平成24年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成24年3月9日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主査    葛 西   貢
  主査       菅 原 俊 樹
  主査    村 上   聡
  主査    大 森 健 一
  主査       千 葉 智 貴
1説明員
  商工労働観光部長 齋 藤 淳 夫
  商工労働観光部
  副部長兼
  商工企画室長   高 橋   信
  雇用対策・労働
  室長    阿 部 信 弘
  商工企画室
  企画課長    飛鳥川 和 彦
  商工企画室
  管理課長    木 村   稔
  経営支援課
  総括課長    松 川   章
  科学・ものづくり
  振興課総括課長  佐々木   淳
  産業経済交流課
  総括課長    福 澤 淳 一
  観光課総括課長  戸 舘 弘 幸
  企業立地推進課
  総括課長    保   和 衛
  特命参事兼
  雇用対策課長   津軽石 昭 彦
  労働課長    猪久保 健 一

  労働委員会
  事務局長    小 川 明 彦
  審査調整課
  総括課長    吉 田 和 明

  環境生活部長   工 藤 孝 男
  環境生活部副部長
  兼環境生活
  企画室長     伊 藤 昇太郎
  環境担当技監兼産
  業廃棄物不法投棄
  緊急特別対策室長 谷 藤 長 利
  環境生活企画室
  企画課長    伊 勢   貴
  環境生活企画室
  管理課長     千 田 利 之
  温暖化・エネルギ
  ー対策課長    平 井 孝 典
  環境保全課
  総括課長    玉 懸 博 文
  資源循環推進課
  総括課長     吉 田   篤
  災害廃棄物
  対策課長     松 本   実
  自然保護課
  総括課長    八重樫 典 彦
  青少年・男女共同
  参画課総括課長  千 葉   彰
  県民くらしの
  安全課総括課長  佐 藤 応 子
  食の安全安心課長 白 岩 利惠子
  県民生活安全課長 佐々木   宏
  消費生活課長   久 喜   勉
  調査追及課長   田 中 耕 平
  再生・整備課長  中 村   隆

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇喜多正敏委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第27号から議案第32号まで、議案第34号から議案第37号まで、議案第42号、議案第45号、議案第48号及び議案第49号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、商工労働観光部、労働委員会及び環境生活部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いします。
 最初に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇齋藤商工労働観光部長 平成24年度の商工労働観光部関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、施策展開の基本的な考え方でありますが、本県を取り巻く経済、雇用情勢は、東日本大震災津波の影響等によりなお厳しい状況にある中で緩やかな持ち直しの動きが続いておりますが、いわて復興元年と位置づける平成24年度は、復興計画に掲げる暮らしの再建やなりわいの再生に係る施策を着実に推進し、被災者一人一人が一刻も早く安心で安全な日常生活を営むことができる地域社会の構築が図られるよう施策の重点化を図ったところであります。
 まず、暮らしの再建に向けた雇用の維持、創出と就業の支援についてでありますが、引き続き雇用対策基金を有効に活用し雇用の維持、創出を図るとともに、産業振興施策による雇用創出にもしっかりと取り組むほか、被災地域における企業と人材のマッチング支援や長期失業者に対するきめ細かな就労支援なども実施してまいります。
 次に、なりわいの再生に向けては、引き続き被災した中小企業等に対する融資や補助を実施するとともに、二重債務問題の解決に向けた取り組みを支援するほか、新たなまちづくりと連動した商店街の構築等によるにぎわいの回復に向けても支援を行ってまいります。
 また、地域の特性を生かした産業の振興や企業誘致にも積極的に取り組むこととしており、沿岸部におきましては、三陸創造プロジェクトの一環として海洋研究拠点の形成に向けた支援を行うほか、内陸部においても、トヨタの第3拠点化に対応した自動車産業の振興に対する支援に取り組んでまいります。
 さらに、観光産業においては、いわてデスティネーションキャンペーンを中心に、内陸部での経済効果を沿岸地域に波及させる取り組みを積極的に推進してまいります。
 このほか、本県経済の持続的な成長を目指し、地域資源を生かした食産業の振興や県産品の海外市場への展開などについても積極的に取り組んでまいります。
 以上が施策展開の基本的考え方でありますが、これら施策の推進に当たっては、それぞれの地域が持つ特性や魅力、人材などの資源が最大限に活用されるよう、関係機関などとも連携しながら、東日本大震災津波からの復旧、復興、さらには、その先にあるいわて県民計画と第2期アクションプランに掲げる希望郷いわての実現に向けて全力を傾注してまいります。
 続きまして、予算の議案について御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、3項労働委員会費を除く258億668万9、000円と、7款商工費の1、272億9、623万8、000円、9ページに参りまして、11款災害復旧費5項商工労働観光施設災害復旧費の156億2、848万円、以上を合わせまして1、687億3、140万7、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と6月の4号補正予算を合わせた額と比較いたしますと、861億5、989万円余の増、率にいたしますと104.3%の増となっております。増額の主な内容といたしましては、県単融資制度のうち、中小企業東日本大震災復興資金貸付金が488億9、962万円余、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した事業復興型雇用創出事業費補助113億7、500万円のほか、中小企業復旧・復興支援事業費150億79万円余の増などによるものであります。
 以下、予算の内容につきましては予算に関する説明書により説明申し上げます。別冊の予算に関する説明書をごらんください。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきます。主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 それでは、説明書の135ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、雇用対策部門の職員給与費や労働情報の把握及び労働組合調査などに要する経費であります。2目労働教育費は、雇用・労働フォーラムの開催などに要する経費であります。136ページに参ります。3目労働福祉費は、労働者生活安定支援資金貸付などに要する経費であります。4目雇用促進費でありますが、中ほどに緊急雇用創出事業費補助というのがございますが、当該事業は、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用いたしまして、失業者の方々に対して、次の雇用までの就業機会を創出し生活の安定を図ることを目的とした事業を行う市町村等に対し、必要な経費を補助しようとするものであります。それより少し下のいわて求職者個別支援モデル事業費は、支援を必要とする長期失業者の状況に合わせまして、生活の立て直しから就労に至るまで、個別的、継続的に関係機関が連携した支援をモデル的に行うものであります。次の事業復興型雇用創出事業費補助は、将来的に被災地の雇用創出の中核となることを期待される事業所が被災者を雇用する場合に、雇い入れに係る費用に対する助成金を支給するものであります。生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業費補助は、高齢者から若者への技術継承、女性、障がい者等の積極的な活用、地域に根差した働き方など、雇用面でモデル性があり、将来的な事業の自立により雇用創出が期待できる事業を行う市町村等に対し、必要な経費を補助しようとするものであります。
 次の137ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費の説明欄上から三つ目、認定職業訓練費は、技能労働者の養成及び技能水準の向上を図るため、職業訓練団体が実施する認定職業訓練に要する運営費等に対し、補助しようとするものであります。2目職業訓練校費であります。管理運営費及び公共職業能力開発費は、産業技術短期大学校等の職員給与費及び運営費であります。就職支援能力開発費は、離職者等の再就職を促進するための職業訓練を職業訓練法人等に委託して実施するものであります。
 次に、少々飛びまして、170ページをお開きください。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費であります。管理運営費は、商工業部門の職員給与費や事務経費等、管理運営に要する経費であります。中段よりちょっと下のほうにコバルト合金新産業クラスター形成促進事業費がございます。いわて発高付加価値コバルト合金を創製し、医療機器及び一般産業用製品の実用化や、材料の規格化に向けた研究開発と販路拡大の取り組みを促進しようとするものであります。下のほうに参りまして、三陸ものづくり企業復興技術開発人材育成事業費は、被災企業の事業再建に必要な技術的課題を解決するため、独立行政法人岩手県工業技術センターにおいて、被災失業者を新たに雇用し、研究活動を通じた人材の育成や共同研究による再建支援を行おうとするものであります。国際的研究拠点構築事業費は、三陸地域に立地する海洋研究機関の連携を促進し、拠点形成を図るため、海洋再生可能エネルギーに係る研究会を開催するほか、県北・沿岸地域における風況観測等を行い、研究機関による地域と密着した研究活動を支援するものであります。革新的医療機器創出・開発促進事業費は、企業、医療機関及び大学が連携し、医師の主導で治験を行う革新的医療機器開発を支援することにより、医療機器関連産業の創出、集積を促進しようとするものであります。下の171ページに参ります。上段の説明欄中ほどに東アジア輸出戦略展開事業費がございます。これは、中国等の東アジア市場において、南部鉄器、日本酒等の販売促進支援を継続するとともに、中国有力企業との新たなネットワークの形成や、上海に開設されるアンテナプラザを通じて県産品の販路拡大を推進するほか、放射能による風評被害払拭のため、北海道、東北8道県が参加する物産フェアの共同出展経費の一部を負担しようとするものであります。2目中小企業振興費、県単の貸付金がずらりと並んでおりますが、これらの県単融資は、貸付原資の一部を金融機関に預託して貸し付けを行おうとするものであります。説明欄中、上から四つ目に、中小企業経営安定資金貸付金がございます。これは、取引先の倒産、営業不振等により事業経営に支障を来している企業に対して運転資金を貸し付けしようとするものであります。中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、被災した中小企業者に対して設備及び運転資金を貸し付けしようとするものであります。中小企業東日本大震災復興資金保証料 補給補助は、ただいま説明いたしました同資金の利用者の負担軽減を図るため、直接被害を受けた中小企業者の信用保証料の全額を補給しようとするものであります。次の1枚めくっていただきして172ページ、一番上の欄でございます。商工業小規模事業経営支援事業費補助は、商工会、商工会議所及び岩手県商工会連合会が行う商工業小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に要する経費に対し補助しようとするものであります。少し下に下がりまして、岩手産業復興機構出資金は、被災事業者の二重債務解消を支援するため、岩手産業復興機構へ出資しようとするものであります。中小企業被災資産復旧事業費補助は、沿岸地域の産業復興をさらに支援するため、被災中小企業の全壊、流失した施設等の復旧に対して行う市町村の補助事業に対し補助するものであります。被災商店街にぎわい支援事業費は、被災した沿岸市町村の商業機能の復旧や新たな商店街の構築に向け、モデルとなる取り組みに対する支援を行おうとするものであります。被災中小企業重層的支援事業費補助は、被災した中小企業者の再建を効果的に進めるため、県、商工会議所、商工会等の産業支援機関が被災企業の再建計画等を共有し、それぞれの支援メニューを補完し合いながら経営支援を行おうとするものであります。三つほど下に自動車関連産業創出推進事業費がございます。これは、工程改善指導や技術展示商談会などの取り組みを実施するとともに、県内企業の技術高度化や新技術開発を支援し、地場企業の参入や取引拡大を促進しようとするものであります。下のほう173ページに参ります。上から三つ目でございますが、伝統的工芸品等次世代継承事業費は、伝統的な技術、技法の継承を促進するため、被災失業者等を対象に、地域資源を活用した伝統工芸品産業等に係る後継者の確保、育成に向けたモデル事業を実施しようとするものであります。いわて食のパワーアップ人材育成事業費は、食産業分野において、高度な要求にこたえられる人材を育成するため、新たに失業者を雇用し、働きながら実践研修と外部研修を組み合わせた事業を食品製造企業に委託して実施しようとするものであります。いわてフードコミュニケーション推進事業費は、食の安全・安心を基本とした食産業の活性化を図るため、岩手県産業創造アドバイザーなどの民間力を活用した食品事業者への支援を行うとともに、県外企業との商談会や量販店におけるフェアを開催しようとするも のであります。復興支援物産展等推進事業費は、本県に対する復興支援の物産イベント等のつながりを生かし、各種物産展や商談会等において、本県が復興に向けて着実に歩みを進めている姿をアピールするとともに、全国での物産販路の拡大、岩手ファンづくりに向けた取り組みを推進しようとするものであります。次に、3目企業立地対策費であります。企業立地促進資金貸付金は、県内に工場等を新設または増設する企業に対し、資金を貸し付けするための原資を金融機関に預託しようとするものであり、次の企業立地促進奨励事業費補助は、工場等の立地を促進するため、市町村が実施する事業に対し補助しようとするものであります。ページの一番下の4目中小企業経営指導費でありますが、1枚めくっていただきまして、174ページの一番上の中小企業ベンチャー支援事業費でございます。この事業は、中小企業やベンチャー企業に対し、創業、新事業創出から経営革新、取引開拓などの事業活動を総合的に支援し、育成を図ろうとするものであります。5目貿易振興費は、日本貿易振興機構、通称ジェトロ盛岡貿易情報センターの事業運営に対する負担金であります。6目工業技術センター費は、地方独立行政法人岩手県工業技術センターに対する運営費交付金であります。
 下の175ページに参ります。2項観光費1目観光総務費でありますが、管理運営費は、観光部門の職員給与費、家族旅行村等の管理運営に要する経費であります。中ほどにあるいわてデスティネーションキャンペーン推進協議会負担金でございます。本年4月から6月までのいわてDC期間中の宣伝、誘客や各種イベントを実施するとともに、地域の観光素材の発掘、磨き上げや、沿岸における観光資源の復興に向けた取り組みを支援する観光コーディネーターを配置しようとするものであります。イーハトーブいわて観光振興事業費は、いわてDC終了後においても全国に向けた情報発信や誘客活動を引き続き強化するとともに、受け入れ態勢の充実を図ろうとするものであります。2目観光施設費は、県が整備した観光施設の老朽化した施設設備の修繕等を行おうとするものであります。
 次に、飛びまして、231ページをお開き願います。11款災害復旧費5項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、一つ目の中小企業等復旧・復興支援事業費─いわゆるグループ補助でございます─は、被災した複数の中小企業等が一体となって復旧、復興を行おうとする場合に、その復旧、整備に要する経費の一部を補助しようとするものであります。また、次の事業協同組合等共同施設災害復旧事業費補助は、被災した事業協同組合等が行う共同施設等の復旧に要する経費の一部を補助しようとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 先ほど一番最初に説明いたしました議案その1に戻ります。議案その1の11ページをお開きください。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄の2から6までの5件であります。内訳は、損失補償に係るもの4件、保証料補給に係るものが1件であり、これらについて、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 34ページをお開きください。議案第7号平成24年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額をそれぞれ84億3、526万5、000円とするものであります。
 下のページに参ります。35ページでございますが、第1表歳入歳出予算の歳入であります。1款繰入金1項一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資及び貸付事務費に充てるため、一般会計から繰り入れするものであります。
 2款繰越金1項繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 3款諸収入1項貸付金元利収入は、設備資金貸付等の貸付償還金であり、2項預金利子は、歳計現金の利子、3項雑入は、中小企業高度化資金の延滞違約金収入等であります。
 4款県債1項県債は、中小企業高度化資金の貸付原資の一部として、独立行政法人中小企業基盤整備機構から借り入れしようとするものであります。
 次に、歳出であります。次の36ページに参ります。1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付、設備貸与及び被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付に要する資金を貸し付けようとするもの、並びに独立行政法人中小企業基盤整備機構に対する償還金等であります。
 2項貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する事務経費、並びに財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付に要する事務経費に対する補助であります。
 以上で商工労働観光部関係の予算の説明については終わりますが、続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、議案その2の39ページをお開き願います。議案第30号緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、国の第3次補正予算成立に伴い緊急雇用創出事業が平成27年度まで実施可能となったことから、条例の有効期間について、精算に要する期間を含め、平成28年度末まで延期しようとするものであります。
 次に、同じ議案その2の52ページをお開き願います。議案第36号岩手県手数料条例の一部を改正する条例であります。商工労働観光部に関係する部分は52ページから53ページにかけてでありますが、改正の内容は、職業能力開発促進法施行令の一部改正に伴い、技能検定職種から建築図面製作を削除しようとするもの、及び計量法の規定に基づく特定計量器の定期検査の指定試験機関等が一般社団法人として認可されたことに伴い、その名称を変更しようとするものであります。
 次に、92ページをお開き願います。議案第45号産業文化センター条例の一部を改正する条例でありますが、これは、産業文化センターの附属の設備の特別利用料金の上限について定め、あわせて所要の整備をしようとするものであり、その内容は、催事場であるアリーナにおいて冷暖房設備の使用を開始するに当たり、冷暖房使用による実費相当額を徴収する規定を加えようとするもの、及び会議場である第3、第4、第5会議室について、機械もしくは器具を設置して電気を使用する場合の実費相当額を徴収する規定を加えようとするものであります。
 以上で商工労働観光部関係の議案の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇喜多正敏委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇田村誠委員 私は、2項目についてお伺いいたしたいと思います。
 まず、早いもので発災から1年を迎えようとしておりますが、当時を振り返りますと、それまで長年にわたり血のにじむような努力で築き上げてきた中小企業の社長あるいは商店主の皆さんは、3月11日、あの大震災を受け、一瞬にしてすべての財産を失ってしまいました。途方に暮れる日々を送りながらも、逆境に立ち向かい、地域の復興、再建に取り組もうとその方策を検討していたやさきに、中小企業等復旧・復興支援補助制度、いわゆるグループ補助がつくられ、事業施設の復旧、整備の支援が進められることに相なったわけでございます。どん底にあった経営者の皆さんに生きる希望が与えられ、それこそ帳簿から印鑑の果てまで流してしまい、何から手をつければよいのかと、必死の思いで関連する企業や異業種の皆さんに声をかけ、振興局の指導をいただきながら申請書づくりに東奔西走し、そしてようやく申請にこぎつける、そういった実態なわけでございまして、すばらしい制度をつくっていただいた御努力に改めて感謝申し上げます。
 そこでお伺いいたしますが、グループ補助金の利用状況と成果及び今後の見通しについてお示しいただきたいと思います。
 二つ目には、申し込みに対し、認定されたものと認定されないものの割合、そして、認定されなかった理由及びそうした方々への今後の指導はいかようにしていくのかについてお示しいただきたい。
 3点目といたしまして、このグループ補助金はかなり多くの利用者があるものと予想されますが、問題点や課題についてどのようにとらえているのか、まずお伺いいたします。
〇松川経営支援課総括課長 グループ補助金のこれまでの状況でございますが、30グループ295社、436億円を交付しているところであります。
 平成24年度の予算につきましては150億円を計上しておりまして、国からまだ公募の日程等が示されておりませんので具体的な日程は未定でございますけれども、事業者からは開始の時期などについて問い合わせが来ている状況でございます。
 それから、3度にわたる公募を行ったため、同一事業者のグループで複数の回数を申請している方もございましたので、それらの重複を除いた場合、申請した事業者の7割程度が採択されたという状況でございます。
 それから、採択されなかったグループということでございますけれども、いずれ採択については、復興事業計画を策定していただいて、それを審査した上で、地域の経済への波及状況など要件に照らして審査されております。採択されなかったグループにつきましては、商工団体や産業支援機関などが事業計画のブラッシュアップといいますか、こうすればもう少しグループ補助金の採択要件に合うようになるのではないかというようなことを御支援していると聞いているところでございます。
 それから、課題といいますか、平成24年度予算につきましては国で予算を今、計上しているところでございますけれども、その後の動きにつきましては方向が示されておらないということでございます。県といたしましては、必要がございましたならば、事業の存続あるいは増額について国に対して要望してまいりたいと思っております。
 それから、平成23年度で事業が完了しない事業者もございます。平成24年度に繰り越すという制度がございますので、そういった対応をしていきたいと思っておりますが、地域の復興の状況によりましては、さらにまた平成24年度内に完成できないという事業者も出てくる可能性もございます。そういった場合には、さらなる延長という弾力的な運用ができるように国に対して働きかけてまいりたいと思っております。
〇田村誠委員 そこでお伺いいたしたいと思いますが、このたびのこの制度には大変多くの皆さんが期待されておりまして、今後まだまだ継続してほしいという要望があるわけでございます。承認されなかった方々の理由ということで幾つか挙げられたわけでございますが、その中に、まず事業計画を策定するわけですが、これにはかなり市あるいは商工会議所あるいは広域振興局の方々の御指導をいただきながらつくってきたわけでありますが、1次、2次、3次とやった場合、かなり募集期間が短かったことから、計画がなかなかスムーズに立てられない。いわゆる帳簿だとかすべての資産を失ったわけですので、かなり苦労された。そのためには、見積もりだとか、あるいはそうしたものをとるための業者もいなかったり、かなり苦労されたということがございまして、まだ受けられない方もかなり多くいらっしゃいます。
 もう一つ、4分の3の補助のほかに自己資金が4分1必要になるわけですが、その4分の1の資金を確保する、いわゆる自己資金の確保が、金融機関などに相談しましても、なかなか保証協会が保証してくれない。あるいは、中には固定資産税の延納、分割支払いを理由に協会から断られたとか、保証協会の保証の承諾が得られないために資金計画が立てにくいということもあるようでございますので、こうした点、何らかの方策あるいはできる支援が何かあるのかについてもお伺いいたしたいと思います。
 それから、今の御答弁でありますと、今後、平成24年度に向けましても国に要望しながらぜひやっていきたいというお話がございますが、ぜひよろしくお願いいたしたい。そして、もし予算が足りないということであれば、国に制度の継続と予算の増額などもしていただきながら、大変厳しい沿岸地域の振興に大きな力となりますこのグループ補助制度についてぜひ継続されますように、力強い要望活動もあわせてお願いいたしますが、御所見があればお伺いいたします。
〇松川経営支援課総括課長 まず、募集の関係でございますけれども、平成23年度については3回公募を行ったわけでございますけれども、募集期間が当初短くて、委員御指摘のようなこともあったかと思います。そういった反省も踏まえまして、募集期間を長くとるように国にも要望いたしまして、期間を延長するというようなこともしております。
 それから、現地に職員が参りまして希望する事業者の方たちに説明なども行いまして、事業計画の策定などについてもアドバイスをしております。それから、当然のことながら、商工関係の団体のほうでもそういった支援をしていると聞いております。
 二つ目の自己資金の関係でございますけれども、これにつきましては、4分の1の自己負担というのがございます。それにつきましては、この制度、グループ補助金と同時に高度化スキーム─高度化資金というのは本来、共同体とか組合、共同事業者とかに貸し付けするものですが─、それと、転用いたしまして高度化スキームという4分の1に対応するような、返済期間が20年、無利子、それから据置期間が5年といった非常に有利な貸付制度がございます。それなども活用していただいている事業者もございますので、そういったことなども周知してまいりたいと思っております。
 それから、保証協会の関係のお話がございましたけれども、いずれ貸し付けに関しまして、そういった自己資金の調達が必要になりますので、保証協会のほうで丁寧に対応していくということで、そこは十分伝えてまいりたいと思っております。
 それから、国に対しての要望ということは、これからも必要に応じて対応してまいりたいと思っております。
〇田村誠委員 ぜひ保証協会のほうに大変な被災ということを念頭に置いてやっていただくようにお願いいたしますし、そして、関連してお伺いいたしますが、保証協会、例えば沿岸部であれば釜石市に置いておりまして、大船渡市などには協会がないということから、かなり苦労なさっているようでございます。前には大船渡市にもあったわけですが、いつごろ大船渡市に設置していただくのか、今後の見通しを含めてお願いいたしたいと思います。
 それから、部長にお伺いいたしますが、いずれこの制度はかなり被災地の皆さんにとりまして喜ばれており、あるいはまた一日も早い復興に向けて、大変大事な制度だと思います。継続して国のほうにも強力に支援、そして制度の継続というものを要望していただきたいと思いますが、御所見を賜れればと思います。
〇齋藤商工労働観光部長 全く御案内のとおりでして、グループ補助金に対するそれぞれの要望というのは各地域において非常に高い、これは私たちも肌で感じております。いずれ現地、現物、必要なものについては国に積極的に要求してまいるという姿勢で臨んでまいりたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 信用保証協会の大船渡支所の状況でございますが、大船渡商工会議所に入居しておったわけですが、震災によりまして商工会議所が被災して、今、使えなくなったということで、釜石支所に仮事務所ということで一緒にいるという状況でございます。信用保証協会にも確認しておりますけれども、協会としましては、貸し付けの状況、承諾の関係の申請等がふえればそれには対応してまいりたいと聞いております。
 また、御不便をおかけしないよう配慮するようにも申し入れておりますので、いずれ今後、沿岸、特に大船渡管内の事業者の、県単補助もございますので、申請等がふえることも予想されますので、その辺あたりもよく伝えてまいりたいと思っています。
〇田村誠委員 次に、2点目に入らせていただきますが、第9次職業能力開発計画に関連してお伺いいたします。
 雇用のセーフティネットとしての職業訓練、あるいは被災地域の産業復興に対応した人材育成を初め、雇用対策を進める上でこれまでも大きな役割を果たしてきたと存じます。
 そこでお伺いいたしますが、第9次職業能力開発計画の目的と職業訓練校の運営状況はどのようになっているかお示しいただきたいと思います。
 二つ目に、第8次計画を推進するに当たって、訓練生の募集などにはいかように取り組んできたのか。また、今後の取り組みについて、特にも大船渡職業能力開発センターの休止が検討されておるようでございますが、気仙には、気仙大工としてこれまでの伝承活動に力を注いできた経緯があります。ましてや昨年の東日本大震災で被災し、今後、建築関係の技術者がかなり不足しておる状況にございます。ますます必要な状況、実態にありますが、第9次職業能力開発計画の取り組みと、大船渡職業能力開発センターの取り組み姿勢についてお伺いいたします。
〇猪久保雇用対策・労働室労働課長 お尋ねのありました第9次岩手県職業能力開発計画についてでございますけれども、計画の目標でございますけれども、被災地の産業の復興ですとか、本県が振興する産業の発展を担う人材の育成を大きな目標として掲げておるところでございます。具体的には、実施目標といたしまして、産業の復興・振興を担う人材の育成、それから、就労を目指す一人ひとりの能力の開発・向上、効率的で効果的な職業訓練の実施の三つを掲げているところでございます。
 次に、県立職業能力開発施設の運営状況でございますけれども、産業技術短期大学校を初めといたしまして県内に6施設を設置してございます。新規高校卒業者を中心といたしまして、新規中学卒業者、在職者を対象とした職業訓練を施設内で現在実施しているところでございます。そのほか、離職者ですとか障がい者を対象といたしました職業訓練を外部の団体等に委託して実施しているところでございます。
 入校状況でございますが、県立施設全体でほぼ定員を充足しているという状況になってございますけれども、施設によっては定員を割っておるところもございます。また、就職状況でございますが、平成22年度の実績で申し上げますと、県立施設全体の就職率が97.6%という状況でございます。
 次に、訓練生の募集の取り組みでございますけれども、高校生の進路指導ですとか入学試験の時期等を考慮しました上で、年間を通しました高校訪問ですとか学校案内のパンフレット等を配布してございますほか、新聞ですとか市町村広報紙へのPRをしながら周知をしてまいったところでございます。
 今後の取り組みということでございますけれども、県立施設全体につきましては、訓練ニーズですとか民間との役割分担を踏まえまして、今後、高度化、多様化、発展していく産業を支える人材を育成するという使命を掲げまして、新規卒業者や在職者を中心といたしました職業能力開発を効果的に実施してまいりたいと考えてございます。
 それから、大船渡職業能力開発センターの今後でございますけれども、同センターは、主に新規卒業者を対象といたしまして、建築科短期課程、普通科課程があったのでございますけれども、これにつきましては恒常的な定員割れが数年続いてまいってございまして、今後の運営を維持していくという点で非常に厳しい状況にあったということでございます。そういう中で先般の地震津波によりまして被災してございまして、今後のあり方につきましては、現在、方向といたしましては、当面、休止とさせていただいてございます。入学生の確保等の関係から平成25年までを休止と現在させていただいてございまして、今後につきましては、地元大船渡市を初め、関係団体の方々とそのあり方等につきまして話し合いをしていく必要があると考えてございます。
〇田村誠委員 訓練生の募集の関連からお伺いいたすわけでございますけれども、大船渡の場合は第8次のときも廃校という提案がなされておりました。そして今回、また改めましてその方向性が、休止とはなったわけでありますけれども、その以前に廃止の考え方もあったのかなと思うわけでございますが、いずれ建築科だけではなく、新しいカリキュラムだとか、あるいは今後、被災している中で必要な職業訓練の導入なども検討してきた経緯があるのかどうか。この8次の中で廃止という提案をされたわけですが、何らかの新しいものも含めて検討してきた経緯があるか、まず一つお伺いいたします。
 それから、これは中学校卒業と高校卒業で1年と2年というコースが組まれていたわけでございますけれども、今は逆に、地元に戻って大工をしてみようという方もかなり出てきてございます。そうした方々の受け入れの検討なども今後していくとか、新たなカリキュラムの問題なども含めて取り組む必要があると思いますが、お伺いいたします。
 それと、今、大船渡の関係でお伺いいたしましたが、訓練協会というのが大船渡市にもございます。その訓練協会に今までも一般の、働きながら勉強したいという方々の対応もしていただいておったわけですが、この訓練協会の建物も流されてしまいまして、今、運営がかなり厳しくなっています。こうした訓練協会への支援策あるいは取り組みなどを今後どのように考えているのかも含めてお伺いいたします。
〇猪久保雇用対策・労働室労働課長 大船渡センターにつきまして、8次計画以降の見直し、検討ということについてですが、まずは入学定員の確保ということで、恒常的な定員割れが出ておりましたので、まずはその原因と申しますか、そういったところを分析等いたしまして、先ほど申しましたとおり、学生の募集等に現場のセンターを中心に尽力をしてきたというのが実態でございます。そういう中で、今後の大工需要の見通しですとか、そういうことを県としてはさまざま検討してきたところでございます。
 新たな学科等の可能性とか、そういった点につきましては、県立校全体の中で、そういう再編等の必要性とか、そういうところも含めまして、センターに特化したものではなくて全体としてそういう検討をしてきた経緯がございます。
 それから2点目の、大工希望者の方が震災発災以降、さまざまいるという事実につきましては我々も承知してございますけれども、そういった点でのカリキュラムの検討というお尋ねでございますけれども、今後の建築等の需要に対しまして、県立校が果たせる役割といったものをさまざま検討してございまして、即戦力という現場からの要請等にこたえるためには、今、民間でやってございます在職者訓練ですとか、離職者等の訓練、こういったものをむしろ機動的に支援していくほうが効果的ではないのかという視点もございまして、現在、そういった方向に向けましてさまざまな協会等への支援を考えておるところでございます。
 3点目の訓練協会への支援策ということでございますけれども、気仙地域におきまして、今後は、離職者、それから企業在職者等への訓練というものは先ほど申しましたとおりかなり需要が出てまいるということで、こちらの訓練を機動的に実施してまいりたいと考えてございます。そのための訓練環境をまずは確保していく必要がございますので、気仙地域の職業訓練協会の施設の復旧、復興をまず第一にしなければならない課題と認識してございまして、気仙地域における職業訓練のあり方というものをまずは地元の関係団体と真剣に検討してまいるという考えであります。
〇喜多正敏委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇田村誠委員 今の答弁を聞いていますと、何となく廃止の方向が感じられるんです、休止という段階になっていますけれども。やっぱりそうではなくて、今、被災されて大変皆さん心配されている中に、今後、ぜひ廃止ということではなくて、休止、これはやむを得ないわけですけれども、いずれその中で、地元の意見を十分尊重してやっていただきますように強くお願いいたしまして私の質問を終わります。
〇工藤勝子委員 今回の大震災によって非常に復旧、復興が進められる事業が多くなっておりますけれども、私は今回は、社会の中で弱い立場と言われる障がい者に絞って質問させていただきたいと思っております。
 チャレンジド就業支援事業費というのがございます。障がい者の就業を促進するため、関係機関が連携しながら支援している事業等でありますが、特にも今回の震災によって多くの沿岸地域の企業が大きな被害を受けられまして、雇用問題が発生しております。その中で、やはり社会の中で弱い立場に置かれている障がい者がこの震災によって解雇された状況、そして今、企業が少しずつ回復し始めている中で、では、障がい者の雇用に結びついているのかどうかお伺いいたします。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 障がい者の雇用についてでございます。
 震災による雇用につきましては正確な統計がございませんが、いわゆる求職者ベースで申し上げますと、岩手労働局によりますと、震災後、昨年4月から5月の間に、被害が大きかった宮古、釜石、大船渡の三つのハローワークで求職申し込みをされている方というのが、昨年の場合115件。前年同期は30件でございましたので、この差、すなわち85人分、この程度が恐らく解雇あるいは離職等をされている方々の数ではないか、このように考えているところでございます。
 それから、障がい者の雇用状況ということでございます。
 地域別の数字については公表されておりませんが、岩手労働局によりますと、6月1日現在、報告義務のあります56人以上の企業に働いていらっしゃる障がい者の方というのは2、185.5人─時間換算なものですから小数点がついてございますけれども─ということで、この数は過去最高というような数でございます。震災後ではございますがいろいろな形で就職支援等もされておりまして、そういったところがある程度出てきているのではないか、このように認識しているところでございます。
〇工藤勝子委員 この障がい者の人たちが知識や技能を習得する多様な委託訓練を支援しているわけでありまして、外部委託訓練先で被害を受けられたところがあるのか、また、この人たちを指導する人たちの人的、マンパワーの人材が不足していないのかどうかお伺いいたします。
 それから、これは国でしょうけれども、200人以上の企業においては障がい者の人たちを採用することが義務づけられております。県においても、職場実習を兼ねて知的障がい者の方を県の時間雇用職員として採用して、そして民間企業のほうへ就職の促進を図っている事業もあります。そういう中において、今後やはりいろいろな県内の各企業にこういう人たちの就業先を促進することをすべきと思いますが、これを200人以上ではなくて、もっと下げられないのかというようなことも含めて所感をお伺いいたします。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 まず、委託訓練施設の被災状況等でございますけれども、職業訓練あるいは民間企業に委託した職業訓練、職業訓練法人については特に大きな被害はございませんでしたが、企業現場を活用した部分につきましては、平成23年2月末現在において実施しているのが6カ所、昨年これは12カ所でございましたので、それが半分になっているということで、特に沿岸部で訓練を受ける企業がかなり被災されて、今後の再開に向けて受け入れの調整を今やっているような状況でございます。
 それから、障がい者の就職等を支援する障害者就業・生活支援センターというのが県内に9カ所ございますが、このマンパワーの状況でございます。
 ここに就業を支援するワーカーが、これは国の設置基準で1カ所、盛岡は4人でございまして、その他は3人ずつということで合計28名配置しておりまして、そのほか、県でも就労を支援する人材を育成するということで平成23年度から9人分の予算をつけておりまして、来年度についても同様に実施する予定でございます。
 それから、障がい者の就業促進のための納付金制度の対象企業201人をもっと引き下げるべきではないかというお話がございました。国にお聞きしているところでは、たしか平成27年からはこれが101人に引き下げになるというようなことを聞いておるところでございます。
〇工藤勝子委員 それでは、次に移りたいと思います。
 就職支援能力開発費については田村委員からも質問がありましたので、この部分は切りたいと思います、重複しておりますので。
 その中で、私は特に質問したいと思ったのは、母子家庭の母等の職業的自立促進支援事業であります。子供を抱えながら、沿岸地域において、特に就職したい、働きたいと思っている人たちが多いわけですが、沿岸地域においては建設業にかかわる事業が多くて女性の働く場が少ないと言われる中で、特にも母子家庭のお母さんが働きに出るということは非常に厳しい部分があるのではないかと思っているところでもあります。
 そういう中におきまして、訓練的なものもございまして、30人定員、それから訓練コースが3コースというようなことがあります。介護福祉士の養成コースは2年ということで、子供を抱えながら2年、この訓練と申しましょうか、資格を取るために受けるのは非常に難しいものもあるのではないかと思っております。介護職員としては、ほか、ITのほうは6カ月でありますけれども、この人たち、母子家庭に関する就業のいろいろな把握と申しましょうか、そういう部分がわかりましたらお示し願いたいと思いますし、特にこの訓練において、商工労働観光部として支援しているものがあったらお聞きしたいと思います。
〇猪久保雇用対策・労働室労働課長 職業訓練のうち、母子家庭の母等を対象といたしました訓練に関するお尋ねでございますけれども、訓練を民間に委託してございまして、2月末現在、受講者数28名、うち修了者17名に対しまして就職者16名となってございます。就職率で申しますと94.1%という数字になってございます。
 県といたしまして、この母子家庭の母を対象としました訓練に対する支援ということでございますが、一番大変なのは、お子様を抱えまして、託児所ですとかそういったことが非常に難しいと。訓練する上で障害があると言われておりましたけれども、託児所を準備いたしまして、安心して訓練が受けられるという点で、最近でございますけれども、そういう改善を図っておるところでございます。
 そのほか、就職につなげるために、キャリアコンサルティング等によるきめ細かな就職支援、こういったものをしてございますほか、生活面での訓練手当の給付という点で重層的な支援をしてまいったところでございます。今後も引き続いて支援に努めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員 いろいろとこういう大きな事業があって、だんだん被災地のほうで出てくる中でなかなか目を向けられない部分があると思いますので、ぜひ今後とも母子家庭、それから弱者に対しての就業についてのサポートもお願いできればと思っています。
 部長の御所見があれば伺って終わります。
