平成26年9月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇20番(小野共君) 民主党の小野共です。
 本日の一般質問の機会を与えていただきました先輩議員、同僚議員の皆様に感謝をいたします。
 まず、長野県、岐阜県にまたがる御嶽山の噴火により亡くなられた方々にお悔やみを申し上げ、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
 そして、この8月、広島で起きた豪雨災害により亡くなられた方々にお悔やみを申し上げ、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。
 通告に従い、順次質問をいたします。
 先月初旬、東日本大震災により、福島県いわき市の仮設住宅に入居されている87歳の女性が自殺したというマスコミ報道がありました。日ごろから、もう仮設は嫌だ、早く死にたいとおっしゃっていたということです。亡くなった日は、この4月に先に亡くなられた御主人の誕生日の翌日で、仮設住宅から50メートルほど離れた林に自分で手押し車を押して入っていって、林の中で自殺したということでした。
 内閣府の自殺対策推進室の資料によれば、震災以降この8月までで、被災3県の震災関連自殺者数は、岩手31件、宮城37件、福島は56件ということです。震災を生き延びた自分の命をみずから絶つとは、どれほどの絶望なのでしょうか。今、政治は、被災者に生きる希望を与えることができているのでしょうか。
 東日本大震災から3年半がたちました。全国的に震災の風化と呼ばれる現象が懸念されております。被災県岩手においては、震災からの復興をどう進めるか、これが最重要課題であり、県民の総意であり、そうであってほしいと改めて強く主張したいと思います。
 知事に質問いたします。知事の今任期も残り1年となりました。震災により、任期が半年ほど延長となった前回平成23年の知事選、県議選は、岩手において東日本大震災からの復興をどのように進めていくのか、これが最大の論点でありました。
 知事は、これまでの任期3年の間、どのような思いで復興を進めてきたのか。そして、県内の状況を見て、聞いて、どのようなことを思ったのか。そして、残りの任期1年、復興に当たって県民に何を伝えていきたいのか聞かせてください。
 あわせて伺います。知事は、現職につかれて7年が経過しました。この7年を振り返り、知事の公約の中でできたことは何か、できなかったことは何か。そして、できなかったものは、その原因は何だったのか聞かせてください。
 復興予算の確保について伺います。
 政府は、震災から平成32年度までの10年間を復興期間とし、平成27年度までの5年間を集中復興期間として、25兆円の予算枠を設定しております。
 復興庁によると、平成27年度までの集中復興期間予算枠25兆円のうち、今年度、平成26年度までで、復興予算の累計額は22.6兆円を超えているということです。新年度、平成27年度の復興庁の財務省への概算要求額は2.6兆円であり、単純に平成26年度までの予算額と平成27年度の予算額を足すと復興予算の累計額は25.2兆円となり、計算上、政府の設定した25兆円という予算枠を超えることになります。さらに、岩手県においては、平成28年度以降に必要な復興予算を1兆7、000億円と見積もり、宮城県においても、平成28年度以降に必要な復興予算を2兆5、000億円と見積もっております。政府においては、必要な事業は平成28年度以降も実施する方針を示してはいるものの、集中復興期間の延長と予算枠の拡大についての具体的な言及はまだありません。県を含め、沿岸南部のほとんどの自治体は、国の集中復興期間が終わる平成28年度をいまだ復興計画の中期と予定しており、恐らく完全復興にはあと一歩の状況なはずであります。
 岩手県、宮城県の平成28年度以降の復興予算の積算額が示すとおり、復興完了までの国の予算枠が25兆円で足りないのは明らかです。被災自治体が具体的に国に求めるのは、復興が完了するまでの間の国の特例的な措置であり、復興交付金や震災復興特別交付税の継続であり、社会資本整備総合交付金の復興枠などの別枠での予算の確保であります。少なくとも、国は、被災県へのこれら特例的な予算措置を平成28年度以降も継続するとの方針を早急に示すべきものと考えるものですが、特例的な予算措置継続に向けた国への働きかけの状況、そして、今後の国の方針がどのようなものになる見込みか、県の見解を聞かせてください。
 続いて、脳卒中の予防対策について伺います。
 過日公表された厚生労働省の人口動態統計によれば、震災前の平成22年、岩手県の脳血管疾患、脳卒中の年齢調整死亡率が全国都道府県で最下位だったという結果が出ました。岩手県において、人口10万人当たりに換算して、平成22年に、男性では70.1人、女性では37.1人が脳卒中により亡くなっているというものです。この数字は、男性は全国平均の1.42倍の死亡率であり、女性は全国平均の1.38倍という数値でありました。
