平成25年9月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇3番(名須川晋君) 希望・みらいフォーラムの名須川晋でございます。
 スポーツ祭東京2013第68回国民体育大会が、本日、間もなく閉幕を迎えます。ボクシング、レスリング競技の大健闘、ハンドボール少年男子優勝、そして、先ほど飛び込んでまいりました女子共通400メートルリレー優勝、岩手県勢の目覚ましい活躍が連日報道され、県民一同、大変勇気づけられております。
 私たちは、これまで、どちらかといえば、本県がスポーツ後進県であると認識されていたと思いますが、4年前の花巻東高校硬式野球部の甲子園での活躍から潮目が変わったか、岩手でも何ら劣ることはない、夢を目標に変えて歩んでいけばできるんだというように、最近は選手たちの意識も変わってきたのではないでしょうか。今週土曜日からは全国障害者スポーツ大会も開催されますが、選手団が帰郷した際は、成績のいかんにかかわらず、その健闘を褒めたたえようではありませんか。
 それでは、通告に従いまして順次質問してまいります。これまで登壇された質問者の方々と重複する点もございますが、御了承ください。
 まず初めに、防災対策についてお伺いいたします。
 防災の日の9月1日、久慈市におきまして、東日本大震災後2回目となる岩手県総合防災訓練が実施されました。昨年より、展示型訓練から、震災の教訓を踏まえた官と民がより連携した実践型訓練へと脱皮が図られておりますが、課題をどのように検証し、また、その成果がどう得られたかお伺いいたします。
 地球温暖化の最新の科学的情報をまとめた気候変動に関する政府間パネル─IPCCの第1部会がこのたびまとめた報告書によりますと、今世紀末に地球の平均気温が最大4.8度、海面水位は82センチメートル上昇すると予測しています。人類の活動が温暖化に与える主要な原因である可能性が極めて高いと決定づけており、これを裏づけるかのごとく、日本は昨年に引き続きことしの夏も全国的な異常気象が頻発し、竜巻、突風、ゲリラ豪雨により局所的に甚大な被害が発生しました。多くの国民が、天災は決して人ごとではない、私たちの生活は常に危険と隣り合わせにあると改めて認識したのではないでしょうか。災害を未然に防ぐことは不可能にしても、被害を最小限に抑えるため備えを怠らず、岩手県地域防災計画も常に見直しをしていく必要がございます。
 その地域防災計画においては、暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、高潮、地震、津波、噴火その他異常な自然現象または大規模な火事等が災害の定義とされておりますが、本計画中、その災害予防計画に、特にも竜巻、突風といった風の被害、風害について特化した計画は存在しません。頻発する異常気象を考慮し、人的被害等を最小限に抑えるため風害予防計画を策定し、その対策と知識の普及啓発を進めていくべきではないでしょうか、お伺いいたします。
 次に、防災士を地域防災計画に位置づけることについてであります。
 平成7年の阪神・淡路大震災を教訓に創設されたNPO法人日本防災士機構が認証する民間資格である防災士は、自助、互助、協働を原則として、かつ公助との連携充実に努めて、社会のさまざまな場で減災と社会の防災力の向上のための活動が期待され、さらに、そのために十分な意識、知識、技能を有するものとして認められた人と定義され、平時にはその啓発に当たり、訓練や技術の練磨に取り組み、災害時には協働して率先してその活動に当たっております。
 本県の資格取得の状況は、ことし9月現在で651人、全国では6万8、422人が登録されており、東日本大震災後、大幅に増加しておりますが、国家資格ではないからか、県内の市町村別取得者数を分析すると温度差があり、盛岡市に次いで登録者数が多い宮古市は養成に係る研修講座を開催するなど、独自の施策でその資格取得を推進しております。本資格に対しては課題も指摘されておりますが、震災を機に取得を目指す人が急速にふえつつあり、家庭、地域、職場の防災力の向上に大きく期待できるところであります。この防災士は、地域防災計画への位置づけは今のところございませんが、その育成についてどのように認識されておりますでしょうか。
 県では、県民の防災意識の高まりを維持、向上させるため、地域における防災研修会等の取り組みに対し、講師として積極的かつ総合的に支援する岩手県地域防災サポーター登録制度を進めておりますが、これと同等あるいは準じるものとして防災士の活用に努めるべきではないでしょうか、あわせて伺います。
 また、地域防災サポーターの登録者数は9月10日現在で24名と少なく、全市町村を網羅しているものでもありません。目標数値を設定し、増員を進めていくべきと考えますが、いかがでございましょうか。
 改正耐震改修促進法施行に係る対応についてお伺いいたします。
 大規模地震に備え、より安全なまちづくりを進めていく視点から、建築物の耐震改修の促進に関する法律が一部改正され、昭和56年5月31日以前に新築の工事を行った病院、店舗、旅館等の不特定多数の者が利用する建築物及び学校、老人ホーム等の避難弱者が利用する建築物のうち大規模なもの、地方公共団体が指定する緊急輸送道路等の避難路沿道建築物、都道府県が指定する庁舎、避難所等の防災拠点建築物の耐震診断が義務化されました。
 県は、9月補正予算において、市町村に対する建築物耐震対策促進事業費補助として2分の1補助、300万円を予算計上しておりますが、診断が必要な公共施設及び民間施設を含め、対象施設数をどの程度見込んでいるかお伺いいたします。特にも旅館、ホテル等の民間事業者において大規模改修が必要と診断された場合、その費用を工面できず、廃業の危機も想定されます。国では、要緊急安全確認大規模建築物の耐震改修に対し補助制度を創設し、平成27年度までの期限で実施されますが、その補助割合が11.5%と低いため、県としても、県単独事業として利子補給補助等の財政支援制度を検討すべきと考えますが、お伺いいたします。
 防災教育についてお伺いいたします。
 県地域防災計画では防災教育について規定しており、教育現場において、これまで以上に命を守るための教育を進めていくべきことは論をまたないところです。現在、総合防災室では総合的学習の一教材として、地震、津波に対応したDVDを学校に配付しているとのことでありますが、多様化する災害に応じた啓発用教材の活用を進めていくべきであり、新年度に向けてどのように取り組んでいかれますでしょうか。
