平成22年2月定例会 第15回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 一昨日、大津波警報が出されたチリ地震津波で7、898人が避難され、漁業、養殖施設等に大きな被害が出ております。心からお見舞いを申し上げるとともに、防災対策に取り組まれた皆さんに心から敬意を表するものであります。
 また、災害復旧対策に全力を挙げて取り組まれるようお願いいたします。
 現在把握できる被害状況と避難対策など、今後に生かすべき課題の検証と教訓についてもお聞きいたします。
 さて、昨年の総選挙は、政治を変えたい、国民の暮らしを守ってもらいたいという国民、県民の熱い願いが自民党政治を退場に追い込む、歴史的な審判を下すものとなりました。今、県民は、政治の転換を強く求めています。
 しかし、発足した鳩山政権は、政治と金の疑惑にまみれ、雇用の問題でも社会保障の問題でも国民の期待にこたえていないのが現状であります。民主党籍を持つ達増県政の実態も、政権交代があったものの全く変わっていません。
 知事は、知事演述で、危機から希望へと、希望という言葉を三十数回にわたって語りましたが、県民の雇用も、暮らしと経営も、地域医療の問題も危機的な状況がますます深刻になっているのが実態です。私は、県民の切実な実態と願いを踏まえ、その打開の方向を示しつつ、達増知事の姿勢をただすものであります。
 まず、雇用対策について質問します。
 昨年09年の県内の有効求人倍率は0.34倍で、史上最悪となりました。昨年の2月からことしの1月まで0.3倍台の深刻な事態が続いていることもかつてないことであります。
 日本共産党は、奥州市と八幡平市で市民アンケートを行いました。家族に失業者や休業者がいると答えたのが奥州市では28.5%、八幡平市でも12.8%という予想を超えるものでありました。アンケートには、会社が倒産し、いまだに仕事がなく生活が大変だ、失業している息子がいる、働いてもらわないと困るが何も言えない、週2回の勤務になった、家のローンが払えない、この先仕事が見つからないと子供3人どうなるか不安だ、母子家庭だが、会社が倒産し職がなく、生活できず絶望しているなど、切実な声がたくさん寄せられました。私たちは、こうした方々のところへ直ちに駆けつけて相談に乗り、生活保護の申請や生活確保の取り組みを行ってまいりました。
 そこで知事に質問いたします。
 第1に、深刻な雇用、失業の実態をどう把握されているでしょうか。この間の事業主都合の離職、解雇者、失業者数と雇用保険受給の状況はどうなっているでしょうか。
 私は、知事自身が失業者や求職者と懇談し、実態と要求を把握して、抜本的できめ細かな雇用対策に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、失業が長期にわたっており、雇用保険も受けていない失業者が多数を占めています。失業者、求職者の生活を守るあらゆる対策を講じるべきではないでしょうか。
 失業や収入減少等を理由とした生活保護の申請受給決定の状況はどうなっているでしょうか。ハローワークや市町村と協力して、県内各地でワンストップサービスを毎月定期的に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、派遣切り、期間工切りなどの雇用破壊の先陣を切ったのが関東自動車や富士通、ソニー、東芝などの誘致大企業でありました。これらの誘致企業の首切り、解雇、雇いどめの実態を示していただきたい。
 また、県が推進してきた自動車産業、半導体産業での解雇、雇いどめの状況はどうなっているでしょうか。
 岩手県はこれまで、企業の工場閉鎖や合理化による大量解雇の際、企業に対して、やむなく退職せざるを得ない労働者の再就職に最後まで責任を果たすよう求めて、それを実施させてきました。ソニーや富士通などの再就職の支援取り組みはどうなっているでしょうか。県としてどのように取り組んできたでしょうか。
 第4に、失業者、求職者の再就職にとって、職業訓練を抜本的に拡充することは極めて重要な課題です。職業訓練の状況はどうなっているでしょうか。どれだけ再就職に結びついているでしょうか。
 特に、職業訓練を受けながら、10万円から12万円の生活費が給付される訓練生活支援給付金制度は活用が期待されますが、申請者、受給者はどうなっているでしょうか。実態は、利用者が少ないのが現状です。その原因は何でしょうか。国に具体的に改善を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 職業訓練をさらに拡充すべきときに、鳩山政権が、県内4カ所の地域職業訓練センターと北上の情報処理技能者養成施設コンピュータ・アカデミーの廃止を一方的に決めたことは、雇用対策に逆行する重大問題であります。
 私は、盛岡地域職業訓練センターの状況を聞いてきましたが、年間2万7、000人が利用し、どのコースも定員を超える希望があり、真剣に訓練に取り組んでいる姿が印象的でありました。政府の廃止の理由と県の対応、政府の回答はどうなっているか。こうした問題こそ達増知事が先頭に立って長妻厚生労働大臣に直接廃止撤回を申し入れるなど、行動すべきではないでしょうか。
 第5に、新規高卒者の就職対策であります。初めて社会に出たときに失業することは、何としても解決すべき緊急課題であります。就職内定状況、未就職者はどうなっているでしょうか。3月にあらゆる努力を行うべきと考えますが、どういう計画と対策になっているでしょうか。
 八幡平市など、少なくない市町村がこうした未就職者を雇用した場合、月10万円から20万円、1年から2年間にわたって助成する対策を示されています。どう把握されているでしょうか。県としても積極的にこうした市町村を支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、県や市町村が直接臨時職員等として雇用する対策はどうなっているでしょうか。
 次に、岩手経済の落ち込みとゆがみ、中小企業対策について質問します。
 県民総生産は2000年度の4兆9、748億円をピークに、好況と言われた時期も一貫して減少し、2008年度は4兆3、642億円まで、6、106億円、12.3%も落ち込みました。一方で、誘致大企業は、この間史上空前の利益を上げ、巨額の内部留保をため込んだのであります。
 ソニーは6年間で7、660億円も積み増し、09年3月期では3兆5、479億円の内部留保をため込みました。関東自動車も271億円積み増し、1、017億円の内部留保をため込んでいます。富士通は、昨年3月期は減らしたといえ6、658億円、東芝は1兆4、247億円の内部留保をため込んでいます。本来、こうした内部留保は、労働者の雇用と賃金、下請中小企業を守るためにこそ使うべきものであります。
 達増知事、誘致大企業の巨額の内部留保を活用し、雇用を守り、非正社員を正社員に切りかえるために、下請中小企業への一方的単価切り下げをやめ、中小企業を守るためにこそ活用すべきと強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。県内における下請単価切り下げの状況を含めて答えていただきたい。
 県内経済の発展を考えるなら、自動車、半導体産業など、外需依存、輸出型の産業に偏ることなく、労働者の8割以上を支える中小企業を応援し、地場産業の本格的な振興を図り、農林漁業の再建とあわせ内発的な地域産業の振興に取り組むべきと思いますが、県の施策はどうなっているでしょうか。
 次に、県立病院の無床化、民間移管の検証と地域医療の問題について質問いたします。
 昨年4月に大迫や紫波など五つの地域診療センターの無床化が強行されました。花泉地域診療センターは、無床化からわずか半年で県立医療機関としての廃止が県議会でわずか1票差で決められ、民間移管が強行されました。こうした拙速で強権的な進め方はこれまでの県政になかったものであります。無床化と民間移管の強行が県民と地域にもたらしている痛みと矛盾を検証することは、今後の地域医療を守る上で特別に重要な問題であります。
 花泉地域診療センターの民間移管の状況について質問します。
 第1に、民間移管の目的は、19床の入院ベッドを持つ有床診療所としての医療の確保でありました。その大前提は、常勤医師2名、非常勤医師3名の確保でした。現在、民間医療法人白光は、常勤医師、非常勤医師を確保しているのでしょうか。私は、2月19日に花泉地域診療センターを訪ねて調査をしてきましたが、民間医療法人の常勤医師は決まっていない、現在の患者を責任を持って紹介できないということでありました。必要な医師が確保できないとしたら、民間移管の大前提が崩れるのではないでしょうか。
 第2に、民間医療法人白光は、昨年8月25日に公募に応じて申請書を提出しました。そのとき示した診療所長も、他の医師確保の名簿と年齢も、花泉地域診療センターの廃止条例を審議した1カ月後の9月県議会の時点では、診療所長候補も含め5人全員が根拠のないものとなっていました。
 医師確保について、県医療局は、これまでどのような報告を受け、協議してきたのでしょうか。このままでは開業する前に破綻するのではないでしょうか。
 第3に、花泉地域診療センターの民間移管の進め方が極めて拙速で異常だったことであります。無床化からわずか4カ月で民間移行と公募を決めました。公募期間は7月31日から8月25日までのわずか26日間であります。こんな短期間に、医師を含めて応募できる医療法人があるでしょうか。初めから手を挙げていた医療法人白光に決めるためのやり方ではなかったでしょうか。公募の方法にも問題があったのではないでしょうか。
