平成24年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成24年10月16日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    葛 西   貢
  主任主査    村 上   聡
  主査    藤 澤 壮 仁
  主査    藤 枝   修
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  知事     達 増 拓 也
  副知事    上 野 善 晴
  副知事    千 葉 茂 樹
  会計管理者    菅 原 和 彦
  出納指導監    田 村 幸 義

  政策地域部長   中 村 一 郎
  政策地域部副部長
  兼政策推進室長  木 村 卓 也
  政策地域部副部長
  兼地域振興室長  佐々木 幸 弘

  環境生活企画室
  企画課長    伊 勢   貴

  保健福祉企画室
  企画課長    高 橋 勝 重

  商工企画室
  企画課長    木 村   久

  農林水産企画室
  企画課長    高 橋 昭 雄

  県土整備企画室
  企画課長    及 川   朗

  理事兼復興局
  副局長    高前田 寿 幸
  復興担当技監   蓮 見 有 敏
  復興局企画課
  総括課長    森   達 也

  経営管理課
  総括課長    熊 谷 泰 樹

  教育企画室
  企画課長    石 川 義 晃

  議会事務局長   小 原 敏 文
  次長    及 川 伸 一
  総務課総括課長  高 坂 一 彦
  政務調査課長   安 部 光 一

  総務部長    加 藤 主 税
  副部長兼総務室長 根 子 忠 美
  総合防災室長   小 山 雄 士
  総務室管理課長  清 水 一 夫
  入札課長    田 中 耕 平
  放射線影響
  対策課長    渡 辺 英 浩
  人事課総括課長  堀 江   淳
  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
  法務学事課
  総括課長    大 槻 英 毅
  私学・情報
  公開課長    鈴 木   敦
  行政情報化
  推進課長    菅 野 義 克
  税務課総括課長  永 田   茂
  管財課総括課長  新 屋 浩 二
  防災危機管理監  越 野 修 三
  防災消防課長   小 畑   真
  総務事務
  センター所長   佐 藤 応 子

  秘書広報室長   稲 葉 比呂子
  首席調査監    杉 村   孝
  調査監    八重樫 浩 文
  秘書課総括課長  小 友 善 衛
  秘書課管理課長  石 田 知 子
  広聴広報課
  総括課長    高 橋 一 夫
  報道監    佐 藤   学

