平成26年2月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

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〇16番(郷右近浩君) 希望・みらいフォーラムの郷右近浩でございます。
 質問に先立ち、あの東日本大震災津波から間もなく3年を迎えようとしておりますが、いまだに不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 また、去る2月15日からの大雪によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、登壇の機会をくださった同僚議員に感謝し、通告に従い順次質問をさせていただきます。
 まず、平成26年度一般会計当初予算案についてお伺いいたします。
 知事は、さきの演述において、平成26年度を基盤復興から本格復興の段階に進む本格復興推進年と位置づけて、一日も早くもとの生活に戻ることを願う被災者の思いに応えるため、復興を強力に推し進めるとの強い決意を述べられました。
 今県議会定例会で提案された平成26年度一般会計当初予算案は、知事のその強い決意を反映させ、基盤復興から本格復興に進むための本格復興推進予算として総額1兆167億円余の大型の予算案が提案されました。
 一般会計予算案が1兆円を超えるのは3年連続でありますが、知事演述でも述べられているように、本格復興を着実に推進しながら、ILCの実現、国体・全国障害者スポーツ大会の成功に向けた取り組み、平泉の文化遺産を核とした地域振興、地域資源を活用した地域づくりなどの施策を合わせて進めていくためには必要な予算規模と考えており、希望郷いわてをより確かなものにしていただきたいと思っております。
 一方で、本県の財政状況は、平成24年度決算において実質公債費比率が18.6%となり、平成25年度には公債費負担適正化計画の策定が行われるなど、非常に厳しい財政状況にあります。
 実質公債費比率は、平成26年度、平成27年度にピークを迎え、今後も上昇を続けることと思われますが、今年度策定した公債費負担適正化計画に照らし合わせ、平成26年度一般会計当初予算案では、どのような具体的な対策が講じられたのかお伺いいたします。
 また、こうした厳しい財政状況において、本県は、将来にわたり継続して本格復興を推進するための多額の財源を確保しつつ、財政の健全化に向けたさらなる取り組みを推進する必要があり、この二つの重要課題の解決に向け、中期的な観点からの財政見通しを十分踏まえた上で財政運営を行うことが重要であると思いますが、知事の考え方をお伺いいたします。
 次に、東日本大震災津波からの復興についてお伺いします。
 まず、岩手県東日本大震災津波復興計画の第2期復興実施計画の策定についてお伺いします。
 県では、平成26年度から平成28年度までの岩手県東日本大震災津波復興計画の第2期復興実施計画について、この3月末の策定をめどに作業を進めておられますが、第1期復興実施計画の検証に当たって、さまざまな成果と課題があったものと思われます。
 特に、復興に関する意識調査では、復旧、復興がややおくれている、おくれていると回答した人が、平成24年3月時点では59.6%であったものが、平成25年3月時点では72.2%と大きく増加しており、私がさきの6月県議会で指摘したとおり、さまざまな事業の進捗状況と県民の復興に対する実感とでは、まだまだ大きなずれがあると感じております。
 そこでお伺いいたしますが、今後、復興を本格的に進めるための最大の課題は何であると認識しているのかお伺いします。そして、その最大の課題を踏まえ、第2期復興実施計画においてはどのように取り組もうとしているのか、あわせてお伺いします。
 次に、第2期復興実施計画1次案の地域説明会についてお伺いいたします。
 第2期復興実施計画1次案の地域説明会が、ことしの1月下旬から2月上旬まで内陸部と沿岸部において延べ16回開催され、既に終了したことと思われますが、地域住民の反応はどうであったでしょうか。主としてどのような意見が寄せられたか伺うとともに、その意見をどのように第2期復興実施計画に盛り込むつもりかお伺いいたします。
 次に、沿岸地域の人口減少についてお伺いします。
 沿岸地域の人口は、震災直後の急激な減少はおさまりましたが、いまだに減少傾向は続いており、特に、大きな働き手であり復興を担う若者の流出により、沿岸地域の活力が失われるのではないかと懸念しております。
 県としては、沿岸地域の人口減少に対しこれまでも対応策を講じてきていると思われますが、いまだ減少傾向が続いている現状を踏まえ、第2期復興実施計画においては、どのような対応策を講じるつもりかお伺いいたします。
 特に、知事演述において、若者が活躍する地域こそ社会活動が充実する地域、経済力が高まる地域、全ての世代が安心して暮らすことができる地域と述べられましたが、その若者を沿岸地域から流出させないための対応策を具体的にお示し願います。
 次に、公共交通機関の充実についてお伺いいたします。
 まず、被災地における公共交通機関の充実についてでありますが、被災地においては、用地確保の事情から、被災者が現在住んでいる仮設住宅の整備が進められている災害公営住宅が、市街地から離れた場所に設置や建設が進められている地域が多くあり、加えて、高台移転によっても市街地から離れる地域が多くなっております。
 このことにより、車のない高齢者は、買い物や病院などに行く際には公共交通機関に頼るしかなく、公共交通機関が不便である場合、買い物は宅配サービスなどを利用する機会が多くなり、どうしても高齢者は住宅に引きこもりがちになるため、体調も崩し、孤独死にもつながっていく可能性があるのではないかと懸念しているところであります。
 ついては、仮設住宅、災害公営住宅、高台移転地域と市街地を結ぶ公共交通機関の充実の重要性がさらに高まっていると考えておりますが、県としてどのような対応策を講じ、また、今後その充実をどのように図っていくのかお伺いいたします。
 また、沿岸地域の被災地のみならず、内陸地域においても、公共交通機関は地域住民の重要な生活の足であり、今後、人口減少や高齢化が進展する中、地域住民の通院、通学、買い物などの日常生活上不可欠な移動の確保など、地域社会の活力を維持、向上させるために地域公共交通が果たす役割は大きく、私は、地域の総合行政を担う地方公共団体が先頭に立って、関係者との合意のもとで、それぞれのまちづくり等の地域戦略と一体で持続可能な地域公共交通ネットワークサービスを再形成すべきと考えます。
 県として、各地域の実情に応じた指導、助言、そして支援策がなお一層求められると思いますが、お考えをお聞かせ願います。
 次に、地域コミュニティの再生についてお伺いいたします。
 第4回いわて復興ウオッチャー調査の結果では、被災者の生活回復度について、回復した、やや回復したの合計が48.0%と前回調査より5.3ポイント上回っており、被災者に心の余裕ができた、応急仮設住宅から出る方がふえたといった前向きな声がある一方、応急仮設住宅から力のある人はどんどん出ていき、いわゆる弱者が残っている状況に対し、自治会活動など地域コミュニティに不安を抱えている被災者の声もあります。
 応急仮設住宅でつくられている自治会も、最近では活動が停滞している自治会もふえていると聞きますが、自治会存続は、住民間のつながりを円滑にし、高齢者のひとり暮らしを助ける、命にかかわる問題と感じております。
 県では、応急仮設住宅等地域コミュニティ活性化事業により、住民相互のコミュニケーションの維持や地域コミュニティを維持するための関係機関との連携事業を行っていることは承知しておりますが、これからは、地域コミュニティのあり方を住民がみずから考え、取り組んでいく仕掛けが必要になってくると思われますが、県としての今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、県営建設工事における復興係数の導入についてお伺いいたします。
 国土交通省は、平成26年2月1日から公共工事設計労務単価を全国平均で7.1%増、被災3県では平均8.4%の引き上げを行うことを決定し、本県においても、既に労務単価の引き上げに対応していることと思われます。
 この引き上げに加え、先般の復興加速化会議においては、国は、さらなる施工確保対策として、復興係数による間接工事費の補正の導入を表明したところであり、本県においても県営建設工事において既に導入したとお聞きしておりますが、その具体的な内容と入札に与える影響はどのようになるものと考えているのかお伺いいたします。
