平成25年2月定例会 予算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成25年3月15日(金)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    葛 西   貢
  主任主査    村 上   聡
  主査    藤 澤 壮 仁
  主査    藤 枝   修
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  理事兼復興局
  副局長    高前田 寿 幸
  復興担当技監兼
  まちづくり再生課
  総括課長    蓮 見 有 敏
  総務課総括課長  宮   卓 司
  企画課総括課長  森   達 也
  まちづくり
  再生課長    渡 邉 義 明
  産業再生課
  総括課長    伊 藤 克 宏
  生活再建課
  総括課長    鈴 木 浩 之

  商工労働観光部長 橋 本 良 隆
  副部長兼
  商工企画室長   桐 田 教 男
  雇用対策・労働
  室長    阿 部 信 弘
  商工企画室
  企画課長    木 村   久
  商工企画室
  管理課長    千 葉 義 郎
  経営支援課
  総括課長    松 川   章
  科学・ものづくり
  振興課総括課長  佐々木   淳
  産業経済交流課
  総括課長    宇 部 眞 一
  観光課総括課長  戸 舘 弘 幸
  企業立地推進課
  総括課長    飛鳥川 和 彦

  特命参事兼
  雇用対策課長   高 橋 宏 弥
  労働課長    猪久保 健 一

  労働委員会
  事務局長    浅 沼   浩
  審査調整課
  総括課長    吉 田 和 明

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第25号から議案第28号まで、議案第35号、議案第37号、議案第38号及び議案第90号の以上28件を一括議題といたします。
 本日は、復興局、商工労働観光部及び労働委員会関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 最初に、理事兼復興局副局長に復興局関係の説明を求めます。
〇高前田理事兼副局長 平成25年度岩手県一般会計予算のうち、復興局関係の歳出予算について御説明を申し上げます。
 復興局といたしましては、平成25年度予算の編成に当たりまして、東日本大震災津波からの復興に向けて、以下、申し上げます五つの施策を柱として重点的に取り組んでいくこととしてございます。
 まず、第1は、本格復興に向けた取り組みの推進でございます。
 岩手県東日本大震災津波復興計画に基づき、迅速かつ効率的な復興を目指し、復興計画の重層的かつ多面的な進行管理により、復興の取り組みの課題を明確化するとともに、必要な施策等の検討を行い、平成26年度からの第2期復興実施計画の策定に取り組みます。
 第2は、市町村の復興まちづくりの促進でございます。
 市町村の復興事業の円滑かつ迅速な実施を支援し、一日も早い住宅再建を図るとともに、より質の高い町並みを形成するための地域体制の構築や、定期的な復旧・復興ロードマップの更新等により、被災者の方々へ迅速かつタイムリーな情報提供に努めます。
 第3は、被災者に寄り添った暮らしの再建でございます。
 被災者一人一人の復興が地域の復興につながってまいりますことから、市町村、関係機関、NPO等との連携のもと、被災者の相談、支援の充実を図るとともに、住宅再建に向けた資金面での支援や、市町村における被災者の状況把握等、被災者の状況に応じたきめ細やかな支援に取り組んでまいります。
 第4は、なりわいの再生による三陸創造でございます。
 なりわいの早期復興を促進するため、産業再生特区を活用した産業集積と雇用創出や、さんりく産業振興プロジェクトを推進するとともに、被災地の雇用拡大と魅力ある産業の構築による地域経済の活性化を図るため、被災者等の起業を支援し、専門家による経営指導をきめ細やかに行うなど、被災地域の新たな産業の創出に取り組みます。
 第5は、被災者の復興実感と開かれた復興のための情報発信でございます。
 積極的な情報発信により、被災者の方々はもとより、県民や国民全体と復興のプロセスを共有し、引き続き、県民が力を合わせて取り組む機運を高めるとともに、被災地以外の地域における震災の記憶の風化防止や多様な主体との持続的な連携に取り組みます。
 以上が、平成25年度予算編成に当たりましての当局の基本的な考え方でございます。
 続きまして、当局関係の議案について御説明申し上げます。
 議案第1号平成25年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。当局関係の一般会計歳出予算は、2款総務費274億2、600万円余のうち、2項企画費の一部4億4、900万円余と、7ページの3款民生費911億3、200万円余のうち、5項災害救助費の一部77億800万円余と、9ページに参りまして、12款公債費1、273億2、400万円余の一部500万円余でございます。合わせますと81億6、300万円余の予算額となっております。これを前年度当初予算と比較いたしますと21億4、700万円余の減、率にいたしまして20.8%の減となるものでございますが、平成25年度は、災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与のうち、応急仮設住宅のリースに係る期間延長に要する経費の増や、持ち家による住宅再建を支援するための補助の対象を、今年度の実績を踏まえ、支給額の高い複数世帯を多く計上したことなどによる増額要因がある一方、東日本大震災津波により亡くなられた方の御遺族へ支給いたします弔慰金の支給見込み対象者の減による災害弔慰金負担金の減額20億9、200万円余や、被災者の生活の立て直しのための災害援護資金貸付金についての貸付実績等を踏まえた予算計上額の減額5億3、500万円余などの減額要因が大きかったため、総体として減額となったものでございます。
 それでは、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 お手元の予算に関する説明書の87ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の当局所管4億3、500万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。
 まず、復興情報発信事業費は、県民、国民全体が相互扶助と連携のもと復興を推進するため、復興フォーラムの開催やいわて復興だよりの発行などにより、県の復興状況等を多角的に情報発信するものであります。
 なお、仮称でございますが、東北連携復興フォーラム運営負担金は、青森、宮城、福島の被災各県と連携し、被災地の復興状況や復興に向けた取り組みの情報発信を行おうとするものでございます。
 次の復興まちづくり支援事業費は、市町村における復興事業の円滑かつ迅速な実施を図るため、復興整備計画の作成及び復興整備協議会の開催を支援するとともに、まちづくり協議会などの地域体制の構築を通じて、誇りや愛着が持てる町並みをみずからが形成していくため、町並み形成に関する情報提供を行おうとするものでございます。次に、1事業飛びまして、さんりく未来産業起業促進費は、被災地に新たな産業を創出し、雇用拡大と魅力ある産業の創造による地域経済の活性化を図るため、被災者等の起業を支援するとともに、専門家による経営指導をきめ細やかに行い、被災地域の起業を促進しようとするものでございます。
 次に、88ページをお開き願います。2目計画調査費の当局所管1、406万2、000円について御説明申し上げます。復興計画推進費は、重層的かつ多面的な進行管理により、復興の取り組みの課題等を明確化するとともに、本格復興に向けた必要施策等の検討を行い、平成26年度から平成28年度を計画期間とする第2期復興実施計画を策定しようとするものでございます。また、開かれた復興の観点から、有識者等との意見交換を通じて、三陸創造プロジェクトの推進を図ろうとするものでございます。
 120ページをお開き願います。3款民生費5項災害救助費1目救助費の当局所管77億800万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、救助費は、災害救助法に基づき、引き続き応急仮設住宅の維持管理や、みなし仮設住宅の借り上げ等を行おうとするものでございます。次に、三つ事業を飛びまして、総合的被災者相談支援事業費は、沿岸広域振興局及び県北広域振興局の被災者相談支援センターにおきまして、被災者の相談や問い合わせに一元的かつ柔軟に対応するとともに、弁護士等の専門家を配置しようとするものでございます。次の被災者支援費は、被災者の生活再建に向けて、支援事業や相談窓口を紹介するガイドブックの作成、配布を行うとともに、復興状況や被災者支援情報などを県外や内陸地区の被災者へ定期的に提供しようとするものでございます。次の仮設住宅共益費支援事業費は、応急仮設住宅における集会所等に係る水道や電気料等の共益費を負担しようとするものでございます。次の被災者住宅再建支援事業費補助は、持ち家による住宅再建を促進するため、全壊等の被害認定を受けて被災者生活再建支援金の加算支援金を受給した世帯に対し、市町村が補助する場合に、その費用の一部を補助しようとするものでございます。次の被災者台帳システム運営費は、市町村における被災者の生活再建支援が、円滑かつ効率的に実施できるよう整備した被災者台帳システムの保守管理等を行うとともに、市町村の運用支援を行おうとするものでございます。次の生活再建訪問支援活動費は、沿岸広域振興局が、宮古管内市町村において、応急仮設住宅に入居されている被災者を訪問し、住宅再建に係る支援制度の周知等を行おうとするものでございます。
 次に、238ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち586万6、000円が当局の所管でございますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金でございます。
 以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇嵯峨壱朗委員 初めに、高台移転にかかわってですけれども、平成24年度補正予算と、また平成25年度の当初予算で15カ月予算という、こんな枠組みで捉えられておりますが、各制度のはざまを埋めるために215億円でしたかを市町村に交付税として増額して配分するわけですが、どんなものに使われるのか、その適用例のようなものを示していただきたいと思います。それと、この事業でも埋め切らない難しい課題というものが想定されるのであれば、お示しいただきたいと思います。
〇森企画課総括課長 震災復興特別交付税の活用についてでございます。
 今回の震災復興特別交付税の追加措置では、津波によりまして全壊した持ち家住宅のうち、防集の対象にならない住宅を対象といたしまして、防集と同じような支援を受けられるようにしようとするものでございます。具体的には、住宅建築に関する利子の補給ですとか、あと、宅地のかさ上げの経費、それから引っ越し費用、これについて支援の対象経費として総務省のほうで積算されているところでございます。対象市町村への交付に当たりましては、この趣旨を踏まえまして、こうしたいわゆる制度のすき間に対応した支援策や、あと、既存の各市町村がなさっているような支援措置の状況を踏まえた住宅再建支援の充実を図るよう助言させていただくこととしております。
 被災市町村で具体的にどのような支援内容をとるかにつきましては、被災団体が地域の実情に応じて決定することができるということになってございますので、今回の増額交付の趣旨を踏まえられまして、さまざまなケースを勘案の上、各市町村で直面している課題にきめ細かく対応していただくことによって、各地域における住宅再建が促進されるよう期待しているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 利子の補給とか、かさ上げの費用の分とか、引っ越し費用ということのようですけれども、あと、このお金でどうこうできる問題じゃないのかもしれませんが、この間の総括でも質問しましたが、高台移転に対しては、防集の危険区域に住居のあった方々だということですね。一方で、区画整理事業を線引きすると、5メートルも離れていないけれども、浸水地域とかがあって、そこは対象にならないと。でも、高台にどうしても移転したいという人もいるんですね。結構いるようです。自主再建したいけれども、防集で開発したところには移転してはならない、防集の対象の人しかだめだということの理解でいいんですよね。
〇蓮見復興担当技監 防集で造成した団地への移転ということでございますが、まず、防災集団移転促進事業について申し上げますと、これは、文字どおり、防災上、住民の居住が適当でないと認められる区域、災害危険区域がかかりますが、ここの住居の集団移転を支援する事業でございまして、各市町村では、住民へのアンケート調査や個別面談によりまして、移転先の意向等を確認しながら、希望する戸数に見合った団地区画を防集事業計画に定めております。
 被災者の意向に変化があった場合でも、随時、事業計画の変更手続を進めるなど、被災者の意向に沿った形で用地の確保や造成工事を進めていただいているところでございます。
 こういう状況でございますので、この中に余りが出てくるということは余り想定できないわけでございますが、何らかの理由で、結果として、造成した団地で区画が残るような事態が発生した場合には、公共用地など他の利用が可能かどうか、それから御指摘のようなことが可能かどうかなど、国との協議を含め検討していくことになろうと思っております。
 なお、防集事業により造成されました団地につきましては、事業の対象となる方々の移転を目的としたものでございますので、仮にその他の利用となる区画が発生した場合につきましては、国庫補助の対象とならなくなるということも予想されるところでございます。これは、特別措置法がございまして、事業制度上、そういう建てつけになっているということでございます。
 それから、区画整理区域内の方につきましては、この防集事業と切り離して申し上げますと、区画整理区域外に移転していただくことも可能でございまして、その場合には、被災者住宅再建支援事業ですとか、今回措置されました震災復興特別交付税の増額によりまして、各市町村で設けられる独自の支援策によって、住宅の再建を支援していくということになろうと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 わかりましたが、制度設計の違いというかが今回の震災でよくあったわけですけれども、万が一、希望者が予定した分譲に満たない場合には、その可能性も国と協議してみる、その辺はぜひ、あり得ることだと思っているんです。希望しているけれども、実際は、お金がないとか、例えば子供のところに行くのも含めてですが、いろいろな可能性があるので、公共用地のみならず、ぜひ防集の地域以外の人でも対象になるような方向に、国のほうに働きかけていただきたいと思います。
 同時に、危険、いわゆる本当に線を引くと、区画整理事業の地域、そして防集の対象地域となるけれども、同じように全壊もしくは流出して、5メートルも離れていないというところが結構あるんですね。そこで高台に、中にはそこに建てたいという人もいるけれども、そのままちょっと移動しただけでもそこに建てたいという人もいるけれども、どうしても二度とあの波は嫌だ、経験したくない、何とか高台に移転したいという人がいるのも事実なんですね。
 ですから、さっき後段で言っておりましたけれども、防集で造成した高台への移転対象でないとするならば、そういった移転できるような場所も何とか、区画整理区域内にあれば幸いですが、そうじゃない場合でも何かしらの手だてがあってもいいような気がするんです。受けるほうは、結局、制度的に切られているけれども、被災した人たちは同じですからね。そこに、今回の交付税の増額で、さまざまな先ほどの説明を受けた部分は埋められるかもしれないけれども、そういった基本的なところというのもぜひ何らかの形で埋められるようなことも、国のほうに、制度設計の変更までも行かないけれども、運用の仕方を求めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それと、せんだっても総括で若干触れましたけれども、復興交付金の運用が柔軟化されたという、これは達増知事を初め、ずっとお願いしていた、いわゆる自由な運用ができるようにというものの一つの答えかなと思っておりましたが、この間、概要版の説明をもらっておりましたが、実際、今の時点でどういうふうに、これは確認も一つあるんですが、1億円以上の事業の場合は国の許可を得なければならないという縛りがあるやに聞いておりますけれども、そういう理解でいいですか。
〇森企画課総括課長 今回の復興交付金の運用の見直しについてでございますが、4点ほどございます。一つは、津波の復興拠点における施設整備ですとか、防災集団移転跡地の公園整備などの基幹事業の採択の対象、これが広げられたというのが1点目でございます。
 2点目といたしまして、基幹事業に付随してさまざまな効果促進事業が行われるわけでございますけれども、例えば、流出した海岸の砂浜の再生ですとか、あと、観光ですとか、にぎわいづくりの再生に向けた事業なんかにも活用できるのでございますが、この対象が拡大されたこと。
 3点目といたしまして、効果促進事業の実施に当たりまして、実は、これまでは市町村の基幹事業については市町村が効果促進事業をやる、県の基幹事業については県が効果促進事業をやるというような形だったんですが、今後は、市町村が行う基幹事業についても、県のほうで効果促進事業ができるということになったというのがございます。
 もう一つ、4点目にありますのは、効果促進事業の予算、これは一定割合の先渡しを受ける制度がございます。各市町村には面的整備に係って既に行われているわけでございますけれども、これの県への交付も今回から行われるようになったということ。
 あと、それに伴いまして、こういうものに使えるよというポジティブリストというものがあったんですが、これが廃止されまして、ネガティブリストにないものについては使えるということになってございます。
 その使用の制限というものといいますか、使用の制限というよりも、個別に協議が要るものがございますが、これには何点か種類がございます。一つは、事務的経費が事業費の半分を超えるような事業、また、ほかの国からの補助金制度、このようなものがあるもの、あとは、個人、法人の資産形成に資するようなもの、それから、既存の補助事業の横出しの補助とかさ上げするような補助になるもの、あと事業費が1億円を超えるもの、これらについては、できないということよりも、個別に協議してくださいというような形になっているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。この復興交付金という名前ですけれども、実際には、災害復旧もそうですが、もとに戻すのももちろん重要ですし、改良、復旧という考え方もあると思うんですが、と同時に、次に災害が来た場合にはいかにして減災するか、そのためにどうするかという発想でやって、そういうふうにしなければならない地域というか部分もあると思うんですね。ですから、たまたま今回はここには来なかったけれども、十分想定されるという場合には、過大な設備じゃない場合には、減災のための対処をするといった発想も実際には必要ではないかと思うんですよ。そういった部分というのは、今の説明ですと、恐らく先ほどの幾つかの限定を除けば対象になるという理解でいいんですかね。ちょっと抽象的ですけれども。
〇森企画課総括課長 今回制限がありますのは効果促進事業、1億円未満の部分でございます。これらにつきましては、内訳書を出すことによって、さまざまな調査事業ですとか検討事業等が行われるということになります。
 実際、さまざまな減災事業を行う場合には、これらで間に合う部分はこれらで、各市町村の判断でできるわけでございますけれども、それを超えるものもハード系だと多いと思いますが、そういうものについては、まちづくり計画の中で位置づけていただいて、交付金の基幹事業のほうで申請、採択していただくという形で、事業の熟度を上げて採択を目指していくことになるかと思います。
〇嵯峨壱朗委員 例えば防潮堤の高さとかというのは、それぞれの市町村のさまざまな条件で違ってきているんですけれども、例えば久慈市の場合ですと、25年先に完成される湾口防波堤ができていることを前提に防潮堤の高さを決めているんですね。ですから、8.5メートルプラス幾らかという。例えば野田村ですと14メートルとかという湾口防波堤の計画なわけです。そうすると、20年間は裸でいるような状態になるわけですね。久慈市だけではないみたいですけれども、一つの例ですが。そういった場合には、こういうでかい災害が来ないことは当然願うわけですけれども、同じように8.5メートルをまた超えてくる可能性も十分あるわけです。20年間、じゃ、そのままでいるのかというのがあるわけですよ。
 例えば小学校なんかも、堤防のすぐそばで、たまたま来なかったけれども、角度によっては、いつ、どうなるかわからないという小学校なんかもあるわけです。そういったものも、例えば25年間放っておくわけにもいかない、安全なところに移転するためにといったことも必要な場合もあると思うんですね。小学校のみならず、いろいろな公共施設もそうですけれども、そういったことも何らかの形で対処すべきではないかと思うんです。そういったことも国のほうにぜひ働きかけていただきたいです。
 本当に減災という観点も必要だと思うんですよね。そういった地域がありますので、8.5メートルで25年後にできることを想定して計画を全部立てている場所、制度だからしようがないと言われるんですけれども、ぜひそういったものも働きかけていただきたい。
 何かこれについてあったら。
〇蓮見復興担当技監 防潮堤等につきましては、多くは災害復旧事業として復旧あるいは整備されるものでございますが、一定のシミュレーションのもとで、地域の津波からの安全性を確保していくということで設計等を行っているものでございます。
 今後は、地域全体の防災の減災という観点からのあり方とか、そういうものを踏まえた上で、全体としてどう整備するのかということを踏まえまして、いろいろな要望もさせていただきたいと思いますし、湾口防波堤につきましても、なるべく早く完成できるように、こちらのほうもあわせて要望させていただきたいと思っております。
〇関根敏伸委員 私からは、数点、手短に質問させていただきます。
 まず、1点目でございますけれども、復興局が新年度に向けまして組織体制を変更されていらっしゃるということでございます。意思決定の迅速化、あとは他部局との連携強化、こういった趣旨で行われるようでございますけれども、発災後、この復興局ができて2年になろうとしているわけでありますが、今までの組織としてのあり方も含め、新体制でどのような形で復興を進めていこうとしているのか、意義でありますとか、効果でありますとか、この辺をまず聞かせていただきたいと思います。
〇宮総務課総括課長 復興局の新年度に向けた組織体制についての御質問でございますけれども、復興局につきましては、震災から1月半たちました4月25日に、復興に向けた専担組織といたしまして、副知事をトップとして5課体制で発足してございます。これまでに、復興計画の策定あるいは被災者の生活再建、なりわいの再生、安全・安心なまちづくりなどの推進に取り組んできたところでございます。
 復興局の体制につきましては、これまでも避難所の解消あるいは仮設住宅の整備、復興基本計画の策定、市町村のまちづくり事業の具体化など、復旧、復興の進展などに応じまして、組織体制を見直しながら、例えば復興担当技監の設置ですとか職員体制の充実を図りながら、組織を見直して取り組んできたところでございます。
 見直しの意義あるいは効果についてでございますけれども、先ほど委員のほうからもお話がございましたように、来年度に向けまして、これまで復興担当技監が兼任してございましたまちづくり再生課総括課長を専任配置いたしまして、今後、本格化いたします市町村の復興まちづくりの支援ですとか、住宅再建の促進などの取り組みを強化するということでございます。
 また、あわせまして、発災から2年たちまして、来年度は、いわゆる基盤復興の最終年度を迎えますので、第2期となる復興実施計画の策定など当面する課題に対応できるように、総務課、企画課を再編して新たに総務企画課を設置するというようなことでございます。
 こうした体制の見直しによりまして、これからの復興のステージに応じて変化するさまざまな課題に柔軟に対応して、これから本格化するまちづくりはもちろん、被災者の生活再建ですとか産業の再生、復興計画に基づく取り組みの着実な推進を図りながら、復興を加速しようとしているところでございます。
〇関根敏伸委員 ありがとうございます。
 やはり復興の中で、特にも住宅再建でありますとか、まちづくりのおくれが目立つということが指摘されております。県では、このまちづくり・住宅再建推進本部というものをつくられて、復興局が担われていらっしゃると思うんですけれども、この役割をどう捉えられて、今後、この復興基盤の最終年度を迎えるに当たって、どうこれを進めていこうとされているのかお聞きいたします。
〇渡邊まちづくり再生課長 岩手県まちづくり・住宅再建推進本部の役割についてでございますが、まちづくり・住宅再建推進本部は、今後、復興まちづくりの進展に伴いまして住宅建設が本格化する段階を迎えますことから、復興の最重要課題の一つでございます住宅再建を促進するために、まちづくりと住宅再建に係る施策の調整、課題の解決策の検討等を行う組織として、昨年10月31日に設置したものでございます。
 本年1月18日には第2回の会議を開催いたしまして、復興まちづくり事業や災害公営住宅の整備の進捗状況、用地取得の円滑化の取り組みなどについての情報共有や地区別、年度別の住宅戸数の目標を取りまとめて、今月7日に公表いたしました住まいの復興工程表の作成の状況等について協議を行ったところでございます。
 復興まちづくりや住宅再建は、県庁内におきましても、県土整備部、それから農林水産部を初めといたしまして、多くの部局が関係するとともに、国、市町村、金融機関、それから建設業界等の関係業界と連携しながら、その加速化を図る必要がございます。今後とも、この推進本部を活用いたしまして、取り組みの調整や情報の共有を進めてまいります。
〇関根敏伸委員 非常に重要な本部だと思います。昨年10月に立ち上がって、今まで2回の会議だということでございまして、聞いていて若干少ないのかなという印象を受けました。さまざま、復興工事を進めるための連絡調整会議でありますとか、いろいろな会議が今、立ち上がっている中だと思っておりますが、このまちづくりと住宅再建という部分については、課題解決を図って、それを情報発信していくという非常に大きな役割があろうかと思いますので、この部分のスピードを上げていただきたいと思います。
 それから、2点目、復興交付金でございます。これは、通告しておりましたが、先ほどの嵯峨壱朗委員の部分と重複いたします。ただ、やりとりを聞いていて、ちょっとわかりづらいと申しますか、私どものほうにも柔軟化に向けた概要ということで資料はいただいているのですけれども、概略的にこうなるんだよということはわかるんですが、これは、県とか市町村が、復興交付金が使いづらい、縦割りだ、限定的だ、こういった中で、国に意見を言いながら何とか実現してきた部分だと思うんですね。ですから私は、こうなって、組織体制のあり方も含めてもっと復興が進むんだよという具体的なイメージをわかりやすく、この交付金の柔軟化で説明していただきたいなと。私じゃなくて被災地の方々にですね。そういった意味で聞いてみたいと思うんですが、この辺が非常に隘路だったんだけれども、解決ができるとか、もう少しわかりやすく説明していただけませんか。
〇森企画課総括課長 今回の交付金の活用の柔軟化についての、まず、効果のあらわれ方ということのお尋ねかと存じますが、まず、今までは、どちらかと申しますと、復興交付金の基幹事業、面的整備ですとか、あと道路ですとか、防潮堤ですとか、そういうハード系のものが多かったわけでございますけれども、今後、採用対象が拡大されたことによりまして、例えば防集で移転した跡地を利用した公園の整備ですとかという面にも交付金事業が活用されて、さまざまな事業が展開できるようになるというのが1点ございます。
 あと、これまでは市町村単位の効果促進事業の展開でございましたので、どうしても市町村域を越えることはなかったのでございますけれども、もう少し物販といいますか、物の販売促進ですとか、あと広域的な通勤ですとか、そういうものの調査、これについては、どうしても市町村域を越える広域的なものがございますので、そういうものを県がこの資金を活用して行うこともできるようになるという点から、活用が広まったと考えております。
 これは、従前からうちの県でも要求してきたものでございますので、今回認められた制度を活用して、今後、さらに加速化に努めていきたいと存じます。
〇関根敏伸委員 よろしくお願いいたします。
 3点目、新規事業2点についてお伺いいたします。
 復興情報発信事業ということで1、290万円が計上されております。これは、震災の風化というものが懸念される中での事業だと思いますし、これから非常に大事な事業だと思っております。
 この復興交付金も含めて、やはり情報発信力というものを、わかりやすい形でもっともっと高めていただきたいなと。そういった意味でお尋ねしたいんですけれども、まず、前提として、この震災の風化ということが懸念される現状認識として、例えば発災後、さまざまなボランティアの方々でありますとか、NPOのような復興支援団体が県内に入って支援活動を行ってきたと思うんですが、これらの団体とか人たちが、現実的に今どういう状況になっているのか、減少傾向等があらわれているのか、こういったところを数値でつかんでいれば教えていただきたいと思います。
〇鈴木生活再建課総括課長 ボランティア等の減少等の現状についてでございますが、ボランティアの皆様の数につきましては、県社会福祉協議会の取りまとめによりますと、本年2月末現在の累計で44万6、723人となっており、年度別に申し上げますと、昨年度、平成23年度は33万5、406人でございましたが、今年度につきましては、2月末時点で9万9、224人と、平成23年度に比べまして3分の1程度に大幅に減少しているところでございます。
 また、復興支援活動を行っていただいておりますNPO等の支援団体の数につきましては、発災以来、相当の数に上っておりまして、把握はしておりませんが、例えば、神奈川県や静岡県が、復興に携わるボランティアの活動拠点として遠野市に設置運営していただいております宿泊施設につきまして、今年度末をもって閉所する動きもございまして、県内に活動拠点を置き、被災地域で支援活動を行っていただいております県外のNPO等につきましては、今年度に入って、撤退または規模の縮小が進んでいるものと見込んでいるところでございます。
〇関根敏伸委員 わかりました。NPO等については具体的な数の把握はないようですが、ボランティアが3分の1程度まで減少しているということでございまして、この辺で、この情報事業をうまく活用して何とか風化を食いとめていただきたいと思います。
 それで、この事業で県内外の復興フォーラムとか、さまざまな情報ツールを使って情報を伝えるようなんですが、その中で、先般たまたまテレビを見ていましたら、水産加工業か何かの部分で、今、本当に人手が足りないという部分が顕著になってきていますけれども、そういったところにこのボランティアの方々が来て、貝の殻をむいているのか、ワカメを何か加工しているのか、そういった映像がありました。
 これから、やっぱりそういった部分について、いわゆる効果的に、そういった方々に、今こういったニーズが被災地にはあるんだ、これに応えていただけないか、こういう情報発信をしていくことが、きめの細かい復興のステージごとのニーズに対応する本当に効果的なボランティア活動に結びつけられるのではないかと思うんですね。そういった効果的な発信事業、NPO、ボランティアの方々に対してどういう形で発信していくのか、ちょっとお伺いさせてください。
〇鈴木生活再建課総括課長 ボランティアやNPO等の皆様に対します効果的な情報発信についてでございますが、県では、これまでも、NPOや岩手復興局等との間で月2回の定例ミーティングを行っております。また、被災者への支援活動にかかわるNPO等の全国ネットワーク組織でございます東日本大震災支援全国ネットワークの現地会議がこれまで6回開催されておりますが、これにも参加いたしまして、被災者の状況でありますとか支援団体の活動状況の把握を行うとともに、県の施策などの必要な情報提供を行うなど、連携して被災者支援に取り組んできたところでございます。