 そもそも脳卒中発症の要因は、喫煙や肥満、高血圧などであり、例えば平成24年のデータでは、岩手県は1日の食塩摂取量が全国最多という資料があり、同じく平成24年のデータでは、岩手県での喫煙者の割合が39%で、全国5位となっております。全国的に、がん、心疾患、脳血管疾患のいわゆる3大生活習慣病の年齢調整死亡率は下がってきてはいるものの、それでもまだこの3大生活習慣病による国内の死亡率は、国内で亡くなる方の5割を超えております。岩手県においても、脳血管疾患を含めた3大生活習慣病による年齢調整死亡率は減少傾向にありますが、岩手県環境保健研究センターの資料によれば、平成11年以降、岩手県の3大生活習慣病による年齢調整死亡率と全国平均の死亡率との差は、拡大し続けているという結果となっております。全国のほかの都道府県に比べ、岩手県においては、3大生活習慣病の年齢調整死亡率を下げられていないという結果であります。岩手県での平均寿命を延ばすために、脳卒中を含めた3大生活習慣病の死亡率を減らす取り組みをしなくてはいけないことは言うまでもありません。
 質問いたします。今回、脳卒中死亡率全国ワースト1位になった原因をどのように分析しているのか聞かせてください。あわせて、3大生活習慣病の死亡率について、岩手県と全国平均の死亡率の差が拡大し続けている理由をどのように分析しているのか聞かせてください。
 2点目、県は、この3月に第2次の健康いわて21プランを策定し、この中で、脳卒中の年齢調整死亡率を、男性59.0人、女性34.0人まで減らすことを目標に掲げております。具体的に、脳卒中医療の底上げのため、この8月、県立中央病院に脳卒中の専門外来を開設し、7月には、産学官でつくる岩手県脳卒中予防県民会議を発足させております。脳卒中を含めた3大生活習慣病対策を加速させるため、今後、行政は、食生活の改善や喫煙など、疾病予防のための個人への指導という個々の枠を超え、社会の問題として社会全体でこの問題に対応していく必要があると考えるものですが、脳卒中予防のため、県は、今後の取り組みをどのように考えているのか聞かせてください。
 岩手医科大学は、平成20年から平成25年までに、県内沿岸部と内陸部の17市町村で、脳卒中を発症した2万8、000人を対象に調査をしており、この調査により、脳卒中発症と東日本大震災に何らかの関連があることが明らかになっております。浸水地域に住む住民が多かった自治体ほど、震災直後の4週間の間に脳卒中の発症率が高かったという結果が出ており、例えば、震災直後の陸前高田市では、脳卒中の発症率が震災前の2倍となっていたということです。
 質問いたします。県では、東日本大震災と脳卒中発症との関係をどのように分析しているのか聞かせてください。あわせて、沿岸の医療圏は、震災前から脳卒中の死亡率が高かったのですが、その原因と、県内の脳卒中の死亡率に地域的な偏在など、何らかの傾向が見られるのかどうか聞かせてください。
 東日本大震災による県内高校生の大学等進学率への影響について伺います。
 先日のマスコミ報道で、震災から3年半が経過し、義援金を使い果たした被災者が生活保護を申請するケースが出ているとの趣旨の報道がありました。県の調査によれば、義援金の費消を理由とした県内の生活保護の申請は、震災以降、平成24年84件、平成25年39件とのことで、義援金、弔慰金、生活再建支援金の費消が生活保護の受給の理由の一つとなっていることがわかります。今後予想されるのは、被災地における生活保護世帯の増加であり、生活困窮者の割合の増加であり、結果として懸念されるのは、被災地被災家庭における子供の進学率の低下であります。
 大学等の進学率は全国で53.8%でありますが、厚生労働省の調査によれば、生活保護世帯で15.6%とのデータがあります。高校進学率にも、生活保護世帯と全国平均の進学率との間に大きな乖離があり、岩手県においても同様の結果となっております。
 経済的に恵まれない子供ほど、進学率が低いことがデータとして明らかとなっております。親の貧困は子供には全く原因がないのに、その影響は子供を直撃します。学力があっても、学費や在学中の生活費を出せる見込みがなく、進学を諦めてしまう子供も少なくありません。
 質問いたします。教育委員会では、今後の社会における高等教育の必要性について、どのような認識でいるのか聞かせてください。
 2点目、平成26年度、この4月の岩手県の高校生の大学等進学率は42.4%で、全国47都道府県中41位であり、岩手県の大学等進学率は全国平均を大きく下回っております。
 質問いたします。教育委員会では、このような大学等の進学率の全国との格差について、どのような認識でいるのか聞かせてください。
 また、県内におきましても、東日本大震災により、現在、被災地を中心に、かなりの数の生徒が仮設住宅に住み、不自由な暮らしをしているなど、大学進学事情に圏域ごとの格差があると考えられますが、その進学率がどのようになっているのか、そして、その状況をどのように分析しているのか、あわせて聞かせてください。
 3点目、県立高等学校教育の在り方検討委員会のブロック別懇談会が、8月6日から約1カ月かけて県内9ブロックで開催されました。
 震災前、次期高校整備計画を検討する上で基準となったのは、1学年4クラスから6クラスという学校の望ましい規模であり、40人という1クラスの定員でした。今後見直す予定の、平成22年3月策定の今後の高等学校教育の基本的方向によれば、圏域内の年度ごとの中学卒業生の見込み数を1クラス40人で割り返し、将来、その圏域に必要なクラスの数を積算しております。この8月からのブロック別懇談会においても、多くの会場で、望ましい学校規模は1学年4クラスから6クラス、これが議論になったということです。教育委員会は一貫して、この望ましい学校規模が1学年4クラスから6クラスであるという理由を、多様化した生徒の個性や進路希望に対応するために一定の教員数を確保する必要があり、より多くの友人、教師と触れ合い、社会性や協調性を育むためには、一定規模の学級数が必要との趣旨の主張をしております。
