平成24年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇8番(軽石義則君) 民主党の軽石義則でございます。先輩並びに同僚議員の皆様の御配慮によりまして、初当選後1年を経過しないうちに、2度目の一般質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げます。また、岩手県内におきまして、復興に向けた取り組みを一生懸命されております皆様に、敬意を表するものであります。
 それでは、通告に従いまして、順次質問させていただきます。
 初めに、先般、岩手県民に大きな感動と勇気を与える出来事がありました。去る6月20日、世界ボクシング協会─WBA─と世界ボクシング評議会─WBC─ミニマム級王座統一戦12回戦が大阪で行われました。岩手県北上市出身のWBAチャンピオン八重樫東選手の初防衛戦でしたが、WBCチャンピオン井岡一翔選手に0対3の判定により惜敗いたしました。
 八重樫選手は、昨年10月に、苦しい道のりを越えて岩手県初の世界チャンピオンとなり、東日本大震災津波から復旧、復興に取り組む県民全体に元気と感動を与えてくれました。まさにスポーツを通じて生きる勇気を示していただき、希望郷いわての実践により、子供たちに夢を与えてくれたものと考えております。
 今回の王座統一戦におきましても、打たれても、打たれても倒れることなく、ひるまずに前へ出ていく姿は、あきらめない岩手県民の底力がにじみ出ており、負けてなるものかという熱い闘志が県民に伝わってまいりました。このことは、八重樫選手の生きざまが県民の心を一つにしてくれたと言っても過言ではないと思います。私も一人の県民として、また高校の同窓として、これまでの努力に敬意をあらわすとともに、再度チャンピオンに復活することを期待いたします。
 そして、次に控えている盛岡市出身のWBCスーパーフライ級チャンピオン佐藤洋太選手の初防衛戦勝利を祈り、県民全体の力強い応援で盛り上げていきましょう。
 岩手の復興についても、厳しい試練のときがあることも予想されますし、いつ自然災害がまた起こり得るかもしれません。知事には、これまでも御苦労をいただいておりますが、今後の県政運営を進めるに当たり、ボクシングを通じて岩手に元気を送ってくれる八重樫選手と佐藤選手に負けないファイトでリーダーシップを発揮していただくことをお願いし、両選手並びに県民の皆様に対してのメッセージを込めた達増知事の所感をお伺いいたします。
 質問の第2、雇用情勢と今後の対策についてであります。
 1点目、平成23年度における経済・雇用対策の取り組み状況におきまして、雇用の創出による新規雇用実績は1万4、410人、91.4%と発表されております。その内訳を見ますと、一つ、産業の振興施策による雇用創出では、2月現在の予算額85億4、800万円余で、新規・常用雇用実績2、044人、150.1%。二つ、雇用対策基金を活用した事業による創出では、①緊急雇用創出事業では128億7、800万円余で1万1、295人、90.8%、②ふるさと雇用再生特別基金事業では28億3、000万円余で927人、127.7%、③事業復興型雇用創出事業では6億2、500万円余で、助成対象労働者144人となっております。
 目標に対する実績について、どのように受けとめているのかお伺いいたします。加えて、成果と課題について、具体的にお示し願います。
 また、平成24年度の取り組みの中でどのように生かしてきたか、現在までの状況をお示し願います。
 2点目、雇用保険切れの失業者の実態並びに就職ミスマッチの原因と課題及び対策についてであります。
 県が6月初めに沿岸4カ所のハローワークでアンケート調査した結果を見ますと、沿岸部すべての状況を反映しているとはされておりませんが、生活資金の状況も厳しくなってきておりますし、仕事に関する希望は、仕事がしたくても求めている職種や雇用形態などが合致しないとなっておりました。
 就業支援の取り組みとしてマッチングの促進において、被災失業者などを対象とした就職面接会を52回実施しておりますが、その内容についてお示し願います。
 また、内陸においてのミスマッチ対策の状況については、どのように現状をとらえておりますでしょうか。その内容についてもあわせてお願いいたします。
 さらに、本年9月以降に雇用保険の受給期間が満了となる方々の実態をどのように把握されているのか、国や関係団体との連携を含めて、満了後の対策について具体的にお示し願います。
 3点目、職業訓練の状況などについてであります。
 離職者などの再就職において、職業訓練の果たす役割は大きなものであると考えております。そのことは、災害復旧、復興に対応した離職者等再就職訓練の実績にもあらわれております。
 訓練後の就職状況を含めて、実施した職業訓練の実績に対する評価と課題についてお伺いいたします。
 また、被災した訓練施設における現状と課題についてお示しください。
 福祉関係に関する資格取得などについても必要とされております。これまで実施されたもの以外で必要とされている新たな職業訓練の取り組みと課題についてもお示しください。
 4点目、平成24年3月の新卒者の就職状況についてであります。
 平成24年3月新規高校卒業者の就職者数は全体で3、271人、県内1、888人であります。4月末の未就職者数は37名となっております。昨年4月末の113名に比較しますとかなりの減少ではありますが、だからこそ、就職できなかったことに対する失望は大きなものではないかと考えます。
 その後の未就職者の動向や未就職となった原因分析などについて、どのように把握されているのかお伺いいたします。また、平成23年度におけるジョブカフェによる継続支援の成果と課題についてお伺いいたします。
 そのことを踏まえた上で、5点目、平成25年3月に向けた課題と対策についてであります。
 先般、報道機関が実施した県内主要企業100社を対象とした2013年春入社予定の新卒採用計画のアンケート結果は、87社が採用予定ありとの回答で、復興需要なども背景にあり、企業の採用意欲は、震災前より高い水準に回復していることが示されております。
 今後の経済動向にもよりますが、現状における課題とその対策についてお伺いいたします。
 また、今後の岩手県を担う労働力を確保することは必須の課題であると認識しておりますが、新卒高校生の県内就職のこれまでの推移とそれらに対する対策について、具体的にお示し願います。
 加えて、政府の雇用戦略対話で合意し戦略に盛り込まれた施策を着実に推進するため、具体的施策について盛り込まれた地域キャリア教育支援協議会(仮称)への対応についてお伺いいたします。
 次に、6点目、障がい者雇用率の対応についてであります。
 2010年12月8日に岩手県議会において、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例が制定され、その後、岩手県としても、この条例の趣旨を生かした取り組みを積極的に進めております。
 障害者の雇用の促進等に関する法律に定められている法定雇用率が、平成25年4月1日より、民間企業が1.8%から2%に、国及び地方公共団体などが2.1%から2.3%に、都道府県などの教育委員会が2%から2.2%に引き上げとなります。
 これまでの県内における法定雇用率の遵守の実態をどのように把握されているのかお示し願います。また、民間に対して模範を示す意味からも、県がみずからも率先して取り組んでいくべきと考えますが、今後の具体的な対応策を含めた取り組みについてお伺いいたします。
 質問の第3、知的障がい者や難病患者の現状と今後の対策についてであります。
