平成24年9月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成24年10月17日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    葛 西   貢
  主任主査    村 上   聡
  主査    藤 澤 壮 仁
  主査    藤 枝   修
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  政策地域部長   中 村 一 郎
  副部長兼
  政策推進室長   木 村 卓 也
  副部長兼
  地域振興室長   佐々木 幸 弘
  首席ILC推進監 大 平   尚
  国体室長兼
  国体課長    西 村   豊
  政策監兼
  ILC推進監   保   和 衛
  評価課長    五月女 有 良
  調整監    平 野   直
  分権推進課長   高 橋   進
  政策推進室
  管理課長    坂 本 誠 一
  市町村課総括課長 紺 野 由 夫
  調査統計課
  総括課長    浅 田 和 夫
  NPO・文化
  国際課総括課長  畠 山 智 禎
  県北沿岸・定住
  交流課長    伊 藤   仁
  交通課長    野 中 広 治
  施設課長    菅 原   実

  理事兼復興局
  副局長    高前田 寿 幸
  復興担当技監兼
  まちづくり再生課
  総括課長    蓮 見 有 敏
  総務課総括課長  宮   卓 司
  企画課総括課長  森   達 也
  まちづくり
  再生課長    渡 邊 義 昭
  産業再生課
  総括課長    伊 藤 克 宏
  生活再建課
  総括課長    鈴 木 浩 之

  環境生活部長   工 藤 孝 男
  副部長兼
  環境生活企画室長 伊 藤 昇太郎
  環境担当技監兼廃
  棄物特別対策室長 谷 藤 長 利
  環境生活企画室
  特命参事    津軽石 昭 彦
  環境生活企画室
  企画課長    伊 勢   貴
  環境生活企画室
  管理課長    千 田 利 之
  温暖化・エネルギ
  ー対策課長    高 橋 喜 勝
  環境保全課
  総括課長    玉 懸 博 文
  資源循環推進課
  総括課長    大 泉 善 資
  自然保護課
  総括課長    小野寺 利 幸
  青少年・男女共同
  参画課総括課長  千 葉   彰
  県民くらしの
  安全課総括課長  小 向 正 悟
  食の安全安心課長 岩 井 賀寿彦
  県民生活安全課長 後 藤 文 孝
  消費生活課長   高 橋 友 三
  再生・整備課長  中 村   隆
  災害廃棄物
  対策課長    松 本   実

  会計管理者    菅 原 和 彦
  出納指導監    田 村 幸 義

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 門 口 正 雄
  監査第一課
  総括課長     小 原 一 信
  監査第二課
  総括課長    佐 藤 和 彦

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇小野共委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成23年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、並びに議案第56号及び議案第57号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、政策地域部、復興局、環境生活部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、政策地域部長に政策地域部関係の説明を求めます。
〇中村政策地域部長 平成23年度の政策地域部関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、政策地域部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針につきまして御説明いたします。
 まず、東日本大震災津波からの復旧、復興に係る取り組みにつきましては、当部では、三陸鉄道の早期復旧に向けた支援、それから、新しい公共の担い手であるNPOや企業等が協働して取り組む復興活動の支援、被災市町村の行政機能回復に向けた支援などに取り組んだところでございます。
 次に、いわて県民計画に掲げる取り組みにつきましては、国際リニアコライダーの東北誘致に向けた機運の醸成、住民主体の自律的コミュニティ活動の支援、新しい公共の拡大と定着に向けた普及啓発、仕組みづくり、さらに、文化芸術と県民との交流支援体制の整備、外国人県民等を支援する多言語サポーターの養成、平成28年の国民体育大会の開催に向けた諸準備、広域的な交通基盤の維持、確保、ICT利活用による地域活性化等に取り組んだところでございます。
 また、真の分権型社会を構築するための市町村行財政基盤の強化に向けた支援、広域振興局体制による広域行政の推進、県北・沿岸圏域の振興に取り組んだところでございます。
 さらに、各部局間の連携や横断的な取り組みの促進のほか、効果的、効率的な施策を推進するための政策評価システムの運用、政策形成の基礎となる統計数値の把握、分析などにより、政策形成支援機能の充実に努めたところでございます。
 今後におきましても、東日本大震災津波からの復旧、復興と、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けて、次の五つの点につきまして一層の選択と集中を図りながら取り組むとともに、政策評価システムに基づき、成果や課題等の検証を行い、その結果を次の政策等に適切に反映させていくなど、より効果的な政策の推進に努めてまいります。
 まず、第1に、平成26年4月の三陸鉄道全線運行再開に向けた支援のほか、不通となっておりますJR線の早期復旧に向けた調整等を引き続き行うとともに、公共交通の維持、確保と利用促進に向けて、持続可能な公共交通体系の構築を図ってまいります。
 第2に、広域振興圏の振興のため、広域振興局体制のもと、市町村や県民と連携しながら、いわて県民計画に掲げる各圏域の目指す将来像の実現や第2期アクションプランの取り組みを推進するとともに、特にも県北・沿岸圏域につきましては、引き続き県北・沿岸振興本部を中心に、県政の重要課題としてその振興に取り組んでまいります。
 第3に、復興の象徴である世界遺産平泉に体現される人と人との共生、人と自然との共生の理念を国内外へ発信するとともに、国際リニアコライダーの東北誘致に向けた取り組みを進めてまいります。
 第4に、新しい公共を担う多様な主体によるさまざまな復旧、復興活動等が活発に行われるよう、新しい公共の支援制度も活用しながら、多様な主体が協働する取り組みを積極的に推進してまいります。
 最後に、平成28年の国民体育大会を復興の象徴と位置づけ、オール岩手の視点に立ち、県民、企業、団体との協働を基本とする希望郷いわて国体の開催を目指してまいります。
 続きまして、決算の概要につきまして御説明いたします。
 政策地域部関係の決算につきましては、岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページの第2款総務費のうち、第2項企画費の一部、第4項地域振興費、第5項選挙費、第7項統計調査費、16ページと17ページの第11款災害復旧費のうち、第7項鉄道施設災害復旧費でございますが、これらの支出済総額は333億1、951万円余でございまして、翌年度への繰越額は32億8、450万円余、不用額は3億3、534万円余となっております。
 それでは、お手元に配付してございます歳入歳出決算事項別明細書によりまして、項目ごとに主な事業について御説明いたします。
 事項別明細書の178ページ、179ページをお開き願います。第2款総務費第2項企画費第1目企画総務費の支出済額517億6、728万円余のうち、右側の備考欄に記載しております当部関係3億9、469万円余の主なものにつきましては、まず、上から二つ目のプロジェクト研究調査事業費509万円余につきましては、地域における基礎科学の振興と国際リニアコライダー計画の推進を図るため、東北加速器基礎科学研究会が行う活動のほか、基礎的な調査を行うために要した経費の一部を負担したものでございます。次に、二つ飛びまして、ソフトパワーいわて戦略推進事業費808万円余は、本県の多様なソフトパワーの源でございます岩手の文化、暮らし等の魅力を本県ゆかりの漫画家の協力を得て発信するために要した経費でございます。次に、第71回国民体育大会開催準備費1億859万円余は、本県での平成28年国民体育大会開催に必要な準備を行うために要した経費であり、うち1億342万円余は、大会運営基金への積立金でございます。次に、第2目計画調査費の支出済額3、481万円余のうち、当部関係1、923万円余の主なものにつきましては、上から二つ目のいわて県民計画推進費414万円余は、いわて県民計画の周知を図るため、いわて県民計画の普及媒体の作成に要した経費でございます。次に、二つ飛びまして、政策形成推進費601万円余は、政策評価や施策の企画、立案に資する各種調査や情報収集を行うために要した経費でございます。
 なお、昨年6月に復興局が設置されたことに伴い、同局に移管しました復興計画策定費につきましては同局から説明することとしておりますので、御了承をお願いいたします。
 次に、182ページ、183ページをお願いいたします。第4項地域振興費第1目地域振興総務費の支出済額51億6、751万円余のうち、主なものにつきましては、まず、上から四つ目の地域経営推進費5億1、808万円余につきましては、広域振興局において、市町村やNPO、民間との協働のもと、産業の振興を中心に圏域の活性化に向けた事業等を行うために要した経費であります。次に、いわて平泉年推進事業費2、621万円余は、平泉の文化遺産の世界遺産登録に合わせ、平泉の文化遺産の価値及び理念の普及に関する取り組みを行うために要した経費でございます。次に、一つ飛びまして、NPO協働推進事業費1、506万円余は、NPOの活動支援や多様な主体による協働推進のための各種研修等の実施に要した経費でございます。次に、新しい公共支援事業費3億813万円余は、新しい公共の拡大と定着を図るため、モデル事業を行うNPO等に対する補助金の交付や、国の第3次補正予算による新しい公共支援事業交付金による基金の造成などに要した経費でございます。次に、いわて文化芸術王国構築事業費397万円余は、文化情報総合システムの運営や、文化芸術資源情報の発信、文化芸術ネットワークの運営等に要した経費でございます。次に、二つ飛びまして、県北・沿岸振興費341万円余につきましては、県北・沿岸圏域の振興を図るため、ジオパーク構想の推進や、岩手県北、青森県南の交流、連携を促進するために要した経費でございます。次に、184ページ、185ページをお開き願います。一番上のいわてへの定住・交流促進事業費1、496万円余につきましては、首都圏等におきまして、市町村及び関係団体と連携し、本県への移住を促進するための情報発信や受け入れ体制の整備を行うために要した経費であります。次に、二つ飛びまして、シニアICTサポート事業費3、918万円余は、高齢者層におけるブロードバンドの普及を図るため、セミナーや講習会の開催によるブロードバンドの利用促進の支援に要した経費でございます。次に、携帯電話等エリア整備事業費補助3億8、426万円は、地域住民の生活に密着した情報通信基盤の整備を促進するため、実施主体である市町村に対し、経費の一部を助成したものでございます。次に、一つ飛びまして、海洋産業創出促進事業費と、さらに一つ飛びまして、いわて三陸復興フェア開催事業費から震災復興ミニコミ誌発行事業費までの4事業につき ましては、広域振興局が企画、立案を行い、主体的に取り組みを行った広域振興事業でございます。
 なお、繰越明許費でございますが、182ページ、183ページにお戻りいただきまして、第1目地域振興総務費の繰越明許費2億2、423万円余につきましては、地域経営推進費、いわて県民情報交流センター管理運営費、携帯電話等エリア整備事業費補助の一部及び行政情報バックアップ促進事業費補助の全額を繰り越したものでございます。
 次に、また184ページ、185ページをお願いいたします。第2目市町村振興費の支出済額247億681万円余のうち、主なものにつきましては、まず、上から三つ目の合併市町村地域力向上支援交付金4、000万円は、平成22年3月までの合併特例法下で合併した市町村が、地域における住民の自主的な活動を支援し、地域力の向上を図るために行う取り組みに対して交付金を交付したものでございます。次に、三つ飛びまして、市町村振興宝くじ交付金32億9、066万円余は、東日本大震災津波に係る復旧事業に対する交付金及び市町村の単独事業に対する貸付事業の原資として、財団法人岩手県市町村振興協会に対して、東日本大震災復興宝くじ及び市町村振興宝くじ等の販売収益金を交付したものでございます。次に、一つ飛びまして、東日本大震災津波復興基金市町村交付金210億円は、東日本大震災津波からの復興に向けて、住民生活の安定やコミュニティの再生、地域経済の振興、雇用維持等について、きめ細やかに対処できるよう市町村に交付金を交付したものでございます。次に、一つ飛びまして、市町村総合補助金1億7、789万円余は、市町村が地域の自立に向けて取り組む事業及び生活基盤の維持、確保や行財政基盤の強化を図るために取り組む事業に要した経費について助成したものでございます。次に、第3目交通対策費の支出済額10億1、975万円余のうち、主なものにつきましては、まず、備考欄末尾の三陸鉄道運営支援事業費4億7、414万円余は、関係市町村と連携し、三陸鉄道の設備の整備、維持に係る経費等について助成するとともに、東日本大震災津波により運輸収入が激減し、経営が圧迫されている三陸鉄道株式会社に対し、運転資金を貸し付けたものでございます。次に、186ページ、187ページをお願いいたします。一番上の三陸鉄道輸送対策事業費補助850万円は、三陸鉄道の輸送高度化及び安全性の向上を図るため、沿線市町村とともに、国の補助金を導入して実施する設備整備に要した経費を助成したものでございます。次に、並行在来線対策事業費1億4、457万円余は、IGRいわて銀河鉄道株式会社の通学定期運賃の抑制及び鉄道設備の更新等に要した経費を助成したものでございます。次に、バス運行対策費3億1、383万円余は、地域住民の生活に欠くことのできない地方バス路線を維持するため、国庫補助制度に基づき、当該路線を運行するバス事業者に対しまして 運行赤字欠損額等を助成したものでございます。次に、一つ飛びまして、震災緊急生活交通確保事業費2、512万円余は、東日本大震災津波により県立病院が機能不全となった市町について、広域生活路線バスの運行による通院等の移動手段の確保に要した経費でございます。次に、地域バス交通等支援事業費補助2、532万円余は、県民の日常生活に必要不可欠なバス路線の確保を図るため、市町村が生活交通の確保に取り組む事業に要した経費を助成したものでございます。
 なお、繰越明許費についてでございますが、また184ページ、185ページにお戻りをお願いいたしまして、第3目交通対策費の繰越明許費4億8、000万円につきましては、三陸鉄道運営支援事業費の一部を繰り越したものでございます。
 次に、また186ページ、187ページをお願いいたします。第4目国際交流推進費の支出済額9、650万円余のうち、主なものにつきましては、まず、国際交流推進費5、004万円余につきましては、語学指導等を行う外国青年招致事業による国際交流員の招致や、多文化共生社会の実現を目指した取り組み等に要した経費でございます。次に、グローバルネットワーク推進事業費693万円余は、海外ネットワークの維持、拡大を図るため、海外県人会との交流及び支援等に要した経費でございます。次に、東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費480万円は、東アジアを中心とした各国から県内大学等への留学生に対する支援を通じて、本県における国際交流の推進を図ったものでございます。
 次に、第5項選挙費についてでございますが、支出済額8億4、032万円余につきましては、県選挙管理委員会の運営及び知事、県議会議員選挙等の管理、執行に要した経費等でございます。
 次に、192ページ、193ページをお願いいたします。第7項統計調査費についてでございますが、支出済額4億867万円余につきましては、人件費及び一般管理事務並びに県単独で実施いたしました統計調査及び国の委託により実施した統計調査に要した経費等でございます。
 次に、366ページ、367ページをお願いいたします。第11款災害復旧費第7項鉄道施設災害復旧費第1目鉄道施設災害復旧費についてでございますが、支出済額6億6、600万円は、東日本大震災津波により大きな被害を受けた三陸鉄道の施設復旧に要する経費を助成したものでございます。
 なお、これに係る繰越明許費は25億8、026万円余でございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
〇小野共委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋但馬委員 本日もたくさんの質疑が予定されていると思いますので、本日のトップバッターとして簡潔に質問していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 市町村の平成23年度の決算が公表されました。東日本大震災を受けて、その影響で例年の決算とは異なった内容になっていると思いますけれども、どのような特徴があらわれているのか御説明をお願いします。
〇紺野市町村課総括課長 平成23年度市町村決算の特徴についてでございますが、県内市町村の平成23年度の決算につきましては、復旧、復興事業の実施に伴いまして、過去最大の規模となってございます。
 歳入決算額につきましては8、594億円で、震災の影響により地方税等が減少したものの、震災復興特別交付税や復旧、復興事業に伴います国庫支出金、県支出金等の増加によりまして、対前年度比2、132億円の増、33%増となってございます。また、歳出決算額につきましては8、022億円でございまして、災害復旧事業や災害廃棄物処理事業等の増加によりまして、対前年度比1、837億円の増、29.7%の増となってございます。
〇高橋但馬委員 内陸に比べて沿岸部の市町村の税収が大幅に減少していると思われるんですけれども、沿岸部の市町村の財政の厳しさについて、原因は何だと思われますか。
〇紺野市町村課総括課長 地方税減収の原因についてでございますが、平成23年度の市町村決算における地方税につきましては、平成22年度に比べまして約44億円減少してございますが、その主な原因は、津波によって甚大な被害を受けた区域内の土地や家屋に対する地方税の課税免除等によるものでございます。
〇高橋但馬委員 今、御答弁で被災者に対する課税免除によるものということですけれども、減収額が相当大きいことから、今後、継続して財政運営を行っていけるのか危惧されるところでありますけれども、県では、沿岸市町村の財政状況をどのように捉えているのか、そして今後の対応をどう行っていこうとしているのかお知らせください。
〇紺野市町村課総括課長 沿岸市町村の財政状況と今後の対応についてでございますけれども、東日本大震災からの復旧、復興に加えまして、人口減少、少子高齢化が進行する中で、自主財源であります地方税が減収となりますことは市町村財政にとって大きな負担となるところでございますが、震災に伴う減収分につきましては、現在、震災復興特別交付税により補aX措置されておりまして、現時点におきましては市町村財政に大きな影響はないものと考えているところでございます。
 県といたしましては、財政基盤が脆弱な沿岸市町村の財政運営につきましては今後も注視していく必要があると考えておりまして、これまでも政府予算要望等を通じまして国の支援を要望してきたところでございますが、今後とも、被災市町村の財政運営に支障がないように、国の財政措置が継続、充実されますよう国に要望してまいります。
〇高橋但馬委員 ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。
 あと、公営企業の決算においても沿岸市町村の料金収入が大幅に減収していますが、震災の影響がここに顕著にあらわれていると思いますけれども、原因は何なのでしょうか。
〇紺野市町村課総括課長 公営企業の減収の原因についてでございますが、津波により面的に大きな被害を受けました沿岸市町村の公営企業におきましては、料金収入が水道事業におきましては対前年度比21.3%の減、下水道事業におきましては対前年度比21.6%の減と、大幅に減収しているところでございます。
 これは、復旧、復興が進められているところではございますけれども、いまだに多くの方が仮設住宅で生活しているなど、住民の日常生活や経済活動が震災前の状態に戻っておりませんで、これに伴って水使用量が減少していること等が原因となっているものと考えております。
〇高橋但馬委員 復興に向けて、今、仮設住宅に住まわれている方々の高台移転等、まだ復興までには時間を要すると思われます。その場合、今のように公営企業の減収がこれからも継続して、市町村の財政負担がふえることが時間がかかるということで見込まれるわけですけれども、その市町村財政に与える影響、そして県としてどのように対応していくのかお知らせください。
〇紺野市町村課総括課長 公営企業の減収に伴う市町村財政への影響と対応についてでございますが、平成23年度の決算におきましては、公営企業の減収が大きい沿岸市町村におきまして、一般会計からの繰出金が対前年度比で約12億円、22.7%増加しておりまして、減収がこのまま継続した場合、市町村財政を圧迫していくものと考えております。
 県といたしましては、市町村の要望や意見を聴取しながら、震災に伴う公営企業の経営悪化に対応した財政措置を国に要望してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 地方税の減収や公営企業の料金収入の減収という部分は、震災からの復旧、復興に向けて、市町村財政は厳しい状況が想定されると思います。県として今後どのように対応していくのかお知らせください。
〇紺野市町村課総括課長 復旧、復興に向けた市町村財政に対する県の対応についてでございますけれども、定期的に沿岸市町村などを訪問いたしまして市町村の課題などの把握に努めておりまして、必要な事項につきましては国に要望するなど、市町村の財政運営の負担軽減が図られるよう努めておるところでございます。
 今後におきましても、市町村との連携を密にしながら、復旧、復興が着実に進むよう、いわて市町村行財政コンサルティング等を通じて適切な助言を行ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 いずれ、復旧、復興に向けてもそうなんですけれども、県と市町村の連携というのが鍵になると思いますので、そこの部分も踏まえて今後取り組んでいただければと思います。
〇嵯峨壱朗委員 当部所管の土地開発公社についてお伺いします。
 今回、復旧、復興に向けて土地開発公社の役割がにわかにクローズアップされてきているわけですけれども、土地開発公社の従来の役割も含めて、その役割と県との関係、そして、三陸復興事業のいろいろな事業を受託しているわけですけれども、その内容についてお尋ねしたいと思います。
〇坂本政策推進室管理課長 岩手県土地開発公社の県との関連、さらには三陸復興関連事業についてでございますけれども、岩手県土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律に基づいて、公共用地の取得、管理等を行うことにより、地域の秩序ある整備と県民福祉の増進に寄与することを目的として、県が100%出資して設立された、いわゆる県出資法人でございます。
 復興関連事業についてでございますけれども、公社は、沿岸被災地の復興事業である防災集団移転事業や復興道路用地取得などの三陸復興事業を公社の最重要の取り組みと位置づけて事業を推進しているところでございます。
 現在、土地開発公社は、三陸復興事業として、国及び被災市町村等から六つの事業、総事業費150億7、000万円余りを受託する予定となってございます。市町村からは、陸前高田市の高田西地区復興整備事業のほか、3市村から3事業、総額131億9、581万円余の事業を受託しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 かなり高額の事業を受託して、しかも高台移転のポイントの事業だと思っております。
 かなりの金額なわけですけれども、この事業の入札について、どこまで把握されているかですけれども、入札の仕方、方法はどのような方法でやられているかお聞かせください。
〇坂本政策推進室管理課長 公社の入札方法でございますけれども、条件付一般競争入札により実施しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 県では、総合評価落札方式、そういったものを主に今進めているわけですけれども、この入札方式を選択した理由を、わかれば教えていただきたいと思います。
〇坂本政策推進室管理課長 公社の入札方法でございますけれども、公社は、公共用地の取得という公益的な性格を持ってございますので、一般競争入札を実施しておりますけれども、具体的には、入札の公正性を担保し、かつ競争を確保するというようなことから、県の制度に準拠しておりますけれども、最低制限価格制度というものを採用して実施しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 先ほど、131億円、3市村からの受託事業があって、1件当たり18億円とか15億円とかと高額の事業ですね。通常の県の事業であれば、5億円以上ということで議会にかかっていくわけですね。これは県が100%出資とはいえ別の組織であるのでそういった議決案件にならないというのは、その辺ちょっと我々としては物足りないというか、関与できないもどかしさを感じるわけです。この方式で、今までのこういった事業の、造成事業とかそういった事業というのは一般的には、工業団地等はやっておりますけれども、今回、復旧事業でこれだけの高額な事業であるわけですけれども、公正性を担保しなければだめだと思っているんです。
 こういった事例があったんです。積算の根拠となるものの中に事務経費等があるんですけれども、変更があったと、その計算の仕方。変更項目があったのを公告していたとは思うんですけれども、それをどのような形で周知させていたのか。
 何を言いたいかというと、それによって、知らなかったというか、それをカウントしなかったことによって、低入札になって落札できなかった業者が多々あった。そういった事例があったやに聞いているんです。その辺をどういった形で公告していたのかわかりますか。
〇坂本政策推進室管理課長 入札方法の周知に関してでございますけれども、本年8月に公社が久慈国家石油備蓄基地高台造成工事の入札を実施してございます。8月10日に同工事の入札公告を土地開発公社のホームページに掲載いたしまして、8月27日に入札を執行したところでございます。入札参加希望者に対しましては、入札の説明書であるとか設計図書など、積算に要する資料を公社のホームページに公表しておりますし、また、その業者には、公社のホームページを必ず確認して最新のものを使用するように入札公告に定めてございまして、適正な情報提供を行っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 公平性という意味でいうとそうですね。今回、何を指摘したいかというと、従来の積算の項目で変更があった点があったんだそうです。その点を知る、知らない、企業努力が足りないと言われればそれまでなんですけれども、多くの業者がその部分を知らなかったと。だから、こういった変更があった場合には、ここが変わりましたよということを特出しで知らせるとか、そういった措置をすべきじゃないかと思っているんですが、これは総務部なのかもしれませんけれども、土地開発公社にかかわってですけれども、どうでしょうか。
〇坂本政策推進室管理課長 その公告におきまして、公告をした後、8月22日に入札を希望する業者から質問がございました。その中で、入札公告に最低制限価格を適用すると記載されているが、何を根拠にしているのかというような質問がございました。翌日の8月23日に、入札公告に記載されている方法に従って、岩手県の低入札価格調査制度に関する事務処理要領で定める調査基準価格を根拠にしていると公社のホームページ上で公開したところでございます。この調査基準価格が委員のおっしゃっている価格の変更の部分に相当すると思われまして、そういった形で変更部分についても公表させていただいたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 終わりますけれども、参加業者の多くがそれを下回って失格になったという事例がほかにもあるようですけれども、そういうことのないように、公平に情報はわかるようにというか、これが変わりましたというふうに出していただきたいと思います。
〇岩渕誠委員 私は、地域振興総務費のうち、地上デジタル放送移行の対策費についてお尋ねしてまいります。
 アナログ放送は昨年7月24日に被災3県を除いて終了、そして、被災3県でも平成24年3月31日をもって終了いたしました。県におきましては、関係団体といろいろ相談の上、震災もありながらいろいろな業務に邁進してきたものと敬意を表したいと思いますが、まず、昨年度中の地デジ移行に関する取り組み、そして成果はどうなっているでしょうか。その結果、3月31日時点、つまり平成23年度終了時点で、しかし、なおどの程度の世帯が地上デジタルの恩恵にあずかれない結果となったか示してください。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 地上デジタル放送移行の対策についてでございますけれども、この対策の主なものにつきましては、デジタルの中継局そのものの整備というもの、それから辺地共聴施設のデジタル化の対策、それから新たな難視地域の対策、それから暫定的な衛星利用による衛星視聴の対策、こういう四つの主な対策がございます。我々県といたしましては、放送事業者と国、市町村と連携してこの円滑な移行に取り組んできたところでございます。
 まず、中継局の整備につきましては、現在のところ全ての中継局の整備は終了いたしております。なお、被災した中継局についても復旧が済んでいるところでございます。
 辺地共聴施設につきましては、県内に537の施設がございますけれども、3月といいますよりも現時点で517の施設の改修が済んでおりまして、残りが20という数でございます。特に、沿岸部の被災した共聴施設は52ございましたけれども、そのうち現在までに43の施設について改修が終了し、残り9施設となっております。この9施設のうち、4施設は今年度中に改修が終了し、残り5施設となります。
 それから、新たな難視の状況でございますけれども、3月31日のアナログ停波の段階で私どもで押さえている数字は6、796世帯が新たな難視と確認しておりますけれども、現時点─9月末現在でそのうち3、272世帯が解消されまして、現在、3、524世帯と押さえております。
 それから、衛星用のセーフティネットでございますけれども、これも3月31日以降、高性能アンテナ等の設置等も進んでおりまして、9月末現在では4、301世帯の方々が今、衛星でごらんになっているという状況でございます。
 御質問では3月31日の状況でございましたけれども、9月末現在の状況はこのようなものでございます。
〇岩渕誠委員 以前も予算、決算特別委員会の中でこの問題を取り上げさせていただきまして、全体とすれば、県は、地デジ移行後も国の対策よりも前倒しでホワイトリスト、いわゆる視聴できないものの解消を図りたいというそのロードマップは示されたと記憶しておりますし、そのこと自体は評価しておるのでありますが、終わって半年、特に衛星でやっているところがまだ4、300世帯残っているということでありますけれども、私もBSの衛星を見ていますけれども、やはり当然ながら地域情報というのはないわけでありまして、警報が時々画面には表示されますけれども、非常に難しい状況になっております。
 今後、新難視と衛星の解消の方法を具体的にどうしていくのか。例えば無線共聴、ギャップフィラーとかこういったものがあるわけでありますけれども、一時非常に品薄で機材の調達が難しかった、こういうこともあります。どちらかというと地デジの峠を越えたという認識が全国的にありますから、なかなかそういったところに対して関心も薄くなってきているわけですけれども、その辺の対応策というのはどうとっていらっしゃいますか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 私どもも地元局の放送が視聴できないという状況は防災上も非常に問題だと考えておりまして、市町村と連携して地元に入って、放送事業者も入りまして、高性能アンテナで受信できないかということをまず確認いたしますけれども、現在残っている地域はそれらも非常に難しいということでございますので、新たな受信点を探して共聴の施設を設置しなければいけないかというようなことを検討しております。そうしたものについて事業化しなければいけないものについては、国にまた支援をお願いして取り組んでいくというような形でございますし、それから、受信点がとれないという場合には、先ほどお話しましたようにギャップフィラーの設置ということも考えておりまして、東北総合通信局では昨日付で一関のほうの放送局10局のギャップフィラーの免許を渡したということで、これで数カ所解消される見通しとなっております。こうした取り組みを我々、市町村とともに行っていって、衛星の放送は平成27年3月まででございますので、それまでに何とか全県で視聴できるように全力で取り組んでいきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 きょうは詳しくお聞きしませんけれども、新難視、衛星視聴のホワイトリストを拝見しますと、県南部、東磐井あるいは久慈地域とか、やはりその周辺部のところが情報的に過疎になっている。テレビが見られるということを皆さんは当たり前のように思っているでしょうけれども、私の地域などはつい最近になってようやく初めて盛岡の放送局が見られました。地デジになって見られましたというところが結構多いんですね。それでもまだ恩恵にあずかれないところがありますので、平成27年というお尻が決まっていますから、それよりも前にやるというのは前に宣言しておりますからぜひやっていただきたいと思いますし、1点ここでお願いといいますか留意していただきたいと思うんですが、特に防災上の観点で、沿岸地域はまだ共聴施設が完全に復旧していないということで、情報をどうやってとるかということが問題なんですが、そこで、災害コミュニティFMというのが出ております。こうしたところの、ちょうど被災地にできていますから、防災上はそことのリンクというのも必要だろうと思っています。ただ一方で、この災害コミュニティFMというのは免許期間が基本的に2年間というようなことで、情報をこれからどうしていくかというのがこの災害コミュニティFMの問題にもなっております。
 これは指摘にとどめますけれども、情報提供をどうしていくか、防災の観点も含めて、地デジの対策とあわせてそういったところにも留意して、私は災害コミュニティFMというのは非常に有意義なツールだと思っていますから、その免許の年限や今後の取り組みについて県も支援をしていただきたいと思うのですが、御所見があれば伺って終わります。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 情報の伝達ということで、地域の災害コミュニティFMも非常に重要な役割を今回果たしておりますし、地域でも、それを新たに継続的な情報発信の機能を果たすような取り組みもしたいという市町村での考えがございますので、国でもそうした動きについて一定程度の支援もしたいということで、災害復旧の事業の中にも取り入れているところでございます。
 県といたしましても、そうした地域の状況をしっかり一緒に考えながら、FMを活用した情報発信の仕方について取り組んでいきたいと思います。
〇飯澤匡委員 それでは、1点のみお伺いします。
 国際リニアコライダーの誘致推進についてお伺いします。
 このサイト決定についてもだんだん期限が迫ってきたということ、それから、ヒッグス粒子のほぼ99.99%存在するというようなジュネーブCERNのハドロンコライダーの実験によって、次世代の大型加速器、国際リニアコライダーについては非常に期待が高まってきていると。本県でも、有力候補地である北上高地、この誘致推進については、現在、官民問わずいろいろな活動が進んでいると思っております。
 質問項目が前後しますけれども、これから最大の難関といいますか、ハードル、それはやはり国が閣議決定をして国家プロジェクトとして位置づけるところにまだ至っていないというところでございますが、決定するために、国への働きかけについて、本県並びにILC推進協議会、以前はその協議会は研究会という場でしたが、協議会という形に格上げされたわけですが、ただいまの活動内容について示していただきたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 国への働きかけの関係でございます。
 東日本大震災津波発災以降、県ではILCを復興のシンボルと位置づけまして、国として推進していただくようにということで、これはもう機会あるごとに政府や関係国会議員等に知事を先頭に要望活動を行っております。また、東北ILC推進協議会でもILCを核とした東北の将来ビジョンというものを策定いたしまして、これをもとに、ことし8月、東北大学の総長、東北経済連合会の会長あるいは本県の知事、宮城県の副知事等と合同で、ぜひ国に対して採択してくれというようなことで要望活動を行っているところでございます。
 また、北海道東北地方知事会等の要望ですとか、あるいは私ども、事務的にも、担当者が文部科学省や、あるいは関係国会議員等へ随時行って説明をしているというような活動をしております。
〇飯澤匡委員 東京大学准教授の山下了先生が県内各地で御講演をなされて、機運の醸成に努めておられます。その山下先生がおっしゃるには、来年─2013年の7月までには国内候補地を絞ると。現在、北上高地と福岡県と佐賀県にまたがる脊振山地、この2カ所が手を挙げているわけですが、7月までには国内候補地を絞り込む予定であると講演で申されておりますけれども、これはどの機関がどのような決定をするのでしょうか。その内容についてお知らせ願いたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 決定機関についてでございますけれども、今お話しいただきましたように、研究者グループの中では来年の夏ごろまでにというようなことで今さまざま動いているようでございますが、実は、そのプロセスにつきましては、研究者ばかりではなくて、土木関係の学会ですとか、あるいは広く有識者等を交えて総合的な検討をしたいというような意向を持っていると伺っております。
 具体的にその手続がどうなるのかということについては今後検討するというような段階と伺っておりまして、現時点で明確になっている状況ではないということでございます。
〇飯澤匡委員 研究者である、そしてまたグランドデザインのメンバーでもあります山下了先生がお話ししたので、かなり信憑性のあるお話だと思うわけです。これからもアンテナを高くして、その情報収集に努めていただきたいと思います。
 通告していないんですが、どうやらもう一方の手を挙げている福岡県、佐賀県は、九州、また山口県にもさまざまな運動を展開していると。こちらのほうが物理的条件はかなり良好だと思われるんですけれども、どうもあちらでは、すぐ対策委員会を設置して、あちらのデメリットを消すような努力もしていると聞いておりますが、国内候補地のライバルである福岡県、佐賀県の情報についてはどのように把握しておりますでしょうか、お知らせ願います。
〇保政策監兼ILC推進監 福岡県、佐賀県の動きでございますけれども、九州のほうでは、特に九州大学と佐賀大学が動きの中心になりまして運動活動を展開していると聞いております。最近では、サイエンスフロンティア九州というような構想を策定したということで、その中に国際リニアコライダーを位置づけまして、盛んに私どもと同じように講演会の活動ですとか国等への働きかけを行っていると伺っております。
〇飯澤匡委員 具体的に7月、夏ぐらいまでというような話が出ておりますので、これはもう千載一遇のチャンスを逃すことなく、本県でも政策地域部の中に今回かなり対策のチームとして層も厚くなりましたので、さらに一層の推進に努めていただきたいと思っております。
 そこで、ただいまグランドデザインのお話がございました。私は、前、ことしの1月、その設計チームの一員であるチーム長の方が当該地を訪れて、サイト決定には、住民の正しい理解、そして行政の環境整備が大変大事なんだというようなお話をされたと聞いております。グランドデザインがせっかくできて、こういうまちづくりが必要であるというようなことが発信されたわけですので、今後これをどのように生かしていくかというのが住民理解への一つの鍵となると思いますが、まず最初に、一関市、奥州市、この当該自治体や周辺自治体に対して、今後、県はどのようなアプローチを図って、このグランドデザインの意味、そしてまた住民への理解、こういうものを進めようとしているのかお知らせ願いたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 自治体との関係ということでございますが、東北ILC推進協議会が7月に策定いたしましたグランドデザイン、ビジョンと言っておりますけれども、これにつきましては、7月から8月にかけまして、県南広域振興局が主催になりましたけれども、管内の奥州市、一関市あるいはその周辺の北上市、平泉町それぞれ広域振興局が意見交換の場ということで実施しております事業の中でビジョンの内容について講演をするなど、市町村の皆様の理解をいただいているということでございます。
 担当レベルでも9月28日には連絡会議等も開催しておりまして、一緒になって普及を図っていく、正しい理解を進めていくということで、一体となった誘致活動を展開していくということで進めております。
〇飯澤匡委員 このILCという事業、サイトを決定するに当たって随分情報が頻繁に出るようになってきて、正しい知識という点においていろいろな誤解も生じておるようでございます。この間、ILCの山下了先生の勉強会が大東町でも催されたわけですが、将来、その研究が目的を果たしたときに、これは大いなる誤解だと私は思っておりますけれども、核廃棄物の貯蔵庫になるのではないかと。非常に拡大解釈した中でそういうような情報が一方で出ているわけですが、岩手の地方紙においてILC推進監がしっかりとその点については反論しているのも拝見しましたけれども、改めてその件について県の見解を示していただきたいと思います。
〇保政策監兼ILC推進監 正しい理解ということでございます。非常にその点はこれから地元として運動していくという意味でも大事なところでございまして、特に今お話ありましたとおり、トンネルの跡地が原子力発電所等の核廃棄物の最終処分場に最終的にはなるのではないかといったような疑念が私どものほうにも寄せられたことがございます。新聞にもそういったことがございましたけれども、私どもも反論はしておりますけれども、全くそういうことはないということで、これにつきましては私どもも力を入れて、その安全性等について広く周知をしなければならないと思っております。
 現在、各地でさまざまな講演会を開催いたしまして、ILCの研究の意義ですとか経済波及効果等の話をしているわけですけれども、そういったことのみならず、施設の安全性などについても必ず触れて、御理解いただくように努めているところでございまして、今後も、さまざま県内の団体等の広報誌等もございますので、そういったところに記事を積極的に載せまして、安全性等を含め、この意義についてPRしてまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 最後にしますけれども、やはり正しい理解と情報の発信、そして住民との共通認識の醸成が非常に大事になると思います。ある意味、いろいろな懸念が出るのは、これはいたし方ないことだと思うんですが、努めて正しい情報をしっかりとして県側も発信していくということが大事だと思いますので、あわせて住民へのこういう機運の醸成を図っていくという意味において、本県がどのような情報の発信の仕方をしようとするのか、これからするのかということをお聞きしたいと思います。
 ちょっと私のところに、県南広域振興局が、つながりともにつくるということで、みずからのエリアを定めて、どういう使い方をしているかわからないのですけれども、ここにもILCの候補地ということをうたいながら、県内のいろんな情報発信をしているということは大変結構なことだと思っております。広告屋に丸投げして、やったやったというのと大違いで、大変いい取り組みだと思っております。今後、どのような情報の発信をするのか、少し具体的に示していきながら、県当局の意気込みを伝えていただきたいと思います。