  会計管理者兼
  出納局長    菅 原 和 彦
  出納指導監兼
  出納局管理課長  田 村 幸 義
  指導審査課長   佐 藤   亨

  人事委員会
  事務局長    佐 藤 義 昭
  職員課総括課長  細 川 倫 史

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 門 口 正 雄
  監査第一課
  総括課長    小 原 一 信
  監査第二課
  総括課長    佐 藤 和 彦
〇小野共委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成23年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、並びに議案第56号及び議案第57号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、きのうに引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。斉藤信委員。
   〔斉藤信委員質問者席に着く〕
〇斉藤信委員 日本共産党の斉藤信でございます。大震災津波の復興の課題について知事に質問いたします。
 被災者の最も切実な要望は住宅の確保であります。仮設住宅で葬式を出したくない、早く家を再建したい、公営住宅に早く入居したい、この声はどこでも強く寄せられた声であります。
 県と市町村で住宅新築、購入に100万円の補助を実施したことは歓迎されています。しかし、国の支援を含めても住宅を再建することは困難です。陸前高田市では、高台に新築する場合、水道整備に200万円、取りつけ道路に300万円、宅地造成に50万円、浄化槽設置に115万円、さらに、地域産材の活用で50万円の補助、上限でありますが合計715万円の補助を決めています。市町村独自の補助は広がっていますがどのように把握されているでしょうか。
〇達増知事 被災者向けのものも含め、住宅の新築やリフォームに関する補助事業を把握した上で、県のホームページ等で公開しております。
 それによると、被災者の住宅再建に対する市町村独自の支援としては、御指摘の陸前高田市のほか、大船渡市で敷地造成や水道敷設施設工事に対して最大230万円の補助を行っており、また、釜石市と大槌町でも支援を検討中であると聞いています。
〇斉藤信委員 沿岸市町村を具体的に答えてください。
〇高前田理事 沿岸市町村の住宅建築に対する助成の関係でございますけれども、沿岸部12市町村の全てにおきまして、何らかの形での住宅の支援が行われております。
 詳細につきましては、それぞれ市町村によって助成対象等が分かれておりまして、細々したものから大きなものまでいろいろございますので説明は割愛させていただきますけれども、12市町村全てにおいて、そういった何らかの形での支援が行われていると承知しております。
〇斉藤信委員 答えになっていない。私は具体的に聞いているのではないか。それじゃ、知事の答弁以下じゃないか。
〇高前田理事 それでは、主なものでよろしゅうございますか。御説明させていただきます。
 まず、宮古市につきましては、地域木材の利用の住宅推進事業費補助金ということでございまして、これは上限が30万円、それから、太陽光の関係についても宮古市では措置がされてございまして、これは上限が20万円となってございます。
 それから、山田町の関係でございますけれども、現時点で措置されているものは、山田町の快適リフォーム支援事業ということでございまして、これは20万円、それから太陽光の関係が10万円、浄化槽の関係が73万5、000円といったような内容になってございます。
 大槌町につきましては、木造住宅新築増改築助成事業というものがございまして、これが限度額、上限50万円でございます。以下は、昨日の補正予算が可決されたということでございますけれども、簡単に御紹介申し上げますと、被災新築住宅支援事業補助金ということで150万円、それから、区画整理事業等に係る被災住宅債務利子相当額の助成として、金利2%相当ということで上限が150万円、それから被災者引っ越し補助金10万円、住宅移転等水道工事費助成金200万円といったようなものなどがございます。このほかにも、大槌町の場合には、浄化槽の関係等々が措置されているところでございます。
 以下、釜石市につきましても、リフォーム関係で20万円、それから耐震補強工事の関係で上限額60万円、木材利用関係では、これも利子相当額ということでございますけれども、上限額が120万円、それから宅地の安全促進事業として、これにつきましては、崖等の所有者の方が対象となりますけれども、400万円が上限になってございます。以下、釜石市におきましても、浄化槽、それから新エネルギーの導入支援等の措置がございます。
 それから、大船渡市につきましては、宅地の敷地の造成費補助が30万円、それから、住宅移転等水道工事補助金が200万円となってございます。
 最後でございますが、陸前高田市でございます。地域材の利用促進50万円、それから住宅移転等水道工事費の補助金として200万円、浄化槽の関係でございますけれども、これは上限額が83万8、000円ということでございます。それから、取りつけ道路の関係でございますけれども300万円、住宅再建の敷地造成費補助50万円等々。このほかにも、バイオマスでありますとか太陽光システム機器の導入に補助があるといったような実情にございます。
〇斉藤信委員 被災地で本当に住宅再建を支援しようというかつてない取り組みが広がっていると私は思います。宮古市も、これに負けない支援策を12月議会までに打ち出すという議会答弁もありました。
 それで、住宅新築に平均どれだけの費用がかかるのか。県の災害公営住宅の場合、1戸当たりの費用は建物だけで幾らか、造成費用を含めれば幾らに推定されるか示していただきたい。
〇達増知事 住宅の建設費についてでありますが、国土交通省が公表している住宅着工統計によりますと、平成23年度の県内の持ち家の平均工事費は2、005万円となっています。
 県の災害公営住宅の1戸当たりの建設費についてでありますが、規模により異なりますが、おおむね1、500万円から2、000万円程度であり、例えば、既に設計が完了した3団地192戸では、1戸当たり1、630万円となっています。
 造成費用については、宅地、田畑、山林等の現況により変わるため一概には言えませんが、例えば、水田の造成が必要となった野田村野田地区では、造成費用は1戸当たり54万円となっています。
〇斉藤信委員 公営住宅の場合だと2、000万円以上はかかると。だから、住宅を再建するというのは大変な課題です。ですから、特別の支援策がなければこれは進まないと。そして、住宅確保の基本は持ち家支援だと私は思いますが、県としても、さらに100万円以上の支援をすることが必要ではないでしょうか。知事、どうでしょうか。
〇達増知事 これまでも機会あるごとに、国に対して、被災者生活再建支援金の増額を要望してきたところであります。また、県としても、限られた財源の中で、今年度から、新たに復興基金を活用して、住宅再建に際して最大100万円を市町村と共同で補助する被災者住宅再建支援事業などを実施しております。
 このようなことから、まずは、現行の支援制度を最大限に活用していただくとともに、国に対しては、引き続き、被災者生活再建支援金や復興基金の拡充を要望し、被災者の住宅再建を支援してまいります。
〇斉藤信委員 先ほど私は詳しく被災地の支援状況をお聞きしました。かなり大胆な支援をしていますよ。総額500万円、700万円。そういう支援をしなければ持ち家が進まないということなんですよ。
 私は、それから見たら岩手県の100万円というのは、県と市町村共同でですよ。それで、もし持ち家ができなかったら災害公営住宅になる。災害公営住宅をつくれば、建物だけで1、500万円から2、000万円かかると。私は、被災者へ支援したほうが、災害公営住宅の希望を減らし被災者の希望に応えられるのではないかと。知事、これは県独自にさらに上乗せを検討すべきではないですか。
〇達増知事 災害公営住宅に関しては、所有の資産、また収入等から、どうしてもそちらでなければならないという方々が多数いらっしゃるであろうということで、災害公営住宅はしっかりと整備していかなければと考えております。
 住宅再建の支援については、やはり被災者生活再建支援金の増額という形で、国においては、個人資産に対する公的助成というものは基本的に抑制的という基本方針があるわけですけれども、今回の大震災に伴う大津波によって大きな被害が出ており、また、個々の家の被害ということにとどまらず、町全体、村全体が大きく被害を受けているといった特殊事情にも鑑みて、やはり国の制度の被災者生活再建支援金の増額ということを求めていきたいと考えておりますし、また、県や市町村が独自に補助しているのは、この復興基金の活用なわけでありますけれども、そういった私有財産に対する補助というところがどうしても難しいということであれば、この復興基金の拡充というところで対応するよう国に要望してまいる所存でございます。
〇斉藤信委員 鳥取県が、鳥取中部地震のときに300万円の補助をして集落が維持されたと。こういうことも含めて、被災者生活再建支援金の増額は私たちも緊急な課題だと思っています。しかし、それ待ちにならないで、やはり県もさらなる上乗せの支援を検討すべきだと。
 釜石市の被災者アンケートの中間報告によれば、5、000世帯対象で2、625世帯の集約、復興住宅への入居希望は1、061世帯、40.1%を占めました。53%の集計で、既に釜石市の公営住宅1、046戸の計画を上回っています。希望者全員が入居できるように県の計画も見直すべきと考えますが、いかがですか。
〇達増知事 現在、県では3、231戸の災害公営住宅を建設する計画でありますが、各市町村で行っている被災者の意向調査の結果を踏まえながら、市町村とも相談の上、柔軟に計画を見直してまいります。
〇斉藤信委員 私は、釜石市のアンケート結果というのはかなり衝撃的だと思いますよ。時間が経過すればするほど、持ち家再建の希望が縮小してしまうと。だから、私がさっき言ったように、持ち家を最大限支援する方向と希望者全員が入居できる公営住宅の建設、この二つを明確に打ち出して、被災者に希望を与えることが必要なのではないか。知事に改めて聞きます。
〇達増知事 県の復興計画でも、生活の再建ということで、住まいの確保ということを最重点の一つに掲げているところでありまして、この持ち家再建支援、そして災害公営住宅の建設を組み合わせて、被災者の皆さんに希望が持てるような対応をしっかりしていきたいと思います。
〇斉藤信委員 災害公営住宅は、希望者は基本的には入居できる、こう受けとめてよろしいですね。
〇達増知事 先ほど申しましたように、持ち家再建支援ということと災害公営住宅の建設を組み合わせながら、暮らしの再建ということで、被災者の皆さんが希望を持てるように対応してまいります。
〇斉藤信委員 次に、木造戸建て、木造の公営住宅の計画はどうなっているでしょうか。漁業者の場合、2世帯、3世帯の家族が普通です。漁業集落では、庭で仕事ができる木造戸建てを基本に取り組むべきと考えますが、知事はどう考えているでしょうか。
〇達増知事 県としては、より早く、十分な戸数の災害公営住宅を建設することが重要であり、十分な建設用地が見つかっていない現状においては、中高層の集合住宅を中心として整備せざるを得ず、また、庭の確保についても難しいと考えておりますが、今後も市町村と十分に相談しながら、災害公営住宅の計画を進めていきたいと考えております。
 なお、市町村が中心となって進めている比較的規模の小さな災害公営住宅については、地域の個別のニーズを勘案して、木造戸建ての災害公営住宅を整備する予定であります。
〇斉藤信委員 詳しく計画を聞いているんだよ、木造住宅の。計画はどうなっているかと聞いているでしょう。質問を出しているんだから。
〇上野副知事 県の木造の災害公営住宅の計画についてのお尋ねでありますが、現在、県が建設を予定しております災害公営住宅におきましては、野田村におきまして、2戸1棟の長屋形式ではありますが、30戸の木造の災害公営住宅の建設を予定いたしております。
 他方で、市町村の建設する災害公営住宅におきましては、これは戸数の積み上げをまだいたしておりませんけれども、洋野町、久慈市、野田村、田野畑村及び岩泉町で、木造一戸建ての災害公営住宅を建設する計画がございます。
〇斉藤信委員 せっかく質問を示しているんだからね。市町村ロードマップでは、木造公営住宅は合計で533戸ですよ。だめですよ、質問していて、答えが出ないというのは。私は認識が弱いと思う。
 漁業集落の場合、本当に2世帯、3世帯が多いと。そういう意味で、私は、本当にこの木造公営の戸建ての住宅を真剣に検討すべきだと思いますが、いかがですか。
〇達増知事 なりわいの再生という県の一大方針の中で、水産業の再生というのは非常に重要なことであります。また、岩手県は、大企業による遠洋漁業等というよりは、身近な浜での養殖、さらには採海藻漁業というような、ウニやアワビを拾うような漁業もあり、そうした浜での生産活動というものがしっかりできるような、これは、なりわいの再生という産業政策、水産業復旧、復興政策とも連携しながら、浜に暮らし、そして、なりわいを、水産業を振興していくことができるように持っていきたいと思います。
〇斉藤信委員 よくわからない回答だったけれども、ぜひ、漁業集落にかみ合った公営住宅を考えていただきたい。
 あわせて、集落とコミュニティを維持した高台移転、集団移転を図るべきですが、持ち家と公営住宅をセットにしたまちづくり、これは、実態はどうなっているでしょうか。
〇高前田理事 集落とコミュニティを維持した高台移転、集団移転の実態についてでございますけれども、昨年度策定いたしました県の復興計画におきましては、まちづくりのモデルとして、コミュニティを維持して集団で高台に移転することが掲げられておりました。各市町村におきましても、復興まちづくりを進める上での重要な観点として、コミュニティの維持に配慮しながら、高台移転等の計画の具体化が進められているところでございます。
 現在、各市町村とも移転者の方々の意向も踏まえ、各地区における災害公営住宅の整備を含む具体的な計画が策定されているところでございまして、現時点では、どの程度、持ち家と災害公営住宅の一体的な整備が行われるかは確定していないところでございますが、例えば、先日10月10日に起工式が行われました田野畑村の漁業集落防災機能強化事業では、4地区、合計118戸の高台移転の計画におきまして、4地区とも持ち家と災害公営住宅が組み合わされているところでございます。
 県としては、今後とも、コミュニティの維持に配慮したまちづくりが推進されるよう、市町村の復興まちづくりを支援してまいります。
〇斉藤信委員 野田村の高台移転も、持ち家と公営住宅、どっちかというと、野田村の場合は公営の木造戸建てのほうが多いんですよ。私は、そうして公営に入りたいという人も、同じ集落、コミュニティで再建できるように、本当に、これは用地の問題はもちろんかかわりますが、最大限そういう方向で進めていただきたいと思います。
 次に、事業者の再建と雇用確保の問題についてお聞きします。
 被災した事業者の再建を急いで進めることは、雇用の確保にとっても緊急の課題であります。知事の意気込みを示したグループ補助の9月補正を生かすためには、東北3県の知事が先頭に立って、政府に対し臨時国会の開催とグループ補助の早期の予算化を求めるべきと考えますが、知事は、どう具体的に働きかけようとしているのでしょうか。
〇達増知事 グループ補助金については、ことし5月に実施した4次公募では、43グループの申請に対して21グループの採択ということで、今回9月補正予算で、採択とならなかったグループに対応する分を措置したわけであります。
 しかしながら、この事業は国庫補助事業として実施するものですので、国における早期の財源措置が必要不可欠であります。今後も、あらゆる機会を捉えて国に対して要望を行ってまいります。
〇斉藤信委員 私は、インパクトのある取り組みが必要だと思いますよ。何か臨時国会は開く動きになっているけれども、補正予算がどうかわからないんですよ。これは切実な課題です。岩手県も宮城県も福島県も。いかがですか、3県声かけて、首相に直訴するということが必要じゃないですか。
〇達増知事 被災3県でもさまざま今、連絡を取り合って対応を調整中でありますので、そうした複数県で連携しての要望ということも取り組んでいきたいと思います。
〇斉藤信委員 次に、中小企業資産修繕費補助事業の実績はどうなっているでしょうか。被災資産復旧事業費補助の実績をあわせて示していただきたい。
 事業者の再建は数年かかるものです。単年度で終わるのではなく数年規模で取り組むことが必要です。また、沿岸だけに限定せず、全県が被災地として取り組むことが必要ではないでしょうか。
〇上野副知事 まず、中小企業被災修繕費補助などの補助制度の実績についてでありますが、昨年度実施いたしました中小企業被災資産修繕費補助につきましては、427者に交付決定いたしまして、県と市町村合わせました補助金額は15億1、900万円余りとなっております。
 また、中小企業被災資産復旧事業費補助は、9月末時点でございますが、114者に交付決定を行いまして、補助金額は3億2、100万円余となっております。
 次に、補助制度の継続についてでありますが、修繕費補助は、津波により甚大な被害を受けました沿岸市町村におきまして、地域経済の再生と雇用の場の回復を図るために、修繕をすることにより、いち早く事業の再開が可能となる事業者を支援することを目的としたものであることから、単年度の事業としたものであります。
 また、復旧費補助につきましては、資産が全壊、流出されました事業者の方々の本格復旧を支援することを目的としたものであり、対象となる事業者には、土地利用の関係から、本格復旧が来年度以降にならざるを得ない事業者の方も少なくないと聞いております。このため、地域におけるまちづくりの進捗状況などを勘案いたしながら、来年度以降の事業継続を検討してまいりたいと考えております。
 次に、全県を対象とした支援についてでありますが、県の単独で行っております補助事業につきましては、活用できる財源に限りがある中ではありますが、今般の震災におきましては、津波被害が甚大であったことから、修繕費補助及び復旧費補助につきましては、沿岸市町村を対象として実施しているものでありますが、御指摘のございました全県を対象とした支援につきましては、内陸部の市町村や商工団体などからも御意見を伺いながら、検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 検討してまいると、一歩前進と私は受けとめたいのですが、一関市での商工関係の被害をどう受けとめていますか。
〇上野副知事 詳細は、具体的に数字は承知しておりませんけれども、一関市を初めといたしました内陸におきましても、地震の被害ということが多数に上っている状況は承知しておりまして、そうした中で、内陸の一関市で事業を行っておられる方々も含めまして、被災によって御支援が必要な方々もいらっしゃるとは認識いたしております。
〇斉藤信委員 一関市は、こういう立派な震災の取り組みをまとめているんですね。商工関係は、580事業所、75億円の被害ですよ。580事業所というのは、被害は釜石市並みですよ。だから、沿岸、県北の地域より、一関市の事業所の被害というのは件数としては大きいんです。だから、全てのグループ補助でも何でも、みんな全県が対象なんですよ。沿岸だけ対象ということじゃない、岩手県全体が、大震災、地震津波の被害なんだと。
 修繕費補助も、例えば宮古市は、ことし修繕したいというので6、000万円の補正予算を組んだんですよ。だから、状況を鑑みれば1年で済むような事業ではないと。住宅支援だって5年でしょう。こういうスパンで修繕費も復旧事業費も考えるべきじゃないですか。
〇上野副知事 御指摘のございました事業者の方々に対する支援につきましては、今回の津波、地震による被害というものが、全県あるいは東北全体広範囲にわたって甚大なものであるということも十分踏まえながら、先ほど申し上げましたように、地域の商工業者の方々の御意見、自治体の方々の御意見をよくお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 二重ローン対策は、知事が、国の復興構想会議に提案して実現したものであります。債権買い取りのこれまでの実績はどうなっているでしょうか。本格的な活用への課題は何でしょうか。
〇達増知事 二重ローン対策について、県内事業者の債権買い取り件数は、9月末現在、岩手産業復興機構によるものが25件、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構によるものが16件、合わせて41件となっています。
 現時点では、本設再開に向けた事業用地が定まらないために、資金需要が本格化するまでにまだ時間を要しておりますが、今後、相談してくる事業者も見込まれるところであります。
 このため、県では、国に対して、相談窓口である岩手県産業復興相談センターの事業を当面継続してもらうよう要望する一方、産業復興相談センターでは、仮設店舗、事業所を訪問し、相談案件の掘り起こしや継続的なフォローアップを行っております。
 さらに、県では、今月18日から職員をセンターに派遣することとしておりまして、センターとの連携強化により、相談、支援体制の一層の充実に努めているところであります。
〇斉藤信委員 次に、漁業、水産業の再生についてお聞きします。
 漁船の確保の実績、各漁家へ最低1隻確保するにはどれだけ必要か。来年度までに6、800隻という計画は、さらに上乗せ見直しすべきではないでしょうか。漁民は段階的に船の確保を考えています。これまた数年規模の事業が必要ですが、いかがでしょうか。
 養殖施設の整備実績、がんばる養殖、がんばる漁業の取り組みはどうなっているでしょうか。
 水産加工業の復旧状況、売上状況を含めて示していただきたい。
〇達増知事 漁協等による共同利用漁船整備への支援についてでありますが、これまでに漁船は、震災後、約6、000隻が新規登録され、被災を免れた漁船を合わせますと被災前の5割強、8、000隻程度が稼働可能となっています。
 御指摘のあった漁船6、800隻の整備は、漁協等からの要望をもとに、復興実施計画の補助事業を活用した平成25年度末の整備目標として掲げているものであり、今後とも、漁船の整備については、漁協等の要望を確認しながら、必要隻数の確保に努めてまいります。
〇上野副知事 養殖施設の整備実績、がんばる養殖、がんばる漁業の取り組みについてでありますが、県では、漁協からの要望に基づきまして養殖施設の整備を進めております。9月末までに被災前の5割となる約1万3、000台が復旧いたしておりまして、今年度内には約1万6、000台までの復旧を予定いたしておるところであります。
 次に、がんばる養殖につきましては、9月末現在、九つの漁協、24グループの養殖復興計画が、また、がんばる漁業につきましては、サンマ棒受け網、沖合底引き網、定置網漁業に係る3件の漁業復興計画が認定され、取り組みが開始されているところであります。
 今後とも、漁協の要望を踏まえながら、国の補助事業を活用いたしまして支援をしてまいります。
 次に、水産加工業の復旧状況、売上状況についてでありますが、水産加工事業者生産回復支援事業、通称ヤマト補助と呼ばれておりますが、これに採択されました事業所に対しまして県が9月に行ったアンケート調査によりますと、回答者84者のうち、工場の新設や加工設備の導入により、まず、生産能力につきましては、生産能力が被災前の6割以上に回復した事業者が50者、59.5%、次に、出荷額につきましては、被災前の6割以上に回復した事業者が37者、44%となっておるところであります。
〇斉藤信委員 漁船の確保、養殖施設も来年までなんですよね。数年規模、5年ぐらいの規模で漁船を段階的に確保するというのが漁民の要望ですから、これをどういうふうに考えるか。
 最後ですが、放射能汚染対策についてお聞きします。
 岩手県における東京電力福島原発事故による被害状況は、各分野ごとにどうなっているでしょうか。
 福島県の被害、岩手県の被害は、原発事故の異質の危険性を示しているのではないでしょうか。放射性廃棄物の処分の見通しもない原発は、即時廃棄を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇上野副知事 最初に、漁船の関係につきまして、私からお答え申し上げます。
 先ほど委員御指摘のように、漁船の復旧、復興につきましては、通常の─単発のといいますか─災害復旧に比べまして非常に長い年月がかかるということは、私ども承知いたしております。そのため、今までに漁船についてのいろいろな形での補助制度を活用して、申請いたしたものについての繰り越しの手続の弾力化、それから、今後、やむを得ず今まで申請ができなかった方々がいらっしゃるとすれば、そうした方々のための事業あるいは予算制度の継続について既に国に要望いたしておりますし、こういったことをきちんと確保してまいりたいと思っております。
〇加藤総務部長 原発事故によります本県の被害状況についてでございますが、原発事故による放射性物質の被害は、県内各地におきまして生活環境から各種産業の風評被害に至るまで多岐に及んでおりまして、いまだに県民生活が脅かされる状況と認識しております。県民の不安がまだ払拭されていない状況かと存じます。
 産業関係の主な被害額は、現時点で把握しているものだけで、農林水産関係の被害額は114億8、000万円余、商工観光関係の被害額は19億5、000万円余に上っており、自治体関係の損害額も9億2、000万円余となっております。これにつきましては、いまだ収束しないということで、今後さらに増加していくものと見ております。
 県といたしましては、市町村や他県とも連携しながら、原発事故の原因者であります東京電力に対しまして、これら全ての損害につきまして十分な賠償を行うよう強く要請してまいります。それとともに、県民の暮らしやなりわいを守るため、さまざまな対策に全力を挙げて取り組んでまいります。
〇達増知事 原発事故について、また、原発のありようについてでありますけれども、昨年3月の原発事故によって、原子力の安全性に対する国民の信頼性が大きく揺らぎ、経済効率性の確保に比重を置いて進められてきた原子力政策とエネルギー政策全体の見直しを余儀なくされているものと認識しております。
 こういった中で、岩手県においては、原子力発電所の誘致はしないということ、また、県としてのエネルギー政策は、今後、一層再生可能エネルギーの積極的な導入に取り組み、エネルギー自給率の向上を図っていくという基本的な考え方を確かなものにしていきたいと思います。
〇斉藤信委員 岩手県としてどうするかというのはいいんだけれども、原発というのは、まさに日本の政治の問題。福島原発事故の異質の危険性、その被害の状況、私は、国民の多数が今、原発ゼロを求めている、そこに踏み込むべきではないかと。最後、これを聞いて終わります。
〇達増知事 先ほども申し上げましたように、原子力の安全性に対する国民の信頼性は大きく揺らいだと思います。そして、今までの原子力政策と、また、エネルギー政策全体の見直しを余儀なくされているというのは、そういう状態であると思いますので、そうした中で適切に国としての政策が決定されていくべきと考えます。
〇小野共委員長 次に、小野寺好委員。
   〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党、小野寺好です。平成23年度一般会計決算について総括的に質疑させていただきます。
 最初に、決算規模について伺います。
 平成23年度当初予算は、知事選の直前で、いわゆる骨格予算6、815億円余でありました。その後、東日本大震災に対する国からの支援で増額補正を繰り返し、最終予算額は1兆5、804億円余と対前年度比2倍超となりました。
 知事選挙後の肉づけ予算で実施しようと考えていた事業が幾つかあったことでしょうが、そのうち重点的に取り組んだ分野、事業はどのようなものがあったでしょうか。
 また、そのうち震災の影響で規模を縮小しながら実施した事業があれば伺います。
 歳出決算は1兆2、539億円余ですが、このうち災害復旧費は542億円余、災害復旧費に係る平成24年度以降への繰越額は2、113億円余と繰り越しが多くなっていますが、平成23年度における東日本大震災からの復興の取り組みの進捗状況はいかがか伺います。
〇中村政策地域部長 昨年6月補正におきまして計上いたしました新規・政策的経費につきましては、震災からの復旧、復興が最優先という前提のもとで、緊急性等を勘案し厳選したところでございます。
 そういった中で、例えば産業分野におきましては、上海中心部における情報発信拠点、岩手県上海アンテナプラザの設置や新たな企業誘致の促進策、また、福祉分野におきましては、児童虐待防止対策の強化、保育所、障がい者支援施設等の整備や僻地医療の充実、また、教育分野におきましては、県立学校の耐震化工事等の推進などに取り組んだところでございます。
 また、被災後の状況や優先度等を踏まえまして、事業内容の見直しを行った上で実施したものといたしましては、広域振興局が行うものづくり産業等地域産業の振興関係事業や観光振興関係の事業、また、文化芸術振興や国際交流関係の事業などがございますが、平成23年度におきましては、震災からの復旧、復興に注力する必要が生じましたことから、事業の実施そのものを取りやめるなどの大幅な見直しもあわせて行ったところでございます。
〇高前田理事 復興の取り組みの進捗状況についてでございますが、第1期復興実施計画の初年度でございます昨年度は、安全の確保の分野では、生活環境に支障のある災害廃棄物の仮置き場への移動をおおむね完了させるとともに、防災施設等の応急的な復旧に取り組んだところでございます。
 暮らしの再建の分野では、お盆前までに1万3、984戸の応急仮設住宅を整備する一方、33カ所の仮設診療所の整備や35校の学校施設の復旧に取り組んだところでございます。
 また、なりわいの再生の分野では、3、793隻の漁船の復旧、整備を初め、154カ所の仮設店舗の整備や事業所等の早期再建支援に取り組んだところでございまして、被災地の復旧、復興の第一歩となる緊急的な取り組みを重点的に進めたところでございます。
〇小野寺好委員 次に、県税収入について伺います。
 自主財源である県税の柱、県民税、事業税、自動車税、地方消費税等が、平成23年度は大きく落ち込みました。大震災に起因していると思われますが、被災者の皆さんに対する減免措置は全て国によって補aXされたものかどうか、この減収はいつまで影響するか、国の補aXは継続されるのかどうか伺います。
〇加藤総務部長 東日本大震災津波の被災者に対する税の減免措置や地方税法等の規定に基づく非課税等の特例措置に伴う平成23年度及び平成24年度の減収額については、震災復興特別交付税によりまして国から全額措置されているところでございます。
 このように、減免措置や特例措置に伴う減収につきましては、制度的に補aXされているものの、震災による所得の落ち込み等に起因いたしまして税収減少の影響が生じており、震災からの復旧、復興を推進する中で、早期に税収の回復を図っていく必要があると考えております。
 震災復興特別交付税による国の減収補aX措置につきましては、期限が明確になっていないところがございますが、被災者に対する減免措置や特例措置の適用がある限りにおきましては、国による財政措置が当然継続されるべきものと認識しております。
〇小野寺好委員 次に、震災時の介護についてですが、昨日、DMATに関する質疑とメディカルのMをケアのCに置きかえたDCAT、これは一般的な名称にはなっていませんが、これについても触れられていました。
 私からは、DMATへの県からの財政的あるいは人的支援はいかがであったか、及びDCATを組織して要援護者への支援をしていく取り組みについて伺います。
〇千葉副知事 DMATに関しましては、私からお答えさせていただきます。
 DMATに対する財政的、人的支援についてでございますが、昨年の東日本大震災津波におきましては、岩手DMATのほか全国のDMATに派遣要請を行いまして、岩手DMAT6チームを初め、29都道府県から128チームのDMATの支援をいただいたところであります。
 DMATに対しましては、県では、出動に要した隊員の日当、旅費、薬剤代等の経費について災害救助法に基づく費用弁償を行いましたほか、県災害対策本部内に設置されましたDMAT調整本部と一体となった医療活動の調整や、食事、休憩場所の確保、提供等の後方支援活動を行ったところであります。
 県といたしましては、災害急性期におけます医療を担う岩手DMATの活動体制をさらに強化する必要があるものと考えておりまして、平成23年度におきましては、確実な通信手段の確保のため、衛星携帯電話の整備に対する補助を実施したところでございます。
 また、今年度におきましても、DMATが災害時に現場に迅速に出動し、医療を提供できるようにということで、移動用の車両及び医療資機材等の整備に対する補助を実施することとしております。
〇達増知事 DCATについてでありますけれども、大規模災害時における要援護者のさまざまな福祉的課題に対応するためには、災害派遣福祉チームの創設や全国規模で福祉、介護の人材が派遣できるような仕組みづくりが急務であると県としても判断したところであります。
 このため、国に対して、チームの制度化と全国規模での派遣調整システムの構築等について要望するとともに、福祉関係職能団体等と協働で県内でのチームの設置に向けた検討を行っているところでありまして、年度内を目途にチームの具体的なスキームを構築してまいりたいと思います。
 この災害派遣福祉チームの必要性は、東日本大震災津波を契機として強く認識されたものであり、現在、被災地の避難所等において要援護者の支援を行うための福祉チームを制度的に位置づけている都道府県は、北海道のみと伺っております。
 なお、国においては、本県の要望等を踏まえて、各都道府県単位でチームを設置し、全国規模で相互派遣できるよう、福祉、介護分野の支援ネットワークを構築することについて8月から検討を始めたと伺っておりまして、こうした動きにも適切に対応してまいりたいと思います。
〇小野寺好委員 次に、介護全般について伺います。
 本県も数年前から人口減少期に入りましたが、高齢者人口は増加傾向にあります。昨年10月1日現在の65歳以上人口は35万6、141人で、高齢化率は27.1%、特に沿岸部は32.4%と高くなっています。
 ことし8月1日現在、県内の要介護者は5万1、438人、ほかに要支援者1万4、701人となっております。国全体では年間およそ517万人が介護サービスを受けていると言われますが、本県はどれだけの方が利用し、その介護サービス利用料は平均月額で幾らであったか伺います。
 県内の特別養護老人ホームへの入居待機者総数は、いつまでたっても毎年およそ6、000人、このうち自宅待機の早期入所必要者数は2割で約1、200人と発表されています。施設整備は計画的に進められていると聞きますが、平成23年度の増床実績と第4期介護保険事業計画期間中の特別養護老人ホームの整備実績はいかがであったか、及び県民が負担している介護保険料への影響はいかがか伺います。
 また、今後の要介護高齢者の推移の予測と第5期介護保険事業計画期間中の特別養護老人ホームの整備計画についてもあわせて伺います。
 要介護者が増加してきた現在、本県の介護職員数は幾らになっているか。社会福祉士、介護福祉士等の養成実績と現在の就業実態についても伺います。
 また、奨学金給付の状況はいかがでしょうか、伺います。
〇千葉副知事 まず、本県の介護サービス利用状況についてでありますが、厚生労働省が本年6月に発表いたしました平成23年度介護給付費実態調査結果によりますと、平成24年3月サービス分の介護サービス受給者数は、介護予防サービスが9、800人、介護サービスが4万6、100人となっております。
 また、平成24年3月サービス分の受給者1人当たりの費用額は、介護予防サービスが3万9、100円、介護サービスが17万8、200円となっております。
 なお、受給者の自己負担額は、今申し上げた費用額の1割でございます。また、介護サービスのうち、地域密着型サービスと施設サービスにつきましては、別途、食費と居住費が自己負担となっているところでございます。
 次に、特別養護老人ホームにおける施設整備についてでありますが、まず、平成23年度の特養増床実績は186床であります。
 次に、平成21年度から平成23年度までの第4期介護保険事業計画期間内の特養の整備実績は、当初計画いたしました611床に加えまして、528床を上乗せ、前倒し整備したことによりまして1、139床となっております。
 施設整備によります介護保険料への影響についてでありますが、平成24年度から平成26年度までの第5期介護保険事業計画期間の第1号被保険者の保険料は、県平均で月額4、851円となっており、平成21年度から平成23年度までの第4期計画期間内の3、990円から861円上昇したところであります。
 保険料の上昇の要因でありますけれども、高齢者人口の増加に伴いまして、施設サービスのみならず、在宅サービスも含め、介護サービスの利用が大幅に伸びておりますことが要因となっておりますが、特養待機者の解消に向け、第4期計画期間内に前倒しで特養の整備を進めたことも、その要因の一つになっていると考えております。
 今後の要介護高齢者数の推移についてでありますが、本年3月に策定いたしましたいわていきいきプラン2014におきまして、市町村推計値に基づき、平成24年度は6万5、095人、平成25年度は6万7、151人、平成26年度は6万9、186人と、毎年度約0.2%ずつ上昇していくものとして推計いたしております。
 最後に、平成24年度から平成26年度までの第5期介護保険事業計画期間内におけます特養の整備につきましては、全県で887床の増床が計画されているところでございます。
 次に、本県の介護職員数についてでございますけれども、厚生労働省が本年2月に発表いたしました平成22年度介護サービス施設・事業所調査によりますと、平成22年10月1日現在の施設及び事業所で就業しております介護職員数は、前年度と比較いたしまして、実数で469人増加し1万5、956人、常勤換算では742人増加いたしまして1万2、531人となっているところでございます。
 次に、社会福祉士及び介護福祉士の養成実績と現在の就業状況についてでありますが、まず、社会福祉士につきましては、県内2校において国家試験の受験資格を取得することができ、直近の本年1月実施の国家試験では、2校合わせて既卒者を含め66人が合格しており、3月末日現在、本県の社会福祉士登録者数は1、312人となっているところであります。
 なお、その就業実態については、なかなか詳細に把握できないところでございますけれども、社団法人岩手県社会福祉士会によりますと、本年7月末現在におけます同会員約500名余につきましては、県内の社会福祉施設、行政等の福祉分野において就業していると伺っております。
 また、介護福祉士につきましては、本年4月1日現在の県内介護福祉士養成施設は、県立大学社会福祉学部の介護福祉士養成課程を含め5校ございます。現行制度では、卒業と同時に資格を取得することができますが、本年3月末卒業者は250人となっております。また、同時期の本県の介護福祉士登録者数は1万2、705人となっております。
 なお、その就業実態につきましては、社会福祉士と同様、なかなか詳細に把握できておりませんが、国の平成22年度介護サービス施設・事業所調査によりますと、平成22年10月1日現在の県内の施設及び事業所で就業している介護福祉士の従事者数は、実数で7、253人となっているところであります。
 次に、社会福祉士及び介護福祉士修学資金の貸付状況についてでありますが、昨年度の貸付実績は、新規貸付者数が45人となっておりまして、継続分も含めました貸付者数は91人となっているところであります。貸付者のうち、本年3月末卒業者は44人でありまして、全員が県内の福祉施設に就職しております。
 なお、平成5年度から今年度までの貸付者数の総数は、県及び県社会福祉協議会による貸し付けを合わせまして336人となっているところでございます。
〇小野寺好委員 最後に医療費について伺います。
 先ごろ平成22年度の国民医療費が発表になり、過去最高の37兆4、200億円と報道されました。ふえ続ける医療費を抑制することができるのか、抑制に限度があるとすれば、どのように負担し合うのかという観点から、決算内容を伺います。
 平成20年4月に老人保健法が廃止になり、医療費適正化計画、後期高齢者医療制度が創設されました。本県では、平成20年度を初年度とする岩手県医療費適正化計画をスタートさせましたが、どのような状況になっているか、昨年度までの成果を伺います。
 厚生労働省が公表した全国医療費適正化計画中間評価では、生活習慣病と平均在院日数への対策が進展しているとのことですが、本県はいかがでしょうか。この計画書が出されたときの直近の県民医療費は、平成17年度で3、631億円と示されましたが、昨年度の県民医療費を伺います。
 さきに紹介しました平成22年度の国民医療費では、国民1人当たりの年間医療費は29万2、200円ですが、65歳未満であれば16万9、400円、65歳以上は70万2、700円、うち75歳以上は約88万円であります。公費を50%投入している後期高齢者医療制度がなければ市町村国保の運営は困難をきわめていたと思われますが、75歳以上を切り離したとはいえ、市町村国保は依然厳しい状況にあります。県からの支援状況、県民の国保税未納状況はいかがでしょうか。また、東日本大震災で被災した国保加入者への支援結果はどうであったか伺います。
〇千葉副知事 まず、岩手県医療費適正化計画の成果についてでございますけれども、県医療費適正化計画におきましては、平成20年度から平成24年度までの5カ年を計画期間といたしまして、平成24年度までに生活習慣病を減らし医療費を適正化するという視点から、住民の健康の保持と推進のため、40歳から70歳までの対象者の70%以上が特定健康診査を受診することや、特定保健指導が必要と判定されました方の45%以上が特定保健指導を受けること、また、医療の効率的な提供の推進のため、平均在院日数を平成18年度の35.5日から32.2日に短縮することなどを目標として設定しているところであります。
 それぞれの目標の取組成果につきましては、直近で確認できます県で把握しております平成22年度の数値を見ますと、市町村国民健康保険におけます特定健康診査の実施率につきましては、平成20年度の37.4%から平成22年度は39.8%と2.4ポイントの上昇、同じく特定保健指導の実施率につきましては、平成20年度の13.5%から平成22年度は20.4%と6.9ポイント上昇しておりますとともに、平均在院日数につきましては、平成18年度の35.5日から平成22年度は33.9日と1.6日短縮しているところであります。
 次に、生活習慣病と平均在院日数への対策の進展等についてのお尋ねでございますけれども、県といたしましては、これまで、その目標の達成に向けまして、生活習慣病予防を推進するため、保険者、市町村等が行います保健事業の取り組みの円滑な実施を支援いたしますとともに、栄養成分表示店舗数の拡大や広報、普及啓発など住民向けの健康増進対策に取り組んできたところでございます。
