当課で意向調査した結果は、先ほども申し上げましたが、福祉灯油の実施主体である市町村は、今後、実施の要否を検討していくとするところがほとんどでございます。そういうことから、先ほども申し上げましたが、灯油価格の動向を注視し、さらに市町村の支援の有無、意向等を確認しながら実施の要否について検討していきたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 県議会の全会一致の請願採択を重く受けとめて、早い時期にぜひ決断していただきたい。
 次に、介護保険制度について伺います。
 まず、介護職員の人材確保については、先ほど神崎委員からも質問がありましたので、同じような質問はいたしません。それで、議論を聞いていますと、この人材不足は大変深刻で、本当に施設整備をしても、なかなか人材が確保できなくて整備ができない、そして離職率も激しい、本当に力を入れて取り組まなければ大変なものだと思います。
 お伺いしたいんですが、先ほど齋藤参事は、やっぱりイメージアップを図っていかなければならないと述べましたけれども、この人材確保の最大の問題は人件費だと思うんですよ。熱意を持ってそういった職場で働いても、結局、出産、介護、低賃金でやめざるを得ないと。ここを解決しなければ問題は解決しないと。全労働者の7割以下になっているこの労働条件を改善しなければ、根本的な解決にならないと思います。
 そこで、今、財務省の中で議論されているのは、介護報酬改定率を6%削減するという議論がされておりますね。それで、社会福祉法人には内部留保があるから報酬を削ってもいいんだというような、とんでもない議論が財務省の中でやられています。
 そして、先ほど齋藤参事がお話しした厚生労働省の中で設置されている福祉介護対策検討会、先ほど紹介がありました。この報告書が出ましたけれども、この報告書を見ても、根本にある人材確保に欠かせない賃金を上げるという規定が全く欠落しているんですね。やっぱりこんなことが国の省庁の中で議論されていたら、この介護人材確保についての根本的な解決はできないと思うんですよ。私は、ここを正して、賃金水準を上げるという方向で国に向かって強く要求していくべきだと思いますけれども、それはいかがでしょうか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 委員から今お話があったような人件費を含む介護報酬についての議論を今、国のレベルで行っているところでございまして、これらの最終的な決着は、12月の国の予算の取りまとめまで、さまざまな議論が続くのであろうと承知しているところでございます。
 県といたしましては、これらの議論、または各関係団体なども、今後、この報酬をめぐってさまざまな意見を表明されていくであろうと思いますので、それらの動向なども注視してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 動向注視ではなくて、今、国でやられている議論は介護報酬を下げると、人材確保にとって一番大切な賃金を上げるという議論が全くなされていないので、ここはきちっと国に対して強く要望していただきたいということでありますので、その点も含めてよろしくお願いしたいと思います。
 次に、特別養護老人ホームの入所要件の原則が要介護3以上になったということであります。一般質問でも申し上げましたけれども、平成26年3月末の早期入所が必要な待機者は1、321人、これに対して、要介護1、2が2割になっていると。この方はもう入所できないということになるわけですけれども、一体こういう人たちはどうなっていくんでしょうか。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 特別養護老人ホームの要介護1、2の方の入所要件についてでございますけれども、国が示します特別養護老人ホームの特例入所に係る国の指針、これはまだ骨子案ではございますが、その指針では、要介護1及び2の方であっても、認知症等で常時の見守り、介護が必要などのやむを得ない事情により、施設以外での生活が著しく困難であると認められた場合には、一定の手続を経て、特例入所が認められることとなっております。
 また、この特例入所の要件につきましては、現在、特別養護老人ホーム等で構成する岩手県社会福祉協議会、高齢者福祉協議会において、国の指針に基づきまして検討しているところでございます。
〇高田一郎委員 やむを得ない場合については基準を設けて入所ができるという話でありましたけれども、今検討されているのは、知的障がいなどで生活できない、そういう待機者、あるいは家族の虐待、認知症高齢者で、日常的な見守りが大変な高齢者ということで、今、三つになっているんですね。これは、このとおりになってしまえば、圧倒的多くの方々が入所できないとなってしまうと思うんですね。私は、今、検討中というお話がありましたけれども、やっぱり入所対象を広げていかないと、居住問題とか介護力がなくてとても限界だという方々が、要介護1、2でもたくさんあるわけですから、そういう対象を広げる方向で国に強く求めていってほしいと思っております。
 それで、介護保険問題で最後に、地域支援事業でありますけれども、これも来年度から市町村に事業として移行されるわけですが、本会議の一般質問の答弁では、二つの自治体が今、移行を考えているという話で、多くの自治体がまだ定まっていないという状況です。これは、どこに原因があるのかということをお聞きしたいと思いますし、私は、いわゆる在宅サービス、通所介護というのは、要介護にならない介護予防であって、やっぱり要支援者こそ丁寧な支援が必要だと思うんですよ。地域支援事業に移行しても、絶対今のサービスを後退させてはならないという立場で県も支援していくべきだと私は思うんですが、その辺の考え方についてお伺いしたいと思います。
〇齋藤参事兼長寿社会課総括課長 まず、多くの市町村において、現在その移行の時期について検討している背景ということでございますけれども、この制度について、さまざまな国からのガイドラインも示されておりますが、まだ、それらについての報酬の問題でありますとか、さまざま見えない部分がございまして、そういうところもあって、各市町村とも今のところ検討を続けている状況であろうかと思ってございます。
 また、要支援者の訪問介護と通所介護が地域支援事業に移行した後も、介護保険制度により、これまで同様に地域包括支援センターがケアマネジメントを実施する仕組みとなっておりまして、利用者の意向や心身の状況等を踏まえ、専門的なサービスを必要とする方には、訪問による身体介護や生活援助、通所による機能訓練などのサービス提供につなげることとされております。
 このような専門的なサービスに加え、例えば訪問介護では、NPOや民間事業者による生活支援、住民ボランティアによるごみ出しなどの多様なサービスの提供も可能としているところでございまして、県といたしましては、市町村事業である地域支援事業への移行後も、要支援の方が必要とするサービスが受けられますよう、市町村等に対して先進事例などの情報提供や担い手育成等を行う人材の確保などにより、市町村等への円滑な移行に向けた支援に引き続き努めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 これまでと同じようなサービス提供ができるように、引き続き市町村に対して支援をしていきたいということで、それでいいと思うんですけれども、ただ、国が検討しているのは、介護報酬というんですか、補助金というんですか、公定価格というんですか、これをさらに削減するという方向ですから、かなり大変なことになると思うんですね。ですから、そういったことを、公定価格がまだ示されていませんけれども、ぜひ後退にならないような立場で支援をしていただきたいと思います。
 最後に、小児救急医療体制を充実させる立場から質問したいと思いますが、現在の県立病院における救急患者の推移と、そして、小児救急患者の推移について、どうなっているのか、そして、県内の夜間小児救急医療の実施状況について伺います。
〇高橋地域医療推進課長 まず、県立病院における救急患者の推移についてでございますが、医療局によりますと、平成21年度には約15万4、000人でございましたけれども、年々減少する傾向にございまして、平成25年度には約14万3、000人となっているところでございます。このうち、小児科救急患者につきましては、平成21年度の約3万4、000人が、平成25年度には約2万4、000人と減少したところでございます。
 次に、夜間の小児救急医療の実施状況についてでございますが、盛岡保健医療圏におきましては、小児救急医療体制の整いました5病院が、輪番制の方式により救急患者の受け入れ態勢を整備しておりますが、その他の二次保健医療圏におきましては、小児科医が不足している状況もありますことから、通常の救急医療体制の中で小児の患者を受け入れておりまして、県立病院を初めとする地域の中核的な14病院で、オンコール体制等により夜間における小児救急患者に対応している状況でございます。
〇高田一郎委員 今お話がありましたように、県立病院における小児医療救急患者は年々減ってきているという数字になっています。これは、やっぱり市町村とか医師会などが中心に行っている夜間小児救急医療の取り組みも反映しているかと思います。
 ただ、私がここで質問したいのは、先日、県立磐井病院にお邪魔したときに、院長先生自身が、花泉診療センターの所長も兼ねながら、1週間に一遍花泉に行っているとか、あるいは当直、夜間救急の体制に組み込まれている、また、県立大東病院の当直もやっているんですね。私は、そういう話を聞いたときに非常にびっくりしたんです。基幹病院でこういう状況になっているというのは、本当に大変なことだと思うんですね。
 それで、今、多くの自治体でやっている夜間小児救急は、大体6時から8時までやっているんです。これは、いろいろ調べてみますと、人数的には数人なんですね。でも、大きな役割を果たしていると思うんです。いろいろな先生から聞きますと、やっぱり6時から8時ではなくて、8時から10時とか11時が一番多いと言うんですよ。ですから、やっぱり市町村とか医師会と協力しながら、独立した夜間の小児救急体制をつくっていけば、県立病院の医師の負担軽減にも私はつながっていくと思うんですね。特に東北本線沿いであれば……
〇岩崎友一委員長 高田一郎委員、簡潔にお願いします。
〇高田一郎委員(続) はい。
 東北本線沿いであれば、応援の医師もたくさん来るということも、そういう条件もあるわけですから、そういう対応を検討して、小児救急医療の充実と医師の過重といいますか過酷な勤務条件を軽減するという両面から、そういう検討をしていくべきではないかと思います。その辺のことをお聞きして、終わりたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 市町村や医師会とも連携して、体制の充実を図るべきではないかということでございます。
 岩手県医師会におきましては、県の委託により小児救急医療に関する電話相談を実施しておりまして、小児救急患者の保護者が抱く不安に対応しているところでございます。また、盛岡市や奥州市が開設しております夜間診療所に地域の医師会が医師を派遣するなど、医師会の協力を得ながら運営されているところでございます。
 一方、市町村におきましては、先ほど申し上げました盛岡保健医療圏における小児救急輪番制の実施に対しまして財政支援をするなどしているところでございますが、残念ながら、他の圏域におきましては小児科医が不足してございまして、現状では、輪番制などの取り組みを行うことは極めて困難な状況にあると考えております。
 このため、県といたしましては、本年3月に更新整備いたしました小児救急医療遠隔支援システムを活用し、県内各地域の中核的な病院の当直医等が、岩手医科大学の小児科専門医の助言、指導を受けながら小児救急患者に対応できる体制を強化したところでございまして、当該システムの利用を促進しながら、夜間の小児救急体制の充実を図っていきたいと考えているところでございます。
〇岩崎友一委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇南子ども子育て支援課総括課長 先ほど斉藤委員の放課後児童クラブに関する質問がありまして、保留にいたしておりました数値について御答弁申し上げたいと存じます。
 放課後児童クラブの登録児童のうち、小学校1年生から小学校3年生までの児童が全児童数に占める割合についてのお尋ねでございました。あいにく今年度の小学校1年生から3年生までの全児童数につきまして、ちょっと確認がとれませんでしたことから、昨年度の数値をもとに御答弁申し上げたいと思います。
 昨年度の小学校1年生から小学校3年生までの全児童数3万1、560人、これに対しまして、昨年5月1日現在の小学校1年生から3年生までの登録児童数が8、450人でございますので、全児童数に占める登録児童数の割合は26.8%となるものでございます。
〇岩崎友一委員長 質疑を続行します。
〇吉田敬子委員 ひとにやさしいまちづくり推進費についてお伺いいたします。
 昨日は、政策地域部において、公共交通機関の整備というのは政策地域部だったので質問いたしましたが、この全体の条例の取り組みは保健福祉部ですので、全体の取り組みについてお伺いいたします。
 このひとにやさしいまちづくり条例の取り組みの成果を県ではどのように把握されていて、課題をどのように認識しているか、バリアフリー化というのがどのくらい進んでいるかをお伺いいたします。
 平成19年にこの条例は一度見直しをされて、改正しているんですけれども、そのときの県民意識調査では、不満、やや不満の割合が約55%で半数以上でしたが、その見直しを行った後の取り組みの成果がどのようにあらわれているかお伺いいたします。
〇千田地域福祉課総括課長 ひとにやさしいまちづくりの取り組みの成果についてでございますが、県民や事業者などを対象としましたセミナーなどの普及啓発によりまして、県政モニター調査結果において、ひとにやさしいまちづくりの認知度が平成19年度の54.0%から平成25年度の60%に向上していることや、平成22年度から導入しました、ひとにやさしい駐車場利用証制度の平成26年8月末までの利用証の累計交付件数が7、275件と多くの方に利用されていること、また、路線バスの低床バス導入率が平成20年度の9.4%から平成24年度の22.8%に向上していることなど、一定の成果があったものと認識してございます。