 1点目、高齢重度、最重度障がい者への地域生活支援についてであります。
 厚生労働省による平成17年11月に実施された知的障害児(者)基礎調査の概要は、知的障がい者(児童を含む)の数は54万7、000人と推計されております。そのうち76.6%、41万9、000人が在宅となっております。在宅の39.3%、16万4、600人は、重度10万2、200人、最重度6万2、400人となっております。年齢別に見ますと、50歳以上の重度者は1万4、500人、最重度者は4、600人で、合わせて1万9、100人の4.6%と推計されております。
 ①岩手県内における知的障がい者数や在宅による年齢別の障がい者数などの基礎調査の概要に沿った内容について、どのように把握されているのか具体的にお示し願います。
 ②障がい者自身の高齢化と重度化への進行とともに、保護者である両親の高齢化が進んでいることは推察できます。ある通所施設においては、利用者の平均年齢は35歳ですが、保護者の平均年齢は63歳、最高齢の保護者は88歳であり、既に御両親が他界されたり、片親だけになられた方なども年々増加傾向にあります。
 50歳以上の重度、最重度の障がい者の皆様の現状認識と在宅を含めた日常生活実態を、どのように把握されているのかお伺いいたします。
 ③障害者自立支援法のもとでは、日中活動の場や夜間における生活の場を機能させ、障がい者が地域の中で生活ができるような社会の実現を示しておりますが、24時間365日の支援の仕組みが見えてこない現状にあると考えております。特に重度、最重度の高齢障がい者が、地域において安全で安心して暮らせる環境を実現する施策を進めなければならないと考えておりますが、岩手県としての独自の取り組みなどについてお伺いいたします。
 次に、2点目、難病疾患への対応についてであります。
 平成24年4月に岩手県難病・疾病団体連絡協議会と岩手県立大学看護学部による難病患者等の震災後の日常生活状況と社会福祉ニーズに関するアンケート調査報告書が出されました。
 今回の調査の目的は、岩手県内の難病及び慢性疾患者の療養と生活の実態を把握し、本県の患者、家族支援の課題を明らかにするとともに、今後の難病対策事業に反映させる、また、東日本大震災津波による難病及び慢性疾患患者の被災後の健康状態や日常生活の状況を把握し、医療や避難生活上の問題点を明らかにするとともに、これからの患者、家族に対する防災対策の一助とするであります。
 調査対象は、岩手県難病連に加入している34団体の会員2、069名、及び東日本大震災津波の被害が甚大であった岩手県の沿岸地区在住の特定疾患医療費受給者1、702名の合計3、771名です。
 結果の中で特徴的なことは、50歳以上が74.8%、1人または2人世帯が42.5%であり、高齢化による今後の不安を抱えている現状が浮き彫りになっております。また、災害時要援護者支援制度について知っているのは10.9%にとどまり、東日本大震災津波による犠牲となった方は、かなりの数ではなかったかと想像できる結果と考えております。
 そこでお伺いしますが、今回のアンケート調査の対象となった県内の難病患者の総数はどうなっているか、また、現状の課題と今後の対応策について具体的にお答え願います。
 被災された皆様の体験談をお聞きしますと、難病患者を含めた障がい者用の避難施設の必要性と在宅による被災者への支援のあり方や薬の確保と医療機器の電源の確保など、命にかかわる対策が求められております。それらについては早急に対応しなければならないと考えますが、現段階での取り組み状況についてお伺いいたします。
 質問の第4、復興における現状と今後の対策についてであります。
 1点目、復興事業における必要な職人の確保に関する対策についてであります。
 今後、復興事業の契約が進み、現場での作業が本格的に開始された段階で、岩手県内での必要な職人の確保が厳しい状況にあるのではないかと推察しております。
 予算要求及び設計の段階において、職人の必要数がどの程度確保できるか予測した上で計画しているのかお伺いいたします。また、どの職種の職人が不足しているのかお伺いいたします。
 資格の保有や手に職を持っていながら生かし切れていない技術者や職人を探し出し、仕事をしていただくための受け皿が求められているとも聞いております。職業訓練による人材育成も同時に進めなければなりませんが、県内に潜在している有効な人材の活用についても顕在化していく必要性があると考えております。そのことに対する取り組み状況についてお伺いいたします。
 職人を確保する上で、賃金の水準についても要因の一つと考えます。契約上の労務単価と現場における支払い単価の現状をどのように把握されているのか、想定以上の乖離がある場合の対策はどのようになっているのか、お伺いいたします。
 次に、2点目、復興事業関係の従事者などの宿泊施設の確保についてであります。
 今後、復興事業が本格的に動き出した場合に、沿岸部における復興事業従事者などの宿泊施設不足問題がさらに拡大するとの懸念を抱いております。既存の宿泊施設は限られている上に、既に活用されております。加えて、復興支援ツアーなどの観光客の受け入れにも影響が出てくるのではないかと心配しております。
 このことについてどのように認識し、対応しようとしているのかお伺いいたします。
 3点目、災害復興公営住宅の設計における構造などの考え方についてであります。
 今なお、仮設住宅や仮設みなし住宅などに5万7、562人、2万3、756戸の皆様が、厳しい生活を余儀なくされております。被災者などを対象とするアンケート調査の結果を見ると、自宅再建が難しいことから公営住宅建設推進を求める意見が見受けられますが、岩手の資源を有効に活用し、自然災害に強く、入居者による多様なエネルギーが選択できる上に、高気密、高断熱による省エネルギーを考慮した公営住宅であるべきと考えます。
 そのためには、従来の基準ではなく、将来を見据えた新たな基準による構造の設計が必要です。これらのことを踏まえた上で、これまでの基準から、震災で経験したことをどのように生かした基準とするのか、具体的にお示し願います。
 質問の第5、青少年の健全育成とスポーツ振興並びに国体への対応についてであります。
 1点目、今年度の県高校総体並びに東北大会の結果における所感についてであります。
 国体の始まりは、戦後の荒廃と混乱の中で、スポーツを通じて国民に、とりわけ青少年に勇気と希望を与えようと開催されたものであり、東日本大震災津波からの復興をシンボルに進める現在の状況は、原点に近いものと考えます。復興後の岩手を担う青少年の健全育成は、大きな力になることは間違いありません。
 今年度の県高校総合体育大会は、東日本大震災津波から1年が経過し、被災地の高校におきましても徐々に環境が整備されてきておりますが、昨年とことしを比較しての開催状況についてお伺いいたします。
 2016年開催の岩手国体は、現在の高校生などが主力となるものと考えますが、今回の高校総体の結果と東北大会における現状のレベルについて、どのように受けとめているのか、全国に通用する競技の現状と今後の育成についてお伺いいたします。加えて、中総体を含めて今後の中学生への育成対応についても、あわせてお願いいたします。
 次に、2点目、スポーツにおける男女共同参画の拡大についてであります。
 なでしこジャパンの世界制覇など女性チームによる競技種目は拡大されており、競技人口も徐々にではありますが増加傾向にあります。男女共同参画社会において、優秀な才能を持ちながら、その力を発揮する場がないために、その競技をあきらめなければならない女性がいる現状もあります。
