平成26年2月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(久保孝喜君) 社民党の久保孝喜でございます。
 代表質問から始まった本議会の質問者も私で12人目、少数会派ゆえの質問順によって幾つかの項目が重複しておりますが、めげずに質問させていただきたいと思います。実りある議論ができますことを願うものでございます。
 さて、発災以来間もなく3年目を迎える本県にあって、着実な復興事業の推進が一層求められる局面を迎えております。オール岩手として進めていかなくてはならないことは言うまでもありませんが、ここに来て、復興事業そのものが目的化しているのではないかと指摘される様相が顕在化しています。事業の量よりは質、事業の完了よりも事業の効果、そこにこそ復興の本当の意味が含まれることを確認しつつ、議論が深まることを期待するものであります。
 被災地の復興は、とりもなおさず県政の重大課題であり、本県の持続可能な地域社会を築くための決意と展望を見出す機会としていかなくてはなりません。そのためにこそ健全かつ着実な財政運営が求められております。
 昨年9月、本県は実質公債費比率が18%を超え、起債許可団体となりました。そのため、公債費負担適正化計画を策定し、平成32年までの起債許可団体からの脱却を目指すこととなりました。実務上の特段の不利益が生じないとはいえ、県民にとって、東北6県にあって最悪レベルの財政状況という事実は不安を募らせるものであります。復興に向かう県民のモチベーションにも影響する課題だと言わざるを得ません。県のこれまでの答弁やアナウンスは努めて平静を装うスタンスでありますが、県民に対する丁寧な説明責任が果たされているのかという懸念が拭い切れません。
 そこでお伺いいたします。新年度予算は起債許可団体となって初めての予算編成となりますが、編成に当たっての留意点は何かお示しいただきたい。公債費負担適正化計画との整合性についてもあわせてお伺いいたします。
 今定例会の新年度予算の審議では、これまでと違う要素を持つ幾つかの特徴的な政府方針のもとで行われます。国と地方の財政運営において極めて重要な地方交付税の基本理念に触れる新たな方向が示されているからであります。
 昨年、政府は、国会でも議論が交わされた地方公務員給与の引き下げを前提とした交付税削減を強行いたしました。あらかじめ減額交付することで、地方におけるいや応なしの給与引き下げを狙ったわけです。そもそも、公務員給与の決定が人事院や地方の人事委員会による第三者機関によって勧告等が行われる仕組みを無視することも問題であり、その制度に基づく自立的決定権という地方の権利までも踏みにじるやり方は、およそ民主的ではないばかりか、分権議論に背を向けるものでしかありません。拙速、横暴、強権発動の批判が渦巻いたことは記憶に新しいところです。
 そして本年、今度は普通交付税の算定において地域の元気創造事業費という枠を設け、一般行政経費の一部に算入する仕組みを設定いたしました。昨年の交付税削減の見返りとして設定した地域の元気づくり事業費の焼き直しであります。問題は、この算定において、地方自治体の人件費削減率やラスパイレス指数が用いられることであります。
〔議長退席、副議長着席〕
 地域経済活性化の成果とあわせて算定されるものの、あくまで狙い目は、国の求める行革等の実績を反映させる、すなわち政策誘導的算定であることであります。これまでにも、歳出の削減率を基準とするいわゆる行革算定は一部に見られてまいりましたが、これほどあからさまな算定手法は言語道断であります。当然ながら、地方交付税の歴史的沿革や法律の趣旨からすれば、算定の仕組みはあくまで客観的な指標に基づく普遍的経費を積み上げることこそ必要であり、これまでの歴史の中でも、地方自治体の粘り強い取り組みの中でこの種の政策誘導的算定をはね返してきた歴史がございます。知事は、こうした交付税の理念から逸脱する恣意的な制度設計に対しどういう見解をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
 第2点目の特徴点は、地方の自主財源である法人住民税の一部国税化の方針が示されたことであります。昨年来取り沙汰されてきたこの方針は、もともと地方税収において税源の偏在が大きく存在し、本県のような税財源に乏しい道県にあっては、税制全体の抜本的改正が望まれてきたという背景がありました。首都圏などの税収と税源は全国的企業活動により生み出されたものである以上、その税源の不均衡は、国の制度において一義的に是正されなければなりません。今回の方針は、そうした税源の偏在を、税制そのものの検討を抜きに、直接的に地方の税収に手を突っ込み、召し上げるという乱暴なものだとの批判があり、他方、そうであっても税源是正の第一歩だと肯定的に受けとめる自治体もあると言われております。
 この方針の持つ意味は、国と地方の財政を考える上で極めて重要であります。本県の場合、是正配分の恩恵を受ける最大クラスの自治体であることから、12月定例会での知事答弁も極めて穏やかな歓迎の意思表明に聞こえました。懸念されるのは、こうした過程で既に露呈している自治体間の対立構図であります。持てる者と持たざる者とのせめぎ合いという不毛な対立や、課税自主権などを犠牲にしても、当面の恩恵にすがる姿勢の蔓延という事態であります。こうした政府方針は本県財政にどういう影響をもたらすでしょうか、課税自主権に対する見解とあわせてお伺いいたします。
 最後に、県財政における中長期の財政見通しについてお伺いします。
 既に今議会初日の代表質問で、飯澤匡議員への答弁において策定方針が明らかにされました。ここ数年来の決算、予算審査でもたびたび指摘され、その都度必要性の是認にとどまっていたことを思えば一歩前進と言えると思います。改めて、財政見通し策定の方針についてその考え方をお伺いいたすものであります。
 以上、登壇しての質問といたします。
   〔23番久保孝喜君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 久保孝喜議員の御質問にお答え申し上げます。
 当初予算編成に当たっての留意点についてでありますが、本県は、平成24年度決算に基づく健全化判断比率において実質公債費比率が18%以上となりましたことから、昨年9月、公債費負担適正化計画を策定して、今後の地方債の発行方針を平成25年度の発行規模を維持または抑制することとしたものであります。平成26年度当初予算の編成に当たっては、実質公債費比率の上昇要因である公債費の増について県債管理基金を取り崩して対応するなどして政策的経費の財源を確保しましたほか、公債費負担適正化計画の方針どおりに県債発行の抑制に努めて財政健全化に配慮したところであります。
 次に、地方交付税の算定に行革実績やラスパイレス指数が導入されたことについてでありますが、平成26年度の地方財政計画では、普通交付税において、通常の算定に加え、各地方公共団体の行革努力や地域経済活性化の成果指標を反映する地域の元気創造事業費が創設されたところです。本来、地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障する制度でありますことから、その算定は、標準的な行政サービスの実施や施設の維持に要する経費について客観的な基準に基づいて行われるべきものと理解しております。こうした地方交付税制度の趣旨からしますと、交付税の算定に財政需要以外の指標を拡大導入していくことは好ましいものではないと考えます。
 次に、法人住民税の一部国税化についてでありますが、法人住民税の一部国税化は、法人住民税法人税割の税率を引き下げて、その引き下げ分に相当する地方法人税を国税として創設し、その全額を地方交付税原資とするものであり、本県においては、法人県民税法人税割が減収となりますものの、それを上回る地方交付税の増収が見込まれます。今般の改正は、地方税の一部国税化という面はありますが、地方消費税増税による地域間格差を是正する措置として行われるものであり、結果として財源の安定的な確保に資するものと理解しております。
 一方で、地方自治は自分たちが納める税でサービスを賄うことが原則であり、地方分権を推進するためには課税自主権は拡大していくことが望ましいことから、そのためにも、偏在性のない安定性を備えた地方税体系を構築していくことが必要と認識しております。