 次に、課題についてでございますが、先ほども申し上げましたが、依然として4割の県民の方につきましては、ひとにやさしいまちづくりやユニバーサルデザインについて、理解が十分でないということが挙げられます。また、このほか新たな課題といたしましては、東日本大震災津波の被災地の復興まちづくりにおいてユニバーサルデザインを導入すること、あるいは、平成28年に開催されます国体、全国障害者スポーツ大会を契機とした競技施設や宿泊施設等のユニバーサルデザイン化やボランティアの育成等が挙げられます。
 このため、ただいま条例に基づき策定してございますひとにやさしいまちづくり推進指針につきまして、今年度が見直しの時期となっていますことから、これらの課題を解決できるよう、必要な見直しを行った上で取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇吉田敬子委員 平成19年のときの51%から60%に満足されている方の割合が上がったということではあると思うんですけれども、ハードの部分が設置されたりとかというところで、まちづくり、人づくりが進んでいるかと思うんですが、実際のソフト面というところがまだまだ足りないのかなと感じております。
 実際に、車椅子利用者の方で、例えば商店街の中のお店に携帯用のスロープを設置したいということで盛岡近郊のお店を歩いたそうなんですけれども、うちは車椅子の人が来ないからスロープは要らないというお店が多くて、車椅子の利用者の方からすると、そういうものがないから行けないから行かないのだということでした。私も、結局行かないのではなくて行けない状況が、車椅子利用者の方には多いと思っております。
 先ほど地域福祉課総括課長の答弁にもありましたとおり、岩手国体が2年後に控えていて、そういったハード面もそうなんですが、ソフトの人の気持ちの部分もあるかと思うんですね。もっと踏み込んでやっていっていただきたいと思いますし、政策地域部だったり、あとは、モデル地区として取り組んでいる地区もあって、そこは商工労働観光部になっていたりとか、避難所のバリアフリー化というものも、この条例に基づいて進めていると思うんですけれども、それは防災室の担当になっていたりとかしていて、一度ちょっと数を依頼調査したのですが、やっぱりそれぞれをここの所管、保健福祉部では統括されていないということだったので、私は、ぜひそれをきちんと把握した上で、この条例は今年度も見直しされるということだったので、これから進めていっていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
〇千田地域福祉課総括課長 委員御指摘のとおり、このひとにやさしいまちづくり条例の所管は地域福祉課になりますけれども、この条例の理念に基づいて、県庁挙げて、それぞれのセクションが、それぞれの事業について、ひとにやさしいまちづくりの考え方に沿って実施していくという体制がまずはありましたために、それぞれの所管のところの実施にまずは委ねている面がございました。
 ただ、全体を統括する当課といたしましても、全体の進捗につきましては、今後、きちんと進捗管理をして、ひとにやさしいまちづくりをさらに推進していきたいと思います。
〇吉田敬子委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 その中で、障害福祉サービスについてお伺いいたします。
 障害福祉サービスは、県ではさまざまなサービスを提供されていますけれども、それぞれのサービスの利用者数の推移、そして、サービスのさまざまな内容自体が、これで充足度としてどうなのかというのを県でどのように捉えているか、また、それを介護職の方が、ホームヘルパーの方とかの人材がなかなか少ないということの課題があると思うんですけれども、それについての県の認識をお伺いいたします。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 障害福祉サービスの利用状況でございますけれども、障害福祉サービスにつきましては、大きく分けまして、居宅介護などの居宅系サービスと生活介護などの日中活動系サービス、それから、グループホームなどの居住系サービス、こういうふうに三つに大別されますが、これらサービスの必要量につきましては、各市町村で障がい者の種別、それから人数、あるいはそのニーズ等を踏まえまして障害福祉計画というものを策定しますが、この計画に必要なサービスを位置づけることにしております。
 この計画に基づく計画とサービス実績は、平成25年で申し上げますと、居宅介護が県全体での計画延べ1、218人ということで、計画に対して82.8%、同様に、生活介護が3、109人で93%、グループホーム等が1、574人で89.8%ということで、おおむね計画の8割から9割の実績ということになっています。これは平成24年度も同じでありまして、平成24年度から25年度を比べますと、全体で3%のサービス利用の伸びがあります。これは、平成18年の障害者自立支援法制定以降、おおむね毎年こういったような形でサービス利用が伸びております。
 次に、ホームヘルプサービスを行う指定居宅介護事業所、介護職員のお話でございますが、この指定居宅介護事業所は、平成26年10月1日現在で、全県で161事業所ございます。それぞれこの161事業所ですけれども、指定基準によりますと、常勤換算では1事業所当たり2.5人以上という基準がありまして、それぞれ基準を満たして指定を受けていますので、各地域でニーズに合わせて必要な事業所数と介護職員は確保されているものと考えておりますけれども、大体のところが介護保険の事業所と合わせて指定を受けていますので、今後も必要な介護人材の確保につきましては、長寿社会課等と連携を図りながら確保に努めていきたいと思います。
 それから、近年、たん吸引など医療的なケアを必要とするケースがございますので、そうしたことに対応する介護職員の養成につきましても、関係機関と連携を深めながら取り組んでいくこととしております。
〇吉田敬子委員 利用者の数は8割、9割という目標値のほうではあると思うんですけれども、これは、引き続きそういったサービスの拡充は進めていっていただきたいんですが、介護職員の方が、もともと人口減になっていくという中で、これからまだ課題ではあるかと思うんです。
 札幌市でパーソナルアシスタンス制度というものを導入しています。これは、札幌市が独自で平成22年からやっているんですけれども、重度の身体障がいがある方に対して、直接お金を支給して、障がいのある方が、また直接お願いしたい方にお金を支払える制度になっているものを導入していまして、これは、介護の職でなくても、身近な方にお願いできるそうなんですね。だから、自分の好きな人って変ですけれども、本当に身近な地域にいる方にお願いできるということで、実際に私の友人で、盛岡市に住んでいるのですけれども、彼の友人で札幌市に住んでいる車椅子利用者の方から、その制度はすごく使いやすくて、緊急のときでも、地域の方にお金を支払ってお願いできるから、お願いしやすいということでした。
 ぜひ、こういったものも導入等々を考えながら、これからサービスの拡充を検討していっていただきたいと思いますが、その件に関しての御所見と、最後に、盲導犬、介助犬、聴導犬の利用者の推移と、それに対しての需要に対する、盲導犬、介助犬、聴導犬を本当は利用したいんだけれども、なかなかそれがいないとかという現状があるのかどうか、県でどのように把握されているかお伺いいたします。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 障害者総合支援法あるいは児童福祉法の仕組みの中で、重度の障がい者に対する移動支援は、重度障害者移動支援、あるいは目の見えない方には行動援護等の既存の枠組みの制度がありますので、まずは、そうした公的なサービスをきちんと計画に基づいて供給することを第一にしたいと思いますし、委員から御案内のありました北海道のパーソナルアシスタンス制度につきましても、今後、どういったものかをこちらも勉強しながら対応してまいりたいと思います。
 それから、介助犬のお尋ねでございます。
 介助犬は、平成26年、本年10月で、盲導犬が13頭、介助犬が5頭の計18頭の利用がされております。県では1頭当たりの養成費が150万円、盲導犬となる候補犬の確保費、飼育費、医療費その他で1頭150万円、これは国と県で2分の1ずつ見るものなのですが、予算上、毎年2頭分300万円確保しておりまして、毎年1頭ないし2頭、ここ5年を見ると、ちょうど2頭ずつ給付しております。
 年によっては、2頭確保しているけれども1頭のニーズしかないとか、あとは、2頭分しか確保していないけれども、3頭のニーズがあって1年お待ちいただくということはあるのですが、おおむねニーズに対応するような予算確保あるいは過去の給付状況になってございます。
〇吉田敬子委員 盲導犬、介助犬等も含めて、2年後の岩手国体に向けて、やっぱりソフト面というか、お店でもそういった車椅子利用者の方等もどんどん利用できるような社会をぜひ目指していっていただきたいと思います。
 特に、ハードはあるのだけれども、なかなかソフトにまで普及していないというか使われていないことがあるので、ぜひ、先ほどの商店街で携帯スロープを設置したいけれども要らないと言われるというような現状で、せっかくこっちから提供したいということもあるみたいですので、岩手国体を契機に、私は、そういったバリアフリー化というかユニバーサルデザイン化というものをこの岩手県で進めていっていただきたいと思いますが、最後に部長の御所見を伺って終わりにします。
〇根子保健福祉部長 ユニバーサルデザイン、いわゆるひとにやさしいまちづくりの推進は非常に大事なことだと思っております。その上で、今回の国体、障害者スポーツ大会は本当にいい機会だと思いますので、私どもとしましても、国体局と連携しながら、そして、その国体後のことも含めて、そういう取り組みを進めてまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 当該委員でありますが、ふだん質問できないということではなく、委員会でもちょっと大事な関係もあって、あえてきょう質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 1点目は、宮古高等看護学院の施設整備に関係してでございます。
 これは委員会でも調査をしていろいろ見てきたものでありますけれども、昨年の9月定例会だったでしょうか、地元の議員から一般質問があって、施設が老朽化している、東日本大震災の被害もあると。そういうことで、平成25年度から平成27年度にかけて大規模改修を行う。加えて、施設改修にあたっては、被災地における看護職員の確保の観点から、学生の定数拡充についても検討している旨、保健福祉部長が答弁されてございます。
 平成25年度、その答弁に基づいて、どのような事業実績があり、今後の取り組みはどうなるのか伺います。
〇葛尾医務課長 県立宮古高等看護学院の大規模改修についてでございますけれども、平成25年度につきましては、実習施設棟の増築工事及び校舎棟、寄宿舎棟、体育館の改修工事に係る設計を終えたところでございます。その後、ことし7月から実習施設棟の増築工事に着手しているという状況になっております。
 今回の改修に当たりましては、被災地における看護師確保の厳しい状況を踏まえまして、沿岸部唯一の看護師養成所である同校の学年定員について、平成28年度から8名増員し、現行の24名から32名とすることとしており、今後、これに必要な教室や看護実習室等の拡張工事などを実施し、平成27年秋ごろまでには整備を完了する予定になっております。
〇及川あつし委員 わかりました。今、御答弁あったような内容で進んでいるかどうかということも含めて、ことしの5月21日に環境福祉委員会で宮古市の現地調査を行わせていただきました。行って、やっぱり聞きしにまさるかわいそうな環境だなというのが、実は我々の受けた率直な状況でありまして、今、実習施設の設計が終わって整備が進みつつあるようですけれども、例えばパソコン1台の机を2人の学生が共有しながらやっているとかなどなど、かなりどうなのかなというような状況を目の当たりにしてまいりました。
 担当の書記とか併任書記の発案もあって、委員会としては初めて、学生、1年生の24人と2班に分かれて実はディスカッションをしたわけでありますが、予定よりも盛り上がったというか充実した話し合いになって、当初予定にはなかった学生寮のほうも突然視察することになって、学生たちも、聞いてくれるなということもあったんでしょうけれども、全委員の皆さんに、日ごろのいろいろな思いをぶつけていただいたところであります。
 その際、学生たちからは、例えば学生寮については、インターネット環境が整備されていない、LANも入っていないしWi-Fiもつながらないというような環境で、壁も薄くて隣の声が聞こえるとか、いろいろな声を頂戴いたしました。朝食についても、おなかがすくと。何でだと聞いたら、パン1枚なんですと言うんですね。これは、学校が契約にかかわっていないので、学校側としてはなかなか厳しいというような話も聞いたんですけれども、おなかがすくということもはっきり言われました。
 いろいろな意見を聞いてきたわけですが、こういう学生たちの意見、要望に対して、ぜひしっかり対応していただきたいと。趣旨としては、沿岸被災地唯一の看護師養成施設、これからまだまだ需要があるし、まさに金の卵だと思うんですね。金の卵にパン1枚ではかわいそうだなというのが我々の実感でありましたので、どのように対応するのか伺いたいと思います。
〇葛尾医務課長 環境福祉委員会の調査においては、学生からさまざまな意見が出たということは承知しておりまして、まず、特に要望の強かったインターネット環境の整備につきましては、学習環境の向上という観点から、寄宿舎の改修時に基盤的な整備を行う方向で調整しているところでございます。
 その他の要望につきましても、学習環境の向上という観点や費用負担のあり方、他の教育機関の状況などを総合的に勘案しながら、適切に対応していきたいと考えているところでございます。
