平成24年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成24年3月15日(木)
1開会 午前10時5分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    村 上   聡
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  農林水産部長   東大野 潤 一
  農林水産部副部長
  兼農林水産
  企画室長    橋 本 良 隆
  林務担当技監   竹 田 光 一
  水産担当技監兼
  水産振興課
  総括課長    寺 島 久 明
  農林水産企画室
  企画課長    小 岩 一 幸
  農林水産企画室
  管理課長    高 橋   徹
  団体指導課
  総括課長    大 友 宏 司
  指導検査課長   小田島   新
  流通課総括課長  菊 池   寛
  林業振興課
  総括課長    佐 野   淳
  森林整備課
  総括課長    藤 川 敏 彦
  整備課長    赤 澤 由 明
  森林保全課
  総括課長    佐 藤 順 一
  漁業調整課長   石 田 享 一
  漁港漁村課
  総括課長    大 村 益 男

  県土整備部長   若 林 治 男
  県土整備部副部長
  兼県土整備
  企画室長    菅 原 和 弘
  道路都市担当技監 小野寺 徳 雄
  河川港湾担当技監 佐 藤   悟
  県土整備企画室
  企画課長    及 川   朗
  県土整備企画室
  管理課長    内 宮 明 俊
  建設技術振興課
  総括課長    吉 田   拓
  技術企画指導課長 八重樫 弘 明
  道路建設課
  総括課長    高 橋   修
  道路環境課
  総括課長    青 柳   天
  河川課総括課長  松 本   中
  河川開発課長   及 川   隆
  砂防災害課
  総括課長    菊 地 一 彦
  都市計画課
  総括課長    渡 邊 健 治
  まちづくり課長  小田嶋 政 義
  下水環境課
  総括課長    紺 野 岳 夫
  建築住宅課
  総括課長    大 水 敏 弘
  建築指導課長   澤 村 正 廣
  営繕課長    西 尾 高 登
  港湾課総括課長  川 村 俊 通
  空港課総括課長  木 嶋   淳

  総務部長    加 藤 主 税
  総務部副部長兼
  総務室長    小 原 敏 文
  総合防災室長   小 山 雄 士
  予算調製課
  総括課長     八重樫 幸 治
〇喜多正敏委員長 これより本日の会議を開きます。
 初めに、本日開催しました世話人会の協議結果を御報告いたします。
 本日の日程については、昨日に引き続き農林水産部関係の質疑を行い、次に、県土整備部関係の質疑を行い、次に、防災計画の見直しを初めとした原子力事故に対する本県の対応について総務部長に説明を求め、その後、本予算特別委員会に付託された議案35件について意見の取りまとめをするとの結論に至りました。
 お諮りいたします。本日の日程を変更し、ただいま申し上げた日程により審査することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第27号から議案第32号まで、議案第34号から議案第37号まで、議案第42号、議案第45号、議案第48号及び議案第49号の以上35件を一括議題といたします。
 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇飯澤匡委員 それでは、私も干しシイタケの出荷自粛、また、その損害賠償の件についてお尋ねいたします。
 きのう、ホットな情報で、東京電力から補償に関する説明資料が県のほうにも送られてきたということで、その内容について質疑の中であったわけですが、まず最初に、その内容について整理をさせていただきたいと思います。
 きょう、実は生産者に対して、一関市川崎町で関係者が集まって、その賠償の範囲等について説明があると伺っておりますが、きのうあったほだ木の原子力被害の損害賠償について、賠償項目の中に逸失利益というものがあって、特にシイタケというのは、その年ごとにほだ木を入れかえるというわけじゃなくて、5年間から、7年ぐらい使う方もいらっしゃいますでしょうか、そこに菌を植えつけて生産するというような形になっておりますが、指標値を超えていることが確認されたシイタケ原木及び自粛要請により使用することができなくなったシイタケ原木、その残存価値相当額ということも含まれておるわけです。きのう議論になりましたけれども、結局、原木、ほだ木にある残存価格の分の生産されるであろう生産物に対して、これはその分も補償するという意味であるかどうか、それを確認させていただきたいと思います。
〇佐野林業振興課総括課長 昨日提示を受けた時点で詳しい説明はまだ受けてございませんが、当方としては、そういうことであろうかと認識しつつ交渉してまいりたいと思っております。
〇飯澤匡委員 ここが、これからの生産意欲を継続させて、その生産体制を維持していくということで、賠償の観点においては非常に重要な場面だと私は思います。
 御案内のとおり、シイタケ栽培については、野菜等と違いまして、その生産物がだめだからといって、じゃ、翌年やめるかというわけにはいかないわけです。そういう長いサイクルの中で、それも豊かな自然環境の中でできているという強みを、今回、原子力の被害によって本当に大きな打撃をこうむってしまったというように、今、生産者の方々は非常に落胆の底にあるわけです。
 今回、その賠償については一定程度の前進はしたと思いますが、特に生産基地である岩手県は、今までも生産活動を地道にこつこつと林産物を何とか市場に売り込もうということで一生懸命やってきた。ようやく市場にも認められて、その付加価値がついて、理解を得られようというときにこういう事故が起きましたので、その信頼回復をするというのは、よほどのことがないと、本当に努力しないとだめだと思っております。
 今回非常に思ったのは、私も一般質問で取り上げましたが、一関市、関係3市1町からも、県に対する要望事項の全文として、非常に珍しい、極めて異例なことが書いてあります。今回の事態を迎えたことはまことに遺憾である。その前段で、当初の段階から早期の対応を求めてきたにもかかわらずということで、これは明白に国や県の対応を批判しているといいますか、大変振り回されて、後手後手に回っているんだぞと。この信頼の回復を求めていくには、相当の努力が必要だということを物語っていると思うんです。
 次の質問に行きますけれども、これまでの酪農や畜産の部分と、非常に後手後手になったことも含めて、今回の事案に対してリスクマネジメント、責任の所在はどこにあるのか、県はどのように考察しているのか、改めてお聞きしたいと思います。
〇竹田林務担当技監 干しシイタケのリスクマネジメントについての、今回の事案についての御質問でございます。
 今回、干しシイタケにつきまして、産地としての適切な評価としたいという考えから、県といたしましては、その測定方法として、乾物でございますので、食べる状態、水戻しで測定するのが妥当であるということで、国のほうにもそういった考え方をお示ししてきたわけですけれども、国との調整に時間を要したこと、あるいは国の方向性、方策の提示がなかなか得られなかったといった状況にあったわけですけれども、そういった中にありましても、やはり対策をより早期に構築すべきであった、そういうふうにリスクマネジメントとしては考えてございます。
〇飯澤匡委員 この間のやりとりについては、林野庁を含め関係省庁に対する県─部長にも随分と行ってもらったと思いますが、確かに国の判断も遅かったけれども、県として、生産地を守っていくんだという部分のメッセージが足りなかったと。私は、これはやはり県は反省して、もう過ぎてしまったことですから、今回、東京電力の賠償のいわゆるスキームが出たことにより、これから消費者と向き合って、この信頼回復をどうしていくのかという点については、本当にしっかりやっていかなければだめだと思います。
 私の地元でも、もう20年、県のシイタケの産地として頑張っていた実績もありますので、東京のほうのバイヤーの方々とも、どうやったら信頼回復につなげていけるのかということも、もう既に真摯にお話し合いをしているようです。今回、シイタケの最大の被害は、露地に出て直接的にさらされているという部分の印象が、やはり消費者にとっても大変大きな影響が出ているのではないかと思います。
 それと、もう一つ、生産者側にとっても、現在も営農大学等で皆さん方はセシウムの移行率等を勉強なさっているようですが、いかんせん、その仕組み、その内容については難解で、これからどうやって生産活動をしていくのかという部分には直接的につながっていない。要は、冒頭申し上げましたように、これから継続して生産活動をしていかなければならないわけです。今回、ほだ木から─安全なものでないかもしれないけれども生産を続けていくというように、生産者はようやく、まず生産活動を継続していこうというような形でまとまりつつあるという中で、それならば、東京電力の賠償がまだ期限がはっきりしていない部分で、これから2年、3年、4年後、岩手県がどのようにして産地の信頼回復のためにやっていくのかと、これが一番大事な部分だと思いますが、その点については、現時点でどのような考察をなさっているかお知らせいただきたいと思います。
〇竹田林務担当技監 委員御指摘のとおり、産地を再生するには、消費者そして流通業者の方の信頼を回復するということ、やっぱりそこが基本だと考えておりまして、そのためには、生産物はもとより生産基盤でございます原木、ほだ木の安全性を確認するということがまず最初の対策かなと考えておりまして、そういった意味では、やはり徹底した検査をしていくということで考えております。ただ、基準値を超過するというものも、当然、その結果出てくるわけですので、それについては適切に処分していく。その一方で、基準値内のものに更新していくということになろうかと思います。
 委員御指摘のとおり、シイタケの場合、原木に植菌して、菌が回ったほだ木というのは5年から、あるいは長いもので7年ぐらいまでシイタケを発生するといったサイクルにございますので、一たん、シイタケが生産できるほだ木を、基準値を超えたからということで処分いたしますと、しばらくの間、シイタケが生産できないということになりますので、その間は生産者の方々を生産継続のために支援していくといった対策も必要であると考えてございます。
 東京電力の賠償がどの程度、どういう期間にわたって行われるかということは、まだまだちょっとわからない部分もございますので、そういったものも踏まえながら、県としてしっかり対策を進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 きのう、きょうあたりで大きくその動きが定まってくるのだろうと思います。
 最後に申し上げますけれども、生産者の方が逃げられないわけです。ずうっと継続的にやっていて、流通ルートに乗せるまでも努力をなさってきた。そして、ほだ木についてもできるだけ地域で生産されているものを使おうとして本当に努力してきた。この点について、今日まで後手後手に回ったということは間違いのないところでございます。
 もう一つ、この部で言って適当かどうかわかりませんけれども、どうしても県の職員の手が足りない。県南広域振興局の中で食品についてかなり力を入れて産業振興に努めてきたわけですが、こういう林産物、そして従来からやっているものについて手落ちになっていなかったかと。そういうものも含めてしっかりと下支えしていくということは本当に大事だと思っております。とにかく、まず、第一義的には生産者の意欲を低下させないこと。そして、消費者との信頼回復を得るためにも、同じ部の中にある流通課の方々とも一緒になって、適切な検査のもとに、安全だということをしっかりと消費者に情報発信していくということをやっていただきたいと思います。
 これは、ことし始まったことではなくて、東京電力の賠償のいわゆる枠が出てきたということで、さらに1歩、2歩進むということですから、長い間のスパンでやっていかなければならない問題です。そこのところをしっかりお願いしたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。最後に、部長から所感を求めて、終わります。
〇東大野農林水産部長 ただいま委員からお話のございましたように、原木シイタケは、5年、7年と非常に長いサイクルの中で生産活動が続けられておりますので、我々としても、そのサイクルをもとに戻せるように支援していくのも当然ですけれども、ただ、これから先、市場なり消費者の方々が、そういった努力をどう評価し、安全だとこちらが言っているものを購入していただけるかという心配もございます。そこは、その反応の様子も見ながら、安全なものだけ出荷しているというところをしっかりアピールして、早く正常な経営サイクルに戻せるように努力してまいります。
〇斉藤信委員 最初に、水産業の被害と復旧状況、来年度の予算措置の内容についてお聞きします。
 漁船の確保状況は、目標に対してどこまでいっているのか、年度末までどこまでいくのか。さらに、来年度の予算措置の中身を示していただきたい。
〇石田漁業調整課長 漁船の確保でございますけれども、今年度、6、800隻程度を確保することで事業を進めております。2月末現在でございますが、3、327隻となっておりまして、年度内、3月までには3、400隻から3、500隻程度を確保する見通しとなっております。
 来年度につきましては、210隻程度を確保することで、船の確保を進めたいと考えております。来年度の漁船の確保についての予算でございますけれども、共同利用漁船等復旧支援対策事業としまして、11億円ほど予算措置してございます。
〇斉藤信委員 今年度、6、800隻の予算措置をして、3月末には3、400隻から3、500隻ということですね。そして、残った210隻は来年度になると。さらに、来年度の予算は11億円ですけれども、この隻数は465隻です。
 私は、水産審議会の資料と、おととい開かれた総合企画専門委員会の資料を見て驚いたんだけれども、実は、3年間の計画で漁船の確保が6、152隻になっているんですよ。今年度、既に6、800隻確保すると決めていながら、何で、平成25年までの目標が6、152隻になるのか。そして、今年度は頑張ったんですね。395億円余の予算措置をして6、800隻確保すると。来年度はたった11億円ですよ。1万3、000隻以上被災して、この程度だったら、漁業は復興しないんじゃないかと私は思いますけれども、これはいかがですか。
〇石田漁業調整課長 復興計画に定めました6、100隻ほどの整備計画を3年間で進めることにつきましては、計画をつくる段階において、被災しました漁協等に聞き取りしましたところ、まだ船の復旧見通しが立たない状況でしたので、県としましては、被災しました船のおよそ半分程度をまずは目途として確保していこうという考えで進めたところです。その後、6月補正で予算措置させていただきまして、また、9月についても追加措置させていただきまして、各漁協から、漁業者からの要望を踏まえて現在の6、800隻程度の規模としているところでございます。
 来年度の予算につきましては、210隻程度の確保ということで進めることで当初始める予定としておりますけれども、現在までのところ、3月末までに約3、500隻程度の確保にとどまる予定ですので、まずは、6、800隻に対する不足分を、繰越予算でございますけれども、平成24年度に早急に確保に努めまして、その過不足を当初予算で補てんしながら、あとは国の来年度の予算の追加補正もにらみながら船の確保に努めていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 だから、私は変えなきゃだめだと思います。当初予算で6、800隻確保すると。厳密に言うと、6、893隻ですよ、あなた方が予算化したのは。ところが、平成25年までの目標は6、152隻だと。これだったら、漁船確保をやる気がないという計画になっているんですよ。何で、こういう今年度予算より少ないような漁船確保の計画になるのか。おとといの総合企画専門委員会の資料、そして、これは2月に開かれた水産審議会の資料ですよ。何で、こんな後ろ向きな計画になるんですか。
 それと、来年度の予算は、今の答弁だと、来年度分は210隻なんですか。たったそれだけ。総合企画専門委員会の資料を見ると、来年度の計画値は465隻になっているんです。この違いはどこにあるんですか。
〇石田漁業調整課長 来年度の予算上は210隻となっております。
 それから、平成23年度補正予算で積み上げたものですけれども、6、800隻程度を確保するという目標にしておりますけれども、実際の運用の中で、船の確保隻数は漁業者の要望に基づいて実施しておりますので、6、800隻そのものを現物として確保するという計画と実績の違いはございますが、目標値として、その隻数の確保に努めていこうという考えでございます。
 それから、復興計画における数値の修正でございますけれども、これは、当部だけではなくて、復興局とも相談しながら、来年度に向けて時点修正などありましたならば、それを確認しながら進めたいと考えております。
〇斉藤信委員 漁船の確保が被災のたった半分でいいのか。そして、今年度予算措置したよりも復興計画では少ない船の確保計画になっている。これは重大な矛盾ですよ。養殖施設もそうですけれども、せめて被災した8割程度まで回復する。3年がかりぐらいの計画でやらなかったら、漁業は半分になるでしょう。船の数が半分だったら、漁業のレベルは半分までしか戻らないということになりませんか。部長、総合計画の目標は直ちに変えるべきですよ。そして、やっぱり漁船の確保目標は、半分じゃなくて、せめて8割ぐらいまで3年かけて戻すということが必要なんじゃないですか。
〇東大野農林水産部長 漁船の復旧の目標でございますけれども、先ほど、石田漁業調整課長が説明いたしましたとおり、計画策定時点ではそういう設定をさせていただきました。ただ、復旧は、次々状況が変わってございますので、予算上は各漁協が必要とする数を予算確保していくという姿勢で臨んでございますので、それぞれ時点が違ってしまったことから、計画と、予算上のここまで戻していきますという数字にそごを来たしているという状況と理解していただきたいんですけれども、ただ、計画上の数値をどうするかについては、漁船の目標だけを変更するために、復興計画全体について変更するということはなかなか難しいこととは思いますが、先ほど、石田漁業調整課長が申し上げたとおり、復興計画上の取り扱いをどうするかということについては担当部局と協議してまいります。
 あと、あくまでも目標という、あるいは予算上の措置というのは、各漁協がここまで必要だ、要るといった数値をもとに予算編成をしてございますので、漁協が必要とする、そういうものを満たすように予算確保に努めてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 総合企画専門委員会に出された資料によれば、6、800隻というのは補助金交付契約隻数で出ているんです。そして、平成24年度はさらに465隻、平成25年度は465隻になっているんです。あなた方は矛盾を感じながらこういうことをやっているんですよ。大体、予算措置したよりも計画が小さいなんて、こういうやる気が出ないようなことはやっぱり見直すべきだし、6、800隻プラス465隻、私はこれで少ないと思うけれども、せめてこのぐらいの予算措置をしなかったらだめだし、今まで1人で3隻、4隻の漁船を持ってやっていた漁民が、今、1隻に3人、4人乗ってやっているわけです。その収入なんていうのも何分の1ですよ。半分だけ3年間で確保して、あとは自前で船を買いなさいなんて、私は無理な話だと思います。
 そういう意味で、養殖施設は大体8割程度回復するという目標になっているでしょう。漁船だって、やっぱりそういう規模で、私は、漁船の確保が最大の水産業再生のかぎだと思いますけれども、そういう目標でぜひやっていただきたい。
 次に、養殖施設の整備についてお聞きしますけれども、養殖施設の整備は、目標に対して今年度どこまで来ているのか、来年度はどこまで整備する予定なのか示してください。
〇石田漁業調整課長 養殖施設の整備でございますけれども、今年度、約1万1、000台を目標に整備しておりまして、年度内にその9割、1万台程度を確保する見通しでございます。来年度につきましては、当初予算で15億円ほどを措置しておりまして、この分につきましては、貝類養殖を中心に約4、000台の整備を見込んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 養殖施設の整備は、被害数に対して整備目標は幾らになっていますか。そして、どこまで回復する計画になっていますか。
〇石田漁業調整課長 養殖施設につきましては、被害数2万6、000台ほど被災しておりまして、その8割程度を復旧する見通しとしております。現在、平成23年度当初予算で1万1、000台程度の整備を進めているところでございまして、これが整備されるとなると、約4割程度、年度内確保という見通しになっております。
〇斉藤信委員 養殖施設は8割復旧の目標ですから、私は、漁船もそのぐらいの目標でひとつこれは見直して、補正でも措置するということを求めていきたい。
 それで、ワカメは既に早どりから収穫が始まっていますけれども、3年、4年かかるカキ、ホタテ、ホヤの養殖施設の整備、再建状況はどうなっているでしょうか。
〇石田漁業調整課長 ワカメ以外のカキ、ホタテ、ホヤの関係でございますけれども、今年度、1万1、000台規模の整備を進める中で、カキが3、100台、ホタテが1、200台程度の規模で整備しているところであります。これは1万1、000台の内訳でございます。
 来年度につきましては、先ほど、4、000台程度の整備ということで申し上げましたけれども、これにつきましては、関係漁協と相談しながら、どういう種目で整備するかを、これから新年度予算で振り分けを考えていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 カキ、ホタテ、ホヤについては、すぐに収穫の見込みができないものですけれども、がんばる養殖漁業も新たに導入されましたが、この取り組み状況はどうなっているでしょうか。
〇石田漁業調整課長 現在、国の直轄事業で外郭団体が進めておりますがんばる養殖漁業でございますけれども、県内の24漁協のうち、今、19漁協と協議をしているところでございます。年度内のがんばる養殖漁業の再開につきましては、今、1漁協か2漁協というところで調整しているところでございますけれども、4月以降、随時、事業を実施する漁協が出てくるものと考えております。
〇斉藤信委員 かなり使える制度もあるので、ぜひこれは周知徹底して、当面、収入の道が断たれている漁民が多いわけですから、万全の手だてをとっていただきたい。
 それと、水産業共同利用施設の再建状況、水産加工業の再建状況、そして来年度の見込みを簡潔に答えてください。
〇石田漁業調整課長 水産業共同利用施設の整備でございますけれども、フォークリフトなどの機器整備や荷さばき施設などの修繕、新設整備など、現在、1、200件ほどの事業を進めているところでございます。来年度につきましては、それぞれの事業の計画を見きわめながら、当初予算では約40億円の事業費でもって、施設の修繕、機器整備、新設整備を支援していきたいと考えております。
 次に、水産加工業でございますけれども、沿岸に立地している156事業所を調査したところでは、被害を受けた事業所は138事業所となっております。このうち、昨年の12月末までに64の事業所が再開してございます。来年度につきましても、引き続きまして、水産加工業協同組合の機器整備等施設の整備も含めまして、商工労働観光部とも連携しながら水産加工業の再建を支援してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 生産、流通、加工は一体ですから、ぜひ、その取り組みを強めていただきたい。
 がんばる漁業復興支援事業は漁船の取り組みですけれども、これはどうですか。
〇石田漁業調整課長 先ほどのがんばる養殖漁業とあわせて漁船漁業者向けのがんばる漁業復興支援事業の取り組み状況でございますけれども、現在、事業の内容の周知につきまして、各漁協に、説明会を系統団体と一緒にやっているところでございます。この制度設計につきましては、漁船漁業者が、個人事業者ということでグループで操業したりするということの要件もございますので、現在、関係者に周知しながら、この事業の対象となるように説明して進めているところでございます。
〇斉藤信委員 次に、秋サケ漁の実績、回帰率の大幅な減少、ふ化場の再建状況、放流状況について示してください。
 あわせて、秋サケ漁については大変大幅な減少になっていますが、秋サケシンポジウムなどもつい先日開催されています。秋サケの回帰率の大幅な後退、減少は、現時点でどういう要因が指摘されているのか示してください。
〇寺島水産担当技監兼水産振興課総括課長 秋サケの資源状況とふ化放流事業についてでありますけれども、本県のサケの来遊量は、平成8年度の7万3、000トンをピークにその後急減し、2万トンから3万トン台で推移してきたところでありますが、平成22年度には1万9、000トン、平成23年度には8、700トンと大きく減少したところであります。
 県では、不漁原因の解明に向け調査をしておりますが、今年度回帰の主流群となる4年魚及び5年魚の回帰尾数が低調であったことから、この原因としては、これらのサケが稚魚として放流された年の春は例年に比べ沿岸の冷水が早く北上し、生残に不利な温暖な沿岸環境になったことの可能性などを考えているところてありますが、まだ明確な原因把握には至っていない状況にあります。
 サケの来遊量は、ふ化してから稚魚期までの減耗が大きく影響すると考えられることから、今後も、国の研究機関や関係大学等と連携しながら、ふ化場での飼育管理の指導や、耳石温度標識を利用した放流稚魚から回帰親魚までの追跡調査、沿岸環境調査等を継続し、不漁原因の解明に取り組んでいきたいと思っております。
 また、ふ化場の再建については、本年1月には18ふ化場で稚魚生産を再開しており、今春には2億9、000万尾を放流できる見込みであります。今後も、国の3次補正を活用し、ふ化場施設の本格復旧や稚魚放流などに支援してまいります。
 先ほど、秋サケシンポジウムでのお話ということでありますけれども、ここでは、北海道大学の帰山教授は、レジームシフトという海洋の大きな変動ということで、水温とか温暖化というようなことも言われております。たまたま今は冷水が接岸して逆に困っている状況もあって、一律にこれとは言えない状況ではありますけれども、大きな目で見れば、そういう生態環境、えさも含めた環境というものが影響があるのではないかということを言われておりますし、また、本県の水産技術センターでの研究では、稚魚として河川から放流した後、北上するまでの間に、先ほども言いましたけれども、水温環境が変わって稚魚にとって不利な状況もあるのではないかということであります。今後、大学あるいは水産研究所と一緒になってそこら辺を解明していきたいと思っています。
〇斉藤信委員 秋サケの不漁は、震災とダブルショックというぐらいの本当に深刻な事態だと。漁獲高を見ますと、46億2、500万円です。岩手の漁業の大きな柱だった。震災の影響というよりは、これはまた違った要因が大きいと感じていますので、ぜひ、この問題については本当に徹底した研究、解明をしつつ、しかし、考えられる必要な手だてを次々と打っていただきたい。
 こういう震災の中で、ふ化放流で2万9、000尾まで確保したというのは、私は、皆さんの取り組みを評価したいと思います。
 そこで、関連してサケ資源の公平配分のかかわりでお聞きしたいのですが、定置漁業の許可業者の状況について、許可業者の中で漁協の定置はどのぐらい占めているのか。生産組合の定置はどれだけか。そのうち、事実上、個人の定置はどうなっているのか示してください。
〇寺島水産担当技監兼水産振興課総括課長 定置漁業権は漁業法に基づく手続を経て免許されているもので、現在、大型定置網は87件が免許されております。その内訳は、漁業協同組合が36件、生産組合が8件、漁業会社が7件、個人漁業者が4件、これら団体、個人の組み合わせによる共有が32件となっており、このように個人漁業者であっても定置漁業を営むことができるようになっております。
〇斉藤信委員 私は、こういうサケ資源の厳しい中で、サケ資源の公平配分というものが鋭く問われているんだと思うんです。特に山田湾が典型的なんだけれども、約半分は個人の定置で、漁協の組合長自身が定置を持っている。これが、今、厳しい漁業経営の中で漁民の大きな不満の背景になっているんじゃないか。山田湾において、生産組合、事実上個人の定置というべき、または組合長自身が定置をやっていたという状況はどうなっていますか。
〇寺島水産担当技監兼水産振興課総括課長 漁業協同組合の組合長が生産組合の構成員に含まれている漁場は2漁場になっております。山田湾ではそうなっております。
〇斉藤信委員 元組合長を含めれば、どうですか。
〇寺島水産担当技監兼水産振興課総括課長 それは船越湾漁協のお話だと思いますけれども、そこは佐々木漁業生産組合という生産組合が実施しておりますので、前の漁協の組合長が、今、交代しておりまして、その組合長が引き続き佐々木漁業生産組合のほうも管理していると思っております。
〇斉藤信委員 かなり前に県漁連の会長をやった方も、今は亡くなりましたけれども、その関係者が二つ、三つ定置を持っていると。私は、こういう岩手県の税金も投入してやっている中で、サケ資源が本当に公平配分されて、漁民の経営と暮らしに結びつくような改善が求められているのではないかと思います。これは、指摘にとどめておきます。
 もう一つは、まき網船による混獲の状況をどういうふうにとらえているでしょうか。まき網船がかなりサケを混獲しているんじゃないか、雑魚でそれを別の市場に出しているんじゃないかという指摘がありますが、その状況を把握していますか。
〇寺島水産担当技監兼水産振興課総括課長 まき網船による混獲につきましては、北部太平洋まき網漁業の漁獲統計では、サバ、イワシ、カツオが主要魚種となっており、サケの混獲は統計上示されておりませんので、把握できない状況にあります。
〇斉藤信委員 これは禁止されているから、サケとは出てこないんです。ただ、北部太平洋海区まき網漁業の資料を見ると、その他というのがあるんです。平成20年のその他は1万267トン、金額で20億6、400万円。かなりの額がその他の水揚げ─これは混獲だと思いますけれども。私は、禁止されているまき網がサケをとっている実態というものもきっちり把握して、これは大臣の許可漁業ですけれども、こういうこともきちんと規制していく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
〇石田漁業調整課長 北部太平洋まき網漁業の漁獲統計にあるその他でございますけれども、詳しい魚種の内容については明らかにされておりませんが、近年の漁業の状況を見ますと、ブリ類が大半と考えております。この漁業につきましては、大臣許可漁業となっておりまして国の管理下にございますので、あとは国との協議によるものと考えております。
〇斉藤信委員 時間が迫ってきましたので、あとはまとめてお聞きします。
 漁港の再建状況、これはかなりの事業費を今年度も来年度も投入されていますが、どこまで再建整備をされるのか。
 漁業集落防災機能強化事業がかなりの数で取り組まれようとしています。事実上の集団移転なども入ると思いますけれども、この取り組み状況はどうなっているのか。そして、森林・林業再生プランの取り組み状況を示してください。
〇大村漁港漁村課総括課長 まず、漁港の再建状況でございますけれども、これまで泊地、航路の瓦れき等の撤去や防波堤、岸壁などの応急工事を実施してきておりまして、全漁港で荷揚げや漁船の係留が一定程度可能となっております。また、潮位の高低にかかわらず荷揚げ作業が可能な漁港数といいますのは、現在、3割まで復旧していきている状況です。来年度も引き続き市町村や漁協など関係機関、団体等と十分協議しながら、岸壁や物揚げ場の復旧を推進していきたいと思っております。平成24年度末には、荷揚げが可能な漁港数を全体の5割まで引き上げるということを目標に復旧に努めていきたいと考えております。
 それとあわせまして、漁港泊地の静穏度を確保するための防波堤の復旧を推進するなど、今後とも漁港の早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
 次に、漁業集落防災機能強化事業についてでございますけれども、これまで県は、事業主体であります市町村に対しまして、事業の要件等に関する情報提供、そのほか防災集団移転促進事業、こういう類似した他の事業との調整及び国への申請手続等に関する助言などの支援を行ってきたところでございます。引き続き市町村と緊密に連絡しまして、事業が円滑に進むよう支援してまいりたいと思っております。
 なお、3月2日に国から内示されました漁業集落防災機能強化事業の1次配分は45億円余ということになっておりまして、要望のあった沿岸9市町村の24カ所に配分されているところでございます。被災した漁業集落の地盤のかさ上げ、集落移転、上下水道の整備などを行う予定としております。
〇竹田林務担当技監 森林・林業再生プランの取り組み状況でございます。
 森林・林業再生プランは、我が国の森林・林業政策を、それまでの森林の造成から、木材の利用、持続的な森林経営へと大きく転換し、10年後の木材自給率50%以上を目指すというものでございます。
 県といたしましても、このプランを推進するため、平成24年度予算におきまして、一つには、森林経営プランの作成や人材育成などによる森林経営の確立に約7、000万円、集約化による森林整備あるいは林内路網の整備、高性能林業機械の導入支援による経営の低コスト化に約12億9、000万円、そして、木材加工施設整備の支援による木材産業の活性化に約9億8、000万円などの予算を措置したところでございます。全国第2位の本県の豊かな森林資源を生かしまして、森林・林業再生プランを一層推進してまいりたいと考えております。
〇小泉光男委員 きのうは、ちゃぶ台をひっくり返すという表現をしたひねくれた質問にいささか反省しております。
 きょうは一転、県の皆さんに応援、エールを送るつもりで、最後の最後に、今、斉藤委員も触れましたけれども、森林・林業再生プランの実現に向けて、フォレスター、准フォレスター制度の中身について質問させていただきます。
 その前に、10年後に木材自給率を50%以上にするという平成21年12月に掲げた目標は、岩手県内に関する限り80%近く達成しているそうです。全国有数の森林県として、県の森林保全、維持あるいは活用に努力されているたまものと思料し、皆さんに敬意を表します。
