平成24年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
 知事は、本日の定例記者会見で、民主党籍を離脱して、小沢氏が11日に立ち上げる新党に参加する考えを明らかにいたしました。今議会の一般質問で、知事は、政権交代に託した民意の行き場が失われるという中で、その民意をしっかりと受けとめて新しい政権を担おう、失われた政権交代をやり直そうという動きに大いに賛同すると述べられていましたが、新党への参加については言及をされませんでした。
 そこで、知事に質問いたします。
 第1に、知事は、民主党の離党、新党参加にまで至った理由や真意はどこにあるのでしょうか。
 第2に、民主党に対する評価の問題であります。
 3年前の総選挙で、民主党は国民の生活が第一をスローガンに公約を訴え、自公政権からの政権交代を実現いたしました。そのときの政策は、後期高齢者医療制度の廃止、最低保障年金制度の創設、子ども手当の創設、そして八ツ場ダムなど無駄な公共事業の見直しなど、無駄を省けば増税は必要がないと言って、消費税増税は4年間行わないという公約を訴えました。
 あれから3年たちましたけれども、民主党政権は選挙公約で訴えたこれらの公約を次々に踏みにじって、公約にもない消費税増税や、あるいはTPPを推進するなど、今や国民の民主党政権に対する失望と怒りは頂点に達していると思います。
 知事は、この3年間の民主党政権に対して、どのような評価をしているのでしょうか。
 第3に、知事が参加しようとしている新党への評価についてであります。
 小沢氏は、新党結成の理由を、今の民主党では、国民の生活が第一という理念は実現できないと言っています。しかし、もともと小沢氏は消費税増税論者であります。小沢新党に政治理念や哲学がない中で、知事は新党に対してどのような期待をしているのでしょうか。
 また、今の岩手県政の最大の課題は、東日本大震災津波からの復旧、復興の課題であります。今回の新党の結成、知事の新党への参加で、復興は前に進むのでしょうか。
 第4に、小沢氏が進めてきた政治改革についてであります。
 小沢氏は、健全な二大政党による政治、あるいは政権交代可能な小選挙区制こそ国民のためになると言って政治改革を進めてきた政治家であります。しかし、今日の民主党の公約違反による暴走で、今や自民党と全く変わらない二大政党制というのは、事実上破綻をしているのではないでしょうか。
 1票の格差の是正、あるいは消費税増税論議に乗じて、比例定数の削減などの政治改革論議が行われております。こうした二大政党政治による知事の考えはいかがでしょうか。
 また、民主、自民、公明3党による密室談合による事実上の大連立、これは、今、議会制民主主義による自殺行為であると思いますが、知事はどんなお考えなのか、知事の見解をお伺いし、この場での質問を終わります。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) まず、新党への参加ということを今まで言及していなかったのに、ここに至って明言した理由、真意という質問だったと思いますけれども、丁寧にお答えすれば、何らかの形で新党に参加するという記者会見での言葉はシンプル過ぎて足りないわけでありまして、先ほどからもさまざま述べているんですが、角度を変えて答弁申し上げれば、今回の国民の生活が第一新党というのは、いわば私の子供のようなものだと思っています。私の今までの政治活動の中から生まれてきた。もちろん、私だけの子供じゃなくて、日本の政治を改革していこう、そういう改革の政治の流れの中で、国民の力で政権交代が可能な政治をつくっていくんだと。その中で、フリー、フェア、オープン、自由で公正で、そして開かれた日本にしていくんだと。ただし、その中で、国民の生活というのはしっかり守らなければならない、社会保障は特に重要である、そういう活動をしてきた人たちの動きの中から生まれてきたものであり、私はそういう人たちの中にあって、かなりのことをやってきたという自負がございます。
 そういうことを先週までも話していて、今回の新党には大いに賛同するとか、今まで以上に力を尽くさなければならないと思っているとかというような言い方をし、そしてまた、自由に参加していきたいというような─参加という言葉じゃなくて、自由に取り組んでいきたいでしたか、いずれ、そういう言い方をしていたのは今述べたような意味でございます。ですから、参加ということでは足りないくらいの思いを、国民の生活が第一新党には持っているということです。
 民主党に対する評価は、当然そういうところから言って非常に残念に思っています。特に、税と社会保障をめぐる3党合意の成立ということで、3年前に国民の支持を受けた民主党は終わったと思っております。したがって、それにかわる新しい政権交代の担い手、民意の受け皿をつくっていかなければならないということであります。
 それから、この3年間の民主党政権に対しということに関して言いますと、今の通常国会が復興元年国会になっていないということには、本当に、もう腹あんばいが悪くなる思いでありますし、去年、震災への対応、復興の制度や予算の取り組みが非常に遅かったということも、これはどんな評価をしているかという点からすると、非常によくなかったと思っております。