 その一つとして、女子硬式野球があります。他県においては、高校の部活動として発足の動きがあるようですが、本県の現状についてどのように把握されているのかお伺いいたします。本県において動きが出た場合、支援のあり方についての考えがあれば、あわせてお願いいたします。また、硬式野球以外の女性の競技人口が少ない種目におけるチームの状況についてお伺いいたします。
 次に、3点目、PFIによる国体に関連した運動施設の建設などについてであります。
 第71回国民体育大会の基本目標は、県民の総力を結集して、夢と感動を与え、復興のシンボルとなる国体であります。このことを実現するために、県民等との協働を基本とする開かれた新しい岩手型国体の開催であり、県内外から国体開催経費への協力を得るなどしております。
 国体改革への積極的な対応として、既存施設の最大限の簡素、効率化に努めるなど、震災対応による厳しい財政事情を反映しております。しかし、会場となる競技施設の第2次整備計画の状況を見ますと、改修35、仮設5、既設14、検討中13となっております。一例として、県営野球場は検討中となっておりますが、昭和45年第25回岩手国体のためにつくられ41年が経過しております。当時からこれまでに大切に活用しておりますので、立派ではありますが、老朽化は隠せません。先例にとらわれない新しい岩手型国体として開催するならば、施設整備においても、これまでにないPFI事業を導入した対応はできないものでしょうか。
 厳しい財政事情において、必要な社会資本の新規投資及び震災復興や耐震化を含む維持管理を行うためには、民間の資金やノウハウの活用が喫緊の課題と言われております。今後、復興事業と国体準備を並行して進めるとすれば、かなりのマンパワーが予測されます。現状の計画では改修等が中心となっていますが、改めて、国体関連施設の整備方針の一つとしてPFIの導入についても検討する価値はあると考えます。
 このことについて検討した経緯はあるのかを含めて、今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、質問の第6、産業再生としての復興支援観光への取り組みについてであります。
 晴天の中行われた東北六魂祭が、心配したような混乱もなく、予想以上の人出により成功したものと思われますが、経済効果を含めた評価と課題についてお伺いいたします。
 盛岡さんさ踊りや県内の夏祭りに連動した誘客事業は、これまでの取り組みにより整備されてきた二次交通を含めた交通網をさらに充実し、あらゆる交通手段を有効に活用した事業展開を進めていく必要があります。そのためには、これまでの実績を精査した上で、効果が期待できる新たな発想も必要であります。
 復興支援ツアーなどの陸路、空路、海路による実績をお示し願います。また、成果と課題について、あわせてお伺いいたします。
 質問の第7、公契約条例の制定についてであります。
 2009年5月、国会において公共サービス基本法が成立いたしました。基本法は、行政サービスについての基本的な考え方を定めるとともに、国、地方公共団体などの責務を明記しており、また、官民を問わず、公共サービスに従事する者の適正な労働条件の確保と労働環境の整備に関して、必要な施策を講じることを求めております。
 2点目、現状の公契約についての認識についてであります。
 これまで、国や地方自治体から公共サービスの外部委託や民間への公共工事委託事業などが増大しております。深刻な財政難を理由として、公共サービスの効率化やコスト縮減が進む中で、低価格、低単価の契約、発注が増大しております。
 国や地方自治体は、契約・発注価格を大幅に引き下げ、その結果として、受注先企業の経営悪化、雇用の悪化、労働者の賃金、労働条件の著しい低下、その結果として、公共サービスの質の確保と公正労働基準の保障が失われることにつながっております。経営基盤の弱い地元企業や事業体も、契約を優先するが余り、一方的な価格の引き下げを受忍せざるを得ない状況に置かれております。
 建設部門の現状は、労働者の賃金が年々低下し、地域雇用への影響も大きく、不安定な状況にありました。また、これまで民間委託化は建設部門が主でありましたが、近年、あらゆる部門にわたって急増しております。国や地方自治体のサービスが民間に委託された場合、従来、正規の公務員が担ってきたサービスに従事する民間労働者の賃金、労働条件は、同一業務を担っていた公務員の処遇よりも相当に低くなっているという現状があります。
 本県においても、昨年の東日本大震災津波から1年3カ月が経過し、復興事業に着手しておりますが、本県の公契約の現場における現状について、どのような認識を持っているのかお示し願います。
 3点目、公契約条例に係る課題についてであります。
 岩手県におきましては、平成17年3月24日付で公契約法制定など公共事業における建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書が、衆参両院議長及び内閣総理大臣ほか関係大臣あてに提出されております。同様の意見書が、2012年3月5日現在、33都府県から提出されておりますし、県内37議会においても、国に対しての意見書が採択されております。しかし、その後の動きとして積極的に対応している自治体は見受けられません。国とのかかわりや実際仕事をする市町村への影響などを考慮した上での慎重な対応をされている状況であるとは考えますが、具体的にどのような課題があり、どの程度検討しているのかお伺いいたします。
 4点目、公契約の条例の制定についてであります。
 これまでも述べてまいりましたが、公契約条例制定の意義としては、一つは、自治体が公共サービスを提供するに当たり、適正な競争環境を整えることにより公正競争の実現、そして、そのことによって、公共サービスの質や安全を担保し、もって、人々の人間らしい生活を営む権利を具体的に保障することであります。
 今後の復興事業から、復興後の新しい岩手県において持続可能なまちづくりを進めるに当たり、良質な公共サービスを確保することにより、貧困や格差問題を解決するために人間らしい仕事が不可欠であります。働く者も事業者も、そしてその地域に暮らす住民も行政も、すべてのかかわりが対等、平等の関係にならなければなりません。そのための一つのツールに、公契約条例は必要であると考えております。
 以上のことから、本条例制定について、いわて県民計画を推進する上でも積極的に取り組むべきであると考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
 以上、舌足らずの点もありましたけれども、前向きな御答弁をお願いし、一たん終わります。
 なお、答弁の内容によっては再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 軽石義則議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、ボクシングの八重樫選手の世界戦に対する所感についてでありますが、さきの八重樫東選手の王座統一戦では、八重樫選手の打たれてもなお果敢に挑み続ける姿に、岩手県人の底力を改めて実感し、大きな感動と勇気を与えてもらいました。惜しくも敗れはしましたが、その姿は、東日本大震災津波からの復興に向けて前進する県民の皆さんの心、そして全国の皆さんの心に強く響いたものと考えております。
 佐藤洋太選手についても、先日表敬をいただきまして、私からも、直接、激励を申し上げました。八重樫選手の闘志も受けて、来る初防衛戦では、県民の期待にこたえるすばらしい戦いを見せてくれるものと信じています。