〇齋藤商工労働観光部長 先ほどのチャレンジドも含めまして、弱者に対する就職支援、それから職業訓練というのは非常に大事なものだと思っております。基本的には先ほど課長たちのほうから御答弁したとおりでございますが、私たちも、これは国のハローワークと連携して、丁寧に、目が届くように対応してまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 私からは、企業立地促進奨励事業費補助金についてお伺いいたします。
 この補助金は、御案内のとおり、企業立地される企業の新設、増設に対して補助が行われているわけでございますが、平成22年度からは、従来の補助率にかさ上げをしていただきまして、いろいろ基準があるんですが、いずれ県が北上川流域においては2割補助、そして県北・沿岸は3割補助ということでかさ上げをしていただいているわけですが、いずれ、このかさ上げを使って企業立地にこぎ着けた平成22年から23年度の企業立地の実績、これは雇用人数もわかれば教えていただきたいんですが、それと評価についてお伺いいたします。
〇保企業立地推進課総括課長 企業誘致の実績でございますが、恐れ入りますが、全体件数でちょっと申し上げたいと思います。平成22年度が23件、それから、23年度につきましてはこれまでで20件となってございます。
 それから、これに伴いましての最終的な見込みとしての雇用増加の分ということの計画数でございますが、平成22年度につきましてはおよそ530人、それから、今年度につきましては、今のところ850人ということでございます。
 また、これの評価ということでございますけれども、こうした特例といいますか緩和等を使いまして、自動車関連におきましては、この2年間で13件誘致できたと。あるいは今年度におきましては、震災復興の目的で沿岸部に進出いただいた企業が4件あったということもございまして、厳しい国内の立地環境ではございますけれども、こういった措置等もございまして、比較的堅調であったのではないかと考えております。
〇五日市王委員 申しわけないんですが、いわゆる北上川流域と県北・沿岸を聞きたいんですが、そこの件数を分けてあったら教えていただきたいんですけれども。
〇保企業立地推進課総括課長 平成22年度は、県北・沿岸地域は、残念ながら実績がございません(後刻「実績1件」と訂正)でしたが、今年度におきましては6件となってございます。
〇五日市王委員 県北・沿岸はもう少し頑張りたいと思いますが、いずれ問題は、このかさ上げ補助金が平成22年度、23年度の2年間のいわゆる時限立法なんですね。それで、平成24年度は継続するのかどうかお伺いします。
〇保企業立地推進課総括課長 この特例措置につきましては、今のところ2年間ということではございましたけれども、今年度におきまして、この措置が決め手となりまして実際に県北地域に誘致できた案件があったということですとか、今、非常に厳しい被災地の雇用の場の拡大というような観点から、平成24年度以降も2年間の継続を予定してございます。
〇岩崎友一委員 大きく3点についてお伺いしますけれども、まず、一般質問でも取り上げました雇用のミスマッチについてでありますが、一般質問の答弁で、沿岸地域の求職者に対して行った調査では、仕事の内容や通勤距離などで条件が合わず就業に至っていないという方が52.9%あるということで、半数以上の方がこういった回答をしているということですけれども、これは、半分以上ということで非常に大きい数字だなと思うんですが、その状況というか原因をどのように分析しているか。また、その管内別の数値はどうなっているのか、まずはお尋ねします。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 まず、アンケート結果のいわゆるミスマッチの原因ということでございますが、アンケート結果を見ますと、まずは、仕事を決める場合に重視する点は何かということについてお聞きすると、やっぱり仕事の内容、すなわち自分のスキルや経験を生かすような仕事をやりたいという御希望が多うございました。それから雇用形態につきましては、正規雇用の希望が多いということで、そういった意味では、自分の仕事、経験が生かせて、しかも長期安定的な雇用、こういったものが求められているのではないかと分析しているところでございます。
 それから、地域別の状況でございます。県全体で52.9%でございましたが、久慈地区について言うと31.0%、宮古地区は64.7%、釜石地区が63.2%、大船渡地区が43.2%ということで、宮古、釜石の地区におきましては、希望に合う求人が少ないとおっしゃっている方が6割を超えているというような状況でございます。
〇岩崎友一委員 私も、これは何でかというのが今の答弁どおりかどうかわからないですが、ただ、確かに被災地で復興している事業でも、その復興需要の恩恵を受けているところと、全くだめなところで、今まで働いていたところが事業を再開していないとか、しっかりと軌道に乗っていないということがあるかもしれないですが、県として、来年から個別継続的に生活就労の相談、支援を行う拠点を新たに沿岸4カ所に設けるということですけれども、具体的な設置場所と、具体的にどういったことをやっていくのか、この2点をお伺いします。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 被災求職者への個別、継続的な支援拠点というお話でございます。場所につきましては、大船渡、釜石、宮古、久慈の広域振興局等に設置することを念頭に置いております。
 それから、支援する内容でございます。これは、平成23年度から盛岡地区と奥州地区で岩手個別支援モデル事業ということで、就労を一応目的にして、いろいろな悩みを持つ方を個別に支援するという事業をやっております。これを沿岸地区4カ所に出張所を設けて展開するというような内容でございます。
〇岩崎友一委員 そういったことを考えると、まだ再開していない事業者も含めて、これから再開もしなければいけないと思うんですが、中小企業支援策について次にお伺いしますけれども、先ほど田村委員への説明の中で、グループ補助金、3次までで約3割はまだ不採択ということで、これから4次も始まると思うんですが、やはりこの採択されなかった事業者あるいはこのグループ補助金というのは、申請書類が多かったりする中で、手続が面倒くさいからということで申請すらしない事業者がかなりいると。特にも、沿岸なんて10人以下というか、5人ぐらいの小さな商店とかもありますし、そういった方々は全くこういった制度を使うことはないわけです。でも、こういった方々もしっかり拾っていくというか支援していかなければいけないと思うんです。
 まず、県のほうで、今回2月補正では中小企業被災資産復旧事業費、また新たに被災中小企業重層的支援事業費補助というものを立ち上げたんですが、これは、最初のほうが、市町村がやるものに関して県が補助する、もう一つのほうが、県の商工会等がやるものに関して県が補助するという形なんですが、今の商工会や各市町村のマンパワー不足等を考えると市町村等の負担になるのではないかと。また、そういった手続がおくれますと、最終的に中小企業の申請しようという人たちが、どんどん再開がおくれると思うわけです。
 ちょっと宮城県の例を出しますと、宮城県だと、補助事業が三つありまして、事業内容を見ますと、恐らくグループ補助金から漏れた方々向けの制度だなと思うんですが、これらの中小企業に対して県が直接、県とのやりとりで、申請も県に対して上げて、支払いも県が直接中小企業に支払うという形なんですが、岩手県でもそういう形でやったほうが市町村への負担とかをかけずに済むのかなと。また、中小事業者に対しても最終的にはいい形になるのかと思うんですが、県としてその辺の考え方とか、あと市町村に対して配慮があったのかないのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 県の今回の復旧補助金の考え方でございますけれども、甚大な被害があった沿岸市町村に、できるだけ早く地域の経済の復興と雇用の確保をしていただきたいということでございます。そのためにも、被災地の事業者が事業再開するということで、沿岸の市町村にやっていただくということにしておりました。
 やはり中小企業の事業の再建というのは、まちづくりとか土地利用の観点ということで、市町村の復興計画と関連があるということで、市町村のほうでそういった計画との整合性を図りながら主体的に取り組んでいただくことが必要だろうということで、市町村の補助としたわけでございます。
 そういったことで、間接的に補助を行うということでマンパワーに影響がないかということでございますけれども、それにつきましては、県あるいは内陸の市町村などからの応援ということでマンパワーもある程度確保されているかと思いますし、それから、このスタートも、今回の当初の予算にも計上しておりましたけれども、市町村のほうでも当初予算あるいは2月補正で既に設置している市もございまして、いずれスタートが一緒に切れるようにということで、連携をとってやってまいりたいと思っております。
〇岩崎友一委員 県として、市町村のまちづくりとの整合性を図りながらということでわかりましたけれども、実際、中小企業の人が役場に行って担当に聞くと、わからないということで、直接県に聞いてくれとかというのもあるらしいんです。同じ課の中でも、何人かは知っているけれども、知らない人が対応した場合には、運が悪いねみたいな話に実際に今なっているんです。やっぱり中小企業の人が困らないように、人の派遣の件もありましたけれども、そこが一番気になりますので、何とか市町村の負担というか、最終的に中小事業者の方々が困らないように、そういった部分はしっかり県としてフォローしていただきたいと思います。
 最後に、去年、補正で予算化されました被災工場再建支援事業費補助についてお伺いします。これは2億2、000万円予算化されたわけですけれども、昨年10月現在では補助実績なしということでしたが、現在の状況をまずはお伺いします。
〇保企業立地推進課総括課長 この補助事業につきましては、今までのところ3件の申請がございました。いずれも補助の要件を満たすということで認定はしておったんですけれども、その後、国の中小企業グループ補助の対象になったといったようなこともございまして、今のところ補助金の活用には至らなかったというところでございます。
 済みません、それから、先ほどの五日市委員への私の答弁の中で、平成22年度の誘致の実績中、県北・沿岸地域への立地の件数はなかったと申し上げましたが、申しわけございません、これは1件ございましたので、訂正させていただきます。よろしくお願いします。失礼しました。
〇岩崎友一委員 今、グループ補助を利用して、今のところまだ実績ゼロということですけれども、今後の運用方針とか、県のほうで考えていることがあればお伺いします。
〇保企業立地推進課総括課長 この事業は、平成24年度におきましても1億3、000万円ほどお願いしているわけでございますが、今後もグループ補助等に、なかなかグループを組めないといったようなケースですとかそういったこともございますし、現に今1件相談を受けているということもございますので、引き続き丁寧に企業の皆さんの御相談に乗っていきたいと思っております。
〇岩崎友一委員 きょう言いたかったのが、そのグループ補助の採択にならなかった事業者とか、申請書類が多くて申請できない事業者とか、そういった方々もしっかり支援していただきたいというのが私の思いですし、現地の思いでありますので、やっぱり時間がかかると、再開しようと思っても、もういいやとなっていく可能性というか、そうなっていくと思うんです。だから、そういうものも含めて、とにかく県としてスピードを持ってしっかりやっていただきたいと思うんですが、最後に部長のその辺の見解を求めて、終わります。
〇齋藤商工労働観光部長 県単の補助金について市町村補助とした理由というのは、先ほど経営支援課総括課長のほうから御答弁したとおりでございますが、今回、非常に市町村が傷んでしまったわけでございます。人的な派遣も受けながら再建していかなければなりません。これを逆に言いますと、市町村も強くなっていただかなければならないと私たちは考えております。
 ですので、さっきの話ですと、知らない担当者がいるということも、本当は、これは我々からするとあってはならない話でございます。やっぱりここは、市町村のほうも体制的に大変苦しいですが、多くの支援をして、我々も県からも人をいっぱい出していますので、ぜひここは体制を整えて、自分のまちでございますので、自分のまちを自分の力でよくしていくんだと、その主体性を持ってもらうために、あえて市町村の補助金としてつくってございますので、ここは、やはり市町村の方々も使命感を持ってやっていただきたいと思います。
 ただ、相談体制については、これは別のほうでも答弁しましたが、商工会、商工会議所のほうにも相談体制をつくっております。ことしは、さらに重層的な支援という体制を組んでございますので、できるだけいろいろなところに持ち込んで御相談していただきたい。これは、どこの窓口でも相談を受けられるという状況になっているはずですので、そこらについては、我々もできるだけ円滑な対応ができるよう改善していきたいと思います。
〇岩崎友一委員 今の部長の答弁はなかなか理解できないんですけれども、やっぱり現地は理屈じゃないんですよね。例えば市町村に主体性を持ってもらうと言いますけれども、本当に市町村や商工会が今そういったことができる状況かという、その状況把握がちょっとまずいのではないかと思うんですね。最終的に困るのは立ち上がろうとする事業者ですので、その最終目標を間違えることなく、県としてしっかりとスピードを持ってやってもらいたいと思います。
 なかなか理屈とかそういうものでは解決しない状況でして、立ち上がらなければ意味がないわけですので、その辺をしっかりと理解いただきたいと思います。
 最後、もう一回答弁を求めます。
〇齋藤商工労働観光部長 もう一度、答弁の繰り返しになりますが、今、私は、いろいろなところで相談できる体制をつくるということを言っております。ですから、当該市町村だけに持ち込むのではなくて、お近くの振興局でも構いません、それから商工会でも構いません。重層的に支援するというのは、どこに持ち込んでもそういう話が、相談体制ができるということを我々は考えております。要するに、できるだけいろいろなところで、話のわかるところで聞いてもらえばよろしいというのがまず当面なものですが、最終的には、これはどこの窓口にも強くなってもらわないと困るというのも私たちの本当の願いでございます。ですので、確かに多少時間がかかるかもしれませんが、こういう体制というものも、復興、再興の中にこういうものも入っておりますので、ぜひ、ここは我々も一緒になってやっていきたいと思っております。
〇高橋昌造委員 私からは1点のみについてお伺いいたします。それで、予算に関する説明書の136ページの社団法人岩手県シルバー人材センター連合会運営費補助に関することについてお伺いいたします。
 まず最初に、齋藤部長に、通告した内容に入る前に、高齢者雇用の基本的な考え方についてお伺いいたしたいと思います。
 今、高齢者を取り巻く環境は、特にも65歳までの継続雇用や、または年金支給年齢を段階的に65歳まで引き上げされておって、高齢者を取り巻く社会的、また経済的環境は非常に厳しいものがあるわけでございます。
 そこで、この高齢者雇用施策の構築、そして、この充実が今、求められておるわけでございますが、県として、総合的な視点から、この高齢者雇用対策について今後どのように取り組まれるかをまずお伺いいたします。
〇齋藤商工労働観光部長 非常に大きなお話ですので、私からどこまで御質問に答えられるかということですが、まず、基本的な考え方を申しますと、高齢者の方であっても、仕事を欲しい、就職したいという方々に対しては仕事が与えられるべき、これが私は基本だと思っております。これは、高齢者の方々はいろいろな御事情がございます。もう働かなくて悠々自適な暮らしを送りたいという方々もおられるでしょうし、それから、いや、まだまだ生涯現役で頑張りたいという考えの方もおられると思います。ですから、そういう高齢者の方々が、希望すれば職を得られるのだ、こういう体制をつくることがまず一つだと思います。
 それから、その中で具体的に何があるかと申しますと、シルバー人材センターというものがございまして、これは高齢者の方々に対する、今まで培ったノウハウをできるだけ使おうという意味で、お世話する機会を設けたのがこのセンターでございます。
 ですので、現在はこれが中心になって活動していただいて、そして、もう一つはハローワークということですが、ハローワークの場合は、なかなか高齢者雇用というのは出てこない部分がございますので、こちらのほうも、我々、自分の問題として考えますと、65歳までもう年金をもらえないような状況になっております。ですので、これは民間企業も高齢者雇用をやっていくのだという意識を持っていかなければならないと思いますし、我々も、このまま放っておきますとどんどん、仮に60歳で労働人口が切れてしまいますと、日本全体の労働人口が減ってしまうという大問題もございます。ですので、できるだけ民間企業も含めて、高齢者の雇用をやって日本の労働人口を減らさないようにいこう、こういう方向にあるべきではないかと考えております。
〇高橋昌造委員 ありがとうございます。
 それで、実は、ことしは団塊の世代が65歳になるということで、それぞれの職場から大量の退職者、聞くところによると近々3、000万人になるのではないかと言われて、まさに今、この団塊世代の2012年問題と。
 そこで、部長、私は県としても、シルバー人材センターもそうなんですが、この高齢者の雇用の受け皿をもう少しウイングを広げてやっていかなければいけないのではないかなと。シルバー人材センターはそれなりの役割を果たしているわけですが、それをさらに充実していくような、もう厚生労働省からの定額補助だけで、あとはそれでいいあんばいに済ますということじゃなく、これからの高齢者雇用の体制整備はいかにあるべきかということを、もう少しこの予算の中でも、またいろいろな形で情報発信をしてもらわなければ、私はこれから、今、部長は大変いいことを言ったんですが、ただ、言葉だけ躍っても、実際受けてもらえなければ、受け皿がなければできないわけです。
 この団塊世代の2012年問題について部長はどのように考えているか、もう一度お伺いいたします。
〇齋藤商工労働観光部長 申しわけございません、先ほども私見でございます、それから、これから申し上げることも私見でございますが、いずれ団塊の世代の方々が大量にリタイアしてしまうということは、ある意味、社会の損失でございます。ですので、私たちもできるだけ、さっき申しましたが、このまま行きますと、日本は少子高齢化で労働人口がどんどん減ってしまって活力が失われていくということがございます。
 そこで、これは個人的な意見でございますが、やはりできるだけ動ける人は働いていただいて、そして労働人口を極力減らさないようにしていこうということを考えていかなければならない。そういう意味では、団塊の世代のボリュームというものが非常にありますし、こういった方々に、実はまだまだ活躍していただきたいと私は考えています。
 これは、県の施策というよりは、国策というのでしょうか、やはり国全体でこの労働人口のあり方、そしてこの団塊世代の活用の仕方というものを考えていかなければならないと思っていますし、私たちも、これは労働局とか、あるいは厚生労働省との話し合いのテーマとして多分持っていると思いますので、連絡をとって少し研究してみたいと思います。
〇高橋昌造委員 いずれ国とも連携しながら、県としても身近なところでの雇用対策をやっているわけですから、球の投げ合いじゃなく、県としてもしっかり受けとめてやるという覚悟を持ってやっていただきたい。
 それで、私が今回、なぜシルバー人材センターのことをお聞きしたかというのは、今、被災地ではいわゆる生活再建とか、なりわいの再生とか言われているわけですが、高齢者の方々が働きたくても働けないような状況にあるのではないかということで、まず、被災地のシルバー人材センターでの活動実態がどうなっているのか、そしてまた、その基本的な考え方として、シルバーの場合は60歳以上から加入できるわけですが、県内の60歳以上の人口の中でシルバーの会員数が占める割合、いわゆる加入率がどうなっているのか、そして、被災地での状況がどうなっているのか。あとは、会員数とかそういった実態、そして1人どのぐらいの仕事をやって賃金を得ているのか。
 いずれそういったシルバー人材センターを通して、被災地の高齢者の皆さん方をしっかりと支えてやるシステムの構築も考えなければならないと思うんですよ。だから、県としては、その辺のところはしっかり連携しながら、市町村なり、市町村のシルバー人材センターとやられているのか、もしやっていないのであれば、今後どのように対応するかお伺いいたします。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 まず、被災地での高齢者の方の雇用の状況ということでございます。復興需要等で一般的には求人等も増加しておりまして、そういった面では、技術、技能を持つ、こういった方々の雇用については、かなり出ているのではないかと思っております。
 現地のシルバー人材センター等での状況などもお聞きしますと、例えば被災地では、昨年来のいろいろな瓦れきの処理でありますとか、あるいはのり面の草木の刈り払いでありますとか、そういった仕事が、やっぱり高齢者の方になかなか仕事がないということで、いわゆる雇用対策基金等を活用しながら、優先的に回されているというようなことも聞いておるところでございます。
 それから、最近のシルバー人材センターの状況ということでございます。県内26カ所にシルバー人材センターというものがございまして、支部も含めますと、大体旧市町村単位にはあるような形になってございます。会員数につきましては、平成23年1月末現在の数字では8、062人ということで、最近のここ数年の状況で言いますと、ほぼ横ばいから若干ふえつつあるかなという状況にはございます。
 それから、先ほどどれくらいのお金が行っているのかというようなお話がございました。契約金額で申し上げますと、平成23年度1月の数字で申し上げますと21億9、800万円、約22億円程度。ですから、これを会員数8、000人で割ると、大体20万円とかそのぐらいの金額になるのではないかと思っております。
〇高橋昌造委員 全くはぐらかした答弁で、私がお聞きしようとしているのは、県がやっているのはどだい定額補助ですが、このシルバー人材センターは、先ほど言ったように、部長からもお聞きしたとおり、高齢者の雇用の一つの場なんです。だから、なぜ県は、連合会でもいいし、それぞれの市町村単位のシルバー人材センターから、特にも被災地ですよ、どうなっているんだと。そして、私どもとしては、どういう形でこの平成24年度の予算編成をするときに応援できるか。ただ補助すればいいということじゃないですよ。
 私がなぜこういうことを聞いたかということは、被災地の高齢者の人たちに幾らかでも雇用の場、それが生活の糧になるわけですよ。今ののんびりしたような答弁では、とてもじゃないですが、私に言わせればとんでもない話ですよ。だから、あともう少しお聞きしたかったんですが、いずれ真剣に取り組んでいただきたいということを言って、終わります。
〇城内愛彦委員 私からも1点お伺いしたいと思います。通告しましたとおり質問しますので、よろしくお願いします。
 先ほど来、議論がありましたけれども、被災地は、1年を迎えるというのには、もう1年ではなくて、まだまだ1年なんだ、長い、本当に365日がこれほど長いんだということを痛感したことはないと被災をした方々に言われました。その中で、沿岸部被災企業数と現状認識及び雇用実態ということでお伺いしたいと思います。
 これまで各委員からは、被災をした企業をどうやって立ち直らせるかというお話がありましたけれども、私は、それに関して、働く方々の実態ということでちょっと角度を変えてお話をお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 被災の状況ということでございますけれども、先月の初めに商工団体が行った調査によりますと、会員数全体が7、755なんですけれども、それに対しまして、被災した事業者が4、240ということで、約6割が被災したということでございます。現在、そのうちの2、692、これもまた6割でございますけれども、6割が事業を再開しているという状況でございます。
〇城内愛彦委員 その中で雇用の部分についてはどのぐらい回復をしているかについてもお伺いしたいと思います。この件について、私も過日、委員会視察で地元宮古市に同行しまして商工会議所の方々とお話をしました。商工会議所の方々から忌憚のないお話を聞いてきたところなんですが、その際、確かに宮古地区は新聞等で85%近い企業が回復したというお話をしたんだけれども、その実態は、瓦れきを撤去してシャッターをあけただけで、社長が1人で店番をしているような状況なんだ。実際、売り上げについては従前の3分の1ぐらいだし、雇用についても同等の3分の1ぐらいしか復旧はしていないんだという切実なお話を聞いてきたところでありますが、当局でとらえている実態というのはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 被災による失業者の方の数、それから、その後の回復状況ということでございます。
 震災による失業者の数については、実は統計がございませんで、推計ということになりますけれども、有効求職者の比較で申し上げますと、いわゆるリーマンショック前の比較的経済が平静であった時代と、今回の求職者の動向、これが、昨年の5月が最も多い時期でございました。この比較をいたしますと、約1万3、000人、これが通常よりふえている数となりますので、これが震災による離職者の数に相当するのではないかと考えているところでございます。
 その後の回復状況ということでございますが、同じ数字のとり方で直近の1月末現在での数字で申し上げますと、それが通常に比べて5、000人程度多いということになっておりますので、1万3、000人に膨れ上がった失業者が今5、000人まで減ってきていると。つまり、その差の8、000人程度は、何らかの形で就業されているのではないかということでございます。
〇城内愛彦委員 実態はというと、私もそのとおり、すべてを調べたわけではないので明言はできないんですが、雇用のこの8、000人が多分どこかで働き出したんだろうということでありますが、この中には内陸部に移ってしまった方々も数多くいらっしゃいます。
 やはり先ほど来お話がありますように、中小の企業で、今、岩崎委員からも5人未満というお話が出ましたが、そういった方々、そういう企業が、これまで沿岸部の雇用を支えてきたという実態はあると思っております。今回のグループ補助に関してもなんですが、そういった方々を救う手だてがまだまだなかったというのが実態であります。
 宮古も含めてですが、こういう場で取り上げていいのかどうかなんですが、今はやっているのは、パチンコ屋と競馬だと言われる状況だと。金融機関も、これまでにないぐらいお金があるんだけれども、それを再投資できない状況が沿岸地区にあるのではないかという金融機関の方の見方もあります。ぜひ、このお金も含めて、人材が外に漏れないように、地域を復興するためには何らかの手だてがやはり必要だと思っております。
 仮設住宅に住んでいる方々は、大変狭い部屋の中で四六時中、お父さんとお母さんが一緒に顔を突き合わせていると、おかしくなりそうだという話をされます。ぜひ、しっかりとした雇用実態を復旧させることが私は一番だと思っています。何とかその辺も含めて前向きな検討をしていただきたいと思いますが、今後の雇用を創出するための支援策と言ってもあれでしょうけれども、当局が考えている有効手段というものがあったらお伺いしたいと思いますが、いかがですか。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 雇用面から、地域での雇用を守るための施策ということでございます。
 平成24年度の予算の中では、いわゆる事業復興型雇用創出事業というものがございます。これは、平成23年度の12月補正から始めた事業でございまして、平成23年度中は、一応グループ補助金を受けた企業をまずは対象としておりますが、平成24年度からは、そのほかの補助制度─ハード補助でございますけれども─を受けている事業者が、新たに雇用された場合についての助成を開始したいと考えておりまして、これは雇用期間が1年以上ということになっておりますので、それによって地元への労働者の方の定着を図っていきたいと考えているところでございます。
〇城内愛彦委員 先ほど来、部長の答弁をお伺いしていても、現場と少しかけ離れた感があると思います。実態をやっぱり知っていただきたいし、それによって、この方策というもののかじ取りが少し変わってくるのではないかと考えます。ぜひ、部長にも、お忙しいでしょうけれども、沿岸地に足を運んで対話をしてほしいと思いますし、調査もしてほしい。その上で新年度の予算の運営をしてほしいと思いますが、その点について所見をお伺いしておきたいと思います。
〇齋藤商工労働観光部長 私が直近で沿岸に行ったのは、1月末に釜石に行ってまいりました。仮設店舗の状況とか宿泊施設の状況、それから企業の復興の状況を見てきました。いずれ、お話をいっぱい伺ってきました。
 これは、復興の状況がなかなか見えにくいというのは御案内のとおりです。それから、先ほど岩崎委員からもありましたが、窓口の対応がなかなかうまくいっていないのも御案内のとおりです。ただ、それを前提に仕事を進めてしまいますと、やはりいい仕事はできない。ですから、窓口も強くならなければならん。もっといい仕事をするんだという─復興は一人一人の力で果たさなければならないと思います。ですので、特定の窓口が弱いからほかだということではなくて、やっぱり窓口自体も強くなっていくということが私たちは大事だと思いますし、お互いに助け合ってやろうやという、まずここの共助の精神を持って取り組むのが一番だろうと思います。
 それから、なかなか見えないというところでございますが、例えば、今のグループ補助金につきましては、急速に復興、企業の稼働が始まっております。きょうの新聞にも宮古のウエーブクレストが載っておりましたが、いずれこの3月から4月にかけて多くの企業が稼働を初めていくと思います。そうしますと、かなりもとの企業の雇用が戻るのではないか。
 それから、もう一つは、雇用助成金を使いまして、新規雇用についても雇用基金で賃金分を出しますと。これは3年間で225万円出すという大変有利なものでございますが、こうしたものが臨時的な雇用ではなくて、いわゆる正規の雇用に結びついていくのではないかと期待しています。
 確かに、現場ではなかなかそのいら立ち、それから御不満は、私もいっぱい聞いてまいりましたから、あると思いますが、一つ一つ事に当たっております。ですので、ぜひ皆さんの力を合わせて一緒にやっていきたいと思います。
〇城内愛彦委員 ぜひ、これはスピード感を持っていただきたい。実際、沿岸地区の水産加工業に勤める方々も、パートのおばちゃんたちも高齢化が進んでいますし、若い人たちも、子育てをしながら、非正規だとなかなか地元で生活の維持ができない状況である。ですので、本当に若い人たちが流出していかないうちに被災地の仕事を確保していただきたい、そのように思います。
 要望して、終わります。
〇嵯峨壱朗委員 ちょっと関連しますけれども、先ほどからの部長の答弁は、現場の窓口とか役所の人たちを強くしていかなければならないという、それはそのとおりでしょうけれども、実際に日常的な当たり前の仕事もままならない状態の中で、どうやって強くなって─現場とちょっと乖離があるのではないかというのは、それをさっきから言っているわけ。実際にそうなんですよ。大槌町とかもそうですけれども、小さい自治体は、どうやって日常の業務をやろうかと、そこできゅうきゅうとしているところに、新しい仕事が来て、そして現場力を高める、冗談じゃないですよね。へ理屈です、へ理屈と私は思って聞いていました。実態を全く把握していないと思いますよ。そうなればいいけれども、現場がそうなっていないんだから、どうやって日常業務をやるかという段階のところがいっぱいあるわけだから、その辺をもっと、私は、そういう意味で現場をわかってもらいたいと思って聞いておりました。
 それと、今回、修繕費補助を廃止して新しく半額のと。そのおくれた理屈の中にあるのは、例えば土地利用計画が定まっていなかったとか、さまざまなことを言っているようですけれども、修繕費だとしているでしょう。修繕費補助ということは、現場で修繕するということは、そこから動かないということですから。グループ補助だって、ほとんどが現地で復旧していますよね。県単補助をつくらなかった理由には全くなっていないです。なぜすぐつくらなかったのか改めて聞かせてください。
〇齋藤商工労働観光部長 まず、時間を追って少し説明いたしますと、県単の修繕費補助、これは4月27日の議会で、国のグループ補助金に先駆けて立ち上げました。その趣旨は、まず先にとにかく企業を動かそう、そして雇用の場を復活させることによって人が外に出ないようにします、それから、なりわいの場をつくろうということで始めたものでございます。
 これは修繕費に限ったのは、とにかくできるだけ多くの手直しをして、動ける企業を助けましょうということで修繕費に限らせていただいたわけです。これはお金も大変少なかったということもあります。
 その後、国のグループ補助金ができました。こっちは4分の3という画期的な制度です。これは日本の補助史上でも、いまだかつてないものでございまして、こちらのほうが非常に有利だったと。企業も、どの補助金を使おうかとなりますと、グループ補助金です。ですので、ほとんどの企業がグループ補助金を使いたいと手を上げまして、なかなか我々の修繕費補助が、最初につくった制度ですが、市町村も、やはりグループ補助金を使ってもらいたいということもありまして、どちらが有利かという点で、修繕費補助がなかなか売れなかったということがございます。
 これは、現地、現物に合わせて制度がどんどん変わっていきます。グループ補助金も、最初は特定の企業、中心企業だけを対象にしようということだったんですが、その対象も要望によってどんどん広がって、非常に多くの企業、例えば観光施設まで対象にすることができたというのは、これは一つの手柄だと思っております。ですので、現地、現物によって制度が変わっていくということが一つですし、その根底には皆さんの要望があるということも紛れもない事実でございますので、別に今の制度でがちっとやっていくというつもりは、我々も考えておりません。
 それで、今回の県単の補助金につきましても、グループ補助金で採択されなかったものについて、そこを補完するものとして県単の補助金を整備して、そして、グループを組めないものについてはそこでやっていただくということでございます。
 それから、窓口についての話、これは私、現場の現状の対応が悪いという話は聞いておりますが、それをそのまま認知してはまずいだろうなと。やはり少しでもいいから強くなってもらいたいという願いを込めております。
 これは、確かに我々もそういう御指摘をいっぱい受けております。ですから、相談窓口をできるだけふやして、それから、いろいろなところでも相談が受けられるようにという努力はしておりますが、やはり災害というのは、繰り返しになりますけれども、現場に携わる者一人一人が強くなって、自分自身の災害復興計画を持つということが非常に大事だと思いますので、これは我々もつらいですが、携わる仕事をしている方々も、特に窓口も頑張っていただきたいと思います。もし至らなければ、いろいろなところで聞いていただける体制といったものを整備していきたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 平行線だと思いますけれども、確かにそうなっていけばいいんですが、現状はなかなかそこまで行っていないというのが事実だということも知っていただきたいと思います。
 それと補助金の問題ですけれども、グループ補助というのは、基本的に、ほとんどが大きい企業なんですね。零細企業は入っていません。入れません。大体計画がつくれません。だから、そうじゃなくて修繕費といったって、50万円の修繕費ですよね。50万円じゃなかったかな。忘れましたけれども、いずれ少ないわけです。
 それで、土地利用計画がどこにやったら定まるかわからないから全壊のところには出さない。そして、今出した、それ自体はいいことですけれども、1年たって残っていると思いますか。例えば、住むところは被災を受けていない、店舗は壊された。その人たちには義援金とかなんとか、そういったものは全く出ないんですね。そうですよね。自宅が残っていれば、そういうところには支援もないわけでしょう。その人たちはどうやって食うか、1年間もたないですよね。
 だから、先ほど津軽石特命参事が話したこともあるけれども、就業もそうですけれども、8、000人減ったのではなくて、8、000人のその人たちが職についたとかと、どのぐらいついているかわからない。そこからいなくなっているんですよ、その地域から。違いますか。それをもって8、000人がどこかに就職した、そんな楽観的な話じゃないですよ。
 基本的に言えることは、私は、実態から見て現場感覚が薄いんだと思います。一生懸命やっているのかもしれませんけれども、市町村職員だけじゃなくて、県の職員の方々は、もっと一生懸命やってスキルアップしてもらいたい、私はそう思います。
〇高橋元委員 それでは、私からは大きく4項目について質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、県内の有効求人倍率の現状についてお尋ねしたいんですが、直近の求人の状況と、それから、特徴、課題についてお尋ねいたします。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 直近の有効求人倍率の状況等でございます。
 有効求人倍率につきましては、発災直後、昨年4月の段階では0.41倍でございました。それが、いわゆる復興事業等の影響によりまして、ことしの1月末現在では0.75倍ということでございます。全国が0.73倍でございますので、全国を若干上回っているという状況まで一応数の上では改善しているということではございます。
 それで、特徴ということでございますけれども、全体とするとそのようなことにはなってございますが、全国に比較いたしますと、やはり正規雇用、正社員の求人がそのうち3割程度というような状況でございまして、そういった意味では、いわゆる長期の安定雇用といったものをこれから創出していくことが必要ではないか、大きな課題ではないかととらえているところでございます。
〇高橋元委員 有効求人倍率が少しずつ回復してきたというのは非常にありがたいことだと思います。ただ、その中で今課題として出ております正規雇用が3割程度ということですが、そういうことですと、残りの7割が非正規雇用ということなんで、そのところを今後どう解決を図っていくのかというところが非常に重要だと思うんですね。
 そこで、二つ目の質問なんですが、国の事業で派遣労働者雇用安定化特別奨励金事業、こういうものがあると。いろいろ調べたらそういうものが出てきました。これについてはなかなか活用実態が見えてこない。国の事業で、県が直接やっているわけじゃないですからね。それで、そのところが実態はどうなっているのか、県でとらえている部分がありましたら、お尋ねしたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 この奨励金は、派遣の方が、いわゆる直接雇用になる場合に事業主に奨励金が出ると。中小企業の場合、100万円というような形で出るのでございますけれども、その活用実態ということでございます。
 岩手労働局のほうに問い合わせてみたところ、その状況等については公表していないということでございました。ただ、新聞報道等によりますと、本県の場合のこの奨励金の支給決定の状況について申し上げますと、平成21年8月から平成23年12月までについて申し上げますと、決定企業数が延べ65社、対象労働者数が450人というようになってございます。
〇高橋元委員 そういう報道もあったということですね。これも私も見ております。この事業そのものがなかなか実績が上がってこないというところに何かしらの問題があるわけですね。それは、国の出先機関でやっているだけの展開なのか、あるいは県も巻き込んで、商工会を巻き込んでいろいろなところでやっているのかどうか、そのところが問題じゃないかと私は思うんですね。
 ですから、県としても、派遣社員から正規社員に切りかえる、そういう意味では非常にいい事業だと私は思うんですよ。それを、いろいろなチャンネルを通じて、こういう事業があるということを県内の各事業者、特に派遣労働者を受け入れる、活用している事業者に知らせるべきだと私は思いますが、その辺はこれからの活動として可能なんですか。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 いわゆる正規雇用の拡大ということについて申し上げますと、例年、知事を先頭に、労働局あるいは地元市町村等と一緒になって、各経済団体あるいは事業所等に、何とか正規雇用を拡大してくださいというような要請をずっと続けているところでございまして、まず、そういった要請活動は継続してやっていきたいと思っておるところでございます。
それから、制度の周知ということについて申し上げますと、県のほうでは、振興局に39人の就業支援員という、事業所を回ったり、就職支援をするというような職員がございます。この職員が随時企業等を回っているところでございまして、従来、国の助成金であっても、こういう制度がありますよということで周知をしているところでございまして、そういった中で、この制度についても周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇喜多正敏委員長 高橋元委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 高橋委員、御了承願います。
   午前11時57分 休 憩
午後1時2分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、商工労働観光部関係の審査では、この後8人の質問者が予定されております。環境生活部の審査は14名なそうです。進行に御協力願うため、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇高橋元委員 それでは、午前に引き続きまして質問を続行させていただきます。
 まず、非正規の正規雇用化、これについては午前中にもお話ししましたが、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、雇用のミスマッチについてですが、これは先ほど沿岸部につきましては岩崎委員からも質問があったわけでありますが、内陸の状況はどうなっているかお尋ねしたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 内陸につきましても非常に求人状況が堅調でございまして、そういった意味では、求人を出してもなかなか雇用者が集まらないというようなことをよく聞いてございます。
〇高橋元委員 望む職種がないということとか正規雇用ではないとかという説明がございましたけれども、いずれ職につかなければならないということですので、ある程度求職者についても柔軟に対応してもらうような指導の仕方も必要ではないか、そんな思いもしております。ぜひいろいろな情報を提供していただいて、こういう分野にはこういう求人があるんだなという情報提供をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、沿岸地域の経済、雇用関係についてでありますが、まず、被災商工業者数と休廃業者がどれくらい出ているのか、それから、それに伴ってどれぐらいの雇用が消失したのか、その辺の統計をとられているのであればお伺いしたいと思います。できれば市町村単位でわかればいいんですけれども。
〇松川経営支援課総括課長 被災企業の関係でございますけれども、2月初めに商工団体が行った調査ということでございます。会員事業者のうちの約6割、4、240社が被災しているということでございますし、それから、休廃業につきましては1、266社、約2割が休廃業という状況でございます。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 失われた雇用者数ということでございます。求職者ベースで申し上げますと、県全体では、先ほど答弁申し上げましたが1万3、000人と推計しております。それから、地域別でございますけれども、ハローワーク別でお答えいたしますと、同じような計算方法を用いますと、大船渡地区では約3、110人、釜石地区では約1、840人、宮古地区では約1、470人、久慈地区では約360人というような状況となってございます。
