平成25年9月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇28番(嵯峨壱朗君) 自由民主クラブの嵯峨壱朗でございます。
 質問に先立ち、7月26日から28日にかけての大雨洪水、8月9日の大雨洪水及び9月16日の台風18号により犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
 まず、知事の県政評価についてお伺いいたします。
 知事は、今まで、県政運営上、一定の政党、政治家に前のめりの姿勢が際立っていたように感じてまいりました。私は、県民利益を第一に考えた場合の知事のそうした姿勢の可否について、常々指摘してまいりました。このたび、政権がかわるなどの諸事情の変化がある中、これまでの知事のそうした姿勢についての知事自身の所感と、今後、知事は、どのような政治姿勢で県政を運営していこうとしているのかをお尋ねしたいと思います。
 また、達増知事は、知事に就任以来、平成20年6月の岩手・宮城内陸地震、平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波、また、近年頻発する地球的規模の温暖化に起因すると思われる大雨洪水など、大災害の対応に追われてきたと思っております。
 そのような大変厳しい状況のもとに、いわて県民計画の第2期アクションプランを策定するとともに、岩手県東日本大震災津波復興計画をも策定しながら、希望郷いわての実現に向けて取り組まれてまいりました。
 また、この9月で知事自身が、知事の任期と公約していた2期目の折り返し地点を迎えたところであります。最後の任期後半を迎えて、今任期前半を振り返り、みずからの県政運営の評価についてお聞かせ願いたいと思います。さらに、任期後半に向けて、どのような点に重点を置いて県政を運営していくつもりなのか、お尋ねいたします。
 二つ目に、岩手県の実質公債費比率についてお尋ねいたします。
 この実質公債費比率は、いわゆる歳出に対する借金の元金を含めた返済の比率でありますが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づくもので、今般、この法律に基づき、平成24年度決算の確定に伴う健全化判断比率の公表が行われたところであります。
 今回公表された本県の健全化判断比率を見ると、実質公債費比率が18.6%となり全国で45番目、昨年より悪化しておりますが、悪いほうから3番目となっております。18%を超えたため、地方債の発行が、総務大臣への協議により可能であったものが、総務大臣の許可が必要となるとともに、公債費に係る負担の適正な管理を行うための公債費負担適正化計画の策定が行われたところでございます。この実質公債費比率における早期健全化基準は25%以上であり、その比率には達していないものの、東日本大震災津波からの復旧、復興をより加速させなければならないこの時期に、多額の公債費の支払いが継続する状況に対し、今後の財政運営や本県財政の健全性に対し大きな不安を感じざるを得ない状況であります。
 そこでお尋ねいたしますが、この実質公債費比率が18%を超えてしまった要因はどのようなところにあるのでしょうか。また、今後、どのような対策を講じ、この実質公債費比率を低下させていくおつもりなのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、東日本大震災津波からの復興についてお尋ねいたします。
 まず、復旧、復興関係経費の執行についてでありますが、復興庁から、去る7月31日に、特別会計の決算概要及び平成24年度復旧、復興関係経費の執行状況について発表されたところでありますが、その中で、特別会計の決算における剰余金が1兆8、700億円、復旧、復興関係経費の不用額が1兆2、240億円に上り、その主なものは、農林水産業施設や災害復旧事業において、まちづくり計画策定のおくれによる地元住民との調整や他事業間の調整に時間を要していることなどの理由となっておりましたが、同様に、岩手県でも恐らく多額に上るかと思われますが、本県における平成24年度の震災対応事業の執行状況及び不用額の主な内容と原因はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、復興の状況についてでありますが、今年第3回目のいわて復興ウオッチャー調査の結果が先般公表されましたが、アンケート調査結果を踏まえ、知事は、現在の復旧、復興の状況をどう捉えているのか、お尋ねしたいと思います。
 アンケート調査結果は、被災者の生活の回復度において、回復した、やや回復したの合計が前回調査を6.9ポイント下回っており、住宅再建への不安や生活環境の格差の拡大を感じるという意見が多くありました。また、防災意識の低下や雨水対策への不安の意見があるなど、さまざまな対策を講じている行政サイドと支援を受けている被災者との間に意識のずれがあると感じておりますが、いかがでしょうか。
 また、調査結果により新たな問題が生じていると思われますが、知事は、復旧、復興に向けて、今現在の最大の課題は何であると認識し、それに対してどのように取り組んでいるのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、復興に関する支援策についてお尋ねいたします。
 復興に関する支援策が来年3月31日までの期限になっているものが多くあると思われますが、そのうち、被災市町村からの要望もある被災者生活再建支援金制度について、県から国に対し、制度の拡充と申請期間の再延長を要望し、1年ごとに延長が認められてきているところでありますが、本年8月31日現在、全被災者5万3、309人のうち、67.6%に当たる3万6、041名が応急仮設住宅等に居住し、いまだに不自由な避難生活を余儀なくされている現状を考慮した場合、自立的住宅再建に向けても、被災者生活再建支援金の申請期限の延長を、単年度ではなく、2年から3年ベースで延長するように国へ要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、県として、被災者の住宅再建を支援する事業にさまざま取り組んでいただいておりますが、そのうち、被災した住宅を補修、耐震化、バリアフリー化及び県産出材を使用した場合に補助する生活再建住宅支援事業及び地域材を基準以上利用した木造住宅に新たに建設、購入する場合に木材利用ポイントが付与される木材利用ポイント事業、この両事業の申請期限が平成25年で終了する予定と聞いております。
 先ほど申し上げましたが、多くの被災者がいまだ応急仮設住宅で避難生活を余儀なくされている。生活、住宅再建のめどが立たない。本日の新聞にも出ておりましたけれども、田野畑の工事ですけれども、あれも中止になりましたが、結局、また延びるということであります。この制度が有効なうちに住宅再建ができない状態が実態だと思っております。そういう意味で、来年度以降の継続方針を早目に打ち出し、被災者を安心させてほしいと考えますが、いかがお考えかお尋ねいたします。
 次に、被災した商工業事業者の多くは、復旧、復興に向けて懸命に取り組んでおりますが、設備は復旧したが販売先の確保ができない、人手が足りないなどの理由により、復興途上にある商工業事業者が多いと聞きますが、県として、そうした事業者に対する支援策はどのように行われているのか、お尋ねいたします。
 また、東日本大震災津波で被災した沿岸部の商店街も多くあり、平成24年度主要施策の成果に関する説明書にも記載されているとおり、被災地域の商店街の復興はおくれている状況にあります。まちづくりの進捗に応じて差が出ていることは承知しておりますが、県として、仮設商店街への支援策をどのように行い、そして、本格的な再開に導くための支援策の状況とその成果はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、県では、被災者の生活の安定を図るため、県内全市町村が、被災者の国民健康保険の一部負担金免除を継続できるよう、市町村に対し財政支援を行っており、その対応を宮城県は3月時点で終了しているのから比較しても、私自身高く評価しているところでありますが、この財政支援もことし12月で終了する予定になっていると聞いております。被災者の現在の生活状態を勘案した場合、被災者の医療及び福祉サービスを受ける機会は引き続き確保されるべきであり、来年1月以降もこの財政支援は継続するべきと考えますがいかがでしょうか、お尋ねいたします。
 また、大雨洪水被害への対応についてお伺いいたしします。
