平成25年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成25年3月12日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    葛 西   貢
  主任主査    村 上   聡
  主査    藤 澤 壮 仁
  主査    藤 枝   修
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  秘書広報室長   稲 葉 比呂子
  首席調査監    杉 村   孝
  調査監    八重樫 浩 文
  秘書課総括課長  小 友 善 衛
  秘書課管理課長  石 田 知 子
  広聴広報課
  総括課長    高 橋 一 夫
  報道監    佐 藤   学

  政策地域部長   中 村 一 郎
  副部長兼
  政策推進室長   木 村 卓 也
  副部長兼
  地域振興室長   佐々木 幸 弘
  首席ILC推進監 大 平   尚
  国体室長兼
  国体課長    西 村   豊
  政策監兼
  ILC推進監   保   和 衛
  評価課長    五月女 有 良
  調整監    平 野   直
  分権推進課長   高 橋   進
  政策推進室
  管理課長    坂 本 誠 一
  市町村課総括課長 紺 野 由 夫
  調査統計課
  総括課長    浅 田 和 夫
  NPO・文化
  国際課総括課長  畠 山 智 禎
  県北沿岸・定住
  交流課長    伊 藤   仁
  交通課長    野 中 広 治
  施設課長    菅 原   実

  会計管理者兼
  出納局長    菅 原 和 彦
  出納指導監兼
  出納局管理課長  田 村 幸 義
  指導審査課長   佐 藤   亨

  人事委員会
  事務局長    佐 藤 義 昭
  職員課総括課長  細 川 倫 史

  監査委員事務局長 門 口 正 雄
  監査第一課
  総括課長    小 原 一 信
  監査第二課
  総括課長    佐 藤 和 彦

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります
 議案第1号から議案第20号まで、議案第25号から議案第28号まで、議案第35号、議案第37号、議案第38号及び議案第90号の以上28件を一括議題といたします。
 本日は、秘書広報室、政策地域部、出納局、人事委員会及び監査委員関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇稲葉秘書広報室長 平成25年度の秘書広報室関係予算について御説明申し上げます。
 初めに、当室における重点事項について御説明申し上げます。
 秘書広報室の重点事項は、知事のトップマネジメントを支援し、その業務の一層の円滑な推進を図るとともに、復興施策等の情報と岩手の魅力を県内外に発信することでございます。
 県内に向けては、いわて県民計画や岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく施策等を的確かつタイムリーに発信し、県民の安心や希望につなげますとともに、県外に向けては、岩手の復興の取り組みや岩手の魅力を発信し、震災の記憶の風化防止、継続的な支援の喚起及び岩手ファンの拡大に努めてまいります。
 それでは、当室関係の歳出予算について御説明を申し上げます。
 議案その1の6ページをお開き願います。秘書広報室所管の歳出予算は、2款総務費2項企画費13億9、105万円余のうち6億1、189万円余でございます。その内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げます。
 予算に関する説明書の87ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の説明欄の秘書広報室管理運営費は、人件費及び一般管理事務費でございます。次のページに参りまして、3目広聴広報費でございますが、まず、広聴活動費は、多様な県民ニーズを的確に把握するための広聴活動を行おうとするものでございます。次の県政広報事業費は、県の重要な施策等につきまして、いわてグラフや県政番組を通じて県民にお知らせし、県民の理解と積極的な参画や協働を促進しようとするとともに、県公式ホームページについて、災害に強く、また、ウエブアクセシビリティに関する改正JISに対応し、高齢者や障がい者など、誰もが不便なく利用できるようにシステム改修を行おうとするものでございます。次のいわて情報発信強化事業費は、震災の風化防止、継続的な支援の喚起及び岩手ファンの拡大を図るため、復興に向けて立ち上がる岩手の姿や岩手の魅力を県外に向けて発信しようとするものでございます。また、本年4月からNHK朝の連続テレビ小説あまちゃんが放映されますことから、この放映を契機として岩手を元気にする広報を展開しようとするものでございます。次の海外向け情報発信事業費は新規事業でございます。この事業は、東日本大震災津波後に寄せられました御支援等により、これまで育んでまいりました海外とのつながり等を生かし、復興支援に対する御礼とともに、継続的な支援の喚起を図るため、復興に向けて立ち上がる岩手の姿を海外に向けて発信しようとするものでございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどをお願いいたします。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇飯澤匡委員 それでは、質問をさせていただきます。
 ただいま秘書広報室長から御説明があったとおり、秘書広報室は知事のトップマネジメントを支え、なおかつ岩手のイメージアップに関する情報発信をしていくということで、部級として新たに設置されて、もう何年目になりますか、そのような状況で、今、進んでいると思っております。
 そこで、議会に対しても、知事の発信力というものをしっかりと私たちに伝えてくれないと困るわけですが、ちょっと微細な質問で大変失礼ですけれども、代表質問における知事答弁は、私は、秘書広報室にお願いしたいという意味を込めて質問したんですが、どうも答弁検討された跡が見られない。特に、具体的に指摘しますが、被災地自治体の首長とのコンセンサス不足の指摘を踏まえた上で、知事自身がどのように対応したのかの問いに対して、秘書広報室の答弁検討書というものがありませんでした。これはなぜオミットされたのか、なぜ環境生活部にこの点が回されたのか。私は、我々も県民の代表の一人でありますので、しっかりとした答弁をすべきだと思いますが、一問一答方式であればその場において指摘しましたが、諸般の事情で指摘しませんでした。この場をおかりして、その実態をお示しください。
〇稲葉秘書広報室長 ただいまの御質問でございます。飯澤委員の代表質問に対して、知事が被災地の自治体の首長とコンセンサスを得るためにどのような取り組みをしたのかという答弁がなかったというような質問だったと思いますけれども、代表質問における飯澤委員の当該質問に対する答弁につきましては、復興局において答弁の原案を作成したものでございます。当職、私からはお答えしにくいところでございますけれども、答弁の内容について、答弁がなかったという御指摘でございましたが、知事と被災自治体首長とのコンセンサスに係る答弁について、知事のこれまでの対応につきましては、答弁の中で、沿岸13市町村長で構成する復興期成同盟会や、県と市町村との意見交換などを通じて復興に向けた審議を重ねた旨の答弁をしていると承知しております。
〇飯澤匡委員 そういうふうな質問ではなくて、しっかりとした、ポイントを詰めて質問していますので。
 ちょっと私は勘違いがありました。新潟県知事の発言と復興局の質問に対して、ちょっと取り違いがありましたので、それは私のほうで訂正させていただきます。
 それで、そのような答弁があったとしておりますが、私は、知事自身がとしっかりと主語をつけて言っているわけで、そして、なおかつ併任書記にも、これは秘書広報室にお願いしたいという旨を添えて、私は、答弁検討をお願いさせていただいたと思っております。
 あなた方は情報発信をするという上に立った、部の昇格であるにもかかわらず、なぜ、そういうところをしっかり我々に答弁してくれないのかというのが私はいつも疑問なわけです。この件については、また後ほど触れます。
 それでは具体的にお伺いしますが、平成24年度の知事と被災地自治体首長と1対1で、相対で行われた政策懇談、回数、延べ所要時間を示していただきたいと思います。
〇稲葉秘書広報室長 被災地自治体と知事との政策懇談についてのお尋ねでございました。県と市町村との政策協議あるいは政策調整につきましては、基本的に組織対組織の関係で行っております。したがいまして、担当課同士で調整をした上で、必要に応じまして知事に報告する、あるいは知事の指示を受けるという形で通常対応しているものでございます。
 被災地におきましても、沿岸広域振興局や各部局が市町村等と協議を行い、必要に応じて知事に報告し、指示を受けるという形で復興施策を推進しているものと承知しております。
〇飯澤匡委員 そういう建前の答弁は私は欲してないわけです。要は、政策推進にかかわって、知事のトップマネジメントをあなた方が支える。知事の発信力というのは、直接選挙で選ばれて、かなり強大なものなわけです。そして、この未曽有の大災害に係って被災地自治体と協力して進んでいかなければならない。やはり自治体の長とのコンセンサスを図った上で政策推進、とりわけこの大震災の政策推進に当たっては、あなた方が言っている今の話は、まさに平時の対応の中の一部であって、トップ同士が話を進めた上で、それを国や、そしてみずからも制度の改革を求めていくというのが私は必要な場面だと。私は代表質問でも申し上げましたが、非常時の体制の中で、トップの占める判断、また行動というのは大きく求められると私は思うんです。
 それで、ちょっと今の答弁については、知事もいつもつかさつかさというような判断をしますけれども、私の問いは、私の質問の心は、やはり自治体とのコンセンサスをしっかりとってほしいと。そういう指摘があるから聞いているわけでありまして、それに対して、どれだけの時間を割いているのか、どれだけの熱意が知事にあるのか、情熱があるのかという、ある意味これは指標的なものを示すものだと思うんです。これについては、データがないんでしょうか。知事の行動というのは、皆さん方は逐一支えているわけですから、わかっているわけでしょう。わかっている範囲だけでもこれは示していただきたいと思います。そんな紋切り型の答弁ではなくて、何回お会いして、どれだけの時間、それだけで結構ですから、教えていただきたいと思います。
〇稲葉秘書広報室長 ただいまの質問でございますけれども、知事は、トップ同士でお会いしなければならないことにつきましては、必要に応じてお会いしております。そして、それが何回で、どなたとということは、相手方もございますから、答弁は控えさせていただきますけれども、知事は、被災地に足を運ぶということは意を用いているところでございまして、被災地の視察あるいは被災地で県政懇談会を開催して住民と触れ合う、その場に首長などにもおいでいただいているということで、機会を設けて現地に足を踏み入れて、現地の状況を確認した上で、県の復興に生かしていくということで取り組んでおりまして、そのような日程の確保などにつきましては、私どものところで調整をさせていただいているところでございます。
〇飯澤匡委員 委員長、私の質問をすかして答えていますよ。そんな紋切り型の答弁は期待してないわけです。どれだけの時間を割いて、そして政策懇談を図ったのかと。知事がトップ同士で会って、自治体の首長と会って話をすることは大変重要なことだと私は思っているんです。そのことの回数だとか時間とかは把握しているわけでしょう。正確に答えさせてください、委員長。
〇高橋元委員長 データか何かあるんですか、まとめたものが。公表できるものと、できないものがあるんでしょうが。
〇稲葉秘書広報室長 回数とすれば、おおむね10回以上は首長の方々とお会いしております。
〇飯澤匡委員 極めて不誠実です。我々も県民の一人です。そして、あなた方はトップマネジメントを支えて、県民の利益のために支える役目なんでしょう。だったら、ちゃんと答えてくださいよ。そんな、10回程度とか、そういうものじゃないでしょう。ちゃんと私は質問に波線をして書いているんだから、ちゃんと答えてください。
〇稲葉秘書広報室長 先ほども答弁申し上げましたが、10回はお会いしておりますし、お会いしている時間は大体10分から15分程度という形でございます。
〇飯澤匡委員 これ以上聞いても恐らく─私は、あなた方を責めているんじゃなくて、そういう体制がよくないと思う。
 今回、政策地域部でスマイル130というものを県民運動的にやろうとしている。あなた方はそういう中枢部にいて、そういうことでこれは浸透できますか、庁内の中で。しっかりとしたデータも本当はとっているわけなんですけれども、どうなんですかね、なかなか言えないのか。どういうものが内在しているかわかりませんけれども、10回程度とか─どこどこの首長と何回お会いして、どういう懇談をして、どういうことが前に進んだぐらいは、やっぱり前から指摘しており、トップマネジメントと政策推進というのは表裏一体だと私は思っていまして、どうも、このような状態だと、私自身も何かわかりにくい。どこで、どういうトップマネジメントを支えているのか、非常に理解できないと思います。これ以上聞いても、恐らく議論の進展が望めないので、ここでやめておきます。
 最後に、新潟県知事の発言─さっきちょっと取り違えましたけれども、この答弁についても環境生活部が所管したということです。それで、ここの部分の答弁についてはどのようにあなた方がかかわったのか、その経過について御説明を願いたいと思います。
〇稲葉秘書広報室長 知事答弁の作成につきましては、所管する部局が案をつくりまして、検討の過程は、知事、副知事に加えまして私も同席しておりますけれども、関係部局長が同席する形で検討をしております。当該答弁につきましても、そのような形で検討がなされました。
〇木村幸弘委員 私からは、先ほど説明のありましたいわて情報発信強化事業費ということで、この内容についてお尋ねしたいと思います。
 説明資料によりますと、いわゆる震災の記憶の風化防止、そして継続的な支援の喚起などがこの事業費の目的ということになっているわけでありますが、具体的にはどのような内容等を含めてこれらの事業を展開しようとしているのか、まずお伺いしたいと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 いわて情報発信強化事業費の取り組みについてでございますが、震災の記憶を風化させず継続的な支援につなげていくために、さまざまな方法で復興に向けて立ち上がる岩手の姿を情報発信することとしております。
 具体的には、復興に取り組む人にスポットを当てたポスター、被災地の今を伝えるインターネット動画、支援に対する感謝を伝える映像などを作成することを予定しております。これらを首都圏の電車広告、各種イベントでの紹介、ホームページ、ツイッター、フェイスブックなどさまざまなツールを活用しまして、関係部局、県外事務所との連携、東京都を初めとして復興支援をいただいている自治体等のつながりを生かしながら、広く発信していきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 そこで、最近特に、被災から2年という時間の経過とともに、いろんなメディアなどでも風化ということに対しては随分懸念の声が上がっているというか、風化させてはならないということのメッセージがいろいろと発信されているわけでありますが、その中で、本県として、風化防止という位置づけの中で、どこにどうきちんとスポットを当ててその取り組みを進めていくかということが大変重要だろうと思いました。
 風化といった場合に、一つは災害の実態というか、防災を含めた、今回の震災津波を受けての災害を忘れてはならないという意味の風化防止ということが1点あると思いますし、もう一つは、いわゆる本県を初めとする被災地、そして被災者に対する支援がどんどん小さくなってきているという意味合いから見た風化、被災地、被災者に対する支援を継続的にお願いしなければならないという意味での取り組みに対する風化防止対策というところで見ていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、そのときに、継続的な支援の喚起ということがこの説明の中にもありますけれども、そういう意味では、災害の実態を忘れるなという思いは、これは、ある意味では本当に全国共通の取り組みであり、あるいは今後想定されている大規模な東南海地震等を含めたいろんな教訓から発せられる対応は、全国的な形の中でこれを風化させてはならないというメッセージは伝わっていると思うんですけれども、やはり問題は、被災地、被災者の支援がどんどん国民の中で、あるいは場合によっては県内でも内陸と沿岸部の温度差という意味において、随分小さくなってきているような意味があるんじゃないかと思うので、そういった点をもう少しきちんと整理しながら、どこに重点的に取り組むべきかというところを検討する必要があるんじゃないかと思うんです。その点についてはどのようにお考えなのかお尋ねしたいと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 災害の記録の公開等につきましては、現在、総合防災室のほうで、東日本大震災津波の記録と題しました記録誌を作成中であると承知しております。記録誌のほかに映像の記録についても情報収集して、その活用策を検討する予定と聞いておりますが、広聴広報課としましては、被災前と被災直後、被災から6カ月後の様子を撮影した写真を、被災から1年後のまちの様子なども含めてパネルにしまして、復興写真展でさまざまなイベント等で活用させていただいております。
 先ほど御質問がありましたいわて情報発信強化事業では、被災地の現状と、復興に取り組んでいる状況を伝えるということに力点を置いていまして、復興に向けて立ち上がる岩手の姿をさまざまなツールを活用して発信していくことによって、風化の防止、継続的な支援につなげていく強いアピールをしていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 手段というか、いろいろな手法があると思うんですけれども、先ほど説明いただいたポスターとか動画とか、あるいはいろんな感謝を伝える、メッセージを伝えていくということなんですけれども、特に最近、ボランティアの取り組みが随分縮小されているというか、あるいは被災地、被災者支援の取り組みの中でも、もうボランティア活動が継続できないということで、財源も含めてそういった部分でやめていくような動きも聞いておりますし、そんな状況の中で、ただ単に、今、岩手はこうなっています、感謝を伝えるというのは非常に大事なことなんですけれども、同時に必要な支援が何かということの、こういうことで今までやっていただいたけれども、なお、これからも必要な支援というものでこういう問題があるとか、具体的なメッセージを発信していくというか、そういう取り組みが実は重要じゃないかと思っていまして、そういった点で、いろんな動画や感謝を伝える取り組みの一方で、対外的にまだ支援をしたいと思っている方々もいると思いますし、そこに対して何が必要なのか、どんな支援が今の時点では少なくなって、どういう課題があるのかとか、そういったものをどんどん発信していけるような取り組みというのも、もう一方でしっかりとつくり上げていくべきじゃないかと思うんですけれども、その辺の考え方を最後にお聞きしたいと思います。
〇稲葉秘書広報室長 ボランティア活動なども、復興のステージに応じてどういう支援が必要かというのは刻々と変わってきているというのもございますので、私どもといたしましても、庁内各部局の課題なども集めまして、ホームページなどでそういう形を訴えていくようなことを連携しながらやっていくということで取り組んでいきたいと思います。
 今、どういう状況にあって、これから復興に向かうには何が必要なのかという情報はとても大事だと思っておりますので、復興局でも復興だよりというものを出したりしておりますので、そういう中でこういう活動がこれからは重要だというアピールもできるかと思いますし、私どもの持っているいろんな手段でも、できるだけ、これからどのような支援を求められているのかという情報の発信に努めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、最初に、知事が今年度行った県政懇談会の内容についてお聞きしたい。どういうテーマで、どういう方々と、どういう形で懇談をされたか。そして、その県政懇談会で出された要望、提言にはどういうふうに対応されてきたのかをまずお聞きします。
〇高橋広聴広報課総括課長 県政懇談会の開催についてでございますが、復興をテーマといたしまして、現在の状況、今後の取り組みなどについてお伺いし、復興に向かって一体となって取り組む意識を醸成する機会として開催してまいりました。
 沿岸12市町村において開催した県政懇談会では、被災された方々、なりわいの再生に取り組んでいる方々、支援しているボランティアの方々などを対象にいたしまして、1会場で4名ないし5名、計51名の方々にお集まりいただきまして、これまでの取り組みや今後に向けての思いなどをお聞きいたしました。
 それから、昨年11月からは、被災地の高校生を対象にいたしまして、大船渡、宮古、釜石、久慈地区の4地区におきまして、高等学校を会場に、1会場6名から8名、計27名の高校生から、学校生活の様子や今後の岩手に望むことなどをお聞きし、意見交換を行っております。
 それから、懇談会で出された要望、提言等でございますが、これまでの懇談会におきましては、高台移転候補地が決められず、まちづくりの全体像や、いつ決まるかなど情報が入ってこない、被災地の今後がよくわからず、これからを判断できないとか、仮設住宅に住み、外に出ない高齢者などが心配だ、雇用の場の確保をしてほしい、震災を風化させないための情報発信が必要だというような意見が出されております。
 これらの意見につきましては、社会資本の復旧・復興ロードマップの作成や被災者向け情報発信の実施、生活支援としての住宅巡回や心のケアなどの相談の充実、事業主への再建支援、企業誘致、県内外への広報への取り組みなどにつながっていると考えております。
〇斉藤信委員 私は、県政懇談会については昨年の決算特別委員会のときにも取り上げたんです。ワンパターンなんですよ。あなた方が、せいぜい四、五人を選んで、懇談はわずか1時間程度ですよ。それで何か聞いたという感じでね。
 これだけ戦後最大の大災害で、さまざまな実態や要望があるときに、昔からやっているようなそういうパターンでいいのかと。後で、飯澤委員に関連して私もやりますけれども、やっぱり最前線で頑張っている首長とのじっくりした懇談というのは絶対必要ですよ。
 もう一つは、県の側から対象を限定してやるんじゃなくて、本当に知事にお話をしたい、訴えたいという方々にも門戸を開放して、そういうものも、毎回とは言わないけれども、本当に一般の庶民、被災者、そういうところから率直に意見を聞く、提言を聞くということがなぜできないのか。
〇稲葉秘書広報室長 県政への提言につきましては、どなたからでも意見を出していただけるように、ホームページ上とか、文書とか、電話とか、ファクスとか、通常受け付けております。それに加えまして、知事が行います県政懇談会につきましては、ただいまは復興というのが大事でございますので、そこを進めていく、あるいはともに県民と一緒に復興に取り組んでいきましょうという意識を醸成するということがとても大事だということで、今はそういうことをテーマに開催させていただいているところでございますので、その点につきましては、一般の方々が提言できるものは、ほかの手段としても確保されているところでございます。今は復興に向けで頑張っていきましょうということで、そこを中心テーマにして、知事に御出席いただく県政懇談会は、そういう形で開催させていただいているところでございます。
〇斉藤信委員 今、私は、どんな意見、提言が出たのかと言ったら、一般的な話じゃないですか。あなた方が復興のテーマで特別に人を選んでやっているというけれども、四、五人呼んで、中身はたった1時間ですよ。やったというだけなんですよ。本当にやるんだったら、そのワンパターンのやり方をずっとしないでやるべきだし、意見、提言があるならインターネットという、そういう発想がおかしいんですよ。知事が直接一般の県民から、被災者からなぜ意見を聞けないんですか。直接聞いたらいいじゃないですか、生の声を。できないんですか。
〇稲葉秘書広報室長 生の声を直接お聞きする機会として県政懇談会をやっておりますが、知事の日程とかもございますので、長時間やるということもできませんので、私どものところとしては、知事の日程とか、効果的な懇談になるようにということで、地域において活動されている方々の中から選ばせていただいているところでございます。
〇斉藤信委員 それで、私は、復興というんだったら、飯澤委員が言うように、なぜ、最前線で頑張っている被災地の首長と懇談しないのかと。先ほど、10回、10分から15分会ったという話がありました。私は、知事による被災地現地視察等の実績というものをあなた方からもらった。首長と会ったなんて、ここに一つもないですよ。いつ、どこで、誰と会ったか示してください、10回。
〇稲葉秘書広報室長 斉藤委員にお示ししたのは、知事が被災地に行った一連の行動日誌から抽出した資料でございます。知事は、被災地で首長の方々と、県政懇談会とかそれぞれの行事で行ったときにお会いする機会もあるわけでございますが、その資料には、会ったとかというところはなくて、知事の行動だけでございます。先ほど答弁いたしましたのは、そういう機会のみではなくて、知事が直接首長とお会いしていることがあるという意味でお答えしたものでございます。
〇斉藤信委員 10回会ったというんだったら、いつ、誰と、何分会ったんですか。私が聞いている範囲では、知事に会ったことがないと言ってますよ。知事は本当に被災地に心を寄せているのかと言っている首長もいますよ。だから、飯澤委員も取り上げ、私も取り上げているんですよ。会っているというんだったら、リアリズムでここで答えていただきたい。
〇稲葉秘書広報室長 お会いしているのは、私どもが把握している範囲でお答えいたしました。相手方もございますので、どこと、どなたとお会いしたかということについては答弁を控えさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 明らかにされて困る首長は誰もいません。首長は公職ですよ。私人と会っているんじゃないんですよ。全然困りませんよ。何で明らかにできないんですか。本当に会っているんですか。そういう疑惑が出てきますよ、それだったら。私が聞いているのは、首相が来たときに一緒に来る、そのときに顔を合わせる程度ですよと。そういうのが10分、15分じゃないですか。そういうのは懇談と言わないんですよ。10回会っているというんだったら、示していただきたい。
〇稲葉秘書広報室長 先ほど10回と言ったのは、被災地に行ったときにちょっと同席する形でお会いしたということではないものをカウントしております。
 知事は、被災地に心を寄せていないのではないかということですが、私といたしましては、本当に復興のことを一生懸命やっていますし、先ほども言いました政策懇談のようなところは、復興局ですとか、広域振興局ですとか、そこで詰めるということで、1対1といいますと、1市町村のために知事がこうするああするではなくて、復興を進めるためには、岩手県として、ほかの地域の皆さん、首長の意見も聞くということも必要でございますので、それらの調整は担当がきちんとやった上で、最終的にどういう方向で臨むかというところは知事に上げて協議をしたりしながら、首長の方々のそれぞれの理解もいただきながら復興に取り組んでいるということで、そういう形で知事はずっとこれまでやってこられたと考えております。そこの点は御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 弁解しているけど、私の聞いたことについて答弁になっていませんよ。委員長、しっかり答えさせてください。
 私は、知事が頑張ってないなんて思ってない。知事は頑張ってますよ。ただ、頑張り方が残念ながら不十分だ。戦後最大のこれだけの大災害で、やっぱり一番苦労しているのは首長ですよ。全体を見て、そして国のどこに壁があるのか、県のどこに壁があるのか、一番感じているのは首長なんです。だから、私もしょっちゅう行って聞いてきますよ。
 委員長、10回会っているというんだったら、公職なんだから、なぜ明らかにできないんですか、やらせてください。弁解じゃなく、答えてください。
〇高橋元委員長 どうですか。可能ならお願いしたいし、できないならできないでしようがないですからね。
〇稲葉秘書広報室長 首長としてお会いしたのは、山田町長、釜石市長、岩泉町長、金ケ崎町長、葛巻町長、そして滝沢村の村長、この方々と10回お会いしております。
〇斉藤信委員 10回にならないんじゃないの。そして、何月何日、何分会ったのか、どういうテーマで会ったのか、言ってください。これは大事なことですよ。知事のトップマネジメントの中心中の中心の問題だ。
〇稲葉秘書広報室長 複数回お会いしている首長の方々もございますので、回数は10回ということでございます。先ほども言いましたが、それぞれ10分から15分ということでございます。
 中身につきましては、全て1対1でお会いしていますので、どういうことを話されたのかということは承知しておりません。
〇斉藤信委員 10分から15分というのは挨拶程度と言うんですよ。私も、きのう、皆さんと一緒に大槌町に行って、少し早く行って町長にお会いしてきましたよ。10分、15分は挨拶程度です。そういうものは、復興を進めるために会ったと言わないんですよ。激励して、お見舞いを申し上げて帰ってきたと。10分、15分というのはそういうことです。本当にこれだけの大災害でみんな苦しく、困っているときに、何で困っているのか、県や国への要望は何なのか、どこが障害なのか、しっかり聞いてトップマネジメントに生かすべきじゃないですか。