 ボクシングに限らず、女子ホッケーの田中泉樹選手、女子サッカーの岩清水梓選手がロンドンオリンピックの代表メンバーに選出されるなど、本県出身のスポーツ選手の活躍は、県民に大きな勇気と希望を与えているものであり、スポーツの持つ力というものは非常に大きく、復興の勢いにもつながるものと考えます。
 こうしたスポーツを通じたパワーも生かしながら、大震災からの復興をなし遂げ、希望郷いわての実現に向けて、県民一丸となって前進してまいりたいと思います。
 次に、平成23年度における経済雇用対策の取り組み状況についてでありますが、平成23年度の雇用創出実績は目標を下回ったものの、震災後の急激に悪化した雇用情勢に対応するため、雇用対策基金事業を増額補正し、短期ではありますが相当数の雇用を創出し、内陸での自動車産業などの生産活動の活発化と相まって、平成24年3月には、有効求人倍率が0.81倍まで回復するなど、雇用情勢の改善に一定の効果があったものと認識しております。
 また、緊急雇用創出事業により、避難所での物資の配布や瓦れきの分別、仮設住宅の見回り支援などの事業を実施し被災地で雇用を創出するとともに、復旧、復興に寄与したものと考えております。
 一方、求職者からは、長期安定的な仕事を望む意見が多いことや、震災前に勤務していた事業所の再開を待っている求職者もいることなどから、被災事業所の再開による雇用の場の回復、安定的な雇用の創出、マッチングの促進が課題であると認識しております。
 このような課題に対応するため、平成24年度は、産業振興施策による雇用創出や、事業復興型雇用創出助成金の対象事業を大幅に拡大して活用を促進するとともに、職業訓練コースの拡充やきめ細かな生活、就業支援を行うなど、引き続き雇用対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、重度、最重度の高齢障がい者に対する県の取り組みについてでありますが、重度の知的障がいのある高齢の方々を初め障がいのあるすべての方々が、希望する地域で、個人としての尊厳を持ちながら安心して生活を送ることができる地域づくりが、共に生きるいわての実現を目指す障がい者施策の重要な柱であります。このため、居宅介護や短期入所などの必要なサービスや相談支援が適切に受けられるよう、包括的なサービス提供体制の強化、充実を図るとともに、民生委員や自治会、ボランティアなどによる見守りや支え合いなどの地域力を生かした活動を展開し、在宅の重度の知的障がい者の方々が、地域で安心して生活できるような体制を構築してまいります。
 次に、PFIによる国体施設等の整備についてでありますが、本県においては、東日本大震災津波からの復旧、復興を最重点で進める必要があることなどから、国体の競技施設の整備については既存施設を最大限活用し、国体改革の理念に沿って、簡素、効率化に努めることを基本として進めることとされています。
 平成28年の国体の競技施設の整備に関しましては、大規模な競技施設の新設を想定していないこと、平成27年の国体リハーサル大会までに整備を終えなければならない施設も多い中で、一般的にPFI事業の導入には実施方針策定から事業者選定、契約まで2年から3年程度を要し、その後の施設整備の期間等も考慮するとPFIの導入は難しいものと考えていますが、今後、社会体育施設などを新たに整備する場合には、PFI事業の活用は整備手法の選択肢の一つとして考えられるところであります。
 次に、公契約条例の制定についてでありますが、公共工事を初めとして公共サービスの契約の履行に当たっては、従事する労働者の賃金について適正な水準が確保されることは重要であります。
 適正な賃金水準の確保に向けては、積算単価の改善や最低賃金の見直しなどさまざまな方策があり、社会経済情勢や雇用情勢に応じ、関係機関へ働きかけを行い対策を講じております。
 公契約条例については、こうした方策の一環として、その当否や有効性を含め幅広に研究してまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので御了承をお願いします。
   〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、雇用保険切れの失業者及び就職ミスマッチ対策等についてでありますが、求職者が企業から直接説明を聞くことができる面接会は職業選択の視野を広げることができ、就職活動を進める上では非常に有効であると考えております。そのため、国や県、市町村、各民間団体等が主催者となり、平成23年度は、沿岸地域で10回、内陸地域で40回、東京で2回、計52回の就職面接会が開催されたところでございます。沿岸地域では食品加工業、内陸地域では自動車関連企業など、地域によって参加する企業に特色が見られるところでございます。
 被災地支援のため、県が、宮古、釜石、大船渡で開催した就職面接会では、62社、367人の参加があり、年齢が高いこと等のため30人の就職決定にとどまりましたが、就職に至らなかった方につきましては、今年度も就職面接会を開催するなど、継続して就業支援を行うこととしております。
 また、雇用保険の受給期間満了の見通しについてでありますが、岩手労働局の発表によりますと、6月22日現在、広域延長給付受給中の方は1、258人であり、9月末の指定期間満了と同時に、受給終了となる人数も同程度と見込まれております。そのため、受給終了前の就職に向けて、ハローワークやジョブカフェ等の就職相談において、就職者個々の適性に合わせた支援を行います。あわせて、緊急雇用創出事業でつなぎとして当面の雇用の場を確保するなど、対策を講じてまいります。
 次に、職業訓練の状況についてでありますが、平成23年度の離職者等を対象とした職業訓練の実績は、定員1、869人に対し1、682人が受講し、5月末現在の就職率は70.2%となっております。昨年度は、復興需要に対応した建設関係の職業訓練の拡充を図りながら早期の再就職を支援してきた結果、就職率は平成22年度の62.6%を上回っております。
 今後とも、就職率を高めるため、ハローワーク等との連携を強化し、地域の雇用情勢の変化を的確にとらえ、必要な職業訓練を実施してまいります。
 また、被災した訓練施設につきましては、県内22職業訓練施設のうち、震災のため訓練中止を余儀なくされた施設は4施設であり、このうち2施設は補修等により訓練を再開、2施設が訓練を休止しております。
 県立大船渡職業能力開発センターにつきましては、津波により建物すべてが冠水し、現在、訓練を休止しておりますが、今後の方向につきましては、気仙地域の関係団体と協議していくこととしております。
 同様に、訓練休止中の民間の陸前高田高等職業訓練校につきましては、今後の訓練再開に向けて、市及び訓練協会において検討中と伺っており、県といたしましては、地元の意向を踏まえながら、再建への支援を行うこととしております。
 また、新たな職業訓練につきましては、県職業能力開発計画において、情報通信、次世代自動車等の成長が見込まれる分野、再生可能エネルギーや省電力などのエネルギー関連分野の職業訓練が必要と位置づけております。このうち、太陽光発電システムの設置工事などに対応した人材の育成を図るため、エネルギー関連分野の職業訓練を今年度から実施いたします。
 今後とも、地域産業のニーズを把握しながら、雇用の需要が見込まれる分野について、適時適切な訓練を実施してまいります。