 第4に、医療法人白光の応募書類には少なくない不備がありましたが、事業計画、収支計画は提出されたのでしょうか。看護師は月20万円、介護士は15万円と低賃金で、医業収支が赤字となる中で、役員報酬は4、610万円と途方もない収支計画が出されていましたが、どうなったでしょうか。
 第5に、花泉地域診療センターでは、併設する小規模特養ホームなどの施設の改修工事が行われています。こうした介護保険施設は、あくまで有床診療所の運営が前提だと考えます。有床診療所の運営ができなくなった場合、10年間継続の条件が満たされない場合はどういう扱いとなるのでしょうか。
 次に、県立沼宮内病院の無床診療所化の問題について質問します。
 県医療局が、岩手町や地域住民の要望を受けて無床診療所化の計画を1年延期したことは評価したいと思います。しかし、民間移管を含めた病院存続の道は厳しいものがあります。
 第1に、病院の存続と地域医療の確保を岩手町に丸投げすることなく、県医療局が、協力、支援することが必要ではないでしょうか。特に、全国でも先進的な岩手町の大腸がんなどのがん検診体制は民間だけではできないことであります。これまでどおりの支援体制が必要ではないでしょうか。
 第2に、9月県議会で示された民間医療機関への診療応援の検討はその後どう具体化されているのでしょうか。
 第3に、県立沼宮内病院の無床診療所化の計画は1年延期となりました。来年度、医師、看護師、検査・検診体制など、責任ある体制を講じられるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 大迫や紫波、住田、九戸の無床化された各地域では、夜間、土日、休日の救急患者に対応できず、入院もできないために、ぐあいが悪くなっても診療を我慢する、手おくれになる事態も起きています。救急車の出動件数と出動時間がふえています。高齢者の入院期間が長くなり、遠くの病院に入院するために家族が付き添えない、特養ホームの職員がボランティアで病院に駆けつけるなどの事態となっています。
 知事は、こうした地域住民の痛みと苦しみをどう受けとめているのでしょうか。地域医療は、医療関係者と地域住民が力を合わせて守るべきものであります。無床化したからあとは地域で何とかすればいいということではありません。県医療局としても、地域住民、自治体と力を合わせ、協議をして地域医療を守る取り組みを進めるべきではないでしょうか。医師確保の見通しが立ったら入院ベッドは復活する、こうした方向を示すべきではないでしょうか。
 次に、国保、介護、後期高齢者医療制度についてお聞きいたします。
 歴代自民党政治、とりわけ小泉内閣以来の構造改革路線のもとで社会保障の予算が毎年2、200億円削減されました。その傷跡を回復することは、貧困の拡大から県民の命と暮らしを守る上で緊急の課題であります。
 国保税の保険証の取り上げ、資格証明書の発行は、金の切れ目が命の切れ目となりかねない冷たい政治の典型であります。既に、厚労省も、昨年1月、生活に困窮し、医療を必要とする場合は、滞納世帯に短期保険証を交付するよう通知しています。中学生、高校生にも交付するように改善されつつあります。保険証の取り上げは中止すべきではないでしょうか。
 資格証明書と短期保険証の発行状況は、何市町村で何世帯何人となっているでしょうか。
 短期保険証が実際は役所にとめ置きされている状況と、その解消はどうなっているでしょうか。
 滞納件数と滞納額はどうでしょうか。
 資格証明書発行の目的は何でしょうか。
 介護保険制度が導入されて10年が経過しました。この間、介護報酬が引き下げられ、保険料利用料は引き上げに、受けられる介護サービスは切り下げられ、入りたい特養ホームには入れない、保険あって介護なしの深刻な実態が広がりました。
 5、539人に及ぶ特養ホーム待機者解消の具体的な対策について質問いたします。
 特養ホームの整備が進まない要因をどう受けとめているでしょうか。
 低所得者が入所できる多床室の特養ホームはどう整備されているでしょうか。29床以下の小規模特養、50床以上の特養ホームはそれぞれどれだけ整備されているでしょうか。実績と今後の計画を示していただきたい。毎年整備した数を上回って待機者が増加しています。整備の計画を抜本的に引き上げるべきではないでしょうか。
 後期高齢者医療制度は、民主党も総選挙で廃止を掲げました。しかし、廃止は4年後に延期されました。知事、これは公約違反ではないでしょうか。年齢で高齢者を差別し、すべての高齢者に負担を押しつける後期高齢者医療制度は、直ちに廃止するよう政府に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 後期高齢者に対する短期保険証の発行、資格証明書の発行は直ちに中止すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 35人学級の拡充、学力テスト、高校再編問題について質問いたします。
 岩手県の教育方針について、八重樫教育委員長に質問いたします。
 自民党政治が終わりを告げて、これまでの教育政策の大きな転換が求められています。私は、これまでの諸外国と比べても、異常な高い学費、テスト漬けの競争主義、校長中心の非民主的な学校運営、先進国にはない40人学級などの問題は抜本的に見直されるべきと考えますが、教育委員長の認識をお聞きいたします。
 また、教育委員長は、演述で金子みすゞの詩を紹介し、みんな違ってみんないい、子供たちには一人一人違った能力があります、可能性があります、その可能性やよさ、夢を見つけ、励まし、伸ばしてあげるのが教職員の役目であり、大人の役目でありますと述べました。全く同感であります。
 一人一人の子供たちに寄り添って、成長、発達を支援することは、教育の本来の目的でもあります。私はそのためには、小学校はもとより、中学校でも35人学級、さらには30人学級の実現で、子供たち一人一人をよく見られる、対応できる取り組みこそ必要と考えますが、いかがでしょうか。少人数学級の実現こそ教師の多忙化を解消することになるのではないでしょうか。
 教育長に質問します。
 今年度から中学校1年生の35人学級が試行実施されました。当初は、教員の加配が不明でありましたが、実際にはどれだけ加配されたのでしょうか。
 私は、松園中学校の35人学級について聞いてきました。40人近い学級が27人になって、中1ギャップの解消に大きな効果があった。人間関係の上でも効果が大きいとのことでありました。
 試行を実施した学校での成果、評価はどうなっているでしょうか。来年度、なぜ全面実施とならなかったのか。実施しない市町村の主な理由は何でしょうか。
 全国学力テストは、来年度から悉皆調査から抽出調査に変わります。変更される理由、この間の学力テストの問題点をどう認識されているでしょうか。
 また、来年度、抽出調査の実施校と、調査対象にならないものの参加する学校は、何市町村何校でしょうか。
 新たな高校再編、今後の高等学校教育の基本方向についてお聞きします。
 地域での意見を聞く会や住民説明会、パブリックコメントが行われていますが、主にどういう意見が出されているでしょうか。我が党も申し入れを行いましたが、こうした県民の意見はどのように高校教育の基本方針に反映されるのでしょうか。
 問われている問題は、生徒減少、人口減少時代の高校のあり方、地域と結びついた高校のあり方であります。貧困と経済格差が拡大する中で、一人一人に高校進学と高校教育を保障することであります。決して財政的な効率性で決められる問題ではありません。小規模校の成果、よさも正当に評価して存続の可能性を示し、子供、生徒を主人公に、地域住民、自治体と協議を深め、合意を形成して進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、農業問題について質問いたします。
 鳩山政権は、10年産米の米に限って戸別所得補償制度を実施するとしています。所得補償を拡充するという点では一歩前進であります。しかし、問題も少なくありません。
 第1に、岩手県の60キロ当たりの米の生産費は1万7、236円となっています。今回、政府の基準では、家族労働費を80%に抑え、単価を全国一律にしました。補償の上限は1万3、703円となっています。これでは生産費を賄えないのではないでしょうか。
 第2に、水田利活用自給力向上事業では余りにも助成単価が低く、激変緩和措置がとられました。これによってこれまでの助成を下回ることはないのでしょうか。花巻市などでは助成単価が下回らないよう独自の予算措置をしていますが、県としても対応が必要ではないでしょうか。また、激変緩和措置は1年限りでしょうか。今後どうなるんでしょうか。
 第3に、09年産米の米価が下落しています。政府が生産費を基準とする買い入れを行うよう強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第4に、戸別所得補償制度の導入の一方で、国の農林水産予算は10年連続で削減され、来年度は1、088億円の減額で、ついに2兆5、000億円を下回りました。軍事費の半分です。これでは農林水産業の再生に逆行するのではないでしょうか。県の農林水産予算にどう影響があるのか。
 第5に、米余りと米価の下落の中で、ミニマムアクセス米の輸入は中止すべきであります。日本農業に破壊的な打撃を与える日米FTAの交渉は中止すべきと考えますが、知事は、岩手の農業と食料を守る立場で発言、行動すべきではないでしょうか。
 津付ダム、簗川ダムの中止、見直しについて質問いたします。
