平成24年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇2番(佐々木茂光君) 平成24年6月定例会に当たり、通告に従い一般質問を行います。
 質問に先立ち、初登壇の機会を与えていただきました先輩議員、同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 さて、あの千年に一度と言われる東日本大震災津波から、早いもので1年と4カ月になろうとしております。改めて、とうとい命を奪われ、亡くなられた方々の御冥福と、被災されました皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 忘れることのできない3月11日、被災しただれもがそうであるように、二度と繰り返したくないこの世で一番悲しい出来事であります。今までかいだことのないにおいが周囲を漂い、瓦れきと化した家屋が道をふさぎ、田畑を埋め、海からは船が打ち上げられ、堤防は倒壊し、ありとあらゆるものが散乱し、風景を一変させました。それが歴史に刻まれし大惨事であります。海で働く者は船を流され、畑で働く者はくわを流され、商いする者は店ごと流されました。すべてを失った人たちは、そのときから被災者になったわけであります。
 被災者に仮設の住宅が与えられ、私も仮設住宅に入り、間もなく1年になろうとしております。仮設住宅の住民からは、今は、いつになったらここから出られるのか、いつ沖に出られるのか、もう我慢も限界だ。仮設住宅の入居が延長されるなどという話を聞いて、本当に我慢も限界、このまま仮設住宅で終わりたくない、まさに切実な話であります。皆さんから言われております、何をやっているんだ、すぐにでも山の一つや二つ崩されないのか。確かに、盛岡から帰って目に映る光景は瓦れきの山と消えたまち、仮設の住宅。被災者は、今求めるものはまさに私たちの目に入るものなのであります。1年たっても進まないことに、いら立ちと怒りであります。生の声、生きた声を伝え届けるのが我々の役割であろうと思います。
 知事はこれまで、この震災復興に向けて、まさに答えは現場にあり、被災者に寄り添い、一人一人の復興を着実に進めるとともに、希望郷いわての実現に向け、県民とともにオール岩手による復興を強力に推進していく決意であると所信表明しております。ことしは復興元年と位置づけ、予算も編成されたわけであります。復興の現状をどのようにとらえ、今後の取り組む姿勢について知事の所感を伺います。
 本県の沿岸部と内陸部との間には、経済、医療、教育、道路等社会資本を含め、あらゆる面において格差が生じております。知事みずから、均衡ある県土の発展に努力されておりますことに敬意を表するものであります。しかしながら、壊滅状態にされた沿岸部と内陸都市部との格差が、震災によりさらに大きく開いたと思われます。知事は、この状態をどのようにとらえ、また、その解消に向けた考えについてお伺いいたします。
 これまでも述べてまいりましたが、1年経過しても大きな変化もなく、被災者には復興の回復感がない。県が行った調査によると、余り回復していない36.2%、回復していない14.2%と、まさに回復感が持てないと感ずる人は50.4%という結果が出されております。これは、何より、被災地の要望は、目に見える、目に映る形での復興への期待のあらわれではないかと思うのであります。これは、何を隠そう、スピード感ある復興をだれもが望んでいるということであります。現状は平時ではありません。極限の状況にあるわけであります。県民のトップである知事の判断にすべてがかかっていると言っても過言ではありません。私はそう思うのであります。国の判断、指示を待つのではなく、みずからのトップとしての判断、政治的判断が必要と考えますが、知事の考えについてお聞かせ願えればと思います。
 次に、農林水産業の振興についてお尋ねいたします。
 沿岸部は津波で大きく傷を負い、それと同時に原発による目に見えない放射能にじわじわと侵され、その被害は拡大しつつありますことは御案内のとおりであります。岩手県は、海があり、川があり、山があり、まさに自然の中で暮らしております。我が県は食料の供給地であると同時に、第1次産業が経済の基礎となっております。基幹産業である農林水産業をどのようにしてこの状況から立て直していくのかお尋ねいたします。また、その見通しはどうかお尋ねいたします。
 合板工場の誘致についてお尋ねいたします。
 このたびの震災津波により東北地方沿岸部の合板工場が軒並み被害を受け、気仙管内においては、大船渡市内の北日本プライウッド株式会社、その子会社である大船渡プライウッド株式会社の2工場が被災し、事業の再開を断念しております。岩手県における合板の出荷額は132億円で、一般製材の出荷額に匹敵しております。その4割を占める2社の操業中止は管内で185名の雇用を失い、間伐材など木材需要の減少、素材生産部門での採算割れ、これらに伴う森林経営に対し意欲をなくし、山の放棄による山地の荒廃など、これまで築き上げてきた地域林業の存立基盤に危機的影響を及ぼすものと思うのであります。両社による合板製造量は年間10万立方メートル、うち国産材使用が65%であり、気仙管内及び岩手県南部からの素材供給先として大きな役割を果たしてきました。特に、木材の合板利用率が約3割を占める岩手県においては、木材の有効利用の観点からも、合板施設の再誘致は、気仙地域のみならず県全体の林業にとって不可欠であることから、被災地域の雇用の場の確保、地域林業並びに岩手県林業の振興を図る上からも再誘致すべきと思うが、どうかであります。気仙地域には日本一の山づくりを目指している住田町があります。
 次に、水産業に関してお尋ねいたします。