 まず、河川の堆積土砂対策─川底に堆積した土砂の対策でありますが、7月26日から28日及び8月9日の大雨洪水による被害状況について、去る9月11日に県土整備委員会で現地調査を行ってまいりました。その被害は想像以上に甚大でありました。その調査箇所として、一関市東山町の砂鉄川周辺を調査した際、関係者から、復旧や対応策の説明では、今後、河川の堤防をかさ上げして周辺の民家に被害が及ばないようにするとのことでありましたが、私は以前から申し上げておりますが、河川の堆積土砂─川底に堆積した石や土を掘削しなければ、幾ら堤防をかさ上げしても、また同じことを繰り返すのではないかと思うのであります。
 県としても、限られた予算の範囲内で堆積土砂を掘削していると思いますが、この堆積土砂対策における課題と、その解決に向けた取り組みの進捗状況についてお尋ねいたします。
 また、調査箇所として、盛岡市のつなぎ温泉の被害状況の調査もしてまいりました。その際、盛岡市の職員の説明では、被災した中小企業者に対し復旧費の半額を補助する予定であること、また、住家が被災した市民へは、災害救助法に準じ、応急修理の費用などを助成する予定であると説明しておりましたが、国からの制度上の支援策及び県からの支援策はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 また、加えて、盛岡市のみならず、被害のあった他の地域の自治体に対しても、県からの支援が必要と考えますがいかがでしょうか、お尋ねいたします。
 また、激甚災害についてでありますが、政府は、8月9日の豪雨で大きな被害を受けた雫石町と紫波町を局地激甚災害の支援区域に追加指定するとの閣議決定をしました。農林業関係は、既に、いわゆる本激に指定されていますので補助率のアップが決まっておりますが、公共土木施設の場合、今回局地激甚災害の追加指定を受けていない矢巾町にあっては、補助率のアップを受けることができず、町の財政事情から復旧が大変であると、現地視察の際に川村町長も頭を抱えておりました。
 今後、矢巾町が追加で局地激甚指定を受ける可能性があるのか、お尋ねしたいと思います。
 また、市町村合併特例について、市町村の合併により不利益を受ける結果となる場合に、特例により、合併関係市町村が災害の発生した日において、従前のまま、つまり、合併しないままで存続したものと仮定して、合併前の市町村ごとに激甚指定の可否を判断することを可能としたものであり、5年以内に生じた災害に適用されるものでありますが、合併によるデメリットなどと指摘されないためにも、財政基盤の脆弱な市町村にあっては、特例期間を延長するなど国において制度改正の見込みはないのか、お伺いしたいと思います。
 次に、災害時の情報伝達についてでありますが、9月16日の台風18号による大雨で松川が氾濫した盛岡市玉山区では、市の避難勧告の発令がおくれ、下田地区の住民が住家に孤立するという事態が発生し、知事も9月19日に現地を視察した際、地域の住民から情報伝達の改善を迫られたと聞いております。
 災害時の情報伝達については、東日本大震災津波からの教訓により、早急な改善が必要な最重要課題と思われますが、県として、災害時の情報伝達について市町村をどのように指導し、また、市町村との連携に関しどのような改善を図っているのか、お尋ねしたいと思います。
 5番目に、防災意識の高揚についてお伺いいたします。
 今年度の県民意識調査において、ふだんから災害に備え準備していると回答した人の割合は、前年度56.4%から14.4ポイント減少し42%となっており、東日本大震災津波の経験から、県民の防災意識は高まったものとして認識しておりましたが、時間の経過とともに、防災意識が低下したのではないかと懸念されるところであります。大災害からかけがえのない命を救うためには、日ごろから防災意識を高め、みずからの身はみずからが守る意識を持つことが重要であり、これが前提としながらも、今こそ、学校教育との連携、若年層への意識の定着、そして自主防災組織を通じた地道な活動が必要と考えますが、県としてどのようにして防災意識の高揚を図ろうとしているのか、お尋ねしたいと思います。
 6番目に、水産業の状況についてお伺いいたします。
 まず、産地魚市場の水揚げ状況についてでありますが、大震災津波で久慈、宮古など、県内魚市場の全てが被災し、水揚げ機能が停止いたしました。発災直後から官民を挙げた仮復旧やその後の本格復旧などにより、現在は全13魚市場の水揚げ体制が整ったと聞いており、関係者の御尽力に敬意を表するものであります。
 漁船の復旧も進み、漁港の水揚げ岸壁も徐々に復旧してきており、産地魚市場の水揚げ量も回復してきていると思いますが、震災前と比べて現在の水揚げ状況はどうなっているのか。特に、サバやイカなどの大量の漁獲を誇っている水揚げ状況はどうなっているのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
 次に、何といっても本県の基幹魚種である秋サケについてでありますが、サケの水揚げ量は震災前の平成22年度から1万7、000トンと低迷し、平成23年度、平成24年度はいずれも8、000トン程度とさらに減少している状況にあります。
 サケの資源造成を担うふ化場も震災により多くが被災し、関係者が一体となって復旧を進めてきたと承知しておりますが、サケの水揚げ量の減少に伴い、河川へ遡上する親魚が不足していると聞いております。このため、放流するサケの稚魚を生産するための種卵が確保できず、震災前の4億4、000万尾から昨年は3億1、000万尾と、震災後の平成24年、平成25年春のサケの稚魚の放流数は、震災前の放流数を大幅に下回っております。本年は3億8、600万尾を確保すべく全力を尽くすという増殖組合の話を伺っておりますが、県水産技術センターが発表した平成25年度の秋サケ来遊予測では、回帰重量は昨年を上回る1万3、000トンとしておりますけれども、決して喜べる数字ではありません。
 このような厳しい状況が見込まれる中、サケの種卵確保にどのように取り組もうとしているのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、本県のいそ根資源として重要なウニ、アワビについて、これは漁業者の重要な収入源となっておりますが、特にもウニは、震災により浜辺に打ち上げられたり漁場から流失したと聞いており、資源の減少を懸念しているところであります。
 一方で、ウニ漁に使用する小さな漁船がおおむね確保できたことから、今期は全漁協でウニの採取が行われ、前年の約3倍の水揚げがあったとの明るい報道がありました。ウニやアワビについては、漁業者が種苗、いわゆる稚貝の放流により計画的に資源を造成し、漁獲してきた歴史があると承知しております。今回の震災により、県内の種苗生産施設は全て被災、生産機能が停止し、種苗放流が行えない状況となったことは、つくり育てる漁業の根幹にかかわる一大事でございます。早期に種苗生産と放流を再開する必要があると考えますが、ウニ、アワビの種苗生産施設の復旧状況と、今後の放流見込みについてお尋ねいたします。
 次に、アワビ密漁監視対策についてでありますが、来月にはアワビ漁が始まります。漁業者の期待は大きいものと思いますが、そのような中、先般、普代村でアワビ密漁グループが逮捕されたとの報道がありました。アワビは、官民挙げてその種苗放流に取り組んできており、密漁は、漁業者がこれから復興していこうとする気持ちを打ち砕く犯罪であり、非常に残念な行為であります。
 岩手県は海岸線が長く、アワビの好漁場が多く日本一の生産地であり、組織的な密漁者に狙われやすいのではないかと思っております。例えば、県北、県央、県南と区域を分けて、漁業取締船を3そう体制として監視を強化すべきではないかと考えております。
 そこでお尋ねいたします。県では、アワビの密漁監視にどのような対策を講じているのか、お尋ねいたします。
 7番目に、放射性物質の影響による農林水産物の風評被害についてお尋ねいたします。
 原発事故に伴う農林水産物の放射性物質対策については、県、市町村等が入念に検査に取り組み、その安全性について県内外に発信しているところであり、シイタケを初め一部の農林水産物において、いまだに買い控えなどの風評被害があると聞いております。シイタケ、畜産物などの価格の状況を含めて風評被害の現状をお示し願うとともに、県としてどのような対策に取り組んでいるのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、県北・沿岸地域への観光客の来訪機会の拡大、交流人口の増加についてお尋ねいたします。
 NHKの連続ドラマ小説あまちゃんの効果により、久慈市周辺は、この夏、多くの観光客でにぎわいを見せ、まめぶ汁やウニ丼などの土産品の販売も好調で、まちは活気に満ちあふれております。
