平成26年12月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇11番(軽石義則君) 民主党の軽石義則です。
 冒頭、11月22日深夜に発生した長野県北部地震において、負傷した皆様や家屋の倒壊など被災された皆様に心からお見舞いを申し上げ、早期の復興を願っております。また、救助や復旧支援に携わっていただいた皆様に敬意を表します。
 今回、5度目の一般質問に登壇の機会を与えていただいた先輩並びに同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 それでは、通告に従い順次質問させていただきますので、前向きな御答弁をお願いいたします。
 最初に、岩手県の経済状況についてであります。
 1点目は、県内経済状況の把握についてであります。
 日本の経済は、デフレからの脱却、円高対策などにより景気は回復していると言われておりますが、国民全体にそのことが実感できていない現状であると考えております。そのような中、総理は、これまでの政策について国民に信を問うためとして、衆議院を解散し、総選挙に突入しております。このような現状を踏まえ、岩手県としては、本年4月に消費税8%となってからの現状など、県内経済及び景気動向を具体的にどのように捉えているのかお伺いいたします。
 2点目は、物価の現状についてです。
 駆け込み需要の反動で本年4月から個人消費は前年水準を下回っておりますし、盛岡市の本年10月の消費者物価指数は前年同月比3.3%の上昇となっております。特に日用品や外食による飲食費など生活に身近なものや、生産者や仕入れ先などの関連産業までに影響が出ているものと思われます。県として、物価の現状についてどのように捉えているのかお伺いいたします。東北の県庁所在地などと比較してどのような位置にあるのかもお示し願います。
 3点目は、消費税10%への増税先送りによる本県への影響についてです。
 本年9月定例会においては、消費税10%に増税することは、被災地として現時点の経済状況では受け入れできないとの意見書が可決され、国に送付されました。そして政府も今回の判断を下したものと考えますが、増税が先送りされたことによる県民の暮らしや地域経済への影響について知事にお伺いいたします。
 4点目は、今後の財源確保についてです。
 このような現状や影響を踏まえた上で、既に社会保障制度など計画的に進めている事業などがあると思われますが、復興を含めて、来年度以降の予算編成など財源の確保が大切なことであります。今後の具体的な取り組み方針についてお伺いいたします。
 また、市町村においても同様であると考えますが、連携や支援についての考え方もあわせてお示し願います。国に対してはどのような対応を求めていくのかについてもお伺いいたします。
 5点目は、今回の総選挙の意義についてです。
 今回の総選挙は、これまでの経済政策の継続について国民の信を問うとのことです。岩手県は、本格復興推進年として県民全体で復興に取り組んでおります。しかし、全国的には、総選挙の争点として復興については余り聞こえてこないように感じます。岩手県の現状から見た今回の総選挙についてはどのように受けとめているのか知事の所感をお伺いいたします。
 6点目は、知事3選の決断についてです。
 解散総選挙と時期を同じくして3期目に挑戦する決意を表明されたことは、どのような考え方からであったのかお伺いいたします。
 これまで、東日本大震災津波からの復旧、復興を含めて2期お務めをいただいておりますが、この間、つらいことや苦しいこと、うれしかったことや楽しかったことなど、私が想像すらできないことがいろいろあったと推察しております。これまでの経験から今回の決断につながる出来事や要因などがあればあわせてお示し願います。
 7点目は、目指している希望郷いわての現状についてです。
 知事がこれまでつくり上げてきた希望郷いわては、現段階でどの程度達成していると考えているのかお伺いいたします。完成されたことが県民に実感される姿はどのような岩手県となっていることなのかもあわせてお示し願います。
 第2項目として、雇用状況と労働環境についてであります。
 1点目は、岩手県雇用対策協定に基づく事業計画についてです。
 雇用対策や労働環境整備については、岩手労働局との連携は必要不可欠であると考えております。岩手県と岩手労働局との間で締結されている協定が担っている役割について、具体的にどのような認識をされているのかお伺いいたします。
 また、具体的にどのような実績を出しているのか、今後の連携強化を含めて、現状と課題もあわせてお示しください。
 2点目は、正規雇用の拡大についてです。
 有効求人倍率は1倍を超える水準で推移しているところでありますが、正規雇用の有効求人倍率は、直近では上がっているものの、長期的に見れば非正規の雇用者数がふえているとの統計が出ております。特に、家計を支えなければならない層においては男女ともに非正規が増加傾向にあります。県は、正規雇用の拡大や在職者に対する処遇改善として、地域人づくり事業を進めております。あわせて、関係団体に対して、雇用の維持、確保や雇用管理改善に向けた取り組みなどについて要請活動をしております。これらの事業を推進している中で、現在までにおいて具体的にどのような実績が出ているのかお伺いいたします。
 また、関係団体から現場の課題などの改善を要望されていることはないのか。あるとすれば、要望事項並びに対応策についてお示し願います。
 3点目は、所得の格差についてです。
 県が平成26年4月10日付で更新したホームページで公表している平成23年度県民所得は1人当たり239万5、000円であります。私が11月20日に資料提供いただいた平成24年度岩手県県民経済計算出典の平成23年度県民所得の金額は237万円です。所得や報酬などの統計についてはいろいろなものが示されておりますが、岩手県として県民の実生活をあらわす基準とする統計をお示し願います。正規や非正規、男女や年齢による所得格差の推移をどのように把握し、分析しているのか、現状と課題についてお伺いいたします。
 また、格差を解消するために、県としてどのような取り組みをされているのかもあわせてお示し願います。
 4点目は、雇用対策の成果と課題についてであります。
 平成26年度の岩手県における経済、雇用対策の取り組みにおいて、長期、安定的な雇用の創出、拡大のため行っている事業の新規雇用目標が約5、160人であり、実績が8月31日現在で471人、進捗率9.1%となっております。社会情勢によるおくれなのか、事業内容に不備があってのおくれなのか、原因をしっかり分析した上で対策を講じなければ課題の解決とはならないと考えます。現在の実績と具体的な今後の対策などについてお伺いいたします。
 また、障がい者雇用の促進について、法定雇用率はどの程度改善されたのかお伺いいたします。障がい者雇用の促進の取り組みには厳しい現実があったのではないかと推察いたしますが、その現状認識と課題についてもお示し願います。
 5点目は、賃上げ状況と最低賃金の現状と課題についてです。
 政府によると、賃上げは着実にされていると主張されております。しかし、県内の現場では賃金が上昇しているという実感がないと言われております。岩手県内の賃上げ状況をどのように把握されているのかお伺いいたします。
 あわせて、可処分所得の実態をどのように把握し、分析されているのかお示し願います。賃金は上昇していても、可処分所得が目減りしているために実感がないとも言われております。このことに関して、具体的に数字であらわれていることもお示し願います。
 また、最低賃金も改定されましたが、依然として本県はDランクから脱し切れない現状です。最低賃金はセーフティネットとしての役割があり、ワーキングプア救済の具体策でもあります。このことにより、労働人口の流出に歯どめをかけることにもつながると考えております。もちろん、同時に中小企業の支援についても行わなければならないと考えております。今回の改定経過をどのように把握されているのかお伺いいたします。現在、県内で平均して実際に支払われている時間給について把握されている実態もお示し願います。
 6点目は、公契約条例についてです。
 これまで検討を進めてきた公契約条例については、早期制定について2件の請願が採択されてから2年が経過し、都道府県で最初の制定を目指してきましたが、既に2県が先行している中で、平成28年4月の本格施行に向けて、具体的な形として公表されました。これまでの御努力に敬意を表します。
 重要案件として説明された岩手県の契約に関する条例(仮称)についてのこれまでの検討経過と、策定した案の先行県との違い、及び本県の特徴をお伺いいたします。
