平成26年9月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
 東日本大震災から3年7カ月がたとうとしております。今でも応急仮設住宅には2万3、957人が生活し、先の見えない不自由な避難生活を送っています。
 大船渡市のケアマネジャーから被災者の状況を聞く機会がありました。高齢者は生活不活発病、痴呆症、筋力低下の被災者が多く、介護保険料の値上げや消費税で生活が苦しくなっています。仮設住宅での生活は限界に来ており、今こそ見守りや支援が必要です、こう強調されました。よりそいホットラインによる被災3県の相談件数は、昨年度54万件、うち28%が自殺に関するものであります。今後ますます被災者の命と健康を守る取り組みが重要となっております。被災者の実態についてどんな調査が行われ、どんな結果となっているのでしょうか、今後の対策を含めて示していただきたい。
 次に、被災者の医療費、介護保険利用料の免除措置についてであります。
 被災者の医療費、介護保険利用料などの免除措置は平成27年12月まで1年間延長することを知事は明らかにしました。不自由な避難生活を送っている被災者にとっては医療費などの免除は命綱であり、知事の決断を評価するものであります。これまで免除した対象者数、県、市町村の免除総額はどのぐらいになったでしょうか。
 被災地の復興はなかなか進まず、社会資本の復旧・復興ロードマップにおける平成27年度の災害公営住宅の供給戸数は4、348戸、全体の73%であり、面整備については47%となっています。住宅再建は、用地の確保や資金問題などもあり、なかなか進まず、不自由な応急仮設住宅での生活は2年から3年となる被災者も出てきます。せめて自立するまで延長すべきでありますが、いかがでしょうか。
 防災集団移転事業で土地売却による収入が所得扱いされ、被災者が介護保険料、ホテルコストなどの負担増に苦しめられています。介護施設のホテルコストが、これまで低所得者による軽減措置で月3万8、000円だった被災者が10万5、000円にはね上がりました。保険料の負担と合わせて年間86万円余の負担は被災者としては耐えられるものではありません。介護保険料については、介護保険法第142条で市町村では独自減免ができることになっていますが、独自減免が実現できるよう県としても取り組むべきであります。ホテルコストについても特別の手だてが必要ではないでしょうか。
 次に、福祉灯油について質問いたします。
 ことしの灯油価格は1リットル108円と、被災地福祉灯油を実施した昨年よりも上回っています。灯油価格は今後下がる要因はなく、円安政策でさらなる上昇が懸念されます。被災地福祉灯油は、この間、3年連続実施されてきました。ことしも福祉灯油の実施を早く決断して、内陸への避難者を含めて被災者が安心して冬を過ごせるようにすべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
 次に、被災者の住宅再建について質問いたします。
 被災者は住宅確保の見通しがつかないことが最大の悩みになっています。特に用地確保の問題とともに建設資材などの値上がりで住宅建設の坪単価が震災前と比べても10万円もふえています。30坪の家を建てる場合、300万円も負担増となり、県と市町村で行っている独自の支援が全て消えてしまいます。時間の経過とともに住宅再建を諦め、災害公営住宅や内陸に移住する被災者も出ております。住宅再建への支援の拡充を国に強く求めるとともに、県としてもさらなる支援をすべきですが、知事の答弁を求めるものであります。
 岩手における二重ローン対策は、相談件数1、044件、成立、準備中などの見通しは346件で33%となっております。これから再建する被災者で、既に被災した住宅ローンを払い続ける被災者の実態はどう把握されているでしょうか。昨年12月、金融庁と東北財務局は、住宅ローンを払い続けている人が活用できるよう徹底する通知を出しました。県として、その後どのような対応、努力をされているのでしょうか、改善が図られているのでしょうか。
 次に、なりわいの再生について質問いたします。
 仮設店舗、施設は362カ所1、811区画で、宮城、福島両県の合計を上回っています。おおふなと夢商店街など仮設商店街も17整備され、空き店舗もなく、集客力をふやし、観光の拠点にもなりました。しかし、復興需要も減少する中で、仮設店舗では6割が売り上げ減少となっています。本設での再開を希望する事業者数及び仮設店舗でこのまま続けたい事業者の実態を県はどう把握されているでしょうか。高齢化と後継者難から、今の仮設店舗で継続したいという商店も出ています。5年間という仮設店舗の使用期間を延長して、譲渡後の解体費用、地代も含めて支援できるようにすべきでありますが、県としてどう対応しているでしょうか。
 漁船や養殖施設は震災前の7割前後、生産量も6割前後まで回復しています。しかし、魚価の低迷、養殖ワカメの価格低下など風評被害対策が課題となっています。現状と対策はどうなっているのでしょうか。震災前よりも漁業経営体は37%も減少いたしました。担い手確保についてはどう対策が図られているでしょうか。水産加工業では販路縮小と売り上げ減少、人手不足に直面しています。現状はどうでしょうか、県としてどんな対策を講じてきたのでしょうか。
 次に、JR山田線、大船渡線の早期復旧について質問いたします。
 JR山田線は、三陸鉄道への経営移管案が示され、この間、協議が続けられています。山田町長からは、三陸鉄道となれば通学定期が月8、500円から1万8、500円になる、超優良企業の責任で復旧をお願いしたいとお話をされました。被災者や被災自治体への負担がふえるようになってはなりません。あくまでJRの責任で持続的な経営ができることを前提に早期の復旧を求めていくべきであります。赤字の補填、運賃への補助、災害への対応など、これまでどんな交渉がされてきたのでしょうか。
 JR大船渡線は、2月19日にルート変更を示して、事業費400億円の提案をしてきました。余りにも無理難題な提案であり、撤回を求めていくべきであります。これまで県は、現行ルートで復旧できない根拠、危険箇所の特定などの説明を求めてきましたが、JRの対応はどうなっているのでしょうか。
 次に、広島土砂災害の教訓と県の対応について質問いたします。
 広島での大規模土砂災害は死者74名という大災害になりました。本県の土砂災害危険箇所は1万4、348カ所と東北で一番多く、警戒区域の指定はわずか2割、ハード対策もおくれています。なぜおくれているのでしょうか。いつまでに警戒区域の指定をするのか示していただきたいと思います。
 土砂災害のハザードマップを作成し、住民に危険箇所を周知して、避難や自主防災活動に役立つようにソフト面での対策も大事であります。県は、広島での大規模土砂災害を受けて県内の危険箇所を総点検する補正予算を提案しました。これは評価するものでありますけれども、まず、危険箇所を県民に知らせることこそ急ぐべきではないでしょうか。
 次に、子供の医療費無料化の拡充について質問いたします。
 子供の医療費は子育て世代の大きな負担になっており、我が党は対象年齢の拡充や現物給付となるよう繰り返し求めてきました。窓口負担を求める償還払いの制度は、岩手を含めわずか10道県にとどまっています。東北では岩手だけとなっています。医療費助成の対象年齢の拡充も9年前に就学前に広げただけで、達増県政になってから何の改善もありません。償還払いでは、他県から転勤してくる若いお母さんからも驚きの声が寄せられています。岩手県総合計画審議会の提言でも日本一子育てにやさしい地域にすることが提起され、学費と医療費の無料化、子育て期間の経費を一定額継続助成することまで提言しています。対象年齢も県内に広がっており、せめて小学校卒業まで拡充し、窓口負担も現物給付にすべきであります。少子化対策にとって緊急な課題であり、知事の決断を求めるものですが、いかがでしょうか。
 次に、子育て支援策についてであります。
 来年4月から子育て支援に関する制度が根本から見直しされます。新制度では介護保険制度をモデルとしており、最大の特徴は、市町村の責任で保育を提供する現物給付から、利用者と事業者との直接契約への変更がされました。
 しかし、実施を前にして矛盾が噴出しています。
 第1に、施設への補助金となる公定価格の仮単価が示されて以来、新制度による認定こども園等を目指した私立幼稚園が全国で2割にとどまっています。平成27年度の県内の新制度への移行はどうなっているでしょうか。そして、保護者への説明がしっかりされているのでしょうか。保育料もまだ決まらない中で、来春からの実施が本当にできるのでしょうか。
 第2に、小規模保育事業では、資格要件緩和など国の基準が設けられました。小規模保育事業のC型では保育士がいなくても運営できることとされていますが、子供が育つ環境で保育に携わる職員の資格に格差があることは児童福祉法の理念にも反するものであります。本来、資格を持った保育士で保育すべきでありますが、国の基準を超える設置基準とした市町村の状況はどうなっているでしょうか。