 せっかくですから、岩手県で80%とはいわず、きのうも佐々木大和委員や田村誠委員、あるいは神崎浩之委員も取り上げましたけれども、全国の学校や公共物の建物にどんどん岩手県の県産材を使ってもらい、岩手県は100%を目指す。それから、合板工場などへのそういう集成材の引き受けとか活性化など、さらなる引き受け先の開発にも汗をかいてもらい、岩手県の森林・林業再生プランの取り組みはほかの県と違うという自慢ができるようにしたいものでございます。よろしくお願いいたします。
 それで、通告に従いまして、当年度以降、研修が実施され、またはこれからも予定されているようでございますけれども、准フォレスターの育成、あるいは将来的なフォレスター制度の研修について、岩手県内で受けた人数とか日程というのを、仕組みを知りたいのでお教えいただきたいと思います。
〇藤川森林整備課総括課長 フォレスター制度の取り組みについてでございますけれども、国は、森林・林業再生プランにおきまして、市町村が策定する市町村森林整備計画─これは市町村が地域の森林管理のために10年を1期とする5カ年計画でございますけれども、これを地域の森林づくりのマスタープランとして位置づけたところでございまして、市町村の役割がこれまで以上に高くなっている状況にございます。このため、市町村を技術面から支援するフォレスターを育成しまして、これは平成25年度から国で認定することになっております。
 フォレスターが一定数認定されるまでの間、将来のフォレスターとして期待される人材として准フォレスターを養成することといたしまして、主に国、県の職員を対象に、平成23年度─今年度からでございますが、研修を開始したところでございます。本県関係では、国の職員2名に加えまして県職員12名をこの研修に派遣しております。今後とも、国のフォレスターの育成に対しまして県としてしっかり対応してまいりたいと考えております。
 また、日程でございますけれども、大きく集合研修、通信研修、集団討議研修と非常に内容の濃い研修になっております。日程的には、盛岡市で4泊5日を2回やるという形、あと、通信研修ということでレポート作成という研修。出口対策ということも非常に重要になってきましたので、いろんな製材工場とか加工場に行って研修を積んでくる、そしてレポートを書くという研修もやることになっております。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで農林水産部関係の質疑を終わります。
 農林水産部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇若林県土整備部長 県土整備部所管の予算審議に当たりまして、平成24年度当初予算の基本的な考え方について御説明を申し上げます。
 振り返りますと、あの日は、まさに平成23年度当初予算に係る予算特別委員会当部審査の真っ最中でありました。これまで経験したことのない大きな揺れとともに大津波により未曾有の大災害をもたらし、県民の平穏な日常生活を一変させた東日本大震災津波から早くも1年が経過いたしました。
 発災以来、当部は、道路や河川、港湾等の社会資本基盤の復旧、復興や被災者の生活再建のための取り組みを組織を挙げて懸命に進めてきたところであり、本格復興に当たる来年度も、決意を新たに全職員が結束して復旧、復興の取り組みを推進してまいります。
 平成24年度におきましては、まずは岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進を最重要施策に位置づけ、取り組んでまいります。
 具体的には、安全の確保では、湾口防波堤や防潮堤など津波防災施設の復旧、整備、水門等の遠隔操作化や最大規模の津波の発生を想定した避難体制の構築に取り組み、多重防災型のまちづくりを推進いたします。
 加えて、復興道路を初めとする災害に強く信頼性の高い道路ネットワークの構築のほか、インターチェンジ等へのアクセス道路の整備や港湾の物流機能の早期回復と利活用を促進してまいります。
 暮らしの再建では、災害復興公営住宅等の早期整備や住宅の新築、購入費用の助成など、被災者の生活再建を支援してまいります。
 震災対応以外では、平泉の文化遺産登録を契機といたしました観光振興、地域経済の活性化及び県民だれもが安心して暮らすことができる地域の基盤づくりを重点施策に位置づけながら、選択と集中の考え方に基づき、予算を重点的に配分し、いわて県民計画に掲げる社会資本整備に係る政策を着実に推進してまいります。
 具体的には、いわて県民計画で掲げる社会資本分野の四つの政策について、以下のとおり進めてまいります。
 まず第1は、産業を支える社会資本の整備であります。
 災害に強く信頼性の高い道路ネットワークの構築や、地域間の交流、連携を支える道路の整備や港湾施設の復旧、整備等を推進するとともに、港湾や空港の利活用促進に向けた取り組みを推進してまいります。
 第2は、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備であります。
 湾口防波堤や海岸保全施設の復旧、整備等のハード対策と安全な避難体制の構築等のソフト対策による多重防災型まちづくりを推進するとともに、木造住宅の耐震化の促進や治水施設、土砂災害対策施設等の整備、さらには橋梁耐震補強等による災害に強い道路や地域医療を支援する道路ネットワークの整備のほか、自転車、歩行者環境に配慮した安全な通学路等の確保に取り組みます。
 第3は、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりであります。
 被災した市町村の復興計画に基づくまちづくりを支援するとともに、被災者のための住宅確保対策を進めてまいります。また、道路等の都市基盤整備やユニバーサルデザインによる公共施設等の整備、快適で豊かに暮らせる居住環境づくりや良好な水辺空間の保全と整備のほか生活排水対策などを推進してまいります。
 第4は、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保であります。
 震災からの復旧、復興工事に必要な人材の育成や社会資本整備の担い手であります建設企業を育成、確保する環境整備を進めます。また、社会資本の維持管理を事後保全型から予防保全型へ移行し長寿命化を図るとともに、県民との協働による取り組みを推進してまいります。
 それでは、県土整備部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成24年度岩手県一般会計予算についてでありますが、お手元の議案その1の7ページをお開き願います。県土整備部関係の予算は、6款農林水産業費3項農地費217億4、166万8、000円のうち1億5、192万5、000円、8ページに参りまして、8款土木費が1、074億5、828万4、000円、9ページの11款災害復旧費6項土木施設災害復旧費が776億1、017万4、000円となっており、合わせまして1、852億2、038万3、000円であります。この予算規模は、前年度の当初予算と4号補正予算を合わせました額に比較して1、166億1、570万6、000円、170%の増となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事項を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の154ページをお開き願います。まず、6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち、説明欄下段にあります県土整備部関係は、農村の生活環境の改善を図るため実施する農業集落排水事業等に要する経費であります。
 次に、少し飛びまして、177ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など管理運営に要する経費のほか、流域下水道事業特別会計等に対する繰出金等であります。178ページに参りまして、2目建設業指導監督費は、建設業者等の指導監督に要する経費等のほか、企業の経営基盤や技術力強化のための取り組みに対し総合的に支援を行う建設業総合対策事業や、経営革新の取り組みに対して貸し付けを行ういわて建設業経営革新特別資金貸付金、震災の復旧、復興に必要な建設技術者の育成と確保を図る建設業技術者育成支援事業に要する経費等であります。3目建築指導費は、地震に強い住宅の普及のため、木造住宅の耐震診断に係る経費及び耐震改修に要する経費の助成等を行う木造住宅総合耐震支援事業や、建築確認事務に要する経費等であります。179ページに参りまして、4目空港費は、いわて花巻空港の管理運営に要する経費のほか、国内定期便の維持、拡大や国際チャーター便の誘致、拡大など、官民一体となった空港利用を促進するための経費等であります。
 181ページに参りまして、2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費などの管理運営に要する経費等であります。2目道路橋りょう維持費は、道路、橋梁の維持修繕事業を実施するものであり、国庫補助を受けて実施する道路環境改善事業等に要する経費であります。182ページをお開き願います。3目道路橋りょう新設改良費は、道路、橋梁の新設改良事業を実施するものであり、国庫補助を受けて実施する地域連携道路整備事業に要する経費のほか、直轄道路事業負担金は、国が実施する三陸沿岸道路等の復興道路整備に係る県負担金であります。
 184ページをお開き願います。3項河川海岸費1目河川総務費は、河川水門の管理や河川海岸施設の維持修繕に要する経費等であります。2目河川改良費は、災害を防止するため、河川の築堤や護岸等の整備のほか、三陸沿岸河川の水門、防潮堤の整備など、津波、高潮対策に要する経費等であり、直轄河川事業費負担金は、国が実施する北上川の河川改修に係る県負担金であります。次の185ページの3目砂防費は、土砂流出等の災害を防止する砂防事業や急傾斜地の崩壊による災害を防止するための急傾斜地崩壊対策事業に要する経費等であり、直轄砂防事業費負担金は、国が実施する磐井川流域の特定緊急砂防事業等に係る県負担金であります。
 186ページに参りまして、4目海岸保全費は、高潮及び津波による災害を防止するため、防潮堤等の海岸保全施設の整備、改修等に要する経費等であり、震災を受け、海岸高潮対策事業費や津波危機管理対策緊急事業費を増額して対応することとしております。187ページの5目水防費は、大雨や洪水の河川情報を迅速かつ正確に収集、伝達するための経費等であります。6目河川総合開発費は、簗川ダム及び津付ダムの建設等に要する経費であり、直轄ダム建設事業費負担金は、国が実施する胆沢ダム建設事業に係る県負担金であります。
 189ページに参りまして、4項港湾費1目港湾管理費は、大船渡港ほか5港の港湾施設の維持管理に要する経費等であり、2目港湾建設費は、大船渡港ほか3港の港湾改修工事等に要する経費であり、直轄港湾事業費負担金は、国が実施する久慈港の湾口防波堤や宮古港の竜神崎防波堤の改修事業等に係る県負担金であります。
 191ページに参りまして、5項都市計画費1目都市計画総務費は、被災地における都市計画区域マスタープランの見直しや復興まちづくり調査検討を行う都市計画調査費や御所湖及び花巻広域公園等について、指定管理者に管理を行わせるために要する経費等であります。次の192ページにかけましては、2目街路事業費でありますが、これは、都市計画道路を緊急に整備する緊急地方道路整備事業や、土地区画整理事業を行う市町村に対して県道整備に係る経費の一部を負担する公共団体区画整理事業費補助に要する経費等であります。次の3目下水道事業費は、市町村の浄化槽設置整備事業や下水道事業債の元利償還に充てる基金への補助に要する経費等であります。
 194ページに参りまして、6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等について、指定管理者に管理を行わせるための経費のほか、被災者が住宅の新築、補修を行う場合の借入資金に係る利子補給等を行う災害復興住宅融資利子補給補助、また、被災住宅の補修や宅地の復旧に係る支援と、新たに県産材活用やバリアフリー化した住宅を新築、購入した場合の支援制度を加えた生活再建住宅支援事業費補助に要する経費等であります。2目住宅建設費は、従来の県営住宅の整備のほか、被災者向けの恒久住宅を確保するための災害公営住宅整備事業や、民間事業者が行う災害復興型地域優良賃貸住宅の建設費に対する補助に要する経費等であります。
 次に、少し飛びまして、232ページをお開き願います。11款災害復旧費6項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費及び次のページの2目港湾災害復旧費は、被災した河川、道路等の土木施設や港湾施設等の本格復旧事業に係る経費等であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、県土整備部関係は、13ページに参りまして、27番の道路環境改善事業から36番の港湾災害復旧事業までの計10件であります。これらは、工期が翌年度以降にわたるため、それぞれの期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計3件について御説明申し上げます。
 38ページをお開き願います。議案第8号平成24年度岩手県土地先行取得事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ268万2、000円であります。
 次のページの歳入の主なものでありますが、1款財産収入は、土地開発基金の運用に伴う利子であります。
 40ページに参りまして、歳出でありますが、1款管理事務費は、当該特別会計の管理事務費であります。
 47ページをお開き願います。議案第11号平成24年度岩手県流域下水道事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ100億8、173万5、000円であります。
 48ページに参りまして、歳入の主なものでありますが、1款分担金及び負担金は、盛岡市ほか関係市町村からの管理費及び建設費に対する負担金であり、3款国庫支出金は、建設事業に対する国庫補助金であります。
 4款繰入金は、建設事業及び県債の元利償還費に充当するものであり、7款県債は、建設事業費に充当するものであります。
 次、49ページの歳出でありますが、1款流域下水道事業費は、流域下水道の管理運営、下水処理場の施設及び幹線管渠の建設等に要する経費であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 50ページに参りまして、第2表債務負担行為でありますが、都南ほか3処理区の複数年にわたる運転管理業務委託のほか、施設設備の更新工事等について、期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものであります。
 次の51ページの第3表地方債でありますが、これは、流域下水道建設事業に係る地方債の限度額等を定めるものであります。
 52ページをお開き願います。議案第12号平成24年度岩手県港湾整備事業特別会計予算についてでありますが、第1条歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ65億6、011万9、000円であります。
 次の53ページ、歳入の主なものでありますが、1款使用料及び手数料は、港湾施設の使用料であり、3款繰入金は、県債の元利償還費に充当するものであり、6款県債は、港湾施設整備事業等に充当するものであります。
 54ページに参りまして、歳出でありますが、1款事業費は、被災した釜石港ほか5港の埠頭用地等の復旧事業に要する経費等であり、2款公債費は、県債の元利償還に要する経費であります。
 次の55ページの第2表地方債でありますが、これは、港湾施設整備事業に係る地方債に係る限度額等を定めるものであります。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 少し飛びまして、74ページをお開き願います。議案第19号土木関係の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成24年度において実施する建設事業費の一部を76ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、77ページをお開き願います。議案第20号流域下水道事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、平成24年度において実施する都南処理区等の管理運営費及び建設事業費の一部を79ページまでの表に定めるとおり、受益市町村に負担させようとするものであります。
 次に、条例の一部改正3件について御説明申し上げます。
 議案その2の48ページをお開き願います。議案第35号道路占用料徴収条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて道路の占用物件の区分を改め、及び道路の占用料の額を減額するなど、48ページから50ページまでの表のとおり条例別表を改正しようとするものであり、条例の施行期日は、平成24年4月1日から施行しようとするものであります。
 次に、99ページをお開き願います。議案第48号花巻空港管理条例の一部を改正する条例及び、100ページに参りまして、議案第49号道路法等の適用を受けない公共用財産の使用等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これらはいずれも、準用している道路占用料徴収条例の改正等に合わせ、空港の占用料及び道路法等の適用を受けない公共用財産の使用料の減額等について所要の改正をしようとするものであり、条例の施行期日は、平成24年4月1日から施行しようとするものであります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇喜多正敏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇渡辺幸貫委員 私は1点だけお伺いします。木造の耐震基準についてであります。
 木造住宅の総合耐震支援事業とか診断とか、住みたい岩手の家づくり促進事業をさっき御説明いただきました。しかし、昭和56年とか平成10年で耐震基準が変わって以来、在来工法、つまり木造軸組工法では基準を満たせなくなりました。耐震住宅というのは、ボルト、ナット、耐力壁、鉄骨等ですし、保温性が高まるにつれ、本当に長寿命なのだろうかと非常に、さびが出るのではないのかと心で思いながら、長寿命のパンフレットを手にとるわけであります。
 ところが、私も実はこの震災の前に古い我が家を診断していただきました。そうしたら0.3と0.8でありました。実は二、三百年たった古い家で、0.3というのは、震度4でも倒れると言ったら、震度6でもちっともびくともしなかったんですね。果たしてこの耐震診断基準がこれでいいのかということですね。
 確かに、阪神・淡路のときには5、800人の9割までは圧死だったと。ですから、この基準が変わったのはもっともだと思いますけれども、岩手県の場合には、積雪の重みもありますし、地震が頻発した地域であったので、この岩手の在来工法というのは、そういう点ではどこを見ましても倒れなかった。津波の被害はありましたけれども。
 そういうことでありまして、国の基準が、そういうボルト、ナットの方向に行くよりも、岩手のような在来工法を認めてもらう方向になってもらえば、鉄骨じゃなくて、先ほどから皆さんから言われている県産材を多くした復興の町並みが、そして、木質住宅で埋めつくされ、ぬくもりのある岩手になるのではないかと思うんであります。
 一日も早く、在来工法が日の目を見るように国に訴える気持ちがあるのか、お伺いします。
〇澤村建築指導課長 委員御指摘のとおり、伝統的構法につきましては、耐力壁の量あるいはバランスのよい配置、それから金物による接合部の強化というような考え方には立っておらないことから、建築する場合は、建築基準法上、構造計算を行って安全性を確かめる必要がございます。
 一方、伝統的構法による木造住宅は、地域の技能を継承するとともに、地域の魅力をつくり出すものであると認識しております。また、木材消費の拡大を図るためには住宅資材での利用拡大が重要であり、資源循環の観点からも効果的であると考えております。
 国土交通省におきましては、平成20年度から、伝統的構法の強さについて検証するための性能検証実験が実施されております。この実験は、伝統的木造構法による建物の設計法の開発を進めていくための取り組みとされております。
 本県におきましても、気仙大工などのような伝統的技能や実績を有するものがありますことから、伝統的構法による木造住宅が円滑に建築することができる環境の整備が進むこととなるよう、地域の実情を踏まえた設計基準の整備等について、機会をとらえて、国に対して積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 私も協力したいと思っております。
 災害公営住宅整備事業費228億3、000万円余についてお伺いいたします。
 釜石、宮古、大船渡、陸前高田、山田、大槌、野田の7市町村で、2016年度までに4、000ないし5、000戸を想定して、恒久住宅として順次整備されていくものと思っております。今年度は釜石市で750戸が建設される予定でありまして、さらに1、000戸分の整備費が見込まれておりますが、今後の建築計画と建築規模についてお伺いいたします。
 さらに、今後の復興で建築される災害公営住宅の用地の基本的な考え方、例えば、今後の復興で商業施設とか、学校、病院、それから交通アクセスのよいところということが望まれるわけでありますけれども、その辺のところはどうでしょうか。
 また、この7市町村における入居希望者を多分世帯数で取りまとめたと思うんですが、想定されている4、000から5、000戸という幅もあるわけですが、希望数はどうだったでしょうか、お伺いいたします。
〇大水建築住宅課総括課長 災害公営住宅についてということでございますけれども、今年度は750戸、来年度は1、000戸に着手することとしまして予算を計上しております。これらのほとんどは沿岸の宮古市以南の被害の大きい市と町において建設する計画としております。建築規模につきましては、5階建て程度の鉄筋コンクリート造の住宅を中心に計画をしておりまして、一部木造住宅も建設することにしております。
 建設場所につきましては、被災地に近く、そして、原則として浸水域以外で、安全性が確保できまして、また利便性のあるところと考えております。公営住宅の建設が可能なまとまった面積の土地を確保してまいりたいと考えております。現在、市町村と連携いたしまして用地の確保に努めているところでございます。
 それから、市町村別の入居希望世帯数につきましては、各市町村でアンケート調査等により把握を行っているところでございます。現在、建設戸数の計画を進めているところでございますけれども、宮古市以南の市と町でそれぞれ500戸から1、000戸程度、岩泉町以北におきまして数十から100戸程度の建設が必要なものと計画しております。今後、市町村と協議し具体的な建設計画の検討を進めてまいります。
〇工藤勝子委員 結局は、今後用地の問題が一番重要になってくるんではないかと思っているところでありまして、これを、早く用地を確保して建設に拍車をかけていただければと思っております。
 現在、その応急仮設住宅には、それぞれサポートセンターというものが設けられております。仮設住宅に入っている人たちの健康問題や心の支援を行っているわけでありますが、今後こういう恒久住宅に入る人たちのコミュニティも守っていかなければならないのではないかと思っておりますが、設計の中で、5階建ての中の1階あたりに例えば集会所、サポートセンターはずっと恒久的にあるわけではありませんけれども、当面の間そういうものが必要ではないかと思っているんです。また新しい人たちが入っていくわけですので、そういう陰で、その入った人たちの集会できる場所とか支援できる場所が、この設計の中に組み入れられているのかどうかというようなところをお伺いいたします。
〇大水建築住宅課総括課長 災害公営住宅におけるコミュニティの維持ということでございますけれども、現在仮設住宅で行われている活動と同じように、災害公営住宅を建設された場合にも、見守り活動であるとかサポート機能を持たせて、地域のコミュニティの維持や安全の確保ということに配慮した計画をしていくことが重要だと考えております。
 現在、災害公営住宅の設計に着手したところでございますけれども、集会場をできるだけ設置していくとともに、その集会場にはサポートセンターと同じように支援される方が駐在できるようなスペースを確保しまして、そちらのほうを使っていただいて被災者の方のサポートをしていくことができるようにしてまいりたいと思っておりますし、保健福祉部と連携いたしまして、今後の被災者に対するサポートを継続的に実施していくことについて検討してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 公営住宅のほかに、多分駐車場の整備とかも必要になってくるんだろうと思っております。そこに例えばミニ公園等もあれば、周りの人たちが集うところもできると。公民館があれば一番いいわけで、公営住宅が建ったことによって、周りにも家を建てたい人たち、個別の住宅も建っていく、新しいまちが形成される。そこに公民館等があれば一番いいわけですけれども、多分災害復旧、復興予算には、公民館というものは当てはまらないのではないかと思っているところでもございますが、当てはまるんでしょうか。
 それから、そういう駐車場とか公園の整備は一緒にできるのでしょうかということをお伺いいたします。
〇大水建築住宅課総括課長 公民館について災害復旧が当てはまるかどうか、ちょっと私どもわかりかねるんですけれども、今回、災害公営住宅で集会場を設置していくということも進めてまいりますので、地元の市町村と協議しまして、周辺のためにも活用可能なような利用形態にするとかという形で、公民館機能の確保についても検討を進めてまいりたいと考えております。
 あと、駐車場ですけれども、まず、地域に開かれた集会場を設置していくということから入ることになりますが、そうした場合には、一定の駐車場の確保ということもあわせて調整してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 今、仮設住宅で新たなコミュニティが生まれているところでありまして、その人たちが、またそっくりその公営住宅に入れればいいんでしょうけれども、多分そうならないのではないか、そのように思っているところでありまして、ぜひそういう部分にも配慮いただければと思っております。
 それから、部長に聞いて終わりたいと思います。予算書を見ると、震災対応以外の予算というのはほとんどマイナスであります。ここ数年間、災害復旧、復興に全力を挙げるという意味では、これは当たり前でありますし、私たちも認めるところでありますし、一年でも早く復旧、復興が進むことを私たちも願っております。沿岸地域の皆さんに安心して生活してもらうためにも、本当に重要だと思っております。
 ですけれども、今後、今年度はこのぐらいのマイナスになって、そして、また来年度切られる。何か年々、まだまだ復興というのはここ4年、5年、県では8年と言っていますので、どんどんその他の公共事業というものはある程度切られていくと。集中と選択という意味においても、凍結される部分もあるでしょうし、そういう部分があるのではないかと予想されているところでもあります。
 ただ、今、建設業の人たちが何を見据えているかというと、この復興の後が怖いと言っているんですね。もうこのまま予算が切られていって、あと事業が極端に少なくなってどうなるかということを今から見通している人たちがいるわけです。
 そこでお伺いいたしますけれども、今後の公共事業のあり方、考え方ということを聞いて終わりたいと思います。
〇若林県土整備部長 今、工藤委員から御指摘がありましたけれども、予算書上では、震災対応予算がふえまして、そのほかの通常費は、ほとんどがマイナス予算になっているということであります。従来の通常事業も含めて、震災復興交付金とか、それから特別交付税等の有利な財源措置を見込める事業は、実は震災対応予算のほうにかえていますので、見かけはそうなっていますが、実質上はそうなってはいない。
 実際、通常費は、シーリングがかかりまして20%のマイナスでありました。それで予算を組んだわけでありますけれども、震災関係の事業費がかなりふえたということで、全県的には170%という増になったわけです。
 心配しましたのは、内陸のほうをやはり落としてはいかんなということが我々も大前提にありまして、内陸も、そういう中にあっても、対前年に比べてほとんど1.0に近い事業費を確保したところであります。
 今後の話でありますが、確かに震災関係の予算は5年とか10年たつとだんだん減ってくると思われます。ただ、一方、今回の震災で、やはり非常に我々認識を新たにしなければいけなかったのは、地域の建設企業がなければ大変だったと。今、この段階でも大変なんですけれども、大変だったなということが、皆さん、県民の方々もおわかりになったと思いますので、やはり建設企業がその地域にとってきちっと存続できるような、そしてきちっとした雇用形態が生まれるようなものだけは進めていく必要があるだろうと思っております。
 規模とかそういうものについては、今後、建設業対策中期プランを含めてそういう形で支援をしていくということで、一定規模の公共事業予算は確保していくことになると思っております。
〇伊藤勢至委員 昨年の発災以来、県土整備部の皆様におかれましては、まさにいろいろな意味での御奮闘をいただいてまいりまして、本当に御苦労さまだったと思っております。そして、おとといでしたか、大変愉快な、明るい御案内をちょうだいいたしました。3月26日、田野畑村の島越の水門の完成式の御案内をちょうだいしたところであります。本当に関係者の皆さんの御努力によって早々と完成を迎えることは、今後の仕事の展開についても非常に皆さんの馬力アップになっていくものと思いまして、敬意を表します。本当にありがとうございました。
 それで、質問に入りますけれども、まず第1番目、宮古の閉伊川水門についてでございます。発災後、選挙が延びたということもありまして、私ならばこういう新しい宮古をつくりたいという冊子をつくって、宮古市内に配布しながら、新しい宮古にしたいという思いで運動をしてきたところであります。
 まず、宮古港にかかわりまして、昭和35年のチリ地震津波の際に、いわゆる四つの重要港湾、大船渡、釜石、久慈は湾口防波堤を選びましたが、宮古は湾内堤防のかさ上げを選んだ。ほぼ完成してきたわけでありますが、私は、やはり湾口防波堤というものがあれば、広い意味で宮古湾内あるいは閉伊川流域も守れるという観点から、こういうときこそ大きな計画を打ち出すべきだということで、まず、竜神崎の反対側に受けとしての800メートルぐらいの湾口防波堤をつくることをお願いするべきだ。そして、さらに閉伊川の水門については、津波の自然の力を川そのもので受けてやったほうがいいのではないかという思いを持っておりました。
 そうしましたところ、宮古市の中には、いや水門がいいんだ、あるいは開放がいいんだ、いろいろな声があったようで、当局では水門案、あるいは防潮堤かさ上げで川でのみ込む案、二つの案を持っていたようであります。
 そして、1月末でございましたか、そのことについて私に説明をしたいので宮古に来るということでありましたが、たまたま近くに、私がこっちに来るからということで自分の控室で説明を受けました。その際、当局としては水門案あるいは防潮堤かさ上げで対応する案の二つを検討してきましたけれども、宮古市あるいは宮古市長のたっての願いで、水門でいくことに決定したいと思いますので御了承を願いたい、こういう話でありました。
 宮古市長が立ったか座ったか、そんなのはどうでもいいんですが、たっての願いというのであれば、私はそれ以上のものは言えない。ただ、私としては、実はこの閉伊川河口には河口横断橋という話が昔からありました。45号線を川をまたいで真っすぐに結びたいという計画があったわけでありますので、宮古市長がそこまで言うのであれば、これを私は認めざるを得ないが、だったらこの管理道路4メートル、それをもっと広げて藤原側と光岸地側が行き来できる道路を併設していただきたい、それを条件に私は認めることにしたい、こういう話をしたわけであります。
 そこで、宮古市からやっぱり湾口防波堤を設置したいという話があったのかどうか、そして、水門の管理道路について広げる余地が、私は大丈夫ですという話を聞いた思いがあるのですが、そのことについて、まずお伺いいたします。
〇若林県土整備部長 まず、湾口防波堤の話でありますが、湾口防波堤については、お話はありますけれども、きちっとした要望の部分は宮古市のほうからは受けていないところであります。
 それから、宮古市長からたっての希望と言われましたけれども、我々は、水門案であるとこうなります、それから堤防案、かさ上げでいきますとこうなりますという説明をしてきたところであります。我々としては、今回の浸水域、浸水した区域の違うところに堤防をかさ上げしますと、そこに最大の津波が来ると浸水が新たに生まれるということがあって、こういう状況ですけれどもどうしましょうかという説明をしてきたところであります。
 それを受けて宮古市長は、私が思うには、きっと苦渋の決断だったと思います。たってのあれではなかったと思います。苦渋の決断だったと思います。つまり、堤防をかさ上げしたときに、南町を含めて上流側に新たな津波の浸水域をつくること自体が、やはり受け入れがたいという思いがあったと、じかに私も話をしていますから、そういうふうに私は受け取りました。
 そういうことで、我々としては、それでは水門案、県も水門案のほうがよろしいと話をしていましたので、それでは水門案として災害査定に臨みますということでお話をして、我々は災害査定に臨んだというのが経緯でございます。
〇伊藤勢至委員 首長は、時にやはり苦渋の決断をしなければならないときがあるわけでありまして、必ずあるんだと思います。問題は、政治というのは結果責任でありますから、決めた以上、言いわけをしない。その言いわけが尾ひれを引いていくといろいろな意味でいいことにはならない、そんなふうに思っておりますので、政治決断は決断、その後のことにもしっかりやっていただいて、かみ合わない、折り合わないようなことで進んでいくのは双方にとって不幸なことでありますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 ところで、この閉伊川は、過去にもいろいろ暴れてきた川であります。ふだんは静かなんでありますけれども、昭和22年9月には、カスリン台風ということで大洪水が宮古市を襲いました。そして、翌年の昭和23年9月にも、今度はアイオン台風ということで大きな被害を受けております。そのころは、今の宮古高校はまだあの地にありませんでした。宮古高校のあたりは全部田んぼだったんですよね。
