平成24年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成24年10月18日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    葛 西   貢
  主任主査    村 上   聡
  主査    藤 澤 壮 仁
  主査    藤 枝   修
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  保健福祉部長   小田島 智 弥
  副部長兼
  保健福祉企画室長 浅 沼 康 揮
  医務担当技監   菅 原   智
  保健福祉企画室
  企画課長    高 橋 勝 重
  保健福祉企画室
  管理課長    菊 池 達 也
  医療推進課
  総括課長    野 原   勝
  健康国保課
  総括課長    藤 原 信 明
  地域福祉課
  総括課長    岡 村 鋭 次
  長寿社会課
  総括課長    鈴 木   豊
  障がい保健福祉課
  総括課長    千 田   充
  児童家庭課
  総括課長    菅 原 啄 也
  医師支援推進監  今 野 秀 一

  医療局長    遠 藤 達 雄
  次長    佐々木   信
  経営管理課
  総括課長    熊 谷 泰 樹
  職員課総括課長  菊 池   儀
  医事企画課
  総括課長    佐 藤 敬 一
  業務支援課
  総括課長    菅 原 教 雄
  薬事指導監    松 川 幸 市
  看護指導監    青 山 節 子
  医師支援推進監  千 葉 雅 弘

  医師支援推進室長 川 上 裕 二

  会計管理者    菅 原 和 彦
  出納指導監    田 村 幸 義

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 門 口 正 雄
  監査第一課
  総括課長    小 原 一 信
  監査第二課
  総括課長    佐 藤 和 彦

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇小野共委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成23年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、並びに議案第56号及び議案第57号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部、医療局関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、決算特別委員会の初日にお諮りのとおり、保健福祉部及び医療局の部局別審査につきましては、花泉診療所の事案をそれぞれの部局審査の後、別に保健福祉部及び医療局双方の関係職員の出席を求めて審査することになっておりますので、御了承願います。
 最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇小田島保健福祉部長 平成23年度の保健福祉部関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について御説明をいたします。
 当部におきましては、いわて県民計画に掲げます岩手の未来をつくる七つの政策の一つであります、医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向けまして、地域の保健医療体制の確立、家庭や子育てに夢を持ち安心して子どもを産み育てられる環境の整備、福祉コミュニティの確立の3点を政策項目と掲げ、取り組んできたところであります。
 まず、一つ目の地域の保健医療体制の確立についてであります。
 県民が、みずからの心身の健康づくりに主体的に取り組み、地域に必要な医師等が確保され、県民が必要な医療や検診を適切に受けることができるとともに、感染症などによる健康被害を心配することなく安心して生活できる体制を確立するため、奨学金等による医師の養成や即戦力医師の招聘、病院勤務医の離職防止に向けた処遇改善などの医療を担う人づくりを初め、地域医療連携体制の推進やドクターヘリ運航に向けた準備、仮設診療所の整備や医療機関の復旧支援などの質の高い医療が受けられる体制の整備、新型インフルエンザ対策やその他感染症対策の推進などの感染症対策の推進、市町村など医療保険者による特定健診などの受診率向上の支援や被災地における保健活動の支援、健康づくり活動の推進などの生活習慣病予防等の推進に取り組んでまいりました。その結果、平成23年度における医師養成、招聘等による医師確保数は44人となり、目標を達成したところであります。
 また、人口10万人当たりのがん、脳血管疾患及び心疾患で死亡する数につきましては、女性につきましては目標を達成し、また、男性につきましてはがん死亡者数が前年に比べて増加したことにより目標には達しませんでしたが、全体の死亡者数は減少傾向にあります。
 なお、県立病院救急患者総数のうち当日帰宅措置患者の割合につきましては、東日本大震災津波により沿岸地域の医療機関が被災したことによりまして、沿岸部の中核病院で受診する軽症患者が増加したため、目標には達しなかったところであります。
 今後とも、地域における医療人材の確保、定着に取り組むとともに、質の高い医療サービス提供に向けた医療機関の機能分担と連携の促進、被災市町村の新しいまちづくり計画や住民ニーズなどに対応した医療機関の復興支援に取り組んでまいります。
 さらに、新型インフルエンザやその他感染症の感染拡大防止対策、生活習慣病予防のための検診受診率向上や健康づくりの普及啓発などに取り組みを推進してまいります。
 次に、二つ目の家庭や子育てに夢を持ち安心して子どもを産み育てられる環境の整備についてであります。
 安心して子どもを産み育て、次代を担う子どもたちが健やかに育つ環境を整備するため、子育て支援などに関する情報提供や普及啓発などの若者が家庭や子育てに夢を持てる環境の整備を初め、周産期医療体制の整備や親と子の健康支援などの安全・安心な出産環境など親と子の健康づくりの充実、地域ニーズに対応した保育サービスの拡充や放課後児童対策、企業による子育て支援活動の促進などの子育て家庭への支援、児童虐待防止や被災地における子供への各種支援などの子供の健全育成の支援に取り組んでまいりました。その結果、本県の平成23年合計特殊出生率、放課後児童クラブの設置数、いわて子育て応援の店協賛店舗数は目標を達成しており、県の取り組みはおおむね順調に進められたところであります。
 今後とも、子育て支援に関する情報発信の充実、周産期医療体制の整備や妊産婦のメンタルヘルスケア対策など、安全・安心な出産環境の充実、多様な地域ニーズに対応した保育サービスの充実、被災遺児、孤児への支援や子供の心のケアなどを推進してまいります。
 三つ目は、福祉コミュニティの確立についてであります。
 県民誰もが、必要な福祉サービス等を利用しながら住民相互の支え合いなどにより、安心して生活できる福祉コミュニティづくりを進めるため、地域の支え合い体制づくりの支援や福祉を担う人材の育成などの生活支援の仕組みづくり、介護予防や地域包括ケアの推進、被災地における介護サービス提供体制の復旧支援などの高齢者が住みなれた地域で生活できる環境の構築、障がい者の地域生活移行の促進や被災地における障がい福祉サービス提供体制の復旧支援などの障がい者が必要なサービスを利用しながら安心して生活ができる環境の構築、災害時における要援護者等の支援や被災地における見守り体制の強化などの安全・安心のセーフティネットづくり、自殺対策を担う人材の育成や自殺のリスクが高い方への支援体制づくりなどの自殺対策の推進、被災者の心のケアを行う体制整備などのこころのケア活動の推進に取り組んでまいりました。その結果、地域福祉計画を策定し、施策に取り組んでいる市町村数、障がい者のグループホーム等利用者数、人口10万人当たりの自殺死亡者数は目標を達成し、また、元気な高齢者の割合についてもおおむね順調に進んでおります。
 また、地域密着型サービス拠点数につきましては、工事資材や工事従業者の不足などにより計画どおり整備が進まず、目標を達成できませんでした。
 今後とも、市町村地域福祉計画の策定や福祉マップづくりの促進などを通じて、地域の実情に応じた生活支援の仕組みづくりを支援するとともに、被災地の福祉コミュニティの復興支援、地域包括ケアの推進に向けた地域密着型サービス拠点の整備促進など、介護サービスの充実、グループホームや就労支援事業所などの整備促進、福祉避難所の設置など災害時要援護者支援体制の構築、自殺対策や心のケアを推進するための地域ネットワークの強化などに取り組んでまいります。
 引き続きまして、平成23年度保健福祉部関係の決算について御説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成23年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開きいただきたいと思います。当部関係の一般会計歳出決算は、3款民生費のうち、1項社会福祉費、3項児童福祉費及び4項生活保護費並びに5項災害救助費の一部で支出済額937億748万円余、4款衛生費のうち、2項環境衛生費を除きました支出済額461億1、883万円余、16ページに参りまして、11款災害復旧費の一部で支出済額7億9、298万円余、12款公債費の一部で支出済額27万円余、13款諸支出金のうち、1項公営企業貸付金の一部で支出済額133億円、3項公営企業負担金の一部で支出済額195億2、331万円余であります。当部関係の支出総額は1、734億4、289万円余で、翌年度繰越額は87億5、241万円余、不用額は26億3、161万円余となっております。
 以下、順次、各項目ごとにその主なものにつきまして、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明をいたしますが、平成23年度決算におきましては繰越明許事業が多数あり、若干、説明が煩瑣になりますことを御了承願いたいと思います。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書の198ページをお開きいただきたいと思います。3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費の主なものでありますが、まず、備考欄冒頭の管理運営費は人件費が主なものであります。次に、中ほどやや上の生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行う低所得世帯等に対する生活福祉資金の貸し付けと相談援助の事業の支援に要した経費であります。201ページに参りまして、上から三つ目の社会福祉士及び介護福祉士修学資金貸付事業費補助は、県が適当と認める社会福祉士または介護福祉士養成施設等入学者への修学資金貸付事業に要する経費について補助するものであります。
 なお、繰越明許費及び事故繰越であります。199ページにお戻りをいただきまして、繰越明許費3億524万円余は、199ページ一番下の地域支え合い体制づくり事業費が、関係機関との調整に不測の日数を要したことによりまして繰り越したものであり、事故繰越308万円余は、201ページの備考欄上から四つ目の被災地福祉灯油等特別助成事業費補助で、補助事業者の年度内の事業完了が困難となったことから繰り越したものであります。
 2目障がい者福祉費の主なものでありますが、201ページに参りまして、この目の備考欄中ほどから上の障がい者介護給付費等は、障害者自立支援法に基づく介護給付費等の障がい者自立支援給付につきまして、市町村が支弁した一部について負担するものであります。次に、下から三つ目の障がい者自立支援対策臨時特例事業費は、障害者自立支援法の円滑な実施を図るため造成された障害者自立支援対策臨時特例基金への積み立てや同基金を活用した施設整備補助など、障がい者等の自立支援に要した経費であります。
 なお、繰越明許費3億6、052万円余は、下から六つ目の障がい者支援施設等耐震化等整備費補助及び下から三つ目の障がい者自立支援対策臨時特例事業費におきまして、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 3目老人福祉費の主なものでありますが、203ページに参りまして、備考欄中ほどやや下の介護給付費等負担金は、介護保険法に基づき、市町村が行う介護保険事業に係る介護給付及び予防給付に要する費用の一部を負担する経費であり、下から三つ目の後期高齢者医療療養給付費負担金は、岩手県後期高齢者医療広域連合が被保険者に対して支弁する医療給付費の一部を負担することにより、被保険者の適切な医療を図るための経費であります。
 なお、繰越明許費及び事故繰越でありますが、繰越明許費38億4、120万円余は、203ページの備考欄上から三つ目の老人福祉施設整備費と一番下の介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業費、205ページに参りまして、上から一つ目の介護サービス施設整備等臨時特例事業費、上から三つ目の老人福祉施設等自家発電設備整備事業費補助が、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。また、事故繰越1億2、775万円は、205ページの上から一つ目の介護サービス施設整備等臨時特例事業費が、補助事業者の年度内の事業完了が困難となったことから繰り越したものであります。
 204ページに参りまして、5目国民健康保険指導費は、市町村の国民健康保険財政基盤の安定化に資するための負担金などであります。
 206ページに参りまして、6目婦人保護費は、婦人保護施設及び婦人保護一時保護所に保護しているDV被害者の生活環境改善を図るため、これらの施設への入所保護及びこれらの施設の改修等を支援するものであります。
 7目社会福祉施設費は、県立の社会福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 210ページに参りまして、3項児童福祉費1目児童福祉総務費の主なものでありますが、この目の備考欄下から六つ目の乳幼児・妊産婦医療助成費は、乳幼児及び妊産婦に対して適正な医療を確保することにより、これらの者の心身の健康を保持するとともに、生活の安定を図るために要した経費であります。次に、213ページ、上から三つ目の子育て支援対策臨時特例事業費は、保育所の整備などを図るため設置している基金への積み増しや保育所の整備に対する支援などに要した経費であります。
 なお、繰越明許費7億8、435万円余でありますが、213ページ上から三つ目の子育て支援対策臨時特例事業費、及び一つ下の児童福祉施設耐震化等整備費補助におきまして、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 3目母子福祉費の備考欄下から二つ目の児童扶養手当支給事業費は、父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の安定と自立の促進に寄与するため、児童扶養手当を支給し、児童福祉の増進を図るものであります。
 214ページに参りまして、4目児童福祉施設費は、県立の児童福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 4項生活保護費1目生活保護総務費は、生活保護指導職員の人件費や生活保護給付事務、指定医療機関等に対する指導監査などに要した経費であります。
 216ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費は、備考欄上から二つ目の災害弔慰金負担金から五つ目の救助事務費までが当部関係の事業であり、災害の被災者に対する生活支援などに要した経費であります。
 218ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の主なものでありますが、備考欄上から二つ目の母子保健対策費は、小児慢性特定疾患治療研究事業、未熟児に対する養育医療給付、周産期医療対策及び妊婦検診などの実施に要した経費であります。
 220ページに参りまして、3目予防費の主なものでありますが、備考欄一番下の子宮頸がん等ワクチン接種促進臨時特例事業費は、子宮頸がん等ワクチンの予防接種を促進するための基金の造成と、市町村が行う予防接種の支援などに要した経費であります。
 4目精神保健費の主なものでありますが、223ページに参りまして、この目の備考欄上から七つ目の自殺対策緊急強化事業費は、自殺対策の推進を図るための基金の積み立てと相談支援体制の整備や人材養成、普及啓発など緊急的な取り組みの推進に要した経費であります。次に、二つ下の被災地こころのケア対策事業費は、東日本大震災津波による被災者の精神的負担を軽減するため、長期にわたる継続した専門的ケアの実施に要した経費であります。
 5目高齢者保健費の主なものでありますが、備考欄上から二つ目の特定健康診査・保健指導事業費負担金は、市町村が行う特定健康診査及び保健指導事業に要した経費に対する負担金であります。
 6目環境保健研究センター費は、施設の管理運営及び試験研究に要した経費であります。
 少し飛びまして、232ページをお開きいただきたいと思います。3項保健所費1目保健所費は、保健所職員の人件費等の管理運営に要した経費であります。
 4項医薬費1目医薬総務費は、人件費等の管理運営費がその主なものであります。
 234ページに参りまして、2目医務費の主なものでありますが、備考欄上から六つ目の救急医療対策費は、病院群輪番制病院や高度救命救急センターの運営の支援、ドクターヘリの導入の促進などに要した経費であります。次のがん対策推進費は、本県のがん医療の均てん化に向け、地域医療再生計画に基づき、釜石保健医療圏の中核的ながん医療を担う県立釜石病院のがん医療強化として、放射線治療機能の充実に必要な施設及び機器等設備整備について支援する経費であります。237ページに参りまして、備考欄上から五つ目の地域医療再生等臨時特例基金積立金は、地域における医療の確保を図るための基金の積み立てに要した経費であります。
 235ページにお戻りをいただきまして、繰越明許費23億5、868万円余は、備考欄上から六つ目の救急医療対策費、及び237ページ中ほどの被災地医療確保対策事業費が、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 3目保健師等指導管理費の主なものでありますが、この目の備考欄二つ目の看護職員確保対策費は、看護師等養成所の運営の支援、並びに認定看護師を育成するための専門課程への派遣の支援などに要した経費であります。
 4目薬務費の主なものでありますが、239ページの備考欄一番下の被災地薬局機能確保事業費補助は、東日本大震災により被災した薬局に対し、沿岸被災地の医薬品供給を確保するため仮設薬局等の設置費用の一部を補助するために要した経費であります。また、事故繰越3、746万円余は、補助事業者の年度内の事業完了が困難となったことから繰り越したものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、364ページをお開きいただきたいと思います。11款災害復旧費4項庁舎等施設災害復旧費1目庁公舎等災害復旧費のうち、当部所管に係る支出済額は、備考欄上から四つ目の保健福祉部391万円余であります。また、繰越明許費のうち当部所管2、823万円余は、関係機関との調整に時間を要したことにより繰り越したものであります。
 366ページに参りまして、5項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費の主なものでありますが、備考欄上から二つ目の老人福祉施設等災害復旧事業費補助で、東日本大震災津波で被災した老人福祉施設等の復旧支援のために要した経費であります。
 また、繰越明許費9億585万円余は、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
 368ページに参りまして、12款公債費1項公債費1目元金は、当部所管の災害援護資金貸付金の国への償還金が含まれております。
 370ページに参りまして、13款諸支出金1項1目公営企業貸付金のうち、当部所管は、県立病院等事業会計への運営資金貸付金133億円であります。
 3項1目公営企業負担金のうち、当部の所管は、県立病院等事業会計への負担金195億2、331万円余であります。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、特別会計について御説明を申し上げます。
 390ページをお開きいただきたいと思います。母子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、収入済額は393ページの支出済額の欄の末尾、歳入合計の欄の3億6、744万円余であり、その主なものは、貸付金元利収入、前年度からの繰越金及び一般会計からの繰入金などであります。収入未済額は、一つ欄を右に飛んだところの1億5、406万円余で、その主なものは、母子福祉資金償還金であります。
 次に、394ページに参りまして、支出済額は395ページの支出済額の欄の末尾、歳出合計の欄の2億4、430万円余であり、その主なものは、母子世帯及び寡婦に対する修学資金、修業資金及び技能習得資金などの貸し付けに要した経費であります。
 以上で保健福祉部関係の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
〇小野共委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋昌造委員 私からは、大きく4点について簡潔にお伺いいたします。
 それから、通告していた順番をちょっと変えて質問させていただきますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 まず、決算事項別明細書の201ページの障がい者不利益取扱解消支援等事業費に関連してお伺いをいたします。
 まず最初に、障がい者の虐待の防止に向けた基本的な視点と、取り組みについてお伺いいたします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 本年3月に、厚生労働省から、市町村、都道府県における障害者虐待の防止と対応ということで通知がございまして、そこで障害者虐待の防止等に向けた基本的視点として、障害者虐待防止と対応のポイント五つが示されております。
 これを申し上げますと、1番目が、虐待を未然に防ぐための積極的なアプローチということでございまして、これは虐待が発生してからの対応だけではなくて、障がい者の権利擁護についての啓発、あるいは障がいや障がい者虐待に関する正しい理解の普及を図ることが必要だというようなことを一つのポイントとして掲げているものでございます。
 2番目のポイントが、虐待の早期発見、早期対応ということでございまして、これは文字どおりかと存じます。
 それから、3番目のポイントとしましては、障がい者の安全確保を最優先するとされておりまして、虐待の場合、障がい者の生命にかかわるような緊急的な事態もございますので、入院あるいは緊急保護といった必要な措置をしっかりとしていくことが大切だということかと考えております。
 4番目のポイントとしましては、障がい者の自己決定の支援と養護者の支援ということが掲げられておりまして、ここには障がい者が本来持っている力を引き出すかかわりを行う。国の言葉では、エンパワーメントという言葉を使っておりました。本人の自己決定を支援する視点が重要だ。あるいは障がい者だけではなくて、養護者のほうの支援も意識することが必要だということが言われております。
 5番目のポイントとしましては、関係機関の連携、協力による対応と体制ということでございました。
 次に、この視点からきます取り組みでございますが、県では、障がい者虐待に関する相談窓口であります障がい者110番におきまして、24時間365日の電話相談を受け付けているところでございます。また、虐待の早期発見、早期通報の重要性を踏まえまして、相談に関するリーフレットを県内の市町村、障がい福祉サービス事業所、あるいは商工業、労働関係団体、県内特別支援学校等に配布して周知を図っております。
 さらには、虐待が発生しました場合の障がい者の一時避難先の確保につきまして、県が市町村から委任を受けた上で、一括して短期入所事業所等と協定を締結する方向で、市町村の支援を行っているところでございます。加えて、施設や相談窓口職員を対象に各種研修会を実施し、延べ580人余が受講しているところでございます。
 県の取り組みの大まかなところは以上でございます。
〇高橋昌造委員 御丁寧な答弁ありがとうございました。
 それで、5項目のうち、特にも虐待の早期発見と早期対応、それから関係機関との連携、協力、対応体制。そこで、市町村を支援するということでございますが、支援者、市町村そして県、これが一体となってやらなければ、早期発見、早期対応ができないわけですので、そういうところにどういう意を用いて対応しておるのか。
 そしてもう一つは、関係機関も、私は労働それから教育分野等の、特にも連携、協力体制が必要ではないかと思うわけでございます。そのところついてお示しを願いたいと思います。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 委員御指摘のとおり、市町村の役割、それから県との連携が大変重要でございます。
 市町村につきましては、本年10月からの虐待防止法の施行に対しまして、事前に十分な会議あるいは研修会によりまして、市町村職員の資質の向上を図りましたほか、先ほども少し申し上げましたけれども、一時保護する場合の場所の確保、これが市町村それぞれでなかなか大変だということがございましたので、県が市町村から委任を受けた上で、一括して短期入所事業所との協定を締結するという方向で支援を行っているところでございます。
 また、労働関係等との連携でございますけれども、県としましては、市町村、県にとどまらず、岩手労働局、あるいは特別支援学校の連絡協議会なども含めました関係機関を構成とします協議会を開催しまして、この際に法の施行に合わせて岩手県障がい者虐待対策ガイドラインを改定いたしましたが、それとあわせて、こういった関係機関に協力の要請もしたところでございます。
 今後とも、連携、協力を推進してまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 それで、市町村が中心になって対応するわけですが、県は支援体制ということでございますが、県としての役割と責務をしっかりと果たしていただくように、ひとつお願いをいたしたいと思います。
 そこで、今月の1日に、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律が施行されたわけでございますが、その中で、市町村障害者虐待防止センター、また、県におきましては障害者権利擁護センター、この体制整備がどうなっているのかお伺いいたします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 まず、県内の市町村の障害者虐待防止センターの体制整備状況でございますが、これは、市町村直営で体制をとっているところが32市町村、それから、一部委託による運営体制となっておるところが1市あるところでございます。
 それから、県のほうでございますが、通報等の窓口として、都道府県権利擁護センターの機能の確保が求められているわけでございます。当面、県の障がい保健福祉課でもって、このセンター機能を担っていきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 それで、今ちょっとお聞きしましたが、33市町村のうち32が直営で、そのうち一つが委託と。この委託の内容は、例えばどういうところに委託をして、また、最初から市町村直営じゃなく、委託ができるわけですね。その辺のところのお考えをお伺いいたします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 委託1市あるということでございますが、具体的には大船渡市でございますけれども、申しわけございません、具体的な委託先あるいは委託の詳細について今資料を持ち合わせてございませんが、ただ、早い時期から大船渡市においては委託するところがあり、そういう体制をとっていくのだという情報は得ておりました。
 ちょっと詳細については、申しわけございませんが。
〇高橋昌造委員 それでは、具体的なことをお聞きいたしますが、障がい者虐待に関する相談窓口があるわけでございますが、いわゆる虐待の相談なりそして通報、届け出、これはどういう状況なのか。
 そして、3障がいがあるわけですが、知的障がい、心身障がい、そして精神障がい、そういったものの中身がもしわかればお示しを願いたい。そして、傾向的に過去3年ぐらいの推移でも結構でございますので、あればお示しを願います。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 虐待の実態でございますけれども、昨年度、障がい者虐待に関する相談、県の障がい者110番あるいは県に直接寄せられた件数でございますが、11件寄せられております。
 内容としましては、年金を家族に使われているですとか、施設職員に暴言を吐かれたとか、そういった内容がございました。
 内訳でございますけれども、この11件のうち、身体障がい者に係るものが2件、知的障がい者に係るものが5件、精神障がい者に係るものが3件、その他が1件となっておりまして、半数弱が知的障がい者に係る案件ということでございまして、その知的障がい者に係るものの割合が多くなっておることがわかっています。
 ただ、この傾向的なものは、実際の通報件数の統計をとり始めましたのが昨年、県で独自に定めましたガイドラインに基づいてきちっと数値をとり始めておりまして、実を申し上げますと、平成22年度以前にどのような傾向にあったのかという数値的なデータはちょっとない状況でございます。申しわけございません。
〇高橋昌造委員 いずれ、障がい者とか児童とかいろんな虐待があるわけですが、しっかりした裏づけ、統計的なデータ、この基礎データになるものはしっかり把握して、それが何よりもこの事業を遂行していく上においての基本になりますので、そこのところはひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それでは次に、事項別明細書の221ページの肝炎総合対策推進事業費に関連してお伺いいたします。
 本県の肝炎対策は、近年、私は随分前進しておるなということで評価をさせていただきたい。その中で、肝炎治療などを効果的に推進するために、地域肝炎治療コーディネーターの養成、この養成の内容、実態がどうなっているか、お示しを願いたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 地域肝疾患コーディネーターを養成するために、平成23年度から実施をしております。地域肝疾患アドバイザー養成事業についてでございますが、肝炎検査後のフォローアップや受診勧奨等の支援を、地域や職域において中心となって進める人材として、市町村の保健師、地域医療機関の看護師、職域の健康管理担当者等を対象に養成を行っているところであり、これまで2回を開催し、計76名が受講しているところでございます。
〇高橋昌造委員 そして県内の各保健所で市町村の偏りがないように、熱心なところとそうでないところがあるようですので、いずれ基本になりますので、今後、県が中心になって対応していただきたいと思います。
 次に、健康増進事業に基づくこの肝炎ウイルス検診の受診率の推移がどうなっているのか。そして、市町村ごとに、よくやっているところとそうでないところというか─なぜ、こういうことをお聞きするかということは、私、40歳からの5歳刻みのウイルス検診で、市町村によっては補助申請もなさらないところがあるという情報をちょっとお聞きしたんですが、実際、そういう実態があるものかどうか。今、財政が厳しいときに、もしそういうことがあれば、県が補助申請などするように指導なり、また、研修会の際にそういう周知を徹底していただきたいと思いますが、まず、受診率の推移についてお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 肝炎ウイルス検診の受診率の推移でございますけれども、市町村からの事業実績報告によりますと、満40歳の県平均の受診率は、平成20年度は8.5%、平成21年度は8.1%、平成22年度は8.9%と、ほぼ横ばいの状況でございました。ただ、平成23年度につきましては、東日本大震災津波の影響で、沿岸市町村での受診率が低下したことによりまして、6.9%となってございます。
〇高橋昌造委員 いずれ、受診率が8%台ということでございますが、向上対策も市町村と一体となって取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、次に進めさせていただきます。事項別明細書の223ページの精神科救急医療体制整備事業に関連してお伺いいたします。
 まず、精神科救急医療施設の指定状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 県では、年間を通じて重度の精神科急性期患者に対する常時対応施設としまして4カ所、複数の病院で輪番制によって対応する病院群輪番施設として9カ所をそれぞれ指定しまして、休日夜間の精神疾患の急変等により、医療が必要となる方への精神科救急医療体制を構築しているところでございます。
〇高橋昌造委員 家族なり関係者にいたしましては、こういった救急医療体制の整備がされることは非常にありがたいことでございますので、この指定4カ所というのを、もし県内でもう少しふやすことができるのであれば、今後もひとつ検討していただければと思います。
 次に、精神科救急情報センターの相談窓口の取り組み状況、いわゆる相談件数とか相談内容、また、それにあわせて精神障がい者の方々の地域への移行を推進するために退院の促進や、地域での定着の取り組みに対する支援状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 まず、精神科救急情報センターの取り組み状況でございますが、県では、急増する精神科医療のニーズに対応するために、精神に関する医療の相談等を担う精神科救急情報センターを強化しまして、平成23年度から365日24時間の運営体制としております。そのことによりまして、平成23年度における相談件数が4、624件と、前年度に比較しまして3、974件の大幅増加となっておりまして、必要なときに、いつでも精神科医療に係る相談を受け付ける体制を構築しているところでございます。
 それから、主な相談内容でございますが、不安だ、あるいは眠れないなどといった訴えでございまして、相談員が話を伺うことで、医療機関を受診する前に病状を落ち着かせ安定させるなど、精神科救急医療が必要とされる方の相談に応じまして、適切な医療につなげる重要な役割を担っているところでございます。
 次に、精神障がい者の地域移行に関する支援についてでございますが、精神障がい者の地域移行を推進するために、九つの障がい保健福祉圏域ごとに、関係者によります連携体制を構築いたしまして、精神障がい者一人一人に即した支援のあり方を検討し、希望する地域で自立した生活の実現に向けた支援を実施しているところでございます。
 あわせて、地域生活を定着させ、維持、継続させるための取り組みとしまして、今年度から盛岡圏域におきまして、精神科医師、看護師、それから地域の専門相談員など、専門職員からなります多職種チームにより訪問支援活動、いわゆるアウトリーチ推進事業というものを展開しておりまして、支援対象者が必要とする保健、医療、福祉及び生活の各分野における支援につなげる取り組みを実施しているところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、得られた経験、ノウハウにつきましては今後検証を行うとともに、県内各地へ波及させるよう取り組むこととしておるところでございます。
〇高橋昌造委員 先ほどの障がい者の虐待、そして精神科の医療ですね、いわゆる365日24時間対応、これは本当にすばらしいことでございますので、この制度の周知をあらゆる機会を通じて、ひとつ徹底していただくようにお願いをいたしたいと思います。
 それでは最後に、事項別明細書の237ページの地域医療介護連携モデル推進事業費補助に関連してお伺いいたします。
 これは一関市に対する助成をなされておるわけですが、その助成の中でのモデル推進事業の成果はどうであったのか。また、課題があれば何が課題なのか。また、それが解決できる課題なのか、お示しを願いたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 地域医療介護連携モデル推進事業費補助は、地域の医療資源を有効に活用した医療と介護との連携体制の構築を推進するため、両磐保健医療圏の相当程度を占める広大な面積を有し、管内市町村の合併が進展をしました一関市をモデルに実施をしているところでございます。
 一関市では、各地域の医療の実情に応じた診療所と病院との医療連携体制づくり、そして医療、介護の連携基盤としての介護等の関係職員の人材育成、そして、そういった活動を住民への普及啓発の促進などの課題と捉えて、それらに対する取り組みを進めてございます。
 県としても、一関市と同様の課題認識を持ってございまして、まだこの取り組みは平成27年度までの取り組みで成果は途中でございますけれども、平成27年度までにこれらの課題解決に向けて、今たまたま事業を実施しているところでございまして、県としても必要な支援に一緒になって取り組んでいきたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 私は非常にすばらしい取り組み、医療と介護の連携ですね、この体制づくり、そして今後はこのソフトの面だけじゃなく、ハードの面でもしっかり考えていく必要があるのではないか。
 そこで、最後に部長、我田引水ではございますが、矢巾町には岩手医科大学、またはそれ以外にも立派な民間病院がありますので、そういった盛岡広域圏の中での医療、介護の連携のモデルとしての方向づけをしていただければ、非常に盛岡広域圏にとってもすばらしいことではないのか。部長のお考えをお聞きして終わります。
〇小田島保健福祉部長 地域医療介護連携モデル推進事業は、医療と介護の連携、その地域における提供体制あるいは人材養成など、幅広い形でのモデル事業でございます。こうした成果も踏まえながら、盛岡でもう既にいろんな形で医療、介護の推進について取り組みが進められておりますので、この成果とあわせまして、盛岡も県の先進的な地域として十分その成果を広められるような形で県としても推進をしていきまして、それぞれの地域におけるこういう連携を進める核になっていただけるような形で支援してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 私から大きな項目で2点、看護職員確保策、それから医師確保策についてお聞きしたいと思います。
 まず一つ、看護職員確保対策についてでありますが、県内の看護学校がありますけれども、県内看護学校卒業生の県内の就業状況をまずひとつお聞かせいただきたいと思います。
 また、看護職員確保のために修学資金の貸付制度等を行っておりますが、その他さまざまな施策に取り組んでいると思いますが、その成果と課題についてお聞かせいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 まず、最初のお尋ねでございます。県内の卒業生の就業の状況でございます。
 大学、短期大学を含みます看護職員養成施設の卒業生の県内就業率は近年低下の傾向にございまして、平成22年3月の卒業生では42.6%と、その10年前の平成12年の52.9%と比較して10.3ポイント低下するなど、県外流出が進んできたところでございました。その後、平成22年3月卒業生では50.1%、平成24年3月卒業生では50.8%と、ここ2年では若干回復が見られてございますが、依然として4割弱の卒業生が県外の医療機関等に就業している状況であり、この卒業生の県内就業率の向上が重要な課題であると認識をしてございます。
 また、二つ目のお尋ねでございます。この県内の就業率向上のために、一番直接的な施策でございます看護職員の修学資金の状況でございます。こちらは県内医療機関への就業により返還を免除する制度となってございまして、平成21年度から新規貸し付け枠を、それまでの25名から51人、平成22年は69人、平成23年は災害等もあって特別に136名と拡大をしてきたところでございます。
 これらの効果がこれから少しずつあらわれてくるのではないかと考えてございまして、この修学資金の周知、そしてまた、県内の医療機関にきちっと勤めていただくということ、そこら辺の取り組み、これをきちっと今後も続けていき、今後の看護職員の県内就業率の向上に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 非常に今、野原総括課長からお答えをいただいたように、県外への流出が大きな課題になっているということでありますが、このような状況に関して国はいかなる対策をとっているか、あるいはどのような所見を持っているか、もし知っていましたらお聞かせいただきたいのですが。
〇野原医療推進課総括課長 国としても看護職員の確保というのが課題と考えていると思います。
 一つの取り組みとして、都道府県ごとに看護職員の需給見通しというのを5年ごとの策定をしてございます。岩手県も一昨年策定をいたしまして、看護職員の現在の状況を把握し、5年後の見通しを立てて、それをもとに各種施策を実施しているところでございます。
 国全体としては、各圏域ごとに地域偏在の解消に向けて何かの取り組みをしているかというと、ないところではございますが、我々県内の看護職員をきちっと確保しなくてはなりませんので、国にも必要な働きかけをするとともに、やはり県内に残っていただく、そしてまた、県内に勤めている看護職員の方々がやめないで引き続き残って働いていただく、こういった取り組みを続けてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、国の今の対応を聞いたんですけれども、地域偏在に対する対策というのは特にとっておられないということですが、私も実は平成22年度の全国の看護学校卒業生の動向を見てみました。そうすると、関東のほうには非常に多くの人が地方から入ってきている状況が見られます。
 そこで、私が考えるのは、非常に地方地方で看護学生の流出を食いとめる方策も必要なんですけれども、その地域その地域で需給が必要な看護師に対して、その地域で賄うというような体制をとっていただくことが、私は一つの大きな解決につながるのではないかと考えます。
 端的に言えば、首都圏で看護職員が必要であれば、そこに養成の機関をつくってそこで賄うと。そうすることによって、地域からの流出を防げるのではないかと私は思うのでありますが、こうしたことを国に要望していくことも必要だと思いますが、課長、いかがでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 地域偏在の解消に関しましては、医師に関しても同様なわけでございますが、その県内の養成機関との関係というのも委員御指摘のとおりあろうかと考えてございます。こちらに関しましては、教育の関係もございますので、県内での養成数というのはさまざまな課題があろうかと思いますが、我々も委員からいただいた御意見をもとに、課題として捉えまして少し研究をさせていただければと考えてございます。
〇福井せいじ委員 もしかしたら、ちょっと今誤解があったのかもしれませんが、首都圏では非常に地方からの流入があるということです。つまり、首都圏の看護職員を地方からどんどん持ってきて、それで賄っている状況にあるということであれば、首都圏で必要な看護職員は、首都圏の中に教育機関、養成機関をつくって、そこで賄うような提案をしていく。それをやはり国のほうから強く指導していただくことも必要ではないかと思うのであります。県内でたくさん看護師の養成の機関、学校をつくっても、どんどん外に出ていってしまうのであれば、行く先のほうでしっかりと養成をしてくれと、そういった地域バランスの偏在をそのような形で解消していくことが私は必要だと思っておりますが、いかがでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 委員御指摘のとおり、やはり首都圏のほうは、かなり地域のほうから移入してございます。岩手県も3割ほどが首都圏のほうに卒業生が行っている現状もございます。こうした首都圏以外の各地域の現状などもきちっと分析、把握をいたしまして、委員御提案の部分について、我々としても少し課題として捉えて研究してまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 ぜひそういった視点で今後、国に働きかけをしていただきたいと思っております。
 岩手県の50%の卒業生が県外に行ってしまう。片や、首都圏ではその2割以上、3割ぐらいを地方から持ってくる、そういった全国的な偏在を、ぜひ需給の見通しがあるのであれば、そういった観点から要望していっていただきたいと思っております。
 次に、医師確保策についてお聞きします。
 奨学金制度が非常に充実されまして、今さまざまな奨学金を合わせますと55人の奨学生を受け入れる、そういった体制ができております。これについては大変ありがたい施策だと私は感謝しておりますが、今後、この貸付数の見通し、55人充足していくのかどうか、そういったことをお聞きしたいと思いますし、同様に、医師不足で困っている県はたくさんあると思いますが、他県の対策状況を教えていただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御指摘いただきましたとおり、本県の医学部の奨学生の枠に関しましては、平成20年度に45名に、22年度からは、3制度ございますが、合わせて55名という形で拡充したところでございます。
 一方で、この入学者の貸与の実績でございますが、平成22年度は44名、23年度は51名、本年度は42名と、必ずしも全部充足しているわけでない部分もございます。
 こういった点につきましては、やはり、一つは、本県の高校生の医学部進学者が毎年55名前後にとどまっているということもございまして、こういった医学部進学希望者、セミナーなどに参加していただく高校生はかなりの数あるのですけれども、一人でも多くの県内の高校生の方々の医学部進学といったものに結びつける取り組みを進めていきたいと思ってございます。
 また、他県の状況でございます。国が平成19年度に新医師確保対策ということを掲げまして医学部定員増にかじを切ったわけでございますが、その後、定員増というのが、いわゆる地域枠、奨学金制度とリンクした形で進んでございます。
 したがいまして、当県と同様に、他県でも、いわゆる地域枠という形で、医学部定員増に対応した形で、今、奨学金を各県が運用しているところでございます。そういう意味では、本県と同様に、これから、平成28年度ごろからその奨学生の配置というものが他県でも進んでくるわけでございます。そういう意味では、地域枠奨学生というのは、ある意味、他県との競争というわけではないですが、そういう部分もあろうかと考えてございます。
 一方、本県の場合は、地元大学が私学であるということで、奨学金制度は、他県の制度とは若干違う形で運用している部分もございます。そういう意味では、他県にも増してといいますか、かなり手厚い制度を本県は実施しているのではないかと考えてございますので、本県の奨学金制度は、リーフレットなどを使いましてさまざまな周知をしてございますけれども、引き続き本県の制度について、活用していただくように、さまざまな機会を通じて周知をしていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 ありがとうございます。今、課長がおっしゃったとおり、実は、この制度ができたからといって安心できない状況にあると思います。先ほど課長がおっしゃったとおり、本県の医学部進学の学生が非常に少ないということ、他県に比べて少ないということで、この方々がまた他県にも行く可能性もありますし、必ずしも県内に残るとは限らないということ。それはまた、少子高齢化によりまして、卒業生も、子供も少なくなってきている。だから、この55人の枠をいかに満たしていくかも一つの大きな課題であると思います。