 第3に、今度の子育て支援制度で待機児童は解消されるのでしょうか。どの子も最善の保育が保障されなければならず、それは保護者の声でもあります。
〔副議長退席、議長着席〕
 子育て支援制度が大きく変わっても、市町村の保育実施義務をうたった児童福祉法第24条第1項は残りました。待機児童の解消は認可保育所の増設を基本とし、県もそこに支援をすべきでありますが、いかがでしょうか。
 次に、国民健康保険の広域化について質問いたします。
 都道府県への広域化が検討され、次期通常国会に法案提出が予定されています。市町村では税負担を抑制するために一般会計からの繰り入れを行い、値上げを抑えています。どれだけの市町村で繰り入れが行われ、総額は幾らでしょうか。広域化では繰り入れが困難となり、国保税の軽減につながらないどころか、値上げになってしまいます。広域化によって市町村国保が抱える問題が解決されるものではありません。広域化に向けた現在の動向はどうなっているでしょうか。広域化に反対すべきでありますけれども、県の対応を示していただきたい。
 次に、介護保険制度について質問いたします。
 介護保険制度は、制度の根幹にかかわる大改悪がこの間行われました。
 第1に、要支援者の訪問介護、通所介護サービスが介護予防給付から市町村の地域支援事業に移行することとなりました。在宅介護は単なる家事代行ではなくて、高齢者の変化に気づき、医療や介護につなげる役割を果たしており、介護サービスの切り捨ては在宅生活が困難になる事態を招きかねません。要支援者こそ専門的で丁寧なケアが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 この間、介護事業所を訪問し、調査をしてきました。どこに行っても、地域支援事業を丸投げされるのではないかという不安の声が寄せられました。委託単価は介護報酬以下となっており、事業所収入の減少は避けられません。地域支援事業になっても高齢者が今までどおりのサービスを受けることができるようにすべきであります。市町村の地域支援事業はどうなっていくのでしょうか。
 第2に、特別養護老人ホームの入所は要介護3以上となりました。既に入所している方は継続して入所できますが、要介護1、2の待機者は現在どのぐらいになっているでしょうか。
 第3に、特別養護老人ホーム待機者は入所まで長期の待機となり、重度と高齢にならないと入所できず、入所してもわずかな期間の入所となってしまいます。もう一つの特徴は、高齢者の貧困化と家族介護力の低下であります。有料老人ホーム、高齢者住宅が急増しておりますが、特別養護老人ホームでなければ利用できない高齢者がこの間確実にふえています。待機者の解消を目指し、大幅に特別養護老人ホームを増設すべきでありますが、待機者の現状と整備計画はどうなっているでしょうか。
 一方、事業所では、資材の高騰に加え補助金が余りにも低いことから、施設整備と修繕をためらう要因となっています。施設整備に対する補助金の拡充、修繕に対する支援などが必要ではないでしょうか。
 第4に、介護現場での一番の切実で共通した課題は介護人材の確保であります。介護人材不足は県全体でどのぐらいになっているでしょうか。高校生を採用して育てることで介護人材を確保している事業所もあります。県として介護人材確保の対策を示していただきたい。
 次に、公契約条例について質問いたします。
 公契約条例は、自治体などが発注する業務で働く労働者が低賃金を押しつけられている官製ワーキングプアの解消を目指し、自治体と契約する事業者に一定額以上の支払いを求める条例であります。建設現場では、建設労務単価が上がっても現場の労働者の賃上げには反映されず、市町村が発注する委託事業でも入札が行われるたびに賃金が低下しています。県発注契約でワーキングプアをつくってはなりません。このような課題を解決するには賃金条項を盛り込んだ条例にすべきであります。全国で賃金条項を盛り込まず理念条例になっている自治体もありますが、賃金条項を明確に盛り込んだ、全国から注目されるような条例制定をすべきであります。知事の答弁を求めるものであります。
 次に、県立花泉高等学校の学級減の見直しについてであります。
 県教育委員会は、来年度の学科改編の計画として、県立花泉高校を1学級減とする方針を8月5日の商工文教委員会で示しました。今月の教育委員会議で決定することになっていますが、余りにも拙速過ぎると言わなければなりません。私もこの間、関係者と会ってお話を伺ってまいりました。花泉高校では、生徒の進路希望にも就職にも応えられるようなさまざまな努力が行われていました。就職希望者の9割は地元に就職しており、地域に貢献できる重要な役割を果たしています。ことしの学校公開では藤沢中学校からも10人が参加しており、制服も斬新なものに変えようと検討しているさなかでの学級減の提案でありました。地元の花泉中学校では、近隣の高校の学校説明会も開催し、花泉高校についても紹介されています。花泉高校の2学級から1学級への学級減というのは、クラブ活動や教員の数の面でも大きく制約され、生徒減に拍車がかかってしまいます。ことしの生徒数の急減だけで結論を出すのではなく、2年、3年の改革の努力を見守ることが必要ではないかという声も寄せられました。県立高等学校教育の在り方検討委員会では、小規模校のあり方がその中心的な議題の一つとされ、検討されています。学級減は見直し、地域住民の声を聞き、県立高等学校教育の在り方検討委員会の議論を踏まえて慎重に検討すべきでありますが、いかがでしょうか。
 次に、特別支援学校についてであります。
 盛岡みたけ支援学校を調査してきました。雨漏りがする天井が放置され、物置併用の教室、木工室が狭くて外にテントを張っての授業、独自のグラウンドもなく、生徒が情緒不安になったときには、行動観察室もなく校長室で対応されていました。子供たちに負担を与え、教職員にも大変な苦労をもたらしています。県内の特別支援学校でも同じ問題を抱えております。県内の特別支援学校の教室不足の現状、改善の取り組みはどうなっているでしょうか。
 北上市では父母の要望に応えて、特別支援学校の新設または分教室の設置を求める要望が北上市から県に提出されました。花巻清風支援学校の児童生徒の44%が北上市からとなっており、地元花巻を上回る児童生徒数になっています。保護者からも、毎日2往復している、送迎のために仕事もやめてしまったなどの切実な声も寄せられました。
 二戸市からは高等部分教室の設置と小中高等部からなる独立校の設置も要望され、釜石祥雲支援学校においても、県議会の請願の採択を受けて整備検討協議会が設置されました。県教育委員会は、この劣悪な特別支援学校の現状や保護者からの要望というものをどう受けとめているのでしょうか。緊急対策と抜本的な施設整備を含めた施設整備計画を作成すべきでありますが、いかがでしょうか。
 学校給食については、一関清明支援学校など三つの学校で弁当給食となっています。保護者からも、小中学校では温かい学校給食なのに、なぜ特別支援学校では冷たい弁当なのか、こんな声も寄せられています。この間、私も改善を求めてきましたが、どう検討されてきたのでしょうか。
 次に、米価暴落対策と農政改革について質問いたします。
 2014年産米の概算金の大幅な引き下げに農家に衝撃が走っています。岩手の主力品種であるひとめぼれは2、800円引き下がり8、400円と、生産費の6割となりました。大規模農家ほど影響が大きく、もうやり切れない、こんな声も出ています。県としてどう受けとめているのでしょうか。ことしは米の直接支払交付金も半減となりましたけれども、農家所得と県内経済への影響はどの程度になるのでしょうか。15ヘクタールの担い手農家ではどれだけの減収になるのかも示していただきたい。
 米価の暴落の原因は、過剰米対策をとらずに平成30年産からの生産数量目標の配分の廃止が主な要因であります。この間、北海道東北地方知事会として対策の緊急申し入れを行いました。しかし、この間の政府の対応は、市場からの隔離は困難の繰り返しであり、減反廃止は断行するという姿勢であります。地方創生、農業所得倍増を掲げながら暴落は当然視する無責任な姿勢と言わなければなりません。市場任せではなく、米の需給と価格の安定は、農家と地域経済を安定させる不可欠なものであり、これを農政の基本にしなければ、また同じことが繰り返されてしまいます。過剰米を市場から隔離し、価格と需給に国が責任を持つこと、経営所得安定対策の半減の見直しを求めることが必要ではないでしょうか。
 飼料の自給率を高める飼料米による水田活用は重要な課題であります。県は、飼料米の需要調査をこの間行いました。2万6、000トンの需要に対して、ことしはわずか2、000ヘクタール、約1万900トンにとどまっています。主食用米並みの所得確保が可能といって国は誘導しましたが、なぜ進まないのでしょうか。取り組みの現状と課題はどこにあるのでしょうか。
 農政改革というなら、多くの農家が農業に励むことができる条件整備が必要であり、担い手確保に総力を挙げることが必要であります。安倍政権の農政改革は、大規模農家を育成し企業の参入を進めるために、その規制を排除することにねらいがあります。その中身は農協や農業委員会の解体を目指すもので、改革に逆行するものでありますが、県の見解を求めます。