 次に、県財政の中期的な見通しについてでありますが、東日本大震災津波の影響が本県財政にどの程度影響を及ぼすか不明であることから、中期財政見通しの作成、公表は見送ってきたところであります。この間、国においては、復旧、復興事業のための復興交付金や震災復興特別交付税、取り崩し型復興基金など特別の財政支援制度が創設されました。今後もこうした財政支援が継続するとの前提に立てば、中長期的な財政の見通しについて、ある程度見込むことが可能となってきています。
 また、第2期復興実施計画の内容や、社会保障、税の一体改革、消費税、地方消費税率の引き上げの影響等、国の地方財政対策の見通しについても一定程度把握可能となったことから、これらを参考にしながら中期財政見通しの策定作業を進めていくこととしているところであります。
〇23番(久保孝喜君) 答弁ありがとうございました。
 最初に、交付税の問題、算定にかかわってお尋ねいたしますが、昨年もあらかじめ交付税が減額されて、地方のいわば自主的な政策判断を阻害するような手法がとられたわけですし、今回の地方の元気云々の創設についても、基本的にはそれぞれの自治体によって自主的に行われるべきところの行政改革などの手法について、国がいわば一方的にそれを算定の基準にしてしまうという点で政策誘導的だというふうに言っているわけですけれども、2年続けてこういう流れが続いているということについては私は非常に大きな問題があると思っていますが、知事は、連続2年のこうした手法についてはどのように受けとめているのかもう一度お願いします。
 あわせて、今後、懸念されるのは、こうした手法が続く、あるいは拡大されていくということになってしまうと、今年度の予算については、この枠というのは極めて全国的に見れば小さいものですし、具体的に交付税にはね返るというのはそんなに大きな金額ではもちろんないと思いますが、いわばこれがアリの一穴になってしまって、どんどん拡大してしまう。その結果何が起きるか。行革そのものを、それぞれの地方自治体がこれを言いわけにして例えば賃金カットへ走るとか、あるいは人員削減に一生懸命になってしまうというようなことも実は懸念されるわけです。そういう点での動きというのを、本県においてはそういう可能性を排除すべきだというふうにも思うんですが、そこも含めて所感をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 地方交付税制度は、一定の行政サービスを提供するための財源を保障するものでありますので、その算定は標準的な行政サービスの実施に要する経費について客観的な基準に基づいて行われるべきでありますから、こうした交付税制度の趣旨に鑑みて、財政需要以外の指標を算定の基礎とすることは好ましくないと考えます。
 全国知事会においても、それぞれ知事の皆さん、地方のニーズに対応した行政サービスをしっかり実施していくという観点から問題であるという議論をしているところでありますので、そういう全国の知事の皆さんと力を合わせて対応していきたいと思います。
〇23番(久保孝喜君) もう一つの問題点である法人住民税の問題については、私の問題意識と先ほどの答弁は若干すれ違いがあるのかなという感じもいたします。答弁にありましたように、本県においては、減収になる分と交付税として積み増しされる分ということでいえば積み増しされる分が多いわけですから、財政的には寄与になる、こういうことでしょうが、しかし、指摘してまいりましたように、課税自主権との兼ね合いでいえば、これはいささか問題があるという指摘はしっかりと見ておかなければいけない。
 そこで、本来、地方分権の議論の中でつくられました国と地方の協議という正式な場があるわけですけれども、しかもこの課税に関する問題については、その協議で取り扱うことのできる協議事項と定められているわけです。ところが、今回の方針策定までの間、正式にこれを取り上げて、国と地方が対等の立場で協議をするという場面が実はなかったと言われております。決定そのものも問題ではあるけれども、決定に至る過程で、せっかく積み上げた制度を活用しないまま国の方針にただただ従ってしまうという構図がこの間につくられていったということについては私は問題だろうと思いますが、知事はこの点についてどのようにお考えになっているのか、そして、何か具体的に行動されたことがあるのかについてお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 国と地方の協議において、この法人住民税の一部国税化について十分な協議が全国自治体側とも行われないまま、結局、国においてこういうふうにしてしまったということについては全国知事会長からも報告を受けておりますし、また、全国知事会の各種集まりの中でも問題視しているところでありますので、こういうことのないようにしっかり対応していきたいと思います。
〇23番(久保孝喜君) 知事はかねてから地方分権に関しては一家言を持つ政治家だろうと思っておりましたから、ぜひこうした分権の理念に反するさまざまな方針が示された際には、いち早くアナウンスをする、メッセージを送るということが私は求められているのではないかと思っておりますので、ぜひそのように動いていただきたいと思っているところです。
 最後に、財政見通しの話、既に今議会のやりとりの中でも策定に着手するということが明言されていますからそれを見守りたいと思いますけれども、ただし、これまでかなり先延べされてきたという経過からしても、そして4月から始まる復興の第2期の計画という背景からしても、この策定は急がなければいけないと私は思っているんですが、遅くとも来年度の決算審査までという一つのポイントがあろうかというふうに私は思うんですけれども、その策定の完了めどというものについて今考えていることをお知らせいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 現在、策定に取り組んでいる第2期復興実施計画の内容、そして平成26年度の地方交付税の算定、臨時財政対策債の発行可能額の試算等の時期を踏まえ、平成26年度の上半期には公表したいと考えております。
〇23番(久保孝喜君) そのようにできるだけ早く策定して県民に説明をすべきだということを申し上げておきたいと思います。
 2点目の質問項目は、復興実施計画第1期の検証、総括についてでございます。
 復興実施計画の第2期が新年度からスタートするに当たって、この1期3年間の検証というのが議会にも暫定版という形で示されました。この暫定版というA3資料1枚、裏表というだけのものでありますから、これが検証に値するのかということには疑問を持たざるを得ません。しかも、ここで示されているのは進捗率を中心とした事業の進行度合いを報告するということに主眼が置かれておりまして、どういう課題が生まれて、あるいは現状どんな検証が行われたのかということは、これ1枚ではなかなかわかり得ない、そういう状況でございます。
 こうした中で、総括のコメントも幾らか載せているわけですけれども、検証の中身がおよそ客観性に欠けて、内部的な文書でしょうからそうなんですが、客観性に欠ける。しかも課題設定の根拠となる被災自治体の状況だとか被災者の意識だとか事業効果の予測だとか、あるいは復興に向けた効果や実績がこの検証暫定版というものには示されておりません。
 したがって、この暫定版でない形で本来は議論したいわけでありますが、こういう進捗度合いであるとして、おおむね順調に推移している、こういうふうに知事は再三おっしゃっているわけですが、一方で、県民の意識は、既に明らかになっているように、時間を追うごとに、ややおくれているとかおくれているというふうに感じている県民の意識というのが非常にふえているという事実もございます。ここにおいて、復興に関する県民の見方と事業の主体的な事業体である県政の評価の問題がミスマッチしている、こういうことが言えるのではないかと思うのですが、その点についてどのように考えているのかお伺いいたします。
〇副知事(千葉茂樹君) 御指摘の事業進捗と対比しての県民意識の状況につきましては、県民が十分に復興の実感を得られていない背景として、防潮堤の整備あるいは災害公営住宅の建設など、今後、ピークを迎える本格復興の主要な取り組みについて、いまだ復興を実感できる程度まで事業が進捗していないこと、あるいは応急仮設住宅での生活の長期化、あるいは復興まちづくり事業と合わせた商店街の再建が進んでいないことなどの要因があろうかと思っております。