〇及川あつし委員 何が適切かという問題があると思うので、本当に本気にかかってやっていただいていると思うんですが、さらに本気をかけて、学生たちのためだけじゃなくて、その学生たちが地域医療の担い手になるわけですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 その際、初めて私も気づかされたわけですが、今、宮古高等看護学院のお話をしましたが、県内にはあと、一関高等看護学院と二戸高等看護学院がある。数字をちょっと忘れたのであえて伺いたいんですが、特に一関、二戸については、県外出身の学生がかなりいるなというような話を伺いましたけれども、各高等看護学院の県内の高校を卒業した学生、県外からの学生の割合というのは把握されていると思うので、ちょっとお知らせいただいてよろしいでしょうか。
〇葛尾医務課長 県立の三つの高等看護学院の今年度4月の入学者の状況について御説明いたします。
 一関高等看護学院では、入学者33名のうち、県外出身者が1名、宮古高等看護学院では、入学者24名のうち、県外がゼロ名、二戸高等看護学院におきましては、入学者34名のうち4名が県外出身者となっておりまして、トータルでは、入学者91名のうち5名が県外の出身ということになっております。
〇及川あつし委員 わかりました。もう少し高いような印象で我々はヒアリングしてきたんですけれども、二戸が若干多いのかなと。その前の年度とかがもう少し多かったような話を伺ったんですが、これは一概に問題という意味でお聞きするわけではないのですが、どうも聞いていると、県外出身の学生は、本県立の高等学院で学んで資格を取って、また地元に戻ってしまっているというような傾向もあると仄聞したのですが、その点についてはどうなっているのか、就職動向についてもお知らせ願います。
〇葛尾医務課長 ことし3月に卒業した学生についての内訳を御説明したいと思います。
 卒業生が全部で80名ございますけれども、そのうち県外の出身者で県内に就職した方が2名です。県外の出身の方で県外に就職された方が6名。合計8名の内訳は、県内2名、県外6名という状況になってございます。
〇及川あつし委員 ちなみに、本県出身者で資格を取って県内にどれぐらい残られたかも、わかるのであれば教えてください。
〇葛尾医務課長 県内出身者が県内に就職した数としては47名となってございます。県内出身者で県外に出た方は16名となってございます。
〇及川あつし委員 今、御紹介あったように、県外からの学生という部分についても若干工夫の余地があるのかなというような感じもしていますし、本県出身者で本県立高等看護学院で資格を取った学生も、16名ですか県外に、流出という言葉も適当かどうかわかりませんけれども、残念ながら出ていっていると。県立大学の看護学部の学生の定着率の問題もずっと議論されてきておりますけれども、高等看護学院についても、できれば100%に近い形で県内に就職してもらいたい。学生との議論の中では、やっぱり県外の医療機関からのアプローチが強いし、何か魅力的なアプローチもあるという話も聞いております。そういう課題も含めて現状の認識と課題への対応について伺って、質問は終わりたいと思います。
〇葛尾医務課長 県立の学校という観点から、やはり県内高校生への優遇ですとか、県内の定着率を高めることは必要だと考えておりまして、例えば入学者につきましては、学校のPR、広報を県内に限定していたり、あと、推薦入学の入学資格を県内高校に限定していたりという措置をとってございます。
 あと、県内への就職の促進ということにつきましては、日ごろから高等看護学院の先生方に指導していただいているところでして、今後もそれを継続強化していくと考えてございます。
〇岩崎友一委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇小野寺好委員 聴覚障がいについて1点伺います。
 まず一つは、事項別明細書199ページの難聴児補聴器購入助成事業費補助について伺います。
 岩手県でも中度、軽度の難聴の子供に対する補聴器購入について補助が始まったわけですけれども、平成25年度の実績、その内容について伺いたいと思います。
 二つ目は、これとの関係で、人工内耳について伺います。
 子供が生まれて、新生児スクリーニングでちょっと聴力に問題があるねということがわかった場合に、保護者の選択肢の一つに人工内耳の手術があります。これについては、近年の岩手県の手術実績はどうなっているか伺いたいと思います。
 三つ目に、その人工内耳の手術を受けた場合に、その後のリハビリが非常に重要であると言われています。今まで岩手県では、盛岡市立病院の言語治療室でその任に当たってきたと聞いていますけれども、現在、子供に対するリハビリはどうなっているか、及び子供以外はどのようなリハビリを行っているかお聞きしたいと思います。
 四つ目ですけれども、聴覚の特別支援学校では、従来からの手話による教育に加えて、近年のこうした人工内耳の子供に対しては、新たな仕事というか分野だと思うのですけれども、どのような配慮をなされているかお聞きしたいと思います。
 あともう一つは、人工内耳友の会から県に対してもし何か要望が出ていれば、及びこれに対する県の対応はいかがであったか、以上お聞きしたいと思います。
〇鈴木参事兼障がい保健福祉課総括課長 まず、1点目の岩手県難聴児補聴器購入助成事業の平成25年度実績ですけれども、補助対象者数は44人で、交付台数は55台、両耳につける人もいるために55台になっております。
 それから、価格は、国の補装具の基準単価を準用しておりまして、補聴器の種類によって価格が違いまして、4万3、200円から13万7、000円と、御負担していただくのが要した額全体の3分の1で、残りの3分の2を県と市町村が補助するというスキームになっております。
 それから、2点目の人工内耳の手術の関係でございますけれども、人工内耳の埋め込み手術は、本県では、岩手医科大学附属病院のみで実施しておりまして、平成25年度の実施件数10件、これまでの累計で62件と伺っております。それぞれ医療費につきましては、高額療養費助成制度あるいは自立支援医療を使いまして、低所得の方は負担が少なく済むようになっております。
 それから、3点目のお尋ねでありますけれども、リハビリを受けている患者数、子供、大人ということでございますが、以前は盛岡市立病院でやっておりましたけれども、耳鼻科のリハビリ外来閉鎖に伴いまして、6月以降でございますが、県の療育センターでお子さんのリハビリは実施しておりまして、20名実施しております。大人の方は、岩手医科大学で実施しているものでありまして、岩手医科大学にもちょっとお伺いしたのですが、すぐには数字が出ないということで、岩手医科大学でリハビリを受けている大人の患者については、現時点ではちょっと不明であります。
 それから、4点目のお尋ねでございますけれども、聴覚支援学校における対応状況ということで、当部では直接所管しておりませんので、教育委員会に確認した結果のみお答えしたいと思いますけれども、人工内耳を装着している児童生徒への対応でございますが、お1人、お1人に聴力の差がありますので、手話を併用した形でコミュニケーションをとるなど対応はさまざまとなっておるようです。一般的には、人工内耳を装用している児童生徒におきましても、基礎言語の習得に際し手話による指導が行われているようです。結論から申し上げますと、聞こえと人工内耳を装着してのやりとりの状況によって、手話を併用したり、併用しなかったりという状況になっているということをお伺いしております。
 もう一点、友の会からの要望でございますが、人工内耳友の会から、人工内耳機器の購入などに対する助成についてということで、平成25年に要望をいただいております。これを受けまして、当課で全国の状況を確認しましたところ、県単位でやっているところはないのですが、市町村が、地域生活支援事業のうちの日常生活用具の給付あるいは市町村単独事業で実施しているところがありまして、これをもとに国に確認しましたところ、人工内耳の電池につきましては、地域生活支援事業の日常生活用具の助成対象となるという回答を受けましたので、これを受けまして、平成25年6月でございますけれども、人工内耳友の会に対しまして、電池は対象となりますという回答を行っておりますほか、あわせて、県内の市町村に全国の実施状況を取りまとめたものも情報提供してございます。
〇小野寺好委員 ありがとうございます。
 全国の地方議会では、この9月議会で、(仮称)手話言語法の制定を求める請願が各地で出されて、これに基づいて意見書が出されるようなんですけれども、どこの議会においても全く異存がなくて、これがすんなり通っているようなんです。
 ただ、ちょっと仄聞するところによりますと、手話でも何か二つの流れがあるとか、あるいは、今のような人工内耳の子供がどんどん出てくるとかとなると、法律で手話言語法がもう認められたんだからみたいになると、こっちが優先だよとかなった場合、親としては、うちの子供は人工内耳でリハビリのほうを選びたいといったときに、その相剋が出てこないか、その辺のところをちょっと懸念するわけですけれども、最後に部長にお聞きして、終わりたいと思います。
〇根子保健福祉部長 (仮称)手話言語法について、各県議会で請願採択となっている状況でございますが、制定された場合について、県として、法の趣旨に沿った対応を検討していくことになりますので、その状況をいろいろ県のほうで検討しながら考えていきたいと思っておりますが、今の時点では、そういった状況を見ながらということで考えております。
〇岩崎友一委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一委員長 質疑がないようでありますので、保健福祉部関係の質疑をこれで終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇佐々木医療局長 認定第13号平成25年度岩手県立病院等事業会計決算について御説明申し上げます。
 県立病院等事業の運営に当たりましては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院等の設置の本旨、県議会の審議を通じての御意見及び監査委員の御意見の趣旨を踏まえまして、まことに厳しい医療環境ではありますが、事業の効率的な運営と経営の健全性に配意しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と保健衛生の向上に努めてきたところでございます。
 平成25年度におきましても、良質で効率的な医療供給体制と、これを支える安定した経営基盤の確立のため、平成21年2月に策定した経営計画のもとに、多様な取り組みを展開してきたところです。
 まず、病床規模の適正化につきましては、圏域ごとの入院需要に見合った適正な病床数を確保しながら療養環境の向上を図るなど施設効率を高めるため、宮古病院の病棟再編などを行ったところでございます。
 次に、医師確保につきましては、本県出身医師などの協力を得ながらの戸別訪問や、関係大学への要請などによる招聘に努めるとともに、奨学資金貸付制度の運用による医師の確保に努めているところであります。また、臨床研修医師の積極的な受け入れに取り組んだ結果、平成25年度は、初期研修医が112名となり、後期研修医は68名を勤務医として確保したほか、医療クラークの増員や育児短時間勤務制度の拡充等により医師の勤務環境の改善に努めるなど、県民医療に必要な医師の確保と定着に努めてきたところでございます。
 次に、病院機能の明確化等につきましては、磐井病院が新たに地域医療支援病院として承認を受けるなど、中央病院や各圏域の基幹病院を中心に、地域医療を支える体制づくりを進めるとともに地域連携クリニカルパスの活用を推進するなど、他の医療機関を含めた医療機能の分担と連携の推進に努めてきたところであります。
 このほか、医療サービスの提供におきましては、より良質な医療を提供できる体制の整備を図るため、中央病院及び大船渡病院で病棟での薬剤業務を実施するなど、薬剤師等の医療技術職員の増員を行ったほか、これまで主に入院で行っていたがん化学療法や検査の外来移行を進めるなど、医療の質の向上に努めてきたところです。
 また、これらの取り組みにあわせて、医師事務作業補助体制加算などの施設基準の上位への届け出や外来診療単価のアップなど、収益の確保に努めてきたところであり、一方、費用面では、職員の適正配置、後発医薬品の使用拡大、診療材料に係る調達供給業務の委託拡大による廉価購入等により費用の抑制を図るなど、総合的な経営改善に努めたところでございます。
 以上、事業の概要を申し上げましたが、平成23年の東日本大震災津波による被害によって、今なお診療機能の制限を余儀なくされているほか、今般の消費税率の引き上げや、今年度から適用された地方公営企業会計基準の見直しによる引当金の計上義務化などにより、欠損金が大幅に増加する見込みであるなど、引き続き厳しい経営環境に置かれているところであります。
 こうした状況のもとではありますが、今後におきましても、経営計画の目標の達成に向け、収益の確保や効率的な費用の執行など各種の取り組みを進め、安定した経営基盤の確立を図りながら、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めていきたいと考えております。
 それでは、お手元の決算書に基づきましてその概要を御説明いたしますが、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税相当額を含めた金額で作成するものであるのに対し、損益計算書及びその他の財務諸表は消費税及び地方消費税相当額を除いた金額で作成することとなっており、金額に相違がございますので、あらかじめ御承知願います。
 決算書の1ページをお開き願います。まず、決算報告書の収益的収入及び支出でありますが、収入の第1款病院事業収益は、予算額1、006億1、600万円余に対し、決算額は1、010億1、200万円余でございます。
 次の支出の第1款病院事業費用は、予算額982億6、000万円余に対し、決算額は982億3、900万円余でございます。
 2ページに参りまして、資本的収入及び支出でありますが、収入の第1款資本的収入は、予算額130億700万円余に対し、決算額は153億1、200万円余で、その主なものといたしましては、第1項企業債58億4、100万円、第3項負担金64億2、900万円余、第4項補助金25億8、000万円余などでございます。
 3ページに参りまして、支出の第1款資本的支出は、予算額182億1、300万円余に対し、決算額は174億9、500万円余で、その主なものといたしまして、第1項建設改良費は58億6、100万円余で、大東病院の増築、改修工事並びに宮古病院への循環器用エックス線診断装置の整備等に要した費用でございます。
