平成26年9月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇36番(飯澤匡君) いわて県民クラブの飯澤匡でございます。
 ことしも大きな自然災害が起きました。被災された皆様には心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 今定例会で一般質問の機会を与えていただきました議員各位に心から感謝を申し上げたいと思います。
 2年半ぶりの一問一答式の一般質問であります。これまで私は9月定例会で一般質問をする機会は縁がありませんでした。初めての9月定例会の質問となります。だからどうなんだという話ですが、気持ちだけは清新にと心がけて質問と提案をいたしたいと思います。当局におかれましては、答弁も肩透かしすることなく、誠実な御対応をよろしくお願いします。
 東日本大震災は人類の歴史に残る余りにも不幸な大災害でありました。今もなお応急仮設住宅等に住むことを余儀なくされておられる方々は8月31日現在で3万699人。一日も早く通常の生活を復活するために我々は努力を重ねなければならないと思っております。
 今の県政の重要課題解決のために多くの職員が大きなエネルギーを割いて御労苦を重ねておることに、改めて私は敬意を表したいと思います。
 達増県政1期目の終わりに起きた大災害。今、震災から3年半を経過して、この大災害をどのように乗り越え、創造的な復興に結びつけられるか、政策全般のレビューと今後の方向性が問われる重要な時期に達したのではないか、新たな局面を迎えたのではないかと私は考えます。
 計画を遂行する上では、いわて県民計画の2期目のアクションプランと復興プランが両輪となって事業を遂行していくことが目標でありますが、行政が負う仕事は本当にそれで足りるのか。震災前は国からのお金の流れが硬直化していたものが震災で変容してきたことを好機と捉え、既存の概念を超越した新しい仕組み、制度について時宜を逸することなく提案し、21世紀にふさわしい復興の姿を創造していくことが必要ではないのか。具体的には、ILCという国際プロジェクトがほぼ実現に向かっている中で、グランドデザインを基礎に快進撃を進めている三陸道の建設とリンクさせた交通アクセスの整備構想や産業基盤の中期的戦略構想、すべきことという義務感よりも、創意工夫の仕方で大きく岩手は前進する可能性を秘めているのではないか。
 その中で、今、本県の発信力が大きく求められていると、私は、今の県政に危機感を持ってこの時期を迎えています。それを動かす原動力となるのは、トップリーダーが本来有している対外的な提案力と実行力が求められるということにほかならないと思います。それらに対する知事のリーダーシップがそれに足りるものであったかどうかは、問われるのは当然であります。また、議会の意思に対する立ち居振る舞いも、対県民との意思疎通ができているかの指標になります。これまで議会が決算審議等を経て県行政に対して指摘をしてきた、あるいは議会の意思として決議された意思が、二元代表制の一翼を担い、県民の意思としたものとしてどれだけ政策形成に反映されたのかもレビューする上で重要な要素と考えます。
 繰り返しますが、この大震災という非常時に適応した県民利益にかなうべきリーダーシップを発揮したのかを考察するには、達増知事の行動に占める部分がかなり大きいと考えます。もうすぐ達増県政2期8年になりますが、2期8年の検証をする上で、質問席にて具体的に知事にお聞きしてまいりますが、この壇上からは、トップリーダーとして、これまで2期の間、県民利益をかなうにふさわしい活動をされてこられたか、知事自身の客観的評価と課題について伺います。
 次に、ILCの実現に向けた取り組みについて、提案を交えながら伺います。
 昨年の8月23日に、研究者によるILC立地評価会議が北上高地がILCサイトとして最もふさわしいと決定し、それを受けて、国際推進組織の責任者のリン・エバンス氏も公的に、ILCのただ一つの候補地は北上高地と明言していることから、技術部門では北上高地仕様で既に国際的な技術の検討が始まっております。さきの9月上旬に一関市や奥州市で開催された一連の会議も、その一環と聞いているところであります。
 この間、本県でも、県民や市民の次世代を担う子供たちへの理解醸成を進める各種事業が積極的に展開されてきました。次なるステップとして、さらなる理解醸成を進めるために必要と考えるのは、研究都市構想の具体的なコンセプトではないかと思います。日本学術会議ILCフォーラムで講演された石川幹子氏の里山生態系と藤原文化をフューチャーし、普遍的なまちづくりの実験場として、科学技術を駆使し、現代社会に適応するモデルにする。自然と人間が共存できる仕組みが北上山地周辺にはあるとの内容には私はいたく共感しておりまして、傾聴に値する内容だと思っております。本県が以前に掲げた環境首都―報告ではありません―にふさわしい21世紀型の研究都市の具体像を早急に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 県庁内ではワーキンググループをつくって諸課題への対応をされていると聞いておりますが、なかなかその検討内容についてはつまびらかにされていません。関係する世界の研究者の方々は、既に具体的な生活レベルに関しての対応状況にも興味を示されておることから、調査、研究レベルから情報発信レベルへのギアの入れかえの必要性を感じます。特に、さきに述べました石川氏が提唱している生活、文化にかかわる居住環境の整備については、部分的で組織の縦割りで対応すると魅力のないものになる危険性をはらんでいると考えます。県が中心となって現在情報を収集している状況ですが、実際にワンストップで研究者のニーズに対応するには、一関市や奥州市の地域の情報に明るい地元自治体の人材の育成が急務になります。人材の育成にはかなりの時間を要することから、今から県が主体となった人材育成のプログラムをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 インターナショナルスクールについても同様のことが言えると思います。一朝一夕に学校はできません。加速器を中心とした産業連携に関しては、産業界との綿密な情報伝達と共有が必要になります。
 先々月、私は、加速器の活用と民間との連携の先進地であるSLAC国立加速器研究所とシリコンバレーを視察してまいりましたが、アメリカは既に民間への研究データを提供し、技術転用することを主眼とする加速器使用の目的を弾力的に運用しており、50年を経過する歴史の中で実に見事な連携がなされておりました。
 日本では、国際プロジェクトとして初めてのことでありますが、それがゆえに、さきに申し上げたコンセプトとあわせ、企業との取り組み方針等の周到な準備が必要と考えますが、現状と今後の取り組みの方向性についてお知らせ願います。
 次に、国道343号の整備促進と、それにかかわる新笹の田トンネルの建設について伺います。
〔議長退席、副議長着席〕
 国道343号の整備については、一関市が、合併前から組織されている国道343号整備促進期成同盟会の課題と事業計画に沿って順次整備をいただいておりますことに感謝を申し上げます。長年の課題であった通称大原バイパスの整備に関しては、事業と財源と人の一括移譲という手法を用いて特段の県の御配慮をいただき、ことしの3月に完成を迎えましたことに、県の炯眼に今もって賛辞を述べる次第であります。
 さて、震災後、国道343号の笹の田峠を越えるルートについては、陸前高田市への復旧大動脈としてルートの優位性を大いに発揮しましたが、現在、復興に向かうという段になり、将来の内陸と大船渡市、また陸前高田市を結ぶルートの重要性を鑑みて、行政のみならず民間からも、ほうはいとして、ルートの安全性と迅速化を図る上で新笹の田トンネルの建設促進に大きな民意の動きが最近顕著になってきております。報道にあるように、関係機関、団体が7月に、新笹の田トンネルを実現する会を結成され、署名活動を即時に開始し、10月末までに5万人を目標とした署名活動で、1カ月を残して6万8、000人近い署名が既に集まっており、今後、署名活動は一関市から陸前高田市と大船渡市への住民にも賛同の輪を広げると聞いております。建設にかかる期待感は急激に高まっております。一日も早い建設を望むことを前提に、以下の質問をいたします。
 1点目は、かかる住民の熱意の高まりを県当局はどのように受けとめているのかお聞きします。