 先ほどお話ございましたように、県事業の進捗状況につきましては、第1期末までの達成すべき事業ごとの目標値に基づきまして事業の達成度を整理し、復興意識調査におきましては、県内の復興全般にわたります県民の実感等を調査しているところでございます。県といたしましては、毎年度、これらの各種調査等に基づきましていわて復興レポートに取りまとめ、県の取り組みのみならず、地域の復興状況や課題、今後の復興の方向性についても県民に明らかにしているところでございます。
 第2期の本格復興期間におきましては、地域の住民の方々が主体となるような復興をより推進していくことになりますので、県民の皆様にわかりやすく復興状況をお知らせするため、県全体の復興取り組みぐあいをお示しする指標をさらに追加設定するなど、復興プロセスの共有に向けた必要な改善を図っていく必要があるものと考えているところでございます。
〇23番(久保孝喜君) 私たちに示された検証暫定版というこのペーパーについてちょっとお尋ねするわけですが、これを見ても、何が問題で、どのように進んでいるのか。なるほど円グラフで進捗率が高いものの割合というのがおよそ4分の3ありますから、その限りでは事務的に言えばおおむね順調にということは理解できるところではありますけれども、例えばこの進捗率をはかる上での指標というのが605設定されていまして、実質はダブりがあって579だと、こういうことでありますが、この579の指標のうち、全く手つかずの事業指標というのが実は14あると聞きました。そういうふうに、全くゼロ%の事業というのも実はこの中に含まれる、こういうことですよね。そういう内容がこの暫定版の中から全く読み取れない。それでは、全く進まないことがどういう意味を持っているのか、あるいは何ゆえそうなっているのかということも我々の側からすると検証の対象になり得るというふうに思うんですが、これだけでは全くわからない。今、答弁ありましたように、この暫定版は7月に予定される復興レポートで本式になる、こういうことなんでしょうけれども、この表記の仕方、それから県民に対する説明という点でも非常に私はわかりにくいことになっていないかと思うんですが、その点についての所感はいかがでしょうか。
〇副知事(千葉茂樹君) 今、県民に対するわかりやすさという御指摘があったところでございます。今回、あわせまして、例えば実質的な進捗率というところにおきましても、実は、その事業の中で、国などが行う他の有利な事業の制度を活用したために当該事業では対応しなかったもの、あるいは、被災地の自治体ニーズが計画値を大きく下回って、その被災地のニーズは実質的に満たされたものの、計画としての評価上、それについてもおくれという形に形式的に出るというようなものがございましたので、それらを除いて、例えば現在、実質的なおくれというふうな説明もさせていただいておりますが、そういう意味で、いろいろと対外的な、特に県民に対する説明に対してはこれから十分丁寧な表現、工夫等をしていく必要があるものと考えております。
〇23番(久保孝喜君) 今、県民に対する丁寧な説明というお話がありました。県民意識とのギャップの問題も含めて、それは必ず必要だと。しかも、謙虚に説明をしていくということが必要だと思うんです。おおむね順調に進んでいると。進んでいない部分はこういう理由があるんだということの説明はそれでよしとしても、しかし、県民のかなりの多くが復興のスピードがないと言っている、そういう意識状況があるという現実がある中で、最初に順調なんだということを言ってしまうと何を言っているんだという話に感情的にはなるわけです。だからこそ私は、そこは丁寧に、かつ、かなりみずからの主張を抑えた形でやる必要があると。
 県民に対する説明の話では、きのうも実はやりとりがございました。知事答弁の中で、高橋孝眞議員の、県民に対する説明についてやるべきではないか、こういう質問に対して知事は、さまざまなチャンネルを通してやっているんだと。全体の答弁を見ますと、これ以上の説明については触れていない。つまり、今の現状のままでいいのではないか、そういう答弁趣旨になっているようなんですが、ここはぜひ知事にもお聞きしたいんですが、今、復興局長から新たな工夫も含めて県民に対する説明をするという表明がありましたけれども、知事は、この説明責任ということについて現状どのようにお考えでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 復興というのは、言うまでもなくこれは絶対に成功させなければならないことであります。そして、その成功に当たっては、さまざまな要因もあるんですけれども、被災者お一人お一人が復興の主役となって、そして、いわば地元の底力を発揮し、さまざまなつながりの力とともに、それを復興の力として進めていく、そういう中で、復興が進んでいないということを、実態以上に復興が進んでいないという意識を持ち、かつ、それが、もう自分が何をやっても無駄だとか、もう復興なんてだめなんだみたいな気持ちになった場合に、この地域で現に行われ、かつ、これから本格化していくまちづくりへの参画でありますとか、それからまた、地域でのこの経済活動でありますとか、そういったことに悪影響が及ぶようでは困ると思うんですね。
 そういう意味でも、この正確な現状認識ということが大事でありまして、実態以上に修飾して、プロパガンダ的に大本営発表で復興を盛り上げることは、あってはならないと思っております。そういう中で、県が発表しているのは、たくさんある事業、そして、その事業による効果ということについて、これだけのものができてきています、これだけの事業が進んでいますということをできるだけ客観的にお示ししている。
 類似の答弁の中にあったと思いますけれども、しかしながら、被災者の皆さんの中には、やはり防潮堤ができてこないと復興そのものが進んでいるという実感が湧かない、また、仮設住宅の次の住まいに移らなければ復興しているという実感が湧かない。ただ、そこは、これからの3年間がピークを迎えるわけでありますから、現時点で、その本格復興期間の前の基盤復興部分が計画どおり進んでいたとしても現状に満足できないというのは、それはそれで行政としてしっかり受けとめて、被災者の生活ケアでありますとかコミュニティ支援といったところに役立てていかなければならない。
 そういう意味で、この県の発表する情報、被災者の皆さんの思いをきちっと受けとめる、そういう双方向のサイクルの中で復興というものが成功していけばよく、県の説明責任というのは、そういう復興が成功していく中での双方向のやりとりがきちんと回っているかという中で工夫されていくべきと考えています。
〇23番(久保孝喜君) 一連のさまざまな復興事業の進捗度とかスピード感の問題がいろいろ指摘されてまいりました。その際に、私の言いたい趣旨は、何も事実と違うことを言う必要もなければ、それから、その復興のモチベーションを下げるような言い方ももちろんしてはいけない、これは当たり前のことだと思うんです。ただ、被災者、被災地に対して、県の立場として、やっぱり謙虚さを持って、ここまで頑張っています、しかし、この点についてはこれだけ積み残しになりましたとか、あるいは今定例会でも議論がありました平準化の話とか、さまざまな復興にかかわっての個別具体の指摘があるわけですね。それは全て、例えば第2期計画にのせていますとか、あるいは、1期計画では残したけれども、こうなりますとかという説明に転嫁をしていくという謙虚で丁寧な説明によって補われるものだと私は思うわけですよ。
 しかも、こうした検証について言えば、話が戻りますが、本来、1期3年間としたのであれば、3年目の年度末には一定の3年間の検証を示して、2期目はどういう課題を持ち越すのか、あるいは1期目の成果をどうやって2期目につなげるのか、そういう態度が復興に携わる県当局としては必要だったのではないか。通年ベースで、3月に暫定版を出しました、7月に復興レポートを出します、それを見てくださいでは、この1期から2期の移り目の中ではそもそも不十分なのではないか。そこの点についてはどのようにお考えでしょうか。1期の成果、課題を2期につなぐという意味では、今まさにその7月に出す予定のものを前倒しで出して議論に供するという姿勢が必要だったのではないでしょうか、どうでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 県のこの復興事業に関しては、年度ごとの、1年ごとに計画があり、事業を行い、評価があって、そしてチェックして、また次の事業に生かすというサイクルで取り組んできたと思います。3年まとめてのこの評価ということについてでありますけれども、これについては、議員の御意見も参考にしながら、また、被災地、被災者の皆さんとのやりとりの中で必要に応じて対応していきたいと思います。