 ここ1年が経過し、共同作業での復興が浜に少しのにぎわいを取り戻してきております。今、心配されるのは後継者の不足、何より漁業からの離職であります。沿岸北部の田野畑村、普代村を訪れたときは、二、三割の離職があると言われております。私どもの地域も二、三割の離職があるようであります。漁業振興、復興のためにも対策を講じていかなければならないのであります。
 離職される方々の話を聞くと、皆、共通して言えるのは、資材の調達、船、家と、どれをとっても金のかかることばかりと言っており、活気を失った浜の姿であります。まだまだ働ける50代、60代、何とか取り戻してやりたいものであります。いま少しの援助、支援があれば立ち上がれる方々もいっぱいいることもわかりました。これらの現状をどのようにとらえているのか、また、漁業者の離職を防止する対策をどのように考えているのかお尋ねいたします。いま少し背中を押せば戻れる浜人がそこにいるのであります。
 次に、災害廃棄物、瓦れき処理についてお伺いいたします。
 さきに述べたように、瓦れきがいまだ被災地を埋めております。どこまでもどこまでも積み上げられていく瓦れきに、見る者は深いため息ばかりであります。火をつけて燃してしまうことができないのかと強く言ってくる市民もおります。ブルドーザーで押して埋めてしまうわけにはいかないのかと叫ぶ市民もおります。鎮魂、慰霊として、我がまちの財産であるならば、みんなで燃すことはできないのか。市民復興の一丁目一番地はやはり瓦れきにあるようであります。私も、この瓦れきが─復興の回復感を与えない大きな原因はここにあると思っております。
 9月の選挙で、私はあえて市街地の瓦れきの中で決起大会をいたしました。400名を超える市民が集まってくれました。そのとき、だれもが望んだのは、この瓦れきに花を咲かせてくれることでありました。私がたびたび、何度も知事にこのお話をするのは、知事にもこの被災地の瓦れきに花を咲かせてもらいたいからであります。いつも聞こえてくるのは、いつになったらなくなるのかという、まさに嘆きの悲しい声であります。災害廃棄物の総量が見直しによりふえたとのことですが、どのように見直され、処理の見通しはどうかお尋ねいたします。
 次に、災害廃棄物の広域処理については、その見通しがついたとのことでありますが、さらにその速度を速める意味からも、広域処理とあわせ自前での処理に積極的に取り組まれてはどうかお尋ねいたします。
 また、自前処理がこれまで進まなかった理由は何かお尋ねいたします。わざわざ他県まで運ぶ理由が市民には理解できないのであります。同じく経費をかけるのであれば、地元で処理してほしいという声もあるのであります。
 次に、地域医療についてお尋ねいたします。
 仮設住宅に住んでいる方のみならず、病院はいつ行ってもいっぱいであります。待っている時間が長く、とても体がもたないと市民の嘆きが聞こえてまいります。今、陸前高田市は、どこに行っても嘆きの声がいっぱいであります。被災地の医療施設の復旧状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。
 次に、震災により被害を受けた沿岸部の県立病院の復旧状況と再建の見通しはどうかお尋ねいたします。
   〔副議長退席、議長着席〕
 あわせて、県立高田病院の再建についてお尋ねいたします。
 平成23年7月25日、応急仮設から本仮設診療施設で診療開始。平成24年2月1日から病床を41床整備し、入院の受け入れを開始。被災後の早々の開設再開に当たり、地域住民の要望にこたえていただきましたこと、地元を代表し、おくればせながら感謝を申し上げます。
 さて、震災前、高田病院は県立病院でも黒字に向かっていたとのことであります。石木院長先生を初め職員の方々の地域医療に対する情熱は、通院する患者はもちろん、訪問診療と、地域医療に力を入れておりました。軌道に乗りつつあったとも聞いております。地域医療を守る意味からも再建が強く望まれているところであります。再建に当たり、施設の充実はもちろんですが、住田地域診療センターも含めた広域性ある施設にならないものかと思うのであります。また、地域の方々にそれを切望する声もあるわけであります。
 そこで、再建に当たり、住田地区の住民の利用も配慮し、さらには沿岸部にリハビリ施設を併設、導入するなど、機能充実、強化を図り、沿岸部全体の医療体制の充実を図るべきと思うのであります。この再建をどのように考えられているのかお尋ねいたします。
 次に、復興道路について伺います。
 道路整備の復旧、復興なくして被災地の復興、発展はないのであります。被災された道路が復興道路として整備されるのかどうか。復興道路に関する位置づけは基本的にはどのようにされるのか、そのお考えをお伺いいたします。
 気仙地区への対応について、復興道路計画を見ると、三陸沿岸道、内陸から宮古方面へ、内陸から釜石方面へ、気仙地区がなぜか空白な地域になっております。これはなぜなのでしょうか。また、追加見直しをする考えはないのかお尋ねいたします。
 現在、国道343号、通称笹野田峠について、気仙圏から一関圏へと、物流にはこのルートは大変重要なルートであります。距離が約60キロメートル、所要時間1時間15分ほど。上り下りカーブが多く、冬場の凍結と、大変事故の多い路線でもあります。気仙地区は、大船渡港湾を控え、物流、水産物の輸送と、ますますその整備、改良が住民の悲観でもあります。トンネル化を図り、さらなる利便性を高めるべきと思うかどうかお尋ねいたします。
 国道340号、山谷付近の整備について、これまで狭隘、交通量が多く、復興車両等の重車両の通行が多くなってきております。早急に改良を求めるものでありますが、どのように進められているのかお尋ねいたします。