 そのためにも、ぜひ県内の高校生に対して、医師を志望するような教育あるいは働きかけをしていただきたいし、また同時に、これは教育委員会との連携になると思いますけれども、学力の向上にも取り組んでいただきたいと思います。
 そしてまた、その上に増して必要なのは、今度は、養成事業のカリキュラムをいかに魅力あるものにするかという課題もあると思います。地域枠においては、岩手医大に入学し、岩手医大で初期臨床研修をし、岩手で就業していくという意味では、ある意味、現場の声を聞きますと、非常に閉塞感があると。岩手で学び、岩手で研修し、岩手で就業するのかと。そういった制度の縛りもあると伺っております。そういった意味では、長期臨床研修は他県でもできる、他の大学でもできる、そういったカリキュラムの魅力を増す工夫も必要があると思っております。
 ぜひそういったこともお考えになっていただきたいと思いますが、御所見はいかがでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 地域枠奨学生のカリキュラムということでございます。
 県では、奨学生の方々が、社会的使命もございますので、将来、地域で勤めていただくということ、こちらのほうもやはりきちっとしなければなりませんので、そういったような意識の醸成をしっかりしていくということ、また、委員から御指摘がありましたとおり、今の医師というのは、専門医志向が非常に強うございます。患者さんも専門医にかかって専門的な医療を受けたいという希望もございます。そういう意味では、きちっとした専門医取得というようなキャリアパスといいますか、そういうものと地域でのしっかりとした勤務、社会的使命、この二つをきちっとバランスよくする制度が必要だと考えてございます。そういう意味では、今、9月に養成医師の配置調整に関するワーキンググループの立ち上げをいたしまして、両者のバランスをきちっととっていく仕組みを考えていきたいと思います。
 なお、岩手県だけというわけではなく、この奨学金制度、現行制度は、初期研修に関しては全国どこでも受けていただいていい制度になってございます。また、6年間なり9年間の義務、これはストレートに義務をするということではなく、途中4年間、例えば大学院に進学して学位を取得する、または他県に行って専門的な研修を担う、いわゆる猶予期間、こういったものも設けてございますので、こういった社会的使命を果たすということとキャリアアップ、この二つをきちっとバランスよくそういった期間の中で両立できるのではないかと考えておりますので、今、その具体的な課題の検討を進めているところでございます。
〇及川幸子委員 私からは2点質問させていただきます。
 まず、全国的に児童虐待という本当に痛ましい事故、幼児、児童がとうとい命を失うという本当に目を覆うような事故が多発しております。
 岩手県内において昨年の状況はどうだったのか、児童虐待についてお伺いします。
〇菅野児童家庭課総括課長 県内の昨年度の児童虐待の状況についてでございますが、児童虐待の対応件数につきましては、児童相談所による対応件数が392件、前年度より31件増加しており、また、市町村の対応件数は526件で、同じく10件増加しているところでございます。
〇及川幸子委員 大変な数だと思うんですけれども、こういう結果、前年よりも市町村ともに多いのですが、どのような対応策をなさってきたのかお伺いします。
〇菅野児童家庭課総括課長 虐待が非常に増加しているわけでございますけれども、虐待防止の取り組みとして未然防止の取り組みが重要と考えているところでございます。11月の児童虐待防止推進月間にあわせまして、毎年度、オレンジリボン街頭キャンペーンを実施しているほか、駅構内や路線バス車内へのポスター掲示等によりまして、県民の皆様への意識啓発を図っているところでございます。
 また、母子保健対策といたしまして、医療機関と連携しながら、全市町村におきまして産後うつスクリーニングに取り組んでいるところでございます。さらには、子育て中の親子を対象に、いのちをテーマといたしましたワークショップの開催などを行っているところでございまして、これらの取り組みに加えまして、今年度におきましては、子供のしつけに悩む親に対して、しつけのスキルを効果的に教えるトレーナーの養成事業を行っているほか、母子保健の指導者を対象に、妊産婦あるいは乳幼児の虐待リスクの発見、さらには母子保健と福祉との連携による虐待を予防する支援のあり方について研修会等を行っているところでございます。
 これらの取り組みによりまして、今後におきましても、虐待の未然防止に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇及川幸子委員 私たちが子育てするときから考えますと、今、子育てのお母さんに対しての保健師といいますか、しょっちゅう私どもはあったんですよ、そういうお話をいただく機会とか、健診とか、随分あったんですが、今見ていますと、何カ月かに何回、保健師がやってきて、どうですかと若いお母さんに聞いていく、その程度なんですけれども、保健師の活動する場というのが随分減ったのではないでしょうか。今言いました妊産婦とか、子育て中のお母さんが悩みを抱えている中で、そういう方のお話を聞く機会が随分少なくなったのではないかと思うんですが、いかがですか。
〇菅野児童家庭課総括課長 子育て中の母親に対します保健師等のかかわりということでございますが、市町村におきましては、乳幼児健診における助言などのほか、4カ月未満の乳児がいる家庭の全戸訪問、さらには要支援家庭への養育指導等、子育て家庭への支援を行っているところでございます。
 また、県内全ての分娩取扱産科医療機関におきまして、産後うつスクリーニングを実施しておりまして、その中で、ハイリスク者への対応等につきましては、いわゆる医療機関と市町村の保健師などが連携して取り組んでいるところでございます。
〇及川幸子委員 小児科の先生ってすごく忙しいですよね。そんなにゆっくり患者さんの悩みなんて聞く時間がないですよ。それで、いろいろ聞きますと、もう何だかんだと言ってきて、あそこの病院にはとても行けないなんていう母親の悲痛な、そういう訴えも聞きますけれども、やっぱり保健師の活躍の場が絶対的に少なくなったと思うんですが、こういうふうに虐待の数字が多くなった要因は何だと思いますか。何でそういうふうになったと思いますか。
〇菅野児童家庭課総括課長 虐待の増加の要因につきましては、虐待そのものがふえているということ、また、虐待のいわゆる通告義務の周知が図られるとともに、虐待問題への世の中の関心が高まって、いわゆる相談、通報等が増加していると考えております。
 また、背景といたしまして、いわゆる都市化ですとか核家族化の進行等によりまして、子育ての不安ですとか孤立化といった状況も見られると考えております。
〇及川幸子委員 子育ての不安、孤立化ということ、全くそのとおりだと思うんですけれども、やっぱり私たち祖父母が、今、口出しをするような子育てが実は行われないんですね。やり方が全く変わっています。口を出しても、いや、昔は昔で今は今という感じなんですよ。そういう中でしゅうと面するというのはなかなか難しいことになりましたけれども、やっぱり何回も言うように、この保健師を国にもっともっと求めて、お母さん方と対話させて、研修をもっともっとふやす、そういう仕組みづくりを求めるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 委員御指摘のとおり、虐待の防止のためには、やはり未然防止といいますか、妊産婦の時期からの取り組みが必要だろうと考えております。そういう中で、保健師等の役割につきましては大変重要と考えております。
 早期に発見をし、関係者が連携して必要な支援を行うことが非常に重要であることから、県におきましては、母子保健担当者等の会議、あるいは母子保健分野の乳幼児に関するリスクアセスメントの研修会などを行っているほか、いわゆる市町村あるいは福祉関係者、医療関係者などが集まって、ケース検討会などによる情報の共有ですとか、それぞれにおける助言等を行っているところでございまして、県としても、引き続きこういった取り組みを充実強化してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 どうぞ連携をとって、民生委員も地区内のそういう家庭のことは承知しておりますので、民生委員も加えられて、絶対この岩手県からは、もちろん全国的にもですけれども、児童虐待で児童、幼児が命を失うことがないように全力で努めていただきたいと思います。
 次に移ります。生活保護を受けている人が多くなっております。全国的にも年金受給者が大変多いということ、それは、やっぱり年金が月二、三万円であるという結果の中で、生活が大変だという声を聞いております。
 岩手県において生活保護を受けている人の状況、そしてまた、何らかで不正受給があって資格がなくなったことがあるのか、その状況をお知らせいただきたいと思います。
〇岡村地域福祉課総括課長 生活保護の動向、県内の状況でございますが、平成23年度の月平均の被保護世帯数は1万511世帯、被保護人員は1万4、844人、保護率は人口に対しまして1.11%という状況になってございます。直近の本年8月の状況ですが、被保護世帯数は1万492世帯、被保護人員は1万4、592人、保護率は1.12%という状況でございます。前年度平均と比較いたしますと、世帯数及び人員は、それぞれ19世帯、252人減少しておりますけれども、保護率につきましては、全体の人口、世帯数が減少していることに伴いまして、0.01ポイント微増という状況でございます。
 また、不正受給の状況等についてのお尋ねでございますけれども、平成23年度に保護費を不正に受給し、返還を求めているという状況についてですが、県内では、稼働していながら過少の申告または無申告であったということで68件、また、年金や福祉関係の給付金等、稼働収入以外の収入について無申告であった者が39件など、全体で109件、3、909万7、000円ほどの不正受給による返還が求められている状況になってございます。
〇及川幸子委員 申しわけありません、これ、全国的にはこの生活保護の受給というのはどういう状況だったでしょうか。
〇岡村地域福祉課総括課長 全国の状況についてでございますが、厚生労働省が発表しております直近のデータ、生活保護速報というものがございますけれども、これによりますと、本年6月分の被保護世帯数は154万2、784世帯、被保護人員は211万5、477人、保護率は1.6%、本県よりは高いという状況でございます。これは、前年同月と比較いたしまして6万3、000世帯ほど、7万3、800人ほどの増加、保護率についても0.06ポイントの増加ということで、全国としては、ずっと増嵩しているというような傾向が続いている状況でございます。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。
 最後に部長にお伺いしたいんです。突然で申しわけないです。年金が、先ほど申し上げましたけれども、月二、三万円でとても暮らしていけないという、特に高齢者の方々は、やっぱり生活保護をもらったほうがいいよと周りの人から勧められても、生活保護をもらうのはとても恥ずかしいことだとして、食べるものから随分切り詰めております。
 そういう状況の中、この社会の仕組みを含めて、部長としてどういう御所見をお持ちか、最後に伺って、終わります。
〇小田島保健福祉部長 今、生活保護については大分いろいろな報道あるいは国のほうの検討の中で、適正な支給をきちんと受けるべきだということで、どちらかといえば生活保護を支給することに対して、不正の観点から非常にクローズアップされている状況になっているという印象を持っております。
 一方で、生活保護を受給されている方々の就労を支援するという仕組みも、国のほうで検討されているところでございます。
 本来、支給を受けるべき方、受けてしかるべき方が、そういういろいろな風潮によって受けられない状況にある、それを差し控えるような形になるということは、やっぱりセーフティネットとして置かれている制度についての本来のあるべき姿ではないのだろうと思います。やはり権利として受けられる方はきちっと受けていただくと同時に、そうでない形で受けておられる方については、きちっと返還をしていただくということで、そこは、世の中の風潮に流されることなく、きちんとした人間の尊厳としての生活が守られるような形での制度運営なり制度設計をやっていただきたいと思いますし、岩手県におきましては、そういうことを基本として、生活保護の審査なり受給の確認なりを行ってまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 3点伺います。1点目、岩手県立療育センターについて伺いたいと存じます。
 前任期、私も常任委員でありましたので検討経過の概要は存じ上げておりますが、いずれ療育センターについては、非常に大事な施設であるという認識は共有できているかと思うのですが、改めて、検討の経過の概要で結構です、お示しいただきたいと思います。
 また、今後について、山場に来ているのかなと私は認識しておりますので、あわせて今後の計画の概要についてもお示しください。特に、公表していない計画等があれば、この際、示していただきたいと存じます。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 まず、療育センター施設整備の検討経過の概要でございますが、新しい療育センターの整備に向けましては、外部有識者から成ります検討委員会を設けまして、御意見を頂戴し、その実現に向けて取り組んできたところでございます。
 具体的には、平成20年度に超重症児等の受け入れなど、新たなニーズへの対応や改築整備の必要性等を内容とします基本構想を取りまとめております。
 さらに、平成22年度には、基本構想で御提言いただいた内容を整理いたしまして、新しい療育センターの整備基本計画に反映させるため、新療育センターの機能や体制、施設の規模、整備候補地など、整備の基本となる方向性について、専門家などの皆様から多様な意見をいただいたところでございます。
 この新しい療育センターの整備につきましては、平成24年2月に策定し公表しております岩手県地域医療再生計画に盛り込んでいるところでございます。これまでの検討経過を踏まえ、新療育センターが、本県の高度小児医療提供体制の構築に向けて、中核的な役割を果たすことなどの基本的な整備方針を明記しているところでございます。
 平成24年度におきましては、これまでのさまざまな角度からの検討を踏まえまして、具体的な内容を盛り込みました整備基本計画を策定いたしまして、この計画に基づく新しい療育センターの改築整備の実現に向けて、着実な一歩を踏み出せるよう努めているところでございます。
 そして、今後の計画概要についてでございますが、新しい療育センターは、県内の障がい児の療育拠点といたしまして、さらなる機能強化を目指し、超重症児等の受け入れなどの新たなニーズに対応するために、入院あるいは外来の受け入れ体制の充実など、関係する医療機関との密接な医療連携による高度小児医療提供体制の構築、また、本県の障がい者の社会復帰に向けましたリハビリテーションの拠点としての機能を果たすための体制強化、さらには、医療と福祉と教育の密接な連携による障がい児の安全で安心な教育環境の創出を目指すこととしているところでございます。
 最後に、計画等の公表についてでございますが、基本構想の策定以降、新しい療育センターの改築整備に向けまして、これまで外部有識者からさまざまな見地からいただいた意見等を踏まえた整備の基本方向につきまして、平成24年2月に策定し公表しました岩手県地域医療再生計画に盛り込んで公表しているところでございます。
〇及川あつし委員 今、御答弁にあった整備基本計画というのは、いつ、どうなるんですか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 ただいま整備基本計画につきましては鋭意策定中ということでございます。特に、候補地の確定を待って、最終的には整備計画に反映した上でまとめられる予定としております。
〇及川あつし委員 いつを目途に公表する見込みですか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 時期的に何月ということはちょっと申し上げられませんけれども、いずれ、現在、整備用地の確保に向けまして、地権者に対して移転整備に関する協力要請等を行っているところでございまして、双方の合意形成がなされた後に、決定し、公表する予定でございます。
 具体的には、その整備基本計画に整備地を盛り込むという形での策定となりまして、その策定時点で公表という予定としております。
〇及川あつし委員 部長にこれは聞いていただきたいんですが、本当は総括でやる予定だったんだけれども、なぜ僕がこのテーマを申し上げたかというと、療育センターは非常に大事な施設で、今の手代森はよろしくないなと常任委員会でもずっと議論がありました。今、御答弁あったように、整備検討委員会等で専門家の皆さんの議論も踏まえて、そして、この専門医がなかなかいないので、医大との連携も図りながらそういう適地を探してやっていく、これも了解です。わかっています。
 ただ、何か今回の話の経緯が、僕は非常に解せない部分がいっぱいあるんです。いろいろな話がこそこそ水面下で進んでいて、漏れ伝わってくる。例えば、ことし、総務委員会で消防学校の現地視察がございました。その後、環境福祉委員会が療育センターに行かれたそうであります。そのときに、現場でもう話が出てしまっているんですよ。療育センターは、消防学校のところに基本的に移転する。消防学校は県有地のところに移転する。こういう話が現地からいろいろ出てくるんですね。でも、皆さんにお尋ねしても、公表しない。でも、今、御答弁あったように、地権者との交渉も含めていろいろな話が漏れ伝わってきている。
 何がだめかというと、プロセスが不透明だし、これからどうするんだという大事な構想をしっかりと県民に理解を求めながらやるのが普通なのであって、僕は、この進め方について大いに疑義がありますよ。中身はともあれ。きちっと我々にも説明をして、だからこうなるんだということを言ってもらわないと、特に盛岡市からの機能移転でまた矢巾町に行く。消防学校についても、これは非常にナーバスな問題だ。これを我々は現地の視察等でも各委員からも指摘しておりまして、皆さんにも伝わっているのかと思いますが、いずれ大事な計画でありますので、また痛くない腹をさぐられないようにしっかりやってもらいたいと思うんですが、部長、御答弁をお願いします。
〇小田島保健福祉部長 今の及川委員のお話は、全くそのとおりだと思います。私どものほうで地権者とのいろいろな調整等もあり、余り明らかにしてこなかった部分もございます。それからあと、計画の大まかなフレームを取りまとめた、先ほど総括課長が御答弁申し上げました岩手県地域医療再生計画の中で位置づけをしながら、基本的な整備の方針を明記させていただいたところであります。これも再生計画という形で常任委員会には御報告をしているんですが、療育センターということがどうなるということを詳細の形でお示ししておりませんでした。それは、いろいろなお話をお聞きしまして、非常にまずかったなと考えております。
 もっと基本的な考え方とか今後のスケジュール的なことも含め、お話しできにくい部分はできにくい部分として、お話しできる部分については、できるだけ丁寧に説明をすべきだったと考えておりまして、今後におきましても、できるだけ、議会の皆様方も含め、誤解を受けることのないように、お話しできることはきちんとお話をしていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 今の部長の答弁で了解いたします。しっかりよろしくお願いします。
 次に、児童福祉に関して伺いたいと思います。
 主要成果報告書の67ページに子育て家庭の支援など平成23年度の事業の成果が記載されております。その中で達成度C、Bになっている項目について伺いたいと思います。
 まず、休日・夜間保育の実施保育所に関しては、実績値27、目標値37ということで、達成度Cということになってございますが、この休日・夜間保育事業の現状について、まずお示しいただきたいと思います。
 また、休日・夜間保育の需要、そしてあと供給について、この現状をどう認識しているか、また、この認識している課題と対策もお示しいただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 休日・夜間保育事業の現状についてでありますが、まず、休日保育につきましては、保育対策等促進事業費補助金等によりまして支援をしているところでございますが、平成23年度におきまして、休日等に就業する保護者のニーズに応じました保育所での休日保育は、16市町村、34カ所で実施されており、延べ8、250人の児童が利用しているところでございます。
 なお、夜間保育につきましては、県内におきまして、現在実施している市町村はございません。
 次に、休日・夜間保育に係ります需要と供給の現状認識、課題と対策についてでございますが、市町村が当該地域の保育ニーズを把握いたしまして、適切に事業実施を行っていると考えております。
 また、課題につきましては、休日・夜間保育は、利用者の方が限られるとともに、地域的な偏りもあることなどから、市町村が計画的に保育サービスを行うための仕組みづくりが必要であると考えているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、県におきましては、引き続き、補助制度等を活用しながら、地域の多様な保育ニーズに応じた市町村の事業実施を支援していきたいと考えているところでございます。
〇及川あつし委員 課長、そういう認識だとだめなんですよ。全くもってだめなんです。やっぱり我々人間も、社会に合わせて、生活形態とか毎年、景気にも合わせてどんどん変わりますから、皆さんのやっていることは歩みが非常に遅いなと思います。
 夜間保育の議論はきょうはさておき、休日保育、土日、これに関しては、私の選挙区である盛岡市でやっているところはたった5カ所なんです、たった5カ所。私も4園の保育所に関係していますけれども、実は私の関係しているところもやっていません。できないんです。ただ、保護者からはいつも、何とか土曜日、日曜日預かってくれないかなという話は、毎年、ふえることはあっても減ることはありません。
 これはなぜこうなっているかという現状をもうちょっときちっと見てほしいんですよね。なぜ休日保育をやる保育所が少ないか。今、サービス業の方は、土日なんか絶対休みないですよ。皆さんの生活形態では土日休みかもしれないけれども、普通は土日休まない方がいっぱいいるんですよ。ここに対して保育所の供給が進まない、この現状をどう考えていますか。
〇菅野児童家庭課総括課長 ただいま委員の御指摘ございましたように、いわゆる保護者の方々の働き方の変化によりまして、そういったニーズがあるということは承知しておりますけれども、事業を実施していく際の、例えば保育士等の確保であるとか、あるいは必要な基盤の整備といいますか、そういったことがやはり課題としてあると認識しているところでございます。
〇及川あつし委員 総括課長にお願いしたいのは、現実をもっときちっとリサーチしてほしい。なぜ我々が─我々という言い方もあれかもしれないけれども、休日保育に踏み出せないか、ここを見てもらわないと、国庫補助制度が云々とか、これまでの制度云々とかというのでは一切改善しないですよ。
 開設しているところが1カ所減っていますよね、逆に、平成22、23年で。この問題もそうだし、あと、一時預かり、これもやめるところがいっぱいあるんです。現実として対応できないから。どこに需要があって、何が障害になっていて、どうやれば改善するかということを本当にしっかりやっていただきたい。
 保育士の関係についても、保育士不足が云々と言っているけれども、じゃ、それに対してどうするのか。政府がやっと保育士の待遇改善を介護士のようにやるような方向になってきているのかなとは思っていますけれども、保育士の待遇改善についてもほとんどメッセージが聞こえてこない。現状がこうだよということは言うけれども、じゃ、どうすると言ってくださいよ。いついつまでに計画をつくると言ってくださいよ。じゃないと、小さいお子さんをお持ちの御家庭が、本当に厳しい状況にあるということを、皆さんは待機児童という表面的な数字でしか捉えていないので、さらに現状をきっちりやってもらいたいと思うんですが、いかがですか。
〇菅野児童家庭課総括課長 ただいま御指摘いただきました委員の御意見等も踏まえまして、各市町村におけるそういった保育ニーズ等の需要等の把握に努めまして、適正な計画、それに基づいた事業の展開がなされるよう、取り組みを支援してまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 よろしくお願いします。
 いずれ、事前に課題としていただいたペーパーで気になる表現があったので、この点だけ最後に申し上げますが、利用者が限られて需要が分散しているから云々ということなんですけれども、要は、需要の話と供給の話、これは鶏と卵の話だと思うんだけれども、供給の体制がしっかり見えないから、保護者はどういうところに働きに行って、どういうところで子供を預ければ自分の生活ができるんだという姿を見せるのは、供給サイドから見せないとだめなんですよ。需要がばらばらだからこっちで計画できないじゃだめで、需要はもうわかっているわけですから。皆さん、土日、ショッピングセンターに行ったら女性がいっぱいいるじゃないですか。あのお母さんたちは、どこに子供を預けるんですか。そういう現状をよく見てやっていただきたいというのが趣旨であります。
 次に、Bの達成度になっている放課後児童クラブ関係について伺いたいと思います。
 この点について、現状として私がもうちょっとやってもらいたいなと思うのは、子供の1日の生活をしっかり見ていただいて、県庁内の部局の縦割りではなくて、子供の1日の生活を見て、しっかり支える体制をつくってもらいたいと思います。その意味で、教育委員会との連携というのは非常に大事であって、教育委員会が、特に小学校の公立学校での生活、それが終わった後の受け皿は児童福祉の分野になると思うんですけれども、正直言うとつながっていないんです。なので、ここについては、子供の1日の生活という視点で連携を強めていくべきだと思うんですが、現状と課題についてお示しいただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 放課後児童の居場所づくりを推進するために、教育委員会と連携いたしまして、全小学校区において、児童館、児童センター、放課後児童クラブ、放課後子ども教室等の何らかの公的な居場所を、最低一つは設置することを目標に取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、小学校、放課後児童クラブ、放課後子ども教室の相互理解や、いわゆる情報の共有などに関して課題があると認識しております。
 こういったことから、年2回、教育委員会と合同で岩手県学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進委員会を開催いたしまして、学校、家庭及び地域の相互連携等について協議をしているところでございます。
 委員お話のございました子供たちの1日のライフサイクルといいますか生活に応じて、そういった学校あるいは放課後児童クラブ等との連携等が図られるように、今後におきましても取り組みを充実してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 ほかの市町村はわかりませんけれども、盛岡市は結構ばらばらなんですよね。現場に行けば行くほど。全県でそういう問題意識を共有しても、現場に行くとかなりばらばらで、何でこんなことになっているんだろうという課題がかなりありますので、そこについてももう一度確認をしていただきたいと思います。
 今お話があった各小学校区に何かしらの居場所をつくる、この方向性が示されておりますが、現状で、まず量的には確保されつつあるのかどうなのか、課題等についてもお示しください。
〇菅野児童家庭課総括課長 放課後児童クラブの現状でございますが、平成24年5月1日時点でございますが、県内の児童館、児童センターは119施設、それから、放課後児童クラブは295クラブとなっております。これは、平成22年3月に策定いたしましたいわて子どもプランにおきまして、平成26年度までに290クラブを設置するという目標につきましては、上回る状況となっているところでございます。
 しかしながら、放課後児童クラブの利用申し込みをされたが登録できなかったという子供が、県内で50人いるという状況もありますことから、こういったことにつきましては課題と認識しておりまして、今後とも、国の補助制度などの活用によりまして、施設の整備が図られるよう、市町村を支援してまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 ちょっと時間の関係もあるのでまとめて申し上げますけれども、私の認識は、やっぱり教育委員会との連携が極めて不十分で、学校の施設を利用した児童厚生施設なり放課後児童クラブというものがどんどんふえてきていますけれども、まだまだできるはずなんですね。御存じのとおり、少子化になって、余裕教室がどんどん出ていますから、そこに、普通に考えればどんどんつくればいいんですよ。それで、いろいろな優秀な人材を、退職した先生とか、いろいろな方に来てもらって、しっかり子供たちの面倒を見てもらう。特に低学年。
 こういうことをやっていけば一気に解決すると思うんですけれども、今、御答弁あったように、児童厚生施設、放課後児童クラブを足しても414ですよね。県内の小学校は幾らあるんですか。と考えると、まだまだ量的にも、盛岡市の感覚では捉え切れないのかもしれませんけれども、皆さんの目標数値が低い。まだできる。やり方については、工夫すればもっと早くできると思いますので、この点については、しっかりやっていただきたいと思います。
 今、量的な問題を申し上げました。最後に質的な問題であります。
 どちらかというと、放課後児童対策というのは、量が圧倒的に足りなかったので、後発分野なので、まず量をふやせということでやってきました。なので、一定のタイムラグがある中で、先発してやってきたところについては質が異常に悪い。物すごく異常な質の悪いところが散見されます。これは、児童厚生施設は、誰もが利用できるということで、縛りが緩いがゆえにかなり劣悪な環境のところもある。
 そして、耐震化についても、皆さんからも資料をいただきましたけれども、公立学校に比べて進んでいない。日中の公立学校については耐震化計画ができて、今、教育委員会は一生懸命、耐震化に向かって予算もつけてどんどんやっているけれども、それは、子供にとってみれば2時か3時までの居場所であって、2時以降行ったところについては耐震化が進んでいない、環境は劣悪だ、こういう現状があるんです。
 これについても、冒頭申し上げたように、子供の1日の生活を見て、同じ基準でやれるようにやってもらえないかなと思うのですが、この質的な課題について、どのような認識を持っているかお示しいただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 質的な課題ということでございますが、今、委員御指摘のございましたそういった個々の放課後児童クラブの環境等、子供たちが非常に多くいるところもございますし、そういったことを考えてございます。
 また、先ほどもお話がございましたように、一生懸命放課後の子供たちの指導あるいはお世話をしていただく指導員さん方の資質の向上といったことも、重要な課題だと認識をしております。
 こういったことから、耐震化等の助成等によりまして施設の改善等を図っているほか、指導員の皆様の資質向上のための研修会等を実施して、いわゆる質的な改善等に努めているところでございます。
〇小野共委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時52分 休 憩
午後1時2分 再開
〇岩崎友一副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ23人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇佐々木努委員 それでは、私からは大きく3点について質問させていただきます。できるだけ簡潔明瞭に質問させていただきます。
 まず最初に、放射性物質による子供の健康被害調査についてお伺いをします。
 尿検査につきましては、昨年度に引き続き、今年度も市町村と協力しながら進めていただくということになりまして、これにつきましては感謝をいたします。今後、速やかな実施をお願いいたします。
 それから、尿検査とともに、子供たちの健康が非常に心配されているのは甲状腺の関係でありまして、これにつきましては6月の一般質問の際も、ぜひ、岩手県でも検査を実施していただきたいということで要望をいたしました。その際、県では、福島県の検査の状況を注視するということで答弁をいただいているところです。その後、福島県の検査がどんどん進むにつれ、福島県内の子供36%にしこり等が出ているということがありまして、国でも、福島県とそのほかの地域の子供たちを比較して、これが原発の影響なのかどうかというのを調査するということで、全国3カ所で実施をするという方針を出しました。これにつきまして、私も全国3カ所だから岩手県も入るんじゃないかと期待をしていたんですが、どうやら岩手県はそれに含まれていないという状況のようなんですが、その後の国の動きについて県はどのように認識されているでしょうか。まず、それからお聞きします。
〇野原医療推進課総括課長 委員からも御紹介いただきました国で実施をする甲状腺検査でございます。
 こちらの目的につきましては、委員からも御紹介いただいたとおり、福島県では、県民健康管理調査による小児を対象とした甲状腺超音波検査において、のう胞または結節、これは一般的には医学的な処置等の必要のない甲状腺の良性疾患と比較されているものでございます。こちらが約35%で発見をされている。それらの所見は臨床上多く見られるが、疫学的にどれくらいの頻度で見られるかを調査した研究がない。そのため、他の地域と福島県の人々の有所見率を比較するため、福島県以外の地域において甲状腺結節性疾患の有所見率を調査するというものであり、委員御指摘のとおり、当該地域の原発事故の健康影響調査をするという目的ではなく、福島県と他県の地域を評価していくという目的で実施するものと理解をしております。
 こうした比較調査のための都道府県については、こうした国の調査の考え方から、現在確認しているところでは、どちらからか、都道府県から手を挙げるということよりも、国のほうで、福島県から比較的遠い都道府県を選定するという考え方ではないかと理解をしているところでございます。
 現在、対象地区については、国から何らかの情報等はいただいていないところでございまして、我々もこの情報については、引き続き注意深く国から情報を得て対応できるようにしていきたいと考えてございます。
〇佐々木努委員 県南の方々は、福島県は福島県であって、岩手県はあくまで岩手県だという見方をしています。そういうことで、ぜひ甲状腺の検査をしていただきたいという声が、私のところにも寄せられています。
 国では、全国で4、500人を対象に行うということなんですが、4、500人も検査をするのであれば、そのうち岩手県では500人を検査するとか、そういうことだって十分に可能だと思うし、福島県と岩手県を比較するという意味合いでも、ぜひ岩手県のデータもとっておく必要があるんじゃないかと私は思います。
 そうことから、ぜひ県のほうでも国に働きかけをしていただく、あるいは県独自で実施をしていただく、そういう形で実行に移していただけないものか、その辺のところの所感をお伺いします。
〇野原医療推進課総括課長 今、福島県で行われております甲状腺検査につきましては、これまでも御答弁申し上げましたとおり、目的としては、現時点での甲状腺の状況をきちっと把握して、よりきめ細やかに児童の健康を生涯にわたって見守るという観点から実施していると理解をしてございます。
 この福島県の調査につきましては、これまで約8万人の結果が公表されてございまして、その99.5%が先ほど委員から御指摘あった良性の疾患も含めたものでございますが、2次検査の必要がないという形。残り0.5%につきましても、これらのしこりは事故以前から存在していた可能性が高い。また、1人、この2次検査のお子さんの中で甲状腺がんが発見されたということでございます。福島県では、この小児甲状腺がんについては、その進行が極めて遅いとの医学的特性を総合的に判断し、今回確認されたがんは、事故時点において既に存在されていたものと考えられるという評価がされていると理解してございます。
 本県としても、昨年の有識者会議におきまして、健康影響調査においては、放射性ヨウ素については半減期の関係で不検出であったものの、セシウムによる内部被曝の調査結果に加えて、これら内外の知見、福島県の調査などを勘案し、本県の子供の放射性ヨウ素による内部被曝については極めて低いと推定されることであるので、甲状腺超音波検査の必要性はないと考えられるという見解が示されたところでございます。
 6月の段階と現時点では、科学的知見というのは変わっていないものと理解をしてございまして、引き続き、最大限の注意を持って福島県で行われている調査結果を我々見守っていくとともに、今後、さきに御答弁した国で実施をする甲状腺の調査、また、内外の知見などについて見守って、しかるべき対応が必要な時期には、速やかに対応できるように準備をしてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 尿検査もそうなんですが、保護者の方々の不安を払拭するという目的もあるわけです。そういうことですので、リスクコミュニケーションを図る意味でも、ぜひこれについては検討を進めていただきたいと思います。要望にとどめておきます。
 関連して、岩手県放射線内部被ばく健康影響調査有識者会議、これについてちょっとお伺いしますが、これまで、ことしの2月6日と3月2日の2回開催されています。その後、今年度はまだ開催されていませんね。いないと思うんですけれども、先ほどもお話ししましたが、福島県の甲状腺検査の状況などが明らかになっている。そして今度、県で尿検査を引き続き実施するということになったことも含めて、今後開催して、また今後のこの検査のあり方について検討する機会を持つべきではないかと思いますが、今後の予定等がもしあれば教えていただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 さきにお認めいただきました、昨年実施をした子供を対象とした尿中放射性物質による内部被ばく健康影響調査につきましては、この対象者と調整をいたしまして速やかに実施をするものでございますが、その科学的評価につきましても、有識者会議を開催いたしまして評価をいただく予定としてございます。また、前回の有識者会議におきましても、評価とともに、県民への生活上の留意事項という形で、さまざまなアドバイスもいただいたところでございます。今回の調査結果とともに、さまざまな内外の知見やさまざまな状況等を踏まえた具体的なアドバイスなども、この有識者会議などでいただければと考えてございます。
 こうした正しい状況、また調査結果の科学的な評価、こうしたものをきちっとリスクコミュケーションという形であらゆる機会を通じて、また引き続き県民の皆様方にわかりやすくお伝えするように、我々も努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 先日、福島県の県民健康管理調査検討委員会、これは岩手県の内部被ばく健康影響調査有識者会議と多分同じような組織なんだと思いますが、会議の前段で秘密会議が行われていたとか、あるいは委員会の議論を誘導するような事前進行表が送られていたということで、大きな問題になりました。岩手県ではそんなことはないと私は思いますが、いずれにしろ、これから会議を持つに当たっては透明性をしっかりと確保して、県民にわかりやすい会議の中身を公表していただければと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、障害の害の字の平仮名表記について質問をさせていただきます。
 県では、2008年4月から障害の害を、平仮名表記にするということで取り組みをされてきましたが、これは、当初は知事部局のみということで、その他の部局は連携を図りながらということになっていたと思います。4年が経過いたしまして、この県の取り組みについては、市町村にもかなり浸透してきたと私は理解しています。そういうことで、県の各部局にはしっかりとこれは根づいているのか、あるいは知事部局以外の例えば教育委員会とか警察本部とか、そういうところでの取り組みはどのようになっているのか、その辺のところをお示しいただければと思います。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 障害の害の字の平仮名表記でございますが、委員御指摘のとおり、平成20年4月から、知事部局を実施範囲といたしまして、新たに作成する行政文書、パンフレット等における障害の害の字を平仮名表記することといたしまして、総務部長と保健福祉部長の連名通知によって、当時、庁内に周知したところでございます。
 内容でございますが、ただし、法令あるいは国の事業、制度の名称などの固有名詞、それから人の状態をあらわすものではないような言葉については漢字表記としているほか、県の条例、規則等につきましては法律名等を引用する場合も多く、漢字表記と平仮名表記が混在することでかえって読みにくくわかりにくいものとなる等の理由により、漢字表記としているものでございます。こういうことでございまして、県の文書の中には、結果として、若干、漢字表記も混在するというような状況になっております。
 平仮名表記を導入して5年目となりますけれども、おおむね定着しているものと理解しておりますが、疑義が生じた場合は、関係部局と協議するなどして、今後も周知徹底してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 たしか東北では3番目に取り組みを始めたと思いますが、これは県が障がい者に対して温かい県であるというアピールにも私はつながると思っておりまして、非常に評価をしているところですが、やはり知事部局だけではなく、県にかかわるものについては、全てにおいてそのように統一をしていただきたいということと、ちょっと私不満に思っているのは、マスコミ、特に新聞はそういうことに全く取り組んでおられないということは非常に残念なんですけれども、県が率先してそういうことを発信するということがこれから大切だと思いますので、その辺の取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。もし、部長、所見があればお伺いします。
〇小田島保健福祉部長 今、障がい保健福祉課総括課長から御答弁を申し上げましたとおり、総務部、いわゆる知事部局についてはそういう形で進められておるところでございますが、これがもう少し幅広の形で使われるような、そういう取り組みについても我々努力をしまして、できるだけ広く定着するように努めてまいりたいと思いますので、これは関係部局とも連携をしながら推進していきたいと思います。
〇佐々木努委員 次に、決算書にも県民計画実施状況報告書にも載っていないんですが、私は非常に大切なことだということで質問させいただきたいんですが、結婚支援についてでございます。
 何回も同じような質問をして大変申しわけないんですが、6月の一般質問で、岩手県にも茨城県と同様の出会いサポートセンターをぜひ設置していただきたいという質問をさせていただきましたが、その際の答弁では、秋ごろをめどに来年の事業化ができるかどうか、その辺も含めた検討結果を出したいという御答弁でありました。約束の秋になりましたが、どのような検討状況になっておりますでしょうか、まずそれを伺います。
〇菅野児童家庭課総括課長 委員から御提言をいただいております出会いサポートセンターの設置につきましては、これまでいきいき岩手支援財団と検討を重ねてまいりました。
 その結果でございますが、まずはセンター機能のうち、結婚支援事業の中心となる人材の育成や、県内における結婚支援事業等を一元的に情報発信するポータルサイトの開設などの方向性が出されたところでございます。これを受けまして、来年度以降につきましては、この方向性を踏まえて人材の育成などに取り組むこととし、御提言をいただいております出会いサポートセンターの設置につきましては、今後も引き続き検討をしてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木努委員 県内の情報をポータルサイトで発信するということですか。ちょっと具体的に、どういう中身をどう発信しようとしているんでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 いわて子ども希望基金を活用いたしまして、助成を行いまして、各団体等が各地域におきまして事業を行っているわけなんですけれども、地域等で行っているそういう事業を集約いたしまして、財団のほうからも情報発信をしていくということを考えております。また、助成事業以外のイベントなどにつきましても情報収集を行いまして、そういう発信を行って、より多くの未婚男女の参加につながるような情報提供をしていきたいという内容で考えております。
〇佐々木努委員 ということは、それぞれの市町村あるいは財団のほうでやっている出会いパーティーとかそういうものの情報提供を一義的にやるということですか。今までどおりのやり方を、ただ単に全県に広めるというやり方という認識でよろしいでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 財団の助成事業を受けているかいないかにかかわらず、県内のそういった情報をできるだけ収集をして情報発信をしていきたいということでございます。そして、そういう多くの方々の参加につながるような情報提供をしてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木努委員 私、6月議会の一般質問でもお話をしたんですが、この出会いパーティーというのは、私個人としては、非常に効率の悪い、結婚支援にはほとんどつながらないものだと認識をしているわけです。なぜなら、私が市町村の職員をやっていたときにその担当をしていたからであって、一般質問のときもそれはお話をさせていただきました。それを今後もずっと継続して続けていくというのは、私にとっては税金の無駄遣いじゃないかと思います。
 実際に私も茨城に行って勉強させていただきましたが、本当に先進的な取り組みを県を挙げてやっているわけです。これは、なかなか結婚ができないという人がふえてきている、そして少子化が進んでいる、何とか1人でも多くの子供をふやしていきたいという思いから県が一生懸命取り組んでいる。それに対して、ほかの県も視察に来ているそうです。たしか徳島とか岐阜もでしたか、同じような取り組みを始めようとしている中で、どうしてもう一歩踏み込んでいただけないのか、私は本当に疑問です。これからの岩手を支えるのは子供たちであって、その子供たちをふやす、そして人口をふやしていくのが皆さんの仕事ではないかと思うんですが、ちょっと残念な答弁でありました。ここでこれ以上お話をしても先には進まないと思いますが、今の岩手県の人口減の危機的状況、少子化の危機的状況をもう少し理解をしていただいて、本気で少子化対策に取り組むという姿勢を見せていただきたいと思います。