 また、今後のスケジュールにありますパブリックコメントや関係団体からの意見聴取で想定される意見、要望などについてとその対応も含めてお示し願います。
 7点目は、岩手県政労使会議の開催についてです。
 経済、雇用対策を進める上でも、関係団体ごとに個別に懇談することも必要であると思いますが、政労使が一堂に会し、共通の課題について意見交換することが今後はこれまで以上に必要であると考えております。
〔議長退席、副議長着席〕
 それぞれが抱える課題を出し合い、真摯に議論することによりお互いの立場を尊重した結論を見つけ出すことができれば、現場に即した効果的な対策が策定できるからです。復興や人口減少対策など、対立することより、お互いが知恵を出し合うことにより国に対する要望も厚みを増し、実効性も高まるものと考えます。機動性を持つ会議として開催することについての知事の考えをお伺いいたします。
 第3項目として、産業強化と企業支援についてであります。
 1点目は、企業誘致の現状と課題についてです。
 企業誘致による雇用対策は、有効な手段の一つであると考えております。平成22年度から平成26年11月現在までに119件の誘致により操業時雇用者数3、965人であり、最終雇用計画数4、856人となっております。この中には、操業中や、今後、操業を予定されている企業や既に撤退した企業も含まれております。また、緊急雇用創出事業も含まれておりますが、取り組み経過と現在の状況について具体的にお伺いいたします。
 また、本格復興や人口減少対策として、企業誘致はある程度のリスクも覚悟の上で交渉しなければならないこともあると考えております。しかし、できるだけ未然に回避できるリスクを排除しておくべきでもあります。これまでの取り組みから得た貴重な体験をどのように生かしているのかお伺いいたします。
 2点目は、県内起業の支援状況と課題についてです。
 経済状況や時代の変化を先取りした新規事業を起こすことにより、新たな産業構造を構築できる可能性が考えられます。県内名目総生産から見た本県の産業構造の構成比は、第1次産業が3.4%、第2次産業が21.8%、第3次産業が74.3%となっています。産業別就業者数の構成比は、第1次産業が13.8%、第2次産業が24.1%、第3次産業が62.1%となっています。県としての起業、創業者支援の取り組み状況をお伺いいたします。また、今後の課題についてもお示し願います。
 3点目は、岩手県らしい産業の育成についてです。
 豊かな自然環境に存在する資源を有効に活用していくことや、評価の高い人材の活用などにより、岩手にしかない産業の育成は大事な事業であると考えております。県としては、これまで地域特性を生かした取り組みを進めておりますが、その中に伝統工芸産業支援事業があります。これまでの取り組み経過と現状や課題についてお伺いいたします。加えて、今後の育成などについてもお示し願います。
 4点目は、被災地を含めた職業訓練と人材確保の現状と課題についてです。
 被災地における人材育成や確保及び就業支援については、災害復旧、復興に対応した離職者等再就職訓練の実施、成長分野の人材育成に対応した離職者等再就職訓練の実施、企業の人材確保の支援事業を実施しております。これらの事業において、不足している職種に対応できているのかお伺いいたします。
 また、他県においては、12月から成長分野を中心とした職業訓練が順次始まるとの報道がされております。例えば、愛媛県や千葉県は観光、愛知県は産業集積の進む航空機製造、お隣の宮城県では情報技術関連などであります。これまでのメニューにこだわらずに、地域で必要となる産業を見定めて、そのことに合わせた労働力と技術力が確保できるようにするため、岩手県としても早急に取り組む必要があると考えます。このことについて、県はどのように取り組んできたのかお伺いいたします。
 5点目は、(仮称)岩手県商工業振興条例についてです。
 岩手県における企業のほとんどが中小企業である実態からして、その支援のあり方にしっかりとした根拠を持つことは重要であると考えております。復興の本格推進や人口減少問題に対応するためには、中小企業振興に関する条例を早期に制定することにより県内経済の厳しい環境の改善を図り、関係者のみならず、県民の希望につなげていかなければなりません。重要案件として説明された(仮称)岩手県商工業振興条例についてのこれまでの検討経過と、策定した案における本県の特徴をお伺いいたします。
 また、今後のスケジュールにありますパブリックコメントや関係団体からの意見聴取で想定される意見、要望などについてとその対応も含めてお示し願います。
 第4項目として、復興における暮らしの再建についてであります。
 1点目は、応急仮設住宅の現状についてです。
 当初の入居世帯の状況は、平成23年8月12日時点で応急仮設住宅1万2、313戸、みなし仮設4、436戸、合計1万6、749戸でした。本年10月30日現在、当初と比較して、応急仮設住宅1万637戸、83.39%、みなし仮設2、496戸、56.18%、合計1万3、129戸、78.39%の状況となっております。応急仮設住宅に住み続けなければならない理由については明確なデータが示されておりません。県として把握している現状についてお伺いいたします。また、応急仮設住宅並びにみなし仮設の今後のあり方や取り組みについてもお示し願います。
 2点目は、災害公営住宅の状況についてです。
 本年10月末における災害公営住宅入居状況は、整備戸数899戸、入居戸数808戸、空き戸数91戸であります。特に、県営の空き戸数が48戸となっておりますが、その要因と分析についてお伺いいたします。また、今後の入居見通しについてもお示し願います。
 3点目は、被災者アンケート調査の結果についてです。
 9月に県が公表した県外及び内陸地区に移動している被災者へのアンケート調査の結果によりますと、今後の居住場所の意向として、内陸地区に避難している方々のうち、現在住んでいる市町村に定住したいが50.7%、現時点では決まっていないが23%、震災前に住んでいた市町村に戻りたいが、戻る時期は決めていないが17.2%というような回答となっており、半数の方々が内陸にそのままとどまるという結果になっております。沿岸の被災地では、災害公営住宅の建設や高台移転のための造成など恒久的な住まいのための事業が進められていますが、いろいろな事情で内陸にそのままとどまろうとしている被災者の方々には、県としてはどのような支援を行おうとしているのかお伺いいたします。
 第5項目として、福祉、医療、介護についてであります。
 1点目は、岩手県地域福祉支援計画についてです。
 社会福祉法第108条に基づき平成21年3月に策定された岩手県地域福祉支援計画が検証されて、第2期5カ年計画として本年3月に改定されております。法によりますと、変更しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催など、住民、その他の者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、その内容を公表するものとするとあります。今回の変更に当たり、県議会も含めてどのような対応をなされたのかお伺いいたします。
 また、社会福祉事業の現場実態をどのような方法により課題などを把握した上で検討されたのか、具体的にお示し願います。加えて、本計画に関する法令の改正等地域福祉を取り巻く状況の変化への対応について、どのように計画に盛り込んだのかお伺いいたします。
 2点目は、福祉、介護人材の確保対策についてです。
 本年9月16日に開催された平成26年度第2回岩手県経済・雇用対策本部会議において、次第によりますと、議事の最初に、喫緊の課題と取り組み状況として、福祉、介護人材の確保対策について取り上げられております。しかしながら、この会議では、福祉、介護人材の確保が難しい状況について、有効求人倍率などの数値が示されておりますが、政策判断するために必要な介護などの現場の状況を示すデータが不十分であり、こうした中で対策を議論することはできないのではないかと考えておりました。
 そのことを踏まえて独自調査したところ、平成25年度の介護労働実態調査結果によると、平成24年10月1日から平成25年9月30日までの1年間で、岩手県における訪問介護員と介護職員の採用率は13.8%、離職率は11.3%であり、全国では、採用率21.7%、離職率16.6%となっております。この結果から見ても、岩手県として早期に人材の育成による確保と定着の取り組みは必要であります。対策本部会議において、県の取り組み状況、今後の方向性についてどのような議論がなされたのか、具体的にお示し願います。また、その後の対応についてお伺いいたします。さらに、本県の福祉、介護人材の確保対策を進める上で、特に不足している介護人材に関する実態調査を行う必要があると思いますが、今後の対応を伺います。