〇稲葉秘書広報室長 先ほども申し上げましたけれども、1対1でお会いする前には、事務方としても調整いたしているところでございます。それで、最終的にどういう形でお話しされるかというのは、お会いしたお二人の間でございますので、詳細については把握しておりませんけれども、挨拶程度ということではなくて、やはりその前に日程を調整して、何月何日にどこでということになっておりますので、その際、何をお話しされるのかというのは、それぞれの長を補佐する組織のところがテーマを決めたり、こういう形でというようなものを調整した上でお会いいただいているものと承知しております。
〇斉藤信委員 10分、15分会って、あなた方のところには記録もない、何を話したのかわからないと。何ですか、これは。それだけ重大なことで会っているというんだったら、その記録を出してほしい。委員長、お願いしたい。
〇稲葉秘書広報室長 記録はとってございませんので、お出しすることはできません。
〇斉藤信委員 記録もないような会い方が重要な会い方なんですか。そういうのを挨拶程度と言うんじゃないんですか。それとも、それはほかの部局にあるんですか。だったら、責任を持ってそれを集めてやってほしい。ないのか、あるのか、委員長、はっきり答えさせてください。
〇稲葉秘書広報室長 1対1でお会いした記録はございません。
〇斉藤信委員 1対1で会った記録がなかったら、会ったということにならないでしょう。私は、全くこれとはおかしいと思いますよ。これは知事を追い詰めるために言っているんじゃなくて、知事のトップマネジメントの中身が問われている。私は、本当に知事も苦労している、第一線で頑張っていると思いますよ。しかし、これだけの大災害のときに、やっぱり被災地の首長と心を一つに頑張ってほしいと思う。そういうトップマネジメントを支えるあなた方がしっかりやらなかったらだめだと思いますよ。どうですか、秘書広報室長。
〇稲葉秘書広報室長 知事は、被災地の首長の方々と心を一つにして復興に向かっていくという気持ちは十分に持っておりますし、そのために必要なことは、部下の職員を使ったりなどしながらきちんとやっていると承知しております。
〇斉藤信委員 秘書広報室長はトップマネジメントを支えるという発想が弱い。被災地の首長は、知事が頑張っていないなんて思ってません。しかし、直接話す場がないんだと言っているんです。だから、いいですか、これだけの大災害のときに、そういうのを心一つと言わないんです。そういうふうになっているのです。だから、心一つにやってほしいと私が提案しているんじゃないですか。
 それで、もう一つ大事な問題をお聞きします。平成23年6月15日、知事の県政懇談会でNPO大雪りばぁねっと。の代表の岡田氏を招いた経緯、誰の推薦だったのか、これを示していただきたい。
〇稲葉秘書広報室長 大雪りばぁねっと。代表の岡田氏を招いた経緯についてでございますが、平成23年6月15日に、宮古地区合同庁舎におきまして、知事と、被災地の復興に取り組んでいる方々との意見交換会というものを開催いたしました。その際に3名の方に集まっていただいておりますが、そのうちの1人として岡田氏にも参加していただいております。
 この意見交換会は、東日本大震災津波発災の直後から被災地各地で復旧、復興に向けてさまざまな取り組み、活動が行われておりました。その中で中心となって活動している方々ですとか団体の代表者などの方々に知事が直接お会いして、被災地の生の声を聞かせていただくという趣旨で開催したものでございます。
 メンバーの人選につきましては、被災地の現場をよく知っているということもございますので、沿岸広域振興局からも推薦をいただくことによりまして、3人のメンバーにつきましては秘書広報室で選定したものでございます。
〇斉藤信委員 このNPO大雪りばぁねっと。については、平成23年5月2日の段階で、県の社会福祉協議会の専務、そして県の地域福祉課長、全国共同募金会の方が─連日、行っているボランティアから県社会福祉協議会に抗議が来た。行っているボランティアとトラブルを起している、買ってはならないものを買って社会福祉協議会に請求している、これはもうボランティアにあるまじき団体だ、このNPOは北海道に帰ってもらったほうがいいと町長に直訴したんです。私は、このときが一番のターニングポイントだと思っていますよ。
 ところが、残念ながら山田町長はそれを無視して、その後、緊急雇用創出事業をそこにどんどん、平成23年度は4億3、000万円、今年度は7億9、000万円を任せてしまった。まともなNPO、ボランティア団体が行けなくなったんですよ、逆に。そういうときに、知事がこういう代表と会ったということは、今やもうあのNPOがどういう団体かというのは周知の事実ですから、これは問題だったんじゃないですか。いかがですか。
〇稲葉秘書広報室長 ただいまの御質問でございますけれども、当時は被災から3カ月程度でありまして、現場はまだいろんな問題があって混乱しているという状況でありました。そうした中で、被災地では復旧、復興に向けましてさまざまな方々が支援の取り組みなどを実施されておられます。
 そのような状況の中から、沿岸広域振興局からは、大雪りばぁねっと。は山田町の復旧、復興に取り組んで、遺体捜索などにも貢献している旨の情報提供がございまして、それらをもとにいたしまして私どものところで選定したということでございます。
 同NPO法人の緊急雇用創出事業を活用した取り組みにつきましては、その時点では私どもは承知しておりませんでしたので、当時知り得る情報の範囲内で人選をして、知事にお会いをいただいたということでございまして、その当時の判断としては、特段問題はなかったとその時点では考えているところでございます。
〇斉藤信委員 その当時の判断としてやむを得なかったと。しかし、これだけ大問題になって、4億3、000万円の雇用基金事業だって不正があると。今年度なんかは、恐らく半分以上は不正でしょう。6月15日の時点で知事が会ったということは、客観的にはその団体にお墨つきを与えたということになるんですよ。この結果責任についてどういうふうに受けとめているのか。私は、結果的に重大なミスだったと。大体、NPOの実態を把握してやったんですか。旭川市の登録で、また、岡田代表という方の実態も確認しないでやったんですか。広域振興局長の推薦ですか、改めて聞きます。
〇稲葉秘書広報室長 広域振興局の事務レベルで情報提供をお願いしまして、事務レベルで上がってきたというところでございまして、私どもといたしましては、特別にNPO大雪りばぁねっと。の調査はしていないところでございます。
 先ほど、お墨つきを与えたのではないかという御質問がございましたけれども、現地で復旧、復興に取り組んでいる方々から現場で生の声をお聞きするという趣旨で意見交換会を開催したものであり、その時点で得られた情報で判断しているところでございまして、そのような問題等はなかったと思っているところでございます。
〇斉藤信委員 これだけ重大な問題になって、県のチェック体制が問われているときに、何の反省もない。驚くべきことですよ。私は、あなたに先ほど言ったように、5月2日の時点でいろんなボランティア団体とトラブルを起して、県の社会福祉協議会の専務が山田町長に直訴しなくちゃならないような状況があったのですよ、事実として。NPOの団体も確認しない、本人も確認しない。結果としてはこれだけの重大な問題を引き起こした。結果として、会ったことはよかったんですか。私は、会ったことが問題だったと思いますよ、結果として。この結果責任について、どういうふうに認識していますか。
〇稲葉秘書広報室長 会ったことが、その後のこのような状況になったかということでございますけれども、私としてはそうは感じておりませんで、お会いしたときには、その活動に着目して、広域振興局から推薦もあり、直接生の声をお聞きする相手に選ばせていただいたところでございます。
 その後につきましてはいろいろな状況があったと承知しておりまして、そこのところは、今、検証がなされていると思います。あとは、社会福祉協議会がつかんだ情報については、3月1日の議会での保健福祉部長の答弁にもありましたけれども、知事に報告するとか、情報を共有するという考え方はなかったと答弁があったと記憶しておりまして、その情報は共有されていなかったということでございまして、会ったことがどうだったかと言われると、お会いしていただいて、お声を聞いていただいたということは必要だったと思っているところでございます。
〇斉藤信委員 全くその反省もない、教訓もない。私は、意見交換会の汚点だと思います、知事がNPO大雪りばぁねっと。の岡田代表と会ったというのは。10億円を超えるような雇用基金事業を不正に使った人ですよ。ここからどういう教訓をあなたは学ぼうとしているんですか。全く問題なかったと言うんですか。ここからしっかり教訓を導いてやらなくちゃならない。本来、県はチェックしなきゃだめだったんですよ。雇用基金事業にしたって、建築確認申請にしたって、ボランティア活動にしたって、そういうチェックがされないで、結果は知事が会うなんていうことまでやってしまった。ここからどういう教訓をあなたは引き出そうとしているんですか。
〇稲葉秘書広報室長 当時は、それぞれの分野で大きな課題がたくさんふくそうしておりまして、担当の事業を一生懸命やるというところでそれぞれが追われて、広域振興局もそうだったと思いますし、市町村におかれても、そのような対応をしてこられたのではないかと思っております。
 1年以上たって、結果がうまくなかったと。このような結果になったことについては非常に残念だとは思っておりますけれども、その時点で私どもが、現場の声を聞いていただきたいと思って情報を集めて人選してお会いいただいたということについては、お会いいただく相手として、その時点では特段問題がなかったと思っているところでございますが、その後、さまざまな問題が生じてきたというところについては、私も非常に残念に思っております。
〇斉藤信委員 これで最後にします。
 平成23年6月15日の段階でNPOの実態を把握できなかったというのは事実でしょう。しかし、結果として、これだけ復興の中で逆行するような事態を招いたNPO、そういう人と知事があの大事な局面で会ったということを重要な教訓として今後生かしていただきたい。最後に、これはしっかり検証するし、知事の県政懇談会で大事な人と会わないで、こういう人と会ってしまったということでは、これはだめですよ。そこの教訓をしっかり検証するし、深めるということをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
〇稲葉秘書広報室長 御指摘も踏まえまして、知事にお会いいただく方につきましては、今後十分に調査をした上で決定させていただきたいと思います。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 当該委員でもありますので、手短にポイントだけお伺いしたいと思います。
 まず、今回の発災当初に振り返っていただきたいのでありますが、岩手県では3日後に135億円の緊急補正予算を組んでいただきました。被災市町村に各10億円以上のお金が、言ってみれば、すぐ届けられたと思っております。そして、1週間後には400億円の債務負担行為を起こしていただきました。これが全部応急仮設住宅の整備に向かったということなわけありますが、その後、大変な混乱期の中、各選挙区内の首長の方々、あるいはナンバーツーの人たちに歩いた際に、岩手県の対応が早くてありがたかったということを言っていただいた首長と、そういうことに全然触れない─知らなかったのかわかりませんが─首長がいました。よく考えてみますと、12市町村の中の半分は1回生の首長であります。1回生がどうのこうのというわけではありませんけれども、まだ御自分のしたいパターン、方向性もすっかり定まっていない首長と、何期もやってきた首長では、こういった場合の取り組み方が違うものだなと実は思ったところであります。
 そして、今、いろんな方から質問が出ました知事の面接のことについてでありますが、一体、県知事が市町村長に会いましょうと言うものなか、首長のほうから、知事に会っていただきたい、相談をしたいと言うべきものなのかということを問うているようでありますが、私たちはそこの中間に立って、自分の地域をよくするために首長と知事と会っていただきたいということをするのも、やっぱり私たちの役目ではないかと私自身は思っております。
 発災後、一番最初に行われました被災地の首長選挙が終わった後で、私は、就任前でありましたけれども、当然、この方が当選人ですから、近々首長になります、ぜひお会いして知事と懇談していただきたいということを秘書課にお願いして、15分の時間をとっていただきまして、私も最初5分間は同席させていただきましたが、その後、10分間は首長同士で話をしていただければいいと思って私は退席させてもらいました。どういう話をされたかわかりませんが、ついこの間、副首長を県のほうから派遣いただくようになったということを聞いていますので、大変よかったなと思っているところであります。
 そういった場合に、県知事のほうが会いましょう、会いましょうということなのか、市町村長が会いたいというときにそっちに立ってやるのか、まさに啄同時ということなんだとは思いますけれども、そういう中で県議会議員を仲介して会ったり、現場の首長の方々と懇談したということはありましたか。
〇小友秘書課総括課長 先ほど秘書広報室長がお答えしたのは、公務で捉えていた日程で拾ったものでございます。
 今の伊藤委員のお尋ねでございますが、当選前ということでしたので、かなり政務に近い状態だと思いますが、政務の場合は、用件の具体的な内容は把握してございませんので、そういった記録はとってないところでございます。
〇伊藤勢至委員 我々は、当局に対して、ああせい、こうせいという審判役ではないと思っておりまして、あるときは皆様方と一緒になって、あるときは知事と一緒になって、県民の最大幸せを願っていくという立場にあると思います。
 そういう中で、ある新しい首長は、あるいは副首長の方々は、県の施策はこういうものを出しますから、こういうものにのってやられたらいいですよという、情報として早くお届けしたいと持っていきますと、地方自治は独立しているんだから、そこに差し出がましいことをとあからさまに言うような人も実際におりました。だから、そういうふうになってくると、ああ、この人は情報を要らないんだな、自分たちだけでやっているのだなと思ってしまうんです。本当は私たちが間に立つべきだと思うんですが、そういうことを言われてまで間に立つ必要はないと実は思ったりしたときもあったんです。
 それから、先ほど、斉藤委員が、結果的に結果責任がどうのこうのおっしゃっています。だけども、本当に今回、沿岸で7、000人以上の人が亡くなって、いまだに1、500人以上の人が行方不明のあの状態の中で、手もみをして入ってくる人はみんな天使に見えて、本当にいい人に見えたんです。したがって、どういうNPOであれ、あるいは県外から来られた人であれ、応援に来ました、何かさせてくださいということを甘んじて受けるしかない状況だったと私は思っております。もちろん、公のお金を結果的に間違った使い方をした、その中間はどこから動いたのかということは検証して、それこそ二度とないようにするべきだとは思いますけれども、あの状況の中で、どこから来た誰で、血液型が何で、前歴が何でということは、今、大体落ちついてきたこの時期にあって何だという言い方は、実際にあの雰囲気、あの状況の中で、今言われても、これは大変詮なきことではないかと私は思っております。
 もちろん、公のお金を、言ってみればどぶに捨てたようなことになるというのは悪いことだとは思いますけれども、まさに、3日目、4日目あたりからどんどん遺体が上がってくる、火葬場で焼却をしなければならない、宮古の釜は四つしかない、1日に4人しか焼けない。そうしたら、お坊さんに最期のお別れのお経を上げてもらいたい、ほら、お坊さんを探せ……
〇高橋元委員長 伊藤委員に申し上げますが、質問は簡潔にお願いします。
〇伊藤勢至委員(続) 質問にしますから。
 いろいろなことがあった中で、やむを得なかったということは、私はあり得ると思います。ただ、今、振り返ってやむを得なかったのはしようがないんですが、今後はしっかりとチェックしますということで、私は、これは通るのではないかと思っております。したがって、ああいう先ほどの質問をするような斉藤委員には、もう一度現地のビデオを後でお持ちして、こういう状況の中であなたはそういう判断ができたんですか、恐山のイタコでもできないような判断ができるんですかと伺ってみたいと思っていますが、感想があれば伺って終わります。
〇稲葉秘書広報室長 議会の皆様からさまざま御意見をいただきましたので、それを踏まえまして、今後は、調べるべきところなどにつきましてはしっかりと対応しながら進めてまいりたいと思っております。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇岩崎友一委員 通告は出していませんが、きのうの出来事なので、1点確認させていただきたいと思います。
 きのうは、県と大槌の合同追悼式が開催されました。もちろん主催者ですから知事にも御出席をいただきまして、式は滞りなく終わりました。式が終わりまして、大槌町長が来賓、そして一般献花の皆さんを一人一人頭を下げてお見送りしていましたが、県は知事ではなくて高前田理事がその場にいたんですが、知事はどちらに行かれたんでしょうか。
〇稲葉秘書広報室長 終わった後ということですか、式典が。(岩崎友一委員「終わって、最後、お見送りのときです」と呼ぶ)
 ちょっとどこに行かれたかは把握しておりません。申しわけございません。
〇岩崎友一委員 最後、一人一人町長がお見送りしていたので、知事も、ふだんから答えは現場にあるとか被災者に寄り添うと言っているので、ぜひお見送りしていただいて、一般献花の皆さんや被災者の方々の目を見て今の被災地の雰囲気というものをしっかり受け取ってほしかったという思いがあったので、最後、高前田理事がいて知事がいないというのは残念でありましたけれども、1点確認。わからないということですけれども、きのうは小沢一郎さんにも参列していただいたんですが、小沢さんと会っていたとかということもわからないでしょうかね。
〇稲葉秘書広報室長 大変申しわけございませんが、承知しておりません。
〇岩崎友一委員 全然行動がわからないというのもあれですけれども……(「おかしい」と呼ぶ者あり)、おかしいんですけれども、私、今言ったように、知事は、正直、被災地、現地にみずから入ることは少ないと思います。ただ、きのうのような貴重な機会というのを本当に大事にしてほしかったという思いでその最後のお見送りの件を話したんですけれども、秘書広報室として知事のトップマネジメントをサポートするというような形で、きょうの一連の話を聞いていましても、サポートするというよりは言いなりのような気がするんです。ですから、しっかりと秘書広報室というものの存在感を出すのであれば、知事も人間ですから判断を間違うこともありますから、しっかりとそうじゃないというのを言って、お互い切磋琢磨してよりよい県政運営に努めてほしい、被災地の復興に努めてほしいと思いますので、その点は最後に室長に答弁を求めて終わります。
〇稲葉秘書広報室長 ただいまの岩崎委員の御意見というか御要望はしっかりと受けとめさせていただきたいと思います。
〇千葉伝委員 昨日、私も大槌の追悼式に参加させていただきました。私も同様な感じを受けました。知事としては、やっぱり県民の代表であり、被災者に寄り添う知事と常に言っているわけでありますので、岩崎委員と同様の感じを受けたということです。
 岩崎委員が知事のその後のことを聞いたわけですが、知事は公用車で、公用で行っていますよね。そして、何時何分どこ、何時何分にどこからどこ、これは行程、日程にきちっと入っているんじゃないかと私は思います。そこをわかっているのが秘書広報室でしょう。そこを知らないということはおかしいと思います。どこに行ったか知りませんではちょっとおかしいんじゃないですか。したがって、しっかりとそこは答弁しなければおかしい。もう一度。
〇小友秘書課総括課長 当初の日程では、私、同行しておりませんでしたのであれですけれども、一応式典自体は献花の前に終わるということでお聞きしておりました。献花に入りまして、県がお招きした重立った来賓の方々のところまでは知事がお見送りというか出口で待つと聞いておりましたけれども、その後はぶら下がりの記者会見が予定されておりましたので控室に戻るという予定になっていたはずでございます。
〇千葉伝委員 私の目の前を、知事が献花した後、通りました。知事が先頭みたいな格好で通っていきましたので、来た来賓の方々に挨拶の場面は私はなかったと見ています。
 今の発言は多分そうじゃないかという話ですので、その後の行動についてどこに行ったんでしょうかという部分については、記者会見のためだということですか。
〇小友秘書課総括課長 今お答えしましたのは、私は行っておりませんでしたので、当日の日程ということで事前に日程を見ていたところでこういった予定だったはずということでお答えしたものでございます。
 なお、ぶら下がり記者会見が予定されていましたので、その記者会見の間、控室に予定されていた部屋にいる予定ということでの日程でございました。
〇千葉伝委員 いずれ、知事の日程、それから行動というものは常に県民から見られている。たまたま私らが一緒にいたわけでありますけれども、皆さんの本来の仕事というのは、知事が県民にしっかりと向いた仕事をしてもらうと。そのためにある秘書広報室だと私は思っておりますので、室長以下しっかりとそこは対応していただきたい、これはお願いです。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで秘書広報室関係の質疑を終わります。
 秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、政策地域部長に政策地域部関係の説明を求めます。
〇中村政策地域部長 平成25年度の政策地域部関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 なお、来年度、国体・障がい者スポーツ大会局が設置されることに伴い、現在、当部で所管しております国体関係の業務が同局に移管することになるため、新しい組織に対応した形で御説明させていただきます。
 初めに、予算編成に当たりましての基本的な考え方でございます。
 東日本大震災津波からの復旧、復興の取り組みを加速し、また、いわて県民計画に掲げる希望郷いわてを実現するため、地域資源を活用しながら、地域の価値を高め、活力に満ちた地域社会の構築を目指してまいりたいと考えております。こうした認識のもと、特に次の7点につきまして重点的に取り組んでまいります。
 初めに、復興計画関係でございますが、第1に、安全の確保につきましては、平成26年4月の三陸鉄道全線運行再開に向け本格復旧を引き続き進めてまいりますほか、JR線につきましても、早期復旧に向けた必要な調整や、国、JR東日本等への働きかけを行ってまいります。
 第2に、暮らしの再建でございます。被災地で展開しております多様な主体の復興支援の働きを加速する等の取り組みや沿岸被災地における郷土芸能団体等の再興の支援を行ってまいります。
 第3に、三陸創造プロジェクトにつきましては、国際リニアコライダーの東北誘致に向けた取り組みや三陸ジオパークの日本ジオパーク認定実現に向けた取り組みを推進してまいります。
 次に、いわて県民計画関係でございます。
 第1に、広域振興圏の振興のため、広域振興局体制のもと、市町村や県民と連携しながら第2期アクションプランの取り組みを推進してまいります。また、県北・沿岸圏域につきましては、引き続き県北・沿岸振興本部を中心に、県政の重要課題としてその振興に取り組んでまいります。
 第2に、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現に向けて、多様な主体と連携し、本県への定住、交流を促進する取り組みの実施や地域コミュニティの再生、活性化に向けた取り組みを支援してまいります。
 第3に、人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けまして、本県の文化芸術情報の発信や地域の文化芸術活動等の支援、海外とのネットワークの形成やグローバル人材の育成を進めてまいります。
 第4に、いわてを支える基盤の実現に向けましては、市町村等と協力いたしまして、持続可能な公共交通体系の構築を図るとともに、ICT利活用による地域活性化を推進してまいります。
 次に、国体・障がい者スポーツ大会局におきまして重点的に取り組む事項でございますが、平成28年の国民体育大会開催に向けまして、県民、企業、団体等との協働を基本といたしました、復興のシンボルとなるような希望郷いわて国体の開催を目指して、全国障害者スポーツ大会と一体的に準備を進めてまいります。
 それでは、歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 なお、国体・障がい者スポーツ大会局の設置に伴い、総務費の予算科目に10項国体・障がい者スポーツ大会費1目事務局費を新設いたしまして国体関係の予算を移行しておりますので、御了承をお願いいたします。
 それでは、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。政策地域部関係の予算は、2款総務費のうち、2項企画費の一部3億2、900万円余、4項地域振興費71億3、500万円余、5項選挙費の10億2、500万余、7項統計調査費の4億7、700万円余、国体・障がい者スポーツ大会局へ移管します10項国体・障がい者スポーツ大会費の一部5億4、300万円余と、9ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、2項鉄道施設災害復旧費の13億5、000万円であり、総額で108億6、200万円余でございます。これを本年度と比較いたしますと、11億8、000万円余、約9.8%の減となっておりますが、その主なものにつきましては、三陸鉄道災害復旧事業費補助が20億2、500万円の減となったものでございます。
 それでは、予算の内容につきまして、予算に関する説明書によりまして御説明いたします。
 なお、平成25年度の重点事項等主な事業の内容につきまして御説明し、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきます。
 予算に関する説明書の87ページをごらん願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の政策地域部所管2億8、700万円余のうち、主なものについて御説明いたします。右側の説明欄をごらんいただきたいと思います。まず、中ほどのプロジェクト研究調査事業費でございますが、国際リニアコライダーの東北誘致に向け、県民への周知や立地環境等に関する調査研究を行うものでございます。次に、一つ飛びまして、いわて三陸復興のかけ橋推進事業費でございます。東日本大震災津波からの復興を加速するため、復興支援ポータルサイトを活用いたしまして、情報共有によるマッチングの促進や情報発信による風化の防止、新たな支援の呼び込み等を行うものでございます。次に、一つ飛びまして、ソフトパワーいわて戦略推進事業費でございます。漫画を通じて、岩手の文化、暮らし、景観、もてなしの心などの魅力を発信するとともに、鳥取県、徳島県との連携による民俗文化をテーマといたしました地域間交流事業を行うものでございます。次に、88ページをごらん願います。2目計画調査費の政策地域部所管4、100万円余のうち、主なものでございます。3行目の戦略的県民計画推進費は、社会経済情勢の変化等に応じた新たな県政課題等に的確に対応し、効果的施策につなげるための調査検討等を行うものでございます。
 次に、92ページをお開き願います。2款総務費4項地域振興費1目地域振興総務費43億8、000万円余のうち、主なものでございます。まず、4行目の地域経営推進費は、広域振興局が市町村等と連携しながら、産業の振興を中心とした圏域の活性化に向けた取り組みを行うものでございます。次の世界遺産平泉理念普及事業費は、復興の象徴でございます世界遺産平泉の持つ人と人との共生、人と自然との共生の理念を国内外へ積極的に発信しようとするものでございます。次に、二つ飛びまして、NPO等による復興支援事業費でございます。多様な主体の協働による復興支援活動への助成、活動の担い手となるNPO等の基礎的能力や運営基盤を強化するための取り組みを行うものでございます。次に、二つ飛びまして、郷土芸能復興支援事業費補助でございます。市町村と連携いたしまして、被災した郷土芸能団体が活動を再開するために必要となる施設、設備等の再整備を支援するものでございます。次の国際文化交流支援事業費でございます。震災復興支援を通じて新たに生まれました海外のアーティストと本県とのきずなの維持拡大を図るため、国際交流活動を通じた文化芸術イベントを行う団体に対しまして支援を行うものでございます。次に、二つ飛びまして、県北・沿岸振興費は、県北・沿岸圏域の振興のため、地域資源の活用により地域を活性化する取り組みを推進するものでございます。次の県北振興重点支援事業費でございますが、県北地域の食産業の集積や食と観光との連携の取り組みを重点的に推進しようとするものでございます。次の三陸ジオパーク推進費でございます。沿岸地域の地形、地質や自然風土、防災などをテーマといたしまして、地球を学ぶ三陸ジオパークといたしまして教育、観光、地域振興に生かす取り組みを行うものでございます。次のいわてへの定住・交流促進事業費でございます。被災地の復興や過疎地の活性化を担う人材をいわて復興応援隊として受け入れ、地域づくり活動の支援等を行うものでございます。次の草の根コミュニティ再生支援事業費でございますが、地域で抱えております課題に対する取り組みを効果的に支援していくため、先導的な取り組み事例の紹介や地域の主体的な取り組みへの支援を行うものでございます。次に、一つ飛びまして、地域情報化推進費でございます。これは、有識者等で構成いたしますいわてICT利活用促進会議を活用しながら、ICTの利活用の促進を図ろうとするものでございます。次のページに参りまして、2目市町村振興費10億3、600万円余のうち、主なものでございますが、下から2行目の市町村振興宝くじ交付金は、市町村への貸し付けの原資や交付資金として活用するため、公益財団法人岩手県市町村振興協会に対しまして、市町村振興宝くじの発売収益金を交付しようとするものでございます。次に、3目交通対策費15億7、400万円余のうち、主なものでございます。まず、3行目の三陸鉄道運営支援事業費のうち、三陸鉄道復興地域活性化支援事業費補助につきましては、三陸鉄道の駅舎の整備等に係る費用を補助するものでございます。次に、一つ飛びまして、並行在来線対策事業費のうち、いわて銀河鉄道経営安定化対策費補助につきましては、いわて銀河鉄道経営安定化基金から会社の経営安定に必要な経費を補助するものでございます。次のバス運行対策費は、国庫補助制度を活用し、地方バス路線を運行するバス事業者に対しまして、運行欠損額及び車両購入額を補助するものでございます。次に、4目国際交流推進費1億4、400万円余のうち、主なものでございます。94ページをお開き願います。まず、5行目のグローバルネットワーク推進事業費でございます。ブラジル岩手県人会創立55周年記念行事等への出席や海外技術研修員等の受け入れを行うものでございます。次に、一つ飛びまして、いわてグローバル人材育成事業費は、高校生の海外派遣等によるグローバル人材の育成を行うものでございます。
