平成24年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成24年12月11日(火)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    葛 西   貢
  主任主査    村 上   聡
  主査    藤 澤 壮 仁
  主査    藤 枝   修
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  保健福祉部長   小田島 智 弥
  副部長兼
  保健福祉企画室長 浅 沼 康 揮
  保健福祉企画室
  企画課長    高 橋 勝 重
  医療推進課
  総括課長    野 原   勝
  地域福祉課
  総括課長    岡 村 鋭 次
  長寿社会課
  総括課長    鈴 木   豊

  医療局長    遠 藤 達 雄
  次長    佐々木   信
  経営管理課
  総括課長    熊 谷 泰 樹
  医師支援推進監  千 葉 雅 弘

  医師支援推進室長 川 上 裕 二

  会計管理者    菅 原 和 彦
  出納指導監    田 村 幸 義

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 門 口 正 雄
  監査第一課
  総括課長    小 原 一 信
  監査第二課
  総括課長    佐 藤 和 彦

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇小野共委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
 初めに、11月29日の当委員会において、斉藤信委員から申し出のありました医療法人白光理事橋本堯夫氏に対して公募前に知事から電話があったとしている件について、いわゆる百条委員会の設置について、12月5日開催いたしました世話人会の協議結果を報告いたします。
 申し出のあった医療法人白光理事橋本堯夫氏に対して公募前に知事から電話があったとしている件について、いわゆる百条委員会を設置して調査すべきとの申し出については、必要はないとの結論に至りましたので、御了承願います。
 次に、認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算の2件についての本日の審査方法等について、12月5日及び12月7日開催した世話人会の協議結果を報告いたします。
 11月29日の当委員会におきまして、飯澤匡委員から発言のありました花泉地域診療センターの民間移管に関する検証に関連いたしました当委員会の審査のあり方について、加筆修正等を行った報告書の提出を求めた上で、保健福祉部及び医療局の関係職員の出席を求め、審査を行うべきとする意見が大方でありましたが、審査を行う必要はなく、取りまとめだけを行うべきとの意見もあり、結論に至りませんでしたので、御報告いたします。
 これより、世話人会の協議において結論に至らなかった花泉地域診療センターの民間移管に関する検証に関連した当委員会の審査のあり方について、加筆修正等を行った報告書の提出を求めた上で、保健福祉部及び医療局の関係職員の出席を求め、審査を行うことについて採決を行います。
 お諮りいたします。花泉地域診療センターの民間移管に関する検証に関連した当委員会の審査のあり方について、加筆修正等を行った報告書の提出を求めた上で、保健福祉部及び医療局の関係職員の出席を求め、審査を行うことに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇小野共委員長 起立多数であります。よって、花泉地域診療センターの民間移管に関する検証に関連した当委員会の審査のあり方について、加筆修正等を行った報告書の提出を求めた上で、保健福祉部及び医療局の関係職員の出席を求め、審査を行うことに決定いたしました。
 執行部等関係職員を入室させますので、しばらくお待ち願います。
   〔執行部等関係職員入室〕
〇小野共委員長 これより議事に入ります。
 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算の2件を一括議題といたします。
 本日は、花泉地域診療センターの民間移管の経緯等の審査を行い、その後、決算2件についての意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 初めに、医療局長に説明を求めます。
〇遠藤医療局長 花泉地域診療センターの民間移管に関する検証最終報告について御説明いたします。
 さきに各委員に配付いたしております最終報告の冊子並びに最終報告案から修正部分を記載いたしました対照表をごらん願います。
 この最終報告につきましては、9月定例会での一般質問や決算特別委員会での審議、それから、11月29日に行われました決算特別委員会での議論を踏まえまして必要な修正を行ったところでございます。
 なお、医療法人白光に対し最終報告案を送付し、11月16日を回答期限として御意見をいただくよう文書で要請していたところでございますが、本日に至るまで回答がない状況にあります。
 それでは、最終報告案からの修正部分につきまして、便宜、対照表─横長の表でございます─により御説明申し上げます。
 まず、対照表の1ページから2ページにかけての部分でございます。公募前における白光への対応の記載であります。
 公募前における医療法人白光との応対に係る認識の次に議会から御指摘をいただきました主な事項を、また、臨時医務嘱託の採用に関しても同様に御指摘いただいた主な事項を記載いたしますとともに、去る10月24日に参考人招致が行われ、事実関係の確認が行われたことを追記したところでございます。
 また、2ページの課題等の部分でございます。
 臨時医務嘱託の採用に関し、公募への参加を表明した法人の紹介を受けてのものであり、公募前という状況を考えると、配慮に欠ける行為であったことは否めない旨を追記したところであります。
 さらに、今後への反映部分において、仮定の表現で最終報告をまとめることはおかしいとの御指摘を頂戴しましたことから、対照表のとおり修正をしたところでございます。
 次に、対照表の3ページでございます。民間公募に当たっての応募条件・資格についての記載でございます。
 今後への反映部分につきましては、何が公募の公平性に配慮しなければならない問題だったのかを明らかにしなければならないとの御指摘をいただきましたことから、診療応援の取り扱いなどは事業者における応募検討の重要な判断要素となることから、公募の公平性が十分保たれるよう、募集側において十分検討した上で公募時に提示を行う必要がある旨の修正を加えたところでございます。
 次に、対照表の4ページをごらん願います。公募期間の設定についての記載でございます。
 こちらにつきましては、公募に際し、問い合わせがあったものの応募に至らなかった法人の考え方等を確認すべきとの御指摘をいただきましたことから、その旨を課題等の部分に記載するとともに、今後への反映部分にも、そうした情報は、その後の民間活用のあり方や公募条件の設定等を考える上で有益な情報であり、その把握を行うとともに、同様の事例が生じた際の参考として記録しておく必要がある旨を追記したところでございます。
 次に、対照表の4ページから5ページにかけての経営状況の把握及び法人への指導・支援等のあり方についての記載でございます。
 こちらにつきましては、民間医療機関診療応援取扱要領について法人への説明をしていなかったことを初め、法人に対する民間移管後の対応が不十分である旨の御指摘をいただきましたことから、その旨を課題等の部分に追記するとともに、次のページに参りますが、今後への反映部分にも、経営トップを初め法人側と運営状況等について定期的に情報交換を行うなどの対応が必要であること、基幹病院を中心としたネットワークにより、移管先法人とも十分連携しながら、圏域全体の良質な医療の提供に努めていく必要がある旨を追記したところであります。
 次に、対照表の5ページをごらん願います。医療法人と地域住民との関係づくりについての記載でございます。
 こちらにつきましては、課題等の部分に記載しておりました医療と福祉が連携した施設のオープンという表現について御指摘をいただきましたことから、対照表記載のとおり修正したものでございます。
 次に、対照表の6ページをごらん願います。まとめの部分の記載でございます。
 こちらにつきましては、民間移管に係る一連の手続に関し、事業の継続性、内定先法人の適格性等について議会において議論が交わされるとともに、民間診療所の開業後の法人への支援や指導のあり方等も含めてさまざまな御指摘をいただいたこと、事業継続の条件が果たされず医療法人が撤退する事態に至り、議会からさまざまな御指摘がある中で、地域住民の期待に応えることができなかったことについて深く反省していること、こうしたことを真摯に受けとめ、検証を行ったこと、次のページに参りますが、今後も、想定される民間移管に際しては、県議会からの指摘や意見など、今回の検証を通じて得られた教訓を十分に踏まえ、今後の地域医療の確保に努めていくことなど、さきの決算特別委員会での議論を踏まえ、修正を行ったところでございます。
 そのほか、対照表の8ページ以降に記載のとおり、参考人招致に係る参考人発言についての整理表を資料編として追加するとともに、字句の修正などを行ったものでございます。
 以上で説明を終わります。
〇小野共委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇飯澤匡委員 十何年委員をやっていますが、初めてトップバッターということでございまして、それがいいのか悪いのかというような戸惑いの中で質問させていただきます。
 私は、今回の最終報告案、前回出された案に、議会での議論、そしてまた少しは反省を加えた部分も若干見られるという点については多少評価するものの、やはり自分たちが10年間しっかりと地域医療を支えるということを、これまでずっと議論してきた、県医療局が非常に声を大にして支えると言ったまでの案件が2年もたずして破綻したということは、今後に対して非常に禍根を残したと私は思っております。それを今後にしっかりと生かすための最終報告案であって、この報告案の中身が、しっかり事実、そしてその経過内容を含んでいなければ私はそういう最終報告案には足りないという思いを持っております。それを踏まえて質問させていただきます。
 今回、私は、1点のみ、民間移管に係る背景の事実経緯、これは時系列的にもこういうことに最終報告案にも書いてありますが、要は、1月28日、ちょっと細かくなりますけれども、地域診療センター等懇談会があったわけです。新しい経営計画案、病床休止後の取組事項について意見交換がなされております。その日に岩手日報の朝刊に、民間移管というのがあれば手を挙げますというように、まさに時期をしっかりと合致させたような動きがなっている。そこで民間移管というのがいきなりクローズアップされて、それから県議会の議論があったにもかかわらず一瀉千里にがんがんと進んでいったと。私はこの点について、大きなやはり問題点があったと。
 今回の最終報告案を見ますと、確かに反省すべき点として、地域住民からの意見の聴取、それから地元医師会からの意見の聴取、それらについては慎重にすべきだったと書いてありますが、ただ、そのコアの部分である、なぜ一瀉千里に進めなければならなかったか、そして、なぜいきなり民間移管という選択肢に飛びつかざるを得なかったか、ここがやはり肝心な核の部分だと思っております。この記述については非常に心もとないというような印象を持っております。
 そこで伺いますが、1月28日、新聞報道がありました。いきなり民間移管というのが出てきた。当該法人の白光とそれ以前に、改めてお聞きしますけれども、県医療局は接触の事実があったのかどうか、その点について事実確認させていただきます。