 3点目は、難病患者などに対する支援についてです。
 前回の定例会において、発議案新たな難病対策及び小児慢性特定疾病対策の円滑な施行を求める意見書の原案が可決され、国の関係機関に送付されましたが、その後、国の関係機関においてどのような対応がなされたのかお伺いいたします。また、関係団体への対応についてもお示し願います。
 第6項目として、スポーツ振興と青少年の健全育成についてであります。
 1点目は、長崎国体及び全国障害者スポーツ大会の成果と課題についてです。
 台風が心配される中、長崎国体は終了いたしました。選手を初め役員及び関係者の御努力に敬意を表します。成績にこだわるものではありませんが、岩手国体に向けて強化、育成してきていることや、岩手国体を成功させる機運の盛り上げを考える上で、今回の競技別結果及び総合順位についてどのように捉えているのか。そのことを踏まえての今後の取り組みについてもお伺いいたします。また、第67回岐阜国体から第68回東京国体を経ての比較による課題として把握されていることもお示し願います。加えて、全国障害者スポーツ大会の状況についてもお伺いいたします。
 2点目は、冬期における練習場の確保対策についてです。
 屋外競技種目によっては、冬期間のハンディー解消のための練習場確保が課題であります。冬期間の長時間移動は危険を伴うことも多いことを承知の上で、県外に屋内競技場を求めて多くの選手や関係者が苦労しております。岩手県における天候に左右されない屋内競技場を求める声は、国体が近づくにつれてますます高まってきております。
 私は、これまでもドーム型スタジアムの必要性を訴えてまいりました。いよいよ具体的な計画に進む時期であると考えておりますが、次世代に希望を与えることも踏まえて、これまでの検討状況を含めてお伺いいたします。
 3点目は、2019ラグビーワールドカップ日本大会への対応についてです。
 本年10月31日に、釜石市と岩手県が共同で開催希望申請書を大会組織委員会に提出いたしました。この件につきましては、これまで、復興スクラム議員連盟を立ち上げるなど支援活動を展開してまいりました。当初は釜石市の動向を注視する立場にあった県が、今回、共同しての申請となったことは開催地決定に大きな弾みがついたものと考えております。今回の結論に至るまでの検討経過と今後の具体的な支援について知事にお伺いいたします。
 以上、答弁によっては再質問いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 軽石義則議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、県内経済の状況についてでありますが、本県経済の状況は、本年4月以降、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動もあって、個人消費の状況を示す大型小売店販売額や乗用車新車登録台数は前年水準を下回る傾向が続いてきたなど、個人消費に弱い動きが見られるところであります。また、生産の状況を示す鉱工業生産指数は、3月以降、前年水準を下回る傾向が続いています。一方、雇用の状況を示す有効求人倍率は1倍を超える高い水準を維持しているものの、6月以降、全国平均を下回る傾向が続いています。このようなことから、復興需要等を背景に総じて回復傾向が続いていた県内経済は、このところ足踏み状態にあるものと考えており、今後の推移を注視していく必要があるものと考えています。
 次に、消費税の増税先送りによる本県への影響についてでありますが、先ほど答弁しましたとおり、足踏み状態にある経済状況のもと、本格復興を進める本県にとって、消費税の再増税は、被災地の経済の再生や復興の推進に影響を及ぼすことが懸念されたことから、県は国に対して、慎重に判断するよう求めてきたところであります。今般の再増税の見送りにより、今後、県内の個人消費などが回復していくことを期待しています。
 県としても、今後、将来にわたって着実に経済が成長していくことができるよう、地域資源を活用した産業振興や、ILCの実現など未来を見据えた取り組みも進めてまいります。
 次に、今回の総選挙の所感についてでありますが、選挙は、主権者である国民が政治に参加する最大の機会で、民主主義の根幹をなすものであり、有権者一人一人が政治や選挙への関心を高めて、大切な1票を進んで投票することが必要であります。特に若者の皆さんにはぜひ投票に参加していただき、投票率が上がることを期待しています。また、選挙が公正かつ厳正に行われるよう念願しております。
 次に、知事選についてでありますが、2期目の県政におきましては、公約として掲げた岩手県東日本大震災津波復興計画及びいわて県民計画の実現に向けて全力で邁進してきたところであります。東日本大震災津波という未曽有の非常事態が発生し、岩手県として総力を挙げて復興に取り組む中、引き続き、知事として県政を担わせていただきたいと考えたところであります。
 ことしの夏ごろになりまして、平成27年岩手県知事選挙への立候補について、県議会や、また定例記者会見、マスコミ取材等で頻繁に尋ねられるようになりました。高まっている県民の関心に応えるため、また、本格復興の流れを滞らせることなく復興を推進するために、去る11月15日に立候補を表明したものであります。
 次に、希望郷いわての姿と現状についてでありますが、いわて県民計画では、一人一人の希望が実現し、岩手全体に希望があふれる姿を希望郷いわてという言葉に込め、県民一人一人がともに支え合いながら生き生きと働き、安心して暮らし、楽しく学んでいくことができる希望あふれる社会を目指しているところであります。その実現に向けて、いわて県民計画の第2期アクションプランの政策推進目標に、人口の社会減を減らすこと、県民所得水準の国との乖離を縮小すること、求人不足数を改善することなどを掲げていますが、これらの指標はおおむね良好に推移しているところであります。
 さらに、復興については、被災地や被災者に寄り添いながら取り組みを進めているところでありまして、これまで、三陸鉄道の全線開通、また、海岸保全施設の約8割、災害公営住宅の約5割が着工されるなど、着実に復興が進められてきているところであります。今後とも、復興とその先にある希望郷いわての実現を目指し、誠心誠意取り組んでまいります。
 次に、岩手県政労使会議の開催についてでありますが、本県では、労働問題についての理解を深め、県内の労働者が適正な労働条件のもとで能力を発揮し、安心して働くことのできる環境の整備を促進するため、県、労働者団体、使用者団体が相互に意見を交換する場として、平成19年度と平成20年度に岩手労働問題懇談会を開催しているところであります。その後、この懇談会につきましては、東日本大震災津波等の影響もあり、中断しておりましたけれども、本年9月に再開し、公契約条例の制定をテーマに意見交換を行ったところであり、今月にも本年度2回目の懇談会の開催を予定しているところであります。
 県といたしましては、県、労働者団体、使用者団体が一堂に会し、率直に意見交換を行うことは意義のあることと考えておりまして、今後とも、人口減少対策など、その時々の課題についてテーマを設定し、開催していく考えであります。
 次に、ラグビーワールドカップへの対応についてでありますが、ラグビーワールドカップが東日本大震災津波の被災地である釜石市において開催されれば、全世界からいただいた支援への感謝を伝えるとともに、復興の姿を発信することができる絶好の機会にもなると捉えて、県としても市の立候補に向けた取り組みを支援してきたところであります。
 そこで、今般、誘致の実現を図るため、県との共同立候補についての市から県に対する要請を受けて、市の取り組みを支援すべく、共同立候補したものであります。現在、釜石市、県も復興に向けて全力で取り組んでいることから、大会の開催が復興の妨げとなることがないよう、国やスポーツ振興団体などからの手厚い財政支援が必要と考えております。今後、市と連携を図りながら関係機関への働きかけを行うとともに、県としての必要な支援を検討してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔復興局長中村一郎君登壇〕
〇復興局長(中村一郎君) 応急仮設住宅の現状等についてでありますが、応急仮設住宅及びみなし仮設住宅の入居者数は平成26年10月末時点で2万9、690人で、最も入居者数の多かった平成23年10月の4万3、738人と比べると約1万4、000人減少しております。