 私は、最初のころは、この地域にとっては千年に一度の出来事だと話しておりましたが、最近では、久慈の琥珀と同じように8、500万年に一度、有史以来の事件だと話しております。知事初め、県当局のさまざまな支援に心から感謝するところであります。しかしながら、県内の他の観光先進地に比して、マイナスからやっとゼロにたどり着いた、やっとスタートラインについたものと考えております。いずれ、この千載一遇のチャンスを捉え、この多くの観光客をもてなすためにも、観光地や商店街では雇用もふやすなどしてぎりぎりの対応をしておりますが、あまちゃんの放送も9月をもって終了したため、今後、あまちゃん効果を長く持続させ、いかに県北・沿岸地域に観光客を呼び込むかが大きな問題であると認識しております。
 県は、今回の9月補正予算において、あまちゃんで注目を浴びている県北・沿岸地域への来訪機会の拡大を図るために事業の提案をしておりますが、具体的にどのような方策で県北・沿岸地域への観光客を呼び込もうとしているのか、お尋ねいたします。
 次に、橋野高炉跡を含む産業革命遺産についてお尋ねいたします。
 去る9月20日、政府において、釜石市の橋野高炉跡を含む明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域を、本年度、ユネスコの世界文化遺産へ推薦することを決定しました。
 私も7月下旬に橋野高炉跡を県土整備委員会の調査で訪れてまいりましたが、鉄鉱石を使った西洋式の溶鉱炉技術の導入に成功した証拠を示す三つの高炉跡のほか、鉄鉱石の採掘場跡、運搬路跡などの関連施設が面影を残しながら存在しておりました。橋野高炉は、西南雄藩を中心とした西洋技術の導入と強いつながりを持ちながら、後の八幡製鉄所の完成に至る近代製鉄の流れの発端となったものであり、その価値は、我が国を初め、アジアを見ても顕著な普遍的価値があるものと実感しているところであります。
 釜石市においては、橋野高炉跡に訪れる調査団や見学者に対し、職員が懇切丁寧な説明をし、その姿に並々ならぬ意欲を感じたところであり、世界遺産への登録は、東日本大震災津波による被災地への大きな励ましになると思いますが、県として、登録に向けてどのような取り組みをしていくのか、お尋ねしたいと思います。
 次に、再生可能エネルギーについてお尋ねします。
 県は、風力発電や地熱発電施設の設置拡大を目指し、東日本大震災復興特別区域法に基づく再生可能エネルギーの特例を国に提案したということでありますが、具体的な提案内容をお示し願いたいと思います。
 また、本県の再生可能エネルギー計画についてでありますが、県内における電力の需要を全て再生可能エネルギーで賄うことは困難と聞いておりますが、県としては、どのレベルまで再生可能エネルギーの供給水準を高めようと計画しているのか、その実現性はいかがなものかお尋ねしたいと思います。
 次に、県として発電事業を行っている企業局では、水力発電を中心とした再生可能エネルギーによる電力供給を行っており、昨年度、一戸町における風力発電事業、北上市における太陽光発電事業を発表しましたが、それらの進捗状況はいかがでしょうか。また、次の新規開発について、沿岸部への事業展開を含めどのような計画を立てているのかお尋ねしたいと思います。
 また、国では電力システム改革に取り組んでおり、今度の国会で再び電気事業法の改正案が提出されると報道されておりますが、企業局の事業計画を進める上で、電力システム改革がどのような影響を及ぼすと考え、どう対応しようとしているのかお尋ねいたします。
 次に、教育行政についてお尋ねします。
 不登校児童生徒、別室登校児童生徒に関する問題は年々深刻さを増しております。3月の予算特別委員会でも多くの議員の皆様方から指摘があったところであります。
 そこで教育長にお尋ねします。不登校児童生徒の実態はどうなっているのでしょうか。そして、その原因についてどう捉えているのかお尋ねしたいと思います。また、別室登校児童生徒の実態はどうなっているのでしょうか。そして、県としての支援策はどのようになっているのかお尋ねしたいと思います。加えて、教室に通っている児童生徒と別室登校児童生徒とでは、進路を考えた場合、どのような問題があるのか、どのような差があるのかお示し願いたいと思います。
 次に、岩手県立大学の地域社会への貢献についてお尋ねいたします。
 岩手県立大学は、大学の基本方向の一つに地域社会への貢献を掲げており、その中で、地域社会と密接に連携し、教育・研究の成果を広く還元する地域社会に貢献する大学を目指すとしております。社会における実践的対応能力を身につけるため調査や研究を行っている姿は我々にも見えますが、その調査や研究を行った成果を広く社会に還元している姿が見えてまいりません。岩手県立大学として、どのような形で成果を社会に還元しているのでしょうか、その実態をお示し願いたいと思います。
 また、被災地には多くの大学がさまざまな形で学生が現地に入り活動を行っておりますが、岩手県立大学としてはどのような支援活動を行っているのかあわせてお尋ねしたいと思います。
 最後になりますが、本県の大学進学率についてお伺いいたします。
 大学等の進学率について、文部科学省の学校基本調査の速報版には2013年春の全国都道府県の大学等進学率が掲載されております。大学等進学率の全国平均は53%でありますが、本県の大学進学率は全国45位の40.4%であり、東京都の65.2%と比較しますと、東京都では10人に6.5人が大学に進んでおりますが、本県では10人に4人の大学等進学率となっており、大きな格差が生じております。大学に進学するのが全てではありませんが、こうした状況を、人材育成という観点から知事はどのような所感を持って認識しておられるかお伺いしたいと思います。
 あるインターネットの調査によりますと─ある大学の先生の調査でありますが、岩手県は全国最下位だという指摘もあります。沖縄より下ということは、経済的要因が全てであるとは思っていない、そういったことだと思っております。いずれ本県の大学進学率の低い要因はいろいろあると思われますが、教育委員会としてはどのように分析しているのかお尋ねしたいと思います。
 以上をもちまして私の質問を終わりますが、答弁内容によっては再質問させていただきます。御清聴まことにありがとうございます。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 嵯峨壱朗議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、政治姿勢についてのお尋ねでありますが、私は、民主党による政権交代という流れの中で、地方切り捨て、弱者切り捨てではない、生活本位の格差の是正や地方から経済や暮らしがよくなっていくような政策を推進する政治の実現に自分にできることがあればと関与してまいりましたが、現在は当時と同じような形で政治に関与する環境にはないと考えます。
 一方、東日本大震災津波の発生以来、オール岩手、オールジャパンの姿勢で震災対策と復興に取り組んできたところであり、今後についても、自分としては復興を最優先とし、また、各政党及び無所属の方々に対しましては、県政の最重要課題である復興をオール岩手で進められるよう、引き続き協力を求めてまいりたいと考えております。
 次に、県政評価についてでありますが、2期目の任期前半は東日本大震災津波からの復興を最優先に進めてきたところであり、災害廃棄物の処理などの安全の確保、災害公営住宅の建設などの暮らしの再建、魚市場の再開などのなりわいの再生について、県内外の御支援をいただきながら基盤復興期間の取り組みを着実に進めてまいりました。こうした中、国際リニアコライダーの国内候補地として北上山地が決定されたほか、希望郷いわて国体の開催決定や、いわてデスティネーションキャンペーンによる観光振興、NHKの連続テレビ小説あまちゃんと連動した地域振興など、本県の将来にも希望の光が広がっていると考えております。
 任期後半については、第2期復興実施計画を策定し、これをスタートさせ、復興道路などの整備促進や災害公営住宅の早期完成、漁業と流通、加工業の一体的な再生など、本格復興に向けた取り組みを進めてまいります。
 ILCの建設実現に向けては、関係機関と連携しながらあらゆる取り組みを進めるとともに、復興の象徴である希望郷いわて国体の成功に向けた準備を着実に進めてまいります。
 また、県民みんなで支える岩手の地域医療推進運動により県民総参加型の地域医療体制づくりを進めるとともに、本県に豊富に賦存する地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。