 加えて、地域クリティカルパスの活用等によります医療機関の機能分化、連携や地域包括支援センターの機能強化等により、医療、介護の連携の推進に取り組んできたところでもございます。
 厚生労働省が中間評価として公表しております調査年度や対象が異なりますことから、一概に現在、全国との比較はできないものでございますが、先ほど申しましたとおり、特定健康診査実施率や特定保健指導実施率あるいは平均在院日数等について、全国と同様に改善が図られているものと認識しているところでございます。
 次に、県民医療費についてでございますが、厚生労働省におきまして、3年ごとに、都道府県別の国民医療費を患者の住所に基づいて推計いたしておりますことから、現在、平成20年度の推計値が直近のものとなっておりまして、本県の県民医療費は3、703億円ということで、平成17年度の推計値と比べますと72億円の増となっております。
 なお、計画期間内でございます平成23年度の県民医療費につきましては、国において平成25年9月以降の公表が予定されておりますので、御了承願いたいと思います。
 次に、市町村国民健康保険への県からの支援状況、国保税未納状況等についてでございますけれども、平成23年度の市町村国民健康保険に対します県調整交付金等の県負担額は約91億3、000万円となっております。平成23年度末の国民健康保険税の累積滞納額は約108億8、000万円、滞納世帯数は約2万9、000世帯となっております。
 また、平成23年度の東日本大震災津波で被災されました国保加入者に対する支援については、医療費の一部負担金等の免除や国保税の減免が実施されたところでございます。これに要しました費用全額につきまして、国から市町村に対し特例補助金や調整交付金による財政支援が行われまして、一部負担金等の免除に対する財政支援総額は約27億5、000万円、国保税の減免に対する財政支援額は約17億2、000万円となっているところでございます。
〇小野共委員長 次に、清水恭一委員。
   〔清水恭一委員質問者席に着く〕
〇清水恭一委員 無所属の清水恭一であります。
 それでは、質問させていただきます。
 まず、教育旅行、体験学習や交流人口の拡大についてお伺いいたします。
 大震災の影響による観光客の減少は大きな打撃であり、昨年度においても、今こそ岩手へ誘客促進事業などさまざまな対策を講じてきたところでありますが、まだまだ震災前の状況には至っていないのが現状であります。
 大震災の後でも、それぞれにテーマを持って旅に出ます。そして、改めて県内の観光的素材を結集すると、その豊富さに驚きます。岩手の持つ潜在的な魅力をもう一度見直し、新たな価値を創造していかなければなりません。
 ありがたいことに、久慈市においては来年の4月から始まるNHKの朝ドラ「あまちゃん」の撮影がいよいよ本格的に始まり、海女を通して県北・沿岸地域が全国に発信されることに大きな期待をいたしておりますが、県の支援策や県としてのPRなどをどのようにするのか、今後の取り組みについて伺います。
 また、放射性セシウムなどの問題で、教育旅行や体験学習で岩手県を訪れる学校が減ってきている現状を打開するために、広く教育旅行関係者に呼びかけして被災地から情報発信するシンポジウムなどを開催し、被災地でふだんとは違う時間の流れを体験できる現場を、これから21世紀を生きる子供たちに伝えるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 また、東北六魂祭を見て感じたことでありますが、祭りの力、イベントの力、そして、そこに集う人たちのパワーであります。私たちの岩手には、豊かな郷土食も大変多くあります。その祭典B-1グランプリが開催されており、この10月20日、21日に北九州市で第7回のいわゆるB級ご当地グルメB-1グランプリが開催され、岩手からも、久慈のまめぶ部屋、さらに北上コロッケ、岩手町の焼きうどんなど、多くの若い人たちが参加すると聞いております。その若い人たちは、岩手の復興イベントの一つとして、記念すべき第10回の大会を招致できればと考えているようであります。その情熱、その力強い行動力に敬意を表し、大きなエールを送りながら、県としても、立候補するように一緒に行動していただきたいと思っておりますが、御所見を伺います。
〇上野副知事 まず、NHKの朝の連続テレビ小説に関連いたします県の支援策やPRについてでありますが、この新しいNHKの朝の連続テレビ小説が県北・沿岸地域をモデルとして行われるということは、極めて大きな好機であると思っております。この好機を生かしまして、県北・沿岸地域の魅力を全国に発信いたしまして、交流人口の拡大による地域の活性化につなげてまいりたいと思っております。
 このため、ロケ地におきましては、エキストラの手配などドラマ制作を支援する地元団体の活動費を県といたしましても補助するほか、観光客の誘導を図るための観光案内板の整備などを行うことといたしております。また、JR山手線への広告の掲出やマスコミ招請ツアーの実施、それから、東北各県へのキャラバンなどによりPRを強化するとともに、県北・沿岸地域を回遊し、宿泊するバスツアーの試験運行などにより知名度の向上及び観光ルートの定着化を図りまして、交流人口の拡大につなげてまいります。
 次に、教育旅行や体験学習についてでありますが、震災後、本県への教育旅行入り込み客数は大きく一旦は減少したところでありますが、関係者の皆様の一丸となっての風評の払拭などに取り組んでいただいた結果、平成24年─ことし1月から6月までの本県への教育旅行の入り込み客数は、平成22年度比で申しまして4.4%の減ということで、12万3、341人回、ほぼ震災前の水準に回復してきたところでございます。
 震災からの教訓や防災上の意義を学びます震災学習は、農山漁村での体験学習や平泉などの歴史、文化と並びまして、本県への教育旅行を構成する重要なプログラムになっていると認識いたしておりまして、今年度、北海道や首都圏などで開催いたしております誘致説明会におきましても、震災学習を中心に据えて強力にPRしているところでございます。
 次世代を担う青少年に震災からの教訓を伝えていくことは本県が果たすべき役割の一つと認識いたしておりまして、今後の沿岸地域の本格的な観光復興のためにも、受け入れ態勢の整備にあわせ、情報発信のさらなる充実を検討してまいります。
 なお、御指摘のございましたシンポジウムの誘致についてでございますが、例えば、財団法人日本修学旅行協会が開催するシンポジウムがございます。これは通例ですと東京で開催されているということでございますが、私どもは、教育旅行の誘致には多様なチャンネルによる情報発信が必要であると考えておりまして、シンポジウムにおける本県の教育情報の提供を含めまして、この協会の持っているネットワークや情報発信力をまず活用していくことを考えていきたいと考えております。
 次に、B-1グランプリについてでございますが、このイベントは、B級ご当地グルメの日本一を決める大会であるとともに、まちおこし活動の日本一を競うものでございまして、地域活性化の観点から大変有意義な取り組みと認識いたしております。この開催地に立候補するためには、地方大会の開催実績、会場や宿泊施設の収容能力、運営体制など、地域を挙げた受け入れ態勢の整備が重要と言われております。第10回の大会の招致には、当該団体を初め地元市町村や商工団体などの御意向をお聞きするとともに、県といたしましても、地域と一緒になりながら必要な支援をやっていきたいと考えております。
〇清水恭一委員 B-1グランプリ、第1回目は八戸市の1万7、000人と聞いておりますが、今や20万人から30万人の大変大きな波及効果が見込まれると聞いておりますので、どうぞ前向きにお取り組みをいただきたいと思います。
 次に、市町村の木材利用方針の策定状況について伺います。
 森林、木材は日本が豊富に保有している数少ない資源でありますが、にもかかわらず、公共建築物などへの利用、活用は残念ながらほとんどされておりません。林業の再生や地球温暖化防止を目指して公共建築物等木材利用促進法が施行され、国の基本方針は、低層の公共建築物は木造化を推進するとし、さらに、木質バイオマスの利用を促進するとした同法では地方公共団体が木材利用方針を定めることができるとしており、全国都道府県が策定したものの、市町村では全国で650と全体の37%にとどまっているようですが、隣の秋田県は100%、青森県は85%で、広大な森林を有する我が岩手県ではまだ13市町村しか策定しないと聞いており、寂しく感じております。今は大震災からの復旧、復興事業などで本当に大変な課題山積の中ではありますが、低迷している岩手の林業振興への取り組み意識を高める上でも利用方針の策定を早く進めるよう指導するべきと思いますが、所見を伺います。
〇上野副知事 市町村の木材利用方針の策定状況についてのお尋ねでありますが、県では、公共建築物等木材利用促進法に基づきまして、平成23年2月に県の方針を策定するとともに、市町村に対しましても、法律の趣旨を御説明いたしまして、木材利用方針の策定を働きかけてきたところでございます。
 方針策定市町村は平成23年度末で3市町でございましたが、今年度はこれまで10の市町が策定をしていただきまして、合わせて県内13の市町が方針策定を終えている状況でございます。現在、未策定の市町村も今年度中に策定すると聞いておりまして、今年度中に県内全市町村で木材利用方針が策定されるように取り組んでいくとともに、森林県岩手県といたしまして、木材の利用の促進に今後とも努めてまいります。
〇清水恭一委員 大変な林業不振の中で、林業が成立するためには新たな木材需要を生み出していかなければならないわけでございます。とにかく頑張っていただきたいと思います。
 次に、放射性物質による風評被害についてお伺いいたします。
 原発事故により発生した目に見えぬ放射性物質は、本県の農林水産業生産者を初め関係者が一生懸命に築き上げてきた食への安心・安全の信頼を一瞬にして台なしにし、三陸の豊かな漁場や山林、田畑、そして牧場や採草地などの自給食料基盤も不安だらけで、農林漁業食料生産者は大変なショックを受けました。県では、放射性物質の総合対策事業など懸命の努力をしておりますが、流通業者は、極めて敏感な消費者に配慮して、残念ながら岩手産に厳しい対応がされております。久慈市の短角牛を例にしますと、枝肉で通常1、500円した商品が1、000円でも売れ残り、どんどん下がっております。大変な不安を一日も早く払拭し、岩手の農林水産業が安全・安心、いわゆる風評被害から脱して信頼を回復できるよう、県を挙げて知恵を絞っていただきたい。心折れる農林漁家が出ないように、さらに緊急対応をするべきと考えますが、御所見を伺います。
〇上野副知事 放射性物質による風評被害などについてのお尋ねでございますが、県では、これまで、放射性物質影響防止のための生産管理対策の周知徹底や牛肉の放射性物質の全頭検査、原木シイタケの全戸検査を実施するなど、安全な県産農林水産物の提供に努めてまいりました。9月の補正予算には、風評被害対策といたしまして、鉄道会社の広報媒体等を活用いたしました県産農林水産物のPRや、関西圏、首都圏などでの商談会の開催など、県産農林水産物の販路回復や拡大に向けた取り組みの強化などを盛り込んでいるところでございます。
 このほか、利用自粛を要請していない牧草地の除染に取り組む市町村への支援や、ほだ場の落葉層の除去に対する支援など、生産者支援を強化するための取り組みも進め、生産者団体や市町村等と連携しながら産地の再生と信頼回復を図っていきまして、先ほどおっしゃいました、農家の方々が御心配をされて生産に対する意欲が損なわれることが絶対ないように、きちんとした対策を講じてまいりたいと思っております。
〇小野共委員長 次に、小泉光男委員。
   〔小泉光男委員質問者席に着く〕
〇小泉光男委員 無所属の小泉光男でございます。
 大きく分けて、3点に絞って質問させていただきます。
 まず、この1年間の県北地域とほかとの格差拡大,ますますの乖離についてお伺いいたします。
 この1年間、各種指標統計が発表されましたが、県北、沿岸と県央以南とにますます格差が生じているように見えます。特にも、先月発表された最近3カ月の有効求人倍率の数値は衝撃的でありました。全県的には0.94と1倍近くに改善されたのに、県北だけが0.6どまりでした。かつては県北と並んで低かった沿岸も復興需要効果で1倍を超えたことは、復興を願う一人として喜ばしく思いますが、一方、県北だけが極端に低調と、目立つ結果になりました。
 有効求人倍率が少ないということは、働く場所がないということ。働く場所がなければ生活費の入りようがないということであります。勤務場所が豊富にある盛岡近郊や北上周辺の市町とますます所得格差が開いていくこと必須です。この行き着くところは、社会資本においても、暮らしの上においても、県北と他地域との格差が生ずる前ぶれと受けとめることができます。それは、貧しさがさらに貧困を誘発する構造です。
 そこで伺います。県は、このような実態をどう捉えているのでしょうか。
〇上野副知事 県北地域の求人倍率に対する県の認識などについてのお尋ねでありますが、県全体の有効求人倍率が1倍近い数字になる中で、8月の二戸地域の倍率は0.67倍ということで、安定所別では最も低い状況となっているのは事実でございます。
 この1年間を見ますと、他方でわずかながら上がってきておりまして、産業別新規求人状況では、建設業のほか、卸売業、小売業、サービス業で対前年同月を継続的に上回るなど、プラスの要素も見られるところであります。しかしながら、委員おっしゃるように、基本的には非常に厳しい状況にあるというのは認識いたしております。
 県といたしましては、特に県北地域の雇用状況に十分留意していく必要がある、そういう認識のもとで、県北地域が例えば1次産業と直結する2次産業が主体となっているということも踏まえまして、地域資源をさらに生かせる2次産業の誘致などにより食産業やものづくり産業を振興いたしまして、さらなる雇用の創出に努めていく必要があると考えております。
〇小泉光男委員 県北とほかとの地域間格差は何も有効求人倍率に限られたことではありません。きのうもちらっと出た農地圃場整備率は、2011年度までの20アール区画以上で見ると、岩手県平均は64%なのに対して県北は30.4%と半分以下であります。県民サービスの基本である下水道普及率や医師数の配置も同様です。けさの岩手日報でも、建設業者の回復が目立つも、二戸地区のみ周回おくれというような記事が出ております。ここまでひどいと、県は意識的に差別的取り扱いを奨励しているのではないかと疑いたくもなります。
 産業集積、土地改良、観光、そしてILC誘致と、これまでも、そしてこれからも県央以南を中心とした軸足を置き過ぎているように思えるのであります。このことに対する知事の御見解をお伺いしたいと思います。
〇達増知事 県北地域については、これまで、いわて県民計画に基づいて、県北・沿岸振興本部を中心に、産業振興による地域経済の基盤の強化、そして、産業を支える社会資本の整備の二つの柱で取り組んできたところであります。その結果、これまで、首都圏の量販店との食品の取引拡大による食産業の振興や、この1年間では4社の企業立地により約300人の新規雇用の創出が図られ、1人当たり県民所得でも県平均との差が縮小傾向にあるなど、具体的な成果もあらわれているものと認識しております。
 しかしながら、委員御指摘のとおりの地域の状況もありますことから、県北振興は県政の重要課題の一つであると認識しておりまして、今後におきましても、いわて県民計画で目指す地域の将来像を踏まえて、農商工連携や体験型観光など、地域資源の高付加価値化に向けた取り組みを一層推進して、自立と活力を生み出す産業経済基盤の構築を目指して全力で取り組んでまいりたいと考えております。
〇小泉光男委員 続いて、大きな二つ目の質問です。県土復興と行革努力についてお伺いいたします。
 県は、達増知事を筆頭に、復興元年として、いろいろな課題に遭遇しながらも努力を続けていることに敬意を表します。その一方、復興交付金など国の補助金にのみ頼り、県独自の身銭を切って積極果敢に復興に立ち向かっている姿に映らないのは私だけでしょうか。例えば、本年9月26日付岩手日報は、平成21年度決算で、県出資の13法人が赤字と報じました。県観光協会は1億円以上、文化振興事業団やスポーツ振興事業団なども、主な箱物や運動施設を独占し、指定管理者制度でひとり占めしている割には採算が悪過ぎます。昨年の3.11という痛みをどこで共有し、どんな努力をしたというのでしょうか。さきの一般質問で福井せいじ議員が質問したように、県所有の遊休不動産の処分とか、県職員の腐朽住宅の整理、似たような名前の〇〇研究センターの統廃合など、岩手県自体が進んで血を流している姿が伝わってきません。県債残高が1.53兆円、償還がピークに達し、自主財源が落ち込み、県財政に余裕がないときのうも説明があったところであります。
 そこでお伺いします。所有する抱え込み不動産や無駄な組織、自己肥大が目的化した外部団体や特殊法人の廃止や統廃合に大胆にメスを入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇加藤総務部長 行革努力ということでのお尋ねでございます。
 県では、これまでもさまざまな行革の努力を続けてまいりました。計画的にもう十数年来そういう取り組みを続けてきております。その中で、先ほど申し上げました御指摘の項目でございますが、これまで、アクションプランの第1期の期間、平成19年度から平成22年度までの4年間ということで申し上げさせていただきますと、県出資等に係る5法人の解散でございますとか未利用資産の売却で約20億円の歳入を確保するなど、そういった着実な取り組みを進めてきております。
 今後も、現在は東日本大震災津波からの復旧、復興に最優先に取り組む、そういうさなかにありましても、こうした計画的な取り組み、アクションプランの改革編の第2期も策定いたしましたので、これに基づきまして、引き続き行財政改革に取り組んでまいる所存でございます。
〇小泉光男委員 大きなくくりの三つ目、農業施策実績と農業経営者への支援についてお伺いします。
 きのうも高橋昌造委員から大所から御質問され、我が意を得たりという思いで聞いていたのでありますが、3.11大震災による東電原発事故関連の農家や農産物への被害救済を目的とした農業生産対策事業費5億9、900万円までの支出は理解できるものであります。
 一方、多くは、震災や原発被害と無関係の、これまでの支出を踏襲した農地費207億5、700万円とか農業振興費45億4、800万円など多くの予算を支出しているところですが、これらの支出は本当に農業振興に役立ったか、耕作している一人の皮膚感覚として大いに疑問に思っております。
 そこで伺います。5年前、または10年前と比較し、農業1世帯当たりの生産高、農業就業人口、農家1世帯当たりの所得額、1世帯当たりの作付面積など、主要指標の中で効果があった項目についてお示しいただきたいと思います。
〇上野副知事 農業施策の実績についてでございますが、県ではこれまで、担い手の育成や産地づくりなど農業振興のための施策に取り組んでまいりましたが、関連する主な指標の推移の中で効果が上がったと客観的に言えるものについて御披露いたしますと、まず、平均的な経営耕地面積につきましては、平成17年─大体5年前ということですが─に1戸当たり1.9ヘクタールだったものが、5年後の平成22年には2.3ヘクタールということで、0.4ヘクタール、約20%増加いたしております。また、10ヘクタール以上の経営体数も平成17年の1、118経営体から平成22年には1、415経営体へと、5年間で297経営体、27%増加いたしております。こうしたことで見ますと、農地の利用集積による規模拡大という分野については着実に効果が上がっていると言えるのではないかと思います。
 さらに、例として申し上げますと、基盤整備では稲作の生産コストが5割削減された事例があるほか、6次産業化では延べ起業件数が54件に達するなど、これにつきましても、一つの例ではございますが、取り組みの成果が上がっている傍証と言えるのではないかと思っております。
〇小泉光男委員 農業経営者への支援についてお伺いします。
 ことしは猛暑の影響で野菜価格が暴落し、畜産農家は、穀物の異常高騰によって輸入飼料が上がり続け、農家の人たちは泣いています。例えば、8個入りのレタスが200円台でしか売れず、1箱代40円が丸々赤字、1頭の肉牛を出すのに餌代はキロ70円もしております。5トン食べるそうです。合計35万円相当かけて出荷する今夏の現状を県当局は把握しているでしょうか。
 今の県農政は、総じて、生きた金、生きた組織、生きた働き方になっていないと見えるのは私だけでしょうか。ことしの猛暑に代表されるような異常気象や畜産農家の危機、困窮に対し、県として緊急な本当の農家救済、農業振興に役立つ措置が必要と考えます。県の認識をお伺いいたします。
〇上野副知事 異常気象時などの農業経営者への支援についてでございますが、本県農業を持続的に発展させるために、気象災害や農畜産物価格の低落などの影響を極力少なくするよう農業者を支援し、農業経営の安定を図っていくことが重要と認識いたしております。具体的には、米、麦、大豆等を対象といたしまして農業者戸別所得補償制度により一定の所得を補償するとともに、猛暑や低温の農業災害に対しましては、未然に防止するための技術情報を随時提供するほか、被災した場合に備える農業災害補償制度への加入の促進や、災害発生時の復旧対策などの事業により支援をしているところでございます。
 また、農畜産物の市場価格が低落した場合、野菜などにつきましては青果物等価格安定対策等事業によりまして、畜産物につきましては家畜畜産物価格安定対策事業によりまして、生産者に対しまして補給金を交付し、さらには、配合飼料の価格高騰対策といたしまして、配合飼料価格安定制度により補aX金が支払われることになっております。
 県としましては、これらの対策により農家の安定的な経営ができるよう既存の制度の活用を図るとともに、緊急的な取り組みを必要に応じて行っていき、本県農業の着実な振興に取り組んでまいります。
〇小泉光男委員 まとめの質問です。
 県北にも明かりをともしてください。仲間外れにしないでください。末端農業従事者の生活にも明かりを当ててください。達増知事の私の見解に対する所見をお聞きして終わります。
〇達増知事 まず、復興という今、岩手が直面する大きなテーマの中にありましても、復興は岩手全体の復興でなければならないということで、岩手全体の力を高めていく中で被災地の復興も進めていく。そういう中で県北地域も大きな役割を果たして、そして希望郷いわての実現に向けてともに歩んでいく、そういう存在と考えております。
 また、例えば、ことし、いわてデスティネーションキャンペーン等、去年に引き続き、観光を通じてそれを復興の力に変えていこうという中で、県北のほうではまだ大震災前の水準に観光は回復していないというところもありますことから、てこ入れが必要ということで、関係の予算をこの9月補正予算にも盛り込んだところでありまして、臨機応変、随時にきめ細やかにさまざまな政策、事業を行いながら、中長期的に、県北というところが、これも岩手の中のみならず、北東北3県の広がりの中で、県北というところは本当にすばらしい地域として大きな役割を担うべきところ、そこに住まう人たちが本当に生きがいを持って生活できるところでなければならないと思っておりますので、そのように進めていきたいと思います。
〇小野共委員長 次に、佐々木茂光委員。
   〔佐々木茂光委員質問者席に着く〕
〇佐々木茂光委員 早速質問に入らせていただきます。
 まず、復興予算の検証と今後の復興に向けた見通しということで知事から御答弁をいただきたいと思います。
 東日本大震災の発生からもう既に1年7カ月が経過し、平成23年度補正予算、そして平成24年度当初予算を復興元年として位置づけ、震災の復旧、復興に向け、さまざまな事業が展開されております。しかし、被災した住民の目線には、復興の瓦れき処理を初め、まちづくりの再生の進捗が芳しくない、そのような状況に見受けられます。ついては、昨年の復興予算の検証と、今後の復興に向けた見通しについて、ここが大事なんですが、被災地住民が希望を持てるような知事の思い、そしてその考え方をお伺いしたいと思います。
 あわせて、いわて県民計画等における被災地の役割などについてお伺いしたいと思います。
 沿岸被災地は、県民所得、地域医療、道路網の整備など、地域間の格差というものが認知されていることは皆様御案内のとおりであります。しかし、この大災害において、その格差はさらに拡大したものと考えられております。昨年度策定したいわて県民計画第2期アクションプラン、復興基本計画における岩手県全体の中での被災地の役割や機能、位置づけについて知事としてどのように考えているのか、まずお尋ねしたいと思います。
〇達増知事 まず、復興予算の検証と今後の復興に向けた見通しについてでありますが、第1期復興実施計画の初年度である昨年度は、まず、災害廃棄物の撤去、防災施設等の応急的な復旧、応急仮設住宅や仮設診療所の整備、漁船、養殖施設等の復旧など、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生の三つの原則に基づきながら、被災地の復旧、復興の第一歩となる緊急的な取り組みを重点的に進め、今後の本格的な復興の基盤づくりに着手した1年間でありました。
 こうした取り組みにより、現時点におきましては、復興交付金を活用した113地区の防災まちづくり事業や、建設が予定されている災害公営住宅のうち約3割の事業に着手し、県内の全ての産地魚市場が再開し、その水揚げ金額が約7割にまで回復するなど、最初の3年間である第1期復興実施計画が目標としている基盤復興ということに向けた事業が具体化しつつあるところであります。
 一方で、今なお約4万人の方々が応急仮設住宅等での生活を余儀なくされています。2度目の冬を迎えようとしておりまして、8月に実施したいわて復興ウォッチャー調査の結果を見ますと、復興計画が具体化せず、先行きが不安、高台移転がおくれているなどの御意見が数多く寄せられています。いまだ半数以上の方々は復興の進捗を感じられていないという状況であります。
 今、重要なのは、この復興のプロセスや見通しを被災者の方々を初め県民全体で共有していくということだと思っております。希望を持って進んでいくためには、今、何が進んでいるのか、そして何がいつごろまでにできる、そして、その間どういうことをして、また、いつまでの間にこういうことをしておけばいいというふうに、被災者の皆さん一人一人が自分の復興計画というものを持ちながら、そしてまた、一人一人ばらばらではなく、家族、地域、市町村、県、そういうつながりの中で、また、全国や世界とのつながりも加味して復興に進んでいく、そういう形をきちっとつくりながら、463ございますこの復興実施計画に基づく事業を加速させていくことだと考えております。
 もう一つ、いわて県民計画等における沿岸被災地の位置づけについてでありますが、いわて県民計画では、沿岸広域振興圏の目指す将来像として、三陸から世界へ挑む産業が躍動し、海陸の交流拠点としての機能を担う地域としております。そして復興計画では、復興の目指す姿として、いのちを守り、海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造を掲げておりまして、三陸の海が持つ多様な資源や潜在的な可能性などの特性を生かした復興を目指しております。
 これらの将来像の実現に向けては、東日本大震災津波からの復興を最重要課題として、沿岸地域が持つ地域資源を発掘し、磨き上げ、高付加価値化を生み出すという地域に根差した振興策を積み上げていくことが基本と考えております。その上で、さらに、世界をリードする国際研究交流拠点の形成や、三陸の海の資源を活用した新産業の創出、太陽光や洋上風力等によるさんりくエコタウンの形成など、復興計画に掲げます三陸創造プロジェクトを推進することによって世界に誇る新しい三陸地域の創造を目指してまいります。
〇佐々木茂光委員 次に、林業支援策についてお尋ねいたします。
 昨年8月に策定した復興基本計画のなりわいの再生において、地域の木材を活用する加工体制等の再生を挙げたところでありますが、現実問題として、被災した気仙管内にある合板工場は事業の再開を断念したところであります。気仙地域における技術を有した人材の生きがいや他業種への流出が懸念されているところであり、大変時間を要しております。まさに合板工場の再開を強く望むものでありますが、そのような人材が地元に定着するような林業、木材産業の実施の有無や課題について、これらに対して県の積極的な取り組みをお願いするところでありますが、その辺の課題等についてお伺いいたします。
〇上野副知事 気仙地域などにおけます林業支援策についてでありますが、県ではこれまで、大震災津波により被災いたしました木材加工施設の復旧や、行き場を失った原木やチップの新たな供給先への流通経費の支援などに取り組んできたところでございます。特に気仙地域は、従来から林業、木材産業が盛んな地域でございまして、これまで培ってこられました技術を有する方々、人材を地域内で活用して、林業、木材産業の振興を図っていくことが極めて重要だという認識をいたしております。
 気仙地域では、今年度、地域のプレカット工場が製造ラインの増設を進めているということがございまして、新たに約50人の雇用が予定されているほか、木質バイオマス利用施設やチップ燃料供給施設の整備が計画されておりまして、このような取り組みを支援していくことによりまして、地域の人材が流出することなく地域で十分活用されるよう、林業、木材産業の振興を図ってまいります。
〇佐々木茂光委員 今、木材産業の振興ということで、実際そこで200名ほどの専門職である技術を持った方が職を失ったわけですが、これから、その辺の県の支援の中で、簡単に言いますと合板工場の再建に向けた県としての取り組み、企業誘致を含めて、確かに地元でもそういった取り組みをされるというお話もありますけれども、県もその辺に対して積極的な考えがあるのかどうか、そこをちょっと、合板工場に特化していただきたいと思います。
〇上野副知事 委員から御指摘ございましたように、残念ながら、地域におきましては、合板工場が被災によって事業の継続を断念したという事例があるのは事実でございます。そうしたことを踏まえまして、岩手県全体として、林業、川上対策も含めまして、合板工場というものをどういった形で誘致していくのか、こういうことは非常に重要な課題だと考えておりまして、県といたしましては、企業誘致の中の大きな柱として木材関係の企業誘致というのを検討しているところでございます。
 具体的にどこに立地するかにつきましては、各企業とのいろいろな交渉、折衝がございますものですからなかなか現時点でどこということは申し上げられませんが、岩手県全体として木材の加工、流通が円滑にいくような、それから地域の人材が十分活用されるような、そうした形での企業誘致が極めて重要だという認識を持っておりまして、それについて今、具体的な検討を進めているところでございます。
〇佐々木茂光委員 それはぜひ気仙地区のほうにお願いしたいと思います。
 次に移ります。
 復興道路の新設について、これはたびたび申し上げておりますけれども、改めてまた質問させていただきます。
 地域格差の中で道路網の整備について取り上げたところでありますが、復興実施計画において、気仙地区の既存道路については復興支援道路として位置づけられ、改修による対応を予定しております。高規格道路の新設による内陸からの容易なアクセスは、物流や観光産業の創設など、被災地の復興には特にも欠かせないものであります。
 ついては、昨年における既存道路の改修実績と今後の投資計画、そして新たな復興道路を整備する考えはないか、課題とあわせてお伺いいたします。
〇上野副知事 昨年におけます既設道路の改築の実績と今後の投資計画などについてのお尋ねでありますが、県の復興計画におきましては、復興支援道路として位置づけております気仙地区に関係する道路整備の昨年度の実績につきましては、国道284号では、一関市で真滝バイパス、室根バイパス、国道343号では、一関市で大原バイパス、国道397号では、奥州市で分限城-赤金地区、住田町で津付道路、高屋敷地区、子飼沢地区の整備を進めておりまして、平成23年度におけるこれらの7地区の事業費は合計で約18億7、000万円となっております。
 今後の投資計画についてでありますが、平成24年度に新規着手いたしました国道397号奥州市小谷木橋、それから国道340号住田町山谷地区を加えまして、平成24年度以降の残事業費は約190億円となっているところであります。
 次に、新たに復興道路を整備することについてでありますが、県では、災害に強い高規格道路等による幹線道路ネットワークの構築を被災地の復興に必要不可欠なものと考えまして、既に計画あるいは事業が行われております三陸沿岸道路と東北横断自動車道、さらに宮古盛岡横断道路を復興道路として位置づけまして、国や関係機関と一体となって早期の全線開通に全力で取り組む必要があると考えております。
 課題といたしましては、復興道路は、高規格幹線道路と地域高規格道路の規格の高い道路で構成されておりますが、高規格幹線道路につきましては、全国で1万4、000キロメートルの高規格幹線道路網計画が決定されているほか、地域高規格道路につきましても、現在186路線、約7、000キロメートルを計画路線として指定されておりまして、これに加え候補路線として110路線が指定されていることなどから、新たな指定を受けることは実際には難しい状況にあることが挙げられます。このようなことから、県といたしましては、県復興計画で復興支援道路として位置づけております国道284号、それから397号などにつきまして重点的に整備を行い、災害に強く、信頼性の高い道路ネットワークの構築を図っていく考えでございます。
〇佐々木茂光委員 その復興道路の考え方ですね。私たちが道路、道路と何度も言うのは、やはり私たちには何もなくなったということです、何度もこれはお話し申しますけれども。
 今回、三陸縦貫自動車道が仙台市に向けて早期に供用開始するということになりますと、私たちにとっては、さらに内陸からその道路に結びつけるような道路網があればますますその復興に弾みがつくだろうと考えております。そういった中で強く望んでいるわけですが、今のお話を聞きますと、国道284号、それから397号それぞれの改良工事等については、今までの私たちの考え方の中では、まさに生活道路そのものなのであります。今までもそういった面で不便、不自由をしていたわけですが、今、復興予算もいろいろわけのわからないところで使われている、そういうことも考えてみますれば、こういうときだからこそ我々が説得できる話の復興道路に位置づけできるものだと私は思うんですが、そういった考えで取り組んでいただきたいと思います。是が非でも気仙管内に向けたそういった規格の高い道路をぜひ引いていただきたい、そのように思います。もし所見がありましたらお願いしたいと思います。
〇上野副知事 ただいま委員おっしゃいましたような御指摘を十分踏まえまして、言葉の問題として復興道路、復興支援道路という違いはありますが、私どもといたしましては、復興支援道路も復興の予算を活用してつくる道路でもありますので、そうした名前の違いはありますが、県として、必要不可欠な道路として早急に整備を進めてまいりたいと思います。
〇佐々木茂光委員 次に、瓦れき処理の計画についてお尋ねいたします。
 震災瓦れきの処理については、他県の協力等のもと、平成26年3月までに終了するめどが立ったとのことでございます。被災地の住民の一人として、瓦れきの山が一向に減らない現状から、復興への道のりはまだまだ遠く、また、期限内に処理が終了しないのではないかと懸念するものであります。一日でも早く瓦れき処理を終えるため、他県の協力態勢を受けつつも、自前による処理、例えば気仙地区に宮古地区のような仮設焼却炉を早々に設置するなどといった考えはないのか改めてお尋ねいたします。現在の計画、処理方法が最善であるのかを改めてお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、気仙地区への仮設焼却炉の設置についてのお尋ねにお答えいたします。
 気仙地区では、焼却灰が発生しないリサイクル処理を行うことができます太平洋セメント大船渡工場を中心に可燃物の処理を優先して進めておりまして、その結果、可燃物につきましては期限内の処理に一定のめどが立っているところでございます。
 新たな仮設焼却炉の整備につきましては、気仙地区は県に事務委託を行わず、一部を除いて大船渡市、陸前高田市がそれぞれ独自に処理を行っておりますことから、当該市の判断により、仮設焼却炉を設置することは可能ではございます。しかしながら、今後、早急に取りかかったといたしましても設置に約1年程度を要しますこと、県内または広域処理の進行状況を勘案いたしますと、稼動するころには可燃物はかなり減少していることが見込まれておりますことから、関係市ともいろいろと相談しておりまして、現在の方策が最も現実的ではないかと考えているところでございます。
 次に、現在の計画、処理方法についてでございますけれども、気仙地区では、現在、大幅に増加しております津波堆積土の処理が大きな課題ともなっております。県では、6月に策定いたしました復興資材活用マニュアルに基づきまして、現在、公共事業へのマッチングを進めているところでございます。
 また、陸前高田市では、水を活用した独自の津波堆積土分別プラントを新たに設置し、より効果的に復興資材や農地に還元するための処理を進めることとしておりまして、今後とも、市とも連携を深めながら、柔軟に対応し、早期に処理が完了するよう最善を尽くしてまいりたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 最後に、被災地における早期住宅確保についてお尋ねいたします。
 先週行われた東日本大震災復興特別委員会の資料では、防災集団移転等、被災地の住宅確保に対して、早くて1年、長ければ4年との説明を受けているものであります。被災地の住民からは、盛り土造成を待ってでももとの場所に家を建てたい、防災集団移転事業が完了するまでの仮設住宅の入居は大変であるといったような声が上がっております。県としても、仮設住宅の入居期間を短縮するためにいろいろと計画されているものと思われますが、そういった被災者住民の早期住宅確保に向けた事業において発生するさまざまな障害や課題をどのように捉え、克服しようと考えているのかお示し願いたいと思います。
〇上野副知事 沿岸被災地における早期の住宅確保についてでありますが、被災者の方々が持ち家等で自立再建できるよう、また、それが困難な方々につきましては災害公営住宅にお住まいいただくことを目指しまして、住宅再建への支援や災害公営住宅の整備に取り組んでいるところでございます。
 しかし、防災集団移転促進事業や災害公営住宅の建設につきましては、移転先や災害公営住宅の用地の確保に時間を要していることが大きな課題となっておりまして、その要因といたしましては、第1に、平地や市街地に近い宅地の多くが津波で被災していること、第2に、被災しなかった一団の土地が応急仮設住宅の用地として既に使用されていること、第3に、地権者が土地を手放されることに難色を示されるケースがあること、第4に、地権者の売却の希望価格が当方の示す条件と折り合わないことがあること、第5に、所有者不明の相続手続未了の土地があることなどが挙げられるところであります。また、土地区画整理事業につきましては、従来の生活の場での再建となることから、換地や減歩などの具体的な事業計画についての合意の形成に時間を要することが課題となっております。
 今後も、引き続き市町村などとの連携を図りながら、第1に、災害公営住宅の用地確保を推進するための定期借地権による賃貸や敷地提案型買い取り方式の導入、第2に、防集事業等の用地取得に関します抵当権や所有不明土地等への迅速な対応について関係機関との協議、調整を行うこと、第3に、土地区画整理事業につきましての早期事業着手に向けた技術的な指導、支援を行うことなどによりまして、被災者の方々が一日でも早く恒久的な住宅にお住まいになれるよう、鋭意取り組んでまいります。
〇小野共委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。お疲れさまでした。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇千葉伝委員 今、総括質疑を終わる、こういう話ですが、きのう、総括質疑の際に3人の委員から議事進行があって、委員長から、後刻協議をすると、ここの部分は聞いています。世話人会を開いたのか開かないのか。開いたなら、その内容を委員長が報告すべきと思うが、いかがか。
〇小野共委員長 きのう、この特別委員会終了の後、世話人会を開きました。その内容につきましては各世話人を通じて会派のほうに内容は行っていると思いますけれども、改めて御説明させていただきたいと思います。
 先日の世話人会の結果でありますが、世話人会を開きまして、各会派に持ち帰りということになりました。後日、各会派の結論を持ち寄りまして、議事進行のあった件につきまして再び世話人会を開いて協議するという内容となりました。
 これがきのうの世話人会の報告でございます。
〇千葉伝委員 一応はわかりましたが、世話人を出している会派と出していないところがあるので、委員長からはやっぱりきちっと報告をすべきだと、これはそのとおり。
 もう一つ、後日という今度は話です。いつという話にはなっていないんですか。
〇小野共委員長 一応あしたをめどにという方向で、今、調整しております。
   〔千葉伝委員「了解」と呼ぶ〕
〇小野共委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時59分 休 憩
午後1時2分 再開
〇岩崎友一副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、平成23年度決算の審査であるので、当該年度の決算に関する質疑とし、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 また、冒頭でも申し上げましたが、本日は、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇小原議会事務局長 平成23年度の議会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、事項別明細書の166ページをお開きいただきたいと存じます。事項別明細書の166ページから167ページにかけてでございますが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は13億6、706万円余でございます。その内訳でありますが、第1目議会費の支出済額は9億2、608万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費でございます。次に、第2目事務局費の支出済額は4億504万円余でございますが、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費でございます。次に、166ページから169ページにかけてでございますが、第3目議員会館費の支出済額は3、593万円余であり、これは、議員会館の維持管理等に要した経費でございます。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇岩崎友一副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 議会費についてまずお伺いしたいと思います。