〇高橋元委員 休業あるいは廃業というところでいろいろ決断せざるを得ない。後継者の一つ問題がある。それから、先ほどグループ補助の関係で、なかなか自己資金がそろわない、それによって断念したという話もあちこちで聞こえてくるわけでございます。そういうことも含めて、私もこのグループ補助金関係の質問を予定しておりましたけれども、先ほど田村、岩崎両委員からも詳しく質問して答弁がありましたので、私は割愛させていただきますが、いずれ自己資金のところでかなりちゅうちょされている方が多いようですので、このところをしっかりと、休廃業者のところでもこういう制度があるのだと。できれば可能な限り再開していただいて雇用を確保していただきたい。私はそういう観点からこの質問を取り上げさせていただきましたので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、失業手当の受給期間を終えた失業者についてお尋ねしたいんですが、1月以降、失業手当の受給期間を終えた失業者はどのくらい出てきておるのか。それから、その方々の就職活動はどういう形で進められているのか。これもまた似たような質問になるわけでありますけれども、その辺の状況をまずお伺いしたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 失業手当の受給期間を終了した方の数でございますけれども、岩手労働局によりますと、沿岸地域におきまして、昨年10月から本年1月までに給付延長された方のうち、2月17日現在で162人の方々が既に受給を終了しているということでございます。
 それから、この方々についての就職活動ということでございますが、求職者全体についての就職活動の状況について申し上げますと、1月中に私どもが沿岸各ハローワークで行ったアンケート調査によりますと、まだなかなか面接等が受けられないという方が多数を占めている現状にございまして、そういった意味では、我々としても就業支援を丁寧にやっていきたいと思っているところでございます。
〇高橋元委員 先日、新聞にも出ておりましたけれども、求人と求職の比率、先ほど来問題になっているミスマッチですよね。例えば求人だと、建設業で78%求人しているのに求職希望者が22%、それから、土木業でいくと73%の求人に27%の求職、あるいは警備とか保安業、これは92%求職しているんだけれども求職者は8%、かなり乖離が大きいんですよね。ですから、今、特命参事から丁寧にというお話がありましたけれども、やっぱりこういう実情、今何が求められているのか、それから当面の間と長期的な視野、そういったことも含めて就職というものを考えていただかなければならないと思います。ぜひそのことをもう一度含めてお願いしたいと思います。
 それから3点目は、自動車関連産業の振興ですけれども、自動車部品の現地調達につきましてお尋ねしたいんですが、自動車部品で、現地調達が有望な部品はどういったものがどのくらいあるのか。それから、それに対して県内企業の取り組みの支援をどう進めているか、この2点についてお尋ねしたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 現地調達等についてでありますが、岩手、東北におきましては、ボディー部品あるいは内外装部品の調達は進んでおりますが、エンジン、トランスミッション、電送系の部品は進んでいないというのが現状でございます。
 今般、トヨタの第3の拠点という方針を受けて、東北でもエンジンをつくるということが明らかになっております。このエンジンにつきまして、今後、地元の調達に大手の企業が参加できるよう努めていくことが大事と思っています。ここが有望な部分かと思っています。
 それから、どのように進めるかということにつきましては、今年度のトヨタの商談会でも言われているんですが、いい技術はあるけれども、自動車のどこに生かせるのかといったものがよく見えないケースが多いということがありますので、地場の技術がどう自動車につながるかというつなぎの部分をしっかり支援していきたいと思っておりまして、自動車の分解部品の展示の常設でありますとか、新しい自動車の技術の勉強会、それからメーカーと一体となりました、まさにメーカーのニーズに合わせた商談会等々を行って、地場の技術が自動車につながるように努めていきたいと考えております。
〇高橋元委員 中部地区から貨車で部品が送られてきて、紫波のターミナルからトラックでどんどん運ばれているんですね、関東自動車工業に対しては。ああいう部品も、いろいろ検討すれば県内の地場の企業のところで扱えるものもかなりあるのではないかと私はそう思うんです。だから、その部品がどういったものが送られてきているのか、あるいはその部品一つ一つに、うちならばこれは対応できるとか、そのところがうまくやられているのかなと、いつもあのトラックを見るたびに疑問に思っているんです。だから、そのことを今、念頭に置いて質問したのが1点です。
 それからもう一つ、エンジンとかトランスミッションとか特殊なところの部分、これはなかなか地元でもすぐには製品化できないと。例えば、仮に大もとのところと業務提携をしてこちらのほうで受託生産をする、そういったような手法も私は可能ではないかと思っていますが、そういう取り組みも含めて、どんな地元企業といろいろな協議をされているのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 委員おっしゃるとおり、そういった方向で企業立地サイドも有力メーカーの誘致に働きかけながらさまざま取り組んでいますが、最近では、愛知県の部品メーカーでは、企業立地という形ではなく、地元の企業と事業提携をしたいという話も出てきております。そういう話をぜひつなげていくように、積極的に足を運んでマッチングを進めたいと考えております。
〇高橋元委員 ぜひそういう取り組みをもっと拡大していただきたいと思います。
 今の時代ですから、新しく建屋をつくって設備を導入してというものもなかなか難しいような時代になってきていますので、業務提携とかああいう形であれば、既存の施設を使ってやれる部分、全体はできないかもしれませんけれども、いずれそういう形で、コスト的にはかなり割が合うということも可能だと私は思いますので、その点ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それから、今、企業誘致の話をしましたけれども、再生可能エネルギーという分野、これから県でもいろいろ取り組むということで、これは私は、行く行くは新しい企業をつくっていくというか、新しいものを生産していくとか、そういったところも一つあると思いますし、例えば風力発電を導入すると。メーカーというか、風力発電の大もとからしますと、例えば岩手は遠いよと。そうしたときに、現地で風車が壊れたときに直せる体制がとれているのか、そういったこともメンテナンスの部分であるわけです。だから、それらも含めてやっていくと、かなりの部分の仕事量も私は期待できるのではないか、そんな思いをしておりました。
 これは補正予算で対応したものであったんですが、いろいろ調べたらもうちょっと詳しく聞きたいものがありました。海洋エネルギー研究拠点ということで、新年度から波力、風力、潮力、こういったものの可能性をいろいろ調査するということのようですが、この事業の内容について少し詳しくお尋ねしたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 本県におきましては、復興計画の三陸創造プロジェクトにおきましても海洋エネルギーの拠点をつくるということを掲げて取り組みを開始しております。現在、国、これは内閣官房の総合海洋政策本部というところなんですが、そこで海洋資源の活用に向けた国の方針をつくっておりまして、その中で海洋エネルギーの実証海域というものも出しています。今後、その本部では、設置海域の要件、コストなど、いわゆるスペックのようなものを示して、国内にこういった拠点をつくっていくというような話が出ております。ですので、本県といたしましては、そういった計画に先んじて、岩手県の実情あるいは課題等を洗い出して、そういった国の動きに呼応して拠点づくりを進めたいということで調査を進めたい考えでございます。
〇高橋元委員 具体にこれはどのように動こうとしているんですか。先ほど言ったような波力もあるし風力もあるしと、その辺はいかがですか。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 現在、風力につきましては、仮設にプロペラを立てるような形で実測しますし、あと、波力については、ブイのようなものを浮かべて海面下の圧力あるいは波の高さを調べる等々、さまざまな方法があると聞いております。場合によっては、それらが複合した実験装置でやれたらいいのではないかと思っておりまして、その辺の研究をされている研究者の方々あるいは事業をやっている会社のいろいろな実績等々を見ながら、その測定方法を決めつつ、実績のある企業あるいは大学等への委託によって調査を進めたいと考えております。
〇高橋元委員 補正予算で1億4、000万円余計上されてこの事業がスタートするわけであります。いろいろ国の動きに先んじて拠点化をねらっていこうということなので、ぜひこの事業が大きな核となるような、そういう期待を私も寄せておりますので、いい形に仕上がればいいなと思っています。
 これは国との財源調整とか、そういったのはうまくできていての予算計上だったのかと思いますが、これ、もし国から、ちょっと岩手、待てよと言われた場合にはどうなるんですか、この事業は。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 現在、この予算は復興調整費、平成23年の3次補正のものでございます。予算そのものは確保されているという認識でおります。
〇高橋元委員 わかりました。
 それと、この再生可能エネルギーについては、今、ものづくりの柱として、自動車産業、それから半導体、医療機器ということなんですけれども、私は四つ目の柱に挙げてもいいような気がするんです。世界的には、CO2対策とかエネルギーが不足しているということから、自然エネルギー、再生可能エネルギーの分野というのは相当需要が見込まれるし、日本の高度な技術力、そういったものをうまく活用すれば一大産業に育っていくのではないかと思うわけです。
 そういう位置づけはこれからされていく考えはあるのかないのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 今般の海洋エネルギーの導入につきましては、最終的には、地域の産業として、しっかり雇用も確保しながら地域経済に貢献するという目標を立ててやっておりますので、今後の展開次第ということもありますが、そういう思いも持って取り組んでいきたいと思います。
〇高橋元委員 ぜひそのことを含めて、この事業そのものが大きく展開するように期待して私の質問を終わります。
〇伊藤勢至委員 ただいまの高橋委員の海洋研究について、関連して1点のみお伺いしたいと思います。
 佐々木総括課長とはこれまでも随分やりとりをしてまいりましたが、ようやく国が今回の大震災を経て、海の新しい可能性を求める方向になってきたなと思っております。そういう中で、何度も繰り返して耳にたこができている委員の方々もいらっしゃるかもしれませんが、温度差発電とか、それから波力発電、洋上風力発電、これは今までもいろいろ言われてきたものです。それから海洋深層水、これは高知県が先駆けとなりましたし、リチウムイオン電池は宮崎県が先駆けをした。
 こういう中で、前から言っていますけれども、東京工業大学の矢部教授のお説なんですけれども、太陽光レーザーとマグネシウムを結ぶことによって熱が出る。そして水蒸気が発生して、この水蒸気で発電をすれば燃料はほとんどゼロ、CO2ゼロ、そういう発電が可能だということで、これまで岩手に2回来てもらって講演会等を開いてもらいました。3年前だったと思いますが、2回目のときには、世界の中の6カ国から矢部教授の技術にオファーが来ている、こういう話がありました。ですから、今回、こういう機会であって、日本国としてそういう方向を向いてきた今こそ、もっと新しい先駆けの部分として岩手県に手を挙げていただきたい、このように思います。
 かつて平成15年に、文部科学省に三陸沿岸フィールドをこういう海洋産業研究の研究地に立地してもらいたいという統一要望を上げてもらったんですが、うっかりしておりまして、継続してやってもらっていると思っていましたけれども、平成15年度単発で終わりました。本当に残念だったと思っていますが、それはしようがないこととして、今、いろいろな県が同じ用意ドンになっておくれをとってはいけませんので、やはりこの際トップをねらうべきだということで、こういう研究に素早く手を挙げていただいて、これは考えようによっては、リニアコライダーは内陸の国家プロジェクト、あるいは、このレーザーとマグネシウムを使った発電ということになれば海の国家プロジェクトにもなり得るものだと思いますが、そういう流れになっているのか。あるいはそういったものについて県としてどのように取り組もうとしているのかお伺いします。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 海水からマグネシウムを回収しながら発電し、さまざまなエネルギーをつくっていくというのは、委員からも教えられたり、さまざまな調査もして、矢部先生の研究については、その後ウオッチさせていただいております。さまざま調査検討のいろいろな報告を見ますと、今回の場合には日照量がやっぱりポイントになるということで、今の技術だと日照量が足りないのではないかという意見もございます。ですので、技術の進展を今、見ながら、そういったマグネシウムのところは追いかけております。海水中には、石油でいいますと5万年分のエネルギーがあるとも言われているマグネシウムですので、その資源については引き続き追いかけていきたいと思っています。
 こういった研究拠点の形成に当たっては、地域の資源があって、地域とのつながりがあって拠点もできていくと思っています。三陸の海にはさまざまな資源がありますので、その利活用については引き続き積極的に研究し、また実現に向けて取り組んでいきたいと思います。
〇神崎浩之委員 私は、小さい商店が早く再開できるよう、そういう趣旨から、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構について、また二重ローン、それからグループ補助についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 この通告書を一昨日の夜つくったわけですが、そのときテレビで、福島の焼きそば屋さんが二本松市に移って、そして店舗を再開したと。朝早くから起きて仕込みをして、夜遅くまで後片づけをして、そして仕事が終わった後は心地よい疲れが気持ちよいということを言っておりました。お金があっても住むところがあっても、やはり今までやってきた仕事ができるということが非常に強い生きるエネルギーになっているというような旨をお話しになっておりました。それを見ながらちょうどこの通告を出したところであります。
 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構についてお聞きするわけでありますが、その前段といたしまして、今まであります産業復興機構とか再生支援機構とかややこしい名前で混乱するわけでございますが、産業復興支援、産業復興機構、今までの業務についてお聞きしてまいります。
 岩手県、宮城県、福島県、茨城県の4県でこのセンターが開所したということでありまして、延べ1、000件以上の相談はあるものの、実際、二重ローン解消としてこぎつけたのが岩手県の2件だけだというような報道もありますが、本県では、相談延べ件数、それからそのうちの買い取り件数、相談件数、それから買い取り状況についてまずお尋ねいたします。
〇松川経営支援課総括課長 岩手県産業復興相談センターというところで相談の受け付けをやっております。延べ件数といたしましては643件です。実際、企業の方が何回か行かれておりますので、実数では216件となっております。これは1月末現在ということでございます。
 それから、買い取りの状況でございますけれども、現時点では、産業復興機構による買い取りが2件、それから、相談センターの支援によりまして返済を猶予したというところが1社ございます。
〇神崎浩之委員 これも商工業者の支援ということで大きな英断で入ってきたわけですけれども、本当に進まないわけです。2件ということでありました。
 これはなぜかということなんです。そもそも再建の見込みが立ちやすいような、中小というよりは大企業、中堅の企業を支援するねらいがあったということもあるわけですけれども、実際、なぜこれだけの相談件数がある中で買い取りが進んでいかないのか、これについてお尋ねいたします。
〇松川経営支援課総括課長 買い取りの2件のうちの1件は小規模な事業者で、お菓子屋ということを聞いておりますので、中堅の企業が対象ということではなくて、広く対象になっているということでございます。
 それから、買い取りが進まないということでございますけれども、既に買い取り要請に向けて、現在約30社ほどの会社につきまして金融機関との調整あるいは再生計画の作成の支援をやっておりまして、事業者の財務改善を図るという作業をしながら取り組んでいるということでございます。順次、買い取りが進むものと理解しております。
〇神崎浩之委員 買い取り価格をめぐって金融機関と折り合いがつかないとか、融資している金融機関の同意が必要なためにこれがなかなか進まないと。それから、審査が厳しくてなかなか進まないというようなことがあると聞いておりますが、これらの課題があるのかどうか確認させていただきたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 まず、この復興相談センターの業務でございますけれども、確かに債権の買い取りのためのそういった支援もしておりますけれども、幅広に相談対応をしておりまして、制度の紹介もございますし、それから計画づくりとか、それから、再生する場合の再生支援協議会というのがございますけれども、そういったところへの引き継ぎとか、いろいろ幅広に対応している中での業務という御理解をいただきたいと思います。
 先ほど申し上げたとおり、今後、約30件ほど買い取りの要請に向けて取り組んでいるということでございますので、現時点で2件ということでございますけれども、順次買い取りが進んでいくと思っております。
〇神崎浩之委員 産業復興機構について、これは内陸のほうも対象になるのかということと、それから、農産物等の関係で、放射能の影響、こういう事業者も対応になるのかどうか、ちょっと確認させてください。
〇松川経営支援課総括課長 震災によりまして債務超過になったというところなわけでございますけれども、原因はそういったことを想定しておるわけでございますけれども、内陸の企業についても当然そういったことがあろうかと思いますので、相談対応はしているかと思います。
 それから、放射能もやはり震災を契機としたものであろうと思いますので、現実にそういった相談があるかどうかは承知しておりませんけれども、対象になるものではないかと思っております。
〇神崎浩之委員 そういうことで、中小企業に比べて零細な普通の商店、これらの復興が非常に立てにくいという中で次から質問するところが出てくるわけでございますが、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構であります。これがうまく回って、午前中からの議論が吹っ飛ぶような、事業者に明るい兆しが出ていけばいいと思って質問するわけでございます。
 御存じのように、2月22日に会社の登記が終わりまして、そして3月3日発足式をやって、いよいよ今週、3月5日から業務を開始しているものであります。この東日本大震災事業者再生支援機構の事業の内容についてお伺いいたします。
〇松川経営支援課総括課長 再生支援機構でございますけれども、先ほどの県でつくりました岩手産業復興機構と同様でございまして、震災の影響で過大な債務を負った事業者を対象にしたというものでございます。
 業務の内容といたしましては、債権の買い取りや支払いの猶予など旧債務の整理を行うということ、それから、専門家の派遣やつなぎ融資などによって事業の再生をするのを支援するというような業務内容と聞いております。
〇神崎浩之委員 産業復興機構の対応できない分をこれでカバーしていくような、条件が緩い救済制度だと思っております。本社も東京に置くわけではなくて仙台に置くということで、非常に身近な組み立てではないかと思っております。
 そこで、いろいろ特徴をお聞きしたいわけですけれども、まず対象者について、それから支援内容についてもう一度、旧債務の関係、それから新事業に対する支援についてもう少し詳しくお話をいただきたいと思います。
 それから、特徴として、ただ単に債権を買い取るということではなくて、今までやっていた商売、事業を再生するということに主眼を置いたシステムだと聞いておりますが、あわせてお伺いいたします。
〇松川経営支援課総括課長 特徴ということでございますけれども、特に小規模事業者や農林水産事業者、それから医療福祉事業者を重点的に支援対象とすると伺っております。
 それから、支援の内容でございますが、繰り返しになりますけれども、旧債務の整理ということと、新たなものといいますと、専門家の派遣ということとか融資もできるというようなところが新しいところかと思っております。
〇神崎浩之委員 前回の失敗と言ったら失礼ですけれども、金融機関との関係がありまして、この株式会社というのは資金面ではどのぐらい用意なさっているのかということであります。
 それから、担保の件ですけれども、固定資産税等、今、ゼロになっているような中で、今までの資産、それから担保要件をどういうふうに設定するかによって金融機関の支援の強さが変わってくると思うんですけれども、この機構の資金面、それから担保の考え方についてお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 資金につきましては、政府の保証で5、000億円ということをお聞きしております。それから、担保の取り扱いにつきましては承知しておりませんので、御容赦願います。
〇神崎浩之委員 今、担保ですね、震災で価値がないような状況になっておるんですけれども、その再生を見込んだ価格で買い取るようにというような指導があるようでございますので、その辺も含めて逆に御承知おきいただきたいと思っております。
 そういうものをきちっと整備しないと、なかなか金融機関が手を挙げてこない。そうすると買い取りが進まないということになっておるようでありますので、その辺も含めて連携してやっていただきたい。
 実際、今週から事業がスタートしているわけですけれども、当県内においてはどういうふうな動きなのか、どういうふうに皆様方はこれと連携をしているのかどうか確認させてください。
〇松川経営支援課総括課長 先ほど委員から本店が仙台市ということでございましたけれども、相談窓口につきましては、盛岡市にございます岩手県産業復興相談センターと窓口が一元化されるということで業務が進められると聞いております。
〇神崎浩之委員 もう動いておりますので、ぜひ連携をとってがっちりやっていただきたいんですが、その中で心配なのは、産業復興機構もあるし、それから新たな再生支援機構もあるし、ますます我々も、それから各市町村の行政の方も、それから商工関係の方も、ましてや受けたいという事業者の方もいろいろ混乱すると思うんです。新たな制度ができるということは、しかも間口の広い仕組みになるわけですけれども、逆にいろいろなものが出てきまして、いろいろな方々が、利用者が特に混乱するのではないかと思っております。
 被災地の市町村も被災地の商工関係も、それから、先ほど部長がどこの地域でも相談に乗れるようにしますということをおっしゃっておりましたけれども、内陸の商工会とか、なかなかわからないと思うんです、相談されても。そんなことも含めて、これらの推進体制をどういうふうにしていくのかお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 まず、この再生支援機構のほうでもそういったことで、盛岡市でも説明会を行ったわけですけれども、沿岸の各地に参りまして説明会を開催すると伺っております。
 それから、産業復興相談センターは盛岡市に本所を置いておりますけれども、各商工会議所、それから商工会にも現地の事務所ということで職員を置いたり、あるいはアドバイザーを委嘱したりということでおりますので、先ほど窓口を一元化するということを申し上げましたけれども、現地の商工団体でもこういった新しい組織について理解してもらって、混乱がないように事務を進めてもらうようにしたいと思っております。
〇神崎浩之委員 混乱はあると思うんですがね、ぜひこの制度がうまく使えるように頑張っていただきたいと思います。
 次に、グループ補助関係と、それから宮城県の制度との対比についてお伺いしていくわけでございますけれども、先ほど、グループ補助につきましては、30グループ、7割対象となったという答弁でございました。一つ、この7割というのは、件数の上の7割、グループの7割なのか、それとも金額上の7割なのかということを確認させてください。
 それからもう一つ、3割が至っていないということだったんですが、この理由についてお伺いいたします。
〇松川経営支援課総括課長 先ほどの7割ということですが、事業者数、それから補助金、両方とも7割程度ということでございます。
 それから、3割の方たちが採択されなかった理由でございますけれども、これは、公募によりまして復興事業計画を出していただく、グループによってその事業計画を出していただくといういわば競争性の補助金でございますので、そういった事業計画の内容を審査して、より地域の産業復興のために重要性がある、あるいは効果があるというものが採択されていくということかと思います。
 それから、先ほど申し上げたとおり、採択されなかったところにつきましても、事業計画の見直しといいますか、ブラッシュアップをするように支援機関なども支援しているところでございます。
〇神崎浩之委員 この事業については、先ほどからも予算を増額してもという要望が出されておりましたけれども、お金があってもなかなか、予算があってもなかなかここまで到達できないということであります。
 対象の緩和とかをやっていかないと進まないと思っているんです。先ほどもありましたけれども、大企業の再生とか、それから、やっと商店でもいいのかなと思ったら、その地域の中の代表的な商店が1カ所みたいな、グループ補助の財源というよりは、対象が厳しくなっているのではないかと思っています。それゆえに、その地域の基幹産業であるとか、そういうことがあって、本当に小さい企業が復活できにくいということだと思っておりますけれども、その辺の課題については、県は実際に相談を受けてどう感じていらっしゃいますか。
〇松川経営支援課総括課長 グループ補助金はそういった要件がございますので、個々の事業者あるいは小規模の事業者が再生できるようにということで県単での復旧補助なども創設いたしました。そういったものを活用していただいて地域の経済活動が再建できればと思っております。
〇神崎浩之委員 次に、宮城県との関係でありますけれども、私のところには、気仙沼市で被災されて一関市で商売を再開したいという方がありまして、なかなか制度が使えない。それから宮城県の制度も使えない。宮城県にはこういう制度があるんですけれども岩手県にはないんですねというようなおしかりをいただいたりしているわけであります。
 そこで、宮城県の制度についても調べていただいたわけですけれども、宮城県の制度にあって、岩手県にない制度についてお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 修繕、それから復旧という考え方は一緒でございまして、制度といいますか、それぞれの地域での考え方というかやり方ということだと思います。
 違いを申し上げますと、宮城県の場合は、県が中小企業に直接補助するという方法をとっております。それから、施設の復旧費の関係でございますけれども、全県を対象にしているということでございますし、小売店舗がテナントを借りるといった場合の借り上げの経費を補助していると聞いております。
〇神崎浩之委員 今、一関市に気仙沼市から594世帯1、280人が来ているんです。気仙沼市からだけなんですけれどもね。そんなこともあって、これはもちろん人口の関係からですが、多くの商売をやっている方も一関市に来ております。実際に、花泉町とか大東町とか室根町とかで商売を再開している方がいらっしゃいます。そういう方が、なかなか一関市に来ても相談しづらい、グループを組めない、それから制度が使えないということで困っている話があります。これだけの人数が来ているわけであります。
 宮城県は内陸に移動していてもオーケーだよという制度をしております。盛岡市にも沿岸のほうから結構来ている方がいらっしゃいます。そこで、県でもいろいろと制度をつくっていただいておりますけれども、現地で再開するということが一番いいことなんですが、なかなか店をどこに建てればいいのかわからないという現状もあって、そこまで待っていたら干からびてしまうよという話なんです。
 そこで、内陸に移動しても再開するような今後のお考え、それから、宮城県は借り上げ経費、家賃についても対象としている、この2点について、今後、岩手県ではどう検討なされていくのかお伺いいたします。
〇松川経営支援課総括課長 内陸部への移転ということでございますけれども、被災されたわけですけれども、沿岸地域で経済活動をしていただく、あるいは雇用を確保していただくという事業者を支援するために私どもとしては復旧費の補助を行おうと考えております。仮に内陸へ移動も可能というような制度をつくった場合、現在でも人口の社会減ということで、内陸に移られている方もいらっしゃるという中で、逆にそれを促進しかねないことも懸念しております。まずは、やっぱり現地での復旧をするために、私どもとしてはそれを支援したいというのが第一義でございます。
 それから、家賃補助の関係でございますけれども、これは市町村のほうで、例えば空き店舗に対しての出店の場合の経費の一部支援ということもお聞きしておりますので、例えば盛岡市とか一関市でもそういった制度があるようでございますので、事業者の方がどういったものを活用されているかわかりませんけれども、市町村でも独自にそういった制度をとられているということでございます。
〇神崎浩之委員 最後に部長にお聞きいたします。
 仕事をしたいんだけれども仕事ができないという環境の方がいっぱいいらっしゃるわけです。先ほど福島県の焼きそば屋の例もお話ししたんですけれども、ここに県議が48人いるんですけれども、新人がいるんですよね。前のほうにいるんですけれども。私たちも、実は4月の選挙だと思っていましたら、震災で長引きまして、私も2月いっぱいで市議を辞職して4月に臨んだわけですが、辞職した10日後に地震が起きまして、そこから無職になって半年も頑張ってまいったわけですが、そのときに、いろいろな震災復興をやっていたわけですけれども、本当に早く仕事をしたいということを思っておりました。
 それゆえに今回の新人議員はそういうものを持っておりますので、結構当局に対しても厳しいと思っているわけですけれども、そこで最後に、仕事をしたいんだけれども仕事ができなくてつらい思いをしている、それから、銀行も貸したいんだけれども貸せなくて困っている、そういうようなところもありますので、そういうことに対してどう取り組んでいくのか、お考えをお聞きいたしまして質問を終わります。
〇齋藤商工労働観光部長 仕事がしたい人に関しまして、まず大事なのは、十分な情報、それから相談というものを整えることが一番だと思っています、これはお金を借りたい人もそうですけれども。やはり我々、どこでそういう大事な情報を得るかというところの体制を整えるが一番。仕事でいいますと、県ではジョブカフェというものをつくっていろいろな相談にも応じておりますし、もちろんハローワークは仕事の紹介そのものでございますので、そういうところのまず相談体制を整えなければならない。ただ、沿岸の場合は、非常に被災者の方々に配慮しまして巡回でハローワークも回っておりますし、いろいろなお話を聞く機会をできるだけふやしていくということですので、とにかくできるだけ自分に対して有利な情報を得る体制をつくることが大事だと思っております。
 これは金融のほうでも同じでして、資金についても、かなりこれは制度が準備できました。平野復興相も、復興のためのツールは整ったということを盛んにあちこちで言っておられます。問題は、その制度がなかなか知られておらないというところがやっぱり大きな問題ではないかと思います。私たちも、知っていただく努力、それから、先ほど窓口の問題も盛んに出ましたが、窓口でできるだけきちんと対応する努力、こうしたことをして、できるだけ仕事をしたい人、あるいはお金を借りたい人にとって有利な情報が得られるような体制をつくってまいりたいと思います。
〇郷右近浩委員 私からも1件質問がございますけれども、質問に先立ちまして、きょうも執行部の皆様方のネクタイで私たちの目を楽しませていただいているというか、本当にカラフルな色とりどりのネクタイで、これは八幡平の地熱染めということで、ふだんから県産品のさまざまな振興であったりとか、また、さらにはそれを本当に組み込もうとしている、そうしたことに対しまして力を尽くしていただいておりますことにまず感謝を申し上げるところでございます。
 そうした中にありまして、またさらに今回、この予算におきまして伝統的工芸品等次世代継承事業費という新規の事業が出てきております。このものにつきまして、私自身、これが新規でできたということは本当にいいことだというか、なぜ今までなかったのだろうという思いもありながらでございますが、まずはこの内容を示していただきたいと思います。
〇福澤産業経済交流課総括課長 伝統的工芸品等次世代継承事業費の内容でございますけれども、この事業は、伝統工芸産業の将来的な振興に寄与する人材の育成を目的としているものでございまして、事業者が被災した失業者を新規に雇用しまして、あらかじめ策定した人材育成計画にのっとって技術、技法を継承させ、そして後継者として育成する、そういう事業を公募により委託実施するものでございます。
 1社当たりの委託料は500万円を上限としてございまして、およそ5社程度への委託を想定しているものでございます。
〇郷右近浩委員 5社程度という話でございますけれども、ここの部分をもうちょっと内容を詳しく知りたいわけでありますが、大体これは、恐らくその方を雇い入れるというか技術を教えるというか、そうした方について賃金の部分であったり、また、その場合には、今度は教える側というか雇い入れる側にもさまざまな形の支援といったようなものを考えられているとは思うんですけれども、その部分についてもうちょっと詳しい部分を教えていただきたいのと、またさらに、これは見込みとして5社程度ということでの事業を今回つくったという形になっていますけれども、大体どのぐらいの見込みがありそうかといったような見込みも教えていただきたいと思います。
〇福澤産業経済交流課総括課長 事業の詳細でございますけれども、本県に、例えば伝統的工芸品産業と言われる国が指定した産業、南部鉄器ですとか秀衡塗、浄法寺塗、それから岩谷堂箪笥、そのほかに、対象事業者としては、県内での事業の歴史が50年以上ある事業者を対象にしてございます。そうした事業者に対して、500万円が限度ですが、そのうち半分以上は雇い入れる方の人件費として活用していただく。その他の事業費につきましては、職人を育成するわけですけれども、そのために必要な原材料費、あるいは、単に職人としての技術だけではなくて、マーケティングとかデザインとか幅広く学習をしていただく、そういうことから、外部に講師をお願いした場合の謝金、旅費、そうしたものまで含めていろいろ活用できる内容となってございます。
 見込みでございますが、現在、公募いたしてございまして、まだ取りまとめが終わっておりませんが、これまで四、五社からいろいろ問い合わせとか相談があった状況にございます。
〇郷右近浩委員 この事業自体は、本当に私自身、何でなかったのかと先ほども話しましたとおり、評価するものであります。しかしながら、今回、新規とはなっておりますけれども、県の単独事業費ではないという中で、恐らく今回の震災に応じてできた形での国の動きに呼応しての動きなのだろうなと。もちろんそうした中で被災者という部分の冠がついているのだろうと推測するわけであります。もちろん岩手県全体が被災県という部分においてはある程度の形では使えるような事業となっているとは思いますけれども、ただ、そもそもとして、これは県の考え方としてですけれども、この事業というのがあくまで被災失業者対策なのか。本来的なものにおいて、伝統的工芸品を次世代につなげるという、まさにこの名称のそうしたものの目的であるというスタートラインに立つ事業なのか、その点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
〇福澤産業経済交流課総括課長 この事業でございますけれども、これは、国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金を活用した生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業の中の世代継承型事業の一環として行うものでございます。
 したがいまして、まず一義的には、被災した失業者、これは直接被災した方だけではなくて、県内であれば失業している方すべて対象になりますけれども、そうした方の安定的な雇用を図るということをまず目的としてございます。それにあわせて、県内の伝統的工芸品等の、現在いろいろな課題がございます。特に売り上げの減少等に伴い後継者の育成ができないとか、課題を抱えてございますので、そうした課題解決に向けて、雇用していただいた方に技術、技能等を訓練しまして次世代に継承していく、この二つを目的として実施する事業でございます。
〇郷右近浩委員 この事業につきましては職人を育てるといったような部分の側面もあると思いますが、そうした中で、どうしても職人1人育てるには単年度ではもちろん無理だということで、この事業自体が数年度にわたってというような形は聞いておりますけれども、そうしたような事業であるという中にあって、実際、それぞれの会社で、それぞれのこれまでの伝統工芸をつくっていただいている方々が、どうしても職人気質の方が、教えるといったような部分が苦手な方がいらっしゃったりということで、単純に今の経済状況だけが問題であったり、後継者不足というのは本当に一つの側面だけではない中で後継者が育っていかないというような側面があったと思います。
 そうしたことについては、これは岩手県としての取り組みなんでしょうけれども、その事業をつくるに当たって、これまで、こうした伝統的工芸品等のそうしたつくっておられる方々からなり、どのような事業をつくればいいかというような、何が必要なのかということの聞き取りであったり、そうしたことをしてできた事業なんでしょうか、どうなんでしょうか。
〇福澤産業経済交流課総括課長 事業構築に際しまして、すべての組合とか産地の事業者の方々にくまなく意見というものの照会はしてございませんが、国の雇用基金という制度上の制約等がありまして、ある程度の枠組みでもって、組合等の会合の場でその御意見等を伺いながら、この内容について詰めてきたものでございます。必ずしもそれぞれの事業者の要望にぎっちりマッチしたものというのはちょっと難しい面もございますけれども、できるだけ沿うような形で構築に努めてきたところでございます。
〇郷右近浩委員 いろいろお話を聞いてつくり上げていくといったような形だったと思いますが、しかしながら、本当に、うちで言うと、私がよく知るところですと、例えば南部鉄器─先ほどお名前が出ていましたが、南部鉄器についても、伝統工芸師と言われる方々は、どちらかというと1人でこつこつ職人さんがやっているような事業所というか方々が多い中で、人を雇い入れて教えるということ自体に、まずもって体力を使うということと、それから、教えるための場所であったり、さまざまなそうした環境をつくるためにまた一つ体力が要る。そこまでしたとしても、事業年度において、例えばこれが2年、3年であったり、そうしたような事業ではなかなか育て上げられない。じゃ、何年間あればいいんだという話にはなるかもしれませんけれども、しかしながら、もちろん今現在、岩手において、震災からの復旧であったり、そうした全体としての雇用という部分が大切だということは私自身も同じ思いでありますけれども、しかしながら、やはりこうした伝統工芸であったり、そうしたものをきちんとつなげていく作業というのは、本当に長い目で見てきちんとやっていかなければいけない、じっくり育てていかなければいけないジャンルだと私自身思っております。
 そうしたことでございますけれども、何とかそれを例えばそれぞれの地域であったり、それぞれの職能組合であったり、そうしたところと話し合いながら、国の資金じゃなくても、例えば県単でも、もう少しつけるなりしながら、何とか実情に沿ったというか、育てていくということに対してきちんと手をかけていけるような事業に育てていただきたいと思うわけでございますけれども、今後の取り組みとしてそのようなお考えを持つかどうか、その点についてお伺いさせていただきたいと思います。
〇福澤産業経済交流課総括課長 確かに、御指摘のとおり、事業者だけでは手に余る部分もあろうかと思っています。ですから、事業実施に当たっては、産地の組合とかと連携した形で進めなければならないと思ってございます。
 例えばですけれども、そういう南部鉄器なら南部鉄器の基礎的な部分の技術とか歴史とか、そういう部分も学んでいただきたいと思っていますし、あるいは先ほども申し上げましたが、マーケティングとかのデザイン等の知識も習得してもらいたいと。ですから、そういうものを組合と連動してやることによって、これは3年間の継続を予定してございますが、その中で何とか一人前の技能者、技術者を育成できるように、我々もその辺、対応してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私からは、デスティネーションキャンペーンについて伺いたいと思います。
 いろいろと準備をしていただく中で1カ月を切ったDCでございますけれども、今のわかる範囲で結構ですので、県内への宿泊予約の状況、また、団体ツアーの造成、予約の状況をお示しいただければと思います。
〇戸舘観光課総括課長 県内宿泊の予約状況等についてでありますけれども、これは、なかなか正確な数字を把握するのは難しいですが、比較的規模の大きな宿泊施設のうち、私ども4施設から聞き取りをしたところでは、4月の宿泊予約の状況については、おおむね例年並みから5%程度の増となっているとの情報を得ております。
 それから、団体ツアー客の予約状況でありますけれども、こちらは、春の桜シーズンからの旅行商品というのが中心になってまいりますので、予約が確定し始めるのは3月下旬ごろからということで、現時点でははっきりとした動向を把握することは難しい状況にありますが、一部の観光施設から聞き取りをしたところでは、教育旅行の動向など不透明な部分がございますが、それ以外の団体ツアーの問い合わせは増加していると聞いているところでございます。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。これまで本当にDCについては三十数年ぶりということで、最初、2年ぐらい前から準備が始まったと思うんですけれども、県の中でも、事業者の中でも、また市町村でも、なかなか経験した方がいないという中で準備がなって、震災があって、また一から準備をやり直すということで、関係各位の皆さん、特に観光課の皆さんには大変御苦労されたと思うんですけれども、その中で、沿岸も復旧のために入れたいということで、エージェント向けのリリースの時間も迫っている中で、ぎりぎりの中で調整をしていただいて、パンフレットにも六魂祭や復興バスツアーというものも入れていただく中で、予約のほうも、一部には6割増という話も聞いておりますので、そのような形で結果に結びつけつつあるというところで、本当に敬意を表させていただきたいと思います。
 その中で、今回のDCの目玉の一つであります復興バスツアー、周遊型の観光バスについて伺いたいと思うんですが、先日の政策地域部への質問の中でも二次交通について伺ったところ、沿岸の地区の鉄道について、被災している部分の代替バスもなかなか乗り継ぎについて、また本数について不十分であるということで、平泉から観光客を沿岸のほうにという目標の中ではこの復興バスというのが大きな頼りであると思っていますが、実際にこのDCが終わってからもぜひ継続が望まれるわけでありますが、その可能性についてどうでしょうか。