 次に、平成24年3月新卒者の就職状況についてでありますが、未内定のまま高校を卒業した生徒に対しては、各学校を通じて、ジョブカフェへの利用登録を呼びかけ、個々の能力や適性に応じ、就職に向けた支援を継続してきております。その結果、5月までにジョブカフェに登録した43人を支援し、うち32人の就職が決定し、11人が就職活動を継続中であります。
 なお、未就職のまま卒業した原因につきましては、希望する求人が見つからなかったことなどが考えられるところでございます。
 また、平成23年3月卒の未就職者につきましては、ジョブカフェに登録した74人のうち、平成23年度末までに51人の就職が決定しておりますが、登録者それぞれの状況に応じた個別の支援方策を講じることが課題であり、引き続きハローワークなど関係機関と連携をとりながら、支援を行っているところでございます。
 次に、平成25年3月新卒者の就職率向上に向けた課題と対策についてでありますが、就職率向上のためには、まず、求人数を早期に確保することが肝要と考えております。このため、県では、県内就職を促進するため、高卒求人受付開始前の本年6月12日に、知事、岩手労働局長、盛岡市副市長が経済団体に対し、新規学卒者の採用枠の確保や求人票の早期提出を要請したところです。また、各地域におきましても、広域振興局がハローワーク、市町村とともに同様の要請を行っております。
 あわせて、県の就業支援員が高校を訪問し、就職を希望する生徒の職業観の醸成のため就職相談や面接指導などを行っており、今後も、こうした取り組みを通じて就職率の向上を図ってまいります。
 次に、県内における障がい者の法定雇用率の遵守状況についてでありますが、平成23年6月1日現在で岩手労働局がまとめた結果によりますと、民間企業は、法定雇用率1.8%に対し1.77%の実績となっており、法定の率を達成した企業の割合は51.6%となっております。地方公共団体の機関は、法定雇用率2.1%に対し、実績が、県は2.30%、市町村は2.22%となっており、県は100%、市町村は93.3%が達成しております。県等の教育委員会は、法定雇用率2.0%に対し、実績が1.75%となっております。
 次に、平成25年4月1日からの法定雇用率の引き上げに向けての取り組みでありますが、県におきましては、一般職及び教員とも、引き続き身体障がい者の選考採用を実施して、一層の雇用率の向上に努めてまいります。
 また、民間企業に対しては、県の就業支援員が事業所を訪問して障がい者の雇用促進の要請を行うとともに、障がい者の就労を支援する人材の育成、障がい者の態様に応じた多様な職業訓練などを実施して、意識啓発と雇用促進を図ってまいります。
 次に、東北六魂祭の評価と課題についてでありますが、この祭典での観光客入り込み数は約24万3、000人であり、財団法人岩手経済研究所が行ったいわてDCの観光客入り込み数の目標に伴う経済波及効果額103億9、100万円をもとに試算いたしますと、経済波及効果額は22億円程度となり、大きな経済効果があったものと評価しております。
 さらには、この祭典において、盛岡さんさ踊りを初め盛岡秋祭り、沿岸被災地の郷土芸能などの魅力をPRできたことは、今後の誘客にも効果があったものととらえております。一方、県外観光客からは、盛岡さんさ踊りを初めとする本県郷土芸能はすばらしかったが今まで知らなかったとの声があり、知名度の向上が今後の課題であると改めて認識したところであります。
 これまで、いわてDCにおける首都圏JR主要駅での誘客イベントや、地元でのおもてなしイベントによる盛岡さんさ踊りなどのPRに取り組んできたところでありますが、今後は、さらに全国紙への広告掲載など、マスメディアの活用による情報発信を強化し誘客に努めるとともに、これらイベントに訪れる観光客の県内回遊の促進やリピーターの確保にも取り組んでまいります。
 次に、復興支援ツアーの実績、成果及び課題についてでありますが、県内外の旅行会社がさまざまな復興支援ツアーを実施しております。参加人員等の正確な把握は困難でありますが、県が把握しているところでは、陸路によるもののうち、いわてDCで実施した内陸と沿岸被災地とを結ぶ3コースの復興応援バスツアーの販売実績が延べ2、218人、空路による旅行者は、平成23年度のいわて花巻空港のビジネス等を含めた利用者総数が約30万3、000人、海路による旅行者は、平成23年度に大船渡港に寄港した観光クルーズ船の乗船客数が約1、000人となっております。
 こうした復興支援ツアー等により、被災地の現状理解が深まるとともに、宿泊や飲食、土産品購入等による一定の経済効果があったものと認識をしております。
 今後におきましては、沿岸部での経済効果の拡大を図るため、中小企業グループ補助金等により、宿泊事業者の早期事業再開を支援してまいります。
 あわせて、いわてDC以降の復興応援バスツアーの定着を図るとともに、陸路、海路、空路を活用した旅行商品のさらなる造成に向けて旅行会社へのプロモーションを強化し、全国からの誘客促進に努めてまいります。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、岩手県内の知的障がい者の現状についてでありますが、岩手県内の知的障がい者数を平成22年3月末の療育手帳所持者数で申し上げますと、1万141人となっております。一方、平成22年4月1日現在における県内の障がい者施設入所者数は1、453人でありますことから、療育手帳所持者数からこの施設入所者数を差し引いた約8、690人、割合にして約86%の方が、在宅で生活している知的障がい児者と推計しております。また、在宅の知的障がい児者数のうち重度と区分している方は約2、970人、割合にして約34%となっております。
 なお、重度者の方に係る年齢別の詳細な数値は把握しておりませんが、国の知的障害児(者)基礎調査による在宅の知的障がい者数のうち、50歳以上の重度者の割合が4.6%でありますことから、この割合をもとに本県の50歳以上の重度者を推計すると、約400人程度と見込まれているところであります。
 次に、高齢の知的障がい者の生活実態等についてでありますが、高齢の重度障がい者のうち、在宅の方の多くは、ホームヘルプなどの訪問系サービスや生活介護などの通所サービスを利用し、家族の介護や地域における民生委員や近隣住民の方々から見守りなどの支援を受けながら生活されている実態にあると承知しております。しかし、親など介護者の高齢化に伴い、在宅での生活に不安を感じる方が増加していくものと考えており、先ほど知事から御答弁申し上げましたとおり、これらの方々が引き続き在宅で安心して生活できる支援体制の構築に向け、包括的なサービス提供の強化、充実を図るとともに、地域力を生かした見守りや支え合いなどの活動を展開してまいります。
 次に、難病患者対策についてでありますが、まず、難病患者の実態と課題、対策等についてでありますが、県内の難病患者のうち、特定疾患治療研究事業による医療受給者証の交付者数は、平成24年3月末現在で56疾患、8、424人であり、パーキンソン病等の神経難病患者などの増加に伴い、患者数全体も年々増加傾向にあります。これらの方々は、長期にわたり専門的な治療が必要なことから医療費の負担が大きく、また、日常生活や就労においてさまざまな不安や悩みを抱えている状況にあります。このため、県では、56疾患の難病の患者に対して医療費を助成するとともに、難病医療拠点病院、協力病院を指定し、医療体制の確保を図っております。
 また、日常生活の質の向上を図るため、県難病相談・支援センターを設置し、各種相談支援、患者交流会や就労支援等を行うとともに、拠点病院である岩手医科大学附属病院に難病医療専門員を配置するほか、各保健所においても、難病患者を対象とした訪問相談や医療相談等を実施しているところであり、今後においても、なお一層、取り組みを進めてまいります。