 また、今年度におきましては、NPOやボランティア団体、企業等の関係者を対象といたしまして、県内はもとより、首都圏や関西圏で復興フォーラムを開催し、被災地の現状や復興の取り組み状況等の情報発信に努めているところでございます。
 今後とも、NPO等との連携会議や県内外での復興フォーラムの開催等を通じまして、効果的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひよろしくお願いします。
 あわせて、いわゆる被災者の方々、特にも県内の内陸部でありますとか、県外に移住していらっしゃる被災者の方々への効果的な網羅的な情報発信というものが必要だと思います。復興意欲の低下というものが非常に懸念されるといただいた資料にも書いてありますし、ここを何とか食いとめていただきたいと思っております。
 復興プロセスの共有という御説明がありました。あわせて、この復興の見える化、これをどう被災された方々に伝えていくのか、具体的な手段について教えていただきたいと思います。
〇森企画課総括課長 復興プロセスの共有化と見える化の具体化についてでございますけれども、これまで、県のほうで、いわて復興ウォッチャー調査等も実施させていただいておりますが、安全なまちづくりにつきましては、依然、余り進んでいないという方が3分の2を超えるような状況で、被災された多くの方々が、復興の歩みを実感できないという状況にございます。
 もとより、復興をさらに加速させて着実に推進していくためには、被災者の方々を初め、県内外の方々と復興のプロセスを共有化し、さらに復興を実感していただく、復興がここまで来たんだよということを実感していただくことが大切と考えております。
 これまでも、市町村との連携により、住民に身近な社会資本の復旧・復興ロードマップの公表ですとか、あと、いわてグラフ等の各種広報媒体を活用したプロセスの共有化を図ってきたところではございますが、来年度におきましては、災害公営住宅の内覧会の開催等、実際に復興事業をじかに見られる機会の確保ですとか、あとは、県内外における復興フォーラムの開催による情報発信と人と人とのつながりづくり、あと、来年度から開始することになっております、毎月2回、5、000部を発行することといたしております、いわて復興だよりによる情報発信、あとは、本年度構築してございます復興支援ポータルでのまちづくりの様子の動画配信ですとか、あと、ニーズと支援をマッチングするシステム等の構築も進めてございますので、そちらのほうを活用して、復興の見える化についても図っていきたいと考えてございます。
〇鈴木生活再建課総括課長 県内外に移住されております被災者の皆様方への情報発信についてでございますが、県では、県のホームページやいわてグラフ、テレビ、ラジオ等の広報媒体を活用いたしまして被災者支援情報を発信するとともに、被災者支援情報を取りまとめました暮らしの安心ガイドブックを被災者全世帯へ配布するなど、市町村と連携して情報提供に努めているところでございます。
 さらに、昨年5月から、県外及び県内内陸地区に移動している被災者の皆様方に対しまして、復興状況でありますとか被災者支援情報等を、市町村と連携を図りながら定期的に県から直接お届けするとともに、内陸市町村と連携いたしまして、被災者相談会や交流会を開催し、被災者への情報提供や相談支援を実施しているところでございます。
〇関根敏伸委員 ありがとうございます。災害公営住宅の内覧会でありますとか、まちづくりが進んでいる状況が動画でわかるとか、見える化ということでは非常にいい手段じゃないかと思います。ぜひ進めていただきたいと思っておりますし、マスコミ等への情報提供なんかで、どんどんマスコミに、特に、地元紙なんかは一生懸命伝えているんですが、大手の3紙がなかなか復興の取り上げ方が少なくなっているなという印象を受けますので、ぜひそういったところにもお願いしたいと思います。
 最後に、新規事業の2点目、さんりく未来産業起業促進費ということで希望郷創造推進費の中で8、300万円ほど計上されております。2年間で100の未来産業を三陸で起業するという大きな目標のようですけれども、事業の詳細を教えていただきたいと思います。
〇伊藤産業再生課総括課長 さんりく未来産業起業促進費の詳細についてでありますが、この事業は、被災地の雇用拡大と魅力ある産業の創出による地域経済の活性化を図るため、新たに事業を立ち上げる被災者の方々等を対象に起業支援を行うものでございます。
 事業の実施に当たりましては、起業支援の実績を有するNPO等が連携した団体を組織し、この団体が事業主体となって起業の支援を行うものでございます。
 具体的な事業内容でございますが、まず、起業希望者を公募し、選定の上、起業対象者を決定します。これとあわせて、事業主体が金融機関やコンサルタント会社のOBなどを地域起業支援員及び経営コーディネーターとして雇用し、地域起業支援員が、起業のノウハウや事業計画の策定等の起業に至るまでの支援、経営コーディネーターが、商品開発や販路拡大等の事業化までの支援を行い、起業から事業化までを起業者に密着し支援するものであります。
 また、起業のためには、事務所開設費、試作品の原材料費など初期経費が必要なことから、100万円を限度として最小限の初期経費を支援しまして、早期の起業を促進するものであります。
 この事業の実施により、2年間で100者の被災地での起業を促進し、三陸地域のなりわいの再生に結びつけようとするものでございます。
〇関根敏伸委員 ありがとうございます。ぜひ成功させていただきたいと思いますが、やはりこれが成功するかどうかというのは、2年間で100の起業ですから、これは相当な高い目標じゃないかなと思いますし、その起業のための地域支援員の方ですか、これは、金融機関のOBなどを予定されていらっしゃる。それから、経営コーディネーターということで、商社とかコンサルタントのOBの方々を予定されていらっしゃる。こういう方々を、しっかりとした人材を本当に確保できるのかということと、あと、運営自体をNPOに委託するということでありますが、これからそのNPOは公募して、選定するという流れのようなんですけれども、このNPOがそういうノウハウもしっかり持って、そういった能力ある人たちをしっかりと雇用できてうまく回っていくのかなと、ここがやっぱりちょっと心配するところなんですけれども、この辺の人材確保の見通し、能力あるそういったNPOをどのように選定していくのか、ある程度のめどが立っているのか、それをちょっと教えてください。
〇伊藤産業再生課総括課長 人材の確保とノウハウのあるNPO団体があるのかというような御質問でございますが、本年度、国の内閣府の事業で起業を支援している事業がございます。これは今年度で終わるものですけれども、その事業の実施において、実施している主体はNPO等でございまして、起業支援のノウハウは既に有しておりまして、実績もございます。このようなNPOが県内に複数ございますので、こういうNPOを対象として、事業主体として実施していただくことを考えております。
 それから、金融機関等の人材でございますが、これもまた、今年度、国の事業等で行っている中で、NPOにボランティア等で金融機関のOB等が支援してございます。そういう方々についても我々把握しておりますので、そのような方々をお願いしまして、起業の促進に対して支援していただきたい、そういう方々を地域企業支援員あるいは経営コーディネーターとして、起業者に対していろいろな御助言等をいただきながら、早期の起業を実現していきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 復興特区についてだけお伺いします。
 岩手県の復興特区は10の特区ということで、現在、企業の再生や生活再建に資する部分を国に申請して、認可を受けて、今進んでいると理解しております。その目標は、短期的な現在の生活再建から中長期的な産業の育成まで多岐にわたるわけですが、この特区制度の活用については、どうも自治体のほうにもなかなかうまく浸透していない部分があると私も認識をしておりますし、果たしてうまく機能しているかどうかというような背景がありますので、その点に留意しながら、質問をしていきたいと思います。
 まず、第1点、やはり三陸の津波により被災した自治体についての喫緊の課題は、産業をどのようにして再生させていくかというところが短中期的な目標となっていると私は思っておるのですが、産業集積関係の税制上の特例、企業の新規立地投資及び被災者の雇用が促進されるといった効果が期待された部分があるんですが、現状認識と今後に係る課題について、まず、その特区の中の一つの部分ですが、それについてお知らせ願いたいと思います。
〇伊藤産業再生課総括課長 産業集積関係の税制上の特例等についてでありますが、復興特区法に基づく産業再生特区の指定数でございますが、平成25年2月28日現在で141事業者、155件となっております。
 このうち、工場、機械等の整備に係る税制特例の指定は113件で、これらの投資計画総額は600億円になります。また、被災者等の雇用に係る税制特例の指定は42件で、これらの雇用計画総数は4、015人となっております。
 産業再生特区は、事業所の再建や被災者の雇用促進を通じ、産業の再生に効果を上げていると認識しているところです。
 一方で、新規立地を促進する税制特例については、これまで1事業者の指定となっております。この特例の活用促進が今後の課題となっているところでございます。
 この特例は、被災地域に新たに法人を設立し工場を新設した企業を対象に、所得金額を再投資等準備金として積み立てた場合に法人税が5年間実質無税となる特例でありますが、再投資等準備金の積立期間が5年間と短く、6年目以降には、再投資等準備金を取り崩し再度設備投資をしなければならないことや、優遇措置の指定を受ける事業年度におきまして一定額以上の投資を行うことなど、さまざまな要件の全てを満たす必要がありますことから、この特例を活用できる事業者が限られているところです。
 このため、新規立地促進税制が、被災地の企業立地の促進を図るための効果的なインセンティブとなるよう、これまでも特例の要件緩和や適用期間の延長につきまして国に要望してきておりますし、今後とも引き続き、この要望が実現するよう国へ強く働きかけてまいりたいと思っています。
〇飯澤匡委員 わかりました。それなりに効果は上げているという理解をいたしました。
 それで、ちょっとまた今度は大きな話になるんですが、岩手の復興特区については、今後、三陸の復興に向けて大きな推進エンジンとしていかなければならないと思うわけです。ただいまのような個別具体な部分については、いろいろな課題を持って進んでいるわけですけれども、それを、やはり現場に近い形で、先ほど伊藤課長がおっしゃったように、さらにその実効性を高めていくには、やはり被災地として、政府に対して、関係機関に対して、もう少し発言力を上げていかなければならないと。私も代表質問の中で、国と地方の協議の場というものが法制化されましたので、このような機会を捉えて、復興特区全体にかかわってもう少しプッシュする場面、そういうところを恐らくこの復興局が担っていると思うわけですが、今後の課題として、この特区制度をさらにうまく活用させていくという方針についてどのようにお考えか、ちょっと大きな話ですけれども、副局長にお聞きします。
〇高前田理事兼副局長 復興特区制度の活用についてでございますが、復興特区制度の活用につきましては、これは、三陸の復興を進める上で有力な施策の柱の一つであると考えてございます。こういったようなことから、先ほどの産業再生特区の関係については、御説明させていただきましたような取り組みをしているところでございますけれども、あわせまして、この復興特区制度のさまざまな改善の必要性といったようなことにつきましても、国に対する政府予算要望でありますとか、そういう場を通じて、これまでも重ねて要望してまいっておりますし、それから、国の復興推進委員会、これは本県知事が委員になってございますけれども、そういった復興推進委員会の場におきましても、こういった復興特区制度の見直し、活用の促進に向けた改善といったようなことを強く発言させていただいているところでございます。
 今後とも、国に対しては、あらゆる機会、それから国の復興推進委員会の場等を通じながら、積極的に見直しを要望していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 職務の役目を大きく担って、企画、そして振興させていくというのが復興局の役目であるとも私は思っているわけです。被災地の自治体の首長の話だと、規制緩和等法制上の壁にぶつかったときに、陸前高田市の戸羽市長の話だったと思いますけれども、何か、まだ伝言ゲームをやっているような感じがするというような話が出ないように進めていかなければならないと。
 国の中でも、復興特区以外に活性化の部分とか国際化に向けての特区があるわけですが、復興特区に関しては、もっともっと発言力を高めて、我々の三陸の創造に向けた動きを加速していく必要が本当にあると思っております。今後も特区制度を最大限に生かした復興を目指していただきたいと思います。
 最後になりますけれども、今、復興に係るさまざまな課題がある中で、今10の復興特区制度がありますが、新たに課題として復興局の中で考えているもので、さらに、進めていく上で必要となるような特区制度というものを考えているかどうか、その点についての考え方をお知らせ願います。
〇森企画課総括課長 新しい復興特区の導入の考え方についてでございますけれども、今、まちづくりが推進されているところでございまして、さまざまな申請を予定してございます。
 まず、復興まちづくりに関連いたしましては、大震災関係で、その後、応急仮設建築物として建築された店舗ですとか工場等が、建築基準法の存続期間というものがございまして、2年3カ月までとなっておりますことから、その延長をする特区、これを来年度早期に申請するということで、今、調整をしているところでございます。
 また、同じくまちづくりの関係といたしまして、公営住宅の入居資格の緩和について、収入基準ですとか同居親族要件の緩和等を可能とする特区、これも来年度早期に申請を考えてございます。
 再生可能エネルギーにつきましては、特区法に定める特例措置に加えまして、土地利用規制の緩和等、新たな規制ですとか手続の特例措置が必要であると考えておりまして、国に対して法定以外の新たな特例措置を提案する方向で、今、関係省庁と協議をしているところでございます。
 今後、国に対して、早期に提案できるよう努めていきたいと思っております。
 また、このほかに、復興特区法の特例措置として、これは法定でございますが、確定拠出年金法の特例措置というものがございます。これは確定拠出年金の加入者で、今回の震災によりまして、住居、家屋が半壊等なされた方、一定の要件のもとで脱退して、その資金を使えるというような形の特区がございます。これにつきましても、被災者の生活再建のため使えるようにする必要があるということで、現在、市町村と調整を進めているところでございますが、本年度中、3月中には、できれば申請したいと考えているところでございます。
 そのほかにつきましても、復興まちづくりやさまざまなプロジェクト、これで規制緩和が必要となる、規制緩和の種類が特定されたものから、順次、特区の申請を検討してまいりたいと考えてございます。
〇飯澤匡委員 今後の構えとして、分権改革という視点の中で、これは特区制度の資料のいただいた概要の中にも入ってありますけれども、そういう視点も我々の姿勢の中に据えて、これはここに書いてあるように突破口となり得るものだと思います。再生特区をいかに活用させてうまく被災地の産業の振興や、本当に21世紀型の復興という形になり得るように、復興局の皆さんにも、そういう視点を忘れないで頑張っていただきたいと思います。以上で終わります。
〇神崎浩之委員 東日本大震災津波における内陸部の住宅被害の再建状況についてお伺いいたします。
 もちろん、最大の課題は沿岸部の復興と理解はしておりますが、内陸の地震被害の復興もまだ6割しか進んでいない状況。2年たっても、見方をすると、奥州市、一関市においては4割しか進んでいないという状況でありますので、復興局について、また県土整備部でもやりますが、お伺いしてまいります。
 まず、現在の県内の被災状況について、県内それから沿岸地域、それから内陸地域、そして内陸の被災住宅の再建状況について、復興局としてはどう捉えているのかお伺いいたします。
〇鈴木生活再建課総括課長 被災者の皆さんの被災状況でありますとか住宅の再建状況につきましては、復興局におきましては、被災者生活再建支援金の申請件数で把握しているところでございます。
 本年1月末現在で申し上げますと、被災者生活再建支援金の基礎支援金の申請件数につきましては、県全体で2万3、005件、加算支援金の申請件数は5、844件でございまして、総申請率は25.4%となってございます。
 これを沿岸と内陸の地域別に申し上げますと、沿岸市町村におきましては、基礎支援金の申請件数2万2、431件に対しまして、加算支援金の申請が5、499件でございまして、申請率は24.5%でございます。
 加算支援金の内訳は、最も多いものが補修の2、702件、次いで建設、購入の2、259件となってございます。
 一方、内陸市町村におきましては、基礎支援金の申請件数574件に対しまして、加算支援金の申請が345件でございまして、申請率が60.1%となってございます。
 加算支援金の内訳は、最も多いものが建設、購入の228件、次いで補修の89件となっているところでございます。
〇神崎浩之委員 ただいまの答弁でも、内陸部でも2年たっても加算の分、いわゆる新築それから補修等6割にしか至っていないという状況を説明していただきました。
 次に、罹災証明の再審査についてなんですが、市町村の被害区分が一回出されまして、その後認定に不服がある場合、再審査制度というんでしょうか、そういうものがあるものなのかどうか。それから、それは一般的なのか、実績それから実施地域についてお伺いをしたいと思います。
〇鈴木生活再建課総括課長 罹災証明の再認定についてでございますが、罹災証明につきましては、市町村が自治事務として行っているところでございますが、罹災証明の全壊でありますとか大規模半壊等の被害区分につきましては、内閣府が定める災害に係る住家の被害認定基準運用指針に基づきまして、各市町村が被災した住家を調査した上で認定を行っているところでございます。
 市町村が行う被害認定のための調査は、運用指針によりまして、住家の外壁や基礎等の外観から調査可能な部分を対象として調査を行うこととされておりますが、それに基づく市町村の被害区分の認定に被災者の皆様が不服があり、改めて調査の申し出があった場合は、外観のほかに内部に立ち入って柱や壁、内壁等につきまして、より詳細な第2次調査を行うこととなっているところでございます。この第2次調査により、内部の損壊等の被害が判明した場合は、被害区分が変更となることもあるということでございます。
 また、被害区分の再認定につきましては、このたびの東日本大震災津波により家屋被害のあった31市町村におきまして、内閣府の定める運用指針に基づきまして、被災者の皆様から申し出があれば実施しているところでございますが、数については承知していないところでございます。
〇神崎浩之委員 震災からもう2年たっているわけですが、いまだに内陸部の住宅のほうからは相談があります。一部損壊から大規模半壊に変更になったという場合─今、2年たっているんですよ。そういう場合に、再審査が認められた場合に、今現在受けられる制度はあるのかどうか。それからもう2年もたっているので、受けられない制度というのがあるのかどうかお伺いいたします。
〇鈴木生活再建課総括課長 一部損壊から大規模半壊に変更となったことに伴いまして受けられる支援についてでございますが、一部損壊から大規模半壊に変更になる際に、住宅を建設、購入されるという場合を前提に御説明を申し上げますが、まず、新たに義援金、これは101万5、000円が支給されるものでございます。また、住宅再建に際しましては、被災者生活再建支援金が最大250万円のほか、バリアフリーや県産材の活用を行う場合の補助、これは最大130万円支給されます。また、借り入れに伴う利子補給等も行われるというものでございます。
 なお、被災者の皆様の応急仮設住宅への入居につきましては全壊の方を対象としておりますので、当初から大規模半壊の認定の場合であっても、入居できないところでございます。
〇神崎浩之委員 震災直後はさまざまな制度があったというような言われ方をするんです。今、2年たって、これから再認定になって家を壊すとした場合、そしてアパートに住むという場合に、直後であればみなし仮設に入ることができたけれども今は入れないとか、それから、当時であれば環境のほうのお金で全額公費で壊していただいた。だけれども、今は、壊す分については自己負担だという、区分は別としてそういうことを住民から言われる場合があります。
 そこで、細かいことはいいですけれども、これは副局長にお伺いするわけですけれども、内陸部では2年たっても再申請をしなければならない状況にあるということなんです。沿岸の津波の場合には、一瞬にして残念ながら家が消えてしまったということなんですけれども、内陸部の地震被害については、まだまだ余震があり地面が安定していないということがありまして、最初は補修して住んでいこうと思ったんだけれども、だんだん年を追うことによって、そして結局1年半たって再申請して壊すことになったということがあるんですが、そういう状況があるということについて把握されているでしょうか。
〇高前田理事兼副局長 内陸部での地震被害の状況についての認識でございますけれども、先ほども生活再建課総括課長から御答弁申し上げましたように、内陸部におきましても相当の地震の被害があって、被災された方が大勢いらっしゃるということが明らかでございますし、家屋の損壊の状況につきましても、今委員御指摘のとおり特に地盤の関係が大変な状況になって、半壊、全壊といったような家屋が相当数あるということも承知をいたしてございます。そういったようなことで、まずは私どもできる限り、活用できるあらゆる制度についての御案内をしっかりとまずさせていただくということが重要であると考えておりまして、さまざまな相談活動等を通じまして、そういった被災者の方々に対する情報提供をまずは積極的にやらせていただきたいと考えているところでございます。
〇神崎浩之委員 次に、沿岸から内陸に避難している被災者の数についてお聞きしたいと思います。
〇鈴木生活再建課総括課長 沿岸から内陸に避難している被災者の数についてでございますが、本年3月1日現在、内陸21市町村のうち19市町村に、3、806人の被災者の皆様が避難しているところでございます。
〇神崎浩之委員 私も沿岸部から内陸に避難している方、いろいろと細部にわたって調べているわけなんですけれども、盛岡市も624世帯がみなし住宅等に入っていると。盛岡市に624世帯入っている。624世帯のうち620世帯は、沿岸から来ていらっしゃるということで、この方は行く行く帰られるので、残りは4世帯という状況である。それから、滝沢村にも96世帯が来ていて、そのうち94世帯が沿岸ですから、残るのが2世帯ということで、ほとんどが沿岸に帰られるということですが、ところが、奥州市には130世帯がみなし仮設等に住んでいるんですが、そのうち沿岸からは79世帯ということで、51世帯が内陸の方であると。それから一関市においても、みなし等に278世帯がいるわけなんですが、沿岸の方がそのうち136世帯ということで、沿岸の方が戻られても142世帯が残るという状況であります。そういう中で、この方々は2年たってもまだ内陸でみなし仮設に住んでいる方がいるんですが、話を聞けば、500万円ぐらいいただいても新しい家が建たないと、よく沿岸の方も言われている話であります。その中で沿岸の方については、今後時間はかかりますけれども、災害公営住宅等が出てくるわけなんですけれども、ところが内陸には災害公営住宅はないということ。それから、一関市の場合は今お話しあったように地盤自体がやられていますので、もともとあったところを更地にして家を建てるんじゃなくて、新たに場所を移転して家を建てなければならないと。沿岸部の高台移転、それからかさ上げというような同じ状態で、今あるところを売って次に移らなければならないということがあるんですが、沿岸の場合には、公の、行政がもともと住めないところの土地を買って、そして次に移るというような手もあるんですけれども、内陸の場合にはそういう制度もありませんので、もともとあったところから離れて新たに土地を購入する。だけれども、もともとあったところは、だれ、あんた住めねんだがら、そこなんか誰も買わないよということがあって、人によっては沿岸部よりも条件が不利な状況もあるわけです。
 そこで最後に、高前田副局長にお伺いするわけですけれども、県土整備部でも聞くんですけれども、こういう内陸の、お金がなくて2年たっても新築できない方が140人なり奥州市にも50人なりいるんですけれども、この方はどういうふうにして復興を進めていくのか。例えば内陸部に災害公営住宅を建てていくのか、それとも市営アパート等を活用していくのか、そういう方がいらっしゃるということについてどんな考えで今いらっしゃるのかということを聞いて終わりたいと思います。
〇高前田理事兼副局長 内陸にいらっしゃる被災者の方々の住宅再建についてというお尋ねだと思います。
 先ほどの総括課長の答弁の中でも申し上げましたとおり、内陸の市町村におきましても、基礎支援金の申請件数で574件ということでございますから、相当被災された方々がいらっしゃると。このうち、大体6割の方が、今のところ何とか住宅再建までたどりついていただいているということでございます。
 それ以外の方々についての支援についてでございますけれども、県としては、これまでも議会等の場面でも御説明を申し上げておりますように、国の被災者生活再建支援金に加えまして、被災者の住宅再建が重要だということで、今年度から、実はこのたびの大震災で被災した各県の中では唯一でございますけれども、県と市町村が共同して最大で100万円を支援するといったような事業を立ち上げております。それから、御案内のように、バリアフリー化でありますとか、それから県産材の活用の場合の支援といったようなことで、さまざまな施策を用意させていただいているということでございまして、したがいまして、できる限り、まずはこういった施策を活用いただくということを御検討いただきたいと考えておりますし、それから、今、お住まいになっている地元の市町村ともよく連携をさせていただきまして、こういう方々を収容できるような公営住宅といいましょうか、そういったようなものの整備についても検討していく必要があるかと思っております。
 いずれにいたしましても、被災者の方々、さまざまな御事情を抱えておられます。住宅再建に係る資金のほか、家族の将来の生活設計といったことなども含めて、解決しなければならない課題を抱えておられると思いますので、そういったような方々に対して、私どもファイナンシャルプランナーでございますとか弁護士さんでありますとか、専門家の相談活動もやってございますので、そういったものを活用して、被災者に寄り添った形での生活再建というものに努めてまいりたいと思っております。
〇神崎浩之委員 一関市の場合は142世帯あるんです、2年たっても。それが奥州市も今51世帯あるわけです、2年たっても。500万円いただけるんですけれども、そういうことがある。それから、内陸部の家屋の被害で半壊も入れますと一関市は788戸、それから奥州市は465戸、北上市は503戸の家屋倒壊があるということであります。これからみなし仮設の期限がまた1年1年クローズアップされてくるという中で、この方々はどこに行くのかなと。沿岸は公営住宅に移るということもできるんですけれども、今のところないんですね。そんなことで課題を提起して終わります。
〇工藤勝博委員 復興計画推進費に関してお伺いいたします。
 各市町村では復興計画あるいはまた実施計画等が進んでおりまして、これからは実施整備事業とか実際の復興予算を使った整備事業に入ると思います。そういう中でいろんな課題も見えていると思いますけれども、市町村との連携も含めてどういう課題が今挙がっているのか、1点目にお伺いいたします。
〇蓮見復興担当技監 まちづくり事業の進展に伴う課題等でございますが、まず市町村については、マンパワーの不足というのがあると思っております。それから用地取得等が本格化してまいりますので、特に用地交渉業務等々の職員の不足というものがございまして、これにつきましては全国の地方公共団体、国等の関係機関に対して、継続した人的支援を要請しているところでございます。
 それから、まちづくり事業につきましては、都市計画等のノウハウを持った職員も必要でございますので、これについてもあわせて要請をしているところでございます。
 事業箇所、これから工事着手の時期を迎えるわけでございますが、そうしますと、建設業者の不足ですとか資機材の不足ですとか、あるいは工事の施工段階のさまざまな課題が出てまいりますので、そういったことにも施工確保の連絡調整会議等を開催して、対応してまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 徐々に被災地のつち音も高くなってきていると思いますけれども、イの一番に実施計画の中でもそれぞれの市町村の都市計画、区画整理事業、これが進まないと、なかなか被災地における事業の再開も難しい、あるいはまた住宅の建設も進まないということだろうと思います。そういう一番大きな課題が、先ほどもお話がありました土地の取得に向けての対応というのは大変大きな課題だろうと私も思います。そういう中で、本会議の中で知事も、国の制度を何とか見直してもらいたいという強い意欲を示しておりましたけれども、そういう点では、この制度の改革に向けた動きといいますか、国からの報告等があればお聞きしたいと思います。
〇渡邊まちづくり再生課長 土地取得の問題につきましては、国でもただいま検討チームを立ち上げまして問題の解決に取り組んでいるところでございます。
 土地問題につきましては、所有者が不明であるとか境界が不明であるとかといった問題がございます。それらの問題につきまして、現状の施策の中で対応できるもの、それから、現状の施策の中での運用だけでは済まないもの等ございますので、現状の施策の運用で対応できるものにつきましては検討していただいておりますし、施策だけでは済まない、新たな法整備が必要なものにつきましては、国に要望して対応をお願いしたいと考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 国にも各地からそういう声があると思いますけれども、進まないというのが現実にあるだろうと思いますけれども、そういう中で、逆に、自治体の皆さんが、自分たちの地域は自分たちで調整しようという地権者の会もできている地区もあります。そういう自主的な、自分たちのまちは自分たちでつくるんだという気概は当然あると思いますし、ただ、人にばかり頼るわけではなく、支援するというか応援するような仕組みをこれからとっていかないと、なかなか土地の問題は難しいのではないかという思いがしております。そういうことからこういう地権者の会とか、誰かがコーディネートするような仕組みというお考えはないでしょうか。
〇渡邊まちづくり再生課長 地域の住民の皆様への支援ということでございますけれども、現在、それぞれの市町村に学識経験者等が入ってまちづくりの支援をされております。また、そういった有識者を派遣する制度もございまして、まちづくりにおいて、希望のある市町村におきましてはコーディネーターを派遣するといった制度もございますので、それらを活用してまちづくりを進めていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 事業をなされている方は、グループ補助金等で採択されても、計画どおりに土地が確保できないとその事業も再開できない。そしてまた、一度グループ補助金の延長制度もあるんですけれども、もう年数がたつことによって、事業自体が難しくなるというのも現実に出てきております。一刻も早くこの土地の確保を、区画整理事業は進める必要があるだろうと思います。
 副局長はこの土地の問題をどのようにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
〇高前田理事兼副局長 この用地の問題は、復興まちづくりを進める上での大変大きな課題であると認識いたしておりますが、この課題の解決に向けては、ポイントは大きく二つあるのではないかと。
 一つはマンパワーの問題でありまして、このために、先ほども御答弁申し上げましたように、まずは用地担当職員の手当てというものをしっかりやっていくということでございまして、この方法といたしましては、職員をふやすといったようなこととあわせまして、用地交渉業務を外部委託できるような、用地補償総合技術業務の運用といったようなことも開始してございます。