〇大平首席ILC推進監 情報発信につきましてでございますが、現在の委員から御提示いただいた印刷物でありますが、それは、県南広域振興局の局長室と県民ホールにパネルとして掲示しているものであります。今後、花巻市と一関市においてもパネルとして掲示していきたいと思っております。また、御希望に応じまして、委員のお手元にありますように、印刷物として配付もいたしております。これは、県南広域振興局のみならず岩手県全体の名物、名所旧跡なども掲示しております。現在、視察者等も県南広域振興局管内などにかなり来ておりますので、その方々にILCの全体的な位置図のみならず周辺の情報についてもお知らせしようという県の魅力発信ということでございます。
 一方、ILCそのものについてでありますが、グランドデザインにつきましては、先ほど申したとおりで、講演会などでも行っておりますが、東北ILC推進協議会のホームページを開設いたしまして、そちらのほうに情報を出しておりまして、県及び県南広域振興局でもリンクを張ってございます。
 また、東北ILC推進協議会と連携いたしまして、東北ILC推進協議会では、ビジョンの周知のためにDVDあるいはそれを解説したパンフレット─大体20分もの程度のDVDをつくろうと思っております。あるいは県政番組でもILCの特集というのも考えてございまして、そちらについてもできるだけDVD化を図ってわかりやすい─口頭で話すだけではなかなか理解しがたい部分もありますので、そういうビジュアルなものも使って、できればユーチューブなどで全国あるいは世界に発信するということにもつなげていきたいと思っております。
 これから正念場ということになりますので、岩手、東北の特徴、優位性あるいはILCにかける思い、復興との関連などについても、できるだけ声を上げていきたいと思っております。県民のみならず対外的にも情報発信に努めてまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 大きく2点について質問させていただきます。
 1点目は企画総務費の関連についてでございます。いわて公募型復興企画推進事業につきまして、その目的、内容、現段階での成果、今後の取り組みなどについてお示し願いたいと思います。
〇平野調整監 いわて公募型復興企画推進事業についてでございますけれども、復旧、復興におきましては、行政が主体となった取り組みだけではなくて、広く内外に開かれた取り組みを推進するということが重要であるという考え方から、民間やNPO等のアイデアや行動力を活用するため、産学官のネットワーク組織でございますいわて未来づくり機構を母体といたしまして、昨年12月にいわて三陸復興のかけ橋プロジェクトというものを立ち上げたところでございます。
 この中身でございますけれども、このプロジェクトでは、企画提案型といたしまして、中長期的な課題の解決を目指す復興プロジェクトを募集するとともに、また、もう一つのタイプとしまして、ニーズ型として、被災地で現に生じている住民や住民団体のニーズに対応した外部からの支援の提案を募集いたしまして、これらの提案をもとに、いわて未来づくり機構の職員が、コーディネーターといたしまして関係団体の協力を得ながらマッチングを行うという作業をしております。
 これの実績でございますけれども、12月に開設いたしまして10カ月経過したわけでございますけれども、提案件数は63件を数えております。それに対しましてマッチングした件数でございますけれども、42件ということでございまして、例えば自動車とかピアノを提供するという申し出がありまして、そうしたものを老人介護施設でありますとか、老人福祉センターでありますとか、そういった施設にお届けしているといった形で活動をいたしております。
〇軽石義則委員 マッチングできなかったものの具体的なものはどのようなものでしょうか。
〇平野調整監 マッチングにつきましては、いろんな形の提案がございますので、例えば企業から、自分の商品をこういった形で利用してくれないかですとか、新しい事業を起こしませんかといったような提案が来たこともございます。ただ、それにつきましては、なかなか受け手がおらないということもございまして、マッチングに至らなかったというケースもございます。
〇軽石義則委員 さらに、その事業の効果を出すような方法にもっていくようにお願いしたいと思います。
 次に移ります。国体開催準備についてでございます。国体の開催準備状況と現段階での課題等があれば、お示し願いたいと思います。
〇西村国体室長兼国体課長 ただいまの準備状況についてでございますけれども、平成24年度中におきましては、愛称、スローガンの決定を行ってございます。今後、12月までの間には国体マスコットキャラクターの制定を予定してございます。
 それから、国体の施設整備につきましても、6月の県議会で補正予算ということでお認めいただきまして、市町村の施設整備につきましての支援を現在行っているところでございます。
 また、宿泊関係の調査につきましては、今年度、9月までの間で一旦調査を終了いたしまして、全体的な他県から来られます選手の方々につきましての宿泊の手配の関係について、今後進めてまいりたいと考えてございます。
 また、総合開閉会式が準備状況の中でも非常に大きなウエートを占めるわけでございますが、その点につきましても、今年度、12月までに準備委員会の組織の中に専門委員会を設置いたしまして、その基本的な方針について定めてまいりたいということで、準備を進めておるところでございます。
〇軽石義則委員 ほぼ順調に進んでいるという受けとめでよろしいのでしょうか。課題等はないのでしょうか。
〇西村国体室長兼国体課長 課題につきましては、東日本大震災の復旧、復興を第一ということでございます。これに伴いまして、国体の準備に要します人員、それから予算といいますか、お金の面で先催県のような形のあり方で進めるのはやはりちょっと無理がございます。したがいまして、県民等との協働ということで、企業、団体、NPO等々さまざまな主体の参画を得ながら準備を進めてまいらなければならないと考えてございます。
 具体的には、10月の下旬から、国体の後、一緒に行う予定とされております全国障害者スポーツ大会の部分も含めまして、国体募金ということで始めさせていただきたいと考えてございます。
 また、来年度以降につきましては、県民等との協働を進めるということで、県の準備委員会の常任委員会におきまして、その大きな方向性を御了解、御了承賜りましたので、その線に従いまして、私どものほうで全体的な準備業務の民間の力をかりたあり方につきまして検討を進めていきたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 私も本年、ぎふ清流国体の開会式に派遣いただきまして、復興支援という大きなテーマをもって岐阜県のほうからも発信いただいたわけでございます。岩手県としましても、被災地の現地としまして、その復興の姿を示せるような部分も含めて、今後、県民全体で取り組みをしていくような体制づくりをさらに進めていただくようにお願いいたします。
 次に、地域振興総務費についてお伺いいたします。NPO協働推進事業並びに新しい公共支援事業というものがやられておりますけれども、中身を見ますと、新しい公共の担い手はNPO等ということで、かなり密接不可分な関係にあるのではないかとも思っておりますけれども、この事業をそれぞれ切り分けて実施している背景は、どのような形でこのようになっているのかを説明いただければと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 まず、それぞれの内容について若干申し上げますけれども、NPO協働推進事業というのは、私ども県の費用でNPO向けの情報誌の発行をずっと続けてきているところでございます。そうした中で、新しい公共というところの事業が国のほうの財源でもって始まったところでございます。平成23年度から新しい公共支援事業というものが、国の交付金を使いまして私どもで始めさせていただいているところでございまして、そういう関係で、二つ分けた形で整理をさせていただいているということでございます。
〇軽石義則委員 主要施策の成果に関する説明書等を見ても、どちらの仕事も一緒に進めている。目的もほぼ一緒のように読み取れるわけです。NPOの支援と新しい公共の支援というところを見ても、数字、いわゆる何を何回やったとか、発行したとか、セミナーを何回開催したと。それが目的達成になっているというような形で読み取れるわけですけれども、そのことによってどのような成果が出ているかということも示すべきだと思うんですが、それについてはどのようなお考えを持っているのかお示し願います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 例えば、最初に申し上げるNPO協働推進事業は、先ほどもちょっと申し上げましたが、NPOあるいは一般の県民も対象に、NPO活動、ボランティア活動に関するいろんな事例を御紹介させていただき、また、NPOを支援するために必要な支援に関する情報も掲載させていただいて、広くPRをさせていただいているとともに、県民の方にもそうした活動への参画を啓蒙、普及させていただいているところでございます。
 そうした中で、震災ということもございました。そうした情報をもとに、震災対応を含めたさまざまな地域活動に取り組もうということで、多くのNPO法人が設立される動きが出てきたということもございます。
 新しい公共の支援事業におきましては、それぞれのNPOの活動を資金的に支援していくということでございまして、震災活動中心でございますけれども、沿岸部震災被災地におけるさまざまな支援活動を官民協働でやる際に、私どもは、国の交付金をもとにそこの活動について支援させていただく形で、それぞれNPOの活動が広く行われてきているというところにつながってきていると感じております。
〇軽石義則委員 これまでの議会の中でも、NPOなり新しい公共の部分については議論をされております。であれば、今のお話も含めてですが、やはり設立団体がどのぐらいふえたんだとか、こういう活動があって県民にさらに定着したんだという標記もあったほうが、より結果が見えるのではないかと思いますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 事業実績につきまして、具体的に数字で計測できる部分について、私どもはこういう形で記載させていただいておりますけれども、今、委員から御指摘のあったようなところも踏まえまして、その標記については、また今後いろいろ検討させていただきたいと思います。
〇中村政策地域部長 今の団体のところを補足させていただきますが、もしお持ちであれば、主要施策の成果に関する説明書の89ページをごらんいただきたいと思うんですが、そこの上のほうに、目指す姿指標ということで、NPO法人数につきましても目標として掲げてございます。そして、各年度での実績─今回お出ししたものについては平成23年度の実績ということで、388法人という法人数、実績を掲示させていただいてございますが、一応、主要施策の成果のところについては、法人数については記載させていただいてございます。
〇軽石義則委員 数字はわかっておりますけれども、その評価、中身も含めてという意味でございますので、よろしくお願いいたします。
 次に、コミュニティ再生事業についてお聞きいたします。草の根コミュニティ再生支援事業、地域コミュニティ再生事業、震災復興ミニコミ誌発行事業とそれぞれやられてございますけれども、それらの具体的な成果、そして課題があれば、今後の取り組みなどについてお示し願いたいと思います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 まず、草の根コミュニティ再生支援事業でございますけれども、この事業は、県内の地域コミュニティの抱える課題解決に向けたモデル的な取り組みを支援する事業ということで、平成22年度より実施しておるものでございます。平成23年度におきましては、大震災津波の影響もございまして、1事業のみ、高齢化が進む岩泉町の大川地区におきまして、デマンドタクシーの実証運行及び試験運行の取り組みを支援したものでございまして、これにつきましては、昨年度末に運行を開始したところでございます。
 それから、地域コミュニティ再生事業でございます。これは、沿岸広域振興局が緊急雇用創出事業として実施した事業でございまして、釜石市、大槌町における被災地のコミュニティ活動を促進するための支援事業でございます。具体的には、仮設住宅入居者の交流イベントを企画したり、また、被災者支援の情報提供をする地域情報紙を発行、もしくはホームページに掲載するなどの事業を行ったものでございます。
 あわせまして、震災復興ミニコミ誌発行事業でございます。これも、同じく沿岸広域振興局の宮古地域振興センターが宮古地域4市町村を対象に行ったものでございます。これも、仮設住宅の入居者に対し、または借り上げの仮設住宅の被災者に対しまして、復興状況でございますとかイベント情報などを掲載した被災復興ミニコミ誌こころ通信を発行する、同じくホームページによる情報発信を行ったものでございます。
 課題といたしましては、特に被災地におきましては、被災地のコミュニティ再生という部分でいろいろ課題がございます。特に担い手づくりが非常に急務でございます。このことから、今年度、沿岸エリアを対象にいたしまして三陸エリアブランドアップリーダー育成塾などを開催いたしまして、地域の復興を担う若手人材の育成に取り組んでおりますとともに、地域コミュニティの再生に取り組む団体につきましては、コミュニティ助成制度などを活用して支援していくこととしております。
〇軽石義則委員 被災地を中心に考えておられることもあれですけれども、コミュニティの単位はやはり個人、家庭、そして町内会、公民館というような形でいろいろな形があると思うんです。私も盛岡市に在住しておりますけれども、町内会活動を含めてみて、役員はかなり高齢化しておりますし、その行事に参加する方々もかなり限定されてきているのではないかと思っています。現役世代がそこに参加できないのか、していないのかを含めて課題もあると思いますが、それらのところについてはどのようにお考えでしょうかお示し願います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 被災地のみではなく、全県的なコミュニティ支援でございます。県におきましては、平成19年から平成21年に元気なコミュニティ100選を選定いたしたところでございます。これにつきまして、今年度、アンケート調査をとりまして、その後の活動状況などを調査したところでございます。そのうち、被災などもありまして、7団体が活動を中止しておりますけれども、それ以外につきましては活動を何とか継続しております。ただ、委員がおっしゃるように、高齢化によりまして役員のなり手がないなどの課題を抱えているところでございます。こういったことのため、県におきましては、新たに地域コミュニティ活性化委員会を設けました。
 もう一つは、元気なコミュニティ特選団体ということで、従来の100選団体に加えまして、新たに活動しているコミュニティ団体として、今回、計117団体を選定いたしまして、フォーラムを開催したりしましてそれぞれの活動を紹介したり、ネットワークづくりを支援しておるところでございます。また、そういう元気な取り組み、前向きな取り組みをする団体につきましては、コミュニティ団体助成制度などを積極的に活用していただくよう、いろいろ情報提供を行っておるところでございます。
〇軽石義則委員 そういういわゆるサポートする体制づくりというものが大事だと思いますので、ぜひともやっていただきたいと思いますが、先ほどお聞きしたNPO、新しい公共と地域コミュニティはかなり密接不可分でありますし、自助、互助、共助、そしてNPO、新しい公共は公助になっていくのではないかと私は思っています。そういう意味で、きょういらっしゃる幹部の皆さんも、町内会とか、そういう活動に何人参加しているのか、ちょっとおはかりできませんけれども、ぜひ地域に実際に入って参加していただいた上で、そこに何が課題があるのか、どうしていけばいいのかというのが現場から見えてくることも多くあると思います。それらも含めて、今後の取り組みに生かしていただければと思います。
〇福井せいじ委員 私も、先ほど飯澤委員がILCについてお聞きしましたが、ILCについて何点か聞きたいと思います。
 ILCは、その研究対象、施設規模、関心度においては世界最大、最新のもので、そこから発信する情報、技術、文化、何よりも人材は世界をリードするものになることは間違いないと私は思っておりますが、ILCと聞いて、理解するのに非常に難しいと私は感じております。(「アイ・ラブ・ユーのことだ」と呼ぶ者あり)そうですね。岩手・ラブ・コミュニティとかですね。それは冗談として、いずれ、身近な生活と距離感があると私は思っております。これを何とかうまく、やはり県民の皆さんに理解をしていただくことが私は必要だと思うのでありますが、自分なりにILCに興味を持ち、関心を持ち、勉強していったところ、宇宙の発生を調べる、そこから何が出てくるのかというよりは、派生する技術が生活にいかに密着しているかということを告知していくことも必要なのではないかと私は思いました。
 電子、陽電子、10の8乗分の1ミリですか、これが30キロ離れたところから発進されて衝突する確率を高めていくということで、そこからは、がん治療の医療機器であるとか、あるいは薬の設計であるとか、そういった加速器から派生するさまざまな生活に密着した技術が生まれるんだといったことも告知していく必要があるのではないかと思います。その点について御所見をお聞きしたいということと、もう一つ、比較的理解が得られやすいのは、やはり大学であると僕は思っています。一般質問のときにもお話をしましたが、東北大学が一つの研究拠点になっております。
 一方で、九州のほうは九州大学と佐賀大学という二つの連携が非常に威力を発揮しているということをお聞きしました。それが地域連携にもつながっているし、地域への広がりに結びついているということを聞きました。そういった意味では、県内における岩手大学あるいは岩手医科大学、県立大学等さまざまな大学との連携をいかにつくっていくかが必要だと思いますが、その取り組みについての状況をお聞かせください。
〇保政策監兼ILC推進監 ILCに関する理解についてでございます。今お話しいただいたとおり、ILC自体そのものは巨大な物理の実験装置でございますので、講演会等でも原理を御説明したり、あるいは宇宙の創生にいかに意味があるかというようなこともお話はしておりますけれども、それだけではやはり身近なものに感じられないという面は確かにございますので、その講演会の中身ですとか、さまざま私どもも工夫しておりますけれども、今お話があったように、医療に実用化が─実際に加速器の原理はPETなどの診断装置にも実用化されておりますし、今後のILCの技術の展開はさらに進歩したものになるということでございます。そういった身近な生活にどれだけかかわりがあるのかという視点から、なるべく興味を引くようにということは今後も何とか工夫してまいりたいと思っております。
 それから、大学の関係でございますけれども、九州の場合は佐賀大学にも理工学部といって物理専攻の学科がございますし、九州大学はもとよりそうでございます。そういう意味で、両大学の動きが非常に活発で、自分たちの研究に直接影響するということもあると思います。
 一方、県内の大学というのは、従来、専門のものがないということもございまして、どちらかというと私どものほうからアプローチをして、こういうことで今後さまざまな研究領域も広がるでしょうということを御説明しながら御理解をいただいて、何とか一緒にやりましょうというような形で、この動きの中に取り込んでいくということを今しているところでございます。
〇福井せいじ委員 ぜひとも大学との連携を進めていっていただきたいと思います。協議会の活動の中に高校生への講演会というものがありましたけれども、大学生あるいは大学との研究会とか講演会も設置、開催していただければと思っております。
 もう一点、私は、ILCについては誘致が目的になってはいけないのだと思っています。先ほど、飯澤委員からも話がありましたように、建設された後の利活用、ILCによって県民や国民がいかに変えられるか、変わるかということが、一つそういったビジョンが必要だと私は思います。日本は、日本人は科学に対する愛着が薄い国でありますから、ぜひとも、このILCによって、どのような形で県民の意識、あるいはこの岩手県を変えていくのか、そういったビジョンを描いていただきたいと思います。風景が変わるだけではなく、県民の意識が変わるんだと。その大きな契機になるILCのビジョンを描いていただきたいんですが、その点について御所見があればお聞かせください。
〇保政策監兼ILC推進監 岩手の地域でどう変わるか、そういったビジョンについてでございますけれども、現在のところは、つい7月に東北ILC推進協議会が策定したビジョンで、この地域が将来どのようになるのかという大まかな方向性がようやく出たということで示されたところだと理解しております。
 今は、国等に対して、何とか実現してほしいということに注力している段階ではございますけれども、委員お話のとおり、先ほどの医療の関係の話にもつながりますけれども、地域づくりにILCをどう生かしていくのかという観点からビジョンをつくっていくということは非常に重要でございますので、例えば国内候補地が一本化される状況といったようなものを見据えながら考えていきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 誘致する当たっても、ILCがあるから私たちがこう変わりますということが一つの大きな誘致のポイントになると私は思っております。岩手と九州の戦いになるかもしれません。東北と九州の戦いになるかもしれませんけれども、地質という意味では同じレベルかもしれませんが、研究の歴史、水準等は、東北大学を中心とする学術的な優位性がこの東北にはある。復興の礎とした大きな構想を確立していくという優位性もあると思います。ぜひとも、そこにさらにILCによってこの地域を変える、そういったビジョンを描いて誘致活動に取り組んでいただきたいと思います。最後に政策地域部長の御所見を伺って、質問を終わります。
〇中村政策地域部長 先ほど御答弁申し上げたとおり、ILCの関係は、単に科学技術をより深めていくということのみならず、岩手、ひいてはこの東北全体の復興のシンボルとして、我々としてもぜひ実現したいということで、今、強く国等に働きかけもしております。今、委員のほうからお話がございました、この地域がILCを核としてどういった地域になっていくのかといったような具体的なプランニングにつきましても、今後の誘致活動等の進捗も踏まえながら、また、十分に検討してまいりたいと考えてございます。
〇小野共委員長 次の質問に入る前に申し上げます。質疑、答弁ともども簡潔にされるようお願いいたします。
〇工藤勝博委員 私からは、まず最初に、たびたび各委員からの質問がありますけれども、NPOに関して質問させていただきます。
 県民計画のアクションプランの中にもありますけれども、その中でも前倒しでNPO法人が設立されてございます。実際活動されているNPOは、今、410団体ありますけれども、その成果というものをどのように捉えているか、まずお伺いしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 御案内のように、NPOにつきましては、震災ということを契機に設立の数がまた一層増加傾向にあるところでございまして、震災復興または震災復興以外にもさまざまな地域課題に鋭意取り組んでおられるということでございます。
 また、どのような活動を中心にやっているのかというのを、私どもが、今年度、NPOと協働実施いたしましたNPO法人へのアンケート調査というものがございまして、それによりますと、保健、福祉の分野につきましては、介護保険等の独自事業を中心に展開を、また、保健以外の分野に関しましては、行政からの委託とか補助事業を中心にさまざまな活動を展開されてきているということでございます。
 そういうことで、先ほどの軽石委員からの御質問にも私どもがお答えさせていただいた新しい公共の場づくりの事業がございまして、NPOに対して、官民協働のさまざまな活動に対して助成させていただいているところでございますけれども、そうした震災復興あるいはさまざまな行政課題についての官民協働の取り組みが大きく展開してきている、広がってきていると捉えてございます。
〇工藤勝博委員 昨年の震災以降、災害に関してのそういう団体、あるいはまた安全活動をするための団体というものがふえてきたわけですけれども、その震災関連のNPOの中にも、県外からも来て活動しているNPOがたくさんあると思います。その辺の状況の把握はどのようになされているのかお聞きしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 県外のNPOの活動に関してでございますが、トータルな数字に関しましては、残念ながら私どもは把握できていないところでございますけれども、先ほど申し上げました新しい公共の関係の助成事業に関しましては、県外のNPOからの企画に対しても、県内のNPOと協働して取り組む場合ということ、あるいは県内の市町村と一緒になって取り組む場合ということを条件に採択させていただいているところでございまして、数件あるところでございます。
〇工藤勝博委員 そういう中で、あるNPO法人は来年3月になると予算も切られるんだ、今後どうしようかという活動をしている団体もあります。その辺は市町村との連携も大事だろうと思いますけれども、市町村との連携、特にも震災に関しての部分について、どのような連携をなされているのかお伺いいたします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 市町村との連携につきましては、私どもの新しい公共の助成事業を行う際に、市町村と連携、協働して事業を行うことということを条件に採択させていただいているところでございまして、市町村との間で協議会をつくって、あるいはそういう連携、協働のための組織をつくって事業を行ってくださいということを要請しているところでございますので、それぞれの事業におきまして、そういう協議会、組織をつくって、十分な連携のもとに事業を展開していると考えております。
〇工藤勝博委員 平成23年度の場合、新しい公共支援事業ということで3億800万円ちょっとですけれども、これは、そういう組織が継続して活動をなされる、または地域のニーズに合った活動をしてもらうためにも、やはり予算確保も大事だろうと思います。そういうことも含めて、NPOが受託事業あるいはまた独自でのそういう活動資金の確保に当たられるというのは大変厳しい面もあるだろうと思います。そういう育成も含めて、今後の支援のあり方というものもお聞きしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 新しい公共支援事業に関しましては、国のほうから、平成23年度、平成24年度の2カ年限りということでいただいているものでございまして、来年以降については、まだ明らかな財源というものがはっきりしていないところでございますけれども、私どもといたしましては、これは2年で終わってはいけないのだろうということで、国に強く働きかけているところでございまして、国のほうでも鋭意検討をいただいているところでございます。
 また、そうした中で、NPOの独自財源確保というのも重要な課題だろうと考えておりまして、認定NPO法人制度という税制上の優遇措置の制度がございます。それが、ことしの4月1日から県がその事務を所管する形になってまいりました。そこで、私どもといたしましては、この認定NPO法人制度を有効に活用して、県内のNPO法人が寄附を集めやすくなるようにそういう認定を取得して、事業を幅広く、財源を集めながら展開できるようにということで、その制度の普及あるいは相談のための専門員を1名配置しておりますし、さまざまな説明会等も開催いたしまして、制度の普及、PRをさせていただいているところでございます。そうした制度とあわせまして、独自財源の確保のための企業とのマッチングの機会というものも今年度計画しているところでございまして、そうしたさまざまな機会を通じてNPOが独自財源を集めて、幅広の事業を継続的に、安定的に展開していけるように、私どもも支援してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 震災関連以外のNPOの活動も幅広くなされておりますけれども、そのうちの団体の約半分以上が、先ほど答弁がありましたけれども、保健、医療または福祉の増進に関する活動、2番目がまちづくりの推進を図る活動、3番目が子供の健全育成という、これはまさに地域に密着した活動だろうと思います。そういう中で、先ほどいろんな補助なり、あるいはまた独自財源を確保するということもありますけれども、何といいますか、適切な運営がなされるような指導は、まさにこれからの大きな課題だろうと思います。以前あったような不適切な会計処理がないような状況をつくっていくべきだろうと思いますけれども、その辺の課題についてはどのようにお考えになっているかお伺いします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 NPO法人の適切な運営という観点で私どもはさまざまな取り組みをしているところでございますけれども、まずは、NPOに伺いますと、会計、労務、税務関係の職員の人材が不足しているという話が出てまいります。これはNPOを適切に運営する上では大変重要な部分だろうと考えておりまして、そのための研修会、セミナーを継続的に県内でも各広域振興圏ごとに開催いたしまして、そういうノウハウをしっかり身につけていただこうということもやっているところでございます。
 あと、私どもが助成しております新しい公共支援事業の助成団体を中心に、そういうきちっとした、何といいますか、会計が担保されるようにと申しますか、そういった支援の意味で税理士を派遣させていただくというような事業も今年度始めているところでございまして、そうした中で、そういった会計面でのよりよい方向での処理がなされるように私どもも支援しているところでございます。
 あわせまして、先ほど御発言いただきましたいわてNPOセンターのような不祥事が再度起こらないようにという意味でのコンプライアンスの確保というものがまた重要になってまいりますので、そうしたことをテーマといたします説明会、セミナー、フォーラムを今年度開催することにしているところでございます。先ほどもお話がありました県の情報誌などでも、その辺のコンプライアンスの確保、運営の適正化についてはさまざま記事を掲載いたしまして、適正化を求めているところでございます。そういったさまざまな方策で適正な運営がなされるように努力しているところでございます。
〇工藤勝博委員 NPO活動全体の組織の交流センターもありますので、それらも十二分に活用しながら、今後ますますふえるであろうと思われますNPOの活動を側面的に、全面的に支援するようにしていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 国道4号の分レを過ぎると私は県北という認識を持っておりますけれども、県北・沿岸振興に関してお伺いいたします。
 副知事を本部長として県北・沿岸振興を部局横断的になされておりますけれども、残念ながら340万円ほどの予算で、これで一体何ができるのやという思いがあります。今日まで平泉の文化遺産の登録に関しての大きな政策が成果を上げてきましたし、国際リニアコライダーの今後に向けての取り組みも政策地域部の中で十分なされておりますけれども、それも、多分、間もなく明るい結果が出るだろうと思います。その次はやはり県北振興だろうと思います。県内のどこに行っても岩手はすばらしいなという地域づくりのためにも、政策地域部の中で大きなプロジェクトを立ち上げてほしいと思っております。その辺のお考えをどのように捉えておるか、新しい政策の中で県北・沿岸の振興をどのようになされるのかお伺いしたいと思います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 県北・沿岸振興につきましては、委員御指摘のとおり、県北・沿岸振興本部を中心にこれまで推進してきたところでございます。
 平成23年度の決算額につきましては、これは政策地域部の、ある意味で県北・沿岸振興本部の事務局経費でございまして、今回、東日本大震災津波の影響を考慮いたしまして、シンポジウムの開催経費など、ごく必要最小限の経費にとどめたもので、平成23年度においてはこういった金額になったものでございます。
 今後の沿岸振興につきましては、まずもって、復興計画に基づきます復旧、復興が何より重点的に推進すべきであると思っておりますけれども、今、環境省が推進しております三陸復興国立公園が来年度にも創設される。それから、三陸ジオパークにつきましても来年度申請する準備をしております。ぜひ、三陸を世界に発信して、交流人口を拡大する取り組みを展開してまいりたいと考えております。
 また、県北地域におきましては、求人倍率が県内最低であるなど、なかなか地域としては元気が出ないところではございますけれども、今年度、北いわて産業振興プロジェクトチームということで、県と市町村の担当者で連携体制を強化いたしまして、地域の強みを生かした食品関連産業の集積、雇用創出の取り組みを重点的に今後展開してまいるところでございます。
 あわせまして、現在、世界遺産を目指しております御所野遺跡もしくは平泉中尊寺と縁のあります天台寺など、地域の資源を活用した交流人口の拡大に向けた取り組みを展開してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 県北・沿岸の一番のネックは、所得格差も含めて、先ほどのお話にもありましたけれども、雇用の問題─いろんな宝はたくさんとあると思うんです。それらをいかに引き出して振興につなげていくかということも、これは大事だと思います。交流人口をふやすといっても、なかなかこれは厳しい面がありますけれども、こういうことをやりますよと大きなプランを練ってもらわないと振興に結びつかないと私は思っておりますので、その辺も大きく捉えて、今後の政策に反映させていただくようお願いしたいと思います。
 次に、関連がありますけれども、いわてへの定住・交流促進事業がありますけれども、今、特にも震災以降、去年の場合、見えない形がありますけれども、その実績はどのようになっておりますかお伺いいたします。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 いわてへの定住・交流促進事業の実績でございます。震災後におきましては、定住、交流の取り組みについては、特にも関係市町村、団体と協議をして進めてきたところでございます。その中で、やはり地域の担い手となる人材の確保が必要だという認識のもと、希望する市町村とは、首都圏でのふるさと回帰フェアでありますとか移住・交流フェアなど、連携して移住イベントに出展したり、パンフレットを作成したり、情報発信を展開してきたところでございます。
 昨年度の成果といたしまして、震災による被災地への支援希望、ふるさとへの回帰志向などもございまして、昨年度の県外からの移住者でございますが、県が把握している段階でございますが、前年度より増加いたしまして、998名を受け入れたところでございます。
〇工藤勝博委員 昨年は特別な年だったわけですけれども、そういう中で着実にふえているということは大変明るいのか、よかったなと思いますけれども、それが本当に定着するような形で取り組まなければならないだろうと思います。特に、岩手の魅力がどこであるかといえば、やはり自然のよさなり、あるいはまた人間のよさといいますか、岩手県人のよさがあると思いますけれども、よく、山村社会がいい、自然の中で暮らしたいという方々がふえております。そういう中で、教育的にもそのすばらしさを伝えながら、この岩手に住みたいという方々がたくさんおると思うんです。そういう住んでいる方から逆発信してもらうような手だても必要ではないかと思っています。せっかくそういう思いで定住した皆さんから、そういう発信の仕方というのはどのようにお考えになっているかお伺いしたいと思います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 委員御指摘のとおり、既に定住している方々の発信というのは非常に重要だと思っております。まさに説得力のあるものだと思っておりまして、昨年度においては、移住者の声を紹介するパンフレットなども作成したところでございます。それから、移住者との意見交換会なども開催したりしております。
 今後におきましては、そうした新たな移住者の方々の御意見なども聞きながら、また、先ほど申しましたが、首都圏でのそういったイベントの参加のときにも御協力いただくような取り組みを展開してまいりたいと考えております。
〇小野共委員長 工藤勝博委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 工藤勝博委員、御了承をお願いいたします。
   午前11時55分 休 憩
午後1時3分 再開
〇岩崎友一副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日、審査を予定している部局について、延べ25人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇工藤勝博委員 休憩前に引き続きお聞きいたします。
 三陸鉄道運営支援事業についてお伺いしますけれども、御案内のように昨年の大震災で甚大な被害を受けておりますけれども、その中で、北リアス線は部分開業、南のほうは全部とまっているという状況の中で、この支援事業で今後どのような成果といいますか内容になっているのかお伺いしたいと思います。
〇野中交通課長 三陸鉄道運営支援事業の取り組みとその成果というお尋ねでございます。
 三陸鉄道運営支援事業につきましては、三陸鉄道の経営安定のため、設備維持に係る経費でありますとか、あるいは設備更新の会社負担の経費に対する支援、それから、今回の震災によりまして、経営が圧迫されて資金繰りが非常に厳しいということでございましたので、そういった運転資金の貸し付けをしてきたところでございます。
 この成果におきましては、運転資金につきましては、貸し付けにより順調に今、安定的な経営がされてきておりますし、また、設備維持あるいは運転区間の設備に係る更新等についても計画的に進められたということで、今の運転区間における安定的な経営に資していると考えております。
〇工藤勝博委員 そういう貸し付けの原資という形での支援がされているわけですけれども、現実的には、現状の中での営業というのは本当に厳しいだろうと思います。
 そういう中で、社員の中では、いろいろな工夫をしながら、レールを刻んで売ったり、いろいろな商品を開発しながら運行収入以外で頑張っているわけですけれども、この再開に向けては国の補助事業で全線が回復なされるとありますけれども、これも目標が平成26年度ですか、それに向けての、今後のスケジュールも含めて、経営全般にかかわって、支援事業、関係する市町村もかなりの負担をしながら維持しているわけですけれども、その辺も含めて今後の見通しをお伺いしたいと思います。
〇野中交通課長 平成26年4月の全線再開に向けて工事は順調に今、推移しておるわけでございますが、この復旧、復興に向けた期間の今年度、来年度におきましては、やはり必要な運転資金等に不足がございますので、そういった貸し付けを継続しつつ、必要な設備更新等の支援も行っていくという考え方でございます。
 また、平成26年4月の運転再開後の経営に当たりましては、今後の沿線人口の減少あるいは少子化の進展等により利用者数が減ってくると見込まれておりますので、経営の環境は厳しくなると認識しております。
 こういった中で、県としましては、二つの柱立てをいたしまして支援をしてまいりたいと考えておりまして、一つは、利用促進の取り組みの支援でございます。もう一つは、会社の施設保有に係るコストの支援、こういう大きな柱を立てておりまして、その一つの利用促進の取り組みにつきましては、これまでもそうなんですが、市町村と連携いたしまして、住民のマイレール意識の再醸成とか、そういった中での地元の利用促進を積極的に進めると。それから、観光客の誘客など、交流人口の拡大につながる取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 また、平成26年度以降の経営の考え方として、上下分離方式をしっかりと確立したいと考えておりまして、下の部分といいますか、施設の部分につきましては沿線市町村が所有いたしまして、会社は運行に専念していただくという形をもちまして収支の均衡を図ってまいりたいと考えております。
 そうした中で、県の役割といたしましては、会社の施設保有に係る修繕費であるとか、あるいは人件費─これは修繕に係る人件費でございますが、こういったコスト部分の負担を市町村とともに支えていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 地元にとっては交通の足の確保というのは優先されるわけですけれども、ただ、そうはいっても、支援ということで、限度なくやるというわけにはいかないだろうと思います。そこは第三セクターの、逆に強み、弱み、両方持ち合わせていると思うんですけれども、その辺のきちっとした歯どめも含めて今後の支援の方策を考えるべきだろうと思います。それは答弁は要りません。
 次の質問に移ります。
 最後、東アジアの留学生等人材ネットワーク形成事業もありました。当初の予算から半減しておったわけですけれども、この半減された理由、そしてまた、留学生の皆さんの声というのがあればお聞きしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業の関係でございますが、当初は内容を少しバラエティーに富んだ形で考えておりましたが、震災があった関係で、一部分の実施にとどまりました。とどまった結果、行った事業は、留学生に対する奨学金の支給事業、これについては、やはりどうしても、学生たちの生活状況がそんなに豊かじゃないものですから、これは続けていかなければいけないということで継続してやったわけでございますけれども、一方、留学生の就職支援事業ということでの各種セミナー、カウンセリングとか、あるいは企業のインターンシップとか、そういった部分も予定しておったんですが、この部分が震災の影響ということで実施がなかなか難しいということがございまして、その分の予算を外したことから半減したという状況でございます。
 留学生の実態ということでございますけれども、県内の大学及び高等専門学校におきまして本年5月1日時点で304人の留学生がおりまして、そのうち、中国、韓国を初めといたしますアジア地域が283人ということで93.1%を占めているところでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、県といたしましては、留学生が本県の貴重な人材であるという位置づけでもって、留学生との密接なネットワークを形成する必要があると考えておりまして、外国人留学生に対する奨学金支給、これは公益財団の岩手県国際交流協会で実施しておりますが、そこに対して補助をしているところでございます。
 また、先ほど震災で実施できなくなったと申し上げましたけれども、この部分につきまして、国内で就職を希望する留学生を支援するための組織といたしまして、岩手県外国人留学生就職支援協議会というものを県内の関係機関、県庁の関係課、県内の大学あるいは日本貿易振興機構と組織いたしまして、その事業を展開しようとしているところでございまして、平成24年度─今年度におきましては予算を確保し、既に実施しているところでございます。
 このほか、帰国する留学生に対しましては、いわて親善大使に御希望に応じまして委嘱させていただき、帰国後の人的なネットワークの形成、維持にも取り組んでいるところでございます。
〇工藤勝博委員 留学生においては、異国の中での勉強なり、あるいはまたそれに向けた進路を考えているだろうと思いますけれども、去年の部分は残念ながらそういう結果だということはわかりました。しかしながら、そういう人材を集めて、逆に岩手のよさを発信するためにもこれまた大きな力になっていただけるものだと思っておりますので、ぜひともその方向性だけはとっていただくようにお願いしたいと思います。
 そしてまた、ことし9月のいろいろな状況もありますけれども、やっぱりアジアは一つとして捉えて、岩手の戦略として大きく位置づけてもらって人材育成に努めてほしいということを申し上げて終わりたいと思います。
〇小泉光男委員 それでは、関連質問をさせていただきます。
 ただいまは工藤勝博委員から、午前中ですけれども、NPOの拡大や今後の発展について御質問がございました。これは、午前中に軽石委員から、総括質疑では工藤勝子委員も取り上げたテーマでございます。我が県において、まちづくりや復興、または保健、福祉の分野にNPOが今後どのように活躍して社会に根づいていくかということが非常に重要でありますし、それを考えるとき、いわてNPOセンターの不正受給事件の総括が必要だと私は思います。
 そこで、NPOの今後の一層の発展を願うという観点から、何点かこの点についてお伺いいたします。
