平成26年9月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇3番(名須川晋君) 希望・みらいフォーラムの名須川晋でございます。
 通告に従いまして質問を進めさせていただきます。
 まず初めに、このたびの御嶽山噴火に際し、被災されました皆様に対しまして心よりお見舞い申し上げ、また、御冥福をお祈り申し上げます。いまだ安否不明の方も12名いらっしゃると見込まれておりますが、一刻も早い発見をあわせて祈念する次第です。
 さて、このたびの事態は、火山災害への対応が万全か、いえ、万全の対応は不可能としても、災害に対し考えられるでき得る限りの事前の措置を講ずることがいかに大切かということを思い知らされる機会となりました。本県には、過去100年程度以内に火山活動の高まりが認められている火山に分類される岩手山を初めとする複数の活火山があり、私たちは、火山災害と常に隣り合わせにあることも忘れてはなりません。今回の大災害を教訓として、事態を精査した上で県地域防災計画における火山災害対策の見直しが求められるものと思いますが、どう取り組まれるのかお伺いいたします。
 また、まずは山に登る際に事前の準備をしっかりと行い、細心の注意を図るといった基本的な姿勢を持ち、登山者が噴火に遭遇した際の対応の徹底や山小屋でのヘルメット常備等、取り組むべき課題は多数あると思われますが、県のお考えをお示し願います。
 スポーツ行政についてお伺いいたします。
 最初に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた県の取り組みについてですが、先月4日、全国知事会では、2020年東京オリンピック・パラリンピックにまさにオールジャパン体制で臨むべく、競技大会推進本部を設置されたとのことであります。都道府県が協力して大会の盛り上げを図るとともに、その経済効果などを全国に波及させるとしており、その内容としては、情報や取り組み事例の共有や発信、国や組織委員会等に対する意見、要望の要請活動が挙げられております。震災からおおよそ10年目を迎える2020年に向けて、復興を果たしつつある本県は、この祭典にどう臨むのか、体制や施策等、どのように取り組もうとされているか、素案的なもので結構ですので、まずはお伺いいたします。
 次に、スポーツ庁の創設の動向についてお伺いいたします。
 平成23年6月のスポーツ基本法の施行、平成24年3月にスポーツ基本計画の策定と、国はスポーツ立国政策を着々と進めてまいりました。いよいよこれをつかさどるスポーツ庁が来年4月、文部科学省の外局として新設される見通しです。県は、その動向をどう把握されているかお示し願います。
 次に、スポーツ庁創設に伴う県の組織改編及びスポーツ行政の一元化についてお伺いいたします。
 この件につきましては、昨年9月に登壇した際にも指摘させていただいたところでありますが、状況は一層具体化しておりますので、再度課題として取り上げさせていただきます。
 国は、学校体育や社会人の生涯スポーツは文部科学省、障がい者スポーツは厚生労働省管轄に分かれていたものをスポーツ庁へ一元化する方向でございます。一方、本県では、教育委員会スポーツ健康課と保健福祉部障がい保健福祉課がそれぞれの施策を行っておりますが、現状、特にも障がい者スポーツ振興の観点において縦割りの弊害を生み出していることは共通の認識ではないでしょうか。県内のスポーツ振興に係る施策を総合的に推進していくために、県の組織改編にどのようにつなげていくのかが重要であり、理想としては、文部科学省外局だからの教育委員会所管ではなく、県民各層がスポーツに取り組む目的の多様性に配慮した専門の部局を県の組織として設置するべきと考えます。いずれにしましても、こうした国の動向を背景に、県は組織改編についてどのようにお考えか改めてお伺いいたします。
 次に、岩手県スポーツ推進計画の策定についてお伺いいたします。
 大変驚くべきことに、本県には独立したスポーツ推進計画がございません。本県のスポーツ推進計画はいわて県民計画に位置づけられているとされておりますが、残念ながら内容に乏しく、特に障がい者スポーツに関する施策の具体性に欠け、スポーツ基本法に定められた理念を結実させる内容でもありません。見直しではなく、スポーツ基本法の趣旨に沿った根本的な計画の策定が必要と思われますが、昨年以降の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、希望郷いわて国体に向けた選手強化策について、その施策と育成状況はどのようになっているのかお示し願います。
 希望郷いわて大会に向けた選手強化策及び障がい者スポーツの振興についてでございますが、国体後に開催される希望郷いわて大会に向けても選手の育成策を確実に進めていくことが重要でありますが、どのような取り組みをされているのかまずはお伺いします。
 また、練習の送迎に係る人手確保、用具購入や活動費の捻出、周囲の理解不足の払拭、特別支援学校卒業後のスポーツ環境の不備等、課題は多々あります。それらを含めた障がい者スポーツの振興を今後さらに推進するために、人員増等、一層の体制強化が必要であると考えられますが、今後の計画をお示しください。
 次に、岩手県営野球場の改修についてお伺いします。
 スポーツ振興策の一環として、プロ野球の試合を誘致することは、特にも子供たちのスポーツに対する興味を深める施策として非常に有効なものと考えます。しかしながら、プロ野球試合誘致の障害として県営野球場の狭さと老朽化が指摘されており、高校野球関係者なども改修の必要性を訴えられておりますが、その認識についてお伺いいたします。
 マイナンバー制度導入に向けた体制の整備等について2点お伺いいたします。
 まずは、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度導入に向けた準備状況について、番号通知までの期間は1年を切りましたが、作業の進捗状況はどのようになっているのか、県内各市町村での準備状況を含めてお知らせください。
 また、県民への広報について、制度の導入によって何ができるのか、私たちの生活の利便性がどう向上するのか、県民への周知を十分に行い、進める必要があると考えますが、広報計画についてお伺いいたします。
 農業問題について幾つかお伺いいたします。
 最初に、2014年産米価格下落への対策等についてお伺いいたします。
 米農家への概算金がひとめぼれで前年を2、800円下回る8、400円、あきたこまちが3、300円下回る7、900円と、危機的な状況に陥っております。県は、このたびの補正予算において米価下落緊急対策資金貸付金による支援を検討しておりますが、未来に期待が持てる米づくりのため、来年に向けて、県は農業者、農業団体と三位一体でどう取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、米の輸出についてお伺いいたします。
 本県の農林水産物の輸出額は、昨年度約9億6、000万円で、震災以降激減した実績は徐々に回復しつつあるようです。特に米は、国内における昨今の消費低迷、米価下落と内需に期待できない状況において輸出に光明を見出したいところですが、県としてどう取り組まれるのかお伺いいたします。