 また、陸前高田市被災地のルートは、近い将来、三陸沿岸道路の開通とともに拡幅改良の必要性が出てくるものと思います。それら計画はどのようになっているのかあわせてお尋ねいたします。
 国道397号の整備の進捗状況と今後の見通しについてお尋ねいたします。まさに道路は、我々被災地に明かりをともす力があるのであります。
 最後に、失われた教育施設の再建についてお尋ねいたします。
 陸前高田市の野外活動センターは、平成3年から整備着手、宿泊棟、キャンプ場、テニスコート、そしてマリーナと多目的な施設であり、温暖な気候でもあることから、利用者には大変評判もよく、平成17年9月には利用者が早くも100万人を達成し、近年は年間利用者も11万人、12万人と増加傾向にありました。被災により建物は倒壊し、地盤沈下と。これまでの活動センターの理念を継続し、スポーツの振興、発展を図る意味からも、早期の再建と、あわせて野球場、サッカー場等、県が積極的にその再建を図るべきと思うがどうかお尋ねいたします。
 最後に、被災した県立学校の再建については、本県林業の活性化を図るためにも、校舎、学舎の建設に当たり、県産材の活用、木造化を図る考えがないかお尋ねいたします。
 最後に、私ごとではありますが、多くの沿岸住民の皆さんと同じように家を流され、親族を失い、仮設住宅に暮らしております。今回、仮設住宅に住む人間が質問の機会を与えられました。本日は、被災地岩手のトップリーダーである知事の生の声を聞きたいと、同じ思いを持った郷土の多くの住民が傍聴に来ております。知事の発言に注目しております。その同じ思いとは、山の一つも切って高台の用地を確保するような目に見える大きなアクションを、この1年数カ月、瓦れきの山を見詰めながら県に期待しているのであります。
 千年に一度の未曾有の災害に対し、何でも国の法規制があるからでは、スピード感のある復旧、復興は望めないのであります。県の頭脳集団である職員の英知を結集し、どうか被災地住民によくわかる言葉で答弁されますことに御期待申し上げまして一般質問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木茂光議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、復興の現状についてでありますが、県では、昨年8月に策定した復興計画に掲げた安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生の三つの原則に基づいて具体的な取り組みを推進してまいりました。その結果、県内に13ある産地魚市場のうち12市場が既に再開するなど、復興に向けた動きが具体化しつつあります。
 また、沿岸12市町村においても、昨年中に復興計画等を策定し、具体的な土地利用計画等の検討が進められ、野田村の2地区及び釜石市の1地区については高台移転の国土交通大臣同意が得られ、具体的な事業に着手しております。
 このように復興事業が具体化しつつある一方で、復興意識調査などの結果を見ますと、岩手県全体の復旧、復興の実感は、おくれている、またはややおくれていると感じている方々の割合が約6割となっているほか、いまだ約4万1、000人の方々は依然として仮設住宅等に仮住まいの状況にあるわけでございます。陸前高田市を初め沿岸被災地に入るたび、被災者の方々が一日も早く安心して生活を送ることができるよう、まちづくりや産業再生の取り組みを一層加速させていく必要があるとますます痛感しているところであります。
 このため、防災のまちづくり、住環境の整備や雇用の確保、水産業を初めとした産業の再生など、復興実施計画に基づく事業を着実に推進し、一日も早い復興を実現してまいります。
 次に、沿岸部と内陸部の格差についてでありますが、議員御指摘のように、これまで1人当たり市町村民所得を初め、さまざまな分野の指標において、沿岸部や県北部は内陸部と比べて一定の開きがあったところであります。これに加えて、昨年の東日本大震災津波により、沿岸地域においては、住居や病院、学校を初め、道路や漁港、水産加工施設などの生活や産業にかかわる基盤が大きく損なわれるとともに、震災前に比べると、震災後の平成24年6月においては沿岸12市町村の人口が約1万6、200人減少するなど、人口減少による地域経済の縮小や地域の活力の一層の低下が懸念されているところであります。
 一方で、被災者の方々のみずから復興に向かって立ち上がる地元の底力と、国内外のさまざまな支援のつながりの輪が結びついて大きな復興の力になるという動きがあることを実感しております。
 今後は、防潮堤や漁港などの早期復旧、さらに復興公営住宅や三陸縦貫自動車道を初めとする復興道路の整備など、暮らしや産業を支える基盤の整備をしっかりと進め、水産物の高付加価値化や三陸の特徴ある地形等を生かしたジオパークの取り組みなど、沿岸部の持つ地域資源を生かした産業の振興を図り、地域の方々が生き生きと暮らすことのできるふるさと岩手・三陸の創造を目指してまいります。
 次に、復興に向けた政治的判断についてでありますが、一日も早い復興の実現のためには、復興のための財源の確保、復興の円滑かつ迅速な推進のための規制緩和や手続の簡素化、復興事業を担う技術者や専門家などの人材の確保が重要であります。このため、国に対して、国費による充実した支援と地方負担も含む復興財源の確保、既存の枠組みを超える強力な復旧、復興対策の速やかな構築と実施、被災地復興のための人的支援とその強化について要望してまいりました。
 国においては、数次にわたる補正予算や平成24年度予算による復興財源の確保、復興特別区域法など東日本大震災復興にかかわる関連法の制定、国の要請等に基づく全国の自治体からの職員派遣スキームなどが措置されました。