 同じく、防災計画において、県及び市町村は、児童、生徒等に対し、防災教育を実施するとともに、教職員、父母等に対し、災害時における避難等の防災に関する心得及び知識の普及を図ると定められておりますが、具体的にはどのような取り組みが行われているのかお伺いいたします。
 また、近代の多様化する災害に対応した防災教育を進めていくべきではないでしょうか、教育長にお尋ねいたします。
 コミュニティFMと臨時災害FMの活用についてお尋ねいたします。
 これまで臨時災害FMとして活動してきた大船渡市と宮古市の災害FMは、FMねまらいん、みやこハーバーラジオとして、それぞれことしの4月、8月にコミュニティFMへと移行し、地域防災情報のみならず日常の生活情報から娯楽まで、市民生活に必要な多彩な情報を提供するメディアに生まれ変わり、いよいよ岩手県はコミュニティFM7局体制となりました。臨時災害FMは、大槌町、釜石市、陸前高田市等の4局で継続中であり、北上市においてもコミュニティFM局の開局を平成27年度をめどに作業を進めているとうかがっております。
 さて、このコミュニティFMを活用した県の情報提供は各広域振興局単位で進められていることは御案内のとおりであり、例えば、県北広域振興局では今年度もカシオペアFMを活用し、二戸産ブランド果物情報、世界遺産講座、県南広域振興局では、国際リニアコライダーに係る対談番組を管内3局で放送するなど、番組の制作放送委託によって地域づくり情報の発信に努め、広報活動を展開している広域振興局の姿勢を評価するものであります。
 県として、県政全般の情報については、県域放送局を活用しつつ、各広域振興局はコミュニティFMによって広域振興局単位のきめ細やかな情報提供を戦略的に行うことは、ひいては経済的に脆弱な被災地でのメディアの自立に資することにもつながり、有事の際に最も手軽で信頼できるメディアの存立を確保するという両得の手段であります。また、一部地域に集中して甚大な被害を及ぼす昨今の天災にも情報手段の一つとして最適と考えます。したがいまして、管内で2局が相次いで開局した沿岸広域振興局においても十分に活用していくことが必要だと考えますが、そうした意識をお持ちいただくべく、再々度、コミュニティFMと臨時災害FMに対する認識についてお伺いいたします。
 次に、いわて花巻空港の活性化と観光施策についてお尋ねいたします。
 来年は、いわて花巻空港が開港して50周年という節目の年となります。先祖伝来の田畑の提供や騒音公害など近隣住民のさまざまな犠牲を伴いながらも、岩手の玄関口として多くの県民に活用されてきた軌跡を振り返りつつ、今後ますます愛される地元空港として利用促進が図られるよう期待いたしますが、その内容につきましてどのように検討されておりますでしょうか。
 言うまでもなく、羽田空港は国内を代表するハブ空港であり、足腰の強い本県の高速交通ネットワーク確立のため活用していくことが肝要でありますが、現状、大変厳しいのは承知しつつ、羽田便開設について、また、他の航空路線網の拡充について、どのような取り組みをされているのかお伺いいたします。
 先月13日、台湾最大の航空会社である中華航空の孫洪祥会長と現地旅行会社の関係者、観光客の方々約140人が岩手を訪れました。その際、孫会長からは、花巻-台湾便の定期便就航について、本県側からの乗客増が鍵であるとの指摘がなされたとのことであります。ゆえに、定期便就航、また、チャーター便継続には双方向交流が必要であることから、アウトバウンド客の増加施策をどう進めていくか伺います。
 おもてなし向上策についてお尋ねいたします。
 IOC総会にて、2020年オリンピック、パラリンピックの開催が東京に決まり、本日でちょうど1カ月が経過いたしました。その招致活動において大きな話題となりました日本のおもてなし文化。招致アンバサダーの滝川クリステルさんは最終プレゼンテーションで、日本では町なかで現金を紛失してもそのまま戻ってくることを例に挙げられましたが、他者に対する細かい心配りやゼロ円のスマイル、ミシュランも認める素材を大事にした健康的で繊細な日本食など世界屈指の高水準サービスを提供する日本は、私たちが考える以上に特別で、世界に誇るべき文化を有しているようであります。
 さて、本県は、おもてなし向上策として、平成24年度に実施したいわてデスティネーションキャンペーンを契機とする県全体でのおもてなし意識の醸成に向けたあなわん運動を展開しておりますが、果たして県民にどの程度理解され、浸透しているのか、その効果はいかほどと推測しているかお伺いいたします。
 また、インバウンド客を含め、アンケート等による観光客の満足度を調査して、時系列に数値化しながらおもてなし度を向上させ、誘客拡充すべく目標を設定すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
 先般、北海道恵庭市内の温泉施設が、ニュージーランドの先住民マオリの女性が伝統の入れ墨を唇と顎に入れていたために入浴を断るという大変残念な事例がございました。インバウンド客を多く誘致したい本県は、他国の文化や慣習を尊重し、学ぶ機会を設けるべきと考えますが、現状はどうなっておりますでしょうか。
 県内外から訪れるお客様に対して、いつでも、どこでも、誰とでもを前提としたユビキタス環境を提供することをおもてなしというキーワードでくくりまして、公衆無線LAN整備についてお尋ねいたします。
 県は、昨年、震災からの復興と地域活性化に向けて、今後のICT利活用の道筋を示したいわてICT利活用推進プランを策定しましたが、観光分野で利活用を進めるため、公共施設やホテル、温泉等においてインターネット接続サービスを強化すべきと考えます。普及が進むタブレット端末などの接続手段として、公衆無線LANサービスの有用性が増しておりますが、県内の整備状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。
 また、希望郷いわて国体、大会では、競技結果等瞬時の情報を提供するため、先催県と同様に、プレスセンターの設置やリアルタイムでのホームページへの掲載を行うと思われますが、観戦者や選手、報道記者等がノートパソコンやタブレット端末で直接インターネットに接続できる公衆無線LANの整備に向けてどのように検討されておりますでしょうか、お尋ねいたします。