〇戸舘観光課総括課長 復興応援ツアーについてでありますけれども、今回、陸前高田・大船渡、それから、遠野・釜石、龍泉洞・北部陸中海岸、こういった3コース準備しておりますが、いずれも、将来的に継続をしていただきたいという前提で提案していただいたものでございます。
 いずれのコースもDC期間後の夏季あるいは秋季まで運行する予定となっておりまして、この間の利用客をできるだけ確保いたしまして、定着を図っていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 きのうの話の中でも、やはり岩手の観光のためにも鉄路での復旧というのが沿岸の鉄道に望まれるというところを中心に話をさせていただいたわけですが、その中でも、やはり本格的な復旧までこの復興バスというものを継続をしていくように、この期間中に実績をつくって頑張っていただきたいと思います。
 また、そのような二次交通の状態にあって、これから、長きにわたってお客様に県内を周遊していただくためには、一つには、限られた二次交通をどうやって有効に使っていくかというところがあると思います。それについては、私見ではありますが、何時何分の東京発の新幹線に乗って、こういうコースをとれば、待ち時間もなく周遊できるよという細かいモデルコース、あとは、時間があいたらここを見ればいいですよという一歩踏み込んだモデルコースの造成も必要だと思います。また、やはりこういうような二次交通の流れというか二次交通の状態を抱えている岩手県としては、他県に比して、より団体ツアーまたは募集型のツアーに力を入れていくべきとも考えますが、その2点についてお願いいたします。
〇戸舘観光課総括課長 二次交通をできるだけ有効に使いたいということでありまして、いわてDCに向けて、全国のJR主要駅に配架する全県のガイドブックですとか、あるいは県内の主要な駅、観光案内所などに配架する県内4エリアごとのガイドブック、これらに二次交通の情報を掲載してございます。また、そのエリア内の観光周遊に関しては、このガイドブックの中で一部モデル的なものも提案させていただいているところでございます。
 それから、二次交通情報という意味では、スマートフォンですとか携帯電話を活用して、本県の観光情報を提供する携帯サイト、いわてモバ旅ナビというものを設定いたしまして、県内観光地への列車のルートですとか、乗車、到着時刻、こういった案内情報を提供しているところでございます。
 それから、団体、ツアー客の増に向けた取り組みということでありますけれども、ちょっと特徴的なところで申し上げますと、今後、地域が主体となった観光、地域発の観光というものを促進していかなければいけないと思っていますが、今回、防災学習などの震災の経験を生かした、特に教育旅行で取り上げていただきたいような、そういった新たな着地型商品の企画、造成への支援ですとか、それから、これまでの対象地域に加えて、近隣県からの教育旅行の誘致拡大を視野に入れた学校あるいは旅行会社といったところへのセールスというものを、このDC期間あるいはそのDC後を通じて展開してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 いずれ、そのような形で取り組んでいただきたいと思いますし、また、二次交通については、やはり本数が少ないという弱点がありますので、それを補うためにも、先ほどからおっしゃっていただいたモデルコースについても、ぜひ進めていただきたいと思います。
 団体旅行については、おっしゃるとおり、やはり特徴的なコンテンツを提案していくことが大事だと思いますので、震災関連のことも、または、今、盛岡市でも街コンなどもやって、とても盛り上がったと聞いておりますが、そういうような形で、例えば地域の人たちと交流するような、街コンならぬ観コンみたいな、そのような取り組みもおもしろいと思いますし、ぜひいろいろ知恵を出しながらソフトの開発に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、話題を変えまして、商工業者の放射線に関する現在の状況をお聞きしたいと思います。
 今、農作物等々の放射線の被害について、風評被害、また、かかり増し経費について話題となっておりますが、商工業者についても、検査等々のかかり増し経費や風評被害等の被害が発生していないか、その点について、県では把握なさっているかお聞きしたいと思います。
〇飛鳥川商工企画室企画課長 商工、観光業者の被害につきましては、各種商工団体のほうを通じまして、事業者のほうにアンケートをとっていただきました。その結果でございますが、12月末現在、放射線量の検査費用、また検査機器の購入といったようなかかり増し経費として9、000万円、そして、風評被害として19億600万円、合計として19億9、600万円と報告されております。
〇佐々木朋和委員 そのような中で、賠償については、県南のほうでもいろいろと説明会などが開かれているわけですけれども、それについては個人の会社ごとで対応しているということも聞いておりますが、それを集約していくのか、その辺についての団体としてまとまってやっていくのか、また個人でやっていくのかというところをどういうふうにしていくのかというところで迷っている業者もいると聞いておりますけれども、その辺についてどうでしょうか。
〇飛鳥川商工企画室企画課長 まず、県南地域で開催されました説明会でございますけれども、こちらのほうは、奥州市、そして一関市の主催によりまして、内容的には、東京電力の職員を招きまして、幅広く農業とか商工、そしてまた観光業者、こういった事業者の方を対象にして行われたと伺っております。県におきましては、1月10日に、先ほど申しました商工関係団体を対象に、また、同様に東京電力の職員を招いて説明会を開催したところでございます。
 賠償請求の手続につきましては、個別事業者または事業者の団体などの直接被害者が東電のほうに請求をすることとされておりまして、既に請求を行っている事業者もあると伺っております。県といたしましては、これら損害賠償請求が迅速に行われるよう、また、既に請求されている賠償が迅速に進むよう、相談窓口の紹介、また請求書類の記載、こういった助言など、必要な支援を行っていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、その辺の対策をしていただきながら、これはわかっていただきたいんですけれども、なかなか放射能については、商工業者のほうでは、騒ぐとさらに風評になるのではないかということで、食品加工の方とか、または廃棄物について放射線の心配があって、いつもよりかかってしまうという方々がいるわけですけれども、なかなかその声を出せないということもあるようですから、ぜひそういう団体を通じて、もしくは県でも、直接に状況把握に努めていただいて、対応していただきたいと思いますので、お願いして、終わりたいと思います。
〇飯澤匡委員 大きく3点について伺います。それでは簡潔に、観光について。
 平泉観光振興事業等について伺いますが、最初の質問は、これは所管は教育委員会かと存じますけれども、おかげさまで世界遺産の登録が成りました。これから、先ほど来議論がありますデスティネーションキャンペーンも含めて、さらに観光産業として大きな種としてそれを育成する必要があると思います。
 追加遺産認定、これは主管でないのは存じ上げていますが、これらを含めた戦略をどのように商工労働観光部でも認識をしながら進めようとしているか、その点について基本的な認識、また、これからの取り組みについてお聞きしたいと思います。
 それから、やはり国際観光となりますと、各国、英、中、ハングル等の案内板の設置、現在の取り組み状況と今後の方向性、予算づけの方向性について、まず伺います。
〇戸舘観光課総括課長 まず、第1点目でありますけれども、平泉が世界遺産登録になりまして、今、お客様が大変たくさん入ってきていただいております。まずは、そういう中で、この世界遺産登録の効果というものを将来にわたってできるだけ維持、拡大していくような、そういう取り組みをしていきたいと。そのために、平泉町あるいは周辺市町村と一体となって取り組んでいきたい、これが基本的な考えでありますし、そういった環境を整えていくことが、将来的な追加認定ということにもつながっていくのではないかと考えております。
 それから、案内板の設置状況でありますけれども、平成3年度から12年度にかけて整備いたしました全県観光案内板が74基ございますが、このうち英語表記のみにとどまっているものが30基、外国語表記のないものが44基ございました。
 これらについて、平成21年度から22年度にかけて17基の表記を更新いたしまして、中国語の繁体字、簡体字、ハングル語、それから英語、これらを表記した案内板といたしまして、世界遺産登録を見込んで、平泉周辺あるいは内陸の本線沿いの拠点駅等を優先的に更新してきたところでございます。
 この観光案内板につきましては、東日本大震災津波によりまして沿岸部の観光施設等が被災しまして、全県の案内板でありますので、今年度及び来年度については更新を見送ったところでございますけれども、今後、沿岸部の観光施設の復旧状況等を踏まえて、計画的に多言語化を進めてまいりたいと考えております。
 また、これとは別に、県内を6ブロックに分けて、ブロック内の案内を表示する総合観光案内板というものがございますが、こちらは平成11年度から17年度にかけて、英語、中国語、ハングル語を併記いたしまして40基整備しているところでございます。
〇飯澤匡委員 2月に世界文化遺産の認定式がありまして、当該選出の県会議員も御招待いただいたわけですが、そこでユネスコの事務局長がおっしゃっていたのは、やはり精神文化たる平泉、そして東日本復興からの平泉の資産の価値を高めていくということをかなり力説されておりました。
 やはりいろいろな教育機関との連携も必要だと思いますので、ぜひとも観光産業という一つの局面、面だけではなくて、そこに住む方々にももう少し平泉の価値を高めていくというのを同時に進めていただきたいということで、これは要望にとどめておきます。
 2点目、岩手の被災企業向けのさまざまな諸施策についてお伺いします。
 ただいまたくさんの委員からもお話が出ました。私は、岩手産業復興機構について、先ほど答弁の中では、買い取りは1月末から全然動いていない状況、2件にとどまっているという状況でございます。そして、現在30件の事業者の、これから続いていくだろうというような推測がありました。
 私自身、この考察をいたしますと、やはり金融機関自体も大変なリスク管理債権が増加している中で、自分たちの利益を確保するために、こういう大変優良な資金の枠はあっても、最終的には、そこの自分たちの立場に立った形で資金の融通をするのではないか、最終局面はそこにあるので、どうもなかなか達成しないのではないかと。
 先ほどいみじくも事業者の財務改善を図ると、いわゆるそこが調整だと思っております。そもそも沿岸の方々の企業は、なかなかこの厳しいマーケットの中で容易でない経営をなさっている方々も、零細な企業の方も多かったわけでございますので、今回の特に岩手産業復興機構による被災企業向けファンドは、震災前の健全経営で一時的に債権を凍結すれば再建できるというのが、やはり大きなネックになっているとも報道されております。そこのところを払拭しないと、これはなかなか前に進まないのではないかと。
 私も、いろいろな県の企画した制度資金等を今までも見てきました。経営革新のものとか、政府系金融機関から紹介されるんですが、いまだかつてなかなか使い勝手のいいものというのは出てこなかったという印象もあります。何かそれを、ずっとその延長上で行っているのではないかという危惧といいますか、そういう心配をするわけですが、今後、ただいま30件以上の成約寸前のものがあると答弁がありましたけれども、そもそもたる根本をどういうふうに認識しているのか。県が、この二重ローン対策のために、本当に県の役目は何なのかということが一番大事かと思うんですが、その点について御認識を賜りたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 岩手産業復興機構でございますけれども、当初、やはり初めてのものといいますか、立ち上げるということについて、いろいろ国あるいは金融機関との調整をしながら立ち上げたということでございまして、発足当初は、産業復興機構の立ち上げがそういった経緯もあったということで、現地の相談事務所におきましても、企業の過去の経営状況などを踏まえて慎重に対応したといった事例も確かにあったようでございます。ただ、現在は、相談センターのほうでは財務内容にかかわらず広く対応しておりまして、買い取りのみならず、その債権者の調整あるいは再生計画の作成などというものを支援しております。
 先月、そのセンターの中に事業計画を策定するための支援グループも立ち上げております。やはりそういうことをしながら、企業が、買い取りだけではなくて、再生するためには、事業計画がしっかりできて、それを見て、金融機関のほうも新規の融資ができれば、買い取りをしなくても、それでいわば必要な資金が調達できるということもございますので、そういうことをセンターのほうも積極的に行うということで対応していっているものかと思います。
 県の役割といたしましても、私どももそういったセンターの活動を、毎週定期的に会合をやっておりますので、私どもも参画しながら、その運営についても協力していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 相談に来る企業の方々は、やはり少しでも早く再建したいという意欲の強い方だと思います。きょうのNHKの朝の報道によりますと、民間調査会社の調査で、岩手県は約16%の会社が事業の継続を断念する、それぐらいの数の方がというような報告もございますし、事業を継続したいという方々には、いち早くその血液となる資金を回していかなければならないと思います。
 部長もおっしゃったように、ここまで、11月に立ち上げて、3月の時点でこうなっているという状況が、確かに被災地のまちづくり計画もこれは関連していますから、なかなかそういう踏ん切りがつかない部分もあったと思います。そういう経営者のマインドもあったかと思うんですが、先ほどありました計画をつくる部分について、県はもう少し大きく働きかけないとなかなか前に進まないと思うんですが、部長、どのような考えでいらっしゃいますか。
〇齋藤商工労働観光部長 買い取りという実績が2件にとどまっているということについては、私どもも実は大変申しわけないと思いますし、もっともっとふえていかなければならないと思っております。
 いろいろ聞き取りをしております。それで、これはもう再三答弁しておりますが、相談者が216社ということで、前の答弁でもしましたけれども、少なくとも半分は、いわゆる窓口である復興相談支援センターのほうできちんと対応して、買い取りに至らないで一応お帰りいただいているという話は伺っております。
 ですので、買い取りだけがすべてではなくて、企業の少なくとも財務相談、財務改善、あるいは別の金融機関への紹介というものも経て、買い取りに至らない事例も出ているのではないかということでございますので、必ずしも買い取りの結果がすべてではないのかなという気もしております。
 ただ、現実問題として、二重債務を一刻も早く解消して、そして、次の事業展開のための資金繰りを非常に円滑にするという目的からしますと、まだまだ足りないと思っております。ただ、これも答弁していますが、少なくとも30件は買い取りの準備に入ってきているということも聞いておりますので、私どもはセンターのほうとも連携を密にしておりますし、もっともっと買い取りのスピードあるいは対応スピードを上げてくれということは申し入れしております。
〇飯澤匡委員 そこはしっかりやっていただきたいと思います。
 先ほど東日本大震災の事業者支援機構についても、条件が、金融機関が被災事業者に新規融資を行うことというような条件もついているようでありまして、そういうことで、一つ一つ不安を取り除いていかないと、ただでさえ不安な状況でありますので、そこら辺のサポートは、私は、県がしっかり下支えしなければならないと思います。その点についてしっかりやっていただきたいと思います。
 最後は、海洋エネルギーの調査についてまとめてお伺いします。報道による部分がソースでありますので、それをもとに質問しますが、ブロックを五つに分けて調査を行うということでございますので、その5ブロックのどの地点を分けてやるのか、具体的に示していただきたい。
 それから、業務委託予定である大学や民間研究機関の今後の誘致に向けて、やはりこの機関との連携というのは、今からしっかりしておかなければならない。私はその連携をしっかり想定をして今後に結びつくということが非常に大事だと思います。先ほどの答弁では、思いは持っているけれども、具体的なことが示されませんでしたので、今の想定している部分だけでも結構ですから示していただきたいと思います。
 それと、あわせて海洋エネルギーと再生エネルギーをつなげる産業を創出するという観点、これは非常に大事だと思います。特区制度もどの程度ここに入り込んで生かしていくのか、そういう戦略形成が必要と考えますが、その点についてのお考えを示していただきたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 まず、5ブロックについてですが、これにつきましては、取材当時、県北の洋野町、久慈市エリアから陸前高田市までの三陸を大きく五つに分けて調査をしたいという意向を伝えたものでございまして、具体的な調査地点はまだ決まっている状況にはございません。今後絞っていく、あるいは決めていきたいと思っております。
 それから、委託等の大学、研究機関等との連携、それから誘致でございますが、若干先ほども触れさせていただきましたが、委託先につきましては、さまざまな経験のある、相応の実績がある調査研究に精通した企業でありますとか、大学でありますとか、公募を想定しております。
 その結果を受けて調査報告書をつくっていただくことになりますが、現時点でも国の海洋政策本部の動向、担当者とのパイプづくり、あるいは国内の第一線級の研究者とのネットワークづくり等々をやっておりますので、そういった流れの延長線上で調査もできると考えております。こういったつながり、あるいはさまざまな助言をいただくような関係づくりから、幅広い層で岩手を支えていただくような関係づくりをしていきたいと思っております。
 それから、産業創出でありますが、やはり再生可能エネルギーにつきましては、発電事業、発電事業者の誘致のみだけではなくて、地域の産業振興ということが非常に大事だと考えております。
 海洋再生可能エネルギーにつきましては、現時点ではまだ開発段階でございます。ですので、その開発を行う研究拠点といったものをつくって、そのつくった成果を地域の産業に生かしていくというような計画的な取り組みをしたいと思っております。例えば、風車等発電装置の製造拠点ですとか、地域の利益とつながった産業といったものをぜひともつくっていきたいと思っております。
 いずれにしましても、これから国の動きがさまざまありますが、それに呼応して、おくれることのないよう、情報収集あるいは必要な行動を行って、拠点づくりに努めていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 私からも大きく3点質問したいと思いますが、重複している点もありますので、割愛しながら質問させてもらいます。
 第1点目は、革新的医療機器創出・開発促進事業費についてでございますけれども、まず最初に、この具体的な内容をお示しいただきたいと思います。
 そもそも革新的医療機器とは何ぞやということなんです。なかなかイメージがつかめませんので、県が考えているこの中身、具体的にはどういうことを、あるいは今、事業を展開するに当たって、具体的にそういう形にしようとするものが出てきているのかどうか、その点についてお伺いしたいのと、そして、従前に、もうこれまでも医療機器産業の推進については取り組みがされておりますけれども、これまでの取り組み事例等の関係から言えば、今回のこの新たな取り組みとの関連性といいますか、その内容はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
 それから、2点目は、デュアルシステム型被災者等ものづくり技術習得支援事業費についてでございますが、沿岸被災地を中心にして行うということで資料等に説明があります。具体的に、改めてこのデュアルシステム型の事業内容と、そして、実際に実施対象等となる職種やその沿岸企業とのマッチングがどのようになっているのか、その点についてお示しください。
 それから、これまでも、今回の被災前から県内雇用対策の一環としてはデュアルシステムの事業が行われてきた経過がございますけれども、それらの取り組みは従前のとおり、県内全域をカバーした取り組みが一方にあって、この新たな取り組みとして被災地だけに特定したデュアルシステムの事業推進なのかどうか、その点についてもお聞かせいただきたいということです。
 あと、3点目は、今、飯澤委員からも御質問がありましたので、私からは、産業再生に係るいわゆる事業推進、環境生活部を中心にした発電事業を対象にした取り組みとは別に、やはり商工労働観光部とすれば、産業としてどう県内の雇用に結びつけるような柱として位置づけていくかということが重要になろうかと思いますけれども、県内において、そうしたものづくり産業として具体的な実態というか関連する事業所等がどの程度あるものなのか、あるいはそういった可能性はどういうふうに押さえられているのか、その点についてお示しくださいということです。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 まず、革新的医療機器創出・開発促進事業につきまして、何点か質問がございました。
 まず、この事業内容でございますが、国の平成23年度第3次補正予算におきまして、厚生労働省が医療機器創出を通じた東北地方再生を目指すということで、東北発の革新的医療機器創出・開発促進事業という─ちょっと長い事業名ですが─措置をしまして、被災3県、これは岩手県、宮城県、福島県ですが、それぞれ、岩手県には14億円、宮城県には15億円、福島県には14億円、計43億円を措置すると。これは平成24年度から4年間、平成27年度までの予算ということで措置されたものです。
 本事業の性質なんですが、革新的医療機器創出促進等臨時特例交付金という交付金の形で、県の地域医療再生臨時特例基金というこれまである基金のところに、今回のこの開発促進事業の岩手県分の14億円が上乗せされるという形で予算が参ります。
 同基金を財源といたしまして、この制度のスキームですが、医師による主導的な事業推進を行うことができる機関、これは、岩手県で言いますと岩手医科大学になろうかと思いますが、そこでの企業及びほかの大学等との連携による革新的医療機器を開発する事業というものに県の基金から補助するという、やや複雑なお金の流れと事業の流れになりますが、国から基金に入ってきて、その基金を使って治験を要する機器に県が補助するというような形になっています。
 それから、革新的の意味なんですが、実はこれは平成19年4月に文部科学省、厚生労働省、経済産業省によりまして革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略というものが出されておりまして、このときに革新的という言葉が使われています。改めて国のほうに確認いたしましたところ、革新的というものは、いわゆる新しいという意味で用語を使わせていただいているという確認をとりました。私どもとすれば、この事業を生かして、岩手県から医工連携で医療機器の開発ができるように支援していきたいと考えております。
 それで、従前の取り組み事例ということですが、医学系の大学側の主導で治験を得られる医療機器という開発は、岩手県ではこれまではございません。今回新しい取り組みということになります。
 それから、デュアルシステム型被災者等ものづくり技術習得支援事業につきまして、具体的な内容につきましてですが、震災に伴う離職者等を県内企業が一時的に雇用した上で、教育訓練機関を活用しながら、講義等のOFF竏窒iT、現場実習等のOJTを実施しまして、ものづくり技術を習得することで、沿岸地区の産業復興を担うものづくり人材の育成と雇用の確保による生活再建。実際、この事業を通じて、私どもとすれば、沿岸地域の技術者の流出もとめたい、県内にとどめたいという思いがございます。こういうことでやらせていただいております。
 実習対象のいわゆる職種、沿岸とのマッチングでございますが、今回のこの事業につきましては、ものづくりを中心に、特に分野は定めずに、被災地域で仕事を失った方が、内陸で一時雇用もされながら、技術を持って沿岸に帰っていただくというような趣旨で事業を行っておりますので、特段職種を云々ということは行っておりませんということで進めております。
 それから、従前のデュアルシステムとの相違でございますが、私どもとすれば、研修先、受け入れ先企業が被災求職者を雇用して賃金を支払うというシステムと、住居手当も手当てするというような形で進めておりますし、日々のOJTによるものづくり技術の効果的な習得が得られるということが、これまでと違うのではないかととらえております。
 それから、再生可能エネルギーにつきまして、実際、県内の事業所等はどうなっているかという点でございますが、県におきまして承知しているところでは、風力発電の駆動系部品の製造あるいは太陽光パネルの生産などを行う企業がございます。
 やはり本県は、自動車、半導体、医療機器等ものづくり産業を振興する中で蓄積された技術、得られた成果等々は、こういった分野にも活用すべきと考えておりますので、できるだけ企業誘致もあわせながら、新しいものをつくる段階での参画等々を支援してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 まず、1点目の革新的医療機器創出・開発促進事業費、言葉はすごく仰々しくて何が始まるのかなとも思ったんですが、いずれ、これまでの事業と違って、そういった専門的な知見を生かして医療機器の開発を進めるということなんですけれども、この間も、県内の製造業の中で、いろいろとこの医療機器分野にやはり進出しようということで取り組んできた事業所等があるわけですけれども、実質なかなか、やはり医療機器という分野においては、単に機械の部品をつくるのと違って、何せ人の体の中にかかわる部分があったりとか、命にかかわる部分もありますので、非常にハードルも高くて、地元のそういった製造業の中でも、新たに参入していくのに大変苦労されているという声も実は聞いております。
 そういう意味で言うと、今回、こういう専門家、まさに医師の指導や、あるいはその知見をいただいて、その中で連携をとっていくという部分は、ある意味、期待も大きい部分があるんですけれども、これまで行われてきている県内のそういった事業所、企業のいろいろな声や要望等も踏まえて取り組む必要があると思うんですが、その辺の考え方についてお伺いしたいと思います。
 あと、デュアルシステムの取り組みについてはわかりましたが、いずれ今回のこの予算措置から言うと、対象人数はどのくらいになるのか、そして、これは研修期間というか、もう少し細かい制度的な中身を教えていただければありがたいと思います。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 まず、医療機器につきましては、やはり委員御指摘のとおり、ハードルが高いという声が現場にはございます。そういう意味では、今はOEMということで、相手先ブランドで、県内でものをつくって、ブランドをほかのもので出しながらということで、県内にはそういった動きがございますし、最終製品ではありませんが、部品のところでかかわるという企業も徐々にではありますがふえてきております。ただ、やっぱりハードルが高いという声があるのは事実であります。
 今回の革新的な医療機器の開発に当たりましては、どうしても最終製品をつくるということで、大手企業とのつき合いということが事業の中で出てくるということがございますが、実際に大手が入っても、つくる一部の部分でも地元企業に参画してもらう等々、これは医大の検討の中でも、地元企業の参画をということで話をさせていただいているところでございます。
 それから、デュアルシステムにつきましては、平成24年度は20人を想定しております。それで、期間につきましては6カ月プラス延長と考えておるところです。
〇嵯峨壱朗副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時47分 休 憩
午後3時7分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇高田一郎委員 私は、まず最初に、失業者の実態と被災事業者の再建問題について質問いたします。
 この1月から失業保険が切れ始めておりますが、年度内に受給期間が満了となる失業者、また、今後の推移を県としてどうとらえているのかについて質問いたします。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 雇用保険の受給期間満了の状況でございます。
 岩手労働局によりますと、延長給付の受給者の方は、昨年10月から本年1月までの4カ月間で1、213名の方が延長給付を受けられているということでございます。
 2月17日現在で就職された方が216名、それから支給を終えられた方が162名、それから受給中の方が836名ということで、今後、この836名の中から順次終了される方が出てくるものと考えております。
〇高田一郎委員 延長給付の受給者が1、213人に対して就職が216人、支給中が836人ということになりますと、就職に結びつかないということになりますと、かなりの失業者が増大するということが懸念されるわけです。きのうも新聞、マスコミでも報道されていましたが、800人ぐらいになるのではないか、そういう報道もあります。
 そこで、やはり家族を支える安定した収入と仕事の確保というのは待ったなしの課題だと思います。こうした、失業保険が切れている、あるいは失業者に対する雇用対策を具体的にこれからどのように対応しようとしているのかについてお伺いしたいと思います。
 今、就職されている方の中でも、短期雇用など不安定雇用のもとで働かざるを得ないという状況になっています。ですから、私はやっぱり正規雇用につながる対策とともに、つなぎ雇用についても収入全体の底上げが必要になってくると思うんですけれども、今後の雇用対策にどういう視点で取り組もうとしているのか、このことについてもお伺いしたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 雇用対策といたしますと、まずは産業復興、それから産業再生支援による本来的な雇用の創出というのが第一と考えております。そのほか、それを補うということから、雇用対策基金を活用いたしまして引き続き短期の雇用確保を図るとともに、今般、提案しておりますが、事業復興型雇用創出事業による長期かつ安定的な雇用を創出してまいりたいと考えておるところでございます。
〇高田一郎委員 では、具体的な事業についてお聞きしたいと思います。
 今お話ありました事業復興型雇用創出事業、新年度には350億円の予算が計上されています。これは平成23年度のグループ補助対象事業者─約300社ですけれども─を対象に取り組むことになると思いますけれども、これは、取り組みいかんによってはかなりの雇用の拡大につながるのではないかと思っています。これは対象企業にどれだけ徹底されて、今どういう状況になっているのか、これについてお伺いしたいと思います。
 同時に、今度の予算書を見ますと、事業復興型雇用創出助成金支援事業ということで5、900万円予算措置されています。これは確実に助成対象企業への相談を通じて新規雇用を促進するという事業内容になっていますけれども、この中身も含めて説明していただきたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 現在の事業復興型雇用創出事業の状況でございます。
 2月6日から申請の受け付けを開始しておりまして、県内4カ所─沿岸4地域でそれぞれ説明会を開催してございます。その上で、助成対象となりますグループ補助金の受給者約300社に対しては直接申請書類等を郵送いたしまして、ダイレクトメールを出しまして直接的に申請ができるように措置しております。
 現在の状況でございます。きのう現在で相談件数は大体130件程度でございます。申請件数は6件というような状況でございます。
 それから、事業復興型雇用創出助成金支援事業の中身でございます。
 今回の事業は相当多数の労働者の雇用創出にかかわる事業でありまして、申請内容が、ある意味事業者の方にとって非常に事務負担もかかるという部分がございます。そういった意味で、民間の事業者に委託いたしまして、申請の相談でありますとか支援でありますとか、そういったことを県と連携しながら、窓口を広げてやっていこうというようなものでございます。
〇高田一郎委員 冒頭話しましたように、取り組みいかんによっては確実に正規雇用の拡大につながる中身になっておりますので、ぜひ対象となる企業には徹底していただいて、正規雇用の拡大につながるように取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、被災求職者等雇用・人材育成事業、新年度予算には10億5、000万円の予算措置がされています。平成23年度と対比しますと2億円を増額した予算措置になっています。これは私、2月補正予算審議でも質問いたしました。どれだけの正規雇用につながるのかという質問に対して、6割ぐらいになるのではないかというお話でありました。この6割ぐらいの根拠というのをお示しいただきたいと思います。
 平成23年度の事業内容を資料として当局からいただきました。この中身を見ますと、15の事業所に委託して、469人の雇用を予定しているという話でありました。その委託された中身をずっと見ますと、15事業所の中で、地元の企業が8社、ほかは県外、東京都とかそういうところになっております。介護関係の事業者もありますけれども、人材派遣会社がかなり入っております。本当に正規雇用に結びつくのかということが少し懸念されるわけでありますけれども、平成23年度取り組んでどのような総括をしているのかということもお聞きしたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 被災求職者の人材育成事業についてでございます。
 平成23年度10月から事業を実施しておりますけれども、先ほど6割の根拠ということでございますが、これは、この事業とはまた別に、昨年、春先に就職が決まらないで学校を卒業された方々を対象といたしまして似たような事業をやってございます。若年者の方の継続雇用の率が大体6割ということでございまして、恐らくこれ以上はいくのではないかということで、これを根拠としているところでございます。
 それから、県外の企業もあるのではないかということでございますけれども、一応契約上は、盛岡あるいは岩手県内に、県とすぐ連絡がとれるようなところに営業所等を設けるようにというようなことを契約条件といたしておりますので、そういったことで、県外に本社のある企業もございますが、基本的には県内に事業所を持つところということになります。
 それから、派遣会社が多くて大丈夫かというようなお話がございましたけれども、基本的には、派遣会社が一たんは雇いますが、派遣会社の中で一定のスキルをつけていただきまして、その上でどこかの事業所に行っていただいて実習として働いていただくと。例えば、介護関係であれば介護関係のスキルを身につけていただいて、施設に行って、それでその施設でマッチングしたということになれば継続的に勤めていただくというような事業でございまして、決して派遣労働者をふやしていくというような事業ではございません。
〇高田一郎委員 これは平成23年10月から委託期間がことし3月までということで、これからこの事業が本当にどれだけ正規雇用につながったのかも含めて、2億円もふやして10億5、000万円という大きな事業でありますから、やはりきちっと総括をして対応していっていただきたいと思います。
 次に、被災地での要介護者が増大しているもとで、非常に介護に対する需要が高まっていると思います。私も予算特別委員会の総括質疑でこの問題を取り上げたんですけれども、被災地での要介護者の増大とともに、介護施設の被災などで有効求人倍率も非常に高いということも指摘されております。この点についても、実態がどうなっているのか、あるいはその雇用対策も含めてお示しいただきたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 被災地における介護職の有効求人倍率の実態でございます。
 フルタイム、パートを合わせました介護関係職員の有効求人倍率につきましては、沿岸四つのハローワーク管内で、倍率とすると0.88倍となってございます。介護職以外も含めた一般的な有効求人倍率でいうと沿岸4所で0.69倍となってございますので、全体の倍率に比べれば高い状況となってございます。
 それから、雇用対策ということでございます。
 これは県だけではなかなか難しい部分もございますけれども、実態として人手が足りないという部分もございます。そういった面では、賃金等の労働条件がなかなか合わないというような背景がございますが、県といたしますと、雇用ニーズが多い分野でもございますので、引き続き委託訓練等を活用しながら、被災求職者が介護職に必要な資格あるいはスキルを身につけられるように支援してまいりたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 次に、被災した事業所の再建についてお伺いいたします。
 これも前段、他の委員の方からたくさんの議論がありました。まず、グループ補助についてお伺いしたいと思います。
 まず活用状況でありますけれども、今回、4分の3補助ということで、これまでにない画期的な施策ということで大変被災地から歓迎されている事業だと思います。
 そこで、実際この事業を導入して再建される方々は、4分の1負担しなければならないということで、この事業を断念したり、あるいは事業そのものを縮小したり、そういう事例はないのかどうかということをお聞きしたいと思います。
 さらには、先ほどの議論の中で、実際は大きな企業だけこの事業を導入しているのではないか、零細企業はなかなかこれに乗れないのではないかというような議論もありました。本当に零細企業は活用されていないのかどうか、その実態についてももしわかればお示しください。
〇松川経営支援課総括課長 まず、自己負担で断念しているというお話ですけれども、申請されている中で採択した企業ということで申し上げますけれども、自己負担が確保できないということで事業を断念したというような事業所については今のところ承知してございません。
 それから、零細の企業は対象にならないのではないかということでございますけれども、復興事業計画を策定していただく中で、中小企業の皆さんにグループを編成していただくということになっております。企業の規模を特に限定しているわけではございませんので、小規模の事業者もグループを編成して採択されるということはあろうかと思います。今、特に事業規模によってどうかというのは手元に資料がございませんので、こういったことかと思います。
〇高田一郎委員 もちろん中小零細企業も含めてこの事業が活用できるというのは私もわかっているんですが、実態として、事業の再生計画もつくらなければならない、その申請にもかなり膨大な時間がかかってしまうとかさまざまな課題があって、実際は、結果として零細企業がこの事業を活用できていないのではないか、そういう心配もありますので、そこはよく実態を調査して適切な対応をしていただきたいと思っています。
 150億円の予算措置が今回されました。これは、早く募集を行って、再建を急いでいくということが大事だと思います。午前中の質疑を聞いていますと、まだ公募の時期が示されていないとか、そういうお話がされましたけれども、やっぱり対応がおくれてしまうとどんどん再建がおくれてしまう、あるいは事業が休止してしまう、そういうことにつながってくるわけでありますから、この事業を早く実施してほしいという立場で質問するわけですけれども、今後のスケジュールはどうなっているのかということをお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 被災県を対象にした事業でございますので、本県だけということではなく、一斉に公募が開始されると考えております。国から具体的なスケジュールがまだ示されておりませんので、予算の成立とか、そういったこともあろうかと思いますので、いずれ国から日程が示されたならば、現地での説明会などを開催いたしまして事業者への周知を図ってまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 第3次の決定金額などを見ますと、申請金額362億円に対して決定が202億円ということで、これだけでも160億円ぐらいの差があるわけです。まだまだこのグループ補助を活用して再建したいという事業者はたくさんあるのではないかと思うんですが、それはどの程度を見ているのか。もちろん国に対して増額を要求していくということも必要だと思うんですが、その点についてもお伺いしたいと思います。
 また、平成24年度のグループ補助の事業については、現在、公募日程が示されていないというお話ですけれども、これは新年度の予算にも、国会を通過したわけではありませんけれども、それを前提として公募時期を早く示して対応する必要があるのではないかと思うんですが、今の段階で公募日程が決まっていないというのはちょっと問題ではないかと思うんですけれども、いかがですか。
〇松川経営支援課総括課長 応募の見込みでございますけれども、今のところ日程の問い合わせなど事業者の皆さんからございますけれども、見込みについては、当然公募しなければどれぐらい申請があるかというのはわかりません。
 それから、公募日程につきましては、先ほど申し上げたとおり被災県が一斉に行うものでございますので、国でスケジュールを示した上で取り組む格好になろうかと思います。
〇高田一郎委員 今、国が公募を行うという話でありましたけれども、早く公募ができるような状況になるようにぜひ国に強く働きかけていただきたいということを申し上げたいと思います。
 次に、仮設工場や仮設店舗の状況についてお伺いいたします。
 現時点での仮設工場、仮設店舗の事業の開始状況、そして見通しについてもお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 仮設店舗、工場につきましては、中小企業基盤整備機構で事業を実施しておりまして、県内の194カ所で事業実施が決定しております。そのうち160カ所で着工しておりまして、完成したものが124カ所とお聞きしております。さらに今月中に20カ所程度が完成する見込みと聞いております。
〇高田一郎委員 そうすると、残りはいつごろ完成する予定なのでしょうか。
〇松川経営支援課総括課長 標準的な工期をお聞きしましたところ、着工からおおむね2カ月程度と聞いております。ということで、残りのものにつきましても順次完成していくものと理解しております。
〇高田一郎委員 この仮設店舗、仮設工場ですけれども、仮設住宅は2年、そして延長ができるというのがありますけれども、仮設店舗については期間というのは限定されているのか、その辺についてもお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 中小企業基盤整備機構の仮設ということで構築物をつくっておりますので、建築基準法上の規定によりますと2年以内ということになっているようでございます。
〇高田一郎委員 阪神・淡路大震災のときも仮設店舗や仮設工場というのがあったと思うんですが、そのときはどのような対応をされたのか、もしわかれば示してください。
〇松川経営支援課総括課長 阪神・淡路大震災の際には、機構によるような事業はございませんでした。ただ、兵庫県と神戸市が基金をつくりまして、それで商店街に対する補助ということで支援を行ったということは聞いております。その際の店舗の使用期間は4年程度と聞いております。
〇高田一郎委員 仮設住宅と同じように2年間で終わるというのは、やはり大きな課題を残すと思うんです。実態に合わせた使用期間の延長ということを国に求めていくべきだと思いますし、同時に、仮設住宅もそうですけれども、仮設住宅から出た後の住宅再建をどうするかということでさまざまな議論がありましたけれども、仮設店舗についても同じだと思うんです。例えば、2年間、3年間で新しい店舗をつくって再建できるんだろうか、そういう不安もこれから出てくると思うんです。そういう点では、そういった事業者、商店の皆さんの不安の解消にこたえるような支援策も今から準備していくべきではないかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇松川経営支援課総括課長 いわゆる特区によって延長していくという方法があろうかと思います。ただ、これにつきましては、市町村で行うのか、あるいは県と市町村が行うか、その手法はちょっとわかりませんけれども、そういった手法がとれるかと思います。
