平成24年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成24年3月12日(月)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査     佐々木   誠
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    村 上   聡
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  保健福祉部長   小田島 智 弥
  保健福祉部副部長
  兼保健福祉
  企画室長     根 子 忠 美
  医務担当技監   六本木 義 光
  保健福祉企画室
  企画課長     高 橋 勝 重
  保健福祉企画室
  管理課長     細 川 倫 史
  医療推進課
  総括課長     野 原   勝
  健康国保課
  総括課長     藤 原 信 明
  地域福祉課
  総括課長     小田原 照 雄
  長寿社会課
  総括課長     岡 村 鋭 次
  障がい保健福祉課
  総括課長     朽 木 正 彦
  児童家庭課
  総括課長     奥 寺 高 秋
  医師支援推進監  今 野 秀 一

  医療局長     遠 藤 達 雄
  医療局次長    佐々木   信
  参事兼職員課
  総括課長     佐 川 義 明
  経営管理課
  総括課長     大 槻 英 毅
  医事企画課
  総括課長     及 川   秀
  業務支援課
  総括課長    村 田   健
  薬事指導監    松 川 幸 市
  看護指導監    村 山 和 子
  医師支援推進監  千 葉 雅 弘

  医師支援推進室長 川 上 裕 二

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇喜多正敏委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第27号から議案第32号まで、議案第34号から議案第37号まで、議案第42号、議案第45号、議案第48号及び議案第49号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇小田島保健福祉部長 平成24年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
 最初に、平成24年度予算編成に当たっての当部の基本的な考え方でありますが、岩手県東日本大震災津波復興計画に全力で取り組むとともに、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けて、第2期アクションプランに基づいた施策を着実に推進する予算として編成したところであります。
 まず、復興計画に掲げた復興の基盤となる取り組みの迅速な実施の一つであります暮らしの再建のため、保健・医療・福祉の分野においては、災害に強く、質の高い保健・医療・福祉の提供体制の整備及び健康の維持・増進、こころのケアの推進や要保護児童等への支援について、地域コミュニティの分野においては、地域コミュニティの再生・活性化について、重点的に取り組んでいくこととしております。
 災害に強く、質の高い保健・医療・福祉の提供体制の整備については、早期に体制整備を図るため、医療施設等の機能回復や移転・新築への補助、看護職員の確保に向けた支援を初め、保育所や老人福祉施設等の社会福祉施設の早期復旧への補助や、必要な介護サービス等の提供体制の整備などに取り組んでまいります。
 健康の維持・増進、こころのケアの推進や要保護児童等への支援については、被災者の心身の健康を守るため、県こころのケアセンターの設置を初め、被災地を巡回しての健康相談や、保健指導等の実施や被災市町村の保健活動や住民の自主的な健康づくり活動などを支援するとともに、保護を必要とする子供の養育支援などに取り組んでまいります。
 地域コミュニティの再生・活性化については、被災世帯の生活の復興のため、県社会福祉協議会が行う被災した低所得世帯への生活福祉資金の貸し付け及び各種相談員の配置に要する経費の補助などに取り組んでまいります。
 次に、復興計画と軌を一にしたいわて県民計画の着実な推進のため、岩手の未来をつくる7つの政策の一つであります医療・子育て・福祉縲恚、に生きるいわての実現縲怩ノ向けて、地域の保健医療体制の確立、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備、福祉コミュニティの確立の三つの政策項目に重点的に取り組んでいくこととしております。
 政策項目の一つ目、地域の保健医療体制の確立については、まず、地域の医療の基本となる医師等の養成、確保を図るため、奨学金等による計画的な医師の養成、臨床研修医の確保、定着の促進及び病院勤務医の負担軽減など、医師の勤務環境向上や処遇改善などの取り組みを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るほか、看護職員志望者の拡大や看護職員が働きやすい職場環境づくりなどに取り組んでまいります。
 また、質の高い医療が受けられる体制の整備を図るため、平成24年度早期にドクターヘリの本格運航を開始するとともに、周産期電子カルテの導入など、医療情報連携の拡充による周産期医療体制の整備を推進するほか、小児救急医療遠隔支援システムによる小児救急医療体制の充実や、地域保健医療体制の確立のための保健医療計画の見直しなどに取り組んでまいります。
 また、子宮頸がんワクチン等の予防接種を促進するため、引き続き接種費用を全額公費負担とする市町村の事業実施に要する経費の助成や、新型インフルエンザ患者の受け入れに当たる医療機関の設備整備の支援など、感染症対策の推進に取り組んでまいります。
 また、生活習慣病予防等を推進するため、シンポジウムの開催や健康いわて21プランの最終評価を行うための県民生活習慣等実態調査の実施など、県民の健康づくりに取り組んでまいります。
 政策項目の二つ目、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備については、安全・安心な出産環境の充実を図るため、引き続き市町村の妊婦健康診査事業の実施に要する経費を助成するとともに、安心して子育てができる環境づくりを推進するため、保育所における延長保育、休日保育及び病児・病後児保育などに要する経費の補助を初め、保育所整備の促進やサービスの質の向上のための研修の実施や放課後児童クラブ等の活動の支援など、子育てに優しい環境づくりを進めてまいります。
 また、子供の健全育成を支援するため、児童虐待の未然防止や早期発見、職員研修や対応力向上のための体制強化など児童虐待防止対策の推進を初め、新たに身体障害者手帳の交付対象となっていない軽度・中等度難聴児に対して、補聴器購入に係る費用を助成することにより、乳幼児期から学齢期における言葉の獲得やコミュニケーション能力の向上を支援するほか、障がい児のニーズに対応した質の高い療育が受けられるよう、県内の障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備などに取り組んでまいります。
 政策項目三つ目、福祉コミュニティの確立については、地域福祉活動コーディネーターの育成などの住民参加による生活支援の仕組みづくりなどを推進してまいります。
 また、新たに介護保険料の大幅な上昇を緩和するため、介護保険財政安定化基金の一部を取り崩して市町村への交付等を実施するほか、引き続き、認知症疾患医療センターにおける専門的な医療機能の充実や、御本人、御家族への相談支援など、高齢者が住みなれた地域で生活できる環境の構築に取り組むとともに、障がい者が希望する地域で安全・安心に暮らせるよう、精神科救急情報センターの相談窓口での24時間365日対応や、障がい者虐待防止、権利擁護研修の実施などを初め、障がい者の地域定着のための支援など、障がい者が必要な支援を受けながら安心した生活ができる環境の構築に取り組んでまいります。
 また、安全・安心のセーフティネットづくりのため、各市が実施する生活保護就労支援相談員の設置や生活保護受給者の就労体験等の事業に要する経費の補助や、住居を喪失した離職者等への住宅手当支給による就職活動の支援などに取り組んでまいります。
 また、自殺対策の充実を図るため、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを総合的に推進してまいります。
 以上が、平成24年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成24年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開きいただきたいと思います。
 当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費953億2、400万円余のうち、2項県民生活費と5項災害救助費の一部を除く847億7、500万円余と、次のページの4款衛生費1、355億4、700万円余のうち、2項環境衛生費を除く163億4、400万円余と、9ページに参りまして、11款災害復旧費3項保健福祉施設災害復旧費44億8、500万円余と、12款公債費1、226億500万円余の一部100万円余と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、3項公営企業負担金の一部を除く294億7、100万円余であり、合わせますと1、350億7、800万円余の予算額となっております。これを、平成23年度当初予算と比較いたしますと55億8、100万円余の増、率にいたしまして4.3%の増となっております。平成23年度当初予算は、当初と6月定例会を足したものでございます。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明を申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の104ページをお開きいただきたいと思います。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に御説明させていただきますので、御了承いただきたいと思います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、説明欄の上から7番目、社会福祉活動推進費は、社会福祉活動の育成助長を図るため、民間社会福祉団体に対する助成や、住民参加と住民主体による生活支援の仕組みづくりなどの取り組みを支援しようとするものであります。次の生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行う低所得世帯等に対する生活福祉資金貸付事業と、相談援助の円滑な運営を支援しようとするものでありますが、今般の大震災津波による被災世帯の生活の復興のため、低所得世帯への生活福祉資金の貸し付け及び各種相談員の配置に要する経費12億6、500万円余を含めて計上しているものであります。105ページに参りまして、説明欄下から2番目、地域支え合い体制づくり事業費のうち、高齢者サポート拠点等設置運営費補助は、応急仮設住宅等において、サポート拠点の設置や運営に要する経費など、必要な介護サービス等の提供体制の整備を支援しようとするものであります。次に、説明欄の一番下、被災市町村地域支え合い体制づくり事業費補助は、市町村が仮設住宅等に入居する要介護高齢者や障がい者等に対して実施する、専門職による相談や生活支援等に要する経費を補助しようとするものであります。
 2目障がい者福祉費に参りまして、説明欄下から6番目、障がい者虐待防止対策推進事業費は、障がい者が希望する地域で安全・安心に暮らせるよう、精神科救急情報センターの相談窓口での24時間365日対応など、虐待の防止や虐待を受けた方に対する支援体制の強化を推進しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、障害者支援施設等整備費補助は、ケアホームや多機能型事業所などの障害者支援施設等を整備する社会福祉法人等に対して、施設・設備の整備に要する経費の一部を補助しようとするものであります。106ページに参りまして、説明欄下から2番目、障がい福祉サービス復興支援事業費は、社会福祉法人等に障がい福祉復興支援センターの設置運営を委託し、障がい福祉サービス事業所等へのアドバイザー派遣などの業務支援を行おうとするものであります。
 3目老人福祉費に参りまして、説明欄下から7番目、認知症対策等総合支援事業費は、認知症への適切な対応を図るため、認知症疾患医療センターの設置や相談支援、かかりつけ医研修等を実施するとともに、認知症施策の推進について検討するための会議を設置するなど、総合的な認知症支援体制の構築を推進しようとするものであります。次に、説明欄下から4番目、介護保険財政安定化対策費のうち、介護保険料上昇緩和特例交付金及び介護保険料上昇緩和支援特例交付金は、介護保険料の大幅な上昇を緩和するため、介護保険財政安定化基金の一部を取り崩して市町村への交付を実施しようとするものであります。107ページに参りまして、説明欄下から6番目、介護サービス施設整備等臨時特例事業費のうち、介護基盤復興まちづくり整備事業費補助は、市町村が地域包括ケアを推進するため、在宅サービス拠点を整備するなどの地域連携モデル事業に要する経費を補助しようとするものであります。次に、説明欄下から5番目、被災地要援護高齢者支援事業費は、被災により地域包括支援機能が著しく低下した市町村における地域包括ケア体制の確保を図るため、地域包括支援センターの業務支援、高齢者からの相談対応、ケア支援等を行おうとするものであります。
 109ページに参りまして、7目社会福祉施設費のやさわの園整備事業費は、震災の影響で工事の着手がおくれましたが、老朽化が著しいやさわの園の改築整備を行おうとするものであります。
 少しページを進んでいただきまして、113ページをお開きいただきたいと思います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、説明欄上から10番目、保育対策等促進事業費補助は、保育所における延長保育、休日保育及び病児・病後児保育などの保育対策や地域の子育て支援拠点の設置等を支援しようとするものであります。次の地域子育て活動推進事業費は、市町村が行う放課後児童クラブ等の児童健全育成のための取り組みを支援しようとするものであります。次に、中段の難聴児補聴器購入助成事業費補助は、身体障害者手帳の交付対象となっていない軽度・中等度難聴児に対して、補聴器購入に係る費用を助成することにより、乳幼児期から学齢期における言葉の獲得や、コミュニケーション能力の向上を支援しようとするものであります。次に、その三つ下の児童養育支援ネットワーク事業費は、児童虐待の未然防止や早期発見などへの取り組みや、職員研修や対応力向上のための体制強化を図るとともに、被災児童の被災後の生活の安定と心の健康の回復を図るため、保護者を失うなどした要保護児童の把握、被災した児童の心のケアを行うほか、親族里親等の養育者やひとり親世帯への情報提供、相談支援などを行おうとするものであります。次に、一番下の子育て支援対策臨時特例事業費は、市町村が行う保育所等の整備や地域の実情に応じた子育て支援活動に要する経費の助成等を初め、被災保育所等の速やかな復旧や保育所等の複合化、多機能化のための整備に要する経費を補助するほか、電力需給対策に伴う就業時間の変更に対応した保育等の実施に要する経費などを補助しようとするものであります。144ページに参りまして、被災地発達障がい児支援体制整備事業費は、被災した発達障がい児者のニーズ把握及び長期的な利用支援を実施するため、沿岸地域に専門員を配置しようとするものであります。
 115ページに参りまして、4目児童福祉施設費の療育センター整備事業費は、県内の障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備に係る基本計画の策定、基本設計、実施設計等を行おうとするものであります。
 116ページに参りまして、4項生活保護費1目生活保護総務費、説明欄上から2番目の生活保護給付事務費のうち、生活保護受給者就労支援事業費補助は、各市が実施する生活保護就労支援相談員の設置や、生活保護受給者の就労体験等の事業に要する経費を補助しようとするものであります。次に、説明欄一番下、被災者等自立支援事業費補助は、被災による生活困難者が安定した生活を営めるよう、県社会福祉事業団が行う自立支援に要する経費を補助しようとするものであります。
 2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
 119ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の母子保健対策費は、特定不妊治療費助成や小児慢性特定疾患児等に対する医療給付、市町村が行う妊婦健康診査に要する経費の助成などを行うほか、総合周産期母子医療センター等の運営に要する経費の助成や、周産期医療情報ネットワークの拡充等に取り組もうとするものであります。次に、説明欄下から9番目の健康いわて21プラン推進事業費は、健康いわて21プランの推進により生涯を通じた健康づくりを支援するため、シンポジウムの開催等のほか、健康いわて21プランの最終評価を行うための県民生活習慣等実態調査を行おうとするものであります。次に、説明欄下から3番目、被災地健康維持増進費は、被災者の健康の維持増進を図るため、市町村の保健活動等の支援や住民の自主的な健康づくり活動の支援などを実施しようとするものであります。次に、その下の被災地健康相談支援事業費は、被災者を対象として応急仮設住宅の集会所や談話室等を定期的に巡回し、健康相談、保健指導及び口腔ケア等を実施しようとするものであります。
 120ページに参りまして、3目予防費の説明欄一番下の新型インフルエンザ健康危機管理体制強化事業費は、患者の受け入れに当たる医療機関の設備整備の支援などを行おうとするものであります。121ページに参りまして、子宮頸がん等ワクチン接種促進臨時特例事業費補助は、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種を促進するとともに、接種費用を全額公費負担とするため、市町村の事業実施に要する経費に対し助成しようとするものであります。
 4目精神保健費の上から5番目、精神科救急医療体制整備事業費は、精神科救急医療施設を指定するとともに、精神科救急情報センターで24時間対応の相談等を行うことにより、精神科救急医療体制の充実を図ろうとするものであります。次に、下から2番目の自殺対策緊急強化事業費は、自殺対策の充実を図るため、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを総合的に推進しようとするものであります。次に、一番下の被災地こころのケア対策事業費は、岩手医科大学に県こころのケアセンター等の設置運営を委託し、長期にわたる継続した専門的ケアを行うとともに、今般の大震災津波後における精神疾患や精神的問題に関する予防と早期発見、早期支援が可能となる体制の構築に関する研究と人材育成を行うため、岩手医科大学に寄附講座を開設しようとするものであります。
 122ページに参りまして、5目高齢者保健費のうち、説明欄一番下の被災地高齢者リハビリテーション支援事業費は、仮設住宅に入居する高齢者等の運動機能や生活機能の低下防止及び脳卒中等の既往疾患高齢者の状態の悪化防止のため、県リハビリ支援センター等による巡回相談や運動指導などを実施しようとするものであります。
 少しページを飛んでいただきまして、130ページをお開きいただきたいと思います。4項医薬費2目医務費、131ページに参りまして、上から4番目、医師確保対策費は、医学部進学者に対する修学資金の貸し付けや臨床研修医の確保・定着の促進、病院勤務医の勤務環境向上や処遇改善、中核病院に対して開業医が診療応援を行う取り組みなどを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るなど、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次の救急医療対策費は、高度救命救急センターの運営費の助成、救急医療を行う病院の耐震化整備の支援、小児救急医療遠隔支援システムによる小児救急医療体制の充実を初め、平成24年度早期にドクターヘリの本格運航を開始するとともに、災害に伴う大規模停電時等の診療機能を確保するため、災害拠点病院等の非常用発電設備等の整備の支援などに取り組もうとするものであります。132ページに参りまして、説明欄上から9番目、脳卒中急性期医療普及促進費補助は、脳卒中急性期リハビリテーションの実施に必要な医師及びリハビリテーションスタッフの人材育成など、導入に向けた具体的取り組みを包括的に支援しようとするものであります。次に、一番下の被災地医療確保対策事業費は、仮設診療所等により被災地の医療体制を確保するとともに、被災した診療所等の機能回復に要する経費を補助しようとするものであります。133ページに参りまして、説明欄上から2番目、被災地医療施設復興支援事業費は、被災地の医療施設の復興を支援するため、医療施設の移転、新築等に要する経費を補助しようとするものであります。
 3目保健師等指導管理費の看護職員確保対策費は、看護職員養成施設の在学生に対して修学資金の貸し付けを行うとともに、看護の質の向上や医療の安全の確保、看護職員の早期離職を防止するための新人看護職員研修体制の整備などに総合的に取り組もうとするものであります。次に、一番下の被災地看護職員確保支援費補助は、被災地の医療機関や社会福祉施設等で不足している看護職員を確保するための取り組みを支援しようとするものであります。
 134ページに参りまして、4目薬務費の説明欄一番下の被災地薬局機能確保事業費補助は、被災地の医薬品供給体制の確保を図るため、被災した調剤薬局の機能回復に要する経費を補助しようとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、225ページをお開きいただきたいと思います。11款災害復旧費3項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費は、被災した社会福祉施設等の災害復旧事業に要する経費を補助しようとするものであります。
 次に、またページを飛んでいただきまして、235ページをお開きいただきたいと思います。12款公債費1項公債費1目元金のうち、104万6、000円が当部の所管ですが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金であります。
 236ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
 237ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金の県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行おうとするものであります。
 238ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
 次に、債務負担行為について御説明を申し上げます。
 議案その1に戻りまして、恐れ入ります、11ページをお開きいただきたいと思います。第2表債務負担行為の表中、保健福祉部所管の事業は、一番上の療育センター整備であり、施設整備に係る基本設計等が翌年度にわたりますことから、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で一般会計についての説明を終わります。
 次に、議案第2号平成24年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明を申し上げます。便宜、予算に関する説明書により説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、予算に関する説明書の293ページをお開きいただきたいと思います。歳入と294ページの歳出の予算総額は、それぞれ3億9、900万円余であります。
 295ページから300ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入及び県債であります。
 301ページから303ページにかけましての歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関連する議案について御説明を申し上げます。
 議案その2の37ページをお開きいただきたいと思います。議案第28号社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。この条例案は、条例の有効期限を平成25年6月30日まで延長しようとするものであります。
 次に、38ページをお開きいただきたいと思います。議案第29号介護業務従事者処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。この条例案は、条例の有効期限を平成25年12月31日まで延長しようとするものであります。
 次に、52ページをお開きいただきたいと思います。議案第36号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、当部関係は、55ページの介護保険法関連の改正であります。55ページをお開きいただきたいと思います。介護保険法関連の改正案の内容でありますが、介護サービス情報の公表事務に係る手数料の額を減額するなど、所要の整備をしようとするものであります。
 次に、85ページに参りまして、議案第42号福祉交流施設条例の一部を改正する条例について御説明いたします。この条例は、福祉交流施設条例により設置しておりますふれあいランド岩手の第3研修室を、使用料を徴収する施設から除外しようとするものであります。
 以上で保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
〇喜多正敏委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇五日市王委員 質問者が多いようですので、御協力させていただいて手短に、県境を越えたドクターヘリの運航についてお伺いいたします。この問題は、我が会派の同じ県北であります工藤大輔委員がかねてから御質問あるいは代表質問等でも取り上げておりまして、私も、同じ県北の住民といたしまして同じような重要性を感じているところでございますので、御質問をさせていただきます。
 青森県は、平成21年3月から運航を開始しておりまして、秋田県がことしの1月から運航を開始しているということで、いよいよ5月から岩手県でも本格運航を始めるということでございまして、その連携の重要性は恐らく認識されていることと思います。特にも、青森県との県境を越えた連携について、現状と課題についてお伺いいたします。
〇野原医療推進課総括課長 青森県との県境を越えたドクターヘリの連携に関する取組状況についてでありますが、新年度には本県の本格運航が開始されるとともに青森県においても2機目の導入を進める予定と伺っており、ドクターヘリ運航に関する連携体制を構築して、県境地域の救急搬送体制の高度化を図っていくことは大変重要であると考えております。
 ドクターヘリの安全かつ円滑な運航に当たっては、消防や医療機関など関係機関の緊密な連携が不可欠であることから、現在は、各県とも自県における運航体制確立のための取り組みを進めているところでありますが、大規模災害や事故時の備えとして連携を進めていくことは必要であり、平成22年度から、秋田県も含めた北東北3県の事務担当者による協議を定期的に開催しているところであります。
 今後解決していくべき課題としては、対象となる地域や事案の整理、消防など関係機関の連絡体制の構築、県民理解の醸成、費用負担の問題などが考えられ、引き続き具体的な検討を進めていきたいと考えております。
〇五日市王委員 青森県が来年度から2機目の導入、これはいつになるか、ちょっとまだ私もわからないところですが、そのときにはもう既に岩手県も運航が始まっていると思われますので、そのときまでにはやはりきちんと連携─他県でもかなりやっていますよね。事例はたくさんある話なので、そこは急いでやっていただいて、特にも八戸市から県北に来ていただく分には、例えば二戸市だと13分、14分ぐらいで到着するというような状況でもございますので、矢巾町から来ると、やはりそれ以上かかるわけですから、その辺は早目に検討というか、急いで協定を進めていけるように努力していただきたいということと、北東北3県をドクターヘリの半径50キロメートル以内で見ますと、これはまだまだ足りないですよね、全体的に。青森県は2機で恐らくある程度カバーできると思うんですが、そのお力をかりたとしても、岩手医科大学から今度は県南のほうがいわゆるすき間ができる。秋田県も秋田赤十字病院─これは沿岸のほうですね、ここに配置になって、50キロメートルといっても、例えば秋田県の鹿角市とか県南のほうがやっぱりカバーできない部分というものが出てくるわけです。こういったものを全体でカバーしていくためには、当然、岩手県も2機ぐらい必要になってくると思うんですが、その辺の大きな考え方というものを、通告はしていませんが、それもお示しいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 まず、1点目の協定の締結による連携強化の必要性でございます。委員から御案内がありましたとおり、先行して広域連携に取り組んでおります栃木県、群馬県、茨城県の北関東3県においても、対象となる地域や事案の整理、費用負担の問題も含めまして協定を事前に締結した上でドクターヘリの相互乗り入れを開始していると伺っておりまして、こうした先行事例も参考にしながら、青森県、秋田県両県との間で協定締結に向けた具体的な協議を、青森県の2機目の導入の時期といったものも一つの目安として協議を進めてまいりたいと考えております。
 2点目のお尋ねでございます。委員から御案内のございましたとおり、ドクターヘリコプターにつきましては、いわゆる救急現場へ医師、看護師が出動して救命救急に当たるまでの時間短縮が最大の効果と言われており、半径50キロメートルから70キロメートルというのは、国の検討会でも示されたところでございます。
 一方、当県では、ドクターヘリの導入に当たりまして、平成21年度から準備会等で有識者の方々で検討しているところでございまして、県央盛岡を発進地とした場合、岩手県内ほぼ30分以内で結ばれ、救命救急の一つの目安となる、外傷の出血の目安となります30分といったものは十分カバーできるのではないか。まずは1機導入することによって、救命救急効果というのは十分発現できるのではないかといったようなことを踏まえて、まずは1機導入させていただきまして、その効果、また、救命救急効果をきちっと検証させていただきたいと考えてございます。
 なお、2機目の導入に当たりましては、まずは運航体制のこともございますが、何といいましても、救命救急のスタッフの確保が一番重要な課題でございますので、こういった点などもきちっと検討しながら進めていきたいと考えているところでございます。
〇五日市王委員 北東北3県で全部で何機あればいいのかといったことも、他県の青森県、秋田県、もちろん今度は宮城県も出てくると思うんですが、そういった話をしていただいてもよろしいのではないかと思いますので、まず、今後そういう話題もしていただければと思います。小田島部長、何か言いたそうですので、あれば。
〇小田島保健福祉部長 今、野原総括課長から御答弁を申し上げておりますが、青森県、秋田県も含めまして3県でいろいろ事務的な打ち合わせをやっておるところでございますので、どういう体制を構築していくことが、このエリアの中で十分な救急体制を確保できるような形になるのかということについては、広目にいろいろ議論をしつつ、かつ、できるだけ早くに協定を結べるような形で詰めてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
〇工藤勝子委員 私からは、新しく花泉診療所が生まれ変わろうとしておりますので、その点についてお聞きいたします。
 一関市の花泉診療所に併設して特別養護老人ホームを運営しておりました社会福祉法人七星会は県の契約を解除して、4月1日からは花泉町の社会福祉法人二桜会に譲渡することに決まりました。これが3月9日の報道で決定とありました。入所者と職員も基本的に継続するということでありまして、県においても、一関市においても大変よかったのではないかと思っておりますが、今後の対応についてお伺いいたします。
 新たな社会福祉法人二桜会は七星会の借入金も引き継ぐとされております。この借入金の金額を示していただきたいと思います。七星会の部分も、県の部分もあると思っております。
 それから、引き継ぐことによって、運営上、財政面においても大変厳しいことがあると思いますが、県として支援策はあるのかお伺いいたします。
 また、これで七星会は、事業廃止届などで県に対する責任は一切なくなるということでしょうか、お伺いいたします。
〇小田原地域福祉課総括課長 まず初めに、七星会の借入金の状況でございますけれども、平成23年3月31日現在の財産目録の状況によりますと、設備資金借入金が3、300万円余、長期運営資金借入金1、700万円余、合わせて5、000万円余となっております。
 借入金に係る支援策についてでございますけれども、社会福祉法人二桜会につきましては、事業譲渡において借入金を引き継ぐこととなった場合の返済に係る支援については、制度的なものは今のところない状況でございます。今後、両法人の間で事業譲渡に係る詳細な条件を協議していく中で、借入金について話し合われていくものと理解しています。
〇岡村長寿社会課総括課長 事業譲渡後の七星会と県との関係ということでございますけれども、県のほうからは、一関市を通じまして、施設整備あるいは開設準備に係る補助金が交付されてございます。これが、七星会から二桜会のほうに無償で事業譲渡と、あわせて補助事業で取得した備品等の資産が譲渡される場合につきましては、法人間の取り扱いになりますので、県と直接七星会との関係ということは、その部分については特段の関係は生じなくなると考えてございます。
〇工藤勝子委員 今の答弁でありますと、今後は七星会と二桜会で協議を進めていくということなのでしょうか。結局、県はこれに対しては一切かかわらない、今後、二桜会に対する支援もないということにとらえてよろしいでしょうか、もう一度お伺いいたします。
〇小田原地域福祉課総括課長 二桜会を一関市が選定するに当たりましては、事業譲渡に係る条件等につきましても、ある程度の枠組みを示しながら選定されたものでございまして、具体的には、その辺については、両法人とも了解した上で最終的な詰めを行っていくと理解しています。
〇工藤勝子委員 国から来たお金だと思いますが、県が一関市を経由して支出された施設整備費1億150万円というお金があるはずでございますけれども、これはどういう整理になるのか。二桜会が引き継ぐことで、例えばこれを返済しなくて済むものなのか、それとも、国の会計検査院から指摘されるようなことはないのか、この辺のところもあわせてお伺いいたします。
 また、今後、1階部分は医療局の地域診療センターとなるわけですけれども、結局、この施設は医療と福祉の一体的な形で進められるということで始まったと思っておりますが、今後、医療と福祉の関係で、保健福祉部は2階の部分と一体的な運営─運営は別々でしょうけれども、どういう連携をとっていこうとしているのかお伺いいたします。
〇岡村長寿社会課総括課長 まず、県から一関市を経由しまして交付した補助金の取り扱いについてでございますが、これらにつきましては、県から一関市あるいは法人に、末端の事業者に対しまして、特別養護老人ホーム等の事業を10年間以上継続するという補助の条件が付されてございます。今回は、10年を経ずして七星会は事業を廃止するという取り扱いになりますので、本来であれば七星会は一関市に補助金を返還し、その額を県も返還を受けるという取り扱いになりますけれども、これは補助目的に合致した事業、今回であれば特養の設置経営ということになりますけれども、これが無償で新しい引き受け先の二桜会に譲渡された場合には、補助金の返還を免除する取り扱いができます。ただし、これを有償で譲渡するといったような場合につきましては、当然、期間に応じまして返還等生じますけれども、今回は、無償であれば、そういう取り扱いが生じない。もし、返還が生じますれば、県が補助した基金の原資は、国の交付金を造成原資にしてございますので、最終的には県のほうも国に返還するというような取り扱いが生じます。今回は、そういう取り扱いが生じなくて済むという形で法人同士の協議がなされていると伺っております。
 また、2階部分と1階部分の一体的運営と、これからの医療と介護の連携についてでございますけれども、1階部分は県の花泉地域診療センターとして、無床の診療所として運営される予定となってございます。これは、2階部分の特別養護老人ホームとは直接運営を一体的にやるということはないわけですけれども、当然、入所者の健康管理等々につきましては、これまで同様に連携した体制が組めると考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 いろいろと借入金も受けてやってくれる二桜会でありますけれども、一関市においても、保健福祉部においても、この二桜会の運営が、今後、二、三年は厳しいだろうという話を理事長はされておりますけれども、運営がスムーズにいくようにしなければならないと思っていますが、どういう課題がこの二桜会にあるのかというところもお聞きしたいと思います。
 それから、10年間、いろんな形で福祉、医療一体化でやろうとしたモデル事業でありました。この民間医療は一応失敗に終わったわけであります。それで、今後、地域医療センターとして地域医療を守ろうとしている─いろいろあります。住田とか診療所化になったところがあるわけですけれども、今度、地域診療センターで大迫と九戸が社会福祉法人特別養護老人ホーム設置が検討されているとあります。沼宮内のほうでも民間移管を探っているという中で、失敗したことによって、この人たちにどのような影響を及ぼしたと考えているのかお伺いしたいと思います。
 時間もあれですので。
 それから、県は4月以降、問題の検証に入ると言われております。支援の枠組みづくりも一緒に検証に入るわけですけれども、今、どのぐらい検証されているのかということと、4月以降ですので、まだされてないかもしれませんけれども、検証結果をいつ県民に公表するのかお伺いいたします。
〇岡村長寿社会課総括課長 今回の七星会の事業廃止につきましては、一体的に運営されていた診療所との関係が大変大きかったのではないかと考えているところでございます。七星会のほうでは、今回、特別養護老人ホームで、譲渡に当たって、当初、施設整備をした場合の負債が若干残っている。それを新しい法人に引き継ぐ、あるいはまだ2年しかたっておりませんので、安定的な運営までは数年を要するというところで、開設当初、入所者がたくさん入ってなかった時期の運営費についての給与といったものの負債が残ったものを、七星会としては新しく二桜会のほうに引き継ぐ部分が若干あるとも伺っております。これは、どの程度で引き継ぐのかというのはこれからの協議ということになろうかと思います。これらについては、新しく引き継ぐ法人のほうで、施設運営上、介護報酬で運営するわけですけれども、今回は引き継ぎ時点から入所者が定員満杯という状況がございます。
 それから、家賃等については、軽減策についていろいろ県のほうにも要望したいという話を伺っておりますので、経営の状況等を勘案しながら、これらついては検討されるものだと考えているところでございます。
〇小田島保健福祉部長 私のほうからは、2点お尋ねのあったことについてお答えしたいと思います。
 まず、今回の花泉診療所がこういう形になったということで、これから引き続く大迫ですとか九戸、そういうところに影響を与えないのかというお尋ねでございます。
 まず、今回の医療、介護一体型の整備を民間のお力もかりながら、無床診療所になっていたものを有床診療所でやっていくということについては、地域の意向にこたえつつ、一定の期間、特別養護老人ホームの利用などもあり、効果はあったものだと考えてございます。残念ながら、結果としてこういう形にはなったわけではありますが、地域の医療と介護を連携するということを考える上では、地域の意向に沿った形で民間事業者のノウハウを活用するという手法は今後も必要だとは考えているところでございます。
 九戸と大迫の形態につきましては、県立病院のいわゆる空き病床を利用して特別養護老人ホームを整備するということでありまして、2階部分といいますか、そういうところについては特別養護老人ホームとして、診療施設については県の診療センターとして運営を行うということで進められているものでございます。これは、まず、介護保険施設の整備としては必要な病床数が確保できるという形でメリットはあると考えておりまして、そういう形態として介護と、無床ではありますけれども、県立の診療センターと連携をとりながら行っていく形になると考えておりまして、花泉の事案と必ずしもイコールの状況にはなってございませんので、それぞれの地域事情を勘案しながら整備を進めていくことになると考えております。
 もう一点、二つ目の問題の検証についてでありますが、これは、こういう形で福祉施設の面、医療についての条例提案だとかいろいろ行いますので、現在はそういう作業に注力しているわけでありますが、4月以降について、一定のめどが立った段階で検証をきちっと行っていきたいと医療局のほうでお答えをしておりますので、我々もそれと足並みをそろえながら検証作業をやってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 最後になります。部長からも御答弁いただきました。結局、今までは白光が、1階と2階部分をきちっと連携の中で一つの法人が受けてきたわけです。今回は変わるわけです。1階部分が県の診療センターとなる。2階部分が民間移管となる。そういう中で、医療と福祉が一体的に連携して本当にやれるのか、そのところをもう一度確認しておきたいと思いますし、今後、4月から、なぜこういう形で2年もたたないうちに終わらなければならなかったのかというところをぜひしっかり検証しないと、次の二桜会につながらないのだろうと私は思います。そういう意味も含めて、その辺のところをやっていただきたいと思います。最後にこれを聞いて、終わります。
〇小田島保健福祉部長 委員御指摘のとおり、2階部分の介護施設と1階部分の診療センターは、今後におきましてもきちんと連携をとりながらやっていただくようなことで進めていただきたいと考えておりますし、我々もそういうふうに指導したいと思っております。
〇高橋元委員 私からは3点についてお尋ねしたいと思います。
 まず1点目は生活保護についてであります。
 昨年の8月の数字なんですが、全国的には206万人弱ということで、特にも働ける現役世代が増加の傾向にあるということであります。そうした中で、不正受給というものも2010年度、約2万5、000件、これはおよそ30%ぐらいふえていると。それから総額にしても約130億円余り、これは26%ぐらいということで、件数、総額とも、過去最悪の状況であるということのようでございます。
 また、求職者支援制度というのがありまして、これは職業訓練と月10万円がセットになっているということで、受給者が求職者支援制度の職業訓練を理由なく休み続けた場合、保護の打ち切りができるんだということのようでございますけれども、これらについて本県の実態をまずお尋ねしたいと思います。
〇小田原地域福祉課総括課長 生活保護受給者の推移等についてでございますけれども、本県の生活保護受給者の推移につきましては、平成24年1月末現在1万459世帯、被保護人員1万4、760人が生活保護を受給しており、前年同月と比較しまして、世帯数で16世帯、0.15%の減少となってございます。大震災津波が発生しました平成23年3月以降では、沿岸部において、死亡や義援金等の受給などにより388世帯、14.6%が減少しており、内陸部におきましては241世帯、3.0%の増加となっております。
 県内における生活保護の不正受給件数につきましては、平成22年度は78件、不正受給金額は3、600万円余となっております。その内容は、稼動収入の無申告や過少に申告がなされているケースが最も多く41件、次に、年金及び福祉各法に基づく給付の無申告等が21件となってございます。
 大震災津波が発生いたしました平成23年3月以降、直近の1月までの廃止世帯数は1、517世帯、震災の影響により保護が廃止となった世帯は424世帯でございます。
 以上のような状況になってございます。
〇高橋元委員 受給の打ち切りの実態については報告がなかったんですが、それはないということでよろしいんですか。不正受給。
〇小田原地域福祉課総括課長 失礼しました。求職者が、受給している方がその制度によって廃止されたケースについては、現在、国において検討されておりまして、まだ詳細な把握がなされておりません。
〇高橋元委員 内陸のほうで生活保護の受給者がふえているということで、これは就職難というところと密接に関係があるのかと思っております。いずれ、手の支援を差し伸べるところ、大事なところはしっかりとやっていかなければならないし、不正については、この制度を守っていくためにはしっかりと指導していかなければならないと思うわけであります。これらについての指導体制はどうなっていますか。
〇小田原地域福祉課総括課長 今回の災害等によりまして義援金等を費消し、あるいは雇用保険の給付期間の満了によりまして、生活に困窮して生活保護の申請世帯が今後増加していくと予想されているところでございます。生活保護を初めとするさまざまな施策が適正に活用されるよう、相談窓口の充実に努めてまいります。
 また、生活保護を受給することになった世帯に対しましては、日常生活全般を指導するような生活再建支援相談員や職業安定所職員の同行など、生活保護就労支援相談員の配置など保護の実施機関の指導体制の強化を図りまして、きめ細やかな指導に努めていくこととしてございます。
