平成24年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成24年3月8日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主査      葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    村 上   聡
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  政策地域部長
  事務取扱    千 葉 茂 樹
  政策地域部副部長
  兼政策推進室長  木 村 卓 也
  政策地域部副部長
  兼地域振興室長  佐々木 和 延
  政策監    大 平   尚
  評価課長    森   達 也
  調整監    阿 部 一 哉
  分権推進課長   高 橋   進
  政策推進室
  管理課長    高 橋 達 也
  市町村課総括課長 堀 江   淳
  調査統計課
  総括課長    浅 田 和 夫
  NPO・文化
  国際課総括課長  畠 山 智 禎
  国体推進課
  総括課長    西 村   豊
  施設課長    菅 原   実
  県北沿岸・定住
  交流課長    伊 藤   仁
  交通課長    野 中 広 治

  警察本部長    高 木 紳一郎
  警務部長    森 本 敦 司
  生活安全部長   千 田 敏 信
  刑事部長    遠 藤 貞 造
  交通部長    吉 田   修
  警備部長    佐 藤 善 男
  警務部参事官兼
  首席監察官    小野寺 憲 一
  警務部参事官兼
  警務課長    吉 田 尚 邦
  警務部参事官兼
  会計課長    川 村 邦 光
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長 佐々木 芳 春
  生活安全部
  参事官兼地域課長 小野寺 幹 男
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   伊 藤 広 務
  交通部参事官兼
  交通企画課長   工 藤 義 彦
  交通部参事官兼
  運転免許課長   板 垣 修 一
  警備部参事官兼
  公安課長    今 野 秀 人
  総務課長    熊 谷 芳 文
  警務課給与調査官 吉 田 伸 広
  会計課
  指導監査室長   鈴 木 祐 也

  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇喜多正敏委員長 これより本日の会議を開きます。
 佐々木大和委員は欠席とのことであります。
 初めに、昨日開催しました世話人会の協議結果を御報告いたします。
 一昨日、及川あつし委員から議事進行のありました防災計画の見直しを初めとした原子力事故に対する本県の対応の件については、最終日に予定されている県土整備部審査の終了後に、総務部長に説明を求め、質疑を行うことといたしますので、御了承願います。
 次に、昨日の復興局審査の際に提供することとしておりました資料については、お手元に配付してありますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第27号から議案第32号まで、議案第34号から議案第37号まで、議案第42号、議案第45号、議案第48号及び議案第49号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、政策地域部及び警察本部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、千葉副知事が、政策地域部長事務取扱として政策地域部の審査に出席しておりますので、あらかじめ御了承願います。
 最初に、政策地域部長事務取扱に政策地域部関係の説明を求めます。
〇千葉政策地域部長事務取扱 平成24年度の政策地域部関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、当部におけます予算編成に当たっての基本的な考え方でございますが、東日本大震災津波からの着実な復旧、復興を図るため、復興計画に掲げております三陸鉄道の早期復旧に向けた支援、新しい公共の担い手でありますNPOや企業等が主体となって取り組む復興活動の支援などを進めてまいりたいと考えております。
 また、いわて県民計画に掲げております希望郷いわてを実現するため、地域資源を活用しながら地域の価値を高め、活力に満ちた地域社会の構築を目指してまいりたいと考えております。
 予算編成に当たりましては、このような認識のもと、次の6点について特に重点的に取り組んでいくこととしております。
 まず、第1にでございますが、広域振興圏の振興のため、広域振興局体制のもと、市町村や県民の皆様と連携しながら、いわて県民計画に掲げております各圏域の目指す将来像の実現や第2期アクションプランの取り組みを推進してまいります。また、県北・沿岸圏域につきましては、引き続き県北・沿岸振興本部を中心に、県政の重要課題として、その振興に取り組んでまいります。
 第2に、復興の象徴でもございます世界遺産平泉に体現されます人と人との共生、人と自然との共生の理念を国内外に発信いたしますとともに、国際リニアコライダー─ILC─の東北誘致に向けた調査研究等に取り組んでまいります。
 第3に、新しい公共を担う多様な主体によりますさまざまな復旧、復興活動が活発に行われますよう、新しい公共支援基金も活用しながら、多様な主体が協働する取り組みを積極的に推進してまいります。
 第4に、被災地におけます文化芸術活動の支援に向けまして、市町村と連携して被災した民俗芸能団体が活動を再開するために必要となる施設、設備等の再整備を支援してまいります。
 第5に、平成28年の国民体育大会に向けましては、復興の象徴として国体を位置づけ、オール岩手の視点に立ち、県民、企業、団体との協働を基本とし、新しい岩手型国体の開催を目指してまいります。
 第6に、平成26年4月の三陸鉄道全線運行再開に向け支援を行いますとともに、公共交通の維持・確保と利用促進に向けまして、持続可能な公共交通体系の構築を図ってまいります。
 それでは、恐れ入りますが、歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。政策地域部関係の予算は、2款総務費のうち、2項企画費の一部4億3、476万円、4項地域振興費の77億3、442万円余、5項選挙費の9、028万円余、7項統計調査費の4億850万円と、9ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、2項鉄道施設災害復旧費の33億7、500万円であり、総額120億4、297万円でございます。これを前年度と比較いたしますと、記載してございませんが、33億2、582万円余の増、約38.2%の増となっております。その増額分の主なものは、三陸鉄道災害復旧事業費補助33億7、500万円でございます。
 それでは、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書86ページをお開き願います。
 なお、平成24年度の重点事項等主な事業の内容について御説明申し上げまして、事業ごとの金額の読み上げにつきましては省略させていただきますので、御了承をお願い申し上げます。
 まず、2款総務費2項企画費1目企画総務費の政策地域部所管4億879万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。右側の説明欄をごらんください。まず、中ほどのプロジェクト研究調査事業費は、国際リニアコライダーの東北誘致に向けた調査研究や東北産業復興のためのグランドデザインの策定等を行おうとするものでございます。次に、5事業ほど飛びまして、第71回国民体育大会開催準備費は、先催県の例にとらわれず、県民、企業、団体等との協働を基本とした新しい岩手型国体の開催に向けて必要な準備を行おうとするものでございます。次のページに参りまして、2目計画調査費の政策地域部所管2、596万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、3行目のいわて県民計画推進費は、いわて県民計画第2期アクションプランに対する県民理解の増進と参画を促進しようとするものであります。次に、3事業飛びまして、政策評価推進費は、多様な主体が県との協働により県の施策を評価し、政策提言を行う県民協働型評価などを実施しようとするものであります。
 次に、91ページをお開き願います。2款総務費4項地域振興費1目地域振興総務費47億4、928万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、4行目の地域経営推進費は、広域振興局がそれぞれの広域圏において、市町村等と連携しながら、いわて県民計画に掲げます各圏域の目指す将来像の実現を目指しまして、現場主義に立脚した完結性の高い広域行政を推進しようとするものであります。次の世界遺産平泉理念普及事業費は、復興の象徴であります世界遺産平泉に体現される人と人との共生、人と自然との共生の理念を国内外へ積極的に発信しようとするものであります。次に、2事業飛びまして、新しい公共支援事業費は、新しい公共の定着と拡大を図るため、NPO等の活動支援を行うための事業の実施やモデル事業に対する補助を行おうとするものでございます。次のいわて文化芸術王国構築事業費は、本県の文化芸術の振興を図るため、文化芸術情報の発信や地域の文化芸術活動及び鑑賞の支援等を行おうとするものであります。次に、1事業飛びまして、郷土芸能復興支援事業費補助は、地域文化を後世に伝えるため、市町村と連携して被災した民俗芸能団体が活動を再開するために必要となります施設、設備等の再整備を支援しようとするものであります。次のNPO活動交流センター管理運営費は、NPO活動の促進を図るため、アイーナに設置しておりますNPO活動交流センターにおいて、県民やNPO等への情報提供や相談対応等を行おうとするものであります。次に、1事業飛びまして、県北・沿岸振興費は、県北・沿岸圏域の振興のため、若者定着を促進する総合的な取り組みや三陸ジオパークの実現を目指す取り組み等を推進しようとするものであります。次のいわてへの定住・交流促進事業費は、被災地を中心とした交流を促進するため、復興に取り組む事業者等との交流機会の企画、実施等を行おうとするものであります。次の草の根コミュニティ再生支援事業費は、復興を担う若手の人材を育成し、被災地域のコミュニティの再生、活性化を図ろうとするものであります。次の地域情報化推進費は、有識者等で構成いたしますいわてICT利活用促進会議を活用しながら、ICTの利活用の促進を進めようとするものであります。次に、1事業飛びまして、沿岸圏域海洋産業復興促進事業費から震災復興ミニコミ誌発行事業費につきましては、広域振興局が企画立案を行い、主体的に取り組む広域振興事業であります。そのうち沿岸圏域海洋産業振興促進事業費は、被災事業者の販路開拓支援等を行うことにより、経営を安定させるとともに、商品開発や人材育成等を支援し、いわて三陸のブランド力を高め、地域産業の活性化を促進しようとするものであります。
 次に、92ページをお開き願います。2目市町村振興費10億735万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、5行目の住民基本台帳ネットワークシステム運営費は、住民サービスの向上と住民基本台帳事務の効率化を図るため、全国をつないでおります住民基本台帳ネットワークシステムの運営を行おうとするものであります。次に、2事業飛びまして、市町村振興宝くじ交付金は、市町村への貸し付けの原資や市町村への交付資金として活用するため、財団法人岩手県市町村振興協会に対しまして、市町村振興宝くじの発売収益金を交付しようとするものであります。
 次に、3目交通対策費18億6、061万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、2行目の公共交通利用推進事業費は、公共交通の利用推進を図るため、地域におけますバスや鉄道の活性化等の取り組み等への支援を行おうとするものであります。次の三陸鉄道運営支援事業費のうち、三陸鉄道運転資金貸付金は、三陸鉄道の運営を支援するため、運転資金の貸し付けを行おうとするものであります。また、三陸鉄道復興地域活性化支援事業費補助は、三陸鉄道の車両や駅舎等の整備に係る費用を補助しようとするものであります。次に、1事業飛びまして、並行在来線対策事業費のうち、いわて銀河鉄道経営安定化対策費補助は、いわて銀河鉄道経営安定化基金から、設備更新費など会社の経営安定に必要な経費を補助しようとするものであります。次のバス運行対策費は、住民に欠くことのできない地方バス路線を維持するため、国庫補助制度に基づき、当街路線を運行するバス事業者に対して、運行欠損額を補助しようとするものであります。次の地域バス交通等支援事業費補助は、生活交通路線を維持し、地域住民の福祉を確保するため、市町村が行っております生活交通路線の確保に係る経費に対して補助しようとするものであります。
 次のページに参りまして、4目国際交流推進費1億1、717万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の国際交流推進費は、語学指導等を行う外国青年招致事業によります国際交流員の招致や多文化共生社会の実現を目指した取り組みを通じて、地域の国際化を推進しようとするものであります。次のグローバルネットワーク推進事業費は、海外の県人会や友好交流地域を核とした海外ネットワークの維持拡大を図るため、海外研修員の受け入れ等を行おうとするものでございます。次の東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費は、東アジア各国から県内大学等への留学生に対する支援や、海外自治体職員の受け入れ等を通じて、本県との互恵的な人的ネットワークを形成しようとするものであります。
 次に、94ページをお開き願います。2款総務費5項選挙費でございますが、1目は、選挙管理委員会費として5、641万円余、2目は、選挙啓発費として279万円余、次のページに参りまして、3目は、海区漁業調整委員会委員の選挙に要する経費として3、107万円をそれぞれ計上しております。
 次に、98ページをお開き願います。2款総務費7項統計調査費1目統計調査総務費2億4、494万円余の主なものは管理運営費ですが、これは、人件費及び一般管理事務費であります。2目地方統計調査費728万円余は、県単独で実施する統計調査に要する経費であります。次のページに参りまして、3目委託統計調査費1億5、626万円余は、国の委託により実施する統計調査に要する経費であります。
 恐れ入りますが、続きまして、224ページをお開き願います。11款災害復旧費2項鉄道施設災害復旧費1目鉄道施設災害復旧費33億7、500万円は、東日本大震災津波により大きな被害を受けました三陸鉄道の施設復旧に要する経費に対して補助しようとするものでございます。
 以上で政策地域部関係の歳出予算について説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇喜多正敏委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 それでは、質問させていただきたいと思います。
 けさの新聞でBRT地元に説明へという記事が出ております。通告していましたので、このとおりだと思いますけれども、確認の意味で質問したいと思います。
 きのう正副議長がJR東日本を訪問し、要請活動をしました。これまでもJRのほうでは、復旧において、まず、被災路線の原状復旧だけでも約1、000億円はかかるんだということ、そしてまた、市町村のそれぞれの計画に合わせた形で路線変更した際等に、さらに復旧経費、また時期もかかるという話はしておったところだったわけですけれども、その中でBRTという方向が一つ示されたわけですが、正式に県のほうに、それからまた、報道がなされてからも日にちがたっているわけですが、県のほうにBRTでということでの説明がこれまでの間あったのかどうか、まず、それを確認します。
〇野中交通課長 けさの新聞報道等でも記事がございましたけれども、先月9日に知事初め沿線の市町で、JR東日本に対して要請活動を行ったわけでございますが、その時点では、そういった要請は全くなかったということでございますし、また、それ以降につきましても、現時点において、そういったJRからの提案はございません。
〇工藤大輔委員 いつごろそういった提案とか正式に話があるかということが確認されていれば、お示し願いたいと思います。
 また、新聞のこの報道によりますと地元に説明ということになっています。確かに、記者会見で方針が示されてから、実際に都市部で運用されているBRTの現状と、あと今回の被災地でBRTを導入した際、どのような形になっていくかということが、実際に、首長さん方もそうですが、被災地においても全く想像がつかないというのが実情だと思います。また、これからどのような形でJR東日本がBRTの概要、どのような運行をするのかということが示されない限りは、当然、原状復旧が望ましいというのは変わらないと思いますが、その説明というものは、具体の説明がいつごろされる見通しなのかお示しください。
〇野中交通課長 BRTの提案等についての時期ということだったと思いますが、今現在については、JRのほうから一切そういった話が出ておりませんので、ここで御説明できるような情報は持っておりません。
 ただ、先月24日に沿岸市町村の復興期成同盟会におきまして、同盟会がJR東日本に対してBRTについての説明を求めたと。その結果、JR東日本のほうで、その際、一般的なBRTとは何かというものについて御説明があったということがございます。しかしながら、地元の首長さん方の一部には、なかなかその内容がよくわからなかった、あるいは具体の計画が示されないと復興計画、まちづくりとの調整を進めていく上でわからない部分が非常に多いということがありまして、今後は期成同盟会を中心に、そういった声がありますので、JRのほうに対してその説明を求めていくということがあるのではないかと考えておりますし、我々も、県としても、期成同盟会、沿線首長と十分相談をしながら適切に対応していきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 この基本的な方向性が早期に示され、実際に運用した場合に、どの路線間では1日何便ぐらい、また、鉄路での道路を使うのか、あるいは45号線も同時に使うのか、あとはどのような形で進むのかによってまちづくりに大きくかかわってきますので、これはもう県としても、市町村としても、時期をはっきり決めて、いつまでにこういった説明がないとまちづくりは進まないのだというような強い姿勢を持っていかなければ、復旧、復興に向けた大きな足かせになってくると思います。
 当然このBRTを導入するとなった際には、地域のその他の公共交通との関連が大きくかかわってくるということを、さきの代表質問でも指摘をさせていただきました。また、三陸鉄道の運行においても、経営にも大きくこれはかかわってくるということも指摘をさせてもらいました。三鉄の経営に影響するということは、これは県も関係しますけれども、沿線の市町村もその出資という形でかかわっていますので、一方でBRTは便利かもしれない、もしかしたら提案をしてくるかもしれません。ただ、一方では、自分たちもかかわっている三鉄の経営にも大きくこれがかかわって、お金を大きく出していかなければならない。その双方を見ながらのバランスで最終的には判断をしていくことになるのではないかと思います。
 ですから、県としても、求めるものはしっかりさらに強く求め、いつ説明があるかわからないということではなくて、時期を明確に決めてぜひ進めていただきますように、これは要望にしたいと思います。
 それと、次に、宝くじ交付金の関係と復興基金市町村交付金についてお伺いしたいと思います。
 復興基金市町村交付金は1月に配分されました。県では420億円、そして市町村には210億円ということだったわけですが、その市町村への配分額、そしてまた配分した方針について、まずお伺いします。
〇堀江市町村課総括課長 東日本大震災津波の復興基金市町村交付金についてでございますが、この交付金は、震災被害の大きい沿岸市町村に重点的に配分することを基本としつつ、内陸市町村におきましても、今般被害がありまして、また復興支援の取り組みが行われているということから、全市町村に配分したところでございます。
 市町村への配分についての考え方でございますが、配分方法等については市町村から意見を聞き、全市町村への定額部分、それから、全市町村への標準財政規模に応じた部分、そして、被災市町村に手厚くなるよう、被害状況等に応じた部分に分けて算定し、配分したところでございます。
 市町村への交付総額は、委員のお話がございましたとおり210億円でございまして、市町村別の主な交付金額でございますが、陸前高田市が37億3、322万円余、宮古市が33億9、720万円余、大槌町が30億6、899万円余となっているところでございます。
〇工藤大輔委員 わかりました。これは、市町村にとって自由度の高い交付金ということの認識でいいかどうか、1点確認と、現在、第6170回東日本大震災復興支援グリーンジャンボ宝くじが発売されています。この復興支援を目的とした宝くじの発売、史上最高、1等前後賞つきで5億円だということで、大きな夢のある宝くじなわけですけれども、この宝くじの発売による岩手県並びに市町村へどのぐらいの金額が配分される見込みなのか、また、その配分の基本的な考えとその活用方針についてお伺いします。
〇堀江市町村課総括課長 まず、復興基金市町村交付金の自由度のお話でございましたが、各市町村からもできるだけ自由度の高い使い方をという要望がございまして、私どもとしても、基本的には制限を加えない、震災被害等の復旧、復興のためにお使いいただくのであればということにしておるところでございます。
 次に、グリーンジャンボ宝くじの交付金額でございますが、これは売り上げの状況にもよります。ただいま非常に好評だということで売り上げが伸びていると聞いているところでございますが、最終的な売上金額にもよるわけでございますが、市町村につきましては最大で27億2、000万円ほどが見込まれているところでございます。これが今年度末に全国の協会から県のほうに振り込まれまして、県からは、財団法人岩手県市町村振興協会へ来月中旬に交付することとしております。その後、協会では、できるだけ早い時期に被災市町村を中心に交付すると聞いているところでございます。
 その配分の考え方につきましてでございますが、これは、基本的に振興協会が決めることではございますが、聞くところによりますと、各市町村の被災状況に応じて決定するということでございます。
 それから、使い道でございますが、市町村の活用方法としては、東日本大震災津波に関連する復旧、復興に係る事業に活用されるということでございますが、昨年も復興宝くじがございまして、この場合につきましても、被災した役場庁舎の復旧、あるいは幼稚園や学校の復旧事業等に活用されていると聞いているところでございます。
〇工藤大輔委員 市町村には27億2、000万円ほどの配分額になるとのようですが、ということは、これは2分の1ですから、県はその倍額だと、県にも倍額入るということの認識でいいのかどうかと、県の活用方針についてお伺いしますし、あわせて、今回の予想している額は、通常ベースでいったらどのぐらいの多さになるのか、わかればお示しください。
〇堀江市町村課総括課長 県に入ってくる金額は、委員のお話のとおり、市町村には2分の1でございますので、この倍の54億円程度と見込んでいるところでございます。
 それから、この金額でございますが、通常の宝くじでございますと、大体サマージャンボ、オータムジャンボ等でも数億円程度の分配を県の市町村のほうで受けております。市町村振興協会を通じて数億円程度は配分しているところでございますので、今回の最大で見込んでおります約27億円というのは、かなり大きな額でございまして、それぞれの被災市町村にとっては、震災の復興に向けた大きな力になるのではないかと考えております。
 なお、県の使い方につきましては、これは総務部のほうで最終的には調整するものでございますが、基本は、震災の復旧、復興に使うということでは同じでございます。
〇工藤大輔委員 発売は来週3月14日までということで、あともう残りわずかなわけですが、堀江課長も御貢献されているかと思いますが、いずれ多くの購買によって、多くの全国からの真心によって、さらに復旧、復興が早期に進むことを願うわけであります。
 最後に、県北・沿岸振興についてお伺いします。
 これまで県北・沿岸振興ということで、これはセットで地域振興を特にも進めていこうという知事の強い方針もあり、取り組んできているわけですけれども、今回、東日本大震災津波が発生し、沿岸部においては、これから復旧事業、そして復興に向けた縦軸の大きい道路とか、さまざまな事業等が盛り込まれて、これは全庁的にも進めていく事業でありますけれども、そういった中で、県北振興ということになると、どのような観点で新年度強くその対策を講じようとしているのかお示しください。
〇千葉政策地域部長事務取扱 県北地域の振興策ということでございますけれども、御案内のとおりでございますが、広域行政の圏域を県南、沿岸、県北、県央の四つの広域振興圏体制にしたのが平成18年度であります。その際に、県のそれまでの取り組みの検証結果を踏まえまして、県北・沿岸圏域における産業振興の基本方向を取りまとめました。それらを踏まえて、また、その後策定いたしましたいわて県民計画におきましては、県北・沿岸振興本部を中心といたしまして、産業振興による地域経済の基盤の強化、もう一つが、産業を支える社会資本の整備、この二つの柱で取り組んできているところでございます。
 その結果、県北地域につきましては、食品加工や造船業などの誘致企業の立地によります新規雇用の創出、あるいは雑穀、ヤマブドウ、短角牛などの取引拡大によります食産業の振興などが図られておりまして、具体的な成果もあらわれてきているものと考えております。
 また、来年度は、国の強い農業づくり交付金を活用いたしまして、県北地域に新たに養鶏農場の整備と食品加工施設を稼働させる新しい会社が立地されるというようなお話も聞いているところでございます。
 このような取り組みがさまざま進みまして、産業振興によります地域経済の基盤の強化を図っていきたいと考えておりますし、また、交流人口の関係について申しますと、やはり交流人口の拡大というのが一つの基盤になってまいりますので、最近でありますと、世界遺産を目指しております御所野遺跡の情報発信、あるいは平成25年度の日本ジオパーク認定を目指して、本年2月に久慈市におきましてガイド養成研修会を開催するなど、地域資源を活用した交流人口の拡大に向けた取り組みも進めていく必要があると思っております。
