平成24年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(小野寺好君) 公明党小野寺好であります。
 議案第2号平成24年度岩手県一般会計補正予算(第2号)についてのみ伺います。
 今回は339億8、000万円余の追加補正で、補正後の予算総額が1兆1、538億円を超え、東日本大震災前に編成した平成23年度当初予算6、815億円の2倍近くで、補正予算(第5号)を可決した昨年8月ころの予算規模となりました。震災からの復旧、復興や放射線対策等重要な予算案であり、詳細を明らかにしていただきたく、何点か伺います。
 まず、財源ですが、この補正第2号の通常分は4億円だけで、残り335億7、700万円、つまりほとんどが東日本大震災関係ですが、自主財源に乏しい本県がどのような仕組みで339億8、000万円余を調達したものか伺います。
 国庫支出金は94億円余、地方交付税65億円にとどまっていますが、繰入金179億円はどのような仕組みになっているのか伺います。
 なお、この補正予算(第2号)後の県債残高が73億円ほど減少しますが、多額な事業費を投入しているのに債務が減るというのはどのようなわけでしょうか、伺います。
 次に、救助費について伺います。
 ことし2月28日の一般質問で、水道凍結や給湯のみのおふろ等、プレハブ応急仮設住宅のふぐあいに関し幾つか質問いたしましたが、全くつれない答弁でありました。しかし、その1カ月余り後、厚生労働省社会・援護局総務課災害救助・救援対策室は、応急仮設住宅入居者の住環境改善を打ち出し、次の冬に向けたおふろの追いだき機能の追加、家財道具を収納するための物置の設置を災害救助法の国庫負担の対象といたしました。これにより、県は、この補正予算(第2号)で救助費59億円を希望者のみ手当てするということにしましたが、どのような応募結果になったか、あわせて、1戸当たりの金額と総額も伺います。
 追いだき機能の追加とは具体的にどのような工事になるのか。なお、ふろのガス釜等を交換する場合は大量に廃棄物が発生することになるのではないかと危惧しますが、再利用等を考えられるのかどうか伺います。
 少ない平たん地に仮設住宅を建設したわけですが、さらに物置を設置する面積は確保できるのでしょうか伺います。
 また、今の入居者の中から寄せられている声の中には、間もなくこの仮設住宅から出るから、今回のアンケートには、要らない、このような回答した、このような声も聞きますが、次の入居者がこれを希望した場合はどうなるのか。また、空き家の補充入居は認めないから影響ないというのかどうか伺います。
 次に、太陽光発電ですが、当初予算3、800万円に2億1、800万円追加し主客逆転いたしましたが、こうした決断の背景を伺いたいと思います。
 今回の措置で電力量が幾ら増加するのか、標準的な一般家庭何戸分に相当するかでお示しいただければと思います。
 なお、これは被災地のみ対象なのか、被災者以外でも応募できるのかどうかもあわせて伺いたいと思います。
 最後に、漁場復旧のための瓦れき処理ですが、目で確認できない海中の災害廃棄物の量は当初からの推計量に含まれていたものかどうか、新たにカウントされるのでしょうか伺います。
 また、海中から引き揚げた後はどのように処理されるのか伺います。
〇総務部長(加藤主税君) 何点か御質問をいただきました。
 まず、補正予算の財源についてでございますが、今回の補正予算は、議員御指摘のとおり、そのほとんどが大震災津波に関係したものでございまして、当初予算編成後に明らかとなりました国の震災関連予算に対応するためのものでございます。このため、基本的には、国からの交付金により造成した各種基金からの取り崩しを含む国費による対応を見込んでおります。また、これに伴い発生する地方負担分につきましては、震災復興特別交付税を見込んでいるということで歳入339億円余を調達しているという状況でございます。
 次に、繰入金についてでございます。
 今回の歳入財源といたしまして多額にわたる繰入金が充たっているということでございますが、この繰入金は、あらかじめ基金に積み立てておきました国からの交付金を取り崩しまして事業の財源とするものでございまして、具体的に主なものを申し上げますと、東日本大震災復興交付金基金からの取り崩しが101億円余、緊急雇用創出事業臨時特例基金からの取り崩しが69億円余、その他数億円ございまして、全体で179億円ほどということになっております。
 次に、県債残高が減少している要因といいますか、理由ということでございますが、大震災津波の復旧、復興に係る費用の地方負担分につきましては、基本的には、県債ではなく震災復興特別交付税による対応とされております。また、震災対応以外の通常の建設事業の財源に充たる県債、これは当初予算も含めてということになりますが、これにつきましては減少を見込んでいることによりまして、平成24年度中の県債発行額は例年に比してある程度抑制できる見込みでございますが、県債の元金償還額は当初の約定の期限が参りますれば返済しなければならないということでございまして短期の圧縮は困難でありまして、県債発行は抑制できるのに対しましてこの元金償還額はこれを上回るということになりますので、差し引きで平成24年度末県債残高見込みが減少になるということでございます。
〇理事(高前田寿幸君) まず、おふろの追いだき機能の追加と物置の設置に係る希望調査についてでございますが、応急仮設住宅の入居者を対象に5月16日から5月末日までの期間で実施いたしました希望調査の結果、6月15日現在、調査対象戸数約1万3、000戸のうち約9割の方から回答を得ておりまして、追いだき機能の追加希望が回答数の約7割の約8、300戸、物置の設置希望が回答数の約9割の約1万1、000戸となってございます。
 次に、追いだき機能の追加及び物置の設置に要する費用についてでございますが、追いだき機能の追加に要する費用につきましては1戸当たり平均で約36万2、000円と見込み、総額では、入居者約1万3、000戸分で47億600万円余、また、物置の設置に要する費用につきましては1戸当たり平均で約6万4、000円と見込み、総額では、入居者約1万3、000戸分で8億3、800万円余を計上させていただいております。