 次に、震災時等の対策についてでありますが、まず、難病患者など、通常の避難所での生活が困難な方々の避難施設につきましては、市町村が社会福祉施設等を福祉避難所に指定し受け入れ態勢を講じてきましたが、今般の震災では施設数の不足が指摘されたところであり、その指定の取り組みを進めております。
 また、在宅被災者への支援につきましては、筋萎縮性側索硬化症など在宅で人工呼吸器を使用している難病患者などに対し、各地域で保健所と市町村が連携し、災害時の安否確認や避難支援体制の取り組みを推進しております。
 また、薬の確保につきましては、県と岩手県薬剤師会との協定に基づき、県内の薬局が難病患者を含む被災者に薬を供給する体制となっておりますが、今般の震災においてお薬手帳により薬の処方が円滑に進んだことから、その普及を推進しております。
 さらに、医療機器の電源の確保につきましては、県内の難病医療拠点病院、協力病院に非常用自家発電機等を整備し、在宅の難病患者に無償で貸し出すことにより、停電時等の安全確保に努めております。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) まず、復興事業に必要な職人の確保についてでありますが、予算につきましては、県の復興計画が目標の期間内に実現するために必要となる規模を措置しております。
 職人別の内訳につきましては把握が非常に難しい状況ですが、県関係の工事量から就労者数を推定いたしますと、少なくても1日当たり3、000人以上の就労者が必要と見込まれております。
 次に、職人の不足についてでありますが、4月に行った沿岸部の建設業協会各支部との意見交換会で、震災直後、本県の職人が宮城県の民間復旧工事に従事していたことなどを聞いておりますし、また、特に型枠工や鉄筋工などの職人が不足しているということも伺っております。
 次に、潜在する技術者や職人の活用についてでありますが、県では、退職や離職した技術者などを雇用しやすくするために、従来、配置技術者につきましては、3カ月以上の常勤雇用を入札条件としておりました。被災地における復旧、復興工事におきましては、これを応札の日までに雇用していればよいということにしたところであります。これとあわせて、ハローワークの活用を図るなど、潜在する技術者や職人の掘り起こしに取り組み、有効な人材の活用に努めてまいります。
 次に、労務単価と支払い単価についてでありますが、労務単価につきまして、従来、年1回の改定を行ったところでありますが、震災後は年4回程度見直し、急激な上昇にも速やかに対応できるよう対策されたところであります。これを受けまして、本年2月、6月に改定が行われており、できるだけ支払い単価を反映するよう対応しているところであります。
 さらに、今般、国において、価格の変動が著しい特定の地域の特定の労務費につきまして、見積もり等により積算に反映させる方針を示したところでありまして、これを受けまして、県としても、価格変動が著しい特定の地域の労務費等について見積もりを活用することや、地域外からの労働者の宿泊等に要する費用につきまして、実費支出に対応した設計変更を行うことにより、職人等の労働力の確保に努めてまいります。
 次に、宿泊施設の確保についてでありますが、今後、復旧、復興工事の本格化に伴い、沿岸部においては相当規模の労働者の宿泊需要が生じるものと認識しております。また、被災地においては、多くの宿泊施設も被災しておりまして宿泊能力が限られ、観光需要などにも影響があることも承知しております。
 このような状況から、業界においては、釜石市、山田町などで労働者向けの宿泊施設の建設が始まっていると聞いております。これらの宿泊施設の建設や経営が経済活動として成立していきますよう、県におきましては、国に対して労働者の宿泊にかかる費用を積算に計上できるよう、要望していたところであります。
 このたび、国からは、被災地以外からの労働者確保に要する費用につきまして、実績に伴い設計変更により対応する旨の方針が示されたところであり、県においてもこれに即した対応を行うこととし、業界団体等に対して、労働者の宿泊施設の建設について働きかけてまいります。
 次に、災害公営住宅の設計における構造の考え方についてでありますが、今回の東日本大震災においては、建築基準法の新耐震基準に従って構造設計された本県の公営住宅には、倒壊や構造躯体の損傷がありませんでした。よって、災害公営住宅も、新耐震基準に従って構造設計を行ってまいります。
 また、入居者の多様なエネルギー選択が可能となりますよう、ガスコンロだけではなく、据置型のIHクッキングヒーターの使用や高効率のヒートポンプエアコン機種にも対応するよう、200ボルトのコンセントや配線を行うことにしたいと思います。
 さらに、気密性や断熱性の確保につきましては、次世代省エネルギー基準に従ったものとするほか、遮音性能やバリアフリー性能などについても、国が定めた基準以上の性能となりますよう、将来にわたり快適に使用できる住宅にしてまいります。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) まず、現状の公契約についての認識についてでございますが、公契約には、建設工事から施設の管理、相談業務等に至るまでさまざまな内容がございまして、一概に現状を把握することは困難な面がございます。
 公契約に基づく業務に従事する労働者の処遇水準に関しましては、常勤の公務員の処遇との比較を含めさまざまな指摘があることは承知しておりますが、公契約に基づく業務の遂行にありましても、労働関係法規の適用があり、労働者に係る最低限の処遇水準は、確保されているものと認識しております。
 次に、公契約条例の課題と検討状況についてでございます。
 そもそも発注者といたしまして、契約当事者間の労働契約に基づき決定される賃金その他の労働条件に対し、どのように関与していくべきかという課題に加えまして、公契約に伴う下請関係のどこまでを規律するのか、さまざまな契約内容に応じた適切な労働条件を詳細に設定することが可能であるかなど、解決すべき技術的課題が多々存するところでございます。
 現在は、野田市等先行自治体の条例内容を収集し、これらの課題についてどう整理しているのか検討しているところでございます。今後におきましても、先行自治体の運用状況や国の動向を注視しつつ、検討を重ねてまいりたいと考えております。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) 高校生の県内就職の向上等についてでありますが、まず、高校生の県内就職のこれまでの推移につきましては、岩手労働局によりますと、就職者全体に占める県内就職者の割合は、平成21年度54%、平成22年度57%、平成23年度58%と徐々にふえている状況にございます。
 次に、県内就職の向上については、県内を希望する生徒が一人でも多く就職できるよう、学校ごとに企業見学やインターシップ等を通じて生徒の県内企業への理解が一層深まるよう努めているところでありますし、また、各学校の教員や県内28校に配置している就職支援相談補助員が、各広域振興局の就業支援員やハローワークの高卒就職ジョブサポーターなどと連携し、積極的な求人開拓など、県内企業に対する働きかけを行っているところであります。
 また、地域キャリア教育支援協議会─仮称でございますが─への対応についてでありますが、この組織は、首長が主宰する雇用戦略対話において合意された若者雇用戦略に盛り込まれた施策の一つであり、各都道府県等の地域ごとに設置することとされたところであります。
