平成25年9月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇6番(城内愛彦君) 自由民主クラブの城内愛彦です。
 9月定例会に際し、3回目の質問の機会をいただきましたことに対して、先輩議員、そして同僚議員に対して感謝いたします。
 質問通告に従い以下の点について質問をいたします。知事を初め、当局の明快な答弁を期待し、質問に入ります。
 ことし夏、7月から9月にかけて、県内陸部から県南を襲った大雨と台風18号に伴う洪水被害に遭われた方々に対して、衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を切に願うものであります。
 さて、東日本大震災津波から2年7カ月がたとうとする今日、災害公営住宅も被災各地に建ち始めはしたものの、応急仮設住宅等で3度目の厳しい冬を迎える方々は、8月末で3万6、041人おられます。一日でも、一時間でも早い復興を望むものであります。
 知事も大好きだとうかがった、県北沿岸部を題材にし、本県はもとより、日本中を元気にしたNHK連続テレビ小説あまちゃんも、先月末で惜しまれながら終了してしまいました。あまちゃんが本県にもたらした経済波及効果はもとより、本県沿岸部が東日本大震災津波の被災地であることを、風化しつつある事実を日本中に知らしめたことは、大きな効果であったと考えるものであります。
 それでは、質問の第1点目に入ります。東日本大震災津波からの復旧、復興についてであります。
 沿岸被災地では、各市町村による復興まちづくり計画に基づき復旧、復興が進められてはおりますが、計画はいまだに計画の域を脱していないと被災者の方々は口にされます。県は、岩手県東日本大震災津波復興計画を策定し、いのちを守り、海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造を目指す姿とし、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生という三つの原則を示し、その計画をより実効的に、かつスピード感を持たせるために、本年を復興加速年と位置づけ、多くの人員を配置し、数々の施策を展開してきたことは周知のところであります。
 ですが、この間、市町村はもとより、県発注の工事の不調などによる当初の計画に対するおくれが心配されるところであります。そのおくれは、市町村に対しても少なからず影響があると考えられますが、どのように認識しているのでしょうか。また、市町村への影響を抑えるため、どのような対応をしているのか伺います。
 2点目は、本県の被災した宮古警察署、釜石警察署、高田幹部交番の移転計画の方向性とタイムスケジュールはどのようになっているのか伺います。
 3点目は、被災直後の7月以降に建てた応急仮設住宅設置から2年が過ぎ、自立再建など、空き家となった学校敷地に建てた応急仮設住宅の解体も話題となりました。
 そこで伺います。応急仮設住宅の空き室の状況と民間からお借りした借地に建てた応急仮設住宅について、継続して借りられるのか伺うものであります。
 4点目は、8月末現在、死者4、672人、行方不明者1、145人と報道等では発表されますが、いまだに御家族のもとへ帰れない身元不明の方々は何人おられるのか、また、今後、御家族のもとへ帰れるのか、その見通しについて伺います。
 5点目は、今年3月に見直しになった岩手県地域防災計画を未曽有の災害が頻繁に発生する今日だからこそ、広く県民に知らせるべきと考えますが、当局の見解を伺います。
 次の質問に移ります。質問の第2点目は、人口減少による過疎化対策についてであります。
 岩手県の人口は、145万人弱をピークに、過日の新聞報道によると130万人を切り、減少し続けています。その大半は県北・沿岸部であり、特にも東日本大震災津波により、その傾向は加速されていると言っても過言ではありません。
 地域の過疎化は、地域経済を負のスパイラルに追い込んでいます。人口が減れば、地域の台所であった商店も廃業し、高齢化が進めば、交通弱者がふえ、日々の買い物も、公共料金等、毎月の手続をする金融機関への足の確保もままならない状況にあります。
 そこで伺うものであります。質問の1点目は、本県において限界集落は存在するのか、そのような中にあって、地域のライフラインの一つであるガソリンスタンドの店舗数の推移など、現状について伺います。また、過疎地においては、燃料供給基地としての貴重な役割を担うガソリンスタンドの機能を守るため、地域としてどのように対応していくのか伺います。
 2点目は、今や店のなくなった地域の商業機能は、食品の宅配や移動販売などでカバーされておりますが、燃油高騰や人口減少の折、宅配や移動販売業者への支援策について伺います。
 次の質問に移ります。質問の第3点目は、観光振興についてであります。
 これまでも、発言の機会をいただくたびに観光振興について取り上げてきたところであります。冒頭述べましたあまちゃん効果は、岩手を題材にしたNHK連続テレビ小説では、どんど晴れ以来2回目であります。どんど晴れ効果は、盛岡を中心に遠野や沿岸部にもその波及効果が及び、あれから6年がたった今日でも、あのシンボルとなった小岩井の一本桜は、シーズンを迎えると観光客で混雑します。
 本県は、被災直後、平泉が世界文化遺産に登録され、観光客数は初年度210万人で、2年目となる平成24年度は259万人と、その入り込み数は高い数値でありました。また、先月24日には、待望の北は青森県八戸市、階上町、本県沿岸部と早池峰山から、南は宮城県気仙沼までで、ジオパークを構成するジオサイトが48カ所で、ジオポイント130カ所が、日本ジオパーク委員会により認定されました。私も大変うれしく思います。本年5月に新たに認定を受けた三陸復興国立公園と相まって、その相乗効果を期待するところであります。ジオパークの中には、被災を受けた建物も一部遺構として残すことから、震災津波の爪跡を後世に伝えるという役割もあるわけであります。
 以上のことから、以下の2点について質問します。1点目は、三陸復興国立公園が3県にわたって指定されたことから、関係市町村がその活用促進に取り組むのは当然ですが、県としても、これら市町村をコーディネートして積極的に取り組む必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 2点目は、被災地観光の状況と今後の対応について伺います。
 質問の第4点目は、JR岩泉線及び山田線についてであります。