 質問いたします。平成12年から平成21年までの高校整備計画期間中を経て、県内に83校あった県立高校が64校に減少しました。教育委員会では、前回の整備計画での統廃合を総体的にどのように評価しているのか聞かせてください。
 今後の高等学校教育の基本的方向の見直し作業をする上で最も大きい議論となるのは学校の統廃合であり、その統廃合の基準はどのようなものかであります。平成23年の高校標準法の改正で、公立高校本校は240人を下らないという規定が削除され、したがって、現行では、学校の規模は設置者である教育委員会が判断することとなっております。教育委員会では、基本的方向の見直しの理由を、震災の影響も含めた教育を取り巻く環境の変化と説明しております。
 質問いたします。教育委員会は、東日本大震災の高校再編への影響をどのように考えており、それを踏まえ、県立高校の統廃合の基準はどのようなものになると考えているのか聞かせてください。
 続いて、グループ補助金の運用について伺います。
 震災以降、被災した事業者にとっては、このグループ補助金と中小企業被災資産復旧事業費補助のどちらかの採択を受けることが事業再建の大前提となっており、これら補助金が地域経済の復旧、復興に大きく貢献していることは言うまでもありません。個人の資産形成に資する補助を原則出さないという行政の方針に鑑みても、特例的な財政支援であります。しかし、この3年半、被災地の復興の経緯を見て強く感じるのは、さらなる予算の投入と現場に即した制度の柔軟な運用が必要だということです。
 岩手県内、さまざまな地域において、家族経営の中小の商店街が各市町村にはあります。これら道路を挟んで並ぶ商店街は、1階が店舗で2階にオーナーが住むという、店舗兼住宅となっている建物が多く存在します。その建物が店舗のみの通常の場合、4分の3をグループ補助金で賄い、4分の1は融資を受けることとすると、建物に抵当権を設定するために財産処分の承認申請書を提出し、国の承認を受ける必要があります。周知のとおり、補助金の入った資産に抵当権を設定する行為は、その資産の処分に当たるからです。問題は、その建物が店舗兼住宅の場合であります。2階の住宅部分を住宅ローンで賄う場合、その住宅ローンの抵当権は店舗兼住宅の建物全体にかかることになります。2階部分の住宅ローンは、1階の店舗部分とは全く関係がないので、現行制度ではこの財産処分の申請には国の承認がおりず、金融機関は抵当権を設定しません。よって、住宅ローンの融資は受けられません。現在、1階部分の店舗はグループ補助金で、そして2階部分は住宅ローンを当てにしていた沿岸被災地の店舗兼住宅の事業者は、建物を建てられない状況となっております。
 沿岸部においては復旧事業に差が出ており、グループ補助金の採択を受けたが、土地造成などに手間取りまだ着工に至らない事業者もありますが、復旧が進むにつれ、より多くの店舗兼住宅の事業者がこの問題に直面していくのは明らかです。
 質問いたします。グループ補助金を受けた店舗兼住宅の事業者で、現時点でまだ着工していない事業者はどのぐらいいるのか。そして、この問題に県はどのように対処していく方針なのか聞かせてください。
 被災地の人手不足対策について伺います。
 過日のマスコミ報道によると、沿岸、久慈、宮古、釜石、大船渡の職業安定所のこの4月の水産物加工の求人数は396人であるのに対し求職者数は116人と、実に水産加工業の有効求人倍率は3.41倍となっております。建設業も同じ傾向で、新規の求人数は震災前の2倍ほどで推移しております。被災が著しい沿岸地域では、震災後の人口流出も深刻であり、労働力不足に拍車をかけております。被災沿岸部においては、労働力不足が新規の企業の沿岸被災地への進出をちゅうちょさせているとの話も聞こえてきており、住宅用地に活用できない浸水地域を産業用地に想定している沿岸自治体にとっては、人手不足はまちづくりの計画自体にも大きな影響を与えることになります。商品の需要は大きいが、人手不足により商品を供給できず休業に追い込まれたり、人手不足により地域内での平均賃金が上昇し、事業者の経営を圧迫し、倒産に追い込まれたりするケースが全国的にもふえております。
 質問いたします。県では、震災以降の雇用状況をどのように認識し、沿岸の人手不足の状況に対しどのような取り組みを行ってきたのか、そして、今後の取り組みを聞かせてください。
 国においては、日本再興戦略改訂2014の中で、外国人技能実習制度の技能実習期間を、最大3年から最大5年に延長する方針を示しており、今後、外国人の人材の活用を進めていく方針を明らかにしておリます。
 出入国管理及び難民認定法により、団体管理型の技能実習制度では、受け入れ企業の常勤職員数が50人以下の場合は3人、100人以下の場合が6人などと、受け入れ企業の規模によって技能実習生の受け入れ人数が決まっており、実習期間は3年と規定されております。北海道の一部の地域では、国から構造改革特区の認定を受け、この技能実習制度の枠を広げております。
 質問いたします。先ほど申し上げたとおり、政府は、技能実習制度の実習期間を延長する方針ですが、この技能実習生の受け入れ人数の拡大と実習期間の延長を早急に政府に要望すべきと考えますが、見解を聞かせてください。
 続いて、国民健康保険等の一部負担金免除について伺います。