 次に、いわて地域農業マスタープラン実践支援事業についてでありますが、担い手育成や産地拡大などを目的とした本事業は、市町村からの要望も多く、要望額が予算額を上回っているため、管理用機械や園芸用パイプハウス等の施設導入の翌年への先送りなどが行われている状況にあると伺っております。本県農業の振興に向け、十分な予算の確保が必要でありますが、県の考えを伺います。
 次に、農地中間管理事業に係る機構集積協力金についてお伺いいたします。
 農地中間管理事業は、スタートから半年が経過し、各地域での取り組みも徐々に具体化してきたようであります。そのうち、集積割合に応じて地域に交付される地域集積協力金について、最近になって、国の予算不足から、要件を満たしても交付されないのではないかとの懸念が地域に広がっていると聞いております。そこで、機構集積協力金の本県の需要額見込みとその対応についてお伺いいたします。
 内水面漁業の振興について数点お伺いいたします。
 本県内水面漁業は、アユを初め、ヤマメやイワナなど、種苗放流等の増殖事業を積極的に行って魚類資源を維持、培養し、漁業及び遊漁の振興を図ってきた結果、全国でも渓流魚の宝庫として高い評価を受けております。しかしながら、内水面漁業は水域環境の変化に大きな影響を受け、多くの困難に直面しております。ダムや堰の設置、河岸のコンクリート化、水質の悪化等は魚の生育環境を悪化させ、外来魚やカワウの増大が魚資源に被害を与え、さらにアユの冷水病などの魚病が発生しております。また、少子高齢化による組合員及び遊漁者の長期的な減少や経済の低迷などにより、漁協経営は、組合員の漁業権行使料及び遊漁料収入の減少から厳しい状態が続いています。漁協組合員数はこの15年間で約4割も減少し、漁業権の切りかえは10年ごとに行われておりますが、平成25年9月の漁業権切りかえに際しては、実に四つの内水面漁協が解散しております。これらのことを踏まえ、まずは内水面漁業の振興に関する法律への県の対応についてお伺いいたします。
 内水面漁業関係者にとりまして、長年待望していた内水面漁業の振興に関する法律が6月に施行されました。今後、国は、内水面漁業の振興に関する基本的な方針を定め、都道府県は、その基本方針に基づき、施策の総合的かつ計画的な実施計画を策定するとしております。国は、現在、基本方針案を作成中で、間もなく公表される見込みです。つきましては、本県においても当該方針に基づき内水面漁業の振興をさらに推し進める必要があると考えますが、県の考えを伺います。
 次に、福島原発事故に伴う出荷制限、採捕自粛についてお伺いいたします。
 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射能汚染対策として、原子力災害対策本部の出荷制限指示あるいは県の採捕自粛を受けている対象水域が、例えば四十四田ダム下流のウグイなど、依然広範囲にあります。無論安全確保が最重要でありますが、一方で規制水域が広過ぎるとの指摘もあり、どのようにお考えかお知らせください。
 次に、カワウ被害の防止についてお伺いします。
 川魚の天敵であるカワウは、1日当たり500グラムの魚を捕食するそうであります。県内に生息するカワウは二千数百羽に及ぶと目され、10自治体でこのカワウを鳥獣被害防止計画に入れておりますが、現状、駆除効果は限定的とのことです。県が主導し、駆除計画を広げるよう進めるべきであると考えますが、ことし再開した岩手県カワウ等被害対策協議会における検討状況等、その取り組みもあわせて対策を伺います。
 次に、観光施策としての河川での釣りについてお伺いします。
 最近はコンビニのメディア端末でも遊漁権を購入できる漁協が増加しており、端末を通した釣り人の割合もつれて増加基調にあると伺っております。であれば、県外、首都圏の太公望は重要な観光客の一人であると重視し、その取り込みを図るのも観光施策の一環ではないかと考えます。こうした現状を踏まえ、本県の観光施策において、河川での釣りを広義のグリーンツーリズムと捉え、振興を図るという考え方を持ってもいいのではないかと考えますが、県の考えをお示し願います。
 次に、自然環境に配慮した河川改修についてですが、河川改修に当たっては、魚の生育環境を維持するために自然環境に配慮した施工が必要ですが、どのようなことに配慮して改修が行われているか、漁協の意見が十分に反映されているかお伺いいたします。
 いわて花巻空港の活用及び観光施策について質問いたします。
 まずもって、ことしはいわて花巻空港が開港して50周年という記念すべき年に当たります。先祖伝来の貴重な田畑を提供し、騒音被害といった犠牲を伴いながらも本県発展のために深い理解を示された地元宮野目地域の先達の皆様の剛毅果断な姿勢に対しまして、改めて心より敬意を表する次第です。
 最初に、ブルーインパルスの招致についてお伺いします。
 先月23日に開催されたいわて花巻空港スカイフェスタ2014でのブルーインパルスのアクロバット展示飛行には、県内外から5万人とも言われる数多くのお客様が空港周辺を訪れ、老若男女を問わず空への興味や憧れを一層高めさせ、大変なにぎわいを醸し出しました。
   〔副議長退席、議長着席〕
 開港50周年事業にふさわしいこのイベントの実現、あるいは円滑な運営に携わられた全ての関係者の皆様の御努力に改めて心より敬意を表し、感謝申し上げる次第です。
 さて、いまだ記憶鮮やかなブルーインパルスの飛行、できることなら毎年でも見たいというのが県民の率直な思いではないでしょうか。気の早い話ではありますが、岩手県民を代表しまして、次回いつ招致するのか、いつ見られるのか、誘致の大変さ、難しさは承知の上でお伺いいたします。
 次に、羽田便の実現、地方航空路線網の拡充についてお伺いいたします。
 言うまでもなく、羽田空港は全国各地へ飛び立つハブ機能として大変な優位性を持ち、花巻・羽田路線の就航はビジネスマンや観光客の往来の利便性を向上し、本県の観光及び産業振興の推進に寄与するものになることに疑いはありません。当該便あるいはその他路線拡充に向けて一層の御努力を期待いたしますが、どう取り組まれるのかお伺いいたします。
 次に、パイロット不足への対応についてであります。
 機材の小型化と多頻度輸送、LCCの台頭などによりパイロットの不足が深刻化しており、その養成が急務と言われております。このような動向をどう捉えておりますでしょうか。今後、本県に影響が及ぶことはないのか。かつて花巻市は空港活性化を目的に航空学校誘致に向けて情報収集を進めた経緯もございますが、県として対応できることはないかお伺いいたします。
 次に、海外向け、特に台湾への広報体制についてお伺いします。
 この春、チャーター便を利用し台湾中南部の嘉義県を訪問させていただきましたが、ここでは日本語も聞ける観光紹介DVDや日本語のホームページでPRを行っており、大変参考になりました。本県では、台湾向けの観光映像や口コミ情報を共有するソーシャルネットワークサービスの活用はどのような状況かお伺いいたします。
 次に、台湾便の定期便化に向けた取り組み等について2点お伺いします。
 まずは、秋季定期チャーター便についてですが、今週11日より秋季定期チャーター便が合計16便32往復の予定で運航されますが、現在の座席予約状況はどの程度でしょうか。まさに定期便化への正念場を迎えておりますが、では、どの程度であれば定期化が期待できると言えるのか、その目標値とあわせて取り組み内容についてお知らせください。
 2点目として、空港利用客のニーズの把握についてお伺いします。