 一つは、いわてNPOセンター不正受給事件の原因は、さきの総括での部長答弁でも本日の総括課長答弁でもコンプライアンスを見抜けなかったという回答をしておりますが、本当にこれが理由とお考えでしょうか。
 昨年6月28日に、本会議で当時の政策地域部長が回答されたところは、不正な運営を見抜けなかったことを反省し、指導や助言が後手に回った責任を痛感しているというように記録されております。
 2010年6月にはこの不正事件に絡み元職員が逮捕され、それから長期間を経て、本年8月に元理事長と言われる方が詐欺容疑で逮捕されて、この事件そのものは現在、裁判の結果にまつところが大きいと思いますけれども、元理事長が県公会堂の館長や県民の森の公園長の職にあったときに、我々文化会館の運営仲間には、独裁者として私のところまで聞こえていました。岩手日報でも、この間、ガリバー的な存在だったと解説しております。であるならば、コンプライアンスを見抜けなかったというときに、職員への賃金不払いや相次ぐ退職事件もこの当時聞こえていたかと思いますけれども、県の担当者は全く知らなかったということなのか改めて確認したいことが一つです。
 それから、この事件は、刑事事件としては、元理事長が起訴されて裁判がされておりますのでこれから明らかになるかと思いますけれども、民事事件としては県はどう対応されるのでしょうか。現いきいき岩手支援財団から詐取したと起訴理由になった損害の回復手続はどのようにお考えになっているでしょうか。
 そして、本事件がもたらした最も深刻なことは、事件発覚後、NPOの申請手続が、県側のガードが一段とかたくなって、行政のチェックが厳しくなって、本来の業務に支障を来すなどの例が出ていると聞いています。それを裏づけるように、きのうだったと思いますけれども、認定NPO法人として、県に事務の所管のあることし4月1日以降、認可をしたのはわずか1件と私の耳には聞こえたのでありますけれども、これで間違いがないでしょうか。
 最後になりますけれども、最初にこれだけ大きな影響を与えて、今後ももとに戻るまでには相当の時間を要すると思われる本件の、県の管理責任とか監督責任の処分などは考えたのでございましょうか。行われたとすればどのような内容だったかも含めてお示しいただきたいと思います。
〇岩崎友一副委員長 執行部においては、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 何点か御質問をいただきました。
 まず、当時のさまざまな不正の情報がこちらのほうに届いていたのではないかということでございます。
 この点につきましては、そういった中で、私ども、いろいろなそこの不健全な運営を同法人が行っていたというところまでは見抜けなかったということでございまして、具体的にこちらのほうから報告徴収、立入検査といったような行動を起こすところまでの迅速な対応というのがそこの部分でできなかった、後手に回ってしまったというところがございます。そういう状況で、その点について大いに反省しているところでございます。
 次に、民事の関係でございますけれども、民事の関係につきましては、平成23年6月に財団法人岩手県長寿社会振興財団及び岩手県福祉基金への配当が行われまして、最終の債権者集会が開催されまして、同法人の破産手続が完了したということをもって結了していると考えております。
 あと、認定NPO法人の関係でございますけれども、これにつきましては、現在、数件の団体からいろいろな御相談はいただいております。認定取得したいけれどもどういうふうにすればいいのか、どういった書類をそろえればいいのか、そういったような内容の相談はさまざまいただいておりまして、当方のNPO・文化国際課に配置しております非常勤専門職員からさまざまアドバイスをさせていただいているところでございますが、近々申請がなされる見込みという状況でございますけれども、正式な申請はまだないという状況でございます。
 あと、監督責任者の処罰の問題ということでございますけれども、そういうことで、私ども、さまざまな対応が後手に回ってしまったという反省もございます。また、一つの特定のNPOに能力を超えて委託事業を集中してしまったというような反省もございまして、それぞれ必要な再発防止のための体制整備を整えておるところでございまして、一つには、迅速な対応を行うために、NPO法の運用方針を新たに定めまして迅速な対応に心がけているということと、あと、委託の適正化というガイドラインをつくりまして、能力を超えた委託が集中しないように配慮して取り組んでいるところでございます。そうした反省を踏まえましての体制整備というところを重点的にやっておりまして、特定の職員への処罰という対応ではなく、体制の整備という対応で対処しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 私からは、主要施策の成果に関する説明書、公共交通の維持・確保と利用促進の取り組みについて伺いたいと思います。
 まず、前提として、JR山田線、大船渡線の代替バスの運行状況について伺います。
 3月に私が質問させていただいたときには、民間バス会社の協力によりまして、最小限の本数、また、不便性を抱えながらの運行をしていたと思われますが、現在、それが解消されているのか、現状を確認させていただきたいと思います。
〇野中交通課長 JR山田線、大船渡線の代替バスの運行状況についてでございます。
 まず、山田線につきましては、岩手県北自動車と岩手県交通の路線の乗り継ぎによりまして現在運行されております。運行本数につきましては、本年4月から釜石側の増便によりまして、従前の6.5往復から11往復に改善されているところでございます。また、乗り継ぎ時間でございますが、これまで平均45分から50分の乗り継ぎ時間を要してございましたが、改善によりまして、その半分以下の大体平均20分ぐらいで、大幅に今、短縮が図られているところでございます。
 また、大船渡線についてでございますが、この8月から大船渡-一ノ関間におきまして2往復増便が行われております。この結果、大船渡、陸前高田の区間はこれまでの8.5往復から10.5往復へと、それから、県境をまたぐ、いわゆる陸前高田から気仙沼の区間につきましては2往復から4往復に改善はされておりますが、震災前の運行の水準に比べるとまだまだ低い水準となっております。
〇佐々木朋和委員 3月の質問のときには、JRからの協力というところがなかなかというところで、乗りかえについても、定期が使えないとか、そういうような不便があったと聞いておりますが、その点についてはどうなっておりますでしょうか。
〇野中交通課長 JR東日本の協力の部分でございますが、民間の路線バス事業者の運行を振りかえという形でJR東日本は適用しておりまして、定期、それから回数券におきましては、鉄道運賃で利用できるように、バス運賃と鉄道運賃の差額分はJR東日本の支援をいただいています。
〇佐々木朋和委員 通告にないことを聞いてしまいました。済みません、ありがとうございます。
 そのような中で、改善に向かってはいますが、まだまだ通勤の足としては乗りかえ時間等々に問題があると思っておりますし、これから冬場を迎えるに当たっては、今の現状で、冬期の確かな公共の足の確保ができるのかというところに不安が残ります。今、内陸へも沿岸から仕事場を求めて通っていらっしゃる方もいっぱいおりますし、企業によっては、企業でバスを借りて、高田から一関へ国道343号のループ橋を渡って通っているというところもあります。そのような中で、冬場、雪のシーズンになったときに、今の状態で公共の足が確保できるのかというところが不安であります。
 例えば、大船渡線では、被害の少ない矢作、竹駒まででも復旧ができないのか。これから冬場、仕事に通えないとなると、人口流出の大きなきっかけになってしまいかねません。その点からも切実な問題として訴えるべきと思いますが、これまでの取り組みと御所見を伺いたいと思いますし、あわせて、BRTが冬期に時間のずれがなくその役目を果たせるのか、一緒に伺いたいと思います。
〇野中交通課長 内陸へ通勤されている方々の、特に冬場の交通の確保という御懸念だと思います。そういった中で、陸前矢作と気仙沼間の鉄道復旧あるいは先行での運転再開ができないかというお尋ねでございますが、これは県としても、この区間は被災が極めて少ないと。原形で復旧できるという理解、認識をしてございまして、これまでも強くJR東日本に早期の運転の再開を求めてきたところでございます。
 しかしながら、JR東日本におきましては、この区間が、震災前の利用状況等を見ますと、大船渡線の中でも一番利用者の少ない区間であるということもありまして、復旧に当たっては、やはり気仙沼-盛間の全線復旧ということを前提に取り組みたいという考え方でございまして、なかなか今、難しい問題はございますが、これは沿線各市とも早期運転再開を求めておりますので、今後、開催されます復興調整会議の中で議論を加速させながら、一刻も早く全線復旧の前に再開できるように求めていきたいと考えております。
 それから、BRTの冬場の運行ということでございますが、先般、10月4日の公共交通確保会議の中で、BRTを大船渡線に導入するということについて地元で合意されました。この部分については、JR東日本も早急に運行を再開すべく手続を進めるということになっておりますが、冬の期間の運行につきましても運行が適切に行えるかどうか、ルートの選定であるとか、そういったものはこれから地元と協議していくと。そういった中で決定されていくものだと思います。
 また、今後、専用道が整備されていくわけですが、その中においても、除雪関係、冬場の道路環境を誰が責任を持って確保するか、こういった問題も残っておりますので、引き続きこれはJRの責任の中で整備していただくように求めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 公共の足はやはりオールシーズンで確保されなければいけないと思っておりますし、また、人口流出を防ぐということが復旧、復興の本当に一番の大きな課題であると思いますので、ぜひ強く求めていっていただきたいと思います。
 また、今の答弁の中にありましたが、これから鉄路の本格復旧を求めていくというところでは、いかにして利用率のアップに取り組んでいくかというところだと思います。これから始まるBRTの利用率、また、既存の路線の利用率のアップのための取り組みをどのようにしていくのか。
 先ほど、三陸鉄道についてのことも質問ではありましたが、これからは市民、行政ともに進めていかなければならないと思っております。公共のインフラについては、今、県立病院などについても、お医者さんの実態を市民の皆さんに知っていただきながら、市民グループが市民と病院を結ぶという役割をしております。これから、鉄道についても、鉄道の現状、利用率を市民グループにわかっていただいて、またそれを市民の皆さんに波及させていく、そういう取り組みも必要と思われますが、今後の構想があればお聞かせいただきたいと思います。
〇野中交通課長 BRTも含めた公共交通の利用促進についてでございますけれども、まずもって鉄道の本格復旧ということを考えますと、復旧した後の利用促進というのが一番重要だと考えておりまして、まずは、沿線市のほうで鉄道の駅を中心としたまちづくりを進めようということで、基本的な考え方はそういった形での利用促進を図っていくということを考えております。
 それから、BRT及び公共交通のバス等も含めた利用促進につきましては、これはやはり、公共交通のサービスがいかにいいものといいますか、利用者のニーズに合ったものにしていくかというのが大事だと考えておりまして、今後、地域住民の利用する方々のニーズを把握しながら、地元の市とも十分連携をとって進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ力強く進めていただきたいと思いますし、こういう人口減少の中にあって、鉄道利用をアップさせていく、また、実情をわかってもらうには、市民の運動というのが重要になってくると思います。路線サポーターとかわかりやすい打ち出し方をしながら、ぜひそういう機運の醸成にも努めていただきたいと思います。
〇吉田敬子委員 県北・沿岸振興と定住交流促進事業について伺います。先ほど工藤委員のほうから質問があって答弁がございましたので、その部分に関しては割愛して御答弁いただきたいと思います。
 先ほどの答弁の中で、沿岸は三陸ジオパークを目玉にしてこれからも頑張っていくと。県北に関しては、求人倍率がまだ低いということで、特に産業、雇用を促進していくというお話だったんですが、では、具体的に、私は、県北・沿岸振興の中でも、震災が起きた沿岸部と県北というのはこれから、特徴も変わっていますから、県のほうでも施策が変わっていなければいけないはずではないかという認識です。
 部局横断的な連携をどのようにしているかという点も質問通告しておりましたが、その点と、先ほどの答弁の中で、県北に関して産業、雇用を促進していくということだったんですが、産業の中で、県北と沿岸それぞれ県では何が強みだと認識しているかお示し願います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 県北・沿岸振興の強みということでございますけれども、県北につきましては、まさに食品関連の産業が最も強みだと考えております。具体的に申しますと、県北地域では、製造品出荷額の63%が食品関連産業の占める割合となっております。これは県全体でいいますと、食品関連が15%でございますので、県北はまさに食品関係が非常に強い。特に鳥肉加工の製造出荷額がそのうち33%を占めておりますし、従業員も2、146名と27%を占めております。また、繊維、縫製業も比較的比率が高くて、県全体で製造業の中の6.3%、これは従業員でございますけれども、そのうち県北は13%ということで、まさに鳥肉加工を中心とする食品関連の産業と、それから縫製業の産業が非常に県北地域の雇用を支えていると考えております。私どもとすると、商工労働観光部、農林水産部もしくは県土整備部等と連携をしながら、まさにこのあたりの強みをどう発揮していくかということを協議しながら進めていきたいと考えております。
 沿岸につきましては、今回、非常に事業者が被害を受けました。まさに水産加工業が非常に被害を受けたところでございますが、徐々に復興しているところでもございます。こういったところにいかに付加価値をつけて復興していくかというところが非常に今後の沿岸の産業、雇用を支えるキーワードになるのかなと考えております。
〇吉田敬子委員 先ほど、食品関係ということで、あと繊維、縫製業。私も、県北広域振興局でも一生懸命、繊維関係の工場が二戸市、久慈市を中心に24業者─もしかしたらふえているかもしれないんですけれども─あるということで、やっぱり部局横断的に取り組みをしていく必要があると思っておりますし、これまで繊維業者の方で外国人を受け入れていた企業が多かったということだったんですが、それが県内出身者の方に移行している傾向があるようなので、ぜひ繊維関係の事業者の方々に支援をいただいて、そこからも県北振興を一生懸命図っていっていただければいいなという思いで質問させていただきました。
 県北・沿岸振興と一つになっていますけれども、特徴が全く違うと思いますので、ぜひこれからも引き続きよろしくお願いいたします。
 定住・交流促進事業に関してですが、これは県北・沿岸振興にも通じるかと思うんですけれども、特に空き家バンクの取り組みもされているということなんですけれども、具体的に力をどのように入れているかお示し願います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 空き家バンクにつきましては市町村によって取り組みがさまざまでございまして、空き家バンク制度を取り入れているところとそうでないところ、まちまちでございます。
 取り入れているところの特徴といたしましては、市町村内に不動産業者がいないというようなところで、いわゆる古民家が空き家になっている、どちらかというと過疎地域というようなところで取り組みをやっているところがございますので、私どもとすると、そういった情報を、ぜひ移住を希望する方々に的確に提供するような取り組みをしてまいりたいと思っております。
〇吉田敬子委員 ぜひ引き続きお願いしたいことと、また、他県では、例えば移住、定住までにはつながらないけれども、関心がある方に対して、週末だけのちょこっと暮らし、これは北海道だったんですけれども、前の予算特別委員会でもお話しさせていただいたと思うんですが、そういう取り組みをされているということで、北海道だと、県土整備部と連携して北海道型住宅というのをつくって、ちょこっとだけそこに住めるというような空き家バンクの仕組みをつくっているそうですので、やっぱり部局横断的な連携というのが大切だと思いますので、もっと突っ込んだ特色ある事業にするために、ぜひこれからもお願いいたします。
 県北・沿岸振興にも通じると思うんですけれども、定住、交流は、就農だけではなくて、例えば県北だと藤を使ったかごだとか、そういう伝統工芸もすごく盛んなところがあって、ただ、担い手がいないというところもあるので、そういったところとの取り組みも一緒になりながら、また、いわて復興応援隊という方々もこれからふえていくと思いますので、ぜひそこの連携と、あとは、実際の方々がどういった暮らしで岩手で楽しくされているというのをホームページでされているみたいなので、ぜひこれからもやっていっていただきたいと思いますが、その件に関して御所見を伺います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 今回、いわて復興応援隊ということで県内外に募集しましたところ、全国から、まさに北海道、沖縄から98名の応募がございました。
 受け入れのところでございますが、被災地の復興を応援していただく方はもちろんですけれども、まさに過疎地域の特産品開発とか観光などに従事してほしいというニーズがございました。特に、委員御指摘のように、地域によってはそういう特色のある特産品があるんですけれども、それに付加価値をつけたり売り込んでいくようなつなぎ役がなかなか地域にはいないという声がありましたので、今後、いわて復興応援隊にはそういう役目を担っていただきたいと考えておるところでございます。
〇吉田敬子委員 その復興応援隊の方は、Uターンされている、県内の出身者で県外から来られた方もいらっしゃるので、ぜひこれからもよろしくお願いいたします。
 最後に、ICT利活用促進について簡潔に質問させていただきます。
 前回の予算特別委員会で質問させていただいたんですが、今回の復興まちづくりにどのように反映されているのかという点と、予算特別委員会で県立大学のソフトウェア情報学部と連携していってほしいということの中で、これから検討していくとの答弁でした。県大の大学院生でも、ICTを使った高齢者のためのスマートフォンに対する開発事業の採択が学生では全国で初めてということだったんですけれども、そういった県立大学生との連携をぜひ図ってほしいということでお話ししておりましたが、その件に関して具体的にどのように連携されてきたのか、この2点をお願いいたします。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 まず、復興のまちづくりの関係でございますけれども、国では、今回の被害に対しまして、通信事業に関する災害復旧事業がメニューとしてありまして、現在、県内7市町村でまず情報基盤の整備に対する事業を実施しております。この復旧事業が完了しますと、本県のブロードバンドの加入可能の世帯率が100%になるというような形になっております。また、この事業の中にはさまざまなソフト事業のメニューもございまして、例えば災害情報の伝達を効率化する連携システムの構築とか、コミュニティFM等の被災住民への密接な情報発信を行う施設整備、それから医療、介護情報の共有システム、それからスマートグリッド事業とか、こういうものがございますけれども、こういうものを導入して、現在、復興のまちづくりに取り組んでいるところでございますし、さらに、平成25年度の国の概算要求においても、高台移転などの新たなまちづくりに必要な地デジですとかブロードバンドの基盤整備を支援するメニュー、こういうものを拡大事業として要求されておりますので、今後、復興まちづくりをさらに前進させる制度になるのではないかと期待しております。
 県としても、引き続き、大学の学識経験者とか民間事業者、NPOと連携しながら、市町村と一緒にICTの利活用を支援してまいります。
 それから、県立大学との連携の具体的な状況については、今、手元に資料がございませんので、後ほどお答えしたいと思います。
〇吉田敬子委員 ブロードバンドと地デジ等の対策も必要だと思うんですけれども、もっと先を行ったスマートコミュニティだとかスマートグリッド、これからまちづくりの中でとても大事なところだと思いますので、ICT利活用の中でも、私はぜひスマートコミュニティのまちづくりが各市町村で広まっていっていただきたいので、その中で県立大学とのいろいろな事業を一生懸命取り組んでいただきたいという意向で質問させていただきましたので、後ほど御答弁よろしくお願いいたします。
〇木村幸弘委員 私からは、大きく二つの点について質問いたしますが、1点目は、新しい公共の取り組みについてであります。この点については、今、それぞれの委員からの質疑、さらには総括質疑でも取り上げられているので、当初予定していた通告の内容から若干要点を絞ってお尋ねしたいと思います。
 まず第1に、新しい公共の事業についてですけれども、平成23年度において採択事業が九つ、そして条件つき採択が一つということで、合わせて10の事業が行われてまいりました。端的に、この事業のいわゆる期待された成果、そして実際にどういう課題や状況が当局の中で捉えられているのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 平成23年度の新しい公共支援事業に関しましては、新しい公共の場づくりのためのモデル事業ということで10件の事業に対して補助をさせていただいたところでございまして、それぞれさまざまな取り組みがございました。例えば仮設商店街の整備であるとか、あるいは高齢者に対する温泉利用サービス、買い物支援サービスであるとか、あるいは県内外からいらっしゃるNPOの方の調整、現地のニーズとのすり合わせなどを行い、受け入れ調整をするなどというさまざまな事業があったところでございますけれども、それぞれ予定していたというか期待していた事業内容できちっと実施していただいたと評価しているところでございます。
 見えてきた課題といたしましては、やはりこういった被災地のニーズというのは、大変時とともに移ろいやすいといいますか、日々状況が変わってくるということでございますので、そうした状況をきちっと把握して、それにきちっと対応するような形で実施していくことが必要だと私ども認識を新たにしているところでございまして、そういう意味で、平成24年度からの事業の実施に当たりましては、きちっと市町村とよく連携するように、特に地元の雇用であるとか地元調達ということにも十分配慮するようにということで、採択に当たってはその辺をNPOのほうに要請させていただいているところでございます。
〇木村幸弘委員 そこで平成24年度事業につながっていくわけでありますが、平成24年度で、震災対応分と、それから通常案件分ということで、二つの種別に分けてそれぞれのモデル事業を展開しようということになっているわけです。それぞれの採択された内容等があるわけですが、この平成23年度の事業成果あるいは評価と改善点などを踏まえて、運営委員会、第三者委員会が、応募してきた事業に対してどういう基準や判断のもとにこれらの今年度分の事業の採択を決定していったのか、そのポイントになるようなところをどういうふうに捉えてこのモデル事業の展開を平成24年度は決定してきたのかということについてお尋ねします。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 第三者委員会におきましては、先ほど来お話も出ておりますけれども、NPOがきちっとその事業を予定どおりできるのかどうなのかというあたりを十分に見ていく必要があるということは委員会の中では話が出ているところでございまして、また、先ほども申し上げましたような、地元のニーズにきちっと合ったような形で運営がなされていくのだろうかというあたりも十分チェックを入れていただいているところでございます。
 あと、平成24年度におきましては申請が93件という大変な数に上った関係もございまして、類似の事業が幾つか出てきたところでございます。やはり事業間の連携というか調整というか、そういったことも図っていく必要があるのだろうというようなことも委員会の中では出たところでございます。
 以上のような幾つかの観点から慎重に審査をいただきまして、最も効果的と思われる事業を震災対応案件については44件、その他の案件については14件、採択をいただいたところでございます。
〇木村幸弘委員 このモデル事業については、この間の委員の指摘からもあるとおり、いわゆる基金事業として、この2カ年間の事業でまず一くくりされている事業でありますが、そうした中で、今、運営委員会や第三者委員会が評価し、新年度、平成24年度分についてのいろいろな判断基準を持って事業採択しているわけですけれども、NPOが本当に本来の目的あるいは取り組みを予定どおりそれができるのかどうかという判断や、あるいは地元とのニーズなど、さまざまなそういった状況を考えたときに、災害という一つの事態の中で、これを短期的に目標達成できるという判断のもとでこの事業を採択してきているのか。それとも、災害の今までの現状から見れば、さらに持続、継続性が必要だという判断も当然あっての事業ということの協議というか議論もあったと思うんですけれども、一方で、限定されている事業内容と、それから現実に被災地における現状を見たときに、短期、1年間でとても完結できるような中身ではないだろうと思われる事業も含めてあるわけですよね。その辺のところをどう判断しながらこの事業採択をし、そしてなおかつ継続性が必要だと明らかに判断されるような事業について、今後どのように展開しようとしているのか、その点まできちんと見据えた事業採択が行われてきているのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 ただいま委員から御指摘のありました継続性の観点というものもやはり委員会の中では議論になったところでございまして、これは本当に金の切れ目が縁の切れ目みたいな形で、全くこの事業がなくなればあとは一切続かないということがあっては心もとないというか残念な結果だということで、やはり団体というものがきちっと今後も存続していき、できれば将来的には自前の財源で回していけるような、そういった各団体の財政内容的なところも含めて審査をいただいたところでございます。
 今後、そういったところがきちっと果たして続けていくことができるのかという観点でございますけれども、先ほど工藤委員からも御指摘いただいたところでございますが、この事業が2カ年度で終わってしまうということで国では当初考えておるところでございまして、ただ、被災地の状況というのは2カ年で終わるわけではございませんし、やはりNPOが官民連携で継続的に支援していくことがまだまだずっと求められていくんだろうということを私ども国のほうに強く訴えているところでございまして、その中で、国のほうでもそういう方向で今、検討していただいているところでございます。
 そういったところも使いながら、足りない部分については、県としても、またそういった国の状況も踏まえて、さらに検討を加えながら、こういった形の事業が今後も続けていけるように、全く今回と同じ形ではないかもしれませんけれども、形を変えてでも続けていけるように努力してまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 そもそもこの新しい公共の場づくりモデル事業というのは、災害を想定してつくられた事業ではなかったんですよね。そういう意味でいうと、今回の災害によって、ある意味こういうNPOや、あるいは被災地支援という目的に基づいて、事業展開がまさにこのモデル事業によって生かされてきたという部分もあります。したがって、やはり継続的な部分を含めて考えたときには、この公共の場づくりモデル事業という考え方からさらに発展した意味における、国に対する予算の獲得なり、いろいろな部分で復興予算にかかわってくるような部分を含めてしっかりと確保していくことが必要だろうと思いますし、同時に、芽出しとして、この資格要件の中では、完全に今回、新しい公共の場づくりというのは、市町村、いわゆる行政がいつでもきっちりと関与しなさいということが示されております。つまり、行政がしっかりと関与するということは、その事業については責任を持って完結せよという部分にも当然かかわってくることでありますので、途中で尻切れとんぼのように組織が成り立たなくなった、あるいは事業が継続できなくなったという形で、結局、被害をこうむるのはそこで利用されている方々であったりとか被災者であったりするということのないように、しっかりとしたフォローが求められるということを指摘しておきたいと思いますので、意見として申し上げます。
 次、2点目ですが、今回の災害等において、全国あるいは県内の市町村を初めとして、マンパワーの支援をいただいているわけであります。改めて全国と県内市町村を含めて、派遣をいただいている職員の実績、実態を示していただきたいし、あわせて、この派遣職員に対してのメンタルヘルス対策はどういう仕組みで行われているのか、あるいはその責任はどこでどのような形で所在をきちっと位置づけているのか、その点についてお尋ねします。
〇紺野市町村課総括課長 まず、被災市町村への派遣職員の実績についてでございますけれども、本年10月1日現在で281人の派遣決定を行っているところでございます。派遣職員の内訳につきましては、県職員18人、県内市町村職員68人、全国の自治体職員195人となっております。
 次に、派遣職員に対するメンタルヘルス対策についてでございますけれども、派遣職員に関する職員管理につきましては、派遣職員が被災市町村の管理下にあるということから、被災市町村の責任において実施していくことが原則でございます。
 こうしたことから、派遣職員を受け入れている沿岸市町村におきましてはメンタルヘルスケアの事業を実施することとしておりまして、産業医による面談、メンタルヘルスに関する研修などの取り組みが行われているところでございます。これらの取り組みに加えまして、さらに派遣職員の定期的な帰省、懇談会の開催などによりまして、派遣職員の心身のリフレッシュに努めているところでございます。また、派遣元自治体におきましても、職員のヒアリングなどを通じまして職員のフォローを実施しているところでございます。
 県におきましても派遣職員に対する面談を定期的に実施しておりまして、職場環境ですとか生活環境等の改善につなげる取り組みをしているほか、メンタルヘルスケアに関する情報提供を行ったり、被災市町村人材確保連絡会議を開催して、各市町村の取り組みについての情報交換などを行うなど取り組んでいるところでございます。
〇木村幸弘委員 本当に全国を初め県内からの派遣の応援をいただいている関係者の皆さんには敬意を表したいと思います。
 そういう中で非常に大きな役割を担っていただいている皆さんですから、十分に健康管理を含めて万全な体調と、そして環境のもとでしっかりと本来の職務を全うしていただくようにお願いを申し上げるのですが、そういう意味で、実態として、この間、派遣職員が実際にけがあるいは病気などをした事例がどのくらいあるのか。そして、その場合に補償等はどういうふうになったのか、その点についてもあわせてお聞かせ願いたいと思いますし、それから、原則的には受け入れた被災市町村が派遣職員のメンタルヘルス対策等の責任を負うということなんですけれども、実際に被災市町村ではそういった手だてが十分に行えるだけの余力を持っているのかどうかということも含めて、原則はそうでしょうけれども、実際には応援を受けて、なおかつその応援を受けた職員のために別な労力を被災自治体が担わなければならないということになると、これまた逆に受け入れる側の負担もふえていきますし、そういった点のかかわり方というか、いろいろな現場の実態というものをどのように捉えているのかお聞かせ願いたいと思います。
〇紺野市町村課総括課長 まず、派遣職員の公務災害についてでありますけれども、派遣職員の健康管理につきましては受け入れ市町村が実施しているところではございますけれども、公務におけるけが、病気の事例につきましては、現時点で報告は受けてございません。
 また、派遣職員に公務災害が発生した場合につきましては、通常の公務災害補償と同様に、地方公務員災害補償基金への請求及び認定により補償がなされているところでございます。
 続きまして、市町村のメンタルヘルスの実態等についてのお尋ねでございましたけれども、私ども、常々被災市町村を定期的に巡回訪問させていただいて、人事担当者とともに、実施しているメンタルヘルスの内容ですとか実施状況を確認、メンタルヘルスへの対応ができる状況かどうかも確認しながら対応しているところでございますし、また、そういった被災市町村だけに任せることなく、県としても、定期的に派遣職員との面談を行っておりまして、最近におきますと、一人一人と直接個別面談を行って対応するということもしておりまして、できるだけ派遣職員の皆さんが快適に、しかも復興事業に専念できるように努めているところでございます。
〇木村幸弘委員 県としての対応も含めてお答えいただきました。そこで、幸いそういう大きなけが、病気の事例の報告はないということでありますけれども、先般、盛岡市の職員が自殺するという事例なども発生しております。9月9日に盛岡市長が記者会見をしているわけですけれども、その中で、県としても統括的な立場でメンタルの部分も含めて職員の状況を把握してもらいたい、岩手県のほうへそういう考え方を伝えておりますということも市長が記者会見でお答えになっている。さらには、今議会中によこされました情報で、名古屋市ですか、被災地派遣職員のメンタルケアを開始するという記事が官庁速報よりということで抜粋の記事が載っておりました。陸前高田市に対して改善措置を要請しているけれども、一方では、派遣元である自分たちもきちんと派遣職員の管理等メンタルチェックなどをしっかり行っていきたいということが記載されているわけであります。こうしたそれぞれの受け入れ側の自治体、あるいは派遣元の自治体との連携、そしてそれを統括的に受け入れる、いろんな調整を果たしながら取り組みを進めている岩手県、これらのしっかりとした連携の中で、こういったメンタルケアの対策を行っていく必要があるのだろうと思いますけれども、改めて、この記者会見の中で盛岡市長が述べた県に対するそういった要望や意見に対してどうお答えするのか、その点について最後にお聞かせいただいて、質問を終わります。
〇紺野市町村課総括課長 盛岡市長の会見についてでございますけれども、私どもは以前から派遣職員のメンタルヘルスについては被災3県の中では一番対応してきたという自負がございますけれども、そういった実際に不幸な事案が今回出てきたということでございますので、さらに取り組みを強化したところでございます。先ほども申し上げましたけれども、それまでは面談をグループ面談としていたところなんですが、個別面談にするなど、その都度、二度とこういう事例が発生しないように注意深く対応していこうということで取り組んでいるところでございますし、また、派遣元市町村、受け入れ市町村とも定期的に話し合い等を重ねながら、十分な対応を今後していきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 私も、今に関連して、被災自治体に対する応援職員の派遣問題についてお聞きしますが、昨年度、今年度、要請数に対してどれだけの職員が派遣されたのか。不足数は幾らか。
 それと、来年度、どういう段取りになっているか、まずここをお聞きします。
〇紺野市町村課総括課長 まず、市町村への職員派遣の状況についてでございますけれども、平成23年度は要請数171人に対しまして、全員派遣を決定されているところでございます。また、平成24年度当初におきましては、要請数245人に対して240人の派遣決定がなされまして、おおむね要請数を満たしたところでございます。その後、復興事業の進展に伴いまして、被災市町村から年度後半に向けての追加派遣の要請がございまして、本年10月1日現在で、要請数371人に対しまして派遣決定数が281人で、不足数は90人となっております。
 続きまして、来年度に向けての対応でございますけれども、現在、被災市町村から要請数を取りまとめているところでございますけれども、復興事業の本格化に伴いまして、本年度を上回る要請数となることが予想されてございます。このため、県におきましては、現在新たに任期付職員の採用による派遣職員の確保に取り組んでいるほか、引き続き、県内市町村への派遣要請ですとか、総務省を通じた全国自治体への派遣要請を強力に進めてまいります。
 また、都道府県等に対しまして、被災市町村とともに被災地の現状ですとか、さらなるマンパワーの必要性をこれまで以上に丁寧に説明させていただきながら派遣要請をしていくこととしてございます。今後とも、国及び市町村と協力しながら、あらゆる手段を講じて必要な人材の確保に取り組んでまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 私も被災自治体に伺っていろいろ状況を聞いてまいりましたけれども、全国、リストラで人員削減ぎりぎりの中で応援しているわけですから、我々は本当に頭が下がる思いなんですけれども、3カ月交代、6カ月交代、1年交代と、仕事を覚えるとすぐ交代という状況になっている。この3カ月、6カ月、1年交代というのは大体どれぐらいの比率になっているかわかりますか。
〇紺野市町村課総括課長 大変申しわけございません。手元にちょっと資料がございませんので、ありますれば、後ほどお答えしたいと思います。
〇斉藤信委員 来年度はさらに今年度を上回る派遣要請ということですから、現場は、できれば1年ぐらいは通して仕事をしてくれると大変助かると。大槌町に行ったときに、都市整備課という復興を担う部署というのも三十数名、プロパー、地元の職員はたった4名です。そういう形で、用地交渉は全国のいろんななまり言葉でやられて、最近はもう住民もなれてきて、御苦労さんと会話がやっと成り立つという話も聞いてきましたけれども、来年度さらに派遣要請が多いということになれば、私は、さらなる手だて、対策が必要になっているのではないかと思います。
 二つ目にお聞きしたいのは、市町村の復興が8年、10年という長いスパンになるということになれば、恐らくそんな期間で応援はもらえないんだと思うんです。ここ数年というところだと思うんです。そうすると、今の時期に市町村が独自に職員を採用して、戦力にしていくということもやっぱり必要だと。思い切った職員の採用、もう一つは臨時職員の採用、緊急雇用対策の活用など、そういう手だてが必要になってくるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇紺野市町村課総括課長 初めに、市町村の職員採用についてでございますけれども、被災市町村における本年4月1日の新規採用者数は135人となってございます。震災前の平成22年4月1日の採用者数63人と比較して72人の増加となっているほか、再任用等々さまざまな採用制度の活用を図っているところでございます。
 また、これらの正規職員のほかに、緊急雇用対策等を活用した臨時職員につきまして、本年4月1日現在で1、257人採用してございまして、平成22年度末の967人と比較して290人の増加となっているところでございます。
〇斉藤信委員 それで、例えば必要派遣要請数では大槌町が101名要請して、派遣決定が69人と。陸前高田市の場合には必要数が68人で、58人決定となっているんですが、陸前高田市の場合、正職員で69人が犠牲になっているんです。臨時職員を含めると100名犠牲になっている。私は、陸前高田市は少し遠慮しているんじゃないのかという感じもしますけれども、今、臨時採用もやられているけれども、必要な仕事の規模が、例えば市町村なんかに行くと、予算が6倍、7倍になっているんです。平年の6倍、7倍。それが、通常年の10%ぐらいふえたぐらいでは、とても対応できない規模になっているのではないか。そういうところもぜひよく見て対応していただきたい。
 それで、木村委員も取り上げましたが、三つ目に、盛岡市から派遣された職員の自殺問題で、私は、この教訓をどう生かしているかについてお聞きしたい。
 これは7月の出来事で、4月に派遣された技術職員でありました。派遣先の仕事内容が自分の専門と違った漁協、水産関係だったと。こうした問題や派遣先での労働環境などの問題があったのではないかと指摘もされておりますけれども、この点について、派遣を受け入れた自治体では、どういうふうにこの事件を検証して改善策を講じているのか。
 もう一つは、労災の申請などもやられているのか示していただきたい。
〇紺野市町村課総括課長 受け入れ先市町村での対応でございますけれども、この事件を受けて、当該市のほうではいろいろとメンタルヘルスのあり方をもう一度再考いたしまして、面談票を新たにつくって、幹部職員が個々の職員と直接面談する等々、いろいろな取り組みをしているところでございます。
 もう一つは労災の関係ですけれども、労災については、盛岡市から手続等の説明等々をしたというところまでは確認しておりますけれども、何分にも御遺族のプライバシーにかかわることでございますので、それ以降については私どもは確認まではしておりません。
〇斉藤信委員 私は、岩手県はかなりまじめにこの問題について取り組んでいると承知しておりますけれども、しかし、本当に残念なこうした事態も発生したわけだから、絶対こういうことは繰り返さないと。被災自治体というのは、職員が本当に骨身を削って仕事をしているんです、みずから被災しながら。逆にいえば、被災自治体の職員はみんな同じ思いだから余り矛盾は起きない。応援に行った人とのそういうずれというのはあるんです。頑張って当たり前と被災した人たちは思っているわけです。
 もう一つは、さっき私が指摘したように、技術者であっても、専門が違えば、これは本当に仕事は大変なんです。だから、丁寧にそういった問題について今後やっていただきたい。こういう不安があれば派遣も進まないわけだから、そういうことを一つお願いしておきます。
 それと、震災復興ミニコミ誌発行事業費856万円にかかわってお聞きしますが、これは、広域振興局が行った事業ということですが、具体的にどういう事業だったのか。
 私は、被災地に行って感じてきたのは、例えば釜石市とか大槌町で地域新聞を新聞社がやられて、釜石市は独自に支援して釜石新聞とか、フライキとか、こういうものが発行されていた。大槌町でもやっと地域新聞発行という報道がこの間ありました。自治体の復興の取り組みがごく日常的に住民に知らされる、この情報提供というのが復興を進める段階ではすごく大事なんです。ある意味でいけば、住民からは見えない。私は、こういう支援というのがすごく求められていると思うけれども、震災復興ミニコミ誌発行事業費の中身と、今言った支援というのは実際にどう行われているか、わかったら示していただきたい。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 ただいまの震災復興ミニコミ誌発行事業でございますが、先ほど申しましたけれども、沿岸広域振興局の宮古地域振興センターが緊急雇用創出事業を活用して5名を採用し、地元の民間会社に委託する形で、月3回ほど、こころ通信という形で発行しているものでございます。これは仮設住宅に入居している被災者の方、それから宮古地域4市町村を出身地としまして内陸のほうに避難されている方に定期的に発行していると聞いております。
〇紺野市町村課総括課長 斉藤委員の派遣期間の内訳についてのお尋ねでございます。1、281名のうち、6カ月が13人で4.6%、6カ月未満が37人で13.2%、残りが1年以上ということで82.2%という内訳になってございます。
〇斉藤信委員 質問の後段はなかったですが、ぜひ受けとめてひとつやっていただきたい。
 最後です。被災地の交通確保の問題について、三百数十の仮設住宅の団地が平場から遠い山合い、高台、その他に建設されて、特に高齢者が多いわけで、かなりきめ細かい交通対策が求められているのではないか。私が訪問した仮設住宅でも、必ず足の確保が出てくるんです。お年寄りの場合、500メートル先にバス停がありますといっても、これはなかなか大変なんです。釜石市では、つい最近、オンデマンドタクシーの試行に入ったということで、必要なときに必要なところまで迎えに行って帰ってくる。350円程度で乗れるということで、私は、今の高齢化社会とか仮設住宅がこういう形で散在している中で大変機能的な取り組みだと思いますが、被災地における交通確保の実態、状況、対策はどうなっているか示していただきたい。
〇野中交通課長 被災地域の交通の確保の状況についてでございます。現在、市町村におきましては、国の調査事業等を導入しながら交通の確保を進めておるわけですけれども、現時点においてまだ対応を要する団地というのが、平成23年9月では42団地ございましたけれども、9月末現在で7団地になっております。
 また、高齢者の方々も非常に多く団地に住まわれておるわけですけれども、今、対応を要する団地というのは、500メートル以遠にバス停があるという団地でございますが、そういった高齢者は、道路の状況等によってはバス停まで歩いていくのは非常に大変だという状況も確認しております。
