平成26年2月定例会 第14回岩手県議会定例会会議録

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〇17番(高橋孝眞君) 自由民主クラブの高橋孝眞でございます。
 まず、今回、一般質問の機会を与えていただきました先輩そして同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 東日本大震災からもうすぐ3年となり、いまだ仮設住宅で暮らす多くの皆様が一日も早く安定した暮らしが取り戻せるよう、最大限の努力をしていかなければならないという思いを申し上げ、通告に従い順次質問をいたします。
 まず、希望郷いわてについて伺います。
 知事は、私の前回の一般質問に対し、希望郷いわての実現は、東日本大震災津波の発生後においても変わることのない、実現していきたい岩手の未来であると答弁されました。申すまでもなく、希望郷いわての実現は、県民がひとしく抱く願い、望みであり、地域社会を構成する多様な主体が思いを共有し、ともに支え合いながら、総力を結集して取り組むことでなし遂げられるものであると考えます。知事は、希望郷いわての実現に向け、誰よりも熱く強い思いを胸に、このかじ取りに日々御尽力されているものと思います。
 さて、昨年9月定例会に提出された平成24年度主要施策の成果に関する説明書には、みんなで目指す姿を示した84の指標について、おおむね達成以上の割合が67.9%と、前年度に比べて7.4%低下したとあります。
 希望郷いわての実現状況を示す一つの指標として注目する必要があるのではないかと思い伺いますが、いわて県民計画の計画期間が半分を過ぎ、第2期アクションプランが最終年度に入ろうとしている今、また、復興実施計画が第1期から第2期に移行しようとしている今、知事は、希望郷いわての実現に向けた取り組みをどのように評価しているのでしょうか。知事の思い、描いている姿とのギャップはないのか、お示しください。
 次に、県民所得の向上について伺います。
 政策評価レポート2013には、平成23年度の1人当たりの県民所得が235万9、000円と、前年度に比べ1.9%の増加、一方、1人当たりの国民所得が271万5、000円と、前年度に比べて1.3%の減少となり、所得水準は86.9と、国民所得に対する県民所得水準の乖離が縮小したとあります。これまでにない変化であり、今までの取り組みが実を結んだもの、希望郷いわての実現に大きく前進したと評価したいところでありますが、東日本大震災津波からの復興需要による公共投資の拡大等が要因となっていると分析されていることや、平成24年度については、年度後半に県内経済の回復基調が一服し、やや弱含みの推移となることが見込まれると分析されていることなどを考え合わせると、もろ手を挙げて喜べる状況にはありません。
 復興需要の後においても県内経済が安定的に発展できるよう、農林水産業や食産業、観光産業など、県内の地域資源に根差した産業などを振興していく必要があると考えますが、将来にわたり県民所得が向上し、国民所得並みの所得が確保できる社会の実現に向け、知事はどのように取り組んでいく考えかお伺いいたします。
 次に、次期アクションプランの策定方針について伺います。
 知事の定例記者会見の会場はもとより、今、県内では至るところで希望郷いわての文字を目にします。これは、2016年希望郷いわて国体及び希望郷いわて大会に向けた機運を高めるためポスターが張られ、のぼりが掲げられているからにほかなりません。加えて、希望郷いわて国体のイメージソング、笑顔の賛歌が、未来、未来、未来、夢がかなうと流れています。
 希望郷いわては、意識するしないにかかわらず、老若男女に至るまで、県民にあまねく記憶に刷り込まれ、平成30年度とは言わず、国体年にも実現との期待が持たれているのではないでしょうか。
 そこで伺いますが、希望郷いわての実現のための総仕上げとなる次期アクションプランをどのような方針で策定するのか、知事の現時点での考えをお示しください。
 次に、公債費負担適正化計画について伺います。
 知事は、去る2月12日に、平成26年度当初予算について発表された際、県債については公債費負担適正化計画の方針に基づき、国の交付金を活用するなどして抑制を図っていると説明されました。過日、被災自治体の財政状況が急速に悪化との報道がなされたことから、県内市町村の実質公債比率をお聞きしたところ、被災地の沿岸市町村も含め、18%を超えるところはないとのことであります。
 本県では、現在、県のみが公債費負担適正化計画を策定し実質公債費負担の管理を行う自治体でありますが、実質公債比率が18%を超えたことの持つ意味と、公債費負担適正化計画に基づく県債の発行抑制が予算編成に与える影響についてお伺いします。
 次に、公債費負担適正化計画下における選択と集中について伺います。
 申すまでもなく、実質公債比率の上昇は、一定期間に多額の県債を発行した結果によりもたらされたのであり、本県の比率が18%を上回った要因は、まさにこのことに尽きるものであります。
 平成26年度の通常分公共事業費等について見ると、平成23年度と比較し、65%と極めて大きく減少しています。選択と集中の方針のもとではありますが、県勢の発展、本県の将来に影響を与えるのではないかと一抹の不安を覚え、このような予算編成にはいささか疑問を感じざるを得ません。
 県の公債費負担適正化計画では、平成32年度までに実質公債比率を18%未満とすることを目指すとされていますが、県が財政運営上適正と考え、目標とする実質公債比率についてまずお示しください。
 また、予算編成に当たっては、公債費負担適正化計画の期間中であっても、希望郷いわての実現、その先にある本県の発展のため、震災対応以外予算の減少をもう少し緩やかに抑え、将来負担の支出を検討しながら、真に必要な事業には予算を確保するなどの対応が必要と考えますが、県の見解をお伺いします。
 次に、被災地における用地取得について伺います。