 平成23年度の議会費につきましては13億6、706万円余で、平成22年度決算の12億9、312万円余との比較増減額が7、394万円余の増となっておりますけれども、まず、その要因についてお伺いしたいと思います。
 また、平成23年度の議会費の不用額が783万円余となっておりますが、あわせてその理由をお伺いしたいと思います。
〇小原議会事務局長 平成23年度決算が平成22年度と比較しまして増となった主な要因でございますが、まず、議員年金制度の改正に伴いまして、議員共済会負担金が1億3、427万円余の増、また、議員改選に伴いまして各種印刷物や消耗品の購入費等としまして、事務局費の需用費が645万円余の増となったところでございます。
 一方で、議員報酬の特例減額によりまして、議会費の報酬が2、008万円余の減となり、これらの結果7、394万円余の増となったところでございます。
 次に、不用額の生じた主な理由についてでございますが、平成23年度の不用額の主なものを申し上げますと、議会費の旅費が186万円余、事務局費の役務費として238万円余でありますが、このうち旅費についてでございますが、2月定例会等の議員の費用弁償に不足がないよう積算上考えられる最大の金額を計上してございます。精査の結果、不用額が生じたものであるということでございます。
 また、役務費につきましては、2月定例会の予算特別委員会の反訳につきまして、年度内での納品が難しくなったことから、その反訳については平成24年度に依頼することとし、その分が減額となったものでございます。
〇郷右近浩委員 ありがとうございます。といいますのは、今回、この決算書を見せていただいている中で、平成23年度の議会費と22年度の議会費について、余りにも、もともとベースで結構差があるなと思っていたものであります。
 また、さらには、そうした中で、今度、不用額が出ているといったことで、不用額の意味合い等がわかりました。最大限確保しているためというような部分でということの理由はわかりましたけれども、だとするならば、これは本来であれば、今回の共済費、議員年金廃止であったり、そうしたことがなければ、アベレージ同じぐらいの金額であったものが、ことしは突出したというような考え方でよろしいのかどうかの確認と、あわせてですけれども、ここの部分に費用弁償の部分が含まれるということでございますが、平成23年度の費用弁償の決算額がどうなっているか、ちょっとお伺いしたいと思います。といいますのは、やはり先ほど、費用弁償の最大限の部分の数字ということで見積もっている部分ということもありましたので、そこの部分での決算額はどうなっているか、そして、平成22年度の費用弁償の決算額は一体どのようなものだったかということをあわせてお伺いしたいと思います。
〇小原議会事務局長 まず、平成23年度の決算でございますが、先ほど委員からお話があったとおり、大きな要因としては、その議員年金ということが特殊要因ということでございまして、毎年度さまざまなものがございますが、おおむね、それらを除きますと平年ベースということでございます。
 続きまして、費用弁償の件でございますが、費用弁償の平成23年度の決算額は3、686万円余でございまして、平成22年度の決算額4、100万円余と比較しまして414万円余の減となってございます。
 この理由といたしましては、震災の影響によりまして、昨年度は委員会の県外調査が実施されなかったということが大きな要因でございます。
〇郷右近浩委員 意外と県外調査が結構高くついているんだなということを改めて見せていただきましたが、その費用弁償なんですけれども、この適用範囲というのが一体どのようになっているのか、改めてお伺いしたいと思います。といいますのが、例えば議会として、議長等がさまざまな形で要望活動であったり、そうしたことをするときには費用弁償が出るけれども、もちろん議員が、それぞれの政党であったり、また、さまざまな立場で、もしくは市町村等と一緒になって、特にもこのような震災後のときに要望活動をするときには、もちろんこれは費用弁償はないわけでありますけれども、その中で、さらには政務調査費等もたしかそれに充当できないといったような現行ルールだったと思うんですが、そこの部分について、この費用弁償の適用範囲を改めてお伺いしたいと思います。
〇小原議会事務局長 費用弁償の適用範囲でございますが、これは、特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の規定に基づきまして支出されることとなっておりますが、まず、招集に応じて会議又は委員会等に出席したとき、及び委員会調査や議員派遣等により職務のため旅行したとき費用弁償することとされているところでございます。
 また、政務調査費というお話も先ほどございましたが、いずれ公務として行う場合は、これは旅費、費用弁償の対象となりますので、政務調査費を充てることは適当ではないと。一方で、公務ではなく、いわゆる議員の調査活動なり、あとは会派活動、これらにつきましては政務調査費の対象となるものでございます。
〇郷右近浩委員 わかりました。ルールとしてという話でございますので理解いたしました。
 それでなんですけれども、政務調査費についてあわせてお伺いしたいと思います。平成23年度の執行額は幾らになっているかお伺いしたいと思います。といいますのは、返還金としましては、収入のほうで2、748万4、302円となっておりますけれども、これは、議員が途中で辞職されたり、さまざまな要因の中で執行額自体がどのようになっているかという意味合いの中で、この部分については実質の使用額というか、そうした部分をお伺いしたいと思います。
 あわせて、平成22年度は幾らだったのかということもお伺いさせていただきたいと思います。
〇小原議会事務局長 平成23年度の政務調査費の議員の執行済額でございますが1億3、729万円余でございまして、交付額の約78%でございます。
 また、平成22年度の政務調査費の執行額でございますが1億4、969万円余ということで、交付額の約86.1%となっておるものでございます。
 先ほど委員もお話がございましたが、いずれ返還額とは一致しておりません。これは、返還額の入ってくる年度にばらつきがありますことから、一致しないものでございます。
〇郷右近浩委員 わかりました。
 それでなんですけれども、今回、地方自治法の改正によりまして、政務調査費が政務活動費と変わるという方向になっております。この部分につきまして、一体何がどのように変わるのか。といいますのは、先ほど話しましたとおり、例えば陳情であったり、そうしたような活動について、なかなか政務調査と認めないといったような面があったり、また、さらには、私自身は、例えば案分というのが、果たして案分でいいのかどうかと。使っていない私が言うのも変なんですけれども、そうした意味でさまざまな思いがあるわけなんですが、一体何がどのように変わるのかお示しいただければと思います。
〇小原議会事務局長 政務調査費制度でございますが、これは、先般の地方自治法の一部改正によりまして、その名称が政務活動費に改められ、また、交付の目的が議会の議員の調査研究だけではなく、その他の活動に資するためということで、議員としての活動である限り、幅広く支給対象となるよう認められたところでございます。
 しかしながら、その政務活動費を充てることができる経費の範囲は条例で定めるとされておるところでございます。したがいまして、具体的にその政務活動費の対象となります経費の範囲につきましては、今後、全国都道府県議会議長会から示される予定であります条例例などを参考にしながら、本県の議会改革推進会議で検討することとされたところでございます。
 先ほど委員からも例でお話がありましたが、国会の答弁などを見てみますと、具体的な例として、議員としての補助金の要請あるいは陳情活動等のための旅費、交通費、また、議員として地域で行う市民相談、意見交換会や会派単位の会議に要する経費のうち、今まで認められていなかったもの、こういうものが対象となるとの国会での議論でございます。
〇斉藤信委員 私も予算のことについて、今、予算はふえたけれども、8、824万円の減額補正をしているんですね。議会費は9、351万円ですが、この減額補正をした主な中身は何か、そして、その結果、不用額が出ているんですよ。減額補正をした上で783万円余ですか。だから、今の説明は余り正確ではないのではないですか。
〇小原議会事務局長 今、減額補正の主な要因ということでございますが、一番大きいものは、議員報酬の特例減額が平成23年度ございまして、これが年間で約3、100万円余の減となっておるものでございます。
 あわせて補正の減でございますが、あとは議員の期末手当でございますが、これが、改選期に伴いまして、支給率の減によって約1、200万円の減。それとあと、南米の訪問中止となり、あとは委員会の県外調査の中止などによりまして、補正において大きな減となったものでございます。
〇斉藤信委員 先ほど共済費が1億7、000万円ふえたという話でしたが、これは、何がどうふえたのか示してくれますか。
〇小原議会事務局長 共済費でございますが、議員年金制度が、平成23年6月1日をもって制度が廃止されたところでございます。この制度廃止に伴いまして、制度廃止時に現職議員であった者につきましては、年金または特例退職一時金の選択制とされました。特例退職一時金の給付を希望された方が全国でかなりの人数となっておりまして、したがいまして、その年金給付に関する共済会においての負担金、これは各県からの負担金で賄っているものでございますので、この率がかなり、平年ベースで1億3、000万円ほど増になったというものでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。
 じゃ、次に、政務調査費の返還請求事件。
 昨年度最高裁への上告が行われましたが、これはどう受理されたのか、審理されているのか、示していただきたい。
〇小原議会事務局長 政務調査費返還請求事件でございますが、岩手県として昨年12月20日付で上告受理申立理由書を送付しておりまして、最高裁判所からは、平成24年2月14日に記録到達通知書というものがこちらに来てございます。これは、いわゆる受理したというものではなく、届いたというものでございます。いずれ、これにつきまして受理されるかどうか、また、どういう審理をされているかにつきましては、県としては、まだ把握できてございません。
〇斉藤信委員 いやいや、届いた通知は来たけれども、受理されたかどうかわからないんですか。そうしたら、されていないのではないですか。
〇小原議会事務局長 受理、不受理の決定がまだされていないということでございます。したがいまして、いずれ、まだ上告の受理自体は今現在されておりません。
〇斉藤信委員 最高裁というのは、受理するかしないかについて、こんな、1年以上もかかるのですか。通例。
〇小原議会事務局長 本県の例でいきますと、費用弁償の関係で上告受理申し立てがありましたが、あれについては、たしか9カ月ほどで判断が下されたと理解してございます。
 最高裁判所における全国の平均期間はどの程度のものかということで、議会事務局としても最高裁判所のホームページ等で一応調べておりますが、短いものでは3月以内、長いものでは2年を超えるものもございます。一般的な傾向を見てみますと、上告不受理の場合の平均が約5カ月、上告受理決定の平均は18カ月といったような資料もございます。
 いずれ、現在慎重に検討されているものと思ってございます。
〇斉藤信委員 わかりました。いずれ、かなり無理な上告をしたと私は思っておりますので、最高裁の審理にかかわりなく、これは岩手県議会として自主的な改革を進めることが必要だと思います。
 次に、議会棟の禁煙について。
 議会棟の禁煙状況、全国の都道府県の状況はどうなっているか示していただきたい。県庁内は基本的には全面禁煙であります。ところが、残念ながら議会棟は全面禁煙になっていないと。全面禁煙する場合には、議会棟の外に喫煙室等の設置が必要になるのではないかと思いますが、私は、改選前に超党派で議長に全面禁煙の検討を求めたという経過もあります。私は、岩手県議会が治外法権になってはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇小原議会事務局長 まず、他の都道府県の措置状況でございますけれども、平成24年5月現在で、敷地内禁煙としておりますのは大阪府のみでございます。建物内禁煙としておりますのは全部で10県、建物内分煙としておりますのは、岩手県を初め36都道府県となっておるところでございます。
〇斉藤信委員 先ほど超党派と言いましたが、超党派の有志で要望したと。正確に言っておきます。
 それで、全国的には10県が既に議会棟の建物内の禁煙は実施していると。議会基本条例を制定した岩手県がこれにおくれるということは、私は、この議会基本条例の精神に反するのではないかと思います。
 会派内は、これは会派の自主的判断となっていますが、会派の部屋といえども、請願陳情で県民が来るわけですよ。そこで被害を受けるのは県民なんですね。私は、秘書の方々も健康被害を受けていると思いますよ。私は、この問題は、既に全国10県の議会で建物内全面禁煙されているとすれば、早くそういう条件を整備すべきだと思いますが、どうすればそういう対応ができるのですか。
〇小原議会事務局長 議会棟の全面禁煙につきましては、議会運営委員会において検討が重ねられておりましたが、震災の発生に伴いまして実質的な協議は中断となり、改選期を迎え、現在に至っておるところでございます。
 議会内の禁煙につきましては、やはりこれは議員間で協議されていくべきものと考えてございます。
〇斉藤信委員 ぜひ、それぞれの会派内で検討していただいて、議会棟の全面禁煙に向かって進んでいただきたいと思います。
 次に、議会の図書室の拡充についてですが、東日本大震災津波という数百年、一千年に一度の大被害を受けました。そして今、岩手に関する震災復興関係の図書もたくさん発行されていますが、私は、最大限岩手に関する震災復興関係の図書は、議会図書室に配備すべきだと。
 あわせて、沿岸被災地の地域新聞を配備することを先日の広聴広報会議でも提案しました。やはり被災地の地域新聞というのは、被災の実態を、被災者の皆さんの声を最も具体的に報道しておりますので、そうした配備をぜひよろしくしていただきたいと。
 これは、先日新聞でも報道された釜石のフライキ!という、これは月1回程度発行されている、これは市が補助金を出して発行されている新聞で、直接聞きましたら、おでってには配備されているというんです。それで、おでってに行って私はもらってきましたが、こうした多様なミニコミ紙も発行されております。ぜひ、こうした今の震災に取り組む県議会にとって、そういう方向での議会図書室の拡充を図っていただきたい。いかがでしょうか。
〇小原議会事務局長 震災後の図書の収集方針でございますが、平成23年度以降、震災からの復興に関する資料を第一として収集することとしてございます。平成23年度収集した図書全583冊のうち、震災復興関連図書は166冊、率で28.5%でございます。また、平成24年度につきましては、8月末現在収集した図書198冊のうち、震災関連図書は46冊となっております。
 引き続き震災関連図書の充実について努めてまいりたいと考えております。
 続いて、被災地の地域新聞等でございますが、これにつきましては、先般の要望もありましたことから、復興を支援する観点で貴重な情報源と考えられ、今現在、購入するよう手続を進めているところでございます。
〇岩崎友一副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩崎友一副委員長 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇加藤総務部長 平成23年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について説明申し上げます。
 まず、歳入の構造でございます。お手元の歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
 説明書の48ページをお開き願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、一番上の行にありますように6、691億9、769万円余で、前年度に比べて1、802億5、258万円余、36.9%の増となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中ほどの行になりますが6、796億2、826万円で、前年度に比べて4、316億2、639万円余、174.0%の増となっております。前年度に比較して増加した要因は、国庫支出金が3、189億6、085万円余、414.2%の増となったことなどによるものであります。
 次に、これら歳入の内容について説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によって説明申し上げます。
 6ページをお開き願います。まず、第1款県税の収入済額は977億5、167万円余で、前年度に比べ32億4、038万円余の減となっております。これは、個人所得の低迷と東日本大震災津波に伴う減免などによるものであります。また、調定額に対する収入済額の割合であります徴収率は96.9%で、前年度より0.2ポイントの増となっておりますが、収入未済額は29億6、956万円余と、前年度より11.1%減少しております。この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は、市町村民税と合わせて賦課徴収することとなっておりますので、関係市町村とより一層の連携を図りながら、その徴収に努めてまいります。
 次に、18ページをお開き願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間で消費相当額に応じ地方消費税を清算するものであり、収入済額247億1、490万円余で、前年度比1.2%の減となっております。
 次に、20ページをお開き願います。第3款地方譲与税でありますが、収入済額196億486万円余で、前年度比0.9%の増となっております。
 次に、22ページをお開き願います。第4款地方特例交付金でありますが、収入済額14億3、995万円余で、前年度比17.1%の減となっております。これは、減収補てん特例交付金などの減によるものであります。
 次に、24ページをお開き願います。第5款地方交付税の収入済額は3、896億9、988万円余で、前年度比71.3%の大幅増となっております。これは、新たに創設されました震災復興特別交付税の増などによるものであります。
 次に、26ページをお開き願います。第6款交通安全対策特別交付金は、収入済額5億970万円となっており、前年度比3.2%の減となっております。
 次に、28ページをお開き願います。第7款分担金及び負担金の収入済額は51億5、121万円余で、前年度比38.1%の増となっておりますが、これは、農林水産業費負担金などが増となったことなどによるものであります。
 次に、34ページをお開き願います。第8款使用料及び手数料の収入済額は45億8、803万円余で、前年度比3.7%の減となっております。
 次に、50ページまで進ませていただきます。第9款国庫支出金でありますが、収入済額は4、196億1、817万円余で、前年度比296.1%の著しい増となったものでございます。これは、災害救助費負担金や東日本大震災津波復興関連基金の造成に係る交付金などの増によるものであります。
 以下、109ページまでは国庫支出金の内訳であります。
 次に、110ページの第10款財産収入であります。収入済額は31億9、677万円余で、前年度比139.8%の大幅増となっております。これは、普通財産の売り払いなどの増によるものであります。
 次に、118ページをお開き願います。第11款寄附金でありますが、収入済額は196億1、613万円余で、前年度比2、397.0%の著しい増となっております。これは、災害見舞金やいわての学び希望基金などの増によるものであります。
 次に、120ページをお開き願います。第12款繰入金は784億6、867万円余で、前年度比203.2%の大幅増となっております。これは、東日本大震災津波復興基金や災害廃棄物処理基金などからの基金繰り入れが増加したことによるものであります。
 次に、124ページをお開き願います。第13款繰越金は398億3、669万円余で、前年度比202.9%の大幅増となっております。これは、東日本大震災津波によりまして、前年度の事業の進捗に影響が生じたことなどから増加したものであります。
 次に、126ページをお開き願います。第14款諸収入は、収入済額1、512億1、469万円余で、前年度比72.0%の大幅増となっております。これは、中小企業東日本大震災復興資金貸付金等の元利収入や災害廃棄物緊急処理に係る受託事業収入の増などによるものであります。
 160ページまで進ませていただきます。第15款県債でありますが、収入済額は934億1、456万円で、前年度比21.0%の減となっております。これは、臨時財政対策債の減などによるものであります。
 なお、平成23年度末の一般会計県債残高は1兆4、574億4、810万円となっております。
 以上、款別に申し上げましたが、歳入の合計額は、164ページ、165ページにありますように、予算現額1兆5、804億5、346万円余、調定額1兆3、700億8、298万円余、収入済額1兆3、488億2、595万円余となっており、収入済額は、前年度に比べ6、118億7、898万円余、83.0%の大幅増となっております。
 なお、不納欠損として処理したものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金のうち欠損処分をしたもの、また、東日本大震災津波により被災した農林水産業関係事業に係る負担金などを欠損処分したものであります。
 次に、歳出について説明申し上げます。先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りいただければと存じます。
 説明書の60ページ、第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況をお開き願います。
 歳出決算を性質別に申し上げます。左側区分に従いまして、義務的経費につきましては、計欄にありますように3、156億4、486万円余で、前年度と比較して1.3%の増、決算総額に占める割合である決算額構成比では25.2%で、前年度より19.5ポイント減少しております。
 投資的経費につきましては、計欄のとおり2、512億937万円余で、東日本大震災津波により大きな被害を受けた漁港や土木施設等の整備費や災害復旧事業の増加などにより、前年度と比較して139.3%の大幅増、構成比は20.0%で、前年度より4.9ポイント増加しております。
 なお、今後の財政運営に当たりましては、東日本大震災津波からの復旧、復興を最優先としつつ、限られた財源の中で全ての事務事業を精査し、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進してまいります。
 次に、総務部関係の決算について説明申し上げます。
 最初に、総務部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえました次年度以降の取り組み方針について説明申し上げます。
 総務部におきましては、重点施策として、地域防災力の強化、岩手県立大学における教育・研究の充実、特色ある私立学校の支援につきまして、いわて県民計画の施策に位置づけ、推進してまいりました。
 地域防災力の強化につきましては、県民が主体的に避難力と備えを身につけ、地域ぐるみの防災体制を確立するため、地域防災力強化プロジェクト事業により、自主防災組織の育成強化等を図ったほか、防災通信機能の強化に向けた消防救急無線デジタル化整備事業を進めるなど、地域の防災対応力の強化に努めてまいりました。
 また、東日本大震災津波に係る災害対応の検証を行い、それを踏まえた県地域防災計画の見直しを実施いたしました。今後とも、県地域防災計画の不断の見直しを行うとともに、市町村の地域防災計画の見直しを支援するほか、防災行政情報通信ネットワークの整備等を進め、地域防災力の強化に努めてまいります。
 岩手県立大学における教育・研究の充実につきましては、公立大学法人岩手県立大学の安定的な経営を確保し、教育研究の質の向上を図り、地域貢献を促進するため、運営費の一部を交付しております。
 特色ある私立学校の支援につきましては、県内に所在する幼稚園や高校、専修学校など私立学校の教育水準の維持向上を図り、建学の精神に基づく特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費に対する助成など各種の施策を実施しているほか、東日本大震災津波により被災した児童生徒等の就学支援や被災した学校等の経営支援に取り組んでおります。
 今後におきましても、私立学校の振興を図るため、関係機関と連携して支援に努めてまいります。
 これら以外におきましても、復旧、復興に向け、厳しい経済状況の中にあっても県税収入及び税外収入の着実な確保に取り組むとともに、国に対する財政措置等の要望、提言の実施や機動的な予算編成を行っているほか、膨大な復旧、復興業務を迅速かつ強力に推進するための体制整備と人材の確保、災害対応職員等のメンタルヘルス対策の推進などに取り組んでまいりました。
 総務部といたしましては、各部がその機能を最大限に発揮できますよう、必要な価値と限られた資源を効果的かつ効率的に提供することにより、各部を支援し、岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進、また、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に貢献してまいりたいと考えております。
 続きまして、平成23年度総務部関係の決算につきまして説明申し上げます。
 最初に一般会計についてでございますが、総務部の一般会計における支出済額の総額は2、718億2、175万円余となりましたが、その概要については、歳入歳出決算事項別明細書の170ページから順次説明申し上げます。
 第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように13億5、712万円余でございますが、その主なものは、総務室などの管理運営費や、県営建設工事の入札関係費、外部監査費でございます。
 なお、以下の説明につきましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に説明申し上げますので、御了承願います。
 第2目人事管理費でございますが、その主なものは、職員の研修や退職手当及び公務災害補償費のほか、県勢功労者顕彰などの各種表彰に要した経費でございます。172ページをお開き願います。第3目文書費でございますが、その主なものは、法規審査事務や文書の収受及び発送、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進などに要した経費でございます。第4目財政管理費でございますが、その主なものは、予算編成事務等支援システムの運営や、財政調整基金及び東日本大震災津波復興基金などの積立金でございます。174ページをお開き願います。第6目財産管理費でございますが、その主なものは、庁舎及び公舎の維持管理や県有資産所在市町村交付金などに要した経費でございます。第7目情報システム管理費でございますが、財務会計や税業務などのオンラインシステムや通信ネットワーク等、庁内の行政情報システムの管理などに要した経費でございます。176ページをお開き願います。第8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営経費、第9目公会堂費は、岩手県公会堂の管理運営経費でございます。第10目恩給及び退職年金費は、恩給などの給付に要した経費でございます。第11目諸費のうち総務部関係は、備考欄にございますとおり470万円余でございますが、これらは、宗教法人の設立認証事務、公益法人の事務調整などの事務的経費でございます。
 飛びまして180ページをお開き願います。第3項徴税費第1目税務総務費でございますが、この主なものは、税務担当職員に係る人件費等でございます。182ページをお開き願います。第2目賦課徴収費でございますが、この主なものは、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要した経費でございます。
 また、少し飛びまして190ページをお開き願います。第6項防災費第1目防災総務費でございますが、この主なものは、東日本大震災津波に係る災害応急に要した経費のほか、防災担当職員の人件費、防災ヘリコプターの管理運営などに要した経費でございます。第2目消防指導費でございますが、この主なものは、産業保安業務の指導や消防学校の管理運営等の経費のほか、東日本大震災津波に伴い、県内の消防機関が他の市町村で行った消防応援活動に対する交付金でございます。
 次に、大きく飛びまして350ページをお開き願います。第10款教育費第8項大学費第1目大学費でございますが、公立大学法人である岩手県立大学に対し、運営費の交付等を行ったものであります。
 352ページをお開き願います。第9項私立学校費第1目私立学校費でございますが、その主なものは、私立学校の運営費補助、私立高等学校等就学支援金交付金、私立学校被災児童生徒等就学支援事業費補助など、私学の振興に要した経費でございます。
 また、少し飛びまして362ページをお開き願います。第11款災害復旧費第3項教育施設災害復旧費第1目学校施設災害復旧費でございますが、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように5、315万円余でございますが、これは、東日本大震災津波で被災した岩手県立大学及び私立学校等の災害復旧に要した経費でございます。
 また、少し飛びまして368ページをお開き願います。第12款公債費でございますが、総務部関係の支出額は、第1項公債費第1目元金970億7、319万円余のうち、県債償還元金958億5、925万円余及び県債管理基金積立金、元金7億6、366万円余の計966億2、292万円余であり、第2目利子214億3、286万円余、第3目公債諸費7、766万円余となっており、事務費を除いて公債管理特別会計に対して繰り出しを行ったものでございます。
 370ページをお開き願います。第13款諸支出金でございますが、第4項地方消費税清算金につきましては、都道府県間での地方消費税の清算に要した経費でございます。
 第5項利子割交付金から、372ページの第11項自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に対して交付しました税関系の交付金でございます。
 第12項利子割精算金につきましては、都道府県間での県民税利子割の精算に要した経費でございます。
 374ページをお開き願います。第14款予備費でございます。当初及び補正合わせた予算額6億円につきまして、第4款衛生費、第8款土木費、第10款教育費に、計5億9、555万円余を充用いたしております。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、総務部の所管する特別会計について説明申し上げます。歳入歳出決算事項別明細書の426ページから429ページにかけてをごらん願います。
 公債管理特別会計でございますが、収入済額及び支出済額の合計は、それぞれ1、973億4、364万円余であり、歳入の主なものは、一般会計からの繰入金、県債管理基金繰入金、借換債であり、歳出の主なものは、県債償還元金、県債償還利子、県債の償還事務費及び県債管理基金の積み立てに要した経費でございます。
 以上をもちまして、歳入歳出の構造、歳入の全般並びに平成23年度総務部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇岩崎友一副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋但馬委員 電子県庁の運営費についてお尋ねいたします。
 平成12年から16年まで行政情報推進計画の取り組みによって、電子県庁の更新が進められているということで、私も何度か決算委員会で質疑をさせていただきました。情報システムの関連委託件数及び決算額なんですけれども、平成21年度は92システム、17億5、000万円余り、平成22年度は106システムで16億2、000万円余りと推移してきていますが、平成23年度における情報システム関連委託件数と決算額についてお知らせください。
〇大槻法務学事課総括課長 平成23年度におけます情報システム関連の委託件数とその決算額というお尋ねでございますが、知事部局の情報システムにおきましては、委託件数は104件、決算額は20億8、000万円余となっているところでございます。
 委員御指摘のありました平成22年度と比較いたしますと、件数で2件減少、金額で4億6、000万円ほどの増額となってございます。
〇高橋但馬委員 今の答弁ですと、情報システム数は減少しているんですけれども、決算額が上がっていると認識するんですが、実際に平成21年度と22年度を比べると、システム数の割に金額が下がっていると思うんですけれども、その辺をお知らせください。
〇大槻法務学事課総括課長 情報システムの更新ということにつきましては、通常、機器等の運用の保守期間が大体5年となってございます。その5年ごとに更新されるために、毎年の決算額で見ると増減がどうしても生じてしまうものでございます。
 なお、平成23年度につきましては、大きなものといたしまして、いわて情報ハイウェイ、それから行政情報ネットワークの更新が重なったと。これは5年ごとの更新に当たったということと、さらには、河川情報システムの開発がございましたことから、決算額の増につながったものと考えてございます。
〇高橋但馬委員 たまたまその更新が重なったということなんですね。
 それでは、この事項別明細書にも載っているんですけれども、この電子県庁の運営費なんですが、平成22年度は平成21年度に比べて1、940万円余りの経費縮減が図られていると思うんですが、この平成23年度、記載のとおり9億744万6、000円余りで、実際に昨年度と比べると、2、800万円余り経費縮減されていまして、年々重ねるごとに縮減が進んでいるのですけれども、この特徴的な取り組み、そして、他県との比較についてお知らせください。
〇大槻法務学事課総括課長 電子申請システムというものがございまして、これが、自己開発をしていたものから、SaaSと言われるクラウド化したこと、それから、県庁舎や広域振興局、それから単独公所等を結びます行政情報ネットワークの更新に当たりまして、更新計画の策定とか設計動作検証の効率化といったものを進めたことによりまして、経費節減に取り組んできたところでございます。
 御指摘のありました昨年度に比べての経費節減の主なものにつきましては、この電子申請のオンラインシステムの運営費の委託料、それから、行政情報ネットワークの回線使用料等の減によるものとなります。
 他県と比較したというお話もございました。こうした取り組みのほか、特徴的なものといたしましては、仮想化技術というものがございますが、その仮想化技術を使いましてサーバーの統合化を図ってございまして、平成25年度末までの計画でございますが、84台現存しているサーバーを5台まで圧縮、統合するといったような予定でございまして、こうした取り組みにつきましては、東京都を含む8都県から視察調査も訪れているということで、それなりに先進的な取り組みを実施しているものと考えてございます。
〇高橋但馬委員 ありがとうございます。
 これまで岩手県として、全国に先駆けて、サーバーの統合でありますとか、電子申請システムの調達など、自治体クラウドの導入に積極的に取り組んでいると思いますけれども、これまでの自治体クラウドの取り組みの状況についてお知らせください。
〇大槻法務学事課総括課長 都道府県の情報システムのうち、例えば基幹となります税業務とか財務会計業務、こういったものについてのITベンダーによりますクラウドサービスの提供といいますか、そのモデルといいますか、こういったものがまだないということもございまして、現在のところ、国とか他の都道府県の対応状況などについて注視しながら、導入に向けてその研究を進めているところでございますけれども、先ほど申し上げました電子申請システムについてのクラウド化とかサーバーの統合といったものに取り組んで、できるだけその負担を軽減するような方向でやってございまして、今後とも、可能なものからクラウドの活用などによります効率的なシステム運用に努めて、情報システムの経費節減を図っていきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 3.11に東日本大震災が起きまして、情報システムの被害が生じたわけです。津波によって沿岸地域の通信回路が寸断された。あとは、県内全域の停電によって情報システムの機能が停止、県内76カ所の行政情報ネットワークが利用不可能という被害が出ています。
 実際、私が昨年度の決算特別委員会で質問した際に御答弁いただいた内容なんですけれども、災害時における自治体クラウド、これは、この活用によって、外部のデータセンターにおいて電源の確保ですとか情報システムの安定稼働が図られるなど災害時における業務の継続が可能になるというメリットがある。また一方で、災害時に通信回線が寸断した場合におけるデータセンターとの代替回線の確保、もしくは自治体クラウドを共同利用する自治体の業務の標準化、これがないと共通で使うことができなくなる。また、個人情報の問題もあるという御答弁をいただきました。
 私が質問してから1年たったわけですけれども、その辺の状況の変化、取り組み状況についてお知らせください。
〇大槻法務学事課総括課長 委員御指摘のとおり、大災害になりまして、いわゆるデータがサーバーと一緒に流されてしまう、あるいは、そういったようなことでデータがなくなってしまうということが非常に懸念されるわけでございます。そういった意味で、別なところに通信回線を使ってデータを保管するというクラウドシステムというのは有効なわけでございますけれども、一方で、通信回線が遮断された場合には、また使えなくなるというもう一つの面もございます。
 そういった部分もありまして、県の対応といたしましては、災害時の市町村の行政情報データの保護、いわゆるバックアップということになりますけれども、外部のデータセンターにデータを保管するような市町村行政情報データバックアップシステムといったものにつきまして、今現在、政策地域部が中心になりまして構築に向けて検討しているところでございます。
〇高橋但馬委員 情報システムというか電子県庁の取り組みというのは、経費の縮減がメーンだったと思うんですけれども、実際に災害が起きて、そういう情報がとれなくなっているという現状もございますので、地域情報化の部分ですから政策地域部の部分もあるとは思うんですが、その辺の連携を密にとっていただいて、市町村のバックアップをしていただければと思います。
〇岩崎友一副委員長 答弁はよろしいですね。
〇高橋但馬委員 はい。
〇嵯峨壱朗委員 何点か質問させていただきます。
 初めに、不用額についてですけれども、不用額は、昨年も大幅にふえておりまして181億円何がしで、その前年、さらに前年は50億円程度、予算の規模に応じてふえていくのかどうかわかりませんけれども、本年度は304億円プラスの485億円が不用額になっております。この理由について説明していただきたいと思います。
〇八重樫予算調製課総括課長 不用額485億円余の増額の理由についてでございます。そのうち、震災分が376億円余となっております。震災対応分の不用額の主なものといたしましては、災害復旧費が167億円余の不用額がございます。これは、災害復旧事業の国庫負担率の決定が2月補正後の年度末になりまして、国庫補助負担率が上がったわけでございますけれども、結果として県負担分が減少したために不用額が増大したというものや、あるいは共同利用漁船等復旧支援対策事業費、これが90億円ぐらい不用額を出しておりますが、これは、漁船の製造メーカーの納品の見込みが立たずに、発注を次年度に見送らざるを得なかったことによるものでございます。
 そのほか、災害救助費で32億円余の不用額がございますが、これは、救助費につきまして繰り越しが認められておりません。したがいまして、被災者の方々に懸念を与えない、あるいは救助の実施に支障を来すことがないように、予算を十分措置して不足にならないように行ったものでございまして、その結果として32億円の不用額が生じたといったようなところが主な理由でございます。
〇嵯峨壱朗委員 震災の影響によってということですけれども、それにしても100億円ぐらい通常より多いんですよね。去年、飯澤委員が質問していましたね。予算編成システムの変更が背景にあるのではないかという話がありましたけれども、そうではないということでしたけれども、そうであるような気もします。
 要するに、部局が積み上げていってやるのではなくて、知事が全庁的に優先順位を決めてやるという予算システムになったわけですけれども、これは4年ぐらいたったわけですけれども、それを経て、どうですか、そういった面はないですか。
〇八重樫予算調製課総括課長 通常分の約109億円の不用額につきましては、この中に平成22年度から平成23年度に繰り越した不用残の分が54億円ございまして、これらが震災影響によって事業打ち切りになった等々の理由がありますので、これを差し引きますと、震災前の平成20年度、平成21年度とほぼ同程度、通常分の不用額については同程度の水準となっております。
 また、委員から御指摘のありました予算編成システム、部局が積み上げていたときと、あるいは部局の枠の予算でやる場合の不用額等々についての御指摘ですけれども、これは、一義的に部局のほうで適切な予算執行あるいは予算の管理をしておりますし、我が総務部におきましても、予算編成の過程で予算の適正な見積もりをして多額の不用額が生じないように管理しているところでございまして、その影響というものは特にないものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 不慮の事態によるということなんでしょうけれども、なるべく不用額がないような予算編成を期待したいと思っております。よろしくお願いします。
 それと、職員の処分について考え方をお聞かせ願いたいんですけれども、先般、測量関係の県の入札ミスがございました。それによって処分がされたわけですけれども、この考え方、基準というか、あるものなんですか。こういうことだったらこうだとかという、もしわかれば、大ざっぱでもいいんですけれども。