 これは私、今後も引き続きこの件については要望をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 最後に、この件について部長に見解を伺って私の質問を終わります。
〇小田島保健福祉部長 結婚サポートセンターの設置に向けましては、委員からもお話をいただきましたとおり、6月議会の際に御質問をいただき、それについて前向きに取り組んでいきますという御答弁を申し上げたところでございます。それで、児童家庭課のほうで、この後、3度ワーキングを開きましていろいろ事業を検討したという経過がございまして、そういう中で、まずはセンター機能のうち、結婚支援事業の中心となる人材育成だとか情報発信をするポータルサイトの回数、こういう案は出てきておるわけですが、岩手にとって本当に成果のある事業をやらなければならないということは委員御指摘のとおりでございますので、御提言もいただいた内容についてもう一度ワーキングなりで検討をし、成果の上がる方式を岩手県としてきちっと取り組めるように部を挙げて検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇佐々木努委員 終わりと言っておきながら、済みません。
 ありがとうございます。人材育成とおっしゃいましたが、まず私は、そういう支援をするセンターをつくることが先だと思うんです。人材育成をしていたら、もう2年、3年、4年、5年、すぐにたってしまいます。いつまでたってもこの問題は進まないと思います。
 生涯未婚率─50歳までに結婚しない方の割合ですね、生涯未婚率、これが2030年には男性は30%になると言われているんですね。今、40代の方々にとっては、もう時間がないわけです。ということで、一日も早く県が本気になってこの結婚支援に取り組んでもらえるように、私もこれから一生懸命訴えてまいりますが、県のほうも誠心誠意、この問題については取り組んでいただきたいと思います。
〇郷右近浩委員 きょう、たくさんの質問者がまだ残っておりますので、私からも1件について簡潔に質問させていただきます。ただ、質問の内容につきましては、今回の決算特別委員会においては、当該年度の決算に関する質疑ではなくても構わないといったようなルールだと認識しておりますので、そうした中で質問させていただきたいと思います。
 県内の訪問看護、そして訪問診療の実態についてお伺いしてまいりたいと思います。
 国では、在宅医療に向かっているという方向性、特にも在宅での医療、そうしたものを大切にしていくという方向性を打ち出しているやに私自身感じております。そうしたことにおいて、もちろん診療点数等も高くつけていたりといったような、そうした部分が見受けられる中で、この岩手県の中において、沿岸部等被災地の状況を含めて、被災前、被災後の県内の事業者数等の実態をお伺いしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 県内の訪問看護、訪問診療の実態についてでございますけれども、介護保険の指定を受けております訪問看護ステーションの数は、全県では、震災前の平成23年2月1日時点で69カ所であったものが、本年9月1日現在では73カ所となっております。このうち、沿岸12市町村では震災前及び本年9月現在とも12カ所となっております。
 訪問診療を行っております病院、診療所につきましては、県では正確な数は把握しておりませんが、東北厚生局に訪問診療を行う在宅診療支援診療所の届け出を行っている病院、診療所の数は、本年9月現在、全県で87カ所となっておりまして、うち沿岸12市町村では8カ所となっております。
〇郷右近浩委員 先ほど話しましたとおり、私自身、これから高齢化、そしてまたさらに病院自体の機能という部分で、今、私なんかも胆沢病院のほう、県立病院に行ってもすぐ何日間かで退院、例えば入院したとしますと退院であったりとか、本当に簡単なけがであれば、すぐそのまま在宅というような状況になっている中で、ますます必要性というのは増してくると考えるものであります。この点につきまして、岩手県としましては、その必要性という面につきましてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 訪問看護、訪問診療に対する県の認識等でございますけれども、本年2月17日に閣議決定されました社会保障・税一体改革大綱では、病院や診療所の機能分化と連携の強化、それから在宅医療の充実を強化することで、どこに住んでいても適切な医療や介護サービスが受けられる社会、いわゆる地域包括ケアシステムの構築を目指すこととされておりまして、本年3月に県が策定しました、いわていきいきプラン2014においても、この地域包括ケアシステムの構築を施策推進の基本方針と掲げているところでございます。
 県としては、訪問診療や訪問看護を中心とした在宅医療の充実は、地域包括ケアシステムの構築を進める上で重要な要素であると認識しており、昨年度から、在宅チーム医療を担う人材の育成などを内容とします在宅医療連携拠点事業などに取り組んでいるところでございまして、今後も、医療と介護の連携や在宅医療の推進に取り組んでいきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 そこでなんですけれども、まさに訪問診療、訪問看護、そうした現場でなんですけれども、実は道路交通法という法律によって、それぞれのお宅まで医療を届けに行く、診察に行ったり、そして看護というものを届けに行った際に、そのときに何分間かの時間がとられると。そのときに車をとめていくといった車両に対してどうしても─今回、私もいろいろ見せていただいたんですけれども、公安委員会規則第10号の岩手県道路交通法施行細則の中の交通規制の対象から除く車両、除外車両と言われるこうした車両には入れてもらえないということで、現場では本当に駐車違反すれすれといったような中での対応を迫られているといったようなものがあります。本当に対象になる車両の中には、私自身も不思議だなと思ったものが多々ある中でも、例えばマスコミ等が、報道機関が緊急取材のための使用中の車両なんか認められといったような部分があるのに対して、この医療の部分に関しては─医師法に規定する医師又は保健師助産師看護師法に規定する助産師が緊急往診のため使用中の車両─といったような記述がある。これにつきましては、平成19年に見直しをかけられた細則でありまして、この時点ではまだ在宅診療であったり、また、在宅看護という部分については確かに動きはあったものの、ニーズはあったわけですけれども、まだそれほど、それに対応するものがなかったといった時代背景の中でこの細則がつくられたという、現状、今の時代にあっては、今度はそうした訪問診療であったり訪問看護の車両に関して緊急性という部分、こうした部分についての特記はしなくても、そうしたものを認めていくべきではないかと私自身思っているわけであります。そうしたことにつきまして、所管部としての認識そしてお考えを伺いたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 訪問看護、訪問診療に対応する車両につきましての駐車禁止規制の対象とすべきかどうかということについての認識、考え方でございますけれども、訪問看護とか訪問診療を行っていく上で駐車禁止規制が課題になっていることにつきましては、詳細の実態把握はしてございませんが、平成20年に訪問看護の業界団体が行いましたアンケートでは、全国的に委員御指摘のような課題も報告されておりますことから、今後、訪問看護、訪問診療を拡大していく上で、本県の実態にも留意しながら、県警とも十分連携を図っていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 ぜひ、そうしたことで働きかけのほどよろしくお願いしたいと思います。
 この部分については、私自身、県警本部の場面でも質問させていただきたいと思っております。そうした中にあっては、現場のことをよく知るのは所管部局の保健福祉部でございますので、そこで声をぜひ一緒になって、そうしたことの現状というものを訴えるのをお手伝いいただければと思います。
 本来、要望で終わるというともあり得ないのですが、要望で終わらせていただきます。
〇工藤勝博委員 3点についてお伺いいたします。
 まず初めに、医師確保対策についてですけれども、前段質問がありましたけれども、奨学金を活用した医師確保ということがあります。学生のそういう選択をしたモラルを信じたいと思いますし、できるだけ多くの学生が県内に定着することをお願いしたいと思います。
 それ以外の事業の中で、外部招聘ということもあります。特にも、中国からの臨床研修医を招聘して医師偏在の解消を図るということもありますし、そういう外部からの医師の招聘がどのように進んできたのか、お伺いいたしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 中国からの臨床修練医師の招聘についてでございます。
 県では、平成17年5月に、中国医科大学と医療分野の交流に関する協定を締結いたしまして、中国人医師を本県に招聘して、国の臨床修練制度のもとで、この岩手医科大学で臨床修練医師として受け入れる事業の支援を行っているところでございます。これまで、平成18年から20年まで1名、平成20年から21年まで1名の計2名の産婦人科医師の受け入れをしたところでありまして、現在3人目の産婦人科医師が昨年8月から来日をしまして、今、岩手医科大学にて修練をしているところでございます。
〇工藤勝博委員 そういう臨床医が今後岩手に定着して現場でどのような活躍をされるのか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 今回招聘しております中国人医師に関しましては、国の臨床修練医制度という枠の中で行ってございまして、この制度1年ないし2年間の間に、臨床修練の指定病院において、指導医のもとで臨床修練研修を行うと。要するに、日本の医師免許を取得していないものですから、そういう中にあって、外国人医師が日本で医療をするためのいわゆる例外の規定という形で制度の中で運用しているものでございます。したがいまして、受け入れられる期間、また、受け入れられる病院というのもおのずと制限がある中で実施をしている事業でございます。
 この事業については、岩手医科大学のほうでも受け入れることによって、大学、教室の活性化が図られている。また、教室のほうでも、かなり戦力としてとても評価がされている事業でございまして、この協定の際は、まずは3人の受け入れという形で中国と取り決めを交わして、今3人目をやっているところでございますけれども、そうしたような評価を踏まえて、まずは3人ということでこの事業を終了するわけでございますけれども、今後のこういったような外国からのというところのさまざまな課題等を整理させていただいて、検討させていただければと考えてございます。
〇工藤勝博委員 実際にそういうことになると、医師確保には結びつかないのかなという率直な感じですけれども、そういう捉え方でよろしいのでしょうか。また、そういう活性化に結びつくということも今お話がありましたけれども、そういう教室の中でのお互いのレベルアップには当然つながるだろうと思いますけれども、この事業の中にそぐわないような感じもいたしますけれども、その辺を含めて御見解をお願いします。
〇野原医療推進課総括課長 医師確保対策費の中に位置づけられてございますが、先ほど御答弁しましたとおり、この目的の側面として、まず中国との国際交流、また大学の国際交流を通じた活性化ということが主目的で、それを通じて、結果として大学の活性化から地域の医療への充実につながっていくことを期待してという形で始めさせていただいたものでございます。そういった意味では、中国、外国から医師不足の状況で呼びたいということもある一方、中国のほうとお話をさせていただくと、やはり中国のほうも人口がふえて、高齢化で、医師不足というのは我が国と同じようでございまして、中国の現場の先生方も、大変激務の中で、仕事をしている中で派遣をいただいているという状況がございます。こうしたところも踏まえて、今後のあり方というのを研究していきたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 わかりました。
 次に、これも前段で質問がありましたけれども、肝炎総合対策推進事業費についてお伺いいたします。
 肝炎の患者は大変多くあると思いますけれども、先ほど高橋昌造委員の答弁の中には、受診率が8%台ということがありました。岩手県内のC型、B型肝炎の患者と、また医療費助成の受給を受けている患者の数がわかればお知らせいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 B型肝炎、C型肝炎の患者数と、また受給者数ということでございました。
 B型肝炎、C型肝炎の感染者、いわゆるキャリアと呼ばれて症状がないんですけれども感染されている方々でございます。こちらについては、全国B型が110万人から140万人、C型が190万人から230万人ということで、岩手県でもB型感染者が約1万9、000人、C型が約5、000人という形で推計をしているところでございます。
 患者数につきましては、国の推計で、B型肝炎が約7万人、C型肝炎で37万人でございますので、本県の患者数というのも、それぞれ700名もしくは3、000名程度、三、四千名程度ではないかと推計しているところでございます。
 これまでの医療費の助成の実績でございます。この医療費助成については、平成20年4月から実施しているものでございますが、この受給者証を受給した患者、C型肝炎、B型肝炎に対するインターフェロン治療が905名、B型肝炎に対する核酸アナログ製剤という治療法がございますが、その受給者が1、103名という形で、約2、000名程度の患者がこの医療費助成の受給としてこれまで実績があるところでございます。
〇工藤勝博委員 この肝炎の患者に認定されるということが、全国的にかなり難しいという状況を伺っております。極端な話、診断のカルテがなければだめだと、カルテが当然古い、前にさかのぼってまではなかなかないということで裁判沙汰にもなっているという話も伺っておりますけれども、県内のこういう相当な人数が、先ほど2万人以上の中で、実際受給されている方が約2、000名ですけれども、その認定されない方々の対応はどうなっているんでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御指摘のあった国の支援というのは被害者救済という形で、B型肝炎で申しますと、古くは昭和23年から昭和60年にかけて、予防接種等によりまして、そのころは医学的知見で注射針でありますとか注射等をある程度使い回しという言い方になるかと思いますけれども、そういうことで肝炎になった患者が多くございまして、そういったようなある程度限定したような患者に対しての救済策ということで、国のほうでB型肝炎ないしC型肝炎特別措置法が施行されまして、今その救済策を国のほうで実施しているものでございます。
 一方、先ほど御答弁させていただいております肝炎医療費の受給につきましては、これは純粋に医学的な意味での受給の対象になるかどうかだけの判断でございますので、きちっと肝炎の症状があって診断基準がそれに当てはまって治療の対象患者となれば、医師の認定、事務がございますけれども、適切に医療費の助成という形に県内では進んでいるものと理解してございます。
〇藤原健康国保課総括課長 委員のほうから肝炎訴訟というお話がございましたけれども、まさにC型肝炎訴訟ということが、これは過去に血液凝固因子製剤を使った方々につきまして、これは肝炎特別措置法の中でその方々への給付という制度がつくられたものでございます。実際に、過去にC型肝炎ウイルスに汚染されたこのような製剤を使った方については、この法律の中で救済をしていこうということでございますが、その手続上、C型肝炎ウイルスに汚染されたこのような因子製剤を使った方につきまして、国を相手取って裁判を起こしていただいて、その中でそのことが証明された場合には、和解をしていただいて、その後、補償を受けるというような制度になってございます。
〇工藤勝博委員 さらに、こういう治療を受けている方々がこれから増加するのか、逆に減少していくのか、その辺をお聞きしてこの項目を終わりたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 今後の医療受給者の見通しでございます。
 これまでの受給者の数を御紹介させていただきますと、始まった平成20年が330名で、その後、平成21年が180名、平成22年に158名という形で、制度が始まりますと必要な方々が一度に受けられる。その後、だんだん認定基準に合う方が受けていくという形で進んでございます。したがいまして、肝炎患者はまだまだ多くございますけれども、今の国の医療費助成の制度に関しましては、助成を受けられる数については、このまま少しずつ減っていくのではないかと考えてございます。
 一方、さまざま肝炎治療については今研究がされております。助成制度の中で、新薬が追加になる、そのようになれば当然対象患者も広がってまいりますので、そのような場合にはまた数がふえてくるのではないかと考えております。
〇工藤勝博委員 次に、介護保険制度の今後の中で、介護給付の適正な給付についてお伺いしたいと思いますけれども、小規模通所の介護施設もふえておりますけれども、そういう中で不適切な給付があったということも伺っております。以前から、悪用と言えば語弊がありますけれども、その実態をお聞きしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護給付費の適正な管理というのは制度の信頼性を醸成し、安定的な制度を運営していく上で大変重要なことでございます。県では、広域振興局の保健福祉環境部を中心に、介護保険事業者の指導等により、その基準の徹底あるいは不正請求の未然防止を図っている。指導の中で、そういった事案が発見できた場合には、不正な請求額の自主返還などを事業者等に指導しているところでございます。
〇工藤勝博委員 不正が後を絶たなくあるわけですけれども、その背景というのは何か原因があるだろうと思いますけれども、その辺はどのように捉えているでしょうか、お伺いします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 事業者が不正な請求をすることについての背景でございますが、それぞれの事案によって異なるとは思いますけれども、一つには、介護保険の業者が守るべき基準、いわゆる人員設備運営に関する基準について見落としあるいは誤認があったとか、中には、本県でも10月10日に八幡平市の事業者につきまして指定取り消しを行いましたが、事業者によっては、悪質にあるいは意図的にそういうことをやるところもあります。そうしたことを厳罰に処すという意味で、介護保険事業者の指定取り消しという制度がございます。必要に応じて、厳然たる対応で臨んでまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 私の地元でもそういう事案が、多分2例目だったなと思って記憶しておりますけれども、今後、成長産業と言われるこの介護事業、ますますそういう事案も発生するのかなという心配もしておりますし、また、第5期の介護保険におきましては、施設等の増設もありながら保険料が上がるということもあります。そういうことも含めて、この不正な経費については十分指導していただきたいと思います。
 そういうことも含めて、昨年も質問したと思いますけれども、この基金の問題も、恐らく介護保険の中で基金が底をついてきているだろうと思いますけれども、今後の第5期に向けて、次に向けての基金造成なんかはどのようにお考えになっているでしょうか。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護保険制度の安定的な運営を保障する、担保する仕組みとして、介護保険財政安定化基金という仕組みがございます。この仕組みは、介護保険はそれぞれ市町村によって、介護保険事業計画によりまして必要なサービスの種類、量を見込み、それに必要な介護保険料等を徴収して運営しているものでございますが、見込みよりもなかなか介護保険の徴収率が上がらなかった、取れなかった、あるいは見込んだよりも介護保険のサービスの需要があったという場合に、この基金から貸し付けあるいは交付をするものでございます。
 第5期につきましては、委員御承知のとおり、今回の介護保険料は県平均で、加重平均で4、851円となっておりますが、これにつきましては平成24年度限りの措置ということで、介護保険財政安定化基金のほうから取り崩しまして、県、市町村それぞれ9億円ずつ、約18億円でございますけれども、これにより143円の引き下げを図って、4、851円としたところであります。
 なお、この基金の取り崩し額につきましては、これまでの介護保険財政安定化基金の貸し付け実績、交付実績等を勘案して、これぐらいであれば大丈夫だろうという範囲で崩したところでございますので、現時点では、第5期事業計画を実施するに当たり、基金については不足がないものと見込んでおるところであります。
〇工藤勝博委員 最後に、介護制度に関して要望になりますけれども、ニーズがたくさんあるわけですけれども、例えば在宅で介護するんだという方々には、一種の手当てみたいなものを給付するようにすれば、施設だけに頼らない、在宅介護の部分で対応できるようにするほうが私はもっともっといいのかなと考えます。そういうものを含めて、所感があればお聞きして終わります。
〇鈴木長寿社会課総括課長 実は介護予防の取り組みなどを進める財源の一つとして、地域支援事業交付金というものがございます。この事業を活用しまして、必須事業ということで、介護予防の取り組みを全市町村で取り組んでくださいということになっております。そのほかに任意事業というものがございまして、この一つには、介護給付の適正化を図るためのケアプランチェックとか、介護認定調査員の指導事業等がありますし、このメニューのうちの一つに、委員が今御指摘いただきました、家族介護によって介護保険を使わないで頑張っていらっしゃる御家族等もございますので、こうした御家庭への支援も任意事業でできることになってございます。いずれにしましても、今後、本格化する高齢化の中で、できればいつまでも健康で介護保険を使わないで元気に暮らしていただけることが理想でございますので、県としては、これからもますます介護予防の取り組み等に力を入れてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私からは、2点質問させていただきたいと思います。
 重点事業歳出決算のうち、地域の保健医療体制の確立策についてお伺いをいたします。
 先月、両盤地域の地域医療を守る懇談会が開催されまして、そこで岩手保健医療計画の見直しについて御説明を受けました。11月に中間案の作成をし、パブリックコメントをしていくということでありましたが、そこで、出席者の有識者また医療関係者から、今回の見直しの大きなポイントとして、先ほど来議論がありますが在宅医療が大きなポイントであると。高齢化が進む中、交通の面の問題の解消などには重要ではあるが、一方で、岩手という人口密度の低い地域において成り立っていくのか、また、医師不足、地域の民間医師も高齢化をしている中、対応できるのかという不安の声も上がり、県には国の方針をそのままではなく、岩手の実情に即した見直しを求める声も上がりました。県としては、そのような声を受けてどのように計画に生かしていくのか、計画案の趣旨、方向性とともにお示しをいただきたいと思います。
〇高橋保健福祉企画室企画課長 国の医療計画作成指針が見直されたことを踏まえまして、次期保健医療計画には、新たに在宅医療の連携体制に求められる機能を明示することとされまして、本県におきましても、現時点で、本年11月から12月中に次期計画の中間案を取りまとめ、引き続きパブリックコメントの実施に向けて、現在、県医療審議会医療計画部会において、全県的な検討と各圏域における検討を進めているところであります。
 今回、計画に盛り込むこととされた在宅医療の提供体制につきましては、一つとして、入院から在宅医療への移行に際しての退院の支援、医療や介護の多職種協働による日常の療養支援、また、病状急変時における対応、さらに自宅や介護施設等、患者が望む場所でのみとりの支援といったようなことが円滑に行われますよう、地域の関係機関が連携する仕組みづくりや、あるいは人材の育成が主な検討課題と考えております。
 委員御指摘とおり、広大な面積を有します本県におきましては、事業の採算性や、あるいは医療資源が地域によって異なることから、地域のニーズや実情に応じて、介護も含めた多職種の連携のより一層の連携におきまして、在宅での療養を希望する方が、安心して退院後の不安のないきめ細かなケアの体制づくりを進めていくことが重要であると考えております。このため、計画の策定に先立ちまして、今年度からは、在宅医療の推進のための医療、介護、行政関係者からなる地域リーダー研修を実施するなど、医療と介護の連携に向けた取り組みを強化することとしておりまして、このような取り組みを踏まえ、また、当委員会でもいろいろ課題を御指摘いただいておりますが、地域のいろんな意見も伺いながら、在宅医療の体制構築に向けた具体的な取り組みを計画に盛り込むよう考えておりまして、また、あわせて、医師等医療従事者の確保等についても充実を図るように考えております。
〇佐々木朋和委員 本県の医療資源の体力がこの在宅医療ということに対して持つのか、ぜひパブリックコメントを通じてもそのデータ等も公表しながら、丁寧に説明をしていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、救急医療対策費について伺いたいと思います。
 大東病院の再建の問題については後ほど医療局にもお尋ねをいたしますが、ここでは救急医療体制について伺いたいと思います。
 大東地域の救急の受け入れについて、時間外の重篤患者は磐井病院へという方針が出されました。住民との意見交換会では、大東地域の救急車について、今後搬送に時間がかかる分、例えば大東病院から磐井病院まで車で40分ぐらいかかりますし、地域にとっては1時間ぐらいかかるところもあると思います。その救急車が、留守中の対応として、他地域から救急車の応援をもらうとの市からの答弁がありましたが、それだけはやはり不安が残りますし、そもそも40分、1時間とかかってもいいものかどうかという疑問も残ります。ついては、県としても救急医療体制の充実を図るべきと思いますが、御所見をいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 本県の救急医療体制につきましては、患者の症状に応じて適切な治療が受けられるように、在宅当番医制による初期救急、そして輪番制により重篤患者に対応する二次救急、さらに重症患者に対し救命救急センターで行われる三次救急からなる総合的、体系的な体制として整備を進めてきたところでございます。
 委員御指摘の大東地域も含めた両磐保健医療圏における重篤救急患者への対応については、これまでも、磐井病院や千厩病院など地域の病院群が共同連帯して対応してきたところでございますが、県としては、引き続きこうした救急の輪番制や、また、本年5月に開始いたしましたドクターヘリコプターの取り組みなどによりまして、地域や全県の救急医療体制の整備を図るとともに、救急現場から医療機関に患者が搬送されるまでの間に、救急救命士によります気管挿管等の適切な応急処置を行う搬送体制、これはいわゆるメディカルコントロール体制と呼んでいますが、これを所管しております総務部とも十分情報連携をし、より連携を深めまして、当該地域の搬送体制や救急医療の確保に努めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。ぜひ、大東病院については、これまで懇談会も住民との意見交換会も続けてきたわけですが、やはり100%納得をしてという形でもない部分がありますので、説明を尽くしながら理解を求めるようにしていっていただきたいと思います。
〇吉田敬子委員 私からは、先ほど及川あつし委員からほぼ同様の質問が出ましたので、簡潔に質問したいと思います。
 仕事と生活の調和推進事業費について、県でのこれまでのワーク・ライフ・バランスの取り組みの成果と課題について伺います。これに取り組んだことによって、企業で子育てにやさしい職場環境づくりを行ってきたと思うんですけれども、その成果を県ではどのように把握されているか。
 また、先ほど及川あつし委員からも待機児童の話がありましたが、具体的に県内の待機児童数の解消の取り組みの成果と課題を、まずはお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 まず、仕事と生活の調和推進事業の成果についてでございますが、これまで仕事と子育ての両立を支援するという観点から、広域振興局等の職員や、いきいき岩手支援財団に専任職員2名を委託配置し、企業が集中しております盛岡地域など内陸部を中心に、企業訪問を行うことなどによりまして、企業における子育てにやさしい環境づくりに向けた自主的な取り組みを働きかけてまいりました。
 県におきましては、いわて県民計画アクションプランにおきまして、事業主が仕事と子育ての両立を推進するため策定いたします一般事業主行動計画の策定率の目標を50%としていたところですが、平成23年3月末現在で65.2%と目標を達成したところであり、一定の成果があったものと考えているところでございます。
 次に、保育所における待機児童の状況でございますが、平成24年4月1日現在で、待機児童数は7市町村、135人となっております。
 県におきましては、待機児童解消に向けた取り組みといたしまして、平成20年度に造成いたしました子育て支援対策臨時特例基金を活用いたしまして、保育所の緊急整備に集中的、重点的に取り組み、この結果、平成21年度からの3年間で38カ所の保育所整備を行い、863名の定員増を図ったところでございます。
 これによりまして、待機児童が解消ないし減少した地域がある一方、依然として待機児童が増加している地域もありますことから、引き続き、保育所の整備等に当たりましては、市町村と十分協議を行い、待機児童のほか、認可外保育施設等の利用状況も十分把握しながら、整備計画を策定するよう助言等を行っているところでございます。
〇吉田敬子委員 答弁の中にありました一般事業主行動計画策定状況について、済みません、通告はしていなかったんですが、もしわかればでいいんですが、目標50%のところで65.2%達成ということですが、私は、これまでの委員会等でもお話しさせていただいたと思うんですけれども、こういうものは、計画をただつくればいいということではなくて、実際に本当にその企業の中で、男性、女性含めて、お子さんをお持ちの方が、そのものが本当に運用されているかというところまで見なければいけないと思っております。
 過去、今年度はないかもしれませんが、これまでに企業訪問というものを300社以上、もっとされているかと私は思っておりますが、企業訪問されている中で、そういったお話を企業からまず県の職員の方は聞いているかと思いますが、その運用状況について把握されているかというところと、質問をちょっと今回出したのですが、これは商工労働観光部の管轄だということで、詳しくはあした伺いたいと思います。
 ただ、ことしの7月から改正育児・介護休業法が全面施行となって、100人以下の事業者であっても、これは必ず策定しなければいけない状況になったのですが、これをつくっていくのは、確かに商工労働観光部の管轄ではあるかと思いますが、この状況を児童家庭課でも把握しない限り、待機児童の解消にもつながりません。及川あつし委員からも大変厳しい指摘と要望が出たと思うんですけれども、私も県のほうで本当に把握されているのかなという思いで、待機児童は解消されませんし、保育所をもっとつくっていかなければいけないという思いにもつながらないと思いますが、先ほどの一般事業主行動計画策定状況、運用状況と、改正育児・介護休業法について、児童家庭課ではどのように把握されているか伺います。
〇菅野児童家庭課総括課長 先ほどの一般事業主行動計画の運用状況につきましてでございますが、これの状況につきましては、現時点におきましては把握いたしておりません。また、改正育児・介護休業法等につきましては、この7月から全面施行されたということでございますが、いずれにいたしましても、ワーク・ライフ・バランスの推進に当たりましては、県庁内部におきましても部局横断的な取り組みが必要と考えておりますので、当部におきましては、仕事と子育てとの両立を図る観点から、さまざまな取り組みを推進してまいりたいと考えてございます。
〇吉田敬子委員 ぜひ企業の中でどのように運用されているかというところまで図らないと、ただつくっただけで終わりじゃ意味がないと思いますので、ぜひその企業のほうでどういうふうに運用されているかというところまで、商工労働観光部と連携してやっていただきたいと思います。
 そしてまた、先ほど休日・夜間保育の話がありましたが、男性ももちろん保育に関係してほしいんですけれども、児童家庭課には女性の職員の方もいらっしゃると思います。やはり休日、夜間で、本当に預けたいけれども、預けられないという方、女性─本来は男性も含めてなんですが、たくさんいらっしゃると思いますので、ぜひそういった方々の声も聞いていただいて、いかに岩手県だけではないんですが、子育てしにくい環境であるかということもわかっていただいて、これから一生懸命取り組んでいただきたいと思います。御所見を伺って終わりにします。
〇小田島保健福祉部長 今、一般事業主行動計画の策定状況とあわせて、実際の運用面についてのお話について課題が提示されたところでございまして、所管は商工労働観光部であっても、やはり全体として、家庭や子育てに夢を持ち、安心して子供を生み育てられる環境の整備というのは、これは商工労働観光部と、それから当部、それから、関係する部局が力を合わせて実現していかなければならない課題であると思います。
 実態の把握に努めながら、どこに隘路があるのかとか、進まない理由とか、そういうことにつきまして、いろいろ関係の部局で相談しながら実効性のある施策をとっていきたいと思いますし、お話がありましたようないわゆる実態把握、この計画の把握ばかりではなくて、よく現場の実態を私どもの部でも把握しながら、実効ある施策をとっていきたいと考えております。よろしくお願いします。
〇小西和子委員 私からは大きく3点でございますけれども、1点目の児童虐待につきましては、午前中、及川幸子委員が取り上げていらっしゃいましたので、重複する項目につきましては割愛させていただきます。
 まず、その項でございますけれども、虐待の種類別の件数と割合について、まずお伺いいたします。
 続けます。沿岸部の子供が置かれている状況をどのように捉えているのか。それから、児童虐待の実態はどうなのか。それから、沿岸部とは限りませんけれども、子供たちの実態から、昨年度から児童福祉司、児童心理士を増員しておりますが、児童虐待防止等の取り組みと成果と課題をお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 虐待の種類別の状況についてでございますが、県の児童相談所が対応した件数について申し上げますと、身体的虐待が145件、割合にいたしますと37%、性的虐待が19件、4.8%、ネグレクトが111件、28.3%、心理的虐待が117件、29.9%という状況でございます。
 種類別に見ますと、ネグレクトが平成22年度よりも増加しておりまして、さまざま子育ての不安要因等が影響しているものと考えているところでございます。
 それから、沿岸地域の子供たちの状況についてでございますが、東日本大震災津波によりまして、多くの方々が転居あるいは仮設住宅の入居などにより生活環境が大きく変化しているところでございます。それによりまして、不安やさまざまなストレスを抱える子供たちもいると認識しております。
 このため、児童相談所の職員や沿岸広域振興局等の職員が、訪問活動等により、きめ細かな相談支援を行うとともに、必要に応じまして、子どものこころのケアセンターによるケアを行っている状況でございます。
 また、虐待の実態についてでございますが、県全体の児童虐待対応件数は前年度と比較して増加しているところでございますが、沿岸部におきましては、沿岸13市町村につきましては15件、13%の減少となっております。
 また、児童福祉司等の配置によります取り組みの成果と課題についてでございますが、震災後、児童相談所におきましては、避難所、保育所や学校などを繰り返し巡回いたしまして、子供たちの様子などについてきめ細かく把握したところでございます。そういったことによりまして、いわゆる虐待に係る子供の早期発見あるいは未然防止等に努めたところでございます。
 今後におきましても、震災によりますさまざまな不安、ストレスを抱えた生活が長期化することが予想されることから、引き続きまして、市町村などと連携いたしまして、虐待の防止、早期発見、早期対応に努めていくこととしております。
〇小西和子委員 それでは、十分な体制で児童虐待防止に努めていただきたいと思います。
 児童虐待の主な要因の中には、不安定な経済状況というものもありますので、続きまして、子供の貧困についてお伺いいたします。
 岩手県の子供の貧困についてどのような捉え方をしていらっしゃるのか。それから、以前質問したときには、出していないと言われましたけれども、もしかしたら貧困率も出しているのかなと思いましてお伺いします。ひとり親世帯の子供の貧困率はどのようになっているのかお示しください。それと、ひとり親世帯の就労状況と就労収入についてもお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 子供の貧困についてでございますが、本県におけます生活保護の受給世帯で教育扶助を受けている児童数、そして、学校教育法で就学援助を受けている準要保護児童数は、最近3カ年を見ましても増加の傾向にございます。そういったことから、いわゆる子供の貧困は進行しつつあるものと考えているところでございます。
 また、子供の貧困についての捉え、あるいは貧困率ということでございますけれども、これまで国の審議会におきましては、子供期の貧困は、成人してからも自身の健康や子供の教育、家庭環境等にさまざま影響があり、当該時期における所得保障や現物給付は、その不利な状況や悪影響を緩和する効果があるという議論がなされているところでございます。
 ひとり親世帯の子供の貧困率につきましては、大変恐縮でございますが、調査データがなく、本県の比率については不明でございます。また、貧困率につきましては、明確な定義はないものでありますけれども、平成21年に国が実施した調査におきましては、全国では50.8%という数値になっていると承知しております。
 次に、ひとり親世帯の就労と収入についてでございますが、これも、5年ごとの調査を行っている関係で、データが古く大変恐縮でございますが、平成20年度に実施いたしました母子世帯等実態調査基礎調査におきましては、母子家庭の就業中の世帯の就業形態を見ますと、常用労働は43.7%、臨時、パートが46.2%、また、父子家庭におきましては、常用労働は84.5%、臨時、パート、内職等については15.6%という状況になっております。
 また、母子家庭の月平均の就労収入でございますが、10万から15万円未満は41.2%、15万から20万円未満は21.5%、20万円以上は7.2%となっております。また、父子世帯の月平均就労収入は、10万から15万円未満は18.8%、15万から20万円未満は41.6%、20万円以上は28.7%という状況でございます。
〇小西和子委員 平成20年度の数値しかないということについてですけれども、岩手県では、この岩手県ひとり親家庭等自立促進計画という立派な計画を立てておりますね。これは、1年ごとにデータをそろえて、その実態に合わせて計画を進めていくものでなければならないと思います。5年ごとに調査をして、それに合わせてというのはいかがなものでしょうか。
 例えば、昨年の東日本大震災津波で481人もの子供たちが、どちらかの親を亡くしております。であれば数値が変わってきますし、ぜひきめ細かな実態調査に努めていただき、その対策をとっていただきたいと思います。
 もし御所見があればお伺いして、ちょっと次のもまとめてお伺いします。もう少し時間をかけないでお話ししていただければありがたいと思います。
 生活保護を受けている家庭の子供の割合、それから、そのうち、ひとり親世帯の割合と児童生徒数割合をお示しください。
 それから、これは教育委員会のほうだと思いますが、もしもデータを、数値を受け取っているのであればお答えください。就学援助の準要保護の児童生徒数と割合、うち、ひとり親世帯の児童生徒数と割合を伺います。
〇岡村地域福祉課総括課長 生活保護世帯の子供の割合等についてでございますが、本年7月時点におけます本県で生活保護を受給している18歳未満の子供の数は1、868人でございます。これは、県内の子供の数のおおむね0.9%程度となってございます。
 また、ひとり親世帯は、このうち724世帯ございまして、全体の被保護世帯1万500世帯の6.9%となっているものでございます。
 なお、保護を受給している18歳未満の子供のうち、ひとり親世帯における子供の数は1、268人でございまして、保護を受給している子供1、868人の67.9%に相当してございます。
 なお、小中学校及び高校に在学する保護受給世帯の児童生徒数についてでございますが、教育扶助を受けている小中学生は996人、高等学校等就学費を受給している高校生は430人、合わせて1、426人となっておりまして、本県の全小中学校及び高等学校在学児童生徒数のおおむね1.0%、これが保護を受けている子供の状況でございます。
〇菅野児童家庭課総括課長 震災に伴うひとり親家庭等の増加に対する対応ということで御質問がございましたけれども、今、委員御指摘のとおり、481名の子供たちが、ひとり親家庭の子供ということでございます。そういったことから、県におきましては、沿岸広域振興局に各2名の遺児家庭支援専門相談員を配置いたしまして、各世帯を訪問いたしまして、各種支援制度等の周知に努めるとともに、ニーズに応じまして相談支援に当たっているところでございます。
 また、先ほど来お話にございます経済的な状況につきましても、今年度におきまして、また訪問等を行っているところでございますが、その中で、個別にそういった状況把握に努めることとしております。
 そういうことを調査、把握をしながら、引き続き、ひとり親世帯の自立の促進あるいは就労支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇小西和子委員 じゃ、子供の貧困を解消するために、さまざまな自立支援等を推進してきたと思います。その成果と課題をお示しください。
〇菅野児童家庭課総括課長 ひとり親家庭に対します自立促進計画の課題と成果についてということでございますが、平成22年8月から児童扶養手当の父子家庭への給付が拡大されたほか、同年10月から、県単で実施しておりました母子家庭等への医療費助成制度を父子家庭にも拡大するなど、ひとり親家庭への経済的支援等の充実に取り組んできたところでございます。
 また、ひとり親家庭の支援といたしまして、平成22年3月に策定いたしました県ひとり親家庭等自立促進計画に基づきまして、看護師、保育士等の資格取得のための助成金の支給による自立支援や、ハローワークと連携した就労支援など、さまざまな支援を行ってきているところでございます。
 こうした取り組みの結果、例えば、高等技能訓練促進費事業の利用につきましては、平成22年度の60名から、23年度は68名に増加するなど、いわゆる就労支援に結びついていく、つながっているところと期待しているところでございます。
 また、先ほど申し上げましたとおり、震災等に伴い、ひとり親世帯の増加という状況もございますので、これら自立支援プログラムの策定や高等技能訓練促進費の給付等について周知をしながら、ひとり親家庭の自立の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇小西和子委員 では、三つ目、岩手県子どもの権利条例についてお伺いいたします。
 子供の貧困を解消し、子供たちが幸せに暮らし、心も体も健康に成長するための取り組みが重要であると捉えております。
 野田村では、都市公園構想について、小学生、中学生、高校生の意見を取り入れたいとしております。それから、山田町や陸前高田市でも、子供の意見や考えを生かしたまちづくりを進めているところであります。
 岩手県子どもの権利条例について、昨年度は先行自治体の調査や庁内関係課の勉強会を開催したとの答弁でありましたけれども、その後の進捗状況についてお伺いいたします。
〇岩崎友一副委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 権利条例の進捗状況についてでございますが、本年2月に庁内各課が参加いたします勉強会を開催いたしました。その際、条例制定の意義や目的などについて、さらに調査研究をする必要があるなどの意見がありましたことから、条例の位置づけや課題等の整理を行っているところでございます。
 一方、児童虐待の防止を図り、児童の権利、利益を擁護する観点から、本年4月に民法が改正されまして、親権の停止制度が創設されたほか、未成年後見人制度の見直しが行われるなどの児童の権利に関する新たな動きがあったところでございます。
 こうした状況等を踏まえつつ、引き続き、条例のあり方などにつきまして検討を重ねているところでございます。
〇小西和子委員 ありがとうございます。
 子どもの権利条例を策定することによって、子供たちの未来に大人たちが責任を持つことにつながると考えます。子供にとって一番よいことを提供すること、差別がないこと、住んでいる地域や性別、年齢などによって、損をしたり差別をされたりしないこと、子供の命と健康を守るためのプログラムに力を入れること、子供の意見や考えを生かし、いろいろな面に子供が参加できるようにすること。こうした内容を踏まえながら、虐待防止や子育て支援などの領域を狭めたものではなく、子どもの権利条約を柱とした総合的な条例として、岩手県子どもの権利条例の策定を強く望みます。
 もし御所見がおありであれば、部長にお伺いして、終わりにします。
〇小田島保健福祉部長 子供の権利を守っていくということは、非常に大切なことであると思っております。委員からいろいろ御提案もあり、そして、本県でも他県の状況なども情報収集しながら庁内勉強会を重ねてきたところでありますが、いずれ、国のほうのいろいろな動きもありますので、そういうものも踏まえながら、岩手県にとってどういう条例がいいのかということについて、いろいろ検討を重ねているところでございまして、条例のあり方などについて、きちんと子供の権利が守られるような、そういう条例の、策定についてここでお約束することはできないわけでありますが、検討を前向きにやっていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、まず最初に、大震災後、国保、後期高齢者医療、介護保険料の保険料、医療費、利用料の免除措置がとられました。昨年度の実績について示していただきたい。
 これは9月末まで部分的に継続されましたが、10月からは県単独の助成によって継続されることになりました。10月以降の免除額と負担額はどうなるのか示していただきたい。
〇藤原健康国保課総括課長 国民健康保険及び後期高齢者医療の保険税、保険料及び一部負担金の減免額についてでございますが、まず、平成23年度の減免額は、国民健康保険では、保険税が約17億2、000万円、一部負担金が約27億5、000万円、後期高齢者医療では、保険料が約3億2、000万円、一部負担金が約10億7、000万円となっており、これに要した経費については、全額国が負担しております。
 平成24年10月から減免に関する国の特別な支援が変更となりまして、そのことから、県では、一部負担金の減免が継続されるように、その経費の一部を支援することとしたところでございまして、10月から来年3月末まで、県内市町村において一部負担金の免除を継続するためには、これを平成23年度の実績から試算いたしますと、国民健康保険では、免除額が約12億円に対して県の支援が約2億円、後期高齢者医療では、免除額約5億8、000万円に対して県の支援が約6、700万円と見込んでいるところでございます。