 こういったことから、市町村においては、実際の利用者あるいは仮設住宅にお住まいの方々からお話あるいはニーズアンケート調査を行いまして、その実態を把握し、それに対応した方法等について、今般、釜石市で運行されましたデマンドタクシー、いわゆる予約型でございますが、こういったタクシーの運行であるとか、あるいは道路が狭くて大型バスが入っていけないといったところは、10人以下のタクシーを運行するなどして、きめ細かい対応をしているところでございます。
〇斉藤信委員 対応が必要な団地が42団地から7団地に減ったと。ただ、その基準は、最寄りの停留所まで500メートルあるかないかなんです。だから、今、高齢化社会の中で、こういう基準も一つあるのだろうけれども、やっぱり仮設住宅で生活しているお年寄りの実態からいったら、これはまた大変だと。それで外に出歩かなくなれば、ますます孤立化、そして運動不足など、必要な病院にも行けないということになるので、ぜひ、生活実態に合って、必要なきめ細かな対策が講じられるように、これは要望して、終わります。
〇高田一郎委員 私は、JR大船渡線、山田線の復旧について質問いたします。
 復興調整会議が、この間、5月以降ですか、未開催になっております。この要因は一体何なのかということ。
 それから、東日本大震災から1年7カ月過ぎましたけれども、いまだに鉄路の復旧の見通しが立っていません。そういう状況の中で、被災地のいわゆる復興計画とか、あるいは住民生活への影響─先ほどは震災後と比べるとバスが増便したという答弁がありましたけれども、住民生活について具体的にどういう影響が出ているのか、この点について示していただきたいと思います。
〇野中交通課長 復興調整会議が5月以来開かれていない原因、要因はということでございます。復興調整会議は、国が被災路線ごとに設置、運営しているものですけれども、県としては、時間を置かないで早期に議論を加速するように、会議を早急に開催するよう要望してきていたところでございます。
 しかしながら、5月の第3回の会議以降、開催されておらなかったわけですが、この理由につきましては、JR大船渡線あるいは山田線の両線における鉄道復旧までの代替交通の確保の検討が先行、優先されたということが理由だと聞いております。
 なお、国に対しては、引き続き会議開催を要望しておりまして、近日中に第4回目を開催するということで、今、日程調整が図られているところでございます。
 また、鉄道復旧のおくれによるまちづくり計画への影響等についてでございます。これは、鉄道復旧の方針決定そのものがおくれますと、市町村の土地利用等のまちづくり計画に影響が生ずる懸念があると考えております。また、復旧そのものがおくれますと、列車に比べて、バスの場合、非常に長時間の移動になるということ、渋滞等で定時性が確保されないで、例えば学校の始業時間に間に合わないといったことが発生するということも懸念されているところでございます。
〇高田一郎委員 復興調整会議がおくれて開催ができないということはわかりましたけれども、私は具体的な影響についてお伺いしたんです。これは新聞でも、山田町とか宮古市では、当初計画したまちづくり計画を変更せざるを得ないという報道がされていますし、また、陸前高田市などでは、実際、気仙沼市に通学ができなくなって寮生活をせざるを得ないとか、あるいは大船渡高校では親の送迎が当初の2割から4割にふえたと具体的な影響が出ているわけです。私は、懸念される中身ではなくて、今の被災自治体の復興計画や住民の生活に、鉄路の復旧が実現できない中で、どんな影響が出ているのかということを具体的にお伺いしたので、具体的な中身についてお示しいただきたいと思います。
〇野中交通課長 沿線の各市町におきましては、それぞれ影響は出ていると理解しております。例えば宮古市におきましては、藤原地区において避難路を三つほど計画しておりますが、鉄道の復旧が示されないことから国の財源等が決まらないということで、計画そのものが一旦棚上げになっているという事例もございます。そういった事例が各市町には出てきているという部分がございます。
 それから、具体の例えば通学生等につきましても十分なバス─特に大船渡地区、高田地区でございますが、バス運行の水準が低いために、朝の課外授業でありますとか、部活動の帰りの時間に間に合うようなダイヤがないとか、そういったことによって相応の人数の生徒さんが、例えば課外授業とか部活動に十分に参加できないということがあります。そういった部分につきましては、これまでも、順次、各高校の状況等を把握しながら、交通事業者と調整しながら一部は改善してきておりますが、まだ改善できていない事案もございますので、これから各市町あるいはバス事業者等ともしっかりと連携しながら、早急に解決できるように支援をしていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 今、野中交通課長が答弁したように、鉄路復旧のおくれによって復興計画とかを変更せざるを得ない事態、そして住民生活にも大変な影響が出ているわけです。大体、東日本大震災から1年7カ月たって復旧計画が決まってないというのは、恐らくJRぐらいじゃないでしょうか。こういう大変な影響が出ている今のJR東日本の対応について、政策地域部長自身、どう受けとめているでしょうか。
〇中村政策地域部長 県としては、一日も早い鉄路の再開をこれまでも求めてまいりましたし、私自身も、何とか一日も早い再開をするように努力を引き続きやっていきたいと考えております。
 先ほどいろいろお話がありました通勤、通学で沿岸の方々が非常に困難を極めているという状況もお伺いしておりますので、いずれ、引き続き、この問題についてはJR東日本側、また、一定の財政支援をJR東日本サイドでは求めておりますので、それについては、国に対しても粘り強く要望してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 JR東日本や国に対してしっかりと早期復旧できるように強く求めて、引き続き対応していただきたいと思います。
 それで、一般質問でも質問したんですけれども、なかなかよく理解できないところがあるんですが、JR東日本が鉄路復旧を明言できない具体的な理由についてもう一度お伺いしたいと思いますし、また、知事の答弁でも、JR東日本は、まちづくりに合わせたかさ上げの費用について国に対して財政支援を求めているということでありました。つまり国の財政支援の見通しがあれば、JR東日本は鉄路での復旧もやらざるを得ない状況になるのかなと思うんですけれども、JRは、やはりJR東日本の責任でこの問題は解決していかなければならないと思うんですけれども、国の責任も非常に問われているんじゃないかと思うんです。私は、かさ上げの部分については国がしっかり責任を持つから鉄路での復旧をぜひやってほしいという国の姿勢が今大事じゃないかと思うんです。現時点ではそういう状況にないのではないかと思うんですが、その点についてはいかがなんでしょうか。
〇野中交通課長 JR東日本が鉄道復旧を明言されていない理由ということでございます。JR東日本においては三つの課題を提示しております。一つ目は、津波時の安全性の確保、二つ目はまちづくりとの整合性、それから財源の確保の問題。この三つの課題が解決されないうちは復旧の見通しを明言できないということでございます。現在におきましては、この三つの課題について、関係者でその課題解決に向けて調整を図っているところでございますが、まだ、この三つの課題全てがクリアされているという状況ではございません。
 それから、国の支援の部分につきましては、これまでも国に対して、復旧を含めて、まちづくりの支援をということでお願いしてきておりますが、国においては、JR東日本が黒字企業であるという理由から、黒字企業に対する財政支援はできないという考え方ではございますが、未曽有の震災でございますし、まさしく国家的なプロジェクトの中で、今、復興が進められている中で、市町村のまちづくりの復興の観点から、県では財政支援を求めているという状況でございます。
〇高田一郎委員 私は、このJR問題については、第一義的にはJR東日本が負担すべきであって、JR東日本の責任で復旧すべきだと思うんです。ただ、国が言うように、JR東日本は黒字だから、上場企業だから財政支援は難しいんだということを言っては、なかなか前に進めないんじゃないかと私は思うんです。この点についてはいかがでしょうか。
 もう一つ、先ほども佐々木朋和委員からも指摘、質問がありましたように、大船渡線の気仙沼駅から陸前矢作駅の400メートルの区間の復旧問題です。これは地元の方々もぜひ再開してほしいという強い要望もありますけれども、これについてもJR東日本はなかなか応え切れていないというのが現状であります。
 これについては、地元の皆さんからすれば、せめてそこまで再開してほしいと。そこまで再開すれば、地元としてはやっぱり希望が見えてくるんです。なかなかその希望が見えてこない。そういう点で、私は、JR東日本側の主張にもあるように、再開の条件である津波の安全性とか、あるいは復旧費用の課題の問題とか、そういうことを考えても、せめてこの区間の再開というのは実現できると私は思うんです。
 これからの復興調整会議などでもそういう立場で強く求めていってほしいと思いますし、同時に、この問題は復興調整会議だけではなかなか解決できないのではないかと私は思うんです。この復興調整会議というのはどういうメンバーで、どういう権限があるのか、この点についてもお伺いしたいと思いますし、私は、それを超えて、もっと高いレベルでの協議ということが必要になってくるんじゃないかと思います。
 いずれ、鉄路の復旧というのは市街地再生の柱であって、通院とか通学、観光などのいわば住民の暮らしに直結するこの復旧なくして市街地の再生はない、復興はないと思いますので、ぜひそういう立場で取り組んでいただきたいと思いますけれども、その点について答弁いただきたいと思います。
〇中村政策地域部長 前段の御質問については私のほうからお答えさせていただきます。
 財源問題につきましては、今、我々としてはいろんなルートで、国、JR東日本側とも交渉させていただいております。国からの財政支援の問題については、一定部分を何とか復興交付金を入れていただけないかといったようなお話も含めて、これは国のほうともいろいろ今お話をさせていただいております。
 我々といたしましては、何とかそういったことで風穴をあけまして、この鉄路再開に向けて何とか歩みを前のほうに進めていきたいと思っておりますので、引き続きこれについては全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〇野中交通課長 気仙沼駅から陸前矢作駅までの先行再開についてでございますが、これは、JR東日本が提示している課題についてはクリアできるものだと県においても認識しております。ということで、今度の復興調整会議等においては、この議題の議論をしっかりやってまいりたいと思います。
 それから、復興調整会議のメンバーについては、国、県、市町村、JR東日本ということで、関係者の担当課長レベルの会議でございまして、まちづくりと鉄道の復旧についての調整を行うという会議でございます。
 いずれにしても、こういった会議に加え、会議と会議の間の個別の調整というのが非常に重要でございますので、こういったものを精力的に進めながら、課題解決に向けて努力していきたいと考えております。
〇高田一郎委員 最後にします。何度も繰り返すように、この鉄路の復旧なくして市街地の再生、そして復興は前に進まないという状況ですから、全力を挙げてこの問題は取り組んでいただきたいと思います。
 BRTのルート、料金、実施時期についてでありますけれども、やはりその実態に合ったルートをバスの運行をしなければ、利用者が減って、結局、鉄路の復旧にも大きな影響を与えるわけであります。そういう点では、先ほど野中交通課長がお話ししたように、地元としっかりと協議をして対応していかなければならないと思いますけれども、現時点でルートあるいは料金などについて、県としてはどのように考えているのか、この点についてお伺いして、終わりたいと思います。
〇野中交通課長 BRTの運行につきましては、やはり地元の利用者の利便性が確保されなければならないと考えておりまして、地元の意見等を十分反映できるように、JR東日本と協議、調整を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 先ほど、吉田委員からICTの利活用について、県立大学との具体的な連携状況についての御質問がございました。即答できませんでしたことをおわび申し上げます。
 現在、県立大学ではソフトウェア情報学部、地域連携本部のほうで、特に震災の復興に当たっては、学部の研究を震災復興に関するテーマに定めて、教職員全員で取り組んでいると伺っておりまして、例えば釜石市鵜住居のおげんきみまもりシステムの導入、これは地域の支援型コミュニティづくりとあわせてですけれども、そういう取り組みもやっておりますし、また、具体的に被災地域の状況とかICTの視点から調査、分析して、今後の復興計画にどう生かすかということも研究されていると伺っております。こうしたものについては、私どもの部で事務局をしておりますICT利活用促進会議のほうに御報告いただくことになっておりまして、この中で、学識経験者または通信事業者、NPOの方々と議論を深めて、ICTの利活用の促進に我々としても努めていきたいと思っております。
 また、震災とかかわらず、例えば先ほどスマートフォンのお話がございまして、若手研究家の方が、科学技術振興基金の助成を受けて、高齢者や視聴覚障がい者のための生活音識別のシステムを構築しようということで実用化試験も行っていると伺っておりまして、これは平成23年度から平成25年度まででございますので、こうした内容なども我々のほうで情報をいただきまして、必要に応じて一緒に取り組んでいきたいと考えております。
〇岩崎友一副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 復旧、復興にかかわって、1点のみお伺いしたいと思いますが、これは復興局にもまたがる話だと思っておりますけれども、復興局は何となく被災したところを見ていらっしゃるという思いがありますので、オール岩手の議論をするには、ここで話したほうがいい。そして、多分、隣の部屋で復興局の皆さんも聞いていると思いますから、ここでやれば1回で済む、省エネになるという思いからお伺いしたいと思います。
 私たちは、今回の復興に向かっての大きな目線を一つ失っているのではないかと思います。高齢者を大事にするという議論は大事なことであります、親兄弟でありますから。ただ、復興に当たる世代というものがどういう世代であって、その人たちのために何を残さなければならないかという議論がこれまでちょっと欠けてきたのではないかと思います。
 岩手県沿岸では6、000人近い方々が犠牲になり、行方不明者が今でもあるわけでありまして、なお6、000人の方々が内陸で避難生活をしております。水産業は若干復興したとはいえ、この方々は最初から仮設住宅なり何なりに避難をしながら仕事を続けてきた人たちでありまして、仕事は復興してきましたけれども、人数的にはふえておりません。
 そういう中で、発災前の宮古市は1年間に大体400人から450人の自然減がございました。その中で、復興的な流れで見えてきている数字というのは、例えば復興道路はおおむね5年間で完成するという、これは政府の約束なわけでありまして、さらには県は─復興道路は5年、そして復興支援道路は7年ということでありますので、最大限7年の中に高台移転だとか都市計画などが入ってくるのかなと。そうすると、これから7年先を考えた場合に、自然減というのがどのぐらいあるのか。そして、現在、内陸に避難している方々が本当に戻って、なおかつ犠牲となった6、000人をふやして、初めて沿岸の人数がもとに戻るということになるわけでありまして、そういうことについてはどのようにお考えになっているでしょうか。だれがこの復興の中心となっていく年代なのか、そういうことについてお伺いいたします。
〇中村政策地域部長 今、伊藤委員のほうからお話がありました。まさに今回の震災の復旧、復興は、沿岸地域のみならず岩手全体の復興でなければならないと知事が常々申しておりますけれども、我々もそういった気持ちでいろんな事業に取り組みをさせていただいております。
 一つ、この復興に携わる世代というのでしょうか、それは、今回の復旧、復興は非常に長い時間がかかるのではないかと私も思います。基本的には道路とかインフラは一定の年数がたてば、それなりにそれは完成して供用開始されるでしょうけれども、本当に前あった活力ある地域が戻るようにするには、これは、正直非常に長い時間がかかり、また、地域の方々を含めて多くの方々の非常なる御努力が必要ではないかと思います。当然、我々行政としても最大限それに向かって努力していくという所存ではありますけれども、それはまさに内陸を含めて県民が一丸となって、そういったかつてあるにぎわいを取り戻していかなければならないと考えております。そういった意味では、今の子供たちとか若い世代も含めて、しっかりとこれからの岩手をどういう地域としてつくっていくのかといったところも視野に置きながら、いろんな事業を我々としては取り組んでいかなければならないと考えてございます。
 具体の自然減とか、そういった人口が今後どうなるのかという数字はちょっと持ち合わせはしてございませんが、いずれ、沿岸地域のみならず岩手全体、これは日本全体もそうですが、今、人口減少社会に入ってございます。そういった中でも活力を何とか維持しながら、持続可能な地域をつくっていかなければならないというのが我々に課せられている責務だろうと思っております。これにつきましては、県民皆さんのお力もいただきながら、我々としても引き続き頑張ってまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 先般、総務委員会で北上市と住田町を視察させていただきました。両市町とも約600人から700人の沿岸からの被災の方々を受け入れていただいているということでありまして、大変いろいろお世話をいただいていることにありがたく思ったところであります。
 その中で、あえて私は申し上げさせていただきましたけれども、どうも、いろんなお世話のやりとりをお伺いしているときに、何となく、沿岸から来た人たちは沿岸に帰さなければならないという思いがおありなのではないか、そんなふうに実は思いました。ただ、それはそれで沿岸の人間を沿岸に帰す、大変ありがたいことでありますし、そうしていただきたいのでありますが、今言ったように、大変長い時間がかかる中で、特に大事なことは、20代後半からあるいは30代、40代でもいいんですが、結婚適齢期にある若い人方が定職につけない、あるいは定まった住まいに住めないために結婚の機会を失うようなことになってはいけない。そういうことで、各地の企業で、優秀な人間で、ぜひここに居ついて、使っていけるというような人がいたらば、ぜひ長い仕事のスパンでお雇いをいただけないかということを実はお願いしてきたところであります。
 お金だけの問題をしゃべるのであれば、仮に両親が仮設住宅に住んでいても、仕送りさえしてくれればいいわけでありますから、そして自分たちがそれなりの実入りがあったときに、条件が整った地域に帰ってきて家を建てていただければ、それはそれで一番いいのでありますが、大事なことは、結婚適齢期の時期を、仕事がない、家がない、そういうために失うようなことになっては、なお、子供が誕生する機会を減らしてしまうということになると思います。
 したがいまして、7年後といいますと、私はこの議会に、あるいはこの世にいるかどうかもわかりませんが、ただ、今やらなければならないこととして、皆さんと一緒に議論しておかなければならないことだと思います。大変多岐にわたる問題だと思いますけれども、若い者が次につながってくるようにやっていくのが我々大人の責務だと思いますので、ぜひ、そういう視点も持っていただきたい。
 隣の復興局の皆さんも、今の点をよろしく耳に入れて頑張っていただきたいと思いますが、中村政策地域部長からまた一言所感を聞いて、終わります。
〇中村政策地域部長 今、伊藤委員のほうからありましたお話もごもっともだと思います。そういった若い方がしっかりと地域に定住して、しっかりとした仕事を持ち、元気ある地域がつくっていけるように、我々も引き続き頑張ってまいりたいと思います。ありがとうございました。
〇岩崎友一副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一副委員長 質疑がないようでありますので、政策地域部関係の質疑をこれで終わります。
 政策地域部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時53分 休 憩
午後3時14分 再開
〇小野共委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日、審査を予定している部局について、延べ18人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 理事兼復興局副局長に復興局関係の説明を求めます。
〇高前田理事兼副局長 平成23年度の復興局関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、復興局所管の事務事業に係る取り組み状況とその成果等につきまして御説明申し上げます。
 復興局は、昨年3月に発生いたしました東日本大震災津波からの復興に向けた専担組織として、昨年の6月定例会の議決を経て、6月10日付で設置されたところでございます。昨年8月には、東日本大震災津波からの一日も早い復興の実現に向けて、いのちを守り、海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造を目指す姿とし、平成23年度から平成30年度までの8年間を計画期間とする岩手県東日本大震災津波復興計画を策定し、その迅速な推進を図ってきたところでございます。
 復興計画の推進に当たりましては、計画のマネジメントサイクルに基づき、県が行う施策、事業の実施状況や進捗について明らかにし、計画の実効性を高め、迅速な復興の達成を図るため、定期的に復興に関する意識調査、復興ウォッチャー調査、被災事業所復興状況調査を実施するとともに、毎月、復興実施計画の施策体系・事業に基づく進捗状況を公表するなど、重層的、多角的な復興計画の進行管理を行うとともに、復興の取り組みの進捗状況をできる限りわかりやすくお伝えし、被災された方々が復興の歩みを実感できるように努めたところでございます。
 また、昨年12月に施行されました東日本大震災復興特別区域法に基づき、被災市町村と十分な連携を図りながら、税制等の特例措置の活用を可能とする復興推進計画、土地利用の許認可に係る手続のワンストップ処理等を行う復興整備計画及び復興交付金事業の導入を可能とする復興交付金事業計画の策定支援に取り組んでまいりました。
 その結果、平成23年度におきましては、住民の生活に必要不可欠な保健、医療、福祉サービス提供体制の再構築を図ることを目標とし、訪問リハビリを行う介護サービス事業所の開設者要件の特例などを内容とする保健・医療・福祉復興推進計画と、産業の集積等による雇用機会の確保、創出等により、被災地域の活性化を図ることを目標とし、法人税の特別控除などを内容とする産業再生復興推進計画が認定されたところでございます。
 また、4市町村におきましては、復興整備事業の実施等のための土地への立ち入りや、独立行政法人都市再生機構への業務委託を可能とする特例等を内容とする復興整備計画を作成し、復興整備協議会において了承を得たところでございます。
 さらに、被災者に対しましては、食品等の給与、応急的な医療、応急仮設住宅の供与、民間賃貸住宅借り上げなど応急的な救助を行ったほか、被災者の生活再建に向け、沿岸4地区に被災者相談支援センターを開設し、相談員を配置するとともに、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の派遣等により、被災者からの相談、問い合わせに一元的かつ弾力的に対応してまいりました。
 今後におきましても、本年8月に改訂いたしました復興実施計画に基づき、安全で安心な防災都市、地域づくりによる安全の確保、住環境の整備や雇用の確保による暮らしの再建、水産業を初めとしたなりわいの再生などの取り組みを一層加速させ、一日も早い復興を実現してまいります。
 引き続きまして、復興局関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 震災からの復旧、復興のため、昨年6月の復興局設置以降に予算措置した事業に加えまして、復興局設置前に総務部、政策地域部、保健福祉部の各部が予算措置した事業につきましても、復興局設置に伴い業務移管を受けましたことから、これらの事業も含めた決算について御説明申し上げます。
 復興局関係の一般会計歳出決算は、お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページにございます。第2款総務費のうち、第2項企画費の一部で、支出済額510億2、568万円余、第3款民生費のうち、第5項災害救助費の一部で、支出済額1、161億4、523万円余でございます。当局関係の支出総額は1、671億7、092万円余で、不用額は33億6、159万円余となってございます。
 それでは、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により、項目ごとに主な事業につきまして御説明申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書178ページ及び179ページをお開き願います。第2款総務費第2項企画費第1目企画総務費の支出済額517億6、728万円余のうち、備考欄に記載しております当局関係510億1、010万円余の主なものについて御説明申し上げます。
 まず、復興局の管理運営費の次の東日本大震災犠牲者合同追悼式開催事業費2、282万円余は、東日本大震災津波発生日から1年目の本年3月11日、県民を挙げて犠牲者を慰霊、追悼し、復興に向けた決意を新たにする機会とするため、陸前高田市と連携し開催した追悼式に要した経費でございます。次に、いわての学び希望基金積立金40億312万円余は、東日本大震災津波により著しい被害を受けた児童等の修学の支援、教育の充実等のための事業に要する経費の財源に充てるための基金の積み立てに要した経費でございます。次に、東日本大震災復興交付金基金積立金468億1、555万円余は、県または市町村が実施する東日本大震災復興特別区域法に規定する復興交付金事業に要する経費の財源に充てるための基金の積み立てに要した経費でございます。次に、181ページをお開き願います。第2目計画調査費の備考欄に記載しております当局関係1、558万円余は、岩手県東日本大震災津波復興計画の策定や、復興計画の進行管理を行うための復興意識調査、被災事業所復興状況調査及び復興ウォッチャー調査に要した経費でございます。
 次に、少し飛びまして、217ページをお開き願います。第3款民生費第5項災害救助費第1目救助費の支出済額1、161億5、174万円余のうち、備考欄に記載しております当局関係の1、161億4、523万円余の主なものについて御説明申し上げます。
 まず、復興局の管理運営費の次の災害弔慰金負担金でございます。この128億5、875万円余は、東日本大震災津波で亡くなられた方の遺族に対し支給する災害弔慰金の県負担金を市町村に交付したものでございます。次に、災害障害見舞金負担金5、156万円余は、東日本大震災津波により精神または身体に重度の障がいを受けた方に対し支給する災害障害見舞金の県負担金を市町村に交付したものでございます。次に、災害援護資金貸付金10億3、989万円余は、東日本大震災津波により被災した世帯主の生活の立て直しに資するため、市町村が原則無利子で貸し付けるための原資を貸し付けるために要した経費でございます。次に、救助費1、004億5、180万円余は、昨年3月11日に県内全市町村が災害救助法の適用となり、各部局が行いました食品等の給与、応急的な医療、応急仮設住宅の供与、応急仮設住宅のバリアフリー化や暑さ、寒さ対策等の居住環境の改善、民間賃貸住宅借り上げのほか、応急仮設住宅への入居環境が整うまでの間、沿岸各地の避難所に避難していた方を内陸市町村の宿泊施設を使った避難所への一時移動の実施や短期移転による被災者の心身の休養を図るなど、被災者への応急的な救助に要した経費でございます。次に、被災者生活再建支援基金負担金10億3、030万円余は、自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた方に被災者生活再建支援金を支給するために、各都道府県が拠出し、設置している被災者生活再建支援基金に対し拠出したものでございます。
 以上で復興局関係の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇小野共委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇嵯峨壱朗委員 生活再建のかなめであります高台移転事業がいよいよ本格化とまではいかないけれども始まっているわけですけれども、その高台移転の諸事業の進捗状況と課題について御説明願いたいと思います。
〇蓮見復興担当技監 高台移転のための事業についてでございますが、高台移転は、主に二つの事業、防災集団移転促進事業と漁業集落防災機能強化事業を活用いたしまして、市町村により行われております。
 防災集団移転促進事業につきましては、これまでの復興交付金の配分におきまして7市町村51地区が採択され、そのうち、事業計画を策定し、国土交通大臣の同意を得た地区は23地区となってございます。また、漁業集落防災機能強化事業につきましては、同様に7市町村32地区が採択されているところでございます。
 これらの事業の実施における現時点の課題でございますが、具体的な計画策定について合意形成に時間を要していること、用地取得や土地利用規制に係る手続が必要となっていること、市町村のマンパワー確保が必要であること等があると考えております。
 県としましては、引き続き市町村と連携し、これらの課題への対応も含めて、高台移転の促進に取り組んでまいります。
〇嵯峨壱朗委員 進んでいるということですけれども、きょうも新聞に出ていましたけれども、今、説明ありました用地と手続とマンパワー、これはそれぞれ関連性があると思うんですけれども、手続について、前の一般質問でもお伺いしておりましたけれども、農業振興地域の農地転用とか保安林の解除、こういったものというのは、今どういった形で期間を短縮して、例えば農地は5カ月かかるのを2カ月半に短縮する、もしくは保安林解除は3カ月のものを2カ月で終えるという計画でしたけれども、それは実際そのようにうまくいっているんでしょうか。
〇蓮見復興担当技監 土地利用規制に係る手続でございますが、復興特区法の復興整備計画を活用しまして随時処理をしているところでございます。手続の特例やワンストップ処理が可能となるということで、この復興整備計画を承認する復興整備協議会は、基本的にはこれから毎月といったペースで開催する方向で各市町村と調整しているところでございまして、こういった取り組みを通じて、円滑な土地利用規制の処理が図られていくと思っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そのとおりでしょうけれども、要するにそのとおりうまくいっているのかということです。例えば、野田村の例もありましたけれども、これは9月末に通常よりは早い手続で解除されましたけれども、これも実際、大分ずれ込んできたんですよね。他の地区の例はどうでしょう、順調にいっているんですかね。
〇蓮見復興担当技監 私どもとしては、随時市町村から相談を受け付けまして、県庁内関係部局と調整をしながら手続の工程管理をして、計画的に処理をしていくということで進めているところでございます。何より大事なことは、どのような手続が必要で、そのために何を準備すべきかということを県、市町村、関係機関が認識を共有しまして、それぞれ準備していくということであろうと思っております。
 県で設置しました復興事業の円滑化チーム、関係者が一堂に会して方針等を決めていくチームでございますが、こういったものの活用を図りながら、円滑に手続が進むように努力をしてまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 結局、現場の声を聞くと、判断を仰ぐまでの書類づくりに一番時間がかかっているんですね。それはマンパワー不足にもよるんでしょうけれども、その部分、一連の流れの中で一番人手がかかって市町村の不得意とするところ、特に町村ですか、そこに支援をするというのが重要だと思うんですけれども、その点はどうなんでしょうか。
〇蓮見復興担当技監 手続につきましては、事前にいろいろな御相談をして、事前協議ということで期間の短縮を図っているわけでございますが、なれていない市町村や、あるいは職員の方がおられる場合もございますので、書類の作成方法ですとか、あるいは一部コンサルタント等に委託して、そういう能力を活用して書類等をつくれることもございますので、そういったことを含めまして、私ども、単に許認可をする権者ではなくて、一緒になって計画を書類の準備も含めてつくっていく、そういうことで市町村をアドバイスしたり支援をしたりしてまいりたいと思ってございます。
〇嵯峨壱朗委員 いまだにマンパワー不足というのは否めないと思うので、こういった法律の手続もそうですけれども、遺跡調査等も含めてまだまだ困難なようですので、ぜひ支援していただきたいと思っております。
 高台移転に関連するんですが、土地区画整理事業、これは通常の手続でやりますと、例えば公共減歩、そして保留地減歩とあるわけですけれども、公共減歩はやむを得ないとしても、例えば保留地減歩というのがありますよね。それを売って、売ったものを土地区画整理事業の費用に回していく、こういったものというのは、現場の声を聞くと、できればそれはなくてもいいのではないかと。もともと土地まで被災を受けてほとんど価値がないような状態になっているわけですね。そういった問題はどうでしょうか、把握していますか。
〇蓮見復興担当技監 土地区画整理事業の保留地減歩についてでございますが、各事業で減歩をどうするか─保留地、公共も含めて─につきましては、事業計画を立てて、事業認可をとるときに計画として策定することになりますが、それはまさに区画整理事業をどういう計画で、どの資金を導入してどういう事業費でやるかという計画そのものでございまして、各市町村で、復興交付金の活用はもちろんでございますが、具体の箇所ごとに資金計画等をつくって計画策定をするということだろうと思ってございます。
 申しわけございません。個々の事業でどうなっているかというのは把握してございませんが、まさに事業ごとに地権者の方の意向も踏まえて、将来のまちづくりとしてどういう姿にしていくかということをよく考えながら、保留地減歩も含めて検討されていくものだと思ってございます。
〇嵯峨壱朗委員 実際にその地区地区、計画計画によって違うと思うんですけれども、これについても、通常の区画整理事業であったらこれぐらいかかる、これも必要だ、何とかとあると思うんですけれども、非常時なので、そういった面でも可能な限り、国にも働きかけながら、スムーズにいくように、それで困っている地域が実際あるんですけれども、合意をとれないところが、ですから、そういった点も十分配慮して応援していっていただきたいと思っております。
〇及川幸子委員 復興局の皆さん、連日お疲れさまでございます。被災地の復興に向けて御努力、本当にお疲れさまです。
 そこでお伺いしたいのですが、私、9月9日、報道機関の中で、追跡、復興予算19兆円という番組を見ました。その中で、国の復興予算19兆円の使途が公表されました。その中で、びっくりしたんですが、経済産業省などは1.2兆円がコンタクトレンズメーカーとかに使われていたと。それから、文部科学省は国立競技場の補修に3億円、文部科学省も9.2兆円というお金を使っていたんですね。それで被災地の方々が何と言っているかというと、復興は全く進んでいない。病院、被災地に予算が届いていない、生活の再建も進んでいない、そういう意見が寄せられております。
 そこでお伺いいたします。この被災地以外に使われた205件、2兆円を超えたことに対してのお考えをまずお聞きしたいと思います。
〇森企画課総括課長 国の復興予算についてでございますが、復興予算の使い方につきましては、平成23年7月、政府の対策本部で復興の基本方針というものを定めておりますが、この中で、国の総力を挙げて、東日本大震災からの復旧、そして未来を見据えた復興へ取り組んでいかなければならないとされているところでございます。こういう復興の基本方針を大前提として予算が計上されること、これが必要と考えてございます。
 そういうことでございますので、復旧、復興が実現するまでの間、被災地のほうでは、復興交付金ですとかグループ補助金ですとか、さまざまな予算、まだまだ足りない状況もございますので、これが確実に確保されていくべきと考えてございます。
 このようなことでございますので、復興予算の使途について、放送ですとか雑誌ですとか新聞ですとかさまざまありますけれども、こういうことによりまして被災地の疑念があるということ。それを一刻も早く払拭して、迅速な復興に向けて取り組んでいただきたいということで、10月11日に財務省及び復興庁に対して要望を行わせていただいたところでございます。
 また、きのう、政府の復興推進会議が開かれたところでございますけれども、総理大臣から、問題意識を共有いたしまして被災地の復興に積極的に取り組んでほしいという指示があったともお伺いしてございます。被災地の復興を一刻も早く加速するために、これまで以上に国を挙げての取り組みが今後加速されることを期待しているものでございます。
〇及川幸子委員 ちょっとお伺いしますが、9月9日、私どもは報道で知ったんですが、この19兆円の使われ方というのを御存じでしたか。
〇森企画課総括課長 全国防災対策費という枠があるというのは存じておりましたが、具体的にどのような事業に使われているというのは、報道ですとか、あと一部雑誌等もあったんですけれども、そういうものを読んでから全国の状況は知ったような状況でございます。
〇及川幸子委員 じゃ、全くそういう使い方については知らなかったんですよね。知らなかったということですね、今のお答えは。
〇森企画課総括課長 本県以外のところでどのような活用をされていたかについては、まことに申しわけございませんが、チェックはしておりませんでした。
〇及川幸子委員 十分な予算は確保できなかったと、はっきり言ってお思いですか。
〇森企画課総括課長 本県の被災地の復興に関しましては、グループ補助金を初め、復興交付金でもさまざまこれからもお願いしなければならないところがございますので、まだまだ国に対して要望していきたいと考えてございます。
〇及川幸子委員 財務省や復興庁へ伺って予算要求を随分なさっているということで、最後に、高前田理事兼副局長にお伺いします。
 けさの新聞に載りました。今回そういう19兆円の使い道がままならなかったということで、政府では復興予算を被災地に特化するという大事なことが載っておりましたが、本来であればこれが本当のことなんですよね。被災地の方々は大変苦しんでおりました。何でこんなに復興が進まないのかということですが、ほかの使い道にその予算が行っていたということを全く国民は知らなかったのではないかと思います。
 副局長にお尋ねしますが、震災後の復興を進められた予算の確保は十分と言えたとお思いでしょうか。また、市町村とどのような連携をとられて復興を進められてきたのかをお伺いいたします。
〇高前田理事兼副局長 震災後の予算の確保、それから市町村との連携というお尋ねでございます。
 まず、震災後の予算の確保につきましては、先ほど総括課長から答弁申し上げましたように、国の復興の基本方針が平成23年7月に策定されました。この中で具体的な予算措置の考え方が示されてございます。国の財源の考え方といたしましては、集中復興期間である平成23年度から平成27年度までの5カ年間で19兆円、復興期間の平成23年から平成32年までの10年間で23兆円といった財源を示しているところと認識しております。
 こういった中で、私どもといたしましては、いろいろ申し上げておりますように、復興がとにかく完了するまでの間の確実な財源措置でありますとか、地方のきちっとした財源の措置、それから自由度の高い財源措置というようなことを重ねて要望してまいったところでございます。
 市町村との連携につきましても、復興交付金事業の計画策定といったようなことで、これまで3次にわたりまして交付金が交付されてまいっておりますけれども、毎回、市町村としっかりと連携して、県と市町村が一緒になって計画づくりをしてございます。きょうも第4回目の交付金の申請を行うという予定になっておりまして、今後とも、市町村としっかりと連携しながら、必要な財源は必ず確保するように強く国に働きかけてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 私からは、1点、簡潔に質問させていただきたいと思います。
 総務費の中の復興計画策定費、復興計画推進費に関連すると思いますが、各被災12自治体の復興計画の策定に当たって設置された委員会がありますが、その中で女性の委員の方が実際に少なかったんですけれども、今回、県の復興計画の推進費の中にも、そういった県から各自治体に対する指導というものもあるはずだと思います。復興特別委員会の中でもほかの委員の皆さんから指摘があって、県の策定委員の中には、女性が人数は少ないんですけれども登用されました。12自治体の中でゼロというところが二つありますが、実際には女性が委員の中に登用されるという推進をする管轄は環境生活部であると思うんですけれども、ただ、今回の復興計画の策定の委員会に女性をふやす、女性の声を拾ってほしいという意味で、特別委員会でもほかの委員の方から御指摘があって県のほうはふえたと思うんですが、具体的に市町村に対する指導は実際にどのように行ったのか、復興局の役割をどのように県で把握されているのかを含めてお示し願います。
〇蓮見復興担当技監 市町村の復興計画の策定委員会でございますが、この委員につきましては、それぞれの市町村で選定し、任命を行ったところでございます。御指摘のとおりゼロの市町村も二つございましたし、調べたところ、全体では10%ぐらいが女性といったところでございました。
 復興計画等の策定委員会でございますが、産業団体ですとか教育関係団体とか医療、福祉団体等の団体の長が委員に就任していることが多く、これは、こういう団体の方々からも意見をいただいてまた復興に対して協力していただく、こういう趣旨で代表の方に入っていただいていると思いますが、結果として男性委員が多くなったということだろうと思っております。
 こういう策定委員会の委員の中の女性の割合に限らず、いろいろな形で女性からの視点の意見というのも取り入れていかなければいけないと思っておりますので、県でも女性の意見交換会を開催させていただきましたが、いろいろな形で女性の意見が反映されるように、市町村とも連絡をとり合っていきたいと思っております。
〇森企画課総括課長 県におきましては、先ほど委員から御指摘ございましたとおり、津波復興委員会の委員は女性の方はお二人というところでとどまっているところでございます。ただ、女性の方々からさまざまな意見をお伺いする機会といたしまして、女性との意見交換会というものを開催させていただいております。ことしも開催させていただいておりますが、去年開催された女性との意見交換会で、女性の審議会への参画ですとかダイバーシティーの視点、多様性の視点を盛り込むこと等の御提言をいただいたところでございまして、この内容につきましては各市町村にお伝えして、配慮いただくようにお願いしたところでございます。
〇宮総務課総括課長 復興局の役割についてでございますけれども、復興局につきましては、東日本大震災津波からの復興施策の総合的な企画、調整等を所掌する組織といたしまして、具体的には、現在は復興計画の進行管理、まちづくりに関する企画調整、産業等の復興に係る施策の企画調整、被災者の生活再建の支援などを行っているところでございます。また、具体的な施策の推進につきましては、庁内の各部局と密接な連携のもとに取り組んで進めているところでございます。
 こうした役割を果たすためにということで、毎月、知事を本部長といたしまして、関係部局長で構成いたします復興本部員会議を開催してございます。復旧、復興施策の総合的な方針ですとか各部局の実施する施策の連絡調整を行いながら、関係部局との連携、調整に努めているところでございます。また、それぞれ各課、各担当レベルにおきましても、各部局あるいは関係する市町村と連携を密接に図りながら、復興の推進を図っていくということに心がけているところでございます。
〇吉田敬子委員 女性のそういった委員会等への登用の率についてですけれども、ゼロの市町村があったというのは大変残念に思っております。ただ、これからまたウォッチャー調査の中で、特別委員会で話させていただきましたが、そちらのほうで女性の方の声ももっととられるような取り組みをぜひ工夫していただきたいと思います。