 次に、工事関係者の宿泊についてお伺いしてまいります。
 被災地の工事現場においては、今後、災害公営住宅や海岸保全施設など復旧事業の本格化に伴い、被災地以外からの労働者の確保がさらに増加するものと思われます。そうした場合、被災地以外からの労働者が一定期間宿泊して作業しなければならない工事が多くなり、その宿泊施設の確保と宿泊費用等の負担が大きくなると思われますが、この点に関し、業界団体からの要望はどのようになっているのでしょうか。そして、その要望に対する県としての対応策を含めお伺いいたします。
 次に、汚染牧草、稲わら及び道路側溝汚泥の仮置き場と処理についてお伺いいたします。
 まず、汚染牧草と汚染稲わらについてでありますが、仮置き場における現在の保管状況とその焼却処分の状況はいかがでしょうか。また、焼却処分に関し、関係市町村から県に対する要望とその対応状況はいかがなっているかお伺いいたします。
 次に、道路側溝汚泥についてでありますが、最終処分の受け入れまでの間、地域と協議しながら一定期間保管しなければなりませんが、一時保管に関し、関係市町からの要望の状況と県としての対応策についてお伺いいたします。また、順次、最終処分場において埋却処分が行われていることと思われますが、その進捗状況はいかがかお伺いいたします。
 以下の質問は、降壇して質問させていただきます。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 郷右近浩議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、公債費負担適正化計画を踏まえた当初予算での具体的な対策についてでありますが、昨年9月に策定した公債費負担適正化計画においては、今後の財政運営方針として、第2期アクションプランに基づき、東日本大震災津波からの復興に集中的に取り組むとともに、徹底した歳出の見直しや総人件費の抑制、歳入の確保により強力に取り組むこととしたほか、地方債の発行方針を平成25年度の発行規模を維持または抑制することとしています。
 平成26年度当初予算の編成に当たりましては、あらゆる手法により歳入の確保に努める一方、事業効果や効率性等を検証しながら、事務事業を1件ごとに精査して歳出の徹底した見直しを行いましたほか、実質公債費比率の上昇要因であります公債費の増については、県債管理基金を取り崩して対応するなどして必要な政策的経費の財源を確保しました。
 また、公債費負担適正化計画の方針どおり、県債発行の抑制に努め、財政健全化に配慮したところであります。
 次に、中期財政見通しを踏まえた財政運営についてでありますが、厳しい財政状況の中、本県の本格復興を推進していくためには、これまで同様、平成28年度以降も国による力強い支援が不可欠であり、支援の継続に向けて、引き続き強く要望していく必要があります。
 また、本格復興の先にある希望郷いわて実現のためには、ILCの実現や国体成功に向けた取り組み、平泉文化遺産を核とした地域振興などを積極的に推進していく必要があります。
 今後も、復旧、復興に最大限の力を注ぎつつ、施策の重点化を図りながら、安定的な行政サービスを提供できるよう、社会保障関連経費の自然増や公債費の増大を踏まえた中長期的な見通しの中で、持続可能な財政構造を構築していくことが重要と考えているところであります。
 次に、第2期復興実施計画の策定についてでありますが、本格復興を実現するためには、膨大な事業を推進するための専門的知識を有する人材の確保、多様化する被災地のニーズにきめ細かに対応することができる財源の確保と自由度の高い財源措置、そして、事業用地の円滑かつ迅速な確保が主要な課題であると認識しております。
 このため、まず、人材の確保については、県として、再任用職員や任期付職員の採用に努めるとともに、一層の職員派遣の要請を行っていくほか、復興庁の支援による民間企業からの人材の受け入れなども進めながら、多様な方策により人材の確保に努めてまいります。
 また、財源の確保等については、復興交付金の対象事業の拡大や柔軟な制度運用を国に求めるとともに、復興が完了するまでの間に必要な財源の着実な確保について、引き続き、国に対して要望を行ってまいります。
 さらに、事業用地の円滑かつ迅速な確保については、今後、膨大な数の相続未処理地や多数共有地等の難航案件の発生が見込まれますことから、簡便な手続により迅速に工事着工し、権利取得が可能となる特例制度の創設について、国に対し強く働きかけてまいります。
 次に、沿岸地域の人口減少についてですが、人口の減少は、地域の経済やコミュニティなど、活力ある地域を持続していく上で非常に重要な課題であります。特に、復興を進め、地域の未来を切り開いていくためには、若者の活躍が必要であり、若年層の人口減少を食いとめていかなければなりません。
 沿岸地域の最近の人口の動向を見ますと、人口減少の要因の一つである社会減は震災前と同水準まで縮小しており、若年層の社会減の傾向も同様であると考えています。
 県としては、こうした傾向が本格的なものとなるように、今般策定する第2期復興実施計画に基づいて、多重防災型まちづくりや災害公営住宅の早期完成、漁業と水産加工業の一体的な振興など、若者のみならず、地域の方々が安心して暮らし、生き生きと仕事に励むことができるように、本格復興に向けた取り組みを力強く進めてまいります。
 さらに、長期的な視点に立って、ILCの建設や海洋再生可能エネルギー実証フィールドの誘致など、三陸創造プロジェクトの具体化に取り組み、本県の多様な地域資源の発掘、磨き上げなどにより、産業を振興し、雇用の確保を図り、地域の人々が生涯にわたって安心して暮らすことができる新しい三陸地域の創造を目指してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔理事佐々木和延君登壇〕
〇理事(佐々木和延君) まず、第2期復興実施計画1次案に係る地域説明会についてでありますが、計画の1次案を公表後、沿岸市町村を中心に合わせて16回の地域説明会を開催し、被災された方々を初め、県民の皆様から、さまざまな御意見をいただきました。
 第2期復興実施計画1次案に対しましては、地域の実情に応じた復興を進めるための国、県、市町村の一層の連携、応急仮設住宅や高台移転後のコミュニティの再生への積極的な支援、津波で流された砂浜の早急な再生や三陸の資源を生かしたまちづくり、若者が復興のために活躍できる機会づくりや男女共同参画の視点を重視した復興の推進などについて意見をいただいたところであります。
 また、復興の個別事業に関して、防潮堤等の整備に関する地域への十分な説明、応急仮設住宅の維持管理、修繕等への十分な対応や空き部屋の有効活用などの意見が出されたほか、復興施策全般について多くの御質問をいただいたところです。
 地域説明会においては、第2期復興実施計画1次案の内容に対する異論はなかったものと認識しておりますが、いただいた御意見を踏まえ、計画案に所要の見直しを行い、復興委員会や県議会にお示しした上で、本年度中に計画を策定する予定であります。
 次に、地域コミュニティの再生についてでありますが、地域コミュニティづくりについては、その地域で暮らす人々が、自助から共助へと進む過程での自発的な取り組みを基本とし、まず、基礎的自治体である市町村が担うものと認識しております。
 県といたしましては、応急仮設住宅入居期間の長期化に伴うコミュニティの維持、災害公営住宅入居や高台移転等による新たなコミュニティの形成についての制度面や財政面でのさまざまな支援が重要と考えております。
 このため、県では、これら課題に適切に対応していくため、昨年11月、部局横断で構成する被災地コミュニティ対策連携チームを設置し、地域の実情に応じた課題を把握し、その情報を共有しながら、被災地域のコミュニティづくりに対し、効果的な支援を推進することとしております。
 具体的には、まずは、市町村や自治会等さまざまな主体が活用可能な支援情報や財源情報の提供を行うこととしており、県として、このような取り組みを通じて、自治会など、住民みずからが主体的に行う活動を積極的に支援してまいりたいと考えております。
   〔政策地域部長中村一郎君登壇〕
〇政策地域部長(中村一郎君) まず、被災地における公共交通の確保については、現在、各市町村において、国の調査事業等を活用しながら、路線の新設やルートの見直し、乗り合いタクシーの導入などに取り組んでいるところであり、県においては、沿岸市町村公共交通確保連絡会議を開催し、必要な助言を行うなど、市町村の取り組みが円滑に進むよう支援をしてまいりました。