 観光立国推進方策として検討されているカジノ解禁についてでございます。
 超党派国会議員でつくる国際観光産業振興議員連盟は、秋の臨時国会に議員立法による特定複合観光施設区域整備推進法案の提出を検討しております。長年議論がなされてきたカジノも含むホテルや会議場、ショッピングモールなどが集積する統合型リゾート─IRを設置し、観光振興を進める意向であります。2020年東京オリンピック、パラリンピックも一つの契機となって、いよいよ実現の様相であります。実際、県内観光業界の一部にもカジノ解禁に期待する向きもございますが、こうした国政等の動向につきまして知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、県有未利用地についてお伺いします。
 県の厳しい財政状況のもと、行財政運営の徹底した見直しが必要とされ、この中で、未利用となっている土地や建物等の売却等を推進し、歳入を確保することが強く求められておりますが、現在の未利用の県有地はどの程度あるか。また、利活用や売却方針についてどのような計画を立てているのかお伺いいたします。
 旧県立花巻厚生病院跡地についてですが、現在、花巻市は病院跡地を子育て支援拠点施設であるこどもの城及び中規模ホールを兼ね備えた図書館の移転候補地として挙げております。起債償還や解体費用の捻出といった課題もありますが、地元自治体の意向を尊重し、計画に沿った開発が進められるよう最大限の協力を図るべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、スポーツ行政についてお尋ねいたします。
 1964年以来56年ぶりに2020年オリンピック、パラリンピックが東京で開催されることが決まりましたが、まずは、これにつきまして知事の所感をお伺いいたします。
 また、2016年希望郷いわて国体、大会を経て、2020年に向け、より一層力を入れて選手育成に取り組んでいただきたいと思いますが、その認識について伺います。
 その際、障がい者スポーツについては、まずは2016年開催の希望郷いわて大会が選手育成、強化のきっかけになるものと期待いたします。その上で、アスリート志向の強い選手の掘り起こしや、選手の適性を把握しながら裾野を広げるような環境をつくり、支援していく必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 また、昨年も質問したところでございますが、そもそもスポーツ振興施策において、岩手は障がい者スポーツの振興という視点が相当に希薄であり、選手強化に向けたスポーツ指導者のかかわりも一部にとどまっているのが現状であります。希望郷いわて大会選手団の中心を担うのは特別支援学校の生徒であり、既に各校の協力を得ながらチーム結成を進めている状況と伺っておりますが、彼らが卒業し、一般就労した後にスポーツが継続できる環境が整っているかといえば、甚だ心細い状況にあります。根幹は、スポーツ基本法の趣旨に沿い、障がい者スポーツ政策も含めたスポーツ振興計画の見直しが必要と思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 スポーツ行政の一元化についてお尋ねいたします。
 国では、学校体育や社会人の生涯スポーツは文部科学省、障がい者スポーツは厚生労働省管轄に分かれております。本県では、教育委員会スポーツ健康課と保健福祉部障がい保健福祉課がそれぞれの施策を行っておりますが、いずれも障がい者スポーツ振興の観点において縦割りの弊害を生み出していると私は理解しております。
 政府は、2020年東京オリンピック、パラリンピック開催決定を受け、スポーツ行政を一元的に扱うスポーツ庁創設も検討する方向にあるようですが、オリンピック、パラリンピック担当相も文部科学大臣が兼務する体制となり、国政レベルでは一元化に向けて一歩歩み出したものと思います。
 全国を見渡しますと、平成22年に東京都が一元化を終えておりますが、本県もスポーツ基本法の趣旨に沿い、さらなる本県のスポーツ振興のため、スポーツ振興施策を一元的に進めるべきではないでしょうか、知事にお伺いいたします。ぜひとも後追いではない政策を望みます。
 アスリート志向の社会人にとって、所属企業のスポーツに対する深い理解は欠かせません。オリンピック、パラリンピック最終プレゼンテーターとして東京誘致に多大な貢献をした、パラリンピック走り幅跳び日本代表の佐藤真海選手はサントリーに所属していることを皆様御存じでしょうか。CSR推進部に所属し、企業の社会的貢献活動に従事されております。
 さて、ことし3月に社会人スポーツ振興のために設置された岩手県社会人スポーツ支援協議会を立ち上げたのは評価できますが、残念ながら、構成団体に障がい者団体からの参加はありません。希望郷いわて国体、大会後も、また、東京オリンピック、パラリンピックのみならず、障がい者スポーツ振興の観点も含め、スポーツに対する企業の理解が一層浸透するよう恒久的に存続させていくべきではないかと思いますが、どのようにお考えかお伺いいたします。
 次に、児童生徒に対する情報モラル教育についてお尋ねいたします。
 社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービス、通称SNS─ソーシャル・ネットワーキング・サービスは、フェイスブックやツイッター、LINEといった便利なツールが生み出される一方で、さまざまな負の側面も表面化しております。大量に、しかも急速に個人情報が拡散していく社会において、その身をどう守っていくか、相手を傷つけないでその思いをどう表現するか、あるいは思いを発信しないでとどめる勇気を発揮するか、そうしたリテラシー能力の向上も含めた情報モラル教育にこれまで以上に注力していかなければならない時代です。児童生徒に対する情報モラル教育についてどう取り組んでいくのかお伺いいたします。
 事業復興型雇用創出助成金についてお伺いします。
 平成25年度の申請件数と金額は、予算に比較してどれぐらいの申請になっているのかお伺いいたします。また、審査事務を担う組織の人員不足からか、採択までに非常に時間を要し、特に中小零細企業にとっては資金繰りに苦慮している現状も耳にいたします。その手続について、どのように改善していくのかお伺いいたします。
 最後に、ものづくりの概念が変わるメイカーズ革命と評される3Dプリンターについて伺います。