 2点目は、国道343号が、現在、復興支援道路としての位置づけをされていますが、ILC計画の実現可能性を受けて、将来のルートへの中長期的展望をどのように考えておられるのかお知らせ願います。
 3点目は、これまでこの問題について何度か質問してまいりましたが、長大トンネル建設に関しての財源の確保に問題との答弁でありました。その問題を克服するために国へのどのような財源措置等、仕掛けや工夫が必要と思われるのか、当局の検討状況について伺います。
 次に、県立千厩高校の教育環境の整備について伺います。
 県立千厩高校のグラウンド拡張整備については、千厩高校と千厩東高校が統合して以来、継続した優先度の高い課題であると認識しております。千厩高校のグラウンドが狭隘であることから、一部のクラブ活動は旧千厩高校のグラウンドを使用している実態が残念ながら今現在も続いております。県教育委員会においては、平成23年度当初予算でグラウンド整備の要求作業に入りましたが、知事選の年であったため6月補正予算送りとなり、東日本大震災の発生が重なり凍結となって現在に至っておると聞いております。
 一方、千厩地区では、地区内小学校の将来の学校統合問題を検討する規模適正化に関する適正化委員会が組織され、統合後の小学校の建設場所についても熱心な議論がなされ、県有地である旧千厩高校跡地も有力な候補地の一つとなりましたが、結論に至らず、一関市の教育委員会に選定を委ねるという経過に至っております。市教育委員会では、10月中にも選定を含めた会議を開催する予定と伺っており、現千厩高校のグラウンド拡張が小学校の統合にも密接に絡んだ問題となっております。
 以上の理由から、県教育委員会においては早急な整備に関する方向づけが必要と考え、震災前に検討されたことでもありますので、対応を求めたいと強く要請するものです。その対応方針について伺います。
 以上、登壇による質問とし、あとは質問席より1問1答で行います。
〔36番飯澤匡君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 飯澤匡議員の御質問にお答え申し上げます。
 これまでの2期における評価と課題についてでありますが、危機を希望に変えるというスローガンのもと、平成19年に知事に就任して以来、職員と危機意識を共有し、岩手が直面する重要課題に的確に対応し、前知事時代から持ち越された諸課題も含め成果を上げてきたところであります。特に復興については、東日本大震災津波復興委員会やいわて未来づくり機構に代表されるオール岩手の力を結集し、市町村、国、県が一体となって、被災地や被災者に寄り添う復興に尽力してまいりました。
 また、国の復興構想会議の委員として、復興財源の確保や復興特区の実現に向けて提言し、その後、復興特区法が制定されるなど、国等に対して積極的に働きかけてまいりました。さらに、被災企業の二重ローン対策のためのファンドをいち早く設置したほか、用地取得迅速化のための法改正の実現など、被災地の一日も早い復興に全力で取り組んでまいりました。さらに、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の成功やILC国際リニアコライダーの実現など、復興を後押しする取り組みを先頭に立って推進してまいりました。
 一方、復興はまだ道半ばであり、海岸保全施設など、当初想定していた計画よりおくれている事業もあり、引き続き課題を一つ一つ着実に解決しながら、本格復興の着実な推進に取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔政策地域部長齋藤淳夫君登壇〕
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) まず、研究都市の具体像についてでありますが、これまでも、本県も参加する東北ILC推進協議会が作成したILCを核とした東北の将来ビジョンなど、研究都市のあり方も検討してきたところであります。これら調査においては、まちづくりのコンセプトとして、豊かな自然環境を生かしたまちを形成することや、世界の多様な国の人々が安心、快適な生活を営めることなど、地域の特性を生かしたまちづくりが提言されております。
 今年度、東北大学ILC推進会議の中に、東北大学や岩手大学のさまざまな分野の研究者で構成されるまちづくりワーキンググループが設置され、本格的な検討を開始し、地域からの提案としてまとめていくと聞いております。
 県としましては、これまでの検討を踏まえ、自然と人間が共存してきた北上山地の地域特性を生かすまちづくりが重要と考えております。御案内のあった石川教授の提言なども参考にしながら、このワーキンググループの検討に反映させるよう提言していきたいと考えております。
 次に、人材育成プログラムの作成についてでありますが、外国人研究者とその家族の生活を支援するためには、外国語による生活情報の提供や相談の受け付けなどを1カ所で行うワンストップ窓口の整備などが重要と認識しております。このようなことから、関係自治体においては、ワンストップサービス導入に向けた検討や、医療通訳の育成研修などの人材育成に向けた取り組みなどが開始されております。
 県におきましても、今年度、ILC建設に伴う外国人研究者の受け入れに向けた取り組みに関する研究をテーマに、岩手県立大学と地域協働研究を行っております。その中では、外国人を支援する体制や人材の育成方法などについても検討を行うこととしております。
 ILCの誘致が決定し、建設が開始されるころには多くの外国人研究者が県内に来訪することから、ワンストップサービスに必要な人材の計画的な育成、確保策を初め、ICTを活用した生活情報発信の充実など生活支援策全般について、関係自治体、大学及び民間団体などと連携を図りながら検討していきたいと考えております。
 次に、企業との連携についてであります。
 本県におきましては、加速器関連産業への県内企業の参入を支援するため、いわて産業振興センターに委託し、加速器製造に必要な技術の分析や企業の参入可能性調査を進めているところであります。これまで県内企業へのアンケート調査や企業訪問を実施しており、10月下旬には、これまでの調査の中間報告とあわせて、ILCに関係する加速器の開発や技術についての理解を深めるための企業向けセミナーを開催することとしております。
 県内には、自動車や半導体に関係する企業を初め加速器関連産業へ参入可能な技術を持つ企業が多く存在することから、今後は、東北放射光施設など東北における加速器関連施設の整備計画をも踏まえ、加速器について理解を深め、参入の機会を増大させるため、企業、研究機関、産業支援機関が一体となった研究会の立ち上げを行うなど、加速器関連産業の集積に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) 新笹の田トンネルの建設に対する住民の熱意の高まりの受けとめについてでありますが、国道343号については、今回の震災において内陸部と気仙地区をつなぐ道路として大きな役割を果たしたことから、復興実施計画において復興支援道路に位置づけ、重点的に整備を進めているところでございます。
 御質問の笹の田峠は、急勾配、急カーブが連続し、交通の難所となっていたことから、昭和49年から平成元年にかけて、ループ橋を含む延長約6.5キロメールについて総事業費約69億円を投入し、整備したところであり、一定程度の道路サービスを確保しているものと考えております。
 一方で、今回の署名活動により示された新笹の田トンネルの整備に対する地元の期待は大きなものがあると受けとめております。
 次に、国道343号の中長期的展望についてでありますが、道路に求められる機能は、周辺道路ネットワークの変化や大規模な開発計画などさまざまな状況に応じて変化していくものであり、その状況に応じて必要な検討をしていく必要があると考えております。当該地域には国際リニアコライダーの立地構想があり、計画の進展に合わせて具体的なまちづくりや周辺施設計画を考慮しながら、必要な検討をしていきたいと考えております。