 第2項企業債償還金は108億5、800万円余で、施設の整備等のために借り入れた企業債の償還金です。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する48億7、200万円余につきましては、前年度からの繰越工事資金200万円余及び過年度分損益勘定留保資金45億3、900万円余で補填し、残りの3億3、000万円は、当年度許可済未発行企業債で措置するものでございます。
 次に、損益計算書について御説明申し上げます。
 4ページをお開き願います。医業収益は870億9、500万円余で、その主なものは、入院収益562億9、400万円余と外来収益247億9、100万円余でございます。
 次に、医業費用は905億6、300万円余で、その主なものは、給与費515億9、800万円余、薬品などの材料費220億1、300万円余、光熱水費、賃借料及び委託料等の経費124億7、300万円余、減価償却費37億4、200万円余などであります。
 また、医業外収益は136億6、400万円余で、その主なものは、一般会計繰入金のうち、医業外収益として繰り入れた負担金交付金122億1、800万円余などでございます。
 5ページに参りまして、医業外費用は72億2、300万円余で、その主なものは、繰延勘定償却26億9、800万円余、仕入れ控除できない消費税及び地方消費税16億8、300万円余を含む雑損失18億5、900万円余などであります。
 この結果、経常損益では29億7、200万円余の利益が生じたところでございます。
 次に、特別利益1億3、800万円余は、旧磐井病院跡地の売却に係る固定資産売却益であり、また、特別損失3億3、600万円余は、旧磐井病院建物基礎部分解体工事に要した経費及び地震被害により増築、改修を行った大東病院旧管理棟の残存資産の除却費であります。
 この結果、平成25年度岩手県立病院等事業会計の損益は27億7、500万円余の純利益が生じ、黒字決算となり、これにより、当年度末累積欠損金は164億400万円余となったところです。
 以上、決算報告書及び損益計算書について御説明申し上げましたが、6ページ以降の剰余金計算書及び貸借対照表、その他の事項につきましては説明を省略させていただきたいと存じます。
 以上で医療局関係の説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇岩崎友一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤勝子委員 東日本大震災津波によって甚大な被害を受けられた沿岸部被災3病院の一日も早い開院が望まれているところでございます。平成25年度は設計という形であらわされておりましたが、山田病院、大槌病院、高田病院の建設に向けての進捗状況をお伺いいたします。
〇小原経営管理課総括課長 沿岸被災3病院の再建に向けた進捗状況でございます。
 さきに公表した再建方針に基づき、大槌病院及び山田病院は平成28年度、高田病院は平成29年度の開院を目指し取り組みを進めております。
 大槌病院につきましては、本年7月に建築工事等の契約を締結しまして、現在、工事を進めているところでございます。
 山田病院につきましては、現在、山田町において用地造成を進めており、これと並行して、医療局において、本年4月に設計委託業者を決定し、現在、病院とともに設計作業を進めているところでございます。
 高田病院につきましては、本年度、地元陸前高田市において用地買収及び造成を進めておりまして、その進捗状況を踏まえながら、医療局において病院設計を行うこととしております。現在、それに向けた検討を市や病院とともに進めているところでございます。
 現在のところ、3病院とも計画どおり進捗しておりまして、早期再建に向けて、引き続き各市町と緊密に連携をしながら取り組みを進めてまいります。
〇工藤勝子委員 それぞれ平成28年、高田病院は平成29年の開院に向けて一生懸命努力されているということでありまして、地元の皆さんは一日も早い開院を望んでいるだろうと思っているところでもあります。
 そこでお伺いいたしますが、今、仮設で病院が運営されているわけですけれども、医師を初め、それぞれ職員の皆さんの御努力によって収益状況も黒字であるとあります。そういう中でいろいろと、今、場所とか用地を含めているわけですけれども、まず、今後被災を受けない―津波、いろんな災害がありますが、安全で安心できる場所の選定等を行われたと思っておりますし、交通アクセスの問題等も皆さんでそれぞれ考慮されて、用地も決定されたものだと思っているところであります。
 そこで、今度は診療科目の設定、医師の確保、医療人材の確保状況についてお伺いしたいと思います。
〇佐々木医師支援推進監 沿岸被災3病院の診療科目の予定についてでありますが、さきに公表した再建方針にあるとおり、内科、外科を基本としたこれまでの外来機能を維持しながら、地域における必要な診療体制を確保していきたいと考えております。
 次に、医師確保における状況と課題についてでありますが、平成26年9月1日現在の常勤医師数でございます。高田病院は、内科が7名、小児科が1名、眼科が1名で計9名であり、うち招聘医師が4名ございます。大槌病院は、内科のみ4名であり、うち招聘医師が2名。山田病院は、内科が1名、外科が1名で計2名であり、うち招聘医師は1名でございます。
 常勤医師数を震災前の平成23年3月1日現在の医師数と比較しますと、高田病院が3名、大槌病院が1名増加しているところでありますが、昨年同時期と比較しますと、医師の退職等により、それぞれ1名の減少となっております。
 今後の常勤医師の確保については、発災後の時間の経過とともに全国から新たな診療支援の申し出が少なくなっていることや、大学から地域病院に対する医師の派遣が厳しいことなどから、大変困難な状況が予想されますが、引き続き、関係大学への医師の派遣要請や、平成28年度以降に本格化する奨学金養成医師の効果的な配置、即戦力医師の招聘活動等により医師の絶対数の確保に努めることともに、圏域の基幹病院及び圏域を越えた県立病院との連携や地元医師会との連携を進め、必要な診療体制の確保に努めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 医師の招聘によっていろいろ保たれているというような状況でもありますし、退職された方もあるという中で、この開院に向けて医師確保というのは非常に大事ではないかと思っております。また、地域においてもさまざまな診療科目があることが、自分たちが診療をとても受けやすいという条件になってくるのではないかと思っております。
 その中で、平成25年度、医師の養成や医師の招聘によって医師数は32名の増とあります。そのうち正規が16名、臨時で16名となっております。その御努力が見られると思っておりますが、課題は看護師の33名の減ではないかと思っているところでもあります。そういう部分において、医師とともに医療人材として看護師の役割が非常に大事であり、こういう不足に対しての対応が求められるのではないかと思っておりまして、所感をお伺いしたいと思います。
 そのほかに、県立病院では結構臨時の職員がいらっしゃると思っております。医師が268名、そのほか薬剤、検査、放射線部門にもありますし、特にも看護師部門で395人、看護師、准看護師、看護助士等がありますので、多いのかなと思っておりますけれども、この臨時職員は、現在、直近と比較して減少しているのか、逆に臨時職員がふえてきているのか、その辺のところもお聞かせいただきたいと思います。
〇菊池参事兼職員課総括課長 看護部門の臨時職員の増減の状況でございますが、最近、どうしても突発的な病気とか休暇者が出ることに対しましては、年度途中等、正規職員ではなかなか補充ができないというようなこともございまして、一定の臨時の職員の方を採用して運営しているという実態でございます。
 看護部門の数が出ておりましたけれども、最近は看護職員の臨時につきましては減少傾向にございます。その分、可能な限り、事故欠は正規職員で対応するというような方向で進めている状況でございます。
〇佐々木医療局長 被災した病院の再建に伴う職員の確保ということでございまして、今回、今年度を初年度とする5カ年の経営計画の中でも、被災した病院の病棟再開に伴う職員のその分を増員とするということで計画上入れておりまして、それで、職員を採用した後は、全体の人事異動の中で適正な配置を行っていくということで確保したいと考えております。
〇工藤勝子委員 どうぞよろしくお願い申し上げたいと思っております。
 大槌病院のほうは建設に入っているようでありますが、今、復旧、復興の大きな課題の一つに入札の不調があります。1回、入札不調になりますと、2カ月から3カ月はおくれるということでありますし、また、発注金額が3億円以上と高くなりますと、議会の承認ということも入ってまいります。そうすると、さらにまた3カ月、4カ月おくれるということが言われております。土木工事と違いまして、公営住宅や学校、施設、病院等の建造物の入札が不調になっていることが多いのではないかと思われますが、入札不調に対する検討はされていらっしゃるのかお伺いいたします。
〇小原経営管理課総括課長 一般的に入札不調の要因といたしましては、設計単価と実勢価格との乖離や、技術者、労務者の確保、資材調達等が困難であることなどが挙げられているところでございまして、医療局におきましても、入札不調への対策といたしまして、県の入札制度の基準に準じまして、入札参加資格において施工実績要件を付さないこと、地域要件の拡大などを行っているほか、実勢価格に基づいた資材や労務単価の適用などの対策を行っているところでございます。
 大槌病院の発注におきましては、こうした対策を実施し、さらに病院と合同公舎の工事をあわせて発注するという発注ロットの大型化を図ったところでございまして、本年7月に契約を締結し、進めているというところでございます。
 今後、発注を予定しております山田病院及び高田病院につきましても、こうした施工確保対策を進めまして、市場の動向も踏まえながら、適切な入札事務を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 非常に大型工事なのだろうと思いますけれども、いろいろ大工さんの部分もあるでしょうし、労務単価も高くなってきておりますし、さらには資材不足というようなことも考えられると思いますので、その辺のところを考慮しながら、ぜひおくれないように医療局の皆さんには頑張っていただいて、一日も早い安全で安心できる医療体系が整備されてほしいと思っているところであります。
 そこで、3市町からの要望もいろいろあったのではないかと思われますけれども、その点はいかがでしょうか。また、地域からのこういう期待感もあるのではないかと思っておりますが、その点を伺って、終わりたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 地元自治体からの要望、市町村からの期待についてでございます。
 沿岸被災3病院の再建場所につきましては、市町のまちづくり計画との整合を図る観点から、それぞれの市町から推薦をいただいた場所に決定してございます。そのほか、これまでにも緊密な連携を図りながら進めてきたところでございまして、今後とも、早期再建に向けまして、引き続き地元市町と連携を図ってまいりたいと考えております。
 また、地域住民の方々は、被災した県立病院の一日も早い再建を最も期待していると受けとめてございます。被災した県立病院の再建方針でお示ししている整備スケジュールのとおり開院できますよう、引き続き、地元市町や各病院とも連携いたしまして取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 工藤勝子委員から被災された県立病院の件がありましたので、私からは県立病院全体のあり方についてお伺いしたいと思います。
 まず、県立病院の医師の配置、そして医師不在の診療科への対応、特にも産科、小児科の対応はどうなっているのかお聞きしたいと思います。
〇佐々木医師支援推進監 医師不在の診療科の状況についてでありますが、平成26年8月1日現在、県立の20病院6地域診療センターの標榜診療科289のうち、113の診療科において常勤医不在となっております。75診療科で診療応援等による非常勤医師対応、29診療科で他科の医師による診療、9診療科が休診となっております。
 このうち、産婦人科につきましては、標榜している13病院のうち4病院が非常勤医師による診療、1病院は休診となっており、小児科については、標榜している16病院のうち4病院が非常勤医師による診療となっております。
〇及川幸子委員 医師不足ということは先ほどから大変問題になっておりますけれども、県でも医師の招聘については大変努力をなさっていると思います。その取り組み状況をざっとお聞きしたんですが、また、改めてお伺いしたいと思います。
〇佐々木医師支援推進監 医師の招聘の取り組みについてでありますが、保健福祉部との共管組織であります医師支援推進室において、県出身医師や岩手医科大学卒業医師、全国の大学医学部などを個別訪問し、平成18年9月の室設置以降、これまでに延べ2、600名を超える医師等との面談を行うとともに、ホームページの活用、医学情報誌への広告掲載などにより医師の招聘に取り組んできたほか、招聘した医師の定着が図られるようフォローアップ面談等を実施してきたところでございます。
 こうした取り組みの結果、室設置以降、本年9月末までに県立病院に99名の医師を招聘しており、医師の絶対数の確保において一定の成果があったものと考えております。
〇及川幸子委員 本年9月末で99名ということで、一定の成果で、本当にこれは御苦労をかけて、かなり奔走しているなと私も思っております。まず、引き続き小児科と産科が大変少ないのですが、やっぱり地元としては、小児科などは入院するところが1カ所しかなく、本当に困るんです。子供たちが熱を出したの何だのというときに、必ずその1カ所だけに行って、すぐ退院しなければなりませんので、この小児科という部分について、産科について、ぜひ御努力を続けてやっていただきたいと思います。
