平成26年9月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇9番(佐々木努君) いわて県民クラブの佐々木努です。
 ことしの2月定例会以来5度目の一般質問になりますが、登壇の機会を与えてくださいました先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。
 質問に先立ち、さきに広島県で発生した土砂災害並びに御嶽山噴火で亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、県議会議員として早いもので4年目に入りました。この間、震災復興を初めとした我が県が抱えるさまざまな課題に直面し、県政運営の難しさを肌で感じてきました。特にも、東日本大震災津波からの復興は困難をきわめており、復旧、復興の過程で次々に発生する諸課題によって事業は思うように進まず、いまだ被災地で不自由な生活を送られている方々に、県政の一端を担う者として申しわけない気持ちでいっぱいです。
 過去に経験したことのないような甚大な被害から立ち直るには相当の時間とエネルギーが必要ですが、私たちは、震災から3年半が経過した今、改めて震災当時を思い起こしながら、県民が心を一つにして、復興のさらなる加速に向け取り組んでいかなければならないと思っています。
 県当局におかれましては、これまで以上に被災自治体に寄り添い、心の通った支援を行っていただき、沿岸被災地の復旧、復興、そして、岩手全体の復興と発展のために御努力いただきますよう強くお願いいたします。
 震災復興とともに考えていかなければならないのが人口減少問題です。沿岸被災地では震災以前から過疎化が進んでおりましたが、そこに押し寄せた大津波で多くの方々が亡くなり、震災後も人口の流出が続くなど、人口減少が大きな課題になっています。これは、沿岸被災地に限ったことではなく、県内のほとんどの自治体で人口減少が進み、地域の活力の低下どころか、地域の崩壊すら危惧されております。
 ことしの8月末現在の我が県の人口は128万4、732人でありますが、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計では、26年後の2040年には93万8、104人にまで減少すると予測されています。
 これでも十分にショッキングなわけですが、それ以上に全国に衝撃を与えたのが、増田寛也前岩手県知事が座長を務める日本創成会議が試算した将来人口推計でありました。増田ショックとも称されたこの推計では、2040年の我が県の人口が88万6、928人になり、国立社会保障・人口問題研究所の予測をはるかに上回るペースで人口が減っていくとのことで、特にも、地方の自治体においてその減り幅が大きく、20代から30代の女性の減少によって出生数が減少し、将来的に自治体が消滅する可能性があるというものでした。日本創成会議は、このような自治体を消滅可能性都市と表現しましたが、全国の1、800自治体のうちの実に896の自治体がこれに当たり、岩手県でも33自治体中27自治体が、消滅可能性都市に当てはまるとのことでした。
 この日本創成会議の報告に危機感を感じたのか、安倍政権は、人口減少を国の存亡にかかわる重大な問題とし、地方創生を掲げた、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げました。国が東京一極集中から脱し、地方への人の流れをつくり出すという地方重視の転換は大いに歓迎するところですが、問題は、国がどこまで本気なのかということであり、最近の閣僚らの、やる気も知恵も出さないところは支援しないという高飛車で責任逃れのような発言からは、本気度はうかがえません。
 知恵を出せ、やる気を見せろと言われても、地方軽視の国政によって疲弊してしまった自治体にどれだけの力が残っているというのでしょうか。国には、そんな瀕死の状態の自治体にむちを打ち、責任を押しつけるような考えを直ちに改め、地方の実態に即した、そして、地方に寄り添った対策を行うよう強く求めたいと思います。
 それにしても、我々は、親鳥が運んでくる餌を待つひなのように、国の支援をただ待っていてはなりません。国が支援をやめれば岩手は餓死してしまいます。そうならないためにも、みずからがアイデアを出し、岩手から国を動かしていくという気概を持ってこの難題に立ち向かっていかなければなりません。
 そこで伺います。知事は、これまで、さまざまな場面で人口減少問題に触れられており、定例記者会見やマスコミの取材、そして、昨日の柳村岩見議員の質問に対しても、県は、これまで人口減少問題に積極的に取り組んできたと実績を強調されています。その発言の根拠は何なのか、あわせて、岩手の人口減少に対する知事の率直な思いを伺います。
 壇上からの質問は以上とし、以降の質問は質問席で行います。
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木努議員の質問にお答え申し上げます。
 本県の人口減少対策についてでありますが、県は、人口減少問題を以前から重要な政策課題として捉え、いわて県民計画アクションプランにおいても、人口の社会減を減らすことを政策推進目標の一つに掲げ、これまでも、ものづくり産業の集積や観光業、農林水産業などの振興による雇用の場の確保、定住、交流の促進などに取り組んでまいりました。
 本県の人口は、自然減と社会減の二つが相まって減少が続いているところであり、その背景には、晩婚化、未婚化の進行や過度の東京一極集中など、さまざまな要因があるところでありますが、地元において安心して働くことができ、より子供を産み育てやすい社会を実現していくことが重要であります。
 県では、全庁挙げてこの問題に取り組むため、知事を本部長とする人口問題対策本部を立ち上げ、若年層の人口流出対策など、早急かつ重点的に取り組まなければならない施策について中間報告を取りまとめたところです。
 本県の人口減少は、今、目の前にある危機でありますが、決して克服できない危機ではありません。人口減少問題に対し、県が全力で取り組むことはもとより、県民一人一人が考え、そして、国や市町村、民間企業など、さまざまな主体が一丸となって取り組んでいくことが今、期待されていると思います。
〇9番(佐々木努君) 御答弁ありがとうございました。
 引き続き、人口減少問題についてお聞きしたいと思います。
 今、知事から、県のこれまでの取り組みというよりも、知事の考え方、そういうものが述べられたと理解いたしました。今の知事の発言、私には余り危機感が伝わってきません。私は、これまでの人口減少に対する県の取り組みは非常に甘かったのではないかと思っています。後でお聞きしますが、結婚支援の取り組みもそうですけれども、県のさまざまな人口減少対策を見ていますと、何となく人口減少に対する危機感が薄いのではないか、危機感を持っていたとしても、もうどうにもならないのではないかと諦めムードすら感じるわけです。
 ことし6月に設置した、今、知事がおっしゃいました県の人口問題対策本部、これも、やっとできたわけで、市町村ではもうとっくに、10年以上前からできているところだってあるわけです。それが今やっとできた、そういう対応のおくれというのは非常に問題だと思います。そもそも県として人口減少に歯どめをかけよう、そういう県民へのアピール、意思表示というものが足りなかったんだと私は思います。
 それをあらわしているのが県民計画であります。知事はさっきも県民計画のことはおっしゃいましたが、県民計画の第2期アクションプランには、人口、そして県民所得、雇用環境、地域医療、再生可能エネルギー、そして防災、この6本の柱で政策目標が掲げられているわけですけれども、この人口のところに、先ほど知事がおっしゃいました社会減のことしか触れられていないわけです。これは間違いではないわけですけれども、社会減をどうするかというのは非常に大事なことなんですが、もっと重要なことが抜けているのではないでしょうか。
 私は、社会減のほかにも、自然減、つまり子供をどうやってふやしていくか、出生数をどうやってふやしていくか、そういうことこそ、この人口のところに盛り込まなければならなかったのではないかと思います。これには一言も触れられていません。なぜ県民計画の柱の一つの人口の中に自然増が盛り込まれなかったのかお伺いします。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) 政策推進目標の指標の一つに自然増の目標が盛り込まれなかった理由でございます。