 今後、国において、教育界、産業界、政府等の関係者で構成される組織を設置し、この協議会のあり方や具体的な進め方について議論を進めることとされておりますので、県といたしましては、議論の進展を注視しつつ適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、今年度の県高校総体並びに東北大会の結果についてでありますが、まず、県高校総体の開催状況ですが、昨年度中止となったヨット競技が宮古市で開催されるなど、少しずつではありますが、震災前の状況に近づいている状況にございます。
 また、昨年度は、被災生徒の大会出場に際しましては日本ユニセフ協会の全面的な支援をいただきましたが、今年度から、いわての学び希望基金を財源とした県の事業により大会参加を支援しているところでございます。
 高校総体の結果についてでありますが、弓道男子の福岡高校やハンドボール男子の不来方高校など、昨年度の全国大会で活躍したチームが、ことしも安定した戦いぶりで県大会を制覇いたしました。
 東北高校選手権大会でも、男女とも県勢の優勝となったハンドボールを初め、弓道、ボクシング、ホッケーなど、ここ数年来、本県のレベルの高さを示している競技は、インターハイでも活躍が期待できると考えております。
 2016年の国体に向けて、全国に通用する可能性のある競技については重点的な強化を図っていくほか、開催年に少年種別の中心となる中学生の強化については、合宿及び練習会等の強化事業を進めるとともに、今後、強化対象選手を選定するなど、集中的なレベルアップを図っていくこととしております。
 また、各競技団体の一貫指導システムの効率的な運用を図り、中学生、高校生を系統的に育成するための指導体制の充実についても取り組んでまいります。
 次に、スポーツにおける男女共同参画の拡大についてであります。
 本県で高校野球の部活動に参加している女子生徒は、軟式野球に1名おりますが、全国を見ますと、日本高等学校野球連盟とは別に全国高校女子硬式野球連盟が組織され、全国で9校が加盟し、全国大会も開催されているという状況にございます。
 本県において、硬式野球に取り組む女子が出てきた場合、他県の状況等も参考にしながら、県としてどのような対応が図れるか検討してまいりたいと考えております。
 その他の競技の状況についてでありますが、インターハイに女子の実施種目がないラグビーフットボール、ボクシング、ウエートリフティング、自転車、レスリング、スキージャンプなどの競技でも、県内の高校の部活動に参加し、活動を続けながら、競技団体が主催する大会に出場しております。
 今後とも、競技団体等関係機関と連携を図りながら、女子競技スポーツの振興に努めてまいります。
〇8番(軽石義則君) ありがとうございました。それでは、今までお答えいただいた内容につきまして、改めて、さらに深める意味で質問をさせていただきたいと思います。
 まず、1点目の県民に勇気と希望を与える活躍の評価についてでありますけれども、知事から、八重樫選手初め、各スポーツ界で活躍する選手の皆さんに対する評価についてはお聞きいたしましたけれども、今回、特にも八重樫選手があのようにすばらしい試合ができたのは、やはり被災した皆さんを初めとした県民の気持ちを受けて挑んだところもあったと思っております。王座統一戦であるプレッシャー、そして、その県民の思いのプレッシャーも含めての戦いであり、その中では、岩手だけではなくて、日本中を感動させ、また、防衛戦を控えている佐藤洋太選手にも大きな勇気を与えたと考えておりまして、岩手県にとっても、大変意義あることではなかったかと思っております。
 県民に大きな勇気と希望を与えるようなすばらしい活躍をした場合は、県としてその活躍を評価すること、まさに努力すれば報われる社会、希望郷いわてを実感できるものとしていかなければならないと考えております。
 県には、県民栄誉賞という制度がありまして、過去にも、すばらしい活躍をしたスポーツ選手などが表彰されておりますけれども、今回の八重樫選手、または佐藤選手などは、県民栄誉賞を与える価値ある活躍ではなかったかと考えておりますが、この際、県民栄誉賞の候補として検討する思いがあるかないか、県のお考えをお聞きいたします。
 2点目であります。雇用対策についてでありますけれども、被災失業者などの雇用ミスマッチ対策についての御答弁をいただきましたが、現実の問題として、求職者が求める条件と求人に付される条件との折り合いがつかないことによって、実際の就職までに結びついていないケースが多いのではないかとやはり考えております。現場における課題を明確にしていかなければ有効な対策が生み出されないことは、これまでの経験が示しております。
 このような求人と求職がマッチしない要因について、具体的にどのように分析をされているのか、改めて御認識をお伺いいたします。また、その分析を踏まえた上で、国や市町村、関係機関などとの連携、役割分担を適切に行いながら、協力して取り組みをしなければいけないという思いはありますけれども、このような観点について、今後どのような対策をとっていくのかもお伺いいたします。
 3点目、職業訓練についてであります。
 職業訓練について改めてまたお聞きしますけれども、先ほど、被災地ではまだ休止中、検討中という答えが含まれておりましたけれども、先日のテレビ報道で、宮城県において、ふんばろう東日本支援プロジェクトというボランティアプロジェクトによる重機免許取得プロジェクトが実施されていることが放送されておりました。この重機免許取得プロジェクトは、重機免許を取得し、瓦れき撤去などの復興事業を通じて発生する雇用拡大から、安定的な収入を得ていただくための取り組みとして、ボランティア団体が費用の全額を負担する資格支援プロジェクトであり、宮城県に先立って、本県の陸前高田市でも実施されたようであります。
 東日本大震災津波という未曾有の大震災のもとでは、行政だけではなく、こうした民間の取り組みをさらに積極的に支援、活用することも重要な取り組みであります。
 そこで伺いますけれども、本県におけるこうした民間主導の職業訓練の状況と今後の支援体制についてお示しを願います。
 4点目、総合型地域スポーツクラブについてであります。
 青少年の選手育成については、先ほど教育長から、競技団体の一貫指導や系統的な育成の充実をしていくという答弁がございました。私も、そういう取り組みは重要であり、今後も力を入れていくべきであると考えますけれども、一方では、地域密着型により、地域全体を底上げするような取り組みも大変重要であると考えております。
 そうした意味からも、総合型地域スポーツクラブの役割には大いに期待するところでもありますけれども、県内の総合型地域スポーツクラブの設置状況や取り組み状況がどのような現状なのかをお伺いいたします。
 中でも、北上市のNPO法人フォルダは、スポーツ以外の活動も含め、大変先進的な取り組みで成功していると聞いております。このNPO法人フォルダの取り組みを、県ではどのように受けとめているのかお伺いいたします。また、このような先進的な取り組みを県内に広く普及させていくことが、全県のレベルアップにもつながっていくものと考えますけれども、このことについての所感もお伺いいたします。
〇総務部長(加藤主税君) 県民に勇気と希望を与える活躍を評価する仕組みについてでございます。
 広く県民に敬愛され、県民に明るい希望と活力を与えることに顕著な業績のあった方につきまして、プロ、アマを問わず、その栄誉をたたえることを目的に、昭和59年度に県民栄誉賞を創設したところでございます。議員から御紹介があったところでございます。