 どこの家庭にも3Dプリンターが置かれ、みずからがデータを作成し、あるいはインターネットからデータをダウンロードして自宅で商品をつくる、物をつくる時代が近未来到来するかもしれません。普及にはプリンター本体や樹脂等素材の一層の低廉化が必要ですが、本県も成長が見込まれる次世代産業の一つとして認識し、積極的に取り組む必要があります。
 そこで、県内の公共施設における3Dプリンターの設置数はどれぐらいか。世界が注目する日進月歩の世界ですから、研究シーズが陳腐化していては困りますが、現状につきましてお尋ねいたします。
 また、3Dプリンターを扱いこなすCADを習得する技術者をどう育成していくのか、あわせてお伺いいたします。
 以上で登壇しての私の質問を終わります。答弁の内容によっては再質問をさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 名須川晋議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、カジノ解禁についてでありますが、カジノは観光資源の一つとして世界の各国、地域で開設されてきています。現在、我が国では、その設置は法的に認められていませんが、外国人観光客誘致のために日本各地でカジノ誘致の動きがあり、国会において、議員立法による法制化の動きがあります。
 諸外国等の例から、カジノは外国人観光客誘致においてある程度有効な手法ではあると考えられますが、一方で、カジノが地域社会に及ぼすさまざまな影響についても、慎重に検討する必要があると考えます。
 県といたしましては、当面、法制化の動きなどについて情報収集をしてまいりたいと思います。
 次に、2020年東京オリンピック、パラリンピック開催決定に対する所感でありますが、今回の東京招致の実現については、国民そして岩手県民にとっても大変喜ばしい、すばらしいニュースであると認識しております。
 震災以降、多くのトップアスリートが県内を訪れ、スポーツを通じて、被災者の方々や県民の皆さんに明るい笑顔と希望を与えてくれるなど、復興においてもスポーツの力というものは非常に大きいものと考えております。そうした中で、スポーツ最大の祭典の一つであるオリンピック、パラリンピックが、東京で震災復興の象徴と位置づけて開催されることは、この場を通じて、東日本大震災津波からの復興の姿を全世界に発信する大きな機会と捉えております。 
 さらに、その舞台に日本代表として本県の選手が1人でも多く出場し、活躍することを期待しております。
 次に、スポーツ行政の一元化についてでありますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正によりまして、平成20年度から、スポーツに関する行政を一元的に取り組むことができる仕組みが整備されており、首長部局でスポーツ行政を所管する地方公共団体もふえてきております。
 一方、希望郷いわて国体まで、あと3年と間近に迫った現状においては、現在の組織体制のもとで、それぞれが必要な連携を図りながら、計画的な取り組みに全力を傾注していくことが必要であろうと考えております。したがいまして、国の新たなスポーツ行政体制及び他県の動向や実態等も踏まえながら、本県のスポーツ行政のあり方については、今後、総合的に検討をしていくことが必要と考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁をさせますので御了承をお願いします。
   〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) まず、平成25年度県総合防災訓練の課題検証と成果についてでありますが、今回の訓練は、多くの地域住民や関係機関の参加のもと、総合防災訓練としては初めて、久慈地域の複数市町村を対象に、広域災害に備えた広域対応訓練として実施いたしました。
 検証作業につきましては、現在、県と久慈地域4市町村、消防本部とで関係機関へのアンケート調査を行いながら、訓練結果の課題と成果の取りまとめを行っているところであります。
 現在、取りまとめ中の参加機関のアンケート調査や県の検証の中では、成果として、地震、津波発生時の実態を踏まえ、市町村の枠を超えて相互に連携した実践的な訓練ができたこと、県歯科医師会、岩手医科大学法医学講座などの参加を得て、総合防災訓練としては初めて遺体処置訓練を実施し、関係機関の連携を確認できたことなどが挙げられています。
 また、課題としては、久慈地域の複数箇所で同時並行的に訓練が進行したため、全体の把握が難しくなったこと、多くの住民、関係機関の参加により、訓練項目を数多く設定できた反面、重点項目が把握しにくかったことなどが挙げられています。
 今月末をめどに久慈地域4市町村等との検証作業を終え、成果と課題を来年度の県総合防災訓練や県地域防災計画の見直し作業に反映させていくことにより、さらなる地域防災力の向上に努めてまいります。
 次に、風害予防計画の策定についてでありますが、県地域防災計画では、風害や雪害、土砂災害など、個別の災害に係る災害予防計画を定め、計画的なハード対策や、訓練や普及啓発などのソフト対策の実施などを規定しているところであります。
 御指摘のありました風雪予防計画につきましては規定されておりませんが、国の防災基本計画や他県の地域防災計画も参考にしながら、昨今、他県において頻発する竜巻災害などを踏まえつつ、今後の見直しの中で、風害対策やその知識の普及啓発のあり方を含め検討してまいります。
 次に、防災士育成に係る認識についてでありますが、防災士は、防災に係る一定の知識、技能を習得し、高い意識を持った者について、特定非営利活動法人日本防災士機構が認証する民間資格であると承知しております。
 県といたしましては、防災士は、地域での防災活動を担い得る人材と考えており、その養成等について、他県の状況等も踏まえながら地域防災計画への位置づけを検討してまいります。
 次に、防災士の活用についてでありますが、県の地域防災サポーター登録制度には、防災士資格を有する方々も登録し、講習会等の講師として派遣しているところでありますが、今後、防災士資格を有する方々で構成する県内の団体とも連携を図りながら、普及啓発活動や自主防災組織の育成強化等、地域防災力の強化に向けた県や市町村の取り組みにおいて、地域の取り組みへの支援が期待される防災士の活用を図ってまいります。