 当時の議論でございますが、子供を産み育てやすい環境の整備を進め、人口の自然減を改善し、人口の増加に結びつけることは重要であり、関係施策を体系的に展開することが必要でありますが、こうした施策は、結婚や出産に関しての個々人や多様な価値観やライフスタイルなどの影響を受けるものであります。また、出生率が向上したとしても、若年女性が減少していることなどから、出生数の増加など、その効果を見定めるには長期間を要するものであります。アクションプランは、一方、4年という短期の計画でございます。こうしたことなどから、当時の政策効果の測定指標としては適切かどうか議論があったところでございます。
 このような理由から、自然減につきましては、アクションプラン全体の達成度をあらわす政策推進目標とはしなかったものでございます。
 一方、同じ第2期アクションプランにおきまして、個別政策の一つである家庭や子育てに夢をもち、安心して子どもを産み育てられる環境の整備という項目がございます。その中で、合計特殊出生率1.39の維持を目標としておりまして、いわて子ども希望基金を活用した未婚男女の出会いの場の創出や特定不妊治療費の助成、保育所の整備などによる支援なども盛り込み、取り組んでまいりました。
 なお、このように安全・安心な出産環境など親と子の健康づくりの充実や子育て家庭への支援に取り組んだこともあり、平成25年の合計特殊出生率は1.46となったものでございます。
〇9番(佐々木努君) 全然私は納得できません。社会増をふやすということ、これだって、私は、たった4年で簡単に実績として出てくるものじゃないと思います。これも長いスパンで考えていかないとだめで、これは、自然増と全く同じ考え方なのではないか、自然増も同じ考え方でいかなければならないのではないかと思います。このあえて外すということが、県民計画の中で、県民に対してこういうことをやっていくんだよと訴えていくものとして、私は大きく欠けていたのではないか、この県民計画に欠陥があったのではないかとすら思います。
 ここで終わったことを言っても仕方がありませんけれども、平成20年の県の出生数は年間1万332人なんですね。5年後には9、171人、去年ですね、もう1、000人以上も5年で減っているわけです。10分の1になっているわけですね。そういう危機感をしっかり持てば、私は、いろいろな要素があってとても指標にはできないからという考えには絶対に立たないんだと思いますけれども、これは指摘だけにしておきたいと思います。
 次に、今後のことについてお聞きしたいと思います。
 ことしの7月に岩手県市町村人口問題連絡会議が設置されました。これに先立ちまして、先ほども知事がおっしゃいました岩手県人口問題対策本部もできたわけです。昨日、柳村議員がこの人口問題対策本部の役割等については質問されましたから、私は、この分についてはお聞きしません。この連絡会議の役割、そして今後の運営の方向性についてお伺いしたいと思います。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) 人口問題対策本部と市町村連絡会議の関係でございます。
 まず、市町村との連絡会議でございますが、7月に1回目の会議を開催いたしました。その会議の席上で、人口問題に関する情報共有や各市町村における少子化や人口流出に対する取り組みなどについて、意見交換を行ったところであります。
 連絡会議につきましては、今後も必要に応じて開催し、県の人口施策や予算に関する説明を行うとともに、市町村に対しても、人口減少対策の施策の展開を呼びかけていくこととしたいと考えております。
 会議において市町村からいただいた意見等について、県が今後つくります人口施策の中に反映させていくなど、人口問題に対して、今まで以上に県、市町村が協働して取り組んでいく体制をつくってまいりたいと考えております。
 なお、中間報告に関する市町村との意見交換を早急に行うため、広域振興局単位で連絡会議を行うこととしており、現在、日程の調整などを行っているところでございます。
〇9番(佐々木努君) 今の答弁を聞いて少しは安心しましたけれども、当初、私は、意見交換の場という位置づけだと理解していました。それではだめだと私は思っていましたので、この連絡会議、それぞれの県と市町村のさまざまな考えをぶつけ合う、そういう会議といいますか連絡会にぜひしてほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、今お話がありました対策本部がこの間公表しました中間報告、このことについてお伺いします。
 この中間報告は県政運営上どのような位置づけになるのか、そして、市町村の取り組みとの関連性についてもお伺いしたいと思います。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) 今回の中間報告の位置づけについてであります。
 今回の報告は、人口減少問題に関する課題のうち、自然減と社会減について、早急かつ重点的に取り組まなければならない施策の方向性などを中心に取りまとめたものであります。
 今後、この報告に基づき国に対して提言を行っていくとともに、市町村や民間の方々などから御意見を伺い、総合的な施策の検討を進め、年度内に取りまとめを行っていくものでございます。
 人口減少は、県のみで解決できる問題ではなくて、地域づくりを担う市町村との連携が不可欠であります。中間報告には、市町村と連携して取り組んでいくべき施策の方向性も盛り込んだところであります。
 今後、市町村から、中間報告に対する御意見を伺うほか、県の施策や予算に関する説明を行い、市町村に対しましても、人口減少の施策の展開の呼びかけを行っていくなど、市町村との協働のもと、より実効性のある人口減少対策が展開できるよう連携を深めてまいりたいと考えております。
〇9番(佐々木努君) ありがとうございます。中間報告を見せていただきましたけれども、課題はしっかり抽出されていると私は思いました。ただ、その課題をどう解決していくのか、どういう施策としていくのか、それが重要だと思います。まず、そのためには、本部として、それぞれの担当部署をいかにまとめていくか、意識の醸成を図るか、そして、本部にかかわる職員だけじゃなく、県職員全てが、この人口減少に対しての危機感を持つ、そういう意識醸成を図ることが私は大事なんだと思います。
 ちょっと自分の経験談をお話しさせていただきたいと思いますけれども、8年前に奥州市が合併したときに、私は奥州市の職員でしたが、最初の配属先が少子・人口対策室というところでした。つまり、今、県が行っている人口をふやすための施策を講ずる部署でありました。室長と私の2人でしたけれども、上からといいますか、私たちに与えられた使命は、とにかく何でもいいから人口をふやせというものでした。
 どのようにして人口をふやしていくか、いろいろ考えたわけですが、まずは、今回のように本部を立ち上げて、そして、それぞれの部署に人口対策の施策を上げてもらう、そして計画をつくる、そういうことをやりました。しかしながら、合併当初ということで混乱していたこともありますけれども、なかなか担当部署の意識の醸成が図られないで、私は随分苦しい思いといいますか、孤独感を感じたといいますか、そういう思いがあります。
 担当課の方は一生懸命取りまとめをしようと頑張っていらっしゃると思いますが、問題は、担当以外の部署の方々、さまざまな施策を上げてやる部署の方々が、人口をふやしていくんだという強い思いを持って、みんなで一緒にやっていこうという意識の醸成が一番大事なんだと思いますので、ぜひ、そのあたりのところは、知事を中心として意識の醸成を図っていただきたいと思っています。
 それでは、具体的な政策の部分に踏み込んでお伺いしたいと思います。
 初めに、子育て支援策について伺います。
 ことし4月に人口減少・少子化対策調査特別委員会、私が所属している委員会ですが、読売新聞の榊原智子さんという方を講師に招いて、少子化対策に関するさまざまなお話を聞きました。榊原さんは、厚生労働省の社会保障審議会委員も務めている方でありまして、世界の少子化政策にとても詳しい方であります。そういうことで、少子化を克服したフランスなどの取り組み、フランスでは多子世帯への支援を厚くするという取り組みで克服したわけですが、そういう話を伺いました。
 最後にこの榊原さんがおっしゃったのは、審議会で自分もそのことを国に訴えてきたけれども、なかなか国がその方向に動いてくれないということであって、やはり国がそういうことにもしっかりと目を向けて、そういう方向で少子化対策、子育て支援を考えてもらわなくてはならないんだなということを改めて感じました。