 次のページに参りまして、2款総務費5項選挙費でございますが、1目は、選挙管理委員会費として5、200万円余、2目は、選挙啓発費として270万円余、次に、96ページをお開き願いまして、3目は、参議院議員通常選挙に要する経費として9億7、000万円余を計上してございます。
 次に、99ページをお開き願います。2款総務費7項統計調査費1目統計調査総務費2億5、300万円余の主なものは管理運営費でございますが、これは、人件費及び一般管理事務費でございます。2目地方統計調査費980万円余は、県単独で実施いたします統計調査に要する経費でございます。次に、100ページをお開き願います。3目委託統計調査費2億1、400万円余は、国の委託によりまして実施いたします統計調査に要する経費でございます。
 次に、227ページをお開き願います。11款災害復旧費2項鉄道施設災害復旧費1目鉄道施設災害復旧費13億5、000万円は、東日本大震災津波によりまして大きな被害を受けました三陸鉄道の施設復旧に要する経費に対して補助を行うものでございます。
 次に、国体・障がい者スポーツ大会局所管分でございます。戻っていただきまして、105ページをお開き願います。2款総務費10項国体・障がい者スポーツ大会費1目事務局費のうち、当部から移管いたします2事業について説明いたします。
 まず、1行目の管理運営費は、人件費でございます。次の第71回国民体育大会開催準備費は、平成28年に開催いたします希望郷いわて国体に向け、必要な準備を行うものでございます。
 以上で政策地域部関係の歳出予算につきまして説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋昌造委員 私は、大きく2点についてお伺いいたします。
 まず最初に、予算に関する説明書、89ページの戦略的県民計画の推進について簡潔にお伺いいたします。
 まず、この計画策定の基本的な考え方についてお伺いいたします。
〇保政策監兼ILC推進監 この戦略的県民計画推進費についてでございますけれども、さまざま社会情勢の変化等によりまして日々新たな課題が出てまいります。そういった政策的テーマにつきまして、時期を失することなく県としての効果的な施策につなげていくために、私どもが最初に中心になりまして、所管部局が明確でない新たな課題あるいは機動的な対応を必要とするといったものに対して対応していこうという狙いで創設したものでございます。
〇高橋昌造委員 今お聞きすると、部局横断的な、いわゆる垣根を取っ払った対応、取り組み、それから効率的、効果的な事務事業の執行を狙ったということなんですが、戦略的な県民計画ということで、県民の声の反映とか、戦略的な県民計画を立てる中で市町村との連携は考えられなかったのか、そういうところはどういうふうになっているのかお伺いいたします。
〇保政策監兼ILC推進監 計画づくりにおきましては、当然に市町村ですとか県民の皆様の声というものを十分に伺いながら策定していくということでございまして、現在は、県民計画で申し上げますと第2期アクションプランというものを計画として進めております。この戦略的県民計画推進費というのは、県民計画で目標としております希望郷いわての実現に向けて戦略的に取り組みを考えていくという趣旨の事業でございますので、これらの事業の具体的な取り組みの中身をどうするかということにつきましては、これは私どものほうでさまざまな部局等との意見交換などを通じましてテーマを選んでいくということで進めていきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 計画策定の今度の意義についてどのように考えているのかお伺いいたします。
〇保政策監兼ILC推進監 この事業の中で取り組んでいく意義ということでございますけれども、年度途中におきましても、県としてこういう新しいことに取り組んでいかなければならないのではないかというようなさまざまな課題が出てまいります。それを県民計画の実現ということに照らしたとき、どういう形で県として取り組んでいくのが最もいいのかというようなことをさまざま課題として検討していくというのがこの中身でございます。
〇高橋昌造委員 岩手の持つ可能性としての力が発揮できる、いわゆる将来性とか独自性とか積極性、岩手ならではの戦略的なものでなければならないと思うんですが、もう一度お伺いいたしますが、今度のこの計画策定の中で県民計画策定の目的とかなんかは知事の演述の中にもあるわけでございますので、所信表明されているわけなので、今度のここのところの意義をもう一度、いわゆる岩手ならではのところにどのように取り組まれたのかお伺いいたします。
〇保政策監兼ILC推進監 今年度新たに創設したわけでございますけれども、平成25年度におきましては、具体的な事業の中身といたしまして、将来的に今後の成長が期待できるデジタルコンテンツの関連産業を一つテーマとしております。また、もう一つ、国体の開催を契機ということもございまして、これを将来につなげていくということから、スポーツツーリズムについて県として取り組みをどのようにやっていくかというようなこと、具体的なテーマとしてはこの二つを考えております。
 これらは、現在は第2期アクションプランでございますけれども、次、第3期というようなことが想定されます。そういったところにしっかり反映させていくといったようなことで取り組んでいきたいと思っております。
〇高橋昌造委員 いずれ、この計画を実効性あるものにするための目標、これはやはりしっかり取り組んでいただきたいということで、それから、政策評価なり事務事業評価との整合性はどうなっているのか。
〇保政策監兼ILC推進監 この戦略的県民計画推進費というこの事業自体は事務事業評価の対象事業ということで位置づけております。この事業自体は、まず県としてどのような取り組みをしていこうかというところを調査研究しながら先行的にやってみるということでございます。どういうやり方がいいのかというのをいろいろ考えていく中で、中長期的にはその実効性がどうであったかということをしっかり事務事業評価の中で取り組むということでございます。
 また、一段高い政策ということに我々が取り組んだことがどのようにうまく反映されたかということも当然これは検証してまいりたいと思っております。
〇高橋昌造委員 よく言われる戦術と戦略の違い。今回のいわゆる戦略的ということを考えた場合、まず一つは、やはり県の成長戦略を内外に明らかにしていかなければならない、それから、事務事業評価等の違いをやはり明らかにしていかなければならないと。そのときに、戦術ではなく戦略的な立場から考えた場合、先ほど二つの事業が示されたわけですが、この事業は果たして県の成長戦略につながるのかどうか、そこをお示し願いたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 今、具体的に取り組む二つのテーマについてどのように将来の戦略的なものにつながっていくのかということだと思いますが、実は、デジタルコンテンツの関連につきましては、もともと岩手におきまして人口減少が非常に進んでいるということで、できるだけ若い人たちの仕事の場というものを県内につくっていくということが非常に大事だということで、さまざま取り組みとしては考えられますけれども、このデジタルコンテンツの分野というのも一つの有望な分野ではないか、そういったようなことで、これだけでできるとは思いませんけれども、そういった人口減少ということで捉えた一つの取り組みということでございます。
 また、スポーツツーリズムにつきましては、平成28年度に開催される岩手国体、今、さまざま施設整備等も進められておりますけれども、これを将来とも生かしていくということと、それから、交流人口を拡大して地域の活性化を図っていく、そういう観点から取り組んでいきたいということで、この2点が戦略ということでございます。
〇高橋昌造委員 最後、具体的な取り組みについてはお示しを願ったわけですが、こういった事業を進めていく中で、今後どのように評価し、検証してまいるのか、どういう形でやられるのかお伺いいたしたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 どのように取り組みを検証していくかということでございますが、今、二つのテーマにつきましては私ども先行的に庁内で取り組んでいきまして、最終的にはどこかの部局に移管するなど体制的なものも考えていくということになると思いますが、その本格的な事業化を進める過程で、検証がどうであるかということは中間的にその段階でも具体的に検討していくことになると思います。
 一応平成26年度以降の事務事業評価の対象として評価をしていくということでございますし、また、現在、第2期アクションプランを政策評価の対象としておりますが、その中にも位置づけまして、例えば私どものその取り組みが県の計画の施策の中でどれくらい貢献しているのかという観点でもきちんと検証していきたいと思っております。
〇高橋昌造委員 それでは、政策地域部長にお伺いいたしますが、この東日本大震災津波の後に県政を取り巻く環境が大きく変わったのではないのかと。そこで、今後の県政運営において、県としても質的な転換を図っていかなければならない。私は、この戦略的県民計画の推進は、そういったことを狙いとして今度取り組まれるのではないかということで、今の御答弁をお聞きしておりますと、ちょっとそういう狙いが感じられないんですが、部長、この辺どのように捉えているのかお示し願いたいと思います。
〇中村政策地域部長 先ほども政策監が申し上げましたが、今回のこの戦略的県民計画推進費は、必ずしも次の計画をにらんでどうこうというよりは、今時点では県民計画は第2期アクションプランに基づいていろいろ施策は実施しておるんですが、アクションプラン策定後にも時代のほうはいろいろ動いていますので、そういった、必ずしも計画に記載されていないようなことで県として先に検討、取り組みが必要なものがないのかどうかといったような具体のテーマを探し出しながら取り組みを進めようということでございます。
 現在のアクションプランにつきましては平成26年度までということになってございます。今時点の情勢としては、当面、県政の最大の課題は大震災からの復旧、復興にまず全力で取り組むということ、プラス、やはり中長期的に岩手そのものの今後の発展方策についても今のうちから取り組んでいく必要があるだろうということで、大きくはそういった考え方のもとにいろいろな施策を進めてございます。
 次の計画をにらんでのいろいろな課題の整理であるとか大きな方向性については、今、総合計画審議会のゆたかさ部会、人口部会といったようなものの中で、今年度、来年度2年かけながらいろいろ検討していただいてございます。そういったところでのいろいろな御意見等も踏まえながら、また次のアクションプランの策定に十分反映させて進めてまいりたいというように考えてございます。
〇高橋昌造委員 次に、説明書の92ページ、地域振興費に関連して、平成の大合併についてお伺いいたします。
 県では平成13年6月に岩手県市町村合併推進支援本部を設置したわけでございますが、平成の大合併を推進したところ、どのような成果なり効果があらわれているのかまずお伺いいたします。
〇紺野市町村課総括課長 平成の大合併による効果についてでございますが、合併市町におきましては、合併を契機として、行政サービスの維持向上や職員の効率的な配置、財政規模の拡大など行財政基盤の強化と行財政運営の効率化が図られるなど、効果が生じているものと認識しているところでございます。
 また、合併後に実施した市町村並びに地域の方々への調査によりますと、合併により、学校の改築や耐震化、自治会活動や地域行事等への支援、文化の伝承、保存などへの支援が進んだとの声が寄せられておるところでございます。合併を契機として、地域の活性化や一体感の醸成等、地域住民の参画が図られているものと考えているところでございます。
 また、さらに、平成22年の岩手・宮城内陸地震におけます一関市の対応のほか、東日本大震災津波におきまして、宮古市の本庁舎が津波被害を受けた中で、内陸部にありました旧町村役場が物資配給など後方支援の拠点として機能いたしまして広域的かつ迅速な対応が可能になったという面もございまして、災害対応力の向上といった点におきましても合併の効果があらわれているものと認識しているところでございます。
〇高橋昌造委員 次に、合併の優遇措置、普通交付税の合併のいわゆる算定がえとか合併特例債、これらの優遇措置、今までトータルでどのぐらい見込まれておるのかお示し願いたいと思います。
〇紺野市町村課総括課長 合併の優遇措置についてでございますが、合併市町村に対しまして、普通交付税の合併算定がえ及び合併補正、特別交付税による包括算定、合併特例債及び合併推進債の発行等々もろもろの特例措置があるところでございます。大船渡市と三陸町が合併した平成13年以降のこれら特例措置の合計につきましては、おおむね4、076億円余と推計しているところでございます。
〇高橋昌造委員 平成17年度に合併した団体は、合併の特例措置である普通交付税の合併算定がえが平成28年度から段階的に削減されるわけですが、合併団体における財政運営に問題が生じないのか。また、合併団体においては普通交付税の削減は大きな課題であるわけでございますが、県ではこのことに対して今後どのように対応してまいるのかお伺いいたします。
〇紺野市町村課総括課長 まず、合併団体の財政運営についてでございますが、本県合併市町における普通交付税の合併算定がえにつきましては、大船渡市が今年度から、それ以外の団体につきましては、平成28年度から平成32年度まで5年間をかけて合併していない通常の団体の普通交付税の算定水準まで段階的に縮減されるところとなってございます。
 合併市町におきましては、合併時から合併算定がえの縮減を見込んだ財政計画を策定いたしまして健全な財政運営に努めてきたところでございます。一方、県といたしましても、いわて市町村行財政コンサルティング等を通じまして、合併算定がえの縮減を織り込んだ財政見通しの作成支援などを行ってきたところでございます。また、今般、総務省におきましては、合併算定がえの終了に備えまして交付税算定方法の見直し作業に着手するということでございまして、県といたしましては、合併市町の財政需要が適切に反映されますよう、合併市町の意見を取りまとめまして国に要望を行うなど、引き続き支援を行ってまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 最後に、合併をしなかった小規模市町村を含めて県内33市町村の財政は、三位一体の改革によって大幅に交付税が削減されたわけですが、近年の財政状況、例えば地方交付税の状況や地方債基金の残高がどのような状況になっているのかお伺いして終わります。
〇紺野市町村課総括課長 県内市町村の財政運営についてでございますけれども、平成23年度の普通会計決算から見ますと、県内市町村の決算規模は、東日本大震災津波復旧、復興事業の実施に伴いまして8、022億円と過去最大となっているところでございまして、実質単年度収支につきましては全市町村が5年連続で黒字となっておりまして、また、基金残高の合計も4年連続で増加しているところでございます。
 また、地方債残高につきましては、普通建設事業の減少や復旧、復興事業に伴う地方負担額に対しまして震災復興特別交付税が措置されていることによりまして地方債発行が抑制されておりまして、減少しているところでございます。
 地方交付税につきましては、平成23年度は普通交付税が対前年比で9%程度減少したものの、大震災に係る算定項目が加わったことによりまして特別交付税の増加及び震災復興特別交付税の創設がなされまして、対前年比497億円の増、20%程度の増となっているところでございます。
〇高橋元委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時49分 休 憩
午後1時2分 再開
〇郷右近浩副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇熊谷泉委員 私のほうからはILCの東北誘致に向けた取り組みについて何点かお伺いいたします。
 ILCについては、これまでも、昨年ぐらいから地元紙なども特集を組まれたり、いろんな報道がなされていまして、我々もいろんな資料をもらっていまして、ある意味、経済効果とか岩手県の復興に及ぼす大きなプロジェクトというのは大体わかってきているとは思うんですが、東京オリンピックの招致も、地元の熱意と、その周知が大切だということで、今までに取り組んでこられた一連の周知と熱意というか、その向上に向けてどのようになされてきて、今の時点で県民についてどのぐらい周知をなされているか、その辺をお伺いいたします。
〇保政策監兼ILC推進監 ILCの周知でございますけれども、今年度は、講演会等これまでに70回以上、私もかかわっての開催をしてきたということもございます。また、現在、DVDを2種類作成しているということもございまして、間もなくでき上がると思いますので、これをまた周知に活用していきたいということでございます。連日の報道ですとか、こういった取り組み等によりまして、県南部を中心に非常に認知度が高まっていると考えております。
〇熊谷泉委員 本年もプロジェクト研究調査費ということで3、400万円ぐらいという予算計上ですが、それについて、どういう中身なのか、具体的にお知らせ願いたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 平成25年度の当初予算でお願いしております3、400万円余の中身でございますが、まず、東北ILC推進協議会等と連携してのさまざまな私どもの活動の経費に、事務費等も含めまして900万円ぐらいでございます。また、ILC建設に向けた条件整備ということで、自然環境等に関する基礎的な調査を1、500万円で考えております。そのほかさまざま、加速器関連産業集積のロードマップの作成ですとか、具体的なまちづくりに向けたロードマップの作成等も見込んでございますけれども、これらの経費につきましては、誘致活動の状況等を見ながら、一本化をにらんで、具体的な執行等については考えてまいりたいと考えてございます。
〇熊谷泉委員 まだまだ周知等を続けていくというお話なんですが、実は、今後の流れを見ますと、ことしの7月ごろをめどにILC立地評価会議なるものが大体方向性を定めるということで、平泉の遺産登録の場合は何回かチャンスがあったわけで、これは遺産登録になるまで何回も働きかける。それは2回で遺産登録になったわけですが、県も、これだけの大事業だということで、これは何か一発勝負で、7月にそういうものが決まるような感じがするのがちょっと私は懸念というか、ここで、さっきおっしゃったようにロードマップとか何かということをやっている段階なのかなという、ある意味、7月ということにとらわれていまして、一つは、今までやってこられた中で、立地環境等に関する調査研究について、地質調査とか何かはもう既にやられていると思いますが、その結果について、どのような結果が、もし出ているとすれば、大体の方向があればお知らせ願いたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 これまでの立地環境等の調査でございますけれども、平成21年度に、まず県の単独で地質調査を実施したという経過がございます。また、平成22年度から平成23年度にかけましては、東北大学との共同研究でボーリング調査等を行いまして、これらの調査を通じて、北上山地が非常にかたい岩盤があって建設に適しているということを確認してきたということでございます。
 現在は、さらに、活断層ですとか、リニアメントといって岩石の表面が多少変質している部分等がございまして、そういうものが本当に大丈夫かというようなことを中心として、現地踏査等の詳しい調査が進められている状況でございます。
〇熊谷泉委員 まだまだ学術的な積み上げが必要だということでありますが、この間、東京オリンピック招致の調査の委員が来られて、いろいろテレビにも出ていましたが、いろんな分野で、学術的なこと以外にもいろんなメンバーが来てやられているようですが、実際、今度、国内の研究者グループで組織するILC立地評価会議の組織がどういうメンバーなのか、もう既にそれは発表されているものなのでしょうか、それがあればお知らせ願いたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 7月までに候補地の絞り込みを行うという役割を担っておりますのが、国内の研究者グループで組織されておりますILC立地評価会議というものでございます。これは、つくばの高エネルギー加速器研究機構から2名、東京大学、広島大学、九州大学、佐賀大学、東北大学、岩手大学の六つの大学からそれぞれ1名ということで、合計8名で構成されていると聞いております。
〇熊谷泉委員 今のお話だと、ほとんど大学の先生方ということで、それは、科学的な知見で公平に見られるということで、わかりました。
 それで、実際、7月までにどういうスケジュールで、もう3月ですよね、4月、5月、7月と、それこそあと3カ月足らずですが、立地評価会議が選定するまでどういうスケジュールになっているのか、もしおわかりになれば。
〇保政策監兼ILC推進監 私どもも、その具体的な細かい日割り的なものまでのスケジュールというのはちょっと承知してはおりませんけれども、先ほど申し上げました詳細な地質調査を実施しているということで、これは科学的、技術的な観点でそういった評価をやるという第1段階の中の一つのステップでございます。これは私どもの予測でございますが、4月、5月ぐらいまでに大体やられるのではないかと思っております。また、間もなくだと思いますが、第2ステップでございます居住環境ですとか、経済的な面での評価が始まるのではないかと思っておりまして、こういった第1ステップ、第2ステップの評価は、多分、5月いっぱいぐらいか、そのぐらいまでかかるのではないかと。そして、その後、7月ごろまでに決めていくということですが、その辺になりますと、具体的にどういう日取りになるのかということまでは、まだちょっと情報としてはございません。
〇熊谷泉委員 先ほどのメンバーが大体大学の先生方ということなんですが、九州と岩手を比較した場合、岩盤の構造とか地質学的なものと、それから、今、東北でもいろんな経済団体が一緒になって東北ILC推進協議会というものが組織されまして、そこまで行くと、一つの産業として、九州にないような、こちらの場合は、ある意味田舎といいますか、山間地に非常に大きな学園都市というか、その地帯にそういうものを構築する。それは一つの売りだと思いますが、そういう場面で、岩手の東北ILC推進協議会が考えているような、いろんな大きな構想をどこかでプレゼンテーションしないとなかなか伝わらないと思いますが、そういう機会があるのかないのか、まず一つ伺います。
〇保政策監兼ILC推進監 既に昨年7月に策定いたしました東北全体のビジョンですけれども、これについては、直接公式なプレゼンテーションという場ではございませんけれども、さまざまな形で関係する研究者の方にもお伝えするということはしてきておりますが、先日お認めいただきました補正予算で、国際的なまちづくりを東北でどうつくっていくかといったグランドデザインの策定を今進めており、そういったものを活用しながら、私どももできるだけアピールする機会というものをたくさん設けて、積極的に情報をこちらから出していくという姿勢で臨みたいと思います。
〇熊谷泉委員 かつて、冬季オリンピックで岩手県と長野県が国内候補地で一つ競争したことがあるんですが、結果的には長野県になりました。
 そこで、政策地域部長にお伺いしますが、ある意味、学術的に全く同等な場合は、地域の政治力といいますか、そういうものが最後で競争になるというか、綱引きになる可能性もあるかもしれませんが、その辺については、できるだけ余り政治的要素でなく、国民が納得するのは、どういう線でいくのかわかりませんが、その辺の御見解と、今後、岩手県へ持ってくるというその辺の意気込みをお伺いして、終わりたいと思います。
〇中村政策地域部長 今は、先ほどILC推進監が述べたとおり、立地評価会議ということで、いわゆる専門家の方々がいろいろ科学的、技術的観点から評価している段階と考えております。それについては我々としては真摯に対応しつつ、この取り組みそのものは最終的には国家プロジェクトということですので、いずれ、どこかの時点では政府としての決定ということも行われるのではないかとも考えておりますので、我々としては、当然そういったこともにらみながら、政府であるとか、そういったところにもしっかりと働きかけなり御理解をいただくような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 大きく3点お伺いいたします。
 まず最初に、新しい公共支援事業についてお伺いいたします。
 これは、昨年度と今年度にまたがって事業を実施中だと承知しておりますけれども、現段階でこの公共支援事業をどのように評価しているのか、まずお伺いしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 新しい公共支援事業に対する評価の関係でございますが、御案内のとおり、これは2年間にわたりまして、平成23年度、平成24年度という形で、まず一つは、NPOのさまざまな活動に対する活動費の助成ということをやってまいりました。2年間にわたりまして、合計68件のモデル事業に対しまして約3億5、000万円の活動費の助成を行ってきたものでございます。あわせまして、今年度におきましては、さらにNPOのさまざまな活動の基盤の強化を支援するという意味で、会計に関する人材の育成であるとか、あるいは寄附集めのノウハウの習得の支援であるとか、そういった活動を行う上での基盤の整備という観点でさまざまな取り組みを支援してまいったところでございます。
 その結果におきまして、モデル事業の支援におきまして、県内各地で、復興支援を初めといたしますさまざまな地域の課題に対しまして、さまざまなNPOあるいは行政との官民協働の取り組みがなされてきたところでございますし、また、運営支援、基盤強化の取り組みの支援によりまして、団体の会計等の適正化、あるいは本県初となります認定NPO法人というものが昨年の12月に誕生したわけでございます。そういった形での自律的な団体活動の基盤といったところの取り組みが進んでまいったと評価しているところでございます。
〇関根敏伸委員 今、御答弁があったとおり、この事業そのものは2カ年の事業ということで、基金を積んで、その基金も終わるという形になろうかと承知しているんですけれども、その上であえてお伺いしたいんですけれども、新しい公共という形の中でできつつある、本当に岩手のこれからの地域課題に、行政だけではない、まさに民間の力とか、あるいは地域の地縁の力を結集して取り組むという支援の芽がようやく芽生えた中で、新年度、公共事業がなくなるという形なのでしょうけれども、芽生えた芽を、さらに県としてはどのように育成し、支援をしていくのか、この観点についてぜひお伺いしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 委員から御指摘いただきましたように、新しい公共というものがようやく芽吹きまして、徐々に定着しつつある中で、私どもは、これをやはり引き続き支援していく必要があるのだろうと考えておりまして、来年度におきましては、その事実上の後継策と考えておりますけれども、NPO等によります復興支援事業費という予算を計上させていただいているところでございます。これは国庫補助事業でございますけれども、この事業におきまして、各NPOの官民協働の復興支援等を中心といたします取り組みにつきまして活動費の助成を行っていく、あるいはその活動を行うNPOの基盤の強化、運営力の強化、基礎的なところの力をつけさせていきたいということで、さまざまなセミナーであるとか、あるいは会計の専門家の派遣であるとか、そういったことの取り組みを引き続き行ってまいりたいと考えているところでございます。
〇関根敏伸委員 ぜひお願いしたいと思っております。新しい公共で採択された事業の中には、震災枠と通常枠という中で、内陸の取り組みというものも、今現在、相当進んでいると思います。今、新年度では復興に特化した形でという御説明がありまして、それは、事業の選択と集中という観点からすれば正しい方向だとは思うんですけれども、内陸部にもさまざま過疎地でありますとか中山間地の中で、地域の集落の、あるいは地域コミュニティの維持をどう図っていくかというぎりぎりのせめぎ合いの中でこの事業を展開して、何とか将来の新たなビジョンをつくっていこうという活動をしている事業もたくさんあるわけです。そういった事業について、新年度はどういう目配りをしていくのかということをぜひお聞きしたいと思います。