 この県民栄誉賞につきましては、これまで3名3団体に授与してきておりますが、いずれも世界的な大会や全国最高峰の大会で優秀な成績をおさめたことに加え、本県の知名度の向上に寄与したこと、県民の皆様に深い感動と明るい希望、活力をもたらしたことなどを勘案いたしまして、総合的な見地から授与を決定しております。
 このような選考のこれまでの考え方でございますとか受賞実績を踏まえますと、今回の八重樫選手につきましては、さきのミニマム級王座統一戦で、残念ながら惜敗されたということでございまして、現時点では、県民栄誉賞授与の対象とはしていないところでございます。報道によりますれば、現役を続行される、捲土重来を期するということで明言されておられますことから、今後一層の活躍を期待したいと存じます。
 また、WBCスーパーフライ級チャンピオンの佐藤選手につきましても、これまでの考え方に照らしまして、現時点では、県民栄誉賞授与の対象とはしていないところでございます。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 雇用対策にかかわるミスマッチの問題についてでございますけれども、これまで実施してまいりましたアンケートやハローワークからの聞き取りによりますと、ミスマッチの要因といたしましては、職種や業種による求人、求職のアンバランス、正規、非正規の雇用形態、賃金、資格など求人の条件が求職者のニーズと合わないことなどが考えられ、さらに、沿岸部におきましては、震災前に勤務していた事業所の再開を待っておられる求職者もいると伺っているところでございます。
 こうした状況に対応するため、国、県、市町村及び商工団体と連携いたしまして、被災事業所の再開の支援に加えて、就職面接会の開催、被災求職者のニーズに応じた職業相談及び職業訓練を行っております。このような取り組みを引き続き連携を図りながら、ミスマッチの解消に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、職業訓練に関し、民間主導の職業訓練についてでございます。
 震災復興に係る民間主導の職業訓練につきましては、本県におきましては、陸前高田市で行われた重機免許取得プロジェクトのほか、介護員の養成訓練が同市で実施されていると把握しております。
 こうした取り組みは、震災直後において、被災求職者の就労意欲を奮い立たせるとともに、新たな生活のスタートを切るための力を与え、資格取得にも効果的な取り組みであったと認識しております。
 このため、県といたしましては、被災時はもとより、ニーズが急増した際などにおいても機動的な対応が期待できますことから、このような民間主導の取り組みに対しまして、必要に応じて運営面での相談対応や指導員のあっせんなどの支援を行ってまいりたいと考えております。
〇教育長(菅野洋樹君) 県内の総合型地域スポーツクラブの設置状況と取り組み状況についてでありますが、33市町村のうち30市町村が創設済みまたは創設準備中であり、全市町村設置の目標に向けて支援を行っているところでございます。
 多くのクラブにおいては、複数の種目が用意され、多世代にわたる住民の方々が、定期的、継続的にスポーツ活動を行っております。その中でも、総合型地域スポーツクラブ、NPO法人フォルダは、平成17年に設立され、その後、民間主体の考え方で地域や住民のスポーツに対するニーズを細やかにくみ上げて、工夫した活動を続けており、先進的なスポーツクラブであると認識しております。
 さらに、平成23、24年度の文部科学省地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト事業の拠点クラブに選定され、本来のクラブ運営に加えて、小学校や県内の総合型地域スポーツクラブにトップアスリートを派遣するなどの活動を進めているほか、県内外の新規クラブの創設等への支援にも積極的に取り組んでいただいております。
 このような先進的な取り組みを行うクラブが増加することにより、地域でのスポーツの普及をもたらすものと考えており、このような取り組みが県内各地で広がるよう取り組んでまいります。
〇8番(軽石義則君) ありがとうございました。それぞれ対応していただくという前向きな答弁をいただいております。ぜひとも実効あるものにしていただくことを強くお願いいたしますし、各関係団体との連携をさらに深めていただくこと、特にも、知的障がい者や難病患者の関連する団体の皆さんとは、よりきめ細かな意見交換をしていただくことによって、現状認識、課題解決に結びつくという思いでございますので、そのことを改めてお願いし、そして、最後に知事に、県民栄誉賞の対象とはなっていないようでありますが、ぜひとも、努力したら報われるというものが皆さんに伝わる一つの手法であるという思いでございます。そのことの所感をお聞きして、終わります。
〇知事(達増拓也君) あの試合は、私もちょうどテレビで見ておりまして、また、同時にツイッターでも私の感想を書きながら、また、いろいろな人たちの感想、コメントを見ておりました。一時は、ツイッターの日本の中での話題になっているというのが、1位ボクシング、2位八重樫というキーワードだったこともあり、非常に大きな感動を全国的に与えてくれたと思っておりまして、非常に特別の貢献があったと思っています。
〇議長(佐々木博君) この際、暫時休憩します。
   午後2時23分 休 憩
出席議員(48名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木 茂 光 君
3  番 小 泉 光 男 君
4  番 清 水 恭 一 君
5  番 佐々木 朋 和 君
6  番 名須川   晋 君
7  番 佐々木   努 君
8  番 軽 石 義 則 君
9  番 後 藤   完 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
12  番 福 井 せいじ 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 高 橋 但 馬 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 小 野   共 君
20  番 郷右近   浩 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 喜 多 正 敏 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
25  番 工 藤 勝 博 君
26  番 及 川 あつし 君
27  番 飯 澤   匡 君
28  番 高 橋 昌 造 君
29  番 五日市   王 君
30  番 関 根 敏 伸 君
31  番 小田島 峰 雄 君
32  番 大 宮 惇 幸 君
33  番 工 藤 大 輔 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 佐々木   博 君
41  番 田 村   誠 君
42  番 及 川 幸 子 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時43分 再開
〇議長(佐々木博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木努君。
   〔7番佐々木努君登壇〕(拍手)

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