 最後に、国政の重要課題について知事に質問いたします。
 第1に消費税問題でありますが、消費税の税率が8%になってから丸6カ月になりました。4月以降の消費の落ち込みで政府は景気判断も下方修正しました。国民の多数を押し切って強行された消費税の増税の打撃は日本経済にはっきりとあらわれています。働く人の実質賃金が低下し、家計消費が冷え込み、GDPが落ち込むという増税不況が始まり、好循環どころか悪循環の危険水域に入っています。この上、再増税が行われれば消費がさらに落ち込み、経済が一層悪化して、国民の暮らしも経済も破綻してしまいます。そして、岩手にとっては、東日本大震災からの復興に影響をもたらすもので、二重の深刻な被害と言わなければなりません。どの世論調査でも再増税反対が圧倒的多数になっています。10%への再増税中止を国に求めるべきでありますが、知事の見解を求めるものであります。
 第2に、集団的自衛権、オスプレイの低空飛行訓練問題について質問いたします。
 集団的自衛権をめぐっては、国民的な議論もないまま、7月1日に閣議決定されました。今回の閣議決定は、日本に対する武力攻撃がなくとも他国のために武力の行使をするということであります。国会論戦を通じて明らかになったことは、アメリカが戦争を起こした際に自衛隊が戦闘地域にまで行って軍事活動する任務遂行のために武器の使用をすることも明らかになりました。アメリカの戦争に日本の若者が血を流す、これが正体であります。閣議決定の撤回を求めるべきでありますが、知事の見解を伺います。
 陸上自衛隊東北方面隊は、11月の上旬に、震災対処訓練としてみちのくALERT2014を行おうとしています。しかし、看過できない内容があります。オスプレイを使用して患者、物資輸送訓練をすることであります。オスプレイはアメリカ海兵隊に所属し、他国への侵略作戦を強化するために導入された新型輸送機であり、日本の防衛には全く関係ありません。オスプレイの参加は東北での低空飛行訓練と岩手山演習場を訓練基地の地ならしをすることにほかなりません。
 知事に質問いたします。
 第1に、みちのくALERTへのオスプレイの参加に知事は反対を表明すべきであります。
 第2に、岩手県上空での低空飛行訓練と岩手山演習場の基地化にも反対すべきでありますが、知事の答弁を求めます。
 最後に、原発問題についてであります。
 関西電力に対して、大飯原発運転差しとめを命じた福井地裁判決、そして、避難中に自死に追い込まれた賠償を東京電力に命じた福島地裁判決が出されました。二つの判決は、人類と原発は共存できないことを示すもので、原発再稼働に対する痛打を与える画期的な判決となりました。
 安倍政権は、あくまでも原発再稼働と輸出を進めていますけれども、どの世論調査を見ても、過半数を超える国民が反対をしています。この二つの地裁判決と再稼働に対する知事の見解を求め、この場での質問を終わります。答弁によっては再質問いたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高田一郎議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、住宅再建への支援の拡充についてでありますが、復興を進める上で、住宅の再建は喫緊の課題の一つであり、県においては、資材高騰や人手不足など諸課題についての情報共有等を図りながら、全庁を挙げて住宅再建を推進しているところであります。
 現在の支援策としては、国の制度である被災者生活再建支援金の加算支援金のほか、本県独自に市町村と共同で実施している被災者住宅再建支援事業費補助がございます。さらに、追加交付された震災復興特別交付税215億円を活用し、沿岸被災市町村が、それぞれの実情に応じた住宅再建支援策を講じています。
 これまでも、被災者生活再建支援金の増額と震災復興特別交付税などの地方財政措置による支援の拡大について国に対し要望してきたところでありますが、住宅再建を促進するため、引き続き、国に対し粘り強く要望してまいります。
 次に、子供の医療費助成の拡充についてでありますが、本県の乳幼児医療費助成について、現在の就学前までの対象を小学校卒業まで拡充するためには、多額の県費負担が見込まれるところであり、県単独政策において、県立病院等事業会計負担金が多額になっていることなどから、直ちに実施することは難しいと考えております。
 また、窓口負担を現物給付とした場合、市町村の国民健康保険に対する国庫支出金が減額されますことから、現行の償還払いは、市町村等と協議した上で実施しているところであります。
 しかしながら、現在、人口問題対策本部において、人口減少対策として総合的な子育て支援施策について検討しているところであり、今後、助成対象の拡充と窓口負担の現物給付について市町村等と協議していきたいと思います。
 次に、公契約条例についてでありますが、本県においては、契約の公正性や提供されるサービスの質の確保などに加え、公契約に携わる労働者の労働条件の改善等を目指した条例の制定に向けて、現在、検討を進めています。
 これまで、都道府県として既に条例を制定している長野県や奈良県の調査を行いましたほか、県内の労使関係者へのヒアリングや懇談会等を通じて意見交換を重ねてきたところであります。
 また、今後、県内の市町村において公契約条例が制定されることも考えられますことから、法制面からの検討も行ってきたところであります。
 県といたしましては、労使関係者の方々から御賛同を得られる条例となるよう、2月定例会での提案に向けて、さらに検討を進めてまいります。
 次に、消費税の増税についてでありますが、消費税の増税は、経済的に弱い立場にある方や我が国の経済を支える多数の中小企業に負担を強いることになるため、国民生活の多方面に多大な影響を及ぼすことが懸念されます。
 実際、消費税増税が行われた本年4月以降の本県の経済状況を見ますと、大型小売店販売額や乗用車新車登録台数の指標は前年割れが続いているところであり、県内景気は、増税に伴う駆け込み需要の反動もあって、このところ足踏み状態にあります。
 県としては、本年6月、国に対して、消費税再増税の判断に当たっては、被災地の経済実態を的確に把握した上で慎重に判断すること、また、増税によって被災地の経済の落ち込みや復興のおくれを招くことがないよう、国において被災地に配慮した実効性のある対策を講じることを要望したところであります。
 今後においても、消費税増税が地方経済の落ち込みや復興のおくれを招かぬよう、しっかりとした対策を国に対して求めてまいります。
 次に、集団的自衛権についてでありますが、政府においては、日本を取り巻く安全保障環境の根本的な変化を理由に、集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定がなされたところでありますが、国際情勢の認識、我が国の安全保障のあり方、また、閣議決定による憲法解釈変更の是非などについて十分に議論されたとは言えず、国民の広範な支持が得られている状況にはないと思われます。
 したがいまして、政府として安全保障法制の整備に当たっては、集団的自衛権の行使の是非も含め国民的な議論が十分に尽くされ、国民の納得の上で行われることが必要だと認識しているところであります。
 次に、みちのくALERT2014へのオスプレイ参加についてでありますが、オスプレイが参加する訓練は、宮城県及び宮城県周辺海域、空域で実施される日米豪共同による災害対処訓練の中で行われるものであり、本県では、海域、空域を含め、オスプレイが参加した訓練は実施されないと確認しているところであります。
 こうした本県以外の地域での訓練の実施について、本県は、可否を表明する立場にはないと考えております。
 次に、オスプレイによる岩手県上空での低空飛行訓練についてでありますが、オスプレイの飛行訓練等については、全国知事会において、その具体的内容を明らかにし、関係自治体の意向を十分に尊重して対応するよう国に強く求めてきたところであります。
 県としても、東北防衛局に対し、飛行ルートの詳細や訓練頻度等を明らかにし、その安全性を含め県民の不安の払拭に努めるとともに、訓練が実施される場合には情報を事前に提供するよう要請してきたところであります。
 東北防衛局からは可能な限り情報提供を行う旨の回答を得ていますが、これまでのところ、本県上空で低空飛行訓練を行う旨の連絡は受けていないところであります。
 次に、岩手山演習場におけるオスプレイの訓練についてでありますが、そうした報道があったことを受け、東北防衛局に対し、その検討状況等について確認を求めたところでありますが、沖縄負担軽減の観点から、現在も沖縄以外での訓練拡大を検討中であるが、具体的な場所等については決定していないこと、検討終了時期は決定しておらず、決定した場合には、関連する地方公共団体に速やかにお知らせすることなどの回答があったところであります。