 現時点では、まだ建てたばかりでございますので、例えば2年程度たったときにその時点での特区申請というような手続が必要になるかと思います。
〇喜多正敏委員長 高田委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇高田一郎委員 まだ30分たっていないんですけれども。
 最後に、二重ローン対策についてお伺いしたいと思います。
 先ほども議論されました。被災事業者を支援する仕組みができても、結果的に広く救済されないようなことがあってはならないと思います。先ほどの質疑を聞いていますと、実質216件の相談に対して2社しか買い取りがなっていないという実態になっています。
 なぜこの買い取りが進まないのかという議論もありましたけれども、それに対する答えがなかなかなくて、順次買い取りが進むだろうという話だけでありました。県として、なぜ買い取りが進まないのか、これから進むであろうというのではなくて、この機構ができてから5カ月もたつわけで、新しい機構も始まりますから、この5カ月間やってなぜ進まなかったのか、具体的な要因は何かというきちっとした分析が必要ではないかと思うんですが、その点について答弁いただきたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 まず、この仕組みは私的整理、法的ではなく私的な整理を行うということで、債権者間でその調整をして、どれぐらい債権放棄をするか、あるいは免除するかというようなことを話し合うということがございます。したがって、当然のことながらだれかが一律に決めるというわけにはいかないので、そういった話し合いが必要だということ。それから、事業再建のための計画をつくるというような手続も必要でございますので、そういった手続を進めながら買い取りあるいは返済の猶予をするとか、そういった手法をとっているということでございます。
 それから、先ほども申し上げたとおり買い取りだけがすべてではございませんので、計画ができて金融機関が新規融資ができるというようなことになればそれはそれで解決の方法と考えておりますので、復興相談センターでそれなりにいろいろ対応していると理解しております。
〇高田一郎委員 私は、先ほど、慎重にやってきた経過があると、部長ですか、答弁されましたけれども、やっぱりここにあると思うんです。債権を今処理してリスクをとりたくないという金融機関のそういう姿勢が根底にあったのではないかと思うんです。金融円滑化法の延長などによって、3月期の決算はどうなるんだという思いとか、あるいはグループ補助金の活用の状況とか、そういうことを見ながら、金融機関が、今すぐ処理しないほうがいいのではないか、そういうことが働いているのではないかと私は思うんです。
 そういう意味では、県と機構との役割がよくわからないんですけれども、先ほどのお話では、定期的な会合を持って、そこに参加していろいろ議論しているというお話がされましたけれども、県と機構との役割は何なのか。そこに参加して県としてのいろいろな意見を言う場があるのかどうか、そこについてお伺いしたいと思います。
〇松川経営支援課総括課長 県は出資しております。出資しておるということで、まず役割を担っているということが一つございます。
 それから、定期的な会合については、当然、金融の中でのどういった対応をするか、あるいは計画をどうするかというような専門的な話ですので、県がそこでこうしたほうがいいというような指示をする場ではありません。それは専門家の中での話し合いに参画しているということで、意見を申し上げているということではありません。
 いずれ私どもも、どういった進捗になっているかというのを随時そうやって把握しながら、そして必要な協力をしているということでございます。
〇喜多正敏委員長 高田委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇高田一郎委員 県は出資しているということで、しっかりとした意見は意見として持って対応して、せっかくつくられた制度ですから、広く救済されるように対応するために県としてのしっかりとした意見を申し上げるという立場でこの問題に取り組んでいただきたいと思います。
〇及川あつし委員 4時10分を最終目途に質疑させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず冒頭、通告の質問の前に、佐々木朋和委員からいわてデスティネーションキャンペーンの件について話がございました。総括質疑でも申し上げましたとおり大変期待の高い事業でありますので、成功に向かって商工労働観光部一丸となって頑張っていただきたいと思うんですが、若干心配しておりますのは、東北六魂祭の件であります。
 過日の総務委員会で、私、警察にも、支障がないように早く盛岡市と協議をまとめろということで要望を出しておりますが、どうもいまだにまとまっていないということであります。盛岡市の担当者には、エージェントから問い合わせではなくもう苦情が来ていると。いつになったら決まるんだと。結局5月26、27日、そこに向かって、DCを成功させるための一つの大きなエンジンだと思うんですけれども、開催場所が決まらないことで非常に停滞しつつあると懸念しておりますが、県としてはどのように認識して、これからどういうふうになっていく見込みなのか、その点についてまずお聞きしたいと思います。
〇戸舘観光課総括課長 東北六魂祭の開催につきましては、主催側であります盛岡市あるいは盛岡商工会議所とも情報交換しながら取り組んでおりますけれども、会場地の選定については、委員御指摘のとおり県警との協議に時間がかかっているという状況で、私どものところにも正式に決まったというお話は今のところない状況でございます。いずれ、よく情報交換をしながら、早期に決まるように私どもも願っているところでございます。
〇及川あつし委員 かなりもうタイムリミットを過ぎているような感じもしますので、馬力をかけて、決定を中心部で行うように、ぜひ働きかけもあわせてお願いしたいと思います。
 通告していた質問でありますが、商工業総務費のうち県外事務所の役割について伺いたいと思います。
 商工労働観光部が所管する県外事務所については、本来的には物産の販促とか観光の誘致とか企業立地ということで当部の所管と伺っておりますが、昨年、震災が発生してから、これまでの本来業務に加えて、この震災の復旧、復興に関してもさまざまな役割を果たしてきているなと私もやりとりの中で感じておりますが、この県外事務所の役割について、震災業務が加わったと見ていますけれども、基本的にどういうふうに県外事務所をとらえて運営してきているのか、その基本方針を伺いたいと思いますし、震災からの復旧、復興に関して果たしている具体的な取り組み事例についてもお示し願います。
〇木村商工企画室管理課長 復旧、復興に関する県外事務所の役割についてでございますが、県外事務所では、発災以降、県外の企業、団体、それから個人から震災に関するかなりの問い合わせがございまして、それらへの対応をしております。
 また、新たな業務として、義援金とか義援物資の一時的な受け付けの窓口ということで、本庁関係課へのつなぎ役等の対応を新たなこととして行ってきたところでございます。
 さらに、具体的な復旧、復興に向けた取り組み事例としまして代表的なものとしまして二つほど申し上げますと、東京事務所と中野ブロードウエイ商店街振興組合が共催しまして、4月以降、県産品の販売を行うイベントですとか、それから中野サンプラザのレストランを活用しまして岩手県の食材を使用した岩手フェアなどを開催しております。また、名古屋事務所におきましては、名古屋市が市民の寄附を募って陸前高田市の中学生を修学旅行に招待した際の関係機関との調整などを行っております。
〇及川あつし委員 私も一例紹介しますけれども、大阪の寝屋川市のグループから、被災地の少年野球チームをぜひ大阪に招聘して寝屋川出身のプロ野球選手と交流をしたいということで相談がありまして、大阪事務所の皆さんに、陸前高田市の少年たちの招聘のために、今、マッチングで汗をかいていただいております。
 そういう具体的ないろいろな事例があるのですが、私がきょう質問する趣旨は、もちろん本来業務をきちっとやってもらいたいのと同時に、この1年余りかなりの役割を果たしてきていると思うんですけれども、もうちょっとアピールをしてほしいと。窓口業務をやっているのはわかるし、相談業務をやっているのはわかるんだけれども、被災地に向けていろいろやろうという声があっても、そこに県外事務所があって、そこが一つのターミナル機能になっているというところがまだ周知されていないのではないかと思うところと、あとは、本来業務のための人員の配置でありますので、体制についても、県外の前線のアンテナでもあるし、相談窓口の非常に大事なポイントだと思うので、体制の強化というのも当面考えるべきかなとも思っていますが、その点も含めて今後の具体的な計画についてお示しいただきたいと思います。
〇木村商工企画室管理課長 県外事務所の体制強化についてでございますが、県庁挙げて、広域振興局も含めまして、他の都道府県から派遣職員などの協力をいただきまして、かなり人員が不足している中で対応しておりますので、非常に人的には厳しい状況にはありますが、限られた人数の中で、県外事務所も復旧、復興関連業務につきましては、関係課とか、例えば物産関係であれば岩手県産などと協力、連携しながら、補完し合いながら適正に対応してまいりたいと思いますし、今後におきましても、既に4月、5月に申し出のありましたイベントとか、それからいろいろなNPOを含めた支援等につきましても可能な限り対応していく方針でございますし、震災を機につながった企業、それから団体とのパイプをさらに太くするように今後とも対応してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 私も県外事務所の皆さんに状況を聞いたことがあるんですが、非常に、ばふぉっとした問い合わせが多いと。つまり、全国各地のいろいろな企業は、この被災を見て、岩手県に対して何かしたいんだけれども何ができるかという問い合わせが非常に多いと。そうなると、人なのか物なのかお金なのか、いろいろあるわけですけれども、それをこちらの岩手県の現地とどうつなぐかというところでかなり労力を使っているようでありますし、マッチングについても、企業側は企業の社会的責任のもとでいろいろやりたいけれども、そこでとまっている事例もかなりあると聞いていますのでこういう質問をさせていただいたところであります。
 そうしたさまざまな企業が岩手県に向けて支援に動いているわけでありますけれども、改めて商工労働観光部の中での役割について伺いたいと思いますし、マッチングの課題はないかどうかも伺います。トータル的に言えば、現状課題、今後の取り組みについてどう考えているのか伺います。
〇木村商工企画室管理課長 企業等からの支援についてでございますが、県外事務所にありましたさまざまな申し出につきましても、企業とのふだんのつき合いがございますことから、当部に来ることもかなり多くございます。そして、申し出の内容によりまして、義援金等は最終的には保健福祉部につないでおりますし、具体的な事業等を展開したいという場合につきましては、事業の実施などの提案等につきましては復興局につないでおりますほか、当部で義援物資とか義援金とか、つないだほうがいいというものにつきましては当部で対応しているものもございます。
 こうした状況でございますので、当部の役割としましては、当部を窓口とした支援の申し出につきましては、適切に最後まで対応するようにしてまいりたいと認識しております。
 それから、マッチングの課題につきましては、企業の申し出の内容によりましては、先ほど申しましたとおり、県外事務所の人数が2名から3名ぐらい、東京事務所を除きますと2人ぐらいということで、非常に厳しい状況にありますので、企業の希望を十分かなえられなかった部分もあったかと考えられます。
 今後におきましては、全国の企業等からの申し出につきましては現在も数多くいただいておりますので、極力企業の希望に添えるように、丁寧にその内容をお聞きしまして、引き続き県庁の関係課とか関係機関と連携を図りながら当部としての役割を果たしていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 最後に部長に伺います。
 今、県外事務所の役割について詳細にお伺いしたんですけれども、まだまだマッチングしてやれば本県のためになる土壌があると思うので、今、御答弁あった2人、3人の体制の中で、工夫も必要かと思うんですけれども、当面もう少し、役割の強化も含めて、あと、現地ニーズを常に県外事務所に情報としてストックしておいて、うちの企業として何かできないかといったときに即座にマッチングできるような機能もぜひつくってもらいたいと思うんですが、その点についての所見を伺います。
〇齋藤商工労働観光部長 確かに現地の事務所のスタッフは非常に限られておりますが、企業とのつながりということに関していいますと、本庁に企業立地推進課がございます。これは、関西であるとか名古屋であるとか、あるいは東京であるとか、それぞれお世話する企業エリアが決まっておりまして、現地事務所と一緒になって定期的に企業を訪問し、そして企業のニーズを吸い上げております。ですので、確かに現地のスタッフは少ないのですが、本庁が積極的に現地の事務所とかかわる形で企業のニーズを拾い上げてまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 4時10分までやる予定でしたが、議事進行に協力するため終わります。
〇吉田敬子委員 私のほうからは、ほかの委員から出ました質問を割愛しながら、まとめて質問させていただきます。
 まず最初に、ものづくり産業の振興についてですが、自動車、半導体、医療機器関連産業については企業立地に積極的に取り組まれていることと、先ほど答弁の中でも平成22年度、平成23年度の企業立地の件数を伺いましたが、この中で、情報関連ソフトウエア産業、昨日は政策地域部でICTに関する質問をさせていただいたんですが、情報関連産業についての実績はどうかというのを具体的に、もし数値が今わかれば教えていただきたいです。
 そしてまた、特に、昨日もお話ししましたが、県立大学にソフトウェア情報学部がありまして、このICTもものづくり産業に関してはやっぱり県外就職が多いことと雇用の受け皿がないということが課題だということをいろいろな資料を読んで思っているところですが、インターネット関係の産業は、開発作業には場所を選ばなかったりだとか、自動車とは別で大きな工場とかは必要ないので、こういうICTの産業をもっと岩手で企業立地といいますか、進めていっていただきたいと思っておる中で、資料の中に、これまでのIT産業はハード整備が多かったということで、これからの課題等も含めてお伺いいたします。
 そしてまた、ほかの委員からもありましたが、私は、自動車や半導体、医療機器だけでなく、再生可能エネルギー、環境エネルギー産業の振興も特にものづくり産業に大きく位置づけるべきだと考えております。先ほど具体的に太陽光発電の会社だとか事業者が県内にあるということだったんですけれども、実際に再生可能エネルギー、例えば太陽光、木質バイオマスを、発電したりする事業所だけでなく、直接的なところでなく間接的に再生可能エネルギー推進にかかわる事業者はふえていると思いまして、例えば紫波町で、今大きくオガールプロジェクトということをやっている中で、そこも再生可能エネルギーを導入するために事業者がそこで一生懸命活動されていると伺っているんですが、ぜひこの件はものづくり産業の一つとして位置づけていただきたいという要望にとどめます。
 そしてもう一つは、先ほど郷右近委員からもお話がありましたが、伝統的工芸品の次世代育成産業についてですが、私自身もこれは本当に大事で、ぜひこれから強化していっていただきたいと思っていましたので、長期的ビジョンに立った施策でもってぜひやっていっていただきたいと思っております。
 最後にもう一つ質問ですが、キャリア教育の件でお伺いいたします。
 商工労働観光部の中でも、岩手大学と岩手県立大学の学生に向けた地場産業論、キャリア教育を行っているんですけれども、具体的にどのようなことをやってきて、学生の反応等、そしてまた、講師陣等もお伺いいたします。
 まとめて質問いたします。
〇保企業立地推進課総括課長 私からは、まず情報関連産業の誘致の関係についてお答えいたします。
 平成22年度、平成23年度に限って申しますと1件ずつということで2件しかないわけですけれども、過去5年間では全部で11件の誘致ができております。
 これらにつきましては、やはり県立大学ソフトウェア情報学部などの本県のすぐれたソフト関連の人材ということが立地の決め手になったところがございまして、今お話しのように、県立大学周辺のハード整備が進んでいるということもございます。これらの本県の優位な点というところをアピールしながら、特に私どもといたしましては、県出身者を多く採用している首都圏のIT企業を重点的なターゲットといたしまして、こうしたところから人材をUターンさせたいということで、人財U・Iターン型企業誘致推進事業といったような助成制度も設けまして、力を入れて取り組んでいるところでございます。
〇佐々木科学・ものづくり振興課総括課長 情報産業につきましては、現在、自動車、半導体、医療機器が大きな柱として位置づけられておりますが、それらを支える重要な基盤の産業ということで先ほど企業立地推進総括課長が答えたとおり推進しておりまして、昨年9月にいわてものづくり・ソフトウェア融合テクノロジーセンターといった、新しいソフトウエア技術にプラスアルファの技術を設けて岩手の特徴を出して強みを出していくといった取り組みを進めております。情報産業は重要な産業ととらえて引き続き取り組んでいきたいと思っております。
 それから、環境産業につきましては、まさに岩手らしい産業としてとらえていくべきと考えております。県庁におきましては二酸化炭素削減の本部会議を立ち上げておりますので、その全庁的な議論の中でそういった議論も進めながら、認識を高めて取り組んでいくような分野ととらえるように取り組んでいきたいと思います。
〇津軽石特命参事兼雇用対策課長 キャリア教育についての御質問でございます。
 地場産業企業論につきましては、県と岩手大学、それから岩手県立大学が連携いたしまして、両大学の共同の講座として平成20年度から開講してございます。対象といたしましては、大学2年生、これから就職活動を始めるというような方を対象に、地元企業の生の声を聞ける機会という位置づけで、経営者の方のお話でありますとか、実際に企業に行って現場を見るというような内容でございます。
 学生からの反応といたしますと、特に県内出身の学生もおられますので、岩手の魅力を改めて感じているとか、あるいは岩手にも今まで知らなかった優秀な企業がたくさんあるというような声を聞いているところでございます。
 それから、講師陣につきましては、知事を初めといたしまして、行政のほか、金融、製造など、学生が比較的興味を持っている業種を中心に、さまざまな方面から御参加いただいております。学生と企業がお互いに知り合うための重要な機会であるというように認識しているところでございます。
〇吉田敬子委員 ぜひものづくり産業の中でも、環境、エネルギー分野の振興、そしてまた、雇用の受け皿としても新しい産業で、特に若い世代の人たちに夢のある雇用を岩手県でどんどんつくっていきたいと思っておりますので、ぜひ期待いたしております。
 キャリア教育の件ですが、事前に資料をいただいていたんですが、講師陣に男性の方が多いというのが特徴的でした。先ほど伝統的工芸品のところでのお話で、例えば県内にもそういう伝統工芸品の職人の方々もいらっしゃったり、会社、企業の経営者の方でなく、いろいろな業種の方、NPOの仕事をされている方だとか、そういう職人、そして世代別、性別も分けて、たくさんの方々に大学生が触れる機会をぜひこれからもつくっていっていただきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇小川労働委員会事務局長 労働委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、説明書の139ページをお開き願います。第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、271万1、000円は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要する経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。2目事務局費9、031万2、000円は、事務局の管理運営に要する経費であり、事務局職員10名の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
 以上で労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇喜多正敏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
 労働委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇工藤環境生活部長 平成24年度岩手県一般会計予算のうち、環境生活部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 初めに、当部における予算編成に当たっての基本的な考え方でありますが、平成24年度は、東日本大震災からの復興に向けて、災害廃棄物の処理を着実に推進し、原子力発電所事故に伴う放射性物質の影響対策として、環境放射能モニタリング結果の迅速な公表、関係市町等の除染等を支援するとともに、災害に強い自立・分散型のエネルギー供給体制の構築を図るため、再生可能エネルギーの積極的な導入を進めます。
 次に、第2期アクションプランに基づき、重点的に取り組む分野について御説明いたします。
 まず、環境分野については、環境王国いわての実現を目指し、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量の削減などに取り組む地球温暖化対策の推進、廃棄物の発生抑制やリサイクルの促進、青森県境の産業廃棄物不法投棄事案の原状回復などに取り組む循環型地域社会の形成、希少野生動植物の生育、生息環境の保全、良好な大気、水環境の保全や環境学習の推進などに取り組む多様で豊かな環境の保全の三つを施策の柱として取り組むこととしております。
 生活分野については、安心して、心豊かに暮らせるいわてを目指し、防犯活動や交通安全活動の推進、消費者行政の充実強化などに取り組む安全・安心なまちづくりの推進、食に対する安心感の醸成などに取り組む食の安全・安心の確保、次代を担う青少年の育成やニート等の若者の自立支援などに取り組む青少年の健全育成、対等なパートナーシップの構築に向けた意識啓発やDVの根絶などに取り組む男女共同参画の推進の四つを施策の柱として取り組むこととしております。
 それでは、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。環境生活部関係の予算は、3款民生費2項県民生活費の5億5、402万8、000円、7ページ、4款衛生費2項環境衛生費の1、192億260万3、000円、9ページに飛びまして、13款諸支出金3項公営企業負担金の一部1、047万円でありまして、総額で1、197億6、710万1、000円であります。前年度当初予算額と比較いたしまして1、110億8、885万7、000円、率にいたしまして1、280%の増となるものであります。これは、防災拠点となる公共施設等への再生可能エネルギーの導入支援や災害廃棄物の撤去及び処理を推進するための経費などが増額となったためであります。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 お手元の予算に関する説明書の110ページをお開き願います。3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費の主なものでありますが、右側説明欄の上から8行目、消費者行政活性化推進事業費は、消費者行政の充実強化を図るため、消費者行政活性化基金を活用し、県及び市町村の消費生活相談窓口の機能強化等を行おうとするものであります。食の信頼確保向上対策事業費は、県民の食の安全・安心の確保を図るため、食品と放射能に関する知識の普及を目指し、消費者、生産者、事業者等の相互理解を深めるリスクコミュニケーションを開催するほか、適正な食品表示に向けた事業者等への監視指導を行おうとするものであります。食育県民運動促進事業費は、食育推進県民大会や地域における食育の研修会を開催するとともに、県内各地域を回る普及啓発キャラバンなどの啓発事業を実施しようとするものであります。犯罪のない安全・安心まちづくり推進事業費は、地域の防犯活動を担う人材の育成など、県民一人一人の防犯意識の向上を目指した取り組みを推進するとともに、犯罪被害者等への支援などを行おうとするものであります。111ページに参りまして、2目交通安全対策費の主なものでありますが、交通安全指導費は、県民の交通安全意識の高揚と交通事故防止を図るため、正しい交通ルールを守る県民運動の推進や、市町村の交通指導員設置への支援を行おうとするものであります。3目青少年女性対策費の主なものでありますが、6行目のいわて青少年育成プラン推進事業費は、青少年活動交流センターにおいて、青少年の活動支援、交流促進、情報提供、相談業務などを実施し、青少年の健全育成を推進しようとするものであります。いわて若者自立サポート事業費は、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、ニート等の相談体制の充実を図るとともに、社会参加を促進するための就労体験事業等を実施しようとするものであります。いわて男女共同参画プラン推進事業費は、男女共同参画センターにおいて、情報提供、人材育成、相談業務及び活動交流を実施し、男女共同参画を推進しようとするものであります。配偶者暴力防止対策推進事業費は、配偶者からの暴力の根絶のため、相談体制の充実や被害者の自立支援を行おうとするものであります。
 ページを飛びまして、124ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費の主なものでありますが、4行目の環境学習交流センター管理運営費は、環境学習交流センターにおいて、県民の環境に対する理解を深め、活動を促進するための情報提供や学習支援、環境保全活動を行う団体への支援を行おうとするものであります。環境王国を担う人づくり事業費は、小学生を対象とした環境副読本の作成、配布などにより、若い世代の地球環境問題への理解と環境保全の取り組みを促進しようとするものであります。循環型地域社会形成推進事業費は、環境に配慮した産業活動の促進や環境関連産業を育成するとともに、コーディネーターを配置し、企業や地域等における廃棄物の減量化やリサイクルの推進に向けた支援等を行おうとするものであります。地球温暖化対策事業費は、地球温暖化防止へ地域から貢献するため、事業所における環境経営の促進や地球温暖化対策に取り組む人材の育成を図るとともに、地球温暖化防止活動推進センターを中心として、県民が身近にできる省エネ活動等を推進しようとするものであります。再生可能エネルギー導入促進事業費は、被災家屋等への太陽光発電設備の設置に対する支援や発電施設の立地を促進するための環境整備を行おうとするものであります。再生可能エネルギー利用発電設備導入促進資金貸付金は、大規模太陽光や風力発電設備の設置を行う事業者を支援するため、設置費用や運転資金の貸し付けを行おうとするものであります。防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費は、再生可能エネルギー設備導入等推進基金を活用し、防災拠点となる公共施設等への太陽光発電、蓄電池、木質バイオマスボイラーなどの再生可能エネルギー設備等の導入を進めようとするものであります。125ページに参りまして、2目食品衛生指導費の主なものでありますが、3行目の乳肉衛生指導取締費は、食肉の総合的な安全確保対策を推進するため、屠畜場において疾病検査、残留抗菌性物質検査、微生物検査等を実施しようとするものであります。BSE安全安心対策事業費は、牛肉の安全の確保を図るため、屠畜場に搬入されるすべての牛についてBSEスクリーニング検査を実施しようとするものであります。3目環境衛生指導費の主なものでありますが、126ページに参りまして、13行目の廃棄物適正処理監視等推進費は、廃棄物の不適正処理や不法投棄を未然に防止するため、産廃Gメ ンの配置やスカイパトロールなどを行おうとするものであります。産業廃棄物処理モデル事業推進費は、産業廃棄物の適正処理を推進するため、いわてクリーンセンターの運営主体である財団法人クリーンいわて事業団に対して運営費の貸し付けを行おうとするものであります。廃棄物処理モデル施設整備費は、PFI方式により九戸村に整備したいわて第2クリーンセンターの運営のモニタリング等を行おうとするものであります。県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県境において不法投棄された廃棄物の撤去や汚染土壌対策を講ずるなど現場の早期原状回復を図るほか、排出事業者等の責任追及を行おうとするものであります。災害廃棄物緊急処理支援事業費は、県が受託した沿岸12市町村の災害廃棄物の撤去、処理を行おうとするものであります。4目環境保全費の主なものでありますが、2行目の休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山からの坑廃水に起因した河川の水質汚濁防止のため、新中和処理施設における処理を実施するとともに、施設の耐震補強工事を実施しようとするものであります。環境保全費は、光化学オキシダント等の大気汚染状況を常時、監視、測定するための機器等の運用を行おうとするものであります。環境放射能水準調査費は、環境放射能モニタリング結果の迅速な公表を行うほか、水道水、土壌や海水等の放射性物質濃度の分析を行い、あわせて分析結果を公表しようとするものであります。放射線対策費は、除染等の措置が円滑に進むよう関係市町等を支援するほか、放射能に関する知識の普及啓発を行おうとするものであります。127ページに参りまして、5目自然保護費の主なものでありますが、3行目、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の配置などにより、自然公園を適正に管理しようとするものであります。国定公園等施設整備事業費と自然公園施設整備事業費は、利用者の安全性、利便性を高めるため、自然公園において歩道や標識などの改修や補修を行おうとするものであります。6目鳥獣保護費の主なものでありますが、128ページに参りまして、シカ特別対策費は、次期保護管理計画を策定するため、平成24年度冬期にヘリコプターを使用した全頭調査を実施するとともに、農林作物の被害の防止を図るなどの対策を推進しようとするものであります。希少野生動植物保護対策事業費は、いわてレッドデータブック改訂のための調査を実施するとともに、イヌワシの保護対策を講じよ うとするものであります。野生動物との共生推進事業費は、ツキノワグマ等について、地域個体群の安定的な維持と被害防除を図り、人と野生動物との共生を推進するとともに、ツキノワグマ及びカモシカの次期保護管理計画策定に向け、生息数調査等を実施しようとするものであります。
 ページを飛びまして、238ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、総務省の地方公営企業繰出基準に基づき、地方公営企業職員に係る児童手当及び子ども手当に要する経費の一部について、それぞれの会計に対して負担しようとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わります。
 続きまして、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 議案その2の36ページをお開き願います。議案第27号消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例でありますが、消費者行政の一層の活性化を図るため、条例の有効期限を平成25年12月31日まで延期しようとするものであります。
 この条例の施行期日でありますが、公布の日から施行しようとするものであります。
 以上で環境生活部関係議案の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇喜多正敏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇大宮惇幸委員 私からは、シカ特別対策費についてお尋ねいたします。
 このシカ対策につきましては、去る2月23日に工藤勝子委員からも代表質問の中で取り上げられておりますけれども、私は、現場なり、あるいはハンターの声を参考にしながら質問させていただきたいと思います。
 今、部長から説明がありましたけれども、もう少し具体に説明をいただきたいわけでありますが、平成24年度のシカ対策についての予算の執行の内容を具体的にお示しいただきたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 シカ特別対策費の平成24年度の事業内容についてでございますが、本県に生息いたしますシカの保護管理、農林作物被害の防止について検討を行い、適正な保護管理を推進するため、有識者、関係団体、市町村などで構成いたしますシカ保護管理検討委員会を開催いたしますとともに、五葉山地域におけるシカの生息状況を把握するための各種モニタリング調査、個体数調整を目的に市町村等に委託してのシカの捕獲業務などを実施することとしております。
 また、平成25年度からの次期保護管理計画の策定に向けまして、全県の生息状況を把握するため、五葉山地域におきましてはヘリコプターによる生息数調査を、その他の地域におきましては、今回初めて生息情報の聞き取り調査やふん、足跡などの痕跡を調査することといたしてございます。
〇大宮惇幸委員 自然保護区からいただいている資料によりますと、非常に古いんですが、平成19年3月にヘリで調査した時点の資料に基づきますと、五葉山周辺で5、000頭から7、100頭という推定がされております。以来約5年になるわけでありますけれども、その中で、毎年捕獲はしているわけでありますが、五葉山周辺の適正生息数というのがおおむね2、000頭という数字が出ておるわけであります。いわゆるハンター、私から言わせますと、またぎさんたちの情報によりますと、相当ふえているよと。それで、北上山系はもちろんでありますけれども、奥羽山系にまでも確認ができるようになったという情報もいただいております。
 そこで、平成24年度はどの程度捕獲しようとするのか、頭数をお示しください。
〇八重樫自然保護課総括課長 平成24年度の捕獲頭数計画についてでございますが、五葉山地域のシカ生息数を適正生息数であります2、000頭に誘導するため、毎年度、シカ保護管理検討委員会におきまして捕獲目標を定めているもので、平成24年度の捕獲目標については、平成23年度のシカの捕獲状況や農林業被害の状況などを勘案しながら、平成24年9月ごろに開催する検討委員会において設定することとしております。
 なお、平成22年度は、捕獲目標を1、400頭と設定し、捕獲実績は1、344頭と若干目標を下回りましたが、これは、東日本大震災の影響によりまして、例年3月に実施しております有害捕獲が実施できなかったことによるものでございます。
 それから、五葉山地域以外は、特に捕獲目標は設定せずに、農林業被害が減少するよう積極的に捕獲することとしておりまして、平成22年度は829頭の捕獲実績となってございます。
〇大宮惇幸委員 それで、捕獲頭数はわかりましたけれども、いずれ、これも古い資料なんですが、平成22年度の農業プラス林業の被害が1億8、700万円程度に被害の集約がされております。その中で、平成23年度、私の推測によりますと簡単に2億円は超えているだろうと思います。といいますのは、実は、本音で語ろう県議会ということで私は遠野市に行ってまいりました。その際に農業者の方々からの御意見をちょうだいしてきたわけでありますけれども、既に牧草地にまで入り込んでいると。
 やっぱり私は、部署は違いますけれども、農林水産部ではいろいろな、さくとか網とかの手当てをするのだと言いますが、基本的には、もとを減らさなければならないだろうと私は思います。それで、それ相当の捕獲をしない限りは、かなりこのニホンジカの繁殖率がいいんだそうであります。ですから、思い切った捕獲をしないと五葉山周辺を2、000頭規模にしていくには相当年月がかかると私は思います。
 そこで、五葉山周辺の市町村に約6、500円で捕獲を委託しているわけでありますけれども、この単価が果たして高いのか安いのか適当なのか。全国の資料もいただいておりますけれども、県内にはいろいろなまたぎさんがおわるわけでありまして、11月15日から解禁になるわけであります。それで、5人なり、7人なり、10人規模のグループで狩猟に入るわけでありますけれども、最大とっても5頭ぐらいだと。というのは、その日とったものを処分して、あるいは持ち帰らなければならない。そうなると、例えばその手当をもらっている市町村の方々がとっても、10人で処分すると、5頭とって3万2、500円ですね。単純に10名で割ってもその単価なんです。俗に言われる、弾代にもならない、そういう言い方をされているんです。ですから、もう少しこの捕獲単価を上げるべきではないかと私は思います。
 それと、五葉山周辺の市町村というのは何市町村あるんですか。
〇八重樫自然保護課総括課長 県では、現在、1頭当たり6、476円という単価で市町村と委託契約をしてございます。それから、全国の状況を見ますと、2、500円から2万円までさまざま単価がございますけれども、単価については、全国の状況等を見まして、見直しは行ってまいりたいと思います。
 それから、五葉山周辺の市町村という場合は、普通は大船渡市、陸前高田市、住田町、釜石市の4市町なんですが、いわゆる業務委託につきましては、これプラス遠野市も含めて行ってございます。
〇大宮惇幸委員 わかりました。いずれ、業務委託する市町村を拡大するべきだと私は思います。というのは、またぎさんたちがかなり高齢化しています。ですから、県にも猟友会という組織がありますね。その下には各市町村に猟友会があるはずです。ですから、全県の猟友会を対象としてこの捕獲をしてもらうように、協力してもらうように取り組むお考えはありますか。
〇八重樫自然保護課総括課長 委託範囲の拡大についてでございますが、今申し上げましたとおり、五葉山周辺の大船渡市、陸前高田市、住田町、釜石市、遠野市に今まで捕獲を委託しております。平成23年度は197頭の捕獲実績となっておりまして、これ以外に市や町が独自に有害捕獲を実施してございます。
 それから、平成24年度においても、当初予算では同じ市町に委託を予定してございますけれども、委託範囲の拡大につきましては、平成24年度に全県を対象にした調査を実施すると先ほど申し上げましたが、その調査の結果とか、あるいは農林業の被害の状況を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
〇大宮惇幸委員 いずれ、先ほども言いましたけれども、これを本当に真剣に取り組んで駆除しないと、農林被害は拡大の一途ですよ。ですから、部長、もう少し捕獲頭数をふやして、委託範囲もふやして、これはもう少し予算をつけるべきだと思うんですが、ことしはことしで対応してもらいたいんですけれども、やっぱり本当に内陸の危機状態ですよ。シカに囲まれて生活するような状況になったらいかがしますか。大変な繁殖率とまたぎさんたちは言っていますから、しっかりと取り組んでほしいわけであります。しっかりと。部長。
〇工藤環境生活部長 県内にシカ被害が非常に拡大しているということについては、私ども十分認識してございます。本来であれば、今年度、生息調査を実施する予定だったんですが、震災の影響で来年度に延びるという状況については御理解いただきたいと思うんですが、先ほど課長からも答弁いたしましたように、来年は、初めて痕跡調査というものを全県で実施して、より精度の高い生息数について把握することとしてございます。その生息数に基づきまして、適切な対策を講じてまいりたいと考えてございます。
〇大宮惇幸委員 今、部長からしっかり取り組むというお答えをいただきましたので、今後の取り組みに期待をして、終わります。
〇工藤勝子委員 関連でもやれますけれども、災害廃棄物処理についてお伺いいたします。
 県内の災害廃棄物は435万トンと推計されております。復興資材として活用できるコンクリートや、それから、スクラップとして売却する金属くず等を除くと183万トンと言われております。この中で、木材の活用方法、それから、大量の土砂があると思いますが、その活用方向について、分量も含めてお示し願いたいと思います。
〇松本災害廃棄物対策課長 リサイクルできる量と実際に活用されている量ということでございますけれども、リサイクルにつきましては、国が示しました東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針、マスタープランというものですけれども、これに基づきまして、可能な限り活用することとしております。
 岩手県の災害廃棄物推計435万トンのうち、コンクリートくずや津波堆積物につきましては、被災地全体で約170万トンと推計しております。全体の40%ほどでございます。これらを再生材とした上で、被災地現場のかさ上げの盛り土、それから道路を建設する際の材料にするということで、主に地元で活用することを想定して検討しているところでございます。
 また、木質の柱材等でございますけれども、全体の約14%、60万トンほどと推計しておりまして、良質なものは岩手県内の合板工場などでチップ化した上でリサイクル利用を既に始めております。その他のものは、ボイラー燃料やセメント原料への活用も検討しているところでございます。
 個別の処理済みの量でございますけれども、2月末のデータで、おおむねコンクリートくずとしては20万トン、津波土砂堆積物で4万トンほど、柱材等で1万4、000トンほどとなっております。これらにつきましては、年度末に各市町村ごとに取りまとめてお示ししたいと思っておりまして、現在精査しているところでございます。
〇工藤勝子委員 年度内の69万トンという目標があったわけですけれども、実績として37万トンは広域で処理しよう、それで50万トンを処理したい見込みということでございますが、広域処理もなかなか、少しずつは進んできていると思っていますが、国のほうでも新たな理解を示して、支援も表明されておりますが、この年間の50万トンの処理はできる見込みでしょうか、お伺いいたします。
〇松本災害廃棄物対策課長 広域処理についての見込みということでございます。
 広域処理につきましては、現在、東京都が昨年11月から試行事業を含めて年度内1万1、000トンの目標で進めておりますけれども、一時期、放射能問題でさまざま停滞したところでございますが、今、八戸市、それから秋田県、昨日、秋田県と覚書を締結しましたが、それから、これから埼玉県とか静岡県島田市などとさまざま取り組みを進めていきまして、できるだけ目標に近づくように進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 マスコミ、農業新聞でありましたけれども、瓦れきを盛り土として植樹をするという、森の防潮堤をつくろうという提案をしている東北協議会プロジェクト、NPOですが、立ち上がっております。瓦れきを運搬したり焼却しないで、経済的にも環境的にもメリットがあるとしております。これを使うには、有毒ガスを発生する化学物質とかコンクリートの破片を除くことがポイントなそうでございます。瓦れきを産廃として取り扱うのではなくて、地域資源ととらえて、既に、これは宮城県ですけれども、石巻市では、盛り上げて植樹もしております。3月11日には宮城県の岩沼市で植樹祭も行われるとマスコミに報道されておりました。