 復興局の役割についてですけれども、震災復興特別委員会のときにエネルギーの導入施設の件で質問させていただいたとき、詳しくは環境生活部のエネルギーのほうに聞いてくださいみたいな答弁もありましたので、そういうことではなく、復興局が先ほど答弁ありましたように企画、調整役、総合的な役割ということですので、私たちが振られることなく、ぜひ復興局の中でも一括して情報を持っていていただけるようにお願い申し上げて終わります。
〇神崎浩之委員 私は、岩手の復興に際して、国が幾らお金をよこしているのか、それから、いただいたお金を県のほうではどのぐらい貯金でためているのか、それから、義援金は被災者に届いているのかどうか、この3点をお聞きいたします。
 職員の踏ん張りとは別になかなか進まない復興ということで、住民の皆様からなぜ進まないんだと。国からお金がきちんと来ているのか。来たお金について、貯金ばかりしてなかなか使っていないのではないかというようなお話もされております。
 そこで、国からの震災復興関連の予算を聞くわけでございますけれども、工藤勝子委員への答弁の中に、平成23年度の震災対応分の歳出決算額は5、220億円余という答弁がありました。平成23年度、国から岩手県に対する財政支援というのは5、220億円という位置づけでいいのかどうか、これをお聞きしたいと思います。
 通常は地元負担分もあるわけですが、これについては交付税とか特区法とか裏づけがあるというような思いを持っているわけなんですが、この点についてお伺いいたします。
〇宮総務課総括課長 平成23年度復興関連予算の決算に関連しての御質問でございますけれども、5、220億円について、総務部で取りまとめた数字でございますけれども、これについては県の支出額ということですので、必ずしも全て国庫というようなことではないと承知してございます。
〇神崎浩之委員 そこで、一体我々は発災後からどのぐらい国から財政支援を受けているのかということをお聞きするわけであります。平成22年度3月であります。それから平成23年度、平成24年度となっておるわけですが、幾ら国から来ているのかということをお尋ねいたします。
〇森企画課総括課長 当局で関係しております復興交付金について御説明申し上げたいと思います。
 復興交付金につきましては、これまで3回交付可能額の通知を受けておりまして、合わせて526億円余を国からいただいているところでございます。ただ、この中には市町村への間接補助金の分も含まれてございますので、そのまま市町村へ補助する分も含まれてございます。
〇神崎浩之委員 なぜ復興局に聞くかということなんですが、先ほど、復興局は復興に関する総合企画だというお話がありました。そこで、復興局自体が発災後から国の財政支援がどのぐらいになっているのかということを把握されていないということは、私は問題だと思っております。いずれ次の一般質問等でもお聞きしたいと思っておりますけれども、岩手県として、復興にかかわる国の財政支援はどのぐらいあるのかということを復興局として把握しておくことが必要だと思います。
 次に、復興関連の基金でありますが、この財政にかかわる調書を見ておりますと、岩手県の基金というものは47本、基金があると書いております。この中にはさまざまな、例えば美術品取得基金等、震災に関係ないような基金も含めて47本の基金があります。その中で、復興に関連ある基金について、例えば東日本大震災津波復興基金、それから東日本大震災津波復興交付金基金、それからいわての学び希望基金、それから産業廃棄物処理基金等があると思われます。
 そこで、この中から三つ聞くわけでございますけれども、復興基金について、510億円とありますが、これの今の取り崩し、執行状況について。それから東日本大震災津波復興交付金基金について、468億円となっておりますけれども、これの取り崩し、執行状況について。それからいわての学び希望基金について、40億円でありますが、これの執行状況についてお聞きいたします。
 なお、復興交付金基金については、復興基金とそれから復興交付金基金があるわけですけれども、この交付金基金については、防災集団移転促進事業、土地区画、それから漁業集落整備に特にかかわる交付金ということでありますが、これについては後から、事業が採択されればどんどん国のほうからさらにつくと思いますけれども、復興基金についてでありますが、これについては1回恐らく国から来ているという中で、510億円についての根拠なり今後の見通し。これはすごく使い勝手がいい自由度の高い基金だということでさまざまに活用されておりますけれども、これについて、今後の国からの支援についてあわせてお尋ねいたします。
〇小野共委員長 答えられる範囲で答えてください。
〇宮総務課総括課長 まず、先ほど御質問のございました三つの基金の取り崩し状況等について御説明申し上げます。
 まず、復興基金でございますけれども、復興基金につきましては、総務省が創設しました取り崩し型復興基金、あと、クウェートからの支援金を財源といたしまして510億円を積み立ててございまして、そのうち、平成23年度におきましては210億円を市町村に交付してございます。また、このほかにそれぞれの事業に活用してございまして、平成23年度末の残高としては約283億円ということになってございます。
 次に、復興交付金基金についてでございますけれども、復興交付金基金につきましては、平成23年度におきましては、第1回目の国からの配分に基づきまして468億円余を積み立てを行ってございまして、このうち24億8、000万円余を取り崩し、災害公営住宅整備事業などに充当し、平成23年度末の残高といたしまして443億円余となってございます。
 また、いわての学び希望基金でございますけれども、この基金につきましては、今回の震災で被害を受けた子供たちの修学支援等のための経費の財源に充てるということで、基金を創設して内外からの寄附を募ったものでございまして、平成23年度の積立額は40億312万円余となってございます。この主な内訳は、先ほど申し上げましたように、寄附金の相当額等となってございます。
 この財源を活用して、平成23年度につきましては、1億5、200万円を取り崩しまして、保健福祉部あるいは教育委員会が創設しました未就学児童給付事業あるいは奨学金給付事業によりまして、震災で親を失った子供たちの修学を支援する給付金、奨学金として活用したところでございます。平成23年度末の基金の残高は38億5、000万円余となってございます。
〇森企画課総括課長 復興基金についてでございますが、先ほど総務課総括課長から御説明申し上げましたとおり、国のほうからいただいた交付金が420億円でございます。そのうち210億円は市町村に交付させていただきましたので、残り、クウェート分等を含めて約300億円は県で使える分ということになっておりますが、この間お認めいただきました9月補正の額まで含めまして、現在まで113億円ほど支出することとなってございます。このまま推移していきますと、復興を進める途中で不足することが十分考えられるということで、国に対して、さらに拡充してもらえないかということで要請しているところでございます。
〇神崎浩之委員 これは副局長にお伺いしたいと思いますけれども、先ほどの国からの震災関連の財政支援、それから基金が今後どうなっていくかということで、5年間で19兆円ということですが、もう既に17兆円まで積み上がっているということで、厳しい状況ではないかと思っております。
 報道によりますと、使い切れていない復興予算は少なくなく、2011年度、復興予算は15兆円になるが、2011年度中に使い切れたのは6割の9兆円にとどまって、今後、繰り越した分については、不用と判断して国庫に戻したりしているところもあるということで、思い切って使い切れない部分は見直すかなというような報道の発表もあります。このことについて、副局長のコメントを求めたいと思います。
 先ほども被災地以外に使われている部分が多いということで、被災地以外の予算の執行については今、厳しく国のほうでチェックしているようでありますけれども、では、被災地の岩手県はきちっと適正に予算を執行しているのかというようなことが今後やはり見られることが予想されます。
 そこで、この繰り越し、それから基金等の執行が急務なわけでございますけれども、それに当たって、適正なチェックなり推進なりについて副局長に答弁を求めます。
〇高前田理事兼副局長 まず、1点目、財源の関係の御質問でございます。
 国においては、2011年度中に使い切れなかった予算が6割あるといったような御指摘をいただいておりますが、私ども、まず、一日も早い復興の実現のためには相当膨大な財源が必要不可欠だと考えてございまして、これまでも再三申し上げておりますように、国費による充実した支援と地方負担を含む復興財源の確保を重ねて要請してきたところでございまして、国におきましても、こういった要請を踏まえて、先ほど来御指摘いただいております復興交付金でありますとか震災復興特別交付税、さらには復興基金というものを創設いただいたところでございますが、なお今後の復興事業を円滑に進めるためには、私ども、地域の実情に応じたきめ細かな対応というものが必要になっております。そういったようなことから、ことし7月の政府予算要望におきましても、復興交付金の柔軟な運用、それから、先ほど来お話が出ております地域の実情に応じてきめ細かに使える復興基金、これの追加的な財源措置を要望してきたところでございます。こういったようなことで、今後とも、財源の点につきましては、復興が実現するまでの間に確実に予算措置が行われるよう、引き続き強く要望していきたいと考えてございます。
 それから、2点目でございますけれども、県の復興予算の適正な執行は大丈夫かというような御指摘でございます。
 これにつきましては、県といたしましては、御案内のとおり、復興実施計画の見直しを8月に行いました。その結果、最終的に見直しした後の463の事業を今後実施するということをお示ししてございます。この事業内容については既に議員の皆様も御案内のとおりでございまして、今後、こういった事業の着実な推進に努めて、一日も早い復興を実現してまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 三つ目の義援金でありますが、義援金につきましては、直接岩手県に寄せられた義援金と、それから日本赤十字社経由でいただいている義援金があると思います。合わせて508億円ということでありますが、この県にいただいた義援金は被災地に届いているのでしょうかということであります。
 なお、県にいただいた義援金が市町村に流れていって、では、市町村ではそこから被災者のほうに届いているのかどうか、それについてもお答え願います。
〇鈴木生活再建課総括課長 本県の義援金の集約につきましては、委員仰せのとおり、日本赤十字社等が集約いたしました全国レベルの義援金と、県に直接寄せられました義援金、合計508億1、800万円余となっているところでございます。
 この県に寄せられました義援金の市町村等への配分につきましては、市町村に対しましては487億2、500万円余を配分しております。このほか、いわての学び希望基金に対しまして6億2、200万円余を配分しているところでございます。
 市町村に配分いたしました義援金の被災者への支給状況でございますけれども、469億4、800万円を支給しておりまして、支給率は96.3%となっているところでございます。
 なお、申しおくれましたが、9月28日現在の状況ということでございます。
〇神崎浩之委員 義援金については、県の分については市町村に96%行っているということで安心しております。
 そこから先の、市町村から被災者の方にということで少し調べましたところ、18市町村あるわけですけれども、支給率が99.2%のところもありますし45.9%にとどまっている市町村もあるということであります。それにはいろいろと市町村の事情、それから独自の上乗せ、横出しを検討しているというようなこともありますが、そこで、市町村ごとで独自の義援金の上乗せ、横出しの例等があればお知らせいただきたいと思います。
〇鈴木生活再建課総括課長 市町村におきましても、独自で支援金を集約し、被災者の皆様方に配分しております。市町村独自の義援金につきましては、それぞれの市町村が、被災状況等を勘案いたしまして、例えば県からの義援金への上乗せを行うもの、二つ目といたしまして、県からの義援金の配分対象となっていない、例えば災害で障がいを負った方でありますとか出稼ぎ等で不在の世帯の住宅被害等に対して配分するもの、三つ目といたしましては、被災した要援護者でありますとか遺児、孤児の皆様に配分するもの、四つ目といたしましては、事業者や事業活動に配分するものなどと伺っているところでございます。
〇神崎浩之委員 義援金については、やはり早急に被災者に届くということ、決して一般財源等に入れることがないようによろしくお願いしたいと思います。
 最後に、震災関連予算執行における特例公債法の影響と、それから、国の補正予算の有無における復興関連予算への影響についてお伺いしたいと思います。これはいろいろと我々も気にしているところであります。この二つについて、影響があるかどうかお伺いいたします。
〇森企画課総括課長 国の復興関係予算におきましては、復興債及び復興特別税等を主な財源としておりますこと、それから、県におきましては、一般に、支払い等に要する資金は、出納局で適宜基金の繰り入れ等により調達していると伺っているところでございますので、直ちに復興関連の事業に支障は出ないものと考えております。
 しかしながら、補正予算のほうでございますけれども、これはグループ補助金など、国における早期の財源措置を伴うものがあり、不可欠なものとなってございます。また、さらに今後復興がどんどん進んでいく中で、その取り組みの中で新たなニーズですとか新たな財源が必要になるものがございますので、国に対して、適時の復興予算の確保についてお願いしていきたいと考えてございます。
〇神崎浩之委員 最後に、今の答弁がありました。私たちもグループ補助金欲しいんだ欲しいんだということで、事あるたびに当局にお願いしておりまして、その中で、今回、国の補正予算が決まる前ではありましたけれども、英断で補正予算を組んでいただきました。これは非常にありがたいことだと思っております。ところが、政府のほうが補正予算を出さないというようなことで非常に心配しておるわけですが、公務員にとってはすごい英断だったなと思っております。感謝しております。宮城県も補正で組んでいないような状況の中で、中小企業を助けるということで、あえて商工労働観光部では言わないでここで言うわけですけれども、そんな取り組みを被災者のことを思ってやっていただきたいと思います。
 きょうの新聞には、そういうふうな中で、経済対策で1兆円、予備費から活用するということも出ておりました。そこで1兆円、東日本大震災復興予備費4、000億円を準備したいというふうな政府の方針が出されておりますけれども、こういうふうな中で、ぜひ英断で通ったグループ補助金等を着実に実施していただくことを望みますので、最後に副局長に御答弁をお願いいたします。
〇高前田理事兼副局長 グループ補助金の早期の予算化についてでございますけれども、今回の補正予算というものは、ことし5月に実施いたしました4次公募で43グループの申請に対して21グループの採択にとどまったということで、今回、9月補正予算では、採択とならなかったグループに対応する分を措置させていただきました。
 いずれにしても、私ども、事業者の事業の再建、そして被災者に寄り添った復興事業ということをこれからも一生懸命心がけてまいりたいと考えておりますし、そのために必要な財源については、国にさらに強力に働きかけて、しっかりと予算措置をお願いしたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、まず最初に、仮設住宅の環境改善がどこまで進んでいるかお聞きします。
 風呂の追いだき、物置の設置状況、これは希望戸数がどう推移して、現段階でどこまで整備されたか。
 あと、仮設住宅の空き室、入居待ちの状況。空き室はどのように現段階で活用されているか示していただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、風呂の追いだき、物置の設置状況についてでございますが、9月30日現在、追いだき機能の追加につきましては、設置希望がございました8、384戸に対しまして7、996戸、95.3%が完了しております。また、物置の設置につきましては、設置希望がございました1万1、030戸に対しまして9、035戸、81.9%が完了しているところでございます。
 また、応急仮設住宅の空き住戸、入居待ちの状況についてでございますけれども、仮設住宅の空き住戸につきましては、10月5日現在、1、108戸の空き住戸のうち、倉庫や談話室、応援職員宿舎等として572戸を活用しております。536戸が空き室となっているところでございます。
 また、入居待ちの状況につきましては、10月16日現在、7市町におきまして251世帯となってございます。この251世帯のうち、新規の入居希望世帯は62世帯でございまして、残る189世帯につきましては、既に入居している世帯の中で追加の住戸を希望する方々でありますとか、他の住戸への転居を希望している方々となっているところでございます。
〇斉藤信委員 追いだき、物置の設置は、本当に仮設住宅入居者の切実な声がやっと届いて、今年度になってやっとこれが実施になった。希望戸数の推移を見ると、6月8日から9月30日まで、希望戸数が100戸ふえているんです。物置も大体同じような感じなんですけれども、これは、私が復興特別委員会で聞いたときに10月末まで受け付けるということでしたが、今お聞きしたとおり、入居待ちの人たちが251世帯、新規で62世帯あると。私は、そういう意味でいけば、そういう活用も含めて整備が図られる必要があるのではないかと。空き室があるにもかからず入居待ちの人たちがいるというのは、これは希望する団地場所ということが主な要因と受けとめていいのか、そこも含めてお答えいただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、風呂の追いだき、物置の設置につきましては、今後、新たに入居される被災者の皆様方に対応するために、現在、空き室となっている住戸につきましても、入居が見込まれるものにつきましては、市町村からの要望により整備を行っているところでございます。
 また、空き室でございますけれども、委員仰せのとおり、先ほども申し上げましたが、新規の入居希望世帯が62世帯となっております。各市町村とも、当該市町村内において希望戸数を上回る空き住戸を確保しており、入居が戸数的には可能な状況でございますが、お話がございましたとおり、希望する場所でないということ等の理由により入居待ちになっているものでございます。
 今後、被災者の生活再建が進むにつれまして空き住戸が増加してまいります。これらの空き住戸の有効活用によりまして入居待ちの解消等を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 柔軟にひとつ対応していただきたい。
 それで、仮設住宅の方々にお聞きしますと、今、ホテル、旅館等が圧倒的に不足している中で、特にお盆とかお祭りのときに家族や親戚が来ても泊まるところがないと。空き部屋とか集会所を活用させていただきたいという声があります。市町村管理になっているので、市町村判断で可能だと私は思うけれども、実際に活用されている例もあると思いますけれども、県の考え方をお聞きしたい。
 もう一つはみなし仮設住宅ですけれども、これは2年間の契約で、さらに1年延長ということまでは出されました。報道を見ますと、2年間契約でこれはやっていますから、契約を延長できないといういわば住宅を持っている方々、30件以上とお聞きしていますが、現段階で契約延長がまだ確約されていないのがどのぐらいあるのか、そして、それについてはどういう対応がされるのか示していただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、お盆、お正月などにおけます家族、親戚等の皆様の空き部屋、集会所の活用についてでございますが、集会所等への家族、親戚の皆様の宿泊につきましては、市町村や自治会の判断により柔軟に対応していただきたいと助言をさせていただいているところでございます。
 次に、みなし仮設住宅の延長についてでございますが、本年4月17日付で厚生労働省から、応急仮設住宅の供与期間を1年間延長することとされましたことから、県では、関係団体等との調整でありますとか、宮城県等との情報交換を行いまして、本年8月6日に、民間賃貸住宅の貸し主の皆様と入居者の皆様に契約期間の延長を希望するかどうかの意向を確認するための文書を送らせていただいたところでございます。
 その結果、10月9日現在で、みなし仮設住宅として契約しております民間賃貸住宅は3、295件ございます。このうち、入居者の皆様が延長を希望するということで御回答されましたのが2、948件ございまして、このうち貸し主の皆様から同意が得られていないものが30件、貸し主の皆様からまだ返信がないものが81件となってございます。また、入居者の皆様からまだ返信がないものが184件ございまして、このうち貸し主の皆様から御同意が得られていないのが6件、貸し主の皆様からまだ返信のないものが13件という状況でございます。
 そういう状況でございますので、現在、同意が得られていない貸し主の皆様方に対しまして、電話等によりまして状況の確認と、何とかお借りできないかというお願いをさせていただいているところでございます。
 また、入居者の皆様や貸し主の皆様からまだ御回答がないものにつきましては、改めて意向確認の文書を送らせていただいたところでございます。
 何とか引き続きお借りしたいと思っておりますけれども、貸し主の皆様の事情もさまざまでございまして、同意が得られない場合にございましては、被災者の皆様方の希望に応じまして、他の民間賃貸住宅でありますとかプレハブの仮設住宅を提供するなどの支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 仮設住宅、みなし仮設住宅での生活が一定程度の期間、継続せざるを得ないと私は思いますので、引き続きこの環境改善に全力で取り組んでいただきたい。
 それで、県がことしの2月、3月に行った被災者アンケートで、暮らしの再建にかかわって被災者が最も重視している課題は何か、また、ニーズ度はどうなっているか、これを示していただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 本年2月、3月に実施いたしまして、4月に公表させていただきました復興に関する沿岸部の県民意識調査の結果によりますと、暮らしの再建の分野におきましては、重要度の高いものにつきましては、1番目が医療機関や社会福祉施設などの機能回復、2番目が学校施設等の復旧、整備、三つ目が雇用の確保という状況になっているところでございます。
 このため、医療機関や社会福祉施設などの機能回復につきましては、被災した施設の修繕や設備、備品等の再取得等の支援を行っておりますほか、学校施設等の復旧、整備につきましては、被災した県立学校の復旧工事、新校舎建設でありますとか市町村立学校の復旧の支援、また、雇用の確保につきましては、就職面接会の開催や就業相談等の実施などに取り組んでいるところでございます。
 また、ニーズ度につきましては、先ほど申し上げました重要度と重なりますが、そのほかに住宅再建などの施策ニーズが高くなっておりまして、また、仮設住宅での生活が長期化しているということで、特に心と体のケアが重要な課題だと認識しているところでございます。
 このため、住宅再建につきましては、本県独自の住宅再建支援制度の創設でありますとか、一人一人の復興計画づくりを支援するための相談会の開催を行っておりますし、また、心と体のケアにつきましては、保健師等の全戸訪問による健康調査でありますと生活習慣病などの予防指導の実施など、きめ細かな支援に取り組んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 私は、改めてこの調査を受けて、やっぱり被災者の方々が被災地で生活するために必要な医療とか福祉、教育、こういうセーフティーネットを早く整備することが必要だと痛感した次第です。
 次に、住宅ローンの問題についてお聞きします。
 これから被災者が生活再建をするその土台は住宅の確保ですが、その最大の障害になるのは住宅ローンの問題だと私は思います。被災地における住宅ローンの件数というのが把握されているか。そして、今回、個人版私的ガイドラインについての相談件数、さらには債務整理開始申し出件数、債務整理成立件数は直近でどこまで行っているでしょうか。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、住宅ローンの相談件数については、恐れ入りますが、私どもでは把握させていただいておりません。
 次に、住宅ローンのいわゆる二重債務の問題にかかわる個人債務者の私的整理に関するガイドラインの相談件数と債務免除件数についてでございますが、本年10月12日現在、個人版私的整理ガイドライン運営委員会に寄せられました相談件数は全国で2、965件、うち岩手支部が受理した相談件数は636件となってございます。また、債務整理の成立件数は、全国では88件、岩手支部分としては18件となっているところでございます。(斉藤信委員「申し出件数が出ていない」と呼ぶ)
〇小野共委員長 わかりますか。
〇鈴木生活再建課総括課長 わかります。
 申しわけございませんでした。申し出件数は全国で380件、本県の場合、98件でございます。
〇斉藤信委員 住宅ローンの問題は本当にこの間進まなかった。そこで、10月1日付で東北財務局が金融機関に対してかなり立ち入った通知を出しました。いわば住宅ローンを抱えている方々に個人版私的整理ガイドラインのパンフレットを丁寧に説明しなさいと。今、例えば住宅ローンの貸付条件を変更している方々にもきちんと説明をしないさいと、こういうかなり立ち入った通知を出したと。私は、本当にこの精神で取り組めば、かなりの程度、相談そして債務減免の状況をつくれるのではないかと思います。県議会でも請願も採択をして、県にも周知徹底を求めていますが、これはどのように取り組まれているでしょうか。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、私ども県といたしましては、ガイドラインの周知を図るために、これまで、いわてグラフやテレビ、ラジオ、ホームページなどの県の広報媒体の活用でありますとか、県外や内陸へ避難している被災者の皆様方へのチラシの送付、そして、岩手弁護士会等の関係機関と連携いたしまして、沿岸4地区で、市町村職員でありますとかNPOのスタッフ等を対象とした説明会の開催など、ガイドラインの周知に努めてきたところでございます。
 今、委員から仰せのございました10月1日付の東北財務局長通知におきましては、ガイドライン利用のメリットや効果等を金融機関の営業の第一線において丁寧に説明することでありますとか、条件変更─リスケと通常言っておりますけれども─を行っている債務者を除外することなく、改めて利用を提案することなどにつきまして、対応の徹底を金融機関に対して要請しているところでございます。
 県といたしましても、被災者に対しての金融機関によるこれらの対応が、ガイドラインの利用促進を図る上で極めて重要と認識しております。そういうことで、東北財務局盛岡財務事務所等関係機関と緊密に連携いたしまして、さまざまな機会を捉えまして、金融機関に対する効果的な働きかけを行ってまいりたいと考えているところでございます。
〇小野共委員長 その前に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。質疑も簡潔にお願いいたします。
〇斉藤信委員 住宅ローンの問題について、被災地の弁護士がかなり頑張って掘り起こしをして、仮設住宅を回ってやっているんですけれども、実際に申請すると、運営委員会は対応するんだけれども、人によって全然対応が違うと。一定の収入があれば、あなたは対象になりませんと言う。これは弁護士は厳しく指摘しているんです。私は、そういう改善も含めて、この周知徹底を県としてもやっていただきたい。
 最後です。災害関連死についてお聞きしたいと思います。災害関連死について、きょうの報道でも岩手県の認定率が東北3県で一番低いんじゃないかという指摘がありますが、申請数、認定の状況、審査中の状況はどうなっているか。そして、認定数の中で、認定された主な要因はどうなっているのか示していただきたい。
 また、不服申し立てや再審査請求について、私はきちんと周知徹底を図るべきだと思いますが、どのようにやっていますか。
〇鈴木生活再建課総括課長 まず、災害関連死の認定状況についてでございますが、8月末現在、県内市町村への災害関連死の申し出件数は589件でございまして、そのうち、災害関連死として認定された件数は305件、認定されなかった件数は111件、審査中の件数は173件となっているところでございます。
 また、県が受託しております災害弔慰金等支給審査会におきまして災害関連死として認定された事案の分析によりますと、その原因といたしまして、避難所等における生活の肉体的、精神的疲労によるものが約4割、病院の機能停止により十分な医療を受けられなかったもの等によるものが約3割、十分な介護を受けられなかったものや、地震、津波のストレスによる肉体的、精神的負担によるものがそれぞれ1割となっているところでございます。
 また、市町村の決定に対しまして不服のある場合の取り扱いについてでございますけれども、不服がある場合につきましては、一つは行政不服審査法による異議申し立てでありますとか、行政事件訴訟法による取り消し訴訟などが提起できるところではございますが、これらの手続をとることになりますと、被災者の皆様に御負担になるということもございまして、市町村に対しましては、再審査につきまして柔軟に対応するとともに、御遺族等に対しまして周知するよう、通知でありますとか説明会等で周知をさせていただいているところでございます。
〇斉藤信委員 東北3県の中で申請件数は一番少ないんだけれども、審査中で残っているのが一番多いんです。私は、やっぱり特別の体制をとって、迅速に、そして十分に審理をして、この問題の打開を図っていただきたい。その際、やっぱり申請者からのきっちりした調査、また意見聴取をしっかりやることが必要ではないかと。今後どのように対応されるのか示していただきたい。
〇鈴木生活再建課総括課長 災害関連死の調査についてでございますが、市町村におきましては、審査に必要な書類を遺族の皆様からの聞き取りのほか、病院、介護施設等から収集しているところでございます。
 県では、本県独自の審査基準の策定でありますとか、審査の留意点を明示した市町村への審査資料の作成依頼等よりまして、市町村が必要な調査を適切に行い、審査が迅速に行えるよう努めているところでございます。
 また、災害関連死の審査に当たっては、市町村が必要な調査を積極的に行うということが大変重要でございますので、改めて県から10月1日付で各市町村にその旨、通知をさせていただいたところでございます。
〇高前田理事兼副局長 災害関連死につきましては、今、生活再建課総括課長から御説明申し上げましたように、審査中の案件が結構な数に上っているということもございまして、私どもは、審査基準の策定でございますとか、市町村に対する審査資料の作成についてのさまざまな留意点等をお示しして、審査の効率化ということを図っているところでございますが、これに加えまして、今回お認めをいただきました9月補正予算の中に、その審査回数を月1回を月2回にふやすといったような予算を盛り込ませていただいているところでございまして、今後とも公正かつ迅速な審査に努めてまいりたいと考えております。
〇小野共委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、復興局関係の質疑をこれで終わります。
 復興局の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇工藤環境生活部長 平成23年度の環境生活部の決算について御説明申し上げます。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえた次年度以降の取り組み方針について御説明申し上げます。
 当部では、東日本大震災津波からの復旧、復興への取り組みを最優先課題とし、あわせて県民生活の向上に向けて、環境王国いわての実現、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現を基本目標に掲げ、取り組んでまいりました。
 まず、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた取り組みについてでありますが、生活関連物資の配送や埋火葬、し尿処理、水道復旧など被災地への支援を行ったほか、市町村から委託を受け、災害廃棄物の撤去、処理を進めました。
 また、原発事故に伴う放射線影響対策として、モニタリングポストやゲルマニウム半導体検出器等を整備し、大気、土壌、水道水、食品等の放射線量を測定するとともに、子供の生活空間を中心とした除染を推進するため、県独自の補助制度を創設するなど、市町村の取り組みを支援してまいりました。
 次に、環境分野における主な取り組みについてでありますが、地球温暖化対策の推進として、再生可能エネルギーによる電力自給率の向上を図るため、大規模太陽光発電の立地希望事業者への情報提供やマッチング支援、風力発電施設の誘致などを行ったほか、循環型地域社会の形成に向けて、廃棄物の発生抑制を第一とする3Rの推進、産業廃棄物の不適正処理の未然防止及び青森県境の不法投棄廃棄物の撤去などに取り組んできたところであります。
 また、多様で豊かな環境の保全に向けて、希少野生動植物の保護や野生動物の被害防止対策の推進、自然公園施設の整備を進めたほか、環境学習交流センターによる環境学習講座の開催などを通じて、県民の環境学習を推進してまいりました。
 次に、生活分野における主な取り組みについてでありますが、安全・安心なまちづくりの推進に向けて、県民の防犯意識の向上のための普及啓発や高齢者の交通事故防止に向けた取り組みを実施したほか、食の安全・安心の確保に向けて、事業者への監視指導、消費生活相談体制の充実などに取り組んできたところであります。
 また、青少年の健全育成に向けて、次代を担う青少年の健全育成やニート等若者の自立を支援したほか、男女共同参画の実現に向けて、男女共同参画を推進するサポーターの養成などに取り組んでまいりました。
 今後におきましても、東日本大震災津波からの復旧、復興に向け、災害廃棄物の処理や放射性物質に汚染された廃棄物の処理などに重点的に取り組んでまいります。
 さらに、再生可能エネルギーの導入促進、新たな産業廃棄物処分場の整備、野生動物の適切な保護、管理対策などについても一層の取り組みを進めてまいります。
 続きまして、平成23年度環境生活部関係の決算について御説明申し上げます。
 お手元の平成23年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
 環境生活部関係の決算は、3款民生費2項県民生活費、4款衛生費2項環境衛生費、16ページに参りまして、11款災害復旧費4項庁舎等施設災害復旧費の一部、13款諸支出金1項公営企業貸付金及び3項公営企業負担金の一部を含めまして、これらの支出済額の総額は503億2、028万3、000円余となるものであります。
 なお、平成24年度への繰越額は、環境衛生費の29億1、359万1、000円余、庁舎等施設災害復旧費の458万4、000円及び公営企業負担金の5、666万9、000円を合わせまして、総額で29億7、484万4、000円余となるものであります。繰越額のうち、6、151万1、000円につきましては事故繰越であります。
 それでは、決算の内容につきまして、平成23年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。歳入歳出決算事項別明細書の209ページをお開き願います。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費の主なものでありますが、備考欄上から6行目の消費者行政活性化推進事業費は、消費者行政活性化基金を活用し、県及び市町村が実施した消費生活相談窓口の機能強化等に要した経費であります。2事業飛びまして、食の信頼確保向上対策事業費は、食の安全安心委員会の運営に要した経費であります。次に、犯罪のない安全・安心まちづくり推進事業費は、県民の防犯意識の高揚や地域における防犯活動の推進、犯罪被害者等への支援などに要した経費であります。次に、2目交通安全対策費のうち、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の推進や、市町村交通指導員の設置に対する補助などに要した経費であります。続きまして、3目青少年女性対策費の主なものでありますが、備考欄上から4行目、いわて青少年育成プラン推進事業費は、青少年活動交流センターが行ったいわて希望塾など、青少年の交流促進や活動支援などの事業の実施に要した経費であります。211ページをお開き願います。ニート対策推進事業費、若者いきいき就労体験事業費及びいわて若者自立サポート事業費は、ふるさと雇用再生特別基金等を活用し、ニート等の相談や社会参加を促進するための就労体験事業等の実施に要した経費であります。1事業飛びまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、男女共同参画センターが行った意識啓発や男女共同参画を推進するサポーターの養成などの事業の実施に要した経費であります。
 次に、225ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費の主なものでありますが、備考欄上から4行目、環境保全等管理事務費は、いわてクリーンセンターを建設した際等に、電気事業会計から一般会計に借り受けた資金に係る元金及び利子の支払いに要した経費であります。次に、環境学習交流センター管理運営費は、環境学習交流センターが行った県民の環境に対する理解を深めるための情報提供や、地域で行われる環境学習などへの支援に要した経費であります。2事業飛びまして、循環型地域社会形成推進事業費は、事業者による廃棄物の排出抑制やリサイクル等のための調査研究、製品製造に対する補助等に要した経費であります。次に、土地利用対策費は、適正な地価の形成を図るための地価調査などに要した経費であります。2事業飛びまして、エネルギー確保対策費は、盛岡市など15市町村に対する電源立地地域対策交付金の交付などに要した経費であります。次に、石油貯蔵施設立地対策費は、久慈市及びその周辺町村に対する石油貯蔵施設立地対策等交付金の交付などに要した経費であります。次に、屋内温水プール管理運営費は、屋内温水プールの運営に要した経費であります。次に、地球温暖化対策事業費は、地域や学校への地球温暖化防止活動推進員の派遣など、地球温暖化防止に向けた普及啓発事業の実施などに要した経費であります。次に、地球温暖化対策等推進事業費は、地球温暖化対策等推進基金を活用し、市町村等が行う省エネルギー機器等の導入に対する支援や、事業者等が行うポリ塩化ビフェニルの汚染判別調査に対する支援等に要した経費であります。2事業飛びまして、県保有微量PCB汚染廃電気機器等処理事業費は、きめ細かな交付金を活用し、地球温暖化対策等推進事業で実施する汚染の有無の判別調査によって使用できなくなる機器について交換を行ったものであります。227ページをお開き願います。備考欄の2行目、救援物資集積拠点現状復旧費は、救援物資の配送拠点であった岩手産業文化センターに保管していた物資の整理、清算及び災害救助法適用期間外の休業補償を行ったものであります。
 なお、繰越額がございます。225ページに戻っていただきまして、繰越明許費2億1、451万5、000円は、循環型地域社会成形推進事業費及び地球温暖化対策等推進事業費の一部を繰り越したものであります。
 227ページにお戻りいただきます。2目食品衛生指導費の主なものでありますが、備考欄上から3行目、乳肉衛生指導取締費は、食肉の衛生確保を図るために必要な屠畜検査及びきめ細かな交付金を活用し、食肉衛生検査所の精密検査用機器の整備に要した経費であります。次に、BSE安全安心対策事業費は、県民の不安を解消するため、屠畜場に搬入される全ての牛へのBSEスクリーニング検査の実施に要した経費であります。2事業飛びまして、食鳥肉安全確保対策費は、東日本大震災津波により被災した食鳥処理事業者に対し、食鳥処理検査手数料の減免を行うに当たり、指定検査機関として検査を行う社団法人岩手県獣医師会の減収補aXを行ったものであります。
 次に、3目環境衛生指導費の主なものでありますが、229ページをお開き願います。備考欄上から5行目、廃棄物適正処理監視等推進費は、産廃Gメンの配置やスカイパトロールの実施など、廃棄物適正処理の指導、監視等に要した経費であります。2事業飛びまして、産業廃棄物処理モデル事業推進費は、財団法人クリーンいわて事業団に対する運営資金の貸し付け等に要した経費であります。2事業飛びまして、県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県境地域に不法投棄された廃棄物について、代執行による撤去、汚染土壌の浄化及び原因者や排出事業者等の責任追及などに要した経費であります。次に、狂犬病予防費は、狂犬病の発生を予防するため及び犬による危害の発生を防止するため、野犬、放浪犬の捕獲、抑留などの指導取り締まりを行ったものであります。1事業飛びまして、災害廃棄物緊急処理支援事業費は、県が受託した沿岸12市町村の災害廃棄物の撤去、処理を行ったものであります。次に、災害廃棄物処理促進事業費補助は、災害廃棄物処理基金を活用し、東日本大震災津波により発生した災害廃棄物の処理を実施した市町村に対し、経費の一部を助成したものであります。
 なお、繰越額がございます。227ページにお戻りいただきまして、繰越明許費26億8、183万1、000円余は、県境不法投棄現場環境再生事業費、狂犬病予防費、災害廃棄物緊急処理支援事業費、災害廃棄物処理促進事業費補助の一部を繰り越したものであります。
 229ページをお開き願います。4目環境保全費の主なものでありますが、備考欄2行目、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山の坑廃水処理、処理施設の耐震補強工事などに要した経費であります。4事業飛びまして、大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、工場や事業場への立入検査及び各種の調査、測定に要した経費であります。1事業飛びまして、環境放射能水準調査費は、モニタリングポストやゲルマニウム半導体検出器を整備して環境放射能の測定等を行ったほか、専門家等による放射能に関する普及啓発セミナーの開催等に要した経費であります。231ページをお開き願います。備考欄5行目、放射線対策費補助は、市町村が行った国の補助の対象とならない調査や、除染に要する経費の一部を県単独で助成したものであります。次に、亜炭鉱害復旧事業費は、東日本大震災津波に起因する亜炭採掘跡及び坑道跡の陥没被害の復旧を支援するため、一般社団法人岩手県土木技術センターが行う復旧事業に係る基金の造成に要する経費を助成したものであります。
 なお、繰越額がございます。229ページにお戻りいただきまして、繰越明許費1、240万3、000円は環境保全費に係るもので、大気汚染物質を常時監視するために必要な機器等を整備するものであります。
 231ページをお開き願います。次に、5目自然保護費の主なものでありますが、備考欄上から3行目、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置などに要した経費であります。次に、国定公園等施設整備事業費及び自然公園施設整備事業費は、国定公園等の自然公園における自然歩道、登山道及びトイレなどの整備に要した経費であります。
 次に、6目鳥獣保護費の主なものでありますが、鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置など、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に要した経費であります。3事業飛びまして、野生動植物との共生推進事業費は、ツキノワグマ及びカモシカの次期保護管理計画策定に向けた生息数調査等を実施するとともに、野生鳥獣肉の放射性物質検査に要した経費であります。次に、鳥獣保護センター施設整備費は、老朽化した飼養育舎の改修、撤去などに要した経費であります。
 飛びまして、365ページをお開き願います。11款災害復旧費4項庁舎等施設災害復旧費1目庁公舎等災害復旧費でありますが、備考欄2行目、鳥獣保護センター施設災害復旧事業費は、大雪被害により破損したフェンス等の修繕を行ったものであります。
 371ページをお開き願います。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金でありますが、備考欄2行目の工業用水道事業会計貸付金は、工業用水道事業の経営の健全化を図るため、工業用水道事業会計に対して貸し付けを行ったものであります。
 次に、3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、備考欄2行目、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、地方公営企業職員に係る児童手当の一部について、それぞれの会計に対し負担したものであります。
