平成24年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第2号2012年度岩手県一般会計補正予算(第2号)について質問いたします。
 第1に、今回の補正予算は総額339億8、147万円余の補正予算であります。うち震災関連の補正額はどうなっているでしょうか。
 東日本大震災復興交付金基金積立金が55億739万円余となっています。今回の基金はどれだけ事業化されているでしょうか。これまでの復興交付金基金積立金の総額と事業化された総額を示していただきたい。
 第2に、救助費として59億円余計上されています。これは、仮設住宅のふろへの追いだき機能と物置を設置するものであります。仮設住宅入居者の方々の切実な要求がやっと実現することになりました。これまでのアンケート調査による回答と希望者の状況はどうなっているでしょうか。全戸に設置する分が予算化されていると思いますが、まだ遠慮している入居者もいるのではないかと思います。さらに周知徹底を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、被災家屋等太陽光発電設備導入費補助が2億1、849万円増額補正となりました。6月24日までに204件、うち沿岸地域から118件の申請があったとのことですが、今回の補正でどれだけの件数に対応できるのでしょうか。国、県の補助額、市町村独自の補助している状況を示していただきたい。これまでに太陽光発電を設置した件数は累積でどうなっているでしょうか。
 第4に、児童福祉施設整備費補助として3、532万円余が計上されています。被災した放課後児童クラブの複合化及び多機能化を図る施設設備への補助でありますが、今回の対象施設はどうなっているでしょうか。被災した放課後児童クラブの被災状況と再開の状況、本格的な再建への具体的な見通しを示していただきたい。
 第5に、放射性物質被害畜産総合対策事業として28億2、094万円余が増額補正されています。これは、県内産粗飼料の放射性物質濃度の検査や牧草地の除染経費の助成及び廃用牛の集中管理施設の設置等の経費であります。
 知事に質問します。県町村会などから、牧草地の除染については、安全の確保、風評被害の克服という点から、すべての草地の除染に取り組むべきではないかと要望がされています。知事はこの要望をどう受けとめ、対応されようとしているのでしょうか。当面、1万5、000ヘクタールの除染が必要ですが、農業公社施工分が5、000ヘクタール、農家自力施工が1万ヘクタールの計画に具体的な根拠があるのでしょうか。各市町村ごとに特別の除染対策を構築すべきではないでしょうか。また、見直した委託料が18万円となっていますが、極めて不十分ではないでしょうか。廃用牛の滞留頭数が6月末で2、200頭と増加しています。この具体的な改善策と、集中管理施設の新たな整備はどうなるでしょうか。
 第6に、漁業集落防災機能強化事業費補助として35億7、827万円余、復興交付金の決定によって増額補正されています。総額66億7、363万円余となりますが、何市町村、何カ所で事業が実施されるのでしょうか。
 第7に、河川改良費のうち特定構造物改築事業費が4億円計上されています。これは宇部川水門と小本川水門長寿命化計画に基づく補修を行おうとするものであります。それぞれの水門の建設事業費、これまでの補修費、今後の補修事業費総額、耐用年数を示していただきたい。
 第8に、港湾高潮対策事業費20億円余や地域連携道路整備事業費16億円余など、土木費で53億円が計上されています。生コン、石材、資材、職人などで既に不足しています。不足の実態を具体的にどう把握されているでしょうか。当初予算を含め今年度の事業は順調に進められるのでしょうか。国直轄事業を含めて復興事業がこれからさらに大規模に発注される予定ですが、被災者の生活再建、仕事の確保に必要な事業所の再建、安全の確保を最優先に、優先順位を決めて事業を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 被災地の企業を最優先に、内陸の企業との県内JVの形成などオール岩手で取り組む必要がありますが、そのための必要な手だて、対策をどう講ずるのでしょうか。
 最後に、新規で国体市町村競技施設整備費補助が1億2、531万円余計上されています。今回の補正対象の内容と、今後必要な補助件数、補助額の見込みを示していただきたい。
 議案第18号から議案第22号は、災害弔慰金等支給審査会の運営に関する事務の受託に関し議決を求めるものであります。具体的には災害関連死の審査の受託となります。これまでの震災関連死の申請件数、県、市町村での認定件数、認定されなかった件数、審査中の件数はどうなっているでしょうか。
 震災関連の自殺の件数はどうなっているでしょうか。震災関連の自殺も災害関連死の対象となると思いますが、いかがでしょうか。速やかに審査を行うべきですが、その対策はどうなっているでしょうか。
 以上でありますが、答弁によっては再質問をいたします。