 次に、新笹の田トンネル建設の財源確保に向けた検討状況についてでありますが、未事業箇所の個別の整備財源についての検討は行っておりませんが、県といたしましては、まず、現在着手済みの事業の進捗を図るための予算の確保に取り組んでいくことが重要と考えております。また、地域からの道路整備に関する要望は依然として多く、今後も国の予算編成の動向を注視していくとともに、新たな道路整備に必要となる予算枠の拡大についても市町村と連携しながら取り組んでまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 県立千厩高等学校の教育環境整備についてでありますが、千厩高校のグラウンドの整備につきましては、できるだけ早期に事業実施が可能となるよう、現在、整備手法や事業規模、総事業費等の検討を進めているところでございます。
 また、旧千厩高校のグラウンドを含む高校用地が、一関市千厩地区の五つの小学校の統合校舎の有力な候補地の一つとして、一関市と地元での協議や検討がなされていることは、議員御案内のとおりでございます。しかしながら、当該グラウンドは、現校舎から相当程度離れているものの、現在は日常的な運動部活動等に使用しており、仮に移転用地となった場合は代替機能の確保も必要となります。
 県教育委員会といたしましては、千厩高校の学びの場の環境整備、一関市への支援、未利用県有地の有効活用というような視点を十分に踏まえて対応してまいります。
〇36番(飯澤匡君) それでは、これから質問させていただきます。
 まず、ILCの実現に向けた取り組みについてお伺いしたいと思いますが、さきに一関市と奥州市で開催された国際会議はマスコミにも事前に十分に周知されていなかったと聞いております。ILCの意義や重要性を知らしめるよい機会と私は思っておりましたが、このような機会を生かすというような考え方はなかったのか、この実態と課題を示していただきたい。と申しますのは、マスコミ等から、かなり直前になって知らされたと。これは全体にかかわる県の姿勢というのもやはり問われると思います。私は、SLAC国立加速器研究所に行って聞いたときにも、2週間後には一関市に行きますよというような話もあって、そのとき初めて知ったわけでございまして、これはやはりさまざまな部分で情報発信の強化をしなければならないと思っておりますが、あわせて広報戦略の見直しも必要かと思うんですが、その点について1点目にお伺いしたいと思います。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) まず1点目、国際会議の開催の周知についてであります。今回は8月下旬から9月上旬にかけまして短期間に三つの国際会議が開催されました。いずれも研究者内部の会議であります。主催者におきまして報道向け資料を作成して、記者クラブに情報提供したものであります。会議の開催日や場所につきましてはホームページであらかじめ周知されておりましたが、一部の会議では、会議内容の確定に時間を要したことや、公開、非公開の取り扱いが直前まで決定しなかったということがありまして、マスコミに対しての周知が直前になったものが一部あったものと聞いております。
 会議の様子につきましては、16社の報道機関から取材申し込みを受け、新聞やテレビなど広く報道されたところであります。開催市である一関市や奥州市においては、歓迎看板の設置やポスターの掲示などにより地元の歓迎の意向を伝えるとともに、市民等への周知が図られたところであります。
 県内でILC関連の国際会議が開催されることは、ILC実現の機運醸成にも資することから、県といたしましても、今回の事案を踏まえ、十分な周知を行うよう主催者に対して要請してまいりたいと思います。
 次に、広報戦略についてであります。
 昨年度は、関係機関と連携し、研究者向けの英語、フランス語、中国語、日本語による北上サイトの紹介動画や英語のパンフレットの作成、ホームページによる情報発信などを行ってまいりました。今年度は、国際会議における視察対応やパンフレットの説明、配布、フランス語のパンフレットの作成、県内への講演会の講師の派遣などを行っているところであり、県推進協議会においても、県が協力して英語版のホームページを作成しているところであります。
 また、昨年8月のILC立地評価会議による候補地決定以降、東北の関係自治体及びILC関連団体においてそれぞれが広報活動を実施していることから、この取り組みを一体的に進めるため、東北ILC推進協議会は本年6月に広報戦略分科会を設置し、ILCの国際推進組織の広報部門担当者から助言を受けながら、関係機関が連携した広報活動を実施するための戦略を年度内に策定することとしております。今後は、この戦略に基づきながら、県としまして、関係機関と連携し、ILCの意義や重要性等について効果的に情報発信していきたいと考えております。
〇36番(飯澤匡君) 次に、国道343号の新笹の田トンネルの建設について伺います。
 ただいま部長から御紹介があったように、ループ橋の建設は昭和49年から検討されて、長い年月が今、経過しているわけでございます。ループ橋でありますので、鋼鉄製である橋の維持、恐らく向こう50年間を考えると相当なコストがかかるのではないか。コンクリートと鋼鉄で、いずれは朽ち果てるというような状況の中で、やはりそのコストに見合う道路建設というのもしっかりと考えていかなければならないのではないか。
 あわせて、これは警察本部長にお聞きしますが、ループ橋の、特に冬期間の交通については大変利用者からも不安の声が大きゅうございます。恐らく事故の件数だけ聞くとそんなに多くないと思われますので、冬期間の橋梁に関する交通事故の実態について、その状況をお知らせいただきたいと思います。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 現在のループ橋等の維持管理についてでありますけれども、昭和49年から平成元年にかけて整備いたしました延長6.5キロメートルの笹ノ田峠の区間には、ループ橋を含め橋梁が21橋ございます。損傷度に応じて補修工事を順次進めておりまして、これまでに15橋完了しておりますほか、残り6橋は来年度までに完了することとしており、これまでの全体の事業費は約8億円になると見込んでいるところであります。
 今後、平成24年3月に策定した岩手県橋梁長寿命化修繕計画に基づき、ライフサイクルコストが最少となるような補修を進めていくこととしておりまして、引き続き、長寿命化、コスト縮減を図りながら、しっかりと維持管理をしてまいりたいと考えております。
〇警察本部長(田中俊恵君) まず、ループ橋自体の過去5年間の冬期間における人身交通事故でございますけれども、5年間では発生はございませんでした。県内全体の過去5年間の12月から3月までの冬期間における橋梁部での人身交通事故につきましては、死亡事故1件を含めた83件が発生しております。そのうち、約5割に当たる45件が凍結路面で発生しているほか、事故類型では追突事故が44件と多数を占めております。
 冬期間の交通事故防止対策として、道路管理者との連携はもとより、道路交通情報センターによるラジオ放送や交通情報板等を活用した路面状況を含めた道路交通情報の提供及び交通安全講習等による冬道の安全運転に関する広報、啓発などについて継続して取り組んでまいります。
〇36番(飯澤匡君) 国道343号の新笹ノ田トンネルについては大体想定どおりの答弁内容だったと思っておりますけれども、この住民の期待の高まり、これは、やはり今、復興の時期にしっかりと整備してほしい、その高まりだと思っております。
 また、財源確保についても、県の方向性というものをしっかりと示して、過去に地元の過疎債と連動したやり方もあるのではないかという検討も一時はされたとも聞いておりますし、本当にここは少し前向きに検討していただきたい。というのは、先ほど、三陸道については快進撃を続けて、今、本当に急ピッチで進んでおりますが、逆に心配なのは、人、物がこの三陸道を通じて仙台周辺にすっと流れてしまうと。岩手県内の横断道のおくれが、そういう意味で大きな流れに乗りおくれてしまうのではないかという懸念もしております。そういうことで、財源確保等をもう少し前向きに捉えて、横軸の横断道、大変今、意義があることだと思うし、復興にもかなり大きなインパクトを与えるものだと思いますので、その点についてよろしくお願いしたいと思いますが、所感があればお願いいたします。
〇県土整備部長(佐藤悟君) ただいま議員から御指摘ありましたように、三陸沿岸道路あるいは2本の横断道路は、かつてないスピードで国において進めていただいているところであります。これらの高速交通ネットワークが完成することによりまして、県内の物流には非常に大きな変化があるものと考えております。