 そこで、県として、今後の処理に当たって、県内外の焼却以外の考え方、結局、土砂はいろいろな形の中で使われるというようなお話が今ありましたけれども、全体的に、いろいろなものを除いた瓦れきに、その土をかぶせて、そしてそこに植樹をすると。そうすると、瓦れきですので、空気との層もあって根の張りがすごくいいということが証明されているというような話を聞いております。
 この間、陸前高田市のほうに行きましたら、仕分けされた土砂が大量に盛り上がっておりました。そういうことで今後活用できないかと。コンクリートの防潮堤の建設も今度行われるわけですけれども、森の防潮堤という考えもあります。そして、この事業には、県内で大槌町も賛同されているような報道もされておりましたが、この件について御所見をお伺いしたいと思います。
〇松本災害廃棄物対策課長 災害廃棄物をできるだけ現場で、被災地で使うというのは非常にいいことだと思います。ただ、復興資材として使う場合の規格、品質、そういったところに問題がある場合があると聞いておりますので、そういった部分について、関係する部署あるいは活用される方々とよくお話をさせていただいて、可能な限り、廃棄物として処理するのではなくて、活用するという道を探っていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 ぜひそのようにしていただきたいと思っております。まず、木を植えるということになると、この部署は多分農林水産部なのではないかと思うんですね。そして、防潮堤をつくるなんていうのは、多分、県土整備部とかというような形の中で、そして処理は環境生活部、こう縦割りで分かれているような気がしてならないんですね。もう少し部局横断的に、復興局もあるわけですし、そういう部分で、この処理と申しましょうか、燃やしたり、他県に運んで放射能どうのこうのと言われるよりは、もう少しうまく活用する方策をそれぞれの部局横断的に考えられないものかというようなことを考えておりますので、ぜひその辺についても、しっかりといろいろな部署と連携をとっていただければと思っております。
 それから、シカ対策ですけれども、私以外にもシカについて発言する委員が出たことは、非常にうれしいなと思っております。集落によっては、はっきり言って、多分私の集落などは、人よりはシカの数が多いはずです。そういう状況です。もうシカに囲まれて生活している、そういう状況なんですね。人よりもシカの数が多い。
 本当に、実際に出向いていってその現場を見てほしいなと思っております。春になると、もうほとんど種をまいたものが根こそぎ食べられる状態。今はおなかがすいていますから、山に何もなくて、木の枝とか何かを食べているわけですので、一斉に里におりてきて里のものを食べるわけです。遠野の日本一と言われているホップの芽も食べるんですよ。本当に苦慮しております。田植えをすると、ちょうど植えつけられたところにシカが入っていって、青々としているその畝を根っこから引きずりながら食べていくわけですよ。
 なぜ農業被害が伸びないかというのは、防護策をとっているからです。農林水産部とか市町村で補助金を出して、いろいろ電牧を回したり、対策をとっているから被害がある程度抑えられるという部分があるんですけれども、本当に大変な状況であります。
 そこで、先ほど五葉山周辺という形の中で質問があって、遠野市も入るという話がありました。ぜひ、平成25年度にモニタリング調査ということがありますが、クマとカモシカだけではなくて、このニホンジカのモニタリングもしっかりやってほしいと思っております。できれば、全県下でやっていただかないと、どのくらい県内にシカが広がっているかということを把握できないのではないでしょうか。今のうちに抑えなければ本当にだめですよ。私は、遠野でとめたいという話があったんですけれども、もう絶対にとめられません。
 そういうことで、これからどんどんこのシカ対策、農業被害が出てきますので、いろいろな委員から発言が出てくるのではないかと思っております。その中で、遠野市と、多分陸前高田市、大船渡市と、釜石市も入ったと聞いていましたけれども、住田町も入ったかもしれませんが、この対策に対して県のほうに振興局を通して、もっと補助金でしょうかを出してください、予算をつけてくださいという要望を出したと聞いております。昨年も出しましたし、ことしも出したと聞いております。それで、県南広域振興局でその予算は通ったんですけれども、県に上がった途端に、県が切ったという話なんですね。これは行政センターが話をしております。ですから危機感がないと。広域の中で、五葉山周辺と言われる市町村で一体となってシカを何とかしようとしている中で、なぜこういう予算を危機感もなく切ってしまうのか、その辺のところをもう少しお聞きしたいと思います。
〇八重樫自然保護課総括課長 広域振興局でのシカ対策は、今年度は沿岸で独自の予算でやられているというのは伺ってございます。ただ、県南広域振興局から要望があって、それを切ったというのは、当部ではなくて財政当局のことだろうと、私はちょっとわからないので、そう予想しております。
〇工藤勝子委員 どこで切られたか八重樫総括課長がわからないとすれば、部長のほうに行くのでしょうか、よくわかりませんけれども、しっかり精査していただければと思っております。ぜひ、補正でもいいですのでつけていただかなければ、本当に大変な事態だと思っております。
 長野県では、どのくらいシカがいるかということを調査しているんですね。約10万5、000頭になりますよ。資料をいただきましたら、きちんと数字が、10万4、666頭と出ていました。その中で平成24年度は3万5、000頭を捕獲する目標をとっているんです。
 そして、兵庫県では、農業被害額が4億3、000万円に上っていると。それで、年間の捕獲頭数を3万頭としているということであります。そして、捕獲奨励金、報償金とかも猟友会のほうに出しているようですし、先ほどお話しされた2、500円から2万円の中で出しているというようなこともあります。集落とか広域とか、いろいろな形で支援をしているようであります。
 岩手県が、岩手県の人口よりシカの頭数がふえないようにするためにも、ぜひこの辺でしっかりと対策をとっていただきたいと思いますので、最後、部長に所感を聞いて終わります。
〇工藤環境生活部長 私も盛岡市浅岸の林道で親子のシカに遭ったことが3年ぐらい前ですか、ありまして、まさに全県に生息域が拡大しているということについては実感してございます。
 予算の関係については、私どもちょっと把握していない部分もありますけれども、先ほど申し上げましたが、的確な生息頭数を調査いたしまして、それに基づいて適切な対策をそれこそしっかりと講じてまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 私からは、県境産廃についてお伺いいたします。
 平成15年から本格撤去が始まりまして、おかげさまをもちまして平成24年度が10年目で最終年度でございます。ただ、昨年は震災の影響ということで、撤去計画のほうにも一部ずれが生じたわけでございますが、まず、今年度の進捗状況と平成24年度の撤去計画についてお伺いいたします。
〇中村再生・整備課長 今年度の撤去につきまして、進捗状況ですけれども、震災の影響を受けまして、当初計画しておりました撤去量を見直しまして2万1、000トンを撤去するという計画に変更しました。3月末までに、まだちょっと時間があるんですけれども、2万3、500トンの撤去をする見込みとなっております。年度目標の2万1、000トンに対して達成率は112%ということで、処理施設のほうから多大なる御協力を得て、順調に進んでおります。
 平成24年度の撤去計画なんですけれども、残りの廃棄物を24年度中にすべて撤去するという計画で、残っている廃棄物3万8、000トンにつきまして全部撤去するというような計画を立てております。
〇五日市王委員 それで、残り3万8、000トンということでございますが、平成24年度の見通しといいますか、恐らく震災の影響で、ほとんどが太平洋セメントでお願いしていたり、あと三菱マテリアルで今お世話になっているわけでございますが、その震災の関係とかもあるとは思うんですけれども、瓦れき処理の関係ですね、平成24年度の見通しを教えていただきたいと思います。
〇中村再生・整備課長 見込みなんですけれども、3万8、000トンにつきましては、3社、太平洋セメントは震災を受けましたが、来年度は処理を引き受けていただくと。2月からもう引き受けていただいているんですけれども、来年度かなり引き受けていただくということで、3万8、000トンは処理できると見込んでおります。
 その後ですけれども、震災の影響によりまして、廃棄物の掘削がちょっとおくれた関係で、平成24年度秋口まで掘削がかかるということで、その後、工作物の撤去とか跡地整形をやるんですが、それが平成25年度に一部ずれ込む見通しということで、廃棄物の撤去は終わるのですが、跡地整形が25年度にかかるかなと見込んでおります。
〇五日市王委員 被災地のほうは今定例会でも随分話題になっておりますが、いずれ震災の瓦れき処理が余り進んでいない中で県境の産廃を受け入れていただいているということに関しましては、本当に被災地の皆様に申しわけない気持ちもあるわけでございますが、あと1年でございますので何とか、撤去のほうはまず全部終わるということで、これはお願いしたいと思いますし、要は、この産廃の撤去が終われば、その分、当然、太平洋セメントなんかもキャパが広がると思うんですね。そうなったときには震災の瓦れき処理も進んでいくというような考え方でよろしいんですか。
〇中村再生・整備課長 震災の廃棄物と県境の廃棄物はほぼ同じような性状になっておりまして、うちの廃棄物がなくなると、その分、震災の廃棄物が処理できるというような形になります。ただ、うちのほうも御協力をお願いしたいということでお願いしております。
〇五日市王委員 済みません、これはちょっと通告していないんですが、いずれ工作物が平成25年までずれ込む可能性があると。撤去は完了しますが事業は完了しないということですよね。そうなると、今、特措法のほうは延長するということになったわけでございますが、そちらのほうも延長してやるということですか。そこをちょっと教えてください。
〇中村再生・整備課長 工作物の撤去が平成25年にかかりそうだということで、国のほうで特措法の延長につきまして、今、国会に出しております。10年延長するというような改正案ですけれども、それが通りましたら、うちのほうも平成25年度に工作物の撤去がかかりそうだということで、国と協議しながら適切に対応したいと思っています。
〇福井せいじ委員 私は、いわて若者自立サポート事業についてお聞きします。
 この事業について当局に伺ったところ、ニート対策の関連事業ということで、お邪魔していろいろお聞きしましたが、まず、ニートとは、引きこもり、就労意欲に乏しい若者ということで、15歳から35歳未満までが対象になっているということで、平成19年には全国で60万人、そして、この岩手県では推定で6、400人もいるのではないかということで非常に驚いたわけでありますが、この中で今年度の事業は、いわて若者自立サポート事業ということで、昨年まではニート対策推進事業あるいは若者いきいき就労体験事業ということで、三つの事業が今回は一つの事業に集約されていくということでありますが、そこでお聞きします。
 まず、若者いきいき就労体験事業が廃止となりますが、この事業のこれからの対応について、まずお聞きします。そしてまた、このニート対策については、私は、学校教育あるいは家庭教育での取り組みが重要と思われます。そのそもそもの原因の解決に当たっては、家庭教育、それから学校教育での連携が必要と思われますが、そのような連携の取り組みがあるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 この事業は、いわて若者自立サポート事業ということで、平成23年度までは三つの事業、委員お話しいただきましたとおりでございます。それで、若者いきいき就労体験事業ということで、公会堂のところに内丸茶房というものを開設しておりまして、ちょうど本日で終了ということになってございます。そこでは、就労体験ということで6名程度の方が就労しておりました。それで、平成23年度は6名のうち2名が就職したというような形になってございます。それで、6分の2の確率で進路決定になったということでございます。
 それで、今後、来年度からどうするかということなんですけれども、ニート対策推進事業の中で就労体験をする企業について、いろいろ企業訪問をして行っていったというようなことでございましたので、来年度以降は、ニート対策推進事業といわて若者自立サポート事業を一体的に効率的に進める中で、若者の就労体験を積んで進路決定につなげていきたいと考えている次第でございます。
 2点目でございますが、学校とか家庭での連携が必要だというのはごもっともなことでございます。それで、ざっと見て、いわゆるニートになった方がどういう方かということでございますけれども、実はそれをカテゴライズした部分では、不登校体験ありということ、あとは若干精神疾患を持っていらっしゃる方、あとは、非常に重要なのが、高校の中退者の方というのがそのままニートにつながっていくというようなことが言われてございます。
 本県の場合もそういう傾向がございますので、来年度以降は、まず高校とかとの連携、それから、家庭の部分では、いわゆる地域の民生委員の方々を含めた形での教育力の向上というものについて、いろいろ連携しながら取り組んでいきたいと考えている次第でございます。
〇福井せいじ委員 この15歳から35歳未満という非常に生産年齢の若者、この人たちの社会復帰が、私は、これからの社会にとっては非常に大きな課題になると思います。そして、私はこういったニート、引きこもりの対策としては、できるだけ早い段階で解決に着手する、事業に着手する必要があると思います。15歳から35歳未満ということでありますけれども、早い段階での対策事業の取り組み、重点的に早い段階で解決に着手するというか、そういった着手が必要だと私は思うのでありますが、今後、ぜひとも満遍ない総花的な事業ではなくて、早期の着手ということに重点を置いてこの事業に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 やはり、先ほど申し上げましたとおり、不登校とか教育の初期の段階でニートに陥ってしまうというのがございます。それで、地域の取り組みといたしましては、金ケ崎町と奥州市で、不登校の対策のフリースクールという事業をやってございます。
 それから、ニートに陥ってしまう方というのは、例えば児童虐待とかDV家庭とか、そういう方が不幸にして不登校に陥ったりというような状況にございますので、福祉サイドでは、要保護児童対策地域協議会とかを開催してやっているわけでございます。
 当部といたしましても、そのような関係部と早い段階から情報交換しながら取り組んでいきたいと考えている次第です。
〇喜多正敏委員長 この際、10分間ほど休憩いたします。
   午後5時0分 休 憩
午後5時17分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、この後9人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇高橋元委員 それでは、簡潔に質問させていただきます。
 環境省は先月14日に、再生可能エネルギーの導入促進に向けまして、国立、国定公園での地熱発電所の設置要件を緩和する方針を固めたと。年度内にその要件緩和を実行に移す、そんな方針のようでございます。
 そこでお尋ねいたしますけれども、県内で地熱発電所の設置要件が緩和された場合、新しい候補地というものが出てくるものなのかということでございます。ほかの資料を見ますと八幡平の安比地域というところが候補に挙がっているという情報もあるんですが、その辺はいかがでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 地熱発電の新しい候補地についてでございますけれども、現在、八幡平地域において約7、000キロワット規模の開発計画が進められております。そのほか、安比地区においても事業化に向けた動きがございます。現時点では、候補地となっておりますのはこの2カ所でございます。
 ただ、雫石、八幡平周辺に地熱資源があるとされておりますので、その開発への期待が高まっております。そういうことで、今後、地熱探査をした上で、これが進むことによりまして新しい候補地が出てくると考えております。
〇高橋元委員 せっかく取り組みが早くから進んでいる本県ですので、できれば引き続き大規模な地熱発電が開発されればいいなと、こんな思いをしております。
 関連で、葛根田の発電所の復旧状況はどうなっているんでしょうか、現状と見込みをお伺いしたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 葛根田の発電所は、以前、土砂災害で操業が中断した時期もありましたけれども、今は回復しております。
 ただ、地熱発電は、スケールといって熱水に含まれるごみみたいなものが付着して、どうしても発電効率がちょっと下がりぎみだという状況にはあります。
〇高橋元委員 それでは2点目ですが、小規模の水力発電についてお尋ねしたいと思います。
 小規模の水力発電ができる地点ということで、全国に4、300カ所以上あるということのようであります。そして、そういう中で6割近く手つかずの状態にあるということが言われております。本県の実情と今後の取り組みについてお示しいただきたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 本県の小水力発電の実情と今後の取り組みということでございます。
 県内には、出力が1、000キロワット未満の小水力発電所は18カ所設置されております。ただし、設置コストが高いとか、近くに配電線がないために系統連系が困難という課題がございまして、その導入適地が限られるという現状がございます。
 このため本県におきましては、豊富な水量と高低差に富む地形条件を有しております農業用水路への導入に向けまして、平成21年度から県内24カ所で可能性調査を実施しているところでございます。この結果につきまして、土地改良区あるいは市町村に情報提供しながら、その導入に当たっての啓発普及を図っていくことにしております。
 そのほか、下水道終末処理場では、放流水の落差を利用しました発電設備の建設を進めております。また企業局では、河川を利用しました二つの小水力発電所の建設、そして新たな建設可能地点の調査の検討を行っているところでございます。
 いずれ小水力発電は比較的再生可能エネルギーの中では安定した電源でございまして、課題でございました採算面につきましても、固定価格買取制度、国の支援制度により環境が整いつつありますので、今後、小規模発電等を含め、普及が進むものと考えております。
〇高橋元委員 にわかに小型の水力を使った発電というのが注目を浴びてきております。今、課長がおっしゃるとおり県内には有力な地域がいっぱいあるわけでございますので、ぜひこの点をもう少し拡大できるような調査等を進めていただきたいと思います。
 3点目ですが、瓦れきについてでありますけれども、瓦れき仮置き場の管理についてですが、昨年、被災直後ということもありまして、大量のハエが発生したり、秋口には自然発火による火災が出たりというような状況が出ました。これに対するさまざまな取り組みも考えておられると思います。いろいろなところの話を聞きますと、越冬したハエというのは特異なハエではないかという心配もされているわけです。今後、沿岸各地でいろいろな心配もされるわけでございますので、その辺の瓦れき仮置き場の衛生管理等を含めてどのような体制になっているのかお伺いします。
〇松本災害廃棄物対策課長 まず、ハエの発生でございますけれども、震災直後、特に大船渡市とか陸前高田市で冷凍施設等が被災しまして、保管していた水産物が腐敗したと。それによりまして大量のハエとか悪臭が発生したということで、生活環境に大きな支障が生じたということでございます。
 苦情については市町村あるいは保健所に300件ほど参りまして、県としましては、生活環境に支障のある場所にある瓦れきをできるだけ7月中に撤去するということで、まず撤去いたしました。それから、腐敗した水産物などは当初地中に埋めておったんですけれども、それでもまたハエが出てくるということで、大船渡市、陸前高田市は、海洋投入処分ということで環境省から特別な許可をいただきまして魚を処分しております。
 それから、特に焼却しなければならない部分については、被災直後で修繕なったばかりだったんですけれども、太平洋セメントや北上市の焼却場で容器包装などを早目に焼却していただくということで対応いたしました。
 それからペストコントロール協会、それから民間NGOの公益法人日本国際民間協会から資金をいただきまして、消臭剤や殺虫剤を散布したところでございます。
 それから、先ほどお話ありましたように越冬するということで、県庁内に当部と保健福祉部、それから保健所で連絡会議を昨年8月に組織いたしまして、国立感染症研究所から専門の先生を呼びまして、防除の方法について研修をしたところです。そういったことで、今後も、気温や湿度の上昇等に備えまして、害虫等が発生しないように市町村と連携して進めていきたいと思っております。
 また、自然発火についてですけれども、10月に釜石市平田の板木山の仮置き場で火災が発生しました。それから山田町の船越で火災がありまして、あとは12月、寒くなってきたんですけれども陸前高田市で火災が起こりまして、計3件発生しております。
 表面温度が上がってくるとわかるということで、県のほうで業者に表面温度を測定してもらったり、あとは、メタンガスとか一酸化炭素が出てくるんですけれども、そういったものを業者にモニタリングさせて、危険なところについては山を切り崩して5メートル以下にする、これは国立環境研究所の先生が自然発火のメカニズムについて研究なさっておりまして、岩手県にも来ていただきまして御指導いただきまして、そういったことで火災予防を今進めているということで、継続的にパトロールをしているというような状況でございます。今後も引き続き進めてまいりたいと思っています。
〇高橋元委員 お伺いしまして、万全の態勢になるということを確認できました。春先早々からこういう心配がありますので、ぜひ力を入れて、昨年のようなことが起こらないようによろしくお願いしたいと思います。
〇小泉光男委員 今、高橋委員が地熱発電所の件に触れました。私ももっと力を入れるべきだと思っていますけれども、松川は、日本重化学工業が倒産しております。葛根田は東北電力が運営しているようですけれども、先ほど話がありましたように、何年か前に土砂崩れで、実質、車が行くのも大変というような状況の中で、そういう状況ですから、やっぱり県からカンフル剤─予算をつけて、どちらももう少しカロリーがとれて採算が合うように、息を吹き返すように入れてくれないのかという思いと、例えば、一関の須川高原の上に行くと、もったいないほどお湯がとうとうと流れています。国立公園法か何かでいろいろ開発にも制限があるようですけれども、それもやや緩和されて、斜め掘りが認められるというようなことも聞いております。そういうことで、真湯あたりにそういう基地を置いて、第3の安比よりも須川のほうが湯の量から見ていきますとより地熱発電の可能性があると素人目的には映りますけれども、そういった部分の取り組みの可能性みたいなもの、あるいは検討してやっていこうと、もともと地熱発電としては取り組みが早かったんですけれども、私には鳴かず飛ばずという見方があるんです。
 民間企業がやっているからということではなくて、やはり昨年の3.11以降は県が率先して引っ張っていかなければならないことではないかと思っておりますので、そのあたりの御所見をお願いしたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 初めに、既存の松川発電所と葛根田の発電所でございますけれども、その立地自体は非常に恵まれた場所ということで、地熱は資源量としては豊富にあると。ただ、先ほど言いましたとおり、その配管というか熱水のパイプの中にスケール─ごみがたまって十分な発電ができないという現状にございます。
 対策としましては、薬等でそれを溶かすか、新しい井戸といいますか配管を通すということですけれども、やはり国立公園内ということでなかなか新しい掘削ができにくいという状況にはございます。そういうことで、両発電所とも今の配管をできるだけきれいにして、あるいは認められた中で新しい井戸を掘っているという状況です。
 今後、岩手県の中で発電所をふやすとなると、やはり新しい場所に発電所を立地するということが必要になろうかと思います。発電事業者も、お話を伺いますと、意欲はございますが、やはり国立公園内ということで、どうしても探査自体にも制限がある。そういう中で、今、経済産業省は非常に積極的なんですが、環境省も徐々に探査等の基準を緩やかにして認めていくのではないかと思っています。
 一関市の須川ですけれども、これは私たちもその調査結果は承知しております。須川温泉の場所は、地熱発電事業者の調査ですと、余り高い熱量が得られない、秋田県寄りのほうが適地になっております。ですから、あちらを使うとなれば、地熱発電というよりは熱を利用した温泉熱利用のほうが須川には適しているのではないかと考えております。
〇佐々木努委員 大分時間も経過しておりますので、私からは1点だけ、太陽光発電について簡単に質問させていただきたいと思います。
 前置きはなしにして、根本的に、これから岩手県もこの太陽光発電、メガソーラーの誘致に積極的に取り組んでいかなければならないと思いますが、そもそも岩手県というのは山が多い、そして雪が多いところでありますが、そういう条件下において、太陽光発電、メガソーラーには適した、あるいは優位性がある県なんでしょうか。この辺のところをどのように県として分析をしているかお知らせいただければと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電に本県が適しているかどうかということでございますけれども、一般社団法人太陽光発電協会─これが一番大きい協会でございますけれども─、こちらが公表しております各都道府県の県庁所在地におけます年間予想発電量は、盛岡市が東北で一番高い値となっております。また、首都圏に比べても、岩手県は全く遜色ない、むしろ上回る発電量が見込まれております。また、太陽光パネルは気温が低いほど発電効率が上がる。そういう意味では北海道も適地になっているわけですけれども、そういう特性もありますし、積雪の地域においてもパネルの設置の仕方によってはほとんど影響が出ないということでございますので、本県は太陽光発電には適していると考えております。
〇佐々木努委員 それを聞いてかなり安心しました。
 今、全国各地で、民間あるいは自治体によるメガソーラーの建設が進んでいるわけでありまして、お隣の宮城県の岩沼市では、総工費50億円を投入して年間出力1、800万キロワットという国内最大級のメガソーラーが、2013年の稼動を目標にことし7月に着工されるという新聞記事を見ました。そのほかにも、新潟県や神奈川県、京都府、徳島県、群馬県、こういうところでも企業が中心となったメガソーラーの建設が進められようとしています。
 そういう中で岩手県はどうなのかということで、私も毎日、新聞あるいはテレビ等でこれに関する記事等を探しているんですが、なかなか岩手という文字が出てこないということで非常にやきもきしているところでありまして、県では、メガソーラーの誘致を進めるために県内50カ所のメガソーラーの建設候補地を公表しているようです。現在のところ、県内市町村、そして県に対して民間の問い合わせはどの程度来ているのか。そしてまた、その中に進展の可能性が高いものがあるのかどうか、その辺のところをお知らせいただければと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 昨年11月に公表しました50カ所の候補地について、現在、16事業者から延べ203カ所の問い合わせがございます。これらの事業所に対しましては詳細情報を提供するとともに、企業訪問を行いまして、事業化の意向の把握とか、あるいは現地調査に同行するなど、いろいろ支援を行っているところです。
 そういった取り組みを通じまして事業者の意向等を把握しているわけですけれども、具体的な立地計画を検討している事業者はございます。ただし、まだそれは公表できる段階でもないというのもありますし、そういった事業者は少ないんですけれども、そのほかの事業者は、再生可能エネルギー特別措置法の固定買い取り価格、期間の公表を待ってそういった計画の具体化を図るというのがほとんどでございます。
〇佐々木努委員 具体的な民間業者との交渉は市町村のほうで行うという話を聞いておりましたが、それで間違いないか。
 そして、これらの誘致活動を進めていく上で、県の役割といいますか、県の仕事はどういうものと認識されているか、その辺のところをお知らせください。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 先ほどお話ししました50の候補地は、地権者が県であり市町村であり民間の方ということです。事業者が具体的に立地する場合は、当然、各地権者ごとに相談して協議して立地を進めていくということになります。
 民間の場合は1対1の相対取引という形です。ただ、民間の方はその辺の契約等も詳しくありませんので、こちらのほうでその話し合い等に同席させていただいて、市町村も加わっていますけれども、立地が進む方向で話をフォローしているというのがございます。
 市町村につきましては、いろいろ問い合わせが来ているわけですけれども、これから具体的に立地を進めるとなりますと、やはり市町村という立場がありますので、公募をかける必要があると思っております。公募条件を示す、そして固定価格が公表になれば企業は動きますので、そうしたら応募を求めて審査、決定する。そのための募集の考え方、一定の条件、それらについては県の考え方を示して、市町村がそれを参考に、円滑に立地に向けた事務ができるようにということで対応しているところでございます。
〇佐々木努委員 そのことを聞いてますます安心したところでありますけれども、いずれ県で、アクションプランを初め、さまざまな計画の中で、再生可能エネルギー、特に太陽光については積極的に導入しようという考えでいらっしゃると思いますので、今後も各市町村への指導に対しては、適切に積極的に行っていただきたいということを申し上げて質問を終わります。
〇佐々木朋和委員 私からは、先ほど発言もさせていただきましたので、質問をはしょりながら、放射性物質の除染、そして廃棄物の処理についてに絞って伺いたいと思います。通告と順番が変わりますけれども、御了承いただきたいと思います。
 まず、4月から県南3市町で本格的な除染が始まるわけですが、その動向、方法について新聞等々で情報も得ておるわけですけれども、県でも市と連携しながら情報を得ていると思いますので、その動向、方法について、また、県のかかわり方についてお知らせいただきたいと思います。
〇玉懸環境保全課総括課長 市町村の本格的な除染につきましては、国の汚染状況重点調査地域に指定されました県南の3市町では、年度内に除染実施計画を策定するための作業を進めております。これまで県では、合同検討会の定期的な開催や3市町に対する国のヒアリングへの同席、助言などにより3市町の取り組みを全面的に支援してきたところでございます。
 3市町では、生活圏の除染を2年から3年で行い、国の長期的目標である年間追加被曝線量1ミリシーベルト以下の達成を目指すとしております。4月以降、国の財政負担により、子供の生活環境を優先して住民の生活圏の除染を進めていくこととしております。
 また、国の除染の対象とならない市町村及び区域につきましては、県の放射線量低減に向けた取組方針に基づきまして、学校等、子供の生活圏を中心とした除染を引き続き支援してまいります。
〇佐々木朋和委員 その中で、新聞等々では、その除染の方法について、放射性廃棄物の処理について困るということで、天地返しを行うという報道も出ております。その原因は、やはり放射性物質の廃棄物の処理について、なかなか大変な状態にあるという背景がございます。
 県南では、基準値を超えるものはもとより、今の基準値以下のもの、国では8、000ベクレル以下の廃棄物、また、10万ベクレル以下の灰は一般廃棄物として処理してよしとされているわけですが、現実にはなかなか住民の皆さんの理解が得られずというところがありまして、一関市でも1カ所で、マグフィルターがついた処理施設で稼動していると。汚染の値を超える稲わらはもちろん処理もできておりませんし、農家が保管していると。それ以下の牧草についても1カ所しかできないということで、これから処理に2年間かかるということがあります。
 そういう中で、国が示す基準と、今、現状の住民の皆さんの思いの中にある数値のギャップというのがあると思うんですが、それについてどのようにして県は解消してこの問題に取り組んでいくのか伺いたいと思います。
〇吉田資源循環推進課総括課長 今いろいろお話ございましたけれども、まず、国の動向と県の動きを含めた現状について御説明させていただきます。
 本年1月に放射性物質汚染対処特別措置法が全面的に施行されました。それまでは国の通知でその処理を行っていたと。それ以降は、放射性物質を含む廃棄物につきましては、8、000ベクレルを超えるものは指定廃棄物として国が、8、000ベクレル以下のものは廃棄物処理法に基づき処理するということになりました。
 本県において処理が滞っている廃棄物といたしましては、まず、焼却灰など8、000ベクレルを超えるものが約1、000トン、これまで国が具体的な処理方法を確立してこなかったことから、県南地域を中心に各排出施設に保管されているところでございます。
 また、同じく県南地域を中心に、放射性物質に汚染された牧草など農業系副産物が大量に発生し、これまで地元市町村が農林水産省や関係部局との連携のもとにその処理を進めてまいりましたけれども、中間貯蔵施設の設置について住民理解が得られなかったことに加えまして、焼却に伴い高濃度に汚染された廃棄物の発生が懸念されることなどから市町村の焼却施設の処理が進まず─御指摘のとおりでございます─、また、これにかわる適切な処理方法が国から示されなかったことからその処理が思うように進んでいないと認識しております。
 8、000ベクレル以下のものの焼却処分も含めまして国と住民の意識のギャップの問題につきましては、放射線について責任ある国がもっと前面に出てこれまで以上に説明責任を果たす必要があるものと考えております。
〇佐々木朋和委員 今、国がという話もありましたが、やはり県にも説明をぜひ応援していただきたいと思います。
 今回の議会の中でも、県南広域振興局に専門官をということで前向きな答弁があったわけですが、ぜひ、直接事に当たる市町村にも専門的な知識を持った職員を派遣していただきたいという声が出ております。
 また、処理においてはこちらの環境生活部だと思うんですが、農家の実情、廃棄物を抱えて苦しいんだというところはやっぱり農林水産部の職員だと思いますし、また、健康については保健福祉部だと思うんですが、そこの職員が3人セットになって言わないと、なかなか住民の皆さんには理解していただけないところがあります。実際に処理についてどれだけ安全ですよと言っても、じゃ、健康面でどうなんだという話で平行線をたどってしまうという話もございますので、ぜひそこら辺も考慮に入れながら住民の皆さんに説明をしていっていただきたいと思います。
 その中でこれから困ってくるのが、実際に今、県南でも基準値以下の牧草だけで手いっぱいという中で、新たに4月から本格的な除染が始まると。また、牧草の天地返しにも今から3年かかると言われている中で、それまでのものをぼうぼうにしておくのか、それとも刈ってしまえばまたそれを処理しなければいけないわけですし、また、シイタケの原木、あとは、今、県道のわきの雑草についてもなかなか受け入れてもらえないという話もこの前の県土整備委員会でも出ておりました。そういう中にあって、今後ふえていく放射性物質について、廃棄物についてどのようにしていくのか、県のお考えを伺いたいと思います。
〇吉田資源循環推進課総括課長 今後、大量にふえてくるという問題についてでございますけれども、まず一つは、一関市内で焼却しておりました。その飛灰についてかなりセシウムが高いということでいろいろ問題になっておりましたけれども、8、000ベクレルを超える廃棄物につきまして、現在、一関の組合で環境省がモデル事業を実施して、安全な処理方法について検証を行っております。処理方法の確立にめどがついてきたと聞いているところです。
 こうした状況を踏まえまして、国に対しまして高濃度の放射性物質の処理を具体的に進めるよう要請する。それとともに、これとあわせまして、これまで以上に混焼割合を高めた焼却の可能性が出てまいりました。住民理解のもとで、農業系副産物などの処理が加速できるように、関係部局とも連携しながら市町村を支援していきたいと考えております。
 また環境省では、特措法の施行に伴い、放射性物質に汚染されたこれら農業系副産物が特定一般廃棄物として法的に位置づけられたことを踏まえまして、農林水産省と協議を行い新たな処理方針を示すということも聞いておりますので、これを注視していきたい。つまり、焼却以外のどういう方法があるのかということもあります。
 加えまして、新たな廃棄物を発生させないことが大変重要でございますので、このため、現在、3市町が策定している除染計画におきましては、除染した土壌等については現場保管を原則とすると伺っているところでございます。また、牧草につきましても、反転耕とか、あるいは攪拌耕などにより現場で処理する方針を聞いているところです。
 環境生活部といたしましても、今後とも関係部局と連携しながら、市町村に対し必要な支援を行っていきたいと考えておるところでございます。
 なお、放射性物質に汚染された廃棄物の処理につきましては、再三申し上げるようですけれども、原子力行政を進めてきた国の責任により行われるべき、これが基本でございます。これまでも国による除染土壌等の中間貯蔵施設の整備などを要請してまいりました。ただ、市町村による処理を円滑に行うことが困難な場合、関係部局とも連携しながら、私どもも支援するのとあわせて、やはり国にももっと強力な責任を果たしてほしいということは働きかけてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今、新たな処理方法の提示も近々あるのではという話もありましたが、それについていつごろになるのかということをお示しいただきたいのと、また、やはりこれから焼却していかなければいけないというのであれば、今、もっと安全な方法でという話もありましたが、牧草を今は安全なものとまぜて焼いているわけですけれども、その割合をふやしていける可能性もあるということもいただきましたが、やはり地元では、県保有地を開放していただいて何とか仮設の焼却施設を建てていただけないかという声も実際にございます。また、それについては沿岸の瓦れき処理にも資するということも出てくると思いますので、その辺についての御所感をいただいて終わりたいと思います。
〇吉田資源循環推進課総括課長 農業系副産物につきましては一般廃棄物という位置づけでございますし、また、除染の主体はあくまでも市町村と位置づけられております。仮に地域内に新たな焼却施設を設置するといたしましても、地域住民の合意形成が必要でございます。これまでの経緯を踏まえますと、なかなかこれは難しいと思います。短期間での整備が現実的な選択とはちょっと考えにくいと考えております。
 それではどうするかという問題になりますけれども、やはり一番いいのは既存の清掃センターで通常のごみと混焼すると。専焼しますとセシウムがどうしても多くなりますので、通常のごみと混焼することにより焼却処理を進めることが一番早いと考えております。そのために、環境生活部といたしましても、関係部局と連携して必要な支援を行っていくということでございます。
 また、県有地の活用をいろいろ、今、焼却のお話もございましたけれども、市町村からいろいろな活用について要請があれば、関係部局と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。
 新しい処理が今、国で検討されているということですけれども、結局新しい処理と申しましても今の法令の中でということでありますので、例えば今、焼却というのは施設とかそういうところでできる。それ以外に今の法令に抵触しない形で、例えば現場とか、あるいはそういうところで処理できる方法がないかということを検討していると聞いておりますので、それがいつというお話はまだきちんと出てきていないところでございます。
〇佐々木朋和委員 いい御答弁もなかなか得られないところではありますが、ぜひこれからも話し合いをさせていただきながら、また、実際に県道付近の草なんかもあるわけでして、それを国だ、県だ、市だと言っていたら、じゃ、県のも残ってしまうということにもなりかねませんので、ぜひもう少し柔軟に対応していただきながら、知恵を出し合って、頑張ってこの放射線の問題から脱出していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇及川あつし委員 実はいっぱいあるのですが、簡潔にそれぞれ聞きたいと思います。
 質疑の関係上、順序を変えます。先にゴルフ場の会員権問題、次に災害廃棄物の処理について、三つ目に旧沼宮内病院の跡地から発見された医療系廃棄物の問題について伺いたいと思います。
 まず、ゴルフ場の会員権の問題についてでありますが、ある協会の見積もりによれば、県内のゴルフ場は二十数カ所。複数の会員権を持っている方もいらっしゃると思うんですが、累計で約4万人の方がゴルフ場の会員になっているということでありまして、800億円程度の県民資産がゴルフ場会員権に入っていると推計されております。
 ただ、昨今、いろいろな事情があるのでしょうが、このゴルフ場の会員権については償還期限が来ていますが、さまざまな事情から返金に応じない。民事再生で処理するとか株券にかえるとか、いろいろな問題が生じているやに伺っておりますが、消費者相談の中にもこうした流れの中でゴルフ場会員権の問題について相談があると伺っておりますが、相談状況はどうなっているのか、案件の概要、件数等もお示しいただければと思います。
〇久喜消費生活課長 ゴルフ会員権に関する相談状況についてでございますけれども、県が受け付けました相談件数につきましてここ3年間の状況についてお話し申し上げますと、平成21年度が1件、平成22年度が6件、平成23年度はこれまで2件ということになってございます。
 その主な内容でございますが、会員権預託金、それから保証金の返還に関することなどとなってございます。特に申し上げますと、昨年度は会員になっているゴルフ場が民事再生手続に入ったことにかかわりまして、会員権の取り扱いに関する相談、問い合わせがございました。
〇及川あつし委員 そうした問題が惹起されているということでありますが、ある調査によれば、県内のゴルフ場で、倒産して競売にかかったり民事再生をやったところの資本はほとんど県外業者だということのようでありますし、今、御答弁あった民事再生にかかわって、ゴルフ場の会員権が4%しか戻ってこない、7年かけて、しかも少しずつ償還するというような問題も生じているようであります。
 ここで問題にしたいのは、個人の方が会員権を買って、いわば投資も含めて自己責任でやるという部分については注意喚起しかできないと思うんですが、一部の動きには、どうもこれは計画倒産をしているのではないかというような指摘もされております。つまり、経営が厳しくなった県内のゴルフ場を買って、そして一定の収益が上がった段階で民事再生手続をとる。そしてゴルフ会員権を事実上パアにしてしまってまた次のゴルフ場を買っている、同じ系列の資本が。結果として、県民の皆さんが、ゴルフ場の会員権を買われた方がその財産を毀損しているのではないかということで、いろいろな被害だと訴えている方も出てきていて、いろいろな流れの中で動きがあるようでございます。
 この件についてはきょうここで指摘しておきますので、県民の消費生活について平成24年度も対策を講じるというようなことでありますので、こうした事案についてしっかり情報収集して、不当な動きなのであればしっかりとした対応をとっていただきたいということでありますが、所見を伺いたいと思います。
〇久喜消費生活課長 個別の案件ということではなくて一般的なお話になろうかと思いますけれども、委員からお話のございましたとおり、まず、消費者に対しましては、ゴルフ会員権の契約ですとか、あるいは取引に当たりましては、やはり商品の性質上からリスクがあるのだということについても相談などにおいて情報提供に努める必要があると思ってございますし、あるいはその相談を寄せられるなどの状況が見られますれば、必要に応じて情報収集を行うなど、適切な助言等の対応ができるように努めてまいりたいと思ってございます。