 応急仮設住宅から恒久的な住宅への移行が進まない要因といたしましては、資材高騰や作業員不足が災害公営住宅や個人住宅の建設に影響を及ぼしていること、移転先の面整備事業において合意形成や用地確保に時間を要した地区があることのほか、住宅の再建方法を決めかねている方がおられることなどによるものと考えております。
 応急仮設住宅については、入居者の減少に伴い増加する空き住戸の集約や解体を順次行う予定としており、被災された方の住宅再建の意向やまちづくり計画の進捗状況を踏まえ、市町村が集約や解体などを計画的に進められるよう支援することとしております。また、みなし仮設入居者に対しては、市町村からの細かな情報提供や丁寧な意向把握に努め、恒久的な住宅への移行を支援してまいります。
 次に、内陸に避難している方々への支援についてでありますが、東日本大震災津波から3年8カ月余りが経過し、御自身の仕事やお子さんの居住場所などさまざまな事情により、避難先である内陸地区にそのまま定住を考えている被災者の方々が数多くいらっしゃることは認識しております。
 県では、これまでも、被災地のまちづくりや災害公営住宅の進捗状況などについて定期的な情報提供や内陸市町村と連携した交流会での相談対応などを通じ、被災者の方々の生活再建に向けた支援を行ってまいりました。今後とも、被災者一人一人の意向を確認しながら、被災元や避難先の自治体とも連携し、生活再建が実現できるよう被災者に寄り添った支援を行ってまいります。
〔政策地域部長齋藤淳夫君登壇〕
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) まず、物価の現状についてでありますが、盛岡市の消費者物価指数は、4月以降、前年同月比3%台の上昇率で推移し、直近の10月においても3.3%の上昇となっております。その内訳を見ると、円安に伴う輸入価格の上昇の影響もあって、食料品が5.0%、電気、ガスなどの光熱水道費が4.5%前年同月比で上昇するなど、生活に身近な費目の上昇が大きくなっており、東北、全国ともほぼ同様の傾向にあります。また、日本銀行公表の全国の企業物価指数についても、4月以降、前年同月比3%以上の上昇率で推移しております。盛岡市の物価水準は、平成25年の総務省の調査によりますと、全国の都道府県県庁所在市等51都市の平均を100として98.9となっており、全国第33位、東北で第4位の水準となっております。
 次に、県民の実生活をあらわす基準とする統計についてでありますが、県民経済計算において公表している1人当たり県民所得や、労働者1人当たりの報酬をあらわす毎月勤労統計調査、家計の収入、支出をあらわらす家計調査、小売物価の変動をあらわす消費者物価指数、就業構造をあらわす就業構造基本調査などがあります。なお、このほかにも、岩手労働局で公表しております賃金構造基本統計調査などの統計があるものと承知しております。
 また、所得格差の現状と取り組みについてでありますが、平成24年の就業構造基本調査によりますと、本県の調査対象者の37.6%は非正規の従業員となっており、前回調査から約4ポイント上昇しております。非正規の従業員を所得階層別に見ますと、一番多い階層は100万円以上200万円未満となっており、正規の従業員では200万円以上300万円未満が最も多くなっております。また、正規、非正規を合わせた平成25年の賃金構造基本統計調査により性別の賃金水準を見ますと、多くの年齢階層で男性が女性を上回っております。同様に年齢別では、賃金水準が高い40歳以上の男性の給与月額は、20歳から24歳の男性の2倍前後となっております。
 県といたしましては、当面、正規雇用の拡大が重要な課題と考えております。このため、新規学卒者の採用枠の確保や、非正規から正規への従業員の転換等の促進のため、関係団体への要請活動を行うなど、安定的な雇用の確保に向けた取り組みを進めているところであります。加えまして、賃金格差を是正し、県民所得全体の向上を目指すことも重要であり、地域経済を牽引するものづくり産業や、地域の特性等を活用した地域資源型の産業の振興に今後とも取り組んでまいります。
〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) 今後の財源の確保についてでありますが、復興財源につきましては、その充実確保について、これまでも政府予算要望等を行ってきたところでありますが、今後も、市町村と連携しながら国に対して被災地の状況を丁寧に説明し、集中復興期間後の財源確保について引き続き要請を行ってまいります。
 また、社会保障の充実につきましては、消費税率引き上げの先送りに伴い、平成27年度以降の事業実施について、現在、財源を含め国において検討されております。これら社会保障の充実分を含め、地方の財政運営に必要な一般財源総額が確保されることが重要であり、県としても、県税徴収の強化や未利用資産の売却などあらゆる手法により歳入の確保に努めるほか、今後の地方財政計画の議論を注視しつつ、適切な財源措置が図られるよう、市町村と連携しながら国に要請してまいります。
〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、岩手県雇用対策協定についてでありますが、平成26年3月31日、県と岩手労働局は、相互に密に連携して雇用対策を効果的かつ一体的に取り組むことを通じて、東日本大震災津波からの本格復興の推進と県民の暮らしの向上を図ることを目的として岩手県雇用対策協定を締結いたしました。この協定では、それぞれが取り組む雇用対策に関係する施策の推進に資するため、必要な要請を相互に行うことができることとされており、この協定をもとに連携した取り組みが一層推進されるものと認識しております。
 具体には、今年度新たに、岩手県Uターンセンターにおけるハローワークの求人情報のオンライン提供や、建設、水産加工、介護、福祉の人材不足分野における雇用管理改善の要請などに取り組んでいるところです。今後、人口減少問題に対応していくためには、首都圏でのU・Iターンの施策などにおいて連携した取り組みの強化を図っていくことが課題となっており、現在、県が実施している岩手県U・Iターンフェアに沿岸地域のハローワーク職員の参加協力を得るなど、さまざまな取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、正規雇用の拡大についてでありますが、本年度事業を開始した地域人づくり事業は、失業者の雇用機会の確保と在職者の処遇の改善に向けた企業等の取り組みを支援することを目的としており、本年11月末現在、19事業が実施され、新規に40名が雇用されているところです。
 また、県では、岩手労働局等と連携し、企業や経済団体等に対し安定的な雇用の確保についての要請活動を実施するとともに、今年度は、建設、水産加工、介護、保育分野の関係団体に対し、雇用管理改善等の促進に係る要請活動を実施したところでございます。要請先の各団体にあっては、会報等により会員企業等に対し趣旨を周知しているところです。団体等からは、正規雇用の拡大や処遇改善に努めたいが、将来見通しを立てることが難しいことや、中小企業振興施策を強化してほしいなどの意見が寄せられておりまして、県といたしましては、これらについて、今後、(仮称)商工業振興条例に基づく施策を具体化する中で対応していきたいと考えております。
 次に、雇用対策の成果と課題についてでありますが、平成26年度の経済、雇用対策の取り組みの長期安定的な雇用の創出拡大に係る10月31日現在の実績については、産業振興施策による雇用創出の目標1、210人に対し実績が401人、進捗率は33.1%、雇用対策基金を活用した事業による雇用創出の目標3、950人に対し実績が642人、進捗率は16.3%となっており、全体としては、目標5、160人に対し実績が1、043人、進捗率は20.2%となっております。
 現時点で進捗率が2割程度にとどまっておりますのは、雇用創出目標の大半を占めます事業復興型雇用創出事業において、現在、272人の実績となっているためでありますが、申請受け付けベースでは約4、600人となっており、今後、審査の進捗により実績が相当数増加すると見込まれることから、今年度の5、160人の目標数値については達成できるものと考えております。
 次に、障がい者雇用の促進についてでありますが、障害者雇用促進法では、労働者数50人以上を雇用する民間企業に対し、障がい者雇用が義務づけられております。平成26年6月1日現在のこれらの企業の実雇用率は1.93%で前年比0.06ポイント上昇し、雇用者数は2、654.5人で、前年比2.2%増加し、いずれも過去最高となっております。