 以上で環境生活部関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇小野共委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋昌造委員 私は、大きく4点について単刀直入にお伺いいたします。
 決算事項別明細書の225ページの循環型地域社会形成推進事業費に関連し、県が助成しております産業廃棄物処理業者育成センターの運営状況、そして活動実態について、まずお伺いいたします。
〇大泉資源循環推進課総括課長 産業廃棄物処理業者育成センターの運営状況について御説明いたします。産業廃棄物処理業者育成センターは、産業廃棄物処理業者の格付と、格付認定をされました業者の事故時の対応等に係る保証金の預託事務を行っておりまして、これらの業務は、社団法人岩手県産業廃棄物協会に委託しているところでございます。
 平成23年度は、41社を基準適合産業廃棄物処理業者として認定いたしまして、2社からの保証金預託を新規に承諾したところでございます。この結果、平成23年3月末現在における基準適合産業廃棄物処理業者数は107社、保証金預託承諾者は100社、保証金預託額は5、500万円となっております。
 このほか、育成センターのホームページ上での格付業者、保証金預託者検索システム等において、当該制度のPR活動等を行っているところでございます。
〇高橋昌造委員 格付、保証金制度のことについてはよくわかりました。
 それで、県内の産業廃棄物許可業者の何割ぐらいを占めるのか、もしおわかりになればお示し願いたいと思います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 処理業者数の中で、収集運搬業者の中では割合が大分低うございます。まだ県外業者もございますので、今の段階で恐らく15%程度かと思います。処分業者のほうにつきましては、まず、中間処理を行っている業者、最終処分を行っている業者ですけれども、半数程度は認定を受けているという状況でございます。
〇高橋昌造委員 次に、企業とか地域が廃棄物の減量化とかリサイクルの推進のために取り組んでいるわけですが、その支援状況、それからコーディネーターの配置状況によって具体的にどのような成果を上げているか、もし、その優良な事例もあればお示し願いたいと思います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 企業や地域に対する支援でございますけれども、平成15年度より、産業廃棄物税収等を財源といたしまして、産業・地域ゼロエミッション推進事業を実施しております。事業者における産業廃棄物の発生抑制やリサイクル等を推進する取り組みを支援しておりまして、平成15年度から平成23年度までの累計でございますが、64事業に対しまして補助事業として実施されておりまして、補助金総額は約4億100万円となっております。
 具体的な例といたしますと、例えばサケの頭からコンドロイチンの原料をとるとか、木質バイオマスの利用とか、そういった農林水産業系のものから、あるいは誘致企業で車両の塗装から有用物を回収するといった誘致企業に対する取り組みまで幅広く支援をしているといったところでございます。
 次に、地域ゼロエミッションコーディネーターでございますけれども、主として、多量排出事業者等廃棄物を排出する事業者を訪問いたしまして、廃棄物の処理や再利用に関する企業の実情ですとか要望に即応してゼロエミッションの視点で助言を行いまして、企業や地域の3Rの取り組みを支援しております。
 具体的には、さまざまなコーディネートのほかに、先ほどお話しいたしましたゼロエミッション推進事業を紹介して誘引するとか、あるいは再生利用製品認定制度といったものへのお誘いというものをやっておりまして、昨年度、ゼロエミッション補助8件のうち5件にコーディネーターが関与しておりますし、また、再生利用製品認定制度、平成13年度は31件の認定がございましたが、これに関与しております。
〇高橋昌造委員 いずれ、廃棄物の減量化、リサイクルについて、優良事例なんかはどんどんPRして、裾野を広げていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 次に、同じ225ページの地球温暖化対策事業費に関連してお伺いしますが、余り顔が見えないので、ちょっときょうはお聞きしたいと思うんですが、地球温暖化防止活動推進センターの運営状況、そして活動実態はどうなっているのかお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 地球温暖化防止活動推進センターの運営等についてでございますけれども、このセンターにつきましては、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づきまして設置しております。このセンターにつきましては、その運営を特定非営利活動法人環境パートナーシップいわてに委託しておりまして、広く県民に対し、地球温暖化防止に係る普及啓発の取り組みを実施しているところでございます。
 平成23年度の主な活動といたしましては、地球温暖化防止県民運動としてのCO2ダイエットいわて倶楽部の運営─会員数は総数で4万4、000名余ございます。また、各家庭での日常生活の中でのCO2排出量の見える化や削減の取り組みを支援いたしますCO2ダイエット日記のシステムの運営事業─これも登録者数は2、000名余でございます。さらには、地域での地球温暖化防止活動の取り組みを支援いたします地球温暖化防止活動推進員の派遣事業などを実施しているところでございます。
〇高橋昌造委員 特にも地球温暖化防止活動推進員の関係ですが、この活動はやはりどんどん広げていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 次に、東日本大震災津波による電力需給の逼迫に伴って、節電対策とか節電行動に向けた本県としての基本的な考え方についてまずお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 東日本大震災津波後の電力需給については非常に逼迫状況にあったということで、昨年度に引き続きまして、ことしの夏につきましても、国等の要請に基づきまして節電対策に努めてきたということでございます。
 また、県といたしましては、率先した取り組みのほかに、県民、事業者の取り組みを促すために、ビデオ、ラジオ等の県の広報媒体を活用した情報提供、さらには事業者団体、地域活動団体などの全県的な54団体、機関で構成いたします温暖化防止いわて県民会議によります省エネや節電の取り組みを支援してきたほかに、市町村の取り組みや広報誌による地域住民への周知の促進を図ってきたところでございます。
 なお、県関連庁舎におけます節電の取り組み実績でございますけれども、中間取りまとめの段階でございましたけれども、使用最大電力いわゆるピーク時電力でございますけれども、それについては目標を10%と置きましたけれども、その目標を上回り、7月におきましては18.9%の削減、8月は13.1%の削減となったところでありまして、取り組み期間が7月から9月までとなっておりますので、今後、9月末の実績を整理していきたと考えております。
〇高橋昌造委員 それから、家庭の節電対策として、今、スマートメーターなどを活用して家庭での省エネを徹底するホームエネルギーマネジメントシステム─実はきょう、軽石委員から御指導いただきまして、HEMSという略称で言っているようですが、この県内における導入状況、それから、県として今後これをどのように導入促進策を講じていくか、もしお考えがあればお示し願いたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 いわゆるホームエネルギーマネジメントシステムの促進ということでございますけれども、国のほうにおきましては、エネルギー管理システム導入促進事業費補助金というものを今年度から支援措置を講じております。その中で、申請状況につきましては、全国ベースで1、600件余、岩手県内からは10件程度という情報を聞いておりますけれども、そのような形で、今、HEMSの機器の助成についての申請がなされているという状況でございます。
 また、県におきましては、現在、家庭におけますエネルギー使用量の見える化と効率的な利用を促進するために、地球温暖化防止活動推進センターを中心として、各家庭に呼びかけてCO2ダイエット日記、さらにうちエコ診断という事業を実施しております。
 スマートメーターを活用したいわゆるHEMSの促進につきましては、まずは、先ほど申しました国の支援制度につきまして、情報を市町村等に提供してまいりたいと考えております。
 さらには、沿岸部の市町村におきましてスマートコミュニティの取り組みが進められております。こういうような取り組みの中でそれを促進してまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 いずれにいたしましても、HEMSは経済産業省で定額10万円の補助ということで、できればこの制度の周知をどんどん皆さんに広げていくことによって、これが節電対策にもつながるわけですので、県としてのこの取り組みをしっかりお願いいたしたい。
 それから、昨年の大震災津波の経験の総括として、やはり私はこれからは、家庭もそうなんですが、いわゆる事業者向けのセミナーなんかの開催、できれば、こういう表現がいいかどうか、節電アドバイザーみたいなものを配置して、広く節電に取り組んでいくことが大切ではないのかと思うんですけれども、これは部長に、やるぞというぐらいの意気込みをひとつお願いできればなと。
〇工藤環境生活部長 節電への取り組みでございます。東日本大震災津波を契機といたしまして、県民の間にも節電に対する意識が大変高まってきていると感じております。節電は、すなわちある意味で創電といいますか、電気を生み出すということにもつながると考えておりますので、今後とも、先ほどお話のありましたHEMSも含めまして取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 次に、事項別明細書の229ページの廃棄物適正処理監視等推進費に関連してお伺いいたします。
 廃棄物の不適正処理、不法投棄の実態はどうなのか。それから、産廃Gメンの配置状況とスカイパトロールは年間にどのぐらい活動しているのか、その活動実態についてお伺いいたします。
〇大泉資源循環推進課総括課長 廃棄物の不適正処理や不法投棄の状況でございますが、平成23年度におきまして不適正処理に伴う文書指導件数は75件となっております。前年度を大分下回りましたけれども、昨年度、災害対応ということもありましたので、そういう意味では楽観はできないものと認識しております。
 不適正の内容といたしましては、不法投棄が12件、処理基準違反が14件、保管基準違反が23件、委託基準違反が2件となっておりまして、その原因者といたしましては、排出者が60件、処理業者が15件と、排出業者のほうが多いという状況になっております。
 平成23年度に発覚いたしました不法投棄案件のうち原状回復が必要な事案は11件ございましたが、このうち7件が原状回復しておりまして、回復途上にあるもの、未着手のものが現在4件となっております。
 産廃Gメンにつきましては、現在、県内に11名、また、中核市であります盛岡市に2名が配置されております。昨年度、施設への立入検査が大体2万600件となっておりまして、排出事業者の立ち入りだけではなくて、業者の方への指導、助言等ということで、未然防止といったことに努めております。
〇高橋昌造委員 今、原状回復のお話があったんですが、排出事業者等の責任追及の実態はどうなのか。
 それから、いわゆる求償金というか、お金を代行してやった場合に、確実に全部徴収ができているのかどうか、それをお示し願います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 ただいまの御質問の前に、先ほどの御質問に一つ答弁漏れがございました。失礼いたしました。
 スカイパトロールの関係でございます。スカイパトロールにつきましては、昨年度は6月は災害対応のためにできなかったわけですけれども、10月に25地点をパトロールしております。
 それから、不適正処理への対応の状況で、原状回復でございますが、昨年度のケースでございますと、基本的に排出事業者のほうで行っております。ただ、過年度におきまして、これは平成16年に北上市の和賀町内で硫酸ピッチの不法投棄事件というものがございまして、緊急性を要するということで、県のほうで代執行を行いました。行政代執行費用は850万9、706円ということで、関係者が2法人12名おりましたけれども、この2法人12名に対して行政代執行費用の求償を行っております。しかしながら、これらの者の多くが預金等がないとか、そういったことで差し押さえ等もこれまで行っておりますけれども、現在のところ、徴収済み額は、850万円に対しまして52万1、800円余と非常に少ない状況になっております。ただ、やはり各関係者の差し押さえを順次行いながら、額は少ないのですけれども徴収に努めております。
〇高橋昌造委員 そういったことで、前にお聞きしたんですが、県境の産廃の場合は未済額が156億円を超えるので、いずれ着実に徴収ができるように、これからもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、事項別明細書の227ページの岩手版HACCP普及向上事業費についてお伺いいたします。
 食中毒とか食品に起因する事故を未然に防止する、または、あらかじめ危険な箇所を予測、分析して衛生管理を行うという岩手県版のHACCPの導入が非常に重要だと思います。いわて県民計画のアクションプランにおいても、重点施設への岩手版HACCPの導入割合が、目指す姿の指標の、残念ながら平成23年度はD評価となっている。
 そこでお伺いしますが、これまでの導入推進の状況はどうなのか、また、平成23年度に導入が進まなかった要因は何かお示し願いたい。それから、今後、導入促進に向けてどのような対応をしてまいるのか、それをお伺いして終わります。
〇岩井食の安全安心課長 岩手版HACCPにつきましては、食品の衛生管理に係る本県独自の取り組みとして、平成12年度から、飲食店や販売店、小規模製造所等を対象に、温度管理を中心とした1から5項目の管理点について重点的に管理を行う岩手版HACCPの導入を進めてきたところでございます。その結果、平成22年度末には導入率が目標の30%を達成したことから、平成23年度からは、これまでの取り組みに加えまして、大規模食中毒等の未然防止に効果の期待できる仕出し屋、弁当屋、旅館及び大規模製造施設等を重点対象として、いわて県民計画第2期アクションプランの主要施策に位置づけ、導入の促進を図っているところでございます。
 しかしながら、昨年度は、東日本大震災津波により、沿岸保健所管内で導入済み施設を含む多くの事業所が倒壊、流失したことに加え、仮設形態の新規営業施設が増加したこと、指導、助言を行う保健所の通常の監視体制への復帰に時間を要したことなどから、導入率は目標の35%に対しまして33.1%にとどまったところでございます。
 今後の導入促進に向けましては、保健所における重点監視業務の一つとして、食品事業者団体である岩手県食品衛生協会等との連携を一層強化しながら取り組んでまいりたいと考えております。
 また、岩手国体への準備を契機として、県内食品事業者に岩手版HACCPの導入が進むよう、国体室とも連携しながら、その普及に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇小野共委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後5時18分 休 憩
午後5時38分 再開
〇岩崎友一副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。本日は、この後、11人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇及川幸子委員 まず1点目、多重債務問題についてお伺いいたします。
 県民所得も低下し続けておりまして、また、テレビなどでは、法律で定められた額以上に支払っている借金問題を解決するという法律事務所の宣伝も流されておりますが、特に、地震津波の被災者は義援金もそろそろ底をつき、あるいは失業保険も給付期限切れになるなど、借金に頼らざるを得なくなるなど懸念されております。
 貸金業法が改正され、高金利の防止が図られておりますが、本県の多重債務問題や法律違反の事例はないかなど、その実態と平成23年度の県の取り組みと成果、今後の課題についてまずお伺いしたいと思います。
〇高橋消費生活課長 多重債務に関して、まず、実態でございますが、平成23年度に県に寄せられた多重債務に関する相談は291件であり、これは、前年度の892件に比べ、601件の大幅な減となっております。これは、平成22年6月に改正貸金業法の完全施行によるもののほか、内陸部も含む被災地に対する金融機関等の返済猶予が行われたことが特に影響しているものと考えております。
 また、平成23年度の法律違反の事例につきましては、県外業者についてでございますが、中小企業経営者への現金融資に関して、法定限度利息を超えた高金利融資により、県警本部に出資法違反の疑いで摘発された事案が1件ございます。
 次に、平成23年度の県民生活センターにおける多重債務問題への取り組みとして、受けた相談のうち、法律の専門家による支援が必要とされるものにつきましては、岩手弁護士会と連携して実施している弁護士無料相談会につなぐこととしております。昨年度は10カ所において149回の相談会を実施し、234件の相談に対応したところであります。
 続いて、今後の課題とその対応についてでございますが、委員御指摘のとおり、失業保険の延長措置が終了したことや、被災地に対する金融機関等の返済猶予期間が過ぎたことなどにより、多重債務問題の増加が懸念されるところであります。問題を抱えた県民が、必要なときに必要な支援を受けることができるよう、被災者支援にかかわる関係部局や関係機関と連携を図りながら、弁護士の無料相談会の取り組みを継続するとともに、多重債務に関する相談体制の周知、啓発に努めてまいる必要があると考えております。
〇及川幸子委員 先日、10月13日の土曜日でしたけれども、利息制限法金利引下実現全国会議が盛岡で開催されましたけれども、御存じでしたか。
〇高橋消費生活課長 その会議の開催については存じておりましたけれども、出席はいたしませんでした。
〇及川幸子委員 私、出席しましたけれども、司法書士、弁護士会の活動の一端が報告されたんですが、被災地を随分回っていただいたようで、びっくりしました。その中で、被災地の皆さんから、今、何が困っているかということで、司法書士の皆さんは一軒一軒回って歩いたということで頭の下がる思いでしたけれども、実際、ああいう会議にはぜひ参加していただきたかったと私は思ったんですが、いかがでしょうか。
〇高橋消費生活課長 私どもの業務に密接にかかわる事項でございますので、今後、最新の情報等を仕入れるため、対応してまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 次に移ります。
 生活相談窓口についてお伺いします。
 県民生活には深刻な問題が生じており、被災生活再建問題、いじめ、失業、鬱病、ひきこもり、DVなど広範囲にわたっており、各専門機関や団体などで相談、指導に当たっておりますが、気軽に何でも相談できる体制、昼だけでなく夜など、極端に言えば24時間相談できる窓口があれば相談しやすく、自殺対策も含め、効果があると思います。また、このためには相談員の資質の向上や育成も必要であり、当然相談内容によっては専門機関などの紹介や仲介も必要となります。そのことが問題解決につながると思います。
 こうしたことについて、平成23年度の相談窓口の実態や取り組みと成果、課題と今後の対応についてお伺いしたいと思います。
〇高橋消費生活課長 生活相談窓口についてでありますが、県民生活センターにおいては消費生活相談及び交通事故相談への対応を行っておりますが、平成23年度においては、消費生活相談については、当センター及び広域振興局の消費生活相談室において4、313件の相談に対応しております。また、交通事故相談については755件の相談に対応したところであります。
 当センターでは土日も対応しておりますが、夜間の対応については、相談の性格上、そこまでの緊急性もないことから、特に要望は上がってきていないものであります。また、当センターの所管外の相談を寄せられることも少なくありませんが、そうした場合には、しかるべき相談機関に取り次いでいるものであります。
 次に、取り組みの成果についてでありますが、例えば消費生活相談については、基本的には自力解決に向けた助言を行うものでありますが、中には、複雑な案件について、相談員のあっせんによって解決した事案が135件、弁護士相談につないで多重債務の整理に導いた事案が110件あるなど、問題解決に向けて一定の成果を上げているものと認識しております。
 課題と今後の対応についてでございますが、相談内容が一層多様化、複雑化していくものと考えられますことから、当センターにおいては、レベルアップ研修を実施するなど、相談員の解決力向上に努めているところであります。
 しかしながら、当センターにおいては、全ての分野にわたり総合窓口的に専門性を発揮することは困難であると考えられますことから、関係機関との連携や情報共有を積極的に図りながら、各専門機関への取り次ぎ、紹介機能を高めるよう努めてまいりたいと考えているところであります。
〇及川幸子委員 相談が135件ですよね。結構ある数じゃないかと思います。というのは、なかなか相談できなくて、どこに相談したらいいかなと思っている人が多いのではないかと思います。
 資料を手に入れましたけれども、市町村とか県にはそういう相談窓口がありますけれども、先ほど私が述べた24時間体制は一つもないわけですよね。眠れない状況で悩んでいるという人というのはすごく多いと思います。
 この間の13日の大会では、このように、寄り添いホットラインで24時間体制ということを載せておりました。そして、相談を受けるほうもすごく多い人数なんですよ。全国で1、200から1、300人を備えている。先に立っている方が宮古市長をやった熊坂さんでしたけれども、そういう中の体験を事務局の方がお話しされましたけれども、やっぱり民間でできるところはお願いして、このように市町村とか県でやっているところはわかりますけれども、形だけではなくて、本当に寄り添いのホットラインはどうなのかということで、民間などに委託していかなければならない。そして、そういう情報を確実に、こういうところがありますよというのを教えなきゃだめなんじゃないでしょうか。もう一度お答えいただきます。
〇高橋消費生活課長 民間の活用による幅広い時間帯での相談対応ということでございますけれども、確かに、行政の相談対応だけではなくて、民間資源も活用しながら、官と民が連携して総合的に対応していく考え方は重要だと思っております。
 今後につきましては、こういった民間におけるリソース数等も活用しながら、お互い連携して、県民の皆様の期待に沿うよう体制を考えていきたいと思います。
〇及川幸子委員 今後の取り組みに大いに期待するところです。
 3点目です。瓦れきのリサイクルについてお伺いいたします。
 瓦れき処理をしてきた中で、再生でき得るものはどの程度利用されてきたのか、また、今後に向けての取り組みをお伺いしたいと思います。
〇松本災害廃棄物対策課長 瓦れきの再生利用の状況についてでございますが、これまでに処理しました93万トンのうち、コンクリートがら42万トン、セメント焼成で12万トン、金属くず8万トンなど、全体の80%を再生利用しております。
 今後に向けた取り組みについてでございますが、課題となっております津波堆積土や土砂系不燃物を可能な限り復興資材として再生利用することにより、リサイクル率の向上を図ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 これが進むことによって、この間復興局で説明されましたけれども、瓦れきの処理率はどの程度高まるのでしょうか。加速すると思うんですが。
〇松本災害廃棄物対策課長 津波堆積物なども全体の525万トンのうち130万トンを占めておりますので、先般御説明しましたとおり大体80%ぐらい活用できるような調査結果も出ておりますので、岩手県内には最終処分場等少ないものですから、それらを活用するとしましても相当数リサイクルをしていかなければ間に合いませんので、そういったところも期限内の処理も含めて進めていきたいと考えております。
〇及川幸子委員 最後に、頑張っていただくということでございましたので、本当に瓦れきの処理がすごいなと言われるように、まだまだだめだと言われないように頑張っていただきたいと思います。
 最後に部長、市町村との連携がそのためには必要だと思いますが、その市町村との連携が密であるということが大変大事であると思います。その市町村との連携の取り組みを最後に伺って終わります。
〇工藤環境生活部長 瓦れきの処理に当たりましては、特に内陸の市町村との連携が重要だと考えてございます。そのため、今、瓦れきの焼却処理につきましては、内陸の各センターにもお願いして処理をしていただいております。そのほかに、木くずの再利用ということで、新聞等でも御案内のとおりだと思うんですが、紫波町の温泉館で木質燃料として使っていただいているというふうな取り組みがございます。
 また、内陸の市町村からは、公共用地の造成にコンクリートがらとかそういったものを使えないかというような照会等もございますので、そういったことについても積極的に対応させていただくなど、市町村と十分連携を図りながら、リサイクルも含めた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 先ほどの及川幸子委員の質疑はすごく大事だと思いまして、消費生活課長に一言意見をまず申し上げたいと思うのですが、いずれ今、復興に向かっていっぱい課題があるんですが、東京に行って霞ヶ関の皆さんと話をすると、実感がない。だから必要な改革、改善をなすスピードが遅いなといつも私は思います。
 債務整理の関係についても、全体としてこうなっている話も大事なんですけれども、個別の消費者と金融機関との関係、また、債務整理をしようと思ったときの段階で何があったかという具体事例をぜひ集積して政府に伝え、制度の改善に全力で取り組んでいただきたいということを冒頭申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
 通告していた質問に入るわけですが、鳥獣行政運営費に関連して、熊の対策について伺いたいと思います。
 なぜ私が熊の問題について取り上げるかというと、新聞報道で被害件数がふえているという問題もあるんですが、私、盛岡の前九年という町なかに住んでいるんですが、去年の秋、実は熊が出たんです。たどっていくと、太田橋で射殺された親熊の子供が多分前九年まで来て、私もいろいろ問題があったので回ったら、安倍館のところでもう一回新しいうんちを見つけて、多分その熊は北上川を通じてばーっと逃げたんですね。そのとき、私、ブログ─余り更新していないんですけれども─にちょっと載せたら物すごい反響があって、やっぱり地域の皆さんは、町なかで熊が出るとなるとこんなに騒ぐんだなと思いました。
 あと、先週、盛岡市内の山村に参りまして、ことし実際に被害を受けた方、被害に遭いそうになった方、そして連日、熊が農作物を荒らしている現状について半日かけていろいろ話を聞いてきましたので、それを踏まえて伺いたいと思います。
 報道等によれば、ことしの熊の目撃件数が異常に高い数値になっているようでありまして、本県は5倍以上、出没件数が出ているということで、東北全体でも平均3.3倍ぐらい、岩手県は5.5倍ということで、一番高いということで日経新聞に報道がございました。
 そこで伺いたいのは、近年の熊被害の推移、被害状況について改めて伺いたいと思います。また、被害件数の増加、餌がないから里山におりてきているとか、里山のおいしいものを食べているから、なれて件数がふえているとかいろいろな分析があると思うんですが、この件数の増加についてどう分析し、認識しているかもお示しください。
 時間がないのでまとめて伺います。
 近隣県とも比較していただきたいと思います。近隣県との違いというのもいろいろあると思っているんですが、その点についてもどうなっているか、まずそこまでお答えいただければと思います。
〇小野寺自然保護課総括課長 まず、近年の熊被害の推移と被害状況でございますけれども、平成21年度と平成22年度は、人身被害の被害者の数で14人、平成23年度が18人の人身被害がございます。今年度─平成24年度は10月半ばで17人と、例年を上回るペースで人身被害が生じております。
 被害の状況といたしましては、山菜とりですとか林業作業中、そういった山中での発生のほかに、今年度は、特に自宅の敷地内ですとか農作業中、いわゆる日常生活の中での被害というのが目立って発生しているという特徴がございます。
 被害件数の増加をどういうふうに分析、認識しているかという御質問でございますが、短期的には山の実りが関係すると考えてございまして、近年は山に餌となります木の実が少なくなっているということから、餌を求めての出没というのがふえているんだろうという認識が一つございます。それから、長期的な話といたしましては、里山の荒廃ですとか、あるいは耕作放棄地の増加、そういった現象がございまして、人と熊の生息域というものが極めて近くなってきている。それで熊が里に出没しやすい環境になっているといいますか、そういうことが影響しているのではないかという認識を持ってございます。
 被害件数につきましての近隣県との比較でございますが、私どもで把握しております青森県、秋田県との比較で申し上げさせていただきますが、全国的に見まして、大量出没となる年というのは全国的に共通の傾向を示しておりますので、そのような年には全国的に被害もふえる傾向はございます。具体的に、青森県、秋田県との比較では、平成20年度からの数字でございますが、平成22年度までの増加傾向というのは青森県、秋田県も同じ、平成23年度も増加しているという点では青森県、秋田県と同じございますが、今年度の件数につきましては、青森県、秋田県では、青森県が7月末までで1件、秋田県はゼロ。岩手県は7月末までで12件ということでございますので、かなり岩手県のほうが数的に多いという状況となってございます。
〇及川あつし委員 課長、僕、最後のところがすごく大事だと思うんです。ことしの7月時点の比較でいうと、今、御答弁があったように岩手県内は12件出ている。秋田県はゼロ、青森県は1、これは何でですか。熊の数が違うんでしょうか。面積と人口の関係でいったら岩手県のほうが少ないように思うんだけれども、何でこんなに違いがあるのかなと。平成23年度を比べても、青森県は5件ですよね。岩手県は18件。秋田県は20件になっているけれども、何でここで3倍以上も被害に違いがあるのか、この点についてどう分析していますか。
〇小野寺自然保護課総括課長 明確な御答弁ができるかどうかあれなんですけれども、全体数の把握というものにつきましては、岩手県の全体数、それから秋田県、青森県も同様でございますが、各県とも、正確な県における生息頭数の把握は物理的に困難ということで、正確なものを出してはおりません。ただ、一般的に言われているのは、秋田県の把握の数字でいきますと、岩手県よりはかなり少ない頭数の存在であるという秋田県での分析はされております。
 岩手の場合なぜ被害が多いかといいますと、全体の数が多いからということが直接結びつくかどうかというのもはっきり申し上げられないものがございますので、県全体としての頭数は─仮定の話になりますけれども─それほどふえてはいないんだけれども、里におりてきている熊の数がふえている。したがって、里における被害の数がふえてきているという分析もございますし、あるいは、全県における、山も含めてですが、全体頭数がふえているという分析もございますので、残念ながら私どもでどちらのほうなのかということまでの確証を得るには至っておらないのが現状でございます。
〇及川あつし委員 多分そうなんだろうと思うんですが、明確にこれだけ被害の状況が違うので、何かがあるはずなんですね。かなり深刻な状況になっていると私は思いますので、これまでも毎年、議会でこういう話になると、餌の問題とか里山の荒廃で云々くんぬんとかヘアトラップのことをやって云々くんぬんという議論をずっとやってきたと思うんですけれども、これはかなり深刻だと思うので、分析と対策をとにかく早くやってもらいたいと思うんです。
 私、山村の方から聞いてきた話をそのまま伝えますので、正しいかどうかについて答弁してください。
 秋田県が被害件数が少ないのは春猟をやっているからだと。春に猟をしたからだと。何か違うみたいですけれども、だから秋田県の熊は人間を怖がるからなかなか襲わないんだということを言っていました。
 二つ目には、セシウムの関係で熊の取引が事実上なくなったことによってなかなか熊を捕まえなくなっているので出てきているんじゃないかということと、あとは、被害を受けている方が一番批判していたのは、何で熊を捕まえたときに放獣するんだと。戻ってくるに決まっているんじゃないかと。1回捕まえてもらって、麻酔で眠ったのをまたちょっと離れたところでやって、また戻ってきてやられているんだと。何でそんなことをやっているんだということで、襲われた方に私非常にお叱りを受けてまいりました。
 県民の間にそういう声があるということなので、この点についてやっぱりちゃんと説明もしなければいけないと思うんですが、このような認識に対して、事実はどのようになっているのかお示し願います。
〇小野寺自然保護課総括課長 秋田県の春猟につきましては、平成21年度までは実施しておりましたが、それ以降は、保護という観点から捕獲をかけておりまして、それから春猟についても中止ということで、事実上やっておらない状態でございます。ただ、秋田県の傾向を見ますと、春猟をやっていた時期までの人身被害の件数に比べて春猟をやめてからの件数はふえておりますので、春猟が一定の効果をもたらしている可能性はあると認識してございます。
 それから、話を先のほうに進めさせていただきますが、セシウムの関係でございますけれども、御案内のとおり、本県ではことしの9月10日に熊肉に係ります国の出荷制限が出されておりまして、今後、狩猟による捕獲頭数の減少が懸念されておるところでございますが、その捕獲頭数の減少といいますか、セシウムの影響での人身被害の増加ということにつきましては、因果関係があるかどうかについては不明ということで考えております。現時点では判断できないという考えでおります。
 それから、放獣の関係でございますが、県内の一部の地域において、全面的に放獣をしているわけではなく、ハンターの判断にかかっているところが多いんですが、ただ、固体群の保護という観点から放獣を禁止ということにはしておりませんので、放獣がなされている事実があることは委員御指摘のとおり確かでございます。
 ただ、放獣をしていない地域においても、熊の再来といいますか再被害が出ている地域もございますので、放獣が被害増加にどの程度の要因を与えているかということは判断しかねているところでございます。
 話を戻して恐縮ですが、春猟につきましては、現在、熊の保護管理計画の新しい計画を改定中でございますけれども、新計画におきましては、秋田県の例もございますし、それから春猟は伝統的な猟法という位置づけもございますので、岩手県におきましても春猟の実施について結論を出していきたい、検討をしているという段階でございます。
 それから、放獣についてでございますが、先ほど申し上げましたとおり、放獣の有無によって被害が増加しているかどうかということについてはわからない状態ではございますけれども、いずれ有害捕獲ということだけでは人身被害が減少するという状態ではないという判断をしてございますので、捕獲以外の、例えば廃棄した野菜ですとか、これも何度も御答弁させていただいているものでございますが、熊が人里に出没しにくい環境というのをつくる、そういうことについての対策、施策というものを実施していきたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 今、検討しているということなので、何か春にとった熊は、肉はだめだけれども熊の胆が非常にいい状態だということであるので春猟もいいんだぞということもおっしゃっていましたので、そこら辺も御参考に、いずれ被害が出ないように、何とか早急に、抜本的な対策は難しいかもしれませんが、つくって、県民の皆さんに示していただきたいと思います。
 最後に、その対策の中にもう一つ加えていただきたいのは、私も今回調べてわかったのは、新世代熊というのがいるんですか。課長、もしわかるのであれば説明してもらっていいですか。
〇小野寺自然保護課総括課長 私もそれほど深い知識は持ち合わせてございませんので。ただ、一般的に新世代熊と言われ始めたのはこういうことでございまして、親子熊で、小さいときから母熊に連れられて里に出てきて餌をとる。里においての餌に味をしめてしまった経験を持つ熊につきましては、成獣になってからも人を怖がらないといいますか、そういった成獣になってしまっているのではないかというので、これは本県に限らず全国的にそういう話がございまして、メディアですとか研究者の方々がそういった名づけはしておるところでございます。
〇及川あつし委員 宮古で仏壇のお供え物を食べた熊もいるそうでありますが、熊の生態も変わってきていて、新世代熊と言われるような、これまでの対策では捕らえられないような熊もどんどん出没して、そして被害を拡大しているという現状もありますので、最後になりますが、新世代熊の対策も含めてこの深刻な現状をしっかり踏まえて、早急に対策をとってもらいたいということを重ねて申し上げて、部長に見解を求めて終わります。
〇工藤環境生活部長 近年の熊による被害は、先ほど来総括課長が答弁しておりますが、いわゆる人里、市街地での加害行為が多いということが特徴だと考えてございます。
 これまでもいろいろ原因等については吟味してきましたが、秋田県と岩手県の被害状況、そういったものもしっかりと検証しながら、先ほど答弁にもありましたけれども、今、春猟というものを真剣に考えなければいけないと考えていますし、新世代熊ですか、人間と熊との距離が近づき過ぎたがゆえに発生している現象だと思うんですが、そういったことも、熊の保護管理計画をこれからつくるということになっておりますので、その中でしっかり対策も含めて検討してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 一つだけ、保護管理計画、(仮称)でもいいんですけれども、多分その名前も、被害を受けた方からするといらっとくると思うんです。何で保護ばかりして俺たちがやられなければないんだと私、さんざん言ってこられましたので、名称についても検討いただきたいということを最後に申し上げて終わります。
〇佐々木努委員 時間がだいぶ押しておりますので、簡潔に質問させていただきます。
 平成23年度のいわて県民計画実施状況報告書の中から幾つか質問をさせていただきます。
 まず初めに、放射性物質に汚染された農林業系副産物の処理についてお伺いします。
 牧草、それから稲わら、シイタケのほだ木等々、処理が必要な農林業系副産物の現在の処理の状況と課題についてお知らせください。県のほうでは焼却処分をするという方向で検討されておりますが、状況についてお知らせください。
〇大泉資源循環推進課総括課長 農林業系副産物の処理の状況と課題でございますけれども、9月末現在におきまして、一関市大東清掃センターにおきまして牧草の焼却処理を約500トン行っております。また、八幡平市で既に稲わら100トンを焼却しておりまして、今まで全県で600トン弱の焼却処理が終わっているところでございます。
 焼却処理に当たっての課題でございますが、市町村等が所有しております焼却施設の処理能力はまちまちでございます。また、老朽化しているところもございますし、焼却しますと灰が出てくるわけですけれども、その処分に必要な最終処分場における残余容量の逼迫など、多岐にわたる部分がございます。焼却施設及び最終処分場の周辺の住民の方々に処理の安全性を理解していただく、これが最大の課題だと考えております。
〇佐々木努委員 私、奥州市の出身なんですが、奥州市も大量の放射性農林業系副産物がそのままになっている状況であります。やはり今、課長がおっしゃったように焼却施設周辺の住民の方の理解がなかなか得られないということで、市の担当者は非常に頭を抱えている状況であります。そういう中で、やはり県の支援が非常に必要だという話を私は何度も聞いてまいりました。そのことについて、県は市とどのような連携を図りながらこの問題に対処しているのか、その辺のところをお知らせください。
〇大泉資源循環推進課総括課長 この焼却処理に向けた県の取り組み、そして市町村との関係でございますけれども、既に一関市のほかに遠野市が8月から試験焼却等を始めております。こういった焼却をするに当たりまして、市町村の中で具体的にどういう優先順位でどうやって焼却を進めていくかという計画をつくるわけですけれども、そういった計画づくりの段階でまずいろいろ御相談をおります。そして、そういう計画ができますと、今度は焼却施設の住民の方々ですとか最終処分場の周辺の方々に説明をするという段階になるわけですけれども、遠野市の例を申し上げますと、そうした計画をつくって実際に焼却の実施に移す段階で市議会全員協議会にまず御説明されたわけですけれども、その場に県の職員が出席いたしまして御説明をさせていただいておりますし、その後、今度は住民説明会があるわけですけれども、そこに私どもも出かけまして、市の方々と一緒になりまして住民の方々に説明をさせていただいておりまして、今まで5回、そういう形で対応させていただいております。
 今、実際に一番進んでおりますのが一関市のほかに遠野市でございますけれども、これからいろいろな地区でそういった動きが具体化してくると思いますけれども、同じように出かけていって、そしてそこで、住民の方々いろいろ不安等もあるかと思いますけれども、安全に焼却ができるのですよということをきちんと理解していただくために、市町村と一緒になってやっていきたいと思っております。
〇佐々木努委員 いずれ、現場の市町村、担当者もそうなんですが、市町村は非常にこのことで頭を痛めておりますので、今後とも積極的に支援をしていただくようにお願いいたします。
 二つ目ですが、素朴な私の疑問についてお答えいただきたいと思うんですけれども、実施状況報告書の125ページの一番上に環境王国いわての実現という文言がございます。県が目指すこの環境王国いわてというのはそもそもどういうものなんでしょうか。どういうことが実現できれば環境王国になると考えてこのフレーズをつくったんでしょうか。まずそれをお聞きしたいと思います。
〇伊勢環境生活企画室企画課長 この環境王国いわてということにつきましては、いわて県民計画におけます環境施策全般という意味と、あと、この環境王国いわて自体が目指す意味と、二通りございます。この環境王国いわてということでありますれば、本県の豊かな自然環境を守り育てていくためのさまざまな取り組みが、県民の参加を得ながら、県内各地で活発に展開されている地域、そういったような観点で環境王国いわてという表現を使わせていただいているものでございます。
〇佐々木努委員 環境王国を標榜するというのは、やはり全国でもナンバーワンの環境先進県を目指しているというふうに私は勝手に思っているんですが、そういうことではないわけですね。
〇伊勢環境生活企画室企画課長 環境王国の王国の意味は、例えばサッカー王国とか野球王国とか、そこの冠する言葉にかかわることが活発に行われている地域という意味において王国という言葉を使っております。
 これが全国に先進的な意味合いを持たせるためのものかというお尋ねでございますけれども、一義的にはそういう意味ではないかとは思いますけれども、ただ、この環境に関するさまざまな取り組みが県民の参加を得ながら県内各地で活発に展開されている地域といったようなものが現実に実現した状態におきましては、おのずと岩手県は環境先進県というような全国的な位置づけが得られるものと考えております。
〇佐々木努委員 わかったようでわからないんですが、それでは、平成23年度の実績の中で、これが環境王国いわてをつくるための取り組みだというものは何なんでしょうか。
〇伊勢環境生活企画室企画課長 今、御指摘の125ページに載っているようなものであるといたしますれば、環境王国の、今申し上げました全県で活発に各主体が活動を展開しているという状態を指し示すものといたしましては、全県で、小学生などが水生生物を観察いたしまして、水質の確認と水に親しむ活動を展開するという活動がございます。これは全国的に行われているものでございますけれども、本県は、平成23年度、小学生の参加率ですけれども全国1位という状態になってございます。あとは、例えば北上川の清流化対策のところで、松尾鉱山の跡地の再生の森協議会等と連携いたしまして、例年、3から4団体が植樹活動を行っております。年間数百人ほどの県民の方々に参加していただいておりまして、徐々に成果を上げております。こういったような取り組みがますますふえて、全県で活発に展開されるような状態を目指してまいりたいと思っております。