 なお、不正受給の未然防止対策につきましては、生活保護制度の趣旨や申告義務などについて十分な理解を求め、収入変動時の速やかな申告の励行などにつきまして保護のしおりの配布など、指導の徹底を図ってまいります。
〇高橋元委員 ぜひそのような形で、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 それから二つ目には、自殺対策についてであります。
 岩手県の実態なんですが、2010年で426人ということです。それで、厚生労働省の2010年都道府県別の死亡状況が出されておりましたけれども、本県は男女とも脳血管疾患と自殺の死亡率、これが全国1位だということで、余り名誉でない状況が出されております。
 県では、先ほど部長の報告の中で、自殺対策アクションプランというものを昨年の秋に策定をしたということであります。その中にはゲートキーパーの養成を強化していくとか、被災地の心のケア推進ということもあるわけでありますが、平成23年度の取り組み実績と、新年度に1億4、440万円、昨年と比較しまして6、200万円余りの予算が増加していると、かなり積極的に取り組んでいくんだろうと思っております。その成果も期待されるところなんですけれども、具体的に平成23年度までと、平成24年度からこの部分を強化するんだということの説明を少しお願いしたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 平成23年度の自殺対策の取組実績と、それから平成24年度の取り組み内容でございますけれども、県では、先ほど委員からお話をいただいたように、昨年6月に、知事を本部長とする県の総合対策本部を設置したところでございます。全庁的な推進体制を強化したということでございますけれども、11月には自殺対策アクションプランを策定しまして、震災による影響も踏まえた平成26年度までの具体的な取り組みを定めたところでございます。
 さらに震災に伴う対策としては、発災直後から県内外のこころのケアチームによる支援をいただくとともに、震災こころの相談室を7カ市町村に拠点として設け、こころのケア活動を実施しております。さらに、こころのケアに関するリーフレットを配布させていただいたり、相談窓口や対処方法の普及啓発などを行っているところでございます。
 また、市町村や民間団体におきましても、自殺対策緊急強化基金の活用によりまして、心の相談や傾聴ボランティア等の人材養成、普及啓発等の地域の実情に応じたさまざまな取り組みが行われているところでございます。
 強化基金が始まった年、19市町村で取り組まれていたものが、平成23年には、全市町村で取り組むようになってございます。
 平成24年度におきましては、久慈保健所管内で先行して取り組んでおります、1次予防から3次予防まで包括的に対策に取り組んでいる久慈モデルの取り組みが全市町村に波及できるように、技術的、財政的支援を一層強化していきたいと思っております。
 また、新たな取り組みとして、地域における見守りとか気軽に相談ができるゲートキーパーの養成を拡充していきたいと。こうして自殺対策アクションプランの着実な推進を、平成24年度も図ってまいりたいと考えております。
 さらに、震災関連の自殺を防ぐための取り組みとしては、こころのケアセンターを核とする、中長期的な心のケアの推進体制を確立したいと思ってございます。
〇高橋元委員 ゲートキーパーというのが耳なれない言葉で出てきました。門番ということのようでございますけれども、これはどういう方が、どういう活動をされていくのかというところをちょっとお尋ねしたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 ゲートキーパーという言葉は、国の自殺対策の取り組みの中で、全国的に普及させようということで出てきた言葉でございます。各都道府県も、同じようにゲートキーパーの養成研修に取り組んでいるところでありまして、私どももさまざま相談活動の第一線にいらっしゃる民生委員ですとか、あるいは保健推進活動委員ですとか、そうした本当に地域の相談の核になっている方々、まず、これらの方々をゲートキーパーとして養成をさせていただいて、自殺防止の目でさまざまな相談を受けてもらうといったようなことに取り組んでいきたいと思っております。
〇高橋元委員 そこで、未然防止に向けて、窓口担当者をさまざまな面で養成をしていくということのようでございます。
 そこで、例えば東京都の足立区、ここの取り組みの事例なんですけれども、ここは2009年度で、都内でワーストワンだったということで、それが2011年度は2割ほど減らしたということなんです。その減らした内容は何かというと、自殺を考える人の多くは、失業それから多重債務、うつと、こういったもので複数の悩みを抱えていると。そこで、自殺に至った方の7割ぐらいは、何らかの窓口に相談に行っているんだと。そこで、窓口をネットワーク化して、互いに情報を共有して、深刻に悩んでいる方に対して早目にいろいろなケアをしていくというか、そういうことで効果を上げているようなんですね。さまざまな窓口や相談機関のネットワーク化というものについては、本県では考えていく、検討はされていないのか、お尋ねしたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 未然防止に向けた窓口担当者の連携強化ということのお尋ねでございます。
 委員御指摘のとおり、自殺の危険性の高い方というのは、複数の問題を抱えている場合がほとんどでございます。このことから、自殺防止を図る上では、さまざまな相談窓口の関係機関が連携して支援を行っていくということが、非常に大事な視点だと認識しております。
 相談窓口としては、市町村や保健所による精神保健相談はもちろんのこと、ハローワークでの就業相談あるいは弁護士による法律相談、消費者信用生活協同組合の多重債務相談、こうした多様な相談窓口が現在もあるところでございますが、今後は、これらの多様な相談窓口が連携して情報交換をし、適切な支援につながっていくように、相談窓口担当者による連絡会議を開催するということにしております。来年度は、県レベルの連絡会議をまず設置して、情報共有を図っていきたいと思っております。また、地域レベルでも保健所単位にネットワークを組んでおりますので、相談窓口のそれぞれの情報がきちんと支援につながっていくように、地域でもそうした連携に取り組んでいきたいと思ってございます。
〇高橋元委員 ぜひその取り組みを進めていただいて、自殺者の悩みの解決に向けて、ひとつ助言、支援をしていただきたいと思います。
 また、足立区では、危険に気づく力を養うゲートキーパー、これについては区の職員の3分の2ぐらいが、いろいろ勉強会、研修をされているというんですね。ですから、先ほどの専門の民生委員とか保健師だけではなくて、さまざまな分野に携わる方々も、そういう気づきの研修をぜひ今後検討していただきたいと思っています。これは意見のみにさせていただきます。
 それから3点目、がん対策についてでありますが、これは総括質疑でも質問させていただいたんですけれども、いろいろ資料を見直ししておりましたら、一つだけちょっと漏れていることがありましたので、新たに1点お伺いしたいんですが、平成23年度の国のがん対策の推進事業ということで、都道府県に新たに地域統括相談支援センターを設置し、患者、家族らのがんに関する相談について、心理、医療や生活、介護など、さまざまな分野に関する相談をワンストップで提供する体制を支援するための事業が、平成23年度から新たにメニューとして追加になっているんですね。それで、平成23年度に取り組まれた県は、宮城、群馬、千葉、静岡、三重、高知、佐賀、沖縄という8県。それで、それ以外のところは、では、どうなんだというところでがん患者の会で調べたら、必要だが予算計上できずが13県、必要なく予算計上せずが6県、その他が19県、無回答1県ということで、岩手県はどのところに回答されたのか、これはちょっとわからないんですけれども、いずれ、この取り組みは、がん患者あるいは家族会の声を反映して、厚生労働省でこういう事業を進めてきているわけでございます。本県においては、患者の会が今各地で少しずつ出てきておりますけれども、全体的なところを見ますとまだまだ不十分ですので、ぜひこういう取り組みを進めていただきたい、こんな思いをしているんですが、それに対する考え方をお尋ねしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御案内いただきましたとおり、国の地域統括相談支援センター事業につきましては、がん患者の心理や医療、生活、介護までさまざまな分野に関するワンストップでの相談体制という形で目指しているものと承知してございます。
 県では、これまで、がん患者や家族等からの相談に対応するために、平成19年度からのがん診療連携拠点病院機能強化事業を実施いたしまして、各がん診療連携拠点病院の院内への相談員を配置したがん相談支援センターを設置いたしまして、がん患者に対するさまざまな不安や疑問に対応してきたところでございます。
 委員の御質問にありましたこの事業の導入に当たりましては、広範な分野に精通する相談員の確保や育成、費用を含めた運営のあり方などの課題もあると認識していることから、まずは先行的に実施しております、委員から御紹介がありました他県の事例をきちっと研究させていただくとともに、現在のがん診療連携拠点病院の相談支援センターにおける課題、また、県がん対策推進協議会や患者、家族会など、関係者の意見をいただきながら、来年度策定をいたします岩手県がん対策推進計画の見直しの中で検討を進めてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 来年度に、新たながん対策のさまざまな施策を改定するということですので、その中でぜひひとつ検討をお願い申し上げます。
 いずれ、がん患者は、今、岩手県では4、000人を超える方が毎年亡くなっているんですね。最近の数値を見ましたら少しずつふえている傾向にあります。先ほどの自殺者は年間420人あるいは430人という中で、そのおよそ10倍の方が、がんで命を落としている現状があるわけです。そういうことを含めますと、予防対策それからがんに対する知識の普及、まずこれをやっていかないと、医療の分野だけの取り組みを進めても問題があると思いますし、がんイコール死というところもありますので、患者あるいは家族というところのケアも十分進めていただきたいと思います。
 以上申し上げて、あと部長、何かこのがん対策について思いがあればお伺いして終わります。
〇小田島保健福祉部長 今、委員からお話がありましたとおり、がんについては、予防から治療、そして最終的にはターミナルケアまで、幅広く対策をきちっと取り組んでいく必要があると考えております。これも、いずれ岩手県のがん対策推進計画の中で現在の実施しているものを検証し、効果的な事業が行われるように、見直しの中で十分検討してまいりたいと思います。
〇高橋孝眞委員 私は一般質問で、知事に、希望郷いわてについてお聞きしました。岩手県民がひとしく幸せになることというふうに感じております。
 部長にお聞きしたいのですけれども、一般質問でも取り上げましたが、障がい者自立支援対策工賃倍増5カ年計画未達成でありますけれども、これは希望郷いわての実現に向けて支障になっているのか、なっていないのかについて最初にお聞きします。
〇小田島保健福祉部長 今、委員から御指摘がございましたように、一般質問の中で、工賃倍増5カ年計画の達成率等について御質問がありお答えをしたところでございまして、目標に対して6割ぐらいの工賃だという状況になってございます。かなり厳しい状況にはございます。
 いわて県民計画の中におきまして、障がい者の方の自立と社会参加の推進、地域生活の移行の支援などを行いながら、障がい者の方が、地域で自立した生活ができる環境づくりを進めるということを基本にしておりまして、その柱として2本立てております。
 一つは、今お話を申し上げました工賃の収入などによる生活の保障、それから居住の場としてのグループホームなどの場の整備ということでございます。
 障がい者の工賃については、いわて県民計画のアクションプランの指標そのものにはなっていないわけではありますが、障がい者の自立した生活を行うためには非常に重要なことでございますので、その向上を図るために、さらなる取り組みが必要と考えているところでございます。
〇高橋孝眞委員 回答につきましては、なっているか、なっていないかと聞いているのですから、どちらかでお答えしていただきたいと思います。
 計画実現に向けまして障がい者就労支援振興センターを設置していると聞きましたけれども、達成できなかった内容につきましてはどういう課題があったのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 障がい者就労支援振興センターの課題についてのお尋ねでございますが、障がい者就労支援振興センターでは、コーディネーターが、就労支援事業所に対して、新規事業の開発ですとか、あるいは自主生産製品の販路の拡大などの支援を行ってきたところでございます。
 事業所の製品の販路拡大につきましては、コーディネーターが、スーパーや小売店などに対しまして販売促進活動を行って、一定の成果は見られておりますが、それが県下全域まで幅広く販売されるまでには至っていないということ、それから、単独の事業所、小規模事業所が多いものですから、一定規模の製品を期日までに納品することの限界があります。これに対応するための共同受注について数品目の実績は出ておりますが、まだ取り組みを拡大する余地が十分にあるといったようなことなどが今後の課題であると考えております。
〇小田島保健福祉部長 これが希望郷いわての実現に支障となっているか、なっていないかという、いずれかの二者択一でのお答えというのは非常に厳しいところでありますが、いずれ、達成の度合いが十分でないということは、その実現にとって障がい者の方の自立を進める上での支障の一つであると考えております。
〇高橋孝眞委員 今年度で長期5カ年計画が終わりになるわけですけれども、新たに倍増計画を設定するのでしょうか。それとも、しないのでしょうか。するとすれば、具体的にどのような過程を経て設定するか、また、目標の値については、どのような点で考えているかについてお伺いします。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 新たな長期計画の改定でございますけれども、現在の計画は、平成19年度から平成23年度までを計画期間としております。平成23年度についてはまだ実績がまとまってございませんけれども、先般、国から、新たに策定する平成24年度からの工賃向上計画というものをつくるようにということで、基本的な指針が示されております。
 その国の指針によりますと、計画は平成24年度から平成26年度までの3カ年を計画期間としまして、従来のような一律倍増の目標値を設定するのではなく、地域における生活水準ですとか、あるいは地域の最低賃金、さらに、今後策定することになる個々の就労支援事業所の工賃向上計画等を踏まえまして、各都道府県において適正な水準に設定するということにされております。また、計画を推進するためのコンサルタント派遣ですとか、企業的経営手法の導入などの支援事業が、国からは示されているところでございます。
 これを踏まえまして、本県における工賃向上計画の策定、おおよそ6月をめどに策定することにしておりますけれども、これら地域の実情を踏まえ、また、個々の就労支援事業所の工賃設定の額を踏まえまして、各市町村と事業所を密接に連携しながら、策定作業を進めていきたいと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 5カ年計画で、支援センターそのものにつきましては目標達成ができなかったわけでありますが、スタッフ等について問題がなかったのか。なお、今後計画する際は、計画を達成するためには、今の方々で本当に大丈夫なのかどうかということを再度検討しながら設定をしていただきたいと思いますし、計画を組んでいただきたいとお願いをしておきます。
 現状で言いますと、障害者年金につきましては、月額で言いますと約6万5、000円、工賃の関係は、月額では1万5、000円、合計月額8万円程度ということでありますので、それらを含めながら、親身になって今後検討をしていただきたいものだとお願いをいたします。
 通告をしておりませんでしたが、済みませんが一つだけお願いをいたします。
 岩手県環境保健研究センターは保健福祉部の管轄でしょうかどうか。
〇高橋保健福祉企画室企画課長 当部の所管でございます。
〇高橋孝眞委員 今、問題になっております放射性セシウムの関係でありますけれども、ゲルマニウムの検出器につきましては岩手県で2台入っておると。そのうち1台が環境保健研究センターに入っているわけですけれども、この検査状況等につきまして、保健福祉部ではどのような認識をしておりますか、お伺いしたいと思います。
〇根子副部長兼保健福祉企画室長 組織としての環境保健研究センターは当部の所管でございますが、検査内容の業務に関しては環境生活部の所管でございますので、申しわけありませんが、ちょっと当部では把握しておりません。
〇高橋孝眞委員 部が違うというのは、どういうような理由からか教えていただきたいと思いますけれども。予算は当部だけれども、実際執行するのは、別な部ですよという意味合いなんですか。
〇根子副部長兼保健福祉企画室長 まず、組織としては、いろんな業務の中で、一つの組織の所管としては保健福祉部が所管していると。それから予算についても、保健福祉部で総体でまとめて予算を要求しておるというような状況でございます。
 それから、それぞれの業務については、当然予算も含めて、担当する部のほうで予算執行なり事業実施をするというような中身になっております。
〇高橋孝眞委員 余りにも縦割りのような気がして質問するわけでありますけれども、今、岩手県の農業の課題としましては、畜産の関係では、特に乾燥なり代替粗飼料そのものを十分確保しなければいけないというような意味合いで検査体制をしいております。農林水産部では、この検査のために、他県にも依頼をしながら実施しているわけでありますけれども、このゲルマニウム検出器が岩手県にありながら、十分活用されないでいるということについて問題があるのではないかと感じたところであります。部が違うとか、部が違わないとかという意味合いではなくて、問題をどの部であろうと共有しながら岩手県の課題としてとらえていただきたい。そうしなければ、岩手の畜産を守る、どうのこうの言っても何もできないのではないかと思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。
 いずれ、スケジュール表等を見ましても、実際使われておりませんでしたので、十分活用されておりませんでしたので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 今、委員からお話のありました状況につきましては、よく環境生活部のほうにお伝えもしながら、有効な活用が図られるように、我々としても努めていきたいと思います。
〇高橋但馬委員 私は児童福祉総務費についてお伺いをいたします。
 子育てサポートセンター管理運営費、この設置目的をお知らせください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 アイーナの中に設置してございます子育てサポートセンターについてでございます。
 当センターでございますが、子育て中の親子が、いつでも気軽に安心して過ごせる場の提供と、それから子育てに関する相談対応や市町村の地域子育て支援センターがございますけれども、このような県内各地の育児関係団体の活動情報の集積や発信などを行う、本県における子育て支援の中核的施設として設置しているものでございます。
〇高橋但馬委員 昨年の特別委員会のときに私も質問をさせていただいたんですけれども、東日本大震災を受けて、全壊、半壊、そして浸水等の被害を受けた地域の子育て支援センター、これは6施設、そして放課後児童クラブが22施設と、多くの子育て支援施設が被災を受けたわけですけれども、被災を受けたサポートのために、昨年、平成23年に出張子育てサポートセンター事業というのがあったんですけれども、この内容についてお知らせください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 被災地での子育て支援の一環として出張子育てサポートセンター事業を実施してございますけれども、この事業の状況でございますが、この子育てサポートセンターから被災地域に出向きまして、避難所や仮設住宅等での生活を余儀なくされている子供さんとその保護者に対しまして、遊びの場あるいは保護者の交流の場を提供するとともに、被災によりまして、通常の活動が困難になっている各地の地域子育て支援センターの活動を支援するため、今年度実施してきたものでございます。
 その具体的な交流の場の内容としてでございますけれども、子育て中の親子の交流の場としての親子カフェとか、それから遊びの場を提供するちびっこ運動会の開催ですとか、それから被災地から例えば盛岡市動物公園に招待するちびっこ遠足など、昨年9月から今月まで、沿岸地区の8市町村で延べ20回開催をしまして、約380組、860名の親子が参加しているところでございます。
〇高橋但馬委員 仮設住宅での子育てというのは普通の場合と違うものですから、そういう支援というのが非常に重要になってくると考えるんですが、平成24年度のこの事業の実施予定はどうなっているでしょうか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 この事業の来年度、平成24年度の実施予定についてでございますが、先ほど委員からもお話がございましたが、今回の震災津波によりまして、沿岸地区の地域子育て支援センターは6カ所が全壊または半壊の被害を受けてございましたが、これまでに4カ所が活動を再開してございますし、3月中には大槌町の1カ所、それから4月には釜石市の1カ所が再開予定となってございます。このため、来年度の早々には、すべての地域子育て支援センターが活動を再開する予定となってございますので、今後は、主として市町村の取り組みを支援することとしまして、この出張子育てサポートセンターの実施は予定をしていないところでございます。
 なお、このほか、今年度に実施した夏休みや冬休み中に、被災地の児童をいわて子どもの森に1泊または日帰りで招待する被災地児童招待事業とか、いわて子どもの森が関係団体と連携しまして、今度は被災地のほうに出向きまして、被災地の児童館等に出向いて遊びの場を提供するいわて子ども遊び隊などの取り組みにつきましては、来年度におきましても、引き続き継続して実施するところとしてございます。
〇高橋但馬委員 県としては、市町村のきめ細やかな子育て活動を支援していくというのが重要だと考えます。
 2月の初めなんですけれども、子育て真っ最中のイクメン県議であります小野共委員と一緒に、釜石の平田の仮設住宅に設置をされているママハウスと大槌町小鎚の仮設住宅の集会所で行われている大槌ママサークルひだまりというところに視察に行ってまいりました。
 この平田のママハウスというのは、仮設住宅の1室をお借りして、そこを拠点に、母子の居場所の空間、ママ友づくり、それとか母子の心身ケアのために活動しているんですけれども、実際に県内の被災地の仮設住宅、この未活用の部分、あきの戸数と、その空き戸数がどのようなことに使われているか、その転用状況についてお知らせください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 仮設住宅のあきの状況についてでございますけれども、復興局が取りまとめてございますが、それによりますと、2月24日の時点で約1万4、000戸の仮設住宅のうち、空き戸数は750戸余となっております。このうち350戸余は、応援職員の宿舎や談話室等に活用されておりまして、この転用分を除いた空き戸数は400戸余りとなっております。
 それから、空き仮設住宅の活用の状況でございますけれども、委員ただいま御指摘のとおり、沿岸の数市町村では、NPO法人とか地元の子育てサークルなどのさまざまな団体が、仮設住宅の空き室それから集会所、場合によっては近隣の公共施設等も使いまして、さまざまな子育て支援活動を行っていると承知してございます。
〇高橋但馬委員 私が行った釜石の仮設住宅に設置されているママハウスというのは、仮設住宅の1室をお借りしているので、常設という形で活動しています。ママを含め、ママとお子さんが、自分の好きな時間にそこにお邪魔をしていろいろ情報交換ができるというところなんですけれども、実際に、大槌の場合は仮設住宅のあきがほとんどないという状況で、仮設団地の集会所で大槌ママサークルひだまりというのは開設をされています。その集会所があいているときにしかできないものですから、来られるお母様方がかなり限定をされるわけですね。大槌から釜石のママハウスにわざわざ通っているという状況が現実なんですけれども、この未活用の空き戸数をママハウス等の子育てサポートセンター、子育てサポートに活用すべきだと私は考えるんですけれども、現状を県としてはどのよう把握をしていますか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 先ほど少しお答え申し上げましたけれども、具体的には、私ども一応把握している範囲では、四つの市と町、陸前高田市、住田町、釜石市、大槌町で約20団体がこの仮設住宅の集会所とか、あとは近隣の仮設の近くの公共施設等において、それらを活用しながら子育て支援活動を行っていると承知しております。
〇高橋但馬委員 今、御答弁いただいたように、地域全体で子育てをサポートしていくというのは重要だと考えます。仮設住宅における育児というのは、子供と向かい合わせになってしまって、ママの身体的、精神的な負担というのは非常に大きいと考えられます。被災のショックを繰り返して思い出すフラッシュバックになって、うつに陥る要素もあると聞いていますし、そういう部分を考えると、やっぱり身近なところで子育てを支援してくれる、そういう場所が必要だと考えます。
 最後に、県として仮設住宅の子育て支援、そしてそれを含めた被災地の支援をどのように考えているのか、今後の県の考え方をお示しください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 今後の特にも仮設住宅等での子育て支援の考え方でございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたが、平成24年度の早々には、各市町村の被災地での地域子育て支援センターが大体復旧できるということでございますので、今後におきましては、市町村の地域子育て支援センターが中心となって、子育て中の親子に対する具体的な支援等をさらに充実していくということになると考えてございます。このため、県としましては、各地のこのような地域子育て支援センターが、例えば仮設団地の集会所や近隣の公共施設等に出向いて、さまざまな子育て支援活動を行うなど、仮設住宅に入居している親子が参加しやすい取り組みが各地で行われていくよう、積極的に市町村の取り組みを支援していきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 あくまでこれは大槌の話なんですけれども、集会所で開かれているサークルとか、そういう地域で、自分たちでやっているところと連携をとりながら、なるべく多くの機会を、ママそして子供に与えていただくことをお願いしまして、私からの質問を終わります。
〇喜多正敏委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時48分 休 憩
午後1時2分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、保健福祉部関係の審査では、この後、14人の質問者が予定されております。ちなみに医療局はどうでしょうか。
〇菊池議事調査課総括課長 8人ほど。
〇嵯峨壱朗副委員長 8人ということです。少なくとも商工労働観光部のときよりも早く終わりたいと個人的には思っていますが、頑張りましょう。よろしくお願いします。
 進行に御協力願うため、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇福井せいじ委員 それでは、私から3点ほどお伺いします。
 まず初めに、医師確保対策についてお伺いします。
 医師養成事業としてさまざまな形で奨学金の制度が創設されておりますが、これは、毎年、対象者がふえていけばいくほど増額されていく予算となっておりますが、現在の医学生への奨学金の総額と、今後予想される奨学金の最大の年間総額を教えていただきたいと思います。
 それとともに、今後の就業の見込みは、大体何年には何人ぐらい、そしてマックスでは何人ぐらいの医師が確保されるのか、その見込みについてお聞きしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 まず最初の1点目の奨学金の予算でございます。現在、医師確保対策費といたしまして、医師確保対策推進事業費のうち、いわゆる地域枠、県の奨学生の枠と市町村医師養成事業、これは県と市町村が半分ずつ出しているものでございます。関連する大学への支援、そのほか医師確保対策費のうち県立病院等医師奨学資金貸付事業費補助は医療局の奨学金への支援でございます。これらが奨学金関連予算ということで申し上げます。
 そういたしますと、県の一般会計での負担分、平成24年度に関しましては6億8、450万円でございます。平成20年度に奨学生を25名から45名に拡充いたしました。これが来年度5年生、平成25年度には6年生になってくるということでふえてまいります。そういった関係でピークを迎えますのは、平成29年度におきましてこれらの予算は8億1、710万円、これはすべての奨学金を貸し付けたというものでございますが、このような形で試算しているところでございます。
 次に、奨学金の今後の見込みでございます。今はいわゆる地域枠、それと市町村医師養成事業、医療局医師奨学資金貸付事業の三つの奨学金制度を合わせて55名の貸し付け枠で運用しており、本年度は51名が新たに利用したところで、現在、全体で205名の医学生が奨学金の貸与を受けているところでございます。
 今後、この奨学金制度による養成医師は、医学部を卒業後2年間の臨床研修を経て、平成20年度に大幅に拡充いたしましたので、その第1期生が、平成28年度以降本格化することが見込まれております。これらの医師が今後配置が進んだということでございますが、実際は配置の途中に、大学院への進学もしくは中核病院等での後期研修がありますので、このとおりは進まないものではございますが、こういった最短で義務を果たすということでの試算をいたしますと、平成28年に新たに47名が配置が開始になり、その後ふえてまいりまして、最短で参りますと、平成37年度のころには350名を超える奨学生の配置が見込まれてくるというものでございます。
〇福井せいじ委員 このような制度でぜひとも今後医師の確保、養成について取り組んでいただきたいんですが、一方で、現在働いている勤務医の勤務環境向上支援という項目があります。この予算を見ますと、昨年が1億400万円ほどありましたが、ことしは1、260万円ほどの減額になっております。減額の内容と、今、勤務医環境向上についてどのような取り組みをなさっているか教えていただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 勤務医の勤務環境向上支援の取り組みでございます。委員から御案内いただきましたとおり、病院勤務医の離職防止を図るための勤務環境の向上が必要でございます。このため、来年度行う事業でございますが、勤務医の処遇改善の取り組みとして、産科医への分娩手当の助成を行う産科医等確保支援事業を11病院で実施するほか、救急医療に従事する医師への手当助成を行う救急勤務医支援事業を3病院で実施、さらには、出産後、NICUに入る新生児を担当する医師への手当助成を行う新生児医療担当医確保支援事業を1病院で実施し、その処遇改善を図ることとしてございます。
 また、女性医師の就業支援では、女性医師の育児支援や職場復帰支援、女性医師の働きやすい職場環境整備を行う病院の支援や院内保育所の夜間延長保育に係る運営費補助などを実施し、仕事と家庭の両立ができる環境の整備を図ることとしてございます。
 さらに、地元開業医による地域の中核病院への診療応援を支援する中核病院診療応援事業を県立4病院で実施し、病診連携を推進することとしてございます。これら取り組みを着実に実施し、勤務医の確保、定着を図っていきたいと考えてございます。
 なお、1点目の来年度予算が減額になった理由でございます。こちらにつきましては、先ほど御説明した中の救急勤務医手当につきましては、病院のほうから申請が上がってきて予算を措置するものでございますが、手当支給対象者が今年度の見込みより減少したことに伴いまして事業費の減額が見込まれることから、その関係で減額の予算措置をさせていただいたものでございます。そのほかの事業につきましては、おおむね今年度と同様の予算額となっており、引き続き勤務医の勤務環境向上支援の取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇福井せいじ委員 勤務医の方々の勤務環境の向上については、今、制度的ないろんな支援事業等についてお聞きしたのではありますが、勤務医の負担というのは、医療現場における雑事の多さではないかということを私は考えております。さまざまな報酬の手当をいただいても、やはり自分の能力に限界がある。時間数であるとか、あるいはさまざまな細かい雑事をいかに解消して診療に集中できる環境を整えてあげるかという意味では、作業環境の改善という視点から勤務医の環境の向上を図る必要があると思います。
 そのために、以前もお聞きしましたが、医療クラークの充実というものがありましたが、その当時、常勤医2.7人に対して1人の医療クラークの配置ということを伺いました。これについては、今後増員していくような取り組みはなさらないのか、その点についてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 医療クラークに関しましては、委員から御指摘いただいていましたとおり、勤務医は各種委員会の出席等で、いわゆる雑務、書類仕事が非常にふえている環境にありまして、この医療クラークの取り組みが勤務医からも大変好評いただいておりまして、これは県としても進めなくてはならないと考えてございます。
 なお、国でも、医療クラークの推進について、診療報酬で評価して、病院への導入というものを今進めているところでございます。これを受けて、医療局でも、本年度151人から177人に増員しているということでございまして、県といたしましても、こういった医療クラークの導入、活用について、国への要望を初めさまざまな方法を用いまして推進していきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 ぜひとも、さまざまな、何というんですか、報酬的な支援はさることながら、作業環境を整えてあげる、そういった取り組みにもぜひ注力していっていただきたいと思っております。
 勤務医の方々は非常に限界に近い方もいらっしゃいます。やめて開業したいんだという希望も持っている方がたくさんいますので、ぜひとも、勤務する働きがい、そしてまた働くための作業環境の向上に向けて努力していただきたいと思っております。
 この項について、もう一つお聞きしたいと思います。
 地域医療医師支援事業費1、800万円ほどが今年度計上されております。県の地域医療支援センター設置の事業の内容を教えていただきたいと思っています。
〇野原医療推進課総括課長 地域医療支援センター事業の内容についてでございます。当センターは、地域医療に従事する医師のキャリア形成の支援、医師不足病院への医師の派遣調整、あっせん等を行うため、先行的に本県を含む全国15カ所の都道府県に設置されたもので、本県でも本年1月に設置したところでございます。
 主な事業内容といたしましては、県外からの即戦力医師の招聘事業や、県内高校生に医学部進学の動機づけを図る高校生医学部進学セミナー、奨学金貸与医学生を対象に義務履行に向けた意識の共有と地域医療に関する意識の醸成を図る各種セミナーなどを開催しているところでございます。また、県内臨床研修病院の臨床研修指導医の資質向上に向けた臨床研修指導医講習会の開催や、本県の奨学金制度を周知するためのリーフレットを作成し、県内高校等に配布を行っているところでございます。
 なお、来年度につきましては、これらの事業に加えまして、医師不足医療機関等への医師派遣調整業務の一部を岩手医科大学に委託して実施することとしており、地域医療支援センター業務の体制を強化することとしております。
〇福井せいじ委員 ぜひとも、こういった総合的に医師不足に取り組むような専門機関を中心に、今後、医師不足対策に取り組んでいただきたいんですが、ここで一つお聞きします。
 先ほどの奨学金制度あるいはこういった地域医療支援センターの拡充によって、地域的な偏在、医師の数は確保できるやに私は考えますが、今後、次の課題として、診療科目の偏在をいかに解消していくかということが大きな問題になると思いますが、これについての取り組みはどのような形で行っていくか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御指摘いただきましたとおり、医師不足につきましては、地域偏在のほかに診療科の偏在というのが大きな課題だと考えてございます。現在、本県におきましては充足している診療科はなく、すべての診療科について不足してございますので、診療科の偏在について具体的な試みというのはまだこれからの課題として考えてございますが、そもそもが国の制度として診療科を自由に選べる仕組みの中にあって、地域に必要な診療科の医師をどのように確保していくのかというのは非常に大きな課題であると考えてございまして、国のほうでも、今、専門医等のあり方検討会等で議論しているところと承知してございます。
 現在、奨学金制度につきましては、平成28年度以降にその配置が本格化するわけでございますが、委員から御指摘いただいたとおり、診療科につきまして、個々人について今の仕組みについては義務づけるということはできませんので、どのようにして調整していったらいいのか、専門医志向の中にあってどのように、いわゆる総合医的な機能を求められる医療機関に配置調整していくための仕組みを構築していくかということについて、本年度の地域医療対策協議会で課題提起をさせていただきまして、今後、この点につきましてはきちっと関係者間で議論を重ねまして、診療科の地域偏在についても解消に向けて取り組みを進めていきたいと考えてございます。
〇福井せいじ委員 今、御回答をいただきましたけれども、やはり私は、制度の充実というものがこれから必要ではないかと。国がいかなる制度をつくって、地域の偏在と診療科目の偏在をなくしていくか、これは国の制度設計が必要だと私は思っております。特に、地域の偏在に関しては、何らかの資金の、財源の担保も、これからは医師不足の地域にあっては国からいただいてくるということも必要であると私は考えておりますので、ぜひ、国に対しても地域偏在解消のための財源を担保していただくように強く求めていただきたいし、そしてまた、診療科目の偏在についても、何らかの形で制度をつくっていただきたいということを要望していただきたいと思っております。これについてはここで終わります。
 次に、自殺対策緊急強化事業について、先ほど高橋元委員のほうからもありましたので、私のほうからは1点お聞きしたいと思います。
 自殺率というのは、私は、ある意味で県民力の指標の大きなものだ、総合力のあらわれがここに出てきているのではないかと思っております。先ほど、さまざまな部署、さまざまな分野の連携が必要だということで、商工関係では雇用、所得あるいは消費者行政、また医師会との連携とか、窓際での対策とともに、もう一つ、教育の意味でも自殺というものは非常に大きなかかわりを持つのではないかと私は思っております。命のとうとさとか、あるいは自分をいかに認識していくか。そういった意味で教育委員会ともぜひ連携して、家庭教育、学校教育における自殺対策にも取り組んでいただきたいと思いますが、どのようなお考えを持っているかお聞かせください。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 委員御指摘の教育の分野における自殺の防止対策についてでございますけれども、県では、49の関係機関による官民一体となった組織がございます。先ほどお話しいただいたように、雇用分野やあるいは農林漁業分野、それから融資などの問題もある金融分野とか、さまざまな関係者の方々にお集まりをいただいて、それぞれの立場からできる自殺予防対策をとっていくんだということで連携してございます。
 当然、その中に学校教育の分野も入ってございまして、小学校長会や中学校長会あるいは特別支援学校の方々なども入っていただいて、教育の分野でも、生徒に命の大切さを日常の教育活動の中でしっかり醸成していただくような取り組みもお願いしているところでございます。
 また、県庁内部でも自殺の総合対策本部を立ち上げましたので、そこにも教育委員会のほうからも出ていただいておりますので、教育の分野でもしっかり取り組んでいただくように、私どもからも、これからもより強くお願いしていきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 今、教育委員会という言葉を出してしまったのですが、就学前の乳幼児教育においても命の大切さというのは教える、伝えることができると思いますので、保健福祉部のほうでもそういった分野にもぜひ注視していただきたいと思っております。
 最後に、災害派遣福祉チームというものの創設について、御提案ないしお聞きをしていきたいと思います。
 今災害において、被災地においてはさまざまな形で避難所が開設されました。その避難所の中にあって、例えば認知症高齢者あるいは知的障がい者、乳幼児など、特別な配慮が必要な人たちの対応についてはいかなる体制で取り組んだのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇小田原地域福祉課総括課長 今般の東日本大震災津波におきましては、避難所及び福祉避難所の設置運営につきまして、自衛隊や福祉関係者、そして被災者などの方々が円滑な対応に努めたところではございますけれども、委員から御指摘いただきましたように、認知症高齢者の方、障がい者あるいは乳幼児などの福祉的支援を必要とする方への特別な配慮が必ずしも十分でなかったということから、県におきましては、内陸部の温泉地等を活用しましての一時避難という対応をしたところでございます。
〇福井せいじ委員 今、答弁があったんですけれども、必ずしも十分ではなかったという状況があったやに伺っております。例えば、周りの方に迷惑をかけるのではないかと、むしろ、そういった要介護者の家族の方が逆に、何というんですか、遠慮して車の中で過ごすとか、あるいは避難所ではなくどこかに移らざるを得なかったというような状況があったやに伺っております。
 そこで御提案なんですけれども、私は、災害時開設される避難所におけるそういった要介護者、高齢者、乳幼児など福祉的援護を必要とする方への対応、避難所環境の整備改善提案に取り組む専門職のチームを創設する必要があるのではないかと思っております。
 医療の面においてはDMATという専門のチームがありますけれども、そういった福祉に関するチーム、メディカルではなくてウエルフェア、福祉という意味ではDWAT、仮称ですけれども、こういったチームをあらかじめ創設し、その維持をしながら災害時に役立てる、こういった仕組みをつくることもこれからは考える必要があるのではないかと私は思います。
 そこで、御提案です。ぜひともそういった災害時に派遣する福祉の専門チームを創設し、今後の災害時などの取り組みに役立てていただきたいんですが、いかがでしょうか、御所見をお伺いします。
〇小田原地域福祉課総括課長 本県におきましては、被災地の支援に、県内の多くの社会福祉士や介護福祉士等の職能団体が活動してまいりましたけれども、専門職としてのスキルを十分に発揮できなかったこと等を踏まえまして、被災地支援に係る課題を整理しまして、その改善策として、委員から御指摘いただきましたような災害派遣福祉チームの組織化が必要であるとして、岩手県社会福祉会等の職能団体が検討しております。近く、この検討結果が災害派遣福祉チームの組織化の要望書という形で県に提出されるとの連絡を受けているところでございまして、災害派遣福祉チームの組織化につきましては、災害時の避難所等の運営に非常に有効だと考えております。その内容や具体化に向けての課題などを十分お聞きしながら、その対応を検討させていただきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 介護、福祉的な面においてはさまざまな分野に広範に行き渡っておりますので、それぞれの専門職の方の複合組織をつくって、チームとして今後活躍できる、そんな取り組みをぜひとも重視していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。これで私の質問は終わります。
〇軽石義則委員 私からは、大きく3点について御質問させていただきます。
 1点目でございますが、県立療育センターにつきましては、既に会派を代表して工藤大輔委員のほうから質問させていただいて、基本的な考え方はお伺いしておりますが、具体的な内容についてお伺いさせていただきます。
 まず、県内における重度障がい児の療育を必要としている実態、そこにある課題などについて、加えて、被災後におけるその課題、実態がどのように変化してきたか教えていただきたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 県内の重度障がい児の実態と課題というお尋ねでございます。県では、直近ではないんですが、平成21年7月に、最も障がいの重い、身体障がいと知的障がいをダブルで持った方なわけですけれども、重症心身障がい児及び超重症児等の実態を調査したところでございます。