 障がい者雇用をさらに促進させるためには就業支援体制を強化することが課題と認識しており、そのため、県では昨年度からジョブコーチ養成研修を実施し、就労支援業務従事者などが、障がい者本人、家族及び事業主に対して専門的かつきめ細かな現場適応支援ができるようスキルアップを図っているところです。また、民間企業における障がい者雇用に係る理解を一層促進し、雇用の場を確保するため、年1回、経済団体等に対して岩手労働局と連名で障がい者雇用の場の確保を要請してきたところです。今後とも、このような取り組みを通じて障がい者雇用の促進に努めてまいります。
 次に、賃上げ状況と最低賃金の現状及び課題についてでありますが、平成26年の賃上げ月額は、日本労働組合総連合会岩手県連合会の調査によりますと、8月5日時点で4、904円、岩手県経営者協会の調査によると、6月30日時点で4、458円となっております。
 また、可処分所得の実態につきましては、総務省統計局の家計調査において、盛岡市、一関市、遠野市が対象となっており、その標本回答数は月50世帯程度と非常に少ないため、正確な分析はいたしかねるところでございます。このうち、公表されている盛岡市の数値を参考までに申し上げますと、可処分所得は、平成23年が41万7、865円、平成24年が40万9、797円、平成25年が39万8、478円となっております。
 本県の地域別最低賃金については、本年7月9日に岩手労働局長が岩手地方最低賃金審議会に岩手県最低賃金を諮問し、8月8日に当該審議会から13円引き上げ678円とするとの答申がなされ、9月4日に公示、10月4日から発効されたものと承知しております。
 また、現在、県内で実際に支払われている時間給の実態につきましては、毎月勤労統計調査によりますと、平成26年9月における常時5人以上の労働者を雇用する事業所の平均時間給は1、483円となっております。
 次に、公契約条例の検討経過についてでありますが、本県においては、平成25年5月に庁内検討チームを設置し、調査研究を進め、本年度は、労使関係者からの意見聴取や先行自治体調査などを行いながら成案づくりを進めるとともに、労使関係者等を対象とした公契約条例に関するフォーラムを開催し、周知、啓発にも努めてきたところです。
 また、先行県との違い及び本県の特徴についてでありますが、長野県の条例における産業振興や環境への配慮などの基本理念と、奈良県の条例における労働関係法令を遵守させるための措置の両方とも盛り込んでいる点が本県の条例案の特徴であると考えております。
 なお、本県では、東日本大震災津波からの復興が最大の課題であり、条例の施行に当たっては復興工事への影響を見定める必要があるため、法令を遵守させるための具体的な措置については、条例により設置することとしている県契約審議会において十分御審議いただくなど、今後、検討を重ね、規則で定めることとしたいと考えております。
 パブリックコメント等で想定される意見、要望とその対応につきましては、現在、骨子案についてパブリックコメントを実施中であり、今後寄せられる御意見の趣旨が可能な限り条例案に反映されるよう検討してまいりたいと考えております。
 次に、企業誘致の現状と課題についてでありますが、県では、これまで自動車関連産業、半導体関連産業、医療機器関連産業を柱とする本県経済を牽引するものづくり産業や、食品、木材などの地域資源の活用につながる産業等の企業誘致に取り組んでまいりました。また、昨年度、国が創設した津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用しながら、沿岸地域の復興に向けた企業誘致にも取り組んでまいりました。その結果、全県では、平成25年度は21社、本年度は11月末現在で14社が立地決定したほか、沿岸地域では、これまで28件が津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の事業として採択されるなど、企業の新増設の動きが出てきております。
 一方、DIOジャパン問題を踏まえ、企業の進出に当たっては、これまで以上にきめ細やかな信用調査を行う必要があると考えており、市町村と緊密な連携のもと、業界における位置づけや評価などの情報を入手し、安定的に操業していただける企業の誘致に努めているところです。
 また、企業の進出後においても、事業の継続、雇用の維持、確保に関する情報収集を行うとともに、新たな企業の誘致についても、これらの企業を通じ関連企業の進出に係る情報も得られることから、引き続き企業訪問によるフォローアップに取り組んでまいります。
 次に、県内起業や創業の支援状況についてでありますが、県では、商工団体やいわて産業振興センターと連携して、創業セミナーの開催や窓口相談を初め、いわて起業家育成資金の貸し付けや、沿岸地区の創業者にさんりく未来産業起業促進事業による開業費用の助成などを行っているところです。
 また、今後の課題につきましては、創業に関する情報を収集している方、事業計画の策定途上にある方など、それぞれの段階に応じてきめ細かな支援が求められており、創業後も売り上げ確保などの課題に対応して継続した支援が必要と考えております。本年6月にいわて産業振興センターによろず支援拠点が開設され、専門のコーディネーターが常駐してマーケティングや販路開拓などの相談に対応しており、今後とも、よろず支援拠点の関係機関が連携して、創業前から創業後まで一貫して支援していきたいと考えております。
 次に、岩手らしい産業の育成についてでありますが、本県では、豊富な農林水産資源や伝統的な技術を生かして多くの地場産品や工芸品などが生産されておりますが、生活スタイルやニーズの変化の影響等による売り上げの減少や新商品開発のおくれ等といった課題を抱えております。
 伝統工芸産業においては、県ではこれまで、伝統工芸産業支援事業により首都圏において伝統工芸品の展示販売会を開催し、販売機会の創出及び消費者への情報発信を行うとともに、魅力ある新たな商品開発に向け業界関係者を招聘するなど、本県伝統工芸品の販路開拓を支援してまいりました。本年度は、首都圏最大手の百貨店と連携し、岩手の工芸品と食材を連動させ広く情報発信を行うとともに、販売機会の創出を行ったところです。これにより、事業終了後も新たな販売企画が予定されるなど、さらなる展開にもつながったところです。
 今後も、首都圏での展示販売会及び百貨店等と連携したフェアの開催による販売機会の創出や、いわて希望ファンド及び国の事業活用等による新たな商品開発への支援等を行いながら、業界の振興や事業者の育成に努めてまいります。
 次に、職業訓練と人材確保の現状及び課題についてでありますが、本県においては、平成23年度から震災からの復旧、復興に不可欠な建設機械の操作資格の取得等を狙いとした特別訓練を全国に先駆けて実施しているほか、再生可能エネルギーの普及も見越した電気工事士の資格取得や、介護人材の育成を狙いとした訓練についても実施してきたところでございます。一方、平成26年10月の建設、土木等の職業の有効求人数1、805人に対して有効求職者数が694人にとどまり、有効求人倍率が2.6倍となっており、建設人材の不足が深刻であるほか、介護や保育の職業においても人材が不足しているところです。そのため、本県においては、これらの分野について、必要とされる人材の育成、確保に努めていきたいと考えております。
 また、今月から実施されている成長分野を中心とした職業訓練は、都道府県、高齢・障害・求職者雇用支援機構、労働局、企業等が連携し、就職可能性を高める訓練コースを開発、検証するモデル事業であります。今年度は厚生労働省から指定された愛媛県等10都道府県で実施されており、厚生労働省においては、来年度は25都道府県での実施に向けて概算要求をしていると聞いております。
 県といたしましては、離職者等委託訓練としてさまざまな訓練ニーズに対応した訓練を実施していくこととしており、当該モデル事業については、先行県の取り組み状況等を研究していきたいと考えております。
 次に、(仮称)岩手県商工業振興条例についてでありますが、これまで、300以上の関係団体や企業にヒアリングやアンケートを行い、県内の企業が抱える経営課題や県、関係団体に期待することなどについて伺うとともに、商工団体が一堂に会した意見交換会を開催するなどして検討を進めてまいりました。本県の条例骨子案においては、人口減少問題や震災からの本格復興に対応していくため、持続可能な経済社会を実現していく取り組みを進めることが必要であると考え、中小企業の振興にとどまらず、関係者や県民等、多様な主体の参画により商工業を振興していくとともに、地域資源を生かした事業の活性化や地域経済の循環を図ることとしており、そのための施策に関する基本計画の策定などを盛り込んでいるところであります。
