平成25年6月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇35番(嵯峨壱朗君) 工藤勝子議員の質問に関連して何点か質問させていただきます。
 今、知事の政治姿勢にかかわって工藤勝子議員が、欅の会の会長になった理由は何かと聞いたんですけれども、全く答えになってませんよね。答えられないかもしれませんけれども、それについて、なぜなったのかということをまず改めてお答えいただきたい。
 そして、会員であったことは新聞等に出ておりますので知っておりますけれども、会員であるのもちょっと驚いたんですけれども、その中で会長になった意義は何なのか、知事にとってどういう意義があるのかということを聞いているけれども、答えてませんね。ただ単に会則を読んで、全く誠意がない。まじめに聞いているんですよ。ぜひ答えていただきたい。
 それと、先ほど、及川あつし議員の質問でもありましたけれども、欅の会というのはどういう会なのか。先ほど、組織の目的等説明がございましたけれども、マスコミ等によりますと、その会にはさまざまな経済人が入っている。そして、私も、古い資料ですけれども、その役員の名簿というものを見させていただきましたけれども、いろんな人がなっています。あえて言いませんけれども、驚くべきことに、岩手県土地開発公社の職員の人がなっていますね。今はどうかわかりません。岩手県観光開発公社の顧問という人もなっていたようであります。私は存じておりませんけれども、そういった人がなっていること自体も不思議ですけれども、疑問があるわけでありますけれども、発注者側の長である達増知事が、多くの受注者の、いわゆる請け負いをする人たちが入っている会の長となる、それはどういうことなのか。知事に、今の指摘についてどう思うか、お聞かせ願いたい。
 先ほど及川あつし議員が質問したことの懸念というのは、聞くと、公正中立、遵法、それは当たり前の話であって、そういうことではなくて、そういった当たり前に、発注者側の長である知事が、請負者側が多く含まれる会の長になることは、私は、それはちょっと懸念です。別に悪いことをしているとかどうこうではなくて、道義的にどんなものか、当然の疑問だと思いますけれども、それについてもお答えいただきたい。
 そして、いろいろ質疑のやりとりを聞いておりますと、長野県知事の高裁の話が前もよく出ていますけれども、政治的には自由だ、そのとおりでしょう。でも、知事の話を聞いていると、法律に違反しない限り何をやってもいいんだというふうにしか聞こえない。そういう理解でいいのかどうか、お答え願いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) なぜ私が欅の会の会長に就任したのか理由を問うという質問の前提には、欅の会の会長になるという決定が私の意思で行ったというような認識が前提にあるのかと思うんですけれども、決定したのは、それは組織、会が決めたことであり、会長を断らなかったということであって、私が断らない限り、欅の会として達増拓也を会長にすると。それはきちっとした手続に沿って決まった以上、なぜ、そう決めたか、決まったかという理由はその会の側にあるわけであって、私が、何か立候補してそうなったわけでもありませんし、一方、会長としての抱負というようなことであれば、先ほどから申し上げていますように、会員個人相互の親交と研さんを通じて、自由で創造性あふれる自立国家の確立に寄与するということで、特にこの岩手の、日本の民主主義に果たしてきた役割、鈴木舎定の自由民権運動、原敬の政友会、平民宰相、そうした歴史を踏まえて、自由で創造性あふれる自立国家の確立に寄与ということは大変やりがいのある仕事だと思い、断らなかったということであります。
 それから、発注者、受注者ということについては、自民党という組織、これは国の総理大臣が総裁になっていて、国という巨大な発注者のトップが党のトップですけれども、党の組織の中には、職域支部としてありとあらゆる仕事についている皆さんや経営者の皆さんもたくさんいると理解しておりますけれども、そういった人たちが党の組織の中に入っている。しかし、それはあくまで政治活動として志を同じくする人たちが一緒に政治活動をやっているのであって、それが日本国の行政上、何か、不正ということにつながっているのであるとしたら、私のことに何か疑問を持たれることも理解できないこともないんですけれども、私は今、自民党という組織がそうだとは申し上げませんし、欅の会というのもそうではないと申し上げたいと思います。
 ということで、県民のために確保、担保しなければならないのは、岩手の県行政というものがきちんと公正、中立に行われる。何党の人であれ、生活保護が必要であれば生活保護が受けられる、そして、発注といったものが公正な手続によって行われる、そうしたことが行われることが岩手県政として重要であり、知事としての責任であると考えます。知事個人の政治活動については、それは、そのときそのときの政治状況の中で自由に判断して行われるべきものであると考えます。