〇佐々木医療局次長 平成21年1月28日以前の白光と医療局との接触についてでありますが、過去における一連の書類や記録等を精査するとともに、当時の関係職員から確認したところでは、そのような事実は確認できなかったところであります。
〇飯澤匡委員 そういう答えになるんだろうと思っております。それはそれとして、もう既に橋本理事が来て、参考人招致の中で事前にお話はあったというようなこともあり、医療局からでなくてもそのような接触はあったというようなことは参考人も申されておりました。
 そこで私は、今回の事案は、これだけ皆さん方が医療資源が非常に厳しいという中で民間移管ということを選択したということになっていますけれども、果たして、供給される側、いわゆる需要側である住民が、どの程度の思い、認識を持ってこの民間移管を受けとめたかという点であります。
 確かに、皆さん方はよく言いますが、入院ベッドは必要だと。官民問わずベッドは必要だというような住民の声に応えたと書いてあります。記載してあります。しかし、住民にとってみれば、無床化案が出て、そしてこういう民間活用があったならば、いや、それならばベッドがあったほうがいいと。あったほうがいいという部分を随分膨らませたのではないかと。私は、地域住民の方からも、民間移管になって10年間続くというふうな医療局の話があったけれども、果たしてそうなのかどうか半信半疑なまま進んでしまったと。そして、果たしてこの医療法人白光は撤退をしたと。重大な医療政策のミスがそこにあったと言わざるを得ないと思います。
 そこで、今回の一番の、住民との意識の共有、民間移管に対する、民間ですから、住民に対するリスクコミュニケーションについて、あなた方はすべきだったとは書いてあるけれども、その本質の部分までは至っていない部分があります。記載していない部分があります。その点については、どのような認識、そして、なぜ撤退するという可能性まで、可能性はあるとしてもあなた方は言えないはずでしたね。言えない立場であった。そういうふうに自分たちを追い込んでしまったから。その点について御認識をいただきたいと思います。
〇遠藤医療局長 民間移管の場合における住民とのリクスコミュニケーションということで、具体的には、民間でございますので、撤退する可能性もある、そういったリスクのところを地域の方々と十分情報共有を図ったのかという趣旨のお尋ねかと理解いたしております。
 地域住民との意見交換、意向確認につきましては、節目節目に懇談会を開催するなど地元の意見を聞く場を設置しているものの、民間移管後の運営に対する地域住民との意識共有が不十分なまま民間移管を決定したのではないかといったことはこれまでも県議会の中で御指摘をいただいたところでございます。
 今後の民間活用に当たりましては、そういった点も踏まえまして、地域住民との意識共有を十分に図る、これはもちろんでありますけれども、さらに、医師会を初め医療関係団体の意見も踏まえながら進める必要があるというふうに今回の検証のところでまとめさせていただいたところでございます。
 確かに委員御指摘のとおり、公立だから撤退がないということではございませんけれども、民間の場合にはそういったリスクというのがございますので、そういった点につきましても、今後については十分意識共有を図るような形で進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 県議会の議論を踏まえてという言葉が各所に見られるわけです。そこで、住民との意識共有について集中して聞きますけれども、要は、今、医療局長から答弁がありましたけれども、しっかりとした情報が伝わっていなかった。そして、思い出していただきたいんですけれども、さっきちょっとだけ触れましたけれども、あなた方は、医師が足りなくなっても医療局は全面的にバックアップするといったことまで言いましたよね。ちゃんと議事録にも載っています、当時の医療局長の。その記載がこの報告書案には出ていないんですが、その点について、初の民間移管という形で、新しい地域医療のモデルということまで豪語して突き進んだ今回の民間移管でした。我々のさまざまな議会での質疑に関しても、何回も私もしつこく言いますけれども、あなた方は繰り返してこのことについては成功させたいと、かなり前のめりになってやってきた、そういう事実があるわけです。
 一見この報告書案は、我々の意見を体して非常に苦労した跡はあるんだけれども、あなた方が前のめりになってしまった、そこの本質の部分が全く記載されていないというふうに私は思うんですが、その点についてはどのような考えを持っていますか、お聞かせください。
〇遠藤医療局長 医師の診療応援スキーム等についてもいろいろ御議論、御指摘をいただいたところでございます。先般の決算特別委員会でも、法人側にそういったスキームを説明していたのかという御指摘もいただきました。さまざまございます。
 基本的には、医療局といたしましては、当時は、早くベッドをという地元の声に何とか早く応えたい、そういう思いで進めさせていただいたところでございますが、ただ、委員御指摘のとおり、さまざま議会でもいろいろな御指摘があったということは事実でございますし、結果的にはそうした懸念した事項が現実になってしまったという点については私ども重く受けとめているところでございまして、今後におきましても、そういった議会での御指摘等については謙虚に受けとめて対応してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 そこの前のめりになった部分の記載がないという点についてはどのような所感かという質問であります。答えてください。
〇遠藤医療局長 一連の手続、経過等については記載させていただいているところでございますが、前のめりという表現的なところはなんなんですけれども、思いとしてはそういったところも記載させていただいていると考えております。
〇飯澤匡委員 先ほど、時系列的にも、1月28日、いきなり、県議会でもそういう民間移管というような手続がいろいろな話も出ない中でばーんと新聞報道があって、そして時期を同じくするように、まさにタイミングよくこれがどんどん進んでいった。私は、今回はそこだと思うんです。最初の手がかりの部分で、非常に指導が間違っていたと。
 この最終報告案を見ますと、何かそこら辺が、言葉で、我々がこれまで議論していた部分と違うというニュアンスを感じるわけです。なぜならば、地域住民の要望に応えているという点を随分強調されていますけれども、一方では、民間移管についてはどうなのかと。何回も懇談会を開催されたと言いますけれども、その当時の議事録を見ても、特定の人しか発言していないわけです。これは今までも議会の中で指摘しておきました。だから、何かそういういいところだけを抽出してずんずん進んでしまって、結果として破綻してしまったと。私はそこの部分の記載をどうも曖昧にしたままではないかと思っているわけです。
 今回、今後の地域医療政策についても、本県の場合は、歴史的にも県立病院が主体的な役割を担ってきた。そういう中で、特に中山間地、地域病院のある地域については県立病院に格上げされて、何とか地域に医療の光を当てようということで営々と継続されていた地域病院が花泉に限らず無床化ということになったわけです。今回、手順を2段も3段もすっ飛ばして、それでいきなり民間移管という形になったと。そういう選択をしてずんずん突き進んでしまった。そして破綻したということの責任は重大であって、その導入部分がしっかりと記載されていないというのは、これは私は真実を書いていないというふうに判断せざるを得ないと思います。
 民間移管に係る事前の部分についてのみ私は質問させていただきましたが、今回の事案は、どうもいろいろなところから変な圧力がかかって、あなたたちも突き動かされてしまったのではないかというような疑念を抱かざるを得ない。参考人のお話を聞いても、全てが真実、全てが皆さん方と言っている部分が符合しているわけではないし、まさに相反している部分が数多くある。このことを見ても、やはり導入する前、そして契約した、そして民間移管が進む中、そして破綻した後、どうもこれは、一連の過去の事実として、次なるステップに早く進むための報告案にしかならないのではないかというような気がして、私はかなりこの最終報告案についても不満足であります。
 やはりしっかりとした事実を、さっき申し上げたように、あなた方は本当に前のめりになって進んでしまったんですから、そこは真摯に反省をして、この最終報告に上げるべきだと思いますよ。その認識が違うというままで、やっぱり当該事業者が悪かったんだと、その責任だと。一端の責任は自分たちにあるけれども、結果として何となく破綻してしまったということでは次の教訓には生かせないと思うんですが、その点についてはどういう思いを持っていますか。
〇遠藤医療局長 今般の民間移管に関しましては、いろいろと移管前、移管後においても議会で御指摘、御議論をいただいたところでございます。私ども医療局といたしましても、手続的には相応の手続を踏んできたと考えております。ただ、結果としてこういう事態に至っているということはやはり重く受けとめなければならない。なおかつ、これは、これまで議会でも御指摘をいただいた事項等、懸念していた事項がそのまま現実化してしまったというところも結果としてはございますので、そういった点も今回の検証におきましては反省すべき点についても改善点としてまとめさせていただいたところでございますし、今回の検証の結果を踏まえまして、今後、民間移管がある場合には、議会の指摘とか、そういったものも真摯に受けとめながら対応してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 通告しておりますので順次質問いたしますが、今、飯澤委員の質疑の中で気になったことがありますので、冒頭、答弁は求めません、所感として申し上げておきますが、医療局次長、私は、まず憤りを持って意見を申し上げたいと思うのですが、これまで過去の検証についてお尋ねすると必ず医療局次長が答弁した。きょうも答弁された。答弁の限界はわかりますけれども、本当に誠意を持って真摯に地域医療を守るために検証するというのではなくて、医療局を守るために検証しているという姿がありありと私には映ります。これまでそういう方じゃないなと思っていたんですが、たび重なるそういう答弁については、私は憤りを持っております。本当に真剣に、過去の書類とか当時の職員に聞いたのではなくて、聞いたというアリバイをここで語っているだけにしかすぎないと思いますし、私はその点については非常に重ねておかしいと思いますし、先ほどの答弁を聞いて、質問の趣旨を全部変えようかなと思ったぐらいです。医療局を守っても地域医療は守れませんので、損な役回りで今のお立場にいてそういう答弁になっていると思うんですが、この点については冒頭厳しく指摘しておきたいと思います。
 質問に入らせていただきます。
 まず、最終報告が出ました。これについては、当委員会の委員長から、議会の意見を踏まえて必要な見直しをするようにということで見直しをされたということ、そして、前回の質疑において、最終本会議の場面で出すのではなくてこういう質疑の場面で出してくれということについて対応していただいたことについては感謝申し上げたいと思います。
 この最終報告について、まず私の所感を申し上げますが、一定の前進は認めますが、今回の事案についての検証としては不十分な部分がある。今後の教訓として生かすには非常に体系的でないという二つの問題があるのかなという思いをしておりまして、その観点から伺います。