 これまで本県では、地域の被災状況に応じた復旧、復興の取り組みを早急に行うため、国の予算を先取りしながら、昨年度、12次にわたる補正予算を編成し、本県の復興に向けた取り組みを全力で推進してまいりました。今後とも、復興特別区域法に基づく規制、手続の特例措置や、復興交付金事業を最大限活用して復旧、復興の取り組みを加速させるとともに、必要に応じて県が率先して被災地の状況に応じた機動的な復興施策を推進していく決意で臨んでいきたいと考えております。
 また、国に対しては、あくまでも被災地の視点に立ち、一日も早い復興を実現するためさらにスピード感を持って対応していただきたいと考えており、国家プロジェクトとして既存の枠組みを超える強力な復興施策を全力で推進するよう、引き続き強く要望してまいります。
 次に、復興道路にかかわる基本的な考えについてでありますが、県では、震災後の早い時期から三陸縦貫自動車道等の縦貫軸及び東北横断自動車道釜石秋田線等の横断軸の高規格道路を復興道路と位置づけ、早期整備の必要性を国に強く訴え続けてまいりました。
 国では、平成23年度第3次補正予算において、これら復興道路の未着手区間の事業化を決定し、三陸沿岸地域の一日も早い復興を図るためのリーディングプロジェクトとして、かつてないスピードで整備を進めているところであります。
 復興道路の整備により本県の高規格道路ネットワークが構築され、災害に強い道路が確保されますほか、物流の効率化による産業の振興、救急医療体制の確立、県内外の広域的な交流、連携が拡大するなど、本県の復興、さらには東北全体の復興が力強く進むものと考えており、国や関係機関と一体となって早期の全線開通に向けて全力で取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、農林水産業の震災からの復興についてでありますが、県といたしましては、被災地域の生産者が再び意欲と希望を持って生産活動に取り組むことができるよう、県の復興計画に掲げた取り組みを着実に進めていくことが重要と考えております。
 このため、水産業におきましては、漁業を核とした漁業、養殖業の構築や漁港等の復旧、整備を推進するとともに、農業では、農地、水利施設などの復旧、整備、林業では、木材加工施設の復旧、整備などを進めております。また、放射性物質の影響対策として、農作物の生産管理への助言や牧草地等の除染など、被害を受けた生産者の支援に取り組んでおります。
 このような取り組みにより、産地魚市場の水揚げ量の回復や復旧した農地での作付など、復旧の兆しが見え始めております。今後とも、こうした動きをより確実なものとし、本県の農林水産業が大震災津波からの復興をなし遂げることができるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、合板工場の誘致についてでありますが、今回の大震災津波で沿岸部に立地していた合板工場等が被災しましたが、県といたしましては、行き場を失った原木の新たな供給先への流通経費の支援や木材加工施設の復旧などに取り組んでまいりました。
 気仙地区では、被災合板工場が事業再開を断念したことから、地域の林業を振興していくためには、新たな合板工場の立地など、これまで培われてきた人材も活用できるような振興策を講じていくことが必要と認識しております。このような中、気仙地区では、今年度、地元のプレカット工場が新たな加工施設を導入するほか、素材生産業者が木質バイオマス利用に向けた施設導入を計画するなど、新たな取り組みが見られます。
 県といたしましては、こうした取り組みも含めて支援しながら、地域の林業、木材産業の振興を図っていく考えであります。
 次に、漁業者の離職者防止対策についてでありますが、国がことし3月時点で行った調査結果によると、本県の被災した漁業経営体のうち、漁業を再開している経営体は53%となっております。
 県といたしましては、これまで、漁業を再開するまでの収入を確保するため、漁業者による瓦れき回収や漁場復旧作業等を通じた生活支援に取り組んだほか、漁業、養殖業の早期回復を促進するため、漁港の応急復旧や漁協を核とした漁船や養殖施設の一括整備、養殖種苗の確保等を推進してまいりました。さらに、養殖業に関しては、養殖を再開して生産が軌道に乗るまでの資材、人件費等を確保するため、国のがんばる養殖復興支援事業の導入を促進しております。
 今後におきましても、引き続き、生産基盤の復旧、整備やがんばる養殖復興支援事業の導入などにより漁業者の経営再建を支援し、離職の防止を図っていく考えであります。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、災害廃棄物の処理の見通しについてでありますが、現場からの撤去が進んだことを踏まえ再度推計した結果、見直し後の推計量が525万トンと増加したところであります。このうち、昨年度処理したものを除く474万トンが今後の処理量となりますが、現時点におきまして、約8割に当たる380万トンの見通しが立ったところであります。
 その内訳は、県内での処理につきましては、コンクリートがら、金属くず139万トンはそのまま復興資材やスクラップとして活用、可燃物、不燃物のうち50万トンは太平洋セメント大船渡工場でセメント原燃料として活用、同じく35万トンにつきましては市町村等の清掃センター等で焼却または埋立処分、津波堆積物130万トンにつきましては可能な限り復興資材として活用することとしており、合わせて355万トンを県内で活用または処理することとしております。
