平成25年9月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇24番(小西和子君) 社民党の小西和子でございます。
 請願番号第80号、第81号、第82号、第83号を不採択とする委員長報告に対して、反対討論を行います。
 第1に、請願番号第80号消費税8%への増税の中止を求める請願についてであります。
 本請願は、安倍晋三首相が10月1日、国民の多くが反対している消費税率8%への増税を2014年4月から実施するとの発表を受けて、消費税増税を実施しないよう政府に求めるものであります。
 現在の国民生活の実態は、国民の所得が伸びず、景気回復を誰もが実感できない状況であります。特に、本県を初め東日本大震災津波の被災地の復興がまだまだ進んでおらず、被災者は、依然として厳しい生活を強いられております。このようなときに、わずか3カ月の経済指標を根拠に景気の回復を判断し増税を決断することは、国民の生活実態にそぐわないものであり、断じて認めることができません。
 また、消費税増税に伴う景気の腰折れのリスクに対応するためとして5兆円規模の経済対策を示しました。しかし、この内容は、企業向け減税や公共事業を中心とした企業優遇対策でしかありません。低所得者対策を行うとしたものの、その内容は、簡素な現金給付の1回限りの措置のみで、ごまかしでしかありません。まさに企業優遇、家計軽視の対応であります。真に景気の腰折れを防ぐというのであれば、消費税増税を行うべきではありません。
 したがいまして、本請願は採択し、意見書を国に提出すべきであります。
 第2に、請願番号第81号岩手県全域における除染基準値の見直し(引下げ)を求める請願並びに請願番号第83号岩手県南地域における詳細な土壌汚染調査実施を求める請願の2件については、いずれも提出者は、放射線被曝からこどもを守る会であります。
 福島第一原発事故発災以来、本県においても、放射性汚染物質の拡散により、県内において汚染された事態を受けました。県民は、安心・安全な地域社会と生活空間を取り戻したいと願っています。
 特にも子供たちの健康被害を心配する保護者の方々の願いは、現在の除染基準を見直して、県全体を全ての環境下において毎時0.23マイクロシーベルト以上の空間放射線量を測定した場合へと除染基準を引き下げてほしいというものであり、その上で安全確保対策を優先することを求めております。
 また、土壌汚染調査についても、県内の測定地点箇所から見れば十分とは言えず、特にも県南地区では、民間機関の調査によって土壌汚染がより深刻であるとの報告もあります。改めて、空間線量率の測定数値だけではなく、しっかりとした土壌汚染調査を行うことで、県民の健康不安や農産物等の生産に与える不安を取り除くことが重要であると考えます。
 したがいまして、請願に求められた各項目について、県民の命と暮らしを守る立場から積極的に対策を講ずるべきであり、本請願を採択すべきであります。
 第3に、請願番号第82号放射能を海に流さないこととする法律、放射能海洋放出規制法(仮称)の法律制定を求める請願についてであります。
 本請願は、青森県六ヶ所村核燃料再処理工場から放射性物質を海に放出しない法制定の意見書の国への提出を求める内容であります。
 福島第一原発事故によって放射性汚染物質が拡散され、東日本一帯の国土と東北太平洋沿岸地域における海洋の汚染問題は、依然としてその全容と被害の実態が明らかにできない状況です。さらに、今般の汚染水漏えいと海洋への流出事故は、極めて深刻な事態にあります。
 こうした中、かねてより放射性物質の放出が問題とされていた六ヶ所村核燃料再処理施設への対応は、幾度となく、本県議会でも、請願審査などを通じてさまざまな専門家の意見や知見を調査し、その都度、放射性物質の放出に係る問題は議論されてきました。しかし、推進側と反対側の認識の溝を埋めることができず、もっぱら国のエネルギー政策に資する懸案事項として、放射性物質の放出等に対する規制や制限のあり方について、本県議会では否定され続けてまいりました。
 しかし、福島原発の汚染水流出事故は、現時点において、人為的ミスの積み重ねをもっぱら理由としていますが、原因の特定と施設設備を含めた抜本的な対策の見通しが全く見えず、さらに海洋汚染が懸念されています。
 六ヶ所村核燃料再処理工場の海洋放出は、再処理過程で生じる廃液が、沖合3キロ、水深44メートルで放出され、推進派は、希釈拡散するから問題なしとしています。
 こうした放射性物質が、本県を挟む三陸沿岸海域で濃度規制を受けない廃液が無原則に放出され、海洋に流出され続けていくことを、私たちはただ黙って見過ごすことができるのでしょうか。
 私たちは、今、起きている原子力災害から何を学び、どう行動すべきかを問われています。まずは、その第一歩として、現状の問題を改善するために、新たな法律の制定に向けて本請願を採択すべきであります。
 以上申し上げ各請願不採択に対する反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 次に、高田一郎君。
   〔1番高田一郎君登壇〕

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