 また、こういう質疑をすることが今の県政課題においてどうなんだと。政局絡みだといった間違った指摘もこれまでありましたけれども、私は、急がば回れで、今回の事案というのは非常に大事で、このことをしっかりとまとめて次の計画に生かしていかなければ、沿岸被災地の地域医療を守る際にも、どういうスキームでやるんだというところに生かされない。だからこういう議論をやっているということで各委員の皆様には御理解をいただきたいと思います。
 まず、この検証について、冒頭のはじめにというところで、今後について生かす云々と書いておりますけれども、この検証結果を、ほかの地域で、同様のケース、これから十分想定されるわけでありますが、基本的に、この検証を次にどうやって生かしていくんだというところについて、私はこの記載では十分ではないと思いますので、その基本的な姿勢について改めて伺いたいと思います。
〇遠藤医療局長 今般の花泉地域診療センターの民間移管に当たりましては、一連の手続に関し、県議会からさまざまな御指摘、御意見をいただいたところであり、これらの御意見、御指摘等を真摯に受けとめるとともに、今後、民間活用の検討に当たりましては、移管先法人の適格性の審査に当たり、法人から提出される事業計画等の精査はもとより、これまでの法人の実績や世評等も含めた総合的な評価や審査などについて、医療専門家等を交えて、より幅広く、複眼的、多面的な観点から十分行うべきであり、また、その後の運営に関する指導等についても、節目節目で専門家や第三者の意見を伺いながら、的確に行うとともに、圏域の基幹病院を中心としたネットワークにより地域医療の確保を図っていく必要があると考えております。
 医師不足という状況につきましては現在も変わっていないところでございまして、無床化をいたしました地域診療センターについて、地域の意向に沿って、民間事業者のノウハウを活用する、いわゆる民間の活用という手法につきましては、今後の地域の皆様方の期待に応える方策として有力な選択肢の一つと考えております。
 今般の花泉地域診療センターにかかわりまして、県議会からいただいたさまざまな御指摘や御意見など、今回の検証を通じて得られた教訓、これを十分に踏まえまして、今後の地域医療の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 わかりました。いずれ一番大事なポイントは、今回の失敗を次に生かす、ここだと思うんです。これについて議論を進めてまいりたいと思いますが、その前に一言、検証について申し上げます。
 検証としても不十分と申し上げました。今後の活用に生かすとしても不十分だと申しましたが、検証については、意見にとどめますが、我々、深夜の議会に及んで翌日の4時27分まで議論した日がございました。知事が2回、都合4回本会議場で土下座をしました。あれは何が議案だったかといえば、御案内のとおり、バスを購入して診療の移送に資するための議案だったと私は記憶しておりますけれども、あの件についても全く何も記載がない。ああいう計画を泥縄式に出してきたという、患者の交通手段の確保という観点からあれだけ時間を割いて議論した経緯も書かれていない。だから私はこれについては検証が不十分だと思うし、あともう一つは、前進はしてきているものの、本来は皆さんが主体的に事実認定をしなければいけない部分については、全部間接話法で、議会からこういう指摘があったということで逃げているんですよね。これはやむを得ない部分もあるかなとは思えども、限界だなというふうに私は認識したということを申し上げておきます。
 では、今後に生かすためについて伺ってまいります。
 ここ数回せっかく保健福祉部の皆さんも来ておりますけれども、第一義的に医療政策を立案していくのは保健福祉部。だからここに出席要求をしているわけであります。その一環として、医療局が担う県営医療をどこに位置づけて地域医療を守るかという肝心かなめの政策エンジンを、医療局から保健福祉部が主体的にやってくださいねというのがこれまでの議論だったと思うんです。しかし、何か今回の検証については、もちろん医療局の花泉地域診療センターを民間移管した件での検証ですから出番が少ないようなところはわかりますが、保健福祉部の皆さんの関与の度合いというのがこの検証には見えてこない。という意味で、保健福祉部の皆さんの、この最終報告に対してのこれまでの関与がどうであったのかということをお示しいただきたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 今、委員がまさに御指摘されたとおり、今回の最終報告は、民間移管に係る一連の経過について、それを進めてきた医療局が検証したものとは承知しておりますけれども、この検証をつくるに当たって、保健福祉部としては、この事案については、これまで二つの立場、医療法、それから社会福祉法の所管部局として民間による事業を指導監督する立場という観点、それから、委員からお話のありましたとおり、地域医療の確保を図るという観点からこれまでかかわってきたところでございます。
 報告書の記述については、すり合わせあるいは確認は医療局との間で行ってきたところであります。その記述につきましては、指導監督につきましてはそれぞれの経緯の中に記述させていただいておりますが、例えば、法人側のお考えを聞くための医療法人との面談、あるいは社会福祉法人の設立、診療所の開設許可、そういうことについての事実を記述させていただいておりますが、地域医療の確保の観点につきましては、基幹病院を中心としたネットワークによって圏域全体で地域の医療の確保を図るという観点から、民間移管先法人とも十分連携しながら良質な医療の提供に努めていくという必要性についても報告書に反映させていただいたところでございます。
〇及川あつし委員 当時、事実上、保健福祉部のサイドからもアクセルを踏み込んでいたということについては私はいろいろ伺っております。しかし、いざというときになったら全部医療局に任せてしまったようなところがあるのかなという気がしておりまして、後で質問いたしますが、これから先どうするんだといったとき、また計画をつくる必要があると思うんです。そのときには、やっぱり保健福祉部が前面に出て、そして医療局と連携をして、どうするかということで今ある政策を推進する立場というものをさらに認識していただきたいと思っています。
 次の質問でありますが、橋本参考人をお呼びしたときにいろいろな質疑が交わされましたが、その中の一つの論点として、県からの支援策について、これが恐らく移管を受けた先からすればツーレイト・ツーリトルだったというふうな発言だったと思います。これについては、契約が決まった後に医師の派遣について出てきた。これは不公平じゃないかということを私は当時申し上げました。この報告書にも設けられております。ただ、今後のことを考えた場合に、本当にあれが、時期の問題はあったとは思うのですが、内容として十分だったんですかというところは確認していかなければいけないと思うわけであります。
 他県については、移管事例があるようですが、移管する際にはさらに踏み込んだ支援をしているというふうに聞いておりますけれども、他県の事例についてちょっとお示しいただきたいと思います。本県の失敗事例と比較して何が違うのか、この点についてもお示しいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 他県の移管事例及び移管先への支援内容についてでございますが、全国自治体病院協議会が平成10年以降調査した結果によりますと、他県におきまして県立病院が民間に経営移譲した事例は、本年10月1日現在で4県で7病院となってございます。
 移管に当たっての公募条件を確認いたしましたところ、その支援の内容といたしまして、土地及び建物の譲渡価格を一定程度減額して譲渡した事例、それから、医療機器その他の資産を減額あるいは無償で譲渡した事例、それから、県立病院からの診療応援の事例などが確認されたところでございます。
 続きまして、他県の県立病院の移管事例との相違でございますけれども、花泉地域診療センターは、地域のプライマリーケア機能を担う無床診療所であることに対しまして、他県の移管事例を見ますと、民間移管の対象となった病院が、病床数が150床から300床と地域の中核を担う病院、それから、その機能につきましても、救急医療や小児医療、がん医療など政策医療を担ってきた病院であるほか、移管先も、日赤、済生会、医師会など、有床施設の経営実績を有する団体等となっているところでございます。
 今回の検証におきましても、無床診療所と有床診療所では業務運営の難易度が異なり、有床診療所の難易度が格段に高いとの見解が外部有識者から示されているところでございまして、今後の民間活用に当たりましては、病院や有床診療所の経営実績を応募要件に加えることを検討すべきとまとめたところでございます。
〇及川あつし委員 つまり、今の熊谷経営管理課総括課長の答弁を敷衍すれば、支援策についての事前の検討が、他県との比較でいうとこうでしたという議論は全くなかったんです、当時。やっぱりその意味において検討が不十分だったのかなというところと、あと、支援策も不十分だったなということと、あとは、報告書にも書いていますが、示す時期が不的確だったなというふうに改めてきょう私は理解しましたけれども、この点についてはどうお考えですか。
〇熊谷経営管理課総括課長 今後、民間移管に係る公募を行うような事例が生じました際におきましては、民間移管を行う施設の態様、それから規模、それに応じた支援の内容など、他の自治体の取組事例等も参考にしつつ、また、専門家の意見も頂戴しながら公募条件の検討を行っていく必要があるものと認識してございます。
〇及川あつし委員 わかりました。いずれ、そのようにやっていただきたいと思います。
 冒頭から申し上げているとおり、この最終報告をもって、今後の地域医療を守るという段階においてさまざまな計画をつくるときに、これが全部ベースになるかというと、私はベースではないと思うんです。今回の失敗事例の検証をやったというものにすぎないのであって、次に生かすという趣旨はわかりますけれども、これをもって次の計画を策定するときの基本ベースにはなり得ないと思うのであります。
 その意味において、これはこれでしっかり検証した後に、今後の地域医療を守るという観点で、計画をもう一度、基本的にどういった、パターン的にはどうやるんだということをやっていかないと、今、目前に迫っている岩手町の課題などに私は対応できないと思っておりますが、今後の移管等に関する基本的姿勢を示す新たな計画の策定を全庁的に行うべきだと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。これはあえて答弁者について書いておりませんが、保健福祉部長なのか医療局長なのかわかりませんが、御答弁をいただきたいと思います。
〇遠藤医療局長 委員御指摘のとおり、いわゆる民間移管、民間活用といいましてもいろいろなパターンがございますけれども、今回の花泉地域診療センターについては建物を賃貸借する形で民間に移管するという形態をとりました。それ以外にも、いろいろな地域の実情に応じてやり方というのがあろうかと思います。指定管理というのは、私ども病院事業管理者の立場からなかなか難しいところがございますけれども、それ以外にも、例えば地元の市町村が施設を借り受けて事業者にやっていただくとか、いろいろな手法があろうかと思います。
 委員の御発言の趣旨は十分私も理解するところではございますが、ただしかしながら、私ども、地域診療センターもございますけれども、それぞれの地域によってやはり状況が異なるだろうなというふうに思っています。それを計画的に定めるというところについてはちょっと難しいかなというのが率直なところでございます。また、仮にそういう計画を定めた場合に、また地域の方々にここがなくなるんじゃないかとか、そういう懸念を抱かせるのも何か本意でないというふうに考えております。
 ただ、委員御指摘の点については、まさにいろいろなパターンがございますので、これのみが全てではないというのはそのとおり受けとめております。