 また、県外での広域処理につきましては、予定しておりました可燃物、柱材、角材の24万トンについてそのめどが立ったところであります。
 今後は、残り約2割に当たる土砂系不燃物、漁具、漁網約94万トンの処理先が未確定でありますことから、その確保に全力を挙げてまいります。
 次に、自前処理についてでありますが、太平洋セメント大船渡工場など県内処理施設を最大限活用して処理を進めることとしておりますが、それでもなお処理し切れないものを広域処理としてお願いすることとしております。
 現在、処理の課題となっておりますのは土砂系不燃物89万トンでございますが、これにつきましてもできる限り県内で活用することを検討しているところであります。
 土砂系不燃物については、今般策定した復興資材活用マニュアルに基づき分析を行い、どのような公共工事の資材として活用が可能なのかを検討し、どこの地域にどのような性状のものがどれくらいあるかの情報を、県はもとより、国、市町村とも共有しながら、復興資材として可能な限り活用が図られるよう努めてまいります。これらを通じまして、平成26年3月末の処理期限に向けて全力で取り組んでまいります。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 被災地の医療機関の復旧状況についてでありますが、東日本大震災津波により沿岸部の医療機関の53%に当たる127カ所が被害を受けたところであり、このうち、県立病院などの公的医療機関を除く民間の医療機関については113カ所が被災いたしました。
 県では、これらの医療機関の機能を早期に回復させるため、仮設診療所の設置や被災した施設の復旧に重点的に取り組んできたところであり、こうした取り組みにより、仮設診療所を含め87カ所の民間の医療機関が復旧し、沿岸部全体では88%の医療機関が診療を行っております。
 今後は、被災地における新たなまちづくりと連動した質の高い医療提供体制の再構築に向けた取り組みが必要になりますことから、地域医療再生等臨時特例基金を活用しながら、医療機関の移転、新築等、本格的な復興に向けた取り組みを支援してまいります。
   〔医療局長遠藤達雄君登壇〕
〇医療局長(遠藤達雄君) まず、被災した沿岸部の県立病院についてでありますが、高田、大槌、山田の3病院につきましては、仮設の診療施設の整備によりまして外来診療体制の確保を図ったところであり、入院が必要な患者につきましては、基幹病院を中心に、二次保健医療圏内の民間医療機関等と協力して対応しているところであります。
 気仙保健医療圏におきましては、急性期後の医療体制が他の圏域に比べ脆弱な状況であるなどの地域の医療事情を考慮し、高田病院に仮設の入院施設を整備したところであります。
 今後につきましては、地元市町の復興計画や地域医療再生に向けた二次保健医療圏での議論、県の次期保健医療計画の考え方を踏まえながら、本年度中を目途に、立地場所や規模、機能等について検討を進めてまいります。
 次に、高田病院の再建についてでありますが、被災前の気仙保健医療圏におきましては、圏域の基幹病院である大船渡病院は高度、専門医療、急性期医療を、高田病院は主に高齢者を対象とした地域の入院機能を、住田地域診療センターは地域のプライマリーケア機能を担うなど、二次保健医療圏において、県立病院が連携してそれぞれの役割を果たしながら地域医療の確保に努めてきたところであります。
 被災後の気仙保健医療圏における地域医療の再生につきましては、現在、保健所が中心となりまして、県立病院、地元医師会を含めた医療関係者、行政機関などによる専門的な検討を行っているところであり、この中でリハビリ機能を含めた医療提供体制のあり方についても議論していきたいと考えています。そのほか、県の次期保健医療計画策定に向けまして、医療機関相互の役割分担と、連携を進めるための具体的な方策や目標などについて今後議論がなされるところであります。
 また、地元陸前高田市においては、復興計画に基づいた具体的な土地利用計画などの策定を進めているところであり、医療局として、こうした状況を踏まえながら、二次保健医療圏全体の医療提供体制の中で、高田病院の規模、機能や立地場所など、その整備に向けた検討を進めてまいります。
〇議長(佐々木博君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) 気仙地区への対応についてでありますけれども、県では、災害に強い高規格道路によります幹線道路ネットワークの構築が被災地の復興に必要不可欠なものとして、既に計画のありました高規格幹線道路や地域高規格道路の区間につきまして、三陸沿岸道路、東北横断自動車道釜石秋田線、宮古盛岡横断道路を復興道路と位置づけまして、これらの路線につきまして国により整備が進められております。
 気仙地区におきましては、一般国道284号、343号、397号といった内陸部からのアクセス道路が今回の震災におきまして大きな役割を果たしており、県では、これらの道路を復興実施計画の中で復興支援道路と位置づけまして、交通隘路の解消や防災対策、橋梁の耐震化等を推進することにしております。
 次に、国道343号笹野田峠の整備についてでありますが、笹野田峠は、急勾配、急カーブの連続で交通の難所となっていたことから、昭和49年から平成元年にかけまして、ループ橋を含む延長約6.5キロにつきまして総事業費約69億円を投入し、整備したところであります。新しいトンネル等による笹野田峠のさらなる整備を求める声につきましては承知しておりますが、抜本的整備につきましては、険しい地形的条件から長大トンネル等の大規模構造物が必要となりまして、多額の事業費を要するということから、今後の交通量の推移等を見きわめながら検討していきたいと考えております。