 榊原さんが言うように、残念ながら、今の日本は、子供が多ければ多いほど生活が苦しくなる、そして、そのために子供をつくるのを諦めたりする人たちがいる。そういうことで、やっぱり今必要なのは、子供が本当に欲しい、いっぱい欲しい、そういう人たちに国あるいは県、市町村がしっかりと支援をしていくことなんだと思います。
 多子世帯の経済的支援の必要性、これは多くの専門家が話しています。現実に、福島県では第3子の保育料に県が助成するという、そういう都道府県あるいは市町村の取り組みも随分と進んでいます。
 この間、知事が出席した北海道東北地方知事会でもこの話題に触れたということで、知事会として、多子世帯への保育料軽減措置を国に働きかけたという話も聞いています。我が県においても、保育料軽減措置というものを県独自で考える必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。そのことも含めて、子育て支援のあり方について、知事のお考えをお聞きしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 現在、人口問題対策本部におきまして、子育て支援などの自然減への対応や定住促進などの社会減への対応による総合的な人口減少対策について検討しているところでありまして、子育て家庭への支援については、子供の健全な成長を願い、子育ての重要性を全ての県民が共有するとともに、さまざまな主体の役割を明らかにして、オール岩手の体制で支えていくことを基本的な考え方としているところであります。
 多子世帯への経済的支援については、国において先般発足した、まち・ひと・しごと創生本部で、特に子育ての負担を軽減するために、子供が多い世帯ほど優遇されるような税制や社会保障制度を検討するとされています。
 県としては、今年度、子供、子育てへの支援に関する基本的な理念を定める条例を制定することとしておりまして、具体的な施策については、まち・ひと・しごと創生本部における子育て負担の軽減の議論や人口問題対策本部における中間報告を踏まえながら、総合的に検討してまいります。
〇9番(佐々木努君) このことは非常に大事なことだと思うので、積極的に行っていっていただきたいと思います。
 人口減少問題は間違いなく国策であると思うんですが、岩手が生き残っていくためには、国に頼らないで、自分たちで創意工夫して独自の人口減少対策を講じていかなければならないんだと思います。そのためには、まずは、今の限られた財源の中で子育て支援などの少子化対策への予算を厚く配分する、そういうことも考えていかなければならないんだと私は思いますけれども、今後の各種施策における重点化について、県はどのように考えているのか伺います。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) 政策の重点化についてでございます。
 本県の財政状況は、先般、公表いたしました中期財政見通しによりますと、今後数年間、毎年200億円を超える財源不足が見込まれるなど厳しい財政状況が見込まれており、平成27年度当初予算につきましても、歳出の徹底した見直しを行うこととしております。
 一方、県は、希望郷いわての実現に向けて、東日本大震災津波からの復旧、復興を初め、県が抱えるさまざまな課題を乗り越えていかなければなりません。特にも、本県のみならず全国で問題となっている人口減少対策に対しては、県の総力を挙げて取り組んでいくこととしております。
 こうした課題に対して果敢に取り組んでいくため、来年度の予算要求に当たっては、今般の中間報告を踏まえた人口問題に関する取り組みを政策的予算である希望郷創造推進費の対象事業に追加し、新規の事業立案など積極的な要求を期待しているところであります。
〇9番(佐々木努君) ありがとうございます。なかなか県財政も厳しいということは私も理解しています。現状の予算で子育て支援を厚くする、これは大変なことなんだろうと思います。そうであれば、県独自で財源を生み出すということも、これは考えていかなければならないのではないでしょうか。
 我が県では、平成18年度にいわての森林づくり県民税が導入されているわけです。私も年1、000円をきちんと納めているわけでありますけれども、同じような超過課税で少子化対策の財源確保のための少子化対策県民税というものを創設できないかと私は真剣に思っています。多くの県民の皆さんは、今、少子化、そして、この人口減少にすごい危機感を持っているわけです。子育て支援のみに使うということであれば、私は理解されるのではないかと思いますが、検討するお考えはないでしょうか。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 少子化対策県民税の創設についてでございますが、少子化対策の財源につきましては、消費税増収分から新制度に向けた財源を確保するなど、国でも、これまで以上に充実を図っているほか、地域少子化対策強化交付金や、現在、国において地方創生を推進するための交付金などが検討されてございます。県においては、これらの財源を活用しながら、人口問題対策本部において自然減対策としての少子化対策の充実について検討していきたいと思っております。
 一方、県民税の超過課税の実施でございますが、納税者に対して通常以上の負担を求めるものであることを踏まえまして、受益と負担の関係について、県民の皆様の十分な理解を得る必要があるので、慎重に対応する必要があるかと考えております。
〇9番(佐々木努君) いわての森林づくり県民税も年間7億円ぐらいだと思いますが、7億円ではちょっと足りないんですけれども、この2倍あるいは3倍ぐらいの予算があれば、例えば保育料を全額免除もできるんだと私は思っておりまして、確かに消費税の中に子育て支援の分の予算があって、それが県のほうに来る、あるいはさまざまな交付金が来るということもあるかもしれませんが、県独自の施策を講じるためには、やはり県みずからがそういう財源を生んで、それを使うというやり方もこれからは必要なんじゃないか。これから国の交付税とかそういうものがどんどん減ってくれば、そういう子育て支援に使うお金がますます減ってくるんだと思います。そのためにも、ぜひそういうものを検討して、しっかりとした子育て支援のための財源を確保してほしいと私は思いますので、どうか検討していただきますようによろしくお願いいたします。
 次に、結婚支援についてお伺いいたします。
 結婚支援については、過去の一般質問で私は5回やっていますけれども、全部で取り上げてきました。自分としてはそれだけ重要な課題、政策だと思っています。3年前にこの質問を始めたときは、国の施策の中に結婚支援のけの字もありませんでした。そのことに私はずっと疑問を感じていたわけですけれども、日本創成会議があのようなショッキングな公表をしたことによって、国も一転して結婚支援という言葉を使うようになったし、結婚支援に対しての補助制度というものもできたわけです。そういう意味では国を動かした増田前知事には私は感謝しています。惜しむべくは、県知事時代にそういう問題提起をしてほしかったんですが、それはそうとして、少子化対策のために、今年度、国が地域少子化対策強化事業を創設して、全国で46都道府県がこれに手を挙げました。岩手も手を挙げて、その事業として、市町村との情報交換あるいは結婚に関するフォーラムなどを行うということでありますが、率直に申し上げまして、私は、何もしないよりはいいだろう、その程度にしか評価していません。申しわけないんですが、私は、経験上、これらの事業はほとんど効果がないだろうとここで断言しても構いません。これまでずっと言い続けてきましたけれども、効果の上がらない事業というのはすぐやめて、しっかりと実効性のある事業に転換しなくちゃならないんだと私は訴えてきました。そして、そのために必要なのが結婚支援センターの設置だということで、何度もお話をさせていただきました。
 もう説明の必要はないかもしれませんけれども、茨城県の結婚支援センターは設置後8年間で1、000組以上の成婚実績を上げているわけです。それに倣って愛媛県とか山形県、秋田県でも―もっとほかにもあるんですが、このセンターを設置して実績を上げて、今後も一生懸命頑張ろうと取り組んでいるわけです。どうしてほかの県にできて、岩手県はできないのか、やろうとしないのか、それは本当に私は疑問に思います。再度お伺いします。我が県にも結婚支援センターを設置するお考えはないかお聞きいたします。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 結婚支援センターの設置についてでありますが、さきに先進県に職員を派遣しまして、その取り組み状況を実地調査しております。成婚が相当数ある、あるいは結婚支援情報の一元化による総合的な情報発信等が成果として挙げられる一方、専門スキルを有する人材の確保や運営財源の安定的確保等による長期的な運営体制の維持、確立等が課題として挙げられております。