 そこでありましたから、カスリン・アイオン台風を受けて、閉伊川の上流、根市のあたりから両岸の防潮堤を整備してきたわけでありますが、その中の一部で、仕事を急いだということもあるんでしょうけれども、底地をまだ買い上げていない、そういうお話を議員になってすぐのころから伺っておりました。これは津軽石川にもあります。
 いろいろな河川の整備を進める、あるいは河川の砂利、砂の採取をやる、そういったところについても、まだこの堤防と堤防の間に個人の土地、あるいは堤体の下そのものがまだ買い上げられていないということは、これはやはり結構なことではありませんので、さかのぼってでも、そういうものは少しずつであっても県がしっかり買い取りをして、そして河川の改修に向かっていくべきだと思います。
 特に、閉伊川について、宮古市役所と向かい側の藤原の間は川幅が190メートルです。それから、一方、宮古高校の前のラサの間の川幅は320メートル。この川幅の差が、今回の台風で越波してきた水をたたえて、市役所裏は越波しましたけれども、宮古高校のグラウンドには一滴も入りませんでした。ただ、ずっと上がってまいりました水が、横山八幡宮の裏の山口側のほうにも入ってまいりまして、あと15センチぐらいでそれを越えそうだったということがございます。
 そうしますと、今後も、アイオン台風、カスリン台風のそういった上流からの水も来る場合もある、そして、地震津波が来る場合もある。そんなにそんなに合致することはないのかもしれませんが、あり得ることでありますので、水門整備なら水門整備でいいでしょうけれども、その上流から来る台風の水にも備えを十分にしていただきたい。
 私たちが若いころは、川井の区界でありますとか早池峰のほうで大雨が降ると、次の日に閉伊川が濁ったもんでありますが、今は、その日の午前中に降ると、午後には川が濁ってくる。つまりそれだけ山が薄くなっている、こういうことだと思います。したがいまして、この川の備えもしっかりしていかなければならないと思いますが、そういった観点をお持ちでしょうかどうか。
〇松本河川課総括課長 今、委員から御指摘を受けました洪水対策についてでございますけれども、閉伊川の河口からアイオン・カスリン台風で築堤を進めてきて、それから、続けて中小河川改修というもので築堤を整備してまいっております。
 今、御指摘のように、再度上流から大きな洪水が来た場合に、河道の容量が足りないのではないか、あるいは堤防が果たして大丈夫なのかという御指摘でございましたけれども、県としましては、100年に1回の洪水を目標に、閉伊川につきましては整備を進めていくということで現在考えております。100年に1回といいますと、大体1秒間に4、200立方メートル毎秒の流量になりますので、現状では、河口付近では4、200トンは流れますが、小山田橋付近から上流についてはやや足りないということで、ここにつきましては現在調査を進めておりまして、河道掘削などにおいて対応していきたいと考えてございます。
〇若林県土整備部長 先ほど一つ答弁漏れがありました。実は、水門の裏の管理橋のお話であります。水門の場合は、管理橋ということで背後に管理橋がつくんですけれども、宮古市からも、そこの道路を何とか拡幅して使いたいというお話はいただいておりましたので、宮古市と協議の上、そこについてはどうするかを今後進めてまいりたいと思います。
 それから、もう一点、閉伊川の中の民有地でありますが、確かにアイオン台風の復旧の際に、堤防だけ築いて、底地、つまり用地は何も処理しないでそのままというところがあります。実際、我々が用地買収をする際には、ある事業を入れないと、つまり起債というかそういう部分が起こせないものですから、それで今まで手当てしてきたというのが現状であります。
 閉伊川につきましても、小山田の河川敷については公園の整備を入れることによって買収しましたし、老木についても手当てをしたところであります。
 今後も、いろいろな治水対策を含めて、事業を入れるに当たって、地権者の皆さんと協議を進めながら、なるべく民有地の処理は進めていきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 特に津軽石川を磨いていくべきだと考えています。本州で一番のサケ川でありますので、内陸で芋の子汁をやるんだったら、当然津軽石川ではサケ鍋をやるべきだ、そういう親水空間をつくるべきだと提案してきていましたけれども、民地だということでなかなかうまくいっていません。そういった計画をぜひ導入していただいて、本州一の川を磨いていただきたいと思います。
 次に移ります。宮古市の鍬ケ崎の問題であります。
 鍬ケ崎の交番では2人の警察官が殉職されましたが、あそこから浄土ケ浜に至る道路は宮古市道であります。将来的にも宮古の浄土ケ浜は観光のスポットになり得ますので、今のところ1車線しかないこの道路を、何もなくなった今こそ、宮古市が先行で取得して2車線の道路を確保すべきだと私は提案してきているところであります。
 そうした場合に、ケーソンヤードがあります。これは国土交通省の中でも珍しい型のものだそうでありまして、完成した際に自力で滑って海に入っていくケーソンヤードということで、こういう時期でありますので、残さなければならないでしょう。
 そして、五、六年前から鍬ケ崎に防潮堤の話があって、話が進んでまいりました。これも恐らく立地をするとなると、ケーソンヤードを当然海側に出さなければならないでしょうから、道路はケーソンヤードの内側になる。こういうふうになりますとあそこが非常に狭くなってきますので、ただ、将来の観光のメッカの浄土ケ浜というものの活用を考えますと、今こそ2車線の道路を確保する、漁協の番屋も被災してなくなっていますから、そういう考えを持つべきだと思いますが、宮古市からそういう要望が出ていますでしょうか。あるいは県のほうからこういうものをやりましょうねということで働きかけをしておりますか、そのことについて伺います。
〇青柳道路環境課総括課長 鍬ケ崎の市道の整備につきましては、内々といいますか、正式ではございませんけれども、いろいろ相談は受けているところでございます。
 いずれにしても、鍬ケ崎のまちづくりがどのようになるか、それに伴って市道を拡幅するかとか、県道と交換できないかというような話も出ていますけれども、その辺、はっきり筋道が見えれば、我々としてもいろいろ支援なり何なりはしてまいりたいと考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 浄土ケ浜に至る道路は、やはり2車線で確保していただきたい。ケーソンヤード裏に防潮堤となると山と幾らも間がありませんのでね。なお、あの辺には民家がもうぽつぽつ建ち始めてきておりますから、しかも国土調査が入っていない地域だと聞いていますから、早く手を打たなければならない部分がありますので、ぜひひとつおくれないようにお願いしたいと思います。
 次に、今度は県道41号線をお聞きしたいと思います。
 今回、重茂半島の方々は49人が亡くなりました。行方不明者20人でございます。大変大きな瞬間的な津波によりまして、千鶏というところの番屋の前で二十数人が出て海を見ていたんですが、瞬間的に襲った三十数メートルの津波で、そこにいた人たちが一気にのみ込まれて亡くなってしまいました。
 そういう中で1人、奇跡的に、返し波に乗ってきた方かどうかわかりませんが、まだ命のある方をまず引き上げることができた。だけれども、全く電話も何も連絡がつかないという状況で、その人を結果的には見殺しにしてしまった、こういうことでございました。これは、県道41号線が途中で橋が落ちて連絡がつかない、電話も何の連絡もつかない。3日後にようやく自衛隊のヘリに飛んできてもらって手当てができたということなんであります。
 そういう意味で、重茂半島は、まさに非常に悪条件の中で、それでも、多分県内で一番水産漁業を頑張っている地域だと思います。平均所得が3、000万円から3、500万円と言われる方々が多いわけでありまして、こういう方々を、あなた方為政者、行政に携わる人たちが一目で見るには、かつて仁徳天皇の時代には、高きやにのぼりてみれば煙たつ民のかまどはにぎはひにけり、つまり、当時はかまどから上る煙を見て、ああ、民はにぎやかに、平穏に暮らしているなと思ったそうであります。
 今は、かまどはありませんから、あなた方がその地域の経済力を見るには、まず、自動車を見てもらう。仕事に使う2トン車が1台、4Wの軽トラックが1台、お父さんの乗用車、若い息子の乗用車、若い奥さんのワンボックスカー、大体5台は車があります。そして、3世代、4世代の洗濯物がカラフルに干してある。あっ、ここは相当内容がいいな、こういうふうに思うべきであります。
 そういう方々の中で、所得もいいものですから、やっぱりおれたちは水産漁業でまた生きていくと思ってくれた若者が6割おります。ですから、そういう方々にこの地域に定着してもらうためには、ぜひとも夢を与えて、希望を与えていかなければなりません。
 五、六年前から41号線、赤前から白浜に至る海岸端道路、これを1.5車線、そしてトータル16メートルのトレーラーが通れるような道路ということで改修してきていただいておりますが、今回の津波で危なく寸断する状況でした。また今後も、復旧を急いでいただいていますが、低気圧、台風が来ると必ず冠水するわけであります。冠水をするということは、通れなくなります。
 したがって、全然ルートがなくなるわけではありませんが、私は、自分の書き物の中には、藤畑から麦生野まで4キロぐらいのトンネルで抜いたらば全然水に関係なく行けると書き上げましたが、決して4キロとは思っておりませんで、半分ぐらいの2キロぐらいのラインでもいいな。そうなると、堀内あたりから麦生野ラインというものが生きてくるのかな。そうすれば水をかぶらなくても行ったり来たりできて、しかも時間も相当短縮ができる。まさに命の道路、そういった道路を、ぜひこの際、物にしていただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
〇高橋道路建設課総括課長 重茂半島線の整備についてでございます。
 現在、重茂半島線につきましては、復興交付金事業のほうの計画の中で津軽石から白浜間ということと、それから里地区、千鶏、それから石浜から川代、この地区につきまして、浸水を受けたということで事業調整を行っているところでございます。
 委員御指摘のとおり、堀内から白浜間のところにつきましては、現在1.5車線的整備を行っておりますけれども、あの地域も浸水する地域でございますので、堀内から熊の平までの区間の整備を行うことによりまして、トンネルになるかと思うんですけれども、解消されるということになるかと思います。
 その辺につきましては、現在、どちらのほうのルートがいいのかというところを検討してございまして、宮古市のほうとも協議しながら検討していきたいと考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 いい話を聞きましてありがとうございました。やっぱり一番先に田野畑村の水門の明るい話から入ったのがよかったのかなと思っておりますが、いずれ、今後、着工式がどんどん出てきて前に進んでいくんだと思うんです。ただ、新しい意味での、道路というものは、私は、やはりハードな福祉だ、そういう面を持っていると思います。教育、介護、福祉、よくそればかりが福祉と言われておりますけれども、その基本はやはり道路、それがなければ、人の行き来ができなければ教育も介護も福祉もできないと思いますときに、この道路というのは、あるいは建設産業はハードな福祉産業である、このように言って若い者を励ましてきたところでもあります。
 どうぞ今の建設業の力を大いに活用していただいて、新しい岩手、新しい宮古、下閉伊をつくっていただきますように、こういう機会こそチャンスなんだととらえて大いに頑張っていただきたいと思います。
 若林部長から元気のいい声を一言聞いて、終わりたいと思います。
〇若林県土整備部長 1点は、今、応援をいただいたわけで、やはりこれだけの多くの方々の犠牲がありました。我々は、それを踏まえながら、危機をやはりばねにして、今までおくれてきた三陸を、この犠牲によって違う、全国並みにやっとなれますといった観点で国に働きかけていきたいと一つは思います。
 それから、これはちょっとまた厳しい話なんですけれども、いろいろ復興交付金事業で道路の計画を今、国と調整しておりますが、1月に出して、今回、この間、第1回の交付限度額の通知がありました。それは、非常に厳しい状況にあることは間違いありません。そういう中にあって、必要なものは必要だと我々も叫び続けていきたいと思いますので、委員の皆様の御支援もよろしくお願い申し上げたいと思います。
〇喜多正敏委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時58分 休 憩
午後1時2分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、県土整備部関係の審査では、この後、16名の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇城内愛彦委員 午前中の答弁、大変ありがとうございました。ラグビーが大変好きになってしまいました。
 県が造成した港湾の今後の利活用ということで質問したいと思います。
 昨年の3月11日、東日本大震災津波で県管理の港湾が大変被災したわけでありますが、その中にあって、どれだけの面積が浸水地域であったか。あわせて、今後、その浸水した地域をどのような方向で活用していくのかということをお示しいただきたいと思います。
〇川村港湾課総括課長 被災した港湾の利用計画についてでございますが、東日本大震災津波に伴いまして浸水した地域の中で港湾における工業用地の面積といたしましては、久慈港半崎地区など4港5地区、合わせて約89ヘクタールとなってございます。これら工業用地に立地された企業におきましては、震災により被災した工場や設備等を復旧し、再建を進めている企業がある一方、再建を困難としている企業などもおられる状況と認識しております。
 県といたしましては、今回の大震災を踏まえ、地元市と十分な連携を図り、既存企業の動向や新たな企業の立地に向けた動き、今後の工業用地の利活用に対する関係者からの要請等を把握しながら、造成した工業用地が企業に有効に活用していただけるよう検討しているところでございます。
〇城内愛彦委員 大変あっさりした答弁で気が抜けているところでありますが、浸水した地域に、今後どういう形で企業を誘致するかというのは、もちろん、被災した地元の市町村でも真剣に考えなければならないところでありますけれども、一定の方向性というものを、やはりイニシアチブを県が持つべきではないかと私は思うところであります。そういったところについて所感をお伺いしたいと思います。
〇川村港湾課総括課長 被災した港湾の利活用計画についてでございますが、昨年8月に、国、県、市及び港湾利用者などが協力して策定しております重要港湾の復旧・復興方針では、被災した湾口防波堤や岸壁等の施設をできるだけ早期に復旧することとしており、また、利用者や関係者との協議を踏まえた機能強化などについても検討を行い、実施に移すことによって、地元市町における復興まちづくりと連携を図った復旧、復興を進めることとしております。
 今後の復興道路の整備進展により物流ネットワークがなお一層改善されることは、企業に対して県内港湾の利活用を訴える上で大きなメリットでありますことから、これまで利用いただいていた企業の動向や新たな港湾利用に向けた動き、今後の港湾利活用に対する関係者からの要請等について十分把握し、地元市町と連携を図りながら、震災以前にも増して港湾を利用していただけるよう、県内外の誘致企業に対して、県がイニシアチブをとってポートセールスにも強力に取り組んでいきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、具体的なことを質問すると困るのかもしれませんけれども、実際のところは、いつごろをめどにそういった動きが出だすのか、ゴーサインがかけられるのか。今のところ、被災した市町村でもまちづくり計画、港湾の利用計画というのはまだまだ明記されない中にあって、どっちが先かという部分では、やはり行って、こういう形でしっかりと震災前よりも利活用できますよというポートセールスも含めてPRしていかないと、市町村だけではなかなか大変かなということもありますし、重要港湾が四つある中にあって、それぞれの特色というのも今後生かしていかなければならないのではないかと考えるところであります。ぜひ、そういった部分も含めて部長の所感をお伺いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
〇若林県土整備部長 港湾の現状は、施設が応急復旧したとはいえ、まだ完全とはいえない状況ですし、防波堤等も傷んでおりますので、静穏度も確保されていないといういろいろなお話を伺っております。
 まずはその施設関係の再建を急ぐということと、あわせて、復興道路関係で四つの港湾が、あと久慈港も含め、つながりますので、このメリットを高めながら、岩手の港湾という一つの切り口でもって、それぞれの役割を明確にしながら、時に連携しながら、岩手の港湾の利活用に向けて、その長所となるように市町村とともに強力にポートセールス等を進めてまいりたいと思います。
〇城内愛彦委員 被災した港湾の風景を報道等で見ていらっしゃる方々が、今後、勇気を持ってこの地域に企業進出していただけるような情熱を持ってほしいし、あわせて、スピード感をもって対応しないと、今後、被災した3県が競う合う状況の中にあって、やっぱりトップで頭出しできるというのは非常に有利な展開につながるのではないかと思いますので、その辺を強く要望して、終わりたいと思います。
〇及川幸子委員 まずもって、県土整備部長初め県土整備部の皆さん、発災以来、本当に御苦労さまでございます。
 地元建設業に対する考えということで、午前中、工藤勝子委員からもお話がありました。公共事業のあり方はどうなのかということで、県土整備部長のほうから、地域建設企業がなければ大変だった、きちんと存続できるよう雇用も守りたいという大変力強い答弁をいただいたと思っております。
 そこでお伺いいたしますが、建設業や土木業に対する発注の状況はどうだったのかお知らせいただきたいと思います。
〇吉田建設技術振興課総括課長 県営建設工事の発注状況でございます。
 平成23年度は、1月まででございますが、全体発注額566億円、そのうち県内発注が481億円、84.9%でございます。近年の県内建設業者の発注率はおおむね80%を超えるという状況で推移しておりますとともに、全体発注額におきましても、1月現在で既に最近の総額を超えるような状況になっております。
〇及川幸子委員 そこで、地元の企業に対する育成というか、発注というか、それについてはどのような力点を置かれて取り組まれているのかお聞きしたいと思います。
〇吉田建設技術振興課総括課長 午前中に県土整備部長から申し上げたところではございますが、地元の建設企業と申しますのは、地域住民の安全で安心な暮らしを支える、社会資本の整備を維持していくという意味から非常に重要な産業だと。地域の建設企業による雇用が確保されていくように、県営建設工事の発注に当たっては、引き続き地元企業の受注に配慮していく考えでございます。
〇及川幸子委員 それで、1年前の災害から1年間の復興にかけた工事の取り組みについての考え方なんですが、業者の方は、内陸も含めて相当な量の発注工事がなされるだろうと思っておりましたが、なかなかそれが目に見えないもので、その発注の状況が果たしてどうなのかと疑問に思うところであります。災害復興にかけた発注状況というのはどうなのか。災害から1年間を振り返って、その辺のところをお聞きしたいと思います。
〇吉田建設技術振興課総括課長 東日本大震災津波に係る公共土木施設の災害復旧工事のうち、県土整備部所管分でございますが、査定決定額全体で2、200億円のうち1月末現在で約64億円、2.9%の発注でございます。これが3月末には121億円、5.5%の発注見込みとなっております。
〇及川幸子委員 2、200億円のうちの大変少ない量かなと私には思われますが、発注する場合、JVの考え方はどうなのか、その点についてお伺いします。
〇吉田建設技術振興課総括課長 JVにつきましては、大規模かつ技術的難易度の高い工事について、円滑かつ適正な施工を確保するために、特定共同企業体、いわゆるJVに発注することとしております。具体的な運用に当たりましては、県内企業で施工可能な工事につきましては県内企業のみを構成員とするJVを入札参加要件としております。
 なお、先ごろですが、国土交通省から復興JVというものの制度が示されております。復興JVは、被災地の企業と被災地以外の企業で構成する、2者もしくは3者で構成するものですが、そのうち1者の技術者が専任で配置されれば、ほかの構成員の技術者は兼任が可能ということで、復興に有意義な制度とも思われますが、聞き及びますと、被災地以外といった企業につきましてはどうも県外業者を想定しているというところがございますので、この取り扱いについては今後検討を進めることとしております。
〇及川幸子委員 今後のあり方についてですが、このJVの考え方ですけれども、今、説明がありましたが、2者から3者で、1者が専任でやればいいと。その中で、今、沿岸の被災地域の業者が逆に大手の業者を下請に抱えるという現象が起きているようでございます。と申し上げますのは、やっぱり人手不足というのが一番のネックで、地元業者も、もちろん県南のほうの業者でもですが、発注されても人がいないんです。なぜなら、やっぱり弱くなっているんです。会社自体が今までの不況の中で弱くなっている。ですから、人員を派遣するにも、なかなか派遣できないために、沿岸地域の業者が逆に下請に大手を抱えて、そして人手を抱えているという現象があると思うんですが、このJVのあり方についてもう少し検討していかなければならないと思うんですが、いかがでしょうか。
〇吉田建設技術振興課総括課長 現時点ではJVということで発注はまだ進めておらないところですけれども、今後におきましては、先ほどお話ししました復興JVの制度ですとか、これまでも特定JVですとかいろいろな制度がございまして、その中で県内の企業が一体となって迅速に工事を受注していけるような配慮をしていく必要があると考えておりますので、速やかに取り組んでいきたいと思います。
〇及川幸子委員 それで、今後の発注の際に、積算のあり方についての質問なんですが、やっぱり採算に見合うような積算のあり方をしていただかないと、安かろう悪かろうというものをどんどん受けてしまいます。そして、その仕事を受け持っても、全然利幅がないという仕事が続きます。ですから、やっぱり自社の首を絞めていくのだと思います。積算のあり方についてどうなのかをお伺いいたします。
〇八重樫技術企画指導課長 積算のあり方についてでございます。基本的に県土整備部所管工事の設計、積算は、国土交通省が定めております基準及び労務単価、さらに県が調査し定めた資材単価を用いまして標準的な施工方法を想定して行ってございます。震災前につきましては、使用する労務単価は年度当初に定めたものを使用するということでございましたが、このたび、被災3県につきましては、国土交通省のほうで、上昇傾向にありました労務単価をこの2月17日に前倒しで通知したところでございまして、2月20日から3県共同でこれを適用したところでございます。
 それから、震災後は、委員おっしゃるとおり、県内、特に沿岸域での施工規模が大きなものになってくるということで、その労務の調達がいろいろな域外からの方々を呼びながらの工事が顕著になってくるであろうということで国のほうに要望しておりましたところ、このたび、宿泊費や交通費に関する経費を追加費用として積算に反映できることになりましたので、これも、この3月5日に積算に適用したところでございます。
 さらに、労務単価、資材単価が今後いろいろ変動してまいるということを想定してございますので、労務単価については、国のほうで年1度の調査、反映を、何カ月とはちょっとまだ連絡はありませんが、これを短期に行って、適時に反映する方針を述べていただいていますので、これと、当方で調べます資材価格を適時に反映させていただき、契約上で言ういわゆるスライド条項を適用しまして、増嵩する費用に関しては変更で対応させていただきたいと存じております。
〇及川幸子委員 復興に関しては、一日も早い対応ということでみんな望んでいるわけです。
 その中で、経営事項審査のあり方についてもちょっと疑問に思うんですが、点数を上げるために、価格に見合わない積算のあり方もそうなんですが、全然採算のとれないものについて参加して、しかしながら当たってしまったと。いやあ、大変だったということで首を絞めているようですが、今後問題ではないかと思うんです。本当にその中身がどうなのか、やっぱりきちんと精査するべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇吉田建設技術振興課総括課長 公共工事を受注しようとする建設業者の皆様には経営事項審査を受けていただいておりますが、近年、建設投資が減少しまして工事受注の競争が激化しております。そうした中で、ランクの低下を防ぐために無理な受注により完成工事高を確保する事例が指摘されております。こうしたことから、国におきましては、平成23年4月の経営事項審査の制度の改正によりまして、完成工事高の評価を補正する、そして全体のバランスをとるといった評価の見直しをしているところです。
 経営事項審査につきましては、今後とも適正な企業評価に努めていきたいと思いますとともに、公共工事の受注が採算割れとなることがないような適切な設計、積算あるいは低入札対策といったものに取り組んでいるところでございます。
〇及川幸子委員 国に向けていろいろな要望等をして、現場の声を確実に届けていただいていることに本当に感謝申し上げます。
 最後の質問になります。
 県内建設業の動向なんですが、近年の倒産件数、そして新産業の進出はどうだったのか、その点について伺います。
〇吉田建設技術振興課総括課長 倒産件数についてでございますが、最近5年間の建設企業の倒産件数は、平成19年の38件から平成23年は23件と若干の減少傾向にはございますが、全産業における倒産件数の中の比率ということになりますと、30%から40%という高い比率になっておりまして、依然として建設企業の経営環境は厳しいものがあると承知しております。
 それから、新産業への進出についてでございますが、新たに新産業分野の取り組みを行った企業数は、平成16年度から平成22年度までで164社に上っております。ただ、新規の進出企業は減少傾向にございますので、私どもとしましても、過去に取り組んでいらっしゃる業者のフォローアップと新規の需要開拓ということに努めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 新規の進出の減少ということが気になりますけれども、採算に合わない新産業進出ということで、本当に何ともならないけれどもやっているよという声を随分聞きます。
 最後に部長に、建設業、土木業もすべて県内業者が豊かになるための今後の支援策についての御所見を伺って、終わります。
〇若林県土整備部長 今回の震災対応で、一時期、建設投資が膨らむという時期があると思います。建設企業の皆さんには、ここで培った技術力、経営力についても、持続可能な経営ができるように力を蓄えていただくということが最も肝要かと思います。そういうことを県としても支援していきたい。
 経営審査までアドバイザーがこれからかかわるということになりますので、そういうことで県としても支援してまいりたいと思いますし、労働者が不足するということで、新規労働者を抱えていろいろやった部分についても給料をある程度県が見るという制度も設けましたので、こういうことも御利用いただきながら、雇用の確保を含めて体力をきちっとつけていただくように我々も支援してまいりたいと思います。いろいろな不具合等もこれから出てくると思いますけれども、建設業の皆さんと情報共有しながら、そういうことに当たって対応してまいりたいと思います。
〇神崎浩之委員 3項目通告しておりましたが、半分の1.5項目に絞って質問させていただきます。
 一つ目、生活再建住宅支援事業は、来年度、県も力を入れている事業だと思います。個人の財産の形成に税金を使うということはなかなか悩ましいことだったと思うんですが、家を建て直さなければならないという方にとっては、額は低いという声もありますが、朗報だと思っております。
 そこで、私もいろいろな方に勧めておるわけなんですが、まず、県産材使用ということなんですが、どの程度の使用でいいのか。それから、バリアフリーについてもなんでございますが、どの程度バリアフリー化すればなるのかということをお聞きいたします。
 そこで、岩手型住宅というものもうたっておりますが、これとの整理の仕方についてもあわせてお伺いしたいと思います。
 そこで心配なのは、片や木材の供給は大丈夫なのかということがあります。家を建てようといったときに、肝心の県産材が間に合うのかということ、この要望に対して予算の総額というのは十分に手当てされているのか、それについてお伺いいたします。
〇大水建築住宅課総括課長 生活再建住宅支援事業についてでございますけれども、平成24年度予算案につきましては、新たに県産材を使用する住宅またはバリアフリー化された住宅を新築する場合に補助を行うこととしております。
 まず、県産材のほうにつきましてですが、住宅を建てる場合に、10立方メートル以上使用するものが対象となりまして、最大で30立方メートル以上使用する場合に40万円が補助されるというものでございます。
 また、バリアフリーにつきましては、住宅性能評価でバリアフリー性に関する基準の等級3を満たすものとしております。これは、日常生活空間内の床を段差のない構造とし、階段等に手すりを設置し、出入り口の幅員は750ミリメートル以上とするなどの基準となります。
 岩手型住宅も含めまして、現在、県産材の活用ということで取り組みを推進しておりますので、今後の復興におきましても、岩手型住宅の取り組みと連動して地域における県産材の利用が進むように取り組んでいきたいと思っております。
 仮に県産材を使用する住宅が年間1、500戸建つといたしますと、3万立方メートル程度の県産材が消費されます。これは、県内製材品生産量の約1割に当たるということになりますが、木材の供給に関しては十分対応可能なものと考えております。
 また、予算は、住宅の新築のほか補修や改修、宅地の復旧を含め21億円ということで計上しております。新築の補助は600件程度見込んでいるというものでございます。予算としては十分確保しておるものと考えておりまして、今後、市町村における制度導入を働きかけてまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 十分に予算も県産材も確保されているということだと思います。
 この際、住宅支援でありますが、家の部分と、家の下の部分の宅地の復旧も支援の対象になっていると。この事業の中で、家の部分と宅地と分かれているようであります。下の部分の宅地の復旧支援事業の中身なんですが、県内何市町村ぐらいで、幾らぐらいの金額で手が挙がっているのか。これは、内陸の被害状況にもかかわる、明らかになることだと思いますので、宅地の復旧事業については何市町村、どういう市町村で考えられているのかお聞きいたします。
 これ以外にも、恐らくがけ崩れとか擁壁の崩壊だとかいろいろあると思うんですが、宅地の復旧支援事業以外のそういうがけ崩れ、擁壁等に対する支援についてはどういう事業があって、どういう手当てを考えているのか教えていただきたいと思います。
〇小田嶋まちづくり課長 被災宅地復旧工事についてでありますけれども、この支援内容は、市町村が、擁壁の復旧、盛り土復旧等の宅地復旧に係る経費を補助した場合に、その経費を補助するものであります。
 平成23年度には一関市など5市で宅地復旧が行われる予定となっております。それで、今年度は5市で2億2、178万5、000円の執行が見込まれているところであります。
 また、ほかのがけ崩れ対策についてでございますけれども、対策事業といたしましては大きく二つありまして、一つは、東日本大震災復興交付金によります造成宅地滑動崩落緊急対策事業がございまして、一関市山目舘地区で採択されているところでありまして、その中で擁壁工、排水工、鋼管ぐい工などの工事が予定されているところでございます。
〇菊池砂防災害課総括課長 二つ目としては急傾斜地崩壊対策事業─これは補助と県単がございますが─とか災害関連地域防災がけ崩れ対策事業、いわゆる地域がけ事業などがございます。このうち補助の急傾斜地崩壊対策事業につきましては、がけ高が10メートル以上、保全対象家屋が10戸以上、なおかつ総事業費が7、000万円以上が補助の要件となってございまして、平成24年度におきましては大船渡市田浜上ほか6カ所─このうち震災関連が1カ所でございますけれども─で事業を予定してございます。
 また、補助要件に満たないもので、がけ高が5メートル以上、保全対象家屋が5戸以上につきましては県単独事業で実施しているところでございまして、平成24年度におきましては一関市中島地区ほか10カ所─このうち震災関連が6カ所でございますけれども─で事業を予定しておるところでございます。
 なお、地域がけにつきましては一関市峰下と二戸市の杉の沢の2カ所で補助採択となってございまして、これにつきましては平成23年度の2月補正予算で計上したところでございます。
〇神崎浩之委員 けさの新聞にもありましたけれども、造成宅地滑動崩落緊急対策事業ということで2億円ですよね。ありがとうございました。
 そこで、もう一度、被災宅地復旧支援事業の件数と金額なんですけれども、トータルの中で平成24年度分と分けて説明していただきたいと思います。
〇小田嶋まちづくり課長 平成23年度は一関市など5市240カ所で、先ほど御説明しましたように、2億2、178万5、000円の予定となっております。来年度につきましては、新たに事業導入を検討しております21市町村を含めまして26市町村で500カ所の宅地復旧を見込んでいるところであります。予算額につきましては6億5、000万円を見込んでいるところであります。
〇神崎浩之委員 最後の0.5の質問なのでありますが、高速道路の復旧について通告しておりましたので、当局のほうからネクスコ東日本のほうに多分問い合わせた努力もあると思いますので、お聞きしたいと思います。
 なかなか修繕が進まなくて、私も去年はよくわからなかったんですが、ことしは足をけがして、走行車線を80キロメートルぐらいで走ると、随分、橋梁のつなぎ目から段差、穴があいているということを最近感じているところであります。これについて、国のほうなんですけれども、修繕というのはどういうふうに考えているのか。あわせて、4月以降の料金の減免の情報等があれば聞かせていただきまして、最後の質問といたします。