〇堀江人事課総括課長 ただいま御質問いただきました今回の入札契約事務に係る積算誤り事案でございますが、これにつきまして、積算誤りが主な原因ということでございますが、その部分につきましては、本庁関係課が提供、開発したいわゆる積算用シートなどに誤りがあった。それから人為的なミスもございましたが、復旧、復興事業ということで膨大な業務量を抱える中での、そして他県からも応援職員がかなり入ってきたということで、事務が錯綜している状況下と。こういった状況を見ながら、先例等も参考にしながら処分を決定したわけでございます。
 ことしの3月に出しました標準処分例のような基準もございますが、そういった標準処分例には今回の事案は想定されておりません。したがいまして、過去の例などを参考にさせていただいておりますが、今回の事案につきましては、いわゆる法令に違反している、例えば地方自治法関連法に違反しているというようなことではなくて、事務的なミスが重なったと判断しておりまして、それほど職員の責任が重いというふうには判断しなかったところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そういう判断のもとに訓告、厳重注意ということなんでしょうけれども、私が若干疑問なのは、起きたミスの原因とか、そういったものについて対象とされた方々の処分をされているわけですけれども、実は業者の皆さんからすると、その後の対処の仕方に非常に疑念と疑問を持っているんです。ある新聞の論説、これは県紙ですけれども、直接的に迷惑をかけた業者に一方的に契約破棄を強いる解決手段に、県組織に潜在する高圧的な体質を感じている向きは業界関係にとどまらないという指摘がされています。こういった指摘自体は、誰に聞いたらいいのか、総務部長にまず聞いてみます。どう思いますか、こういった指摘を。
〇加藤総務部長 高圧的というところはないというか、そういうふうにはこちらとしては認識しておりません。説明させていただきまして、時間はかかったわけでございますが、事業者の理解も得た上で、合意の上での契約変更ということでございますので、必ずしもこちらの一方的なということではございませんので、その辺はこちらとしては丁寧な手順を踏んだやり方だったと。それについていろいろ御指摘があることは承知しておりますが、そういうふうな認識でございます。
〇嵯峨壱朗委員 まあ、総務部長は高圧的じゃないと思いますけれども。
 なぜそういうふうなイメージで捉えたかというと、これは一方的にこちら側のミスで、県側のミスで生じたものですよね。かなりの業者が、恐らくロスというか、いろいろな手続上も含めてですけれども、すごく労力がかかったわけです。こういうふうな意見が出たのはなぜかというと、現場の広域振興局が対応しているわけですけれども、ほとんどが局長名で出ているんですよね、この文書は、いわゆる事態の文書も含めて。これは局長が直接やっているわけではないのかもしれないけれども、その対応に非常に、こういった今、新聞に出てきたような高圧的な、そちらのミスでこうなったにもかかわらず同意しないのがおかしいみたいな感じで、同意しろみたいな。そういうふうなことが原因になってしばらく同意しなかった業者もいたやに聞いています。もっとスムーズにいったのではないかと。そういった原因に対する責任もあるけれども、処理に対する、対応に対する責任というのも私は問われるべきではないかと思っているんですけれども、そういったことについてはどうなんでしょうか。
〇加藤総務部長 起こってしまった後、処理をどうするかということで、議会の場でもさまざま御議論がございました。また、県のやり方についても御指摘は多々賜ってきたところでございます。結果的には先ほど委員から御指摘もあったような処理になったわけでございますが、これにつきましては、先ほどの総括課長の答弁とも関連いたしますが、法令違反とか服務規律違反、そういう面は、処分の基準というか考え方に照らして、なかったのではないかというのが人事当局としての判断でございます。
 処理のやり方なので、当然いろいろなやり方とか可能性がございます。それについて、いろいろな立場からこういうやり方がよかったのではないか、もうちょっとこういうやり方があったのではないかという指摘はあろうかと思いますが、それにつきましては、業務をどういうふうな判断でやっていくか、その裁量の中で、その辺のところについてこういう選択があったのかという問題としてはあるのかと思うんですが、服務規律に反するとか、何か倫理的におかしかったとか、そういうものがあったわけではないということでございまして、処分なりを検討するに当たってはそういう観点を重視したということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 議会でも本会議でやりとりがあった話ですけれども、確かに総務部長から訓告とかというわけにはいかないのかもしれないけれども、やっぱりそういった不満があるんですよね、実際。業者もそうですけれども、職員も含めてですけれども。処分しなくてもいいけれども、やっぱりその辺は、起こったことに対する検証と反省と再発防止は重要ですけれども、その後どう対処するかというのも含めてきっちりと検証して、新聞とかで指摘されないような対応をしていただきたいと思います。
 次に、入札についてですけれども、震災が起きてからかなり高額の入札が相次いでおりますけれども、その中で、今、総合評価の入札方式をとっているわけですが、総合評価制度における価格の位置づけをどういうふうに考えているのかお聞かせ願いたいと思います。
〇田中入札課長 総合評価落札方式につきましては、価格以外の多様な要素、技術力ですとか施工能力、地域貢献活動等を考慮しまして、価格及び品質が総合的にすぐれた公共調達を目的としているところでございますが、総合評価落札方式における価格の位置づけということでございますけれども、本県の条件付一般競争入札においては、技術評価点と価格評価点を合算した総合評価点が最も高い者を落札者とする方式を採用しているところでございます。
 技術評価点につきましては技術提案の内容によって決まるもので、対象工事の技術的難易度に応じて、15点満点の簡易2型というものから40点満点の高度技術提案型までの4種類の評価型がございます。入札参加者により提出された技術提案書を工事所管部局が審査して各者の点数を決定すると。一方、価格評価点でございますけれども、こちらのほうは予定価格に対する入札額の割合で算出しているものでございまして、例えば予定価格に対して90%の金額で入札した場合の価格評価点は10点、85%の金額で入札した場合は15点ということで点数化してございます。
 したがいまして、工事の技術難易度が高く技術評価点の配点が高い評価型であるほど技術評価点の総合評価点に占める割合が大きくなるというようなことになっていまして、また、具体的な技術提案の部分を評価するものにつきましては、その内容による技術評価点の差も大きくなる傾向にありますので、価格評価点の総合評価点に占める影響度は、技術難易度が高い評価型を採用しているものほど小さくなるというようなものになっております。したがいまして、例えば入札額で予定価格に対して5%相当の差があったとしても、技術評価点で5点を超える得点差があれば逆転し、落札できるというような仕組みになっているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 幾つかのケースがあるんですけれども、例えば簡易2型の場合だと、どんなに安い価格というか調査基準価格ぎりぎり、もしくはそれ以下で入れたとしても、もう既に総合評価の点数が決まっているんですよね。そういった例が結構あるんですね、見ていると。それってどう理解すればいいのかと思うんですけれども。
〇田中入札課長 簡易2型の場合は、技術的にさほど差がなければほとんど点数は開かないものでございますけれども、例えば、簡易2型の場合の技術評価項目は15点になっております。ですので、満点であれば15点なわけですけれども、平均的に8点とか6点というような点数であれば、価格のほうでのまた競争の中で、その差というか、技術評価項目のAというところでの15点よりも差が出る価格というか、例えば、片方が予定価格ぎりぎりの金額に対して調査基準価格の想定額といえば約90%になりますので、90%で入れると10点の差がそこで価格評価点として出ますので、その比較になろうかと思います。
〇嵯峨壱朗委員 私が疑問に感じているのは、ほとんどの物件は価格の一番安いところはとっていないんです、大体、見ていると。悪いとまで言わないけれども、そういった技術的に差がない物件でもそうなのかなと思って。特に差が出てくるのは、技術提案評価項目Aの中でも地域精通度、これがなぜそういうふうに差が出てくるのかわからないぐらい差が出ているのもあるんですね。これは掛ける1.5にしますので、差がどんと開くんですね、この部分で。別にそういった不正があるとかじゃないでしょうけれども、なぜ地域精通度でここの部分が高くてこれが高いのかというのを細かく見ていくと、どういう評点の積み上げをすればそうなるのかなというのがあるんですけれども、単なる私の勝手な疑問でしょうか。
〇田中入札課長 地域精通度につきましては、地元の業者が地域の事情をよく知っているということとか、いろいろ地元の地域での活動実績があるとか、そういうものを評価する部分でございまして、基礎点で3.5点という形になっていますので、広域振興局の管内で、しかもそこの工事場所に事務所を持っている事業者が有利になるというような配点になっておりまして、したがいまして、地元以外から、管外から参入する業者との基礎点の差がそこで出てくるというものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 結局、今の説明のとおりなんですけれども、そういった視点から見て差がないのかなと思ってみたりしているんです。例えば災害時における契約を結んでどうこうしているのがカウントになっているとか、いろいろありましたね、細かく見ていくと。そして、国の事業でも県の事業でも関係なく、災害になったときに応援したというのもカウントになっているし、だけれども、本社が全然ないところも含めてですけれども、それと近いところもそう変わりのないような点数評価になっているものもあるんですね、事例として、私は二、三調べてみたけれども。後で細かくこの場でなくても聞きたいと思っていましたけれども、この地域精通度の積み上げ根拠は何なのかというのを後で物件ごとに疑問のあるところは聞きたいと思っていますけれども、いずれにしろ価格に関係なく総合評価の段階で全て決まってしまっているというのはいかがなものかと私は思っていましたので、もちろん予算が国から来ている補助事業、災害復旧ですからというのもあるのかもしれないけれども、そしてダンピングをどうこうしろと言っていた立場もあるけれども、それにしてもちょっと変かなと思って見ているんです。価格、努力してこの金額でやりますよというところが落札できない状態がずっと続いていますよね。それ以前に決まってしまっているから。価格じゃないところで決まってしまっている。そういう疑問を持って見ていました。何かあったら。
〇田中入札課長 まず、県内の業者同士で余り変わらない評価になっているんじゃないかというところでございますが、現在の評価点の配点の仕方は、工事箇所の市町村に本社を有する者に非常に有利なものになっております。さらにその次の段階として、広域振興局管内に本社を有する者。そういうことで、それ以外の者については結局どの地域でも同じ評価になってしまうというところで、余り差がないんじゃないかという御指摘はそこのところにあると思います。ただ、広域振興局内にあって、当該工事場所の市町村に本社のある会社については高く評価されているところです。
 あと、価格以前に決まってしまうという話のところですけれども、総合評価方式を導入しているというのは、そういうものでの技術評価なり地域貢献というようなこと等でのいろいろな要素で評価するということですからその部分はあるわけですけれども、必ずしも全てがそれで決まるというものではなくて、先ほど言ったように、技術評価点が大体同じであれば価格で決まりますし、若干技術評価点のほうが低くても価格で決まるという事例はあるところであります。
〇喜多正敏委員 第6項防災費に関連してお伺いします。
 まず、消防団についてお伺いします。
 このたびの震災津波では消防団の活躍は本当に大変なものがあり、不幸にも犠牲になられた方もありました。まさに命をかけて、地域の安全、救助のかなめでもありました。
 そこで、沿岸被災地の消防団の充足状況はどうなっているか、充足への取り組みも含めてお伺いします。また、県内についてもわかればお示し願いたいと思います。
 また、近年、ゲリラ豪雨や集中豪雨、台風も大型化している中で、消防団は水防団も兼ねている例が多いわけでありますけれども、私が平成20年9月定例会において荒天時に出動する水防団の雨具の装備状況について質問した際、当時の高橋防災消防担当課長から、雨具の装備について、かなり市町村によっては差異がある。このような差異があっては安全な活動ができ得るかという危惧もあるので、市町村の装備の配備状況をしっかりとつかんでまいりたい。市町村によっては貸与規程のないところもあるので、その辺を心配している。その貸与状況も調べてみたいと思っている。また、あわせて、実際に消防団員等公務災害補償等共済基金という組織があり、ここで消防団員の安全装備品整備等助成事業を活用しながら装備品の充実を行っていくよう市町村に促していくという答弁がありました。その後の指導状況と、雨具の充足について進んでいるかお伺いします。
〇小畑防災消防課長 まず、消防団の充足状況でございますけれども、沿岸被災地の消防団員につきましては、本年4月1日現在、被災12市町村におきまして消防団員数は6、784名となってございまして、市町村が定めております消防団の条例定数が8、002名でございますので、充足率は84.8%となっているところでございます。
 それから、全県でございますけれども、同じく本年4月1日現在でございますけれども、県内の消防団員数は2万2、911名となってございます。同じく条例定数が2万6、537名ということでございますので、充足率は86.3%という状況になっているところでございます。
 それから、沿岸被災地の消防団の課題と対応というところでございますけれども、今回の震災におきましては消防団の活動の重要性が改めて認識されたところでございますけれども、一方で90名の消防団員の方が活動中に殉職されたということでございますので、消防団員の確保対策に加えまして、大規模災害時の消防団活動の安全確保対策の確立が課題だと認識しているところでございます。
 このため、今年度におきまして、県の消防協会と連携いたしまして、震災時の消防団の活動を検証して、災害時における活動指針を取りまとめるというようなことに取り組んでいるところでございます。今後、この活動指針を活用するなどして、市町村に対して活動マニュアルの策定等を促すとともに、地域あるいは事業所の理解が得られるよう、そのPRをして団員の確保に努めていきたいと考えているところでございます。
 次に、消防団の雨具の装備についてですが、消防庁から、雨具に関しましては全部の団員に支給し、または貸与するとされているところでございます。県内12市町村で現在全く整備されていないということでございますから、さまざまな助成制度等もございますので、そういうものも活用しながら、その整備が図られるよう、今後におきましても市町村を促していきたいと考えているところでございます。
〇喜多正敏委員 消防団は、働きながら、しかも訓練を重ねている。非常に重要な任務を担っているわけでありますので、昔と違って、勤務場所が離れているとかいろいろ状況も変わっていますので、ぜひ企業や地域の理解を得ながら、その充足についてなお一層働きかけをしていただきたいと思いますし、そういう中で、本当に危険な作業もあるわけでありますので、ぜひ雨具の支給についてはきちっと、これは市町村のやることではありますけれども、県のほうからも御指導をお願いしたいと思います。
 次に、自主防災組織についてお伺いします。
 防災には、まず、県民同士、地域ぐるみの初期活動が大変大事だということでありますが、これは市町村の取り組みでもありますけれども、県内の自主防災組織の設立状況や設立に向けた県の対応についてお伺いしたいと思います。
 また、災害に対する認識を深め、防災の準備をすることとされている防災の日などを機会として、県内各地で消防団員や消防署、関係者を迎えて防災訓練がなされているわけでありますが、その実施状況と課題、県の対応についてお伺いします。
〇越野防災危機管理監 まず、自主防災組織の状況と県の対応についてでございますけれども、消防庁の消防防災・震災対策現況調査によりますと、県内の自主防災組織の組織数については、平成21年4月1日現在で1、541組織─あと全部4月1日現在の数字で申し上げます─、平成22年が1、729組織、平成24年が1、907組織となっています。平成23年は、震災の発生で、本県は調査から除外されております。
 また、自主防災組織によってカバーされる世帯数の割合、いわゆる組織率でございますけれども、平成21年が69.8%、平成22年が73.6%、平成24年が76.6%と、これまで着実に伸びてきております。
 県としては、今般の震災の例からも地域防災における自主防災組織の重要性を再認識したところでありまして、このため、今年度は、総合防災室の中に自主防災組織育成強化推進員を設置しまして、年度前半には全市町村の訪問調査によりまして実態把握を実施し、今後は、その結果を踏まえ、市町村のモチベーションアップのための働きかけやワークショップの開催、自主防災組織リーダー研修会など、それぞれの実情に即した効果的な育成強化策を市町村と連携して取り組んでまいります。
 それと、防災の日などの訓練の実施状況、課題、県の対応についてでございますけれども、本年度に入りまして、10月15日までに市町村が主体となって防災訓練を実施したのは19市町村でございます。このうち、9月1日の防災の日には、北上市、遠野市、釜石市及び紫波町の4市町が実施しています。釜石市については県の総合防災訓練として実施され、その際、広域避難訓練として、遠野市と連携して実施しております。また、これから本年度中の訓練を予定している市町村は8市町村であります。
 市町村訓練の課題については、個別には把握してございませんけれども、より実践的で広域的な訓練が必要であると考えておりまして、今後、市町村等と連携を図りながら、減災につながる効果的な訓練を促進していきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 順調に自主防災組織が設立されてきているということでありますが、なおまだ4分の1の世帯がカバーされていないということであります。ぜひ100%カバーできるようにお願いしたいと思います。
 それから、防災訓練については、自分のところの市町村の防災ということについてはなされていると思いますが、それにしても27市町村ということで、やっていないところもあるわけでありますけれども、隣県あるいは隣接の、お互いに連携して救助に行く、そういうような観点も必要ではないかと思いますので、そうしたことについても御指導をお願いしたいと思います。
 それから、自主防災組織の防災についてでありますけれども、なかなか難しいかもわかりませんけれども、こうした訓練には関係者以外の県民とか一般の住民の参加が、避難訓練には出てくるんですけれども、見学とかそういうことで何か関心が薄くて、関係者だけがやっていると。結構大がかりにはしているわけでありますけれども、そういうことで、防災についての関心が今高まっているわけでありますけれども、参加や見学者をふやすということにもぜひ働きかけが必要ではないかと思います。
 それから、自主防災組織に防災のための重機、備品が備わっていると思うんですが、それについて、組織はできているんだけれども、十分な重機、備品があるのか、ばらつきはないのか、その辺についての県の所感と対応についてお伺いします。
〇越野防災危機管理監 まず、県民の訓練参加への所感と取り組みについてでございますけれども、今回の震災で多くの人命が失われて、住民の防災意識の徹底、高揚等が喫緊の課題であると改めて認識したところでございます。
 今般の総合防災訓練においては、住民の意識に基づく避難の徹底や円滑な避難所設置、運営体制の構築等を目的として、釜石市の全市民に参加を呼びかけて実施したところですが、住民の参加数が少ないという結果になりました。これは、訓練時に浸水域に居住している住民が少なかったことなどが影響したものと受けとめております。
 減災の観点からは、住民みずからが命を守るために考え、行動することが重要であると考えておりまして、そのための訓練への住民の参加は必要不可欠であると認識してございます。今般の訓練の反省点も踏まえまして、今後とも、訓練に参加する意義を市町村と連携しながら十分説明を実施して、積極的な参加となるように取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、自主防災組織の備品などの実態と所感及び対応についてでございますけれども、消防庁の消防防災・震災対策現況調査によりますと、自主防災組織が保有している資機材区分ごとにその組織数が公表されておりまして、平成22年4月現在において、県内1、729組織中、例えばヘルメット等の個人装備品を保有している組織が693組織、それから情報連絡用のハンドマイクを保有している組織が643組織、それから消火器等初期消火用資機材を保有している組織が534組織などとなっております。
 今回の震災の教訓からは共助の取り組みの重要性を再認識したところでありまして、こうした活動に当たる方々の安全確保や、効果的な活動を促進していくために必要な資機材については、より一層充実を図るべきと認識しております。
 県としては、今後とも、自主防災組織の資機材の充実が図られるよう、財団法人自治総合センターの実施しております地域防災組織育成助成事業というのがございますが、これのあっせんに努めるとともに、市町村と連携しながら自主防災組織の育成強化に努めてまいります。
〇喜多正敏委員 組織はできていっているわけでありますけれども、いざというときに使う装備について今お聞きすると非常にばらつきがあるということで、これはある意味で切りがない話でありますけれども、そういったことについて、少なくともこのくらいの資機材は必要だというようなガイドラインといいますか目標を定めて、それが着実に計画的に装備されるように御支援をお願いしたいと思っております。
〇吉田敬子委員 私からは、県立大学の取り組みについて伺います。
 震災後、特にボランティアセンターなどの学生の取り組み等、大変活躍しているところを見ると心強いと感じるところで、県としても卒業後の学生のUターン支援等にも一生懸命取り組みされているということで大変評価するところであるんですが、その中で、これから県立大学が復興等を担う人材の育成という場所としても大変大事なところになってくると思うんですけれども、平成23年度の県立大学の事業評価の結果を見ましたところ、事務職員の専門性向上を図る取り組みがおくれているという評価の結果がありました。その理由はどういうことだと県として把握しているのか。教員だけでなく大学の事務を担う職員も大事だと思うんですけれども、その改善のために具体的に取り組まれていること等があればお示し願います。
〇清水総務室管理課長 事務職員の専門性向上を図る取り組みがおくれた原因でございますが、東日本大震災津波によりまして被災した学生の修学の確保や、学生、教員のボランティア活動の支援など、そういった業務を優先して行ったため、平成23年度に計画していた人材育成プラン、これは事務局職員等の人材研修等のプランでございますが、こういった策定ができなかったことが評価結果が悪かった原因でございます。
 また、こうした人材育成プランの策定の取り組みのおくれを取り戻すため、事務局内にプラン策定チームを発足いたしまして、今年度、策定に取り組んでいるところでございます。
 なお、事務局の新採用職員への指導担当者の配置ですとか、階層別研修を新たに実施するなど、事務局職員の研修の充実に今年度、取り組んでいるところでございます。
〇吉田敬子委員 私がなぜ事務職員に対する質問をするかというと、大学の先生以外の方が大学でのキャリア教育に関するところでかかわるところが多いと思うんです。県立大学でも地場産業・企業研究というものを選択科目にされているということで、これからもぜひ続けていっていただきたいと思ってはいるんですが、その中で、先ほどの教職員の話に戻るんですが、業務運営の改善及び効率化に関する方策の中で、教職員、これは数値が平成17年度のものからしかなかったんですけれども、その評価がずっと低い傾向にあるということで、やっぱり大学の学生をこれから教育していくためにも、専門性の高い人材の確保とか養成というのは大変大事になってくると思います。
 教職員の方の、頑張ってよい業務をすれば正当に評価されているかという割合が平成21年度で20.8%、平成23年度で38.7%と、前よりは改善されているみたいなんですが、教職員の方が半分以上は評価されていないと思っていると思うので、教職員の方もそういう大学での評価というのがないと学生に対する教え方の意欲というのもなくなると思いますので、そこはぜひこれからも改善していっていただきたいと思います。
 もう一つ、県立大学の大学院の件に関してですけれども、大学院教育の必要性というものも検討しなければいけないと思うんですが、これまで大学院の定員が全然充足されていないというところで第1期中期計画から継続課題ということなんですけれども、そのためにどのような取り組みをされてきたのか。県として大学院教育のあり方というのをまずはどのように捉えているのかお示し願います。
〇清水総務室管理課長 最初に、お話のありました教員の業績評価についてでございますが、教員につきましては平成23年度に教員業績評価を試行的に実施しておりまして、今年度から評価結果を勤勉手当に反映するという本格実施に取り組んでいるところでございます。
 また、大学院の未充足の問題でございますけれども、県立大学の大学院の定員充足率は、平成24年3月末日におきまして、4研究科の平均が79.1%となっております。定員が満たない理由といたしましては、経済的な事情ですとか、就職状況などの影響から、大学院には進学せず、早期に就職する学生が多いことが主な要因であると考えております。
 これまでも含めました今後の充足のための取り組みといたしましては、志願者の募集に関しまして、これまで大学と四大と一緒でしたPRパンフレットを大学院単独で作成するという作業ですとか、交通機関への中づり広告の実施、それから受験学生の実績のある学校への継続的な周知活動等々の取り組みを行ってきたところでございます。
 また、あわせて、大学院生の修学環境の改善といたしまして、eラーニングを活用しました在宅学習環境の整備ですとか、アイーナキャンパスでの遠隔地通学者の利便性向上を図るための講義の実施などの取り組みを進めているところでございます。
〇吉田敬子委員 答弁の中にもありましたとおり、今はアイーナの中にもキャンパスがあって、大学院の定員が満たないという中で、社会人の方で、これからまた学び直したいという人たちをいかに大学院のほうにつなげていくかというのも大事だと思っています。県立大学の中に盛岡市まちづくり研究所だったり、あとはいろいろなセンターがたくさんあって企業等との連携もされているので、そういったところで、大学院のほうでも、県を支えていく高度な専門性を持った人材の育成のためにぜひこれから改善していっていただきたいと思います。
 最後になりますが、これは質問通告はしていなかった内容ですけれども、岩手県の高等学校卒業者の大学進学率というものを総務部ではなく所管の教育委員会からいただきました。もちろん大学進学することが全てではないと私は思っているんですけれども、岩手県として県立大学を持っているということで、これから、県または県立大学の教育の基本的方向の中にも掲げているとおり、地域社会に貢献するだとか国際的なグローバル人材を育成するということで大事だと思うんですが、ただ、岩手県の高校卒業者の進学率が全国47のうちの44位、本当に最下位のほうで、東北でも常に最下位ということで、県立高校と県立大学の連携というものもされているようなので、今後、高校との連携というのも進めていっていただきたいと思っておりますし、県立大学を第1希望にする受験生というのが減っている現状だそうなので、これから県立大学がどのように魅力ある特色づくりとかを目指されているのか。私は本当に、県立大学というのは設立して10年以上たっているところですが、これからまた震災を機に方向性というのも改めなければいけないと思っていますので、それに関する所感を最後にお伺いいたしたいと思います。
〇清水総務室管理課長 県立大学でございますが、県立大学は開学以来5、000名以上の卒業生を輩出しておりますし、盛岡短期大学部におきましては約8、000名、宮古短期大学部におきましても2、200名ほどの学生を輩出しております。これまで、建学の精神に基づきまして、地域貢献のできる人材の育成、それから研究を通じて地域貢献に果たす役割は大きいと思っておりますので、引き続き大学運営を支えながら、地域に貢献できる大学として存在できるよう進めていきたいと考えております。
 なお、今年度の県立大学、4年制大学への県内の入学者でございますが、県内では62.9%となっております。多くの学生が大学への進学を希望している中、県立大学の果たす役割は大きいものと考えております。
〇岩崎友一副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時48分 休 憩
午後3時8分 再開
〇小野共委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 先ほどの吉田敬子委員の県立大学の関係について、1点だけ関連してお尋ねしたいと思います。
 岩手県立大学は公立大学法人でありますので、議会においてこういう声があったということでお伝えいただき、もし必要があれば改善していただきたいのは、岩手県立大学の入学金の関係であります。
 今、岩手県内の出身者が入学した場合22万5、600円が入学金、他県からの入学者の場合は33万8、400円、およそ10万円程度の差だということでありますが、他の公立大学を見ると2倍ぐらい違うんですよね。なぜこういう入学金の体系になっているかわかりませんけれども、半分望ましいのは、今、県内の子供がなかなか難しい環境になってきているので、県立大学の入学についてもハードルが高くなってきていると。そういう状況の中で、この入学金は何だろうねという声がかなり、私も今PTAの関係をやっておりますので伺っております。この点について改善をするべきじゃないかと私は今思っているのでありますが、御所見があれば承りたいと思います。
〇清水総務室管理課長 ただいま委員から御指摘のありました県立大学の入学料でございますが、現在、県内の高校生につきましては、国立大学の入学料の0.8掛け、8割の金額としております。また、その他の方につきましては、県外の方につきましては、国立大学の入学料の1.2倍の金額という形で入学料を定めているところでございます。
 ただいまいただきました御意見を踏まえまして、大学のほうとも協議し、検討してまいりたいと考えております。
〇小野共委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。
 本日は、この後、総務部関係の審査のみで6人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇軽石義則委員 大きく3項目について質問させていただきます。1点目は、一般管理費についてでございます。
 県営建設工事請負人選定費、入札事務改善推進費、建設工事管理情報システム運営費、これらについての内容と課題等があればお示し願いたいと思います。
〇田中入札課長 入札関係の一般管理費についてでございますけれども、これはいずれも、電子入札システムによる入札事務等を執行するための経費でございまして、具体的には、まず、県営建設工事請負人選定費でございますけれども、これは、条件つき一般競争入札における入札参加資格要件を設定するに当たりまして、入札への参加可能者数を把握する際に、日本建設情報総合センターが管理するコリンズ検索システムにより建設事業者の施工実績等を確認しております。このデータの利用料等でございます。
 次に、入札事務改善推進費でございますけれども、これは、同じく電子入札システムの関連の岩手県電子調達基盤システムのサーバー使用料と電子入札コアシステムの保守料のほか、入札契約適正化委員会の運営費用でございます。
 なお、平成23年度の入札契約適正化委員会におきましては、低入札対策の見直しですとか、東日本大震災津波に伴う入札事務の特例等について審議されているところでございます。
 次に、建設工事管理情報システム運営費でございますが、これは、工事の発注準備から、入札公告、契約締結、完了に至る一連の事務を管理するシステムの運営費用でございまして、平成23年度は、条件つき一般競争入札1、552件、随意契約557件の契約情報等を管理しているところでございまして、このシステムは、主に県の内部の事務処理として、契約書、起案等書類の作成のほか、契約情報の進行管理を行っているものでございます。入札契約事務の効率化を図るために導入しているものでございます。
〇軽石義則委員 これまでも入札に関連する部分、また、工事の需要、供給のバランスなどについては議論されてきております。それらの十分な運用のためのシステムということであると思います。ぜひとも、さらにその制度を前進させていいものにしていくということで。課題についてもお聞きしたのですが、課題はないということでよろしいでしょうか。
〇田中入札課長 このシステムを使いまして入札事務の効率化を進めているところでございます。また、システムの運用上、利用者等からそれぞれいろいろな御意見がありますので、それらについて対応できるものは対応しながら改善を進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 それでは、それらについて関連して、仕事をすれば、当然ルール違反等も発生して、指名停止等も発生していると思いますけれども、平成23年度の指名停止の状況、そして、指名停止をする際の基準なり期間というものはどのようなものになっているのか、加えて、最終決定する段階、システムはどういうシステムで指名停止をされているのかお聞きしたいと思います。
〇田中入札課長 平成23年度における指名停止でございますけれども、8件発生してございます。指名停止につきましては、県営建設工事における指名停止等措置基準に基づきまして措置を行ってございます。措置要件ごとに内容の悪質性ですとか、影響の重大性等により適用基準を定めており、契約違反ですとか工事事故等の措置要件に該当する場合には、1カ月から6カ月の指名停止の期間を基準として定めております。契約違反とか、工事事故等があった場合には、工事担当課が内容を確認して、総務部に通報することになっておりまして、それに基づいて、先ほどの基準に当てはめて指名停止措置等を行っているものでございます。
〇軽石義則委員 工事担当箇所から総務部ということでありますが、先般の復興事業においても、やはり発注側のミスということで再入札ということもございますけれども、発注者のミスがあるかどうかも含めて、入札担当のところで事実検証するシステムはあるんでしょうか。
〇田中入札課長 基本的には、工事担当で違反行為があった場合には、内容確認の上、総務部に通報すると。入札担当は、この通報に基づき、工事担当課等から事情を確認しまして、その指名停止措置基準に基づいて措置を決定していると。対象事業者からの事情確認とか工事に関する指導関連等については、工事担当課が行っているというものでございます。
〇軽石義則委員 そうなると、どちらの言い分が正しいかを公平に見る段階では、やはり入札担当者のところでも再度確認する必要があるのではないかと思いますが、その点、さらに詳しく説明いただければと思います。
〇田中入札課長 その措置要件等の事案によっていろいろ調査の必要等あると思いますけれども、昨年、ことし等で契約違反等というのは、完成時期のおくれとか、あと、それの関係の工事主管課がどのようにかかわってきたかというようなこと等の報告に基づいて措置をしているところでございますので、契約違反のおくれというのは明白だったりしますので、その部分については、特に調査はしないで報告書で判断しているものです。
〇軽石義則委員 契約違反といえば、当然ルール違反でありますからペナルティーがあって当たり前だと思いますけれども、震災後、非常にいろいろ混乱されている現状と資材、または人材不足等あって、そういう状況についてのやりとりをした上での判断ということでよろしいんでしょうか。
〇田中入札課長 措置する前に、工事主管課のほうに対しても、指導上どういう具体的なやりとりがあって、その結果どういう対応をしたかというような詳細の報告をもらった上で、判断しているものでございます。
〇軽石義則委員 それでは、これまで、その指名停止によって、いわゆる異議申し立て等のことはあった事実がありますか、確認いたします。
〇田中入札課長 今年度1件、これは、不誠実行為ということで、盛岡市発注工事の関係の贈収賄に絡んだものについて、苦情申し立てが1件ございました。
〇軽石義則委員 苦情の内容等についてはあれですけれども、そういう意味では、公平、平等性を示して、それが、やはり発注側、受注側が対等に感じられるような制度にしていただくことが大事だと思いますので、今後の対応を含めて、さらにその公平性と平等性が確保できるようなものにしていただければと思います。
 次に移ります。人事管理費についてであります。
 県勢功労者顕彰並びに県民栄誉表彰事業について御質問いたします。
 昨年度の実績についてはお示しいただいておりますけれども、特に、県勢功労者につきましては、毎年3名というような形で近年来ておりますが、これは3という定数化をして決めているものなのか、それとも数多くの候補者の中から選定されたのが3名だという結果なのか、お示し願いたいと思います。
〇堀江人事課総括課長 県勢功労者の顕彰につきましてでございますが、委員からお話がございましたとおり、昨年度は4人ということで受賞いただいておりますが、これらにつきましては、各分野から潜在候補者という形で多くの方々をリストアップした上で、その時々に応じまして、昨年度でありますと受賞者のほかに数名程度の方を最終候補者として検討させていただきまして、県内各界代表者で構成いたします県勢功労者顕彰選考委員会におきまして慎重に審議した上で、4名ということで決定させていただいているものでございます。
〇軽石義則委員 4名もありました。済みませんでした。
 そこで漏れた─漏れたという表現が正しいかどうかわかりませんが、候補になって、その年には選考されなかった、しかし、次の年にまた候補になり得るものなのでしょうか、教えてください。
〇堀江人事課総括課長 これにつきましては、その方の功績の内容次第というところもございますが、これまでの例によりますと、ある年では、残念ながら受賞なさらなかった場合であっても、こういった部分がさらにというところが翌年以降に評価されまして、改めて県勢功労を受賞された方もおるところでございます。
〇軽石義則委員 ありがとうございます。
 これまでの分野を見ますと、ある程度広くというようなところもありますけれども、やはりこういう情勢の中で、第一線現場から、生産性向上を含めて、安定した労使関係などをつくり県勢に功労したと思われる方々も多くあると思うんですね。そういう方々についても、やはり現場の中で努力して報われる制度でなければならないという考えもありますが、それらについてのお考えがあれば、お示し願います。
〇堀江人事課総括課長 過去の受賞された方々につきましては、各分野のそれなりの御功績を上げられた方々がいらっしゃる一方で、例えば、福祉関係の人目につかない、いわゆる点訳奉仕関係の団体とかも受賞の対象となっているところでございます。
 今、委員からございました労使関係、恐らくそういう労働関係につきましても、必要に応じて、そういった方々で御功績があるものがあれば、今後、各部局と調整の上、推薦をいただきながら、慎重に検討させていただくことになろうかと思っております。
〇軽石義則委員 やはり努力をしたら報われる社会でなければ、子供たちにとっても未来がなかなか開けてこないし、努力することそのものがやはり価値があるとなると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 県民栄誉表彰事業についてですが、これまで6回表彰されておりますけれども、平成23年8月の岩清水梓さん以降ありませんが、検討した経過はあるのでしょうか。
〇堀江人事課総括課長 県民栄誉賞につきましては、世界的な大会、あるいは全国最高峰の大会等で、優勝を初めとする優秀な成績をおさめて、本県の知名度向上に寄与した、あるいは県民の皆様に深い感動を与えて、明るい希望、活力をもたらしたというようなことを踏まえて、これまで3名と3団体に授与してまいりました。
 委員お話のございました、昨年はワールドカップの女子サッカーで優勝した一員である岩清水様に受賞いただきましたが、その後も、全国規模あるいは世界大会等の結果を見ながら、県人の活躍を見て、ケースによって検討は重ねてきているところでございます。
〇軽石義則委員 ぜひとも、引き続き県民栄誉賞についても、努力したら報われるようなものにしていただきたいと思います。
 3点目に入ります。財産管理費についてでございます。職員公舎管理状況についてお聞きいたします。
 震災で公舎が被災した状況についてお示し願いたいと思いますし、自宅が被災し、公舎へ入居せざるを得なかったような方もいれば、もしあれば教えていただきたい。やはり仕事をする上で、正確な業務の遂行や良質な労働力の提供という部分においては、生活空間の改善という環境整備も必要だと思いますけれども、その上に立ってどのようなお考えがあるのか、加えてお聞きいたします。
〇新屋管財課総括課長 職員公舎の管理状況についてでございますが、知事部局が所管している職員公舎で大震災津波により使用不可能となった公舎はございません。
 なお、教育委員会、警察本部及び医療局におきましては、大震災津波により使用不可能となった職員公舎が合わせて31棟、143戸あると承知しております。
 それから、自宅が被災して公舎に入居せざるを得なくなった職員の状況については、ちょっと手持ちとして把握してございません。御了承願います。
 それから、遠くから通勤している職員の関係でございますが、沿岸広域振興局管内の宮古、釜石、大船渡地区の公舎に現在空き室はほぼございませんが、応急仮設住宅や隣接地区の公舎を十分確保してございまして、宿舎を確保できないために、やむを得ず遠距離通勤をしている職員はいないものと認識しているところでございます。
〇軽石義則委員 知事部局には被災がないということでありますけれども、ぜひとも、老朽化等を含めて、管理上、今、非常に課題を抱えているようなものがあれば、教えていただきたいと思います。
〇新屋管財課総括課長 現在、知事部局の公舎といたしまして107棟、1、266戸を管理してございます。公舎管理上の課題といたしまして、老朽化の進んだ公舎も多くございまして、住環境の改善が必要なところもございます。生活に支障がある場合はもちろん緊急修繕等で対応しているわけでございますが、例えば、給湯器、トイレの改修など計画的に修繕に努める部分もあると認識してございます。