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 牧草地の除染についてでありますが、牧草地の除染は、本年4月から厳格化された食品の基準値に適合するため、県内全体の3分の1に当たる利用を制限された牧草地の更新をしようとするものであります。
 現在取り組んでいる牧草地の更新は、現に牧草地の利用ができなくなっている畜産農家の生産活動をできる限り早く通常のものに再生していくため、地域の力を結集して取り組むべき重要な課題であります。したがいまして、県としては、この1万5、000ヘクタールの牧草地の除染について、県、市町村、関係団体はもとより、被害を受けている畜産農家自身の協力も得ながら、着実に進めていく考えであります。
 また、風評被害対策として、県産農林水産物の安全性の確認や消費者へのアピールなどに取り組んでいますが、市長会、町村会からの要請は承知しており、市長会、町村会とも協議しながら、対策の充実を検討してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〇理事(高前田寿幸君) まず、震災関連の補正額についてでございますが、東日本大震災津波関連の補正額は335億7、700万円余を計上させていただいており、これにより今年度の東日本大震災津波関連の累計予算額は5、002億4、700万円余となります。
 次に、今回の東日本大震災復興交付金基金積立金の事業化についてでございますが、災害公営住宅整備やまちづくりと一体となった道路整備等の復興交付金事業に充てるため、今回の補正予算案におきまして、当初予算で事業化されていなかった分も含め、101億6、149万円余を計上させていただいております。
 また、基金への積立額の累計についてでございますが、第1回交付額に第2回目の交付見込み額及び運用益の見込み額を加えまして523億2、296万円余を積み立て、このうち、事業化された総額につきましては、今回の補正と合わせて347億8、466万円余となるものでございます。
 次に、応急仮設住宅への追いだき機能の追加及び物置の設置についてでございますが、応急仮設住宅の入居者を対象に、5月16日から5月末日までの期間で実施いたしました希望調査の結果、6月15日現在、調査対象戸数約1万3、000戸のうち、約9割の方から回答を得ておりまして、追いだき機能の追加希望が回答数の約7割の約8、300戸、物置の設置希望が回答数の約9割の約1万1、000戸となってございます。現時点では約1割の方が未回答でございますことから、今後も引き続き設置希望を受け付けることとしておりまして、市町村を通じてさらに周知を図ってまいります。
 次に、災害関連死についてでございますが、これまでの県内市町村への災害関連死の申し出件数は、5月31日現在、444件でございます。そのうち災害関連死として認定され、災害弔慰金の支給対象となった件数は213件、災害関連死として認定されなかった件数は21件、審査中の件数は210件となっております。
 東日本大震災に関連する自殺者につきましては、内閣府の調査によりますと、平成23年6月から平成24年4月までの間で、本県では21人となっておりますが、この調査は、内閣府の見解でも示されておりますが、震災が直接の原因とならない場合も含めて調査したものでございまして、例えば、遺体の発見地が避難所等であるものなども幅広く対象としているところでございます。
 自殺につきましても、災害との関連性が認められれば災害弔慰金の支給対象となりますが、自殺と災害との因果関係の判断が困難な事案が多く、慎重に判断しているところでございます。
 また、災害関連死に係る申し出がふえている中で、災害と死亡との関連性について判断が難しい事案が増大しておりますことから、国に対して、自殺の認定基準を含む災害関連死の認定基準等を示していただくよう要望したところでございます。
 次に、審査についてでございますが、県では、災害関連死の迅速な審査を行うため、市町村から事務を受託している災害弔慰金等支給審査会を昨年11月から毎月開催し、これまで8回開催するなど、審査の迅速な処理に努めておりますほか、市町村に対しても、審査に必要な助言をしているところでございます。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 被災家屋等太陽光発電設備導入費補助金についてでありますが、4月からの補助金の申請実績を踏まえて、年間の活用見込み件数を1、338件として積み上げ計上したものであります。
 国、県、市町村の補助額でありますが、国は、設置コストによりまして2段階の補助額を設定しております。1キロワット当たりの設置コストが3万5、000円を超えて47万5、000円以下の場合は1キロワット当たりの補助金単価は3万5、000円となっております。47万5、000円を超えて55万円以下の場合は1キロワット当たりの補助単価は3万円となっております。県でありますが、1キロワット当たり4万8、000円と設定してございます。市町村は10市5町1村で実施しておりまして、その金額は1キロワット当たり1万円から5万円の間となってございます。
