平成22年2月定例会 第15回岩手県議会定例会 会議録

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〇45番(千葉伝君) 自由民主クラブの千葉伝であります。
 先ほどの工藤大輔議員と重なる部分もあると思われますが、緊急性にかんがみ、改めて、きのうから報道されている県発注工事をめぐる公正取引委員会の審決とその対応について質問を行います。
 まず、県当局は、昨日示された公正取引委員会の審決の内容を把握しているのでしょうか。把握しているとすれば、その内容をお示しください。
 次に、審決を受けた業者側が、今後どのような法手続を踏むと見込まれるのでしょうか。また、その見通しについて、県はどのように予測されているのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、この問題について、知事は、平成20年12月定例会の高橋雪文議員の一般質問に対し、雇用対策や経済対策は、建設業に限らず重要な政策課題として早急に取り組みたいと考えておりますが、指名停止措置は、雇用対策や経済対策とは別に、ルールに従って公平公正に対処することが求められると答弁されております。このたびの審決に際し、県は、基本的にどのような姿勢で臨まれるのか、見解をお示しください。
 次に、新聞報道では、独占禁止法に基づく排除勧告を受けた県内建設業のうち、審判を継続していた80社に対し、談合を認定する審決を示したとされています。もし排除勧告を受けた建設業者に12カ月の指名停止処分がなされた場合には、1年間は公共工事を全く受注できない状態となり、公共事業への依存度が高く民間工事も期待できない状況においては、企業経営の存続が困難をきわめ、関連企業を含め多くの企業が倒産などに追い込まれることが懸念されます。
 また、このことにより、多くの従業員は解雇を余儀なくされ、現下の経済不況の中では新たな職を求めるすべがなく、家庭や地域の崩壊につながりかねない悲惨な事態となることが憂慮されます。
 現実問題として、県は、指名停止措置などを講じた場合、従業員を初め、取引先の会社等、地域への影響をどのようにとらえているのかお示しください。
 次に、新聞報道によると、県は、副知事を座長とする公取委排除勧告に関する対策会議を招集したとされていますが、同会議は開催されたのでしょうか。開催されたとすれば、その内容をお示し願います。
 また、対象業者の指名停止処分の現時点での検討状況はいかがでしょうか。その判断に要する時間はどの程度見込まれるのでしょうか。お示しください。
 最後に、12月定例会で知事は、雇用対策や経済対策に早急に取り組みたいと考えていると答弁する一方、この問題にかかわる審判が継続中であり、県としてどのような対応を行うことになるか未定であるとも答弁されております。
 先ほどの質疑にもありましたけれども、平成21年度補正予算、平成22年度予算には、この問題に係る予算は盛り込まれていないこととなり、別枠で早急に予算措置を行う実効ある対策を講じていかなければならないと考えておりますが、いかがでしょうか。見解をお示しください。
 以上で壇上からの質問を終わらせていただきますが、答弁によっては再質問させていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 千葉伝議員の御質問にお答え申し上げます。
 審決に対する県の姿勢でありますが、公正取引委員会が公表する審決の内容を確認していきますが、違法行為を認める審決が出たとすれば、極めて遺憾なことであります。
 本事案については、本県にとって非常に大きな問題であると認識しており、審決の内容をよく確認した上で、関係部局に十分な調整をさせつつ、私としても、適時適切に必要な判断をしてまいります。
 対策の実行についてでありますが、審決を受けた企業に対し、県としてどのような措置を行うことになるかは未定であり、現時点でその影響を予測することや影響があった場合の具体的対応について示すことは困難でありますが、関係部局に十分な調整をさせつつ、県民生活への影響が生じないよう必要な対策を講じてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長より答弁させますので、御了承願います。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) まず、審決の内容についてでありますが、80社の談合を認めるものであると関係者から確認をとってございますが、県として、公正取引委員会等に問い合わせを行ったところでございます。公正取引委員会からは、3月25日午後3時以降、正式に公表する、それまでの間においては、審決の内容を含め一切お答えできない旨の回答を得たところでございます。したがいまして、同委員会がどのような事実認定を行っているか、また、その事実認定に伴いどういう評価を行ったのか、その審決の内容、具体的なものについては、公正取引委員会の公表を待って適切に把握いたしたいと考えております。