 震災からの復旧、復興に従事する職員の宿舎の確保と居住環境の整備改善がいずれ最優先の課題と認識しておりまして、公舎の改修についても、できる限りきめ細かな対応をしていきたいと存じております。
〇軽石義則委員 ぜひとも対応をよろしくお願いいたします。
 次に、県有資産所在市町村交付金についてお聞きいたします。
 この交付金につきましては、基準をどのように策定して配分しているのか、交付対象及び交付金額についてお示し願いたいと思います。
〇新屋管財課総括課長 県有資産所在市町村交付金についてでございますが、県が所有する固定資産は、地方税法におきまして固定資産税非課税とされているところでございますけれども、空港の用に供する固定資産のほか、県営住宅、県職員公舎及び県以外の者が使用する貸付財産のように、使用収益の実態などが、固定資産税が課されている一般の固定資産と同様であるものを対象といたしまして、法律に基づき、固定資産税に相当する額を所在市町村に交付しているところでございます。
 平成23年度につきましては、県内外36市町村を交付対象とし、4億1、100万円余を交付したところでございます。
〇軽石義則委員 それに関連しますけれども、財産管理の状況になりますが、遊休不動産、いわゆる県所有の未利用不動産もこの対象には入っておりますよね。再確認です。
〇新屋管財課総括課長 遊休資産につきましては、市町村交付金の対象には含まれてございません。
〇軽石義則委員 ありがとうございました。
 最高額の交付はどの市町村になりますか、最低は幾らになるでしょうか。
〇新屋管財課総括課長 平成23年度におきまして、最大額は盛岡市で1億5、700万円余でございます。それから、最少額につきましては、藤沢町だけがゼロなわけですが、交付している市町村で一番低いのは、兵庫県芦屋市に職員公舎があるわけでございますが、そこが4万円余になってございます。
〇軽石義則委員 遊休不動産の有効活用についてはこれまで議論もされてきておりますので、ぜひとも、そういう意味では、そこにも経費がかかっているとすれば、遊休資産をさらに有効に活用して、処分すべきものは早期に処分して活用していくべきではないかと思いますけれども、遊休不動産の管理状況についてお聞きいたします。
 今回も遊休不動産を処分しての収入がありますけれども、それに、いわゆる条件整備をして売却をするということもあるようでございますが、その条件整備をするためにかかる経費というものがあれば、お示し願いたいと思います。
〇新屋管財課総括課長 財産管理の状況についてでございますが、現在、売却が見込める未利用資産は、平成24年3月31日現在、土地は71件、556万5、000平方メートル余、建物は32件、8万5、000平方メートル余を保管、管理しております。
 これらにつきましては、売却までの間、景観の維持、防犯の確保等のための草刈りなどのほか、必要に応じて機械警備を行っております。
 未利用資産の売却に要した経費ということで申し上げますと、例えば、平成22年度に1億6、300万円余で売却いたしました盛岡市の旧天神町公舎跡地の場合、建物の解体工事、測量調査、不動産鑑定評価などに2、600万円余の経費がかかっております。
〇軽石義則委員 そうしますと、県全体で、本年の3月31日現在で土地、建物のいわゆる県有の未利用資産が、金額にしまして、売却対象の分が112億3、300万円余ということになりますけれども、それでよろしいでしょうか、確認いたします。
〇新屋管財課総括課長 未利用資産の価格でございますが、先ほど申し上げました件数、面積につきましては、県有未利用資産等活用・処分方針、処分計画で捉えております未利用資産の金額を御説明申し上げましたが、その計画の中で押さえております金額につきましては、土地につきましては88億4、900万円余、建物につきましては23億8、400万円余ということで、台帳価格で把握してございます。
〇軽石義則委員 現在のいわゆる価格、そこに維持するだけでもかなりの経費がかかっているという状況でございます。そういう観点からしても、やはりこの県の未利用資産については、有効に復興を含めて活用できるような体制にしていくべきだと思います。やはり地域への貢献というものも兼ね備えた売却というものも必要だと思いますので、ぜひともそれらについて今後も対応をお願いしたいと思いますし、全体でどのぐらいの経費がかかっているか、きょうでなくてもよろしいので、調べて、後ほど示していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
〇福井せいじ委員 私は、地域防災の強化について、先ほど喜多委員が消防団についてお聞きしましたので、1点だけお聞きします。
 団員確保策についてお聞きします。どのような取り組みで団員を今後確保していくか。これは被災地だけに限ったことではなく、全県的にその対策についてお聞きします。
〇小畑防災消防課長 消防団員の確保策でございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、まずは、被災地における大規模災害時における安全対策というものをしっかりやりまして、地域や事業所等へのPRをして、それを団員確保につなげていきたいというものが1点でございます。
 あと、全県的な取り組みといたしまして、このような安全対策の周知とともに、地域防災の重要な担い手であります女性あるいは若年者の方の理解醸成につきましても、例えば、女性あるいは大学内消防団というような活動も各地で展開されておるというようなことでございますので、こういった特色ある事例の紹介ですとか、あるいは少年消防クラブといったものの交流の促進など、将来の担い手育成を意識した取り組みといったものを行っていきたいと考えているところでございます。
〇福井せいじ委員 ありがとうございます。そういった新たな需要の掘り起こしというものも必要だと思うんですが、実質的に今、先ほど条例定数の充足率が、沿岸地、全県とも大体85%以上ということになっていますが、実働団員というのは私は非常に低いと思っておりますし、実際に現場でお聞きしても、半数ぐらいしか出てこないということになっております。
 そこで、そういった実働をふやしていく施策も必要だと思うんですが、今、分団の所在地と勤務地が離れていて日中は活動ができないとか、夜間は住居の近くに団があるために出動はできますが日中はできないとかとありますが、例えば、日中は勤務地の近くの団の活動にも参加できるとか、そういった活動における仕組みを変えていく必要も私はあるかと思います。
 いずれ、団員を募集することも必要なんですけれども、現在の活動の仕組みを変えていく、そういった取り組みも必要だと思いますが、いかがお考えか、所見をお聞かせください。
〇小畑防災消防課長 御指摘のとおり、消防団員の方が職業を持たれているという割合が多くなってきてございます。そういった意味もございまして、まず、日中勤めておられる企業の御理解を得るとか、そういった取り組みも、従来からやっておりますけれども、そういう取り組みも引き続きやっていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 私が言ったのは、勤務先での事業所での理解というよりは、事業所近くの団における活動も可能にすれば、日中も有機的にその分団が働くことができる、出動できるのではないか、そういった仕組みの変化を提案したわけであります。
 また、分団の団員の作業についても、例えば機能、役割を明確にして、これこれならできる、これ以上なら可能だとか、そういった形で入団しやすいような仕組みをつくることが必要だと思われますので、その点についてのお考えをお聞かせください。
〇加藤総務部長 消防団についてでございまして、そういういろいろな活動のやり方なり、あるいは役割の限定とか、そういう御指摘だと思います。
 これは、なかなか委員の問題意識のとおりでございまして、就業構造の変化とかで団員確保が非常に難しい、あるいは実働率が低いということでございまして、しばらく前からそういうことを考えなくてはいけないということで、国の消防庁もそういう対応をしております。私も、実はその担当もやっていたのですが。
 基本的に法律上の消防団の仕組みというのは非常にシンプルなものなので、これは、市町村なり、あるいはその消防団の理解ということになりますが、それ次第によっては、そういう役割を限定するとか、あるいは、市町村を越えてしまうとまたなかなか難しい面が出てきますが、同じ市町村内であれば、昼間あっちに行っているのであれば、昼間もし何か一旦事あったら、そちらで活動してもらうとか、そういうものは特に制限というのはない。
 ただ、消防団については、非常に伝統的な組織でございまして、今までのいろいろな積み重ねがあるものですから、消防団というのはこういうものだ、それで、こういうふうに活動すべきなのだというのが、非常にそこが浸透し過ぎていまして、なかなかそういう部分が進んでいないという面がございます。
 これにつきまして、そういう中であっても、いろいろな工夫をしている団体なり、そういう消防団も全国を見ますと出てきておりますので、そういうやり方の紹介ですとか、特に制度的には問題ない、むしろこういうふうにやることによって、団員数の減少を補って、こういうふうにうまく活動できるのだということを紹介する。我々も市町村、消防団に対しましてそういう地道な取り組みを展開しなくてはいけないだろうと思っております。
 消防団の活動のイメージというものが浸透し過ぎていまして、なかなかハードルは高いと思いますが、その辺は地道にやっていきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 私は2点お伺いいたします。まず、入札関連でお伺いいたします。
 平成23年度における1者入札の状況について、これの発生率がどのようになっているか、震災、通常工事ではどのようなことになっているかお示しいただきたい。
〇田中入札課長 平成23年度の1者入札の状況でございますけれども、落札決定いたしました1、424件中、1者入札は171件でございました。発生率が12%となってございます。震災関連工事では39件、こちらのほうの発生率は12.1%、通常工事では132件、12.0%の発生率となっております。
〇岩渕誠委員 これは通常の、以前の発生率は4%程度と記憶しておりますので、かなり高い数字だと思っています。これについての原因分析と、それから対策、そして成果についてどのように考えていますか。
〇田中入札課長 原因といたしましては、業者からの聞き取りによりますと、発注件数がふえたことによりまして技術者、作業員が不足していること、あと、資材、労務単価が急騰し、業者側の積算価格が上昇しているということで、県の予定価格を自分たちの見積もるものが上回ってしまうというようなこと、あと、下請の手配が困難な場合があること等を挙げられております。業者側で入札参加する工事を選んでいる状況ということも言えると思います。
 対策といたしましては、技術者不足に対応するために、入札参加資格に係る技術者の施工経験の緩和ですとか、復興JVの参加等の特例を実施しているほか、工事担当課においても、小規模工事の一括発注や、一括発注とした場合の工期の加算ですとか、資材確保のための調整会議の開催、設計から入札までの間の資材価格や労務単価の高騰に対する設計変更による対応などの対策を講じているところでございます。
 成果につきましては、依然として入札参加者数が減少しているというところでございますが、できるだけ入札不調等が発生しないように、工事主管課等とも協議しながら、今後対策を講じていきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 平成23年度はおおむね四つぐらいの対応策がとられたと承知しております。例えば、現場代理人の常駐義務の緩和、入札参加資格の緩和、それから主任技術者の専任配置の取り扱い、こういったものが代表的になっていると思いますが、少し調査をしますと、成果について具体的におっしゃいませんでしたが、平成24年度、今年度、今までのところ発生率は16.1%に上がっているということであります。
 それは、私はその部分に対策と成果というような観点ではなくて、そもそも3.11の前と後でこの1者入札をどう捉えるかということを、まず、どの立場に立って1者入札をするのかといったものが、一つ明確に方針を示されるべきだろうと思っております。
 言うまでもなく、3.11以前の1者入札というのは、競争性、透明性の担保の観点から、かなりどうしようかというものがあったと思います。一方で、3.11後については、非常に人材不足、資材不足、今いろいろな課題が出た中で、この1者入札を是とするか非とするか、極端な話をすればそういうことになるんですが、入札不調にするよりは、1者入札でもやってくれたほうがいいのではないかという考え方もあるし、いやいや、やっぱり震災復興とはいえども、きちんとした競争性は担保してもらわなければ困るよと、両方の立場があると思うんですが、県としていろいろな対策を打つ中で、この3.11後の震災復興工事を進める中で、1者入札についての考え方というのはどのようにお考えなんでしょうか。
〇加藤総務部長 なかなか難しい御質問でございますが、両用あると思っております。我々の立場としては、入札がきちっと機能して、競争性もあるし経済合理性も働くというのが、いわゆる伝統的な入札観だと思いますので、そういう面から、やはり1者というのはいかがなものかという面もございます。
 ただ、今の状況を鑑みますと、いろいろ手順を踏んでやってきた、時間もかけてやってきたにもかかわらず、不調になってまたやり直しとか、あるいは復旧、復興事業もおくれてしまうということであれば、曲がりなりにも予定価格の範囲内でおさまって事業者が決まった、それで、その範囲内できちっと履行していただけるというのであれば、不調とかそちらに比べればいいのではないかと。むしろ事業推進の観点からは、そこで滞りなくというか、そこでとまることなく進むのでいいのではないかというところがございます。
 今のところ、我々としても、正直、明確にどちらかというところで、いろいろな意見もありまして悩ましいところでございまして、今のところは、入札不調が極端に多いという状況まで至っていない。ふえているというか、そういうきわきわの面はあるのですが、そういう中で、1者入札ということではあるんですが、事業者が決まって、受注、落札、契約ということになっておりますので、そこのところはぎりぎり何とか保てているのではないかということでございます。
 ただ、なるべく入札制度が機能するように、また、その1者入札も、今言ったようにうまく回っていくというか進んでいくからといって、それにあぐらをかいてしまうというわけじゃないんですが、あぐらをかいてしまうと、だんだん状況はさらに進んでいきますので、ある意味、早い段階からその状況、1者入札がふえているとか、その辺はシグナルだと思いますので、さらなる改善案、その辺を、早目早目にデータをつかんで、あるいは状況も伺いながら改善策を重ねていくと。そういう中で、1者であってもぎりぎりやむを得ないのかもしれないですが、不調が生じないようにうまく回していくように、そういう努力を重ねていきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 私自身も、どちらに軸足を置くべきかといいますか、なかなかそういう話でも本質的にはないんだろうとは思うんですが、復興を願う立場と競争性を担保するという立場では、どうしても非常に難しい問題になってくると思います。
 ただ、入札の断面だけでさまざまな問題を解決しようというのは、やはりちょっと無理があるだろうと。入札の場合は、透明性、競争性だけではなくて、例えば下請業者の賃金がどうなっているのか、そういった場合に1者入札だとどうなんだろうかというような声もあるわけでありますから、やはり競争性、透明性を担保するのに入札以外の方法はないのかとか、そういったいろいろな手法は考える余地があるのではないかと私は思いますし、今後、発注が大分進みますと、今の16.1%という数字がはね上がったりすると、これはちょっと問題だろうと思います。その辺はぜひ留意をして制度の改善に努めていただきたいと思います。
 2点目に移ります。これは、財政運営の観点から繰越明許費についてお尋ねしてまいります。
 平成23年度決算では204事業で2、700億円台の繰越額が発生しております。この繰り越しはいつもの年よりはるかに大きい額と私も認識しておりますが、このうち震災復興分はどうだったのか、それから一般の事業はどうだったのか、その繰り越しの理由についてどのように把握しているか、お示しください。
〇八重樫予算調製課総括課長 一般会計における繰越明許費の関係でございます。
 平成23年度の繰越明許費は、今、委員から御指摘のありました204事業、2、764億3、300万円でありますが、うち震災対応分が116事業、2、382億6、400万円余、通常分が137事業、381億6、900万円余となっております。
 その理由でございますが、繰越理由の主なものといたしましては、特にも、平成23年度におきましては、東日本大震災津波に係る災害復旧費等、国の3次補正予算の交付決定が年明けになるなど、多くの事業が工期的に繰り越しをせざるを得なかったため、繰越額の増加につながったところでありまして、災害復旧事業の繰越明許費が2、104億円余となるなど、全体の76.1%を災害復旧事業費が占めているものであります。
〇岩渕誠委員 この繰越明許費のところを拝見いたしましたけれども、事業完了の月日が、繰越明許費上、平成25年3月29日に事業完了を予定しているとなっているものがある。これは、恐らく震災復興にかかわるもので、なおかつ、もう一回繰り越しをしなければならない、事故繰越扱いにしなければならないものが多数含まれていると思いますが、どういう認識ですか。
〇八重樫予算調製課総括課長 繰り越しの事業につきまして、先ほど申し上げたとおり、多くのものが、例えば平成23年度3次補正分の交付決定を受けましたが、24年度に繰り越していると。平成25年3月29日事業完了予定となっていますが、終わらない場合には、また事故繰越で平成25年度に繰り越すというような状況ですが、それでもなお完了しないものもあろうかと考えておりまして、例えば、グループ補助金等につきましては、来年度も事業継続できるように、相当期間の繰り越しを認めるよう国に要望しているほか、繰り越し手続の簡略化などについても国に要望しているところであります。
〇岩渕誠委員 今、結論めいた話が先に出ましたけれども、やはりグループ補助金なんかは、土地利用計画が決まらないとできません。これを無理やり当てはめようとすると、本復旧というよりは、いつまでも仮設の復旧にとどまってしまう。こういった状況で本当に意味のある予算になるのかということからすれば、やはり繰り越しの部分を土地利用計画とか、そういったお尻に合わせた形でやっていかないといけない。
 この問題をなぜ取り上げるかというと、今年度の国の補正予算が、これはいつの段階で出てくるかわかりません。編成しないかもしれませんが、この時期になって、例えば仮に編成しますという話になれば、これは同じことがまた起きてしまうわけでありまして、結局、繰り越しの作業が非常に面倒なことになる。毎年この繰り返しをしていると、そういったところに対して、ただでさえ人手がないところで労力がかかってしまうといったこともあると思いますし、何よりも、財政運営上、こうしたやむを得ない事態とはいえ、事故繰越というようなことで明許されるというのは余りいいものではないだろうと思っております。
 そういう意味で、最後、部長にお聞きしますけれども、そのあたりをやはり早急に財政面での地域主権で使い勝手よくするような制度にしていかないと、本当に復旧に行かないだろうと思います。その所見を伺いたいと思いますし、もう一つは要望させていただきますが、決算書上、通常ベースのものがあって、震災事業ベースのものがある。そのあたりが現在の資料では非常に読みにくいんですね。財源との関連とかで、もう少し震災復興の関連のものがどういった事業で、どういう決算の仕方があったのか、一般のものはこうだったのかということを、ちょっと予算書というのは無理でしょうから、決算書に関しては少し読みやすいような形にしていただけないかという要望を添えて、最後に所見を伺って終わります。
〇加藤総務部長 繰り越しなり、その事業の期間の問題については、全く問題意識は委員と同様でございます。やはり国の─国のというか、これは県のでもあるんですが、会計制度上の問題で、その辺のところでいろいろ要らぬというか、そこにいろいろな手続等、あたら労力を費やすのもいかがなものかと思いますし、また、実際措置して、期間が短くてもうすぐ繰り越しだと。繰り越しを前提に計上するというものも、今の会計制度上はそうなってしまうのですが、果たしてそれがいいのかどうか。期間についても、通常、普通の事業でいけば繰り越しても2年なんですが、それじゃ足りないというのが今の被災地の実態というところもございます。
 なかなかこれについては、会計制度上の問題という面もあろうかと思いますし、会計制度上ということになりますと、制度について非常にガードのかたい財務省なりという問題もありますが、そこについては、被災地の実情をきちっと主張して、事業がきちんと回るように、一々それをまた落として乗せるとか、そういう無駄な労力を使わないようなやり方を模索していきたいと思います。
 また、会計制度上の問題ということもあるんですが、基金化するとか、やり方としては、ほかにもいろいろなやり方というかアイデアは考えられるのかもしれませんので、その辺のことも広く頭を絞って、そして、国なり関係省庁にその実情を伝えて、きちっと被災地、市町村、県の事業がうまく回っていくような算段を考えていきたいと思っています。
〇八重樫予算調製課総括課長 委員より御指摘のありました震災対応分と通常分を分けた決算という観点でございますけれども、総務省へは、決算統計、普通会計ベースでございますが、これを震災対応分についても提出しているところでございますが、被災3県分について、総務省から調整指示が来るなど、いまだ取りまとめに至っておりません。
 議員の皆様には、普通会計決算見込みにつきまして決算審査の参考資料としてお配りしておりますので、来年度以降、御指摘のあった震災分と通常分の決算を分けて提供できるように努力してまいります。
〇木村幸弘委員 私からは、通告しております1点のみについて質問させていただきます。岩手県の防災航空隊についてでございます。
 防災航空隊については、平成8年に設置されて以来、16年間が経過いたしました。その中で、この間、県民の生命、財産を守るという大変な任務につかれ、御尽力をいただいてきた隊員各位、県内の12消防本部、そうした協力に心から敬意を表するものであります。
 そうした意味で、改めて、昨年の東日本大震災津波の未曽有の被害を受けた本県において、防災航空隊としてどのような活動がとられてきたのか、その実績を含めてお示しください。
 さらには、その際、全国からの支援、航空隊等の支援もあったわけでありますけれども、そうした応援の状況、あるいは航空隊間の連携といったものがどのようなものであったのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇小畑防災消防課長 まず、本県防災航空隊の活動実績についてでございますけれども、発災当日の3月11日から、他県等の航空隊の応援をいただいておりました5月19日まで70日間でございますが、この間に火災対応で16件、救助活動で14件、救急活動で16件、あと、情報収集などの偵察活動等で20件、その他、人員や物資の搬送等が5件といった活動状況になってございます。
 全国からの応援等の状況につきましては、県の災害対策本部にヘリ運用調整班を設けまして、この調整のもとに運用したところでございますけれども、3月12日から5月19日までの他県からの派遣期間におきまして、20都道府県の消防防災ヘリコプター27機でございますけれども、これが、火災対応で6件、救助活動で80件、救急活動で156件、情報収集等の偵察活動で28件、物資輸送等111件といった活動を行ったところでございます。
〇木村幸弘委員 改めて、今の活動状況等を踏まえると、大変困難な事態の中で奮闘いただいた隊員の皆さんには本当に敬意を表したいし、全国からいただいた応援の方々に感謝申し上げたいと思います。
 そういった実態を踏まえながら、今後の災害対応に向けた防災航空隊としての体制のあり方とか、いわゆる16年が経過して、今後の防災対策上における役割等を考えたときに、それらの体制の充実強化が求められているのではないかと認識するものであります。
 また一方で、ことしの7月4日、大変痛ましい事故が発生したわけであります。水難救助訓練事故によって、一関消防本部から派遣されている隊員のとうとい命が失われるという事故が発生したわけであります。
 そうした状況の中で、改めて県のほうからは、今回の事故を踏まえての検証報告書などもいただいておりますけれども、これらの防災航空隊を取り巻く今回の事故に至る発生要因あるいは背景、さらには今後の安全対策に係る項目などを拝見しておりますと、やはり安全に対する意識の向上を図っていくことは当然のことでありますが、体制や、あるいは組織のシステムとしての制度疲労を含めていろいろな課題が、実はこの事故を教訓にして浮き彫りにされたのではないかとも認識するわけであります。
 そういう意味で、そちらの観点でも改めて質問しますけれども、航空隊における今後の体制やあり方として、まずは、県庁の防災消防課長が、いわゆる総括管理者を務めております。そして、現場基地においては運航管理責任者がおるわけでありますけれども、こうした本庁と、そして現場基地における役割と分担、これがどういうものであったのか。今回の発生要因や、あるいは今後の対策等の中においても、これは本庁とのかかわりなどについての項目も記載されているわけでありますけれども、そうした点も踏まえて、改めてその役割や任務がどうであったのかということを示していただきたいと思います。
〇小畑防災消防課長 防災航空隊の体制につきましてでございますけれども、まず、本庁の総括管理者と、あと現場、花巻空港の県の防災航空センターでございますが、これの運航管理責任者の役割分担につきましてでございますが、今回の事故の検証におきまして、本庁における防災航空隊の活動状況の把握が不十分だったということの反省を踏まえまして、岩手県防災ヘリコプター運航管理要綱というものがございますけれども、これの一部を改正いたしまして、運航計画あるいは訓練計画、各種要領、これを本庁、総括管理者への報告等を義務づけるなどの改正を行ったところでございます。
 日常の運航あるいは安全管理に関しましては、現場が責任を持って行うのが基本と認識してございますけれども、本庁におきましても、防災ヘリコプターの運航の安全確保に関し、そのチェック体制を強化して対応していきたいと考えているところでございます。
〇木村幸弘委員 事務的ないろいろなチェック機能を果たしていくという分担や役割は、それはそれでしっかりとやっていただくことが重要でありますけれども、同時に、現場における隊員の負担やいろいろな体制上の疲弊というものがなかったのかということも危惧するものであります。
 今回、改めて発生要因などを拝見しておりますと、結局、この防災航空隊は、12消防本部からの派遣の隊員によって10名の編成で運用されるわけでありますけれども、期間も限定される、その都度隊員の顔ぶれが変わっていく。いわゆる組織としてのシステムからいうと、一つにまとまってその課題や問題点を常に引き継ぎながら、あるいはそれを認識して運用していくという体制からいうと、やっぱりどうしてもすき間が出てくるんだろうと思うんです。そういった部分で体制において不十分な点があったのではないかということが1点あります。
 それから、今回の教訓の中で、地上への安全要員の配置であるとか、そういった要員の確保の点が形骸化しておったという部分。果たして今の10人の体制の中で、今回は6人がこの訓練に当たったということでありますけれども、当時の要員の確保の点や、あるいは地上要員をどうするかという点について、やはり不十分さがあるのではないかと推察されます。そういった点の意見や声がどうであったのかということがあります。
 それから、今後の対策として、いわゆる隊員経験者の配置など派遣方法を見直していくという指摘になっているわけでありますが、私は、今の12消防本部は、消防力の基準からいえば、定員に満たない、ぎりぎりの体制でこういった航空隊に人を派遣してやりくりをしているというのが実態だと認識しております。さらに経験者を特定して今後そういう体制をつくっていくということになると、今度は消防本部自体の体制にもいろいろな影響、しわ寄せが出てくるのではないかということも当然懸念されるということもありますので、そういった部分での体制のあり方の見直しということが必要だろうと思うんですけれども、今回の対策の中で、そういった点を踏まえた議論や、あるいは今後のあり方としてどういう方向を考えておられるのか、その点をお示しください。
〇小山総合防災室長 ただいまの木村委員の御質問、これからの体制を検討、検証する中でどういった議論があったかという御質問でございますけれども、やっぱり話の中に、例えば3年では短いのではないかというような話とか、例えば一つの検討の中で、いわゆる専任化してはどうかというような話も出ましたが、一つの結論といたしまして、やはり我々、航空隊の活動は、どうしても消火とか救助、救急といった消防の現場活動がメーンでございます。そういった意味で消防防災ヘリコプターというような形でございます。そういった面から見ますと、やはり現場の消防職員といった者が航空隊員としては適切なのであろうという結論。それから、隊員の習熟度、引き継ぎ等の問題も含めまして、期間の延長は考えられないのかということも検討したと先ほど申しましたけれども、先ほど木村委員がおっしゃいましたとおり、現場においても、消防職員の定足数といいますか、そういったことではかなり厳しい状況の中で派遣いただいているものと我々も理解してございます。そういった意味で、平成8年、発隊当初にもそういった議論もあったと聞いておりますが、やはり3年と。全国的にも3年が多い期間でございますけれども、そういったところでおさまったといいますか落ち着いたと聞いておりますし、それ以上の期間もちょっと苦しいのかなと理解してございます。なるたけ隊員の負担を軽減するという方向で我々も事務の見直し等取り組んでまいりたいと思っておりますけれども、そういった今の状況からしますと現状がベターなのかなと考えているところでございます。
〇木村幸弘委員 現状がベターだと言われると、じゃ、この教訓はどこで生かされるべきなのかということになるわけで、結果的に、今後の対策の項目の中で地上への配置をどうするかというところなどを含めて、ある程度やはり要員、体制として不十分な点があるからこういった項目も一つの考え方として出したんだろうと思うんです。
 それから事務処理支援、これは本庁がやると言えばそういうことになるのかもしれませんけれども、いずれにしても、未経験者の隊員が募られて、そこで3年間という期限の中で大変高度な職務に当たることになるわけですけれども、そうした中で、表現が、ちょっと例えがあれですけれども、いわゆる寄せ集め的に期限を区切った職員が集められた中での組織ですから、なかなか問題を問題として捉えて、それをきちんと全体の中に意識を置いて、安全対策を含めたそういった対応が声を出せるような環境にあるかというと、まあ、こういうものなのかなという認識でとどめてしまって、それが積み上げられた結果としていろいろな安全意識の形骸化であるとかシステムの疲弊であるとか、そういったものに結局私はつながってきたんじゃないかなと思うんです。そういう意味でいうと、やっぱり専任的な体制としての職員を置くであるとか、そういった部分も当然今後の見直しの中で重要になってくるんじゃないかと思うんですけれども、改めてその辺、ぜひやはり検討すべきじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
〇加藤総務部長 専任化のお話でございますが、先ほど室長からはベターということを申し上げましたが、ベターというよりも今の体制しかないのかなというのがこれまでの検討経過でございます。専任といっても、直ちにそれを、じゃ、どこから持ってくるのかというところがございます。それなりの技術、技量を持った、消防の現場にも通じた方を県のほうですぐ用意できるのかというと、現実には無理というか難しい面がございます。でございますので、職員の構成については、今の体制を各消防本部の協力を得て維持していくということにならざるを得ないと考えております。
 ただ、それにつきまして、事故の検証がどこまで生かされたのかという指摘もございましたが、検証報告書の中では、さまざまな安全対策、現場での意思疎通を図るとかきちっとミーティングを行うとか引き継ぎを徹底する、さらには本庁、外部からのチェックも入れるということを打ち出しましたので、そうした全体の中で、安全管理がなおざりにならないように、そして組織によどみが出ないようにということを書いたというか、そういうことを打ち出させていただいたつもりでございますので、その体制を全体として徹底する、そういう中で安全管理体制もしっかりとしたものにしていきたいと思っております。
 また、要員の問題、数の問題等の御指摘もございましたが、事務処理の問題については本庁等での処理ということもございますし、また、地上への安全監視員の配置等につきましても、これは今のやりくりの中で安易に流れていて配置していなかったという面がございますが、従前は今の要員の中でちゃんと安全監視員を確保して配置した上で訓練も行っていたということもございますので、要員のやりくりというか、その辺の事務の回し方いかんによっては可能であろうと見ております。
〇木村幸弘委員 意見にしますけれども、結局、従前の中ではやってきたから今後も従前の中で何とかやりくりできるだろうということではなくて、私は、その従前の中でやってきたことにいろいろな無理が重なってきているんじゃないかと。10人の隊員の体制というのは本当に大丈夫だったのかと。私は、何度も言うように、16年たちましたと。いろいろな意味で、この体制を含めて、今回の教訓を踏まえて、まさに見直すタイミング、時期に来ている部分もあるんじゃないかということだと思うんです。そういう意味で、いきなり経験者を任用できないという話ですけれども、16年たっておりますから、隊員経験者のOBも当然いるわけでありますし、そういった部分を含めた考え方があってもいいだろうと思います。いろいろな意味でそこについてまだ検討を含めた余地があると思いますので、この教訓と、そして犠牲となられた隊員のその無念さをこれからの防災航空隊の活動の中にぜひ生かしていただきたい、そのことを申し上げたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、大震災津波の取り組みと検証についてまず最初にお聞きしたいと思います。
 5、800名を超える死者、行方不明者を出したというところに、私はこの大震災の最大の問題があったと思います。これだけの犠牲者を出した原因、要因はどういうふうに分析されているでしょうか。
〇越野防災危機管理監 多数の死者を出した要因についてでございますけれども、津波によって多くの方が亡くなった最大の原因は逃げおくれによるものと認識しております。逃げおくれの要因については一概にこれだとは言えませんけれども、津波規模の過小評価、それから防潮堤、防波堤などのハードへの信頼感、過去の津波警報の空振りからの油断が生じて避難開始時刻がおくれたこと、あるいは、消防団等の避難支援従事者のみずからが避難すべき基準が不明確だったことなどが考えられると思っております。
〇斉藤信委員 私もそう思います。釜石市が全住民を対象にした住民アンケート調査というのがあります。これを見ますと、震災時、自宅にいたのが58.4%。そして、犠牲者が津波に流された場所がどこかというので、自宅が36.3%なんです。さらに、避難中というのが20.2%。だから、避難しなかったと。もう一つは、避難したけれども、避難がおくれたと。これは釜石市のアンケートですから全てということではないと思いますけれども、こういう実態分析を県としてもしっかりやるべきではないか。
 もう一つ紹介しますと、静岡大学総合防災センターの牛山先生などの研究成果が自然災害学会などで報告されていますが、大槌町、山田町の犠牲者の動向について、10分あれば高台に避難できた人が多かったと。しかし、避難がおくれたために大きな犠牲を出した、こういう分析であります。
 私は、今回、これだけの大きな犠牲者を出したという実態や要因分析を明らかにしてこそ今後の津波対策、災害対策に生かせるのではないかと思いますが、そういう実態の分析や調査というのはどうなっているんでしょうか。
〇越野防災危機管理監 実態調査といいますか、先ほど委員がおっしゃったような釜石市のアンケートがございますけれども、その前に平成22年にチリ地震津波がございました。そのときも避難率が9.5%ぐらいだったものですから、これはおかしいということで実態調査を各沿岸市町村にやった結果、避難した人が60.8%、避難しなかった人が35.6%で、避難しなかった人たちがなぜ避難しなかったのかという理由を聞きますと、自宅が高台にあるからとか防潮堤があるからとかこれまで被害を受けたことがないからとか、84%程度の方がそういう根拠のない思い込みで逃げなかったと。今回、釜石市のアンケート調査も大体このときと同じような傾向を示しているんですね。そういうことからいうと、40%の人というのは、津波が来ても─正常化の偏見という災害心理がございますけれども─自分だけは大丈夫だみたいな、そういう心理があるのではないかと考えております。したがって、そういう正常化の偏見をいかに少なくするかということをこれから住民に普及徹底しておかなければいけない。もちろん我々行政に携わる者もそういう意識をなくすような努力をすべきだ、こういうふうに思っております。
〇斉藤信委員 史上未曽有の大震災津波を受けてこれだけの犠牲者を出した。そういう意味でいくと、私は、研究者の力もかりて、ぜひ引き続きこういう徹底した実態の調査、分析をして、それを本当に生かしていくというふうにしていただきたい。
 次に、津波の第1波、第2波の到達時間というのはどういうふうに記録されているのでしょうか。
〇越野防災危機管理監 津波の到達時間でありますけれども、今回の震災の県内の津波観測値については、気象庁では津波によって計測機器が破損したりなんかしまして、第1波、第2波の正確な津波到達時間というのは、高さもそうなんですが、これは示していない、こういうような状況でございます。
〇斉藤信委員 気象庁は津波警報が3メートルという大ミスを犯したと。10メートルと言ったときにはもう津波は来ていたんですね。私はこれは重大だと思うけれども、例えば宮古市などは、最大波に近い津波が来た時刻というのは3時26分と。それまでには40分あったと。あと、県土整備部は、防潮堤の高さの設定のために堤防付近の津波痕跡高というのを出しているんです。それを根拠に津波の防潮堤の高さを出していますから、気象庁は出していなくても、私は何らかの形で今度の津波の高さとか到達時間というのは後追い調査でわかることもあると思うんです。例えば県南のほうが比較的早いんですが、大船渡市の場合は3時18分、釜石市は3時21分に最大波が到達したとなっています。ここは湾口防波堤があったところですよ。湾口防波堤があっておくらせたんだと言いながら一番早く来ているんですよ。だから、この検証はしっかりやらなくちゃならない。あの湾口防波堤は本当に津波をおくらせたのか、第2波、第3波には効果がなかったんじゃないか、そういう検証を私はしっかりやらなくちゃならないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇越野防災危機管理監 確かに委員、今おっしゃったように、気象庁の速報値といいますか、津波の高さ、今言ったように、宮古市では15時26分に8.5メートル以上、あるいは釜石市では15時21分には4.2メートル以上、それから大船渡市では15時18分には8メートル以上、こういうふうな速報値は出ております。しかしながら、先ほど言いましたように、地盤沈下だとか、それから測定器が壊れている、そういうのがあって正確な数字が出ていない。
 しかし、おっしゃったように、事後の痕跡から推測すると、例えば陸前高田市なんかは15.8メートルというような数値もございます。陸前高田市なんかは15時24分に最大波が来たとなっていますが、これは観測値というよりも、市が松原を越えた時間がこれだというような形でこういうふうな時刻になっております。したがって、いろいろな機関とかいろいろな大学の調査団とか、そういうのが入っていますので、それを参考に、今、時間と津波の高さを把握しているところでございます。
〇斉藤信委員 これだけの大災害ですから、第1波がいつ来たのかわからないと、こういうことにしてはならないと思うんです。後追い調査、例えば県警ヘリが撮影しているわけです。防災ヘリもいろいろなヘリもやっていますから、後でわかることは必ずあるはずですので、ここはしっかり記録していただきたい。
 私言いたいのは、やっぱり30分から40分の余裕があったということですよね、今回の場合には。だから十分に、しっかり避難していれば最低限命を守ることはできたのではないかと。こういう点でも、ここをしっかり整理しておくことが必要だと思います。
 私は、避難できなかった中には、避難したくてもできなかった、いわゆる災害時要援護者というのがあったと思うんです。だから、もう一つの教訓は、こういう災害時要援護者対策について、犠牲の実態をどう把握して今後の対策はどう検討されているか、このことをお聞きしたい。
〇越野防災危機管理監 災害時要援護者対策についてでございますけれども、今回の震災での犠牲者は、10月10日現在で死者、行方不明者合わせまして5、875人となっておりますが、災害時要援護者の人数というのは特定されておりません。しかしながら、犠牲者は60歳以上の割合が6割以上を占めておりますので、この災害時要援護者がこの中に多く含まれていると考えております。
 このため、県では、地域防災計画の見直しにおきまして社会福祉施設等の高台への移転等を盛り込んだところですが、今後とも、自主防災組織の育成強化などによって地域における共助を促進しまして、災害時要援護者の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これも越野防災危機管理監が本で指摘しているように、縦割りの問題だと思うんです。障がい者の犠牲者は障がい保健福祉課は把握しているんですよ。福祉関係の、例えば介護者なんかもそこで把握されていますから。私は、そういった情報を一つにまとめたら災害時要援護者の全体像が出てくるのではないかと。犠牲者の比率は倍以上ですよ、障がい者とか高齢者の場合は。そのことも今回、縦割りを排して、県庁の情報を集約して実態と教訓というのをしっかりまとめていただきたいと思います。
 教訓の最後に、私は消防団員の活動と犠牲についてお聞きしたいんですが、消防団員は、この検証報告書の段階では死者117人、行方不明者2人となって、本当に多大な犠牲者を出したと。多くは避難誘導中、水門閉鎖などの活動中だと思います。しかし、例えば田老の消防団の場合は、15分ルールというので、団長がそういう指示を出して一人も犠牲を出さなかった。あの被害の最も大きいところで、そういう教訓もあったわけです。