 また、同じく10月から3月までの国保税保険料、これは国民健康保険、後期高齢者医療の部分でございますが、これについては県の支援を行わないとしております。県内では七つの市町村がこれについては減免を継続すると聞いておりますが、その減免額については、申しわけございません、把握していない状況でございます。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護保険につきましても、ただいま説明しました国保あるいは後期高齢者医療と仕組み、状況については同様でございますけれども、介護保険の保険料、利用料の減免額の状況について御説明いたします。
 平成23年度の減免額は、保険料が約7億9、500万円、利用料が約5億6、400万円となっておりまして、減免に要した経費は、全額国が負担しているものでございます。
 平成24年10月1日から減免に係る国の財政支援が変更となりまして、県では、利用料の減免が継続されるよう、その経費の一部を支援することとしているところでございます。
 本年10月1日から来年3月31日までの間、県内各市町村において利用料の免除を継続するためには、平成23年度の実績から試算いたしますと、免除額約2億8、200万円に対しまして約700万円の県負担額が必要と見込んでいるところでございます。
 また、保険料につきましては、減免継続に対する県の支援は行わないものの、県内2保険者において減免を継続すると伺っておりますが、その実績については把握しておらないものでございます。
 また、本年9月末までの保険料と利用料の減免額につきましては、全額国が財政支援することとなっておりますが、交付申請手続前でございますので、現時点では金額を把握できていないものでございます。
〇斉藤信委員 被災者の国保や後期高齢者医療、そして介護保険の保険料、一部負担の免除措置というのは、まさに被災者の命を守る命綱だったと。
 今の答弁をまとめてみますと、保険料で28億円、一部負担金で43億円の免除、合わせると72億円、これが10月から、残念ながら保険料は被災者負担になっております。恐らく28億円近い負担になっているのではないかと。10月から3月までの半年分で18億3、400万円の一部負担金の免除が継続されていると。これは年間で見ますと36億円余ということになりますから、これ自身は大変重要な措置だったと。
 部長、この被災者の免除措置というのは来年3月31日までですよ。やっぱり国の責任で来年度も継続実施されることが、今の被災者の状況、仮設住宅での生活を見たら必要だと強く国に求めるべきと思いますが、どのように取り組んでいますか。
〇小田島保健福祉部長 この国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険の保険料あるいは利用料の減免につきましては、今回、県としては、この利用料について減免の措置を予算化したわけでありますけれども、本来、国においてきちんと措置すべきものであると考えております。今までも何度も国のほうには要望してきたところでもありますし、今後も引き続き、国に対しまして要望を続けてまいりたいと考えています。
〇斉藤信委員 保険料の免除措置ができなかった最大の理由は、住民税を減税しているということが国の財政支援の条件になったからです。これは33市町村どこもやっていない。そういう形で、私は、被災地の実態を国は全く把握していないのではないかと思います。ぜひ、この問題は3月31日で終わることなく継続されるように強く求めていただきたい。
 次に、生活保護の問題についてお聞きいたします。
 義援金等を理由に生活保護を打ち切られた世帯と人員はどうなっているでしょうか。生活保護受給者の被災状況はどうなっているでしょうか。
〇岡村地域福祉課総括課長 まず、義援金等を理由に生活保護が廃止となった世帯と人員についてでございますが、災害義援金等々の受給により生活保護廃止となった世帯は、本年8月末現在で222世帯、303人となってございます。
 また、生活保護受給者の平成23年3月11日、東日本大震災津波の被災状況は、人的被害については、死亡78人、行方不明67人、軽傷者4人の計149人となっております。また、住家被害については、全壊368世帯、半壊85世帯、一部損壊78世帯、床上浸水17世帯、床下浸水6世帯、計554世帯という状況でございます。
〇斉藤信委員 私はたびたび取り上げてきましたけれども、生活保護世帯だけが義援金とか災害弔慰金とか、こういうものをいただいた場合に、収入に認定して、それを使うまでは生活保護を廃止すると。一般の人たちは、これは収入認定されない、課税されない。私は、これは本当に憲法上許されない差別だと思います。義援金とか災害弔慰金というのは生活再建の資金なんですよ。だから、そういう意味でいけば、今後これはこれ自身として、生活保護受給者も本来使えるように確保すべきではないのか。一言だけ聞きます。
〇岡村地域福祉課総括課長 これらの義援金等につきましては、自立更生に充てる金額につきましては、収入として認定する額から控除されております。それぞれの世帯の状況あるいは使途に応じて、一定額の控除措置がとられているものでございます。少額であれば、全額収入認定されないという場合もございますけれども、今回は数十万円から、多い方であれば1、000万円近い世帯もございますので、それぞれの生活の状況に応じた控除となっているものでございます。
〇斉藤信委員 次に、私は生活保護受給者の実態についてお聞きします。
 残念なことに、政府や国会の場で自民党などから異常な生活保護バッシングが行われ、マスコミでもこれがやられているんですよ。
 そこで私はお聞きしたいんだけれども、生活保護受給者は、県内全体の世帯の中でどれだけを占めるのか。そして、生活保護基準で生活している世帯はどれだけなのか。そういう中で、どれだけ保護されているかをまず示していただきたい。
〇岡村地域福祉課総括課長 県内で生活保護を受給されている方の状況ですが、本年8月末で1万492世帯、1万4、592人の方が生活保護を受給してございます。これは、県内の総人口の1.11%に相当する方が受給しているという状況でございます。
 また、県内で生活保護水準の方のうち、どれくらい受給しているのかというお尋ねでございますが、生活保護制度は、一定の基準額を設定したうち、自前の収入あるいは資産を活用して生活が成り立たない、あるいはみずから保護を申請する方たちが保護を受給する仕組みでございますので、そういった方たちがどれくらいいるかというような状況の把握は、県では行っていない状況でございます。
〇斉藤信委員 全国の状況、厚生労働省の推計はどうなっていますか。
〇岡村地域福祉課総括課長 これまで世帯の所得の状況等を調査して、貧困の状況について国で公表している資料、これは、新しいものですと平成22年度に行われました国民生活基礎調査等を利用した資料がございます。これによりますと、平成21年度の実質の可処分所得等を目安に112万円程度という設定をされておりますけれども、これは貧困線として、OECDの基準等に基づいて算定しているということのようでございます。これによりますと、おおむね全世帯の16%相当が、相対的な貧困にある世帯と言われていると公表されてございます。
 また、国のほうでは、生活保護の基準の設定等ということの中でさまざまな検討をされているようでございますが、生活保護の基準額とかというものを検討する中では、国の中での試算等も行われているのだと考えております。
〇斉藤信委員 もっとはっきりしゃべってほしいんだよね。資産を考慮しない場合、生活保護基準の世帯というのは597万世帯、そのうち生活保護受給世帯は実に108万世帯ですから、捕捉率15.3%。資産を加味した場合229万世帯、それに対する捕捉率は32.1%。いわば圧倒的に貧困世帯が多くて、厚生労働省の調査ですよ、推計ですよ、15.3%しか捕捉されていないというのが実態じゃないですか。私は、岩手はもっと低いと思いますよ。岩手の場合はもっと低いんです。これはデータはないけれどもね。
 それで、では、岩手における今問題になっている不正受給、不正受給額は幾らで、これは生活保護費の中で何%を占めていますか。
〇岡村地域福祉課総括課長 ただいま委員からお話しあった国の推定結果ですが、これはちょっと古い資料等を前提にして内部で試算しているものだと承知してございます。
 なお、これは捕捉率とかそういうものを算定するためにつくられている資料ではないので、誤解のないようにお願いしたいと思います。
 また、生活保護の不正受給の状況ですが、午前中の及川委員にもお答え申し上げましたけれども、平成23年度に保護費を不正受給し、返還を求めている方、これらは全体で109件、3、909万7、000円余となってございます。これは、平成23年度に県内で保護を給付しました204億6、400万円余に対しまして、0.2%というような状況でございます。
〇斉藤信委員 今、だからキャンペーンが張られている不正受給の実態というのは、岩手で言ったらたった0.2%ですよ。全国でも0.4%なんです。圧倒的には、これはまともに支給され、活用されているのですよ。この0.4とか0.2%を針小棒大に取り上げているのが、残念ながら今のマスコミの実態。こういうことはよくあるんです。
 それで、なぜこういうバッシングが行われているか、生活保護費を削減するためなんです。もう既に厚生労働省からたたき台が出されて、生活保護費のいわば基準を下げよう、こういう方向が出ていますけれども、どういう中身ですか。
〇岡村地域福祉課総括課長 県では、生活保護費削減そのものについて具体的な内容というのは私としては承知してございませんが、生活保護の基準額につきましては、5年に1度の改定が行われるということで、来年度の改定に向けまして、昨年4月に社会保障審議会に生活保護基準部会が設定されまして、ことしの年末をめどに、来年度予算編成にあわせた中での検討がなされておりまして、年内にはおよその結論が出されるものだということは聞いております。
〇斉藤信委員 生活保護基準が下げられたら最低賃金に影響する。あと、さまざまな社会保障の基準に影響するんですよ。これ、消費税は社会保障のためだなんて真っ赤なうそですよ。社会保障改悪で真っ先に今やられようとしているのが生活保護の削減だと、私は厳しく指摘しておきたい。
 次に、盛岡市で、これは生活保護受給者が、入院治療を中断して10日後に亡くなった、こういう事件がありました。盛岡市議会でも取り上げられました。入院6カ月を過ぎると住居費が出なくなることもある、こういう説明で、もう無理無理退院してしまった。ところが、実態は9カ月までは出るんですよ。丁寧な説明がされなかったためにこういう痛ましい事件が起きたんだけれども、県は把握していますか。そして、そういうことをきちんと点検しましたか。
〇岡村地域福祉課総括課長 現在、御指摘ありました盛岡市のケースにつきましては、県内の新聞報道もございましたし、同市から経過について県のほうに報告があり、内容の概要については承知しているものでございます。
 今、委員から御指摘あったように、入院について、6カ月を超えれば退院、あるいは住居費の扶助がとめられる、そういうことについて制度の仕組みを説明したということで、退院を強要したわけではなかったと報告を受けておりますけれども、丁寧な制度の説明があれば、誤解があって、すぐ退院するとか急いでということはなかったのではないかということは、市のほうでも反省しているようでございます。
〇斉藤信委員 盛岡市もまじめにやっていたんだと思うけれども、ただ、ケースワーカー1人当たりの担当が88件なんですよ。基準が80件と言われていますからね。岩手県全体では、ケースワーカー1人当たりの件数はどうなっていますか。
〇岡村地域福祉課総括課長 ケースワーカーの配置標準数というのは、市であればケースワーカー1人当たり80世帯、町村部、郡部であればケースワーカー1人当たり65世帯という標準が設けられております。
 県では、全体の平均の受け持ち世帯数は、特に事務所ごとに状況が違うので、標準配置数については、必要な数が満たされているかという形で資料をとって基本的な指導をしておりますけれども、今、1人当たり何件というのはちょっと手元に資料がございませんが、そういった算定で見ますと、ケースワーカーの不足がある実施機関が、盛岡市を含め3機関ほどあると。ほかは、基本的に充足されているという状況でございます。
〇斉藤信委員 じゃ、次に、高過ぎて払えない国保の問題についてお聞きします。
 国保加入者の平均課税所得、その国保税額、負担率はどうなっているか。高過ぎて払えない滞納者に対して、資格証、短期保険証の発行状況、短期保険証の未交付の状況を示していただきたい。
〇藤原健康国保課総括課長 国保加入世帯の平均課税所得額についてでございますが、所得状況に関する数値につきましては、国の公表データをもとに把握しているところでありますので、昨年度の数値についてはまだ公表されていないことから、平成22年度の数値についてお答えいたします。
 1世帯当たりの総所得金額114万円から、基礎控除33万円を差し引いた課税所得額は81万円であり、国保税額は14万1、000円、課税所得額に占める国保税の割合である負担率は17.4%となっております。
 それから、資格証明書、短期被保険者証の発行状況でございますけれども、平成24年9月1日現在の交付状況について、資格証明書が426世帯、それから短期被保険者証が1万212世帯となってございます。それから、未交付となっている状況につきましては、資格証明書が16世帯、それから短期被保険者証が1、251世帯となってございます。
〇斉藤信委員 課税所得が81万円で14万1、000円、負担率17%と。本当にもう耐えがたい、払えないレベルになっていると。そういう中で滞納者から保険証を取り上げる、私は、これは直ちに是正すべきだと思いますよ。
 盛岡市は、既に基本的には発行しない、これは短期保険証も発行しない、こういうふうにしています。私は、たびたびこのことを紹介して、部長にも、ぜひこの盛岡市の取り組みを全県に広げてほしいと言っているけれども、これはどうなっているんでしょうか。短期保険証というのは、未交付が1、251世帯、届いていないんですよ。資格証というのは、全額窓口で払わなければ受けられないんですよ。事実上、この人たちは無保険ですよ。まさに命にかかわる問題だと思うけれども、盛岡市の取り組みがなぜ広がらないのか、部長、お答えいただきたい。
〇小田島保健福祉部長 資格証明書の関係につきまして、盛岡市の取り組みにつきましては、委員から御紹介をいただいたところでございます。それで、これは一つ一つどういう状況なのかを確認した上で、本当に払えない世帯なのかどうかという実態調査をよく盛岡市のほうでもやっていると伺っております。
 県全体におきましても同様の取り組みを行うということで現在取り組みを進めてございまして、そういう結果といたしまして、この発行証が昨年度と比較して減少しているという結果に結びついていると考えてございます。
 そういうことで、滞納者の生活実態などをきめ細かく、市町村が滞納者と接触しまして、今後も確認を丁寧にやってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 滞納者から保険証を取り上げる、それだけではなくて、財産差し押さえまでやっていますから、私は、本当にこういう冷たいやり方は根本から見直すべきだと。
 あと、まとめてお聞きします。被災県立病院の再生をテーマにした沿岸被災地における医療提供体制の再編に係る検討が行われています。各圏域ごとにどういう再建の方向が議論されているか示していただきたい。
 東北メディカル・メガバンク計画、これは東北大学、宮城県が中心になってやっているんですが、岩手医大もこれに参加すると聞きました。これは、被災地の方々を対象にして、いわば遺伝子ゲノムを回収して、製薬会社と協力してやろうというものです。
 私は、被災者を対象にするこういう研究というのは、ヘルシンキ宣言の立場からいっても許されるものではないと思いますが、どういう目的、内容、そして県はそれにかかわっているのかどうか。
 最後ですが、精神障がい者のバス運賃の減免について、これは何度かこの場で、国からの通知も出ました。どういうふうに取り組まれているか、障がい者のタクシー補助も含めて示していただきたい。
〇高橋保健福祉企画室企画課長 まず、被災地における医療提供体制の再建に向けました沿岸3保健医療圏における検討状況についてお答えいたします。
 気仙、釜石及び宮古保健医療圏では、昨年度、国の第三次補正予算で措置されました地域医療再生臨時特例交付金を活用する医療の復興計画案の作成に向けまして、それぞれの圏域における医療関係者、自治体職員を中心にした説明会や会議、あるいは保健所運営協議会等の場を活用しまして、被災した医療提供体制の再建に向けた取り組み方策等を意見交換等してきたところでございます。
 本年度におきましても、具体的な取り組み方策等を継続して検討していくこととしまして、このための第1回の会議をそれぞれ5月までに行いまして、また、その後は、県保健医療計画の見直し検討と連動した取り組みを進めております。
 会議等では、被災した施設の再建に関し、具体的な公的支援の内容や地域のまちづくりの見通し、あるいは被災した県立病院の再建等についての意見、情報交換を中心に、医療の復興計画に盛り込んだ取り組みの具体化や、あるいは県保健医療計画の見直し方向に沿った今後の圏域における連携体制のあり方、医療と介護の連携等について、さまざま意見が交わされていると認識しております。
〇野原医療推進課総括課長 2点目のメディカル・メガバンク計画の目的と県としての関与でございます。
 この計画につきましては、被災地における継続的な健康調査の実施による住民の健康不安の解消や、意欲の高い医療関係人材を被災地に派遣することによる地域医療への貢献、そして、個人のゲノム情報と解析結果を比較することで、病気の正確な診断や薬の副作用の低減、将来なりやすい病気の予測などの次世代医療の実現を目的に、ことし7月に閣議決定されました日本再生戦略に基づく国の事業であり、東北大学と岩手医科大学が共同で取り組むこととされているものでございます。
 県としての関与でございますが、本事業の実施によりまして、被災地域において、健康相談や疾病予防のアドバイスなどによる住民の健康確保等の効果が期待されることから、県としても、岩手医科大学と市町村や関係機関との連携体制の構築を中心に、必要な協力を行っていきたいと考えております。
 なお、委員から御指摘がございました本事業における倫理的な問題につきましては、国におきましても、ワーキンググループを立ち上げて、この倫理面についても検討を行う、また、大学のほうについても、倫理委員会等できちんと倫理面の配慮を行っていくと伺っておりまして、ヘルシンキ宣言をきちんと遵守した形で進むものと理解しております。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 精神障がい者のバス運賃の減免についてでございます。
 委員のお話のとおり、国に対し県で要望してきたところ、本年7月31日に、国土交通省の定める一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款が改正されまして、障がい者割引の対象に精神障がい者が加わったということで、9月30日から施行となっております。一歩前進したと認識しております。
 ただし、この約款が改正されましても、実際に精神障がい者のバス運賃の減免を実現するのはバス事業者ということで、この事業者の理解が必要でございます。県としましては、引き続き、障がい者団体の皆様と歩調を合わせて、この減免の実現に向けて、県バス協会等々に要請を実施して、理解を求めていくこととしております。
 あわせて、運輸行政を担う岩手運輸支局に対しまして、バス事業所に働きかけるよう要請等を行っていくこととしております。
 いずれ、今後も粘り強く要請を実施して、バス運賃の減免の実現に努力してまいりたいと考えております。
 それから、タクシー券の給付に関してお話がございました。本県では25の市町村において、障がい者のタクシー利用に対する助成事業が実施されております。その内容につきましては、市町村によって詳細は異なる状況でございます。
 県といたしましては、障がい者の外出支援といたしまして、障害者自立支援法による重度訪問介護あるいは行動援護、同行援護等々、地域生活支援事業の移動支援等もございまして、これらの事業と相まって、障がい者の社会参加の促進に貢献できればと考えております。
〇岩崎友一副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時8分 休 憩
午後3時28分 再開
〇小野共委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ16人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇高田一郎委員 それではまず最初に、介護保険制度について質問いたします。
 被災した介護施設の再建状況はどうなっているのでしょうか。また、この被災した介護施設に入所している方々がさまざまなところに避難をしておりますが、この入所者の実態がどうなっているのか、まずお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 被災しました介護施設の再建状況についてでございますけれども、特別養護老人ホームなど入所・居住系施設のうち、14カ所が被災により一時使用不能となりましたけれども、現在までに1カ所が事業廃止、仮設での復旧を含む6カ所が事業を再開し、未再開となっている施設は7カ所となっております。未再開となっております7カ所の施設と仮設で再開している1カ所の施設が移転による本格復旧を目指しておりますけれども、全ての施設で再建のための新たな用地のめどがつきまして、国への移転協議が終了したところでございます。今後、災害査定を受けた後、災害復旧に着手する段階ということになっております。
 次に、他の介護施設へ避難されている被災者の実態についてですけれども、本年10月現在で、これらの事業未再開施設の入所者だった方々のうち、73名が内陸や沿岸の他施設において定員超過等の特例措置により受け入れていただき、サービスを受けている状況です。
〇高田一郎委員 被災した介護施設が、当初、国は現状復帰ということで、なかなか再建が進みませんでしたけれども、国の姿勢も変わって、今、別の場所に建設できるということで移転再開に向けためどが立ったということですが、ここに再建して入所するにはかなりの時間がかかると思います。
 私もさまざまな介護施設を訪問しましたけれども、受け入れてくれている介護施設でも、被災地のことを考えたらということで、本当に苦労しながら頑張っている状況でありました。しかも、4月以降、居住費とかあるいは給食費を負担しなければならないということで、いろんな課題も出てきていると思います。これはひとつ実態をよく把握して、必要な対応をしていただきたいと思います。
 次に、要介護者が大変ふえているという状況になっていますが、施設や在宅を含めて、本当に必要な介護サービスが提供されているのかどうかということ。そして、介護職員の不足も大きな問題になっていますけれども、これは今、実態はどうなっているかということについてお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 沿岸被災地の介護サービス提供の状況についてですけれども、沿岸被災地の入所・居住系施設の定員は、震災前3、769床でしたけれども、ことし9月時点ですけれども、新たに開所した施設を含めまして3、829床と、震災前の101.6%まで回復しております。また、居宅サービス事業者数も、震災前408事業者でしたが、同じく本年9月、405事業所ということで、99%まで回復してきております。
 そしてもう一つ、仮設住宅団地等に整備しました高齢者等サポート拠点を活用したサービス提供を含めまして、増加しております要介護高齢者への一定の対応はできているものと考えております。
 次に、介護職員不足についてですけれども、介護従事者の確保は、震災前から、本県はもとより、全国的にも非常に厳しい状況であります。震災後、被災地では、より一層厳しさが増していると伺っておりまして、現段階で、被災地において、人材を確保することができなくて、人員基準を満たすことができず利用受け入れを制限している施設というものはないものと認識しております。しかし、介護従事者の確保につきましては、被災地のみならず、全県に係る最重要課題と認識してございまして、事業者団体や労働担当部署と連携をしながら、対策を検討していくこととしております。
〇高田一郎委員 施設については101.6%、事業者は99%ということで、一定の対応ができているというお話でありました。しかし、施設や事業所が震災前の状況に戻っていても、実際の介護サービスが必要な方々に提供されているかどうかというところが課題だと思うんです。
 被災地にいろいろお邪魔して、あるいは被災地の方々にお聞きしますと、例えばデイサービスの要望が大変強いと。しかし、施設によってはなかなか対応できないと。人手の問題もあります。
 今、被災地の高齢者の実態を考えるときに、デイサービスというか、介護サービスの役割というのは大変大きいと思うんですね。いろいろ対応を検討していきたいということをお話ししましたけれども、具体的にどういう対応をやろうとしているのか、この点についてお聞きします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 まさに検討でございますので詳しくは今後ということになりますが、一つは、介護従事者そのものの数についてはおおむね足りていると思いますけれども、残念なことに、なかなか介護サービス事業者になり手がないということが課題だろうと思っております。そうしたことから、こういう介護サービス事業に従事する方々の雇用の確保について、何らかの形で後押しといいますか、支援を進めることを軸として検討を進めていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 ぜひ現地の状況もしっかりと、実態もつかんで対応していただきたいと思います。
 次に、介護報酬の見直しに伴う課題についてお聞きしたいと思います。
 今年度から介護報酬の見直しが行われました。本会議でも質問をしたわけですけれども、この利用者あるいは介護現場、この見直しに伴ってどういう課題があると考えているのか、その実態についてお伺いいたします。
 また、介護サービスの利用実績、これもどうなっているのかについても伺います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護報酬の改定についてですけれども、今回の改定は昨年の6月、法改正に伴うものでございまして、結論から言いまして、在宅1%、施設2%、全体で1.2%の引き上げが図られたところでございます。
 改定介護報酬のもとで本県の利用者、介護現場の状況についてですけれども、改定後の本年4月から6月までの3カ月間のサービス利用実績を見ますと、サービス受給者が5万4、511人から5万5、611人と1、100人で、率にして2%の伸びということになっております。また、介護給付費では、75億3、300万円余から78億1、800万円余と2億8、500万円余で、3.8%伸びております。これは、平成22年度と比較しまして、現段階で特に大きな変化があるということではないと認識しております。
 なお、国におきましては、ことし4月に社会保障審議会の介護給付費分科会の中に介護報酬改定検証・研究委員会を設置いたしまして、介護事業者の経営状況あるいは介護従事者の処遇状況の調査分析をすると伺っておりますので、県としても、国のこうした調査分析とあわせまして、県内事業者の皆様の意見も十分にお伺いしながら、また、利用者の皆さんからいただいた相談等を参考に、今後も実態把握に努めていきたいと思っております。
〇高田一郎委員 今、鈴木総括課長から答弁いただきましたけれども、今度の2012年度の介護報酬改定で1.2%引き上がったという話をされましたけれども、実際は介護職員処遇改善交付金が介護報酬に組み込まれたということもあって、実質は0.8%がマイナスになっているんですよね。そこでどういう問題が介護現場で起きているかということをお聞きしたんですけれども、実際どういう課題が、問題が起きているのか、県としての認識をお伺いしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 委員御指摘のとおり、居宅のサービス事業者からは、実質的に介護職員の処遇改善分が今回の報酬改定で加算として盛り込まれましたので、その分を見れば、実質的な引き上げでなかなか厳しいといったような声も伺っております。ただ、全体的な把握につきましては、国が行う調査分析とあわせまして、県も全体の実態把握に努めまして対応を考えてまいりたいと思っております。
〇高田一郎委員 私もこの間、何カ所かの介護施設を訪問して実態を調査してきましたけれども、ある施設では、施設の報酬の見直しが行われて、ただでさえ月100万円ぐらいの赤字になってしまうと。しかし、新たな事業を展開しないと普通の経営ができないという話でした。つまり、口腔ケアとかリハビリとか、あるいは認知症対応、こういった新たな事業を展開すれば結局研修をしなければならない、新たな人材も確保しなければならない、こういう悪循環に陥っているという話を聞きました。
 今度の介護報酬改定の最大の問題は、生活援助の訪問時間が短縮されたということです。居宅サービス事業所にお邪魔してお聞きしますと、生活援助の時間が減ったために、高齢者との会話の時間が大変少なくなってしまったと。今まで一緒に買い物とか調理をしていた時間が全くなくなって、利用者との会話ができない、高齢者の変化が見ることができないということで、ヘルパーというのは、ただ掃除をしたり買い物をしたりするのではなくて、高齢者とのコミュニケーション労働という、それがヘルパーの大きな役割だと思うんですね。そういう会話の機会が全くなくなったということで、非常に働くヘルパーさんにもやりがいの喪失、そして報酬が引き下げられたことによる事業も大変になってきてしまうと。新たな事業展開をしようとしても、非常に萎縮してしまうような介護報酬になっていくのではないかと思うんです。
 そこで私は、国においても、この介護報酬見直しによる課題を分析するという対応をしようとしていますけれども、県としてもしっかりと利用者とかあるいは事業者に対して……
〇小野共委員長 簡潔にお願いします。
〇高田一郎委員(続) 必要な調査を行って、制度改正を国にしっかりと求めていくという対応が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇小田島保健福祉部長 本県におきましては、本年4月から6月の訪問介護の利用などを見ますと、伸びているという実態にはございますが、国の調査分析とあわせながら、県内の事業者の方々の御意見を十分に伺いながら課題を把握し、必要な制度改正や措置、これについては国に要望してまいりたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 次に、福祉灯油について伺います。
 平成23年度福祉灯油が実施されました。その成果はどうだったのか、お伺いします。
〇岡村地域福祉課総括課長 平成23年度におきまして福祉灯油を実施したわけでございますが、この実績は、沿岸12市町村全てにおいて実施されております。助成世帯は1万4、940世帯、県の補助額は2、310万1、000円となってございます。これによりまして、被害が甚大であった沿岸市町村への財政支援、ひいては社会生活を送る上で何かと不便の多い被災地におきまして、特に弱い立場に置かれております所得の低い高齢者世帯、障がい者世帯、あるいはひとり親世帯等の方々へ支援につながっていると考えているところでございます。
〇高田一郎委員 昨年は2月補正で年度末の対応となりましたけれども、被災地からは大変歓迎されたと私も思っています。今、被災地の方からあるいは仮設に入っている方からお聞きしますと、ことしもぜひやってほしいという声がたくさん寄せられました。中には、冬は反射式のストーブというのは危ないのでエアコンを使う被災者もいると。灯油だけではなくて光熱費全体が高くなっているので、灯油も含めて、光熱費に対する支援もしていただきたいという声が寄せられました。クウェートからの支援が終わるとか、あるいは追い炊きがセットされて新たな光熱費がふえるとか、被災者の生活の実態を考えると、ことしも継続してやっていただきたいと思いますけれども、県は灯油が高騰した、そういうときに対応をしてきましたけれども、それも大事ですけれども、それとあわせて、被災者の生活の実態を踏まえた対応をしていただきたいと思いますが、その点についていかがでしょうか。
 また、市町村の意向はどうなっているのか、この点についても伺います。
〇岡村地域福祉課総括課長 今委員から御指摘もありましたけれども、県といたしましても、灯油価格の動向でございますとか、何よりも実施する市町村の意向等を十分把握しながら、あるいは県の対応、あるいは昨年度でありますと義援金の配分等もございました。そういったさまざまな要素を確認しながら、できるだけ早い時間で取り扱いについて検討を進める必要があろうかとは考えておりますけれども、そういう全体的な状況を十分踏まえまして、前向きに検討できればと考えております。
〇高田一郎委員 昨年はかなり年度末になってからの対応で、先ほど報告にもあったように、事故繰越を行ってしまって、自治体によってはまちまちの対応になってしまったということもありますので、ぜひ早い時期に対応して実施をしていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、被災地での保健師の活動について質問したいと思います。
 孤独死を防ぎあるいは高齢者の健康悪化、これを食いとめるためにも保健師の役割というのは非常に重要だと思います。今回の質疑でもありましたけれども、保健師を前年度に対して増員をするというお話もありましたけれども、市町村において訪問活動、みなし仮設を含めて保健師がどういう活動をしているのか、その活動の実態についてお伺いしたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 沿岸市町村で被災者の健康状態を把握するために、各市町村の保健師等が全戸訪問等を行っているところでございますけれども、この全戸訪問を行った結果、高血圧等の治療を必要とする方への受診勧奨や生活習慣病の予防のための保健指導等を行うと同時に、自殺や孤独死のおそれのある継続した見守りが必要な方につきましては、関係機関と連携し対応しているところでございます。
 具体的には、自殺を防ぐための活動といたしましては、昨年度末に県が設置いたしましたこころのケアセンターと連携いたしまして、身近なところで相談が受けられる震災こころの相談室を初め、リスクの高い方への適切な支援を行っているところでございます。
 また、孤立あるいは孤独死を防ぐための活動といたしましては、安否確認や相談、見守り活動を行っている民生委員や生活支援相談員との連絡を密にいたしまして、必要な支援を行っているところでございます。
〇高田一郎委員 具体的にお伺いしますが、被災自治体における保健師の訪問活動、市町村ごとにどういう状況になっているのか示してください。
〇藤原健康国保課総括課長 具体的な訪問活動については今お話をさせていただきましたように、全戸訪問における例えば要援護を必要とする方々の掘り起こし等でございますけれども、回数等につきまして、例えば昨年度、沿岸市町村におきましては、多いところでは6回、少ないところでも1回以上、このような形での要援護者を把握するための全戸訪問を行っている状況でございます。
〇高田一郎委員 阪神・淡路大震災のときも、震災から2年を過ぎると、孤独死とかあるいは自殺がふえてくるというのが阪神・淡路大震災でありました。本当に津波で救われた命を、1人たりとも失ってはならないという強い決意のもとに対応していくことが必要だと思います。そういう点で今お伺いしますと、被災自治体では、保健師の訪問が1回というところから6回という開きがあるんですね。年1回の訪問では、ちょっとまずいのではないかと思うんですけれども、少なくとも年6回とか、そういうことで訪問回数を高めていく対応というのがこれからますます時期的に大切になっていくのではないかと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 訪問回数もそうでございますし、それから家庭訪問を行う対象の方についても、例えば今回はみなし仮設の方を行うとか、在宅の被災者の方を行うというふうに、いろいろ市町村のほうではメニューを組みながら、全戸訪問といたしましても、中身についてはいろいろなメニューを組みながら行っている状況でございます。今年度につきましても、この全戸訪問を行っております。ただ、一般質問の中でも話題になりましたとおり、沿岸の保健師の数というのは充足しているわけではございませんので、昨年と同様に、内陸のほうから保健所、市町村、それから関係団体の保健師の協力を得まして、この全戸訪問等への支援を行っていくこととしておりまして、もう既に始まっておりまして、今の計画では約600名ぐらいの内陸の保健師を沿岸のほうに支援として送り込む予定としてございます。
〇高田一郎委員 孤独死とか自殺防止、あるいは高齢者の体調悪化を食いとめるためにも、民生委員とか生活支援員の役割も大きいんですけれども、血圧を測定しながら健康状態を聞いて対話するという保健師の役割は大きいと思います。一気に体制を強化することはできませんけれども、そういう体制を強化するという方向で、県自身も努力していただきたいと思います。
 最後に、子供の医療費の問題について伺います。
 子供の医療費無料化について、県内市町村単独で乳幼児医療費助成をしているその実施状況、前年度と比べて広がっているのかどうか、この点についてもお伺いします。
〇藤原健康国保課総括課長 前年度に比べて子供の医療費の助成について拡充をしている市町村につきまして、平成24年度の4月2日以降、新たに助成対象を拡大した市町村についてお答え申し上げます。
 北上市につきましては、就学前から小学校3年生まで、それから遠野市、葛巻町におきましては、小学校卒業から中学校卒業までに拡大をしております。また、大槌町につきましては、就学前から中学校卒業まで拡大をしている状況でございます。それから、陸前高田市につきましても─済みません、陸前高田市につきましては、4月2日以前でございました。失礼いたしました。
〇高田一郎委員 子供の医療費無料化については、今の答弁をお聞きしますと、前年度から比べても大きく広がっているということであります。東日本大震災を受けて、本当に被災地でも財政状況が大変な中でも決断をして子供を守りたいと、安心して子育てをできる環境をつくりたいという自治体もふえている状況であります。私は大震災のときだからこそ、子供を育てる環境を充実するということが必要だと思いますし、県としても最大限努力すべきだと思うんですね。
 お隣の秋田県では、ことしからさらに小学校まで県として拡充をして、その分、財政的に浮いたものですから、さらに中学校まで広げる、所得制限を緩和するということで、非常に先進的な役割を果たてしていると思いますが、ぜひ……
〇小野共委員長 高田一郎委員に申し上げます。
 質疑は簡潔にお願いいたします。
〇高田一郎委員(続) はい。ぜひ、県としても決断していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 今、お話がございました例えば子供の医療費助成事業につきまして、これを現在の就学前までの児童を対象にしているものを、対象を拡大して、中学生まで拡大した場合で粗い試算でございますけれども、そのときに新たに県負担として約6億3、000万円を要すると見込まれてございます。県予算における新たな財政的経費の確保は大変厳しい状況となっており、これについて直ちに実施することは困難であると考えてございます。ただ、この医療費助成につきましては、市町村と共同で運営しているところでございますので、引き続き市町村と十分協議の上、制度のあり方については検討してまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 最後にしますけれども、6億3、000万円という数字は、多いか少ないかいろいろ議論があると思いますけれども、盛岡市では、県がやるんだったらぜひ盛岡市でも実施したいという声も出ています。今、課長がおっしゃるように、市町村の意向を確認して、ぜひ実施に向けて努力をしていただきたいということを申し上げて終わりたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 確認だけです。先ほど保健師を沿岸に600人と言いましたか。600人もいるのかどうかとなると、600人というのはどこに泊まるのかなと思って。
〇藤原健康国保課総括課長 説明が不足して申しわけございません。600人というのは、延べ600日人でございます。実人員ではございません。委員おっしゃるとおり、県内でも市町村、保健所の保健師合わせても約四百数十名しかおりませんので、実人員で600人確保は無理でございます。
〇小野寺好委員 子供の聴覚障がいへの対応について伺います。
 生後まもなく新生児スクリーニング、こういったものを受けるようなんですけれども、これによって聴覚障がいの子供が見つかるのは年間どのくらいあるものか、お伺いします。
 近年、人工内耳の技術が進んだと聞いておりますけれども、これは親の判断で2歳あたりにやるらしいんですけれども、県内では年間どの程度、この人工内耳の手術が行われているか。これに伴う経済的負担はどのくらいなのか。また、その効果についてはどう把握しているか、伺いたいと思います。これとともに、人工内耳というのはずっと機能して、効果は永続するものかどうかお聞きします。
 万一の場合に備えて、人工内耳の手術をやっても、親としては子供にきちっと手話を身につけるようにさせなければならないものかどうか、そういったことをお聞きしたいと思います。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 まず、新生児聴覚スクリーニング検査の関係でございますけれども、聴覚障がいの割合は、厚生労働省が委託しております厚生科学研究の調査では、出生1、000人に1人ないし2人と言われているところでございます。
 次に、人工内耳の埋め込み手術の関係でございますが、本県では岩手医科大学のみで実施しておりますが、実施件数は、平成19年から平成23年度までの5年間で37件というところでございます。
 また、経済的負担につきましてですが、高額療養費制度の活用によりまして、所得に応じて負担額が決められているところでございます。中間所得者層あるいは低所得者層にありましては、障害者自立支援医療制度の活用によりまして、さらに負担軽減が図られております。
 例えば一例で説明いたしますと、手術代400万円程度かかる場合が多ございますが、医療保険で3割負担になりますと、自己負担が120万円ということでございますけれども、これに高額療養費制度の活用によりまして自己負担が11万7、430円程度。そしてさらに自立支援医療の活用によりまして、これは所得によって幅がありますが、1万円から2、500円までの自己負担の幅で済むようになるということでございます。
 それから、人工内耳の効果でございますが、特に音声言語を覚え始めます幼少期に導入することによりまして、音声言語獲得に大きな効果が期待できると考えているところでございます。ただ、この人工内耳の効果が永続するかどうかということですけれども、内耳そのものの効果はほぼ永続的と聞いておりますが、その周辺の機器を何年かに一度交換するあるいは電池、そういうものの交換は頻繁に必要といったようなことは聞いておるところでございます。
 そして、人工内耳と手話との関係でございますけれども、人工内耳の埋め込みによりまして聴力の改善された方、こういった方々は音声によるコミュケーションが可能となりますけれども、中には、なかなかそういった手術が難しい方もございます。聴力の改善が難しいという方がございます。そういった方については、従前どおり、手話がコミュケーション手段として重要なものであると考えております。したがいまして、人工内耳が必要な方、それから手話が必要な方、やはり双方、これからも続いていくととらえております。
〇小野寺好委員 ついでに子供の補聴器についてもお聞きしたいんですけれども、補聴器購入に助成金が出るのは、身体障害者手帳が交付されている高度難聴児だけだと聞きますけれども、本県の場合、軽・中等度難聴児にはどのような支援がなされているか、聞きしたいと思います。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 軽・中等度の難聴児に対する支援ということでございます。この難聴の障害は、児童の発達、成長過程に与える影響が大変大きいことから、支援が必要であると考えております。このため、今年度、当初予算に当該支援に係る経費を県としては計上いたしまして、議会において御承認いただきまして、本年5月から事業開始しておりますが、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度、中等度の難聴児に対しまして、補聴器購入に係る費用を助成する制度を創設し、支援を行っているところでございます。県単事業でございます。
〇小野寺好委員 それは市町村はなしで、県だけの負担で行われるものでしょうか。それとともに、補聴器買いかえの場合なんかも対象になるんでしょうか、これは。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 この事業は実施主体が市町村でございまして、市町村に対しまして補助をするんですが、市町村の負担もある事業でございます。
 それから、補聴器の買いかえについても助成しております。
〇小野寺好委員 よその県では市町村が3分の1、県が3分の1、本人が3分の1、そういった制度をやっているところもあるようなんですが、負担割合はどうでしょうか。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 委員の御指摘と同じ負担割合でございます。
〇小野寺好委員 もう一点、脳脊髄症減少症についてお聞きしたいと思います。
 いわゆる脳みそでこれを浮かべている髄液が漏れ出し、脳に支障を来す病気のようなんですけれども、我が岩手県議会でもこれが保険適用になるようにと、こういった意見書をかつて上げた経緯がありますが、これに対し、国及び県はその後どのような対応をとっているか、お聞きしたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 平成18年7月に、県議会が国会等に脳脊髄液減少症の研究、治療等の推進を求める意見書を提出した後の国そして県の対応についてでございますが、国におきましては、平成19年度から大学等の研究班に対して助成を行いまして、脳脊髄液減少症の診断基準の作成等についての研究を進めてきたところでございます。平成23年10月には、脳脊髄液減少症と呼ばれる実態の中の脳脊髄液漏出症を対象とした画像診断基準を国で公表したところでございます。その後、本年6月でございますが、この基準に基づきまして、脳脊髄液漏出症と診断された者に対する硬膜外自家血注入療法、これはいわゆるブラッドパッチ療法と言われるものでございますが、これを先進医療として認定し、検査や入院等に要する費用については保険適用としたところでございます。
 一方、これまでの県の対応でございますけれども、この疾病の患者団体等の要望に応じまして、脳脊髄液減少症の診察等が可能な医療機関を調査いたしまして、県のホームページで公表をしているところでございます。
〇小野寺好委員 この病気は外見上なかなかわからない、あと、本人も自覚していないという場合が多いらしくて、動作がはっきりしないとか、怠け者だとかというレッテルを張られるような、ちょっと大変な状況のようなんですけれども、本県の場合、患者はおよそどのぐらいいるものか。治療機関、治療実績はいかがでしょうか。よろしくお願いします。
〇藤原健康国保課総括課長 先ほど申し上げましたように、この病気は、これまで診断基準等が確立されておりませんでしたことから、県内の患者数それから治療実績については把握されていない状況でございます。