 鳩山内閣は、コンクリートから人へのスローガンのもと、ダムに頼らない治水対策への転換を進めようとしています。昨年の12月15日には、知事あてに前原国土交通大臣名で、できるだけダムに頼らない治水への政策転換に対する御協力のお願いが出されています。12月25日には、大臣関係資料として、新たな基準に沿った検証の対象とするダム事業を選定する考え方について示されました。簗川ダムも津付ダムも検証の対象ダムとなっています。
 達増知事は、鳩山政権のこうしたダム事業の見直し方針をどう受けとめているのでしょうか。新たな検証基準が示された場合、どう対応するのでしょうか。
 簗川ダム事業は、来年度、大規模事業の再評価の対象となりますが、どう対応するのでしょうか。
 津付ダム事業については、昨年多くの県民から中止、見直しの声が寄せられました。しかし、こうした声や具体的な提言をまともに検討することなく事業継続といたしました。しかし、評価委員会の附帯意見では、国のダム事業の政策に大きな変更があった場合に随時再評価の要否の意見を聞くとしています。新たな検証基準が示されたなら再評価にかけ見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 小沢民主党幹事長の政治と金問題と、県政を舞台にした天の声問題について質問いたします。
 昨年の3月3日、私が一般質問で西松建設のヤミ献金問題を取り上げたその日に、小沢一郎民主党幹事長の大久保公設第1秘書が西松建設の政治献金で虚偽記載をしたとして逮捕されました。6月18日の西松建設の違法献金事件の初公判と、12月18日、大久保秘書の初公判では、岩手県が発注した公共事業で小沢事務所が天の声を出していたこと、談合によって西松建設が国道283号秋丸トンネル工事を23億3、000万円で、県立一戸病院新築工事を37億7、000万円で、簗川ダムトンネル工事を24億9、000万円で受注、県立福岡病院新築工事は清水建設が56億8、000万円で受注したと指摘されました。また、県も負担金を出している胆沢ダム建設事業では、事業費2、440億円の大規模事業ですが、大久保秘書が、胆沢ダムは小沢ダムだ、忘れてもらっては困る、工事をとったら5、000万円お願いしますと建設会社におどしをかけ、西松建設からは毎年1、500万円の献金を依頼し、受け取っていました。また、赤旗新聞の取材によると、下請に入った水谷建設からは5、000万円のヤミ献金を2回に分けて石川秘書と大久保秘書に届けたことを明らかにしています。
 小沢一郎氏の資金管理団体陸山会の政治資金報告書の虚偽記載事件では、21億円余の虚偽記載があったとして3人の現、元秘書、現職衆議院議員が起訴されました。小沢一郎氏の政治的、道義的責任は、極めて重大であります。
 問題の核心は、県民の税金を使った公共事業をゆがめて、ゼネコンからヤミを含めて献金をもらっていたのではないかという税金の還流疑惑であります。指摘をされている事業について、県として徹底した調査と検証を行うべきと考えますが、知事は、これらの指摘をどう受けとめ、対応されるつもりでしょうか。
 また、鹿島建設などゼネコン各社は、小沢氏のかかわる選挙になると、人も金も、票となる名簿も出して協力させられました。2000年の総選挙は、達増知事が初めて総選挙に岩手1区から自由党の候補者として立候補した選挙であります。ゼネコン53社が約2万1、000票の名簿を提出し、人的協力が常駐で80人、電話かけが40人動員させられました。結果は、約9、000票差で達増氏が当選したのであります。達増知事は、ゼネコン丸抱えでお世話になったのではないでしょうか。小沢流ゼネコン選挙の実態についてどう認識されているでしょうか。
 達増知事は、知事選挙の第一声で、小沢チルドレンと呼ばれることは誇りだと述べていました。今でも変わりはないでしょうか。
 小沢一郎民主党幹事長にかかわる政治と金の問題について、国民の8割以上が説明責任を果たしていないとしています。政治の師と仰ぐ小沢一郎幹事長に国会で堂々と説明すべきと進言すべきではないでしょうか。
 県警本部の不正支出問題は、総額2億1、491万円に及ぶ極めて重大なものであります。特に46の全部署において発生したことは、県警本部の組織ぐるみの不正であったことを示すものであります。また、預け金や差しかえ、一括払いは、手法としても、請求書を改ざんし、納品書を処分するなど極めて悪質なものであります。その総額は4、722万円余に及びます。
 公安委員長に質問いたします。
 第1に、県警本部の今回の不正支出について、どういう法令、規則に反する不正だったのか示していただきたい。
 第2に、全部署にかかわる組織ぐるみの不正が長期にわたって行われていたことについて、公安委員会の管理監督責任を含めてどう認識されているでしょうか。
 第3に、不正支出で購入したものについて、私的流用が明らかになった1人と懇親会で使用したもの以外は公的に費消されたとしていますが、公的に費消されていたとする根拠は何でしょうか。本来必要のないものまで購入していたのではないでしょうか。公安委員会として具体的な検証を行ったのでしょうか。
 第4に、国庫補助金にかかわる不正支出分は加算金を含めて1、897万円国に返還することになっていますが、県費による不正支出分はなぜ返還されないのでしょうか。
 第5に、公認会計士の第三者による検証は具体的にどう行われているのでしょうか。
 第6に、昨年の決算特別委員会で、昨年2月7日、県警本部の首席監察官が、パチンコ業界丸抱えの懇親会に出席していた許認可権限を持つ業界との癒着問題を指摘しました。公安委員会として、調査、対応したでしょうか。
 県警本部長に質問します。
 私的流用で逮捕された職員は、検察で処分保留となったとのことですが、なぜ起訴されなかったのでしょうか。警察の捜査が不十分だったのでしょうか。それとも、警察の不正が裁判で公に問われることを回避しようとしたのでしょうか。逮捕された職員は、私的流用の内容について全面的に認めていたのでしょうか。
 以上で壇上からの質問といたします。答弁によっては再質問をいたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、雇用、失業の実態と雇用対策についてであります。
 事業主都合の離職者数等を見ると、ピーク時に比べて大幅に減少しておりますが、いまだに高い水準にあり、依然として厳しい情勢が続いていると認識しております。
 私も昨年、北上市を訪れ、ハローワークを初め、現場のお話を伺いましたほか、いわてデジタルエンジニア育成センターでは、離職者訓練を受講中の方々にもお会いして、激励をしたところであります。
 また、奥州市のいわて求職者総合支援センターや県庁で開催した年末ワンストップサービスにも足を運び状況を確認したところでありますが、今後とも、求職者の方々の実情や声を把握しながら、雇用対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 次に、地域職業訓練センター等の廃止に対する対応についてであります。
 今般の地域職業訓練センター等の廃止は、雇用・能力開発機構の廃止も含めた独立行政法人改革の一環であると聞いております。
 これらの施設は、地域における産業振興上、極めて重要な施設となっていますことから、1月14日、国に対し、国が主体となり今後とも継続して運営されるよう強く要望したところであります。
 これに対し、国から、可能な限りその運営を地方公共団体等にゆだねていくべきであると考えているという回答がありましたが、今後、施設の継続的な利用が可能となるよう、関係自治体と十分意見交換をしながら、しっかり対応してまいります。
 次に、中小企業対策についてでありますが、内部留保の取り扱いについては、それぞれの企業の経営判断により決定すべきものと考えております。また、誘致企業と関連企業との取引単価等の状況については、承知しておりません。
 次に、地域の声や地域医療についてであります。
 私は、地域医療の確保を最重要課題の一つとしてとらえており、奨学金制度の貸付枠を拡充するなど、引き続き医師養成に取り組むとともに、地域の中小規模の公立病院においては、地域医療を担う総合的な診療能力を有する医師が求められていますことから、現在、育成の仕組みやそのプログラムについて検討しているところであり、平成23年度には育成を開始したいと考えております。
 また、二次保健医療圏のみならず、圏域を越えた全県的なネットワークのさらなる充実が必要でありますことから、ドクターへリの導入促進などによる救急医療体制の拡充、強化に努めるなど、地域医療の確立に向けて総合的に取り組んでまいります。
 次に、後期高齢者医療制度の廃止についてであります。
 国においては、後期高齢者医療制度を廃止することとしていますが、高齢者医療制度をたびたび見直すことによって、高齢者の方々に混乱を生じさせてしまうこと、また、システム改修等に時間や多額の経費を要することなどもあり、旧老人保健制度に戻すことなく、新しい高齢者医療制度に直接移行することとしたと伺っております。
 現在、後期高齢者医療制度廃止後の具体的なあり方について検討を行うため、高齢者医療制度改革会議を設置し、新しい制度の平成25年4月施行に向け議論を進めていると承知しております。
 県としては、国における議論の推移を見守りつつ、県民や市町村等関係者から寄せられる御意見や御要望を十分踏まえ、全国知事会等を通じて要望等を行いますほか、必要に応じて、県独自に地方の立場から国に対して要望、提言を行っていきたいと考えております。