 平泉の文化遺産については、世界遺産としてその普遍的価値を県内外を初め世界に広めていく取り組みを進めるとともに、あまちゃんの番組終了後も、放送をきっかけとしたさまざまなつながりを発展させることなどにより、復興の推進や岩手の地域振興に役立てていきたいと考えております。
 次に、公債費負担適正化計画についてでありますが、実質公債費比率が18%を超えた要因は、バブル経済の崩壊に対応するため、国とともに道路や河川などの公共投資を中心とした経済対策を行ってきたこと、毎年度の地方財政対策において生ずる地方財源不足に対応するため、財源対策債を継続的に発行してきたこと、県立大学や東北新幹線延伸、いわて県民情報交流センターの建設など、本県の教育環境や社会インフラの充実のための公共施設の整備に積極的に取り組んだことなどによりこれまで多額の県債を発行してきており、現在、その償還がピークを迎えていることが大きな要因となっています。
 実質公債費比率は、公債費が平成26年度、平成27年度にピークを迎えるため、今後、平成28年度までは上昇する見通しでありますが、公債費負担適正化計画に基づいて、徹底した歳出の見直しを初め、東日本大震災津波からの復旧、復興に支障の出ない範囲での総人件費の抑制や新たな歳入の確保に努めるとともに、臨時財政対策債を除いた県が管理可能な県債の発行額は平成25年度規模を維持または抑制することにより、平成32年度までに18%未満とすることを目指してまいります。
 次に、復興の状況及び課題についてでありますが、第1期復興実施計画の進捗状況については、まちづくり事業など一部におくれがありますが、全体として8割以上が順調に推移しており、事業の展開に当たっては、復興整備計画の策定による諸手続のワンストップ化や復興道路の即年着工のほか、一部事業の目標を上方修正するなど復興の加速化を図っています。
 このように復興実施計画に沿って取り組みを推進しておりますが、いわて復興ウォッチャー調査結果の推移を見ますと、生活の回復と地域経済の回復については昨年11月の調査以来横ばい傾向となっており、また、安全のまちづくりに対する実感についても、多くの方々が達成を実感できない状況にあります。このことは、恒久的な住まいへの移転や防潮堤の整備など、被災者の方々の期待に比べて事業の進捗が十分に見える形で進んでおらず、復興の歩みが十分実感できないことなども要因となっているものと考えられます。
 今後におきまして、被災地においてニーズが高い住宅の再建支援、災害公営住宅の早期完成による住まいの確保などの取り組みを迅速に進めるためには、専門的な人材の確保や被災地のニーズにきめ細かに対応することができる財源の確保、そして早急な事業用地の確保が大きな課題となっています。特に事業用地の確保については、現在、国の住宅再建・復興まちづくりの加速化措置によりまして財産管理人制度の円滑な活用や土地収用手続の効率化など一定の措置が講じられ、県もこれらの措置を積極的に活用しているところでありますが、市町村では、相続未処理地や多数共有地が相当数見込まれますことから、被災者の生活再建のおくれも懸念されるところであります。
 今後、県、市町村ともに事業用地の取得が本格化し、これらの難航案件が相当数見込まれ、それに伴い膨大な事務手続が必要になるなど、迅速な復興の障害となるものと考えられます。このため、早期に取得することが困難な事業用地については、地方公共団体による円滑かつ迅速な取得を可能とする大震災復興特例とも言える措置を講ずるよう、被災市町村と連携を図りながら、引き続き国に強く要望してまいります。
 次に、国民健康保険の一部負担金免除についてでありますが、被災者がいまだ応急仮設住宅等で不自由な生活を余儀なくされている状況の中、被災地においては健康不安等の声があり、医療を受ける機会の確保に努める必要がありますことから、平成25年12月まで一部負担金の免除が実施されるよう、市町村に対して財政支援を行っております。平成26年1月以降についても、後期高齢者医療制度、介護保険及び障がい福祉サービスの一部負担金等を含め、県内統一した財政支援の継続の必要性について市町村の意向も伺いながら検討しているところであり、その際、被災者の生活の状況を十分に考慮する必要があると考えております。
 次に、県北・沿岸地域への来訪機会の拡大についてでありますが、連続テレビ小説あまちゃんの放送により、ロケ地である久慈地域を初め本県への誘客に大きな効果がありましたほか、北限の海女、まめぶ、こはくなどの特徴ある地域資源や暮らし、風土が全国に強力に発信され、地域資源を活用した地域づくりの大切さを改めて認識する機会となったところであり、テレビドラマ放送終了後もその効果を持続させていくことが重要であります。このため、9月補正予算においては、テレビドラマの話題性を生かし、首都圏等でのあまちゃんと岩手を絡めた情報発信の強化や、地域におけるあまちゃんに関連した誘客イベントの実施、三陸ジオパークや三陸鉄道など、県北・沿岸地域のすぐれた素材とロケ地を組み合わせた内陸から沿岸への観光周遊ルートの構築などの事業を盛り込んでいるところであります。今後とも、魅力ある観光地づくりに向けた地域の取り組みと連動し、あまちゃんの効果を最大限に生かしながら、継続的な観光客の誘致に積極的に取り組んでまいります。
 次に、橋野高炉跡を含む産業革命遺産についてでありますが、釜石市の橋野高炉跡を含む明治日本の産業革命遺産の世界遺産への推薦については、復興に向けた地元の底力とさまざまな地域とのつながりの力を高めることに役立つものと考えます。まずは平成26年2月までのユネスコへの推薦書提出に万全を期すとともに、来年度実施されるイコモスの現地調査にしっかりと対応していく必要があると認識しております。また、資産の管理、保全に対する専門的な助言など、引き続き登録に向けた支援を行うとともに、釜石市、登録推進協議会事務局を担当する鹿児島県を初めとする関係自治体、そして国と連携を図りながら、平成27年の登録が確実になるよう準備を進めてまいります。さらに、シンポジウムの開催など、資産価値の情報発信に努めてまいります。
 次に、本県の大学等進学率についてでありますが、文部科学省で行っています平成25年度学校基本調査におきましては、本県における大学等進学率が全国と比べても低い状況にあると認識しており、学校における進路指導で大切なことは、生徒本人と保護者の希望に沿った進路を実現することであると考えております。進路指導に当たっては、大学に関する情報などを提供して生徒が多様な進路を選択できるようにするとともに、県としても、大学への進学を希望する生徒に対して、いわて進学支援ネットワーク事業を実施するなど、支援に努めているところであります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔総務部長小田島智弥君登壇〕
〇総務部長(小田島智弥君) まず、平成24年度の震災対応事業の執行状況についてでありますが、平成24年度の震災対応分の最終予算額は7、117億円であり、執行額は4、544億円であります。また、震災対応分の予算における不用額は、最終予算額から翌年度への繰り越しを控除した633億円となっています。
 不用額が発生した主な事業は、漁港災害復旧事業費253億円、共同利用漁船等復旧支援対策事業費11億円、水産業経営基盤復旧支援事業費80億円、漁港機能復旧事業費68億円などであり、入札不調により事業執行が困難となったことや事業主体が実施を取り下げたことなど、他事業との調整の時間を要したことなどが不用額が発生している主な要因となっています。
 次に、激甚災害指定における市町村合併特例についてでありますが、内閣府によれば、特例期間の延長に係る議論はなされていないが、近年、過疎地域など財政規模の小さな市町村を中心に、局地的ではあるものの、当該市町村にとっては甚大な被害が発生していることに対処するため、平成23年1月に局地激甚災害指定基準の見直しが行われたものと伺っております。
 次に、災害時の情報伝達についてでありますが、県地域防災計画では、市町村が避難勧告等を発令した場合には、防災行政無線等による直接の広報、テレビ、ラジオなどにより直ちに住民等に周知を行うよう定めるとともに、発災後の時間経過や被害の拡大の状況等も考慮しながら、各種の広報手段を活用し、災害広報を行うよう定めております。また、災害対策基本法の趣旨を踏まえ、市町村向けの会議等の場で情報の伝達手段の多様化を図るよう周知してまいりました。
 しかしながら、今般の台風18号による大雨に際しては、こうした住民等への情報提供や避難勧告等の発令の判断の基礎となる河川の水位情報の把握体制に課題があったものと認識しており、改めて県と市町村との災害情報等の共有といったことも含め、早急に大雨洪水を初めとした災害情報の収集、伝達に係る課題への対応策を検討し、防災体制の強化に努めてまいります。
