平成26年6月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇27番(喜多正敏君) 希望・みらいフォーラムの喜多正敏でございます。
 発議案第3号日本再興戦略に係る新たな労働時間制度への慎重な対応と過重労働防止対策等の充実を求める意見書の提案理由を御説明申し上げます。
 政府がこのほど創設を決めた新たな労働時間制度は、長時間労働をもたらすとともに労働の対価を失わせることから、慎重な対応と、過重労働や過労死、過労自殺防止対策の充実が必要であると考え、希望・みらいフォーラム、いわて県民クラブ、民主党の3会派の賛同を得て提案を行おうとするものであります。
 発議案の朗読をもって提案理由にかえさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
 日本再興戦略に係る新たな労働時間制度への慎重な対応と過重労働防止対策などの充実を求める意見書。
 政府は、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した新たな労働時間制度の創設を決めたが、この制度は立場の弱い勤労者に長時間労働をもたらし、労働の対価を失わせるものであり、慎重な対応と過重労働や過労死、過労自殺防止対策等の充実を強く要望する。
 理由。
 政府は、本年6月に、労働時間に関係なく成果に基づき賃金を支払う新たな労働時間制度の対象について、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者とし、平成27年の通常国会で関連法案の提出を目指すとしている。
 そもそも、年収や業務にかかわらず働いた労働時間に応じて賃金を支払うことは労働契約の大原則であり、労働基準法において労働時間が法定され、これを超える時間外・休日労働には割増賃金を支払わなければならないとされており、今回の制度はこれを排除しようとするものである。
 新しい制度では、健康確保や仕事と生活の調和を図りつつ、無限定的な働き方を改善するとしているが、法定労働時間を撤廃し残業代という歯止めがなくなれば、成果が出るまで報酬につながらない長時間労働を誘発し、過労死や過労自殺、精神疾患などの健康障害が増加するおそれがある。
 さらに、使用者が従業員の労働時間を管理する責任がなくなれば、過労で死亡しても責任を問われず、残業の概念がなくなれば過労死の認定も困難となる。労働者の同意が前提だとしても、使用者より弱い立場にあり労使交渉力の格差がある中で、同意を迫られた労働者がこれを拒否することは事実上困難である。制度が一旦導入されれば、年収要件の引き下げや適用労働者の拡大が図られるおそれもある。
 現在、過労死や過労自殺、精神疾患などの健康障害が問題となっており、超党派議連で提出した過労死等防止対策推進法が先の国会で可決成立した。
 過重労働の改善や過労死・過労自殺を防止し、ワーク・ライフ・バランスの推進や労働生産性の向上を図るためには、まず勤務間インターバル規制や労働時間の量的上限規制などが検討されるべきである。
 よって、国においては、労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した新たな労働時間制度の導入への慎重な対応と、過重労働や過労死、過労自殺防止対策等の充実を強く要望する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 以上でございます。議員各位の御賛同をいただきますようよろしくお願いを申し上げます。
〇議長(千葉伝君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第3号日本再興戦略に係る新たな労働時間制度への慎重な対応と過重労働防止対策等の充実を求める意見書は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第3号日本再興戦略に係る新たな労働時間制度への慎重な対応と過重労働防止対策等の充実を求める意見書は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第3号日本再興戦略に係る新たな労働時間制度への慎重な対応と過重労働防止対策等の充実を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、発議案第3号日本再興戦略に係る新たな労働時間制度への慎重な対応と過重労働防止対策等の充実を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
日程第41 発議案第4号集団的自衛権の行使について国民的な合意と慎重な対応を求める意見書から日程第49 発議案第12号社会資本の適切な維持管理に対する財政支援等を求める意見書まで
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第41、発議案第4号から日程第49、発議案第12号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第4号から発議案第12号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、発議案第4号から発議案第12号までは、原案のとおり可決されました。
日程第50 発議案第13号「山田町災害復興支援事業等の第三者委員会での再検証を求める決議」の尊重と誠実な対応を求める決議
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第50、発議案第13号「山田町災害復興支援事業等の第三者委員会での再検証を求める決議」の尊重と誠実な対応を求める決議を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。岩崎友一君。
〔18番岩崎友一君登壇〕

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