 こういったことを通じて、まずはマンパワーをしっかりと手当てをしていくということが重要かと考えてございますし、もう一点は、行政手続の抜本的な簡素化という部分でございまして、これにつきましては先ほども御答弁申し上げましたように、今、国で関係省庁の連絡会を開催していただきまして、まずは現行制度の枠内でどのような手続の抜本的な簡素化ができるかということをいろいろ検討していただいているところでございますが、これとあわせまして、そういった現行制度の枠内を超えるようなものについても、本県から提案をして要望させていただいているところでございますで、引き続き、こういったような取り組みをしていただけるように、国に対して強く要望していきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 この制度の改善は、霞が関文化でなく、非常時の現地の様子をきちっと政府にも伝えながら、速やかに改善していただくようにお願いしたいと思います。
 2点目に、通告しておりましたさんりく未来産業起業促進費についてですけれども、先ほど関根委員からも質問がありまして詳細に事業の内容を伺いました。しかしながら、沿岸地域の人口減、あるいはまた簡単には起業される状況に、難しい部分がたくさんあるのではないかと思います。1企業100万円を限度にして本当に何ができるんだろうと、未来産業に結びつくような起業が本当にできるのかというのが実感としてあります。その辺のもっと弾力的な予算配分等も必要ではないかと感じましたけれども、その1点お伺いして終わります。
〇伊藤産業再生課総括課長 起業支援金の100万円ということでございますが、まず起業支援金の考え方でございますけれども、起業する方は資金を持たない方々が多いわけですから、そこの立ち上げについて支援する必要があるということで、立ち上げに関する費用としまして事務所の開設費、あるいは事務機の整備費、あるいは従業員を雇う場合は人件費、あるいは法人の設立費等がございますけれども、このような必要な経費につきまして、これまで実際に起業した方々の資金の例等をお聞きしまして、その実績をもとにして経費を積み上げて100万円としているところでございます。
 100万円を超す部分もあるかと思いますが、それについては自己負担をしてもらうことになりますし、あるいは100万円かからない例もございます。これについては、その分、全額を支給させていただくということにしております。
〇工藤勝博委員 ぜひとも新たな産業が起きるような発想、従来の発想から転換してやるべきだろうと思いますけれども、三陸のすばらしい自然といいますか資源も活用しながら、岩手ならではの復興の支援も含めて、そういう起業ができることを望みたいと思いますけれども、本当に、あすをどう暮らそうかということがイの一番だろうと思いますけれども、そういう中で、明るく、動き出す企業の皆さんをぜひとも力強く支援していただくようにお願い申し上げて、終わります。
〇吉田敬子委員 復興計画推進費についての答弁で、市町村との連携と課題については把握いたしましたので、割愛しながら質問いたします。
 推進費の中で復興意識調査や復興ウォッチャー調査等されておりますけれども、これまでの市町村との連携の中でも、男性、女性の性別や年齢、業種にかかわりなく、満遍なく県民の声というのが復興応援の取り組みに反映されるよう、これまでも工夫されてきたと思うんですけれども、その復興ウォッチャー調査で各市町村ごとに出てきたものが、各市町村にも直接届けられてきていたのか。また、今後もこの復興ウォッチャー調査をされていくと思うんですけれども、課題等があればお伺いいたします。
〇森企画課総括課長 復興の取り組みに対しますさまざまな県民の声の反映ということでございますが、被災者一人一人に寄り添った復興を進めるためには、女性ですとか高齢者ですとか、さまざまな立場に立った取り組みを展開していくことが必要と考えてございます。
 県の復興施策を審議します復興委員会の委員といいますのは、県内の各団体の代表の方から構成されておりまして、具体的な施策について御意見をいただいているところでございますけれども、これに加えまして、男女共同参画の観点から、女性との意見交換会、これは毎年度開催させていただくとともに、県内の各分野で活躍されている女性の方々からさまざまな御意見、御提言をいただいているところでございます。これによりまして、復興計画策定ですとか、今年度実施いたしました復興実施計画の見直しに反映させていただいたところでございます。
 また、復興ウォッチャー調査でございますが、これは仮設住宅の自治会関係者ですとか学校の先生、あとは商工業者、1次産業の150名の方々の御協力を得て、年4回実施している定点の調査でございます。こちらは被災地域の復興の実情を把握するために必要な分野を網羅しているところでございますし、さらに、毎年2月、県内に居住する20歳以上の男女の5、000名の方々を選挙人名簿から無作為に抽出いたしまして、復興に関する意識調査を実施し、幅広い属性の方々からの御意見を伺っているところでございます。
 この復興ウォッチャー調査で自由記載欄というのもございまして、さまざまな意見が寄せられているところでございます。これにつきましても公表させていただいておりますので、各市町村においても御参考にされていると存じますし、あと、女性との意見交換会で出たさまざまな御意見、これにつきましても各市町村に情報共有させていただいているところでございます。
 こうした取り組みに加えまして、来年度は、平成26年度を初年度とします第2期実施計画の策定に当たりまして、各地域における意見交換会を実施したいと考えております。この実施の方法につきましても、いろんな方が参加しやすいように、開催日時ですとか時間ですとか、さまざまあると思いますけれども、幅広い方々に参加して意見を言ってもらえるようなことで、工夫をしていきたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 性別も含めて、参加しやすい意見交換会としていただきたいと思いますし、その中で、復興ウォッチャー調査なんですけれども、委員会等でもちょっとお話をさせていただいたんですが、回答者の属性が、女性が3割と少ないですので、抽出というか選んでいただく段階で、ぜひ幅広くというか、女性も半々に意見が反映されるように、来年度以降、人選が変わるのかどうかちょっとわかりませんが、ぜひそこを、意見交換会もそうですけれども、こちらのウォッチャー調査の人員選出にもぜひ工夫をお願いいたします。
 その所見を伺いつつ、あともう一つ簡潔に、これは通告していなかったんですけれども、政策地域部でちょっとお話をさせていただきましたら、先ほども答弁の中で、課題がマンパワー不足ということだったんですけれども、今復興局に、青年海外協力協会から2名の方が一緒に連携をとっているという話を聞いているんですけれども、連携をとって各自治体のニーズ調査を今していて、自治体に職員を派遣するような業務をこれから始めるということを聞いているんですけれども、そういったところは政策地域部の管轄でなく、結局、復興局だという答弁をいただいていたので、その辺を把握されているのかを伺います。
〇森企画課総括課長 復興ウォッチャー調査でございますが、これは定点調査ということで毎年同じ方、継続して、どのように見られているかということで、変化を調査する調査でございますので、人選し直すというものは難しいところでございます。ただ、毎年行っております意識調査につきましては、去年第1回目だったんですけれども、これは5、000人のうち実は5割強の方々は女性ということもございますので、そちらでも十分意見は反映させていただいていると存じます。
 あと、JICAでございますが、国で国家公務員のOBですとかJICAの方々を使って宮城県に派遣されているというのは聞いてございます。本県も国際交流協会、岩手県の協会もございまして、そちらとも意見交換をさせていただいておりますので、今後、具体の話があれば応じていきたいと思います。
〇高橋元委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時44分 休 憩
午後1時3分 再開
〇郷右近浩副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、この後、本日審査を予定している部局について延べ15人の質問者が予定されております。
 なお、質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑することとし、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として、短時間かつ簡潔に行うことを基本とするとともに、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないよう御協力をお願いいたします。
 また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
〇木村幸弘委員 協力して1問だけにします。復興まちづくり支援事業費についてでございます。
 説明の中で、いわゆるより質の高い街並みを形成するための地域体制を構築、促進するという説明の項目があるんですが、この良好な街並み形成の促進といった場合に、具体的な事業内容がセミナーの開催と書かれているんですが、もう少し内容について説明をいただきたいと思います。
〇渡邊まちづくり再生課長 復興まちづくり支援事業におけるその良好な街並み形成の促進ということでございますけれども、被災地では、既に一部の復興まちづくり事業において造成工事が始まったところでございます。今後、順次住宅再建等が本格化する時期を迎えるというところでございます。
 良好な街並みを形成するためには、住宅再建が本格化する前に、魅力ある街並み形成の方策を検討する必要があるということから、市町村や住民協議会のまちづくりの取り組みを技術的に支援することが重要であると認識しているところでございます。
 今年度は、魅力的なまちづくりをテーマといたしまして、沿岸の市町村長を対象に復興まちづくりセミナーを開催したほか、まちづくり計画を策定する市町村の実務担当者や、まちづくりを進めていく住民を対象に、国土交通省と共催で国土政策フォーラムinいわてというものを開催したところでございます。良好な街並み形成に向けて、技術的な支援の啓発を行ってきたところでございます。
 平成25年度におきましても、引き続きまして、良好な街並みの形成を促進するために、市町村の職員、それから住民の皆様を対象としたセミナーを開催するわけでございますけれども、良好な街並みを形成するためには、地域固有の魅力等を生かしたまちづくりを進めていくことが大事でございます。どこを改善し、どこを保全、継承していくのかといったことを住民の皆様がより主体的に考えていただくということで、住民の皆様に対してのセミナー等を実施するところでございます。
〇木村幸弘委員 このセミナーを受けて、どこが、どういう形で進めるのかというところを確認したくて質問しましたけれども、今、住民が主体となりながらという御説明をいただきました。
 先ほど来、午前中の審議でも、今後のまちづくりについては重要な課題であるという議論の中で、やはり、どう住民の合意形成を図り、あるいは参画を促し、そして、まちづくりにみんなで取り組んでいくかという機運や状況、環境をつくっていくということは、大変重要ではないかと思っております。
 そういう点で、この取り組みが、平成24年度も今の説明では若干行われたようでありますが、市町村の実務担当者や、あるいは住民協議会等の関係ですか、そうした取り組みを行われたということですが、具体的にそれらの成果がどういう形で今上がってきているのかについてお伺いします。
〇渡邊まちづくり再生課長 平成24年度につきましては、まず、津波伝承まちづくりガイドラインというものをつくってございます。これにつきましては、災害に強く快適で魅力あるまちづくりを推進するために配慮すべき事項等について、検討委員会を立ち上げまして、専門的な意見を踏まえましてガイドラインを作成しまして、それを市町村の職員ですとか被災地の住民協議会等へ提供してございます。
 また、そのまちづくりガイドラインに基づきまして、国土政策フォーラムを昨年10月に、三陸に住み続けるためにということをテーマといたしまして、災害に強く快適で魅力あるまちづくりを進めるためのフォーラムを開催したところでございます。
 このガイドラインにつきましては、このようなフォーラムとあわせまして、ホームページでも掲示してございますので、どなたでも参照できるようになっておりまして、これらをまちづくりのために活用していただきたいと思っております。
〇木村幸弘委員 ありがとうございます。
 そうした中で、例えば、被災市町村が計画を策定しているまちづくりの整備計画との整合性であるとか、そして、そこに住民がどういう形でかかわって、その地域固有の課題や街並み形成について提言をし、その活用を図っていくのかというところの体系的な中身といいますか、いわゆる行政、住民等を含めた関係者の取り組む組織の体系といいますか、そういったところについてはどのようになっているのかということが1点。
 それから、復興公営住宅などの整備も含めて、先般、ちょっといつの時点でしたか、ここ最近のテレビの報道の中で、やはり阪神・淡路の教訓を経て、そちらのコーディネーターの方が来て、いわゆる住民自治会グループだと思いますけれども、さまざまなグループの皆さんに、どんなまちづくりをしたいかということで、自分たちで討論をさせて、自分たちの意見や要望を一つの形でテーブルごとにまとめさせて、それを、自分たちのまちはこうしたいのだという形で取りまとめながら、それを発信していくという試み的な取り組みが紹介されていたのを記憶しております。
 そういったことを含めて、具体的にセミナーを開催して、そこで得た知識や情報と、そして、そこからどう自分たちが自発的に、自主的にこの街並み形成の中にかかわっていくかというそのプロセスを、もう少し説明いただければありがたいと思います。
〇蓮見復興担当技監 被災地のまちづくりにおきましては、これまでも、復興計画の策定ですとか、個別の事業の具体化に当たりまして、さまざまな方策で住民の意見を反映させてきたところでありますが、これから、まさにまちづくりの詳細が具体化してまいりますので、区画の確定ですとか、建物の設計の前に、よりよいまちづくり、魅力的なまちづくり、街並み形成に向けて、いろいろな取り組みをしていかなければいけないと思っております。
 その際の体制等につきましては、やはり主体となりますのは、まちづくり協議会、いわゆる住民の方々の団体が自主的にいろいろな提言等をしていただいて、それを行政の側で反映させたり、あるいは個別の自主再建の家屋に反映させたり、そういう形が一番理想ではないかと思っているところでございます。
 これは、国の復興推進委員会の今年度の成果の中でも、まちづくり協議会の重要性は指摘されているところでございまして、最終的には、そういうことを目指して、セミナーとか情報提供によって、これを促していくような取り組みをしてまいりたいと思っております。
〇木村幸弘委員 ありがとうございます。
 いずれ、復興の実感がなかなか湧かないとか、あるいは見えないとか、いろいろな議論があり、指摘もされ、そういう中で、やはり住民が直接まちづくりの中にかかわっていく、参画をしていく、そして、そこでの議論を通じて、その意見が本当に自分たちのまちの復興の形としてつながり、見えていくという取り組みをしっかりとつくっていくことが、実は一番近道であり、住民の理解と復興への道としては大変大切なことではないかと思っておりましたので、ぜひ、そういった取り組みをしっかりやっていただくことをお願いして、終わりたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、第1に、大震災津波から2年が経過して、被災者の避難生活の状況がどのように変化したのか具体的にお聞きしたいと思います。
 第1点は、仮設、みなし仮設、自宅等、内陸の仮設以外、県外避難が、ピークの状況からどのように今変化をしたのか、率を含めて示していただきたい。
 それと、第2点は、仮設住宅の入居待ちの状況は今どうなっているのか。
 第3点は、みなし仮設、これは、当初2年で契約されていて、さらに1年延長ということになりましたが、2年が過ぎるわけですけれども、その契約の継続の状況、また、契約に至らない状況、その後の対策を含めて答えていただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、被災者の状況についてでございますが、平成25年3月1日現在、本県全体の被災者数は5万4、652人となっておりまして、このうち、応急仮設住宅には全体の53%に当たる2万8、968人、みなし仮設住宅には約17%の9、502人、沿岸の御自宅等には約24%の1万3、232人、内陸の御自宅や親類宅等には約2%の1、293人、また、県外には3%の1、657人となっているところでございます。
 状況の変化ということについてでございますが、先ほど申し上げました平成25年3月1日現在の応急仮設住宅及びみなし仮設住宅の入居者の合計3万8、470人は、最も入居者数が多かった平成23年10月の4万3、738人と比べると5、200人余り減少しているところでございます。
 次に、応急仮設住宅の入居待ちの状況についてでありますが、応急仮設住宅の3月1日現在の空室676戸に対しまして、入居待ちは213戸となっております。そのうち、親戚宅等に避難していて、新規に仮設住宅へ入居を申し込んでいるのは36戸ございまして、いずれの市町村におきましても、必要な空き室は確保されているところでございます。
 残りの177戸につきましては、既に仮設住宅に入居している者のうち、空室ができた場合に追加の住居や転居を希望している世帯でございまして、今後、空室の状況を見ながら、市町村において弾力的に対応をしていくこととしているところでございます。
 次に、みなし仮設住宅の契約延長とその後の住宅確保についてでありますが、応急仮設住宅の供与期間が1年間延長されたことに伴いまして、昨年8月から、県が借り上げました民間賃貸住宅の入居者の皆様に、延長の意向確認と貸し主の皆様へ延長のお願いを行ってきたところでございます。文書通知に加えまして、直接、現地等に訪問いたしまして、回数といたしますと16回になりますが、お願いしてきたところでございます。その中で、最終的に貸し主から同意が得られない場合は、入居者の皆様に転居についてお願いしてきたところでございます。
 その結果、本年3月1日現在、契約件数全体では3、028件ございますが、その中で、入居者が延長を希望している民間賃貸住宅の契約件数が2、970件ございます。その中で、貸し主が延長に同意したものが2、949件、貸し主から延長の同意が得られなかったものが21件となっているところでございます。
 貸し主から同意が得られなかった21件につきましては、全ての入居者の皆様に転居について説明し、御理解をいただいているところでございまして、3月11日現在で、既に7世帯の方が、他の民間賃貸住宅に転居いただいているところでございます。
 また、県では、貸し主から同意が得られないため入居者が転居する場合に要した経費につきまして、最大10万円を支援することとし、そのための予算を2月補正予算及び来年度当初予算案に計上させていただいているところであり、今後も、被災者の転居等について支援を行ってまいります。
〇斉藤信委員 県外避難を含めて5万4、652人、そのうち5、220人が変わった、自立したということになると思いますが、特に、応急仮設住宅の世帯数、人員は、私はほとんど、もう95%ぐらい変わっていないのではないかと思いますが、どうですか。
〇鈴木生活再建課総括課長 応急仮設住宅のピーク時における数につきましては、後で調べて御報告申し上げます。
〇高前田理事兼副局長 応急仮設住宅のピーク時の戸数は、これは平成24年1月13日時点でございまして、1万3、228戸でございます。それが現在の戸数に減少しているということでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、まず96%ですから、ほとんど応急仮設住宅の入居状況は変わっていないと。2年が経過して、本当に被災者の状況は大変だと。ここをしっかり把握した上で今後の取り組みを進めることが必要だと思います。
 みなし仮設住宅の契約継続については、私は、大変努力していただいたと、これは評価したいと思います。
 次に、大きな2番目ですが、住宅再建の状況についてお聞きします。
 2周年のさまざまな新聞の特集記事や世論調査などを見ましても、私どもも独自の調査をしましたが、被災者の一番切実な要望は住宅再建です。そして、住宅再建への支援であります。その点で、今、被災者生活再建支援金で住宅再建の状況はどうなっているのか、最新状況を示していただきたい。県の100万円補助の被災者住宅再建支援事業の申請状況はどうなっているか。
 そして、午前中の議論でもありましたけれども、震災復興特別交付税215億円、これが住宅支援に活用できるということで、補正予算が成立しましたので、これはもう既に市町村に配分されたのか、沿岸市町村ではどれだけ予算化、事業化されているか、その中身を把握していれば示していただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 被災者住宅再建支援金による住宅再建の状況についてでございますが、本年1月末現在で申し上げますと、被災者住宅再建支援金の基礎支援金の申請件数は2万3、005件、加算支援金の申請件数は5、844件でございまして、その申請率は25.4%となっているところでございます。
 住宅再建の方法に応じて支給される加算支援金の申請5、844件の内訳につきましては、建設購入が2、487件で42.6%、補修が2、791件で47.8%、賃貸住宅が566件で9.6%となっているところでございます。
 次に、被災者住宅再建支援事業の申請状況についてでございますが、本年1月末現在の状況で申し上げますと、事業実施30市町村中、26市町村で申請を受け付けしておりまして、その合計は1、587世帯となっているところでございます。その内訳につきましては、複数世帯が1、495世帯で91.9%、単数世帯が128世帯で8.1%となっているところでございます。
〇森企画課総括課長 震災復興特別交付税の配分についてでございますけれども、現在、国の積算方法を基本といたしまして、市町村ごとの配分額を調整しているところでございます。
 対象市町村への具体の配分につきましては、まだ国のほうから交付決定通知がございませんで、交付総額が未確定という状況になってございます。このため、まだ交付は行っておりませんけれども、交付決定があり次第、年度内を目途に、各市町村に対して交付決定を行いたいと考えてございます。
 なお、対象市町村におきまして、予算化の上、迅速な事業化が図られますよう、既に必要な情報等につきましては情報提供を行っているところでございます。各市町村におきまして事業化の準備が進められているものと承知しております。
〇斉藤信委員 被災者生活再建支援金は基礎支援金が2万3、005件で、そのうち再建したというのが総数で5、844件、25.4%、ここにとどまっているところに、私は、大変深刻な事態がまた示されているのではないかと。この中で2、487件というのが新築購入ですが、県の100万円の申請1、587件との差は、新築後に申請ということになるタイムラグですか。
〇鈴木生活再建課総括課長 被災者生活再建支援金の加算支援金につきましては、例えば住宅建設購入の場合につきましては契約時点で申請ができるものでございますが、一方、被災者住宅再建支援事業につきましては、各市町村の補助事業ということで実施しておりまして、申請の時期、交付の時期につきましては、それぞれ、さまざまでございます。例えば、住宅が完成した後に支給される市町村等もあるところでございます。
 また、被災者住宅再建支援金につきましては、建設場所につきまして、県外に家を建設された場合も対象になるところでございますが、被災者住宅再建支援事業につきましては、県内で御自宅を建設、購入された場合に対象となるというものでございます。
〇斉藤信委員 市町村事業だから、完成後、契約時点ということもあるということですね。使いやすくするためには、被災者生活再建支援金が契約時点で申請できるとするのであれば、一番契約しやすいように見直して、被災者の立場に立ってやるべきではないでしょうか。
〇鈴木生活再建課総括課長 被災者生活再建支援金でありますとか、被災者住宅再建支援事業、そのほかにもさまざまな支援措置が講じられております。それらにつきましては、それぞれの制度は独立しておりますけれども、相互に担当課等の連携を図る中での申請手続の円滑化につきましては、各市町村にお願いしているところでございます。
 ただ、申請時期でありますとか支給の時期につきましては、それぞれの市町村ごとの補助制度との兼ね合いもございますので、できる限り被災者の視点での御検討はお願いしたいところでございますが、各市町村ごとの判断となっているところでございます。
〇斉藤信委員 高前田理事にお聞きしたい。こういう制度は使いやすく改善すると。住宅支援への要望というのは被災者の一番の要望ですから。それで、私は、市町村に差があったらおかしいと思いますよ。基本的には被災者生活再建支援金、この制度と同等の扱いにすべきだと思いますが、いかがですか。
〇高前田理事兼副局長 住宅再建につきましてのお尋ねでございますけれども、これは、市町村でもさまざまな補助制度を創設いただきまして、被災者の住宅再建の支援をいただいているところでございます。やはり、こういった制度とのさまざまな整合性の必要がございますが、いずれにいたしましても、一日も早く住宅を再建していただくということが重要でございますことから、そういった問題意識は市町村ともしっかりと共有して、今後、見直すべきは見直しをしてもらうというような取り組みをしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 震災復興特別交付税が、まだ交付決定されていないというので私は驚いたんだけれども、国だって補正が決まったし、岩手県だって補正を決めてしまっているわけですよ。こんなところに、私は、国の本当に変わっていない姿勢があると思います。
 そうすると、結局、市町村では、2月、3月議会では提案されていないということですか。
〇森企画課総括課長 県のほうに交付される総額が決まっておりませんので、各市町村に配分される詳しい額についても、それを待って確定ということになってございます。ただ、概算額ですとかというものについては既にお知らせしてございますので、それでもって今、内部的に検討が進められていると考えております。
〇斉藤信委員 いいことは早くなんですよ。国も補正も決めて、県の補正も決めているのに、国からの交付決定が来ていないなんて、今、この復興ではスピードが問われている。これは、あなた方に文句を言ってもしようがないので、国のそういう姿勢というのは、本当に抜本的に改善していただきたい。
 住宅再建のもう一つ大きな問題は、住宅の二重ローン解消の問題であります。多くの方々が1、000万円、2、000万円、多い人は3、000万円、建設したばかりの家が流されて、残ったのはローンだけと。多くの方々は、せめてゼロからスタートしたいと。家を流されたのにローンが残っているということは、本当に再建の最大の障害と言ってもいい。
 住宅ローンの相談件数、申し出件数、債務整理の成立件数がどうなっているのか。そして、これの抜本的な取り組みを進める上でどんな課題があるのか、どうしようとしているか示していただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 住宅の二重ローン問題の解消に向けた現状と課題についてでございますが、個人債務者の私的整理に関するガイドラインにつきまして、平成25年3月8日現在、本県における相談件数は788件、債務整理の申し出件数は135件、債務整理の成立件数は65件となっているところであり、金融機関によっては、返済猶予などの措置を継続している場合もあることや、被災者に制度の内容が十分伝わっていないことなどから、現在の成立件数に至っているものと考えているところでございます。
 一方で、直近1年間の成立件数を見ますと、昨年3月から8月までの半年間で12件だったものが、昨年9月から本年2月までの半年間で50件と増加傾向で推移してきておりまして、今後も成立件数が増加していくことが期待されているところでございます。
 県といたしましては、ガイドラインの利用を通じまして被災者の債務の減免が早期に行われることは、被災者の生活を再建する上で極めて重要であると認識しておりまして、今後とも、岩手弁護士会やガイドライン運営委員会等、関係機関と連携した適切な周知と、被災者相談会等の場における被災者への相談支援や情報提供を適切に行ってまいります。
〇斉藤信委員 実態として、全国的には3、877件なんですね。これは1万件から2万件を想定して制度がつくられたんですよ。だから、本当にその3分の1ぐらいしかまだ相談件数がそもそもないと。成立件数になると、全国でも280件、うち岩手県は65件にとどまっていると。本当にこれは住宅再建の最大の障害になりますよ。
 東北財務局や金融庁が具体的な通知を金融機関に出しています。弁護士の指摘は金融機関の姿勢だと。やっぱり金融機関の姿勢でこれが動かないのだと。制度の問題も指摘されています。事業者の二重ローンと違って、これは、債務免除した場合に銀行には何のメリットもないんですね。そういう今回のような場合の被災額に応じた住宅ローンの免除ができるような法制度が、私は、今度の津波災害では新しく実現しなくてはならない法制度だと考えていますが、やっぱり金融機関に対する徹底した協力要請、被災者に対する通知、相談事業もこの間やっていますけれども、改めてもう一度お聞きしたい。法制度の必要性も含めて。
〇鈴木生活再建課総括課長 ガイドラインにつきましては、平成23年8月の運用開始以来、被災者の生活再建に考慮した段階的な運用の見直しが図られてきているところでございます。新たな法的な整備の仕組みの創設につきましては、これまでの制度との整合性を図る必要があることから、制定までには相当の時間を要すると見込まれているところでございます。
 しかしながら、個人の住宅ローンに係る二重債務問題が、被災者の生活再建に大きな障害となっていることから、これまでも、この問題の早期解決に向けまして積極的な支援を行うよう、県といたしましても国に対して要望してきているところでございます。
 現在、私ども、岩手弁護士会と被災者の生活再建に向けた問題意識の共有と課題解決を図るため、さらなる連携に向けまして、昨年11月から、毎月1回定期的に意見交換を開始しております。また、ガイドライン運営委員会や金融機関とも継続的な情報交換を行ってきているところでございます。
 その中で出されておりますのは、委員仰せのとおり、金融機関の取り組みが非常に大切だという中で、国から通知が出される中で、金融機関の取り組みについても変わってきたということでございます。例えば、相談会の開催に当たって、金融機関から直接、ローンをお持ちの被災者の方にダイレクトメールを出していただいている金融機関も出てきているというような状況でございます。
 いずれ、弁護士会、ガイドライン運営委員会等との連携を図りながら、さらなる周知に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、復興交付金事業についてお聞きします。
 一つは、県に対する交付額と事業化の状況がどうなっているか。もう一つは、この間、見直しをされたと言っていますが、私は極めて不十分なのではないのかと。岩手県が求めていた見直しでされていない課題は何なのか。
〇森企画課総括課長 復興交付金事業についてでございますが、去る3月8日に交付可能額の通知を受けまして、第5回分の42億円余りを含めまして、これまで県に対し交付された額は1、021億円余りとなってございます。このうち基金のほうから繰り出されて事業化された額は467億円余り、半分弱というところでございます。
 それから、今回の復興交付金の柔軟な運用については、これまで本県から要望してきたものでございますけれども、引き続き要望していく必要がある課題といたしましては、基幹事業、もともとこの交付金制度は5省40事業に限定されております。5省と申しますと、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省の5省でございます。なりわいの再生分野に基づく省庁が入ってございませんので、その分野の基幹事業についても対象を拡大していただきたいと考えております。
 また、個別の査定におきまして、多くの事業で、まだ単年度ごとの申請交付というところになっております。事業を採択していただける場合には、完成までの予算を一括して交付いただけるようにお願いしますとともに、資材高騰等も起こっておりますので、もしそういうことがあった場合、予算の追加等についてもお願いできればと考えております。
 また、復興が完成するまでの間、終わるまでの間、着実な予算措置をお願いしたいと考えているところでございます。