 この結果、重症心身障がい児につきましては199人、このうち在宅で生活している方は122人という結果になってございます。また、肢体不自由児施設や重症心身障がい児施設等へ入所している方につきましては77人という結果になってございます。また、常時、呼吸管理などの濃厚な医療的なケアが必要な超重症児と言われている方については62人おります。このうち在宅で生活している方が40人、入院している方が22人という結果になってございます。
 こうした障がい児をめぐる課題についてでございますけれども、本県は面積が非常に広大な上、県内には超重症児等の受け入れが可能な施設が限られてございます。これらの受け入れ体制を整備することが非常に必要になっておるとともに、在宅の方がより身近なところで、必要とされる訪問あるいは通所等のサービスが提供できる体制を構築することが大きな課題となっておると認識しております。
 加えて、今般の大震災におきましては、本県の療育の拠点である県立療育センターが、施設の老朽化が進んだことによりまして、十分な安全性を確保することが困難となりました。ショートステイを希望する利用者を受け入れできなかったといったようなことがありまして、災害時にも対応できる施設へと改築整備することが課題であると認識しております。こうした課題に対応するために、今般、県立療育センターの改築整備を行うこととしたところでございます。
〇軽石義則委員 家族を含めて大変な状況にあるということはよく理解はできましたけれども、そこにやはり必要性があるがために療育センターをさらに充実するという今回の提案のようでありますが、この療育センターを、今お話があった以外のところを、どのような具体的内容で改善していこうとしているのか。加えて、民間施設における現状、課題につきましても、その施設の運営状況も含めてお示し願いたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 県立療育センターの具体的な整備内容でございますけれども、新たな療育センターにつきましては、先ほど御答弁いたしましたように、超重症児の受け入れを中心にしまして、県内の障がい児療育の拠点としての役割を一層担えるように、施設機能とか職員体制の充実を図ることとしております。
 具体的には、入所部門につきましては、濃厚な医療的ケアを必要とする超重症児等の受け入れの拡充、在宅の重症心身障がい児の症状が急変した際に受け入れるための一般病床の整備など、現在の肢体不自由児の60床を、肢体不自由児は30床に落としまして、重症心身障がい児は20床、一般病床対応分は10床に再編したいと考えてございます。
 加えて、診療部門につきましては、現在、小児科、整形外科、児童精神科など6診療科がございますが、外来ニーズの高い耳鼻咽喉科、眼科、リハビリテーション科を加えた9診療科にふやすということにしてございます。
 加えて、在宅部門につきましては、肢体不自由児の通園定員を15人から20人に増員、重症心身障がい児者の通園定員を9人から15人にそれぞれ拡充したいと考えてございます。
 その他、個別の専門的な療育相談あるいは市町村が実施している療育事業への支援など、また、増加傾向にある発達障がい児への支援体制を強化するための機能の拡充なども考えているところでございます。
 次に、民間施設の現状、運営状況というお尋ねでございましたが、重症心身障がい児を受け入れている施設につきましては、民間施設は一つだけございます。重症心身障害児施設みちのく療育園という施設でございますけれども、そのほかに受け入れ指定医療機関である三つの独立行政法人国立病院機構病院を合わせた、重症心身障がい児対応としては、4施設となってございます。
 この施設全体の定員総数でございますけれども、310人となっておりまして、平成24年2月1日現在では合わせて300人が入所しております。入所率でいうと96.8%という状況でございます。このうち障がい児は10人の入所になってございまして、障がいが重いこともあって長期的な入所となる傾向があることから、年齢の経過とともに障がい者の割合が随分高くなっているということでございます。
 また、重症心身障がい児者通園事業につきましては4施設が実施しております。県内事業所全体の1日当たりの利用総定員24人という状況です。この24人の定員の中に、登録をしている方につきましては48人が利用登録をしてございまして、このうち障がい児の登録人数は12人となってございます。入所施設と同様に障がい者─成人のほうの割合が高くなっているという状況でございます。
 また、在宅の重症心身障がい児につきましては、このほかに地域の医療機関ですとか児童デイサービス等の支援を受けながら、保護者が在宅で介護しているという状況でございます。
〇軽石義則委員 それぞれの施設が役割を果たしていると思いますけれども、やはりまだまだ求められていることも多くあると考えておりますので、県営といいますか、公立といいますか、民間との役割分担だけではなくて、やはり民間施設が努力しているという状況もかなり見受けられます。みちのく療育園の施設長の伊東先生が、このたび、長年の地域医療に貢献ということで表彰を受けている報道もあり、そういうところに光が当たったのは非常にうれしいと、スタッフ一同喜んでいるというコメントも出されているところでありますので、さらに県として支援できるところがあれば、そこをきちっとして支援していただきたいと思いますが、それらについて御所見があればお伺いいたします。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 県立療育センターにつきましては、県内の障がい児療育の拠点の役割を果たしております。直接支援のほかに民間事業所に対する後方支援機関としての役割も当然持ってございます。こうした連携のもとで民間の事業者では地域の重症心身障がい児に対する直接支援を行っているという状況でございますので、今後とも、県立療育センターでは巡回による助言、指導あるいは県内どこの地域においても質の高い療育が提供できるように、民間事業所等の職員に対する研修といったものについて、大きく役割を担っていきたいと思ってございます。
〇軽石義則委員 療育を必要としている児童のみならず、そこにいる家族の負担の軽減というものも非常に大事な事項でございますので、この広い県土をいかにカバーしていくかということになれば、拠点の数というものもこれから課題になってくる可能性もございますので、それらも含めまして、今後の支援体制というものも十分図っていただくようお願いして、この項目は終わりたいと思います。
 次に移ります。
 児童福祉施設整備についてでございます。県内の児童福祉施設の現状と課題についてお示し願います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 県内の児童福祉施設の現状と課題についてのお尋ねでございます。
 本県の児童の健全育成や子育て環境の充実に向けまして、国庫補助金とか国の基金を活用しまして、児童館あるいは放課後児童クラブ室、保育所などの整備を行ってございます。過去3年間で放課後児童クラブ室は23カ所、児童養護施設等が2カ所、保育所が38カ所の整備を行ってきたところでございます。この放課後児童クラブ室については、まだ未設置の市町村があるということ、あるいは保育所におきましては、この3年間で大幅な整備を行ってきたにもかかわらず、まだ保育ニーズの増加に対応し切れていないというような状況があるという課題を持ってございます。
 また、今回の大震災津波によりまして多くの施設が被災してございますので、これらの早期の復旧に向けた取り組みも一層促進していく必要があると考えてございます。
〇軽石義則委員 それらの課題、現状を把握した上で、今回、整備費補助というもので計上されておりますけれども、通常分と震災分の具体的内訳についてお示し願います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 平成24年度における児童福祉施設の整備費補助の通常分と震災分の内訳でございます。
 まず、災害復旧以外の整備分、いわゆる通常分ということでございまして、放課後児童クラブ室が全県で6カ所、児童養護施設の大規模改修が1カ所、保育所については4カ所の整備を行う予定としてございます。
 これ以外に、大震災津波による施設の復旧支援ということでございますが、児童館と放課後児童クラブ室の復旧が5カ所、保育所等の復旧が16カ所、また、保育所の複合化、多機能化を行う復旧が5カ所ということになってございまして、現在、その予定をしてございます。
〇軽石義則委員 やはり次世代を担う子供たちの環境整備というものは非常に大事なわけでございますし、自然災害の発生時において、その施設の機能なり役割というものがどういうふうになっているかということも今後大事な視点になると思いますが、その点についてはどのようにお考えかお示し願います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 ただいま委員御指摘のとおり、子育てにかかわる児童福祉施設は非常に大事な施設でございますので、例えば放課後児童クラブ室については、未設置市町村の解消といいますか、全市町村における設置を目指す、特にも保育所につきましては子育て支援の中核的な施設でございますので、さらに待機児童の解消に向けた一層の支援を行ってまいりたいと考えてございます。
 あわせて、震災からの復興関係ということでございますが、これも被災地における非常に大事な施設でございますので、現在、当面、仮設の施設というような形で復旧しているところが大半でございますけれども、各被災市町村の復興計画の中にしっかりと位置づけられた中で、その本格復旧に向けた取り組みを県としても支援していきたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 よろしくお願いします。
 子供たちの健全育成のみならず、やはり世代間交流というものも含めたものを今後は考えていくことが大事だということを私も考えておりますので、それらも含めて、対策費用は別にしても、1カ所でそういう複合的な対応をすることによって効果が得られるということも考えられますので、ぜひ、そのことも含めて、特に市町村の現状をきっちりと把握した上で適切な今後の対応をしていただくことをお願いして、次の質問に移ります。
 3点目は介護サービス事業所の人材確保などについてでございます。県内の介護サービス事業における現状と課題についてお示し願います。
〇岡村長寿社会課総括課長 県内介護サービス事業における現状と課題についてというお尋ねでございますが、現在、ちょっとデータが古いんですが、厚生労働省で平成21年度に実施した調査が昨年公表されておりますけれども、この調査によれば、県内の事業所数はおよそ1、300事務所、介護職員数は1万5、000人余という公表数値が出ております。我々のほうでは、医療機関とかみなしの事業所ということで、形式的にいうと7、000とか、そういう介護事業所があることになっているんですが、実際は一つの事業所で幾つも事業をやっていたりしているということで、そういう状況でございます。
 それで、こういった事業所で被災等ございましたけれども、県内では、沿岸部でのいろんな状況の難しさはあるところではございますが、おおむね基準に合った人を配置しながらということで事業をやっているんですが、なかなか実態に合った求人あるいはマッチングが難しいというような状況もあると伺っているところでございます。
〇軽石義則委員 きっちりした数字がなかなか把握できていないようなものであるとお聞きしました。そこで、やはり現状を把握した上で対策をとらなければ改善につながっていかないと考えておりますけれども、マッチング、いわゆる求人、求職のミスマッチも含めて、労働環境の現状をどういうふうに認識して課題としてとらえているのか。離職率なども高いともお聞きしておりますので、それらをどのようにとらえて今後の対策に生かそうとしているのかお示し願いたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 県内の介護労働者の課題といったようなお尋ねですが、厚生労働省で賃金構造統計調査を実施しておりますけれども、平成22年の県内の全産業の平均給与は25万7、500円、これは月平均でございます。これと調査の出所は違うんですが、介護労働安定センターが実施しました平成22年の調査では、県内の介護労働者の平均賃金は19万4、000円余というような状況となっております。全産業に比べていささか低目という状況でございます。
 これらの労働環境の現状と課題ということで申し上げますと、同じく介護労働安定センターが平成22年度に実態調査をやっておりますけれども、介護職員の離職率は12.9%という状況でございます。これは、平成21年度の前年調査と比較しまして2.6ポイントほど上昇しております。
 この調査では、仕事の負担についての悩み、不安、不満についてもあわせて調査を行っているところでございますが、これらによりますと、仕事の内容の割に賃金が低いという回答をした方が58.5%、半数を超える状況でございますので、こうしたことが離職率が増加している、あるいはなかなか求人が難しかったりというような状況にも反映されているのではないかと考えております。
〇軽石義則委員 今回、介護業務従事者処遇改善等臨時特例事業費がありますけれども、これまでも実施してきていると思いますけれども、その対策費でどの程度改善しているものなのか。もし、それがなければもっと悪化しているものなのかをお示し願いたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 平成21年度から介護職員の処遇改善の交付金制度で介護従事者の給与改善に努めてきたところでございますが、これらによりますと、平成22年度の実績で申し上げますと、介護職員1人当たり月額1万5、000円ほどの交付金が県のほうから各事業者に交付されております。事業者のほうでは、これらに独自の上乗せ分等も加えれば、1人月額約1万6、000円の賃金改善効果があったと報告を受けております。
〇軽石義則委員 それであっても、まだまだ現場は不足しているという数字も出ているわけありますし、加えて、改善がなかなか感じられないので就職もできないのではないかと思います。
 通告項目には入っておりませんが、そういう職場の中において、今回の震災時に、介護サービス事業に携わる皆さんで、いわゆる震災による労働災害になっている方の数というのは把握されているのでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 当職のほうでは、介護従事者についてのそういった雇用環境の状況というのは把握していないところでございます。
〇軽石義則委員 介護サービス事業者において、業務指導なり業務監査というのはやっていないということなんでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 現在の介護事業者に対する指導等の中では、雇用関係あるいは直接の賃金の状況についての指導ということは行っておりません。ただし、労働監督上問題があれば、所管の労働基準監督署のほうに状況を通告したり、あるいは逆に問題のある事業者には、高齢者等への業務について、そういう処遇上問題が出る場合もございますので、あわせてそういう状況は把握、確認、問題のあるところにはそういう対応をしております。
〇軽石義則委員 なぜそのような質問をさせていただきましたかといいますと、今回、災害発生時において、介護サービスを展開している皆さんが、業務指示によってお客様のところに向かったのか、本人の厚意によって向かったのか、そこの業務指示が適正になされているかどうかというのは、犠牲になった方々においては、これから非常に重要なポイントになってくるわけでございます。そこはやはりきちっと、県としても、指導する上では、労働条件ではなくて、これは業務指示の問題でもありますので、そのところを確認した上で、今後、どのようになっているかお示し願えるようにお願いしたいと思います。
 やはりそういう環境がきっちり整備されなければ、職種、職場を選ぶ範囲には入ってこないと思いますし、安全に仕事ができる状況というのも大事でございますので、その視点もぜひ今後は取り入れていただきたいと思いますが、所感があればお聞かせ願いたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 今回の発災に伴いまして、サービス提供中にお亡くなりになった職員もあると報告を受けております。これらの方を含めまして、災害発生時に御自宅あるいは避難先等多くの介護職員、ケアマネージャーであるとかホームヘルパーであるとか、ふだん外に出ない方も含めまして、そういう安否確認等も積極的に行っていただいたという状況でございます。
 通常行っている業務の内容とは別にと申しますか、通常であればヘルパーが、何回行って何時からやったから幾らという報酬を支払われるような仕組みになるんですが、今回は、業務のいかんにとどまらず、概算で、みなしで、報酬等は事業者のほうに支払われておりますので、細かい実態は県のほうでは把握しておりませんが、個々の従事者については、適切な賃金の支払い等がなされるという取り扱いになると考えております。
〇軽石義則委員 賃金の話は、安全確保という部分については別で聞いているつもりなんですけれども、やはり安全を確保するのは事業主の責任でもありますし、業務指示によっては、そのことが正しく伝わらなければ、働く側が命の危険にさらされることもあり得るという状況でございますので、その点も含めて、当然、労働条件については労働基準監督署を中心に管理されていることは私も承知しておりますので、事業者としての責任の果たし方というのは、県としての業務指導もぜひお願いしたいということを添えて、質問を終わります。
〇岡村長寿社会課総括課長 ちょっとお答えが不十分でしたけれども、県のほうに報告がある範囲では、津波で全壊しました山田町のシーサイドかろであるとか、あるいは大船渡市越喜来のさんりくの園という特別養護老人ホームとか、そういう大きなところが大変被害を受けました。
 業務従事中に被災してお亡くなりになった方は、これらの何カ所かの事業所に特定されるんですが、ただ、実際は市内で業務従事中でなくてもお亡くなりになった方もあると聞いておりますので、それらの業務従事以外の対応等につきましても、事業者と雇用者の間で適切な対応がなされるように、そういう状況は県としても注視して、必要な指導を対応してまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 私からも、通告をしていました3点について質問したいと思います。
 まず第1点目でありますけれども、不妊治療についてであります。
 今回の予算の中にも7、600万円の不妊治療の予算が計上されているわけですが、実際、治療を受けている方の数と、県としての具体の支援策がどのような形でされているかというのをお伺いしたいと思います。
 結婚すると子供ができて母子手帳をもらうと、実際、それまでの周産期に対しての手厚い支援であったりとか、あと、子供が生まれてからの医療の無料化であったりとか、いろんな施策があるわけですが、どうしても不妊の方々に対する光─光を当てるという言い方は大変語弊があるわけですが、なかなか表に出てこない部分があると思います。ぜひ、詳しくこの辺をお伺いしたいと思うんですが、よろしくお願いします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 不妊治療に関するお尋ねでございます。不妊治療者数の関係でございますが、県では、子供を希望しているものの子供に恵まれないため不妊治療を受けている夫婦に対しまして、特定の不妊治療に要する経費─この特定の不妊治療は体外受精と顕微授精という種類がございますけれども、その治療に要する経費につきまして、平成16年度から助成をしてきているところでございます。平成22年度の助成件数でございますが、延べ418件となっており、年々増加しているところでございます。また、県内では、中核市でございます盛岡市においても助成を行っておりまして、その助成件数は延べ202件ということで、合計しますと、平成22年度で県内で620件となってございます。
 この助成の内容でございますが、これまで支給金額や支給回数の拡充を随時図ってきたところでございまして、現在の助成内容としましては、原則として、治療1回につき15万円、1年度当たり2回までとして、通算で5年間、計10回までを上限としている状況でございます。
〇城内愛彦委員 私とすれば、大変多い方々がやっぱり悩んでいるんだなということで、これは沿岸の方から御相談を受けたんですけれども、この治療を受けられる病院が限られているということを伺いました。また、沿岸地区ではそういった治療をできるような病院がないということで大変不便を感じているし、年2回までということなんですが、遠距離の中でタイミングを合わせる─タイミングを合わせるというのもあれですけれども、大変御苦労されているようであります。ですので、その辺もうまく柔軟な対応というものはできないものかと考えますが、そういった悩みというのは、相談として当局のほうには来ていないのでしょうか。地域の格差も含めてなんですが、お願いします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 委員から御指摘のとおり、現在、県内で不妊治療の対応ができている医療機関は、岩手医科大学と盛岡市内の一つの開業医の2カ所ということでございます。あとは県外、例えば八戸方面とか、あるいは宮城県の県北とか、その御夫婦の事情によると思いますが、非常に限られている数ではございます。そういった意味では、地域的なそういう問題はあろうかと思います。かなり専門的な治療でございますので、どうしても治療機関としては限られてくるのかなと思います。
 それから、回数の関係でございますが、現在、初めての年度に限りまして2回までというのを3回までという形で特例的に運用している状況でございます。
〇城内愛彦委員 これはなかなか口に出せないでいる方もたくさんあるようでありまして、御家族にも相談できないで私に相談された方は、宮城県仙台市のほうに宮古のエリアから行って治療されたと。3年ほどトライしてようやく授かって、本当に喜んでいたというケースであります。
 そういう意味でいくと、1回で授かれば、本当にそれに越したことはないんですけれども、そういう意味での大変さもあるようですので、5年ということなんですけれども、年齢的な制限もあるのでしょうけれども、そういう意思を持った方々については、そういう特例的なものも含めて支援していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 この5年間という年数は、かなり医学的な見地からの国としての判断がやはり大きな点だろうと思ってございますので、そういった御要望も踏まえまして、そういう検討があるような機会におきましては、そういった部分も含めまして意見の一つとして述べる機会を持ちたいと考えてございます。
〇城内愛彦委員 ぜひ、それは前向きに検討していただきたいと思います。また、地域の格差もございますので、1回の予算が15万円ということなんですけれども、仙台市に行った方は、2泊とか3泊して体調を整えてということだったようですので、そういったもろもろの負担も結構あるそうなので、そういったことについてもしっかり支援してほしいと思っております。少子化対策には十二分に寄与する部分だと私は思っております。
 次に、看護師不足に入ります。
 前回、看護師不足ということは、地域の要件をどう求めていくかということでお話もさせていただきました。今回、私も沿岸地区のいろんなお医者さんとお話しをする機会がありまして、その際に、震災後、看護師の方々の不足を特段に感じるという話をお伺いしてきました。医療についても、今、大変高度化しているというのは前回のお話もお伺いしましたし、それに対応できるような看護師も必要だというのも十二分にわかりました。
 ただ、前段に質問しましたけれども、産科医とか、医療も実は偏在しておる中にあって、看護師もある意味、地域ごとによっては偏在しているんだなというのもわかってまいりました。大きな町場にはたくさん医院もありますし、大きな病院もあります。そういったところにしっかりと看護師さんも養成されますし、備わっています─備わるという言い方は人に対して失礼ですけれども。特に沿岸地域は、過疎化が進んでいる中にあって、町や村が抱える診療所がたくさんある中にあって、看護師もやっぱり不足しているという状況が出てきております。もちろん、高齢化も進んできますし、そういったことについて、やはり何らかの手だてを今から始めないといけないのではないかと。地域の医療が崩壊寸前であると私は思っておるんですが、その辺の認識も含めて、考えがあればお伺いしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 委員から特に今回の震災を踏まえた被災地での看護師不足の状況について御案内がございました。現在、震災に伴う看護職員の就業への影響を確認するために、県内の全病院における就業看護職員数の調査を県として毎月行っておりまして、これによりますと、震災の直前である平成23年3月現在の看護職員数が1万15人であったのに対して、平成24年2月現在では1万41人でありまして、県全体としては変わってはいない。しかしながら、この調査でも、沿岸部の気仙、釜石、宮古、久慈に関しましては、やはり減少しているという結果が出てございます。
 また、私どもが被災地看護職員就業支援事業として実施をいたしました雇用状況調査によりますと、津波被害が顕著であった沿岸地区の病院、診療所、介護保健施設等において、震災前に比べて看護職員が20名ほど減少している状況にあるほか、民間の医療機関でありますとか介護老人保健施設などにおいて、業務量が増加している施設もありまして、被災地におきまして看護職員の確保というのは非常に重要な問題であると考えてございます。
 現在、各施設におきましては、求人を出すなどによりまして人員の確保に当たっておりますが、応募が少ないことや住居の確保等に苦慮していると聞いてございます。このため、県としても、県ナースセンターやハローワークと連携をして雇用を確保していくとともに、看護職員の雇用や、住居の確保等に要する経費の支援を行う被災地看護職員確保支援事業を平成24年度当初予算案に計上させていただいておりまして、今後とも、被災地域のニーズをきめ細かくとらえながら、被災地の看護職員の確保を図っていきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひ、取り組んでいってほしい課題であります。沿岸地域はお医者さんが不足している中にあって、医療を求める患者は、高齢化も進むという中ではふえています。その中にあって、宮古の病院でもそうなんですが、お医者さんが減ると、その分、看護師の方々の負担がふえるんだそうであります。そういうアンバランスの中にあって、結果として耐えかねるという言い方は変ですね、それで離職をして、条件のいい内陸のほうに移るという方が今ふえているようでありますので、ここで何らかの食いとめ方をしないと、ますます地域の医療全体のバランスが崩れてしまって、岩手県全体のバランスというのは、本当によくない方向にいくんではないかと思っていますので、今回の支援事業はすばらしい事業だと思いますけれども、もっともっと現場に合った形の支援というのもまだまだあると私は思っています。そういったことも模索をしてほしいと思いますが、その辺、再度確認をしたと思いますが、どうですか。
〇野原医療推進課総括課長 委員からお話がありましたとおり、被災地の医療の確保、これは医師不足だけではなくて、看護職員を初めとしたさまざまな医療関係職種、こちらがチームとして確保していくことが重要であると我々も考えてございます。そういう中にあって、被災地での医療ニーズ、今後、被災地の住民の方々は心身ともに大変な負荷がかかってございますので、こちらの治療動向や被災地での看護師等の就業条項、こちらを我々看護協会と、またナースセンター事業等とも連携をして、きちっと把握をしながら適切な対応をとっていきたいと考えてございます。
〇城内愛彦委員 看護師不足については、これといった妙策というのはまずないんだと思いますけれども、医師確保事業のように、地域要件というのも考えるべきではないかと思うわけであります。
 沿岸地域、例えば看護師の不足している地域に率先して勤めてみたいという思いのある看護師の卵を育てるというのも、私は一つの方策ではないかと思いますし、そういった方々に目を向けるということも今後検討してほしいと思いますので、意見はまた次回、この件については取り上げますので、よろしくお願いします。
 最後になりますけれども、委員長、ドクターヘリについて、いいですか。
〇嵯峨壱朗副委員長 どうぞ。
〇城内愛彦委員 ドクターヘリについて単純なことをお伺いしたいと思いますが、ドクターヘリの機種というのは─機種という言い方変ですね。ただ単に飛ぶヘリコプターなのか、いろんな装備がついたヘリコプターなのか、お伺いしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 ドクターヘリコプターに今用いられている機種、何機種かございますが、一般的には小型機と呼ばれている飛行機でございます。パイロット、あとは整備員、医師、看護師、そして患者がという形で、最大6名が搭乗できる形で、医療用ストレッチャーを備え、また、救急用の例えば輸液のセットでありますとか、いわゆる救命救急センターまでいきませんが、病院の救命救急の最低限のライフラインを確保するために必要な資機材等を備えたものでございます。したがいまして、市販の小型機をドクターヘリコプター用に、医療用にそういった備品をつけて改造いたしまして、ドクターヘリコプターとして活用しているという状況でございます。
〇城内愛彦委員 その導入しようとするヘリコプターは、夜間は飛べますか。
〇野原医療推進課総括課長 ドクターヘリコプターの夜間飛行につきましては、国としての大きな課題でございます。現在は、我が国といたしましては、ドクターヘリコプターに関しましては有視界飛行ということで、日中での運用にとどまってございます。夜間の飛行につきましては、国として今研究を始めた段階と理解してございます。
〇城内愛彦委員 では、日中の曇りには飛べますか。有視界飛行ですから、もしかしたら飛べないという答弁になるのかもしれませんが、その辺、確認したいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 例えば、雷ですとか風雪といったような悪天候時におきましては、これは安全な運航が第一でございますので、CSもしくはパイロットの判断によりまして、日中、悪天候の場合には飛行ができないこともあり得るものでございます。
〇城内愛彦委員 国という大きな課題もクリアしなければならないようでありますけれども、ぜひ天候がいい場合は、夜間も飛べるような形をとってほしいと思います。
 有視界飛行というのはわかりますし、計器飛行、レーダーでも今飛べるヘリコプターがあるそうですので、いろんな規制もあるでしょうけれども、そういうものが導入できる─我々沿岸地域の者とすれば、お医者さんが偏在をして、高度な医療を受けなければならない際に、盛岡圏域まで30分でというお話ですけれども、救急車に乗って、一たんヘリコプターが離発着できるところまで行くのも時間がかかるような地域ですので、それを考えますと、それからそこでだめだった、もうどっかに行ってという話に、じゃ、陸上で盛岡までという話もなかなか大変なことになります。
 この広い岩手県の県土を考えれば、先ほど五日市委員のほうからもお話がありましたけれども、1台よりは2台のほうがいいでしょうし、2台よりは3台という話にもなるかもしれませんが、それ以前に、ちゃんと使い回しができるようなものというのは検討すべきだと思います。ぜひその辺、前向きに検討してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御案内いただきましたとおり、ドクターヘリコプターは本県の救命救急の高度化に大変資すると我々も考えてございます。しかしながら、一方で、夜間飛行に関しましては安全上の課題、これはきちっとクリアをしなくてはならないと考えてございます。ドクターヘリコプターは安全な運航、これが基本にあっての運航ではないかと考えてございますので、夜間についてはさまざま課題がございまして、そういった点をきちっと整理をしながら、御案内いただいた点についても、長期的にできればこれは本当にいいことでございますので、我々も長期的な課題としてとらえまして、課題についてよく研究をしまして、必要な提言等も国にも行いながら進めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 そもそも論になるんですけれども、本来、ちゃんとお医者さんが地域に適正に配置されていればこういう問題はないでしょうし、隣の福井委員の話にもあるとおり、これから向こう10年ぐらいたたないと、お医者さんの数がふえてこないという中にあって、当面の間、こういったドクターヘリ等でカバーをしなければならない事情というのもあると思います。ぜひ、当面の間もしっかりと対応できるように、根本はお医者さんをしっかりと確保していただくことが前提ですので、その辺をよろしくお願いして私の質問を終わります。
〇佐々木努委員 私からは通告で三つの質問を予定しておりましたけれども、そのうちの一つは自殺対策でございましたので、それにつきましては質問をいたしません。残り二つの質問をさせていただきます。
 それから、ちょっと順番を変えて質問させていただきます。
 まず第1点は、震災遺児の心のケアについてでございます。
 震災からきのうで1年がたちました。きのう、私も陸前高田市の追悼式に出席させていただきましたが、会場にはたくさんの子供たちが来ていました。家に帰ってからテレビを見たんですが、そこには震災遺児もたくさん来ていたということでございました。これからは子供たちの心の復興、これにも一生懸命取り組んでいかなければならないと思っています。特にも、震災遺児の心のケア、これは重要な課題と思いますので、県としても積極的に取り組んでいただければと思います。
 まず初めに伺いますが、県内の震災遺児、前にお聞きをしたときは569人ということでしたが、これは変わりがないかどうか。そして、両親を亡くした子、片親を亡くした子、あるいは家族全員を亡くした子供、その内訳がわかれば教えていただきたいと思います。
 それから、以前、すべての遺児は親戚等に引き取られて施設には入っていないという話をお伺いしましたが、現在もそれに変わりがないか、変化がないか、わかる範囲で結構ですので教えてください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 被災遺児の心のケアの関係でございますけれども、まず、今回の大震災津波によりまして親を亡くした子供の関係でございますが、2月14日現在で、両親またはひとり親家庭の保護者が死亡または行方不明となったいわゆる被災孤児、これは93人で変わりございません。それから、両親のうちいずれかが死亡または行方不明となったという被災遺児でございますが、これは487人となってございます。
 いわゆる被災孤児の養育環境の確保につきまして、私どもも、最優先の課題として取り組んできたところでございますが、これまで児童相談所職員が個別に訪問を継続しておりまして、本人や親族様の御意向等も踏まえて対応してきたところでありまして、57人の子供たちが親族による里親制度の中で養育されております。それから、そのほかの子供たちにつきましても、里親としてではないんですが、いわゆる親族様などと一緒に生活しておりまして、家庭的な養育環境が現在確保されている状況にございます。
〇佐々木努委員 昨年ですが、震災遺児の心のケアを行うために、国が東日本大震災中央子ども支援センターというのを設置してグリーフケアを進めるという話を聞きましたが、現在の県内での取り組みはどのようになっているか、お示しをいただければと思います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 お尋ねのグリーフケアの関係でございますけれども、このような死別経験を持つ子供たちは深く悲しみ嘆く、いわゆるグリーフに襲われる場合がございます。時として、怒りや自責の念を強めたり、不眠等の身体症状があらわれたりするということがあろうかと思います。このような反応は、子供の年齢や被災の状況、周囲の環境等によりさまざまでございまして、まずは子供にとって最も身近な大人である保護者、養育者、それから学校の先生、それから保育所の保育士などの周りの支援者が、その子供の状態に合わせた支援を行うということが非常に大切でございますので、まず周りの支援者の方々に対する啓発や研修を重ねること、そういったことによってケアする側の対応力の向上、これに現在ずっと取り組んできているところでございます。
 また、このようなケアの過程でリスクが高いと判断されるような場合がございますが、この場合は、沿岸3地区に現在設置して運営してございます子どものこころのケアセンター等におきまして、専門の児童精神科医が対応してございまして、今後もこのような取り組みの継続が必要であると考えてございます。
〇佐々木努委員 私は国のほうで現地に入って、児童相談所の職員の方と一緒になって取り組むという認識を持っておりましたが、そうではないということですね、今、現状では。
〇奥寺児童家庭課総括課長 お話がありました国が設置している東日本大震災中央子ども支援センターは、今立ち上がろうとしていますが、盛岡市にも宮城県にも福島県にも、それぞれ3県に現場の窓口を置きまして、主に関係者の研修が中心の活動に現在なっていくものと考えてございます。
 専門のお医者様、児童精神科医の派遣につきましては、先生の数が全く少ないものですから、現実的になかなか、現状の私どもが今まで続けてきた沿岸3地区への専門の先生の県外からの支援も含めてのそういった体制が精いっぱいのところかなというのが現状でございまして、ただ、今後におきましても、国の支援と一緒になりまして、主として研修機会をしっかりと現地でたくさん持って、いわゆるグリーフも含めた子供の心のケアの理解者をふやす努力を引き続き続けていくこととしてございます。
〇佐々木努委員 親がいなくなったという悲しみとか苦しみというのは、小さな子供というのは意外とわからないで、だんだん成長の過程で大きくなっていくものだと思います。そういう意味から、息の長いというか、そういう県の支援をしっかりとお願いしたいということを要望しておきたいと思います。
 二つ目ですが、県の保健事業への取り組みについてお伺いをします。
 先日、2010年の年齢調整死亡率、これが厚生労働省から公表されました。岩手は男性が第45位ということでワーストスリーですね。女性も前回、5年前の調査では32位だったんですが、女性は42位に後退ということで、順位だけ見ると非常に残念な結果になっていると思います。
 まず初めにお聞きしますが、この結果について県はどのように思っているのか、とらえているかの、この辺をお示しください。
〇藤原健康国保課総括課長 この間厚生労働省から発表がございましたこの都道府県別年齢調整死亡率、結果の公表の中にもございますが、年々、死亡率については減少してきておりますけれども、本県の県民の死亡原因、これは悪性新生物、心疾患、そして脳血管疾患の順に多い状況となってございます。特にも、今御案内のとおり、男性の年齢調整死亡率や男女とも脳血管疾患の死亡率は全国でも高い順位になっております。特にも、脳血管疾患の死亡率が高くなっている要因といたしましては、塩分が多く含まれる食事が好まれるとか、運動不足ということが考えられます。また、平成22年に実施いたしました健康いわて21プランの循環器疾患領域の到達度評価を行いました。この中でも、脳血管疾患の予防に関する認識が不十分、それから特定健診の受診率が低いというような課題も明らかになっております。
 このように、本県の死亡率を減少させるためには、今お話ししましたこの三つの死因、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の発症予防、それから重症化防止を進めることが健康づくりにおける重要な課題と認識しているところでございます。
〇佐々木努委員 この調査によりますと、長野県が男女とも第1位、そしてお隣の青森県が男女とも47位ということで、両極端になっております。ちなみに、長野県は1990年以降、5回の調査連続で1位という優良県でございまして、青森県は前回2005年に続いてのワーストワンということで、改善が見られていないということであります。長野県の担当者は、保健衛生活動を充実させた成果であると、自信たっぷりに話をしているということでございますが、実はこの長野県、45年前は、男性が28位、女性は40位という結果であったということで、それを何とかしようということで県が一生懸命先頭に立って、頑張って今の1位という座を築いたということでございました。そのことからすれば、岩手も1位をとれる可能性は絶対ないとは言えないんじゃないかと思います。
 そういうことで、これから、とにかく下位低迷から脱却するような、県全体としての取り組みをしていかなければならないと思うんですが、そのことについて部長に、いきなりで申しわけないんですが、意気込みとかをお話しいただければと思います。よろしくお願いします。
〇小田島保健福祉部長 長野県の事例では、たしか有名だったのは、塩分をかなり減らす運動を中心としながら、それからお年寄りの方でも体を動かさなければならないということで、例えば農業に従事しながら、いろんな活動をされているというようなことを全体として推進してきたと承っておったところでございます。本県でも、お話がありましたとおり、当然のことながら取り組みを強化することによって、そういういい位置にいく可能性はありますので、今度はいわて県民計画の第2期アクションプランでありますので、これらの疾患の死亡率、こういうものの減少を掲げておりますので、市町村あるいは学校、事業所等と連携をしながら、健康的な食習慣あるいは運動習慣あるいは特定健診等の受診率の向上、さまざまな取り組みを行いまして、まずはこういう順番の非常に悪い位置から着実にいい位置に高めていくという取り組みをやっていきたいと考えております。
〇佐々木努委員 この問題は、県の担当者を初め、担当課一丸となった積極的な取り組みが必要だと思いますので、5年後に期待をして私の質問を終わります。
〇佐々木朋和委員 私のほうからは、先日尿中放射性物質のサンプリング調査の結果を受けて、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
 時間の関係で、詳細は、数字のほうは割愛させていただきますが、内部被曝線量1ミリシーベルト基準の中、それをはるかに下回る0.03ミリシーベルト未満、多くてもということの結果が出ました。それに対して、健康への影響は極めて小さいという評価を保健福祉部では出されたわけでありますけれども、ちょっと質問の前提として、県南地域における放射線量の基準についてどうとらえているかということをお話ししたいと思うんですが、生涯100ミリシーベルト、年間1ミリシーベルトということで、内部被曝についても4月から食料についての基準が改められるという中で、多くの皆さんは、この基準について理解をある程度示していただいているわけでありますが、一方で、100ミリシーベルトというのが、一気に放射線を浴びたときの発がん性リスクであって、低線量を長く浴びたときには確定的なことがまだまだデータが少ないと、また、内部被曝についても同じであると。そして、内部被曝と外部被曝の両方を受けているときのこの値の割合というんですか、その兼ね合いについてはまだ不鮮明だということで、中には基準以下のものを子供たちの食品に求めたり、御自宅を自分で除染したりという方々がいらっしゃるわけでございます。そういう中にあって、今回、それでもこの0.03ミリシーベルト未満という内部被曝の蓄積だったということは、ある程度納得をしていただけるとは思うんですが、それでもこういうリスク意識の方がいらっしゃるという中では、子供たちの安全についてはもちろんですが、子育てについての安心、また、広く県民の皆さんの内部被曝量をデータとしてとっていくという中でも必要と思うんですが、今後の継続的な検査について行うべきと思いますが、所見を伺いたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 まず、放射線被曝に関しましては委員から御案内がありましたとおり、さまざまな御心配、見解とかがあるというのは我々も十分承知しているところでございます。今回の内部被曝健康調査につきましては、委員からも御紹介いただきましたが、放射性ヨウ素は全員不検出であり、また、放射性セシウムに係る預託実効線量は全員が1ミリシーベルトをはるかに下回る0.03ミリシーベルト未満という結果であり、3月2日に行われました有識者会議では、本県の子供の放射線内部被曝に係る健康影響は極めて小さいとの評価が得られたところであり、それを踏まえまして、調査継続の必要性は低く、追加検査等も必要ないとの結論が得られたと理解をしてございます。
 したがいまして、県といたしましては、今後、特段の状況変化等がない限り、県民の安全の確保、健康被害の防止という観点からの調査対象者の拡大や、その他の追加検査を行う必要はないものと考えてございます。しかしながら、今回の調査対象者について継続的に調査をし、前回の調査結果と比較することが県民に対するフォローになるという観点での御意見も出されたところであり、今後の対応につきましては、今回の調査結果を県民に対しまして、正しくかつわかりやすく伝えることや、市町村とも連携をした丁寧な説明を実施するほか、さまざまな観点から、県民へのフォローアップの方法を検討していきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 フォローアップの必要性は認めていただけるというお話であったわけでありますが、今のお話だと、今回、調査を受けた方が継続的にという話だったと理解をいたしますが、そこで一つ心配なことがあるんですけれども、今回、希望者の方から選んだということで先ほど私からも御案内させていただきましたが、やはり心配な方は、食について、特段、子供たちに、より放射線量の低いものということでとっているということもございます。その中で、このような選択の方法がサンプリングの平均性ということを担保できているのかということが心配ですので、少しお話を伺いたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 今回の調査の対象者の選定方法についての考え方でございますが、学術的には無作為の抽出という方法が望ましいものの、今回は2リットル以上の連続した尿の検体採取による精密の検査が必要であったということもあり、対象となるお子さんへの負担、また、保護者の方々の理解や協力も必要であったことから、ほとんどの市町村では、調査方法をお示しした上で、希望者の中から抽選により抽出する方法をとったものであり、調査対象者の選定における代表性については、一定程度確保されているものと考えております。