 外国人観光客の日本観光のファーストチョイスは、まずは東京や京都、奈良、広島や北海道といった日本を代表する観光地が大半で、有名観光スポットに飽き足らない2度目以降に訪れるインバウンド客をどう取り込んでいくかが岩手など地方都市の腕の見せどころと思われます。春季就航時の台湾からのお客様は、花巻空港におり立ち、どう周遊されたのか、ツアーなのか、あるいは個人で来たのか、満足されてお帰りになったか、不備と感じた点はなかったか、そもそもなぜ岩手行きを選択したのか、定期化のためにはこうした生の声を拾い上げ、的確な市場調査を行うことが利便性とおもてなしの向上につながるのではないでしょうか。お客様のニーズをどう把握し、分析されているかお示し願います。
 次に、インバウンド受け入れ態勢の充実について3点伺います。
 最初に、公衆無線LANの整備状況についてお伺いします。
 いわてICT利活用推進プランにおいてインターネットを活用したさまざまなサービスの推進が掲げられていますが、ICTの観光分野での利活用を推進するためには、公共施設やホテル、温泉等におけるインターネット接続サービスの強化が必要です。普及が進むタブレット端末などの接続手段として公衆無線LANサービスの有用性が一層増してきておりますが、県内の整備、普及状況はどうか、昨年に引き続きお伺いします。
 2点目として、観光地等における免税店の整備についてお伺いします。
 外国人旅行者向け消費税免税制度の改正によって、今月1日より、これまで免税販売の対象ではなかった消耗品―食品類、飲料類、薬品類、化粧品類、その他消耗品が新たに免税対象に加わりました。岩手特産のお菓子や地酒などの地場産品を外国人旅行者が購入する機会がふえるほか、行く行くは南部杜氏酒蔵めぐりといったツアーの造成も期待できるのではないでしょうか。訪日外国人旅行者の大幅増加を目指すに当たり、本県も免税店の拡充を進めていくことが必要と考えますが、県として取り組まれるお考えはないか伺います。
 また、お土産購入あるいは宿泊代支払い等、決済は高額になるほどカード利用率が高まると思われます。特にも中国人旅行者は銀聯カードの利用が圧倒的に多いわけですが、こうした各種決済方法において不足はないかお伺いします。
 3点目のいわて花巻空港内における免税店の整備についてですが、間もなく改修が始まるいわて花巻空港に免税店を整備する計画があるか、あるとすれば、面積等、その概要についてお知らせください。
 地球温暖化への適応策についてお伺いします。
 先月23日、国連気候変動サミットがニューヨークで開催されました。京都議定書においてこれまで温室効果ガス排出の削減義務を負ってこなかったアメリカ、中国が一転、積極的姿勢が示されたとのことであります。気候変動、地球温暖化はもはや疑いようのない現実であり、環境、経済、あらゆる分野において地球全体の最大の問題となっています。人為起源による気候変動、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988年に世界気象機関と国連環境計画により設立された組織であるIPCC―気候変動に関する政府間パネルは、その報告の中で温暖化の緩和と適応が必要であるとの知見を述べています。
 さて、岩手県環境基本計画及び岩手県地球温暖化対策実行計画を見ますと、主に温室効果ガス削減に向けた取り組みであり、地球温暖化の克服あるいは適応するための方策は盛り込まれていません。もはや温暖化は不可避であり、災害の大規模化といった切迫した環境にある中、今、検討すべきは、温暖化した地球上でどうやって生きていくのかということではないでしょうか。この夏、幸い本県では大きな災害が発生しなかったものの、広島県を初め、各地で豪雨被害は顕著であり、これまでの野放図な人間の所業に自然が牙をむいています。こうした状況において、自然環境、農林漁業、まちづくりのあり方等、多方面においてどのような影響や、あるいは被害が想定され、直面する困難にどう臨むのか、私たちの英知が問われているのではないでしょうか。今後は、例えば岩手県地球温暖化に係る適応策といった包括的な対策を検討していくことが必要と私は考えます。
 IPCC報告書によると、今世紀末に地球の平均気温が最大4.8度、海面水位は82センチメートル上昇すると予測しています。もはや二酸化炭素排出抑制のみを地球温暖化対策として挙げるのではなく、これら予測を現実のものとして捉え、苛酷な環境変化の中、どう県民の安寧の暮らしを守っていくのか、温暖化を前提とした適応策を検討すべきであると考えますが、県としての考えをお伺いいたします。
 いわて若者活躍支援事業について伺います。
 県は昨年度、庁内若手職員による若者施策研究会―若手ゼミを設置したところですが、若者らしい新鮮で斬新な発想からアイデアを練り、七つのプロジェクトが提案されました。そのうち二つのプロジェクトはいわて若者活躍支援事業費で今年度事業化されておりますが、進捗状況についてお知らせください。
 県が保有する知的財産権の状況等についてお伺いいたします。
 多くの優秀な人材が長い時間をかけて研究開発してきた成果である県所有の知的財産権は、紛れもなく本県の宝と言えます。工業や農業分野まで広範にわたりましょうが、どの程度あるのかお示し願います。
 また、少子化により縮小する国内から脱却し、海外市場でビジネスチャンスを見出すことも視野に入れるべきではないかと考えますが、取り組み状況についてお伺いします。
 20年ほど前の話ですが、花巻市では不在者投票管理システム、投票者名簿照合システムを開発し、みずから利用するのみならず、他の複数自治体にも販売し、使用許諾料をいただいていたという経緯があります。国内事例ではありますが、知的財産を有効に活用し、収入へと変えた一つの参考例として挙げさせていただきます。
 最後に、東北電力の再生可能エネルギー接続申し込みに対する回答の一時保留についてお伺いします。
 東北電力は、需要と供給のバランスがとれなくなるおそれがあることを理由として、再生可能エネルギーの接続申し込みに対する回答の一時保留を発表しました。こうした何らかの措置をとる電力会社は7社に上っております。回答の遅延は、事業を進めてきた企業の経営計画を大きく揺るがすことになり、導入促進を進めてきた自治体の環境政策にもかかわる大変大きな問題です。既に回答を保留している九州電力が今月1日に行った事業者説明会には延べ2、000名を超える人たちが殺到、会場は怒りや抗議に渦巻いたとの報道がございました。早急に再生可能エネルギー導入を進めてきた国の制度に現実とのそごが生じている結果とも言えましょう。このたびの措置によって、本県での再生可能エネルギー導入についてどのような影響が見込まれるのかお伺いいたします。
 また、今後、企業局の経営及び再生可能エネルギー導入計画への影響は発生しないかについてもあわせてお伺いいたします。
 以上をもちまして登壇しての質問を終わります。簡潔明瞭な御答弁をよろしくお願いいたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 名須川晋議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、御嶽山噴火を踏まえた県地域防災計画の見直しについてでありますが、今回の御嶽山の事態は、気象庁が平常と判断し、噴火警戒レベル1とされていた火山において生じたものであり、岩手山など同様の警戒レベルの火山を有する本県としても、火山防災対策について検討を加えていく必要があると考えております。このため、有識者等で構成する岩手山の火山活動に関する検討会を早期に開催し、御嶽山の事例を踏まえた火山防災対策のあり方等について議論をいただき、今後の県や関係市町の取り組みについて整理してまいりたいと思います。