〇及川あつし委員 私が申し上げている計画は、どこの地域診療センターをどうやれとかという話ではなくて、地域医療を守るときの原理原則、パターンをあらかじめメニュー化しておいたほうがいいんじゃないかという意味です。
 先ほどの質疑で申し上げた支援策の内容、次に伺いますけれども、手続についてなど、これはメニューとしてあらかじめ整理をしておかないと、今回のように間違い、我々の誤解も一部あったかもしれませんけれども、誤解を惹起するような問題になりかねないと思いますので、計画という表現が適当でなければ基本姿勢でも何でも結構です。いずれさまざまなパターンに想定できるメニューをおそろえいただきたいという趣旨でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次の質問に移ります。一貫して問題になってまいりました公募の手続についてであります。
 私、ずっと自分の中で持っていた論点があるんですが、きょうまで実はお話をしてまいりませんでした。それは、皆さんが真摯に過去を検証して出してきたらこの論点については議論しようと思ってやってきたんですが、きょうは民主党も自由民主クラブも質疑がないように、何となくクロージングに向かいつつあるような感じもしますので、時期尚早かと思ったんですが、この論点で議論させていただきたいと思います。
 まず、私は、はっきり申し上げれば、今回は、先ほどから申し上げているとおり、飯澤委員も指摘しました。十分に事前にこのパターンのときはこうやるんだという計画の検討が不十分なまま民間移管というのが先にぼーんと出て、そして、適正な手続というものが、多分皆さんの中でも我々の中でも混同した中でここまで来てしまったんだと思うんです。つまり、今回ずっと事前接触とかさまざまな癒着があったのではないかとかいろいろな議論がなされておりましたが、その前提は、競争性を確保する契約方法によって皆さんがやると言ったから我々はこういうことを言ってきたんです。けれども、契約手段にはメニューがいっぱいあるはずですよね。本来は、皆さんがちゃんと計画を事前に検証して、こういう契約方法でいきたいので今ここで接触をしてやっているという説明があればこんな議論にならなかったと思うんです。その意味で、以後、さまざまな論点を伺いたいと思います。
 まず、皆さんは競争性を確保して公募すると言いましたけれども、その観点で我々は、例えば法令でいえば、皆さんのやり方は、入札談合と関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律、地方公務員法、地方自治法に基づけばどうなんだという議論をしてまいりましたが、いずれそうした観点で議論が進んできましたので、第1に伺いたいのは、法令の定める公募手続に照らして今回の手続はどうだったかということについて再度所見を示していただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 公募の手続につきまして、これを定めた法令等ということは承知していないところでございますが、公共調達の適正化という観点で申し上げますと、平成18年8月25日、財務省から発せられた各省庁の長宛ての通知、公共調達の適正化について、この通知によりますと、公共調達については原則として一般競争入札により行うこととし、事務または事業の性格等から競争入札によりがたい場合、企画競争または公募により、競争性及び透明性を担保するものとされているところでございます。
 この中で、企画競争を行う場合は、特定の者が有利とならないよう、参加者を公募すること、それから、業者選定に当たっては、業務担当部局だけではなく契約担当部局も関与する必要があること、それから、審査に当たっては、あらかじめ具体的に定めた複数の採点項目により採点を行うこととされてございます。そのほか、公募期間につきましては、急を要する場合を除き、一般競争入札が入札期日の前日から起算して少なくとも10日前までに入札を公告しなければならないとされていることに準じまして、適切に定められなければならないとされているところでございます。
 この基準に照らした場合、おおむね今回の公募につきましてはこれに沿った手続と考えてございますが、今回の検証に当たりましては、法人等としての経営判断や合意形成、資金計画や人員確保等の条件整備に一定の準備期間が必要となりますことから、公募を実施する側の視点だけではなく、応募者側の視点に立った期間設定となるよう、十分に配慮する必要があると検証したところでございます。
〇及川あつし委員 ですよね。問題になるのは、今回の事例を一回おいて考えていただきたいんですが、あらかじめこれは民間にお任せする方法がベストであると皆さんが判断をする。そして、この医療法人が適当ではないかということで事前に接触をする。そして事実上の内定を行う。そして条件がそろった後に、さらにこの条件であれば、公募として手を挙げてくる医療法人、そして適格性がある医療法人があるかもしれないという意味で、最終的に公募をかけて、そこでもし出てくれば競争を行う。出てこなければ、あらかじめ協議していた医療法人と契約を結ぶ。これについては私は可だと思うんですが、どうですか、これは。
〇遠藤医療局長 公募という手法をとった場合に、公平性なり競争性なりをどう確保するかというのは、やはり一つの論点というか、そうなるのではないかというふうに思っております。ただ、委員御指摘のとおり、今回の医療機関、診療所経営あるいは病院経営といった場合、通常の公共工事の入札のような形で一律に、はい、いつまで、いつまでという形が果たして相当なのかどうかというところにつきましては、若干やはりいかがなものかという思いは私も持っております。と申しますのは、医療でございますので、受ける側がどういった法人なのか、あるいはどういった経営方針なのかとか、そういったのをやはり事前に応募するという声があったときに聞いてみたいというのが正直なところでございますし、地域においても同様ではないかと思います。医療は、やはり医師と、あるいは患者の信頼関係の中で成り立っていきますので、医師であれば誰でもいいという話でもないでしょうし、地域との信頼性というのをもろもろ考えますと、必ずしも入札と同じような手続、一連の手続を、公正、公平、競争性を確保していく、それが前提ではございますけれども、別な工夫があってもいいのかなというふうには率直なところ考えています。
 ただ、それを何のルールもなしにやってしまうとやはりいろいろ御指摘を受けますので、委員御指摘のとおり、こういう計画、こういうパターンでいきますよというのをあらかじめ公表した形で、そういう形でやるのがやはり一つの手法だろうと考えております。
 ただ、公平性ですか、その辺のところをいかにクリアするかというところが課題としてあるのかなというふうには感じておりますけれども、いろいろ勉強させていただきたいと考えております。
〇及川あつし委員 私は、ここが実はポイントなんだろうなとずっと思ってまいりました。私もおかしい、おかしいと思いながらも、じゃ、制度上、法令上どうなんだといったときに、私がさっき申し上げた方法は可なんですよ。なので、その観点を私は発見したときに、今回の事案については、やっぱりそこら辺の契約に至るまでの手続を、どうやったらベストなんだというところを検討しないままに、我々に対しては競争性が確保されているんだというふうに、いわば見せかけてやってきたのでこういうことになってしまった。もっとオープンに、法令上認められているやり方で、こういう方針でこうやりますからと適時我々に報告をして議論してくれればこんなことにはならなかった。これが私は問題だと思うんです。
 つまり皆さんは、ここには当時の方はほとんどいませんけれども、何となく隠して、水面下で事実上の内定工作を行って、そして我々に指摘されてどんどん萎縮していった。本当に地域医療を守るということよりも、我々にも一端の責任はあるかもしれないけれども、皆さんがやっていることの隠していることを暴こうとする姿勢でずっと来ました。皆さんはどんどん隠す。結果として移管を受けた法人と医療局の間で乖離が出ていって、最終的に地域医療を守れずにこのスキームは破綻してしまったというのが私は事実だと思うんです。
 なので、計画をもう一度メニュー化してやってくれというのはこの点なのであります。今、繰り返しになりますが、早くこの問題にめどをつけなければいけない地域診療センターがある。ここについても、いろいろな医療法人との協議等が必要だし、そのときにまた同じことになってはまずいので、さまざまな医療法人も今回のこの議論を見ておりますので、事前に接触するようなことがあるのはまずいんだなという、誤解を惹起すると次の展開に行きませんので、早急にこの契約方法や支援の具体をどういうふうにするべきかということは全庁的にまとめていただきたいというのが、私のきょうの質問の趣旨であります。
 最後に保健福祉部長並びに医療局長に所感を伺って、私の質問は終わりたいと思います。
〇遠藤医療局長 今般の移管についての一連の手続につきましては適正に行ってきたと考えてはおりますが、しかしながら、昨年の決算特別委員会、今回という形で、さまざまな形で御指摘、御意見を頂戴しているというのも事実でございます。
 先ほど委員からお話があった、実際に何もなくて公募を一発やって、そして、そこで決めるというのは、果たしてそれがどうなのかというのも正直なところ思っておりますし、やはりいろいろなやり方があるんだろうと考えておりますので、なかなか全部きちっとした形に決めるというのはちょっと難しいかと思いますけれども、そういった考え方については、今後、御指摘として受けとめさせていただきたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 現在休止をしている県立病院の診療所の病床再開をしていくということで、診療所運営の民営化を選択していく場合に、それぞれの市町村で置かれている事情とか地域事情は異なるとは思いますけれども、今、委員から御指摘、御提案のあったような形で、幾つかの支援策について内容をメニュー化するというのは、今後いろいろ検討する一つの方策であろうと考えておりますので、どういうやり方がいいのかということ、今後のあり方について、よく検討させていただきたいと思います。
〇久保孝喜委員 通告はしておりますが、これまでの議論の中で、ちょっと一つ確認をまず前段しておきたいと思いますので、お願いいたします。
 私どもにこの最終報告なるものが示されたのは12月7日の日でしたか、資料として提出をいただいて、これまでの議論も含めて記述をされているということでしっかりと受けとめたいと思うんですが、前回までは最終報告案について議論をしてきたと。その後、参考人との医療局側の、弁解とは言いませんが、認識も並記した資料などもいただいた上で今回につながっているわけですが、最終報告となっていますから、これは、きょうのこの質疑があるかどうかがまだ決まっていない段階で出されてきた文書なんですけれども、きょうの質疑は、この最終報告なるものにはもはや反映するすべはないわけですよね。したがって、これをさらにもう一回修正しますなどということは考えていないという認識でよろしいんでしょうか。
〇遠藤医療局長 先般の決算特別委員会で最終報告についての御質問等ございまして、そのとき私は、最終本会議の終了後に、議会としての議論を踏まえてという考え方から、本会議終了後に報告として取りまとめたいという答弁をさせていただきました。
 基本的にはそういう考えでおりましたけれども、世話人会を通じて議会のほうから、いずれ最終報告の修正した後の姿を見ないとなかなか、決算認定の委員会でございますので、そういう申し入れもございましたので、今般、過日の決算特別委員会までの質疑を踏まえた上での修正を加えた上で、最終報告という形で出させていただきました。