〇佐々木朋和委員 お子様の負担も考えてということであったということでしたので理解を示させていただきますが、ぜひともフォローアップのほうはしていっていただきたいと思います。
 その中にありまして、先ほど述べたように、こういうリスク意識があるということをぜひ保健福祉部の皆様には御理解をいただいて、今後、説明が必要なときには、ただ、安全、安全ということを言うだけではなくて、そのリスク意識があるよということを配慮いただきながら説明をしていただきたいと思いますし、また、県南地区においては、これから放射性物質についても焼却をしなければならないという場合が出てくるかもしれないです。そういうときには、ぜひ環境生活部、農林水産部とともに、処理をしたい側からの意見だけではなくて、県民の健康を預かる保健福祉部としての説明の仕方もあると思いますので、ぜひそういうときには、一緒に来て説明をしていただきたいと思います。
 また、最後の質問になりますけれども、そのような環境の中では、お父さん、お母さん方からお話をいただくのはやはり効果、発がん性のリスクについてなんですが、自分が死んだ後に、子供たちががんになる、ならないというのがわかるので、なかなか自分としては判断の責任ができない。だから、より安全な安全なというほうになってしまうんだとか、また、子供が小さいので大きくなったときに、お父さん、お母さん、何でこんな判断をしたんだと、そういうような形で恨まれるのではないかと、そういう形で、大丈夫だとは思ってもなかなか判断をしかねるという思いをよく聞かせていただくわけでございますが、その中にあって、私が思うのは、放射線について特定することなく、例えば発がん性リスクを将来にわたって軽減していくような、午前中に高橋元委員から、また、先ほど佐々木努委員から、県として、健康についての取り組み、何位を目指そうという話がありましたが、例えば将来的に発がん性リスクが低い県だと、そういうような形で、スローガンとして目指そうとか、健康を推進する取り組みによって継続的調査とともに、そういうような形で、県として取り組んでいくという姿が、先ほどお話させていただきましたお父さん、お母さんの不安を解消することになるのではと思うんですが、最後にその点の所見をお聞きして終わりたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 委員から御紹介がありましたとおり、やはりお父さん、お母さん方の御心配というのは、本当に我々も十分感じながらこの業務を対応させていただいているところでございます。
 委員から発がん性リスク低減の取り組みという形でお話がございました。先ほど御答弁申し上げました有識者会議の中で、放射線による健康影響は極めて小さいと評価した上で、各有識者から、生活上の留意事項といたしまして、現在の我が国における死亡原因の第1位はがんであり、これまで明らかにされてきた喫煙等のリスク要因を回避する対策が重要であること、がんの要因の約60%は喫煙と食事にあると考えられており、現在の岩手県民の被曝レベルでの発がんリスクは、喫煙はもちろんのこと、高塩分食、野菜不足、高脂肪食等に比べてもはるかに低いと考えられること、ゼロに近い放射線のリスクをさらにゼロに近づけるよりも、食事を含む生活習慣を改善するほうが、がんの予防のためにはるかに効果が大きいことを県民に対して周知を図ることが望ましいこと、放射線の健康リスクを知ることによって、ほかの生活習慣のリスクも見直していただき、トータルとして、健康が増進していくことを期待することなどの県民への具体的なアドバイスをいただいたところでございます。
 県といたしましては、放射線の影響を受けやすいとされる子供の健康を最も重視する観点から、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく環境からの除染、食品衛生法に規定する食品中の規格基準の遵守など、総合的な対策を進めることはもちろんでございますが、委員から御指摘いただきましたとおり、今回の内部被曝による健康影響と生活習慣等による発がんリスクとを比較するなど、わかりやすく県民に周知をしながら、生活習慣の見直し、がん検診の受診率向上など、がん予防の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 介護保険財政安定化対策特例事業についてお伺いいたします。
 新年度に28億6、600万円余りの取り崩しということで計上されておりますけれども、この取り崩しに至った経緯等をお知らせいただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 県の基金を取り崩したという経緯でございますけれども、一つは、高齢者の増加、それに伴う要介護高齢者が増加しまして、介護給付が増嵩していくということが見込まれているということがございます。国のほうでは、来年度以降の3年間、5期の期間中、全国平均、標準月額1人大体5、000円を超えるんではないかという予測を立てた上で、これまで県で設置している財政安定化基金は、国、県、市町村の三者で3分の1ずつ拠出して、財政安定化のための赤字が出た保険者等への補てんをする、あるいは貸し付けをするという形で運用されてきているわけですが、5期に限って取り崩しを行い、取り崩し額の3分の1を市町村に還付し、保険料の上昇緩和に利用できるということで、昨年の6月に法改正がされたところでございます。これらを受けまして、県では、当初予算で取り崩して、市町村への緩和措置に充てる、そういった対応を考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 介護事業に大変負担も多くなったということでありますけれども、4期の事業の中で、それぞれの施設の拡充もなされたわけですけれども、そういう施設の充実も含めて負担もふえたということなんでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 お尋ねにございましたとおり、平成21年度から平成23年度までの第4期の介護保険事業計画の期間中におきまして、特別養護老人ホームでございますと約1、100床分、老人保健施設でございますと480床ほど、それから認知症高齢者グループホームにつきましては800床ほどの増設整備がなされたところでございます。また、平成24年度から平成26年度までの5期の計画期間において、現段階では、特別養護老人ホーム約850床、老人保健施設約160床、認知症高齢者グループホーム約370床など、こういった施設整備も予定されているところでございます。
 市町村、保険者におきましては、こういった施設入所の増額分、あるいは在宅のサービスの増加分というものを見込んだ保険料設定をしているものでございます。
〇工藤勝博委員 4期の最終年度の平成23年度は、昨年の震災以降計画しておった施設整備も、なかなか思うように進んでいないというのが現状だというお話も伺っています。それにあわせて、資材の高騰とか人員の不足ということでありますけれども、4期に計画された施設の完成度合いといいますか、その進捗率はどのようになっておるのか、わかっておればお聞かせいただきたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 第4期計画では、当所、計画を立てた時点で600床強の特養等の整備であればそういった予定があったんですが、第4期期間中に、施設の前倒し整備というのは、5期の分を1年分ほど前倒しで整備したという計画がございます。平成23年度の整備に集中しているところでございますけれども、これらについては、今お話があったように、年度末までに完成するというものが若干工期が延びまして繰り越しになる部分が多いわけですけれども、幸い震災の影響で、沿岸部で2カ所ほど小規模特養の整備が取り下げになったと、時期を見て整備予定地の状況が確定してからというところが若干ございますけれども、ほとんどのものは、夏前までに整備が終わるという状況になってございます。
〇工藤勝博委員 今後、5期の事業計画においても、878床の計画というのもあります。それにつけても、よく2025年問題というのが言われております。団塊の世代が75歳以上、後期高齢者になる、大量に人数がふえるということで、当然、計画的に整備もしていかなければならないと思いますけれども、それにあわせて負担もふえると、その負担の解消もあわせてこれから検討していかなければならないと思いますけれども、その辺のお考えは、今後の対応はどのようなことでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 今お尋ねがありましたように、社会保険制度のほうは給付がふえれば負担もふえるという中で、これまで高齢者もふえるので、割り返す1号被保険者、65歳以上の方もふえてきたわけですが、県内でも65歳以上の人口が減る市町村も出てきております。そういう状況でございますので、県のほうでは、国に対しまして利用者の保険料、利用料の軽減措置、あるいは県、市町村等の地方の負担についても軽減されるような財政措置が講じられるようにこれまでも要望してきておりますし、今後もそういうことで、制度全体の見直し等についても要望してまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 次に、震災対応分としての一つの事業、地域で支え合う体制づくりという事業があります。仮設住宅においての要介護高齢者及び障がい者が安心して暮らせる支援体制ということでありますけれども、どのようなサービスといいますか、お考えになっているのかお聞きしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 今お尋ねのありました関係ですが、県では、被災地に一時的に利用できなくなった介護サービス事業所等もございましたので、避難所、応急仮設住宅の方たちを専ら対象にしまして、高齢者サポート拠点を、一定の規模の団地等に設置する方向で市町村と相談をしてまいりました。現在、22カ所ほど被災地のほうに設置されておりますけれども、これは高齢者の介護サービスの仮設の事業所として介護給付を行っているところもございますし、それから集会所も使っているところがございますけれども、お年寄りの方あるいは子供も含めた交流の場として、社会福祉協議会等でいきいきサロンとして運営したり、あるいは生活支援相談員等を配置して見守り、そういう連絡調整の拠点としての活動等が行われている状況でございます。
〇工藤勝博委員 仮設住宅の団地の中での、いずれ本格的じゃない、恒久的じゃない施設の整備とか支援ということで理解してよろしいでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 これは基本的に仮設の施設を使いまして、仮設の住宅にあるような集会所の大きいものに、高齢者の方で要介護の方も入浴できるような浴室とか、それから給食、配食ができるような厨房施設を入れたり、それから健康相談をしたり、子育て支援ができるような交流スペースがあるような建物、これは仮設でございます。
 それから、仮設でなくて、既存の建物なんかを借り上げて利用して、そういう活動に使うということも可能でございますが、現在のところ、そういうタイプは岩手では1施設にとどまっております。
〇工藤勝博委員 月日がたつうちに、健康だと思っている方もだんだんにいろんな症状が深まってくることが今まで言われておりますけれども、そういう方々にも対応できるようなサービスもぜひとも必要だろうと思います。
 最後に、昨年の震災後、ある施設の中でも、定員オーバーしてまでも対応してほしいということで、かなりの人数が既存の施設に避難といいますか入ったと思います。その実態等がもしわかればお聞きしたいと思いますし、その後の介護事業の状況がわかればお聞かせ願いたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 被災に伴いまして、通常、定員超過ができないわけですけれども、利用定員をオーバーして特別養護老人ホーム等、内陸も含めて受け入れをしております。
 今一番新しい数字は、1月末の状況で把握してございますけれども、超過受け入れをしている特別養護老人ホームの施設は12施設、沿岸部は6施設ほどでございます。超過している人数は47人、それから老人保健施設が6カ所、29人、養護老人ホームが3カ所、5人、合わせて21施設で81人ほどが定員超過で受け入れられております。おおむね半数くらいの方は、沿岸部のほうで超過受け入れがなされているという状況でございます。
〇工藤勝博委員 それではこれが最後ですけれども、岩手に暮らしていて、老後が安心して暮らせる社会を築くためということを、部長はどのようなお考えを持っているかお聞きしたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 岩手で、今回震災でいろんなところに行かれた方、それから震災を契機に介護度が悪化された方、いろんな方がいらっしゃるわけですが、高齢者の方が住みなれた地域で活動できる、そういうのが一番だと思いますし、もし要介護状態になったときにも、そういうことについて地域の中で面倒を見てもらえるきめ細やかなサービスも受けながら、最後まで生きがいを持って過ごせるような、そういう社会をつくりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 ぜひ、そういう施設も含めた人のつながりの豊かな地域づくりに頑張っていただきたいと思います。終わります。
〇嵯峨壱朗副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時53分 休 憩
午後3時12分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇小西和子委員 私は、予算に関する説明書の114ページ、母子福祉費に関して、ひとり親家庭支援についてまずお伺いいたします。
 これまでも子供の貧困について取り上げてきました。数年前から、給食のない長期休業中に体重が落ちる子が目立ってまいりました。それから、家庭の経済状況で進路変更を余儀なくされているということも多く見受けられるようになってまいりました。こういうことから取り上げております。
 ユニセフの最新の国際比較によりますと、日本の子供の貧困率は35カ国中、悪いほうから9番目なんです。そういうふうに高いと報告されております。全年齢層の貧困率は、2006年から2009年にかけて15.7%から16.0%と0.3ポイントの上昇でしたが、子供の貧困率は何と14.2%から15.7%と1.5ポイントも上昇しております。この子供の貧困率は実数にして約323万人に相当して、大体六、七人に1人の子供が貧困線に満たない暮らしをしていることになります。世帯タイプ別に見ますと、依然として母子家庭の子供の貧困率が突出して高く、2010年度は51.07%となっています。
 岩手県では、たしか、以前質問したときに、貧困率は出していないという答弁がありましたので、ここではひとり親家庭の現状と課題をお伺いいたします。母子家庭、父子家庭世帯の推移、就労、収入の状況、それと課題についてお伺いいたします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 ひとり親家庭の現状と課題ということについてのお尋ねでございます。
 ひとり親家庭の実態調査につきましては、県として5年ごとに実施してございますが、平成20年度の調査結果では母子世帯は1万2、285世帯であり、年々増加傾向にございます。前回調査の5年前に比べますと、1、192世帯、10.7%の増となってございます。また、父子世帯におきましては、減少傾向にございますけれども、平成20年度で1、124世帯でございまして、5年前に比べまして161世帯、12.5%の減となってございます。
 次に、就労、収入についてでございますけれども、平成20年度調査におきましては、母子家庭の就業中の世帯の就業形態を見ますと、常用労働が43.7%、臨時、パート、内職が48%となってございます。就労収入の状況を見ますと、月平均収入が10万円から15万円未満が41.2%、15万円から20万円未満が21.5%、20万円以上が7.2%となってございます。
 このような状況でございまして、課題といたしましては、就労支援による経済的自立の促進、生活相談や子育て相談への対応等に係る各種の情報提供の充実、そして、養育費等の相談支援などが挙げられているところでございます。
〇小西和子委員 母子世帯がどんどん増しているということ、常勤雇用が減ってパート等がふえていること、それに伴いまして、収入状況のほうですけれども、10万円から15万円未満というところがぐんとふえているということからして、本当に早急に対策を講じなければならないと思います。
 それでは、課題解決のための取り組みについてお示しください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 この課題解決に向けた取り組みでございますけれども、平成22年3月に県として策定しました岩手県ひとり親家庭等自立促進計画をもとにしまして、大きく五つの分野で取り組みをしてございます。
 まず、相談機能の充実ということで、広域振興局等に母子自立支援員兼子育て支援員を25名配置しまして、貸付金ほか生活相談や子育て支援に対応しております。また、ひとり親家庭等に対する支援制度の周知を図るため、支援制度を取りまとめましたハンドブックも作成して配布しているところでございます。
 二つ目ですけれども、就業支援といたしまして、就業に必要な技能とか資格の取得促進のため各種事業を実施しておりますが、特に、看護師や保育士等の資格取得のための助成金が支給される高等技能訓練促進費事業の利用者につきましては、平成21年度の34名から、平成22年度は60名に増加する状況にありまして、今後、このような事業が確実な就業につながっていくものと期待しているところでございます。
 三つ目に、子育て支援、生活環境の支援ということで、ひとり親家庭の保育所等への優先入所の促進とか、一時的生活援助を行う母子家庭等日常生活支援事業を実施してございます。
 四つ目でございますが、養育費の確保を促進するため、弁護士による県内各地での無料法律相談や、県母子寡婦福祉連合会に常駐する養育費相談員による相談対応を行ってございます。
 五つ目に、経済的支援の充実としまして、児童扶養手当の支給のほか、子供の修学資金など母子寡婦福祉資金の貸し付けを行ってございます。
〇小西和子委員 ひとり親家庭、寡婦のための支援策ガイドブックというものをいただきましたけれども、いろいろな支援策がございますが、やはり顔と顔を合わせて親身になって相談できる、そういう相談窓口がいつでもあればいいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 子供の貧困に歯どめをかけて、ひとり親家庭等自立促進計画というものがございますけれども、これの目的に掲げております、将来にわたってひとり親家庭等が安心して暮らすことができる社会づくりを進めていただきたいと思います。
 次に、震災後のひとり親家庭の状況についてお伺いいたします。現状はどうだったでしょうか。先ほど、佐々木努委員の質問の中に、両親またはひとり親を亡くした子供は93人だということがございましたけれども、では、ひとり親家庭となった児童は何人なのか、そのうち母子家庭、父子家庭の割合についてもお示しください。
〇奥寺児童家庭課総括課長 震災の関係のひとり親家庭の状況でございます。
 まず、大震災津波によりましてひとり親家庭となったいわゆる被災遺児と申しますけれども、2月14日現在で487人でございます。その子供たちの内訳ですが、母子家庭の子供となった者が272人で56%、父子家庭の子供となった者が212人で44%でございます。
〇小西和子委員 それでは、発災後の課題と対応についてお伺いいたします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 この被災遺児家庭に対する支援の課題としましては、被災遺児を対象とした民間を含む各種の経済的な支援制度がさまざま創設されている状況でございますので、まずは、こうした支援制度の周知の徹底と、さらに心のケアも含む各種の生活相談の充実であると考えてございます。
 その対応でございますけれども、被災遺児対応として、本県独自に、現在、沿岸広域振興局管内に計6人の遺児家庭支援専門員を配置しまして、家庭訪問を中心として、電話対応も含めて、先ほど申し上げましたが、民間を含む各種の支援制度の周知徹底、情報提供に努めますとともに、いわての学び希望基金給付金の申請の支援のほか、母子自立支援員等とともにそのほかの生活相談等を現在鋭意行っている状況でございます。
 また、この被災遺児を含む子供の心のケアにつきましては、パンフレット、小冊子等の配布等による啓発活動、現地の保育士等を対象とした研修活動の充実、さらには沿岸3地区において専門の児童精神科医が対応に当たる子どものこころのケアセンターの設置、運営等により対応している状況にございます。
〇小西和子委員 海外にまで行って、何というんでしょうか、自分の考えをしっかりと発表できた高校生の方なんですけれども、その方が、涙が次々に出て、パネラーだったんですが、全く話ができなくなったという場面を私は先日見ました。この1年という区切りのところで、心が折れてしまったりする子供も出てくるのではないかと思いますので、心のケアについては本当に力を入れていただきたいと思います。
 次に、岩手県子どもの権利条例についてお伺いします。これは、子供の貧困とは切っても切れない中身でございますけれども、単に経済的な貧困だけではないととらえています。震災によって、子供たちは、自分を支えてきた多くの人たちを奪われてしまいました。遊び場とか学校、居場所も同時に失いました。こうした厳しい状況下でも子供の声をしっかりと受けとめて、復興に向けて子供たち自身が参加していく取り組みを進めていくべきと考えます。実際、陸前高田市や山田町など被災した多くの地域では、地元の子供たちが復興のアイデアを大人に伝え、未来のまちづくりを語り合っています。これが意見表明権、参加する権利ととらえております。
 そこでお伺いしますが、決算特別委員会の答弁で、子どもの権利条例については情報収集に努めている段階とありましたが、その後の進捗状況についてお伺いいたします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 お尋ねの岩手県子どもの権利条例の検討状況についてでございますけれども、本年1月に、先進県の調査ということで、昨年の3月に子ども条例を制定しております三重県に職員を派遣しまして、各種検討会議やパブリックコメントの状況及び準備段階から制定に至るスケジュール等につきまして情報収集をしてまいりました。これを受けまして、2月には、関係各課が参加しての庁内勉強会を開催しまして、条例制定の意義、その他について意見交換をしているところでございます。今後におきましても、庁内勉強会を継続しながら、さらに検討を進めていく予定としてございます。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
 最後でございますけれども、放射線健康影響調査についてお伺いしますが、先ほど、佐々木朋和委員からも質問がありましたので、私は1点のみ質問させていただきます。
 これまで、県は、放射線量等の測定に関する対応、放射線量低減に関する対応、県産食材の安全確保に関する対応、子供の健康への影響対策について12部局が取り組んできたと私は認識しております。これは、放射線による内部被曝を防ぐための対策、ほぼそうだと認識しております。ですから、放射線内部被曝健康調査につきましては追跡調査が必要であり、今回該当しなかった地域、特にもホットスポット地域の不安解消のため、県民の安心のためにも継続すべきだと考えます。先ほど、佐々木朋和委員のほうに御答弁はありましたけれども、今、質問したような観点での答弁をお願いいたします。
〇野原医療推進課総括課長 子供の内部被曝に関する調査でございます。先ほども御答弁申し上げましたけれども、有識者会議におきましては、調査継続の必要性は低く、追加検査等も必要ないとの結論が得られたこともあり、県としては、今後、特段の状況変化等がない限り、県民の安全確保、健康被害の防止という観点からの調査対象者の拡大やそのほかの追加検査を行う必要はないものと考えてございますが、今後の対応については、今回の調査結果を県民に対し正しく、かつ、わかりやすく伝えることや、市町村とも連携した丁寧な説明を実施するなど、さまざまな観点から県民へのフォローアップの方法を検討していきたいと考えてございます。
 なお、委員御指摘の地域の対象者を絞った調査の継続ということでございます。今、こういったような調査を各県それぞれが独自にやっている状況でございます。福島原発事故による長期の放射線健康影響を観察するいわゆる疫学調査については国の責任が大きく、国がその必要性を十分に検討し、何を検査すべきか、どの地域を対象とすべきかなどについて統一的な基準や方針を示し、系統立てて実施するべきであると考えておりまして、県としては、国に対して要望をしてきたところでございます。
 新年度に発足予定の国の原子力規制庁の平成24年度予算において、本県を含む地域の被曝線量評価が実施されるという予算が見込まれておりまして、これによりまして、外部、内部被曝をあわせた国内全体の被曝量や評価等も示されてくるのではないかと考えており、こうした国の動向を踏まえ、検討する必要もあると考えております。
〇斉藤信委員 最初に、今度の大震災で義援金等を理由にした生活保護の廃止について、まず、その実態をお聞きいたします。
〇小田原地域福祉課総括課長 義援金を理由とした生活保護の廃止の実態についてでございますが、平成24年1月31日現在で生活保護が廃止された世帯は197世帯が報告されております。その内訳は、義援金等を受給することを契機に自立し、保護辞退の申し出のあった13世帯、義援金等の収入から自立更生に充てられる額を差し引き、その超える額を収入として認定し、廃止となった184世帯でございます。
 保護の実施機関においては、義援金等が、被災者である被保護者の長期的な生活設計や生活基盤の確保にも十分配慮した自立更生計画の策定について支援し、ケース診断会議などで保護の要否を組織的に検討するとともに、保護廃止決定を行う場合にも、再び保護申請が必要な場合には相談や支援を行うよう助言しておりまして、こうした取り扱いについては、逐一、県にも書面で報告をいただいて審査しております。
〇斉藤信委員 一般の国民、県民の場合は、義援金も災害弔慰金、被災者生活再建支援法に基づく支援金も非課税なんです。収入に認定しないんです。なぜ、生活保護世帯だけ収入に認定されて差別的扱いを受けるのか。義援金だけでなく、災害弔慰金とか被災者生活再建支援金も収入に見ているんですか。
〇小田原地域福祉課総括課長 国民健康保険、所得税との関係についてでございますけれども、生活保護制度におきましては、法律上、利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを活用することを前提としており、義援金等の収入については、自立更生に充てられる費用以外は収入として認定する取り扱いとされております。
 義援金等の性格は、災害によって損害を受けたことにより受け取る金銭ですが、その全額が被災者の方の心身の苦痛を慰謝するものだけではなくて、災害によって失われた生活基盤の回復という生活保護の意味合いが大きいと考えられることによるものというのが国の解釈でございます。国民健康保険における保険料の徴収や所得税の賦課徴収の取り扱いとは考え方が異なるものであると受けとめております。
〇斉藤信委員 災害弔慰金、生活再建支援金も対象になっているのか聞いているんです。答弁漏れだ。
〇小田原地域福祉課総括課長 災害弔慰金の支給に関する法律、被災者生活再建支援法による取り扱いにつきましても、同様でございます。
〇斉藤信委員 私は、これは本当に差別的取り扱いだと思います。一般の国民、県民は義援金も、そして災害弔慰金や生活再建支援金も非課税、収入に見ないのですよ。生活保護世帯だけは全部見ると。自立更生以外は全部収入認定して、結果的には197世帯で生活保護が廃止される。私は、やっぱり国の政策としても整合性がないんじゃないかと。
 これは部長にお聞きしますけれども、生活保護世帯であっても、こういう災害のときに得られる一時的なあれですよね。だから、一般の国民、県民の場合には収入に認定しないと、あの厳しい国税庁でさえそう言っているんですよ。今、厚生労働省はそういう通知をしているかもしれないけれども、これは国に改善を求めるべきではないですか。部長、いかがですか。
〇小田島保健福祉部長 生活保護制度における義援金の取り扱い、性格づけにつきましては、国のほうの考え方に基づいて、その性格が、災害によって損害を受けたことにより受け取る金銭なんだけれども、全額が被災者の方の心身の苦痛を慰謝するものだけではなくて、災害によって失われた生活基盤の回復という生活保護の意味合いが大きいという考え方から、自立更生に充てられる費用以外は収入として認定する扱いになっているということでございまして、この取り扱いについて私どもは従って、今、取り扱いを行っているところでございます。
〇斉藤信委員 だから、従うだけでなくて、一般県民とこういう差別的取り扱いはいかがなものかと。生活保護の取り扱いについてというものについても二重の規定があるんですよ。社会的な義援金というのは収入に見ないのだと言いながら、災害についての収入については自立更生部分を除いて見ると。厚生労働省の社会・援護局の通知でも、本来見なくてもいいと読み取れる項目もあるわけです。憲法25条の生存権で生活保護というのはつくられているわけだから、災害のときに、こういうふうな形で全国民から寄せられた義援金、こういうものまで収入認定するというのは、私は、憲法の精神にも反するのではないかと思います。私は、そういう見直しを求めるべきでないかと聞いているんです。今、それに従っているかもしれないけれども、憲法の精神からいって、生活保護者に義援金がわたっても、それがきちんと一般県民と同じように扱われないというのは、これは差別的扱いではないか。改めて部長にお聞きします。
〇小田島保健福祉部長 生活保護については、最後のよりどころとしての制度になってございます。今回の収入につきまして、必要な金額については自立更生に充てられるべきものということで、それは収入認定から外されている取り扱いになっているところでございまして、そういう形で、既に今回の震災の中でその運用をしておるところでございます。
 それに当たっては、本当にそれが自立更生に充てられるものなのかどうかということも、それぞれのケースごとに、実施機関から報告を受けながらそれを指導しているところでございまして、現段階におきまして、国のほうに、今それを要望するということについては、直ちにはそういう形では考えているところではございません。
〇斉藤信委員 極めて残念な事態ですね。国にも見直しを求めない。国の言いなりと。
 義援金等による廃止は、例えば1月も19件、12月も19件、11月は26件と毎月あるんです。私は、義援金は既に入っていると思うんだけれども、何で、毎月廃止件数が出てくるんですか。
 それと、自立更生でどのぐらい見られているんですか、自立更生に必要な資金というのは。平均的でいいですよ。どのぐらいの義援金、災害弔慰金をもらって、廃止されている人たちはどういう形で廃止されているか示してください。
〇小田原地域福祉課総括課長 義援金を理由として生活保護が廃止になったケースが、1月もそういうケースがあるということについては、各実施機関について、生活保護世帯の個々のケースの実情に応じて自立更生計画をしっかり確定して、保護の要否について判断しているというようなことから、時間を要しているケースがあるということでございます。
〇喜多正敏委員長 件数、金額。
〇小田原地域福祉課総括課長 失礼しました。
 自立更生計画に認められる金額についてでございますけれども、個々のケースによって異なりますけれども、少ない方で10万円程度、多い方で300万円近くというようなケースになってございます。
〇斉藤信委員 そうすると、少ない人は自立更生資金として10万円程度しか見られないということですか、今の答弁は。とんでもないことになりますよ、それだったら。本当にそうですか。
〇小田原地域福祉課総括課長 社会福祉施設等に入っているケースにつきましては、自立更生に充てられる額が比較的少なくしか出されないというケースがございます。
〇斉藤信委員 そうしたら、全国民の善意を国が没収しているということなりますね。私は、これは、健康で文化的な生活を営む権利を明記した憲法に反すると思いますよ。国民の善意をたった10万円しか認めない、あとは国が没収する、こんな冷たい制度なんですね、生活保護というのは。そうなんですか。
〇小田原地域福祉課総括課長 一番低い額で10万円というお話をしましたけれども、大半につきましては、包括的な設定ということで50万円ほどを自立更生に充てられる額を基本的なベースとして、その上にさらに具体的な経費について上乗せするような形で認めておりますので、そのようなことで御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 生活保護というのは困窮対策ではないんですよ。憲法25条で、どの国民であっても健康で文化的な生活を営む権利ということでなっているんです。ましてや、全国民の善意を、私は、そういう形で没収すべきでないと。これは厳しく指摘をしておきます。本当に冷たい県政の姿を見た思いです。
 次に、私が一般質問で取り上げた孤独死の問題について、これは部長にもう一回お聞きしたい。
 質問すると、孤独死の定義を言って、孤独死というのはないのだと。しかし、今、マスコミでも3件、18人孤独死と。そのうち岩手は5人です。この5人というのは、仮設住宅でひとり暮らしで、みとられずに亡くなった。これは極めて限定された数です。マスコミでも孤独死ありとなっているわけです。私は、岩手県が、長期間みとられずに亡くなっていたというような恣意的な定義なんかしないで、みとられずに亡くなっているような状況というのは、やっぱりひとしく孤独死として、一人たりともそういう犠牲者を出さないという対策をとるべきではないかと思いますが、部長、いかがですか。
〇小田島保健福祉部長 いわゆる孤独死という定義をどうとるかということがまず入り口のところであるわけでありますけれども、仮設団地でお一人でお亡くなりになった方は、警察のほうからのデータを私は引用いたしまして一般質問の中で答弁を差し上げたところでございまして、5人おられると。これはそのとおりでございます。それは、お亡くなりになってから半日以内がお二人、半日から1日以内がお二人、1日から2日以内がお一人という状況でございます。
 私どもでいわゆる孤独死と定義を差し上げたのは、明確な定義というのが、講学上といいますか、そういうものではっきりあるものではございませんで、今、厚生労働省の中で定義づけておりますのは、孤立死というのが厚生労働省の報告書の中でございます。これは、お亡くなりになってから長期間だれにも発見されずに放置されているような状況、こういう方が非常に問題になってございまして、そういう意味で定義づけをすれば、該当がないという意味合いでお答えをいたしております。
 いろんな報道の中でも、孤独死という言い方につきまして、委員御指摘のような形で、一人で見守られずにお亡くなりになったという方について、そう報道される場合と、そういう言葉を使わずに、仮設団地でお一人で亡くなられた数が何人だと使われている場合と、さまざまでございます。基本的には、お一人で亡くなられる状態が避けられるのが一番いいと私は思っております。ですから、孤独死の定義がどうだということよりも、例えばお亡くなりになるような危機的な状況のときに周りの方が気づけるような、そういうフォローアップをしていくことが大事だと思っていまして、例えば緊急通報通信ですとか、あるいはぐあいが悪いときにどんどんと隣に音を出してやったり、あるいは毎日行き来してその状況把握をするなり、そういう対策をきちっとやりながら、お一人で亡くなるような状態がないように努めていきたい。これは、この場でお約束をしたいと思います。復興局とも連携しながら努めていきたいと思います。
〇斉藤信委員 ぜひ、そういう立場でやっていただきたい。正式に聞けば、孤独死はありませんなんて、こういうしゃくし定規な立場をとるべきでない。
 私は指摘したけれども、警察の資料で、仮設住宅に限らず、沿岸で、65歳以上の高齢者のひとり暮らしで、みとられずに亡くなったのはこの1年間で80人なんです。これは本当に孤独死の可能性があるわけです、実態を調べれば。そういう事態になっているので、この点はぜひ対策をとっていただきたい。
 それで、岩手県は生活支援相談員を198人配置しているわけです。そして、見守りの活動もやっている。これは私は評価しますけれども、どうですか、訪問して、そういう方々をどれだけ把握して、さまざまな諸機関と連携してやられているのか、その状況は把握されているでしょうか。
〇小田原地域福祉課総括課長 現在、県内の市町村社会福祉協議会に、今、委員のお話にありましたように、198人の生活支援相談員について、見守り等、サロン活動とか、そういうことで被災者の個々の世帯の状況を把握しながら活動しているところでございます。これらの世帯の状況を把握しまして、現在、生活支援シート、いわゆる被災者カルテというような形で個々の世帯の状況を押さえまして、これをさらに電子化するという形で、行政とも一体となった見守り活動をこういったことで展開していきたいと考えているところです。
〇斉藤信委員 せっかくいい活動をやっているわけだから、北上市や遠野市や盛岡市なども独自に仮設住宅にそういう支援員の配置もやっています。情報を共有して機能的な手だてがとられるように、ひとつこれはお願いをしておきます。
 次に、子供の医療費助成の拡充についてお聞きします。これは一般質問でも取り上げたんですけれども、経費が多額にかかるからできないと、冷たい答弁でした。私の把握で、中学校卒業まで医療費助成をしているのが10市町村です。そして、小学校卒業までやっているのがさらに8市町村あります。来年度は、北上市、小学校3年まで、遠野市、中学校卒業まで、陸前高田市、小学校3年まで、葛巻町、中学校卒業まで、大槌町、中学校卒業まで。あの深刻な被害を受けた大槌町や陸前高田市も拡充すると。いわば、大震災のこういうときだからこそ子供は大切にしたいと、これがさらに拡充しようとされているんです。ここまで広がった子供の医療費助成の取り組みを県としても支援すべきじゃないでしょうか。いかがですか。
〇藤原健康国保課総括課長 現在、就学前までの対象を小学校卒業まで無料化を拡充するためには多額の県費負担が見込まれるところでございます。(斉藤信委員「具体的に」と呼ぶ)具体的にというお話がございましたけれども、粗い試算でございますけれども、小学校まで拡大した場合には約4億2、000万円、中学校卒業まで拡大した場合には約6億3、000万円の県費を要するところでございます。
 近年の社会保障関係経費等の増嵩により、県予算における新たな政策的経費の確保は大変厳しい状況となっておりますことから、直ちに実施することは困難であると考えております。
〇斉藤信委員 福島県は18歳まで、これも約90億円かかるんだそうですけれども、特別措置法の手だてもあるんですけれども、やると。お隣の秋田県も小学校卒業までやるんですよ。今、やってないほうが少なくなっているんです。経費の4億円が大きいか小さいかというのは大いに議論のあるところで、子供の安心と考えたら、そんな大きな額じゃないですよ、全県で実施するのに4億2、000万円というのは。こういう大震災のときそこ、何よりもやっぱり子供を大事にした、子供を大切にする県政をやろうじゃないかと、今、どこでもそういう動きになっていると思うんです。だから、陸前高田市でも、大槌町という一番の被災の大きいところでも子供の医療費を優先してやろうというのが今の動きですよ。部長、これは検討すべきじゃないでしょうか。県都盛岡市に聞いたら、岩手県がやるといったら私たちはすぐやりますと言っています。岩手県の出方を見ているんです。ぜひ、これは緊急の検討課題にしていただきたいが、いかがですか。
〇小田島保健福祉部長 子供の医療費無料化の助成拡大の基本的な考え方につきましては、政策的な経費、財源の確保が非常に難しいということで、先ほど藤原健康国保課総括課長が答弁したとおりでございますが、なお、市町村の動き、あるいは全国の動き等も状況把握をしながら、その動向を見守ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 残念ながら、えらい慎重な答弁で、全国の動向も、今は就学前というのは最低基準です。さらに小学校、中学校に県レベルでも拡充していますし、県内の市町村は多数派が小学校、中学校卒業までやっていますので、こういう県内の動向をしっかり踏まえて、早急な検討と具体化をお願いしたい。
 次に、後期高齢者医療制度についてお聞きいたします。
 これは、廃止の民主党の公約が廃止にならない。大変残念な事態ですけれども、私は、岩手県の広域連合が保険料を据え置いたというのはよかったと思います。大震災のときだからこそ、2年間は保険料の値上げを据え置いたと。これは英断だと思いますが、どういう形で保険料を据え置いたのか、医療費の推移はどうだったのか。
 一方で、滞納者に短期保険証が発行されていますが、その状況はどうなっているでしょうか。そして、滞納者に対して、残念ながら財産差し押えまでやられている。この実態も含めて示していただきたい。
〇藤原健康国保課総括課長 まず、後期高齢者医療広域連合において、平成24年、25年の保険料を据え置いた経過でございますが、広域連合のほうから聞きましたところ、東日本大震災津波からの復興に向けた現在の社会情勢下において、目前の被保険者の負担増を回避する必要があると考えたことによると聞いてございます。
 それから、医療費の推移でございますが、平成20年度は11カ月分で約1、107億円、平成21年度は約1、259億円、平成22年度は約1、308億円となっており、年々増加している状況にございます。
 次に、滞納者の状況でございますが、平成24年2月1日現在で、全県で滞納者が約877名、短期被保険者証の発行数につきましては307件となってございます。この方々につきましては、各市町村のほうでこういう方々と接触を持ちながら、いろいろな相談に応じながら保険料の納付を働きかけているところでございます。
〇斉藤信委員 答弁漏れだけれども、時間がないので。
 滞納者の差し押さえは67人、629万円です。後期高齢者医療制度というのは年金天引きなんです。天引きされていない低所得者からこういうふうに財産を差し押さえしている。本当にこれは冷たいやり方ですから、ぜひ改善を求めたい。
 最後です。
 療育センターの整備事業、小児科救急医療体制の整備、周産期医療体制の整備は、救急医療体制とセットで検討するという答弁が本会議でありました。私は、こういうふうになったら、岩手医科大学移転跡地の用地か、建設かということになると思うんだけれども、それはいかがかと。
 それと、岩手医科大学附属病院の移転計画は本当に計画どおり進むのか。もし、その計画が進まなかったから、今から用地取得の事業費まで入れるというのは、私はちょっと時期尚早のような気がするけれども、いかがですか。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 まず、療育センターの整備予定地についてお答えしたいと思います。
 新しい療育センターの整備予定地につきましては、入所している児童が現在の施設におります。30名ほどおるんですけれども、その生活あるいは医療等の確保といったことを重要視しなければなりません。あるいは外来診療も毎日やられている状況ですので、そうした現在の施設機能を維持しつつ整備する必要があるということで、現有地内での建てかえは困難であると判断しております。
 新たに移転用地を確保する必要があるわけですけれども、新たな療育センターにつきましては、超重症児という非常に高度な医療ケアを要する子供たちの受け入れ機能を拡充するということでありますから、高度な医療機能を有する岩手医科大学附属病院と十分な連携が図れ、かつ医療スタッフの確保が将来的にも容易となる場所であるということが非常に重要な視点であると考えております。
 したがいまして、岩手医科大学附属病院との連携、先ほどお話しした医療スタッフの確保といった視点を十分踏まえつつ、県内関係機関の有識者の方々からの御意見をいただきながら、平成24年度において策定する整備基本計画の検討を通じて選定していくということにしてございます。現在は、面積ですとか、具体的な場所というのは未定になってございます。
〇根子副部長兼保健福祉企画室長 岩手医科大学附属病院の移転計画でございますけれども、現計画が平成29年度末の竣工予定ということになっておりますので、私どもとしましては、そういった構想の進捗状況等詳細を伺いながら調整を図ってまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 本当にこれが最後です。
 私は、療育センターを移転拡充する、大賛成です。そして、岩手医科大学との連携も強化するというのは、医師確保上でも大変大事なことだと思っておりますが、今の現在地というのは、長年にわたってあの療育センターを支えてきた福祉のゾーンとして地域の方々は大変愛着を持っています。あの跡地利用もよく考えていただきたい。