 また、応急仮設住宅団地への公共交通の確保については、昨年の2月1日に全ての応急仮設住宅団地へのアクセスが確保されたところでありますが、今後、被災市町村においては、災害公営住宅の建設や集落の高台移転等のまちづくり事業の進捗に応じた路線やダイヤの見直し等を行うとともに、各市町村の復興まちづくり計画を踏まえた交通体系の再構築を推進していく必要があります。
 県といたしましては、引き続き市町村による国の調査事業の活用を支援しつつ、県単独補助制度による財政支援や有識者派遣による助言等により、市町村の取り組みを支援してまいります。
 次に、内陸地域における公共交通につきましては、人口減少や高齢化が進む中で、持続可能な地域公共交通ネットワークを形成するため、国においては、まちづくりと一体となった地域公共交通の再編を進める枠組みを新たに盛り込んだ地域公共交通活性化再生法の改正案が今国会に提出されました。
 この法案が成立しますと、これまで以上に地方公共団体が先頭に立ち、交通事業者等との合意のもとで、住民の日常生活に必要な移動手段の維持、確保を図っていくことが重要になるものと考えております。
 現時点においては、法案が審議中であり、具体的な国の支援策がまだ示されていないことから、県といたしましては、国の動向の把握に努めるとともに、今後、市町村と連携しながら、地域の実情を踏まえた公共交通ネットワークが形成されるよう、必要な取り組みをしっかりと検討してまいります。
 また、引き続き、県単独補助制度や有識者派遣による助言等により、コミュニティバスの運行など、市町村の自主的な取り組みを支援してまいります。
   〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) まず、県営建設工事における復興係数の導入についてでありますが、国では、被災3県において、工事量の増加に伴う作業効率低下等により現場での必要経費が増大している実態を踏まえ、間接工事費の割り増しをすることとし、営繕費や運搬費などの共通仮設費率に1.5、労務管理費や安全訓練費などの現場管理費率に1.2の復興係数を乗じることとしたところであります。
 県では、国と同様に、今月3日以降に当初契約を締結する工事からこの復興係数を導入しており、今月からの設計労務単価の対前年比8.5%の引き上げと合わせて、国の試算では、予定価格が1割程度の引き上げになる見込みとなっております。
 業界団体との意見交換では、入札不調の要因の一つとして、予定価格と実勢価格が合わないことが挙げられており、今回の復興係数の導入等による予定価格の引き上げは、入札不調対策として一定の効果があるものと考えております。
 今後とも、入札の動向を注視しつつ、業界団体と連携、情報共有を図りながら必要な対策を講じてまいります。
 次に、工事関係者の宿泊についてでありますが、業界団体との意見交換等では、労働者を確保するためには宿泊施設が必要となりますが、沿岸部では、その確保が困難な場合があるとの御意見をいただいております。
 また、宿泊施設等を利用した費用については、設計変更が円滑に進むよう当初設計で計上している宿泊費等の額を明示してほしいということや、請求手続の簡素化などの御意見をいただいております。
 労働者宿舎の確保につきましては、工事規模や工事箇所近隣の宿泊施設等の状況を考慮した上で、工事請負契約締結後に発注者が選定した工事について、請負者と協議の上、建設する費用を工事費に計上することとしております。
 また、宿泊施設を利用する場合には、当初設計時における宿泊費用等を入札時に明示することとし、請求手続については、領収書などの支払いに係る最低限の証明書類を確認させていただくこととしております。
 今後とも、地域の実情を踏まえた労働者宿舎の建設や、適切な宿泊費用の設計計上等に取り組みながら円滑な工事執行に努めてまいります。
   〔環境生活部長風早正毅君登壇〕
〇環境生活部長(風早正毅君) 汚染牧草、稲わらの仮置き場と処理についてでありますが、牧草や稲わらについては、各農家や地区ごとにパイプハウスなどの施設で一時保管されており、引き続き適切な管理が確実に行われるよう支援してまいります。
 焼却処分については、県内12市町において処理が完了または取り組み中であり、1月31日時点での焼却量については約4、200トンとなっております。市町村からは、焼却処分に要する経費について、処理が完了するまで財政支援を継続してほしいとの要望があり、国に対して要望を行っております。また、焼却処分の計画作成や住民説明について、県職員を派遣するなど支援を行っております。
 次に、道路側溝汚泥の仮置き場と処理についてでありますが、県南3市町においては、撤去に当たり、仮置き場など一時保管設備の設置について住民理解が課題となっており、埋却処分について進んでいない状況にあります。
 最近、奥州市の2地区において、住民の理解が得られ、一時保管設備の整備が進められるなど新たな動きが出てきております。県では、県南3市町から要望のあった国の財政支援の対象とならない一時保管設備の設置への財政支援や、保管方法などへの技術的支援を継続しているところであります。また、国に対しては、早期に処理基準を示し、財政支援を拡充することを引き続き要望してまいります。
〇16番(郷右近浩君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは、今の部分につきまして何点か再質問させていただきたいと思います。
 今回、新年度予算が提示された中で、一般質問の中で、同僚議員のほうからもさまざま当初予算について、またさらには中期的財政見通しを踏まえた財政運営、そうしたことについて質問等がございました。その中で私もいろいろ理解した部分もございますので、この点につきましては、きょう御説明いただいた部分でまずは理解するということにしたいと思います。
 ただ、そうした中で、先ほど理事から答弁いただきました第2期復興実施計画の1次案の地域説明会についてという部分ですけれども、さまざまな意見等をいただいているといったものをぜひともきちんと盛り込んで、どのように入れたかというのをわかるようにして進めていっていただきたいと。そのことをまたきちんと説明していっていただきたいと思っておりますし、またさらには、沿岸地域の人口減少についてでございますけれども、確かにこれは、震災以前から県北・沿岸の若者流出であったり、そしてまた働く場所の創設といった部分ではいろいろ御苦労なさってきたことと私自身感じております。そうした中で、先ほど答弁で余り具体的な方策というのが目に見えなかったというか、方向性としては理解するものでありますけれども、もう少しさらに詰めたようなものをぜひともつくり上げていっていただきたいということを要望したいと思います。
 その次の公共交通機関の充実についてですけれども、先ほど御答弁がありました。確かに今、持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生を推進するためといったお題目で地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案が審議されているところと私自身も存じ上げております。この法律案、これは予算関連法案ということで、もちろんさまざまな形での予算も見込めるものだと思っておりますけれども、内陸の部分におきましても、どうしてもこれまで、今後の人口減少や高齢化の進展が見込まれている中、利用者の減少であったり、しかしながらきちんと整えていかなければいけないといったようなジレンマの中で、また、さらには県内市町村がそれぞれ合併などを繰り返し、そしてそれを持ち込んできて今現在のさまざまな体系ができているといったような状況の中で、一回本当に再構築するいい機会なのではないかと思っております。この点につきましてはどのように捉えているのか、今回の法律案に対しての期待というか、そうしたものをどのように捉えているのかお伺いしたいと思います。