 3番目の質問は新党への評価で、今までも述べてきたことですが─そうですね、復興ということの関連がこの質問の中でいただいていました。
 なぜ大震災の対応が─例えば去年、菅内閣で復興構想会議がつくられましたけれども、復興構想会議の最初のほうの会議で、自民党の意見も聞こうと。つまり、自民党と一緒に消費税増税で財源をという流れをつくっていこうという意図が復興構想会議設立のあたりにも当時の政権にあったわけでありまして、その段階から復興よりも消費税という姿勢が見えておりました。それは、ことし3月11日、あれだけマスコミ、国民が、3月11日という日に向かって大震災を思い出し、復興に思いを寄せていたにもかかわらず、3月後半、もう消費税のことばかりで党内議論を費やして復興に背を向けたということもありまして、したがって、ある意味、消費税増税の今回の法案に反対していくということは、それは復興を第一に進めていこう、復興の政府の体制をより強力なものにしていこうということのコインの裏表の関係にあると理解しております。
 二大政党の事実上の破綻というのは、3党合意の成立というのがまさにそういうことでありまして、改めて、この政権交代というものをやり直していかなければならない国政の局面だと思います。それは、国民の民意にこたえる政策の競争をしながら、その都度、民意に選ばれた政権が国民との約束に基づいて力強い政策を推進していく、そういうあり方でやっていこうということは、3年前の政権交代マニフェスト選挙のときに、日本国民は、もうそう決めたわけでありますので、日本国民としては、政権交代可能な二大政党制というのは、もう国民としてはつくったわけです。政治の側からすれば、国民がそういうのをつくってくれている。にもかかわらず、国会の中で、そういう民意に反する事故のようなことが起きてしまったというのが今我々が直面している課題であり、やはり国民に寄り添う立場からは、そこを何とかしていかなければならないという局面だと思います。
〇1番(高田一郎君) 復興国会に背を向ける、あるいは民主党の役割は終わったという答弁をいただきましたけれども、知事の答弁としては非常にわかりやすい答弁だったというふうに思います。
 そこで、答弁漏れがあったんですけれども、今の県政の最大の課題は、何といっても知事が言うように東日本大震災の復旧、復興のはずだと思うんです。そこで、知事が新党に参加する、あるいは今度の新党結成が復興に対してどういう役割を果たすのか、本当に前に進むのかどうかという点が答弁漏れでありましたので、再度お伺いしたいと思います。
 また、今回の小沢氏の離党、そして新党の結成で、県政の最大与党である民主党の会派が分裂する、そういう事態になっております。こういう事態を知事としてどのように受けとめているのかということについてもお伺いしたいと思います。
 そして知事は、新党に参加してどんな役割を果たしていきたいと考えているのか。参加する意味、これについても答弁いただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 新党に対する役割から先に述べさせていただきますと、父親のような役割を果たさなければならないと思いまして、新党にとってワン・オブ・ベスト・ファーザーズになることができればというふうに思います。
 そして、新党と復興の関係でありますけれども、やはり民意を最優先にしていこう、国民の生活を第一にしていこうという姿勢は、それは復興を第一にしていこうということにつながると思っておりますし、そういうことを期待していますし、また、そこはまさに私のほうからも強くそういうふうに働きかけていかなければならないところだと思っております。
 そして、議会の会派のありようとの関係についてでありますが、きょうの記者会見でも会派のありようについて質問され、それに対して、議会の会派のありようについては、これは議会の中の自治の問題、一人一人が全県民の代表である県議会議員の皆さんの間での自治の問題でありますので、執行部サイドからはコメントいたしませんし、また、議会の中がどういう状態であったとしても、知事初め執行部は地方自治法の趣旨にきちんと沿いながら誠実に対応するということで変わりはありません。今までと変わりがないという認識でございます。
〇議長(佐々木博君) 以上をもって緊急質問を終結いたします。
   発議案第17号消費税増税に反対する意見書
〇議長(佐々木博君) お諮りいたします。この際、発議案第17号消費税増税に反対する意見書を日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、この際、発議案第17号消費税増税に反対する意見書を日程に追加し、直ちに議題とすることに決定いたしました。
 発議案第17号消費税増税に反対する意見書を議題といたします。提出者の説明を求めます。久保孝喜君。
   〔15番久保孝喜君登壇〕

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