 次に、防災意識の高揚についてでありますが、平成25年の県民意識調査結果を分析したところ、沿岸部を除いた地域、特に県北地域の水準が低く、また、若い世代や高齢者の水準が低い傾向にあります。県では、これまでも県民の防災意識の高揚に向けて普及啓発活動や自主防災組織の育成強化などに取り組んできたところでありますが、今年度におきましては、防災知識の普及啓発を担う地域防災サポーター登録制度の創設、運用や、県教育委員会と連携した新しい防災教育教材の作成、さらには、防災訓練やイベント等の機会を活用した家庭や事業所での備蓄品の展示などに取り組んでいるところであります。
 県としては、今後ともこうした取り組みを市町村を初め関係機関と連携しながら継続的に実施し、県民の防災意識の高まりを低下させないように努めてまいります。
 次に、岩手県立大学の地域社会への貢献についてでありますが、県立大学では、地域の活力創出に貢献する大学を目指し、平成23年4月にいわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンターを設置し、次世代自動車に係る技術の研究開発やものづくりとソフトウエアの知識を有する高度技術者養成を図るとともに、地域政策研究センターにおいて、自治体等から提案されたさまざまな地域課題への研究に取り組んだところであります。また、復興支援活動については、平成23年4月に災害復興支援センターを設置し、被災地に教職員や学生ボランティアを派遣するとともに、さまざまな震災復興研究を通じて復興支援に取り組んでおります。
 県立大学では、例えば本年9月に一般県民を対象に復興支援を初めとする全学の研究成果発表会を開催したところでありますが、今後もこのような取り組みなどを通じて、県民ニーズを踏まえながら地域社会に貢献するように努めることとしております。
   〔理事佐々木和延君登壇〕
〇理事(佐々木和延君) まず、行政と被災者との認識のずれについてでありますが、これまで県では、復興実施計画に基づき、住宅の整備や産業の基盤復旧、被災企業の事業再開支援など、被災者の生活の安定や雇用の維持、創出のための取り組みを着実に実施しているところであります。その間、生活の回復については、災害公営住宅の整備が進み、新たな住まいでの暮らしの再建に取り組む被災者の方々が徐々にふえてくる一方、いまだ応急仮設住宅での生活を余儀なくされ、将来の見通しが立っておらず、不安を抱いている方も多くおられる状況にあるものと認識しております。また、地域経済の回復についても、水産業の施設、設備の復旧が進み、水揚げにも一定の回復が見られる一方で、いまだ仮設店舗での営業を余儀なくされ、本格的な再建のめどを立てることができない事業者も多いなど、それぞれの再建の進度に違いが生じてきており、復興ウォッチャー調査においてもさまざまな意見が寄せられているところであります。
 県としては、引き続き現地において被災者の声を丹念にお聞きしながら、被災者の皆様に寄り添い、復興を実感していただけるよう取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 次に、復興に関する支援策についてでありますが、被災者生活再建支援金のうち、被災直後の当面の生活再建に充てられる基礎支援金につきましては、平成25年8月末現在、既に90%以上の方が申請を行っているところであり、必要に応じて申請期間の延長を行うこととしております。
 一方で、住宅の建設など、本格的な生活再建に充てられる加算支援金については、申請期間内に再建が間に合わないとの不安を持つ被災者が多いため、国に対し、数年間一括しての延長を認めるよう要望した結果、平成24年2月に、加算金に係る申請期間を4年間延長し、現在、平成30年4月10日まで申請が可能となっているところであります。
 今後、面整備や災害公営住宅の整備の進捗状況等を総合的に勘案し、複数年にわたる再延長についても国に要望してまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長佐藤悟君登壇〕
〇県土整備部長(佐藤悟君) 住宅再建への支援策についてでありますが、被災した住宅の補修、改修に係る生活再建住宅支援事業は、補修、耐震化、バリアフリー化、県産出材使用に対する補助を平成25年末までの事業期間としておりますが、被災者の住宅再建の進捗を踏まえながら、事業期間の延伸の検討が必要と考えております。
 なお、事業延伸は来年度当初予算編成の中で具体的に検討されていくものと考えており、継続が決定次第できる限り早く被災者の皆様方にお知らせしたいと考えております。
 木材利用ポイント事業は、地域材による木材住宅の建築や内装の木質化などを促進するため、国が行っている取り組みであります。平成25年度の単年度事業となっておりますが、県としては、本県の林業の活性化や大震災津波からの復興に資することから、6月の政府予算要望などにおいて、来年度以降も継続するよう国に要望しております。
 次に、河川の堆積土砂対策についてですが、河川の土砂堆積は、大雨などのときに山腹や上流河岸等で崩れた土砂が河川に流入し、流れが比較的緩やかとなる区間に堆積するもので、これが進行することにより河床が高くなり、川沿いの田畑や宅地等への浸水の危険性が増すことがあります。
 堆積土砂対策に取り組む上では、堆積状況が大雨による洪水のたびに変化することから現状把握が難しいことや、掘削する場合の濁水対策等環境への配慮、掘削土砂の運搬先の確保、堆積場所によっては所有者不明や境界未定の民有地となっているなどの課題があります。これに対して、まず、現状把握のために定期的なパトロールを行っております。これに加えまして、地元要望などの情報を参考にするとともに、洪水後の現地調査などを行っているところであります。また、河道掘削などに必要な維持修繕の予算を措置し、緊急性の高いところから順次掘削を行っており、その際には、動植物の専門家や漁協等より助言をいただきながら掘削する範囲や期間に配慮するほか、掘削土砂を震災の復旧、復興等の公共事業資材へ有効活用するなど、取り組んでいるところであります。
 所有者不明の民有地等での掘削の手だてについても、あわせて検討を進めております。
 今後とも、沿川の土地利用状況や今次の大雨氾濫状況を踏まえながら、限られた予算の中で、より効果的な対策を行ってまいります。
 次に、局地激甚災害の指定についてでありますが、局地激甚災害は、年度末に、当該市町村の当該災害に係る公共土木施設災害復旧事業等の査定事業費と当該年度の標準税収を勘案し、内閣府で決定するものであります。
 矢巾町につきましては、10月15日から11月1日に予定しております災害査定で決定される査定事業費をもとに、内閣府が年度末に検討することとなっておりますことから、現時点で可能性をお示しすることは難しい状況であります。
 なお、雫石町、紫波町につきましては、被害報告額から算出される査定見込み額が局地激甚災害指定基準の2倍を超える災害として早期局地激甚災害の指定基準を満たしており、内閣府が9月6日に指定したところであります。
   〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、被災した商工業事業者の復興についてでありますが、グループ補助金などを活用し事業を再開した中小企業者が抱える経営課題の解決を支援するため、商工団体を通じて専門家を派遣しているほか、特に課題として挙げられる売り上げの減少に対しては、商談会の開催や専門家による商品開発指導などにより取引拡大を支援しており、また、雇用の確保に対しては、ハローワークなどと連携した企業見学会や面接会の開催などにより、企業と求職者とのマッチング支援に取り組んでいるところです。
 仮設商店街の支援については、専門家を派遣して販売促進活動などの個店指導を行うほか、仮設商店街の案内看板、共同倉庫等の整備や各種イベント活動の助成を通じて、にぎわいの創出に取り組んでいるところです。
 本格的な再開に向けてグループ補助金を活用して、新たな商店街や共同店舗を整備しようとする商業者グループには、必要に応じて職員や専門家を派遣しながら、共同計画の策定支援を行っているところです。
 これらの支援を通じて、商業者のグループ補助金は15グループ、360事業者が採択されており、そのうち161事業者が既に再開を果たしております。