 また、先ほどの畜産の部分にもかかわってくるんですけれども、汚染牧草、稲わら及び道路側溝汚泥の仮置き場と処理についてでございますけれども、特に一関市と金ケ崎町における牧草のペレット化につきましては、昨年7月から10月の大雨や台風の影響によりましてロール化した牧草の中までなかなか乾燥し切れないものがあるなど、当初の計画どおりに進んでいないというような話も伺っております。特にも金ケ崎町のケースによるものでありますけれども、このペレット化というものは、私、導入時点ではどのような感じになるのかということで関心を持っていたわけでありますけれども、確かに地域の重要な課題である牧草の中長期保管対策として効果的な手法ではあるという中において、県においては、今後も市町と連携を図りながら、予算を確保しながら、計画的かつ着実に進めていただきたいと願うものでありますが、これも要望にしておきますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 さらには側溝汚泥の仮置き場についてでございますけれども、この側溝汚泥の仮置き場につきましては、進んでいないというようなお話でありました。そもそもの話であります。側溝の汚泥で、どうしてもそのまま直接埋設できないような数値の部分というのは一体どのぐらいあると捉えているのでしょうか。また、そのベクレル数というか、その濃度というのはどのようになっていると捉えているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇政策地域部長(中村一郎君) 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正のお話がございました。我々といたしましても、今回、この法律改正によりまして、従来、ともすればいろいろな民間の交通事業者のルート設定等に行政も一定の関与はしていたのですが、民間主導でルート設定がされていたといったようなこともございます。この法律が改正されますと、先ほどお話をいたしましたように、自治体のほうが主導いたしまして、交通事業者を初め関係の皆さんのいろいろな御意見を聞きながら、どういうルート設定がいいのか、また、どういう頻度で運行すればいいのかといったようなことも含めて話し合いながら決めていくということになってございます。また、それに対しても国のほうから一定の支援が期待されるというところがございますので、その具体的な国の支援策については現時点ではまだはっきり示されておりませんが、そういったことも我々としては大いに期待しているところでございます。こういった制度を活用しながら、沿岸、内陸を含めて、住民の方々の日常の足がしっかり確保されるような取り組みにつなげてまいりたいと考えてございます。
〇環境生活部長(風早正毅君) 御質問いただきました道路側溝汚泥の関係でございます。
 これにつきましては、箇所数も非常に多く、それぞれ市町村の中で、一部には、恐らくその汚泥を拾ってきて乾燥等をさせていく中で高い部分も出てくるのではないかというのが市町村からいただいている情報でございます。その中で、先ほど答弁でも申し上げましたが、やはりこれは地域の住民の皆様方が一時仮置きについて御理解をどれだけいただくかというところが一番のポイントだと思っております。その中で、奥州市においては2地区、また、一関市においても、今、住民の合意を得るべく、用意が少しずつではありますが一部の地域において進んできつつあります。そういったところに、県としましては本年度、それから来年度も引き続き一時仮置きに対して支援をさせていただくとともに、技術的な支援も行わせていただくことで少しでもこういった先駆的な取り組みが広がっていくように努力してまいりたいと考えております。
〇16番(郷右近浩君) 私自身も、道路側溝汚泥につきましては、実際問題としてはそれほどもう高くない地域であったり、もののほうが多いのではないかと思っているんです。この一時仮置き場の位置づけ、考え方なんですけれども、危険なものだから、例えばそこで保管してベクレル数が下がるまで置かなければいけない場所として考えるのか、それとも安全だということを認識するために設置する場所なのか、そうした考え方によっても地域の方々の受け入れ方というのは全然違ったものになってくると思います。私自身は、もちろんきちんと測定しながら進めるということでありますから、安全なものを安全だと確認させる場所だといったような、そうした考え方もぜひとも提示しながら進めていっていただければいいのかなと思っておりますので、要望としてよろしくお願いしたいと思います。
 次に進ませていただきます。
 次に、消費税増税の影響についてお伺いさせていただきます。
 東日本大震災津波から3年が経過しようとしているところでありますが、被災地においては、いまだに多くの被災者が応急仮設住宅等で不自由な生活を余儀なくされております。いよいよこれから住宅の再建や生活の再建が本格化し、そして防潮堤などの海岸保全施設、災害公営住宅、医療施設や学校施設などのハード面の復旧整備のほか、地域経済社会の活力を拡大していくためのさまざまな取り組みを進める、まさしく第2期復興実施計画の本格復興を推進しようとする重要な時期であるとともに、昨年の大雨洪水災害により甚大な被害を受け、その復旧にも本格的に取り組む大変重要な時期にあるにもかかわらず、消費税が4月から増税されてまいります。首都圏においては景気がかなり回復したとの報道がなされておりますが、県内の内陸地域に住む私にとって景気回復を肌で感じることは余りありませんので、沿岸地域の被災者の皆様は一層景気回復を肌で感じることはないのではないかと思っております。
 このように、本県にとって大変重要な時期、そして景気回復を肌で感じない現況下において、本年4月から実施される消費税の増税に対し、私には目に見えない不安が大きくのしかかってくるものでありますが、知事は、本県における景気回復の状況と、消費税増税により本県経済に与える今後の影響の見通しについてどのように認識されているのかお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 消費税増税が実施される本年4月は本県の本格復興のスタートの時期でもあり、被災された方々が、また企業が生活再建、事業再建のため本格的に消費や投資を始める時期に税負担がふえるということになりますと、被災地の経済再生や復興の阻害要因となるおそれがあります。また、昨年来の大雨洪水被害等により被災された方々などの復旧にも影響が懸念されます。
 本県の現在の経済状況については、復興需要等に支えられ、総じて着実な回復が続いているものと認識しておりますけれども、消費税増税の駆け込み需要とその反動が見込まれることや、海外景気の下振れリスクなどの影響も懸念されて、今後どのように変化していくか見通すことは困難であります。
 県としては、消費税増税によって、経済的に弱い立場にある方々が困窮することがないよう、また、地域に根差した産業に十分配慮して、地方経済の落ち込みや復興のおくれを招くことのないように、今後とも国に対してしっかりとした対応を求めてまいります。
〇16番(郷右近浩君) 同じ認識でいていただいて本当にありがとうございます。やはりこれからの復興を進めていかなければならないとき、ぜひともそうしたことに目を配っていただきながら県政を進めていただきたいと思います。
 次に、国際リニアコライダーについてお伺いいたします。
 まず、ILC誘致に伴う本県企業の参入についてお伺いしたいと思います。
 去る1月中旬の県土整備委員会県外調査において福岡県を訪れた際、北九州市地域において風力発電関連産業の集積を促進している状況を調査してまいりました。現在、公募した企画提案の選定が終了し、これから事業化に向けた本格的な取り組みが進むようでありますが、風車の部品の製造、物流、メンテナンスの機能を集積させることにより約50万人の雇用を見込むという壮大な計画でありました。
 今後、本県においても、ILC誘致に伴い、機器の発注や装置の組み立てなど幅広い技術が必要となり、多くの企業が参入できるのではないかと考えますが、現段階における本県企業の参入の可能性はいかがでしょうか。また、その実現のために県としてどのような取り組みを行っていくつもりなのかお聞かせ願います。
〇知事(達増拓也君) ILCが実現した場合、加速器や測定器とともに、電源、冷凍機等多くの機器類等の製造、組み立てが必要となりますほか、運用開始後においてもメンテナンスなどに伴う需要も大規模になると想定されますことから、まず、このような業務をできるだけ多くの地元企業が受注できるようにする取り組みが重要と考えております。このことから、今年度は、県内のものづくり企業などを対象として、加速器関連技術に関する講演会や、つくば市の高エネルギー加速器研究機構とその周辺の関係企業の視察会を開催するなど、具体的な加速器製造技術について理解促進を図っているところであります。ILCの技術は、高度の専門的技術のみならず、ものづくりの基盤技術まで多岐にわたるものであることが理解されつつありまして、県内企業においてILC関連分野への関心が高まってきているところです。
 今後は、関係機関などと連携し、加速器の要素技術の分析など、県内企業の加速器関連産業への参入可能性についての調査や企業向けセミナーの開催などを行うことにより、広く地域企業の参入を促す取り組みを進めてまいります。