 新しい公共というのは、旧民主党政権下での、ある意味、地域主権の目玉的な政策だったわけですが、これが、新政権になってばっさりと切られてしまったという感がありますけれども、こういった事業は、まさに被災地ではなくてはならないものだと思いますので、県独自の取り組みも含めて、その辺の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 先ほど御説明いたしましたNPOの復興支援事業費というところにつきましては、国庫補助事業という絡みもございまして、復興支援というところにスポットを当てた事業でございますけれども、必ずしも沿岸部での活動に特化するということではございませんで、内陸部に避難してこられた被災者の方々の支援ということも対象になってまいりますので、できるだけそういった形の中で御相談をいただきながら、内陸部のさまざまなNPOの活動に対しても支援していきたいと考えているところでございます。あわせまして、さまざまなNPOの財政基盤の強化という観点で、いわゆる寄附集めのノウハウであるとか、あるいは先ほども申し上げました認定NPO法人にいかにして挑戦して、そういう認定を取得していただくかという観点で、それも一つの内陸部のさまざまなNPOの基盤の強化につながる取り組みと考えておりますので、そういうところにも幅広く声をかけまして、そういった形の講習会なり講演会、セミナーに幅広く参加を求めまして、内陸部のNPOに対する基盤強化の支援もあわせて行ってまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひよろしくお願いいたします。さまざまな協議会等の声も聞いていただきながら、柔軟な対応をお願いします。
 2点目でございますけれども、いわて復興応援隊と、新年度、民間事業主体によるさまざまな事業が行われると承知しております。これからの岩手の大きな復興での課題は、マンパワー不足ということがたびたび取り上げられております。私は、この二つの事業をうまく活用して、マンパワーの充実と復興事業のマッチングを政策地域部が中心になってぜひ進めていただきたいという思いでお聞きをさせていただきます。
 復興応援隊でございますけれども、これは、総務省の復興支援事業を使って、今年度15名ですか、採用されて進められておって、新年度はこれに20名加わって35名体制でさらに活動の分野を広げていくと聞いております。たしか、これがことしの2月の中旬ぐらいに二次選考が決まるというスケジュールになっているかと思っております。応募状況等々がどうなっているのか、まず1点目、お伺いしたいと思います。
 2点目、民間事業としていわて未来づくり機構が進める東北未来創造イニシアティブという事業があるようでございます。あわせて、カシオペア連邦農業振興プロジェクトという事業もあります。これは県の事業ではありません。民間が主体の事業でありますので、そのとおりだと思うんですけれども、これらの二つの民間事業をうまく活用しながら、政策地域部がどのように県内のさまざまなマンパワーの充足、復興支援へのマッチングを図ろうとしているのか、その辺の取り組みの体系をぜひお知らせいただきたいと思います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 まず、いわて復興応援隊の応募状況でございますけれども、今年度15名採用しておるわけですけれども、新たに、平成25年4月からということで、1月の頭のほうから募集を開始いたしまして、2月12日に締め切ったところでございます。全国から137名の応募者がございました。その半数が県外の方でございます。現在、受け入れ団体と調整しておりますけれども、面接等も終わりまして、マッチングの結果、17名については内定しておるところでございます。
 第3点目のカシオペア連邦農業振興プロジェクトの件でございますが、これは、フィリップモリスジャパンというたばこの会社から、今回、助成金をいただいた事業でございまして、3年間で2、550万円の基金として積み立てをしていただくということで、まさに県北地域の産業振興ということで、農業と福祉の連携であるとか、また、特産品の情報発信であるとか、そういったものを中心に、現在、事業を準備しているところでございます。
〇平野調整監 マンパワーの活用ということで、東北未来創造イニシアティブの件でございます。この事業につきましては、経済同友会、東北ニュービジネス協議会というところが主体となっておりますけれども、本県におきましては、平成25年度から平成28年度までの4年間でありますけれども、釜石、大船渡の両市に対しまして各3名ずつを派遣するということになっております。派遣された3名は、民間から経済同友会が1旦受け入れて、さらに両市に派遣するというスキームになっております。
 派遣された職員は、そこで震災復興を中心とした地域の課題をともに解決するということにしております。その当該職員だけが力を尽くすというものではなくて、その後ろにいる経済同友会なり企業群が協力して、力を尽くして課題を解決しようというプロジェクトでございます。
〇関根敏伸委員 本当に期待して、復興応援隊の事業と民間の二つの事業を見守らせていただきたいと思っております。
 新年度、四百数十名の市町村での応援職員の要請に対して、8割程度しかまだ手当てができてないと。100名弱の職員が足りない状況だと聞いておりますので、こういうさまざまな事業を活用して、トータル的に復興のマンパワーを何とか充実させるという取り組みは、復興局と政策地域部とが連携を密にとりながら、必要なところに必要な人材が行き渡るように、ぜひ、調整役に徹していただきたいと思っております。
 そんな中で、この間の3月1日付の新聞で、総務省が、民間や第三セクターの従業員を、もとの職場に籍を置いたまま採用するよう促す文書通知を各被災自治体に送付したといった記事が載っております。まさにこういった事業をうまく活用することによって、民間の力をかりながら、この財源は復興の特別交付税で措置されるということでございますから、市町村や県の懐は痛まないということでございますので、この通知を受けて、県はこれからどのような取り組みをして、さらに、今言ったようなさまざまな取り組みを広げようとしているのか、今後の取り組みの方策について教えていただきたいと思います。
〇紺野市町村課総括課長 民間の人材の活用ということでございますけれども、通知を国から発出するもともとのもとになったのは、我が県から、民間、自治体の活用に当たっての法的な諸問題について解決を図っていただきたいということが発端になったわけでございます。それを受けまして、今回、こういう通知が出されましたので、今後、私どもとすれば、年度末から年度初めにかけまして、各商工団体等を回ってお願いに歩くということを現時点では考えております。
 また、そのほかのいろいろな公社、公団等の活用なども図れるかと思いますので、その辺につきましては、近くに公社、公団というものは余りございませんので、首都圏ですとか関西圏まで、被災自治体の市町村長等と歩調を合わせてお願いに上がろうかと考えてございます。
〇関根敏伸委員 まさに岩手の声が国を動かしたという仕組みかなと思って敬意を表したいと思います。ぜひ、この制度がしっかりと機能するように、民間の力をかりなければなければならないわけでありますので、取り組みをお願いしたいと思います。
 最後、3点目でございます。希望郷創造推進枠によって新年度に取り組まれようとしております戦略的県民計画推進費といわてグローバル人材育成事業費の詳細についてお伺いしたいと思いますが、県民計画推進費につきましては、先ほど、高橋昌造委員とさまざまやりとりがありまして、大体は理解いたしましたが、政策形成調査費の部分でなかなかはっきりわかりづらい部分がまだあります。具体的には、外部有識者からのアドバイスや情報収集を行うという取り組みが示されておりますが、具体的にどのように取り組もうとされているのか。あわせて、これそのものは、いわゆる現在の政策評価制度そのものを見直そうということも視野に入れて取り組もうとしているのか、これがまず1点。
 それから、いわてグローバル人材育成事業費については、中身をもう少し具体的に教えていただきたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 戦略的県民計画推進費は、先ほど御答弁申し上げましたとおり、具体的なテーマといたしましては、デジタルコンテンツ産業の育成とスポーツツーリズムということではございますが、それに加えまして、年度中途において県としての新たな取り組みを求められ、あるいは求められそうな課題が出てくるということが想定されますので、そういうときに機動的に動けるような予算を一定程度確保したいということでございます。したがいまして、今お話のありましたこの事業の中で政策形成調査費という形で一応とっております部分につきましては、今の段階でこれこれというテーマが具体的に決まっているわけではございませんが、年度途中で何かあったときのためにお願いしておきたいものでございます。
 また、中身といたしまして、政策評価制度そのものにつきましては、これはこれで別な形での検討ということで、この事業の中では想定しているものではございません。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 いわてグローバル人材育成事業についてでございますけれども、その内容につきましては、グローバル社会に適応できる力を持った人材を県内において育成していくためのビジョンをまず策定してまいりたいと考えております。もう一つは、高校生10名を10日間程度、米国に派遣しようとする内容でございます。
 ビジョンの策定に当たりましては、庁内関係部局、商工労働観光部であるとか、総務部であるとか、教育委員会であるとか、そういったところと連携してまいります。グローバル人材育成の現状あるいは行政ニーズにつきまして、県内企業あるいは教育機関等への調査を行いますとともに、有識者のインタビューを行いまして、ビジョンを策定してまいります。
 高校生の米国への派遣につきましては、これも教育委員会と連携いたしまして、米国のニューヨークあるいはワシントンDCの国際機関あるいは在外公館の視察研修、あるいは現地岩手県人会との交流といったものを行ってまいりたいと考えております。
 帰国してから、そういった参加した高校生にアンケートを行いまして、その結果につきましてビジョンのほうにきちっと反映させていきたいと考えているものでございます。
〇関根敏伸委員 了解いたしました。グローバル人材育成事業ですけれども、目的は正しいのじゃないのかと思っておりますし、主目的は中期ビジョンの策定にあるのではないかと思いますけれども、予算から見ますと、800万円の事業費のうち700万円が高校生の海外派遣ということでございます。10名を10日間アメリカにということでございますけれども、事業をさまざま練った上での事業化、予算提案だとは思うんですけれども、グローバル人材の育成という観点からしたときに、10日間アメリカに行っていただいてさまざまなところを見るだけで、そういった目的が果たせるのかなと。いろいろ一ひねり、二ひねりしていただきながら、この事業をもう少し詰めていただきたいというのが率直な感想でございます。10名をどういう観点で絞り込むのか。行ってきたさまざまな体験をどう長期的に、まさにグローバル人材を岩手に根づかせるために末永い取り組みをしていこうとしているのか、この辺をもう少し御答弁をお願いしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 高校生の派遣につきましては、グローバルのビジョン策定に当たりましてのいわばパイロット的な事業と位置づけておりまして、その成果につきましていろんな角度からアンケート、感想、その他検証を加えまして、ビジョンの中で、グローバルな人材をどういう形で、どういう県の施策でもって育てていけばいいのかという次のステップを検討するための材料としてまいりたいと考えております。今後におきましても同じような10日間の高校生の派遣という形を必ずしも考えているわけではございませんで、これは一つのデータとしてきちっと精査し、評価し、次の施策の検討、ビジョンの中にその成果をきちっと盛り込んでいくためのものと位置づけておるものでございます。
 高校生の選定につきましては、教育委員会とタイアップしてまいります。県内の各地域の高校から選んでまいりたいと考えております。一つの地域だけに偏らないようにして選定してまいります。
 スケジュール的には、今後、予算議決をいただけましたら、早速、訪問予定先とのきちっとしたお話を詰めまして、大体の予定を固めまして、できるだけ早い時期に募集をかけまして、事前のきちっとしたオリエンテーションなどもやり、派遣してまいりたいと考えております。教育委員会との連携によって、大体県内全域から選んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 3点についてお伺いします。ちょっと順番を変えますので、よろしくお願いします。
 人口減少問題に対する県の政策的立ち位置について、基本的認識についてお伺いします。
 東日本大震災の発災前から沿岸地帯においては生産年齢人口が急激に減少するという統計もございました。これから既存の産業をどのように生かしていくかという視点に立った政策が進行中の中でああいうような大きな震災があったと。昨日も、3.11ということで数多くのマスコミの報道がされて、人口が減少していると。そして、なりわいを再生するにしても、それを支える人材が既に被災地からいなくなっているというような大きな社会問題が提起されたところでございます。
 そこでお伺いしますけれども、人口減少に対する一つの県の政策の基本的姿勢として、一つ気になる知事の発言があります。知事は、復興元年における県の取り組みとして、これは本会議で久保孝喜議員も指摘したところでありますが、人口流出、県外からの転入者数と県外への転出者数の差である社会増減については、もう歯どめがかかった、これは自分が知事になってから大いに成果を上げている、人口減少に歯どめがかかっている状況であるというようなことをまず冒頭に申し上げるわけです。これは幾つかの報道機関で発せられている情報でも私は目にしております。
 政策地域部としては、人口減少に係る問題について、このように社会的な増減という一つの切り口を捉えて、このようなことを政策の軸にして本当にいいのかどうか。これが本当に政策として軌を一にして進んでいるものかどうなのか、その点についての所見をまずいただきたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 人口の社会減についてでございますけれども、これは、県の第2期アクションプランの中でも政策推進目標ということで人口の社会減を減らすことということを掲げて、さまざまな施策を取り組んでいるということでございまして、人口の社会減の統計数字を見ますと、確かに、平成19年度には6、000人以上あった社会減が、ここのところ約2、000人台ということで推移してございまして、一定の歯どめがかかっているということはそのとおりであろうと認識してございます。
〇飯澤匡委員 私が問うているのは、人口が流出している、減少している、その本質を捉えてしっかり情報発信をしなければならないと思うわけです。その点について、あなた方はどういう立ち位置で、知事の政策判断、政策発信の点についてどういうふうに捉えられているのか、その点をお伺いしたかったんです。その事実についてどうこうという話ではありません。
〇中村政策地域部長 人口問題については、県政の非常に大きな課題だと思っております。そういったこともあり、県民計画の中でも特に社会減を縮小させていくんだということを政策推進目標の一つに掲げて、これまでも取り組みをしてきているところでございます。
 データとしては、平成20年以降、社会減そのものは減少してきているということは出てございます。とは言いつつ、いずれ、社会減そのものは続いておりますし、もう一方で自然減も続いているということで、県トータルとしては人口減少傾向そのものは続いているという状況はございますので、これは、引き続き県政のあらゆるセクションが総力を挙げて取り組んでいかなければならない課題だと認識してございます。
〇飯澤匡委員 ちょっと聞き方を変えますけれども、そういう社会減少、人口減少に歯どめがかかっている傾向となるということの情報発信を今このタイミングで言うことのその価値は、どういう価値があるんでしょうか。人口が減少している、今、被災地がどういう状況にあるかということを捉えれば、さほど発信する価値がないと私はそう思うんですが、その点についてはいかがですか。
〇中村政策地域部長 社会減が縮小しているということと、いろんな行政施策がどれだけ因果関係があってということは、必ずしもそこの厳密なところは難しいところがあると思っております。ただ、我々としてもいろいろな施策を打って、そこを縮小させていくんだという取り組みを進めてまいっておりますので、その部分については一定の効果は出ているのではないかとも思っております。
 もう一方で、今回、確かに大震災が起こりまして、特に沿岸地域を中心に大きく社会転出が進んでいるという状況がございますので、そこは我々としてもしっかりと現実は受けとめながら、沿岸地域の人口ができるだけもとに戻るような形でいろんな施策、取り組みをしていかなければならないと考えております。
〇飯澤匡委員 ちょっと歯切れが悪いんですね、そういう印象が。やはり私は、県の人口減に対する問題の本質を捉えて、しっかりとした対応をしていくことが必要だと思います。冒頭に申し上げたように、ある一つの切り口を捉えて、これで人口減少の歯どめがなったというようなことは、ちょっと私はおかしいんじゃないかと思うわけです。これは要望にとどめますけれども、これからの施策推進に当たっては、そういう情報の発信のあり方も含めて検討していただきたいと思います。
 次の2点目ですが、ソフトパワー戦略の推進における戦略的プロジェクトについて、今回も予算計上されておりますが、マンガプロジェクトです。どうも私はすとんと落ちないんですが、これがいわゆる、何といいますか、今の岩手県のソフトパワー戦略の主軸をなしているように私は思っているんですが、その効果、それから、今この震災の復興に当たって、こういうアプローチが本当に適当かどうなのかというような疑問視をされる意見もございます。この点についてどのような評価をなされ、平成25年度予算はどのような効果を狙っているのかお尋ねしたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 マンガプロジェクトでございますけれども、これまで、ソフトパワー戦略の一つの大きな柱として取り組んできたということでございます。今、手元にございますけれども、このようなコミックいわてという本を発行してまいりました。これはコミックいわて2というもので、平成24年3月に発売したものでございます。この前にもコミックいわてという一番最初のものがございまして、一番最初のコミックいわては3万6、000部、こちらのコミックいわて2のほうは1万5、000部発行しております。
 この中でさまざまな岩手の題材を取り上げていただいた漫画を掲載して、それを通じてさまざまな情報発信をするということでございますが、特にコミックいわて2におきましては、震災後ということもございまして、復興における漫画家の活動ですとか、あるいは漫画家の方々からいただいているさまざまな応援メッセージといったものも含めて掲載したところでございます。
 この漫画につきましては、平成25年度の予算におきましても第3弾を発行するような中身で検討しておりますが、現在、復興に頑張っている地域だということで、できるだけそういった復興に取り組んでいる姿というものを漫画の中身に取り込んでいただくような形で、岩手の今の現状を伝える、さらにそれに加えて、これまでもやっておりますが、さまざまな魅力を伝えていくということの取り組みにしていきたいと思っております。
 それから、このプロジェクトではコンテスト等もやっておりますけれども、その中で若手の漫画家を育成して、具体的にはそういった方々に仕事が来ているということもございまして、これも、そういったことを通じて岩手の力を高めていくという意味で効果があるのではないかと考えております。
 なお、昨年10月には、このような取り組みに関して、自治体政策として独自性や先駆性があるということで、法政大学のほうからイノベーティブ・ポリシー賞も受賞しております。
〇飯澤匡委員 詳細な御答弁をありがとうございます。
 ただ、あくまで漫画というのはサブカルチャーであって、それを政策の大きな柱の中に据えるのは、私自身は少し違和感を禁じ得ません。
 特に、この間それを強く思ったのは、東京事務所に行ったときに、応接室にやはりこのマンガプロジェクト等のポスターが張ってありました。いろいろな方々が、企業関係者等が応接室に招かれて岩手の話をする、復興の協力の話をする。これが全面に押し出て、果たしていいものかどうかというような思いをしました。海外には日本のソフトパワーとして漫画というのも一つは題材とはなっておりますけれども、岩手県らしさ、真の意味での復興を推進していくために、これらをもう少し使い方を考えてやらなければ、いろんな誤解を招く面もあるのではないかと懸念、心配をするわけですが、その点についてはどのような評価をなされているかお知らせいただきたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 今お話にあったとおり、漫画というものを捉える場合の捉え方というのは人さまざまという部分も確かにあろうかと思います。そのアピールの仕方ですとか、ふさわしい場所にそういったものが出ているとか出ていないとか、そういったこともあろうかと思いますので、その辺は十分気をつけてまいりたいと思いますが、この取り組み自体は、日本の文化の中で漫画というものが非常に親しまれていると。そういう媒体を使っての効果的な岩手の発信ということに効果があると思っておりますので、その辺はしっかり御意見も踏まえて取り組みたいと思います。
〇飯澤匡委員 私の所見でもありますので、指摘だけにとどめておきたいと思います。
 最後に、ILC誘致実現について2点お伺いします。
 これから、7月までにはという経緯がもう設定されておりますので、政府等の関係機関への働きかけも現実的にやっていかなければなりません。ライバルである九州もいるわけですので、そこにやはり絶対に打ち勝っていかなければならないという観点に立って質問させていただきますが、これは、私は実物を持っていないので大変恐縮ですが、九州は交通体系のネットワーク、環境整備、それらはしっかりパンフレットに捉えて、大胆にデザインを関係機関に配布していると聞いております。
 岩手県は、もう少し県土整備部と連携して、具体的に形成イメージ─研究科学都市の形成に向けた具体的な道路の線はこういうことを考えているだとか、そういうものも具体的に示しながら働きかけをすべきだと私は考えますが、現時点でそういうタイミングなのかどうかということも含めて、今後の進め方についてお伺いしたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 交通ネットワークについても示すべきではないかということでございます。
 この誘致の活動を進めるに当たりまして、昨年、東北の協議会で策定した東北の将来ビジョンという中で、こちらの特徴といいますか、そういうことからしますと、できるだけ既存の社会インフラを活用しながら、新規の新たな投資を抑制していくという基本的な考え方を持っております。今お話があったとおり、そうはいっても、実際やるとなると、ある程度の交通ネットワークの整備等も必要になってくるのではないかということは当然考えられます。現在、国際的なまちづくりのグランドデザインというものをつくっております。どこまでが描き切れるかということはございますけれども、既存の新幹線ですとか高速道路等からのアクセスの関係についてもできるだけ盛り込むようにして作成したいと思っております。
〇飯澤匡委員 今回の誘致実現については、やはり宮城県をしっかりパートナーに巻き込んで、宮城県はグランドデザインの中で中域交流範囲内というような捉え方をされておりますが、私は、もっとさらに岩手県側が積極的なアプローチをもって宮城県と一緒になってこの活動にもう少し注力すべきだと思うんですが、その点についてはいかがな戦略を練っているかお伺いしたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 委員の今のお話はごもっともと思っております。これまでも宮城県、岩手県のトップが共同でさまざまな要望活動も行っておりますけれども、今現在、正念場を迎えているということで、私どもも、これは今週14日になりますけれども、両県の課長レベルでのILC推進に特化した会議を立ち上げることにしておりまして、そういったものも今後積極的に活用して、できるだけ東北全体でやるんだという形で進めていきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 情報の発信の仕方についても工夫すべきだと思います。機会を捉えて、まず東北6県でシンポジウム等を、岩手県のほうでしかけてもいいですから、新しい東北の振興のビジョンであるとか、ILCを軸にしていろんな情報発信の仕方を工夫すべきと考えますけれども、その点については何か考慮している点はございますか。
〇保政策監兼ILC推進監 今月には、山形におきましても関連の講演会を開催するという計画もございます。徐々にではありますが、できるだけ岩手、宮城以外のところにもそういった形でPR等、理解促進のための活動というものを、私どもも東北のILC推進協議会と一緒ということでやっておりますので、今ありました、もう少し情報発信も工夫しろというお話もしっかり受けとめて頑張りたいと思います。
〇飯澤匡委員 先ほど、DVD等を作成しているというような話があって、科学的な夢、科学的な実験に基づくさまざまな成果について、それを中心にして今までも皆さん方も広報に努めてきたと思うんですが、実際問題、ILCという大型加速器が北上高地に来て、それに関連する産業がどういうふうに進展するのだろうかと。例えばがん治療にかなり有効なそういう技術がもっともっとコストが下がって我々の生活に資するものが出てくるだとか、そういう具体的なイメージを持って、さらに一般県民に理解を得るような工夫も必要だと私は思うんです。
 平成25年度予算で山形大学が重粒子線の治療の予算を確保したということも、これはILCとは全く無縁ではないわけで、福島県などはそういう医療関係の集積地帯を目指していくというような話も聞いておりますが、やはりそれらを体系的に結びつけた戦略というのをしっかり本県も描いてやるべきだと思うんですが、その点について、次の戦略ロードマップにかかわって、どのような点まで盛り込むおつもりなのかお伺いしたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 平成25年度に取り組む予定でございます加速器関連産業集積のロードマップでございます。現段階では一本化の状況を見ながらということではございますが、加速器は、トンネルの部分と測定する部分という非常に大きな構造物であるということで、それらに関連する研究開発の施設の誘致をどう進めるかということですとか、あるいは高エネルギー加速器研究機構や東北大学等の既存の研究機関との連携の方策、さらに地元企業がどのような形でそういった関連の仕事に参入していけるかと、そのような視点を念頭に置きながらやろうということで、今考えております。
〇飯澤匡委員 これで最後にしますけれども、CERNは50年余の長い年月をかけてつくって、今も維持、発展させている一つの大きな機構です。その中で一つの課題としては、民間企業との連携や、どうしても欧州全体での機構ということで、なかなか研究機関との連携がうまくとられていないという指摘もあります。これらの事例をしっかり検証した上で、特に先端産業の集積地点については県がデザインを描いてやる部分だと思っておりますので、そこはしっかりやっていただきたいと思うわけです。
 それから、一般質問等でも私は指摘したんですが、既存の1次産業の付加価値を高める上でも非常に有効なILCの誘致ということをしっかり結びつけて、その中でお互いの既存の産業等をどう発展させるかという視点も私はぜひ考慮に入れてやっていただきたいと。どうしても科学、科学と集中しがちで、逆に、そういうふうに集中してしまうと、県民のほうも、何か別の次元のところで物が進んでいるんだなというようなことを感じている方々もいらっしゃいますので、ぜひとも広範な御理解を得るためには、より深く、そしてより広くいろいろな部分を考慮に入れた戦略のロードマップを作成していただきたいと思うんですが、最後に、現在の策定状況、その方向性についてお伺いして、終わりにします。
〇大平首席ILC推進監 委員御指摘のとおり、CERNは研究機関ということで、企業との連携ということは当初から念頭にないものでありました。今回の東北のビジョンを我々がつくりましたのは、国際的な研究機関ができる場合に、地域からそういうものを最初から発信していくことによって、研究機関自体が地域との結びつきとか産業との結びつきを考えていただきたいという提案の意味も込めて、研究所がただできるということではなくて、先手を打ったというような意味もあってビジョンをつくったものであります。したがいまして、そういう意味でも国内の研究者の中では地域の企業との結びつきも考えなければいけないという意識づけも大分なってきておりますので、これらはこのままの形で、地域や企業との結びつきについても十分考慮していただいて研究所をつくっていただくということを進めたいと思っております。
 1次産業との結びつきにつきましては、東北に世界的な研究所ができることによって、研究所の皆様から世界に発信していただくというのがありますし、研究成果と一緒に世界に発信する。そういう意味では付加価値の向上というのも考えられます。あるいは、1次産業そのものの品種改良とかさまざまなものにも、こういう加速器というのも、例えば花などについては加速器の技術で品種改良なども行っております。食べ物ではなくて花とかそういうものの付加価値の向上ということも考えられますので、この辺については、来年の一本化後に着手する先端産業集積ロードマップにさまざまな要素を用いるとともに、現在策定中のまちづくりのロードマップにも、東北らしいまちづくりということの中に産品のことも触れたいと思っております。
〇飯澤匡委員 今まで、研究都市の立地については国主導で研究機関をまず集めて、あとは国の独立法人であるとか、そういうものをまた周辺に添えて、そして民間の会社というような多層構造的な、ややもすれば上意下達的な傾向がありましたし、それがKEKにとっても研究者の象牙の塔というようなやゆをされたりする場面もないわけではない。こういうのをやっぱり教訓を得ながら、今回の戦略ロードマップについては意を尽くしてやっていただきたいと思っております。
 以上、要望申し上げて終わります。何か所感があればお願いします。
