平成24年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇35番(嵯峨壱朗君) 本日行われました知事の定例記者会見での知事の発言について、本会議一般質問の答弁とのかかわりで、知事に発言の真意と認識をお尋ねしたいと思います。
 7月4日の本会議一般質問の中で、小沢元民主党代表の離党についての見解を求めた際に、より自由な個人の政治参加というスタンスに近い、自由な形で今後進めていきたいと述べておりましたが、本日の記者会見で、自由にということでお話ししていたが、わかりにくいので、何らかの形で参加しますというふうに明言したいとして、今週中に民主党を離党する、新党に入ると明言しておりましたが、議会での答弁とそごを来しているように思われますが、どうでしょうか。
 なぜ一般質問では明言しなかったのに、議会の最終日の定例記者会見で宣言したのでしょうか。その間にどのような心情変化があったのでしょうか。
 さらには、会派の構成がどうなるか取りざたされている段階での明言は牽制とも受け取られかねないと思われますが、二元代表制をどう考えているのかお尋ねしたいと思います。
 達増知事は、本会議での質疑よりも記者会見のほうが重要と考えているように思われ、議会軽視と指摘されても仕方がないと考えますが、いかがでしょうか。
 また、新聞等では新党の代表を打診されたとか取りざたされておりましたが、小沢氏とのやりとりで新党の幹部職等を打診されたということはありませんでしたでしょうか、お尋ねします。
 また、まだ新党が正式に立ち上がっていない段階で、さらに増税反対、脱原発しか政策がわからないと思われますが、そのことだけで合流する根拠となるのでしょうか。小沢氏についていくということが主な判断材料と考えていいのでしょうか。
 被災地では、政局ばかりやっていないで復旧、復興という声に、被災地のリーダーとしてこたえられているのでしょうか。
 また、野党となる新党に合流しても、当然知事の任期を全うし、復旧、復興、県民生活の向上に全力を尽くしていくのでしょうか。
 以上、緊急質問させていただきます。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 幾つか御質問をいただきました。
 まず最初の質問ですけれども、きょう、記者会見での私の記者への答えが議会での答弁とそごを来しているように感じるがどうかということでありますけれども、議会での答弁と基本的に同じ内容を記者に答えております。
 関連で、本会議の質疑より記者会見のほうが重要と考えているように思われる、また、議会軽視と指摘されても仕方がないと考えるという御質問もございましたけれども、むしろ議会答弁のほうが丁寧に答えておりまして、記者会見のほうがぶっきらぼうだったかもしれないと思っております。
 いわゆる新党に対する私のスタンス、また、参加の仕方については、今までどおり、つまり今までの民主党に対してそうであったと同様である、むしろ一層強化していくということを過去の記者会見や囲み取材でも記者に答えておりましたし、また、議会でもそういう答弁をしていたわけでありますけれども、この週末のマスコミ報道などを見ておりますと、どうもその趣旨がきちんと報道されていない、私の言っていることがうまくマスコミ報道として伝わっていないという感じがしておりましたので、記者会見では、正確さをある程度犠牲にするかもしれないという思いもありましたけれども、はっきり、明確なわかりやすい短い言葉で言うほうがいいと思って、新党には何らかの形で参加しますということと、それから、離党のタイミングについては、今週中というのはきょう初めて記者会見で明らかにしたことでありますけれども、先週の段階でも、民主党の中から新党が生まれていくそのプロセスの中で、県連とか総支部とか、そういったところからいろいろ案内があるんじゃないかというようなことを言っておりましたけれども、今の民主党の県連事務所のほうから離党の手続について教えてもらいましたので、それに従って離党を今週中にできる見込みが立ったので、きょうまたそれを記者にも聞かれましたことから記者に答えたところであります。
 記者会見での記者への答え方について、いろいろ御不満とか御批判もあるかもしれませんけれども、議会での答弁は議会での答弁としてしっかり行い、また、記者は記者で、国民の知る権利、県民の知る権利をそれにかわって記者会見を行っており、そういう重要性にかんがみて、記者クラブと県の担当部局との共同で、これも公務の一つでございますので、記者会見でも記者会見なりのよりよい答えを工夫してやっているところであります。
 小沢氏とのやりとりに関して御質問をいただきましたけれども、小沢氏からは、それまでの国会の動き、経緯について説明があったところで、新党の具体的な話についてはございませんでした。
 それから、新党の政策と、私が新党に合流、合流という言葉は私は使っていないんですけれども、質問の中では合流する根拠ということで御質問がありました。
 新党の政策は、これは基本的に3年前のあの政権交代マニフェスト選挙で当時の民主党が国民に約束し、そして民意の負託を受けたことが政策の大宗であると理解しておりまして、それは今までも私も賛同していたし、これからも賛同していきたいと思っているものであります。
 それから、復旧、復興における私のリーダーシップの問題についてでございます。これは、常に謙虚に我が身を振り返りながら、被災地、被災者に寄り添う仕事の仕方というのをきちんと務めていかなければというふうに思っております。
 それから、新党との関係の仕方については、現在、岩手県知事の政治家個人としての自由な参加のあり方ということとは違うようなかかわり方については、今、私の頭の中にはございません。