 次に、地域防災サポーターの増員についてでありますが、現在、地域防災サポーターが在住する市町村数は5市5町であり、全33市町村の3分の1程度にとどまっております。県としては、市町村と連携し、住民や地域主体の防災力向上に向けた取り組みを積極的に支援していきたいと考えており、1市町村1名以上の登録を目標に、今後とも、市町村や関係団体に働きかけてまいります。
 次に、防災教育に係る平成26年度の取り組みについてでありますが、県では、これまでも、津波防災教育教材等により、児童生徒の防災知識の普及と防災意識の高揚を図ってきているところであります。今年度は、新たに県教育委員会が取り組んでいるいわての復興教育プログラムの副読本の作成と連動させ、岩手大学と連携し、県内で想定される地震、火山災害、土砂災害等を踏まえた防災教育教材を作成しております。
 来年度におきましては、本教材と副読本を活用し、学校現場で防災教育が積極的に行われるよう、教職員向けの研修会などを開催するなど、普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
 また、議員御指摘のとおり、今般の大雨災害や他県で発生している竜巻災害の状況などを踏まえつつ、多様化する災害に対応した啓発用教材の作成も、県教育委員会等と連携して検討してまいります。
 次に、防災教育の具体的な取り組みについてでありますが、児童等に対する防災教育については、児童生徒の安全を確保する学校の防災体制を構築するため、県教育委員会指導主事等が学校を訪問し、防災教育にかかわる意見交換、職員研修、防災講話などを実施しており、これまで26校を訪問いたしました。
 また、各学校の取り組みを支援するため、国の事業を活用し、学校防災アドバイザーを派遣し、防災教育や学校の防災体制などに関する指導、助言を行っており、これまで4回派遣したところであります。
 さらに、今年度においては、地域全体で防災に対する意識を高めるため、教員、地域の自治会等の防災担当者、行政防災担当者を対象とした岩手県防災教育研修会を開催し、講義、事例発表、ワークショップなどを通じて普及啓発を図っております。
 次に、未利用の県有地についてでありますが、売却が見込める県有未利用地ということで申し上げますと、平成25年3月31日現在、土地は69件、576万1、000平方メートル余、建物は36件、8万2、000平方メートル余となっております。
 次に、県有未利用地の活用、売却方針でありますが、平成23年2月に、県有未利用資産等活用・処分方針を策定しております。この方針において、県が公用または公共用として利用することが適当と認められる資産については、全庁的に情報を共有しながら有効活用を図ること、県が利用する予定のない資産については、地域振興の観点から、地元市町村による活用や民間等への売却等の処分を積極的に推進すること、貸付中の資産については、原則として貸付先に対して売却等の処分を進めることとしております。
   〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) まず、改正耐震改修促進法施行に係る対応についてでありますが、耐震診断が必要な対象施設数は、耐震診断の実施が義務づけられた建築物のうち、不特定多数の者や避難弱者が利用する大規模な建築物については平成27年末までの報告が義務づけられており、現在把握している建築物数は129施設で、うち耐震診断が終了しているものは103施設、今後耐震診断が必要なものは、公共施設が3、民間施設が23、合わせて26施設と見込んでおります。
 なお、避難路沿道建築物、防災拠点建築物につきましては、法律施行後、関係部局、市町村等と協議して作業を進めてまいります。
 また、支援制度についてでありますが、県におきましては、まず、法律上義務化された耐震診断の実施への支援を急務と考え、耐震診断を実施する民間の大規模建築物の所有者に対し市町村が補助する場合、県が市町村に対し補助をする制度を創設するための予算案を今議会に提案したところであります。
 耐震改修への支援につきましては、対象となる建築物の耐震診断の結果や耐震改修の見通し、市町村の意向等を踏まえながら、今後検討してまいります。
 次に、いわて花巻空港開港50周年の記念事業についてでありますが、いわて花巻空港は、この50年にわたり、本県と他地域との交流の拠点として本県の発展に大きく貢献してまいりました。また、東日本大震災津波の際には、緊急の患者移送や物資輸送などの防災拠点施設としての機能を大いに発揮したものと認識しております。
 記念事業では、このような空港の役割を県民に広く理解していただくとともに、今後の台湾国際定期便誘致に向けた取り組みやILC誘致など、国際化の推進に資する重要な空港としての認識を高めるような取り組みを進め、空港の活用による地域活性化や本県の活力増大につなげてまいります。
 なお、現在、関係者と連携しながら記念事業の具体的な内容の検討を進めており、全県に波及するような取り組みとなるよう進めてまいります。
 次に、羽田便を初めとする航空路線網の拡充についてでありますが、県及び県空港利用促進協議会では、毎年ダイヤ改正の時期に合わせて、航空会社に対して、羽田線の開設を含む航空ネットワークの維持拡充について要望してきているところであります。その結果、今年度の上期ダイヤにおきまして、国内4都市へいわて花巻空港開港以来最多となる、1日12往復の定期便が就航したところであります。
 現在、羽田線の開設につきましては、航空会社と意見交換をしながら、羽田空港発着枠の拡大に伴う可能性の検討をしているところであります。
 今後とも、本県初となる国際定期便誘致を目指すとともに、いわて花巻空港から羽田空港を初めとするハブ空港への接続や、国内航空路線網の拡充について航空会社に働きかけるなどしながら、利便性の向上を図ってまいります。
 次に、台湾チャーター便の増便とアウトバウンド客の増加施策についてでありますが、いわて花巻空港では、平成12年度から台湾からのインバウンドチャーター便の受け入れを行い、これまで毎年、春、秋を中心としてチャーター便を誘致して運航実績を積んでまいりました。
 今後のチャーター便の運航拡大や将来的な国際定期便の就航を実現させるためには、これまでのようなインバウンドチャーター便だけではなく、本県から台湾へのアウトバウンド需要を拡大していくことが重要であると認識しております。このため、大型ショッピングセンターでの台湾観光PRイベントなどを通じて、台湾への旅行需要を喚起するよう県民意識の醸成を図っていくとともに、本県と台湾との間で、経済、文化、スポーツ交流など幅広い分野において、官民が一体となって交流が図られるよう働きかけてまいります。