〇高橋道路建設課総括課長 東北縦貫自動車道の路面の復旧状況についてでございますけれども、今回の東日本大震災では東北縦貫自動車道も大変被災しておりまして、特に路面の変状が多く確認されております。東日本高速道路株式会社に確認したところでは、岩手県内では路面の面積で9万6、000平方メートルの被害を受け、本年2月末時点で1万3、000平方メートル、約14%の復旧が完了したところでございまして、本年12月までにすべて完了を目指していると伺ってございます。
 続きまして、高速道路の無料化についてでございますけれども、現在、東日本大震災津波及び東京電力福島第一原発事故に伴う被災地支援、観光振興、避難者支援を目的に実施されております東北地方における高速道路の無料化は、本年3月31日をもって終了することになっているところでございますが、4月以降における高速道路の無料化の継続等につきましては、国及び東日本高速道路株式会社のほうから今のところ情報は示されていない状況にございます。
〇工藤大輔委員 これまで、国のほうでも4次にわたる補正予算を通しながら応急また復旧に向けての事業費がつき、そして現在も既に発注等も進んでいるところでありますが、いよいよ来年度から本格的な復興に向けた大幅な事業が展開されていきます。
 そのような中で、今後の復旧事業の見通しということで、復興期間全体の発注量、発注時期など全体像をしっかりと示しながらスケジュール管理をし、そして、どの分野がどの程度進捗しているのかという工程を明らかにしながら、そういった全体を把握するように努めるべきと考えておるわけですけれども、まず、この御見解についてお伺いします。
〇八重樫技術企画指導課長 ただいまの復旧期間全体の発注量、時期についてでございます。このことにつきましては認識を同じく持っておりまして、さきの2月末ですけれども、県土整備部所管の復旧事業─災害、復興住宅─について、12月末に終わりました災害査定の結果及び今後のおおむねの詳細設計や用地買収等のスケジュールをもとに、来年度以降、半期ごとの発注規模につきましては、おおむねでございますが、建設業協会のほうに提供させていただいたということでございます。
 また、来年度以降のより具体的な発注予定についてでございますが、来年度の上半期の分に関しましては、現在、総務部において具体的な取りまとめを行っているところでありまして、4月中には公表を行うことと聞いてございます。
 今後、復興期間の全体の事業進捗につきましても、農林水産部とも共同して、逐次、工事の予定が定まったものを加えながら、業界等に対しまして情報を提供してまいりたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 本日付で総務部から、大規模災害復旧事業の発注見込みということで、7月6件、8月4件から始まって3月までの間に合計106件の5億円以上の事業が発注される見込みということで資料提供がございました。
 また、ただいま答弁いただいたように、農林水産部の事業もかなり大きいです。細かく言えば教育委員会もありますし、また、防災関係の事業も出てくるわけです。そのような中で、先ほど、総務部が取りまとめという話があったんですが、これら全体について総務部が取りまとめでよいのかどうかということが1点確認です。
 それと、4月の公表ということですが、今後、どのようなプロセス等を経て公表されるのか。また、震災分と通常分のベースの事業が来年度あるわけですが、それらも含まれるのかどうかお示しください。
〇八重樫技術企画指導課長 まず、発注予定、発注規模の取りまとめを、御案内のとおり、今、発注担当部局ということで総務部が行っているところでございます。県土整備部としましては、建設技術振興課のほうで、部内の規模的な調整あるいは発注目標等に準ずるものについて集計等を行う機能は当然ございますが、他部局のほうまでの取り扱いを行うというような組織形態にはなってございません。そのことは御了知いただきたいと思います。
 それから、4月の公表につきましては、今、総務部で各発注公所に調査を依頼しているところでございまして、具体的な工事の発注箇所ごとについて取りまとめを行って、ホームページで公表されると承知しております。通常事業もこれには当然入ってございます。
〇工藤大輔委員 さきの一般質問、代表質問等でも、これまで工事等の平準化を図っていて、例えば、できるだけ県内事業者に多くとってもらうだとか、事業が一時期に大幅に集まらないように、国、県、市町村の発注の動向を見据えながら県でも発注をしていくんだというような答弁がたしかあったと記憶しております。そうなると、今は県の話だけだったわけですけれども、その答弁どおり、国、県、市町村、これらもトータルで調整をしながらということになるのかどうか。それと、金額ベース、事業ベース双方をやはり示す必要があると私は思うわけですが、それについて、また改めてお示しください。
 また、今の御説明からいくと、新年度の予算の中で、県土整備部分の復旧は全体の事業からすれば大体何%進捗すると見込んでいるのかお示しください。
〇及川県土整備企画室企画課長 新年度予算で予算措置したものが全体の事業費ベースであくまでも─完成の進度の進捗率は、事業ごとに複数年度にまたがるものですから、その年度の進捗率を出すことはなかなかできないんですけれども、全体の事業費に対する平成24年度の予算がどれぐらい充てられているかという割合をお示ししますと、東日本大震災復興交付金事業と河川等災害復旧、港湾災害復旧系を合わせて、試算ですけれども、今、全体事業費は3、410億円程度を見込んでおります。そのうち平成24年度予算では約922億円措置しておりますので、全体の事業費から割り返すと、予算措置上は約27%程度進捗している。ちなみに、平成23年度でも補正等で予算措置しておりますので、これらを含めますと、平成24年度でもって31.5%の事業費ベースに対する予算を充当しているという考え方でございます。
〇八重樫技術企画指導課長 国、市町村、それら発注機関の発注規模、発注ロットということでございますけれども、市町村の公共事業災害も平成23年度は300億円を超えているということは承知してございます。交付金事業としても、今回、配分可能額が316億円であったということで、相当規模のものになろうと。
 それから、国のほうは、復興支援道路、湾口防波堤等々やはり大きなプロジェクトがございますが、それらの発注のスケジュールとかプロセスにつきましては、現在のところ、国のほうともいろいろと情報交換する場はございますけれども、具体的なものは示されておりませんので、把握しているということは申し上げられませんが、今後、私どもとしては、労働力もさることながら、特に現地での調達資材、これらの調整を密にとっていかなければならないと考えておりまして、特に沿岸振興局の管内で、国、市町村、県─県は県土整備部、農林水産部を含めまして、そういった情報を常に密に交換しながら、速やかな対応をとってまいりたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 復興期間の間、全体をしっかり管理していくということは非常に大切なことだと思います。また、今現在においては全体のイメージが全くわからない、見えない。当然、市町村の復旧、復興計画もそれぞれ違ったり、まだまだ調整が必要な部分が多いという中で、全体像また部分的なものも見えないという声が非常に大きいと思います。ですから、4月以降、これらをしっかり御提示していただいて、事業費そしてまた事業別の工程管理で全体像が見える形にして、それが実際に被災地また県民の方々にも肌で感じるように、このように進んでいるんだ、だからこのとおりでいいと。そうでなければ、さらに新しい事業を導入しなければならないという大きな目安となっていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、入札における分離発注の状況と今後の復興事業におけるそれらの方針についてお伺いしたいのと、あわせて、県内事業者の受注環境の整備に向けてどのような認識を持って取り組もうとしているのかお伺いします。
〇八重樫技術企画指導課長 ただいま、分離・分割発注についての御質問でございます。
 まず、工事の分割発注についてでございますが、これは、供用日など期日が定められておりまして工期が限定される場合とか、地形、地物の条件によって、または用地買収の完了の有無等によって施工範囲が限定されるという場合などの合理的な理由がある場合に、ケース・バイ・ケースで判断されるものと承知してございます。ただいまの災害復旧工事に関しての分割発注の実績はないものと承知しております。ただ、今後、数十億円を超えるような大規模な工事についても、現地のさまざまな要因によりこれは判断されていくものと考えてございます。
 それから、同じ場所の工事でございましても、堤防と水門が一緒になっている場合もありますが、こういった水門構造物や機械設備とか、または電気・通信設備の専門工事については、分割ではなくて、従来どおり分離という発注形式でなされると考えてございます。
〇吉田建設技術振興課総括課長 県内企業に対する受注環境の整備についてでございます。復旧、復興工事の発注に当たりまして、被災地域の建設企業を初め地元企業の受注に配慮していく必要があると考えております。そうした中で、適切な労務単価や建設資材価格の設定、あるいは複数工事の一括発注、柔軟な工期の設定など、建設企業が受注しやすいような発注の仕方を整えていきたいと考えております。
 また、地域要件についてでございますが、この地域要件の設定につきましては被災地域の建設企業への発注ということを配慮していきますが、入札の状況等を見まして、例えば入札不調ということが一部出ておりますので、そうしたものを見ながら、地域要件を内陸に拡大していくといったようなことも見直していきたいと考えております。
 また、相当規模の大型工事や専門技術を要する特殊な工事につきまして、今後、発注が本格化していった時期については県内企業だけでは対応できなくなると見込まれております。こうした際におきましては、県内企業を含む特定共同企業体により県外企業を適切に参加させるといったことを考えていきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 分離・分割発注の状況はわかりました。いずれ、設備、電気等もそれぞれのものもありますので、また、それぞれの関係から要望等も出されると思います。できるだけ意に沿うような形でお願いしたいと思います。
 今回、堤防等を見ても、本来、改修等であれば、改修の技術と本格的に直す技術はそれほど変わらないのに、壊れたエリアが大きいから事業費がドーンと拡大していっている。結果的に大きいところに発注しなければならないというだけでは地元企業の受注機会も減ってくるということも出ておりますので、それらも十分配慮した形で適正な発注をよろしくお願いしたいと思います。
 あわせて、また、沿岸の会社の方々からも、いろいろ工事を抱えていく中で、現場監督をされる方の要件の中で、3カ月会社に所属していなければ、その後、現場に出せないと。要は、2カ月間、3カ月間、ほぼ仕事がないのにお金を払わなければ抱えられないというような要件もあるので、できればこういった関係も緩和等がされていけばと望むものであります。これは要望にしたいと思います。
 あと、個別の件で八木港の関係でちょっとお伺いしたいと思います。
 現在、八木港は地方港湾の整備をしていただいているわけですが、漁港としても北港、南港を使っています。結果的に、港湾の整備だけでは漁港機能として十分でないというのはこれまでも多々あったわけであって、その周りにおける消波ブロック等の整備もしてもらいました。しかし、今回、災害として認められていないために、そこの一部分について事業が組まれないという話も聞いているところですが、その現状についてと改善策をお伺いします。
〇川村港湾課総括課長 東日本大震災によりまして被災した港湾施設の復旧についてでありますが、被災した施設を復旧する場合、一定規模の被災があった箇所につきましては災害復旧事業の対象となりまして、原形復旧を基本として対応することになりますが、被災規模等が補助対象要件に当てはまらない場合につきましては、被災施設の状況に応じながら別途対応を検討する必要があると考えております。
 八木港におきましては、震災以前から静穏度向上に対する地元関係者からの要請もありまして、現況把握のための調査を実施してきたところでございますが、今回の震災による災害復旧の対象とならない施設の改良につきましては、今後も調査を継続し、検討する予定としております。
〇工藤大輔委員 検討していただくのは大変ありがたいんですが、現状からすれば、あそこは港だけなく市場も有していますし、洋野町において一番中核となる漁業関連施設とも言えるものです。現状において、高潮のために港の中で船が沈んでしまうようなケースも出ていますし、直してもらっても、災害が発生するよりも今の状況はひどい状況になってしまうんじゃないかと懸念されているものがあります。恐らく、八木港以外にも今回のように災害復旧事業に該当しなかったさまざまな箇所があろうと思います。それらを一体として整備しなければ機能が十分じゃないし、災害以前よりも機能が落ちたままでは何の役にも立たないと私は思いますので、その順序はどこから順番にするかといういろんな制約等もあるのは承知していますが、まずは中核となるところは早期に一体となった整備を進めるべきと考えます。最後に部長にこの件についてお伺いして、やめたいと思います。
〇若林県土整備部長 八木港はお話を伺っております。沖防波堤について、どうも天端が下がって波が入ってきているというお話も伺っていますので、まずそこはきちっと調査して、どう対応策をとるかと。漁民の皆さんは静穏度の確保が一番、やはり命の次が船だというような意識を持っていますので、ひとつ考えていきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 私は、生活再建住宅支援事業に絞って質問をしてまいります。
 この事業の予算化、事業化につきましては大変要望が多かったところでございまして、今回、大きな形で前進したと思っております。関係者、予算当局も含めて感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、伺っていきますけれども、この制度というのは大変被災者を支援することになりますが、これはあくまで市町村に補助する形をとっておると思います。したがいまして、市町村がこうした支援事業を創設しなければ、せっかく県のほうで予算化、事業化しても被災者に届かないという仕組みになっております。
 そこで、市町村が今回のこうした県の予算措置に対して制度をどの程度創設しているのか、まずお聞きいたします。
〇大水建築住宅課総括課長 生活再建住宅支援事業についてでございますけれども、来年度から新たに住宅の新築も含めまして補助を行うということで進めてまいりたいと考えております。昨年度の補正予算でまず補修・改修をやる、あるいは利子補給というものについて助成を行ってスタートさせているという状況でございますけれども、市町村が受け付けを行って交付するということで、それに対して県が補助するという仕組みとしておりまして、現在、市町村に対して制度導入の働きかけをしているということでございます。今年度中に開始できる見込みであるのが11市町ということでございまして、来年度から開始する予定だという市町村が12市町村ございます。残りが10市町村ということになりますけれども、残りの10市町村の多くは被害の程度が少ないあるいはないというようなところでございますので、県といたしましては、さらに市町村に対して制度の内容の説明や説明会の開催等によりまして周知を行って、制度の普及ということに取り組んでいきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 計算しますと、23の市町村では制度がスタートできる、スタートしているということでありますけれども、残りは10市町村ですね。せっかく県として事業をやっていて、軽微であるといえども県民が被災していることに変わりはないわけでありまして、やはりそこの公平性を担保する上でも、市町村のほうでどれだけ─もちろんニーズもあると思いますけれども─創設できるかというところが一つのポイントだと思っておりますので、ぜひそこは説明して、周知していただきたいと思っております。
 そこで、一部先行している市町村がございまして、既に予算を見越していろんな説明を現場にしているんですが、そこでいろいろな問題も起きております。
 まず一つは対象の範囲です。ここはひとつきちんとこの場で確認しておきたいんですが、いわゆる生活再建支援法で支給対象になっているいわゆる大規模半壊以上の皆さん、そして災害救助法を適用して何がしかの支援を受けた皆さんは一部除外になるという部分があります。それから、それは関係なく全部支援になりますという部分があるんですが、どうも、市町村の担当者によってはそこの線引きが非常にあいまいで、受けた被災者が、どっちが正しいんだと。県の書類を読めばこうなんだけど、市町村はこう言っているんだけど、一体どっちなんですかというのがまま起きております。そういった意味から、確認の意味でその辺の整理を少ししていただきたいと思うんですが。
〇大水建築住宅課総括課長 支援対象の範囲ということでございますけれども、まず、補修・改修の場合と新築の場合で仕組みが異なっておりまして、補修・改修の場合には、支援金で支援を受けられる大規模半壊以上の住宅あるいは既に応急修理を使われて改修を行った住宅というものは対象にならないので、それ以外の、まだ修理を行っていませんという住宅が対象になるというものでございます。
 一方で、新築につきましては、支援金をいただいた住宅に対しても補助対象になるということで、被災者であって、みずから住宅を新たに建てたいという方はすべて対象になるということでございますけれども、県産材を使っていただく、あるいはバリアフリーの要件を満たすという要件が必要になりますが、最大で130万円の補助を行えるというものでございます。
〇岩渕誠委員 確認しますけれども、改修の部分については、これはフリーでいいわけですよね、そこは。補修に関しては一部損壊とか半壊で、今まで受けていなかった方が対象になりますと。ただ、改修に関しては、支援を受けていても対象になるということですか。
〇大水建築住宅課総括課長 改修につきましては、被災を受けて、補修は応急修理でやったけれども、さらにバージョンアップといいますか、機能強化を図りたいというものについても対象になるものでございます。
〇岩渕誠委員 わかりました。本当に現場ではなかなかそういう説明がうまくいっていませんので、ぜひこれはペーパーなり、きちんとしたものをつくってやっていただいて、いろいろな混乱が生じないようにしていただきたいと思います。
 さて、この支援のスキームなんですが、実は前提となっておりますものが、これは持ち家であります。持ち家に対して支援をするというのが基本だということでありますが、一方で、県内では賃貸住宅、とりわけ賃貸の一戸建て、借家を借りて被災しているという方々もあると思っております。民間集合住宅については、別なスキームの中で支援制度があったりするわけでありますけれども、私が見ている限り、借家の被災に関してはなかなか支援制度がないのではないかと思っております。
 そこでお伺いいたしますが、県内のいわゆる一戸建ての賃貸住宅の被災の状況、規模、それと再建状況、再建に当たっての支援制度の有無についてお答えください。
〇大水建築住宅課総括課長 賃貸住宅についてということでございますけれども、住家全体の被害数は約2万5、000棟あるんですが、そのうち約一、二割が貸家ではないかと見ておりまして、2万5、000棟に対しますと3、000棟程度が貸家の状態で被災を受けたのではないかと見ております。そのうち戸建てとなりますと、これについてはデータがございませんので、申しわけないですが把握できていないという状況でございますが、3、000の内数ということになるかと考えております。
 再建に当たっての支援制度でございますけれども、生活再建住宅支援制度は、持ち家の方を対象とするということで補助を行うこととしておりまして、貸家は対象となっておりません。一方で、アパートを建設する場合には、住戸数5戸以上などの基準を満たしまして被災者向けに入居者を募集する場合には、地域優良賃貸住宅制度で来年度から新たに建設費の5分の1または6分の1補助を受けることができるようになります。戸建ての賃貸住宅の再建については支援制度がございませんけれども、今後、被災地の状況を踏まえながら、支援の必要性について検討してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 やっぱりそこがスキームの中から抜けているんですよね。そうなると、大家さんの考え方次第になってしまうというところがあると思うんです。いい大家さんでしたら、それは私がきちんと直してあげますよ、5軒ぐらい持っていますけれども何とかしますよと言う大家さんがいればいいですけれども、そうじゃない大家さんは、あんたのところで直してくれないかいというような話になると、これはやっぱり負担が出てくるという話でありますし、なかなかそこのところだけすぽっと抜けていると。
 検討するということですが、ぜひ、これは実現を前提にした検討にしていただかないと、これは、せっかくやったスキームが生きてこない。そこをやっぱりつけ足すことで、せっかくやった予算措置、事業というものがかなり充実したものになると思うんですが、部長、いかがですか。
〇若林県土整備部長 現在のところは、まずは持ち家を再建しようというところに主眼を置いているわけです。一方で、貸家の場合ですと、やはり大家は、たな子の責任を持つというのが私は大事かなと。いずれその家賃収入があるわけですから、その中でまずちょっと面倒を見てもらうというのが基本かなとは思いますが、そう言っても、その大家さんの状況にもよりますので、その辺の具体なものがいろいろ、我々もちょっと調査しながら、何かそういう具体例がありましたらば御相談いただきながら、今の貸家についてのスキームをどうすればいいか検討してまいりたいと思います。
〇高橋但馬委員 私は、施設整備について2点お伺いいたします。
 昨年、花巻空港においてなんですけれども、国内定期便は、復興需要等で高い利用率となっているわけです。昨年5月にフジドリームエアラインズの名古屋線が就航したわけですが、これまでの利用拡大の取り組みと利用者数の動きについてお知らせください。
〇木嶋空港課総括課長 花巻空港の利用拡大の取り組みについてでございますが、県内誘致企業等や県内市町村、旅行会社などを訪問いたしまして、いわて花巻空港の利用を広くPRするとともに、特にフジドリームエアラインズ名古屋小牧線につきましては、レンタカーやエアポートライナーなどといった空港アクセスに関する割引キャンペーンを実施したところでございます。
 花巻空港の利用者数の動きにつきまして、平成23年度の国内便の利用者数は2月末現在で27万3、327人でございまして、これは対前年比123.4%と大きく増加しております。これは、震災復興関係で5月8日まで羽田線が運航されたこと、また、大阪及び札幌線でも臨時便が多く運航されたこと、また、FDAの名古屋線の利用者が加わったことによります。
〇高橋但馬委員 震災復興需要によって利用者がふえたということでありますけれども、今後、震災復興需要がどんどん減ってくると思われるので、その辺も考慮しながら空港の運営に取り組んでいただきたいと思います。
 あとは、国際チャーター便の件なんですけれども、今年度2月29日現在で、アウトバウンドは10便、1、603人、インバウンドは8便、1、116人という人数が出ているんですが、アウトバウンドに関しては、震災後であるにもかかわらず過去5年でも、2月末時点で3番目、多分3月末の数字を入れると過去5年間で2番になると思われます。それと反対に、インバウンドは過去最低なんですね。この数値というか、このことを受けて、県としての今後の取り組みをお知らせください。
〇木嶋空港課総括課長 今年度におきましては、先ほどおっしゃったように、インバウンドにつきましては、福島原発事故の影響などによりまして厳しい状況にございました。一方で、アウトバウンドの需要をこちらとしては喚起したところでございます。
 このような状況の中、先月、上野副知事を団長とする官民合同のミッション団が台湾を訪問いたしまして、東日本大震災津波における台湾からの支援などに対しまして、政府機関を表敬訪問して御礼するとともに、台湾の航空会社や旅行代理店を訪問いたしまして、震災により中断しておりました台湾からのインバウンド便の運航再開について要請した結果、4月19日から5月5日まで計8便の運航が決定したところでございます。
 今後も引き続き、岩手、また東北の安全・安心のPRに努めながら、平泉の世界遺産登録を契機にした、平泉と県内観光資源を組み合わせた旅行企画を現地の旅行社等に働きかけるなど、国際拠点空港から地理的に離れた本県へ海外からダイレクトにアクセスできる点を生かしまして、トップセールスを初め、官民一体となったチャーター便の誘致に一層取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 ぜひ、せっかく施設整備を行ったわけですから、それによって利用者数が減るという部分で突っ込まれないように、しっかりと運営していっていただきたいと思います。
 あと、3月6日に民間能力活用空港法案が閣議決定されましたけれども、自治体管理の花巻空港もその対象となるわけですが、これを受けての県としての今後の動きをお知らせください。
〇木嶋空港課総括課長 民間能力活用空港法案は、地域の核となる魅力ある空港の実現に向けて、国管理空港の空港ビルも含めた運営等の民間委託を可能とするため、法律の特例措置を定めるものでございます。
 花巻空港のような地方管理空港においても、自治体の判断に基づきまして、同様の運営等の民間委託を可能とするための特例措置が定められているところでございます。
 花巻空港におきましては、現状の定期便の便数などを考えると、ほかの大きな空港と同じ条件での検討というのは難しいものと考えておりますが、やはり空港維持管理費などの削減といった空港運営の効率化については、関係者間で今後意見交換を行ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 了解いたしました。
 続いて、復興道路についてお伺いいたします。
 復興道路というのは、避難道としても、あとは物資を運ぶためにもとても大切なものであると考えているんですけれども、復興道路は、新年度どこまで進む予定なのかお答え願います。
〇高橋道路建設課総括課長 復興道路の整備についてのお尋ねでございます。
 平成24年度につきましては、東北横断自動車道釜石秋田線の宮守から東和間、三陸沿岸道路につきましては普代バイパスが供用される見込みとなっております。
〇高橋但馬委員 新年度、平成24年度の事業が完了したとして、復興道路の概算事業の進捗率は何%になるのか、その全体をお知らせください。
〇高橋道路建設課総括課長 まず、事業費ベースの前に、供用ベースでいきますと、復興道路の供用率につきましては、全体で393キロメートルございまして、現在20.1%、延長にしますと78.8キロメートルの供用率となってございます。
 平成24年度に、宮守竏駐堅a間が23.7キロメートルございまして、普代バイパスが4.2キロメートルとなっておりまして、これらが供用しますと、全体の供用率につきましては27%になるかと思っております。
 次に、事業費ベースについてなんですけれども、事業費ベースにつきましては、昨年の第3次補正で復興道路の3次補正以降の残事業費が約1兆円と国のほうからお知らせをいただいております。それで、平成23年度の直轄のほうの事業費が700億円ちょっととなっておりまして、それから、平成24年度の事業費につきましては、現在国からは範囲を持って示されております。今示されております金額は約112億円から837億円とかなり幅があるんですけれども、この間という形になっておりまして、平成23年度と24年度の事業費を合わせますと1、000億円は確実に超えるかと思うんですが、全体1兆円に対して、平成23年度以降の事業費ということでございますが、そういった形になろうかと思っております。
〇高橋但馬委員 政府は当初、各府省の事業計画と工程表の取りまとめというものを昨年8月26日に出しているわけですけれども、そこの中に、おおむね10年での全線完成が目標とその事業の工程表に示していたわけですが、それが、昨年11月に改訂版が出たときには、このおおむね10年で全線完成が目標という文字が、この表現が削られているわけなんですが、県として、この削られたことに対してどうとらえているのかお知らせください。
〇高橋道路建設課総括課長 復興道路の整備につきましては、東日本大震災津波からの復興のリーディングプロジェクトとして位置づけられているものでございまして、国におきましても、これまでにないスピード感を持って取り組んでいただいているところでございます。
 県でも、復興道路整備促進対策室を設置するなど、復興道路の整備が円滑に進むよう支援していくこととしております。
 このようなことから、まず、機会をとらえて、復興道路の早期整備に向けて粘り強く国のほうに働きかけてまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 この復興道路というのは、命の道とも呼ばれるほど重要なものだと考えていますので、ぜひとも力強く、その辺、県としても要望していってください。
〇軽石義則委員 通告をしている内容がかなり前段で議論されておりますので、まとめて労働力の確保と現場の状況についてお伺いいたします。
 労働力を確保するための方策につきましてはこれまでも議論されてまいりましたけれども、実際、設計価格は元請の状況だと思います。それよりも下請、いわゆる現場で働く皆さんが、今どのような状況で働いているのか、就労環境の現状と課題についてお示しを願います。
〇八重樫技術企画指導課長 下請を含む現場での就労環境の現状ということでございますが、下請の企業の方々の就労環境の調査は、基本的に低入札契約のものについて、これは総務部所管なんですけれども、施工中に従業員の聞き取りを含めた調査を行っています。極端に低価格の賃金で労働していないかとかといったことは調べておりまして、その結果、ちょっとここにはないんでございますが、そういった調査はしているということでございます。
 それから、労働環境といいますか、先ほど来、御説明しておったこともありますが、現在は、特に沿岸部で宿泊施設についても被災されているということで、建設業のみならず各就労者の方は、近隣の内陸の宿舎から通われているとか、いろいろと御苦労なさっての就労環境にあるのではないかということは承知してございます。
〇軽石義則委員 調べてわかっている部分は後で示してもらえばいいと思いますので、実態を後でお知らせください。
 そこで、被災3県と仙台市を含めて復旧、復興事業の施工確保に関する連絡協議会というものが開催され、その中で各自治体の要望項目なども出された上で、国、国土交通省が検討して、先ほどお答えがあった2月20日から単価の改定がされたということだと承知しておりますが、その協議会の内容において、岩手県としてどういう主張をされたのか、お示し願いたいと思います。
〇八重樫技術企画指導課長 施工確保連絡協議会についてでございます。これが、最終の会議が2月14日に東京都のほうで開催されております。こちらのほうには福島県と宮城県と岩手県の土木、県土整備担当の部署で参ってございます。
 それで、3県は被災県ということで、同じ内容の要望ということで国土交通省のほうには要望申し上げていたものでございますが、一つは、労務単価、労務価格を年度当初だけではなくて、上昇傾向にあるものについて適時に設計価格に反映できるような措置をお願いしたいということで、これは先ほど御答弁しましたが、2月に成ったものでございますし、今後も、1年に限らず変動に対応していくという見解はいただいているところでございます。
 それから、もう一つは、技術者の工事への専任要件というものがございますが、これが、建設業法で、2、500万円以上のものは専任を要するということになってございます。これについて、岩手県のほうでは、さきに現場代理人の兼任を2、500万円以下の工事に認めるという措置を行いまして、その技術者の不足に対する措置ということで進めていったところですけれども、これについて、1億円まで上昇していただけないかというような要望をしております。これについては、まだ前向きな回答はいただいておりません。
 それから、あとは、就労者の旅費あるいは宿泊費に係る経費の増嵩分を積算で計上していただけるように措置いただきたいということで、これについても措置いただいたということでございます。
 大きくは、この3点を要望してございました。
〇軽石義則委員 その要望を受けて単価が改定になったとすれば、私の持っている資料によりますと、宮城県は確かに特殊作業員は6.2%増、普通作業員は6.3%増、軽作業員は6.9%増ですね。そして、岩手県を見ますと、旧単価と新単価はそのまま、改定はしていないという状況のようでございます。
 宮城県と岩手県の単価の差は、特殊作業員で1、100円開いておりますし、軽作業員では600円既に開いているわけです。設計単価で開いているということは、さらに現場、1次、2次に行けばもっと開きが出てくるのではないかとも予想されるわけでありますけれども、その差が、もしかして岩手県と宮城県の労働力の確保に影響が出ている、その差があるのではないかと考えておりますが、その点についてはどうお考えかお示し願いたいと思います。そして、加えて、なぜ岩手県は単価が改定にならなかったのかということも含めてお願いします。
〇八重樫技術企画指導課長 ただいま委員御指摘のとおり、今回の労務単価は、特殊作業員を見ると、岩手県で上昇はありませんでした。宮城県については900円の上昇ということで、国の国土交通省、農林水産省、それから県の各発注部局共同で労務費調査というものをやってございます。これが、直近では昨年12月に行いまして、ここで各請負業者の実績を教えていただいて、それをもとに国土交通省のほうで─ちょっとこれはブラックボックスなのでございますが、我々のほうにも手法は教えていただけないんですが─計算をしまして、単価を造成しているということでございます。
 宮城県のほうで、民需の動きが昨年の被災以降、早かったという状況は確かにあろうかと思います。そういったものが昨年末の実勢に反映されていたのではないか、現状はそういうふうに考えるわけでございます。