〇35番(嵯峨壱朗君) 何点か再質問させていただきます。
 今、知事の説明で、離党については、手続がはっきりわかったということがきょう記者会見で表明した離党についてのということでありました。この最終本会議の定例記者会見で、一般質問の中では明確ではなかった。先ほど記者会見の抜粋をちょうだいしましたけれども、新党に入党するのですねという言葉については、そのとおりですというふうに答えているようであります。また、テレビでも先ほど拝見しましたけれども。今の説明ですと、なぜきょうこのタイミングだったのかというのがいま一つはっきりしない。その辺をもう少し説明していただければと思います。
 また、今回、民主党を離党するということで、質問にも出していましたけれども、野党の党に党籍を持つ知事ということになるわけですけれども、復興に向けて、与党である立場だった知事と野党の立場になった知事と、いつも知事が言っておりますけれども、政策、また行政上の問題としては変わりはないということなのかもしれませんけれども、やはりその辺もあえてそういうことを選択することに危惧を覚えるわけであります。その点ももう少し答えていただければと思っておりました。
 知事はよく、何回も言っていますけれども、政治家としての立場、知事の立場は違うんだということを言っておりますが、定例記者会見は知事の定例記者会見であります。記者会見の場で表明している以上、個人ということは通用しないと常日ごろ思っておりますが、個人的見解で言ったとしても、知事である以上はその発言や行動は常に岩手県民の代表としての知事の発言というふうにとられる。これは知事の見解とは違うかもしれませんが、どう考えてもその辺は理解しにくい。
 そして知事は、民主党の推薦を受けて昨年の選挙を当選されたわけでありますけれども、それは知事個人に対する支持であったとも思いますし、民主党であったから投票したという方も多々おられると思うんですが、その点についてはどのようにお考えなのでしょうか。
 そして、復旧、復興、ここでまたそういった政局とか政治的なこと、もちろんそればかりではないのは当然ですけれども、復旧、復興に全力を知事として尽くしていくんだということを、新たな党に入ったとしてもそのとおりやっていくんだということを宣言していただければと思いますけれども、以上であります。
〇知事(達増拓也君) なぜきょう詳しく、詳しくはないんですけれども、シンプルではっきりしたそういう話をしたのかというと、まさにきょう定例記者会見があったから、かつ聞かれたことに答えたわけでありまして、私から何か記者発表しますという形で述べたものではなく、あくまで聞かれたことに答えたものであります。
 それから、党籍と知事の仕事についてでありますけれども、これは恐らく知事や、また、市町村長─首長だけではなく、地方議会、また、国会議員、およそ政治家として公職にある人は皆そうだと思いますけれども、有権者の負託を受けて仕事をしていくに当たって、党籍がこうだからだめだとかということはないんじゃないかと思っております。民主主義の本質として、公職についた職を全うするということは、この党でなければだめだとか、この党だったらだめだということは─ドイツは別ですけれども─ないと思っております。
 それから、記者会見で政治家個人としての意見を言うのはいかがなものかという趣旨の質問だったかと思うんですけれども、記者会見は、行政の長として、執行部の一員としての知事に、局長や課長が答えてもいいような内容といいますか、だれが答えても同じ内容になることをあえて知事に質問し、そして知事から答えるということがあると同時に、知事の政治家個人としての見解を問う質問も記者会見には当然ありますし、それは公の機会、行事といいますか、記者会見というのはそういうものだという理解は基本的に社会全体に共有されているものと理解しております。
 それから、選挙のとき民主党の推薦で戦ったのではないかということについてでありますけれども、選挙中、基本的に、まず復興計画を力強く推進します、いわて県民計画を力強く推進します、それを公約として掲げ、また、そのことを民主党としての私への推薦という形でやってくださったというふうに思っております。さらに申し上げれば、有権者の皆さんとのやりとりの中で、消費税引き上げというのはまずいよねとか、TPPというのもまずいよねというような3年前のマニフェスト選挙、政権交代のときの民主党の政策に沿った対応に対して有権者の方々から大きな強い賛同を受けたのが去年の9月の統一地方選挙だったという実感を持っておりますので、そういう民意にも今後もしっかりこたえていかなければならないという思いを持っております。
 それから、復興に力を尽くしていくというのはまさにそのとおりであります。今、それこそ囲み取材、記者に対して3党合意の成立というのは事故のようなものだと言ったわけでありますけれども、その事故によって、今、国会が大きく損なわれた状態にあると思っております。そして、本来、この通常国会は復興元年国会になるべきだったと私は思っています。年の初めから復興、復興ということで日本が一つになって復興を進めていかなければならないときに、なぜ消費税国会なのか。復興元年国会になっていなければおかしかったはずですし、そうしていくためには、やはり国政に対しても一定の関与を私としてはして、一定というか、国政を正すためには力を尽くさなければならないと思っています。
〇議長(佐々木博君) 次に、久保孝喜君。
   〔15番久保孝喜君登壇〕

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