 次に、中小企業者への支援についてでありますが、今回の大雨洪水災害については、国は、日本政策金融公庫等が、被災した事業者に通常の貸付限度額と別枠で貸し付ける制度を適用したところです。県としても、被災した中小企業者を対象とした長期、低利で、県が保証料を補給する中小企業災害復旧資金の取り扱いを開始できるよう、補正予算に盛り込んだところです。
 さらには、盛岡市が行うつなぎ温泉の宿泊業者等の施設の復旧補助や風評被害対策に要する経費を支援するため、特定被災地域復旧緊急支援交付金を補正予算に盛り込んだところでございます。
 中小企業災害復旧資金は盛岡市に限定した取り扱いではなく、このたびの大雨洪水災害により被災した中小企業者を対象とする予定であり、特定被災地域復旧緊急支援交付金については、つなぎ温泉と同様に、甚大な被害を受けた鶯宿温泉を有する雫石町も対象とする予定でございます。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、産地魚市場の水揚げ状況についてでありますが、9月末現在の県内13産地魚市場における水揚げ量は全体で約6万7、000トン、金額は約85億円となっており、震災前の3カ年平均と比較いたしますと、水揚げ量で74%、金額で85%となっております。
 サバにつきましては、水揚げ量が約1万トン、金額が約8億円となっており、震災前の3カ年平均の、水揚げ量で68%、金額で74%、また、イカにつきましては、水揚げ量が約4、000トン、金額で約10億円となっており、震災前の3カ年平均の、水揚げ量で52%、金額で73%となっております。
 水揚げ量が例年を下回っている理由について、国の研究機関は、サバ、イカの資源量が少なくなっていること、また、イカの漁場が例年より遠方にあることなどを挙げておりますが、今後、岩手県沖に漁場が形成され、県内産地魚市場への水揚げ量が増加することを期待しております。
 次に、サケの種卵確保についてでありますが、秋サケ水揚げ量は2年連続で1万トンを下回っており、当面、サケの資源が低水準で推移し、採卵用親魚が不足すると見込まれることから、秋サケの資源回復に向けまして種卵の確保は極めて重要と認識しております。このため、県では、業界団体と協議を重ね、目標とする来春の稚魚放流数を確保するため、今期の対策として、まずは河川に遡上した雌親魚からの最大限の採卵を基本とすること。次に、全県的に種卵が不足した場合には、定置網に入網した秋サケをふ化場に搬送し、池で成熟まで蓄養の上採卵すること。さらには、定置網の垣網を2割短縮することにより親魚の河川遡上を促進し、採卵の確保に取り組むこととしております。9月末現在の種卵確保数は採卵計画どおり1、500万粒の実績となっており、引き続き、関係者とともに確実な種卵の確保に努めてまいります。
 次に、ウニ、アワビの種苗放流についてでありますが、ウニの種苗生産施設である県水産技術センター種市研究室は本年3月に復旧しており、来年度には、震災前と同程度の250万個の種苗を供給することとしております。
 また、アワビの種苗生産施設につきましては、現在、復旧を予定しております4施設のうち、広田湾漁協が本年7月に、県水産技術センター大船渡研究室が9月に復旧済みであり、重茂及び田老町漁協は、本年12月中に復旧予定となっております。これらのアワビ種苗生産施設の再開により、平成27年には、震災前を上回る890万個の放流体制が整うことになります。
 今後とも、種苗放流を基本とした震災からのウニ、アワビの資源の早期回復に、関係者とともに取り組んでまいります。
 次に、アワビの密漁監視対策についてでありますが、県は、漁協や県警、さらに海上保安庁と連携して、全県海域の密漁監視と取り締まりに努めており、特にも、アワビの漁期前には、久慈市に漁業取締事務所の臨時事務所を開設し、県北地域の監視体制の強化を図っております。
 また、密漁船の高速化に対応した取り締まり体制の整備を図るため、漁業取締船はやちねの後継船として、全国トップクラスの最高速力を持つ漁業取締船を来年9月に竣工させる予定であり、引き続き、アワビを初めとする種苗放流の成果が生産に結びつくよう取り組んでまいります。
 次に、農林水産物の風評被害の現状と対策についてでありますが、風評被害の現状について、牛肉では、出荷再開後に、枝肉価格が対前年比で3割程度下落いたしましたが、徐々に回復し、ことし8月には、原発事故前の水準に戻ってきております。
 一方、原木干しシイタケでは、現在も原発事故前の2割台の水準で低迷しており、風評被害が続いているものと認識しております。このため、県では、鉄道広告や生活情報誌等を活用した安全性確保の取り組みや、生産者が一生懸命に生産に取り組んでいる姿の発信、首都圏の料理人などを招いての産地見学会や商談会の開催、また、生産者団体等が消費者に直接PRする取り組みへの支援など、風評被害対策を進めております。
 今後も、安心・安全に対する岩手の姿勢を積極的にアピールし、県産農林水産物に対する信頼を取り戻していきたいと考えております。
   〔環境生活部長風早正毅君登壇〕
〇環境生活部長(風早正毅君) 再生可能エネルギーの特例についてでありますが、県では、東日本大震災津波の教訓を踏まえ、再生可能エネルギー導入による電力自給率の向上や、災害時にも対応できる自立・分散型エネルギー供給体制の構築に取り組んでいるところであり、平成24年3月に設置いたしました岩手県再生可能エネルギー復興推進協議会における検討を踏まえて、本年9月6日に、国に対して新たな規制の特例措置について提案を行ったところであります。
 具体的には、本県の賦存量が全国の中でも優位にあり、かつ、地理的条件により、導入適地が限られる風力及び地熱を有効活用した自立・分散型エネルギー供給体制の構築を円滑に進めるため、優良農地の確保に支障を生じないことを前提に、農用地区域内農地や第1種農地に関する農地転用の制限の緩和及び農用地区域内における開発行為の規制の緩和を求める特例措置の提案を行ったところであります。
 次に、本県の再生可能エネルギー計画についてでありますが、平成24年3月に策定した岩手県地球温暖化対策実行計画において、再生可能エネルギーによる電力自給率を、平成22年度の18.1%から平成32年度に約2倍の35.0%とする目標を掲げ、大規模発電施設の立地促進のため、市町村と連携した太陽光発電立地のマッチングや低利融資制度による支援のほか、防災拠点施設や被災住宅等への導入支援などを進めているところであります。
 こうした取り組みなどにより、メガソーラーでは、既に7カ所、9.2メガワットが運転開始されるとともに、複数箇所で立地計画が進められ、風力発電では、一戸町、一関市、葛巻町で、地熱発電では、八幡平市で計画が進められているほか、小水力発電やバイオマス発電の取り組みも進展してきているところであります。
 さらに、今年度からは、市民ソーラーなど、地域に根差した再生可能エネルギー導入に向けた市町村、県民、事業者と連携した取り組みも進めており、目標達成に向けて強力に導入を推進してまいります。
 一方、再生可能エネルギー発電施設の立地拡大に当たりましては、東北電力の送電線への接続容量が隘路となる懸念があり、これまでも国に対し、送電線増強支援など、接続容量の拡大に向けた電力システム改革の要望を行ってきたところであり、今後とも、機会を捉えて国に対して要望を行っていくところでございます。
   〔企業局長佐々木幸弘君登壇〕
〇企業局長(佐々木幸弘君) まず、県としての再生可能エネルギー事業についてでありますが、一戸町高森高原における風力発電事業では、現在、環境アセスメントに取り組んでいるほか、年内には、蓄電池を含む風力発電システムを決定することとしております。来年度以降、詳細設計や関係機関との協議を進め、平成29年度の運転開始を図ることとしております。
 北上市における太陽光発電事業では、本年9月に建設工事の請負契約を締結したところであり、今後、国の設備認定手続等を行い、来年夏の運転開始を図ることとしております。
 また、次の新規開発につきましては、現在、沿岸部を含む複数の河川で流況調査等を行い、水力開発の可能性を検討しているところであります。
 さらに、今後、水力以外の再生可能エネルギーにつきましても、固定価格買取制度の動向を見ながら検討を進め、本県の再生可能エネルギーの導入目標の達成に向けて、積極的に取り組んでまいります。
 次に、電力システム改革についてでありますが、電力システム改革の柱の一つである卸規制の撤廃が、企業局の経営に大きな影響を与えるものと考えております。