 現制度において、短期被保険者証、資格証明書は、保険料負担の公平性を図るため交付しているところで、特に資格証明書については、被保険者が特別の事情なく保険料を滞納している場合に、納付相談等の機会を確保するため交付する仕組みを設けているところでありますが、その運用については、現内閣の方針として、原則として交付しないことが基本的な方針とされているところであり、岩手県後期高齢者医療広域連合においても、こうした国の方針を踏まえて対応していく方針であると聞いております。
 次に、日米FTA交渉についてであります。
 アメリカとの交渉については、まだ具体的に進めることが決まっているものではないと承知しておりますが、仮に諸外国とFTA交渉等が進められる場合には、食の安全、安定供給、食料自給率の向上、国内農業、農村の振興などを損なうことのないように行われるべきものと考えております。
 県においては、こうした考え方のもと、現在進められているオーストラリアとのEPA交渉において、国内の農業等に大きな影響を及ぼすことがないよう進めることを国に提案しております。
 今後とも、本県農業、農村が持続的に発展できるよう、提案等を行ってまいります。
 次に、ダム事業についてであります。
 まず、国の見直し方針は、厳しい財政状況の中で、国民生活にとって必要なものは何かを考え、税金の無駄遣いをなくし、不要不急な事業を根絶するとともに、住民の理解に基づいて事業を進めるべきという民主党のマニフェストの精神を踏まえたもので、基本的に国民の利益に資するものと考えております。
 簗川ダム、津付ダムが検証の対象とするダムになっていますが、新たな基準が示された場合には、その段階で適切に対応してまいります。
 次に、簗川ダム建設事業の再評価についてですが、前回評価から5年経過しておりますので、政策等の評価に関する条例に基づき、来年度に再評価を実施するところであります。
 そして、津付ダム建設事業については、新たな基準が示された時点で、大規模事業評価専門委員会に報告し意見を聞く予定であります。
 次に、県営建設工事についてでありますが、指摘されている事業について、適正な入札、発注が行われたと承知しております。
 次に、私の選挙についてでありますが、私の選挙運動は、政党役員を中心に広く後援会役員に参加してもらう形で組織されており、法令に従って運動していただいております。
 また、小沢一郎民主党幹事長からは、特定の有力企業や有力経済人に依存せず、地区後援会を充実強化して、普通の住民の力を広く結集して選挙に臨まなければならないことを常に指導されておりました。
 2000年の岩手1区における総選挙においても、地区後援会を中心とした草の根型の運動が成功したと、当時マスコミでも報道されていたと記憶しておりますし、私もそういう実感を持っております。
 次に、小沢一郎民主党幹事長についてでありますが、新進党、自由党、民主党と、私もともに歩み、岩手から日本を変える改革の政治の道を進み、そして、昨年8月30日、政権交代を実現し、現在、国政の場、県政の場と立場は違いますが、国民、県民の生活保障を基本に、新しい国づくり、地域づくりを進めていることについて、この上なく誇りに思っております。
 小沢幹事長の対外的な対応については、これまでも党大会や毎週の定例記者会見及び特別の記者会見等、さまざまな場面で説明されてきていると承知しております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔総務部長菅野洋樹君登壇〕
〇総務部長(菅野洋樹君) 今般の津波についてでありますが、地震発生後、本県に津波が到達するまで時間的に余裕があったこと、また、防災関係者の皆様の懸命な御努力もあって、おおむね適切な対応をとることができたものと考えております。
 現時点において、人的被害や公共土木施設被害は報告されておりませんが、農林水産関係、特に養殖施設においては、かなりの被害が生じており、現在、鋭意調査を進めているところでございます。
 今後、発生が想定される宮城県沖地震は、震源が近く、地震被害が生じた後に、しかも短時間に津波が到達することも想定されますことから、今回の津波への対応等について、市町村とも連携しながら検証を行い、今後の対策に生かしてまいります。
   〔保健福祉部長千葉茂樹君登壇〕
〇保健福祉部長(千葉茂樹君) まず、生活保護の申請、受給決定の状況についてでありますが、本県の生活保護の申請件数は、平成20年度は1、667件となっておりましたが、平成21年度は、4月から12月までの9カ月間で既に前年度の総数を超え、1、790件に及んでいるところであります。
 また、保護の開始件数は、平成20年度は1、369件であったところ、平成21年度は、同じく12月までで、これを83件上回る1、452件となっているところであります。
 この保護開始件数のうち、失業などを含みます勤労収入の減少、喪失を理由とするものは、平成20年度は250件でありまして、保護開始件数に占める割合は18.3%でありましたが、平成21年度は、12月までで前年度を142件上回る392件となっており、その割合も27.0%にまで拡大しているところであります。
 次に、資格証明書、短期被保険者証についてでありますが、資格証明書、短期被保険者証の交付状況は、平成22年2月1日現在、資格証明書25市町村、1、267世帯、短期被保険者証、34市町村、1万5、537世帯となっております。
 短期被保険者証について、連絡しても受け取りに来ない等の理由により1カ月以上未交付になっている状況、いわゆるとめ置きについては、平成22年2月1日現在、18市町村で1、562世帯、2、525人となっております。
 県といたしましては、市町村に対し、電話連絡や家庭訪問等により世帯状況等を十分把握し、速やかに手元に届けるよう助言しているところであります。
 滞納の状況につきましては、平成21年6月1日現在、滞納世帯数3万3、535世帯、滞納額115億円余となっているところであります。
 資格証明書は、国保の被保険者間の負担の公平を図る観点から、災害等の特別の事情がないにもかかわらず1年以上滞納している者に対し、納付相談の機会を確保するために交付しているものであり、県といたしましては、市町村に対し、資格証明書の交付に当たりましては、一律に交付するのではなく、生活実態など、その置かれた状況をきめ細かく把握を行った上で、適切な対応を行うよう助言しているところであります。
 なお、資格証明書交付世帯において、医療を受ける必要が生じ、かつ、医療機関に対する一時払いが困難である場合には、緊急的な対応として短期被保険者証を交付することができることとされているところでありまして、その適切な運用について、市町村に対して今後も助言してまいりたいと考えております。
 次に、特別養護老人ホームの待機者解消の具体的な対策についてでありますが、介護施設の整備につきましては、各市町村等が策定する第4期介護保険事業計画に基づき整備が進められているところでありますが、特別養護老人ホームの整備につきましては、市町村等の保険財政や保険料への影響を伴うこと、また、国が告示で示しております整備の基本的な指針、いわゆる参酌標準が抑制的な基調で示されていることなどから、市町村等において施設整備に慎重になっているものと考えているところであります。
 次に、低所得者が入居できる施設の整備状況についてでありますが、第3期計画末の平成21年3月31日現在における特別養護老人ホーム105カ所、6、382床のうち、比較的入所者の費用負担額が低廉な、多床室も設けております従来型の施設は約70%の76カ所、4、442床となっております。
 次に、規模別の整備状況についてでありますが、同じく第3期計画末の平成21年3月31日現在におきましては、定員29人以下の小規模施設が6カ所、144床、30人以上のいわゆる広域型施設が99カ所、6、238床、そのうち50人以上の施設が95カ所、6、100床となっております。
 今後の整備計画についてでありますが、第4期介護保険事業支援計画におきましては、小規模施設12カ所、337床、広域型施設12カ所、325床、合わせて662床を整備することとしておりますが、本年度設置いたしました介護サービス施設等整備臨時特例基金については、当該計画期間中に小規模施設約370床の上乗せ整備が可能となるよう、基金に積み増しを行うこととしております。
 これらの整備がなされた場合は、全体として約1、030床増設されることとなり、早期に入所が必要とされます待機者1、022人への対応が可能となるものと考えており、現在、市町村等からは、上乗せ分につきまして約250床の整備計画が出されておりますことから、さらに約120床の整備が可能でありますことから、市町村等に対し働きかけを強化していくこととしております。
 県におきましては、これまでも施設整備に対する財源措置や参酌標準の廃止などにつきまして国に要望を行ってきたところでありますが、待機者が増加していることから、今後とも、常に待機者の状況を把握するとともに、必要な整備が図られますよう、引き続き国に要望しながら、第5期計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長廣田淳君登壇〕
〇商工労働観光部長(廣田淳君) まず、ワンストップサービスについてでありますが、これまで、住宅支援や生活福祉資金貸し付けなど、当面必要な生活支援策を講じてきたところであり、また、地域共同就職支援センターと求職者総合支援センターでは、就職支援と生活相談などをあわせて行い、さらに、岩手労働局や福祉関係機関などと連携して、ワンストップの生活、就労相談などを実施したところであります。
 今後は、地域ごとの協議会設置など、福祉分野と労働分野の窓口の連携を強化しながら、地域の実情に合わせて相談支援体制の整備を推進し、失業に伴い多くの悩みを抱える方々に、きめ細かく対応することとしております。