 県といたしましては、これらの道路の完成を見据えた物流も含めながら、今後の新たな道路整備のあり方についてあわせて検討してまいりたいと考えております。
〇36番(飯澤匡君) それでは、次の質問に入ります。
 私はこれまで、トップマネジメントのあり方やトップリーダーの発信力について、幾度となく問題提起をしながら、あらゆる機会を通じて質問してきました。達増県政7年余を経過して、一向に変化があらわれない。変化が見えないことは前進していないことに通ずるのではないか。県庁内には、復興という創造的な仕事に携わっているにもかかわらず、私は、ある種の閉塞感さえ感じるこのごろであります。
 私の質問の前提となるのは、前段に申し上げたことを繰り返しますが、現在の行政運営は非常時の上にあること。非常時には危機と好機が表裏一体となって存在していること。好機はタイミングを逸しないこと。そして、県政の行政は、政策に論理性が根拠にあることは当然のこと。政策の実行は油断なくせしめるのがトップマネジメントの要諦であると思います。実行するのは人であります。また、トップマネジメントは、管理のみならず、実行は情熱にかかわるものであること。さらに重要なのは、信頼―国との信頼、市町村との信頼、人との信頼、これらを踏まえて質問させていただきます。
 トップリーダーの意思決定と実行、それにかかわる県政の重要課題について具体的にこれからお伺いしますが、質問内容は直ちに県政に対して是正を求める内容でもあることから、しっかりとお答え願いたいと思います。
 まず第1に、JR東日本との折衝に関して伺います。
 東日本大震災で被災したJR山田線復旧に関して伺いますが、問題は、ことし2月にJR東日本が提起した三陸鉄道への移管案について、8月に沿岸12市町村と協議し、以下の対応方針を協議、確認したと聞いております。
 一つ、関係自治体の負担増を回避する観点に立ちながら早期の鉄道復旧を目指す。二つ、山田線の三陸鉄道による運営を選択肢の一つから有力な選択肢に格上げし、JR側との本格協議に方針を示し、市町村も了承して詰めの協議を加速していく、これが最新の動きであると承知しております。
 知事は、8月の協議に初めて参加して、その席で、一日も早い鉄路復旧のためによりよいクリエーティブな交渉を進めたいと意欲を示しておりますが、まずお聞きしますが、8月以降、現在の交渉状況について、どのような状況であるかお示しいただきたいと思います。
〇政策地域部長(齋藤淳夫君) JR山田線の復旧の交渉状況でございます。
 御案内にもありましたとおり、先般の沿岸市町村首長会議において関係市町村間で確認した対応方針に沿って、現在、JR東日本と条件面の詰めの協議を行っているところでございます。
 JR東日本に対しましては、仮に三陸鉄道が山田線を運営することになった場合、施設、設備の維持管理コストを可能な限り低減し、持続的な運営が可能となるよう、三陸鉄道が求めている水準の鉄道施設等の強化や、災害時、施設設備更新時の費用と一定期間の赤字想定額の補填について要請しているほか、利用者に負担を強いることのないよう、三陸鉄道とJR東日本の運賃の差額の補填も要請しているところであります。
 また、JR東日本の提案内容を検討するに当たり、鉄道施設等の状況を把握する必要があることから、三陸鉄道及び県から同社に対しまして山田線の現地確認を要請し、先般、報道のありました7月28日の現地確認を皮切りに、三陸鉄道が同社と共同して、数回にわたって宮古−釜石間の全線を確認しているところでございます。
 なお、県におきましては、JR東日本との条件面の協議と並行しまして、三陸鉄道とともに、現地確認を踏まえた山田線の三陸鉄道による運営の実現可能性について検討しているところであります。今後も、沿線自治体や三陸鉄道等の関係者と連携、協議しながら、引き続き、早期に鉄道が復旧されるようしっかりと対応してまいりたいと考えております。
〇36番(飯澤匡君) 次の質問に入りますが、移管方針を合意するまでに6カ月も時間を要しているわけですが、その要因は何か示していただきたいと思いますし、それから、先ほど示しましたように、知事が初めてその協議会に出たのは8月でありました。余りに遅過ぎたのではないか。あわせて、知事の関係機関への働きかけが見えないと沿線自治体から強い不満があると聞いております。その点についての知事の所感を求めます。
〇知事(達増拓也君) 発災直後から機会あるごとに沿線市町を初め宮城県及び福島県とも連携し、JR東日本や国に対して鉄道の早期復旧を強く要望してまいりました。山田線については、JR東日本から提案のあった三陸鉄道による運営について、県が窓口となり、沿線市町、三陸鉄道の意向を踏まえながらJR東日本と協議を行ってきたところであり、そして先般、JR山田線復旧に係る沿岸市町村首長会議を開催して、御指摘のとおり関係市町村間で意思統一を図り、現在、この対応方針に沿ってJR東日本と条件面の詰めの協議を行っているところであります。今後も、JR線の一日も早い鉄道復旧に向けて、引き続き、沿線市町等と意思疎通を図り、連携しながらJR東日本との協議を加速させるとともに、国に対しても強く働きかけてまいります。
〇36番(飯澤匡君) 何で8月まで6カ月間知事が……。知事の情報の発信力というのは、2月定例会でも久保議員が指摘されたように、非常に大きかったわけです。県の主導的役割というものが大変期待された。ところが、2月定例会からもう6カ月以上たって知事のお出ましがあって、初めて沿岸市町村も県がどの程度の本気度かというのを知らされたと。大変JR側からも、JR側から投げたボールがなかなか返ってこないという信頼感にかかわる問題に私は至っていると思うんですが、この点については答弁がなかったんですが、いかがなものでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 関係市町村間での意思統一ということで、県、三陸鉄道、関係市町村間で意思統一を図ることができたわけでありまして、それまでのプロセスはその意思統一のための必要な準備を行っていたということであります。
〇36番(飯澤匡君) これは交渉でありますので、今から時計の針を戻すわけにはいきませんけれども、これはあくまでも民間の交渉ということを前提にして考えていかなければならなかったのではと私は思っております。
 知事は、本県の県民利益の確保のために、山田線の復旧というのは、私は、まちづくりの上でも大変重要な位置を占めている問題だと思うんですが、JR側のトップと何回か交渉して、岩手県の現状等、あらかじめ岩手県の重大性をJR東日本に知らしめた、提案したということはあったのでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 鉄路復旧ということが復興の中で大変重要な要素であり、その鉄路復旧を確保するということで、JR東日本側も当初約3年にわたってコミットしてこなかったものが、ようやくことしに入って、直すところまではちゃんとやります、その後、三陸鉄道に経営をというような提案をしてくるところまでいったわけでありまして、その間にはさまざま先方のトップとのやりとりのようなものもございました。
〇36番(飯澤匡君) なかなかそれが見えないから、周辺自治体も……。今も、方針は決まって既に動き出している問題ではありますが、本当にそれでいいのかという思いをなかなか口に出せないでいるというようなジレンマを抱えているとも聞いております。私は、先ほど言いましたように民間会社との交渉ですから、既に2002年からJR東日本は民営化されて、株主に対する説明責任を負っている立場であります。岩泉線の例から見てもJRの対応はある程度私は予測できたと思いますし、これを予見して、知事みずからJRに行って、JR側を逆にまちづくりに参加させるというような提案をやってしかるべきではなかったかと思うわけですが、交渉という観点から、そのような戦略というのはなかったんでしょうか、その点についてお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 戦略という目標が何かということなんですけれども、おっしゃっていることを聞いていますと、要は、三陸鉄道が経営しさえすればいい、JR東日本が震災前のように山田線を責任を持って運行するということを早い時点であきらめていればよかったとおっしゃっているのだとしたらそうではないのでありまして、やはりJR東日本が、株主との責任の中でも、公共的な責任を果たし、東日本大震災津波で被害を受けた鉄路の復旧を三陸鉄道は三陸鉄道で3年間で完成させた、それをJR東日本が3年間で完成させるということは、それはやっていてよかったはずだと考えております。