 国において具体的な場所の決定がなされていない現状においては、県として意思表示を行うことは困難であると考えていますが、仮に米軍単独でそうした訓練が行われることとなった場合には、地方自治や国民主権が及ばない領域が新たに県内に設定されることとなりますので、にわかに承諾することはできないと考えております。
 次に、原子力発電所についてでありますが、原発事故以降、国民の間で原子力の安全性に対する信頼が大きく揺らぎ、エネルギーに対する問題意識や再生可能エネルギー導入への意欲が高まっており、こうした意識の変化を踏まえた政策が求められているものと考えます。
 岩手県としては、再生可能エネルギーは、地産地消のエネルギー自給率の向上はもとより、地球温暖化防止や防災のまちづくり、地域振興など多面的な効果をもたらすものであり、再生可能エネルギーによる電力自給率を倍増する目標の達成に向けて、力強く導入を推進しているところであります。
 なお、大飯原子力発電所の運転差しとめ訴訟については、控訴審において係争中と聞いており、コメントは差し控えます。
 また、長期避難中の方の自死に関する福島地裁判決は、事故による被害の実態に即して東京電力の賠償責任を認めたものであり、東京電力もこれを控訴せずに受け入れ、判決が確定したものと受けとめております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔復興局長中村一郎君登壇〕
〇復興局長(中村一郎君) 被災者の二重ローン対策についてでありますが、金融庁の公表資料では、被災3県の債務者のうち、発災後から本年6月末までの間に住宅ローンの条件変更契約を締結した債務者数は9、972件となっておりますが、この件数は被災者に限定されたものではなく、内陸部も含む被災3県全体の数字であり、本県の被災された方々の内訳までは把握できないとのことでございます。
 昨年12月の金融機関に対する通知を受けて、県といたしましても被災者の方々への周知に努めてきたほか、今年度は、住まいの展示相談会で相談コーナーを開設するに当たり、盛岡財務事務所、ガイドライン運営委員会のほか、金融機関の担当者にも協力をいただき、被災された方々の二重ローンに係る相談対応のより一層の充実に努めてまいりました。
 今後とも、関係機関との緊密な連携のもと、被災者の方々への周知や丁寧な相談対応を行い、債務整理が円滑に図られるよう努めてまいります。
〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、被災者の命と健康を守る取り組みについてでありますが、岩手医科大学の平成25年度の東日本大震災被災者の健康状態等に関する調査の結果によると、睡眠障害と心の健康度については全体として改善傾向が見られたが、応急仮設住宅の居住者には、健康状態のよくない者、睡眠障害のある者、心の健康度に問題のある者、肥満者の割合がいずれも高い傾向が見られたところです。
 このため、応急仮設住宅における生活の長期化等の影響で、運動不足や食生活の偏り、飲酒等による生活習慣病の発症や症状の悪化が懸念されることから、県ではハイリスク者への重点的支援を行うなど、引き続き健康支援を推進していきます。
 また、岩手県こころのケアセンターを設置し、震災こころの相談室での専門相談や訪問による個別支援などを行っているところでありますが、今後の災害公営住宅の整備に伴うコミュニティーの変化による心理的ストレスの増加も懸念されることから、引き続き、こころのケアセンターを中核とした被災者の心のケアを進めていきます。
 次に、被災者の医療費、介護保険料の免除措置についてでありますが、これまで免除した対象者数については、平成25年12月末時点の免除証明書交付者数では約4万人となっております。平成24年10月から平成25年12月までの免除に対する負担額は、4事業を合わせると、県負担が約10億4、000万円、市町村負担が約5億5、000万円となっております。
 応急仮設住宅等での生活が長期化する中で、被災者の多くは健康面や経済面での不安を抱えており、引き続き、医療や介護サービス等を受ける機会の確保に努める必要があることから、今回、財政支援を継続することとしたところであり、平成28年1月以降の対応については、被災地の生活環境や被災者の受療状況等を勘案し、改めて検討したいと考えております。
 次に、介護保険料の独自減免についてでありますが、第1号被保険者の介護保険料は、負担能力に応じて負担いただく観点から、所得に応じた段階別の定額制としており、住民税均等割の課税基準と同様、合計所得金額をもとに保険料段階を区分しております。
 土地売却による譲渡所得は、合計所得金額の算定に当たり特別控除の対象とならないことから、防災集団移転による売却であっても、翌年度の保険料段階が変わり介護保険料が増額となる事例が生じていることは承知しております。
 市町村は、介護保険法第142条の規定により、このような事例に対し市町村みずからの判断で減免を行うことは可能でありますが、減免に要する費用は介護保険財政の中で措置することとなっております。
 また、ホテルコストと言われている食費や居住費に対する補足給付については、保険料と同様、所得に応じた段階区分により対象者が定められ、仮に保険料の減免が行われた場合でも段階区分は変わらないため、今回の事例を給付対象とすることは制度上困難であります。
 次に、福祉灯油の実施についてでありますが、平成23年度から平成25年度まで、東日本大震災津波により甚大な被害を受け財政事情が極めて厳しい中で福祉灯油を実施しようとする沿岸部の市町村が多数あり、これら市町村に対しては、重点的な財政支援が必要と判断して、被災地福祉灯油等特別助成事業費補助を実施したところです。
 なお、内陸に避難した世帯についても、実施主体である市町村が助成対象とした場合は、本補助事業の対象としております。
 今年度は、灯油価格が例年より高い水準で推移していることは承知しておりますが、9月末時点で、ほとんどの市町村が福祉灯油を実施するかどうかについてはこれから検討すると伺っており、灯油の価格や国による支援の動向等を注視し、実施主体である市町村の意向を十分に確認しながら県の補助の必要性を検討していきます。
 次に、県内の私立幼稚園の新制度への移行の状況等についてでありますが、平成27年度の入園者募集を予定している県内の認定こども園以外の私立幼稚園60園のうち、本年7月11日現在、新制度への移行を検討している施設は16施設となっております。
 保護者への説明については、これまで、事業者を対象とした制度説明会や新制度に係るパンフレットを配布しているほか、県や市町村の広報誌を活用した周知を図ったところです。
 保育料については、これまで、市町村に対し、国で示した保育料の想定額を参考に事業者に示すよう助言してきたところでありますが、国の基準額が決定するまで市町村の保育料が決定できない状況にあるので、このような地方の実情を国に伝え、早期に対応方針を示すよう強く求めているところです。
 次に、国基準を超える設置基準とした市町村の状況についてでありますが、小規模保育事業C型については、家庭的保育者が15人以内の児童を保育するものでありますが、家庭的保育者は、保育士または市町村長が保育士と同等と認めた者で市町村の研修を受けた者とされております。県内33市町村のうち、家庭的保育者を保育士に限定するなど国の基準を超える基準を設けた市町村は7市町村となっております。その内訳は、家庭的保育者を全て保育士とした自治体が4市町、家庭的保育者のうち1人は保育士とした自治体が3市となっております。
 次に、待機児童の解消等についてでありますが、子ども・子育て支援新制度においては、消費税の引き上げなどにより新たな財源を確保し、全ての子供、子育て家庭を対象に、幼児教育、保育、地域の子供、子育て支援の量的拡充と質的改善を図ることを目的として実施されるものです。
 国においては、新制度の着実な取り組みと効果的な活用を図ることにより、平成27年度から平成31年度までの5年間の計画期間内で、保育ニーズのピークを迎える平成29年度末までに待機児童の解消を目指すこととしているところであり、県では、これに呼応し、市町村が子ども・子育て支援事業計画を策定する際に、待機児童の解消が図られるよう市町村に対し適切な助言を行っていきます。
 また、待機児童の解消は、認可保育所の増設はもとより、それぞれの地域の実情や利用者の希望に応じ幅広い選択肢の中で対応していく必要があることから、市町村においては、利用者のニーズ把握に努めるとともに、子ども・子育て会議の意見なども踏まえながら、待機児童の解消を図るべきものと考えております。
 次に、国民健康保険の広域化についてでありますが、平成25年度市町村国保会計の決算において、一般会計から法定外繰り入れを行っているのは9市町村、9億3、000万円で、その内容は、決算補填、国保税負担の緩和等となっております。
 国保の都道府県化については、将来にわたる安定的な制度運営が可能となるよう検討されているものであり、本年1月以降、国と地方による国保基盤強化協議会において議論され、この8月に中間整理が行われたところです。この中間整理では、財政上の構造問題解決への道筋が国から明確に提示されず、その財源等については、国保税の賦課徴収の仕組みなど都道府県と市町村の役割分担とあわせて、引き続き検討することとされております。
