平成22年2月定例会 第15回岩手県議会定例会 会議録

前へ 次へ

〇25番(飯澤匡君) 小西和子議員の雇用、労働環境問題整備に関連して、職業能力開発について関連質問を行います。
 現下の厳しい経済情勢、雇用環境の中にあって、新卒者、離職者の雇用先の確保とともに、就職できるスキルを持った人材の育成が重要であり、その必要性は、地域からも強く求められています。この分野について、県の職業能力開発行政の果たすべき役割は大きいと考えます。
 昨年12月25日付の厚生労働省職業能力開発局長からの通達により、本県北上市にある情報処理技能者養成施設及び盛岡、二戸、両磐、胆江にある地域職業訓練センターは、運営の改善の成果にかかわらず、平成22年度をもって廃止する方針が示されました。独立行政法人雇用開発能力機構の業務スリム化は当然としても、地方の貴重な職業訓練の場を地方の実態を調査もせずに廃止する方針は、到底承服することはできません。ましてや、廃止という報道が先行し、地域職業訓練センターはもとより、当該地元住民にも大きな衝撃が走っています。
 知事は、来年度予算編成において、雇用問題は、重要な課題として積極的な施策展開をすることをさきの知事演述で明らかにされました。労働行政は、一義的に国が行うこととされていますが、離職者訓練、デュアルシステム訓練など受託型訓練は、国から県に大幅に移管する流れが強まるなど、県の担う役割の大きさは、今後増大する一方であります。
 この問題に関しては、既にお2人の同僚議員の方が質問され、おのおのの答弁がありましたが、それを踏まえてお伺いします。
 まず、知事にお伺いします。労働問題、とりわけ雇用問題の中で、県の職業能力開発に対する役割とは何でしょうか、県の基本姿勢を伺います。
 さきに民主党県連に技能者養成施設及び地域職業訓練センターの運営継続要望についてあり、2月15日、民主党県連から次のような回答があったと。その内容を見ますと、国としては、独立行政法人が担っていた施設管理については、今後、自治体に譲渡するという方針が強く打ち出されております。
 そこで伺いますが、廃止が予定されている運営主体とは、県がただいま想定している中で、地方公共団体等にゆだねる方針が回答されたと聞いておりますが、県が想定している公共団体等とは何でしょうか、示していただきたいと思います。
 地域職業訓練センターの廃止は、地域の産業人材を育成する拠点がなくなる、新たな職業訓練施設を確保する必要が生ずる、県が当該施設の運営を受託している職業訓練法人等に委託している離職者等を対象とした職業訓練の場が困難になる等の影響が出ることが考えられます。
 そこで伺いますが、さきの本会議の答弁において、既存の施設を確保することが最優先ということが示されました。譲渡を含む存続には多額の自治体負担が伴うのは必然であります。五日市議員に答弁された県の予算面の役割とは何でしょうか、具体的に示していただきたいと思います。
 次に、受託事業等は、来年度も継続されるとの答弁がありました。しかし、既に廃止と報道された傷は大変深く、来年の受講者募集にも大きな影響が出ることが予想されます。県は、この実態をどのように把握し、払拭するつもりなのか、方策を示していただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、職業能力開発に対する県の基本姿勢でありますが、職業能力開発は、本県のものづくりなどの産業に寄与する人材の育成と労働者の就業の安定を図るために行うものであり、その役割は重要なことと考えております。
 そのため、県は、関係機関と役割分担をしながら、企業のニーズに即した技能や技術を身につけた人材の育成、労働者一人一人の状況に応じた職業能力開発の支援を行ってきたところであります。
 廃止後の運営主体ということでありますけれども、これらの施設が設置された経緯や同様の職業訓練を行っている県内の他の施設の現状なども考慮しながら、関係市とよく話し合ってまいりたいと思います。
〇商工労働観光部長(廣田淳君) 施設の譲渡に伴う費用負担についてでありますが、これまで、大規模な施設修繕費や機器等の整備費については、国が、雇用・能力開発機構を通じて負担してきたところであります。
 現段階では、譲渡の条件が示されていない状況にありますことから、まずは国の動きを正確に把握し、関係市と十分意見交換をしながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、国の廃止通知による影響への対応についてでありますが、地域職業訓練センターが行う認定訓練、離職者訓練などの職業訓練制度は、国が今後とも継続していくこととしておりますことから、県としても、当該施設が引き続き利用可能となるよう、関係市と一緒になって可能な限りの努力をしていきたいと考えております。
〇25番(飯澤匡君) この間の答弁と余り発展性が見受けられないので、ちょっと歯がゆい気がします。