〇23番(久保孝喜君) これからは対応できないと思いますが、いずれ、そういう姿勢は持っていただきたいと思います。
 もう少しその検証の問題に触れたいのですが、復興事業というのは、もちろん言うまでもないことですが、国の事業があり、県の事業があり、あるいは市町村の事業がある。しかし、県民にとって、あるいは被災者にとっては、それがどの事業主体であるかどうかに関係なく、いわば復興の事業として映るわけですね。それで、県民の意識とのずれという点で言えば、残念ながら、そういう総体の検証という、復興事業主体別ではなくて、復興全体の姿というものがなかなか伝わっていない。伝えていないと言ってもいいかもしれません。私は、そういう状況があるのではないかとも思うわけです。
 加えて、今、県が一生懸命取り組んでいるいわゆる土地収用に関する法制度の問題なども、実は、本来こうした検証は、復興庁が中心になって同時並行で進めていかなければならないことだと思うんですよ。ところが、私は、その機能を復興庁が果たしていないと思うんですね。それがもしあれば、現場の復興事業の課題だとか、あるいはそこでぶつかっている障壁、そういうものが、いわば手にとるように復興庁自身もわかるということも含めて、国との共通認識というものがそこで形成されていくということになるんだろうと私は思っておりまして、この検証の問題を、国、県、市町村のトータルのものとして示すことができる、あるいはそういう議論のできる場というのが、形式上はあるみたいですけれども、残念ながらそれが伝わってこない。そこに大きな問題点があるのではないかと思います。
 加えて、事業当事者だけの検証ではなしに、第三者の視点もそこに入れるというような仕組みなり方向性というものが、私は考えられていいのではないかと思うんですが、その点についての所感はいかがでしょうか
〇副知事(千葉茂樹君) 復興事業の検証についてのお尋ねでございますけれども、いわゆる復興の状況等につきましては、まず、全体のお話になると国のほうで考えていただく話となりますが、国における復興推進会議において報告がなされておりますほか、復興庁が、ホームページの活用等で随時公表されている状況でございます。
 また、復興庁設置法に基づきまして、東日本大震災からの復興のための施策の実施状況を調査審議し、必要があると認めた場合には内閣総理大臣に意見を述べるための組織として、平成24年2月に復興庁に有識者及び被災3県知事を委員といたします復興推進委員会が設置されたところでございますけれども、現在、復興事業の検証の場としての運営はなされていないものと考えております。
 なお、国が定めております平成27年度までの集中復興期間以降の復興財源スキーム等について、いまだ見通しが示されておりませんことから、県といたしましては、本県における国、市町村を含めた復興に要する費用の全体を明らかにした上で、被災各県と連携し、必要な復興財源の確保について、引き続き強く要望していくということについて繰り返し申し上げておりますけれども、国におきましては、当該スキームについて議論が行われる中で、これまでの復興事業の状況についての議論も行われるのではないかと考えているところでございます。
〇23番(久保孝喜君) 県の復興事業の責任者として取り組んでいる副知事が、国においてやられているのではないかという話だけでは、私は済む話ではないと思うんですよ。問題となっている新たな法制度の問題も含めて、本来、現場で、国も含めて当事者たるその関与がきちんとあれば、私は、この新たな法制度の問題を含めて今のような状況ではなかったのかもしれないと思ってしまうわけですね。
 したがって、国が今の段階でそういう形でなかなかできないのであれば、県が市町村等含めて開かれた検証の議論というものを、大変きつい時期ですから可能かどうかという問題はありますけれども、しかし、市町村の事業、県の事業、少なくともこの二つについては、同じ方向、そして同じ課題意識というものを持ち合わせる、そういう議論がもっともっと表に出れば、県民のおくれに対する意識だとかそういうものも是正されていくのではないかと思うのですが、改めてその点をお聞きいたします。
〇副知事(千葉茂樹君) まず、本県の被災市町村においての状況でございますが、大槌町を除きまして、復興実施計画を期間を分けて策定しておりません。また、実施計画のローリング計画を行っているために、事業の進捗状況について個別に現在も聴取をしていなければならない状況でございまして、検証のために必要な市町村個々の状況把握を逐次行うことは、なかなか難しい状況にあるところでございます。
 これについては、今、議員からも、そういう状況があるのではないかというお話もございましたので申し上げますが、私どもといたしましては、県の復興委員会では、県が直接行う復興事業に加えまして、一部国の直轄事業あるいは市町村への助成事業なども含めて、その進捗を検証しているところでございます。
 少なくとも有効射程としては最低限のものはやっているつもりでございますが、ただ、それについては、今、御指摘ございましたように、県民にその状況を説明していくことができるのが県の委員会だけだとするならば、できるだけその辺には意を配していきたいと考えているところでございます。
〇23番(久保孝喜君) 形式的な議論になってしまうことをお許しいただきたいわけですけれども、そういう検証についてのスキームは、少なくとも県段階にはあるわけですから、そこの議論と市町村の実態をかみ合わせるという工夫を、厳しい中ではありますけれども、ぜひやっていった上で、被災者の被災地の復興に対するおくれの意識とのいわばずれをできるだけ小さくしていく努力が、なお一層求められているということを指摘しておきたいと思います。
 次に、三つ目の中山間自治体の将来像についてお尋ねいたします。
 これは、今定例会のみならず毎定例会で、人口減少の問題とかかわって小規模自治体の話、中山間自治体の話が出てまいります。人口減少という大きな時代的な、あるいは日本にとってはまさに国家的な課題として今浮上しているわけですが、その人口減少とこの10年以上前から向き合ってきた小規模自治体という存在があるわけです。
 岩手県にとっては、そうした小規模自治体の持っているエリア、あるいはそこにある自然、県土の資源というものを含めて、この小規模自治体の将来像ということを考えるのは極めて重要な観点に浮上してきているのだと私は思います。
 広域自治体としての県が果たすべき役割、一定の制約もあり、なおかつ、基礎的自治体である市町村の動きということも考慮に入れなければなりませんので、一概に県が勝手に将来像はこうだなんていう話は当然ないわけでありますが、そういう問題意識を持ったときに注目すべき施策を県はこれまで実はやってきたわけですね。平成19年度、全県下の集落状況調査というものを行いました。アンケート方式で、どういう実態にあるかということを調査いたしました。
 この点についても議会で何回か取り上げられた経過がありますが、改めて、この平成19年に行った全県下の集落状況調査を、当時、継続的にどのようにしたいと考えていたのか、改めてここはお伺いしておきたいと思います。
 さらに、その調査結果をどのように活用していこうとしていたのか、今後の方針についてもあわせてお尋ねしたいと思います。
〇政策地域部長(中村一郎君) 平成19年度に行いました集落状況調査でございますが、この調査は、集落の維持、再生に向けまして、市町村と協力して、県として可能な支援方策を検討するために、全県的に集落の状況につきまして調査をしたものでございます。
 この調査によりますと、集落の維持、再生を図るために必要な支援策といたしましては、若手後継者の育成でありますとか活動費用の助成、それから、他地区の集落活動の実施事例の紹介等が集落側からはニーズとして挙げられてございます。