 このことが、宮城県と岩手県で労働者の確保に影響があるかどうかということでございますけれども、岩手県は、基本的に、まず県内の企業、特に被災地は被災地の企業に仕事を持っていただく、復興していただく、そして、従業員の方々あるいは就業者の方々も、地域の方でお手伝いいただける方を雇っていただければなおよろしいかと思っているわけでございまして、いずれ大規模になってきますと、こういった価格もまた変動する時期が来るかと思います。その都度都度、国のほうで調査を行いまして反映していただくと聞いてございますので、これは、状況を今後とも見据えながら、対応させていただきたいと思ってございます。
〇軽石義則委員 ありがとうございます。宮城県の実態を報道等で見ますと、その実勢単価がさらに二、三千円高く宮城県のほうでは支払いをしているという報道もありますので、そうなるとますます格差が広がって、労働力の流れは、やはり賃金によって影響することが大きいと思います。ぜひ岩手県でも、今後そういう実態を加味した上で、その実勢が反映されるように国土交通省のほうにもいろいろ働きかけていただくことを強くお願いしたいと思います。
 次に、労働力の確保は、賃金のみならず、技術力の向上、人材育成ということも大事だと思います。説明書の178ページに建設業の技術者育成支援事業ということがうたわれておりますが、この具体的な中身についてお示しをお願いいたします。
〇吉田建設技術振興課総括課長 技術者の育成についてでありますが、県土整備部におきましては、次世代の公共土木施設の維持管理を担う技術者の育成を目的としまして、平成22年度から、若手建設業離職者を新規に雇用して、現場で技術指導や資格試験取得のための研修を行い、建設技術者を育成する企業に対して補助を行ってまいりました。
 こうした中で、東日本大震災津波が起こりまして、復旧、復興事業に伴う技術者不足に対応する必要が出てまいりましたことから、新年度におきましては、新規学卒者も対象にする、さらに、資格取得の対象を従来の土木部門のみならず、管工事や電気工事に拡大する、さらに、従来は雇用期間1年間分の人件費を補助してまいりましたが、これを2年に延長するといったように、事業内容を充実させて、技術者の育成確保に努めていくこととしております。
〇軽石義則委員 やはり技術者の確保のために人材育成をするということは、大事なことということの認識は統一されているようでございます。産業技術短大等もございますし、県にもその他の施設、また民間の団体が実施しているところもございます。特にも建設業の研修においては、厚生労働省主管であるところがありますけれども、静岡県まで、結構長い期間、岩手県からも多くの人数がそちらのほうに参加して、わざわざ勉強してきているという実態もあるようでございます。
 やはり身近なところで多くの人材を確保するためには、施設を、恒久的ではなくても、この復興に向けての緊急避難的なものも加えていくことが大事だと思いますので、それらもぜひ研究をしていただいて、国とさらに連携を深めていただいて、その施設の出張所なり臨時研修所なりを岩手の地にもつくっていただけるようなものを持ってきていただくよう強くお願いして、これについて部長の所感がありましたらお伺いして、終わります。
〇若林県土整備部長 若手の技術者の養成というのは、持続可能な建設企業、それから、地域を担う建設関係の雇用という立場でも重要なことと考えますので、現在、静岡県まで行って研修してくるという実態を私は把握していなかったものですから、そこについて研究させていただきまして、対応を考えていきたいと思います。
〇及川あつし委員 通告していた内容ですが、今、質疑が交わされたので、関連で伺います。
 労務単価の件でありますけれども、今、八重樫課長が答弁されたことは正しいと思うんですが、現状を改善するという意味においては、非常に不足な答弁だなと実は思いました。
 総務委員会でも私はこの件をずっとお話ししてきているんですが、現実問題は、今、県内の企業に発注するというのは正しいと思います。それで、県内の皆さんに働いてもらって復興事業にかかっていただく。けれども、もう既に人手が足りなくて、工事が進んでいない民間工事も多々あると聞いておりますし、宮城県のほうに岩手県内の職人がどんどん流れていると。秋田県、山形県の皆さんも宮城県に流れていっている。なぜかと言えば、さっき軽石委員が指摘されたように、労務単価が、実質賃金ベースも明らかに高いからであります。
 今の答弁では、国土交通省と岩手県と農林水産省で調べて、市場の動向を見て、だから労務単価にこうやって反映したということになれば、工事が宮城県はどんどん進むけれども、岩手県は進まないという現状が固定化するのではないですか。
 ですから、これまでの労務単価の設定の仕方、もちろんこれは政府がやっていると思うんですが、これは正しいとは思うんですけれども、それを是認すれば、工事が進まない現状をそのまま認めることになると思うので、今後については、労務単価の見直しに関しては、従来とは違う視点も取り入れてもらうように働きかけないと、復興に対してせっかく予算をとっても、間違いなく進まない現状が生まれると思うのですが、どのようにとらえているかお聞かせください。
〇八重樫技術企画指導課長 労務単価の認識ということでございました。
 確かに、労務単価は地域ごとに設定されておりまして、今、委員御指摘のような問題は、岩手県だけではなくて、今3県のほうで先行して労務単価が上昇しましたが、山形県、秋田県、青森県のほうでは、逆に、東日本の太平洋側の労務単価の上昇に非常に警戒感を持っていまして、労務がとられるのではないか、岩手県にもとられるのではないかというような懸念は伺っているところではあります。
 今、例えば鉄筋工ですとか型枠工とか建築に関する人手は、確かに宮城県のほうに多く行っている方もいるという状況は伺っておりますが、価格について、宮城県のほうでも独自に調べている情報を聞きますと、通常の取引というか雇用契約価格上は、それほどの上昇を確認しているという情報を聞いてはおりません。ただ、工期が、工事を早くやらなければならないというようなときに、こちらへ分配する方を、じゃ、きょうだけはこっちへやるけれども、幾ら上乗せできますかというようなことで、競り値といいますか、そういうことで一時的に高目になるというようなことがあるとは伺っています。ただ、それが通常、公共工事で積算に用いる適正価格になるかどうかというのは、これはまたちょっと別なことかと存じております。
 それから、御案内のとおりかと思いますが、公共工事の契約は総価方式でございまして、その中の単価が幾らで請け負っていただいているということではなくて、あくまで積算上の基本価格です。最終的には予定価格というものになりまして、これを余り低い価格で入札していただかないということが、まず双方にとってよろしかろうとは存じております。そういった中で、まず、急激ないろいろな単価の上昇といったものへのリダンダンシーといいますか、さやですか、そういったものを生み出していただくという考え方もございます。
 片や総務部局では、低入札対策ということでまた諸施策を考えていただいているところでございますので、いろいろなものとあわせまして、今後も必要な対策を検討させていただきたいと思います。
〇及川あつし委員 そこまで詳細に答弁をいただければ、まず考え方はわかっていただいているのかなと思いますけれども、入札担当課のほうに聞くと、ちょっと何か現場感覚のないような答弁をままいただいて、先日私が聞いたときに、宮城県の労務単価の実態をどう見ているんだという話をしたら、調べていないという答弁をいただきました。これから調べるということだったんですけれども。やっぱり現業に近い皆さんのところで情報をきっちり入札担当課に反映させないと、この仕掛け一つで進むか進まないかまともに影響が出ると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいという趣旨の質問であります。
 最後、もちろんこれは関連ですからあれですが、いずれ現状は、のり面工しか岩手県の労務単価は宮城県に比べて高い分野がないということでありますし、この前の改定は、全体の平均で宮城県が7.8%アップで、本県は3.3%アップということで、また5%差が開いている状況ですので、これを固定化しないように全力で取り組んでいただきたいということを申し上げまして、部長に見解をただし、私の関連質問を終わります。
〇若林県土整備部長 確かに、労働者を確保しなければならんということは工事の進捗に、復旧の歩みに大きな影響を与えますので、ここについては、しっかり対応してまいりたいと思います。
 一方で、これまでは右肩下がりだったものですから、恐らく建設企業に話を聞くと、労務費調査をしているんですけれども、極めて余り高く払えないので、違った形で支払いしていたとかという実態があるようでありますので、その辺についても、建設業協会といろいろ情報交換しながら対応してまいりたいと思います。
〇名須川晋委員 それでは、私のほうからも港の利活用ということで、内陸の港、花巻空港につきまして、高橋但馬委員が先ほど質問されました空港の経営権の売却、民間能力活用空港法案ということで、これについての考え方はわかりました。私も、現状がベストだろうなと思っております。ターミナルビルは今黒字でございますが、着陸手数料を含めて、収入としても、すべてを包含すれば間違いなく赤字になって民間ではたえられないという状況でございますので、これについては、現状のままのほうがいいのであろうと思います。
 それでは、2点ほどでございますが質問させていただきます。
 ローコストキャリア─LCCが今就航しました。この3月にはピーチアビエーション、これは関空を離発着しておりますし、今度はエアアジアというものが8月から就航すると。これは成田ですか、そして、ジェットスタージャパンというものがまた来年就航ということで、いよいよ航空業界も価格破壊になってくるとあります。そういう状況でございまして、私は、これがこの花巻空港の乗降客にどのように影響があるのかということで興味があるわけでございます。
 商工労働観光部のほうに聞くのがもしかしたらよかったのかもしれませんけれども、どういう影響が考えられるのかということで、特にもDCが6月に終わりますと、本当はその効果を長続きさせたいわけですが、皆さん、多分東北を超えて北海道のほうに行ってしまう方が多いのではないかと考えられますので、ぜひとも、これについてのどういう予測をされているのかにつきましてお知らせください。
〇木嶋空港課総括課長 LCCにつきましては、徹底したコスト削減によりまして運賃の低価格を売りにしており、今は世界的にもシェアを伸ばしており、乗降客も伸びているところでございます。
 国内においても、まずは、先ほどおっしゃったように、関空、成田といった大都市を中心とする特定区間に絞り込んだ路線で就航が開始されたところとこちらとしては考えております。
 そのため、今すぐに花巻空港の旅客数などに影響を及ぼすものではないかとは考えておりますが、この動きについては、今後とも注視してまいりたいと考えております。
 また、花巻空港としましても、今後もエアポートセールスなどを通じまして、いわて花巻空港の利便性や、また、この岩手の魅力といったものを伝えまして、LCCを含めたいろいろな航空会社に就航を働きかけてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 今すぐの影響はないということでしょうが、そうですね、まず、来年になりますと3社がそろい踏みするという状況でございますので、より一層の危機感を持ったセールスをされてほしいと思っております。特にも、今のところ話はないでしょうが、仙台にもし飛ぶようなことがあれば、今、復興需要でかなりビジネス、そしてお客さんも来ていると思いますので、そこにLCCが就航するようなことになれば目も当てられないような状況になるのではないかと思いますので、何とぞその辺はPR方、これは商工労働観光課サイドと一緒になって進めていただきたいと思います。
 それとともに、この前、新聞報道でも市町村議会の行方、動向についてそれぞれ書いているところで、八幡平市の市長が、当市を訪れる修学旅行生が少なくなっているという御答弁が議会内であったようでございます。その理由は、花巻空港を就航する機材の小型化にあるというところまで御答弁があったと書かれておりました。
 そういうことで、去年あたりは震災の影響もありますでしょうけれども、この修学旅行生の動向につきましては、近年どのようなトレンドになっておりますでしょうか。
〇木嶋空港課総括課長 まず、いわて花巻空港を利用した修学旅行生の推移について述べさせていただきます。平成21年の実績が83校、6、492名、平成22年度が68校、5、379名となっていたのに対しまして、今年度は11校、500名に減少しております。
 その要因としましては、委員おっしゃったように、機材の小型化や、特に今年度におきましては、東日本大震災津波の影響で東北方面への旅行需要が大幅に減少したことが影響したものと考えております。
〇名須川晋委員 震災の影響もありますが、やはり機材の小型化ということで、これが非常に大きい要因になっているということでございます。それぞれの地方とか政治家の要望によりまして、機材の大型化とか、あるいは就航便数をふやしてきたということがJALの経営破綻につながったんでしょうけれども、大は小を兼ねるといいますか、現実として修学旅行生あるいは大型の団体客、そういう方々のニーズを取りこぼしているという状況がありまして、これが県内の経済にも非常に大きな影響を及ぼしていると思います。
 この機材の大型化、当然そういう要望はされていると思いますけれども、新年度に向けたその見通しと、つけ加えまして、かつて1997年から2001年までは新潟便というものがございまして、私も一、二度乗りまして、あちらの日本海側に行くには小回りがきいて非常に使いよかったんですけれども、こういう大型化と、そしてそういう小さくても小回りのきく便をふやしていくという政策も必要であろうと思いますが、例えば、かつての新潟便のようなラインをまたふやしていくということができないものか、あわせてお伺いいたします。
〇木嶋空港課総括課長 国内定期便についての航空会社への要望や見通しについてお答えいたします。
 まず、平成23年度におきましては、復興需要などもありまして利用率もかなり上昇しているところでございます。このような高利用率を評価されたものかとは思いますが、平成24年度上期におきましては、花巻竏瀦汢ェ線の再開、またFDA名古屋線の増便などが実現しております。
 空港課といたしましても、このような高利用率を何とか維持して、花巻空港が収益のある路線だということを航空会社のほうにアピールしていきたいと考えております。
 委員御指摘の新潟便におきましても、もちろん陸路で行くよりは航空路で行ったほうが圧倒的に便利だとは思いますので、まずは、やはり岩手と新潟の間の旅客流動といったものを把握して、航空会社にアピールしていくところはしていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 花巻空港については通告しておったのですが、但馬委員と名須川委員にすべて骨抜きにされてしまいましたので、周辺的なことをちょっとだけ伺いたいと思います。
 花巻空港についてはたびたび取り上げておりますが、それについては、本県の交流人口をふやす非常に大事な装置だなという認識があるがゆえでありまして、震災前については、国際定期便も可能性があるかないかということで、同僚議員ともいろいろと調べてきた経緯もあるわけでありますが、今、若干気になっておりますのは、先ほど名須川委員もお話しされたLCCの動向についてですが、端的に聞きます。花巻空港にLCCが就航する可能性はあるのかないのか、今の認識を教えてください。
〇木嶋空港課総括課長 まず、LCCにおきましては、先ほども答弁いたしましたように、コスト削減によりまして運賃の低価格を売りにしているというものでございます。国内においても、まずは大都市間の旅客の多い路線に参入しているのが事実でございまして、今すぐに花巻空港に就航するといったことは現実的ではないのかなとは考えております。ただ、やはり県といたしましても、LCCを含めた国内、海外の航空会社に、いわて花巻空港への就航を働きかけてまいりたいと考えておりますし、それを実現するための高利用率というものを今後も維持していきたいと考えております。
〇及川あつし委員 即可能性はないにしても、動きが早いですので、しっかりとウオッチしながら十分な対策をとっていただきたいと思います。
 これもなかなか厳しいと思うわけですが国際定期便についての可能性ですが、きょうの日経新聞には、仙台空港とソウル便の毎日運航が5月21日から復活するという報道がありました。円安基調にもなってきていますし、これまで震災の影響と円高ということで、中国、台湾、韓国の皆さんの本県への来客数がかなり減ってきたと思うわけですが、国際定期便の可能性について現時点でどのように認識しているか、あとは、通告していませんが、円安のトレンドをどのようにお考えか、伺いたいと思います。
〇木嶋空港課総括課長 国際定期便の可能性でございますが、まず、国際定期便の運航に際しては、やはりその前に定期的なチャーター便の運航、特に、通年で双方向での旅客の需要があるというようなところを示さないといけないと考えております。それが段階かと考えておりますので、まずは、平泉の世界遺産登録を契機といたしまして、雪や桜といった季節の観光資源と組み合わせた旅行企画といったものを現地旅行会社などに提案しまして、春と秋のチャーター便の実績を積み上げてまいりたいと考えております。
 そのような実績をもとに、通年で運航されるような、渡航先との交流等を発展させる取り組みを行うなど、国際定期便の可能性に近づけてまいりたいと考えております。
 あと、円安のトレンドでございますが、済みません、私ども専門家ではございませんので確たることは言えないのですが、やはり円高の影響によりまして海外から日本への旅客が減少しているといった要因もあると思いますので、円安となれば、そのような観光においての悪影響というものを多少は取り除けるのではないかと考えているところでございます。
〇及川あつし委員 為替は非常に大きいファクターですので、ぜひ空港課の皆さんは、毎日為替動向を注視して、為替の振れ方で人の流れが変わりますから、積極的にそこについては誘客を図るとかやってもらいたいと思っております。
 ちなみに、先ほど但馬委員への答弁で、4、5月に8便のチャーターが決まったと伺っておりますが、平成22年度が33便程度あったような気がするのですが、平成24年度、これからまた皆さん頑張ると思うんですが、24年度についてはチャーター便どれくらいを見込んでいるのか、どれくらいを目標にしているのか、その点を伺いたいと思います。
〇木嶋空港課総括課長 平成24年度におきましては、先ほど言いましたように、4月、5月の春には台湾からの連続チャーター便の誘致に成功いたしました。その誘致で確実に誘客を果たすとともに、まずは秋、特に岩手県の観光にとって大きな季節、秋における台湾からの連続チャーター便の誘致、また韓国からの単発的なチャーター便の誘致というものを目標にして行っていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 空港関係はこれで終わりにします。
 建設業の単価動向については先ほど伺いましたので、そのほか2点伺います。
 野田総理が突然、先般記者会見で、私も聞いていて腹が立ったので途中でテレビを消しまして、何を最後まで言ったかわかりませんけれども、1年経過したところで、山下公園の例を出して、災害廃棄物を復興建設事業等に活用することで云々というような発言があったやに聞いております。これは当初、五百旗頭先生が最初に言ってから、その話はどこに行ってしまったのかなと思っていたんですけれども、1年たってまた言い出して、本当にやるのかどうなのかなというような感じもしているわけですが、いわゆる広域処理が進んでいない現状で、この災害廃棄物を本当に復興建設事業に利活用することがあるのかないのか、突然の発言でありましたので私も何なのかなと思っているんですが、部長はどのように認識しているか教えてください。
〇若林県土整備部長 野田総理の会見自体、私は聞いていないんですけれども、何か話を聞くと、横浜山下公園に関東大震災のときの瓦れきを利用して処理をしたということも踏まえた御発言だったと思います。
 我々も当初から、使えるものは使おうと思っております。まず435万トンのうち土砂関係が72万トンぐらいあります。これはちょっと、実際、性状を調べたりしないと、なかなかそのまま使うことはできないかもしれません。今調査中でありますけれども、それの土砂、それからコンクリート殻が99万トンぐらいある。これをやはり有効に使わない手はないだろうということで、これについては、例えば、具体例でいくと防潮堤とか、その中とか、あと宅地の盤上げとかというところに有効に使おうということは当初から考えておりますし、今もそれを具体にどうしようかということを検討中であります。
〇及川あつし委員 政府も本腰に入ったということは悪くない話だと思うんですけれども、何かちょっととぼけたような会見だなと実は私は受けとめましたので、今おっしゃったように、当初からそういう予定で進んできていると私も承知しておりますが、政府がそう言い出したんだけれども、岩手県はもう既にそういうこともやっているんだぞということを、県土整備部の皆さんも、さらに情報発信をして、それでもまだ広域処理が足りないんだという論理に持っていくようにぜひお願いしたいと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
〇若林県土整備部長 広域の瓦れき処理についての担当部局が環境生活部でありますので、環境生活部とも連携しながら、それはそういう方向で進めてまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 よろしくお願いします。
 最後に、去年ちょっと懸念があったことで聞いておりましたが、その後の状況を聞きたいという意味で質問いたします。
 流域下水道事業の関係でありますが、昨年、脱水汚泥と焼却灰から比較的高い放射性物質が検出されて、その後の処分について一時滞ったという状況がございましたけれども、その後、流域下水道から出る汚泥等についてはどういう処理の状況になっているのかお示しいただきたいと思います。
〇紺野下水環境課総括課長 震災前に焼却灰を搬出していました大船渡のセメント製造工場が被災しましたので、震災後、管理型処分場へ搬出しておりました。そちらの処分場が一時ふぐあいがございまして、9月29日から埋め立て中止となっておりましたけれども、処分場での補修が完成しまして、12月19日から埋め立てを再開しております。
 都南浄化センター及び北上浄化センターにおいて焼却灰を保管しておりましたけれども、これらにつきましては、12月19日から2月17日までの間ですべて搬出済みとなっておりまして、現在は通常どおりの運転となっております。
 その後も、汚泥は毎日出ますので、焼却灰につきましては、放射性物質濃度を測定いたしまして、あるいは敷地境界での放射線量を測定いたしまして、県のホームページで公表しております。
 放射線のセシウム濃度でございますけれども、最初は1キログラム当たり2、500ベクレルでございましたが、最近は1キログラム当たり1、000ベクレル前後まで下がってきております。
 県としては、セメント工場での受け入れが可能になった場合には、そちらのほうで材料として利用を検討してもらうということで考えております。
〇及川あつし委員 わかりました。いずれ県土整備部の皆様には、復興のキーだと私は理解しておりますので、部長もまた平成24年度続投のようでありますので、さらに頑張っていただきますことを御期待申し上げて、質問は終わります。
〇嵯峨壱朗副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後3時0分 休 憩
午後3時17分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇久保孝喜委員 私からは2点お尋ねいたしますが、順番を変えてお尋ねしますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、質疑が若干交わされているところでもありますが、全国から技術系職員の派遣が今年度いよいよ本格化するというような報道もございますし、これからいよいよ復興の実務といいますか、必要とされる人材をそういう形で応援をいただく、大変ありがたいことだと思いますが、かなりの人数に及ぶということで、県政史上、そうした職員をそれだけの規模で受け入れるというのは当然初めてのことでしょうし、これから先、どのようにその受け入れ態勢を整えるかということも非常に大きな復興の課題でもあろうかと思います。
 そこで、この職員を受け入れる実数、その受け入れの時期などを含めて、現在想定されていることをまずお示しいただきたいと思います。
〇内宮県土整備企画室管理課長 技術系職員の受け入れ状況でございますけれども、県土整備部関係におきましては、昨年の6月1日から、7都府県から公共土木施設の復旧のために42名の技術系職員を受け入れております。その後、順次受け入れを行いまして、現在では10都府県等から57名の職員が派遣されている状況でございます。
 来年度の受け入れでございますけれども、4月1日から、公共土木施設の復旧関係で41名、災害公営住宅関係で10名、都市計画、まちづくり関係で6名、復興道路関係で1名の合計58名の職員を受け入れることとなっております。
〇久保孝喜委員 こうした来ていただける職員の方々にとっては、通常やっている仕事だとはいえ、復興絡みのさまざまな制度だとか、あるいは枠組みだとか、当然初めて経験するような環境の中での仕事ということも多分にして多いのだろうと思います。そうした方々に十分に働いていただき、なおかつ復興の実を上げていくというためには、そうした方々に対するフォローというものも非常に大きな仕事になるのだろうと思っていますが、県土整備部として、そうした技術系の職員に対する仕事上のフォローと、これから長い期間、生活をしていただくための生活面でのフォローというようなことを、総じてどういうフォローアップをしていくのかということについて考え方をお示しいただきたいと思います。
〇内宮管理課長 県のフォローアップ対策でございますけれども、まずは、現地に着任いただいた派遣職員につきましては、現地の地理になれてもらうということで現場の案内を行っているわけですけれども、どうしても地域の道路事情等に不案内ということもありますので、専属の運転手を配属するなどの措置を講じている公所もあるところでございます。
 それから、研修ということで、災害復旧事業に当たる土木技師職員を対象といたしまして、本県の設計、積算システム─このシステムは県によって違いがあるということで、本県のシステムの操作研修を実施しております。この研修については、本庁の担当の職員が現地に出向いて実施しているところでございます。
 それから、日常の業務におきましては、常に良好なコミュニケーションを図ることはもちろんでございますけれども、制度の枠組み等についても理解を深めていただくということもありますことから、本庁での打ち合わせとか会議にも同席いただきまして、方針ですとか重要な意思決定の場面にも参画していただきまして、県プロパー職員と一体となった業務執行に努めているところでございます。
 それから、生活面の関係でございますけれども、特にも居住の確保という面で御負担をかけてきたところでございます。昨年6月の派遣開始当初の時点におきましては、住宅事情が困難を極めていたということもございまして、相部屋をお願いせざるを得ない状況でございました。現在におきましては、県職員公舎、仮設住宅、民間アパート、宿泊施設の借り上げ公舎等で、昨年の10月以降は相部屋のほうは解消されたところでございます。
 それから、岩手の北国は初めてということで、雪道の車の運転がふなれな方もいるということで、そういった雪道走行を含めた交通安全研修なども積極的に履行していただいているところでございます。
 こういった住環境を含めまして生活面全般にわたりましては、応援派遣職員の皆さんの声をつぶさに把握しながら、きめの細かい対応を図っていかなければならないと考えているところでございます。
〇久保孝喜委員 来ていただく職員の皆さん方は本当に御苦労さんなわけですし、これから復興の実を上げていくためには重要な戦力にももちろんなっていくということです。さらに、この派遣期間が終わってみずから所属する自治体に帰っても、岩手というのはこういうところだという意味での別の発信者にもなっていただける方、そういう意味合いもあろうかと思いますので、不断のフォローアップというのは、二重、三重の意味で非常に重要だと私は思っておりますので、意を尽くしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 二つ目は、閉伊川の河口水門計画についてお尋ねします。午前中の質疑でもやりとりがありましたので、重複しない範囲でお尋ねします。総括質疑では、まさに総括的に知事、副知事などからお話を聞いたところでなんですが、事業の執行当事者としての県土整備部の皆さんにもお尋ねをするところです。
 今回の宮古市での動きがまだ続いておりますけれども、当初伝えられていた堤防のかさ上げと水門の二つの計画を県は提示していたという話から、一転して水門に方針が絞り込まれて、昨年末の段階で、これが水門としてやっていくんだという方針になったという経緯は、伝えられる報道の限りで見ると非常に急転直下というか、そういう感じがしてならないんですが、その最終的な水門設置という県の方針が確定するまでの経緯について、簡単で結構ですけれども、その確定経緯というか、ここをまずお知らせいただきたい。
〇松本河川課総括課長 まず、県の方針確定の経緯でございますけれども、宮古市の津波対策については、平成23年9月5日に第6回岩手県津波防災技術専門委員会を開催いたしまして、その中に宮古市の参加を得まして、直接意見をお聞きしたところでございます。その中で、まちづくりの計画とあわせて高さの話とか、さまざま意見交換をしてまいっております。その後、宮古市当局と十数回の協議の場を設けて綿密に連絡調整を行ってきたところでございます。また、昨年9月から、堤防方式と水門方式をあわせて内容を検討してまいったところでございまして、宮古市との連絡調整を実施しながら、12月16日に宮古市の意向を確認した上で、県が水門方式と決定したものでございます。
〇久保孝喜委員 今の経緯でいくと、重要な点は、例えば、宮古市議会が9月の段階で市長に対して防災施設については堤防のかさ上げでいくべきだと。これは市民の声を反映して提言したという事実があって、その上で、最終的には12月の段階で市長が水門設置についての方針に了承を与えたという話で、しかも、市長のその後のさまざまなコメントを見ると、県がこの水門設置という方針を動かさないといいますか、そこでいくべきだと。その説得に折れたというような感触でコメントが伝わっているわけですが、今のお話ですと、市側、特に市長さん側を含めて水門設置というところにおさまったので、それで県が方針確定としたんだというニュアンスの違いがあるんですが、そのように理解してよろしいんですか。
〇松本河川課総括課長 県としましては、堤防案、水門案の二つの案をもちまして、まちづくり、経済性、環境に与える影響、さまざまな面から総合的に検討してまいりました。
 その中で、昨年の3月11日のようないわゆる発生頻度の小さな津波が来た場合に、まちづくりにどのような影響を及ぼすのかということもあわせて御提示しております。それをもって、宮古市長さんを初め宮古市御当局の皆さんは水門を選択されたと理解しております。
〇久保孝喜委員 聞いていることに答えていただきたいんですが、結局、宮古市側が水門設置という方針を固めたので、それで県の方針にしたということなのか、それとも、今までの報道の流れですと、どうも県が水門設置という方針を決めて宮古市側を説得したと伝わっているのとはかなり違う話なんです。そこはどうなんですかと聞いているんですけれども、どっちなんですか、お答えください。
〇松本河川課総括課長 県としましては、先ほど御説明申し上げましたように、水門案と堤防案を二つ御提示しております。経済性とか地域に与える影響、環境、そういうものをトータル的に見ると、それから、計画を越えるような津波が来た場合の効果というものを示しまして、水門のほうが町の浸水範囲が小さいということを御説明は申し上げました。それをもって市のほうで御検討願ったところでございます。
〇久保孝喜委員 結局、県の方針確定が先にあったというか、こちらのほうの2案を提示はしたけれども、水門の側が、総合的に考えて、あるいは技術的知見においてすぐれているという判断が県の側にあって、それを市側が了承したということで間違いないわけですね。午前中の質疑で部長答弁もあったわけですが、県も水門案がよいと判断したというこの時期は、およそいつごろなのでしょうか。
〇松本河川課総括課長 先ほども御説明しましたが、12月16日でございます……、大変失礼しました。12月の上旬でございます。
〇久保孝喜委員 では、その際に、そういう結果が県として固まってきたという段階で住民との合意形成ということについては、これは総括質疑でも、市側とは十分に話はしてきたんだが、市民に対する説明がなかったということについて反省めいた御答弁はありましたけれども、この12月上旬の段階で、市民との合意形成ということについては県土整備部としてはどのように考えていたのでしょうか。
〇若林県土整備部長 災害復旧事業でありまして、特に通常の工事とはまたちょっと違った展開になります。あくまでも設計をしながら、しかも高さを決めるのに時間を要して、最終的にどの選択をするかという検討が余り時間がない中で、その災害査定を年内に迎えなければならなかったという一つの時間的な制約の中で我々が進んできたのは、今回の災害の場合は、特に防潮堤の災害というのは、背後のまちづくり計画に直接関係してくるという部分があります。
 よって、すべての住民の方々にそれを御説明するのは、我々の事業者が行ってやることはなかなか難しいという判断をしております。ほかのところでもそういうことはしていませんけれども、市町村が行うまちづくり計画の中で説明しながら、要請があれば我々も行っていますけれども、山田町などでは、一緒に行って説明をしております。広域振興局なども入ってそれにはフォローはしておりますけれども、そういう状況の経緯を進んできたということであります。つまり、通常の工事でありますと、事業でありますと、1年、2年、3年かけてその計画を詰めていくわけですが、今回は、高さが決まったのが9月末、10月に公表したわけですけれども、そこから、では、どういう形で守るかという概略設計に入る。