 もう一つは岩手医科大学の移転問題なんですけれども、560億円かかるというわけです。そして、国や県からの補助金などもその経費の中には検討されている。さらに、病院を拡充しますと、医者を106人ふやさなくちゃならないと。私は、医者をふやすことはいいと思うんだけれども、逆に、医者をふやさなきゃだめだから、また県立病院から引き揚げるなんてことになったら、これは大変なことになるのではないか。この岩手医科大学の移転計画というのは、いろんな意味で県政に、そして県立病院、地域医療に大きな影響を与えますので、この点、やっぱり慎重に、そしてどちらもうまくいくようにひとつやっていただきたいんだが、部長、いかがですか。
〇小田島保健福祉部長 療育センターの整備の関係、岩手医科大学の移転の関係、これらにつきましては、連動しながらトータルとして岩手医科大学移転計画の中できっちり位置づけを明確にしながら進めていくと伺っておりますし、私どももそういう形で調整をとっていきたいと考えております。
 内丸の跡地につきましても、一定の診療機能が同地区に残るという構想はございますが、どのような機能を担うかなど、詳細については今後決定されると伺っております。
〇吉田敬子委員 私からは、先ほどほかの委員からも県内被災遺児・孤児については質問がありましたので、割愛させていただきます。そしてまた、これは事前に通告していなかった点を一つだけ確認させていただきたく、内部被曝健康影響調査についてなんですけれども、県の考え方としては、健康への影響は極めて少なく、調査継続の必要は低く、また、追加検査等も必要ないとの結果に至ったということだったんですけれども、今回のこういう事態は、とにかくこれまでにないということで、これらに関する研究や調査、そういう情報というものも少ないことであるから、できれば、現時点で調査継続はもう必要ないと断言するのではなく、これからもやはり引き続き子供たちへの健康影響には目を見張っていただき、フォローアップを引き続き行ってほしいということを強く要望する中で、先ほど、小西和子委員だったと思うんですが─への答弁で、特段の状況変化がない限り調査はしないということの考えであると野原医療推進課総括課長のほうからお話がありましたが、具体的にどんな状況が特段の状況変化がないということになるのか。というのは、私は、やっぱり起こってからだとおそいんだと思うんです。ですので、県としては、何かが起こってからではなく、常に事前に対応していけるような姿勢でいっていただきたいという意味で、御所見があればお伺いいたします。
〇野原医療推進課総括課長 今回、内部被曝調査を行ったわけでございますが、他県等はそういったような調査は行わずに、まずは福島県の先行している事例等を踏まえて、福島県で、今、健康状況について、積極的に何か悪化しているということを示唆するデータというものはまだ出されていないものと我々は理解してございます。そういうものを踏まえながら、今、状況を見ていると。当県では、県南部の児童生徒さんを130名、全体の傾向としてまずはきちっと調査させていただいて、それを踏まえて、現時点では、県内のお子さんに関しましては、有識者の判断として、健康影響については極めて低いという評価が出されたものと理解してございます。
 特段の状況変化につきましては、今、内部被曝についてはさまざまお考えがあるのは理解してございます。しかしながら、国際的な合意事項といたしましては、100ミリシーベルト以下のいわゆる低線量の長期の被曝についてはっきりとした科学的な根拠が示されていない。その部分についてどのように考えていくのか、このこともいわゆる長期的な発がんの影響ということと理解してございます。
 今、福島県で行われている調査につきましても、例えば子供たちの甲状腺がんは、チェルノブイリの例でも4年後、5年後から出てくると、これは疫学的に国際的な合意として出ている。それを踏まえて、今、事前調査として調査をし、今後、そのような健康被害が出た場合には直ちに対処できるようにしていると理解してございます。
 当県のいわゆる空間線量率に関しましては、福島県よりはかなり低いというのも事実でございます。そういった意味で、まずは福島県できちんとされている状況を我々は本当に注意深く注視していきたいと思っております。
 それを見た上で、直ちに状況が変わる、何かしら調査なり子供たちの健康への対処が必要になったといった場合には、当然、対応を行うわけではございますが、まだ不確かな情報の段階で、きちんと整備がなされない状況で子供たちに対して検査なり何なりを行うということは、一方でやはり子供たちに負担をかける。また、医学的な調査というものも限界がございます。現時点で調査を行いまして、疾病のあるなしというものを判断できる、なかなかそういう状況ではない。医学的な調査に対する判断についても、やはり慎重であるべきであると考えてございます。
 そういう状況の変化、これは福島原発の状況でもございますが、福島県等で先行してきちっとされていると我々は理解してございますので、注意深く注視しながら、速やかに対処できるように準備してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ほかの委員の皆さんも同じように要望していると思うんですが、お子さんを抱えるお母さん、お父さん方の心配というのは本当に強く感じますので、ぜひ、これからも国の動向等も、福島の状況等もウォッチしていっていただきたいと心から願っております。
 次の質問に行きたいと思いますが、少子化対策についてお伺いいたします。
 まずは、岩手県における少子化対策に対する課題をどう把握されていて、今後どのように取り組むつもりか、県の考え方として伺いたいと思います。お願いいたします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 少子化対策の課題ということのお尋ねでございます。
 まず、本県の平成22年の合計特殊出生率は、御案内のとおり、1.39と前年より0.02ポイント増加ということで、ただいま全国と同率ということでございますが、平成22年の出生数は9、745人と前年より159人減少ということで、依然として少子化は進んでいる状況にございます。
 また、核家族化の進行がございます。それから、世帯の小規模化の進行によるいわゆる家庭養育機能が脆弱化する、子育ての孤立化が進んでいる、あるいは養育者の育児不安等が増している状況にもあるのではないかといったことを課題としてとらえておりまして、これらの進行も要因の一つということで、御案内のとおりの未婚化あるいは晩婚化の進行がやはりあるのではないかととらえてございます。
〇吉田敬子委員 先ほど来から保育に関する質問等でもほかの委員からもありましたが、私の考え方として、少子化対策というのは対象が三つあるのかなと思っておりまして、まずは結婚している家庭の皆さんが子供を持っても、仕事も家庭も両立しながら─実際に保健福祉部の児童家庭課のほうでワーク・ライフ・バランスの取り組みと、また、父親の皆さんが子育てに参加しやすい支援をされているということで、ここは引き続き、また待機児童の問題もありまして、そこも強くこれから取り組んでいただきたいというところです。
 先ほど、不妊治療の話がありましたが、結婚していても子供を持てないような環境にいらっしゃる方の支援は強くこれからも─望んでいるのに恵まれない家庭の不妊治療の皆さんの支援というものも引き続きぜひ行っていただきたいというところと、あと、三つ目として、私も当事者になるんですが、結婚していない人たちに対する対策だと思うんです。
 現在、未婚、晩婚、少子化、そして女性の社会進出という現象は、日本だけでなく欧米でも先進国に見られている状況です。これというのは、ライフスタイルの多様化で価値観が大きく変化しているという中で、日本のアラサー女子、アラサー世代と言われている人たちの最近の調査で、結婚、出産をしない理由で挙げられていたものの中で、同世代の男性に魅力を感じない、せっかくついたあこがれの職業をやめたくない、結婚しても子供を持つメリットが思い浮かばない、そしてまた、お金と時間がないというのが大きなというか、特徴的な理由に挙げられている中で、海外の少子化対策というのはとても大胆というか、結構先進的なのかなと。ただ、これが、文化とか習慣が違うので、日本で取り入れるというのはなかなか難しいとは思うんですが、例えばフランスでは、1980年から出生率が急速に下がった状況のときに保育ママ制度─これは女性の勤労と育児を両立することを可能とすることと、子供が多いほど課税が安くなるだとか、あとは、皆さん聞いたことがあると思うんですけれども、最近、事実婚と呼ばれている人たちもふえているんですが、結婚していない事実婚のカップルやシングルマザーであっても、社会福祉や公的な利益を同じように受けられることの制度を取り入れたということで、出生率が上がったということですが、これを日本で受け入れるというのはなかなか難しいとは思う中で、ただ、実際に、フランスではこの制度を取り入れたおかげで、現在子供を持つカップルの60%が実は結婚していないそうです。スウェーデンやイギリスでも、大胆な少子化対策をほかにも行っている中で、今のいわて県民計画の中には、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備というのを掲げているんですけれども、先ほど来からお話ししていますように、家庭や子育てに夢を持つというのは大前提であって、これからは、結婚に夢を持つという環境の整備も必要なのではないのかと思っております。
 日本の子ども手当というのは、私は長期的に考えて、ちょっと短絡的な政策であったのではないかと感じるんですが、もう少し少子化を食いとめるためには、そういう短絡的な政策だけではなくて、ライフスタイルが変わっている状況の中で、社会のシステムをもうちょっと根本から見直しながら、県でもいろいろ取り組んでいかなきゃいけないのではないかという、今の世代の当事者の一人としても意見をお伝えしながら、今後どのように取り組んでいかれるおつもりか、御所見を伺ってこれは終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 いろいろな世論調査があるとは思いますけれども、例えば、内閣府が実施している少子化対策に関する特別世論調査というようなところを私ども大いに参考にしてございますけれども、そういう中で、少子化対策で特に期待する政策というような項目がございまして、まず一番大きいところが、半分ぐらいの方々がそういうことで、委員から御指摘ございました仕事と家庭の両立支援、働き方の見直しということです。女性が結婚した場合に、仕事と家庭との両立がなかなか現状ではうまくいかないというようなところが、現実的に大きな障害になっていると。それから次に、ほぼ同じぐらいの率ですけれども、子育てにおける経済的な負担が大変大きいというようなところの、現実的なそういうニーズがございます。それから、子育てのための安心・安全な環境整備等々が続きますけれども、やはりこういったところに着目をしまして、私どもとしましても、家庭を持ちつつ仕事もできるというような社会環境の整備、会社、事業主のほうの育児環境制度の普及ですとか、それから保育所の整備促進、そのほかいろいろ、学校に入りましても放課後児童クラブの一層の整備とか、あとはさまざま小規模な、家庭的な保育制度の普及、先ほどお話がございましたが、保育ママの制度などは、現在、大都市部では少しずつ普及が始まってございますけれども、そういったものも、県内で、場合によってはニーズが出てくれば取り組む必要があると思いますし、あとは経済的な負担の軽減というようなことで、現実的には、現在の子ども手当等の確実な支給実施というようなところが大事なことではないかと考えてございます。
 あとは、先ほどお話もございましたが、未婚化、晩婚化の対策というものもございますので、そういった出会いの機会が少ないというような現実もございますので、i・出会い応援事業というような事業も現在展開してございまして、なるべく結婚世代の方々に向けた出会いの機会を数多く設定するようなことも含めてさまざまな対策をとっておりますし、これからもそれらを充実してまいりたいと考えてございます。
〇吉田敬子委員 ただ、出会いの機会がないだけではない問題だと思いますので、引き続き、子育てが難しい環境だから出産に踏み切れないという人たちが多いと聞きますので、ぜひこれからも整備のほうをよろしくお願いいたします。
〇久保孝喜委員 本来の質問に入る前に、今の吉田敬子委員に関連して1点だけ、内部被曝の問題でお尋ねをしたいと思います。
 先ほどの野原医療推進課総括課長の答弁を聞いていますと、これまでもそうだったんですが、非常にある意味、後ろ向きかつ国への丸投げの姿勢がここまで露骨に出ると、一体どういうことなのかという感じがしてならないわけなんですが、先ほどの答弁の中で、福島の状況を注視したいと。その状況変化等を見ながらも、速やかな対処を基本にして進めていくんだと、こういう話でした。内部被曝に関する限り、この速やかな対処って何でしょうか。
〇野原医療推進課総括課長 内部被曝や外部被曝、これに関しましては国際的な合意として線量で、いわゆるシーベルトというもので評価していこうというものだと理解をしてございます。いずれ低線量被曝、長期の低線量被曝の影響については、これはいろいろ論文、しきい値がなくて、健康への影響があるといったような論文も出ているところではございますが、やはり国際的な合意事項としては、低線量の内部被曝については長期的な発がんの影響、これがリスクとしてあるであろうということだと理解をしてございます。そういったことを踏まえますと、発がんの影響と。福島におきましても一番危惧されておりますのが、四、五年後の小児の甲状腺がん、これをきちっと早く察知をして、医療に結びつけていくことだと理解をしてございます。そうした意味で、今すぐ、例えばしきい値がある急性障害であれば直ちに影響が出てくるわけでございますが、福島原発の作業員等を含めまして、いわゆる急性の放射線障害といったようなものにつきましては、今回は報告はないと理解してございます。そういう意味でも、長期的な発がんの検出、これについては、やはりリスクが高い地域から当然出てくると考えております。そういう意味では、リスクが高い、先行している地域での調査、こういったものをきちっとウオッチをいたしまして、対応できるように準備をしていきたいというものでございます。
〇久保孝喜委員 結局、そういう視点を持ちながらも、具体の継続的な測定監視ということについては国の対処方針にゆだねると、こういうことなんでしょ。違いますか。
〇野原医療推進課総括課長 繰り返しの答弁になりますけれども有識者会議、これは公衆衛生や放射線医学、そのほか放射線の被曝線量の評価等からなる委員会の意見として、現時点において本県の子供の放射線内部被曝に係る研究影響は極めて小さく、その意味での拡大、追加検査等を行う必要性は非常に低いという見解、これはやはり尊重したいと思ってございます。しかしながら、委員の中からの今後フォローアップ、今回の調査対象者について継続的に調査をし、前回の調査結果と比較することが県民に対するフォローになるといったような観点での御意見もいただいたところでございまして、そういったようなことも含めて、さまざまな観点から、県民へのフォローアップの方法を検討していきたいと考えてございます。
〇久保孝喜委員 関連ですからここでやめておきますけれども、今の御発言にあったように、継続的な測定監視ということが、この低線量被曝に関しては最も重要だと私は思っておりますし、保健福祉部という、県民の命、健康をつかさどる中心的な組織の担当が、どこよりも子供たちの被曝の問題や健康の問題に注意を払っていく、そういう姿勢を持ち続けていただきたいということをあえて申し上げたいと思いますし、こうした取り組みこそが、県としてきちんと独自に提供、そういう測定を含めた体制を整備するということが安心の確保につながっていくんだということを、その観点を忘れてもらっちゃ困ると私は思っております。そのことを申し上げておきたいと思います。
 それでは本来の質問に入るんですが、3月1日に発表されました厚生労働省の県別死亡率の話ですが、これもけさから何人かの委員が取り上げて質疑が交わされております。通告しておりました分析の内容とか、それから今後の死亡率の低減にかかわる取り組みについてはおおむね理解をしたところでございますが、ここにかかわってお尋ねをしたいわけですが、この厚生労働省が発表した今回の数字というものは、保健福祉部にとってはどういう位置づけになされているのかということをまずお聞きをしたいと思います。
 あわせて、これも質疑でなかなか具体の答弁がなかったんですが、この数値は、保健福祉部のさまざまな政策決定にどういうリンクをしているのか、あるいはしていないのかということも含めて、現状をお知らせいただきたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 2点御質問をいただいたところでございますが、2点について関連するかと思います。
 この死亡率につきましては、国のほうからは5年に1度公表を行われるものでございます。都道府県別年齢調整死亡率ということで、国勢調査年に合わせて5年に1度公表されるものでございますけれども、実は県でも健康いわて21プランというものを持ってございますが、その中では、県独自に、毎年、年齢調整死亡率を環境保健研究センターで計算をして出しております。なぜかと申しますと、先ほどもお話をさせていただきましたが、いわて県民計画の第2期のアクションプラン、それから健康いわて21プランの中でも、これを大きな一つの目標として掲げてございます。これはとりもなおさず、やはりこの中にも公表されております悪性新生物なり心疾患なり脳血管疾患、特にも脳血管疾患でございますが、これらの発症予防なり重症化防止を進めることが、我が県の健康づくりにおける重要な課題であると認識しておりますからこそ、このような計画の中に盛り込んで目標としているところでございます。
〇久保孝喜委員 それでは、既存のさまざまな計画の中に、この死亡率にかかわる5年後の目標数値は記載されているでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 いわて県民計画の第2期アクションプランの中で、健康いわて21プランの策定時、平成13年でございますが、がん、脳血管疾患及び心疾患による本県の男性の死亡数については393.9人ということにしてございましたが、これを県民計画の中では、平成26年に333.7人まで減少させよう、同様に、女性については、平成26年までに、この三つの疾患による死亡率を164.4人まで減少させようという目標を掲げてございます。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 自殺の死亡率に関して私のほうからお答えをしたいと思います。
 今回、自殺についても年齢調整死亡率1位となっております。悪性新生物など3大死因の死亡率というのは、高齢者の多い都道府県ほど死亡率が高くなるという傾向があるそうでありまして、調整をかけるということになっておるようですけれども、自殺につきましては、高齢者が多ければ死亡率が高くなるといったような相関関係も確実にあるわけではありませんで、年齢構成と因果関係だけでは説明できないというようなさまざまな要因が考えられることもありまして、年齢調整死亡率ではなくて、厚生労働省から毎年公表される人口動態統計、さらには、原因別だとかそういったものが公表されております警察庁の警察統計、そういったものを主に用いて自殺については対策を講じているところでございます。
 年齢調整死亡率が今回1位となったことについては残念なことではございますけれども、人口動態統計でも年々高い自殺率は示しておりまして、平成22年も全国ワースト2位という状況でございますので、それらの状況を警察統計等を使いながら分析をしつつ、対策を講じていきたいと思っております。
 それから、この人口動態統計の死亡率を使いまして、自殺対策アクションプランに目標値も起こしておりまして、平成26年度までに330人以下、死亡率にいたしますと25.8以下、つまり、岩手県でも急増しました平成10年の前の年、平成9年のレベルまで、平成26年度までに押し下げるというようなことを目標にしてございます。
〇久保孝喜委員 今の死亡率の話ですが、厚生労働省が発表したこの年齢調整別の自殺率ではなくて、現実には人口動態等の自殺率を活用しているんだと、こういう話ですよね。ところが、今回の発表もそうなんですが、岩手県がワーストワンになってしまうというさまざまな原因別の調査ですから出てくるわけですが、ここは部長にお聞きしたいんですが、こうした県民の命にかかわる全国的な統計数値がきちんと出るときに、保健福祉部としてあるいは県として、なぜ県民に対して具体的なメッセージを出そうとしないんでしょうか。この調査結果の報告で、一部報道はありましたけれども、県がこの調査結果を受けてどうするんだと、こうしていきたいんだというような明確なメッセージが私は県民に示されていないような気がするんですけれども、その辺についてどのようにお考えでしょうか。
〇小田島保健福祉部長 今回、平成22年の都道府県別の年齢調整死亡率が出たわけですが、先ほど答弁を藤原健康国保課総括課長が差し上げておりましたとおり、アクションプランの策定等で、こういう基本的な数値そのものは、そういうものの中に織り込みつつ目標数値設定をしておりますので、そういうもので基本的には外に出しているということではございます。しかしながら、確かに委員御指摘のとおり、全国との岩手県の位置づけといいますか、そういうものがこういうことで明らかになりますので、そういう時点において、本県でのこれに対する取り組みですとか、どういうふうに受けとめているか、そういうことについてはメッセージとして発するように、今後、努めていきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 今後努めていくと言っても、あと5年後なんですよね、この調査結果は。結果的に大変残念と思うのは、今大震災で1年たちましたけれども、今ほど県民の皆さんが、私らも含めて、命ということに対する思いが強いときはないわけですよね。そういうときに、こういう全国の比較調査を含めた数字が出て、岩手県はどうするんだというメッセージがきちんと県民に届く、ある意味では非常に大きなタイミングだったと私は思うんです。こういうときだからこそ、計画ではこうしているけれども、今回1位になってしまったと、例えば。しかし、これはこういう形でクリアをしていきたいんだということを含めた熱なり思いというものを、私はきちんと発していくべきだと思っております。
 その関連で、先ほどの自殺の話に移りたいんですけれども、これまた通告していた内容については既に質疑で交わされておりますので、その延長上でお聞きをしたいんですが、ことしの正月明けでしたか、GKB47宣言というのが大変物議を醸しました。午前中に質疑のあったゲートキーパーの話をもじって、タレントのグループ名をもじった形で、ゲートキーパーを国民だれもがそういう役割を担おうという趣旨だったそうなんですが、これが全国の自殺対策を担っているNPOを含めて猛烈な反対があって、やがてこれは頓挫をしていくということになるわけでありますけれども、このGKB47なるものについては、県内の民間団体なども抗議声明を出したりしていましたけれども、担当課として、どういう感触を持ってこれを受けとめたでしょうか。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 私どもも自殺率が高い県として、目標を立てて県民総参加で一生懸命取り組んできたという思いを持っておりますので、そうしたときに、ゲートキーパーという新しい言葉に関連しながら、タレントと絡めるような宣伝でもって自殺対策を進めようとすることについては、私自身は非常に不快を感じておりました。よって、課内でもそうしたことを進めようということもしておりませんでしたし、さまざまな自殺対策の会議とかあるいは研修会等でも、そういった政府が最初にとろうとしたGKBの情報については、基本的に流していないという状況です。
〇久保孝喜委員 私が残念に思ったのは、こういう全国の、かなりの、相当数の抗議が国に寄せられて、結果的には変更せざるを得なかったという動きになっていったわけですけれども、行政体が、特にも今お話があったように、岩手のように自殺率の高いところが、こんなのではやっていけないぞと、我々の思いとは違うぞということを発信しないと、私はだめなんだと思うんですよ。それが、つまり、現下の中で、民間団体を含めて、あるいは市町村も含めて、自殺対策に取り組もうとしている人たちを励ましたり、あるいは手をつなぐことのきっかけにもなるわけですよ。だから、タイミングをとらえて、きちんとそういうメッセージを出すことを私はやっていただきたかったなというのがあるわけです。
 そこで、民間の団体、NPOを含めて自殺対策にかかわる団体というのは、この間、ふえてきているんでしょうか、その辺の実態をお知らせいただきたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 現在、自殺対策の基金が始まった平成21年から比較してみますと、当時は5団体ぐらいしかなかったものが、現在は10団体まで拡大をしているという、ふえてきているということでありますし、今回、震災後に、被災地で例えば男性のひとり暮らしの孤独防止のために料理教室を開いたり、さまざまな孤立化の防止、コミュニティづくりの取り組みをしているNPO団体などもおりますので、その団体の活動というのは、ひいては自殺予防につながっていく活動をしているわけですので、今回、来年度については、広くそういった団体も、自殺予防対策に取り組む団体として支援をしていきたいと思っております。
〇久保孝喜委員 ふえていることは大変喜ばしいことだと思いますが、民間と行政体の連携というのは、まだまだ幅が狭いという思いもございますが、いずれにしても、例えば秋田方式と呼ばれるような運動の進め方、岩手県内にあっても久慈での実践などは大変高く評価されているわけですが、そういういいところをどんどん取り入れて拡大をしていってもらいたいんですが、問題は、国においても、具体的な自殺対策基本法ができて以降、予算措置を含めた究極の施策であるところのシェルターの構築というところになかなか向いていないという指摘があるわけですけれども、県として、このシェルター確保に向けてどんな方針をお持ちなのか、あるいはどういう思いで今取り組んでいらっしゃるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 自殺対策の中で特別シェルターというような取り組みは県としては行っておりませんが、自殺につながりやすいハイリスクの方々、さまざまな方々がおるわけですけれども、例えばDVで痛んでいる方については、DV専用のシェルターがございますし、それから特にうつ病が重篤になっている方については、きちんと精神科病院につないで一定の治療をやるといったような、さまざまなそれぞれの分野での対応はしております。
〇久保孝喜委員 自殺対策に取り組む民間団体の一つの究極の目標が、最低でも県内に一つずつぐらいシェルターをつくることだという指摘がございます。このシェルターは、午前中質疑があった、さまざまな相談窓口の中で情報交換をしてつないでいく、大変大切なことです。しかもゲートキーパーをふやしていく、人材養成も重要なことです。しかし、そこで得た情報が、自殺をしようとしている方々の原因に直接向かって解決をしていくというところには、なかなか行政体としては踏み込めないという実態があるわけです。だからこそシェルターが必要だと。そこで、具体の解決方法を含めた、あるいはその人の生活そのものを再建していくといいますか、そういう心の再建を合わせて、手だてを尽くしていくというところが結局ないと、情報交換をしてわかってはいましたけれども、ついにという話になってしまわないかという懸念があって、シェルターの話がまた出ているというところを私は重要視すべきだろうと思いますし、行政体だけでなくて、民間も含めた連携というのはここでも問われてくるんだと思います。
 自殺対策について、こういう今回ある意味不名誉な、実に不名誉な、男女ともに1位という結果を生んだことを含めて、最後、部長に決意をお聞かせいただきたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 3月は自殺防止強化月間で、まさに今いろんな取り組みを各地でやっているわけでありますが、民間団体の協議会それから県の中での本部の組織、そういうものが立ち上がり、お互いの情報交換、それから施策についてのすり合わせ、そういうことができる場がきっちりと構築をされておりますので、お互い何をどういうふうな活動でやっていくのかということを十分にすり合わせをしながら、助けを求めているような方が自殺に向かわないような仕組みをきっちりつくっていきたいと思います。
〇高田一郎委員 私からは、国保、介護保険の減免措置についてお伺いいたします。
 今回の大震災で甚大な被害を受けた被災者に減免措置がとられてきましたが、この3月以降、順次打ち切りとなりました。国保税や介護保険料、あるいはそれに伴う自己負担については9月まで延長となりましたけれども、この減免措置の対象世帯あるいは人員はどうなっているのでしょうか。
 また、今月から介護保険にかかわるホテルコストとか給食費が負担増となりますけれども、どれぐらいになると見ているのか、示していただきたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 国保税の一部負担金等の減免の状況についてでございますが、国保税の減免世帯数は、沿岸12市町村で1万6、032世帯、県全体では1万7、217世帯でございます。
 それから、医療費の一部負担金の免除者数については、沿岸12市町村で2万7、654人、県全体で3万30人となっております。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護保険料の減免措置の対象者でございますが、これは各市町村から報告されている平成24年2月現在の対象者数ですが、全県で2万2、710人となっております。
 それから、介護サービスを利用した場合の利用料の減免措置ですが、これらは同様に全県で4、290人、また、特別養護老人ホーム等を利用した場合の食費、居住費の減免措置につきましては、同じく平成24年2月現在で2、576人となっております。
 また、これが4月以降に─3月利用分というのは4月に支払う形になるんですが、これらの取り扱いについてですが、どれくらいになるかといいますと、低所得の方、例えば生活保護とか老齢福祉年金の受給者の方であれば、既存の特定入所者介護サービス費という利用料等を補てんする制度がございます。これらの活用によりまして、2人以上の多床室を利用された特別養護老人ホームの入所者の方であれば、食費のみ1万円の負担ということになります。それから、個室ユニット型の特別養護老人ホームに入所された方につきましては、食費1万円、これに居住費2万5、000円の計3万5、000円のホテルコスト、食費等の負担ということになります。
〇高田一郎委員 国保税の減免措置の問題については私も総括質疑で取り上げたところでありますけれども、被災された市町村の国保運営に対する減免措置に対しては、財政支援については知事も引き続き延長するように国に求めていきたいという話をされました。この国保税とそれから介護保険料、自己負担についても9月までで、10月以降打ち切られてしまうというのは、被災地の現状からして大変大きな問題があると思いますが、引き続き、10月以降も延長を求めていくべきだと思いますが、この点についてもお伺いしたいと思います。
 それから、4月からホテルコスト、給食費の負担がどれだけになるかということについても説明をいただきました。
 ちょっと時間がないので私のほうからお話ししますけれども、居住費と食費を含めると、ユニット型個室に入居している方々は、これは第1段階から第3段階ですけれども、3万5、000円から7万円の負担になると。そして多床室については、食費も含めると2万円から3万円の自己負担。これを超える分については現物給付されるということになるんですけれども、この負担自身が大変高いと思いますし、これは大変な支払い能力を超えるような負担限度額だと思いますが、その辺についても県の考え方をお伺いしたいと思いますし、また、この負担限度額を超える分については、いわゆる現物給付される分については、だれが負担するのかということについてもお伺いしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 まず、10月以降の保険料の減免等、あるいは4月以降の利用料についての減免等の取り扱いについて国に要望していくべきではないかということでございますけれども、県といたしましても、被災地の復興の状況あるいは被災された方の生活の状況等、市町村あるいは介護事業者等の話も聞きながら、他県の被災地の状況なんかも勘案しながら、国に対する要望等を適切に行っていきたいと考えております。
 それから、介護サービスの今高額療養費と同じように、医療費とか介護のほうは月で限度額が抑えられるんですが、これにつきましては、保険制度の中での補てんでございますので、これは一般の住民の税金あるいは介護保険料の中で、そういう取り扱いがなされることになろうかと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 国保税の減免措置に係る国への財政支援ということで、これにつきましては決算特別委員会で知事のほうからも答弁いただいたところでございますが、平成24年9月末までの措置については、県といたしましても、市町村の国保財政が安定的に運営できるように、国に対して財政支援の継続を要望してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 4月から負担となるホテルコストそして給食費、これは対象になるのが第1段階から第3段階ですけれども、これは第3段階にしても市町村民税非課税の方が対象になるわけですね。こういった方々が、ユニット型個室で3万5、000円から7万円の負担、多床室で2万円から3万円の負担をしなければならない。これは大変な負担だと思うんですけれども、これは国保税とか介護保険のように、引き続き延長を求めていくべきだと思います。同時に、この負担限度額を超える分について、今の説明ですと、介護保険制度の中での財政支援だということになります。つまり、介護保険制度の枠の中で財政措置をするということです。これは、新年度から保険料が月額5、000円を超える自治体もたくさんふえてきます。高い保険料を払って必要なサービスが受けられない、そういう現状の中で、さらにホテルコストや給食費については介護保険財政の中から賄うというのは、これはどう考えてもおかしいのではないかと私は思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 介護保険制度の中では、そういった高額療養費等も含めた収支の財政計画を立てているということでございますので、それが織り込まれた向こう3年間の収支ということだと認識してございます。
 それから、これらの方の4月以降の利用料の負担が大変だということはそれは当然あるわけですけれども、基本的に、被災されて軽減措置等があった方、特に税の減免措置がとられている方については、低所得者といったような制度の対象になる方が多いのではないかと考えているところでございます。それらにつきましては、国のほうで特別財政調整交付金ということで、保険料等の軽減措置、そういった部分につきましては、国費で補てんするという仕組みになっているものでございます。
〇高田一郎委員 いずれ、今回の大震災で被災された方々が内陸の特別養護老人ホームなんかに入っている、そういう方がたくさんいらっしゃいます。私の近所にもそういう方々がいらっしゃいます。
 先日、施設長にお話を聞いたときに、ホテルコストや給食費が入所者の負担になったときに、本当に払えるんだろうかという心配をしていました。退所をお願いしたくてもできない。この人たちがこの施設を出て行ったら、本当に行き場がないというような話をされました。低所得者の皆さんに対して、ユニット型で3万5、000円から7万円、多床室で2万円から3万円を負担するということは、やはりこれは耐えられない負担だと思うんですね。私は国に対して要望を求めつつ、4月から負担になるわけですから、そういう実態をきちっと調査をして、どういう問題が起きるのかということを調査して、必要な対策をとっていただきたいと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
〇岡村長寿社会課総括課長 ユニット型個室の利用等につきましては、従前、生活保護世帯の利用等が難しいというような状況もございました。現在では、生活保護の適用施設等にもなるという取り扱いが当然ございますので、生活に困窮する高齢者の方が利用できないということは、負担能力のある方に負担を求めるという、本来そういう制度ではないかと。他の制度との均衡があろうかと考えているところでございます。
 なお、社会福祉法人、これはまだ全部の法人ではないんですが、低所得者、生活困窮者への利用料、食費も含めた負担軽減制度という取り扱いがございまして、これは市町村の補助制度がございまして、国庫補助が適用される制度がございますので、新しい施設等はこういう制度をどんどん取り入れて、低所得者の利用料の軽減措置、低所得者対策が全県、どの施設でも行き渡るように県としても指導してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 沿岸被災地からたくさん高齢者を受け入れて、そして人的体制も強めてそして頑張っているという施設の方々が、本当に高齢者の行き場がないということで悩んでいる状況がたくさんあります。ぜひ実態をきちっと調査をして対応していただきたいと思います。
 次に、子ども・子育て新システム、子ども手当の問題についてお伺いしたいと思います。
 政府は、今月の2日に子ども・子育て新システムを2013年度から段階的に実施するとした関連法案の骨子を決定いたしました。保育政策の大転換だということも言われていますけれども、この新システムの特徴は何か、現在の保育制度とどう変わるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 新システムの特徴についてということでございますけれども、国の少子化社会対策会議におきまして基本制度が決定されました。
 子ども・子育て新システムの特徴ということでございますが、まず、事業ごとに所管や制度、財源がさまざまに分かれている現在の子ども・子育て支援施策を見直し、幼保一体化を含め、制度、財源、給付について、包括的、一元的な制度を構築すること、そして市町村が制度の実施主体となり、国及び都道府県が制度の実施を重層的に支える仕組みを構築することなどが挙げられると思います。
 また、従来との主な相違点について2点ほど申し上げますと、1点目は、幼保一元化の取り組みにより、学校教育と保育及び家庭における養育支援を一体的に提供する総合こども園を創設すること。また、指定制の導入により、総合こども園や認可施設と同等の基準を満たす認可外保育施設を新たにこども園として指定し、学校教育と保育を一体化したこども園給付の対象とすること。2点目は、子供のための手当を個人への現金給付として新システムの中に位置づけ、見直しを行ったことなどが挙げられるところでございます。
〇高田一郎委員 子ども・子育て新システムの特徴は、幼保一元化と子供のための手当だという二つお話しされました。すべてが間違いではありませんけれども、最大の問題は、やはり児童福祉法の第24条に掲げている市町村の保育実践義務、これをなくして、保育の公的責任を大幅に後退させるものだと私は思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 この新システムにおきまして、市町村の関与についてでございますけれども、この保育所への入所に関しまして、市町村が関与する中で保護者がみずから施設を選択し、保護者と施設が契約する公的な契約とされてございます。定員以上に応募がある場合などの正当な理由がある場合を除きまして、施設には応諾義務を課すとなってございます。また、この市町村に対しましては、基本的な子育て家庭への地域での情報提供や相談対応はもちろんですけれども、要保護児童とか障がい児等の特別な支援が必要とされる子供等の場合には、利用可能な施設へのあっせんや、それから要請を行うこととされているところでございます。
 さらに、保育の需要が供給を上回っているような場合には、当面、市町村に保護者が利用希望を提出するなどにより市町村が利用調整を行うなど、市町村が適切に関与する仕組みとするとされているところでございます。
〇高田一郎委員 そうすると、今回の子ども・子育て新システムというのは、児童福祉法第24条にある市町村の保育実践義務はなくならないということになるんですか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 あくまでも市町村が実施主体となりまして計画も立て、整備も進める中でしっかりと情報提供もし、需要が供給を上回るような場合には、市町村がしっかりと利用調整を行うというようなことで、これは市町村の従来どおりの適切な関与がしっかりと維持されていくというような制度になると考えてございます。
〇高田一郎委員 今回の子ども・子育て新システムというのは、株式会社を保育行政に参入する、まさに市場化に踏み出す中身になっているんですね。構造改革路線の延長線の中で、官から民へということで、株式会社まで保育行政に参加すると。そういう中で、市町村に認定された保育上限料、この範囲内での保育をすると。そして、それを超える分については、新たな負担を求めるというような、まさに市場原理に基づいて、すべての子供たちに良質で安定した保育を提供するという、そういう公的保育から大幅に私は後退すると思うんですね。
 それで、具体的にお伺いするんですけれども、今度の子ども・子育て新システムの中で、待機児童というのは本当に解消されるのか。今回のこの間の議論の中で、この子ども・子育て新システムの目的の一つに、待機児童の解消ということもありました。現在の待機児童の実態と解消の見込み、新システムで本当に解消されるのかどうか、この辺についてお伺いしたいと思います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 お尋ねの待機児童の実態と解消の見込みということでございますけれども、県内の待機児童数は平成23年4月1日現在で、5市町、83人、また、10月1日現在で、11市町村、306人なってございます。
 この待機児童数は年度当初と比較しまして、年度途中では一定の増加が見込まれますことから、本年1月の状況を市町村に確認しましたところ、内陸部の市町村におきましては、これまでより待機児童数が増加傾向にございまして、県全体としても保育ニーズは増加傾向にあると考えてございます。
 この待機児童の解消に向けましては、子育て支援対策臨時特例基金等を活用し、平成23年度、今年度には9市町村、14カ所の整備を行っているところでございまして、保育所の定員を481人拡大する予定としてございます。
 なお、この子ども・子育て新システムが導入された場合に、満3歳未満児の受け入れが義務づけとはされていないものの、保育単価等によるインセンティブを付与することなどにより、3歳未満児の受け入れを含め、幼稚園の総合こども園への移行を促進するとされてございまして、待機児童の解消に向けて一定の効果が期待されていると考えてございます。
〇高田一郎委員 私は、この子ども・子育て新システムの最大の問題は、官から民へという流れの中で、株式会社もこの保育行政に参加をして、そして利益を上げて株主配当すると、そういう仕組みも今回この新システムの中に盛り込まれたわけです。私はこういう、すべての子供たちに良質な保育を差別することなく提供するということを考えれば、企業の参入ではなくて、公的保育の拡充そして底上げ、これで待機者の解消とか保育のニーズにこたえるということが必要だと私は思うんですね。ぜひそういう立場で、この子ども・子育て新システムというのは、2013年度から段階的に実施するということでこれからの国会審議になるわけですけれども、よく中身を精査をして対応していただきたいと思っています。
 ちょっと時間がないので子供のための手当について質問いたします。
 昨年の8月に、3党合意によって子ども手当が廃止され新しい制度にかわりました。ことしの6月からは所得制限が導入されますけれども、現在の子ども手当と比べてどう変わるのか、手当の削減額、自治体の負担、これはどうなるのかについてもお伺いいたします。
〇奥寺児童家庭課総括課長 子供のための手当についてのお尋ねでございます。
 この関連法案につきまして、委員御指摘のとおり、現在国会で、名称も含め審議されているところでございますけれども、手当支給額につきましては、昨年9月までは一律1万3、000円であったものが、昨年10月以降は、原則として2歳までは1万5、000円、3歳から中学生までは1万円とされたところでございます。4月以降も支給額には変更がないものの、6月から新たに所得制限を導入することとされてございまして、この所得制限の導入に当たりましては、対象世帯への負担軽減措置として、子供1人当たり月額5、000円を支給することとされているところでございます。
 また、平成24年度以降の国と地方の費用負担割合についてでございますが、これまでの負担割合の国対地方の1対2が、制度全体を通じて国と地方が2対1となりますけれども、これまで国が全額負担していた部分についても新たに地方負担が生じるため、全体では地方負担が増加することになります。このため、平成24年度の県としての負担額は、約4億1、000万円余の増加と見込んでいるところでございます。
〇高田一郎委員 市町村にも負担があるんですか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 従来と同じような負担割合でございます。