〇郷右近浩副委員長 斉藤信委員に申し上げます。委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせも踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 最近、早過ぎますよ。
 復興交付金の見直し問題で、私は、先ほど砂浜の再生というものも今回は対象になったと。これは、大槌町の吉里吉里で砂浜再生が対象にならなかったというので、これはなるということで理解していいのか。
 あともう一つ、先日、私が陸前高田市に行ったときに、体育館と市営プールを合築して市民総合体育館をつくりたいんだ、防災機能もつけたいのだと。ところが、原状復帰がこの前提なので、ここに交付金がつかないということを言っていましたが、こういうものも対象になってくるのかと。
 それともう一つ、陸前高田市ではアップルロードという、これは県道なんですけれども、それを高台移転の、県立病院もそこに建設される新しいまちのところまでつなげたいと。これは、まちづくりの中心幹線、高田北幹線と言うんですけれども、浸水していないから交付金事業の対象にならないとなっているんですよ。津波被害というのは、高台に新しくまちをつくるから、そこにつなげるもの自身が津波関連なんですね。そういうものも私はしっかり対象にすべきだと思うけれども、今回の見直しでそれはどうなるのか。
〇森企画課総括課長 まず、砂浜の再生に関してでございますけれども、今回は、効果促進事業等において、この調査事業ができるようになってございますので、それらの成果も踏まえて、復興の事業として熟度が高まれば、また交付金事業としてお願いしていきたいと考えております。
 そのほかの事業につきましても、新たなまちづくりのための道路整備ですとかトンネル整備ですとかさまざまな、先ほどの施設のお話もございます。これまでは、どっちかと申しますと、復興に、被害にどれだけ関連するかという説明をいろいろ求められてきたわけでございますけれども、これについても、なるべく幅広く、地域の復興のために資するものについては認めていただけるように、事業の熟度を高めて、再度国と協議してまいりたいと存じます。
〇斉藤信委員 これで最後にします。
 最後に、災害関連死の状況について、申請、認定、不認定、審査中の状況、再審査請求の状況とその結果、県内の災害関連死として判定された方々の原因分析はどうなっているか。審査時間、審査件数、これを含めて示していただきたい。
 3県を比べても、岩手県が、これは申請件数が少ないし、認定件数も少ないんですね。私は、本当にこれはもっと申請しやすく、救える人を最大限救わなければだめだと思いますので、この点を最後に聞いて、終わります。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、災害関連死の状況についてでございますが、本年1月末現在、県内市町村への災害関連死の申し出件数は656件で、そのうち災害関連死として認定された件数は361件、認定されなかった件数は201件、審査中の件数は94件となっているところでございます。
 また、本年2月19日現在、県が受託している災害弔慰金等支給審査会における再審査の件数は14件でございまして、災害関連死として認定された件数は1件、認定されなかった件数は12件、審査中の件数は1件となっているところでございます。
 次に、県内の災害関連死の要因についてでございますが、県が受託しております災害弔慰金等支給審査会におきまして、災害関連死とされた事案につきまして分析いたしますと、避難所等における生活の肉体的、精神的疲労によるものが約3割、病院の機能停止により十分な医療を受けられなかった等によるものが約3割、十分な介護を受けられなかったものや地震、津波のストレスによる肉体的、精神的負担によるものがそれぞれ1割などとなっているところでございます。
 次に、県の審査会における災害関連死の審査件数につきましては、これまで506件を審査してきているところでございます。
 次に、県の審査会における審査時間につきましては、お願いしている委員の方々は非常にお忙しい方々でございまして、審査の効率化を図るために、委員の皆様方には、審査資料をあらかじめ送付し、事前検討していただいた上で、審査会で審査をしているところでございます。
 審査会につきましては、これまで20回開催させていただいておりますが、委員の日程を確保し、十分な審査を行うため、夕方6時から開催いたしまして、審査の終了時間につきましては、あらかじめ設定していないところでございます。また、具体的な審査につきましては、審査会の会長の進行により1件ずつ審査させていただいております。また、審査会において決定を行う事案、いわゆる関連性あり、なしにつきましては、重点的に審査していただきまして、追加の調査が必要な事案につきましては、必要な資料の追加の指示をいただいているところでございます。
 これまでの1回の審査会の開催時間は、おおむね3時間から3時間半程度でございまして、審査件数が多い場合にあっては、おおむね4時間程度となっているところでございます。
 あと、本県の災害関連死の認定数が少ない理由といたしましては、まず、本県の場合、避難所に避難した被災者の数が他県より少なく、避難所の開設期間が他県より短いということが一つ挙げられるかと存じます。
 避難者数につきましては、宮城県の約6分の1、福島県の約7割というような状況でございます。
 また、災害関連死の周知に努める中で申し出件数が増大しておりまして、発災から時間が経過して亡くなられた事案につきましても丁寧に審査させていただいているところでございます。
 本県では、厚生労働省が参考例としてお示ししました長岡市の認定基準である、死亡まで6カ月を経過すれば、災害関連死でないと推定という基準は削除しておりまして、幅広く申し出を審査しているところでございます。
 このようなことが考えられるところでございます。
〇郷右近浩副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇久保孝喜委員 1点だけ確認をさせていただきたいと思うんですが、午前中、復興の情報発信の関係で関根委員からかなり本質的な質疑があったと思っておりまして、森総括課長からもかなり力強い答弁があったところですが、この問題で、国、特にも復興庁との関係の中で、情報発信について、具体的な協議とかをこれまでされてきたという経緯はあるんでしょうか。その点をお聞きしておきたいと思います。
〇森企画課総括課長 情報発信につきましては、今回のフォーラムの関係でも、復興庁のほうから御後援いただきまして開催させていただいております。
 また、そのほかのウエブ情報システムの構築に当たりましても、復興庁のほうと連絡調整、相談させていただいて実施してございます。
 そのほかの情報発信につきましても、随時、意見交換しながらさせていただいているところでございます。
〇久保孝喜委員 この問題は、私は国の責任が非常に大きいんだと思っているわけですね。県がこうして事業化して、そこに復興庁の方を講師としてお呼びするなんていう話ではなくて、むしろ、復興庁がこういう情報発信をする、そこに、例えば県の担当者なり、あるいは市町村が、今こんなことをやっています、こんなことでつまずいていますとかを含めて実態を内外に明らかにするというやり方が、私は本来あるべきだろうと。
 さんざんやりとりがあったように、この風化の問題にしても、それから、これから先の人口減少にどう対応するかの問題も含めて、この情報発信は、私は、復興にとって非常に大きなウエートがあるんだと思うんですね。ですから、復興庁に対して明確に、被災県として、情報発信については一義的に国が責任を持ってやれということを要求すべきだと私は思うんですけれども、そういうやりとりを含めてあったのか、もう一度お尋ねします。
〇森企画課総括課長 震災の記憶の風化の防止につきましては極めて重い課題でございますので、うちのほうからもいろいろ御提言しているほかに、国のほうで復興推進委員会というものがございます。その前に会議がございましたけれども、そこでも、風化を防止して、その記憶を長くとどめるということについて力を入れていかなければならないということが示されておりますので、具体的にどうやっていくか、もちろんメモリアルですとかというものもございます。それについて、引き続き協議していきたいと考えてございます。
〇久保孝喜委員 この間の3月11日の前後に新聞各紙が大きな特集を組みました。まさに復興の姿の見える化ということを一つ表現してくれたんだろうと思います。非常に興味を持って皆さん見たと思うんですね。
 ああいう形で、ハードだけじゃなくて、ソフトも含めて、どれだけ今取り組んでいるかということを随時、私は、四半期に一度ぐらいは、ああいうビジュアル化したものを出すべきだと思うんですけれども、いずれ、そういうことも含めて教訓はいろいろいっぱいあるわけです。そこをぜひ発信していただくという意味で、県も含め、国も一緒になって、共管組織になるのかプロジェクトになるのかわかりませんが、そういう形態をつくることも、私は非常に重要なのではないかと思っているわけですが、今年度で勇退なさる副局長に、その辺の思いをどうやって次につなげていくか、決意も含めてお聞きして、終わりたいと思います。
〇高前田理事兼副局長 震災からの復興についての情報発信についてでございますけれども、これまで、この情報発信が極めて重要だということで、私どもとしても、復興庁に対して、さまざまな場を通じて申し上げてきたところでございますし、具体的に復興庁にお願いいたしまして、先ほど御説明させていただきましたような復興フォーラムの開催経費につきましては、復興調整費を活用させていただきました。これを活用させていただいて、本県独自でも県外でフォーラムを開催いたしましたし、それから、被災4県が連携して、被災4県共同の復興フォーラムを首都圏で開催したといったような取り組みを行っているところでございます。
 それから、情報発信の範疇で申し上げますと、例えば、陸前高田市で今計画してございますメモリアル公園につきましても、やはり重要な情報発信の一つの手だてだということで、これも復興庁に対して強くこの実現に向けて要望してきているところでございます。
 こういった取り組みを行ってございますし、国のほうにおきましても、先ほど森総括課長から御答弁申し上げましたように、国の復興推進委員会のレポートがこの間出ました。その中におきましても、やはりこの震災復興の情報発信が極めて重要だということで、国としても積極的に取り組むといったような姿勢を示してございますので、今後とも復興庁、それから被災各県とも連携をして、被災地の今、そして復興の状況といったようなものをしっかりと情報発信していきたいと考えております。
〇郷右近浩副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇郷右近浩副委員長 質疑がないようでありますので、これで復興局関係の質疑を終わります。
 復興局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇橋本商工労働観光部長 平成25年度の商工労働観光部関係の予算について御説明申し上げます。
 初めに、施策展開の基本的な考え方でありますが、本県を取り巻く経済、雇用情勢は、東日本大震災津波の影響が残る中、一部に弱い動きが見られるものの、緩やかに回復しているところでありますが、復興加速年と位置づける平成25年度は、復興計画に掲げる暮らしの再建やなりわいの再生に係る取り組みをさらに加速させるとともに、希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進し、産業の再生を本格的な雇用につなげるよう施策の重点化を図ったところであります。
 まず、暮らしの再建に向けた雇用の維持、創出については、産業振興施策と一体となった雇用対策や、基金を活用した雇用創出により、安心して働ける雇用機会の拡充と安定的な雇用の創出に努めるとともに、企業と求職者とのマッチングを支援し、就業の促進に取り組んでまいります。
 次に、なりわいの再生に向けては、被災した中小企業や商店街の再建と事業再生を支援するため、融資、助成制度や経営支援体制の充実に取り組むほか、新たなまちづくりと連動した商店街の再構築と活性化に向けた取り組みを支援してまいります。
 また、沿岸地域経済の復興には水産加工業が高い収益を生む産業として再生することが不可欠であることから、水産加工業の商品力向上と販路開拓、取引拡大について総合的に支援してまいります。
 観光振興については、昨年のいわてデスティネーションキャンペーンで築いた官民共同の取り組みを推し進め、大型観光キャンペーンによる全県への観光客の増加を図り、特にも県北・沿岸地域への誘客の拡大に重点的に取り組んでまいります。
 さらに、県内経済の牽引役であるものづくり産業の振興については、地場企業強化と企業誘致の両面から総合的に取り組むこととしており、特にも自動車関連産業については、自動車関連産業振興アクションプランに基づき、その振興に重点的に取り組んでまいります。
 以上が施策展開の基本的考え方でありますが、これら施策の推進に当たっては、それぞれの地域が持つ特性や魅力、人材などの資源が最大限に活用されるよう関係機関などとも連携しながら、東日本大震災津波からの復興の加速、さらには、その先にあるいわて県民計画と第2期アクションプランに掲げる希望郷いわての実現に向けて、全力を傾注してまいります。
 続きまして、予算の議案につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、1項労政費及び2項職業訓練費を合わせた242億4、386万円と、7款商工費の1、310億1、640万円、9ページに参りまして、11款災害復旧費5項商工労働観光施設災害復旧費の79億6、032万8、000円、合わせまして1、632億2、058万8、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と比較しますと55億1、081万9、000円の減、率にいたしまして3.3%の減となっております。減額となった主な内容としましては、中小企業経営安定資金貸付金の75億971万円余、中小企業被災資産復旧事業費補助の10億5、200万円のほか、中小企業等復旧・復興支援事業費の89億9、340万円の減などによるものであります。
 以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 それでは、説明書の138ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、雇用対策部門の職員給与費や労働情報の把握及び労働組合調査などに要する経費であります。2目労働教育費は、労働環境の整備や労働紛争の未然防止等を図るための雇用・労働フォーラムの開催などに要する経費であります。下のページに参りまして、3目労働福祉費は、労働者等生活安定支援資金貸付金などに要する経費であります。4目雇用促進費でありますが、上から四つ目のジョブカフェいわて管理運営費は、ジョブカフェいわてを管理運営し、就業体験、就業相談等の各種支援を行い、若年者の県内就職の促進を図るものであります。また、沿岸地域の求職者を対象とした地元企業の見学会を開催し、被災地域における就業支援を実施するものであります。四つ下の緊急雇用創出事業費補助は、短期の雇用、就業機会を創出する緊急雇用創出事業を行う市町村等に対して、必要な経費を補助しようとするものであります。その二つ下の事業復興型雇用創出事業費補助は、将来的に被災地の雇用創出の中核となることを期待される事業所が被災者を雇用する場合に、雇い入れに係る費用に対する助成金を支給しようとするものであります。次の生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業費は、高齢者から若者への技術伝承、女性、障がい者等の積極的な活用、地域に根差した働き方など、雇用面でモデル性があり、将来的な事業の自立により雇用創出が期待できる事業を行う市町村等に対して、必要な経費を補助しようとするものであります。
 141ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費の上から三つ目の認定職業訓練費は、技能労働者の養成及び技能水準の向上を図るため、職業訓練団体が実施する認定職業訓練に要する運営費に対し補助しようとするものであります。2目職業訓練校費でありますが、管理運営費及び公共職業能力開発費は、産業技術短期大学校等の職員給与費及び運営費であります。下から二つ目の就職支援能力開発費は、離職者等の再就職を促進するための職業訓練を職業訓練法人等に委託して実施しようとするものであります。
 次に、175ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、一つ目の管理運営費は、商工業部門の職員給与費や事務経費など、管理運営に要する経費であります。中ほどより少し上、9節旅費の横に記載の商工・観光風評対策緊急事業費は、放射性物質の影響による風評対策として、事業者の損害賠償を円滑に行う支援体制を構築するとともに、本県の観光物産や復興に関する情報発信を行おうとするものであります。二つ下のいわて戦略的研究開発推進事業費は、次世代産業の創出につながる有望な研究開発シーズの発掘、育成と、その事業化を図るため、県内企業や研究機関から研究開発課題を公募の上、選定し、実用化までの一貫した支援を行おうとするものであります。八つ下の18節備品購入費の横に記載の革新的医療機器創出・開発促進事業費は、国の復興関連予算で措置された基金を財源として、岩手医大が行う革新的医療機器開発を支援することにより、医療機器関連産業の創出、集積を促進しようとするものであります。次の、洋上ウィンドファーム事業化促進事業費は、沿岸北部における洋上風力発電の事業化に向け、地域の受け入れ態勢の構築や、環境、漁業等への影響調査等を行おうとするものであります。次の新素材・加工産業集積促進事業費は、いわて発高付加価値コバルト合金の開発成果を活用して、金属材料等の新素材の規格化や製品の事業化に向けた評価、試作及び販路開拓に関する県内企業等の取り組みを支援し、新素材、加工産業の集積を支援しようとするものであります。二つ下の国際経済交流推進事業費は、海外における商談会やフェアの開催などにより、ビジネスチャンスの発掘や海外企業とのマッチングを行うことにより、県内企業の国際的な事業展開を支援しようとするものであります。下のページに参りまして、2目中小企業振興費の県単融資でありますが、貸付原資の一部を金融機関に預託して貸し付けを行おうとするものであり、上から四つ目の中小企業経営安定資金貸付金は、営業不振等により事業経営に支障を来している企業や積極的に経営改善に取り組む企業に対して資金を貸し付けしようとするものであります。五つ下、11節需用費の横に記載の中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、被災した中小企業者に対して資金を貸し付けしようとするものであります。八つ下、18節備品購入費の横に記載の商工業小規模事業経営支援事業費補助は、商工会、商工会議所及び岩手県商工会連合会が行う商工業小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に要する経費に対し補助しようとするものであります。下から数えて二つ目の岩手産業復興機構出資金は、被災事業者の二重債務解決を支援するため、岩手産業復興機構へ出資しようとするものであります。176ページの最後から177ページにかけてでございます。中小企業被災資産復旧事業費補助は、沿岸地域において被災した中小企業の施設等の復旧に対して行う市町村の補助事業に対して補助しようとするものであります。次の被災商店街にぎわい支援事業費は、仮設商店街のにぎわい創出のため、売り上げ向上等のための専門家派遣など、モデル的な取り組みに対して支援を行おうとするものであります。次の被災中小企業重層的支援事業費は、被災した中小企業者の再建を支援する施策を効果的に実施するため、被災企業の再建計画を商工団体が共有し、重層的支援を展開する機能を整備しようとするものであります。被災中小企業重層的支援事業費から四つ下の自動車関連産業創出推進事業費は、展示商談会による取引拡大、アドバイザーによる工程指導に加え、新製品開発、技術力向上、人材育成などを支援するほか、新たな取り組みとして、新規参入をより進めるための共同受注体制の支援及び設備導入等の一部の補助など、地場企業の参入や取引拡大を促進しようとするものであります。また、下から数えて五つ目の自動車関連産業集積促進強化事業費は、地場企業と誘致企業とのサプライチェーン構築促進を目指し、現行の部品供給の流れを把握し、その効率化を検討しようとするものであります。次のページ、178ページに参りまして、一番上の伝統的工芸品等次世代継承事業費は、伝統的工芸品産業における後継者を確保し、その技術の継承を図るため、被災失業者等を対象として、県内の伝統的工芸品の製作事業者による技術指導等を行うモデル事業を実施しようとするものであります。二つ下のいわてフードコミュニケーション推進事業費は、食の安全・安心を基本とした食産業の活性化を図るため、岩手県産業創造アドバイザーなどの専門家を活用した食品事業者への支援を行うとともに、全国各地域での商談会や量販店におけるフェアを開催しようとするものであります。次のいわてブランド再生推進事業費は、放射性物質の影響による風評被害を払拭し、消費者の信頼を回復するため、総務部や農林水産部とも連携の上、県産品の魅力を消費者に直接届け、事業者の販路拡大を支援するなど、いわてブランド再生の取り組みを推進しようとするものであります。次に、3目企業立地対策費でありますが、二つ目の企業立地促進資金貸付金は、県内に工場等を新設または増設する企業に対し資金を貸し付けるため、その原資を金融機関に預託しようとするものであり、次の企業立地促進奨励事業費補助は、工場等の立地を促進するため、市町村が実施する事業に対し補助しようとするものであります。ページ一番下になりますが、4目中小企業経営指導費でありますが、二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費は、中小企業やベンチャー企業に対し、創業、新事業創出から経営革新、取引開拓などの事業活動を総合的に支援し、育成を図ろうとするものであります。下のページに参りまして、5目貿易振興費は、日本貿易振興機構盛岡貿易情報センターの事業運営経費に対する負担金であります。6目工業技術センター費は、地方独立行政法人岩手県工業技術センターに対する運営費交付金であります。
 次のページに参りまして、2項観光費1目観光総務費でありますが、一つ目の管理運営費は、観光部門の職員給与費、家族旅行村等の管理運営に要する経費であります。四つ下の国際観光推進事業費は、東アジア圏、豪州、ASEANに対して、海外事務所や東北観光推進機構等と連携しながら、広告支援や旅行博覧会参加等により認知度の向上を図るとともに、旅行商品の造成、販売促進や国際チャーター便の拡充、ひいては国際定期便の誘致に向けた取り組みなどにより、外国人観光客の誘客を促進しようとするものであります。六つ下の9節旅費の横に記載のいわて希望の旅誘客促進事業費は、いわてデスティネーションキャンペーンの誘客効果の維持、拡大に向け、継続した宣伝、誘客事業に取り組むほか、内陸と沿岸をつなぐ復興応援バスツアーを拡充するなど、被災地への誘客を促進しようとするものであります。次の三陸観光再生事業費は、震災学習を中心とした教育旅行の誘致を促進するため、受け入れ態勢の整備や誘客活動を実施しようとするものであります。2目観光施設費でありますが、一番下の八幡平景観保全観光振興事業費は、現在利用されていない八幡平ユースホステルの老朽化した建物について、解体撤去しようとするものであります。
 次に、234ページをお開き願います。11款災害復旧費5項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、一つ目の中小企業等復旧・復興支援事業費、いわゆるグループ補助は、被災した複数の中小企業等が一体となって復旧、復興を行おうとする場合に、その復旧、整備に要する経費の一部を補助しようとするものであり、また、次の被災地域商業復興支援事業費は、被災地の中小小売、サービス業者等が商業集積運営主体を構成し、復興事業計画に基づき施設等の整備を行う場合に、国と県が連携して補助を行おうとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に、債務負担行為について御説明を申し上げます。
 戻りまして、議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄2から7までの6件であります。内訳は、損失補償に係るもの4件、保証料補給に係るもの1件、離職者等再就職訓練に係る1件であり、これらについて、それぞれの期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 33ページをお開き願います。議案第7号平成25年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額をそれぞれ42億809万円とするものであります。
 次のページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入でありますが、1款繰入金1項一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資及び貸付事務費に充てるため、一般会計から繰り入れするものであります。
 2款繰越金1項繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 3款諸収入1項貸付金元利収入は、設備資金貸付等の貸付償還金であり、2項預金利子は、歳計現金の利子、3項雑入は、中小企業高度化資金の延滞違約金収入等であります。
 4款県債1項県債は、被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付金等の貸付原資の一部として、独立行政法人中小企業基盤整備機構から借り入れしようとするものであります。
 次に、歳出でありますが、35ページに参りまして、1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付、設備貸与及び被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付に要する資金を貸し付けしようとするもの、並びに独立行政法人中小企業基盤整備機構に対する償還金等であります。
 2項貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する事務経費、並びに財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付に要する事務経費に対する補助であります。
 以上で商工労働観光部関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇郷右近浩副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小野共委員 大きく2点お伺いしたいと思います。
 最初に、緊急雇用創出事業についてお伺いします。
 まず、沿岸被災地12市町村、震災以降、震災対応分の緊急雇用制度で雇用された人数を、延べ人数でいいですので聞かせてください。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 平成23年度は4、600人、平成24年度は、この2月末現在で3、340人の新規雇用が創出されたところでございます。
〇小野共委員 平成24年度で3、400人を超えるという大規模なものでした。緊急雇用に投入された予算でございます、基金事業でありますので取り崩し額というものでありますが、緊急雇用と事業復興型と合わせて、先日いただいた資料によりますと、平成23年度で103億円、そして平成24年度は240億円を超えるものとなっております。今申し上げましたとおり、かなり大きな規模であることがわかるわけでございますが、それで、沿岸部の水産加工業の人手不足とこの緊急雇用制度の関係となります。例えば被災地におきましては、基幹産業の水産加工業の求人に人が集まらないという状況に、今、御存じのとおりなっております。可能性として、この民間の人材が、緊急雇用制度の雇用者のほうに行ってしまっているのではないか。つまり、民間の求人を緊急雇用が圧迫している可能性があるのではないかと考えられます。
 それでお聞きしたいんですが、沿岸被災地の緊急雇用で雇用された方々のうち、どのくらいが、前職が水産加工会社の勤務であったのかという資料というのはありますか。あったら数字を聞かせてください。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ただいまの御質問につきましては、残念ながら、前職についての集計は行ってございませんで、したがいまして、沿岸雇用者の中で水産加工に従事していた方の人数も、私どもでは把握しておりません。
〇小野共委員 緊急雇用で雇用された方々、少なくともハローワーク経由で雇用された方々、あるいは自治体で雇用された方々の人数ぐらいは、私は集計をしてわかるんだろうと思います。緊急雇用のこの事業が、どれほど民間の雇用の需要を圧迫しているのかといったような情報のまさに基本となる資料になるんだろうと思います。国の税金が投入されている事業なわけですから、この事業にできるだけ意味を持たせるためにも、あるいは次の何かあったときの緊急雇用の資料、参考にするためにも、これは私は情報としては、前職が水産加工業だけでなくて、ほかの業界も資料としてとっておくべきだと思います。これについて答弁をお願いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 これまで緊急雇用事業につきましては、むしろ、失業者の将来の就職に向けた臨時的雇用という位置づけで、余り前職に戻ることを想定しておりませんでした。そういったことから集計もとっておりませんでしたけれども、一応、履歴については要件としての確認もしておりますので、ただいま委員から御指摘のあった点については、その必要性をこれから検討してまいりたいと考えております。
〇小野共委員 そのように御配慮お願いいたします。
 それでは、これは通告していなかったんですが、民間の求人を緊急雇用が圧迫しているのではないかといった可能性についてどう考えますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 確かに沿岸部の水産加工業でありますとか企業の方々から、今、委員御指摘のような評価をいただくケースがございます。そういうことからすれば、そういった状況が全くなしとは言えないと思いますし、一方で、現在の状況を見ましても、求職者が、求人があれば全てそこに行くかと思えば、本人の希望にかなりこだわりがございます。そういう意味で、緊急雇用による雇用創出という意味でも、一面、意味があるのではないかと考えております。結論を申しますと、今、委員御指摘のように、影響がなしとは言えないと考えております。
〇小野共委員 今の私の質問に対して答えるためにも、さっきの前職の資料をデータとして持っておくというのが基本なんだろうと思います。その辺もよろしくお願いいたしたいと思います。
 緊急雇用創出事業としての効果なんですが、今再三申し上げましたとおり、明らかに従業員が足りず経営として成り立っていない─成り立っていないと申しますか、人手が足りていない、不足の状況にあるのはそのとおりであります。緊急雇用が水産加工業など民間の求人を圧迫しているかもしれないという一方で、この助成金がなければやっていけないという事業もあるんだろう思います。加えて、この緊急雇用創出事業で雇われた住民の人たちにとりましては、これで一息ついている被災者の人たちもいるというのも、私、これは確実なんだろうと思います。
 緊急雇用は平成26年度まで延長された事業で、事業復興型の創出事業は平成28年度までですか、延長されているという事業でしたけれども、今申し上げました平成26年度と平成28年度に向けて、地域の雇用状況を見ながら徐々に緊急雇用創出事業、雇用復興型も含めて縮小していくというのが現実的な話なんだろうと私は認識しています。
 それでは、問題として、災害対応型ですのでいずれはなくなるわけですから、どういった事業に今までどおり補助金をつけて、どういった事業を削っていくのかという問題が出てくるんだろうと思います。それに対して、現時点でどういった方針なり考えなのか、それを聞かせていただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず第一に、事業復興型につきましては、これは民間の求人に対する雇用についてのみ助成する事業でございますので、これは引き続き活用して、むしろ長期、安定的な雇用に役立ててまいりたいと思います。