 今年度、市町村、婚活イベント主催団体、子育てに理解のある企業、仲人業などで構成する若者出会い応援推進会議を設置しておりまして、この中で首都圏など県外から岩手への定住や婚活を希望する方々を呼び込むなど広域的な取り組みだとか、結婚を希望する者への県の積極的支援に期待するなどさまざまな意見が出されております。結婚支援センターの設置については、これら若者出会い応援推進会議の意見、それから、先ほど申し上げました人口問題対策本部の中間報告などを踏まえながら、県として人口減少対策に向けた施策を立案していく中で、総合的に検討してまいりたいと思います。
〇9番(佐々木努君) これ以上は余り言いたくないんですけれども、まずはいろんなところで話し合ったりするのは大切なことなんですけれども、他県で実績を上げているという、これはもう間違いない事実なわけです。そして、結婚を望む多くの方々も、そういうものがあればいいなとみんな思っているわけです。これは私が地元とかでしゃべっているから、みんなそう思っていて、知らない人もたくさんいるとは思うんですけれども、この話を聞けば、絶対に岩手につくってほしい、みんなそう思うわけです。いろんな議論があるかと思います。予算の面とか運営体制の面があるんだと思いますが、現実にそういうセンターを運営したい、やってみたいというところも、手を挙げているところもあるわけです。そういうところにしっかりと任せれば、県としてもそんなに負担にはならないと思いますし、民間を巻き込んだ形のそういうセンターをしっかりとつくっていくことが、結婚支援を充実させるために一番今必要なものだと私は思いますので、もう3年も私は言ってきて、だんだん疲れてきましたけれども、私は絶対にこれは諦めません。結婚したくてもなかなか出会いがない、そういう方がたくさんいらっしゃる。昔みたいに仲人さんがいて、あるいは会社の人がいて男女をくっつけるとか、そういう人がなかなかいなくなってしまって、公の機関がしっかりとそういうものをサポートするということがこれから必要になってくるんだと思いますので、何とかもう一歩踏み込んで検討を速めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、社会増の取り組みについても伺っておきたいと思います。
 知事は、人口減少対策として若者の県外流出を防ぐということを常々おっしゃっています。しかしながら、そもそも地域に若者がどんどんいなくなっているわけです。出生数が伸びませんから、いなくなっているわけです。ですから、社会増を図る面では、やはり都市部から、県外から若い人にどんどん来てもらう、そういう施策を講じていく必要があると私は思います。国が地方創生の一環として力を入れている地域おこし協力隊は非常にいい事業であると思いますが、残念ながら岩手は今はまだ13人しかおりません。これをどうやってふやしていくか。そして、活動を終えた3年後にこの方々にどうやって定着、定住してもらうか、そういうことを今のうちからしっかりと考えていかなければならない、対策を講じていかなければならないと思います。
 県として、国や市町村と連携して、地域おこし協力隊の活動支援あるいは定住のための支援、そういうものを行っていくお考えはないか。あわせまして、県独自の岩手県版地域おこし協力隊、そのようなものも考えていくお考えはないか伺いたいと思います。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) 地域おこし協力隊についてであります。人口減少が急速に進む中にあって、県外からの定住者、とりわけ産業の担い手であり、地域の担い手として活躍が期待される若者の定住者を着実にふやしていくことは重要な施策であると認識しております。
 本県における地域おこし協力隊制度の活用状況は、平成24年度には2市町4人でありました。平成26年度は、先ほど御案内のあったとおり、5市町村13人と拡大してきており、都市部から移住してきた若者たちが、地域の観光振興や伝統文化の保全、農林水産業の支援活動などに積極的に取り組んでいるところであります。その中で、隊員として任期終了後も住み続けている事例も出始めているなど、本制度は都市部から若者に移り住んでもらう有効な手段の一つであると考えております。
 県としては、これまで、市町村に対して本制度の積極的な活用を促しているほか、地域づくりフォーラムや研修会などにおいて、県内外で活躍している隊員を招聘し、その具体的な活動事例を広く紹介しているところであります。
 国においては、地域おこし協力隊につきまして、現在の全国で約1、000人を今後3年間で3倍の3、000人にするという方針であるということを受けまして、当面はこの支援制度の積極的な活用を促進し、県外から若者を地域に呼び込むとともに、市町村、関係機関と連携を図りながら、活動終了後の定住への誘導をも視野に置いた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
〇9番(佐々木努君) ありがとうございます。例えば活動期間を終えた3年後にここに住みたい、またここに残って活動したいという人がいれば、住む場所をあっせんするとか、あるいは賃料を何年間かもってあげるとかという支援、あるいは土地を貸してあげるとか、そういうことだって可能だと私は思うし、そういうことをしていけば、地域おこし協力隊だけではなく、都会から若い方々が入ってきてくれるのではないかと思います。
 内閣府の調査によると、都市部に住む人の約3割が農山村に定住してみたい、そのように考えているという調査結果がこの間出ていました。さまざまな条件つきではあると思いますけれども、そういうことも考えれば、県独自としてそういう制度をしっかりとつくっていって、県内外にアピールしていくことが若者を呼び込むことにつながるのではないかと私は思いますので、積極的にこの検討を行ってほしいと思います。
 それとちょっと関連するわけなんですけれども、都会から地方に移り住みたい、岩手に移り住みたい、そう思っている方々は、実際に岩手はどんなところだとか、住むところはあるのかとか、仕事をするところはあるかとか、さまざまな条件に関心を持って来るわけなんだと思いますが、私は、今の移住の相談体制が岩手は不十分ではないかと思っています。前回の2月議会でも指摘させていただきましたけれども、移住関係の県のホームページもこの間まで工事中になっていましたが、この議会があるからかもしれませんが、やっと新しくリニューアルされて、前よりは大分というか、かなり見られるようなものに変わっていました。少しは安心しましたけれども、実際にホームページを開いて、では、具体的にどこに相談すればいいのかということになると、なかなか窓口が一本化になっていないような気がしました。こちらに来ようと思う人は、仕事だけではなく、住む場所、さまざまなことを心配して来るわけです。そういうところを一つの窓口としてお世話をする、そういう相談体制というのは早急につくるべきなのではないかと。私は、地域コーディネーターと自分では言っているんですけれども、そういうものを1市町村に1人ぐらい配置するような、そういうことまでする必要があるのではないか思うわけですけれども、今後、そういうコーディネーターの設置も含めた定住化策をどのように展開されていくのかお聞きしたいと思います。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) 定住促進策の展開についてでございます。県はこれまで、定住交流人口の拡大を図るため、県庁内に定住交流サポートセンターを、東京事務所など三つの県外の事務所には移住者向け就職相談窓口を設けているほか、首都圏での岩手県U・Iターンフェアやふるさと回帰フェアなどに出展し、本県への移住に関する各種情報提供や移住相談に応じてきたところであります。
 また、県内市町村におきましては、例えば遠野市におきまして遠野ファンクラブを設置し、県内外に広く遠野の魅力を売り込む広報誌の送付や移住相談のワンストップ窓口を設置した上で、NPO団体と協働し、空き家の調査や移住者交流会の開催など、相談から移住した後まで広くサポートを行っております。
 また、一関市においては、空き家バンク制度や体験ツアー、就農支援等に結婚活動の支援も加えた移住に係るトータルの施策を展開するなど、効果が上がってきている事例も出てきたところです。