 それから、県立病院の赤字、黒字の病院に対する対応というのはどうなっているでしょうか。沿岸については工藤勝子委員がお聞きしたのでいいんですが、特にも赤字病院に対する考え、対応というものをお聞きしたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 赤字病院などの収支改善に向けた取り組みについてでございますけれども、平成25年度決算における各病院の決算を申し上げますと、13病院で黒字、7病院で赤字を計上しているところでございまして、赤字病院においては、3病院で収支の改善となっている。4病院については、患者数の減少や建物の除却損などもございまして、収支が悪化しているところでございます。
 なお、沿岸の病院につきましては全て黒字となっているところでございます。
 県立病院では、今年度を初年度といたします経営計画に基づいて、20病院6地域診療センターの体制のもとで、県民に良質な医療を継続的に提供していくこととしておりまして、そのために、圏域内の診療応援体制の強化、診療報酬改定への的確な対応などによる医業収益の確保、後発医薬品の使用拡大や、SPDを活用した材料費の抑制などによる費用の効率的な執行に努めるなど、これらを着実に実行していく中で、赤字病院の収支改善にも取り組んでいきたいと考えております。
〇及川幸子委員 赤字が7病院ということで、その中では四つが回復に向かっているということです。その中で、沿岸が全て黒字というのは驚きましたが、これは本当の数字でしょうから。
 病院の患者が多くなるのも、少なくなるのも、その診療科があるかないかで決まるのではないでしょうか。やっぱり医師の確保というのが一番大事だと思っております。あそこの病院に行きたいけれども、あの診療科の先生は不在であるというと、絶対遠ざかると思います。古い、新しいのはさておいて、医師の確保というのは大変重要だと思いますので、その点についても、どういうお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
〇佐々木医師支援推進監 地域病院への医師の確保、沿岸の被災病院への医師確保についてでございますが、常勤医というところでございますと、県内ですと、関係大学の岩手医科大学の医局に頼るところが大きくなると思いますが、医局自体が医局員が減っておりますので、なかなか地域病院へ派遣というわけにはいかない状況でございます。とはいっても、圏域ごとに基幹病院がございますので、その基幹病院へもなかなか出せないという状況がありますが、医療局としましては、大学から基幹病院に医師を多く派遣していただいて、基幹病院から地域病院に応援で行けるような体制づくりが現実的ではないかと考えております。
〇及川幸子委員 私は、9月定例会の提出予定議案説明会のときにも、県立江刺病院の食堂と売店が一度になくなったということで質問いたしました。もちろん赤字でございますが、これは大変利用者が困っているということで質問したんですが、その後どうなっているのか。そのほかでも赤字を出した売店、食堂は取り上げるのか。これは委託しているから、その委託先が赤字になるとみんな撤退ということですけれども、それで果たしていいものかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 県立病院におきます食堂及び売店についてでございます。テナントにつきましては、業者が病院から不動産使用許可を受けて営業しているものでございまして、委託という関係ではないというものでございます。現在、10病院において食堂と売店が営業、6病院で売店のみの営業という形となってございます。
 県立江刺病院につきましては、テナント業者が、収支状況が思わしくないという理由から撤退したところでございまして、現在、病院におきまして、食堂及び売店に係る新規テナントの公募の手続を行っているところでございます。公募に当たりましては、テナントの営業を通じて地域事業者の積極的な利活用を図って、地域経済の活性化を促進するという観点からも、先ごろ、地元の奥州市、商工会議所の江刺支所に対して、経営管理課のほうでも病院と同行いたしまして協力の要請なども行って、新規テナントの入居の準備を進めているところでございます。
〇及川幸子委員 10病院のうち売店のみが6病院であるというのですけれども、こういうことを見るからにして、やっぱり患者は大変不便を感じているのではないかと思うんです。実際に入院している方々は、家族がしょっちゅう行ける人ばかりではないです。ですから、売店に行って欲しいものを求めるということが多くなると思うんですが、その辺のところはどうなんでしょうか。どう思われますか。
〇小原経営管理課総括課長 病院数をまず申し上げますと、20病院のうちの10病院には食堂と売店があるということ、6病院に売店のみとなっているということで、16病院にはどちらかがあるという形になります。
 患者の利便性など、私どもも問題があると思っておりますので、病院と一緒になって働きかけを行ったり、手続が円滑になるように協力してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 やっぱり患者側に立って、これは赤字だ、黒字だとすぐ決めつけないで、利便性というのをもう少し考えていただければいいかなと思うんですが、最後に医療局長の御意見を聞いて、終わりたいと思います。
〇佐々木医療局長 私どもも、やはり入院患者がいる以上は売店があったほうが患者の利便性にもいいですし、職員も軽い食事をとったりするときにお弁当等を買えたりすれば、それはそのほうがいいですので、できれば入ってほしいと考えておりますけれども、先ほど、小原総括課長が答弁申し上げましたとおり、病院からの委託ではなくて、業者を公募して、手を挙げていただいたところの中から選ぶというような格好でやっておりまして、地域病院のほうで患者数も少ない病院においては、募集しても手を挙げていただける業者がどうしてもいないというところも現実的にございます。そういったこともあって、ただ、我々とすると、やはり売店は特に欲しいなと思っておりますので、先ほどお話ししましたとおり、病院と一緒に、本庁のほうからも小原経営管理課総括課長も出向きまして、ぜひ地元の業者で手を挙げる方を掘り起こしていただくというか、そういうことを商工会議所等にもお願いしたということでありますので、今後とも、そういった取り組みを進めていきたいと思っております。
〇神崎浩之委員 あと1回しか手を挙げませんので、明快な答弁をお願いいたします。
 県立病院における障がい者の歯科治療の課題についてであります。
 平成25年度における県立病院での歯科治療の内容についてお伺いします。
 まず一つは、県立病院で歯科を標榜している病院の名称、おのおのの病院の体制であります。体制というのは、歯科医師、歯科麻酔医、看護師、歯科衛生士等のスタッフの体制について教えていただきたいと思います。
 それから、県立病院の歯科の業務の内容でありますが、我々も県立病院の歯科の医療の内容についてはなかなか存じ上げない部分もあるんですが、口腔外科をやっております。その中で実際どういうふうな業務をやっておられるのか。入院患者、外来、そして、テーマであります障がい者の方の治療等についてはどういうふうに行われているのかをお聞きいたします。
 あわせて、知的障がい者等で、全身麻酔で治療が必要だが、盛岡の岩手医科大学までいかなければならないんだと。地元の県立病院で何とか治療したいという要望があるわけなんですが、これを実現するためには何が課題で、そして、何をクリアすればそういうことが可能になるのか。現在、岩手医科大学の歯科のほうで対応されているのでありますが、今お聞きしている県立病院の歯科医等のスタッフの体制と、岩手医科大学の障がい者歯科のスタッフと、もし体制的に比べられるような数字があれば、課題も含めてお伺いしたいと思います。
〇千葉医事企画課総括課長 まず、県立病院での歯科の状況、名称とその体制あるいはその業務についてお答えしたいと思います。
 現在、歯科治療を行っているのは4病院でございます。中央病院、磐井病院、久慈病院でございますが、これらの病院については歯科口腔外科を、一戸病院については歯科をそれぞれ標榜しているところでございます。
 その体制でございますが、中央病院については正規の医師が2名、看護師が、これは耳鼻咽喉科外来との兼務でございますが2名、歯科衛生士も正規で3名、看護の補助者、臨時職員でございますが1名、計8名で外来の体制をとっているところでございます。
 同じく磐井病院につきましては、正規医師が2名、臨時の歯科衛生士が2名で、4名で外来の体制をとっているところでございます。
 久慈病院につきましては、医師の正規が2名、臨時が1名の3名です。歯科衛生士が3名でございますが、臨時職員で、うち1名は時間制の職員ということでございまして、全体で6名の体制でございます。
 一戸病院につきましては、大学からの診療応援という形で、非常勤の医師が週4回勤務してございまして、看護補助者が、これは時間制の職員でございますが、1名ついているということで、通常外来のときに2名体制でやっているという状況でございます。
 それから、業務の内容についてでございます。主に顎や顔面の変形症、口腔の腫瘍などのいわゆる口腔外科的疾患、心臓病や脳血管障害などの全身疾患を有する患者など、一般歯科診療所で治療が困難な患者を中心に診療を行っているところでございます。
 なお、一戸病院については、精神科に入院している患者に対して、非常勤の先生がいらっしゃって診療を行っているという状況でございます。
〇小原経営管理課総括課長 岩手医科大学の障がい者歯科治療の体制について私のほうから答弁申し上げます。
 職員の体制につきましては、総勢で8名のチームで編成しておりまして、歯科医師6名、歯科衛生士1名、看護師1名の体制で行っております。それから、障がい者歯科治療の専用室を用意してございまして、そこに障がい者専用歯科治療ユニット2台を設置して治療を行っているということを岩手医科大学から聞き取りをしたところでございます。
 この課題につきましては、主に全身管理が必要な重度及び中程度の障がい者に対する歯科治療につきましては、専門的に診療に対応できる歯科医師のほか、麻酔医や看護師の配置といった相応の医療従事者の確保、入院の受け入れ態勢の整備などの課題がございます。現状におきましては、先ほどの歯科、口腔外科を標榜する県立病院におきましても岩手医科大学への紹介を行っているところでございます。
〇神崎浩之委員 約束どおりこれで終わりにしますが、今お聞きいたしましたスタッフの問題、歯科麻酔医の問題、専用ユニットというような問題がありまして、お金で解決できる部分とそうでない部分があるわけでありますが、今の答弁の中でも専門的な歯科というお話もありまして、歯科医師を集めればいい、設備をすればいいだけではなくて、やっぱり技術と経験というものがないと、障がい者の全身麻酔での治療というのはなかなか難しいのかなと思っておりました。
 そこで、一つの方法として、医師も含めて、岩手医科大学のスタッフが県立病院に派遣されて形をつくっていく。診療応援という、岩手医科大学の先生が県立病院の場所を使うということではなくて、岩手医科大学のスタッフの方が県立病院の派遣医師になるような形で県立病院の身分によって、そして地域の県立病院で障がい者の歯科診療を実施するということを積み重ねながら、県立病院の歯科医師、県立病院の医療看護者などのスタッフに技術、経験を伝えながら、ゆくゆくは、盛岡に来なくても最寄りの県立病院で障がい者歯科が受けられるような体制というのはどうなのかなと切望しながらお聞きするわけなんですが、医療局長にその点のことを、前向きな答弁を期待しながら質問したいと思います。
〇佐々木医療局長 県立病院で知的障がい者の方等への歯科診療を行うことについての今後の見通しという御質問でございまして、委員から御指摘のとおり、お金で解決できる課題と、マンパワーの部分で、お金だけでは解決できない問題、そのとおりだと思っております。
 先ほど、岩手医科大学の障がい者歯科治療の体制を総括課長から答弁申し上げましたけれども、総勢8名のチームということではありますが、私が聞いている中では、障害者歯科認定医が1名ということで、その方が実質中心となっているというふうにお聞きしております。本家本元の岩手医科大学附属病院においても障害者歯科認定医が1名という状況の中で、各県立病院のほうにその方に診療応援で来ていただいてというのは、現実的に難しいのかなというふうには思っております。
 もう一つ、マンパワーのお話でいきますと、歯科麻酔医の確保の問題もあります。麻酔医は、一般の麻酔医も県立病院の中でも特に不足が指摘されている診療科でございまして、その確保の問題、全身麻酔で手術を行った場合は、麻酔から覚醒するまでの間のケアが必要ですので、それをちゃんと診ている看護師等の人的スタッフも必要でありまして、現状の県立病院のスタッフの中で、その仕事が単純にオンとなると、やはりかなり厳しくなる、その分のマンパワー分も配慮していただく必要がある、そういった問題があると思っております。
 先ほど、保健福祉部での質疑の中でもございましたが、障がい者歯科治療のあり方について検討するということになっておりまして、当医療局もそれに参画することになっておりますので、そういった我々が抱えている、仮に県立病院でやる場合のこういった課題についても御説明し、その解決が図られるものなのか、あるいはそれにどれぐらいの期間を要するものなのか、そこを見きわめながら、一緒に考えていきたいと思っております。
〇岩崎友一委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後4時56分 休 憩
午後5時17分 再開
〇岩崎友一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行します。
〇郷右近浩委員 それでは、簡潔に質問してまいります。私からは、医療機器の購入等の考え方についてお伺いしてまいりたいと思います。
 まず、平成25年度の医療器械の購入費につきましては、決算書の27ページに主な機器等が記載されておりますけれども、合わせて総額26億7、000万円余となっておりますが、各病院からの要望、優先順位、必要な器械の導入または更新に関して、どのような考え方で進めているのかお伺いしたいと思います。
 また、この間、再建中の県立病院の、先ほども議論がありましたけれども、今後、再建成ってくる山田、大槌、それから高田といった病院の器械設備等は、この予算の中でやっていくのか、そうした部分につきましてもお伺いしたいと思います。
〇小笠原業務支援課総括課長 各病院からの要望、優先順位等に対する医療器械の導入または更新に関する考え方についてでありますが、まず、各病院からの要望は、圏域の医療器械整備委員会等により圏域単位で取りまとめられ、優先順位を付して本庁に提出することとしております。