 なお、医療機関についてでございますが、医療機関の同意を得まして、県が公表しております診察等が可能な医療機関数は24カ所となってございます。
〇小野寺好委員 最後に、県の今後の救済と言ったらいいんでしょうか、対応はどのような方針であるかお聞きしたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 この病気につきましては、今後、国等の診断方法の研究などの動向を把握いたしますとともに、国による制度の構築等を県といたしましても注視してまいりたいと思いますし、県内の患者から寄せられます相談等については、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
〇小野共委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、保健福祉部関係の質疑をこれで終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇遠藤医療局長 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算につきまして御説明を申し上げます。
 県立病院等事業の運営に当たりましては、地方公営企業法第3条に規定する経営の基本原則並びに県立病院等の設置の本旨、県議会の審議等を通じての御意見及び監査委員の御意見の趣旨を踏まえまして、まことに厳しい経営環境ではございますが、事業の効率的な運営と経営の健全性に配慮しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と保健衛生の向上に努めてきたところでございます。
 平成23年度におきましても、良質で効率的な医療の提供体制と、これを支える安定した経営基盤の確立のため、平成21年2月に策定した経営計画のもとに多様な取り組みを展開してきたところでございます。
 特に、医師確保につきましては、本県出身医師等の協力を得ながらの個別訪問や関係大学への要請などによる招聘に努めるとともに、奨学資金貸付制度の運用による医師の確保に努めているところでございます。また、臨床研修医師の積極的な受け入れに取り組んだ結果、平成23年度は、初期臨床研修医が108名となり、後期研修医は47名を勤務医として確保したほか、医療クラークの増員や電子カルテの導入拡大などにより、医師の勤務環境の改善に努めるなど、県民医療に必要な医師の確保と定着に努めてきたところでございます。
 次に、病院機能の明確化等につきましては、中央病院や広域基幹病院を中心に、地域医療を支える体制づくりを進めるとともに、地域連携クリニカルパスを推進するなど、他の医療機関を含めた医療機能の分担と連携の推進に努めてきたところでございます。
 このほか、医療サービスの提供におきましては、より良質な医療を提供できる体制の整備を図るため、看護職員の増員を行ったほか、これまで主に入院で行っておりましたがん化学療法や検査の外来移行を進めるなど、医療の質の向上に努めてきたところでございます。
 なお、これらの取り組みにあわせて、入院基本料など上位施設基準の取得や外来診療単価のアップなど、収益の確保にも努めてきたところでございます。
 また、費用面では、職員の適正配置、後発医薬品の使用拡大や診療材料等の整理統一等により費用の抑制を図るなど、総合的な経営改善に努めてきたところでございます。
 以上、事業の概要を申し上げましたが、昨年の東日本大震災津波による被害によって、今なお診療機能の大幅な制限を余儀なくされているほか、今後、被災病院の再建など復興に要する財政負担が懸念されるなど、引き続き非常に厳しい経営環境に置かれているところでございます。
 こうした状況のもとではありますが、今後におきましても、経営計画の目標の達成に向け、収益の確保や効率的な費用の執行など各種取り組みを進め、安定した経営基盤の確立を図りながら、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めていきたいと考えております。
 それでは、お手元の決算書に基づきましてその概要を御説明いたしますが、決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税及び地方消費税相当額を含めた金額で作成するものであるのに対しまして、損益計算書及びその他の財務諸表は、消費税及び地方消費税相当額を除いた金額で作成することとなっており、金額に相違がございますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。
 それでは、決算書の1ページをお開き願います。まず、決算報告書の収益的収入及び支出でございますが、収入の第1款病院事業収益は、予算額954億5、800万円余に対し、決算額は963億7、600万円余でございます。
 次に、支出でございますが、第1款病院事業費用は、予算額970億1、400万円余に対し、決算額は968億4、900万円余でございます。
 2ページをお開き願います。資本的収入及び支出でございますが、収入の第1款資本的収入は、予算額173億1、300万円余に対し、決算額は167億1、100万円余で、その主なものといたしましては、第1項企業債62億8、500万円、第3項負担金47億5、600万円余などでございます。
 3ページに参りまして、支出の第1款資本的支出は、予算額248億6、900万円余に対し、決算額は237億8、700万円余で、その主なものといたしましては、第1項建設改良費57億5、800万円余で、釜石病院の増築、改修工事、同じく釜石病院への線形加速システムの整備等に要した費用でございます。
 第2項企業債償還金は127億8、400万円余で、施設の整備等のために借り入れた企業債の償還金でございます。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額73億8、600万円余につきましては、前年度からの繰越工事資金4億2、700万円余及び過年度分損益勘定留保資金67億400万円余で補aXし、残りの2億5、500万円は、当年度同意済未発行企業債で措置するものでございます。
 次に、損益計算書につきまして御説明申し上げます。
 4ページをお開き願います。医業収益は829億6、500万円余で、その主なものといたしましては、入院収益537億7、800万円余と外来収益229億9、700万円余でございます。
 次に、医業費用は877億2、600万円余で、その主なものといたしましては、給与費507億9、400万円余、薬品などの材料費207億8、000万円余、光熱水費、賃借料及び委託料等の経費115億4、400万円余、減価償却費38億4、600万円余などでございます。
 また、医業外収益は132億100万円余で、その主なものといたしましては、一般会計繰入金のうち、医業外収益として繰り入れました負担金交付金116億3、100万円余などでございます。
 5ページに参りまして、医業外費用は74億6、900万円余で、その主なものといたしましては、支払い利息及び企業債取扱諸費32億9、900万円余、仕入れ控除できない消費税及び地方消費税14億7、000万円余を含む雑損失16億7、300万円余などでございます。
 この結果、経常損益では9億7、000万円余の利益が生じたところでございます。
 次に、特別利益1億200万円余は、災害復旧事業に係る補助金及び一般会計繰入金でございます。
 また、特別損失15億4、600万円余は、東日本大震災津波により被災した病院の除却損、地震被害に係る修繕費及び旧沼宮内病院跡地から出土した廃棄物の撤去費用などでございます。
 この結果、平成23年度岩手県立病院等事業会計の損益は4億7、300万円余の純損失が生じ、赤字決算となったものでございます。このことにより、当該年度末累積欠損金は205億500万円余となるものでございます。
 以上、決算報告書及び損益計算書について御説明申し上げましたが、剰余金計算書及び貸借対照表、その他の事項につきましては、説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇小野共委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木朋和委員 私からは大きく1点、被災病院の再建について、特にも大東病院の再建計画についてお話をお聞きしたいと思います。
 これまで住民との意見交換会や、これまでの議会の中でも大東病院の再建については、その規模、機能、時期、方法について明らかになってきたところでありますが、病院の再建方法としていろいろある中から、既存施設の改築を選んだ理由をまずはお示しをいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 大東病院の整備方法につきましてでございますが、既存施設を増改築する方法と移転新築する方法が二通り考えられるわけでございますが、移転新築の場合ですと、既存施設の増改築に比べまして工期が1年程度長くなること、加えまして、移転新築の候補地でございました大東病院の隣接地、こちらのほうを一関市で活用する構想があるやに伺ってございます。そうしますと、他の移転先を選定するための期間がそれに加わるというようなことが想定されるところでございます。
 地域の皆様との意見交換会におきましては、さまざまな御意見をいただいたところでございますが、病院の早期復旧を最優先にしてほしいとの意向を承ったところでございまして、入院ベッドの早期回復を最重点に考え、現施設を増改築する方法としたところでございます。
〇佐々木朋和委員 大東病院については、新規の診療もなかなか思うとおりできないというところでありますので、早期復旧というところは理解をさせていただくところであります。
 また、答弁の中でお話がありました隣接地の一関市からの利用というところで、住民との意見交換会においては、一関市から、40床に減る病床の代替というか、下支えとして、ベッドつきの介護施設を隣接させるという構想が示されたわけでありますが、県としても、これまでの経緯から、この点について協力をしていくべきと思いますが、どのように連携をしていくのか。また、工事のほうが、先に病院のほうが開始をされる見込みではありますけれども、工事設計の仕方としても、利用者が両施設を行き来できるような取り組みも必要と思いますが、その点についてお考えをお聞かせください。
〇熊谷経営管理課総括課長 介護施設との関係でございますが、平成24年度から平成26年度を実施期間とする一関地区広域行政組合の第5期介護保険事業計画におきまして、東磐井地域に、地域密着型介護老人福祉施設を整備する計画があると承ってございますが、大東地域に整備することが確定したものではないと伺ってございます。介護施設の整備計画、市におけますその計画が固まった際には、大東病院との連携方策につきまして、具体的に一関市と協議したいと考えてございます。
 それから、大東病院の増改築工事につきましては、今年度設計に着手する予定でございますことから、介護施設の整備計画が具体化していない現段階におきましては、委員からお話のございました、お互いに行き来することを想定した設計というのは、ちょっと困難な状況でございます。今後、市におけます構想が固まった段階で、どのような工夫ができるのか、個別に協議してまいりたいと思ってございます。
〇佐々木朋和委員 話が進んでいく中で、ぜひ連携をとりながらやっていただきたいと思います。
 最後にもう一点ですが、いろいろな大東病院の機能を補完するという形で福祉施設の話も出ておりますが、その中で、住民の皆さんから多くの意見が寄せられましたプールにかわる健康増進施策については、まだ何も出てきていないという現状にあると思います。この点については、市の仕事であるというのはわかりますが、話の流れ、経緯から、県でも協力をしていくべきではないかと思っております。
 例えば、病院にありますリハビリ用の運動機器、リハビリ機能は千厩病院に移すということで、この点について使われない機器も出てくるのではないかと思っております。その機器を一般利用者とシェアするとか、民間事業者とシェアをする、また、デイサービスや介護予防施設との連携を図っていくなど、柔軟な姿勢を県には求められるところでありますが、最後に御所見をお伺いしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 大東病院のプール廃止後の地域の健康づくりにつきましては、一関市におきまして、大東保健センターの機能を十分生かして、プールにかわる健康づくり事業の充実について検討するものと伺っておるところでございます。具体的に大東病院としてどのような協力ができるか、一関市からお話を十分お伺いいたしまして協議してまいりたいと思ってございます。
 それから、委員からお話のありました健康づくりに活用できるようなリハビリ機器でございます。こちらにつきましては、その有効活用が図られるよう、市初め地元の方々と相談しまして、柔軟に対応してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 東日本大震災によって被災された3病院の早期再建に向けて御質問いたします。
 医療局として、経営状況の中で本業における経常損益、この中で9億7、000万円余の利益を上げております。大震災という大変な中で、医師の招聘を初めといたしまして、コストの削減など大変努力されたと思っております。そういう中におきましても、建物が損失したりいたしまして、15億円余の特別損失も出されたと、そして累積欠損金が205億円を超えたという中であります。そういう中において再建するということは、非常に大変な状況だと思っておりますけれども、でもやはり、被災されたそれぞれ高田病院、大槌病院、山田病院におきましては、身近なところでの入院ベッド等も必要となっておりますし、早期再建を望んでおりますので、現在の取り組み状況と、これから年次的な、どのような形で、どこからどう建設していくかというようなところが明確になっておりましたらお示し願いたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 被災しました高田病院、大槌病院、山田病院の再建につきましては、各保健医療圏におきまして、現在、保健所が中心となって、県立病院、それから地元医師会を含めた医療関係者、行政機関などによりまして、地域医療の再生について専門的な検討を行っているところでございます。県の次期保健医療計画策定に向け、医療機関相互の役割分担と連携を進めるための具体的な方策や目標などにつきまして、議論がなされているところでございます。
 また、建設場所につきましては、地元市町におきまして、現在、具体的な土地利用計画などの策定を進めているところでございまして、こうした状況を踏まえながら、本年度中を目途に、立地場所や規模、機能などの検討を進めていくこととしてございます。
 なお、整備に係る期間、年次計画などにつきましては、その整備する場所の用地の形状といったものによりまして用地造成に係る期間が異なりますことから、建設場所が確定した段階で具体的に検討することとしているところでございます。
〇工藤勝子委員 あれから1年7カ月以上が経過してきたわけでありますけれども、非常に進捗が遅いのではないかと思われます。学校もそうですけれども、やはり地域の皆さんは、高齢化が進んでおりますし、病院というものを非常に重視しているのではないかと思っております。
 そして、逆に医療局は、市町村のほうに保健所、例えば地域医療関係の中に、私から言えば、預けているのではないかなと。用地確保もそうですけれども、自分たちが積極的に出向いていってやろうとする─やろうと思って頑張っているとは思いますが、何か余り投げているような気がしないんでしょうかね。もっと医療局が入っていくべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇熊谷経営管理課総括課長 病院の再建に係りまして、昨年度来、地元の市町村のほうに数次にわたって出向きまして、病院の再建の方向性とか立地場所等につきまして協議を行っているところでございます。
 一番難航しておりますのは病院の再建場所というところで、私どもとしては、やはり高台というようなところでございますが、なかなかそういったところの適地の選定に時間がかかっているというような状況でございます。
 しかしながら、住民の方々は、委員からお話がありましたとおり、病院の再建に期待していると思いますので、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思っております。
〇工藤勝子委員 高台に移転するということで用地交渉を、そうですよね、平場に同じような形で建設しても、また大きな津波が来れば被災するわけですので、確かに高台のほうに行かなければならないという形の中であろうと思っております。
 では、その中で、例えば、それぞれの市町が一生懸命用地探しをしているんだろうと思いますけれども、逆に、アクセスをよくすれば、大船渡病院もそうですが、何であそこまで行くのかなと私たちは思いました。だけれども、あそこが正解だったんだなと今は思います。結局は、そういう形の中で、交通のアクセスをよくしてあげれば少々離れても住民は納得するのではないか、そういう思いがございます。
 それで、例えば今のまちづくりの中でグランドデザインができているわけですけれども、今の病院の跡地の利用というのはどのように市と協議されているのでしょうか。
〇熊谷経営管理課総括課長 被災した病院の跡地利用計画についてでございますが、現在、地元市町におきまして、復興に向けたまちづくりの計画、具体的な土地利用計画などの策定を進めているところでございまして、これら一連の計画づくりの中で進められるものと考えられますことから、病院建設場所の候補地選定とあわせて、跡地利用につきましても市町村のほうと協議してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 それでは、この財源の確保、結局、再建に向けては、やはり国からのいろいろな支援が必要ではないかと考えますけれども、どういうような形で要望されて、国からの見通しはどうなっているのかお伺いいたします。
〇熊谷経営管理課総括課長 財源の確保と国への要望状況についてでございます。
 国に対しましては、東日本大震災津波に関する要望書など、県としてその機会を捉えて、医療提供施設の復旧、復興に向けた財源について十分な財政措置を講ずるよう要望してきたところでございます。昨年11月、国の第三次補正によりまして、地域医療再生特例臨時交付金が措置されましたことから、国に対しまして、被災した医療提供施設の再建や医療連携の推進などの経費に充てることを内容といたしました復興計画案を提出していたところ、本年3月に、本県に対し176億円余の交付決定がなされたところでございます。
 被災した高田、大槌、山田の3県立病院の再建に当たりましては、この交付金を活用することとしてございますが、病院の立地場所や規模、機能等につきましては、本年度末を目途に検討を進めることとしてございまして、具体の事業費につきましては、その後の予算編成、それから議会の審議をいただきながら決定していくものと考えてございます。
〇工藤勝子委員 国からの交付金も決まったということでありますので、あとは用地確保なんだろうと思っております。年度末をめどにするということでありますので、ぜひそれに向けて努力していただきたい、そのように思っております。
 いろいろな形の中で、建物は準備が整えば着々とできていくんだろうと思っておりますけれども、建物はできたけれども、その中に入るスタッフはどうなのかということになってきます。そうなると、非常に、医師確保対策、それから看護師、技術者、いろいろスタッフ、人材が必要となってくると思っていますが、その医師確保対策の見通しについてお伺いいたします。
 それから、震災後、全国から支援のお医者さんたちがおいでになったというような話も聞いております。そういう中で、県立病院に配置になりました先生はどのくらいだったでしょうか。そして、この医師確保に向けて岩手県は今後どういう、科でしょうか、例えば、うちから言えば産婦人科とか小児科の先生が欲しいという要望がございますけれども、本当は、結局どういう診療科の先生たちが医療局として必要とされているのかというようなところもお伺いいたします。
〇千葉医師支援推進監 被災した県立病院の再建に向けた医師確保対策でございますが、今般の東日本大震災津波は、御承知のとおり、もともと医師不足が深刻な沿岸部を襲ったものでございます。
 被災病院の再建に当たっての医師確保につきましては、発災後の時間の経過とともに、全国からの医療支援がほぼ終了しつつあることや、大学から地域病院に対する常勤医師の派遣が厳しいということなどから大変困難な状況が予想されるものでございますが、関係大学や各医療圏における基幹病院との連携を図るとともに、これまでの被災地支援等によって築かれた全国の医療機関や個々の医師とのつながりなどを契機とした外部医師の招聘活動の強化、さらには、先般、県で設置した県奨学金養成医師の配置調整に関するワーキンググループでの検討を通じた中長期的な被災病院の医師確保などにより、必要とされる診療体制を確保したいと考えてございます。
 なお、被災病院への全国からの支援状況についてでございます。
 発災直後から内陸部の県立病院からの応援はもとより、全国の医療関係団体や岩手県医師会JMATなどから、被災地の県立病院に対する各般の医療支援をいただき、被災地の病院を支えていただいたもので、大変感謝しているところでございます。
 こうした全国からの医療支援は、被災地及びそれをバックアップしていた内陸部の県立病院の支援を含め、これまで、本年9月末まででございますが、延べ94チーム、延べ人日で4、790人の医師に支援をいただいたところでございます。
 なお、被災から1年半を経過した現在、こうした全国からの大規模な支援は終了しつつございますが、地域の医療事情等から、気仙医療圏の県立病院─大船渡病院、高田病院でございます─に対しては、現在も一部支援を継続していただいているところでございます。
 あわせて、先ほどちょっと何人ほどというお話もありましたが、先ほどお話ししたのは比較的短期の支援で、チーム、人日というお話をさせていただいたところですが、比較的長期の支援ということで常勤で勤務していただいている被災3病院には、8名一応来ていただきまして、そのうち6名は現在でも勤務を継続していただいているところでございます。
 あとは、必要となる診療科でございますが、基本的に、被災病院は地域病院ということで位置づけられてございますので、内科、外科を中心とした医師の確保をしながら、加えて、地域の事情に応じて、必要な診療科を確保していきたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 ありがとうございました。ぜひ、人材の確保は非常に重要だと思っておりますので、今後とも御努力していただきたい、そのように思っております。
 次に、未収金についてお伺いしたいと思っております。
 いろいろ資料を見ておりますと、過年度医療の未収金が6億3、000万円余、年度内の医療未収金が134億9、000万円余、合わせて141億円余で、医療外未収金等もございます。合わせますと171億5、000万円余となります。これらがきちんと集金になれば、205億円の累積欠損金なんかは、何か消えてしまいそうな、私はそうやって資料を見ていたわけですけれども、そうはいかないんだろうと思っておりますが、平成23年度の個人医療費の未収金について、未収金の回収に当たって、その対策と回収状況についてお伺いいたします。
〇佐藤医事企画課総括課長 未収金の対策についてでございます。
 まずは、発生防止の対策として、院内にございます医療相談室等において、高額療養費制度や公費負担制度等を利用した支払い相談を行っているほか、口座振替やクレジットカードでの支払いによる利便性の向上を図っているところでございます。
 また、平成22年4月からはコンビニエンス収納を導入するなど、さらに患者さんの利便性の向上を図り、発生防止に努めているところでございます。
 また、納入期限までに納入されない未収金につきましては、電話による督促や患者さんの自宅へ直接訪問するなど、その未収金の回収に取り組んでいるところではございますけれども、支払い困難な場合等につきましては、納入期限の延長や分割納入の確約をとるなど、その実情に応じた対策を講じているところでございます。
 それで、未収金の回収状況についてでございます。
 平成23年度末の過年度医業未収金6億3、000万円余のうち、個人未収金は6億2、500万円余となってございます。前々年度、平成22年度末残高6億1、000万円余に対しまして、回収額が約6、400万円、新たに発生した額が約7、900万円で、前年、平成22年度と比較して1、500万円余増加している状況でございます。
〇工藤勝子委員 非常に工夫もされているようでございますけれども、この未収金の回収というのは、いろいろなところにおいても大変な作業だろうと思っていますが、ぜひ、監査委員の意見書の中にも、この未収金に対して述べられておりますので、そういうところも重く受けとめながら、また、大変な自分たちの経営、家計の中で、しっかりと支払わなければならないという思いで払っている人と、何か払えてもずるずる行っている人も中にはあるのではないかと思って、やはり県民の平等性という部分からもっても回収に当たらなければならないと思いますが、この未収金に対して、監査委員の意見書も含めて、局長から所感を聞いて終わります。
〇遠藤医療局長 治療等に要した未収金の関係でございます。
 委員御指摘のとおり、経済力があるのに払わないというのは、これはもってのほかでございますし、それから、一方におきまして、なかなか経済的な事情で一度に払うことができないといった患者さんもいらっしゃいますので、それは、やっぱりそれぞれの患者さんの事情に応じた形で適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、未収金の回収に当たりましては、今年度から、俗にサービサーと言っているのですけれども、回収する民間の会社に委託するという形の新たな手法にも取り組んでおりまして、いずれ未収金の経営に及ぼす影響も大きいことでございますので、その確保に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 工藤勝子委員から既にもう県立病院における医師の確保ということでお聞きになったようですので、私は、ちょっと視点を変えてお伺いしたいと思います。
 県立病院における医師の配置状況、それと平成23年の医師確保状況をお聞きしたかったんですが、保健福祉部でも医師確保が行われておりますが、そのところとの連携はどうなっているのか、そして、その医師確保で、先ほども海外から3名という医師の招聘ができたということですが、特に成果が上がったのかについてお伺いしたいと思います。
〇千葉医師支援推進監 医師確保についての保健福祉部との連携ということでございますが、御存じのとおり、医師支援推進室は、保健福祉部との共管組織ということで室を設置しまして、いわゆる若い医師を集める初期研修の関係から、即戦力の外部招聘の関係から、一体となった取り組みを進めているところでございます。
 その実績といたしまして即戦力医師の確保状況でございますが、震災の効果という言い方も変ですが、支援という効果もございまして、平成22年度は16人の招聘実績でございましたが、平成23年度は24人ということで、被災地に対する全国からの医療支援もあり大幅に増加している状況でございまして、一定程度、地域医療の確保に貢献をいただいていると考えてございます。
〇及川幸子委員 医師確保については日々の御努力、本当に大変だと思います。
 それで、私どもも委員会でちょっと視察に行ったんですが、被災地の仮設病院に行きましたら、大変多くの患者さんが、廊下にもぎっちりでした。その中で、被災地における仮設病院の医師と看護師の配置状況はどうだったのかをお伺いいたします。
〇千葉医師支援推進監 まず、被災した3県立病院の医師の配置状況でございます。
 平成24年10月1日現在の常勤医師の配置数でございますが、高田病院は全体で11名ございます。内訳とすれば、内科が7、呼吸器1、小児科2、眼科1という状況です。大槌病院は4名、全て内科の医師です。山田病院は3名、内科1、外科1、整形外科1という配置状況でございます。
 これを被災前の平成23年3月1日現在の医師数と比較しますと、高田病院がプラス5名、大槌病院がプラス1名、山田病院がプラス1名、それぞれ増加しているところでございます。
〇菊池職員課総括課長 仮設病院における看護師の配置についてでございますが、平成24年度当初における臨時職員を含む看護師の配置状況は、入院機能を有している高田病院は39人、外来診療のみを行っている大槌病院、山田病院及び大東病院は、それぞれ14人、18人及び9人となっているところでございます。
〇及川幸子委員 被災時において、とうとい命をなくされた先生と看護師の方の亡くなった数というのはおわかりなんですか。お亡くなりになった数。
〇千葉医師支援推進監 被災病院での、あるいは被災地での医師の死亡者というのはございません。
〇及川幸子委員 なぜこういうことをお聞きしたかと申しますと、やっぱり看護師の方で、家に待機していた看護師の方がお亡くなりになったということもお聞きしたんですね。実際にふえているところはありますけれども、数としては減っているのではないかと。看護師不足、そういうところからお聞きしたんですけれども。
 この間、テレビの報道で見たんですが、岩手県内の被災地のある病院のある医師の取材をしておりました。奥様を津波によって亡くされたと。それでそのお医者さんが、娘さんに頼って、他県から呼び寄せて、今、岩手県内の病院に従事されておりましたが、その娘さんも近々他県に移るということで、ああ、これは大変だな、深刻だなと思ったんですね。
 そういうふうに、医師は結構ふえているような気がしますけれども、なかなか残って、この岩手県内に、特に仮設住宅で診察に当たる先生は余りいなくなったのではないかと思うことからお聞きしたんですが、いかがでしょうか。
〇千葉医師支援推進監 委員御指摘のとおり、被災地におきましては、仮設住宅住まいということで、私も実際何度かお邪魔して、その仮設住宅そのものも見てきましたけれども、確かに大変なのは事実でございます。あるいは外部招聘でぜひ支援をしたいというお医者さんがいらっしゃったときに、まずは住まいをどうするか、あるいは、いらしても交通手段がないとか、いろいろな問題もございます。
 そうした中で、確かにこの発災後の時間の経過とともに、先ほどお話し申しましたが、全国からの支援がほぼ終了しつつあるという中で、大学からの地域病院に対する常勤医師の派遣は非常に厳しいということが想定されますので、今後、関係大学あるいは各圏域における基幹病院との連携といったことを図りながら、あるいは外部医師の招聘活動を強化しながら、そして、さらには、先般県で設置した県奨学金養成医師の配置調整に関するワーキンググループでの検討を通じた中長期的な被災地病院の医師確保などにより、必要とされる診療体制を確保していきたいと考えているところでございます。
〇小野共委員長 看護師の状況は答えられますか。
〇菊池職員課総括課長 仮設病院における看護師の配置人数でございますけれども、先ほど申し上げたところでございますが、高田病院につきましては入院機能がございますので、病棟職員を配置しておる関係上、被災前の平成23年現員と比較しまして、正規職員では1名、時間制で5名が減っておりますが、ほぼ被災前の数でございます。
 その他、大槌病院、山田病院、大東病院につきましては、病棟業務がない分、それぞれ、大槌病院33名、山田病院16名、大東病院45名の減員となっている状況でございます。
 それから、先ほどお話のございました津波被害による亡くなった看護師でございますけれども、職員で亡くなった方々は、臨時も含めて9名となってございます。それから、行方不明は1名という状況でございます。
〇遠藤医療局長 先ほど委員から御質問がございましたが、私ども医療局の病院勤務の職員の場合は、看護師は3交代があったりとか、あるいは、やはり医師の先生方も、その地域に非常に長く勤務していただいているという形がありまして、通常の一般の県職員ですと3年で異動したりとかというのがあるんですが、私どもの職員は、どちらかというと地域に、根づいたと言うと語弊がありますけれども、そういった勤務をしております。
 今般の震災で、医師の家族が不幸にも亡くなられたとかといったものもございますし、それから、地元に御自宅のあります看護師も、やはり御家族がそういった不幸に遭われたとか、あるいは自宅を流されたとか、そういった職員も多数おります。
 亡くなられた職員の数は先ほど職員課総括課長から申し上げたとおりでございますけれども、そういった中で、沿岸部の看護師の数に増減が生じているのかという点につきましては、亡くなられた分も何名かいらっしゃいますので、そういう意味では減っておりますが、ただ、病院勤務そのものにつきましては、入院機能がない形になりましたので、そこの看護師については、基幹病院の釜石病院とか大船渡病院とか、そういった形の配置がえをしたりして対応しておりますので、基本的には、県立病院だけについて申し上げますと、沿岸部の勤務者はそんなに大きく減っていないという状況でございます。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。
 報道で報じられていたお医者さんは、やっぱり患者さんが避難することに一生懸命になっていて、その間に奥様が自宅とともに流されて、そういうお話をなさっていて大変気の毒だったなと思いました。
 そういう中で、どうぞ一日も早い仮設病院というものを、工藤勝子委員もおっしゃっていましたけれども、一日も早く患者さん方に喜ばれるように、地域医療を守っていただきたいと思います。
 被災地ではなくて、今度は内陸でございますが、医師不足により突然診療科廃止になったということで患者さんが大変困っておりまして、いろいろ私も訴えられました。県立病院で診療科がなくなった状況をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤医事企画課総括課長 昨年度、平成23年度につきましては、診療科廃止といったような診療科はございませんけれども、現時点で、標榜はしているけれども休診になっているというところが7病院で、一応、現在押さえているところでは8診療科となってございます。例えば、宮古病院で耳鼻咽喉科、胆沢病院で精神科、千厩病院で産婦人科等となってございます。
〇及川幸子委員 私は胆沢病院なんですが、胆沢病院の精神科という部分がちょっと大きかったですね。外科も含めて、やっぱり中部病院が北上に出た関係で、そっちにかなり吸収されているということなんですが、患者さんにとってみれば、突然そういうことになったということで全然わからなかったと言うんですね。そういうふうに、患者さんとかにお知らせする機会というのはどうなさっているんでしょうか。今まで通っていた患者さんに対して。
〇佐藤医事企画課総括課長 そういった休診とか、常勤医師が不在になって診療体制が大幅に縮小するといったような場合につきましては、当然、病院内に、正面玄関なり受付ホールなりにそういった御案内を院内掲示してございますし、あとは、その市町村の広報等を利用して、地域の住民の皆様にお知らせしているところでございます。
〇及川幸子委員 そういう告知はあるわけですけれども、それは、気をつけないとわからないということですよね。通われている患者さんに対して、看護師から、この先生は近々どこかに移りますとかという告知はないんですか。
〇佐藤医事企画課総括課長 全てが同じ対応かどうかはちょっと把握しかねるんですけれども、そういった看護師からお知らせというかお話がある場合もあるでしょうし、実際、初めての患者さんとかには、なかなかそこまで言っていないのが実情かもしれません。そこは推測なのではっきりしたことは答えられないんですけれども、済みませんが。
〇及川幸子委員 やっぱりそういうところをはっきりしていただかないと、初めはよかろうで、あと悪かろうじゃ、全然だめです。
 局長、最後にお聞きしますけれども、一体この県立病院の計画は、胆沢病院も含めて、随分北上市の中部病院に吸収されて、あの部分を大きくしようとなさっているやに見られますが、いかがでしょうか。その計画について最後にお伺いして、終わります。
〇遠藤医療局長 胆沢病院のお話がございまして、基本的には、やはり医師不足というのがございまして、胆沢病院は産婦人科も以前はあったのですけれども、やはり産婦人科医、小児科医とか、そういったものが不足している中で、周産期医療の関係でセンター化というのが、これは県全体の政策の中で進められてきたところでございます。そういったところを中部病院がエリアとしてカバーしていくという役割分担のような形で進められております。
 それから、何も中部病院だけに人を寄せているとか、そういう考え方は基本的にございませんで、この間、胆沢病院の脳外科の関係も、医師不足の中で磐井病院への集約という形のものが進められたりしておりまして、確かに委員おっしゃるとおり、地元胆沢地区のほうからすると、何か胆沢病院が減らされているような印象を持たれるというのは大変不徳のいたすところでございますけれども、基本的に、役割分担をそれぞれ持ちながら、いずれ県全体の中で適切な医療が提供できるような形で運営してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 まず、平成23年度決算の経営の状況に関して申し上げますと、先ほど工藤勝子委員も言及されておりましたけれども、東日本大震災の影響でいろいろ御努力、大変な御苦労もあったようですが、一方で経営努力を重ねられて、事業収益11億7、950万円余増加させたという、その経営努力については多といたしたいと思っております。
 その中で、一刻も早く被災した病院の再建に集中していただきたいということと、あとは、この審査の後に集中審査がありますけれども、まだ課題として残っている、地域診療センター化され無床化になったところの今後の対応についての具体の取り組み、この方向にしっかり取り組んでいただきたいということを冒頭申し上げておきたいと思います。
 質問でありますが、医師の関係できょうも各委員から質問が出されております。先ほど及川幸子委員から、即戦力医師の招聘については、平成24年度24人ということで御努力されたということは伺っているところでありますが、臨床研修医について私から伺いたいと思います。
 頂戴しております議会資料で、医師のほうについては、平成22年度が758人、23年度が773人ということで、努力が少しずつ実っているなという認識をしておりますが、その中で、臨床研修医、きょうは保健福祉部の審査では県全体という話だったと思うんで、県立病院として臨床研修医についての実績がどうなっているかお聞かせいただきたいと思いますし、いろいろな臨床研修医の皆さんに来ていただくための努力もしていると思うので、そういう内容についてもお知らせいただきたいと思います。
〇千葉医師支援推進監 県立病院における臨床研修医でございます。今年度の採用数でございますが、55名となってございます。昨年度は採用数48名ということでございましたので、7名ほど増加しているところでございます。必修化されました平成16年度から8年間の平均をとってみますと48.8名ということになってございましたので、昨年度は比較的多い年となってございます。
 努力といいますか取り組みでございますが、特にも課題とすれば沿岸地域です。どうしても地域的な事情あるいは医師の都会志向ということもございまして、なかなか十分な確保ができないという状況がありまして、今、県内12の臨床研修病院がございますが、それぞれの強みを生かした、いわゆるたすきがけ研修というものを全国に先駆けて実施してございます。例えばさっき委員からも出ましたけれども、診療科の問題もございますので、相互補完を図る体制を整備してきているところでございます。
 また、県外の学生に対して、まずは見てもらおうということで、見学の積極的な誘致を図っているところでございます。
 また、被災地でのいわゆる風評的な被害を避けるためにも、東海北陸厚生局と共同しまして、岩手県における地域医療研修被災地研修プログラム運用モデルというものを積極的に受け入れてございまして、こうした中で、他県に先駆けて本県の取り組み、臨床研修のさらなる充実、アピールをしているところでございます。
〇及川あつし委員 きょうは時間が余りありませんので質問の趣旨を申し上げますと、いずれ臨床研修医にいかに来ていただけるか、あと、即戦力医師にどう来てもらえるか、そして定着するためにということで、我々も提案してきましたけれども、川上医師支援推進室長がいらっしゃいますが、思い切ってもっと予算をつけるぐらいの腹を持ってやっても私はいいんだと思います。それは県民にとっても大変に重大な課題でもあるし、そういう点については議会としても是とすると私は認識しておりますので、さらに思い切ったことをやっていただいて、努力が着実に実ってきているというのは我々も認識していますので、さらに頑張っていただきたいと思っております。
 次に、看護師についてでありますが、看護師の数についても、いわゆる7対1看護の体制を整えつつあって、上位施設基準を取得したということだと理解しているところであります。
 看護師の数につきましても、そういう諸般の周辺環境の変化も含めて、平成23年度は3、498名、大分御苦労されて、看護師についても何とかここまで来ている。まだまだ足りないという認識を私は持っておりますが、ここまで来ているなと思っております。
 これは、昨年、議員連盟でお邪魔した際もいろいろ現地でもお尋ねしたのですが、やっぱり看護師がどんどん県外に流出してしまっている。この現状に対して県立病院としても一定の具体的な対策を講じないといけない。具体的には、待遇、あとは職場の福利厚生、あとは採用段階の、首都圏のほうがどうしても学生に対するアプローチが早いというような現状もあるので、ここについては負けないでやっていただきたいと思っているのですが、県立病院の中に関する看護師の現状、課題等についてお示しいただきたいと思います。
〇菊池職員課総括課長 看護職員の確保につきましてでございます。
 現状では、一定の競争倍率を確保できているところでございますけれども、近年の医療局職員採用試験の看護師及び助産師の受験者数は減少しているという状況にございます。
 また、国と県が策定しました平成22年の第7次看護職員需給見通しにおきまして、今後、県内の看護職員数は、需要に対して供給不足が続くことが見込まれているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、採用活動でございますが、看護職員就職説明会を医療局独自で開催し、業務内容あるいは職員生活につきましての説明を加え、看護職員の教育体系や具体的な看護実践につきまして、病院看護職員とのフリートークを設定するなど、魅力を伝えるとともに、身近に感じられる工夫などを行ってきたところでございます。
 また、職員募集パンフレットを作成しまして看護職員養成施設に配布しているほか、岩手県立大学や県立高等看護学院を初めとする看護職員養成施設での就職説明会に参加し、PRに努めているところでございます。
 それから、処遇についてでございますが、全国の看護職員の給料水準との比較でございますが、中央社会保険医療協議会で行っている医療経済実態調査によりますと、平成23年6月の全国の一般病院─1、561施設でございますが─におけます看護師の平均給与月額と賞与の合計額では42万円程度に対しまして、平成23年度決算ベースでは、県立病院看護師の平均給料月額と期末勤勉手当を含む手当額との合計額は46万円となっておりまして、4万円ほど県立病院が上回っているというデータもございます。年齢とか経験年数がございますので一概に比較できないわけですけれども、いずれそういうデータもございます。
〇及川あつし委員 いずれ質問の趣旨は、需給状況が年々厳しくなっていく状況ですし、非常に変化が速い現状があるようでありますので、おくれないようにしっかり対策をとっていただきたいという趣旨であります。
 引き続き、看護師の関係で伺いますが、認定看護師、認定看護管理者とかいろいろ聞きたいんですけれども、きょうは認定看護師の関係について伺いたいと思います。
 この医療の分野については言葉遣いが非常に難しいので誤らないようにやりたいわけですが、認定看護師については、とにかく看護師として水準の高い実践のできる方を養成していくということだと思うんですが、結果として、今の医師が足りない中で、補完という言葉もよくないと思うので、いろいろ連携をとって今の不足している医療資源に寄与するということで、私は、この認定看護師とか、専門看護師とか、認定看護管理者というのは非常に大事な分野だし、一生懸命皆さん御努力されているけれども、なかなか医師がふえていない現状の中では、この認定看護師という側面からも体制を強化する必要があるなということでお伺いしたいと思います。
 いただいております決算資料の中で、医師以外の職員の研修ということでさまざまやられているようであります。認定看護師の教育云々等ありますけれども、県立病院として、認定看護師というのをどういうふうに今位置づけて養成されようとしているのか、認定看護師についての基本的な認識と今後の対応の具体をお示しいただければと思います。
〇菅原業務支援課総括課長 認定看護師の現状と育成についてでございますが、認定看護師につきましては、当県立病院におきましても、特定の看護分野において熟達した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践を行う、あわせて他の看護職員のケア技術向上に対しての指導を行うということで、平成15年度から養成してまいったところでございます。
 現在、15の看護分野で53名が認定看護師の資格を取得して、各現場で看護の実践に取り組んでおります。
 認定看護師の資格取得に向けましては、今年度12名を専門教育機関に医療局が公費で派遣いたしまして、そのほか、来年度は8名の派遣を予定しているところでございます。
 認定看護師は、それぞれの看護分野におきまして、医師や薬剤師などの他の医療技術職員と協力、連携しながら活動しておりまして、質の高い医療の提供に大きな役割を果たしていると感じております。
 なお、今後におきましても、病院に求められている医療安全の確保や患者のQOL等の向上を図るために、優先して養成する看護分野や配置必要数の長期的な計画についても順次検討して、計画的に養成していきたいと考えております。
〇及川あつし委員 ありがとうございます。
 今の御答弁で15分野にいらっしゃるということですが、たしか認定の看護分野は21あるかと思うのですが、つまり六つの専門分野の認定看護師がいないということだと理解しますが、これについてはなぜなのでしょうか。
 あと、今後、21分野全てにおいて認定看護師を養成する計画があるのかどうかについても、再度お尋ねしたいと思います。
〇菅原業務支援課総括課長 委員御指摘のとおり、六つの分野でまだということになります。具体的に言いますと、不妊症看護、小児救急看護、認知症看護、あとはがん放射線療法看護、新生児集中ケア等々ということでございますが、いずれ、この分野に関しましても、引き続き養成といいますかそういう形で進めていきたいと思います。
 一つ足りませんでしたね。訪問看護があります。
〇及川あつし委員 この質問の趣旨は、いずれ冒頭申し上げましたけれども、結果として、今本当に厳しい状況の中で、いろいろな形で皆さんやっているけれども、この分野もやらないと全体として体制が厳しくなってくると思うので、まだ認定看護師のいない6分野についても、可及的速やかにやっていただけるように。
 この分野についても思い切ってやっていただかないと、私もいろいろ聞いてびっくりしたんですが、かなりこの認定を受けるまで、600時間以上ですか、教育を受けるとか、5年以上の経験をした後に、この認定を受けるためには、やっぱり勤務している医療機関からの十二分なサポートがないとこの認定というのは取れないと聞いておりますので、この点についても来年度以降しっかり早急に取り組んでいただきますようにお願いしたいと思います。