〇高田一郎委員 当初、政権公約の大きな目玉であったこの子ども手当は月額2万6、000円を支給すると、これがどんどん後退をして、そして所得制限も導入すると。市町村では大変ですよ。所得制限なんかを導入されたら、市町村事務だけで大変です。その事務量だけでも、県全体で1億6、000万円とかそういう話を聞きましたけれども、市町村の負担も大変、自治体の負担も大変ということで、ある自治体では、さまざまな子育て支援策をやりたいんだけれども、地方負担があって大変だという話もされている状況です。私はそういう状況の中で、子育て対策が大きく後退をするんじゃないかと。年少扶養控除の廃止などに伴って、さらに子育て世帯を直撃する、そういう実態にあります。私はそういう意味では、こういう政策の見直しを求めることと同時に、子育て支援をする上で、県の役割が物すごく大きくなってきていると思うんですが、その辺について考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 この子ども・子育て新システムについては、まさに制度についてさまざまに今議論がされているところでございまして、今後明らかになります制度の詳細など、国の動きを一層注視いたしまして、保護者の方を初め、保育所など現場の方々からも御意見をお聞きしながら、子ども手当それから総合こども園、こういうことについて、必要に応じて国に提言を行ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 最後に児童虐待防止、児童福祉司の増員についてお伺いしたいと思うんですが、先ほど来から他の委員の皆さんからさまざまな議論がされましたので、通告の三つのうち、1点だけ、残り質問をしたいと思います。
 震災孤児、遺児、親族里親などへの支援がどう強化されているかということについてお伺いしたいと思います。
 先ほど震災孤児、遺児については、被災孤児93人、被災遺児487人、合わせて580人、大変大きな数字だと思います。震災遺児については、心のケアとか家庭を訪問してさまざまな支援を行っている、経済的な支援も行っているということでお話をいただきました。丁寧な支援を行っていただきたいと思います。
 そこで、親族里親への支援については先ほど答弁の中で触れられていませんでしたので、親族と言っても、さまざまな苦労をしていると思うんですね。これに対しての具体的な支援策がどうなっているかについてお伺いしたいと思います。
〇奥寺児童家庭課総括課長 被災孤児の93人のうち57人が親族里親という形で、その家庭で養育されているということで先ほど答弁いたしましたけれども、新しく里親になった方々がたくさんおられるわけです。それにつきましては、まずは児童相談所の担当児童福祉司が定期的に家庭訪問をする中で、個別に丁寧な相談対応をしてございまして、そういう中で、必要であれば心のケアも含めた里親自身のそういったケアにも注意を払いながら、場合によっては専門的な機関につなぐというような対応もしているところでございます。それに加えまして、県の里親会のほうに委託をしまして、新規の里親支援事業というものを昨年の9月から開始してございます。主な被災地5カ所ほど巡回するような形で、先輩の里親の方々が直接訪問しまして、まずは里親制度のさまざまな研修とか、あるいは子供の心の見方とか、あるいは里親自身の心の変化とか、御高齢の里親も多くございますので、そういった意味では久しぶりの子育ての再開ということもございますから、現在の子育てのハウツーみたいなことも含めて研修をしながら相談にも応ずるというようなこと。また、これは9月から1巡、1月から2月にかけても2巡して実施してございます。これは来年度も続けていくこととしております。
 さらに、親族里親という登録をしないまでも、自分たちでちゃんと面倒を見るからという形で御親族が引き取って育てている方が、そのほかにその子供が11人ございます。制度のほかにということでございます。この親族の方々につきましても、児童相談所としては、子供たちが18歳に達するまで引き続き家庭訪問を継続しながらケアを行っていくというような体制をとってございます。
〇高田一郎委員 最後にします。
 今、親族里親の問題は児童相談所の仕事だというお話をされました。児童相談所の話では児童虐待の問題が議論されましたけれども、児童虐待の件数がこの10年間で2倍以上になっているんです。さらに、今回、親族里親の問題が出て、大変な仕事量だと思うんです。この間、国のさまざまな支援策で人的体制も拡充されました。1人ふやしたという話でありますけれども、この状態の中で、今の体制で本当に大丈夫なのか、全国からの応援も必要ではないか、この辺についていかがでしょうか。
〇奥寺児童家庭課総括課長 児童相談所の児童福祉司の増員の関係でございますけれども、今回、国におきまして、児童虐待に向けた体制強化というようなことで、平成24年度予算におきまして普通交付税により、標準団体、人口170万人当たりの児童福祉司について2名の増員の措置をしてございます。本県でも、来年度の児童相談所の職員体制ということで、被災遺児対策も含め既に2人増員することとしてございまして、こうした体制拡充により、相談所全体として児童虐待相談、被災孤児対応の強化ができるものと考えてございます。
 あわせて、他県からの支援職員の関係でございますけれども、これも、即戦力の職員の応援を大阪府と青森県から今年度はいただいておりまして、非常に戦力になってございますが、来年度も継続してお願いすることとしてございます。
〇小野寺好委員 うつ病関係について伺います。
 一つは、うつ病の患者数の推移。もしふえているとすれば、どのような原因によるものなのか。うつ病による社会的影響はどのようにあらわれているか。
 二つ目は、うつ病というのはどのような診断で判明するものなのか。
 三つ目、聞くところによりますと、うつ病の方は、ドクターとの会話は余りなくて、やたら薬をいっぱいよこされる、そんなことを聞くんですが、うつ病の治療方法というのはそういうものでしょうか。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 うつ病について3点御質問いただきましたので、お答えしたいと思います。
 まず、第1点目のうつ病による患者数の推移と社会的な影響についてでございますが、うつ病を中心とする気分障害による県内の入院患者数につきましては、厚生労働省の精神保健福祉資料によりますと、毎年300人台で推移しております。
 一方、本県の通院患者数でございますが、3年に1回、厚生労働省で患者調査を行っております。それによりますと、平成14年は300人、平成20年は1、100人と、6年間で約3.6倍になっているという数字になってございます。
 この社会的な影響についてでございますけれども、日本では中高年の働き盛り世代がうつ病にかかる頻度が高いと言われておりまして、休職の増加でありますとか、あるいは所得の減少、さらには医療費の増加等々の社会的な影響が懸念されるところでございます。
 なお、平成21年、国立社会保障・人口問題研究所というところが、自殺、うつによる日本の社会的損失推計というものを出しております。それによりますと、約2兆7、000億円の損失ということで、このうち、うつによる損失は約7、700億円と公表してございます。
 次に、うつ病の診断についてでございますが、精神科や神経科、診療内科などを標榜する病院、診療所におきまして、医師が、身体的に問題がないかどうか必要な医学的な検査を行った上で、抑うつ症状や不眠などのうつ病の基準により診断を行っているものと認識してございます。
 次に、うつ病の治療方法でございますが、患者個々人の症状あるいは重篤度に応じてさまざま治療が行われていると承知してございますけれども、主な治療方法は、薬物療法を初めカウンセリングや認知行動療法などの精神療法を組み合わせて行うのが一般的であると伺ってございます。
〇小野寺好委員 自公政権当時、先進医療として光トポグラフィーが承認されておりますけれども、県内でこういったもので検査できるところがあるのか。もしないとすれば、一番近くはどういうところになるのか。岩手県としてはどのような予定になるか、もしわかっていれば。
 光トポグラフィーの効果、それから、今ありましたけれども、うつとか自殺対策として認知行動療法が有効らしいよと前に取り上げたことがあるんですけれども、平成24年度、岩手県はどのような予定になっているか、わかればお願いします。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 お尋ねの光トポグラフィーでございますけれども、光トポグラフィー検査につきましては、厚生労働省が公表しております先進医療を実施している医療機関の一覧というものがあります。それによれば、現在、全国で14の病院で実施していると伺っております。県内にはございません。東北地方で最も近いところでは、福島県立医科大学附属病院で検査を受けることができるとされております。平成21年4月には4病院であったものが、現在、14病院までふえているという状況でございます。
 それから、認知行動療法についてのお伺いでございますが、多くの医療機関が、薬物療法とあわせて認知行動療法を含む精神療法を実施しておると聞いておりますので、それぞれの医療機関で行っていると承知してございます。また、医療機関の研修会等におきましても、今年度から精神保健福祉センター等で認知行動療法の研修会を医療関係者向けに行っているところでございますので、少しずつ普及はしてくると思ってございます。
〇小野寺好委員 今、福島県立医科大学附属病院だというお話でしたけれども、これは、今かかっているところから紹介状を書いてもらえば、だれでも検査を受けに行くことができるのでしょうか。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 光トポグラフィーの検査の実施方法といいますか、手続といいますか、そういうことについては、国立精神・神経医療研究センター病院というところで案内をしております。これによりますと、検査は、主治医と相談の上で、医師が作成した紹介状を持参し、当該検査を実施している医療機関を予約して受診するという手続になってございます。検査結果につきましては、その検査を実施した医療機関から結果報告書が主治医のほうに送付される。その後の治療は、患者が検査前から受けている主治医のほうで行われると伺っております。
〇小泉光男委員 お疲れさまです。もう少しおつき合いください。よろしくお願いします。
 私も、医師の偏在と不足を取り上げたかったんですけれども、既にこれは福井せいじ委員、一部は五日市王委員とか城内愛彦委員が取り上げていますので、ちょっと切り口を変えて、野原医療推進課総括課長に二つ、最後に小田島保健福祉部長に所見という形でお伺いします。
 医師の確保の偏波あるいは偏在という部分は、我が県には避けて通れない、古くて新しい問題でございます。昔であれば、旧沢内村や田野畑村などの無医村という形で、映画になったり、小説になったりしているところでございます。しかし、そうした話は小学校の教材とするような美談にはなるけれども、本来望ましい形ではないわけでございます。高速道路が縦横に走り、新幹線もでき、インターネットで世界の学術論文や最新の医学技術が瞬時に習得できるのに、どうして慢性的に、特に県北とか豪雪地帯の医師が足りないのかという部分について、野原医療推進課総括課長にまずお伺いしたいと思います。
〇野原医療推進課総括課長 医師の配置に関しましては、例えばでございますが、自治医科大学の配置基準という形で申しますと、盛岡市以外がいわゆる僻地という形で本当に足りないという考え方を我々は持ってございます。
 本県の人口10万人当たりの医師数で見ますと、県平均193.7人に対しまして、盛岡保健医療圏は287人と県平均を大きく上回っておりますが、ほかの八つの保健医療圏のうち、特に過疎化が著しい県北・沿岸地域におきましては、二戸保健医療圏で141.3人、久慈保健医療圏で123.5人など県平均を大幅に下回る状況でありまして、県内各地域で医師の偏在というのはあると認識しているところでございます。
〇小泉光男委員 もう一点、野原医療推進課総括課長にお聞きします。
 先ほど、奨学金がピーク時に8.1億円になるということでしたけれども、果たしてそれで地域医療の偏在は解消するのでしょうか。私は、囲い込みのために奨学金を出すという点も、具体的に言うと、もらい得、借り得にしかならないような気がするんです。担保措置を講じているのか。金のばらまきではなくて、過疎地における地域住民との交流、わけても家族間同士のきずなや触れ合いが重要だと思うんです。奥様に気に入られなければ、御主人がどんなに立派で、そこの地域で頑張ろうと固い意思を持ってしても長続きしない。これは吉村昭の小説が言っているとおりです。家族で地域事情の琴線に触れるというような取り組みこそ必須ではないかと思っていますので、これについてのお考えをお願いします。
〇野原医療推進課総括課長 奨学金制度につきましては、岩手県の絶対数の医師不足とともに偏在解消のために県民の思いをもとに今運営していると我々は考えてございます。
 一方で、医師のキャリアアップにつきましては、医療の高度化、専門化にかんがみまして、中核病院等で一定程度きちっと研修を積んだ上で地域で貢献していただくということも必要でございます。こういった医師のキャリアアップの視点と、奨学生のいわゆる社会的使命、地域医療に貢献するというこの二つをきちっとバランスをとって、今後、医師の地域偏在の解消につながるような運営をしたいと我々は考えてございまして、この取り組みについて、地域医療対策協議会という場で、市町村や、大学や、医師会や行政等が入りまして、まさに取り組みを進めているところでございます。
 また、二つ目のお話でございます。医師がその地域に入って、根をおろして地域医療を行うというのは、もちろん、その医師個人の思いというものも必要ではございますが、一方でやはり家族の理解、また、住民や受け入れを行う医療機関や市町村の御理解といったものも必要ではないかと考えております。医師の勤務状況について、市町村や住民の方々にも御理解していただいた上で、ともに医療を担っていく。県民も、住民も、医療機関も、医師も地域医療を担っていくといったような進め方というのが医師を確保していくには重要であると考えてございまして、この点につきましては、県民の皆様や市町村や医療機関と一緒になって進めていきたいと考えてございます。
〇小泉光男委員 地域医療の偏波あるいは偏在は、だからこそ、五日市王委員が午前中に取り上げたドクターヘリは切っても切り離しできない問題といえる反面、先ほど皆様から御答弁いただいたように、ドクターヘリは空中戦で、しかも日中しか飛ばないと。それも11月から3月は天気が荒れるから無理だろうということであれば、3分の1は飛べないという話です。戦争に関していえば、空中戦ではなくて本当の戦いというのはゲリラ戦、1対1の迫撃戦なわけです。医療でいえば、1対1の迫撃戦という部分は、地域の医院の活躍だとか、あるいは訪問看護であるとかというようなところになるわけです。ですから、地域の特性に根づいたきめ細かな医療体制の構築をしなければ、特にも過疎地に住む住民の生命とか安全が守れないんです。きょうの皆様の御説明ですと、ドクターヘリに2億5、000万円、奨学金で8億円をふやせば、さも地域医療の偏在は解消するかのように聞こえたので、決してそうではなくて─というような部分を私は思っていますけれども、最後に部長の御所見をお伺いしたいと思います。
〇小田島保健福祉部長 きょう、ドクターヘリの話が出ましたので、ドクターヘリを通じて、例えば岩手医科大学への搬送だとか、いろんなところへの搬送という話が中心になったわけですが、基本はやはり、委員御指摘のとおり、まずは初期救急あるいは二次医療圏における医療体制をきちっと構築する。そういうところで対応できないような高度医療、県として整備しなければならないところについては高次の医療機関が担うということが原則であろうと考えております。
 特に沿岸につきましては、被災地でございますので、まずは医療機関としての復興、復旧が第一でございます。その復興、復旧を図りつつ、医師の確保を行いながら、二次医療圏の中でどういう役割分担─中核的な病院と地域病院あるいは診療所と、必要があれば介護との連携、そういうものまで含めて提供していくのかということをよく議論していただきつつ、整備をしていく必要があると考えております。そういうことについては、既に各医療機関について議論を始めておりまして、来年度、新しい医療計画を策定することにしておりますので、そういうものの中できっちり固めていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 心のケアについて2点、震災時における障がい者の被害について、7分程度を目途に質問させていただきたいと思います。
 心のケアについては、連日議会でも、テレビ、新聞でも声高々に言われております。果たして心のケアとは何なのかということであります。委員各位、議会事務局の皆様、報道の皆様、心のケアというのは一体何なのでしょうかということで御質問するわけでなんですけれども、心のケアの必要性は、震災直後から現在まで、保健福祉、介護、労働、教育、さまざまな分野で種々の施策が講じられております。
 さて、心のケアの施策のねらい、目標はどうなっているのか。それをもとに各施策が講じられると思われますが、それについて確認をさせていただきたいと思います。
 それから、県こころのケアセンター、地域こころのケアセンター、こころの相談室、さまざまな体制がとられております。さらに、県本庁、精神保健センター、保健所、市町村の役割の中で、中間の保健所の役割についてはどういうふうになっているのか。中間に位置する保健所の役割というのは非常に重要だと思われますが、自殺対策や心のケアに関する被災地の保健所の現状や課題を踏まえてお伺いしたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 まず、心のケアの施策のねらいと目標についてでございますが、心のケア対策につきましては、東日本大震災津波でつらい経験をし、精神的負担を抱えている県民、被災者に対して、一人一人に寄り添い、きめ細やかで専門的な心のケアを長期にわたり実施する体制を構築するということを、県民の心身の健康を守るということをねらいとしております。
 これらの心のケアを行うことで、県民、被災者の一人一人が悲嘆や喪失などを乗り越え、被災前と同じく心身ともに健康な状態で自身の生活の再建に向かっていける、また、地域の一員として地域の復旧、復興に力強く取り組んでいけるといったような状態になることを目指しているところでございます。
 こころのケアセンターの体制につきましては、先月15日に全県の心のケアを総合的に推進する岩手県こころのケアセンターを岩手医科大学内に設置したところでございます。また、今月28日には、地域こころのケアセンターを沿岸部の4保健医療圏域に設置することとしております。
 この中で、保健所の役割についてでございますけれども、保健所は、発災直後から被災者の身体の健康、あるいは心のケア等の本当に最前線で市町村の保健師たちと一緒に活躍してきておりますが、当初から指摘されていたように、非常に人数が少ないということが課題になってきたところでございます。管内の地域保健活動の最前線である市町村とか、あるいは地域の医療機関、発災後配置してさまざま生活相談に当たっている生活支援相談員等、それらの各種相談機関、そして地域こころのケアセンターをつなぐコーディネーター的な役割を保健所は担っていくものだと考えております。このため、沿岸保健所に心のケアを担当する保健師を各1名ずつ4保健所には増員することとしたところでございます。
〇神崎浩之委員 結局、心のケアというのは何なのかということなわけでなんですけれども、実は、きのう、神戸の希望の灯りを分灯していただきまして、一関市から追悼したわけなんです。神戸の希望の灯りなんですが、阪神・淡路大震災ときに、1カ月ぐらいたって応援に入った心のケアチームの方が、当時、心のケアという言葉はなかったと言っておりました。阪神・淡路大震災のときには心のケアという言葉すらなかったという話をしておりました。
 そこで、どんどん心のケアということが叫ばれているんですけれども、一般的になったのはいいんですが、心のケアとだけ言っておけば、何か、心のケアをしているような錯覚に陥っている、そういうことがよく見受けられます。そんなことなので、心のケアについて、本当に住民に寄り添う体制、目標、施策についてきちっと定義してやっていただきたいと思っております。
 それから、保健所の役割でございますが、被災地の保健所というのは人数が本当に少なかったわけです。内陸は結構充実しているんですけれども、心の精神の関係、自殺の関係、そういう専門性を持った沿岸の保健所の保健師というのは数が少なかったということなので、これの充実について努力していただきたいと思います。
 次の質問なんですが、震災における障がい者の影響について、障がい者の死亡が倍だったということがテレビで報道されておりました。本県についてはどういう現状だったのかお聞きしたいと思います。聴覚障がい者は、津波だと言われても、自衛隊の呼びかけがあっても、津波かどうかがわからない、ラジオや広報車を回してもわからないという状況でありました。この点について、本県の被災時における障がい者はどうだったのかお聞きしたいと思います。
〇朽木障がい保健福祉課総括課長 県が沿岸12市町村に照会して集計しております。それによりますと、昨年12月末現在で、障害者手帳所持者に占める死亡者の割合は3.6%で、新聞報道のとおり、住民全体の死亡率1.7%の約2倍という数値になってございます。
 それから、障がい者の死亡率が住民全体より高かった原因はさまざまあろうかと思いますけれども、障がいの特性、特に、先ほど委員から御指摘があったように、聴覚障がい者の方々に対しては大津波警報そのものがなかなか届かなかったといったようなこと、避難誘導等の情報が伝わりにくかった。また、視覚障がい者とかあるいは車椅子利用者等については避難行動に時間がかかったといったようなことで、逃げおくれた方などもいたのではないかと考えてございます。
〇神崎浩之委員 介護については、震災に伴って、要介護、要援護者がふえるというのは当然のことなんですけれども、今現在、逆に不自然に減っているという場合があります。不自然にサービスの希望が減っているという実態もあります。例えば大船渡市とか宮古市とかは100%なんですけれども、大槌町が62%、陸前高田市は69%ということで、大被害があった地域こそ、逆に不自然に介護サービスの需要が減っているということであります。これは、そもそも災害で、災害弱者といわれている要介護者が亡くなったというような状況であると推測されているわけでございますので、今後の防災計画、障がい者の対応について、やはり障がい者は被害を受けているんだということを念頭に考えていただきたい。この辺は最後に部長に答弁をいただきまして、終わります。
〇小田島保健福祉部長 要援護者の方々につきましては、それぞれの方々に応じた個別の支援計画というものをきちっと策定していただく必要があるだろうと考えております。障がい者の方が、決して、障がいのゆえをもって災害の犠牲になることのないような、そういう仕組みをきちっとつくっていきたい。それは、関係部局と連携しながら市町村とも連携し、つくっていきたいと思っております。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後5時41分 休 憩
午後6時2分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇遠藤医療局長 平成24年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明を申し上げます。
 まず、予算の説明に入ります前に、事業運営に当たっての基本的な考え方につきまして御説明申し上げます。
 御案内のとおり、平成24年4月の診療報酬改定において、全体で0.004%と小幅ではありますが、前回に引き続きプラス改定となりますが、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が進むなど、医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にございます。
 本県県立病院等事業におきましても例外ではなく、医師の定着支援として、医療クラークの増員などの取り組みにより、常勤医師数の減少傾向に一定の歯どめがかかりつつあるものの、医師の偏在などにより、診療体制は当面厳しい状況が続くと見込まれております。
 また、これに加え、昨年3月に発生しました東日本大震災津波により県立病院も被災したところであり、現在、仮設の診療施設などで診療を行っている高田、大槌、山田及び大東の4病院のうち、高田病院については、本年2月より入院診療を再開したものの、そのほかの3病院については、外来を中心とした診療を行っていることなどもあり、患者数は依然として減少傾向にあります。
 一方、7対1看護体制への移行などの上位の施設基準取得や基幹病院での診断群分類別包括支払方式、いわゆるDPCの導入などの取り組みに診療報酬のプラス改定効果も加わり、患者1人1日当たりの収益が増加傾向にあるなど、経費節減の取り組みとあわせ、安定した経営基盤の確立に向け、収支の改善が図られてきているところでございます。
 こうした状況のもと、平成24年度の事業運営に当たりましては、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた取り組みを進めるとともに、これまでの取り組みや課題を踏まえ、引き続き計画の着実な推進を図ることにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療サービスを持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めることとしております。
 具体的な計画の推進に当たっては、医師の確保、定着に向けた取り組みとして、医師招聘活動を重点的に実施するとともに、奨学資金の貸付制度の運用、地域病院担い手医師の育成、勤務環境や処遇の改善、医師の業務負担の軽減を図るための医療クラークによる診療支援の強化、女性医師に配慮した職場環境の整備などに引き続き取り組んでまいります。
 また、医師の勤務環境改善への影響も大きい認定看護師などの各職種の専門有資格者の養成など、計画的な人材育成を進めてまいります。
 さらに、市町村等との連携、協働に重点的に取り組みながら、県立病院の現状や課題等に関する情報の共有にも努めてまいります。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の56ページをお開き願います。議案第13号平成24年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、035床と定め、年間延べ患者数を、入院では139万7、000人、外来では208万6、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事は、江刺病院の耐震化工事につきまして所要の事業費を計上するものでございます。また、医療器械につきましては、宮古病院に整備いたします超電導磁石式全身用MR装置等の購入が主なものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、次のページに参りまして、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 58ページをお開き願います。第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が平成25年度にわたります中央病院ほか3病院に係る非常用発電設備整備について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械の整備の財源となる企業債の限度額を62億6、800万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第9条は、薬品、診療材料等のたな卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条、重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書の421ページをお開き願います。平成24年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画書につきまして御説明申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は960億7、900万円余で、平成23年度の最終予算と比較しますと、およそ0.7%の増加を見込んでいるものでございます。
 第1項医業収益は835億100万円余で、1目入院収益は548億1、600万円余、2目外来収益は224億3、400万円余でございます。3目その他医業収益は62億5、000万円余で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断等の公衆衛生活動の収益等でございます。
 第2項医業外収益は125億1、500万円余で、その主なものといたしましては、2目補助金8億7、900万円余は、救命救急センター運営事業費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金110億2、800万円余は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目その他医業外収益5億9、000万円余は、不動産貸付料等でございます。
 422ページをお開き願います。第3項特別利益6、200万円余は、医療施設等災害復旧費に係る補助金でございます。
 次に、支出についてでございます。第1款病院事業費用は959億9、100万円余で、平成23年度の最終予算と比較しますと、およそ1.1%の減少を見込んでいるものでございます。
 第1項医業費用は899億4、800万円余で、その主なものといたしましては、1目給与費507億1、900万円余、2目材料費221億3、800万円余、3目経費123億8、600万円余、5目減価償却費40億3、400万円余等でございます。
 423ページに参りまして、第2項医業外費用は58億4、400万円余で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費30億700万円余、2目繰延勘定償却26億900万円余等でございます。
 この結果、収入から支出を差し引きまして8、800万円余の純利益が見込まれるものでございます。
 424ページをお開き願います。次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 まず、収入でございますが、その総額は126億1、800万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債62億6、800万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました江刺病院の耐震化工事や医療器械の整備等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金50億6、000万円余は、企業債償還金等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 第4項補助金12億9、000万円余は、地域医療再生基金を活用した医療器械整備等に対する補助金でございます。
 次に、425ページに参りまして、支出についてでございますが、その総額は199億8、800万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費52億1、200万円余で、その主なものといたしましては、2目建物費12億9、400万円余、3目医療器械費29億5、100万円余でございます。
 第2項企業債償還金は125億3、100万円余でございます。
 第4項開発費は7億1、300万円余でございますが、その主なものといたしましては、情報処理システム等の開発費でございます。
 426ページをお開き願います。第5項退職給与金12億円でございますが、退職給与金に係る費用負担の平準化を図るため、翌年度以降に繰り延べ費用として計上しようとするものでございます。
 なお、427ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては、説明を省略させていただきます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇喜多正敏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木朋和委員 私から、端的に1点だけ御質問をさせていただきたいと思います。
 県立病院における医師の定年延長について伺います。
 先ほど、保健福祉部関連でも地域医療を支える医師の確保については、いろいろな取り組みのほかに制度的な見直しも必要ではないかという議論がされてきたわけでございます。私は、そのような地域医療を支える医師の確保については、その地域とお医者さんの相性というものもあって、定着していただいた方には、できるだけ長くいていただきたいというのが地域住民の皆さんの願いだと思っております。
 そのような中で、県立病院の医師の定年延長ということの制度の見直しをできないものか、御所見を伺いたいと思います。ケース・バイ・ケースだとは思いますが、科によっては可能なものもあるのではないかと思いますので、所見を伺います。
〇千葉医師支援推進監 県立病院における医師の定年制の見直しについてでございますが、医師の定年年齢は65歳でございます。ただ、さらに3年間、68歳までの勤務延長が可能となってございます。また、定年退職した場合でございましても、常勤または非常勤の臨時医師として勤務することが可能となってございます。これらを活用しながら、定年後も、委員御指摘のとおり、できる限り県立病院に残っていただくよう取り組んでいるところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、沿岸地域もこのような被災を受けて、また、県内全域で医師不足という中でありますので、ぜひ、引き続き御努力をお願いいたしたいと思います。終わります。
〇及川あつし委員 関連。ただいま医師の定年延長について話がありましたけれども、看護師についても不足だということでありますが、看護師の定年についてはどうですか。
〇佐川参事兼職員課総括課長 看護師の確保の状況でございます。来年度採用の状況でございますが、今のところ、退職の数と見合う新採用者を確保してございます。それから、採用予定者に対する応募者数の状況でございますが、県立病院に限りましては若干倍率が上向いてございます。
 今のところでございますが、退職年齢の引き上げについては検討してございません。
〇及川あつし委員 医師同様にやらなければいけない時期が早晩来ると思うんですけれども、関連質問ですので、検討についての基本的な考え方だけ伺いたいと思います。
〇遠藤医療局長 医師につきましては、御案内のとおり、充足数といいますか、これが非常に不足しているというのが実情でございます。したがって、これまでも勤務延長といった形の制度を活用しながら確保に努めてきているということでございます。
 それから、看護師につきましては、委員御指摘のとおり、第7次看護需給の見通し等におきましても今後不足するというのは予想されているところでございます。ただ、現状におきましては、採用募集を行っておりまして、一定の競争倍率が確保できた中での確保がなされているということで、将来的にはどうなるかはちょっと予測はつきませんが、当面はそういった形のいわゆる一般職の定年、60歳でございますけれども、これを延長するというところまでは現段階では至っていないと認識しております。
〇千葉伝委員 県立病院の運営等については、県民医療の確保ということで、診療センターも含めて、日ごろから医療局には頑張っていただいていると私は思っております。
 それで、質問する中身については、医療局所管の県立病院等ということで、診療センターを含めて、医療業務にかかわった医療廃棄物等ということで、今、その処理がどうなっているかということでお伺いしたいと思います。
 まずは、県立病院等における医療系廃棄物を含む廃棄物の処理状況について、年間の廃棄物の主な内容と処理量及び処分方法をお伺いしたい。
〇村田業務支援課総括課長 県立病院における廃棄物の処理量と処分方法についてでありますが、県立病院から排出される廃棄物は、紙くず及び残飯などの事業系一般廃棄物、注射針、点滴セットなどの感染のおそれのある特別管理産業廃棄物及び廃プラスチック類、エックス線廃液、汚泥などの産業廃棄物に区分され、平成22年度の排出量は、事業系一般廃棄物2、270トン、特別管理産業廃棄物1、072トン、廃プラスチック類などの産業廃棄物688トン、エックス線廃液6、800リットル余り、汚泥2.8立方メートルとなっているところでございます。
 また、それぞれの処分方法は、事業系一般廃棄物は市町村の許可を得た収集、運搬業者に委託し、市町村が指定する廃棄物処分場に搬送し処分、特別管理産業廃棄物及び産業廃棄物は知事の許可を得た収集、運搬業者及び中間処理業者に委託し、焼却した上で焼却灰を最終処分場に埋め立て処分、もしくは溶かして再固形化した上で、土木資材として再生利用しているところでございます。
〇千葉伝委員 中身についてはわかりましたが、今の処理にかかっている経費は年間どの程度か、もし、今わかれば。
〇村田業務支援課総括課長 お尋ねの年間にかかる経費でございますが、全面的に委託しておりまして、平成22年度については2億4、500万円ほどになってございます。
〇千葉伝委員 それで、廃棄物の処理については、今現在、処分に係る法律に基づいてやっていると思うんですが、これまで産業廃棄物、一般の廃棄物あるいは感染性の廃棄物、いわゆる先ほどの中では特別管理産業廃棄物等々の処理の関係でこれまで法律改正が何回かあったと思います。その中の主なものの改正について、さらに、そこの主な改正点ということをちょっとお伺いしたいと思います。
〇村田業務支援課総括課長 産業廃棄物に係る関係法令の改正内容について、主なものということでございますので、申し上げます。
 昭和46年9月に施行された廃棄物の処理及び清掃に関する法律、いわゆる廃棄物処理法は、清掃法を全面改正し、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることが目的とされております。
 主な改正内容につきましては、廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に区分したこと。一般廃棄物は市町村が、産業廃棄物は都道府県等が担当すること。事業に伴って排出される廃棄物の処理は、その事業者が責任を有すること。廃棄物は、有害物質を含む廃酸及び廃アルカリを除き、原則として埋め立て処分できるものとされていたことなどでございます。
 廃棄物処理法は、昭和52年と平成3年に大きな改正が行われておりますが、昭和52年の主な改正内容につきましては、事業者は、産業廃棄物処理責任者を置き、廃棄物の処理に関する記録を保管しなければならないこと。廃棄物処理委託基準違反等に罰則を設け、不法投棄等に対する罰則を強化したこと。小規模埋立地においても、浸出液によって地下水等を汚染することがないよう措置を講じることなどであり、平成3年の改正内容につきましては、廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性のあるものを特別管理廃棄物に区分し、特に、特別管理産業廃棄物についてはマニフェスト制度を導入したこと。廃棄物処理施設については、届け出制から許可制に改め、埋め立て施設の規制が強化されたこと。廃棄物の不法投棄について、罰則強化及び規制強化を行ったことなどでございます。
〇千葉伝委員 なぜ、この法律を専門の皆さんお聞きしたかというと、廃棄物の処理に当たって、さまざまな先ほどの分類によって処理されているということであります。専門の皆さんですから、よもや、その法に違反して処理をしているということはないだろうということでの法律論でありますが、医療局所管の廃棄物処理について、関係法令に基づいて適正に処理されているということでよろしいか伺いたいと思います。
〇村田業務支援課総括課長 廃棄物の処理につきましては、その時々の法令改正がございますが、その法令に基づき処理しているものでございます。
〇千葉伝委員 そう言われると信用するという話にしかならないかもしれませんが、実は、これから本題ということですが、旧沼宮内病院の跡地から出土した医療系廃棄物を含む廃棄物の処理に係っての諸問題があるということでお伺いするものであります。
 この問題については、先般の3月9日の当予算特別委員会の環境生活部審査において、及川あつし委員から廃棄物処理についての質疑があったところでありますが、今回、旧沼宮内病院跡地ということで、当時、医療局の所管の場所ということでありますので、その土地をまず岩手町に売却されて、その後、この跡地に特別養護老人ホームとして50床とショートステイ5床を建設運営する社会福祉法人が岩手町と貸借契約を結んで、この建設を現在も工事中ということでありますが、その工事中に廃棄物が出土したものと承知しているところであります。
 出た廃棄物については既に医療局の責任で処理したとのことでありますけれども、改めて、これまでの経緯と、量を含めて、その処理状況をお伺いしたいと思います。
〇村田業務支援課総括課長 お尋ねの特別養護老人ホームの建設中に旧沼宮内病院跡地から廃棄物が出土した経過と処理状況についてでございます。
 経過でございます。平成23年10月21日、岩手町から、旧沼宮内病院跡地における特別養護老人ホームの建設工事現場で注射針等が出土したという連絡があり、10月28日、医療局の職員2名が現地に出向いて、注射針や燃え殻が混入した土砂を確認したところでございます。11月1日、県央保健所に対応方法を照会したところ、基礎工事等に伴って出土した廃棄物については適正に処分することとの指導を得たところでございます。11月7日、いわてクリーンセンターに受け入れ状況等の確認を行ったところでございます。11月14日、岩手町、元請建設会社、土壌汚染調査会社及び医療局の担当者による第1回打ち合わせを実施し、その後、特別養護老人ホームの建設発注者である社会福祉法人や廃棄物処理業者を交えて、11月26日までに関係者による打ち合わせを4回行い、大量の廃棄物混入土砂の処分について検討した結果、廃棄物混入土砂を敷地外の仮置き場に搬出することとしたものでございます。11月29日、岩手町及び関係者と医療局による協議を行い、医療局の責任で廃棄物混入土砂を処理することとしたものでございます。12月2日、県央保健所に、廃棄物混入土砂の撤去範囲について、7日には、廃棄物混入土砂の敷地外搬送について照会したほか、12日までに関係者による打ち合わせをさらに4回実施したところでございます。12月21日、廃棄物混入土砂の仮置き場への搬出を開始し、12月29日に完了したところでございます。平成24年2月16日、仮置き場から中間処理施設などへの搬送を開始したところであり、3月中旬までに搬送を完了する見込みでございます。
 また、お尋ねの出土量につきましては、廃棄物混入土砂として約500立方メートル、重量にすれば650トンほどと見込まれているものでございます。
〇千葉伝委員 経緯を詳しくお話をいただきました。この問題については、たしか、10月21日に廃棄物が出たということで、その中身については、注射針等が入っていたということであります。すなわち、この跡地にあった当時の沼宮内病院ということで、その業務をした中の廃棄物を埋却していたということだと解釈せざるを得ないんですが、そういうことでよろしいでしょうか。
〇村田業務支援課総括課長 旧沼宮内病院において、時期は特定できませんけれども、法令で適正に埋設できる時期がございましたので、その時期に埋設されたものではないかと思っております。
〇千葉伝委員 あいまいな言い方をされると、さっきの適正に処理してきていたという話がおかしくなることになりますよ。
 そういうことで、医療局で、廃棄物の処理は現在も処理の途中ということですよね。さっき、3月の中旬ごろまでということで、量としては650トン。650トンという量は、10トントラックだと100台になるのか─かなりの量ということであります。しっかりとその分を処理してもらうということになりますけれども、現在、その処理をこれまで進めるに当たって、いろいろと、岩手町と医療法人と医療局、この3者でどう処理するかに当たっての協議はずっと続けてきているし、現在も続けていると。これは私も地元の関係で、承知しているところであります。そういうことで、今現在協議中で、処理のほうは3月の中旬にはすべて終わるという理解でありますけれども、それに今度かかわって、処理するまで工事が途中ストップしたと、こういう期間もあります。それから、処理をするために出土したものを動かすとかいろいろの過程があって、いわゆる工事が遅延しているという状況。それから、この工事の遅延によって、開設予定の医療法人のほうがまたこれも遅延すると、こういう今状況になっていると理解するところでありますが、現在、協議の現状はどうなっているのか、言える範囲でよろしくお願いします。
〇大槻経営管理課総括課長 旧沼宮内病院跡地から医療系廃棄物が出土したということによりまして、委員御指摘のとおり、建設工事のおくれ、それから特別養護老人ホームの開所のおくれが生じたとして、社会福祉法人から医療局に対しまして、廃棄物の早期処分に加えまして工事費のかかり増し経費、それから特別養護老人ホームの営業損害分の負担等につきまして、11月の下旬に協議の申し入れがあったところでございます。
 廃棄物につきましては先ほども御答弁申し上げましたが、撤去することとなりましたが、いわゆる瑕疵担保責任とか、それから不法行為などの法律的、専門的な判断が必要になってくることでございますので、本年1月20日に、私どものほうでも法律事務所と委任契約を結びまして、現在、当方の弁護士それから社会福祉法人の代理人である弁護士を通じて、協議を行っているところでございます。
〇千葉伝委員 現在協議中の中身でありますので、後ほどお聞きしますけれども、廃棄物の処理に当たっては、岩手町とたしか医療局が、埋まっているものの処理とそれからそれに係る経費については、医療局が責任を持って処理すると、こういう合意書を交わしたということになっていますが、そういう理解でよろしいですか。
〇大槻経営管理課総括課長 岩手町と私どものほうで、いわゆる旧沼宮内病院跡地についての売買契約を結んだところでございますので、契約書の中に、この契約書に定めのないものについては、双方、協議の上という一文もございます。そういうこともございまして、今年の2月15日でございましたが、岩手町と、廃棄物の処分、撤去に関する合意を書面で取り交わしたところでございます。