 通常整備分のうち、おおむね700万円以上の医療器械につきましては本庁執行としておりまして、圏域単位で提出された整備要望の優先順位を踏まえ、病院長等で構成する本庁の医療用設備整備調査委員会において、必要性、緊急性及び経済性の総合的な観点から、整備する医療器械を選定しております。
 これ以外の医療器械につきましては、病院執行分として予算令達をしておりまして、各病院において、整備する医療器械を選定しておるところです。
 次に、再建中の県立病院の器械整備についてでありますが、被災により、現在、仮設で診療を行っている県立病院におきましても、病院執行分として予算令達をしておりますが、病院再建に伴う医療器械の整備については、別途、移転新築のタイミングに合わせて整備することとしております。
〇郷右近浩委員 そうしますと、再建中のものは別枠でということで確認できたということでございます。
 それで、さらに、導入とか更新に対しての考え方なんですけれども、先ほどるるお話しいただきましたが、その中に、今度は、やっぱり器械でありますので耐用年数という考え方もあるかと思うんですが、そうなりますと、今度は中期、長期でどのような器械を更新していかなければいけないといったような考え方が出てくると思います。医療局では、そうした計画をどのようにつくっているのか、対応しているのかお伺いしたいと思います。
〇小笠原業務支援課総括課長 医療器械の整備計画についてでありますが、更新につきましては、経年劣化による故障等により診療に支障を来すことがないよう、病院ごとの状況等も勘案した上で計画的に整備しておるところであります。
 具体的には、病院の新築移転の際に整備した医療器械について、おおむね10年経過をめどに優先度の高いものから順次更新しているところであり、平成25年度につきましては、新築20年目の更新で、宮古病院の循環器用エックス線診断装置等を整備しております。
 また、電子カルテシステムを導入した際に整備しましたパソコンやサーバー等のIT機器を含む部門システムにつきましては、OSのサポート期間等を考慮し、おおむね7年ごとに更新しているところであります。
 一方、新規の医療器械の導入につきましては、メーカー側の技術開発による性能の向上であるとか、病院の診療機能の変化といったものを中長期的に見込むことはなかなか難しいことから、各年度において、必要性、緊急性及び経済性の総合的な観点から優先度の高いものを整備しているところであります。
〇郷右近浩委員 わかりました。今、そうした計画というかさまざまな要素でということはお伺いしましたけれども、そうした中でなんですが、この間、医療器械の購入額についてですが、平成21年度は37億2、000万円余、そして平成22年度は27億3、000万円余、また、さらに平成23年度28億3、000万円余、平成24年度26億5、000万円余、そして、平成25年度は26億7、000万円余と、平成21年度、そしてそれ以前と比べてもどんどん少なくなってきていると見受けられるんですが、これは、結局予算ありきで、その中で賄えるものを整備していくという考え方だったのか、それとも、やはり医療局において必要性を鑑みた結果、これでよしとするという形にしての結果の数字になるものか、この点についてお知らせいただきたいと思います。
〇小笠原業務支援課総括課長 医療器械の購入額についてでございます。
 各年度の医療器械の整備に係る予算額につきましては、大きく分けて、通常整備分、特定整備分、その他整備分の三つに区分して計上しております。
 その中で、通常整備分につきましては、主に各病院からの要望に基づく整備分として、医業収益の2.5%相当額を計上しているところであります。この予算額は、医業収益の増減により多少の変動は出てまいります。
 特定整備及びその他の整備分につきましては、病院の新築による整備やその定期的な更新、診療機能の追加等に伴う新規整備、あるいは特定の政策目的に基づき、国の補助金や交付金を活用して整備する医療器械の分としまして、個々の積み上げにより計上しているところであり、予算額については年度によりばらつきが生じております。
 ちなみに、本年度につきましては、その他整備分としてリニアックの更新等がございまして、予算額は47億3、000万円余という形の金額を計上しているところであります。
〇郷右近浩委員 ありがとうございます。わかりました。大体2.5%という、そうした部分の考え方、やはりある程度キャップがあって、その中でやっているということも大体わかりました。
 そこでなんですけれども、やはり中期、長期で導入計画、さまざま本当にそうした部分も必要だと思いますし、ただ、それ以外にも、私自身は、現在の医療現場の医師不足等の状況を考えますと、さらには戦略的な導入みたいなものも考えていくべきかと思っているものであります。
 先日、局長と次長は、盛岡市で開催されました第27回日本内視鏡外科学会に出向かれたと聞いておりますけれども、特別展示、近未来の手術室は、まず、ごらんになったのか、お伺いさせていただきたいと思います。
〇佐々木医療局長 委員から御紹介のありました内視鏡外科学会における特別展示は、私も見学してまいりました。
〇郷右近浩委員 その特別展示、近未来の手術室、何か物々しいようなお名前なんですけれども、こちらにおきましては、内視鏡外科に関する最新技術と言われる手術支援ロボットダヴィンチの紹介や、高校生約40人が、直接器械を操作する機会があったようですけれども、例えばこれは、局長、次長、もしかしたらこれにさわってこられたのか、そしてまた、それを高校生たちが扱っている姿等を見てどのように感じたのか、御所見をお伺いしたいと思います。
〇佐々木医療局長 特別展示を見学に行った際、内視鏡手術支援ロボットダヴィンチにつきましても、私も実際に見て、そして、係の方から御説明をお聞きし、そして、実際に操作体験もさせていただきました。ふだん直接触れることのない先進医療機器について、実際に見、聞き、さわることによって、私も理解を深めることができました。
 高校生による手術体験につきましては、ちょっとその時間帯は、別の公務があって直接その場にはおりませんでしたけれども、こういった機会というのは、高校生が医師の仕事とか医療に対する興味を抱くきっかけとなる有意義なイベントと考えておりまして、今後ともこのような取り組みが行われて、将来の医師確保につながれば非常にいいことだなと感じたところであります。
〇郷右近浩委員 直接さわられたということです。このダヴィンチにつきましては、一般質問で佐々木努議員も質問されていた件でございます。そのときも、答弁としては、なかなか導入に関してはさまざまなこれから考えていかなければいけないところがあるといったようなニュアンスで私も受け取っております。
 しかしながら、やはりこれまでの例えば2013年のロボット支援手術の症例が、日本でですけれども、例えば泌尿器科ですと5、600例ほど、また、さらには、一般外科において、これは医療点数がかからない部分ですが、自由診療の部ですが370例ぐらい、また、さらには心臓血管外科で37例、そして婦人科については100例、また、さらには胸部外科については73例という状況になっております。
 2014年1月1日から、これは、さっきは年度で言いましたけれども、今度は1月1日から今の8月30日までの部分ですが、泌尿器科については、前立腺全摘その他の手術で5、175、そして、一般外科については、胃摘等で384、また、さらには婦人科につきましては、良性子宮全摘、悪性子宮全摘等合わせて129例といったような数字になってきております。
 体に負担のないそうしたような手術であるということであり、こうした最先端、それこそ近未来のなんていう、まさにそうした最先端のものを導入していく考え方は、やはり高校生のみならず、本当に医学を志して今頑張っている方々にとっても非常に興味をそそるものだと思っております。
 そうした中で、私自身としては、そうした戦略的なものというか、そうしたものをぜひとも考えていただきたいと思うわけでありますけれども、その件につきまして局長からお話をいただきたいと思います。
〇佐々木医療局長 先進的な医療機器の整備につきましてでありますけれども、一般質問の際に、佐々木努議員からの御質問のときに答弁申し上げましたとおり、やはりこういった医療機器については、患者負担の軽減といった医療の質の向上の側面、あるいは医師のモチベーションの向上、そしてその定着、確保といった側面をも有しているということは認識しております。
 先ほど、医療器械整備の予算については小笠原総括課長から答弁申し上げましたけれども、そういった中で、やはり通常整備分ではなかなか、どうしても更新する器械がたくさんありますので、それとの比較で優先度を上げるのは難しい面もあります。別の特定整備なり、何か国の補助金なり交付金を入れてのその他の整備という形でやれるのであれば、ほかの県立病院の予算を食う形にはなりませんので、そういったことも、今までも検討してまいりましたけれども、引き続き、関係部局とも連携して、検討した上で、そういった取り組みを進めていきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 2点お尋ねしたいと思います。
 1点目は、旧北上病院の跡地問題でございますが、毎年のようにこの問題は出ているわけです。ことしは、相談したわけではありませんが、私からお尋ねしたいと思います。
 旧北上病院は、中部病院開設が、ちょうどこの春で丸5年になりましたが、この5年間、あの大きな敷地、そして建物を含めて主のいない事態がずっと続いているわけですね。北上市からも毎年のように県政要望の中にあえて項目を、毎年同じように、そして、毎年同じような回答をいただいている、こういう事態が続いております。
 この施設の管理について、具体的に何か方針というかそういうものがあるのであれば、まずお示しいただきたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 旧北上病院の管理についてでございますけれども、現在使用していない旧病院建物が幾つかございますが、民間警備会社に委託するなどの防犯対策を講じているということでございます。
 旧北上病院につきましても、建物1階窓ガラス部分を合板パネルで養生しているほか、民間の警備会社へ委託し、毎日、朝夕2回の敷地内の巡回警備に加えまして、週1回の建物内部の巡回警備を実施するなど、防犯対策は万全を期しているということでございます。また、定期的に敷地内の除草や害虫の駆除を行うなど、周辺住民に配慮した環境対策を講じているところでございます。
 方針といたしましては、御案内のとおり、原則として、県での活用、地元市町村での活用、民間企業への売却の順で検討することとしておりまして、旧北上病院跡地については、県での活用の見込みがないことから、これまで、地元北上市と利活用について協議を行ってきたところでございます。
 委員御案内のように、北上市として跡地の活用の予定はないと伺っているところでございますけれども、市からは、市街地ということからも、防犯、防災上の観点からも、施設については解体撤去をするよう要望を受けているところでございます。
 解体撤去には多額の費用が見込まれまして、経営に与える影響が大きいことから、具体的な活用見込みがない中では早期の解体は困難であると考えているところでございまして、引き続き、北上市と連携を図りながら、まちづくりの観点から活用策を検討してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 そういう回答が毎年続いているわけですね。今、お話があったように、防犯、防災上の観点からも、周辺住民を含めて、何しろ市街地の一角ですから、離れた場所のどこかというのじゃなくて、まさに市街地の一角だというところに、この問題の頭の痛いところがあるわけです。
 なおかつ、この問題は、そもそもで言えば、中部病院を開設する事業計画があった際に、あくのはわかっているわけですから、その時点で、同時並行でこの活用の問題も本来は進めておかなければいけなかった内容だということは、これまでも指摘があったところでございます。
 新たに、北上市にとっては、2年後の岩手国体の問題があります。きのう当委員会で、北上で本当に大丈夫かというとんでも発言がありましたけれども、この問題は、景観の問題を含めて、実に対外的にもお恥ずかしい話になるんだという側面は、私は拭えないと思いますが、そういう点で、これまで具体的に、例えば平成25年度は、先ほど三つの順番を言いましたね。他の部局の活用、それから地元自治体の活用、そして民間への売却と。既に、もう市は活用の方途がないということを言っているわけですから、そうすると、順番で行けば民間への売却と。そのために何をしてきたのか、どういう動きをしてきたのかということについてお知らせいただきたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 繰り返しになりますけれども、まちづくりという観点から大事な場所であり、それ相応の面積もございます。そういった観点から、まずは市でも考えていただくことが大変大事なところだと思っておりますので、引き続き、そういった観点での活用がないかというところを市としっかり相談してまいりたいと思っております。
〇久保孝喜委員 なおかつ、この問題で市民の頭を悩ませているのは、昨年度でしたか、旧花巻厚生病院跡地で汚染土壌の問題が起きましたね。そうすると、旧北上病院でもひょっとしたらあるのではないかと誰もが思うわけです。ちょうどけさの新聞で、盛岡市でも売却予定の市有地で土壌汚染が見つかったという話が記事にありましたけれども、公的保有である土地が、そうした形で、本来、自治法上、住民の安全・安心をつかさどらなければならない行政の側の土地がそういう問題を惹起するということは、これはあってはならないことですし、ある意味では、未然に防止もしていかなければならない。
 先ほどの答弁で、当面とにかく無理だというのであれば、そういう安全・安心のための事前調査とか土壌調査などについても、私は意を配るべきだと思うんですね。そういう意味では、旧花巻厚生病院跡地の現状も含めて、あるいは被災地の病院でのこうした問題点についての対応も含めて、どうされようとしているのかお答えいただきたい。
〇小原経営管理課総括課長 これまでの経験を踏まえまして、病院跡地を売却する場合には、事前に関係法令等に基づく必要な調査を実施して、その結果に応じて適切に対応していくこととしてございます。
