平成26年9月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(佐々木順一君) 希望・みらいフォーラムの佐々木順一でございます。
 ただいま議題となっております発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書について、議会の前例に倣い、提案の理由を申し上げます。
 現在、国において進められている社会保障と税の一体改革は、全世代を通じた安心の確保を図り、かつ、国民一人一人の安心感を高めることなどを基本的な考えとし、経済状況を好転させることを条件として行われることとされておりますが、日本の目下の経済情勢や本県の経済状況などから、到底再増税する時期ではないものであり、次の理由から、消費税率の再引き上げに反対する意見書を提出するものであります。
 第1に、日本経済の状況としては、実質賃金は13カ月連続対前年度比マイナスとなっております。例えば、サラリーマン世帯における実質収入は、10カ月で6.2%低下しております。雇用環境も、パートから一般労働者への移行よりも一般労働者からパートへの移行が7万人多い状況であり、母子世帯の平均所得も243万円で、子供の貧困率は過去最悪の16.3%となっております。
 加えて、政府は、復興が順調に進んでいると強調しておりますが、2013年度の復興予算執行率は64.7%で、2兆6、520億円もの予算が使われていないため、国民の不信感は募る一方であります。
 また、年金についても、政府のシナリオでは、2055年度に年金積立金が枯渇する状況であり、運用収益は全く見込めなくなる状況から、そうした先行きが不透明なことへの国民の不安感は増す一方にあります。
 第2に、県が10月8日に公表した県内の最近の景況についても、総じて回復傾向が続いていた県内景気はこのところ足踏み状態にあると分析、ことしの2月に上方修正して以来、判断の据え置きまたは下方修正が続いており、消費税増税の影響からの回復はおろか、政府の景気対策の恩恵が地方、特にも、被災地である本県には全く届いていないことは明らかとなっております。
 第3に、消費税増税分を社会保障財源に充てるとされていたところでありますが、実態は、社会保障費の増加に伴う国民負担の増に加え、消費税率引き上げに伴う介護報酬改定による自己負担の増加や、医療機関等の課税仕入れにかかるコスト増への対応とした診療報酬改定による負担増などにより、国民の負担感はますます増加する状況にあります。
 一方、去る9月27日と28日に、共同通信社と岩手日報社を含めた地方新聞社38社で構成する公益財団法人日本世論調査会が行った全国面接世論調査では、4月に税率が8%に上がった後、家計のやりくりが厳しくなったと感じている人は82%にも達し、来年10月に予定されている消費税率10%への再増税に反対する人は72%に上り、賛成する人の25%を大きく上回る結果となっており、再増税でさらに負担が増すことへの国民の懸念は非常に強いものがあります。
 こうした状況の中で消費税を再増税することは、東日本大震災からの復興の大きな足かせになるばかりではなく、本県経済に多大な悪影響を及ぼし、さらなる人口減少、人口流出を招くことにつながり、地方の創生を図ることが非常に困難となることは明らかであります。
 このような観点から、諸規定に基づき、国に意見書を提出するものであります。
 以上をもって、提案理由の説明とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略したいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
〇議長(千葉伝君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後3時52分 散 会
第16回岩手県議会定例会会議録(第6号)

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