 次に、追いだき機能の追加及び物置の設置に係る工事内容等についてでございますが、追いだき機能の追加工事の内容は、給湯器の交換、浴槽への配管、そして、配管に伴う内外装の工事等となっております。
 追いだき機能の追加に伴い取り外した既設の給湯器の処分につきましては、厚生労働省、それからプレハブ協会等関係団体と協議し検討した結果でございますけれども、給湯器としての再利用等は難しいという結論に達しましたことから、追いだき機能の追加工事施工業者を通じ、破砕処理し、鉄くずとして売却することとしております。
 また、物置につきましては、応急仮設住宅に接して設置することを基本としておりますが、敷地の状況によっては団地内の別の場所に設置することとしておりまして、その設置場所は確保できる見込みとなっております。
 次に、新たな入居者への追いだき機能の追加及び物置の設置の対応についてでございますが、入居者からは、本年11月中をめどに引き続き設置希望を受け付けることとしているほか、現在、空き住戸となっているもののうち、今後新たな入居が見込まれるものについても、市町村の要望を踏まえまして、あらかじめ追いだき機能の追加及び物置の設置を行うことなどにより対応してまいります。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 被災家屋等太陽光発電導入費補助金についてでありますが、当初予算編成の段階におきましては、被災地における住宅着工の見通しや太陽光発電設置のニーズが十分把握できなかったことから、沿岸被災地における平成22年度の導入実績を勘案して予算計上したものであります。
 しかしながら、申請受け付け開始後2カ月余りで当初予算額を上回る申請があり、今後も被災地における家屋等の建築にあわせて太陽光発電設置のニーズが高まることが予想されましたことから、非常時においてもみずからの電力で賄える自立・分散型エネルギー供給体制の構築に資すること、さらには、一日でも早い被災地の復興を推進したいという思いから今回の大幅な増額補正予算を提案したところであります。
 今回の補正予算に伴う住宅用太陽光発電の電力量は約473万キロワットアワーを見込んでおりまして、これは約1、300世帯の1年分の電力を賄う量に相当いたします。
 なお、補助対象者でございますが、東日本大震災により、みずから居住していた家屋に被害を受けた個人、または事業所等に被害を受けた法人となってございます。
〇農林水産部長(東大野潤一君) 漁場復旧のための瓦れき処理についてでありますが、今回の漁場復旧対策支援事業の補正予算は、4月上旬に急速に発達した低気圧の影響によりまして新たに漁場内に堆積した瓦れきの処理をしようとするものです。
 この処理に当たりましては、海中からの瓦れきの撤去、陸揚げ、仮置き場までの運搬は、この漁場復旧対策支援事業により県が実施いたしますが、その後の分別及び運搬、処分につきましては、災害等廃棄物処理事業により市町村が処理することとなっております。
〇38番(小野寺好君) 1点だけお伺いしたいと思います。
 けさの新聞報道なんですけれども、宮城県の場合、プレハブ仮設住宅、宮城県の2万2、095戸のうち、もともと機能を備えた1、072戸を調査の対象外としたと。岩手県の場合はいろいろな救助費の関係でかたくなに国の方針を守ってきたわけですが、ほかの場面で宮城県とか福島県はさまざまな緩い対応をしていた、これと同じなのか。何で宮城県の場合はもともとふろに追いだき機能があったのかお伺いしたいと思います。
〇県土整備部長(若林治男君) 各県同じ対応でありました。岩手県でも何十戸か追いだき機能がついているところがあります。それは、それぞれの業者が給湯器を手配するんですけれども、追いだき機能がついたものしかなかったとかそういう部分がありまして、基本は追いだき機能がないということで仕様は出しておりましたけれども、業者がどうしてもそれでないと納入できないということで、何十戸だと思います、たしか七十何戸だったか、公募の住宅だとか、そういうところでは岩手県でも追いだき機能があるところもあります。つまり、宮城県も同じですし、福島県も同じ対応をしたところでございます。
〇議長(佐々木博君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第25号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第5回県議会定例会 平成24年7月4日)
総務委員会
1 議案第1号
2 議案第2号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第2款
       第3款第5項
       第11款第1項
   第3条
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第6号
6 議案第7号
7 議案第8号
8 議案第14号
9 議案第18号
10 議案第19号
11 議案第20号
12 議案第21号
13 議案第22号
環境福祉委員会
1 議案第2号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款第1項
          第3項
       第4款
2 議案第9号
3 議案第10号
商工文教委員会
1 議案第2号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款
       第7款
       第10款
       第11款第7項
2 議案第3号
3 議案第11号
農林水産委員会
1 議案第2号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
       第11款第4項
2 議案第13号
3 議案第23号
4 議案第24号
5 議案第25号
県土整備委員会
1 議案第2号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第8款
   第2条
2 議案第12号
3 議案第15号
4 議案第16号
5 議案第17号
〇議長(佐々木博君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時0分 散 会

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