   〔政策地域部長中村一郎君登壇〕
〇政策地域部長(中村一郎君) コミュニティFMと臨時災害エフエムの活用についてでありますが、これらのFM局は、地域に密着した情報を日常的に提供し、非常時には災害関連情報を提供するなど、重要な情報通信基盤の一つとして認識をしております。
 現在、沿岸広域振興局においては、沿岸の各FM局の運営主体や県域放送局などが組織するいわて災害コミュニティメディア連携・連絡協議会に参画し、放送事業者と行政との連携による防災放送ネットワークの拡大、強化の支援などに取り組んでおります。
 県といたしましては、県域全体を対象とした情報発信のほか、沿岸広域振興局を初めとしたそれぞれの広域振興局においても、地域の重要なメディアの一つである各FM局に対して、市町村とも連携をしながらきめ細かな県政情報の提供を行うとともに、必要がある場合には、番組放送の活用など、地域の実情に応じた情報発信に取り組んでまいります。
 次に、公衆無線LANの整備についてでありますが、県内では、民間の通信事業者が、契約者へのサービス向上の観点から、光回線を契約済みの店舗や施設に無線LANの機器を無料で提供することにより、公衆無線LANの整備を積極的に進めているところであります。また、店舗や施設の側でも、利用客へのサービス提供の一環として公衆無線LANを導入する動きが広がっており、飲食店や宿泊施設を中心に機器設置が急速に進んでおります。
 県内の機器設置数は、さまざまな運営形態があるため全容の把握が難しいところでありますが、代表的な事業者の例で、固定回線事業者が1、000カ所以上、携帯電話事業者が2、000カ所以上となっております。そのほかにも、全国チェーンを初め、店舗経営者が独自に設置するものなどがあり、全体としては相当数の機器が設置をされ、また、日々増加している状況にございます。
 機器を設置するために必要となる光回線等の高速な情報通信基盤は県内でもおおむね整備されているところであり、通信事業者の拡大策と、店舗や施設のニーズが合致して、公衆無線LANの整備が今後ますます加速するものと考えております。
 県といたしましても、観光関係者や集客施設関係者に対しまして、店舗や施設のサービス向上につながる公衆無線LANを積極的に導入するよう働きかけてまいります。
   〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、あなわん運動の効果についてでありますが、あなわん運動は、これまでの観光関係者によるおもてなし向上の取り組みに加え、本県のPRキャラクターであるわんこきょうだいを使って、県民一人一人が取り組める親しみやすい運動として展開しているものであります。
 これまで、県民のおもてなし機運の醸成を図るため、いわてグラフやテレビCM、県内公共交通機関等へのポスター、ステッカーの掲出等により、運動の推進に努めてきたところでございます。
 運動の浸透状況につきましては把握しておりませんが、観光関係調査会社が行った平成24年度の全国の宿泊旅行者を対象とした調査では、地元の人のホスピタリティーを感じたとの項目について、本県が前年度の全国5位から全国3位に上昇しており、運動の効果もあったものと考えております。
 今後とも、おもてなしを本県観光の強みと捉え、観光客に、岩手に来てよかった、また来たいと思っていただけるよう、県民のおもてなし機運の一層の醸成に取り組んでまいります。
 次に、おもてなしについてでありますが、観光客の満足度を図り、とりわけ不満足な点を改善していくことは本県の持続的な観光振興にとって重要なものと認識しており、県としても、世界遺産に登録された平泉において、県南広域振興局が満足度調査を実施するなど、一部においてそうした取り組みも行っております。
 県といたしましては、市町村などと連携し、主要観光地においてこうした調査を広げつつ、毎年実施されている観光関係調査会社の調査結果や、外国人観光客に対しては観光庁の調査結果、さらには、職場におけるお客様の声なども参考としながら、県内の観光関係事業者とともに、おもてなしの向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、外国人観光客の文化や慣習についてでありますが、日本を訪れる世界各国、地域からの外国人観光客は、それぞれに独自の文化、慣習、宗教を有しており、本県で受け入れるに当たっては、そうした点に十分に配慮する必要があります。このため、県としても、県内観光事業者向けに、訪日外国人誘客・受入研修会を開催するなど、受け入れの際に配慮すべき事項も含め、多様な市場の理解促進に努めてきております。
 平成24年度には、日本政府観光局職員を講師に招き、ASEAN市場をテーマに、イスラム諸国におけるハラールなどについても理解の促進を図ったところであり、今後においても、諸外国、地域の文化、慣習も学んでいただけるよう、こうした研修の機会を設けていくこととしております。
 次に、事業復興型雇用創出助成金についてでありますが、平成25年8月末時点の申請状況は860件、助成対象者3、070人で、事業開始した平成23年度からの累計では2、609件、1万999人となっております。この対象者に係る今年度の助成金所要額を100億1、000万円余と見込んでおり、予算額129億5、000万円余に対し、約80%となっております。
 また、助成金の認定手続につきましては、申請件数が本年1月から急増していることや、申請書類の補正や内容の再確認が必要なものも多く、時間を要しているところです。
 これまでも、業務調整による担当者の増員や申請書の記載例の周知など改善に努めてきたところでありますが、さらに、今回の9月補正予算に、申請書類の審査等の体制を強化するための経費を盛り込んでおり、より手続の迅速化を図ることとしております。
 今後とも、安定的な雇用の確保のため、申請事業所に対する支援が円滑に行われるよう努めてまいります。
 次に、3Dプリンターについてでありますが、県内の公共施設における3Dプリンターの設置状況につきましては、現在、10機関に15台が設置されているところであり、例えば岩手大学におきましては、コバルト合金を用いた動物用の医療機器や片麻痺患者のリハビリを支援するロボット技術など、先端の研究開発で活用されているところであります。