〇36番(飯澤匡君) 誰も早く三陸鉄道に投げろなんていう話は一言も私は言っていませんよ。そういうまちづくりの観点から、岩手県の県民利益のために、JR側へのアプローチとしてですよ。
 もう一つ言いますけれども、合意形成したと、やらなければならないというところまでこぎつけたと。それが成果とするなら、私は大間違いだと思いますよ。鉄路を復旧するのは当たり前の話であって、そこの中でJRをどう巻き込むかと。交渉先の相手として、どういうふうにして岩手県が当たっていくかということを知事みずから発信するという仕事を本当にやっていたのかということを私は聞いているんですが、いかがですか。
〇知事(達増拓也君) JR東日本は、山田線に関してはBRTということで鉄路廃止という提案も具体的にしていたわけでありまして、今の段階で鉄路復旧について地元と合意しているということは、これはそう簡単なことではなかったわけでありまして、その間、さまざま私もJR東日本に対する働きかけややりとり等を行ってきたわけであります。
〇36番(飯澤匡君) なかなかそこの溝は埋まらないようですが、いずれ問題の私の趣旨は、沿岸市町村の方々が、県が主導的な発信をしてこなかったということについていまだに不信感を持っていて、これが非常に私は復興についても問題ではないかと。一つのこれは問題提起であります。
 別の質問をしますけれども、知事が塾長となっているいわて復興塾で、JR東日本盛岡支社長と三陸鉄道の社長を講師に招聘して、講演を依頼して実行させたと聞いております。交渉の相手会社と岩手県は利益背反関係にある中で、本県の姿勢について、私は対外的に疑問符がつくのは当然と思いますが、知事としての所感を求めたいと思います。
〇知事(達増拓也君) JR東日本と岩手県や関係市町、三陸鉄道も含めれば三陸鉄道、そして三陸鉄道の沿線の市町村も含めて、東日本大震災津波からの復興の中できちっと沿岸を縦に貫く鉄路を復旧しようという点で、これはもう、利益背反とおっしゃいましたけれども、その点に関してはパートナーであって、力を合わせて復興を進めようという関係にある存在と私は考えております。あとはどのようにそれを進めていくかを今、調整、交渉しているわけでありますけれども、一方、JR東日本盛岡支社は、デスティネーションキャンペーンもございました。岩手の東日本大震災からの復興、特に観光面から、早い段階から三陸鉄道あるいは岩手県、関係市町村が力を合わせて復興に取り組んできた信頼できるパートナーというふうに考えています。
〇36番(飯澤匡君) 知事はそう思っているかもしれませんけれども、相手はそう思っていないかもしれません。
 私は、JR東日本の支社長の立場だったら、本社に営業会議に行って、復興塾について講師を務めて、いろいろ聴衆の方々から意見があったと。おまえ、何で呼ばれたんだと。いや、こういうことで呼ばれましたと。じゃ、なんだ、うちのほうは山田線と岩手県の復旧についてもいろいろタフな交渉が始まるのに、何でそんなのに呼ばれて、君は何て答えたんだというような、ある種、岩手県の方向性について、相手が非常に当惑する状況をみずからつくったのではないかと私は思うんですが、その点についてはどのようにお考えですか。
〇知事(達増拓也君) そもそも支社長は快く講演を引き受けていわて復興塾で講演し、パネルディスカッションにも参加されました。確かに、山田町から来ている塾生からは厳しい質問もありました。しかし、それに対しては、今の段階でのJR東日本の会社の基本的考え方をきちっと説明し、質問者の納得も得られ、よかったと思っています。
〇36番(飯澤匡君) 私の感覚からは極めて自分の都合のいいように考えていると思うんですが、非常に私は甘いと思います。特に、最近、JR東日本は、大船渡線や東北本線の主たる駅の機能、指定券の発売等の中止を検討して、当該自治体に既にアナウンスしております。私は、このような県全体の動きの中で、統一性の欠いた動きというのが、このような震災復興で本県のために何とかしようという考えの中で逆行するような動きが既にあるわけですが、これについても私はある程度の引き金になったのではないかと思っているわけですが、それについてはどのような考えでおりますか。
〇知事(達増拓也君) 大船渡線については、JR東日本から、乗客の安全を確保するためには山側にルート変更を行わなければ復旧が難しいという意向が示されており、これに対し、現行ルートで復旧できない理由を明確に説明するようJR東日本に対して求め、そして国に対しても大船渡線復興調整会議を早期に開催するよう要請しているわけでありまして、そういう中で、大船渡線についても含めて、先ほど申し上げましたように、岩手の沿岸、東日本大震災からの復興の中で鉄路復旧をしっかり進めていく、そういうパートナーとして取り組んでいきたいというふうに考えています。
〇36番(飯澤匡君) どうも平行線をたどって……。もう少し議論をしっかりとして、県民利益に沿った形で進んでいただきたいと思うわけです。
 大船渡線の復興状況について質問したわけではありませんでしたが、私は、クリエーティブな交渉というのは、いわゆる知事がおっしゃるパートナーとして進めていくという部分についても、かなりこれは押したり引いたり、押したり引いたりを繰り返しながらしていかなければならない部分があって、第一に、初動態勢から、JRがすべきことというのをペーパーで求めたということ自体が非常に相手の態度を硬化させた部分ではなかったかと。民間の交渉ではほとんどそういうことは私はしないのではないかと思うわけですが、いずれにしても、はっきり申し上げて、部下の方々も、知事は被災地自治体の沿線会議には早くから出て岩手県の復興の考え方を示してほしいと。それは去年にも言ったにもかかわらず、なかなかお出ましいただけなかったと。これからしっかりと支えていくというような方針であるかと思いますけれども、その点についてもかなりこれは不安定な状況で進んでいるということをぜひ御認識いただきたいと思います。
 時間が大分経過したので、次の質問に入ります。
 市町村との信頼という観点から二つほど聞きます。
 しつこいようですが、上野副知事の後任について伺います。
 本来、県は市町村とは対等、協力関係であるはずなのに、私は、最近、上意下達関係が復活し、不利な立場になると責任をとらない、県には期待できないと公然と発言する首長もおられます。具体的事例として、これから質問する大雪りばぁねっと。の問題やDIOジャパン事案の後始末の不手際、さらに深刻なのは、ここぞという場面で県が前面に立って動かない、先ほどの問題が典型的な例でありましょう。
 上野副知事は、在任中はよく被災市町村を訪問され、国への働きかけをしてくれたとのかなりの高評価がありますけれども、後任について全く動きがない。これは被災市町村の期待をも裏切っている形となっておりますが、この点についてはなぜ動きがないのでしょうか、お知らせいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 上野副知事退任後においては、増大する復興業務に対応するマンパワーの確保、行政ニーズに対応した組織体制の整備など、組織、人材体制の強化に努め、県として総合力を発揮できる体制で県政課題に取り組むことができていると考えています。副知事を含めた幹部職員の選任に当たりましては、適材適所の考え方で適時適切に行ってきたところであり、今後においてもそうした考え方によって対処してまいりたいと思います。
〇36番(飯澤匡君) 内部的にはいいと思います。内部的にはいいけれども、被災地自治体がどう考えるかということなんですよ。国に対する折衝をこれだけ県も考えている。国とのいろいろなルートをやはりしっかりと確保するためにこれだけ県はやっているんだなと。
 上野副知事は、私は人事案を否としたけれども、それ以上の活躍をしていただいたと思っております、本当に。それだからこそ被災地自治体からも評判が高かったわけで、それを継続するための努力をなぜやらないかと。適時適切と言っているけれども、それは内部的な話で、被災地自治体の首長たちがどう考えているのかということを考えたことがあるでしょうか、知事は。