 次に、国道340号の整備についてでありますが、陸前高田市内では、(仮称)今泉大橋、大石沖地区、竹駒地区におきまして、復興交付金事業によりましてまちづくり計画と連携を図りながら整備を進めることとしており、住田町内では、隘路解消のため、山谷地区におきまして延長2、700メートル、総事業費で24億円の計画で今年度から事業着手したところであります。平成30年度の完成を見込みたいと思います。
 次に、国道397号の整備についてでありますが、おおむね平成26年度の供用を目指し、住田町内では、高屋敷、津付、子飼沢地区、奥州市内では分限城から赤金地区において集中的に整備を進めているほか、今年度から小谷木橋について事業に着手したところであり、早期の供用に向けて取り組んでまいります。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) 被災した教育施設の再建についてでありますが、県立高田松原野外活動センターにつきましては、岩手県東日本大震災津波復興計画において代替施設の整備を進めることとしており、教育委員会内部に検討組織を設置し、検討を進めているところであります。
 整備は災害復旧事業として実施することから、被災以前に施設が保有していた機能を備えた施設として整備することを基本方針とし、また、建設候補地といたしましては、海洋性野外活動の適地であり、かつ年間を通じて屋外でのスポーツ合宿が可能であることや、県有地の活用などを想定して検討することとしております。
 なお、整備に当たりましては、建設地における復興状況等との整合性を図りながら進めてまいります。
 また、野球場等、陸前高田市所有の施設につきましては、陸前高田市と十分な調整の上、再建に当たっての国庫補助金の活用等への助言を行うなど、早期の復興が図られるよう支援してまいります。
 次に、被災した県立学校の再建についてでありますが、被災した県立学校のうち、甚大な被害を受け、学校施設の再建が必要な県立高田高等学校につきましては、校舎、体育館等の主要施設の平成26年度末までの完成を目指し、現在、建物の基本設計、実施設計を行っているところであります。この中で、建築基準法上の規制にも留意しつつ、可能な限り木造化や、床、壁、天井などの木質化により、県産材の活用に努めてまいりたいと考えております。
〇2番(佐々木茂光君) 答弁をいただきましてありがとうございます。
 それでは、今お話をいただいた分について、まず、知事のほうから。
 私が言わんとするのは、やはり思い切ってというんですか、それは、知事の立場にすると、国の考え方とか方針が決まらないから、なかなか自分で手を打てないということがあるのだと思うんですが、私たちの今置かれている状況というのは平時でないわけです。そこを知事がどういうふうに感じ取っているのか。だから、言うように、いずれにせよ、お金は後から来るわけです。今の形は、金を決めてから用足しをしようとするから、その分、おくれているような気がするんです、すべてにおいて。ということは、最終的に到達点はそこに行くわけだから、まず事を動かすことが最初でないかと。ただ、そのゴーサインを出せるのが知事しかいないと私は思っているんです。いろんなトラブルというのか、いろんな部署で滞っているというのは、やはりいろんな規制の中で、例えば極端に言うと、図面1枚書くにしても、横断の面積をはからなきゃならない。きれいに図面をみんな書いているわけです。例えば高台移転なんかもそうなんだけれども、ある程度見通しがついたら、もうゴーサインです。そして、常に現場に答えがあるというのは、そのとおりだと思うんです。現場に行って図面を書かなきゃだめだと思うんです。そういったところの判断を、職員の人たちというのは、例えば予算に挟まれ、そして住民に挟まれているから、かなり厳しいところで仕事はされていると思うんです。ただ、そういう制約がいろんな面であるということを取り除かせるのが知事の役割だと私は思っています。だから、今度、陸前高田市に来るときはブルドーザーでも持ってきて、私と一緒にがあがあと押してみるのもいいんじゃないかと思います。知事からその辺をもう一度─今から切りかえても遅くはないと思います。これ以上時間がたっていけばたっていくだけ条件が悪くなってくるというのは、恐らく皆さんも承知していると思うんです。ですから、思いついたらやっぱりすぐですよ。すぐ行動を起こして、最終的にはそこに行くんですから。
 例えば、また高台移転の話をしますけれども、最終的にはその高台に上がるんだから、もう金は後でいいんです。山を切る、木を倒す。とにかく人を上げてやるということです。金は最後に、現場に合ったものが図面でできるはずなんです。始まる前から図面を書いたりしているから、その分、非常に時間がかかっているような気がします。
 ですから、要は、もしかすると知事は石橋をたたいているんじゃないかと私は思うんです。橋だって、たたいているうちに石が割れてしまう。だから、もうよしといったら、すぐゴーですよ。そういう思いを私たちは伝えてほしいと思うんです。決して私はでたらめなことを言っているつもりもありません。まさにみんなが求めているというのはそういうことだと思うんです。確かに、計画にのっとってやるのは当たり前です。知事はその立場でやるんだから。ただ、その判断を早くするか、しないかというのは、まさに知事に─あなたは岩手県で一番なんでしょう。一番、一番なんだからね。だから、その知事が、今、この被災地を背負っているんだということです。そこをやっぱりもっと、恐らくわかっていてもできないということももちろんあるけれども、そういう行動が私たちにまさに明るい希望を与えてくれると思います。そういうところを、本当にいつまでも橋をたたいていたら割れてしまう。割れたら、あとは渡られなくなるんだから、とにかく渡るんですよ。そういう思いを強く、知事の方からまたお話をいただければ、この歌っこを歌えといったら、いつでも歌って私もやりますから、お願いしたいと思います。