 事業復興型を除く緊急雇用創出事業についてでございますけれども、やはり求職者のニーズ自体、長期、安定雇用を求めているということがございます。そういった観点から、緊急雇用のような短期、臨時的な雇用創出というのは、全体的な規模を今後縮小させていくという方向に私どもでも考えております。そうした中で、仮設住宅での支援活動など、被災者の暮らしの再生につながる事業につきましては、今後も継続が必要と考えております。
 一方で、求人をふやすための雇用創出事業、こういった性格のものは民間求人とまさにバッティングする部分でございますので、むしろそういったところは縮小して、民間企業への就職がふえるような方向に持ってまいりたいと考えております。
〇小野共委員 緊急雇用のほうを軸に、全部ではないんでしょうけれども縮小するという方向で答弁がありました。縮小する事業につきましては、自治体と協議しながら、あるいはハローワークと協議しながら、住民の声をできるだけ聞きながら慎重に対応していただきたいと思います。
 次に2点目、グループ補助金についてお伺いします。繰り越しの話でございます。
 平成23年度に1次、2次、3次のグループ補助金の申請がありました。その平成23年度に補助事業があった、採択された業者が295社あったわけでございますが、この業者の中で、平成23年度中に事業が完成せず、平成24年度に繰り越しされた業者の数は幾らぐらいあったのか。そして平成24年度でも終わらず、さらに平成25年度に繰り越しされた業者というのはどのぐらいあったのか。この2点、二つの数字を聞かせてください。
〇松川経営支援課総括課長 平成23年度で交付決定した事業者は、委員御指摘のとおり295社です。平成23年度中に事業が完了したのが51社でございまして、残る244社が平成24年度に繰り越しをしております。さらに平成25年度に繰り越す見込みの事業者数ですが、これは平成25年1月31日現在でのまとめでございますけれども、50社という見込みになっております。
〇小野共委員 1回目の繰り越しをしたのが244社、2回、平成25年度に繰り越しをしたのが50社ということでございました。業者の繰り越しの手続というのはどういった手続なんでしょうか。というのは、煩雑な手続だったり、繰り越しをする事業者からの苦情みたいなのはあるんですか。
〇松川経営支援課総括課長 いわゆる事故繰越ということになったわけですけれども、通常であればたしかにいろいろな書類を準備するという必要があったわけですが、そういうこともございまして、昨年の11月に、岩手県、宮城県の両知事が国に事務の簡素化を要望いたしました。その結果、国が事務を大幅に簡素化するということで取り計らっていただきまして、理由書を1枚にするとか、あるいは附属の資料をみんな全廃するとか、あるいはヒアリングもしないということで、大分事務を簡素化していただいております。
 現在、県と国とで打ち合わせを進めているという段階でございまして、具体的には、事業者にはいろいろな資料の準備とかはお願いしておらないという状況でございます。
〇小野共委員 安心いたしました。ありがとうございます。
 例えば、被災地におきましては、御存じのとおり、区画整理事業あるいは防集のかさ上げ等、土地の造成が完成するのは、工程表で見ますと最長で平成27年度であります。今の沿岸の状況を見ていますと、果たして本当に平成27年度で完成するんだろうかという不安があるわけでございます。しかし、グループ補助金は、繰り越しが2回までしかできないというのが制度となっております。
 今冒頭の質問でお聞きいたしました平成23年度で採択され、そして平成25年度まで繰り越した50社というのは、既に1回目の明許繰越、2回目の事故繰越というので、2回既に繰り越しをされておりまして、もう制度上は繰り越しができないことになっています。そうすると、今答弁をいただきました2回既に繰り越しをしてしまった50社は、平成25年度中に事業を完成する見込みがあるのかどうかというのを聞かせていただきたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 現在、平成25年度の繰り越しの手続を行っているという段階ですので、平成26年度以降の繰り越しについて、国でも明らかにしているという段階ではございませんけれども、委員御指摘とおり、現地で土地の確保ができないとか、あるいは地盤等の関係でもう少し工期がかかるという事情もあるようでございますので、柔軟な対応をしていただきたいということで、国には要望しておるところでございます。
〇小野共委員 平成26年度の話になりますので、まだ国として現時点では明確な方針を出せないというのはわかります。
 それでは、もう一度繰り越しをしなければならない場合、どういった書類になるのかという話になっていくんだろうと思いますけれども、先日、NHKの番組を見ておりましたら、山田町の業者でありましたが、2度繰り越しをしまして、もう繰り越しができないと。グループ補助金の移転先の予定地のかさ上げが平成27年度になっていて、それで終わらないというので諦めたといったようテレビ番組がありました。そのテレビの中で、中小企業の方針としては、3回目の繰り越しというのはしないで、補助金を一旦返還してもらって、もう一回申請し直す云々という話が聞こえて、私の認識だとそういう話だったような気がするんですが、その辺で何かわかっていたら明らかにしていただきたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 テレビで報道された事業者の方については、直接連絡をとることができなかったというところはあったようです。そういったことで、少し御心配をされていたところはあったようでございますけれども、その後、私どもで連絡をとりまして、そういったことではないと、繰り越しができると、あるいは柔軟な対応を今要望しているということで、お話をお伝えしているところでございます。
 実際に現場の状況というのは、地域によってもさまざまかと思います。一律にできないというところもあると思いますけれども、いずれにしましても、現状を国にお伝えしながら、複数年度にわたる対応、事故繰越ができるようにお願いしております。
 それから、先ほど委員からお話があったような、例えば一旦補助金を返還といいますか打ち切って、改めて申請してもらうということなども国では検討はしているようでございますけれども、一番事業者の方に負担をかけない方法で考えていると聞いておりますので、事業がしっかりと進められるように、私どもも応援してまいりたいと思っております。
〇小野共委員 この問題は平成23年度の話を申し上げましたが、平成24年度の採択された4次、そして5次の前期、後期の採択の事業者も同じその問題になってくるんだろうと当然思います。2回までの繰り越しのルールに関して、これは抜本的に繰り越しの手続の仕方というのを考えていく必要があるんだろうと思います。実際に採択された業者の地域の事情に即したものにしていただかないと、事業がせっかくいいものであっても意味が薄れていくんだろうと思うところでございます。その辺のところを事業者から要望を聞いた上で、きっちりと国に要望を伝えて、できるだけいいもの、この繰り越しの話だけではなくて、このグループ補助金その制度をもっといいものにしていただきたいということを要望して終わります。
〇佐々木朋和委員 今、小野共委員よりグループ補助についてお話がありました。また、国への改善を要求するということでお話もありましたが、私もその点について。
 来年度から、報道では、グループ補助を沿岸地域に限定して、また、もう直してしまったところには適用せずに、これから復旧をさせるところにのみ限定をして使われていくという報道があるわけでありますけれども、事前に資料をいただいておりますが、沿岸地域においても、今315事業者がまだ復旧に対するグループ補助等の支援が必要だということで、また、残された業者ではなかなかグループが組んでいけないんじゃないかという不安もあると。また、これから販路確保や商品開発について支援が必要だというところも3、201事業者があるという話がある中で、グループ補助というのは最初の施設への補助なわけでありますけれども、まだまだ立ち上がって間もない事業者にとっては、これから本当に3年目、基盤復旧の最後の年ということで、まさにこれから必要になるところであると。また、これから新たにグループをつくっていく中にあっても、直したところと直さないところで、使える、使えないというふぐあいが出てくると、不公平が出てくるというところも問題だと思いますし、また、内陸においては被災事業者数ということで、また、復旧しているのはどのくらいかという数も資料を請求したわけですけれども、その点については各市町村調べということで、県としても把握をしていない状況の中にあって、内陸についても一見復旧をしているように見えても、実はお客さんに見えるところだけで、中のほうはまだ直していなかったりとか、二つ施設があるところを一つだけ復旧してというところもあると聞いておりますし、実際に、最後のグループ補助の募集期間が2週間と短かったものですから、グループを組むように動いたんだけれども、結局、申請を出すまでに至らなかったという話も聞いております。そういった点についても、条件の緩和、また被災が多かったところについては、沿岸に限らず、また遡及効も認めてもらうというところで国に対して要求を出す、お願いをしていくということも必要だと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 まず国で遡及効なり、あるいは沿岸浸水区域ということですけれども、限定するという方針を出したという考え方の背景といたしましては、平成23年度からこの制度が始まっておりまして、2カ年にわたって今やってきたということで、現時点でまだ復旧できていないという事業者については、恐らく、先ほども問題になりましたとおり、土地利用の関係で、なかなか用地を確保できないということで浸水区域に限定するという考え方をされたのかと思いますし、それから建設できていないということであれば、事業実施が新年度になってからになるのではないかということでの背景があると考えております。ただ、委員御指摘のように、内陸で現にそういう事業者もありますので、申請できなかったという理由がどうしてもやむを得なかったというところがありましたら、その点については、制度を運用できるように国へ要望していきたいと思います。ちょっとその辺あたりの事情を確認していきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 いわてブランド再生推進事業についてお伺いいたします。
 震災後、放射性物質によって岩手のブランドに大きな影響を与えたと思っております。ですから、こういう風評被害対策というものが出てきたのではないかと思っております。そこで、これは総務部それから説明がありましたように農林水産部におきましても7、960万円という予算をとっておられます。そういう中において、この風評被害の実態をどう捉えているのかお伺いいたします。
〇木村商工企画室企画課長 県内におきます風評被害の実態についてお答えいたします。
 商工、観光業の原発放射線に関する被害額でございますが、商工団体を通じましたアンケートによりますと、平成24年10月末現在で、観光業が62社、25億1、000万円余、商工業が117社、40億7、000万円余となっております。
 この業種別でございますが、観光業のほうはホテル、旅館、ペンション、民宿等の宿泊施設、そして記念館などの観光展示施設、飲食施設、スキー場などとなっております。商工業の関係では、食料品製造業、小売業などとなっております。
〇工藤勝子委員 観光のほうまで御説明いただきましたけれども、今後、消費者の信頼を回復すると申しましょうか、観光業においては、結局、全国からお客さんが来ていただかなければならないわけですけれども、回復するための情報発信というのは非常に大事だろうと思っております。また、一度失った食品に対する岩手ブランドに対する回復というもの、それを取り戻すためには並大抵の努力ではないんじゃないかと思っておりまして、今後の対策と課題についてどのようにお考えになっているかお伺いいたします。
〇宇部産業経済交流課総括課長 この事業でございますけれども、岩手県の県産品が持っていますのは非常に高い魅力があるのでありますが、特に食料品を中心としたものを首都圏等の消費者の方に直接にお届けをすることによって風評被害を払拭していきたいと。そして岩手ブランドの再生を図ろうとするものであります。
 具体的には、大変有名な楽天市場がございますが、そこに岩手県の特設のページを開設して、百貨店で同時期にやっている物産展とリンクさせながら、両方の効果が出るような仕組みにしていきたいと思っておりますし、また、銀座にもソニービルのあたりが非常にお客さんが集まる地域でありますが、そこでイベントを開催したりして、同時期に例えば銀河プラザでやっているイベントとリンクさせながら、お客様をそちらに誘導させるような仕組みも考えているところでございます。そういった形で、お客様に多面的ないろんな角度の情報を発信して、岩手の信頼を高めて、今後ともずっと継続的に岩手のファンになっていただくということを考えているものであります。
 この事業を進めていく上での課題でありますが、まず、我々は40歳代以下の女性が非常に食品の安全性に感心を持っている方々だと思うのでありますが、その方々をターゲットにいたしまして、確実にここでやっているという情報を届けなければいけませんので、イベントの告知等々、あるいはPRをきちんとやっていくことが重要だと思っていまして、これは役割的には総務部がやるのでありますが、いろんな雑誌とか電車広告等を活用した情報発信をやりますので、そこときちんと連携をして、効果的な集客を図っていきたいと思っておりますし、今回のイベントは単発的なものではなくて、楽天市場とか県のアンテナショップとか、そういうところで、どんどん岩手県の県産品を買っていただく機会とか情報を今後とも引き続き消費者の皆様に提供することで、継続的に岩手のファンになっていただくことが大事だと考えております。
〇工藤勝子委員 息の長いPR、情報発信をし続けなければならないんじゃないかと思っております。結局、こちらに来ていただく、また、あちらのほうに出ていってPRをして、ぜひ岩手を元気にしていかなければならないんじゃないかと思っております。その元気という意味で、観光振興についてもお伺いいたします。
 復興支援バスツアーを今回、そこに予算をとったところでございます。希望の旅と名をつけているわけですけれども、このバスツアーに乗っていく人たちが、希望の旅だと思って沿岸地域に出かけていくんでしょうか。私はちょっとその辺のニュアンスがおかしいんじゃないかと思ったんです。例えば希望という字を使いたかったならば、まず被災された人たちに希望を与えるツアーとか、そうであればいいんですけれども、このバスツアーで行く人たちが、希望を持って行くはずはないんだろうと思っています。逆に、この復興ツアーで参加される人たちは、少しでも沿岸地域の皆さんに元気を与えたいという思いで出かけて、このバスツアーに参加するんじゃないかと思っているんですね。そういう面において、希望の旅と名を打っておりますけれども、これにおける誘客の効果、どのように捉えていらっしゃるのか。
 それから、今後、この沿岸地域の振興に与えるためのPR、県北・沿岸振興も含めて、どう希望の旅のこのバスツアーをPRされていくのかというところであります。このバスに乗る人たちは、出かけていったならば、元気を与えるために、沿岸地域の物産をぜひ買っていただきたいというPR、そしてまた、できれば旅行マナーというんでしょうか、観光マナーと申しましょうか、ごみなどを置いてこない、しっかりとマナーのことも考えていただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
〇戸舘観光課総括課長 復興応援バスツアーの関係でありますけれども、予算事業名はいわて希望の旅となっておりますけれども、個々の事業に関しては、この予算事業名をそのまま使っているわけではございませんで、バスツアーに関しては復興応援バスツアーということでやっておりますが、この復興応援バスツアーは、いわてデスティネーションキャンペーンを契機といたしまして、本県独自の取り組みとして、内陸部から沿岸部に日帰りのツアーをしていただくということで、当初3コースの運行をしていたところでございます。平成24年4月から11月までの間、3、808人のお客様に御利用いただいております。さらに本年1月17日からは被災地の復興の状況も踏まえまして、従来の3コースから6コースに拡充をいたしました。そして沿岸での宿泊も組み込めるように一部見直しを加えて運行しておりまして、平成25年2月末現在で、857名のお客様に御利用いただいているところでございます。
 昨年4月から11月までの運行では、目標乗車人員が2、600人でございましたので、およそ1.5倍ぐらいの乗車実績ということになります。また、本年1月からの運行については、目標乗車人員2、300人としておりまして、ちょっと現在のところ苦戦している状況でありますけれども、沿岸部への貴重な二次交通として誘客に寄与しているものと考えております。
 今後ということになりますが、平成25年度におきましては、4月からNHK連続テレビ小説あまちゃんの放映が始まります。県北地域への注目度が高まるということで、新たに二戸を玄関口といたしまして、県北・沿岸地域を回遊するコースを設定いたしまして、7コースで運行することといたしております。沿岸地域への誘客の強化に向けて、さらなる充実を図ってまいります。
 こういったコースの充実にあわせまして、このツアーを組み込んだ県外発の宿泊旅行商品の造成促進に向けまして、私も旅行会社に出向いて説明をしたり、あるいは説明会を開催する、それから旅行会社の広告に対して支援をするという形で大型観光キャンペーンも展開いたしまして、PRを強化してこのツアーの定番化を図って、沿岸の誘客を図ってまいりたいと考えております。
 それから、このツアーは必ず現地に行ってお土産品を買っていただいたり、それから食事をしていただく時間というのをとっておりますので、そこで現地のものを買う、食べるといった形で、現地の経済にも貢献をしていただこうというツアーでございます。
〇工藤勝子委員 ぜひ情報発信に一生懸命取り組んで、ちょっと今、苦戦をしているというお話もありましたので、これから春になればまだまだふえていくんじゃないかと期待をしているところでありますので、お願いを申し上げたいと思っております。
 それから、JR東日本におけるSLの運行についてお尋ねいたします。
 盛岡市に展示、保存されておりました蒸気機関車、SLですけれども、40年ぶりに復活されて、そして釜石線で土日、祭日、約1年間、80日ぐらいでしょうか、運行するという計画が発表になりました。全国にはSLファンがたくさんいらっしゃると思っております。そういう中において、釜石線は宮沢賢治の銀河鉄道のいろんなああいう景色とかがありまして、非常にいいじゃないかと思っているところです。今後、震災の復興にも寄与するんじゃないかと思っておりますけれども、これに対して、県内のSLの運行によって、観光振興また県内の誘客効果をどう捉えていらっしゃるかお聞きいたします。
〇戸舘観光課総括課長 SL運行についてでありますが、本県におけるSLの運行につきましては、昨年のいわてデスティネーションキャンペーンの期間中、一ノ関-北上間と北上-釜石間でそれぞれ6日間、延べ12本を運行されておりまして、いずれの区間もほぼ満員となります4、163名の乗車実績となりましたほか、多くの写真愛好家が沿線に訪れてきたと承知しているところでございます。
 この乗車実績と同時期の本県の観光統計データをもとにした経済波及効果額を試算いたしますと、おおむね5、000万円ほどと算出しております。
 JR東日本によりますと、来冬以降、釜石線で、委員から御指摘のありましたように80日程度運行すると聞いておりますが、現時点では、車両編成なども正式には決定されておりませんで、誘客、経済効果につきましては試算は困難でありますけれども、いわてDCの実績に鑑みますと、相当のお客様の御来県とこれに伴う経済効果、それから岩手の風景などと相まって、メディアを通じてのPR効果といったものも、大いに期待できるのではないかと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 このSLの運行については、岩手県としては特別PRをしないという方向なんでしょうか。これはもう、JR東日本に任せているという状況でしょうか。デスティネーションキャンペーンにおいても、県とJRが一体となって進めたわけですけれども、このSLも期間が今回は長いですので、県としてどうPRしていくのか、もう一度お伺いいたします。
〇戸舘観光課総括課長 SL運行のPRについてでありますけれども、現在においても、このSLに関しては多くのファンが全国に存在をし、群馬県や熊本県では通年運行されているといった状況にあります。また、この4月から、仙台・宮城DCにおきましても運行が計画されるということで、集客が期待できる観光資源として位置づけられていると、私どもも認識をしているところでございます。
 県としましては、来冬からの運行に向けまして、JR東日本と共同して、このSL運行をPRすることによりまして、本県への誘客を図ってまいりたいと考えております。
 SLを目的に本県を訪れる観光客の皆さんが、県内各地を回遊し、さらにはリピーターになっていただけるように、沿線地域を初めとした県内各地のPR、それからSLを組み込んだ県内を回遊する旅行商品の造成、販売を促進するために、このSL運行について全国に向けて情報発信してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 ああいうふうに力強く走っていくわけでありますので、ぜひ県外のお客さんもさることながら、県内の、例えば障がいを持っている子供たちを乗せてあげるとか、釜石線に行って、乗って、汽車の煙を吐いて力強く走る、そういうものを体験させるとか、そういうことも計画していただきたいと思っております。
 遠野市においては、SL停車場プロジェクトをもう既に立ち上げております。職員も配置いたしております。そういう中において、県として、今も話されたように、ぜひ県内にもPRしていただきたいと思っているんですけれども、職員配置をしている関係から、部長から県としての考えを聞いて終わりたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 SLのPR効果というものは相当大きなものが、インパクトがあるものだと思っておりますし、沿線の市町村におかれましても、これを機会にさまざまな地域の情報発信をされる取り組みも出始めておりまして、私どももそうした動きと連携しながら、より効果的な形で、岩手で走るSLというものを力強く全国に発信をしていきたいと考えております。
〇郷右近浩副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時54分 休 憩
午後3時14分 再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、商工労働観光部関係の審査では、この後、10人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁とも、簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇関根敏伸委員 3点お伺いいたします。休憩前の小野共委員と工藤勝子委員の質問とダブっている部分もありますが、若干観点が違う部分もありますので、質問させていただきます。
 まず、1点目の緊急雇用創出事業でございます。阿部室長、高橋特命参事中心に、本当にこの緊急雇用の創出には御苦労されていらっしゃるということは非常によく理解いたしますが、認識といたしましては、私も小野共委員の認識と同じような観点で質問するものであります。
 この緊急雇用事業が、被災地のみならず内陸部の求人にも影響があるのではないかという声も実は聞いております。そういう意味で、現在までの雇用創出総数と、そのうち県や市町村が直接雇用している数と割合、あるいは民間への委託による雇用数とその割合、そして、あわせてそれぞれの平均賃金額の状況について、まずお知らせいただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、これまでの雇用実績でございますけれども、本年2月末時点で県内全体で8、538人となっております。県、市町村の直接雇用の雇用数はそのうち2、919人、34%、民間等への委託による雇用は5、619人、66%という状況でございます。
 緊急雇用の雇用者の平均賃金、これは事業計画書で出されている人数とその人件費から算出したものでございますけれども、直接雇用あるいは委託事業、双方ともおおむね月額13万円程度という額となっております。
 なお、この額は、常用雇用のケースであったり、一部パート的な雇用が含まれていたりしたものが平均されておりますので、常用雇用のみで見た場合、若干これより高目になるかもしれません。
〇関根敏伸委員 ありがとうございます。
 引き続きお聞きしますが、この間、事業復興型の雇用創出事業を利用して求人をされている企業もあると思うんですが、その企業等の平均賃金額と、あわせて、この事業復興型の事業を使わないで沿岸被災地等で求人を出している企業もあろうかと思うんですが、そういった企業の募集の平均賃金額がどのようになっているのかお知らせいただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、事業復興型雇用創出事業を利用した企業の平均賃金額ですが、これについては集計をとっておりませんで、また、申請を出してきている個々の企業は、時間給のケースであったり、日額、月額、あとは勤務条件がさまざまでございまして、そこについては集計をとってございません。
 なお、後段の御質問の民間企業の求人についてということで、これはハローワークで集計をとっている数字でございまして、実際はこれらで雇用された部分が、内容によっては事業復興型への申請に来ておりますけれども、これで見ますと各地域さまざまでございますが、沿岸地域ということで、釜石地区を例示で申し上げますと、平成25年1月の常用フルタイムで全職種の平均額を見ますと16万7、000円、その中で食料品製造業に限定した場合は12万4、000円という状況でございます。
〇関根敏伸委員 このような数字をお聞きした上で、この緊急雇用事業が民間求人を圧迫していないかという質問だったんですが、先ほど御答弁あったとおり、影響はなくはないという認識だと思っております。
 この緊急雇用の形態がさまざまあるようですから、13万円という月額がどういう状況かというのはなかなか把握できないと思いますが、少なくとも沿岸地区で、これから本格的な再生で安定雇用を何とかつくっていきたい食品の平均からしますと、やはり常用雇用の平均賃金額は高いだろうと。常用で見るともっともっと高くなってくるのではないかなという気がしているわけです。
 それで、先ほど、今後は事業復興型にシフトをしながら緊急雇用を縮小していくという方向性が示されました。来年度の事業もそういったおおよその予算割になっているように理解しておりますけれども、私は、この緊急雇用を継続するにしても、緊急雇用で継続された方々が、なるだけ被災地の産業のいわゆるなりわいの再生に結びつけられるような企業や事業所にすんなりと移行できるような、そういった事業計画を立てて、なるだけ民間中心に新年度の緊急雇用対策は行っていく方向性が望ましいのではないか、こんなふうな認識を持っております。
 その辺の認識についてお伺いしたいと思いますし、あともう一点、いわゆる平成23年、平成24年、沿岸には6社と4社の企業が立地しているといただいた資料では見ておりますけれども、それらの立地企業は、水産加工業であるとか、コールセンターであるとか、ある一定の求人規模が必要な事業所ではないかと思うんですが、そういった新規の立地企業への求人にも影響が出ていないものかどうか、そこもあわせて認識をお伺いしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、私から、民間移行に向けての認識でございますけれども、昨今、昨年中盤以降から、特に県内の求人倍率が非常に高くなっておりまして、そうした中で、緊急雇用事業の継続ということに我々自身、その方向性の軌道修正が必要であろうということを考えてまいりました。
 今回、国からの交付金が追加交付されるに当たりましても、やはり極力民間、長期的な本来の雇用への移行をより考慮して事業実施するようにという通知もいただいております。
 来年度の事業実施に当たりましては、やはり今後、この事業がどれだけ継続できるかということも未確定でございますし、本来の民間就職というものが目指すべき道と考えておりますので、そういったところをより意識して、極力、原則的にはもう短期、臨時的なものだという前提に立って、その当面の事業が終わったら、次は民間への就職へということを意識した事業運営をしてもらうように、市町村にも呼びかけてまいりたいと考えております。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 立地企業への影響についてでございますけれども、平成24年度、今年度2月末でございますが、復興支援という観点もございまして、33社ほど立地をしていただいているところでございます。
 その中で、内陸部の企業については、特段、今のところ困っているというようなところは直接的には聞いてはおりませんけれども、やはり沿岸部の立地に関しては、先ほどの委員御指摘のとおり、コールセンターを初めとして、なかなか人材確保について厳しいというような話はうかがっているところでございます。
〇関根敏伸委員 国のほうでも、新たに津波浸水地域に対しての企業立地補助等々が出るようでありまして、やはり企業立地を目指す方々は、求人でいい人材が採れるという見込みの中でこちらに、被災地中心に立地しようと思われるわけでありますから、先ほどの雇用のさまざまな政策、施策の方向性について、ぜひ熟慮をしていただきたいと思います。
 それから、2番目、商工・観光風評対策緊急事業について。
 先ほど工藤勝子委員の質疑のほうで、商工・観光風評被害の実態ということで65億円という御回答がございました。私のほうでは、その中で東電による賠償の支払い状況がどうなっているのか、続けてお伺いしたいと思います。
〇木村商工企画室企画課長 観光風評被害に係る賠償請求、支払いの状況でございますが、昨年10月から岩手を含む東北5県が賠償地域になったということに伴いまして、賠償請求の状況を東京電力のほうに確認いたしましたところ、平成25年2月末現在でございますが、請求額が89件、14億8、000万円余、そして、賠償された支払いのほうが58件、7億4、000万円余となっております。
 なお、商工業の賠償額については不明でございますが、風評被害のほうについては、ほとんどなされていないような状況と把握しております。
〇関根敏伸委員 それでお聞きしたいわけでありますが、当局が捉えていらっしゃる風評被害額と、実際、賠償に至っていない額の隔たりが非常に大きい。まして支払いの状況がこういう状況だということの中で、新年度この新しい緊急事業が行われるようでありますけれども、事業の詳細と、この風評対策の取り組み内容についてお聞かせいただきたいと思います。
〇木村商工企画室企画課長 事業の詳細と取り組み内容についてお答えいたします。
 事業の部分につきましては、風評被害に関します相談窓口機能の強化というものと情報発信という二つの取り組みを行うものでございまして、相談窓口機能の強化という面では、商工企画室のほうに相談員を1名配置いたしまして、商工、観光業者からの相談を受け付けるほか、請求に関する広報等を行っていくというものでございます。
 情報発信のほうにつきましては、各広域振興局に計7名の臨時職員を配置いたしまして、岩手の多様な観光資源や県産品の魅力に加えまして、事業者が震災からの復興に取り組んでいる姿を直接取材いたしまして、県が運営しておりますブログ等によります情報発信を通じまして、風評の払拭につなげようとするものでございます。
 そして、風評対策の取り組みの部分でございますが、引き続き市町村や商工団体等と連携いたしまして、観光業の賠償請求の周知等に努めていくとともに、今後開始されます食品産業の風評被害の賠償請求の手続等の周知という部分につきましても、相談員も活用した上で、事業者の皆さんの相談とともに請求に関する広報等に努めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 わかりました。