 これまで、JR岩泉線と山田線は、国鉄時代から赤字のローカル線とやゆされながらも、地域の足として通勤、通学、通院、買い物などに利用されてきたことは周知のところであります。岩泉線については2010年7月に、列車運行中に線路への土砂崩れにより運行を中止して以来3年が過ぎたところであります。この間、岩手県と沿線自治体の岩泉町、宮古市のJRに対しての復旧を求める要望活動や沿線市町での集会などが開催され、早期復旧を望んできたところであります。
 県とJRとの交渉については、この間の新聞報道で沿線の方々もその流れについては周知のところでありますが、今般の報道によると、JRサイドでは、岩泉線の廃止を改めて打ち出してきたところであります。国鉄からJR東日本へと民営化がされたときの経緯からすれば、余りにも唐突な答えのように感じてなりません。
 今後、JRが岩泉線を廃止したとするならば、沿線の住民の生活の足の確保は難しい状況になります。現在では代行バスが運行されていますが、国道340号は狭隘で急峻な山道であり、利用者からは、乗り心地も含めて不評であります。今後、この路線についての考え方と並行する国道340号の整備の方針について伺うものであります。
 質問の2点目は、JR山田線についてであります。東日本大震災津波発生から2年7カ月がたとうとしているこのときに、JRでは、全面復旧に向けての動きがなかなか見えてきません。震災後、JR山田線沿線の関係市町では、鉄路による復旧を望んで、知事を先頭に要望活動を行ってきました。この間、被災をしたJR大船渡線は、JRの提案であったBRTでの仮復旧を容認し、先月から盛-小友間の専用道での運行が開始され、途中、沿線道を迂回しながら気仙沼までの運行を行っています。運行開始したBRTによる代替運行について、総務委員会の調査で試乗してきたところではありますが、あの整備状況を見ますと、一旦運行を開始してしまえば、どの時点で鉄路による本復旧になるのだろうかと感じたところであります。
 来年4月から、関係各位の御尽力のもと、三陸鉄道は、北リアス線、南リアス線とも鉄路による本復旧をする予定であります。そうすれば、前段の質問とも関連する本県の観光振興にも少なからず影響を及ぼすことになります。また、JR山田線に関する市町の復興まちづくりにも支障が生じると考え、今後の県のJRに対する対応について伺います。
 質問の第5点目は、本県における医療と福祉対策についてであります。
 東日本大震災津波発生から2年7カ月が経過しようとし、医療施設も約9割の施設が再開するなど、復旧が進んできたところではありますが、一方では、被災前からの本県の懸案でありました医療従事者の確保が、復興に向けて大きな課題となっています。医師の確保もさることながら、医療、福祉の現場では、医療の高度化や介護ニーズの増加により看護師の需要が一層高まっているところであり、看護師不足の声を耳にします。
 県ではこれまで、看護職員の確保と定着を図るためさまざまな取り組みを行ってきたことは承知しており、今年7月に発表された厚生労働省統計によれば、平成24年の県内看護職員就業者数は1万5、942人と前回の平成22年調査から238人の増加が見られるところでありますが、第7次看護職員需給見通しにおいて、本県では、平成27年度には737人の看護職員の不足が見込まれるなど、供給を上回る需要の増大が見込まれるところであり、先を見据えた人材の確保対策を進めていく必要があると考えます。
 今後の看護需要の増大に対応していくためには、看護職員の養成とその県内定着に向けた着実な取り組みを進めていくとともに、全国の就業者数約150万人に対して、71万人いると言われる未収業の看護職員、いわゆる潜在看護職員の活用を図っていくことが必要と考えます。
 県における県内看護職員養成施設、卒業生の県内定着率の動向とその対策、さらに、潜在看護職員の活用について伺います。
 私は、これまで、内陸部と沿岸部の医療の格差拡大を懸念し、均衡ある医療の充実の必要性を訴えてきました。看護職員の養成について、沿岸部唯一の看護職員の養成の場である県立宮古高等看護学院の定員が、他の県立看護学院である一関、二戸がともに定員35名に対し、24名となっていることについて、昨年12月の定例会において、内陸部と沿岸部の医療資源の格差解消のためにも、この定員の拡充が必要である旨、質問したところであります。県当局からは、施設の老朽化による平成25年度からの大規模改修とあわせて、被災地における看護職員確保の観点から、定員の拡充も視野に入れた環境整備を行いたい旨の答弁をいただいたところであります。
 改めて、県では本年度、宮古高等看護学院の大規模改修に向けた設計業務を進めていると伺っていますが、定員については拡充の方向にあるのか、また、拡充するとすれば具体的に何名の増員になるのか伺います。
 2点目は、ドクターヘリについてであります。待望久しいドクターヘリが、昨年5月より運航されました。運用については、四国4県分の広い県土を1機でカバーするには大変であると多くの同僚議員から意見が出されてきました。今後、隣県との連携などさまざまな課題があると思いますが、課題とその対応について伺います。
 次に、県立病院の経営についてであります。平成24年度決算で黒字となった県立病院の営業努力については評価するものであります。利用される患者様の病院に対する評価と反応があればお示しください。
 質問の第6点目は、2016年、2巡目の希望郷いわて国体の開催についてであります。
 震災前から、2016年には待望久しい2巡目の国体がやってくる、このことはスポーツ関係者だけでなく、多くの県民の思いでありました。東日本大震災により、その直後から、国体開催の話はどこかへ消え去ったかのようでありました。もちろん被災地の復旧が第一で、当時は、スポーツどころではありませんでした。
 しかし、避難所生活を送られた方々も、同年7月ごろから応急仮設住宅に移り住むようになり、徐々にではありますが、5年後の開催である国体のことも口に出されるようになったと記憶しています。
 また、1人の被災をされた御老人が、これだけ世界各地から、日本全国から多くの御支援をいただいた。いつかきっと御恩返しをしたい。頑張って一日でも早く復興させて皆さんに見てもらいたいと、そのような話をしてくれました。私はそのとき、5年後、予定どおり国体を開催し、全国の方々に、岩手に、ひいては被災地東北に来てもらうチャンスと考えました。折しも、その考え方は県内に広がり、その声を知事はしっかりと受けとめ、国体の開催という英断を下されたはずであります。
 そこで伺うものでありますが、本年5月19日、本県で開催された体操の東日本学生選手権つり輪で、加藤選手が直前の練習中に、つり輪の革製ベルトが切れる事故に遭われました。起きてはならない事故が起きてしまいました。開催県として残念でならない事故であります。