〇佐々木努委員 私は、この環境王国いわてという表現がいいとか悪いとかということでお話をしているのではなくて、というか、非常にいいんだと思います、環境王国いわてという表現は。日本中から、全国から、やはり岩手県は環境づくりで一歩先を行っているなと、そういう取り組みをしている県だと認知していただきたいし、県民にもそういう思いを持っていただきたいという意味でお聞きしたわけです。
 そういう中で、去年の3月11日に大震災があって、そして原発事故によって環境王国いわてに非常に逆風が吹いているような、今そういう状況にあります。そういう中にあってもこれから環境対策をしっかりやっていくということと、それから、岩手県には原発がありませんから、クリーンな県だということもアピールできますし、さらには、岩手県は再生可能エネルギーの宝庫とも言われています。こういう岩手県の特性を生かして、環境づくりをこれからもっともっと岩手県らしく進めていく必要があるんじゃないかと私は思います。
 そういう意味から、再生可能エネルギーの取り組みは、特にも岩手県は力を入れてやっていくべきだと思いますし、企業局が一戸町に大規模の風力発電施設をつくるというようなことを打ち出して、私は非常に評価できることだと思います。それとあわせて、やはり県はもっと太陽光発電にも力を入れていくべきだと思います。
 そのことから二つ目の質問で、県施設における太陽光発電等々の再生可能エネルギーの導入実績はどのようになっているか、そして、今後どのような計画になっているかお示しいただければと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 県施設におけます再生可能エネルギーの導入実績等というお尋ねでございます。
 県ではこれまで、合同庁舎とか県立高校等の学校、あとは病院など42施設余りについて太陽光発電を導入してきております。また、下水道処理施設においてはバイオマス発電、県営屋内温水プール等にはチップボイラーや地中熱ヒートポンプなど、県施設への再生可能エネルギーにつきましては率先導入を進めてきているところでございます。
 今後におきましても、地域の防災力の向上を図るために、防災拠点となります県施設への太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を着実に推進していきたいと考えておりますし、また、下水道処理施設において小水力発電の導入など、多様な再生可能エネルギーの利活用を進めていきたいと考えております。
〇佐々木努委員 まずは私は公共施設からだと思います。宮崎県にことし行ってきたんですが、農村地帯の農家の屋根には、ほとんどと言っていいほど太陽光パネルが設置されていました。まずは岩手県は公共施設から、そしてどんどんそういう太陽光発電を普及していってほしい、その先頭に県が立ってほしいと思います。
 以上、お願いを申し上げまして終わります。
〇岩渕誠委員 震災関連で一つ、一般事業で一つお聞きします。
 震災関連の話は、ただいまの佐々木努委員と重複する部分を除いてお話しさせていただきます。
 県内のいろいろ焼却をしなければならない放射性廃棄物の中で、8、000ベクレルオーバーの指定廃棄物というものがあります。これは国が責任を持ってやると言った分ですが、これの発生状況と現在の保管状況についてお示しいただきたいと思います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 指定廃棄物の発生と保管の状況でございますが、9月30日時点で県内で約1、000トン発生しております。そのうち、農林業系副産物は約500トン、あと焼却灰が約500トン保管されております。このうち、9月20日現在で環境大臣の指定を受けて指定廃棄物となったものは焼却灰の357トンとなっております。これらに係る指定廃棄物については、今後新たに発生する見込みは低いのではないかと受けとめております。
 保管の状況でございますが、農林業系副産物のうち稲わらや牧草につきましては、各農家や地域ごとにパイプハウスで現場保管が行われていると伺っております。また、堆肥につきましては、保管量の多い一関市では集中保管施設で保管が行われていると。さらに、焼却灰につきましては、一関清掃センターの敷地内や同市舞川にございます最終処分場で、また、民間事業者分につきましては、当該事業所内の保管施設におきまして、作業員の放射線障害防止を目的とした取り扱い、作業員の特別教育ですとか被曝線量管理等が行われた上で、国のガイドラインなどに従って安全に保管が行われているところでございます。
〇岩渕誠委員 この指定廃棄物のうち、特に農業系の副産物については一般質問等でも議論があったわけでありまして、国のスキームは、当該都道府県に仮設焼却炉なりを設置して最終処分場を見つけてやるという方向でありますが、岩手県としてはそれを採用しない。したがって、混合焼却によってその部分もできれば解決していこう、こういう方針は既にお示しになっています。私もそれは現実問題として有力な選択肢だと思っていますが、そこで一つ問題が出てきております。
 先ほどお話のありました農業系の副産物に関してはパイプハウス、これは農林水産部の県の事業を活用して、例えば一関市では33棟で355トンが保管されております。実は、混合焼却をして長期間かけてやるということは、それはそれで一定の方針ではありますが、今、この33棟も含めて、一時保管をしているというのは農家の敷地内でありますし、それからもう一つ、肝心なのは、この一時保管は、農家に約束したのは3年なんですね。おおむね3年間を一時保管のめどにしますと。そうしますと、今の状況でいいますと、混合焼却をしたとしても3年以上の期間がかかるわけです。一方で3年という年限のあるものがある。しかもこれは汚染度が高いものですから、これをどうするかという問題が非常に出てくると思っております。
 これについて、ぜひ県としての姿勢を示していただきたいと思うのですが、いかがですか。
〇大泉資源循環推進課総括課長 現在、特に県南地区を中心に、農家の庭先に保管されているもの、特に8、000ベクレルに近いようなものだと思いますけれども、稲わら等がパイプハウスで保管されている、あるいは堆肥が保管されているということで、生産活動等にも支障が出ているとは伺っております。ただ、堆肥につきましては、先ほどお話ししましたとおり、そういった形で集中的な保管のほうに施設ができて、まず個々の現場という部分は解消されたのかなというふうに伺っております。
 特に県南のほうは処理期間が相当かかる可能性がありまして、その間、農家の方々の負担というのが大変だと思うんですけれども、現時点では混合焼却という方法で着実に減らしていくしかないと考えておりまして、これを着実に進めるとともに、どのようにしたら保管に伴う農家の負担を減少させることができるかというのを農林水産部とも協議をしていきたいと思います。
〇岩渕誠委員 確かに、堆肥については集中的な管理をしていますし、かなり離れていますからそういう心配はないんですけれども、実際に稲わらについてはあるんですよ。それは、だから解消にはなっていないんです。パイプハウスそのものはかなりよくできたものですから、放射能の関係の心配は余りないと思っているんですが、実は生産活動ではなくて、これが地域の風評被害のもとになっている、あるいはその地域の中でいろいろないがみ合いとか不信感のもとになっているということをぜひ認識していただきたいと思うわけです。
 初め3年程度ということで始まっていますから、混合焼却に時間がかかるのであれば、やっぱり次のことを考えていかないと、この問題は、またその年限近くなると、じゃ、どこに持っていくんだと。いつまで持っていればいいんだというのが必ず来ますよ。これは間もなく、恐らく年度末に近づけば近づくほど一体どうなっているんだという話が噴出しますから、今のような認識でいてもらっては私は困ると思います。何か所見があれば伺います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 稲わら等につきましては、パイプハウスでということで個々に分散保管がされているということ、それが今の御説明にありましたとおり、農家の方々あるいは地域社会の中でいろいろ問題になっているということだと思います。これにつきまして、そういったことをどのような形でやっていけばいいか、直ちによい案というのはなかなか浮かびませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、そういった状況があるということで農林水産部のほうと協議をしていきたいと思います。
〇岩渕誠委員 わかりました、よろしくお願いします。
 次の質問に入ります。
 先ほど熊の問題が出ましたが、私はハクビシンとイノシシを聞きたいと思います。
 第10次の鳥獣保護事業計画は昨年いっぱいで終わる予定でありましたが、震災があったということで被災3県は1年間延長されて今年度も適用になっている、こういうことなんですが、平成22年10月に外来鳥獣に対しての扱いを県は変えました。これはハクビシン対策を念頭に置いたものであります。つまり、今までは被害がなければ有害駆除できなかったんですが、ハクビシンに関しては被害の有無にかかわらずできるということになって、平成23年度は頭からその対策が打たれたと思いますが、その成果についてどのようになっているか。またあわせて、一方で同じ外来鳥獣という扱いになっているイノシシについてはどういう状況なのかお示しください。
〇小野寺自然保護課総括課長 ハクビシンの現況といいますか、正確な数字ということでは頭数等の把握はできておりませんが、農林水産部の調査によりますと、農業被害ということでは平成23年度で約1、100万円で、一関市、大船渡市、釜石市等で被害額が多くなっているという状況でございます。
 委員御指摘のとおり、市町村への捕獲権限の移譲ですとか有害捕獲基準の緩和ということを平成22年度から行っておるわけですが、その結果といたしまして、平成22年度の捕獲頭数が前年度の約2倍となります全県で554頭という頭数の捕獲の増ができたということが報告されてございます。
 それから、イノシシ被害につきましては、被害額で申しますと、これも農林水産部の調査になりますが、平成23年度で一関市での農業被害額約100万円ということが報告されてございます。
 現在、本県におきましては、イノシシにつきましても外来鳥獣という取り扱いといいますか、そういう規定をしてございます。捕獲数ですとか、あるいは捕獲期間の制限を設けないですとか、そういった有害捕獲許可の基準を緩和して、積極的な有害捕獲ということに取り組んでおるところでございます。
 今後とも、農業関係はもとよりでございますけれども、JAとかも含めましては、関係機関と連携して、ソフト事業にはなりますが、環境サイドでのマナーの研修会の開催ですとか、侵入防止柵の設置の指導ですとか、具体的に申しますと、わなも、仕掛ければそれでとれるということではございませんので、そういったものの先進県でございます西日本を中心としたところからの情報提供、講師等の派遣もお願いした上でのそういったものを考えてまいりたい。そういったことを実施することによりまして、被害の低減ということに努めてまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 ハクビシンについてはやはり効果があるということであります。外来鳥獣ですから、本来、駆逐をする、駆除を徹底するという立場で、シカとか熊とかとはちょっと違うということであります。成果が出ているということで、いいと思います。
 一方で、イノシシは100万円というような被害額をおっしゃいましたけれども、私がちょっと調査をしたものとの実感とは違います。私も先だって、一関市の萩荘地区というところは大変イノシシ被害の大きいところでありまして、ちょうど水田の刈り取り前のところに行ってまいりました。大体畦畔のところでミミズを食べて、山のヤマユリを全部掘っくり返して食べて、米を食べて、しかも踏み荒らすんです。どれぐらいの減収ですかというと、大体3割ぐらいは米は減収ですよと。何袋ですかというと、100袋影響しますよと。そうすると、100万円どころの騒ぎじゃないんです。やっぱりそこはもっと実態を調査していただきたい。
 それから、現在、イノシシ対策の中で、いわゆる電気牧柵による対策というのは予算上も出ているんですが、これはやっぱり実態に合わないと思います。今の水田の状況で電気牧柵を回すという労力はちょっと無理だと思います。しかも、イノシシ用の電気牧柵も低いものもあるんですけれども、それをやった場合には、畦畔の草刈りができません。管理が難しくなります。したがって、もっと別なことをやっていかないと、イノシシに対しては本当に真剣に取り組まないと、あっという間に上がると思います。現状でイノシシの被害、目撃例はどこまであるか、ちょっと示してください。
〇小野寺自然保護課総括課長 イノシシ被害の現状につきましては、先ほど、農業被害額ということで農林水産部のほうの調査の数字を申し上げました。
 それから、電気牧柵の件につきましては、これも事業としては農林水産部のほうの事業になりまして、いかんせん、環境省のほうでは、こういった捕獲についての国庫補助制度というものを持っておりませんし、私どものほうでも予算制約等もございますので、イノシシの捕獲についてのそういった制度というものは、現時点では創設してございません。
 ただ、委員おっしゃるとおり、電気牧柵につきましては、国庫補助を使って農林水産サイドの事業として電気牧柵の設置についての補助を行っている。その大もととなりますのは、鳥獣被害防止特別措置法というものに基づいて農林水産省が、獣種を問わず、市町村が被害防止計画を策定した上での市町村が行ういろんな事業に対しての補助を行うというシステムになってございます。
 現在、イノシシの被害につきましては県南が中心でございますが、その生息につきましては、目撃情報というものを全県を対象に、ハンターの方々からのアンケートですとか、あるいは一般の方々からの情報を集めているというのが環境サイドでの現在の進捗状況でございますけれども、その状況を見ましても、全県的に広がりつつある。特に奥羽山系を中心としまして北上しつつあるという状況までは認識してございますので、委員御指摘のとおりのような対策で、熊、シカにつきましては保護管理計画というようなこと─これは法律上の名称での保護管理計画ですので、実際の計画はどうするかという話とはまた別なんですが、そういったものに基づいて、熊、シカについては対策を講じてきておるところでございますが、イノシシにつきましては、当面といいますか、そういった計画を策定するかどうかという話は別にしまして、平成25年度から具体的な被害防止対策について、私ども環境サイドとしても、どういったことをやっていくか。実態調査から始めなければいけませんが、どういった形で調査していくかも含めまして、検討してまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 まとめにします。私が聞いている限り、奥羽山系でもう既に目撃情報が多々あるのは、一関市にとどまらず奥州市の衣川区、それから北上、花巻境のあたりですか、あの辺まで行っていると承知しております。一番被害が大きかった一関市の状況を聞いても、群れ分けをしただろうと。大体2年間群れにいて、それが分かれるんだそうですけれども、恐らく群れは分かれたというようなことを地元の皆さんは言っておりました。
そこで、今、総括課長から鳥獣保護計画とは別にという話がありました。本来は外来鳥獣ですから駆除の対象にすべきではありますが、これぐらい広がったときにどうするかという現実的な問題はあると思います。しかし、大事なのは、シカとかは現状はなかなかうまくいっていません。これがイノシシということになると、大変な話になります。一気に被害がふえると思います。
そこで、第11次の鳥獣保護計画の中でしっかりとイノシシに対しての対応をどうするかということをぜひ盛り込んでいただいて、ここで抑えないと、本当に行ってしまいますよ。学術的には宮城県の県南でとまっているというのが今までの常識でしたけれども、もう岩手の真ん中まで来ているということをよく理解して対策を打っていただきたいと思いますが、最後に所見を聞いて、終わります。
〇工藤環境生活部長 イノシシの北限がどんどん北のほうに来ているという御指摘でございます。熊についても先ほど御質問がありましたけれども、野生鳥獣をどのようにしていくか、被害防止をしていくかということについて、これまでとはまた異なった観点で我々のほうで検討させていただきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 再生可能エネルギー導入促進事業についてお伺いします。
 これは、平成23年度の当初予算に計上されておりましたけれども、震災以降、さらに拡充されたと思っております。その導入に当たっての一つの流れは、市町村のそういう施設に再生可能エネルギーを導入するということだったわけですけれども、各市町村では、その事業が出たということで、相当な数で手挙げになったと思いますけれども、その実績等をお聞きしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 いわゆる防災拠点への基金事業のお尋ねかと思っております。昨年度、約140億円の基金を設置いたしまして、今年度から平成27年度まで事業を実施するという形で取り組みをさせていただいております。現在、各市町村からの計画につきましては494件という形で報告をいただいているところでございます。
〇工藤勝博委員 震災以降、そういう防災拠点ということをうたって、さらにまた基金造成をしながら、単年度で約20億円ぐらいでしたか、そういう予算の中でやるわけですけれども、その予算の配分も含めて、なかなか希望された事業が採択にならないという声も聞いております。その辺も含めて、どういう点が今後市町村においては採択要件に絡んでくるのか伺いたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 今年度からのこの取り組みにつきましては、初年度ということでございますので、手続につきましては、市町村からの事前協議をいただいた上で交付申請、交付決定という流れでございます。現在、7月末で第1回目の事前協議を終了しておりまして、また、2回目として9月末で申請を受け付けて、協議を実施しているという状況でございます。
 採択といいますか、事前協議の中で市町村からいただいております計画につきましては、この事業自体が非常時での防災機能を発揮する再生可能エネルギーを導入するということでございますので、また、それに当たっては、非常時において最低限のそういう防災機能を賄うような形という環境省からの指示、交付要綱でそういう縛りがございます。
 市町村から計画を提出していただいて、審査する上では、そういう観点がきちっと精査されているかどうかということを審査させていただいておりますので、中にはやはりその要件の中で過大な部分等々があることについては、市町村に改めて再検討をお願いしているところもございます。
〇工藤勝博委員 市町村はそれぞれの公共施設に導入するというのが主目的だろうと思いますけれども、一般の事業者がそういう目的で事業導入をしたいという場合は、どのような形になるのでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 この基金事業につきましては、公共施設への支援のほかに民間事業者への支援というのもこの中で実施しております。民間事業者の支援につきましては、公共施設であれば10分の10の補助ということでございますけれども、民間施設の場合については3分の1、特定被災市町村については2分の1という状況でございます。
 また、今年度についてはまだ予算化しておりませんけれども、制度的には利子補給も可能な制度になっております。そういう中で、計画につきましては、現在、平成27年度までですと、36件の申し込みをいただいているところでございます。
〇工藤勝博委員 それでは、積極的なそういう事業採択向けて取り組んでほしいと思います。
 次に、交通事故抑制対策についてお伺いいたします。
 近ごろ、四つ葉マークの車も大変目につくようになりましたし、高齢者の方が絡む事故もふえております。そういう対策を今後どのようになされていくのかお聞きしたいと思います。
〇後藤県民生活安全課長 高齢者の交通事故防止対策についてでございますけれども、平成23年中の県内における65歳以上の高齢者が関係する交通事故につきましては、前年に比べまして、発生件数、死者数、傷者数とも減少したところではございますが、平成24年になりまして、9月末現在では、前年同期に比べまして発生件数は減少しておりますが、死者数、傷者数が増加しているところでございます。特に、死者数につきましては、9月現在までの全死者数60人のうち37人が高齢者となっておりまして、全死者に占める高齢者の割合は約62%となっているところでございます。
 県といたしましては、年間を通じた交通安全運動の重点といたしまして子供と高齢者の交通事故防止を掲げまして、関係機関、団体と一体となって、県民の意識啓発などを推進しているところでございます。
 また、季節ごとに行う運動を展開しておりますけれども、10月22日から10日間を高齢者の交通事故防止推進期間と設定いたしまして、日没が早まってまいりますこの時期に、夕暮れどきから夜間にかけて高齢者がかかわる交通事故の発生が懸念されますことから、重点的な広報、啓発活動に取り組むこととしているところでございます。
 また、今年度から、警察本部や関係団体と連携いたしまして、交通安全教育を受ける機会の少ない高齢者が参加しやすいように、老人クラブですとか自治会の会合などを利用いたしまして、交通安全教育の資機材を活用した参加体験型の出前講習を実施しております。これまで5回実施し、約220名の参加があったところでございます。
 このほかに、高齢者の交通安全意識の高揚を図るために、子供、父母、高齢者の3世代で交流しながらの交通安全教室の実施ですとか、高齢者世帯訪問によりまして、交通事故防止ですとか反射材活用の呼びかけを行ったり、高齢者自身が危険箇所を点検して、冷やりとした場所を示す地図を作成していただくヒヤリ地図作成体験などを行っているところでございます。
 今後につきましても、引き続き、関係機関、団体と連携しながら各種啓発活動を行いまして、高齢者の交通事故防止に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 各種対策を講じているということに関しては、大変いいと思います。
 そういう中で、市町村で交通安全指導隊というものがあると思うんですけれども、そういう皆さんも、やっぱり消防団と同じで生業を持ちながらそれぞれの地域で活動されておりますけれども、そういう交通指導隊の皆さんに対する支援というのはどういう形でお考えになっているのかお伺いしたいと思います。
〇後藤県民生活安全課長 市町村におきましては、交通指導員ということで市町村の非常勤職員として任命している制度がございます。
 県といたしましては、市町村で任用する際には、事業費ベースですけれども、1人当たり年間90日、1、200円という上限の中で助成をしているところでございます。
〇工藤勝博委員 次に、移ります。
 昨年の東日本大震災の救援物資に関してお伺いいたしますけれども、あの大震災の中で、全国または世界から相当な量の救援物資が本県に届いたと思いますけれども、その届いた物資の仕分けなり配送なりで大変混乱したと思います。というのは、以前に岩手・宮城内陸地震でも、多分、そういう支援物資に関しての学習はあったと思いますけれども、私もたまたま何回か行ったことがありますけれども、あっち行け、こっち行けという状況でありました。そういう点で、今回の大震災で学習したことがもしあれば、お聞きしたいと思います。
〇岩井食の安全安心課長 東日本大震災津波被害に係る支援物資の対応についてでありますが、まず、支援物資の受け入れ及び管理につきましては、3月16日、支援物資受け入れ、搬送拠点として岩手産業文化センターアピオを確保して以降、24時間体制で水や毛布などの応急対応物資を中心とした受け入れ、搬出に努めたところであります。4月以降は、被災地のニーズの変化を把握しつつ、全国各自治体や民間企業に対し事前登録をお願いしながら、そのマッチングを図るなど、比較的円滑に管理を行うことが可能となったところでございます。
 配送方法につきましては、当初は自衛隊車両や岩手県トラック協会による配送を行っておりましたが、その後、市町村の物資集積拠点から避難所へのきめ細やかな配送を行うため宅配事業者の協力をいただくなど、状況に応じて配送方法を工夫し、対応したところでございます。
 当初、大量に届けられたものの中には、水、毛布、衣料など、その後、被災地のニーズと合わなくなったものもありましたけれども、仮設住宅入居者や在宅避難者、内陸市町村へ避難している被災者、公益性の高い福祉施設等への配布、あるいは県内市町村への備蓄支援に回すなど、最終的には活用先の見つからなかったひつぎとごく少量の賞味期限切れ食品を除き、全て有効に活用したところでございます。
 課題でありますけれども、支援物資の調達、供給に当たっては、応急的な対応から、被災者のニーズに基づくきめ細やかな配送体制へいかに円滑かつ迅速に移行できるかということが重要だと思われます。そういった点で若干課題が残ったのかなと思います。
 それから、被災者ニーズの把握におきましても、例えば量から質への変化に柔軟に対応できたか、あるいは幼児とか高齢者、植物アレルギーをお持ちの方、そういった被災者の実情にも配慮した供給、そういう点におきまして反省すべき点が残ったのではないかと認識しております。
〇工藤勝博委員 そういう中で、大変短期間に大量の物資が届いて、てんやわんやということは理解しますけれども、現地の被災地の声に、いかにニーズに合ったものを届けるかというのは大きな課題だったろうと思いますし、また、通信なりあるいは車の手配も含めて、大変な状況の中ですので、それは理解できますけれども、せっかく支援した皆さんが、被災地に本当に届いているのかという声も聞きました。そういうことで、特にも3月の寒い時期から夏場、そしてまた冬場ということで、期間も四季ですので、必要なときに必要なものがなかったり、あるいはまた避難所でも、受け取っても置き場所もないというような現実もあったわけですけれども、私が一番感じたのは、せっかく、きょう、あす食べられる生鮮食品もたくさん来たと思います。それが、賞味期限が切れて腐敗したこともあったということも伺っていますし、そういう即対応できるような仕組みをやっぱりつくっていかないと─聞くところによると、行政がやるには公平にやらなければならないと。みんな公平に回すとなったら、これは実際は大変だと思いますけれども、その辺の考え方についてはどのようにお考えになっているでしょうか。
〇岩井食の安全安心課長 被災者の方にとりましては、行政としてはやはり公平に分配するということが基本だと考えてございます。今、御指摘のありました生鮮食品等につきましては、今回の震災でも、当初はなかなか被災地のほうへ運ぶことができずに、3月の末から直送ということで送付をしたところでございます。
 いずれにしましても、全国からの善意の物資を最大限に活用できるように、今回の震災を十分に検証いたしまして、今後に生かしてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 その点は、二度と岩手県にはこういう大災害が起こらないことを祈っていますけれども、また別な場所でそういうことがあったときの参考にきちっとなれるような状況にまとめてもらいたいと思います。
 次に、北上川の清流化対策についてお伺いしますけれども、旧松尾鉱山の鉱毒水の関係でございますけれども、たび重なる大地震の中で、心配されている3メートル坑の状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇玉懸環境保全課総括課長 旧松尾鉱山の3メートル坑についてでございます。3メートル坑につきましては坑道の最下部に位置しておりまして、経済産業省が行政代執行により密閉プラグを設置して、その後、継続的に調査してございます。こちらの調査のほうには県も立会しておりますけれども、昨年度の調査結果でございますが、密閉プラグには異状はない。変化は認められない。坑口より1、600メートルから1、700メートルの、かねてから変形が認められていた地点で、例年の年間4ミリよりも大きな年間12ミリの縮小変形が認められたこと。しかしながら、直ちに坑道が崩壊するような兆候は認められないことの説明を国から受けております。
 今年度の調査結果につきましては、11月20日に開催予定の5省庁連絡会で詳しい内容をお聞きすることとなっております。
〇工藤勝博委員 やっぱり地震のたびに大変心配なことが鉱毒水の3メートル坑のあれですけれども、そういう負の遺産をプラスになるように何とかできないものかと常日ごろ考えております。
 一つは、今、ノーベル賞をもらった山中教授のような、不可能を可能にするという発想もあるだろうと思います。環境保健センターの中で坑廃水を研究して、何とかそこから資源になるようなものを見つけ出してほしいと思いますけれども、部長、いかがでしょうか、お考えを伺って、終わりにします。
〇工藤環境生活部長 環境王国とはという御質問もありましたけれども、松尾の鉱毒水が清流化されたということは、本当の本県の環境のシンボルの一つだと思っています。私が小さいときは、開運橋を通りますと、下は真っ赤な川が流れていまして、それとは隔世の感があります。
 現在も環境教育の場ということで中和処理施設が活用されておりまして、年間にも1、000人以上来られているということでございます。また、その近くには地熱発電の計画等もございますので、一つの環境のシンボリックな場所ということで、県としてもエコ的な対応ができればと考えておりますし、そういう方向で、当部局だけでは対応できない部分がございますが、いろいろ取り組んでいく必要があると考えております。
〇工藤勝博委員 ぜひ研究して、ノーベル賞を取るように頑張ってほしいと思います。終わります。
〇佐々木朋和委員 それでは、私からも放射性廃棄物対策について、佐々木委員、岩渕委員からありましたので、かぶらない部分だけ端的に伺っていきたいと思います。
 先ほど、岩渕委員から廃棄物の一時保管について、3年という住民の皆さんとの約束でと。または短くということで、了解を得て一時保管をしているという現状がありまして、これは本当に重いものだと思っております。
 その中で、岩手県では、国の指針がなかなか出ないというところで、混焼という方向をとられて今まで進んできているということは評価をさせていただきますが、私は、一歩進めて、瓦れき処理のように、3年間という期間があるんですから、実施計画をつくって、明示して進めていかなければならないのではないかと思っております。というのも、先ほどの答弁の中にも、今まで処理できた農林系副産物が600トンということですが、これから処理していかなきゃならないのが3万2、700トンということで、膨大な数がございます。その中で、粛々と進めていくというだけでは、住民の皆さんの、もしくは保管をしている皆さんの安心にもつながりませんし、また、焼却炉の近くにいる方も、自分たちでやっても先が見えないんじゃないかという声も実際に聞かれております。その点について御所見を伺うとともに、県内の焼却施設の能力と、混焼した場合の処理年数の見込みをお教えいただきたいと思います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 まず、農林業系副産物の処理を、瓦れきの処理のように実施計画をつくって進めていくべきではないかということでございますけれども、まさに混焼ということで、汚染された農林業系副産物だけを焼くということももちろんできるんですけれども、それをやりますと、非常に高濃度のセシウムが、濃縮された焼却灰が発生しまして、それをどうするかという問題が出ます。そこで混焼ということになっているわけですが、混焼ということで、まぜるものといいますか、ふだん、生活系ごみを焼却しなきゃならないわけですので、それに許容される範囲内で一緒に入れて農林業系副産物を燃やしているわけですが、御承知のとおり、ごみ処理事業というのは市町村が一般廃棄物処理事業として廃棄物処理法に基づいて行っておりまして、県は、そういったごみ処理施設というものを持っていないということで、各市町村あるいは事務組合の焼却施設を活用させていただいて、そこで日々焼却しななければならない生活系ごみと一緒に処理していきましょうという考え方です。
 やはり実施計画というものを立てるわけですが、そういうことで、各市町村といいますか、事務組合に実施計画を作成していただく。そこに県も一緒に入って、いろいろアドバイスをしているといった状況でございます。
 それから、県内の焼却施設の能力と、混焼した場合の年数ということでございますが、現在稼働しております県内の市町村、事務組合の焼却施設の処理能力につきましては、16施設で日量約2、000トンでございます。実際は2、000トンを下回る生活系ごみが日々焼かれているわけですけれども、農林業系副産物が2、000トンとか、200トンとか、そういったオーダーで毎日焼けるというわけではございません。
 そういった焼却灰の放射性物質濃度を低レベルに抑えた処理を行うということで、もう一つは処理年数でございますけれども、市町村ごとに抱えております農林業系副産物の汚染レベルというものが県央と県南部では大きく異なるとか、また、焼却対象量も桁が市町村によって違うとか、いろいろ難しい部分がございます。
 さらには、焼却施設周辺の住民の方々との関係において、焼却灰の管理目標濃度をどこら辺に設定するかという部分もございまして、そこで1日に燃やせる量も大分違ってくる。したがいまして、現在、いろいろなところで御検討いただいているかとは思いますけれども、恐らく市町村ごとにかなりまちまちの値が出てくるのではないかと。そういった基本的な緒元というものを私どもはまだ具体的にいただいておりませんので、現時点で県全体の処理年数というものの見通しを示すということがちょっとできないような状況でございます。
〇佐々木朋和委員 そのような心配があるからこそ、やはり計画を立てないと、この先、どのような形で処理をしていくのかわからないというところを指摘させていただいたところであります。
 お話を聞いただけでも、やはり既存の施設だけで処理をしていくのは難しいという中で、混焼という方法をとっていくということにあっては、今、環境省からの処理施設の補助も、新規で建てることもできないという状態にあると。やっぱりそこを打開していかないと、この処理というのはできていかないというところだと思います。
 そこで、部長に御答弁をいただきたいんですが、今までは国に対して処理方法を示してくれという態度だったと思うんですが、今回、岩手県では混焼というところを一つメーンにしてやっていくということでありますから、全体のこういう形だと、処理していくのに時間がかかってしまう。だから、そういう計画を立てて、こういう新規の施設が必要なんだとか具体的に要望していく。また、要望して、後ろを振り返ったら市町村が違う方針だったというのでは困りますから、市町村とも密に連携をとって気持ちを同じくしていく、そういう姿勢が必要だと思いますが、部長の御所見をお願いしたいと思います。
〇工藤環境生活部長 例えば一関市のように大量に農業系の汚染された副産物を保管している市町村にあっては、いかに処理期間を短縮していくかというのは本当に一番大きな課題であります。その課題に我々もしっかり向き合っていかなければいけないとまずは思っております。
 ただ、焼却処理が、先ほど答弁させていただいているとおり、今、一関市そして遠野市、八幡平市もおやりになっているんですが、次は奥州市ということで、県が支援しながらやっていくわけなんですが、まだ、用意ドンというか、スタートラインに全部ついていないという状況もありまして、全体的にどれぐらいの期間がかかるかということについて、まだちょっと全体の見通しみたいなものができてなくて、直ちに計画をつくってという段階ではないということについては、ちょっと御承知をいただきたいと思います。
 岩手方式ということで、混焼方式で、県民の方々にも安全・安心ですよということを理解していただきながら進めたいと考えておりますが、今後、いかに期間を短縮できるかということについて、まず、一義的な責任のある国からも、今の混焼方式以外も含めて、どんな方法があるのかということももちろん提示していただきたいと思っておりますし、長期間かかるということの課題を、保管している市町村数が24あるわけなんですが、24市町村で共有しながら、どういった方法が考えられるのか、農林水産部も含めまして、真剣にこれから検討していかなければいけないと思っております。
 また、焼却施設の関係についてですが、本会議でも答弁させていただいたんですが、専用の仮設焼却炉をつくれば簡単に焼却できるんですが、処理し切れないような濃い濃度の焼却灰が出てくるということで、一関市の老朽化した施設についても、どのような方法が考えられるのか、今、一関市とも一緒になって、環境省にも働きかけながら、何とかならないかということで一生懸命模索しておりましたので、とりあえずちょっとお答えにはならないんですが、まず、みんなでスタートしましょう、そしてみんなで考えていきましょうと。もちろん国も含めてということで、これから取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 2番については、質問が同じくなりましたので割愛させていただいて、3番目の畦畔草、汚泥について伺いたいと思います。
 前回の議会の一般質問でもお聞きいたしましたが、畦畔草については、野焼きの自粛によって、野ネズミ被害や畦畔の強度低下など農家の大きなストレスになっております。
 県では、自粛規制をしましたが、これまでどのように対応してきたのか、また、来春からの見通しは、同じく自粛を求めていくのか伺いたいと思いますし、同じく、今般、一関市では、汚泥について秋の一斉清掃を側溝についても取りやめております。汚泥についても今後どのようにしていくのか、これからの見通しを伺いたいと思います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 畦畔草等の野焼きの自粛につきましては、これは、福島原発事故以前から、慣行的に農業現場で畦畔草を焼くというのは認められてきたわけです。ただ、そういう認められてきた中にありましても、その場所によって、農村地帯ですとごく普通に受け入れられるものが、住宅地近傍であったりすると、法律上はともかくとして、実際の問題としてトラブルが出る場合も、これは原発事故以前にもございました。そして、原発事故が起こりまして、そうした畦畔草の焼却でどの程度放射性セシウムが再飛散するのかというのがわからない中で、やはり不安に思う声というのは多々ございまして、そうした中で、昨年度、焼却の自粛ということでお願いしたわけでございます。
 いずれ、将来的には放射性セシウムの物理的な半減ですとか拡散で落ちついていくと思うんですけれども、どの時点で、何を判断基準としてそこを解除できるかという部分が現在適したものがなくて、そして、県独自でそれを見出すということもなかなか難しい状況がございますので、国に対しましては、やはりこれは触れないで済むわけにはいかないので、その判断の基準というのを出していただきたいということを再三要望しているところでございます。
 こうした状況というのは、本県だけではなくて、やはり各県同じような悩みを抱えていて、ただ、対応は県によってまちまちでございます。自粛要請をしていないところもあれば、しているところもある。今年度もそういう要望、あるいは実際に担当レベルも行ってお願いしているんですが、結論を申し上げますと、そこに対してきちっとした答えがなかなか返ってきていないような状況です。したがいまして、来春からという御質問があったわけですけれども、そこの部分について、しっかりとしたお答えをちょっとできかねるような状況でございます。
 それから、汚泥につきましてですけれども、汚泥につきましては、やはり地域ごとに大分状況が異なるようですが、今、奥州市にしても、一関市にしても、いずれ、いつかはどこかに処分をしなければならないわけですけれども、まず、現場保管もできないことには汚泥も上げられないということで、それぞれ地域の実情というものをお考えになって、こうした形であれば何とか一時保管もできるのではないかと。具体的に言いますと、一関市ですと、コンクリート製の升のようなものがあれば、一時保管するにしても住民の方々の理解が得られるのではないか。奥州市であれば、地区ごとにやはりコンクリート構造のそういった保管庫的なものがあれば一時保管も進んで、ある程度、道路側溝のくみ上げといいますか、取り出しもできるのではないかということですが、これにつきましても、国のほうで除染の補助として認めていただいていないということで、県といたしましても、現場の実情、地域の実情というものはこうだということで、再三国に対して御説明して、要望しているところでございます。
〇岩崎友一副委員長 執行部においては、答弁は簡潔にお願いいたします。
〇佐々木朋和委員 御答弁で国の方針が決まらないからということはわかりました。ただ、放射性廃棄物、農林系副産物にかかわっている皆さんはやはり農家の皆さんが多いので、1年のサイクルというんですか、そこについてやっぱり気を使っていただきたい。地元では、県のほうでは、1年のサイクル、我々の生活の痛みというのをわかってやっているのかと。何か、時期に関係なく方針が出たりとか、そのタイミングが悪かったりということをよく言われます。今度、冬期の営農相談会などで畦畔草とか、また、最初に述べた農林系副産物の処理をどうするんだということは必ず出ることだと思います。やはりその点が解決しないと新たな営農も安心してできないというところがありますので、ぜひ、そのサイクルに合わせた対応をしていただきたい。国にもその部分はこの時期までに出してくれと、そういうことをしっかりと言っていただきたいと思いますが、御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 営農サイクルにかかわる部分でございますが、今後、市町村が策定する処理計画によっても、そこら辺が具体的にスケジュール的なものが明らかになると思いますので、県といたしまして、そういった計画等をベースに、焼却処理の見通しが立てられるように支援していきたいと思います。
〇吉田敬子委員 いわて男女共同参画プラン推進事業費について伺います。この推進事業の中では、各市町村において男女共同参画事業推進を担う男女共同参画サポーター養成講座を行っているんですが、その成果と課題は何か、把握しているか。
 もう一点、その中で、先ほど復興局のほうでもちょっと伺ったんですが、被災地の復興まちづくりの策定委員の中での女性の登用について、今回、何か具体的に取り組んだのか、簡潔にお願いいたします。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 男女共同参画サポーターの成果と課題についてですけれども、平成13年には、受講修了者によって、全県やブロック単位で男女共同参画サポーターの会が組織され、活動が行われているほか、被災地においては、男女共同参画サポーターの受講修了者が、昨年度、遺族の悲しみをケアするグリーフケアの研修会とか講演会とかを開催するなど、地域づくりに積極的に参画しているところでございます。
 成果としてはそれでございますけれども、登用についてということでございますが、基本的には、先ほど復興局で企画課総括課長が申し上げたとおりでございますが、そのほかに申し上げれば、昨年度10月には、内閣府の男女共同参画局と共催で、復旧支援における男女共同参画の役割を考える東日本大震災シンポジウムin岩手を開催するなど、意識の啓発に取り組んでいるところでございます。
〇吉田敬子委員 今回、震災後にいろいろサポーターの方は確かに活躍されている方もいらっしゃると思うんですが、本来はこのサポーター養成講座は、当初、私が知っている限り、600人養成するという目標で、目標を達成したら終わるということだったと把握しております。600人達成しても、今年度からまた改めて予算措置をされて、新たに600人から840人ということでふえて、今年度から事業をまた開始していると思うんですが、サポーター認定を受けた方のこれまでのアンケート調査で、実際に具体的に活動していないと言っている方が結構多かったと思います。このサポーター養成講座は知事認定を受けているもので、知事の認定を受ける養成講座というのは余りないはずです。知事認定も受けているにもかかわらず、実態が余り芳しくないというのが正直現状だというのを─私も実はサポーター認定を、平成15年なので、達増知事からでなく前の知事からいただいているんですが、そういった意味で、私は、サポーター養成講座は今後続けてもどうなのかなという思いが正直あります。もうちょっと、例えば今回の策定委員の中にもこういった方々が入っていなかったりだとか、せっかく各自治体で、全33市町村の中にサポーター認定を受けた方がいらっしゃるにもかかわらず、今回の策定委員に女性サポーターも含めていらっしゃらなかったというのは、私はやっぱりこの事業というのはもう一度振り返る必要があるのではないかと思っておりますが、その件に関していかがでしょうか。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 基本的に前期の計画では550名ということが目標だったんですけれども、660名認定したということでございます。