 また、パブリックコメントや関係団体からの意見聴取につきましては、現在、実施しているところでありますが、これまで実施しましたヒアリング、アンケート、意見交換会におきましては、中小企業の振興に結びつくような内容を盛り込み、実効性のあるものとなるよう望む意見等が出されております。パブリックコメントで今後寄せられる意見の趣旨が条例案に反映されるよう検討してまいりたいと考えております。
〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) 災害公営住宅の状況についてでありますが、災害公営住宅の建設に当たっては、被災者の意向も踏まえ、市町村と十分に協議をしながら建設する場所や戸数等を決定し、整備を進めてきたところであります。これに対し、一部の団地で空き住戸が生じておりますが、災害公営住宅の入居か持ち家再建とするかまだ決めかねている方がおられること、利便性が高いなど、より自分の希望に近い災害公営住宅の完成を待っている方がおられること、応急仮設住宅から災害公営住宅に入居することにより新たに家賃負担が発生すること、一旦入居したものの、退去する世帯が生じていることなどがその要因と考えております。
 今後は、意向調査や応募状況を踏まえ、工事着手前の団地の整備戸数を見直し、調整するとともに、市町村と協力しながら、災害公営住宅の入居について被災された方々に丁寧な説明を行うなどの取り組みを進め、空き住戸の解消に努めてまいります。
〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、岩手県地域福祉支援計画についてでありますが、地域福祉に関する有識者を委員とする岩手県地域福祉推進協議会において4回審議いただいたほか、広く県民から意見をいただくため、地域福祉に関する意識調査、県内4圏域での説明会、パブリックコメントを実施したところです。あわせて、県議会では、常任委員会において素案段階と最終案段階で2回説明しております。
 現場実態の把握については、市町村、社会福祉法人、社会福祉事業を実施しているNPO法人等を直接訪問し、現場インタビューを実施することにより、事業の実施状況と課題の把握に努めたところです。
 また、地域福祉を取り巻く環境の変化への対応としては、生活困窮者自立支援法の成立を踏まえた実施体制の整備や、災害対策基本法の改正を踏まえた避難行動要支援者名簿の作成や避難支援体制の整備などを計画に盛り込んだほか、少子高齢化等を背景とした生活福祉ニーズの増加や東日本大震災津波による福祉コミュニティの弱体化などを踏まえ、地域福祉を推進する中核である市町村の体制づくりや被災地の福祉コミュニティの再生と生活支援を施策の基本方向に新たに加えるなど、必要な見直しを行ったものでございます。
 次に、福祉、介護人材の確保対策についてでありますが、本年9月の経済・雇用対策本部会議においては、平成26年8月現在の介護関係の有効求人倍率が1.53倍と高く、人材の確保が依然厳しい状況にあること、また、仕事の割に賃金が低いことや、有給休暇がとりにくい、人材育成の取り組みが不十分などにより人材の確保、定着がしにくいことなどを課題として整理したところでございます。
 これらの課題に対応するため、県においては、これまで、新規人材の確保や潜在有資格者等の掘り起こしなどを行うキャリア支援員を配置しているほか、介護事業所に対して、労働環境の整備改善や働きながら資格取得を支援する事業の実施、新規採用職員用の住宅確保に要する経費の支援などを行っていること、また、今後、事業所みずからが賃金などの待遇改善や、人材育成のための研修計画の策定など、やりがいを持って働き続けることができる魅力ある職場づくりが推進できるよう、関係部局と連携して取り組むことを確認したところでございます。
 この方針のもと、本年11月にはハローワークが開催した福祉の仕事就職フェアで求職者に映像により介護の仕事の魅力を発信したほか、12月には、岩手県社会福祉法人経営者協議会など関係団体との意見交換や先進事例の紹介などを行うなど、関係者全体で魅力ある職場づくりに向け取り組んでいきます。
 次に、介護人材に関する実態調査の実施についてでありますが、介護事業所の概況や介護労働者の就業実態については、毎年、公益財団法人介護労働安定センターが全国でアンケート調査を実施しており、県でも、同センター岩手支部が取りまとめた介護労働実態調査結果岩手県版を実態把握のための参考としています。また、県では、岩手県高齢者福祉施設協議会等の関係団体との意見交換の場を通じて、職員の新規採用が困難である、よりよい介護を行うため経験を有する職員が不足しているなどの現場の声も聞いているところでございます。
 県としては、これらを踏まえて介護人材確保の施策を検討していますが、事業者の取り組み状況や解決するべき課題などをより詳細に把握するため、今後、調査の実施に向けて関係団体と協議してまいります。
 次に、難病患者等に対する支援についてでありますが、制度改正の周知についてはホームページが開設されているほか、ポスターやリーフレットによる周知が行われることとなっております。
 指定医療機関や指定医については、現在、申請を受け付け中であり、施行日である平成27年1月1日に向け、速やかに指定、公表してまいります。
 難病の対象疾患の拡大については、患者団体からの要望もあることから、今後の国の難病対策委員会の動向を注視していくとともに、施行後、制度の不備が生じた場合は、必要に応じ、国に改善を要望していきます。国の概算要求には難病医療提供体制整備事業や小児慢性特定疾病児童等自立支援事業などが盛り込まれており、難病患者の不安解消のために取り組んでいくこととしていることから、県としても、難病団体連絡協議会等と協力してこれらの事業を進めてまいります。
 また、制度改正に伴う関係団体への対応については、国では、患者団体などや日本医師会に対して説明をしたほか、その他医療関係団体に対して説明を行っております。県としても、9月に患者団体との意見交換会を開催し、要望や意見を伺ったほか、医療機関に対して説明会を開催し、指定医療機関及び指定医への協力などを要請したところでございます。
 次に、全国障害者スポーツ大会の成果と課題についてでありますが、全国障害者スポーツ大会は、障がい者の社会参加の推進や障がいに対する理解を深めることを目的として開催されるものであり、メダル獲得が目的ではございませんが、今回の長崎大会では、金7個、銀8個、銅8個の計23個のメダルを獲得し、前回東京大会の18個、前々回岐阜大会の22個を上回る結果となったことから、希望郷いわて大会に向け、本県選手団の士気は高まってきております。
 今後の課題については、希望郷いわて大会では、開催県として陸上競技を初めとする個人競技の参加枠が大幅にふえるほか、団体競技全種目への参加が可能となることから、選手を早急に確保し、育成強化を行っていく必要があります。具体的な取り組みとしては、個人競技については、合同練習会を開催する中で選手確保に努めるほか、団体競技については、定期的な強化練習や他県チームとの強化試合等により育成強化を行ってまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 長崎国体の成果と課題についてでありますが、第69回長崎がんばらんば国体は、台風による日程変更などもありましたが、本県選手団は、コンディションを整え全力でプレーし、弓道成年女子遠的での初優勝や卓球の平成2年以来の入賞など、12競技が昨年を上回る成績を残すとともに、入賞総数が71と、昨年の東京国体と同数の入賞結果となったところでございます。
 一方で、昨年活躍したホッケー成年男女やサッカー成年男子が国体出場を逸するなど団体競技の不振や、16競技が昨年に続き入賞を果たせなかったことなどから、男女総合成績である天皇杯順位は37位と、昨年の23位から順位を落とす結果となったところでございます。
 昨年を上回る成績を残した競技につきましては、これまでの選手強化の取り組みの成果と捉えており、また、本県選手団の総数が昨年を59名上回ったことから、入賞を果たせなかった競技であっても東北ブロック大会を勝ち抜く力をつけてきているなど、全体的な強化の底上げは図られてきているものと認識いたしております。
 希望郷いわて国体の成功のためには、本県選手団の活躍が極めて大事な視点でありますので、今後、なお一層、県体協や競技団体等と力を合わせながら、入賞の可能性の高い競技、種別を中心に重点的な強化を進めるとともに、全国で活躍している本県出身者や新規学卒者のさらなる確保などに努め、第71回国民体育大会強化委員会の目標である天皇杯順位8位以内の達成に向け取り組んでまいります。