 こうした検討会での議論に加え、今回の事態を受けて国において検討される新たな火山防災対策の内容等も踏まえながら地域防災計画の見直しを行って、火山災害に的確に対応できる体制整備等を図ってまいります。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた県の取り組みについてでありますが、2020年に両大会が我が国で開催されることは、本県にとって、大震災からの復旧、復興に当たって全世界からいただいた御支援に対する感謝の思いを伝える機会であり、大変意義深いものと考えております。
 また、復興に取り組む本県におきましては、東京都を初め多くの自治体から多大な御支援をいただいているところであり、こうした支援に対する感謝の気持ちを胸に、県を挙げて開催機運の醸成を図ることなどを目的として、本年5月、東京オリンピック・パラリンピック推進本部を設置したところであります。
 両大会を契機として、本県のすぐれた地域資源や復興情報を発信し、世界中から我が国に集まる選手やお客様など多くの方々に復興を果たした姿を現地で見ていただき、地域の方々と交流していただくなど、地域の振興や活性化にもつなげてまいりたいと思います。
 次に、スポーツ庁の創設の動向についてでありますが、スポーツ庁については、本年7月、平成27年度の設置に向けた方針が決定されたところでありますが、そのねらいとしては、各省庁からスポーツに関連する事務を移管すること等により、スポーツに関する施策を総合的に実施できる体制を構築するためとされています。その組織目標は、国民誰もが、いつでも、どこでもスポーツをできる環境整備などに向けてスポーツ推進を図るとともに、それを通じて健康増進、地域社会の再生、国際的地位の向上、国民経済発展などの波及効果を高めるよう、官民連携して体制を整備するものとされています。文部科学省においては、現在、平成27年度の機構、定員要求を行っており、平成27年度の法整備後の早い段階での設置を目指す考えであると承知しております。
 次に、スポーツ庁創設に伴う県の組織改編等についてでありますが、スポーツに関する学校体育以外の所管については、議員御案内のとおり、障がい者スポーツなどを保健福祉部、それ以外を教育委員会の所管とし、それぞれの部局の連携のもとに本県スポーツの振興を推進してきているところであります。
 今般、文部科学省においては、東京オリンピック・パラリンピック開催の決定等を機に、平成27年度の政府予算概算要求においてスポーツ庁の設置に向けた関係予算を盛り込み、国民のスポーツ振興とスポーツを通じた健康づくりを一元的に推進しようとしているものと承知しています。
 また、スポーツ行政の所管については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正により、平成20年度以降、全国の地方公共団体においては、地域振興等の観点から、その所管を首長部局に移管する動きも出てきているところであります。
 本県におきましては、現在、希望郷いわて国体、いわて大会を2年後に控え、現在の組織体制のもとで各部局が連携を図りながら、その成功に向けて全力を傾注しているところであり、組織体制の将来的なあり方については、全国的な動向等をも踏まえて今後検討していくこととしたいと思います。
 次に、地球温暖化への適応策についてでありますが、昨年9月の国連の気候変動に関する政府間パネルにおいて、世界の平均気温上昇を2度以内にとどめたとしても、災害、食料などへの影響が予測されることから、温室効果ガスの継続的な削減対策に加え、気候変動による影響への適応策を講ずることが求められたところであります。こうした状況の中、国では、気候変動による将来影響とリスク評価を行うとともに、平成27年夏ごろに適応計画を策定すべく検討を進めていると聞いています。
 県では、これまでも省エネルギーの促進と再生可能エネルギーの利用促進などによる温室効果ガスの排出削減に取り組んできたほか、頻発する自然災害から県民の生命、財産を守る災害防止施設の整備や防災情報提供の拡充、農産物への高温影響対策に関する研究などを進めてきたところであり、今後も、国の検討状況も踏まえながら対応してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) 火山災害に係る登山者への対応についてでありますが、今回の御嶽山の事態を受け、活火山については、気象庁が発表する噴火警戒レベルが1であったとしても危険性が皆無ではなく、登山者等に対し、火山活動の状況や登山に当たって留意すべき点などについて周知し、そうしたことを確認した上で登山していただくことが重要であると考えております。このため、関係市町等と連携し、登山者等に対する火山活動の状況や噴火に遭遇した場合の対応等に関する情報提供の充実に取り組むとともに、メール等を活用した緊急時の情報伝達の仕組みづくりの検討を行うなど、今回の事態で明らかになった課題に対応した防災対策の推進に努めてまいります。
〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) 希望郷いわて大会に向けた選手強化策及び障がい者スポーツの振興についてでありますが、選手の育成、強化については、定期的な強化練習や他県チームとの強化試合のほか社会人選手を招いた練習会の開催、また、サッカー競技においては、盛岡市社会人リーグへの参加などの実践的な強化を行っております。また、本年2月に設置した希望郷いわて大会選手育成強化推進委員会の中に、選手の確保や育成、強化を担当する選手育成強化専門委員会と、選手の練習への参加支援等を行うサポート専門委員会を設置しており、関係機関、団体との連携を図りながら選手の育成、強化に努めております。
 さらに、障がい者スポーツの振興の中心的な役割を担っている岩手県障がい者社会参加推進センターに、本年度、選手強化を担当する職員1名を専任としたところです。障がい者スポーツの振興については、希望郷いわて大会を契機とした障がい者スポーツ協会等の設立を望む意見があることから、推進委員会において大会後の組織体制のあり方についても検討を行うこととしております。
〔政策地域部長齋藤淳夫君登壇〕
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) まず、マイナンバー制度導入に向けた準備状況についてでありますが、ことし9月、国が税や社会保障等の個人番号を使用する事務を定めたことから、県では、庁内に推進連絡会議を設置し、関係する事務手続の見直し、システムの整備、条例制定などの検討を進めており、今年度は、まずもって国、県、市町村等を結ぶ情報ネットワークに接続するシステム及び税務事務のシステムの整備に着手することとしております。
 一方、市町村においては、平成27年10月から始まる住民への個人番号の通知に備えて住民基本台帳システムの改修に最優先で取り組んでいるほか、税務や社会保障等のシステム整備を進めております。平成28年1月には、国、県、市町村において業務への個人番号利用が開始され、平成29年7月には、これら団体間を結ぶ情報ネットワークの本格運用が始まることから、国、市町村と連携を密にし、万全な準備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、県民への広報についてでありますが、マイナンバー制度の周知については、国において、ことし10月1日からコールセンターを開設するなど本格的に広報活動が開始されました。県においても、啓発ポスターの窓口への掲示やコールセンターの番号案内など制度の周知に努めるとともに、市町村にもポスター掲示などによる周知を依頼することとしております。