 東日本大震災津波の発災から間もなく3年を迎えることになります。この間、被災市町村では復興計画を策定し、計画区域内の土地利用方針を定め、各種の復興事業に鋭意取り組んできましたが、その進捗状況は被災地住民の期待に添えるものとなっているのでしょうか。被災地の住民は、応急仮設住宅において、肉体的にも精神的にも厳しい生活を強いられながら、被災地での生活再建を一日千秋の思いで待っているのではないでしょうか。
 このような中、用地取得が進まないことなどにより、働くための企業の進出や住むための住宅の整備などがおくれれば、それまで耐えていた住民の皆さんの気持ちが折れてしまうことになりかねません。このことは、被災地からのさらなる人口流出を招きかねず、復興後の地域の姿を大きく変えてしまう重大な問題であると認識しています。
 用地取得のおくれなどに伴う復興事業のおくれについては、被災地の住民に正しく情報を伝え、希望のともしびが消えることのないよう、きめ細やかな説明が必要と思うのですが、知事の認識をお示しください。
   〔副議長退席、議長着席〕
 次に、用地取得に係る特例制度と用地加速化支援隊について伺います。
 震災により多くの方が亡くなられた被災地域においては、数代にも及ぶ相続登記の手続が行われていない例が多く、また、相続権者が各地に散在していることなど、円滑な用地の取得を妨げる要因が立ちはだかっています。県では、この問題を解決するため、昨年11月に、国に対し、土地収用法の特措法を創設する抜本改革を提案されましたが、国の反応は極めて固く、これまで同様、現行制度の枠組みの中での検討にとどまっていると聞いておりますが、現在の国の検討状況はどうなっているのでしょうか。
 また、根本復興大臣は2月1日に来県し、大槌町を訪問された際、市町村の用地取得を支援する用地加速化支援隊の創設を表明したと報じられましたが、本県の被災地市町村が用地の取得を加速化する上でどのような効果が期待できるのかお伺いします。
 次に、用地職員の配置について伺います。
 被災地における復興事業は来年度から本格的に動き出すと聞いており、本格復興推進年の名にふさわしい計画的な事業遂行を期待しております。このためには、何よりも用地取得の加速化が絶対条件であり、現行制度のままで最大限の効果を発揮させるのであれば、用地交渉に当たるマンパワーの拡充が必要不可欠であると考えますが、被災市町村を含めた県内の用地職員は、復興事業の本格化に対応できる人員が確保できる見通しが立っているのでしょうか。県が予定している人員確保、組織体制の強化をあわせてお伺いします。
 次に、農政問題について伺います。
 新たな農業政策により、平成26年産から米の直接支払交付金は現行の10アール当たり1万5、000円から7、500円に半減されることになり、水稲15ヘクタールを作付している農家の所得が468万9、000円から356万4、000円と24%も減少する見込みであります。極めて大きな減少であり、これを一朝一夕でカバーすることは困難で、県内の農家に深刻な影響を与えるものと大いに心配しています。また、農地中間管理機構を利用した農地集積も、特別単価の設定が平成26年度及び平成27年度の2カ年間に限定されるなど、新たな農業政策に生産者として不安を感じております。新たな農業政策については、集落営農組織を初めとする法人経営体や農家に対し迅速な説明や周知徹底及び市町村、JA、関係団体による調整や取り組みが重要になってくるものと思います。
 そこで伺いますが、県では、関係団体等と連携して新たな農業政策の周知や調整等にどのように対応していこうとしているのか、また、新たな農業政策で減少が見込まれる所得をどのように確保させようとしているのか、あわせて具体的にお示しください。
 次に、集落営農組織の法人化について伺います。
 県内の集落営農組織415のうち、平成24年までに法人化したものは85組織にとどまっていると聞いております。集落営農組織は、法人化することにより新たな人材の雇用が可能となるなど、将来にわたる安定的な運営が可能になるものと考えます。また、法人化は、規模拡大や冬期間の栽培、複合的な経営の実現など、収入、所得確保の好循環を生み出すことも期待されるのではないでしょうか。
 現在の県内の集落営農組織は若者が少なく、比較的高齢の方で構成されている組織が多いものと思います。任意組織のままでは、年数の経過とともに農作業へ従事することそのものができなくなり、解散という事態も想定されるのではないでしょうか。新たな農業政策も踏まえ、集落営農組織の法人化をどのように指導していく考えかお伺いいたします。
 次に、農業の経営者育成について伺います。
 これまでは、小規模農家であっても複合的な経営をすれば一定の所得が確保できましたが、新たな農業政策下にあっては、大規模農家の複合的な経営や、肥育農家の繁殖肥育一貫経営への転換による規模拡大などをより一層促進していくことが必要と考えております。このためには、大規模農家で働く人材の確保はもちろんのこと、経営全般にわたり精通し、大規模な経営を管理できる人材の育成が不可欠であります。
 岩手の農業には希望があり、十分にもうかる産業と認識しております。本県にはそれだけの資源があることから、要するに、この資源をいかに活用し、経営していくかに尽きると考えます。県内にも大規模経営の成功モデルはあります。これから岩手の農業を担う若者に成功の姿を見せ、思いを同じくする他の地域の若者や、異分野、異業種の経営者と交流させるなど、次世代の経営者を育成する特別なプログラムがあってもよいのではないでしょうか。
 今回の農業政策の転換に際し、通年雇用できるような規模の法人経営を展開し得る経営者の育成に取り組む考えがないかお示しください。
 次に、中山間地域における圃場整備の加速化について伺います。