 なお、本県における住宅用太陽光発電の導入実績につきましては、太陽光発電普及拡大センターなどの調べによりますと、平成23年度末までの累計で1万348件となっております。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 児童福祉施設整備費補助についてでありますが、今回の補助対象施設は岩泉町おもと放課後児童クラブであり、保育所型認定こども園として整備予定の小本保育園と合築し、複合化を図ることといたしております。
 次に、放課後児童クラブの被災状況と再開状況についてでありますが、県内284クラブのうち、全壊7、半壊1、一部損壊14の計22クラブが被害を受けたところでありますが、このうち13クラブについては既に復旧し、再開しており、また、残りの9クラブは代替施設で再開しております。
 この代替施設で再開しております9クラブのうち7クラブについては、現在、移転改築等に向けて取り組みを進めており、また、2クラブについては、市町村において小学校の整備計画などとあわせて検討されております。
 今後とも、被災地における新たなまちづくりの状況を踏まえながら、早期に本格的な復旧が図られるよう支援してまいります。
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、除染計画についてでありますが、除染が必要な面積は、これまで農家からの除染作業の申し込み状況や広域振興局で聞き取りした今後の見込みも含めて1万5、000ヘクタールほどと見てございます。このうち、牧草の放射性物質濃度が300ベクレルを超え反転耕を必要とする箇所、また、起伏等があり施工が難しい箇所合わせて4、600ヘクタールは施工能力の高い県農業公社に、比較的濃度が低く攪拌耕とする箇所1万400ヘクタールほどは畜産農家等にそれぞれ除染作業を委託することを予定しております。
 除染作業に取り組むに当たりまして、現在、各地域で県、市町村、JA、県農業公社が連携いたしまして、現地工程会議で実施時期や面積割り当てなどを調整しながら地域ごとの具体的な除染工程表の作成を進めております。
 また、除染作業に係る委託単価につきましては、地域の畜産農家等の協力が得られますよう、作業現場ごとの状況に弾力的に対応できる委託単価に見直したところであり、今後とも、できるだけ早期に除染が進むように取り組んでまいります。
 次に、廃用牛についてでありますが、廃用牛の滞留頭数は、この4月から食品の放射性セシウムの基準が100ベクレルに引き下げられたことに伴い増加し、6月末現在で2、200頭と推定しております。県では、滞留している廃用牛の増加に対応するため、550頭規模の集中管理施設を設置して、出荷が可能となる時期まで飼い直しを支援しておりますが、現在、6月末の預託頭数は490頭となっております。
 県といたしましては、農家の預託希望の状況を見ながら、集中管理施設をさらに増設することも検討していく考えであります。
 次に、漁業集落防災強化事業の取り組み状況についてでありますが、この事業は、東日本大震災津波により被災した漁業集落におきまして安全・安心な居住環境を確保しようとするものであり、東日本大震災復興交付金の基幹事業として、市町村が主体となり取り組まれるものです。当該交付金では、第2回申請分までの交付可能額が復興大臣から通知されてございますが、本県では9市町村、28カ所において取り組むこととなっております。
〇県土整備部長(若林治男君) まず、今回の津波によりまして、宇部川、それから小本川水門につきまして、災害復旧とあわせて修繕を行うとともに、今後の長期的補修に対応するため、特定構造物改築事業を導入したものであります。
 宇部川水門でありますが、建設費用ですが、これは昭和53年に完成しておりますが、6億7、000万円ほど。これまでの補修費は、調べましたが不明でございます。ただ、近年の保守点検費用は年間40万円ほどでありました。平成24年から平成26年3カ年で、遠隔操作機器の更新を約5億円予定しております。以降の補修事業費は11億円、耐用年数は40年であります。
 小本川水門につきましては平成2年に完成しておりまして、建設費用が116億円。これまでの補修費については不明でございましたが、保守点検費用は毎年100万円ほどかかっています。3年間でやるゲート塗装等に5億円、それ以降に19億円かかります。合わせて24億円、耐用年数は同じく40年であります。
 次に、復興事業への取り組みについてですが、まず、生コン等資材、職人などの不足についてでありますが、生コンや石材につきましては、宮古以南沿岸3地区で数十万立方メートル以上不足すると復旧・復興工事情報連絡会で認識を共有いたしたところであります。職人につきましては、4月に行いました沿岸部建設業協会各支部との意見交換会で、型枠工や鉄筋工などの職人が既に不足していると伺っております。