 また、個人番号の通知が開始される平成27年10月にあわせ、個人番号カードの交付手続や社会保障関係の申請届け出、納税の際の個人番号の使用方法などを周知するとともに、情報ネットワークの本格運用が開始される平成29年7月までに、児童手当の認定における課税証明書の省略など、必要種類が変更されるさまざまな手続について周知してまいります。なお、個人番号の通知や個人番号カードの交付など、住民の直接の窓口となる機会が多い市町村とは緊密に連携しながら周知に努めてまいります。
 次に、公衆無線LANの整備状況についてでありますが、通信事業者が設置する外国人観光客が利用可能な県内の機器設置箇所数は、昨年度の約1、000カ所に対し、平成26年9月現在2、000カ所を超えており、大幅に増加しております。また、県では平成25年12月から、東北観光推進機構と公衆無線LANを設置している通信事業者と連携し、外国人観光客を対象に、2週間無料で接続できるカードを配布するなど、その利便性の向上を図っております。今後とも、観光関係者や集客施設関係者に対し、店舗や施設のサービス向上につながる公衆無線LANを積極的に導入するよう働きかけ、接続できる箇所数の拡大を促進してまいります。
 次に、県等が保有する知的財産権の状況等についてでありますが、本年3月末現在、独法化しております工業技術センターを含む試験研究機関及び岩手県立大学を中心に、県では特許権が76件、意匠権が6件、商標権が9件、植物の新品種の育成者権が49件など、計140件が登録されております。この特許を活用し、県内企業が塩蔵ワカメ生産の省力化機器や木質チップを燃料とするボイラーなどを製品化した事例がございます。ただ、これまでの県有特許等は県内企業を中心に国内で活用されており、国際特許の登録事例があるものの、現在のところ、海外における活用に至っていないところであります。
 一方、県内企業などにおいては、南部鉄器や日本酒などの県産品の販路拡大のための商標の出願や、大学や工業技術センターとの共同研究により開発した技術の国際特許の出願など、海外市場への展開に向けた取り組みが見られるところであります。このような取り組みに対し、県では、岩手県発明協会などが設置する岩手県知的財産総合支援窓口と連携して、企業等に対する相談活動や出願経費の補助などの支援を行っております。今後においても、県内企業等の国内外での製品等の競争力を高めるような研究開発を進めるとともに、知的財産権の保護や活用等を一層促進してまいります。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、米の価格下落への対策等についてでありますが、来年に向けましては、稲作経営の安定を図るため、米・畑作物の収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策への加入を促進しますとともに、農業団体等と連携して、年度内に新たないわて純情米生産販売戦略を策定し、この戦略に基づき、生産、販売の両面から取り組んでいくこととしております。
 具体的には、消費者や実需者に支持される米づくりを目指して、経営規模の拡大や直播栽培の導入等による生産コストの低減、食味向上に向けた施肥等管理技術の実践に加え、需要調査に基づく飼料用米等への転換などの取り組みを一層進めてまいります。また、さまざまな機会を捉え、有利販売や消費拡大に向け県産米の品質の高さやおいしさをアピールするなど、農業者が安心して米づくりを行えるよう農業者や農業団体と連携して取り組んでまいります。
 次に、米の輸出についてでありますが、少子高齢化等により国内市場が縮小している中、安全で高品質な県産米の輸出による新たな販路の拡大は、生産者所得の確保などにつながる重要な取り組みであると認識しております。
 県では、日本食への関心が高いシンガポールや香港等への県産米の輸出拡大に向けて、全農岩手県本部や国内の卸売業者等と連携し、新規需要米制度を活用した輸出用米の生産拡大や日本食レストランへの売り込み、さらには海外量販店でのフェア開催など、産地と流通が一体となった取り組みを進めているところであります。今後とも、現地の卸売業者やレストラン、小売店等との結びつきを強化し、一層の取引拡大につなげるとともに新規取引先の開拓を進め、さらなる県産米の輸出拡大を図ってまいります。
 次に、いわて地域農業マスタープラン実践支援事業についてでありますが、この事業は、地域みずからの話し合いに基づき作成されました地域農業マスタープランの実現に向けた取り組みを支援するために、平成25年度から県単独で実施しているものであり、地域農業の中心となります経営体の規模拡大や、体質の強い園芸、畜産の産地づくりを進める事業でありますことから、市町村からの要望が多い状況にございます。
 マスタープランの実現に向けた取り組みは、地域農業の持続的発展を図る上で必要と考えられますことから、県としましては、事業効果を把握しながら、他事業との連携も考慮し重点化を進めるなど、引き続き市町村からの要望に応えられるよう努力してまいります。
 次に、農地中間管理事業に係る機構集積協力金についてでありますが、農地中間管理機構に農地をまとめて貸し付けた地域などに交付されます機構集積協力金は、本年8月に市町村からの要望額を取りまとめたところ、約14億1、000万円となり、国が本県に配分した予算額に対し約3億4、000万円不足する見込みでございます。国では、担い手への農地利用の集積、集約化に資する程度が高い事例から優先的に配分することが重要との考えを示し、既に配分した予算額での対応を県に求めております。このような国の対応に対しまして地域では戸惑いが広がっており、担い手への農地利用の集積、集約化の推進に支障を来すことが懸念されてございます。このため、9月17日に、北海道東北地方知事会として、協力金の所要額について国が責任を持って予算措置するよう緊急要望したところであり、今後も国の対応状況を注視しながら、予算確保に向け努力してまいります。
 次に、内水面漁業の振興に関する法律への県の対応についてでありますが、県では、これまでにアユ、サクラマス等の種苗生産技術の開発や稚魚の放流、ニジマス等の養殖展開、また、渓流釣りを通じた地域振興の取り組みを支援することなどによりまして、内水面水産資源の増養殖の推進や有効活用に取り組んできたところでございます。
 今般成立しました内水面漁業の振興に関する法律は、漁業生産力の発展とあわせ、国民生活の安定向上、自然環境の保全に寄与することを目的としており、県としましても、法律に基づきます国の基本方針に即した計画を策定し、内水面漁業の振興に取り組んでまいります。
 次に、福島原発事故に伴います出荷制限、採捕自粛についてでありますが、現在、一部河川におきまして、イワナ、ヤマメ、ウグイが制限され、このうちウグイにつきましては、北上川水系のうち四十四田ダムの下流全域が対象となっており、規制の対象水域が広範にわたっております。
 国の原子力災害対策本部は、内水面魚種の出荷制限指示に当たり、対象魚種の生態や移動を制限するダムの有無等を考慮して規制する対象水域を決定しておりまして、県におきましても同様の考え方に基づき対象水域を設定しております。