 また、3Dプリンターを利用する上で基本的な技術であるCADにつきましては、産業技術短期大学校でCADシステムの基本操作などを指導しているほか、いわてデジタルエンジニア育成センターでは、求職者や企業在職者、工業高校や工業高等専門学校の学生などを対象とした3次元CAD技術者養成講座を開催しております。
 県といたしましては、今後におきましても、県内のものづくり企業のニーズを把握し、各産業人材育成機関と連携を図りながら、CADを使った設計開発人材の育成を進めてまいります。
   〔医療局長佐々木信君登壇〕
〇医療局長(佐々木信君) 旧県立花巻厚生病院跡地についてでありますが、本年2月、花巻市から病院跡地の活用についての打診があり、その後、市が策定した花巻中央図書館基本計画案及び花巻市こどもの城基本計画案において、当該病院跡地をそれぞれ建設の第一候補地としたとのお話を伺うなど、これまで、数次にわたり市と協議を行ってきたところです。
 旧病院建物については、平成24年度末現在で、残存価格が5.7億円程度、起債残高が1.8億円程度、また、解体費用についても2億円から3億円程度かかるものと見込まれ、病院経営に与える影響が大きいことから慎重に検討してまいりましたが、今般、市から、今年度内に整備に向けた基本設計に着手したいなど、具体的なスケジュールが示されましたことから、医療局としてはこれに応じることとし、まずは建物の解体に向けた事前調査を行うなど、花巻市への売却を前提とした取り組みを進めることとしたところです。
 今後におきましては、建物の解体費用に充当可能な財源の確保に努めつつ、市と連携しながら、早期解体に向けた取り組みを進めたいと考えています。
   〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) アスリート志向の障がい者への支援についてでありますが、県では、希望郷いわて大会に向けて、全ての実施競技への本県選手の参加と上位進出を目指し、今年度から一層の選手の掘り起こしと育成強化に向けた取り組みを進めております。具体的には、練習会などにおいて複数の競技種目を経験し、個々の適性や能力を把握することにより、新たな選手の掘り起こしを行っており、さらに選手の育成強化に向け、一般の社会人選手から指導を得る機会を設けるほか、県内外で開催される各種競技会への積極的参加等により、個々の選手やチームとしての競技力向上を図ってまいります。また、障がい者団体やスポーツ関係団体等を構成員とする連絡会議等の設置により、選手の掘り起こしや育成などが円滑に推進されるよう連携を進めてまいります。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、防災教育についてでありますが、東日本大震災の経験を踏まえ、それぞれの学校の状況に応じ、地域と連携した防災教育を進める必要があろうと考えております。このため、本年度から総務部とともに、学校、地域や防災関係者との連携を図る取り組みを進めておりますが、今般の大雨等による災害を踏まえ、県土整備部との連携を図りながら、各学校や地域がさまざまな災害に対応できるよう、防災教育の充実に取り組んでまいります。
 次に、2020年東京オリンピック、パラリンピックに向けた選手育成についてでありますが、現在、本県が取り組んでおりますいわてスーパーキッズ発掘・育成事業は、オリンピックを初め国際大会での活躍を目指す本県のジュニア選手をサポートするもので、本年で6年目を迎えておりますが、スーパーキッズ修了生の中には全国大会の上位で活躍する選手が出てきており、その成果が出始めていると認識いたしております。
 また、2016年希望郷いわて国体に向けて今年度から国体強化選手を指定し、各種選手強化事業に取り組んでいるところでありますが、指定選手の中には、ハンドボールユース日本代表に選出される選手もいるなど、将来、期待できるところであります。
 2020年東京オリンピック、パラリンピックに向けた選手強化について、国においてもさらなる選手の育成強化を図ることとしており、今後、国の動向も十分に踏まえながら、一人でも多くの本県出身者が大会に出場できるよう取り組んでまいります。
 次に、障がい者スポーツ振興の観点も取り入れた県スポーツ計画の策定についてでありますが、本県においては、平成21年度に策定したスポーツ振興分野を含む向こう10年間の教育の基本方針を示した岩手の教育振興が、県スポーツ計画に相当するものと位置づけております。
 国では、スポーツ基本法の施行に基づき平成24年3月にスポーツ基本計画が策定されておりますが、この計画を見ますと、御指摘のとおり、本県のスポーツの振興に関する計画は、障がい者スポーツに関する観点が不十分な状況にございます。したがいまして、計画の見直しについて、関係部局と連携し、具体的な検討を進めてまいります。
 次に、企業等の理解度を深めることについてでありますが、岩手県社会人スポーツ支援協議会は、希望郷いわて国体を契機に県内外で活動している有望なスポーツ選手を将来的に地元に根づかせ、スポーツ活動を実践できる環境を整備し、本県の競技力の維持、向上を図ることを目的に設置したところでございます。希望郷いわて国体終了後におきましても、継続した競技力の向上を図るために、このような支援組織は必要と考えております。このことから、東京オリンピック、パラリンピックを視野に入れながら、今後、関係する団体や企業から御意見をいただき、検討してまいります。
 次に、児童生徒に対する情報モラル教育についてでありますが、児童生徒を取り巻く情報環境は日々高度化、複雑化しており、いわば情報化の影の部分としてのネット上のいじめ問題や犯罪被害等さまざまな問題点が指摘されております。これまでも、情報モラル教育の推進を通じて、教職員や児童生徒の情報リテラシーの向上を図るとともに、保護者や地域への啓発を進めてきたところでありますが、今般、県立総合教育センターに体験学習用のスマートフォン等を整備し、児童生徒や教職員等に対して、最新の携帯端末の危険性を体験し、理解できる取り組みを計画しているところでございます。
〇3番(名須川晋君) 御答弁いただきましてありがとうございました。
 幾つか再質問をさせていただきます。