 風評対策の取り組みについては、先ほどのいわてブランド再生推進事業費等々とあわせていろいろ、二重、三重にされるのかなと思うのですが、先ほど申しましたが賠償事務、これは65億円に対して19億円しか賠償請求がなされていないというこの実態です。
 先般、私どもの会派で東京電力の東北の補償相談センターの方々と面談をいたしました。昨年もいろいろ申し入れをしている部分があったものですから、その回答をいただきながら、その場には県のトラック協会の方々も同席されまして、トラック協会の方々は、原発によって本来通るべき道路が通れなくなった。迂回をして、燃料費をかけて目的地に行かなければならない。当然時間がかかりますから、本来、一定期間で運べる荷物の量が運べない。さまざまな形で、やっぱりこの風評と申しますか実害と申しますかがあるということもありますし、例えば、農産物が売れないことによって、農産物を売るためにつくっている箱がなかなか出ていかないとか、細かなところまで、やっぱりいろいろなところが出てくるのではないかと思うんですよ。
 ですから、私どもはこの事業で、ぜひ商工観光の風評、実害を含めて、幅広くこういったものが賠償対象になっていくんですよということを拾って教えていく、そして賠償まで結びつける、支払いまで結びつける、これをやっぱりやっていかないと、県が捉えていらっしゃる実態とどんどん乖離をしていくと。さらには、見えないところでもっともっと県が捉えている以上の観光とか商工の賠償実態があるのではないかと思うんですが、この認識について伺わせていただきたいと思います。
〇木村商工企画室企画課長 委員御指摘のとおり、このような、賠償請求をしているんだけれども、支払われていないというような実害等もございますので、そのようなところをしっかり把握した上で、賠償対象となっていないというのであれば、そういう部分については、国にも、そういう要望等もしていく中で対応してまいりたいと考えております。
 あと、法律的な専門的な問題等も出てくる場合があるのではないかと思っておりますので、その点については、法務学事課にも弁護士が配置されましたので、そこに相談することとともに、岩手弁護士会のほうにも無料相談ということもありますので、その協力要請もしているところでございます。
 あと、実際、請求手続というような、書類の書き方という部分になりますと、岩手県行政書士会という形での専門家もおられますので、そういった方々とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひ、よろしくお願いします。
 最後になりますが、3点目、次世代につながる新たな産業育成の取り組みについてということでちょっとお伺いしたいと思うんですが、先般、政策地域部の質疑の中で、新年度予算として希望創造推進枠ですか、戦略的岩手の政策形成推進費だったかな、そういった事業が予算計上されて、その中で、岩手のデジタルコンテンツ産業をこれから育てていくんだ、人口減少に歯どめをかける、若者を岩手に定着させる、こういった目的で政策地域部がパイロット事業的にやっていくんだというお話がありました。
 まだ、商工労働観光部としては、そこまでの御認識の中で政策体系に組み入れられてはいないと思うんですが、デジタルコンテンツ産業ということに対しての当局の御認識と今後の育成策の方向性について、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 デジタルコンテンツ産業は、やはり若年層の関心が高くて、今後、技術や市場が進化する期待される成長産業と認識しております。このため、当部におきましても、県内産学官で構成される、いわてデジタルコンテンツ産業育成プロジェクトに参画しております。
 まずは、平成25年度におきましては、デジタルコンテンツ系の技術者の育成、さまざまな応用範囲がありますが、そこに基盤となるソフトウエア等々の技術者の育成に取り組んでいこうと考えておりますし、本県ゆかりのゲームクリエーターが設立しましたIWATE GAME FACTORYといった動きもございますので、その計画的な支援の検討など、民間活力との連携を図って取り組みを進めると考えております。
〇関根敏伸委員 わかりました。いずれ、その戦略的な政策推進費という枠が、まだ各部局にまたがっているような事業とか県民計画に位置づけされていない事業を掘り起こして、これから新しい芽をつくっていくという事業だと聞いておりましたので、まだ商工労働観光部としての取り組みは今後だと思いますけれども、そういった観点の中での長期的な取り組みをお願いしたいと思います。
〇飯澤匡委員 委員長に協力して、まとめて聞きます。
 東日本大震災の被災中小企業の支援策についてお伺いします。
 質問の1、資金繰り対策については、貸付限度額、期間、利率等の条件の優遇等により一定の資金ニーズには貢献しておりますが、資金繰り支援策が経営破綻の先延ばしにならないよう、被災中小企業の経営環境を改善するなど実効性が求められております。今はもう、いわゆる出口戦略が求められる段階に来ているのではないかと。その対策をどのように考えているかお知らせ願います。
 質問の2、二重債務問題について。
 本県の場合、岩手産業復興機構と東日本大震災事業者再生支援機構の利用実績、この今後の課題認識を伺います。
 二重債務についての二つ目、債権の買い取り手続の簡素化、迅速化が求められていると思いますが、その課題と対応をお伺いします。
 そして三つ目、金融円滑化法の期限切れで地域金融機関の新規の融資が困難となる可能性が非常に高い。先ほど述べました二つの機構を含む関係機関と地域金融機関との一層の連携が必要となると思いますが、円滑な新規融資の確保についての対策をお知らせ願いたいと思います。
 そして次、グループ補助金に係る問題についてお伺いします。
 報道で、グループ補助金を受けた事業所のうち、東北4県ですが、67.5%が震災直前より売上高が減ったということが明らかになりました。その中で、経営課題となる大きな問題点として、人材の確保は議論があったところですが、その点についてどのような見通しを立てているのかお伺いします。
 それから、最も大事なのは補助金認定後、グループ補助金を認定するのは、今でもその需要があるわけですが、肝心のフォローアップ策、これは中期的な戦略的支援が不可欠であると考えますが、その対応はどう考えているのかお知らせ願います。
〇松川経営支援課総括課長 まず最初に、金融円滑化法の期限切れを迎えてということでございますけれども、被災中小企業の支援ということでございます。
 まず、被災した事業者につきましては、融資あるいは補助で施設の復旧ということを今やっているわけですけれども、施設ができ上がっただけでは、経営の問題というものも当然あるわけでございます。そういったことで、ソフト面での支援というものも重要と認識しております。今月、いわゆる金融円滑化法が期限切れを迎えると考えられておりますので、県では金融円滑化に係る相談の窓口を設置しております。
 それから、国の機関でございますけれども、盛岡の財務事務所でも同じように窓口を設置しておりまして、県の岩手県信用保証協会などと連携しながら、きめ細かく対応してまいりたいと思っております。
 それから、融資の関係では、中小企業経営安定資金というものがございますけれども、それに経営力強化対策枠というものを設けまして、昨年12月から取り扱いを開始しております。これは、経営改善に中小企業者が取り組む場合、認定支援機関の経営指導を受けるということが条件でございますけれども、こういった資金を活用しながら、中小企業者の皆さんの支援をしていきたいと考えております。
 それから、続きまして二重債務の関係でございますが、県で設置いたしました岩手産業復興機構、それから、国で設置いたしました東日本大震災事業者再生支援機構、それぞれ債権の買い取りをする仕組みがございます。今それぞれ、県の復興機構では、平成25年3月1日現在で48件の買い取り、それから、再生支援機構のほうでは、平成25年2月末現在ですけれども48件の買い取りということで、合わせまして96件の買い取りが行われているところでございます。やはりこういった事務を進めていく上で、昨年度は買い取りが6件だったかと思いますけれども、今年度に入りまして42件の買い取りということで、買い取りが進んできているのではないかと思っております。
 こういったノウハウというものも岩手県産業復興相談センターでも蓄積した、あるいは金融機関のほうでも、債権の買い取りということは余り例がなかったわけですけれども、今年度に入っても四十数件ということでございますので、いずれそういったノウハウがそれぞれ蓄積されてきたということで、迅速化してきたのではないかと思っておりますし、それを進めるためにも、相談センターが中心になりましてバンクミーティングを開催して、金融機関に積極的に協力を求めて、調整しているということでございます。そういったことで債権の買い取りが進んでいると思っております。
 それから、広域的な事業を行っている事業者につきましては、岩手産業復興機構、これは県がかかわっているのですけれども、単県だけではちょっと難しいので、それにつきましては、東日本大震災事業者再生支援機構のほうに早目に引き継ぐといったことで、両機構の連携を通じて支援をしていくということをしております。
 さらには、金融機関と相談センターなど、県も参画しておりますけれども、経営サポート会議というものを開催いたしまして、個別の事業者で、返済の猶予とか、あるいは融資などが必要だというものについては、そういった調整もしているということで進めているところでございます。
 それから、グループ補助金のフォローアップということでございましたけれども、確かに、補助金で施設ができたといっても、御指摘のとおり、販路が回復しなければならないといったようなこともございます。そういったソフト面での支援も必要となっていると考えておりまして、今年度から、被災中小企業重層的支援事業というものを実施しております。これは、商工団体における相談あるいは支援体制を強化するために、岩手県商工会連合会に専門の経営指導員を増員したり、あるいは、いわて産業振興センターに震災対応のコーディネーターを配置するなど、さらには、商工団体から専門家の派遣を行うといったことで支援をしております。
 さらに、平成25年度は、商工会議所連合会のほうですけれども、経営支援スタッフを7名配置いたしまして、商工会議所地区においても事業者の実態把握あるいは支援の拡大を図るということ、あるいは被災企業の再建支援事務センターというものを設置いたしまして、グループ補助金を交付された事業者について企業カルテを作成するなどしまして、さらに事務の手続についての補助、これは県側の事務の補助でございますけれども、そういったことをやりながら支援をしていくということをフォローアップとして考えているところでございます。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 私からは、人材の確保についてでございます。
 グループ補助金を受けた事業所の関係では、特に水産加工業の人手不足の問題が出ております。
 これまでのグループ補助金でハード面は復旧してまいりましたけれども、今後は、ソフト面での支援が必要と考えているところでございます。
 そのため、生産工程の効率化を目指したトヨタ生産方式の導入によって、少ない人数で生産ができるようにする方法、あるいは労働条件の見直しのために事業復興型雇用創出助成金を活用していただくなどといった支援を行うとともに、事業者とも我々意見交換をして、企業側へ提案をするなどしながら、人材確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 詳細にわたる御答弁ありがとうございます。
 それで、阪神・淡路の地震の後も、やはり業績が思うように回復しないで─そういう検証も今、大分されておるんですが、債務が返済不能となるという例も多数あると。これが、信用保証協会による代弁済がかなり膨らむという例もあったわけですね。したがって、その二つの県と国の機構があるわけですが、いろいろの相談センターを設けてワンストップで行っているようにはうかがっていますが、さらに実効性があるように、この二重債務問題についてはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それから、グループ補助金ですが、当初、これは国の提案の仕方が非常に、1次、2次、3次、4次、5次と段階的にいろいろ変わってきて、だんだんハードルが高くなっていくと。やはりある一定の企画を持ち込まれて、かなり無理していろいろな業種ごとのくくりとか、その目的のくくりも、宮城県などは、初期の段階でいろいろなコンサルを入れて作文を書いてやってもらったというような例もたくさんございますし、今後逆に、こういうグループ補助金の認定はしたんだけれども、その後、じゃ、被災地にとっては人口減が進む、そして働き手も内陸のほうに移住する、要するに、商店などは、マーケットが本当に震災前よりあるかどうかというのは、かなりその想像にかたくないわけですね。そこら辺をどのようにサポートしていくかというのは、かなり難しい問題だと思っています。
 ただいま商工会または会議所がいろいろな形でアドバイスをするスタッフを増強するというお話でしたが、県は、やはり中長期的な視点に立った支援が求められると思いますので、この点については、お願いするということでとどめておきたいと思います。
 残りの質問ですが、いわて戦略的研究開発推進事業費が計上されておりますが、これは昨年もあったわけですが、これまでの成果を示していただきたいと思います。
 それから、この事業費に関連して、ILCについては東北地方でも大分機運が盛り上がってきたわけですが、やはりものづくりという観点に立ったこの事業費の精神を生かした系統的な、戦略的な対応も必要と考えますが、今どのように考えているのかお知らせを願いたいと思います。
 それから、最後の質問になりますが、中小企業政策について。
 中小企業基本法が1999年に改正され、また、2010年の中小企業憲章の制定等の背景から大きく中小企業の占める位置というものが変わってまいりました。中小企業基本法の改正で、いわゆるこれは分権改革の一環で、地方公共団体も国と対等な政策主体としての位置づけをされています。
 他県では、独自に中小企業政策の基本的理念等を定める中小企業振興基本条例を制定する団体がふえておりますが、本県についてどのような認識であるのか、その対応についてお伺いします。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 まず、いわて戦略的研究開発推進事業費でありますが、これまで38件の事業が実施され、約35億円の国等の大型資金につながるなど、例えばコバルト合金の研究開発が、今後の産業化に向けたステップになっている等々の成果があると考えております。
 ILCとの関連でございますが、現在、同事業は、地域イノベーション指針に掲げる次世代自動車や環境エネルギーなどの分野を対象としております。ILCは、医療、生命科学、環境エネルギー、先端素材、超精密加工など、やはり幅広い分野の新たなイノベーションの創出が期待されるかつてない大型のプロジェクトと考えております。地域の産業として根づき、集積していくように、今後、こうした分野に研究開発資源を集中させる必要もあると考えているところです。
〇松川経営支援課総括課長 中小企業振興条例の制定についての認識ということでございますけれども、都道府県レベルでの条例の制定状況は19府県ということになっております。今、県といたしましては、県民計画に基づく産業振興施策や、あるいは第2期アクションプランで中小企業の経営力の向上ということを新たに政策項目として位置づけまして、中小企業の振興に向けた取り組みを明らかにしたといったところでございます。
 条例制定につきましては、こういったいろいろな施策の体系の中での位置づけ、あるいは先進県での条例がどのように機能しているかなど、ちょっと調査してまいりたいと思っております。
 また、中小企業者の団体が開催する勉強会にも今ちょっと参加させていただいておりまして、そういった中で、どのような考えで進めていったらいいかなども含めて検討してまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 この中小企業振興条例については、被災前から他県でもいろいろ検討しているようでありました。それで、やはり本県は、東日本大震災の大きな被災を受けて、新しい産業をつくる、そのためのものづくりという部分について政策的にも明らかにしているところでありますし、中小企業をめぐるいろいろな背景も変わってきつつあると。その点に照らした岩手県独自のさまざまな中小企業対策、政策は、やはり求められると私は思っておりますので、いろいろな場面で私たち議会も考えていく必要があると思いますが、やはり中小企業あってのさまざまな産業振興につながるものだと思っておりますので、今後さらに検討していただきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 先ほど関連させていただいて恐縮ですが、2点質問させていただきます。
 まず、修学旅行の被災地への誘致について、今般の予算においても、その誘致活動と情報発信に予算を計上していただいているわけですけれども、その受け入れる体制がどうなっているのかというのが気になるところでありまして、今、資料を事前にいただきましたが、9団体がその震災学習メニューというものを取り扱っていて、来年度の修学旅行の予約数が37校で、予約人数が4、255人ということで、立ち上がったばかりで、頑張っているのではないかと思っております。
 それで、この人数についての現状をどのように県では評価しているのか、また、この予約人数が、営業活動を十分に行ってのことであるのか、それとも、ニーズがあって、待ちの段階でも集まってきたということなのか、また、生徒さんがどこから多いのかということもあわせてお伺いしたいと思います。
〇戸舘観光課総括課長 修学旅行の予約等の関係でありますけれども、現在、震災関連のプログラムが、沿岸地域の全市町村、それから後方支援に当たった遠野市の計13市町村で実施されております。
 私ども県では、県の観光協会等、あるいは民間の事業者とも連携いたしまして、本年度も北海道、首都圏、関西圏などの教育旅行説明会で、この震災学習を本県教育旅行の重要なプログラムとして強力にPRしてまいりました。その成果もあってこの予約に結びついたものと考えております。
 ちなみに、平成24年1月から12月までの13市町村への教育旅行の入り込み数ですが、延べ1万1、513人となっておりまして、教育旅行向けの予約が入る時期というのは、およそ1年前から半年前と言われております。そういった事情から考えますと、現在の予約状況というのは、まずまずの出足ではないかと考えております。
 なお、現在入っております予約ですが、北海道を中心といたしまして、首都圏や関西などからも予約が入っていると聞いているところでございます。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。ぜひ、今後とも広げていっていただきたいと思うわけでありますが、それについても、修学旅行については、やはり大人数、学校の1学年となると100人単位とか、大人数の方々を受け入れなければいけないということになると思います。その点について、今このような9団体ですか、頑張っていただいているわけでありますが、そのガイドの団体の体制が受け入れに対して十分なのか、ぜひお伺いしたいと思うし、その営業の関係で、これから広げていくのには、そっちのキャパシティーのほうを広げていかなければいけないのか、それとも、また営業活動をしていかなければいけないのか、2方向あると思うんですが、そのキャパシティーの問題と、もう一つ、営業戦略について今後どうやっていくのかお伺いしたいと思います。
〇戸舘観光課総括課長 今後の展開に向けてということでありますけれども、御指摘のとおり、教育旅行は団体の規模が大きゅうございますので、時期によっては受け入れが難しいケースもあると聞いております。県としましても、来年度取り組む三陸観光再生事業におきまして、いわて三陸観光復興プラットフォームというものを構築いたしまして、受け入れの調整ですとか、あるいは震災語り部ガイドのさらなる育成、あるいはネットワーク化、震災学習プログラムの充実を図る、こういったような取り組みをして、教育旅行の需要に対応してまいりたいと考えております。
 また、来年度の戦略といたしましては、引き続き民間施設や行政が一体となりまして、一つには、震災前、本県の教育旅行の約4割強を占めていた、中学生主体でありますが、北海道からの入り込みの回復、二つ目には、震災以降急増いたしました宮城県内の小学校からの入り込みの定着、三つ目は、首都圏あるいはそれ以西からの教育旅行の誘致、こういった大きく3本柱としてさらに営業を強化したいと思っておりますし、三陸観光再生事業によりまして構築を目指す、いわて三陸観光復興プラットフォームに問い合わせなどに対応するワンストップの窓口機能を持たせたり、あるいはセールス機能を持たせるということで、さらに体制を強化してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。ぜひ進めていただきたいと思うんですけれども、来年度になれば、また再来年度に向けての営業が始まると思うんですが、今後の沿岸のこの学習メニューについての修学旅行生、どのぐらいの数値的な目標を持ってというのがあればお示しいただきたいと思うのですが。
〇戸舘観光課総括課長 修学旅行につきましては、平成24年までの実績で、既に平成22年、震災前の水準を今、上回った状況にございます。まだまだこれを伸ばしていきたいと考えているわけですけれども、教育旅行のみの目標というのは特に設けておりませんが、特に沿岸地域の観光客の入り込み数は、震災前の半分ちょっとぐらいにまだとどまっている状態であります。これを回復するための大きな柱と位置づけております。
 そのために必要なガイドの数も確保していきたいと考えておりますし、震災学習を中心とした教育旅行というものをこの沿岸観光の柱に育てていくという観点で、来年度の事業に取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 この沿岸地域の半分になってしまったお客さんを回復するというところで、やはり営業のみならず、メニューづくりのお世話とかブラッシュアップとか、また、一般のお客様にも、予約なしで来られるとか、また、個人でも予約できる体制づくりをぜひ進めていっていただきたいと思います。
 この件については、終わりたいと思います。
 次に、商工労働観光関係の情報発信について伺いたいと思います。
 先ほどの議論の中でもありましたが、商工労働観光部の所管の中で、今回の予算でも、DC効果の継続とか商工観光の風評被害の払拭、また、復興の動きと連動した誘客に向けて、また、いわてブランド再生推進事業費などなど、イメージアップとか情報発信についての分野が多く取り上げられているわけでありますが、私は、こういったものを個別個別に情報発信するのではなくて、やはり全体としてイメージを統一させて、大きな柱としてイメージアップを図っていくべきではないかという考えを持っております。
 そのような中で、最近では他県では、広島県が、おしい広島県とか、また、香川県がうどん県といったような一風変わったキャッチコピーを出して、どちらかというと、観光戦略というよりももっと上位の県としてのイメージ戦略という形で情報を出しながら、そこに観光があったり、物産があったり、農作物等々があったりということで、そういうような打ち出しをしております。
 本県においては、被災地でありますので、そういった余りユニークなものはなじまないとは思いますが、やはりこれからは、風化も心配される中にあっては、そういった形で統一的な岩手のメッセージ、またイメージというものを前面に押し出した中で、風評被害対策があったり、DC効果の継続があったり、また、沿岸被災地にボランティアも来てくださいとか、そういうこともあると思います。
 ですので、復興局または秘書広報室といろいろな形で情報発信をしているわけでありますが、ぜひ、復興もしくはこういう観光効果によって、切り取った形で効果的な情報発信をしていっていただきたいという思いを込めて、このような他県の情報発信についてどのようにお考えになっているか、また、本県においてそのような対策もとっておくべきと思いますが、所感を伺って、終わりたいと思います。
〇戸舘観光課総括課長 県全体のイメージアップ戦略ということでありますけれども、観光客の誘致ですとか、県産品の販売拡大、あるいは定住の促進、こういったような観点で、地域の活性化を図るためにも、紹介のありました広島県、香川県のように県のセールスポイントを効果的かつ強力に発信するというのは、非常に大事なことだと思っております。
 現状を申し上げますと、本県では、現在、秘書広報室におきまして、主に震災をきっかけとして生まれたきずなやつながりの維持、拡大を目的といたしまして、震災の風化防止、復興支援の喚起を呼びかける情報発信事業を、私ども商工労働観光部におきましては、主に岩手ファンの獲得といった観点で、岩手の魅力をアピールする情報発信事業を展開しているところであります。
 これまで、観光面で、本県の魅力のアピールにつきましては、食、自然、文化といったような魅力の多様性をポイントに据えてPRをしてきたところでございます。
 今後についてでありますけれども、実は昨年12月から本年1月にかけて、本県を訪れた県外の観光客3、200人余りですけれども、アンケート調査を実施いたしました。本県への旅行に求めるものということでお聞きしたんですが、おいしいものというのが32.3%で最も多くなっておりまして、次に、温泉でのんびりしたいが17.4%、名所旧跡の観光というのが14.3%、こういった状況でありました。
 来年度4月からNHKの朝ドラも始まります。こういったことも踏まえて、来年度につきましては、観光のPRといたしましては、食をアピールの柱としたいと考えておりまして、本県の食をモチーフにしたPRキャラクターのわんこきょうだいも一層活用しながら、うまい岩手というものを強力に売り込んでいきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 1点伺います。山田町の緊急雇用創出事業、NPO法人大雪りばぁねっと。の件であります。
 事業ができないということで事業を終了し、事業報告書を山田町に求め県が完了検査を始めたということは、この問題の整理にとりまして一歩前進したと思います。もう少し早く報告書といいますか完了報告を求めたほうがよかったのではないかという感じがしておるところであります。
 この雇用創出事業ですが、国から出されている要領、要綱を読みますと、お金といいますか、補助金は県の会計を通りますけれども、市町村が責任を持って実施する事業ではないかと思います。県に監督責任があるのでしょうか。あるとすれば、どういう点にあるのかをお伺いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 この事業の中で市町村が行う場合の県の役割でございますけれども、委員にただいま御説明いただきましたとおり、市町村に対して県は補助金を交付する立場にございます。したがいまして、その補助金の交付に当たって、事業が適正に執行されるよう、それを確保していくという役割があると考えております。
   〔「責任があるかどうか」と呼ぶ者あり〕
〇高橋孝眞委員 そういう意味では、責任があるということですから、よろしいのであります。
 その上でですけれども、宮古地域振興センターが、平成24年3月31日に、平成23年度分の完了検査を実施しております。報告書もいただきました。3月31日では3月分の人件費は確定していなかったと思うんですが、どのような書類の中で確認をしたのかという疑問があります。
 その上で、まだ報告書の中には4月分、5月分の支払いも残っているというか、入っております。それから、御蔵の湯でありますけれども、報告書には、リース契約支出として2、400万円の支出がありますし、また、そのほかに材料費として4、300万円ほど支出がされております。
 一つの仮設の建物でリース物件とリース物件でないというか、大雪りばぁねっと。の所有部分をどのようにして確認したのかという疑問があるわけであります。いずれ、分けましたと言ってもかなり難しいのではないかと思うわけであります。完了検査も書類と現物を調査、精査したのかという疑問であります。本当に計画どおり事業が実施されたかということを非常に疑問に思っております。
 それから、宮古地域振興センターに駐在する沿岸広域振興局の副局長が、山田町を視察しております。その際、ヘリコプターに乗りまして上空から視察もしていると。その後すぐにでありますけれども、リース会社オール・ブリッジが設立されまして、この事業では50万円以上の資産を取得できないというような意味合いで、リース会社を設立しながら、大雪りばぁねっと。がリースをした、そういうふうになっているわけでありますけれども、これも少し変ではないのかということと、広域振興局が、前にもありましたけれども、知事との懇談に岡田代表の紹介、推薦もしている。また、上野副知事にも、岡田代表が御蔵の湯について説明をしているとも聞いております。
 これらを考えますと、この事業は、宮古地域振興センターと山田町が一体となって進めてきた、宮古地域振興センターが山田町をサポートして事業を進めてきたという気がしてならないわけであります。ぜひ、これらを含めまして、今後、調査をしていただきたいと思います。もしも県が関与しているというようなことであれば、山田町だけに責任をとらせるということは無理なのではないかと思うからであります。これらにつきましての所感を伺いたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 これまでの県のこの山田町の事業に対するかかわりでございますけれども、県におきましては、これまでの手続を適正に行ってきたと考えております。
 また、今、委員から御指摘のあったさまざまな事例ですけれども、たまたまそういうタイミングでそういうことが起きたかもしれませんが、県のかかわり方といたしましては、山田町からの照会に対して、制度について説明する等の対応をしてきたものでございまして、具体の実施内容について、個別に相談を受けながらというものではないと認識しております。
〇高橋孝眞委員 回答は、それはそれでよろしいんですけれども、原因究明のためには、誤解を受けないようなことのためにも、ぜひ十分な調査をしていただきたいと思います。
 それから、新聞報道ではありますけれども、県は、補助対象と補助対象外の事業費を分けるとあります。事業そのものに問題があるのですから、また、この事業といいますのは、人件費率が50%を超えなければいけない事業でもあります。この際、全額の返還を求めるべきだと考えるわけであります。平成24年度分は約7億9、000万円、23年度分は約4億3、000万円ですけれども、これの返還を求めるべきではないかという意味であります。
 返還するといいましても、山田町には、他の緊急雇用創出事業がありますから、これらの補助金を支出するときに、この分を差っ引いて補助金支出をするというふうにすべきではないかと思いますが、今後どのようにこれらについて対応していくのか伺いまして、質問を終わります。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ただいまの全額の返還を求めるべきではないかという御指摘でございますけれども、その点につきましては、昨日から現地で完了検査に向けた現地調査も行っております。
 今後、内容についてさらに精査を進め、国へも照会しながら確認作業をしてまいりたいと思います。そうした中で、どこまで事業として認めることができるか、あるいは委員御指摘のように、全額事業としては認められないということになるか、その辺の判断は、今後の精査の中で結論を出してまいりたいと考えております。
 二つ目の補助金の精算の関係でございますけれども、お話のとおり、山田町は、今年度、全体で36の緊急雇用創出事業を実施しております。全体額で12億2、000万円余の計画額になっておりまして、これまで7億円余を県から前金払いとして支払いしております。
 今回の事業の精算確認を行って、その精算確認の結果、出された確定額を含めて、全体で今年度の山田町に対する緊急雇用創出事業の補助額がどの程度になるか、これまでの前金払いの7億円を上回るか、それを下回るか、その結果に応じて、場合によっては差額の返還を求めるという形で対応したいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 関連して何点か質問させてもらいますが、今の高橋委員の質問は、最初の段階から、今現在─は中途でしょうけれども─にわたって、県の責任はあるのかどうか、適正だったのかどうか、どう判断しているかということを聞いているわけです。それを答えてもらいたい。
