平成25年9月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(高田一郎君) 日本共産党を代表して、請願第75号及び第80号から第83号までの請願不採択に対して反対討論を行います。
 請願第75号青年の生活と雇用を守る措置を求める請願は、青年の生活と雇用を守るため、最低賃金の引き上げ、長時間労働の根絶、正社員化などを関係機関に求める請願となっております。若い世代の雇用と労働条件は、今、深刻さを増しています。派遣労働、パート、契約社員など非正規労働者は実に労働者の38%、2、000万人を超え、青年層は過半数を超えている現状にあります。現在の最低賃金では、年間2、000時間働いても年収150万円にもならず、働いても、働いても貧困から抜け出すことができないワーキングプアがふえ続けてきた最大の原因がここにあります。
 最低賃金の引き上げ、長時間労働の根絶や正社員化への拡大など、青年の安定した雇用の改善は、賃金全体の底上げにつながるとともに、労働者の4割近い非正規労働者の賃上げやデフレ不況の脱却にとって決定的に重要な施策であると思います。
 今、安倍内閣は、世界一企業が活動できる国を目指すとして、非正規労働者の拡大あるいは解雇自由化など、雇用のさらなる規制緩和を検討していますが、若者が経済的に自立できない雇用の広がりは、奨学金の滞納、国民年金の納付率の減少など、少子化問題や、あるいは社会保障制度の根幹を揺るがすなど深刻な影響を及ぼしています。
 この間、各党も最低賃金の引き上げを求め、また、岩手県も、不十分ではありますけれども、ことし12円の引き上げが行われ、また、政府も、内需の拡大にとって賃上げが必要だと述べております。
 これまで県議会では、最低賃金の引き上げを求める請願を採択してきたにもかかわらず、今回、不採択したことは、最低賃金の引き上げや雇用の改善を求める県民の声に背を向けるものではないでしょうか。
 次に、請願第80号は、消費税8%への来年の4月実施の中止を求める請願であります。
 不採択に反対する第1の理由は、消費税増税は、暮らしと営業を破壊するだけではなく、日本の経済を奈落の底に落とし、被災地の復興に冷や水を浴びせるものであるからであります。
 1997年、橋本内閣での5%増税は、国民の所得が着実にふえるプラス成長時代でありましたが、結局、大不況に引き金を引く結果となり、11兆円もの大幅減収となりました。1997年比で年収は平均70万円も減少し、また、年金も引き下げる中での大増税というのは、日本の暮らしと経済、そして財政にとって深刻な影響を与えるものであります。最近の読売新聞の世論調査でも、景気の回復感がないと77%の国民が述べており、4月実施の中止は圧倒的な国民の声であります。
 第2の理由は、消費税増税が、これまで政府が述べてきた社会保障や財政再建のためではないことが明らかであるからであります。
 安倍首相は、消費税増税で深刻な景気悪化が起こることを認め、そのために、復興財源であった復興特別法人税9、000億円の廃止を含めて6兆円規模の経済対策を行うことを表明いたしました。所得税の復興増税は25年間払い続けるのに対して、270兆円もの巨額の内部留保を抱える大企業には法人税を前倒しして減税する、8兆円の大増税で景気を悪化させて、景気対策といって6兆円のばらまきというのは、経済対策にも財政政策にもならない支離滅裂と言えるものではないでしょうか。
 社会保障政策に至っては、自立自助と相互扶助、家族の助け合いを今後の社会保障政策の理念に据えて、社会保障への公的投入の抑制や医療、介護、年金への給付縮小など、社会保障制度改悪の具体化が始まっております。
 所得税は、所得の少ない人に重い負担となる最悪の不公平税制であり、日本共産党は、税制のあり方を所得に応じて負担するという応能負担の原則に立って改革をして、富裕層や大企業優遇税制を改めること、そして、労働者の賃上げで内需を温めて税収をふやす経済改革を求めているところであります。
 自民党は、さきの参議院選挙での公約で増税の可否について触れるのを避けて、判断は秋だとして争点をそらし続けてきました。選挙で自民党の議席がふえたからといって、国民が増税を認めたわけではありません。中止すべきだ、先送りすべきだという意見が過半数を超えており、消費税増税は国民の民意に反するものであります。
 次に、請願第82号は、放射能を海に流さないこととする法律、放射能海洋放出規制法の制定を求める請願であります。
 六ヶ所村に建設されている核燃料再処理工場も、工場内の放射能漏れや耐震設計などのミスが指摘され、本操業が始まれば、放射性物質の海洋放出など、三陸沿岸漁業などに大打撃を受けると関係者から不安の声が広がっております。
 福島第一原発で明らかになったように、未完成の原発を続けていくことこそ問題であることがいよいよ明らかになりました。六ヶ所村の核燃料再処理工場はもとより、放射性物質を海に流さないことを求めることは、福島第一原発事故の教訓でもあります。
 最後に、第81号は、岩手県全域における除染基準の見直しを求める請願、第83号は、岩手県南における土壌汚染調査を求める請願についてであります。
 福島第一原発事故から2年7カ月が経過をし、月日がたつにつれて、半減期や空間線量が低下していることは事実であります。空間線量が高い岩手県南の自治体では、重点除染地域に指定され、除染計画に基づいて除染作業が行われております。しかし、除染地域に指定された自治体でも、全域が除染されているものではなく、土壌中の汚染状況は、放射能汚染が高い場所でも除染されないままになっている地域も生まれています。
 政府の低線量被ばくのリスク管理に関する報告書でも、放射性物質に触れる機会を減らして、できる限り防護措置を優先すべきだと述べております。放射能汚染による県民の命と健康を守る問題は、第一義的には東京電力と政府の責任で対応すべきことは当然でありますけれども、県としても最大限の取り組みを行うべきであります。
 以上が請願の不採択に対する反対理由であります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 以上で通告による討論は終わりました。これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第76号及び受理番号第77号を一括して採決いたします。
 各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、受理番号第76号及び受理番号第77号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第80号消費税8%への増税の中止を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 確認いたしますので、そのまましばらくお待ちください。
   〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 少々お待ちください。
 起立少数であります。
〇議長(千葉伝君) 暫時休憩します。
   午後2時20分 休 憩
出席議員(46名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 清 水 恭 一 君
3  番 名須川   晋 君
5  番 神 崎 浩 之 君
6  番 城 内 愛 彦 君