 県といたしましては、今後とも、こうした市町村や関係団体からの意見を聞きながら、移住、定住に係るポータルサイトの充実を図り、実際に移住した方の体験談や市町村の取り組みを紹介するなど、全県的な情報発信や移住希望者を市町村につなぐ役割を担うほか、農林水産業、商工業、不動産分野の団体を含めた全県的な移住支援体制の整備や広域的な移住セミナー、居住体験ツアーの実施など、それぞれの市町村の取り組みが促進されるような支援策の検討を進めてまいります。
 いわて復興応援隊を初め復興支援のために本県で活動している若者や本県出身を含む移住希望者を掘り起し、本県への移住を誘導する取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇9番(佐々木努君) 市町村の取り組みというのは、33市町村みんなまちまちであって、一生懸命取り組んでいるところと、申しわけないですが、全く取り組んでいないところとあるわけです。やはり岩手に来たいという方は、どこの市町村も同じような取り組みをしているんだろうと思って来るわけなんだと思いますから、県はしっかりと、ばらつきという言い方はちょっと表現がおかしいかもしれませんが、全部の市町村でそういう受け入れ態勢がしっかりとなされるような形で、一緒になって取り組んでいってほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。県立病院の機能強化についてお伺いいたします。
 我が県は他県に比べて民間の医療資源が非常に乏しい県だと私は理解していまして、そういう中で長年にわたって岩手の医療を支えてきた県立病院の功績というのは非常に大きいと思います。医師、看護師不足で厳しい環境の中で、県民の命を守るために日々頑張っていらっしゃる医療関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。今後も急性期医療を担う県立病院の役割というのは非常に大きくなってくるのだと思いますが、県民の期待に応え得る機能強化をしっかりと図っていってほしいと思います。
 まず、そのためには医師不足を一日も早く解消していかなければなりません。県当局には、奨学生医師の養成、他県から医師の招聘、そういうものも含め医師確保対策に全力で取り組んでいただきたいと思います。また、看護師不足も深刻化しておりますけれども、看護学校への働きかけ、あるいは労働環境の改善等を行っていただいて、この確保策についても全力で取り組んでいただきたいと思います。
 では、初めに県立病院の医師の偏在化についてお伺いいたします。
 医師不足は医師の偏在化も招いているわけでありますが、現在、県立病院で医師が不足している診療科、そういう傾向にある診療科は何でしょうか。そして、今後不足することが懸念される診療科についてもお伺いいたします。
〇医療局長(佐々木信君) 医師が不足している診療科についてであります。診療科別の医師の充足状況は病院ごとに異なりますが、県立病院全体で見ますと、病院現場において必要とする医師数が全て確保されている診療科はない。すなわち、いずれの診療科においても、程度の差はあるものの、医師不足が生じているのが現状であります。
 今後の見通しにつきましては、高齢化の進展や医療の高度化等によりニーズが高まる診療科があると言われております一方、将来の地域医療を担う個々の医学生がどの診療科を専攻するかは不確定でありますことから、現時点で、今後県立病院において特に医師不足が懸念される診療科を個別にお示しすることは難しいところであります。
〇9番(佐々木努君) そういう答弁だと私も予想はしておりましたが、今、私が心配しているのは、確かにいろんな科で不足があると思うんですが、産科医が全国的に減っているという報道がこの間なされていまして、福島県や千葉県など9県では35歳未満の産科医が非常に少なくて、もう危機的状況だということになっているということでした。多分、岩手の県立病院も含めた岩手全体もそうだと理解していますが、県立胆沢病院でも産科医がいなくなって、もう既に6年が経過しているわけですけれども、地域の方々は、いまだに、何とか早く産科医に来てもらいたいということで、そういう声が今もなお強く聞こえてくるわけであります。何とかして産科医になってもらう学生をふやして、それを解消してほしいと私も思っています。
 産科医だけではなく、胆沢病院を例に挙げますと、脳神経外科のお医者さんも、今、常勤は2人ということで、緊急の手術には対応できない状況になっているわけです。これも、地域の方々は、何としてももう一人先生に来ていただいて、救急車で運ばれても、ほかにたらい回しにされないようにしてほしいという要望が非常に強いわけです。これは、今、胆沢病院を例に挙げましたけれども、胆沢病院だけではなく、県内の県立病院全てにおいてそういう状況が今生まれているんだと思いますけれども、県として、医療局として、今後、そのような医師不足あるいは偏在化についてどのように解消されていくための取り組みを行っていくのかお伺いいたします。
〇医療局長(佐々木信君) 県立病院の医師不足、偏在化への対応についてでありますが、御例示いただきました産婦人科や脳神経外科などの診療科につきましては専攻する医師が少なく、主な派遣元であります関係大学の医局自体の医師の絶対数が不足しておりますことから、現時点で必要とされる常勤医師を全て配置することは困難な状況であります。このことから、医療局におきましては、今後とも、基幹病院に医師を重点的に配置し、県立病院間はもとより圏域の医療機関等との役割分担と連携のもと、圏域内及び圏域を越えた診療応援等をさらに進めるとともに、関係大学への派遣要請、即戦力医師の招聘等に積極的に取り組むほか、保健福祉部や関係大学と連携し、平成28年度以降本格化する奨学金養成医師を効果的に配置するなどにより、各地域における必要な診療体制の確保に努めてまいります。
〇9番(佐々木努君) ありがとうございました。先生方も、医療局も大変だと思っています。それは理解していますけれども、地域で何としてもお医者さんに来てほしいと心から願っている県民、住民のために、ぜひ、医療局もなお一層この医師確保については取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、高度医療機器の導入についてお伺いいたします。
 胆沢病院の泌尿器科が前立腺治療で高い評価を得ていることは2月議会でもお話をさせていただきました。また、前立腺治療の現場において内視鏡手術支援ロボット―ダヴィンチといいますけれども、この普及が進んでいること、そして、泌尿器科の医師を初め多くの病院関係者がこのダヴィンチの導入を切望しているということも2月議会でお話をさせていただきました。私も、先生方の思いに何としても応えたいという思いで、これまで一般質問、常任委員会でも取り上げてきましたけれども、残念ながら、まだ導入には至っていません。そうしている間にもダヴィンチは全国の病院に次々と導入されておりまして、現在は全国で183機が稼働しています。東北でも青森県3台、宮城県3台、福島県4台、岩手県でも岩手医科大学に1台入っています。整備が進んでいるわけです。このダヴィンチを導入することによって、手術における患者の負担の軽減、安全性の確保、それらが図られるだけでなく、医療技術の向上や医師のモチベーションの向上、そういうものも図られると理解しています。
 財政的に非常に厳しいことは百も承知でありますけれども、医師確保の面からもこのダヴィンチの導入は絶対に必要だと私は考えていますけれども、県として、早期に導入するお考えはないか、改めて伺います。
〇医療局長(佐々木信君) 高度医療器械の導入についてでありますが、県立病院における医療器械につきましては、特定の政策目的や病院の移転新築などに伴う整備のほか、各病院からの要望を踏まえ、必要性、緊急性及び経済性の観点から総合的に判断し、優先度の高いものから整備しているところであります。
 内視鏡手術支援ロボットについては、高額である上、現在、診療報酬上対象となる手術が1項目のみとなっている一方で、議員御指摘のとおり、手術の際の患者負担の軽減など医療の質の向上に資するとともに、医師のモチベーションアップや定着につながる側面も有していると認識しております。
 医療局といたしましては、今後とも診療報酬の状況を見据えつつ、限られた医療器械整備予算の中で、他の医療器械との優先度を精査し、財源の確保を図りながら、しかるべき時期に整備できるよう取り組んでいく考えです。