 今国体のコンセプトは、被災地開催ということもあり、なるべく既存の施設を使用しての開催ではありますが、最低限の施設整備は必要と考えます。日本のトップアスリートが納得のいくパフォーマンスができるよう努力をするべきであります。整備への考え方と進捗状況について伺うものであります。
 質問の第7点目は、本年7月から9月にかけての大雨洪水の被害についてであります。冒頭にも言いましたが、まずもって、被害に遭われた方々の一日も早い復旧を願い質問するものであります。
 異常気象という言葉を耳にして久しいわけでありますが、日本では考えられなかった竜巻の発生や、爆弾低気圧など、記録更新も日常茶飯事の状態であります。気象庁の予報は精度が増し、注意を喚起する表現の仕方も、これまで経験したことのないなど、どんどんエスカレートしています。今日の異常気象は想定外のものばかりであります。
 そこで、質問の1点目は、今般の一連の大雨洪水による現時点での被害状況について伺います。
 2点目は、今般の大雨洪水被害は、農地、農業施設等にも甚大な被害が出ましたが、作付が始まる来春に向けた復旧の見通しについて伺うものであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 質問の第8点目は、水産業の振興についてであります。
 東日本大震災津波の被害から、県の復興計画の3本柱である暮らしの再建、なりわいの再生、安全の確保をもとに、被災沿岸部においても、本県の基幹産業の一つである漁業のスピード感を持った復旧により、前浜を中心とするつくり育てる漁業に活況が見えてきました。養殖漁業をなりわいとする方々は、小型漁船も、共同利用漁船事業として震災前の水準に近づき、養殖ワカメ、昆布も、本年は、収量も平年より少ないものの、昆布では値段に助けられるなど回復の兆しが見えてきたところであります。
 本年、県内の定置網は、ブリ類やサバ類の入網が好調であったものの、夏漁は例年より不調であったと聞きました。ここに来て、宮古市場によると、秋サケの漁はまずまずであるとのことで、ほっと胸をなでおろすところであります。
 一方、サンマ漁については、海水温の影響等で漁場の南下がおくれ、水揚げは伸びておりません。例年であれば、お盆過ぎには大型船が解禁となり、9月には小型船の水揚げが県内の港をにぎわせ、まさにこの時期は最盛期になっていなければなりません。
 本県水産業は、生産、加工、流通と裾野が広く、沿岸の元気の源であります。また、山田漁連の市場と船越湾漁協の市場の復旧は、本格的秋漁を前に、関係各位の努力に感謝します。加工場、冷蔵庫等、復旧した施設に対しても、秋漁のとれ高は影響が大と考え、伺うものであります。
 質問の1点目は、秋漁で一番期待される秋サケについてでありますが、現在までの水揚げの状況と今後の見通しについて伺います。
 急ピッチでなりわいの再生を果たしてきたところでありますが、震災津波から2年半が過ぎ、この間、早く復旧をした加工業の方々の話によれば、働き手が戻ってこない、一度途絶えた取引先との関係がもとに戻らないなど耳にし、当局にもその声を届けてきたところでありますが、その現状と対策について伺います。あわせて、県が進めている本県の第1次産業の6次産業化の水産業における取り組みはどのようになっているのか、現状と課題について伺います。
 質問の第9点目は、教育問題についてであります。
 少子化と言われる今日、それに対する明確な対応策は国でも打ち出せない大変な事態であります。そんな中にあって、この日本を元気にする昭和の高度成長のころのような活力に満ちた時代は、もう二度と来ないのでしょう。オリンピックに象徴される戦後の日本の復興を支えてきたのは、地方から中央へと働き手として多くの人材を送り出してきた一つの社会現象であったと言えます。まさにその日本を支える人材をつくったのが教育であり、我が県を含む地方であります。
 戦後のベビーブームと言われる時代に生まれた方々も、今や70歳代となり、新たな問題として、2025年をピークに本格的に人口が減り出すと予測される中、世界に通用する新たな人材の育成に取り組まなければならないのではないでしょうか。
 折しも、岩手県を中心とする北上山地にILC─国際リニアコライダーの国内候補の一本化が、関係する東北各県の協力のもと我が県に決定されたばかりであります。将来世代に夢の種まきをすることは、今を生きる我々大人の役割であります。
 また、今日、本県の重要な産業の一つはトヨタ自動車を中心とする自動車産業であり、その進出についての第1の要因は優秀な人材であったと、関係者よりうかがった話であります。次の世代の岩手を思うとき、我々の役割の一つとして人材の育成が大きな課題と考え、その基礎となる教育問題について伺うものであります。
 1点目は、本県における小学生、中学生の今年度の学力テストの結果について伺うものであります。あわせて、その感想もお聞かせください。
 2点目は、近年、子供たちへの携帯電話の普及が高まる中、今や携帯からスマートフォンへと移り、その利用法については、携帯電話会社がその対策に乗り出しています。対策をすれば、その抜け道をつくり出す、そんな中にあって、未成年である子供たちに少なからず影響が出始めていると思われ、伺うものであります。
 県内の児童生徒のスマホ等の普及状況はどのようになっているのでしょうか。また、利用による弊害をどのように認識しているのでしょうか。さらに、正しい利用に対する教育についてどのように対応しているのか伺います。
 3点目は、本県におけるキャリア教育についてであります。私は、議席をいただいて、本県キャリア教育の重要性についてたびたび訴えてきたところであります。本県における若者の離職率の高さ、その後、再就職に失敗をして定職につかない若者に対しての救済はなかなか難しいものがあり、それよりは、小学生、中学生、高校生時代にしっかりとしたキャリア教育を行うことによって、離職問題はある程度解消されると考えます。
 震災後、復旧した沿岸部の事業所では、求人を募集しても来ない、来てもすぐやめるなど、多くの声を耳にしました。また、医療福祉の現場でも、求人を募集してもなかなか人が集まらないという声もあり、本県のキャリア教育のさらなる充実を図る必要があると考え、伺います。本県のキャリア教育の現状についてとその課題について伺います。
 質問の第10点目は、港湾利用促進戦略についてであります。
 北から久慈港、宮古港、釜石港、大船渡港と四つの重要港湾を持つ我が県では、古くから、港を中心にした交易など物流だけでなく、まさに人、もの、金を動かすためにあり、港は、それぞれの役割を果たしながら発展してきたところであります。背後地の北上山地から豊かな鉱山資源の積み出しと加工する場として発展してきました。昭和の一時期、工業出荷額は、本県内陸部を上回る額で昭和30年代まで活況は続いていました。今や、その鉱山資源も外国産に打って変わり、どの港湾も利用促進には苦戦をしてきたと言えます。