 ただ、いずれにせよ、依然として解決すべき地域課題があることは当然でございまして、今後におきましても、今申し上げたような取り組み、あるいは農商工連携、あるいは体験型観光など、地域資源の高付加価値化に向けた取り組みなどを一層推進してまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤大輔委員 ありがとうございます。
 今回、先ほども申し上げましたが、県北・沿岸振興という枠組みの中で、沿岸部においては復興に向けた取り組みは着実に進んでいくと思います。そういった際に、県北振興というものをまたことしから数年間、特にも特化して取り組んでいただきたいと私は思うんです。
 現在、有効求人倍率を見ても、他の地域の上がり方から比べて、県北の管内、特にも二戸管内なんかは、数値の上がり方がどうしても遅いというか高くないというのがあります。また、これからさらに発注されていく公共事業等を見ても、沿岸の被害の状況を見れば、どうしても沿岸の中央部から南部のほうにかけての被害が大きかったために、その近辺の方々は当然優先されて受注すべきだと思いますし、あとは、そこで足りない際は、横軸との連携等も必要なんだと思います。
 それはそれで大切だと思いますが、それを見た際に、沿岸北部のほうの公共事業が一定限、来年度で早々に恐らく終わるのではないか、だんだん終わっていくのではないかと思う中で、二戸管内の方々がかかわれる期間、また量というものがかなり限られてきたり、ハンディをしょいながら公共事業等にもかかわっていくということからすると、県内の全体が被災地だと言いながらも、どうしてもすぽっとその部分だけが取り残されていくのではないかという懸念がされますので、そういったところにも十分配慮しながら、政策地域部のほうから、入札制度であったり、また地域の産業の振興のバランスであったり、出荷額であったり、雇用状況であったり、とにかく全体を見ながら県北・沿岸振興本部はその対策に強く進んでまいらなければならないと思いますので、その辺に向けて副知事の思い、また決意を述べていただき、質問を終えたいと思います。
〇千葉政策地域部長事務取扱 まず、きょうは政策地域部長事務取扱として出席させていただいておりますが、お尋ねでございますので。
 私は、県北・沿岸振興本部長も今度務めることとなっております。今、委員から御指摘のような懸念、これは、やはり県北の地域の住民の方々から、私も直接、既にお伺いしている機会もございます。特に県北の地域につきましては、新幹線の開業の際に、どのように地域が変わっていくかということで、いろいろな期待もあり、さまざまなものがあったわけですが、一部そういう効果が出ているものはありますが、残念ながら、期待した効果が出なかった分野もあると思っております。
 いずれ、現時点では、そのような特に県北の内陸地域の振興、これはそういう意味で非常に重要だと思っておりますので、また、私も個人的にでございますが、2年間二戸市で企画課長を務めておりますので、地域状況は一定程度把握しているつもりでございますので、それらの状況を踏まえながら積極的に対応していきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 今の工藤委員の質問、BRTに関連して1点のみお伺いいたします。
 確かに、けさの新聞には、各沿線市町村に説明をするという記事が載っておりましたが、その裏面には、国会での畑浩治議員からの復興庁の津川政務官に対する質問が載っておりまして、ここには、確かにJRは民間の企業でありますから、利益が出ていても、国が補助というのはダイレクトには行かない。ただ、必要であれば検討するという話になっております。
 県知事は、あくまでも鉄路による復活、復旧ということをお願いしているわけでありまして、私も、当面国の動きを見ながら、そのラインを一歩も欠けることなく、沿線市町村がみんなまとまった形でそういう議論をしていかなければパワーゲームに負けてしまう、このように思います。
 新聞なんかには、一部の首長さん方は、本来は鉄路復旧が望ましいがと言いながらも、このBRTもやむを得ないのかみたいな記事が載ってしまいますと、これは全体議論に非常にまずいことになる、私はそのように思います。
 かつて、古い話になりますけれども、大宮竏註キ岡間に新幹線が開通いたしましたときは全額国費でございましたが、この後、盛岡から秋田、盛岡から青森延伸をする際には、青森県、秋田県、岩手県は1、000億円ずつ負担をしたというのを私たちは忘れてはいけないと思います。その後いろいろな経過があってJRになったわけでありますけれども、国鉄からJRになる際には、既存のいわゆる公共的な部分は縮小させないというやりとりがあったやにも聞いております。したがいまして、私たちは、その議論をベースにやっていく必要がある。
 そして、八戸から仙台までは、一部三鉄も入りますが、これが一本でつながってこそ、初めて三陸の沿岸の鉄路というものの効果が発揮されるんだ、このように思います。例えば、途中にバス路線が入った場合に、レールマップ、つまり全国のいろいろな線路を見ながらあちこち旅をしたいといって見えるときに、バス路線は鉄路から外れるんだと思うんですよ。そうすると、関東、関西の方々が、定年を迎えて、さあ、母ちゃん全国旅行でも行こうかというときに、JRの優遇制度を使ってあちこち回ろうと思うときに、どこか途切れていますと、絶対これは三陸に来る機会が減ってしまう。そういうことはオール岩手にとって決していいことではない、このように思います。
 私は、早速、宮古市長のところに行って、そういうマスコミの誘導尋問に乗らないで、あくまでも岩手県知事は鉄路の復興を言っていますので、そういうベースでやりとりをしてください、そして、今、政治のほうも、復興局を中心にJRとやりとりをしている。恐らくJRは、条件闘争みたいになっていくかと思います。幾らぐらい出したらばやるよみたいな。そういうものが見え見えでありますので、最初からそういうことに乗っていくようなやり方ではなくて、あくまで、最後まで押して、押して、そこで、じゃ、しようがない、7・3で、6・4でとか、そんなものじゃないのかもしれませんが、幾らかの負担はするからぜひ頼むというところに持っていくのが交渉術だと思います。
 したがいまして、今、沿線の首長さん方に、県としてはこういう議論、国においてこのようにお願いしていくので、一本釣りされるような答弁などは控えていただいて様子を見てもらいたい、そのぐらいの指導力を発揮していくべきだと思います。
 この三鉄の重大性というのは、やはり八戸から仙台まで直通でつながってこそ意義がある、このように考えて、木を見て森を見ないという議論がありますけれども、そのような議論にならないようにするべきだと思います。感想を伺います。
〇千葉政策地域部長事務取扱 今後のJR東日本への対応についてのお尋ねでございました。
 実は、現在のJRの経営につきましては委員御案内のとおりでございますが、いわゆる優良路線、黒字路線が、赤字路線を会計の中で補てんするというような、俗に内部補助という考え方で維持している形になっております。
 これにつきましては、過去の経緯を申しますと、国鉄からJR東日本になった際に新しい根拠法ができたわけですが、その際に附則で、移管等に伴う公共交通としての指針というものを定めるということになっておりまして、その指針の中で、従来運営した路線については、そのまま維持するのが基本だということで、そういう指針を踏まえながら、実際、今そのような経営がなされていると考えているところでございます。
 また、いわゆる黒字路線の最たるものが新幹線でございますけれども、新幹線につきましては、今、委員からお話がありましたように、盛岡から以北延伸につきましては、いずれ地方団体も相当の負担をしたところでございます。そのような経緯等もきちんと踏まえて、今回の問題には対峙していく必要があると思っております。
 私も県民の声等も新聞等で拝見しておりますけれども、何か民間の会社の経営の問題だからやむを得ないのではないかみたいな御論調の方もいらっしゃるわけですが、やはりそういうところはまだ、私ども、これまでの経緯、対応についてきちんと県民の方々にも理解いただいて、通常の一般の企業経営とは違うということを御理解もいただきながら進めていく必要があると思っておりまして、そういう過去からの論点も踏まえてきちんと整理し、市町村と一緒に、主体的な立場でJR東日本と対応していく必要があるものと考えております。
〇伊藤勢至委員 いずれ岩手県として、あるいは被災した市町村として論調を一つにして当たっていくことが必要だと思います。そのベースは、幾ら民間とはいえ、公共という部分を持っている企業なわけですから、その公共性ということをBバイC、つまりもうかるかもうからないか、そういったものだけではなくてやっていただかないと、我々の岩手県の県北・沿岸も含めてですけれども、なかなか底からはい上がれないということになってきますので、基本的には八戸から仙台まで一気通貫、これが絶対岩手県のとるべき道だと思います。
 どうぞ、被災をされた首長それぞれの思いもありましょうけれども、世の中には仮末代という言葉があるんですよ。とりあえず仮に早くつなげましょう、確かにそうやってつなぐのも必要かもしれませんが、仮にやったものが末代まで残ってしまうというのは、往々にある方法でありますので、次の世代に何を残すのか、そういう大きな議論をぜひしながら、こういう意味でぜひ一気通貫が必要なんだということを発信しながら交渉していただきたい。
 なお、復興局には、全力を挙げてこれについて頑張ってもらいたいと思いますので、岩手県を初め、沿岸被災市町村が連携をして、足並みをそろえて当たっていただきたい、そのようなリードをお願いしたいと思います。
 あと一言聞いて、終わります。
〇千葉政策地域部長事務取扱 いずれ、先日は県議会の議員方におかれましても、発議案を議決なされて、国等に対して要望を出されたところでありまして、私どもといたしましても、その思いは全く同じであります。今、委員からお話がありましたように、市町村、期成同盟会、その他、いわゆる地域と一体となって対峙してまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 工藤委員と伊藤委員の質疑に関連し、私もBRTについて一言お尋ねしたいと思っております。
 今いろいろ議論になりましたが、一言で、今の状況は膠着状態だろうと思います。JRのほうはBRTでやることを念頭に置いて、今この環境づくりに乗り出してきているような、そういう受けとめ方をしております。
 ここまで来ると、議会でも意見書を可決したわけでありますが、意見書を可決して、それで終わりということではないわけでありまして、我々としても、正副議長がきのうから陳情活動、要望活動にみずから出向いております。もうこうなってくると、残る方法は政治決着しかないのかな、こういうとらえ方を私はしておりますが、今後この問題を早期に決着させなければならないと思っております。これが決着しない限りは、まちづくりのグランドデザインもなかなか進まないと思いますので、ついては、今後、部長はどのような行動をとられて、この早期決着を図っていこうとされているのか、今後の取り組みについてお考えをお聞きいたしたいと思います。
〇千葉政策地域部長事務取扱 BRTへの対応についてでございますが、今、懸念している状況は、まさに今、委員からお話がありましたように、なかなか進展しない、あるいは、これについて、知事が要望も行ったところでございますが、それについてまだ回答も示されていないというような状況であります。事務的に申しますと、まず、できるだけ早くこの回答をお示しいただきたいということをJR東日本に対しては申し上げていきたいと思っております。
 いずれ、まだ具体的に県及び市町村に対しては示されていないという対応になっておりますので、その辺の状況を踏まえますと、正式に提案があって、そこで正式にその後の戦略を練り上げていかなければならないと考えておりますので、いろいろな選択肢を含めて、今、内部検討をしているところであります。
 いずれ、いろいろな手段、チャンネルを使って、その中には、今、政治決着というようなお話もございましたが、国会議員の先生方にもお力をいただくなど、さまざまな形でこの対応をしていく必要があるものと考えております。
〇佐々木順一委員 まさに三陸鉄道は、明治29年の災害で、交通機関が当時は貧弱だったわけでありますから、それを契機に、岩手県は鉄路をみんな求めてきたわけであります。その後、鉄路の歴史というのは、先ほど伊藤委員からも話がありましたが、整備新幹線にしろ、あるいはこの東北新幹線も、盛岡までは国策でやってきたわけでありますが、それ以外は、もう並行在来線をとるか整備新幹線をとるか地方が決めろ、こういう歴史であります。
 また、今の第三セクターの三陸鉄道もしかりであります。岩手県が全国に先駆けて、押しつけられたと言ったほうがいいのか、そういう状況でありましたから、翻ってみますと、地方はこの鉄道のために、岩手県は特に犠牲を払ってきたわけでありますから、今度の災害を契機に、これを鉄路よりもBRTを採用するというのは、結果として、災害を契機に、もう費用対効果で交通機関は今後整備する、特に鉄道は、そういう最初の事例をつくることにもなりますので、こういうことは、私は、大災害であればあるほどあってはならないことだと思います。
 そもそも災害は原状復帰が原則でありますから、これをBRTでやるというのは、もう原状回復じゃないわけです。そういった視点もどうぞ取り入れていただいて、必ず鉄路を堅持する、かち取る、そういった強い決意で、今後、関係機関に対峙していただきたいと思っております。
 感想があれば、どうぞお聞かせください。
〇千葉政策地域部長事務取扱 決意というお話でございましたが、やはりこの交通関係につきましては、今、委員から改めて御説明もございましたが、いわゆる新幹線の盛岡以北の際の負担、あるいはそれに伴いまして私ども負担もし、あるいは並行在来線もIGR─いわて銀河鉄道ということで確保してきたところでございます。古くは、御案内のとおり、三陸鉄道についても同様の状況がございます。
 いずれ、この交通のネットワークにつきまして、個人的に申し上げますと、西日本と東北がなぜこれだけ差があるんだと。やはり、これまでの東北に対する交通施策を国がどう考えてきたのかという話に、大きいところはなってくる話ではないかと思っております。
 したがいまして、震災に対する復旧は原状回復が基本だというお話がございますので、やはりそれを基本としながら、さらに、より交通利便が高まるような方策も一緒に考えていただくのが本来の考え方だと思っておりますが、どうも現在の状況は、今御議論になっている状況でございますので、それも含めながら私どもも前向きに取り組んでいきたいと考えています。
〇福井せいじ委員 私も、BRT、そしてJRの復旧についての質問をさせていただきますが、さまざま皆さんがお話ししてきたので、ちょっと違う観点からお話をさせていただきます。
 実は、このBRTあるいはバスの交通機関に関しては、既に本当に想定はされていたのだと僕は思っております。実は9月定例会で私はその可能性について、当時の政策地域部長、千葉現副知事にお聞きして、答弁をいただいております。そのときは、有識者の意見も伺いながら研究したいという御答弁をいただいたのですが、その後、その研究等には取り組まれたのでしょうか。それが一つ聞きたいことです。
 それから、ここで確認したいんですけれども、鉄道の場合、JRの場合、鉄路の敷設用地あるいは駅舎の用地関係に固定資産税がかかっているかどうか、そこら辺をちょっと確認したいんですけれども、いかがでしょうか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 まず、固定資産税の関係ですけれども、これはかかってございます。かかった上で、市町村がまたバックしている、支援しているという形をとってございます。
 それから、さきに研究会で研究してまいりたいという答弁をさせていただいたことにつきましては、やはり将来課題として研究していきたいということで、現行は、各市町村とも、復興委員会を設置しまして、その復興計画を既に策定していると。そしてその中で、沿線すべての市町村が、交通に関しては鉄道の復旧を前提とするという計画としてございます。
 そうした中にあって、多くの市町村においては、また、域内交通につきましては、地域公共交通会議というものがございまして、それぞれ検討が進められているので、新たな検討組織をつくってそれを議論するということは、現在の市町村においても、県においても、余り有効なものとは考えていないということでございます。
 そうしたことから、将来の課題として、委員から提言のあったことについては、ある一定のめどのついた段階で考えていきたいということでございます。
〇千葉政策地域部長事務取扱 1点私のほうから補足させていただきますが、今、地域振興室長から申し上げた答弁に若干つけ加えますと、いずれ復旧した以降において、ただ、そのままの状況で維持されればいいのかということにつきましては、御案内のとおり、やはり人口の高齢化とか、さまざまな社会状況の変化が沿岸部で大きく出てくると思っております。
 したがいまして、その際に、まず、その復旧した後の姿として、その後、ただもとに戻ればいいのかと言いますと、やっぱり人口動態とかいろいろな状況が変わってまいりますので、その際に、どのような交通ネットワーク、新しい交通モードも含めて統一していくか、これは当然、課題として検討していかなければならない、それは私ども十分認識しているところでございます。
〇福井せいじ委員 ありがとうございます。
 私は、実は今回のJRの被災のときに考えたのは、やはりいろいろなカードが出てくるのではないかなと。BRTを含めて、私はデュアル・モード・ビークルという言葉も出しましたけれども、そういった提案が逆に出されるのではないかということは想定されたと思うんですね。
 そこで、今、BRTがにわかに浮上してきた中にあって、今こそ、千葉副知事が今おっしゃったように、三陸の交通ネットワークどうあるべきかということを考えて、逆に、JRが復旧した後の利用計画、採算計画を含めた上で、このような形で実は三陸には鉄道が必要なんだという提案を行い、存在価値を訴求していく必要もあると私は思っております。
 もちろん必要だ、必要だと声高に訴えるのは大切なんですけれども、やはり民間会社でありますから、株主理解を得られるような理論構築、そして覚悟を今示さなければJRとしてはなかなか動きようがないと思います。もちろん公共性を保つための会社でありますが、株主理解、そしてまた住民理解をいかにクリアするか、これが大きなポイントとなりますので、ぜひ今、地域の住民の方々あるいは事業者、県内の交通事業者、有識者から成る検討会、研究会を立ち上げて、理論構築をして、それをJRにぶつけていく、国にぶつけていくことが必要だと私は思っております。
 ぜひ、御所見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 現行の山田線、大船渡線につきましては、一つは、生活路線として現に通勤通学で使われている欠くことのできない重要な足である、もう一方では、三陸、陸中海岸国立公園というすばらしい借景を持った中で、いわゆる観光に必要な不可欠な社会的基盤だという認識を持ってございます。
 そうした中にあって、路線の存在価値を高めていくためには、三陸の例えば海の幸や、それから、これから取り組もうとしているジオパークなどのさまざまな地域資源を前面に立てて、積極的に県あるいは沿線市町村のほうからも旅行企画等を提言していく必要はあると認識してございます。そういう中で、山田線、大船渡線のJRの利用促進策について、十分前向きな検討をして、提言しつつ、JRとも協議してまいりたいと思ってございます。
〇福井せいじ委員 さまざまな角度からJRの必要性、存在価値を訴えることが私は必要だと思います。今おっしゃったように、観光の側面、あるいはこれから海洋開発研究拠点をつくる、そういったところにやはり鉄路が必要なんだと、そういったさまざまな観点から私は存在価値をPRする必要がある。そのためにも、県当局、被災市町村だけでなく、事業者あるいは有識者から成る検討会を立ち上げる。
 そしてまた、先ほど固定資産税のことをお聞きしましたが、被災市町村に関しては、例えば固定資産税の減免等も織り込んだ形での提案をしていくことが私は必要だと思います。
 繰り返しになりますが、やはり株主理解、住民理解をクリアできるような、求めることができるような覚悟をぜひとも示して復旧に向けて取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上、要望して終わります。
〇関根敏伸委員 私からは、国体について数点お伺いいたします。
 まず、国体の開催に向けましては、さまざまな経緯の中で12月に知事が正式に表明されました。県教委、体育協会とも足並みをそろえて、今議会の最終日には議会としても決議を出すという予定で、いよいよ内定の方向に向かって動き出すということになると思います。
 そこで、やはり財政的な負担と人的な負担ということが判断を慎重にされた大きな要因だと思うわけでございまして、その部分についてお伺いいたします。
 まず最初に、さまざま施設の整備要件の緩和などを見直しながら県負担、市町村負担の削減に取り組まれる努力をされてきたと思いますが、現段階で、県と市町村の国体開催経費の見込み、施設整備費あるいは運営費、これをどのように見込んでいらっしゃるのかお知らせいただきたいと思います。
〇西村国体推進課総括課長 開催経費の見込みといいますか見通しについてでございますが、競技施設の整備につきましては、現在、中央競技団体から求められております整備内容につきまして、この整備を行わなければ競技ができないのかということで、日体協を通じまして重ねて要望しておるところでございます。
 これと並行いたしまして、現在、会場地市町村に対しまして、施設整備費の調査、どれくらいかかるのかという部分で、上限的な形でもって調査を今、進めてございます。
 また、運営費の関係につきましては、県において行う総合開閉会式などにつきましては、今後、県の準備委員会でさまざま検討を重ねていくものではございますが、現時点で具体的な内容というのがまだ定まってございません。また、市町村が行います競技会運営に係ります経費につきましては、現在、これも施設整備費とあわせまして調査を行っておるところでございます。したがいまして、現時点で開催経費の積算をお示しするのはなかなか困難な状況でございます。
 なお、昨年、山口県で国体が行われたところでございますが、市町村に関係いたします経費につきましては現時点では集計途上のようでございますが、山口県自体の開催経費はどれくらいかというところにつきましては決算見込みが出ておりますが、施設整備に要しました経費は約170億円、運営関係につきましては約46億円と聞いておるところでございます。
 本県におきましては、第71回国民体育大会開催方針におきまして、簡素効率化に努める大会というところを実施目標に掲げておるところでございます。震災からの復旧、復興第一という中で、国体開催に係ります経費は極力抑制していくことを基本として今後、検討してまいりたいと思っております。
〇関根敏伸委員 現段階ではなかなか試算しづらいということですね。市町村との意向調整などの中で数字等が出てきたことが報道されておりましたので、その後精査されているのかと思ってお聞きいたしました。
 それに関連いたしますが、市町村としても、やはり施設整備を行うについては県からの補助というものを当て込んでどういう規模でということを考えながらいると思うんですが、これもなかなか難しいのかもしれませんが、県として現段階で市町村への補助制度の見通し、確定時期をどうとらえているかということでございます。ゼロベースで見直すということも報道されておったようですけれども、やはりここは非常に市町村にとっては頭の痛いところになると思いますので、現時点での状況をお知らせください。
〇西村国体推進課総括課長 県から市町村への補助の見通しと確定の時期ということでございますが、現在、競技施設の整備費及び競技会運営の経費の調査をしておるところを申し上げたところでございますが、その結果を見きわめまして、また、先催県の補助制度の状況を参考にしつつ、本県の財政的な状況も踏まえながら、今後そこら辺のところは検討してまいりたいと思っております。
〇関根敏伸委員 本当に御苦労されている姿が容易に想像されるわけですが、その上で、今回このように震災が起きました。従来、国体に特化した国等からの支援というのはないと聞いておりました。都市公園整備事業ですとか社会体育施設整備の補助事業、こういったものを活用しながら従来は国体の施設整備等を進めてきたと聞いているわけでありますが、今回こういう形で震災が発生いたしました。その中で岩手が具体的に動き出そうとしております。
 そしてまた、昨年8月にはスポーツ基本法というものがつくられて施行されているわけでございます。これは、スポーツというものを国の戦略的なものに位置づけて、国や地方自治体が方針等を決める、そういう形になっているわけでありますが、その中で政府は、このスポーツ基本法にのっとって、財政上、税制上の措置をするんだということが8条に盛り込まれております。さらには、33条の中に具体的に国の補助ということで、国体の実施、運営に係る経費、これは国が補助をするんだといったことが盛り込まれているわけでありますが、このスポーツ基本法や震災を受けて、国からの財源支援、あるいは他の都道府県等々からのさまざまな支援、こういったものがどういうふうに変わってくるのか、その辺の見込みをお知らせいただきたいと思います。
〇西村国体推進課総括課長 国や他府県等からの県などへの支援の見通しということでございますが、国からの支援につきましては、文部科学省でスポーツ基本法が議員提案ということで昨年8月、全面的にスポーツ振興法が改正になったところでございますが、それに伴いましての国体の開催についての新たな国からの支援というのは現在検討はしておらないと文部科学省から聞いておるところでございます。
 そういうことでございますので、被災県である当県が復興のシンボルとして国体を開催するという場合に、特例として支援をいただけないものかということについては今後要請をしてまいりたいと考えてございます。
 他府県等からの開催準備に対します支援についてでございますけれども、現時点ではそのような申し出はないところでございますが、今後、本県におけます開催準備の進捗状況を見ながら検討していきたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員 ちょっとわかりづらかったので確認しますが、そうすると、スポーツ基本法の33条を受けての、いわゆる自動的に補助するという形にはなっていないと。その上で、震災を受けた上で岩手が頑張る姿で特例的にこれからどうしようかを検討している、このような答弁だと理解していいんですか。
〇西村国体推進課総括課長 国体の開催につきましては、スポーツ基本法ということでスポーツ振興法が変わったわけでございますが、法の33条に基づきます支援につきましては、昨年の山口国体の場合もそうですけれども、政令の定めに従いまして、おおむねの金額が3億5、000万円程度だと思いますが、開催の当該年、国から補助されてございます。
 これがスポーツ基本法ということに変わりましたけれども、それは現在でも継続されてございますが、私どもといたしましては、3億5、000万円ではなく、これよりもう一声といいますか、もう少しいただけないものかということについて、特例ということでできれば上乗せをお願いしたいということを希望しているところでございます。