〇9番(佐々木努君) 前回と全く同じような、すっかり同じような答弁だったような気がしますけれども、そういうことなんだと思いますが、先日、新聞で見たんですけれども、愛知県の藤田保健衛生大学病院という病院があるらしいですけれども、そこで、厚生労働省に対して、このダヴィンチでの胃がんの手術を先進医療として扱ってもらうように申請をしたらしいですが、それが通ったということで、手術費はまだ無理ですが、入院費の公的医療保険の適用が認められたという記事を目にしました。国も、まだ未知なる手術を保険適用にするための、そういう動きがだんだんに出てくるんだろうと思っています。そういうものも含めて、まずはそういう医療機器を導入して、そして技術を磨いていただきながら、若い医師の育成も含めた、そういう形で医療の底上げ、そして医師確保策も一緒に進めるために、ダヴィンチの導入を何とか前向きに御検討いただけますようよろしくお願いいたします。
 次に、ドクターヘリ事業についてお伺いいたします。
 初めに、平成25年度のドクターヘリの運航実績はどのようになっているのか。あわせて、運航開始から間もなく2年半になるわけですけれども、見えてきた課題は何か、そしてその対応策についてお伺いいたします。
〇保健福祉部長(根子忠美君) ドクターヘリの運航実績と課題についてでありますが、平成25年度においては、483回の出動要請に対しまして、その7割を超える352回、1日当たりほぼ1回出動しておりまして、離陸後にキャンセルとなった事案を除き、実際に現場に出動した回数が283回で、301人の救命救急や転院搬送に対応したところでございます。
 ドクターヘリは、運航開始以降、事故もなく、安全かつ円滑に運航されてきているところでございまして、当初は出動要請が比較的少なかった県北、県南の県境地域からの要請も増加してきておりまして、現在、運航上の大きな課題はないと認識しており、順調に運航できているものと評価しておりますが、ドクターヘリをより有効に活用していくため、10月1日から北東北3県の広域連携による正式運航を開始したところでありまして、また、現在検討しているヘリポートの整備を着実に進めていきます。
〇9番(佐々木努君) 今、課題はないとおっしゃいましたけれども、私は、課題はあると思います。病院側の、受け入れ側のヘリポートの確保、これは大きな課題じゃないかと思います。実際に、ドクターヘリで搬送される患者の6割を中央病院と岩手医大で受け入れているわけですけれども、どちらにもヘリポートはないですね。それで今、盛岡東警察署の屋上をヘリポートに使って、そこからおろして、救急車に乗せて病院に搬送するということをやっているわけです。
 ドクターヘリの課題というよりも、受け入れ病院の課題ということにもなるかもしれませんけれども、いずれ、私は大きな問題だと思うし、それから、県南でも、胆沢病院にはヘリポートがありません。災害拠点病院ですけれども、ヘリポートがないという状況が今も続いているわけです。これも大きな問題だと思いますが、県においては、しっかり問題意識を持っていただいて、今年度に盛岡地域と、そして奥州地域にヘリポートを建設するための予算を盛り込んでいただきました。現在といいますか、もう終わったと思うんですが、両地域の病院の導入経路や騒音などの影響調査が行われたと聞いていますが、結果はどうだったのか、そして、ヘリポートの整備の見通しは立ったのかどうかお伺いいたします。
〇保健福祉部長(根子忠美君) ヘリポート設置に係る影響調査の結果と整備の見通しでございますが、ヘリポート設置に係る調査の結果として、盛岡地域においては、県立中央病院への搬送を想定したヘリポート、その他の地域については、県立胆沢病院への搬送を想定したヘリポートの適地について、それぞれ複数の提案があったところでございます。
 現在、病院や医療局と調査結果や整備を進める方針を共有し、それぞれの提案について、整備に向けた実際的な課題等を整理、調整しているところでございます。
 具体的には、ヘリポートの整備場所を決めるためには、整備の適地とされた場所の周辺環境に対して想定される実際的な影響や、適地が建物である場合の強度の精査などが必要と指摘されており、県としては、そういった課題について検討し、対応する過程において、整備候補地の周辺住民の理解も得ながら、年度内に整備場所を決定するなど、整備に向けた具体的な作業を進めていきたいと考えております。
〇9番(佐々木努君) 患者さんのためにも早期にこのヘリポート設置については御検討いただきたいし、設置をお願いしたいと思います。
 時間も大分経過しましたが、次に、震災復興における防災施設のあり方についてお伺いいたします。
 沿岸被災地では、大震災津波で多くの水門や陸閘が被害を受けました。まず、それらの復旧状況と今後の見通しについて伺います。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 水門や陸閘も含めた海岸保全施設の復旧の状況についてでありますが、復旧・復興ロードマップ等で公表しておりますように、ことし8月末時点で134地区、そのうち109地区について着手し、そのうち23地区で完了しているという状況であります。
 地区により完成時期は異なりますけれども、おおむね平成29年度、遅くとも平成30年度の工事完了を目指して、鋭意工事を進めております。
〇9番(佐々木努君) 津波発生時に水門を閉鎖しに行った消防団のうち、実に48人が津波で流され犠牲になりました。本当に痛ましいことだったと思います。県としては、これを教訓として、安全確保のために水門とか陸閘を閉める操作を遠隔化するという方針でありますけれども、遠隔化の対象となる施設はどの程度になるんでしょうか。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 現在、整備を進めております水門、陸閘等でございますけれども、関係市町村等と協議を重ねながら、統廃合や堤防への乗り越し道路を整備するなどにより施設数の削減を積極的に行い、約800基ありましたものを400基程度まで減らし、今回新たに整備するもの約100基と合わせ、県全体で500基程度となる見込みであります。
 このうち遠隔化の対象施設は250基程度になる見込みであります。残りの250基程度につきましては、水圧で自動的に閉鎖するフラップゲートや常時閉鎖などで対応することとしており、操作員が現地で閉鎖作業を行うようなことがない計画として検討しております。
〇9番(佐々木努君) 水門本体の工事はもう既に始まっておりますので、遠隔操作設備の設置はもちろん後づけになるんだろうと思っているわけですが、遠隔操作システムを導入するに当たりまして留意しなくてはならないのは、遠隔化システムの信頼性の確保、つまり、どんな状況下であってもボタンを推せば確実にゲートが閉まる、水門が閉まる、それからもう一つ、逃げおくれをなくす、閉まった後に、まだ海に人が残っていたなんていうことがないようにする必要がある、その安全性の確保を図ることが重要だと思います。
 信頼性につきましては、通信システムを多重化する、有線、無線を組み合わせるとか、多重化することで確保できますし、安全性については監視カメラをつければ確保されると思いますが、今回県が考えているシステムは、当然そのような信頼性、そして、安全性が確保されたものと考えてよろしいのでしょうか。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 水門、陸閘の遠隔化システムにおけます信頼性と安全性の確保についてでありますが、今、議員からお話のありましたような考え方を基本に進めております。具体的には、通信システムや電源などの多重化を行うほか、システムが常に正常な機能を維持できるように、装置や機能の保守体制をしっかりと確立することにより信頼性を確保していくということで進めております。
 また、逃げおくれをなくすためには、サイレンや拡声放送装置、電光表示板、信号機、遮断機など避難を誘導するための装置を設置することにより注意を促すとともに、必要な箇所には監視カメラを設置するなどにより安全性を確保していくこととしております。
〇9番(佐々木努君) どういうシステムを採用するかということにつきましては、もう決まっているんでしょうか。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 現在検討中でありまして、最終的なシステムの形が決まったという状況までは至っておりません。