〇大平首席ILC推進監 まさにそのとおりでありまして、現在、直接我々、先週も奥州市のシンポジウムに株式会社千田精密工業の専務もいらしておりますけれども、そういう具体的に加速器産業に参入している企業あるいは加速器産業に参入したいという意欲を持っている別な企業とかもありますので、そういうところの方々を紹介するとか、そういう結びつきを具体的にマッチングしていくとともに、ものづくりの岩手の中では岩手大学がやっぱり一番進んでいるところでありますので、岩手大学の中でもILC推進会議というのができました。その中で具体的に岩手大学のものづくりの方々との連携も図りながら、地域との結びつきを深める、そういう形のロードマップというものを作成してまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 まず、大きく4点について質問させていただきます。
 1点目、志の国連携推進事業についてでございますが、岩手・高知交流推進事業ということはこれまでの経緯によって継続されているものとは思いますけれども、事業目的が地方分権改革の実現、そして岩手、高知両県の地域資源を生かした交流、そして、国に頼らない、お互いに強みを伸ばし合い、弱みを補い合える関係構築でございますけれども、国に頼らず、強みを伸ばすというのはどのようなこと、弱みとは今どういうことなのかを具体的に示していただきたいと思いますし、平成25年度の事業概要を見ますと、東海、東南海、南海地震による超広域災害への備えを強力に進める9県知事会議への出席や9県の防災担当課などで構成される視察団の受け入れの実施とされておりますけれども、この事業目的と事業概要の整合性というのはどのような形で図られた上でつくられたのかお示し願いたいと思います。
〇平野調整監 志の国連携推進事業でございますけれども、これは、互いの強み、弱みを補い合える、あるいは伸ばし合うということでございますけれども、例えば岩手県でございますれば、高知に対しまして、東北の岩手県の物産あるいは観光、これらを大いに売り込むということ。それから、防災との絡みということもございますけれども、岩手県は大きな震災を経験して、今、立ち直ろうとしている。これを逆に高知県に知っていただく。これは、お互いの関係を補い合うという意味でも大きくこれは必要なことであろうと思います。
 要は、これは国を通さずに地域地域でそれぞれのノウハウ、知見を分かち合って向上し合う、そういう事業でございます。それぞれのそのときそのときの題材を探してそれぞれの相手と交流し合うといった方向で進んでいきたいと考えております。
〇軽石義則委員 そういう趣旨からすれば、岩手、高知に限らず、各窓口を広げることによってさらに事業の目的が達成できると思いますけれども、高知以外のところにもこのような形で広げていく考えがあるのかどうかお示し願いたいと思います。
〇平野調整監 まさに国を介さずに地域間が結びついてお互いの地域カラーを高め合うということでございますので、例えば平成24年度につきましては、徳島と鳥取、岩手県で妖怪をテーマにしたサミット等を行ってございます。このように、共通の財産、資源等を活用して全国に発信する、こういったようなことは大いにこれからもやっていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ効果が出るようにお願いしたいと思いますし、それを広く県民にもお知らせ願うようにお願いします。
 次に移ります。
 公共交通利用推進事業費についてお伺いいたします。
 公共交通におきましてはやはり被災地と内陸部では大きく違いがあるとは思いますけれども、それら現状、公共交通における課題を示していただきたいと思いますし、活性化支援チームが活動されているとお聞きしておりますけれども、活性化支援チームがどのような活動をし、どのような成果を生み出しているのかお示し願いたいと思います。
〇野中交通課長 公共交通の課題ということでございますけれども、県内全般につきまして、公共交通の利用者というのは人口減少あるいは少子化によりまして減少傾向が続いておるわけでございます。特にも乗り合いバス等につきましては、これは県全体のことでございますが、利用者の減少によりまして、バス事業者のみでは路線を維持することが困難な状況になってございます。
 被災地との関係でありますけれども、現在も被災地においては、被災後、公共交通の確保について、市町村と県あるいはバス事業者と連携を図りながらその復旧を進めてまいりました。ただ、現時点において震災前の水準までまだ達していないところもございまして、引き続きそのサービス水準を確保するための努力が必要だと考えております。
 それから、活性化支援チームの活動の内容と成果ということでございますが、この活性化支援チームというものは、市町村の公共交通の個別課題の解決を支援するために、県、それから国の岩手運輸支局あるいは有識者、こういったメンバーで構成し、その課題解決を図りながら、その市町村内の公共交通の利用促進であるとか、あるいは市町村内の効率的な公共交通の体系の構築であるとか、そういったものを支援するものでございます。
 これまでの成果ということでございますが、これは、平成22年度からこのチームの活動を進めております。平成22年度におきましては3市町で活動を支援してまいりまして、例えば西和賀町におきましては、路線バスと行政バス、いわゆる患者輸送バスであるとかスクールバスとの関係でございますが、これを連携させながら一つの西和賀町内の公共交通体系というものを構築したということがございます。そのほか、岩手町、久慈市ということで支援をさせていただいております。
 本年度におきましては軽米町で町内の公共交通体系を再構築すると。来年、町内の中学校の統合があるということで、それを踏まえてそういった見直しをするということで、その支援をしているところでございます。
〇軽石義則委員 地域におけるバスの路線の大切さというものはこれまでも言われておりますし、その具体的な対策をとっていただくということは大事なことだと思っておりますけれども、来年度の予算を見ますと地域バス交通等支援事業費については減額されておりますし、バス運行対策費が増額されているということでございますし、利用促進事業費は減額ということになっておりますが、それぞれの理由についてお示し願いたいと思います。
〇野中交通課長 まず、公共交通の推進事業でございますが、トータルとしては増額になっております。ただ、事業の中身で、例えば活性化支援チームの予算につきましては、来年度予定している支援計画が現在1市町村ということになっておりまして、実際に計画している市町村分の予算だけ計上したということで減額になっておりますが、全体としては27万円余の増額になっています。
 それから、地域バスの交通等支援事業費補助でございますが、これは予算額につきましては昨年度に比べて減額になっております。これは、震災の影響によりまして路線の廃止あるいは休止ということで、補助対象路線が減少していることが主な要因でございます。例えば、平成24年度当初でいいますと19路線が対象でございましたが、平成25年度におきましては15路線ということで、4路線減少することが主な要因になっております。
 それから、バス運行対策費につきましては、これは昨年度に比べて増額になっております。これは、補助対象路線そのものはほぼ変わらないということでございますが、全般的に路線の収支が悪化している傾向がございます。特にも被災地におきましては通常の補助要件では補助対象にならない路線も出てきておりまして、ただ、今回は被災地特例というのがありまして、通常の要件を欠いても補助対象になってはいるんですが、そういった収支が悪化している、いわゆる赤字額が大きい路線がふえているということで、結果として、そういった震災特例の部分は昨年度20路線に対して平成25年度は23路線になると見込んでおりまして、その分が増額の理由になっております。
〇軽石義則委員 バス路線の減少ということで19路線から15路線に減少されたということですが、減少理由は具体的に示せるでしょうか。
〇野中交通課長 平成24年度は19路線、平成25年度は15路線ということで4路線減少になるわけですけれども、一つは、実際、利用者が減少いたしまして路線が廃止になったのが1路線です。それから、震災により運休しているものが2路線でございます。それから、先ほどのバス運行対策費の中の国庫補助路線ですけれども、これと県単補助路線の関係で再編したものがありまして、これが1路線ということで、計4路線になっております。
〇軽石義則委員 これまで補助されていて、今後、要件が緩和されて維持されているところが、この制度の適用が切れることによって平成27年度以降対象地域から外れていくと聞いておりますけれども、その際、さらに公共交通の便が悪くなると思われますけれども、現状は維持されていてもその後の具体的な対策というものを課題として捉えているのか、そして、対策があるとすれば、示せるものがあれば示していただきたいと思います。
〇野中交通課長 これというような効果的な取り組みというのはなかなか難しい部分はあるんですけれども、まず、被災地特例は平成23年から平成27年度までの5カ年ということになっておりますが、この部分については引き続き国への要望等も働きかけてまいりたいと思っていますが、一方で、いつまでも続く被災地特例ではないと考えておりますので、やはり公共交通のサービスの水準をどういうふうに上げていくか、それから、やはり今ある市町村内の路線バスと行政目的バス、いわゆるスクールバスであるとか患者輸送バスとか、さまざまそれぞれの行政目的で走っているバスがあって、それによって路線バスの利用者がなかなかないという状況もありますので、こういったものをもう少し再編いたしまして、効率的な形での公共交通体系というものをしっかり構築していく必要があるということで、我々としては、今の活性化支援チーム等、有識者も含めて、そういった部分に適切に助言等をしながら再構築の支援に努めたいと思っています。
〇軽石義則委員 復興も思うように進んでいくかどうかという状況もございますので、仮設住宅から本復興に移る際には交通事情というのは非常に大切な要件となると思いますので、その点は今後もぜひ取り組みをしていただきたいと思いますし、それらに対する地域の要望のあり方といいますか集約の仕方、方法等を現段階ではどのようにされているのかお示し願いたいと思います。
〇野中交通課長 まず、県全体の地域ニーズあるいは課題の把握でございますが、これは、全市町村を個別に我々回りまして意見交換をしております。こういった中で課題をいろいろ把握しておりますが、また、市町村全体の担当者会議を開きながらも把握に努めているところでございます。
 特に被災地域におきましては、これに加えて、12市町村対象なんですが、仮設住宅等の交通の確保のための連絡会議であるとか、また、現地に赴いて現場の確認であるとか市町村との個別の懇談であるとか、そういったことを通じて把握しておりますし、あと、高校生の通学関係が被災沿岸地域において非常に課題になっていた時期もございまして、これは教育委員会と連携を図りながら、高校からいろいろ課題等を聞き取りしながら把握し、適切に対応しております。
〇軽石義則委員 そのような形で把握した課題を、現状どのようになっているか、きちっとフィードバックする体制も必要と考えておりますので、その対応も今後はお願いしたいと思いますし、通学、通勤におきましては、被災地のみならず、内陸部においても必要な箇所があっていろいろ要望が出ているはずです。しかし、なかなか解決ができていないということで、要望しても解決ができないという悪循環になっている状況も見受けられますので、ぜひとも把握した課題についてはきっちりとフィードバックできる体制づくりも今後はしていただければと思いますが、その点、具体的に取り組んでいるものがあればお示し願いたいと思います。
〇野中交通課長 こういった中身につきまして、課題あるいは取り組み状況につきましては、個別に市町村との意見交換あるいは全体の会議あるいはスキルアップ研修等も開催しておりますので、そういった中で市町村や交通事業者との情報交換をしながらそういった情報等のフィードバック等もさせていただいているところでございます。今後もそういった形で適切に対応してまいりたいと思います。
〇軽石義則委員 よろしくお願いします。
 次に移ります。
 NPO等に関する復興支援の事業費についてお伺いいたします。
 先ほど関根委員からも御質問がありましたけれども、私からは、少し観点を変えまして、NPOの復興支援事業、これまでも多くの申請団体があったはずですけれども、昨年度、今年度、助成団体がトータルで68件ぐらいになっているようですけれども、その助成団体を決める基準というものはどこにあるのかお示し願いたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 助成団体の選定につきましては、公募いたしまして選定してまいります。選定に当たりましては、選定委員会を有識者、学識経験者などで構成しております。合計で9名の委員で構成しておりますけれども、その委員会に諮りまして、公開のプレゼンテーションという形も行っております。全ての申請者ということではございませんけれども、一定金額以上の案件につきましては公開プレゼンテーションでもって審査委員会にプレゼンをしていただきまして、審査委員会において書類審査及びそのプレゼンテーション、トータルで審査いたしまして選定しているものでございます。
〇郷右近副委員長 課長、申請件数は。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 申請件数につきましては、トータルで127件(後刻「134件」と訂正)の申請でございます。
〇軽石義則委員 平成24年度も運営基盤の強化や会計講習会の取り組みという状況を報告を受けておりますけれども、これら対象になる団体は、その全ての団体を対象としているのか助成団体を対象にしているのかお示し願いたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 各種基盤整備支援のためのセミナーであるとか、あるいは専門家の派遣であるとか、そういったところの対象につきましては全ての団体を対象にさせていただいているところでございます。モデル事業の助成団体だけではなくて、全ての団体を対象に開催しておるものでございます。
〇軽石義則委員 それは県内で申請を出した団体、県内で申請を受けた団体全てでしょうか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 県内で申請を出していただいた、あるいはその結果、助成が決定した団体、決定しなかった団体、あるいはそもそも活動費助成に対して申請をしなかった団体につきましても幅広くそのセミナーであるとかの対象にはさせていただいているところでございます。
〇軽石義則委員 それらの団体にはどのような形で周知されているのかお聞きしますし、運営基盤が脆弱、スタッフが足りない、助成のみに頼る団体が多い、広く県民に理解をされていないというような課題も県としては把握されているようですが、それらに対する具体的な対策、指導、そしてNPOの指導監督という責任は、どちらの部署がそのことを全て抱えているのかお示し願いたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 このセミナー等の開催につきましては、委託事業という形で私どもNPOに対し委託し、私どもと共同という形で開催しているところでございまして、その委託先のNPO等から各NPOに広くPRさせていただいて参加者の募集をしているところでございますし、あと、私どもが持っております県のNPO活動センター─アイーナの中にございまして幅広くNPOへの支援を行っている、相談業務あるいはさまざまな助成制度の紹介であるとかNPOの活動紹介であるとか、そういったものを幅広く情報発信をしているセンターがございますけれども、そうしたところのメディアを使いましてホームページなどでPRもさせていただいているところでございますし、あと、中間支援のNPOが県内に十数団体ございますけれども、そこを通じまして、そこのエリアの中のNPO等に広く広報させていただいているところでございます。
 次に、運営基盤が脆弱なところへの支援ということでございますが、そうしたさまざまなセミナー等によりまして、運営をつかさどる会計あるいは税務等の人材育成であるとかさまざまな、認定NPOという制度もできております。寄附募集をするに当たりまして大変有力な、以前の優遇措置を、寄附者あるいはNPO側ともにメリットが得られるというような形のものでございますけれども、そうした認定NPOというものも促進しておりまして、ようやく県内で2団体、認定NPOあるいは仮認定のものが1団体ずつでございますが、そうしたものが出てまいりました。そういった形で、自分たちで寄附を集めるようなノウハウについても、私ども広くセミナー等で助言、アドバイスをしているところでございます。そうした会計人材あるいは自分たちの財政基盤を強化するようなさまざまな人材あるいは制度のPR、そういったものを通じまして運営基盤の強化を応援しているところでございます。
 あと、NPOに対する運営責任の問題でございますが……
〇郷右近浩副委員長 御答弁の途中でございますけれども、この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長(続) 失礼しました。
 責任の関係でございますけれども、指導監督につきましては私どもの立場でございます。NPO法あるいはそれに基づく条例あるいはその運用指針というものも整備しておりまして、そういったものに基づきまして指導監督しているところでございます。
〇軽石義則委員 御丁寧に答えていただきましてありがとうございました。
 最後にしますけれども、今、山田町のNPOの課題が発生して以来、特に沿岸地域のNPOの皆さんは、献身的な努力はしておりますけれども、運営が非常に厳しい状況の中で非常に厳しいチェックがあるようにお聞きしておりますし、具体的には事業の打ち切りなども含めて、今後の運営をどうしていくかという課題を抱えている団体もあると聞いております。ぜひそれらの課題をしっかりと把握していただいてその対策も具体的にとっていただかなければ、今後のNPOの支援というものは言っているだけで実際やっていないということになっていくと思いますので、それらに対する所感を部長から最後にお聞きして終わります。
〇中村政策地域部長 今回の大震災に当たりましては、数多くのNPOの方々に被災地に入っていただいていろいろな活動をやっていただいております。これは、我々行政のほうで十分行き届かない分野にきめ細かな対応をしていただいていると我々も認識しております。
 今回の山田町の事案については、それはそれとしてしっかりと検証しながら再発防止をしていかなければならないと考えておりますが、適正に活動されているNPOの方々に不測の不利益をこうむるような事態は何としても避けなければならないと一方では考えておりますので、その辺は関係部局、市町村とも十分連携をとりながら対応してまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 軽石委員に続いて、NPO法人のあり方及びNPO法人大雪りばぁねっと。の2点についてお伺いいたします。
 新しい公共を担うNPOへの支援機能の充実としまして、今年度の事業に税理士の派遣等により会計処理の指導をする計画となっておりますけれども、そこまでしながらといいますか、そういうような団体にNPO法人として認証し法人格を与えてもいいものなのかどうかということであります。決してNPO法人を否定するわけではありませんし、いわて県民計画でも重要な役割として捉えております。しかし、一般的にNPO法人は公的機関が認めている団体であり、公益性がありと捉えているところであります。今、山田町で問題のNPO法人は、経理もずさんだとの報道もあります。会計処理が未熟にもかかわらず法人認定することには問題があると思うのですけれども、どうでしょうかお伺いいたします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 法人の認定の関係でございますけれども、法人の認定につきましては県などの所轄庁に申請をしていただくわけでございますけれども、その際、所轄庁におきましては、法定の認証基準に適合すると認めるときは認証しなければいけない、法律上そういう定めになっているところでございます。ということで、一定の要件をそろえておれば私どもで認証させていただいているところでございます。
〇高橋孝眞委員 平成24年4月発行の特定非営利活動法人制度の手引によりますとそのとおり書いております。認証されたからといって、所轄庁がその団体の活動についていわゆるお墨つきを与えたというわけではありませんと。したがって、公開されている情報などをもとにして、団体がどの程度信用できるかを市民一人一人が判断することが求められておりますというふうになっております。ということは、山田町のNPO法人の問題は、調査をしないほうが悪いということなんでしょうか。山田町がだまされたのであり、山田町が一番悪いのだというのが県の見解なんでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 NPO法を所管する立場として申し上げますと、NPO法に基づき認証された団体が活動した場合には、活動報告書というものを事業年度終了後に所轄庁に提出していただくという制度になっております。その事業報告書につきましては私どもホームページ等で公開しているところでございまして、そういったものを通じまして市民の目線でチェックしていただく、監視していただくということで、そういったところを市民の信頼を得ながら活動を続けていっていただくというのが基本的な考え方でございます。
 なお、さまざまな法律違反等が明らかであるような場合には、私ども、法律に基づきまして、立入調査であるとか報告徴収、立入検査、場合によっては改善命令、そして認証の取り消しというようなステップを踏んで監督をしてまいる制度になっております。
〇高橋孝眞委員 簡単に答えていただきたいと思います。だまされた山田町のほうが悪いのかどうかということですからそちらのほうで答えていただきたいと思いますし、また、先ほど秘書広報室の部局審査でもありましたけれども、斉藤委員から、秘書広報室がNPO法人の代表と知事を懇談させたという内容のことがございました。県が調査しないということでありますから、結果として県がミスをした、このようにも考えられるわけですけれども、この二つについてはどうなんでしょうか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 私ども、いわゆるいわてNPOセンター問題というのを経験いたしました。その際にNPOへの委託のあり方に関するガイドラインを制定いたしまして、庁内あるいは市町村にも通知しておりますけれども、その中で、委託の業者選定に当たりましては実施能力といったものをよく確認するようにということと、その選定に当たっての公平性、透明性をうたっているところでございますし、その中で、あわせて進捗状況の管理あるいは実施状況についての完了確認をきちっと行うといったようなことをうたっているところでございまして、そうした形のガイドラインにつきまして、私ども今回の山田町の問題を受けまして改めて庁内にも周知を図っているところでございます。そうしたガイドラインの考え方に従いまして、現在、運用させていただいているところでございます。
 あと、当該NPO法人の県政懇談会の関係につきましては、これは先ほど秘書広報室の中で室長が答弁しておりましたけれども、今後に向けましては懇談会への出席者につきましてもきちっと確認しながらということでございましたので、そのとおり対応させていただくものと考えております。
〇高橋孝眞委員 確認しながらということでありますので、ミスがあったと捉えていいんだろうと思いますので、次に行きたいと思います。
 先ほど、いわてNPOセンターの助成金の不正受領の際ということでありますけれども、その際に、NPO法人の今後の指導監督について審議会を設け検討してまいりますということで、審議会はされておるわけでありますけれども、それを受けまして県民計画もつくっていると。それはそれでよいのですけれども、監督についてはどういうふうな整理をしながら進めているのかということについて伺います。
〇郷右近浩副委員長 執行部に申し上げます。答弁は質問内容に沿って、簡潔明瞭にお願いいたします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 NPOセンターの不正経理問題を受けまして、私ども、NPO法、そして県条例に沿った指導監督に関する運用指針というものをつくってございまして、それに基づきまして指導監督をさせていただいているところでございます。
〇高橋孝眞委員 全然回答になっていないような気がするんですけれども、山田町の問題、NPO法人、北海道で認証を受け、旭川に主たる事務所の設置をしているNPO法人であります。岩手県で事業実施の際、当該法人に対して従たる事務所の設置を義務づけるべきと考えるわけでありますけれども、この点についてはどのように考えるかという意味であります。特に今回は、町ないしは県が公金を支払うという契約というか委託をしております。従たる事務所設置の上で委託をするとか契約をする必要があったのではないでしょうか。もしこのことがきちっと整理されておれば今回の山田町のような問題は起きなかったのではないかと思うわけでありますけれども、この点についてどう考えますかお伺いします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 従たる事務所の設置の関係、届け出の関係についてのお尋ねでございますが、NPOが所轄庁に提出いたします各種届け出等につきましては、法律あるいはそれにより委任されました県条例にその手続が定められておりまして、県外の法人が本県に従たる事務所を設置する場合など本県への届け出事項にはなっておらないところでございますし、また、それを義務化すべきであるのではないかというお尋ねでございますけれども、NPO法につきましては、NPO法人の自主性、自立性を尊重するという観点での成り立ちの法律でございまして、さまざまな形の行政の関与というのは極力抑制するべきであるという考え方のものでございますので、その辺については慎重に対応を考慮する必要があるだろうと考えているところでございます。
〇高橋孝眞委員 法律ではそうなっているということであれば、法律を変えるような運動をする必要があるのではないかと思うわけであります。今回、りばぁねっと。の関係で、登記簿謄本を見ますと、大雪りばぁねっと。の定款の中身もいただきましたので、この内容を見ますと、本当に岩手県で事業ができるのかということには疑問を感じるわけであります。山岳での事業はできる、また、大雪山関係での周辺での事業はできるということは目的事項になっておりますけれども、岩手県の沿岸でできますよとか、そういうことにはなっておらないわけですよ。他県で認証を受けましても、他の県で仕事をする場合、事業をする場合はそういうものをきちっと整理してから事業をしてもらう、委託をする、そういうことを整理しておれば私は今回のような問題は起きなかったのではないかということでありますし、そういう指導をしなければいけないのではないかと考えるわけです。もう一度答弁をお願いしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 定款と今回の事案に係る事業との関係のお尋ねでございますけれども、今回の事案に関し、定款上の適否につきまして当部でお答えするのは余り適切ではなく、緊急雇用創出事業の所管のほうで判断される問題と考えておりますけれども、一般論で申し上げますと、NPO法を所管する内閣府におきましては、平成23年4月、各都道府県に対します東日本大震災に係る特定非営利活動法人制度の運用についてという通知を発出しているところでございまして、その中におきまして、NPO法人の定款上の目的、活動分野の範囲内であれば、災害救援活動あるいはNPO支援を定款上の活動分野に掲げていない場合であっても、いわゆる災害救援活動やNPO支援を行うことは妨げられないという解釈を内閣府では示しているところでございます。ただ、これをもって自動的に本県につきまして緊急雇用創出事業の対象に含まれるかどうかにつきましては、これはそれぞれの事業を所管しているところが実施要綱等に照らして判断されるべき問題と考えてございます。
〇高橋孝眞委員 ということは従たる事務所は置かなくてもいいということであって、本店だけあればNPOというのはどこでも活動できますよということになりますし、拡大解釈をすれば全てそういうふうになるわけですけれども、そういうことであれば、目的事項なんか必要性がないわけですよ、定款上も。そういう拡大解釈をしないような内容で私は県として指導すべきではないのかということをお話ししているわけでありまして、この点につきましても考えていただきたいし、NPO法人としての問題は多分今回が2回目になるのだろうと思いますので、今後、これらを考えていったらどうかと思います。
 次に、部長にお聞きしますけれども、大雪りばぁねっと。の件で、盛岡広域振興局で、ことしの1月24日の朝日新聞記事に対する県の見解について、情報提供ということで私どもが情報の提供を受けたわけであります。振興局を管轄する部長として、これはどのように考えるかということであります。機構図を見ますと振興局を管轄するのは政策地域部でありますので部長にお伺いしたいと思いますが、沿岸広域振興局の管轄の事業に対しまして、他の振興局がコメントするのは私はおかしいのではないかと思います。これは、県庁内ではごく普通に行われている行為なのかということをあわせてお伺いいたします。
〇中村政策地域部長 今の後半の御質問でございます。
 新聞で現在の盛岡広域振興局長が取材を受けた部分が報道されたわけですが、いずれその記事だけを読むと読者の方々に誤解を与えかねないような内容であったということで、それは盛岡広域振興局のできるだけ速やかにそこの事実関係を含めて一般の方にも御説明したほうがいいという判断のもとに、盛岡広域振興局の名前でそういうコメントを出したと承知してございます。
〇郷右近浩副委員長 前段部分の質問に対しての答弁をお願いします。
 県庁内でこれが普通なのか、まずそちらから。