〇16番(郷右近浩君) ありがとうございます。ぜひ進めていただきたいと思いますし、特にも、それを進めるためにもと思うんですけれども、県は平成26年度から政策地域部に科学ILC推進室を新設するとしておりまして、県としての意気込みがそこの部分に向かってきているのかなと感じております。
 今後、国への働きかけや国内外へのアピールなど、そのほかにもやることがさまざま多いと思われますが、科学ILC推進室の体制及びどのような業務を具体的に行っていくのか、決意とともにお聞かせ願いたいと思います。
〇政策地域部長(中村一郎君) ILCの実現に向けた活動とILCを核とした科学技術の振興に向けた取り組みを強化するため、平成26年度から科学ILC推進室を政策地域部内に設置することにいたしました。この科学ILC推進室は、ILCの実現に向けて、国等への働きかけのほか、国民への周知活動や外国人研究者の受け入れ環境についての具体的な検討、さらには、先ほど知事から御答弁申し上げました産業振興等に向けた取り組みを、庁内関係部局はもとより、国、大学、関係市、経済団体等と連携、調整をしながら推進していく必要がありますことから、専任の室長を配置し、職員も増員する予定としてございます。
 また、復興計画の三陸創造プロジェクトの国際研究交流拠点形成プロジェクトにILCとともに位置づけられている海洋再生可能エネルギー実証フィールドの誘致等、知の集積を初めとする科学分野の施策を総合的に推進し、新たな先端科学技術・産業圏の形成を目指して取り組んでまいります。
〇16番(郷右近浩君) 今、海洋再生可能エネルギー実証フィールドということでありました。こちらについては後ほどあわせながら質問させていただきたいと思います。
 先に進ませていただきます。
 次に、希望郷いわて国体等についてお伺いします。
 まず、施設の整備状況についてお伺いいたします。
 2016年に開催される希望郷いわて国体の競技施設の整備については工事が着々と進んでいることと思われますが、現時点において、県及び市町村における整備の進捗はどのような状況かお伺いいたします。
 また、市町村の整備に対して県から補助が出ていると聞いておりますが、市町村の整備費用に対する県の補助の考え方はどのようになっているのかお伺いします。
〇国体・障がい者スポーツ大会局長(松岡博君) 希望郷いわて国体の施設の整備状況についてでありますが、本大会の競技施設70施設のうち、改修整備を予定している施設は41施設であり、これまで、高校野球会場の花巻球場や金ケ崎中学校ソフトボール場など6施設の改修が完了し、現在、工事中の水沢弓道場など五つの施設を加え、今年度末までに11の施設の整備が完了する予定となっております。平成26年度においては16の施設改修を予定しており、平成26年度末までに改修予定の3分の2に当たる27の施設整備を終える見込みでございます。また、冬季大会の競技施設は8施設で、新設が1、改修を要する施設が6施設となっており、平成28年1月下旬から2月下旬の大会開催に向けまして早急に整備を進めることとしています。
 なお、県が改修工事を行う本大会の山岳リード会場となる県営運動公園の登はん競技場や、冬季大会の県営スケート場など県有施設6施設については平成26年度中に全て改修を終える予定です。
 次に、市町村の整備費用に対する補助の考え方についてでありますが、できる限り国庫支出金や民間助成金等を活用して市町村や県が負担する経費の縮減を図ることとし、補助対象経費からこれら特定財源等を除いた額を基本として補助を行うこととしております。
 補助率については、体育館やサッカー場など一般の施設改修に対しては2分の1としておりますが、紫波町の自転車競技場など国体の施設基準を満たす県内唯一の施設の改修や、水沢弓道場の遠的競技場など、県内に施設基準を満たす施設がなく、国体開催に合わせて整備する場合などは3分の2、また、施設基準を満たす施設がないため仮設で整備する場合は10分の10の補助として市町村の財政負担の軽減に配慮しているところでございます。引き続き、市町村と十分調整を図りながら、着実かつできる限り早期の整備に努めてまいります。
〇16番(郷右近浩君) 以前より、私自身、できるだけ早く施設の整備を終了させ、ぜひとも岩手の選手の方々には、ホームの利というか、そうしたものを与えたいと願っていたわけですけれども、それでも着実に進んできているということは理解しました。
 しかしながら、さまざまな補助金であったりそうしたものを使いながらということでありますけれども、これまで施設の改修、やっぱりぎりぎりのところで改修して何とか行うんだといったような中で、もう少しよくしたいといったような声も出てくるのではないかと私は思っております。そうしたことをぜひとも加味していただきたいと思いながら次の質問に入らせていただきたいと思います。
 次に、2020年東京オリンピック開催に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。
 希望郷いわて国体が終了した後、2020年に東京オリンピックが開催されますが、隣県である秋田県では、ある競技に関する合宿を誘致するなどして積極的にかかわる動きを見せております。本県では現在、各種スポーツ団体の合宿については各市町村独自に合宿を誘致していると聞きますが、2020年の東京オリンピックは本当に多くの競技があり、そして競技施設の充実も求められるため、市町村独自による誘致は困難であると考えます。ついては、県として、国体競技施設を活用しながらの誘致など、積極的な関与を行いながら誘致活動を行ってはいかがかと考えますが、県としてのお考えを伺いたいと思います。
〇教育長(菅野洋樹君) 東京オリンピック開催に向けた取り組みについてでありますが、東京オリンピック、パラリンピック招致に当たりまして、東日本大震災被災地の復興に関する検討組織として組織された復興専門委員会の最終報告において被災地の復興に資する事業が取りまとめられております。この中には、本県を含む被災各県への事前合宿の誘致も位置づけられているところでございます。こうした計画も踏まえながら、さきに設立された東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会におきまして、大会の準備及び運営に関する検討を進めていく中で、今後、事前合宿の誘致などに関する受け入れ施設の要件や誘致に向けた具体的なスケジュールなどが示されていくものと考えております。県といたしましては、今後の組織委員会の動向や情報などを注視し、市町村や競技団体との連携の上で、合宿の誘致等について具体的な検討を行ってまいります。
〇16番(郷右近浩君) そこで先ほどの答弁と重なってくるわけですけれども、せっかく今回、国体向けに施設の整備をするといったときに、なるべくその合宿に皆様方がどのようなものを求めているのか、そうしたもののニーズとかをきちんと把握して、そうすることによって、今回の国体向けの会場整備を、もう少し手間をかければ十分対応できるもの、そうしたような対応というのが可能になってくるのではないか考えております。ですので、そうしたことを示されるのを待つのではなくて、なるべくそうしたものを調べて対応を一緒に考えていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 あわせて、スポーツイベントの誘致等についてもお伺いしたいと思います。
 まず、スポーツイベントを通じた本県のPRについてお伺いします。
 ことし9月19日から23日までの5日間、北上市において第18回アジアマスターズ陸上競技選手権大会、あわせて第35回全日本マスターズ陸上競技選手権大会が開催されます。本大会は、スポーツによる中高齢者の健康維持はもとより、開催地の風物、人情に触れるとてもよい機会でもあり、そして、アジア大会が沖縄大会後十数年ぶりの日本開催であることや、近年のアジア地域の経済の向上による海外旅行者の増加が見込まれることを考慮し、これまでの大会を参考にして考えるならば、国内から2、000人、海外から1、500人ほどの競技者やその家族が岩手の地を訪れることが見込まれます。さきに示されました平成26年度からのみちのく岩手観光立県第2期基本計画(案)において、本県への旅行に何を求めているかの観光客アンケートでは、おいしいものを食べるが32.3%との結果になっていることを考えれば、私は、このような大会が岩手の海産物や牛肉等のおいしいものや工芸品、観光地を国内外の方々に売り込むよいチャンスではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 また、さらには競技力向上のため、このようなスポーツイベントを今後積極的に誘致すべきと考えますが、県としてのお考えを伺います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) スポーツイベントを通じた本県のPRについてでございますが、北上市において開催される本マスターズ大会のように、国内外から多くの選手が来県する大会は、本県の食を初めとした物産、観光をPRする上でよい機会であると認識しております。このため、県としても、同市において南岩手の肉をテーマとしたイベントの開催を検討しているほか、本大会に合わせまして、平泉などの観光地の紹介など、本県の魅力を発信していきたいと考えております。