 本県全体の水田整備率は、平成23年度末時点で50.3%と、東北平均に比べて14%、全国平均に比べて12%低くなっており、県内では平場地域に比べ中山間地域がおくれていると認識しております。新たな農業政策により、平成26年産から半減される米の直接支払交付金は5年間で廃止される予定です。この間に適切な対応策を講じなければ、本県農業に極めて重大な影響を与えるものと考えており、とりわけ未整備圃場が多い中山間地域においてこそ顕著になるものと考えております。整備されていない圃場についてはこれまでも借り手がなく、農地の集積が進んでこなかったはずであります。米の直接支払交付金が廃止される5年後までに基盤整備をしっかりと進める必要があると思いますが、新たな農業政策の影響を強く受けると考えられる中山間地域において、圃場整備をどのように加速化させる考えかお伺いいたします。
 次に、新たな日本型直接支払制度の活用について伺います。
 これまで県は、農地・水保全管理支払、中山間地域等直接支払及び環境保全型農業直接支払支援により、農業、農村の多面的機能を支える地域の共同活動を支援してきましたが、その取り組み面積は全農振農用地の4割にとどまっております。新たに創設される多面的機能支払は、共同で取り組む農地のり面の草刈りや水路の泥上げなどが支援対象となる農地維持支払が新設されることから、本県においても、これを好機と捉え、積極的な活用に取り組む必要があると考えますが、新たな日本型直接支払制度の活用に向けて取り組み面積を拡大させるため、県としてどのように対応していく考えかお示しください。
 農政問題の最後の質問として、2月15日から16日の大雪等による農業関係被害について伺います。県北・沿岸を中心に農業関係被害が発生しているようでありますが、その状況と今後の対応についてお伺いします。
 次に、農林水産物の輸出について伺います。
 農林水産省が2月12日に発表した2013年の農林水産物・食品の輸出額は、速報値でありますが、5、506億円、昭和30年に輸出額の統計をとり始めて以来の最高値となりました。この理由は、海外で和食の人気が高まったことに加え、原発事故による日本食品への不安が薄らいだことから、アジア向けの輸出が伸びたものと報じられました。品目別輸出額は、米が142%、牛肉が114%となっており、今後の展開に期待しているところであります。
 このような折、先般、知事は、米国ロサンゼルスにおいて、牛肉を初めとする県産農林水産物等のトップセールスによるプロモーションを展開されましたが、今回のプロモーションの知事の所感をお伺いいたします。
 次に、農林水産物輸出の現状について伺います。
 農林水産物等の輸出促進には、産地や地域にとって新たな販路の拡大、地域経済の活性化などの意義がありますが、特に生産者の所得向上に重要と認識しており、本県も農林水産物の輸出を積極的に推進していく必要があると考えますが、本県の米、リンゴ及び牛肉など主要品輸出の現状と課題についてお示しください。
 次に、県産農林水産物の輸出拡大について伺います。
 知事や副知事は、これまで香港、シンガポールなどにおいてトップセールスを展開してこられましたが、今回のプロモーションも含め、その成果に大いに期待しております。また、ユネスコは、昨年12月4日にアゼルバイジャン共和国のバクーで開いた第8回政府間委員会において、和食を無形文化遺産に登録することを決めたところであります。これまでのトップセールスや、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことなどを踏まえ、県産農林水産物の輸出拡大に今後どのように取り組んでいく考えかお伺いします。
 次に、子ども・子育て支援新制度について伺います。
 いわて県民計画に掲げる政策、3医療・子育て・福祉分野の、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備については、政策評価において、保育サービスの拡充や放課後児童対策、子育て家庭への支援が順調に進んでいると評価されるなど、共に生きるいわての実現に向けて着実に進んでいるものと感じております。
 また、国においては、質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、地域の子育ての一層の充実、待機児童の解消や、子供が減少傾向にある地域の保育の支援などを内容とする子ども・子育て支援新制度を平成27年度から本格的にスタートさせる予定であり、希望郷いわての実現を力強く後押しする追い風として期待するものでありますが、子ども・子育て支援新制度への県のこれまでの対応と今後のスケジュールについてお伺いします。
 次に、認可外保育施設について伺います。
 国の新たな制度では、保育所、認定こども園、幼稚園への施設型給付、小規模保育、家庭的保育等の地域型保育給付及び地域子ども・子育て支援事業に財政的支援が行われます。また、認可外保育施設への支援については、保育所または認定こども園への移行を支援する運営費、調査費、移転費が補助対象となりますが、県内にはさまざまな地域があり、地域により事情が異なることから、認可外保育施設が全て保育所または認定こども園に移行できるとは考えがたく、認可外保育施設のままで運営していかざるを得ない施設も出てくるのではないでしょうか。
 子育て世代で保育を必要としている親たちは、共働きや勤務時間が午前8時から午後5時だけではなく、多様な時間帯で仕事をしている世代ではないでしょうか。このため保育所以外の施設を必要とする世帯が多いものと考えます。
 そこで伺いますが、県では、認可外保育施設を含む待機児童をどのような方法で把握しているのかお示しください。認可外保育施設を利用している児童は認可保育施設を利用できないことから、やむを得ず利用しているものと考えられますが、待機児童数に含まれているのでしょうか、あわせてお伺いします。
 また、小規模保育や保育所等への移行が困難な認可外保育施設が支援対象外となることにより子育て世代の負担増を招き、子育て支援の地域間格差を拡大させることになると考えますが、県の認識をお示しください。