 一昨年9月末まで、国民健康保険、後期高齢者医療制度及び介護保険の免除措置について、国は、免除に要した費用の全額を補助しておりました。一昨年10月以降、一部負担金免除に係る国の補助は免除に要した費用の8割となりましたが、県では、被災者に対し、医療や介護サービス等を受ける機会を確保するため、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険及び障害福祉サービスの一部負担金の免除を継続できるよう、県内統一した財政支援を実施しており、結果として、現在、県内全ての市町村において、東日本大震災被災者に対し一部負担金の免除を行っております。
 宮城県においては、この一部負担金の免除は一度廃止しておりましたが、平成26年度から対象者を限定して再開しており、福島県においては、平成26年度まで県の財政支援は継続しておりますが、国の全額補助が継続されている原発事故関連を除くと、実際に免除しているのは3市町という状況にあります。岩手県においては、この財政支援はことし12月までとしており、来年以降の支援の方針をいまだ発表しておりません。
 知事に伺います。来年1月以降の一部負担金免除に対する県の財政支援について、どのように考えているのか聞かせてください。
 続いて、ラグビーワールドカップ釜石市誘致の取り組みについて県の方針を伺います。
 この7月4日、釜石市は、平成31年に日本で開催することが決定しているラグビーワールドカップの開催地に立候補することを正式に表明しました。ラグビーワールドカップ日本大会は、世界各地域の代表20チームが国内10から12会場で48試合を行うもので、開幕戦と決勝戦は東京の新国立競技場で行うことが決まっておりますが、ほかの会場は、現在、ワールドカップ組織委員会が立候補都市を募集しております。ことし10月に立候補が締め切られ、年明け来年3月に開催都市が決定します。開催都市になるためには、観客数最低1万5、000人収容のスタジアムが必要でありますが、立候補を検討している自治体の中で、この規模のスタジアムがないのは釜石市だけであります。東日本大震災の被災地にとって、復興と誘致の両立が簡単でないのは釜石市も十分承知しております。震災から3年半が過ぎても復興が思うように進まない中で、国際大会の誘致を複雑な思いで見ている市民が少なくないのも事実であります。しかし、震災以降、被災地には多くの知識人、芸能人、著名人の方が入ってきて話をし、被災地の小中学生、高校生は大きな刺激を受けております。釜石市への誘致が決まれば、学校訪問を含め、事前、事後のさまざまなイベントが開催され、子供たちにとって世界各国からの外国人、知識人と話す機会、接する機会が多くなるはずです。
 今、被災地では、自分の人生、生きる意味、まちの将来を真剣に考える高校生、中学生が多くいます。震災によりさまざまなことを考え、ふだん会う機会のないさまざまな人たちと出会い、刺激を受け、子供たちは急激に大人になっております。自治体が子供たちに与えることができる最高のものは、教育と学ぶ機会だと思うのです。震災を生き抜いた被災地の子供たちは、さまざまな経験から、すばらしい能力を持ち、日本だけでなく、世界で活躍する人材になると思います。そうでなくては、震災により理不尽に命を奪われた方々に申しわけが立ちません。ワールドカップの釜石市への誘致は、目的ではなく始まりだと思っております。
 知事に質問いたします。ワールドカップの釜石市誘致は、釜石市が最終的に自分で判断し、開催地の立候補を決めたものです。しかし、誘致に当たり、建設費、維持費等さまざまな課題があり、国と県の協力は不可欠です。今後、県の協力とはどのようなものになるのか、現時点での方針を聞かせてください。
 以上で壇上からの質問を終わります。答弁によっては再質問いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 小野共議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、復興に対する所感についてでありますが、東日本大震災津波からの復興に当たっては、犠牲になられた方々のふるさとへの思いをしっかりと引き継ぐこと、そして、被災された方々の暮らし、学び、仕事を確保して、一人一人の幸福追求権を保障していくことを原則として、一日も早い復興の実現に向け、県政史上かつてない規模の事業に取り組んでまいりました。これまで、復興道路や災害公営住宅の整備、地域資源を活用した6次産業化の取り組みなど、復興に向けた歩みは着実に進んでおり、県民全体の地元の底力と、さまざまなつながりの力による復興の推進に手ごたえと今後の大きな可能性を感じております。
 一方、応急仮設住宅での生活の長期化や将来の住まいへの不安など、時間がたつほど深刻化する課題に多くの方々が直面している状況のもとで、被災地における人口流出や担い手の不足、資材の高騰などのさまざまな課題を克服し、迅速な復興を進めていくことが重要であると痛感しております。
 今後も、市町村、県、国が一体となり、被災地、すなわち復興地、被災者、すなわち復興者に寄り添い、復興が着実に進むよう、県民の皆さんとともに全力で取り組んでいきたいと思います。
 次に、公約についてでありますが、1期目には、新地域主義戦略と岩手ソフトパワー戦略を2大戦略に、広域振興局体制の確立や平泉の世界遺産登録に取り組むとともに、教育、医療・福祉、農林水産業、経済産業、環境、防災・安全を政策の6本柱として、雇用環境や県民所得の改善、地域医療の確保、人口減少といった課題に対応してまいりました。