 それと、先ほどの高橋委員の質問は、例えば、知事にも紹介したとか、副知事にも紹介したとか、それは一定の流れの中だということですけれども、県の関与は制度への問い合わせに対応しただけだという答弁だったと思うんですが、それで本当にいいのでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、事業の実施に当たっての県の関与の仕方ということでございますけれども、市町村において企画を立て、また、県においてその補助事業を承認したということでございますので、その時々の判断においては妥当であったものと考えております。
 二つ目の、現地での紹介でありますとか、知事との懇談の場への紹介でありますとかというお話でございますけれども、その時々の状況に応じて、適切と考え、対応してきたものと考えております。現在、こういった状況になってこのNPO法人の問題が多々明らかになってきておりますけれども、当時の状況をその時々の判断で対応したものと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 恐らく適正に判断した、対応したというのは、そのとおりでしょうけれども、要するに、その場、その場ではそうであったとしても、今の時点でこういう経過になっているわけですね。今、課長が説明したとおりでしょうけれども。それに対してはどうですか、県の責任はないと言えるんでしょうかどうかということを私は聞いているんです。多分そういうことを聞きたかったと思うんです。
 この間、NPOの関係で政策地域部で、当時の副局長で今の盛岡広域振興局長の発言について問うたわけです。そのときは、この文書の出し方は適切かどうかという質問をしましたけれども、実際にこういうことを言っているんですね。中身を見ずに決裁した。2億3、000万円は小さいと思わないが、気にしていなかったということを言っているわけです。ということは、一応チェックしたわけですよ、見ているわけです。それでオーケーを出して、その結果がこういう結果になっているわけですね。
 ですから、恐らく適正に処理したと、これが適正な処理なのかというのは私は疑問ですけれども、高橋課長のせいでもないでしょうが、やはり適正と言えるかどうかというのはもう少し─責任がないとは言えないですね。私はそう思いますけれども、結果としてそうなると思うんですけれども、それについてはどうでしょうか。課長が答えられるかどうかわからないけれども。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 委員御指摘のとおり、結果としては、これまで県が承認してきた事業の中に問題が多々明らかになってきているということでございますけれども、当時の決裁なり承認そのものが、非常に責任の大きいものかという御指摘かと思いますけれども、あくまでも現時点の状況から考えられるお話と思います。当時の判断としては、そこの中に含まれていた誤りあるいは偽りを見抜けなかったという結果であろうかと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 そういうことしか言えないのかもしれませんけれども、気づかなかったかもしれない異常な状態だったというのもそうなのかもしれませんけれども、今の時点で見るとそう見えるけれども、当時はそうではなかったということも実はなかなか無理があって、4億3、000万円が小さいとは思わないが気にしていなかったという感覚そのものに、私はすごい問題があると思っているんです。そういった感覚で全部決裁したのかと思うと、実際恐ろしいですよね。ということを言っているのであって、その辺は振り返ってみてもまずいなという点はまずいとして、今、調査していると思うんですけれども、きっちりとやっていくべきだと思います。何かあったら答えてください。なければいいですよ。
〇斉藤信委員 山田町のNPO問題について関連して質問します。
 一つは、山田町から平成24年度の実績報告書が出ていると思います。この実績報告書の中身を報告していただきたい。計画額に対して実績報告はどうなっているか。人件費、人件費以外、総額、これが第1点。
 もう一点は、大雪りばぁねっと。が建設をした御蔵の湯の件について。
 この御蔵の湯については、県、宮古地域振興センター、町の間でやりとりがあった。当初は、建設工事は認められないと。しかし、それはリースだったら認めるという、いわゆる県、宮古地域振興センターと山田町で私は談合されたんだと思いますよ。そして、結果的には、この御蔵の湯というのは、NPO法人大雪りばぁねっと。から1億2、000万円余で盛岡の建設会社に発注された。宮古地域振興センターには建築確認申請が出された。平成23年9月ですよ。これは全くのでらためなんです。いわば、やってはならないことをNPOはやった。それをリースという形でごまかした。こういうことをあなた方が見逃したことが4億3、000万円─最初は1、500万円だった。5回も契約変更されるという異常な問題を全くチェックできなかったのはどういうことなのか。それどころか、平成24年度は7億9、000万円にこれが膨れ上がったわけですよ。私は異常に異常を重ねた事件だと思うけれども、このことについて、事実に基づいてどうだったのか示していただきたい。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず第1点目のお尋ね、山田町からの実績報告の内容でございます。
 全体額は、計画額7億9、100万円余でございましたけれども、それに対する山田町からの実績報告額は3億6、300万円余でございます。その内訳としまして、人件費は2億3、800万円余、人件費以外の経費は1億2、400万円余という内訳でございます。
 二つ目の御蔵の湯についてのお尋ねでございます。
 この不正を県が見逃したという御指摘をいただきましたけれども、結果として、その不正なり偽りを当時の審査の中で発見できなかったということであろうと考えております。
〇斉藤信委員 まず実績報告額でいいますと、人件費は4億5、700万円余の計画に対して2億3、800万円余で2億1、890万円、これは町が支出したのに対して2億1、890万円の差額です。人件費以外は全体では4億2、830万円、これが証明されなかった。これは町の報告ですよ。私はこの人件費の中には御蔵の湯の人件費も入っていると思うから、もっとこの人件費は精査されるべきじゃないか。これをまずお聞きします。
 もう一つの御蔵の湯については、都合悪いことはまともに答えないんだね。県、宮古地域振興センター、山田町の間でやりとりがあったでしょう。建設工事だったら認められないと。しかし、リースだったら認められるというごまかしを、合作でやったんじゃないですか。あなた方はNPOが発注された事実を、いつつかんだんですか。どのリース会社があの物件をつくったというんですか。そんな事実は一つもないんですよ。NPOが直接発注しているんですよ。私はそういう、やってはならないことを、ごまかしを認めるようなやり方をあなた方はしたんじゃないか。やりとりがあったわけだから、実態を把握すべきだったんですよ。その時点でチェックしていたら、少なくとも平成23年の夏場でこの問題は解決できたんですよ。違いますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず第1点、山田町からの実績報告についてでございますけれども、これは先ほど御報告申し上げたのは、あくまで山田町から提出された実績報告額の内容でございます。昨日から宮古地域振興センターでその内容について現地調査をしており、まだその調査は引き続き行って、その中で精査をしてまいりたいと考えております。
 二つ目の御指摘、昨年5月の県と町との御蔵の湯に関するやりとりでございます。これは、県と町との間での談合という御指摘でございましたけれども、県が完了確認、完了検査を行うために必要な事項を町に照会し、その照会内容について町から回答されたものでございます。県と町の中でその対処の仕方をどうこうしたというものではございません。
 さらに、NPO法人が盛岡の建設会社に発注したことの確認時期でございますけれども、明確にそれを確認したのは今回の事案が発生した以降、盛岡広域振興局土木部に提出されております建設業登録に係る書類の中でありますとか、その後の建設業者に対する聞き取り等の中で、そういった内容が明らかとなったものでございます。
〇斉藤信委員 関連ですからこれで最後にしますけれども、私は、一つは、山田町が既に平成24年度は7億9、000万円全部前払いしたんですね。この財源は何だったのか。恐らく町とNPOの契約でも、全額前払いとなっていないんですよ。そういうことについて県はどう受けとめているか。
 もう一つ、御蔵の湯のこの問題については、こういうやりとりなんですよ。
 建設工事なら認められないがリース物件なら認められるという形で、あなた方はこういう中身でいいですよと。建設工事なら認められないというのだったら、建設工事だったのかそうでないのかということを確認しなきゃだめでしょう、既にできているんだから。そういう責任回避をしてやっているから傷が深くなったんですよ、これは。大体、リース会社は、NPO関係者のたった1人のトンネル会社じゃないですか。リース会社の実態だって、あなた方は把握しなきゃだめなんですよ。あれだけの物件をつくって、44人をそこで雇用して、その実態も見ないで、ヘリコプターから副局長が見たなんてとんでもない話ですよ。見るものが全然違う。違いますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず第1点目、7億9、000万円を山田町が全額前払いした件でございます。
 これは、山田町がNPOとの委託契約の中で全額の前払いを認める規定、条項を置いており、それに基づいて支払われたものと認識しております。各市町村が緊急雇用創出事業を行うに当たっての契約等の手続は、それぞれの自治体の財務規則に基づいて行うということがこの事業のルールとなっております。
 二つ目の御蔵の湯に関する建設あるいはリースについてのやりとりでございますけれども、確かに県からはこの事業では建設土木事業はだめです。ただし、リースは認められます。これは、制度のルールとして山田町に対して説明してまいりました。
〇名須川晋委員 割愛するところは割愛をいたしまして質問をさせていただきます。
 ものづくり人材の育成策の概略については割愛ということで、その次、最近メイカーズ革命ということがよくマスコミで報道されておりまして、活字でも目にすることもあるんですけれども、製造とかファッションとか医療、建築等、ものづくりの概念が変わるということで3Dプリンターが、もちろん前々からいろんな形で産業分野でも使われていたんですが、10万円以下に安価なものになったりしているということで、個人でもものづくりができるようになってきたということで、うそかまことか、第三の産業革命とも言われているようでございますが、これについて、県といたしましてはどのように分析、把握をされているのかということと、あわせて聞きますけれども、県の工業技術センターでは、こうした流れについて対応を考えておられるのかどうかということ、そして、この3Dプリンターというのは、県の施設ではどれぐらいあるのかということを教えていただきたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 3Dプリンターについてでありますが、複雑な立体造形が容易に最近はできるようになったということで、試作開発や多品種少量生産が簡単にできると捉えておりまして、素材や造形物の強度などの制限はありますが、一定の技術力も必要となってはおりますけれども、これまでにないものづくりの新たなマーケットを開拓する可能性を持つと捉えております。
 それで、工業技術センターでは、現在2台の3Dプリンターを持っておりまして、少し大がかりな事業になりますが、自動車部品メーカーあるいは機械設計開発メーカーが試作品の形状確認などに使っております。
 参考まで、実は工業技術センターは平成13年度に、早い時期から3Dプリンターを入れておって、企業や支援機関との連携を図りながら活用している状況にあります。
 県内の設置状況でありますが、承知している範囲で申し上げますと、工業技術センターは今申し上げたとおり2台、いわてデジタルエンジニア育成センター、これは北上になりますが1台、産業技術短期大学校、矢巾町の本校、奥州市水沢区の各校それぞれ1台、岩手大学には4台、一関高専には1台、黒沢尻工業高等学校には紙ベースの3Dプリンターが1台あるということを確認しております。あわせて、いわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンターという県立大学の脇にある施設でありますが、今年度中に設置して、来年度は技術研修をする予定になっております。
〇名須川晋委員 そういう施設ではかなり高額な、立派なプリンターがあるということでございますが、恐らくはこれから一家に1台という形になるのだろうと予測をされているようでございますが、今、スマホなんかではネット上に置かれているいろんなアプリを取り出して、地図とかゲームとか音楽とかを楽しむ、利用するわけでございますが、恐らくそういう形になるのかと、データがネット上のサーバーのところにあって、それを取り出して自宅で何か物を3Dプリンターに打ってつくるという時代がやってくるそうでございまして、まさに現代版のテレポーテーションなのかと思いますが、アメリカではオバマ大統領が、教育機関に1、000台設置をするということで進めているそうでございまして、これは教育委員会に聞くべきことなのかもしれませんけれども、ぜひともそういう新しい製造手法をこれからも岩手県でも進めていくこと、これは設計CADとかそういうところにも含まれる話なのかもしれませんが、その辺で、平成25年度の施策としてはないのかもしれませんけれども、再来年度の新しいものづくりの流れを研究されてみてはいかがかと思いますが、いかがでございましょうか。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 教育委員会にも確認したところ、現在、岩手県高等学校教育研究会工業部会というものがありまして、工業高校の関係の集まりでございますが、北上市にありますいわてデジタルエンジニア育成センターといったところが、これまでは三次元の設計というのを中心にやっておったんですが、最近は分析あるいは3Dを使った三次元の施策等々が重要になってくるというニーズもあって、現在、こういった工業部会の講習会に参加されて、3Dプリンターを使用したモデル作成なども行っております。
 こういった三次元にかかわる技術者の養成は、今申し上げましたいわてデジタルエンジニア育成センターが中核となって人材育成を進めておりますので、委員の御指摘のありました3Dプリンターについても、これまで以上に必要に応じてしっかり対応していきたいと思います。
〇名須川晋委員 雇用対策についてということで、ミスマッチの解消をどう図るかという通告をしておりましたが、これは割愛をさせていただきまして、次に簡単な質問でございます。
 被災地で働いてみたいという県外からの問い合わせ、ハローワーク等いろんな形であるのかもしれませんが、そういう求人の問い合わせを把握していれば教えていただきたいと思いますし、このようなケースがあるとすれば、そのニーズにぜひとも応えていただきたいと思います。被災地、沿岸地域ですから、まず住む場所がないということが一番の難点かと思いますけれども、先ほど来小野共委員もおっしゃっておりましたけれども、そういうところで1人でも2人でも被災地の人材難の解消に努められないものかということで、そのような求人問い合わせの内容を把握されておりましたらお知らせをいただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、県外からの求人問い合わせの状況の把握でございますけれども、ハローワーク等職業紹介機関における状況は、残念ながら私どもで把握しておりませんが、何件か県外からマッチングについて電話での照会を受けた事例はございます。こうした事例を含め、沿岸部ではまさに地元での労働者の確保が難しいという状況でございまして、外から人を呼び込むということは非常に大事なことと考えておりますが、委員御指摘のとおり、住む場所の確保というのが次に大きな課題となってまいります。そうしたこともありまして、今後ハローワークや関係機関あるいは市町村ですとか、県で言えば、商工労働観光部のみならず、復興局あるいは県土整備部も関係するかもしれませんが、いずれ関係部局、関係機関、さらには受け入れ側の企業も含めて意見交換しながら、沿岸地域の労働力確保につながるように対応してまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 まちづくりは、よく、よそ者、若者、ばか者ということを言われますが、そのうちのよそ者と若者の部分で、非常にこれからの沿岸の被災地のまちづくりにも資するのかなと思いますので、ぜひとも情報交換をされながら、そういうところにも努めていただければと思います。
 それと、通告はしておらなかったんですが、先ほどの緊急雇用創出事業で小野共委員への御答弁では、平成23年度4、600人、平成24年度3、340人の雇用がなされたと御回答をいただいておりましたが、そのうちのNPO法人が雇用したという人数について、把握をされておればお知らせをいただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 NPO法人が雇用した人数でございますけれども、あいにく手元にございます数字が平成24年度分になります。今年度608人の雇用と把握しております。
〇名須川晋委員 大雪りばぁねっと。のような例は、本当に不幸なといいますか、まさにひどい事例ではございますが、こうしたNPO法人、ほとんどが善良なNPO法人だと思いますが、その中で、来年度、平成25年度の緊急雇用創出事業におきまして、事業復興型は企業だと思います。そのほかの事業でこのNPOが当てはまるものがあるのかどうか。どちらかと言えば、企業型といいますか、長い間にわたり雇用ができるような事業を復興型に移行するのが県の、国の考え方だと思いますけれども、NPOのようなところがこの緊急雇用を使って被災地の支援に回るというメニューがあるのかどうか、これについて確認をさせてください。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 今年度の事業の事例を見ておりますと、NPO法人が受託しているケースは社会福祉関係事業でありますとか、あるいは沿岸部でいいますと、被災者支援の業務を受託している事例がございます。来年度、NPO法人が受託できる事業の有無につきましては、今後、市町村が具体的にどういう事業を発注するかというものが中心になろうかと思います。そうした中で、先ほども申しましたとおり、被災地支援に関する、被災者の生活の向上につながる事業は、来年度も緊急雇用事業を継続してまいりたいという考えでおりますので、そういった事業の募集を市町村で行う中では、NPOが今後もかかわっていくものであろうと考えております。
〇名須川晋委員 そうであればいいんですが、平成24年度、平成25年度ということで、つながりをきちっと持たれていただきたいと思います。最近は風化といいますか、忘れ去られるということもあるのかもしれませんが、企業からのそういう支援の面もだんだんと細々となってきているわけでございまして、こうした緊急雇用についてはぜひともNPOに、善良なNPOには活用をされていただきたいということで、ぜひともその点についても目を向けていただければと思います。
 それと、事業復興型雇用創出助成金でございますが、この周知方法についてお知らせをいただきたいということで、その意図につきましてはまだ知らない事業者が多々あるのではないかということでございます。御回答をお願いします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 これまでこの周知に努めてまいりましたが、その方法としては、一つは、商工団体、中小企業団体中央会でありますとか商工会議所でありますとかが行う会合の場で我々も参加させていただいて、事業の説明をしてきたという方法がございます。
 もう一つは、この事業復興型を活用するにあたりまして、例えば補助金等の利用ということが一つの条件になるケースがございます。その補助事業等に採択された事業主に対しては、ダイレクトメールという形で復興型の御案内を差し上げております。
 最後に、一番企業の方々がおつき合いのある方は誰かということで、金融機関を通じて、ぜひこの復興型の事業を紹介していただきたいということをお願いしておりまして、最近やっとそういった周知が広がりを見せてきておりまして、利用が伸びてきているものと考えております。
〇名須川晋委員 3年で225万円ということで、なかなか当てはまる、採用されている労働者の方も少ないと言えば少ないんですけれども、非常に企業にとってはありがたいこの助成金でございますので、ぜひともその周知を徹底していただきたいと思いますし、この助成金を活用するには、国や県、市町村の自治体のそれぞれの政策を使うわけでございますが、かなりハードルが低いものが多々ありますので、ぜひとも補助金のメニューを活用していただいた上で、満額と言っていいんでしょうか、メニューに合わない方々は8割しかもらえないということでございますので、いい対象事業を御活用いただくというところまで、ぜひとも周知を徹底されたほうがお金ももらえるし、そうした事業によって企業の体力もつくということになろうかと思いますので、その辺についてもお知らせを徹底していただければと思います。
 最後に、これは聞くだけで終わりますが、中小企業金融円滑化法が年度末で終了をいたしますが、県内において何社活用されていたか。本県の実情について、特にも、被災地において相談がふえていないかといったことにつきましてお知らせをいただきたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 中小企業金融円滑化法に基づきまして、金融機関が中小企業者の条件変更を行ったといったものについて、県内の地方銀行が公表している資料ですけれども、昨年の9月時点のものでございます。申し込みが2万7、917件に対しまして、実行した、条件変更に対応したというのが2万5、431件、割合にいたしまして91.1%でございます。その他、謝絶と申しまして、条件変更に応じなかったというものが911件、それから審査中が359件、取り下げが1、216件となっております。
 被災地での相談ということでございますけれども、県では、この3月から金融円滑化に関する相談の窓口を設置しております。このほかには国の盛岡財務事務所、それから岩手県信用保証協会でも窓口を設置しております。
 私どもの相談を受けておりましたのが3件ほどございますけれども、そのうち、大船渡市それから宮古市の事業者の方から設備資金の調達方法について御相談をいただいております。
 いずれ、円滑化法が期限を迎えるということで、そういった御相談も多分出てくるだろうと思いますので、それぞれの機関と連携をしながら、きめ細かく対応してまいりたいと思っております。
 また、県で設けました中小企業経営安定化資金の中の経営力強化対策枠というものも設けておりますので、そういった資金も活用していただくように周知していきたいと思っております。
〇城内愛彦委員 私からも3点、時間が迫っていますのでさっくり聞きます。
 被災中小企業重層的支援事業について、これはどれぐらいの人数を考えているのか。1点目です。2点目が具体的内容は。3点目は、今後の見通しはということで3点お伺いします。
〇松川経営支援課総括課長 重層的な支援事業というものを今年度から実施しております。被災した中小企業のうちグループ補助金を活用している事業者、この決定している事業者が882社ございます。今後、5次の後半、それから6次で申請されたグループの採択も予定されておりますので、これらの事業者が復旧、復興できるように支援するということで考えております。
 それから、具体的な取り組みといたしましては、平成25年度に、岩手県商工会議所連合会に経営支援スタッフというものを7名配置いたします。それから、被災企業再建支援事務センターというものを設置いたしまして、グループ補助金の交付事業者に対して、企業のカルテのようなものを作成してまいりたいと思っていますし、それから支払い事務についての、県の事務の補助をしていただくということを考えております。
 また、支援機関での専門家派遣あるいは商工会連合会の専門経営指導員の増員とか、いわて産業振興センターにおける震災対応コーディネーターの配置などというのを今年度やっておりますけれども、それも引き続き行っていきたいと思っております。
 それから、今後の見通しということでございますけれども、グループ補助金を活用して再開した事業者あるいはそれ以外の事業者も含めまして、再開した事業者の中で売り上げあるいは利益率が低下しているといった課題が挙げられております。施設が復旧してもこういった問題が出てくると考えておりますので、こういった事業を活用して専門家の派遣、あるいは販路の開拓、あるいは新商品の開発といったものを支援してまいりたいと思っております。
〇城内愛彦委員 今、最後に答えていただいたところが一番問題だと思っています。被災して、とりあえず復旧はできたんだけれども販路が回復してきていないということで、一旦離れたお客さんはなかなか戻ってこないということでありますし、また、工場は再建したけれども働き手がないというのは、この委員会で皆さんもおっしゃっているとおりでありますので、ハードはできたけれども、長丁場になるんだろうと思いますけれども、これからはソフト面でしっかりと支援をしていかないと、復興倒産というのが出るんじゃないかと思っていますし、実際それに近いものが沿岸部、宮古でも出ていますので、ぜひこれは注視をしながらしっかりとフォローアップをしてほしいと思います。
 これからどんどん時間がたつにつれて、ニーズというのが変わってくると思います。そういう意味での情報収集もしながら、制度設計に努めていただきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
〇松川経営支援課総括課長 まさにフォローアップということが必要になってくると思っております。グループ補助金そのものも公募者のそれぞれの設備の復旧、施設の復旧というものもあるわけですが、そもそも中小業者の皆さんがグループを構成いたしまして、復興事業計画というものを立てていただいております。その中で、共同で取り組むといった事業を取り上げていただいておりまして、中には販路を共有化していくということで、共同のメリットということも考えておられる事業者もいるわけでございますので、専門家の派遣なども通じまして、そういった支援をしてまいりたいと思っております。
 それから、時間の経過に伴ってニーズが変わっていくということでございましたけれども、まことにそのとおりでございまして、それぞれの事業者のニーズ、あるいはグループのニーズ、あるいは変化に対応して、先ほど申し上げたような支援機関と協力しながら支援してまいりたいと思っております。
〇城内愛彦委員 ぜひ、しっかりとやってほしいと思います。
 また、グループ補助で、前半に取り組んだところは比較的同じ志向というんですか、同じ方向性を見られる人たちが組んでいるんですけれども、後半で採択された方々は、結構無理をして組んでいるというような方々も見受けられますので、ぜひその辺はしっかりとフォローアップはしてください。それはお願いしておきます。
 次に移ります。ちょっと順番を変えますので済みません。
 いわて希望の旅誘客促進事業についてですが、これについてもあわせてお伺いするんですけれども、効果をどれぐらい見ているのか。あと、沿岸部の宿泊施設の対応状況はどのようになっているかをお伺いします。
〇戸舘観光課総括課長 いわて希望の旅誘客促進事業の効果についてでありますけれども、いわて県民計画第2期アクションプランにおきまして、計画の目標年を平成26年度としておりますけれども、この平成26年度には観光客入り込み数を、震災前の平成22年度の水準に回復させるといった目標がございます。この目標のもとで、昨年4月から6月までいわてデスティネーションキャンペーンを展開いたしましたが、平成22年度の同期と比較しまして97.1%ということで、県全体としては、ほぼ震災前の水準に回復してきたという状況でありますけれども、県北・沿岸地域を中心に、震災前の水準に届いていない地域もありますことから、この事業、そして三陸観光再生事業など他の事業と連携して展開をいたしまして、県北・沿岸地域においても、早期に震災前の水準への回復を目指していきたいと、そのための事業と位置づけております。
 それから、2点目の沿岸部の宿泊施設の状況でありますけれども、県では、沿岸12市町村を通じて宿泊施設の状況を定期的に調査いたしております。直近では平成25年1月31日現在でございますが、沿岸部に設置されている主要201施設のうち、被災した施設が121施設となっております。このうち仮営業を含めて営業を再開した施設が48施設、被災を免れた施設79施設、それから震災後新たに開業した施設9施設、これらを含めまして、沿岸地域で営業している施設は現在136施設ということでありまして、震災前に比較しまして、収容定員で75%強まで回復してきているという状況でございます。
 現在、グループ補助金等を活用して修繕などしていただいておりますが、修繕中の大型の宿泊施設が来年度内に相当程度営業を再開する予定となっておりまして、これらの施設が営業再開した場合には、収容定員で80%強まで回復するものと見込んでおります。
 県としては、引き続きグループ補助の活用、県単の補助金等の活用を通じて、支援をしてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 宿泊施設が大分回復してきてよかったと思っていますが、先ほど来各委員からもお話があった、宿泊についてはパックなんかで紹介していくということでありましたけれども、復興の作業で沿岸部に来られる方も、ホテル住まいをしている方がたくさんあります。そういった方々との住み分けというのも今後必要になってくると思います。ぜひこれはしっかりと、その辺も連絡を密にとりながらやってほしいと思います。
 また、フォーシーズンでしっかりと誘客ができるような仕組みをつくってほしいと思っているんですけれども、宮古で言うと、今まで正月にやっていたサケ祭り、あれをカニ祭りが抜いたというぐらいの実績で、だんだんに観光客あるいは宮古、沿岸地域、県北に来る方々の志向が少しずつ変わってきているのではないかと思います。ぜひそういう意味での、素材の宝庫でありますのでその辺も掘り起こしながら、フォーシーズンで切れ目がないような形でしっかりとやってほしいと思いますが、その辺いかがでしょうか。
〇戸舘観光課総括課長 沿岸部への誘客という意味では、先ほど来御説明させていただいておりますが、教育旅行の誘致というのは一つ大きなものだと思っておりますけれども、復興応援バスツアーの拡充ということで、今現在で6コース、来年度は7コースに拡充して運行するということにしておりますけれども、そういった中で、沿岸の食というものも十分に楽しんでいただくということになっておりますので、現地での対応も含めて岩手の魅力というのを、実際に来た方にも強く売り込んでリピーターになっていただくように、これは現地の人たちともよく連携を図りながら、そして我々もそういった情報を、首都圏あるいは仙台圏あるいは関西圏、こういったところに売り込んで、来ていただけるように努めてまいりたいと思います。
〇城内愛彦委員 ぜひ沿岸部、被災地に来てみて、泊まって、買ってもらうということを念頭に、しっかりとやっていただければと思います。
 最後に移ります。3点目です。
 中小企業高度化資金についてちょっとお伺いしたいんですけれども、債務放棄にかかわる審査の内容を具体的に説明をしていただければと思います。
〇松川経営支援課総括課長 中小企業の高度化資金は、中小企業が共同して組合などを設立した場合に、工業団地あるいはショッピングセンターなどを建設する際に、県が長期、無利子で事業者に貸し付けしているというものでございます。
 債権放棄に当たりまして、今般、議会のほうに提案しておりましたのは二つございます。
 一つは、東日本大震災津波によりまして、貸付対象の施設設備が滅失したということで、これは事業者の責めに帰すことができないやむをえない事情と判断いたしまして、貸付残高のうち、滅失した施設に見合う分を放棄するということを御提案したいと考えております。
 それからもう一つにつきましては、個人でございますけれども、回収する対象の方について、経営環境の悪化あるいは債務者が自己破産をしたということで、裁判所が債務者の免責を決定したということで、返済能力がないと判断いたしまして、権利の放棄をしたいと考えて御提案をしているところでございます。
 県といたしましては、貸付金の回収につきまして、戸別訪問あるいは担保権の実行などを行いまして、債権の回収には努めているところでございます。