〇及川あつし委員 では、この点は以上にさせていただきますが、大きな問題になりかねませんので、ぜひ注視していただきたいと思います。
 二つ目は、総括質問でも取り上げさせていただきました災害廃棄物の広域処理についてであります。
 災害廃棄物の処理という話からでありますが、ずっと御答弁ありましたように、計画どおりなかなか進んでこなかった。これはいろいろな事情があるわけですけれども、民間の産廃業者の皆さんが、そんなにできないで、何で我々に任せないんだというような話を最近よく出されるようになりました。私も当初から関心を持ってこの件をウオッチしてきましたけれども、そもそも災害廃棄物については一般廃棄物として定義されたということで、私も問い合わせがあれば、産廃の民間の業者はそうしたフレーム枠の中では携われないというところまでは基本は説明できるんですが、じゃ、何でそうなったのかということについてはちょっと私も説明をしかねておりますし、以前、全国の産廃協の事務局の方とお会いして伺ったところ、当初、国会の議論では産廃の扱いも含めて検討するというような話もあったようでありますが、改めて伺いますが、災害廃棄物が一般廃棄物ということで定義された経過、理由、概要で結構です、お知らせいただきたいと思います。
 そうしたことによって災害廃棄物が一般廃棄物に定義されてしまったということで、民間の産廃業者が基本的にタッチできないというフレームになったということで進んでこなかった部分もあるのではないかと思うわけですが、当初から示されたガイドライン、定義づけを含めて、ふぐあい、改善点等についてどのように認識しておるでしょうか。およそ1年たつわけですが、これまでの運用実態を踏まえて所見を求めたいと思います。
 この点についての最後は、先ほど答弁でいろいろな検討もなされているというようなことがあったわけですが、そもそもの災害廃棄物の定義の見直しも改正の見込みとしてあるかないか、その点についてもお知らせください。
〇松本災害廃棄物対策課長 まず、一般廃棄物と定義された経過とか理由でございますが、昭和46年に制定されました廃棄物処理法の中で、事業活動に伴って排出される燃え殻、汚泥等20種類の廃棄物を産業廃棄物と定義しておりまして、それ以外のものは一般廃棄物と定義されております。したがいまして、災害廃棄物は事業活動から出てきたものではないということで一般廃棄物に定義されているということになります。
 なお、一般廃棄物であることから、市町村が事務をとっているわけですけれども、廃棄物処理法の第22条によりまして、災害から排出されまして特に必要となった廃棄物処理に関しては国から支援がもらえるというような定義になっております。
 それから、ガイドラインの中のふぐあいとか改善点ということでございますけれども、確かに今回の東日本大震災津波による災害廃棄物の量が膨大であったということで、通常の災害のスキームとは違うやり方をしなければならなかったということで、例えば、被害が大きいものですから再委託をしなければならない。ある特定の業者だけでは処理ができないということで再委託をしなければならなかったんですが、一般廃棄物の処理につきましては再委託を禁止するというような法律がございました。これについては、発災当時から特定の業者にだけ、そんな大きな仕事をできる業者がいませんので、法律のほうを改正してほしいということで、やっと7月に再委託ができるようになりました。
 また、補助金ですけれども、通常の災害、毎年来る台風などでは2分の1補助でございますけれども、今回、とてもそういうものではできないということで、国に対してかさ上げをお願いして、補助金ではおよそ八十数%、それにグリーンニューディール基金を乗せて、最後に特別地方交付税を充てていただいておおむね100%補助というような形になっています。産廃ということになると事業者責任ということになりますので、そういった補助の仕組みがなかなか難しいということになります。
 なお、廃棄物処理法の見直しということになりますけれども、今まで県から制度の見直しなどを要求してまいりまして、おおむね整ってきたと。事務手続に多少の手間はかかるんですけれども、何とか対応できるようになってきたということです。
 それから、産業廃棄物処理業者が参入できにくいということですけれども、現在でも産業廃棄物処理業者に委託は相当出しておりまして、再委託まで含めると相当な事業者に業務に入っていただいております。業者の業の種類の中身によってすぐにお仕事をしていただけない部分はあるかもしれませんけれども、これからさまざまな破砕、選別処理をしていく中で、仕事をしていただけるところについては何も県外にお願いする必要はございませんので、これから処理の経過を見ながら、必要であればそういった業者にも声をかけさせていただくということになると思います。
〇及川あつし委員 私見ですが、もう今さら言ってもしようがないと思うんですが、一般廃棄物がどうだとか産業廃棄物がどうだとかというところをもともとの段階で取っ払って、オールジャパンでやる体制をとっていればここまで来なかったのではないかと私は思っています。ついては、今、最後のほうに御答弁ありましたが、民間の方が冒頭お話ししたように、自分たちはタッチできないと、一般廃棄物にされた以上。だからこうなっているんだみたいな話にもなっていますので、民間の産業廃棄物の収集、運搬、処理をやられている─最終処分もふくめて─方々の役割は何かというところについては、ぜひわかりやすく解しながら、オールジャパンで広域処理が進む体制について取り計らいをお願いしたいという趣旨であります。
 次に、放射性廃棄物の取り扱いの基準についてでありますが、原子炉等の規正法などでは100ベクレル以上は放射性廃棄物、厳格な管理をしろと。今回の災害廃棄物は8、000ベクレル以下ということで、ダブルスタンダードだよとずっと言われてまいりまして、先般、全国議長会で佐々木博議長もこのダブルスタンダードについては政府に要望されたようでありますが、一般的に、この二つの基準が混同しているがゆえに広域処理が進んでいないとも言われていますけれども、具体の事務を進める中で、他の都道府県とか市町村と交渉する中で、このダブルスタンダードがあることによって生じた諸問題があると思うんですが、どういう事例があるのかお知らせ願いたいと思います。
 また、さまざまな要望に基づく改善についてはどのような見込みになっているのか、所見と見込みを示していただきたいと思います。
〇松本災害廃棄物対策課長 福島第一原発の事故前から、原子炉等規制法の規制から解放されるいわゆるクリアランスレベルということで、放射性セシウムについては100ベクレルというような基準がございました。一方、広域処理のガイドラインの中で、ある程度放射性物質があるものの安全に処理できるものということで8、000ベクレルの埋立基準が決められました。その埋立基準8、000ベクレルについてはどちらかというと後出し感がございまして、すぐには理解がいただけずに私どももいろいろ説明に苦慮したところでございます。
 ただ、埋立基準であります1キログラム当たり8、000ベクレル以下というのは、埋立作業に従事している方が追加被曝線量年間1ミリシーベルトを超えないように設定されているということで、埋立処分場の近傍に住んでいる方でも、さらにそこから放射線が減衰しますので追加被曝線量10マイクロシーベルト以下になるというふうになります。
 一方、再生利用したもので流通するものを100ベクレルというようなクリアランスレベルですけれども、それも通常生活空間にあって年間10マイクロシーベルトを超えないということですから、そこまでくるとある程度わかっていただけるのではないかということで、国としましては、その追加被曝線量のほうで丁寧に説明をしていくということで伺っております。
〇及川あつし委員 丁寧に説明するというところでいつもとまるんですけれども、総括のときもお話ししましたけれども、西日本の住民の皆さんには全くもってこうしたテクニカルな問題以前の状況なので対応に苦慮されていると思うんですけれども、政府に働きかけ、また県としての対応をさらにしっかりやっていただきたいということであります。
 大阪府の受け入れの関係でありますが、現状、課題、見込みについて示していただきたいと思います。
 私が西のほうにいろいろ回ったときに出た海洋の埋立基準の問題、総括質問で突然聞いた関係で、知事、副知事と十分な答弁をいただけなかったわけですが、当時、昨年11月に回った際には、受け入れたいけれども海洋埋め立ての基準がないので、その段階で表明をしてしまったら、今度は漁業の皆さんと新たな問題が起きると。国にしっかりと海洋の埋立基準を出してもらって、その後、住民合意を図って受け入れの方向にいきたいという話があったんです。しかし、今回、松井知事がやりますよと言っておるので、そこについてはありがたいと思いつつ、当時のことを振り返ると海洋の埋立基準がまだしっかり示されていない中で大丈夫かなという懸念も若干しているのですが、そうした趣旨の質問であります。
 海洋の埋立基準についての関係の現状と課題、見込み、今後の対応方針などについてもお示しください。
〇松本災害廃棄物対策課長 大阪府におきましては、発災直後から岩手県の災害廃棄物について支援をしたいということでいろいろ調整を図られてきているということでございます。ただし、放射性物質の問題が発生しましてからさまざまな問題があって停滞してきたということですけれども、国のガイドラインの中で、8、000ベクレルのものについては安全に埋め立てられますということなんですが、委員お話ししたとおり、大阪府の埋立処分場というのが海面埋立処分場ということで、大阪湾にコンクリートで擁壁をつくって、中に埋め立てをしていく。そして、土地をつくっていくというような形の埋立処分場でございます。そういう埋立処分場に対応していないガイドラインということでございました。
 これにつきましては、環境省が一律に基準を示すことはなかなか難しいと。例えば放射性セシウムが水に溶けやすいこととか、あるいは水処理施設でなかなか取ることが難しい。一方、放射性セシウムは土壌に吸着しやすいというようなさまざまな条件がございます。そういったことで、埋め立てる廃棄物の種類による溶出の濃度の違いとか、埋立処分場の構造、海面埋立処分場でも埋め立てていくとだんだん陸地になっていきますので、そういったような条件の違い、立地条件ですね。あとは排水処理の方法、そういったところで、個別に検討するということになっております。例えば、横浜市では既に環境省からオーケーをいただいておりまして、埋立処分場ができるようになっていると聞いております。
 こういったことで、2月に大阪市が、同市の夢洲というところに北港処分地というところがあるんですが、そこに処分ができるかということで個別の評価をお願いしているということで、その国における検討結果が出てオーケーということになれば大阪府も岩手県の災害廃棄物を受けていただけるという段取りになっていくということで、今、県としましては、国での検討が順調に進めばいいなと期待しているところでございます。
〇及川あつし委員 この件は、関西は広域連合でそこの埋立処分に使っているということなので、大阪府が起爆剤になって関係する自治体の受け入れも進めばいいなと感じておりますので、本県としても、お願いする立場でありますけれども、受け入れ先のサポート、バックアップ等については万全を期していただきたいと思います。
 3点目は、旧沼宮内病院跡地から発見された医療系廃棄物の問題について伺いたいと思います。
 本質的には月曜日の医療局の審査で詳細に伺うわけでありますが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の所管事務もございますし、土壌汚染対策法の関係もありますので、環境生活部の部局審査でまず伺いたいと存じます。
 事案の概要については、私が承知している範囲で申し上げますと、医療局が平成23年3月に岩手町に売却した土地に今、特別養護老人ホームの建築のために建設工事が始まったようなのですが、昨年10月21日に当該予定地から注射針等医療系廃棄物が出たということで、今日までさまざまな経過をたどってきているようであります。
 経過の中身を見ますと、保健所と出ていますけれども、圏域的にいうと県央保健所だと思うわけですが、県央保健所も指導、助言、あと、ペーパー上、見解を示しているなどあるわけですが、この事案について、環境生活部としてどのようにまず把握しているのかというのが1点。
 2点目は、保健所もこの対応の中で関与しているようでありますが、保健所がどのように関与してきたのかというのが2点目。
 3点目は、いわゆる廃掃法上、この事案についてはどのような所見を持っているのかお示しいただきたいと思います。
〇吉田資源循環推進課総括課長 この件につきましては、報道にもなりましたし、医療局からも内容については聞いているところでございます。
 保健所の関与でございますけれども、医療局としても、そういった医療系廃棄物が出てきますと、自分たちだけでは判断できませんから、保健所に当然相談といいますか、そういうことがありました。
 結局はどういうことになるのかという話ですけれども、結局、時期がいつだったのかと。私ども、廃棄物処理法という法令に基づいて事務等をやっております。廃棄物処理法が制定された昭和45年、昭和45年以前であればそもそも法律がないということで、私どもは、事務することはできないですし、それ以前についてはもうどこでも埋めていたと。そのこと自体は法令違反ではない。
 それから、廃棄物処理法ができてからも、そもそもその埋立施設というのは、当初、廃棄物処理施設ではありませんでした。これが埋立施設になったのが昭和52年からでございますので、52年以前にそういったことは、今から考えれば変なんですけれども、普通に行われていたという状況がございます。
 私どもでは、県のほうで、結局いつの時期に埋め立てられたのかということで、沼宮内病院が昭和29年に開設しておりまして、その事情から、これはあくまで推測ですけれども、当時の状況を考えれば埋めていても不思議はなかったのかなと私は個人として思っています。ですから、その当時のことについては、法令上は違法行為ではないということで問えないということです。私どもで、違法行為等としていろいろな命令等をかける場合には、いつそれを行ったのかということを私どもできちんと立証しなければならないということで、それはできない。相当以前だということはその状況から把握できるんですけれども、それが、例えば昭和52年以前か以後かと言うことはできないということで、医療局としては、そういうことがあれば、当然医療局自身の責任において行われるべきだろうということが、一つの私どもの立場になります。
〇及川あつし委員 それが根本的な法律と現在の対応の基本かと思うわけですが、廃棄物が発見されて、相当量はもう搬出されて処理をされたということになっていますけれども、土壌汚染についてはチェックをしたと聞いていますが、燃え殻についてですね。これがどうだったのかということをお聞きしたいと思います。
 旧福岡病院のときの経過もちょっと調べたのですが、何となくあのときの経過と今回の経過が、ちょっとふぐあいが、不都合があるのかなというように、報道上、そういうふうに私には見えるのですが、例えば二戸のいわゆる旧福岡病院のときは、保健所が施工業者の立ち会いで周辺土壌のサンプルを採取ということまでやっている。今回は、保健所に指導、助言を仰いでいるけれども、基本は、今、特養を建築している業者と、あとは医療局のほうでやり、それを保健所に報告しているような流れになっているので、一体これはどうなっているのかなというところが1点。
 もう一点は、保健所が示したもので、若干、私も疑問に思っている部分があるので解説をいただきたいのですが、施工業者からの質疑書に、一定の規制されている深さまで掘った。それで排出、撤去しているけれども、まだのり面上見えるんだ、下にもまだ残っている。これについてどう処理したらいいんだということを保健所に照会しているようなのですが、それについては、いわゆるその部分については処分しないと考えていいのか、よろしいというような回答があったと。つまり、旧沼宮内病院用地から出土した廃棄物について、工事対象範囲外にも埋設されている可能性が高いが、すべて処理する必要があるか県央保健所に照会したということだったわけですが、結局やらなくてもいいよというような見解が出されているということなんですが、本当にそれでいいのかどうかということと、あと、時間も時間ですし、あとは医療局が本丸でありますので、もう一点、玉懸総括課長に、土壌汚染対策法上は、今回の案件についてはどのようにみなされるか。基本は廃掃法の範囲でやっていかなければならないと思うんですけれども、土壌汚染法上はどのように今回の事案についてはみなされるのか、御見解を賜りたいと思います。
〇玉懸環境保全課総括課長 埋め立てられて出土した医療系廃棄物につきましては、土壌汚染対策法の規制対象とはなっておりません。(「聞こえない」と呼ぶ者あり)埋め立てられて出土した廃棄物につきましては、土壌汚染対策法の規制対象とはなっておりません。
〇及川あつし委員 基本は規制の対象になっていないと思うのですが、もし、きちんと土壌を調査して、特定物質に指定されている砒素とか水銀、これは、他の都道府県の病院跡地からは出ている事例もあるんですね。今回やったということなのかどうかもきちんと調査しなければならないですけれども、仮にやって、いわゆる特定物質と言われている砒素とか水銀が出た場合は、土壌汚染対策法上、今度は都道府県のほうで一定の措置ができますよね。指定区域に指定するとかしないとか、そこら辺の流れをちょっと答弁してください。
〇玉懸環境保全課総括課長 廃棄物につきましては、廃棄物処理法と土壌汚染対策法と二つの法律がございますけれども、基本は廃棄物処理法で、現在の基準にのっとって処理する、出土した廃棄物については、不要物となった瞬間から、現在の基準にのっとって適正に処理するということが求められます。
 その過程で、廃棄物に付着した土なども一緒に処理いたしますけれども、廃棄物以外の汚染で、例えば工場の排水等でそういった汚染が残った場合につきましては土壌汚染対策法になるんですが、廃棄物に起因するものについては、廃棄物の処理の延長で処理してくるというところがすみ分けになっております。
〇及川あつし委員 これで最後にしますが、じゃ、廃掃法に戻りますね。私も現地を確認していませんけれども、目視できる全量を排出して適正処理したのではなくて、多分定められた深さの部分だけ撤去して適正処理をしたのではないかと思うわけですが、書類上はですよ。本当にそれが廃掃法上、それでいいのかどうか、その点を最後、確認いたします。
〇吉田資源循環推進課総括課長 あくまでも法令上の問題です。廃掃法以前に埋めたと、その当時は法令違反でも何でもないです。それに対して、撤去して処理しろと言うことは廃棄物処理法上は言えない。私どもが命令といいますか、そういうことはかけることはできない。個人的な話であれば、それは、あるよりないほうがいいとは思いますけれども、ただ、あくまでも法律の観点に立てば、その法律でできないことは、やはり法律に基づいては言えない、残念ながらそういうことになると思います。
〇及川あつし委員 各種法令上はそういう権限にとどまるということなので、あとは行政機関としての医療局の道義的な問題も多々あろうかと思うんですが、環境生活部としても、この事案については十分に関心を持って月曜日以降の審査については注視していただきたいということを申し上げて終わりますが、最後、工藤部長に所感を求めます。
〇工藤環境生活部長 今、いろいろ現状について御指摘いただいたわけでございますが、私どもも、県央保健所とも情報共有いたしまして、内容については再精査してみたいと考えてございます。
〇嵯峨壱朗委員 今のではなくて、今のは医療局でやればいいんですけれども、先ほどの産廃業者の一般廃棄物処理という質問がございましたが、昨年5月に省令として、一般廃棄物として扱って、産廃廃棄物の処理業者が処理できるとなっていましたね。いろいろな種類がありますけれども。それをなぜ岩手県が、実は宮城県のほうでは、現在、宮城県の業者というか、そのごみを安定型の処分場で処理してくれとどんどん来ているんだそうです。岩手県は、ただし、それをやっていない。なぜやっていないのか。そうすれば、してもいいと国は言っているのにやっていないわけですね。私はそれを前も聞いたけれども、非常に疑問なわけです。それを広域処理しろとかで岩手県が悪者になっている。できることをしていないのではないかと思っているんですが、その辺はどうですか。
〇松本災害廃棄物対策課長 安定型最終処分場の件と承りますけれども、安定型最終処分場といいますのは、埋め立てて周りの環境に影響を及ぼさない、例えばかわらくずとかガラスくずとか、そういったようなものを埋め立てるところでございます。
 岩手県の今回の災害というのが、津波でめちゃくちゃに破壊された廃棄物になりますので、いろいろなものがまざっております。ですから、今、1月中旬から始めているんですけれども、その分別作業を行った上で、本当に安定型最終処分場に埋め立てられるかどうかということを判断した上で、可能であれば、遠くに出す必要はございませんので、県内の埋立処分業者の御協力をいただきたいと考えています。
 一方、宮城県は2種類のごみがあるんだそうです。山ごみと言われるものと海ごみ。海ごみというのが、岩手県と同じように津波で押し流されてぐちゃぐちゃになったもので、山ごみというのは、宮城県の内陸のほうで、地震でそのままつぶれてしまった、阪神・淡路のときもそうなんですが、そういったものですと簡単に、かわらくずはこっち、ガラスはこっちと分別が可能であります。そういったことで、安定型最終処分場を持っていらっしゃる業者のほうにいろいろな御相談があると思っております。岩手県の場合、前段で破砕、分別という作業がございますので、その辺の作業の経過を見ながら、関係の業者に御相談したいと考えているところです。
〇嵯峨壱朗委員 この書類を見ると、いずれかに該当する一般廃棄物、廃プラスチック類、あと、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリート及び陶器くず、コンクリートの破片その他これに類する不要物といったらいっぱいあるのではないですか。それを、今の理屈だと、付着していたりする、どうやってそのくっついたものまで分別するのでしょうか。今の段階でもこれぐらい分別できるのではないですかね。ちょっとその辺がわからないんですね。
〇松本災害廃棄物対策課長 確かにコンクリートくずといったものも分別できますけれども、できれば、それは埋立処分場に入れるというよりは、先ほど御説明いたしましたように、地盤のかさ上げ材とかといったところで有効利用したいと思っています。同様に金属くずも、埋立処分するよりは、市町村からスクラップ業者に販売ということで、例えば宮古市などですと1トン当たり3万円で売却しているそうです。そういったことから、できるだけ有効利用あるいは売却した残りを分別して、どうしても処分しなければならないものについて、そういった安定型最終処分場に入れられるようなものについて関係業者にお願いしたいと考えています。
〇小西和子委員 10分以内を目標に頑張ります。
 予算に関する説明書の111ページのいわて男女共同参画プラン推進事業について、まず最初にお伺いいたします。
 一般質問でも取り上げましたけれども、日本は世界経済フォーラムの男女格差報告によると135カ国中の98位で、世界とは差が開いております。驚いたことがありますのでここでお話をしたいんですけれども、日本は、女性の管理職登用率が先進国の中で圧倒的に低い、それが現状であります。日本は0.9%で、これより少ないのはアラブ首長国連邦、カタール、サウジアラビアなど宗教的理由から女性の外での活動が制限されている中東イスラム諸国などです。これは私も初めて知ったことなんですけれども、欧州とかアジアからの留学生は、男女を問わず日本の男女不平等の放置に首をかしげるんだそうです。国際的にも男女共同参画に大きくおくれをとっております。
 岩手県の現状はどうかといいますと、男女の不平等感、固定的性別役割分担意識が根強く残っておりまして、それが課題であります。前にもお話ししたと思いますが、県民意識調査によると、社会通念、慣習、しきたりなどで男性のほうが優遇されていると感じている割合は、平成10年で72.6%、12年後の平成21年でも72.8%、全くその割合が減っておりません。
 そこで、昨年策定されました新いわて男女共同参画プランのもと、今年度から10年計画で取り組まれております。主要指標12項目あるんですけれども、皆さんもこれをごらんになったと思うんですが、その中の一つ、社会慣習の中での不平等感の割合を72.8%の現状から、5年後、平成27年度には60%以下にするということを目標に掲げております。概要にポイントとして、幅広く男女に浸透する意識啓発、それから、家庭、地域、職場などでの実践、市町村との連携と3点掲げておりますけれども、3点にかかわる平成23年度の事業の内容と成果、課題についてお伺いいたします。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 平成23年度のいわゆる男女共同参画プランの重点的ポイントについての取り組みでございますけれども、まず、男女に浸透する意識啓発ということですが、やはり男性も同じような男女共同参画の意識を持っていくべきだというようなことで、センターの中で行う事業については、女性と特定しないようなテーマ設定とか休日開催などを積極的に進めているというようなことでございます。
 それから、家庭とか職場での実践ということにつきましては、同じく、男女共同参画センターの事業などで、ワーク・ライフ・バランスの啓発セミナーなどを行って、子育てにやさしい企業の取り組みなどを紹介することによって、職場での男女共同参画を進めていくというようなこと。
 それから、市町村との連携ということでございますけれども、サポーターの養成講座を、一昨年は盛岡市だけだったんですが、地域開催で各圏域に広めたり、それから、民間会社の助成事業でございましたけれども、久慈市と共催で、今年度は漁村女性の起業セミナーというものを実施してございます。
 これらの事業を通じまして、今、市町村や地元サポーターと協働しながら、男女共同参画の推進に向けて取り組んでいるところでございます。
〇小西和子委員 そのような事業を行っているということですけれども、じゃ、今年度の課題というのが聞けなかったのがちょっと残念ですが、その課題を踏まえた平成24年度の事業の内容を具体的にお伺いいたします。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 今年度の課題とか、あとは成果ということでちょっと答弁漏れがございました。済みません。
 成果といたしましては、今年度中に、平成23年度末までに全市町村で男女共同参画プラン計画が策定されるということでございます。それから、市町村におきましては、いろいろな市民グループの取り組みが進められておりまして、今週の日曜日でございますから、3月4日には、奥州市で男女共同参画おうしゅうというものが結成されまして、取り組みが広がっているところでございます。
 課題としては、しかしながら、各種イベントにおいてまだまだ男性の参加者が伸び悩んでいるというような状況でございますので、先ほども申し上げたように、平成24年度事業を実施するに当たっては、アイーナ内に入居している各センターなどとも共催事業を積極的に実施したりしながら、男性の参加の増加を図ることなどに努めていきたいと考えております。
〇小西和子委員 十数年かかっても全く改善されなかったものを、これから先4年後には60%以下にするというのは大変至難のわざだと思います。男性の意識改革というのが重要だと思いますので、その取り組みに力を入れていただきたいと思います。
 では次に、被災地の女性の心身のケアについてでございますけれども、きょうの新聞でDVの件数等が報じられておりますので、そこは割愛いたします。
 それで、沿岸のほうの女性が置かれている環境というのが大変深刻でありまして、避難所では、周りの目を気にしまして我慢していたということですけれども、いらいらがたまっていて、仮設住宅に移ってからそれが吹き出したというようなケース、それから、夫が仕事を失って、次の働き口も決まらないために追い詰められて、ストレスのはけ口が暴力という形で妻に向けられるケースという、そのようなケースがあります。狭い住居でいつも顔を突き合わせているということは、DVの引き金になりやすいと言われています。それから、家が流されたために、別居していた親族たちと一緒に暮らすようになった、震災同居と言うらしいんですけれども、複雑化する人間関係でトラブルが発生しているというようなことです。
 被災した女性たちは、どうしてもケアの役割ということを押しつけられることになっておりまして、それは女性の得意わざだろうと位置づけられて、できなければなじられるというようなことが日常だと言われております。女性自身も被災者であることを認めてもらいたいということの訴えがあります。
 このような女性たちのストレスが蓄積されておりますので、心と体への負荷とか、心身がむしばまれているという報告からお伺いしますけれども、女性の心のケアホットライン・いわてへの相談件数、内容、対応等についてお伺いいたします。
〇千葉青少年・男女共同参画課総括課長 阪神・淡路大震災の例とかの話からすれば、やはり震災時においては、いわゆる家族の固定的役割分担が強化されるというようなことが一般に言われておりまして、女性の相談については、非常に重要なことと考えているところでございます。
 そして、この事業なんですけれども、女性の心のケアホットラインというようなことですが、震災後に、実は、岩手のNPOと、あと全国のNPOの方々が自主的に始められた事業でございます。震災後直ちに。それから、その事業が内閣府等に聞こえまして、5月10日から内閣府事業としてモデル化されたものと。そして、岩手県での取り組みが、やはりその他の被災地である宮城県とか福島県にも広げようということで、2月11日から3県で実施されることになったものでございます。
 そして、今回、2月11日から3県で実施されたものについては、まだ相談内容の集計がまとまっておりませんけれども、岩手県で実施された分につきましては、2月10日までに相談が566件、それから、仮設住宅なんかを訪問しての部分の面接相談も含めて227件という相談になってございます。
 相談内容等でございますけれども、やはり高齢の女性の方は今後の生活に対する不安とか孤独感、それから、先ほど委員がお話になられたような、いわゆる家族の課題というものが女性に押しつけられると言ったらおかしいですが、そういう状況になることから、人間関係の悩みとかというのがやはり多い。DVについても統計上は出てございます。
 ですから、今後は、やはり必要に応じて丁寧な相談事業を続けながら、適切な社会資源に結びつけることによりまして、一人でも多くの女性が抱える悩みの解決に努めていきたいと考えている次第です。
〇小西和子委員 災害は女性の自立を困難にするために、被害から逃げられないで一人で悩むことが多いと考えられます。
 何かきょうのニュースでありましたけれども、寄り添いホットラインというものも3月11日に開設されるようであります。相談窓口を周知するなど、こういうカードを私もいただきましたけれども、やはり相談窓口がここにあるからねということを広く周知することが大事だと思います。早急に対策を進めることを要望いたしまして、終わります。
〇斉藤信委員 それでは、まず最初に、災害廃棄物の処理状況についてお聞きします。
 435万トンの災害廃棄物のうち、復興資材として活用するもの、焼却するもの、広域処理をするもの、それぞれどのぐらいになって、現在の処理量はどうなっていますか。
〇松本災害廃棄物対策課長 広域処理につきましては、435万トンのうち57万トンを処理していただこうという計画になっております。それから、あとは、先ほどからお話ししておりますが、170万トンほどを復興資材として再生利用するほか、金属くずについては73万トンほどリサイクルしようということで考えております。残り183万トンのうち、約3割の57万トンを広域処理をお願いしたいと考えているところであります。
〇斉藤信委員 きちんと質問を聞いて答えてくださいよ。そういう答弁だったら435万トンにならないでしょう。435万トンの内訳を聞いたんですよ。そして、それぞれの現段階の処理量を聞いたんですよ。
〇松本災害廃棄物対策課長 申しわけございません。現在435万トンのうち41万トン、約9.5%を処理済みでございます。例えば、木くずについては1万4、000トン、可燃性混合物については6万6、000トン、不燃物については2万7、000トン、コンクリート殻などについては20万トンほど、金属くずについては4万7、000トン、そういったような形で処理を進めております。
 広域処理につきましては、今、実際には東京都と山形県で少量やっておりますけれども、今のところ東京都が1万1、000トンを今年度目標ということで進めているところであります。
〇斉藤信委員 435万トンの内訳を聞いたんですよ、内訳。復興資材が幾らで、焼却処理が幾らで。計算したって435万トンになりませんよ。その内訳はどうなっているんですか。
〇松本災害廃棄物対策課長 435万トンのうち180万トンが、柱材、角材、可燃物等の処理しなければならないもの、それから、堆積物として170万トン、金属くずなどで73万トン、その他10万トンほど、漁具、漁網とか、あとは畳といったものがありますけれども、それを合計いたしますと435万トンということになるわけであります。
〇斉藤信委員 金属くずというのは復興資材に入れていないんですか。これは別枠になっているわけですね。
〇松本災害廃棄物対策課長 別枠でございます。コンクリート殻とか土砂等、復興資材として170万トン、それから、それとは別に金属くずとして73万トン。それ以外の183万トンを廃棄物として処理したり、あるいは分別して木くずなどをリサイクルしていくというようなことでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。それで、いずれ今の段階は41万トンの処理だということですね。
 海の瓦れきの処理もされていると思いますけれども、この海の瓦れきの総量と、既に陸に上げられた海の瓦れきの量というのは、もう既に海から上がればこれは処理すべき瓦れきになりますが、それはわかりますか。
〇松本災害廃棄物対策課長 実際、海の中にどれぐらいあるか、あったかということになりますと、なかなかこれを計測することはできないんですけれども、本県が災害廃棄物の量を推計するときに測量させていただきました、その量が435万トンでございます。一方、環境省は475万5、000トンと数字を出しているんですが、これは衛星画像を使って浸水地域の家屋等の戸数を数えて、1戸当たりどれぐらいのごみが出てくるかなどというような計算をして475万5、000トンとしております。ということで、引き波で海のほうに持っていかれたものとか、あとは、まだ建物として解体されずに残っているようなものがありますけれども、その差が、環境省で言っている475万トンと本県が測量してはじき出した435万トンのうちには、もしかするとその海に持っていかれた廃棄物が入っているんだろうなと思っております。
 なお、引き上げられたものについては、市町村の廃棄物として災害等廃棄物処理事業の中で処理をしていくということになりますし、農林水産部あるいは県土整備部から聞き取りをしたところですが、漁港とか漁場関係で引き上げられたものについては、立米でございますけれども、50万立米と。それから、県土整備部所管ですけれども、港湾から撤去した瓦れきということになりますと、これは12万トンと聞いております。これらは、1次仮置き場からは、市町村もしくは委託を受けた県のほうで処理をしていくということになります。
〇斉藤信委員 そうすると、今の50万立米、12万トンというのは、その435万トンの中に入っているということで理解していいですか。
〇松本災害廃棄物対策課長 上げられたものの中に、養殖いかだとか、そういったものもあるので、必ずしもすっかり数字が合わないと思います。漁具、漁網など、そういったものも、引き上げられてしまったものについては市町村のごみとして処理していくことにしていますので、ちょっとわからない部分はあるんですけれども、いずれ引き上げられたものについては、市町村の廃棄物ということで処理をしていくということになります。
〇斉藤信委員 わかりました。183万トンの焼却処理ですけれども、これは県内でどのぐらい処理できるのか。特に県の内陸部でね。そして、広域処理ではかなり東京都、大阪府、静岡県、秋田県と出ていますけれども、今の段階でどのぐらいの広域処理の見込みとなっているか示してください。
〇松本災害廃棄物対策課長 詳細計画で計画をしたのでございますけれども、内陸部の市町村で2年間で8万トンほど、それからあとは、太平洋セメント、三菱マテリアル、岩手第2クリーンセンターで82万トンほど、それから仮設焼却炉で13万5、000トン、その他で15万5、000トンということで、125万トン処理するということで計画しております。
 広域処理でございますけれども、平成26年3月までに、東京都では、宮城県と岩手県の廃棄物50万トンを計画されております。それからあと、昨日、秋田県と覚書を締結したところでございますけれども、上限として6万1、000トン、それからあとは、八戸市が住民説明会で説明している量でございますが、2年間で3万トン、それからあとは、大阪府では2年間で最大18万トンということで、まず数字が上がってきているところです。
 そのほかの今交渉しているところにつきましては、まだこれから引き受けていただける施設の余力とか、あるいは岩手県から出していく廃棄物の種類といったものでマッチングをして量を決めていただくというようなことになってくると思います。できるだけ、その57万トンをクリアするように頑張っていきたいと思っています。
〇斉藤信委員 広域処理57万トンについて、神奈川県でも静岡県でもさまざまな議論があるようです。私は、被災地から見れば、まさに二次被害のようなもので、風評被害と言ってもいいと思いますが、しかし、これは理解してもらわないと進まないわけですね。ぜひ、やっぱり広域処理をお願いしているところの住民も含めて被災地に来ていただくと。やっぱり現場を、この被災の状況も見てもらう、瓦れきの状況も見てもらう、私は、それが一番理解を進める特効薬だと思いますよ。だから、やっぱりそういう手だても一つ関係都府県と協議をして進めていく必要があるのではないでしょうか。
〇松本災害廃棄物対策課長 2月ごろから徐々に県外自治体の視察がふえております。毎週土日、当課職員が御案内をしているというような状況でございまして、3月中もあちこちの、ちょっとここではお話しできませんけれども、いろいろなところの自治体がバスで何台という感じで視察に来ていただいております。
 なお、昨年11月に私どものほうから環境省に御提案いたしまして、環境省のほうでツアーを組んでいただいて、関係都道府県あるいはマスコミの方々にも理解していただくのが一番だと思いまして、そういったツアーを組んで来ていただいているということで、機会があれば、何度かそういったことも提案していきたいと考えています。
〇斉藤信委員 災害廃棄物の処理は、文字どおり復興のまず第一関門と言うべき、これが進まないと全体が進まないということですので、ぜひ知恵も出して取り組んでいただきたい。
 次に、放射線対策について先に聞きます。
 来年度の予算にも放射線対策は入っていますけれども、私は、子供を放射線の被害から守る対策のためには、学校、公園等で徹底した測定と除染の対策をとるべきだと思います。
 来年度予算はあるんだけれども、私は、来年度というよりは、3月の春休みの時期に一斉に測定と除染をやって新しい入学式を迎える、こういうことが必要なのではないかと思うんですよ。来年度だから、来年度に入ってからということでなく、そういう手だてをとるべきではないのかと。
 食品の放射線量の検査体制はどうなっているのか。あと、河川の河口付近で放射線量が高くなっていますが、その要因と対策はどうなっているでしょうか。
〇玉懸環境保全課総括課長 学校における放射線量の測定及び除染につきましては、県内の各市町村が取り組みを進めており、昨年末に一巡したところでございます。
 また、県におきましても、公園等を含む県内55の定点で毎月生活圏の放射線量を測定、公表しておりまして、全体的に放射線量は低減傾向となってまいりました。
 なお、地表の放射性物質につきましては、雪解け等によりまして下流域に移動する可能性がございますことから、市町村に対しては、各広域振興局等に配備しているサーベイメータを貸し出すなどして、地域の状況に応じたきめ細かな測定ができるよう、支援、助言してまいります。
 続きまして、河川等の放射線量につきましては、環境省と県が協力し、12月下旬から1月上旬に県南5市町村において測定しております。河川18地点、海域2地点、水浴場1地点でございます。この結果、河川における空間線量は毎時0.07マイクロシーベルトから0.32マイクロシーベルトであり、国が追加被曝線量の長期的目標の目安としている毎時0.23マイクロシーベルトを上回ったのは4地点でございましたが、周辺の一般環境とほぼ同じレベルとなっております。
 また、放射性セシウムにつきましては、河川の水質が不検出、底質がキログラム当たり62から990ベクレル、河川敷の土壌につきましてはキログラム当たり116から3、400ベクレルであり、県南部の海域及び海水浴場の水質、底質等からは不検出となっております。
 地表の放射性物質は、先ほど申し上げましたように、風雨等の影響で移動いたしますので、国と連携しながら継続して監視してまいります。
〇白岩食の安全安心課長 食品の放射線量の検査体制についてですが、これまで、原発放射線影響対策本部が取りまとめた原子力発電所事故に伴う放射線量等測定に係る対応方針に基づく県産食材の安全確保方針により、農林水産部では、本県で生産された農林水産物の検査、当部では原子力発電所事故後の稲わらを給与された牛肉の検査などを行うなど、県民の食の安全・安心の確保に取り組んできたところです。
 来年度においては、食品中の放射性物質の新基準が適用されることから、市場に流通する加工食品等について、食品衛生法に基づく食品衛生監視指導計画に放射性物質検査を盛り込み、計画的に検査を行うこととしております。
〇斉藤信委員 サーベイメータによる定期的な測定もやられて、1月の結果を見ましたけれども、奥州市、一関市、平泉町、15地点で年間1ミリシーベルトを超える0.23マイクロシーベルトを超えていると、これが出ているわけですね。だから、私は、子供たちが毎日通う学校とか公園とかというものは、早くやって、早く手だてをとるべきだ、こう指摘したんですよ。どうですか。
〇玉懸環境保全課総括課長 学校等の調査及び除染につきましては引き続き実施することとしておりまして、現在、積雪で作業が困難ではありますけれども、一部の市町村では継続してやっておりますので、切れ目がないように取り組んでいきたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、岩手県地球温暖化対策実行計画案についてお聞きしたいと思います。これは、今度の定例会にも議案として出されているものです。
 地球温暖化防止計画のCO2排出量30%削減と大変積極的な目標を打ち出したと。国は25%といって、国会で継続審議になって最近腰砕けになっていますね。これは、国が腰砕けになっても30%削減の目標を岩手県はやる、こういう根拠と決意のある目標、計画なのか、まず先にお聞きします。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 県の実行計画で目標としました30%、これは、国の25%目標も念頭にはありますけれども、むしろ世界的に必要な削減量、IPCCのほうで出しております30%ということで、国の動向も見ますが、現時点ではそのような考え方で設定しております。
〇斉藤信委員 そういう高い立場でぜひやっていただきたい。
 それで、しかし、根拠が伴わないと、これは計画倒れになってしまう。実は、京都議定書を踏まえて増田知事のときに8%削減と打ち出した。その到達点はどうかというと、経済の低迷に助けられて3.1%減になりましたね。しかし、8%目標は達成できなかったんですよ。
 私は、やっぱりこの分析、その教訓から、30%という大胆な目標に挑戦しなくてはならないと思うけれども、8%削減目標が達成できなかった要因はどこにあるのか、どうすれば30%という積極的な目標が達成できるのか、まず基本問題についてお聞きします。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 まず、平成22年度において達成できないというお話でしたけれども、最新のデータは平成20年ですので、まだ達成できているかできていないか、現時点では総じてわかりません。ただ、ここ3年ですか、毎年CO2の排出量が減少しておりまして、平成21年度、22年度もそういう傾向に入っていってもらいたいと思っております。