 また、定期的なワンストップサービスの実施につきましても、ニーズを見ながら今後検討していくこととしております。
 次に、解雇、雇いどめの実態についてでありますが、2月1日現在で把握している主な誘致企業の雇いどめ等の状況につきましては、19社、約3、200人と把握しております。このうち自動車関連産業では約370人、半導体関連産業では約1、800人となっております。
 また、ソニー、富士通の再就職支援の取り組みについてでありますが、現在、県南広域振興局において、地元市町やハローワークなどとともに構成する雇用対策推進協議会を通じた緊密な情報共有や要請活動の実施のほか、いわて求職者総合支援センターと各ハローワークによります生活、就労相談と職業紹介のワンストップサービスの取り組みなどにより、退職者の再就職支援に力を尽くしているところです。
 次に、訓練、生活支援給付制度についてでありますが、職業訓練の状況は、今年度、県が実施しております離職者等訓練は、71コース、1、116人で、2月24日現在、331人が修了し、うち220人が就職、就職率66.5%となっております。
 訓練、生活支援給付申請等の状況は、2月19日現在、申請者数は、公共訓練─これは県及び機構が実施するものですが─187名、基金訓練─これは、民間教育訓練機関等が中央職業能力開発協会より認定を受けて実施するものですが─229名、合計416名となっております。
 また、受給者数は、中央職業能力開発協会から直接申請者に決定通知が届きますことから正確な数字は把握できかねますが、ハローワークにおいて事前に申請要件を確認しておりますことから、申請者の大半が受給していると聞いております。
 給付制度の利用者数は、11月20日現在で78人、1月8日現在で116人、2月19日現在で229人と増加しております。
 なお、要件緩和につきましては、平成21年9月に所得制限について、平成22年1月に未就職卒業者の申請要件についての見直しが行われており、さらなる要件緩和につきましては、当面は、国の動向等を注視してまいりたいと考えております。
 次に、新規高卒者の就職対策についてでありますが、就職内定状況は、1月末現在で、就職内定率84.3%、未内定者は525人となっております。
 一人でも多くの生徒が就職できますよう、各地域の就業支援員と学校、教育委員会と連携し、3月いっぱい全力で就職支援を行うこととしております。
 現在、13市町村が高卒未就職者を雇い入れた事業所を対象としました奨励金等によります支援を準備していると聞いており、県としては、これらの市町村に対し、経費の一部を補助することとしております。
 臨時職員等につきましては、4市町村が採用すると聞いておりますほか、県も非常勤職員として50人程度の採用を予定しております。
 次に、地域産業振興施策についてでありますが、地域経済を安定的に成長させていくためには、長期的な視野に立ち、県外から安定的に所得を獲得する産業と、得られた所得を県内で循環させる産業が、バランスよく成長していくことが重要と考えております。
 そうした考えのもと、いわて県民計画において、ものづくり産業の振興のほか、国内有数の生産力を誇る農林水産業、それら農林水産物を利用した食産業、豊かな自然や歴史などを生かした観光産業など地域資源型産業、そして商業、サービス業の振興、次代を担う新産業の育成に取り組むこととしているものです。
 今後、これらの産業振興施策に積極的に取り組むことにより、中小企業や地場産業の振興に資するものと考えております。
   〔医療局長田村均次君登壇〕
〇医療局長(田村均次君) 花泉地域診療センターの民間移管についてでありますが、常勤医師、非常勤医師の確保と医師確保に係る協議につきましては、法人からは、医師の体制が確定した段階で報告をいただくこととしておりますが、最終的な報告はまだいただいていないところであり、できるだけ早く最終的な報告をいただきたいと考えているところであります。
 次に、公募の方法についてでありますが、今年度開催しました花泉地域診療センター等懇談会において、施設の利活用策について御意見をいただいたところでありますが、昨年6月5日に開催した懇談会において、民間事業者の公募について大方の方向性が固まり、具体的な公募条件や進め方について、一関市との協議のほか、7月29日の懇談会でも意見を伺った上で公募を実施したものであります。
 次に、事業計画、収支計画についてでありますが、今後、一関保健所の診療所使用許可、県南広域振興局の特別養護老人ホーム設置認可、一関地区広域行政組合の介護保険に係る事業所指定などの手続が必要であり、これら一連の手続が終了した時点で、最終的に変更協議を受けることとしております。
 次に、有床診療所の10年間継続の条件が満たされない場合の取り扱いについてでありますが、継続して事業を行うためには、まずもって、法人において必要な医師を確保していただくことが何よりも重要であると考えているところであります。
 事業開始後におきましては、10年間継続していただく必要があることから、施設の貸し主として、施設の貸付契約の更新の機会などに運営状況を確認していきたいと考えております。
 次に、沼宮内病院の関係でございますけれども、医療局の支援につきましては、岩手町において、民間移管に向けた取り組みを積極的に進めており、医療局としても、町の取り組みをしっかり支援していきたいと考えております。
 また、町の検診体制につきましては、今後、岩手町ともよく相談して対応してまいりたいと考えております。
 次に、民間医療機関への診療応援についてでありますが、県立病院の医師をメンバーとする医師の定着支援に関するプロジェクトチームや県立病院長会議の場でも、実施に当たっての課題等について意見を伺ってきたところであり、こうした現場の医師の意見も踏まえながら、本年4月からの実施に向け、現在、診療応援の対象、民間診療機関との間の手続、診療応援をする医師の服務や民間医療機関の経費負担等について、詳細を検討しているところであります。
 次に、沼宮内病院の医師等の体制についてでありますが、4月以降も、診療を継続するために必要な体制を確保したいと考えております。
   〔農林水産部長瀬川純君登壇〕
〇農林水産部長(瀬川純君) まず、戸別所得補償についてでありますが、平成20年産の本県の米生産費、60キログラム当たり1万7、236円から、実際には支出されない自己資本利子、自作地地代相当額を除いた額が、農家が再生産に必要な額となります。この額と米価格センター入札価格から流通経費を除いた販売価格を比較すると不足となりますが、米戸別所得補償モデル事業の交付金の定額部分は10アール当たり1万5、000円、単収換算しますと60キログラム当たり1、779円となり、これが補てんされると再生産に必要な経費が賄われるものと考えております。
 次に、激変緩和措置についてでありますが、現在、国と協議を進めており、作物間での単価調整については、県が指定する野菜や雑穀など約30品目の振興作物の単価を可能な限り引き上げるとともに、飼料作物の単価は現行の助成水準並みとし、麦、大豆の単価は、現行の水準に近づける方向で協議しております。
 また、激変緩和調整枠については、集落営農等担い手の育成や地域振興作物の産地化等が停滞することのないよう、地域の実情に応じた加算を可能とする方向で協議を行っております。
 こうした協議により、おおむね現行並みの助成水準が確保されることが期待されることから、単価への上乗せ助成は考えていないものであります。
 なお、園芸産地の形成等については、県単のいわて希望農業担い手応援事業や、いわての新園芸産地構築支援事業を活用して支援してまいります。
 また、今般の激変緩和措置は、平成22年度も継続して安定的な生産体制が維持できるよう講じられるものとされており、平成23年度以降の国の対応は示されていないところであります。
 次に、政府米の生産費を基準とする買い入れについてでありますが、現行制度では、御案内のとおり、政府による米の買い入れは、いわゆる政府備蓄米に限定されており、買い入れ数量は備蓄適正水準とされる100万トンを基準とするほか、買い入れ方法は市場からの入札によるものとされております。
 したがいまして、生産費を考慮した買い入れは制度上難しく、平成21年産米の政府買い入れは既に終了したところでありますが、米の備蓄制度のあり方については、関係団体等の意見も伺いながら、必要に応じて国に提案してまいります。
 次に、国の農林水産予算の減額の県への影響についてでありますが、来年度の県の農林水産予算につきましては、主に国の公共事業費の削減により前年度を6%ほど下回ったところでありますが、県としては、平成21年度2月補正予算において、国の追加配分による公共事業を前倒しし、現在の継続事業等に影響が生じないよう取り組むこととしております。
 一方、公共事業費以外のいわゆる政策的経費については、いわて県民計画に掲げる経営体の育成などの重点政策を着実に推進するため、農林水産分野では前年度比で19億1、000万円余の予算を増額したところであり、本県の農林水産業が持続的に発展できるよう今後も取り組んでまいります。
   〔教育委員会委員長八重樫勝君登壇〕
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) 岩手の教育についての私の認識でありますが、議員御案内の教育をめぐる諸条件、課題についての議論があることは承知しておりますが、国づくりは人づくりであると言われるとおり、社会の形成者たり得る人間形成を目的とした教育の根幹については不易のものであると認識しております。