〇千葉伝委員 このことが協議中ということですけれども、なかなか物事が決まらない、その結果としてまたさらに工事がおくれるとか、あるいは開設のほうもおくれるということが起こると、今現在、地域では、せっかく4月の開設予定で進めていたものが延びるということで、待機している状況です。聞くところによると、50床を満杯になるくらいはいると、こういうことであります。したがって、この協議がさらに長引くことによって開設がさらにおくれるのか、おくれないのかいうことでの心配をしております。
 やはり相手のあることであります。埋却していた医療局として、できるだけ早い解決に向けて、誠意を持って最大限の努力を願うところでありますが、最後に、局長の考えをお伺いしたいと思います。今後の対応も含めて。
〇遠藤医療局長 先ほど廃棄物の処理の関係につきまして、適法にという御答弁を村田業務支援課総括課長から申し上げましたけれども、もともと県立病院におきましては、焼却炉を設置しておりまして、これは医療法上、そういった焼却施設を設置するのが一つの許可の基準になっておりまして、焼却した後に処理をして業者とかに委託して処理した経緯がございます。ただ、御案内のとおり、旧福岡病院の例のように、焼却炉が一時使えない時期に施設内に埋め立てというか、そういった例も過去にございます。今般、旧沼宮内病院の跡地のところから出てまいりました医療系廃棄物についても同様に、何らかの要素があって病院として埋設したものと考えております。これに付随いたしまして、いろいろ社会福祉法人にも御迷惑をおかけしているというのが現状でございます。
 今般の問題等につきましては、廃棄物の排出者が医療局であるということが一つございます。それからもう一つは、土地が売却済みでございましたので、土地の所有者が岩手町になっていると。それから、その岩手町から使用貸借で社会福祉法人が土地を借りているという、そういう3者の関係になっておりまして、そうした中で、岩手町との間におきましてはいわゆる瑕疵担保責任ということで、廃棄物の処理については大体7、000万円ほど見込まれておりますけれども、それで医療局の責任において処理するという形で、これは土地所有者が撤去して、その後に費用を医療局に請求するという形でもよろしいんですけれども、いずれ費用負担は医療局のほうでやるという形で処理が整っています。
 それから、社会福祉法人との関係については、直接私どもとの権利義務関係というのがないものですから、3者関係という形になっておりますので、ちょっと複雑な関係になっているので協議に時間を要しているというのはそのとおりでございまして、その結果、社会福祉法人にもいろいろ御心配をおかけしているというのが現状でございます。
 いずれ、私どもの廃棄物に起因して今日の事態に至っているのは事実でございますので、今後とも、関係する岩手町、社会福祉法人ともに協議を続けて努力をしてまいりたいと考えております。
〇千葉伝委員 今、医療局長、できるだけ解決に向けて努力するということで、先ほどの答弁の中でも、3者それぞれ弁護士も入った中での協議中ということであります。地元の私としても、地域のいろいろな人たちから、一体どうなっているんだと、こういうことをしっかりと説明できるように、医療局には最大限の努力をして早い解決を望みたいと思います。
〇小野寺好委員 医療局から岩手町に土地を売却する場合に、非常に簡単な売買契約書なわけなんですけれども、その前に、さっきのお話の福岡病院を解体した跡地から医療系廃棄物などが出てきたわけですが、そういったことを岩手町がよもや知らないはずがないと思いますが、契約書になくても口頭で、もしかして土中にいろんな焼却灰とか医療系廃棄物とかありますか、ありませんかとか、そういったお話はなかったんでしょうか。
 というのは、その当時は、どこの事業所でも、病院でも、学校でも、みんな焼却炉を持っていて、頻繁にごみを減らすためにそういったものを焼却して、あと、その焼却灰は、今はだめなんだけれども、当時は自分の敷地内であればまあいいだろうと、そういうことでみんなやっていたわけですけれども、そういったことを考えれば、当然、土の中にあるんじゃないのといった会話があったんじゃないかなと推測するわけなんですけれども、この売買契約書にない部分でのそういったお話し合いはどうだったんでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 委員御指摘のとおり、前に福岡病院で医療系廃棄物が出土したということに伴いまして、当時、私どものほうでも、全病院を対象とした調査も行ったところでございます。こういったこともございまして、旧沼宮内病院についても医療系廃棄物の埋設等はない旨の、その時点で報告もございましたことから、土地売買にかかわる岩手町との協議過程の中では、医療系廃棄物についての話題ということについてはならなかったものと記憶してございます。
〇小野寺好委員 そのほかの県立病院の調査というお話でしたけれども、当時の資料を拝見しますと、報道にもあったんですが、聞き取り調査をしたと。実際少し掘り返してみて、確認じゃなくて、そんなことないよね、ありませんですよねと、そういったやりとりでの、簡単な、形式だけでの聞き取り調査、こういったことで本当にずさんだったなと。実際、今回出てきた。そしたら、もしかして、別な場所、例えば解体し終わった一関の旧磐井病院跡地とか、そのほかそういったところでも、もしかして出るんじゃないのかなと、そう思うんですけれども、そういった懸念はないんでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 平成17年の調査につきましては、当時の聞き取り調査というお話でございますけれども、当時の沼宮内病院からの聞き取りにおきましては、かなり昔に職員になられた方、具体的には昭和39年当時に職員になられた方についてまで聞き取りをしたということでございまして、そういった部分での聞き取り調査ではございますが、当時の事情をお知りになっている方々からの事情聴取だったと聞いてございます。
 それから、これまで私どものほうでも、ここ数年のところで磐井病院等々の解体工事なども行ってございますけれども、こういった際には、解体に際しましての必要な法令に基づいた調査、土壌調査とかは実施しているところでございます。
〇小野寺好委員 一連の対応を見ていると、普通の商売であれば、知らぬこととはいえ、とんでもないものを売って申しわけなかったと、誠心誠意きちんと対応をさせていただくと、こういったのが普通の商売かと思うんですが、なんかそういう姿が全く見えないと。ましてや、特別養護老人ホームをつくっている予定者に対しては三角関係であると。直接私たちの当事者は岩手町だと、そっちのほうとだけ交渉をする、そういったニュアンスにとれて、実際準備がどんどんおくれてしまって大変な迷惑をこうむっているそちらに対してのちょっと配慮が見えないなと、そういう気がしますけれども、どのような対応でこの後、臨まれるんでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 先ほど医療局長も御答弁させていただきましたけれども、いわゆる旧沼宮内病院の跡地から出された燃え殻を初めとした医療系の廃棄物につきましては、私どものほうで原因であることは間違いないことだと考えてございます。これまで医療局といたしましては、今後の特別養護老人ホームの建設工事におくれが生じないように、医療系廃棄物を工事区域から、これは岩手町の御協力も得ながら仮置き場というのを設置していただきまして、これを敷地外にまずは撤去するというようなところで、最大限工事におくれが生じないように配慮してきたつもりではございます。これに加えまして、今現在、岩手町だけではなくて、相手先の─相手先といいますか、いわゆる社会福祉法人とも協議をしているところでございますので、誠意を持って協議を進めていきたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 花泉診療所から、医療法人白光と2階部分の社会福祉法人七星会が3月いっぱいで撤退することになりました。それを引き継いで、2階の部分は社会福祉法人二桜会が引き受けることになりました。そこで、今後、医療法人白光に対して賃貸料が正規の額の4分の1とか、2年目は2分の1ということで契約的に免除される部分がありました。今度、社会福祉法人の二桜会へ賃貸料が減免となるのか、お伺いいたします。
 それから、医療局は4月から県営の無床診療所として開設されると聞いておりますが、その開設される日程はいつになるのでしょう。また、実際、診療を開始するのはいつごろになるのか、お伺いいたします。
 開設に向けては、第一にやっぱり医師の確保が一番ではないかと思っておりますが、医師確保は整っているのか、また、職員体制、看護師、検査、事務職員、この体制はできているのか、お伺いいたします。
〇大槻経営管理課総括課長 まず最初に、賃貸料のお尋ねでございます。
 2階の社会福祉法人七星会が運営する特別養護老人ホームにつきましては、現に入所されている方々に御迷惑がかからないようにということを最優先に、地元の一関市に調整をいただきまして、新たな特別養護老人ホームの運営先が選定されたところでございます。新たな特別養護老人ホームの運営先とは、賃貸借契約の締結に向けましてこれから協議をしていくことになりますけれども、七星会が行った施設改修に係る借入金の債務を引き継ぐものと聞いてございまして、原則的には、七星会が事業を継続した場合と同じ賃貸料の取り扱いとなるように考えてございます。
 それから、開設の時期でございます。開設の時期につきましては、現在診療を行っている花泉診療所が3月末で撤退するということになってございまして、現在利用されている方々の今後の診療に支障にならないように、花泉地域診療センターの4月開設に向けて所要の準備を進めているところでございます。
 実際に診療を開始するに当たりましては、医療器械等の運搬とかシステムネットワーク工事等の準備作業、こういったものが必要になってまいりますので、花泉診療所が実際に廃止された後、1週間程度の準備期間は必要になるのかとは考えてございますが、できるだけ診療の空白期間がないように準備を進めていく考えでございます。
 それから、医師を初めとした職員体制のお話でございます。現在、医師の配置について調整を行っているところでございますが、民間移管前の病床を休止しておりました花泉診療センターと同じ程度の外来診療機能を確保するよう取り組んでいるところでございます。
 具体的に申し上げますと、医師の配置につきましては、現時点で、常勤の医師1名の配置を見込んでございまして、そのほか常勤医師1名について調整中でございます。それから、看護師、臨床検査技師、放射線技師、それから事務、作業員等につきましても、診療体制に応じて配置する準備を進めているところでございます。
〇工藤勝子委員 12月の決算特別委員会で、職員体制はこれからだという話をされておりました。地元医師会とも調整し準備を進めるということで、それでも1人は確保されたわけですよね……。はい、わかりました。1人では非常に無理なんだろうと思います。幾ら無床の診療センターといえども、ぜひ地元ともよく調整しながら進めていただければと思っております。そしてできるだけ空白をなくして、診療センターが開始されるように願っているところであります。
 緊急時における協力病院の体制、白光のときはこの二次医療圏での支援がなかったのではないかと思っておりますが、磐井病院などを初めといたしまして、二次医療圏のバックアップ体制は、今後どのようにしていくのかというところをお聞きしたいと思っております。
 それから、地元では、もともと有床ということで白光がスタートしたわけですで、そういう訴えをしているんだろうと思っております。やはり、無床よりは有床で県としてやってほしいという思いがあるんだろうと思っております。でも、県立病院で行ってもなかなか黒字にならない中で、幾ら民間といえども黒字体制にするには非常に難しいものがあるんだろうなと思っておりますけれども、この地元の訴えと申しましょうか、思いをどう深く受けとめているのかということ。それから、一関市の市長も、一日も早く有床にするため県と連携し、医師確保に取り組むということを新聞で発表されておりますが、この一関市との連携についてどのように話を進められているのか、お伺いいたします。
〇大槻経営管理課総括課長 花泉地域診療センターの支援体制についてでございますけれども、まず当センターは、県立磐井病院附属ということで予定されてございまして、本院である磐井病院が支援する体制を組むということになっております。また、入院が必要な患者につきましては、当然、本院である磐井病院のほか、症状に応じましては、一関市内の病院等と連携をしながら対応をさせていただきたいと考えてございます。
 それから、地元の御要望というお尋ねでございました。民間の移管前の旧花泉地域診療センターにつきましては、危機的な医師不足という中で、限られた医療資源のもとで、良質な医療を提供するために、平成21年4月から病床を休止することになったものでございますけれども、入院ベッドが必要であるという地域の強い意向は当然ございまして、地元一関市の意見も聞きながら今般の民間移管を進めたものでございます。地域の方々が、入院ベッドを求めているということは十分承知しているつもりでございます。しかしながら、危機的な医師不足の状況につきましては、現在も変わってございませんので、民間移管前の無床診療所として開設をさせていただくということでございます。
〇千葉医師支援推進監 花泉地域診療センターの医師確保のための一関市との連携、協議についてでございますが、県では、市町村と連携した医師確保は大変有効なものと考えてございます。各市町村との会議の場などを活用した連携の要請や、これに応じて市町村からゆかりの医師情報の提供を受けるなど、情報の共有を図りながら、医師確保対策を行っているところでございます。
 今般の花泉地域診療センターの勤務医師の確保につきましては、県立の施設でありますことから、まずは、県において勤務医師の確保、調整に努めているところでございますが、一関市においては、医師奨学資金貸付事業、あるいは市のホームページでの県立病院医師募集などの取り組みを行っているところでございます。
 今後におきましては、市と十分連携を図りながら、効果的な確保対策に努めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 それでは、医療法人白光の未収金の返済はどうなるのか。七星会の借入金とか賃貸料は、今度受ける社会福祉法人の二桜会がそれを引き継ぐと。職員もそのまま受け継ぐという話をされておりますが、この白光の部分の賃貸料2、000万円余、医療機器の代金1、000万円余、これがどのように清算方法をとられようとしているのか、お伺いいたします。
 また、弁護士を代理人として清算方法について協議をしているという話を聞いておりましたが、現段階におけるその情報がわかりましたらお知らせください。
〇大槻経営管理課総括課長 医療法人白光に限った形での現時点での賃貸料等の滞納状況でございますが、賃貸料につきましては274万1、378円、それから医療機器の代金等につきましては1、002万810円となってございます。そういったこともございますが、先ほど委員の御指摘のとおり、現在、賃貸料等についての清算につきましては双方で弁護士が代理人となって協議をしているところでございまして、若干協議が整うまでにお時間がかかるかと考えてございますが、協議中でございますので、内容については御容赦いただきたいと思います。
〇工藤勝子委員 結局、この施設というのは、医療と福祉、介護の一体的な地域医療再生の新たなモデルとしてスタートしたと思っておりました。県民の期待もあったわけでございますけれども、結局、これが2年もたたないで断念せざるを得なかった状態になったわけですけれども、今度2階部分に入る社会福祉法人の二桜会と1階の県で行う花泉地域診療センターとの連携のとり方、一体化になるのか、その辺のところをお知らせください。
〇大槻経営管理課総括課長 診療所と特別養護老人ホームの一体運営というお話でございますが、御指摘のとおり、今現在の七星会とそれから白光というのは別法人であることは別法人ではございましたけれども、そういった中で、今回県になった場合にどのような形で連携をとっていくのかというお話でございますけれども、まずは、これから新しく引き受けをなさる二桜会のほうとは協議をしていく話になりますけれども、特に特別養護老人ホームとの連携ということで申し上げますと、1階にも診療所があるということは、入所者が体調を崩した場合に、すぐに1階の診療所において診察するなどの連携は当然図れるものだと思ってございます。
 それから、入院が必要な場合、これはそこにベッドがあればそれは一番いいわけでございますけれども、入院が必要な場合については、本院である県立磐井病院、それから症状に応じて一関市内の病院等と連携しながら対応させていただきたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 最後に医療局長お聞きしたいと思っております。
 保健福祉部長は、質問したときに、地域福祉、介護の一体的な取り組みに対して、民間の力を借りながら地域の意向にこたえてきたと、この効果はあったというような評価をされました。でも、私たちは、効果があったのかどうか、非常に疑問であります。そういう中で、医療局は、今までの関連の2年間をどう評価するのか。というのは、結局、医療局長もしっかりと検証していかなければならないと、12月の決算特別委員会で答弁をされております。そこで、早目に検証して、どうしてこのような事態になってしまったのかというところの検証を進めなければならないんだろうなと思っておりますし、そして検証した結果を、今後、県民にどういう形で示そうとしているのか。そして今後、例えば大迫とか住田、いろいろ診療センターになったところがあるわけですけれども、民間に移管しようとしたときに、この検証結果が非常に有効な手だてになってくるのではないかと思いまして、検証についてお伺いいたします。
〇遠藤医療局長 花泉診療所につきましては、昨年の途中から若い先生が着任しまして、それ以降は、入院患者あるいは外来の患者につきましてもそれなりに定着してきたということで、地域にもそれなりに信頼を勝ち得てきたのかという評価はしております。ただ、それが継続できなかったということで今日の事態に至っているということでございまして、もろもろございますけれども、評価すべき点もあったんだろうなとは感じております。
 それから、それ以外の地域診療センターがございますし、また、中には、今後民間のノウハウを活用してというのを模索しているところもございますので、今般の花泉診療所につきましてはしっかりと検証いたしまして、今後の民間移管とか、そういった事例に出てきた場合に活用できるような形で、しっかりと検証してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 やめようと思ったんですけれども、いつまで検証という言葉を私たちに示すのか。その点なんですよね。12月にそういう話をされていて、3月なわけですよ。医療局の中で、これをしっかり検証をしなければならないわけすけれども、いつまで私たちに検証という言葉で答えて終わりにしようとしているのか。例えば、次の6月定例会までには検証結果を示すとか言ってもらえれば、私たちもそれなりのものを心に準備するわけですけれども、いつまでも検証と言われて、はい、そうですかというわけにもいかなくて、その辺のめどはいかがなんでしょうか。
〇遠藤医療局長 大変申しわけございません。私、昨年の決算特別委員会のときに御答弁したかと思うんですけれども、現在、医療法人との間でいろいろ協議、建物の明け渡しとか、そういった協議が続行中であるということで、昨年、そういったものが整った4月以降、一定のめどがついた段階で検証をやっていきたいという形で、昨年御答弁申し上げした。検証、検証とずっと言っているわけじゃなくて、いずれ4月以降にそういった形の検証をしたいと。今の段階におきましては、医療法人、2階部分については一定のめどが立ったところでございますけれども、いずれ3月末までに円滑な引き渡し、それから賃貸料の整理というか、その辺をきちっとやった上で、それらも含めて検証していきたいということでございます。
 それから、いつまでという、6月というお話も委員のほうからございましたけれども、一定程度の期間はかかるのかなと考えておりまして、いずれ4月以降の検討に入ってから、その辺はまたお示しできればよろしいかと思っています。
〇高橋孝眞委員 私からも花泉診療所等で質問をさせていただきます。できるだけ重複しないように質問しますので、お願いをいたします。
 今回の一括的賃貸から、1階は県による無床診療所としての運営、2階部分を特別養護老人ホームとしての社会福祉法人七星会から二桜会に運営、受託の変更となる旨、今、整理されているわけでありますけれども、当局として有床診療所から無床診療所になることによって、知事の考えている希望郷いわての実現に支障を来さないと考えているのかどうか、まず最初にお聞きします。
〇大槻経営管理課総括課長 花泉地域診療センターの関係でございますが、民間移管前の旧花泉地域診療センターにつきましては、先ほども御答弁の中で申し上げましたけれども、危機的な医師不足等の中で、平成21年4月から病床を休止することとしたものでございまして、その後のいろんな地域でのお話し合い等々も踏まえまして、民間診療所に賃貸したものでございます。今般の契約解除に伴いまして、県営の地域診療センターとして再び開設、無床の地域診療センターという格好で民間移管前の状態に戻るわけでございますけれども、今後、地元の一関市それから関係機関とも十分協議しながら、地域医療の確保については努めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、支障を来さないと考えてよろしいのですか。
〇大槻経営管理課総括課長 希望郷いわてのいわて県民計画につきまして、平成21年12月の策定でございました。その前の段階で、花泉の地域診療センター……(高橋孝眞委員「簡単に」と呼ぶ)はい。平成21年4月から病床休止の状態になってございましたので、そういった状態に戻すという格好で、そうは言いながらも、地域医療の確保は大事なことでございますので、十分地元の市、それから関係機関と相談して対応してまいりたいと考えてございます。
〇高橋孝眞委員 わかりましたといいますか、わかりませんと言ったほうがいいのかもしれませんが、次に行きます。
 花泉地域診療センターの収支の見込みですけれども、伺いますと、収益は5、100万円ほど、費用は4、400万円ほど、差額が700万円ほどになるわけでありますけれども、これには給与費は含まれていないということでございます。給与費で考えますと、県職員の考えから見ますと、1人当たり740万円ほど、共益費、共通管理費を含めますと900万円から1、000万円ほどになるんだろうと思います。そういう意味合いでは、かなりの赤字になると言えば語弊がありますけれども、どうしても黒字でなければいけないというわけではありませんけれども、部門別、部署別の収支というものは考えていないという内容でありますけれども、今後このような部門別収支等を検討していく考えがあるのかどうか、伺いたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 花泉地域診療センターの収支につきましては、お尋ねにありましたとおり、収益につきましては、1日当たりの患者数大体30人ぐらいかと当初見込んでございます。それで、外来収益として5、100万円ほどを見込んでございまして、費用につきましては、実は地域診療センターは、いわゆる磐井病院附属という格好になります。本院と一体で経理をされるということで、大体過去の実績と見込み患者数をもとに積算をいたしまして、材料費それから経費として、4、400万円ほどを見込んでいるとお知らせしたところだと考えてございます。
 職員の配置、人件費の関係でございますけれども、今現在、医師の配置等について調整を行っているところでございまして、民間移管前の花泉地域診療センターと同じ程度の外来診療体制を確保するよう取り組んでいるところでございまして、こういった人件費等につきましても、医療局全体の中での人件費の対応と考えてございますので、そういった意味で、前に資料を提供させていただいたということで御理解をいただきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 わかったような、わからないような回答でありましたけれども、次に行きたいと思います。
 現在の賃借人でありますけれども、白光で改修工事はあったのかどうか。あったとすれば、今後どうするのか。
 それから、改修工事というか、白光とは、契約上は第11条で原状回復義務を求めておりますけれども、現状での返還を求めるのかどうか。また、所有権はどうするのかということから見ますと、白光は放棄をして返還するのかどうか、その点について伺います。
〇大槻経営管理課総括課長 改修工事の関係でございます。白光が花泉診療所を開設するに当たりまして、会議室とか職員の更衣室、休憩室を病床に改修する等の工事を行ってございます。花泉地域診療センターを開設するに当たりましては、私どもの方で使う場合には、今度は会議室とか休憩室等が逆に必要になってくるわけでございますが、差し当たっては、現在の病床を会議室や休憩室等として代替することとして考えてございます。開設後、状況に応じまして、最低限の改修を行うことも検討していきたいと考えてございます。
 それから、所有権の放棄の関係、それから原状回復の関係につきましては、今現在、引き渡しに関する協議、家賃の滞納の整理の関係とあわせましてやってございまして、その中で今協議中のところでございますので、御容赦いただきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 所有権の関係については、余りもめないように進めたほうがよろしいのではないかと思います。
 私は、この花泉診療所の関係についてでありますけれども、白光にだまされたのではないかと考えている向きがあるようですけれども、白光が花泉診療センターの経営を引き受けるに当たっては、必要な県の支援を前提にしていたのではなかったのかと思います。今回のような結果になってしまったことはまことに残念ですが、県として十分な支援をしなかったことにも、今回の事態の原因があるのではないかと思うわけであります。
 家賃問題につきましては、半額免除の有床契約としたところでありますけれども、そもそも、それも先ほど県の費用をはじいたところを考えてみましても、無理があったのではないでしょうか。当初の協議の段階において、診療所の将来的な経営の見通しを込めて、白光側ともっと内容を詰めて契約すべきではなかったのかと考えているわけでありますけれども、当局はどのように現時点でこの件について考えているのか、改めて伺いまして質問を終わります。
〇大槻経営管理課総括課長 白光の経営に向けての収支計画といいますか、そういった部分だと思います。
 基本的に、私どものほうでも、公募に当たりまして、そういった部分の積算につきましては、私どもの病院の中の診療所の運営に要する経費とか、収入とかというものを基本にはじいた格好で、ある程度無理のない部分もあるのかなということで進めてきたところでございます。その後、実際に白光のほうで運営をなさった後につきましても、いろいろと入院、外来患者の増加についてのアドバイスとか、それから近隣の開業医、それから介護福祉施設との連携についてのアドバイスとか、こういったものについてはいろいろやってきたつもりでございますけれども、こういった事態になりましたことについては、非常に残念なことだと考えてございます。
〇及川あつし委員 今、白光の件も質疑があったわけですが、この件につきましては、今、皆さんが4月からの円滑な移管などにいろいろやられております。先ほど医療局長が、4月以降検証するということでありましたので、今回はあえてこの問題には触れませんが、4月以降、皆さんの検証結果をもとに、今後の県医療の中でも非常に大事な問題であろうと思いますので、改めてこの点については質疑を交わさせていただきたいと思います。
 きょうは、先ほど千葉伝委員、小野寺好委員からも話がありました旧沼宮内病院の跡地から出土、発見、どちらが適当かわかりませんが、私は、発見された医療系廃棄物の問題について伺いたいと思います。
 いろいろ伺いたい点はあるのですが、先ほど2月15日に合意書を交わしたという御答弁がありましたけれども、どういう合意の内容なのかまず伺いたいと思いますし、その合意に、先ほどの答弁で伺うところによれば、埋設されている特管物─特別管理廃棄物の撤去費用について云々という話がありましたけれども、どういう根拠でその費用は捻出されるのか、その点について冒頭確認したいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 岩手町との合意でございますけれども、今般の社会福祉法人が、特別養護老人ホームの新築工事に関しまして出土する特別管理産業廃棄物、それから産業廃棄物の撤去、処分について、売買契約書で両者協議の上という部分もございますので、その条項に基づきまして、その廃棄物それからこの工事に関しまして今後出土する廃棄物につきましては、私どものほうで速やかに撤去し、最終処分まで行うものとすると。その費用については、すべて私どものほうで支払うという内容のものでございます。
 それから、お支払いといいますか、費用負担の根拠でございますけれども、これにつきましては、契約書の中の、この契約によりがたい事情が生じたとき、またはこの契約について疑義が生じたときには、甲、乙協議するものとするといったものが直接の根拠になりますが、いわゆる民法の570条の瑕疵担保責任に基づくものと考えてございます。
〇及川あつし委員 ちなみに、これから支払いになるのか、支払ったとすれば補正で対応したのか、平成24年度の予算に反映されているのか、反映されているとすればどこに反映されているのか、説明してください。
〇大槻経営管理課総括課長 予算につきましては、平成23年度の補正予算の中の、いわゆる特別損失という中に入ってございます。
〇及川あつし委員 特別損失の件について、常任委員会等で、皆さんのほうから説明した経緯がありますか。
〇大槻経営管理課総括課長 特別損失につきましては、今般の2月補正の中では、いろいろと震災関係の特別損失もありましたものですから、そういった中の一つとして入ってございまして、この問題を特に名前を挙げて御説明した経緯はございません。
〇及川あつし委員 私、何を言いたいかもうわかると思うんですが、前から医療局の皆さんに申し上げているのは、適時適切に皆さんのほうからなぜ説明しないんですかということであります。以前も、白光の問題を蒸し返すつもりはきょうはありませんけれども、家賃の滞納の件についてそちらから説明がなかった。今回、私、少し問題にしたいのは、なぜ10月21日にこういう問題が起きてから─私も先週いろいろ情報をいただいてわかった内容でありますけれども─皆さんのほうから能動的に説明しなかったのかということは、一つ問題として残ると思うんですね。この点についてどう考えていますか。
〇大槻経営管理課総括課長 今回の出土場所につきましては、現在、自己所有の場所ではないということ、それに既に売却をした土地であったということ、それから相手方でございます岩手町、土地所有者である岩手町、それから特別養護老人ホームの発注者である社会福祉法人とこれまでも協議をしてまいりました。そういった中で、まずは医療系廃棄物の撤去、処理等を優先して工事が円滑に進められるよう、全力を挙げて取り組んでまいったところでございます。
〇及川あつし委員 私、前から繰り返し申し上げていますけれども、行政に瑕疵があっちゃいけないし、過ちもあっちゃいけないけれども、間々いろんな事情で問題が発生すると思うんですけれども、皆さんから説明責任を果たさないから多分いつも問題が大きくなるんじゃないかと、今回も実はそのような心証を持っております。
 ちょっと伺いたいのは、二戸の病院の建築の際に、このときも医療系廃棄物が発見されたと。その当時の報道をつらつらと見ますと、なんか今回と全然対応が違うんですよね。
 それは、まず1点は、当時の話では、病院周辺の約70戸に、今後の対応などについて説明する文書を配布したとあります。住民はおおむね冷静に受けとめ、調査結果を注視していると。調査についても、二戸保健所が施工業者の立ち会いで周辺土壌のサンプルを採取して、その結果について後で説明していると。今回、先ほどの答弁で言うと、もう一回、その土地の所有権が岩手町に移っているからという説明になるとは思うのですが、やっぱり今回の対応の経過も、現時点まで検証するについてはいかがなものかなという感じがするのですが、旧福岡病院の際の対応と今回の違いについてどう考えていますか。
〇遠藤医療局長 委員御指摘のとおりでございまして、二戸の旧福岡病院の際には公表しておりますし、そういった対応をとらせていただきました。
 今回の諸課題、諸問題につきましては、現に土地所有者というのがございまして、土地を売却してございますので、二戸のときにおいては私どもの所有地という、その違いがございます。それから、売却した土地について、現に社会福祉法人で特別養護老人ホームの建設工事に着手しているという状況もございます。埋設が明らかになった段階から、土地の所有者である岩手町、それから社会福祉法人、私ども、それから建設会社等と関係者が入りまして、10回近い形でいろいろ協議はさせていただいております。そうした中で、私どもとすれば、可能な範囲でできるだけ工期に影響が出ないように─結果的には影響が出ましたけれども、できるだけ早期に処理するという形で対応させていただきましたし、一つのネックは、排出者としての責任はございますけれども、現に土地の所有者が違うという中で、私どものほうから一方的にそういったのを表に出していいのかどうかというところがございまして、そういったいろいろな協議の中で今日に至っているということで、二戸の旧福岡病院のときとは若干対応が異なったというのは、委員御指摘のとおりでございます。
〇及川あつし委員 答弁としては完結していますし、そこそこでわかるんですが、私が心配しているのは、この手の問題というのは小さいうちにきちっと説明をしていかないと、事後的に皆さんのほうで対応しなければいけない問題が大きくなって、金銭的にもまた業務的にもさらに拡大するというのがこの手の問題の特性でありますので、そこを踏まえて、これから軌道修正できる部分についてはしっかりやってもらいたいと思うんです。
 さっき、平成23年度の補正予算で、特別損失で処理をして、我々もう議決しましたのであれですけれども、今撤去中ということなので額は確定しているのか、それとも、さらに額は拡大し、平成24年度予算にも何かしらの影響が出るのか、その点についても確認のため聞きます。
〇大槻経営管理課総括課長 まず、撤去についての費用でございます。
 撤去についての費用につきましては、おおよそ7、000万円弱と考えてございます。これにつきましては、ほぼ今の時点で中間処理施設のほうまで搬出する段階になってございますので、3月の中旬には搬出が終わるという状況になってございますので、額としては、撤去についてはこの額で確定になろうかと考えてございます。
〇及川あつし委員 もう一点確認でありますが、私も経過のメモを入手しておりますのでそれに基づいて伺いますが、保健所の指導助言も仰いで焼却灰などの土壌調査をしたと伺っておりますが、土壌調査の結果はどうだったのか。ここが一番、住民の皆さんが心配であろうと思いますので、その点の結果についてお示しください。
 もう一点は、どうも経過を見ると、全量を撤去、搬出したのではなくて、工事に影響がないところだけ撤去、搬出して処分したということですので、その事実関係についても明確にお示しください。
〇村田業務支援課総括課長 委員お尋ねの件でございます。土壌分析の検査をしたかどうかということでございますが、今回出土した燃え殻について、県央保健所の指導を得て、岩手クリーンセンターに確認の上で、11月14日に焼却灰をサンプリングして熱灼減量、水銀、ダイオキシン等の8項目の分析を土壌汚染調査会社に依頼したものでございます。分析結果につきましては、12月9日、すべて基準値以下であるとの報告を得ているものでございます。
 もう一点ございまして、処理範囲ということの御質問でございました。撤去範囲につきましては、12月2日に県央保健所に照会し、建設工事に伴って排出される廃棄物については、適正に処分するということの指導を得たところでございまして、12月3日に、岩手町、社会福祉法人、元請建設会社及び医療局の担当による打ち合わせ会において、建設工事を優先するため、基礎工事に係る範囲の廃棄物混入土砂を撤去することとしたものでございます。
〇及川あつし委員 ここで私心配なんですけれども、この手の問題はいつまでも隠し通せるものじゃない。どっかでは明らかになる。そして過去を振り返ってこうだった、ああだったって住民の皆さんに説明しますけれども、この手の問題というのは後から騒ぎの種だと思うんですよね。
 結局、今の答弁を私なりにまとめてみると、県央保健所の指導に基づいて土壌のサンプリング調査をしたけれども、8項目については基準値以下であったし、法令上、全量を撤去する義務がないから工事に支障がある部分だけ撤去しましたよと。つまり、残っているんですよね。つまり残っているし、土壌調査もサンプリングをやっているんで、私がもし周辺住民だったら、若干心配をする可能性はあるなと思っていまして、この点については事後的に、今社会福祉法人のほうで開業を急いでいると思いますので、工事、工事ということで進んでいますけれども、後々、もし周辺住民の皆さんからまだ残っているんだろうと、本当にサンプリング調査が適正だったのかと言われたら、開業できなくなる可能性あるんじゃないですか。であれば、私はこの手の問題は抜本的に早急にやって、そして皆さんの誤りは誤りで、事業者に対して損害賠償もやる、そして抜本的に行政の責任として、周辺住民の皆さんにも安心を与えるような対応というのも必要なのかなというような経過を踏まえて心証を持ちましたが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 委員御指摘のとおり、こういったお話というのは、実際ここで終わらないこともあろうかと思います。特に今現在、その土地の所有者である岩手町、それから実際に工事を発注している社会福祉法人と法律的な整理も含めて協議中でございますので、その協議の中でいろいろとそういった部分についても検討させていただきたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 いずれ、事が大きくなる可能性がありますので、しっかり予見をしながら対応してもらいたいということであります。
 ちょっと伺いますが、先ほど、小野寺好委員の質疑の中で、岩手町との土地売買の際に、あらかじめ医療系廃棄物の埋設の可能性について、特段、そういう話はなかったというような答弁がありましたけれども、本当にそれでいいですか。
〇大槻経営管理課総括課長 岩手町との土地売買の過程の中では、基本的に医療系廃棄物ということについてのお話というのはなかったと記憶してございます。逆に、前に解体撤去工事をした際のいわゆる基礎ぐいといいますか、こういったものについて残っているんじゃないかといった部分についてのお話がございました。そういうふうに記憶してございます。
〇及川あつし委員 直接のやりとりはなかったかもしれませんが、先ほど御答弁がありましたけれども、旧福岡病院の土地から出てきた際に、皆さん、ヒアリングベースのようですが、全体的に調査されて、当時、議会では一切─平成17年、私はちょうど議席がないときでありますが、ほとんど議論がなかったようでありますが、当時、報道機関に対して、旧福岡病院のように敷地内に医療廃棄物を埋設した事実が確認できた病院はなかった。つまり、なかったと断言しているんじゃなくて、確認できた病院はなかったということで、事実上それで調査を終わって、ないであろうという推認のもとに今回の岩手町との土地売買もなされて、岩手町側は、こういう報道の発表とかも見て、ないんだろうなということで、契約書上、今、瑕疵担保を認めて、特別管理産業廃棄物の処分費用については見ると言っていますけれども、私は、ちょっと横道にそれますけれども、岩手町との土地売買契約に瑕疵担保条項が入ってないというのも、ちょっとこれは違和感があるやつだなと、後から振り返ると。通常の民間の土地取引であれば、必ず瑕疵担保条項を入れますから、入れなくても、民法の570条を適用させて今回支払うということになっていますけれども、契約にもちょっと不備があったのかなという感じがしています。
 いずれにしても、私が申し上げたいのは、6月15日に皆さんが発表したこの聞き取り調査については、虚偽であったとは言いませんけれども、十分なものではなかったということが今回明らかになったということを、もう一度、医療局としては立ちどまって考えるべきだと思っています。
 これからの問題もあるので伺いますけれども、県立病院についても遊休資産の売却をこれからやっていくということで、これまで私も質問の中で伺ってまいりましたけれども、これから売却を見込んでいる遊休資産は、医療局として、今、どこを検討しているのかお答え願います。
〇大槻経営管理課総括課長 委員からの御指摘がございましたとおり、平成17年度の調査につきましては職員からの聞き取りの調査だったということ、それから、今回、実際に廃棄物が出土されたということも考え合わせますと、不十分であった部分もあるのかな、否めないのかなと考えているものでございます。
 今後のお話ということで、今後の売却予定の病院の跡地につきましては、磐井と南光と花巻厚生と北上という大きいところが残ってございます。今の時点では、磐井病院の跡地につきましては、昨年度、解体撤去ということで解体工事までをさせていただきましたので、今後、それについて売却の話が進むものと考えてございますけれども、とりあえず、これにつきましては、私どものほうでも、こういった事態もございましたので、廃棄物埋設の有無については調査をしていきたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 今、大槻経営管理課総括課長が最後に答弁した部分が大事だと思うんです。つまり、平成17年に一応調査して聞き取りをやったけれども、ないというような形で対外的に公表していて、岩手町との土地売買においては出てきてしまったと。これからまだ大きい磐井、南光、北上、花巻厚生病院についても、おいおい売却していく際に、今回と同じことをやったら、皆さんの行政責任は二重に重いことになりますので、これについてはきちっと事前に、聞き取り調査ではなくて、しかるべき土壌調査をやった上で売却しないと、結果として、県立病院会計に与える負担というのは大きくなるのではないかと思っております。その意味で今お伺いしているわけですが、今後の県立病院跡地の売却等に当たっての土壌の事前調査等について、これは医療局長、御答弁いただければと思います。
〇遠藤医療局長 医療廃棄物、感染性廃棄物ということで、廃棄物の規制については、順次改正を受けて今日に至っているということでございます。昭和40年代後半と想定されていますけれども、その当時は、違法とか不法ということではございませんので、そこは規制法上の法的な問題はないということでございます。
 ただ、実際、土地そのものを売買した場合に、埋設物があると、今回のような形でいろんな費用負担とかリスクが生じるということでございます。これは、委員御指摘のとおりでございます。したがって、対象物件を売却する際には、事前にやはりそういった形の検査をしてリスクを取り除いていくという対応が必要だというのは委員の御指摘のとおりでございますので、今後、土地の売却に当たっては、そういった形の対応を検討してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 もう一つの論点でありますが、先ほど質疑があったわけですが、社会福祉法人に対する医療局の基本的な姿勢ということであります。今申し上げたように、土地売買の経過から、そして今日に至るまで、発見されてからの経過については、やっぱりまだ改善されるべき点が多々あったのではないかと思いますし、ある意味、社会福祉法人については最大の被害者であるといっても過言ではないと私は思っておりますので、先ほど、誠意を持ってということでありましたけれども、まさに当事者としての誠意と行政の責任と、あとは、地域の中で待望されている特別養護老人ホームということでありますので、できるだけ早期に開業を、社会福祉法人側に損失を与えない形でやるという4次連立方程式を早急に解いていただきたいと思うわけですけれども、基本的な認識、そして姿勢について、再度、医療局長に伺いたいと思います。
〇遠藤医療局長 今般の件につきましては、いわゆる廃棄物としての法規制上の問題、課題というものがございますし、それから、埋設物の処理によって工期がおくれた。それに伴って社会福祉法人のほうで損害が生じているということで、これはいわゆる民事上の問題でございます。法規制上の問題につきましては、撤去という形で医療局の責任においてやらせていただきました。民事上の問題につきましては、現在、双方、弁護士を立ててということで、その中で協議をさせていただいておりまして、瑕疵担保責任という形の整理がちょっと難しいところもございまして、これまで、社会福祉法人の方々とは3回ほど直接面談させていただいております。その際も申し上げておりますのは、いわゆる根拠と申しましょうか、私ども医療局で負担するに当たっても、やはり何かしらの法的な根拠を、理屈づけというか、妥協できるところで、それがあれば、それをベースにして協議をしていきましょうということでお話をさせていただいております。
 先般、新聞報道もございましたけれども、応分の負担という中で、いろいろ額を提示したり、双方主張したりという中で、合意できるところまでもっていきたいとは考えております。
〇及川あつし委員 きょうは、一連の経過やさまざま懸念される事項の大枠について伺ったわけでありますけれども、今後の対応状況については、また、議会にその都度、御報告をいただいて、これ以上問題が大きく派生しないように、しかるべき対応をとっていただきたいということを強く申し上げて、私からの質問は終わりたいと思います。
〇久保孝喜委員 私からもこの埋設問題を通告しておりました。しかし、これまでの質疑の中で大半の論点は出尽くしたのかなと思いますが、幾つかお尋ねしたいと思います。