 県としては、全国知事会等を通じ、できる限り早期に追加公費の規模や財政基盤強化策を提示するよう国に求めているところであり、今後とも、国保基盤強化協議会や社会保障審議会医療保険部会の議論の方向性や他県の動向を注視していきます。
 次に、介護保険制度における市町村の地域支援事業についてでありますが、地域支援事業に移行した後も、介護保険制度により、これまでと同様、地域包括支援センターがケアマネジメントを実施する仕組みとなっており、利用者の意向や心身の状況等を踏まえ、専門的なサービスを必要とする方には、訪問による身体介護や生活援助、通所による機能訓練などのサービス提供につなげることとされております。
 これら専門的なサービスに加え、例えば訪問介護では、NPOや民間事業者等による掃除、洗濯などの生活支援や住民ボランティアによるごみ出しなど、多様なサービスの提供を可能としております。
 県としては、市町村等が開催し事業者等が参加する制度説明会に担当者を派遣し、制度への理解が図られるよう努めるほか、県内外の先進事例の紹介、担い手育成等を行う人材の確保などにより、市町村等の円滑な移行に向けた支援に努めていきます。
 次に、特別養護老人ホームの待機者と施設整備に対する補助制度についてでありますが、特別養護老人ホームに入所を申し込んでいる方は、平成26年3月末で6、642人、うち在宅で市町村が早期の入所が必要と判断した待機者は1、321人となっています。そのうち要介護1及び2の方は267人となっています。
 今年度の整備計画では、広域型特養270床、地域密着型特養291床、合計で561床が年度内に開設する予定です。
 施設整備については、県単独事業の老人福祉施設等整備費補助金、介護基盤緊急整備等臨時特例基金を活用した介護サービス施設整備等臨時特例事業のほか、国直轄の地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金により新設あるいは増改築などを行っており、基金事業と国交付金事業については、年度内に状況の変化に対応した単価増額を行う予定です。
 なお、来年度からは、新たに地域医療介護総合確保基金を施設整備に活用することも検討されておりますが、いまだ具体的な方針が示されていないことから、情報収集に努め、来年度の施設整備が円滑に行われるよう準備を進めていきます。
 次に、介護人材の確保についてでありますが、岩手労働局が公表している労働統計によると、平成26年8月現在、介護関係の有効求人数は1、652人となっており、有効求人倍率は1.53倍と全産業の0.96倍に比較して高く、介護人材の確保は依然厳しい状況にあります。
 県では、昨年度に引き続き、介護人材確保事業により介護事業所の労働環境整備、改善やITの活用などを促すセミナーを開催しているほか、介護事業所で働きながらの資格取得を支援する介護職員育成・定着促進事業などを行ってきたところです。
 特に人材確保が困難な沿岸被災地においては、介護事業者が行う新規採用職員用の住宅確保に要する経費の一部を支援することなどにより、介護人材の確保を促進しております。
 また、介護事業所での就業を支援するため、県内4圏域に7名のキャリア支援員を配置し、就職面接会や職場体験、潜在有資格者への再就職支援など、きめ細かな支援を行っております。
 さらに、ことし9月には、岩手労働局や介護労働安定センターと連携し、介護事業者団体に対して、介護人材の確保、定着のための魅力ある職場づくりを要請したところです。
 今後も、国、県、関係団体及び養成施設で構成される岩手県介護労働懇談会などを通じ、関係機関と連携しながら、介護人材の確保、定着に努めてまいります。
〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、仮設店舗の事業者の状況についてでありますが、昨年10月に岩手県産業復興相談センターが仮設店舗で営業している事業者を対象として実施した調査によると、約8割が本設での再開を希望すると回答している一方、仮設店舗の存続期間の延長を希望する事業者も約8割となっております。
 仮設店舗の使用期間につきましては、特区制度を活用することにより、被災地の状況に応じて柔軟に設定することが可能となっております。
 また、仮設店舗の解体費用につきましては、今年度から国の助成制度が創設されたところであり、地代については、設置主体である市町村が民有地の賃借料を負担することとされております。
 県としては、市町村と連携し、グループ補助金などの補助制度の活用を促すなど、本設での事業再開を支援してまいります。
 次に、水産加工業の現状と対策についてでありますが、本年8月に復興局が実施した被災事業所復興状況調査では、現在抱えている課題について、雇用・労働力の確保と回答した事業者が58.3%で最も多く、次いで、業績の悪化が43.3%となっており、今なお厳しい状況にあるものと認識しております。
 県では、水産加工業の本格的な復興に向けて、平成24年に県、岩手県産株式会社及び岩手県工業技術センターの3者で三陸復興商品力向上プロジェクトを立ち上げ、魅力ある商品づくりを初め、商談会や大手量販店と連携したフェアの開催、さらには、平成24年度及び平成25年度に、いわて希望ファンドや農商工連携ファンドの助成率や助成限度額を引き上げるなど、より利用しやすい制度改正を行い、販路開拓の支援の充実に取り組んできたところです。
 また、労働力の確保に向けましては、水産加工現場のイメージアップ、工場見学会や面接会の開催など企業と求職者とのマッチングの促進、企業向けセミナーの開催による職場定着の支援、事業復興型雇用創出事業の活用促進のほか、水産加工業協同組合連合会に対して、岩手労働局と連携し、雇用管理改善についての要請活動に取り組んできたところです。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、水産物の風評被害の現状と対策についてでありますが、ワカメ等の海藻類については、関西圏での取引量が回復しないなど、水産物の風評被害は、いまだ払拭されていないと受けとめております。
 県では、これまで、首都圏を中心に鉄道広告や生活情報誌等を活用した生産者の一生懸命な姿の発信や、料理人を招いた産地見学会の開催などに取り組んできたところでありますが、今年度は新たに関西圏における取り組みを強化し、11名の有名料理人の協力をいただき、JR西日本全線への鉄道広告の掲出、産地見学会の開催と料理専門誌への記事掲載、県産食材を利用した特別メニューの提供などに取り組み、消費者の信頼回復と販路回復、拡大を図ってまいります。
 次に、担い手確保対策についてでありますが、県では、震災後、漁業協同組合を核とした漁業、養殖業の構築を図るため、漁船、漁具、養殖施設などの生産基盤の整備を支援するとともに、新規就業者の確保や定着を図るため、漁業就業フェアの県内開催支援、漁業研究会等への加入促進活動支援などに取り組んできたところであります。
 さらに、地域漁業の将来像とその実現に向けた工程を明らかにした地域再生営漁計画の策定と実行の支援を行うことで、漁協ごとの具体的な担い手確保や所得向上の対策が進むよう支援してまいります。
 次に、米の概算金引き下げについてでありますが、米価の下落は、生産者のみならず地域経済に及ぼす影響も大きく、極めて深刻な問題と捉えております。
 米価下落による本県への影響額は約140億円であり、ナラシ対策等による補填が約50億円と見込まれますことから、農家経済への影響額は約90億円となります。また、本県経済全体に対する影響額は、産業連関表を用いた試算では132億円程度と見込まれます。これを15ヘクタール規模の農家で見た場合、概算金が約390万円の減収、ナラシ対策による補填が約310万円と見込まれ、差し引き80万円の減収と試算されます。これに、直接支払交付金の減収分、これが約110万円見込まれますので、これを合わせますと約190万円の減収と試算されます。
 次に、過剰米対策についてでありますが、今般の米価の下落につきましては、全国的な米の需給緩和によるものでありますことから、まずは国による対策が必要と考え、北海道東北地方知事会において、過剰米の市場からの隔離、経営所得安定対策の十分な予算の確保、万全なセーフティーネットの構築について緊急要望を行ったところであります。
 また、米の直接支払交付金につきましては、単価がこれまでの半分とされたところでありますが、国におきまして、農業経営全体の収入に着目した収入保険制度の導入を検討しておるとのことでございますので、それらの状況等も踏まえ、引き続き必要な対策を国に求めてまいります。