 最後に、NPO法人の指導について伺います。
 いわて県民計画、東日本大震災津波復興計画の推進には、NPO法人等の活動や活躍に大いに期待するところでありますが、大雪りばぁねっと。のような残念な事案が発生してしまいました。県では、平成22年11月に定めた岩手県における特定非営利活動促進法の運用方針についてにNPO法人に対する監督権行使の基準を規定するとともに、当年12月に定めたNPOを対象に含む事業委託の手続の適正化に関するガイドラインに、委託先の選定基準、選定方法、委託事業の執行などを規定しておりますが、このガイドラインは、今回のような事案の発生を予防することに有効なものと感じています。県内では、県と同様のガイドラインを定めている市町村があるのか、これまで市町村にガイドラインを提示し指導した実績があるのか、また、今後指導する考えがないかお伺いします。
 次に、県外NPO法人の従たる事務所設置について伺います。
 県のガイドラインには、主たる事務所を県外に有するNPO法人に対し、県内に従たる事務所の設置を事業委託の要件とする規定は見当たりませんでした。県や市町村からの事業委託を受けて活動する県外のNPO法人が、その拠点として従たる事務所を県内に設置することは、委託事業管理上も、また受託事業実施上も合理的であると考えますが、県や市町村が事業委託を行う場合、県外のNPO法人に対し従たる事務所の県内設置を要件とすることについて見解をお示しください。
 次に、共助社会づくり懇談会での議論について伺います。
 現行法の規定では、NPO法人については市民による監視を基本とされており、県や市町村が権限を逸脱した指導、監督が行えないことになっております。内閣府では共助社会づくり懇談会を設置し、懇談会のもとの信頼性の向上に関するワーキンググループにおいて、NPO法人の指導、監督について議論を行ったようでありますが、その結果はどのようになったのか、また、国は懇談会での議論を今後どのように取り扱う予定かお伺いします。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高橋孝眞議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、希望郷いわての実現に向けた評価についてでありますが、平成24年度主要施策の成果に関する説明書におけるみんなで目指す姿の指標の状況は、議員御指摘のとおりでありますが、県では、希望郷いわての実現を目指すいわて県民計画第2期アクションプランの進捗状況について、各指標の動向をもとに、県以外の主体の取り組み状況や、県民意識、社会、経済情勢等も踏まえた総合的な評価を行い、その結果を毎年11月に政策評価レポートとして取りまとめ、県議会に報告しております。
 その政策評価レポートでは、順調、おおむね順調と評価された政策項目が全体の74.4%と、前年度から2.3ポイント改善しているほか、県による具体の取り組みを示した具体的な推進方策についても、順調、おおむね順調が83.8%と、前年度から3.4ポイント改善しているところであります。
 また、第2期アクションプランでは、人口の社会減を減らすこと、県民所得水準の国民所得との乖離を縮小すること、求人不足数を改善すること等を政策推進目標に掲げておりますが、これらの指標はおおむね良好に推移しており、希望郷いわての実現に向けた取り組みを着実に進めてきているところであります。
 平成26年度当初予算は、本格復興推進予算として本格復興の着実な推進を図るとともに、ILCなどの岩手の未来を切り拓く施策に意を用いて編成したところであり、若者や女性の力を引き出すとともに、地域社会を構成するあらゆる主体の総力を結集して、希望郷いわての実現を目指してまいります。
 次に、県民所得の向上についてでありますが、将来にわたり本県経済が力強く成長していくためには、自動車や半導体関連産業の集積促進、医療機器関連産業の創出など、本県経済を牽引するものづくり産業の振興や、農林水産業の6次産業化など地域資源を発掘して磨き上げ、付加価値を高めていく取り組みなどを今後一層推進していく必要があります。
 また、ILC建設や海洋再生可能エネルギー実証フィールドの整備などによる国際的研究拠点の構築やものづくり産業人材の育成、次世代産業の創出につながる研究開発とその事業化の支援など、中長期の取り組みもあわせて進めていく必要があります。
 このように、現在進めている産業振興と未来を見据えた取り組みを並行して進め、県内経済の持続的な成長を目指してまいります。
 次に、次期アクションプランの策定方針についてでありますが、平成21年度に策定したいわて県民計画は、10年後の岩手の未来を示した長期ビジョンと、その実現のための具体的な取り組みをお示しし、マニフェストサイクルと連動したアクションプランで構成されています。
 次期アクションプランは、現在の第2期アクションプランの取り組みの成果を検証し、そこで明らかになった課題や、本県を取り巻く社会、経済情勢の変化などに的確に対応するため策定するものでありますが、現時点では、第2期アクションプランの着実な実行と、本格復興に向けた取り組みに専心してまいります。
 次に、復興事業の進捗状況に係る被災地住民への説明についてでありますが、県では、これまでも、海岸保全施設、復興まちづくり、災害公営住宅を初めとする社会資本の主要8分野について、事業の実施個所や規模、平成30年度までの工程見通しを社会資本の復旧・復興ロードマップとして取りまとめ、県ホームページや各種事業説明会などにおいて周知してまいりましたほか、市町村においても、独自の復興情報とあわせてロードマップの広報への掲載などにより周知いただいているところです。
 さらに、事業用地の確保、入札不調や資機材の不足等の要因により復興事業の工程に変更が生じた場合には、復旧・復興ロードマップの更新時に最新の情報を提供するとともに、より詳細な事業内容については、各事業主体において住民説明会等を随時開催しながら情報を提供しております。