 それから、復興道路の件なんですけれども、今から交通の利用状況というような話になりますと、まちも何もない中で、車の利用調査なんていうのはできないと思うんです。だから、私が言っているのは、そういう定規は当てにならないということ、当てはまらないんだという状況の中で私は話をしているんです。道路があることによって、当然、人の入りもある。もちろん出でくる人たちも行きますよ。その中で、まちの動きがそこに出てくるということです。今、何もないんだから、道路を1本引いてくれというのは、そういう願いなんです。道路がつくことによって人が入ってくる、物も入ってくる。だから、そういうそろばんをはじかれたのでは、どこにも道路は引けないです。今だからこそ引けるんじゃないかという提案なんです。
 あとは、岩手県の道路のネットワーク化というがあります。私がいつも言うように、平泉が遺産になったということです。世界遺産でしょう。日本の遺産じゃないんだから、世界の遺産になったということでしょう。その中で、沿岸部と内陸を中心にした形でネットワーク化をしていくためには、短い整備された道路でない、生活道路を私が欲しいといっていない、速い道路を欲しいということを言っているんです。短時間でそこが移動できる。だから、なぜここが空白になったんですか。県土整備部長に言うと、何回も何回もそんなことはいいと言われるかもしれないけれども、それが、私たちのこれからの将来を考えたときに、今だからその道路が引けるのではないかということです。まずそういう考えにも─だって、私たちから金を出すのではないんだよ、はっきり言わせれば。国がやってくれるから、どんどんやってくれと。それを早く引くか、後に引くかの違いだと思います。だから、やっぱり思い立ったらすぐですよ。思い立ったらすぐやる、これでないとなかなか道路も引かないし、まちも起き上がれないです。そういう思いを皆さんにも改めて─本当はみんな持っているんだけど、それを出さないんだろうけれども、出し惜しみしているのかもしらぬけれども、そういう思いをやっぱり私たちは伝えてほしいと思います。
 それから、堆積土砂の件なんですけれども、今、マニュアルをつくってということなんですが、もうマニュアルはできていたですかね。あとは現場に行ってそれをやったらいいんじゃないかと思うんです。すぐ、あしたからにでもブルドーザーも走らせるという思いがほしいと思います。だから、広域処理で、この間、私たちも群馬県、千葉県、埼玉県とぐるっと回ったんですけれども、あの方たちは、いいですよと言うのね。だけれども、放射能が何だかんだというようなことから、いろんなトラブルで出てしまった。だけども、最終的にその県の知事が判断しても、住民の人たちの理解をもらうことによって、受け入れるか、受け入れられないかということが決まるわけです。知事ひとりでやりますといっても、なかなか一概に言えないところがある。ただ、その裏を返せば、この間、こっちからコンクリートの縁石のブロックが行ったことによって大変大騒ぎになったわけだけど、あそこまで知事が行って頭を下げれば─まだだめだみたいな話まで聞こえてくるようであり、私だったら、そこまでやるんだったらば、いや、知事、心配するなと。おらほうにぶんまけてしまえばいいと、私はそういう思いなんです。だから、逆に、お願いに行って、向こうに、みんなして相談しなきゃわからない、受け入れる市民がいいと言わねば受け入れられませんよというのであれば、陸前高田市のごみは、陸前高田市の人たちがいいと言ったらば、それでできるんじゃないと思うんです、裏を返せば。わざわざ持っていって、だめだ、いいですと言われてお願いしてくるわけです。ということは、地元がいいとなったらば、その裏を返せば、陸前高田市のごみは、陸前高田市の人たちがいいと言ったら陸前高田市で処理できるんじゃないですかということを言うんです。そうであれば、頼むものは頼んでもいいし、あとは自前で処理できるものは少しぐらいは目をつぶったっていいと思うんです。これは自分たちのところに落とすんだからね。だから、それを平時のままの規格でふるいをかけていくと、当てはまるものは何もないんです。おれたちがふるいをつくればいいんです。それを国に渡してやる、すべてそうです。
 例えば、さっきの水産関係でもそうです。がんばる漁業復興支援事業、何でもいいんですよ。だけども、現場に合わないんです。だから、さっき言ったように、もう少しそこに手を加えてやれば、まだやれるという人たちが戻ってくるということ。だって、今はおれたちの考えていることが定規なんですよ、被災地は。上で決まったものを当てはめたって、何も当てはまるものはないんだもの。おれたちがつくった定規が定規なんです、こういう場合の。そういうところを強く皆さんも思っていただきたいと思います。それより、知事が一番そういう考えに立てるかどうかだと思うんです。最後に知事にそのお話のお返事いただいたならば、質問は終わりたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 復興に向けた政治的判断ということに関して私は再質問を受けたと思っておりますけれども、今回の佐々木茂光議員からの質問をいただいて、答弁検討の中でも、関係の幹部職員で、国に先んじて県として先にどんどん手を打っていくということをやっていこうじゃないかということを改めて協議しました。