 基本的には、これまでの議論を踏まえた上で取りまとめということで行っておりますけれども、ただ、今決算特別委員会で決算認定という形で、最終的には29日にそういった議会としての意見が示されるだろうと考えておりますので、それを踏まえて必要な修正すべきところが……(「あしたです」と呼ぶ者あり)失礼しました。長々と申し上げてあれなんですけれども、その過程で必要な修正すべき点が出てくれば、それは検討したいと考えております。
〇久保孝喜委員 今の御発言は、議会としての意思、決算に対する認定、不認定の問題が出た後に、何らかのコメント的文書を出すという意味ですか。
〇遠藤医療局長 コメントを出すというよりも、あしたがどういう状況になるかわからないんですが、いずれ最終的に認定いただければ、附帯意見という形で議会としての意思が示されるかと思いますし、やはりそれを全く入れない形の報告というのも、これもまたいかがなものかと思いますので、その辺は十分踏まえて対応したいと考えております。
〇久保孝喜委員 そうすると、今示されているこの最終報告は、その議会の意思の決定後に何らかの加筆が行われる可能性は否定しない、そういう理解でよろしいんですね。
〇遠藤医療局長 必要な部分があれば、これで一歩も譲らないという考えはございませんので、その辺は、議会の御議論を十分踏まえて対応したいと考えております。
〇久保孝喜委員 わかりました。では、私どももそういう立場で議論させていただきたいと思います。
 私は、これまでの議論で延々と何百時間になるかわかりませんが、この間の議論を通じて、やっぱりこの検証報告ですが、これが、先ほど来お話があるように、これからの地域医療を考える上では極めて重要だと思いますし、この検証報告なるものに対する医療局や保健福祉部の姿勢というものが、ある意味、県民に対する強いメッセージになっていくという意味で、大変重要だということを意識しながら質問をしてきたつもりでございます。
 そこで、この検証報告のあり方について若干質問をしたいわけですが、この報告書を誰に読んでいただきたいかということが、まず前提としてあるんだろうと思うんですね。あり方をめぐって、この認識が極めて重要だと。これは誰に向けた検証報告なのかというところを、言わずもがなですが、まずは認識をお示しいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 花泉地域診療センターの民間移管に当たりましては、一連の手続に関し、県議会からさまざまな御指摘をいただいたところでございまして、これを真摯に受けとめるとともに、今後、他の地域におきましても、民間活用を目指すケースも想定されますことから、医療局として、この花泉地域診療センターの民間移管に係るこれまでの経緯等について検証する必要があると考え、その検証結果をまとめたものでございます。
 医師不足の状況は現在も変わっておらず、無床化した地域診療センターについて、地域の意向に沿って、民間事業者のノウハウを活用するという手法は、今後の地域医療への期待に応える方策として有力な選択肢の一つであると考えられますことから、県議会からいただきました御指摘や御意見など今回の検証を通じて得られた教訓を十分踏まえ、今後の地域医療の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〇久保孝喜委員 そういう趣旨で取り組んできたというのは重々承知の上で、この検証報告は、したがって、誰に一番読んでいただきたいのかという思いを聞いているのです。その前提になる話ですので、ここは、医療局長、答えてくださいよ。
〇遠藤医療局長 今般の検証に当たりましては、医療局として検証を行うという旨は昨年の決算特別委員会でもお答えしたところでございますが、一方、議会においても、やはりきちっと検証すべきだという御指摘、御意見等も頂戴しているところでございます。
 基本は、医療局として、今後、民間移管等が想定される中で、しっかり今後に生かすという意味での検証を行っておりますが、誰にということになりますれば、これは、もちろん議会にこういった形で報告申し上げて、御議論いただいているところでございますので、県民の代表であります議員の皆様方にも読んでいただくという前提で考えておりますし、ひいては、地域の方々にも、そういった形で見ていただけるかと考えております。
〇久保孝喜委員 言わずもがな、もちろん県民に向かって県の姿勢なり取り組みの全体像を示して、これから何を教訓として引き出したのかということを説明するという極めて重要な文書なわけですよね。
 そこで、この検証報告、これは全体で178ページに及ぶ報告書なるものなんですが、実際の検証という部分は、19ページから始まって34ページまで16ページ分なんですね。あとは全部、今までの議会の議論の経過とか、参考人の問題を含めて事実経過報告、経過の問題になるわけですよ。つまり全体の1割に満たない部分が、いわゆる検証という部分に当たるわけですね。
 しかも、この16ページから始まる検証が、それぞれの項目、経過に沿って、いろいろ課題や今後への反映、改善策が議会の議論を踏まえて書き連ねられてはいるものの、最後のまとめというのがわずか1ページ。しかも、その1ページの前段の半分以上、6割ぐらいは、これまでの経過を連ねて書いているだけ。実質、検証の結果というくだりから下、最後までの部分、この部分がいわゆるまとめなんですよね。その中でも半分以上は、結局、民間移管をした当該法人がだめだったという内容になっているわけですよ。
 私は、これが医療局の皆さん方の本意だとは思いませんけれども、こういう書き方が間違ったメッセージを送っていると私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇遠藤医療局長 私ども、移管を受けていただいた法人がどうこうという形でまとめたつもりはございません。基本的に、結果としてこういう撤退という事態に至ったところの課題なり、そういったところを検証して、反省点とかといったものをまとめたというのが基本的な考えでございまして、移管先の法人がどうこうしたという評価的なところは、基本的には、できるだけそういうものは書かないような形でまとめさせていただいたつもりでございますが。そういうところでございます。
〇久保孝喜委員 そういうふうに言うのでしょうけれども、読み方とすれば、我々が、これまで議論に参加してきた当事者としてこれを読めば、結局そういうふうにしか読み取れないんですよ。これを払拭するためには、県民に向かって、この事案が延々と続いた議論、それから経過の中で、何が教訓だったのかと、一言で言えというのはなかなか難しいんですが、それぞれの段階によって、ここが問題だった、ここが問題だったというふうに、ある種、箇条書き的に教訓をきちんとまず前段で示すと。その上で、経過の中で県議会からのこういう指摘があったとか、さまざまな経過があったというのであればわかるんですが、つまり、何が問題だったかを知るためには、これをほとんど全部読まないとわからない仕組みになっているんですよ。そういう書き方なんですよ。そういう体裁なんですよ。だから私は、誰に向けてこれを出しているのかということを問題視したいわけですね。
 結局、議会の議論も、それぞれの項目では取り上げて書き連ねてはいるけれども、まとめの部分ではほとんど変わっていない、今までの議論の経過の中でも。そこが問題だと私は思うわけです。
 その象徴的な例は、あの議会において参考人招致をして、そして意見を聞いて、医療局の認識と大分ギャップがある、違いが出てきた。そういう違いがあったという事実は、この検証のどこを読めば出てくるんですか。資料に添付されている対照表を見ればわかりますよ。そこまで行けば。
 ところが、この検証の中身では、それが、そういう当事者同士の認識の違いというのが大きかったとはなかなか読み取れない、そういう書き方になっているんですよ。そういう姿勢が、私は、実は問題なのではないかと思うんですね。つまり、そうした当事者同士の認識の大きな違いをどう総括するのかということが、この検証報告には何ら示されていない。その点についてどうでしょうか。
〇佐々木医療局次長 過般の10月24日に行われました県議会による参考人招致における参考人の事実経過等に係る発言につきましては、医療局としての考え方等をまとめた形で整理表ということで説明するとともに、報告書にも添付しているところでございます。
 参考人からは、事実と異なる発言や、事実と異なる発言を翻し医療局が事実と表明していた事項を肯定する発言、さらには、新たな事項の発言があったと受けとめているところであります。
 これら参考人の発言につきましては、医療局がこれまで把握していたものと大差ないものであり、医療局におきましては、過去における一連の書類や記録等を精査するとともに、当時の関係者から確認を行ったところでございます。
 なお、本文中におきましては、この参考人招致を行ったことに関しまして、21ページの課題よりちょっと上の部分に記載してございます。
〇久保孝喜委員 今、御指摘のあった21ページ、課題等の上4行の部分ですね。この事実関係については云々、この4行を見ると、どこかにその資料があるんだろうなといって探すという、そういうパターンですよ。つまりそれほどに、この県議会が行った参考人招致で明らかになった事実認識の違いというものが、この検証報告の中ではほとんど総括されないで、私たちが考えていたとおりですみたいな話で済まされている。したがって、読むほうの県民にとっては、その参考人招致をした県議会の姿勢も、それからそこであらわれた事実の違いも、そして、それに対する医療局の認識とのギャップも、余り感じ取られないようにしか書いていない。これを称して総括をしたと言うのかと、こういうことですよ。そこが、まさに姿勢として私は問題があると思いますが、もう一度御答弁願います。
〇佐々木医療局次長 参考資料の6におきましては、参考人の発言と、それに対します医療局等の認識、対応等について、一つ一つの項目について明記しているところでございます。
〇久保孝喜委員 結局、こうした議会の議論が丁寧にそれぞれの項目にわたって追加されてはいます。その点については認めますし、その御労苦に感謝を申し上げたいわけですけれども、一方で、全体を貫くこの問題にかかわる姿勢というものが、私たちが主張してきた本質的なところには一切届かないまま、実は書かれているんだなという印象があるわけです。
 先ほど来出ているように、この検証が、まさに地域医療の今後にとって非常に重要だということに関して次にお尋ねしたいわけですが、そもそもこの民間移管の前史として無床化の問題があったわけですよね。
 この報告書の2ページのはじめにのところにも書いてありますが、今回の民間移管が建前上、建前上ですよ、建前上、官民を問わず入院ベッドが必要であるとの地域の強い意向に沿って行われたと、こういうふうに書かれておりますが、このまさに地域がということ、あるいは強い意向というのが誰を指しているのか、どういう事態を指しているのかよくわかりませんけれども、こういう意向に沿って行ったはずの民間移管だったわけですから、当然、その前提となる無床化の背景や無床化を含む県立病院の改革の問題が、どういう議論経過の中でこの民間移管というところにつながったのかという認識が、実は全く示されていないわけですよね。もう完全に民間移管の話のところから用意ドンで、その前段階での議論というものが、この検証には全く反映されていないという意味で、これから先の地域医療の進展というところに本当にこれが生かされるのかという危惧を抱いてしまうわけですが、その点はいかがでしょうか。
〇佐々木医療局次長 公立病院は、採算性等の面から民間医療機関による医療提供が困難な地域に医療を提供するという役割を担っていると認識しております。
 しかしながら、医師不足等による限られた医療資源と厳しい経営環境の中で、県立病院のみの対応ではなかなかできかねる部分もございます。そういった中で、県立病院が担うべき役割を果たしていくためには、二次保健医療圏を基本とした県立病院相互の役割分担と連携をより一層進めるとともに、他の医療機関や介護、福祉との役割分担と連携を進めていくことが必要だと考えております。