 逆に、委員が言われるように、認定を受けても活動されていない方がいるので、底上げを図るということで、平成23年度からさらに840名を目指して頑張っているというのが一つと、それから、実は今後の男女共同参画におきましては男性の参画というのは欠かせないということでございます。そうなりますと、現在のところ、サポーターがいる市町村というのは6割でございますので、今度の計画の期間に100%を目指して、男女共同参画で頑張っていきたいということを考えてございますので、よろしく御理解のほどをお願いします。
〇吉田敬子委員 男性のサポーター人数をふやすのも大事だと思うんですが、ただ、やっぱりあり方というのをもう一度検証していただきたい。今回、予算を結構とられていると思うので、ぜひ検証していただきたいということと、これは部長にも伺いたいんですが、今回、及川幸子会長のもとに、男女共同参画の勉強会に滋賀県に行ってまいりました。他県で男女共同参画が進んでいるところは、男女共同参画課が総務部にあったりだとか、そういうところに管轄になっているので、部局横断的に男女共同参画の推進が図られているということを私は今回学んでまいりましたので、そういった点に関しても部長のほうでどのように考えられているか、御所見を一つ伺いたい点と、もう一つ続けて、これは通告していたんですが、これまでに質問が出ておりました地球温暖化対策、環境王国いわて、エネルギーの導入の件については割愛いたしますが、先ほど、高橋昌造委員から省エネだとか節電に対して、もっともっと頑張ってほしいという声が質疑の中にありましたが、私もぜひ積極的にもっと取り組んでいただきたい。というのも、これは私の勝手な解釈なんですが、高橋昌造委員は農林水産委員長をされているので、農林水産委員会ではなかなか発言ができない立場にある中で、私も、農林水産だけの側ではなく環境生活のほうからも一生懸命取り組んでいかないと、環境王国いわてというのが実現されないと思っております。
 大泉資源循環推進総括課長からの答弁の中で、事業の中で、特に農林水産系の方々の事業がたくさんあるというお話だったと思います。ですので、農林水産だけでなく環境生活部のほうからも一生懸命プッシュしていただいて、佐々木努委員からも、環境王国いわてとはよくわからないという話でしたので、ぜひ、本当に岩手県が全国一の環境王国いわてになるような取り組みをしていただきたいと思いますので、部長、最後に男女共同参画の件も含めて御所見を伺います。
〇工藤環境生活部長 部局横断的な男女共同参画の取り組みということでございます。例えばワークライフバランスであれば保健福祉部であるとか、就労支援であれば商工労働観光部だとか、各部にそれぞれ施策がまたがっております。これらについて、これまでも関係課とは随時情報交換するなどして取り組んでおりますし、また、審議会とかそういった人数の関係についても協議してきております。今後とも、そういった課が私どもの環境生活部にあるということがハンディにならないように、私も先頭に立って頑張りたいと思っております。
 二つ目の温暖化とCO2対策、節電対策ということでございます。これについてもいろんな団体とも連携しながら取り組んでおりますし、また、温暖化防止活動推進センターなどとも一緒にやっております。森林の保全ということで、もちろんそちらの面も大事であります。そういったことを含めまして、いろいろ対策は細かいものもあれば、再生可能エネルギーみたいに今目指すものもありますけれども、いわゆる節電、省エネ、そういったものを含めましてトータルで取り組んで、まさに環境王国ということを他から評価されるように頑張ってまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 私は1点、男女が互いに尊重し合い、ともに参画する社会実現について御質問いたします。
 DVは、社会的な男女の力の差を一つの背景として、相手を思いどおりに支配し、恐怖を与えるものです。配偶者やパートナーからの暴力は深刻な人権侵害であり、関係を破綻させるだけでなく、相手を深く傷つけることにもなります。
 岩手県でも4月に矢巾町で妻をハンマーで殴り、死亡させた事件がありました。あらゆる暴力が根絶され、男女の人権が最大限尊重される自由で平等な社会を実現していくためにも、克服すべき課題ととらえております。
 今回いただいた資料によりますと、岩手県の配偶者暴力相談支援センターにおけるDV相談件数は、平成22年度が1、414件であったのに対し、平成23年度は1、763件と349件も増加しております。一時保護の状況も平成22年度は41人から44人と過去最高となっております。DV被害者支援に向けての課題と取り組みをお示しください。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 まず、DV被害者支援に向けての課題と今後の取り組みについてでありますけれども、課題といたしましては、相談内容が複雑化している中で、被害者のニーズに応えるための相談員の資質のさらなる向上が必要だということ。DV被害者自身が避難や自立にちゅうちょすることのないよう、避難及び自立に向けた支援体制の充実と周知が必要であるということ。同伴する子供のケアなど、被害者支援に係る関係機関の連携した取り組みが今後も必要であるということなどが挙げられます。
 このため、県といたしましては、相談員や医療関係者に向けた研修会の開催、緊急避難のための宿泊場所確保、提供事業、自立支援事業等の制度の周知、警察や児童相談所等関係機関との連携によるDV被害者支援の充実などの取り組みを進めることとしております。
〇小西和子委員 被災地では人間関係のあつれき、被災者間の格差、仮設住宅で仕事をなくした夫の暴力に脅えているなどの悩みが寄せられているところでございますけれども、被災地の女性が置かれております現状と課題、解決方法についてお伺いいたします。
 時間短縮のためにもう一つまとめてお伺いいたしますけれども、いわて男女共同参画プランには、政策、方針決定過程への女性の参画拡大を目標に掲げております。復興に向け、女性の意見が反映されるように、政策、方針決定の場に女性が参画すべきと考えますが、県としての働きかけと今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 まず、被災地の女性が置かれている現状と課題、解決方法についてでございますけれども、現在、男女共同参画センターには、女性からの相談対応のほかに、内閣府と県、NPOなどの協力により、昨年5月から女性の心のケアホットライン・いわてを開設し、盛岡市、宮古市、大船渡市において電話相談、面接相談を行っているところでございます。
 これまでの相談内容等を見ますれば、不安や抑鬱などの心理的な問題、生きがいや孤立などの生き方、家族関係の悩みなど多くの相談が寄せられておりまして、必要に応じて適切な専門機関、いわゆる社会資源に誘導するなど、女性が抱える悩みの解決に努めているところでございます。
 被災地域においては、被災者相談支援センターやこころのケアセンターなどさまざまな相談窓口が開設されており、引き続き、これらの関係機関との連携を密にしながら、被災女性一人一人に寄り添った支援が図られるよう努めていきたいと考えてございます。
 次につきましては、復興過程なり政治の方針決定の過程の中における女性の参画をどのように取り組むか、どのように働きかけているかということでございます。
 これにつきましては、例えば市町村の復興計画につきましては、先ほど復興局の企画課長が申し上げたとおりでございまして、男女共同参画局などの通知とか、そういうものに基づきまして積極的に市町村に助言を行うとか、先ほど吉田委員のときにお話ししたとおり、シンポジウムとか普及啓発活動も精いっぱいやっていくということでございます。そういう取り組みに対しまして、今後とも関係部局と連携を図りながら取り組んでいきたいと考えているところです。
〇小西和子委員 では、最後に部長にお伺いいたしますけれども、男女の地位の平等感を高めるため、男女共同参画センターを拠点として、市町村や関係機関と連携しながら男女共同参画意識の向上に取り組んでいくと2月定例会の一般質問の際、答弁をいただいているところでございますけれども、取り組みの内容、成果と課題をお伺いいたします。
〇工藤環境生活部長 取り組みでございますが、先ほど来答弁しておりますが、男女共同参画サポーターの養成講座でありますとかワーク・ライフ・バランス啓発セミナーなどを昨年度は開催させていただいたところでございます。成果といたしましては、ほぼ県内の市町村全部におきまして男女共同参画に関する計画が策定されたほか、金ケ崎町でありますとか奥州市におきましては、サポーター養成講座の修了者によります自主的な取り組み団体が結成されて、それぞれ活動が行われるなど、民間レベルでの取り組みに広がりが出ているということでございます。
 今後、先ほど男性のという話もありましたけれども、男性のサポーターの養成など、意識の高揚を図りながら、また市町村関係機関と連携しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 男女共同参画というのは、女性の地位向上ということだけではないと思うんです。性別にかかわりなく居心地のよい社会をつくって、安全で安心な生活を営む権利を確保する、まさに人権保障の問題であると私は考えます。このような重要な任務を担っている男女共同参画課の担当の職員が2.5人だとお聞きして、驚いたところでございます。日々の奮闘に敬意を表しまして、終わります。
〇高田一郎委員 私は、まず最初に、災害廃棄物の処理状況について質問いたします。
 災害廃棄物については、御案内のとおり3年間で処理するということで、折り返し地点に来ております。当初の目標30%に対して、現在、全体の処理量は17%ということがこの間明らかになりました。今後の見通しについてまず伺いたいと思います。
 特に広域処理ですね。残り47万トンほどあると思うんですけれども、受け入れ表明済み、あるいは試験実施済みの自治体の中でも、例えば大阪府なんかは、新聞報道を見ますと訴訟なんかも起きているという話もされて、足踏み状況になっていないのかなという心配もあるわけですけれども、広域処理も予定どおりスムーズにいっているかどうか、この点についてもお伺いしたいと思います。
〇松本災害廃棄物対策課長 災害廃棄物の処理の見通しについてでありますが、木くずなど可燃物については、県内処理施設の受け入れがほぼ計画どおりとなっておりまして、また、広域処理も本格化してきたことから、期限内の処理に一定のめどが立ったところであります。今後は、土砂系不燃物や津波堆積土などについて、復興資材への活用を進めていくことで、期限である平成26年3月までの処理完了を目指してまいります。
 次に、広域処理の実施状況についてでありますが、現時点で4万トン処理をしております。本格処理に進んでおりますのは1都6県、一部事務組合を含めてでございますが18市町村等でございます。それから、試験処理が済んでおりますのは2県の3市でございます。まだ試験処理に至っておりませんが、受け入れ予定をしているのが大阪府、それから七つの県、14市町村ということでございます。現在、これらの自治体と調整を進めて、できるだけ早く広域処理が進むように進めてまいります。
〇高田一郎委員 広域処理については一定のめどが立ったということでありますけれども、被災地からすれば、放射能問題もあって、受け入れ表明をしても住民の皆さんから反対運動が来るとか、本当にさまざまな苦労があると思うんですけれども、スムーズに広域処理が進むように、担当部局においては引き続き御尽力していただきたいと思います。
 今やっぱり問題になるのは、津波堆積物の処理をどうするかということだと思うんです。特別委員会でも数を示されましたけれども、130万トンの津波堆積物の中の8割を復興資材として活用できるということですけれども、実際に活用できるのかどうか、その見通し。
 もう一つは、残る不燃物の処理を具体的にどうするのかということについても答弁いただきたいと思います。
〇松本災害廃棄物対策課長 復興資材としての活用の見通しについてでございますけれども、6月に策定しました復興資材活用マニュアルに基づきまして、構成比や有害物質の含有状況について分析させていただきました。その結果、復興資材として十分利用できることが確認できております。
 そうした情報を踏まえまして、公共事業の担当部局と調整し、先般、10月12日からでございますが、宮古農林振興センターの工事でありますけれども、宮古市摂待の防潮林復旧工事に1万9、000立米、約3万トンの活用を開始したところでございます。引き続き、国や県庁内の関係機関と連絡調整の場を設けまして、復興資材としての活用がますます図られますように取り組んでまいります。
 残る不燃物の処理についてでございますけれども、復興資材化した津波堆積土からは利用できない不燃物も生じるところでございます。これらにつきましては、太平洋セメント大船渡工場や、それから安定型最終処分場、県内に幾つかございますが、そういったところで処分いたしまして、最大限県内で処理しようと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 津波堆積物については、復興資材として活用はできるけれども、今後、復興資材として活用できるかどうかというのはまだ確定したものではないと思いますので、関係者と協議をしながら、十分に活用できるように頑張っていただきたいと思います。
 残る2割のいわゆる不燃物の処理ですけれども、これは県内の最終処分場で処理をするということだと思います。同時に、漁具とか漁網の処理も、これは資料をいただきましたけれども5万4、100トンあるということですけれども、この処理をどうするのかということも今後の課題だと思うんです。
 それから、こういったものを、例えばどういう処理の仕方をするのか、あるいは最終処分ということになると、今度は最終処分場のキャパの問題も出てくるわけでありますから、この問題についてどのような対応をされるのか伺います。
〇松本災害廃棄物対策課長 漁具、漁網、特に漁網の部分につきまして、裁断が極めて困難、丈夫にできているということでございまして、処理が進んでいないという状況になっております。現在、沿岸市町村や関係事業者と連携、協議しながら、まず県内処理について最大限進める努力をしておりますけれども、それでも処理できないもの、一部もう既に山形県の最終処分業者などにお願いしている部分もございますので、そういったものにつきましては、環境省にマッチングをお願いして、迅速かつ円滑な処理が進むよう努めてまいります。
〇高田一郎委員 津波堆積物は最終処分場で処理できると。最終処分場のキャパの問題は大丈夫ですね。そのこともお伺いしたいと思いますし、漁具、漁網の点については、できるだけ県内で最大限処理したいということでありますけれども、これも早くその見通しをつくって、大分後になってから、これは県内で処理できないんだと、だから広域でお願いしたいんだということにならないように、早くその実態を調査して県内でできるのかどうかを明らかにして、広域で処理しなければならないのであれば、国と早く協議をして対応していくべきだと思うんですけれども、その辺についてお伺いしたいと思います。
〇松本災害廃棄物対策課長 環境省とは既に内々お話し合いはさせていただいているところですが、まずは自分の岩手県内で処理するということを最大限努力した上で、できないものについてはよその県にお願いするということで基本考えておりますので、並行して進めているところでございますけれども、まずは県内の処分場あるいは処理施設で処理を検討していくということでございます。
 最終処分場のキャパにつきましては、復興資材として取り出したもの以外の部分につきましては、管理型最終処分場に行くものと安定型最終処分場に行くものがあります。それらについて、安定型処分場につきましては岩手県内にも結構ございますので、何とか岩手県内で処理は可能だと思っております。管理型最終処分場に行くべきものについては、いわてクリーンセンターの能力が十分にございませんので、市町村などの御協力をいただきつつ、不足する部分については市町村の最終処分場、そして、それでもだめなものについては県外の広域処理をお願いするということで進めてまいります。
〇高田一郎委員 漁具、漁網の処理については県内で最大限頑張りたいという話でありますけれども、広域処理に頼らざるを得ない場合は、そういう結論を早く出していただいて、早い対応をお願いしたいと思います。
 次に、農林業系副産物の焼却について質問いたします。
 前段に県南の委員の皆さんからたくさんの質疑が交わされました。話を聞いていて、やはりなかなか複雑、根の深い問題で、簡単に解決できないのかなと、そういう感想を持ちました。国がきちっとした処理方法を示せない、そういう中で市町村が非常に難儀しているのかなと思います。そういう中で、県が農林業系副産物を一般廃棄物と混合焼却をするという方針というのは、今ある制度の中で現実的な対応だと思います。
 そこでお伺いしたいと思いますけれども、焼却処理しなければならない24の自治体、この中にも焼却処理ができる自治体とできない自治体があると思うんですが、現時点で、市町村ごとの処理の検討状況がもしわかれば示していただきたいと思います。
〇大泉資源循環推進課総括課長 市町村の検討状況でございますが、24市町村中、22市町村で検討ということで、当初、すき込みなども検討した市町村もあったやに聞いておりますけれども、その後、すき込み等で新たに出てきたものが再汚染されるという知見等もあって、今、22の市町村では、恐らく焼却に向けて検討が進められているものと承知しております。
〇高田一郎委員 24市町村中、22市町村が焼却処理の方向で検討しているということです。これは住民の理解がどうしても必要です。ほかの自治体に持っていって焼却できるものではありませんから、やはり住民の皆さんの協力が何といっても必要です。その上で、県の皆さんも市町村自治体と一緒に汗をかいて、住民合意になるようにぜひ頑張っていただきたい。
 残る、焼却ができない自治体が二つあるということですが、これはどういう理由でなかなか難しいということになっているんでしょうか。
〇大泉資源循環推進課総括課長 残る部分につきましては、発生量が非常に少ないとか汚染レベルが低い、あとは物理的減衰で問題ないレベルになるというところもございますので、そういった市町村の御判断だと思っております。
〇高田一郎委員 その二つの自治体というのはどこの自治体ですか。
〇大泉資源循環推進課総括課長 検討中ということで、先ほど申し上げましたとおり、具体的にはこちらで今、把握していませんけれども、いずれ汚染濃度の低い、そして量の少ないところだと。焼却をやらなくてもいいようなところだと伺っております。
〇高田一郎委員 24市町村中、22市町村が焼却処理できるという答弁をいただいたものですから、具体的に聞いたら把握していないというのはどういうことですか。
〇工藤環境生活部長 この問題については放射性物質という問題が裏にありまして、非常に取り扱いについて各市町村とも慎重にされている部分がございます。今後、我々といたしますれば、24が24全部焼却処理に向かうように努めたいということもございますので、今の時点で恐らくまだ検討中という部分もあろうかと思いますので、名前についてここで公表するというのはいかがなものかと思いますので、その辺は御了解いただければと思います。
〇高田一郎委員 例えば、私の住む一関市では2カ所の焼却施設を持っているんですが、一関市は焼却処理を進めているということになっているんですが、実は2カ所のうち1カ所については焼却処理をしているんですが、これはあくまでも試験焼却であって、住民との関係では、それ以上の処理は現在のところ住民合意がされていないんです。もう一つは築後30年以上も過ぎて老朽化していますし、今現在でも一般廃棄物から8、000ベクレルを超えるような焼却灰が出ていて、なかなか焼却処理できない状況になっているんですよね。こういう自治体に対する支援というのはどのように考えているんでしょうか。
〇大泉資源循環推進課総括課長 今、具体的に一関市というお名前が出ましたけれども、確かに焼却灰の中の放射性セシウム濃度が春先にはどうしても一時的に高くなったりということがございます。今、関係事務組合のほうでもいろいろお考えのようですので、事務組合、それから市役所等の御意見等を伺っているところでございます。
〇高田一郎委員 いずれ、先ほどもお話ししましたけれども、なかなか簡単にいかない複雑な問題だと思うんです。その自治体でどういう処理方法が一番いいのかということをよく考えて、平時ではありませんので、国に対してその地域の実情に合った処理ができるような提案をして対応していただく、そういう対応をぜひしていただきたいと思います。
 特に一関市の場合は、先ほどお話ししたような焼却施設の状況になっております。これは早く現在の焼却施設を改築して新しい施設をつくって、そしてその新しい施設で混合焼却したいという住民の皆さんの声も実はあります。しかし今、ごみの広域化計画によって、なかなかそれが前に進まない状況になっているんです。これはダイオキシンが社会問題になったときに、焼却炉を減らして広域処理をすればダイオキシン対策になるということで始まったんですけれども、なかなか今、実態に合わない計画になっております。私は、これは非常に実態に合わない計画でありますから、見直しをして、単独でも処理できるような対応をして、早くこの問題の解決に向かうような対応をしていくべきだと思います。広域化計画に乗らない限り、焼却処理場をつくっても補助金がもらえない、建設できないという問題もありますので、この改善を求めたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇大泉資源循環推進課総括課長 ごみ処理広域化計画につきましては平成10年度に策定した計画でございますが、新たな制度の創設や社会情勢の変化によりごみ処理状況に変更が生じた場合には、必要に応じて見直しを行うということにしております。この計画策定以降におきまして、ごみ処理施設を大切に長期間使用するという、いわゆる長寿命化の考え方というものが打ち出されまして、これに必要な交付金制度等も整備されておりますし、また、一関市を初めとします県南ブロックに関しましては、福島第一原発事故に伴う放射性物質汚染により廃棄物処理施設の整備にも影響が生じかねない状況が生じておりますので、計画を進めるに当たりまして、これらの状況の変化を考慮する必要があると認識しているところでございます。
 そうしたことから、ごみ処理広域化の目的、廃棄物処理事業のコスト低減ですとか排熱の未利用エネルギーの有効利用ですとかリサイクルの推進、そういった大切な目的は引き続き実現を目指すべきものですので、それを堅持しながら、県央地区と県南地区の2ブロックに対して、この2ブロックに対しましては、ごみ処理施設の段階的な集約や、これに必要な既存施設の長寿命化等について、社会情勢の変化を踏まえながら対応する必要があるのではないかということで、現在、御意見等を伺っているところでございます。
〇久保孝喜委員 私からは、2点お尋ねしたいと思います。まとめてお聞きしますので、よろしくお願いいたします。
 先ほど工藤勝博委員からもございましたが、北上川の清流化確保対策について、まず最初にお尋ねします。
 昨年の震災によって中和処理施設の地震被害が心配されたわけでありますが、冒頭の説明では、耐震の工事も行った、こういうことでありますが、地震対策の状況あるいは地震被害の有無を含めてまずはお知らせいただきたい。
 それから、この施設周辺の今後の防災上の対策ポイントといいますか、どんなところを想定し、取り組もうとされているのかあわせてお聞きします。
〇玉懸環境保全課総括課長 東日本大震災による被害の有無と対策についてでありますが、3月11日の本震及び4月7日の余震により商用電源が停止いたしました。点検の結果、設備等に異常がなかったことから、自家発電に切りかえて坑廃水処理を継続いたしました。処理水や下流の河川におきまして水質の異常は認められておりません。
 また、地震の対策につきましては、阪神・淡路大震災を契機に強化された耐震基準に対応するための補強工事を平成15年度から計画的に実施しております。平成22年度までに、坑廃水の送水管、敷地内の擁壁、橋などの周辺設備を完了しまして、各設備が分断されないような順番でやっております。それから、平成23年度からは4系列ある廃水処理施設に着手したところで、これまでに第1系列を完了し、本年度は第2系列を施工しております。今後、残りの廃水処理系列、管理棟などの施工を順次実施する予定でございます。
 周辺地域につきましては、各橋や送水管などで結ばれておりますので、これらを優先的に、既に補強工事を終わったところでございます。
〇久保孝喜委員 この問題は、毎年のように私は取り上げてまいりました。というのも、先般も北上川の支流で強アルカリ性の被害があって大量に魚が死ぬという事態が起きたわけですね。きょうの報道では生コンなのではないかと、こういう推定もされているようでありますが、いずれにしても、一旦事があれば下流域全体にさまざまな被害、影響が及ぶという点では、北上川の清流化の問題は、いわば岩手県にとっては喉に刺さったとげのように、この処理の事業というのは大変重要だと。
 さっき、言葉尻を捉えるわけではありませんが、工藤環境生活部長が、この清流化こそ環境王国のある意味象徴だ、シンボルだという話をちらっとされておりましたが、私は、むしろ環境王国いわてを名乗る際の、ある意味では非常に危うい象徴なんだと、この北上川の清流化の問題は。24時間365日やっていかなければならない、しかし、その財源はいまだに恒久的な安定的財源にもなっていない。しかも、どこが最終責任をとるのかということすら政府の5省庁会議という言葉が象徴するように決まっていない、こういうことなわけです。したがって、この問題を政治的に決着させるというのは、私は個人的には達増知事の政治的環境を含めて大いに期待したところだったわけですが、残念ながらまだ本格的な抜本的解決には道が遠いと。
 そこで、毎年のように政府要望もこの問題を出しているわけですけれども、昨年からことしにかけて何らかの進展があったのかどうか。それから、5省庁会議というのは正確には5省庁連絡会議ですよね。昔は5省庁がきちんと集まって、局長クラスか何かが集まって方針を決めたという話も聞いていますが、この毎年開かれる5省庁連絡会議なるものをレベルアップして、本格的な政府方針を求めていく、こういうことが今求められていたわけですが、その進展はどうなったのか、ここを説明いただきたいと思います。
〇玉懸環境保全課総括課長 本県では、新中和処理施設の維持管理を実施するに当たって、恒久的な制度確立や不測の事態における対策等の国の責任において解決すべき事項が残されていることから、毎年要望を続けてまいりました。また、御指摘のとおり、5省庁との間で北上川清流化対策の現況と課題について認識の共有を図るため、連絡会を平成11年度以降毎年開催しており、坑廃水処理事業の財源確保、地震発生時の対応等の危機管理について意見交換を強調してきたところでございます。
 この間、国におきましては、国庫補助については、補助率4分の3と特別交付税措置による財源の維持、3メートル坑につきましては調査の実施、水質事故対策の共同訓練などといった取り組みを連携して進めてきたところでございます。
〇久保孝喜委員 個別の、私からすれば枝葉末節のところはいろいろ手はかけてくるけれども、本質論のところでは一向に前に進んでいないと私は思えてならないわけです。
 そこで、これもこれまで指摘してきたことなんですが、岩手県、宮城県にわたる250キロメートルの延長を持つ北上川ですから、流域圏という言い方と流域という言い方があるわけですけれども、流域圏ということでいうとほぼ100万人が住んでいる、こういうふうにも言われている川なわけです。しかも、今回のような大震災がもし仮にあの施設に影響を与えるなどということがあったら、私もあの赤い川を知っているほぼ最後の世代だと思うんですけれども、30年以上にわたってこの事業をやってきた県として、下流域の宮城県と一緒になって、政府を突き動かす、そういう動きをつくっていかなきゃならないんじゃないかと思うんです。
 昭和50年に北上川水系水質汚濁対策連絡協議会というのがあって、宮城県にも参加してもらってさまざま子供たちの環境作文なんかも集めたりしてコンクールをやったりしていますが、こういう会議を通じて世論形成をして、かつ国に迫るという具体的な進展策というのを、環境王国のシンボルだと言うなら、部長、ぜひ取り組まなければならないんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
〇工藤環境生活部長 知事を先頭に現在も国に対しては働きかけておりますが、太い幹の部分では何ら成果が得られていないというのは御指摘のとおりであります。
 今後の取り組みについても、今、委員から御提言のありましたことも含めまして、どのようにしてこれまで動かなかった国を動かしていくかについては、内部で十分検討しながら今後対応を強化してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 この問題は、先ほどの部長の話が私は象徴的だと思うんです。これが環境王国を危うくしているというところに視点を置くか、これがシンボルだとあがめ奉るか、その違いは、これから先の姿勢にかかわって、私は非常に大きな問題だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次の問題ですが、食品流通に係る放射線対策についてお聞きしたいと思います。
 食の安全ということが盛んに言われていたさなかに今回の原発事故が起きて、さらに、危うい食の問題ということがいろいろ取り沙汰されております。県は、放射線対策の本部を立ち上げてさまざまな検査体制も拡充してきたわけですが、一方で、生産団体を含めて、生産物の流通にかかわって、今度は流通業者自身も検査体制をつくるだとか、さまざまな検査体制が、網の目のようにとは言いませんけれども、かなり拡充されてでき上がりつつある。そういう中にあって、流通したものは安全ですよという言い方をこれまでも行政の側はしてきたわけです。つまり、危ない段階のものは流通させないということを基本方針にしてやってきたわけです。
 ところが、この夏、八戸で揚がった海産物、水産物が盛岡の市場でチェックがかかって、基準を超過する、こういう事態になりました。各方面にさまざまな波紋を呼んでいるわけですが、つまり、これまで流通しているものは安全だと言ってきたんだけれども、実はその網の目をくぐるかのように流通してしまうものも出てくるんだということを私たちは知らされたわけです。
 そこで、生産サイドと流通サイドを含めて、食の安全問題、特にもこのセシウムの問題は非常に大きな課題になっていると思うんですが、この4月から国の基準値が大きく引き下げられて、検査をきめ細かくやらないと大変だということになっていますが、昨年と今年度を含めて、つまり基準値の変更前後を含めて、どういう検査総数でどれぐらいの基準超えがあったのかを含めて、数字があるのであればお示しいただきたいと思います。
〇岩井食の安全安心課長 食品中の放射性セシウムの新旧基準下での検査状況でございますけれども、暫定規制値が適用されていた平成23年度、本県では8、428件実施しております。基準値を超えたものは、牛肉、干しシイタケなど18件でございます。また、本年4月の新基準値施行後は、9月末現在で8、427件実施し、原木シイタケ、野生の山菜など224件で基準値の超過が確認されているところでございます。
〇久保孝喜委員 当然のことながらと言えば当然ながら、基準値が厳しくなって引き下げられてから、つまり基準値超えの食品なり検体が多くなったわけです。桁が違うくらいの数になってきた。
 先般、報道で、被災3県の新基準値になって以降の基準値超えの件数についての報道がありましたけれども、それによれば、岩手県はお隣の宮城県に比べて、検査総数が少ないにもかかわらず基準値超えの率がほぼ倍になっているという報道がございました。これについてどういう見解をお持ちなのか。ここは、食品の安全の問題を考える上では、どういう姿勢で臨むかという点で非常に大きな私はポイントだと思っていますので、その認識をお伺いしたいと思います。
〇岩井食の安全安心課長 委員御指摘のとおり、基準値超過の率ですけれども、宮城県が1.1%であるのに対しまして岩手県は2.3%という数値が出ております。岩手県の場合、基準値を超過している品目が原木シイタケあるいは野生の山菜類、それから川魚、そういったものに限定されておりまして、これらの品目については、一般的に他の農産物に比べて高く値が出ると言われております。そういうことで、岩手県の検査対象品目がこういったキノコあるいは山菜といったものが多いということで、基準を超過する率も高くなっているものと認識しております。
〇久保孝喜委員 今の認識は、私は非常に不十分だと思います。つまり、比較的高く出やすい品目を岩手は選んでいるから高く出ているんだと、こういう話でこの数字を見てしまったら、これから先、検査を拡大したり緻密さを高めたりスピード感を上げていくというモチベーションは全く出てこないということになりませんか。もう一度お答えください。
〇岩井食の安全安心課長 これまでの検査データを見ますと、一般的な野菜、果実、穀類等では一切基準超過がございません。そういったこれまでの検査データから、放射性物質を取り込みやすいとされる野生の山菜類や原木シイタケなどの検査を数多く行っている、そういった計画的な検査を行っている結果と考えております。
〇久保孝喜委員 検査対象が第一義に品目の違いでこういう数字が出るという見解に私は同意できませんけれども、しかし、そういう要素があることだけは認めますよ。しかし、お隣の宮城県がそういう率であって岩手県が高いということを含めて、私は、岩手県内全体に降下した放射線量の実態というものに目を向けるべきだと思うんです。現にまだ福島原発からセシウムが空気中に飛散している状況というのはとまっていませんし、閉じ込められていないわけです。したがって、この先どういう状況でいわゆるホットスポットができるかというのは誰もわからない、そういう状況があります。したがって、それを唯一とめる手だてといいますか、被害をこうむらないためには緻密な検査体制を拡充していく以外にないのだというのが私はまず認識としてあるべきだろうと思います。
 今、答弁の中に、山菜、キノコを含めた検査対象品目というのがございました。宮城県よりそういうものをいっぱいとっている県民なのかどうかよくわかりませんが、しかし、私たちの日常の食生活において、自分でとって食べるという食生活があることは事実ですし、あるいはまた、自給作物というのも家庭菜園を含めていっぱいやっていると。それらが全て検査されているかというと、検査されていないわけですよね、一部はやられていますけれども。だからこそ、これから先、長い期間にわたって食の安全を考えるのであれば、そういう食生活であるところに着目した検査体制というのは必要になってくると思うんです。
 一部消費者団体などでもやられているような陰膳検査、つまりそれぞれの家庭で食べているものを1食多くつくっていただいて、それを連続的に検査していくというやり方です。これは世界各国でやられている通常の検査方式なわけですけれども、そういうものを県がモニタリング的に今回改めてやるとかという具体的で前向きなそういう検査体制というのを考える余地はないんでしょうか。ここをぜひお考えをお示しいただきたい。
〇岩井食の安全安心課長 放射性セシウムの摂取量調査につきましては、昨年度、国が東京都、宮城県、福島県で実施しておりまして、実際に流通している食品を購入して調査した結果では、食品からの放射性セシウムの摂取量は年間0.002から0.02ミリシーベルトとなっております。これは、国が定める食品からの年間許容線量である1ミリシーベルトと比べて極めて小さなものとなっており、この状況に鑑みれば、本県で独自に調査を実施する必要性は低いのではないかと考えております。
〇小向県民くらしの安全課総括課長 若干補足させていただきます。
 今、岩井課長が言ったような国の調査もございますし、久保委員がおっしゃったような陰膳調査というのは全国の生協連で実施しておりまして、ことし実施した分で岩手県は10世帯について実施しておりますが、これも検出限界値以下という状況にございます。
 また、保健福祉部の担当になりますけれども、子供たちの尿の検査というものも非常に低い値であったし、また今回、補正予算でさらに保健福祉部で尿検査を追加するというような状況にもなっております。
 委員御指摘のとおり、きめ細かな測定も必要になってくると思いますけれども、そういった点で、今回、9月補正予算でお認めいただきましたけれども、ゲルマニウム半導体検出器、そしてシンチレーション検出器といったものも追加で購入させていただきまして、さらに検査体制を強化していくというような形で対応してまいりたいと存じます。
〇久保孝喜委員 この検査体制が拡充されてきていること、それから全体的な放射線が低減傾向にあること、これを否定するものではもちろんありません。ただし、この検査体制は、一過性なものではなくて、もちろん継続的にやっていかなければならないわけです。しかも食の安全ということを言うのであれば、実際の県民の食生活に即した安心をどういうふうにして発信していくかということが重要なわけです。消費者団体がやっているから、そのデータをいただいてそれを言うだけの話では行政の役割を果たしたことにならないわけです。そういう意味で私はそういう考え方をとるべきだと申し上げているわけですので、今後とも放射線の検査体制というのは総合的に展開していただきたい、そのことを申し上げて終わります。
〇小泉光男委員 委員の方、お疲れさまです。もう少しおつき合いいただきたいと思います。執行部、よろしくお願いします。
 二つの点について手短にお聞きします。
 一つは、県境の産廃問題でございます。
 平成13年に、八十何万トンとも国内最大級の不法投棄が発見されて、3年後から着手して、10年後のことしでおかげさまでほぼ掘り尽くすと聞いております。そういった皆様の御努力を多として敬意を表します。
 そこの確認です。平成23年度末で91.何%まで進捗しているという報告は聞いていますが、今度の平成24年度末で100%岩手側は掘るのかということの確認が1点。
 それに伴いまして、今、県北で懸念しているのは、掘ったはいいが、あの広い敷地をどう活用するんだと。何もせずにただペンペン草を生やしていくのかという部分で、県の所有地と二戸市にまたがるそうでございますが、二百何億円もかけて掘り出した後は何もしないのかということと、もう一つの問題、実は青森県側のほうがまだより広く眠っているということで、私もこの春に案内していただいたのですが、公に青森県があると言う大体60万立米のその10倍はあるだろうと。これを二戸市では南側牧野問題と言っております。青森県は、今のところ、掘ったら後は知らないというときにきたときに、岩手県は何もせずに指をくわえているのかということを心配しております。したがいまして、岩手側が今度掘ったときの後にどういったような対応を考えているのかいないのかという点、まずここまでお聞きします。
〇中村再生・整備課長 廃棄物の撤去ですけれども、平成23年度末というよりも、今年の9月末ということで、進捗率93.7%、推定総量34万2、000トンに対して32万579トンを処理終わりました。ことし中には掘り終わるということで、廃棄物の撤去のほうは順調に進んでおります。
 汚染土壌につきまして、環境基準を上回る汚染土壌が3万1、300平米ありまして、それの対策を実施しまして、便宜上、100平米を1区画として、311区画中、253区画で浄化が確認されまして、進捗率80.8%までいきました。
 原状回復事業が始まったときに考えていた汚染土壌について、今年度で大体終了するだろうと思っておりますけれども、平成21年11月に新たに環境基準項目になりました1、4-ジオキサンという物質につきまして、現場において、20カ所中、8カ所で環境基準を超える地下水が観測されております。これの浄化について、浄化方法がまだ確立されていないということもありまして、本年度中に浄化が完了するのは非常に難しいということで、国で先般改正された支障除去の特措法、10年間延長なっておりますけれども、それを活用しまして、5年程度、地下水の浄化に取り組んできれいにしていきたいと思っております。
 現場ですけれども、5年間浄化をする関係で、施設とか用水道等を現場の至るところに設置しなければならないということで、跡地利用についてはもう少し時間がかかるのではないかと思っております。
 青森県との連携ですけれども、青森県と岩手県は全量撤去の共通方針のもとに取り組みを進めておりますけれども、廃棄物の量について若干違いがありまして、岩手県はことしで終わるんですけれども、青森県につきましては来年度中には掘り終わるというようなことを伺っております。その後、青森県のほうでは地下水の水処理対策を8年間ぐらいやって、1年間モニタリングをやって10年間延長するというような方向で行うというのを聞いております。岩手県のほうは5年間で大体終わるという目標を立てて事業を進めたいと思いますけれども、青森県と岩手県で5年間の差がありますので、岩手県が早く終わっても青森県の支障除去に影響がないように、青森県と協議しながらやっていきたいと思っております。
〇小泉光男委員 本当にひどい悪臭の中、お疲れさまでございました。私も何回か行って、本当に皆様のご苦労がよくわかります。お疲れさまでした。
 もう一点、今度は江刺のクリーンセンターの最終処分、先ほど高田委員、それから前日には伊藤勢至委員も若干議題に上げたかと思いますけれども、ことしの8月17日の岩手建設工業新聞には、4年前倒しで江刺のいわてクリーンセンターは満杯になるだろうと。もちろんその理由というのは、瓦れきの焼却灰などを含めて1年間で8万4、000トンと。予想以上に2倍の速さできていて、もってもあと10年かなというように書いているところでございます。一方、県では、この7月から次期の処分場に関する基本案を考えているというようなことで発表しているところでございます。
 一方、これも皆様御存じのように、軽米町のある民間業者が採石場に管理型の最終処分場、特に江刺に対比して県北にも必要だという考え方も動き始めているんですが、軽米町長を初め八戸市の下流の市町村が反対表明をしております。そういった中で、県は、もう10年を切ったとされる江刺のいわてクリーンセンターの次に、いろいろな環境アセスメントとか確実にやっても10年以上はかかることと思いますので、このあたりはどういうふうに考えて、今後どのように立ち向かっていこうとしているのかお伺いして終わります。よろしくお願いします。
〇大泉資源循環推進課総括課長 第2の最終処分場ですけれども、今年度、外部有識者による整備基本方針検討委員会を設置いたしまして、その後2年間で用地の選定と地元の了解を得た上で、環境アセスメントと基本設計におおむね3年、建設工事に3年ということで、平成32年度末までの完成を目指す計画を想定しているところでございます。環境アセスメント3年、建設工事3年というのは、まず標準的な年数だと理解しております。
 それから、軽米町に民間事業者による計画があるということで、県には、軽米町長ですとか八戸圏域水道企業団等からこれを許可しないようにという御要望等もいただいたところですけれども、岩手県の循環型地域社会の形成に関する条例に基づきまして、こういった施設は法律に基づく設置許可が必要ですが、それに先立ちまして、条例に基づく事前協議が必要でございます。この事前協議書というのがまだこの計画をしている業者から出てきておりません。いずれこれが出てきますと、住民の方々からもいろいろな御意見があるようですけれども、そうした御意見に対してどう対処されるのかですとか、その後、今度は許可ということになりますので、許可基準に照らしてどうであるかとか、そういったことをこれから審査させていただくことになるわけですけれども、今の段階では、まだ具体的にどこがその基準に合ってとか、そういったことが言えるような状況ではございません。
〇小泉光男委員 最後に、部長にお聞きして終わります。
 要するに、こういう管理型の最終処分場を整備するということは企業誘致において必ず必要なんですね。副産物が出るときに、岩手県には捨てるところもないというような環境の中で、企業に来てください、特に県北とか沿岸のようにほとんど企業がない中で、こういった立派なものが岩手県内にはありますと。整備してありますからというようなことでなければ企業誘致もついてこないと思うんです。そういった意味で、県北の御出身の工藤部長は特に詳しいと思いますので、個人的な感想で結構ですからお聞かせいただいて私の質問を終わります。
〇工藤環境生活部長 最終処分場については御指摘のとおりでありますが、私は、もちろん1次産業にとっても重要な施設だと認識しております。
 軽米町のことについてはまだコメントできるものではありませんけれども、いずれ最終処分場につきましては、地域住民の安全・安心の確保というのが最大の命題であります。したがいまして、下流域を含む周辺の地域の環境に大きな負荷を与えることがあってはいけないだろうと思っておりますし、次期最終処分場については、我々として本腰を入れて、全県下を対象にしてこれから検討を進めてまいりたいと思っております。
〇岩崎友一副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一副委員長 質疑がないようでありますので、環境生活部関係の質疑をこれで終わります。
 環境生活部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後8時34分散会

前へ 次へ