 現在、企業局では、電力会社と長期契約を結び、いわゆる卸規制のもとで国が定める料金算定規則に基づいた価格で売電をしておりますが、この規則が撤廃され、売電価格や契約期間が電力市場の動向に委ねられることになり、収益の見通しが立てにくくなると考えております。しかしながら、企業局では、地域社会の発展と県民福祉の向上のため、電力システム改革後においても中長期的に安定した収益を確保し、電力の安定供給、新規の開発などに取り組むことが求められていると考えております。このため、公営電気事業経営者会議など全国団体を通じて、電力システム改革や電力市場の動向に関する情報を収集しながら、局内にワーキンググループを立ち上げ、検討を進め、適切な経営の方向性を定めてまいります。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、不登校生徒の実態についてでありますが、平成23年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によりますと、本県の公立小・中・高等学校において、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により、年間で30日以上の欠席をした児童生徒数は、小学校は133人で前年度から5人、中学校は734人で前年度から55人、高等学校は444人で前年度から31人、それぞれ減少しております。
 次に、不登校の原因についてでありますが、不登校のきっかけと考えられる状況について、同調査によりますと、どの校種でも不安などの情緒的混乱が上位に入っており、また、小学校では、親子関係をめぐる問題、中学校、高等学校では、いじめを除く友人関係をめぐる問題が挙げられております。
 次に、別室登校児童生徒の実態についてでありますが、平成23年度、30日以上教室以外の別室に登校した児童生徒数は、小学校は56人、中学校は286人、高等学校は28人であります。
 県としての支援策についてでありますが、公立小・中・高等学校それぞれの校種において、小学校では、担任や他の教員、友人による声かけ、中学校では、進路指導などの継続的な学習支援、高等学校では、スクールカウンセラーによるカウンセリング等、教室復帰に向けてさまざまな取り組みが行われております。
 県といたしましては、これら学校の取り組みを支援するため、児童生徒の支援を目的とした教員の配置を初め、県単独事業による非常勤講師、また、スクールカウンセラー等の配置に加え、教育相談体制の充実に努めているところであります。
 次に、別室登校児童生徒の進路の問題についてでありますが、別室登校が長期に及んでいる児童生徒においては、授業の進路などにおいて通常教室で授業を受けている生徒と違いが出るなど、結果として進路選択の幅に影響が出たり、進学、就職後の環境における不適応の問題等が懸念されます。このことから、児童生徒、保護者とも十分に相談しながら、それぞれ児童生徒一人一人の状況に応じた支援を講じていくことが重要と考えております。
 次に、本県の大学等進学率に関する分析についてでありますが、生徒の進路希望について、本県が独自に行っている調査によりますと、今春、高校を卒業した生徒の高校入学時における大学等への進学希望の割合は38.3%でありましたが、最終的に大学等への進学率は40.4%という結果となり、生徒たちがそれぞれ進路実現に向けて努力しているものと考えております。
 本県の大学等への進学希望が東京都等に比し低い原因につきましては、身近に進学できる大学が少ないこと、それに伴う保護者の経済的な負担の問題や将来の職業や進路に向けての意識、地域のニーズ、社会的状況等、さまざまなことが複合的に関係しているものと推察されます。
 いずれにいたしましても、生徒への大学を含む進路情報提供の充実に努めますとともに、その進路希望が達成されますよう、教育委員会として最大限支援してまいりたいと考えております。
〇28番(嵯峨壱朗君) 順不同ですけれども、何点か再質問させていただきます。
 初めに、知事が任期後半に向けてどういったことに重点を置いてという質問の中で、復旧、復興を計画に基づいてやっていくと。そして、オール岩手という目線でやっていくという話をしておりましたけれども、きのうでしたか、インターネットで、いわて復興塾というホームページを見ることができました。これを取り上げること自体が宣伝になるのかなという気もしておりましたけれども、それはいかがと思いながら聞きますが、この中にもオール岩手、オールジャパンという言葉も出てきます。知事が塾長ということで、一般社団法人であるようであります。そして設立時社員達増拓也、そして木戸口英司と2名が載っておりますが、これが定款に出ております。いずれ、こういった今塾をつくるということの意味というのはどこにあるのか。まず知事に、この目指すところ、その意味がどこにあるのか、どういった塾なのか。はたまた県政には関係ないという答えなのかわかりませんけれども、いずれ、その点についても、ぜひ後期の県政運営にかかわるということで説明願えればと思っております。
 それと、一部負担、特例措置の国民健康保険初め幾つかの支援措置ですけれども、市町村の意向調査をしてと。被災者の意向、意識を調査するという話でありましたけれども、市町村の意向を調査する必要があるのかなという気はしないでもない。というのは、各市町村議会には、沿岸の市町村に、これをぜひ継続すべきだという意見書が出ておりますね。それで、ほぼ全市町村がそれを、議会は今議会をもって恐らく通っていくはずだと思うんですね。それを思って見ると、明らかに、意向は継続してほしいというものではないのかなと私は思っているんですけれども、そうではないでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。
 それと、国民健康保険と後期高齢者医療、介護保険、宮城県ではもう3月に終わっているので、先ほども申しましたけれども、それについては岩手県は12月まで継続するということで一定の評価はしたいと思いますが、国が10分の8を補助して、市町村と県で10分の1ずつ負担するという流れだと思っておりましたけれども、それでいいのかも含めてですが、そしてこれを実行した場合に、どれだけの負担が県にあるのかということ。金額が、負担がかかるのか、試算していればぜひ説明願いたいと思います。
 先ほどの市町村の議会で採択しているというのは、これは9月27日時点では、ほぼ9議会が想定されておるようですね。ですから、これを見れば明らかですね。と思っていましたけれども、こういった事実を踏まえてどういう認識なのか、お聞かせ願いたいと思います。
 それと、先ほどの河川の堆積土砂、実はこれは県単で7億8、000万円程度の予算しかないという話を聞いておりました。これ自体もどうかなと思っておりますけれども、国では国土強靭化ですか、そういった政策で、より安全な国土をつくっていこうという方針を出しているようですけれども、それと河川の堆積土砂をとるのと、私、同じだと思っているんです。ハードをつくってやるよりははるかにコストもかからないと思っていますので、ぜひこの点は予算措置を国に対して要望していただきたいと強く思っております。そして我々もそのような活動をしたいと思います。
 と同時に、仮に国がすぐ予算化しないとしても、8億円で全県、そして恐らく流木等とか木とか、伐採の経費のほうが半分ぐらいは使われていると思うんです。そうすると、4億円とかそんな程度で、県内この広い岩手の河床の土砂をとるという、それは不可能ですね。ですから、これから温暖化という意味で言っても、県としては、県単でもいいからそういったことを進んでやるべきではないかと私は思っているんですけれども、これは達増知事がどう思うか、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
 それと、被災者生活支援の中で住宅再建、これは来年度予算に向けて決めていくという話でしたけれども、建てるほうからすれば、既にそういうのがあるのかないかによって、計画、資金繰りが違ってくるわけです。ですから、方向性は3月の予算が通ってからとかというんじゃなくて、もう今からでもやるんだったらやると打ち出すべきだと思うんです。住宅再建のさまざまな支援措置ですね。それを3月を待ってやっていたら、実際に建てようと思っている人たちも資金繰りがおぼつかなくなってくるんじゃないかと思うんですけれども、ぜひ、やるんであれば前倒しで方針を出して、安心して自分で自立的に家を建てられるような方向に持っていくように進めてもらいたいと思います。
 それと、これにかかわって、実は9月30日までに住宅を建てるということを契約したのであれば、4月1日以降の建設でも、消費税がかからないというのがありました。これは私からすると、安倍総理が明確にもっと前に打ち出せば、そういう問題はなかったのかと思うんですけれども、もう9月30日で終わっているわけですから、これ、どういう影響があるのかなと懸念しております。わかるのであれば教えていただきたいし、どういった支援が可能かというのも教えていただければと思います。わかればでいいです。