 また、第67回岐阜国体から第68回東京国体の結果をも踏まえた課題についてでありますが、成年種別は、団体競技を中心に岐阜国体で好成績を残したものの、東京国体、長崎国体で成績を落としていることから、ふるさと選手制度の活用や就職支援などによる優秀な選手の確保と効果的な強化事業の実施が課題と捉えております。
 また、少年種別は、東京国体で活躍した世代が卒業し、長崎国体で同様に成績を落としていることから、岩手国体時に主力となる現在の高校1年生や中学校3年生などのターゲットエイジを中心とした強化事業の拡大などが重要であると認識いたしております。これらの課題につきましても、各競技団体や関係機関、団体との合意形成のもと、その解決に取り組んでまいります。
 次に、冬期における練習場の確保対策についてでありますが、競技者が気象条件等に左右されず、計画的かつ継続的にトレーニングが可能な環境整備を行うことは、本県スポーツの競技力向上を初め、県民が広くスポーツに親しむためにも必要なものであると認識いたしております。
 平成28年の希望郷いわて国体を開催するに当たり、当初におきましては、国体選手強化施設として県営の多目的屋内練習施設、いわゆるドーム型の屋内練習施設を整備することとし、実施設計まで取り組んできた経緯がございましたが、東日本大震災津波発災により、この復旧、復興を優先させるため、事業凍結とせざるを得なかったことは御案内のとおりでございます。現在、東日本大震災津波からの復旧、復興に県を挙げて取り組んでいる中で、ドーム型施設の整備に直ちに踏み出すことは難しいと考えておりますが、今後、復旧、復興の状況等を見きわめながら、さらには、全体的に老朽化しつつある県営体育施設のあり方等も含めて総合的に検討してまいりたいと考えております。
〇11番(軽石義則君) 御答弁ありがとうございました。何点か、確認の意味を込めまして再質問させていただきます。
 最初に、岩手県の経済状況についてであります。
 1点目は、県税や市町村税の未納状況についてです。
 県民生活に関連して、県税や市町村税の未納状況についてはどのように推移しているのかお伺いいたします。
 2点目は、企業倒産の現状についてです。
 県内における企業倒産の現状について、どのように把握されているのかあわせてお伺いいたします。
 次に、雇用状況と労働環境についてであります。
 1点目は、就職希望者数の推移などについてです。
 来年度の新卒者の就職状況については、これまでにない内定率の高さと言われております。しかし、内容がどうであるかが今後の政策を考える上で重要であると認識しておりますけれども、就職希望者数の推移と県内就職内定者数の推移、高卒、大卒などの状況について、どのように把握し、分析されているのかお伺いいたします。
 2点目は、新卒女性の就職内定率等についてです。
 県においては、人口減少対策は喫緊の課題としているところであり、人口減少に歯どめをかけるためにもこの段階からの取り組みが非常に大切でありますが、新卒女性の県内定着に関連して、就職内定率及び離職率についてどのような現状であるのかお伺いいたします。
 3点目は、新卒女性の県内定着に向けた対策についてです。
 現状を踏まえた上で、新卒女性に対する県内就職の促進策や離職者対策について知事にお伺いいたします。
 4点目は、県立大学の県内就職の現状などについてです。
 岩手県立大学の県内就職の状況はどのように推移しているのか、課題は何か、その対策としての取り組みについてお伺いいたします。
 次に、福祉、医療、介護についてであります。
 1点目は、介護現場の状況把握などについてです。平成27年4月1日から施行される医療・介護総合推進法において、情報提供が不足しており介護の現場が混乱している状況にあるということでありますが、この現場の状況をどのように把握されているのか、県民に対しての情報提供ができていないことが心配ですが、今後の対応をどのようにされようとしているのかお伺いいたします。
 2点目は、県内の介護福祉士養成学校の現状と課題についてです。
 現場では、県内の介護福祉士養成学校などにおいて学生数の減少が懸念されておりますが、岩手県立大学を初めとして各種専門学校の教育訓練現場の現状と課題についてどのように把握し、どのように対応されているのかお伺いいたします。
 3点目は、認定特定行為従事者制度の現状と今後の対応についてです。
 特別養護老人ホームなどで介護度が高く、医療依存度が高い利用者への支援の仕組みとして認定特定行為従事者制度があります。この仕事ができる有資格者を確保するために、かかる事業者の負担が大きいため必要数の確保が課題ではないかと考えておりますが、現状と今後の対応についてお伺いいたします。
 4点目は、第4次地方分権一括法の権限移譲に係る県への影響と対策についてです。
 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律が平成27年4月1日に施行されることとなり、国から県への事務、権限が移譲されます。このうち、介護福祉士などの養成施設などの指導、監督等の権限が移譲されることにより、県への影響はどのようなことが想定されているのかお伺いいたします。また、それらの対策についてもお示し願います。よろしくお願いいたします。
〇知事(達増拓也君) 新卒女性の県内定着に向けた対策についてでありますが、県内への就職を促進するため、女性の就業比率が特に高い医療、福祉分野等でのマッチングを支援するとともに、女性コーディネーターによる被災地における新商品開発等の支援や、モノづくりなでしこ iwate の活動など、岩手の女性によるすぐれた取り組み事例の紹介を通じて、これまで女性労働者が少なかった製造業や建設業のほか、企画、商品開発等の分野における女性の雇用の拡大を促進しているところであります。
 また、早期の離職を防止するためには、女性が働きやすい職場づくりを進めることが重要でありますことから、ことし5月、いわて女性の活躍促進連携会議を設置しまして、女性の職場環境改善支援等に取り組んでいるところであります。
 また、国と連携して、男女雇用機会均等法などの周知、男女間格差の解消のため企業が策定するポジティブ・アクションの推進、ワーク・ライフ・バランスに関するセミナーの開催等にも取り組んでいるところです。今後も、こうした取り組みを積極的に行って、女性の県内定着を促進していきます。
〇総務部長(小田島智弥君) まず、県税や市町村税の収入未済額の推移についてでありますが、県税につきましては、平成23年度は29億7、000万円、平成24年度は25億9、000万円、平成25年度は24億4、000万円であり、また、市町村税につきましては、県計で平成23年度は110億6、000万円、平成24年度は93億9、000万円、平成25年度は83億円となっており、過去3年間で、収入未済額はそれぞれ県税9億円、市町村税39億5、000万円減少となっております。
 次に、岩手県立大学の県内就職の現状等についてでありますが、まず、現状につきましては、平成25年度の4学部の卒業生431人のうち、就職内定者は359人、98.1%の内定率となっています。このうち県内の企業等に就職した学生は131人、36.5%の割合となっています。この県内就職率の推移につきましては、平成19年度の32.6%が最も低く、近年は40%台後半で推移してまいりましたが、平成25年度は6年ぶりに40%を割り込む結果となったところでございます。
 その主な原因といたしましては、人手不足等を背景に、首都圏企業等の採用意欲が高まったことから県外企業からの求人が増加した一方、県内の求人件数が減少したことや、学生の地元企業に対する理解が必ずしも十分でないことなどが考えられます。
 県内就職率の向上に向けて県立大学では平成21年度から特命課長を配置し、地元企業等への訪問によるニーズ把握や就職先の開拓に努めるとともに、学生に対しては、キャリアプランニングのための公開講座や職場見学会、インターンシップを実施したところでありますが、平成25年度の県内就職率の低下を受け、平成26年度は新たに県中小企業団体中央会等と連携し、地元企業の魅力を知ってもらう説明会を開催するなど、学生の就業力育成と県内就職の促進に取り組んでいるところでございます。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、県内における企業倒産の現状についてでありますが、民間信用調査機関の調査によりますと、過去3カ年の企業倒産の発生は、平成23年が60件で負債総額が147億円、平成24年が41件で95億円、平成25年が41件で128億円、本年は11月までで43件で153億円となっており、平成23年8月以降、倒産発生件数は40カ月連続で1桁台が続いております。