 旧花巻厚生病院跡地につきましては、花巻市への売却譲渡の方針を踏まえまして、土壌の自主測定調査を実施いたしましたが、病院敷地内から基準値を超えるヒ素が検出されたことを受けまして、周辺世帯の井戸水の分析調査を実施するなど、まずは、地域住民への安心の確保等に努めたところでございます。
 今後は、引き続き地下水のモニタリングを定期的に行いながら、また、汚染土壌を処理した後に、花巻市への売却譲渡をする予定としておりまして、現在、解体撤去工事の設計作業を進めているところでございます。
 被災病院跡地につきましては、今後、地元市町と具体的活用策を検討していくこととしております。売却する場合には、同様に、関係法令等に基づく必要な調査を実施して、適切に対応していく考えでございます。
〇久保孝喜委員 旧北上病院については、残存価格がまだ8億円、起債残高が9億円だと。解体費用にはさらに数億円かかるだろう、こういう話ですから、今の財政的な体力からしてもなかなか難しいというのは誰もわかるわけです。わかるからこそ、一つの節目として国体ということもあるし、あるいはまた、その周辺に対する安全という発信も含めた動きを見せていかないと、私はだめだろうと思います。
 加えてお聞きしますが、あの旧北上病院は、新しい建物と古い建物がありますね。活用と一口で言っていますけれども、施設の活用が、本当に今ある建物全体を使うことが、どんな職種であれ何であれ可能なのかどうかという判断、それから、いやこの一部分は活用ができます、一部分はもうほとんど無理でしょうとか、そういう判断があるのかどうか。そしてまた、更地にした後の活用という点では、もうかなり間口は広がって、どんなことでもやれるわけですけれども、そういうことを含めて、具体的に市と協議すると言っているけれども、県側から何か具体的な提案とか、あるいはその協議についての取っかかりみたいなものをきちんと示して、そして協議をすると言うならわかるんですが、そういうものが、どうも聞いている限りはさっぱり見えてこない。つまり、ただ先送りしているだけ、こういうふうに見えるんですが、ここは、最後、局長にお答えいただきたいと思います。
〇佐々木医療局長 今の建物をそのまま残したまま活用できるかどうかについては、どういう提案があるかはちょっと我々も今すぐには想定できないんですが、過去の例ですと、旧北陽病院の建物を民間の企業に買っていただいたという事例はございます。
 旧北上病院につきましては、先ほど委員からも御紹介がありましたとおり、いざ解体となると、もちろん解体費用はかかりますし、起債残高もございます。加えて、土壌調査をした上で、何らかの処理が必要だとなれば、それにも多額の費用がかかるといった中で、まず、我々としますと、今、旧病院跡地を持っているのは、旧花巻厚生病院、旧北上病院、それから旧南光病院と三つございます。旧南光病院は、起債残高はもうないのですけれども、それを除いては同じような状況がある中で、三つそれぞれに一気に我々が主体的に進めるのは、正直、体力的には無理です。
 現時点では、旧花巻厚生病院については、花巻市から具体的な土地利用計画が出てきて、それに基づいて売却するという方針でこちらも対応しておりますので、まず、そこに向かって我々も全力を傾けている状況でございまして、並行して、旧北上病院についても我々のほうから北上市に働きかけながらというのは、現時点ではちょっと難しい状況であることについては申し上げたいと思っております。
〇久保孝喜委員 ほとんどゼロ回答ということだと思うんですが、引き続き、これは、国体準備の問題も、あるいはまちづくりに対する県の立場、それから、県有施設というか、そういうものに対する県民への説明責任ということも含めて、結構これは単純ですけれども、大きな問題を背負っているということだけは、ぜひ、これからも覚悟して取り組みを進めていただきたい。
 2点目ですが、県内の自治体病院等との連携や支援という問題についてお尋ねいたします。
 県立病院自体が掲げている目標、あまねく医療の均てんをという、そういう問題意識の中から、二次医療圏の中では、県立病院と自治体病院なんかが、もちろん民間も含めてですが、まさにパートナーである、こういう立場なんだろうと思いますし、そういう意味では、さまざまな事業の連携、特に地域医療に関して、あるいは人的な支援、応援の体制など、お医者さんを含めてあろうかと思います。
 そういう点で、昨年度、具体的に、例えばこれはぜひ言っておきたいというような成果も含めて、簡単にその実績をお示しいただきたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 県内市町村立病院等との事業連携や人的支援等についてでございます。
 病院事業の連携といたしましては、経営計画におきましても、県立病院と地域の医療機関との役割分担と機能連携を進めることとしており、県立の基幹病院を中心とした入院患者の紹介、逆紹介や地域連携パスを積極的に推進して、市町村立病院や診療所を含めた地域の医療連携体制の構築に努めているところでございます。
 市町村立病院への人的支援につきましては、県立病院の医師による診療応援を行っており、例えば、旧沢内病院に対しまして、平成25年度は延べ239人の応援を行うなど、同病院も含めて、県内七つの市町村立医療機関に延べ803人の支援を行っているところでございます。
 また、昨年度は、陸前高田市の国保二又診療所に医師1名を週2.5日勤務として、それから、葛巻町の国保葛巻病院の看護師長として看護師1名をフルタイムで、それぞれ派遣しているところでございます。
 このほか、地域の医療機関に勤務する看護職員の技量の向上のため、県内各地で開催される研修会に県立病院の認定看護師が講師として参加するなど、職員の人材育成についても連携支援を行っているところでございます。
〇久保孝喜委員 今の答弁で触れていただきました町立西和賀さわうち病院、今月5日に落成して、今週の火曜日、14日から診療開始ということで、これは、西和賀町にとっては歴史的な大事業だったわけですね。27億円ぐらいの事業費で開設したと。診療科目も、内科、外科、小児科、眼科、皮膚科、循環器内科、歯科を開設するということで、地域には、たった40床の病院ではありますけれども、なくてはならない、しかも医療関係者であれば、沢内病院と聞いて知らない人はいないというぐらいに、岩手県の医療にとってもかなり象徴的なというか、そういう病院であり、かつ、これまでの事業があった。
 西和賀さわうち病院も含めてですが、問題なのは、例えばこの西和賀さわうち病院では、これまでの町からの支援が、この新しい病院では持ち出しが倍増するということが既に言われております。冒頭、局長から、医療環境は大変厳しさを増しているということが言われましたが、診療報酬の問題、薬価の問題を含めて、あるいは国の制度全体も含めて、自治体病院が、持続的に医療活動ができる体制をつくっていくためには、単なる業務連携あるいは人的支援ということにとどまらず、パートナーとして、県立病院もそうですが、経営的に持続できる工夫をお互いに高め合っていくことが必要なんだろうと思うんですよ。
 そういう意味で、経営的支援という視点がこれから私は医療局にも求められてくるものだと私は思っているんですが、そういう点で何か考えられていること、あるいはそういうスキームというものが現在あるのかどうかも含めて、お尋ねしたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 経営的な支援についてでございますけれども、医師不足など、限られた医療資源の中で地域の医療提供体制を維持することは、県立病院と市町村立の医療機関に共通する課題でございまして、圏域内の市町村立病院等を初めとした地域の医療機関や介護施設との役割分担と連携の一層の推進が重要と考えております。
 県立病院では、地域の医療機関を高度な医療の提供などにより後方支援する地域医療支援病院として、現在三つの基幹病院―中央病院、中部病院、磐井病院―が指定を受けているところでございまして、新たに胆沢病院が、年内指定に向けた準備を進めているところでございます。
 こうした取り組みなどにより、特にも、地域のかかりつけ医としての機能を有する市町村立医療機関との役割分担と連携を推進していく考えでございます。
 また、葛巻病院の経営審議委員会に委員として参画するほか、今後、新病院の建設が計画されておりますので、それに向けて技術的な助言等も行うこととしてございます。
 今後とも、必要に応じて県立病院としての経営ノウハウの提供などに努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、昨年度決算の状況についてお聞きします。
 27億7、000万円余の純利益の黒字決算となったのですが、その具体的な要因は何でしょうか。同時に、今年度の見通しはどうでしょうか。消費税の負担額はどうだったのか。8%の負担増はどうなるのかも示していただきたい。あわせて、消費税の累積負担額も示してください。
〇小原経営管理課総括課長 黒字決算の要因についてでございます。
 平成25年度におきましては、在院日数の短縮や通院回数の減少等により、入院、外来とも患者数は減少いたしましたが、入院では、上位施設基準の取得などにより、患者1人1日当たりの収益、いわゆる診療単価が増加したこと、また、外来でも、がん化学療法や検査の増などにより診療単価が増加したこと、一方、費用においては、材料費や燃料費、委託費の経費等が増加したものの、給料及び退職手当の減額や退職給付金及び開発費等の繰延勘定償却の減少によりまして、費用全体では減少となったことが主な要因であると分析しております。
 今年度の見通しでございますが、上半期におきましては、患者数の減少等により収益が若干減少している一方、費用では、消費税増税等のため材料費や経費が増加するなど、昨年度に比較すると厳しい状況となってございます。
 消費税の負担額でございますが、平成26年度におきましては、費用で10億2、000万円余の負担増加を見込んでいるところでございます。
 これまでの消費税負担額の累計でございますが、平成25年度まででございますが、最終的な負担額は148億円余と試算しているところでございます。
〇斉藤信委員 経営努力といいますか、診療単価の増と、一方で給与、退職手当が減額になったと、これは喜んでいられない話ですけれども、そういうことを含めて27億7、000万円の黒字だったと。私は、これはやはり労働者に還元することを考える必要があると思いますよ。
 それで、2番目に、医師確保の問題についてお聞きします。
 昨年度、今年度、医師はどれだけ増員になったのか。臨床研修医、後期研修医の確保状況はどうか。奨学生による医師確保の今後の具体的な見通しを示していただきたい。
〇佐々木医師支援推進監 まず、昨年度、今年度の医師の増員の状況でありますが、昨年度4月1日現在の常勤医師数は500名となっており、前年同期比で11名の増、また、ことし4月1日現在の常勤医師数は515名、前年度比で15名増となっております。
 次に、臨床研修医は、平成24年度は103名、平成25年度は112名、平成26年度は113名となっており、後期研修医は、平成24年度は63名、平成25年度は68名、平成26年度は57名となっております。
 続きまして、奨学生による医師確保の今後の具体的見直しについてでありますが、現在、医療局医師奨学資金貸付事業による医学生への貸付者は113名となっております。これらの者の今後の卒業の見通しですが、今年度末は16名、平成27年度末は21名、平成28年度末は22名、平成29年度末は19名、平成30年度末は19名で、平成31年度末は16名となっております。
 なお、今年度卒業する16名のうち、14名が県立病院で、残り2名が県外の病院で臨床研修を行う予定となっております。臨床研修終了後の具体的な勤務については、本人の意向や大学医局との調整などを踏まえて検討するとともに、今年度、新たに設置されました専任医師による面談等の実施により、確実な義務履行と県内定着の意識づけが図られるように努めていこうと考えております。
〇斉藤信委員 確実に医師は増加をしているし、これから奨学生がどんどん配置されていくと。その一方で、例えば基幹病院でも、大船渡病院はことしの4月で3名減とか、宮古が1名減とか、久慈が3名減、中部が3名減、基幹病院でこう減っているのはなぜですか。
〇佐々木医師支援推進監 今、委員がおっしゃった数字は常勤医でしょうか、勤務医でしょうか。
〇斉藤信委員 それは中央病院149名だから、あなたからもらった資料なんだよ。全体で552名だから、合わせてるね。合わさった数だね。
〇佐々木医師支援推進監 常勤医ですので、後期研修医の上限がございます。専門医研修を行う後期研修医、それから、その他の診療科において、専門研修ではない後期研修医もおりますが、いずれ専門医研修という意味での部分が沿岸の病院では減っているのが現状でございます。
〇斉藤信委員 わかったようでわからない答弁でした。今のは正規の数ですね。
 いずれにしても、やっぱり基幹病院でもそういう条件で減ってしまうというのは、全体とすればなかなか厳しい状況だと思います。それで、そうした中で、被災3病院の医師確保はどういうふうに取り組むのか。
 あとは、私はこの間、中央病院の望月院長に会ってまいりました。小児救急とか、一般の救急もそうですし、地域病院へのかなりの支援も行ってきましたが、この中央病院による地域病院の支援状況はどうなっているでしょうか。
〇佐々木医師支援推進監 まず、被災3病院の医師確保の状況についてでありますが、平成26年9月1日現在の常勤医数は、高田病院が、内科が7名、小児科が1名、眼科が1名で計9名であり、うち招聘医師が4名、大槌病院は、内科のみ4名であり、うち招聘医師が2名、山田病院は、内科が1名、外科が1名で計2名であり、うち招聘医師は1名でございます。
 常勤医師数を震災前の平成23年3月1日現在の医師数と比較しますと、高田病院が3名、大槌病院が1名増加しているところでありますが、昨年同時期と比較すると、医師の退職等によりそれぞれ1名の減少となっております。
 なお、今後の常勤医師の確保については、発災後の時間の経過とともに全国からの新たな診療支援の申し出が少なくなっていることや、大学から地域病院に対する医師の派遣が厳しいことなどから大変困難な状況が予想されますが、引き続き、関係大学への医師の派遣要請や平成28年度以降本格化する奨学金養成医師の効果的な配置、それから即戦力医師の招聘活動等により医師の絶対数の確保に努めるとともに、圏域の基幹病院、それから圏域を越えた県立病院との連携や地元医師会との連携を進めながら、必要な診療体制の確保に努めたいと考えております。