 さて、閉伊川については水門案がいいのか、堤防案がいいのか。それはいろいろなシミュレーションをしないと、背後がどうなるか。つまり発生頻度の高い、数十年から百数十年程度の波は全部守れるわけですけれども、最大津波が来たときに、水門案であれば、水門の前でちょっと上昇して、鍬ヶ崎、藤原、神林のところに若干漏らすんですけれども、堤防案だと中に、結局、河口部であふれたわけです。それを上げますから、あふれなくなる。それが上に行って、上流側に行って宮古橋、JRのところでどうしてもあふれてしまう構造になっておりますので、そこからの新たな浸水域をなかなか許容できない。それを提示したのは、私が直接行って宮古市長さんに提示しました。それが12月14日(後刻「12月2日」と訂正)であったと思います。(「14日」と呼ぶ者あり)はい。最後ですね。それを提示して、堤防案だとこうですよと。宮古市にいろいろ最終的な─宮古市長さんは、やはり市議会からそういうお話もあって、そのもとになっているのは、津軽石川水門がいたずらしたんじゃないかという市議会との話もあって、そこで、やはり閉伊川を使ってエネルギーを逃そうという発想になっていたことは私も知っております。それで、最終的に堤防案で、最大津波が来たときに、今回の浸水域じゃないところでまた起きてしまう、これが一番やはり受け入れがたい状況だと市長さんは考えたと私は思っております。その後、12月16日に私のところに直接電話がありました。そういうことであれば、やはり水門案で行かざるを得ないという判断をいただいたところでございます。それでもって災害査定を12月22日に受けたというのが経緯でございます。
〇久保孝喜委員 私は経緯を聞いているのではなくて、住民合意をどのようにするべきなのかという方針を聞いたわけです。
〇若林県土整備部長 済みません。訂正します。宮古市長との会談は12月2日でございます。申しわけございません。
 では、住民合意をどうすればいいかというお話でありますが、住民合意については─査定を受けました。それで、今、詳細設計にかかろうとしております。当然、これから詳細設計しますと、地権者だとか、特に水門前後の方々、町の方々には説明をしなければいけません。今後、説明はしていきます。当然していきます。そして、理解を得ながら、用地の買収だとかを当然していく状況になります。ですから、詳細に当たってはこれからでありますけれども、まず、計画面での市民までの説明ということは、そういう時間的な制約も含めてできかねたということは事実でございますし、そこについては、災害復旧、今回のいろいろな制約の中でできかねたということでございます。御理解を賜りたいと思います。
〇久保孝喜委員 県土整備部の皆さんがあらゆる技術的知見を総動員して、どちらが住民のためになるのかという案を絞っていく、この作業過程を私は否定もしませんし、これをどうこう言っているつもりはありません。ただ、問題は、こうした防災施設をこれから建設していく数はどんどん多くなっていく。しかし、一方で今のような説明で、時間が限られています、市とはもう了承しました、だからこれで行きますと言うと、特にも宮古市の場合は、地域ごとにまちづくり計画を協議会をつくって積み上げていくボトムアップ方式でずうっと議論してきたわけでしょう。しかも、かさ上げだということを前提にした議論になっていたというのは皆さんも承知していたはずなんです。だとすれば、その議論に県の方針がどれだけの影響を与えるかというのは想像できたような気が私はするんです。その確定をするまでの間の経緯という点で、住民合意に係る手だてというのがもっとあったのではないかという反省を持つべきなのではないかという趣旨で私はお尋ねをしているわけです。
 現在、宮古市での議論というものも、何というんですか、若干その方向性が変わったというか、潮目が変わったような雰囲気も伝わっておりますが、市議会にあっては、これまで市長に対して方針了承の撤回を求めるという動きがあったわけですけれども、先般の報道では、事業の執行者である県がきちんと市民に対して説明すべきだということを求める意見書を出したということでもあります。したがって、一定のこれまでの、年明け以降の宮古市民にとってのこの問題に関するストレスはかなり大きいものがあったんだということは容易に想像できるわけです。しかも、その当事者は、今までずっと市長さんが、議会も含めて市民に対して陳謝までして進めてきているわけなんですが、これについて、新たな議会の意見書を含めて、今後の対応をどうなさるおつもりなのか、具体的にお尋ねしたいと思います。
〇若林県土整備部長 今までの経緯の中で、実は2回ほど県も行って、直接、宮古市議会、宮古市民の方々に御説明を申し上げております。1月31日の全員協議会と2月12日の宮古湾の津波防災対策に係る住民説明会を経た上での今回の宮古市議会からの意見書でありますので、私たちも今後、当然、計画をこれから詰めていかなければならないわけですので、その前に、やはり市民とのおおむねの合意形成は図っておきたいと思います。加えて、意見書の中では十分な説明責任がされていないとうたわれておりますので、そこについては宮古市と相談しながら、そういう機会を持っていきたいと思います。これは我々が果たすべき責任だと考えておりますので、ここは県が対応していきたいと思います。
 なお、先ほど申し上げました12月2日は、市役所への情報提供を12月2日にしておりまして、その後やりとりをしておりますが、私が市長と最終的に話をしたのは12月14日でございました。重ねて陳謝します。
〇久保孝喜委員 これから先の防災施設の建設をどんどん進めていかなければならないときに、やっぱり住民合意というのは前提だということは上野副知事兼復興局長の答弁にもさんざんあったわけで、しかし、一方で金科玉条のように時間がない、すぐにやらなければならないということで、その過程を完全にスポイルしてしまったかのように受け取られること自体が大変残念なことだったわけです。
 これから先の対応は丁寧にという話ですが、既に確定した方針というのは、その線で進めていく、一切揺るがないものとして進めていくという宮古市長さんの決意表明なども伝えられていますが、県としては、これ以上の方策はない、ここから引っ込む話にはもちろんならないというスタンスでよろしいわけですね。その上で、住民合意を形成しようと思えば、それなりの態度というのが必要になるのだろうと私は思います。先ほど、宮古市長さんは議会のやりとりの中で陳謝したということがありましたけれども、県としてはどのようになされるおつもりでしょうか。
〇若林県土整備部長 今後、宮古市民との説明会を開催する中で、宮古市民の皆様には説明をきちっとして、いろいろな質問等、どういう意見をいただくかに対してきちっと説明責任を果たしていくのが我々の責任だと思っております。
〇久保孝喜委員 この対応についてはまだまだ経過が出てくるかと思いますので、私どもも住民の合意形成という観点では、これから先の県土整備部の動きというものをしっかりと見ていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇伊藤勢至委員 関連。私の先ほどの質問の中で、この件に関して宮古市長が苦渋の決断をされたのだろうという話がありました。首長というものはそういうものだと私は思っております。私は、実は津軽石川の水門の件、今回のこともあわせて、反射波が来たときに、第2波、第3波が来て、30メートルにも波が持ち上がって、それで高浜、金浜が被害を受けたという話も聞いていますので、本来は、水門ではなくて防潮堤をかさ上げして力を逃がしたほうがいいと思っております。
 しかし、宮古市の意見を、総意を代表するのは首長でありまして、私たち県議会議員ではありません。苦渋の決断であった、イエスかノーをした時点で、市長は宮古市民のほうに向かって、そういうふうにしましたという説明をしなければならないのが首長の理論でありまして、県といたしましては、発災後の3カ月後、県全体の復興計画に着手しまして、8月10日には成案を得て、私は、宮古市を初め自分の選挙区管内の首長にはそれを配って歩きました。県の方針はこうです、これに乗って早く沿岸の復興計画を立ててくださいと。それはいろんなやり方があるでしょうけれども、いまだに宮古市の場合はどこも何も手がついておりませんで、このままだとまたもとの宮古市に戻ってしまう、そういう点もあると思っております。
 したがいまして、決断をしたということは、県を向いてこのようにお願いしますと言った時点で、その首長は市民のほうを見て、こういうことだったので、こういうふうに決断しましたという説明責任はもっぱら市長にあると思います。あくまでも県はそれをカバーしながら一緒に計画を進めていくということだろうと私は思っておりますので、御心配いただくのは結構でありますけれども、今、宮古市が一生懸命やっているとき、応援はいっぱいいただきたいと思いますけれども、そうでない、応援でないような応援は少し抑えて様子を見ていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 まず最初に、防災集団移転促進事業の取り組みについてお聞きします。
 被災市町村における防災集団移転事業の計画は幾らあるのか。この間、交付金決定した状況はどうなっているか。
〇小田嶋まちづくり課長 防災集団移転促進事業の計画と交付金交付が決定した状況についてでございますけれども、7市町村67地区で事業導入を検討しております。このうち、復興交付金の第1回交付可能額通知では7市町村37地区の計画が採択され、事業費として64億7、592万円の配分状況となっております。
〇斉藤信委員 この防災集団移転促進事業は今度の復興の極めて重要な手法だと私は思うんだけれども、ただ、ハードルが大変高いといいますか、条件が厳しいと私は思うんです。一つは、住民合意をどういうふうにつくるか。もう一つは、建築規制がかかりますから、そこの活用をどうするのか。これはセットでないとうまくいかない。ぜひ、この事業を進めるに当たっては、徹底した住民の協議と合意づくりを大前提にして、そこには専門家も配置して、どういう自分たちの集落、町をつくるのかという合意を踏まえた移転事業を進めてもらいたいと私は思いますが、いかがですか。
〇渡邊都市計画課総括課長 住民の合意づくりと専門家の派遣についてでございますが、現在、各被災市町村におきましては地域ごとの具体的なまちづくり計画に入っているところでございまして、被災した住民の皆さんのさまざまな意見を聞きながら合意形成を図るということが何よりも重要であると認識しております。
 これまで、市町村の復興計画の策定につきましては、国が直轄調査によりまして各被災市町村にまちづくりの専門家やコンサルタントを配置しまして支援したところでございまして、それとはまた別に、各市町村でも独自に専門家の協力を得て取り組んできたところでございます。
 さらに、新年度からは、直轄調査は終わりますので、この支援にかわりまして、各市町村が復興交付金事業の都市防災総合推進事業等を活用することによりまして、専門家の支援を受けて計画づくり、住民合意を進めることが可能となっております。
 また、県におきましては、これとは別に、地域で、地域NPO等のまちづくり組織に対しまして、復興まちづくりや景観等の検討をする場合に、専門家をアドバイザーとして派遣する復興まちづくり推進事業というものを当初予算に計上しております。これらを活用しながら、住民が主体となった復興のまちづくりを支援してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、この事業を進める上で集落とコミュニティの維持を大原則にすべきだと。自力で自宅を再建できる人と、災害復興公営住宅を希望する人があると私は思うんです。ですから、そういう意味でいけば、大中小いろいろあると思うけれども、持ち家と災害復興公営住宅をセットの集団移転事業というものをしっかり位置づけて、自力再建できない人も一緒に移転ができるというふうにすべきだし、あわせて、そういう場合には、特に高齢世帯が多いわけで、戸建てとか長屋形式とか、そういう集落に合った多様な復興公営住宅をセットにすべきだと思いますが、いかがですか。
〇大水建築住宅課総括課長 防災集団移転促進事業につきましては、現在、地域の実情に応じて各市町村において検討が進められている状況にございますけれども、集落やコミュニティを維持していくためには、自宅を再建する被災者と公営住宅に入居する被災者が同じ地区に居住することができるように計画することも有効なものと考えております。
 既に、釜石市の花露辺地区では、公営住宅を含めた高台移転について地区の合意形成が行われているところでございます。集団移転が行われる地区における災害復興公営住宅の建設については、市町村とよく連携いたしまして建設計画の検討を行ってまいりたいと考えております。
 また、防災集団移転促進事業の地区における復興公営住宅の建設についてですが、集落の維持、再生を図りながら、地域の実情に応じた計画づくりを行っていくことが必要と考えております。今後、地元住民の意向にも配慮するとともに、戸建てや長屋形式という話もありましたけれども、地域のニーズを踏まえた住戸形式などについて、市町村と十分連携を図りながら計画の検討を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 大きなネックが土地の評価、買い取りなんです。野田村がかなり先駆的に、浸水前の価格の大体9割と私は聞いているんですけれども、そういう形でほとんど同じ価格で移転地の用地を確保できると。これは、岩手県の土地評価を優先してやった事業じゃないかと思うんですが、野田村の取り組みをどう受けとめ、そして、今、岩手県が土地家屋調査士に委託してやっているこの取り組みの状況も含めて示していただきたい。
〇内宮管理課長 野田村におきましては、野田村独自で県内の不動産鑑定士に不動産鑑定を依頼したところでございまして、この鑑定結果につきましては、2月25日、26日に説明会を開催いたしたところでございます。この説明会におきまして、被災前に比べましておおむね2割から3割程度価格が減少しているということを住民の方々に説明したと聞いております。
 県におきましては、現在、岩手県不動産鑑定士協会に、今月末を納期といたしまして一括鑑定を依頼しているところでございますけれども、市町村のほうから早急に提示してほしいというような依頼があった地点につきましては、優先して調査、鑑定をお願いしているところでございます。
 その中で、野田村に対しましては、3月1日にその鑑定評価の早期の提示を求められた地点につきまして鑑定評価をお示ししたところでございます。この価格でございますけれども、震災前の土地価格に比べまして、おおむね1割から3割程度減少しているところでございます。
〇斉藤信委員 次に、土地区画整理事業の計画と、これも交付金内示の状況をお聞きしたいんですが、土地区画整理事業の被災市町村での計画、そして内示状況、さらに、土地区画整理事業になりますと市街地形成がかかってきますから、被災地の市街地形成とのかかわりで、これをどういうふうに位置づけられているのか、そのことを示してください。
〇渡邊都市計画課総括課長 まず、被災地におけます土地区画整理事業の計画と交付金の配分状況についてでございますが、現在、7市町村24地区において区画整理事業の実施について検討しているところでございます。そのうち、今回、復興交付金の第1回交付可能額通知がありましたわけですが、それが6市町村18地区で30億6、300万円の配分があったところでございます。
 次に、被災地における市街地形成の取り組みについてでございますが、現在の状況を申し上げますと、各被災市町村におきましては復興計画が昨年末に策定されておりまして、現在、地域ごとの具体的なまちづくり計画の策定を進めております。
 この中で、陸前高田市では、去る2月8日に被災市街地復興推進地域と、その地域の中に土地区画整理事業の都市計画決定─2地域ですが、これが定められております。
 このほかの市町村におきましても、それぞれの復興計画に沿って復興に係る都市計画の決定や変更について具体的な検討に入っているところでございまして、住民の意向把握と合意形成を図りながら、順次手続が進められるものと考えております。
 県といたしましては、こういった市町村の取り組み、市町村と密接に情報交換を行いまして、復興まちづくりに係る事業計画策定や都市計画決定等の手続が円滑に進むように支援してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 防災集団移転促進事業も土地区画整理事業も、普通なら数年、5年、6年かかって、ひどいところは10年もかかるような事業なんです。私は、この時点というのは徹底した地域住民自身の協議と合意形成というものを大事にして、先ほども強調したように、専門家の派遣も行ってこれは進めていただきたい。
 次に行きます。防潮堤の被害状況と災害復旧についてですが、防潮堤の災害査定の状況はどうなっているでしょうか。そして、その復旧の見通しはどうなっているでしょうか。
 防潮堤の高さを、残念ながら、県が上から押しつける形になりました。本来、その防潮堤の高さも、これはまちづくりと一体のものなんです。住民の協議、住民の合意を通じて防潮堤の高さというものも決めるべきではないのかと。既に一部の地域では、高台移転するから、我々はもとの高さでいいよということもあって、それも受けているわけです。その点で、今後の協議の進め方を含めて示していただきたい。
〇松本河川課総括課長 まず、防潮堤の被害状況と災害復旧についてでございますけれども、国による防潮堤の災害査定は12月23日までに終了してございまして、水管理・国土保全局─いわゆる河川局でございますけれども─の海岸では37カ所、約695億円、港湾局所管海岸では28カ所の約275億円、合わせまして65カ所、約970億円の決定を受けたところでございます。現在、測量・設計や国との協議を進めているところでございまして、早期復旧に向けて用地取得が完了した箇所から順次工事に着手することとしております。この工期としましては、おおむね5年程度で完了を目指すということで考えてございます。
 次に、住民合意についてでございますけれども、防潮堤の高さにつきましては、昨年10月までに最大高さとして県から公表を行ったところでございます。また、防潮堤の高さにつきまして、市町村の要請に応じまして、山田町などにおいては、復興計画の説明会において県から防潮堤の高さの説明を行っております。また、市町村が復興計画のまちづくりの中においても同様な説明を行っていると聞いてございます。
 また、防潮堤の高さは最大値を示したものでございますので、今後、県では、市町村が進める復興まちづくり計画との調整を図りながら、数十年から百数十年の頻度の高い津波に対する安全度がまちづくりにおいて確保される場合には、地域の意向や実情に即して防潮堤の高さを下げることも検討していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 防潮堤の高さについては地域住民の中にもいろんな意見があるんです。私たちは陸前高田市で本音を聞く会というものもやりましたけれども、もっと高くしてほしいというのがあれば、いや、もっと低くしてほしいと。本当にこれは海との共生、景観、観光、いろんな分野で検討すべき課題なんです。奥尻も、高い堤防をつくったけれども観光客が激減したというケースもあるんです。漁業も衰退したと。だから、そういう意味でいくと、この防潮堤の高さというのは、安全はもちろんだけれども、安全だけではなくて、その地域の復興、再建と結びついているわけだから、しっかりこれは住民合意を進めながら取り組んでいくべき課題だと、これは指摘だけにとどめておきます。
 それで、今も議論になっている宮古市の閉伊川への水門建設問題についてお聞きしますが、宮古市長に対して、いつ、どういう説明をして、市長からのどういう回答をいただいてきたか、時系列ではっきり答えてください。
〇松本河川課総括課長 時系列でお話をさせていただきます。9月13日に宮古市幹部職員へ防潮堤計画高の説明を行ってございます。9月14日には宮古市長に防潮堤計画高を説明してございます。10月18日、宮古市長以下幹部職員の皆さんに、宮古湾以外の防潮堤の高さについて御説明してございます。12月2日、宮古市長以下幹部職員との協議を行ってございまして、水門案と堤防案による最大クラスの津波に対する浸水範囲を提示してございます。協議の結果としましては、市としては、津波のエネルギーは水門で抑えるより河川に逃がす方法が望ましいという考えから、防潮堤方式を選択することを頭に置いていますという話をされております。12月14日でございますけれども、宮古市長以下幹部職員との協議を行ってございます。その中では、宮古市の要望を踏まえたシミュレーションを再度御提示してございまして、修正防潮堤案と水門案による浸水範囲を市に提示してございます。先ほど、部長から御説明のありました12月16日には、宮古市長から県土整備部長へ、水門案で市としてはお願いしたいというお話がありました。それで、県としては水門案で決定したところでございます。
〇斉藤信委員 9月13日、9月14日、10月18日、12月2日、12月14日、この間、市長は一貫して堤防方式を選択する方針だと述べているんです。12月14日までですよ。それが、ぎりぎり災害査定に間に合わないとあなた方の圧力を感じたんでしょう、12月16日に、何というんですか、この暗闇の2日間というべきか、ここで方針が変わっちゃうんです。それまでは、市議会も市長も一緒になって堤防かさ上げで復興計画を進めていた。だから、これだけなぜ議論になるかというと、市長も、議会も、市民も、そういう堤防かさ上げで閉伊川に津波のエネルギーを逃すという方法が一番いいという形で進めていたのが、最後のこの2日間で方針が転換したということで、市民が驚いて、何なのだと、こうなっているわけです。
 私は、皆さんが説明会で説明した資料を見ているけれども、今度の安全施設の基準というのは、百数十年に1回の津波に対応するということでしょう。だったら、堤防のかさ上げで十分対応できるということじゃないですか。何で、今回のような津波を想定して、その場合にはシミュレーションはしたけれども、水門でなければならないということになるのか。私は、全然それは無理なことを求めていると思います。今回並みの最大津波を想定すれば水門のほうがいいというのは、発想がちょっと違うんじゃないですか。
〇松本河川課総括課長 防潮堤を管理します県としますと、いわゆる発生頻度の大きい津波を対象として施設設計、施設計画をすればいいということになります。ただ、各市町村におきましてはまちづくりをセットで考えますので、今回の3月11日の発災時の浸水範囲も念頭に置きながらまちづくりを考えるということになります。県としますと、市町村のまちづくりの担当の方から、確かに発生頻度の大きい津波については今の防潮堤あるいは従前の高さでも大丈夫でしょうけれども、発生頻度の小さな、いわゆる3月11日程度の津波が来た場合には、まちづくりとして、やっぱり人が住むところとするわけにはいかないという御要望がございました。そういうような観点から、我々は、発生頻度の小さい津波を対象としてシミュレーションの御提示を差し上げて、その中で宮古市が御判断されたと考えています。
〇斉藤信委員 水門方式には検討されていないいろんな問題があった。一つは津軽石川の水門の検証です。あの津軽石川の水門で逆に被害が広がったのではないかと住民は指摘しています。この検証もなしに、また閉伊川に水門だと、これが第1点。
 第2点、閉伊川というのは水量が大きいんです。これを水門で閉鎖した場合に6時間しかもたない。内水被害がもたらされる。大きな被害があったときにどうするのか。それで、あなた方は慌てて全閉方式じゃないと。途中開ける方式なんだということとを言い出した。そんな形で、本当ですか、それは。
 それと、高架道路というのも突然出てきた。
 あと、漁船を係留しています。今、活用しています。漁船の係留に活用して、今、実際に使われているところに水門をつくった場合にどうするのかと、そういう対応をあなた方は検討して水門を出したんですか。
〇松本河川課総括課長 津軽石川水門につきましては、先ほどございましたけれども、金浜地区、高浜地区の地域の皆さんから委員御指摘のようなお話がございました。それにつきましては、宮古市議会の全員協議会、宮古市民の皆様方への説明の中で影響度について御説明してございます。
 それから、水門の全閉方式でございますけれども、閉伊川は通常時で10トンから15トン程度の流量が流れてございます。津波防災技術専門委員会の中で首藤委員のほうからも、洪水でないときには、可能な限り水門を閉鎖する操作をしないような手法をやっぱり考えるべきという御指摘をされてございます。そういう意味からも、洪水でない場合には、平常水位から50センチメートルないし1メートル程度のところまで水門を下げておくということが操作員の安全にもつながるという意味から、こういう手法を考えてございます。
 それから、当然、漁船の航路になっておりますので、漁船については、水門の一部を船が通れるような構造にする。これは既に概略設計の段階では織り込んでおります。
 高架橋については─高架橋という意味がちょっとわかりませんが、私どもは、あくまでも水門を管理するに当たって管理橋は必要だと考えております。これについては、宮古市では内々には、これも何とか市のほうでも有効活用できないかというお話はされておりますが、先ほど部長からも御説明がありましたけれども、それについては、今後、宮古市あるいは地域住民の皆さんの意見を参考にしながらさまざまな検討をして考えていきたいと思っています。
〇斉藤信委員 今回並みの津波があれば防潮堤自身が破壊される。防潮堤自身が破壊されないという前提だったら対策はとれないと私は思います。そういうときこそ津波のエネルギーを大きな許容量のある閉伊川に流すというのは極めて合理的な形で、コンクリートの擁壁で津波のエネルギーを遮るという発想だけでは本当の意味で安全は守れないと私は思います。あなた方は、宮古大橋がそれで流されるんだと本当に言ったんですか、そういうふうに。市長はそれを強調して水門を決めたというんだけれども、そういうことを言ったんですか。宮古大橋が壊れるんだったら、宮古市内全部やられちゃうんですよ。そういう意味でいくと、安全の考え方というのは、防潮堤を破壊されることを考えてやらなかったら守れないと私は思いますよ。
〇若林県土整備部長 まず、やはり水門で津波のエネルギーをいなすといいますか、それを川でいなすという考え方は当然あると思います。閉伊川の場合は、現在、チリ地震対策でつくった高さが5.25メートルで、これが、今回の津波でL1対応ということで10.4メートルになるわけです。10.4メートルになりますと、宮古大橋のけたにぼんとぶつかってしまうということがあります。結局、宮古大橋を上げなければならない。その背後に市道、JRがあるんですけれども、それを全部上げないと10.4メートルにはならないのであります。それで、そこからどうしても漏れてしまう。藤原小学校のほう、南町のほうに漏れてしまうということがあって、そこがやはり一番市長さんの苦渋の判断だったと私も思います。それがなければ、それは、当然のごとく堤防のかさ上げでいければ経済的にも有利ですし、ですから、今の閉伊川の状況が横断工作物─国道45号、市道の橋、JRがあるということがあって、それをどうしようもなくて、やはりそういう選択を今しているというところでありますが、宮古大橋が落ちるという話は県からは一切しておりません。
〇斉藤信委員 最後の答弁は極めて重要なんです。そういうことで、市長が最後の2日間で態度をなぜ変えたのか、そこに何があったのか、これが大変大事な問題で、百数十年に1回の、今、基準になっている最大高さですよ、この防潮堤だって。堤防のかさ上げで十分対応できるというのが今度の安全の考え方の基本です。そのことを指摘して、最後ですけれども、大船渡の湾口防波堤の問題についてお聞きします。
 大船渡の湾口防波堤は第1波で破壊されました。この検証結果がどうなっているのか。大船渡の津波高は10.4メートルになっています。実際には、第2波、第3波で大きな津波が来たわけですから、私は、津波の高さについては、ほとんどこれは効果はなかったのではないかと思います。
 それと、大船渡の湾口防波堤については、水質保全対策検討会というので、漁協の方々も含めて、水質汚染問題にどう対応するかという議論がされています。この間、湾口防波堤によってどのように湾内の水質が悪化してきたのか、この協議会ではどんな議論がされているのか、そのことを示してください。
〇川村港湾課総括課長 大船渡港の湾口防波堤についてでありますが、従前の施設は、津波高さ6メートルの昭和チリ地震津波を対象として、防潮堤の高さ3メートルまで津波の高さを低減する計画で整備されたものでありますけれども、東日本大震災津波では防波堤の高さを大幅に上回る津波が来襲したため、防波堤を境に大きく生じた水位差によってケーソンが港内側に押されて倒壊したと考えております。
 湾口防波堤につきましては、当時のビデオ映像から、第1波が押し寄せ倒壊に至るまでも一定時間機能していたことがわかっており、これにより市街地への第1波の到達時間や水位の上昇を遅延、減少させる効果があったものと推測しております。
 また、東日本大震災津波での浸水高を湾口防波堤の復旧の有無で比較しますと、湾口防波堤を復旧しない場合のシミュレーションでは、浸水高の計算値が最大11.1メートルとなるのに対しまして、今次津波の浸水痕跡では9.5メートルであったことから、約1.6メートルの低減となることが確認されております。
 それから、水質の問題でございますけれども、大船渡湾は、もともと湾が奥深く入り組んだ地形のほか、湾口防波堤により閉鎖性海域となっていることから水質の悪化が懸念され、水質保全のための対策が課題となっていたものでございます。
 湾内の海水は富栄養化の傾向にありまして、夏期には表層で藻類─植物生産─の増大や低層海水の貧酸素化が起きておりました。また、有機物の指標でありますCОD─化学的酸素要求量の値が大きく、硫化物の発生も認められており、最近の20年間はほぼ横ばいの状態にあり、富栄養化の傾向が継続していたという状況でございます。
 現在、大船渡湾の水質保全の検討会において、湾口防波堤の形状を含めて、その水質対策について検討している状況でございます。
〇斉藤信委員 これ一言で終わります。
 第1波で破壊したということは、ほとんど津波をおくらせる効果がなかったと。堤防があっても、高田の松原だってかなりの抵抗をしているんですよ。それと、この会議の資料では10.5メートル津波高さと出ていますから、私は、本当にこの検証が徹底して行われて、最も効果的な安全対策は何かということを検討すべきだと思います。
〇工藤勝博委員 道路整備の推進について1点のみお伺いいたします。震災復興道路以外の部分で何カ所かの道路整備についてお伺いいたします。
 まず初めに、国道282号西根バイパスの現在の進捗状況等についてお伺いいたします。
〇高橋道路建設課総括課長 一般国道282号西根バイパスの整備状況でございますけれども、平成6年度に事業に着手いたしまして、平成19年度までに東北縦貫自動車道西根インターチェンジ入り口交差点から一般県道岩手大更線までの延長約4.2キロメートルを供用しております。
 現在は、県道岩手大更線から北側の約4.7キロメートル区間の用地補償、改良工事を実施しておりまして、平成23年度末までの事業進捗率、これは事業費ベースでございますけれども、82%となっております。
 それから、あしたなんですけれども、3月16日には、県道岩手大更線から八幡平市総合運動公園入り口までの延長約1キロメートル区間の暫定供用を予定しているところでございます。
 今後、平成26年度の全線供用を目指し、引き続き用地補償、改良工事を推進していく考えでございます。
〇工藤勝博委員 あした、運動公園までの1キロメートル区間がまた新たに供用できるということで、大変ありがとうございます。例年、あの運動公園では、春の高校野球とか秋の高校野球の予選大会等もありましたけれども、道路が狭くて大変窮屈な思いをしておりました。それが、ことしから交通の便もよくなるし、逆に地元の負担も少なくなるのかなという思いもしています。ありがとうございます。
 それにあわせて、今般の災害によって、予算的な部分も含めて、先ほど答弁がありました予定どおりに完成、開通できるのか、その辺を含めてお願いしたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 西根バイパスのほうは平成6年に着手しております。道路事業のほうは、効果を早く発現するために集中投資をして、できるだけ供用開始を早めたいと考えております。
 ただ、それにつきましては、まず、やっぱり一番地元の方の用地のほうの御協力というものが大前提になりますけれども、そういったものが整うような状況であれば、この予定どおりの整備ができるのではないかと考えております。
〇工藤勝博委員 地元でも、推進協議会等も立ち上げて、通常よりはかなり協力的な地権者の皆さんが取り組んでいるのかなという思いもしております。できるだけ計画どおりに開通できるように心からお願いしたいと思います。
 次に、主要地方道の一戸葛巻線についてお伺いいたします。
 葛巻町と一戸町の町境にまだ未整備の箇所があります。どういう経過でそこだけが残っているのか、地元の皆さんにとってみれば、残されたのかなと、はじかれたのかなという思い、大変不幸な状況の中にもあります。今後どのような計画をお持ちなのかをお伺いしたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 主要地方道一戸葛巻線でございますけれども、一戸町と葛巻町を結ぶ延長24.8キロメートルの県道でございまして、平成12年度から14年度にかけましては一戸町の姉帯地区で整備を進めてございます。それで、平成22年度の4月1日現在で幅員5.5メートル以上の改良率は89.5%となっておりまして、県全体の主要地方道の改良率の83.2%を上回る状況にはなっておりますけれども、一戸町部分の改良率は67.2%と低くなってございまして、整備が必要な路線と認識しております。
 整備に当たりましては、その1カ所残っているということでございましたけれども、これは、町のほうからの要望等も受けてございますが、県内各地から要望等ございます。地元の要望とか関連事業の有無などを考慮しながら、県の公共事業の評価制度に基づき、県全体の道路整備を進める中で検討してまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 その状況を認識されているということで大変ありがたいと思っていますけれども、この道路は、馬淵川沿いの大変風光明媚な道路でもあります。馬淵川は、北に流れる唯一の川でもあります。本当に地域にとっては、交流拡大も含めて、また生活道路でもあります。バス路線でもありますので、狭隘な部分、そしてカーブの多い部分、早急に整備に取り組んでほしいという思いがあります。
 次に、スマートインターチェンジの要望が大分前からあったわけですけれども、今般のこの予算の中には調査費も計上されております。以前から何カ所かの要望があったわけですけれども、その辺の調査の状況はいかがになっているでしょうか。
〇高橋道路建設課総括課長 スマートインターチェンジの整備計画についてでございますけれども、地域医療や観光振興、物流の促進など、スマートインターチェンジのメリットは多岐にわたっていることから、県内6カ所について、市町村と連携をしながら、その設置に向けて必要性等の検討を行ってきているところでございます。