 そのためにも、今回の事案の教訓を踏まえまして、民間移管後においても、県立病院間のネットワークの強化を進めるとともに、当該移管先医療機関との患者の紹介、逆紹介や医療機関の施設開放を初めとする地域連携の一層の強化を図る必要があると考えているところでございます。
〇久保孝喜委員 今の答弁を聞いても、今回の花泉事案そのものが、結局、無床化に伴って起きた地域の意向とか動きとかに対応するための一つの提案、やり方だった、事業だったとするには、いささかどうもすとんと落ちないわけです。
 それではお尋ねしますが、今、無床化になっている地域も含めて、どういう環境ができれば、皆さんはまた民間移管というところに進もうとしているのか。今、既にその途上にある地域もございますけれども、どういうふうにしてこのベッドを取り戻したいという地域の意向に沿う仕事をこれからなさろうとしているのか、そこはどのようにこの検証を踏まえて考えていらっしゃるんでしょうか。
〇遠藤医療局長 検証報告そのものは、無床化に至った経緯のところについては触れておらないというのは御指摘のとおりでございまして、移管の経緯とかに触れればよかったかもしれませんけれども、いずれちょっとそこは触れておりません。いずれ移管からスタートしているというのは、そのとおりでございます。
 今後の地域診療センターの民間移管あるいは民間活用についてでございますけれども、やはり私どもが支えられればよかったんですが、医師不足等々ございまして、なかなか有床診療所の維持が困難になってこういう事態に至っておりまして、その医師不足の状況は現在も変わらないというのは、これまでもお答えしてきているところです。
 やはり基本的に、地域で、地元自治体も含めて、有床、ベッド復活、何とかそういう方法はないかといった動きが出たのにあわせて応えていくというような形の対応になろうかと思います。計画的にこことここは移管しますよというのはなかなか難しいですし、それぞれ地域の置かれている状況というものも異なりますので、基本的には、地元自治体の意向等を踏まえながら対応していくことになると考えております。
〇久保孝喜委員 結局、この問題のスタート時点は、私たちがちょうど議会に議席を置いたその年から始まった話ですので、もう丸5年に近い形でこの議論に参加させていただいているわけですよ。結局、この民間移管の問題も、先ほど申し上げた無床化ということが前提になった上で、地域の声とか、あるいは移行というものが出てきたと。
 そうすると、そもそも無床化そのものがどうだったのかというところに私は問題は帰っていくんだと思うんですね。そこを、県立、県営ではなかなか難しいから、民間の力もかりて、そういう流れの中で民間移管が出ているわけですから、そうすると、これから先の、例えば地域医療を考えた場合でも、今、医療局長がいみじくも、地域というのは、まさに自治体も含む地域なんだ、こういう趣旨のお話でしたが、そういうところの声が出てこない限り、医療局はみずからは動かないのかと。無床化を決めた当事者である医療局が、地域にどんなニーズがあって、どういう意向があるかということをみずからは探ろうとしない。地域が、自治体を含めて声が上がって、何とかしろという声が上がれば何とか対応しましょう、こういう話なんですか。それが今回の花泉事案のまさに教訓なんでしょうか。お答えください。
〇遠藤医療局長 地域から声が上がらなければ医療局は動かないのかというお尋ねでございますけれども、医療局が地域に出ていって、そこを民間移管しませんかと言うのも何となくちょっと変なような気もしますし、地域医療そのものは、私は、基本的には、県のみならず、やはり地元の自治体も、地域医療というものは一つの業務というか所管事項だと思っておりますので、そういう意味では、一義的には、やはり地元の自治体で、住民への福祉政策の一環として医療をどう考えるのかというのが基本にあるんだろうとは考えております。
 ただ、無床化したものを、じゃ、ただそのままにしておくのかという点につきましては、これは地元の首長とも折に触れて意見交換させていただいておりますので、そういった地域の動向を踏まえながら、医療局として対応すべき点は対応していきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 この議論が、実は無床化の際にも何回も繰り返されたことなんですよ。無床化計画を出す前に、地域の自治体や、あるいは関係者を含めて、本当に無床化していいんだろうかというところで議論を重ねた上で計画を出すべきではないのかと。県立病院の改革の問題の議論は、まさにそこが肝だったんですよ。しかし、皆さん方というか県は、無床化をしますとやってしまって、それで地域からどんどんそれは反対だという声が上がって、最終的には議会で決まったわけですけれども、民間移管の事例では、たった1票差で決まった、そういう激しい議論の経過があるわけですよね。
 そうすると、そういう経過に基づいてこれから先どうするかというところが、この検証報告で読み取れますか。私には絶対読み取れない。つまり、地域でベッドを欲しいと思っている人がいっぱいいるんですよ。これは当たり前ですこれ。皆さんもそうだと思うんですけれども。しかし、それができかねているという事態を、その計画を出す当初から地域ごとで考えていくという姿勢が必要なんだということを、我々は前の政和・社民クラブのときにも、要望書も含めて、具体的提案も含めて出したんですよ。一切無視ですよ。その上であの結論が、今に至る結論が導き出されてきた。この教訓は、まさに5年前の議論と全く同じ水準のところで、今もう一回繰り返されている、こういうことだと私は認識するわけですね。
 したがって、さっき言ったように、ベッドが必要だという地域の強い意向というのを、今の時点では、事実上、医療局も保健福祉部も、ただただ見ているだけでしょう。それでいいのかということですよ。今回の一連のこの5年間にわたる議論の教訓が、そういう地域の動きを見るだけという話になってはいないですかという指摘をしたいわけです。この教訓を、この先の医療局や保健福祉部の業務にどういうふうに生かすつもりなのか、それぞれ保健福祉部長、医療局長、お答えいただきたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 今回の一連の経過、事案について、今後の地域医療にどう生かしていくかというお尋ねでございます。
 結果といたしまして、開設後10年間の事業継続ということは果たせなかったところでありますが、今後、地域におきまして、医療資源は非常に限られております。無床化の問題もそういうところに端を発しているものでありますけれども、そういう状況において、県民の方々が安心して医療を受けられるようにするということは、まずもって、これも何度も繰り返し申し上げてきていることでありますけれども、二次保健医療圏の中での病院や診療所、それぞれの役割を果たしていく、構築をしていくということ、それから、医療と介護の連携も含めまして、そういう仕組みをつくっていくことが大事だと思っております。
 民間移管につきましても、介護との連携ということを意識しながら移管を今回進めようとしたわけでありますが、そういう医療と介護の連携、そして医療機関同士の情報化等によるネットワーク化、さらには、それぞれの地域を支える方々との協力、医療機関との連携、開かれた診療所、そういうものが今回いろいろな形で明らかになっていますので、そういうことについて、今回の教訓として次の展開に生かしていきたいと思っておりますし、そういう考え方につきましては、現在策定しております保健医療計画にも生かしていきたいと考えております。
〇遠藤医療局長 地域病院や地域診療センター等なんですけれども、いわゆる無床化につきましては、これが、どれが正しい、間違いということではないと考えております。やっぱり当時、医師不足の状況というのが非常に深刻な中で、最近では、県北・沿岸では基幹病院も維持するのがなかなか大変だという状況になっています。したがって、共倒れと言うとちょっと語弊がありますけれども、やはりその地域のところの県立病院が核でございますので、そこを維持するためには、地域の方々には、無床化していることは大変申しわけないのですけれども、そういう選択の中で、やむを得ずそういう方策を選択したと考えております。
 委員御指摘のとおり、やはり地域診療センターを含めて、基幹病院は急性期なので性格がちょっと異なりますけれども、地域診療センターとか地域病院については、プライマリーケアといいますか、初期治療のところを担っておりますので、まさに地域密着という形になります。そういったところの医療を今後どうしていくかということにつきましては、これは、もちろん地域住民の方々の御意見は十分お伺いしなければなりませんし、また、地元自治体のお考えとかというものも十分伺いながら、基本的には、そういった地域の要望に応えられるような形で努力はしてまいりますけれども、ただ、いかんせんこの医師不足というものがなかなか壁になっていると申しましょうか、そういった中で、やむを得ず、そういった無床化とかというものをやってきたのが経緯でございます。
 基本的には、私どもとしても、できるだけ地域の身近なところにベッドがあるというのは、やっぱり県民の福祉あるいは市町村の住民の皆さんの福祉という意味でも重要だと思っておりますので、そこは、基本的にはそのとおりだと思っています。いずれ、そういった地域の方々ともよく意見交換しながら進めてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 今のお二方の答弁に沿って業務がやられていれば、多分こういう事態にはならなかったんだろうなという思いを強くいたしました。
 再三この議会でも出ているように、知事が地域医療のモデルだと言ったケース、県内初のケースがこうして破綻したわけですから、当然のことながら、そういうトップリーダーの発言というのは重いものがありますし、当然それを体して皆さんも仕事をなされてきたんでしょうから、そこからどう応えたのか、応えられなかったのかというまず反省がきちんと示されないと、検証報告にはならないと。この報告書は、かなりの御労苦があったと思いますけれども、残念ながらそういう代物にはなっていなかったと私は思わざるを得ません。そのことをお話しして、質問を終わります。
〇斉藤信委員 この報告書に沿って、この不十分さを指摘したいと思います。
 まず、事実経過のところですけれども、4ページで、2月16日、一関市長と面談。医療法人白光が名乗りを上げたことを踏まえ、どのような利活用を考えているか説明したと。これは何を説明したんですか。医療局長、答えて。
〇遠藤医療局長 新聞報道等を受けて、そういった声があるよという状況を説明したと理解しております。
〇斉藤信委員 新聞報道を受けて説明したと。民間移管で手を上げている人がいるから民間移管があり得るよという話でしょう。この時点はどういう時点かというと、まだ無床化が強行されていない、無床化反対の声で地域がもういっぱいいっぱいのときですよ、このとき。
 もう一つお聞きします。4月23日、第2回地域医療センター等懇談会、知事出席。ここで医療局は公募を実施する旨を表明したんです。第2回の懇談会です。あなた方は、民間移管は、地域から声が上がってそれに応えたと言っているけれども、全然経過は違うんですよ。第1回の懇談会は無床化反対の声でいっぱいいっぱいです。第2回、無床化された直後、いいですか、この第2回懇談会で、老人保健施設の施設長、これはお医者さんですが、県から民間に移行するという案が出て、きょうこの案を初めて見せられてみんなびっくりしているのではないか。いいですか、民間移管というのは、びっくりするような形で出されたのですよ。だから、最初からあなた方は、1月28日の白光が手を上げた新聞報道から、それを前提にして、声も上がっていないのに民間移管の公募の方針を示して進めたのではないですか、医療局長。医療局長に聞いているんだ。