 先月、岩手県港湾議員連盟で佐賀県伊万里港と同県唐津港を視察してきました。古くから焼き物や韓国との交易の拠点として発達してきたと説明を受けましたが、注目すべき点は、時代とともに取り扱う品が変わってきたことと、お互いが、ライバルではなく、役割分担をし、その機能強化を図ってきたことでありました。あわせて、今後、将来の港湾の利用促進を図る上で、陸上の物流を強化するべく、高速道路の整備も国と一体となって進めている点でありました。
 我が県では、2011年に東日本大震災津波に遭い、県内の111の漁港、六つの港湾が甚大な被害を受けました。そのような中にあって、その港湾の全面復旧のめども立ち、なりわいも少しずつではありますが復旧してきたところであります。
 国土交通省では、国道45号の被災から、三陸縦貫道路の早期開通を目指し工事着工を始めている中、県内4重要港湾の機能分担が発表され、時間との勝負であることから、今後どのようにして計画を実効あるものへと展開するのか伺うものであります。
 以上、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 城内愛彦議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、三陸復興国立公園の活用促進についてでありますが、三陸復興国立公園は、これまでの地域振興の観点に加え、復興への貢献も目指して、去る5月24日に指定されたものであり、その指定式典においては、青森、岩手、宮城の3県が一堂に会し、各市町村が連携し、地域の復興に向けた決意を新たにいたしました。
 また、本県では、7月20日、宮古市において、三陸復興国立公園の指定とあわせて三陸ジオパーク構想の推進による復興の加速化に向けたセミナーを開催しました。今後も三陸復興国立公園を被災地域における重要な観光資源として国や関係市町村とともに守り育て、さらに、長距離自然歩道みちのく潮風トレイルや、今回、日本ジオパークに認定された三陸ジオパークとの相乗効果が発揮されるよう、施設整備の要望やイベントの誘致に努めるなど市町村と連携を図りながら、盛り上がりを見せている地域の活動を支援していく考えであります。
 次に、被災地観光についてでありますが、平成24年度の沿岸地域への観光客入り込み数は延べ約327万人回と、前年度の約152万人回の2倍強まで回復していますが、平成22年度比では6割強にとどまっています。
 県としては、教育旅行のテーマとして注目される震災学習を沿岸観光の新たな柱とするため、震災語り部ガイドのスキルアップやネットワーク化、旅行会社からの手配に一元的に対応するプラットホームの構築などに取り組み、北海道や首都圏などにおける教育旅行説明会でも強力にPRしているところです。
 また、引き続き復興応援バスツアーの定着に向けた支援を行うとともに、あまちゃんの放映により注目を浴びたさまざまな地域資源や三陸復興国立公園の指定、三陸ジオパークの日本ジオパークへの認定など、県北・沿岸地域における誘客要因を生かした新たな回遊ルート商品の造成促進や全国に向けたPRにより、沿岸地域の観光の早期の復興に取り組んでまいります。
 次に、JR岩泉線と並行する国道340号についてでありますが、これまで、県、宮古市及び岩泉町は連携して鉄道復旧を求めてきたところであり、今回、改めてJR東日本から廃線の意向表明がなされたことは非常に残念であると考えております。
 一方で、両市町は、鉄道の運休から3年が経過している状況がさらに続くことは避けたいとの意向であり、鉄道復旧を求める姿勢に変わりはありませんが、その議論とは切り離して、JR東日本との代替輸送等の協議に応じるとともに、万一、廃線が避けられない場合には、県による国道340号押角峠の道路改良を求めているところであります。
 国道340号は、沿線地域にとって生活道路であるとともに防災や地域間交流の面で大きな役割を担っている路線であると認識しておりまして、着実に整備を進めてきたところであります。また、東日本大震災津波において、内陸部から三陸沿岸各都市にアクセスする道路とともに横断軸間を南北に連絡する道路が重要であると考え、復興支援道路に位置づけ、交通隘路の解消等を推進しているところであります。
 JR岩泉線の沿線住民の生活の足の確保は重要な課題であり、県としては、両市町の意向も踏まえ、JR東日本との代替輸送等の協議を進めるとともに、並行する区間で最大の難所である国道340号押角峠の道路改良の可能性について検討しているところであります。今後におきましても、宮古市、岩泉町としっかり連携をして対応してまいりたいと考えております。
 次に、JR山田線復旧に向けた今後の対応についてでありますが、先月の山田線復興調整会議では、JR東日本からのBRTによる仮復旧の再提案に対し、沿線市町は改めて受け入れない旨を回答し、鉄道による早期復旧を求めたところであります。また、沿線市町は、現在、復興に向けて駅を中心としたまちづくりを計画し、推進しているところであります。
 県としましては、このような沿線市町の意向を踏まえ、また、山田線と三陸鉄道が一つにつながることで、観光などさまざまな面で相乗効果が発揮されますことから、鉄道の早期復旧が必要であると考えております。
 こうしたことから、駅の移設など鉄道復旧に残された課題について、沿線市町とJR東日本との調整を早急に進めていくとともに、JR東日本から要請された地元の利用促進策についても、沿線市町と連携して、アンケート調査などで住民の意向を把握しながら検討を進め、一日も早く鉄道復旧方針を示すよう、JR東日本に対して求めてまいります。
 次に、水産加工業の現状と対策についてでありますが、県が8月に実施した水産加工事業者へのアンケート調査では、経営上の課題として、雇用確保、販路開拓、風評被害などが挙げられており、県としても大きな課題として認識しております。これら課題解決に向け、雇用の確保対策としては、地域内労働力の掘り起こしのために、ハローワークなどでの水産加工のイメージアップDVDの放映や企業見学会及び就職面接会の開催などに取り組んでいます。また、地域外からの労働力を確保するため、国に対し、入居募集停止中の釜石市内の雇用促進住宅の活用について要望活動を行った結果、全国で初めてその活用が認められました。
 販路開拓や風評被害の対策としては、全国の消費者を対象に本県農林水産物等の安全・安心や魅力の情報発信を展開するとともに、専門家による商品開発指導、商談会の開催や展示会、見本市への出展等により、販路の回復と取引拡大に向けた総合的な支援に取り組んでいます。引き続き、水産加工事業者のニーズに応じたきめ細やかな支援に努め、事業者の復興が一層加速するよう支援してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔理事佐々木和延君登壇〕
