平成24年12月定例会 第8回岩手県議会定例会 会議録

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〇27番(飯澤匡君) 地域政党いわての飯澤匡でございます。
 会派を代表して、認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算と認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算に対し、両決算とも不認定とする委員長報告に賛成討論をいたします。
 改めて申すまでもなく、そもそも、議会に与えられた決算認定の権限は、歳入歳出予算の執行の実績である決算について、その内容が適法かつ正当に行われたかどうかを確認することであります。執行の実績、結果を改めて議会に批判、監視の機会を与え、当該地方公共団体への財政運営の適正を期すこととしているからであります。したがって、決算審議に当たっては、議会としては、法令、条例、規則等関係法規に対する適合関係、計数的正誤等にとどまらず、過去の財政運営を通じて問題点を発見し、将来の財政運営にこれを反映させるといった視点からの検討も期待されているものと言えます。
 地域政党いわてとしては、かかる議会の重要な権能に基づき、2件の認定案件を不認定とする理由をこれから申し上げます。
 9月定例議会で設置された決算特別委員会が12月定例議会まで継続審査に及んだ最大の理由は、県立花泉地域診療センターの民間移管の破綻に係る問題であります。今議会で医療局が内部検証した最終報告が提出されたことにより、この問題の最終局面を迎えることになりました。決算特別委員会では参考人招致するなど、積極的に民間移管が破綻に及んだ原因究明をしてまいりましたが、医療局から提出された最終報告は検証が極めて不十分であるのみならず、他の地域での民間活用を目指すケースへの参考とするにしても、教訓として生かすべき内容が薄い検証結果となっています。
 民間移管に関して花泉地域住民の十分な理解も得ることなく、突如として民間移管に及んだ経緯や、民間移管への契約者である医療法人白光の参考人の橋本理事とは見解を異にする点など、すなわち、この事案の核心に踏み込んでの検証がなされず、不十分な検証報告内容となっているのであります。議会が十分と判断できない以上、不認定とする判断は免れません。
 一般会計を不認定とする理由は、当該事案が地域医療政策の推進にかかわる重大な課題と認識するからであります。言うまでもなく、地域医療の確保は県政の重要課題であり、県が推進する政策の根幹の医療政策として、中長期的かつ戦略的に解決の方法を探らなければなりません。
 また、花泉地域診療センターの民間移管は、知事みずからも、地域医療のモデルとまで言い切り推進してきたものであります。しかし、当初から、住民との地域医療をお互いの立場で協力して守るという、必要不可欠な共通ステージをつくるという作業を省き、議会側がさまざまな懸念と問題点を指摘し続けてきたにもかかわらず、聞く耳を持たず、いわば強行突破して当該案件を推し進め、結果、失敗したのであります。住民の要望に応えたとは言いながら、県当局側の形だけ整えるということを優先、指導した結果、破綻の道に至ったことは失政以外の何物でもありません。
 さらに、いまだにこの問題の責任を誰が負うのかという行政責任も不明確であり、花泉の民間移管の破綻が医療局の単なる指導ミスと位置づけてしまうことの危険性を我々は強く指摘します。
 医療政策推進の最高責任者であり県立病院の設置者である知事は、一連の経過で積極的に失敗についての検証に関与せず、移管の失敗後も、地域医療確保へ県政の責任者としての行動が見られないことはまことに遺憾であります。いかに今後の県政の重要課題である地域医療の確保と創造に向き合う姿勢を県民とともに構築していくか、この事案はそのことが問われているのであります。したがって、二元代表制の一翼を担う議会は、しっかりと明確に、今後につなげる医療政策の方向性を県民に対しメッセージを発信することこそが課された使命であると考えます。
 もし、本決算を認定することになれば、その意義は、知事が執行した予算の政治責任を解除することになります。私たちは、知事の政治責任の解除を認めず、さらに、再度十分な失敗の検証と今後の地域医療政策の立案を求める立場から、決算を認定できないことを表明します。
 平成25年から平成29年までを期間とする次期県の保健医療計画も策定中であり、実現性の高い計画が練られることを強く望むものであります。今回の民間移管の失敗に直接的に向き合い、その教訓を十分生かして、当局には、地域医療の確保と創造に全力を挙げて邁進されることを要望します。
 以上、決算の不認定とする理由を述べ、賛成討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算を採決いたします。
 本決算の委員長報告は、認定をしないとするものでありますが、原案について採決いたします。
 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算は、原案のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立少数であります。よって、認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算は、認定しないことに決定いたしました。
 次に、認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算を採決いたします。
 本決算の委員長報告は、認定をしないとするものでありますが、原案について採決いたします。
 認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算は、原案のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木博君) 起立少数であります。よって、認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算は、認定しないことに決定いたしました。
   日程第3 議案第6号平成24年度岩手県一般会計補正予算(第4号)の専決処分に関し承認を求めることについてから日程第30 請願陳情まで
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第3、議案第6号から日程第30、請願陳情までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。五日市総務委員長。
   〔総務委員長五日市王君登壇〕

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