平成26年9月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第17号と請願陳情受理番号第121号の不採択に反対の討論を行います。
 議案第17号は、幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例であります。
 本会議での質疑で明らかにしたように、この条例案は、学級編制、職員配置、園舎及び園庭、食事の提供にかかわる調理室の設置など、全てが不十分な国の基準を踏襲したものであります。
 学級編制の基準は35人以下としていますが、小学校の低学年でさえ35人学級で、実態は20人規模となっています。3歳児を含めて35人以下学級というのは、余りにも子供の実態を無視したものであり、まともな教育も保育も保障できないものであります。
 職員の配置基準も、乳児が3対1、1、2歳児が6対1、3歳児は20対1、4、5歳児は30対1と、国の基準そのものであります。現状の保育園では、この基準では職員が不足して、加配しているのが実態であります。引き上げるべきであります。
 食事の提供については、3歳未満児については自園調理、3歳以上は外部搬入も可、幼稚園では園の判断とするなど、幼保連携と言いながら、年齢と利用形態によって、それぞれ食事の提供が異なる基準というのは理解しがたいものであります。
 1日4時間の標準的な教育を行うとしていますが、保育園児の場合、9時から1時まで4時間の教育を行えば、昼食も昼寝もとらないことになりかねません。また、3歳児の子供が1日に何度も教室をかわるような状況で、まともな教育も保育も保障されないと言わなければなりません。だからこそ、全国の政令指定都市では、学級編制にしても職員の配置などについても、独自の上乗せ基準としているのであります。県内の7市町村も、家庭的保育の基準では独自の上乗せ基準を定めています。
 子ども・子育て支援新制度は、これまでの保育所、幼稚園の制度を根底から改編するものであり、保育の市場化を目指したものであります。最大の問題は、これまでの市町村の責任によって保育を提供する現物給付の制度を改悪し、利用者と事業者の直接契約の現金給付の仕組みに変えることであります。
 新制度では、施設型給付の保育所、幼稚園など6類型、地域型保育給付の4類型など複雑怪奇で、事業所ごとに保育の質と量が異なるなど、保育に重大な格差をつくるものであります。子ども・子育て支援新制度そのものが、根本的な見直しを求められています。
 待機者の解消は、父母が切実に要望している市町村が責任を持つ認可保育所の増設で対応すべきであります。
 請願陳情受理番号第121号は、消費税の10%増税の引上げ反対の意見書を求めるものであります。
 総務委員会では、まともな反対の議論もなく、自由民主クラブといわて県民クラブが反対し可否同数となり、委員長裁決で不採択となりました。これは、消費税の10%増税に反対する世論が72%を占めていることに示されるように、県民の切実な実態と声に背を向けるものであります。
 4月に消費税8%大増税が強行されました。その結果は、4-6月期のGDPは、年率マイナス7.1%の大幅な落ち込み、特に家計消費はマイナス19.5%と、この20年間で最大の落ち込みとなりました。その最大の要因は、労働者の実質賃金が、前年比で14カ月連続マイナスとなっていることであります。消費税の大増税と円安による物価上昇によって実質賃金が低下し、家計消費が落ち込んでいるのであります。
 今、日本経済は、深刻な悪循環、危険水域に落ち込んでいます。こんなときに、消費税を10%にさらに引き上げることは、国民の暮らしを破壊するだけでなく、地域経済、日本経済を破滅に追い込むものであります。岩手県、被災3県の復興にも逆行いたします。
 暮らしと経済を立て直すためには、第1に、消費税の10%増税はきっぱり中止すること。第2に、285兆円にも膨れ上がった大企業の内部留保の一部を活用して、大幅賃上げと安定した雇用をふやすこと。第3に、社会保障の切り捨てから充実へ、抜本的な転換を図ることであります。第4に、税金は、負担能力に応じてという応能負担の原則に立った税制改革によって財源をつくり出すことであります。
 日本共産党は、消費税に頼ることなく、国民の暮らしと社会保障の充実を図る建設的な提案を具体的に示しています。
 国民の暮らしと経済を破滅に追い込む消費税の10%増税を許してはなりません。県民の切実な実態と声を踏まえ、本会議での採択で、岩手県議会から消費税10%増税の中止を求める大きな声を上げていこうではありませんか。
 皆さんの御賛同を心から訴え、総務委員会での不採択に対する反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第121号消費税10%への引上げ反対の意見書提出を求める請願を採決いたします。
 なお、本請願に対する委員長の報告は不採択でありますが、本請願を採択することについて採決いたします。
 本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) そのままで少々お待ちください。
 起立多数であります。よって、受理番号第121号消費税10%への引上げ反対の意見書提出を求める請願は、採択と決定いたしました。
 次に、議案第17号幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、議案第17号幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第43号宮古港鍬ヶ崎地区海岸防潮堤工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてを採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第43号宮古港鍬ヶ崎地区海岸防潮堤工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第16号まで、議案第18号から議案第36号まで、議案第40号、議案第42号、議案第44号から議案第51号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第16号まで、議案第18号から議案第36号まで、議案第40号、議案第42号、議案第44号から議案第51号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたました。
日程第49 委員会の閉会中の継続審査の件
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第49、委員会の閉会中の継続審査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査事件
1 継続審査
  環境福祉委員会 請願陳情受理番号第99号