 子供同士が、集団の中で助け合い、学び合いながらともに成長を遂げていく心を大切にしつつ、多くの国民が高い水準の学力を身につけてきた日本の教育は世界に誇れるものとも言われております。
 現在、複雑多様化している教育現場の課題に対応して、子供一人一人の特性を伸ばしていくためには、少人数教育も有効な手段であると考えております。少人数教育の二つの柱である少人数学級と少人数指導の利点が、学校現場において十分に生かされるよう推進してまいります。
   〔教育長法貴敬君登壇〕
〇教育長(法貴敬君) 35人学級の試行実施などについてでありますが、平成21年度の中1での35人学級試行実施校17校への加配数は25人となっております。
 試行の評価については、基本的生活習慣の定着、中1ギャップの緩和、人間関係の把握など、学校生活安定の上で効果的であるという結果を得ています。
 全面実施としなかったことについてでありますが、35人学級編制を実施しない学校については、学校の実情に応じて学習面での効果が高いと言われている少人数指導に重点を置く意向であるため、全面実施とすることなく、現場の実情に応じて指導体制を選択的に実施することとしたものであります。
 なお、全面実施の比率は、現時点での見込みではありますが、平成21年度は39%、平成22年度は62%となっており、次第に全面実施の比率が高まってきております。
 なお、来年度においては、35人学級編制の対象校の中に実施する学校と実施しない学校はあるものの、全く実施をしないという市町村はございません。
 次に、学力テストについてでありますが、調査が悉皆から抽出に変更になったのは、国の予算にかかわるさまざまな議論の中で、抽出調査によっても国及び県の状況等を把握することが可能であるとの判断によるものと認識しております。
 次に、学力テストの問題点についてですが、調査の目的が児童生徒一人一人の状況を把握し指導に生かすことにあるにもかかわらず、都道府県の平均正答率の順位の比較のみに注目が当てられたものというふうに認識しております。
 また、来年度の抽出調査の対象校は小学校127校、中学校108校であり、参加を希望した市町村は18市町村、小学校で144校、中学校で46校になっています。
 次に、高校再編についてでありますが、今後の高等学校教育の基本的方向の案に対しては、パブリックコメント、意見を聞く会や地域説明会などを通じて、2月末までに194の個人あるいは団体から523件の意見をいただいております。
 その意見の主なものは、先ほど小西議員の質問でも答弁したとおりでありますが、学級定員40人について、教育効果の面や少子化を見通して少人数学級あるいは弾力的な定員としてほしい、あるいは望ましい学校規模を4から6学級程度としていることに関して、地域の高校あるいは3学級以下の学校を存続させてほしい、県内のブロック間における格差のない学校の配置あるいはブロック内でのバランスに配慮した学校配置をしてほしい、統合した場合の通学手段の確保や経済的な支援はぜひ行ってほしいというものなど、多岐にわたる御意見をいただいております。
 現在、いただいた意見の整理を行っており、今後、これらの意見を参考としながら、年度内に成案を取りまとめる考えであります。
 議員御指摘の小規模校の教育実践については、第2次県立高等学校長期構想検討委員会から、生徒一人一人に対応したきめ細やかな指導ができ、地域との連携により進路や部活動の成果など一定の実績を上げているなどの評価がある一方で、生徒の科目選択の幅が少なく、多様な進路希望への対応や学習内容の質の確保が難しいなどの課題が示されております。
 したがいまして、小規模校のあり方を含めた具体的な学校配置等については、来年度およそ1年間をかけて、きめ細やかに地域の意見を伺いながら、その対応について総合的に検討していく考えであります。
   〔公安委員会委員長藤原博君登壇〕
〇公安委員会委員長(藤原博君) 警察本部の不適切な事務処理問題についてでありますが、初めに、どういう法令、規則に違反するかとのお尋ねにつきましては、地方自治法第220条第3項及び県会計規則第185条などの関係規定に照らし問題となり得るものと認識しており、このことを勘案し、県警察幹部職員を含め、257名に対し厳正な処分が行われたものと認識しております。
 次に、公安委員会の管理監督責任を含めた認識についてでありますが、公安委員会といたしましては、県民の良識を代表し、警察行政の民主的運営の確保の観点から、今回の問題については、これまで県警察から、調査を始める段階、中間報告のまとめの段階、そして議会報告の段階など、逐次報告を受け、その都度公安委員会として具体的な指示を行ってきたところであります。
 全部署にかかわる組織ぐるみの不正が長期にわたって行われていたとの御指摘でありますが、むしろ担当者任せで組織的な管理が不十分であったために今回のような問題が起こってしまったものと考えております。
 今回の問題につきましては、県警察を管理する公安委員会といたしましても厳粛に受けとめているところであり、今後、より一層の管理機能の充実と強化に努めてまいる所存であります。
 次に、公的に費消されたとする根拠は何かとのお尋ねについてでありますが、県警察の今回の調査は、支出関係書類と業者の帳簿書類とを突合して支出内容と業者の納品内容との対照作業を行うとともに、関係職員及び関係業者からの聞き取り調査を行ったものであります。
 また、納品内容には備品等が含まれていること、及び消耗品であっても一部残存している可能性があったことから、これらの納品物品については現物確認を行ったものであります。
 こうした調査結果に基づく総合的な判断により、昨年10月14日逮捕された職員が私的に流用した物品及び所在不明物品以外の物品が公的に費消されたことが確認されたものと承知しております。
 さらに、公安委員会として具体的な検証を行ったかとのお尋ねについてでありますが、今回の調査は約3万4、000件余のすべての契約内容を突合した上で不適切な事務処理の全容を明らかにしたものであり、県警察から各段階ごとに詳細な報告を求めた上で公安委員会から適時指示を行い、厳正に調査させたものであります。
 次に、県費支出分は、なぜ返還されないかとのお尋ねでありますが、国庫補助金については、不適切な事務処理により補助金の交付決定が取り消された分を法律に基づいて国に返還するものであります。
 一方、県費分については、出納局等を通じた正規の物品購入と比較して割高に納入された実態があることから、国庫補助金対象経費を含め一定額を職員が負担し、県歳入とされるものと承知しております。
 次に、公認会計士の第三者の検証はどう行われているかとのお尋ねについてでありますが、今回の調査は、約3万4、000件余のすべての契約内容を突合した上で不適切な事務処理の全容を明らかにしたものであり、公安委員会といたしましても適時指示を行い、厳正に調査したものであると認識しております。
 県警察の岩手県警察会計経理アドバイザー制度は、今後、会計経理に対する県民の懸念を払拭し、再発防止策をより効果的に推進するため、公安委員会の検討指示を受け県警察が創設したものであり、今回の調査結果の検証を目的としたものではないと承知しております。
 最後に、議員御指摘の懇談会についてでありますが、昨年の決算特別委員会における質疑の状況や、この会は警察官有志の主催による送別会で、かつ完全会費制で行われたものであり、警察行政の公平性を疑わせるようなことはなかった旨、県警察から報告を受けているところであります。
 しかしながら、警察職員たる者、部外者との飲食に当たっては、無用な誤解、疑念、不審を招かず、特にも慎重であらねばならぬものであり、厳に軽率な行動を慎むよう職員の指導を徹底する旨、県警察からあわせて報告を受けております。
 こうしたことから、公安委員会として改めて調査を指示する必要は認められないと判断したものであります。
   〔警察本部長保住正保君登壇〕
〇警察本部長(保住正保君) 今回の不適切な会計事務処理問題において、調査の過程で私的流用が明らかとなり、当該職員もそのことを認め、私的流用物品の全額を返還しているところであります。
 また、捜査を行い、平成21年10月15日、盛岡地方検察庁に詐欺罪で事件送致をしております。検察庁の処分については処分保留であると承知しておりますが、警察においてコメントできる立場にはございません。
 なお、検察庁において最終的な処分がなされていないことから、処分に影響を与えるようなコメントは差し控えさせていただきます。
〇38番(斉藤信君) それでは、再質問をさせていただきます。
 私は、知事に対して、今の深刻な雇用問題、県政の最重要課題ということで質問しましたが、細切れの答弁でした。中身の薄い答弁で、大変わかりにくい。こういうのは必ず改善してください。知事に質問したのです。
 今の雇用情勢の認識、大変甘いのではないか。これは達増知事に聞くんですよ。09年1年全体の有効求人倍率が0.34倍というのは統計史上最悪なんです。きょう発表された1月の有効求人倍率も0.35倍です。特に水沢は0.26倍、また悪化しました。これだけ1年間にわたって0.3倍台の大変深刻な事態が続いているということは、失業が長期化しているということです。失業が長期化しているということは、雇用保険がもうほとんど切れているのですよ。
 知事、今、失業者が県内でどうなって、そのうち雇用保険をもらっている方が何人なのか把握しているでしょうか。
 私はそういうところから、私たち自身が直接市民アンケートを行った実態もお知らせしました。奥州市で行ったアンケートでは、28.5%が世帯に失業者、求職者がいるという答えですよ。すさまじい規模ですよ。本当に生活の土台が今、断たれているような状況になっているわけです。