 県としては、この調査の結果を踏まえまして、その後、草の根コミュニティ大学を県内8集落で開催して担い手育成に努めるといったような取り組み、それから、市町村と地域住民が協働で地域で抱える課題解決に取り組む地域の課題解決モデル事業といったようなものを実施してまいりましたほか、住民の主体的な活動が他のモデルとなるような事例につきまして、元気なコミュニティ100選、その後、元気なコミュニティ特選団体というような認定を行いまして、幅広く情報提供を行うといったような取り組みを実施してまいりました。
 今後、この中山間地域における集落の維持がさらに厳しくなるであろうということが見込まれてございますので、県としても、関係市町村と連携しながら、集落の実態、また、その地域の課題といったようなものをしっかりと調査、把握をしながら、今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。
〇23番(久保孝喜君) 平成19年の集落状況調査の成果というものが、小さな山間自治体にとっては注目もされてきたことだろうと思いますので、引き続ききちんと検討していただきたいと思うのですが、もう一つ別の切り口で、平成の大合併と言われる状況の中で、いわゆる旧市町村単位での新たな集落単位での人口減少や過疎化という問題が改めてクローズアップされました。本定例会では、合併算定がえの話を含めて、財政問題についてもやりとりがありましたけれども、県は、こうした合併後の旧町村地域あるいはその周辺地域での集落の状況ということについては、今の段階でどういう現状にあるか、そして、課題というものをどのように認識しているのかをお示しいただきたいと思います。
〇政策地域部長(中村一郎君) 平成の大合併後に、県としては、平成22年に実施いたしました合併市町の現状に関する調査におきまして、合併前には財政状況の問題で実施がおくれていた学校の改築等が合併によって実施することができたということとか、自治会活動への支援がなされたといったような効果が、地域のほうからは報告をいただいております。
 また、一方、旧町村役場が支所という形になりまして職員が減ったことによりまして、行政と住民との関係が少し縁遠くなったといったような指摘、また、旧町村周辺商店街の活気の減少などが指摘されておりまして、旧町村の活力喪失等が課題の一つというように認識してございます。
 このように、中山間地域を取り巻く環境は年々非常に厳しくなってございます。今後とも、市町村と十分連携をとりながら、いわゆる合併前の旧町村地域の今後の振興に県としても十分に取り組んでまいりたいと考えています。
〇23番(久保孝喜君) この合併後の周辺地域、特にも中山間旧自治体なんかの状況については、今、県内各地で行われているいわゆる首長選挙などでも大いに注目されたり、あるいは争点とまで行かないまでも、議論に浮上してきている課題でもございます。
 私は、広域自治体としての県が、合併で、それでよしともちろんしていないわけですが、そういう意味での県にできることを含めた対応に意を尽くしていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 こうした中山間自治体の問題では、必ず人口減少の問題が取り上げられるわけですけれども、実は、議会に設置されている特別委員会、人口減少・少子化対策調査特別委員会に私も所属しておりますが、先般、古田隆彦青森大学名誉教授を招いてお話を聞く機会がございました。古田先生は、少子高齢化と一口で言っているけれども、この言葉を使う限り、なかなか行政課題は見えてこないのではないか。少子化というのは少産化である。つまり産む子供が少なくなっているという意味であると。そして、高齢化というのは長寿化ということだ。だから、行政では、少産化、長寿化という形で明確な行政目的、行政方向というものを示す言葉として使うべきではないのか、こういう提言をなされておりました。
 聞いていて、なるほどなと思うわけですね。つまり、少子化、高齢化と言っている限りは、何か自然減少であるかのような、私たちが手をつけられない大きな課題であるかのように思いますけれども、少産化ということになれば、子供を産むための環境をどうつくるか、あるいは今定例会でも議論になりました結婚支援をどうするのかということも含めて、そういう議論に発展していく、あるいは明確な目標が見えてくるという効果というものもあるのだろうと私は思います。
 多方面からこうした人口減少や集落の過疎化にかかわる議論というものを本格的にやっていかなくてはいけないという時代にもちろん入っているわけですので、こうした課題を含めて、市町村と県が、まさに対等の関係だとされているわけですけれども、こうした過疎化、人口減少、いわゆるこれまで言われてきた少子化、高齢化という話を同じテーブルで議論するというような仕組みは今現在あるんでしょうか。あるいは、ないとすれば、つくる方向で考えていかなくてはいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
〇政策地域部長(中村一郎君) 我々本庁としては、各市町村のそういった企画担当者または振興担当者を年何回か集めて、いろいろ県の施策を説明し、また、市町村のほうからもいろいろ課題をお伺いする機会もございます。ただ、それで今、議員がおっしゃったような議論が十分できているかというと、必ずしも突っ込んだ議論には恐らくまだなっていないとは私自身も認識をしてございます。また、一方、広域振興局ごとに、それぞれ市町村の担当者と回数をかなり重ねながら、そういった議論を重ねている場もあると聞いてございます。
 また、地域ごとにそれぞれ置かれている状況が異なるという面もございますので、全県的に一律議論する場がいいのか、振興局レベルで少し共通課題を整理しながらやる場がいいのかということはございますが、議員からお話があったそういうテーマについて、より市町村と深掘りをしながら議論していくことについては、検討させていただきたいと思います。
〇23番(久保孝喜君) この項目最後の質問をいたしますが、総務省が新たな広域連携についてという文書を出しました。これは、昨年来、地方制度調査会などがさまざまな研究成果として出したものだと言われておりまして、政府の新年度予算の中にも、一部この問題が予算化されるというような事態にまでなってまいりました。
 概略を説明する時間はありませんけれども、少なくともこれまで行ってきたのと決定的に違うのは、自治体間に協約という新たな制度といいますか仕組みを持ち込んだということです。自治体間連携協約ということで、国と国が条約を結ぶように、自治体同士が協約を結んで連携し合うのだと。その意味では新たな広域連携なのかもしれません。
 その中で、条件不利地域における市町村と都道府県の連携という項目があって、小さな自治体に対して、県が直接の当事者として、相手方として協約を結んでいくという考え方が示されております。これは、基礎自治体、特にも岩手において中山間自治体が多いという現状からしても、岩手としてはもう無視できない動きにこれからなっていくのだろうと思いますが、現時点で、こうした県と自治体との連携協約、ここについてどのような見解をお持ちかお伺いいたします。
〇政策地域部長(中村一郎君) 今、議員からお話がございました連携協約でございますが、これまで、例えば市町村同士が一定の事務を共同でやろうといったときには、一部事務組合でありますとか広域連合とか、そういう組織を立ち上げてやらなければならないということで、市町村にとっては非常にハードルが高い仕組みでございました。
 そういう意味で、今回のこの連携協約というのは、当事者の各市町村自治体間がそういう協約を結ぶということで共同でやれるという仕組みで、これまでの仕組みよりは、そういう意味では、恐らくかなりハードルが下がった仕組みとして用意をされていると考えております。
 確かに県と市町村間の協約ということも制度上予定されておるようですが、基本的には、私の個人的な考えですが、原則は、やはり市町村同士の水平的な形で共同できるものをまず優先して考えていくべきだろうと思います。
 ただ、それでも近隣の市町村でどうしても相手が見つからない、それで、なおかつ、自分のところでそれを今後処理するのが非常に難しいというようなケースが出てきた場合には、次の策として、県と市町村という協約の形を検討していくというようなステップを踏むことになるのではないかと考えております。