岩手県南3市町の子供たちの甲状腺検査を求める請願
〇議長(千葉伝君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査の件につきましては、環境福祉委員長からお手元に配付いたしてあるとおり申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
〇議長(千葉伝君) この際、議会運営委員会を開催するため、暫時休憩いたします。
午後2時5分 休 憩
出席議員(45名)
1  番        高 田 一 郎 君
2  番        清 水 恭 一 君
3  番        名須川   晋 君
5  番        神 崎 浩 之 君
6  番        城 内 愛 彦 君
7  番        福 井 せいじ 君
8  番        佐々木 茂 光 君
9  番        佐々木   努 君
10  番        佐々木 朋 和 君
11  番        軽 石 義 則 君
13  番        吉 田 敬 子 君
14  番        後 藤   完 君
15  番        岩 渕   誠 君
16  番        郷右近   浩 君
17  番        高 橋 孝 眞 君
18  番        岩 崎 友 一 君
19  番        高 橋 但 馬 君
20  番        小 野   共 君
21  番        高 橋   元 君
22  番        木 村 幸 弘 君
23  番        久 保 孝 喜 君
24  番        小 西 和 子 君
26  番        五日市   王 君
27  番        喜 多 正 敏 君
28  番        工 藤 大 輔 君
29  番        嵯 峨 壱 朗 君
30  番        工 藤 勝 子 君
31  番        工 藤 勝 博 君
32  番        高 橋 昌 造 君
33  番        及 川 あつし 君
34  番        小田島 峰 雄 君
35  番        大 宮 惇 幸 君
36  番        飯 澤   匡 君
37  番        斉 藤   信 君
38  番        佐々木 順 一 君
39  番        及 川 幸 子 君
40  番        伊 藤 勢 至 君
41  番        樋 下 正 信 君
42  番        柳 村 岩 見 君
43  番        千 葉   伝 君
44  番        佐々木 大 和 君
45  番        佐々木   博 君
46  番        渡 辺 幸 貫 君
47  番        田 村   誠 君
48  番        小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時42分 再開
〇議長(千葉伝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
報告
〇議長(千葉伝君) 発議案1件が提出になっております。お手元に配付いたしてありますから、御了承願います。
発議案第17号
平成26年10月10日 
 岩手県議会議長 千 葉   伝 様
提出者議員 佐々木 順 一 
賛成者議員 工 藤 大 輔 
軽 石 義 則 
久 保 孝 喜 
消費税率10%への引上げ反対を求める意見書
 岩手県議会会議規則第14条第1項の規定により、標記の意見書案を別紙のとおり提出します。
〔参照〕
平成26年10月10日 
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
総務大臣
財務大臣
        盛岡市内丸10番1号
岩手県議会議長 千 葉   伝 
消費税率10%ヘの引上げ反対を求める意見書
 消費税の増税については、国民生活や地域経済等への影響が大きいことから、国民の切実な実態と声を受け止め、これを行わないよう強く要請する。
 理由
 本年4月1日に消費税率が8%に引き上げられたが、国民は、長引く不況に加え、物価上昇、収入減、社会保障削減などの影響を強く受けているとともに、地域経済を支える中小企業の倒産、廃業も後を絶たない状況である。
 県内でも、経済の疲弊、商店街の衰退などが進んでいる地域があるほか、東日本大震災津波の被災地においては、復興の途上であり、いまだに多くの被災者が応急仮設住宅やみなし仮設住宅での不自由な暮らしを余儀なくされているなど、消費税の増税は生活再建の重い足かせとなっている。
 本年4月の増税では、消費税増税分を社会保障財源に充てるとされていたが、年金制度の変更や医療費負担増など、社会保障負担が増えていることから、国民の税負担感は一層強くなっており、このような状況の中、消費税の増税は、到底認めることはできない。
 よって、国においては、消費税の増税については、国民生活や地域経済等への影響が大きいことから、国民の切実な実態と声を受け止め、これを行わないよう強く要請する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
日程第50 発議案第1号被災地における本格的な復興を推進するための地方財政の充実と事業執行体制の安定的な確保を求める意見書から日程第65 発議案第16号粒子線治療に対する公的医療保険の早期適用を求める意見書まで
〇議長(千葉伝君) 日程第50、発議案第1号から日程第65、発議案第16号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第1号から発議案第16号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、発議案第1号から発議案第16号までは、原案のとおり可決されました。
発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書
〇議長(千葉伝君) お諮りいたします。この際、発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書を日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、この際、発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書を日程に追加し、直ちに議題とすることに決定いたしました。
 発議案第17号消費税率10%への引上げ反対を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。佐々木順一君。
〔38番佐々木順一君登壇〕

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