 今後も、被災者の方々の一日も早い住まいの再建を支援するため、市町村と連携しながら正確できめ細かな情報提供に努めるとともに、用地取得を含む復興事業を進める上でのさまざまな課題に対して適切に対応しながら、本格復興を推進してまいります。
 次に、米国でのプロモーションを通じた所感についてでありますが、今回のプロモーションでは、現地日系スーパーでいわて物産フェアを開催し、牛肉、県産米、日本酒等をPRし、来場者の皆様から好評を得ました。また、ロサンゼルス市内のホテルで、レストランや牛肉の卸業者など流通関係者を招待したレセプションを開催し、県産食材のすぐれた品質や安全・安心への取り組みなどをアピールいたしました。レセプションでは、世界的に有名なシェフにいわて牛を使った北欧風やラテン風の料理を提供してもらいましたが、地元メディアも含め多くの方々にいわて牛の名前が浸透し、そのすばらしさをよく理解していただけたものと考えております。
 また、現地の牛肉卸業者へのいわて牛の販売促進の協力要請では、ブランドとして紹介していきたいとの姿勢でありましたことから、米国での輸出拡大につながるよう、関係団体等と連携しながら販売促進の働きかけを継続してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) まず、公債費負担適正化計画についてでありますが、本県は、平成24年度決算に基づく健全化判断比率において実質公債費比率が18%以上となったことから、地方債の発行に許可が必要となるとともに、実質公債費比率を適正に管理していくため公債費負担適正化計画の策定が必要となったところです。
 公債費負担適正化計画においては、県が管理可能な県債の発行について、当面、平成25年度の発行規模を維持または抑制することとしたところであり、平成26年度当初予算においては、県が管理可能な県債の発行額を354億円とし、平成25年度の発行規模、平成25年9月補正現計で415億円を下回る額に抑制を図ったところであります。
 なお、予算編成に当たっては、地域の元気臨時交付金等を活用して、公共事業について前年度並みの予算を確保するなど、予算編成への影響が生じないよう努めたところであります。
 次に、実質公債費比率と予算の確保についてであります。
 まず、目標とする実質公債費比率についてでありますが、地方財政法において起債に許可が必要となる実質公債費比率が18%以上とされていることを踏まえ、本県としても安定的に18%を下回ることが財政運営上適正と考えているところであり、計画で定めた期間である平成32年度までに18%を下回るよう努めてまいります。
 次に、必要な事業に対する予算の確保についてでありますが、県においては、通常分の公共事業について、東日本大震災津波の発生や国の概算要求基準を踏まえ、国と連動したシーリング率を設定してきたところであり、平成26年度の通常分の公共事業費等については、経済対策として平成25年度2月補正予算と一体として事業量を確保することによって、必要な予算を確保いたしました。
 また、震災対応分を含む公共事業費全体においては、平成23年度当初予算の836億円と比較し127%増の1、776億円となっており、相当規模の事業費となっています。今後におきましても、震災からの復旧、復興に最優先で取り組みつつ、希望郷いわての実現に向け、国庫補助金や、後年度に地方交付税措置のある、より有利な県債を有効に活用するなど、真に必要な事業の予算の確保に努めてまいります。
 次に、用地職員の確保についてでありますが、本格復興の推進に向けて、来年度の復興事業用地取得を担う用地職員については、被災市町村で274人、県で75人が必要と考えています。このため、不足となる職員の確保に向け、国や全国知事会を通じた応援職員の派遣要請や任期付職員の採用などを行っているところであり、現段階で被災市町村では約9割の254人程度、県で約8割の63人程度が確保できる見込みとなっているほか、現在も神奈川県等で任期付職員の採用による派遣増員に取り組んでいただいているところであります。また、県においては、関係機関との調整や現地用地業務への支援により用地取得の迅速化を図るため、来年度、本庁県土整備企画室に用地課長を新たに配置することといたしております。
 今後とも、復興の進捗状況に合わせ、職員の採用や他の自治体からの応援職員の増員などあらゆる方策により、事業の推進に必要な人員の確保に努めてまいります。
   〔理事佐々木和延君登壇〕
〇理事(佐々木和延君) 用地取得に係る特例制度についてでありますが、昨年11月に、特例制度創設を国に要望したところでありますが、現在、要望の際に国から課題として示された憲法上の懸念への補足説明を行うとともに、具体の用地取得困難事例を示しながら協議を進めているところです。
 今後とも、引き続き、国に対して特例制度の創設を強く働きかけてまいります。
 また、用地加速化支援隊についてでありますが、これは、昨年11月から、国の専門職員が大槌町を月1回程度訪問して、用地取得に係る個別具体の困難事例に対し解決策を示すという取り組みを行ってきたところですが、この取り組みを他の市町村にも広げようとするものです。
 用地事務に精通した職員が不足している市町村においては、国の専門職員から助言を受けられることにより、一定の効果は期待できるものと考えられますが、用地における最大の課題である遺産分割協議等の当事者間調整や多数権利者との用地交渉の期間を短縮することは難しいと考えております。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、新たな農業政策への対応についてでありますが、県では、関係機関、団体で構成する岩手県元気な地域農業推進本部を設置し、国の新たな農業政策への取り組みのあり方等を検討しており、さきの中間取りまとめでは、地域の水田や国等の支援制度を最大限に活用した農業者の所得拡大や、農地中間管理事業を活用した農地集積等による経営体質強化、小規模農家も含めた新たな営農展開などを基本的な考えとして、さらに具体的な取り組み方向の検討を進めております。