 最後になりますが、この後の集中審査にも関係してきますので、現状について、概略で結構でありますのでお知らせいただきたいのは、いずれこれまでの経過で、地域診療センター化し無床化したところが、紫波、住田、大迫、沼宮内、九戸などあるわけですが、現状どうなっていて、これからの見込みが立っているものがあるのであれば、その点について、概要で結構ですのでお知らせいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 地域診療センターの民間移管の動きという理解でよろしいでしょうか。
 今、お話を聞いてございますのは、沼宮内の地域診療センターで、岩手町が地元の民間病院とそういうお話を進めているということはございますが、それ以外の地域診療センターにおきましては、民間移管という話は今のところございません。
〇及川あつし委員 最後にします。いずれ、課題として残っているということでよろしいですか。その点だけ最後確認して、質問を終わりたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 いわゆる岩手町でそういう御検討をなされているということですので、今後、民間移管があり得るかということは、予想されるところでございます。
〇及川あつし委員 私がお伺いしているのは、今の答弁でだめなのは、結局今申し上げた地域診療センター化したところについては、このまま県営でしっかりキープしていくという方針があるのであれば今の皆さんの答弁でいいと思うけれども、これまで、民間移管とかさまざまな方法も含めて課題としてあるよと我々に説明してこられました。なので、今申し上げた地域診療センター化したこれらのところについては、課題があるという認識でいいですかということで確認を求めたいと思います。
〇遠藤医療局長 地域診療センターは、有床診療所から、医師不足の中で、医師の負担軽減ということで病床を休止してきたという経緯がございます。一方、それぞれの地域におきましては、無床化後におきましても、やはり身近なところに入院ベッドが欲しいという声は依然として地域にはございます。
 したがいまして、そういった地域の声とか、あるいは地域での考え方というものを踏まえながら、基本は、花泉地域診療センターを民間移管したときも同様でございますけれども、やはり地域のほうで、ぜひ民間でもよろしいからそういう形にしてほしい、あるいはそういった動きもあるとかといった状況があれば、他の施設においても、そういった地域のことに応えるような方法は検討していく必要があるだろうと考えております。委員の御指摘からすれば、それを課題という捉え方をすれば、そういう捉え方となろうかと思います。
〇及川あつし委員 最後、これだけ確認しますね。
 では、地域のほうからいろいろなリクエストが来なければ、県営医療として守っていくというのが基本方針だということでいいんですか。
〇遠藤医療局長 今回の無床化を含めたものは、平成21年から始まりました新しい経営計画の中で議論してきたという経緯がございます。これは5カ年の計画でございまして、次の経営計画につきましては、また平成26年度からということで、今年度後半から策定作業に入っていくということでございますので、現時点でその方向性まで申し上げるのはいかがかと思いますが、いずれ、いろいろな地域の声を踏まえながら対応していくことになろうかと思います。
〇嵯峨壱朗委員 今の議論で、大分収支が改善されてきたという、それについては非常にいい方向だなと思っておりました。先ほど特別損失の話がありました。震災に伴った施設の除却の部分がそうなっているということでしたけれども、その点、決算の数字的なものを、多分わかると思うのでお聞かせ願いたいのですが、固定資産がありますよね。平成22年度が1、401億9、000万円、23年度は1、343億円と約60億円程度の減額になっていますね。これは、もしかしたら平成22年度の震災を受けての建物の部分ですよね。去年にやるのかなと思って見ていたら、そうでもないんだなと。そういう理解であればですね。
 そして、一方で、去年が医療器械は大分資産が減っていますけれども、これは、もしかしたら震災で流されたのかなと思って見て、そういった理解でいいのかどうか。
 18ページかな。審査意見書で見ればわかる。わかりますか。
〇遠藤医療局長 今の委員の御指摘は、特別損失が昨年とことしで除却差のところに……(嵯峨壱朗委員「じゃ、説明しますから」と呼ぶ)失礼しました。
〇嵯峨壱朗委員 特別損失の関係で固定資産に動きがあったんだと思う。それで見ると、去年も大幅に特別損失されているんですけれども、この資産の動きを見ていると、平成22年度は建物部分が対前年よりふえているわけですね。にもかかわらず平成23年度が60億円程度減っているということは、震災は平成22年度の3月にあったわけだから、その時点でもう価値がなくなっているのではないかと思う。それを、本来であれば22年度に載せるのかなと思って見ていたんですけれども、これで見ると23年度の中で載せている、そういうふうに理解していいのでしょうかということです。
〇熊谷経営管理課総括課長 病院建物の本体の除却につきましては、平成23年度に行ってございますので、そういう御理解でよろしいです。
〇嵯峨壱朗委員 じゃ、考え方としてですけれども、平成22年度で震災があってなくなったわけですよね、実際ね。だから、平成22年度の決算に出てくるのかなと思って、これを見てそう思ったんです。一方で、医療器械については、平成22年度の決算で除却しているというか、減らしていますよね。その考え方の違いをちょっとお聞かせ願えればと思います。
〇遠藤医療局長 被災した病院につきましては、医療機器関係は平成22年度に特別損失で除却しておりまして、建物につきましては、平成23年度に除却という形の会計処理をしている。
 今の委員の御指摘は、被災しているんだから、平成22年に合わせてどっちかで一緒にやるのが本筋じゃないかという趣旨のお尋ねかと思いますけれども、医療器械につきましては、海水をかぶってもう全く使えない状況ですので、それはそのまま除却したということでございます。それから、建物については、タ資フは残っておりましたので、従来、建物を取り壊しするときに除却するという形の処理をしてきたところでございます。
 平成23年度、ちょっとまだ工事のほうは結局繰り越しになっているんですけれども、いわゆる瓦れき処理の市町村事業の中で建物の部分について取り壊しするという形の意思決定をいたしまして、市町のほうにそういう委託をしていた関係で、平成23年度に除却処理をしたという整理でございます。
〇嵯峨壱朗委員 そういう処理をしたということなんで、そういうものなんですね。そういうふうに理解しておきます。
 それで、特別損失が去年とことしで十数億円ずつ出てきて、これは震災に伴っての影響が大きいとなるとすれば、今年度はない可能性がある。従来どおり3億円前後の特別損失でおさまるとすれば、来年は黒字だけじゃなく、純損失も解消されるのではないかと思ったりするんですけれども、そういう捉え方でいいんですかね。
〇熊谷経営管理課総括課長 本年度、大きなそういった除却をする必要性がないとすれば、委員おっしゃるとおり、ことしの除却が15.4億円でございますので、全体での純損失が4.7億円でございますから、差し引きますと10億円ぐらいの純利益ということになろうかと思います。
 診療報酬のほうも、平成24年度に若干ではありますがプラス改定ということになっておりますので、その傾向は来年度も続くものと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 ありがとうございます。そういう方向に行けばいいなと。何かありますか。
〇遠藤医療局長 済みません、ちょっと1点だけ補足させていただきますが。先ほど被災病院と一口に申し上げたんですが、建物の除却につきましては、高田病院と大槌病院について除却しているということでございます。山田病院については、建物については、平成23年度で除却しておりません。これは、地元とのやりとりの中で、いわゆるそういう事業ではなかなか理解を得られなかったという経緯がございまして、その分は残っております。
 それから、被災病院の関係で、平成24年度の関係でそういった処理がということでございますけれども、山田病院のほうはどうするかというのがまだ決まっておりませんので、それがある程度方向性が出れば、その分の除却というものも今後生じてくる。
 それから、大東病院についても、本館部分のところを、今年度やるのか来年度やるのかというものがございますので、その部分は、震災関連で今後見込まれるということを補足させていただきます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。
 それで、この審査意見書はよくできておりまして、震災域を見れば大体のあれがわかるんですけれども、その中で、なぜそういうのを聞いたかというと、より収支をよくする上で、効率的な材料費の執行とか、さまざま経費をどうされたとかありましたが、その中で何点かに絞ってですが、沿岸を結ぶ先生方を運ぶタクシー料金、これは実態がどうなっているかということをお聞かせ願いたいと思います。
 それと一緒に、医事業務委託をして人件費等の効率化を図っているんでしょうけれども、この医療従事者以外の事務職員の状況ですか、そういったものをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 沿岸地域の基幹病院のタクシー使用の関係で説明させていただきます。
 県立病院におきましては、常勤医師不在の診療科や当直のため大学等から診療応援を得ておりまして、特に医師不足の沿岸部の病院におきましては、多くの診療応援を得ているところでございます。
 この応援を得る際の医師の移動手段につきましては、診療への影響を減らすため、また、移動の際の安全確保のため、多くが長距離のタクシー使用となってございます。
 医師の診療応援等に要しました平成23年度のタクシー利用料金総額でございます。病院ごとに申しますが、大船渡病院は3、100万円余、釜石病院は2、400万円余、宮古病院は1、800万円余、久慈病院は3、400万円余(後刻「大船渡病院は、4、600万円余、釜石病院は2、600万円余、宮古病院は4、100万円余、久慈病院が4、400万円余」と訂正)となっているところでございます。
〇佐藤医事企画課総括課長 医事業務の委託についてでございます。これは委員御指摘のとおり、業務の効率化及び経費の節減等を目的としまして平成8年度胆沢病院に導入し、現在では全病院に導入しているところでございます。
 委託料なんですが、平成23年度の委託料は全病院で12億3、400万円余となってございます。実際の配置人員はちょっとわかりかねますけれども、こちらで委託料を積算する際に人員を526名相当と積算しているわけなんですが、それを例えば自前の臨時職員とした場合、年間で30万円程度委託にしたほうが安いといいますか、年間で1億6、800万円余の経費の節減が図れていると思ってございます。さらに、526名相当を正規職員と換算しますと、年間で27億円余減少しているという状況になってございます。
〇嵯峨壱朗委員 タクシーについてですけれども、私が請求していただいた資料で見ると、大船渡病院は平成23年度4、600万円、釜石病院が2、600万円、そして宮古病院が4、100万円、久慈病院が4、400万円となっていたんですけれども、先ほど聞いたのと違うなと思って見ているんですが、決算ではこのタクシー使用料とか、今言った委託はどこに載っているのかを説明願いたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 タクシーの使用料でございますが、決算書の4ページでございますが、2の(3)経費の中に含まれてございます。
 具体的に申し上げますと、決算書の39ページをお開きいただきたいんですが、39ページの真ん中ごろに経費とありまして、その真ん中ぐらいに賃借料とございます。この賃借料、14億7、100万円余に含まれてございます。
〇佐藤医事企画課総括課長 委託につきましても同じく経費でございます。39ページの先ほどの賃借料の二つ下の委託料に入っているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 資料でもらった数字とずれるのはちょっと気にかかるんですけれども、平成23年度総額で……。
〇熊谷経営管理課総括課長 済みません。数字を間違えて読んでしまいまして、委員御指摘のとおり、平成23年度の大船渡病院のタクシーの使用料でございますが4、600万円余、それから釜石病院が2、600万円余、それから宮古病院が4、100万円余、それから久慈病院が4、400万円余となってございます。おわびして訂正させていただきます。
〇嵯峨壱朗委員 細かいことなんですけれども、今の賃借料14億7、174万円でしたよね。私がもらった資料ですと、タクシー使用料は全部計算すると1億7、326万円─いいか、入っているか、勘違いでしたね。
 いずれ、この件で何を言いたかったかというと、例えば盛岡からいろいろ病院に行くじゃないですか。そのときは例えば盛岡からのタクシー使ってもいいのかもしれないけれども、各病院から戻るときにはどうしているのかなと思ってですね。どういう契約内容になっているのか、その辺もちょっとお聞かせ願いたい。
〇熊谷経営管理課総括課長 基本的に先ほど申しましたとおり、大学等の医師に診療応援をお願いしているというところでございまして、診療応援をいただく医師が自分でタクシーを手配して、応援する病院のほうに参ります。それで、往復利用されるのか片道利用されるのかというようなところもございますが、それでかかった料金につきましては、病院のほうに請求になるというシステムになってございます。
〇嵯峨壱朗委員 それは、お医者さんが立てかえて払った領収書を持ってくるともらうと、そういうこと。
〇熊谷経営管理課総括課長 お医者さんはその場ではお金は払わずに、タクシー会社から、その額が直接病院のほうに請求が来るというものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 大変な苦労をされて来ていただいているのでとやかくは言わないですけれども(「言わないほうがいいんだ、そういうのは」と呼ぶ者あり)そういう問題じゃないんですよ、全然。結構、不明朗な面もあると言われているんです。で、地元を使ったほうが安いんじゃないかという話もあるんです。行くときはね。帰るときは。例えば、大船渡に行ったら大船渡のタクシーで行ったほうがとかという話もあるんです。この間タクシーに乗って、盛岡のタクシーの運転手に言われたんですよ。何で県立病院では、盛岡のタクシーばっかり使うんだろうって、いわゆる来るのも含めて。という話があったんで聞いているんであって。(「いいんだ」と呼ぶ者あり)いいんだじゃないって。必要だから聞いているんです。その辺も一つの例ですけれども、見直すべき点があれば見直してもらいたいなと思って言っております。
 それと、先ほど医事業務委託についてですけれども、この委託、先ほど30万円違いがあると言っていましたね。病院から見ればそうですけれども、働いている人はすごい大変だという話聞いていました。1人頭どれぐらいですか、もらっている、時給でもいいですけれども、換算すれば。
〇佐藤医事企画課総括課長 うちのほうとすれば、委託先の会社に総額をお支払いしてございますので、その会社で個々に幾ら払っているというのはこちらではちょっと把握してございません。
〇嵯峨壱朗委員 かなり安いらしいんですよね。でも、払う場合に積算するでしょう、1人頭、幾らって。ですよね。それは幾らですか。
〇佐藤医事企画課総括課長 うちのほうで積算している、先ほど230万円程度というのが大体1人当たり見込んでいる数字でございます。それには、一応会社のほうの管理料というのも含んでございますので、その辺が会社でどの程度持っているかというか、ちょっとその辺がはかりかねるところではございます。
〇嵯峨壱朗委員 なぜこれを聞いているかというのは、コストもあるけれども、待遇が悪いと。我々病院に行くじゃないですか、患者の人たちが。あの人たちは、この人ニチイの人だとかわかりませんよね。県立病院の職員だと思って接しているわけですよ。わかりますか。だから、非常に待遇が悪いそうです。もう一方の言い方すると、正職員の方々は稼がないと言っていますね。定時ですぐ帰っていくと、こんなに忙しいのに。残業ばんばんやって。そういったことが接遇とか対応に対して影響が必ず出てくると思う。だから今みたいな話じゃなくて、実際にどれだけお金がその人たちに払われているかというところまで、単なる委託じゃなくて、効率がよければいいじゃなくて、トータルにはね返ってきますから。そういった視点でやるべきだと思うんですが、どうでしょう。
〇佐藤医事企画課総括課長 会社の実情といいますか、うちのほうで踏み込める部分がどこまでできるのかというのはちょっとなかなか難しいとは思いますけれども、患者からしてみれば、職員であっても委託職員であっても、いずれ病院職員ということでございますので、職員と委託職員、委託というか、いずれ病院内の全ての職員が一丸となって、そういった接遇とか患者さんに余り不快な思いをさせないように努めてまいりたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 私がもらった資料で言うと、この人数も決算の資料と合わないけれども、医事経営課職員数157人、そして委託している積算人員、先ほどおっしゃられた526人、頼んでいるほうがはるかに多いわけですね。そして今言ったとおり、しかも委託業者というのはほとんどニチイ学館です、これを見ると。私はよくわからんけれども、内容はわからないけれども、委託先がどうやっているか、それは無責任でしょう。どういう実態になっているかというのを把握していないと。さっきも言ったとおり、患者から見れば、全てが県立病院の職員なわけですよ。県職員に見ていますよ、恐らく。必ず影響が出ていますよ。もっとその辺は深刻にというか、考えたほうがいいと思う。指摘しておきます。局長に見解を求めます。
〇遠藤医療局長 医事系業務のアウトソーシングにつきましては、職員人件費の給与費比率を抑えるといった経営的な観点、そういったところとか、いろんな観点から進めてきたところでございます。それで、委員御指摘のとおり、病院に入れば委託の職員だ、うちの職員だというのは全く関係ない話でございまして、そういう意味におきましては、御指摘のとおり区分けなく、そういったきちっとした接遇ができるような形で、そこはうちの職員も襟を正しながら、そういうところは努めてまいりたいと考えております。
 それから、確かに、実際に現場のほうにおきましては、処遇の面もあるかもしれませんけれども、かわるとか、なかなか長期にいていただけない、会社側のほうの、そういったいろんな事情もございまして、私どもとしてもできるだけそういった専門的な知識がある方ということで委託をしておりますので、それが処遇面が根本的な原因なのか、あるいは会社の中での教育の仕方というか、そういうところに課題があるのか、その辺についてもいろいろ現場でも課題になっておりますので、委員御指摘も踏まえて対応してまいりたいと思っております。
〇小野共委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後5時42分 休 憩
午後6時3分 再開
〇岩崎友一副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 なお、医療局関係の審査終了後、花泉診療所の事案を審査することとしておりましたが、その席割りの一部に誤りがあり、差しかえ後の席割りをお手元に配付しておりましたので、御了承願います。
〇郷右近浩委員 もう大分いい時間になってまいりましたので、私からも簡潔に質問させていただきたいと思います。
 先ほど来工藤勝子委員の質問から始まりまして、その中で県立病院会計につきましては9億7、000万円ほどの利益ということで、特別損失を計上した中で最終的には赤字という形になりましたけれども、平成23年度という去年の大変なときにこのような利益を出したことにつきましては、私自身、敬意を表するものであります。そうした中ではありますけれども、工藤勝子委員も取り上げておりましたが、未収金について私も若干重複しない中で質問させていただきたいと思います。
 未収金が発生する主な原因としまして、答弁の中で、払えるのに払わないといったような状況、そしてまたさらには経済的事情という説明がございました。その点につきましてでございますけれども、ほかにはどのような原因等があるか。あるようでしたら御答弁いただきたいと思いますし、さらに私自身、経済的事情という中においては、現在の経済環境下においてはさらにふえていく危惧があると考えるものでありますけれども、その点につきましてどのように医療局としては考えておるのか、お示しいただきたいと思います。
〇佐藤医事企画課総括課長 その増加要因についてでございますけれども、委員おっしゃいましたとおり、そういった悪質な方とか経済の状況ということもございますし、あと、さらには健康保険法の従前の老人保健法とか、患者の一部負担金が定額から1割なり2割負担に変わったとか、あと、健康保険法の改正によりまして、医療保険、本人、家族、あとは退職者国保等が2割から3割負担に変わったということで、そもそもの患者の一部負担金が増加しているということも考えられます。
 あと、昨年度につきましては、震災後ということもありまして督促等を行わなかった時期もございますので、ここ数年、若干増加はしているものの、昨年度は増加率は多少減少していましたので、その点ちょっと昨年度はそういったこともあって、若干増加率が上がったということがございます。
 未収金の今後についてでございますけれども、いずれ増加率は減少しているとは言いつつも、毎年増加してございますので、我々とすれば発生防止、いろんな公費の制度の説明なりをした発生防止、あるいはそういった公費負担とかの制度の活用等支払い方法、先ほど申し上げたクレジットなり口座振替とか、そういった患者さんの利便性の向上とともに、あとは先ほど局長のほうから御説明しましたけれども、債権回収を業務委託して、何とか未収金の回収に努力してまいりたいと考えてございます。
〇郷右近浩委員 この間、確かに毎年、平成10年度ぐらいから数えても、ずっととにかくふえ続けているという中にあって、昨年につきましてはそのとおり、被災した方々に請求書を送らないといったようなこともあったということで、その部分につきましてはすばらしい配慮かなという部分も感じながらお聞かせいただきました。
 そうしたときに、先ほど9億7、000万円の利益、本当にすばらしい、頑張った結果だというようなお話をさせていただきましたが、そうした中でですけれども、さまざまな未収金であったり、またその他の負担が重い部分がある。そうすると、今の健全経営化になってきた部分が、どうしてもまた大変なことになってくる。またさらに、これから県立病院のそれぞれの再建等がかかってくる中にあって、今の営業のいい形の部分をきちんとずっと継続していっていただきたいと思うわけなんですけれども、そうした中で、消費税がこの病院収入の8割を占める入院外来収入のほとんどに医療保険が適用になっている中で、非課税売り上げとなっているという中にあっても、しかしながら、消費税部分に関してどうしても払わなければいけないものがあるといったようなものがどうしても支出として出てしまうという部分について、この消費税の平成23年度分の負担額は幾らになっているかお伺いしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 平成23年度の県立病院等事業におけます仕入れ控除できない消費税の負担額でございますが、15億4、000万円余となってございます。これに加えまして、固定資産の取得において負担しました消費税を後年度に繰り延べて費用処理する繰延勘定償却というものがございまして、その償却額が2億4、500万円余でございまして、平成23年度決算におけます支出での消費税の負担額は合計17億8、600万円余となっているところでございます。
〇郷右近浩委員 本当に大きな負担となっております。やっと9億7、000万円の黒字を出している中にあって、全部吹っ飛んでしまうような金額になっております。ただ、一部においては、仕入れ控除できないような消費税分については一般会計から繰り入れている部分もあるということでは私自身も理解しておりますけれども、それにつきましても、やはりこの消費税の影響というのは大きいものだなと思っています。
 その中でありますけれども、今後、平成26年4月に8%、そして平成27年10月に10%という今の消費税上げという状況に至っては、私自身はそうならないように何とかしたいなと思っているんですけれども、そうしたような状況を迎えていくというのが想定されるとするならば、その中で消費税が上がった場合の影響額をどのように医療局としては試算しているのか、お伺いしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 増税による影響額でございます。消費税率引き上げによります影響額について正確に把握することはちょっと困難でございますが、仕入れ控除できない消費税等収益的収支において生じる消費税負担額は、8%ではおおよそ平成23年度の1.6倍の24億6、300万円余、10%では2倍の30億3、100万円余になるものと試算してございます。
〇郷右近浩委員 確かに単純に計算すればいいだけと言えばそのとおりなんですけれども、そのとおりの24億円、そして30億円といったような額になっていくといったことで、これ自体が本当にこれから病院の再建に向かっていかなければいけない、県立病院会計にとって本当に大変なことではないかなと危惧しているものであります。
 それでなんですけれども、これまで消費税のアップ3%、そして5%と導入されてきたときに、診療報酬の引き上げを行って、そして幾らかその部分について埋めるといったようなことが行われてきたと思うんですが、過去には十分にそこら辺のものは行われてきたんでしょうか。その点についてお伺いします。
〇熊谷経営管理課総括課長 これまで、平成元年の消費税導入時及び平成9年の税率改定時には、医療機関の税負担を緩和するためといたしまして、それぞれ診療報酬及び薬価基準の引き上げが行われてきたところでございます。ただ、事業規模の大きい、私ども医療局について申し上げますと、いずれの年度におきましても、税負担の増加が診療報酬の改定を上回っているというような状況にあると推計しているところでございます。
〇郷右近浩委員 となれば、今後、県病院の再建に向かっていく中で、本当に足を引っ張ることになりかねないということを危惧するものであります。
 そこでなんですけれども、この診療報酬が引き上げられる。引き上げが十分に行われないという御答弁を今いただきましたけれども、しかしながら、逆に言うと、診療報酬が引き上げられれば引き上げられるほど、今度は患者負担が大きくなって、そして、それこそ未収金のほうにもしかすると影響が出てくるのではないかということをさらにまた危惧するわけであります。
 またさらには、被災地の地域医療に対して、県立病院会計ではありますけれども、それぞれの地域の病院についても非常に影響が大き過ぎると思うわけでありますが、その点につきまして御所見をお伺いしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 平成26年度から順次引き上げとなる消費税の負担は、今後、被災した病院の再建を進めていかなければならない私ども県立病院等事業におきまして、より多額の消費税を負担することによる経営への影響が懸念されるところでございます。私どももそうですが、やはり沿岸地区にございます公立病院、そういったところでも同じような問題は内在しているものと推測しているところでございます。
〇郷右近浩委員 今、沿岸地区の公立病院という話をいただきました。まさに沿岸地域に対してはそのとおりだと思いますし、また、内陸でも、私も奥州市水沢の人間でありますけれども、水沢病院が先日以来というか、やっと黒字化したということがあります。これにつきましては、訪問診療であり、そうしたようなことをやっていく中で、何とか黒字化にこぎつけたといったような、しかしながら、そのまた黒字化といっても健全経営というか、そうした中では微々たるものであって、その中については本当に消費税が上がったことに対する負担というのは非常に大きな問題があると感じております。
 そこでなんですけれども、医療局につきましては、今後のこの動きに対して、消費税の引き上げの影響等に対して、県医療局として国に対して十分な、例えば診療報酬の引き上げというのは果たしていいものかどうか、また、さらには消費税の負担の軽減等を求める働きかけをすべきと思いますが、その対応についての考え方をお伺いしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 先ほど申し上げましたとおり、消費税率の改定によりまして、より多額の消費税を負担することによる経営への影響が懸念されますことから、全国自治体病院開設者協議会といったような医療機関の全国団体等を通じまして、消費税の病院負担を解消するための対策を講じるよう、国に対し要望を行っているところでございます。
 今後とも、関係機関と連携しながら、国に対して働きかけていく考えでございます。
〇高橋孝眞委員 県立病院の遊休資産からお聞きします。
 平成23年3月8日に公表されました県の監査において、旧花巻厚生病院、旧北上病院について、有効活用または処分方針の作成及び実行に努められたいと指摘をされております。当時は、検討中となっておりますが、現時点では策定しているのかしていないのか、いるかいないかだけで答えていただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 現在も検討中でございます。
〇高橋孝眞委員 この監査指摘に対しまして、指摘を受けていることに対して、どのように考えているかということについて伺いたいと思います。
 今回の平成23年度の指摘事項、個別的指摘事項で、医療局としましては11件の項目がありまして、病院では10件がございますが、医療局自体に対して1件あります。その中で、財産管理の事務処理に当たり、不動産管理簿が整理されていないことから、適正な事務の執行に努められたい。次から重要な事項なのでありますけれども、なお、前年度の監査の結果、指摘事項であったにもかかわらず改善が認められなかったものであり、組織的な改善努力を怠ったことに起因すると認めざるを得ないことから、早急な改善に努められたいと指摘を受けているわけでありますけれども、監査指摘に対しましてどのように考えているかについてお伺いしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 監査の指摘をいただきました財産管理の関係ですが、これは不動産管理簿と申しまして、医療局の固定資産、不動産を管理している帳票なんですが、いわゆるシステム管理をしているんですが、そのシステムを組むいわゆるミスがございまして、それで昨年度の監査で指摘されたんですが、そこの部分は修正をしたんですが、その修正がうまく反映されてございませんで、今年度の部分でも完全に直っていないという部分につきまして監査からの指摘を受けたところでございます。監査のほうからいただいた指摘につきましては重く受けとめてございまして、本年度、正しいシステムの運用ができるよう、改修工事を今行っているところでございます。
〇高橋孝眞委員 回答はだらだら要りませんので、お願いします。
 旧北上病院でありますけれども、北上市からは、現在残されている建物は防災上の問題が危惧されていることから、安全面の確保等を図り、景観にも配慮した対応として施設の管理に万全を期すとともに、早期の解体あるいは有効活用を図ってほしいとの要望が県に出されているところであります。指摘事項に対しまして、監査への回答についてはいつまでにしようとしているのか、また、この場所を更地にすることによる障害は何かを伺います。
〇熊谷経営管理課総括課長 更地にすることに対する課題というところでございますが、やはり病院施設を解体するということになりますと解体費用がかかる。それから、まだ起債償還が全て完了していないというようなところがございまして、こちらを処分するとなると経営に与える影響が大きいということで、なかなか早急に建物を解体することは困難な状況にございます。ただ、北上市のほうからもそういった要請をいただいてございます。基本的には、市町村での活用をお願いしてございましたが、市のほうからは、跡地の活用計画はないと伺ってございますので、次は民間への売却も視野に入れながら検討していく必要があると考えてございますが、そうした場合でも、まちづくりの観点から地元市と連携いたしまして、有効な活用策を検討してまいりたいと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 いつまでに回答するのかと聞いたわけですので、そちらのほうで本当は回答してほしいわけです。
 監査のほうは、一度指摘をすると、検討中であれば回答する必要はないということで見ないんだそうですよ。それではおかしいわけでありますので、ぜひ、いつまでに回答するかということを教えていただきたいと思いますが、それは次にしまして、監査意見にもありますけれども、公営企業の会計基準が半世紀ぶりに見直され、平成26年4月から新しい基準が適用されることになります。このことにより、経営の透明性が増すとともに、民間企業との比較も容易になるなど、効果に期待をしているところであります。新しい会計基準となりますと、減損会計が求められます。これら遊休資産が含み損として処理の対象になります。グルーピングをしまして逃れる方法もないわけではありませんけれども、根本的な解決策にはならないわけでありまして、県内経済活性化のためにも、旧県立病院跡地は建物解体の上、更地として早期活用を図るべきと思いますけれども、どのように考えますか、伺います。
〇熊谷経営管理課総括課長 減損会計につきましては、減損の兆候があると判定した場合に、将来キャッシュフローを算定して帳簿価格と回収可能価格の差額を損失計上することになりますが、まだその適用方法について精査中でございますので、今後、具体的に検討していくことになります。
 いずれ、平成26年度からの適用に向けて、適切に対処してまいりたいと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 利用しないで、何もしないでこれから考えますというのは、減損会計の対象にならないというような回答はおかしいわけですから、そんな回答はしないほうがいいのではないかと私は思いますけれども、いずれ減損会計、今度の会計基準になりますと、もう一点は、職員の退職給与引当金の関係につきましても、引き当てをされなければいけないとなるわけですけれども、現時点で引き当ては幾らになると計算しているのか、お願いをいたします。
〇熊谷経営管理課総括課長 退職給付引当金は平成26年度から引き当てというのが義務化されるわけでございますが、現時点での所要額は精査中でございますが、平成21年度に一度試算してございます。平成20年度末の在職職員が全員退職すると仮定した場合の退職手当の額ということで試算したものでございますが、その額は285億円余となってございます。
〇高橋孝眞委員 会計基準が変更になりますと、決算時点で金額は確定する必要があるわけですよ。そういう意味合いで、過去の数字を話すのではなくて、きちっと整理をして今後対応すべきではないかと思います。
 いずれ、退職給与引当金につきましても、15年間で均等に引き当てをするという方法もあるわけですから、それらについては今後検討するということで、それはそれで私はよろしいのだと思います。ただ、県立病院事業会計が平成22年度、平成23年度決算において、経常収支は黒字ということでありますけれども、累積欠損金が205億円になっております。非常に厳しい経営を続けており、さらに会計基準の見直しによって相当悪化することが見込まれます。このような中、県民ニーズが高い地域医療の中核を担う県立病院等事業の経営が苦境に立たされるのであれば、今のうちから、一般会計に対して大幅な財政的支援を要請すべきであると考えるものであります。そのためには、さらなる経営の改善も図るべきでありますし、また、医療の電子化とシステム開発も急ぐ必要があります。これらについてどのように考えているか伺いまして、質問を終わります。
〇熊谷経営管理課総括課長 一般会計への支援要請についてでございます。
 一般会計からの繰出金は、地方公営企業法第17条の2におきまして、看護師養成所運営費や救急医療運営費など、その性質上、当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費のほか、高度医療費、企業債元利償還金などのように、地方公営企業の性質上効率的な運営を行っても、なお、その経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費とされてございまして、一般会計の負担を限定的に義務づけてございます。
 お尋ねのありました退職給与引当金等につきましては、国からは見合う現金の有無にかかわらず、引当金を計上するよう示されているところでございまして、必ずしも、現金での積み立てが義務づけされているものではないことから、直ちに一般会計の支援が必要となるものではないものと理解してございます。
〇久保孝喜委員 私からも通告2点をしておりましたが、今の高橋孝眞委員からお話しのあった跡地利用の問題を含めて、こっちのほうを最初にさせていただきたいと思いますが、おおむね医療局としての姿勢は先ほどの回答で承知をしたところですけれども、何点かお尋ねをいたします。
 民間売却もいよいよ視野に入れて検討をしていかなくてはいけないという姿勢が示されたところですが、そこにかかわってどういう手順というものが想定されているのか。一般論なら一般論でも構いませんが、そこをまず説明をしていただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 病院跡地の活用または処分する場合におきましては、原則として県の他部局での活用、その次に、県で活用予定がないということであれば地元市町村での活用、地元市町村での活用の見込みがないということであれば、民間への売却という順で検討することとしてございます。
〇久保孝喜委員 民間売却にかかわる今後の手順ということをお聞きしたつもりだったんですが、そういう姿勢が示されただけでまだ全く五里霧中ということなのか、その辺も含めて御説明をいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 民間のほうから具体的なお話があるかどうかというところもあろうかと思いますが、基本的には、今ございます跡地活用の検討が必要なのが旧南光病院、旧北上病院、それから旧花巻厚生病院でございますが、こちらにつきましては市の中心部にございますことから、まちづくりの観点から民間に売却という形になるとしても、地元市と連携してどういったところに活用していただくのがいいのか、その辺のところを市町村のほうともよく協議して進めていく必要があると思ってございます。
〇久保孝喜委員 今お話しあったように、私の地元の北上病院の跡地は、周辺に最近レジャー施設とかショッピングの大型店などがあったりして、かなり人の動きが大きくなっているエリアなわけですね。したがって、そういうところに、広大な敷地に無人の建物があって、かなり大きく目立ってしまっているわけですね。しかも、駐車場には草が生え、フェンスには蔦がはい、外壁は汚れているという実態がありますので、ぜひとも、まちづくりを含めた協議というのをスピードアップをしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 それでは、次に通告をしておりました、きょうの議論でも、昨年の大震災以後の医療局の対応、あるいは医療資源をどうやって回復をさせていくのかを含めた議論がほぼ続いてきたわけですが、そのことに鑑みて、医療局として、今回の震災対応などについての検証というのをどのように考えているのか。この後、例の花泉事案の検証もございますけれども、震災にかかわっての医療局としての対応検証というものについてこれまでどのように取り組んできたのか、まとめてお聞きしますが、教訓や対策というものをどうまとめていこうとしているかの、この辺をまずお聞きをしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 震災の検証というお尋ねでございます。
 今回の震災におけます教訓や課題を県の地域防災計画に反映することを目的といたしまして、昨年度、県において、東日本大震災津波に係る災害対応の検証が行われたところでございます。この中で、医療局としても、医療活動を中心とした課題の抽出、今後の改善策の検討など、そういった部分に参画いたしましたほか、医療局内部でございますが、全病院長会議や内陸部と沿岸部の病院幹部職員等で構成する検討会におきまして、災害対応の検証や今後の連携体制等についての検討を行ってきたところでございます。
 教訓、対策ということでございますが、震災時、県立病院におきましては、県立病院間のネットワークを生かした協力や応援など、現場の判断によりおおむね適切に対応できたものと認識しているところでございますが、全病院長会議等諸会議を通じまして、拠点となる医療関係機関に災害に強い通信手段が不足していたこと、非常用自家発電機の発電量及び燃料が不足していたこと、DMATの装備等に不足があったことなど、ハード面の課題が挙げられましたほか、患者の搬送や受け入れに係る調整、病院間の応援等の連携において、さらに改善を要する面も指摘されたところでございます。
 こうした課題に対応するため、県立病院への衛星携帯電話の追加配備、非常用自家発電設備の更新整備、DMATの装備強化に順次着手しているところでございます。このほか、災害時におけます県立病院の初期対応や病院間の連携等について、現在、検討を行っている県立病院防災マニュアルの見直しに反映することとしているところでございます。
〇久保孝喜委員 今、答弁のありました県がつくった検証報告書、ことしの2月ですが、手元にあるんですけれども、その中で医療分野として目につくのは、医療かつ検証項目、医療活動という部分なんですね。そのページ数は図版も入って5ページ、実質4ページ足らずなんです。全体の125ページ中。これで全国一の県立病院のネットワークを持つ本県が、未曾有の大災害に襲われた、しかも、沿岸地域の病院施設を含めて甚大な被害をこうむって全国からの支援もいただきながら今再建途上にあると、こういうことなわけですが、この検証を行うというのは、これから盛んに取り沙汰されている東海、東南海などを含めて、全国的にも私は注目をされているんだろうと思うんですね。こういう地域医療を掲げて活動してきて今再建途上にあるときに、その記憶も風化しないときに、この検証というのをしっかりやって全国に発信するという責務が、私は医療局にあるのではないかと思うんですね。しかも、常々指摘をしてきたように、岩手の検証報告書というのは非常に私は不十分だと思っております。他県と比べてどうこうというつもりはないんですが、余りにも違い過ぎる。
 例えばお隣の宮城県の場合は、阪神・淡路大震災の専門家集団に委託をする形で、6カ月間だけの災害対応とその検証というのを既に発表しました。本編は何と660ページです。岩手県は125ページ。そういう違いも含めて、私は医療局は、あまねく医療の均てんをと言っているわけですから、そのまさにスローガンが根こそぎ奪い取られた事態を迎えたわけですので、ぜひともこれからでも遅くはないと思いますので、本格的な検証活動というのをぜひ医療局として考えるべきだと思うんですが、局長、いかがでしょうか。
〇遠藤医療局長 県のほうでまとめました災害対応の検証というのは、これはいろいろ多分野にわたる項目の中でそういった分量になっているのではないかと考えております。
 それから、確かに委員御指摘のとおり、今ですと20病院を抱えて、全国に例を見ないようなネットワークといった形で県病を運営させていただいております。そういった意味では、今回の災害の記録については、今後、生かしていくべきということはそのとおりだと考えております。ただ、全国への発信という現場の状況とかそういうのは、これまで各県立病院の看護師、医師を含めて、いろんな会議のところに行ってプレゼンをしたりとか、こういう体験だったとかというふうなことは恐らく岩手県の機関の中で一番多いはずで、全国に情報発信しているという状況にございます。
 災害時の場合には、確かに私どもの県病が災害の地方の拠点病院という形の位置づけにはなっておりますが、ただし、被災した場合というのは県病だけで対応できる話ではございませんので、当然、開業医も含めましてあるいは民間の病院を含めまして、トータルな整理ということになろうかと思います。その点に関しましては。したがって、660ページ相当のものを今県病で検証するというのは、それはちょっと現在の業務量、まだこの後も検証が控えておりますので、なかなかちょっと難しいかなと思っておりまして、ただ、私ども現場、万が一のときの対応というのはきちっとやらなければならないもので、そういう意味で県立病院の防災マニュアル、これは今までもつくっておりましたけれども、今回の経験を踏まえてそこをしっかりしたものにつくり直して、そういう形で対応してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 今の局長のお話は、非常に私は後ろ向きだなという感じがしてならないわけですね。これだけの大きな被害をこうむって、しかし、その医療の火を絶やさずに進めていこうという、懸命に頑張っているという姿も含めて、私は地域のまさに記憶、記録として残していくという責務も医療局にはあるんだろうと思います。おっしゃるとおり、県立病院だけの問題ではなくて、民間の診療所や医院を含めて、地域の医療、福祉全体がとにかく丸ごと流された、被害をこうむったという事例なわですから、そこにあまねく医療の均てんをと言っている医療局がきちんと目を当てて、県立病院のみならず、どういう被災地における医療再建をしていくのかという、そういう発信が私はぜひとも必要なんだと思ってお話を申し上げたわけです。ぜひ、前向きに検討していただきたい。単なる防災の話ではないと私は思っていますので、その点をお話しして終わります。
〇斉藤信委員 まず最初に、2011年度決算の状況についてお聞きをします。
 患者数が入院、外来ともに減少している中で、経常収益が黒字になった。この主な具体的要因は何か。
 先ほど消費税の議論がありましたが、転嫁できない、自腹で払っている消費税の額は幾らだったのか。そして、平成元年以来の累積の自腹で払った消費税額の負担額を示していただきたい。
〇熊谷経営管理課総括課長 決算の状況で、経常収支が黒字となっている要因でございます。こちらにつきましては、看護職員の増員等によりまして、上位施設基準取得の取り組みを行ったことによりまして、入院収益におきまして診療単価の増加につながったこと、また、これまで主に入院で行われておりましたがん化学療法や検査の外来移行を進めたことによりまして、外来収益におきましても診療単価が増加したところでございます。
 こういったことで、医業収益で平成22年度に比較して10億6、600万円余の増収となったところでございます。一方、費用におきましては、医業費用で給与費の増加があったものの、材料費の抑制や医業外費用で、支払い利息の減少等があったことによりまして、若干の増加にとどまったことから、経常収支は、平成22年度に比較して8億8、100万円余の増益となりまして、9億7、000万円余の黒字を計上できたものでございます。
 それから、消費税の実負担額というところでございます。先ほど17億8、600万円負担額と申し上げましたが、実際、これの負担に対しまして国が診療報酬において補aXしたとされる額、推計ではございますが、これが10億8、000万円余と見込まれるところでございます。それから、一般会計から地方消費税1%に相当する3億3、800万円余が繰り入れられてございまして、これらの収入を差し引きますと、影響額は3億6、700万円余と推計しているところでございます。
 それから、累計の額ということで、消費税実負担額の累計ということでございますが、こちらにつきましては139億円余と推計しているところでございます。
〇斉藤信委員 消費税の累積実負担額が139億円と、205億円の中で7割ですよ。本当に消費税が県立病院を圧迫している。もしこれが8%、10%になったら、私はもう県立病院の存立にかかわるんじゃないかと思いますけれども、これは局長に一言聞きましょう。