〇中村政策地域部長 業務とすれば、今の盛岡広域振興局長は沿岸広域振興局の宮古駐在の副局長ということで携わったということでございます。委員がおっしゃるように業務を所管している沿岸広域振興局から出すべきではないかという考え方もあり得ると思いますし、今回の場合には、できるだけ速やかに読者の方々の誤解を解く必要があるのではないかということで盛岡広域振興局の名前で出したということで承知してございます。
〇郷右近浩副委員長 最初のほうの質問ですけれども、それぞれの事業展開する地域において、きちんと何か聞き取るようなことをしないと何でもありになるだろうといった部分についての質問について答弁はいいですか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 NPO等に対する委託も含めて事業の助成のあり方につきましては、私ども、先ほども御紹介させていただきましたNPO等への委託のあり方に関するガイドラインというものをつくっておりまして、それを庁内各所で周知しているところでございますので、そうしたものにのっとって、NPOの事業の実施能力というのを十分確認した上でそういった官民協働の取り組みに取り組んでいくように心がけてまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 振興局が出したというか、振興局長名で出したと。局長名で出したというのであればわからないわけでもありませんけれども、振興局ということになりますと全体の事業を把握していないにもかかわらずコメントを出したということになるわけでして、そういう場合は、当然沿岸広域振興局が出すべきものと認識するわけであります。ただ、いや、こういう場合は全てどの振興局からでも出していいんですよ、前にいた係の人は出していいんですからというふうに庁内で整理になっているのであれば私は何も言いませんので、その点についてもう一度お願いしたいと思います。
〇中村政策地域部長 今回の対応について、事前に当部に照会があってどうこうということでは必ずしもないということが一つ前提にございますけれども、いずれ、事実関係をできるだけ早期にはっきりさせるということでの判断のもとに、盛岡広域振興局が局の名前としてそういう事実関係を明らかにしたと承知してございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、所管する部長としてはどのようにこの件については考えるわけですか。
〇中村政策地域部長 私としても、できるだけ早く一般の県民の方含め、読者の方を含め正しい情報を早くわかっていただく、理解をしていただくということは非常に重要なことだと思っております。特に今回の対応については問題ないものと考えております。
〇高橋孝眞委員 確認ですけれども、今回の対応は正しかったと。正常な行為であると認識していると捉えてよろしいんですか。
〇中村政策地域部長 特に問題とすべきところはないと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、今後もずっと、他の振興局のことについても、速やかに対応するのであればどの振興局であろうとコメントを出していいと捉えていいわけですね。
〇中村政策地域部長 いずれ今後の対応についてはそれぞれケース・バイ・ケースで適切に判断し、対応していくべきものと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 わかりました。大変ありがとうございました。
 以上で終わります。
〇嵯峨壱朗委員 今の件に関してですけれども、派遣の中身等は商工労働観光部でやるべきなのでしょうけれども、今、高橋孝眞委員から出たように、振興局長が発言したことについてのコメントを盛岡広域振興局─これで見ていると、一部全国紙県内版の記事に県職員のコメントとして、中身を見ずに決裁した、4億3、000万円が小さいとは言わないが、気にしていなかったなどと誤解を受けかねない部分がありと。これが誤解を受けるのかちょっと理解できないけれども、誤解なのか、それはそれとして中身の話ですから。県民の皆様に御理解いただくため、コメントの趣旨を説明することとしましたとしてこれを我々に送ってきたわけですけれども、県民はこれを見たんだべか。どういうふうな形で県民の皆さんにこういったことを周知させるようにしたんでしょうか。ホームページに乗せただけで県民は見たのでしょうかというのが1点の疑問と、どう見ても、振興局長が発言している言葉に対して、発信している担当が経営企画部長となっています。これも組織上いかがかなと思うんですけれども、その点はどうなんでしょうか。
〇中村政策地域部長 各議員の皆様に送付した以外に県のホームページで一定期間公表したと聞いてございます。
 それから、発言の中身の部分ですが、新聞報道ですと、そういう意味では、答えている全体の中の一部分を引用されて記事が構成されているというようなこともあって、必ずしも盛岡広域振興局長が答えた真意が十分に伝わっていないというようなこともあって、そこを補足し、できるだけ事実関係に即したような形でそのホームページ等にアップをしたというように聞いてございます。
〇嵯峨壱朗委員 中身の適否はそれぞれ判断してもらいたいと思いますけれども、この扱いですよね、今言ったのは。振興局長が一番偉いわけですよね、振興局の中で。その人の発言ですから、その人が直接名前を出せばいいんじゃないかと思うんです。県職員のコメントとして不適切、誤解を受けかねない。ただの県職員じゃないわけですよね。ですから、本来であれば経営企画部長名ではなくて本人の名前で出して、誤解を招くような発言は本人がしたわけですから、本人が病気で寝ているわけでもないし、と私は思うんですけれども、どうなんでしょうか、その点は。
〇中村政策地域部長 今回は、盛岡広域振興局長がインタビューを受けたものが記事掲載されたという前提の中で、盛岡広域振興局としても、まさに局長のコメントということで掲載されたということもあり、できるだけ早くそこの事実関係をお知らせしたいという考えのもとにこういった対応になったというように承知してございます。
〇嵯峨壱朗委員 要するに、不自然だと思うんです、取り扱いが。こういうことは余り見たことがないし、黙っていればわからない県議の皆さんもいたかもしれないし、私も新聞を後で見ましたけれども。内容はともかくそれはそうですけれども、どう見ても、部長も苦しいでしょうけれども、やっぱりこういった扱いというものは、もし次回、こういうことはないと思うけれども、やっぱり所管する部として適切に、どういった取り扱いがいいかということはきっちりと把握してやるべきだと思います。そうじゃないと誤解を招くし、だって、振興局の問題じゃない、振興局長の発言の問題です。それをなぜ振興局が全体責任をとらなければならないかということになってくると思うんです。それが本末転倒というか、ちょっと違ってくると思いますので、見解があったらお聞きしたいと思います。
〇中村政策地域部長 ただいまの委員の発言の趣旨も踏まえまして、今後の対応については十分検討させていただきたいと思います。
〇小泉光男委員 高橋委員、それから嵯峨委員の質問を整理も含めて確認させていただきます。
 先ほど畠山総括課長はNPOの活動は認証官庁に報告書を出すことになっているという御説明をされましたが、聞きたいのは、本県で大雪りばぁねっと。は旭川市へ活動報告書を出していたのかというのが第1点。
 ちなみにその旭川市に報告書を出していたとして、岩手県にはその写しとか報告はなされたのかというのが2点。まず、ここまで確認したいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 所轄庁でございます旭川市に事業報告書が提出なされまして、旭川市においてはホームページにおいて公開しておりまして、私ども、そのホームページから入手できたものでございます。
〇小泉光男委員 岩手県はインターネットを通じて確認したということですが、その活動報告書には全く問題がないというような認識をしたんでしょうか。あるいは、その活動報告を見た段階ではこれはまずいというような感想を持ったのか、そのあたりはいかがでございましょうか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 私どもといたしましては、活動報告書自体は、それこそ収支は一致しておりましたので特段というところはございませんでした。ただ、問題は、緊急雇用対策を所管しているところの目で見てどうだったかについては、私どもとしてはその点についてはお答えできませんけれども、少なくとも私どもが活動報告書の字面だけを拝見した限りにおいては収支は合っていたと思っております。
〇小泉光男委員 今の活動報告書は平成23年度の活動報告書でしょうか、あるいは平成24年度、あるいはどちらも問題がなかったという見方をされたのでございましょうか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 私どもが拝見いたしましたのは、公開されておりましたのは、たしか、私の記憶で平成22年度と平成23年度のものだったかと思います。平成24年度のものは決算が出ておりませんので、まだ報告はなされておらないものでございます。
〇小泉光男委員 念のためにお聞きしたいんですけれども、このように旭川市で認証を出したNPO法人が非常にまずかった、でたらめだったと。活動をしている岩手県としては、こういった場合に何ができる、あるいは何ができないのでございましょうか、それを確認したいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 こういった形でさまざま報道がなされて、いろいろ問題が指摘されたわけでございますけれども、それにつきましては、それぞれまさに補助金を所管しているところにおいて対応すべく、そういった情報があった場合には、私どもNPO担当課といたしましては、それぞれの補助金なり法律を所管しているところにまず情報を出しておりますし、今回の案件につきましては、旭川市が絡んでおりましたので、旭川市のほうにも情報を提供させていただいたところでございます。
 法律の規定によりまして、旭川市の要請によりまして、私どもが、NPO法の運用に関しましての必要な措置につきましては、旭川市からの協力の求めに応じまして一緒に行動することができるわけでございまして、今回、旭川市から本県に調査に参りました際には、そういった法律に基づく形で一緒に山田町等の調査に参加させていただいた経緯がございます。
〇郷右近浩副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時4分 休 憩
午後3時23分 再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 先ほど、軽石委員から新しい公共支援事業のモデル事業の申請件数の御質問をいただいた際、127件と御答弁申し上げましたが、正しくは134件でございました。おわびを申し上げ、訂正させていただきます。申しわけございませんでした。
〇高橋元委員長 質疑を続行いたします。
〇岩渕誠委員 私は、難視聴対策及び鉄道対策費、最後に公的サミットのあり方の3点についてお伺いいたします。
 まず初めに、難視聴対策についてお伺いいたします。
 たびたび私もこの委員会で取り上げてまいりましたが、アナログ放送が終了いたしまして、その後のいわゆる視聴できないホワイトリストの解消はしっかりやっていただきたいという意味で今回も取り上げさせていただきますけれども、実は、今までデジタル化に当たって非常に大きな力を発揮してきたデジサポ岩手は先月いっぱいで閉所されました。岩手県を専従でやる組織というものはなくなったわけでありますが、そうした中で、新年度以降、対策が必要な世帯がどの程度変化するのか、今年度の実績とあわせて、また、今後の進め方についてお示しいただきたいと思います。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 地上デジタル放送の関係でございますけれども、現在、地上デジタル放送を視聴できずに対策が必要な世帯は、ことしの2月末の速報値で3、014世帯となっております。昨年3月にアナログ停波時点では6、796世帯でしたので、3、782世帯減少してございます。
 この3、014世帯につきましては、現在、高性能アンテナの設置ですとか、共聴施設の新設等の検討を進めておりまして、そのうち、今、2、600世帯ぐらいについては対策がほぼ決定しておりますので、あと1年かけて2、600世帯の対策をとる。そうしますと、あと1年後ぐらいには400世帯ぐらいの対策が未定という状態になろうかと思いますが、あと2年かけて、この400世帯もゼロにしたいと対策を進めてまいります。
 また、推進体制でございますけれども、3月1日から、総務省岩手県テレビ受信者支援センターいわゆるデジサポ岩手がデジサポ東北に統合されました。2月末までは岩手の事務所のほうは10名体制でしたが、3月1日からはデジサポ東北が17名体制とうかがっております。ただ、事務所が岩手県の部分はなくなりましたけれども、事業を受託する事業者は引き続き岩手県のほうに事務所も構えてございますし、また、協力事業者についても、引き続き同じ程度の会社が対応するということでございますので、これまでと同様の体制で取り組んでいくとうかがっております。
〇岩渕誠委員 残り3、000世帯ということでございます。私が以前にお尋ねしたときに、デジタル放送の対策は平成27年3月で、今、衛星視聴している暫定対策というものが終了すると。したがって、平成27年3月までには何としても終わらなければならないということで、ロードマップ等についてお聞きしておったわけでありますが、県は、この暫定対策の終了よりも1年ぐらい前には終わりたいということをたしかおっしゃっていたと思いますが、今の答弁でありますと、400世帯ぐらい残るのかなということであります。その部分は技術的な問題なのか、それとも別に課題があるのか、それをお示しいただきたいと思います。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 確かに、2年ほど前の予算特別委員会のときのギャップフィラーについての質疑の中で、ギャップフィラーの機材が確保できるのかというような御質問をいただきまして、何とか確保に努めて、県としても1年でも早く移行したいという形で答弁させていただきましたので、1年前倒しというようなニュアンスもあったかと思います。
 ただ、今回の地上デジタル放送の対策については非常に困難な部分がございまして、例えば東北管内ではギャップフィラーというのは92局で免許を受けておりますけれども、そのうち44局、半分が岩手県でございます。44局のうちの30局が県南という形でございまして、放送事業者も対策をとってみて、非常に難しい、困難な点が出てきております。そうしたことを受ける市町村のほうでも、また、国のいろんな補助事業の導入等についても不測の時間がかかったということでございますので、これは、何とか1年前倒しでやりたかったという思いを我々も持っておりましたけれども、非常に困難な点があったと思っております。
 平成27年3月で衛星放送が、またそれも見れなくなりますので、何とか一日でも早く各世帯の方々が地上デジタル放送を視聴できるように、県としても国と一緒になって頑張っていきたいと思います。
〇岩渕誠委員 ギャップフィラーの話題が出ましたから、その電波利用料とか更新の関係の経費の問題もやや積み残しであろうかと思います。今、2月現在の要対策世帯数で言うと3、000ということでありますが、3分の1は一関市ということでございます。時々、県庁の皆さんとお話をすると、県南の県境が曖昧な方がいらっしゃいまして、一関市もしっかり岩手県でございますので、全部見られるように対応していただきたいと思います。
 次に移ります。予算書の93ページ、交通対策費の関係で、IGRと三陸鉄道の関係でお尋ねをしてまいります。
 IGRは、本当に長年の御努力、そして国との交渉も功を奏して、JR貨物の部分での大きな進展があった。そういったこともあって、今年度決算で累積赤字を解消して黒字転換ということでありますので、新年度は経営的には新しいステージと考えております。この累積が黒字になるということを踏まえて、今後の経営について、県としてはどのような思いで進めていくのかお示しいただきたいと思います。
〇野中交通課長 今、委員からお話があったように、線路使用料の見直しにより、平成23年度から年間約7億円の増額がございます。昨年に引き続き平成24年度の決算の見通しにおいても黒字の決算見込みであるということでございますし、また、今後の中長期の会社の収支見通しを見ても、当面は黒字基調が続くものと見通しを立てております。しかしながら、現実的に沿線の人口が減少し続けておりますので、利用者は毎年毎年減り続けているというような状況がございます。また、今後、新幹線が函館まで延伸しますと、寝台特急といったものに影響する可能性等も懸念されておりまして、当面は黒字基調で推移すると見ておりますが、将来的には非常に厳しい状況があるのではないかと認識しております。
〇岩渕誠委員 そういう見通しの中で当面黒字基調ということで、4月から通勤定期の、最大21%でしたか、値下げに踏み切るということですし、区間運賃も、今の10キロメートル刻みだったものを5キロメートルにするということで、利用者還元という観点から言うと、それは非常に英断だったろうと思います。
 そもそも並行在来線の問題は、当時の工藤知事が住民に対して、今より不便をかけないということをおっしゃって、その不便をかけないという意味をめぐって沿線市町村との間でも大分議論になったと私は記憶しております。そういった意味で、本数の問題だったり、利便性の問題だったりありましたけれども、最大の問題はやっぱり運賃の部分でありました。そういった経緯を踏まえれば、私は、そういう不便をかけないという精神が引き継がれているのかなと思います。
 一方で、IGRを第三セクター化するときに西武鉄道から招いた当時の岡本副社長が─県の参与も務めましたけれども、本当にこれを第三セクターでやっていいのかというような発言をして、その真意は、国なりJRがきちんと経営支援すべきだということからすれば、JR貨物の問題というのは非常に頑張った成果だと思います。
 今、野中交通課長からお話が出ました。やはり問題は、経営的にはある程度の見通しはついたとはいえ、利用者人口は下がっている。当然、沿線人口が下がるというもとに経営計画を立てられたわけでありますけれども、経営のファンダメンタルな部分はある程度整備がなったと思いますが、今後、最大の問題である人口減に対してどのように対応していくか。経営計画の中では、新駅設置ということも一つの方向性として出てきたと思いますが、これについてのお考えをお示しいただきたいと思います。
〇野中交通課長 今後の人口減少に伴う利用者の減少ということが想定される中で、これまで、平成14年から10年間の中で新駅を4駅つくる計画というか、構想がありまして、その中で2駅については巣子駅、青山駅ということで、平成18年度に設置いたしました。そういう意味では、この二つの新駅の効果というのは、既存の駅と比較しまして、既存の駅は大体利用者の減少傾向となっているんですが、この2駅につきましては増加しておりまして、利用者増に非常に大きな効果があったと認識しております。
 そういうことで、利用者の多い、需要の多い新駅の設置ということは、今後の利用者確保あるいは経営の安定に一定程度寄与するものと期待はしておりますけれども、やはり新駅設置におきましては事業費が非常に大規模になるということもありまして、その事業費と利用者、いわゆる費用対効果といったものを十分検討しながら、引き続き新駅設置についても市町村とともに検討していきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 この件に関しては、盛岡市と旧玉山村の新市建設計画の中でも議論がされているようでありますので、推移を見ながら、今後、IGRの経営の部分についても申し上げるべきところは申し上げてまいりたいと思います。
 次に、三陸鉄道の問題に入ります。
 三陸鉄道も、来月いよいよ、盛-吉浜間ということで南リアス線も一部区間開通、そして来年の春には完全復旧ということを目指しているわけでありますけれども、経営上は大変厳しい見通しがあろうかと思います。まさに新年度は全線開通を見越してどういうことを展開していくかという非常に重要な年になると思いますけれども、新年度の三陸鉄道への支援と今後の見通しについてお示しいただきたいと思います。
〇野中交通課長 この4月に南リアス線の盛-吉浜間が開業いたしまして、来年4月には全線開業という予定になっております。
 現在、利用者につきましては、今は運行区間が6割しかないんですけれども、運輸収入は7割となっておりまして、この内容については、どちらかというと全国の支援の中で義援金とか、あるいはこちらに来ていただいて、御利用いただいている運賃収入等で7割ということで何とか確保はしておりますが、今後、そういった全国からの支援の部分も低調になっていく可能性もありますので、これまでいただいた全国からの支援の輪を、きずなというものを十分生かしながら、特に今回、4月に、クウェートの支援で新しくイベント列車とか、新しい車両が3両、来年5両と入ってくる予定でございます。こういった車両を生かして、いろいろな誘客のためのイベント企画等を実施してまいりたいと思っています。
 また、地域の利用者の増につきましては、高齢者の方が非常に多いということで、現在、駅のバリアフリーというものも進めておりますし、来年度は、二次交通のアクセスの関係で、バスとの連携といったものにも取り組みたいと思います。これは高齢者の利用促進の部分なんですが、あと、将来の利用者である子供たちにも今から親しんでいただこうということで、内陸沿線の園児たちを中心に今年度はイベント列車をやりました。非常に効果もよかった、成果も上がっているということもありますので、こういったものをさらに来年度は伸ばしていきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 被災した鉄道を復旧するということで言えば、過去には、いわゆる国鉄の転換路線である高千穂鉄道は豪雨災害によって廃線に追い込まれた。島原鉄道も、雲仙普賢岳の関係で4年間運休しておりましたけれども、復旧はしたけれども、その後の対策がなかなかうまくいかなくて、路線を半分やめたという非常に厳しいことがあります。
 三陸鉄道に関して言えば、完全上下分離とか、あるいは第三セクターに対しての国の復旧費補助とか、大変思い切ったことはやっているんですが、根本的な問題として、今まで駅を中心にまちがつくられてきて、そこがまちづくりと駅がセットだったので、集客をすれば自然に駅の乗降客がふえるという形だったんですが、今回は、残念ながら、地域によっては高台に移転をする、あるいは旧市街地が公園化するということで、いわゆる誘客施設的なものが駅と全くリンクしないという形で復旧せざるを得ないという、ちょっと今までとは違う問題が出てくるし、そこが一番、本当の意味で通勤、通学あるいは病院に通うという地域の足という部分から言うと、私は非常に懸念しております。例えば、仮設住宅とどうするのか、高台移転をしたところ、新しい商店街を形成するところと駅が離れている場合どうするんだと、新年度はこういったところの対応策をきちんと検討していかないと、開業した、全線復旧はしたけれども、これは島原鉄道の二の舞になると私は大変心配しているんですが、そのあたりはどう考えていますか。
〇野中交通課長 全線復旧後の経営あるいは利用促進の関係でございますけれども、実は4年前ですか、平成21年度に鉄道事業再構築実施計画をつくっております。これは上下分離をして、下の部分の資産は自治体が持ち、上は会社が運行に専念していただくという中で進めていくものでございますが、これが平成25年度まででございます。これを新しい形で改定すべく、平成25年度中に計画をもう一度見直すということを考えておりまして、この計画の見直しの中で、平成26年度以降、いわゆる全線復旧後の利用者の確保等の取り組みを検討してまいりたいと考えております。
 なお、仮設住宅あるいは鉄道駅から離れた地域で住宅を構えるような形もあるわけですので、こういった部分は市町村の公共交通との連携といったものをしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 駅と住まいの関係、中心商店街の関係もそうですし、それから、鉄路の継続性が後退している。それはBRTという問題もありますし、やはり山田線の問題もあります。再来年度、完全復旧するというところへのこの1年間、新年度のアプローチによっては、本当に取り返しのつかないところまで行く可能性があると私は思っております。
 過去に三陸鉄道は、全国的にマイレール意識ということで、おらが鉄道だ、100年かかって通した鉄道なんだからということでやってきたんですが、今の時代になると、マイレール意識というのは尊重しながら、やはり利便性をどう確保していくかというところをきちんとやらないと、マイレール意識、マイレール意識だけでは進まないというのも、これは現実だと思います。より詳細な計画をぜひ立てていただきたいと思うんですが、部長、いかがですか。
〇中村政策地域部長 委員御指摘の点は我々も十分認識してございます。いずれ、開業した後には、基本的にはやっぱり地元の方々にできるだけ使っていただく、プラス外からいらした観光客の方々にも乗っていただくような工夫も必要ではございますが、ベースはやはり地元の方々にできるだけ乗っていただくということですので、駅へのアクセスをいかに確保するかといったようなことも、具体的な方策をこれから地元の市町村と一緒になって検討し、できるだけ持続可能な交通機関として長く続くような形にもっていきたいと考えています。
〇岩渕誠委員 最後に、公的サミットのあり方についてまとめてお尋ねします。
 これは、88ページの計画調査費の中に北海道・北東北知事サミットという形で経費が計上されていると思います。
 今、いろんな報道機関がサミットと称していろんなことを開催するケースもありますけれども、公的な資金を支出して、県主導でということで言えば、このサミットになるかと思いますが、被災後初めて岩手県での開催になると思います。新年度、そうなると思いますが、どういう目的を持って、どういう中身で、どこでやるのか。これは、被災したということも踏まえて、やはり何らかのメッセージ性を強く持った会議にするべきだと私は思うのでありますが、その辺はどのようにお考えですか。
〇高橋分権推進課長 北海道・北東北知事サミットについての御質問でございます。
 委員から御指摘がございましたとおり、平成25年度は本県で開催が予定されており、御審議いただいている予算案にも開催経費として計上させていただいているところでございます。
 開催に当たりましては、大震災被災後初めて本県で開催するということでもございますので、大震災からの復興について想起し、またアピールする場とするなど、復興にも資するよう検討、調整しているところでございます。
 そういったことで、開催地につきましても、被災地である沿岸部で開催すること、あるいは被災地を視察いただくことなども含めて検討し、4道県で調整を進めている段階でございます。
〇岩渕誠委員 部長にお伺いします。この4道県という枠組みであるサミットは、私も前に取り上げましたけれども、惰性になってはいはしないかと。きょう、午前中からの議論もありましたけれども、今、岩手県として発信すべきものということから考えれば、やはり私は被災3県の首長なり、経済界も含めていいと思いますけれども、そういった方々が集まるいわゆる被災3県サミットのような形できちんと問題をピックアップして、国に対するアピールということも踏まえて、同じサミットをやるのであれば、4道県の枠組みは残してもいいですけれども、今、被災3県という枠組みの中で物事を発信していくということが大変重要ではないかと思っております。テレビ番組などではいろいろ首長個々ではあるんですけれども、3人そろって何かをするというのは、残念ながらないんです。私は、新年度はぜひこれをやっていただきたいと思うんですが、部長、いかがですか。
〇中村政策地域部長 北海道・北東北知事サミットについてはかなり長い歴史のある取り組みでございます。このあり方についても、また、各道県とも十分協議をさせていただきながら検討したいと思います。
 今、委員のほうから被災3県のサミットのようなものはどうかという御提案がございました。実は、昨年度からでございますが、被災3県の企画部長、あとは震災の担当部長のレベルの会議は年に何回か持ちながらお互いに情報交換をし、連携をとりながら、今、進めてございますし、今年度に入りまして、青森県を含めて被災4県の部長レベルの会議は持たせていただいております。さらに、知事レベルでそういった会合を持って、対外的にも発信してはどうかというお話と承りました。御趣旨も踏まえながら、今後の対応については検討させていただきたいと思います。
〇岩渕誠委員 ぜひやりますと言っていただきたかったんですが、今、宮城県と、例えばリニアコライダーだってそうですよ、県土整備部などで土の問題もこれから出てきますけれども、そのやりとりだって被災3県の枠組みですよ。それはもうちょっとやって、今、被災3県はこれだけ困っているんだ、こういうふうにやってくれという話をやるには、3人そろってやるのが一番いいんです。ぜひ、やる方向で検討していただきたい。
〇工藤勝博委員 私は、復興関係で2点、県民計画のほうで1点、合わせて3点お伺いいたします。
 まず最初に、郷土芸能復興支援事業についてお伺いいたします。
 伝統芸能は各地域にあります。何と言っても、老若男女がこぞってその継承をしながら、特にも祭り事ではなくてはならない団体なわけですけれども、地域のコミュニティも醸成するという大きな力にもなっております。そういう中で、震災を受けた被災地の芸能団体の皆さんは平成24年度も本当に困ったという状況の中にありますけれども、その活動の実態、または今後に向けての取り組み等をお知らせいただきたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 郷土芸能の復興についてでございますけれども、概括的な申し上げ方になりますが、平成23年6月ごろから徐々に活動再開の団体が出てまいりまして、現在では多くの団体が活動を再開しているところでございますけれども、地域によって集落全体が被災し、復旧が進んでいないような地区もございまして、まだ活動を再開できてない団体も数多くございます。