 このような関係機関、関係団体が一体となった検討を通じて、関係機関、団体が国の新たな農業政策への本県での取り組みのあり方等を共有し、今後の対応のより円滑な実施を期すほか、地域の農業者に対しては、現在、市町村等の協力も得ながら、集落座談会などの機会を活用して、新たな制度の周知徹底や営農相談などの取り組みを進めております。
 また、米などの土地利用型作物では、農地集積等による経営規模拡大やコスト低減を進めるとともに、地域で使途や振興作目ごとの交付単価を決めることができる産地交付金等を活用した作物の導入拡大や、園芸など収益性の高い作物の導入などを進め、農業者の所得が確保できるよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、集落営農組織の法人化についてでありますが、集落営農組織は、小規模な農家や兼業農家も参加した地域農業の担い手として地域の農業振興に重要な役割を担っており、組織の継続、発展には法人化を図る必要がありますが、本県の集落営農組織の法人化割合は県の育成目標には達しているものの、約8割が法人化に至っていない状況にあり、アンケート調査では、法人化が進まない要因として、組織の経営、運営方針等の合意づくりや、安定的な所得の確保などが挙げられております。このため、県では、集落の合意形成の中心を担うリーダーとしての資質向上に必要な講座の開催や、組織の運営方針、生産販売計画などを盛り込んだ経営計画策定に向けての集落内での話し合いの促進のほか、園芸作物の導入や6次産業化の取り組み等の実践活動の支援などを通じて、集落営農組織の法人化を促していきたいと考えております。
 次に、農業の経営者育成についてでありますが、本県農業の発展のためには、意欲と能力のある経営者の育成が重要であることから、県では、企業的な経営を目指す若い農業者等を対象に、岩手大学、JAいわてグループと共同で運営するいわてアグリフロンティアスクールを開設し、生産管理、販売管理、労務管理、財務管理など、経営全般にわたる講義や農業ビジネス戦略計画の作成など実践的な演習を通じて、経営者として求められる能力の向上、習得に取り組んでおります。
 今後、いわてアグリフロンティアスクールでは、異業種の経営ノウハウを習得する講義など新たにカリキュラムに組み入れるほか、修了生のネットワークづくりや異業種経営者等との交流機会を設け、一層の企業家マインドの醸成と経営者としての資質向上を図ることとしており、引き続き、本県農業を牽引する経営者の育成を進めてまいります。
 次に、中山間地域における圃場整備の加速化についてでありますが、水田の整備がおくれている本県にあって、とりわけ地形条件の厳しい中山間地域では、高齢化、過疎化の進行による担い手不足や耕作放棄地の増加が懸念されており、生産基盤の整備と担い手への農地利用集積の一体的な推進が喫緊の課題と認識しております。このため、県では、急勾配、農地分散など、中山間地域特有の条件を勘案した整備手法の導入や、農地利用集積の達成度合いに応じた促進費の交付による農家負担の軽減など、工夫を凝らしながらハード事業とソフト事業を総合的に推進することとしており、農地中間管理事業も活用しながら、中山間地域の基盤整備を進捗させていく考えです。
 次に、新たな日本型直接支払制度の活用についてでありますが、地域ぐるみで行う農地や水路、農道などの保全管理活動は、農業、農村が持つ多面的機能の維持、増進に加え、管理作業の負担軽減による農地集積の促進などが期待できることから、今回創設された農地維持支払をできるだけ多くの地域で導入していきたいと考えております。このため、既に農地・水保全管理支払等の取り組みが定着している地域では、活動組織への説明会や制度導入の手引の配布などを通じて、新制度の活用を促進してまいります。
 一方、県北・沿岸や山間部を抱える市町村等、取り組みが少ない地域では、農家が集まるさまざまな機会を捉え、新制度の内容や効果等を丁寧に説明するとともに、きめ細かな個別相談などにより、導入に向けた合意形成、組織づくりを支援してまいります。
 次に、2月15日から16日の大雪等による農業関係被害についてでありますが、2月24日現在、被害総額は約1億2、500万円で、主な被害は、パイプハウスや畜舎等の倒壊、破損の農業施設関係被害が、洋野町など13市町村で336棟、被害額は約1億2、400万円、停電や集乳車の通行不能による生乳廃棄等の畜産関係被害が、岩泉町など9市町村で11トン、被害額は100万円となっております。
 被害への対応につきましては、農業共済や生乳運送保険の円滑な支払いを要請するほか、農業用ハウスの再建助成等、国の被災農業者への支援対策の導入を図るなど、今後の営農に支障が生じないよう、必要な対策に取り組んでまいります。
 次に、県産農林水産物輸出の現状についてでありますが、県では、官民で構成するいわて農林水産物輸出促進協議会を主体として、国の補助事業も積極的に活用しながら、東南アジアを主な取り組み対象として輸出促進に取り組んでおり、主要品目の昨年12月末時点での輸出状況は、リンゴは前年度並みであるものの、米は対前年度比で107%、牛肉は138%と前年度を上回って推移しております。
 今後の輸出拡大に当たっては、新たな輸出先の開拓に向けた販売チャネルの確保や品目の絞り込みのほか、既存の取引の拡大に向けた現地の卸売業者、レストラン関係者等との結びつきの一層の強化などが必要と考えております。
 次に、県産農林水産物の輸出拡大についてでありますが、これまでのトップセールスを通じて構築されてきた卸売業者やレストラン関係者などとの人的ネットワークや、和食のユネスコ無形文化遺産登録による日本食や日本食材への関心の高まりを、輸出相手先の関係者を招聘しての産地見学会や商談会の開催、本県の郷土料理の紹介を交えての県産食材のアピールなどの形で最大限に活用しながら、県産農林水産物の輸出拡大を図ってまいります。
   〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、子ども・子育て支援新制度への対応についてでありますが、平成24年8月の子ども・子育て関連3法の成立以来、市町村や保育団体等との意見交換会や地域説明会の開催、リーフレットの配布等による県民への周知を行うとともに、新制度の円滑な実施に向け、保育所、幼稚園の所管課で構成する庁内準備連絡会において検討を重ねてまいりました。
 また、昨年11月に、子供の保護者、保育所、幼稚園などの子ども・子育て支援関係者等を委員とする岩手県子ども・子育て会議を設置し、これまで同会議を2回開催し、新制度の内容についての情報共有を図るとともに、部会設置の審議等を行ってきたところでございます。
 今後は、関係者の意見を幅広くいただきながら、ことしの9月ごろまでに、新たな幼保連携型認定こども園の認可基準の条例化や、県子ども・子育て支援事業支援計画の策定などに取り組むこととしております。さらに、制度の実施主体となる市町村に対して、円滑に新制度が実施されるよう、必要な支援を行っていきます。
 次に、待機児童の把握方法についてでありますが、保育所の待機児童は、保護者から市町村に保育所入所申込書が提出され、入所要件に該当しているが入所していないものとされておりまして、市町村では、認可外の保育施設を利用しながら保育所のあきを待っている場合も待機児童に含め、毎年度、その人数を把握しております。
 一方、認可外保育施設の待機児童につきましては、保護者が市町村を経由しないで直接施設に申し込みを行うため、市町村では把握することが難しいという状況になっております。
 次に、認可外保育施設への支援についてでありますが、平成27年4月から実施が予定されている子ども・子育て支援新制度では、保育の量の拡大及び質の確保の観点から、認可外保育施設が一定の水準を確保しつつ、地域の保育ニーズに対応するため、認可保育所への移行を希望し、設置運営基準を満たす見込みのある場合は、運営費の一部や認可化に当たっての移転費、調査費が補助されます。また、認可外保育施設が小規模保育を実施する場合は、運営費等の補助が可能となっております。
 新制度の実施に向けた認可外保育施設の対応については、施設の意向も踏まえ、子ども・子育て支援事業計画を策定する市町村と連携しながら、現行制度の中でどういう要件を満たせばどういう支援が可能か、相談に応じていきたいと考えております。
   〔政策地域部長中村一郎君登壇〕
〇政策地域部長(中村一郎君) まず、NPO法人等への事業委託手続についてでありますが、県のガイドラインは、NPO法人等へ事業委託をする際、受託先の選定において透明性や公平性を確保するとともに、受託した団体が、県民に信頼され、適切な事業執行の中で成長していくために、基本的な契約手続の考え方や手法等を示したものであります。
 県と同様のガイドラインを定めている市町村は、今のところ把握してございません。
 市町村に対しては、大雪りばぁねっと。の問題を踏まえ、これまで平成25年1月と4月に通知をしており、県のガイドラインを参考として適切な契約を行うよう要請をしております。
 今後も、新たにNPO法人等との事業契約等が見込まれる年度の節目などに改めてガイドラインを通知し、市町村の各部署で共有され適切な契約が行われるよう、周知を図ってまいります。
 次に、県外NPO法人の従たる事務所の設置を要件とすることについてでありますが、いわゆるNPO法や関連法令には従たる事務所の設置についての基準等の規定はなく、法人が任意に設置するものであり、設置した場合には、組合等登記令に基づく登記を行うこととされております。
 従たる事務所の必要性については、事業を実施する際の運営体制などとも関連するものであり、団体に対して一定の負担を強いることにもなることから、法令にない要件の設定については慎重に対応する必要があると考えております。
 NPO法人等に対する事業委託に際しては、団体の適格性や実施体制など事業実施能力の確認が重要であり、ガイドラインでも留意、考慮すべき事項として提示をしておりますが、特にも、県外団体の場合には、実態を把握して慎重に判断をしていくことが必要であると考えております。
 次に、共助社会づくり懇談会での議論についてでありますが、同懇談会は昨年4月に設置され、懇談会のもとに置かれた信頼性の向上に関するワーキンググループにおいて、情報開示のあり方やNPO法人への指導、監督などについて議論が行われてきたところであります。
 昨年12月、このワーキンググループの報告書が取りまとめられ、NPO法人への指導、監督については、信頼性を毀損する団体に対しては厳格に対処することも含めて、行政としての監督のあり方を検討するとの方向性が提示をされております。
 国では、このワーキンググループの報告を踏まえ、改正NPO法の施行後3年を目途とした検討に合わせて運用課題を整理、検討するとともに、引き続き、懇談会での議論を深めていく方針であると伺っております。
〇17番(高橋孝眞君) 回答ありがとうございました。
 2点お伺いしたいと思います。
 最初でありますけれども、土地収用法の特措法についてでございます。
 答弁からも、復興が進まない理由の一つに、用地の確保があるとの認識は一致しているという意味合いでありますけれども、特措法の創設は現状では難しいと思うのですけれども、あくまでも国に要請することについては異存あるものではありません。ただ、仮にでありますけれども、特措法の創設がかなわないとすれば、マンパワーにより、財産管理人制度なり土地収用の早期の着手、用地交渉の外部委託等にこれまで以上に取り組むことが必要であると思うわけでありますけれども、現在、県及び市町村が事業を予定している防災集団移転、高台移転等用地取得が伴う事業に、具体的にどの程度特措法が創設されないと影響があると考えられるのか。また、これらの計画がどの程度おくれると考えられるのかにつきましても、あわせてお願いを申し上げます。