〇知事(達増拓也君) 被災地の市町村長の方たちとは、そもそも東日本大震災発災直後、沿岸13市町村で構成する復興期成同盟会と県がしっかり連携し、私も一緒に国に陳情、要望したりもしておりますし、また、それぞれの市町村個別にも直接会って話をする機会をなるべく設けるようにして、深い強い信頼関係のもと、意思疎通を図り、ともに復興に当たろうとしているところでございます。
 また、私自身、沿岸市町村長の方たちの人事権についてはとやかく言うべきことではないと思っておりますし、沿岸市町村長の方たちも知事の人事権については介入すべきことではないと考えていると思います。
〇36番(飯澤匡君) 大変残念な答弁です。その一言を申し上げたいと思います。
 知事から、私は当時、小会派の代表でしたから、今の県政ではなかなか大変だ、副知事を1人追加させていただきたいとじきじきに電話をいただきました。それは震災前です。震災後、まさにそれがヒットしたわけでありまして、震災前に事業遂行のために必要不可欠だと言ったにもかかわらず、現在は大丈夫だというような理屈はなかなか説得力のある話ではないと思うし、今の現行の職員の力がどうのこうのというわけではなく、私の言いたいのは、対外的に県がどういう姿勢で人事配置をやっているかということを見られているということなんですよ。誰も人事権の介入なんていうことを考える首長なんか、今のところいないと思いますよ。
 次に、大雪りばぁねっと。の対応について伺います。
 議会が再発防止のために二度も決議で再検証を求めた大雪りばぁねっと。の問題は、会計検査院の調査を盾に動きがありません。議会の決議は無視なのでしょうか、知事のお考えをお示しいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 議会の決議については、議会の御意思として真摯に受けとめており、年度当初から内部管理体制を強化するなど、いち早く新たな仕組みを取り入れて再発防止に努めてきたところであります。
 議会の決議に適切に対応しなければならないと考えておりますが、現在も関係者を対象とした刑事訴訟や民事訴訟が係属中であり、また、県において会計検査院の実地検査を受検し、その後さまざまな照会に対応している最中であることも踏まえ、今後、どういった対応が可能か、検討を進めているところであります。
〇36番(飯澤匡君) 私は、2月議会と6月議会、2度壇上に立ちまして賛成討論で申し上げました。顧問弁護士の見解を頼りに、公判中であることから踏み込んだ調査は難しいという県の見解は、我々議会が求めている再発防止や庁内の手続の妥当性を究明せよという目的から本当に超越している。明らかに意図的に論点をずらしていると私は思います。議会は事案の包括的な真相究明は求めていないわけであります。県の内部検証は十分だったと言いながら、さらに進めるには、公判中だからできないという主張は論理破綻していると私は思います。
 私は、なぜ森のトレー事案のような検証ができないのか、これを常に不思議に思っています。まず、議会が指摘したのは、2011年度の事業完了検査で法人のずさんな経理を見逃した責任、2点目は、法人運営の無料浴場御蔵の湯建設を補助対象に認めた経緯、この2点を、第三者的な県庁内の組織でも結構ですから、できないというのは、森のトレーのときはやったんですから、何でできないのかということを、これは改めて聞く場所がなかったので、この点について改めてお聞きしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 県では既に検証委員会による検証を行い、その結果を発表し、そして、それに沿った形での再発防止策等をとっているところでございます。
〇36番(飯澤匡君) だから、森のトレー事案に関する、これは農林水産部が所管した事案でありましたが、県庁全体での再発防止策、県の補助金の運用についても、やはりこういう前例をつくってはならないということで県庁全体の課題として取り組んだというその後があると私は思っておりますが、では、森のトレー事案で既にやったと。やったのに、なぜできないかということなんです。内部検証では足りないというのが議会の意思です。なぜできないんですか。
〇知事(達増拓也君) 森のトレー事案のように、国に対する補助金返還をしなければならなかった事案と同じような形の検証が必要という御趣旨であるとすれば、そもそも今、会計検査院もこの検査をしている最中なわけでありまして、県としては、こうした動きに協力していくべき立場にあると認識しております。
〇36番(飯澤匡君) 質問を変えます。今、会計検査院の調査に対応する中で徹底検証に努めると。これは知事が記者会見でも申し上げている内容です。会計検査院の調査が7月末にもう始まっており、その国会報告が、今の予定ですと、平成25年度の決算ですので、最近の例を見ますと、11月上旬に内閣に送付され、11月20日ぐらいには国会に報告される予定となっております。
 それでは、この会計検査院の報告後、県はどのような対応をなさるのか。議会や県民に対して何らかの報告があってしかるべきと私は考えますが、いかがでしょうか。これは、このやり方を是認するという考え方に立っているわけではありません。今の起きている事象に沿ってどういう対応をするかという趣旨ですので、このことを理解しながら御答弁をいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 裁判や会計検査院による検査の中で、事実関係のより客観的な形での究明が行われているので、今、県としては、こうした動きに協力していくべき立場にあると認識しているわけではありますけれども、一方で、先ほども申し上げましたように、議会の決議に適切に対応しなければならないという考え方もしっかり持っているわけでありまして、そこで外部の方に検証委員会における検証結果の内容についての所見をいただくような方法も一つの選択肢ではないかと考え、現在、検討を進めております。
〇36番(飯澤匡君) そういうことですから、それは是認するわけではありませんが、会計検査院の結果を受けて、そのような動きがあるということは了とします。
 今議会で平成25年度決算の審査を求める認定議案が提出されております。昨年不認定になった最大の要因の案件に対して、私は、県の対応がなされないまま議案の提出になったと思っていますが、これを審査することの前提、いわゆる10月の末までには9月議会は終わってしまうわけですが、会計検査院の報告は11月の上旬なわけです。これも審査する前提が整理されていない、議会の意思を全く無視した形という提案のやり方だと思っていますが、議案を提案するという形でどういう検討をされたのかお知らせいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 会計検査院の報告がことしの国会に行われるのか、いつ行われるのかというのはわからないところでございまして、それとは別に、県は県で外部の方に検証委員会における検証結果の内容についての所見をいただくような方法も、議会の決議に適切に対応する上での一つの選択肢ではないかと考え、検討を進めているところでございます。
〇36番(飯澤匡君) これは、法律で11月30日までには報告しなければならない義務があります。これはあらかじめわかっていることでありますので、不認定を受けて、この重要な案件に対する、そして平成25年度決算の審議を県議会にお願いするという立場からして、これは全く整理されない状況で提案されたのではないかと思っているわけですが、では、総務部長に聞きます。この点はどのような検討をされましたか。
〇総務部長(小田島智弥君) 今、知事がお答えしたとおりでございますけれども、会計検査院の実地検査が出るまでは、会計検査院とのやりとりに対応していくということがまず第一でございます。それで、会計検査院の検査というのは、単に支出面でどういう数字だというようなことにとどまらず、その事案の内容についても見られるものでございます。そういうやりとりの中で、より客観的な事実が出てくるだろうということがございまして、今まさにそういうやりとりをやっているところでございます。
 一方で、決議を議会のほうからいただいておりますので、それについてもできるだけ誠実に対応しなければならないという要請がございまして、そこのところで、今まだ会計検査の途中ではあるんだけれども、まずは私どものほうでお出しした検証委員会の報告書の結果について、これらの内容、事案について外部の方にごらんいただきながら所見をいただこうということで判断したものでございます。