 お金の関係、予算面もお金の話であれば、それは去年も国の3次補正が、秋も深まってからでしたか、春か、その前にもうどんどん県は補正予算を次々に決めていただいて、全部で10を超える補正予算を県のほうはやったということで、それは今でもそういう調子でどんどんやっていこうということを改めて確認いたしました。先ほどの答弁でも申し上げたとおりです。
 そして、高台をブルドーザーで一気にというようなことについても、ただ、権利、義務関係、そこに権利を持っている人とか、そういう同じ岩手県民同士の調整について、法律を超えてえいっということについてはやはり難しいだろうということを─一たん、できないかという相談はしたんですけれども、やはりそこは、権利、義務関係の部分については難しいところがある。ただ、きょうの本会議の中で、さっき県土整備部長の答弁にあったように、住民同士の打ち合わせといいますか、相談といいますか、そこでもう少し時間をかけて相談したいけれども、結論はおおむねこうだというのが見えてきたら、もう見えてきた段階で事務作業に入っていくというようなことはやれる制度にしていこうということは工夫しているところであります。そうしたことを、今回の質問も受けて、執行部のほうでも国の政策、事業を待たず、県のほうで被災地の皆さんの必要性に基づいてどんどん先手先手をとっていくことを頑張ってまいりたいと思います。
〇県土整備部長(若林治男君) 今、佐々木茂光議員のほうから道路関係についての熱い思いをいただきました。
 実際、陸前高田市の国道340号については、今現在のルートではないルートで今泉側に振ります。新たな橋もかかることで、今、復興交付金事業計画が全部終わりまして、今から調査とか設計に入ります。皆さんに計画をお示しすることができるのではないかと思います。ですから、そこについては、まちづくりと連携しながら進めます。
 先ほど言いました交通量の推移といったのは、国道343号の笹野田であります。現在、実は交通量はふえていると思います。復興関係でいろいろな行き来があって、交通量はふえていると思います。いかんせん、やっぱり6キロメートルぐらいのところを直線で抜かなければならないということで、どうも約4キロメートルを超えるトンネルになるんです。そうすると、やっぱりかなり時間と事業費も要するということで、決してあきらめているわけではございません。全体の中でどういう優先順位をつけながらやっていくかということでありますので、引き続き我々も検討は加えていきたいと思います。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 御指摘いただきました津波堆積土の関係でございます。松竹梅がございまして、主として土からなるものと、松竹ですから、その次の下のものは主として土砂なんですが、かなり不燃系のごみがまじっているもので、一番下のものは、どちらかというと有機物の含有量が非常に多いものということで、津波堆積土、土砂系不燃物、そして、いわゆるふるい下ということで今分けているんですが、これらについて、先月、復興資材活用マニュアルというものをつくりまして、今月から各現場現場で品質の確認をさせていただくということにしております。
 問題は、やはり土砂系不燃物以下のものの活用なんですが、今現在の公共工事に用いる基準というものを、現行の体系の中ではまず満たしていないだろうと思っていまして、それは確認作業を進めるわけでございますが、ただ、通常の公共工事に使えるような強度がないということで捨てるということなりますと、これはもう最終処分場が幾らあっても足りません。県内の最終処分場に全部埋めてもまだ足りません。そうなってはいけないと私どもは思っております。例えば、上部に大型の構築物を構築しないような、いわば防潮堤も兼ねた防潮林のマウンド材とか、そういったものにぜひこれは活用していかなければいけないし、そういった気持ちで、県のみならず国も率先して、また市町村のほうも地元の問題ということで、そういう課題意識を持って取り組んでいただけるよう取り組んでまいります。
〇議長(佐々木博君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   日程第2 議案第1号平成23岩手県一般会計補正予算(第12号)の専決処分に関し承認を求めることについてから日程第26 議案第25号白浜(鵜住居)漁港災害復旧工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてまで
〇議長(佐々木博君) この際、日程第2、議案第1号から日程第26、議案第25号までを一括議題といたします。
 議案第23号から議案第25号までについて、提出者の説明を求めます。加藤総務部長。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) ただいま議題とされました各案件のうち、本日、追加提出しました議案について説明申し上げます。
 議案第23号から議案第25号までの3件は、建設工事の請負契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
 これは、積算誤りが判明し、入札手続を取りやめて再公告した白浜(鵜住居)漁港災害復旧工事1件を含め、東日本大震災津波に係る漁港災害復旧工事3件を早急に進めようとするものであります。
 以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(佐々木博君) これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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