〇理事(佐々木和延君) 県復興計画のおくれの市町村への影響とその対応についてでありますが、県では、8月8日に公表した社会資本の復旧・復興ロードマップにおいて、海岸保全施設や災害公営住宅など一部の事業工程について見直しを行ったところでありますが、市町村が進めるまちづくり事業への影響が懸念されたことから、事前に工程の詳細を説明し、今後の取り組みを含めて、市町村と十分調整を図って取り進めてきたところでございます。
 現在、県事業の工程の変動に伴う市町村の復興まちづくり事業への影響を極力抑えるために、第1に、防潮堤工事では、一定の安全度を早期に確保するため、一連の海岸の全延長にわたってある程度の高さまで立ち上げるように努め、災害公営住宅では、設計施工一括選定方式や敷地提案型買い取り方式を採用し、第2に、入札不調の発生や作業員、資材の不足、土砂の流用などの課題解決に向けた関係機関による情報共有や連絡調整などを行うことにより、県、市町村それぞれの復興事業の実施に支障が生じないよう努めてきたところであります。今後、さまざまな復興事業が本格化し、錯綜する過程において、適切な事業間調整が図られるよう、国、市町村、関係業界団体などとさらに連携を強め、復興を推進してまいります。
 次に、応急仮設住宅の空き室の状況についてでありますが、応急仮設住宅1万3、984戸のうち、8月31日現在、1万2、272戸に被災者が入居しており、談話室や応援職員宿舎として活用している住戸を除き、実質的な空き室は全県で913戸、宮古市で233戸となっております。なお、現在もこの空き室に対し、県外に避難されている方や仮設住宅が手狭なことを理由として世帯を分離したい方などから新規入居希望があるところでございます。
 次に、応急仮設住宅の借地契約の延長についてでありますが、民有地を借りて建設されている応急仮設住宅は全県で7、208戸、全体の51.5%であり、宮古市においては496戸となっております。国から、応急仮設住宅建設後4年間までの供与期間の延長が認められたことから、市町村において、供与期間延長の地権者への周知と借地契約延長の手続を進めているところであります。その中で、地権者から借地契約延長に同意が得られず、解体し、用地を返還した応急仮設住宅は現時点で釜石市の6戸となっており、入居されていた2世帯の方々には近隣の仮設住宅に転居していただいたところでございます。
 今後も、引き続き地権者に対して借地契約延長の同意に向けた取り組みを市町村が進めていくこととしておりますが、借地契約の延長に同意が得られない場合であっても、他の応急仮設住宅への転居や災害公営住宅への入居など、市町村と連携して、被災された方の住居を継続して確保してまいりたいと考えております。
   〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) まず、岩手県地域防災計画の周知についてでありますが、県地域防災計画は、災害対策基本法に基づき災害時において県等が処理すべき事務等を定めているものであり、県ホームページに掲載し、県民等がその内容を確認できるようにしております。
 また、計画には、家庭や事業所での備蓄の推進や徒歩避難の原則、自主防災組織の育成など、県民に普及啓発すべき事項についても盛り込まれているところであり、県民がみずからの身をみずからが守る意識等をより一層高められるよう、御指摘を踏まえながら、計画内容の県民への周知に取り組んでまいります。
 次に、今般の一連の大雨洪水に係る被害状況についてでありますが、10月2日現在、一連の災害を合わせまして、人的被害については、死者3名、重軽傷者17名となっており、住家被害では、全壊12棟、大規模半壊18棟、半壊149棟、一部破損7棟、床上浸水340棟、床下浸水1、592棟となっています。
 また、農林水産業や土木施設など、一連の災害を合わせた被害総額は337億4、512万円となっており、主なものといたしましては、農林水産業関係では、農作物の冠水や農地、農業用施設、林道被害などを中心に138億9、740万円、土木施設等では、県、市町村それぞれが管理する河川、道路、橋梁等への被害で176億6、303万円、商工関係では、宿泊施設への土砂流入や施設、設備の損壊、流出などにより14億6、931万円などとなっているところであります。今後とも、全容把握に努めるとともに、早期復旧に向けて取り組んでまいります。
   〔政策地域部長中村一郎君登壇〕
〇政策地域部長(中村一郎君) 限界集落とガソリンスタンド問題についてでありますが、いわゆる限界集落とは、提唱者である大野晃教授の定義によれば、過疎化などにより人口の半数以上が65歳以上の高齢者となり、社会的共同生活の維持が困難になっている集落を指すとされております。
 県内には、さまざまな厳しい条件の中で、地域の方々が課題解決のために頑張っている集落も数多くあることから、県といたしましては、限界集落という言葉は使わずに、市町村と連携して、地域でのいろいろな取り組みを応援しながら、コミュニティの維持、再生を支援しているところであります。
 また、ガソリンスタンドの店舗数等につきましては、資源エネルギー庁が本年7月に公表した調査によりますと、平成24年度末の本県全体のガソリンスタンドの数は582カ所で、10年前の平成15年度末と比較いたしまして273カ所、約32%の減少となっております。地域におけるガソリンスタンドの機能を維持していくためには、民間事業者や市町村、地域住民の方々の連携した取り組みが重要であることから、ガソリンスタンドを核にさまざまな生活サービスの提供の取り組みを支援する経済産業省の補助制度の活用など、地域住民の生活維持に必要な情報を幅広く提供してまいります。
   〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 過疎地の商業機能への支援についてでありますが、過疎化が進む地域において、宅配や移動販売は住民の買い物の機会を確保するための重要な役割を担っていることから、国では、車両購入費や改造費などの補助を行っており、県では、ガソリンなどの費用の増嵩に対して、商工観光振興資金や中小企業経営安定資金など、長期、低利の制度資金の貸し付けを行っているところです。
 県といたしましては、これら支援制度の活用について、宅配や移動販売を行う事業者に対し広く呼びかけを行っております。
   〔保健福祉部長根子忠美君登壇〕
〇保健福祉部長(根子忠美君) まず、看護職員の定着と潜在看護職員の活用についてでありますが、本県の看護師養成施設卒業生の県内定着率は平成10年度以降低下傾向となり、平成22年度には42.6%となったところでありますが、その後少しずつ回復し、平成25年度には55.8%と、平成10年度に次いで高くなっております。