〇9番(佐々木努君) 遠隔操作システムの基本設計は昨年度事業で行われたと記憶していますが、コンサルタントに委託したんだと思います。多分コンサルから成果品が出てきて、こういうシステムがいいですよという提案があったんだと思いますが、それがまだ決まっていないということは、つまりコンサルが出してきたそういうシステムは、何か問題があったということなんでしょうか。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 250基の水門、陸閘を一斉に遠隔化して操作するというようなシステムについては、全国的にもほとんど事例がございません。これらを確実に将来にわたってそういう機能を確保していく、あるいは維持管理をしていくというところにつきましては、技術的に非常に高度なところがございます。そういうこともありまして、コンサルと私ども発注者といろいろやりとりをしながら、最適なシステムを検討しているところでございます。
〇9番(佐々木努君) コンサルとしても安全なもの、確実なものを提案したいということはあると思いますが、逆に、裏を返せば、既存のものを使うということは、コストも非常にかかるということなんだと私は思います。
 県で心配しているのは、多分、今後の維持管理費のことも考えていかなければならないということなんだと思いますけれども、さっきも言ったように、コンサルだけに頼んでいては、多分そういうシステムを勧められて、高いものを勧められてしまう、どんどんコストは上がっていくということになるんだと思います。
 私は、最初からコンサルに頼む前に、しっかりと県内、あるいは県外でも構いませんけれども、通信技術の専門家の意見を聞いて、それをコンサルにお話しして、こういう形でやってほしいという提案が必要だったのではないかと思います。
 今、これからまた検討するというお話で、どのような形で検討するかわかりませんけれども、私としては、県内の通信関係の業者、そして専門家、特に、岩手県立大学には、通信の非常にすぐれた研究をされている先生方がおりまして、MAD−SSというシステムとかネバーダイネットワークという、かなり全国的に評価を得ている、そういう研究をしている方もいらっしゃるわけです。うまくいけば、そういうシステムを今回採用することだってできるのではないかと私は思っているわけですね。
 ですから、検討を進めるに当たりましては、そういう方々の意見、そして、実際にゲートのあけ閉めをする消防団、消防関係の方々も含めて、もう一度しっかりとした検討をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇県土整備部長(佐藤悟君) このシステムの検討を進めるに当たりまして、県土整備部では、電気や通信技術に詳しい専門職として、技術職員を河川課に2人と沿岸公所に6人、計8人を配備して検討を進めております。また、検討に当たりましては、先進事例、先進県を実際に調査するということもやっております。
 検討を進めるに当たりましては、有識者、専門家でありますけれども、複数の大学の先生方にも御意見を伺いながら検討を進めているという状況となっております。
 また、今後は、県が設置しております岩手県津波防災技術専門委員会という場でも説明をしながら、さまざまな御意見をいただきながら、最適なシステムというものを検討して、整備を進めてまいりたいと考えております。
〇9番(佐々木努君) よろしくお願いいたします。
 なぜ私がこの問題を取り上げたかの理由のもう一つは、復興関連事業というものは、できる限り県内の業者がやるべきではないかという強い思いがあるからであります。それは、県の皆さんもそういう方針でこれまでもやってきていると思いますが、例えば、こういうシステムをコンサルに頼めば、県内の業者はほとんど入れないわけです。中央の大手企業しか入れないわけです。これが、この維持管理も含めて何十年もそういう維持管理が続くわけですけれども、そういうものもなかなか県内業者が入りづらい。
 私は、復興を進める上で一番大事なのは、県内のそういう業者をしっかりと守っていく、保護をしていくということだと思います。そういう観点からもこの質問をさせていただきました。遠隔操作システムの導入については、そういうことにも留意をされてこれから検討を進めてほしいと思いますが、所感を伺います。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 復興事業を進める上で、地元の業者の方々が果たす役割は非常に大きいものでありまして、復興後におきましても、社会資本ストックの維持管理あるいは災害時の機動的な対応などを担う地域の企業が存続、成長していく必要があるものと考えております。
 復旧復興工事全般で申し上げますと、WTO案件となるような大規模工事あるいは高度な技術を要する工事等では、県外業者の受注が多い結果となっておりますが、引き続き、県内業者で施工可能なものは県内業者を優先するという方針を堅持して、復旧、復興を進めてまいりたいと考えております。
 なお、県外業者が受注した場合でも、下請契約や建設資材の納入に当たっては、県内企業から選定することについても要請しているところであります。
 この水門、陸閘、遠隔化工事の具体的な発注については、まだ設計が終わっておりませんので、今後検討していくことになりますけれども、先ほどお話がありましたように、信頼性、安全性、これらがしっかり長期にわたって確保されていくことと、整備のコストあるいはメンテナンスのコスト、これらがバランスのとれたものとなるようなものに配慮しながら、計画あるいは発注を進めてまいりたいと考えております。
〇9番(佐々木努君) 何回も言うようですが、とにかくいろいろな方々の意見に耳を傾けていただいて、今おっしゃったさまざまな条件に合うシステムを一日も早く決めていただいて、導入していただきたいと思います。
 次に、県民の健康づくりについてお伺いいたします。
 まず初めに、がん対策について伺います。
 がんは、2人に1人が今、罹患しておりまして、3人に1人はがんで亡くなるという国民病になっているわけでありますが、我が県も、このがんの死亡率が非常に高い県の一つであります。議会でも、これに危機感を持ちまして、議員提案の岩手県がん対策推進条例を制定しまして、そして、この4月に施行されたということですが、このがん条例の制定を機に、県民のがんに対する意識、がん予防に対する意識の向上が図られて、がんの死亡率の低下が図られることを心から願っています。
 この条例には、さまざまながん対策が盛り込まれているわけですけれども、特に重要なのが、がんの予防、そして、がんの早期発見、早期治療、それから、がんになった方々、患者さん、そして家族の心のケア、そういうものが非常に重要だと思っています。
 そこでお伺いしたいわけですけれども、県は、今回のこのがん対策推進条例の施行を受けまして、この条例の基本理念、県民の視点に立ったがん対策の推進、そして、関係者が相互に連携、協力したがん対策の推進、この視点に立って、具体的にどのような施策を進めようとしているのか伺います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) がん対策についてでありますが、県では、これまでも、がん対策推進計画に基づきまして、がんの予防、早期発見を初めとするがん対策を推進してきましたが、制定された条例の基本理念を踏まえまして、県民一人一人の意識を高め、県、市町村、保健医療従事者、事業者など関係者が、それぞれの取り組みや連携した取り組みを推進していくことが重要であると考えております。
 このため、がんの予防、早期発見については、これまでの取り組みに加え、医療保険者や企業等と幅広く連携しまして、県民が、がんの予防に関する正しい知識を持つことができるよう普及啓発に努めるとともに、休日、夜間における検診の実施など、働く世代ががん検診を受診しやすい環境の整備に取り組んでいるところでございます。
 また、がん患者や家族に対するケアについては、がんになっても安心して暮らせるよう、がん拠点病院や患者、家族会等と連携し、就労相談やピアサポートの実施による相談支援機能の拡充や療養生活に必要な情報提供の強化など、県民のニーズに沿った取り組みを進めてまいります。
〇9番(佐々木努君) ありがとうございます。
 昨年、先輩議員と2人で、がん対策推進条例の勉強に大阪府と京都府に行ってきました。大阪府では、我々岩手県と同じように議員提案でこのがん対策推進条例がつくられた、京都府では知事提案でつくられました。中身はほとんど変わっていない同じような条例でありましたけれども、担当者の方から、そのがん対策の取り組みを聞いて、私はその差が非常に大きいというのを感じました。どっちがより取り組みが進んでいたかということは、言わなくてもおわかりかと思いますけれども、私は、誰が提案してつくる条例であっても、やっぱりこのがん対策推進条例は、県民の健康を守るための条例でありますから、県としても一生懸命取り組んでいく必要があるんだと思います。