〇関根敏伸委員 理解いたしました。国からのそういった特例的なものに対する要請についての解答の見込みというのはどういった時期になるんでしょうか、今の段階でお知らせいただきたい。
〇西村国体推進課総括課長 これにつきましては、今のところ予定としては年度を超えるかと思いますけれども、私どものほうで先ほど申し上げましたような市町村の経費の状況も含めまして、また、市町村への支援のあり方の検討も含めまして、できる限り早目に国に要望してまいりたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員 わかりました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それで、今後の県の推進体制についてお伺いいたしますが、新年度予算には2、700万円が推進体制ということで盛り込まれております。前年度に比較すると4、700万円大幅削減の中で、御苦労されながら推進体制をこれからつくられていくんだろうと思っておりますが、一方では新たな推進体制に向けての動きもあると聞いています。いろいろ財政的な制約がある中で、どのように新年度以降、推進体制をとられようとしているのかお知らせいただきたいと思いますし、あわせて、新たな切り口の協働型国体、少しずつ知事や執行部の皆様の答弁で何となく見えつつあるわけですが、協働型の国体を具体的に形づくるために仕組みをどういうふうにつくられようとしているのか、この点についてお知らせいただきたいと思います。
〇西村国体推進課総括課長 今後の県の推進体制ということでございますが、今後の県の推進体制については、震災への対応のために開催準備業務が平成23年度はほとんどできなったという状況でございます。したがいまして、平成24年度におきましては、今年度予定していた業務の遂行に加えまして、市町村、民間等との協働に向けて、関係機関等と短時間で多くの業務を調整する必要が生じるという状況にございます。したがいまして、平成24年度につきましては、副部長級の室長を専任で配置いたします国体室というのを設置して体制の強化を図ってまいりたいと考えてございます。
 平成25年度以降につきましては、開催準備の進捗状況を見ながら、先催県の状況も参考とさせていただきつつ、体制強化が図られるよう対応してまいりたいと考えてございます。
 また、協働型国体の仕組みづくりについてでございますが、今後、具体的には県の準備委員会の中で検討することといたしておりますが、現時点では、平成24年度に募金とか企業協賛について、県準備委員会の中に仮称ではございますが募金推進委員会というものを設置して、民間のお力をおかりしながら準備業務を進めることを想定しておるところでございます。また、必要に応じまして、その都度、県の準備委員会の体制の強化を図ってまいりたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員 推進室でございますが、平成24年度は大体何名ぐらいの体制で臨まれようとしているのかお知らせいただきたいと思います。また、この協働型の仕組みづくり、今のお話ですと準備委員会を中心に協働型をこれからさらに練っていくと聞いておりますが、新たに協働型を進めるための民間団体、ボランティアみたいなことが書かれてありますが、別建ての組織をつくるとか、そういったことも含みで検討されていらっしゃるのか、その辺、現時点での状況だけお知らせいただきたいと思います。
〇西村国体推進課総括課長 平成24年度の国体室の人員でございますが、室長以下18名という体制でございます。
 それからまた、民間との協働という部分での、今申し上げましたのは、県準備委員会の体制の強化という観点でお話し申し上げました。いずれにしましても、別建てといいますか、県の準備委員会そのものが県内各界各層の方々にお願い申し上げておる組織体でございます。私どもといたしましては、この準備委員会を平成25年度には実行委員会という形で衣がえをさせていただきたいと思っておりますが、その準備委員会なり実行委員会なりをフルに活用していきたいと考えてございます。
〇千葉政策地域部長事務取扱 1点だけ補足させていただきますけれども、今、体制の話がございました。いずれ先ほど申し上げたようなさまざまな取り組みがふえますので、特に民間の方々に御協力いただく分野、例えば募金活動とか、そういう関係につきまして、今、県内の経済5団体にお願いもしておりまして、来年度、時期的には未定でございますが、ぜひ民間の経済団体からも協力していただけるような職員の派遣について今、前向きな検討をいただいているところでございます。
〇関根敏伸委員 協働型という部分につきましては、まさに新しい岩手型国体をつくるという知事の意気込みが感じられまして、ぜひそれは成功させていただきたいと思っておりまして、今までにない岩手の国体、あるいは岩手の国体で何を目指すんだと。これは教育委員会に聞けということでございますので、それは別立てにしたいと思いますけれども、そういった目標立ても含めまして、ぜひ準備委員会なのかどうなのか、いろいろな各界各層からの御意見をいただきながら新しい姿を模索して、イメージがわくような国体にどんどんしていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇高橋昌造委員 私は、2点について単刀直入にお伺いいたします。
 まず、第1点目は、今の関根委員と重なるわけでございますが、第71回国民体育大会の開催準備についてお伺いいたしたいと思います。
 いろいろと一般質問なり総括質疑でも議論されてきたわけでございますが、2巡目の岩手国体、これは東日本大震災からの復興、再生に向けて、私は県民の皆さん方が一つになれる最大のチャンスであると思うわけでございます。
 そこで、2巡目の岩手国体の開催の機運を盛り上げるために、県内外にどのような形で広報活動を展開してまいるのか、まずそこのところをお伺いいたしたいと思います。
〇西村国体推進課総括課長 広報活動につきましては、平成24年度に第71回国民体育大会の愛称やスローガンの制定を考えてございます。それから、マスコットキャラクターの募集を行いたいと考えてございます。これらを活用いたしまして国体広報の展開を図っていきたいと考えてございます。
 また、県の広報媒体などを利用いたしまして国体開催の周知を一層進めるほか、競技会の運営やおもてなしの主力となりますボランティアの育成など、平成25年度開催決定という運びになる予定でございますが、平成25年度以降にNPO、それから地域団体等の参画を得まして、県民運動を本格的に展開して国体の機運醸成を図ってまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 次に、今、関根委員からもあったんですが、千葉政策地域部長事務取扱が先ほどの説明の中で、新しい岩手型の国体、この具体像ですね。今、関根委員への答弁をお聞きしても何か全然見えてこないんですが、いずれ私は、平成28年ですので、これから準備委員会で検討するとか、そういうことで果たしていいのかどうか、もう一度千葉政策地域部長事務取扱からお聞きいたしたい。
〇千葉政策地域部長事務取扱 新しい岩手型国体ということで、まだ姿が見えにくいという御指摘でございました。私どもといたしましても、実はいろいろと具体的なところを今盛んに詰めているところでございまして、今ここで御答弁申し上げるようなお話ができないことにつきましては内心じくじたるものがございますが、いずれこれまでの答弁の中でも申し上げてきましたけれども、すべての準備業務を県が直接行うことは難しいという認識がございます。したがいまして、企業とか団体にも役割を担ってやっていただく、基本的にはそういう形での準備を進めていきたいと。
 先ほどマスコットキャラクターの話もございましたが、例えば新たに募集をするのか、あるいは、今、これほどいろいろ県内に対外発信しているようなキャラクターもありますので、殊さら新しいものをつくるのかということについて、もしそういうものは不要であるというならば、既存の、今、県外に発信しているキャラクターを活用するとか、そういうものを含めて整理をしていきたいと考えています。これは例えばの例でございます。
 あと、普及の話を申しますと、ほかには国体課というか、そういうものの話もあるわけですが、こういうものをどうするかとか、この間、知事答弁の中で、企業、団体で行うことが可能、適当な業務については、大筋の方向性を示した上で引き受け先となるようなところを募集し、進めるという話をしておりました。仮に引き受け手がないような分野については、その事業をやらないか、あるいは最小限のものに対応するか、そういうような形での整理をしながら、できるだけ早くコアとなる部分と、そういうことで協力いただく分野を具体的に整理していきたいと考えているところでございます。
 いずれまだ具体的な全体像は、県で事務局をしておりますので、事務局で原案をつくりつつ、準備委員会にお諮りして定めますので、まだそういう話しかできないことをお許しいただきたいんですが、いずれフルスペックと申しますか、そういう形で、既存の形ではなかなかできないと。
 あわせて申しますと、これまでいろいろと国体については国体改革の議論もされてきております。そういうことで、ある意味、国体改革の一つのモデルとなるような、いろいろな御提案が出ていますので、そういうものを踏まえながら、岩手県として取り込むものは取り込んでコンセプトを早急に固めていきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 いずれ国体開催は、県民に大きな、特にも子供たちに大きな夢を与える県内最大のイベントなわけです。きょうなぜこの質問をさせていただいたかということは、曇りガラスであしたが見えないような答弁で、果たして平成28年の岩手国体を成功に導くことができるのかどうか、非常に心配してお聞きしているわけですが、今月5日にはもう冬ごもりから虫も顔を出すという啓蟄でもあったんですが、いずれもう少しスピーディーにお願いしたい。今、大震災津波で皆さんがあれなときにいいチャンスだと思うんです。私はぜひいろいろな情報媒体をお使いになって、県民にスポーツを通しての勇気とか力とか、そういうものをぜひ発信していただきたいということで、特にも西村総括課長には、この際大きく高らかに西村ラッパを吹いていただいて進めていただきたいなと。答弁を聞いていると何か悲しくなるんですよ。
 そこで、西村総括課長に再度これからの意気込みについてお伺いいたします。
〇西村国体推進課総括課長 平成24年度、まさに平成23年度部分全くできなかった業務、これを含めまして、当初予定しております平成24年度の業務とかいろいろ重なってまいりますが、まさに国体の成功のかぎというのは機運醸成といいますか、県民総参加という部分があると思います。私どもといたしましては、さまざまな機会をとらえまして機運醸成を図っていきたいと思っています。
 また、マスコミの協力も得ながらいろいろとそこら辺のところは努力をしてまいりたいと思っておりますが、いずれスポーツ、震災におきまして、一流のアスリートの方々が被災地に参られて子供さん方を指導したり、あるいは大人の方々を激励したという姿、非常に感動するところでございますが、スポーツの力というものがこういう状況下において大きな勇気と希望を与えるものと考えてございます。
 そういうことで、国体の成功に向けまして最善の努力をしてまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 それでは、西村総括課長に大いに期待しておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 次に、2点目でございますが、岩手県の事務を市町村に権限移譲しておるわけでございますが、その権限移譲の実態がどうなっているのか。
 それから、被災市町村では行政機能の回復が優先課題なわけですが、その中において、この権限移譲の事務について県ではどのような支援体制をとっておるのか、そこのところをお伺いいたします。
〇堀江市町村課総括課長 市町村に対する権限移譲の実態でございますが、権限移譲につきましては条例に基づきまして平成18年度から実施しておりまして、この6年間、移譲項目数としますと累計で1、484項目移譲しているところでございまして、私どもの基本的な考え方は、できるだけ住民に身近なところでサービス提供ができるようにということで、市町村とも連携をしながら、希望する市町村に対して積極的に権限移譲を行ってきたところでございます。
 そういった中で、支援体制ということでございましたが、これまでも、移譲に際しましては事務引き継ぎあるいは研修の実施とか、あるいは事務に係るマニュアル、手引の提供、こういったものを行ってきたわけでございます。
 今回の東日本大震災津波に際しまして、被災市町村に対しましては、例えばでございますが、庁舎が被災して実施できなくなった旅券の発給事務につきましては、県が地区の合同庁舎等に臨時の窓口を設置しまして、被災市町村にかわって事務処理を行っているところでございます。
 こういった取り組みもございまして、これまでのところ、被災市町村から移譲した事務についての処理が困難というお話は特に聞いていないところでございます。
〇高橋昌造委員 今、権限移譲の事務が1、400を超えると。例えば地方自治法上、すべて権限移譲するということになるとどのくらいの数になるか、それがわかれば教えていただきたい。そうすると、大体どのくらいの進捗率というか進行状況なのかわかるわけですので、そこのところだけ教えていただきます。
〇堀江市町村課総括課長 すべての事務項目数ということでありますと、大変恐縮でございますが、各種の多法令にわたっているものでございますので、これをすべて押さえているわけではございません。御承知のとおりかと思いますが、国でも、地域主権一括法、今、1次、2次ということで、来月から、これは条例ではなくて法令による権限移譲が始まるというところもございます。また、3次の改正案もこれから提出されると聞いておりますので、そういった中で、私どもとしても、できるだけ住民に身近なところでの行政サービスができるように努力してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 私からは、大きく二つ、地上デジタルの問題と市町村財政の状況についてお尋ねしてまいります。
 まず初めに、地上デジタル放送についてお尋ねしてまいります。
 3月31日正午をもってアナログ波は停波となって、地上デジタル放送に完全移行されることになっております。
 そこでお尋ねいたします。昨年8月末で一たん新たな難視あるいはホワイトリスト、それに基づく対策というものの数字が出ておりますけれども、最新の状況、一体どれぐらい実際に電波を出してみて見られないのか。それについてどういう対応をして、最終的に3月31日の段階で県内で何世帯が映らないのか示してください。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 1月末現在の、アナログはよかったけれども地デジ電波が受信できない新たな難視地区は1、236地区1万5、783世帯となっておりまして、うち920地区1万270世帯は、今月末のアナログ完全放送停波までに地上系恒久対策が間に合わない、衛星による暫定的な難視聴対策を実施する、いわゆるホワイトリストに掲載されている世帯となっております。
 昨年10月の決算特別委員会で答弁いたしました8月末時点の状況と比較しまして、ホワイトリスト掲載地区は118地区3、324世帯増加してございます。また、市町村別では、一関市で968世帯、久慈市で506世帯、八幡平市で306世帯と増加の割合が多くなってございます。
 現在の対応状況についてでございますけれども、今月末のアナログ放送完全停波までには共聴施設の新設等による対策を完了させることとしてございますが、現在、対策が完了していない世帯は94世帯ございまして、衛星による暫定的な難視聴対策を利用する世帯のうち、現在、対策が完了していない世帯は8世帯ございます。これらの世帯につきましては、今月末までに確実に対策を完了させるよう鋭意対策を進めているところでございます。
 対策が完了していない世帯というのは、工事の日程等が確定済みだけれどもまだ未着手であるとか、あるいは工事日程が調整中とか大家からの工事同意書待ちということでございますけれども、これらの工事につきましては約1日で設置が可能ということで、総務省から委託を受けているパナソニック等が対応してございます。
〇岩渕誠委員 これは大変な数字だと私は思っております。1万世帯が見られないということは、かなり問題があろうかと思っております。前回から3、000世帯ふえた。これは再三指摘しておりますが、理論上はそこをカバーしているんだけれども、実際に映らないところは結構出ますよ、出ると思いますよというお話をしていたんですが、この数字が出て慌てて対策を打たなければならない。しかも従前のものが進んでいないという中ですから、私は、これは最終的に市町村がやりますけれども、行政の取り組みについてどこか問題があったのではないかと思っておりますが、どのように認識されていますか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 委員御指摘のとおり、電波が届かない原因がなかなか突きとめられないというのが実態でございます。最終的には伝送路を延ばしてつなぐ以外は対策がないだろうということで、現在でもNHKの補助等によりましてかなりの部分がそういう導入をとられていますけれども、国としても、予想を超える世帯が受信できないということで、デジサポも国もNHKも躍起となって対策をとっているということでございます。
 我々とすれば、恒久対策を速やかに各世帯が映るようにということで国にも要望してございますし、関係機関と市町村とも連携しながら、これらが早急に解決されるようにということで取り組んでございます。
〇岩渕誠委員 作業の実務は市町村がやっていますが、今おっしゃるように、国の見通しが私は大変甘かったのではないかと思っております。
 さりとて停波は決まっていますから、この1万世帯をどうやっていくかということでございます。先ほどBS視聴の話がありましたけれども、これは1万世帯、代替として当然BSが大丈夫かどうか、理論上は当然大丈夫だという話になるんですが、実際の実例を言えば、山間部において南側に山が迫っているようなところではBSの視聴も難しいという地形的な問題がある世帯があるわけでありますが、それについて、この1万世帯全部に、そういったところも含めて支障箇所はないかどうかという確認はとれているわけですか。それがさっきの9世帯残るという話ですか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 そういうことでございます。
〇岩渕誠委員 わかりました。それはぜひ確実にやっていただきたいと思います。
 一方で、このホワイトリストに上がった1万270世帯の解消についてロードマップを提示する、こういうことを前任期で答弁いただいているわけであります。そのロードマップのおしりの部分、平成26年度いっぱいというのが国の示した方針でありますけれども、2年間待つということは、私はやっぱり生活者の立場からいってこれはちょっと我慢できないだろうと。ましてや大震災もあって地域のローカル情報をどうやってやるかということになれば、やはりこれは一刻も早くということになるわけでありますが、ロードマップとしておしりをどこにして、どういうような状況であるかということをお示しください。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 地上系恒久対策としましては、共聴施設の新設とか、あるいは無線共聴施設の新設あるいは高性能アンテナ対策とかさまざまあるわけでございますけれども、基本的には、衛星による暫定的な対策が2年間ということになっていますので、その2年以内にできるだけ早く衛星受信の家庭と連絡をそれぞれ市町村にとっていただきながら、きめ細かに個別具体に早く対策をとれるようにやっていくしかないだろうと考えてございます。
〇岩渕誠委員 全県のロードマップを提示していただいて見ましたけれども、当初の想定は5世帯、6世帯というような形だったと思うんですが、これが大体100世帯単位で映らない。要するに地域丸ごと映らないというところがあって、あるいは40とか50というのが結構ありますね。しかも、そういったところに対して高性能アンテナ対策というのがこれからメーンになっていくというようなロードマップのようでありますけれども、問題は、まだその方法が決まっていない地域が結構あるということなんですね。大概のところは何とか来年度中に終わりたいという計画のようでありますけれども、まだ決まっていないというところは一体何なんだと思うわけです。
 結局、これからその地域の1万世帯に対して、あなたのところは3月31日でテレビは見られなくなってBSに変わります。しかしながら、いつ何どきまでこういう条件であれば映るようにします、映るようになりますよ、こういうことを徹底して言わないと、やっぱり僕はそこまで責任があると思うんですが、その辺どのようにお考えですか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 この問題は当初からございまして、国もデジサポも市町村の活用ということを全く考えてございませんでした。我々は、いかに市町村の自治会とか地区の代表者なり、そういう方を使いながら地域の合意をいかに取り進めていくかが一番大切だという話はこれまで東北総通とかデジサポにも繰り返ししゃべってきたんですが、なかなか自分たちでやるから大丈夫だという形で相入れない部分がございました。ただ、こういう実態になると、やはりそれぞれの集落あるいは自治会なりで合意を得て共聴のアンテナを立てるとか、伝送路を通すについては了解するとか、あるいは電柱を立てることについては了解するというきめ細かい合意を取りつけていかないと進まないのが実態だと思います。したがって、そこは国とも十分話をしながら、なかなか見えにくい市町村と連携を密にしながら、集落単位、地区単位できめ細かに対策を講じていきたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 この問題については、いずれ共聴、ギャップフィラー、高性能アンテナということで、ギャップフィラーは多分少なくなってくると思いますけれども、いずれ経費がかかる問題であります。今映らないところというのは、いわゆる僻地であります。したがいまして、残ったところの解消のためにお金がいっぱい使われる。手出しがいっぱい出るというようなことでは、これはやっぱり地域の不公平感というのが出ますから、それは国の制度設計あるいは県の制度設計としても極力負担がなくなるような形でお願いをしたい。これは要望にとどめます。
 時間がありませんので、次のお話をさせていただきたいと思います。
 市町村財政の問題でございますが、被災市町村の財政状況について、実態、見通しについてどのように県は把握されておるのでしょうか。
〇堀江市町村課総括課長 震災後の被災市町村の財政状況でございますが、来年度の沿岸被災12市町村における当初予算の状況でございますが、3、097億4、700万円余となっておりまして、今年度当初予算と比較しますと、ほぼ2倍となります104.1%の増となっているところでございます。さらに来年度当初予算におけます東日本大震災津波関連予算について申し上げますと1、836億3、400万円となっておりまして、今後、復旧、復興に向けて具体的に踏み出した予算と認識しているところでございます。
 被災市町村におきましては、自主財源の大宗を占める税収が前年度と比較しまして大幅に減少しているものの、東日本大震災復興交付金あるいは先ほどお話し申し上げました東日本大震災津波復興基金の市町村交付金等により手厚い財政支援が行われている状況でございまして、現在のところ財政運営に大きな支障は生じていないと考えております。
〇岩渕誠委員 いずれ被災市町村は小規模で、非常に苦労しながら財政運営をしているところが多いわけでありますので、災害があったために財政健全化法の懸念が生じるなどということがあってはまかりならぬ、このように思いますので、長期的に担保するような形の支援というものをすべきだと思いますが、今、復興期においてはかなり手厚いということでありますが、現時点で長期的見通しというのはなかなか立たない状況だとは思うんですが、その辺いかがお考えですか。
〇堀江市町村課総括課長 今後の復旧、復興の取り組み状況、国の財政支援が今後、中長期的にどうなっていくかというのは我々もまだ不透明なところもございますので、市町村のそういった財政運営が今後どうなっていくかというのは、今後、国の動向を注視していかなければならないと思っておりますが、委員からお話がありました地方公共団体の財政健全化法のことで申し上げれば、例えば被災市町村の借入金の返済額の比率をあらわします実質公債費比率等につきましては、これは平成22年度の決算までしかございませんが、例えば早期健全化基準でございます25%を超えるような市町村は県内に被災市町村を含めてございませんし、ここ数年は改善方向にございました。今回も復興の特別交付税とかという形で起債等の発行が抑制されておりますので、こういった意味からも、当分の間はこういった指標が悪化する心配はないと考えております。
 しかしながら、やはり今後長期にわたってさまざまな復旧、復興事業が積み重なってまいります。こうなりますと、そういった被災市町村の財政負担が増してきてそういった実質公債費比率等の各種の指標が悪化するおそれもございますので、私どもとしては、それぞれの市町村の財政状況に応じて、担当職員が現地に赴きながら、よく市町村と話し合って助言を重ねていく、こういった形で市町村の財政支援をするとともに、また、市町村の要望がございましたら、そういった要望を踏まえまして国に追加の支援策等を要望してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 いろいろな御努力をされ、そしていろいろな手厚い財政措置も講じられ、さらにはいわゆる義援金も含めた支援の輪というものが広がっていることは大変結構なわけでありますが、その中で、私はそういういろいろな支援に対して、襟を正さなければならない部分というのも当然出てくるだろうと思います。
 何を私言いたいかというと、退職時の特別昇給の実態についてでございます。これは法律的には、研修、表彰等による特別昇給のうち、20年以上勤続して退職した場合に係る特別昇給制度というのだそうでありますが、これは一般的にいわゆるお手盛り退職金のことでございます。県内の市町村でこのお手盛り退職金の制度がまだ残っているところはありますか。
〇堀江市町村課総括課長 お手盛り退職金ということでございましたが、いわゆる退職時における特別昇給のことかと思いますが、市町村職員のそういった退職時の特別昇給につきましては、現在、勧奨退職を促すことを趣旨として行う勧奨退職時の特別昇給というのが残っておりまして、これが18市町村でございます。