〇36番(飯澤匡君) 既に議案提案しましたよね。その内容については今初めて聞いたわけで、やり方としてかなり不十分ではないかと。だから、私は、今度の議案審査はどういうふうにやったらいいのかと思うわけです。どうも議会に対するアプローチが非常に中途半端で、納得いかない点がございます。
 ちょっと時間も迫ってまいりましたので、これは決算特別委員会でも内容については詰めたいと思いますが、大雪りばぁねっと。の問題については、このような中途半端な扱いの中では、真に我々に対して審議を求めるという県の姿勢が問われるということをしっかりと指摘しておきたいと思います。
 次に、DIOジャパン問題について伺います。
 これは、雇用創出事業ということで大変期待して導入して、岩手県内は全国でも一番自治体が多かったわけですが、全く当初の目的を果たしませんでした。私も2月議会から、このDIOジャパンの会社の経営状況や雇用の状況についても問題を指摘しましたが、部長はある程度動いて問題の解決の収拾を図ったようですが、結果、根本的な解決にはならなかったと理解しております。そして、知事が8月4日の記者会見で、あれだけ多くの問題を生じていながら、連絡がとれない状況になっているというのは非常に無責任なことでありまして、憤りを感じております、速やかに連絡がとれるようにして、さまざまな問題の解決を進めてもらわなければならないと思っておりますと言っておりますが、どうも、8月の記者会見とそれ以前とでは、県当局のトーンがまるっきり変わったと。それ以前は、私たちはやるべきことはやったし、第一義的にこれはまさしくDIOジャパンという会社の体質が悪いわけでございますけれども、雇用創出という意味においては一定の成果が上がったと言っているわけでありまして、あわせて、国体の寄附金についても早く返還して岩手県の態度を内外に知らしめたほうがいいのではないかということについても、これは逡巡したわけでございます。
 私は、このような非常に理解できない後始末といいますか、対応が、大雪りばぁねっと。問題とあわせて、特に今回は多くの自治体の方々が迷惑をこうむったわけですから、これについて、知事が、DIOジャパンに対してだけではなくて、問題の抜本的な解決についてしっかりとしたコメントを出して、これは期限を設けて問題の収拾を図るべきだと思うんですが、この点について知事はいかにお考えでしょうか。
〇知事(達増拓也君) まず、DIOジャパンへの寄附金の返還につきましては、7月15日に厚生労働省の調査の中間報告が公表されたのを受け、返還するという判断をして、DIOジャパンと返還の手続を開始したものであります。
 そして、DIOジャパンへの対応についてでありますけれども、今回の問題の影響を離職者の再雇用という面で最小限にとどめるように、できるだけ早く離職者の再就職につながる支援を行うことが重要であり、今後とも国、関係市町と連携し、再就職支援を行うほか、また、離職者を受け入れる企業の誘致に努めていくということをしっかり進めてまいります。
 また、現在、厚生労働省により緊急雇用創出事業に関し未申告の収入があるなどの指摘がなされていることから、厚生労働省の指示により、現在、立地市町が調査を行っているところでありまして、この点についてはやはりDIOジャパンはみずから説明すべきと考えています。
〇36番(飯澤匡君) これもまたJR山田線と大雪りばぁねっと。にかかわる問題と同じで、要はやっぱり信頼関係が非常に壊れかけているということを私は危惧するわけです。これは県と市町村とです。私も商工文教委員会でこの問題を取り上げ、県の対応について求めてまいりました。その後始末、ほかの会社を頼んで雇用を確保するというのは、これはもちろんのことです。ただ、問題の本質は、こういう問題、例えば雇用創出事業に絡んで、余りにも県のわきが甘かったのではないかということをしっかりと反省していかなければならないと思います。なかんずく、DIOジャパン社の広告に知事は対談という形で参加されておりまして、岩手県とDIOジャパンの関係性が、いわゆるこれが広報媒体に載って、ある意味、一般的に信用されたような形にもなっていると私は思っていますので、県がその点についてしっかりと、この問題についてどういう後始末をしたのか、DIOジャパン社に対してどういう見解で行ったのか、経過を含めて説明する責任が知事にあると私は思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 議員御指摘の広告の件についてでありますけれども、DIOジャパンの社長との対談は、本県における雇用創出の取り組みに加え、国体開催、スポーツ振興への貢献を期待し、申し出を受けたものであります。対談の中では、こちらから大震災津波からの復興に関するビジョン、また、国体開催に向けた取り組みなどを発言し、同社に対しては雇用の創出を期待する旨の話をしたわけであります。
 当時、同社は経済産業省のおもてなし経営企業にも選ばれ、地域社会とのかかわりを大切にする経営のモデルとして評価を受けていました。しかしながら、現在、事務事業所の閉鎖、解雇、さらには給料の未払いといった事態を発生させており、これらの問題に対し何ら説明もないことは大変遺憾であるということは先ほど申し上げたとおりです。
〇36番(飯澤匡君) 取っかかりは問題なかったと。経済産業省のお墨つきがあるので問題なかったというような答弁かと思いますが、これはあくまで結果責任でありますから、県民に迷惑がかかったわけです。この点について、商工労働観光部長に私は常任委員会でお話をしたところ、危機管理については一定の責任を認めざるを得ないということで、そういうコメントを発して、私もそれを了としたわけですが、知事も、対談という形で、これは結果責任ですから、ある程度しっかりとしたコメントを出す立場にあると私は思うわけです。と申しますのも、さきに行われた県境議連で、宮城県議会のある一部の方からも、宮城県でも同様の事案があったわけですが、どうも、岩手県は知事も一緒に、この問題については、参画という言い方は当たらないと思いますけれども、そのような形になったようですねというような言葉をいただいて、本当にはっとしました。一般の受け取り方はそういう受け取り方でありますので、これは危機管理についても、経済産業省が認めたから全ていいという考え方もちょっとどうかと思うわけですが、これは県民に対して、繰り返しになりますけれども、やはりしっかりとした説明責任、また、迷惑をかけたということについて知事からの説明はあってしかるべきだと思いますが、もう一度伺いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) DIOジャパンが経済産業省のおもてなし経営企業に選ばれていたということのほかに、同社は一般社団法人日本コールセンター協会の理事を同社の相談役が務めていた、また、経済産業省所管の独立行政法人中小企業基盤整備機構が組成する東日本大震災中小企業復興支援ファンドからの出資も受けていたということがございまして、対応した時点で、同社がこのような状況になることは想定できませんでした。
 また、DIOジャパン問題については、これは今、全国的な問題として発展しているわけでありますけれども、特に未申告の収入等があったのではないかという、緊急雇用創出事業に反するところがあったのではないかということも問題になっています。この点につきましては、DIOジャパン本社において未申告の収入等があった場合に、市町村はもとより、県も含め、地方自治体でその全容を把握することは困難であります。このようなこともありますので、現在の緊急雇用創出事業の制度において地方自治体だけで解決できない問題もありますことから、国に対して制度の改善を要請していくというような対応も求めていきたいと思います。
〇36番(飯澤匡君) 対外的にはそういうことだと思うんですが、どうも私の質問の趣旨をあえてそらしてるような感じがいたしてならないわけでございます。一昨日の新聞報道でも、盛岡市の調査によって、研修期間中であるにもかかわらず、盛岡コールセンターでは業務外の仕事をしていたということも明らかになりました。たった1年で、リース契約後に即買い取りがあったり、それから、先ほど申し上げましたように、研修期間中に本来とはかけ離れた業務をさせていた疑いがあるということ。これは、厚生労働省は助成金の返還対象になる問題だともお話をしております。今後、当該自治体への返還請求が来る可能性も非常に大きい。まさに、またぞろ岩手県の自治体に御迷惑をかける事態となっております。