〇遠藤医療局長 診療報酬そのものが非課税措置ということになっておりますので、現行制度においては、これはちょっと私どもにはどうしようもない話でございまして、ただ、実負担額、一般会計のほうから独自のルールという形で繰入金をいただいたりしているところでございますけれども、いずれ10%になれば、それ相応に負担額がふえるというのはそのとおりでございまして、今後、診療報酬改定の中においてどの程度その辺が補aXされるのかとか、そういった制度的な議論、それから診療材料費、薬剤を含めて、そうした消費税のかかる経費の分をどれだけコストを圧縮してやっていくか、そういったのを現実的なところでいろいろ考えながら対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 一言多かったけどね。
 先ほど看護師をふやして単価が上がったというのが収益の一つの要因だと。前年度と比べて医師、看護師はどけだけ増員になったのか。この5年間で比べると、どのぐらいの増員になっているか示していただきたい。
〇菊池職員課総括課長 医師、看護師の増員状況についてでございます。
 平成24年度当初の正規職員数で見ますと、医師は531人で、平成23年度に比較して4人の増員、看護師は3、027人で、平成23年度に比較しまして14人の増員となってございます。過去5年間で見ますと、医師は21人、看護師107人の増員となっております。
〇斉藤信委員 わかりました。それほどふえている感じでもなかったね。
 次に、被災した3県立病院の早期再建整備について、他の委員からもかなり強くこの問題は取り上げられました。まず、高田病院、大槌病院、山田病院の仮設診療所の外来、入院患者の動向はどうなっていますか。
〇佐藤医事企画課総括課長 まず高田病院についてでございますけれども、入院患者数は8月が933人でございまして、1日平均患者数が30人となっているものでございます。
 次に、外来でございますけれども、本年8月の1日平均外来患者数を前年度と比較しますと、高田病院が1日平均220人でございまして、前年同期が221人で1人減少してございます。
 次に、大槌病院の1日平均患者数は80人でございまして、前年同期の93人に比較しますと、13人減少してございます。
 次に、山田病院の1日平均患者数ですけれども、88人でございまして、前年度73人ということで、15人増加しているという状況でございます。
〇斉藤信委員 先ほどの答弁では、高田病院は医師数が11人、大槌病院が4人、山田病院が3人ということで、今、外来患者数はほぼ前年とんとんか、さらに山田病院は15人ふえているということでありました。
 それで、私は県民意識調査を復興局で聞いたんですけれども、今、被災者が何を一番求めているか、病院の再建、医療の整備なんですよ。これは、まさに被災地の再建のセーフティネットですね。私は、本当にそういう意味では最優先課題だと思います。
 それで、再建整備の最大の課題は用地の確保だと思いますが、各病院再建の用地の確保、検討状況はどうなっているでしょうか。医療局はどういう立場で取り組んでいるでしょうか。
〇熊谷経営管理課総括課長 再建に向けた用地についてでございますが、医療局といたしましては、津波の被害を受けない高台であること、それから、早期に工事が着手可能な場所であることという条件を基本といたしまして、候補地の選定につきまして、現在、市町村と協議を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 それで、高田病院の場合は、ほぼ市の土地利用計画がここでもう定まっています。私は、高田病院は先行して進めるべきだと。
 さらに、大槌病院は、私は院長にも聞いてきたけれども、やっぱり安全なところで早くということからいけば大槌高校のグラウンドが最適だと。できれば医師の宿舎を含めてそこに整備してもらいたいと強い要望を聞いてきました。私もそのとおりだと思います。
 この点については、大槌町が小中統合学校の予定地にもしているということで単純ではないんですけれども、私は、やっぱり関係町でこの病院の位置づけが弱いのではないかと思っています。例えば、岩泉町とか西和賀町とか葛巻町とか、自前で持っているところは、一等地、役場の隣に病院を建てていますよ。我が病院ということで、みずから医師確保にも取り組んでいる。
 だから、高台だからどこでもいいというわけにはいかないんですよ。特に基幹病院と地域病院で違うのは、圧倒的に高齢者です。だから、高齢者が通いやすい、交通の便がよいところでないと使われない。ここが基幹病院と違うところです。24時間患者はいる、職員はいる。私は、そういう病院の機能にふさわしい適地をよく関係町と協議して早く決めるべきだと思うが、局長、いかがですか。それぞれ答えていただきたい。
〇遠藤医療局長 被災沿岸部の3病院については、私よりも委員のほうが大分詳しいようでございますが、高田病院におきましては、確かにそのとおり、復興計画のほうにゾーニングしておりまして、ただ、現在この土地利用計画の関係につきましては、市のほうでいろいろと地域との調整と申しますか、そういう手順を今踏んでおりますので、それにあわせながらいろいろ検討してまいりたいと。
 それから、大槌病院につきましては、委員御発言のとおり、地元では、私どもの現場のほうでもそういう声が上がっているということでございます。
 確かに、県立病院ということでございまして、地元の自治体立病院ではないということで、その辺の違いが若干あるのは、それは他の市町村立の病院を抱えている、先ほどお話の出た岩泉町とか西和賀町とか、岩泉町は済生会なのでちょっと違うのですけれども、そういうところと若干どうなのか。
 ただ、そういう思いはございますけれども、実際に地元市町におきましては、やはり、まず住民の方々の住む場所をどうするかというのが一番の、病院だけあって住民の方が住んでいないという話は恐らくないと思うので、どっちが先かという話はともかくといたしまして、やはり地域の方々の住む場所をまずどこにとるかということで地元市町はいろいろ頭を悩ませている中で、うちだけ、ここに早く決めてくれというのはなかなか言いづらいところがあります。いずれ地元の市町といろいろ御協議申し上げながら、できるだけ早期に確定するように努力してまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 局長がその程度の姿勢では、私は進まないと思う。私はせっかく県民、被災者のアンケート調査も示して、一番重要な課題は何か、地域の医療の整備ですよ。セーフティネットを早く整備してほしい。入院の環境があれば戻れる人も戻れるのですよ、お年寄りが安心して生活できるのですよ。私はそういう意味で、ぜひ局長が先頭になってやっていただきたいし、山田病院の場合、何か消防署とセットがいいなんていう話をしているけれども、これは病院の用地とは全然無縁ですよ。それよりも、やっぱり交通環境とか、まちづくりの一番いいところにこの病院は整備すべきだと。ぜひ立ち入ってやっていただきたい。
 次に、看護師の労働条件の改善・増員の問題についてお聞きします。
 看護師の月9日夜勤の状況はどうなっているか、年次有給休暇の取得状況、生理休暇取得状況、これは、取得している病院を含めて示していただきたい。定年前の退職の状況はどうなっているでしょうか。
〇菊池職員課総括課長 看護師の労働条件についてでございます。
 月9日夜勤についてでございます。平成23年度におきましては、8病院で延べ235人となっているところでございます。
 それから、看護職員の休暇の取得状況につきましては、平成23年度の年次休暇の平均取得日数は7.9日、生理休暇につきましては2.9日となっておりまして、平成22年に比べまして、年次休暇は0.7日の減、生理休暇は0.6日の増となっているところでございます。
 なお、生理休暇の取得病院でございますが、4病院ほどになっておりまして、胆沢病院、中部病院、大槌病院、南光病院となってございます。
 それから、定年前退職でございますが、平成23年度の退職者130名につきまして、定年前の退職者は、勧奨退職が29名、その他のいわゆる普通退職は74名となっておりまして、22年度に比べまして、勧奨退職は1名の減、普通退職は5名の増となってございます。
〇斉藤信委員 9日夜勤が8病院、延べ235人と。これは、今まで月8日夜勤というのが一つの歯どめだったんですよ。その歯どめがもう崩されている。本当にこれは私は深刻な事態だと思いますよ。
 それと、年次有給休暇を聞きましたが、例えば中央病院は5.4日、胆沢病院が5.9日、久慈病院が6.6日、軽米病院が5.9日ですよ。もう本当に医師並みにしか、5日、6日しかとれていない。そういう状況で、自分がPTAのために必要な休暇もとれないような状況になっています。
 さらに、今、私は定年前の退職を聞きましたが、定年で退職した人が27人、そして勧奨が29人、その他が74人ですよ。いわば定年まで勤められないという事態になっているのだと私は思いますね。年間130人がやめているけれども、看護師の新規採用は何人なんですか。
〇岩崎友一副委員長 答弁できますか。
〇菊池職員課総括課長 平成24年度におけます看護師の正規職員数は132名となってございます。
〇斉藤信委員 130人やめて、132人の新規採用では、私は計算が合わないと思うけれどもね。計算が合わないぐらい少ない。
 それで、普通退職が74人もいるんですよ。これ、特に途中退職ってあるんですね、これがほとんど補充されない。私は、やっぱりこういう状況を考えて、しっかり新規採用をふやすべきだと思いますよ。
 医労連が1、260人の看護師のアンケートをとった。このうち500人は県立病院の看護師です。大幅に仕事がふえた、若干ふえた、68%。その中身は、在院日数制限が強められて入退院が激しく繁忙をきわめている。入退院が激しいから仕事もその分ふえている。患者ケア以外の業務が大幅に増加している。電子カルテで、パソコンに向かっているんですよ。救急患者が病院に集中して患者が重症化している。看護記録や事務的な業務に追われている。直接の看護業務以外の会議、委員会がふえている。同じ時間でも、仕事の密度が本当に強化になって、そして、肝心の患者に寄り添う、そういう余裕も時間もなくなっている。この問題の抜本的な改善を求めたいと思います。
 最後です。今後の医師確保の見通しについて具体的にお聞きしたい。
 今226人の奨学生がいますけれども、今後、どれだけの数がどのように、県立病院に配置される見通しか。臨床研修医、後期研修医が、これまでどのように県立病院に定着しているか。いかがですか。
〇千葉医師支援推進監 現在の県立病院の奨学生の今後の見通しでございます。今年度末は12名卒業の見通しでございます。それ以降、平成25年度は21名、26年度は18名、27年度は18名、28年度は18名、29年度は15名となってございます。
 続きまして、研修医の定着状況についてでございます。平成18年度から平成24年度までの間に、初期研修後に採用された医師は全部で181名ございます。この間の初期臨床研修医347人に対しまして52.2%に当たる医師が、県立病院に残っているということになります。
 次に、後期研修医の定着状況でございます。平成20年度から24年度の間に、後期研修中の医師が翌年度に県立病院に残った率は、平均で61.3%となってございます。
〇斉藤信委員 奨学生が今後そういう形で20名近く配置されると、これは、この間の一つの成果だと思います。そして、臨床研修医、後期研修医を含めて半分から6割ぐらいが県立病院に定着していると、これまた、私は明るい見通しだと思うので、足りない、足りないと言うだけでなくて、こういう見通しも示しながら病院の充実を図っていただきたい。
〇岩崎友一副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一副委員長 質疑がないようでありますので、医療局関係の質疑をこれで終わります。
 医療局の皆さんは御苦労さまでした。
 次に、医療局長に花泉診療所の事案について説明を求めます。
〇遠藤医療局長 お手元に配付いたしております花泉地域診療センターの民間移管に関する検証(最終報告案)につきまして、若干お時間をいただきまして御説明いたします。
 花泉診療所は、無床化いたしました県営の地域診療センターにつきまして、官民を問わず入院ベッドが必要であるとの地域の強い意向に沿って民間事業者への移管を行った県内初のケースとして、平成22年4月に開所したものの、翌年11月に法人から、有床診療所としての継続が難しい旨の表明があり、医療局としては、有床診療所としての運営を条件としていた施設の賃貸借契約の義務が履行されていないことを理由に、本年1月に契約解除を法人に通知し、民間診療所は同年3月末で閉所、翌4月からは、県営の無床診療所として再開することとなったところであります。
 この一連の経過につきましては、県議会におきましてもさまざまな御指摘をいただいたところでございまして、これを重く受けとめるとともに、今後他の地域におきましても、民間活用を目指すケースも想定されることから、外部有識者の御意見もいただきながら、今後に生かすことを目的に検証を行ったものであります。
 今回の民間診療所の運営について、医療局の計画では、無床診療所であったものが、一時的とはいえ花泉地域に入院ベッドが提供された状態となったことに、一定の成果を上げたとの見方もありますが、有床診療所として10年以上事業を継続するという公募条件が果たせなかったことは非常に残念であり、地域住民の期待にお応えすることができなかったことにつきましては、深く反省しているところであります。
 検証の結果、今後、民間活用を検討する場合は、移管先法人の適格性の審査に当たり、法人から提出される事業計画等の精査はもとより、これまでの法人の実績や世評等も含めた総合的な評価や審査について、医療専門家等を交えて十分行うべきであり、また、その後の運営に関する指導等においても、節目節目で専門家や第三者の意見を伺いながら、的確に行う必要があるとしたところであります。
 医師不足の状況は現在も変わっておらず、無床化した地域診療センターについては、地域の意向に沿って、民間事業者のノウハウを活用するという手法は、今後の地域医療への期待に応える方策として有力な選択肢の一つであると考えられますことから、今回の検証結果を十分に踏まえ、適切に対応してまいります。
 なお、この検証については、今定例会での県議会での御議論を踏まえながら、必要な修正を加え、最終報告としてまとめたいと考えております。
 以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
   〔「委員長、議事進行について」と呼ぶ者あり〕
〇伊藤勢至委員 一昨日でありますけれども、16日、総括質疑があったわけであります。その中で地域政党いわての及川あつし委員から、花泉地域診療センター問題についての質疑がございました。今回、医療局が一連の経過について最終報告書というものを出してございます云々ということでございます。
 内容が長いので1点に絞ってのみちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、重大な質疑があったと思っております。それは、及川あつし委員から知事に対して、知事は、橋本堯夫白光会長から、選挙の際に選挙の資金として寄附を受けたなどの記憶はございますか、こういう質問があったわけであります。
 これに対して知事は、実は私のといいますか、県の知事政務秘書のところに、ある新聞社から、白光橋本会長が、昨年9月の知事選において、知事が遊説で花泉に来た折、知事のおつきの人に数十万円を渡した。後日、領収書を出すと言われたのにそのままになっている。そのとき知事とは会談をしており、自分の知り合いで盛岡一高出身の医師から、よろしくとの言づてを伝えたと。これは事実かという取材がございました。事実ではございません、知事は否定をいたしております。そして、橋本会長から何らかの封筒が選挙チームの一人に渡されていましたが、当人はそれを断り、しかし、強引に渡され、聴衆の面前であったことから、封もあけず、遊説場所に来ていた地元の事情を知っている後援者の一人に返還を依頼したと。それで、地域の方は翌日朝、当時の医療法人事務局長に自分の経営する店に来てもらって、封筒を会長に返還してもらうよう封をあけないまま渡したと。事務局長は、何でこのようなことをしたのだろうかというようなことを言っており、封筒を預かって帰ったという事実関係を確認しております。このように言っているわけであります。
 さらに、次の日の17日の新聞でございますが、全国5大紙のうちの1紙が取り上げておりましたし、岩手県の有力地方紙であります新聞社も1件取り上げておりました。その中に大変重要な、大事な一節がありました。知事選での現金について、きょう確認したところ、知事側から既に返却してあった、こういうことが報道になっていたわけであります。
 この以後も、この質疑の中でいわゆる金銭授受があったかのような予断に立つやりとりがあったわけでありますけれども、ここにおいて、そういうものは一切なかったと。つまり、そういう予断を持ったやりとりが根底から崩れた、私はそのように思います。
 したがいまして、岩手県130万人代表の知事と、そして我々県議会、各地域から代表になってきた48人のお互い切磋琢磨は大事でありますし、調査も大事でありますが、よって立つところが崩れてしまった以上、県議会の品位を保つ、あるいは知事と議員の相互の名誉のためにも、このような予断を持ったやりとりを議事録に残しておくというのは、県議会にとっては非常にいかがなものかと思います。
 したがいまして、世話人会におかれましては、ぜひこういった部分を全面削除していただいて議会の品位を保っていくべきだ、このように思いますので、委員長にお取り計らいをよろしくお願いいたします。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡委員 ただいまの議事進行について、議員がみずからに調査権を持って白光の橋本会長に面談をして、その確認した上での調査権に基づいた確信を得た発言であったと私は思いますし、報道によってそれが否定されたと、これは事後の話で、橋本会長が何らかの形で確認をした、そういう事後の作業のことでありましたので、私は、その調査権に基づいた議員が確信を持って発言したことを削除するというのは、我々の調査権は一体何なのかと。議員のいわゆる我々の権能、議会の権能自体も危うくする問題だと思いますので、ただいまの伊藤勢至委員の発言については、全くそういう必要はないと思っておりますので、これもあわせて世話人会で御協議いただきたいと思います。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 その議事録削除の必要性は全くありませんよ、これは。みずからの調査に基づいて取り上げた質問です。そして、選挙のさなかに現金を受け取ったことは認めているんです、知事は。
 大体、滞納している医療法人の会長が、選挙のさなかに知事に献金するなんていうことが、考えられないことが起きているわけです。だから私は、そういう意味で、この集中審議がそのためにあるわけだから、徹底してここで集中審議をして、この疑惑を解明するのが議会の仕事だと。
〇伊藤勢至委員 いいですか、時系列に行きますと、先ほど言いましたのは16日の質疑の内容だったんです。それで前日15日に行って調査をしてこられたと。そうですよね。(「違う違う、1日違うんだ。14と15だ」と呼ぶ者あり)14、15。いや、でも15と書いてあるから、新聞にはね。
 それで、15日に行って、そして、この地方紙が、15日の調べたところによるとということでありますから、タイムラグがある。だから、この橋本会長さんという方は一体どういう方なんだろう。お会いをしたことも、見たことも、話をしたこともありませんが、調査がかかった時点に言ったことと新聞社の取材に答えたことの内容がくるっと変わって、一体どっちが本当だという、何といいますか、終始一貫しないというか、そういうところのある人なのではないかとは思いますよ。
 ですけれども、こうやって返ってきたと言い切っていますので、これは、議会の品位として、やはり全面削除で、そういうことはなかったと。なかったわけですから、そういうふうに扱うべきが正当だと思います。
〇岩崎友一副委員長 ただいまの伊藤勢至委員、飯澤匡委員、斉藤信委員からの議事進行の件については、後刻、世話人会を開き、協議したいと思いますので、御了承願います。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇五日市王委員 それでは、最終報告案について幾つか質問をさせていただきます。
 まず、先ほど医療局長からも説明がございましたが、2012年4月、地域医療再生のモデルとして期待された民間移管が、わずか2年足らずで頓挫いたしました。県内初の民間移管で注目されましたが、残念な結果となったことに対する医療局長の所感をまず改めてお伺いいたします。
〇遠藤医療局長 私の所感ということでございます。
 花泉診療所は、無床化した県営の花泉地域診療センターにつきまして、官民を問わず入院ベッドが必要であるとの地域の強い意向に沿いまして、地元一関市の意見も聞きながら、民間事業者のノウハウに期待して移管を行ったものでありますが、有床診療所として10年以上事業を継続することができなかった、このことにつきましては非常に残念でございまして、かつ、地域住民の期待にお応えすることができなかった、このことにつきましては、深く反省しているところであります。
 花泉地域診療センターの民間移管に当たりましては、その一連の経過等について、県議会においてもいろいろ御指摘をいただいたところでございます。今後、民間活用の検討に当たりましては、移管先の法人の適格性の審査、事業計画の精査等はもとより、法人の実績や世評等、こういったものも含めまして総合的な評価や審査について、医療専門家等も交えて十分行うべきである、その後の指導等についても、専門家等の意見を聞きながら的確に行う必要があると考えているところでございます。
 現在の医師不足という状況は変わってございませんので、こうした民間事業者のノウハウを活用するという手法につきましては、今後の地域の医療への期待に応える有力な選択肢の一つと考えておりますので、他の地域におきましても、今後、民間活用を目指すケースが想定されますことから、今回の検証結果を十分に踏まえ、今後適切に対応してまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 8月に御説明いただきました中間報告と、今回の最終報告案との違いといいますか、そのポイントは何かお伺いいたします。
 また、県立病院経営委員会で3度にわたり今回の検証がなされておりますが、検証の経過において、一方の当事者である白光からヒアリング等を行ったことがあるのかないのか。また、この最終報告案は、白光が見たのか見ないのか、見たとすれば、その反応をお聞かせください。
〇熊谷経営管理課総括課長 中間報告と最終報告案との違い等ということについてでございます。
 この検証の中間報告につきましては、8月2日に開催されました県政調査会において御説明いたしたところでございます。その中で、検証の最終報告は、9月議会において議員の意見を聞いた上でまとめるべき、民間移管の今後の対応につなげていく必要がある、短期間に進めてしまったことをよく検証すべき、二元代表制であり、議会がどういう指摘をして、当局がどう対応したかをきちんと書くべきであり、今後、取りまとめまで議会にきちんと出すべき等の御意見を頂戴したところでございます。
 こうした御意見を踏まえまして、最終報告案には、これまでの県議会での質問、これに対する答弁、県議会での議論を踏まえた医療局等の対応、また検証への反映状況、こうしたものを新たに資料編に参考資料4として追加いたしましたほか、検証本文のほうにも追記したところでございます。
 次に、医療法人からのヒアリングということでございます。
 今回の検証につきましては、今後の民間移管に生かすという観点から、外部有識者の意見も頂戴しながら進めてきたものでございます。
 法人側のさまざまな発言につきましては、これまでも県議会の場で取り上げられ、逐次、答弁しているところでございます。
 また、昨年10月28日の医療法人に関する新聞報道以来、報道内容の真意や事業継続の意思を確認するため面談を重ねてきたほか、11月19日付の知事宛ての要望書や、本年1月16日に受理いたしました医療法人からの質問状に対しても文書で回答しているところであり、法人側の主張は十分に承知しているところでございます。
 今回の検証に当たっては、法人側の発言内容について、過去における一連の書類や記録等を精査するとともに、当時の関係職員から確認した上で、最終報告案としてまとめたものでございますことから、改めて法人からのヒアリング等は行っておらず、最終報告案に対する法人側の反応については承知していないところでございます。
〇五日市王委員 今回、一部の新聞報道でも同じような質問に同じような答えが載っていたわけでございますが、いずれその必要は、これからまたさらに最終報告にまとまるわけですが、いずれ白光側からのヒアリングの必要はないという判断でよろしいんですか。
〇熊谷経営管理課総括課長 私どもとして、そのように考えてございます。
〇五日市王委員 34ページのまとめにもあるわけでございますが、いずれ医師不足の中、民間事業者のノウハウを活用するというような手法は有効な選択肢の一つであるということは、私も全く同感であります。いずれ今後、先ほど医療局のときに及川あつし委員からも御質問がありましたが、沼宮内地域診療センターなどが、有床診療化など民間移管を進めるケースが想定されるわけでございますが、今回の検証をどのように生かしていくのかお伺いいたします。
〇遠藤医療局長 今回の検証を通じまして、住民との合意形成や民間移管の進め方等につきまして、地域医療の確保という観点から、地元市町村も主体的に参画していただき進める必要があると考えているところであり、こうした趣旨から、最終報告案の今後への反映の中で、地域住民との意識共有を十分図ること、また、地元市町村との密接なかかわりのもとに進める旨を記載したところでございます。
 今後、沼宮内地域診療センターを初め、同様のケースを検討する際には、今回の検証結果を十分に踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 まさに私も、今おっしゃったところは非常に大事なところだと思っております。今後、沼宮内地域診療センターは、岩手町の町長も、県と地元自治体、法人の3者で医療を守る新たな選択肢があっていいような旨の提言をしているわけでございますね。ですから、そういった、まさに地元の自治体がどこまでかかわってくるかというのは非常に大事なことだと思っているんですが、これに対する所感といいますか、お聞きします。
〇遠藤医療局長 岩手町におかれましては、御案内のとおり、医療・保健・福祉のネットワーク体制の構築を町政の重要政策に掲げて取り組んでおられると承知しております。
 施策実現のため、民間事業者のノウハウを活用するという手法につきましては、有力な選択肢の一つであると考えられますことから、地域住民との意識共有を十分に図ることはもちろんのこと、医師会を初め、医療関係団体との意見を踏まえながら、地元岩手町との密接な関係の中で、いろいろ適切に対応してまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 また、34ページのまとめの中にもあるわけでございますが、いずれ、今後そういった移管先を決めるに当たって、実績や世評等という言葉が今回新しく入ってきたような気がするわけでございますが、この世評等も含めた総合的な評価や審査云々とありますが、これは具体的にはどのようなことなのかお伺いいたします。
〇佐々木医療局次長 実績や世評等を含めた総合的な評価や審査についての具体的な考え方についてでありますけれども、法人の経営理念や経営方針に加え、それまでの行動実績も考慮するとともに、医師会を初め、医療関係者や地元市町村の御意見も踏まえながら、公募や選定の手続を進めていくことが肝要であり、さらには、選考者に、行政サイドのほか、民間病院経営者などの専門家を加えることにより、より幅広く、複眼的、多面的な観点から評価や審査を行う必要があると考えているものであります。
〇五日市王委員 まさにそのことが非常に大事なことだったと思うわけでございます。今回のケースがそうでなかったのかどうかはわかりませんが、いずれこの報告案の25ページに選考基準、具体的内容ということで載っているわけでございますが、ここにいわゆる世評の選考の基準というものが載ってくるんですか。載るとすれば、どのような形になっていくのか、また、今後、審査や選定に当たっての改善点のポイントをどのように捉えているのかお伺いいたします。
〇佐々木医療局次長 今後、仮に民間活用するケースがあった場合におきまして、この審査の項目について、ただいま申し上げた実績や世評等についても選考基準に反映することは考えられますが、まだそういう事例が具体化してございませんので、そのときに状況を踏まえて整理したいと考えております。
 それから、今後、移管先の審査、選定に当たって改善する改善点のポイントということであります。
 今回の検証を進める中で、外部有識者から、医師確保について、法人役員の個人的人脈に期待し過ぎた感があり、医師確保のめどや収支計画の妥当性について、もっと掘り下げて審査すべきであった、あるいは有床診療所の経営実績の有無を重視するという視点や認識が不足していたとの意見が出されたことを踏まえ、応募要件に、病院や有床診療所の経営実績を加えることや、選考者に民間病院経営者等の専門家を加えるなど、審査体制の充実を図ることとして今回整理したものであります。
〇五日市王委員 まさに世評を判断するということであれば、地元の自治体との連携というのは不可欠だと私も思っております。それで、今回の件で、私も過去の新聞報道等をちょっと見返してみたわけでございますが、やはり地元の自治体、いわゆる今回、一関市ということになると思うんですが、恐らく、最初これが無床化ということで進められてきた問題で、これには反対していましたよね。反対の拳を上げていたんだと思うんです。そういった中で民間移管ということが急に出てきたときに、果たして一関市がどこまでそれをよしとして一緒になってやろうとしたのかというところが、何となく、片や反対の拳を上げて、片や民間移管というところ、そこで何となくそごがあったのではないかと感じるところもあるんです。
 当時の新聞報道なんかを読みますと、民間移管に白光が決まったときなんかも、当時の市長は、まだはっきり何も言われていない、まずは県で一義的にどうするかだとか、あるいは、無床化には反対だが、あとは県がどう出てくるか見守りたいみたいな発言をしているわけですね。だから、何となく第三者的に見ていたところがあるのではないかと思っているわけですが、一関市とのかかわりは当時どうだったのかというところをちょっとお伺いいたします。
〇佐々木医療局次長 今回の花泉の案件につきまして、民間公募に至るまでの過程で一関市との協議を重ねてございます。平成21年2月、3月、5月、6月にそれぞれ協議をしておりますほか、地域診療センター等懇談会を3回にわたり開催しております。
 また、民間公募に当たりまして、公募期間の設定については、県保健福祉部、一関市、そして医療局の3者で協議の上、決定するとともに、応募内容の審査に当たりましては、一関市、それから一関地区広域行政組合と医療局との3者による共同審査とするなど、地元一関市との密接なかかわりのもと、今回の民間移管を進めてきたところでございます。
〇五日市王委員 そうやって何を何回やってきたということはそのとおりだと思いますが、そういうことではなくて、私が言いたいのは、きちんとその連携がとれていたか、連携といいますか心が通い合っていたかという話なんです。
 それで、例えば沼宮内地域診療センターは、地元の自治体が今、一生懸命そうやって探してやられていますよね。やっぱりそういったことって必要だと思うんですね。プラス、橋本会長は補助金がいただけるような話もしているというような話なんですが、いずれ、やはりこういったものは、きちんと財布のひもを握った方でなければそういう話もなかなかできないわけですね。いわゆる執行者の方々でなければ、執行権を持つ人たちでなければできない話だと思うんですよ。ですから、その辺、何となく一関市との関係が本当に良好だったかというのは、いずれ少し疑問があるところなんですが、もう一度御答弁いただけますか。
〇佐々木医療局次長 一関市とは、先ほど申し上げましたとおり、各場面場面で協議を重ね意思の疎通を図ってきたところではございますけれども、委員御指摘のとおり、もっとさらに改善すべき点があったのではないかということについては、そこは、いろいろ一関市とのかかわりの中で考えるべきところもあったかもしれません。
〇五日市王委員 いずれにいたしましても、今後は、やっぱり地元の自治体の皆さんときちんと連携をとっていただいて、先ほど来議論もあるわけでございますが、我がまちの病院だと思っていただけるような、そういう気持ちで進めていただきたいと思いますし、いずれ今回の件で萎縮することなく、民間移管というのも大事な手法の一つだと思いますので、そういう形で進めていただければと思います。
〇嵯峨壱朗委員 何点か質問させていただきます。
 今回のこの花泉診療所の民間移管と言うのですが、これは、地域の皆さんの要望に対して真摯に応えて何とかしようとした、地域医療を守ろうとした、そういった結果だと思っております。そういう意味で言うと、多くの皆さんが努力してやったわけですけれども、残念な結果になったわけであります。
 今これをなぜ問題にしているかというと、決算に密接にかかわっている、ですから決算特別委員会でやっているわけですけれども、この報告書は昨年度の決算に密接にかかわっているわけですね。それでやっているわけですけれども、まず、この検証報告についてどう思っているか、感想と、反省点はなかったのかお聞かせ願いたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 先ほど医療局長からも申し上げたところではございますが、有床診療所として10年以上事業を継続することができなかったことは非常に残念でございますし、地域の住民の期待にお応えすることができなかったことについては、深く反省しているところでございます。
 今回の検証に当たりましては、さまざま移管先法人の適格性の審査、それから事業計画の精査、法人の実績、世評等も含めた総合的評価、審査、そういったものを医療専門家を交えて十分行うという部分を今後に生かすべき点として反映したところでございまして、民間事業者のノウハウを活用するという手法は、有力な選択肢の一つでございますので、今後、民間移管を目指すケースがある場合には、今回の検証結果を十分に踏まえて、適切に対処してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 先ほど五日市委員からの質問もあって、白光からのヒアリングは必要ないという話でしたけれども、今言われたことを今後生かすという上で見ると、ヒアリングが必要ないということ自体が理解できないのと、先ほどの説明では、私はちょっと納得しがたい。
 そして、ついでに言うと、私は検証報告について感想と反省点を聞いたんだけれども、医療局長が答えるものだと思っていました。なぜ医療局長じゃなかったんですか。
〇遠藤医療局長 失礼いたしました。先ほど五日市委員のところでちょっと答弁いたして、そのまま失念しておりました。大変失礼いたしました。
 今回の花泉診療所の民間移管、地域診療センターからの移管に当たりましては、これは、昨年のちょうど今ごろの決算特別委員会でもいろいろ御議論いただいたところでございますし、また、これまでの一連の手続の中で、議会のところで、さまざまな御指摘等をいただいてきておるところでございます。そうした中で、地域の意向に応えたいという思いで民間移管を行ったという経緯がございます。
 しかしながら、このような形で撤退、契約解除という結果になってしまいまして、地域住民の皆様方が、ベッドが必要だという思いに応えるためにやったのですけれども、結果的にはその期待に十分に応えることができなくなってしまったという点につきましては、深く反省しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 ずっとこれを議論してきているんですけれども、その中でポイントになったところがあったんですが、平成21年1月8日の新聞記事で、白光が民間の委託、もし公募があった場合には私どもがやりたいということが、県医療局が一言も民間公募をするという発言をしていないにもかかわらず新聞記事に出たわけですね。それを受けて民間公募を検討し始めたと当時報道されていました。
 1月28日、これ自体もおかしい話であったから、これはよく議論されましたけれども、本当に平成21年1月28日以前に白光とのやりとりは一切なかったのかどうかお聞かせ願いたいと思います。
〇佐々木医療局次長 今回の検証に当たりまして、過去における一連の書類や記録を精査しますとともに、当時の関係職員から確認した上で最終報告案として取りまとめたところでありまして、その内容については、報告案20ページから21ページに記載のとおりであり、平成21年1月28日の新聞報道を受けて、同年2月16日と4月6日の2回にわたり、法人側の考えの聞き取りを行い、また、その後においても、地域診療センター等懇談会の状況についての問い合わせなどを受けているほか、医師の紹介の場面でお会いしているとまとめたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そうまとめたかどうかじゃなくて、以前に白光とのやりとりは、公的にも非公式的にもなかったのかどうかということをお伺いしたいんです。
〇佐々木医療局次長 今回の検証に当たって、過去の一連の書類や記録等を精査し、また、当時の関係職員から確認した上では、そうしたことは確認できなかったものであります。
〇嵯峨壱朗委員 確認できなかったとかではなくて、あったかなかったかと聞いたんですよ。なかったらなかったと言えばいいのではないですか。
〇佐々木医療局次長 当方としては確認しておりませんので、なかったものと考えております。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。一切なかったということですね。それがわかればいいです。
 いずれ不自然な経過はずっと指摘されてきたわけですけれども、この公募の以前の1カ月、26日間ぐらいでしたか、白光から医師を紹介されて、その医師が何とかという職名で医療局の職員として診療したわけですよね。これ自体、私は当時からとても不自然だと思っておりましたけれども、当時、皆さん方は担当者じゃなかったと思うんですが、客観的に見て、こういったことをどう思われますか。
〇千葉医師支援推進監 医師の採用についてでございますけれども、客観的に見てといいますか、ふだんから、我々、医師確保に当たりましては、いろいろなところから情報をいただきます。そういった中で、こういうところで勤務したい、あるいはぜひ採用してくれという紹介をいただければ、いろいろな形で採用するということですので、いずれ、こういったこともあると考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 そういう話ではないんだけれども、要するに、今答えられた方は、こういった公募以前から、白光から紹介された医師を医療局が診療所の医師として診療してもらって、そして、そのとおり白光が公募に、結果としては1団体だけ応募してなったわけですね。こういったこと自体を踏まえてどう思うかと聞いているんです。全く不自然ではないと思いますか。今答えた方に聞きたいですね。
〇千葉医師支援推進監 いずれ、県立病院の医師確保は非常に厳しいという状況の中で、勤務していただける医師がいる場合は、常にお願いしたいという立場から、今回のケースもそうですが、花泉地域診療センターの非常勤医師として採用して勤務いただいたのは、一連の経過として、医師の確保の経過として十分あり得ると考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 不自然ではない、全く不自然じゃないと思っているという理解でいいですね。であれば、こういったことについてですけれども、医療局長に改めて聞きますが、こういった一連の流れというのをどう思われますか。紹介されれば、どなたでも雇うんですか。そして、どこからでも医師を雇うんですか。
〇遠藤医療局長 紹介されて採用した医師ですけれども、これは、いわゆる臨時医務嘱託という身分でございまして、通常、臨時医務嘱託というのは非常勤の職員でございまして、いろいろ私どもが診療応援いただくときに、例えば週3日応援いただくとか、そういった場合に、こういう臨時医務嘱託という形で任用して、いろいろ診療応援をいただいたりとかという形で対応させていただいております。
 したがって、採用したという形でいろいろ新聞等で報道されたりしているんですが、いわゆる常勤の、フルタイムと申しましょうか、正職員と申しましょうか、そういう形での採用ではございませんので、したがって、通常の常勤職員の採用という形であれば、また異なりますけれども、いわゆる臨時の医務嘱託というのは、一時的な診療応援というような形で入ってくるパターンがございますので、そういう採用形態というのは通常行われておりますので、変だとかおかしいということではないかと思います。
〇嵯峨壱朗委員 いや、採用したのがおかしいとかというのではなくて、そういった公募に応募することが、先ほど佐々木次長が言っていましたけれども、新聞報道以降、3月、何月と何回か会っていましたね。それで検討していますね。公募が想定されることは、その時点でもうわかっていたわけです。そういったところから紹介された医師を雇うことにどう思うかということを聞いているんです。
 これは、ちなみに医療局から出した資料には採用という表現を使っています。臨時医務嘱託でありますけれども、採用というふうに使っていますよ。
〇遠藤医療局長 実際の医師の採用に当たりましては、ここからの紹介だから断るとか、どこの紹介だからだめだという採用は基本的にしておりませんで、一人でも欲しいという状況にありますので、いずれ御紹介があれば、基本的には採用というのが原則で考えております。
〇嵯峨壱朗委員 認識はわかりました。
 公募から決定、この間もいろんなことがありましたよね。社会福祉法人ができていないにもかかわらず、やるという想定だけでそして決定していったという経緯がありました。最終的に決定したのが翌年の3月19日でしたかね。その間─3月でしたよね。そして公募の締め切りがあって、一応決定という形でもって、工事を並行的にやった上で最終決定したのが、もう半年以上たった後でした。これ自体もおかしいんじゃないかという議論は多々あったわけですけれども、この一連の手続、こういった結果を受けて今どう思われているか、お聞かせ願いたいと思います。
〇遠藤医療局長 いずれ、公募から最終決定の一連の手続におきましては、適切に対応しながら事業者を決定したものと認識しております。ただ、今回の検証におきましては、議会でもこれまで多々御質問等いただいているところでございまして、この案につきまして外部の有識者の御意見も頂戴して、そうした中で、公募については応募者側の視点に立った公募期間の設定とすべきとか、これは具体的に設定期間が短いというところをとらまえてこういう御提言をいただいておりますし、また、選考者のほうに、行政サイドじゃなく、やはり実際の医療の実務をやっているような識見のある方を加えて審査体制の充実を図るべきといった課題や今後に生かすべき点を検証したところでございまして、手続としては適正にやったとは認識しておりますけれども、しかしながら、このような形でいろいろ議会の議員方に御苦労を煩わせている、これは結果としてそういったところが反省点として残ると考えております。
〇嵯峨壱朗委員 今、議会の指摘があったと。これは新しい今見ている最終報告案から見ると、議会の指摘があって反映したと。これの中身を見ていますと、議会の指摘がなかったら載せなかったのかなと思って疑問に思うんですけれども。議会の指摘がなかったらいわゆる検証すべきものとして取り上げなかったのかなと思ったりするんですけれども、どうだったんでしょうかね。
 というのと、先ほど来、五日市委員等からもありましたけれども、いろんな意味で皆様方が話しているのと新聞報道等もありまして、実際聞いてきた部分もあるけれども、そごを来している部分もあるんですね。これはどっちが正しいのかわからないんだけれども、あなた方のほうが正しいのかもしれないし、いずれそういったことをきっちり検証する必要があると思うんですよ。ですから、皆様方、白光という法人のほうからのヒアリングは必要ないというけれども、僕らは事実を確認したい。そういった意味でいうと、ヒアリングをすべきだと思っています。それを検証結果にも反映させるべきだと、そう思っております。ということを指摘して、もし議会の指摘がなかったら載せなかったのかどうかということを。
〇遠藤医療局長 議会での検証という形の御意見は、昨年のこの当委員会においていろいろいただいたところでございます。検証の前において、地域の声に応えて何とか有床のベッドを、民間を活用して地域の希望に応えてあげたいという思いで今回の民間移管をやった。ただ、結果的に、それが入院患者を受け入れないとか撤退するとかといった形で一連の報道があって、ちょっとごたごたといった形で流れていった。これについては地域の皆様方に多大の御心配もおかけしましたし、この点についてはやはり検証すべき必要性というのはもともとあったと考えております。ただ、それもなおかつ議会の皆様方からも御指導もいただきましたので、そういったことだと考えております。
 それから、新聞報道のお話がございました。いろいろ新聞報道にも出ているから、そういった視点から医療法人の、具体的には会長と称している橋本堯夫理事のお話だと思うんですけれども、これについての昨年の当委員会においても、いろいろ嵯峨委員からも御指導もいただきました。本当にこの人の話を信用していいのかといった趣旨の御指導もいただきました。
 今回、何もなければ確かに一般論としては、相手方のヒアリングをしてやっていくというのは一般論としてはそれはあり得る。きょうの某新聞にも載っておりましたけれども、専門家の意見としてそういうのがあるというのは、某新聞、全国紙に載っていましたけれども。
 私、昨年、本議会でいろいろ御指摘を受けて、その2日前にもまだ、ちょうど直前に某新聞がそういった報道をして、それに対応しなかったわけなんですけれども、委員会対応というですね。それ以降、橋本会長と呼ばせていただきますけれども、橋本会長と5回かたしか6回、節目節目でお会いしています。長時間にわたっていろいろお話も聞いています。ですから、どういうお考えの方とか、これは昨年嵯峨委員からも御指摘いただきましたけれども、世の中いろんな人がいるんだという御指摘も、教えていただきました。私も会って、5回、6回と会って、初めてその意味がわかりましたし、あえてどういうことか申し上げませんが、それはただ単に私の所感だけの議論でございますので、そのほかに法人のほうから、いわゆる補助金なり支援をしてくれといった形の正式な知事宛ての要請文というのも届いております。それから、年が明けまして、それだけだと法人としての言い分はあらわし切れていないということで、1月になってから、改めてまた質問状というものも法人から頂戴しております。そうした中に、これまでいろいろ新聞報道されたようなこととかそういったものについては、基本的には私のほうでは全体を把握していると認識しております。
 今般、またいろいろおっしゃっているようですけれども、私としては改めてヒアリングをして確認する必要性はないと考えます。ただし、これは現時点でございますので、先般の当委員会におきまして、議事進行、参考人招致といったことも議会のほうでいろいろ検討されているやに聞いておりますので、きょう時点でお答えできるのは、現時点におきましては改めて確認する必要はないと考えております。
〇及川あつし委員 会派を代表してお尋ねをしたいと存じます。
 まず、前提にちょっとお伺いしたいのですが、今回のこの検証については最終報告案で、説明があった1枚のA4には、9月定例会の議論を踏まえて最終案として決定していくということでありましたけれども、この議会を通じて、いろいろ質疑でまた新たに事実として認められたもの、また、さらに我々が意見として申し上げたものは、さらにこの報告書案に盛り込むという姿勢でよろしいのかどうか、その基本的なところについてスタンスを伺いたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 本議会でいただきました意見につきまして、必要な事項につきまして修正を加えたいと思ってございます。