〇23番(久保孝喜君) この新たな提案というのは、一面、今、御答弁あったように歓迎できる要素ももちろんあるわけですが、こうやって自治体間連携の仕組みのハードルをどんどん下げてつくることによって、道州制に向かう一つのステップにしているのではないかといううがった見方も、実は存在しているわけですね。
 今後の推移ということに注目しなければなりませんが、ゆめゆめそういうことにならないようにと私は思うわけですけれども、いずれにしても、この水平的関係という中には、私は、当然県だって入るわけだと思うので、単なる市町村間だけの話ではない踏み込んだ判断も時には必要になってくると思いますので、ぜひ慎重に御検討いただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
 次に、4番目の質問項目に入ります。JR山田線及び県内ローカル線についてでございます。
 この課題も、今定例会でもさんざんいろいろやりとりがございました。私はかねてから、この山田線にかかわる問題の一つの試金石は岩泉線の問題にあったという主張を委員会の中でもしてまいりました。だからこそ、岩泉線の廃線が決まったということを大変残念に思う者の一人でもございます。あの岩泉線廃線に至る過程というものが、実は、ある意味では、そっくりそのままJR山田線に引き継がれているとさえ思っているところでございます。
 交通事業者としてのJR東日本が、社会的責任云々は当然のことながら、震災という過酷な条件の中でまちの再生を望んでいる被災地にとって、これまで3年間、1メートルも復旧してこなかったと。まず、この現実というのは、批判されてしかるべき話だろうと思います。
 そして、今回の提案でございます。運営を三鉄がやったらどうか。鉄道資産は自治体へ無償譲渡する。幾ばくかの赤字補填も考えましょう。こういう提案です。しかし、これは、言い過ぎかもしれませんけれども、私は、被災地を人質にとった、ある意味では、切り捨て、丸投げの路線だと言ってもいいくらい、実はこの鉄道事業者としての本質にかかわる極めて相反する提案だとも思っているところでございます。
 そこで、単刀直入に知事にお伺いいたすわけですが、こうした提案に対して、私は、一連の報道などを見るにつけ、この提案をのまなければ復旧工事には入らないと言っているように聞こえてしまうわけですけれども、その点についてはどのように受けとめていらっしゃるのか。提案の協議は協議として継続をする、しかし、復旧工事には入るということなのか、協議が調わないうちは復旧工事に入らないのか、この受けとめ方をまず明確にお示しいただきたい。
〇知事(達増拓也君) JR東日本は、JR山田線について復旧後の利用者の確保に懸念を示し、自社のみの運行という形では持続的な鉄道の運行が困難ということで、南北リアス線との一体運営や経営の効率化といった観点から三陸鉄道による運営を提案してきたと理解しております。
 先日開催された山田線沿線首長会議において、沿線首長は、JR東日本に引き続き運行を求めていくこととあわせて、JR東日本の提案についても検討、協議する意向を示しています。県としては、その意向を踏まえて、沿線市町及び三陸鉄道と協議を行って、先般、三陸鉄道が運営をするとした場合には鉄道施設をJR東日本が引き続き所有することなどを求めたところであります。今後とも、JR東日本に復旧後の運行を求める姿勢は維持しながら、今回の提案に対しては、自治体の負担増を回避する観点から、沿岸市町村及び三陸鉄道と検討、協議をして対応していきたいと考えています。
〇23番(久保孝喜君) できるだけ単純にお聞きしたつもりだったんですが、お答えにならないということについてはどうなんでしょうか。答えることは適当でないと判断していると受けとめてよろしいんでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 県として、今、JR東日本と県、市町村の地元側とがやりとりしていることの意味については先ほど述べたとおりです。
〇23番(久保孝喜君) この提案があった2月11日、そして知事がその翌日に新聞社の取材に対してお答えした記事が今ここにあるわけですが、そう簡単ではないという見出しがあったり、提案そのものを歓迎するという姿勢は全くないわけです。唐突だ、突然だったというようなことも出てきております。突然であるがゆえに、私は、この間の知事演述もそうですが、鉄道事業者の姿勢としてどうなのかということをまず問うということがなければメッセージとしては非常に弱いものになると思うんですけれども、どうなんでしょうか。
 つまり、3年間、1メートルも復旧してこなかった鉄道事業者が、3年目になって初めて今度は三鉄でやってくださいと、こういう提案をしてくるというのは、これは常識的に考えて、どう見ても、被災地、県民に対する、裏切りとは言いませんけれども非常に困惑する提案であったと。そのことをまずきちんと知事がトップリーダーとして表明をする。そのことがないと次の段階に私は話が進んでいかないんじゃないかという気がして再三お尋ねしているわけですが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 私は、このJR山田線宮古−釜石間の問題というのは、岩手沿岸の復興全体の中で非常に重要な、不可欠な問題、課題であると捉えております。それは県全体がそうですし、また、鉄路復旧を前提に、駅舎の周辺の再開発といいますか、それを含めたまちづくりを考えている山田町や大槌町もそのとおりなわけであります。宮古市もそうですし釜石市もそうです。
 そういう復興の新しいまちづくりの中にJR東日本がどういう役割を果たしていくかという観点から今までもずっと協議を続けてきたわけでありますし、これからも基本的にそのように協議をしていきたいと思っています。
〇23番(久保孝喜君) 知事の発信力というのは私たちが想像する以上に大きいものだと私は思っております。ましてや復興3年目を迎えて、新たな第2期の計画に入るという中でこういう提案がぶつけられてきているわけですよね。県の姿勢が問われているということなんだろうと思うんですが、けさの新聞には釜石市長の記事が載っておりまして、JR山田線問題についてどのように言っているかというのを興味深く拝見いたしました。その最後に、県の明確な主導権を期待していますと書かれてございます。恐らく沿線の首長たちも同様の思いだろうと私は推測するわけです。今回の議会の議論の中でも、市町村の意向を尊重してという言葉がついたりする答弁を繰り返しています。もちろん尊重するのは当たり前のことですし、そのとおりなんですが、しかし、尊重しつつも、県としてどういうメッセージを送るのか、方向性を示すのかというのはまた別の次元の話だと私は思うんです。そういう点で、知事の発信力や、ある意味での主導性というのが、実はこの間の山田線問題についてはなかったのではないか。大変残念ながらなかったのではないかと私は思っているんですが、その点についての所感をもう一度お願いします。
〇知事(達増拓也君) 県としましては、よくよく考えた末、また、今までの3年間の経過を踏まえ、かつ関係沿線市町村の意向も踏まえた上で、今、沿線市町、そして三陸鉄道と協議を行って、JR東日本に対してJR東日本がすべきことについての紙を提出した、そういうやり方をとっているところです。
〇23番(久保孝喜君) 大船渡線の問題も新たに浮上してまいりました。JR東日本は、現行ルートではない山側の新ルートを提示して、膨大な予算がかかるということを含めて沿線市町村に提示した、こういうことでございます。実際に現地に行ってみますと、仮復旧であるBRTというのがかなり本格的な仕様で運営されているということもございます。JRが山側に新たなルートを引くという話の中では、安全のためにそうするんだ、こういう話ですけれども、それでは、現行ルートで行っているBRTは安全じゃないのかということだとすれば、これは県民の命に責任を持つ県行政としては直ちにそこは反論をしていかなくてはいけないと思うんですが、その点を含めて大船渡線の提案についてどのようにお思いでしょうか。