 2期目には、復興計画を実質的に公約と位置づけ、先ほどの答弁で述べたことに加えまして、被災企業の二重ローン対策のためのファンドをいち早く設置しましたほか、災害廃棄物の全量撤去、漁協を核とした漁業の再生、グループ補助金等の活用による水産加工業、商店街や観光業の再生、医療機関の機能回復、さらに、本年4月の三陸鉄道の全線開通、用地取得迅速化のための法改正の実現など、被災地の一日も早い復興に全力で取り組んでまいりました。一方、まちづくり計画との調整や関係機関との協議等に時間を要したことから、海岸保全施設など当初想定した計画よりおくれているものもあり、引き続き、課題を一つ一つ着実に解決して復興の実現に取り組んでまいります。
 次に、国民健康保険等の一部負担金免除についてでありますが、平成27年1月以降における被災者の一部負担金等の免除措置について、県から市町村等に対しその意向を確認しましたところ、国保財政が厳しい状況になってきていることなどから免除の終了の検討についての意見もありましたが、最終的には、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険及び障害福祉サービスについて、全ての市町村等において、国及び県から現行と同様の財政支援があれば継続するとの回答を得たところであります。県といたしましては、応急仮設住宅等での生活が長期化する中で、被災者の多くは健康面や経済面での不安を抱えており、引き続き医療や介護サービス等を受ける機会の確保に努める必要がありますことから、平成27年12月までの1年間、これまでと同様に県内統一した財政支援を継続していきたいと考えております。平成28年1月以降の対応については、被災地の生活環境や被災者の受療状況等を勘案し、改めて判断したいと考えております。
 次に、ラグビーワールドカップ2019試合開催会場の釜石市への誘致についてでありますが、ラグビーワールドカップが東日本大震災津波の被災地である釜石市において開催されれば、全世界からいただいた支援への感謝を伝えるとともに、復興の姿を発信することができる絶好の機会になるものと捉えております。
 一方、釜石市も県も復興の途上にあり、こうした大規模な大会を開催するには財政面や人的体制面などで極めて厳しい状況にありますことから、誘致に当たっては、地元釜石市や沿岸市町村を初め県民の方々の御理解に加えて、国、スポーツ振興団体など関係機関の全面的な支援が前提になると考えております。現在、釜石市では今月末の立候補に向けて準備を進めていると聞いており、市とともに関係機関に対する必要な働きかけを行うなど、県としての支援の検討を進めてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔復興局長中村一郎君登壇〕
〇復興局長(中村一郎君) 復興予算の確保についてでありますが、復興を進める上で、財源の確保は最重要の課題の一つであり、これまでも、集中復興期間の延長と復興財源スキームの早期提示について、いろいろな機会を捉え、繰り返し国に求めてまいりました。今年度におきましても、復旧、復興のための財政支援の継続と財源の確保に係る要望を重ねており、7月には青森、宮城、福島各県とともに関係省庁に対して要望を行ったほか、復興大臣や衆議院、参議院の各復興特別委員会の方々が本県に来県された際などにも要望をお伝えしております。
 国からは、平成28年度以降の復興事業については、それまでの進捗状況等を踏まえ、そのあり方について検討し、真に必要な事業については平成28年度以降も実施する必要があるとの回答を得ております。
 一方、今後の状況によっては復興事業に要する地元負担の増加等が懸念されることから、特例的な財政措置を初め、これまでと同様の措置の継続を求めるとともに、それらの方針を早期に示すよう、引き続き強く要望を行ってまいります。
〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、脳卒中死亡率全国ワースト1位の原因等についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県では、平成24年調査において、脳卒中発症の危険因子である高血圧につながる食塩摂取量が全国で最も多く、喫煙者の割合が全国5位、BMIの平均値も男性が全国2位、女性が全国3位といった現状にあり、こうしたことが脳卒中の年齢調整死亡率全国ワースト1位につながっているのではないかと考えております。
 県では、これまでも生活習慣病の予防に関する取り組みを継続して進めてきており、3大生活習慣病による死亡率は年々低下しているところでありますが、食塩摂取量、喫煙者及び肥満者の割合が依然として全国上位にあることから、死亡率の全国の改善状況に追いつかず、全国平均の差となってあらわれているものと考えております。
 次に、脳卒中予防の今後の取り組みについてでありますが、脳卒中予防のためには、これまで取り組んできた個人に対する意識啓発に加え、企業や民間団体、教育研究機関などの積極的な参加、協力を得ながら、社会全体として県民が主体的に行う健康づくりの取り組みを総合的に支援する環境の整備が必要と考えております。こうしたことから、本年7月に岩手県脳卒中予防県民会議を設立したところであり、医療、福祉分野のみならず、産学官、金融、報道機関などから成る構成団体と連携して、オール岩手による啓発活動を展開していきます。
 今後は、啓発活動の一環として11月5日に岩手県脳卒中予防県民大会を開催し、本県における脳卒中についての理解を醸成するとともに必要な取り組みを紹介し、脳卒中の予防に関する県民の意識啓発を行うほか、構成団体が行っている健康に関する取り組みを集約し、優良事例を紹介する取り組みや、構成団体の会報、広報誌などを通じて脳卒中の予防に関する啓発を従業員とその家族に対して行うこととしております。さらに、大学などと協働で、県などに蓄積された各種データを分析し、県民にわかりやすく公表する取り組みや構成団体が抱える課題の調査などを進めていきます。