 看護職員の県内定着に向けた対策としては、看護職員修学資金の貸付枠の拡充や、看護学生を対象とした看護現場体験セミナーの実施、魅力ある病院づくりなど、関係機関と連携した取り組みを進めているところであり、今後とも養成施設等の関係機関と意見交換を行いながら県内定着率の向上に取り組んでまいります。
 また、看護職員の確保のためには、議員御指摘のとおり、潜在看護職員の活用が不可欠であると考えていることから、ナースセンターによる就職支援や病院での臨床実務研修を実施しているところでありますが、今後はハローワーク等とも連携し、潜在化防止や復職促進に向けた取り組みを強化してまいります。
 次に、県立宮古高等看護学院の定員の拡充についてでありますが、同看護学院設置後約20年が経過し、施設が老朽化していることや施設の一部に震災による被害もあったことから、平成25年度から平成27年度にかけて大規模改修を行うとともに、実習施設の整備など教育環境の充実を図ることとしており、この改修とあわせて、被災地における看護職員の確保の観点から、学生の定員拡充についても検討しております。
 同看護学院については、平成20年に同地域の宮古医師会立の看護学校が廃止となり、沿岸部唯一の看護師養成所となっていること、さらには、被災地における深刻な看護師不足の声や地元市町村の要望、県議会での議論を踏まえ、中長期的な視点からも人材確保を図っていくため、今回の施設改修の中で、校舎の構造上、最大限可能である8名を増員し、定員数を32名に拡充する方向で検討を進めております。
 次に、ドクターヘリについてでありますが、運航開始後1年5カ月間の実績を見ると、536回の要請に対し、80%を超える447回出動しており、事案の重複や天候不良等により出動できなかった割合は16.6%と、平成23年度の全国平均17.8%を下回り、順調に運航できているものと評価しております。
 一方で、県北、県南の県境地域からの要請が比較的少ない状況や、出動の要請件数及び事案の重複により出動できない件数が増加する傾向も見られております。
 こうした中で、本年4月から青森県、秋田県との広域連携によるドクターヘリの試行運航を始め、特に県北エリアについては複数機でカバーする体制としているところであり、今後とも、隣県との協議を進めるとともに、関係者で構成するドクターヘリ運航調整会議において運航状況や課題等を詳しく検証、検討しながら、より効果的な運航となるよう努めてまいります。
   〔医療局長佐々木信君登壇〕
〇医療局長(佐々木信君) 県立病院に対する評価等についてでありますが、医療局では、県立病院における医療サービスの現状について把握し、患者中心の医療の提供により一層努めるため、平成16年度以降、毎年度、患者満足度調査を実施しています。その結果によりますと、職員の接遇及び患者や家族への病状説明、いわゆるインフォームドコンセントについて、5段階評価のうち、満足またはやや満足とする割合は年々増加して5割を超え、不満またはやや不満とする割合は6%程度にまで減少しており、患者満足度は総じて向上しているものと捉えております。
 一方、各病院内に設置しております投書箱ふれあいポストにおいては、感謝の言葉が寄せられる反面、接遇や診療内容に対する苦情や要望が依然として見受けられますことから、今後も引き続き職員の意識向上を図りながら、地域の皆様に信頼され、愛される病院づくりに努めてまいります。
   〔国体・障がい者スポーツ大会局長松岡博君登壇〕
〇国体・障がい者スポーツ大会局長(松岡博君) 国体の開催に向けた施設整備の考え方と進捗状況についてでありますが、競技施設の整備に当たっては、既存の施設を最大限活用しながら、国体の施設基準に沿って、競技に参加する選手が安心して競技に臨み、持てる力を十分に発揮できるよう施設の安全確保に万全を期し、国内最高レベルの競技会を開催する会場として必要な整備を進めることとしております。
 このため、毎年度、競技施設整備計画の見直しを行いながら、計画的に改修等の整備を進めてきており、現在、平成26年度以降の整備計画の見直しを進めているほか、必要となる競技用具の種類、数量などの調査を行い、今年度中に競技用具の整備計画を策定することとしています。特にも、今年度においては、市町村、競技団体と連携し、全ての競技施設及び現在ある競技用具について安全性の面から重点的に点検を行い、整備が必要な場合には、それぞれの整備計画に盛り込むこととしているところです。
 施設整備の進捗状況については、現時点で改修を要する施設は、全競技施設68施設中、仮設による整備などを除く37施設となっており、このうち、ラグビー会場の釜石市球技場や北上市の和賀川グリーンパークテニスコートなど五つの施設改修が完了し、現在整備が進められている奥州市の水沢弓道場や花巻市スポーツキャンプ村のサッカーコートなど九つの施設と合わせ、今年度末までに14の施設が改修を終える予定となっています。引き続き市町村と十分に調整を図りながら、国体開催前のリハーサル大会を万全の体制で迎えることができるよう、着実かつできる限り早期の整備に努めてまいります。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、農業における復旧の見通しについてでありますが、農地や用排水路等の農業用施設の復旧につきましては、可能な限り来春の営農に間に合わせられるよう、国と災害査定の早期実施について調整してきた結果、10月15日から行われることとなり、査定を受けた地区から順次復旧工事に着手することになります。なお、営農上、早急な対応が求められる地区等につきましては、災害復旧事業の査定前着工制度を活用し、既に復旧工事に着手しております。
 また、土砂流入等の被害を受けた園芸用ハウスなどの農業施設等につきましては、国の補助事業などを活用し、被災農業者の生産再開の負担の軽減を図ることとしており、市町村と連携しながら早期営農再開を支援してまいります。
 次に、秋サケの水揚げ状況と今後の見通しについてでありますが、秋サケの9月末現在の県内13産地魚市場における水揚げ量は約288トン、金額で1億3、900万円となっており、前年同期と比較いたしますと、水揚げ量が263%、金額が268%となっております。
 今期の見通しにつきましては、県水産技術センターが今期の秋サケの水揚げ量を昨年度実績8、000トンの1.5倍に当たる1万3、000トンと予測しておりますが、本県の秋サケ漁は11月下旬にかけて盛漁期を迎えることから、今後の水揚げ動向を注視してまいります。