 だから私は、ワンストップサービスというのは時々やればいいんじゃないんだと。せめて毎月、就職の確保とあわせて、今々の生活をどういうふうに確保するか。私たちもそういう活動をしているんですけれども、行政としてもう一歩踏み込んで、ワンストップサービスというのをせめて毎月、労働局や市町村と協力してやるべきだと、こう提案したのですよ。
 商工労働観光部長がニーズを見ながらなんていう、ニーズははっきりしているじゃないですか。そんなとぼけた認識では、私は雇用対策はやれないと思います。このことを改めて知事に、この深刻な史上空前の失業、雇用情勢に対応する対策を県として打ち出していただきたい。
 二つ目に、この期間工切り、派遣切りの先陣を切ったのは誘致企業でしたが、私、商工労働観光部長の回答は間違っていると思いますよ。関東自動車だけで平成20年3月31日、期間社員は1、243人いました。派遣社員は107人いました。昨年の8月31日には期間社員は526人、717人減っているんですよ。派遣社員は107人全員減っています。824人減っているんですよ。その後、若干増産体制になったから250人ふやした。しかし、824人減らしているんですよ、関東自動車は。富士通は1、130人の再配置、基本的には一回首を切って、関連会社に派遣で採用するというものですよ。既に700人が退職を申し出ている。ソニーは工場閉鎖で、424人の正社員が退職ですよ。
 私は、本当にそういう深刻な事態の中で、こうした大企業が、実は巨額の内部留保をため込んだままで、株主の配当のためには内部留保を取り崩すけれども、雇用を守るためには一円も取り崩さないというこういうやり方でいいのか、私はこのことを知事に聞いたのです。本来、内部留保というのは、こういうときにこそ、雇用を守るために、工場を守るために使うべきじゃないでしょうか。株主のためには赤字になっても配当はするけれども、雇用を守るためには一円も使わない、私は世界の非常識だと思いますよ。
 いわば雇用を守る、工場を守る体力があるにもかかわらずやらないということに今、本当にメスを入れる必要があるのではないか、これが第2点です。
 第3点、職業訓練センターの廃止問題です。
 実はこの職業訓練センターの回答というものをあなた方は民主党県連に要請して、民主党県連から口頭で回答を受けたというんですよ。こんなことでこの問題が解決できるのですか。
 その口頭で回答をいただいたものはこういうものです。平成20年12月24日の閣議において雇用・能力開発機構の廃止についての決定がなされ、業務及び施設について真に必要かどうかを精査した上で、不要なものについては廃止するなどスリム化を図ることとされたと。こういう検討をしたら、真に必要なセンターじゃないですか。不要なものは廃止する。もし不要だという判定をしたとしたら、これは間違いだと思いますよ。これは知事が厳しく抗議をして、私がさっき述べたように、長妻厚生労働大臣にこういう問題こそ直訴すべきじゃないでしょうか。一つのセンターで2万人を超える方々が毎日毎日職業訓練を受けて6割、7割が就職しているのですよ。失業が大変なときこそ必要な対策で、私は国が責任を持ってこういう訓練は拡充すべきだと。こういう問題こそ、なぜあなたは長妻厚生労働大臣のところに行かないのですか。
 政府の回答というのは全く答えになっていない。大体この回答は、だれのどこの名前による回答なんですか。
 労働者派遣法の派遣問題についてお聞きします。
 労働者派遣という問題は、この派遣切りで大問題になりましたが、実は今、国会で出されようとしているのは二つの大穴があります。
 3カ月雇用でも1年継続してやれば常用雇用ということで、これは派遣禁止の例外になってしまう。今までと全く変わらないんです。26の専門業務、事務的作業、パソコンを使えばこれは26の専門業務ということで対象外になってしまう。これは全国で100万人います。岩手県の派遣労働者の実態、登録型、そして常用型の派遣はどうなっているか。26の専門業務の派遣労働者はどうなっているか。私は、こうした二つの大穴をやっぱり打開すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、地域医療の問題について医療局長にお聞きします。
 大変重大な答弁がありました。花泉地域診療センターの医師については確定していないから報告がない。3月に入ったんですよ、今。だったら、私たちが9月県議会で廃止条例を議論したその前提が崩れたんじゃないかということですよ。あのときの申請書の検討は、5人の医師が確保されることを大前提にしているんですよ。もう4月まで1カ月を切った段階で医師の確保の見通しがない。だから私は、花泉地域診療センターで聞きました、先生に。後任の医師が見えないから4月からの患者を紹介できないと言うのです。5割以上の患者は地元の開業医に、その他の患者は磐井病院や大東病院や宮城の病院に紹介している。とんでもないことですよ。
 私は、計画の一番大事なこういうポイントで、3月になっても医師確保の見通しが示されないなどというこういう申請は、今、取り消すべきじゃないですか。破綻が明らかじゃないですか。
 実は、2月13日付医事新報にこの医療法人白光は内科常勤医師の募集をしています。とんでもない話ですよ。2月13日付で内科常勤医師募集なんていうのはとんでもない話じゃないですか。前提が崩れたこの計画申請書は直ちに撤回させるべきじゃないでしょうか。
 医療局は、医師確保について履歴書までもらったと言っていました。これは本当だったんですか、うそだったんですか、確かめたんですか。今までの医師確保の話はみんなでたらめじゃないですか。そのことを示していただきたい。
 申請書の中には事業実施開始日を示すことになっています。事業開始日はどういうふうに報告されているんですか。特養ホーム、介護施設の場合は3月5日で申請しているんですよ。3月5日ではできないでしょう。そういう変更もされているんですか。そのことを示していただきたい。
 コンクリートから人へということで、私は岩手県発注の公共事業の天の声の問題を指摘しました。胆沢ダムは県も負担金を出している。実は、あの堤体工事の第1期工事、原石山材料をとる第1期工事、談合情報が出されて、談合情報どおりにとったのですよ。そのことを指摘したら、国土交通大臣は、この入札について検証すると答えました。この間の公判であれだけリアルに岩手県の公共工事で天の声が出されて談合がなされたと言われているときに、何の検証もしないということはないでしょう。それは小沢利権にかかわるからですか。コンクリートから人へではなく、コンクリートから小沢へじゃないでしょうか。
 達増知事が民主党県連の会長のときに、西松のダミー団体から1、100万円の献金を民主党県連はもらっていた。私、6月県議会で指摘しました。あなたはそれについて、この間どういう対応をしましたか。
〇知事(達増拓也君) 現在の雇用情勢に関する認識でありますけれども、さまざまな数字がいわゆる最悪の数字というような形になっていることは私も認識しております。
 県では経済・雇用対策本部を立ち上げ、私、その対策本部長として、随時対策本部の会議を開きながら実態を把握して、それに対応する措置を県を挙げて、また、関係市町村や国の機関、そしてさまざまな労働関係の団体とも協力、連携しながら取り組んでいるところであります。
 その中で、失業の長期化がいわゆる貧困の問題になりつつあるということも県として把握しておりまして、単なる通常型の雇用対策ということだけではなく、一つには経済そのものの力を高めていく構造的な対策が求められている一方で、福祉的なそうした貧困関係の対策も必要ということで、それに対しても随時状況を把握しながら県としてきちんと対応しているところであります。
 また、ワンストップサービスについては、年末年始、政府のほうからも積極的にやるようにということで、県としても年末年始に実施したところでありますけれども、今後におきましても、さまざまな失業の課題、そして貧困の問題、そういったことに、必要とする人に必要な支援がきちんと行くように努めてまいりたいと思います。
 企業の内部留保の問題との関係でありますけれども、雇用の維持については、これは岩手に立地している大きな会社に対して、それぞれ会社のトップに対しても私からも強く求めているところであります。
 次に、地域職業訓練センター等の廃止に関する国に対する働きかけでありますけれども、岩手にとって最もよい形になるように、さまざまやり方を工夫させていただきたいと思っております。国の動向、行政改革、しかし一方で、地方から、働く人本位の人の力で地域を活性化し、そしてそれが日本全体を引っ張っていく、そういう新しい国の形をつくっていくという点で今の政府と岩手県とは基本的な考え方は同じだと思っておりますので、そういう中で、この職業訓練のあり方についても国と地方の適切な役割分担をきちんと定め、対応してまいりたいと思います。
 今、政府において法案の改正が準備されている労働者派遣法についてでありますけれども、県としても、全国知事会等を通じて労働者派遣法の改正について国に要請してきたところであります。そうした要望も踏まえ、労働政策審議会において公、労、使3者による議論、労働現場の実態を踏まえた議論が尽くされて全会一致で答申が出され、その答申に基づいた法案化が行われつつあると承知しておりますけれども、まだ閣議決定が行われていませんし、国会審議もこれからでありますので、県としても、県の中における暮らしや仕事をしっかり守っていく、そういう観点から動きを見守っていきたいと考えております。