 その際の最大の昇給号給、幅でございますが、これは市町村によって異なりますが、私どもが調べたところによりますと、最も少ない市町村で4号給の昇給、多いところで12号給の昇給という実態になっております。
〇岩渕誠委員 18市町村もあるということ自体驚きでございます。これにつきましては、平成16年4月に国で制度が廃止され、そしてこれに伴って、各都道府県に対して廃止するようにという指導があったわけであります。県においても平成16年度に廃止しておりますし、平成16年4月には、国からの通知を受けて、県の地域振興部長名で各市町村長に対して、これを廃止するように、国に準じた措置を講じるようにという要請文が出ていると思います。なぜ8年も経過してこういったものが残っているのか。
 それから、今、18市町村で最高で12号給上がるということでありましたけれども、この制度が残っていることによって大体どれぐらい1年間に支出があるのかどうか、それをお示しください。
〇堀江市町村課総括課長 なぜ市町村が制度を廃止しないのかということでございますが、これはそれぞれの市町村によって事情が異なることかとは思っておりますが、私どもが聞いております主な理由としては、職員定数の適正な管理のために職員の勧奨退職を促す必要があるということで実施している、あるいは、市町村としては見直す方向と考えているが、職員組合との協議が調っていないとか、あとは周辺の市町村等のそういった状況を見ながらというようなお話を聞いているところでございます。
 次に、その影響額でございますが、これは、今、14市町村ございますが、今年度─平成23年度末に支給する退職手当、勧奨退職に際して、支給が大体今17億4、800万円ほどあると見ておりますが、これがもし特別昇給制度がないとすれば17億2、800万円ほどになりますので、その差額約1、800万円が影響額として考えられるかと思っております。
〇岩渕誠委員 1、800万円というのは1年間の話でありまして、8年間やっているわけでありますから、単純に、でこぼこがあるにしたって1億円以上出ているということであります。
 モデルケースを調べてみましたけれども、1人頭、これは4号給加算された場合に大体15万円程度割り増しになっていると思うんですが、12号給も上がるとなりますとこれはまた相当な額になろうかと思うんですが、こういうことが今残っていること自体について県はどういう感想をお持ちなのか。そして、今まで是正に向けた指導、助言というのはどういうふうにしてきたんでしょうか。
〇堀江市町村課総括課長 やはりこういった運用をしているということにつきましては、県としても好ましくない状態であるという認識を持っております。
 一方で、市町村の職員の給与につきましては、それぞれの市町村におきまして、議会で十分議論の上で条例等で定めているものでございます。その際には、国や他の地方公共団体あるいは民間の給与なども参考にしながら定めているものでございますし、あるいは、これは大事なことでございますが、その市町村職員の給与というものは住民の税金により賄われていることから、やはり住民の皆様の理解が得られるような制度にすることが必要だと私どもは考えております。
 私どもとしては、こういう考え方に基づきまして、市町村を訪問しまして、法の趣旨に沿った適切な措置を講ずるようにこれまでも助言をしてきているところでございますが、先ほどお話ございましたとおり、一部に依然として国との均衡を失する勧奨退職の特別昇給といった制度が残っております。一部には、そういった市町村には廃止、見直しを検討する市町村もあると聞いておりますので、私どもとしても引き続きその14市町村に対して適切な運用ができるような助言などを行ってまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 今の中で私が疑問点があるのは、こうした問題があること自体が、その地域の住民、あるいは少なくとも議会に対しても提示されていないのではないか。いわゆる市町村の総務サイド、人事サイドと組合の中だけの議論になってしまって、そういうことがあるというのがクローズされてきているのではないか。これはやはり税の使い方からしてもどうかと思うんです。最終的にこれは廃止するとかやるというのは、これは好ましいか好ましくないかにかかわらず、当該市町村議会等で決定されるべきものとは思いますけれども、やはり状況からすれば、民間からしてもこれはおかしいだろうと思うんですが、その情報自体はクローズになっているのが現実ではないかと思うんですが、どうですか。
〇堀江市町村課総括課長 こういった市町村のさまざまな給与制度等の実態につきましても広く議会あるいは住民の皆様に知らしめるようにということでお話はしてきているところでございますが、やはり一部の市町村では十分な情報公開は徹底されていない部分もございます。
 やはり委員からお話がございましたとおり、できるだけ多くの方々に、住民の皆様も含めて議論していただくためのそういった情報公開も必要かと考えておりますので、この点も含めて今後市町村に助言を適切にしてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 この時期になぜこの問題を私が取り上げたかといいますと、こういった一般的に首をかしげるようなものが公務員制度の中で残っているという自体もさることながら、やはり今、復興期において、県内はもとより、県内外、国外も含めていろいろな支援や援助を受けているわけであります。それぞれの職員も一生懸命頑張っていると思うんです。それはそのとおりなんですが、それとこれとはやっぱり別なわけですよ。気持ちよく支援して気持ちよく働いて気持ちよく仕事を完了していくためにも、こういう制度で残っているからお支払いしますというのでは、今、復興に向かってみんな協力しようというところに疑義が生じては私はいけないと思っております。その観点からも、ぜひ県としてもできる指導、助言をしていただきたいと思うんですが、御所見があれば伺って終わります。
〇堀江市町村課総括課長 ただいまの岩渕委員のお話は至極ごもっともでございますので、本日のこのやりとりも含めまして、改めて市町村に周知徹底を図って、そういった是正に向けた取り組みを促してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 テレビの電波の関係なんですけれども、これまで、県立病院だとか県立高校だとか県営アパート、そういった建物が電波の受信の障害になっていたと。この場合に、ケーブルテレビジョンなんかのお世話になっていたかと思うんですが、今度、地デジになれば、関係ないよと、こういったことで取り払うことになるかと思うんですけれども、今まで県の施設でケーブルなんかで対応していたというのはわかりますか、どのくらいあるのか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 県の施設でケーブルを使っているという実態についてはちょっと把握してございませんので、後で資料としてお示ししたいと思います。
〇小野寺好委員 県の施設ではなくて、県の建物が受信障害になっていたために一般の家庭にケーブルの線を引いてあげたと。実際に県のある部署なんですけれども、今度、地デジになるので、今までケーブルテレビのお世話をしていましたけれども、その線を全部取りますよと。そうすると、その陰になっていた方は、ずっとケーブルテレビが入ってくるから自宅の屋根につけていたアンテナなんか必要ないねと。ケーブルの線を引いたときにそのアンテナを取り払ってしまったわけです。工事屋が、もうこんなものは必要ないですねと、取ってあげますからねと。それが今度、全部地デジになるからそういったサービスは県はやりませんよと。国策だからこれは県は知りませんよ、自分で前に取り払ったアンテナではなくて新しいものを買ってくださいねと、そういったことを県のある部署が言っているんですが、所得の低い人たちにとってはそれはないだろうと。今まで県の施設の陰になっていたから県で対応してくれるということで安心していたんだけれども、困るじゃないかと。そういった事態はないのですか。実際あるんだけれども。
 部長、これに対して県はどうにかしてあげようかみたいな何かありますか。関係ないですか。
〇千葉政策地域部長事務取扱 突然のお尋ねでございますので、今資料が手元になくて申しわけないのでございますが、もともと陰になって受信できないということで県が補償したときの法律関係等も踏まえて、現在どのような形で法律関係がなっているか、そこを確認しなければならないと思っております。
〇喜多正敏委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時2分 休 憩
午後1時2分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、政策地域部関係の審査では、この後、9人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁とも簡潔、明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇高橋但馬委員 公益財団法人さんりく基金の助成について、少しお尋ねをいたします。
 先日、私は陸前高田市のほうに視察に行きまして、陸前高田商工会の方とお話をさせていただきました。商工会の会員700名いらっしゃったんですけれども、その80%が全流出、流出されているという状況で、非常に厳しい状況だというお話を聞きました。
 それで、陸前高田市のほうで新たに仮設店舗を設ける際、市のほうから備品に対して50万円の助成が出るということで、それと同時に、さんりく基金の被災地復興支援助成事業でも、5人以下だと50万円、6人以上だと100万円という助成が出るんですけれども、そこで商工会の方々が言われていたのが、要するに、設備とか備品で補助の対象となる─それが、さんりく基金で対象になって、もし市町村からの補助も対象になった場合は、そのさんりく基金のものは返金しなければいけないという話になっていたんですけれども、実際、国、県、市町村等による東日本大震災津波により被災した企業の建物、設備、備品等を対象とする補助金助成を受ける事業者は本助成金の対象外とするということになっているんですが、このようなルールというか、それが決まった経緯をお知らせください。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 さんりく基金につきましては、もともとは、産学官連携の推進ということで、研究開発を支援してまいりました。
 それで、平成22年度末に事業の積立金が13億7、800万円ございまして、それを本来であれば20年ほど取り崩しながら事業を実施する予定でございました。そういった中で東日本大震災津波が発生しましたことから、事業の方針を転換いたしまして、被災事業者のための助成を開始することにしました。
 私どもは基金という、ある意味では柔軟性の高い組織だということもありまして、4月末から直接沿岸の市町村、それから商工会議所、商工会のほうにヒアリングに参りまして、どういった助成が可能だろうかという話をしまして、6月には理事会評議員会の御理解を得て、6月中に募集を開始したということです。
 当時は、国のグループ補助なども具体化しておりませんで、明確でございませんでした。その際に沿岸の市町村から、また、商工会議所のほうから特に言われたのは、多分国のグループ補助といったものに関しては、大企業というか大きな企業が基本的に優先されるだろう。個人事業者のような零細なところは多分補助の対象にならないと思うということで、できるだけそういうところを救っていただきたいと。
 私どもも、先ほど申しましたとおり、13億円しかございませんので、その中でいかに効率的にやるかということで、その中で、市町村、商工会議所などと協議して、できるだけ重複しないで、要は、ほかの助成を受けた場合はそちらでやっていただくということで、重複しない形で制度をつくらせていただきました。
 委員御指摘のように、陸前高田市でも、それから、例えば大槌町でも、独自にそういった助成制度を設けられたところもございますし、そうでないところもございます。それらの均衡を図るためにも、私どもの方針としては、重複しないで、できるだけ漏れなく支援したいと考えて、こういった制度を設けた次第でございます。
〇高橋但馬委員 私もいろいろお話を聞きますと、なるべく多くの方に支援をしてあげたいという趣旨で、いろいろ市町村からお話を聞いて、やっぱりその話が出てそうなったということは承知しておりました。
 私が今回、さんりく基金の支援助成事業の部分で、今年度の助成事業で変更点があったと思うんですけれども、その変更点についてちょっとお尋ねします。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 今回の変更点としては大きく2点ございます。第1点目につきましては、震災後すぐ、いわゆる融資などを活用されてそういった備品を購入された方も対象にしておりましたけれども、一定期間時間が経過したということもございましたので、今後は、これから購入する方を助成対象にするということにしました。
 2点目でございますけれども、今回、商工労働観光部のほうで新たに創設いたします中小企業被災資産復旧事業費補助、いわゆる全失した建物を新たに建てるといったものに対しての補助をしようとする事業について、それは先ほどと違いまして、さんりく基金の事業の重複も認めることにしました。
 その理由といたしましては、既に仮設店舗に入っていらっしゃる方にさんりく基金で助成しております。そういった方々が、土地利用の計画が明らかになるに当たって、心機一転、新しく店舗、工場を新設するに当たって、現在支援いたしました備品を持って入れるようにという配慮も考えましたし、また、建物と備品という違いもございますので、それについては商工労働観光部と協議いたしまして、両方使えるように改善したところでございます。
〇高橋但馬委員 中小企業被災資産復旧事業費補助ということで、これは商工文教のほうなんですけれども、製造業では上限2、000万円で、上記以外、宿泊業とか製造業以外は300万円の上限で、これは県と各市町村が折半ということでやる事業なんですけれども、私は、このお話が出て一つ前進したと思うんですよ。やっぱり被災当時、皆さんが求めていたニーズと、今度で大体1年になるわけですけれども、今のニーズというのは変わってきています。そこを柔軟に県のほうでも動いていただきたいというのが私の要望であります。
 今回のこのさんりく基金は、役員の代表理事に千葉政策地域部長事務取扱が今度もなられたと思うんですけれども、今後の柔軟な対応について、御所見があればお伺いして、私の質問を終わります。
〇千葉政策地域部長事務取扱 さんりく基金の事業についての運用の仕方についてでありますけれども、今、御説明申し上げたとおり、基金の事業ということで、昨年度できるだけ早い時期から柔軟に対応できたものと考えております。
 いずれ、もともとこの原資が三陸博のときの剰余金、それに一部県で上乗せしましてこの基金ができておりますので、本来的に、今回こういう大震災になって、十分活用するというのは当然のお話だということで、かなり柔軟に使わせていただいたところでございます。
 加えて申し上げますと、今年度、イベント事業、いわゆる地域での小さなイベント事業とか、あと、児童生徒のスポーツ活動、スポ少等の活動の用具購入等にも一部使わせていただいております。
 決して大きい額ではないんですが、小さい額であっても、幾らかでもそういうことでいろいろな方々が多く活動再開に向かっていけるような事業にしていきたいと思っています。
 したがいまして、来年度も、今ちょっと御説明もありましたが、いわゆる被災地の状況がまだ日に日に変更しておりますし、新たな制度もいろいろとできておりますので、それらの制度を補完する形で、決して総額多くはございませんので、まず、補完する形で柔軟に来年度も使っていきたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 公共交通の維持確保と利用促進についてお伺いいたします。
 今回の震災も含めて、やはり運輸、交通の重要性というものは浮き彫りになっている状況でございます。また、社会情勢を見ますと、少子高齢化、人口減少、地球温暖化対策、それぞれこの今後の交通政策については非常に大事な部分だと思っておりまして、今、国では交通基本法の制定をするために審議中ということでございますが、これについて、今、岩手県として具体的にどのような考え方を持って取り組みをしているのか、まずお伺いさせていただきます。
〇千葉政策地域部長事務取扱 交通基本法案に関してでございますけれども、交通基本法案は、今、委員からお話がございましたが、昨年春の通常国会に提出されたものの、成立には至っておらず、継続審議の扱いになっているものと承知しております。
 この法案は、いわゆる基本法という性格上、交通に関する考え方あるいは取り組みはかくあるべしという基本的な事項が規定されておりますが、その中で、やはり地域の足の確保ということが法案最大の眼目になっているのではないかと思っております。したがいまして、早期の制定を期待しているところでございます。
 この基本法が仮に今後制定された場合でございますが、条文に定めております基本的な政策が確実に実行されることが重要だと考えておりまして、具体的な施策あるいは財政的な裏づけ等につきまして、その実現に向けて、国に対して働きかけていく必要があるものと考えております。
 また、法案が成立いたしますと、今まで以上に公共交通に関する自治体の役割とか、あるいは住民の意識というものが高まってくるということが考えられますので、今後の県の施策のあり方についても十分検討して、必要な対応をしていく必要があるものと考えております。
〇軽石義則委員 それでは、引き続きそれらの対応については精力的にお願いしたいと思います。
 それに含めてですが、復興における本県の総合交通政策を今どのように考えて進めているか、お伺いいたします。
〇野中交通課長 復興における総合交通政策についてでございますけれども、基本的には、広域的な交通ネットワークということにおきましては、内陸あるいは内陸から沿岸に結ぶ公共交通のネットワークについては、既に再開しております。
 しかしながら、三陸沿岸を縦断する広域的な交通ネットワークにつきましては、不通区間等もあり、今後、そういったことも想定しながら、市町村の意向も踏まえ、また、広域を移動する地域住民の方あるいは観光客等の利便性の確保の観点から、今後も鉄道を基軸としていくべきと考えております。
 それから、ただ、鉄道の復旧については相応の期間を要すると考えておりますので、鉄道再開までの間は、それにかわるバス等による代替交通をしっかりと確保していく必要があると考えています。
 また、市町村内の交通につきましては、現在、仮設住宅の交通の確保について課題があると考えておりまして、市町村の取り組みをしっかりサポートしていきたいと思っております。
 また、今後はまちづくりが、復旧、復興が進むにつれてさまざま、仮の復旧といいますか、病院であるとか福祉施設あるいは商業施設等もそれぞれ立ち上がってきますので、そういったまちづくりの各段階に応じて、きめ細かく対応していく必要があるだろうと考えております。
〇軽石義則委員 市町村の意向を十分把握した上でということの御回答でございましたけれども、そのためには、やはり市町村でもその問題をきっちり把握して、検討したものを出せるような体制づくりというものが大事だと思っております。
 地域公共交通会議というものが各市町村に設置されていると聞いておりますけれども、現状どのような構成で、どのような設置状況であるか、課題はどこにあるか、取り組み状況も含めてお伺いいたします。
〇野中交通課長 地域公共交通会議の構成員あるいは設置状況等についてでございます。
 構成員につきましては、当該自治体あるいは住民、交通事業者等で構成されておりまして、地域内の公共交通のあり方、計画策定であるとか、あるいは市町村が行う有償コミュニティバスの運行とか、そういった部分について協議を行っているところでございます。
 県内の設置状況でございますが、現在でも全33市町村中25の市町村において設置されております。
〇軽石義則委員 25の設置状況が、順調にその会議を運営しているものなのかどうなのか、そこに課題はどのようなものがあるのかないのか、それを県はどのように把握しているのか、加えて、被災市町村においての状況はどうか、お知らせ願います。
〇野中交通課長 現在、25の市町村で設置されておりまして、それぞれの市町村の課題に応じて適切に会議が開催されていると承知しております。
 また、課題につきましては、これまでもちょっとお話ししておりますが、地域によってそれぞれ課題が異なっておりまして、例えば路線バスと行政バスの混在によって非効率になっているとか、そういった課題を再構築するとか、あるいは国庫補助路線等についての要件割れが生じて、その確保についてどうするか、あるいは利用促進をどうするか、それぞれ課題がまちまちだということで、それぞれの市町村において検討されている状況でございます。
 それから、被災地における設置状況でございますが、現在、沿岸の12市町村のうち4市町村が未設置になっております。ですから、8市町村においては既に設置されていて、残りの市町村においても、今後、設置に向けて検討している市町村もございます。
〇軽石義則委員 ありがとうございます。
 政策評価結果の報告書の中にも、それらについては記載されております。特にも、専門的ノウハウが不足して設置ができていないと報告されておりますけれども、具体的に、その専門的知識の不足とは何かをお知らせ願います。
〇野中交通課長 これにつきましては、実は市町村においては、交通政策に係る専担の組織がなかったり、あるいは担当しておっても大変多くの仕事の中の一つということで、常日ごろ交通にかかわる、例えば道路運送法であるとかという法律関係をなかなか勉強する時間がないといいますか、そういう体制になかったり、あるいは他県の状況等を常に把握しているというか、情報収集する体制がなかったりといった中で、地域内の交通課題を解決するための知識とか法的な知識といったものが、なかなかうまく取得されていない状況もあるかと考えております。
〇軽石義則委員 今のことにかかわって、新年度の事業の中では、公共交通利用促進事業費の中に公共交通活性化支援チームの運営というものが盛り込まれておりますが、そのチーム等のかかわり、そして、そのチームは、具体的にどのような活動をするのかお知らせ願います。
〇野中交通課長 公共交通活性化支援チームについてでございます。
 この活性化支援チームにつきましては、市町村の公共交通の個別の課題について解決を支援していくというものでございまして、構成員といたしましては、県の担当者、それから東北運輸局あるいは大学の教授とか、NPOの職員あるいはバス協会、そういった形での交通にかかわる担当、専門家といいますか、そういった方々で構成して、そういった支援をしております。
 先ほど、地域においては、市町村においては、そういった専担組織等がないというところでいろいろ課題を抱えているわけですけれども、こういったところにつきましては、市町村に個別に御訪問させていただきながら、市町村の課題について意見交換をしつつ地域の課題を抽出していく、そういった中で共有していくという支援もさせていただいております。
 また、具体の課題に対する対策を考える際も、そういう専門家のアドバイス等もいただけるように、アドバイザーの派遣と一緒に、市町村のほうに助言して、政策立案についても助言をさせていただいているという取り組みをしております。
〇軽石義則委員 その部分は大変重要なことであると考えますので、ぜひとも、今お答えいただいたような内容が、市町村に浸透して、活用していただけるような体制づくりというものもお願いしたいと思います。
 最後にもう一点お聞きいたします。バス運行対策費の内容につきまして、通常分と震災対応分ということで分けておりますけれども、その具体的な内容についてお示しいただきたいと思います。
〇野中交通課長 バス運行対策費につきまして、総額で3億200万円余の予算を計上させていただいておりますが、その内容につきまして、震災対応分と通常分に区分して計上させていただいております。
 この震災対応分につきましては、輸送量等の国庫補助要件があるわけですけれども、これが、今回の震災の影響により要件を満たせないような路線が非常に出てきたということで、今回、国の補助要件が緩和されております。その緩和により補助対象となった路線が18路線ございまして、この路線維持に係る補助の1億800万円余を震災対応分として計上しておりますし、それから、今回の被災でバス車両等も被災を受けたり、全体的に車両が不足しているということで、バス事業者において24両の車両を調達するという計画がございますので、これに対する補助として2、500万円余という予算を計上し、合計、震災対応分として1億3、300万円余ということになっています。
 また、通常分については、これまでの要件であります輸送量要件が、15人以上であれば対象になるんですけれども、これは、要件をそのまま満たせる路線については43路線ございますが、その部分の路線維持に係る補助として1億6、800万円余を計上させていただいたところでございます。
〇軽石義則委員 それらについては十分地域の状況を把握し、そして課題を整理した上で、優先を見て配分したという中身であるか、もう一度お伺いします。
〇野中交通課長 本制度におきましては、基本的に制度要件が、あるいは補助要件が決まっているものですので、その補助要件に合致する部分についてはすべて対象とし、国に協調する部分の県分の予算を計上させていただいたところでございます。
〇軽石義則委員 地域住民に対するサービスの向上という部分も含めて国の支援があると思いますけれども、事業者に対して補助している状況、そこで実際働いている皆さんが働きがいのあるような環境にもなっているのかどうかという部分について、把握はされているかどうかお聞きいたします。
〇野中交通課長 バス事業者の従業員といいますか働く方々の福利厚生であるとか、バス運行にかかわる部分での休憩室であるとか、さまざまな部分が必要になってくるわけですけれども、これは、実はバス運行対策費ではなくて、運輸事業振興費補助というものがございまして、今回、平成24年度の予算に3、200万円余の予算を計上させていただいております。
 ここにつきましては、今お話ししたような、社員の運転者あるいは乗務員のための共同休憩施設であるとか、あるいは共同福利施設の整備、運営についても補助の対象としておりまして、バス協会を通じて助成を行っているところでございます。
〇軽石義則委員 まず、JRにつきましては先ほどまで議論がありましたし、それを補完する公共交通の支援というものもまだ非常に大事な時期だと思います。ましてや通勤、通学、通院、そして買い物、生活に密着している部分が多くあることも現実でございます。
 被災された地域のみならず、県内全域で、そのことが、やはり生活する上で対策をとっていただいているという実感あるものにしていかなければならないと考えておりますので、引き続き、公共交通のネットワークづくりというものに力を入れていただきたいと思います。