〇遠藤医療局長 一連の手続につきましては、委員御指摘のような見方もたびたび委員からはお話しいただいておりますけれども、基本的には、そういった動きが、あるいは報道がある中で、地域の意向を踏まえて対応してきたというところでございます。
〇斉藤信委員 私は、あなた方の報告書に基づいて聞いているんですよ。四つのパターンを示して、医療局で公募する、実施する旨を表明したと。4月23日ですよ。無床化した直後ですよ。何が地域住民の声を踏まえてですか。第1回懇談会ではそんな声は出ていないんだから。
 第2回は、私が今紹介したように、この案を初めて見せられてびっくりした。私は議事録を全部読みましたよ。あなた方ね、ベッドを残してほしいというのは当たり前なんですよ、無床化されたんだから。しかし、そういう声を無視して、もう民間移管先にありきであなた方が公募の方針を示したのが4月28日(後刻訂正)じゃないですか。違いますか。4月23日ね。
〇遠藤医療局長 4月23日には、方針というところまでは医療局として示したという形ではなくて、こういう選択肢の中でいろいろなパターンがありますよという形で、意見交換をさせていただいたと認識しておりますけれども。
〇斉藤信委員 こんなことでやりたくないけれども、あなた方が書いているとおり私は言っているんですよ。医療局で公募を実施する旨を表明した。自分で書いていて何ですか、全く当事者能力がないじゃないですか。人ごとのような答弁をすべきじゃない、これだけ重大な問題で。これは誰が書いたんだ。
〇遠藤医療局長 済みません、当日の懇談会をやって、そういった議論の結果を踏まえてそういうものを表明したというか、そういう流れでございまして、懇談会の冒頭から、こういう方針でやりますよという形で懇談をしたということではないということでございます。
〇斉藤信委員 だから、懇談会のメンバーからそういう声が出たわけじゃないんです。ところが、そういうところにこういう案が、四つのパターンが示されたからびっくりしたということになったのですよ。いいですか。だからね、民間でやってくれという声を受けてあなた方がやったというのは、真っ赤なうそだということですよ。真っ赤なうそだということですよ。びっくりするような提案だったと。
 それで、公募要綱について説明したのは平成21年7月29日、第4回地域医療センター等懇談会です。ところが、この第4回で公募要綱を示す前に、医療法人白光は、公募に向けた準備を県の支援のもとにやっていました。あなた方はさまざまな支援をやってきた。違いますか。
〇熊谷経営管理課総括課長 医療法人白光の民間公募に関する平成21年1月28日の新聞報道を受けまして、同年2月16日と4月6日の2回にわたり、法人側の聞き取りを行ってございます。
 また、その後におきましても、地域診療センター等懇談会の状況等についての問い合わせなどを受けているところでございます。
 検証に当たりましては、過去における一連の書類や記録等を精査するとともに、当時の関係職員から確認した上で、最終報告としてまとめたところでございまして、医療法人白光が公募に向けた準備を県の支援のもと行っていたという事実につきましては、確認していないところでございます。
〇斉藤信委員 大体、あなた方が支援できなかったら、7月29日から8月25日までの公募期間に医療法人白光が申請なんかできないんですよ。私は、この場でも具体的に、県の職員が部長にも呼ばれて、医療法人白光の申請書類をきちんと支援しなさいと叱咤激励されて、そうやって動いているんですよ。医療法人白光先にありきで県職員が動いていたのは事実なんだから。あなた方は、都合の悪いことは全然調べもしない、認めようともしない。
 それで、検証結果についてに入りますが、19ページ、民間移管の是非について、ここではこう言っています。官民を問わず入院ベッドが必要であるとの地域の強い意向が示されて、民間事業者のノウハウに期待して公募による民間事業者への移管を進めたと。これは事実に基づかないと。これは私が指摘したとおりです。
 それで、課題として、公設民営や指定管理者制度といった他の選択肢を考慮せずに、民間移管を進めたとの指摘が県議会においてなされた。
 今後への反映として、地域の意向に沿って、ちょっと飛びますが、多様な検討を行うとともに、今回の検証結果を十分に踏まえ、地元市町村との密接な関わりのもと、適切に対応していくと。
 だから、民間移管が有力な選択肢とは言えないと。多様な形態、これは、県による再生もあるでしょう、市町村による運営もあるでしょう。私は、それが今回の民間移管失敗の重要な教訓だと思うけれども、そういうことだと認めますか。
〇遠藤医療局長 有床診療所の維持がなかなか難しいということで、やむにやまれず無床化を進めたわけでございますけれども、そうした中にあって、民間の活用による有床診療所の維持という方法そのものは、やはり地域の期待に応える選択肢の一つだと考えております。
 ただ、委員御指摘のような、必ずしもベッドを維持するという場合の手法としては、指定管理とかいろいろな手法がございますので、私どもも選択肢の一つということで報告書をまとめさせていただいておりますので、民間移管が全てだとは言っておりません。それは、地域の実情に応じた形の選択肢がいろいろあろうかと思います。
〇斉藤信委員 私は、あなた方の検証報告を示して言っているのだからね。あなた方はこう言っているんだから、多様な検討を行うと。これが今回の検証の教訓だと。だから、逆に行けば、今回、民間移管で突っ走ったことが問題だったということですよ。
 その次に、民間公募に至るまでの過程、手続について聞きますが、公募前における医療法人白光への対応について、臨時嘱託医師の採用問題、この点については、あなた方の検証結果としてこういうふうに課題のところで触れています。医療法人からの紹介による臨時医務嘱託の採用をはじめとして、公募前の医療法人との接触のあり方等について、県議会から、対応が不透明である、癒着ではないかと疑問を呈する意見が出されてきた。特に臨時医務嘱託の採用は、公募への参加を表明した法人の紹介を受けてのものであり、公募前という状況を考慮した場合、配慮に欠ける行為であったことは否めない。初めてこういうふうに書いているね。どういうふうに反省していますか。
〇遠藤医療局長 非常勤の臨時医務嘱託の採用につきましては、これまでも答弁してきたとおりでございます。いずれ医師不足の中、一人でも確保したいというのが医療局としての、できるだけ現場の医師の皆さんの負担軽減という意味では、できるだけ医師の数をふやしたいというのが基本的なスタンスでございます。
 しかしながら、今般の臨時医務嘱託の採用につきましては、これまでも議会で斉藤委員を初め、いろいろ御指摘をいただいてきたところでございます。外形的にというか、そういう受けとめられ方をするということは、やはり本意ではございませんので、そういった点も踏まえまして、今後におきましては、移管先が決定する前の段階で、応募または応募した法人から、移管予定のセンターの医師の採用という形は、やはり控えるべきだろうと思っております。
 ただ、決定した後、あるいは内定した後に、患者さんの円滑な引き継ぎという意味で勤務していただくというのは、あるいは選択肢としてはあろうかと思いますけれども、いずれ公募前にそういった形というのは、基本的には控えるべきだろうと考えておりまして、報告のほうもそういう形で取りまとめしたところでございます。
〇斉藤信委員 医療法人白光の紹介で嘱託医師を採用したというのは、癒着の典型的なあらわれなんですよ。6月8日に採用して、勤務期間が7月6日から8月21日ですよ。これは公募期間に入っているんですよ、公募期間に。公募期間に入っているときに、手を上げている医療法人から紹介されて医師を採用していたと。こんなことで公正な公募ができますか。医療局長、私は、これは重大な癒着だ、考えられないような問題だと思いますよ。
〇遠藤医療局長 委員御指摘のような癒着ということではないわけでありますけれども、しかしながら、そのような御指摘を受けるということは、やはり適当でないと考えておりますので、今後においては、そのようなことのないような形で対応してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 考えられないようなことをやったのが、今回の民間移管だったんですよ。それだけ、医療法人白光ありきで、この医者は診療所長の候補者だったんですよ。私は、もうそういう意味では、本当に考えられないような公募をやったし、臨時医師の採用をやったし。
 それで次に、民間移管の公募についてお聞きします。
 民間移管の公募について、22ページのところでは、課題として、今回の民間移管における最大の要因として、医師や当直看護師の確保が思うように進まなかったことが挙げられる。有床診療所の経営実績の有無を重視するという視点や認識が不足していた。これは、私が一貫してこの問題を指摘してきた。県議会でもたくさんの指摘があった。今ごろになってこういうふうに書くのは、事実だからそうだと思うけれども、こういうことができなかった責任は誰にあるんですか。
〇遠藤医療局長 今般の検証に当たっては、過去にさかのぼりまして、いろいろな議会での議論とか、そういった一連のものを踏まえた上で検証させていただいたところでございまして、結果的にこういう事態に至ったというところで、反省すべき点は反省してということでまとめさせていただいているところでございまして、そういった意味におきましては、委員の御指摘された事項等々も、十分報告の中には入れさせていただいているところでございます。
〇斉藤信委員 県議会で指摘をされないでこういう事態に陥ったのならともかく、県議会でけんけんがくがく、この間、一貫してこの問題は指摘されてきたことなんですよ。それをあなた方は無視して医療法人白光を決めてきたんですよ。
 そこで、また10ページに戻りますが、10ページに医師体制の推移というものがありますね。いわば事業計画の核心は医師の確保なんです。有床診療所の運営が困難だというのも、この医師を確保できるかどうかにかかっていた。しかし、その医師は、この10ページに見るように、もうころころかわった。
 私は、事業計画の評価書をまた見ましたけれども、なぜ医療法人白光が決まったかというと、医師確保の見通しが明るいからという話なんですよ。しかし、その根拠は2カ月後にはもう破綻して、3月25日のいわば事業計画変更のときには誰も同じ人はいなかった。4月1日に開所するときには医師不在で開所したんですよ、これ。これは事業計画が偽りだということでしょう。事業計画に偽りがあれば、この計画は取り消す、内定は取り消す、これが当然だったのではないですか。なぜそれができなかったのですか。医療局長に聞いているんだ。
〇遠藤医療局長 医師確保につきましては、10ページに書いてあるとおり、いろいろ変遷しているというのは事実でございます。4月1日の開業時も、開設時もかわっている、そのとおりでございます。
 この点につきましては、公募の審査の段階では、橋本理事─会長ですか─の個人的な人脈がいろいろあるというところで評価をしてきたところでございますけれども、先般の参考人招致の中におきましては、そういった人脈でない医師確保のお話もされましたので、そういった点は、反省点ということで報告のほうにも取りまとめさせていただいているところでございますし、事業計画そのものの医師確保のところには、やはり種々課題があったんだろうと認識しておりまして、そういった中身で報告も取りまとめさせていただいたところでございます。
〇斉藤信委員 私は、事業計画の審査に問題があったのではないかと言っているんですよ。虚偽の計画で、医師確保の見通しが明るいからとこれを認めたんですよ。その一番の根拠が崩れたら、これは事業計画の撤回でしょう。これは、3月25日の事業計画見直しの時点でも、2名の医師というのは実態がなかったんですよ。