〇政策地域部長(中村一郎君) 大船渡線については、昨年9月に一度、JRからは、現行ルートとあわせ、山側に移設するという案も提示されました。その時点では、あくまでそういう案も考えられるというふうに我々は説明を受けたわけですが、先般の大船渡線の復興調整会議におきましては、JR側の説明では、山側でないといずれ安全性を自分たちとしては担保できないので、復旧するとすれば山側ルートしかないというふうな御説明をいただいたところでございます。
 我々県としては、当然その会議の場でも、現行ルートでなぜ復旧できないのか、それを逐一もっと詳細に説明をしてくださいというようなお話もJR側には申し上げましたが、それについてのJR側からの明確な回答はございませんでした。これについては、沿線の両市においても同じような考え方でございます。両市においてもあくまで現行ルートでの鉄路復旧を前提に復興の計画をつくってございますので、今、ルート変更されるということは、またそれぞれ市の復興計画にも大きな影響が出てくるということにもつながってまいります。これについては、引き続きJR側にはしっかりとした説明を求めてまいりたいと考えております。
〇23番(久保孝喜君) この山田線、大船渡線にかかわる一連の経過をずっと時間をさかのぼって見ていく。そして、その見ていった先には岩泉線の廃線があるということで、もう一回そこからの時系列で眺め返してみると、ここに明確にJR東日本のこれから先の鉄道事業に対する意図というか方向性というのが私は見えてくるような気がするわけです。私でさえ見えるわけですから、実際に鉄道政策にかかわる部署においては当然そのことも含めて予見できていたのではないかと思ってしまうわけでありますが、今後の鉄道事業に対するJRの姿勢、あるいはこれまでの経過の中での予見という点ではどのように所感をお持ちでしょうか。
〇政策地域部長(中村一郎君) 予見できていたのではないかというお尋ねでございますが、我々としては、これまで山田線復旧に当たりましては、JR側が提示してきました安全性の確保を初めとした課題が解決すれば復旧できるという御説明をいただいてまいりましたので、その個別課題をまず全部つぶしていこうということで全力を挙げて取り組んできたという状況でございます。
 その中で、その後、復旧後の利用者確保もまた問題だという課題提起があって、それについては、地元としても市町と協働しながら利用促進検討会議といったものを立ち上げて、具体に地元としてこういう取り組みをしますというようなことを今、検討し、近々取りまとめができます。そういった中で、1月末にJR側から三鉄運行という提案があったという流れでございます。
 いずれ、議員のほうからお話がございましたが、我々としても、JRが公共交通を担う鉄道事業者としての公的な責任を民間企業といえども持っていると考えておりますので、それについてはしっかりと果たしていただきたいということを引き続き求めてまいりたいと考えております。
〇23番(久保孝喜君) そういう声を高めていくためにも、私は、繰り返しになりますが、知事のメッセージ性というのに大いに期待しているところでございます。トップリーダーがどういう姿勢を持っているか、そのことを県民も含め、もちろんJR側にきちんと示していくということも当然必要でございます。ぜひ御期待を申し上げたいと思います。
 そこで、話は県内のローカル線に移るわけであります。先ほど申し上げたように、JRが公共交通を担う鉄道事業者として、この間の一連の県内における立ち居振る舞いということを見ていったときに、今ある県内のローカル線、地方線と呼ばれるものが、何か一たび自然災害でも起きれば岩泉線の二の舞、三の舞になってしまうということだけは誰でも予測がつくという状況にあるんだろうと私は思います。
 加えて、その際の判断基準は何か。それは、その線区の収益性、それ一つであります。つまり、今、JR東日本には六十幾つかの地方線がありますけれども、その中で、下位に属しているいわゆる収益率の悪い線区、この線区のほとんど全てが岩手県ということになっておりまして、したがって、県内のローカル線の問題は、実は将来の話ではなくて、今、目の前に迫っている存続の危機だというふうに私は言ってもいいだろうと思います。山田線の問題、大船渡線の問題がある、そういう中にあって担当課は大変苦慮されているとも思いますし、当然この問題は、山田線、沿岸の問題だけではなく、内陸部にも実は可能性の問題として存在し続ける。ますますその危険度は高まっていくということをきちんとメッセージにしておかなくてはいけないと思いますし、そのための対応も速やかに準備を進めていくべきだろうと思いますが、現状認識、そして交通政策の中心課題としての鉄路維持という観点で、この地方線についてどのように認識されているのかお伺いいたします。
〇政策地域部長(中村一郎君) 県内のほかのローカル線についても同じようなことが想定されるのではないかというお尋ねでございました。県内にローカル線は幾つかございますが、確かにこれは住民の方々の貴重な日常の足というような側面もございます。また、一方では観光路線という役割も期待されてございます。ただ、現実、沿線人口の減少でありますとかモータリゼーション等の動きによって、利用者数がどの路線でも減少傾向にあるということもまた事実でございます。そういった中で、我々としてはこういったローカル線を今後ともしっかり維持していかなければならないということで、今、それぞれの沿線の各市町村のほうにも呼びかけながら、現状認識をまずしっかりと共有して、鉄路維持のためには、地元としても積極的に鉄道を使う、そういった意識をしっかりと住民の方々にも持っていただかないと、鉄道には乗らないんだけれども残してくれということでは、なかなか恐らく今後のJRに対しての訴えも弱くなっていくのではないかと思っております。
 そういったことで、いろいろな形でシンポジウム、その他を山田線でも行いましたが、他の路線でもそういったものに取り組みながら、住民の方々と一緒になって、しっかり地域のローカル線を守っていくという取り組みを進めてまいりたいというように考えております。
〇23番(久保孝喜君) この地方線の問題は、今、御答弁あったように、単に鉄道事業者を責め立てるだけで話がつく話ではもちろんないわけでして、鉄路を使った地域振興ということを含め、さまざまな課題を今、本当に腰を据えてかからなければいけない、そういう局面だろうと思いますので、御努力を引き続きお願いしたいと思います。
 最後の質問項目は、観光立県戦略についてでございます。
 この問題も先ほどの郷右近議員の質問にも若干触れられておりましたが、みちのく岩手観光立県第2期基本計画というのが示されております。県議会における議員政策提案としての基本条例に基づいた計画であるということを承知の上で、この計画を読むと、どこが焦点なのか余りよくわからないという感じがいたします。幾つかの疑問点というか課題についてお尋ねしながら、この基本計画を豊富化して、何とか地域の振興に資するものにしたいという思いで質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、この計画の特徴点、計画の目指すところ、その点について、新年度の取り組みもあわせてお尋ねしたいと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) みちのく岩手観光立県第2期基本計画の特徴についてのお尋ねでございます。
 この計画は東日本大震災津波後の策定でありますことから、まずは被災地の観光産業の復興加速によりまして沿岸地域経済の活性化を図り、観光による本県の復興を目指すこと、また、本県が有する多彩な観光資源を磨き上げまして、来てよかったと思っていただけるような日本一のおもてなしにより、県内全体の地域経済の活性化を図ることをその目指す姿として掲げているところでございます。
 こうした姿を実現していくためには、計画の観光振興に関する施策におきまして、三陸沿岸観光の再構築という項目を新たに盛り込み、回復のおくれております沿岸地域の誘客を強化することとしておりますほか、今後の成長の期待の高い国際観光におきまして、定期便を含め国際便就航への取り組みの強化を図るとしたことなどが主な特徴となっております。
 これらを踏まえまして、新年度におきましては、観光課に特命課長を配置し、震災学習を中心とした教育旅行の誘致など、沿岸被災地への誘客により強力に取り組むとともに、春夏期のあまちゃんを活用した各種宣伝、誘客事業、さらには秋冬期の大型キャンペーンのほか、台湾との国際定期便就航を目指しまして、年間を通じた観光需要の創出に取り組むこととしているものでございます。