 なお、関係団体などからの要請、要望につきましては、やはり現場の声というものがそこから発信されているという思いがございますので、ぜひとも迅速かつ、今までもやっていただいていますが、誠意ある答えがきっちり伝わるような対応をお願いして、それについての所感をお聞きし私の質問を終わります。
〇千葉政策地域部長事務取扱 今、交通課長から御答弁いたしました運輸事業の交付金につきまして、これまでもいろいろと経緯がありまして、この交付金制度が維持されてまいりました。これにつきましては、団体様のほうからも、ぜひ存続していただきたいという要望もいただいていまして、今回、予算計上もしているところでございます。
 引き続き関係団体と十分意見交換しながら、この公共交通の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今、軽石委員からも岩手の公共交通についてお話がありましたが、私からも岩手の公共交通、二次交通、鉄道にかわる代替で今運行しているバスについてなど少し詳しくお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 午前中の審議の中でも佐々木副部長から、生活にも重要であるし、また、観光のほうにも公共交通は重要であるというお話がありましたが、4月にデスティネーションキャンペーンを控えて、平泉から沿岸、県北へ周遊を目指していくという中にありまして、この公共交通というのは重要であると考えております。
 特にも、高速道路の無料化が終わるというところもあって、デスティネーションキャンペーンも、JRのキャンペーンでもあるということで、県外から新幹線を使って岩手県へお客様がたくさん来ると思っておりますが、その中でも、新幹線の駅から各地を結ぶ電車、バスの二次交通の充実が課題であると思います。
 被災前は、沿岸部の縦ラインはJRと三陸鉄道によってカバーされていたわけでありますが、被災してから、八戸、久慈から高田、気仙沼の区間において、今現在、利用者が不自由なく移動できる状態になっているのか、代替バスを含めつながっているのか、まずは伺いたいと思います。
〇野中交通課長 沿岸の縦ラインの交通の現状ということだったと思います。
 御案内のとおり、JR八戸線につきましては、3月17日に運行が再開されるということになっております。ただ、それまでの間、不通となっている種市竏昼v慈間においては、JR東日本が代行バスにより運行を行っていると。また、不通になっております山田線の宮古竏抽・ホ間、それから、大船渡の盛竏昼C仙沼間につきましては、バス事業者が運行する路線バスにおいて、実質的に今、代替の輸送の機能を担っているところでございます。
 また、三陸鉄道におきましては、この4月に陸中野田と田野畑間が再開するわけですが、現在不通となっている野田と小本間になりますけれども、また、南リアス線全線、この不通区間におきましては、バス事業者による代替輸送が行われている状況でございます。
 総括的に申しますと、沿岸部の鉄道の不通区間においては、バス事業者等による代替バスにより運行されておりまして、鉄道とバスをつないでいけば、八戸、久慈から、あるいは高田、気仙までの間は結ばれていると。ただ、その本数等において、まだ震災前の水準に達していないというような状況がございますので、サービス水準においては、課題があるということで認識をしております。
〇佐々木朋和委員 震災前と比べて、水準がまだ戻っていないというところのようでございますが、これから本格的な観光シーズンもしくは生活者の公共の交通手段としても、今は本当に急場のしのぎという形だと思いますので、やはりこれからふやしていかなければならないと思いますが、その面についても経費の負担というものが問題になってくると思うんですが、今現在はどのような形で賄われているのか伺いたいと思います。
〇野中交通課長 代替交通、代替バス等の運行に係る経費負担についてというお尋ねだったと思います。各線ごとに経費負担というものが異なっておりますので、若干御説明をさせていただきたいと思います。
 JR山田線の宮古竏抽・ホ間におきましては、北の部分ですけれども、宮古竏虫R田間の部分は岩手県北バス、そして、山田から釜石間は岩手県交通が、路線バスの乗り継ぎにより対応しているという状況がございます。この両路線とも国庫補助路線ということになっておりまして、県が国と協調しながら、運行の欠損額について補助をしながら支援をしているところでございます。
 それから、JR大船渡線の盛竏昼C仙沼間でございますが、そのうち盛竏苧、前高田間につきましては、これも岩手県交通が運行する路線バスにより対応しているんですが、これも山田線と同様に、県が国との協調によって補助をし、支えている状況でございます。それから、陸前高田と気仙沼間につきましては、岩手県交通が自主的に運行して、会社において負担をいただいているという状況でございます。
 なお、全体を通しまして、JR東日本におきましては、これらの路線バスを運行するバス事業者に、JRの定期利用者を対象に輸送を依頼する形をとっております。ですので、JRの定期代金と路線バスの定期代金の差額部分についてはJR東日本が負担しているということでございますが、運行に係る部分についてはJR東日本が代行しておりませんので、その部分についての関係経費は負担していないという状況になっております。
〇佐々木朋和委員 お話の中で、聞いておりますと、やはり同じ中にあっても、バス会社を乗り継がなければ移動ができなかったり、または、電車からバスへというところで、事業者が違うということですので、そこが一緒の事業者であれば利用者の方も不便なく一つの切符でということもあるんでしょうが、なかなかそこがうまくいっていないと。
 また、代替バスというと、県民の皆さんの多くも、JRのところでやっているのかなというようなイメージもあるという中で、やはりこの部分について、JRにもこの代替交通の確保経費の負担というものを、これから先、時間をかけてはいけないんですが、復興までかかるということもありますので、その辺も考えていかなければならないと思いますが、そのような予定というかがあるのかお聞かせいただきたいと思います。
〇野中交通課長 このJRの山田線、大船渡線に係る代替の交通確保という部分については、今回の震災発災以降すぐに、県、沿線市町、それからJR東日本、バス事業者の関係者で相当程度の回数、協議をしてまいりました。
 そういった中で、JR線利用者の代替交通の確保については、当時から、やはり事業者であるJR東日本が責任を持って行うべきじゃないかというようなお願いをしてまいりましたが、現在のところ、先ほど申し上げたように、JR定期利用者についての差額分の補助のみの負担が行われている状況が続いております。
 こういったことから、引き続き、JR東日本に対しては、一定の役割を果たしていただくように要請を続けてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 先ほど軽石委員からも、また、午前中の議論でもありましたので、私見を述べさせていただくにとどめますが、やはり代替措置から復旧の方法、そして、これから平泉という観光地を抱える岩手として二次交通をどうやって考えていくかという展望も含めて、一体で考えていかなければならないと思いますし、そこにはJR、あとはそれを支えるバス会社、市町村、国、県と、ひとつそこの将来の姿ということを念頭に置いた協議会なりを持って進めていかなければならないと思いますので、どうぞ御検討をお願いしたいと思います。
 そのような中で、まずは喫緊の具体的な策というところで、この運行の本数、例えば午前に2本とか午後に2本というような形では、観光客の方には今、沿岸の地域も、泊まるところがないということで日帰りを余儀なくされるという中にあって、行ったはいいけれども帰れないとか、あとは生活者の方にとっても不便だと思いますので、サービスの向上に向けてどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。
〇千葉政策地域部長事務取扱 今後のサービス向上の取り組みについてでございますけれども、今、課長からも示したとおり、現在は発災前から運行された路線バスが、いわゆるJR線の代替交通の役割までも担っておりまして、そのサービス水準を向上させることが大きな課題だと思っております。
 まず、現在、JR山田線の宮古竏抽・ホ間につきましては、課題として、運行本数の拡大に加えまして、代替バスの乗り継ぎで時間を要するというような課題もございますので、4月からは国庫補助事業の活用によりまして、増便あるいはバス事業者間の調整による乗り継ぎダイヤの改善を図るように、今、努めているところでございます。
 また、JR大船渡線の盛竏昼C仙沼間につきましては、特にも陸前高田竏昼C仙沼間の代替バスが2往復しかないという状況でございますので、その増便について引き続き改善しなければならない課題があると思っております。いずれ、このような課題について早急に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、今、二次交通網の整備についても言及ございましたが、いずれ平泉への観光客を県内各地に誘客するためには、全国の交通ネットの基幹であります新幹線とつながっている三陸沿岸鉄道の早期復旧が必要だと考えているところでございます。
 いずれ、JR八戸線は、先ほど課長も申しましたが、今月17日に全線運行再開が決定する、三陸鉄道も平成26年4月ということでめどがついているということで、やはりJRの山田線及び大船渡線についてが大きな課題として残っているところでございますので、これらについては、先ほどから御答弁申し上げておりますが、復旧に向けて私どもも全力で取り組んでまいりたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございました。
 政策地域部は、所管に路線バス、あと三陸鉄道、そして平泉の世界遺産の理念の普及ということを掲げておられまして、平泉のお客様を県内各地にどうやって周遊させるかという二次交通網の整備という重要な役割があると思いますので、ぜひ引き続きお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇飯澤匡委員 1点お伺いします。一般質問でも取り上げましたが、新しい公共についてでございます。
 一般質問では、被災地の対応について限定してお伺いをしましたが、ちょっと通告はしませんでしたけれども、1点、岩手県の新しい公共の目指す方向性について、基本的なことをお伺いしたいと思います。
 今の政権になって一気に何か新しい公共という部分がトーンダウンをしてしまって、今後どのような方向性に進むかというのが、私は、少し不透明になってきたのではないかと思っております。
 各省庁でも円卓会議を開いて、経済産業省などでは、社会事業法人の検討であるとかというものも進んでおるようですが、実際のところ、なかなか現実的には実現していないという状況です。
 岩手県にあっては、私は不祥事だと思っていますけれども、いわてNPOセンターのあのような事案もあり、今後その新しい公共の担い手となるNPOの育成等、これから岩手県がやらなければならない課題は多いと思いますが、基本的なところとして、NPOの育成にしろ、今後、今の社会福祉法人の現状を見ても、いわゆる行政の下請で進んでいる中で、このような形がこれまでどおりいくともなかなか思えない。じゃ、どうやってその新しい公共の担い手をつくっていくのかというところは非常に悩ましいところでもありますが、やらなければならない問題だと思います。
 その点について、まず最初に、政策地域部長事務取扱の千葉さんにお伺いします。
〇千葉政策地域部長事務取扱 新しい公共についての非常に大きなお話をちょうだいいたしましたが、この新しい公共という言葉自体、最近大きくクローズアップされておりますが、この取り組みの内容の実質的なものについては、現在、これもほとんど進んでおりますが、地方自治法に基づく指定管理者制度とか、あるいはPFIによる公共施設の整備とか、これらの取り組みも含めて、一つの大きなくくりの中では新しい公共の推進であると考えております。
 そのうち、昨今クローズアップされていますのが、特にNPO等によります指定管理者制度ですが、あくまでも行政機能の代替というような考え方なわけで、やっぱり今回の新しい公共におきましては、公共料金の拡大と申しますか、行政がぜひ義務的にやらなければならない分野ではないけれども、できれば公共的な施策から進展させるのが望ましい分野というところを、できるだけNPOとか関係する民間団体の力をかりてサポートしていく、サービスを提供していくという考え方だろうと思っております。
 いずれ、実際に今御指摘もございましたが、NPO法人等につきましては、これも御議論いただいていますが、例えば、やっぱりまだ経営基盤、財政基盤が弱い、あるいは財務関係に精通した職員の方がなかなか確保できないとかという課題もあり、その課題について、これはこの10年間、NPO法が制定されてから絶えず言われてきていることでもございますが、いずれこれについて引き続き、きのうも申し上げておりますけれども、認定NPO法人制度への移行なり、さまざまな専門家の派遣による財務知識の習得とか、あるいは公共の場所でのさまざまな活動発表の機会の提供とかということで、NPO活動を広げていく必要があるものと考えております。
 また、これまで地域で、商工会青年部あるいは農協婦人部とかという方々も、自主的にこういう活動を担ってきていただいたところでございます。ただ、昨今の事情でなかなか活動が厳しいという話も聞いておりますので、そういう方々の活動も、従前のように活動いただけるようなことについても、我々としては支援する必要があると考えております。
 したがいまして、今回のモデル事業は、NPO法人でなくても、いわゆるNPO活動をしている団体であれば対象となっておりますので、ぜひ今回、この事業等を活用して、もう一度それの取り組みをお願いしたいと思っております。
 ただ、この基金事業について申しますと、1年間の来年度中の事業ということでございますので、やはりこれについては、ぜひ国において継続的に、こういう補助金制度で支援をしていただいて進める必要があるものと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 ちょっと次の部分まで答えをいただいたような感じがしますが、いずれ国の、特に経済産業省は、事業性を高めて、それから行政への依存度を下げていこうという方向性を、経済産業省ですからそのような考えに立つのかもしれませんが、先ほど副知事から御指摘があったように、やはり日本の場合は財政基盤が非常に弱い、それから、それに伴ってその法的な裏づけもなかなか薄いということで、今、国のほうでももがいている状況かと思われます。
 今の答弁をお聞きしますと、やれるところから、応援できるところからやるという考えに立っておるということは確認できました。
 そこで、また被災地の対応について絞って2点ほどお伺いしますが、先般の一般質問で、いろいろ今、被災地においては、県外からのさまざまな団体の方も被災地支援に活動いただいているという状況であることは私も知っておるところでございますが、実際問題、先ほど一部答弁いただきましたが、県内の育成と、それから県外からの支援をしていただいている方、これはある意味、なかなかその取り扱いも、来年度は多分大丈夫だと思うんですが、その先の育成という部分に限って言えば、ちょっと難しいところもあるのではないかと思います。
 それで、県外からの団体支援活動も助成の対象とする新しい事業スキームを現在策定中と聞いておりますが、その点について少し詳細にお知らせ願いたいと思います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 県外のNPOによる被災地支援活動の事業スキームの関係でございますが、新しい公共支援事業に関しましては、内閣府が基本的な考え方をガイドラインとして示しております。昨年12月にこのガイドラインの改訂が行われまして、県外の団体による被災地支援活動も助成の対象とされたところでございます。
 県におきましては、この新しいガイドラインの考え方を踏まえまして、平成24年度新しい公共の場づくりのためのモデル事業の募集に関する考え方をまとめまして、昨年12月に県内6カ所でいろいろ事前の説明会を行いまして、市町村あるいはNPO等から御意見をいただきながら検討を進めてまいったところでございます。
 県といたしまして、NPO等が被災地市町村と密接に連携して、被災地の実情に応じた取り組みを進めることが何よりも重要であるという考え方に基づきまして、県外の団体についても、被災地市町村と協議体を形成する、あるいは県内の団体と県外の団体が協議体を形成した上で、市町村からその活動についての同意書をいただくのいずれかということで応募要件を定めまして、その内容を盛り込んだ新たな募集要項を策定いたしまして、1月13日から2月末までを公募期間として公募を行ってきたところでございます。
 現在、申請書の取りまとめを行っておりますけれども、予算枠を大きく上回る多数の応募をいただいたところでございます。本定例会で関連予算の御承認をいただきました後に、速やかに新しい公共支援事業運営委員会を開催いたしまして、事業の審査、決定を行いまして、4月から直ちに事業着手ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 それは大変結構なことだと思います。
 そこで、いわゆる協議体をつくって被災地支援をしていただくということになるわけですが、これは、市町村とのいわゆる同意書等を交わすという選択肢の中にあって、無論その中に共通認識が図られると思うんですが、それならば、その上に立つ県が、運営管理までということではないんですけれども、じゃ、どこの部署が、どのようにそういう指導をしていくのか、そして、円滑にいくようにどのように見守っていくのかというのが非常に大事になると思います。
 本部だけで、まず申請だけは受けて、あとは市町村と共同してやってください、それは現状の形ですが、これから、やはり新しい公共と言うからには、県外の団体または先ほど副知事のほうからも御案内のあった、さまざまなNPO団体でない方々も一生懸命やっている方々がいらっしゃる。
 ですから、私の思うに、やはり広域振興局なり、そういう県の出先機関の方々が、市町村とも一体となってそういう進捗ぐあいを見ていく、活動の成果もしっかり検証するという作業は絶対必要だと思うわけですが、その点についてどのような御見解でしょうか。
〇千葉政策地域部長事務取扱 まず、市町村との連携に際しての県の対応ということでございますけれども、いずれ、今回のこの支援事業につきましては、当部のNPO・文化国際課が所管して、今、事務手続を進めさせていただいております。ただ、今回県におきましては、当部のほうで市町村課あるいは地域振興室等も所管しておりますので、基本的には、部全体でこの事業についてきちんと管理といいますか進行はしていきたいと考えているところでございます。
 また、具体的現場の話になってまいりますが、いずれ、この事業につきましては、例えば今年度も実施しましたが、現地の振興局を会場に、成果報告会の開催とか、あるいは、今回ちょっとまだ詰めておりませんが、審査に当たって公開プレゼンテーションを行っていただくということで、まず、現地でそういうたくさんの方に集まっていただいて、さまざまな応募団体の内容について評価していただく、実質上評価していただくと申しますか、そういうようなことも一つ当然重要なことだと思っております。そういうことで、そういうかかわりとしては、広域振興局にもそれなりの役割を果たさせるというような形で今考えているところでございます。
 いずれ、本庁、広域振興局、市町村という行政サイドが、まずきちんとこの事業について連携して取り組むことが基本となりますので、それがあった上で、民間の活動が、市町村と協働、あるいは市町村の承認を得て単独でという話になりますので、市町村の今の復興の度合いときちんとマッチングするような形での事業振興がされるように、我々も十分配慮していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 今まで、申しわけないですけれども、事業認定しました、あとはやってくださいというような形が多かったわけです。新しい公共と言うからには、やはり新しいものを創造していくという観点で、全庁的に県庁もバックアップする、そして、やる気のある方々をしっかり、そのモチベーションを維持させて次につなげる展開を自分たちも描いていく、こういうことが絶対必要だと思います。これは、被災地支援ということを一つのきっかけにしながら、ぜひとも何か新しいモデルというものを示していただきたいと思います。
〇及川あつし委員 1点だけ、けじめと決着をつけるために伺いたいと思います。
 昨年の当委員会で、県職員が役員を務めるNPOに県の一部を委託することがいいか悪いかという質疑が交わされたところでありまして、その際は、いいんだか悪いんだか、一応契約も適正にやったんで、まず今回はいいのではないかというところで話がやんだと記憶しております。
 改めて伺いますが、その後いろいろ検討、議論がなされたと伺っておりますが、県職員が役員などを務めているNPOへの委託契約についてはどういうことになっていますか、見解をお示し願います。
〇畠山NPO・文化国際課総括課長 委託先に県職員が役員になっているケースへの対応ということでございますけれども、昨年のいわてNPOセンターの関係の問題を踏まえまして、県といたしまして、委託の適正化に関するガイドラインというものを定めておりまして、その中で、NPOの役員に県職員がなっている場合に、選定する側が役員を兼ねているような場合というのは非常によろしくないのであろうというような観点に立ちまして、委託の募集に当たりましては、NPOの役員名簿をきちんとつけていただく、しかもその中に県職員という部分についてしっかり明記をしていただくということを定めているところでございます。それによりまして、その辺の問題についてしっかりチェックをしていこうということで対応させていただいているところでございます。
〇及川あつし委員 回避する取り扱いが望まれるというような提言も出て、今のような取り扱いになったと伺っております。これにつきましては、いわゆる他の競合する団体から疑義を持たれないということが一番大事なことであって、例えば去年も答弁ありましたように、職員がついているから即いかんというわけじゃないと思いますけれども、他の競合団体から疑義を挟まれてもきちんと対抗できるように。
 多分、今後についてはOBの件も後々出てくるのかもしれませんけれども、それも一概にいい悪いというのは判断できないと思いますが、明確な基準と対応の方針をきちんとやって、新しい公共分野がこれから県民の期待にこたえられるように進めていっていただきたいと思いますが、この所感を伺って終わります。
〇千葉政策地域部長事務取扱 まず、一つお話をさせていただきますと、岩手県職員憲章というのがございまして五つの項目を挙げておりますが、その中には、地域意識を持つということで、地域活動も県職員は率先してやるべきだということもうたっているところでございます。これは一方進めていく必要があると思っております。
 ただ、他方、今、委員から御指摘がございましたけれども、やはりそういう他の団体から疑義を持たれるようなことはあってはならないと思っておりまして、今、具体的な事務的な話は課長から申しましたが、そういうことはきちんとチェックし、確認しながら、透明度の高い対応をしていく必要があろうと思っています。
 私ごとでございますが、私も実は県北の中間支援NPOの一会員でございます。なかなか行く機会がなくてちょっと恥ずかしいんですけれども、一応会員としては参加したつもりでございます。やはり公務員のあり方として、そういう役職につくというのは、仮に公的支援がない法人の場合どうかということにつきますと、これはちょっとNPO法人の中にはそういう公的関係を持ちたくないという法人もございますので、そういう団体に入っている公務員はどうあるべきかというような話もありますので、いろいろとその辺のところ、人事的な問題については今後掘り下げる必要があるのかなと思っておりますが、少なくとも行政とかかわりを持つNPO法人につきましてはきちんとその辺のところをチェックをし、透明度を高めた対応をしていきたいと考えております。
〇小西和子委員 1点のみです。定住と交流の促進についてお伺いいたします。
 第1期アクションプラン政策編において、重点的に取り組む政策推進目標の一つに人口の社会減に歯どめをかけることを掲げております。その中で、まず産業振興、それから雇用の場の確保、3点目としては体験居住機会の提供による県内への定住と交流の促進などということで、人口の社会減に歯どめをかけるための取り組みを今までも進めてきたと認識しております。
 そこで、これまでの取り組みと成果、課題と、それをどう分析しているかということをお示し願います。
 観点といたしましては、岩手ファンの拡大と交流人口の増加についてということです。ホームページのアクセス件数も含めてお答えください。
 2点目の観点といたしましては、移住、定住者が活躍できる環境の整備についてお願いいたします。県外からの移住者数も含めてお答え願いたいと思います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 定住と交流の促進についてでございますけれども、これまで県におきましては、市町村や関係団体と連携いたしまして、移住相談窓口の設置、それからパンフレット、ホームページ、雑誌記事の掲載などで岩手の情報発信に努めてまいりました。また、首都圏での移住者説明会などでPR、また個別相談を行いまして、岩手ファンの拡大と交流人口の増加を目指してまいったところでございます。
 この成果といたしまして、平成18年度から平成22年度までの5年間でございますけれども、U・J・Iターン就職も含みますけれども、県外からの移住者は延べ4、628人に及んでおります。また、先ほど委員からお話のありました本県の定住・交流ホームページのアクセス件数も年間で26万件まで拡大することができたと思っております。
 その要因といたしましては、専門雑誌に直接記事を掲載していただいたり、移住者イベントなど、まさに移住を希望する特定の層を対象に具体的な情報発信を行ったこと、また、ホームページに関しましても、関係者の努力によりましてきめ細かな更新をしてまいったということが一定の成果につながったものと考えておりますし、また、市町村におきましては、空き家バンクの登録制度、それから移住助成制度の創設など積極的な市町村もふえてまいりまして、こうしたことで移住を促進することができたと認識しております。
 また、移住者、定住者が活躍できる環境づくりということでございますが、移住者懇談会を定期的に開催しております。また、市町村や関係団体との意見交換会、研修会を開催する中で、移住者の方々が地域でどうやって活躍できるのかというところを支援するような連携体制に取り組んだところでございます。
 ただ、課題といたしまして、今回、東日本大震災が発生いたしまして、特に沿岸部でございますけれども、被災者、それから復興事業者の住宅が極めて不足する中で、移住希望者に積極的に空き家を提供できる状況にございません。そういった移住を促進する環境が厳しくなっているというのは一つ課題として認識しておるところでございます。