 次に、事業予算の執行についてですが、6月補正予算では、東日本大震災復興交付金や社会資本総合整備交付金などの国の内示を受けまして、早急に実施する必要のある事業について計上したもので、今回、補正で計上した工事請負費は53億円余のうち8億円となっております。港湾高潮対策事業費及び地域連携道路整備事業費で計上した経費の大部分は、調査費、用地取得費及び補償費となっております。今年度予算の執行にも努めてまいります。
 次に、復興事業の優先順位についてですが、現在、用地取得の必要のない漁港や港湾工事を先行して発注している状況であります。今後、生活の再建や安全の確保に必要となります災害公営住宅や防潮堤などについて、詳細設計や用地等の手続を経て本格的に発注を行うこととしております。
 次に、オール岩手で取り組むために必要な手だて、対策についてでありますが、今後、復旧、復興事業の本格化に向けて、復旧、復興建設工事における共同企業体─復興JVの導入につきましては、業界との意見交換等を行いまして賛成をいただいたところであります。当面は、復興JVの代表者は被災沿岸地域の建設業者とし、代表者以外の構成員については内陸地域などの県内業者とすることとし、7月中を目途に制度を導入できるように進めてまいります。
〇政策地域部長(中村一郎君) 国体に係る市町村競技施設整備費補助の内容についてでございますが、主な内容といたしましては、北上総合運動公園陸上競技場の補助競技場の走路改修、釜石市陸上競技場の人工芝張りかえ等の6施設への補助を行うこととしてございます。
 次に、今後必要な補助件数、補助額についてでございますが、現時点では、中央競技団体の正規視察が行われていない競技施設があることや、市町村での具体の整備計画がまだ固まっていない施設があることなどから、全体像につきましてはまだお示しできない状況でございますので、御了承をお願いいたします。
〇37番(斉藤信君) まず知事に、牧草地の除染について。
 1万5、000ヘクタールをまず緊急にやるというのは当然です。私は、1万5、000ヘクタールをやる体制、方針になっていないと思いますよ。
 同時に、1万5、000ヘクタールというのは、23市町村、県内まだらなんです。北上市は除外されているけれども、奥州市も花巻市も盛岡市も除染対象になっているのに何で北上市はいいのかということになったり、私は、そういう意味では、やっぱり本格的に岩手県がこの除染に取り組んでいるよという姿勢を示すことが大変重要ではないかと。実際、市町村の動向を見ますと、1万5、000ヘクタールで済みません。2万ヘクタールぐらいになりそうですよ、実際には。私は、そういう意味でいくと、抜本的にこの問題に取り組むという根本問題に一つは対応する必要があるのではないか。町村会の要望については協議しながら検討していくという話もありましたが、こういうときの決断が私は問われているのではないかと思いますが、これはひとつ知事にお聞きします。
 そして、東大野農林水産部長に、県がさっきのような部長の方針を市町村に示したときにどういう反応があったか。奥州市議会でのこれは回答ですよ。県の姿勢に落胆し、憤りを感じたと。突然1万ヘクタールは農家自力施工だと言われて、そんな補償はないのだと。これが市町村の反応ですよ。
 やっぱり1万5、000ヘクタールやるにしても、今までは公社中心だったという方針は破綻したんですよ。やっぱりもっと市町村ごとに本格的な─遠野市は独自の体制をとっていますけれども─そういう除染の体制チームをつくってやらないと済まないのではないか。公社は年間1、000ヘクタールといったら4年間かかるじゃないですか、あなたの方針だったら。そんなの待っていられないですよ。本当に1年、2年もかからないような手だてをやらなかったら岩手の畜産は持ちこたえられない。私は改めて、市町村の受けとめも含めて抜本的な対策が必要ではないかということをお聞きいたします。
 次に、おふろの追いだき機能、物置の設置ですけれども、やっぱり1割がまだ未回答。そして、先ほどの回答の中には、独自に設置した住田町と遠野市が入っていません。住田町と遠野市はどうなるのか。
 そして、5月に締め切った後、ぼちぼちとやっぱり欲しいという方も出ていると聞いております。これはぜひ、やっぱり岩手県民というのは遠慮深いというか、全戸の予算はきちんとやっているのだから、必要な方にはちゃんとやりますよと丁寧な周知徹底をぜひこれは図っていただきたい。
 もう一つは、一度親戚等に避難したけれども、やっぱり地元に戻りたいと。仮設の待機者が出ています。待機者の状況を示していただきたい。
 そういうことも含めて、私は、このふろの追いだき、物置の設置というのはしっかりと把握して十分な手だてをとるようにしていただきたい。