 医療局長、あなた方は2度にわたって、この事業計画の核心中の核心の問題で間違った判断をしたのではないですか。
〇遠藤医療局長 医師の確保は、人はかわっておりますけれども、これが、医師の確保ができないという話になりますと、診療所そのものの開設も難しいということになりますが、人はかわっておりますが、いずれ常勤医は確保できるという形で流れてきておりますので、そのことがいいか悪いかはともかくといたしまして、そのことをもって事業計画そのものを否定するとか、そこまではまだ至らないのではないかと考えています。
〇斉藤信委員 じゃ、27ページ、あなた方が書いていることをちょっと紹介しますよ。計画と実態との相違の背景には、医師確保の問題があると。今後の民間活用に当たっては、有床診療所経営のノウハウを持った事業者の選定や、医師確保の確実性について、可能な限り審査の精度を高める必要があると。
 大体、この医療法人は、有床診療所の実績がなかったんです。実績もない、医師確保の見通しもごまかしていた。だから、これは毎月500万円の赤字を積み重ねて破綻したんですよ、これは。あなた方は本当にそういう反省がないんですか。
〇遠藤医療局長 医師確保の関係については先ほど申し上げたところでございますし、それから、有床診療所の経営のノウハウという点につきましては、やはり無床診療所の経営と、いわゆるベッドを持って有床で経営する場合というのは、難しさというか、経営の難易度は異なりますので、そういう意味では、やはり一定程度の実績を持ったところが事業継続という意味では適当だと考えております。今回は、その点の反省も踏まえまして、今後への反映ということでまとめさせていただいたところでございます。
〇斉藤信委員 32ページ、今後への反映のところにもこう言っていますよ。法人の経営理念・経営方針に加え、それまでの行動実績をも考慮した審査を行うとともに、開所後の管理が必要だと。だから、そういうことをあなた方は見過ごしてきたと。ただ、これは県議会で指摘されてきたことなのですよ。
 それで、34ページの最後のまとめのところで、久保委員も指摘したけれども、まともなまとめはたった7行ですよ。私は、こんなことでは大変不十分だと思う。移管先法人の適格性の審査、事業計画の精査、法人の実績や世評等も含めた総合的な評価や審査、医療専門家等を交えて、幅広く、複眼的・多面的な観点から十分行うべきだ。これは、こういうことを全くやってこなかったということですよ。やるべきことを全くやってこなかった。余りにもずさんじゃないですか、医療局長。
〇遠藤医療局長 全くやってこなかったというわけではございませんで、それなりの審査等も適正にやってきたつもりではございますけれども、結果を踏まえて反省すべき点、改善すべき点という形で取りまとめさせていただいたところでございますし、そういうことでございます。
〇斉藤信委員 しどろもどろになっているけれども、私は、こういう異常な経過をたどって、そして破綻した最大の背景には、私は、医療法人と知事、医療局との癒着があったと思いますよ。
 さきの参考人質疑で何が一番問題になったか。6月の時点で知事から医療法人白光の会長に電話があったと。そして、その内容は、あの件よろしく頼む、はい、わかりました、こういう会話だったと。何人かの委員が聞いて、そういう答弁ですよ。これは重大ですよ。6月の時点で、公募前に知事がよろしく頼むとお願いしていたとしたら、筋書きがみんなわかってくるんですよ。なぜこんな異常な経過になったのか。
 ところが、この検証結果には一言もそれは触れていない。参考資料にでしか。この重大な癒着の疑惑というものをきちんと明記すべきですよ。知事が否定しているということも書いたらいいじゃないですか。しかし、当事者は受けたと言っているんですよ。だから、県職員は白光ありきで、白光の申請書づくりにずっと協力させられてきているんですよ。
 あなた方の調査というのは、知事も前医療局長も全然調査していないでしょう。このことをなぜ書かなかったのか、そして、この破綻した責任は誰がどうとるのかお聞きしたい。
〇遠藤医療局長 今回の検証に当たりましては、関係する前任等を含めまして事実確認等は行っております。それから、知事の関係につきましては、これは、委員会あるいは本会議場においてもきちんと知事のほうから、そういう事実はない旨、答弁しておりますので、それを載せるという考えはございません。
 医療法人白光の会長がそう言っているということもありますし、ああ言った、こう言ったというものを取り上げて云々という形の報告の取りまとめは、適切ではないと思っています。
〇斉藤信委員 私はきょう、そもそもこの民間移管が、地域の要望どころか、あなた方が、もう2月16日からそういう方向を示してやってきたということを指摘をしました。そして、あなた方が反省しているような重大な問題がなぜ見過ごされたのか。私は、その背景に、やはり白光ありきでこの計画が進んだ、医療局も保健福祉部もそれでやってきた。医療法人白光しか手を挙げられないような公募期間、公募内容、ずさんな事業計画まで、それで見過ごしてきた。私はその背景には、単なる事務的なミスじゃない、たまたま失敗したのではない、深刻な癒着が医師の採用問題でも示されたと思いますよ。
 知事の電話問題というのは、癒着、疑惑のこれは焦点だから、あなた方がこれを全く記述しないというのは全く不公正ですよ。これは疑惑のままなんです。疑惑は解消されていないんですよ。疑惑が深まったというのが前回の参考人質疑の結論ですよ。これは絶対書くべきだ。どうですか、医療局長。こういうやりとりがあったということを検証結果に書くべきです。
〇遠藤医療局長 電話の件につきましては、議会できちんと答弁しておりますので、それから、やはり参考人の発言があってというお話になれば、例えば、日本共産党北海道道議団の関係につきましても、これも委員のほうから取り消すべきだとかいろいろ御指摘いただいているところですが、これについても、先般、決算特別委員会のときにも、なぜ事実確認しないのかという御質問がございましたが、私としては、委員のほうで、日本共産党の北海道道議団の事務局に確認したということは議会の場で発言されておりますので……(斉藤信委員「もういい。そんな暴言はやめてくれ」と呼ぶ)
〇小野共委員長 ちょっと待ってください。今、発言中ですので。
〇遠藤医療局長(続) そういう議会の場での発言というのはやっぱり重みのある発言だと捉えておりますので……(斉藤信委員「いい、もう」と呼ぶ)そうですか。わかりました。
〇斉藤信委員 私の質問に答えないで、あなたがそういう暴言を吐くから。北海道道議団が来たというのだったら、あなた方が北海道道議団に確認すればすぐわかることなんですよ、こんなことは。確認すればわかることなんですよ。何で確認しないんですか。確認もしないでそんな暴言を吐くべきじゃない。
 そして、いいですか、知事の電話は、知事の電話を受けた人、会話をした人が複数証言しているんですよ、これは。だから疑惑なんですよ。問題をすりかえて、こんな重大な破綻したのに誰が責任をとるんですか。
 この何年間という県政の停滞は、あなた方がつくったんですよ。その責任を医療局長はどう考えていますか。この間、どれだけこの花泉診療所問題について我々が議論してきたか。県政課題がたくさんある中で、その停滞責任を医療局長はどう考えているんですか。
〇遠藤医療局長 昨年の決算特別委員会の継続審査でいろいろ御議論、御審査いただいた、あるいは今議会においても継続審査として議会の中においていろいろな御議論、御指摘をいただいているということにつきましては、こういう震災復興の中のいろいろな県政課題がたくさんある中に、この私どもの花泉の件で議会の皆様方にいろいろ時間をとり、また御迷惑をおかけしているという点につきましては、医療局長として真摯に反省しておるところでございます。
〇小野共委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
   〔斉藤信委員「じゃ、終わる」と呼ぶ〕
〇小野共委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、以上で花泉地域診療センターの民間移管の経緯等についての保健福祉部及び医療局の関係職員への質疑を終わります。
 執行部等、関係職員の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 この際、この後の本委員会の運営について、世話人会を開催して協議を行うため、暫時休憩いたします。
   午後0時11分 休 憩
午後1時22分 再開
〇小野共委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 ただいまの世話人会の協議結果を御報告いたします。
 本日の今後の決算特別委員会の運営についてでありますが、12月5日の世話人会におきまして、保健福祉部及び医療局の関係職員の出席を求め質疑を行い、その後、当日の審査状況に応じて、知事及び千葉副知事に出席を求め質疑を行う場合もあることとしておりましたが、本日の世話人会におきまして協議を行った結果、知事及び千葉副知事の出席を求めて質疑を行う必要はなく、直ちに取りまとめを行うべきとの結論に至りましたので、御了承願います。
 次に、お諮りいたします。当委員会に付託されております決算2件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室におきまして各会派の代表の方々で御協議願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後1時24分 休 憩
午後5時43分 再開
〇小野共委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されております決算2件について、各会派の代表の方々で協議した結果を御報告申し上げます。
 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、各会派の代表の方々の協議ではそれぞれ認定しないとする意見が大方でありましたが、一方、お手元に配付しております附帯意見を付して認定すべきとの意見もあり、結論に至りませんでしたので、御報告いたします。
〔参照〕 配布資料(PDF形式)
〔参照〕 配布資料(PDF形式)
 これより、各会派の代表の方々の協議において結論に至らなかった認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算について認定することを採決いたします。
 お諮りします。認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算について、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇小野共委員長 起立少数であります。よって、認定第1号は、認定しないことに決定いたしました。
 次に、お諮りします。認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算について、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇小野共委員長 起立少数であります。よって、認定第4号は、認定しないことに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し、深く感謝申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。
   午後5時45分 閉 会

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