〇小西和子委員 移住はしてきたけれども、その地域の支援を得られなくてまたもとの地に戻ったなんていうようなことも聞きますが、地域で手厚く支援をしているところもございます。ですから、今のお話、ああ、そのとおりだなと思ってお伺いしておりました。
 震災後の県内、県外の人口移動につきまして、わかる範囲でよろしいですから人数を示していただければと思います。沿岸から内陸、それから内陸から沿岸、県内から県外、県外から県内のあたりでお願いしたいと思います。
〇浅田調査統計課総括課長 震災後の人口移動についてでございますが、県内移動につきましては、転出先市町村別の移動者数が把握できていないものですから、沿岸12市町村から県内への転出者と、それから県内から沿岸12市町村への転出者を比較してお答えいたしますので、御了承いただきたいと思います。
 発災日以降の正確な移動者数は把握できておりませんが、震災直前の昨年3月1日から同年12月31日までの10カ月間における人口移動についてお答えいたしますと、本県の沿岸12市町村から県内への転出者は7、198人、県内から沿岸12市町村への転出者は3、779人でございまして、差し引きで沿岸市町村のほうが3、419人の転出超過となっているところでございます。
 なお、これを1年前の同期と比較いたしますと、沿岸12市町村の転出超過は2、779人拡大しております。
 同じく、昨年3月から12月までの10カ月間における本県の県内から県外への転出者は2万770人、県外から県内への転入者は1万7、449人でございまして、差し引きで3、321人の社会減となっております。
 なお、これを1年前の同期と比較いたしますと、社会減は686名縮小しているところでございます。
〇小西和子委員 大分大きな移動があったと今、とらえました。
 そこで、来年度の事業の中にいわてへの定住・交流促進事業というのがございます。その中に被災地交流支援事業というのがございます。この内容について読んでみましたけれども、もっと詳しく教えていただければありがたいと思います。
 もう一つは、定住・交流PR等ということについても教えていただければと思います。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 来年度の事業についてでございます。
 来年度におきましても従前どおり首都圏での移住説明会には参加してまいりますし、ホームページでの情報発信も続けてまいります。また、移住者への相談、支援、それから移住を希望される方にも市町村との連携でしっかり対応してまいりたいと思っております。
 その一方で、先ほど申し上げましたが、沿岸におきましてはなかなか移住という環境にない、そういう中で交流を拡大したいと考えております。いろいろな方々からお聞きしますと、ぜひ被災地を応援したいんだけれどもどうやって応援していいのかわからないという話をよく聞いております。また、被災地のほうでも、一部ではございますけれども、もう瓦れき処理とかそういったものではない形でのさまざまなニーズがあるとも聞いております。そのあたりを、これからある意味で市町村や広域振興局と一緒に、手探りではございますけれども、そういったニーズを調査しながら、例えばでございますが、被災地の応援ツアーであるとか、被災地で企業の研修会を開催してもらうとか、そういう形で、まず相互の交流を図るような機会を拡大してまいりたい、そういう事業を展開してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 ホームページを見せていただきましたけれども、かなり充実しております。やはり移住者の方の声というのは大きいのではないかと思いますので、さらに岩手の魅力をアピールするようなホームページに高めていっていただければいいという希望でございます。
 それから、引き続き相談窓口というのも設けるということでございます。やはり、いつでも移住したいと思う方を受け入れる、その受け皿があるということが大事ではないかと思います。このようなこれまでの取り組みの成果をつなげていきまして、財政上は大変なときだとは思いますけれども、途切れることなく何とか取り組みを続けていっていただければと思います。それが、年間大体1、000人前後の方々が県外から移住しておりますけれども、人口流出防止の中長期的な展望に立つことと私はとらえております。御所見がありましたならお伺いして終わります。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 人口流出を抑制するためには、地域の産業と雇用をまずもって再生させ、活性化させることが重要と考えております。しかし、本県の魅力を発信して交流を拡大いたしまして、ぜひ岩手を理解していただいて、意欲的な方々に移り住んでいただくことも必要と考えております。特に、今回の震災の支援のつながりを通じまして、本県と関係いただいた方々との交流はしっかり大切にしていただいて、何度も足を運んでいただいて、将来的にはぜひ県全体の復興を担う人材の定住につなげてまいりたいと考えております。
 県の復興計画におきましても、地域のつながりでもって交流人口の拡大、それから地域コミュニティの活性化というところをうたっておるところでございますので、これまでの定住、交流の成果を途切れさせることなく取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 まず、JR問題について質問いたします。
 まず、岩泉線の問題についてお伺いいたします。
 一昨年7月に発生した脱線事故で全線運休が続いております。新聞報道によりますと、JRでは災害原因調査検討会が開催され、その調査結果がまとまったと報道されております。その調査結果の概要と、そして全線開通の見通しについて示してください。
〇野中交通課長 JR東日本の本社に設けられたJR岩泉線の検討委員会の概要と今後の再開の見通しというお尋ねだったと思います。
 昨年12月に第4回の災害原因調査検討委員会が開催され、その中で最終の調査結果の報告がなされたと伺っております。この中では、全線にわたって今回と類似した大規模な崩落のおそれがある箇所が23カ所、その中でも特におそれが高い斜面が12カ所になっております。また、列車の運行に影響があるような大きな落石のおそれがある斜面が88カ所あるという報告がなされておるところでございます。
 また、報告の中におきましては、これらの斜面についての代表的な災害防止対策の基本的な考え方が示されているところでございます。
 なお、今後の再開といいますか、全線開通に向けた見通しについてでございますが、JR東日本は、この調査結果に基づきまして、ことし3月、今月中に対応方針を示すと聞いておりまして、その中で復旧の見通しも明らかにされるものと考えております。
〇高田一郎委員 今回の報告書というのは、今、答弁ありましたように、災害の原因だけではなくて、岩泉線全線の安全性についての技術的見地からの報告書なんですね。この概要書の中身というのは、復旧が可能だという見通しを持った報告書になっているのか。そして、この概要書について、当該自治体とか住民にその概要が説明されているのかどうか、この点についてもお伺いいたします。
〇野中交通課長 安全性の評価についてでございますが、これは、それぞれの崩落のおそれのある箇所について、個別具体にといいますか、何カ所全線の中にあるか、あるいはそれに対する代表的な防止対策が示されているにすぎず、個別の箇所ごとの防止対策については、今後、個別の状況に応じて対策を講じていく必要があるとされております。
 これらの報告書の概要につきましては、12月9日の委員会が終わった後にJR東日本で報道関係機関への説明をされ、また、県、関係市町には個別に報告があったところでございます。
 なお、その内容については今申し上げた内容程度ではございますが、そういったものは岩泉町のホームページ等に掲示されています。ただ、JR東日本のホームページ等には全く掲載されていないと認識しております。
〇高田一郎委員 調査報告書については公表されているということで、それについては了解いたしましたけれども、いずれ事故発生以来もう1年8カ月たって、その再開の見通しが立っていないということは大変大きな問題だと思うんです。この間、県としてどのような対応をとってきたのかということについてもお伺いしたいと思います。
〇野中交通課長 まず、県と関係市町におきまして、連絡会議を設置いたしましてJRからの情報収集等を進めてまいりました。また、平成22年度以降、JR東日本盛岡支社あるいは本社に対して、県及び関係自治体とともに要請活動を進めてまいったところでございます。
〇高田一郎委員 強力に推し進めてほしいと思います。
 次に、午前中も議論になりました大船渡線、山田線についてお伺いしたいと思います。
 きょうの新聞報道に関しては、県に対して正式に示されていないというお話もありました。いずれJRの方針というのはほぼ明確になったのではないかと私自身は見ております。大震災からこの問題についても1年近くたつにもかかわらず、地域住民、当該自治体に復旧計画について具体的に示されていないというのは大問題だと思うんです。JRは民間になったといっても、公共交通に責任を持つ公的団体だと思うんです。公的団体で、今、大震災が起きてから1年たっても再建計画が示されていないというのはJRだけなんです。
 そこでお伺いしたいと思います。この間、復興調整会議では何回かやられてきました。JRは、この再建問題については、当該市町村の復興計画が決まっていない中では申し上げられない、そういう立場に立っていたわけです。ところが、この間、市町村では復興計画の策定が終わりまして、JR再建を前提としたまちづくりが進められているわけです。この間、復興調整会議についてはそういった議論というのはきちんとやられていたのかどうかということ、これについてお伺いしたいと思います。
〇野中交通課長 JRの鉄道での復旧につきましては、東北運輸局が座長になりまして、沿線の関係市町、県、JR等の関係者が構成員となった復興調整会議を開催し、意見交換、調整、協議をしてまいりました。ここの中では、鉄道を前提とした議論が2回、これまで2回ございますが、2回とも鉄道を前提とした議論をしてまいりました。また、その調整会議と会議の間においては、個別市町村ごとに、JR、それから県と3者で個別の市町村の課題について、鉄道を前提とした協議をずっと進めてまいったところでございます。
〇高田一郎委員 この復興調整会議は東北運輸局が調整役になって議論してきたということですね。それで、市町村においては復興計画がもうでき上がって、JRの再建を前提としたまちづくり計画が進められてきたわけです。そういう中で、県も、あるいは国も、まちづくりを進める立場から、JRに対して、再建という立場で進めるべきだ、当然そういう議論があっていいものだと思いますし、国もそういうイニシアチブを発揮すべきだったと思いますし、県もそういう立場で臨んでいったと思うんですけれども、その辺の状況というのはどうなっているのでしょうか。
〇野中交通課長 JR線の鉄道の復旧につきましては、被災地の復興を支えるものということで、そういった観点から、これまでJR東日本あるいは国に対して何回か要請活動、特に国への要請活動は、両手で数えても足りないかもしれませんが、相当の回数を積み重ねてまいったところでございます。
〇高田一郎委員 その復興調整会議の中では、国も、あるいは県はどういう役割になっているかちょっとわかりませんけれども、オブザーバーですか、ちょっとよくわかりませんけれども、JRは、市町村のまちづくり計画ができないところでは申し上げられる状況ではないという話ですよね。その後にまちづくり計画ができて、JRの復旧を前提とした復興計画をつくったわけです。その後の議論については国も県もきちっと話をして、きちんとやってもらわないと復興計画が進まないんだと、そういう議論があったのかということなんです。それに対してJRはどういうスタンスだったのかということをお聞きしたいんです。
〇野中交通課長 沿線市町のまちづくり計画につきましては、最終的にでき上がったのは12月になっております。そういったことから、復興調整会議は、実は第2回目の会議が11月末に行われておりまして、ですので、沿線の市町のまちづくり計画が出そろった後の会議はまだ開催されていないというような状況でございます。
 また、現在、東北運輸局が座長でございますので、東北運輸局に対しても鉄道での復旧を前提とした調整会議の開催についてお話を申し上げているところでございます。
〇高田一郎委員 今お話あったように、市町村の復興計画が決まってからそういう調整会議が一度も開かれていない。やっぱりここに問題があると私は思うんです。県もきちっと開催を要求する、そして、国に対しても、復興調整会議の中できちっとしたイニシアチブを発揮して対応すべきだった、そういう県や国の対応も大変おくれたということが今日のこういう状況になっているのではないかと私は思うんです。
 それで、国の対応ですけれども、この問題についても、最近、前田国土交通大臣が、BRT優先、そういう発言をしたということが全国紙、地方紙を含めて報道されております。この真意は何だったのか、その記者会見の内容についてお示ししていただきたいと思います。
〇野中交通課長 先ごろの国土交通大臣の記者会見におけるやりとりについてでございます。
 報道によりますと、BRT優先というような形で報道されておりますが、国土交通省に直接確認いたしましたところ、当時の国土交通大臣がお話しした内容のBRTに関するお話は気仙沼線について言及したもので、JRの山田線であるとか大船渡線について言及したものではないというような形での御回答をいただいておりまして、我々もそのように受けとめております。
〇高田一郎委員 それはどこからの情報でしょうか。私は、2月28日に国土交通省で前田大臣が記者会見した記者会見の中身があります。記者の質問は、被災した気仙沼線と大船渡線などの復旧についてお伺いしますと。この質問に対して答弁しているんですよ。この中では、鉄路で行うとするとまだ全く見通しが立たないような状況だと。何とか早く間に合う公共交通としては、そういった提案はやはり現実的にうまくいけばよいのではないか、こういう発言をしているんですよ。そして、JRと自治体はもう少し相互理解が進むような話し合いをしてほしいと。何か人ごとのような発言をしているんです。
 ですから、この新聞報道で、2月29日にこの記者会見の模様を一斉に報道しましたけれども、大臣の発言というのは、やはり鉄路で原形復旧という確固とした姿勢に立っていないんです。そういう国土交通省の姿勢が復興構想会議の中でのしっかりとしたイニシアチブがないという今日の大きな問題をつくった要因の一つであると思います。そうではないでしょうか。
〇野中交通課長 今現在、国土交通省としての考え方、あるいは被災路線に対するその方向性、特に山田線、大船渡線についての方向性、そういったものが決定されているものではないと、この間も再確認させていただいたところでございますし、この間の大臣発言についても、確かに気仙沼線、大船渡線についてという御質問だったと私も伺っておりましたので、そこは本当にそういったことはないのかということでお聞きしましたら、その次に、気仙沼線について具体の事例等を挙げて、それについてどうかという御質問だと国土交通省側も理解していて、その部分について、県に対してそれは気仙沼線についてだけ言及したものだというお話でございました。
〇高田一郎委員 この問題でいろいろやりとりするつもりはありませんけれども、この大臣発言を見て、これはもう明らかなんですよね。こういう国の姿勢、JRの姿勢を正していくということが大事だと思います。
 そこで、何点かまたお聞きしたいと思うんですけれども、鉄路の復旧の問題については午前の質疑でもありました。やはりオール岩手になって取り組むということが本当に大事だと思います。残念ながら、内陸部の中、私も内陸部の出身なんですけれども、被災地の復旧をもってBRTでもいいんじゃないかという議論も実はあるんです。そして、首長の中にも、その前提としてBRTでもいいのではないか、そういう状況になっているだけに、やはり今、オール岩手になって国やJRに対して強く求めていかなければならないと思いますので、その点については強くそういう立場で頑張っていただきたいと思います。
 そこで、代替バスの問題について少し立ち入ってお伺いしたいと思うんですけれども、代替バスについて、きちっと確保されているのかどうかということです。先ほど、乗り継ぎの改善とか、あるいは増便とか、そういう課題があるということもお聞きいたしました。私も被災地に何度か出かけていって、朝の通勤時には物すごくすし詰め状態になるとか、あるいは乗り継ぎをしなければならなくて逆に負担がふえたとか、さまざまな課題も率直に寄せられております。
 具体的に先ほどは2点の弊害といいますか、課題があるということを担当の課長からお聞きしましたけれども、具体的に増便と乗り継ぎの改善以外にどんなことが課題としてあるのか。それに対して、JRに対して責任を持つべきだということで要求しているような話もされています。この課題についてJRに要請して、どういう対応をJRはしているのかということについてもお伺いしたいと思います。実際、代替バスに伴って利用者の負担はふえているのかどうか。定期の問題は出ましたけれども、実際そういう課題があるのかということも含めて答弁いただきたいと思います。
〇野中交通課長 JR線の不通区間におけます代替交通の確保とバスの現状でございますが、先ほど運行便数の水準が下がっているということで、そういった増便の必要性、あるいは乗り継ぎの円滑化ということを午前中の答弁の中で申し上げました。そのほかに、今、JR定期について差額分をJRに御負担いただいているわけですけれども、その場合、実はバス停の指定駅というのが決まってございます。例えば高校生の方々が通学する際、路線バスに基本的には乗っていくわけですが、目の前に学校があってバス停がある。ところが、JRの指定駅になっておらず、1キロ先のバス停でおりざるを得ない、そういう不便が生じている。これにつきましては、その都度その都度、地域の要請、要望等を受けまして、県の教育委員会とともにJR東日本に対して要請を続けておりまして、随時改善を行っていただいております。
 それから、先ほどJRへの要請ということでございましたが、そういった形で現実的にいろいろ課題が出てまいりますので、そういったところをしっかりと把握して、今後も要請活動をしてまいりたいと思います。
 それから、不通になって代替バス運行がされているわけですが、それによって利用者の負担はどうなっているのかという御質問だったと思います。これにつきましては、定期関係についてはそのとおりJRが負担しておりますので変わらずということでございますが、それ以外の部分についてはバス運行会社の運賃が適用になりますので、若干負担はふえていると認識しております。
〇高田一郎委員 いずれ、鉄路で再建してほしいという地元住民、自治体の声に背を向けてBRTを優先しようとしている。さらに、代替バスの確保についても、今お話ししたようにさまざまな課題がまだ改善されていないということは、本当に地域住民にとって二重に背を向けているという対応だと思うんです。今の課題は一刻も早く改善できるように、県としてしっかりと取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
 被災地のバスの確保対策についてでありますけれども、先月、大槌町の仮設住宅を訪問したとき、地元の県立大槌病院に乗り継ぎをしなければならない、あるいは中には、近くに病院があっても、遠くの釜石の病院のほうが1本で行けるからということで、大きな負担をして遠くの病院に足を運ばなければならない、そういう問題が起きております。
 この問題については、これから高台移転とかそういうことになってきますと、ますます住民の足の確保という点で課題が出てくると思うんです。この点について、どのような課題といいますか取り組みといいますか、考えているのかお伺いしたいと思います。
〇野中交通課長 仮設住宅団地の交通の確保の問題というお尋ねだと思います。
 これまで、県、市町村等が一緒になりまして、市町村は特に国の調査事業等を導入いたしましてさまざまな取り組みを行ってきております。そういった中で、昨年9月において、いわゆる公共交通が確保されていない団地が42団地ございました。その後、さまざまな取り組みを進めてまいりまして、2月末現在で対応を要する団地が10団地となっております。これらの団地につきましては、なぜそういった形で残っているのかといいますと、道路が狭いということでなかなかバスが入っていけないということでございまして、そういった部分について、あるいは、これから実はその調査事業をもって、仮設住宅に入居されている方々あるいは利用者の方々に直接ヒアリングあるいはアンケートをいたしまして課題を抽出し、今後さらにきめ細やかなサービスをしていきたいと取り組んでいるところでございます。
〇高田一郎委員 いろいろな取り組みをやっているというお話もありました。先ほど、交通基本法の議論が国会でやられているという話がありました。今大事なことは、交通基本法の議論の中で一番欠けているのは、住民の移動権を保障するということだと思うんです。すべての人々が健康で文化的な生活を営む上で、移動する権利を行政が保障しなければならない、ここが大事だと思うんです。今、仮設住宅での閉じこもりとか、あるいは負担が伴って閉じこもってしまうとか、さまざまな課題があります。やはり行政が責任を持って移動権を保障する、そういう視点が─これからますますまちが変わってきます。高台移転とか、さまざまな課題があって分散してきます。そういう点で足の確保というのは非常に大事なことでありますので、この点についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 岩手国体の問題については、時間がないので割愛いたします。新しい岩手の国体とは何かということをお聞きしたんですが、説明できないような先ほどの答弁だったので、これ以上は追及してもなかなか前に進まないと思いますので、もう一つお伺いしたいと思います。
 先ほどの議論を聞いていますと、通告にはなかったことを1点お伺いしたいと思うんですが、被災自治体への職員の派遣問題です。
 ことしは文字どおり復興元年と言われている中で、先ほどの午前中の議論では、被災自治体の財政規模も物すごく大きくなると。通常分の業務に合わせて復興対策もかかわるという中で、全国からの派遣も要請されているんですけれども、現時点での派遣状況と、それが本当に復興を進めていく上で必要な派遣状況になっているのか、当該自治体の要望にこたえる派遣になっているのかどうかということを示していただきたいと思います。
〇堀江市町村課総括課長 被災した市町村への職員の派遣でございますが、私どもでは、来年度4月からの市町村に対する人的支援ということを昨年10月から調整を始めておりまして、その後2回ほど被災市町村に赴きまして各市町村の要望を承ってきたところでございます。
 そういった中で、被災市町村の行政機能回復や市街地復興のための調整を行いまして、派遣要請のございました11市町村に対しまして、現時点におきましては217人の職員を派遣することで調整を行っているところでございます。これは、現在、その市町村に派遣しております129名と比較しますと88名の増となっているところでございます。引き続き、まだ完全に調整が終わっていないところもございますので、あわせて今後も調整を続けてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 具体的な数字はお聞きしましたけれども、さっきも言ったように、通常分の仕事と合わせてことしは莫大な仕事量がふえていると思うんです。私は、被災地の自治体の職員にお聞きしますと、やっぱり国の復興対策のおくれから、その批判が基礎的自治体の職員に来るというんです。職員もやはり家族を亡くして心が痛んでいる。でも、住民の立場に立って仕事をしなければならない。そういう大変な中で仕事をしている。通常の2倍、3倍の仕事をしなければならないという中で、この派遣されている職員が、本当に復興が前に進むような職員派遣になっているのかということをお聞きしたんです。
 緊急雇用対策事業、今年度2月定例会で補正が組まれましたけれども、相当な繰り越しになっています。こういった緊急雇用対策事業とか、そして、さっきNPOの議論もありましたけれども、こういったNPO法人の皆さんの協力などをいただきながら、やはりもっと職員体制を厚くするような対策はとれないのかどうかということを最後にお聞きして終わりたいと思います。
〇堀江市町村課総括課長 私どもとしても、市町村のそういった支援体制というのは、他の市町村の職員を支援するだけではなく、さまざまな形での工夫が必要かと感じております。もちろんそれぞれの被災自治体である市町村でのさまざまな努力というのもあるわけでございまして、例えば職員の繰り上げ採用とか、あるいは任期付職員の採用とか、さらには、ただいま委員からお話がありました雇用基金を活用した非常勤とか臨時的任用といったことも含めてお話ししているところでございますし、そういった任用につきましては、震災関連のための新規採用職員あるいは任期付職員につきましては国のほうでも特別交付税で人件費を措置するということになっておりますし、臨時的な任用については緊急雇用対策の基金で人件費を充当できることになっておりますので、今後、引き続きそういったものも含めまして手厚い人的な体制が構築できるように私どもとしても努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 2点通告しておりましたけれども、前段でかなりの部分で答弁がありましたので、違う観点からお聞きしたいと思います。
 まず一つ目は、第71回国体についてでありますけれども、答弁を聞いていてもなかなかすきっとこなかった部分がたくさんありました。先催県にとらわれない岩手型の国体、一体これは何ぞやという思いがあります。その中には、県民、企業、団体との協働だということは確かにそのとおりなわけですけれども、では、それはどういう形で新しい今度の国体に据えるのか。
 先催県といえば、前回の岩手国体でもかなり県民が盛り上がったと。どこの国体でも、やはり国民体育大会は日本のスポーツの最大イベントでもあります。そういうことも含めて、簡素にするのか、あるいはまた、勝利主義じゃない、やればいいんだという国体なのか、その辺まずお聞きしたいと思います。
〇西村国体推進課総括課長 先催県の例にとらわれない国体ということでございますけれども、県民、企業、団体等との協働というお話をさしあげておるわけでございますけれども、例えば、先催県の例では、おおむね開催準備は、県の職員が、県の予算を準備委員会なり実行委員会なりに負担金として出して、ほとんど県が丸抱えという形で行っております。具体的に今後どう進めるかは準備委員会等で議論を進めながら考えなければならないとは思っておるんですが、現時点でイメージといいますか想定しておる部分については、準備委員会事務局の中に民間から人員を派遣してもらうといいますか、融通していただいて、企業あるいは団体、そういう企業協賛とか募金とかのようなスキームづくり、そういうところもお願いしつつ、実際回って歩いていただくというような、先催県ではそこまでさすがにやっている例はございません。そういうことで、協働の一つのあり方。