 また、来県時の滞在に十分満足いただくことも本県にとって効果的なPRとなりますが、外国人客の受け入れに当たっては、言語、習慣などで配慮すべき事項もあることから、先般、地元の求めに応じ職員を派遣し、心構えや留意すべき事項について全般的な助言も行ったところであります。
 今後におきましても、大会の主催団体や開催地の意向を踏まえ、県として必要な対応を積極的に行ってまいります。
〇教育長(菅野洋樹君) 競技力向上のためのスポーツイベントの誘致についてでありますが、これまで、全国高等学校選抜ハンドボール大会や全日本学生スキー選手権大会など、さまざまな競技において全国規模の大会が本県で開催されております。こうした全国レベルの大会が本県で開催されますことは、本県の競技力向上やスポーツ振興上大いに効果が期待されるところでございます。
 こうした競技大会の本県開催は、それぞれの競技団体や開催市町村等の主体的な取り組みなどにより実現したところではございますが、教育委員会といたしましても、例えば、中央競技団体や県内の関係団体との調整など、大会開催に向けて連携した取り組みを行ってきたところでございます。県といたしましては、具体的な誘致の動きなどを踏まえまして、関係する団体等と連携を図り、その実現に向けて必要な対応に努めてまいります。
〇16番(郷右近浩君) この北上市の大会でありますけれども、さまざまな形で今、準備を進めていると聞いております。そうした中で、5日間の大会ではあるけれども、実際出場する方々は、そのうちの3日間ぐらい出場して、残りの2日間は、県内各地というか、その地域のどこかを視察というか、遊びに行くと。特にも家族連れで来て、そして観光に行くといったような、そうした色合いが強い大会と聞いております。
 そのためにも、これまでの大会では、例えば大手の旅行代理店が、その大会会場内にブースを設けたりしながら、さまざまな形でそうした方々に御案内をしているということの事例があると聞いておりますので、そうした旅行代理店であったり、さまざまな方と協議を進めていただきまして、この機会に、この北上市にいらっしゃった外国人の方々であれ、国内からも来た方々を、ぜひともこの県内の地域に御案内していただければと思いますが、どうぞ答えをよろしくお願いしたいと思います。
 それから、これはスポーツイベントではありましたけれども、そのほかにも、コンベンション等、これから、さまざま岩手でも取り組んでいる部分がありますが、みちのく岩手観光立県第1期基本計画の総括におきまして、効果的な情報発信と誘客活動の実施内容と成果では、コンベンション等誘致の際に使用する県内コンベンション施設や現地視察コース等の情報を掲載したパンフレットを2、000部作成したほか、国際ミーティングエキスポへの出展や各種学会等のキーマンを県内に招請するなどのコンベンション誘致を実施とありますが、これはどのような成果があったのでしょうか。また、課題はどのようなものがあったのかお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) コンベンション誘致の成果と課題についてでございますが、平成24年度の開催実績件数が110件、前年度比48.6%増、人数が7万9、405人で、前年度比7.6%増で、震災前の平成22年度とおおむね同じ水準となっておりまして、平成25年度も前年度並みの開催が見込まれているところでございます。
 地域間競争が大変激しくなっている中、一層の誘致促進を図っていくことが課題と考えているところでございます。
 また、大規模なコンベンションにつきましては、会場、宿泊施設、交通アクセス等の制約から主に盛岡市など都市部での開催となっていることから、全県的な波及効果が生まれるよう、コンベンションに付随するエクスカーションによる県内各地への誘客促進などに取り組んでまいりたいと考えております。
〇議長(千葉伝君) ちょっと待ってください。
 マスターズの観光面の質問もあったんですが。いいですか。
〇16番(郷右近浩君) 済みません、聞き方が悪くて申しわけありませんでした。観光面の部分につきましては、ぜひともそれで進めていっていただきたいといったような提言と捉えていただければと思います。
 次に、医療提供体制についてお伺いしたいと思います。
 まず、良質な医療の提供についてお伺いいたします。
 医療局では、被災した県立高田病院、大槌病院、山田病院の移転整備を着々と進め、地域のニーズに応じた医療提供体制の確保に御尽力いただいておりますこと、そして、岩手県立病院等の新しい経営計画を策定し、決意を持って県立病院や診療所の見直しを行ってきたことは承知しております。
 その計画に続く新たな計画であります岩手県立病院等の経営計画が、平成26年度から30年度までの5カ年を期間として策定されました。その新たな計画における基本方向において、県民から信頼される良質な医療を提供するため、患者中心の安全・安心な医療の提供を目指した取り組みを進めるとともに、各県立病院の機能に必要な施設、設備を整備しますと示しておりますが、その実現に向けた具体的な方策を現時点においてどのように進めようとしているのかお伺いいたします。
〇医療局長(佐々木信君) 良質な医療の提供についてでありますが、昨年12月に策定した岩手県立病院等の経営計画におきましては、患者中心の安全・安心な医療を提供するため、職員の重点配置によるリハビリテーション提供体制の強化や病棟薬剤業務の計画的な導入など、医療の質の確保に取り組むほか、教育、研修活動を通じて職員の安全意識の向上を図るなど、医療安全対策の取り組みを推進することとしております。
 また、施設、設備の整備につきましては、被災した沿岸部の3病院の再建に向けた取り組みを進めるとともに、一定の年数を経過した病院の附帯設備の計画的な改修を行うほか、病院機能や圏域内の整備状況を考慮した効率的かつ効果的な高度医療機器の整備を進めることとしています。
 こうした取り組みを着実に実行していくため、定期的に進行管理を行うとともに、必要に応じて見直しを行いながら、良質な医療の提供に取り組んでまいります。
〇16番(郷右近浩君) ありがとうございます。
 そこで、この施設、そして設備の整備についてなんですけれども、平成26年度当初予算案における県立病院の医療器械費の予算を見ましても、確かに、がんの放射線治療機器であるリニアック等の整備など、急いで更新しなければならない、しかも高額なものやら、そうしたものがたくさんあるということはよく理解しております。しかしながら、効果等が報告されている、先日は佐々木努議員からも質問がありましたが、ダヴィンチ等の新しい機器の導入等も、県議会において、現在、がん対策推進条例等が検討されている中にあって、がんに対しての医療体制をどのようにしていくか、こうしたものが今の大きな課題でありまして、特定の政策というものが機器導入の目安になっていることを考えれば、同時に考えていかなければいけないのかなと考えております。
 つきましては、新しい機器の導入、現在の機器の更新の考え方を、医療局、そして保健福祉部のそれぞれからお伺いしたいと思います。
〇医療局長(佐々木信君) 県立病院における新しい機器の導入につきましては、新たな診断方法や治療方法に資する機器等を対象として、さまざまな角度から検討を加え、整備しております。とりわけ先進的な医療器械は高額でありますことから、診療報酬の状況も見据え、財源の確保を図りながら整備しているところです。
 また、現有の機器の更新につきましては、経年劣化により使用にたえないものについて、修繕や保守の状況を踏まえ、緊急度及び優先度を十分に精査した上で整備しています。