 それから、県の公共事業、それに関する公判のことが指摘されましたけれども、西松建設前社長の公判の判決においては、その政治献金が談合の際の天の声に対する見返りであったという検察側の主張は、認められなかったと承知しております。
 また、大久保秘書の公判においては、指摘されている政治団体は、決してダミー団体ではなく、会社組織とは別にきちんと立てた政治団体である旨、元総務部長が主張しているというふうにも聞いておりまして、私も、その公判の推移を注視しているところであります。
〇医療局長(田村均次君) まず、医師の確保がまだ確定していないということに関連してでございますが、いずれ、もう工事も始まっている中で、きちんとしたものを出していただきたいというのは、我々も同じ思いでございますので、できるだけ早く出すように、今も要請をしているところでございます。
 それから、履歴の関係がございましたけれども、事務的には、その後もどういう状況になっているのかやりとりしておりますが、その中では、その当時のいただいた方々が、まだ何とかしていただけるという方と、なかなか厳しい部分と両方あるということで、そういう状況では困るということで、最終的なものが早く欲しいんだということで申し入れをしているということでございます。
 それから、事業開始日が、12月15日にいただくという段取りで進めておりました。ところが、その時点では、当然、法人のほうからも相談があったわけでございますけれども、社会福祉法人の認可の流れ、それから工事の流れ、そういったものがなかなか、いつまでにというのが確定できるような状況が、我々としてもその時点で判断できないというようなことで、そういったものがきちんと判断できる時点で最終的な判断をさせていただきますということで、その中には医師の確保は当然のこと、それから、各種の諸手続、諸認可申請がございますので、そういったものをきちんとやって、その書類を我々もしっかりいただいた上で、最終的な事業者としての決定をさせていただくという話をさせていただいておりまして、今、そういう考え方で進めております。
〇38番(斉藤信君) 私が知事に質問したことについて答えがないですよね。知事がなかったら、部長が、こういうときはかわって答えなければだめでしょう。聞いていないときに答えて、聞いたことについては全然答えないと。だめですよ。
 いわば、関東自動車や、その派遣切り、期間工切りの数が違うのではないかと私は指摘したし、労働者派遣の岩手県の実態、このことも指摘したじゃないですか。
 それで、知事、失業が長期化している、そして生活確保の要求が切実だと。私たちのアンケートにも、本当にもう希望がなくなった、自殺するしかない、こう書いてきているのですよ。そこまで今、追い詰められているのです。だから私は、仕事の確保とあわせて、そういう方々の生活を今直ちに守る対策が必要だと。今できる一つの対策として、ワンストップサービスというものを、いわばキャンペーンではなくて、やっぱり定期的にやる。
 実は、奥州市の求職者相談センターは、比較的、奥州市と協力して結構やっているのですよ。だから、そういうことを県内各地で思い切って県が音頭をとってやっていただきたい。
 職業訓練センターは、私は、鳩山政権が国民、県民の期待を裏切るかどうか、このぐらいの大事な問題だと思いますよ。これだけ失業者、求職者が大変で、訓練を受けたくても受けられないのです。その施設を廃止するなんていうことは、まさに国民、県民の願いに逆行するもの。国と県の考え方は同じだなんて言わないで、これは同じじゃないんですから。こういうことは、やっぱり地方から声を上げて、こういう悪政は歯どめをかけると。こういうときこそ達増知事が力を発揮していただきたい。私は、改めてこのことを求めておきます。
 医療局長、本当に切ない答弁、聞くにたえない感じですよ。9月定例会で、あれだけ我々がかんかんがくがく議論したのは何だったのかと。あの議論は、いわば59年続いた県立医療センター、医療機関を廃止していいのか、それについては余りに根拠がないのではないかと私は指摘をした。医療法人の信頼性にも欠けているのではないかということも指摘をした。しかし、あの計画の大前提は、常勤医師2人、非常勤医3人の確保が、見込みがあるからということが大前提だった。あと1カ月を切った段階で医師確保の報告がないなんていうことは、信じがたい話ですよ。
 だから、私は、さっきの壇上からの質問でも、始める前に破綻するおそれがあるのではないかと。そして、この状況で無理して4月スタートしても患者は集まりませんよ。私は、やっぱりもう何度も何度も裏切られているわけだから、そういうところをしっかり見て必要な判断をしないと、本当に深刻な事態になってしまうのではないかと。
 もし、まともに運営できないとしたら、これは県立病院として、県立医療機関として継続するしかないですね。私は、そのことを改めて聞きたい。
〇知事(達増拓也君) 貧困対策的な支援に関しては、御指摘のとおり、市町村との連携が非常に重要だと思います。今後ますます市町村との連携をしっかり深めながら、貧困対策的なところもきちんとニーズにマッチするように進めてまいりたいと思います。
 それから、職業訓練の重要性ということについては、政府も県も同じだと思っておりますけれども、ただ、施設の廃止については、これはもう県も反対をし、存続を求めたわけでありますから、そうしたお互いの違いについて、どのような形でセットできるかについては、これは交渉、工夫させていただきたいと思います。
〇商工労働観光部長(廣田淳君) 解雇、雇いどめの実態の中で、関東自動車の状況ということでございますけれども、先ほど答弁したとおり、自動車関連産業では、解雇、雇いどめは370人というお話をしましたが、この中の半分程度が関東自動車のものだと聞いております。
 それから、県内の派遣労働者の実態についてでございますけれども、総務省の就業構造基本調査によりますと、平成19年の労働者派遣事業所の派遣社員は9、900人となってございます。
 なお、岩手労働局によりますと、一昨年10月からことし3月までに実施済み、あるいは実施予定としております非正規労働者の雇いどめ等のうち、派遣労働者につきましては78事業所、3、062人と聞いております。
〇医療局長(田村均次君) いずれ、お医者さんの体制のものをしっかり出していただいて、それを見て判断させていただきたいと考えております。
〇38番(斉藤信君) 医療局長も答弁漏れだ。私は、できなかった場合に県立として継続するんですねということも聞いたのですよ。そこまで来ているのですよ、事態は。大体、今の時点で医師が決まっていないということが異常なわけだから、異常な事態を認識してやるべきだ。
 あと、商工労働観光部長、あなたからもらった資料で私は質問しているのですよ。そういう把握だったら数が違うじゃないですか。違いますか。
〇医療局長(田村均次君) いずれ新しい体制がスタートしなければ、我々とすれば、現在の無床診療所は継続するということで住民に言ってきている話ですので、そういう前提で、そういう考え方でございます。
〇商工労働観光部長(廣田淳君) 私の手元にございますデータでお話ししてございますので、御了解願いたいと思います。
〇副議長(小野寺研一君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時29分 休 憩
出席議員(45名)
1  番 木 村 幸 弘 君
2  番 久 保 孝 喜 君
3  番 小 西 和 子 君
4  番 工 藤 勝 博 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 高 橋 昌 造 君
10  番 菅 原 一 敏 君
11  番 小野寺 有 一 君
12  番 熊 谷   泉 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 中 平   均 君
17  番 五日市   王 君
18  番 関 根 敏 伸 君
19  番 三 浦 陽 子 君
20  番 小田島 峰 雄 君
21  番 高 橋 雪 文 君
22  番 嵯 峨 壱 朗 君
23  番 及 川 あつし 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 田 村   誠 君
27  番 大 宮 惇 幸 君
28  番 千 葉 康一郎 君
29  番 新居田 弘 文 君
30  番 工 藤 大 輔 君
31  番 佐々木 順 一 君
32  番 佐々木   博 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 吉 田 洋 治 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 佐々木 一 榮 君
42  番 伊 藤 勢 至 君
43  番 渡 辺 幸 貫 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(1名)
36  番 柳 村 岩 見 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時43分 再開
〇議長(佐々木一榮君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇議長(佐々木一榮君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇議長(佐々木一榮君) 日程第1、一般質問を継続いたします。小野寺好君。
   〔48番小野寺好君登壇〕

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