 消防団員の犠牲の実態と、そして、今後、避難ルールの確立に向けてどういう教訓があるのか示していただきたい。
〇小畑防災消防課長 消防団員の関係でございますけれども、90名の方が震災の活動中に殉職されているところでございます。この教訓を踏まえまして、県におきましては、今年度、県の消防協会と連携いたしまして、震災時の消防団の活動を改めて検証いたしまして、災害時における消防団の活動指針を取りまとめているところでございます。
 今後は、この活動指針を活用するなどいたしまして、市町村に対して災害時の消防団の活動マニュアルといったものの策定を促して消防団の活動の安全確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 こういう問題は、スピードアップして、積極的な経験、教訓もあったわけだから、しっかりやっていただきたい。
 繰り返しますけれども、今度の教訓というのは、私は、どんな津波が発生した場合でも、何としても人命を守る、こういう立場に立って取り組む必要があるのではないかと思います。
 次に、原発災害については総括で聞きましたので、原発災害問題については地域防災計画にも入れるということでした。この今後のプロセスについてだけお聞きしたい。
〇加藤総務部長 地域防災計画の見直しのプロセスでございますが、防災会議で防災計画策定ということに法律上なっておりますので、防災会議の場で、ただ、防災会議ですと非常に大きくてなかなか議論がしにくいので、幹事会等の場を生かしながら、より活発な議論が展開できるようにして議論していきたいと思いますし、また、その過程の中で、パブリックコメント等も行って県民のさまざまな声も吸い上げてやっていきたいと思っております。
 目安としては今年度中に、もともと防災計画に位置づけるように義務づけになる地域の見直しを今年度いっぱいにと国は言っておりますが、本県はその対象ではないんですが、それにおくれないように、同じように今年度いっぱいということで進めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 入札問題については今もさまざまな議論がありましたので、私は一つだけ。
 きょうの新聞報道でも、沿岸の業者は利益を上げていると。しかし、県内の内陸、県北には波及がないと。これから本格的に復興事業が発注される中で、県内復興JVですね、やっぱり県内企業が一緒になってこの復興に取り組める状況というのはつくっていく必要があるんじゃないかと思いますが、この県内復興JVの取り組みはどうなっているでしょうか。
〇田中入札課長 復興JVへの対応につきましては、本年8月から復興JVの登録を受け付けまして、現在まで10共同企業体が入札参加資格者名簿に登録されているところでございます。
 入札につきましても、8月13日以降に入札公告した対象工事について復興JVが入札参加できることとしてございまして、何件か入札参加をしてきているところがございますが、現時点で復興JVが落札した工事は1件となってございます。
〇斉藤信委員 私、やっぱりこの復興JVを成功させるためには、宿泊費を見るとか宿泊施設の整備の部分をきちんと事業費に見るとか、そういうことをやらなければならないと思いますよ。そういう手だてもあわせてやっているんですか。
〇田中入札課長 宿泊費等の実費につきまして加算する等の対応につきましては、設計単価等の所管をしております県土整備部で検討して、国のほうの動向で入れるというような検討をすることにしたということで説明しているところでございますので、その辺も含めて対応を検討しているところです。
〇斉藤信委員 最後ごもごもしてよくわからなかったけれども、これから本格的な復興事業がどんどん出てくるわけですから、そして、沿岸と内陸ではえらい格差といいますか、沿岸ではもう対応し切れない状況に実際なっているわけです。だから、県内の事業者の本当にオール岩手でこの復興に取り組めるように、必要な手だてもしっかりとってやっていただきたい。
 次に、米軍の低空飛行訓練問題についてお聞きしますが、平成23年度、平成24年度、米軍と見られる低空飛行訓練への苦情、情報はどのように寄せられているでしょうか。
〇越野防災危機管理監 米軍の低空飛行訓練についてでございますけれども、米軍の戦闘機またはヘリと見られる騒音苦情の状況については、平成23年には3件、平成24年には2件となっております。
〇斉藤信委員 えらく少なくてびっくりしました。私も実は去年、岩手県に申し入れをしたんですよ。この申し入れの中身は、広田小学校の上空をF16戦闘機が超低空飛行訓練で来たというのと、あと、雫石町上空でそういう低空飛行訓練が頻繁に行われているということで緊急の申し入れをしたんですが、岩手県における米軍機墜落のケースはいつ、どのようにあったんですか。
〇小山総合防災室長 御質問のありました墜落につきましては、昭和63年、そして平成11年、それぞれ1件で計2件発生してございます。
〇斉藤信委員 昭和63年川井村─当時、そして平成11年、これは1999年ですけれども、F16戦闘機が釜石市の橋野に墜落したと。数百メートルのところには小学校の分校もあったということでありました。
 今、問題になっている軍用機オスプレイ、これはもうことし2回も墜落事故を起こして、そしてこのオスプレイは、岩手上空をグリーンルートという飛行訓練ルートにしております。私はF16以上に危険な軍用機だと思いますけれども、この飛行ルートはどうなっていますか。あと、訓練回数はどういうふうに報告になっていますか。
〇越野防災危機管理監 オスプレイの飛行ルート、それから訓練回数についてでございますけれども、当県からも東北防衛局に対して、本県上空のいずれの市町村上空を飛ぶことになるのか、また、その訓練頻度についてはどうなのかということを照会しております。東北防衛局からは、米軍のオスプレイの具体的な運用計画は確定していない旨の説明を今のところ受けているところでございます。
〇斉藤信委員 米軍はレビューでルートも示しているし回数も示しているんですよ、正式にあなた方のところに話はないかもしれないけれども。そして防衛大臣がアメリカにかわって安全宣言をして、市街地上空は飛ばないと。市街地上空を訓練しているんですよ、沖縄でも四国でも。本当にこれは許してはならない。県議会はこの請願を否決しましたけれども、本当に許されない。厳しく私は告発しておきたいと思います。
 次に、旧盛岡短大跡地の活用策について、これは本会議で福井議員も取り上げましたが、私も地元でありますので、お聞きしたい。
 今、旧盛岡短大跡地はどのように活用されているのか、そして、現段階でどういう位置づけになっているのか示していただきたい。
〇清水総務室管理課長 旧盛岡短期大学の跡地でございますが、現在、建物は、県の物品や文書の保管場所として活用してきておりますほか、県体育協会が体操競技の練習場に利用し、また、県社会福祉協議会等が被災地支援物資の一時保管場所として利用しております。また、グラウンドにつきましては、県立盛岡第二高等学校の学生がテニス部の練習場として使用しているところでございます。
 また、当該施設につきましては、現在、県有未利用資産等活用・処分方針に基づきまして売却対象資産に整理されておりまして、民間事業者等への売却を視野に検討を進めているところでございます。
〇斉藤信委員 旧盛岡短大跡地は、今、話されたように、実際に活用しているわけですよね。一方で売却予定資産だと。私は、これは矛盾すると思うんですよ。全く活用していないというのならそれはあるでしょうけれども、現実に活用していると。だから、売却予定資産だといっても、これは今すぐ売却するものではない、こういうふうに受けとめてよろしいですか。
〇清水総務室管理課長 売却対象資産とはなっておりますが、現在、利用しておりますところの活用状況もありますが、建物が老朽化いたしておりまして、そこの建物の安全性の確保等もございますので、今後、その売却を視野に検討を進めていく対象としては引き続き検討してまいりたいということでございます。
〇斉藤信委員 どういう時期的な見通しで売却に向かって進むのか、これをお示しください。
〇清水総務室管理課長 ただいま、建物の周辺の自治会から盛岡市に対しまして公共的な施設等の利用に対する要望等も出ていると聞いており、盛岡市の意向を十分に検討した上で、今後二、三年をかけまして売却の実施方法ですとか手段等について検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは御承知のように、県立盛岡商業高校があって、その後は盛岡短大、文字どおり教育施設として地域住民になじんだ土地、施設なんですよ。ですから、地元からもそういう文化教育的な施設として活用したいと強い要望が出ていて、私は、そういう意味では、盛岡市も半分は検討中だと思うけれども、地域住民の声や市の検討をしっかり受けとめて対応していただきたいと思いますが、いかがですか。
〇清水総務室管理課長 盛岡市の意向等も勘案しながら、十分、また、旧盛岡短大の建物の老朽化の度合い等その安全性も含めまして総合的に検討してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 最後です。
 消費税の県民の負担額、県民全体の負担額はどうなるのか。法人事業税の対象事業者数と比率はどうなっているか示していただきたい。
 公契約条例の早期制定を求める請願が採択されました。私は、ぜひこれを県が正面から受けとめて、その条例制定に向かった検討を進めていただきたいが、いかがでしょうか。これは部長にお聞きしたい。
〇永田税務課総括課長 消費税の県民全体の負担額、増税後の額でございますが、消費税の制度の骨格がまだ完全には固まっておりませんで、厳密に算定することは非常に困難でありますが、現在の消費動向等が増税後も変化がないものとして試算したところ、平成22年度の地方消費税から推計いたしますと、税率が増税後の10%となった場合、消費税と地方消費税の合計は1、165億9、000万円と推計されまして、現行の税率の場合と比較しまして582億9、000万円の増と見込まれるところでございます。
 次に、法人事業税の対象事業者数と比率でございますが、課税対象法人数と比率につきましては、平成23年度において、申告義務のある法人数2万1、680法人のうち、法人事業税の発生している法人数は7、648法人でありまして、その比率は35.3%となってございます。
〇加藤総務部長 公契約条例についてのお尋ねでございますが、議会におきまして請願が採択されたということでございまして、議会の意思は重いと認識しております。
 6月定例会だったかと思いますが、私も本会議で質問をいただきまして答弁申し上げました。実際、公契約条例、さまざまな課題があるということは事実でございます。いろいろ課題もあるわけでございますが、そして関係者の見解等もあるわけでございますが、そういったことも含めまして真摯に検討いたしまして、条例制定に向けまして準備を進めていきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 今までも消防団にかかわっていろいろ質疑があったわけですが、私のほうからも、今回、先ほど来言われているように消防団が沿岸部で多くの犠牲になったわけでありまして、我々はそれを教訓として、しかと形にして、消防団のこれからの活動にも当たっていただかなければならないと考えております。
 そういった中で、これからも消防団の活動というのは強く求められるところもありますが、改めて、消防団の役割、そしてまた団員の安全確保について、現段でどのように考えられているのかお伺いいたします。
〇小畑防災消防課長 今回の震災におきましては、消防団の活動の重要性が改めて認識されたと考えてございます。
 一方で、90名の方が活動中に殉職されたということでございます。この教訓を踏まえまして、県では、消防協会としっかり連携しまして、震災時の消防団の活動を検証して、災害時における消防団の活動指針の取りまとめを進めているところでございます。いずれ、今後、この活動指針等を活用するなどして、市町村に対してその活動マニュアルの策定を促すなどして消防団の活動の安全確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木茂光委員 既に1年7カ月たっておりまして、さらに消防団はもう活動されております、被災地の中でも。これから秋の火災のシーズンに向けて、団員数が少ない中でもそこそこ活動に向けて動き出しているんです。団員の方々に多くの犠牲を見たというのは、やはり消防団としての消防精神、皆さんどの程度それを承知しているか。私も消防の一人として活動したときは常にそういうものが気持ちの前面に出てきてしまって、それが最終的には大きな犠牲を払ってしまったのではないかと私なりに思うところがありますが、であるがゆえに、生業の傍らそれぞれボランティア活動の中で活動している。最終的に自分の命を落としてしまう、このぐらいむなしさというのはないと思うんです。そういったところを皆さんがどのように感じているのかということなんです。どんどん時間がたっていけばたっていくだけそのように薄れていくわけですよ、感情的なものも含め。多くの家族、お父さんを亡くした、団員を亡くした中で、子供がいる、奥さんもいる、そういう家族の中で大切な人を亡くしているわけだから、それらに対して早く応える意味でもその辺はもっと明確にしてやっていかなければならないのではないかと思うんですが、その辺はどうですか。
〇小山総合防災室長 消防団の活動につきましては、今回の3.11を含めまして、当然のことながら、常備をお手伝いするという言い方はおかしいかもしれませんけれども、そういった姿、また、地域においては地域の防災リーダーとして御活躍いただいている、それも生業の傍らということで本当に頭の下がる思いでありますし、今回の3.11につきましてもそういった熱い心で避難誘導、もしくはそれよりも先に水門閉鎖等、活動されて殉職された方がたくさんいらっしゃる。本当につらい思いをしてございます。
 そういった意味で、実は、昨年度には既に沿岸の消防団長ほか警防の担当の団員の幹部の方等にお集まりいただきまして第1回の委員会を開きまして、そういった状況を把握しながら、意見も聞きながら、本年度、それに基づきまして現地で詳細な調査をして、その上で地域地域に合った安全対策を講じる必要があるであろうというふうな動きで現在に至っているものでございます。その点につきましては御了解いただければと思っております。
 そういった意味で、いずれ地域の防災のかなめといいますか、担う重要な消防団の方々の安全確保というのは本当に重要だと思っておりますし、また、今、消防協会で取り組んでいただいております中間報告を見せていただいておりますけれども、現地で活動された沿岸の消防団の方々のいろいろな現場での経験とか声が拾われております。こういったものを踏まえて、協会と一緒に、実効性のあるといいますか対策を講じてといいますか、結果報告というものを出してまいりたいと思っております。
〇佐々木茂光委員 そういう強い思いで取り組んでいただきたいと思います。
 それで、消防団の有事の場合の役割の中に、水門門扉の閉鎖ということで、水門門扉があるうちはその閉鎖に当然携わっていかなければならないということになるんですが、これからいろいろまちづくり等を含めまして、その辺の設置、例えば復旧するというと今までと同じまま復旧していくわけですよね。それが今回、そういったものに対して見直しされるものがあるのかどうか。改めて見直していかなければならないというところもあるんですが、その辺の考えがありましたらお示し願いたいと思います。
〇小畑防災消防課長 水門等の設置に対する考え方についてでございますけれども、今般の大震災津波におきまして、多くの消防団員の方がその閉鎖中といいますか閉鎖後に亡くなられているというようなことでございますので、県の地域防災計画を見直しまして、水門や陸閘については、操作の電動化、遠隔化あるいはその通信手段、電源等の多重化を図るものとすることとしたところでございます。
〇佐々木茂光委員 結局、電動化何とかということになると、有事の際は電源が切れてしまうと。例えばその機能が、要するに機能しないがために閉めるのに団員が時間をかけているということです。確認に行っているんですね。そういう人たちも犠牲になった人たちの中にいるということです。だから、同じ場所にまた同じものを設けるのが果たしていいのか悪いのか。いいわけないですよね。
 私が言っているのはそういうところなんです。例えば今まで三つあったものを一つにするとか、もっと単純な構造のものにするとか、その辺の見直しも含めて取り組んでいかないと、本当に亡くなった人たちの思いというのは生かされないと思うんです。その辺、お願いします。
〇小山総合防災室長 これは我々のほうでお答えするのがいいのかあれですけれども、東日本大震災津波復興計画の中で、海岸保全施設につきましては、つくる側のほうでも、そういった電動化につきまして、今回、先ほど現場の検証等もお話ししましたけれども、行ったら停電で閉まらなかったという声もいっぱい上がっていまして、そういったものも踏まえながら、電源の確保とかそういったものも、また、もうつくらなくてもいいように、越えられるようにとか、そういう工夫をしていただいております。関係部局とも連携をとりながら、そういった対策を我々見てまいりたいと思いますし、加えまして、一つ今回の検証の中で挙がっているのは、こう言うとあれですけれども、やっぱりある時期になったら、閉まらないなら逃げていただくしかないのかなと。ソフト面という言い方がいいのかどうかですけれども、そういった安全対策もあろうかと思っております。そういった消防団の活動につきましても、ソフト、ハードを含めたそういった見方というのが必要だと思っておりますので、関係部局との連携とともに、我々のソフト面というかマニュアル的な対策についても考えてまいりたいと思っております。
〇佐々木茂光委員 今、お話をいただいて、消防団を一応預かっているわけですよね。預かりの身であるわけですから、消防団がどういうふうな形の中で犠牲になったかというのは、それはまさに横断的に、つくる側と考える側が別々であってはならないと思うので、その辺は強く意見を出しながら生かせるものにしていただきたいと思います。
〇新屋管財課総括課長 先ほど、軽石委員から自宅が被災して公舎に入居した職員の数についてお尋ねがございました。確認いたしましたところ、震災当時居住していた自宅またはアパートが被災した職員で、新たに公舎に入居した職員数は沿岸地区で12名になっております。
〇小野共委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後4時58分 休 憩
午後5時13分 再開
〇小野共委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局等について、延べ9人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 次に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇稲葉秘書広報室長 平成23年度の秘書広報室関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、秘書広報室所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
 当室におきましては、希望の発信をテーマに、東日本大震災津波からの復旧、復興に関する情報を県民に的確かつタイムリーに伝えるとともに、沿岸市町村と内陸市町村の復興に向けた一体感を醸成するため、沿岸地域と内陸地域とをつなげる広報に努めたところであります。
 また、全国からの御支援に対する感謝の気持ちを伝え、応援してくださる方々とのつながりを保ち、震災からの復旧、復興の力とするために、震災から立ち上がる岩手の姿や「黄金の國、いわて。」に表現される岩手の普遍的な魅力を県外に向けて発信してきたところであります。
 今後におきましても、いわて県民計画や岩手県東日本大震災津波復興計画に基づく県の重要な施策について、的確かつタイムリーに県民にお知らせし、県民の理解と積極的な参画や協働を促進するとともに、復興に向かう岩手の姿を発信し、震災の記憶を風化させず継続的な支援につなげるとともに、岩手のイメージアップと岩手ファンの拡大につながる広報を展開してまいります。
 それでは、当室関係の決算について、歳入歳出決算書により御説明申し上げます。
 12ページをお開き願います。秘書広報室に係る決算は、第2款総務費第2項企画費の支出済総額519億4、846万円余のうち、5億885万円余でございまして、翌年度への繰越額は693万円余、不用額は1、140万円余となっております。
 以下、決算の内容につきまして、お手元に配付されております歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
 歳入歳出決算事項別明細書の178ページをお開き願います。第2款総務費第2項企画費第1目企画総務費のうち、備考欄の管理運営費は、人件費、一般管理事務費及び皇族方の被災地お見舞い対応等に要した経費であります。次に、180ページをお開き願います。第3目広聴広報費の主なものでありますが、備考欄2行目の県政広報事業費は、県の重要な施策等について、さまざまな広報媒体を通じて広く県民に周知する県内向け広報に要した経費であります。3行目のいわて情報発信強化事業費は、震災から立ち上がる岩手の姿や「黄金の國、いわて。」に表現される本県の普遍的な魅力を発信する県外向け広報に要した経費であります。4行目のいわての魅力Web発信事業費は、ふるさと雇用再生特別基金を活用し、新たな雇用を創出しながら、民間の活力を活用した県内向け情報発信ウエブサイトを開設、運営し、岩手の魅力発信に取り組んだものであります。
 なお、繰越明許費693万円余は、県政広報事業費の一部を繰り越したものでございます。
 以上で秘書広報室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇小野共委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木朋和委員 では、2点短く質問させていただきます。
 まず初めに、震災後の岩手の情報発信広報について伺います。
 震災後、県内、県外に対してさまざまな媒体を通して、例えば新しい紙媒体を使ったり、5分、10分ぐらいのテレビ番組を持ったりということで情報発信をしていただいておりましたが、情報の更新を頻繁にできるということでホームページの発信に重きを置いてやってこられたように思われます。
 若年層、また県外に対しては有効であると思いますが、情報弱者である高齢者、被災者への対応はどうであったか、ホームページのアクセス数や傾向調査など、分析結果から得た成果、課題とともに御所見を伺いたいと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 震災後の情報発信の対応についてでありますが、県では、全戸配布の県政広報誌いわてグラフを初め、テレビ、ラジオ、新聞、ホームページ、ツイッターなどのソーシャルメディア等を使って広報を展開してきたところであります。特にも、震災後の4月から5月においては、避難所の主な情報入手の手段がラジオであったことから、県でも、罹災証明書の発行や義援金の配分等、被災者に向けた生活情報を配信するため、県全域の民放2局のラジオで毎日発信を行ったところです。
 次に、情報発信の状況についてでありますが、県公式ホームページのアクセス数は、平成21年度の月平均21万9、000件から、平成23年度29万5、000件と増加傾向にありまして、ホームページに対する注目度が高くなっております。
 また、ツイッターのフォロワー数は、震災前と比べまして2、400人余から、現在4万1、000人余、それからフェイスブックにつきましては、134人から、現在は3、600人まで急増している状況です。
 一方、インターネットを使った情報発信は、比較的若い世代が中心に利用されております。年齢の高い世代の利用が少ないということが課題であります。
 県としては、今後とも幅広い世代に情報を伝えるために、多くの媒体を活用した広報を展開してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。ホームページ関係については、紙媒体と違って、見ていただく方々の動向を調査できるというのが一番の利点であると思いますので、ぜひ、今後とも伸びていく分野であると思いますから、しっかりと分析をして、またおもしろい企画をしていただきたいと思います。
 また、高齢者に向けての取り組みということで、一つ提案も含めて御質問させていただきたいと思うんですが、いわて県民グラフなどで全戸配布をして情報発信をしていただけるということでありますけれども、やはり高齢者の皆さんにとっては、一番身近な自治体が市であるということから、区長さんが持ってくる市の広報などをいつも日常的に見ているという面がございます。また、近くの本当に地域の方が出るFMコミュニティラジオなど、そういったものに興味が強くあるということで、県の情報もそういうところに集約ができないかという話をいただきます。
 例えば、内陸の市の広報に沿岸のそういう被災地の現状などを載せるとか、また、地域のコミュニティFMに知事が出ていただいて直接被災者の方に訴えていただくとか、そういう取り組みも情報発信のエッジとしてはいいのではないかと思います。ぜひその点の御所見を伺いたいと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 先ほども御説明申し上げましたけれども、県の今の広報につきましては、紙媒体、電波媒体、それからインターネットなど、さまざまな媒体を活用いたしまして、幅広い世代に情報提供していくことが県としても重要なことと考えておりまして、県内全域に情報発信していくためには、やはり今使っているような媒体で、効果的に情報発信していくことが大切かと考えております。
〇佐々木朋和委員 効果的にということで、ぜひ、全戸配布ということで全員の目に触れるところにまくということもいいんですが、実際に見るものに対して情報を載せていくということも、方向性として、受け手が望む媒体の研究、また発信の仕方ということも研究していただければと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、海外への震災復興の協力への感謝と支援の継続のお願いについての情報発信について伺いたいと思います。
 さきのオリンピックにおける日本人選手の活躍は、我々被災地の皆さんに勇気を与えていただきましたし、また、海外にも日本の元気な姿を見せることができたと思っております。選手の皆さんには感謝をしたいと思います。
 ただ、欲を言えば、応援、心配をしていただいた海外の皆さんに対して、復興半ばではあるが、これまでの協力への感謝と、また、今後の支援をお願いしたいというメッセージがもっと伝わればよかったのではないかと思っております。
 今後、国際的大会では、日本でも注目を集めるWBCとか、また、日本では北上市の陸上のアジア大会マスターズ、またラグビーワールドカップなども企画されております。そのような国際大会のときに、岩手ということももちろんですけれども、被災3県で協力をして大会関係者、日本選手団に、我々はこういう気持ちでいるんだ、こういう情報発信をしてくださいとお願いすることが、震災を風化させずに海外の皆さんに協力を続けていただくことだと思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 海外からの復興支援に対する感謝についてでありますが、県では、復興支援に対する外国語による感謝状や礼状をお送りしたほか、例えば、駐日クウェート国全権大使、駐日シンガポール共和国特命全権大使を知事が訪問いたしまして、謝意をあらわしているところであります。
 また、県のホームページでは、海外からの御支援の内容を掲載いたしまして、感謝のメッセージを伝えております。
 海外への情報発信の取り組みにつきましては、復興の取り組み状況を伝えるため、月2回、復興だよりの英語版を作成いたしまして、県のホームページに掲載するとともに、海外プレス向けに情報提供をしております。
 また、支援に対する感謝を伝えるイメージコンテンツの動画ですけれども、この英語版とフランス語版を作成いたしまして、海外でのイベント等で活用しております。
 さらに、外務省の協力をいただきまして、復興への思いを伝えるポスター、イメージコンテンツ─動画ですけれども─それから、復興だよりにつきましては、外務省のフェイスブックやツイッターで御紹介いただいております。
 また、来年1月には、駐日外国公館を対象といたしました外務省主催の行事に参加させていただきまして、作成したイメージコンテンツの上映や復興写真の展示、それから県産品の紹介を行うこととしております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。私の知らないこういうお礼の伝え方というのを紹介していただきました。
 また、私が先ほど申し上げたスポーツを通じての感謝の気持ちを伝えるということは、海外の一般の方にも広く伝えることだと思いますので、ぜひ検討いただいて、イチローの背中に岩手、宮城、福島、ありがとうというような文字が並ぶようにぜひ取り組みをしていただきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 県外向け広報についてお伺いしますが、昨年度、県外向け広報について、どのような広報活動をしたのか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 平成23年度の県外向け広報の内容についてであります。
 震災から立ち上がる岩手の姿を発信するため、ポスター、それから、先ほどのイメージコンテンツ─動画ですけれども─などを作成いたしまして、復興支援イベント等で活用したところでございます。
 具体的には、ポスターは、震災から立ち上がる岩手の姿や「黄金の國、いわて。」に表現される岩手の普遍的な魅力を発信するため、被災地や内陸部で暮らす岩手の人にスポットを当てまして、いわてと笑顔に、それから、いわてで笑顔にというポスターを6種類作成いたしまして、JR東日本構内や都営地下鉄全線などで掲出したところです。
 それから、イメージコンテンツ、これは動画ですけれども、動画につきましては、被災者の方々の支援に対する感謝のメッセージを「黄金の國、いわて。」で表現される岩手の食やパワースポット等の魅力、それから、岩手の自然、暮らし、日常風景をイメージできる動画の3種類を作成いたしまして、イベント会場等で上映しております。そういうような状況でございます。
〇嵯峨壱朗委員 ありがとうございます。
 それで、昨年度はそういった形でやったということですけれども、ことし、これを見ると9月に発行している、非常によくできた、いわてとあなたがつながるノート、これは、どの範囲に、どれだけ配布しているのか、まずお聞かせ願えればと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 範囲ですけれども、県の関係の機関、あるいはいろいろな情報を発信して拡散いただける方々、例えば文化大使の方とか、そういったさまざまな方々に配布したいと思っております。
 それで、冊数は全部で2万5、000部を作成しております。
〇嵯峨壱朗委員 非常によくできているなと思って、白井貴子が出たりですね。それで、このパンフレットの中にTシャツが出ているんですけれども、「あたらしいニッポンを、いわてから。」、非常にすてきなTシャツですね。この、なぜ岩手からあたらしいニッポンなのかなと思って、その辺の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
〇稲葉秘書広報室長 ただいま御質問がありました「あたらしいニッポンを、いわてから。」というキャッチコピーについてでございますが、これまで使用してきました県外向け広報のキャッチコピー、ロゴマークでありますのは「黄金の國、いわて。」というものでございます。これは今後も引き続き全庁で使用してまいりますが、今年度は、県民が一丸となって復興に取り組む復興元年であり、復興に当たっては、もとの形に戻すような復興ではなく、これまでよりもよりよいふるさと岩手を実現するという思いで取り組んでいるところでございまして、その思いや気概を、「あたらしいニッポンを、いわてから。」というキャッチコピーに込めたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 すばらしいですね。そして、あたらしいニッポンって、どの辺が新しいということを意識しているんでしょうね。新しく改革するというふうに。
〇稲葉秘書広報室長 このたびの東日本大震災津波では、岩手県は非常に大きな打撃を受けまして、地域ごと被害を受けたというところから立ち上がっていくということでございますので、これまで以上によりよいという形を目指していくということもありますし、あとは、全国的にもかなりいろいろな方々から御支援の手が延べられまして、関係やきずなというところも深まっているということでございますので、地域の資源を活用しながら、それぞれのつながりの力も得まして復興に向かって進んでいく、そういうところで新しいところをあらわしていけるのではないかと考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 ちなみに、この「あたらしいニッポンを、いわてから。」って、誰が考えたんですか。
〇稲葉秘書広報室長 今年度の県外広報をどのようにやっていくかということで、業者に委託するような形で進めてまいりました。県から、こういう趣旨のものをつくりたいということで御説明いたしまして、業者も、それであればこういう形がいいのではないかという、内部で協議する中で上がってまいりまして、私どもも検討しまして、気概をあらわしていくという意味でふさわしいのではないかということで使用することにしたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 すばらしいですね。
 それで、これはどういった効果を期待していますかね。それで、ちなみに、この「あたらしいニッポンを、いわてから。」のTシャツというのは、我々も手に入るんですか。
〇稲葉秘書広報室長 どのような効果ということでございますが、これは、県外向けに被災地支援でおいでいただいた方々などとのきずなを中心につくっておりますので、そういう岩手からのメッセージが国内外の方に届きまして、私たちと同じ思いを共有していただくということと、あと、それを感じていただいた方々に、支援という形でできることを行動に移していただきたいということを思って、そういうところを期待しているところでございます。
 Tシャツにつきましては、関係者用にということで限定でつくっているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 これでやめますけれども、あえて新しいものもいいんですが、今、復旧、復興に一生懸命向かっていますよね。結果として新しくなっていけばいいなと私は思っていますけれども、今、何をするかということをもっとメッセージで今こうだというものを出すべきだったのかなと私は個人的に思っていました。でも、非常にすばらしいTシャツですね。私も手に入ればと。
 いずれ、頑張っていただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 秘書広報室が再編されまして現在3年目になっております。総合政策室から特出しをして、秘書課と、それから広聴広報課という形で、知事のトップマネジメントを直接補助するため、最低限必要な業務を純化、純化することの目的で設置された部局として、そういうような目的で設置されました。もう3年目ですから、部局が設置されたこの意義を検証するときに来たのではないかと。そういう観点に立って質問します。
 この純化した実績を示していただきたい。そして、平成23年度の秘書広報室に付された予算の効果を具体的に示していただきたいと思います。
〇稲葉秘書広報室長 秘書広報室に純化した実績でございますけれども、委員からもお話がありましたが、秘書広報室は、平成22年の組織再編によりまして、知事のトップマネジメントが十分発揮されるよう、知事の県政運営を身近からサポートする組織として設置されたところでございます。
 設置後、昨年度、とりわけ東日本大震災津波の発生後でございますが、混乱期にありました年度当初におきましては、知事の身近で、部局間の連絡調整や県民へのメッセージの発信、関係団体、内陸市町村への協力要請など、震災対応に当たる知事のトップマネジメントを支えてきたところでございます。
 さらに、知事、副知事ができるだけ被災地を訪問できるよう調整を行うなど、被災地に寄り添った日程調整を心がけてきたところでございます。
 また、当室におきましては、設置後から継続いたしまして、さまざまな情報の収集や岩手のイメージアップに向けた積極的な情報発信に努めております。具体的には、経済団体等、さまざまな団体等から収集した情報を随時、知事等に報告しておりますほか、ウエブを活用したリアルタイムな情報発信や、全国からの御支援に対する感謝の気持ちを伝えるために、震災から立ち上がる岩手の姿や岩手の普遍的な魅力を発信する県外広報等の展開などに取り組んできたところでございます。
 次に、平成23年度の予算の効果でございますが、当室の主な事業であります広聴広報事業のうち、広聴事業につきましては、被災者及び支援を続けている方々の活動状況等をお聞きし、活動を激励し、復興に向かって県民と一体になって取り組む意識を醸成する機会といたしまして、沿岸市町村等で県政懇談会を開催してきているところでございます。
 また、広報事業のうち、県内広報につきましては、東日本大震災津波からの復旧、復興に関する媒体や県の重要な施策について、県の広報誌でありますいわてグラフやテレビ、ラジオ等の媒体を活用しまして県民に周知してきたところであり、県外広報につきましては、震災の風評被害を払拭し、本県のイメージアップと岩手ブランドの構築を図り、継続的な復興支援につなげるため、ポスターやイメージコンテンツとしての動画などを作成し、震災から立ち上がる岩手の姿や平泉世界遺産を初めとする岩手の普遍的な魅力を発信してきたところでございます。
 これらの取り組みによります効果につきましては、定量的に把握することは非常に難しいところでございますが、公益社団法人日本広報協会の平成24年度全国広報コンクールにおきまして、昨年、被災後に最初に発行いたしましたいわてグラフが内閣総理大臣賞を受賞したほか、県外向けポスターやイメージコンテンツ動画などがツイッター等で反響を呼んだなどということがございまして、一定の効果が得られているものと考えております。
〇飯澤匡委員 別に部局に昇格しなくたって、通常の業務をすればそれで足りているわけですから、じゃ、知事のトップマネジメントを支える、これは、当初の設置目的は、知事と副知事が政策判断にかかわる時間をこれまで以上に確保するということですよね。政策判断と書いてある。これについてはどのような効果が出たと、具体的に示してください。
〇稲葉秘書広報室長 私どもがやりますのは、各部局が行います政策判断のつなぎ役というところで、政策の企画立案機能は持たないということですので、つなぎ役ということでございますので、知事、副知事の指示を受けまして、即座に関係するところに伝えて、迅速にその結果が取りまとまるようにというところで、日常的に活動しているということでございます。
〇飯澤匡委員 具体的にお伺いします。平成22年6月の樋下議員の質問に、知事答弁は、国内外の新しい動きや時代を先取りした斬新な施策に関する情報の収集や分析、どうした分析をして、どういうふうに政策に判断してつなげたんですか、教えてください。
〇稲葉秘書広報室長 つなげるというのが私どもの役割でございますが、いろいろ情報収集しましたが、なかなか具体的な施策につながらないということも幾つかございましたので、これが、私どもがやった結果こういうふうになったものだと直接言えるものはないと。きっかけをつくったということであれば、私の記憶によりますと、新幹線のダイヤ改正のときの、岩手に有利なようにやっていただくというところで働きかけをしてやりましたということはございました。そういう形のものが非常に多くて、これがそうですということは申し上げにくくて、申しわけないですけれども、御理解いただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 あなた方の部署は、部局に昇格して、要は政策判断、客観的にどういう効果が出たかというのはあらわれないんですね。広聴広報は出るかもしれません。広報については出るかもしれない、若干出るかもしれませんが。ですから、組織的にどうあるべきかというのは、あなた方もしっかりとそれは逐次判断をして、検証を進めなければならないと私は思うわけです。
 それで、私は、あなた方がつなぐという、そういう言葉を使いましたけれども、要するに知事のトップマネジメントと政策形成というのは、これは不即不離でなければならない。そのための総合政策室という部署がつくられた。それをあえて分離してつくったというその効果は、しっかりと県民に対してあらわさなければならないと思うわけです。
 もう一回お伺いしますが、その不即不離でなければならないという私の考え方、この秘書広報室はどのようにかかわってきたか、具体的に示してください。
〇稲葉秘書広報室長 先ほど来からも申し上げておりますけれども、秘書広報室がかかわってきた状況につきましては、被災地域の復興を初めとする県政課題が山積する中で、知事が適時適切に政策判断を行い、トップマネジメントを発揮するようにするために、幹部職員が復興に関して話し合うような場を定期的に設定しておりまして、復興についての取り組み状況等を確認しますとともに、部局間での情報共有や連携などを図っているところでございますし、知事から指示がありました事項につきましては、関係する部署に伝えまして、その対応について知事に判断していただくというつなぎ役を務めているところでございます。
〇飯澤匡委員 部局として昇格して、何がどのように変わったんですか。
〇稲葉秘書広報室長 ただいま、これまでも申し上げておりますが、部局として何がどう変わったかという御質問に対しては、大変申しわけないですけれども、ここがこのように変わりましたという形で、これが成果ですとは申し上げにくいのでございますが、この復興の中で非常に多忙な県政の中で、間違いなく着実な復興を進める、あるいは県民計画を進めていくというところで、情報共有を図りながら、知事、副知事の判断をいただきながら、部局が連携して取り組むという形でのつなぎ役的な役割を果たしております。
〇飯澤匡委員 どうもそのつなぎ役というのは合点がいきませんね。あえて広報部隊、秘書部隊を抜き出したというのは、どこに効果があるのかよく理解できないですね。かえって私は、再編前の政策推進や経営評価、これらと一体化したほうが、大震災の復旧、復興にも大きく寄与するように思います。
 じゃ、過去の質問から、あなた方が言っていた情報収集や発信、これが大きな仕事の柱だと答弁で申されておりますが、その答弁の中で、岩手のイメージアップ─先ほども答弁の中にありましたが─に向けた積極的な情報発信、これをツイッターでやると。知事もツイッターを使ってやるというようなことはしっかり答弁で言っているわけです。