 次に、中央病院による地域病院への支援の状況についてですが、平成25年度の診療応援件数は、県立の15病院に延べ1、140件、市町村の7病院等に延べ771件、平成26年度は、9月末時点でございますが、県立の16病院に延べ628件、市町村の6病院等に延べ392件の診療応援を行っているところでございます。
 また、県立病院の医師の偏在緩和を目的とした医師の1カ月以上の長期支援を実施しておりますが、平成26年度は磐井病院、釜石病院、千厩病院、二戸病院の4病院に対しまして、内科、麻酔科などの医師の派遣を行っており、年間で延べ18名の派遣となる見込みでございます。
〇斉藤信委員 中央病院はそれなりの医師が配置されているんですけれども、望月院長は、あの規模だと200人の医師は必要だと。少ない医師でこれだけの地域医療への応援をしているというのは、私は、きちんと評価していかなくてはならないと思います。
 最後です。看護師の確保の問題についてお聞きします。
 昨年度、今年度、看護師はどれだけ増員になったのか、来年度の看護師確保の見通しはどうか。ことしの採用試験、募集、応募者数、合格者数も含めて示していただきたい。
〇菊池参事兼職員課総括課長 まず、昨年度と今年度の助産師を含む看護職員数についてでありますが、養成所の新卒者が看護師免許を取得し正規採用となる5月1日現在での病院現場における正規看護職員数は、平成25年度3、105人、平成26年度3、136人となっておりまして、前年度と比較しまして31人の増員となっております。
 それから、来年度の看護師確保の見通しについてでございます。
 まず、今年度の職員採用選考試験におきましては、採用予定人員を看護師、助産師合わせて185名として実施したところでございますが、採用予定人員を若干上回る194名の応募があり、試験を経まして、看護師170名、助産師6名を最終合格者として採用内定通知を行ったところでございます。
 なお、採用内定者が採用予定人員を若干下回っているものの、今年度上半期の普通退職者の実績が見込みを大きく下回る状況で推移しておりますことから、来年度の看護職員確保につきましては、一定の見通しが立ったと考えているところでございます。
 しかしながら、今後、採用辞退や国家試験不合格者等も見込まれますので、看護師10名、助産師若干名で特別募集を現在実施しているところでございます。
〇斉藤信委員 昨年度の増減を言わなかったけれども、これは、監査委員の資料を見ると、昨年度は、看護師は正規職員で23名減、臨時職員で10名減、33名が減ということですね。答弁漏れですよ。困るところは答弁しないというのではだめなんだね。
 私は極めて残念だと。昨年度こういう形で看護師が減ったということはね。だから、ことし31人ふやしたといっても、去年減った分と比べるとまだマイナスなんですよ。
 それで、看護師の9日夜勤の状況は、昨年、ことし、どうなっていますか。年休取得はどうなっているでしょうか。
〇菊池参事兼職員課総括課長 まず、9日夜勤でございますが、平成25年度の状況でございますが、13病院で延べ628人となっております。
 また、年次有給休暇の取得状況でございますが、平成25年度の1人当たり取得日数は8.1日となっております。
〇斉藤信委員 昨年度のものは、13病院、628人が9日夜勤と。私は、やっぱりこれは深刻な事態だと思いますね。看護師を減らして9日夜勤がふえた、そして年休も、これは平均でこういう数になっていますけれども、私がこの間中央病院に行ったときには6.6日ですよ。
 看護師の一番切実な願いは、子供の運動会とか、クラス会とか、そういうことで必要なときに休みをとりたいがとれない。とれないんですよ。私はそういう意味で、看護師の確保というのは、ことしは、185人募集して、今の答弁で合格者が176人ですよ。募集を約10人割っているわけですよ。だから、本当に看護師確保に今、全力を挙げていかなくてはならない。
 ワーキンググループをつくったけれども、何かイメージアップということは言っているが、労働条件の改善にもっと本気で取り組まなければだめだと思いますよ。看護学生は何を基準に病院を選ぶかというと、その病院の労働条件です。賃金、年休がとれるか、それが本当に看護学生のあれですよ。私は、今は看護学生が病院を選ぶ時代になっていると思います。そういう点では、抜本的に看護師の増員を図って労働条件を改善することが必要だと思いますけれども、いかがですか。
〇菊池参事兼職員課総括課長 看護職員の増員についてでございますが、今度の新しい経営計画におきましては、計画的に増員を図ることとしておりまして、そうした中で勤務条件等々にも波及してくるものではないかと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 重大な質問をしたのにあっさりね。
 例えば、ことし中央病院は5人も減らされたんですね。私が何回も中央病院の深刻な状況をここで取り上げているにもかかわらず、5人減ですよ。
 この間も私、中央病院の看護師から話を聞いてきました。4西、いわゆる小児科病棟とか耳鼻科、整形、眼科の混合病棟なんですけれども、今、小児科救急をやっていて、月十七、八日輪番ですよ。それだけ乳幼児の救急患者が殺到している。そういう中で、人工呼吸器、レスピレーターをつけている乳児が1日で3人もいたと。ここの夜勤体制は準夜帯4人、深夜帯3人ですよ。ほかの眼科も何科もあるんですから。1人しかつけない。もう本当にナースコールには看護師がいない。休むこともできずに、終わるまではらはらしながら働いている、これが実態ですよ。
 そんなときに、ことしの看護師を5人も減らすなんていうやり方でいいのかと。そういうところで看護学生は実習しているんですね。私は、やっぱり今、本当に看護師が安心して、患者の安全のために働きがいのある職場にすることが必要だと思うけれども、いかがですか。改善する意思を示してください。
〇菊池参事兼職員課総括課長 中央病院の看護師増員等の状況についてでございますけれども、平成26年5月1日現在での休職者等を含めた正規看護職員数は548人となっておりまして、前年度と比較して8人の減員となっておりますが、このうち産前産後休暇や育児休業取得者が前年度より17人少なくなっておりますので、実働人員ベースで見ると9人の増員となっているところでございます。
〇斉藤信委員 もう少し立ち入ってお話ししましょう。
 中央病院で育児休業時間をとっている看護師、育児休業時間ですよ、2時間からそういう時間ね。こういう方々に夜勤を押しつけているんですよ。そして、余りにも押しつけられるので、じゃ、月2回はやりましょうと言ったら、月6日もシフトされたと。あなた方の感覚と看護師の実態はこんなに乖離しているんですよ。育児休業時間をとりながら月6日の夜勤をさせられているんですよ。
 中央病院というのは、救急患者、重症患者が多いから、それだけ入退院も激しいし、それだけ息を抜けない仕事をしているんですね。だから、単なる数だけ見ないで、今の看護現場で本当に看護師が患者のために働きがいを持って働けるように、私は抜本的に改善すべきだと思いますが、これは最後、医療局長、いかがですか。
〇佐々木医療局長 委員から御指摘のありました個別の案件につきましては、ちょっと詳しく存じ上げておりませんけれども、育児休業者に夜勤をお願いしたというケースについては、想定以上に育児休業をとる方がふえて、あるいは育児休業から復帰する予定だった方が、延期で、まだ休暇をとりたいですという方がふえて、夜勤免除者が多い中で、どうしてもできる方にはできる範囲でお願いしたいということで、現場では、いろいろ相談しながらやっているものと承知しております。
 いずれ、看護師も含めたスタッフの増員につきましては、基調として、今回の経営計画の中で増員という方向を出しております。個別に各年度どれだけ増員していくかにつきましては、それぞれ、例えば被災した病院の再建の状況とか、あるいは医療の質の向上に応じて、どの病院で何人ふやしていくのか、そこは個別に相談しながら考えていきたいと思っておりますが、現場の職員がこれ以上疲弊しないようなことを常に考えながら我々も取り組んでおりますので、引き続き御理解をお願いいたしたいと思います。
〇高田一郎委員 今の斉藤委員の質疑の中で、基幹病院であっても医師が減っているというような議論がありました。また、医療局審議の中でも、医師の過重労働といいますか、そういう議論もされました。
 私は、保健福祉部の質疑の中でも申し上げたんですけれども、磐井病院の院長が大東病院の当直もしながら、みずからの磐井病院の当直もして夜勤体制に加わっていると。そして、花泉診療センターのセンター長もやって、直接診療も行っている。
 こういう基幹病院の院長は、恐らく医師が不足している中で、県民の命を守るという使命感を持って頑張っているものだと思い、敬意を表したいと思いますけれども、いずれ、県内の基幹病院の院長が、こういう勤務実態になっているのかどうか、磐井病院だけ特別なのかどうか、その辺についてもお聞きしたい。
 そして、先日、私は大東病院にお邪魔してきたんですけれども、この4月から……
〇岩崎友一委員長 高田一郎委員、関連ですので簡潔にお願いします。
〇高田一郎委員(続) はい。
 医師が2人体制なんですね。これは、40床でありますから、やっぱり3人、4人必要なわけですよ。私は、医師確保対策として、この間どういう対応をしてきたのか、そういう内部での議論、新年度にどうなっていくのか、その辺についてもお伺いしたいと思います。
〇佐々木医師支援推進監 まず初めに、大東病院の診療体制についてであります。
 現在2名の勤務医、内科、外科で2名、それから、非常勤の整形外科1名、千厩病院との兼務医師2名の体制で診療を行っております。
 この常勤医2名というのが、私たちとしても十分とは当然思っておりません。病棟を持ちながらやるには、仮に1名ふえれば業務が3等分されますし、2名ふえれば4等分されますので、ふえていけばいくほど負担は減るものと考えております。
 それに対応して、医師招聘でございますが、震災被災地であったとはいえ、被災からもう3年7カ月過ぎまして、岩手県で働いてもいいというか支援したいという医師が、今、本当に少なくなっております。こういった医師を何とか交渉しまして勤務していただくというのが今までのやり方でございましたが、現在はそういった申し出はなかなかありませんので、いろいろなところから情報を仕入れて、岩手で働いてもいいという方、それから、岩手県出身で他県で働いている医師、そういった方にアプローチしまして、個別に交渉を重ねているのが今の医師招聘の状況でございます。
 こういった中で、県立病院だけじゃなく、市町村立病院の医師招聘も含めてやっておりますので、申し出が複数あればいいんですが、どんどん出てくるという状況ではありません。それから、申し出る医師によっては、常勤、それから非常勤、当直は嫌だとか、そういった方もいますので、なかなか苦しい状況でございます。
 磐井病院の院長先生の宿直の件でございますが、私が承知しているところでは、大東病院への宿直応援というのは千厩と大船渡、これは、大東病院が入院を再開した時点で、何とか延べ500コマの当直医を確保しなければならないというところから、圏域だけではできませんで、圏域を越えた沿岸、それから中央病院も含めて応援をいただいて何とかやっている状況でございます。基幹病院の医師の負担軽減に関しては、やはり基幹病院に医師を集めて、どんどん集めないとそういったことにならないのかなと感じております。
〇岩崎友一委員長 ほかございませんね。
〇佐々木博委員 済みません、簡単に終わります。
 いずれ岩手医大が矢巾に移転しますと患者の流れが変わるわけですけれども、その中で一番重視されることの一つが、中央病院の救急体制だと思っておりました。それで、中央病院でも既にそのことに備えてさまざま検討されているということは伺っておりますけれども、体制をつくるために、やはり時間がかかると思うんですね。それで、そのことについて現在どうなっているか伺いたいと思います。
〇千葉医事企画課総括課長 岩手医大の矢巾移転に伴う体制ということは、中央病院でも早くからその懸念といいますか危機感を持ってございまして、院内でいろいろ検討していると聞いてございます。我々も、そういった点では支援をしていきたいと考えてございます。
〇佐々木博委員 結構病院ではさまざま検討しているようですけれども、まだ医療局は余り把握していないわけですね。
 中央病院の患者の今までの形態を見ますと、どっちかというと、盛岡市以北の患者のほうが多いんですね。ところが、矢巾に医大が移転することによって、恐らく結構患者の流れって変わるんだろうと思うんですね。ですから、やはりその辺もきちんと構想を提出されながら、十分耐えられる救急体制の構築が必要だと思います。
 今の答弁だと、まだ若干心配になりますけれども、体制を維持するのに、それこそ医者の確保から初め、本当にさまざま時間がかかると思いますので、きちんとした対応をしていただきたいと思いますが、局長、もしあれば。
〇佐々木医療局長 岩手医大附属病院の矢巾移転に伴う盛岡保健医療圏の救急患者の流れが変わるという問題意識は、我々も前から持っております。これは、もちろん我々だけでなく、盛岡市医師会あるいは県医師会でも同様のお話がございまして、先月も、県と県医師会との意見交換会があったんですが、その際も議題として、岩手県に対する要望事項ということで岩手県医師会からもいただいております。
 それを踏まえて、盛岡保健医療圏の中でどうするのか、場合によっては、盛岡保健医療圏にとどまらず、さらに広域での影響もございますので、そういった観点で盛岡保健医療圏を中心に県全体の関係するところで検討が始まっておりますので、そういった中に我々も入って、県立病院の今の状況、今後の見通しをしっかりお伝えする中で、過度に中央病院に患者が集中し、中央病院が今以上に疲弊することのないように、我々も訴えていきたいと考えております。
〇岩崎友一委員長 ほかはよろしいですね。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一委員長 質疑がないようでありますので、医療局関係の質疑をこれで終わります。
 医療局の皆さんはお疲れさまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後6時20分 散 会

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