7  番 福 井 せいじ 君
8  番 佐々木 茂 光 君
9  番 佐々木   努 君
10  番 佐々木 朋 和 君
11  番 軽 石 義 則 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 後 藤   完 君
15  番 岩 渕   誠 君
16  番 郷右近   浩 君
17  番 高 橋 孝 眞 君
18  番 岩 崎 友 一 君
19  番 高 橋 但 馬 君
20  番 小 野   共 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 木 村 幸 弘 君
23  番 久 保 孝 喜 君
24  番 小 西 和 子 君
25  番 喜 多 正 敏 君
26  番 工 藤 大 輔 君
27  番 熊 谷   泉 君
28  番 嵯 峨 壱 朗 君
29  番 工 藤 勝 子 君
30  番 工 藤 勝 博 君
31  番 高 橋 昌 造 君
32  番 五日市   王 君
33  番 及 川 あつし 君
34  番 小田島 峰 雄 君
35  番 大 宮 惇 幸 君
36  番 飯 澤   匡 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 佐々木 順 一 君
39  番 及 川 幸 子 君
40  番 伊 藤 勢 至 君
41  番 樋 下 正 信 君
42  番 柳 村 岩 見 君
43  番 千 葉   伝 君
44  番 佐々木 大 和 君
45  番 佐々木   博 君
46  番 渡 辺 幸 貫 君
47  番 田 村   誠 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
 休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
 休憩前に同じ
午後4時23分 再開
〇議長(千葉伝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   日程第1 議案第1号平成25年度岩手県一般会計補正予算(第2号)から日程第41 請願陳情まで(続)
〇議長(千葉伝君) 日程第1 議案第1号から日程第41 請願陳情までの議事を継続いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第80号消費税8%への増税の中止を求める請願を改めて採決いたします。
 なお、本請願に対する委員長の報告は不採択であり、先ほど、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めた結果、起立少数でありましたので、本請願を採択することについて採決いたします。
 本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立少数であります。よって、受理番号第80号消費税8%への増税の中止を求める請願は不採択と決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第78号高校授業料無償制度堅持に関する請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、受理番号第78号高校授業料無償制度堅持に関する請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第75号青年の生活と雇用を守る措置を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり不採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、受理番号第75号青年の生活と雇用を守る措置を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第82号放射能を海に流さないこととする法律、放射能海洋放出規制法(仮称)の法律制定を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり不採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、受理番号第82号放射能を海に流さないこととする法律、放射能海洋放出規制法(仮称)の法律制定を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第81号及び受理番号第83号を一括して採決いたします。
 各請願は、委員長の報告のとおり不採択と決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、受理番号第81号及び受理番号第83号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第44号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第44号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第42 委員会の閉会中の継続審査の件
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第42 委員会の閉会中の継続審査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査事件
1 継続審査
   総務委員会   請願陳情受理番号第79号
            尖閣諸島の実効支配の推進及び領海警備法の制定を求める請願
   環境福祉委員会 請願陳情受理番号第86号
            岩手県南地域における放射能健康影響調査の実施及び継続を求める請願
〇議長(千葉伝君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査の件につきましては、総務委員長及び環境福祉委員長からお手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(千葉伝君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。
   日程第43 県内資源を活用した再生可能エネルギーの導入及び普及促進に関する調査、新エネルギービジネスに関する調査の件から日程第46 平泉の世界文化遺産を核とした情報発信と地域経済活性化等に関する調査、地域の風土や文化と地場産業を活用した観光物産振興等に関する調査の件まで
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第43、県内資源を活用した再生可能エネルギーの導入及び普及促進に関する調査、新エネルギービジネスに関する調査の件から日程第46、平泉の世界文化遺産を核とした情報発信と地域経済活性化等に関する調査、地域の風土や文化と地場産業を活用した観光物産振興等に関する調査の件までを一括議題といたします。
 各調査事件に関し、委員長の報告を求めます。高橋再生可能エネルギー調査特別委員長。
   〔再生可能エネルギー調査特別委員長高橋但馬君登壇〕

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