 次に、東日本大震災津波と脳卒中の発症との関係についてでありますが、岩手医科大学の研究によると、津波被害による長期間の避難生活や住環境の大きな変化により、震災直後4週間の間に罹患率が一時的に上昇したものと分析されております。
 県内の脳卒中による死亡率については、沿岸地域において男性では近年やや高い傾向が見られますが、ここ数年を見ても、ほぼ県内全ての地域において全国の死亡率を上回っている状況にあることから、県全体において予防対策が必要となっております。このため、現在、保健所を中心に行っている啓発事業や減塩指導の強化などの脳卒中予防に関する取り組みを県内全域に広げていくとともに、特に被災者に対しては、応急仮設住宅集会所等における健康相談、栄養相談及び口腔ケア活動などの健康支援の各種事業について継続して行うなど、健康の維持増進に引き続き努めていきます。
〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、グループ補助金を受けた店舗兼住宅の未着工事業者数についてでありますが、事業者が作成した計画書には、店舗兼住宅の再建を予定していても単に店舗と記載している事業者が多いことから正確な数値を把握することは困難ですが、店舗兼住宅の再建が想定される商店街型のグループの事業者のうち、70者程度が未着工となっております。
 議員御指摘のとおりグループ補助金を活用して店舗兼住宅を再建する場合に、住宅ローンに係る抵当権の設定について国から承認を得ることが難しい状況にあり、県としても店舗の復旧そのものにも支障を来すと認識しているところであり、本年6月に国に対して抵当権設定の特例措置を要望したところです。国からは、この問題について対応を検討していると聞いており、引き続き被災地の実情を説明するとともに、補助事業が円滑に進むよう、柔軟な対応を求めていきたいと考えております。
 次に、被災地の人手不足対策についてでありますが、平成26年8月の沿岸地域の有効求人倍率は1.29倍で、26カ月連続で1倍を超え、高い水準が続いております。企業の人手不足の原因は、復興関連需要や事業再開に伴い、求人数は高い水準にある一方で、人口が減少する中、就業者数は既に震災前を超えたことにより求職者が減少したことのほか、資格や経験、勤務形態、賃金などの面で求人、求職双方のニーズが合わないことと認識しております。
 県といたしましては、このような状況を踏まえ、関係機関と連携して、企業見学会や面接会の開催など企業と求職者とのマッチングの促進、水産加工現場のイメージアップや企業向けセミナーの開催による職場定着の支援のほか、カイゼンの導入促進による生産工程の省力化などに取り組んできたところでございます。さらに、安定的な雇用を図ることを目的とした事業復興型雇用創出事業の活用を促進するとともに、人材確保が課題となっている水産加工業や建設業などの業界団体に対して、岩手労働局と連携し、要請活動に取り組んできたところでございます。
 今後におきましては、これらの取り組みに加え、民間の発想や手法を活用して、地域外から人材を確保するU・Iターンの促進や地域内の潜在求職者の掘り起こし等を一層強化し、人手不足の解消に向け努めてまいります。
 次に、外国人技能実習制度についてでありますが、日本再興戦略改訂2014で示された外国人技能実習制度の見直しについては、国において、平成27年度中の施行を目指し出入国管理及び難民認定法改正の準備を進めており、技能実習対象職種の拡大や優良な受け入れ機関における技能実習期間の延長、受け入れ人数上限の見直しなどが検討されていると聞いているところでございます。
 この制度におきましては、確実な技能等の習得、移転や技能実習生の保護の適正化などを図るため、技能実習生を受け入れ、技能実習が適正に実施されているかを監理する団体の体制の強化などが課題となっているところであります。県といたしましては、こうした課題の解決が図られ、被災地における人手不足の解消に一定の効果が発揮されるよう法改正がなされることを期待しており、地元市町村や関係機関等の意向も踏まえながら、国の法改正の動向を把握し、適切に対応してまいります。
 なお、人手不足が特に大きな課題となっている水産加工業につきましては、沿岸の基幹産業の復興を早急に支援する必要があることから、外国人技能実習生の受け入れ枠を拡大できるよう、現行制度における構造改革特区の活用について検討を進めているところでございます。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 高等教育の必要性についてでありますが、高等学校までの初等、中等教育は、児童生徒一人一人の生きる力を育むことを教育目的としておりますが、大学等の高等教育には、急速に進みつつあるグローバル化など変貌する社会において、社会人、職業人としての資質を高めるため、高校教育までの成果をもとに、なお一層の教養を深めつつ、さまざまな人と交流して社会性と広い視野を育むとともに、将来つきたい職業に必須の資格を得たり、さらに高度な専門性を身につけるなどという面におきまして大きな役割があるというように認識いたしております。
 次に、東日本大震災による大学等進学への影響についてでありますが、議員御案内のとおり、本県における大学等進学率は全国平均を下回っている状況にございますが、まずもって生徒の進路指導で大切なことは、進学、就職のどちらの希望を選択するにいたしましても、一義的には生徒本人と保護者の希望を踏まえた進路を実現することと考えております。