 まず、耐震改修につきまして、先ほど、103施設が既に耐震の調査済みとおうかがいいたしましたが、その中で改修が必要だという調査結果が出た施設というのは幾つぐらいあるのか。そして、確認ですけれども、全部の調査結果が出た段階で県としての補助政策を考えるということと受けとめましたが、その点をもう一回確認させていただきます。
 それと、あなわん運動でございますが、現実としてポスターやCMで予算を使っている以上、その効果についてどの程度発揮しているのかということは、やっぱり数字として把握しておくべきだと思うんです。平成24年の調査というのはあなわん運動がちょうど始まったときでございまして、果たしてそれがどの程度参考になるかどうかというのはわからないんですけれども、いずれにせよ、県としても、自前のアンケート調査なり、あるいはさまざまな調査結果をもとに、そのあなわん運動、おもてなし度が果たして県民に浸透しているかということをきちっと図ることが、2016年や2020年、それ以前に岩手県の観光振興につながるものと考えますが、いかがでございましょうか。
 それと、もう一点でございますが、空港利用促進という観点から観光振興につながる話になるんですけれども、韓国のテレビドラマ、アイリスが秋田県でロケを行ったことで、2010年ぐらいから秋田-ソウル便を利用して秋田県を訪れる韓国人観光客が急増したという事例がございます。
 私の単純な思いつきを披歴するのも恥ずかしいんですが、例えばあまちゃんを台湾で放送できるすべがないものか。無論、80年代の歌謡曲とか、時代時代の小ネタを知ってこその大ヒットだったわけでございますが、日本で大人気のテレビドラマであれば、きっと台湾の皆様方にも興味を持ってもらえて、そして、いわて花巻便を利用して、これが定期便になるかどうかはわからないですが、チャーター便の増加、継続につながる、北三陸を聖地巡礼してくれるお客様もふえるのではないか、安定的な観光振興につながるのではないかと思いますが、ちょっとその辺を模索していただければと思いますが、御感想などあればと思います。
 以上、3点でございます。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 耐震改修の件で、既に耐震診断をしている施設の状況についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、診断済みが103施設ございます。そのうち耐震性なしと診断されたものが82施設ございまして、既に改修されているものが40施設、未改修が42施設となっております。
 耐震改修に対する支援についての検討は、これからなされる耐震診断の結果を踏まえてかという御質問もございましたが、そういう耐震診断の結果を見ながら、どのような施設、どのような改修費用がかかるか、その辺を踏まえながら、県としての支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、あなわん運動の浸透の把握でございますけれども、岩手全体のおもてなしの向上のためには、観光関係者だけではなくて、県民一人一人がおもてなしの心を持って観光客をお迎えするという態勢を整えることがまずもって重要だと考えております。
 一方、あなわん運動の浸透度合い等をしっかりと把握するということについて、例えば目標値を持って取り組むとかということについてでございますけれども、相応の精度というものが求められると思いますし、県内全域にある程度の広がり、あるいは十分なサンプル量、そういうものを確保する必要があるとも考えておりまして、そのような制約条件等もございますので、今後とも浸透度の把握の方法については十分検討させていただきたいと思いますし、現在行っております観光関係会社の毎年発表されますホスピタリティーの度合い等についての数値、統計結果等も参考にしながら研究していきたいと考えております。
 それから、あまちゃんの台湾での放送についてでございます。台湾は、御案内のとおり、極めて親日的な地域でございます。ケーブルテレビにも日本ドラマ等の専門チャンネルが設けられておりまして、日本のNHKや民間放送局のドラマ、バラエティー番組が放送されております。
 本県関係では、過去にどんど晴れが台湾におきまして旅館之嫁として放送された実績もございます。あまちゃんにつきましても、日本で大きな話題となったところでございますので、台湾での放送の可能性は大いにあるものと考えております。このようなことから、県といたしましては、その実現に向けて必要な取り組みを鋭意進めてまいりたいと考えております。
〇3番(名須川晋君) 最後、1点、教育長にお伺いいたします。
 9月28日、スポーツ祭東京2013に、私も選手結団式と開会式に出席させていただきまして、大変いい経験をさせていただきまして、本県開催に向けてもいい知見をいただいたものと思っております。まさにこの時間でございますが、閉幕式が行われている状況にございますけれども、昨日までの岩手県勢の選手団の成績は、天皇杯が25位、皇后杯が28位かと見たんですが、この結果についてどのように、そして、きょう午前中まで競技が行われておりますので、その最新結果も含めながら、総合的にその御感想と、そして分析をお伺いできればということで、最後に質問して終わります。
〇教育長(菅野洋樹君) 今回の東京大会における本県選手団の成績でございますが、ハンドボール少年男子、陸上競技では女子のリレーと少年女子B200メートル、そして、ボート少年男子シングルスカルにおいてそれぞれ優勝するなど、21競技で入賞数が71となっておりまして、昨年の19競技、64入賞を上回っている状況にございます。この結果は、ひとえに、出場した一人一人の選手、役員、そして各競技団体が岩手国体を目指して頑張ってくれた成果であり、また、徐々にではありますが、岩手国体に向けた選手強化策の成果もあらわれてきているものと思っております。今後も、県体育協会や競技団体とともに、岩手国体に向け、選手強化に取り組んでまいります。
 順位につきましては、最終的には他県の状況がございますので確定はいたしてございませんが、現在のところ、本県では大体900点台前半の得点を上げたものと考えてございまして、昨年の790点を恐らく大幅に上回る得点獲得になるだろうと考えております。
〇議長(千葉伝君) 傍聴者への配慮から、しばらくお待ちください。
 次に、高橋但馬君。
   〔19番高橋但馬君登壇〕(拍手)

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