〇35番(嵯峨壱朗君) ありがとうございます。私は、知事が何か悪いことをしている、そういうことを言っているのではないのであります。そうではなくて、今、安倍総理のお話を聞きましたが、それは私も安倍総理から聞いてみたいと思います、悪いことをやっているかどうかね。
 ただ、全くそういう話ではないんです。これは政治団体ですから、政党ではありません。それと、安倍総理と知事を一緒にするのはどうかと思いますけれども、あくまで発注者の長なわけです。名前も言いませんけれども、この1、100人という人が、現在どういう方がいるかわかりませんけれども、恐らく、多くの直接請け負いする人とかを含めてあると思うんです。そういった関係の中の、そういった人たちが集まっている会の長になるということ自体、こういうことを言うこと自体がちょっと言いたくもない話でもあるんだけれども、不思議じゃないですか、それは。おかしくないですか。知事が誰を政治的に支援しようが、それは自由でいいでしょう、確かに。ただ、これは、不正とかそういうことはないでしょうけれども、できれば受けないほうがいいんじゃないですかと思って言っているのであります。ただ、知事にとっては全く疑問じゃない、大いにいいことだと思ってやっていると理解せざるを得ませんね。
 いずれ、懸念しておりますので。政治的な自由は否定しません。ただ、こういった一つの政治的なスタンスで前のめりになること自体もどうかと思っております。一連の私のこの懸念について、最後に知事、どう思うかお聞かせ願いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 立憲主義のもとにおいて、政治というものは個人の魂の自由に基づいて行われることであって、それを何者かが制限するということは、これはよほどの人権同士の公平の問題、ある人の政治的な活動、行動が他の人の重要な人権を侵害するということでもない限り尊重されるべきものであります。そして、その政治の活動というものがそこで決まることが、社会や経済、行政もそうです、さまざまな分野の大もとになるということで、そういう行政や経済や社会との関係というものは非常に重要ではあるんですけれども、一方で、政治的な思想信条、政治的な立場というもので、繰り返しますけれども、何党の人だから生活保護を受けさせないというような、そういう行政上の差別が行われてはならないし、経済上、あそこを商売の相手にはしないとかということが行われてもならないし、社会上、何党の支持者たちというのは差別するみたいなことが行われてはならない。そういう行政の筋論と経済の筋論、社会の筋論と政治の筋論というものは厳然と峻別されなければ、立憲主義のもとでのデモクラシーというのはあり得ないわけですから、私は、そこはもう絶対きちんと峻別してやりますし、日本のデモクラシーに参加しようとする人たちには、それを厳に求めていきたいと思います。
〇副議長(柳村岩見君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時43分 休 憩
出席議員(45名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木   努 君
3  番 佐々木 茂 光 君
5  番 清 水 恭 一 君
6  番 名須川   晋 君
7  番 後 藤   完 君
8  番 佐々木 朋 和 君
9  番 軽 石 義 則 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
12  番 福 井 せいじ 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 岩 渕   誠 君
18  番 郷右近   浩 君
19  番 喜 多 正 敏 君
20  番 高 橋 但 馬 君
21  番 小 野   共 君
22  番 高 橋   元 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
26  番 工 藤 勝 博 君
27  番 及 川 あつし 君
28  番 飯 澤   匡 君
29  番 工 藤 大 輔 君
30  番 高 橋 昌 造 君
31  番 五日市   王 君
32  番 小田島 峰 雄 君
33  番 大 宮 惇 幸 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 伊 藤 勢 至 君
42  番 佐々木   博 君
43  番 田 村   誠 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(1名)
47  番 千 葉   伝 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時58分 再開
〇副議長(柳村岩見君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。小西和子さん。
   〔16番小西和子君登壇〕(拍手)

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