 次に、水産業における6次産業化の取り組みの現状と課題についてでありますが、6次産業化は農林水産業者の所得向上や地域活性化につながる重要な取り組みであり、被災した沿岸地域の復興を加速していくためにも、いわて農林水産業6次産業化沿岸復興支援事業などの事業を展開し、水産業の6次産業化の取り組みを積極的に推進しております。
 これまで、漁業者による地元の水産物の首都圏外食チェーンへの直接販売や、漁協が内陸の産直施設内に直営店を設置するなど、6次産業化の取り組みは着実に進展しておりますが、事業が継続して発展していくためには、事業運営や商品開発、販売などの経営ノウハウの一層の蓄積を図っていく必要があると考えております。
 このため、県では、いわて6次産業支援センターによる経営サポートや、加工、流通、販売の専門家の派遣などの支援を行っているところであり、
 今後も、漁業者等による6次産業化の取り組みの定着、拡大を図ってまいります。
   〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) 港湾の利用促進戦略についてでありますが、県内四つの重要港湾の機能分担については、各港の特性を生かしながら、その港湾が担うべき適切な機能を伸ばすことにより、県全体としてのサービス向上など、岩手の港の魅力をさらに高めるとともに効果的、効率的な投資につながることから、重要な課題と認識しております。
 これまで、平成14年度に策定いたしました港湾ビジョンでも機能分担を打ち出しているところでありますが、東日本大震災津波を受けて、復興道路の整備など、本県港湾を取り巻く状況が大きく変化していることを踏まえ、ことし3月に岩手県重要港湾利用促進戦略を策定しております。
 利用促進戦略では、各港の物流機能について見直しを行い、釜石港、大船渡港へのコンテナ貨物の集約、久慈港での船舶関連工業品等の貨物の拡大、宮古港へのカーフェリー航路の誘致検討などに取り組んでいくこととしたところであります。
 今後、物流動向調査を実施して、県内貨物の流れを把握するとともに、関係する市、企業と一体となって、コンテナ貨物などの集荷体制を強化してまいります。
 また、木材や珪石などのバルク貨物についても、工業用地への企業誘致などの取り組みとあわせ、一層の利用拡大に取り組んでまいります。
 なお、新しい港湾ビジョンの策定につきましては、観光交流、海洋レクリエーションなど、ほかの機能の分担も含めて、今後、国、関係市、関係企業等と検討していくこととしております。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、全国学力・学習状況調査についてでありますが、教科に関する調査結果におきましては、小学校、中学校とも、国語は全国平均を上回り、おおむね良好と言える一方で、中学校数学については、全国平均との差が比較的大きく、依然として課題があると考えております。
 これまで、授業の目標を児童生徒に示す、授業の最後に学習内容を振り返るなど、わかる授業に取り組んできたところでございますが、学習状況に関する調査結果において、授業の内容がよくわかると答えた児童生徒の割合が、小学校、中学校国語で全国平均を上回り、課題の中学校数学においても徐々に向上する傾向にあるなど、一定の成果があらわれつつあります。
 しかしながら、依然として課題がありますことから、これまでの取り組みとともに、全国学力・学習状況調査の結果をもとに、児童生徒一人一人の状況について各学校が主体的に分析し、個々の児童生徒の指導に生かすことができるよう取り組むことが大切でありますことから、県といたしまして、具体的な手だてを示したリーフレットを配布するなど、市町村教育委員会と連携しながら、各学校の取り組みを一層支援してまいります。
 次に、児童生徒のネット教育についてでありますが、平成25年度全国学力・学習状況調査の結果によれば、スマートフォンを含んだ携帯電話等について、持っていないと答えた岩手県の小学校6年生は65.5%、中学校3年生は57.2%となっております。また、高校生につきましては、県高等学校長協会が本年8月に実施した調査によりますと、スマートフォンを含んだ携帯電話の所持率は96%となっております。
 次に、携帯端末の利用による弊害と正しい利用に対する教育についてでありますが、児童生徒を取り巻く情報環境は、日々高度化、複雑化しており、いわば情報化の影の部分としてのネット上のいじめの問題や犯罪被害等、さらに、さまざまなメディアや有識者等から指摘されているとおり、利用時間が長時間にわたり、ネット依存に陥って健康を損なうケースも懸念されているところでございます。
 これまでも、情報モラル教育の推進を通じて、教職員や児童生徒の情報リテラシーの向上を図るとともに、保護者や地域への啓発を粘り強く進めてきたところでありますが、今般、県立総合教育センターに体験学習用のスマートフォン等を整備し、児童生徒や教職員等に対して、最新の携帯端末の危険性を体感して理解できる研修を計画しているところでございます。
 次に、キャリア教育についてでありますが、県内の全ての公立小・中・高等学校においてキャリア教育全体計画を作成し、日常の教育活動を含む学校教育全体でキャリア教育の推進に取り組んでいるところであります。
 さらに、東日本大震災津波後においては、いわての復興教育の中で、キャリア教育を大きな柱の一つとして位置づけ、児童生徒が人としてのあり方、みずからの生き方を考え、復興、発展を目指す社会の中で、みずからの役割と責任を果たそうとする態度を養う指導を全ての公立学校において取り組んでいるところでございます。
 また、課題についてでありますが、小・中・高のそれぞれが抱える課題に加え、校種間の接続、いわば小・中・高の校種を越えた連携が挙げられると存じます。このため、平成19年度から24年度には、小中高キャリア教育研究協議会を開催し、小・中・高の担当教員が合同で研修を行いました。
 さらに、昨年度からは、3カ年の計画で、総合教育センターにおいて、いわてのキャリア教育実践講座を開催し、校種を越えた連携について実践事例を学ぶなどの研修を深め、その連携に努めているところでございます。
   〔警察本部長田中俊恵君登壇〕
〇警察本部長(田中俊恵君) 被災した警察署等の移転計画についてでありますが、被災した警察施設につきましては、被災により震災後の警察活動に重大な支障が生じたことを教訓として、津波等の大規模災害が再び発生した場合にも、防災拠点としての機能を十分に発揮できる場所へ移転する計画としております。
 移転の時期につきましては、宮古警察署は、現在用地交渉中であり、今年度内には用地取得を終え、用地取得後は、おおむね3年程度で完成させたいと考えております。
 釜石警察署は、沿岸運転免許センター及び交通機動隊沿岸分駐隊と一体整備の方針ですが、現在、釜石市と協議中であり、具体的な復旧時期をお答えできる段階には至っておりません。