 次に、飼料用米の取り組みについてでありますが、平成26年産につきましては、利用希望があった畜産経営体や飼料メーカーとのマッチング、多収性専用品種の作付等を進めたところでありますが、一方で、主食用米と一体的に取り組むことができ、価格も安定していた加工用米と備蓄米の需要もふえたことから、飼料用米の作付面積は前年産に比べ400ヘクタールほど増加の約2、000ヘクタールにとどまったところであります。今後、米の需給動向や飼料用米の需要調査等に基づき、これまで以上に飼料用米への転換を進めることとしており、数量払いに対応した単収の向上、主食用米への混入防止、数量の増加に対応した施設の確保の取り組みが必要と考えております。
 次に、農政改革についてでありますが、農協や農業委員会の見直しなどの農業の改革に当たりましては、農業者が意欲と希望を持って農業経営に携わり所得向上が図られ、さらに地域も豊かになっていくことが重要と考えております。
 農協のあり方につきましては、県内におきまして、JAグループが各JA等の役員で構成する検討組織を設置し、組織、事業の検討を開始しており、組合員の声も広く集めながら、平成27年1月をめどに結果を取りまとめる予定と聞いております。
 国におきましては、このような地域における自主的な改革の動きも踏まえつつ、農業者などの現場の意見を広く聞きながら、農業、農村の振興につながるよう検討を進めてほしいと考えております。
〔政策地域部長齋藤淳夫君登壇〕
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) JR山田線、大船渡線の早期復旧についてであります。
 山田線については、先般の沿岸市町村首長会議で確認した、山田線の三陸鉄道による運営を鉄道復旧に向けた有力な選択肢とする対応方針に沿って、JR東日本と条件面の詰めの協議を行っているところであります。現在、JR東日本に対しては、関係自治体の負担増を回避する観点に立って、持続的な運営が可能となるように、鉄道施設等の強化や、災害時、施設整備更新時の費用と一定期間の赤字想定額の補填について要請しているほか、利用者に負担を強いることのないよう、三陸鉄道とJR東日本の運賃差額の補填についても要請しているところであります。
 大船渡線については、JR東日本から、乗客の安全を確保するためには、山側にルート変更を行わなければ復旧が難しいとの意向が示されたことから、まずは現行ルートで復旧できない理由について、大船渡線復興調整会議の場において明確に説明するよう同社に対して求めるとともに、国に対しても同会議の早期開催を要請しているところであります。これに対してJR東日本からはいまだ明確な説明がないことから、引き続き、沿線市と連携しながら、復興調整会議を早期に開催し、説明を行うよう求めてまいります。
〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) まず、土砂災害警戒区域等の指定及びハード対策についてでありますが、土砂災害警戒区域等の指定は、9月末時点で土砂災害危険箇所1万4、348カ所中3、154カ所を指定済みでありますが、指定には区域を確定するための基礎調査から住民説明会等の一連の事務手続が必要であることや、地域によっては、指定により土地の開発規制等が生じるため理解を得るのに時間を要しているところがございます。また、砂防ダムなどの施設整備には多大な時間と費用を要することから、一気に進捗を図ることが困難であり、整備効果を早期に発現させるため、老人ホーム施設等の要配慮者関連施設や避難所、学校、病院等の公共施設のある箇所、被災履歴のある箇所を優先的かつ集中的に進めてきております。
 土砂災害警戒区域等の指定完了にはまだ年数を要する見込みでありますが、現在、国において土砂災害防止法改正の検討が進められており、指定の迅速化に向けた制度面の改善等が見込まれることから、その動向も踏まえて迅速な指定に取り組んでいくとともに、指定に係る体制の強化や業務の外部委託の拡大等についても検討してまいります。
 次に、土砂災害危険個所の周知についてでありますが、県内の土砂災害危険箇所1万4、348カ所については、これまで県のホームページで閲覧できるようにしているほか、ハザードマップで公表している市町村もございます。
 今回、広島県の大規模土砂災害発生に伴う国の土砂災害危険箇所の緊急周知の要請を受けて、本県においても県ホームページ上の土砂災害危険箇所情報の充実やアクセスの改善を行い、また、各市町村においてもホームページへの掲載や回覧板による周知、説明会開催、公共施設での掲示などによる緊急周知を行っております。
 住民の迅速な避難や自主的な防災活動のためには、土砂災害警戒区域の指定や土砂災害警戒情報の提供などとあわせ土砂災害危険箇所の周知も重要と認識しており、平成26年度及び27年度で土砂災害危険箇所の再確認を行うこととしており、その成果についても市町村と連携して周知を図り、地域の安全・安心の確保に努めてまいります。
〔教育委員会委員長八重樫勝君登壇〕
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) 県立花巻(後刻「花泉」と訂正)高等学校の学級減の見直しについてでありますが、次期高等学校再編計画策定までの間における学級数調整については、県立高等学校の管理運営規則の規定に基づき、今後の中学校卒業予定者数の推移や入学者選抜の実施結果等を勘案しながら、東日本大震災津波以降、ブロックごとの学級数調整ではなく、個別の学校についての検討を毎年実施しているものであります。
 花泉高等学校につきましては、平成26年度入試において入学者数が大幅に定員を割り込んだことや、花泉地域の平成27年3月の中学校卒業予定者数が今年度よりさらに減少することなどを踏まえ、同校への入学者数を想定した場合に、来年度も1学級以上の欠員が生じると見込まれることから、1学級の減を案として公表したものであります。
 地元におけるさまざまな御議論等もありますので、生徒の進路選択の動向等の状況をさらに見きわめた上で総合的な見地から検討を行い、今月開催する教育委員会定例会において最終的な方向を決定したいと考えております。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 特別支援学校の教室不足の現状とその対応についてでありますが、まず、教室数につきましては、児童生徒数の増加と、小中学校部6人、高等部8人を基準とする通常学級に対し、1学級を3人とする重度、重複障がい対象の特別学級の増加により、昨年5月1日現在における教室不足数は68と、盛岡みたけ支援学校など8校において教室不足の状況がございます。これらの学校におきましては、特別教室の活用等により対応してきているところでございます。
 県教育委員会におきましては、これまでも一関清明支援学校本校舎の移転増築を初め前沢明峰支援学校の作業実習棟や花巻清風支援学校の特別教室棟の新築などに取り組んできているところではございますが、児童生徒数の増加などに追いつかないこともあり、さらなる対応を検討してまいります。
 次に、保護者等からの要望への認識と対応についてでありますが、市や保護者等からの要望は、子供たちの学年進行への対応でございますとか、教育環境の充実を望む切実な声と捉えております。これらの要望に対しましては、現在、国においてインクルーシブ教育への取り組みが推進されているところであり、この動向をも踏まえていく必要があると考えておりますが、具体的な環境整備につきましては、それぞれの市町村教育委員会との協議や、保護者の要望等をも十分に踏まえつつ、県立学校等の全体的な整備の方向を見据えながら、緊急度、優先度等を勘案するとともに、現有学校施設の活用などもあわせて検討し、課題の解消に取り組んでまいります。
 次に、学校給食についてでありますが、給食調理施設を有しない学校におきましては、保護者からの要望等を受け、これまで順次調理委託による弁当給食を導入してきております。一部の学校におきましては、市町村の共同調理場から給食の供給について御協力をいただいており、この3校につきましても同様の協力を要請してきておりますが、共同調理場の供給能力の面などから、この実現には至っておりません。近接市町村における児童生徒数の変動などもございますので、改めてその可能性等について市町村教育委員会などと協議してまいります。
〇1番(高田一郎君) それでは、再質問させていただきます。
 まず、住宅再建について知事にお伺いしたいと思います。
 この間、グループ補助金については、資材高騰などもありまして、6割を上限に追加補助を国が決めました。そうであるならば、やはり国も住宅再建に対するさらなる支援があってもいいと思います。知事も、さらなる要求といいますか、粘り強い要求をしていくということでありますので、引き続き努力していってほしいと思います。
 しかし、私はここで言いたいのは、国はなかなか増額するというような姿勢に立っておりません。被災者の状況を見ますと、もう時間がないんだ、早く再建したいんだという声が強くなっております。私は、県がさらなる支援をしないと、被災者の自力再建、住宅再建というのは進まないのではないかと思います。さらなる支援というものをどう考えているのかということについてもお伺いしたいと思います。