 岩手県はそのようなことはないと思いますけれども、私が唯一心配しているのは、提案元がどこだから、じゃ、適当にやろうかとか、そういう気持ちを絶対に持たれたら困るということです。実際にそういう他県の状況を見ると、そういう危機感を覚えるものですから、ぜひ、私たちのがん対策に対する思いをしっかりと酌んでいただいて、県としても、自分たちでこのがん対策を一生懸命やるんだという姿勢を持って、このがん対策推進条例にのっとったがん対策をしっかりと進めていただきたいと思います。
 特に、ことし制定されましたから、具体的にこのがん対策に積極的に取り組むのは、私は来年度以降なんだろうと思いますから、ぜひ来年度のがん対策への予算の措置も含めて、目に見えるような形でこのがん対策に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、介護予防についてお伺いいたします。
 日本人の平均寿命が世界一になったわけですが、厚生労働省の発表では、敬老の日の時点で100歳を超える方が全国で5万8、000人、岩手県でも667人もいるということでありました。長生きはとてもいいことだと思いますし、誰もが長生きしたいと思うんだと思いますが、一方では、寝たきりになってしまって介護を受けなければならない、そうなれば長生きをする意味がないというのはちょっとおかしいですけれども、そういう思いになってしまうと思います。
 今、超高齢化社会に突入して、介護が必要な人はこれからどんどんふえていくわけです。そうすれば介護施設もどんどんつくっていかなければならない、そのために非常に大きな予算がかかる。そして今、介護現場では、介護従事者の不足が非常に深刻化しています。多分ここ数年のうちには大変なことになるのではないかと私は思っていますけれども、それを解消するために、できる限り要介護にならないような対策に県としても一生懸命取り組んでいく必要があると思いますが、これまでの県のこの介護予防に対する取り組みがどうだったのか、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 介護予防への取り組みについてでありますが、現在、市町村においては、1次予防としまして、高齢者全般を対象にセミナーなどの普及啓発、それから、2次予防といたしまして、要介護状態に至るおそれのある高齢者を対象とする体操教室など、こういったことの事業を実施しておりまして、県は、この市町村の支援という形で行っております。
 この中で、2次予防事業の体操教室等の取り組みの参加が低調だということが課題となっていまして、住民主体による身近な地域での運営が必要だとされております。
 県としては、今年度こうした課題の解決のため、国のモデル事業を二つの市が実施しておりますので、そこに対して助言、指導しながら、住民主体による身近な運営ができるような取り組みについて、ほかの市町村へも紹介、普及を図っていくほか、引き続き、医療関係者等で構成しております岩手県介護予防市町村支援委員会というものがありますので、こういった委員会の開催や先進事例の紹介、介護予防実務者の資質向上のための研修実施などにより、市町村に対し支援を行っていく予定でございます。
〇9番(佐々木努君) 他県では、介護の原因となるロコモティブシンドロームを予防するための取り組みがかなり進んでいまして、山形県や佐賀県では、知事がみずから先頭に立ってこのキャンペーンを展開しています。そういうものもぜひ参考にしながら取り組んでいってほしいと思います。
 先月中旬ですけれども、アジアマスターズ陸上競技大会が北上市で開催されました。聞くところによりますと、還暦を過ぎた先輩議員も出場していたということで、すごいなと思ったわけですけれども、男子100メートル走には104歳の方も出場されていまして、多くの県民の方々が、自分もあの年まで動けるようになりたいなと思ったのではないかと思います。
 今回のアジアマスターズ陸上は、参加者の生きがいづくり、そして、健康づくりだけでなく、ふだん運動をしていない方に対しても、運動の大切さというものを啓発する意味があったんだと思います。今回の開催を機に、高齢者のスポーツ活動というものが積極的にさらに広がって、健康づくりへの意識が向上してほしいと思います。
 そこで伺いますけれども、県は、これまで、高齢者の健康づくりの観点から、福祉とスポーツをどう結びつけて、高齢者スポーツの推進をどのように図ってこられたのか伺います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 高齢者スポーツの取り組みでございますが、県では、高齢者の健康の保持増進と生きがいの高揚を図るため、昭和63年から岩手県長寿社会健康と福祉のまつりを開催しておりまして、スポーツ関連イベントである岩手県民長寿体育祭は、例年、いきいきシニアスポーツ大会、テニス、ゲートボールなど全14種目を実施しまして、参加者が3、000人以上となっております。
 また、各都道府県持ち回りで開催されます全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックでございますが、これに本県から毎年度、選手団を派遣し、今年度は、スポーツ交流大会等の20種目に145人が参加しております。
 このほか、公益財団法人いきいき岩手支援財団におきまして、民間団体等が行うスポーツを通じた健康、生きがいづくりの推進に関する事業に対して助成を行っております。
 県では、高齢者が健康で生きがいを持ちながら生活できるよう、スポーツ活動を通じた健康づくりや生きがいづくりを支援していきます。
〇議長(千葉伝君) 以上をもって、佐々木努君の一般質問を終わります。(拍手)
〇議長(千葉伝君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時30分 休 憩
出席議員(45名)
1  番        高 田 一 郎 君
2  番        清 水 恭 一 君
3  番        名須川   晋 君
5  番        神 崎 浩 之 君
6  番        城 内 愛 彦 君
7  番        福 井 せいじ 君
8  番        佐々木 茂 光 君
9  番        佐々木   努 君
10  番        佐々木 朋 和 君
11  番        軽 石 義 則 君
13  番        吉 田 敬 子 君
14  番        後 藤   完 君
15  番        岩 渕   誠 君
16  番        郷右近   浩 君
17  番        高 橋 孝 眞 君
18  番        岩 崎 友 一 君
19  番        高 橋 但 馬 君
20  番        小 野   共 君
21  番        高 橋   元 君
22  番        木 村 幸 弘 君
23  番        久 保 孝 喜 君
24  番        小 西 和 子 君
26  番        五日市   王 君
27  番        喜 多 正 敏 君
28  番        工 藤 大 輔 君
29  番        嵯 峨 壱 朗 君
30  番        工 藤 勝 子 君
31  番        工 藤 勝 博 君
32  番        高 橋 昌 造 君
33  番        及 川 あつし 君
34  番        小田島 峰 雄 君
35  番        大 宮 惇 幸 君
36  番        飯 澤   匡 君
37  番        斉 藤   信 君
38  番        佐々木 順 一 君
39  番        及 川 幸 子 君
40  番        伊 藤 勢 至 君
41  番        樋 下 正 信 君
42  番        柳 村 岩 見 君
43  番        千 葉   伝 君
44  番        佐々木 大 和 君
45  番        佐々木   博 君
46  番        渡 辺 幸 貫 君
47  番        田 村   誠 君
48  番        小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時48分 再開
〇議長(千葉伝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。高橋但馬君。
〔19番高橋但馬君登壇〕(拍手)

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