 この中で、設置要件となっております当該事業のBバイCや採算性等について、一定程度の整理がついた地区から、国、ネクスコ、市町村と勉強会をスタートさせているところでございます。
〇工藤勝博委員 大分前の話になりますけれども、県内では平泉、そしてまた矢巾地区、そして八幡平市の安代地区で整備の要望が上がったと思います。そして、中に滝沢村も、先般の本会議の中でも提案がありました。そういう中で、滝沢村では村独自の調査費も計上しているということで積極的に動いているわけですけれども、その辺の取り組みというのはどういうふうに評価しているのか、お聞きしたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 滝沢のスマートインターチェンジについてでございますけれども、滝沢村のほうと県と連携いたしまして、先ほど申し上げましたとおり、BバイCとか採算性等について検討を重ねてきたところでございます。
 それで、これまで国、ネクスコ等と1回の勉強会を開催しているところでございます。
 いずれのスマートインターチェンジにつきましても、滝沢村同様、市町村と県と一緒になって、連携を図ってその整備に向けた調整をしているところでございます。
〇工藤勝博委員 今の状況は、無料化にもなっていますけれども、大分ETCの搭載車がふえていると思います。スマートインターチェンジは、ほとんどETCのみだと思いますけれども、そういう点を考えれば、もうそろそろ決断の時期にも来ているのかなという思いもしておりますし、この震災も契機に、また、いろいろな交流人口の拡大ということも含めますと、やはり細やかなそういう道路サービスが必要だろうと思います。
 その辺も含めて、協議はしていると言いますけれども、大体の目安でもよろしいですが、どこからどう整備するのかということは、現段階でお考えがあればお聞きします。
〇高橋道路建設課総括課長 先ほど申し上げました県内6カ所といいますのは、平泉、奥州、北上、矢巾、滝沢、八幡平という6カ所のスマートインターチェンジを市町村と連携しながら、その整備に向けた調整を行っているところでございます。
 今この中で熟度といいますか、ネクスコ、国のほうからもある程度の可能性のお話をいただいておりますのは、滝沢と矢巾等については、ある程度そういった必要性等がまとめられているのではないかと言われております。
〇高田一郎委員 私は、住宅の再建と仮設住宅団地内の集会所の設置の問題、二つに絞って質問いたします。
 まず、住宅再建の問題でありますけれども、やはり被災者の生活再建は復興の最大の課題だと思いますが、その中でも住まいの確保というのは、被災者の皆さんの最も切実な要求だと思います。
 私は午前の質疑も聞いていましたけれども、希望するすべての方々が、この災害復興住宅に入居できるという状況をつくるべきだと思いますが、県としてはこの点についてどうお考えになるのか示していただきたいと思います。
〇大水建築住宅課総括課長 災害公営住宅についてでございますけれども、これまで県におきまして被災者に対するアンケートを行っておりまして、また、市町村の意向を踏まえて計画戸数を検討してきてございますが、県内で4、000戸から5、000戸程度被災者向けの公営住宅を供給することが必要と考えております。
 災害公営住宅は、県と市町村において整備を行ってまいりますけれども、今後市町村と連携しながら、希望される方ができる限り入居できるよう建設を進めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 今お話がありましたように、岩手県の住宅の復興基本方針では、1万7、000世帯の被災者に対して4、000から5、000戸の災害復興住宅という計画でありましたけれども、ことしになってから岩手県が第2回目の被災者の住宅に関するアンケート調査をしたという資料をいただきました。この中身を見ると、今後、希望する居住形態として公営住宅、あるいはまだ決まっていない、これを選択する割合が高くなっている、こういう調査結果になっております。
 同時に、大槌町の住宅再建に対する意向調査も見てみたんですけれども、やはり昨年と違って、公営住宅に入居したいという割合が、月を追うごとに非常に高くなってきているのではないかと思うんですね。大槌町の調査結果では、2、720の回答に対して、公営住宅に入居したいが1、063、38%となっております。
 こういったこの間の変化を見るときに、本当に4、000から5、000戸で足りるのか、この見通しをどう見ているのかということもお聞きしたいと思います。
 そして、あわせて、災害公営住宅については、この間の総括質疑の中でも議論がありましたけれども、今後2年間で大半を整備するということになっております。本当にこの2年間で大半の公営住宅が整備できるのかどうか。もちろん早く建設することは当然いいわけですけれども、仮設住宅の問題のときもありましたが、やはり平場の宅地がないというさまざまな制約がありまして、これは目標ではなくて、本当に2年間で大半を整備できるのかどうかという具体的な、方針だけではなくて、本当にできるかどうかという見通しがあるのかどうかということも、あわせて答弁いただきたいと思います。
〇大水建築住宅課総括課長 まず、被災者のアンケートの状況でございますけれども、先ほどお話がありましたとおり、公営住宅の希望がふえている、またはまだ決まっていないとお答えの方がふえているという状況はあるかと思っております。一方で、まだ決まっていないという方が、現在、この先の住居形態を決めかねているという状況かと思いますので、まずは復興のまちづくりの姿が見えてくるという状況が必要かと思っております。
 また、自宅再建につきましては、自宅再建に対する支援策を今回、岩手県として打ち出しておりますので、自宅再建についてもしっかりとした支援策があるということを丁寧に説明していくことが必要ではないかと思っております。こうしたことに取り組んでいくことで、現在の状況はまだ非常に流動的だと思っておりますので、今後の被災者の状況、市町村の状況を見ながら、供給計画については検討してまいりたいと考えております。
 また、2年間で大半ということでございますけれども、これにつきましては、まず、県で今年度着手750戸分、それから来年度着手1、000戸分ということで1、750戸の建設を進めていく計画としております。また、市町村においても750戸程度の市町村における建設計画がございます。さらに、民間活力の活用ということを進めてまいりたいと思っておりますので、これらの取り組みを進めることによって、2年間で大半の住宅を確保するということで進めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 被災者の皆さんにとっては、まちづくりの姿がまだまだ見えてこないという問題とか、あるいは住宅の支援策についても、まだまだ知られていないという問題があって、本当に持ち家、新たに住宅を建設したらいいのか、あるいは公営住宅に入ったほうがいいのかどうか、そういうことでまだまだ決めかねている方々がたくさんいるのではないかと思うんですね。そうした被災者の皆さんの住宅に対する要求の実態をよく把握して、必要な住宅を確保することが必要だと思うんですね。
 やっぱり2回目の県が行った住宅のアンケート調査を見ても、本当に6割を超える方々が、収入が300万円以下となっております。高齢者、ひとり暮らしの方々もたくさんいらっしゃいます。私は、当初予定していた以上に需要がふえるのではないかと思っていますので、そこはしっかりと、やはり被災者の住宅に対する要求を把握して、すべての被災者が、公営住宅に入居したいという方々が入居できるような、そういう対応をしていただきたいと思います。
 次に、持ち家の再建ですけれども、この間、県は、他県に先駆けてさまざま支援策を打ち出しました。バリアフリーとか、あるいは県産材活用の問題、あるいは住宅ローンへの利子補給とか、そして100万円の支援金を打ち出すなど、これは本当に被災者の皆さんから歓迎されている施策だと思っております。
 しかし、実態としては、二重ローンの問題とか、あるいは今の県の打ち出した支援策で、本当に住宅を建設したいという方々がどれだけあるのかというのは、まだまだ見えてこないところだと思うんですね。
 実際、なぜ住宅ローン対策が進まないのかということをまず一つお聞きしたいと思いますし、県が他県に先駆けてこういう支援策を打ち出しましたけれども、実態としては、持ち家希望が、どちらかというと、最初は6割ですよね、最初調査したときには。でも、大槌町の住宅の調査を見ても、当時と違って、やっぱり公営住宅に変えたいという調査結果になっています。
 ここは、やはりどう見るべきかということだと思うんです。この点は、こういう傾向になっているのはどこに課題があるのかということを、まず県としてどのように把握しているのか、認識しているのか、この件についてお伺いしたいと思います。
〇大水建築住宅課総括課長 まず、個人住宅再建への支援策につきましてですけれども、お話のありましたとおり、県産材の活用、バリアフリー対応、それから利子補給や被災者住宅再建支援事業で、それぞれ補助制度を設けまして、住宅取得に必要な経費の2分の1から3分の1程度の支援を基本として制度設計しておりまして、まずは、これらの補助制度の普及に取り組んでまいりたいと考えております。
 一方、二重ローンの問題につきましては、私的整理ガイドラインの運営委員会で債務整理を行うということで取り組んでいただいておりますけれども、これまで全国における相談件数が1、721件で、このうち本県における債務整理開始の申し出件数が35件という状況でございます。
 これまで、条件の厳しさなどのために申し出件数が伸び悩んでいたという状況でございましたけれども、ことし1月にはガイドラインについて、自由財産となる現預金の範囲を500万円を目安とするなどの見直しが行われておりますので、今後活用が進むのではないかと見ております。
 また、持ち家希望の方が減少しているということについてですけれども、やはり自宅再建をするためには、費用ももちろんですが、自宅再建ができる土地、場所が必要になります。現状なかなか、自宅が再建できる場所が確保できるまちづくりが進むというところについて、まだまだ将来の姿が見えていない状況にあるかと思っておりまして、そうしたことが持ち家希望の方の割合の減少につながっているのではないかと見ております。
 ただ、一方で、やはり自宅を建てたいという潜在的な需要というのは多いのではないかと見ておりまして、今後、市町村と連携して、その復興まちづくりを進めていくということや、それから自宅再建に対する支援策の周知をすることによりまして、自宅再建の後押しをしていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 被災された方々が、本当に家も職場も、そして家族も、すべて失われて、そして残ったのは借金だけだった、こういう方々がたくさんいると思うんです。そういう中でも、自分の家を持ちたいという方々が被災者の6割もいると。やっぱりこれにどうこたえていくかということが、今問われていると思うんですね。
 今、家を持ちたいという方々が少なくなっているという理由の中に、土地や場所の問題というお話もされましたけれども、それも一つあると思うんですが、やはりお金の問題が一番大きいと私は思うんです。やっぱり被災された皆さんは、生活の再建、生活もしながら住宅の再建もしなければならない、こういうことだと思うんですね。
 そういう中で、他県に先駆けてさまざまな対策をとりましたけれども、今の支援策で本当に6割の自分の家を持ちたいという方々にこたえられる施策かどうかということが問われていると思うんです。
 確かに、国の支援策は300万円、そして岩手県が100万円ですか、そしてバリアフリー、県産材を含めるとトータル530万円プラス住宅ローンの利子補給があります。しかし、岩手型復興住宅、午前も質疑がありましたけれども、やはり2階建ての復興住宅、モデルハウスなんかを見ますと1、300万円とか1、700万円とか、そういう形のモデル住宅になっているんですね。だから、今の国や県が示している支援策からすると、ちょっとやっぱり難しいなという気持ちになるのではないかと思うんですね。
 今、災害公営住宅の話が出ましたけれども、1戸当たりの建設費が用地を含めて2、000万から2、500万円ぐらいと担当課からお話がされました。これは、実際正確な数字はどのぐらいかということを示していただきたいと思います。
 災害公営復興住宅にそのぐらいのお金がかかるのであれば、やはり、さらに支援策を拡大していくということが、例えばさらに100万円独自の支援策を行う、こういうことが、災害公営復興住宅の戸数を抑制して、それを他の復興財源に回すこともできますし、家を持ちたいという方々の声にこたえることもできると思うんです。例えば100万円をふやすとなると、よし、おれも頑張ってみようと。
 住宅というのは、すそ野の広い、物すごい経済効果がある産業だと思うんです。そういう点で、モデルハウスの工事費ももう少し工夫をして、もう少しコスト削減を目指すことはできないのか、あるいは県独自の支援策をもっと拡大できないのか。6割の方々が考えている、それにこたえる対策についてもう少し努力すべきじゃないかと思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 まず、災害復興公営住宅の費用についてですけれども、本体、建設費は1、500万円程度でございますが、これに用地費や外構整備などを含めますと1戸当たり2、000万円程度はかかるのではないかと見ております。
 自宅再建につきましては、まず、来年度から新築に対する補助制度、それから被災者住宅再建支援事業で100万円の補助ということがございますし、利子補給も行うこととしておりますので、まずはこうした制度を周知して、しっかりとした支援があることの理解が進むように取り組んでいきたいと思っております。
 また、モデル住宅という話がありましたけれども、できるだけコストのかからない、被災者にとって取得しやすい住宅づくりということを、関係団体と連携いたしまして、200万円、300万円の収入の方が多いという話がありましたけれども、そうした方々でも十分取得できるような住宅づくりということに、官民連携して取り組んでいきたいと思っております。
〇高田一郎委員 今、沿岸自治体の住民が、ふるさとを離れて都会あるいは内陸部にということで人口流出が問題になっていますけれども、やはり家を持つということは、地に足がつくといいますか、そこで頑張ろうというような気持ちになるわけですね。災害公営復興住宅となると、ここで働く場がないんであれば内陸部に行ってみようかとかという気持ちにもなるわけで、私は、本当に被災者の皆さんの持ち家の期待にこたえるということは、そういう意味でも非常に大事なことだと思うんですよね。
 先ほど公営住宅1戸当たり用地費を含めて2、000万円という数字も明らかになりましたけれども、確かにそこも大事なことですが、災害公営住宅に1戸当たり2、000万円かかるのであれば、もっと自分の家を持ちたいという方々の希望にこたえられるような、そちらにシフトするというか、そういうことも大事ではないかと思いますので、そこはぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 最後に、応急仮設住宅内の集会所の問題でありますけれども、現在の仮設住宅内の団地の集会所及び談話室の設置状況について、具体的に数字で示していただきたいと思います。
〇西尾営繕課長 応急仮設住宅団地における集会施設の整備状況につきましてでございますが、全319カ所の応急仮設住宅団地のうち、集会所が40カ所、談話室が109カ所、現在整備されてございます。
〇高田一郎委員 そうすると、すべての団地に集会所、談話室が設置されているということではないと思うんですが、設置されていない理由はどういう理由なのかということを示していただきたいと思います。
〇西尾営繕課長 集会所は50戸以上の団地、それから談話室につきましてはそれを下回る規模の団地を対象に原則として整備をすることとしておりましたけれども、近隣に公民館等の代替となる施設がある場合、限られた敷地を住戸の確保を優先して活用したいという市町村の意向があった場合は、当該団地での集会施設の整備を行っていないということでございます。
〇高田一郎委員 近隣に公民館とかそういう集会施設がある場合は設置していないということはわかるんですけれども、そういうことも含めて、仮設住宅団地内に、近隣も含めて、集会所、談話室が全くない団地はどの程度になっているんでしょうか。
〇西尾営繕課長 近隣の施設も含めて集会施設がない団地といいますのは、多くが小規模な団地でございますが、県下で今69団地把握してございます。
〇高田一郎委員 この中には、いわゆる50戸以上の団地については集会所を設置するということになっていますけれども、この69団地というのは、すべて本当に小さい、そういう団地ばかりなのでしょうか。
〇西尾営繕課長 最大のものが36戸でございます。20戸以下の小規模団地につきましては63団地、それから20戸を超える団地、これが最大で36戸あるんですけれども、それが6団地ございます。
〇高田一郎委員 私が担当課からいただいた資料では、いわゆる50戸以上の団地の中で集会所がないというのは、数字では9団地ぐらいあるんですけれども、正確な数字を示してください。
〇西尾営繕課長 先ほど申し上げました69団地につきましては、さらに条件といたしまして、いわゆる空室のある団地が60団地。済みません、先ほどの69団地のほかに、空室がある団地につきましては空室を談話室として使っているということで、それについては代替の施設があると整理しております。そういうことで、空室がなくて、そういった形の流用もできない団地が69団地あるという整理になってございます。
〇喜多正敏委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑は簡潔明瞭にお願いします。
〇高田一郎委員 最後にしますけれども、これから仮設住宅の中での生活というのは、やっぱり2年、3年、4年となるわけで、今、仮設住宅に入るときに抽せん方法ということで入居しただけに、従前の人間関係やコミュニティ意識が非常に希薄になっているという状況があると思うんですね。さまざまな問題も起きておりますけれども、そういう点では、やはり自治会の組織あるいはコミュニティリーダーを確保するということも大事ですし、その拠点となる集会所の設置というのは本当に大事なことだと思うんですね。
 やっぱりすべての仮設住宅団地に集会所を設置することが必要だと思うんですけれども、その点についての考え方をお聞きして、終わりたいと思います。
〇西尾営繕課長 先ほど来申し上げました集会所あるいは談話室の数でございますが、実は、団地完成後に市町村に再度追加の要望をとりまして、集会所につきまして1カ所、それから談話室を4カ所追加してございます。市町村からの要望については、それを超える数の要望が実はあったのですが、具体的に立地を検討したときに、そのための必要な敷地が確保できないというような実情で建設を断念しているところでございます。
 県といたしまして、コミュニティスペース、集会施設の重要性については十分認識しているところでございまして、これからも、あとは市町村と協議を行いながら、個別の事例ごとに改善の方策を検討してまいりたいと考えます。
〇吉田敬子委員 先ほどほかの委員の皆さんから質問がありまして、ある程度かぶっているものは答弁から理解しましたので、割愛しながら、確認のための質問をさせていただきたいと思います。
 岩手型住宅についてですが、これまでの県内への普及状況、県内に実際に何戸あるのかを、県民に対してこれまでどのような取り組みをした上での実績値なのかをお示しください。お願いします。
〇大水建築住宅課総括課長 岩手型住宅についてですけれども、本県では、一定の省エネルギー性能を満たすとともに、景観への配慮、県産材活用または木質バイオマスエネルギー活用を行う住宅を岩手型住宅と位置づけて、普及に取り組んでいます。
 具体的な戸数につきましては、平成22年度から補助制度を設けておりますので、その件数ということになりますけれども、県産材を積極的に使用する住宅ということで利子補給を行っておりまして、この制度利用件数が、平成22年度は55件、平成23年度はこれまで44件という状況になっております。
〇吉田敬子委員 県内で年間10棟以上建設している県外の大手業者が、平成19年の9社から22年には13社とふえているということで、県内各地に古くから伝わる地域の特色ある住宅が減りつつある中で、先ほどの答弁からも、地元業者の受注も減っていて倒産もふえているということなんですが、実際に岩手型住宅の普及啓発は、個人の方々に対してもたくさん行われていると思うんですけれども、例えばアパートとか貸家等の不動産経営者の方や、もしくは建築士の皆さんに対しての実際の啓発活動、指導はどのように行っているのかお示し願います。
〇大水建築住宅課総括課長 岩手型住宅の普及につきましては、一般県民の方々に対するポスター、リーフレットの周知のほかに、建築士や建築関係団体を対象としましたフォーラムの開催などで周知活動を行っておりまして、一般的には、岩手型住宅というと戸建てのイメージを持たれると思いますけれども、特に戸建てに絞っているわけではないので、アパートを建てる場合にも岩手型住宅ということでぜひ取り組んでいただきたいと思っておりますので、今後もそうした建築関係団体と連携した周知ということに取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 特に、アパートを経営されている方々等への普及啓発というのはもっと大事なのかなと思っております。現在、人口減少とか少子高齢化で空き家が増加していて、県内の空き家件数が、これは平成20年ですけれども、7万7、300戸で全体の14%ぐらいが空き家になっているということで、県でも空き家バンク等の取り組みをしているそうなんですが、今回の住みたい岩手の家づくり促進事業の中に、岩手型住宅の取り組みの位置づけとして、空き家を再利用した取り組みの支援はあるのかどうかと、県としてこの空き家を再利用した取り組みというのをどのように考えられているのかをお伺いいたします。
〇大水建築住宅課総括課長 空き家対策ということでございますけれども、現在、震災の影響もございますので、内陸にその被災した方が入られているという状況もあり、かなり推移は流動的かと思っております。一方で、かなり空き家があるということで、その空き家ストックの活用ということが大事ではないかと思っております。
 岩手型住宅は、一定の省エネ性能を満たしていただきたいということで取り組んでおりますけれども、県産材を活用していただきながら、その改修を行っていただくというようなことも補助制度の中には組み込んでおりますので、その省エネ改修であるとか、県産材を使った改修ということの周知もこれから必要だろうと思っておりますので、そうした取り組みを進めまして、空き家対策ということにもつながればと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 最近では古民家を再生しているような地元の工務店、小さい企業の方々だと思うんですけれども、たくさんふえていまして、あと、逆に需要もふえていると思います。最近、グリーンツーリズム大賞というものも発表されて、それは長崎県のあるまちが大賞をとられたみたいなんですが、古民家を再生することによって、グリーンツーリズムにも生かされて観光にもつながっていたようです。
 北海道のほうでも、ちょっと暮らしという取り組みがあって、住宅というのは、やっぱり高い買い物なのでなかなか、あとは岩手型住宅とか県産材を使っている住宅というのは高いイメージが、実際に高いと思うんですが、見学会だけじゃなくて、例えば、北海道でやっているのは、実際に数日間から滞在できるような取り組みがされて、北海道らしい住宅というものを建てて、そこに週末だけ滞在できるような取り組みもしているそうです。ぜひそういった取り組みも岩手でやって、実際に住むと、いいなと感じる取り組みも必要なのかなと思っておりましたので、ぜひお願いいたしたいと思います。
 最後に、先ほどの建築業技術者育成支援について確認だけさせていただきたいのですが、現在、建築用の材として、実際日本に杉はたくさんあるんですけれども、杉というのは含まれる水分量に関係して住宅産業では使えないと言われているそうなんです。現代建築ではその能力の10%も生かし切れていないと本で読んだんですけれども、例えば、木材を利用した住宅建築技術に対する取り組みの支援というのは、県で行っているんでしょうか。
 そういった機械を実際に東京のほうのある企業が、住宅で使えるような人工乾燥機というものを開発された企業があるそうなんですけれども、例えば、こういった機械をリースするような支援というものもあるんでしょうか、お願いいたします。
〇吉田建設技術振興課総括課長 ただいまのお話にありました内容は、多分、建設業の新分野進出の中で対応ができるかと思います。具体的にその事例については私どもで取り扱ったということはないんですけれども、例えば、私どもで今回補助している中身につきましては、応急仮設住宅の結露対策といったようなものに対する補助を行っていたりということがございますので、これは、建設業の新分野進出の中で、そのような新技術を県内に展開したいという御相談がありましたら、私どものほうで何らかの御支援ができる可能性はあります。
〇小泉光男委員 済みません、お疲れのところ。私と次の佐々木茂光委員のところまでおつき合いをください。
 だれも取り上げなかった県営ダムの件、時の政府がコンクリートから人へという言葉を念頭に御質問します。(「やめたんだよ、それは」と呼ぶ者あり)はい、わかりました。
 まず、簗川ダムの本年度の工事費ということで7億6、000万円を計上しております。完成を10として、直近の進捗度は幾らかということ、それから、知事は、さきの一般質問への回答でも、再生可能エネルギー推進の一つとして、このダムにこれからでも小水力発電として追加工事の取りつけを検討してみたいと示唆されましたけれども、具体的にその結果が進んでいるかどうかという部分でお聞かせください。
〇及川河川開発課長 簗川ダムについてでございますけれども、事業の進捗度ということで、おおむね10とすれば、現段階は55%程度進んでおるという状況でございます。
 それと、水力発電の追加の可能性ということについてでございますけれども、企業局のほうでこれから検討するということを聞いております。
〇小泉光男委員 簗川ダムの続きは津付ダムという、しゃれではないかと思いますけれども、話では、貯水ではなく、洪水のときだけ水がたまる砂防ダムの大型のものらしいとも聞こえるけれども、今年度計上してあります14億7、600万円の工事の内容を示されたいこと、並びにこのダムの設置目的あるいは総工事費、工事期間、あるいはこの完成予定日をどのように今現在とらえているのか教えてください。
〇及川河川開発課長 本年度の工事の内容でございますけれども、本年度は、つけかえ国道397号のつけかえ道路工事が主な工事でございます。
 それと、総事業費については141億円を見込んでおります。
 それと、完成は、平成22年度にダムの検証ということで大規模事業評価専門委員会等々にお諮りして、お示しした資料では、平成33年度の完成ということで見込んでおります。
 建設の目的でございますけれども、気仙川沿川の洪水被害を軽減することを目的といたしましてつくっている治水専用ダムということでございます。
〇小泉光男委員 今の分は、津付ダムの必要性は疑問としているというところを踏まえて、ここまでにします。
 もう一つは、工藤勝博委員が先ほど取り上げました主要地方道の整備と、私は、BバイCということの絡みで意見がありますので、申し上げます。
 主要地方道の整備については、均衡ある県土の発展ということから区別なく取り組むべきだというのが持論であります。県道一戸葛巻線については先ほど聞きました。わかりました。もう一つの私の選挙区であります主要一戸山形線であります。これは一般質問で取り上げたんですが、63年前の昭和24年に、削岩機で岩盤をくり抜いて完成させた小倉隧道があります。
 ここで部長に確認しますけれども、このトンネルを通られたことがございますでしょうか。
〇若林県土整備部長 大変申しわけございません。通ったことがございません。
〇小泉光男委員 失礼しました。今にも消えそうな裸電球が、長い間隔を置いてぽつりぽつりとあって……(「幽霊が出るな」と呼ぶ者あり)そうです、古くから、その地元ではそういうふうに言われております。
 その主要ということで広辞苑で引きますと、おもだって重要なこととあるわけですね。重立っていて重要な道路があれかと通るたびに切ない思いに駆られるわけでございます。
 次でございますね。県は、土木費あるいは道路橋梁の維持費などでたくさん計上していますけれども、こういったように63年間も、幽霊が出るような、あるいは、もちろん車もすれ違えないんですが、この改良を後回しにするのに、大体今は、きょうも話が出たんですが、BバイCなる言葉を用いて、投資効率とか経済効果と言って納得させようとします。しかし、この言葉は、適切な表現ではないんですけれども、過疎地、僻地に住む者は、泥水をすすって草木の根を食べて暮らせ、嫌ならその地域を捨ててまちに出ればいいという意味に私は聞こえるんですよ。
 このBバイCを持ち出して今後も県の行政をしようとする限り、地域間格差はますます広がっていく。それも経済的合理性の名のもとに、特に県北や沿岸が加速度的に置かれていく、見捨てられていくというふうになるんだと私は声を大にして言いたいと思っているんですね。ここを若林部長の意見を聞いて私の時間とします。お願いします。
〇若林県土整備部長 できるものであれば道路は2車線であればいいなというのは、皆さんが考える思いだと私も受けとめております。
 ただ、近々、やっぱり投資額が限られた中で、要望箇所は多いという中で、どこを優先すればいいのだという全県的に見たときの視点も、これ一つ必要であるということで、公共事業評価という制度を取り入れたところであります。
 その中にあって、必要性とか効率性とかいろいろな中で、一つの指標というか判断の点数をこうやるわけですけれども、その中で費用対効果と。費用対効果というのは、いろいろなところで今、経済性の部分で、きのうも小泉委員はコストパフォーマンスというお話をしておりましたけれども、やっぱりその部分を少しは考えなければいけないのではないかということで、公共事業評価の中で今そういうことで進めている。
 ただし、やはりそれであっては、先ほど委員が御指摘のとおり、差は広がる一方であろうと。ただ、そういう中にあって、一応岩手県では過疎地、特に県北とか沿岸に優位なような補正係数は掛けて、その上で土俵に上げているということはあります。ですから、そこの部分はいろいろな意味で加味している部分はございますけれども、そういう中で、公共事業評価の中でどれを優先していくかということで、今、BバイCが一つの指標になっているという御理解をいただいて、必要なものは着実に進めていきたいと考えております。
〇小泉光男委員 もう一言だけ。
 先般、関西の友人を連れてその小倉トンネルを通りました。感想が、世界遺産の石見銀山の坑道よりひどいなと言われました。おまえはここの県議かということで、私は、おまえは何をやっているんだというように聞こえたわけですよ。非常に悔しかったというところをぜひ皆様にお伝えして、終わります。
〇斉藤信委員 簗川ダム、津付ダムにかかわって、関連してお聞きします。
 簗川ダムは7億円余の来年度予算がついていますが、ダム本体工事、これはどういう中身の、どういう額の予算になっているか、ダム本体工事の分はどうなっているか示してください。
 それと、津付ダム事業は、これは津波災害を受けて、ダム本体を見直すとなっているわけですよね。国に検証を求めていないわけですよ。そこをはっきりしないで、平成33年までにできますなんていう答弁をやってはだめだと思いますよ。私は、この経過はもっと正確に、これはもう見直すということになって、今本体は休止でしょう。
 それと、つけかえ道路は、これは途中で中断するわけにいかないから今回も予算が出ていますけれども、つけかえ道路関係の事業費はどれだけ残っているのか示してください。
 最後ですが、これは私、部長に聞きたいけれども、簗川ダム事業は、つけかえ道路がもう大体できた段階で、本来これは見直す、せめて凍結をして、事業費や人材、技術者を復興事業に回すべきだと思いますよ。来年度5億円以上の事業が106件提案されると。もう既に設計技術者もいない、職人もいない、こうなっている中で106件のこういう事業が来年度提案されるんですよ。私は、不要不急のこういう事業というものは、やっぱり見直す、先延ばしする、そういう手だてをとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇及川河川開発課長 簗川ダムに関してでございますけれども、今年度の事業内容といたしましては、つけかえ国道、県道の工事、それと環境調査などの継続調査、そして本体の実施設計ということで9、000万円ほど計上させていただいております。
 それと、津付ダムについてでございますけれども、つけかえ国道の残事業費については、つけかえ国道397号の全体事業費約37億円に対しまして、平成23年度までに約38億円を執行しておりまして、平成24年度以降、35億円となっているところでございます。
 それと、東日本大震災津波の被害を受けましての状況でございますけれども、東日本大震災津波によりまして、陸前高田市街地が大きな被害を受けたということで、ダム検証時点の社会状況と大きく変化したということでございます。陸前高田市の復興に係る事業の具体的な計画が今後出されるものと思われますけれども、それを踏まえて、気仙川の治水対策について再検討するということで、現在進めております。
〇若林県土整備部長 簗川ダムでございますけれども、昨年、一昨年と内陸部でも大分頻繁に洪水被害が発生しております。簗川流域につきましては、現況治水安全率10分の1という形になっております。盛岡近郊ではその川だけが10分の1という形になっておりますので、必要性があると判断しておりますので、粛々と事業を進めてまいりたいと思います。
〇佐々木茂光委員 いよいよ最後になりましたので、もうしばしの間、お時間をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 震災から1年がたって、岩手県の道路も、復興道路、それから支援道路、いろいろな形で急激に道路整備が大きく進んでいくわけなんですが、その点についてどのようにとらえているのか、まず最初にお聞きしたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 今回の震災を踏まえまして道路整備が進むことについての考えということでございますけれども、県では、今回の震災を受けまして、三陸縦貫自動車道を初めとする規格の高い道路が、救急医療、避難、救援などに際して、命の道として極めて重要であると考えまして、復興道路という形で名づけて国のほうに強く要望してきたところでございます。