 あと、県の8%削減目標、これは削減努力プラス森林吸収量も含めておりますので、森林吸収量を含めれば達成できると考えております。
〇斉藤信委員 このあなた方が議案にしているものにきちんと2008年確定ベースというものが出ているんですね。これで3.1%減になっているわけですね。
 それで、今回のものはかなり経済の低迷に助けられたということですよ。努力して削減したというよりは、期せずして経済の低迷に助けられた。恐らく去年は、あの原発事故に助けられましたよね。電力の節電効果というのは大変大きかったと。それは、逆に行けば、やればできるということを示したことになると思いますが、少し各論でお聞きしたいと思います。
 実は、この実行計画は10年計画になっているんだけれども、具体的な課題の目標というものは平成27年度までしか、半分以上そうなっているんですよ。これは10年計画ではないじゃないですか。ほとんどは4年計画ですよ。何でこうなったんですか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 実行計画におきましては、平成32年までを計画期間としておりまして、各指標も32年度の目標は定めておりますが、この上位の計画であります環境基本計画、これは平成27年度、最初の5年間として目標設定しておりますので、実行計画もそれに合わせて作成しております。
〇斉藤信委員 いやいや、これは冒頭で、この計画は10年計画だと書いてあるじゃないですか。違うんですか。この計画は10年計画だと書いているんですよ。そして10年計画の目標もあるんです。しかし、半分以上は平成27年度、あとたった4年しかない。これはそういう計画なんですか。実質は5カ年計画なんですか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 実行計画の内容は、基本的にすべて10年計画としております。対策につきましても、目標につきましても10年と。ただ、その指標の平成27年というのは、先ほど言いましたとおり、環境基本計画に合わせて設定していると。当然、10年度の目標も用意しております。
〇斉藤信委員 私が見た計画には、これに平成32年の計画はないですよ。わざと入れなかったのですか、入れたんですか。入れるものが本物ですか、入れないものが本物ですか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 計画上は、5年後あるいは必要に応じて見直すということにしております。まずは、基本計画に合わせて平成27年度の目標を設定して、それに向けて、対策はもっと長期の対策もいろいろ含まれていますけれども、まずは平成27年度目標に向けて取り組みを進めていくと。事務的には、27年度目標をつくるには、当然32年度目標が必要ということですので、基本計画が次に32年度目標を定めると思います。それに合わせて実行計画のほうも見直しを行うとともに、目標も定めていくということになろうかと思っております。
〇斉藤信委員 ちょっと部長にお聞きしたいけれども、これは10年計画ということで議案になっているんですよ。そういう基本計画だから議会にかけるものですと。ところが、具体的な指標を見ると、半分以上は平成27年度までの実質たった4年しかないんですよ。32年度の計画があるというなら、何で出さないんですか。途中で見直すことは当然あることですよ。しかし、書いていないんですよ。私は、何でこんな中途半端な計画になったのか、部長にお聞きしたい。
〇工藤環境生活部長 環境基本計画の目標年次が平成27年度ということで、それに合わせたロードマップをお示ししていると御理解いただければと思います。
 あくまでも長期的な目標については10年後の目標、そして中期的には、環境基本計画に合わせた目標を設定して、それに基づくロードマップを示しているという内容でありまして、5年後に、その到達状況等を見ながら、再度そこで精査させていただくという仕組みになってございます。
〇斉藤信委員 何で平成32年度の計画を書いているんですか。平成32年度の計画を書いているのは何でですか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 斉藤委員もごらんのとおり、目標につきましては、すべて平成32年度目標を上げております。これが一番上位の目標になりまして、エネルギーにつきましても、二酸化炭素排出量につきましても、その他主要指標は、すべて平成32年度目標としております。
 そして、今、部長からお話ししましたとおり、個別のロードマップとしての取り組みは平成27年度、その目標を定めて取り組んでいくということですので、上位はすべて32年度目標に向けて取り組むということでございます。
〇斉藤信委員 私は余りやりとりしたくないんだけれども、基本的な目標は確かに平成32年度、これは7項目ありますよ。しかし、具体的な実行計画だって、書いているものと書いていないものがあるのよ。だから、統一していないのではないかと言っている。
 そして、そもそもこれは10カ年計画で出されているわけですよ。実態が、具体的な指標は5カ年だったら5カ年計画にしかならないじゃないですか。厳密にいけば4年計画ですよ。
 私は、それは矛盾点として指摘しておきますよ。書いているものと書いていないもの、計画は書いていないほうが多いんだから。そういう統一していない計画というのは、いかがなものか。議会の議決事項で出て、そして、逆に、いやあるんだと言うわけでしょう。あるんだけれども、書いていない、そういうことはあり得ないと思いますよ。
 部長に、これは余りやりたくないから、一言だけ答えてください。
〇工藤環境生活部長 目標の関係でございますが、10年後のいわゆる長期目標については、ほとんどが設定されていると私どもは認識しておりますが、中期目標と一部同じものが、すべて設定されていないものもございますが、それは環境基本計画との関係からそういう整理をさせていただいているものでございます。
〇斉藤信委員 いずれにしても余り整合性のない計画だなと。
 それで、具体的な問題で、例えば再生可能エネルギーの導入の問題は積極的な目標が掲げられています。例えば太陽光は4倍、風力は8.6倍、地熱は1.6倍と。ところが、今まで太陽光発電は環境基本計画の目標に対して39.9%の実績です。太陽熱は10.3%、再生エネルギー全体では73.6%だった。私は、ここの反省なしに積極的な目標は行かないと思うけれども、いかがか。
 まとめて聞きますよ。森林吸収量は2008年141万5、000トン、2009年235万4、000トンにふえていますが、なぜふえたんですか。2020年の目標は191万6、000トンに減少するんですね。これは、2020年で減少する理由は何でしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電は、前計画、新エネルギービジョンで達成率が40%を若干切るという状況でございました。これは新エネルギービジョン設定時に太陽光発電パネルのコスト、いわゆる価格が大幅に減少するということで、当時800倍ぐらいの導入が見込まれるという想定でつくったものです。ただ、その後、太陽光パネルの値段がなかなか下がらなかったということもありまして、目標には届かなかったという状況にございます。風力と水力等は、地熱もそうですけれども、大体目標達成という状況にございます。
 次に、森林吸収量ですけれども、これは、こちらのほうとしても、このように乱高下といいますか上がり下がりはちょっと困るんですが、いずれこの算定は、県ではできない、林野庁でやっております。そのときのデータが何かいろいろあるようで、そこまではちょっとこちらではわからない。ただ、この3カ年平均をいずれ吸収量の目標にして設定しているところでございます。
〇斉藤信委員 これで最後にしますが、森林吸収量の根拠はよくわからないということですね。ところが、森林吸収量の比重は大変大きいんですよ。後でしっかり教えてください。なぜこんなに急に上がったり、2020年にはこんなに下がるのか。私は、下がらないようにするのが計画だと思いますよ。下がらないようにするのが。だから、それはぜひ後で教えていただきたい。
 被災住宅に対しては来年度3、940万円の太陽光発電設備の補助をすると。私は、本気でやるんだったら、そこに限定しないでやるべきではないかと思いますが、これは何件分になるのか。木質バイオマス、小水力の場合は、平成27年までにたった6件ふやすという計画ですよね。大変消極的ではないのか。
 再生可能エネルギーの140億円の基金、そして、来年度は34億6、090万円ですが、これはもうかなりの要望が来て、あっぷあっぷだと聞いていますが、その取り組み状況はどうなんでしょうか。
 昨年の節電、全県で19.8%という、私は、これは通年ベースではどうなのか。この昨年の取り組みをかなり本格的に、恒常的な取り組みにすべきだと思いますが、それはどういうふうになっているでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 被災住宅等への太陽光発電設備の導入件数ですけれども、1件当たり4キロワットの設備を入れたということで仮定しておりまして、200件と見込んでおります。
 次に、木質及び小水力の取り組みがちょっと弱いということですけれども、木質バイオマスにつきましては、未利用間伐材などの燃料供給システムの構築、あるいは事業者への木質バイオマス利用設備等の導入支援ということでの取り組みを進めると。
 小水力につきましては、農林水産施設あるいは下水道施設への未利用エネルギーを活用して設備を導入していくということで目標は設定しておりますが、今回の大震災津波を契機としました再生可能エネルギー関連事業あるいは固定価格買取制度の実施によりまして、大分事業採算性は向上する見込みでございます。そういうことで、この計画以上の導入量、取り組みになるものと期待しているところでございます。
 次に、防災拠点等への再生可能エネルギー設備の導入でございます。
 現在、市町村、民間事業者等の要望を取りまとめたところでございますけれども、件数で約1、650件、額で、基金造成額140億円の1.7倍の235億円ほどの要望となっております。
 次に、節電の取り組み、これを恒常的な取り組みにするべきだというお話ですけれども、昨年、電力需給が逼迫したということで、国を挙げて、県、市町村も呼びかけながら実施して成果を上げたところでございます。また、この冬も、やはり電力需給が逼迫するおそれがあるということで、県はもとより、県民の方々にも呼びかけたところです。
 県民の方々、事業者の方々、我々もそうですけれども、節電の取り組みの意識がかなり高まってきていると思いますので、ことしの夏、それ以降もですが、引き続き節電の取り組みはしていきますし、呼びかけていきたいと思っております。
〇工藤勝博委員 私も再生可能エネルギーについて質問を通告しておりました。先ほど斉藤委員からの質問もありまして、答弁もありましたけれども、違う観点からお伺いいたします。
 昨年の大震災、そして原発事故によってエネルギーの問題が大変大きく取り上げられ、そしてまた、この再生エネルギー、地球温暖化対策に向けての再生エネルギーの事業が導入されたということで、今後のエネルギーに関しては大変期待をしているところでもあります。
 そういう中で、三つの事業がありました。先ほど被災地に向けての支援、太陽光の支援、これは新築の住宅、あるいはまた既存の住宅に対しての支援なのかが1点。先ほど件数は200件ということもありました。多分、全体から見ると相当な希望者が出るのではないかという思いもしております。その部分、オーバーしたらどうするのかということを、まず一つ目としてお伺いいたします。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 この再生可能エネルギー導入促進事業、いわゆる被災した住宅とか事業所への導入の支援ですけれども、これは、住宅の罹災証明をとっていただければ、そして新築なり一部改修なり修繕等を加えたその中で太陽光発電設備を導入するものに対して助成するという考え方です。一応修繕が終わっている家屋等もあると思いますので、それらも対象にしたいと思っております。
 あと、200件、どのくらい住宅復興が進むかわかりませんけれども、もしオーバーするようであれば、これは内部的に必要な事業だと思っておりますので、できるだけ措置できるように協議していきたいと思っております。
〇工藤勝博委員 大変前向きな答弁だと思います。多分、1家庭4キロというのはそんなには実際は必要ないかなと。今の節電の電化製品から言わせれば3キロぐらいでも十分ではないかという思いもしております。いずれ希望者があれば、それに対応するということは大変いいと思っております。
 二つ目の事業の中で、大規模な発電をする事業者に対しての融資という事業があります。これは、やはり新たな電力を創出する、また、一つの産業としても、これから岩手県にとっても大変大きな力になるだろうと思いますし、それに伴って当然雇用もふえるだろうという思いもしています。
 金額は7億9、800万円ですけれども、この金額でどれだけ事業者が手を挙げるのか、予想される事業者数等をとらえてあればお聞かせ願いたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 この低利融資制度は、太陽光発電─風力も入れておりますけれども─を設置する場合の融資ということです。予算額は7億円台ですけれども、融資総枠は、これは銀行との協調融資ということになりますので、大体19億円ほどを予定しております。
 件数はアバウトにやっております。対象となるのは、事業所に例えば太陽光パネルを乗せる場合、あるいは固定価格買取制度がスタートしますと、屋根を借りて売電事業を起こすという事業者、あとは大規模発電も出てきます。そういうことで、風力、メガソーラーの設置、そして屋根貸し事業の件数を多少見込んで、とりあえずトータルで19億円規模の融資枠ということで計算しております。
〇工藤勝博委員 最後に、防災拠点の避難所なり、あるいはまた、今後、想定されるいろいろな災害に対してのエネルギーの需給という観点から導入事業がありますけれども、市町村の公共施設等を対象にした事業ということを伺っていました。
 先ほども申し込み件数が大変多いと。140億円の基金の中で平成24年度は約34億6、000万円ということですけれども、その手を挙げた事業件数からするとどういう形で採択になるのか、その辺、現時点で考えている部分をお知らせ願いたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 先ほど要望件数と要望額の状況をお話ししましたけれども、今、この事業に係る補助金交付要綱を作成中でありますし、その要望等を踏まえて、四つの事業がありますけれども、その四つの事業への配分額を検討しているところです。
 市町村等の要望額が最も多いわけですけれども、市町村等への補助の考え方は、やはり人口規模とか、あるいは今回の大震災での被害状況、特に沿岸市町村が被災しておりまして、設備計画も、期間4年間ですが、その後半のほうに計画が出てくるだろうということも考えております。そういうことで、一定の市町村への補助額をお示しして、ただし、後年度にも特に沿岸被災市町村の要望にこたえられるような形での配分にしたいということで、現在、鋭意検討しているところでございます。
〇工藤勝博委員 最後に、ただいまのそういう工程をお聞きしましたけれども、4年間の基金の中で、均等割にすれば平成24年度は大体34億6、000万円というような感じになりますけれども、多分多くの皆さんが、もうすぐにでもやりたい、そういう積み重ねが千何件という数字になると思います。これはスピード感を持ってやるには、先ほど課長は後年度も言いましたけれども、やはり前半にもっと基金の活用をしたほうがいいのではないかと私は個人的に思いますけれども、いかがでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 その配分といいますか、補助の考え方は、機械的に各年度に割り振るのではなくて、一定の市町村への補助の考え方を示す。そしてあとは、その市町村が早く整備したければ早く整備できるようにしたいと思いますし、じっくり計画を立てて後年度に実施したいというのであれば、それにも対応できるような仕組みにしたいと、今、制度設計というか、考えているところでございます。
〇久保孝喜委員 私からも大きく2点、最初に、ずっと続いておりますが、再生可能エネルギーにかかわってお尋ねしたいと思います。
 端的にお尋ねいたしますが、新年度の予算措置において、再生可能エネルギーの予算の割り振りといいますか割りつけが環境生活部においては震災対応のみとなっているんですが、その考え方についてまずお示しいただきたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 この震災対応と区分された理由でございますけれども、県の予算編成方針としまして、東日本大震災津波からの復旧、復興対策に係る経費を震災対応分として整理しているところでございます。
 再生可能エネルギー導入に係ります事業につきましては、大震災津波による大規模停電あるいはエネルギー不足を踏まえまして、県の復興基本計画に防災のまちづくりの一つとして位置づけられておりますことから、この再生可能エネルギーに関連する事業は震災対応分として整理したところでございます。
〇久保孝喜委員 今回、知事の言うところの復興の第一歩としての予算、この性格からしても、自然再生エネルギーに特化して大きな予算を割り振ってその歩みを始めるというのについては全く依存はないですし評価もしたいと思うんですが、一方で、この大規模な電源開発ということと同時に、これまでも指摘してまいりましたけれども、私たち自身のエネルギーに関する価値観の転換ということを行政としてどういうふうに仕掛けていくのかということも自然再生エネルギーにかかわっては非常に大きなポイントになっているわけです。
 先ほども出ましたが、地球温暖化対策の実行計画の中でも触れられておりますように、政府においては、緑の分権改革の中でもかなり大きなテーマとしてこの自然再生エネルギーを取り上げているわけです。その中では、地域活性化という大きな目的を持った再生エネルギーの活用ということがかなり重要視されておりまして、既に取り組まれているモデル事業などでも、小さな取り組みではありますけれども、活性化にかなり力点を置いた取り組みというのが各般にわたって進められているわけです。
 ところが、残念ながら、現在、岩手県において、さまざまな省庁別の可能性調査とか、あるいは県庁内部でも所管課ごとに自然再生エネルギーの可能性をそれぞれ調査したりしているわけですが、それらが統一的に、全県下、市町村も含めて一体的に取り組む体制になっているのだろうかというところで疑問を持っているわけですが、それについてはどのようにこれから進めようとなさっているんでしょうか、お示しいただきたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 確かに委員御指摘のとおりの面はあろうかと思っております。当部では、平成22年度におきましてこの緑の分権改革推進事業の委託を受けまして、5市町とともに、太陽光、小水力あるいはバイオマス等の導入可能性調査をいたしました。その結果につきましては、太陽光発電、木質バイオマス、これはまだ固定価格買取制度がスタートする前でしたので、その時点では、この二つのエネルギーが費用対効果といった面も含めて導入のメリットが高い、そのような結果が得られましたので、各市町村にもその結果を示して、特に太陽光あるいは木質バイオマス、加えて熱利用もかなり有利ということでお示しして活用を促しているところです。
 あと、今、委員のお話にありましたとおり、他部局あるいは市町村でもそういった可能性調査を行っております。1月に再生可能エネルギー推進本部を立ち上げました。そういった本部の構成団体で結果を共有したり、市町村ともその結果を共有し、連携しながら全県的な取り組みに活用できるようにしていきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 実行計画の中では、その計画の推進、進行管理の中で幾つかの協議会とか県民会議というのが列挙されていますが、残念ながら、これらの組織がこれから先の再生エネルギーの普及や拡大というところに具体的に、あるいは直接的に働きかける組織ではないんじゃないかと思うんですが、その点に関してはどうなんでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 温暖化防止いわて県民会議は、その活動目的は省エネの取り組みということにしております。実際、昨年、具体的な取り組みをしていただきましてCO2削減については成果を上げたところでございますが、大震災津波の復興業務のために現在は活動を停止している状況にございます。
 再生可能エネルギーの取り組みを共有する組織というのは今のところないんですけれども、現在、沿岸被災市町村と内陸の複数の市町村とこの再生可能エネルギー、スマートコミュニティの形成も含めた勉強会をしているところですので、そういった機会も使いながら、特に沿岸で可能性調査をやっておりますので、そういった内容も共有するような形で、それも活用しながら全県への普及を図っていきたいと思います。
〇久保孝喜委員 他県の取り組みをずっと眺めてみますと、例えば自然再生エネルギーに関しては、もちろん震災以降の動きですけれども、事業者はもちろん、県も、それから市町村も、それからNPOなどの市民組織も含めて、一つのテーブルの中でお互いの役割分担を出し合うというような、かなり直接的な自然再生エネルギーの拡大に向けた組織立てというのをやられている県もあるわけです。しかも、その際には、明確な目標として、例えば市町村に必ず一つずつ自然再生エネルギーの事業を立ち上げようとか、そういう形で目標設定をきっちりして、その上で足らざる点を県とか自治体が支援していくという仕組みをつくっているところもあるわけです。
 残念ながら、この実行計画の中ではそういう具体が示されないまま、それぞれの主体の役割を強調するだけで、現実にはそういう後押しの体制というのがこの計画の中には私は見えてこないという気がするんですが、どうでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 委員御指摘のとおり、実行計画にはいろいろ推進施策は盛り込んでおりますけれども、今言った全県組織を立ち上げるとか、あるいは今、事例で挙げられました各市町村ごとに目標を持って取り組むというのは入れておりません。
 委員からの提言ということで、今後、再生可能エネルギーの普及に当たっての方策の一つとして検討してみたいと思います。
〇久保孝喜委員 自然再生エネルギーに関して言えば、見えるエネルギーということが盛んに言われるようになってまいりました。つまり、私たちの暮らしの現場に実はエネルギー源があるというところをどれだけ見える化して、なおかつそこに関与できる環境をどれだけその地域の中につくっていくか。
 ここで一番注目されているのが実は小水力発電なわけです。県のこの実行計画の中でも小水力には触れられていますけれども、小水力といってもかなり幅があって、1万キロワット以下を小水力と言うわけですけれども、しかし一方で、いわゆるマイクロ水力と言われる100キロワット未満のエネルギーをそれぞれの地域、市町村よりもさらに小さい地域の段階で活性化のために役立てようという動きがかなり今、全国的に進み始めているということを指摘しておかなければならないと思います。
 その上で、岩手県などは環境省の調査などによってもかなり大きな可能性を秘めている、こういうことになっていますし、手元にある資料で、環境省が昨年出したポテンシャル調査報告書で、全国の数字でいうと小水力、1万キロワット未満だけで2万7、000カ所あるということが言われていまして、このうち3割は東北だと、こういうことらしいんですが、この環境省の調査報告によれば、通告しておりませんでしたが、岩手県は幾らというような提示はあるんでしょうか。もしあったらお示しいただきたいと思うんですが、この小水力だけで、実は全国の可能性調査だけでいうと6、000万世帯分を発電できるとうたっております。例えば栃木県などでは、最終的に2、000カ所を小水力発電による電源開発をしていこうというような将来目標も立てながら進めているというケースもございます。
 ところが岩手県は、この小水力発電に関していえば、実行計画、平成27年度6カ所。この差は一体何なんだろうということなんです。そもそもの自然再生エネルギーの考え方を事業化できるものと特化してしまうとこういうことに私はなってしまうんだろうと思うんです。しかし、事業化はもちろん大切ですよ。大切ですけれども、今はまさに普及啓発を第一義、切り口としてどうやっていくのかということをやっていかなければならない時期だと思うので、その意味では、先ほどの全県組織の問題も含めてそうなんですが、どこから切り込んでいくかという戦略がなかなか岩手県の場合見えてこないという気がしてならないわけですが、その点はいかがでしょうか。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 都道府県ごとの再生可能エネルギーの導入計画というのは、その地域特性にかなり左右されます。岩手県は幸い恵まれておりまして、地熱から風力、水力、太陽光、基本的には木質バイオマスも含めて、ほぼあらゆるエネルギーに恵まれているという状況にございます。そういうことで、これまでの計画の中では、普及の進展というのを考えて、どちらかというと小水力は難しいだろうと考えておりました。その理由は、先ほどもお話ししましたけれども、コスト的に採算が合わない。緑の分権改革の調査事業でも調べましたけれども、まず、個人での導入は基本的には難しいと。そして適地が、コストももちろんそうですが、売電をするとなりますと、その規模で東北電力の系統に接続するには非常にお金もかかると。自家消費型でないと難しいということで、正直言って計画では多くは見込んでおりません。
 ただし、先ほどお話ししましたとおり、固定価格買取制度の内容によりましては大幅にふえるのかなと期待しております。
 先ほど岩手県の小水力の可能性ということでしたけれども、全国が賦存量でいきますと2万7、000カ所、それに対して岩手県は790カ所、2.9%ほどとなっております。ただ、そのうち、実際に活用できそうだというところは、全国でいきますと1、719カ所、本県は24カ所ということになっております。
〇久保孝喜委員 環境省のポテンシャル調査で実現可能性があるのは24カ所だとうたっているにもかかわらず、平成27年度までの目標値は6カ所だと、こういうことなわけでしょう。結局そこのところが、そもそもの考え方として、事業化前提で再生可能エネルギーを考えてしまうとそうなると私は思うんです。全国の実例が示すのは、今はまさに切り口としての自然再生エネルギーをどうやって見せるかということに力点を置いて、例えばそれを小さな部落の公民館のわきに小水力、マイクロ発電をつくって、そこで充電し、あるいはその充電器から電動自転車なり電動自動車へ電力を供給するとか、そういう形で実は緑の分権改革のモデル事業なんかもやられているわけです。
 そういうことを考えていくと、こういう数字に私はならないんだろうなと思ったところなので、ぜひともこれは庁内で検討を加えていただきたいということを申し上げたいと思うんですが、その流れで本県の電気自動車の実態をお聞きしたいと思うんですが、普及状況や、あるいは充電施設等の数はどうなっているのか、あるいは県の方針としてはどういうふうにこれから進めていこうとしているのかお尋ねします。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 県内の電気自動車の普及台数ですけれども、国土交通省の東北運輸局の公表データですと24台となっております。
 また、電気自動車用の急速充電器を確認したところ、県内には16基設置されております。そのうち1基が県の大船渡合同庁舎に設置されております。
 次に、この普及の方策、考え方ですけれども、電気自動車はガソリン車に比べまして二酸化炭素削減効果が非常に高いというメリットはございますけれども、まだ航続距離が短い、特に冬場になりますと大幅に航続距離が減少するという課題がございます。そういったことで、そのような電気自動車の特性について事業者なり県民の方々にも十分御理解いただきながら、電気自動車を含めましたトータルのクリーンエネルギー自動車の普及を図っていきたいと思っております。
 また、急速充電器は、今後、電気自動車の普及とともに整備が進むものと考えております。
〇久保孝喜委員 昨年12月の初めに全国小水力サミットがありまして、私も参加してきたんですけれども、そこで実例として示されているのは、温泉地のそばには大概河川があると。その河川でマイクロ発電をして電気をつくり出して、その温泉のセンターに充電器を設置して、そこで電気自動車を貸し出してその温泉内を巡っていただこうというような実験をやっているところもあったりするぐらいに、実はこのマイクロ発電と電気自動車というのは非常に相性がいいといいますか、非常にわかりやすい話になっているので、そういったこともぜひパイロット的に私は取り組むべきだろうと思っております。ましてや平泉の観光などにこれを活用していけばかなり大きなアピールになるのではないかと思ったりしているところでございますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 次に、環境基本計画に絡んでお話ししたいと思うんですが、最初に大上段にお聞きいたしますが、放射線対策の問題がこの予算特別委員会でもかなり出されました。現在も当然進行中なわけですが、この放射線対策の問題が、実は環境基本計画にはもちろん震災前にできたものですから載っていないわけですが、この基本計画にどのようにこの先この放射線対策を盛り込むのかという考え方についてまずはお聞きしたいと思います。
〇伊勢環境生活企画室企画課長 環境基本計画の策定根拠は、岩手県環境の保全及び創造に関する基本条例で定められております。これは、環境基本法では県に環境基本計画の策定は求めておりませんが、環境基本法のもとで、国が講ずる環境の保全のための施策に準じた施策については総合的かつ計画的な推進を図ることを求めておりますことから、県においては条例を制定し、その条例に基づいて計画を策定しているものでございます。
 現状においては、放射性物質による環境汚染を防止するための措置は環境基本法のもとではなく原子力基本法等のもとで講じられてきておりますが、ことし1月31日に閣議決定されました環境省設置法等の一部を改正する法律案では環境基本法の対象とされたところでございます。
 また、環境基本法に基づく国の第4次環境基本計画の案でも、このような法律改正の動きを踏まえて、放射性物質による環境汚染について盛り込まれるところとなったところでございます。
 このことから、県の環境基本計画においても、放射性物質による環境汚染に関する事項について、国の法律等、改正の動向を踏まえながら改正の検討を行っていこうということで考えているものでございます。
 なお、当面のモニタリング、除染等の業務につきましては、いわて県民計画第2期アクションプラン、東日本大震災津波復興計画、原子力発電所事故に伴う放射線量等測定に係る対応方針及び放射線量低減に向けた取組方針等に基づいて適切に進めてまいります。
〇久保孝喜委員 言うまでもないことですが、放射線対策は単年度で終わるものでも何でもなくて、これから長期にわたって当然ながらモニタリングもしていかなければならない、あるいは除染対策もしていかなくてはいけないというかなり困難な課題になるわけです。ゆうべ私も見ましたが、チェルノブイリ、もう26年たっているわけですけれども、このチェルノブイリの周辺の土壌汚染の問題が、だんだん年数がたつに従って汚染の度合いというのはだんだんと低くなっていくわけですが、あるとき突然に反復上昇というのがあって、これはどういう理由なのかよくわからないんだそうですが、特定の地域に高い線量が、下がっていたはずなのに出てくる、そういうこともあるということが26年たった今でも実は悩みの種になっている、こういう報道がございました。
 したがって、長い目で環境基本計画などにきちんとモニタリングの体制や除染の体制を含めて考え方を示しておくということが実は大変重要だということをあえて申し上げたいと思うわけで、その方向での取り組みをぜひお願いしたいと思います。
 そこで、具体の予算措置の中身でお聞きしたいわけですが、環境放射能水準調査費が計上されております。この春先、懸念されているのは、中小の河川の汚染の問題。結果的にそのことは周辺の農地とかの土壌汚染につながるという懸念がございます。さらには、中小河川から大きな川、そして海岸、海へと流れていく放射線の問題。非常にことしの汚染状況とは違う局面で汚染の拡大というのが今、非常に懸念されているわけですが、そこに関しての対策といいますか、測定体制の強化、拡大という点でどのようになされるおつもりなのか、まとめてお尋ねしたいと思います。
〇玉懸環境保全課総括課長 汚染拡大の監視につきましては、今、内水面、それから沿岸海域等について国と連携して調査を実施しております。昨年12月から1月上旬に実施しました今回の調査では、昨年の航空機モニタリングで線量の高かった地域を中心にその下流域を調査対象としておりまして、具体的には5市町─大船渡市、陸前高田市、一関市、奥州市、平泉町でございます─の河川16水系18地点を調査し、さらに海域の広田湾、大船渡湾を調査しておりまして、この調査をしばらく継続したいと考えております。
 それから、河川等につきましては、今、環境基準等はございませんけれども、せんだっての御答弁で農林水産部から御説明申し上げましたように、利水等で山の濁り水等が入ってこないような方法を考えるとか、そういった利用面での対策も部局連携で考えていきたいと思います。
〇久保孝喜委員 今の答弁で、内水面16水系18地点と言いましたか、測定地点数。(「はい」と呼ぶ者あり)
 極めて少ない調査地点ではないかと私は思うんですが、中小河川の汚染拡大が懸念されているという話をしましたけれども、その問題と、この18地点だけでの調査というのが果たして私の懸念しているようなことをカバーするに足る地点数なんでしょうか。その辺の考え方、これ以上の拡大は必要なしという考え方なんですか。
〇玉懸環境保全課総括課長 現在、川の水からは不検出という状態になっておりますので、河川の底質、水質、それから河川敷の土壌、こういったところを今、監視しております。それで水域は、水質は不検出、それから底質と土壌のほうは若干出ているということでございますけれども、この集積が進むような兆候がありました場合には、頻度や地点について拡充を検討したいと思います。
〇久保孝喜委員 淡水魚からの放射能汚染の測定値がこの間示されましたけれども、現在の暫定規制値ではクリアできても、新しい規制値からするとそれを上回ってしまうというような数字でしたよね。100ベクレルを超える数値が出ているというようなこともあって、現状ではそうですけれども、この春先、雪が消えた後の数値というのは、どのさまざまな情報源で見ても必ず上がるだろうと言われているわけです。そういうときに、現状ではそれで大丈夫ですからと話で本当にいいんだろうかと、そういう問題意識の中で聞いているので、その点もう一回お願いします。
〇玉懸環境保全課総括課長 水系の監視につきましては、ただいま御説明申し上げました水質、底質のほかに淡水魚等の測定もしておりまして、こういった測定結果も踏まえて、測定地点の拡充等についても弾力的に対応していきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 これ以上言いませんけれども、いずれ懸念されているということを十分に認識しながら、調査地点なり測定地点というものをもっと拡大するという手だてをぜひ私はとるべきだということを申し上げて終わります。
〇吉田敬子委員 時間が大変遅い中で質問するのはしづらいんですが、なるべく簡潔に終わらせるよう努めますので、よろしくお願いします。
 まず初めに、地球温暖化対策実行計画案の中にもありますが、この中で、これまでも岩手県ではCO2削減のために3Rの促進に努めてきていらっしゃると思うんですけれども、その中でも特に古着の回収というのは私たちにとって身近な取り組みの一つだと考えている中で、県内の古着の回収、また処分について県でどのように把握されているかまずはお示しください。
〇吉田資源循環推進課総括課長 古着の回収状況でございますけれども、平成21年度、衣類という、古着というか布も含まれるんですけれども、これを資源ごみとして収集している県内の自治体は7市町村でございます。収集量は261トン程度でございます。
〇吉田敬子委員 私のほうでも調査させていただいたんですが、現在、7市町村の中でも、回収はしているけれども、実際回収された衣類が燃えるごみとして結局処理されている市町村が多いということも現状だということを県では把握されているのかということと、これを踏まえて、これからCO230%削減を目標にやられていくという中で、古着の回収というのは私たちの一番身近にあると思っています。
 2年前も、環境王国展の対談の中で、知事も話の中で自身も古着の回収はやっているとお話しされていまして、これからもその部分は大切だという県内の事業者の方との対談がありまして、県内で7市町村だけが古着の回収をしていて、ただ、回収しているけれども実際には焼却されている現状だということですので、ぜひ県でもう少しきちんとほかの全市町村でも推進を進めていっていただきたいと思っておりますが、御所見を伺います。
〇吉田資源循環推進課総括課長 価値のある古着ですと、民間のリサイクルショップといいますか、古着ショップとか、そういうところで売買できていると。そういったものは民活、そちらのほうでやるのが望ましいと、そういう方面で行政が余り入らないで。
 問題なのは、価値がないものをどうするかということですけれども、今、布類といいますか、古着として集められているものの利用ですけれども、ほとんどはウエス、いわゆる工場で使う雑巾、油ふきとか、そういったものに再生されて回っております。このウエスについては以前は結構需要があったんですけれども、最近はペーパーウエスとか、あるいはリサイクルウエスのようなものが出てきていまして、どうもマーケットといいますか市場といいますか、需要がふえておりません。
 実は繊維工業会なんかでは、ウエスではなくて、これをばらして繊維自体として使えないかということも研究しておりましたけれども、なかなかこういうリサイクルといいますか、回収するものにつきましてはマーケット性がないと。例えば金属とかそういうものは売れるから市町村もやるわけですけれども、ペットボトルとかそういうものは市場性がない、売れない。それでペットボトルをつくっている製造者とか、あるいはそれを利用する飲料業者から、容器リサイクル法という法律を国がつくって、お金を出させて、それによってリサイクルに回すというような形で、市場性がないというのが一つ非常に問題です。
 結論から申し上げますと、これまでいろいろリサイクルを進めています。今、ペットボトルも大分市町村では進んでまいりました。容器包装プラスチックはまだもう少し頑張らなければいけないというところですけれども、古着と、それから恐らく生ごみ、これはリサイクルの件としては最後の課題になるのかなと考えていますし、一般廃棄物は本来的には市町村事務ですけれども、私どもでエコショップとかそういう事業を起こして支援をしたり、あるいは集まっていただいて研究会などもやっておりますけれども、いずれそういった中でも、私どもなかなかこれは今すぐできる話ではないですけれども、難しいですけれども、大きな課題だとはとらえております。
〇喜多正敏委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇吉田敬子委員 自治体のほうで集めても結局そういう処理になってしまうのであれば、県民の方に、事業者のほうにどんどん古着を出してほしいというような、逆にそういう促進の仕方があるかと思います。
 実は、盛岡市で私の住む都南地区が古着の回収をしておりまして、周りの、特に高齢者の方々だと古着で回収しているからといって出してしまっている方が多くて、余り古着の回収業者のほうになかなか自分で行かずにごみに出していたけれども、そういうことならば事業者にこれから持っていこうかなという声も聞きましたので、各自治体によって違うと思うんですけれども、ぜひ県としてもそういう形で進めていっていただきたいと思います。
 次に、瓦れき処理について伺います。
 先ほど工藤勝子委員からも木質系瓦れきの件でお話があったかと思いますが、今後の利用等で、チップ化、そしてボイラー燃料として検討中とのことで、ぜひ強く進めていっていただきたい中で、それを推進する上で障害となっていることはないのかどうかということを伺いたいと思います。
 というのは、今回、青森県、岩手県、宮城県3県で木質系災害廃棄物等の活用可能性調査というのが行われておりますが、実際に出た木質系瓦れきを、例えばバイオマス資源になる一方で、廃棄物処理法で廃棄物とみなされる可能性があって、許可を受けない業者が扱えば違法となるということをほかの、これは山梨県で、そういうところがあるのでガイドラインづくりを今進めているというところを新聞で見たんですが、これからせっかく木質瓦れきの県内処理を進めていく中で、そういった障害となっているものが実際あるのかどうか、県としてどのように把握されているかお示しください。
〇松本災害廃棄物対策課長 木質の瓦れきにつきましては、現在、宮古市のチップ工場でチップ化されまして、それをボードにしたり、あるいはボードをつくる際のボイラーの燃料に使われているということで、復興ボードということで仮設住宅の集会所の材料などに使われているということでございます。
 計画をつくったのが8月30日ですけれども、そのときにはまだ2施設しかございませんでしたが、放射性物質の問題なんかも根底にはあるんですけれども、そういったところが解決すれば、許認可というのは手続をしていただければそれで済むことですから、できるだけリサイクルして使えるような形で、できるだけ燃やさないで活用できるような方向で進めていきたいと思っています。
〇吉田敬子委員 ぜひ進めていっていただきたいということと、先ほどお話ししましたのは、調査の中でも、これは沿岸の各自治体の方々もそのワークショップの中に参加されている中で、大船渡の方々も、広域処理が進まない中で、地域資源として地域内でぜひ有効活用していきたいという声だとかさまざま、沿岸だけでなく内陸でもそういう木質系瓦れきを有効活用していきたいというような事業者が今回あった中で、青森県、岩手県、宮城県の3県の調査をやった中で、宮城県はすぐに仙台市と石巻市で発電所を設けると。今回第3次補正の予算措置をされたという中で、岩手県は若干積極性に欠けてしまうのかなと思ったんですが、広域処理ももちろん進める中で、内陸でどんどん処理できる推進をぜひ進めていっていただきたいと、こちらは要望で終わりたいと思います。
 そしてあと一つ、先ほど久保委員からもありましたが、エネルギー政策に関してですけれども、エネルギーに対する価値観の転換をどのように進めていくかということで久保委員からもありましたが、私も本当に部局横断型で全庁的に取り組んでいっていただきたいと強く感じている中で、商工労働観光部のときにも出したんですけれども、紫波町で、平成24年4月から紫波町バイオマス活用推進基本計画ということで、10年間の、これからバイオマス、これはバイオマスに限ったことなんですが、地域のエネルギーを地域で活用していこうという大きな取り組みをされている中で、自治体だけではなくて事業者が一緒に参画してこういう計画づくりをしている中で、ラ・フランス温泉館も3月からチップボイラーを導入されるということで、ぜひこういう、各市町村の取り組みを支援しながら、それをモデル化して県全域にこういう小さな取り組みをどんどん進めていっていただきたいと思っておりますが、最後に御所見を伺って終わりにしたいと思います。
〇平井温暖化・エネルギー対策課長 紫波町の取り組みはこちらでも聞いておりまして、紫波町は、再生可能エネルギーもそうですが、省エネにもかなり積極的に取り組んでいただいております。
 ラ・フランス館ですけれども、あの施設には、太陽光発電、太陽熱、木質とさまざまなエネルギー活用をしております。そして、それに対してはこちらもかかわっておりまして、支援していると。特にそれを設計等している方がかなりエネルギーに詳しい方で、こちらのほうもいろいろ御相談なんかもさせていただいているんですが、いろいろ支援制度も含めて、ラ・フランス館あるいは紫波町の取り組みもできる限り支援していきたい、そういうつもりでおります。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後8時5分 散 会

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