 あるいは広報あるいは県民運動という部分がございますが、これにつきましても、私どものほうで大体大まかなスキームといいますか、どういうところから活動の経費を得て、どういうような形でやっていくかは、おのおのの人あるいはお金も含めて民間のほうで準備できる範囲内でやっていただいて、それを具体的に実行に移していただくというような形での協働というようなものも広報という場面では考えられるのかなと。いわゆるNPOあるいは広告代理店とか新聞社とか雑誌社というあたりが浮かんでくるわけでございますけれども、そういうようなことは先催県では全くやった例がございません。
 したがいまして、こういうような形で協働、新しい、今までに例のないような形で進められていけばということがイメージといいますか、現在、想定ということで考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 かすかにわかりそうな感じもしてきました。
 そういう中で、去年の春には、震災後、国体ができるかできないかというので大変議論にもなりました。年末になってから県内の経済団体5団体が後押しするんだということで、力強い支援が恐らく期待されるだろうと思います。そういう中での企業を取り込んだ国体準備委員会ということですけれども、1年ブランクがある。残された期間はことし平成24年度を含めても4年間しかないという中で、大変準備室の皆さんには御苦労なされると思いますけれども、皆さんが頑張った姿を見れば、県民も、よし、やるべということになるだろうと思います。そういう点では大変期待しております。
 そういう中で、やはりスポーツの大会は経済効果が大変高い、私はそう思っています。せんだっても八幡平でマスターズのスキー大会がありました。全国から七、八百人集まったんですかね。そういう経済効果というのも何の大会でも高いと思うので、これはやっぱり被災地を応援する、そういうスポーツの大会も招致しながら、国体に向けてそういう準備も必要ではなかろうかなと思います。
 また、もう一つ、以前は企業内にそういう選手を抱えて、企業との協働という部分を含めればそういう企業の皆さんの力もかりながら選手を確保するというのも一つの手ではなかろうかなという思いもしております。開催地は決まっておるわけですけれども、そういう市町村との協働も含めて、企業の皆さんからどういう形で応援してもらうか、もしその辺の方策があればお聞きしたいと思います。
〇西村国体推進課総括課長 企業内で選手の養成といいますか、いわゆる働く場と選手の練習環境の関係だと思うんですけれども、詳しくは教育委員会でやっている競技力向上のお話と考えますが、県内でも、私が知っている限りでは、相撲の世界では、非常に昔、選手で活躍なされた方が企業を経営していて、その中で有望な人を自分のところで雇い入れてやっているという例もございますし、また、野球でも幾つか近ごろ出てきておるということで、働く場と練習環境を企業のほうで、国体を目指してという形の部分もありますけれども、そういう形で、自分ができる範囲内での選手強化への一つの協力のあり方というのは幾つか出てきておるのかなと。
 あとは、もう少し教育委員会で、具体的なところは、今後、国体に向けての選手強化策の中でいろいろな事業を展開されるのかなと考えておりますが、県の体育協会も含めて、そこら辺のところは今後検討していかれると考えてございます。
〇工藤勝博委員 一つの提案として、先ほどの企業のスポーツ、これから災害復興に向けては、かなり県内の企業の皆さんも事業量もふえると思うんです。そういう中で、地域への貢献度ということも含めて、ぜひともそういう政策的な提案をなされたらいかがでしょうかと思います。
 次に、交流人口の拡大ということでも通告しております。
 先ほど小西委員への答弁にもありましたけれども、定住、交流人口の拡大。いずれことしはデスティネーションキャンペーンで相当な交流人口が期待されますけれども、そういう中で、被災地を応援するというツアーも大変多くなるだろうと思います。ツアーで来た方に被災地ではどういう対応ができるかということも大きな課題だろうと思います。先ほどそういう事業者を応援するとありましたけれども、想定している事業者というのはどういう被災地の事業者があるんでしょうか。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 まずは、再建いただきました仮設店舗であるとか飲食店であるとか、まさに人が行きやすい場所が一番の対象かなと思っております。ただ、それだけではなくて、実際にいろいろ御苦労されて、例えば水産業であるとか食品加工業をもう一度再建されている事業者がたくさんございます。実際、一部の市町村ではそういった方々のところに県外から訪問を受け入れて、まさに経営者みずからが自分の被災体験を語りながら、自分の会社のある意味ではファンになっていただいて、帰った後も引き続き根強い顧客として常に交流を重ねていくというような事例が少し出てきております。我々としてはそういった事業者を拡大してまいりたいと思いますし、経営体としてはいろいろなやり方があろうかと思います。例えば、仮設住宅に勝手に行くというのもなかなかはばかられるところでございますけれども、一部の市町村から聞きましたら、被災者の方々は、周り近所の方々にはなかなか被災の話はできないんだけれども、例えば県外から来た中学生とか高校生に自分の体験をお話ししますと非常に気持ち的に楽になるんだと。なので、もっとそういうのを受け入れたいんだという話も聞いております。さまざまなそういったニーズに合わせたような形でいろいろな交流を拡大していければと思っております。
〇工藤勝博委員 今、交流の受け手のお話がありましたけれども、例えば修学旅行とかそういう形で被災地を回るグループがあったとする。そういう中で、せんだって、大槌高校でしたか、生徒がそういう体験談を含めて案内を買って出る。大変いいことだなという思いもしております。そういうのが沿岸各地で起きればさらに期待も深まっていくのかなと思いますし、そういう中で一つ提案したいのは、そういう団体を、高校のほうでも、校長先生が先頭になってやるのかは別としても、そういうのが部活みたいな形でできればいいのかなという思いもしております。
 そういう被災地の大きなこれからの復興の材料となる三陸の特産を大いにPRしながら交流人口の拡大ということになれば結びつくのかなという思いもしておりますし、もう1点、岩手ファンをふやすと。昭和30年代、40年代、団塊の世代、ほとんど定年になっております。関東とか中京にいた方々も、やはりふるさとを応援する、応援したいという気持ちをたくさん持っているだろうと思います。県人会等も活用しながら、今の岩手の実態、実情を紹介しながら、できればふるさとで最後は暮らしてもらいたい、そういう発信もいかがなものかなと思います。暖かいほうで暮らしたいという人もあるんだけれども、生まれ故郷に帰って、岩手の底力を見てもらいたいという思いも必要だろうと思います。その辺のお考えはあるでしょうか。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 私ども、定住、交流の事業促進に当たりまして、現在、首都圏を中心に、県人会など、いろいろ市町村も含めてですけれども、定期的に開催されております。それにつきましては、私どもは東京事務所から情報をいただきながら、かつては実際担当者も伺って御説明した機会もありましたし、現在は知事名で祝電などを打ったりして、いろいろ情報提供をしております。まさにそういう方々にふるさとの復興の力になっていただけるということは本当に力強い限りでございますので、委員御指摘のように、そういった取り組みも積極的に続けてまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時1分 休 憩
午後3時17分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇木村幸弘委員 私からは1問準備をしておりましたが、これも既に軽石委員から質問がされておりまして、その大まかな内容についてはお答えをいただいておりましたので、それに関連してちょっと質問させてもらいます。
 被災地におけるバス交通対策の関係ですが、先ほどの軽石委員の質問の中で、いわゆる震災対応部分の予算措置の考え方などをお答えいただきました。これは、新年度の分としてのこの予算措置は理解できましたけれども、緩和措置によって、以降、これからの継続的な対応についてはどうなるのかについてお伺いしたいと。
 18路線の維持分の関係と、それから、バス車両の不足分についても補助金が出されておりますけれども、これは、先ほどの答弁ですと24両の調達に対して2、500万円余の助成だということなんですが、これは単年度、平成24年度で終わりの分なのか、それとも段階的に幾らか台数に応じた補助が組まれているのか、その辺のところをお聞かせ願いたいということです。
 それから、もう一点は、被災地のバスの対応については、やはり交通弱者に視点を置いてしっかりと被災者のためにどういう運行をするかということが大事だろうと思っておりまして、そういう点で言えば、今、随時、仮設住宅団地と、そして仮復旧されていく商業施設あるいは医療、保健、福祉施設あるいは教育関連など、さまざまなそういった仮復旧の中で、とりあえずそういう生活インフラとつながっていく被災者の連携を、バス路線の関係で言えばどのようにセッティングをしていくのか、それは、これからも随時動いていく過程の中で、そういう被災者に対してしっかりとそういうルートを確保しながら、柔軟な対応がとれるような状況になっているのかどうか、その点についてお伺いします。
〇野中交通課長 まず、最後にお尋ねのありましたまちづくりの復旧の各段階におけるバス交通の確保ということでございますが、実際この1年の間に相当の仮設の例えば病院であるとか、あるいは商業施設、あるいは高校もそうですけれども、そういった形で整備が進んでまいりました。これにあわせて、基本的に、県においては、実際は広域路線について支援をしているんですが、例えば、仮設の高田病院であるとか山田病院が整備されたのを踏まえまして、広域路線のルートを変更し、あるいはバス停を新設するなど、バス事業者に対して要請を行って実現をしてまいったところでございます。
 また、市町村におきましても、商業施設の整備が相当程度進んでまいりましたので、それにあわせて市町村内の交通、バスルートあるいは停留所等も含めて対応を進めてきているという状況でございます。
 いずれにしても、今後さらに、まちづくりは日に日に進展してまいりますことから、こういった地域の実情をよく踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 それから次に、バス運行対策費の関係でございましたけれども、震災対応分として先ほど答弁させていただいたんですが、18路線の路線維持に係る部分について平成24年度で予算計上させていただいておりますが、これは、引き続き平成25年度以降もそういった制度があるということでございますので、平成25年度の状況を踏まえて必要な額について措置をしてまいりたいと思います。
 また、車両の購入につきまして、平成24年度は24車両ということで計上しておりますけれども、これにつきましても、制度の適用が平成25年度以降もあるということでございますので、バス事業者の状況や要望等を踏まえて、平成25年度以降も対応してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 まず最初に、先日の総務部の審査において質問の通告をしておりましたが、自身の婦人科系の体調不良によって委員会を欠席させていただいたことによって、総務部長初め関係者の方々に、答弁の準備をしていただいたにもかかわらず、御迷惑をおかけしましたことを、この場をおかりしまして、すみません、おわびいたします。
 では、質問に入ります。私のほうからは、情報通信技術─ICT─を利活用した地域活性化の取り組みについて何点かお伺いしたいと思います。
 ICTの進展により、本当に私たちの必要な情報は、いつでも、どこからでも簡単に入手できるようになり、大変すばらしい、ありがたいことだなと。特に、私もなかなかついていくことが大変ではございますが、今後、これからもますます技術革新というのは進んでいくものだと思われる中で、特にも3月11日の東日本大震災では、停電や電話の不通などで情報通信基盤は、かつてない規模の被害が起こりました。
 こういった経験から、地域経済や暮らしを支える基盤として、あらゆる分野で私たちの生活になくてはならないものとなっているこの情報通信基盤は、災害時においても、私たちの生命や安全を守るための情報を伝える大事なインフラであることが改めて認識されたと思っております。
 現在、いわてICT利活用促進プランが策定中とのことで、私自身、今後大変期待しているところでありますが、県ではこれまでも、イーハトーブ情報の森構想や岩手県高度情報化アクションプラン2010と策定してきておりまして、さまざまな取り組みを行ってきておりますが、これまでの成果、そして、その中の見えてきた課題を今回のプランにどのように反映されていくおつもりなのか、お示し願いたいと思います。
 例えば、特に私が注目しているのは、スマートフォンを利用したサービスの提供などだと思っているんですが、具体的にどのような利活用、そしてまた、岩手県立大学の中にソフトウェア情報学部があるんですけれども、こちらの岩手県立大学との連携等はあるのでしょうか。よろしくお願いいたします。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 ICTを利活用した地域活性化の取り組みということでお答えいたします。
 これまで市町村の情報通信基盤整備につきましては、国、市町村及び事業者が主体となって整備を進めてまいりました。平成18年度以降、国庫補助の導入や技術的な支援に努めてきた結果、平成22年度では、ADSLを含むブロードバンドを利用することができない地域は、県内でおおむね解消されてございます。
 しかし、光ファイバーなど超高速ブロードバンド基盤の整備については、市町村によって温度差があるということで、首長の施策のとり方ということで差が出てきてございます。
 それから、整備は進んだのですが、本県のブロードバンド世帯普及率は47.5%ということで全国に比べて低く、まだまだICT利活用の啓発が必要と認識してございます。
 このため、県では、シニアICTサポート事業等を実施してございまして、県立大学の伊藤先生とかにいろいろ御指導いただきまして、インターネット利用率の低い高齢者層へのICT普及に努めてきたほか、学識経験者や通信事業者等と連携しながら、市町村のICT利活用を支援してまいったところです。
 課題といたしましては、先ほど申し上げましたように、高齢者のインターネット利用率が全国的にまだ低いということで、この原因は、65歳以上の人口が約3割を占める本県におきましては、やはり高齢者を初めとする県民への身近にICTを感じていただける普及啓発が、何よりも必要かなということでございます。
 あわせて、高齢者等が、普及しつつあるICTを利活用したサービスが日常生活ではいろいろあるわけですけれども、こういうふうに利活用できるんだよという部分での実例を示しながら、地域でのICT利活用をサポートする態勢、ネットワークをつくって、指導者をきめ細かに配置するということなどの政策が必要かなと課題としてとらえてございます。
 それから、市町村がさまざまなICT利活用事業を行う上での課題といたしましては、経費の面がやはりございまして、事業を導入した場合に設備更新とかの新たなランニングコストが生じること、あるいは市町村によっては情報化に精通した職員が不足しているということに加えまして、今回の大震災津波からの復旧におきましても、災害時にも伝達可能な情報通信ネットワークの構築等が、やはり必要であろうということで認識してございます。
 今後の取り組みとしましては、今ほど委員からお話がありましたように、ICT利活用促進のためのプランの策定ということで、具体的にICT利活用方策の検討を始めることと利活用促進会議を設置することとしてございます。
 今後も引き続きセミナーやあらゆる機会をとらえて、県民等にICTの利便性、有用性の周知を図るとともに、NPOや事業者等と連携しながら、高齢者等へのICT普及や地域でのICT利活用サポートのできる人材の育成等に取り組んでいきたいと。
 お話のありましたスマートフォンにつきましても、やはり高齢者の方は使い方が難しいというお話を聞いてございます。やはりスマートフォンについても、ICTのシニア研修と同じように、研修会等を、講座をつくって受講者を募りながらきめ細かに展開していかないと、なかなか、せっかく整備は進んでも中身が伴わないという実態でございますので、その解消に向けて進めていきたいということと、それから今般創設されました災害に強い情報システムの構築など、支援制度を一定期間継続して国の支援措置を求めていきたいということと、それから、先ほど申し上げました市町村が整備したランニングコストについても、やはり国あるいは事業者が、積極的に支援してもらえるように働きかけてまいりたいということもございます。
 それから、このICT利活用については、全国の市町村の事例を見ますと、相当進んでいるところと全く手をつけないところと両極端でございますので、進んでいるところの事例の波及を図りながら、いわて県民計画における地域振興のツールとして、ICTの利活用を積極的に進めてまいりたいと思っています。
〇千葉政策地域部長事務取扱 1点ちょっと補足させていただきますと、特にスマートフォンの関係ですが、高齢者対応について、今、室長のほうからお話し申し上げましたが、若い世代の標準的な生活、ライフスタイルの中に定着していく内容だと思っていますので、我々の行政情報も、このいわゆるスマートフォンの中で、どういう形で若い世代に提供していくかということは、やっぱり大きな課題だと思っております。
 今までも、ここ二、三年で、例えば子育て関係の情報を携帯からアクセスできるようなホームページもつくらせていただきました。ただ、これだけで済む話ではございませんで、やはり若い世代の方々にどうやって行政情報を理解していただくか、アクセスしていただくかということについては、今回のこのスマートフォンが急速に普及していくと思いますので、ちょっとそれについての対応は、情報発信の仕方については考えていく必要があると考えております。
〇吉田敬子委員 若い世代の方は本当に普及はふえていっていると思うんですけれども、高齢者の方々も実は多分、今1人1台以上持っているような形になっているという情報がありますが、これは県からいただいた資料の中にも実際あったんですが、スマートフォンを活用してICTを利用した安心・元気なまちづくり事業として、三重県玉城町というところでは、オンデマンドバスシステムと安全見守りサービスという事業を行っているそうで、路線バスの縮小に伴って導入された福祉バス事業を、予算をかけずにサービスを向上させたいという理由で導入されたことと、あとは、先ほどの安全見守りサービスも、これは、スマートフォンのアプリを利用することで安否確認ができるというものを導入しているそうです。
 実際これは、1月に利用している80代の男性の方がテレビに映っていたんですけれども、実際にスマートフォンをさくさく利用されていました。新しい技術が出てくると、それを使える人が若い人だけととらえがちなんですけれども、実際は、それらをうまく活用することで社会全体をよくしていくことができるという事例だったのかなと私はそのテレビを見て思いました。その80代の男性の方も、その携帯を持ったことで社会とのつながりがふえて、おかげで出歩く機会もふえたという、生活必需品だと言っていた言葉が私は印象的だったんです。
 若い世代の方は、多分自分たちでどんどん情報収集はやっていけると思うんです。それで、昨日の秘書広報室のほうでも前向きな御答弁をいただいて、一生懸命情報発信されていくということで、若い世代はどんどんそれは吸収していくことだと思うんですが、特に中山間地とか高齢化が進んでいるところでも、そういう高齢者の方が、こういう情報を積極的にとれるようなICT利活用の促進をぜひ進めていっていただきたいなと思っているところと、先ほどの答弁で、岩手県立大学との連携があるかという答弁がちょっと漏れていたので、つけ加えていただきたいと思ったところと、今回のこのプランは、例えば被災地の復興計画にどのぐらい反映される予定なのか。
 というのは、今、Wi竏窒eiスポットという、いろいろな公衆施設、例えばいろいろなカフェとか、公民館でも今置いてあるところがあるみたいなんですけれども、被災地のほうで、例えば震災時でも、そういう場所でインターネット利用できるような仕組みとかをこれからやっていけるのかなと。新しいまちづくりから始められる一つの案なのかなということもちょっと私の中で考えたところではあったんですが、そういったICTを利用した地域活性化、復興計画にどのくらい被災地のほうで反映されるか、今後ぜひ進めていっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 先ほどの岩手県立大学の関係でございますが、いわてICT利活用促進会議のほうには、座長として伊藤憲三先生に入っていただいているほか、NPO法人の瀧澤寛之さんという方がHCCの理事長をやってございますが、この方なども県立大学と深いかかわりを持ってございまして、大学と全面的な連携をしながら進めていっていると。
 それから、柴田義孝先生には副座長として入っていただいて、実際のICT利活用の講習会等にも、その様子等を伺っていただきまして、きめ細かな助言をいただいているところでございます。
〇千葉政策地域部長事務取扱 先ほどちょっと高齢者の見守りの関係のお話もございましたけれども、例えば、今まで私どもといたしまして、保健福祉部のほうで、県社協が中心になりまして、いわゆる見守りシステムを今普及しておりますが、基本的には宅電を使った形でのシステムを進めております。
 ただ、これから本当に高齢者のライフスタイルにもかかわってくるんですが、果たして宅電が将来ともあるのか、それともやっぱり、このいわゆるスマートフォンのような形に変わっていくのか、その辺も見きわめながら、そういう見守りシステムも、今御指摘あったような形に進化していくことも十分想定されますので、このICT技術の進展と既存のそういういろいろなシステムは、絶えず整合性を考えながら進めていく必要があるものと考えております。
 現在、被災地のほうでどの程度このICTの関係、具体的に書き込まれているかということにつきましては、災害関係のものについては、十分さまざまなものが今議論されております。あわせて、クラウドの議論も一部市町村で進んでおりますが、一般的な住民のいわゆる利活用については、多分市町村によっていろいろとちょっとまだ取り組みに温度差もあるのかと思っておりますので、そういうところを私ども十分把握しながら、今後、今回の県の利活用プラン、これは今パブリックコメント等にもかけておりますし、これから有識者の方からも御意見をいただきますし、さまざまなまとめ方をしたいと思っていますが、その中で、被災地の、特に住民の個人の利活用のあり方について、最終的にまとめるまでに、その辺のところも少し対応を検討したいと考えているところでございます。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 Wi竏窒eiスポットの関係は、今、計画を見てもなかなか計画にございませんので、今後取り入れられるかどうか検討させていただきたいと思います。
〇吉田敬子委員 岩手県立大学との連携というのを聞いた意味は、最近、岩手県立大学のソフトウェア情報学部の大学院生が、科学技術振興機構の研究の応募案件で高齢者や聴覚障がい者が日常生活で必要とする生活音識別をスマートフォンで活用して支援しようとする学生からの提案が初めて採択されたと日報にも報道が載っていたんですけれども、せっかく県立大学生の、この方は大学院生で30歳の方みたいなんですが、そういった技術も県立大学の中にたくさんあられるかと思うので、ぜひ一緒に連携して、このICTの利活用の促進を進めていっていただきたいと思って、先ほど県立大学の件を取り上げさせていただきました。
 総務部からの情報提供をいただきまして、将来、岩手県内にUターンを希望する県立大生の学生の割合が、全部の学部で平均で約5割、半分の方で、特にソフトウェアの学生になると6割の方々が県内に戻ってきたいという方が多いそうで、先ほどの県立大学院生の研究の開発でも、そういうすばらしい事例もあることから、ぜひ県立大学、そしてその他の県内の事業者の方もいらっしゃると思うんですけれども、連携をぜひ進めていっていただきたいということと、そして、特に、環境エネルギー分野におけるICT利活用の推進については大変期待をしているんですけれども、いわてICT利活用推進プランの中にも書いてありましたが、これは県からいただいた資料の中でも、国のほうで総務省所管で、平成23年度3次補正で予算措置された被災地域情報化推進事業の事業メニューの中の一つにスマートグリット通信インターフェース導入への支援というものがありまして、ぜひ本県でのエネルギー政策に大きな枠組みで取り組むためには、所管が環境生活部になるかもしれませんけれども、大きな部局横断的に取り組みには、政策地域部の皆さんにも、ぜひ御協力いただいて進めていっていただきたいと思っております。
 先ほどまた岩手国体の件が出ていましたけれども、岩手らしい岩手国体というので、ICTを利活用したらまた新しい観点から何かできるのではないかなと、ちょっと私、今、委員会途中でいろいろ考えていたので、ぜひそれも検討していただきたいと思うんですが、もし御所見があればお願いいたします。
〇佐々木副部長兼地域振興室長 県立大学の大学院の猿舘さんのスマートフォンの論文で、伊藤先生等の指導を受けながら立派な論文を書かれたということで、ぜひ先生を通じていろいろ県立大学の院生とも交流しながら、若い人の意見ですので、いろいろ参考にしていきたいと思いますし、それから、総務省の事業については、環境生活部とも連携をとりながら、ぜひ情報の観点から横断的に取り組んでまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 よろしくお願いいたします。
 次に、岩手ファン交流人口拡大について、先ほどほかの委員の皆さんからも同じような質問がありましたので割愛いたしますが、最後、一つだけ。
 被災地応援ツアーということで、いろいろな事業者、例えば訪問の受け入れをこれからも進めていきたいということだったんですが、私自身、1月に自分がやっているボランティア団体で、東京の企業でこういうお話を聞きたいということで伺ったんですが、今後そういうリストとかを作成する予定があるのかどうか。もしあれば、そういうことはないのかどうか、ちょっと今答えられることかどうかわからないんですが、実際需要がありまして、ボランティアにかかわって活動されている方々は、そういうものがあると、そういう応援ツアーも主催しやすいのかなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
〇伊藤県北沿岸・定住交流課長 今現在リストというものはございませんで、まさに来年度事業の中でそういう掘り起こしはしたいと思っております。