 なお、用地取得後は、宮古警察署と同様に、おおむね3年程度で完成させたいと考えております。
 高田幹部交番は、高田西地区の津波復興拠点整備事業地内に用地を確保しており、完成は平成27年度となる見込みであります。
 次に、身元不明者についてでありますが、一昨年発生しました東日本大震災津波による御遺体につきましては、これまでに4、672人の御遺体を収容し、そのうち4、601人、率にして98.5%の身元が判明しておりますが、いまだ御家族のもとに帰れない身元不明の御遺体については、現在71人でございます。
 県警察では、これらの方々の身元を確認するため、行方不明者の御家族や親族の方から提出していただいたDNA資料の鑑定結果や歯科カルテとの照合、医療関係検査機関などの検体資料とのDNA型鑑定、似顔絵を公開しての情報提供などによって、身元追跡の活動を進めております。
 今後とも、これらの活動を継続しながら、一人でも多く、一日でも早く御遺族に引き渡すべく努力をしてまいりたいと考えております。
〇6番(城内愛彦君) それぞれ答弁ありがとうございます。前向きな答弁をいただきましたので、よろしくお願いします。
 3点について再質問させていただきます。1点目は、先ほど答弁をいただきました3警察署等の移転についてでありますが、まあ、理解はしました。東日本大震災津波では、宮古市だけでも、田老、鍬ケ崎、磯鶏、また、隣の山田町の警察署も被災しました。それぞれの地区で、地域を守る強い味方の交番の復旧が地域の声でありまして、その交番の復旧の見通し、今後のタイムスケジュールについて伺いたいと思います。あわせて、その交番は、今まであった位置は被災をしたので、多分もとの位置には建たないと思いますので、その点について伺いたいと思います。
 2点目は、空室となった応急仮設住宅についてであります。過日の新聞報道によると、復旧に伴う県発注工事の不落が12%と高い数字で推移していました。その不調の要因は、作業員の宿泊施設等がないからということであって、県では、5億円以上の工事については、宿泊施設分も入札に反映させて工事を促進していくというお答えがあったようであります。
 そこで、空いた、宮古市だけでも227ですか、大きい仮設住宅に空き室が出ているということですが、そういった場所に工事関係者の方々の入室ができないのかという点についてであります。これは、もちろん民間で営業でされている方々もありますので、そういった方々に一定の配慮も必要でしょうし、やむを得ず、そういう施設が確保できない場合にこういったものを開放できないものかということをまず伺いたいと思います。
 そして、最後、3点目でありますけれども、国体に向けた施設の中でいろいろと前向きに答弁をいただきました。宮古市で開催予定のセーリング競技の会場でありますリアスハーバーについてであります。
 過日、港湾議員連盟で唐津市に視察に行ったというのは壇上でもお話ししましたけれども、その際に、唐津ではヨットハーバーも見学させていただきました。大きな大会を開くことのできる施設で、我が県のリアスハーバーの比ではありませんでしたが、説明によると、唐津はヨットのまちですと説明してくださった担当の方が言っていましたので、すばらしい施設でありました。
 我が県唯一のリアスハーバーは、ことし、インターハイでも1位、2位を独占するような快挙を上げる選手を輩出しております。ヨット関係者によれば、開催の前年には、準備も兼ねて大きなイベントを経験したい、そういう声がありますが、リアスハーバーの復旧は国体前年のシーズンに間に合うのか、以上3点をお伺いしたいと思います。
〇理事(佐々木和延君) 応急仮設住宅の空き室の活用についてでございますが、応急仮設住宅は、災害救助法の規定によりまして県が設置し、市町村が管理する被災者のための住宅でございまして、被災者でない復旧工事の作業員は、応急仮設住宅を利用することはできないこととされてございます。
 しかしながら、市町村からの払い下げの要望を受けて、応急仮設住宅を用途廃止し、県が市町村に譲渡することは可能でございまして、その上で民間企業の従業員の住居として有効活用することについては、差し支えないものと考えてございます。
 なお、市町村が譲渡を受けた段階で災害救助費の対象外となりますので、維持に必要な借地料とか解体撤去費については、全て譲渡先の市町村の負担ということでございます。
〇県土整備部長(佐藤悟君) リアスハーバー宮古の復旧状況についてでありますが、防波堤などの土木施設につきましては、既に神林北防波堤が完成し、現在、その内側にある係留施設の復旧工事等を進めているところであります。また、建築関係につきましては、管理棟の内装工事やヨットなどを収納する艇庫の外壁工事などを進めております。
 平成28年度の国体はもとより、それに向けた選手の強化活動等にも十分活用されるよう、平成26年度中の完成を目指して工事を進めており、国体開催前年の平成27年度には、施設利用の再開ができるよう取り組んでまいります。
〇警察本部長(田中俊恵君) 東日本大震災の津波により被災した交番は、先ほど御説明いたしました高田幹部交番を含めて5カ所あり、いずれも再建復旧する方針であります。
 これらのうち、高田幹部交番、大槌交番及び山田交番は、震災直後の平成23年4月から6月にかけて仮設庁舎を設置して業務を再開しております。そのほか、大船渡警察署大船渡駅前交番及び宮古警察署港町交番については、警察署を拠点として業務を行っております。
 高田幹部交番のほか、現時点で再建場所が決定しているのは、宮古警察署山田交番で、山田地区の津波復興拠点整備事業地内に用地を確保し、平成28年度の完成を見込んでおります。それ以外の交番につきましては、今なお関係自治体等と調整している段階でございます。
 また、復旧すべき駐在所につきましては10カ所あり、いずれも再建復旧する方針としておりますが、現在は、警察署または最寄りの交番等を拠点として業務を行っております。
 現時点で再建場所が決定しているのは、大船渡警察署気仙駐在所が、陸前高田市気仙町地内に用地を取得予定で、今年度の完成見込み、釜石警察署平田駐在所が、釜石市平田地内に用地を取得予定で、同じく今年度の完成見込みとなっております。それ以外の駐在所につきましては、交番同様、関係自治体等と調整している段階でございます。
 繰り返しになりますが、被災した警察施設につきましては、津波等の大規模災害が再び発生した場合にも、防災拠点としての機能を十分に発揮できる場所へ移転する計画としております。
〇議長(千葉伝君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時46分 散 会

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