 そういう状況でございまして、県といたしまして、復興がどんどん進むためにも、郷土芸能というものが復興のシンボルとして、住民のきずなの象徴として大変重要な存在であると認識しておりまして、その再開のためには、まずもって用具をそろえる必要があるということで、小規模なものにつきましては民間団体ないしは県の文化振興事業団のほうの支援がございますけれども、大規模なもの、また、用具を入れておくような場所あるいは練習場所につきましては、そういった民間の助成がないものですから、県といたしまして、そういった大規模なものにつきましては、市町村を通じて助成する制度を平成24年度に立ち上げまして、応援をさせていただいているところでございます。
 今後の関係につきましてでございますが、来年度におきましても、大規模な用具あるいはそういった練習場所の支援につきましては引き続き取り組んでまいりたいと考えておりまして、所要の予算を今議会に提案させていただいているところでございます。
〇工藤勝博委員 平成24年度ではそういう活動に向けた支援をされたということですけれども、実際、その団体数等がわかっておるのであれば、それを教えていただきたいと思いますし、また、県指定の保存団体があります。そのほかにそれぞれの市町村の伝統芸能保存団体というものもありますけれども、それらもあわせて支援の内容をお聞きしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 平成24年度に県で支援いたします団体につきましては2町……(「聞こえないよ、2人だけでやりとりしないで」と呼ぶ者あり)
〇畠山NPO・文化国際課総括課長(続) 失礼しました。山田町、大槌町の計5団体に対しまして支援することにいたしております。
 あと、文化財の指定の関係でございますけれども、この助成につきましては、県の指定文化財あるいは市町村の指定文化財の有無にかかわらず支援の対象にさせていただいているところでございます。どんどん活用いただきたいと思っておりまして、各市町村に引き続きPRをさせていただきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 平成24年度は5団体ということですけれども、平成25年度についてはどのような計画を持っておるでしょうか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 平成25年度につきましてはこれから公募をかけてまいりますが、予算措置の状況につきましては……、済みません、ちょっとお時間を頂戴したいと思います。
 大変失礼いたしました。12団体分の予算を措置させていただいているところでございます。
〇工藤勝博委員 いずれ、せっかく引き継いでいるそういう伝統芸能は地域にとっても本当に宝になっていると思いますけれども、それらをぜひとも手厚く支援していただきたいと思います。
 また、被災された地元の皆さんが、そこだけで、自分たちだけで守るのではなくて、逆に他地域にも出て交流するような支援のあり方もあると思いますけれども、その点はどういうお考えなのでしょうか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 他地域に出かけて活動する場合の支援につきましては、基本的に、県の文化振興事業団のほうでそういったソフト関係の旅費であるとか用具の移動関係の支援をしているところでございまして、そうしたところの状況を踏まえて今後の対応については検討してまいりたいと思いますけれども、当面は文化振興事業団のほうの事業で行われるものと承知しております。
〇工藤勝博委員 わかりました。きょうはたまたま文化芸術議連の研修会があります。きょうは一戸の神楽がありますので、ぜひ皆さんもごらんになっていただきたいと思います。
 2点目、いわてへの定住・交流促進事業について、午前中、関根委員からも質問がありましたいわて復興応援隊につきまして、何点かお伺いいたします。
 平成24年度復興応援隊という内容で募集して、大変な反響があったと。当初、10人の募集の中に98名の応募があったと。余りの多さで、追加して15名という応援隊がそれぞれの市町村で頑張っておりますけれども、平成25年度の募集も大変多く応募があった。20人の定員に137名の応募があったようですけれども、この応募で外れた方々の対応はどのようになさっているのでしょうか。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 今回、20名の枠で公募させていただきまして、まさに委員御指摘のように、全国から非常に反響がございました。ただ、今回は、外部人材という視点で、よそからの人材誘致ということを極めて重点に考えまして、実は内定辞退者も発生いたしまして、現在のところ、17名の内定者ということになっております。
 ただ、今後につきましては、例えば釜石市においては、復興支援員制度を使って独自な形の制度を立ち上げるとか、そういった動きも出ておりますので、こういった方々の志を無にしないように、いろんな形で活用していくステージをつくりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 この事業は一応5年間の期間という中での事業のようですけれども、そういう市町村でも、例えばうちに来た応援隊の皆さんに長く地元にいてもらいたい、応援してもらいたいという思いでそういう内容になるのだろうと思いますけれども、これはやっぱり、この事業の名のとおり、行く行くは定住してもらいたい、その地域に住んでもらって応援してもらいたいという事業だと思いますけれども、その辺の取り組みというか、支援のあり方はどうお考えなのでしょうか。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 総務省の復興支援員制度でございますが、定住、自立に向けた研修なども財源的に可能になっております。なので、在任期間中には、いろいろな機会を捉まえまして、資格であるとか、技術であるといった取得も支援してまいりたいと思っております。ただ、一番はやはり地域に溶け込んでいただくことが、まさに定住の最も重要なことかと思っておりまして、実際、県外から来た隊員などは、非常に地域に溶け込んで気に入っていただいて、今のところでぜひこのまま頑張りたいという方もたくさん出ておりますので、そういった動きを私どももぜひサポートしてまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 定住に向けた対策の中でもいろいろあろうかと思いますけれども、応援隊で来ていて、住まいとかふだんの生活も大事だろうと思います。そういう中で、岩手県内ではたくさん空き家もあります。被災地の部分では、そういう状況ではないだろうと思いますけれども、そういう今まで目に触れない部分も多分活用できるだろうと思っております。県内でも15%ぐらいの空き家があるという、これは抽出ですから正確な数字ではないんですけれども、そういう状況の中で、ぜひとも、サポートできる部分は側面からでも支援の方向に向けて対応に結びつけてほしいと思います。その点、何かお考えがあればお願いしたいと思います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 今回、10月に採用、配置した隊員の中には、まさに空き家を提供していただいて、住んでいただいている方もあります。ただ、4月から採用予定の方々に関しましては、極めて住まいに苦労しております。現状としましては、仮設住宅を考えている方とか、あとは、新築のアパートが例えば6月ごろに完成する間はホテルのようなところで滞在してもらうような形で、受け入れ団体と相談しながら、いろいろ対策を練っているところでございます。
〇工藤勝博委員 ぜひとも1人でも2人でも多くの皆さんが岩手のよさを含めて復興の力になっていただくように、定住まで結びつけてほしいと思います。
 次に3点目ですけれども、南米移住者等の交流活動支援事業ということで、5年に1度、南米ブラジル県人会等の総会なり、あるいはまた交流事業がありますけれども、県人がブラジルでもパラグアイでも大変活躍しているということがあります。それらの今までの交流実績なり、あるいはまた今後の予定等をお聞きしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 ブラジル等の県人会との交流実績でございますけれども、県におきましては、各県人会への活動費の助成であるとか、留学生あるいは技術研修員の受け入れを行ってきております。また、周年行事ということで、創立5周年とか10周年とか、そういった形の周年行事に対応して知事等が出席してきたところでございます。
 今後におきましてでございますけれども、平成25年度はブラジル県人会の創立55周年、あるいはイグアス県人会の創立50周年の行事に知事等が出席する予定でございまして、今後ともこういう形で県人会への活動費助成、あるいは周年行事への出席、あるいは留学生、研修員の受け入れ等を継続してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 前回、5年前、ちょうど県人会の総会に知事も出かけたわけですけれども、岩手・宮城内陸地震に遭って、途中で帰ってきたということもありました。今回はぜひともきちっと交流していただくようにお願いしたいと思います。
 また、2016年にはブラジルでリオデジャネイロオリンピックがあります。そしてまた岩手も岩手国体があります。タイミングよく両方で大きなスポーツのイベントがありますけれども、そういう交流はどのようになされるか、もし計画があればお聞きしたいと思います。
〇西村国体室長兼国体課長 リオデジャネイロオリンピックと岩手国体の交流ということでございますが、昨年開催されましたぎふ清流国体はロンドンオリンピックの年でございました。このロンドンオリンピックに出場いたしました水泳、バレーボール、アーチェリー等々の競技の関係、多くの競技にオリンピックの選手が参加し、大変盛り上がったところでございます。
 希望郷いわて国体につきましては、直前に開催されますリオデジャネイロオリンピックに出場いたしました選手が国体競技に参加すると、国体の盛り上げに大変寄与するものと考えてございます。県民の皆様方、特にも次世代を担う子供たちにとっては、トップアスリートによります最高レベルの競技に触れる貴重な機会となると考えてございます。今後、希望郷いわて国体に多くのオリンピック選手が参加していただけますように、日本体育協会、日本オリンピック委員会初め関係競技団体と連携を図りながら進めてまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 ブラジルでは日系人も大変活躍しているわけですけれども、日系人のメダリストはぜひとも呼んでいただいて、岩手国体に花を添えるような計画も、平成25年の交流の一つの足がかりとして強くしていただければいいなと思います。まだ時期は早いんですけれども、南米のチリで岩手のリンドウをつくっておりますので、メダリストには、ブーケでなくて何だっけ、ありますよね、メダリスト、入賞者に……(「レイ」と呼ぶ者あり)レイに、ぜひ岩手のリンドウを提供できるように交渉していただければ大変すばらしいと思いますので、よろしくお願いします。
〇吉田敬子委員 被災地等への人材派遣について、ほかの委員の方々からあった質問以外のところで、重複しないところで簡潔に質問させていただきます。
 沿岸市町村が2013年度に必要とする派遣職員は四百数十名というのは聞いております。今年度は、盛岡市から陸前高田市、そして兵庫県のほうから大槌町に派遣された職員の方で自殺された方がおりまして、被災地の派遣職員のケアに対する課題がある中で、被災地では人材不足が課題になっている中、これから派遣スキームというか、県は支援のあり方というのをもっと考えることが必要なのかなと思っております。
 県のほうでは、派遣職員の方々と定期的に面談しているということをうかがっております。例えば、派遣される職員がどうやって選ばれたのか。志願なのか、命令なのかというのは、県はこれまで把握されてきたのか。どのような調整役をもって、今後、これまであった問題について、戦略を持って被災地へ人材派遣を行っていくのか、まず伺います。
〇紺野市町村課総括課長 面談等々で派遣職員の皆様のもろもろのことを伺いながら、そのケアに当たっているところでございますが、志願の有無については、そこまでは確認はしてございません。
〇吉田敬子委員 多分、受け入れ先の各市町村のほうでも今後も課題になると思うんですけれども、県のほうでも、受け入れる側として、それが志願なのか、命令なのかによって、被災地で働く職員の方のケアが何が必要なのかがわかってくると思いますので、そこは県のほうでもぜひ把握しながらやっていっていただきたいと思います。
 その中で、2月に、復興庁と青年海外協力隊の経験者が集まる協力協会とJICAの連携で、岩手県の復興局にも、自治体との調整役として職員が今後のために派遣されるということをうかがいました。具体的には来年度以降、先ほどほかの委員の方々からも、民間企業からも人材派遣ができるようにというのもありましたけれども、こういった方々との調整、連携を強化するのも大切だと思うんですけれども、具体的にはどのように連携されていくかお伺いいたします。
〇紺野市町村課総括課長 復興局との連携ですが、既に復興局とは水面下で連携といいますか、連絡をとり合っております。国のOB職員の派遣ですとか、最近におきましては青年海外協力隊のOBの方々の派遣等々、県を通じて被災市町村に打診するとか、どういった方々が手を挙げているかというようなリストアップまで含めて、手前どもと復興局との間で綿密に連携をとり合っているところでございます。
〇吉田敬子委員 今、人材が少ない中で、県内外も含めて自治体の職員が岩手に入っていただくことは、本当に心から感謝するところであるんですけれども、同じ日本とはいえ、文化、環境も違ったり、そしてまた、今回の大きい震災ということで精神的なタフさというのが本当に大事になってくる中で、青年海外協力隊というのは海外の途上国等で活動されてきた方々ですので、同じではないですけれども、ある程度そういった経験をされてきた方が同じように岩手県で活動─これまでもたくさん、今も釜石市や大槌町にも、合計で23名ぐらいの方々が自治体に入っているそうですけれども、自治体の職員以外のところでももっとたくさん人材がいると思いますので、先ほどのいわて復興応援隊の方々もそうですけれども、これからは頭数があればいいということではないと。もちろん数も大事なんですけれども、質というところで、短期間だけの派遣ではなく、長期にわたって派遣できるようにだとか、せっかくなれたころに帰らなきゃいけないだとか、違う人に変わらなきゃいけないというところが出てくるのではもったいないのかな思いますし、私は、ただ被災地に派遣するだけではなくて、先ほどの交流人口増加とか、定住、交流にもつながるという観点から、被災自治体への職員派遣というのを改めて考えていただきたいと思うんですけれども、その辺に関して最後に御所見を伺って、終わりたいと思います。
〇紺野市町村課総括課長 手前どもも、人材確保、被災地のマンパワー不足という観点で、できるだけ数を確保したい。その中でも、当然、被災市町村のほうでも質の確保というのは重要なテーマでございまして、対応しているわけですが、そういった観点で今まで数の確保に邁進してきたところでございます。今後におきましては、定住ですとか、そういった面にも着目して対応する必要があろうかと思いますが、何しろ、職員確保をまずやらなければいけないということでこれまで対応してきたものですから、定住まではなかなか目が行かなかったということもございますので、その辺は我々だけで解決できるという問題でもございませんので、被災市町村のほうとも、今後の将来の被災地のあり方も含めて相談しながら対応してまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 私からは、通告してある内容のうちの一つ、戦略的県民計画推進費については、高橋昌造委員、関根敏伸委員からも質問があったところですので、割愛させてもらいます。
 それで、2点目の公共交通の維持確保対策についてということで、JR線の復旧対応についてお伺いしたいと思います。
 まずは、県として、各JR線、いわゆる岩泉線、大船渡線、山田線、これらの3線への、災害の形は違うにしても、いずれも災害復旧対策という観点で言えば、同等に取り扱われていかなければならない重要な課題でありますが、改めて、現時点でこの3線への復旧対策にかかわる県としての姿勢、その方針をお伺いしたいと思います。
〇野中交通課長 今、委員からお話があったとおり、JR山田線、大船渡線は震災により運休になっておりますし、また、震災の前の年の平成22年に落石の事故がありまして、岩泉線が運休になっているという状況でございます。
 これらの3路線は、通勤、通学あるいは買い物等の日常の生活で利用されている方々が非常に多い路線でございますので、こういった日常の生活をしっかりと確保していく必要がありますし、また、観光客等の誘客にもJR線が非常に大きな威力を発揮しているということから、いずれもこの3線の復旧について、県としても、市町村と連携しながら復旧ができるように努力してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 政策地域部としては大変大きな課題を背負って御苦労されていることは十分承知しておりますし、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 そこで、岩泉線についてですけれども、その後の動向をどう把握し、今後どうしようかというところが全く目に見えてこないという状況であります。12月議会でも質問いたしましたけれども、部長は、鉄道復旧については、沿線市町村との交渉をぜひ継続的にやっていくんだという決意もいただきました。それから、鉄道復旧とは切り離した中で、今日的な代行バス運行の問題がどうなっているのか、あるいは当面の地域の交通のあり方、あるいはその確保をどうすべきなのか、こういった点についてもしっかりと協議を進めていかなければならないという答弁をいただいておりました。
 特に、今冬は大変な豪雪に見舞われているということ、あるいは代行バス運行にかかわっては、路線の問題を含めていろいろと課題が山積しているわけでありますが、そういった実態を踏まえてどのような状況になっているのか、あるいはその課題がどう整理されてきているのかお伺いしたいと思います。
〇野中交通課長 岩泉線の動向につきましては、引き続き鉄道復旧というものは求めております。ただ、協議の中でも、JR東日本のほうは鉄道復旧の断念という考え方は現在においても変わっておりません。昨年11月に、JR東日本に県と市町で合同要望した際に、JR側から、いわゆる鉄道復旧とはまた切り離して、当面のといいますか、代替交通についても県、市町とも協議していきたいという提案がございまして、県も市町もこれを受け入れて、昨年の12月からこれまで4回ほど、実務者のレベルでございますが、協議を行っているところでございます。
 具体の協議内容につきましては、現在の代行マイクロバスの改善をまず検討しましょうということになっておりまして、現在、ルートやダイヤ、あるいは運行水準の協議を進めております。その部分については、JR東日本も一定の理解を示していただいておりまして、今後、実施に向けた詳細の詰めを進めていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 岩泉線の問題は、今、御答弁いただいたように、当初の復旧に係る経費の問題を議論しながら、県としての検証委員会で見直し案まで提示して、その上で、なおJR線復旧については、JR側からはそういった対応について全く答えがないという状況になっているわけですけれども、代行輸送は輸送として切り離しての議論ということなんですけれども、やはり基本はきちんと鉄路復旧ということを押さえながらも、要は、利用者に対してどのような利便性が確保されていくかという観点から、代行バスといえども、果たして通勤、通学者の手段としてしっかりと時間が守られているのか、あるいは今冬のこのような豪雪の状況の中で、電車のようにきちんと時間が守られた交通手段として機能できたのか、いろんな課題を分析していく必要があるんじゃないかと思っております。そうした点をしっかりと捉えた中で、基本を押さえながら協議を進めていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
〇野中交通課長 現在の代行マイクロバスの運行につきましては、冬場につきましては、夏場に比べてさらに30分も時間がかかると。さらに通行どめ等も発生したり、もちろん雪道ですので定時制の確保が非常に難しいということを把握しております。
 また、特に押角峠の前後が非常に急峻で曲がりくねった道路なわけですけれども、非常に体調を崩す方もいらっしゃって、利便性というものについては、やはり鉄道と代行マイクロバスでは相当な差があるということを認識しておりまして、そういった部分も含めて、地元も求めている鉄道復旧をいろいろな知恵を出しながらJR東日本と協議を進めてまいりたいと思っています。
〇木村幸弘委員 いずれ、そういう課題があるということをしっかりと明らかにしながら取り組んでいただきたいと思います。
 それから大船渡線ですけれども、大船渡線についてはBRTが運行いたしております。これも基本的には鉄路復旧を原則とするという基本的な姿勢の中で当面の代替措置という形になっているわけでありますが、このBRT運行がなされた実態も含めながら、今後、大船渡線における復興調整会議というのはどのような予定が組まれているのか、具体的な予定等があればお示しいただきたいと思います。
〇野中交通課長 大船渡線につきましては、委員御指摘のとおり、BRTによる仮復旧の運行がこの3月2日から始まっております。
 大船渡線の鉄道の復旧につきましては、昨年11月に第4回の復興調整会議を開催してございますが、その後、このBRTの仮復旧が新しい年度の学校の始業式に間に合うような形での整備が必要という自治体側の要請もありまして、その期間中はどちらかというとBRT仮復旧の整備の調整のほうに時間がとられたところでございます。
 仮復旧としてのBRTが運行されましたので、今後は鉄道復旧について議論を加速していくよう、今、県、市町村、そして国にも復興調整会議を早期に開催していただくよう要請を行っているところでございます。
〇木村幸弘委員 いずれスピード感を持って、復興調整会議の回数など、いろいろな日程、スケジュールの調整など急ぎながら、もうBRTがスタートしたからしばらく様子を見ようみたいな空気感に包まれないようにしていただきたいと思っておりました。
 最後、山田線の問題ですが、折しも先週金曜日に第5回の復興調整会議が行われて総事業費210億円という金額が示されたということでありますけれども、改めてこの第5回復興調整会議の内容について、休みが入って明けたきょうですから、議会に対してその内容等を説明いただきたいと思います。
〇野中交通課長 3月8日に開催されました第5回山田線復興調整会議の概要でございますが、1点目は、委員御指摘のとおり、鉄道復旧に係る概算工事費がJR東日本から示されたということでございます。この内容につきましては、鉄道を原状のまま復旧させた場合の原状復旧費用として140億円、それから、現在、まちづくりの中でかさ上げ等がされるわけですけれども、それに伴いまして鉄道等のかさ上げも出てくるということで、このまちづくりにかかわる費用が70億円、総工事費として210億円の費用がかかるということで概算の費用が示されたところでございます。ただ、これはJR東日本が独自に試算した額でございますので、どちらかというと、この経費は上限といいますか相当高い見積もりという認識も示されておりましたので、今後、事業主体とJRで事業費の精査を行いながら具体の費用を詰めていく必要があると思っています。
 それから、2点目につきましては、市町村から復興計画と鉄道復旧との調整状況が報告されまして、JRと自治体の調整が大方ついておりますので、その課題は限られているということで報告がございました。
 それから、3点目につきましては、昨年の第4回復興調整会議で、JR側から復旧後の利用者が懸念されるということで地元側にも利用促進について検討をいただきたいという要請がございましたので、先般の首長会議で、利用促進について、主体的といいますか最大限取り組むという合意事項がございましたので、その旨を報告させていただいたところでございます。
〇木村幸弘委員 そういった内容が示されたことをもって、県とすれば、これらの内容を踏まえた感触といいますか、復旧に向けてのJR側の対応の見通しといいますか、復旧に向けて動き出していただけるのかなというそんな気配等は、どのようにその協議の中では、肌感覚といいますか言葉のやりとりといいますか、いろいろなものがあるんだろうと思いますけれども、その辺はどうなんでしょうか。
〇野中交通課長 この辺は非常に難しいところがございますが、JRとしては、まちづくりとJR鉄道との関係については相当詰まってきているということで一定の評価をしております。ただ、かかり増し費用といいますか、まちづくりに伴う費用部分については国に支援要請しているわけですけれども、国で支援をまだ明確にされていないということがありまして、費用負担については大きな課題だという認識を示しております。
 また、利用促進についても引き続き一緒に取り組んでいきたいということでございますので、特に費用負担の部分が今後明確になっていけば、JRとして鉄道の復旧について判断できる環境が整うものと考えております。
〇木村幸弘委員 大変いろいろと課題はまだあると思いますけれども、ぜひ復旧に向けて協議をしていただきたいと思いますが、ただ、最初に答弁いただいた210億円の復旧費用の総事業費の関係ですが、高目の独自試算だということで、岩泉線同様に検証委員会的なものを持って、実際にどれだけの復旧経費となるのかということについては独自に県としてまた示していくということなんでしょうか。
〇野中交通課長 これは、岩泉線と同様な仕組みでということではなくて、各市町村のまちづくり計画ができておりますし、その中で工事計画等がされております。そういったことから、事業実施主体であります市町村とJRの中で基本的には調整していくということだと思います。その中では、もちろん、今まで県、国が一緒になってその辺のところの協議を進めてまいりましたので、この4者が一緒になって今後もその精査についてかかわっていくというふうに考えております。
〇斉藤信委員 私もJR山田線、大船渡線の復旧問題をまず最初にお聞きしたいと思います。
 今、3月8日の山田線の復興調整会議の内容を示されましたので、それを踏まえて私聞きたいんだけれども、3月10日に太田国土交通大臣が来県しました。新聞報道では、JRが示した試算の中身を精査し、まちづくりと一体化する中では支援ができる、こういう発言をしたというんですが、この太田国土交通大臣にどういう要請をしてどういう発言があったか示していただきたい。
〇野中交通課長 大臣への要望につきましては、これまでと同様でございますけれども、JRは原形復旧については自社で負担すると。まちづくりに係るかかり増し費用は国等に財政支援を求めたいということは一貫しております。これを受けまして、県としては、国に財政支援をこれまでも求めてまいりましたし、先日、大臣が来県された際にも、同じように国に対して、いわゆるJRへの直接的な支援ではなく、まちづくり、復興への支援という形で国費の導入をお願いしたいという内容で要請をしております。
 なお、大臣からの御発言は新聞にあるような内容で、まちづくりと一体となった場合は支援できるのではないかというお話だったと聞いております。
〇斉藤信委員 太田大臣がそこまで言ったということになれば、これはもうこの立場で早く解決していただきたい。恐らく費用負担が最大のネックなんですよ。JRが復旧を明言しないのもここに最大の問題があるわけです。私はJRが復旧を明言しないということ自体が大問題だと思うけれども、太田大臣がまちづくりと一体化する中で応援できると言うのであれば、3月8日に第5回復興調整会議をやったばかりですけれども、4回から5回まで4カ月かかりました。こんな間延びしたことをやっていたらだめですよね。本当に1カ月以内に個別に詰めて、早くJRが山田線の復旧を明言すると。既に被災地の地元は区画整理事業とか津波拠点事業とかを進めるわけだから、そのときに肝心の鉄道施設、駅舎は不明なんていうことになったら、これはまちづくり、復旧に私は逆行すると思うけれども、ここは部長にお聞きしましょう。
〇中村政策地域部長 今、委員おっしゃるように、10日、大臣がいらっしゃったときは私も同席させていただいておりました。大臣からは前向きな発言をいただいたと思っております。ですから、我々地元としては何とかこれを一つのてこにいたしまして、JR東日本から早期に復旧の明言を引き出すべく、次回の復興調整会議の日程等も含めて国とも調整してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 知事も議会の中で、これは高田一郎委員が総括で聞いたんですけれども、JR東日本は、津波からの安全の確保、まちづくりとの整合性、そして費用負担等が課題との認識を示しているわけですけれども、これまでの復興調整会議や個別の協議の結果、これらの課題についてはおおむね解決の見通しが立ってきていると。私、これを聞いたときにはえらい楽観的だなと思って聞いていました。ちょっと楽観的だと私はまだ思いますよ。しかし、本当にこれを実らせる、一刻も早くということで、今、部長から答弁をいただきましたので、時間をかけずに、大臣発言というのをしっかり政府の方針にして進めるようにしていただきたい。
 次に、JR大船渡線の問題ですけれども、3月2日、BRTが運行されました。私も3月3日に見てきました。ちょっと都会型で、たくさん詰め込み型のバスなんですね。まず、JRは、大船渡線が被災してからどれだけの代替バス、交通を確保したのか。私は、ほとんど代替交通の確保の責任を放棄したのではないかと思います。
 もう一つは、今度のBRTは51本とか61本とか言われているけれども、これは鉄路と比べてどのぐらいの交通量の確保になるのか、これはどうでしょうか。