〇23番(久保孝喜君) 今触れられているように、特にも震災後の状況でいうと、私は、県民意識、日本全体もそうなんですが、これまで地域づくりの話になかなか振り向いてくれなかった方々も含めて、震災後というのは、郷土とかふるさとというところに回帰しているということがさんざん言われております。その回帰する過程の中で、地域にある、あるいはこれまで見過ごしてきた宝だとか、あるいは価値といったものを再発見したり、もう一回触れてみたり、そういう動きもあるわけで、これが観光政策の中では非常に大きなポイントになってくるのではないかと思います。知事はアマノミクスということを言っておりますけれども、あまちゃん効果の問題も含めて、それに限らず、地域には無数のそういうある種の宝が存在しているわけです。そこをきちんと取り上げていくという意味でも観光と地域づくりを融合させる議論というのが必要になっているし、これまでも言われ続けてきた。この第2期の基本計画の中には、そういう要素あるいは方向性というのがちょっと薄いのではないかという気がするんですけれども、どのように考えられているのでしょうかお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 観光と地域づくりの融合についてでございますけれども、旅行ニーズの多様化に伴いまして、従来型の単に見る観光地のみならず、地域の持つさまざまな魅力を発掘し、それを磨き上げ、土地それぞれに個性的な観光地をつくっていくことが求められていると思います。このため、本計画でも、歴史、文化、自然、食など、岩手ならではの地域資源、さらには農山漁村の暮らしや地場産業を生かした魅力ある観光地づくりを推進することとしております。こうした取り組みは、地域づくり活動としても位置づけられるものと考えているところでございます。
 県といたしましては、観光コーディネーターの設置や地域の観光地づくりを担う人材育成などの取り組みを通じまして、観光地域づくり活動が各地で活発に展開されるよう支援しているところでございます。
〇23番(久保孝喜君) 地域の宝、あるいは観光資源ということで、最後にちょっと細かい話で指摘させていだきたいわけですが、この計画の中にも触れられている食の問題がございます。テレビなどを含めて、今、食については持続的にかなり大きな注目が集まっております。加えてあまちゃんの中でもさまざま取り上げられたということもございますけれども、その郷土食なんかを含めた食のテーマ性ということを観光施策に具体的に結びつけていく手段というのが、これからこの計画に基づいて、特にも広域振興局レベルで具体的なアクションが出てくることを期待しているわけですが、その取り上げ方もちょっと弱いのかなという感じがして読ませていただきました。それが第1点。
 それからもう一つは、この計画の中にも余り触れられていませんが、私はかねてから、平泉の世界遺産の話も含めて、一つの大きなテーマは川だと言ってきた者の一人でして、国管理の河川であるところの北上川ではありますけれども、この川に着目した観光戦略というのを私は本格的に検討すべきだと思っているわけです。
 私はNPOで川の関係の活動をしておりますけれども、川船に乗った方ならわかると思うんですが、流速で川岸を眺めることの心地よさというのはとてつもないものがあるわけです。私は、北上市から石巻市まで川下りをしました。大変だったんです。航路も設定がないという中で、モーターボートで引きずりながら、あるいは座礁しながら下っていったわけですが、それが110年ぶりぐらいだった、こういうことなんですが、そういう食とか川、川はこの計画の中には触れられていませんので、そうした観点をぜひとも具体化していただきたいと思うんですが、所感をお聞きして終わりたいと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 計画における食や川に対する着目についてでございますけれども、まず、本県への旅行に求めるものといたしまして、おいしいものを食べるという回答の割合が最も高くなっております。この計画におきましても、施策の中で郷土料理やご当地グルメの活用などを掲げておりまして、食の魅力を生かした観光の促進に取り組むこととしております。
 また、川につきましては、この計画のもとになっております条例、その前文の冒頭に石川啄木のおもひでの山、おもひでの川ということが引用されているところでございまして、まさに川についてもしっかりと捉えて取り組んでいく必要があると考えているところでございまして、本県におきましては、国の名勝に指定されております猊鼻渓や厳美渓などが古くから観光地として親しまれておりますし、議員から御紹介がありました北上川でございますけれども、盛岡市でのゴムボート川下り大会、あるいは一関市でのEボート大会など、川に親しむイベントも開催されております。こういった川を含めた自然資源というものは、本県が有するすぐれた観光資源と認識しているところでございます。したがいまして、県といたしましても、川の魅力を生かしたエコツーリズムの創出、さらには、体験型観光の促進などの観点から、地元の意向も把握しながら活用を検討してまいりたいと考えております。
〇23番(久保孝喜君) ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(大宮惇幸君) 以上をもって久保孝喜君の一般質問を終わります。
〇副議長(大宮惇幸君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時15分 休 憩
出席議員(45名)
1  番    高 田 一 郎 君
2  番    清 水 恭 一 君
3  番    名須川   晋 君
5  番    神 崎 浩 之 君
6  番    城 内 愛 彦 君
7  番    福 井 せいじ 君
8  番    佐々木 茂 光 君
9  番    佐々木   努 君
10  番    佐々木 朋 和 君
11  番    軽 石 義 則 君
13  番    吉 田 敬 子 君
14  番    後 藤   完 君
15  番    岩 渕   誠 君
16  番    郷右近   浩 君
17  番    高 橋 孝 眞 君
18  番    岩 崎 友 一 君
19  番    高 橋 但 馬 君
20  番    小 野   共 君
21  番    高 橋   元 君
22  番    木 村 幸 弘 君
23  番    久 保 孝 喜 君
24  番    小 西 和 子 君
26  番    喜 多 正 敏 君
27  番    工 藤 大 輔 君
28  番    嵯 峨 壱 朗 君
29  番    工 藤 勝 子 君
30  番    工 藤 勝 博 君
31  番    高 橋 昌 造 君
32  番    五日市   王 君
33  番    及 川 あつし 君
34  番    小田島 峰 雄 君
35  番    大 宮 惇 幸 君
36  番    飯 澤   匡 君
37  番    斉 藤   信 君
38  番    佐々木 順 一 君
39  番    及 川 幸 子 君
40  番    伊 藤 勢 至 君
41  番    樋 下 正 信 君
42  番    柳 村 岩 見 君
43  番    千 葉   伝 君
44  番    佐々木 大 和 君
45  番    佐々木   博 君
46  番    渡 辺 幸 貫 君
47  番    田 村   誠 君
48  番    小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時32分 再開
〇副議長(大宮惇幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇副議長(大宮惇幸君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇副議長(大宮惇幸君) 日程第1、一般質問を継続いたします。斉藤信君。
   〔37番斉藤信君登壇〕(拍手)

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