〇城内愛彦委員 そこで、議案で出ている部分なんですけれども、3件出ています。高田松原と大船渡と宮古なんですけれども、この方々は実際見ると、一部放棄という形です。残債が残るんですけれども、払えるような状況にあるんですか、こういう組合も含めて。商売もしていませんよね。高田松原とか大船渡あたりの商店街もなんですけれども、その辺ちょっと再度お伺いします。
〇松川経営支援課総括課長 高田松原商業開発協同組合に関しましては、施設がもう滅失してございますので、現在は支払いの償還については猶予しているという状況でございます。
 放棄しても残債が残るわけでございますけれども、土地などまだ残っている部分がございますので、放棄後にさらに償還条件をどうするかということについては利用者の方、貸し付けを受けた方と協議をしていきたいと思っております。
〇神崎浩之委員 あと2回しか手を挙げませんので、明快な答弁をお願いいたします。
 県として、県内の中小事業者、個人事業者へ、従業員の給料のアップをどう働きかけていくかということであります。
 政府が進める日本経済の立て直しで、デフレ脱却、円安が進む中、しかし、私たちの財布は石油の値上げ、ガソリンの値上げ、小麦、バター等食材、日用品の値上げがささやかれ、逆に個人の収入は目減りをしております。そういう中で、ここ毎日、新聞やテレビでは、大企業の業績の好調が伝えられております。日産自動車を初め自動車7社、それからファミリーマート、それからローソン、セブン&アイ・ホールディングスというところで、業績に伴って賞与の値上げみたいなことも出ております。また、県内でも、やはり住宅関係それから建設関係の業績がいいようであります。
 そこで一つ目は、県それから知事として、昨年の末ぐらいから、中小や個人事業者への賃金アップをお願いした経過があるかどうかお聞きいたします。
 次に、今後のことでありますが、県といたしましても、県の予算、歳入の中で、県税が前年対比約1割の90億円のアップ、これは個人それから事業者でありますが、そういう歳入を上げております。県民税のアップ、そういう中で、県として、また国レベルでは、総理も経済界に、業績が上がったところは賃金に反映をさせてくださいとお願いしております。
 きのうの新聞でも、自動車7社の一時金満額という中で、円安や安倍政権の賃上げ要請を追い風にということで、知事も機会を捉えて、業績が上がったところは賃金に反映させてくださいとお願いすることが必要と思いますが、どう対応していくのかお伺いいたします。
〇猪久保労働課長 賃金アップの働きかけについてのお尋ねでございますが、1点目の、知事としてこれまで賃金アップの働きかけを行ってきたことがあるかというお尋ねでございますが、これまで、県の経営者協会等の意見交換、そういう場で、労働条件全体を含めましたさまざまな労働条件等に関して、あるいは労働環境も含めた改善、そういったところでの意見交換ということではやってきたところでございますが、直接、賃金という部分についてはこれまでなかったと認識してございます。
 それで、2点目の今後どうしていくかという点でございますが、委員お話のあったとおり、中央におけます春闘での賃上げの動向、これは県内の中小事業者、個人事業者にも少なからず波及してくるものと考えてございます。
 連合岩手それからいわて労連などでは、春闘に向けまして、経営者協会を初めとする使用者団体との意見交換を行いまして、賃金改定あるいは労働条件に関する議論を深めているとうかがってございます。
 県といたしましては、賃金等の労働条件につきましては、労使間の交渉によりまして、自主的に決定されるものと考えてございます。事業者に賃金アップを直接働きかけることはいたしませんが、中小事業者や個人事業者が、賃上げ等労働条件の改善に取り組んでいただくよう、使用者団体や経済団体に対しまして、懇談の場あるいは雇用に関する要請などの機会を捉えまして、働きかけてまいりたいと考えてございます。
〇神崎浩之委員 組合のあるところはいいですけれども、ないような小さい商店、これは事業が改善というか経営が上向きになるまでなかなか時間がかかるような気がするのでありますが、私も含め、皆さんも含めて、あらゆる機会に働きかけていただきたいと思います。
 それから二つ目なんですが、観光における放射能汚染にかかわる風評被害についてであります。
 私は農林水産関係の、林野庁関係の山の除染が進んでいないと危機感を持っているんですが、農林について来週またお聞きするわけなんですが、その前提として、観光における放射能汚染にかかわる風評被害ということで通告を出しておりました。今までのやりとりの中で、被害に対する賠償が14億円の請求に対して支払いが7億円ということで回答が出ておりましたので、観光の風評被害でありますが、その中の特に山間部における観光地の放射能汚染にかかわる風評被害についてお聞きをいたします。
〇木村商工企画室企画課長 山間部における観光地の風評被害ということで御質問いただきました。
 先ほど答弁いたしましたアンケートの結果では、62事業者、25億1、000万円余ということでございますが、その中で、山間部にあるであろうということでちょっと拾い出してみました温泉というようなことで数えてみますと、21業者、16億1、000万円余となっているところでございます。
〇神崎浩之委員 岩手県は観光に力を入れているわけですけれども、岩手の観光というのは山に関係しているところが多いと思っております。例えば温泉それからキャンプ、それから工藤委員も言っておりましたが登山の山ガールとか、あとは森林浴、それからグリーンツーリズム、それから渓流釣り。川魚が放射能被害でありまして、渓流釣りも減ったという状況もあります。それから、きのうの新聞に、平泉町で、グリーンツーリズム強化で受け入れ農家に助成金と出ておりましたけれども、これについても、東日本大震災の影響で一時大幅に減少した教育旅行の回復ということで、放射能被害に対して観光の復活を狙っているわけであります。
 今、山間部における放射能被害ということで温泉が云々という話もあったんですが、牛とかシイタケに比べて、観光というのは観光業界がある程度しっかりしているので、なかなか県も1件1件把握していないような感じを受けております。したがいまして、今後についても、観光で復活ということを言っているんですが、現在の航空機モニタリングではOKなんですけれども、県外の方々は安全と安心は違うということで、観光の今後について非常に心配しております。したがいまして、今後とも観光地、山の温泉それからキャンプ、そういうことの状況把握について努めていただきたい。
 それから、万が一風評被害が山関係で出てきたときには、商工のほうから把握して、環境それから農林等、除染等の体制をつくっていただきたいと思うわけなんですが、部長に聞いて終わりたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 観光、とりわけ山等にかかわる観光地の放射性物質汚染の風評被害といった部分についてでございますけれども、観光地となっている、さまざまなレクリェーション地域となっている山岳地域は本県もたくさんございますので、今後とも、市町村あるいは観光団体としっかりと連携をとりながら、まずは被害の実態を十分に把握するということをしたいと思いますし、損害賠償請求の支援体制の強化ということも取り組みを進めておりますので、相談体制及び請求に関する広報等、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 私からは1点だけ、工業振興分野の人材育成についてお尋ねをしたいと思います。
 まとめてお聞きをいたします。
 まず、前段、これまで県もさまざまな人材育成の事業にかかわってきまして、一定の成果を上げていると私も評価をいたしているところですが、ものづくり中小企業支援に係る人材育成、概略で結構ですので、体系をどう整理されているのかということをお聞きしたい。
 それから、これまで進めてきた事業それから新年度事業を含めて、成果をどのように認識して、課題設定をどういうふうにしているのか。その辺を、ポイントで結構ですのでお話をいただきたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 ものづくり人材につきまして、本県のものづくり人材の育成につきましては、いわて産業人材育成会議という、産業界、工業界からなる提言を受けて骨組みをつくっておりまして、具体的には、求められる人材像というのが示されておりまして、大きく四つの項目が人材像に対応する取り組みとしてございます。
 一つ目が、産業人材育成を進めるための環境の整備でございます。これは、ものづくり人材を全県で、みんなで育てるんだというところの環境の整備。二つ目が、小中高生を中心にものづくり教育とキャリア教育の充実をしましょうということ。三つ目が、企業人による技能講習など、高度な技能を有する人材の育成。それから四つ目が、三次元設計などの高度な技術を有する人材の育成という四つの柱がございます。
 この環境の整備につきましては、県内を網羅する形でものづくりネットワークは整備されておりますが、まだまだ地域の教育界あるいは産業界、行政とのつながりを持つ必要があるだろうと課題として捉えています。
 それから、キャリア教育につきましては、地元の企業の方々が学校に行って講義をする、あるいは工場見学を受け入れる等々やっております。これにつきましては今やっていますが、より継続してやっていく必要があるんだろうと捉えております。
 技能につきましては、一つの指標として技能検定を、これはずっと追いかけておりまして、例えば平成18年度には、技能検定の資格取得者が56名だったものが、ものづくりネットワーク等々の一体的な取り組みによって、平成23年度には531名の資格者が得られているという状況にございます。
 高度な技術者につきましては、本県の強みとして、一定の技術を有する技術者を毎年一定のボリュームを育成しようということで、三次元の設計技術者100名、あるいは組み込み系のソフトウエアのわかる人材を100名養成しようということで、毎年養成しております。
 これらについても、より強化していくことが課題と捉えております。
〇久保孝喜委員 きょうのやりとりの中でも、高度な技術の人材育成という点で、三次元の事業もありますが、三次元設計開発人材育成事業というものがあって、北上市に設置されている、いわてデジタルエンジニア育成センターですか、DEセンターと言うんだそうですが、この事業が、関係者から聞くと大変好調だと。しかも、これは人材育成に関して言えば優等生だ、こういう評価があるようなんですが、このDEセンターの成果の中でも、始まってから3年ですか、ことしで丸3年ということになるんですが、昨年度に比べて本年度の受講生が1.5倍ぐらい、それから、相談や技術支援の件数が倍以上になっていると。しかも、当初、三次元設計だけだったのが、計測とか品質管理まで含めてかなりカリキュラムも広がってきたという点で非常に評価が高いわけです。
 一方で、この事業が例えばどういう財源によって支えられているかという点では、始まって3年、その前史として、北上市がプロジェクトとしてやっていた時代から含めて、全て単年度型といいますか時限的な財源によって支えられてきている、こういう問題点もあるという指摘がございますが、新年度、このDEセンターについては、どういう財源によって支えるということになっているんでしょうか。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 雇用基金を活用させていただいております。
〇久保孝喜委員 これほどいわば優等生だと言われるような事業が、安定的、長期的な財源によってきちんと位置づけられていかないと、先ほど四つの人材育成にかかわる方向性が示されましたけれども、もうちょっと考えていいのではないかという問題意識が実はあって、お話を申し上げております。
 もちろん全体の予算の問題があるんですが、たまたま議員配付されている都道府県別の資料があって、人材育成だけで取り上げることはできませんけれども、例えば商工関係費なんかで比較をすると、これは話が、つじつまが合うかどうかわかりませんが、岩手県の商工関係費は、東北6県の中でも、その割合で言えば最低の割合なんですよね。今年度が最低、来年度も青森県に次いで下から2番目ぐらいという感じで、商工費全体の予算が実はパイとしてはそんなに大きくないということなどを含めて、こうした成果が上がっているセンター、人材育成の分野に十分な長期的なお金を投じていくことができないのかなと思ったりしてしまうわけですが、その辺の認識はいかがでしょうか。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 委員御指摘の考え方は、やはり県としても同じでありまして、厳しい予算の中で、まず、財源確保をしてこの機能を持つということで今はやっている状況でありますが、この高度な技術者の養成というものは非常に重要な取り組みだと思っております。今後のきちんとした機能を保持するような検討をしていないかと言えば、しておりまして、今後こういった高度技術者の育成が、どういう形で、どういうふうに確保されるべきかといったことは、検討させていただいております。これにつきましては、さまざまな関係者も含めて進めていきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 これまでの実績の中で、このDEセンターで言えば、先ほどもあった高等学校とか、さまざまな民間を含めたそういう教育関係団体との連携などもどんどん広がっていると。3年たって、やっぱり長期的な展望というものをそろそろきちんと立てる必要があるだろうと思いますね。
 今、認識を示されたように、これから先、自動車産業を含めて裾野を拡大していくという過程の中では、こうした高度技術の需要というのは大変大きくなっていくだろうと思いますし、あるいはDEセンターで今年度やっている建築分野の三次元設計の取り組みなんかは、復興に直接的に関係するというような見方もできるわけで、そういう意味では、本格的なこういう人材育成の組織立て、展望というものを新年度、私は十分意を用いて詰めていかなければならないのではないかと思うんですが、その具体的な手だてというものは考えられているんでしょうか。あるいは、見通しはどうなんでしょうか。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 先ほど申し上げました、いわて産業人材育成会議というものがございますので、委員の御意見も話題にしながら、こういった機能の確保に向けて、あるべき姿、具体的にどう対処するかといったことを検討してまいりたいと思います。
〇久保孝喜委員 これは、先ほどちょっと言ったように、県がどのようにかかわったか、その当時のことはよくわかりませんけれども、そもそもは、事業開始時点は北上市単独だったんですよね。しかもプロジェクトというかなりささやかな事業として始まって、それが次々に、県も関与するようになって、具体的なこのセンターの結成、共同設置にまで至った、こういうことですから、市町村のそういう芽出しの事業を県がどうやってすくいとるか、あるいはそこにはまっていくかという観点は、非常に大きな要素があるんだろうと私も思っております。
 しかも、このDEセンターは、聞くところによると、人材育成とソリューションサポートの機能を持った全国で唯一の組織だという話でもありますので、そういうことを含めて、ほかの人材育成の課題と合わせて大いに力を入れていただきたい。
 最後に、そういうDEセンターの教訓を踏まえれば、市町村との連携というものも一つの大きな鍵になってくるんだろうと思いますが、その点について連携拡大策、具体の事業構想があれば、それも含めてお示しいただきたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 市町村との連携につきましては、これまでは、各地域のものづくりネットワークを中心に関係を築きながら、連携して事業に取り組むということ、それから、北上市のように、特殊な、高度な技術の機能を持たせたものを地元と育成していくというようなことをやっておりますが、まずは、そのベースの部分では、来年度には、県と市町村の教育委員会で教員の資質向上を目指した実践的キャリア教育研修会を新たに始める、あるいは委員御指摘のDEセンターにつきましても、さまざまなニーズがありますので、それが地元の人材育成ともつながっているということで北上市も積極的でございますので、具体的な部分でお互いに連携しながら技術者を育成していく等々、やはり県だけではなくて、市町村を含め、地域の皆さんと技術者を育成していくという考え方が大事だと思っておりますので、それぞれの分野、地域でいろいろなことを開催する際にも、市町村と共同で行うなり連携を深めていければと思いますし、そう努めてまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 私は、まず、被災事業所の再建問題についてお聞きいたします。既にグループ補助、金融円滑化法、二重ローンの問題は議論が行われましたけれども、通告しておりますので、重複しないように質問したいと思います。
 グループ補助金の問題については、この間5次にわたる申請がありましたけれども、この交付決定事業者数と再建状況、経営の状況がどういうふうになっているのかということ、そして、採択後のきめ細かな支援策が必要だと思っていますが、基本的な県の考え方についてお伺いしたい。
 二つ目は、金融円滑化法の問題であります。先ほど金融円滑化法のどんな恩恵があったのかということで、この間、申請が2万7、917件に対して91%が条件変更等も含めて実行された、大変大きな役割を果たしてきたと思います。
 しかし、最近、5日の日に金融円滑化法に関する説明会が盛岡市で開かれて、その記事が報道されております。財務省東北財務局の方が、この法律の期限が到来しても金融機関の対応は変わることはないと言うことができるという発言をしたようであります。これは県としてどういう御認識なのか伺いたいと思います。
 二重ローンの問題であります。これは、事業所の再建を後押しするということで、岩手産業復興機構及び東日本大震災事業者再生支援機構でそれぞれ取り組まれてきました。それぞれ48件の買い取りがあると答弁がありました。いろいろ調べてみますと、岩手産業復興機構のほうは相談件数404件、東日本大震災事業者再生支援機構は213件ということでありました。この数字を見ますと、買い取りも進んではいるものの、しかし、今、被災事業者の置かれている状況からすれば、まだまだ買い取りが進んでいないのかなと思います。そこで、どこに課題があるのかということをお伺いしたいと思います。
 東日本大震災事業者再生支援機構は、毎月、活動状況報告が出されています。この報告を見ますと支援決定数が48件でありますが、今後、支援決定に向けての最終調整中も含めると98件中51件が宮古市なんですね。半分以上が宮古市になっていると。私は、宮古市の経験に学んでこの問題に対応していく必要があるなと思いますけれども、なぜ宮古市は進んでいるのか、この点について、もしわかればお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 まず、グループ補助金の採択事業者数等でございます。5次の前半までで63グループ、882者に対しまして補助金646億円余を交付決定しております。
 それから、再建の状況ということでございますけれども、補助を受けて事業を行っている事業者は、平成23年度が295者、それから24年度が587者となっております。事業完了の見込みと、あるいは完成したということで、平成23年度の事業者については8割ほど、それから24年度の事業者については5割ほどが完了の見込みということでございます。そういったことでは、おおむね順調に進んでいるのではないかと思っております。
 それから、採択後の支援ということでございますが、やはり課題として出てきておりますのは、事業を再開した後に、売り上げあるいは利益率が低下しているといったことが挙げられております。いずれこういった問題が、やはり先ほど申し上げたような事業者の中にも出てくると思いますので、専門家などの派遣などを行いながら、販路の開拓あるいは新商品の開発というものを支援してまいりたいと思います。
 それから、金融円滑化法の関係でございますけれども、今月末で期限を迎えるとなっております。国のほうでは、既にこういった円滑法の期限の到来を考えまして政策のパッケージというものを出しております。金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮、あるいは企業再生支援機構、中小企業再生支援協議会、これは盛岡市にございますけれども、そういったものの機能あるいは連携の強化、その他、経営改善、事業再生支援の環境の整備といったことがございます。こういった国の考え方を受けまして、金融機関にも金融庁のほうでそういった御指導をされているとお聞きしております。
 そういった国の対応、それから私どものほうでも、先ほど来申し上げているとおり、いろいろな相談対応、それから融資などの支援策なども講じておりますので、そういった対応をしてまいりたいと思っております。
 それから、二重ローンの問題でございますけれども、課題ということでございましたが、現時点では、やはりどうしても土地利用などの関係で、実際に新たな資金が必要だという方たちがまだこれから出てくるかと思います。相談件数も先ほど委員が御指摘のとおりでございまして、恐らくこれから、そういった実際に本格的な事業の進行に従いまして、相談件数あるいは買い取りが必要な事業者というものが出てくるかと思います。
 それから、宮古市の対応でございますけれども、宮古市におきましては、東日本大震災事業者再生支援機構の出張所を設けておりまして、そこで相談対応もしていただいているということでございます。そういったことで、宮古市で特に買い取りあるいは相談の対応が進んでいるのではないかと考えております。
〇高田一郎委員 グループ補助金の問題についてはさまざまな課題がありまして、内陸部には対応できないとか、繰越期限の問題とかさまざまな議論がありましたので、その改善に向けて、私のほうからも、さらに国に対して強く働きかけていただきたいと思っております。
 二重ローンの問題ですけれども、確かに宮古市は、東日本大震災事業者再生支援機構の出張所がある、モデル的に対応しているということもお聞きしております。ただ、やっぱり宮古市の担当者と何回か懇談したのですけれども、宮古市の姿勢がすごいなと強く感じております。商工会議所の方々と本当に連携して、職員を先頭に、やはり事業所に出向いて、この制度の趣旨を徹底し相談活動を行っている、そういう中でのこういう実績だと思うんですね。ぜひ、この宮古市の経験に学んで、この事業がさらに進むように努力していただきたいと思っております。
 それから、金融円滑化法の問題では、やはり中小零細企業の資金繰りだけではなくて、住宅ローンの問題を含めて、この金融円滑化法の果たしてきた役割というのは大変大きいと思います。私は、期限が過ぎても金融機関の役割は変わらないと財務省の職員が盛岡市に来て話したという記事なんですけれども、やはり金融機関に対して、金融円滑化法というのは法的な拘束力がなくなるわけです。そういう意味では、被災地の復興にも非常に不安がつくられるのではないかと思います。
 議案に対する質疑の中で橋本部長も、引き続き制度の延長を求めて頑張っていきたいという答弁をいただきましたので、そういう方向で、ひとつ引き続き頑張っていただきたいと思います。
 次に、商工会議所に対する県の支援策についてお伺いしたいと思います。
 岩手県は、平成15年3月に経営改善普及事業の広域的実施体制に関する基本的方向という、いわば県内の商工団体、商工会議所に対する支援策といいますかマスタープランを作成いたしました。この中身は、一つの自治体に一つの商工会議所を原則に、さまざまな支援をするということで、この間、平成の大合併が行われて、商工会議所も合併が行われました。この中身は、支所長を5年間で廃止するとか、人件費補助を5%削減するとかという中で、非常に商工会議所の運営が大変になってきているということをこの間お聞きしております。私は、このマスタープランは大きな課題をつくったのではないか、無理なマスタープランだったのではないかと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
〇松川経営支援課総括課長 このマスタープランは、平成14年度に策定したものということでございますけれども、商工会議所法におきまして、商工会議所は、その地区を一行政区域全域とするということが基本とされておりまして、こういった考え方で一市町村一商工団体ということが考えられたわけでございます。
 確かに、行政区域の合併ということに伴いまして商工団体も合併が進んでまいったということでございますけれども、団体の合併に対応いたしまして、システムの統合など合併に係る一時的な経費の補助、合併した商工会に置く支所長の設置費、あるいは事務局長の設置費などの要件緩和などを行いまして、財政的な支援を行ってきたところでございます。
 先ほど御指摘の補助対象職員の人件費につきましては、マスタープランとは直接かかわりがございませんけれども、いずれ商工団体の運営におきましては、やはり人件費のウエートが確かに大きゅうございますので、そういったことは十分配慮しながら予算で対応してまいりたいと思っております。
〇高橋元委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇高田一郎委員 合併した商工会議所では、幾ら合併しても、支所単位にさまざまな事業を展開しなければならない。合併して職員を減らしても、これまでの事業はそのままやらなければならない。こういう中で、支所の中には、本当に子機を持ってトイレに行かざるを得ないとか、職員が不足してなかなか経営指導もできないとか、そういう声が出されています。ぜひ、こうした人件費に対する支援を改善していってほしいと思いますけれども、その改善も含めて、これまでのマスタープランの検証が私は必要だと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
〇松川経営支援課総括課長 マスタープランができまして10年間たったということでございますし、この間に、現実に商工団体の合併が進んだということもございます。さらには、震災という全く想定しなかったこともございますので、そういった新たな要因なども考慮しながら、平成25年度には関係団体と検討したいと思います。
〇高田一郎委員 わかりました。よろしくそこはお願いしたいと思います。
 次に、仮設店舗の実態についてお伺いしたいと思います。
 この仮設店舗の現在の事業開始状況、エントリー数、その実態についてお伺いしたいと思います。被災地に行きますと、自治体の中には、まだまだ仮設店舗に入れないでいるというお話も聞きます。この辺の実態についてもお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 仮設店舗は、平成25年1月30日現在でございますけれども、エントリー数が345カ所です。事業開始したのが344カ所ということで、このうち着工が339カ所、完成したのが329カ所(後刻「327カ所」と訂正)ということになっております。
 それから、入居の実態につきましては、現実には機構と市町村のほうで基本契約を結んでおりまして、私どもでは、入居しているかどうかということにつきましては、今手元に資料を持ち合わせてございません。
 済みません、ちょっと数を間違えたようでございます。完成が327カ所でございます。
〇高田一郎委員 実態はわかりました。ただ、先ほど言った仮設店舗を待っているという数はわからないということですか。その実態を把握していないということですか。その辺をもう一度お伺いしたいと思います。
 それで、先日、私が釜石市に行ったときに、市長からこんなお話をされました。この仮設店舗は中小企業機構から譲渡されているということなんですけれども、その後の解体費用への財政支援が全くないという話をされました。釜石市では13カ所、221区画だそうですけれども、釜石市では、その解体費用を2億円見込んでいるというお話でありました。この解体費用を被災地の自治体が責任を持ってやるというのは大変無理があるのではないかと思うのですけれども、この辺についての県の考え方についてお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 入居の状況につきましてですけれども、区画数で言いますと全体で1、696区画になっております。ただ、確かにまだエントリーされていないところもあるようでございますので、希望があっても、まだ基本契約に至っていないという事業者もいらっしゃるのではないかと思います。
 それから、解体費用の関係でございますけれども、仮設の店舗で解体せざるを得ないといったことも、今後、土地利用の関係で出てくることも考えられます。移設による他の目的の活用など、いずれ沿岸市町村の今後のいろいろな情報などを聞きながら、必要に応じて、国に要望するなど対応を検討してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 わかりました。
 仮設店舗の問題については、やはり今でも売り上げが落ち込んで、なかなか本設再開という点ではかなり大変なのかなと思います。しかし、多くの方々が、できれば本設で再開したいと思っているけれども、しかし、自立再建ではなかなか大変だというのが共通した声であります。
 私は、本設再開する上で、やはり頑張って再建したいという方々に対しては、本当に負担を少なく再建できるような仕組みづくりが必要じゃないかと思うんですけれども、その点についての県の考え方についてお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 グループ補助金などを活用されていて、商店街として復旧されている皆様方もいらっしゃいます。平成25年度は新たに、グループ補助金メニューの中ではございますけれども、グループ構成員の個店の復旧に加えまして、共同店舗の新設あるいは商店街の街区の整備など、新たなメニューが追加されると言われております。
 県といたしましても、被災地域商業復興費補助ということで、復旧費の中でございますけれども、こういった事業も新たに計上しております。いずれ、グループを組成していく、あるいは復興事業計画をつくっていくという必要もございますので、専門家の派遣などをしながら、そういった方々を支援してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 最後に一言質問して終わりたいと思います。
 昨年12月定例会だったでしょうか、公契約条例の制定を進めるべきだという請願採択を受けまして、県は、内部に検討組織を立ち上げて検討されているとうかがっております。この公契約条例制定に向けた今現在の検討状況についてお伺いして、終わりたいと思います。
〇猪久保労働課長 公契約条例制定に向けました検討状況についてお答えいたします。
 昨年9月定例会におきまして、公契約条例の早期制定についての請願が採択されたことを踏まえまして、商工労働観光部を担当部署として検討を進めていくこととなりました。
 先般、2月でございますが、関係部署による打ち合わせ会を実施いたしまして、検討の進め方についての意見交換を行い、当面、担当者レベルによりまして論点整理等の作業を進めていくことといたしまして、現在、各セクションにおきまして鋭意取り組んでおるところでございます。
 今後は、公契約のあり方についての研究をしてまいりますほか、先行自治体の運用状況ですとか国の動向を注視しながら検討を進めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでした。
 次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇浅沼労働委員会事務局長 労働委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、説明書の143ページをお開き願います。第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、213万3、000円は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要する経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。2目事務局費8、716万2、000円は、事務局の管理運営に要する経費であり、事務局職員10名の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
 以上で労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
 労働委員会の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時46分 散 会

前へ 次へ