 このたびの、ただいま知事の答弁にもありましたように、県は、ほかの施設も持っているわけですね。県が認定した高等職業訓練校、これは、各地において職業訓練法人として、訓練校として存在していると。いわば今回の地域職業訓練センターの廃止については、いわゆる管理費面の部分だけが問題となっていると。
 いかにも県の答弁は、それらのほかの施設に配慮しながらやっていかなければならない、そういう方面の配慮が出ているんだと思うのですが、事は、これは施設管理費をどうするかにとどまらなくなっているというのが問題なんです。
 もう既に廃止という方針が出されて、地域職業訓練センターについては、今までやってきた訓練が本当にできるのか。確かに、県はそういう事業を継続したいというものがありますが、施設面でのそういう管理費がきちんとそこで担保されない限り、安定したそういう事業の運営というのは、私はなされないと思います。
 したがって、これから国との協議というのはまだあるわけですが、県として、職業能力開発におけるその立ち位置をしっかりとアナウンスをしていただいて、この間、もう3月、4月からは新しい受講者が出てくるわけです。運営面でも大きな影響が出ます。ほかの施設に対する配慮は大事ですけれども、事は、その問題にとどまっていないということを深く認識をしていただきたい。
 国との協議もあるでしょうけれども、私は、県が早急にその道筋を明らかにすべきだと考えています。今日まで、労働行政が国等の役割ということもあるでしょうが、県は調整役の域をまだ出ていないと。県の役割がなかなか見えてこない、当該センターとの協議も直接なされていない、県と当該市との協議が、中身もなかなか見えてこない、こういうところに現場の悩みがあるのであります。
 最後の質問になりますけれども、これは、平成22年度以降も施設の維持管理をし、事業が継続できるように、県の役割を私は大いに期待したいと思いますし、もう3月には、そして4月には新しい受講者が入って、また新しい運営が始まります。しっかりとした復旧といいますか解決のスケジュールを示すべきだと思いますが、その点について最後お伺いして、終わります。
〇商工労働観光部長(廣田淳君) タイムスケジュールについてでございますが、国からは、今のところ4月ごろを目途に条件の提示を予定しているけれども、関係省庁との協議、法案審議の行方など、不確定要素も多いことから、はっきりしたことは申し上げられないと私ども聞いております。
 引き続き、国からの情報収集を進め、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
〇議長(佐々木一榮君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時29分 休 憩
出席議員(44名)
1  番 木 村 幸 弘 君
2  番 久 保 孝 喜 君
3  番 小 西 和 子 君
4  番 工 藤 勝 博 君
5  番 岩 渕   誠 君
6  番 郷右近   浩 君
7  番 高 橋   元 君
8  番 喜 多 正 敏 君
9  番 高 橋 昌 造 君
10  番 菅 原 一 敏 君
11  番 小野寺 有 一 君
12  番 熊 谷   泉 君
14  番 高 橋 博 之 君
15  番 亀卦川 富 夫 君
16  番 中 平   均 君
17  番 五日市   王 君
18  番 関 根 敏 伸 君
19  番 三 浦 陽 子 君
20  番 小田島 峰 雄 君
21  番 高 橋 雪 文 君
22  番 嵯 峨 壱 朗 君
23  番 及 川 あつし 君
25  番 飯 澤   匡 君
26  番 田 村   誠 君
27  番 大 宮 惇 幸 君
28  番 千 葉 康一郎 君
29  番 新居田 弘 文 君
30  番 工 藤 大 輔 君
31  番 佐々木 順 一 君
32  番 佐々木   博 君
33  番 工 藤 勝 子 君
34  番 平 沼   健 君
35  番 樋 下 正 信 君
37  番 阿 部 富 雄 君
38  番 斉 藤   信 君
39  番 吉 田 洋 治 君
40  番 及 川 幸 子 君
42  番 伊 藤 勢 至 君
43  番 渡 辺 幸 貫 君
44  番 小野寺 研 一 君
45  番 千 葉   伝 君
46  番 佐々木 大 和 君
47  番 菊 池   勲 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(2名)
36  番 柳 村 岩 見 君
41  番 佐々木 一 榮 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時48分 再開
〇副議長(小野寺研一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。斉藤信君。
   〔38番斉藤信君登壇〕(拍手)

前へ 次へ