 県ではこれまで、出荷制限等の早期解除に向けまして対象魚種の放射性物質検査を実施しており、本年7月に気仙川、8月に大川のウグイについて国の出荷制限が解除されたところであります。今後も、関係漁協等の協力を得ながら放射性物質検査を継続し、出荷制限等の全面的な解除に向け取り組んでまいります。
 次に、カワウ被害の防止についてでありますが、県では、平成22年2月に、内水面漁業関係団体や県猟友会及び関係市町村等で構成します岩手県カワウ等被害防止対策協議会を設置し、協議会でのカワウの生息量や行動実態、河川における駆除の方法等についての検討をもとに、内水面漁業協同組合等が被害の防止に取り組んでいるところであります。
 近年、本県でのカワウ生息量がふえ、生息地も拡大してきておりますことから、県としましては、広域的な対策が重要であると考え、生息域の市町村に対しまして協議会への参加を促しますとともに、協議会を通じ、効果的なカワウの被害防止対策や魚類の隠れ場所の設置などについて検討を進めていくこととしております。
〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、観光施策としての河川での釣りについてでありますが、春に解禁される渓流釣りや夏のアユ釣り、冬のワカサギ釣りなど、河川や湖での釣りは四季の風物詩として本県の豊かな自然を満喫できる重要な観光資源の一つであり、観光客のニーズが体験や交流、趣味を目的とする旅へと多様化が進んでいる中、誘客を図る上でも、より有力なコンテンツになり得るものと考えております。このため、県の観光ホームページやガイドブックなどにおいて、岩洞湖のワカサギ釣りや渓流釣りのフィールドとなる観光地を紹介しているところであり、今後とも、地域や内水面漁業関係者の意向も踏まえながら、釣りを観光資源とした情報の発信に一層取り組んでまいります。
 次に、海外での広報に係る取り組みについてでありますが、岩手県の観光ポータルサイトいわての旅について、英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語の主要4言語に対応させるとともに、同じく4言語で本県観光PR用DVDを作成し、海外のマスコミや旅行会社に提供するなど、積極的に情報発信に取り組んでいるところです。
 台湾における広報につきましては、本県の知名度の向上を図るため、現地の新聞、雑誌、中華航空の機内誌に広告を掲載しているほか、各種旅行博への出展や台北駅での本県観光PRイベントを開催するなど、台湾の方々に直接本県の魅力を伝える取り組みを展開してきております。
 また、台湾でのあまちゃん放映時には、テレビ局とのタイアップにより番組ホームページに本県の観光PR特集を掲載するとともに旅行番組のロケを誘致するなど、マスコミを活用したPRにも取り組んでおります。このほか台湾の旅行雑誌のフェイスブックに本県の情報を掲載するとともに、著名なブロガーの招請など、ソーシャル・ネットワーキング・システムを活用した本県の旬な観光情報の発信に取り組んでいるところです。
 次に、観光地等における免税店の整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、今回の免税制度の改正により、新たに食品等の消耗品が免税対象に追加され、地場産品も免税販売が可能となったことから、免税店の拡大は、外国人旅行者の満足度の向上につながるとともに地場産品の販売増による地域経済の活性化に資するものと期待されているところでございます。
 平成25年4月時点の観光庁調査によりますと、県内の免税店は2店舗にとどまっておりましたが、本年10月1日から新たに平泉町の事業者が免税販売を開始したところであり、引き続き、免税制度改正の普及啓発を図りながら、県内観光物産関係者による免税店の拡大を促進してまいります。
 また、銀聯カードの取り扱い施設は、中国銀聯のホームページによりますと、平成23年5月時点で県内11店舗となっておりますが、これ以外にも外国人観光客を常時受け入れているホテルなど利用可能な施設もあると承知しております。インバウンド客受け入れ態勢の充実を図るためには銀聯カード等が利用可能な施設の拡大も重要であり、免税店の拡大と同様に促進を進めてまいります。
〇議長(千葉伝君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) まず、自然環境に配慮した河川改修についてでありますが、本県では、洪水被害の軽減を図っていくことはもとより、人々が水辺に親しむとともに、魚類を含む多種多様な動植物の生息生育空間が確保されるような多自然川づくりにも積極的に取り組んでいるところであります。
 具体的には、川本来の働きを生かしながら、瀬やふち、岸辺の植生の形成を促すとともに、河畔林などの現存する良好な環境についてはできるだけ残すような取り組みを行っております。また、堰等への魚道の設置や堰そのものの撤去など、魚が上流や支川へ自由に移動できるような河川の連続性に配慮した川づくりにも取り組んでおります。
 なお、工事に当たりましては、地元の漁協や有識者の方から施工時期や濁水対策などについて御意見をいただきながら、動植物の生息、生育環境に配慮した工事の実施に努めており、今後とも自然環境や生態系に配慮した多自然川づくりに取り組んでまいります。
 次に、ブルーインパルスの招致についてでありますが、さきのいわて花巻空港スカイフェスタへのブルーインパルスの招致については、行政、民間の関係者で構成するいわて花巻空港・空の日記念事業運営委員会の総意として、平成23年から3年越しで招致に当たってきたものであります。今年度の招致実現については、東日本大震災津波からの復興に取り組んでいる岩手県民を勇気づけることに加え、いわて花巻空港の開港50周年という事情を勘案し、決定いただいたものと承知しており、花巻空港のイベントとして、次回の展示飛行の時期をお示しすることは現時点では難しいと考えております。
 なお、ブルーインパルスの展示飛行は、空港でのイベントに限らず、国民的な大きな行事等で実施されることもあり、県内においても、今後、必要に応じ、招致が検討されることはあり得るものと理解しております。
 次に、羽田便の実現、地方航空路線網の拡充についてでありますが、県及び県空港利用促進協議会では、毎年、ダイヤ改正の時期に合わせて、航空会社に対しまして、羽田線の開設を含む航空路線の維持拡充について要望してきております。その結果、現在、いわて花巻空港開港以来、最多となる1日12往復の定期便が就航し、また、本年度から乗り継ぎ割引運賃が導入され、一層の利便性の向上が図られたところであります。
 一方、羽田便就航については、航空会社からは、新幹線との競合や羽田空港の発着枠の問題などから難しいとの見解が示されているところでありますが、花巻市などと連携してニーズ調査を行い、要望に反映させていきたいと考えております。今後とも、いわて花巻空港から羽田空港を初めとするハブ空港への接続、既存路線での増便や機材の大型化、乗り継ぎによる利便性の向上などについて航空会社に働きかけ、いわて花巻空港の一層の活用に努めてまいります。
 次に、パイロット不足への対応についてでありますが、現在、世界的な航空需要の増大、国内における格安航空会社、いわゆるLCCの急速な事業展開や地方路線における小型機による多頻度運航の増加等により、パイロットの需要が逼迫しております。いわて花巻空港に就航している航空会社におきましてもパイロットの確保が課題になっていると聞いており、本県の路線拡充の取り組みに影響を及ぼす可能性があることを懸念しております。