〇野中交通課長 BRTの仮復旧導入の前の代替バスというかJRの振りかえバスということになるわけですけれども、これは、BRTの運行前は、大船渡-気仙沼間、いわゆる県境を越えるバスについては6往復となってございます。震災前はJR線そのものが9.5往復ございましたので、非常に低水準の振りかえだということが言えると思います。
 それから、BRTの輸送能力ということでございますが、震災前の列車が9.5往復という中で、列車の車両そのものが2両もしくは3両でございましたので、列車の場合は1日3、800人ぐらいの輸送能力を持っておりましたけれども、今回、BRTが運行することによりまして4、000人強の輸送能力となって、震災前よりは若干水準を上回ったという状況でございます。
〇斉藤信委員 BRTになってやっと震災前のレベルの代替交通を確保したと。2年間何をやってきたのかという感じが私はするんですよ。三鉄は、震災後5日間で運転再開させたでしょう。やっぱり本当に復旧して、地域住民の生活の足を確保するという復旧の精神ですよ。ところがJRは復旧の精神が全くなかった。代替交通さえまともに確保しなかった。
 その一つの試金石が、例えば大船渡線は陸前矢作まで、浸水したのはたった500メートルなんですよ。その気になったら陸前矢作までは通せたんですね。何で通さなかったのか。そして、陸前矢作駅の周辺にはバスターミナルとなるような敷地もあるんですよ。そこまで列車を通したらそこからバス輸送もできたし、復旧に対するメッセージが示されたわけですね。私は、今でもできるところから復旧させると。せめて陸前矢作までは通すということで、これは陸前高田市も要求しているし県も要求していると思うけれども、この要求はしっかりJRに伝えているんでしょうか。JRはどう対応しているんでしょうか。
〇野中交通課長 気仙沼と陸前矢作間につきましては被災が極めて小さかったということで、県も市町村もこの先行再開を強くJR側に求めているところでございます。先日もJRへの要望の際、この陸前矢作と気仙沼の先行再開を改めて強く要望いたしましたが、JR側の回答は、大船渡全線の復旧の見通しをつけた中で気仙沼-陸前矢作間も一緒に再開したいと。それからもう一つは、やはりその区間の利用者が断面的に全体の路線の区間の中で少ないということもあって、そういったことから全体の中で再開を考えたいという認識を示しております。
〇斉藤信委員 できるところもやらないと。本当にこの復旧に対するJRの後ろ向きの姿勢が示されたんだろうと思います。これを引き続きぜひ、できるところから復旧させると。
 陸前高田と大船渡線がつながるだけで全然違うんですよ、これは。今までの利用者とは違って、そこにターミナルをつくれば、そこからBRTバス輸送も可能な場所なんですね。私は、このことは復旧の姿勢が問われる問題ということで、ぜひやっていただきたい。
 次に大きな2番目に、震災対策市町村職員の確保の問題についてお聞きしたいと思います。
 市町村課の皆さんが、この間、92回にわたって全国の都道府県や政令市を回って努力されてきた。また、立派な冊子をつくってそうした取り組みをやられたということもお聞きしました。
 そこで一つは、今年度までの確保は、県内から県外から、また県庁内からどういう形で派遣されたか。来年度の派遣要請と確保状況、そして不足分の対応はどうなるのか。
 さらに、派遣職員の心のケアが問題になっていますが、帰省の処理というのがどの程度今どういう形で見られているのか。その拡充ということも求められているし、大槌では家族に大槌に来てもらう旅費も独自に支援するということをやっていますけれども、そうした本当に必要な対策、住居の確保を含めてこの状況を示していただきたい。
〇紺野市町村課総括課長 何点かお尋ねがございました。
 一つ目でございます。被災市町村への職員派遣の今年度の実績についてでございますが、本年3月1日現在で11市町村に対して321人の派遣決定がなされたところでございます。派遣職員の内訳につきましては、県外自治体職員が222人、県内市町村職員が69人、県職員が30人となってございます。
 次に、来年度の派遣要請についてでございますが、本年3月1日現在で10市町村から今年度の確保数を158人上回る479人の要請がございます。これまでに約85%に当たる407人の確保にめどがついたところでございます。
 次に、不足分への対応につきましては、復興庁の支援を受けまして、国職員のOBですとか青年海外協力隊経験者の派遣、内陸部市町村へのさらなる要請、そして複数の内陸部市町村から成る短期ローテーション派遣などのほか、あらゆる手段を講じて確保を図ってまいる所存でございます。また、全国行脚をことし以上に来年度も積極的にやりまして確保に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、派遣職員の心のケア等についてでございますが、派遣市町村におきましては、これまでも医療関係機関等の支援を受けながら、ストレスチェックですとか専門家による面談等の取り組みを行ってきたところでございます。
 職員の心のケアにつきましては被災市町村において実施していくことが原則ではございますが、県としても、被災市町村のみに任せることなく、県と被災市町村による人財確保連絡会議を開催いたしまして、各市町村の取り組み内容について情報交換を行ってるほか、派遣職員との面談を行いまして、その結果を被災市町村にフィードバックして業務環境や生活環境の改善を促してきたところでございます。
 また、派遣職員の定期的な帰省につきましては、県と被災市町村との連絡会議の場で県から県内の先進事例などを紹介して各市町村へ取り組みの強化をお願いしているところでございます。
 住居の確保につきましては、市町村において、例えば陸前高田市における専用宿舎の建設ですとか、大槌町におけます民間アパートの一括借り上げ等々によりまして、利便性の向上ですとか通勤負担の軽減に積極的に努めているところでございます。
〇斉藤信委員 私ちょっと気になったのは、山田町の派遣要請が少ないんですよね。被害状況や来年度の事業費。大体平年の10年分ぐらいの今、事業費になっていますが、それは指摘だけにとどめて、本当にそれでやっていけるのかということが懸念事項としてあるということは指摘だけしておきます。
 次に、ILC問題についてお聞きします。
 一つは、ILC誘致のプロセスなんですけれども、確かにことしの7月ごろまでに国内候補地の一本化というのがありますが、これはこの高速加速器の研究者の段階では一致しているけれども、日本の学者、科学者全体の合意形成というのが必要なはずです。それを踏まえて政府が国家プロジェクトにするかしないか、これも財務省の壁があると思うんです。このプロジェクトをやったからといって文部科学省の予算がそのままふえるということはないと思うんですよ。こっちがふえればあっちが減るという。そういう学者全体の中でのかなりの調整、合意、もう一つは、政府全体の中での合意、そういうプロセスが一つはあるのではないか。
 もう一つは、ILC誘致のコンセプトですけれども、グランドデザイン、委託して近々出しますというこの発想は余りにも貧困ではないかと。東北ビジョンというのも、もとは野村総研、恐らく今回、グランドデザインも野村総研でしょう。そういう財界シンクタンク任せで本当に岩手のプロジェクトがつくられるのか私は大変疑問ですが、CERNの場合、これは飯澤委員が議会でも指摘した。大原のようなところにCERNがあったと。これは岩手日報の連載でもそういうふうに紹介されていますが、私は、岩手が誘致する場合のコンセプト、思想、これがなしに……、野村総研は脊振山地もやっているんですよ。あっちもこっちも同じようなものが出たって、これは勝負にならない。私はやっぱりそういうものをしっかり考えるべきではないのかと思いますが、いかがですか。
〇保政策監兼ILC推進監 まず、国内候補地決定のためのプロセスでございますけれども、研究者のほうで7月ごろまでにと言っているのはそのとおりでございまして、今、推進している側の研究者がそのようなスケジュールでやりたいということでございます。したがいまして、その後、国内全体でどのような合意形成を図っていくかということに関しては、実はこれ、具体的な内容は現段階では不明でございます。具体的な情報は持ち合わせておらないというのが現状でございます。
 それから、委託の関係でございますけれども、昨年7月に策定いたしました東北のビジョンにつきましては、その調査検討の部分を野村総研に委託しているのはそのとおりでございますけれども、単に丸投げということではなくて、きちんと東北の産学官でかなりもんだものということでございます。
 また、現在策定しております国際的なまちづくりのグランドデザイン、これは野村総研ではなくて東北ILC推進協議会が中心になってやっておりますが、その調査検討については、NPO法人とうほくPPP・PFI協会、これは東北地域でつくっている産学官の団体でございますが、そちらに委託すると聞いております。
 それから、コンセプトでございますけれども、東北地域がどのような研究圏域を目指すかという上で、CERNの場合というのは非常に参考になると思っております。ヨーロッパで今、現役で動いております巨大加速器はこのCERNというところが運営しているわけでございますが、ジュネーブの近郊にございまして、非常に田園地帯、一面にブドウ畑が広がるような地域でございます。その中に研究者の方が村、村に点在して住んでいるというようなことも聞いておりまして、そういったスタイルを取り込んで、私たちもまちづくりのデザイン等に反映させていこうということで考えてございます。
〇斉藤信委員 当面は国内での一本化というのが焦眉の課題ですが、これが国家プロジェクトになるにはやっぱりさまざまなレベルの合意形成があるし、もう一つは、ヨーロッパ、アメリカが日本でやってほしいと言っているのは財政の問題なんですよ。だから、日本がやると言ったときに、じゃ、アメリカ、ヨーロッパがどれだけ財政を負担するかというのも全くこれは不透明。CERNのほうも拡充の計画があるわけですから、私は、そういう意味ではそういうプロセスをよくにらんでやる必要があると思います。
 もう一つ、4.3兆円の経済波及効果と。確かに建設工事があればそれなりの効果はあるでしょう。ただ、問題は、国際科学技術研究圏域の整備2、890億円は誰が負担するんだと。私は、やっぱり地方自治体の負担とかそういう問題もきっちり示さないと、県や市町村の負担が全くなしですばらしい効果があるということでは全くの片手落ちの話になってしまうのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇保政策監兼ILC推進監 整備にかかわります費用を誰が負担するのかということでございます。ILCの建設そのものはぜひ国家プロジェクトでやっていただくということで、これに関して地元が負担するということは想定しておりません。
 また、ILCの立地に伴って、例えば地域づくり、まちづくりということになりますと、やはり私たち地元でどのようにそれをつくっていくのかということが課題になりますが、基本的には、既存の社会インフラを極力活用して新規の整備は抑制するということを基本としております。さらに民間の活力を導入するということを第一に考えていきたいと思っておりまして、全くなしということはどうかと思いますけれども、できるだけそういった地元の私たち自治体等が負担を負うことがないような考え方で進めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 時間の関係で最後まとめて聞きますので、市町村合併の検証についてです。
 これはこの委員会でも議論されました。合併によって財政基盤が強化されたという答弁だけがありましたけれども、私は決してそうじゃないと思いますよ。一関市にしても奥州市にしても深刻な財政危機に今、直面しています。同時に、合併10年後で交付税が大幅に削減される。新たな財政危機に直面しようとしているんですね。そのための新たな合理化を今、奥州市なんかでも進めようとしています。どのぐらい交付税がこれから削減されるのか示していただきたい。
 もう一つ、これは県の検証でも、合併の課題として、人口減少、周辺の衰退、こういうさまざまな課題が指摘されておりました。実は、人口減少、被災地と比べても奥州市とか一関市は被災地並みに人口が減少しているんですよ。これで本当に合併の効果があったのかと。私は、合併しても、新たな財政危機、人口減少に歯どめがかからない、この問題をどういうふうに受けとめて、この負の側面についてどう対応するのか、これを最後に聞いて終わります。
〇紺野市町村課総括課長 奥州市、一関市、花巻市等の地方交付税の削減についてでございますけれども、トータルで押さえてなくて済みませんが、合併市町村におきましては普通交付税の合併算定がえという制度がございます。例えば合併10年目以降、11年目から15年目まで、例えば1年目が10%削減されてまいります。
 影響額でございますけれども、例えば一関市でございますと10年目まで56億円増加してございます。奥州市につきましては10年目まで34億円通常よりも増加しておりますし、花巻市においては約25億円ということで、漸次11年目から15年まで、1年目は10%減、2年目が30%、3年目が50%、4年目が70%、5年目が90%減になりまして、最終的には16年目以降特例がないということで、通常の合併しない市町村と同じようなレベルになってまいります。
 それから、交付税削減等財政危機に陥るのではないかという点でございますけれども、確かに今申し上げたとおり、特に普通交付税の合併算定がえについては16年目からなくなるということで、その影響が大きいのではないかということになろうかと思います。合併市町村におきましては、合併時からそういった合併算定がえの縮減を見込んだ財政計画を策定して対応してきておるところでございますし、県としても、ソフトランディングできるようにその助言をしてきたということでございます。また、総務省におきましては、今般の合併算定がえの終了に備えまして交付税算定方法の見直し作業に着手しているという情報が入っておりますので、県としては、その算定方法に合併市町の財政需要が反映されるように対応してまいりたいと思ってございます。
 それから、人口減少の関係でございますけれども、平成22年と平成17年に実施された国勢調査から見ますと、人口増加がなされているのは滝沢村と矢巾町のみでございまして、それ以外の市町村は合併市町村を含めまして人口が減少している状況でございます。これにつきましては、合併が直接的な引き金になっているのかどうかというのは、全県的にそういった状況でございますので、にわかには分析できないところでございます。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで政策地域部関係の質疑を終わります。
 政策地域部の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでした。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇菅原会計管理者兼出納局長 それでは、出納局関係の予算について御説明申し上げます。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。81ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどより下にあります2億3、658万円余であり、出納局職員の人件費であります。次に、83ページをお開き願います。第5目会計管理費4億5、213万円余でありますが、これは、管理運営に要する経費及び収入証紙売りさばき手数料等でございます。
 次に、大きく飛んでいただきまして、385ページでございます。証紙収入整理特別会計でありますが、歳入歳出予算額は51億8、035万円余であります。
 歳入の主なものは、387ページにありますように、県税に係る証紙収入30億8、672万円余、また、使用料及び手数料に係る証紙収入20億9、362万円余であります。
 次に、389ページをお開きください。歳出でありますが、これは、県税、使用料及び手数料に係る証紙収入同額を一般会計に繰り出すものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 人事委員会関係は101ページから102ページにかけてでございますが、101ページをお開きいただきたいと思います。2款総務費8項人事委員会費のうち、1目委員会費の701万6、000円は、委員3人分の報酬、その他、委員会の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の1億6、927万円は、事務局15人分の人件費、事務費など、事務局の任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要する経費でございます。
 以上で人事委員会関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小西和子委員 人事委員会勧告制度についてまずお伺いいたします。もう時間も過ぎておりますので、こちらから確かめということでお話ししたいと思います。
 人事委員会勧告制度というのは、公務員は民間企業の勤労者とは異なり争議権などの労働基本権が制約されており、各職場における労使交渉等を通じてみずからの賃金を決定することができないため、その代償措置として人事委員会勧告制度が設けられているということでよろしいでしょうか。
〇細川職員課総括課長 ただいま小西委員から御説明ありましたとおりでございます。職員の労働基本権が制約されていることに対する代償措置としまして職員の適正な処遇を確保する目的で行っているものでございます。
〇小西和子委員 そして、条例主義の原則からいきまして、県民の代表である議会が制定する条例で決定されると承知しております。
 それでは、今年度の人事委員会勧告についてちょっと確かめたいことがございます。県内の民間企業における賞与等の特別給は所定内給与の3.90月分に相当するとありました。調査した民間企業のうち、被災した沿岸部の事業所数、あわせて、全体に占める割合をお伺いいたします。
〇細川職員課総括課長 調査した民間事業所のうち沿岸部の被災した企業は何社かというお尋ねでございますが、実際の職種別民間給与実態調査におきまして、東日本大震災津波による影響が直接的または間接的にあったというお話をうかがった事業所も調査の過程ではあったところでございますが、調査そのものは、被災した企業とそうでない企業とを区分して調査しているわけではないことを御理解いただきたいと存じます。そのため、被災した企業が沿岸部に何社あったのかということにつきまして、また、全体に占める割合がどれくらいかというお尋ねにつきましてはお答えすることができかねますことを御了承いただきたいと存じます。
 なお、直接的なお答えにはなりませんけれども、調査対象となった事業所のうち沿岸部に所在する事業所数としては6事業所ありまして、調査完了した事業所は全体で115事業所でございますが、その115事業所に占める割合としましては5.2%ということになってございます。
〇小西和子委員 6事業所で5.2%ということでございます。その被災した地域の事業所を含めたことによる影響というのをどのように捉えているかということをお伺いしたいんですけれども、つまり3.11前の調査のものもあると思いますが、それとの比較で答えられるならお答え願いたいと思います。
〇細川職員課総括課長 被災した企業を含めたことに対する影響についてでございますけれども、ただいま申し上げましたとおり、調査の過程では東日本大震災津波によりまして影響を受けたというお話をうかがった事業所も確かにございましたけれども、被災した企業がどのくらい含まれているか正確に把握してございませんので、被災した企業を含めたことの影響について申し上げることはできかねるところでございます。
 いずれにしましても、人事委員会としましては、東日本大震災津波の影響を受けた調査対象事業所も含めて調査した結果が県内民間事業所の実態であると捉えてございます。前回調査した平成22年のときには特別給につきましては3.93月であったところでございますけれども、平成24年の調査では3.90月となってございまして、0.03月ほど下回る結果になったところでございます。
〇小西和子委員 被災前よりは0.03月減ったということが今の答弁からわかります。
 それでは、2013年度の調査にも被災した沿岸部の事業所も含めるということでしょうか、お伺いいたします。
〇細川職員課総括課長 2013年度─平成25年度の調査においても被災した企業を含めるのかというお尋ねでございますけれども、職種別民間給与実態調査につきましては、人事院及び他の都道府県の人事委員会と共同して実施しているものでございまして、平成25年度につきましても、例年どおり、企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の事業所のうち、層化無作為抽出法という抽出の仕方で抽出された事業所を対象として調査を実施することとしてございます。
 人事委員会といたしましては、ただいま述べましたとおり、東日本大震災津波によって直接的または間接的に影響を受けた事業所も含めて県内民間事業所の給与の実態を把握する必要があると考えてございまして、調査対象の中に被災した企業が含まれていたとしても、調査に御協力いただける場合には調査対象から除く必要はないものと考えてございます。
〇小西和子委員 今のお話を聞いたならば、復興に全力を尽くしている職員がどんな気持ちになるんだろうなと思います。
 では、次に行きます。
 地方公務員給与削減強制についてお伺いいたします。
 このことにつきましては、地方分権一括法施行後の地方と国の対等関係を無視した、地方自治の本旨を否定する重大な問題だと考えます。また、地方交付税法の問題からいきましても、地方公共団体等の財源の不均衡を調整して、その地方に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障する地方交付税というのは地方の固有財源であると考えます。この固有財源を削減し、地方主義を否定するような地方公務員の給与削減強制が国の財源事情を理由にしていること自体、本末転倒であると考えます。
 交付税維持を求める理由のまず一つ目は、国に先駆けて、もう賃金及び人員の削減による行政改革を実施しているということです。岩手県集中改革プログラムによって過度な人員削減があり、復興に向け、現在も慢性的な人員不足となっていることがまず挙げられます。それから、地方交付税を減らせば、国の言うデフレ克服、地域経済の活性化にはならない、そういうふうに考えますけれども、そこで、公務員給与の削減を前提とする地方交付税減額への所感をお伺いしたいと思います。
〇細川職員課総括課長 地方交付税減額に対する所感についてのお尋ねでございますけれども、国の平成25年度予算案におきまして、地方公務員の給与の減額を前提に地方交付税が削減されたことにつきましては本委員会としても承知しているところでございます。
 本県職員の給与につきましては現時点で削減されることが決定しているわけではございませんので、本委員会としましては、国の動向を踏まえた条例権者の今後の対応について注視してまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 今の答弁というのは、つまり地方交付税減額は今のところは影響しないと捉えてよろしいんでしょうか。
〇佐藤人事委員会事務局長 現時点では、それが影響するかどうかというのは、まだ条例権者の動向がはっきりしておりませんので、今のところはまだ何とも言えないというような状況でございます。いずれ労働基本権が制約された状況下におきまして給与勧告に基づくことなく給与の減額支給措置が行われれば、やはり給与勧告制度の形骸化が懸念されるというふうに考えております。
〇小西和子委員 そのとおりだと思います。人事院勧告制度の原点に立ち、それから、復興に向けて全力で頑張っている県職員の皆さんが安心して復興に専念できるような環境を確保するということからも、ぜひただいまの答弁どおりに勧告していただければと思います。
 以上、終わります。
〇斉藤信委員 私は、県職員の退職金の大幅削減について、人事委員会の意見、審議内容についてお聞きしたい。
 この退職金の引き下げについて人事委員会の意見を求められて、適当なものと認められますという意見を出しているんですね。国家公務員の退職金の引き下げが、衆議院の解散のどさくさ紛れで、わずか1日、まともな審議もなく決められた。同時に、県職員にとって大幅な削減となること、その県職員の生活への影響、地域経済への影響、これらを人事委員会では具体的にどう審議されて先ほどのような意見となったのか、審議時間を含めて示していただきたい。
 幹部職員の特例減額については、本県の財政事情等諸般の情勢に鑑み、行う特例措置であり、やむを得ないと考える、早期に勧告に基づく給与水準が確保されるように望む、こういう意見でした。これは、早期に改善しなさいと、こういう趣旨でしょうか。
 東日本大震災津波の救援、復興に県職員は本当に献身的に今取り組んでいますが、この間、賃下げ、退職金の引き下げ、私は、県職員のこういう活動に対して冷や水を浴びせるものではないのかと思います。例えば、この退職金は、2年間で県庁一般職員の場合400万3、000円、教育公務員の場合421万2、000円、警察官の場合405万3、000円です。県職員の平均年収は幾らなのか、どれほどのこれは削減なのか、このことも含めて示していただきたい。
〇細川職員課総括課長 ただいま、退職手当に関しまして委員会での議論がどのようなものだったのかということでございますけれども、人事委員会の議論についてでございますが、今回、条例案に対する意見といたしましては、退職手当の引き下げにつきましては、官民均衡を図る観点から実施された国の引き下げに準じて行われるということで、適当なものと考えるということで意見したところでございますし、実際に委員会の議論の中では、およそ1時間半の委員会だったと記憶してございますけれども、ただ、2回にわたり委員会で議論いたしまして、そういった議論の中で委員のほうからは、今回の退職手当の額を引き下げることに関しましては、民間企業の退職給付と単純に比較していいのかといった意見があった一方で、民間企業の状況からして今回の引き下げはやはり均衡上やむを得ないというふうなお話もありましたし、また一方で、官民均衡を図ったほうがよいという意見もあったところでございます。
 また、今回の退職手当の引き下げにつきましては経過措置につきまして意見を申し上げたところでございますが、今回の退職手当の経過措置に関しましては、段階的な引き下げ時期が職員の退職時期と整合していないといった意見が委員のほうからございまして、職員の退職が集中する3月という時期に合わせたものでないということがございました。また、職員に与える影響も大きいことに配慮すべきというような意見もあったところでございます。ただ、一方では、国や他の都道府県の動向等を考慮すると、やむを得ないのではないかという意見もあったところでございます。結論といたしましては、今般の条例に対する意見の内容となったものでございます。
 もう一つ、今回の特別給の引き下げによります年収への影響額でございますが、試算しますと、特別給の減額分、年間でいいますと、平均で2万円ほどの減額となってございます。
 ただいま申し上げたのは、あくまでも勧告の際に試算した数字でございますので、改定前、平均年収が例えば595万9、000円─これは平均で42.9歳の行政職の場合でございますが─が今回の特別給の引き下げによりまして593万9、000円ということで、2万円ほどの減額となる計算になってございます。
〇斉藤信委員 42歳の平均的な方で年収595万円と。400万円削減されるということは、本当に1年分に近い、恐らく10カ月分ぐらいの給料に当たる削減額になるのではないかと。官民格差と言うけれども、今までこの官民格差は形骸化されてきたんですよ。以前は500人以上の企業が対象だったんですが、今は50人以上ですよ。数万人という県内の大企業が、今、50人以上の企業と比較されているんです。私は、この比較がやっぱり不当だと。例えば電力会社が今、電気料金を値上げして、電力会社の社員も給料を下げると。比較は1、000人以上の大企業ですよ。それで、690万円を660万円に下げましたと。私は、こんなものでは話にならないと思うんです。
 最後に指摘しておきますが、この間、一貫して県職員の賃金が下がったために民間も賃金を下げるという、賃金のいわば悪循環が起きたんです。その結果、平成13年から10年間で雇用者報酬は3、979億円、県内で減ったんです。公務員が下げる、民間が下げる、この悪循環で岩手県の地域経済はこんなに大変なことになってしまった。今、安倍政権がデフレ脱却というんだったら、一番は賃金を上げることなんですよ。私は、そういう意味でも、いろんな角度から見て、一方的に公務員の賃下げ、退職金の大幅引き下げというのは、公務員の生活という点でも、地域経済、デフレ脱却という点でも逆行するものだということを指摘して、終わります。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
 人事委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇門口監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げます。
 お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、103ページをお開き願います。2款総務費9項監査委員費のうち、1目委員費の予算額2、007万5、000円は、監査委員4名の報酬、給与及び監査委員の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の予算額2億2、316万3、000円は、事務局職員20名の人件費等事務局の管理運営に要する経費でございます。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いします。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
 監査委員の皆様は御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時29分 散 会

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