 これまで、県は、この問題については間接補助事業者ということを全面に出して、みずからの責任についてはなかなかコメントするといいますか、答弁の中で出てきませんでした。なおかつ本質的な対応を先延ばしにしてきたという点は、私は指摘をしておきたいと思います。
 これらの問題に対して、県の反省材料としてその対応が求められているわけですが、これに対して県はどのような体制をとって、二度とこういうことがないようにするというようなことを考えておるか。考えなければならないと思うわけですが、それについての考え方をお示し願いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、コールセンターの事業撤退に対し、雇用への影響をできる限り軽減するため、まさに地元市町としっかり連携をしながら新たな企業の誘致に努めてきたところであります。そして、緊急雇用創出事業については、未申告の収入等の調査、また、議員御指摘の点についての調査等、国からの指示に基づいて立地市町が調査を行っているわけでありますけれども、県も立地市町と連携して対応してまいります。
 さらに、先ほど申し上げましたけれども、そもそもDIOジャパン本社において未申告の収入等があった場合に、地方自治体でその全容を把握することは困難でありますので、その点、国に対して制度の改善を求めていくといったことも市町と連携して対応してまいりたいと思います。
〇36番(飯澤匡君) なかなかちょっとすとんと落ちないわけであります。
 以上、三つの主要課題について質問してきたわけですが、どうも納得のいく答弁が出なかった。大変残念であります。その中に内在しているのは問題の先送り、県の責任を回避、時期を逸して問題の解決を結果的におくれさせている。これは全てトップマネジメントにかかわることだと私は思っております。これは、副知事の選任を初め、自分たちの理屈ではいいかと思っているけれども、対外的にオール岩手というのであれば、やはり県が県の存在意義を示す意味でも、もう少し主導的にやる立場というのが必要ではなかったかというのが発災後の私の印象でありまして、総じて、今まで出した指摘を通じて、なかなかリスクをとらない県政に対する運営が自治体に対する信頼感を失わせている、そういう危機感を私は非常に今強く持っておりますが、もう一度、知事自身の自治体との信頼関係について、現状把握と課題認識をお示し願いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 御指摘のとおり、県と市町村の信頼関係は平素から重要でありますが、特に復興という非常事態においては極めて重要であります。東日本大震災津波の発災直後においても、急遽、内陸市町村長の皆さんに御参集いただき、オール岩手での復興体制を構築するとともに、沿岸市町村長の皆さんが設立した復興期成同盟会と県が一体になって、国への要望を初めとした対応を行ってまいりました。発災直後、私が沿岸被災市町村全てを回り、その市町村長、またそれにかわる方と直接会って、発災直後の初動の確認をしたということもそういった一環であります。
 現在、本格復興期間であり、また、人口減少問題に対応していくためにも、知事と市町村長の信頼関係を一層高めていきたいと思います。
〇36番(飯澤匡君) 最後になりますが、知事の任期について、知事は1期目のマニフェストで2期8年が原則だというような話をしておりますが、最近のコメントでは、その8年という時期については、2年目から言っていないとか、そのような発言が目立つわけですが、私は、一度8年という期限を決めたのであれば、震災ということがあったにせよ、それはそれなりの覚悟と自分なりのスケジュールというものはあってしかるべきだったと思いますが、どの程度の固い意思を持って8年というものを決めたのか、また、3期目の立候補はどのように考えているのか、最後にお尋ねいたします。
〇知事(達増拓也君) 最初の知事選挙における公約の中で、知事の任期は原則2期8年といたしましたのは、衆議院議員であった当時、多選の弊害を避けるために示したほうがよいと考えたものであります。
 一方、1期目にいただいた負託はあくまで4年間の任期であり、その4年間に全力を尽くし、危機を希望に変えていこうという趣旨の知事訓示を初登庁日に行ったところであります。そして、2期目については、岩手県東日本大震災津波復興計画の推進を訴え、県民の皆様からの負託をいただいたところであり、復興と、その先にある希望郷いわての実現を目指し、全身全霊をかけて政策を推進する所存であります。
 なお、3期目出馬云々につきましては、そういったことを考えている余裕はない、復興に専心することが今の私の務めであるということを繰り返し述べてまいりましたが、この夏、多くのマスコミから同じような質問を受け、また、県民の皆さんからも、達増知事、どうなんだ、3期目出馬されるんですかということを多く聞かれるようになりました。そして、今また、この岩手県議会本会議の場でそういった質問をさらにいただくという状況であれば、この際、来たる岩手県知事選挙において、その3期目の出馬をするかどうかということについて、遠くない時期に決定をして発表するということをしなければならないかということを検討させていただきたいと思います。
〇36番(飯澤匡君) 終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(大宮惇幸君) 以上をもって飯澤匡君の一般質問を終わります。
〇副議長(大宮惇幸君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時32分 休 憩
出席議員(45名)
1  番        高 田 一 郎 君
2  番        清 水 恭 一 君
3  番        名須川   晋 君
5  番        神 崎 浩 之 君
6  番        城 内 愛 彦 君
7  番        福 井 せいじ 君
8  番        佐々木 茂 光 君
9  番        佐々木   努 君
10  番        佐々木 朋 和 君
11  番        軽 石 義 則 君
13  番        吉 田 敬 子 君
14  番        後 藤   完 君
15  番        岩 渕   誠 君
16  番        郷右近   浩 君
17  番        高 橋 孝 眞 君
18  番        岩 崎 友 一 君
19  番        高 橋 但 馬 君
20  番        小 野   共 君
21  番        高 橋   元 君
22  番        木 村 幸 弘 君
23  番        久 保 孝 喜 君
24  番        小 西 和 子 君
26  番        五日市   王 君
27  番        喜 多 正 敏 君
28  番        工 藤 大 輔 君
29  番        嵯 峨 壱 朗 君
30  番        工 藤 勝 子 君
31  番        工 藤 勝 博 君
32  番        高 橋 昌 造 君
33  番        及 川 あつし 君
34  番        小田島 峰 雄 君
35  番        大 宮 惇 幸 君
36  番        飯 澤   匡 君
37  番        斉 藤   信 君
38  番        佐々木 順 一 君
39  番        及 川 幸 子 君
40  番        伊 藤 勢 至 君
41  番        樋 下 正 信 君
42  番        柳 村 岩 見 君
43  番        千 葉   伝 君
44  番        佐々木 大 和 君
45  番        佐々木   博 君
46  番        渡 辺 幸 貫 君
47  番        田 村   誠 君
48  番        小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時52分 再開
〇副議長(大宮惇幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。名須川晋君。
〔3番名須川晋君登壇〕(拍手)

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