 それと、先ほどアワビの窃盗の─何と言いましたか、船をもっとふやすべきじゃないかという話、余り明確な答弁ではなかったんですけれども、広いですからね、何百キロあったか忘れましたけれども、それを2そうでやるというのはちょっと無理だなと思っています。できれば、来年とは言いませんけれども、そういった方向で考えていただければと思います。
 とりあえず以上。
〇知事(達増拓也君) まず、国民健康保険の一部負担金免除について、市町村の意向については確認したかというか、ちょっと今、どういう具体的な言葉で質問されたか正確に再現できなくて恐縮ですけれども、そういった趣旨の御質問でありましたけれども、県と市町村の連携が非常に大事な分野だと私も思っておりますし、県と市町村の担当の間で非常に密接な、また、いろいろ具体的なやりとりもしていると聞いておりますので、ぜひその調整のほうは進めさせていただきたいと思っております。
 次に、河川の堆積土砂対策についていろいろ御懸念をいただきました。さまざまゲリラ豪雨による洪水のような被害が頻発している中で、御指摘のとおりだと思いますので、そこは気をつけてしっかり対応していかなければならないと思います。
 それから、いわて復興塾について御質問をいただきました。塾という形で、岩手の復興にかかわる人たちが災害対策や復興について分野や組織の壁を越えて自由な個人として教え合う場、また学び合う場をつくるということにつきましては、現在、運営の仕方を相談に乗っていただけないかとか、あるいは講師を引き受けていただけないかというようなことを特定の方々に相談させていただいている最中でありまして、きちんとした形で公表できるところまで準備が進んだ段階で対外的な説明はさせていただきたいと思っております。
 ホームページにつきましては、そうした相談している相手方の皆さんにだけアドレスを教えるようにしていまして現段階での準備状況を見ていただくようにしていたわけでございまして、まだまだ変更の可能性がございますので、対外的には、塾生募集を広く呼びかけるような段階まで一定の準備が進んだところで御説明等をさせていただければと思いますので、御了解いただければと思います。
〇保健福祉部長(根子忠美君) 国民健康保険等における一部負担金免除に係る県の負担額でございますが、平成25年から12月までの今継続している分の1年間でございますけれども、国民健康保険については、一般財源と県の特別調整交付金を合わせまして5億5、500万円程度、それから介護保険につきましては1、600万円、それから後期高齢者医療制度については1億3、100万円、障がい者の関係については100万円ということで、計7億300万円程度と見込んでおります。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 住宅取得に係る消費税についてでございますが、他の物品、サービスと同様に、来年4月1日以降に引き渡される住宅には8%の消費税が適用されることとなりますが、経過措置といたしまして、ことし9月30日までに契約締結されたものについては5%の消費税が適用されることとなっております。また、消費税増税の負担軽減の措置として、住まい給付金及び住宅関連の減税が全国的に行われることとなっております。さらに、東日本大震災津波で被災された方々につきましては、標準的な消費税の負担増加3%に対応し得るということでございますが、その措置として講じられております住まいの復興給付金が利用できることとされております。
 消費税の増税に関することや負担軽減の措置につきましては、国においてパンフレットの作成、配布を行うとともに、岩手県の沿岸市町村も含めた全国各地で説明会を行っているところであります。県におきましても、住宅再建相談会及び住まいの展示相談会のセミナーで情報提供していくとともに、被災者の皆様方からの個別相談でも説明を行ってまいります。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 漁業取締船の体制についてでございますけれども、密輸監視体制につきましては、陸上はもちろんのことですが、陸上での漁協等他機関と協力した取り締まり、監視というものが非常に重要でございます。したがいまして、当面の取り組みとして、陸上におきまして関係機関との情報共有、それから連携強化を図ってまいりますし、先ほど答弁で申し上げましたとおり、取締船について、海上において新船の高速化を図るといった形で体制を整えて対応していきたいと考えております。
〇理事(佐々木和延君) 被災者生活再建支援金の関係でお尋ねがございました。
 基礎支援金につきましては、災害直後に申請が殺到しまして、県では約2万3、000件で203億円を支給済みでございます。それから、これから家を建てる方々が、加算金ということで200万円の加算金があるわけですが、これにつきましては6、800件の申請で96億円ということで、この期間について、平成30年4月10日まで申請が可能ですということにつきましては各市町村を通じて仮設住宅等被災者の方々にお知らせしてございますが、これにつきましても、平成30年4月10日で全ての再建が成るわけではないということから、今後につきましても、面整備とか公営住宅の整備状況を勘案しながら、さらに平成30年から複数年にわたって再延長できるよう、これは国に要望してまいりたいと思います。最終的には、現在の6、800件が2万3、000件に近づくことになろうかと思います。
〇28番(嵯峨壱朗君) ただいまの国民健康保険等の支援措置ですけれども、これは前向きに検討していただけると私は理解します。そんなに大きな金額でもないような気がしているんですけれども、先ほど7億300万円ということでしたけれども、ぜひやっていただきたいと思っておりました。実際には、調整交付金を外すと4億7、000万円で済むやに私は聞いておりますので─県の実際の負担ですね、ですから積極的に対処していただきたいと思っております。
 また、先ほどのいわて復興塾ですけれども、私が若干懸念するのは、シンクタンクなのかと。私は、今はシンクじゃなくてドゥーじゃないかと思っているんです。考えるとか学ぶとかではなくて、どうやって少しでも早く復旧、復興するかと。そういうための塾だと理解したんですけれども、そうであればなという気がするんですけれども、わかりますでしょうか。学ぶのではなくて、今困っているさまざまな復旧、復興に向けて困難なものを解決していくための行動に資する組織であればと思っておりますけれども、どうでしょうか。
 それとアワビの密漁ですけれども、これは、船を1そうふやすのは、県が悪いのではなく盗む人が悪いんですね、当たり前の話ですけれども。ただ、やはりできることを将来に向けてぜひ検討していただければと思っております。
 先ほど聞きそびれたんですけれども、激甚指定、矢巾町のことですけれども、あれは平成23年に、先ほど総務部長から説明があったとおりですけれども、法律が変わって、標準税収の2割以上の災害であれば対象になるという話を私はこの間どこかの委員会で聞きました。それでいくと、直近で矢巾町の被害を受けたのは8億幾らになっているはずです。標準税収は恐らく40億円弱じゃないかと思っているんです。それからすると基準は超えているので、局地激甚災害の指定になるのではないかと。新年度になってみないとわからないんですけれども、そういった期待をしておりますが、そういった見方で間違っているのかということをお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 塾に関する御指摘は、ありがたい御助言としていただきたいと思います。
 それから、国民健康保険の一部負担金免除について、これはやはり被災者の皆さんの生活の状況というのを十分に考慮して、速やかに結論を出してまいりたいと思います。
〇県土整備部長(佐藤悟君) 今、御指摘ありましたように、矢巾町につきましては約40億円の標準税収で、被害額が8億円程度となっております。実際には、災害査定の場で災害復旧に必要な金額というのが決定されます。一般的には申請額より幾らか査定される、削られるということがございますので、その結果を見てみないと、現時点で指定されるかどうかということについてはっきり申し上げることは難しい状況であります。
〇議長(千葉伝君) 傍聴者への配慮から、しばらくお待ちください。
 次に、軽石義則君。
   〔11番軽石義則君登壇〕(拍手)

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