 それから、もう一点でありますけれども、知事の先ほどのお話の中からでありますけれども、希望郷いわての実現について、いわて県民計画は着実に実現されている、知事自身はギャップがないのだと考えておられるのかどうかということを再度お聞きしながら、自身はどのように評価されているのかにつきましてお伺いをしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) この希望郷いわては、県民計画、県の総合計画となり、そのもとのアクションプランというこの実施計画に当たるものがつくられ、県民みんなが一人一人希望を持つことができる希望郷いわてというスローガンのもと、安心して暮らせる、生き生きと仕事ができる、楽しく学べるという、暮らし、仕事、学びのこの三つの柱のもとで七つの政策分野の柱を立てて、それぞれに沿って、数え方にもよりますが300とか400とかの事業が設けられているという計画なわけであります。それらの事業について進捗状況をチェックし、このチェックを毎年やっている理由は、おくれているのであればやり方がおかしいのではないか、そこをチェックし、やり方を変えていくとか、あるいは、実はその事業自体、目標達成に向けて時宜にかなっていないのではないか、その場合には、もう廃止して別のやり方でやるというような行政全体としての質を高めていくためにこの評価の手法をとって取り組んでいるということであって、その全体について、先ほど答弁の中で、希望郷いわての実現に向けた取り組みを着実に進めてきているところと申し上げた次第であります。
〇理事(佐々木和延君) 土地収用法対象事業の個別具体の事業数についてはちょっと今持ち合わせておりませんけれども、いずれ県と市町村を合わせて約2万件の契約数ということで、相当のボリューム感のある契約件数となっておりまして、そのうち、未相続処理や共有等で多数の権利者が存する土地が約2、000件と今捉えてございます。
 法定相続人間による遺産分割協議や遠隔地に居住する権利者との交渉に、膨大な労力と時間を要するだろうということを考えてございます。
 遺産分割協議に要する期間については個別の案件ごとにさらに事情が異なりますので、一概に申し上げることはできませんけれども、仮に協議がまとまらなかった場合、土地収用法が可能な事業では、その後に収用手続に移行することとなりまして、これまでの例によりますと、この手続だけでも、1年6カ月から2年程度の期間がプラスアルファになると考えてございます。
〇17番(高橋孝眞君) 件数等についてはいっぱいあるのだということでわかりましたけれども、まずは用地取得といいますか、用地職員の確保につきましては先ほど聞きましたので、それ以上のといいますか、マンパワーの確保をさらに進めていただきまして、あらゆる手法を駆使して取り組んでいただきたいと思いますし、それを行うとともに、今まで国と協議をしているわけでありますけれども、その協議につきましても、さらに復興計画がおくれないように取り組んでいただきますことをお願いしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(大宮惇幸君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時31分 休 憩
出席議員(44名)
1  番    高 田 一 郎 君
2  番    清 水 恭 一 君
3  番    名須川   晋 君
5  番    神 崎 浩 之 君
6  番    城 内 愛 彦 君
7  番    福 井 せいじ 君
8  番    佐々木 茂 光 君
9  番    佐々木   努 君
10  番    佐々木 朋 和 君
11  番    軽 石 義 則 君
13  番    吉 田 敬 子 君
14  番    後 藤   完 君
15  番    岩 渕   誠 君
16  番    郷右近   浩 君
17  番    高 橋 孝 眞 君
18  番    岩 崎 友 一 君
20  番    小 野   共 君
21  番    高 橋   元 君
22  番    木 村 幸 弘 君
23  番    久 保 孝 喜 君
24  番    小 西 和 子 君
26  番    喜 多 正 敏 君
27  番    工 藤 大 輔 君
28  番    嵯 峨 壱 朗 君
29  番    工 藤 勝 子 君
30  番    工 藤 勝 博 君
31  番    高 橋 昌 造 君
32  番    五日市   王 君
33  番    及 川 あつし 君
34  番    小田島 峰 雄 君
35  番    大 宮 惇 幸 君
36  番    飯 澤   匡 君
37  番    斉 藤   信 君
38  番    佐々木 順 一 君
39  番    及 川 幸 子 君
40  番    伊 藤 勢 至 君
41  番    樋 下 正 信 君
42  番    柳 村 岩 見 君
43  番    千 葉   伝 君
44  番    佐々木 大 和 君
45  番    佐々木   博 君
46  番    渡 辺 幸 貫 君
47  番    田 村   誠 君
48  番    小野寺   好 君
欠席議員(1名)
19  番    高 橋 但 馬 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時53分 再開
〇副議長(大宮惇幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。福井せいじ君。
   〔7番福井せいじ君登壇〕(拍手)

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