 震災による大学等進学への影響につきましては、震災前に比べて震災後における沿岸地区の大学進学率への大きな影響は認められませんが、その要因といたしましては、多くの大学等が被災地枠入試制度を設けたことや学費の減免措置を講じたこと、さらに、いわての学び希望基金や日本学生支援機構による奨学金制度の拡充など、行政、民間を通じた支援の充実などが大きく貢献しているものと把握いたしております。
 県内の圏域ごとの進学率につきましては、盛岡地区、気仙地区、岩手中部地区が相対的に高い傾向にあります。こうした背景には、生徒、保護者の希望、家庭の経済状況、地域の産業構造や企業ニーズなど、複合的な要因があるものと受けとめております。
 次に、高校整備計画の評価についてでありますが、これまでの高校再編に当たっては、その時々の社会情勢の変化や教育課題等を踏まえ、さまざまな議論を重ねて取り組んできたものであり、総合学科高校や総合的な専門高校等、新しいタイプの学校が設置されたことで生徒の学校選択の幅が広がり、また、再編により一定規模の学校となることで生徒の学習環境の充実や学校が活性化するなど、一定の成果を上げてきたものと捉えております。
 一方、本年度から再開した高校再編の検討に当たりましても、県立高等学校教育の在り方検討委員会における論点としてこれまでの取り組みの検証についても御議論をいただいているところであり、県教委といたしましては、今後、予定されております検討委員会からの答申を踏まえつつ、改めて前計画の検証を進め、今後の県立高校のあり方の方向性を定めていく考えでございます。
 次に、東日本大震災による高校再編への影響についてでありますが、現在、震災を乗り越え、未来を創造していくためいわての復興教育を全ての学校種で推進しており、これからの岩手の復興、発展を担う人財を高校教育でも育んでいくことがふるさとを守る上で重要であると考えております。
 再編の検討に当たりましては、そうした人財育成の観点に加え、東日本大震災津波以降の沿岸部の人口推移や産業構造の変化、公共交通機関の復旧状況、生徒の通学の状況等も十分に考慮することが必要と考えております。
 また、統廃合の基準につきましては、前計画においては小規模校の統廃合の基準を設けておりましたが、高校標準法の学校規模の規定が削除されたこと等を踏まえ、基準のあり方も含めて総合的な検討が必要であるとの認識のもと、現在、県立高等学校教育の在り方検討委員会におきまして御議論をいただいているところでございます。具体的な統廃合の基準につきましては、検討委員会の答申をも踏まえて、具体的な再編計画策定の検討の際に、地域の皆様との丁寧な意見交換を行いながら検討を進めてまいります。
〇20番(小野共君) 答弁ありがとうございました。何点か質問させていただきます。
 1点目、グループ補助金の話でありますが、店舗型住宅―店舗、住宅併設型の、まだ着工していない業者数が70者ほどあるのではないかということが今の答弁の中でありました。今後の取り組みといたしまして、特例措置をお願いしたいという答弁の内容でございました。この店舗、住宅併設型にグループ補助金を使用した場合に、抵当権がつかないので何とか打開策をつくってくれないかという話はかなり早い段階から被災市町村のほうから上がってきたはずだと思っておるところでございます。国の制度は確かにそのとおりだということなのでしょうけれども、とりあえず今できることはないという話でございますけれども、実際に、被災地の商店街、被災地だけという意味ではなく、沿岸の商店街というのは、1階が店舗で2階が住居になっているケースというものは皆様既に御存じのとおり多いわけでございます。その事業者にとりましては抵当権が設定できないというのが現状となっておるところでございまして、国の制度がそうだからと、でも、被災沿岸自治体の商店街の形というのはそうなっていると、その間を埋める工夫というのをやはりしなくてはいけないだろうと、それが間に入った県あるいは市町村の役割なのだろうと思っているところでございます。
 もう一歩踏み込んだ答弁なり要望なりをお願いしたいと思っているところでございますけれども、聞きますと、店舗、住宅の建物に抵当権をつけるかわりにほかの資産に抵当権をつけて金融機関から4分の1の資金を借りるでありますとか、そういった努力を確かに実際の現場ではしておるわけでございます。では、県はどのような対案なりを検討しておるのか。今申し上げました、ほかの資産に抵当権をつけてお金を借りる、融資を受ける、住宅ローンを受けるという話も、今の被災地の被災事業者の財政状況を考えますと、とても現実的な方法ではないわけでございます。もう一歩踏み込んだ対案なりを、地元の業者あるいは商工会議所等関連機関等と十分に相談して、金融機関なり、あるいは国に具体的な方策を提案して話をすべきなのではないかと。特例的な措置をお願いするということだと、やはり国のほうでも後回しにされるのだろうと思っておるところでございます。では、こうしてくれないか、こういうものはどうなのかと、以前やりました改正復興特区法のように具体的な案を提示してやってほしいと思うところでございますけれども、もう一歩踏み込んだ答弁をいただきたいと思います。