 それから、防災集団移転事業に伴う譲渡所得による介護保険料、ホテルコストの問題です。保健福祉部長から答弁いただきましたけれども、どうも冷たい答弁です。制度上できないとか、市町村財政の負担になるとかという話でありますが、私がまずお聞きしたいのは、大事なことは、防災集団移転事業に伴う土地の売却というのは、売りたくて売ったわけではないのです。東日本大震災津波で失われた資産の再建のために充てるものです。それが生活費に行くとか貯蓄に回るわけではなくて、住宅の再建のために充てるものであります。だから、こういうところに負担増になっていいのかということが問われていると思います。それは絶対回避すべきだと、そういう立場で県も努力すべきだと私は思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。
 具体的に、介護保険料については、減免によって保険財政に穴があくのでしょうか。保険料収入というのは当初計画どおり決まっているわけで、減免しても穴があくわけではないのです。保険財政への影響はないと思います。だから、仙台市や名取市では法律に基づいて減免措置をしているわけです。広報でも徹底しているわけです。私は、制度上可能でありますから、これはぜひ市町村に徹底していくべきだと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
 ホテルコストの問題については、制度上なかなか困難です。しかし、きのうも議論があったように、きのうは店舗と住宅の抵当権設定の問題が議論されましたけれども、私は、このホテルコストの問題についても、国に対して、特例を設けて減免の対象にするとか、そういう努力をすべきではないかと思います。制度上できないというのではなくて、そういう努力をすべきだと。今まで3万8、000円だった人が10万円を超えるという負担ですから、これはきちっと国に対して特例措置をしてもらうように強く働きかけるべきだと思います。この点についても再度答弁をいただきたいと思います。
 福祉灯油についてです。これも部長から答弁いただきましたけれども、市町村の意向を確認してから対応するというお話でした。市町村の意向というのは調査してないんですか。私は、担当課から市町村の意向調査資料をいただきました。調査してないのでしょうか。
 私は、福祉灯油を実施する、やらなければならない二つの理由があると思います。
 一つは市町村からの強い要望です。県が行った調査でも、沿岸市町村では九つの自治体、内陸部も含めると24の市町村がぜひやってほしいという要望があります。
 そして、二つ目には、今の灯油価格の実態です。昨年の灯油代は1世帯当たりの県内平均は10万2、916円。これはいわて生協の組合員の平均価格でありますけれども、去年は初めて10万円を超えました。10年前の購入価格というのは4万8、000円ですから、この10年で2倍になっているんです。さらに今回高どまりですから、これは市町村の要望とか、あるいは灯油価格の現状からすると、やれない理由はないと思います。今、応急仮設住宅は4度目の冬を迎えようとしています。老朽化も激しく、一層寒さが厳しい避難生活を送らざるを得ないと思います。私は、市町村の要望とか今の灯油価格の現状からして、やっぱり今決断すべきだと思いますけれども、改めて答弁をいただきたいと思います。
 次に、子供の医療費の無料化についてでありますけれども、知事から直接答弁いただきました。従来の答弁の延長だったのではないかと思います。それで、知事は、市町村とも協議しながら検討していきたいといような話もありました。一歩前進なのかとは思いますが、ただ、市町村の動向ですけれども、今、子供の医療費の拡充とか現物支給に対する県内市町村や議会からの意見書や要望はどうなっているのでしょうか、その現状、実態についてお伺いしたいと思います。
 壇上でも申し上げましたけれども、達増県政になってから医療費の拡充については全く前進が見られません。今、子供の医療費の無料化を求める岩手の会が結成されまして、県民運動も始まっています。私もそのアンケートを見ましたけれども、その中にも、ぜんそくとアトピーの2人の子供を抱えながら本当に医療費の窓口負担は大変だ、子育てと仕事をしながらの病院通いで申請も忘れてしまう、そういう声もありました。小児科医の先生からは、慢性疾患でも、お金がなく治療を継続できずに発作を起こして病院に駆け込む子供たちも出て、子育て世代の経済的困難は本当に深刻だと。それは病院の先生もそういう状況になっております。現状というのは、節約してはならないところを我慢して、財布と相談しながら病院に行くというような現実になっているんです。こういう子育て世代の切ない思いというのを知事はどう受けとめているのか、その辺について知事の認識をお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、住宅再建への支援の拡充についてでありますけれども、県といたしましては、東日本大震災のような広域災害においては、本来、国において住宅再建が十分に図られるよう制度設計を行うべきと考えておりまして、被災者生活再建支援制度の支援額の増額と、震災復興特別交付税などの地方財政措置による支援の拡大を引き続き国に対して強く要望してまいりたいと思います。
 この持ち家再建もそうなのですけれども、医療につきましても、財政学で言われているのは、金銭に関する減免や給付というのは全国一律な制度にするのがよく、地方自治体はサービスの提供について地域事情に合わせ、また、創意工夫を凝らしてやるのがいいという中で、岩手においては県立病院ネットワーク、医療サービスの提供の部分について地域事情に合わせ、また、創意工夫を凝らして力を入れているという実情がございます。
 一方、国による国民皆保険制度の中の医療費に関して、子供については無償化するという国の政策を待てずに市町村がそれぞれ既にさまざまやっているという中で、また実態としても、議員御指摘のとおり、子供を育てている親御さんたちの切実な課題があるということは、これはこのまま放置していていいことではないと思います。現物給付にしていくということについては、市町村の負担もふえることになるわけでありますので、よくよくそこは市町村と相談をしながら検討を進めていきたいと思います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、土地譲渡による防災集団移転の関係と介護保険等との関係でございます。
 介護保険料の減免につきましては、先ほど申し上げましたように市町村の判断だということで、その費用はいわゆる介護保険財政の中で措置するというお話を申し上げましたので、それが即介護保険財政が破綻するということではなくて、その中で減免した分を賄うというお話を申し上げたところでございます。
 それからホテルコスト、いわゆる食費、居住費などの補足給付でございますけれども、これは、先ほど申し上げたように、介護保険財政の中で、例えばこの部分を給付しましょうとかということはできないということでございます。それで、もし仮にやるとすれば、もっと別の制度、いわゆる福祉施策の一環の中で何がしかの給付ということになろうかと思います。それで、こういう状況でございますけれども、県としても市町村と、どういう状況なのかいろいろお話を聞きながらとは考えております。
 それから、福祉灯油でございますけれども、市町村の意向を確認してというお話をしましたが、市町村に対しては、今の段階でどうなんだということを申し上げたところ、県の支援があれば検討しましょうというようなお話は受けていました。ただ、検討段階なので、やるというところまではまだ確認していないということで、市町村の意向を確認しながらという答弁をさせていただいたところでございます。
 それから、子供の医療費の関係で、要望とか意見書がどんな状況かというお話がございました。平成25年度の状況でございますけれども、団体とか市町村からの要望が17ございます。それから、市町村議会からの要望として14出ているという状況でございます。
〇1番(高田一郎君) 譲渡所得に伴う負担増については、失われた資産の再建に充てるもので、これは絶対回避すべきだと思うんです。介護保険については、条例に基づいて対応できるわけでありますから、実際減免している自治体もあるので、制度上できるのだということを市町村にぜひ徹底していただきたい。
 ホテルコストの問題についても、やむを得ないという立場ではなくて、やはり何らかの対応を市町村と協議するとは言っていますけれども、これは国に対してもしっかりと改善を求めて、負担増にならないような対応をとっていただきたいと思います。もう一度お願いしたいと思います。
 それで、子育て支援の問題ですけれども、市町村や議会からの要望というのも強くて、県内では15の市町村議会から現物給付を求める意見書が上がっていますし、市町村段階でも、矢巾町、奥州市、久慈市とか、そういったところからも現物支給にしてほしいという要望が実際出ているわけです。