 御提言いただいた内視鏡手術支援ロボットにつきましては、医療の質の向上等の観点から有用なものと認識しております。医療局といたしましては、今後とも、限られた医療器械整備予算の中で、優先度を精査しつつ、しかるべき時期に整備できるよう取り組んでいく考えです。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 医療機関の医療機器の導入についでございますけれども、県では、がん医療とか、あるいは周産期医療を担う拠点病院等につきましては、医療の質の確保の観点から、毎年運営費の補助を行っております。公立病院に加え、民間も含めた医療機関における最新の医療機器の導入や更新については、こうした公的な補助制度の活用あるいは国の診療報酬における評価等を踏まえまして、原則的に、やはりそれぞれの医療機関が医療経営上の判断で対応するものではないかと考えております。
 個別の医療機関に対するこういった高額な医療機器整備への県の支援については、かなりハードルが高いのではないかと考えております。
〇16番(郷右近浩君) 御答弁ありがとうございます。今、かなりハードルが高いという話もありましたけれども、しかしながら、医療というものは、単に患者の悪いところを治すだけじゃなくて、やっぱりそこに住む方々に、安心であったり、そうしたものを与える、私はそうした大切なものだと思っております。
 そのために、それが診療点数等できちんと賄えるからという、それだけの考え方じゃなくて、やはりこの地域でどのような医療を皆様方に提供していくんだ、どのようなものを与えていくんだ、そうした考え方というものが必要になるのではないかと私は考えております。そうしたことで、もう再答弁は求めませんが、ぜひとも今後とも検討を進めていっていただきたいと両者に思うものであります。
 次に、医師、看護職員の充実についてお伺いしてまいります。
 まず、招聘医師の減少についてお伺いいたします。
 県が2013年12月までに県外から招聘した医師は9名で、2012年度の最終実績25名と比較して大幅に減少しているとのことであります。即戦力である招聘医師の減少は医師確保対策に大きな影響を及ぼすことと思われますが、県としての対応策をお伺いいたします。
 また、即戦力医師の招聘とあわせて、奨学金養成医師の定着も重要であると考えます。医師への奨学金については、将来的な義務履行により返済が免除される制度設計となっておりますが、義務履行の状況はどうなっているでしょうか。義務履行が猶予されているケースも多くあると聞きますが、その対応策をどのように講じているかお伺いいたします。
 加えて、看護職員にも修学資金貸付金制度があり、卒業と同時に看護職員が免許を取得し、特定施設等に一定期間勤務した場合に償還が免除されますが、看護師を目指す生徒から、償還免除を受けるためには希望する勤務地ではない地域にも勤めなければならないなど、制度を誤解している声を聞きますので、県として、さらに制度の周知に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、東日本大震災津波の発生後から新規貸付者がふえておりますが、貸付枠の拡大により、全ての借り受け希望者に対応できているのかお伺いいたします。
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、招聘医師の減少についてでございますけれども、今年度の医師招聘数は1月末現在で10人となっておりまして、平成24年度の25人に比較して大幅に減少しております。これは、震災後の時間の経過とともに、被災地で支援を希望する医師が減少したことが要因でございまして、被災前の水準に戻ったような状況になっております。
 即戦力となる医師の招聘でございますけれども、これについては、関係大学への訪問による医師派遣要請とあわせて、本県における医師確保対策の有効な手段の一つであると考えておりますことから、今後は、これまでの被災地支援などによって築かれました全国の医療機関や個々の医師とのつながりを契機とした招聘活動を強化していくとともに、本県出身医師や県内在住医師からの情報提供によりまして、招聘の可能性の高い医師に対して重点的にアプローチするなど、一層取り組みを強化してまいりたいと考えております。
 次に、奨学金による養成医師の定着の関係でございますけれども、現在、義務履行対象期間に当たっている養成医師の状況は、市町村医師養成修学資金及び医療局の医師奨学金で121名おりまして、うち56名が県内の公的医療機関で勤務して、65名は義務履行を猶予して大学院等での専門的研修を行っているところでございます。
 義務履行を猶予している者のうち、医師としてのキャリア形成などの理由で猶予が長期にわたっている者につきましては、個別に面談を行いながら、そして、事情を聞きながら、今後の公的医療機関への勤務について、相談を行っているところでございます。
 さらに、今般、有識者によるワーキンググループの報告書が出ましたので、それを踏まえまして、今後、養成医師の個別面談の際には専任の医師によるきめ細かな相談を実施していくほか、関係機関による配置調整組織をつくる予定でございますので、その中で、個々の養成医師のキャリア形成、それから医師不足医療機関の状況を踏まえながら、適切な配置調整を行うなど、着実な義務履行の促進を進めてまいりたいと考えております。
 次に、看護職員への修学資金貸付金についてでございますけれども、この修学資金でございますが、看護職員の県内定着を目的としているものでございまして、県内の病床数500床未満の施設で一定期間勤務した場合には償還を免除するということで、特定の地域での勤務を義務づけているものではございません。
 これまでもそういったことの学生への周知には努めてきたところでございますけれども、卒業後の県内勤務の徹底とあわせて、具体的な償還免除要件について十分な理解が得られるよう、貸付金の取りまとめを行っておりますそれぞれの養成施設を通じまして、一層の徹底に努めてまいりたいと考えております。
 また、修学資金の貸付枠でございますけれども、平成20年度以降大幅に拡大して運用を行っておりますが、貸付者の選考に当たりましては、その予算の範囲内で、被災者を優先しながら、その他希望者について、家族の所得状況等を勘案して決定しておりまして、借り受け希望者全員が貸付決定になっていない状況でございますけれども、平成25年度は、申請者156名に対して決定者が127名となっている状況でございます。
〇16番(郷右近浩君) 震災前に戻ったとはいえ、これまでは、本当にさまざまな日本国内の皆様方から、この被災地に対しての思い、そうした形で来ていただいていた。それがこのような数字になったということは、やはりそれ自体も、この震災が風化していっているまさに一つの部分ではないかと考えております。
 大変だから来てくれ、被災地だから来てくれと、もうそれだけではないのかもしれませんけれども、しかしながら、これまでその人数で賄えていたもの、そうしたものをまたさらに続けていくためには、養成医師であり、そのような形からきちんと対応していかなければいけないと思いますので、どうかそこの部分をきちんと捉えていってやっていただきたいと思います。
 また、さらに、看護師につきましては、恐らくドクターの養成医師と混同している部分が制度としてあるのではないかと私自身も感じておりますので、ぜひともそこの部分を丁寧に告知できるような、そういったような形にしていただければと思います。
 次に、再生可能エネルギーについてお伺いしたいと思います。
 まず、海洋エネルギー実証フィールドについてお伺いいたしますが、この質問につきましては、先日来、同僚議員から質問等が出ておりますので、私は1点についてお伺いしたいと思います。
 まずもって、本県につきましては、三陸が有する絶好の海洋研究フィールドを生かし、洋上風力や波力などの海洋再生可能エネルギーの導入、利活用に取り組んできております。
 国が設置する海洋エネルギー実証フィールドの設置により、研究開発拠点を形成し、国際プロジェクトの導入や地域産業の振興を促進するための取り組みについて鋭意進めてこられ、2月26日に釜石沖を適地として国に応募したとのことであり、その御努力に敬意を表する次第であります。
 そこでお伺いしたいのですが、この海洋再生エネルギー実証フィールドの誘致に当たりまして、実証フィールドへの地元企業のかかわりをどのように考えていくのか、また、どのようになっていくと捉えているのか、商工労働観光部長にお聞きしたいと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 海洋エネルギー実証フィールドにかかわりまして、地元企業のかかわりについてのお尋ねでございました。
 この実証フィールドが実際に整備されますと、施設の整備に直接関係のある造船あるいは海洋土木など、さらに、運用開始された後におきましては、保守管理や船舶作業などで地元企業の参入が期待されているところでございます。これは、英国のEMECの例からいたしましても、そのように類推をしているところでございます。