 次に、就職希望者数の推移についてでありますが、高卒者につきましては、平成23年3月卒業生では、就職希望者3、255人で、県内就職内定者数は1、869人、就職内定者の県内割合は57.8%となっております。平成26年3月卒業生は、就職希望者3、246人で、県内就職内定者数は2、089人であり、就職内定者の県内割合は64.4%で、平成23年3月卒業生と比較し、県内就職内定者数は220人増加しております。
 大卒者につきましては、平成23年3月卒業生では就職希望者1、739人で、県内就職内定者数は612人、就職内定者の県内割合は40.2%となっております。平成26年3月卒業生は、就職希望者1、845人、県内就職内定者数は797人であり、就職内定者の県内割合は44.9%で、平成23年3月卒業生と比較し、県内就職内定者数は185人増加しております。
 高卒、大卒とも県内就職内定者がふえた要因といたしましては、震災を契機として、地元で復興に携わりたいという若者がふえたことや復興需要等に伴う県内求人の増加によるもの等が考えられるところです。
 次に、新卒女性の県内定着についてでありますが、就職内定者の県内割合は、平成26年3月卒業生で、高卒者68.5%、大卒者46.3%となっており、新卒男性に比べて高い傾向にあります。また、県内に就職した新卒女性の3年以内の離職率は、平成23年3月卒業生で、高卒者49.3%、大卒者51.9%であり、新卒男性や全国平均の新卒女性の離職率に比べて高い傾向にあります。
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、介護制度改正に伴う介護現場の状況把握等についてでありますが、これまで、県高齢者福祉協議会や県介護支援専門員協会など関係団体との意見交換を通じまして制度改正について説明するとともに現場の状況把握に努めており、要支援者が利用する訪問介護と通所介護が、市町村が行う地域支援事業に移行することに伴い影響を受ける方々への説明が重要であること、特別養護老人ホームへの入所が原則要介護3以上になることへの対応が必要であることなどの意見をいただいております。
 当初、国からの情報提供がおくれ、不明な点も多かった状況でございましたが、8月と11月に市町村介護保険担当課長会議を開催し、制度改正に向けた市町村の準備を促すとともに、要介護1、2の方の特別養護老人ホーム特例入所については、7月に示された国指針案を踏まえて、県高齢者福祉協議会とともに入所指針の改定作業を行うなど、順次、制度改正への対応を進めております。今後、第6期介護保険事業支援計画いわていきいきプラン2017に係る地域説明会を開催する予定であり、そうした場を通じ、県民に対して制度改正の内容や今後の対応について情報提供を行うほか、市町村においても住民に対する情報提供が適切に行われるよう助言してまいります。
 次に、県内の介護福祉士養成校の現状と課題についてでありますが、県内の介護福祉士と社会福祉士の養成施設は、大学1校、専門学校4校、高等学校4校があり、平成26年度では454名の定員に対し345名が入学し、充足率が76%と定員に満たない状況になっております。このため、養成施設、県、社会福祉協議会等を構成員とする福祉人材養成機関等連絡会議において、入学生の確保、卒業生の就職状況等の情報交換や、福祉、介護人材育成の課題とその対応について協議しております。
 また、小、中、高校生に対して、福祉や介護の仕事への理解を図るため県福祉人材センターが出前講座を実施し、福祉、介護分野への興味を持ち、進路を選択してもらえるよう取り組んでいるほか、県社会福祉協議会において、介護福祉士等修学資金貸付制度により修学を支援しているところでございます。入学生の確保のためには、福祉、介護の仕事のやりがいや魅力を理解いただき、イメージアップを図ることも重要であることから、出前講座の実施回数をふやすとともに対象を教員や保護者にも拡大していくほか、修学資金貸付制度の周知にも努めてまいります。
 次に、認定特定行為従事者制度の現状と今後の対応についてでありますが、県では、平成23年度から、喀たん吸引や経管栄養などを行うことができる認定特定行為従事者を養成するため、介護職員等医療的ケア研修を岩手県社会福祉協議会に委託して実施しており、本研修の修了者と、経過措置により認定特定行為従事者として認められる者への認定証交付件数が、11月1日時点で合計約4、500件となっております。昨年度、医療的ケア研修に係るニーズ調査により事業者のニーズを把握したところ、医療的ケアを行うことができる介護職員の増加が強く望まれていることから、引き続き研修を実施し、認定特定行為従事者の養成、確保に努めてまいります。
 次に、第4次一括法の権限移譲に係る県への影響と対策についてでありますが、各種資格者の養成施設等の指定、監督などが国から県に移譲されますが、介護福祉士等の養成施設については、大学や高等学校を除く専門学校の指定や定員等の変更承認、各種届け出等の受理、指導調査等の権限が移譲されることとなっており、対象施設は4校となっております。本年11月に移譲事務の概要等について説明会が開催されたところであり、具体的な内容については、現在、政省令の改正や処理手順マニュアル等の策定が進められており、今後、詳細が示されることとなっております。この権限移譲により、専門学校における事務手続には大きな変更はない見込みですが、県においては、移行後において混乱が生じないよう国と連携して周知を行うとともに、移譲事務が円滑に進められるよう準備をしてまいります。
〇副議長(大宮惇幸君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時47分 休 憩
出席議員(44名)
1  番        高  田  一  郎 君
2  番        清  水  恭  一 君
3  番        名須川     晋 君
5  番        神  崎  浩  之 君
6  番        城  内  愛  彦 君
7  番        福  井  せいじ 君
8  番        佐々木  茂  光 君
9  番        佐々木     努 君
10  番        佐々木  朋  和 君
11  番        軽  石  義  則 君
13  番        吉  田  敬  子 君
14  番        後  藤     完 君
15  番        岩  渕     誠 君
16  番        郷右近     浩 君
17  番        高  橋  孝  眞 君
18  番        岩  崎  友  一 君
19  番        高  橋  但  馬 君
20  番        小  野     共 君
21  番        高  橋     元 君
22  番        木  村  幸  弘 君
23  番        久  保  孝  喜 君
24  番        小  西  和  子 君
26  番        五日市     王 君
27  番        喜  多  正  敏 君
28  番        工  藤  大  輔 君
29  番        嵯  峨  壱  朗 君
30  番        工  藤  勝  子 君
31  番        工  藤  勝  博 君
32  番        高  橋  昌  造 君
33  番        及  川  あつし 君
34  番        小田島  峰  雄 君
35  番        大  宮  惇  幸 君
36  番        飯  澤     匡 君
37  番        斉  藤     信 君
38  番        佐々木  順  一 君
39  番        及  川  幸  子 君
41  番        樋  下  正  信 君
42  番        柳  村  岩  見 君
43  番        千  葉     伝 君
44  番        佐々木  大  和 君
45  番        佐々木     博 君
46  番        渡  辺  幸  貫 君
47  番        田  村     誠 君
48  番        小野寺     好 君
欠席議員(1名)
40  番        伊 藤 勢 至 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時8分 再 開
〇副議長(大宮惇幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木博君。
〔45番佐々木博君登壇〕(拍手)

前へ 次へ