 国では、本年6月、自衛隊操縦士の民間活用、操縦士の年齢制限の緩和、パイロット養成機関の連携強化などの対応案を取りまとめたところであります。このパイロット不足の問題解決に向けては、国のほか、航空会社や養成機関等の関係者が連携して取り組んでいるところでありますが、県としても、いわて花巻空港が従前から航空大学校の離着陸訓練に使用されているところであり、今後もそうした訓練の場の確保という形でパイロット養成を支援していきたいと考えております。
 次に、秋季定期チャーター便についてでありますが、秋季定期チャーター便の座席予約状況につきましては、日台双方の旅行会社を通じて確認したところ、一部の出発日を除き、総じて良好であるとの情報を得ております。
 チャーター便の特性上、目標値については具体的に定めてはおりませんが、航空会社から評価いただいた春季定期チャーター便は平均利用率が82.6%となっており、秋季定期チャーター便でも、春季と同様、多くの方に御利用いただけるよう、日台双方でのPR活動を通じて需要の創出に努めているところであります。特にアウトバウンドについては、パスポート取得応援キャンペーンや団体助成などを引き続き実施し利用促進を図っているところであり、アウトバウンド需要の安定的な確保に努め、定期便の就航につなげてまいりたいと考えております。
 次に、台湾からのお客様のニーズの把握についてでありますが、旅行形態及び主な旅行商品の行程については、商工労働観光部と連携の上、台湾側旅行会社等を通じてあらかじめ情報を収集、把握しております。基本的に団体旅行であり、3泊4日ないし4泊5日で本県ほか東北の景勝地を周遊するツアーとなっております。特にも、春の桜の時期に北上展勝地や八幡平などをめぐるツアーは高い評価を得ており、台湾においても人気ルートとして定着しているものと認識しております。
 また、本年度は、春季定期チャーターの運航期間中に台湾からの旅行者に対して旅行動向、観光資源評価等に関するアンケート調査を実施しており、秋季定期チャーター便においても同様の調査を継続することとしております。今後も、旅行者ニーズや旅行者動向の把握に努め、本県への旅行者の増加やリピーターの確保につなげてまいりたいと考えております。
 次に、いわて花巻空港内への免税店の整備についてでありますが、今回の増築工事は、国内定期便2便と国際線1便のふくそうにも対応できるようにするとともに、混雑解消のため、手狭な国際線の入国、出国待合室を拡張するものでありますが、あわせて、国際線利用者の利便性や空港の魅力向上を図るため、2階の出国待合室に約50平方メートルの免税店用スペースを確保することとしております。今後、国際定期便化の動向も踏まえ、出店事業者の調整等を進め、利用者や空港関係者等の御意見を聞きながら、魅力ある免税店となるよう検討を進めてまいります。
〔環境生活部長風早正毅君登壇〕
〇環境生活部長(風早正毅君) まず、いわて若者活躍支援事業についてでありますが、昨年度、若手ゼミから提案があったプロジェクトのうち、若者がワークショップや交流会を行うコミュニティサークルと、インターネット上で若者の活動を紹介する交流ポータルサイトの二つのプロジェクトについては、若手ゼミの発想を踏まえながら、本年度、事業を展開しております。
 コミュニティサークルについては、地域の若者の新たなつながりをつくるワークショップ、交流会をいわて若者会議の地域版として県内複数箇所で開催する予定であり、現在、関係市町村などと調整をしているところであります。また、交流ポータルサイトについては、大学生などを初めとした若者によるポータルサイトの構築検討会を設置して検討し、現在、システムを構築中でありまして、年度内に開設する予定であります。
 次に、東北電力による回答の一時保留による本県での再生可能エネルギー導入への影響についてでありますが、東北電力によると、接続申し込みの受け付けはこれまでどおり行いながら、受け入れ可能性などの検討を行うため数カ月程度回答を保留するとのことではありますが、県としましては、再生可能エネルギーによる電力自給率を倍増する計画を掲げており、導入促進に影響を及ぼさないよう、早期の回答再開に向けて検討を速やかに行っていただきたいと考えております。
 同様の状況が全国的に生じていることを受け、国では、最大限の導入に向けて接続可能量の検証や拡大方策の検討などを早急に行うこととしており、県としても、その動向を注視しながら、国に対し、引き続き接続可能量の拡大に向けた施策を要望してまいります。
〔企業局長佐々木幸弘君登壇〕
〇企業局長(佐々木幸弘君) 東北電力による回答の一時保留に関して、企業局の経営及び再生可能エネルギー導入計画への影響についてでありますが、今般の電力会社の回答一時保留は、企業局の運転中の発電所には波及いたしませんので、現在の電気事業経営には影響はございません。
 また、今年度運転開始予定の相去太陽光発電所は、既に東北電力の送電線への連系接続が確定しているほか、平成29年度運転開始予定の(仮称)高森高原風力発電所につきましても回答保留の対象外であり、いずれも建設スケジュールに影響はないところであります。
 なお、今後の新規開発につきましては、調査検討スケジュールなどへの影響が懸念されますことから、電力会社や国の動向を注視してまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) スポーツ推進計画についてでありますが、平成23年にスポーツ基本法が施行され、地方公共団体は、国のスポーツ基本計画を参酌してその地方の実情に即した地方スポーツ推進計画を定めるよう努めることとされたところでございます。
 本県のスポーツ推進計画のあり方につきましては、いわて県民計画第2期アクションプランにおきまして、健やかな体を育む教育の推進や豊かなスポーツライフの振興の方向性を定めていることから、第2期アクションプランを法に基づくスポーツ推進計画に位置づけ、スポーツ行政を推進してきているところでございます。
 本年度は第2期アクションプランの最終年度となっており、次期アクションプランの策定に向け、これまでの成果や課題を明確にしつつ、岩手県スポーツ推進審議会等で御意見もいただきながら、新たなビジョンの策定に向けた検討を進めることといたしております。この策定に当たりましては、学校体育や生涯スポーツの充実に加え、議員御指摘の障がい者スポーツの推進などといった内容につきましても盛り込み、広く年齢や性別、障がい等を問わず県民がスポーツに参画する環境を整えられるよう、関係部局等との連携のもとに検討してまいりたいと考えております。
 次に、希望郷いわて国体に向けた選手強化策についてでありますが、これまで、組織の拡充強化、指導体制の確立、選手の育成強化及びサポート体制の整備充実の四つを大きな柱立てといたしまして選手強化策に取り組んできたところでございます。具体的には、本年6月に356名の指導者を希望郷いわて国体に向けた強化責任者、監督、コーチに指定し指導体制を固め、この指導陣のもとで、現在、1、126名の強化選手が競技力のレベル向上に取り組むとともに、これまで養成してきたいわてアスレティックトレーナーがスポーツ医科学面でサポートするなど、選手の育成、支援に努めているところでございます。