 これは今までも議論があったんですが、県ホームページのリンクについて、平成22年にツイッターを導入して、岩手県の公式ホームページにリンクした契機、理由を改めて示していただきたい。
 あわせて、これまで知事は、政治的な発言を繰り返して当初の設置目的とは別の運用をされてきた。これは議会の中でも大きく指摘を受けたわけですが、各方面の批判があったにもかかわらず、岩手県公式ホームページのリンクをやめようとしてこなかった。この理由についてお聞きしたいと思います。
〇高橋広聴広報課総括課長 知事のツイッターと県のホームページのリンクについての御質問についてでございます。
 知事のツイッターは、日々の仕事を通じて感じた、誰かに伝えたい驚きや感動を個人的な感想を交えながら発信して、多くの方々と共有していただく目的で、2年前の平成22年2月1日に開設したものでございます。
 この時点では、ツイッターが現在のように普及していなかったため、ツイッターに登録していなくても容易に閲覧できるよう、県の公式ホームページのほうにリンクさせて、多くの方々にごらんいただけるようにしたものでございます。
 これまでリンクを継続した理由についてでございますが、ツイッターに登録していない方が容易に閲覧できるよう便宜を図るために、県の公式ホームページとリンクを継続していたものでございます。
〇飯澤匡委員 私も、知事が日々感動したり、遭遇した感動、驚きを共有しようと思って県のホームページにリンクしようと思ったら、つながらないんですね、これ。いつ、どうなったんですか、リンクは。
〇高橋広聴広報課総括課長 リンクを外した理由ということでよろしいでしょうか。
 現在のリンクを外した理由についてでございます。
 外したのは、平成24年7月27日に知事のリンクを外しております。
〇飯澤匡委員 理由を示してください。どういう判断で、どういう理由で。判断と理由、きちんと示してください。
〇高橋広聴広報課総括課長 理由についてであります。
 現在の知事のツイッターのフォロワー数が3万人を超えるまでに普及したということが一つ理由です。それから、それとあわせまして、知事のツイッターを始めたころは、他の県の知事さん方がツイッターを開設している事例がとても少なかったわけですが、現在は、状況を調査したところ、13道府県の知事さん方がツイッターを活用しておりまして、その全員が、個人として運用しているということを参考にさせていただきまして、平成24年7月27日に公式ホームページからは知事のリンクを外したということでございます。
〇飯澤匡委員 秘書広報室長は、このツイッターの件についてこのようなことを言っていますよ。とにかく県民に対してメッセージを発信することが重要である。ツイッターは非常に有望な情報媒体である。そして、知事はこう言っています。知事の中では橋下大阪府知事に次いで第2位のフォロワーの数である。この私のツイッターの書き込みは、県の公式ホームページで閲覧できていますので、それで読んでいる方も多いのではないかと思います。
 知事みずから推奨しているのではないですか、これ。知事の判断で外したんですか、それなら。言っていることとやっていることが違うじゃないですか。明確に答えてください。あなた方の当初言っていることと逆のことをやっているんだから。
〇稲葉秘書広報室長 先ほど来御説明しておりますように、当初、ツイッターでの情報発信は、県の口コミ情報の一つということも当然ありました。リンクしていた理由につきましては、先ほど来から説明しておりますように、ホームページを通じても閲覧できるようにという配慮でございました。それは、ツイッターというものになかなかなれていない方が多いということで、そのようにさせていただいたものでありますけれども、このたび、全国の状況なども調査させていただきましたところ、それぞれの知事さんたちは独自にやっていらっしゃるということもありましたし、知事の情報発信、フォローしていただける方も3万人をもう超えているということもありまして、ある程度ツイッターというものが県民に知られてきているということで、外すという判断をしたものでございます。
〇飯澤匡委員 過去に私も代表質問でしたことがありますけれども、大雪被害のときに、知事はツイッターで県民に対して情報発信をしたと。我々は、これは公式的なものと捉えているんですよ。それを何ですか、個人のものに発展したから急に変えるというのは、あなた方はどういう判断をしたんですか。おかしいじゃないですか。知事みずから公的なものと答弁で言っているわけだから。全然おかしいから、きちんと答えてくださいよ。
〇稲葉秘書広報室長 先ほど来から説明しておりますように、平成23年1月のころにつきましては、ツイッターということになれていない方もまだまだいらっしゃるということもありまして、引き続き、ホームページを通じても閲覧していただけるようにという形でやっておりまして、そこを通じて、知事もそういう形になっているということも踏まえて情報を発信したものだろうと思っております。
 そういう一定の、当初の皆さんになじんでいただけるまでということでございましたので、3万人を超えるということで、そういう状況であろうと判断したものでございます。
〇飯澤匡委員 私、全然わからないです。全然わからない。県民に対してメッセージを発信する、情報発信する。知事のトップマネジメントに対する、一部ですよ、これ。あなた方はその情報管理をして県民に対して適切なメッセージを発する。そして、これは公式的なツイッターだ。ツイッターは最有力というか大事な情報媒体だとこれまで言ってきた。
 ところが、ただいまの説明ではとっても合点がいきません。フォロワーが多いからやめました。全然話にならないです。じゃ、もっとフォロワーがふえるようにあなた方やればよかったじゃないですか。その判断の根拠をもう一回示してください。同じ答弁はだめだよ。
〇稲葉秘書広報室長 同じ答弁はだめだと言われましても、そういうことでやったものでございますし、県も独自にツイッターで情報発信しておりますので、そういう形でも御利用いただけるということですし、必要であれば、知事の発信しましたものをツイートするという形で発信することがあろうかと思いますので、そういうことであるということで御了承いただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 了承できません、これは。もう全然議論にならないし、あなた方が言っている根拠も不明確。したがって、私は、あなた方が的確な情報収集や情報発信、これに努めてきたと。きょうは重要な答弁が出たの。つなぎ役だって出たのね。そんなら部局に昇格した意味ないじゃないですか。そうしたら、総合政策室の中に入って、しっかりと総合政策室長が政策の中に知事のトップマネジメントも入れたほうが、私はよっぽど県民の政策推進のためになると思う。あなた方が答弁した理由は、理由というんですか、その中身については非常に希薄だ、私はこういうふうに断じます。
 あなた方の存在している部局の客観的な効果、効率というのは、どこでどういうふうに判断されるんでしょうか、教えてください。
〇稲葉秘書広報室長 秘書広報室の存在価値をどこでどういうふうに判断するかと言われましても、役割が、先ほど来からお話ししているような状況でございますので、客観的にこういう形でというところはお示しできないというところでございますけれども、室の設置意義であります身近で知事等のトップマネジメントを支えるというところにつきましては、今後も鋭意努めてまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 あなた方を責めているのではなくて、組織が悪いの。組織が悪いからこういうことになってしまう、私はそう思います。
 これは、議会として何ができるかということも含めて、検証をしっかりして─私は、この純化という言葉を設置するときにちょっと見過ごしてしまった。どうもあなた方は、その純化というところで、知事を支える、恐らくツイッターを外したのも政治的な批判があったから。実質的にそれも一因じゃないですか。
 おかしいんですよ、だから。県民のために知事は動いてもらわなければならない、そのための情報発信をしなければならない。ツイッターを外したのも理由はかなり不明確。これは、もうきょうは時間ですので、またさせていただきますけれども、どうもこれは、私は、社長が組織をつくるのは当たり前だと思って賛成したけれども、3年目を迎えて非常にその質がよく見えない。県民に対して秘書広報室は何ぞやということを説明しても、説明し切れない。あえてまた問題提起をさせていただきます。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 ツイッターの件についてお聞きします。
 これまで私は、ツイッターの件については、知事が岩手県の魅力を発信するということで県の公式ホームページにリンクしてきたけれども、だんだんにオーバーランをして、例えば小沢一郎議員の裁判の件とか、最近で言えば、民主党と国民の生活が第一と分党に至った経過、その後の事情、政治的な発言をこのツイッターを通じてずっと言ってきた。だから、県の公式ホームページにリンクするのはやめたほうがいいとずっと言ってまいりました。しかし、知事も皆さんも、自由にやらせていただく、法律上問題なければいいだろうということだったし、先ほど飯澤委員が質疑で申し上げたとおり、平成23年1月1日の豪雪災害の際に、何でこんなときに東京に行っているんだ、何で県内にいなかったんだと言ったときに、ツイッターを通じて県民の皆さんに呼びかけたから大丈夫だったんだということも言ってきた。でも、今の広聴広報課総括課長のフォロワーがふえたからやめたという理由は、全くもって矛盾している、理解できないということであります。
 私がここで問いたいのは、あれだけ声高らかにツイッターをやります、県のホームページにリンクします。記者会見でも、議会でも、あれだけ批判されても、堂々と続けますと言っていたのに、7月27日に、記者会見でも発表していないし、我々にも一切説明なしにこっそり外してしまった。これが私は非常に問題だと思うんですよ。これは誰の判断だったのか。ツイッターをホームページから外しましょうと最終的に判断したのは誰か、そして、記者会見等でツイッターを外すことをきちっと対外的に説明しなかったのはなぜか、その点だけ伺います。
〇稲葉秘書広報室長 ツイッターを外すという結論は、知事と協議した中で出てきたものでございます。
 公表しなかった理由でございますけれども、知事のツイッターでの発言はこれまでどおり行われるということでございますので、あえてリンクを外しましたということを発表するまでもないと考えたものでございます。
〇及川あつし委員 今の稲葉秘書広報室長の答弁は大問題だと思います。事実をおっしゃったということですが、これは、あれだけ問題になって係争が続いてきた件ですよ。それをこっそり外して、しかも、今の答弁が正しいとすれば、知事がツイッターで、県の公式ホームページから外しますよということでも書いていればまだいい。それすら書いていない。
 多分、私が類推するに、これは民主党の皆さんも見ていると思うんだけれども、政局的なところでかなりのオーバーラン的な、オーバーランをした発言をツイッターでやっていますよね。だから外したんだなと私は認識しておりますが、しっかりと説明を適時適切に秘書広報室としてやるべきだと思いますが、その点についての所感を伺って、終わります。
〇稲葉秘書広報室長 先ほども御答弁申し上げましたけれども、知事は、引き続きツイッターで情報を発信しておりますので、そのことをあえて発表するということは必要ないと考えたものでございます。
〇斉藤信委員 知事の県政懇談会、平成23年度、24年度、特に被災地、被災者との懇談を重視してやってきたと思いますが、どういう声や要望が寄せられたのか、それが知事のトップマネジメント、県政にどう反映されているか示していただきたい。
 二つ目に、知事の政治活動について。
 本会議でも知事の政治姿勢というものが大いに議論になりました。公務と政務をどう区別しているのか。その中で、政務秘書の役割はどうなっているのか示していただきたい。
〇高橋広聴広報課総括課長 県政懇談会についてであります。
 昨年度から、被災市町村を中心に、被災者及び支援を続けている方々の御意見をお聞きし、復興に向かって県民一体となって取り組む意識を醸成する機会として開催しているところであります。
 昨年12月1日、釜石市からスタートして、本年9月11日の田野畑村まで、15市町村の会場で意見交換を行っております。
 これらの懇談会では、防潮堤などの工事の状況がわからず心配だ、高台移転候補地が決まらず、まちづくりの全体像やいつ決まるかなど情報が入ってこない、被災地の今後がよくわからず、これからを判断できない、それから、仮設住宅に住み、外に出ない高齢者の方々が心配だ、なりわいの再生について、補助金申請にふなれで時間がかかる、個人経営の事業にも支援してほしい、水産業のPRにも県が協力してほしいなどなど、さまざまな意見が出されたところであります。
 これらの意見を参考にいたしまして、市町村ごとの社会資本の復旧、復興ロードマップの作成や生活支援としてのこころのケアなどの相談の充実などにつながっていると考えております。
 被災地で参加された方々からは、感謝の気持ちを伝えられたことや、それから、県政懇談会での参加者同士が活動状況等を報告し、意見交換を行って情報を共有したことにより、その後の活動の連携が図られたという成果もお聞きしているところでございます。
〇小友秘書課総括課長 知事の政治活動について公務とどう区分しているのか、また、政務秘書の役割は何かという御質問でございますが、知事が行政事務をつかさどる行政の長として活動する業務を公務として捉えてございます。行政の長としての活動以外の知事の政治活動にかかわる秘書業務でありますとか、行政事務と政務との調整などについては、特別職である政務秘書が担当しているところでございます。
〇斉藤信委員 知事の県政懇談会は、私も盛岡市の会場には参加して、傍聴しました。どこでもそうなんだけれども、まず、懇談の相手が4名程度、懇談時間わずか1時間。やはり参加者を余りにも限定し過ぎているのではないか。これは一貫してですよ、知事の県政懇談会は。もっと多様な県民の声を聞くという懇談会があってもよろしいのではないか。あと、1時間は余りにも短過ぎますよ。それは私は3月の予算特別委員会でもこの問題を提起したけれども、何か改善をされましたか。
 それと、知事の政治活動について、行政の長としての活動が公務だ、それ以外は政治活動と。その仕切りは政務秘書と。そうすると、知事の政治活動には皆さんは対応しないで、政務秘書が車の運転も含めてやっていると。例えば東京で何とかの政党の大会に出たなんていうときには、知事の公用車は使っていない、こういうふうに受けとめていいですか。
〇高橋広聴広報課総括課長 3月の予算特別委員会でも、斉藤委員から、じっくり型と幅広く聞くような改善をというようなお話をいただきまして、現在はじっくり型で開催させていただいているんですが、9月の田野畑村で、一応被災市町村、全部の市町村で開催させていただきまして、11月からは、もう少し人数をふやして、高校生を対象にして、被災に遭った沿岸の高校で開催したいと考えております。
 幅広くということに関しては、もう少し来年度に向けて考えていきたいと考えております。
〇小友秘書課総括課長 政務につきましては、一般職の秘書の随行等は行っていないところでございます。今、委員のほうからお話がございました東京の例がございましたけれども、その場合も、切り離ししまして、一般職の秘書の随行は行っておりませんし、東京の公用車、今は借り上げでございますが、そういった利用もないということでございます。
〇小野共委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、秘書広報室関係の質疑をこれで終わります。
 秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇菅原会計管理者兼出納局長 それでは、出納局関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書、この170ページ及び171ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、171ページの備考欄の中ほどに記載がありますとおり、出納局の管理運営費は2億4、772万円余でございます。これは、職員の人件費など、出納局の管理運営に要した経費でございます。続きまして、172ページ及び173ページをお開き願います。一番下のところにございますが、第5目会計管理費の支出済額は1億9、968万円余でございます。これは、一時借入金の支払い利息などの管理運営費と、175ページに記載しております収入証紙の売りさばき手数料及び電子収納システム運営費でございます。
 次に、ページを飛んでいただきまして、430ページ及び431ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計の決算についてでございます。収入済額の合計額は46億4、224万円余でございます。次のページをごらん願います。支出済額の合計額は、433ページに記載しておりますとおり46億1、200万円余でございます。これは、一般会計への繰出金でございまして、その内訳は、県税、使用料及び手数料となっております。
 次に、460ページでございます。460ページの実質収支に関する調書をお開き願います。証紙収入整理特別会計の実質収支についてでありますが、5の実質収支額に記載のとおり3、023万円余でございまして、これは、翌年度に繰り越しているものでございます。
 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇小野共委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑をこれで終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の平成23年度歳入歳出決算事項別明細書・実質収支に関する調書の194ページをお開きいただきたいと思います。第2款総務費のうち、第8項人事委員会費でございます。予算総額1億9、910万9、000円に対しまして、支出総額は1億9、743万3、000円余でございます。内訳でございますが、第1目の委員会費の支出済額の668万7、000円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、第2目の事務局費の支出済額は1億9、074万6、000円余でございますが、これは、事務局職員15名分の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇小野共委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 県職員の超過勤務の実態把握とサービス残業の改善の取り組みはどうなっているでしょうか。
〇細川職員課総括課長 超過勤務時間の実態の把握についてでございますけれども、毎年度、人事委員会が労働基準監督機関としまして職権を有する全事業場に対しまして、労働基準法及び労働安全衛生法等の遵守状況につきまして書面調査を行っております。昨年度も、この調査の中で、超過勤務の状況に関しまして、超過勤務の実績の把握方法や、あるいは超過勤務縮減の取り組み等について調査を行ったところでございます。
 この書面調査の結果を踏まえまして、超過勤務の多い事業場等6カ所に出向きまして、職員からの聞き取りや、あるいは関係書類等により確認を行いまして、超過勤務に係る実態の把握に努め、超過勤務手当の支給に関しては不適正な事例がなかったことを確認してございます。
 これらの結果に基づきまして、昨年度は、平成23年12月28日付の文書によりまして、各任命権者に対しまして、超過勤務時間の適正管理に関しては、超過勤務命令権者による事前命令と事後確認を徹底することについて指導するとともに、超過勤務の縮減に関しましても、東日本大震災津波の影響により超過勤務時間が例年を上回ると見込まれることから、職員の健康への影響を考慮しまして、超過勤務について一層の適正な運用と縮減対策に努めるよう指導しているところでございます。
〇斉藤信委員 平成23年度というのは、文字どおり大震災の救援、復興に寝食を忘れて県職員が取り組んだ年ですよ。実際に超過勤務時間はどういうふうに推移したんですか。
〇細川職員課総括課長 平成22年度から平成23年度の超過勤務の時間でございますけれども、各任命権者から、毎年、超過勤務時間に関する報告を受けておりまして、それによりますと、1人当たりの1カ月当たりの平均超過勤務時間数でございますが、任命権者別に言いますと、知事部局につきましては平成22年度は1人当たり11.9時間でございましたが、平成23年度は14.1時間ということで18.5%ほどの増加になってございます。また、教育委員会につきましては、平成22年度は11.7時間に対しまして平成23年度は10.4時間ということで、これは逆に11.1%ほど減少してございます。また、警察本部につきましては、平成22年度33.8時間のところ平成23年度は35.5時間ということで報告を受けてございます。全体で見ますと、平均で平成22年度が19.7時間に対しまして平成23年度は21.6時間ということで、9.6%ほど増加している状況にございます。
〇斉藤信委員 今、知事部局では、これ、月ですよ、月11.9時間から14.1時間、2.2時間しかふえなかったと。月ですよ、これ、1日じゃなく。これは信じがたいことですよ、去年の震災復興の現場を見ている私たちは。これは私、実態を把握していないと思いますよ。これはあくまでも超過勤務手当を支出した時間じゃないですか。
 県警の場合は35.5時間、実際には超過勤務手当は19時間しか出ていないんです。これは2月の本会議で県警本部長が答えていますからね。35.5時間というのは実態に比較的近いかもしれない。そういうことをわかっていますか。
〇細川職員課総括課長 超過勤務時間の実態につきましては、いずれの事業場におきましても、現在、自己申告制により行われているという報告を受けていますが、その際に、厚生労働省の基準等もございまして、使用者が講ずべき三つの措置がございます。
 一つ目は、職員への十分な事前説明を行っているかとか、あるいは超過勤務時間につきまして、上限時間を設定するなど申告を阻害するようなことが行われていないか、また、超過勤務の状況につきましては定期的に内部で実態調査を行っているか、そういった点につきまして当委員会におきましても毎年度調査を行っておりますが、昨年度もその観点で調査した結果では不適正な事例はなかったところでございます。
 また、県警の関係でございますけれども、昨年度行った事業場調査におきましては、警察の事業場も含めて超過勤務の多い事業場6カ所において実態確認を行いましたけれども、超勤手当の支給に関しまして不適正な事例はなかったところでございます。
 しかしながら、警察本部につきましては、超過勤務時間が他の任命権者に比べて多いということもございますので、業務の合理化とか、あるいは効率化、超過勤務時間の縮減に努めているところについて、人事委員会といたしましては、警察本部の取り組みの進捗を注視しながら、超過勤務の縮減に向けて引き続き指導していきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 私、具体的に聞きますから、聞いたことについてちゃんと答えてくださいよ。
 去年、月たった2.2時間しか超過勤務時間がふえなかったということは考えられませんよ。これは超過勤務手当支出時間じゃないですか。これが第1点。
 第2点、警察本部は、本会議の議論でも超過勤務時間と手当時間に大きなずれがあることが明らかになって、県警本部長は認めているんですよ。これはサービス残業ですよ。あなた方はそういうサービス残業があるということを認識していますか。
 三つ目、なぜこういうことになるかというと、岩手県庁は自己申告制をとっているからです。民間はこんなところはありません。自己申告制なんていうのはサービス残業を横行させるというので是正されているんです、民間では。県庁だけが自己申告制で自主規制させられているんですよ。私は、ちゃんと出勤時間、退勤時間を把握すべきだと思いますよ。そうすれば、超過勤務時間と手当時間にずれがあって、ある意味では当然なんですよ。予算の枠があるから全額出せないという事実もそれはあるでしょう。しかし、手当と超過勤務時間が一体なんていうことになったら実態が全然わからなくなってしまう。
 この3点についてはっきり答えていただきたい。
〇佐藤人事委員会事務局長 私どもの先ほど申し上げました平成22年度、平成23年度の時間につきましては、これは各任命権者から聴取した時間でございます。
 あと、サービス残業というものにつきましては、基本的には私どもは認識はしておりません。それで、超過勤務の多いところにつきましては、先ほど総括課長から申し上げましたように、多い事業場について、実際に出向いて、書類等を確認し、それで間違いなく不適正な事例はなかったということを確認しているわけでございます。
 あと、県庁の自己申告制の部分につきましては、確かに厚生労働省の基準では、始業、終業時刻の確認及び記録の原則的な方法ということで、使用者がみずから現認することによって確認し、記録すること。二つ目は、タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録することのいずれかによるとされております。ただ、これらの方法によることなく自己申告制により行わざるを得ない場合には、1.使用者は、事前に職員に対して自己申告制について十分な説明を行うこと、2.自己申告により把握したものと実際の労働時間が合致しているか必要に応じて実態調査を実施すること、3.適正な自己申告を阻害する目的での超過勤務時間の上限設定等を講じないことという三つの措置を講ずるということにされております。
 しかし、県におきましては、任命権者によっては、庁内情報共有システム、いわゆるグループウエアが導入されておらない部署がございます。また、仮にグループウエアで管理する場合には、勤務時間後の退庁時刻の記録が超過勤務によるものか業務外によるものかの峻別が難しいこと、三つ目に、業務によっては、県民や関連業務等との関係から、工場等のように時間で業務を終えるわけにはいかない面がございますことなどの事情から原則的な方法によることが難しいために、超過勤務を行わざるを得ない場合の対応として自己申告制をとっているものと理解しているところでございます。
〇斉藤信委員 これで最後にしますよ。
 今、答弁漏れがあった。結局、県庁人事課の調査なんですよ、あなた方が把握しているのは。この県庁人事課というのは、超過勤務時間と超過勤務手当が一致しているんです。こんなことは普通あり得ないのです。あなた方は、みずから実態を把握するということをやっていない。
 二つ目は、県警本部はみずから超過勤務時間を把握して、超過勤務手当がそこまでいっていないことを認めています。私は、ある意味でいけば一番真面目にやっていると思いますよ。しかし、私が本会議、警察の予算特別委員会、決算特別委員会で具体的に取り上げて明らかになっているにもかかわらず、人事委員会で議論されないのはどういうことなんですか。県警本部は否定していないんですよ、認めているんですよ。それをあなた方は、人事委員会でなぜこれが議論されないんですか。一番大事な労働基準監督署の仕事でしょう。
 そして三つ目に、こういう議論があったということを人事委員会に必ず報告していただきたい。そして、やっぱりみずから、もう県庁任せにしないで、こんなに大震災のときに献身的に頑張っている県職員の方々に、賃下げされた中でまともに残業手当も出ないなんていうことはあってはならない。こういう指摘、議論がこの決算特別委員会の中であったということをしっかり人事委員会に報告していただきたい。これが最後の質問です。
〇佐藤人事委員会事務局長 実態を把握していないということでございますけれども、我々は、事業場調査ということで、全て警察署も含めて人事委員会が所轄しております事業場から報告をいただいております。超過勤務の分についても報告をいただいております。その中で超過勤務の多い警察署等に出向きまして、実際に、例えば基準給与簿とか、そういうものできちんと支払いがなされているかどうか、そういう部分について、適切になされている、不適正な事例はない、そういうことで調査をしてきておるものでございます。(斉藤信委員「ずれはどう説明するの。私、最後に聞いたことについて答えてください、ちゃんと。責任を持って。ここには人事委員がいないんだから。答えてください」と呼ぶ)
 超過勤務の問題につきましては、この部分については、毎年、勧告等でも触れてございます。人事委員に対しましては、この部分についてはきちんと報告をしてございます。また、各任命権者に対して実施しております、人事委員会が所轄しております事業場の調査の結果についてもきちんと報告をしている状況でございます。
〇小野共委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。
 人事委員会の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇門口監査委員事務局長 それでは、監査委員関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、196ページをお開き願います。第2款総務費のうち、第9項監査委員費第1目委員費の支出済額は1、884万円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。第2目事務局費の支出済額は2億2、143万円余でありますが、これは、事務局職員の人件費等、事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願いします。
〇小野共委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 3点ほど質問いたします。
 平成24年度監査方針、平成23年度決算監査方針は、それぞれ5項目の重点事項を掲げ、監査に当たっております。前年度より大幅に指摘事項が減少しておりますが、各部局への個別的意見としての指摘事項が60件あります。その中で、収入証紙の取り扱いの不適当5件、これは5広域振興局ということのようでありますけれども、過小なもの、過大なる報告、特に沿岸広域振興局の報告が過小なものとして65件、205万9、575円の指摘があります。
 どのような経過で発生したのか。また、多くの金銭的な指摘事項がありますけれども、決算上はどのようになっているのか。さらに、文書で指摘していると思いますけれども、どのような方法で改善、修正、訂正等を確認しているのかどうか伺います。
〇佐藤監査第二課総括課長 まず、収入証紙についてですが、収入証紙につきましては、収入証紙収納額報告というのを、本来であれば収納した月の翌月に件数及び額について報告するものでございます。先ほどお話がございました沿岸広域振興局、これは土木部でございますが、道路の許可関係とかについての収入証紙額でございますが、毎月の額をかなり大幅に誤っていまして、後日それに気がつきまして修正をしていたというものでございます。ですので、先ほど決算にということでございますが、基本的には年度内に修正が終わっているということでございます。ただし、こちらのほうとすれば、その修正までの期間が相当月たっていること、それから額が多額であることから今回指摘しております。
 2件目の関係でございますが、このように各部局に対して指摘した事項についての確認ということでございますが、指摘した事項につきましては、本監査後に監査委員事務局長名で監査対象機関宛てにその旨、通知しております。事務改善に向けたその対応の報告を求めております。その後、この改善報告が来ますので、それを監査委員の協議に付しまして、内容が了ということになった段階で県報に公表いたします。監査委員事務局としましては、次回の監査、いわゆる翌年の監査において、前回─前年度の監査において指摘事項があった内容については、その措置状況を点検しまして、報告を受けた改善状況について、適正に処理がなされているかどうかを確認して報告しているというものでございます。
〇高橋孝眞委員 次に、遊休財産についてお聞きしますけれども、監査テーマで、遊休財産の有効活用または処分の方針について、監査目的として、財産の有効活用及び経費の節減を図ることとして監査をし、監査結果を平成23年3月8日に公表しております。旧花巻厚生病院、旧北上病院、先ほども話がありましたけれども、旧盛岡短期大学が有効活用または処分の方針がない庁舎として、有効活用または処分の方針の作成及び実行に努められたいという指摘をしておりますが、当時は検討中となっております。以後の改善方針、処分方針について、期限を定めて回答を求めるということはないのかどうか。ただ単に指摘だけになっているのかどうかについて伺います。
〇小原監査第一課総括課長 監査結果についての改善の報告につきましては、地方自治法上─第199条第12項でございますけれども─、当該監査の結果に基づき、または当該監査を参考にして措置を講じたときは、その旨を監査委員に通知するものとする。この場合において、監査委員は当該通知に係る事項を公表しなければならないということですので、制度上は、措置を講じた場合に監査委員に報告するということになっております。したがいまして、制度上は、監査委員には、いついつまでに回答をよこしなさい、あるいは提出してくださいという権限はない、制度的にはそうなっているところでございます。
 ただ、そうはいいながらも、定期監査等におきましては、その措置、どのように検討しているのかどうかにつきましては聞き取りながら、できるだけ早く改善していただきたく、指導というかお願いはしているところでございます。
〇高橋孝眞委員 制度上そうだというだけではいつまでたっても指摘だけで終わってしまうわけでありまして、改善にはならないということになると思います。今言いました旧花巻厚生病院なり北上病院は、おのおの単年度では137万2、350円も維持経費がかかっておりますし、旧盛岡短期大学につきましては103万1、500円の維持経費がかかっているわけでありますので、それらを含めながら、定期的に監査されるわけでありますので、指摘事項についての整理といいますか、それを求めていくべきではないかと思いますので、今後検討していただきたいと思います。
 次に、監査委員事務局は独立した機関だと思いますけれども、当局─執行者とどういう立場で監査に当たっているのか。当局─県には予算がないから指摘をしないというようなことはないと思いますけれども、本当にそういうふうに言えるのか、局長の見解を伺い、終わりたいと思います。
〇門口監査委員事務局長 監査委員でございますけれども、地方自治法上、地方公共団体の長から独立した機関として設けられたものでございまして、これは言わずもがなでございますけれども、その職務を執行するに当たりましては、常に公平不偏の態度を保持して監査をしなければならないと決められてございます。これがいわゆる監査の独立性と言われるものでございますけれども、この規定に基づきまして、私ども監査のほうでは言うべきことは必ず言うというような形で対応しているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、平成23年度、平成24年度というのは、東日本大震災の救援、復興、こういう中での行政執行だったと。監査意見の審査意見書でも歳出は1.8倍の規模になりました。私は、こういう中で、重点監査項目としてどういう監査を行い、特にこういう非常時の中での行政執行について、代表監査委員に、実際に監査をしてどういうふうに受けとめられているか、監査結果を含めてお答えいただきたい。
〇門口監査委員事務局長 震災を受けての監査でございますけれども、予備監査─職員がやってございますけれども─を受けて監査委員が本監査ということになりますけれども、大変な大震災で大混乱の中、私どもとしては、監査に行く前は、事務処理でかなり無理をしているのではないかと考えておりました。ところが、実際に監査に行った結果、沿岸の各監査対象機関とも思ったよりは指摘事項も少なく、きちっと一生懸命頑張っているのかなというような─これは私の印象でございますから何とも申し上げられませんけれども─感じを抱いたところでございます。
 いずれ、被災者が大変な思いをしている中でございますので、また全国から多大な支援をいただいている中で、大きな間違いが生じないよう、私どももきちっと監査をして、事務処理がきちんとなるようにしていきたいと思っておりますので、よろしく御指導をお願いしたいと思います。
〇伊藤監査委員 監査に沿岸のほうにお邪魔しますと、予算の額で御理解いただけるように業務量が非常にふえている。そういう中で、他県の方の応援もいただき、本当に皆さん一生懸命おやりいただいているなと、そういう印象を持っております。
 ただ、やはり指摘事項は通常のときよりは多いのだろうと感じておりますが、これも決算に大きく影響を与えるような事案はございませんので、そういう意味では本当に皆さん頑張っていると思って、今後ともまた、まだまだ仕事は多いわけですので、しっかりした仕事をやっていただきたい、そう思っておるところです。
〇及川あつし委員 監査委員の皆さんから提出されております平成23年度岩手県歳入歳出決算審査意見書3ページ、4の個別的意見に関して伺いたいと存じます。
 本年度の5月に、いわゆる─私はいわゆるとあえてつけますが─設計積算ミスの事案が発生して、最終的には、適正に受注をした業者の皆さんに協力していただいて契約を解除して、再入札をしてやっとここにきているということで、もう既に数カ月、復旧、復興事業におくれが生じてございます。監査意見の中に、平成23年度決算の監査結果では、指摘事項60件、そのうち、設計額の積算誤りなど工事の執行に不適当なもの2件という記載がございます。これまでの質疑の中でも、同様の問題は昨年もあったと。しかも、監査をされても2件出てきたということが記載されております。この2件については、いわゆる設計積算ミス、5月に今回発覚していますが、この前に行った監査なのか後に行った監査なのかお知らせください。
〇門口監査委員事務局長 歳入歳出決算審査意見書の個別的意見に記載してございます設計額の積算誤りなど工事の執行の不適当なもの2件というものについてでございますが、いずれも平成23年度会計を対象とした監査によるものでございまして、一つは、昨年11月15日に事務局職員による予備監査、本年1月18日に監査委員による本監査を実施した環境生活部自然保護課の事例でございます。今回の事例が発覚する前の事例ということになります。
 もう一つは、本年7月10日及び11日に同予備監査、8月21日に本監査を実施いたしました県南広域振興局土木部の事例でございます。
〇及川あつし委員 確認ですが、この5月に発生した事案とほぼ同様のものであったということでよろしいですか、時期はともあれ性質は。
〇門口監査委員事務局長 中身でございますけれども、5月のは委託に係る最低制限価格ということでございますけれども、昨年の事例につきましては、自然保護課の事案は、工事請負契約における変更契約の積算に当たりまして、工期延長に伴い、本来変更すべきものを変更していなかったというものでございまして、変更契約におけるいわゆる過小積算というものでございまして、今回の事案とはまた異なったものと考えております。
〇及川あつし委員 それであれば、同様の、指摘に至らないけれども、監査の段階で、こういう事案があるんだなということで、口頭で予備監査、本監査の段階でいろいろ話された経緯はありますか。
〇門口監査委員事務局長 今回の委託の最低制限価格関係に関しましては、予備監査におきましても本監査におきましてもそのようなことはございません。
〇及川あつし委員 昨年度の部分で何件という数字、私も今、手持ちありませんけれども、相当数出ているんですけれども、監査委員の皆さんは全部の事業を監査しているわけではないのでたまたまひっかからなかったんでしょうけれども、なぜひっかからなかったのか。皆さんがたまたま同種の事業について監査対象にしなかったからわからなかったのかどうなのか、その点について記憶を呼び戻していただければと思います。
〇門口監査委員事務局長 委託に係る最低制限価格の関係でございますけれども、これは、委託についてのみ最低制限価格制度が今なされております。工事のほうは調査基準価格ということでやってございまして、委託だけの問題でございますけれども、私ども、全体の中の大体1割ぐらいを抽出してございます、事業そのものとして。ただ、そういう中で、設計なら設計のどこを見るかというのはさらにまた一部になります。そういう中で、今回のような事例は、少なくとも私ども監査をやっている段階ではございませんでした。
〇及川あつし委員 その監査対象を絞り込む段階でやっぱり情報収集というのが大事だと思うんです。これまでも指摘しましたが、設計の委託の事業については、もう何度も何度も設計の発注をする段階でいろいろクレームがついてやり直しをしたりという事案が勃発していたということもあって、抽出する段階で抽出対象になってもよかったのかなと私としては思っております。そこできちっと監査がされていればこれだけ大きな事案にもならなかったということもあるのかなという趣旨で今回お伺いしておりますので、監査対象の抽出については、情報のアンテナを高くしてしっかりやっていただきたいと思うわけですが、この点についての所感を伺って終わります。
〇伊藤監査委員 積算事務、私も監査で担当者にお伺いしているんですが、物すごい日数がかかるんですね。何カ月に近い、そういう話を受けているわけでして、私ども、抽出してそれを監査するといっても、全部とてもやれる事務量ではないわけです。大きいところはチェックはしております。そして、特に5月の発覚以来、過去にもそういう事例がなかったか、あるいは、本当に抽出で大きなところだけですが、最低制限価格の誤り、積算の誤りはないか、それから、ダブルチェック体制と申しますか、そういうものをきっちりやっているか、そういうところを聞き取りするようにして、今後注意するようにというような話は積算を所管する部にはお話ししておるところです。
 いずれ、今回、監査意見書にも指摘60件とありますが、やはり同じようなミスが繰り返されているということは事実でございます。やっぱり人間というのは、業務量も多いですが、間違う動物と言うと失礼な言い方になるかもしれませんが、そういうところがあるわけでして、内部管理体制と申しますか、そういったところをきっちりすることでそういう事務ミス等も防げると思いますので、今回も審査意見書には内部事務管理体制をしっかりやるようにということを記載させていただいたところです。
〇小野共委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員長 質疑がないようでありますので、監査委員関係の質疑をこれで終わります。
 監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時51分 散 会

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