 あわせて、震災関連死、回答がありました。応募もこの間155件ふえたということですが、210件が審査中なんですね。約半分が審査中と。私は、毎月審査会をやっていると言うけれども、やっぱりこのスピードアップが必要ですよ、もう1年4カ月たっているんですから。そういう意味で、これだけ審査途中というのがあるのはなぜなのか。それを本当に、今回、委託もふえるわけです。そういう形でスピードアップして解決していくと。これは災害弔慰金にかかわりますので、そういう手だてを改めて聞いておきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 市長会、町村会からの要望の関係で、牧草地も含む風評対策ということでありますけれども、放射性物質被害に関する対策は、これは県と市町村、そして関係団体が一緒になって力を合わせて取り組んでいかなければならず、特に市町村の実態について、県がしっかり理解しながら力を合わせていくということで、この5月29日付風評被害の防止と放射線量低減に関する要望書についてもしっかり協力して取り組んでいきます。
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、工程表、除染の進め方に対する市町村の反応でございますけれども、現地工程会議を最初に進めるに当たって、県から工程表の作成をどういう手順で進めていくかということについての説明が不十分であったために、最初の工程会議で県が示す内容について、奥州市も含めて誤解があったということでそういった新聞記事の内容になったということで、現に御本人にお会いして、誤解が生じた原因は明らかにしましたし、それを回復するために、事前の工程表をつくるための作業の進め方、この説明が不十分であったということで、改めて各市町村、各広域振興局にはそういった進め方をもう一回周知徹底いたしました。それに従って現在作業を進めてございます。
 それから、公社中心の除染体制が破綻したのではないかというお尋ねですが、公社がすべてについて除染する、牧草地の除染をするという考え方は、牧草の暫定許容値が300ベクレルであった時点で、それが約2、000ヘクタール強ですので、それであれば全部公社でやり切るという考え方をとっておりましたが、その後、牧草の暫定許容値は100ベクレルに切り下げられました。したがって、公社の施工能力からいって、公社だけでは短期間でやり切ることはできないという判断で、畜産農家等の方々にも御協力いただいて牧草地の除染を進めるという方法に考え方を切りかえました。したがいまして、それも含めて、現在、地域ごとあるいは市町村ごとまでブレークダウンしていかなければなりませんが、その中で、どのような工程で進めていくかということを今詰めている最中でございます。
〇理事(高前田寿幸君) 大きく3点御質問をいただいたと存じておりますが、まず最初に、応急仮設住宅への追いだき機能の追加の関係でございまして、遠野市、住田町はどうなっているかというお尋ねでございますけれども、遠野市、住田町が設置いたしました応急仮設住宅につきましては、それぞれの市町において、全戸に対して追いだき機能の追加、物置の設置を行うこととしてございます。
 それから、改めて周知徹底の御指摘もございましたけれども、先ほどお答え申し上げましたとおり、まだ約1割の方から御回答をいただいておりません。今後も引き続き設置希望を受け付けてまいりますので、市町村を通じましてさらに周知を図っていきたいと考えております。
 それから、大きく2点目でございます。
 応急仮設住宅の入居者の状況でございますけれども、現在、応急仮設住宅につきましては、あいている戸数が445戸ほどございます。一方で入居待ちの戸数が272戸ということで、需給バランス的には十分対応できるという状況になってございます。
 この入居待ちになっている272戸についてでございますけれども、入居者からは、ことし11月中をめどに引き続き設置希望を受け付けることとしておりますほか、現在、空き住戸となっているもののうち、今後、新たな入居が見込まれるものについても、市町村の要望を踏まえまして、あらかじめ追いだき機能の追加、それから物置の設置を行うことなどにより対応してまいりたいと考えてございます。
 それから、災害関連死の関係でございます。
 審査のスピードアップということでございましたけれども、現在、審査会については、先ほど御答弁申し上げましたように毎月1回のペースで開催させていただいております。メンバーは有識者の方5名ということで、精神科医、内科医の方医師2名、それから弁護士、大学教授、社会福祉団体の役員の方ということでやらせていただいておりますけれども、非常にお忙しい中、時間のやりくりをしていただきまして毎回深夜までの審査を行っていただいているところでございますけれども、今後、審査件数が大幅にふえるといったような場合は、開催回数をふやすといったようなことも含めて検討させていただきたいと思いますし、市町村に対しましては、審査会に係る事案について、死亡に至るまでの経緯等についての状況調査をしっかりと行っていただくよう協力を求めることなどによりまして効率的な審査のための対応を図ってまいりたいと考えております。
〇議長(佐々木博君) 次に、小野寺好君。

前へ 次へ