 それで、今度の新年度の予算編成方針を見ました。副知事名で各課に通知した内容を見ますと、来年度の予算編成については次の点について留意をして対応しなさいとありますが、その第1に、人口減少問題対策中間報告を踏まえて、子育て支援など人口減少問題に関する取り組みを推進することを掲げて、そして、いわての子どもを健やかに育む条例もこれからつくっていくというような、子育て支援を本当に重視していくという予算編成方針になっております。
 そうであるならば、この子供の医療費無料化、現物支給への移行というのは、これは当然やっていくべきだと思います。実は、石川県も来年から現物支給への移行となります。これで、償還払いをやっているのは岩手県を含めわずか9道県となりました。東北では岩手県だけであります。
 先進地である群馬県では、中学校卒業まで現物給付で実施しているのですけれども、いろいろ調べてみましたが、時間外診療や、あるいは患者が減少して医療費の削減につながっている、県民からも大変喜ばれているのです。そういうことで、これは、少子化対策を強化していくというのであれば、知事がぜひ決断をしてほしいと思いますけれども、この点についても改めてお聞きしたいと思います。
 それから、花泉高校の学級減の問題についてお聞きしたいと思います。
 教育委員長から、来年度も1学級減となるという話がありました。これの根拠は何ですか、このことをまずお聞きしたいと思います。
 私は、改革の努力をしているときに、わずかこの2カ月、3カ月で学級減を決めていいのかということが今問われていると思います。8月5日の商工文教委員会で示されてから、9月、10月、2カ月ちょっとですか、こんなことでいいのでしょうか。拙速ではないのですか。
 今、花泉高校でも、進学にも就職にも応えるような学校にしていきたいという努力が始まっているのです。進学にも就職にも応えるとなると、1クラスになってしまえば、私は、その地域の要望に応えられない学校になって、部活動も制約される、ますます学級減に拍車がかかってしまうのではないかと。地域の皆さんが今、改革の努力をしているのだから、2年、3年少し待って、その努力を見て、住民の理解を得ながらやるのだったらわかりますけれども、今のこういう状況の中で、今月に教育委員会議を開いて決めてしまうというのは、教育の分野でそういうことをやってはならないと私は思います。改めてその点についてお聞きしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 子供の医療費助成の拡充についてでありますけれども、委員御指摘のとおり、今、副知事名で担当部局に改めて検討させているところでありますので、その趣旨、流れ的なところについて、副知事から答弁させていただきたいと思います。
〇副知事(千葉茂樹君) 今、知事から申し上げたところでございますけれども、いずれ、現物給付の話につきましては非常に歴史的なものがありまして、私も保健福祉部長時代に、いろいろと市町村とも議論をさせていただいたところでございます。
 最近の動向、特に、今、議員からお話がありましたように、個別にそういう市町村議会からの御意見も頂戴しておりますので、タイミング的に改めて議論というか協議する時期だと思っております。そういうことも含めまして、今回、予算編成方針は、知事からの依命通知ということで出させていただきましたので、その中で、この少子化対策あるいは子育て対策については、極めて重要な課題と捉えております。
 繰り返しになりますけれども、このような時期を捉えて、市町村とこの現物給付については十分議論をしていくように保健福祉部長にも指示したいと考えております。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 防災集団移転の関係に伴う介護保険料等のお話でございますけれども、先ほど申し上げましたが、介護保険料、それからホテルコスト等の関係について、関係市町村に十分話を聞いてまいりたいと思っております。
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) 初めに、先ほどの答弁で、花泉と言うべきところを花巻と言ってしまいました。訂正して、おわびいたします。済みませんでした。
 なぜ2学級から1学級にするのか、根拠を示せということでございましたけれども、先ほどの答弁でも申しましたが、管理運営規則、それだけを盾にとるわけではないですが、過去何校かで同じようなケースがありましたので、そういう形でやるということでございます。
 ただ、議員から御指摘ありましたように、学校の取り組み、地域の声もあります。一関市議会からは要望等も出されておりますし、多くの人の声もありますので、今なお、いろいろな子供たちの声などを聞いておるところでございますし、総合的に判断していきたい。
 ただ、考え方といたしましては、子供の夢や願いを無視するような体制だけはとらないようにしようと思っております。
〇1番(高田一郎君) 最後にします。
 子供の医療費の問題については、市町村とよく協議をして対応、議論していきたいということですから、これは前向きに受けとめていいのでしょうか。ぜひ、市町村とよく協議をして、県の支援があれば、ぜひ現物給付についてもやりたいんだというのが市町村の声ですし、そして、市町村議会からも、15の市町村議会から現物給付をやってほしいという意見書が出ておりますので、ぜひこれに応えてやっていただきたい。
 ただ協議をするだけではなくて、県としてどういうスタンスなのかということなのです。ぜひやりたいのでという立場で議論に臨むかどうかというところだと思うのです。県としてはどういう姿勢で臨むということなのでしょうか、その点についてお聞きしたいと思います。
 それから、花泉高校の学級減についてですけれども、私が最初にお聞きしたのは、八重樫教育委員長から最初の答弁の中で、来年も1学級以上の学級減になるという話がありました。その根拠を私は聞いたのであって、なぜそうなるのでしょうか、その点についてお聞きしたいと思います。
 それで、総合的に判断して今月決めたいということですけれども、商工文教委員会でもいろいろ、私も会議録を全部見ましたが、激しい議論もあったようです。学級減はやるべきではないという意見が多数であったと思いますし、そして、その後の地域の声も、やっぱり拙速だという声があります。少なくても、やはり10月の教育委員会議での結論というのはあるべきでないと私は思います。その辺について答弁をお願いして、私の質問を終わります。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 子供の医療費の関係でございますけれども、先ほど知事が答弁したとおり、人口減少対策として総合的な子育て支援施策として検討しているという中で、助成対象の拡充、独自負担の現物給付について市町村と協議するということで進めてまいりたいと思っています。
〇教育長(高橋嘉行君) 1学級を減ずるその根拠でございますが、これは、委員長からも申し上げているように、管理運営規則に根拠がございまして、1学級以上の定員を割った場合には検討することがあるという規定がございます。それに基づいて、前計画が終了いたしました以降、平成22年度以降でございますけれども、それぞれブロック管内での学級減を全体としてやってきたと。ただ、大震災発災以降、生徒たち、それから、父兄の動きも沿岸部を中心にあるので、これはブロックごとの調整ではなくて、学校ごとに学級数の見直しをやるということで昨年度までも行ってきておりまして、同様の対応で、そういう方向での検討をしてきたということで、先般の常任委員会でも御説明申し上げさせていただいたところでございます。
〇議長(千葉伝君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
日程第2 認定第1号平成25年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第67 報告第13号岩手県信用保証協会が行う保証債務に係る求償権の放棄等の承認に関する報告についてまで
〇議長(千葉伝君) この際、日程第2、認定第1号から日程第67、報告第13号までを一括議題といたします。
 議案第42号から議案第51号まで及び報告第13号について、提出者の説明を求めます。小田島総務部長。
〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) ただいま議題とされました各案件について説明申し上げます。
 議案第42号から議案第51号までの10件は、東日本大震災津波からの迅速な復興に向けて、災害復旧工事等に係る請負契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
 報告第13号は、岩手県信用保証協会が行う保証債務に係る求償権の放棄等の承認について報告するものであります。
 以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(千葉伝君) これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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