 こうしたことから、議員からもお話がありましたとおり、一昨日、国に対して提案書を提出したところでありますので、今後とも、地元の企業とのかかわり、接点を持つような形で、実証フィールドの整備の実現に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇16番(郷右近浩君) ありがとうございます。本当によろしくお願いいたします。
 次に、県としての風力発電事業についてお伺いしたいと思います。
 企業局では、平成29年度の運転開始を目指し一戸町における風力発電事業を進めておられますが、企業局としても、本格復興の推進に寄与するため、被災した沿岸地域に風力発電事業を展開する計画はないのかお伺いいたします。
 先日、私どもが視察に行ってまいりました福岡県北九州市の響灘地区では、港湾を活用いたしまして10基の風車が海岸線に沿って設置されておりました。コストが高い洋上風力発電でなくても、本県の沿岸部の港湾を活用した風力発電事業を検討してもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いさせていただきます。
〇企業局長(佐々木幸弘君) 県としての風力発電事業についてでありますが、企業局では、岩手県地球温暖化対策実行計画で掲げる本県の再生可能エネルギーの導入目標の達成に向けて、再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいるところでございます。
 風力発電につきましては、平成6年度から沿岸地域を含めた県内各地で風況調査を実施し、平成13年度の稲庭高原風力発電所の運転開始に続き、平成29年度の(仮称)高森高原風力発電所の運転開始を目指し、現在、詳細設計を進めているところでございます。
 これらに続く取り組みにつきましては、今のところ具体的な開発計画はございませんが、稲庭高原や高森高原の経験を生かし、また、電力システム改革、固定価格買取制度や技術開発の動向、県外の事例などについて情報収集しながら、沿岸地域での展開について考えてまいります。
〇16番(郷右近浩君) これから沿岸の復興が進んでいく中で、例えば、本当にメモリアル公園であったり、その海岸線の部分をどのように使っていくのか、さまざまな検討がさらに詰まっていくと思います。そうしたときに、私は、考え方としては、コスト面を考えても、その市町村とのさまざまな形で一緒になって取り組むといったような考え方の中で、このような風力発電を海岸線にということも考えられるのではないかと考えておりますので、今ちょっと、いろいろ検討を進めてまいりますということでございましたので、どうかあわせて検討いただければと思います。
 最後の質問になります。教育現場における非正規の教職員に関する課題についてお伺いさせていただきます。
 本県でも多数の臨時的任用の教職員の方々が勤務されていると思われますが、年度末に数日程度の空白期間をあけて事実上の更新を繰り返している事例も少なからずあるとお聞きいたします。こうした臨時的任用の教職員に係る社会保険加入の取り扱いにおいて、この空白期間が教職員に不利益をもたらしている実態にあることは、一つの課題であると考えております。
 社会保険の加入資格は月末時点で確認されるものであるため、年度末の3月31日がその空白期間に含まれている場合、社会保険の脱退の手続がとられて、国保や国民年金に加入しなければならず、保険料負担の増や手続に時間を要して、すぐに病院等を受診できない、あるいは切りかえにより年金額に影響するなど、さまざまな不利益が生じているものと考えられます。
 こうした問題は、全国的に見受けられるものであることから、先般、国会でも取り上げられ、結果、厚生労働省は、有期の雇用契約または任用が1日ないし数日の間をあけて再度行われる場合においても、雇用契約または任用の終了時に、あらかじめ事業主と被保険者との間で次の雇用契約または任用の予定が明らかであるような事実が認められるなど、事実上の使用関係が中断することなく存続していると就労の実態に照らして判断される場合には、被保険者資格を喪失させることなく取り扱う必要があるという趣旨の通知を日本年金機構宛てに発出するという状況となっております。
 社会保険を所管する省庁である厚生労働省がこのような見解を示す以上、本県においても、一刻も早く厚生労働省の見解に応じた措置を講じ、非正規という不安定な身分のままで子供たちのために就労している臨時的任用教職員の皆様方の適切な身分保障を行うべきと考えますが、本県の対応はどのようになるのかお示し願います。
〇教育長(菅野洋樹君) 社会保険に関する取り扱いについてでありますが、お話のありました厚生労働省の通知につきましては、教育委員会としても承知しているところでございます。
 社会保険を所管する厚生労働省の見解でございますので、教育委員会といたしましては、その通知に沿って対応してまいりたいと考えております。
〇16番(郷右近浩君) 趣旨に沿ってということでございますので、やるということだと思いますが、間もなく平成25年度の3月31日を迎えます。この対応は、今年度から対応していただけるということでよろしいのか、再度お伺いしたいと思います。
〇教育長(菅野洋樹君) 今年度末から対応したいと考えております。
〇16番(郷右近浩君) ありがとうございます。
 本当に3月は春休みの時期であります。子供たちが、卒業していったりしながら、そしてまた、母校に顔を出してみせたり、本当にさまざまな人の動きがある時期でありますので、そうしたときに、子供たちにとりましては、先生というのは、非正規も正規も関係なく、臨時だろうが何だろうが本当に関係なくもう先生であります。本当にお世話になった先生であったり、それから、本当にふだんから自分たちを見守ってくれている、物を教えてくれる、そうした先生であります。そうした教職員の方々が安心して子供たちに向き合っていけるような、そうした環境をこれからもつくっていただきたいと思いますし、今回の御英断には本当に感謝いたします。
 以上、質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時27分 休 憩
出席議員(45名)
1  番    高 田 一 郎 君
2  番    清 水 恭 一 君
3  番    名須川   晋 君
5  番    神 崎 浩 之 君
6  番    城 内 愛 彦 君
7  番    福 井 せいじ 君
8  番    佐々木 茂 光 君
9  番    佐々木   努 君
10  番    佐々木 朋 和 君
11  番    軽 石 義 則 君
13  番    吉 田 敬 子 君
14  番    後 藤   完 君
15  番    岩 渕   誠 君
16  番    郷右近   浩 君
17  番    高 橋 孝 眞 君
18  番    岩 崎 友 一 君
19  番    高 橋 但 馬 君
20  番    小 野   共 君
21  番    高 橋   元 君
22  番    木 村 幸 弘 君
23  番    久 保 孝 喜 君
24  番    小 西 和 子 君
26  番    喜 多 正 敏 君
27  番    工 藤 大 輔 君
28  番    嵯 峨 壱 朗 君
29  番    工 藤 勝 子 君
30  番    工 藤 勝 博 君
31  番    高 橋 昌 造 君
32  番    五日市   王 君
33  番    及 川 あつし 君
34  番    小田島 峰 雄 君
35  番    大 宮 惇 幸 君
36  番    飯 澤   匡 君
37  番    斉 藤   信 君
38  番    佐々木 順 一 君
39  番    及 川 幸 子 君
40  番    伊 藤 勢 至 君
41  番    樋 下 正 信 君
42  番    柳 村 岩 見 君
43  番    千 葉   伝 君
44  番    佐々木 大 和 君
45  番    佐々木   博 君
46  番    渡 辺 幸 貫 君
47  番    田 村   誠 君
48  番    小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時48分 再開
〇議長(千葉伝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。久保孝喜君。
   〔23番久保孝喜君登壇〕(拍手)

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