 今回の埋設廃棄物が発覚した段階で、当然のことながら、過去の二戸の県立病院の問題だとか、あるいは全国の事例なども含めて対応策を検討されたのだろうと思いますが、岩手県に限って言えば、二戸の病院建設の際に出た廃棄物のときに、医療局として何らかの対応方針みたいな、あるいはガイドラインみたいな、方針として確定したものをつくったという経過はあるのでしょうか。まず、その点からお聞きしたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 平成17年に旧福岡病院の敷地内から出たということでございまして、この場合の対応ということで、特に他の病院も含めて調査をさせていただいたわけでございます。その時点で、そういったような事実がなかったという結論が出ていたものですから、そういった部分での恒常的な形での対応方針というのは定めてはございませんでしたが、病院建設の解体に際して廃棄物が出土した場合の廃棄物の処理につきましては、いわゆる廃棄物処理法にのっとった形で対応させていただいていたところでございます。
 また、病院の規模によりましては土壌汚染対策法がかぶってくるものもございます。具体的には病床数が300床以上のものになりますが、こういったものにつきましては、解体に当たりまして土壌汚染調査等々も実施してきたところでございます。
〇久保孝喜委員 全国で似たような事例が幾つかあるわけですけれども、その際に、周辺が土壌汚染していたという実態も幾つかあるわけです。そういう事例を、当然のことながら医療関係者の中ではそういう情報はあるのだろうと思いますので、今回の事案でいくと、先ほど、焼却灰については調査したという話ですが、周辺土壌という点については、今回、何らかの対応をしたのでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 土壌汚染の場合、周辺土壌というよりも、委員も御存じだと思いますけれども、いわゆる地下浸透の関係になってこようかと思います。これにつきましては、実は、平成15年に旧沼宮内病院の解体撤去工事が行われてございますけれども、この際に、解体工事の前に周辺の井戸水の水質調査というものを実施してございまして、水銀とか鉛といったいわゆる有害物質を含んでいるかどうかという調査をいたしまして、これについては、水道法による水質基準に合致しているという結果は得ていたところでございます。
〇久保孝喜委員 では、その時点で廃棄物が埋設されているという認識はあったんですか。
〇大槻経営管理課総括課長 平成15年の時点でございますので、この時点では、その廃棄物の埋設についての認識はなかったと考えてございます。
〇久保孝喜委員 ですから、結局、私が問題にしたいのは、県民の命を預かる、健康を預かる医療局の姿勢として、今回の対応がそれにふさわしいものであったのかどうかという懸念があるからお聞きしているわけです。先ほどの土壌汚染の問題についても、廃棄物の全量を撤去したわけではないということが今の質疑の中で明らかになりましたし、しかも、今回の工事に支障が出る分については処理はしたけれども、それ以外については全く手つかず状態ですということを言ったと思うんですが、その点を確認した上で、このやり方は、これまでの廃棄物に関する岩手県の姿勢と合致するのかと。県境産廃の問題では、全量撤去と原因者責任をとことん追及すると言ってきたわけです。その姿勢と今回の対応が重なるんですかという懸念を持ってしまうわけです。その点についてはどうなんでしょうか。
〇遠藤医療局長 今、土壌汚染のお話がございました。廃掃法の改正等の過程におきまして、医療廃棄物について一番の問題というのは、病原体が付着していて、いわゆる感染性廃棄物ということで、それが人体に触れた場合に感染症なり、そういう懸念があるというのが、感染性廃棄物として特別管理をするというのが本来の法の目指すところだろうと思っています。したがって、土壌汚染は、また別途、土壌汚染対策法といった形での法の整理になるのだろうと思っておりまして、今般出てきた医療系廃棄物というのはいわゆる感染性廃棄物ということで、これについては、平成3年の法改正で今のような処理のルールに変わってきているということで、昭和40年代後半ごろじゃないかと推測しますけれども、旧沼宮内病院で埋め立てたと。当時は、法に抵触するとかという以前の問題で、毒性のあるものについては一定の規制というのはかかっておりましたけれども、感染性廃棄物についてのそういった規制というのはかかっていなかったというのが一つございますので、県境産廃のものと同列視するようなものであれば、当然これは保健所なり、そちらのほうからの指導を受けて全量撤廃ということになろうかと思いますけれども、その辺がちょっと違うのかなと。
 それから、感染性廃棄物ですので、土壌浸透ということは基本的にはないのだろうなと思っています。一定の時間の経過とともに病原菌とかそういうものは死滅するというか、そういう形になろうかと思います。
 それから、委員御指摘のとおり、一番はやはり土壌汚染ということになろうかと思います。先ほど御答弁したとおり、平成15年のときに周辺の地下水については検査しておりますので、土壌汚染という点については心配はないと考えております。
〇久保孝喜委員 姿勢の問題を私は懸念しているわけです。土壌汚染も大分前に調査したと。したがって、今回出てきた分からは、感染性の問題だけだから問題ないと。しかし、全量はどれだけのものがどれだけ埋まっているかわからないという段階で、今出てきたものだけで判断するということで本当にいいんだろうかと。しかも、その可能性の問題を考えていけば、これは単に法律に違反しているとか、してないとかという問題以上に、周辺の住民に対してもきちんとした説明責任を行えるのかということを先ほどから質疑の中でも指摘されているわけです。それにたえ得る調査なり対応をしているのかということが問われているわけですので、私は、これから先もまだ十分時間はあると思うので、十分なそういう対策を講じていただきたいと思うんです。
 もう一つ、民間の土地取引の場合、特にもこうした埋設の事実が可能性として指摘されるような土地の売買の場合に、売買の際には事前に汚染状況の有無調査というものが義務づけられているという法改正が2003年ごろにあったとされておりますが、岩手県の病院跡地を、地方自治体である岩手町に売買する際には、こうした法規制にはひっかからない、あるいはひっかかる余地もないとお考えなのでしょうか、その点を教えていただきたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 私どものほうで承知していた部分につきましては、先ほど御答弁申し上げたいわゆる土壌汚染法の関係で、特別な施設につきまして、解体撤去等に関しまして事前の土壌調査が義務づけられているというものはございますけれども、売買に関してという部分については、大変申しわけございませんが、承知してございません。
〇久保孝喜委員 先ほど、医療局長答弁の中で、瑕疵担保責任は岩手町との間では合意書ができたということです。一方、社会福祉法人との間では今も協議中であるという話なんですが、この不法行為については協議中だと私は聞いたんですが、どういう主張の違いがこの社会福祉法人との間にあるのかということは、今の段階でお示しできますか。
〇遠藤医療局長 私どもが今やっておりますのは、埋設されていた医療廃棄物につきましては、売り主、買い主の関係がございますので、土地所有者との関係では、通常必要な形状なり、それを有していないという形のいわゆる瑕疵担保責任という形で整理しています。
 それから、これは使用貸借になるんですけれども、使用貸借で社会福祉法人が借りていると。法律的に言いますと、これが賃貸借であれば、社会福祉法人は岩手町に対して瑕疵担保責任という形での責任を追及できる。それが回り回って売り主のほうに回ってくるという形でつながるんですが、使用貸借の場合には、無償ですので、現状での使用ということで、それに伴う不具合とか何とかも別に貸し主のほうは負担しなくていい。基本的には借り主のほうで全部負担する、そういう法律的な整理になっております。
 先ほど来御答弁申し上げたんですが、不法行為という場合には、結局、不法投棄をしたというのが恐らく原因になろうかと思います。つまり、医療系廃棄物をそこに埋めた行為自体が法に抵触する不法行為だという、それを敷衍して原因者である医療局に対して請求する、法律的にはそういう整理になります。
 ただ、先ほど申し上げましたとおり、当時、埋設した行為そのものは法に抵触するものではないということで、埋設した行為そのものを不法行為という形での理論構成は難しいだろうと。ここまでは弁護士ともいろいろ御相談して、アドバイスを受けながら、そこまで来ております。
 しからば、どういう理由といいますか、そこのところで費用負担をするのかというところは、いろいろ弁護士のほうに、法律的な専門的な知識を生かしながら、何とかその辺のところということで協議を続けているところでございまして、今段階では、協議中でございますので、答えられるのはそこまでということで御了承いただきたいと思います。
〇久保孝喜委員 不法行為をめぐる争点の違いというのが、これから先、法的な対応などということにならないように願っているものなんですが、少なくとも、今回の事案に関して私たちが受けた印象は、先ほど来指摘があるように、なぜ自主的に県民に対して説明する、議会にも説明する、報告する、公表するということがすっと出てこないのかという思いだけは、依然としていまだに気持ちの中にとどまるわけです。
 花泉事案の際にもさんざん言われてきたことで、この問題を、何か医療局の専売特許みたいに、都合の悪いことは黙っているみたいな、そういう話として受け取られかねない事態が何回も続いているわけです。その問題が私は一番ひっかかるわけです。そこに対する真摯な説明とか反省というものがない限り、この問題は、形を変えて、またぞろ出てきそうな感じがしてならないわけですが、最後に、その点について医療局長のお考えをお聞きしたいと思います。
〇遠藤医療局長 委員のほうからいろいろ御心配いただきまして大変恐縮に思っております。ただ、先ほど申し上げましたとおり、土地の所有者は別でございますし、これまで発見といいましょうか、工事で出てきた以降、岩手町も含めておりますし、建設工事を請負に出しております社会福祉法人も、建設会社も、関係者が全部そろってこれまで協議を続けてきたという経緯がございます。
 隠ぺい体質というお話をいただきましたけれども、決して隠すとか何とかという考えは全く持っておりませんで、関係する3者の協議の中で今日まで至っているということでございます。
 ただ、委員御指摘のとおり、そのような見られ方をされるということに関しましては、私どもの対応もまずい点もあったのかなということで、反省すべき点はあるいはあろうかとは思っています。
〇久保孝喜委員 今の部分が医療局全体のものになることを願っておりますけれども、ぜひ、こういう事態が発覚したときには事実をまず公表するということと、県の対応方針なり、過去の対応のあり方も含めて、こういう方向で県はやっていますよ、やりますよという明確な方針を示さないことには、冒頭お聞きしたことは、まさにそこだったんです。結局、その都度その都度、場当たり的に対応するとさまざまな懸念や疑念が生まれて、なおかつ周辺住民の方々からもさまざまにとられかねないということが医療局としては一番マイナスになっていくのではないかということを強く申し上げて、終わりたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、被災した県立病院の早期再建問題についてまず最初にお聞きします。
 私は、一般質問で知事に、被災した県立病院の早期再建のためには、用地について、できるだけ早く関係市町と協議して確保すべきだという問題を提起いたしました。
 被災した県立病院の入院患者の状況はどうなっているでしょうか。震災前と比較した実態を示していただきたい。
〇及川医事企画課総括課長 被災いたしました高田、大槌、山田病院の外来患者数でございますが、平成23年12月の1日平均患者数を前年同期─被災前と比較いたしますと、高田病院の1日平均患者数は255人であり、前年同期は242人で、13人増加しております。大槌病院の1日平均患者数は97人でございます。前年同期は154人で、57人減少しております。山田病院も同様に、1日平均患者数は110人でございます。前年同期は98人で、12人の増加となっております。高田病院の入院患者数でございますが、2月の延べ患者数は656人でございます。1日平均患者数は23人となってございます。
〇斉藤信委員 高田、山田病院は、これだけの震災を受けながら、震災前の外来患者を超えている。本当に病院の再建が切実だと思います。大槌病院は、私は先日行ってきましたけれども、やっぱり被害が大変深刻だというのと、あとは、仮設住宅が奥地にあって、交通のアクセスが十分確保されてないというので、病院関係者は頑張っているけれども、先ほど言ったように、回復されてないということはあると思うんだけれども、高田病院は、陸前高田市との関係で、既に病院の用地確保のめどはつけたと。これからですよ。測量や設計をして、病院建設までどのぐらいかかりますか。
〇大槻経営管理課総括課長 病院整備にかかる期間でございますけれども、用地の形状等により用地造成に要する期間が異なるということ、あとは施設の規模、機能といったものについていろいろな状況になってございますので、建設に要する期間について一概にお示しすることはなかなか困難かなと考えてございます。
〇斉藤信委員 それでは、高田病院の場合はどうですか、用地は大体定まっていますから。高田病院を再建しようと思ったら、どのぐらいかかりますか。
〇大槻経営管理課総括課長 高田病院について具体的にはじいているわけではございませんが、一般論ということで申し上げたいと思いますけれども、近年整備いたしました地域病院─高田病院も地域病院でございますので、これを例として考えた場合、建設に要する期間というのは、基本実施設計と建築工事を合わせておおむね3年程度かなと考えてございます。
〇斉藤信委員 仮設診療所は2年ないし3年ということでしたよね。高田病院は、これからやっても3年かかるというのでしょう、順調に行ってですよ。私は、高田病院は直ちに病院の再建にかかるべきだと思います。それでも3年かかるんですよ。
 大槌、山田病院も早く用地の確保をして着手しないと、4年も5年もかかるということになりますよ。そうしたら、地域住民は安心して再建に取り組めませんよ。
 今、地域の高齢者は、仮設住宅で外出ができずにどんどん健康を悪化させているんです。要介護認定が沿岸で1、100人、34%ふえているんです。私は、そういう状況の中で、早く病院を再建して、被災地で、お年寄りも含めて元気に生活できる再建に取り組める状況を早くつくる必要があるんじゃないかと思いますけれども、医療局長、知事はこう言ったんですよ。用地についてもできるだけ早く、市町村と協力しながら早急な地域医療体制の回復に努めていきたいと、これは知事の答弁です。私は、医療局長にもっと踏み込んだ答弁を求めたい。いかがですか。
〇遠藤医療局長 山田病院、大槌病院のお話かと思います。委員には、病院をいろいろ訪問していただいて、現地の情報をいろいろお聞きになっているかと思いますけれども、私も町にお邪魔していろいろ聞いております。確かに、復興計画そのものは両町ともつくられて、土地利用計画をどうするかという形で具体的に動かれている状況だろうと思っています。ただ、現段階で、むしろ、今、仮設住宅で暮らしている住民の方々とか、そういったところがまず最優先に検討されるべき話だろうなと。実際に、内陸部と違いまして、もともと平場のないところでございますので、それぞれ両町とも、今回、仮設の診療所をつくるときにもいろいろ協議させていただいて何とか確保したんですが、正直なところ、やはり両町とも、構想としてはあっても、具体論のところまでは今段階では協議できるようなものではないのではないのかという感じで私は受けとめておりますけれども、斉藤委員は斉藤委員でまた町のほうから別な情報もお持ちかと思いますけれども、いずれ、現時点では私はそのように考えております。
〇斉藤信委員 高田病院は、陸前高田市との関係でそこまで煮詰まってきたんですから、まちづくりの中でもしっかり位置づいているから、ぜひこれは早く進めていただきたい。
 大槌病院の場合は、私も、大槌の置かれた状況は本当に深刻だと思うんですけれども、仮庁舎は大槌小学校を改修して使うと。8億円かけて、かなり本格的な改修です。そうすると、仮設というよりは、10年以上は使えるような仮庁舎になるのではないか。統合小学校の用地も大体めどがついた。そうすると、その次は病院なんですよ。庁舎、学校、病院、ここが定まってまちづくりの基本的な施設が定まってくるんです。私は、そういうことになっていると思います。
 岩手看護短期大学の鈴木るり子教授が、大槌町の全世帯を訪問して、被災住民の方々の健康が大変心配だと。70%以上が血圧が高くなって、結論はこう言っているんです。県立大槌病院の早期復旧や仮設住宅に暮らす人の健康管理の充実を提言したと。いわば大槌の被災者全員を訪問して、この鈴木教授の提言は、早く病院の再建が必要だというのが、被災者の実態調査を踏まえた提言なんです。私は、そういう点で、大槌病院についても、山田病院についても、ぜひ、医療局が積極的に町と協議して、やっぱり早く方向を示していくことが復興の力になるし、被災地を励ますことになるんじゃないか。もう一度、医療局長にお聞きしたい。
〇遠藤医療局長 大槌のほうで調査されたというお話でございますけれども、高血圧とかいろいろ健康に不安のある方々がいらっしゃるというお話かと思いますけれども、基本的には、特に大槌の例を申し上げますと、開業医の方々も仮設で比較的早く立ち上がっておりまして、私どもの仮設の診療所についても大槌が一番早く立ち上げたという経緯がございます。それから、山田についても民間の開業医さんが頑張っておられるし、私どもの仮設の診療所もある。医療がないというわけではなくて、高血圧といったいわゆる入院を要しないような治療については、何とか現地のほうで頑張っていただいて対応していただいているということだろうと思います。
 委員が言われております、いわゆる入院施設ということのお話だと思いますけれども、これにつきましては、二次医療圏の中でのお話し合いの中で、規模、機能等については、平成24年度に保健所が中心になって検討していくということになっておりますので、その中でいろいろ意見も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 知事が9月県議会で表明した再建の方針というのはこうなんです。被災した病院の再建を基本としつつ、地元市町の復興計画や地域医療再生に向けた二次保健医療圏での議論、県の次期保健医療計画の考えを踏まえながら立地場所や規模、機能について検討していく。あくまでも被災した県立病院の再建を基本にすると。私は決算特別委員会の総括でも聞いたんだけれども、これは病院の再建ですねと。そうですよと、知事はちゃんとここまで答えているんです。だから、病院の再建を基本にして、規模、機能については具体的な議論はあるかもしれないけれども、そういうところまで知事は腹をくくっているんだから、ぜひそういう方向で、これは町との協議を進めていただきたいし、高田病院は、ここまで来たのなら早く、今からやっても3年なんですから、ぜひ進めていただきたい。
 次に、花泉診療所の民間移管破綻の問題について私からもお聞きいたします。
 4月に県立診療センターへの移行、特別養護老人ホームは別の民間の社会福祉法人に移譲するという方向ですけれども、医療局との関係で、何が解決して、何がまだ解決していないのか、協議している協議項目は何なのか、このことを示してください。
〇大槻経営管理課総括課長 協議中の事項でございますので、突っ込んだ形でのお話はできないかと思いますけれども、今現在、協議している事項ということになりますと、まずは3月末での引き渡しでございます。それから、残っております滞納している家賃と医療機器の代金の支払い方法、これらについて、今現在、協議をしているところでございます。
〇斉藤信委員 七星会の滞納というのはもう解決したんですか。
〇大槻経営管理課総括課長 七星会の部分につきましては、まずは、医療機器の売却代金については解決してございます。あとは、家賃については、今、継続しているところでございます。
〇斉藤信委員 二桜会が、借金も含めて引き継ぐと言っているんですが、その債務は5、000万円という答弁がありました。これは、二桜会が5、000万円丸々引き継ぐんですか。
 そして、家賃の問題というのは、1年前は4分の1でしたね。2年目から2分の1と。これは2分の1になったかどうか確認していないんだけれども、結局は4分の1で二桜会とは契約するということですか。
〇大槻経営管理課総括課長 債務の移譲の関係については、多分、まだ両法人の中で具体的に詰めの作業のところだと承知しておりますので、私のほうからのお話はしないほうがよろしいかと考えてございます。
 あと、家賃の2分の1、4分の1の関係でございますけれども、これは募集要項とか契約書のほうにも書いてございますけれども、2分の1というのが基本であることは間違いないのでございますけれども、いわゆる財務状況といったものにかんがみまして、ある程度、4分の1のところまでディスカウントできるという格好になってございますので、これは、今後、新しい社会福祉法人のほうとも協議をしていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 県立診療センターに移行するのでありますが、先ほどの答弁で、医師、看護師等の職員については民間移管前の体制に戻すと。民間移管前の体制というのはどういう体制だったのか、これをはっきり示してください。診療科目は幾らだったのか。そして、常勤換算で医師は何人だったのか。
 それで、先ほどは常勤は1人、さらにもう一人、調整中だと。これは、うまくいけば2人確保するということで受けとめていいのか、そのことも含めて答えてください。
〇大槻経営管理課総括課長 民間移管前の状況ということでございましたけれども、民間移管前の状況につきましては、診療科の体制の基本は内科、外科でございます。そのほかにいわゆる脳神経外科が週1回というような格好になってございました。私どものほうとしても、この体制というものを基本として、内科、外科というような格好での対応をしていきたいと考えてございます。
 あとは、常勤換算のお話でございますけれども、常勤換算につきましては、済みません、常勤換算のお話ではなくて、常勤と非常勤も含めた人数で申し上げますと、平成21年度の花泉地域診療センターは常勤1人、非常勤1.6人となってございます。今、常勤医1名の配置を見込んでございまして、現在、プラスもう1名の方につきましては調整中ということでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、医療局とすれば、常勤医師2名確保を目指しているということですね。看護師体制、検査技師の体制、それと、移管前はCTもあったし、検査の体制もあったと思うんです。これを一定程度白光に売り渡したりしていますよね。これはどうするんですか。医療機器、検査機器、これは全く新たに確保するのか。未払いもあるだろうから、そのまま診療センターとして活用できるのか、そこらの点は今の段階でどうなっていますか。
〇大槻経営管理課総括課長 まず、職員体制の関係でございますけれども、看護師、臨床検査技師、放射線技師、事務作業員といった部分につきましても、ほかの地域診療センターも参考にした上で、同程度の形での準備を見込んでいるところでございます。
 それから、医療機器の関係につきましては、いわゆる医療器材の未払い関係の交渉の中での話もございますので、これについては、今、交渉中だということで御了解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 民間移管前の花泉診療センターの患者カルテは磐井病院が恐らく持っていると思うけれども、これは活用できるわけですね。
〇大槻経営管理課総括課長 カルテにつきましては、旧来の花泉地域診療センター当時のカルテも、白光との交渉の中でありますけれども、2年間の分のカルテについても、今、交渉をしているということでございます。前のカルテについては保存されております。
〇斉藤信委員 私は、この花泉診療センター民間移管は先に結論ありきで破綻した、最初から事業計画はうそ八百だったと思います。地域住民を混乱させた。ですから、私たちは、有床診療所体制を守るべきだと思うけれども、今度、県立の診療センターとして再開するに当たって、きちっと地域住民に説明会を開催すべきじゃないですか。
〇大槻経営管理課総括課長 今議会の中でも、こういった説明会については医療局のほうでやっていきたいというお話をさせていただいてございますけれども、若干、日にちが押し迫ってまいっておりますけれども、私どものほうでもそれをしなければならないと考えてございまして、具体的な日程といったことにつきまして、今、一関市のほうと相談をしているところでございます。
〇斉藤信委員 4月に移行する前に、きっちり説明会もやって、信頼回復が第一歩ですよ。私は、そこからしっかりやるべきだと。
 その上で、その破綻の経過、そしてこの検証─医療局は4月以降と言っているけれども、本格的に後で追及しますが、公募前に、何月何日、医療局の幹部担当者が白光の担当者と会っていたのか、これだけはっきりさせてください。
〇大槻経営管理課総括課長 公募前の接触ということでございますけれども、まず、前の年度というお話で申し上げますと、具体的に、平成21年2月16日の両磐の県立病院運営協議会の際に、法人のほうに立ち寄って会長と面談したというお話が記録されてございますし、あとは、4月以降についてでございますが、4月以降については、日時的なものは詳細明らかではございませんけれども、花泉地域診療センター懇談会というものを数回開催してございますけれども、この懇談会の結果といいますか、状況を聞くために、法人の事務局の方がいらっしゃって、私のほうでもお会いした記憶はございます。
〇斉藤信委員 そこからあなたはでたらめなんですよ。とんでもない話でしょう。医療法人白光が破綻したときに、4月以降はわからないなんていう話、それは、あなた、でたらめですよ。私の質問に対して、5月に会ったと1回言っているじゃないですか。それさえしゃべらない。4月以降、本当にちゃんと調べてください。どれだけ癒着して、白光ありきでやってきたのかね。それが知られたくないから言わないのでしょう。そんな記録もないんですか。
〇大槻経営管理課総括課長 白光の事務局の方がいろんな用事で盛岡市のほうにいらっしゃった際にお寄りになって、そういった話をしたという記憶はございます。委員のほうに5月というお話をしたのか、私もちょっと記憶ないんですけれども、いずれ、内容は、花泉地域診療センター懇談会についての、何といいますか、そのときの状況を教えてくださいというような話での面談だったと記憶してございます。
〇斉藤信委員 検証すると言っていて、白光と会った日にちも中身もわからないなんて、そんな検証ありますか。でたらめですよ。本当に検証なんかやる気ないという、ありありじゃないですか。これは後で徹底して─今まで答弁したことも隠すような、そういうことではだめだ。
 時間がないので次に行きますが、私は、県立沼宮内診療センターのその後についてお聞きしたいと思います。
 医療廃棄物の関係で問題になっていますが、それ以上に、今、県立沼宮内病院は診療センターになったけれども、その実態がどうなっているのか。岩手町の検診体制を本当に支えているのか。医師の体制はどうなっているのか。そして、今、岩手町と医療法人との関係で、民間有床診療所の体制を覚書まで交わされているけれども、これは今どうなっていますか。何か、もう民間診療所はやめたという話もあるけれども、皆さん、どれだけ把握されていますか。
〇大槻経営管理課総括課長 沼宮内地域診療センターの医療体制でございます。診療体制につきましては、現在、常勤医が1名、非常勤医師が2名、医療技術職員として薬剤師、放射線技師、臨床検査技師が各1名、看護師が5名という体制になってございます。
 それから、検診の関係のお尋ねがございました。検診につきましては、本年度の実施でございますけれども、大腸がんの1次検診が3、980名ということで、昨年に比べましてこれは54人ふえてございます。大腸がんの精密検査については133人ということで、これにつきましては45人減ってございます。胃がんの精密検査ということでございますけれども、これにつきましては昨年に比べて17人減っているところでございます。これまでが去年やっていたものですが、ことしになりまして、昨年実施できなかった乳がんの1次検診、いわゆるマンモグラフィーと視触診でございますけれども、これについては今年度87人ということで、純増となってございます。
 それから、岩手町と民間医療機関との協議の状況ということでございますけれども、協議についての大きな進展という部分についてはお伺いしてないところでございます。ただ、委員御指摘のような格好で、もうやめたとかというお話についてもお伺いはしていないところでございます。
〇斉藤信委員 これは、2月28日の岩手町と医療法人との覚書で、この時点でおおむね2年をめどに有床診療所19床、老人保健施設29床を基本として実現するという約束ですよね。これとのかかわりで特別養護老人ホームは無償貸与になっているんです。私は、しかし、本論のほうが全然進まない、これはいかがなものかと。そういう意味でいけば、花泉診療センターの民間移管の破綻の経験というものを岩手町でもやっぱり生かすべきだと思います。丸々民間に丸投げしていいのかと。指定管理者制度という方法もあるし、本当に地域医療を守る方策というものを多面的に、今度の教訓を踏まえて検討する必要があるのではないかと、これは指摘だけにとどめて、最後の質問ですが、SPD─物流管理システムの問題についてお聞きいたします。
 来年度から県立病院全体がこのSPD導入をするということで業者も決まったようですが、どういう選定の条件で業者を決めたのか。
 それで、私が心配する二つの問題は、今度の大震災のときにも、地元の業者が損得抜きに医療器材、資材を届けているんですよ、病院に。今度、SPDというシステムの中で、民間が中に入って、本当にそういう緊急のときに体制がとれるのか。
 もう一つは、SPDというのは医療材料の経費を削減するという目的ですから、この経費を買いたたくということになったら、これは地元の業者を育成することにもならない。私は、こういう意味で、危機対応そして地元業者との効果的な連携の体制をしっかり県立病院はとるべきだと思うけれども、それはいかがでしょうか。
〇村田業務支援課総括課長 まず、SPD業者の選定でございますが、SPD業者の選定については、公募型プロポーザルにより選定したものでございます。なお、業者の選定に当たっては、技術提案審査委員会を設置し、業務改善に係る提案内容の具体性、信頼性など五つの評価項目に基づいて審査した結果、東京に本社を置くSPD専門会社に決定したものでございます。
 次に、委員の二つ目の御質問でございます。地元業者の活用と災害時の対応についてでございます。
 地元業者の活用につきましては、SPD業者が、医療局へ納品する物品の調達に当たっては、災害時等の特別な場合を除き、岩手県の物品購入に係る指名競争入札参加資格者名簿に登載されている者のうちから行うこととしているものでございます。
 災害時の対応についてでございます。SPDの構築においては、既存の地元業者の備蓄機能に加え、新たに設置するSPDセンター及び各圏域のサブセンターに一定の備蓄機能を持つこととしております。また、SPD業者は、通常、県内の卸売業者から調達することとなりますが、不測の事態には、これに加えて県外の業者からも調達が可能となるなど、災害時においても安定した供給体制を構築できるものと現在考えているところでございます。
〇高田一郎委員 私からは、県立大東病院の再建、そして医師確保対策、職員の労働条件の改善、被災職員の心のケア対策の3点をお伺いいたします。
 まず、県立大東病院の再建でありますけれども、知事は今議会で、県立大東病院については一定の入院施設が必要だということを打ち出されました。これは大変歓迎したいと思います。しかし、今後のスケジュールが示されておりません。知事は、具体的なところを早急に医療局において詰めていくと述べておりますが、今後の対応についてお伺いしたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 大東病院の再建についてでございます。先般、両磐保健医療圏の地域医療を守る懇談会等におきまして、一定程度の病床が必要であるなどの御意見が出されたところでございます。今後、こうした御意見も踏まえまして、利用されている地元の方々とのお話し合いも踏まえまして、平成24年度前半をめどに整備に向けた取り組みを進めていきたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 県立大東病院の再建については平成24年度の早い時期という答弁でありましたが、地域の声からすれば、余りに遅い対応ではないかと思うんです。昨年の10月に私も一般質問で質問いたしましたけれども、二次医療圏の中で議論していくという答弁がずうっと続いているわけです。そして、大震災から1年たった今日においても、平成24年度の早い時期にということで、具体的な数字が示されないというのは非常に残念であります。
 大東地域というのは、両磐の医療圏の中でも一番高齢化率が高い、もう40%に近い高齢化率になっております。地域では、入院病床がないために、義理のお母さんを千厩病院に入院させて介護しながら、自分の実家の母を介護している、あるいは義理の父親を老人保健施設に預けて、3カ所回っているというんです。本当に介護でくたくたになっているという話もされましたし、また、基幹病院である磐井病院に、遠くに搬送される中で亡くなってしまうというような事例も起きているわけです。
 私は、地域住民の命を守る中心的な役割を果たしている病院というのは、再建は待ったなしの課題だと思うんです。そういう意味では、具体的に早くスケジュールを示して、地域の皆さんに安心を与えていただきたいと思うんですが、医療局長、いかがでしょうか。
〇遠藤医療局長 大東病院につきましては、地域の実情につきましては、この間、1万数千人の方々の御要望とともにいろいろ意見交換もさせていただきまして、実情については伺っております。
 ただ、改めて、また、新年度になりましてから、私どものほうでも地域にお邪魔して、医療局として地域の生の声を聞く必要があると考えておりますし、また、整備につきましては、いずれ、懇談会においては一定程度の病床が必要だという御意見もいただいておりますし、4月以降、地域の皆様方の御意見も伺った上で、その規模、機能等につきましては、平成24年度前半を目途に検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 いずれにしても、沿岸の被災された県立病院については斉藤委員が質問いたしましたけれども、場所の問題でいろいろ関係自治体と協議をしなければならないという問題がありますけれども、県立大東病院については場所の問題で、時間がかかる問題ではなくて、県医療局、県当局の姿勢にかかわる問題だと思います。ぜひ具体的なスケジュールを早く示して、一日も早い再建を実現していただくように強く要望しておきたいと思います。
 次に、医師、看護師の確保対策、職員の労働条件の改善の問題について質問したいと思います。
 医師の確保の状況は今どうなっているかということと、その推移についてお伺いしたいと思います。
 保健福祉部の議論の中で、奨学金制度などを活用して将来の医師になっていただく義務履行となる医師について、平成28年度には47名、平成37年には350名という数字も出されました。この方々がすべて地元に戻るという確証はないんですけれども、確実に医師はふえるという方向であります。ただ、現在はどうなっているのか、ここ二、三年、医師というものはどういう推移になるのかということもお伺いしたいと思います。
 同時に、看護師の確保対策の状況、先ほど本当に看護師が足りないということで、医師の崩壊につながっているというような話もされましたけれども、看護師の確保対策の状況についてお伺いしたいと思います。
〇千葉医師支援推進監 医師の確保状況ということで奨学生の話が出ましたので、奨学生の確保状況について、推移について御説明を申し上げたいと思います。
 現在、医療局医師奨学資金貸付事業による医学生の貸付者は、全体で89名となってございます。
 これらの者の今後の卒業の見通しでございますが、今年度は8名、平成24年度は13名、平成25年度は20名となってございまして、平成28年度には17名という状況でございます。
 そのほかに即戦力医師の確保の状況でございますが、平成18年9月の医師確保対策設置以来、本県出身医師データベースの整備や大学県人会との交流も図りながら、きめ細かな招聘活動に取り組んできたところでございます。平成18年度スタート時には2名、平成19年度は8名ということで、今後、平成23年度については、これまで23名を県立病院に招聘してきたところでございます。
 今後につきましても、被災地医療に意欲を示す医師を含め、現在も招聘に向け交渉を継続しているところでございまして、着実な医師の招聘の拡大に向けまして、一層、積極的に取り組んでいくものでございます。
〇佐川参事兼職員課総括課長 看護師の確保の状況でございます。
 現時点でございますが、退職者数が今年度末120人ほど予定してございますが、これに相応する職員を新たに採用するめどが立ってございます。来年度につきましては、まず今年度とほぼ同数の看護職員を確保しているところでございます。
 全体の職員数はおおむね同数となるわけでございますけれども、大震災津波で被災した病院の看護職員のうち、約90名ほどを他の病院に振り向けてございまして、この分がふえたといいますか、実際にふえているということでございまして、一定の看護師の体制強化が図られているものと考えております。
〇高田一郎委員 医師の確保については増加傾向にあるし、看護師についてもそういう傾向にあるというお話でありました。
 そこで、看護師の労働条件の問題でありますけれども、今、看護師も7対1の看護体制になってから、途中で退職しても補充されない、そういう中でさまざまな問題が起きている状況です。県立中央病院では夜勤免除。つまり、夫が単身赴任とか、あるいは単時間勤務の看護師に対して月1回ぐらいと、こう言われても月4回になってしまう。あるいは、日勤の勤務でも夜12時まで勤務しなければならない、そういう過酷な実態があるということです。これは県立中央病院だけではないと思っておりますけれども、医療局として、この看護師の過酷な実態をどの程度把握しているでしょうか。
〇佐川参事兼職員課総括課長 7対1の看護状況についてでございますが、前年度にも相当数の看護師を増員してございますし、先ほど来申し上げていますように、今年度も90名ほど、全部ではございませんが、そのほうに振り向けるということでございます。
 なお、さらに、従来1カ月の勤務時間数についても見直しを図りまして、短縮して、できるだけ業務の軽減を図るよう努めているところでございます。
〇高田一郎委員 私はそういうことを聞いたのではなくて、実際、現場で起きている問題をお話ししたんです。県立中央病院での夜勤免除者が夜勤せざるを得ない、日勤でも夜12時まで勤務をしている、こういう過酷な実態を、担当課として、医療局として把握しているのかどうかということを聞いたんです。
〇佐川参事兼職員課総括課長 そういう状況につきましては、超過勤務等である程度─ある程度といいますか、把握はしてございます。12時まで残っているかどうかということについてまではちょっと詳細に把握していないのでございますけれども、働いている状況、いわゆる超過勤務等で我々も把握をしているということでございます。
〇高田一郎委員 実態がよく把握されていないと思うんですね。超過勤務の数字だけで実態を把握しているのではなくて、看護師が本当に過酷な状況になっているという、具体的な実態を把握して対策をとっていただきたいと思うんです。
 そこで、労働組合との協定では、残業時間は月20時間とかあるいは夜勤についても月9日間とか……(「8日」と呼ぶ者あり)8日間ですね。こういう状況になっていますけれども、これを超える勤務実態になっている状況をどう把握しているのかということです。つまり、月に残業時間が20時間以上になっている実態、月に夜勤を9日以上やっている実態ですね。そして年次有給休暇の取得状況。
 先ほどにちょっと戻りますけれども、年度途中でやめている看護師、この実態について医療局は把握しているかどうかということもお聞きしたいと思います。
〇佐川参事兼職員課総括課長 夜勤の9回、8回超えの状況でございます。夜勤につきましては、基本的には8回を基本とするということでございまして、必ずしも8回でなければならないということではなくて、病院という事業の特殊性から、場合によっては9回になり得ることもあるということでございます。ただ、9回になった場合には、その翌月に調整をして8回にすると。9回にも10回にもしていいのだということではございません。そのように運用してございます。
 それから、年次休暇につきましては、平均で7.9日となってございます。平成23年度、12月まででございます。そういうことでございます。
 中途退職者につきましては、いわゆる理由等については自己都合等によるものでございまして、本来その方がどのような形でおやめになるかということについては実態をつかめていない、つかみ切れないというのが状況でございます。(「退職者の数を聞いているんだよ」と呼ぶ者あり)
 数につきましては、今数字を持ち合わせてございませんので、大変申しわけございません。
〇高田一郎委員 そういう具体的な数字をきちっと把握するということが、労働条件改善の第一歩だと思うんですよ。きちっとそこは把握していただきたいと思いますが、いかがですか。
 そして、月8日以内の夜勤のお話を聞きましたけれども、9日以上であれば、その超えた分は翌月で対応するんだというが、そういう対応をしているから、労働条件が過酷になって、結局途中でやめざるを得ない、そういうことにつながっていくと私は思うんですね。問題は、年度途中でやめる看護師がふえていくというのは、一つは実態をきちんとつかまないで対応しているということ、そして看護師がまだまだ不足しているということが根本にあると思うんですが、いかがですか。
〇佐川参事兼職員課総括課長 看護師がどのような形でやめていくかということについては、先ほど来申し上げておりますようにつかめていないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、勤務条件を改善するよう、勤務時間等あるいは職員数の配置状況等、吟味してまいりたいと思ってございます。
〇高田一郎委員 途中で看護師がやめることの原因をつかめていないというのは、大問題だと思いますよ。数字も含めていろいろお聞きしましたけれども、きちっとした数字も含めて実態をつかんでいない、私はここに問題があると思います。ぜひきちっと実態をつかんで、看護師の方々が意欲を持って働いても途中でやめざるを得ない、こういう悪循環がずっと続いているわけですから、これをぜひ改善していただきたい。
 昨年の6月17日だったでしょうか、国の通達が出されました。看護師の質を確保すべきだという通知が出されましたけれども、それに沿った対応をされていないと思います。ぜひ、それに沿った対応をしていただきたいと思っています。
 最後に、被災職員の心のケアの問題について伺いたいと思います。
 被災された県立病院の職員は心に傷を受けながら、命を守る、その最前線で活動していると思います。こういった方々に対する心のケア対策というのはどうなっているんでしょうか。
〇佐川参事兼職員課総括課長 今回の大震災津波では、県立病院の職員も10名ほど亡くなってございます。また、被災した職員もかなりおりまして、家族を亡くされたり、あるいは安否不明の中で心身ともに極度に疲労しながら、被災所あるいは救護所で、仮設診療所で、医療、診療に従事してきたところでございます。
 こうした職員に対する心のケアを含めた対応でございますけれども、これまでに被災した県立病院に勤務する職員を中心に、臨床心理士による心のケア研修等、カウンセリングを実施してまいりました。病院独自で実施した研修などもございますが、合わせて、これまで延べ900人余りの職員が参加してございます。職員の心のケアに取り組んできたところでございますが、心のケアについては、今から長期に対応する必要があると認識してございまして、今後、被災した職員への適切な接し方、対処方法の習得を目的とした職員研修を実施するほかに、医師の助言が得られるよう、従来から設置しているメンタルヘルスケアの相談室などの利用とあわせて、各病院と連携しながら職員の心のケアに取り組んできたところでございます。
 それから、先ほど御質問がございました年度途中の退職者数でございます。60名でございます。
〇高田一郎委員 心のケア対策については、長期にわたって支援が必要だというのは私もそのとおりだと思います。ただ、現場の病院任せになっていないのか、これは沿岸の被災地の病院だけではないと思うんですね。人事異動で、内陸部で家族を失いながら、身内を亡くしながら頑張っている、そういう方々もいらっしゃいます。被災地では、同じ境遇を持った方々で、お互いに励まし合って仕事をしているという面がありますけれども、内陸部に異動すれば、なかなかそういう状況にないと思うんですね。被災地の問題だけになっていないのか、あるいは医療局全体で、被災地だけに目を向けないで心のケア対策を進めていくべきだと思うんですが、そういう状況になっているのかどうか、そのことも含めてお伺いしたいと思います。
〇佐川参事兼職員課総括課長 去年9月から11月にかけて、いわゆるローラー作戦といいますか、臨床心理士を活用してカウンセリングを実施したところでございましたが、なかなか思うように受講していただけなかったということがございます。来年度は早目に心のケア、心を病んでいる方、あるいは異常がある方を発見していただけるように、なるべく近い管理監督者といいますか、例えば市長であるとか現場に近い方を対象に研修を、いわゆる発見を、気づいていただけるような研修を予定しているところでございます。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
   午後8時52分 散 会

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