〇及川あつし委員 わかりました。ぜひそのようにしていただきたいと思います。
 総括質疑のときも申し上げたんですが、この報告書、非常に大事だと思うんですよね。いわゆる試金石としてチャレンジしたこの事業が、結果として失敗してしまったと。なぜ失敗して、次にどうするべきかということを盛り込むことが、五日市委員も質疑で言っておりましたけれども、今、具体的に検討として上がっているのは沼宮内病院の問題、さらにほかの地域診療センターの問題にも波及していくという意味で非常に大事な問題でありますので、ある意味、歴史に耐え得る報告書にしなければいけないと私は認識しています。しかし、読み込む限り、私は到底このままでは歴史に耐えられないし、必要なところについては、皆さん苦しい立場で、文書で表現しているなと、議会でこういう指摘もあったということで逃げていますけれども、やっぱりはっきりさせなければいけないところははっきりさせなければいけないと思うんです。そのスタンスできょうは皆さんに伺いたいと思います。
 もう一つ質問の前提としては、当時、公募に至る経過、公募契約の段階で携わった医療局の幹部の皆さんは、ここの答弁席には誰もいらっしゃいませんので、当時の経過について伺っても、先ほどの次長の答弁のようなスタンスしか出てこないと思うわけですが、私が皆さんに問題にしたいのは、当時かかわっていなかったけれども、今回どういう報告書をつくるかということについては、大いなる責任があると。これはずっと残る問題ですから、その点については皆さんの行政責任を負っているということで、ぜひ御理解の上、御答弁をそれぞれいただきたいと思います。
 順次伺ってまいります。
 知事にも伺いましたけれども、皆さんは知事に対して報告書を上げていたことはあっても、知事に対して、経過についてヒアリングしたことはございますか。
〇熊谷経営管理課総括課長 最終報告案の作成までのプロセスにおきまして、節目節目におきまして知事に報告を上げながら進めてきたところでございます。ヒアリングという形では行ってはございません。
〇及川あつし委員 報告というのは、皆さんが作業をしてまとめたものを、知事、今、こうなっていますという作業であって、当時、我々が議会でずっと言ってきたのは、知事の関与についても、知事が、医療局に対して一定の指示、一定の方向性を示したかどうか、この点についても一貫して問題にしてまいりました。その意味においては、この報告書を作成するに当たって、知事に、報告ではなくてヒアリングをすべきだったと私は思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇熊谷経営管理課総括課長 こちらの今回の花泉の案件に関しまして、知事が白光のほうと接触したとか、そういった部分につきまして、公募をゆがめるような関与をしたとか、そういった事実は全くないと。これは議会の場で明言されてございますので、そうしたヒアリングは必要ないと私ども考えてございます。
〇及川あつし委員 そのように考えていると。私は違うということで、これも答弁はこれ以上いかないと思いますが、やはりやらないと正確なものができないなと思っておりますので、再度やる有余があるのであればやるべきだということで申し上げたいと思います。
 次にお伺いをいたしますが、先ほども答弁でありましたが、当時の担当の職員の方からの証言、当時の書類、記録等も一応確認の上、この最終報告書ができたということになってございますが、誰を、どういう形で、いつ、何回など、どういう形で当時の関係職員の皆さんからヒアリングを行ったのか、御説明をお願いします。
〇熊谷経営管理課総括課長 今回の検証に当たりましては、過去におけます一連の書類や記録等を精査するとともに、本年の7月から8月にかけまして、当時の関係職員から確認した上で最終報告書案としてまとめたところでございます。当時の関係職員からの確認内容についてでございますが、当時の書類や記録等をもとに中間報告や最終報告案について、事実誤認や漏れがないかを確認する形で行ったところでございます。
 誰かという御質問でございますが、当時の医療局長、次長、管理課総括課長でございます。
〇及川あつし委員 当時の保健福祉部長にはヒアリングしましたか。
〇熊谷経営管理課総括課長 行ってございません。
〇及川あつし委員 当時の保健福祉部長も非常に大事なポジションでありまして、一番最初に議会の答弁で、花泉地域診療センターという具体名を出して方向性を出したのは、当時の保健福祉部長であります。もうおやめになっているけれども。やっぱり当時の保健福祉部長からも経過を聞かないと、十分なものにならないということで、私は皆さんに再検討していただきたいと思ってございます。
 それでは、報告書に基づいてそれぞれちょっと伺ってまいりたいと思います。
 まず、2ページの初めのところに、県議会においていろいろ指摘があったところであり、これを重く受けとめると。この言葉については、私は重く受けとめていただければいいなと思うんですが、しかし、具体の報告書を見ていくと、言葉とは裏腹に、詳細については受けとめていないなと思われますので、その点について確認の作業も含めて、事実と違うのではないかなという我々の心証も含めてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 6ページについてでございます。これは以前にも伺いましたけれども、平成21年6月8日、先ほども若干質疑がございましたが、医療法人白光からの紹介により医師を1名採用。これ、記録上は、あちらから紹介をされたのでしょうか。医療局側から、ぜひお願いをしたいということで依頼したのでしょうか。最初の発端の主体はどちらだったかはっきりさせてください。
〇川上医師支援推進室長 御質問いただきました、どちらが先に招いたのかという部分につきましては、当時の医療法人白光のほうから情報をいただいて、それで医師招聘に結びつけたということでございます。
〇及川あつし委員 ちょっと曖昧なので、情報をいただいたということはどういうことなんでしょうか。医療局から、最初にお願いをした事実は確認できますか、できませんか、それだけで結構です。
〇川上医師支援推進室長 当方が承知しておりますのは、医療法人白光から、県立病院で勤務できる医師がいるよと情報をいただいた、それが出発であるということでございます。
〇及川あつし委員 記録上、そうなっているということで確認をさせていただきました。
では、7ページ、8ページ、これは今後について非常に大事だと思うわけですが、白光以外に問い合わせのあった法人ということで、一関市の法人と宮城県の医療法人の件についてでありますが─応募しなかった理由の聞きとりは、それぞれの事業者の運営方針等に関わることと考え、個々には行わず─と記載がございます。もし、今後、こういう形で公募をやる場合には、この点についての今回の最終報告書における記載は、私は非常に曖昧だと思うんですね。やっぱり公募のやり方というのも、競争入札のような形ではなくて、公募にもいろんな形態があると。いろいろ事前にやりとりもあって、どういう条件だったらうまくいくかとか、いろんな法人とのやりとりが事前にあることを前提にする公募というのもあるということは、私、総務省のいろんな通知等で確認しました。なので、ここについては、今後について非常に大事なポイントだと思われますので、具体的に、今後については、公募をする場合に、こういういろんな関心がある法人を、問い合わせがあって次に進まなかったから、はい、終わりじゃなくて、もう少し具体に、今後の可能性も含めて詰める必要があるのではないかと思うのですが、ここの記載についてはどうでしょうか。私の今申し上げた意見も踏まえて御所見を賜ります。
〇熊谷経営管理課総括課長 問い合わせがありました二つの法人でございますが、1カ所につきましては一関市ということでございますが、施設案内、募集要項を送付させていただいたところでございます。それから、もう一つの法人につきましては宮城県の法人ですが、公募開始後に電話で問い合わせがあったものでございます。宮城県の法人につきましては、もともと応募資格に該当しないというところもあって辞退されたのかなというところもございますが、いわゆる、特段、そういった初期の段階での問い合わせでございましたので、結果として応募しなかった理由というのは聞いていなかったところでございます。
〇及川あつし委員 この点に関して僕が申し上げたいのは、今、一生懸命、医師を確保するためにいろんなところとアクセスをして関係を深めてやっていくということなわけですよね。私の心証では、このときに、もう白光に前のめりになっていて、いろんなこういう相手側からのアクセスがあったにもかかわらず、それを今後につなげていないわけですよ。そういった意味で、せっかく公募をやって、公募をやるということは、その時点でどこに決めるかだけじゃなくて、次につながる話だと思うので、次の可能性を否定してきたという意味で、私は、ここは次に対してしっかりとした検証をしてもらいたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、16ページについて伺いたいと思います。
 16ページについてでありますが、いわゆる県の指導等ということであります。私は当初、開業から採用した医師がなかなかきちっと予定どおりにいかないとか、予定どおりの患者がなかったので収入が厳しいということがあって滞納になったんだなという理解でずっとまいりましたが、先方はまた違うことを言っておりましたので確認をしますが、いわゆる滞納ですね、結果として滞納だと思うんですが、家賃が振り込まれなくなったときに、医療法人白光並びに社会福祉法人七星会からは、なぜ契約をした家賃を払わないかという理由が当時から示されていたでしょうか。示されていたかどうか伺います。また、示されていたとすれば、その内容についてお示しを願います。
〇熊谷経営管理課総括課長 延滞が始まりまして、さまざま使用料を払っていただきたいということで法人と協議をしてきたところでございます。そういった中で、経営的に厳しいというような法人側からのお話を頂戴したと考えてございます。
〇及川あつし委員 そのやりとりの中で、事前に約束した家賃と違うから払わないんだという発言は確認できていますか。
〇熊谷経営管理課総括課長 そういった発言は確認できてございません。
〇及川あつし委員 わかりました。では、医療局では確認していないということで確認をさせていただきました。
 それでは医療局長に伺いますが、前医療局長からそういうやりとりもあったというような話、また文書による引き継ぎはありましたか、ありませんか、その点について確認をいたします。
〇遠藤医療局長 いわゆる医療法人の側で言っているような事実については、そのような確認、それ以前に、そのようなお話は一切受けておりません。
〇及川あつし委員 家賃のお話を今しましたが、開設をした後に補助金を出すよという話についても、医療局の資料、また、医療局長の引き継ぎ等ではどうなっていますか。
〇遠藤医療局長 私ども医療局は公営企業でございますので、基本的に補助金を出すというような行政的な業務は一切やっておりませんので、制度的にそれはあり得ませんので、そういう話をすることはあり得ないと考えております。
〇及川あつし委員 保健福祉部においては、いわゆる地域医療を担保するために、医療法人白光に、開設後に補助金を約束していたかのような記録等についてはあるかないか、確認できていますか。
〇小田島保健福祉部長 そういうふうに開設前に、補助金を出すというようなことを約束したということはございません。
〇及川あつし委員 では、両局部とも確認をしていないということでありますので、そこについては進みたいと思います。
 問題の21ページについて伺いたいと思います。
 これが一番、我々が事前に折衝があったんでしょうと、ようやくお認めになった内容。でも、外形的にはまだまだ実はあったんじゃないのというのが我々の心証でありますし、また、2月に会って、4月に会って、6月に医師を紹介した。こんな程度でうちの大事な医師を紹介できるわけないよなということも聞いてきておりますが、ここについては今後しっかり調査をして、どうだったかということは判明させなければいけないポイントだということで指摘にとどめておきます。
 私が一番、今回、何点か非常に気になってしゃくにさわるなと思うのは、今後への反応というところの表現であります。─これら一連の対応に関し、何らかの疑念を抱かせるとすれば、対応のあり方に引き続き配慮するとともに、慎重に対応していく必要がある─と。ザ・岩手県庁文学の報告書だなと思っています。何らかの疑念を抱かせるとすればという仮定法じゃなくて、我々は議会で、2年も3年も疑念があるよと言っているんですよ。抱かせるとすればという仮定法の表現で最終報告をまとめてもらったら、我々は2年も3年も、何でこの案件で、何度も、時間と労力と体力を使って議論してきたんですかということになるんです。疑念を抱かせるとすればじゃなくて、疑念があるのです。ここについてはしっかりこれまで我々が指摘した事項で、何がどうだったかということも踏まえて表記を私は変えるべきだと思っておりますが、御所見があれば承りたいと存じます。
〇遠藤医療局長 ここの表現は、もちろん議会でのいろんな御議論もございますし、また、一般の─一般という言葉は適切じゃない、県民の皆様方からのまた視点というのもございますので、ただ、委員御指摘のとおり、これだけだと、確かに議会でのこれまでの長い議論が十分意を尽くしていないという指摘にも配慮すべきところがあろうかと思います。表現については、若干検討させていただきたいと思います。
〇及川あつし委員 そういう我々の思いもぜひ受けとめてまとめていただきたいと思います。
 22ページについて、課題等のところ、ここも私は読んでびっくりしました。まるで他人事のような文章だなと思っております。民間医療機関に関する診療応援に係る構想を内定先決定後に打ち出したことについておかしいんじゃないかと。私も常任委員会で申し上げた一人であります。この点について、私は、まともなプロセスがあるのであればもうちょっと十分なスキームがあったと思うし、せっかくこういうことがあったけれども、相手から要請がなかったからといって、伝家の宝刀も抜かないままに2年間でやめることになってしまったという意味で、ここも非常に大事なポイントだと思いますので、ぜひ再度精査をして表記をしていただきたいと思いますし、23ページの、公募の公平性に十分配意する必要があると書いていますが、何が公募の公平性に欠けていたのかという表記がなくして、最後だけ、公募の公平性に十分配意する必要があるという記述についても、私は歴史に耐えられない部分だなと思っておりますので、再度御検討をいただきたいと思います。
 時間の関係もありますのでちょっと飛ばしていきまして、32ページの課題等については国語的に意味不明でありますので、再度精査をお願いしたいと思います。
 医療と福祉が連携した施設のオープンであることから、云々、くんぬんというのは、ちょっとわかりづらいので修正をしたほうがよろしいかと思います。
 最後になりますが、34ページの部分についてであります。ここが一番大事なところで、先ほども五日市委員から指摘がありましたが、まとめということで、ここが大事だと私は考えているところでございます。
 外部の皆さんから意見を聞いたということについては、そこについては多とするわけでありますが、一貫して申し上げているとおり、私は事実を十分反映したものになっていないなと今の段階でも考えているところでございます。
 最後になりますが、今回の検証結果を十分に踏まえ、適切に対応してまいりますという内容になっていますけれども、検証が不十分であれば、適切に今後対応することはできないと思います。よって、再度この検証結果を、足りない部分があるということをお認めいただいて、必要性を認識していただいて、十分もう一度検証していただき、今後に生かし、踏まえていくべきだと思うわけですが、その点について医療局長の所見を伺いたいと存じます。
〇遠藤医療局長 報告書の記載内容についていろいろ御指導、御指摘をちょうだいいたしました。
 先ほどお答えする機会をちょっと失したんですが、応募して、照会があったんだけれども、実際の応募には至らなかった。そういったところも、なぜ、そこに至らなかったのかというあたりをきちっと拾っておくべきじゃないかという御指摘がございました。それは対応としてはやはりそういうのも一つのやり方だと思っています。今後、民間移管とかある場合に、要項はもらったんだけれども、何ゆえ応募に至らなかったのか、それは何らかの条件が合わないとか、多分そういった要素がおありになるということなんでしょうから、そういったあたりをフォローするというのは、一つの考え方だろうなということでお伺いしておりました。
 ちょっと記載の中身でいろいろ表現が足りない分とかというのがございますので、記載の表現等につきましては、また最終の報告にするまでにまた検討してみたいと思っております。
〇及川あつし委員 きょうもたくさんいろいろ聞いてまいりましたが、確認という意味の質問が多かったかと存じますが、いずれ私としても、やりようによってはまだいろいろあったんじゃないかなと、結果がこうなりまして思っております。しっかり今回の事案については検証して次に生かすべきだということを今もって痛感をしているところでありますので、また今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
 きょうは時間の関係もございますので、以上にさせていただきたいと思います。御答弁、ありがとうございました。
〇久保孝喜委員 これまで質疑の中で、私どもが疑問としてきたことが、ますますどうもすとんと落ちてこないなという思いでいっぱいであります。
 この報告書に記されている日付の入ったさまざまな経過でありますけれども、これがそれ自体は事実だとしても、その事実の背後にある、そこに至る経過といいますか、原因といいますか、背景といいますか、そういうものがなかなか我々の胸にすとんと落ちてこないわけですね。それをある意味で私自身は納得をさせられた思いがしたのは、一連の橋本氏の新聞報道などを含めたこれまでのやりとりによって、ああ、そういうことでこういう動きになったのかと、こういうふうに納得した部分が大変多かったということを私自身まず申し上げておきたいと思います。
 その上で、この報告書が先ほど来出ているように、今後の民間移管に資するための検証であるというような位置づけでは、私はまず不十分だと思います。
 というのは、初めて民間移管をしたケースであったという、しかも、議会においては、もう数え切れないくらいの時間、労力を費やして議論をしてきた。無床化の際もそして民間移管の際もそうなんですが、そういう経過に鑑みれば、これはもう全く県の行政施策あるいは政策選択の失敗にかかわる検証であるとまず医療局長みずからが認めないと、どうも私らはこれまでやってきたことにむなしさを感じてしまうわけですよ。よりよいものにしていくための検証なわけですから、しかも、それが政策選択の失敗であるということに私は思うんですが、その点について医療局長はどのようにお考えでしょうか。
〇遠藤医療局長 政策の選択の失敗とおっしゃっている趣旨は、民間移管を地域の声に応えて、県営ではなかなか難しいので、民間のノウハウを活用してやるという形の政策的な選択は行ったところでございますけれども、私は、政策的な選択、これは民間移管はなかなか県営では難しいという中で、民間のノウハウでできるということであれば、それはそれで一つの選択肢だと考えておりますので、結果的にこの医療法人についてはこういう結果になってしまったということは反省しているところでございますけれども、ただ、政策の選択肢としては失敗だというよりは、これは一つの今後に生かすべき選択肢の一つだろうと認識しております。
〇久保孝喜委員 選択肢としては正しかったけれども、それでは何がだめだったんですか。
〇遠藤医療局長 ただいまの質問は政策の選択の失敗だったという御質問でございましたので、政策の、選択の失敗ということには当たらないだろうということでお答えしたところでございます。
 それから、何が失敗だったのかというお尋ねでございますけれども、失敗という言い方が適当なのかどうなのかそれはわかりませんけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、地域の皆様方の別途に入院施設が必要だという、そういう思いに応えられなくなってしまったということについては、結果的には、失敗だという表現を借りれば失敗ということになろうかと思います。
〇久保孝喜委員 この話を延々としてもしようがないわけですけれども、ただ、私たちの思いというものについても、御理解をいただきたいと思うわけですよ。これまで、先ほど来医療局長が、例えば地元自治体ともっと一体化して検討すべきだったという教訓もあると。あるいは、地元民、地域の方々の理解ももっと深めておかなければいけなかったというような話、あるいは公募期間が短かったのではないかという反省、さらには、選定に専門家を入れてやるべきだったのではないかという最後のまとめのくだりを含めて、これ全て議会の中でそうすべきだという要求をしたにもかかわらず、あなた方がそういう方向に軌道修正もしなければ、応えようとしなかった結果として、私流に言えば今日の失敗があったわけですよ。その点をどうお考えですか。
〇遠藤医療局長 今般の検証におきましても、委員御指摘のようなところも踏まえまして検証を行っておりまして、その上で、今後、改善すべき点等をいろいろ報告書の中に記載させていただいたところでございます。
〇久保孝喜委員 本当に残念なのは、この報告書が一連の質疑の中で明らかになったように、公募に応じた当該の医療法人に対しても一切目にさせることもなく、通告するでもなく、中間報告はもちろんさらさらしていないし、報告書ができたということで、その経過の中でのヒアリングも全くなかったということを含めて、先ほど医療局長は、一般論としては当該法人からヒアリングするのは正しいかもしれないけれどもという言葉が出ましたけれども、誰が考えても、こうした議会の中でも延々と議論してきたことが頓挫したわけですから、当然、当事者から客観的な立場の人が聞くとかという可能な、可能で、しかもやるべきことをやっていない報告書だという印象が大変強いわけですよ。
 お尋ねしますが、先ほど来の質疑の中で、関係職員からの聞き取りなどもしましたという話ですが、それは医療局の事務方が対職員に聞いたというだけの話なんでしょうか。それとも、この報告書の議論をしていただいた経営委員会の皆さん方が、いわゆるヒアリングという形で正規に行ったものなんでしょうか、そこをまず確認しておきます。
〇熊谷経営管理課総括課長 当時の関係職員の確認につきましては、医療局の職員である私と、私の部下で行ったものでございます。
〇久保孝喜委員 そうすると、誰が考えても、これは一般論でちゃんとした軌道に乗せて検証していただかなければならないという話になっちゃうわけですよ。県庁職員である皆さん方が県庁職員に、ここはこうだったですよねと聞くのがいわゆる聞き取り調査だとすれば、それを第三者が明確に、ここはどういう意図でこうなったのかということを含めて聞くというのがヒアリングという形式なわけでしょう。そういうのをわざわざ経営委員会の中に提示をしてやっているんだったら、その経営委員会の中でヒアリングすればよかったじゃないですか。そのほうが客観性を担保することができたんじゃないですか。なぜそうしなかったんですか。
〇遠藤医療局長 ただいまおっしゃっている委員の御指摘は、職員のヒアリングを行う際に、医療局職員がヒアリングを行うんじゃなくて、外部の第三者なりそういった方々が出向いてヒアリングをして客観性を担保すべきじゃないかという趣旨のお尋ねでございますね。
 昨年のちょうど9月の決算特別委員会の中で、橋本会長がいろんな発言をして新聞報道がなされて、そこでいろんなことが議会でも議論され、これは最終的に12月に言ったわけですが、12月の最終的なまた本会議の最終日においても、またいろんなものが出てきて緊急質問といった形でやってきておられるということがございます。
 一連の発言の中身等につきましては、先ほどどなたか委員のときに私お答えいたしましたけれども、私、5回か6回会って全部聞いていますので、なおかつ、過程の中で発言の内容が変遷するのも私知っていますので、したがって、恐らくよって立つところの何か職員が不正をしているんじゃないか、間違ったことをやっているんじゃないかという視点に立てば、今言ったようなお話があろうかと思いますけれども、ただ、これは、これまで議会でも議論をされて、なおかつ、いろんな質問に対しては議会という公式の場で、これまで私どもの医療局の職員が、議員の皆様方のこういう場できちんと答弁してきている、そういう前提があります。どこかの新聞社にいろいろしゃべって、それが報道されているのとは違いまして、議員の皆様方の質問に対して、私ども執行部は職員ですから、議員の皆様方の質問には基本的に真摯に答えておりますので、そういった経緯がある職員に対して、何かあるみたいな、そこまで私はやる必要はないと考えております。
〇久保孝喜委員 今の医療局長の発言は、私のそういう姿勢に対する反論なんでしょうけれども、私が言っているのは、皆さんが何か悪事を働いたとか、そういうことを前提にして、それを暴き立てようというつもりで発言しているわけではありません。顔つきが悪いのでしようがないんですけれども、この問題はあらゆる行政の報告書がそうであるように、議会や何かで議論をされる、新聞等でもさまざま指摘をされる、県民世論がある意味で懸念が広がっている、そういう状況の中で出す報告書ですから、できるだけ客観性と公平性を担保しなければならない。だから、そういうことをやれる環境があるのに、なぜやらないんだろうと思うということを言っているんですよ。それが何かあたかも、あなた方を犯罪人に仕立て上げるための言い分だみたいに反論されても、片腹痛い話になってしまうわけです。
 しかも、私はこの報告書をずっと読んで、最後の34ページ、まとめ、まとめ中のまとめというのは、下から2段落目なんだと思うんですよ、文章的には。ここで書かれているのは、結局、民間移管した先の法人が、県当局の思いとは別に、極めて不十分だったということを実は書いているにすぎないんじゃないかという思いになってしまうわけですよ。これはまとめ中のまとめだと私は読みました。それではこれまでの議論としては、議会内の議論あるいはマスコミの皆さんを含めたそういう指摘、それに応えることにはならないのではないか。謙虚に県行政として何が足りなかったのか、あるいは経過の中に不透明な部分はなかったのか。それをきちんと世に示すためにも、客観性を担保しなければならない、公平性を担保しなければならない、そういう経過をたどった報告書をつくらなければならない、そういうふうにならなければならないんじゃないでしょうかね。そういうことにこの報告書案は全くなっていないというのが、私の意見なんですよ。どうでしょうか。
〇遠藤医療局長 この検証報告書の最終案につきましては、一連の手続についてやはりこういうところが足りなかったとか、そういった形で検証させていただいておりますし、また、そういった点については外部有識者の方の御意見もちょうだいしながら取りまとめたものでございます。
 委員御指摘の御意見については御意見として承りますけれども、私としては、これはそれなりにまとまった十分な検証報告書だと認識しております。
〇久保孝喜委員 どうも客観的見ると、医療局長の答弁は、回を増すごとにかなり強硬になってきているという感じがしてならないわけですけれども、ここはそういう議論の場でもありますから十分に、私どももそういう医療局長の意向を、表明をちゃんと受けとめていきたいと思いますが、しかし、残る疑念はやっぱり客観性ですよ。ここを我々がこの議論も含め、あるいはこれから予定される参考人の問題、どうなるかまだ決定はしていませんけれども、そういうことも含めて、県民に対して客観的に明らかにするという役割があるということを私は改めてきょうのやりとりを通じて感じましたので、そのことを伝えて終わりたいと思います。
〇斉藤信委員 まず第1に、検証報告書案の最大の欠陥は、破綻した医療法人白光側を調査していないということです。破綻したのは、民間医療法人の診療所なんですよ。なぜ破綻した医療法人を調査しなかったのか、医療局長、答えてください。
〇岩崎友一副委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇遠藤医療局長 先ほど来答弁しているとおり、医療法人白光のほうの破綻というかどうかあれなんですけれども、いずれ撤退につきましては昨年の10月の決算特別委員会以降、ずっとさまざまなやりとりを行いながらやってきておりますので、その中にさまざまな理由とかそういった、これは橋本堯夫理事、会長からいろんな話も伺っておりますし、また、それは文書として知事への要望あるいは私どもへの質問状でしたか、といった形でいただいておりますので、その辺については把握した上で行っておりますので、改めてやる必要はないと考えております。
〇斉藤信委員 例えば社会福祉法人七星会の理事会の公式の場で、これは橋本堯夫氏が、どうして花泉診療所を受けることになったのか、その経過について公式に発言をして、こういうペーパーまで出た。最近の新聞報道だと─これはきょうの新聞ですよ。公募前から県との間で契約内容は固まっていた。知事からの電話はあったと。今でもこの問題は撤回していませんよ。こういうことをあなた方が調査しなかったら、調査にならないじゃないですか。医療局長。
〇遠藤医療局長 社会福祉法人の理事会という公式の場で─あそこですと理事長ですね。理事長がいかなるペーパーを配っていかなる発言をしたかということについては、私どもとしては承知しておりません。それが議事録に載っているのかどうかも、その辺については。社会福祉法人は、私ども有床診療所をお願いしているのは医療法人でございますので、社会福祉法人は10年間有床でやるとかというのとは基本的にまた別な位置づけだろうと思いますので、それについては承知しておりません。
〇斉藤信委員 保健福祉部長、答えて。確認しているのか。だめだよ、そんなことでごたごたしたら。
〇小田島保健福祉部長 社会福祉法人七星会の議事録等については、確認をいたしておりません。
〇斉藤信委員 重大な発言が新聞報道にも出ているのに、あなた方は確認もしようとしていない。あなた方の内輪の調査なんですよ。内輪の調査も部下がやっているんですよ。
 いいですか。当時の医療局長、保健福祉部長、知事の関与も問われている。部下がそんな調査できますか。できないでしょう。第三者の調査権限のある人が知事や部長を調査しなかったら、内輪の調査にもならないんですよ、これは。医療局長、そう思いませんか。
〇遠藤医療局長 調査という言葉が適切なのかどうかはわかりませんけれども、昨年来と繰り返してもあれなんですが、電話とか、いろいろ議会でも斉藤委員はたびたび確認されていますけれども、その中で知事も毎回毎回きちっとお答えしておりますので、それをさらに確認するというのは、そういうことになると議会というのは一体何なのかという話になります。議会での発言の重みというのはそれなりに重い発言でございますので、そういう意味では知事も真摯に対応されておりますし、私どもの職員も過去にそういった質問を受けた際には、やはり議会の議員の皆様方には真摯な対応でお答えしているところでございまして、その発言の中身の審議を云々ということは適当でないと考えています。
〇斉藤信委員 問われている最大の問題は何かというと、医療法人白光との癒着の疑惑なんです。その一つが、知事と医療法人会長との関係なんですよ。私は第三者の証言を受けて、公募が問題になる前から、知事から会長に電話があったということを議会で取り上げてきた。第三者の証言を受けているから私は取り上げているのですよ。知事は、ただ否定しているだけですよ。今もこの問題が出てきた。だったら、確かめなきゃだめでしょう。この発言は否定されていないのですよ、当事者から。
 そして、昨年の知事選挙の際、数十万円の選挙資金を提供しようとした。一度は受け取った。膨大な滞納をしている個人がですよ、知事に献金するなんていうことは考えられないですよ、普通の関係だったら。返したか返さないかということも、これは私はまだ不透明だと思うが、そういう関係だったというのは癒着の一つのあらわれですよ。私はそういう意味では、ぜひ最終日に知事を呼んで集中審議をしていただきたい。これは世話人会で検討してください。
〇岩崎友一副委員長 ただいま斉藤委員から発言のあった、知事を呼んだ集中審議の件については、後日、世話人会を開き協議することとし、協議がまとまった段階で委員会に報告したいと思いますので、御了承願います。
〇斉藤信委員 それで、医療法人白光が1月28日に民間移管に名乗りを上げた。この以降、急速に民間移管への取り組みが進められました。
 2月16日、医療局長は一関市長に会いました。そして白光とも会いました。どっちが先に会ったんですか。
〇熊谷経営管理課総括課長 最初一関市のほうに行きまして、その帰りに白光のほうを訪問したということでございます。
〇斉藤信委員 これがすごく大事なんですよ。1月28日に白光が─このときには無床化反対の大運動が起きているときですよ、花泉で。無床化反対ですよ。そのときに民間移管に名乗りを上げたんですよ。これを受けて、いいですか、医療局長はまず先に何をやったか。一関市長に─これは4ページですけれどもね、医療法人白光が名乗りを上げたことを踏まえて、どのような利活用を考えているか説明したんですよ。その後ですよ、白光に足を運んだのは。公式にはですよ。話が逆でしょう。白光から話を聞いて一関市長に行くならともかく、あなた方は先に一関市長に行っているんですよ。新聞報道を前提にしてですよ。大体ね、新聞報道を前提にして一関市長に行きますか、こんなことで。もうこのときに、あなた方は民間移管の方針を決めていたんじゃないですか。医療局長、違いますか。
〇遠藤医療局長 民間移管の話といいますか、これは平成21年ですから平成20年の12月議会でもそういったことは答弁等で出ておりますので、そういった流れの中でそういう具体的に名乗りを上げた法人が出てきた場合には、それはそれで具体的に地元の意向も確認するというのが、それは別に不自然でも何でもないと思います。
〇斉藤信委員 この当時、あなたも本当にわかっていると思うけれどもね、無床化反対で署名がたくさん集められたときなんですよ。そのときにあなた方は、あの新聞報道だけを根拠にしてね、民間移管をいかがかと一関市長に言った。それを受けて3月6日、医療法人白光が臨時社員総会を開いて─これは37ページにありますが、診療所の開設及び定款の一部変更を決めているんですよ。3月6日ですよ。医療局は公式には示していないのに、あなた方の動きと軌を一にして診療所を開設するという定款を変えているんですよ。こんなの勝手に変えられますか。もう、このときからあなた方の民間移管の方針は、話、決めていたんじゃないですか。違いますか、医療局長。
〇遠藤医療局長 この定款変更については、たしか過去に斉藤委員の御指摘があって、この一連の経過の中にこういった項目で載せてございますけれども、定款変更の理由等につきましては、私ども許認可庁でもございませんので、その詳細は把握しておりません。
〇斉藤信委員 だから、医療法人白光を調査しないとだめなのです。あなた方が何でこんなに勇み足でやったんですかと、どういう話があったんですかと。あなた当事者じゃないからわからないだけなんですよ。当時の医療局長、そして電話をかけた知事から聞かなかったらわからないんだ、これは。あなた方ができなかったら第三者が調べるしかないのですよ。本当にこれは異常な経過になっているんですよ。
 いいですか。あなた方が公式に民間移管を議題にしたのは4月23日、第2回地域診療センター等懇談会、これまた異様なことだったですよ。無床化に反対して強行された。その直後ですからね。こういうところでも公式に民間移管の方向を打ち出して、4月23日に民間公募の方針が示されているんですよ。民間公募の方針が。そして6月8日に、その医療法人からの紹介で花泉地域診療センターに医師1名が採用されていると。これは21ページですかね。21ページにこう書いているんです。これは深刻な話ですよ。民間公募とは別に、医療法人からの紹介により、旧花泉地域診療センターに臨時医務嘱託として医師を平成21年6月8日付で採用している。当該臨時医務嘱託は、応募申込書の人員配置計画において有床診療所の責任者とされていたが、開設時には別の医師がなっていた。
 いいですか。公募をする前に、公募に手を上げている医療法人白光から、あなた方は紹介を受けて、それは所長候補だった。その人を試運転のような形で採用したと。これは異常な癒着じゃないですか。医療局長、これはまともなことですか。答えて。
〇遠藤医療局長 6月8日のいわゆる臨時の医務嘱託でございますけれども、これは、医療法人白光からの紹介によりまして採用してございます。それから、勤務実績は8月21日までということでございます。
 その後、白光に採用されたと伺っておりますので、8月の申請時において、候補者として白光の申請書の中に載っていることは、別に不思議ではないといいますか、向こうの職員ですから、それは載っていて別によろしいのではないでしょうか。
〇斉藤信委員 公募前に、公募に手を上げている医療法人から、その紹介で所長候補をあなた方は採用した。その当時の花泉地域診療センターの医師は永井先生です。私は永井先生から聞いた。必要性があったんですか、ありませんでした。私も知らないうちに採用された。
 これは何でやめたんですか。7月6日から8月21日勤務。何でやめたんですか。
〇遠藤医療局長 昨年12月の緊急質問の中でも、先ほど斉藤委員がおっしゃった理事会とかでこういう発言をしているとかという中でこういう話があったかどうかあれなんですが、年明けてことしの1月ですけれども、その中で、医療法人の会長からは同様の話を私もされておりますし、それは質問状として私も受けております。
 その中で、医療局から頼まれて紹介したとかなんとかという話。今、斉藤委員おっしゃるとおり、永井センター長から情報をとられているというお話で、斉藤委員の話ですと、そもそもあそこは2人で十分で、医療局からそんな頼んで採用するような話ではないよという整理になるんですけれども、それはさておきまして……(斉藤信委員「時間の無駄だよ。答えてくれよ、早く。何でやめたのか」と呼ぶ)
 なぜやめたのかということにつきましては、やはり県立病院の、これは医師支援のほうは医師招聘が担当しているのでなかなか直接には答弁しづらいので私から答弁いたしますけれども、県立病院のドクターというのは、御案内のとおり、非常に皆さん優秀でございまして、医療行為とか、あるいはカルテの処理とか、それは非常にてきぱきとやっております。県立病院は一般にそうでございます。
 中には、これは一般論でございますけれども、招聘して入った場合に、そういった職場の中になかなか合わないというのは、これはよくあることでございまして、そうした場合には、やはり別の職場を求めてやめていかれるというのは、これは一般論でございますけれども、例としてあることでございます。
〇斉藤信委員 この医療法人白光から紹介と言うけれども、誰が紹介したんですか。そして、この採用は誰が決めたんですか。永井先生とは相談があったんですか。はっきり答えてください。
〇岩崎友一副委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇川上医師支援推進室長 非常勤職員の任用については、直属の病院長が任用するという扱いになってございます。当時、花泉地域診療センターの親病院は磐井病院でございましたので、磐井病院のほうでそういう手続をとったということになります。
   〔斉藤信委員「いやいや、誰から紹介があったんですか。医療法人の誰から」と呼ぶ〕
〇川上医師支援推進室長(続) 当方の当時担当していた職員に確認しましたところ、当時、複数の方とやりとりをしておりましたので、医療法人のどなたというところまで特定はできなかった状況でございます。ただ、その担当職員を確認しました際には、医療法人のほうから電話で情報を提供いただいたということで医師の招聘に動いた、そういったような状況でございます。
〇斉藤信委員 電話で紹介されて、ぱっと採用したと。すごいね。これは、そんな簡単に決まるぐらいの癒着だったということですよ。このぐらいね、第三者から見て、このぐらい異常なことはないですよ。もういいですよ、あなた。これは、磐井病院の院長が決めたなんて、そんな話じゃないですよ。医療局ですよ。
 それで、時間がないので私、進みますけれどもね、なぜ1カ月もたなかったかというと、使いものにならなかったからです。残念ながらそうだった。そういう医師しか医療法人白光は紹介できなかったんですよ。あなた方は、これをしっかり受けとめるべきだった。
 それで、次に行きますけれども、あの公募は、わずか26日間の公募期間でした。医師を複数確保して、入院ベッドを運営するというときに、たったこんな1カ月もならないような公募期間で応募できるところはないじゃないですか。あなた方が話をつけていた白光しかなかったのですよ。異常だと思いませんか。医療局長。
〇岩崎友一副委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇遠藤医療局長 今般の検証におきましては、やはり応募する側にも配慮した公募期間とすべきといったところで検証させていただいたところでございます。
〇斉藤信委員 反省しているということですね。異常なんですよ、これは。シナリオができているからこんな無謀なことをやったんですよ。今、沼宮内地域診療センターを見たらわかるでしょう。まともな民間医療法人が、やろうとしたって簡単にできないというのが実態なんですよ。
 ましてや、これは限定つきなんです、地域限定つき。二次医療圏の中でやる気のある者と。しかし、これは有床診療所の運営経験も全くなかった。私は、一関市医師会の会長にも、福祉関係の人たちにもたくさん聞いた。あそこだけにはやらせるべきでない、これが一関市の関係者の声でしたよ。
 私は、議会でもこのことを紹介した。あなた方も知っているはずだ。法人の適格性というのは最初から問われていたんですよ、最初から。それをあなた方は聞く耳持たずに癒着どおりにやった。
 事業失敗の最大の問題は事業計画にありました。事業計画の核心は医師の確保です。10ページを見てください。いいですか。
 平成21年8月27日のヒアリングで、常勤2名、非常勤3名確保したと言っているが、これは氏名も何も示されなかった。
 平成21年9月1日、法人に確認したときには2人、2人だけ履歴書を出した。
 10月6日、9月県議会で議論したときには、もうその1人は消えて、別な人ともう一人になっていた。
 平成22年3月25日、事業計画の見直しを出した。このときには、最初に決めていた2人は跡形もなくなっている。跡形もなくなっている。そして、あなた方はこれを認めたんですよ。
 ところが、4月1日開設のときには、1人の常勤医師しかいなかった。しかし、この人は病気で、4月以降、一人も診られなかったんですよ。常勤医師不在でスタートしたんですよ。
 私は、これを繰り返し指摘したじゃないですか。医師の確保の根拠があるのか、くるくる変わっているのではないか。
 3月25日、こういう指摘にもかかわらず、あなた方は、事業計画の見直しを認めている。ところが、数日後の開業のときには常勤医師は不在だったんです。こんな見逃し方をなぜしたんですか。医療局長、なぜこういうことになったんですか。
〇遠藤医療局長 10ページのとおりの医師の変遷でございます。
 今般の検証におきましても、医師確保につきましては、法人側役員の個人的人脈に期待し過ぎたといった点を反省すべき点として検証したところでございます。
〇斉藤信委員 反省が遅過ぎるよ。失敗してから反省しているんだ、あなた方は。県議会の指摘を全然聞く耳持たずで。そのぐらい医者が深刻だった。
 もう一つ指摘します。8ページ。いいですか、8月27日にヒアリングをして、事業計画をあなた方は認定した。そのときの理由、収支計画に若干の不安があるものの、医師の確保が会長の人脈等により確保され、地域の需要が高いと考えられる。一関市、医師確保の見通しが明るく云々。医師確保の見通しがあるから認めたんですよ。しかし、なかったんです。これはあなた方の、これは審査のやり直しをしなければだめだった。あなた方はそれをわかりながらも、それをしなかった。この責任は重大じゃないですか。医療局長。
〇遠藤医療局長 審査は公平、適正に行われたものと認識しておりまして、このとおり、今にしてみればというところは多々あろうかと思いますし、私もいろいろ、この会長人脈という関係で、入院を継続するか云々というときに何度かお会いして、いや医師はもう2人確保できている、もうあしたにも面接するとかというお話はいろいろ聞かされてきましたけれども、そういう結果にはなりませんでしたが、その点につきましても、先ほど申し上げましたとおり、やはり属人的なところに少し信頼を置き過ぎたという点が反省点かと思っております。
〇斉藤信委員 あなた方は、失敗してから反省しているだけなんですよ。しかし、そういう問題点は、議会の場で、本会議でも、決算特別委員会でも、環境福祉委員会でも徹底して議論された。この民間移管はたった1カ所だったんですよ。そのぐらい疑惑が大きかったのですよ。しかし、あなた方は一つもそれに耳をかさずに癒着のまま暴走した。それで失敗したというのがこの間の経過です。
 34ページにあなた方の検証のまとめが書いてあります。検証の結果、最後のところですね。今後、民間活用を検討する場合には─本当はだめなんですよ。今後検討する場合じゃないんですよ。今回失敗した理由はと書かなければだめなんだ─移管先法人の適格性の審査に当たり、法人から提出される事業計画の精査はもちろん、これまでの法人の実績や世評等も含めた総合的な評価や審査について、医療専門家等を交えて十分行うべきであると。
 私が指摘したとおりじゃないですか。医療局長、県議会で指摘されたとおりのことが、あなた方のまとめじゃないですか。違いますか。
〇遠藤医療局長 今般の検証に当たりましては、いろいろ一連の手続につきましても検証したということでございまして、これは、議会のいろいろな御指摘、議論を踏まえまして検証しておりますので、委員御指摘のような項目が入っていても、別にということではないかと思います。
〇斉藤信委員 この検証結果の結論は間違っていないと思いますよ。ただ、あなた方は失敗してから気づいた。この指摘は、県議会では繰り返しやられてきたということなんですよ。それに耳をかさずにやった。その背景に何があったか、医療法人白光とのとてつもない癒着なんです。癒着ですよ。その疑惑が今、問題になっているんですよ。それが怖くて、あなた方は医療法人白光を調査できないのです。
 私は、この検証報告書を見て、もう本当に、県議会ではこういう指摘があったと書いていますよ。その指摘をどう受けとめて、どうやったかが一つもない。県議会で幾ら指摘されても、無視して暴走した。そして失敗をした。結局は指摘どおりだったと。
 そういう点で、こんな内輪の弁解がましい検証報告ではだめです。きちんと癒着の解明をすべきだ。みんなが納得するように、みんな疑問を持っているんだから、これはおかしいと。
 だから、知事や当時の保健福祉部長、こういう話もありますよ。橋本堯夫氏は、6月の段階ではもう話は煮詰まっていたんだと。保健福祉部長に一関市の職員が呼ばれて督促されているんですよ。申請書づくりに、こうやって動員されているんですよ。だから、あなた方は2回しか医療法人と会っていないということしか書けない。いつ、誰々が医療法人と会ったかなんて書いたら癒着を証明することになってしまう。私は、つまびらかにすべきだと思う。あらゆる医療法人白光との話し合いを、あなた方の加担を。そうすれば、おのずとこの癒着は出てきます。
 そういう点で、ぜひ最終日には知事も呼んだ集中審議と、あと参考人も呼んでやっていただきたい。
〇岩崎友一副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一副委員長 質疑がないようでありますので、花泉診療所の事案に係る質疑をこれで終わります。
 保健福祉部及び医療局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後9時6分 散 会

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