平成24年12月定例会 第8回岩手県議会定例会 会議録

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〇47番(千葉伝君) 自由民主クラブの千葉伝であります。
 認定第1号平成23年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第4号平成23年度岩手県一般会計歳入歳出決算をともに不認定とした委員長報告に対し、賛成の立場から討論させていただきます。
 医師不足、医師偏在といった地域医療の課題を解決、地域医療の充実を目指しての現実的な対応として、平成20年度に花泉診療所を含む5診療所の無床化方針が示されました。
 今回の花泉地域診療センターの民間委託の事件は、そうした中で示された一連の予算の可否に端を発しているわけであります。知事自身が本会議場での何度か異例の行動をとったりした非常に混乱した議会を記憶しております。地域住民からの要望に応え、有床診療所を残すための方策として民間委託という手法を採用した最初の事例でありますが、知事自身が地域医療の新たなモデルと位置づけるなど、肝いりで進められた事業でありました。一連の手続を含め、内定先法人の適格性、医師確保の確実性等について議会での慎重論、反対意見を押し切って強引に推し進められ、紆余曲折、多くの混乱を経て、結果として失敗に終わったわけであります。
 医療局は、今回の件について検証する最終報告案を取りまとめ、その中で、議会での指摘を取り入れながら、反省すべき点も指摘はしておりましたが、これまでの混乱、知事、医療局の当事者意識を欠いた無責任な対応など、十分な反省が見られず、今後に生かされた報告とは認めがたいと言わざるを得ません。
 また、委員会で参考人招致までして明らかにされた一連の事実に対する白光、医療局、知事、それぞれにおける認識のずれの確認も不十分であり、事のてんまつへのみずからの厳しい視点も欠如している。
 地域医療政策の充実、医療過疎地域対策、緊急医療体制の充実などの課題を含めた今後のあるべき地域医療の実現に向けて、知事、医療局にさらなる猛省と、より真摯な対応をなすべきであること、また、本県の地域医療の確保の観点から、医療局並びに県民医療を推進する保健福祉部、これを統括する行政トップの知事が、今回の一連の事案に対し連帯責任があると言わざるを得ません。よいものはよい、悪いものは悪いということをしっかりとけじめをつける、これがまた議会の役目と考えるものであります。
 なお、一般会計については、補正予算を含めて東日本大震災への対応が全体の半分を占めるなど、復旧、復興予算として不十分で遅い国の対応を前提としながらも、多くの皆さんからの支援を受けながら、岩手県それぞれが被災を受けながらも職責を全うすべく努力をしたことについては、心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
 私どもは、一刻も早い被災者救済、被災施設の復旧を心から祈念し、全力で協力してまいる所存であります。
 以上が、認定第1号、認定第4号を不認定とした理由であり、委員長報告に対する賛成討論といたします。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 次に、飯澤匡君。
   〔27番飯沢匡君登壇〕

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