 次に、審決を受けた事業者の動向についてでありますが、審決を受けた事業者は、それぞれその対応を検討することとなるものと存じておりますが、制度的には、審決書謄本の送達があった日から30日以内に、審決の取り消し訴訟を東京高等裁判所に提起することができることとされております。したがいまして、どのような対応をおとりになるか、今後の動向を注視していきたいと考えております。
 次に、指名停止措置などを講じた場合の影響についてでありますが、審決を受けた企業の平成20年次における県工事の受注実績、これは全体の29%、さらに従業員数については、いわゆる正規職員だけでも3、300人程度と把握しているところでございます。そのウエートが非常に大きいものと考えてございます。
 ただ、県としてどのような対応を行うこととなるかは、今後、検討することとなりますので、現時点でその影響について予測することは困難でありますので、御理解を賜りたいと存じてございます。
 それから、公正取引委員会排除勧告に関する対策会議についてでございますが、この対策会議は、排除勧告のありました平成17年7月に立ち上げた会議でありまして、副知事を座長とし、すべての部局長が構成員となっております。これによりまして情報を共有しながら、下請企業等の倒産防止対策、雇用対策など、必要な対策について総合調整を行ってまいるために設けたものでございます。
 公正取引委員会から公表された審決の内容を確認した上で、まずは、庁内関係部局でよくその情報共有を図る必要がありますので、できる限り早期に本会議を開催したいと考えております。
 次に、行政処分の判断の見込みでございますが、いわゆる指名停止措置につきましては、公正取引委員会の公表資料により、審決の内容等を十分に確認した上で適切に判断する必要がございます。現時点で具体的な時期を申し上げることはできませんが、いずれにいたしましても、適時適切に判断してまいりたいと考えております。
〇45番(千葉伝君) 御答弁それぞれありがとうございました。
 最終公表を受けてから正式に検討するという慎重な御答弁はわからないわけではありませんが、限りなく報道のとおりとなると私は思っておりますが、そういった観点から、先ほど来、県の対応はこれから検討するという御答弁、先ほどの工藤大輔議員のときもそのとおりでありました。
 私からすれば、もう5年、かかる間、それから、多分こういう結果が出るのではないかという予想も含めて、何通りか当然考えておくべきものだと思うわけであります。したがって、出てから中身を検討して、これはもちろん、それはきちんと精査する必要がある、こういう意味ではこれからの分というのは出てくるかもしれません。ただ、大筋も含めて御検討していると。先ほど、平成17年に立ち上げた部分について、これまでも私は、何回か内部でその相互調整を図るべくいろいろと話し合いはされてきていると思うところであります。
 もう既に1月あたりに出るのではないか、出るのではないか、こういう話がずっと続いてきているわけです。その間、何もしていなかったんでしょうか。こういうことも、私どもからすれば、ぜひそこの中身について、先ほどの答弁を、改めてそこの部分を伺おうと思うところであります。
 また、県の対応について、報道も含め私の耳に入っているのは、各市町村のほうで、この問題というのはまたさらにどうなるのかと注視している状況と考えます。したがって、今回の指名停止の処分の検討を始めるとは言いつつも、今の景気低迷の続く中で長期間の指名停止ということは、地域経済に大きな影響が懸念されるということで、先ほど申した各市町村においても、既に幾つかの市町村では停止期間の短縮など、処分の減免を行うかどうかも含めて県の対応を注視していると聞いております。
 したがって、県の対応というのは、もうかなりな場面、もちろん業者あるいは金融、さまざまなところに大きな影響が出ると考えますが、こういった市町村に対して、これまでそういった話とか、あるいは問い合わせ等があったのかなかったのか、そういうことをお聞きしたいと思います。
 いずれにしても、対応次第で県内経済あるいは雇用部分を含めて大変な状況になることが当然考えられるわけであります。ぜひ、県のほうのさまざまな観点からの対応をお願いするところであります。
〇総務部長(菅野洋樹君) 議員御指摘のとおり、非常に大きな問題でございます。したがいまして、慎重の上にも慎重を重ねながら対応を検討していかなければならない問題であろうと考えてございます。したがいまして、公正取引委員会がどのような事実認定を行っているのか、それをどう評価しているのかをよく確認した上で適切に対応する必要があろうと思ってございますので、そのような観点から慎重に検討しているものでございます。
 それから、各市町村の関係でございますが、制度的には県と市町村は同格でございますので、それぞれが独自に判断を行うべき事案だろうと存じてございますが、市町村から、本事案について県としてどういうふうに対応するのか、具体的な照会があったということは、私は承知いたしてございませんが、いずれにいたしましても、市町村にも必要な情報を提供しつつ、市町村がお困りになることのないよう、県としても適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
〇議長(佐々木一榮君) 次に、斉藤信君。
   〔38番斉藤信君登壇〕

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