 次に、技能実習生制度の話でございますが、構造改革特区の活用を検討しているという答弁がありました。これは、北海道なんかの例で確かにやっているところがありますけれども、物の資料なんかを読むと、構造改革特区に指定されて法律を超えた措置をする場合、この件に限っていえば、事業者と技能実習生を受け入れる国との取引額が年間10億円以上というような規制もあるところでございます。果たしてこの規制というものは、どうやって交渉していく、あるいは取り除いていくものなのかといったようなことを単純に疑問に思うところでございますけれども、その辺をどう解決していく方向なのか聞かせていただきたいと思います。
 あと、3大生活習慣病の話をいたしました。生活習慣病の予防が平均寿命を延ばすことにつながりますという趣旨の発言をさせていただきました。
 健康寿命という考え方があります。既に皆様御存じのとおりであります。寝たきりで介護されるというような生活ではなく、日常生活に支障のない生活を送れる年数のことであります。今、国内のさまざまな資料を見ておりますと、平均寿命は延びておりますけれども、健康寿命のほうは延びていないというような状況になっているようでございます。つまり健康寿命と平均寿命の間、不自由な生活が強いられる期間が長くなるという、少し乱暴な言い方をすれば、望ましいようなことではないのかなというような気がするわけでございますけれども、この質問で取り上げました脳卒中の話、まさに健康寿命のほうに触れて、健康寿命のほうに直結する話なんだろうと思っておるところでございます。この健康寿命の考え方と、健康寿命を延ばすための、また、平均寿命を延ばすための取り組みとはまた違ったものになるのかなと思っているところでございますが、健康寿命を延ばす取り組みというものをあわせて聞かせてください。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 店舗兼住宅に係る抵当権設定の問題につきましては、私どもといたしましても、早い段階から、被災地の現場で起きている課題の大きなものの一つと捉えておりまして、来年度の政府の政策提言要望に先立ちまして、その前の6月でしたけれども、中小企業庁に出向き、被災地の実情を丁寧に説明しながら、店舗兼住宅を再建するに当たっての事業者の方が住宅ローンの利用が困難となっている状況について説明をさせていただきました。特例的な措置などによる柔軟な対応を求めたわけでございますが、中小企業庁に対しては、その後も継続をいたしましてこの問題への対応を要請してきておりまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、国としても対応を検討していると状況を把握しております。
 今後におきましても、国の検討状況についてしっかり情報収集をしながら、国の承認が得られるようにさらに要望を行っていきたいと考えておりますが、あわせて、議員から御提言がありましたように、地元の商工業団体等とも、十分そういった解決方策について別な手だてが講じられる方途があるのか、提言できる部分があるかどうかについてしっかりと協議をした上で、さらに、国にそれらを踏まえた対応についての要望もあわせて検討してまいりたいと考えております。
〇復興局長(中村一郎君) 外国人技能実習制度に係る構造改革特区のお尋ねでございました。これにつきましては、議員からお話がございましたように幾つか要件がございまして、その一つに、技能実習生の派遣国との間で、輸出入の取引額が過去1年間に10億円以上という要件がございます。これをクリアするために、今、同様の課題を抱えております宮城県とも連携をしながら、申請するということで、何とかクリアできないかということで、今いろいろ調整、検討を進めているところでございます。
 何とかこういった制度を早期に実現をいたしまして、沿岸の企業の人手不足の解消に少しでも貢献できるように進めてまいりたいと考えてございます。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 健康寿命の関係でございますが、健康寿命は御承知のとおり、健康上の問題で何らかの制限を受けずに日常生活が送れる期間ということとなっておりまして、本県の平成22年の健康寿命は、男性が69.43年で全国で43位、それから女性が73.25年で全国の32位となっております。それで、第2次健康いわて21プランを策定しましたけれども、ここでも健康寿命の延伸を図るということを重要な目標の一つとして掲げております。
 この健康寿命の延伸を図るというためには、平均寿命とも関連しますが、特にやはり3大生活習慣病の予防が重要ではないかと思っております。中でも脳卒中については、がんや心疾患に比べまして死亡率は低いものの、後遺症が残り、医療や介護が必要となる割合が高くなってくるということもございますので、健康寿命への影響が脳卒中は大きいのではないかと考えております。
 先ほど申し上げましたように、特に脳卒中―生活習慣病全体にも言えることかもしれませんが、高血圧の予防のための減塩、それから禁煙、それから運動習慣、こういったことが大きな予防策だと思いますので、それにつながるよう取り組んでいくわけですけれども、先ほど申し上げましたように、県民会議を中心とした県民への啓発のほか、これまで取り組んでまいりました禁煙教育の強化だとか、あるいは食生活の改善指導、それから特定健診、あるいは特定保健指導の実施率の向上、こういったものに継続的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇議長(千葉伝君) 次に、喜多正敏君。
〔27番喜多正敏君登壇〕(拍手)

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