平成24年12月定例会 第8回岩手県議会定例会 会議録

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〇28番(関根敏伸君) 希望・みらいフォーラムの関根敏伸でございます。
 発議案第1号TPP協定交渉への参加に反対する意見書の提案理由を御説明申し上げます。
 議員各位、御承知のとおり、同趣旨の意見書につきましては、既に平成22年12月議会並びに平成23年9月議会の2度にわたり、岩手県議会の総意として国に対し意見書を提出いたしております。
 しかしながら、今般、TPP交渉参加の議論をめぐっては大変大きな山場を迎えており、国に対し、いま一度、岩手県議会としての意思を伝える必要があると考え、会派同僚議員の賛同を得て、会派希望・みらいフォーラム単独としての提案を行おうとするものであります。
 発議案の朗読をもって提案理由にかえさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 TPP協定交渉への参加に反対する意見書。
 第46回衆議院議員総選挙において、TPP協定への交渉参加の是非が大きな争点となっている。
 政府は、TPP協定への交渉参加について積極的に推し進めることを明言し、一部経済界や大手マスコミもそれに追随する声を上げているが、交渉参加に対する疑問の声も大きく、世論を二分する状況になっている。
 我が国の今までの経済発展の大きな柱を担ってきたのが貿易収支の黒字であり、今後の日本の成熟した発展のためにも、FTAやEPAなどのより多くの国々との自由貿易体制を維持拡大していく必要があるのは衆目の一致するところである。
 しかしながら、TPP協定は、現在明らかになっているだけでも、例外なき関税の撤廃を原則としているものであり、その交渉分野は21以上にも及び、衛生植物検疫、金融サービス、労働、政府調達、私的財産などのさまざまな分野での市場開放を求めるもので、単なる自由貿易協定の枠組みには収まらない性格のものである。
 仮にTTP協定交渉に参加し、関税が撤廃された場合、国の試算では農林水産物の生産額は4兆5、000億円程度減少し、食料自給率は40%から13%程度に低下、雇用も350万人程度減少すると予想されている。
 また、本県農林水産業への影響も、農林水産物生産額全体の6割に相当する1、682億円が減少し、米や豚肉等の主要品目は、ほとんどが輸入品に置き換わると見込まれているが、その一方、関税撤廃による我が国の貿易上の利益等については明らかになっているとは言い難い状況にある。
 そもそもTPP協定については国民への情報開示が少なく、その全容が明らかになっている訳ではなく、拙速に交渉に参加すれば大きな国益を損なう可能性が否定できない。
 政府は、早期の交渉参加によって、我が国に有利なルール作りが可能になることを理由の一つに挙げているが、アメリカ主導によって11か国での枠組みが成立しており、今後、我が国に有利なルール作りの変更の可能性については困難であるとも言える。
 以上、農林水産業や地方経済への大規模な打撃のみにとどまらず、国民の命と健康の基盤である医療制度等日本固有の制度・慣行・風土・歴史など様々なものに大きな影響を与えかねないTPP協定には参加しないことこそが国益にかなうものと思われる。
 よって、国においては、TPP協定交渉参加の検討自体を直ちに中止するよう強く要望する。
 以上でございます。議員各位の御賛同をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
〇議長(佐々木博君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第1号TPP協定交渉への参加に反対する意見書は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第1号TPP協定交渉への参加に反対する意見書は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第1号TPP協定交渉への参加に反対する意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、議案第1号TPP協定交渉への参加に反対する意見書は、原案のとおり可決されました。
   日程第34 発議案第2号復興道路の早期整備促進を求める意見書から日程第46 発議案第14号北朝鮮の人工衛星と称するミサイルの発射に関する意見書まで
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第34、発議案第2号から日程第46、発議案第14号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第2号復興道路の早期整備促進を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、発議案第2号復興道路の早期整備促進を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第3号から発議案第14号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立全員であります。よって、発議案第3号から発議案第14号までは、原案のとおり可決されました。
   閉 会
〇議長(佐々木博君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第8回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後3時23分 閉 会

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