 このような取り組みにより、ことしの全国高等学校総合体育大会ではホッケー女子の沼宮内高校やヨットFJ級ソロの宮古高校が優勝するなど、入賞数が昨年の39から43に増加し、特にも1位から3位までの入賞数は昨年の13から20と大幅に伸びたところでございます。また、8月に開催されました東北総合体育大会におきましても昨年を上回る好成績をおさめておりまして、今月、長崎県で開催されますがんばらんば国体には正式競技において昨年を59名上回る492名の選手団を派遣することになっておりまして、選手の育成強化につきましては着実に進んできているものと認識いたしております。
 次に、岩手県営野球場についてでございますが、県営野球場は、観客席2万5、000人を有する県内唯一の野球場でございまして、現在は、プロ野球一軍興行の会場といたしまして、東北地域がホームの東北楽天ゴールデンイーグルスの試合が開催されております。また、震災後の平成24年7月には、震災復興支援としてプロ野球のオールスターゲームも開催されたところでございました。
 県営野球場は築43年が経過し老朽箇所も散見されますので、関係者からの意見をお聞きしながら時期、時期の改修工事等を行ってきているところでございます。本年度におきましても、国体開催を控え、利用者の衛生面、利便性の向上を図るため抜本的なトイレ改修工事を行うことといたしまして、本定例会に関係予算を提案させていただいているところでございます。
 施設の拡張等大規模な改修に当たりましては、多額の費用が見込まれますので、その財源等も含め、検討することが必要でございます。引き続き適切な対応をしてまいりたいと考えております。
〇3番(名須川晋君) 御答弁ありがとうございました。
 ただいまのスポーツ行政についてというところからまず再質問させていただきます。
 要は、独立したスポーツ推進計画が必要であると私は思っているんです。いわて県民計画のアクションプランを見ますと、スポーツ推進計画と思われるページ数はたった4ページではないでしょうか。教育委員会のほうでも岩手の教育振興というところにスポーツ計画に準じる内容がございますが、これも4ページ、5ページぐらいということで、ほとんど私はないに等しいと思っているんです。そういう中で岩手のスポーツ選手が非常に最近活躍しているのはどういうことかなと思うんですが、スポーツ計画というものをまず策定する必要があるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
〇教育長(高橋嘉行君) スポーツ基本法が制定された当時のことにつきましては先ほどお話しさせていただきました。そういう中で、議員から御提案がありましたさらに充実した内容にすべきということについては極めて重要な視点だと考えておりまして、これまで、スポーツ推進審議会の中におきましても、障がい者スポーツ等、より幅広くスポーツ推進についての方向性を定めるべきというような御意見等を頂戴いたしております。ただいまの御意見等も踏まえながら、今後のあり方を検討させていただきたいというように思っております。
〇3番(名須川晋君) いずれ貧弱な計画になっているということでございますので、何とかこの整備につきまして、アクションプランのほうは、今年度で終了ということでございますから、独立した形での、重厚なといいますか、すばらしい計画をぜひともつくっていただきますように御努力をお願いしたいと思います。
 そうした中で本県出身のスポーツ選手が今、大変な活躍をしているというその背景について私は問いたいわけでございます。私もかつて高校球児だったんですが、その当時は本県出身のプロ野球選手はいなかったのではないかと思います。それが今、ヤクルトスワローズの畠山選手や楽天の銀次選手、西部ライオンズの菊池雄星投手、そして、162キロをきのう出しました押しも押されもせぬスーパースターの大谷翔平選手といった選手がいっぱいいますし、国体では、去年、東京陸上で女子4×100メートルリレーで優勝しているということ。あと、きのうちょっとテレビを見ておりましたら、ミライモンスターという全国放送の番組だったんですが、これは我が高校の花巻北高校、母校の出身で、競歩の1万メートル日本記録保持者の高橋英輝選手、彼は番組の中で東京オリンピックを目指すというふうに言ってくれておりました。そのほか、ボクシングでも佐藤洋太選手や八重樫選手というふうな大変な活躍を最近されているその背景というのは何なのか。計画がさっぱりないにもかかわらず、選手たちは成長していくというのはどういうことなのかと私は思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
 それと、県営球場についてでございますが、今、公認の球場というのは、たしか両翼が99.何メートルでございますし、センターのほうは122メートルだったかと思いますが、岩手県営野球場は91.5メートルの120メートルですか。数年前まではジャイアンツも来ていたかと思うんですが、最近来なくなったのも、そういうふうな野球場の狭さと、そして老朽化ということで私は指摘されていると伺っているわけでございます。これには大改修ですからかなりの費用を投じなければいけないわけでございますが、ぜひともそういう認識を持っていただきたいと思いますが、いかがかということと、これで終わりにしますのであわせて質問させていただきますが、東北電力の再生エネルギー回答一時保留についてでございますが、県内にどれほど影響をこうむる事業者がいらっしゃるのかということと、説明会は九州電力はもう既に済まされているようですが、そういったスケジュール等をもし御承知であればお知らせいただきたいと思います。
 以上、3点でございます。
〇教育長(高橋嘉行君) まず、本県出身のプロスポーツ選手等の活躍についてでございますけれども、先ほど議員から具体的な御紹介を頂戴いたしました。こういう分野での選手の活躍というものは、県民の皆様に明るい話題を提供するとともに大いに勇気づけているというようなことでございまして、この現状ですけれども、選手自身の御努力はもちろんだと思います。それからあわせまして、本県のスポーツ関係者がこれまで創意工夫を凝らしながら着実に取り組んできた成果ではないかというように考えております。
 それから、県営球場についてでございますけれども、これにつきましては、大きな事業でございますので、先ほど申し上げましたように多面的な検討が必要というように存じています。ただいまいただきました議員の御意見等も踏まえまして、また、財源等も踏まえまして検討させていただきたいというように思います。
〇環境生活部長(風早正毅君) 再生可能エネルギーの接続申し込みに関しての再質問をいただきました。
 まず、1点目ですが、どれほどの数の影響かということでございますが、これについては、経済産業省に設備認定を受けた者の県内の数というものが公表されておりませんので、県としても把握はしていないところでございます。ただ、東北電力は、当初、10月7日―あしたになろうかと思いますが、仙台で説明会をと言っていましたところ、先般、10月10日に盛岡でもということで発表されましたので、こういうところで丁寧な説明を事業者の皆様方にしていただけるものと考えております。
〇議長(千葉伝君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時17分 散 会
第16回岩手県議会定例会会議録(第4号)

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