 その復興道路を核といたしまして、それを補完する復興支援道路、復興関連道路というものもあわせて整備することによりまして、岩手県の安全で安心な道路ネットワークが進むということで認識しているところでございます。
〇佐々木茂光委員 今回の道路整備は、ある程度、格付されるまでいろいろ国とのやりとりもあったかと思うんですが、それは、この路線等については、あくまでも県のほうからの申し出の中での国土交通省との相談だったのかどうか、そこをちょっとお尋ねしたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 ただいまの御質問は復興道路についてのお話だと思いますけれども、県のほうでは、災害に強い高規格道路による幹線道路ネットワークの構築を被災地の復興に必要不可欠なものと考えまして、高規格幹線道路であります三陸縦貫自動車道、八戸久慈自動車道、東北横断自動車道釜石秋田線の3路線と、地域高規格道路であります三陸北縦貫道路、宮古盛岡横断道路の2路線を復興道路と位置づけまして、その必要性を発災後の早い時期から国のほうに要望してきたところでございます。
〇佐々木茂光委員 震災後、先ほど来、先輩の議員の方々からもずっとお話がありますように、沿岸部はどうしても今までも内陸と沿岸部との、格差という言葉は私は余り好きではないんですけれども、やはりそういう地域的な差がある程度あったわけでありまして、今回、震災を受けたということで、ますます沿岸部はまさに壊滅状態で、格差どころでないぐらいの状況に置かれたわけです。
 復興道路に関連するそういった道路のとらえ方というものは、地域にとっては最高のチャンスと、逆に私たちは新しい町をこれから積み上げていく。そして、沿岸部の置かれている立場というか、経済的な面での岩手県沿岸部の役割というものが、この道路がある程度大きく進むことによって、岩手県の中でも、そういった意味ではかなりバランスをとれるところまでは立ち上がれる一つのチャンスかなと、道路というものは私たち沿岸の地にいる者はそのようにとらえております。今までもいろんな角度から道路の要望はあったかと思いますが、今まで言うように、BバイCとかいろいろありますけれども、そういった感覚の中で物をとらえたときに、今が私たちにとっては本当にジャンプするいいときじゃないかと実は考えております。
 復興道路の起工式が田野畑村で─私は岩手県陸前高田市の県境のところに住んでいるものですから、あそこから、そういう御案内があったものですから、これは、速いところよりも45号線をとにかくひたすら走ってみようということで、今までもそういうところは走っておりましたが、今回は、要は信号機も何もないんです。そういった中で、パトカーを2台追い抜きながら─パトカーも要するにとめることはないんです。パトカーの気持ちもわからないわけではないんですが、パトロールカーはあくまでもパトロールなんです。だけど、私たちはそれを使う、先に行く人なんです。だから、後ろからずうっとついていったら、パトカーは逆によけてくれました。
 そういう中で、2台を追い抜きながら、起工式のときには田野畑村まで行きました。そのときには3時間、160キロメートルありました。追って、今度は久慈市で、リアス・ハイウェイというか、決起大会のようなものがありまして、それにも参加させていただきまして、そのときは210キロメートルで4時間かかりました。これは、要は信号機もないし、走れるぐらいどんどん走っていったから、恐らくそのぐらいの時間で、私も、どのぐらいのスピードで行けるかなという思いもあって大分急いでは行きましたけれども、そのときに一緒にいた方が、これだけの距離を走ってきました、何とかしてくださいねというお話をしましたところ、距離は詰めることはできないけれども、時間は少なくとも短縮することができますよと。これぐらいうれしいこともなかった。
 だから、そういった意味で、道路の役割というのは、まさに私たち地方というか、岩手県も地方だからですけれども、沿岸部の置かれているところから見ると、内陸のほうにいかに短時間でタッチできるか、行き来できるかということなんです。今、沿岸部がそのような状態の中で、知事もいつも言われるように、内陸のそういった町がどんどん動き出すことによって沿岸部を引っ張り出すんだと。そうすることによって、沿岸部の復興なくして、まさに岩手県の復興はないということを声高らかに確かに話しております。私は、まさにそのとおりだと思うんです。陸前高田市のみならず、この沿岸部は、今それに向けたまちづくりをしているわけです。
 これは別に演説でも何でもないんですけれども、ちなみに、たしか、10年で道路はできますという話を当初されておりましたが、具体的には大体どの辺を完成年度というか、大体供用できる年度になるのか、まずお示し願いたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 復興道路につきましては、本県に係る計画延長は393キロメートルとなっております。その完成時期につきましては、昨年7月に国土交通大臣が、おおよそ10年を目途に完成させたいという発言があったところでございます。
〇佐々木茂光委員 道路の重要性というのは、恐らく、こちら内陸にいる人たちも確かにそれはわかっていると思います。そういった中で、公表された地図をずっと見ていますと、実は、気仙管内にそのたぐいの道路がない。ずうっと見ていると点線か何かになってくるのかなという思いがあって見ているんですけれども、一向にそういった話もない中で、格づけをするときに、岩手県のほうが国土交通省と話をするときにでも、では、この際だから気仙管内にも1本入れようじゃないかという話がなかったのかどうか、まずそれをお聞きしたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 先ほど申し上げましたけれども、復興道路のほうは高規格幹線道路と地域高規格道路という位置づけにしております。それで、気仙地区の物流の円滑化や観光振興を図る上で、規格の高い道路による横断軸の整備というのは非常に有効と考えているところでございますけれども、東北横断自動車道釜石秋田線のような高規格幹線道路につきましては、全国で1万4、000キロメートルの高規格幹線道路網計画が決定されておりまして、新たにその中に位置づけるというのは現時点では難しい状況にございます。
 それから、宮古盛岡横断道路のような地域高規格道路につきましては、国では、その整備に係る長期的な目標を6、000キロメートルから8、000キロメートルという形で位置づけております。現在、全国で186路線、約7、000キロメートルを計画路線として指定してございまして、これに加え、候補路線として110路線が指定されているという状況でございます。そのような状況からいきますと、地域高規格道路につきましても、新たな指定を受けるということは現時点では難しい状況にあるということで、現在指定されております県内の区間のものにつきまして、復興道路という形で国のほうに整備を要望したところでございます。
〇佐々木茂光委員 大事なのはそこだと思うんです。例えば、そういう制度の中で、私たちも、いろんな自分たちの持っている路線を岩手県全体の路線整備の中で取り上げてもらっているわけです。私が言いたいのは、岩手県の全体の中で考えたときに、国の制度はこうですよとみんな出てくるのは当たり前なんです。そのときに必要と思わなかったかどうかです。まず最初にそれを聞きたいと思います。必要性を感じなかったかどうか。
〇高橋道路建設課総括課長 地域高規格道路のほうの、今、県で指定されているところがあるわけですけれども、それに先立ちまして広域道路整備基本計画というものを岩手県でつくっております。その中で、交流促進型広域道路ということで、地域高規格道路の前段となるといいますか、少し交流促進機能を高めた道路というものをどこに設定していくかというものを決めております。その中で内陸と沿岸を結ぶ、気仙地域におきましては国道284号を交流促進型広域道路と位置づけているところでございます。
〇佐々木茂光委員 国道284号は気仙沼を回って一関市まで行く。あのルートでこっちの沿岸部から行くと1時間半かかるんです、道路的には。今、私だけのことを考えると、盛岡市に来るのにも2時間半ちょっとかかるんです。距離的には盛岡市までは100キロメートル、一関市までは60キロメートルあるんです。だから、何というのか、さっきも言うように、それを話をしていくとあれなんですが、今度、平泉の世界遺産が出ました。そして、これだけ道路の規格が上がって位が上がってくると、かなり高速で移動ができます。岩手県をぐるっと回って最後は平泉に入れる、このコースが設定できるかもしれない。また、平泉から入って沿岸部を回りながら八戸市周辺、久慈市周辺まで行けるかもしれない。そういうコースを考えたときに、物流のみならず、これからの世界遺産を岩手県がどう活用して、いかにしてそれを効率よく自分たちの財産にしていくかということを考えると、まず、その道路というものは必ず必要になってくる。いかに短時間で移動させるかという道路なんです。その規格の中でいろいろ名称があって、この路線は何事業、この路線は何事業とあるかもしれないけれども、岩手県を考えたときに、私が言っているのは、沿岸部の今の置かれている状態が、町ができ上がったときに道路ができ上がる。そのときにおれたちはそこまで上がられるんだぞというものが道路の大切なところなんです。私は、それを国土交通省との話し合の中で決めるときにその話が出てほしかった。何でここがないんですかと。この間、知事と、点線だけでもいいから書いてくれないですかと。これは本気になって考えないとだめだと私は思います。私たちは沿岸部の一番南です。東北自動車道があって、最終的には三陸縦貫自動車道がある。それを、岩手県の中をこういうふうにして渡り通せるということです。その道づくりをまず考えていただきたい。
 それで、気仙の地から平泉には金が行っているというのは御存じだと思います。やはりそういう歴史を踏まえたらば、この際、あそこにどっと、よし、じゃ、1本引いてみましょうかと。要するに、全体の道路ができるまでは10年、被災地も立ち上がるのに10年と言っています。そう考えたら、その時点で道路ができ上がってもらえば、まさに沿岸部も立ち上がれるんです。そういったところを考えて、もう一度、ここですぐ引きますということもないと思いますけれども、今、私が言わんとすることに対してどのように考えられたか、部長にしますか。
〇若林県土整備部長 今、佐々木茂光委員からお話があったのは気仙の熱い思いと受けとめましたが、気仙に107号、397号、343号、284号と4本あって、それぞれがやはり大事だという話をいただいています。つまり、当面、緊急的に使わなければいけないのは、今、我々がやらなければいけないのは、高規格幹線道路網をとにかく早く整備しようという発想をいたしました。よって、今ある認定されているものについて10年といわずに、とにかく復興に使いたいので、3年間で重点投資して、5年でやってくれというお願いをずっとしてきたわけであります。それが、今、何とか10年でいこうかという話になっています。それをまずとろうと。それが一番現実的に国からとれた、国を説得できた要件だと思います。
 さて、それでは県は何を考えるかというと、そこで補完するといいますか、そこで拾い切れなかったルートについて復興支援道路と位置づけて、これから、社会復興枠だとか復興交付金事業計画の中で、その財源で幾らでもとにかくやりましょうと。つまり、今の284号でいくと、室根バイパスをとにかく進めましょうとか、397号でいきますと、津付道路とか分限城とか、そういうところを進めましょうという形で今考えているところであります。これが一番現実的な路線かなと思いまして、そのような形で進めさせていただいております。
〇佐々木茂光委員 今、部長のほうからもお話がありましたけれども、284号にかかわるような道路は、私たちにしてみれば、あれは生活道路なんです。だから、私が求めている道路というのはそれよりもランクを上げた、短時間で移動できる道路ということなんです。まさに皆さんは土木技術のそういう専門分野の方々だと思いますが、本来の道路というものをどのようにとらえて、技術屋とすれば、やっぱりこういう道路をつくりたい、ああいう道路をつくりたいという思いは強くあると思います。ただ、それもいろんな地域の制約、予算の制約の中でかなり苦労して道路をつくられていると思いますが、皆さんが求めている道路というのをこの岩手県の中に何とかしてつくろうじゃないかと。それも新しい大きな復興の兆しだと私はとらえております。先ほど来言って、道路はどこにでもあったほうがいいというのは、みんな当然そうなんです。ただ、私たちの生活の道路でない新たな道路を、復興の兆しにできるような道路計画を何とか織り込んでいただきたいという思いでございますので、今、部長からお話しいただきましたので、私からはその思いを伝えて終わりにしたいと思います。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑はないようでありますので、これで県土整備部関係の質疑を終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、総務部長に、防災計画の見直しを初めとした原子力事故に対する本県の対応に関し説明を求めます。
〇加藤総務部長 防災計画の見直しを初めとした原子力事故に対する本県の対応についてでございますが、過日の答弁を整理した上で、改めて説明申し上げます。
 国におきましては、今回の福島原子力発電所事故を踏まえ、防災基本計画や原子力防災に関する指針の見直しについて検討が進められているところでございます。その中で、原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲についてもさまざまな議論が交わされているところでございます。この範囲が設定されるに至れば、地域防災計画に原子力災害への対応を盛り込まなければならない地域が固まってくるという段階にございます。
 原子力災害につきましては、県におきましても問題意識を有しておりますものの、県におきましては必ずしも十分な知見を有していないこと、また、県のみの対策を講じようとしてもままならない面もございますことから、国の検討内容をよく理解し、見きわめながら、県としてとるべき対応のあり方を考えていく必要があると考えております。今後、地域防災計画の不断の見直しを進める中で、原子力災害に係る適切な対応に努めていく所存でございます。
 以上でございます。
〇喜多正敏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇久保孝喜委員 結局、今回の地域防災計画には盛り込まないという結論だけが鮮明になったわけですけれども、私の総括質疑の際の知事の答弁には、他県の実例なども含めて十分検討していくという考え方が示されましたけれども、きょうのこの報告にあった結論に至るまで他県の実情についてはどのように分析、評価をされたのでしょうか。
〇加藤総務部長 過日の知事答弁、他県の実情等もよく分析あるいは検証もしながらということにつきましては、今回の見直しもさることながら、今後、どういう対応をとっていくかという中での対応についての答弁かと存じます。
 また、結論といいますか、今回、対応を整理しておりますが、その過程におきましても他県が─原発立地県あるいは近接する県、所在していない県、そういったところも含めまして─どういう規定を盛り込んでいるか、また、その内容が、現下の原子力発電所事故等を踏まえまして十分なものであるかどうか、適切な対応であるかどうか、そういったことにつきましては、私どももその内容を取り寄せまして十分精査いたしまして、今のこの段階におきましては、国の対応も含めまして、改めて対応を整理することが適当であろうと判断したところでございます。
〇久保孝喜委員 私も、限られた情報ソースの中から他県の動きなども見ていますけれども、現実に岩手県がやっている放射線対策の全体像が防災の計画の中にきちんと盛り込まれているわけです、除染の問題やら、測定の問題やらを含めて。これが災害対策でないという感覚が私にはわからないわけですけれども、そういう観点から言うと、これから先、今回の見直しで盛り込まないとしても、しかし、他県の実例にあるように、追いかけて原子力災害対策編みたいなものを別冊で出していくとか、さまざまな手法は国の動向を見た上でも可能なことはあるのだろうと思いますが、その辺の認識についてはどうでしょうか。
〇加藤総務部長 今回、地域防災計画を見直すに当たってもさまざまな検討の機会を設けてまいりました。手順を踏んでやってまいりました。その中で、原子力災害につきましては必ずしも議論を十分詰めることができておりません。そういった手順も踏む必要があると考えております。
 また、先ほども答弁いたしましたし、知事のほうからも過日答弁させていただいておりますが、地域防災計画につきましては、ある意味、完成形というか、これで完成で、あとはもう直す必要がないという状態というのはあり得ないというか、ないであろうと思っております。不断の見直しが必要だと考えておりますので、こうしたものにつきましても、さまざまな知見、さまざまな状況等を踏まえまして幅広く検討してまいりたいと思いますし、そういった状況が整えば、この問題とは限らず、いろんな災害事象等を含めてということでございますが、地域防災計画をいいものに直していくということはあってしかるべきでございますし、また、それを、ゆっくりやるというわけではございませんで、適時適切に対応してまいりたいと思っておりますので、そういう中で、この問題につきましてもきちっと対処してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 最後に申し上げたいと思うんですが、過日の総括質疑の際の答弁を私はもう一回見直してみましたけれども、やっぱり気になる点は幾つかあるんです。つまり、総務部長答弁の中からは、今回のような放射線対策も含めて、原子力災害そのものに対する認識が極めて薄いなという感じを、改めてこの答弁書を見ると感じたりしたものですから、この先どうなんだろうという懸念といいますか、不安が私の中ではちょっとあったということがございます。
 今回の放射線対策でも一番問題だったのは、県内に確かに原発はないけれども、しかし、一たび事故が起きると、何百キロメートルも離れたところに深刻な、しかも長期にわたる災害が発生するんだということを私たちは体をもって体感したわけです。実感したわけです。そういう経験を、これから先の行政計画の中にきちんと盛り込んでいくというのは極めて当たり前の姿だろうと私は思ったものですからお聞きしましたし、今なお盛り込むべきだということを申し上げているということを、一関市、県南地域を含めて放射線によって過酷な条件下に置かれている方々のことを私たちはしっかりと見て、これを岩手の計画の中にこの先もしっかりと盛り込むことを強く要求したいと思います。
〇斉藤信委員 今の総務部長の話を聞いて、根本はどこに問題があるかというと、岩手県の復興計画の中に、そもそも東京電力福島第一原発事故に対する対応が柱としてなかったんです。個別のところにはあったけど。だから、今度の原発事故への対応が一つの重要な県政の課題として位置づいていなかったのではないか、私は一つそれを感じます。
 それと、福島第一原発が事故を起こしたんですけれども、岩手県の隣には女川原発がある、青森の六ヶ所がある。女川なんかはあと一歩だったんです。首の皮一枚で事故にならなかった。女川で同じようなことが起きたら、まさに岩手県は丸々大変重大な、県民の避難も強いられるような状態になったと思うんです。
 そういう意味からいくと、今度の事故というのは世界を揺るがした。あの事故でドイツもスイスも原発をやめたんです。いわば、世界にそういう衝撃を与えた事件だった。福島原発からたった250キロメートルしか離れていないこの岩手で、あの原発の被害の実態や教訓をどう踏まえて今後の防災計画に生かすかというのは、余りにも当然の課題ではないのかと。
 まず最初に、世界を揺るがした事故、岩手県内にも大きく被害を与えたこの事故について総務部長はどういうふうに受けとめているのか。
〇加藤総務部長 原子力発電所の事故につきましては極めて重大な問題だと認識しておりますし、また、本県への影響も多大なものがあったと考えておりますし、これにつきまして、県政におきましても非常に重い課題であるという認識でございます。
 放射線影響対策あるいは事故を受けた県としての対策につきましても、柱立てというお話がございましたが、それは非常に大きな課題であると私も認識しておりますし、県におきましてもそういう位置づけでございます。そういうこともございまして、知事を本部長とします本部を立ち上げまして、それに基づきまして県としての方針を整理した上で対策を講じているということでございます。
 防災計画あるいは復興計画とはまたちょっと枠組みは別にしておりますが、位置づけはしっかりしていると思っておりますし、また、県政における課題としても大きなものであると受けとめて対応しているということでございますので、御了承いただければと思います。
〇斉藤信委員 御了承いただける中身じゃないんです。私は、今度の原発事故の災害、影響についてしっかりした受けとめが弱かったと思います。それが復興計画の中にあらわれた弱点だったと思います。
 防災計画にどうこれを盛り込むかというのは、総務部長が図らずも言ったように、十分な知見を有してない、国の検討内容を踏まえてと。これはこれで理由のあることです。しかし、国の対応が全く後手後手なんです。私は、国の対応なんかを待っていたら、本当にこれは岩手県の対策がおくれてしまうのではないかという感じがします。
 東京電力の原発事故は現在も進行形です。被害は拡大している。岩手県だって牧草の汚染は11市町村、1万ヘクタールでしょう。盛岡市玉山区まで及ぶというような中で、一つは、この課題をしっかり位置づける。防災の課題、災害対策の課題に位置づけるということが必要ではないのかと。
 そして、手法としては、久保孝喜委員も言ったように、地震の場合の震災編ということでやったんですよね。だから、原発事故編というのは当然あると思います。そういうことも含めて、県として、やっぱりこれは独自の検討、対策を、国待ちにならないで、ある意味でいけば国と並行してやるべきじゃないでしょうか。
〇加藤総務部長 二つあるかと思うんですが、放射線影響対策、あるいは本県におきましてもいろいろ影響をもたらしておりまして、それに対する対策が必要だということにつきましては、先ほど申し上げましたような枠組みでいろんな施策を打っております。これにつきましては、国の対策を待たずに、やるべきところは対策を講じているということでございます。
 それとは別に、原子力災害事故が本県に及んだような場合の対応ということにつきましては、地域防災計画の対応も含めまして、どうするか、適切な対応を検討していきたいということでございます。また、それにつきまして国の対応も待たずということがございました。物の内容にもよるわけですが、これにつきまして、いろいろ国のほうで大きな枠組みもございまして、それを受けないと、さまざまな部分、検討が煮詰まらないところもございます。形だけということであれば、ある程度のことは盛り込めるのかもしれませんが、よしんばそれをやったとしても、また国のそういう整理がついた暁には、再度整理し直す必要があるということでございますので、ここは、一たんちょっとそこを待った上できちっと整理して、しっかりとした対応を考えたいということでございます。
〇斉藤信委員 これで最後にしますが、きょうは防災計画の見直しにかかわってですから、ここに限って私は話したいんだけれども、福島原発事故の教訓を踏まえて岩手県が対応すべきは女川原発、六ヶ所対策です。ここで事故が起きた場合のほうが岩手県の場合には影響が大きいわけだから、そういう意味でいくと、当然これは今から検討していかなくちゃならない。
 例えば、青森県議会では特別委員会を設置して、毎議会、六ヶ所の原燃問題をやっているんです。岩手県は、原発が立地してないというだけで、何のそういう検討も議論の場もない。しかし、距離的に見たら余り変わらないんです、六ヶ所と青森、岩手の距離というのは。だから、そういう意味でいけば、私は、そういう視野でしっかり女川、六ヶ所対策というのを位置づけて、実際に事故が起きたわけだから、六ヶ所や女川で起きた場合にどうするかというのは検討の課題にしてしっかり取り組んでいただきたい。
 そして、東京電力の賠償に対する対応は本当にひどいですね。農林水産部で聞いても、1月末までのものを4月末までにやるなんて、こういうふうになっているわけだから、私は、岩手県もそういうきっちりした立場で東京電力にも行政としてもどんどん物を言っていく必要があるのではないか、このことだけ聞いて、終わります。
〇加藤総務部長 検討につきましては、国が全部出してから、そこからやるということではございません。当然、さまざまな動きなり議論の動向なりはきちっとこちらもフォローといいますか、そこはきちっと確認したり、その上で、どういう対応がいいのだろうかという検討なり整理は時々刻々と進めていきたいと思っておりますし、今現在も、そういったことにつきましては資料等あるいは議論の流れはきちっと追っているということでございます。
 東京電力に対する賠償請求につきましては、県、行政としての被害もですし、また、民間被害に対してもきちっとした適切な賠償額が得られますように、これにつきましてはしっかりとフォローしてまいりたいと思いますし、できるだけ正当な賠償額を得られるように努力してまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで防災計画の見直しを初めとした原子力事故に対する本県の対応に関する質疑を終わります。
 執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました議案35件についての意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において世話人で協議の上、その結果を待って、委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後5時53分 休 憩
午後10時2分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました議案35件について、世話人で協議した結果を御報告申し上げます。
 議案第1号平成24年度岩手県一般会計予算については、次の意見、すなわち、平成23年3月11日の東日本大震災津波は、これまでに経験したことのない大災害となり、多くのとうとい命と財産を奪った。
 発生から1年が経過した現在も、被災地を取り巻く環境は厳しい状況が続いており、また、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、本県全体にさまざまな影響を及ぼしている。
 平成24年度は、震災からの復興を軌道に乗せ、加速させる復興元年とし、復興計画に掲げる、いのちを守り海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の実現に向けて全力で取り組んでいく必要がある。
 このような状況を踏まえ、被災地の一刻も早い復旧、復興を実現するため、雇用の確保をも視野に入れた迅速かつ確実な予算執行、早期の事業着手に努めるとともに、被災地のニーズ等を十分に把握した上で、被災者に寄り添い、市町村、国と一体となって、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生に向けた施策の強力な推進及び県民生活や産業分野など各般にわたる放射性物質による汚染対策の強化を図り、あわせて、国に対して、適時、適切な支援措置を講ずるよう、さらなる支援要請に努められたい。
 また、震災からの復興は、岩手全体の復興である必要があることから、いわて県民計画第2期アクションプランに盛り込まれた、人口の社会減の歯どめ、県民所得水準の国民所得に対する乖離の縮小、雇用環境の改善、地域医療の確保、さらには再生可能エネルギー導入の促進等、本県が直面する喫緊の課題の克服に向けた取り組みを推進し、内陸地域と沿岸地域が一体となった地域経済の力強い再生を図り、県土の均衡ある発展が実現されるよう、一層の努力をされたい。
 一方、復旧、復興に向けた取り組みには多額の財源が必要と見込まれる中、公債費が今後数年かけて増大していくことから、今後の財政運営は、これまでに増して非常に厳しい局面を迎えることが見込まれる。
 県は、いわて復興元年予算として、当初予算としては過去最大規模となる1兆1、000億円台の予算編成としたところであるが、このような厳しさを増す財政状況を踏まえ、今後の行財政運営に当たっては、復興を最優先としつつ、歳入確保の強化、歳出の徹底した見直しや一層の選択と集中を図るなど、いわて県民計画第2期アクションプランに基づく改革を着実に実行し、財政の健全化にも配慮した行財政運営に努められたい旨の意見を付し、原案を可とすることといたし、また、そのほかの議案につきましては、それぞれ原案を可とすることといたした次第であります。
 これより、討論を省略し、採決を行います。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇飯澤匡委員 ただいま世話人会の結果で附帯意見の案も出されたところですが、我々地域政党いわては、今回の世話人会の運営についても、第1に、そのオブザーバーの参加も認められなかったこと、それから、議会運営委員会の中で、オブザーバーの扱いについては世話人会で決められるというような結論でありましたけれども、一向にその内容についても知らされないまま、ここに至りました。
 議会の役目として、この附帯意見の中身を我々議会全体で、合議体としての責任の中で入れられないということについては、大変これは異常な事態だと思っております。
 先ほど正副委員長が我が会派に来られましてその内容を伝えておりましたけれども、何らこの委員会が再開するまでアクションはございませんでした。そういう意味も含めて、我々地域政党いわてとしては、この附帯意見の案について、加筆するところがありますので、その内容を示して、それを世話人会で再度、御協議いただきたいと思っております。
〇久保孝喜委員 私も、ただいま委員長が読み上げました附帯意見案につきましては、社民党会派として加筆修正の旨、意見がございます。世話人会としてその点を御協議いただいて、盛り込んでいただくようにお願い申し上げたいと思います。
〇飯澤匡委員 もう何回も会議を開いてというのは何でしょうから、この場で、私たち地域政党いわての加筆する内容を表明したいと思います。
 この内容については、東京電力福島第一原子力発電所の事故の件について言及されておりますが、第2パラグラフの中に、その発生原因である東京電力への賠償請求の件には一言も触れられておりません。この件については、政府に支援をお願いするだけでなく、県議会としても県を通じて、また県議会としても強力に賠償責任を追及するということは、やはり我々の意思として据えなければならないことだと思っております。
〇久保孝喜委員 それでは、我が会派の意見を申し上げたいと思います。
 この附帯意見案の中には、これまでの予算特別委員会で各委員から、さまざまに現在の復興の現状についての問題提起あるいは指摘が相次いだところであります。最近の報道でも、復興計画の中で、当初計画から15%ほどのおくれがあるということを県みずから認めているところでもありますし、瓦れきの問題を含めて復興のおくれがあるという現実を、きちんと議会として指摘をしてきたということも含めた文言を入れるべきだと思います。
 さらには、こうした復興のありようについて、県立大学が先ごろ県民の意識調査をした結果も報道されております。それによれば、第一義的には国の対応が遅い、不満であるという表明がありますが、一方で、県の復興の施策についても73%が不満を持っている、おくれているという認識を持っているという報道もなされました。
 したがって、そうした被災地あるいは県民の思いも含めた文言を、ぜひここに加えていただきたいということを申し上げたいと思います。
〇喜多正敏委員長 ただいま飯澤委員から発言がありましたが、その内容をさきに当職から申し上げた附帯意見案に盛り込むことについて採決を行います。
 お諮りいたします。
 まず、ただいま飯澤委員から発言があったことを、さきに当職から申し上げた……
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 委員長、議事進行の内容をきちっと受けとめてくださいよ。今、飯澤委員並びに久保委員が申し上げた議事進行は、加筆をした内容を世話人会の中で再度協議をして諮ってくれと言ったんですよ。いきなりその文言を修正することの可否をここで採決することが正しいですか。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇小田島峰雄委員 ただいまいろいろな意見が出ておりますけれども、私は、委員長が今読み上げました附帯意見、何ら問題ないと思っております。こうして意見が食い違っておりますので、世話人会等を開かずに、この場で採決するしかないのではないかと思いますので、お取り計らい願います。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 動議じゃないんですよ。動議だったらここで賛成か反対かとあるんでしょうけれども、附帯意見案について、案で出されているんだから、そこに意見が出されたら、それを受けるか受けないか世話人会で議論して結論を出したらいいでしょう。だったら、その採択なんですよ。
 4時間も待たせてこんなことしちゃだめだ。速やかにきちんと世話人会を開いてやったらいいじゃないですか。
〇小田島峰雄委員 世話人会を開くかどうかは委員長の権限に属することだと思いますので、委員長の考えどおりにお進めになられたらいかがでしょうか。
〇喜多正敏委員長 この際、ただいまの飯澤委員及び久保委員の議事進行について、世話人会を開き、協議いたしたいと思いますので、暫時休憩いたします。
   午後10時16分 休 憩
午後11時55分 再開
〇喜多正敏委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。当委員会の日程は3月15日までとしておりましたが、議事の都合により、3月16日まで1日延期することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 あしたの会議は、3月16日午前0時30分を目途に委員会を開催いたしますので、当委員会室にお集まり願います。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後11時56分 散 会

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