 ただ、先日、2月に、ちょっと観点は若干違いますけれども、久慈市でジオパークのガイド研修会を開催させていただきました。そこに、本来、久慈広域の方々が中心に参加するだろうと思っておったところ、岩泉町ですとか宮古市ですとか、あと大槌町のほうからも参加いただきました。その方々は、大槌町とか岩泉町の方は、どちらかというと、被災地を案内していただけるガイドという形でいろいろ手法を模索されているということで参加いただきました。ジオパーク自身が、まさに地球活動を起点とする学習旅行というものを一つの目標としてやっておりますので、十分地震津波ということも要素としてございます。
 そういった観点から言いますと、まさに大槌町のガイドのボランティアの方からのお話をお聞きしますところ、いろいろ自分たちの体験とか、そういう地域の話もしたいんだけれども、それだけではなくて、やはり地域にしっかりと伝えていきたいんだというような非常に前向きな話もございまして、非常に心強く思っております。そういった観点で、地域のそういう担い手の方々をどんどん発掘いたしまして、そういった方々をまさに受け入れの基軸として交流を重ねていきたいなと。
 あわせまして、実は三陸鉄道のほうでも、まさに三陸鉄道の中で、三陸鉄道の被災の状況ですけれども、受け入れなどもやっておりますし、そういった部分でどんどん輪が広がってきているなというのがちょっと実感としてありますので、ぜひ積極的に取り組んでまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 もう一つ、最後に、新しい公共の件では別の委員の方が質問されましたが、一つ、アイーナの件でお話を伺いたいんですが、アイーナの中にある施設すべて指定管理者制度によって行われているんですけれども、アイーナ全体を管轄する、アイーナ─いわて県民情報交流センター全体の指定管理だけが、今回ちょっと委託が1年だけ震災の影響で延びたことで、実際にその事業を今回受託している方が、もともといろいろな機材とか机とかを3年契約で借りていることが多くて、いきなりちょっと困っていたということもお話を聞きました。
 例えばNPOセンターだったり青少年活動交流センターとか、ほかのセンターは、多分これまでどおり3年契約のままで更新されることになったと思うんですけれども、先ほど新しい公共というところでいろいろ議論がありましたが、ぜひ行政の下請けにならないように、せっかく受けられている方々が、気持ちよくと言ったら変なんですけれども、事業ができるように、ぜひこれからも進めていっていただきたいと思います。
 これは要望にとどめておきます。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇及川あつし委員 当該委員なんですが、あしたからの質疑に関係あるので、通告していませんけれども、一般論として伺いたいと思います。
 市町村と岩手県の間で、ある一定の問題について紛争が起きたときに、市町村課はそこに対してタッチすることはありますか、ありませんか。一般論で結構です。
 他の部局の案件で、例えば、土地取引において紛争が起きた場合には、その部局と当該市町村がやりとりするんでしょうか。市町村課は介在しますか。
〇堀江市町村課総括課長 個別事案のそういった県と市町村との紛争といいますか課題が発生した場合につきましては、それぞれの事務事業を所管している部局でまずは対応していただくということが原則でございます。
〇及川あつし委員 認識を伺いますが、副知事、政策地域部事務取扱もいらっしゃいますので、岩手県医療局と岩手町の土地取引においてさまざまな問題が惹起されている件については、政策地域部長並びに市町村課長は把握していますか。その事実関係の認識だけ伺います。
〇千葉政策地域部長事務取扱 概要は承知しているところでございます。
〇堀江市町村課総括課長 私のところには、ただいまの件につきましては、特に話としては入ってきておらない状況でございます。
〇及川あつし委員 明日からの環境生活部並びに医療局の審査において、岩手県医療局と岩手町の土地取引に関連して、医療系廃棄物が埋設されていた問題について、いろいろ今問題が惹起されておりますので、市町村課としても審査の動向について把握をしていていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。この点を申し上げて、終わります。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで政策地域部関係の質疑を終わります。
 政策地域部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇高木警察本部長 平成24年度における警察本部関係の予算について御説明申し上げます。
 初めに、平成23年は、未曾有の被害をもたらした東日本大震災、津波災害発生に対する各種災害警備活動に、県警察一丸となって取り組んできたところであります。
 震災から間もなく1年を迎えようとしておりますが、いまだに約1、300人の方が行方不明となっており、また、従来、地域の安全・安心を支えていた町内会等の地域コミュニティが崩壊するとともに、被災された方々の生活環境も大きく変化しているところでありますことから、被災地の要望や情勢の変化に的確に対応した警察活動が必要な状況にあります。
 また、県内の治安情勢を顧みますと、平成23年中の刑法犯認知件数は6、353件と前年に比較して1、047件減少し、ここ数年続いている減少傾向が定着しつつあります。しかしながら、殺人、強盗、強姦等の凶悪事件、子供、女性を対象とした性犯罪や社会的に弱い立場にある高齢者をねらった振り込め詐欺事件が依然として後を絶たないなど、憂慮すべき状況が続いております。
 さらに、平成23年中における県内の交通事故につきましては、発生件数、負傷者数ともに減少しており、死者数も66人と前年に比較して1人減少しているものの、交通事故死者数に占める高齢者の割合が依然として高いほか、高速道路における死者数が大幅に増加するなど、予断を許さない情勢にあります。
 こうした情勢を踏まえ、県警察においては、東日本大震災、津波災害からの復旧、復興に向けて取り組むとともに、重点的に取り組む各種施策を着実に推進することにより、さまざまな治安情勢の変化に的確に対応し、県民が安全・安心を実感できる地域社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
 それでは、平成24年度岩手県一般会計予算のうち、警察本部関係について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の8ページをお開き願います。警察本部が所管する予算は、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、第9款警察費273億9、556万3、000円であります。
 それでは、各項、各目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 予算に関する説明書196ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な内容について簡潔に御説明申し上げますので、御了承願います。
 第9款警察費第1項警察管理費第1目公安委員会費でありますが、その内容は、公安委員会の管理運営費及び委員報酬であります。第2目警察本部費の主なものは警察行政運営費でありますが、その内容は、警察職員の給料、交番相談員等の非常勤職員報酬、庁舎光熱水費、警察情報機器の維持管理経費など、岩手県警察の運営に必要な経費であります。197ページに参りまして、第3目装備費の主なものは自動車等維持費でありますが、その内容は、車両、警備船、航空機の燃料費や修繕費などの維持管理経費であります。第4目警察施設費は財産管理費でありますが、その内容は、警察施設整備に従事する職員の人件費、警察署等庁舎及び設備の維持管理経費などであります。198ページをお開き願います。第5目運転免許費の主なものは運転免許試験場等運営費でありますが、その内容は、自動車運転免許の取得、更新などの運転免許行政のための経費であります。第6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
 次に、199ページになりますが、第2項警察活動費第1目一般警察活動費の主なものは警察活動運営費でありますが、その内容は、通信指令及び警察通信維持管理経費、地域警察活動経費など、警察活動運営に必要な経費であります。第2目刑事警察費の主なものは、まず、少年非行防止対策及び保安警察費でありますが、その内容は、少年の非行と保護対策、高齢者、女性の犯罪被害防止活動、インターネット犯罪の捜査などに必要な経費であります。次に、犯罪捜査取締費でありますが、その内容は、重要犯罪、重要窃盗犯等の検挙、組織犯罪対策などに必要な経費であります。200ページをお開き願います。第3目交通指導取締費の主なものは、まず、交通警察費でありますが、その内容は、交通指導取締活動、交通安全意識の高揚等、交通安全活動などに必要な経費であります。次に、交通安全施設整備費でありますが、その内容は、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の改良、老朽施設の更新など、交通事故防止と交通の円滑化を図るための経費であります。
 平成24年度当初予算に関する説明は以上であります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇喜多正敏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 それでは、初めに要人警護の関係についてお伺いをしたいと思います。
 災害が発生して以来、天皇陛下が岩手県を御訪問され、被災地を訪れていただきました。また、政府や政党の幹部が数多く被災地を訪れるなど、かなりの数が、要人警護に当たった実績は非常に多かったのではないかと思いますが、その実績と、それらを踏まえて、新年度の体制をどのように整えようとしているのかお伺いします。
〇佐藤警備部長 県警察では、警護の対象となる要人などが来県する場合には、所要の体制で身辺の安全確保に努めているところであります。
 昨年は、内閣総理大臣、閣僚等、約70回の警護を所要の体制で実施したところであります。これは、東日本大震災津波に伴う被災地視察等のための要人の来県が多かったということであります。
 体制につきましては、警護を担当しております県警本部警備課を中心とした所要の体制を確保していくということにしております。
〇工藤大輔委員 昨年の3月11日以降は、通常期よりも非常に多かったというのはよくわかるんですけれども、新年度を迎えても、これから復旧、復興が加速するにつれ、これまで以前に比べれば、それでも多い数が予想されると思います。
 その業務は、できて当然、ミスが許されないというような業務だと理解しておりますし、また、それらの数多くは何か発生すれば休みと関係なく次々来るというのが実態ですので、必要に応じて、ぜひ体制を整えながら対応に当たっていただきたいと思います。
 では、次に、発災当初から、全国から数多くの警察官の方々に応援をいただいてきました。その状況の推移について、まずお伺いしたいと思います。
〇佐藤警備部長 東日本大震災津波に当たり、発生直後から、県内部隊はもとより、全国警察から応援を得て災害警備活動を行ってきたところであります。
 昨年3月の発災当日から本年2月までの間、全国警察から延べ26万人の警察官の応援派遣をいただきましたが、その応援状況の推移につきましては、発災当初は1日約1、100人体制でありましたが、その後、避難所等の警戒活動、巡回、集団警らなどの活動を実施しており、5月上旬には1日約1、500人の応援をいただいております。その後、仮設住宅の設置や破損信号機の復旧などの被災地の治安状況等に応じ、7月上旬には約1、300人、9月上旬には約700人、12月下旬には約200人の体制で災害警備活動に当たっております。
 県警察といたしましては、特別出向の130人の警察官とともに、引き続き、被災地の情勢等を勘案しながら、被災地住民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 今、説明をいただいた方々の数、本当に相当な人数だなと改めて理解をしたところであります。そういった活動があって、被災地の治安が守られてきたり、また、さまざま必要な業務を滞りなくというか、まず、次々されてきたと思いますが、2月からは、たしか全国からまた募集をされて130名の警察官が、これは岩手県所属というのですかね、所属という配置なのか、配置転換されたと記憶していますけれども、これから被災地の現状を見て、先ほど本部長からも治安の維持や、また、被災地の要望の変化もあるという説明もございました。そのとおりだと理解しておりますが、新年度、その130人の配置の方針と今後の出向される人数等、決まっているところがあればお示し願いたいと思います。
〇森本警務部長 御指摘の緊急増員の関係でございますけれども、岩手県警察官として仕事をしていただくというものでございます。
 このたびの緊急増員は、被災地の安全・安心を確保するためのパトロール機能の強化でありますとか、交通の安全と円滑の確保、それから、震災に乗じた犯罪取り締まりの強化のための体制の整備を目的としておりまして、2月1日付で本県警察官として参りまして、特に大きな被害を受けました地域を管轄する大船渡警察署、それから釜石警察署にそれぞれ45人、宮古警察署に40人を配置しているところであります。
 具体的な任務につきましては、3署に自動車警ら班、地域安全班、機動捜査班、交通対策班を設けまして、それぞれ被災地域の実態に即し、機動警ら、巡回連絡、事件・事故発生時の初動措置、交通事故防止活動等に従事させているところであります。
 それから、今後の計画ということでありますけれども、平成25年度につきましては、警察法施行令、それから岩手県職員定数条例によりまして70人とされております。それから、平成26年度以降につきましては、被災地域の復旧、復興状況、それから治安状況を勘案しながら、関係当局と協議、検討していくとしているところでございます。
〇工藤大輔委員 そうすると、この130名の方の任期は1年で、新たにまた70人が来られるということなのか、その確認が1点。それとまた、警察車両を初め装備品等も、かなり失ってしまったものもあるわけですが、現状で、その装備品等も含めて体制が整っているかどうかお伺いします。
〇森本警務部長 任期についてでありますけれども、明確に1年と決まっているわけではございませんので、平成24年度から25年度に切りかわるときに、同じ人に残っていただくのか、あるいは一たん帰っていただいて、また新たな人に来ていただくのかといったようなことは、その時点で調整を図ってまいりたいと考えております。
 それから、装備品の関係でございますけれども、確かに震災でいろいろな装備品が流されたというのもありますし、そもそも130人というのは新たな増員ということでありますので、もともとから数がないということもありますので、これについては、必要な予算措置をしていただきまして、必要な装備品については手当てをしているところでございます。
〇工藤大輔委員 了解しました。
 あわせて、通告しなかったんですけれども、装備品、順次これは準備していただきたいと思いますし、警察署を初め、交番、派出所等の被害もこれあったわけですけれども、それらの整備というのは、計画はどのようになっているのかお示しください。
〇森本警務部長 被災した警察署、それから交番、駐在所についてでありますが、基本的には復旧をしていきたいということでやっておりまして、一つは、特に警察署は、実際に災害があったときには警察の活動の拠点として非常に重要なところでありますので、そういった機能がきちんと果たせるようなところ、なおかつ、付近の住民の利便性というものも当然考慮しなければいけませんので、そういったようなことを考慮しながら、復旧について進めていきたいと考えております。
 しかしながら、まだ被災地の復旧、復興がどうなっていくかというのが十分に出た状況ではないと承知しておりますので、そういった状況を見据えながら、復旧に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇工藤大輔委員 やはり中核となる警察署はしっかりと早目に体制を整えていただき、そしてまた、それに周りを固める交番、派出所は非常に大切な施設というか場所ですから、ぜひとも早期の対応をよろしくお願いしたいと思います。
 また、あわせて、被災地に物がいろいろと、家が建っていったり、あとは物流に動きが出てくること等によっても、悪質商法を初め、これからいろいろなことが想定されると思います。警察官の方々も、仮設住宅等も回られたりの地道な活動もされていると思いますが、引き続き被災地の治安や被災者の生活がもとどおりになるまで地域を守っていただきますようにお願いを申し上げ、質問を終えたいと思います。
〇熊谷泉委員 私からは、大きく一つの項目で質問させていただきます。
 交通安全施設整備費についてでありますが、昨年、被災地は信号機が失われたということで、補正で随分復旧されたと思いますが、沿岸のほうの被災地の復旧状況はどのようになっているか。それから、平成24年度の沿岸被災地でのこの予算の中で、設置計画はどのようになっているかお伺いいたします。
〇吉田交通部長 震災で被災した信号機は151カ所ありまして、市街地が大きく被災した地域の信号機を除き、昨年内に信号機の滅灯状態は解消しております。
 なお、信号機の復旧予算については、すべて予算措置済みでありますので、市街地が大きく被災した地域につきましては、道路環境の変化や関係市町村の復興計画を見据えた上、平成24年度以降の適切な時期に復旧作業を進めてまいりたいと考えております。
 また、平成24年度の沿岸における災害復旧以外の信号機の設置計画につきましては、新設2カ所を予定しております。
〇熊谷泉委員 今、沿岸のほうの状況の御説明がありましたが、同じく信号については、交通事故は減っているというものの、ある意味、生活に密着した部分でありますので、内陸部のほうの平成24年度の計画はどのようになっているかお伺いいたします。
〇吉田交通部長 平成24年は県内に17カ所の信号機の新設を予定しております。内陸部におきましては、15カ所の新設を予定しています。
〇熊谷泉委員 交通事故が多発している部分は交差点が多いわけでございますが、普通一般になかなか信号がつかないところで事故が起きているというのが現状でありまして、表現は悪いんですが、この前、お亡くなりになって、今回また事故があって、ようやく信号がつくよねというようなのが、実は一般の感覚であります。
 本来は、これは各市町村から役場の交通係とか地域の交通安全協会から協議がなされた上で、地元の一番危ないところはそれぞれ要望が上がっていると思うんですが、これは全県下で大体そういう地元の協議を経て、要望されているこの危険箇所についての設置要望というのはどのぐらいあるのか、お伺いいたします。
〇吉田交通部長 各市町村等から寄せられている設置要望でありますけれども、平成21年度から23年度までの3年間の交通信号機の設置要望につきましては、要望数が159件、設置数が64カ所、設置率は40.3%であります。年度別に申し上げますと、平成21年度は要望数が55件、設置数は26カ所、設置率は47.3%となっておりますし、平成22年度は要望数が52件、設置数は21カ所、設置率は40.4%、平成23年度は要望数が52件、設置数が17カ所で、設置率32.7%という状況になっております。
〇熊谷泉委員 全体でまだ159件で40.2%ということで、大体年このぐらいの消化率で来ているということでございますが、さっき申し上げたように、地域によって優先箇所はあると思うんですが、それでは、信号以外に何か事前に、信号はお金がかかるということはみんなわかっているわけですが、信号機以外で何かそういう手だてが、事故多発地点で、もう少し経費がかからなくて有効な方法、物がないのか、お伺いいたしたいと思います。
〇吉田交通部長 この交差点の交通安全対策につきましては、道路管理者と公安委員会が連携しながら、主として道路管理者は交差点の改良等の道路の管理面の対策を、そして、公安委員会は交通管理運用面の対策について、事故原因を勘案しながら対策を講じているところであります。
 信号機以外にそのような対策はないのかという御質問でありますけれども、現在、道路管理者と共同して、注意の喚起を目的とした交差点対策として、視覚に訴える減速マーキング、それからイメージハンプ、ドットライン等の路面標示やハンドルに振動を与える薄層舗装及びカーブミラーの設置等を実施しているところであります。
〇熊谷泉委員 わかりました。ドットマーキングとかは、冬期間では余り有効な手段ではないと思いますが、ことしは6億5、200万円の予算で、これは信号機だけではないと思いますが、県警ではこの40.2%の執行率なので、もっと予算を上げていただいて、これは、何人か亡くならなければ信号機がつかないという感覚では、やはり住民にとっては、ある意味あきらめに近いものがあるので、ぜひこれを要望して終わります。
〇高橋昌造委員 私からは、大きく分けて3点についてお伺いいたします。
 まず最初に、東日本大震災において、本県はもちろんのこと、全国から応援派遣をいただいております警察官の皆さん方が、被災地で、そして被災者の皆さんのために日夜を問わず命がけで警察活動をなされておりますことに改めて深甚なる敬意を表する次第であります。
 まず、第1点目として、予算に関する説明書199ページの安全・安心なまちづくり推進事業費に関連して、防犯団体の指導、育成についてお伺いします。
 安全で安心なまちづくりの実現のためには、県民一人一人が防犯意識を高め、取り締まりだけに頼るのではなく、みずからの手でまちの安全・安心を確保する自主的な防犯活動を推進することが重要課題であります。
 今、平成22年度末現在、防犯ボランティア団体は全国で約4万4、500団体、そして、その構成員は約270万人であると言われておりますが、その多くは、町内会なり自治会等の地域住民による団体や子供の保護者の団体に属しております。警察においては、防犯ボランティア団体に対し必要な支援を行っているものと思いますが、安全な、そして安心なまちづくりの推進のため、防犯ボランティア団体などの活動支援の実態はどうなっているのか、また、あわせて、活動の取り組み状況についてお伺いします。
〇千田生活安全部長 安全・安心のまちづくりの推進のための防犯ボランティア団体などの活動支援の実態と活動の取り組み状況についてお答えいたします。
 まず、現在の防犯ボランティア団体の現状についてでございますけれども、平成23年12月末現在で、岩手県では361団体、約2万1、000人の方々が活動されております。
 防犯ボランティア団体の活動といたしましては、青色回転灯の装着車両による防犯パトロールの活動を初めとして、子供の見守り活動あるいは万引き防止のためのお店の巡回、自転車駐輪場の環境整備などを推進していただいているところでありまして、県民の防犯意識の高揚と犯罪の未然防止に大きく貢献していただいております。
 県警察といたしましては、このような防犯ボランティア団体の活動に対しまして、防犯パトロールジャンパーあるいはベストなどの提供、それから防犯パトロール活動方法の教示、地域の安全情報の提供などの支援活動を行っております。今後とも、継続的に活動ができるように支援の活性化を継続して行っていきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 次に、第2点目といたしまして、交通事故防止対策についてお伺いいたします。
 まず、違法駐車対策についてでありますが、違法駐車は交通渋滞の要因となるだけでなく、歩行者や車両の安全な通行の障害となるほか、今の時期であれば、冬期間、除雪作業とか、または緊急自動車の活動などに支障を及ぼすなど、地域住民の生活環境を害し、交通事故の原因となっております。
 そこで、安全で快適な交通社会の実施のための違法駐車対策はどうなっているのか、また、取り締まりの実態についてもあわせてお示し願います。
〇吉田交通部長 初めに、違法駐車対策についてでありますが、違法駐車は交通渋滞、交通事故の原因となるほか、緊急車両への通行妨害、ごみ収集や除雪の妨害になるなど、県民生活に著しい支障をもたらすことから、警察といたしましては、取り締まり重点区間を設定しての指導取り締まりや広報啓発活動及び市街地の駐車場整備等の諸対策を推進しているところであります。
 駐車違反の取り締まりの実態でありますが、平成19年以降過去5年間の取り締まり件数については、平成19年の2、094件を最高として減少傾向にあり、昨年は875件となっております。本年は2月末で215件と、前年比マイナス146件となっております。
〇高橋昌造委員 次に、高齢者及び自転車の交通事故防止対策についてお伺いします。
 県内の交通事故の状況は、件数、負傷者数とも減少傾向にあり、平成23年中の死傷者数は前年と比較してマイナスとなっておるということでございますが、死者数に占める高齢者の割合が高い状況にあると聞いております。高齢者の交通事故をどのようにして防止していくのか、対策についてお伺いします。
 また、自転車の交通事故防止対策についてでありますが、自転車と歩行者の安全確保を図りつつ、交通ルールや交通マナーの普及を図っていく必要があるものと考えますが、このことについてもあわせてお伺いいたします。
〇吉田交通部長 平成23年中の県内における65歳以上の高齢者が関係する交通事故につきましては、委員御指摘のとおり、前年に比べて発生件数、死者数、傷者数ともいずれも減少しているところであります。しかしながら、全死者66人に占める高齢者の割合は約6割、57.6%と高水準で推移しております。
 警察といたしましては、高齢者の交通事故防止対策は喫緊の課題と認識しており、自治体や関係機関、団体の皆様と連携し、交通安全教育資機材を活用した参加、体験、実践型の交通安全教育、高齢者在宅家庭訪問による個別指導、街頭活動を通じての保護、誘導や注意喚起のための声かけ活動、反射材の直接貼付活動などを行い、高齢者の交通事故防止対策を推進しているところであります。
 また、自転車の交通事故防止対策については、平成23年中の県内における自転車が関係する交通事故につきましては、前年に比べて発生件数、死者数、傷者数等いずれも減少しているところであります。
 自転車事故を防止するためには、自転車を利用する方々が交通ルールを理解し、遵守していただくことが必要でありますことから、警察といたしましては、引き続き自治体や学校、自転車関係事業者等と連携し、自転車安全利用五則等を活用しての広報啓発、自転車安全利用モデル校の指定、交通安全教育機材を活用した参加、体験、実践型の交通安全教育などにより、児童生徒、高齢者等の幅広い年齢層に対して自転車の基本的なルールの周知を図っております。
 また、歩行者と自転車の安全を確保するため、地域交通安全活動推進委員や交通指導員等の交通ボランティアなどと連携し、自転車は車両であること、自転車本来の走行性能の発揮を求める自転車利用者には歩道以外の場所を通行するように促進すること、自転車で歩道を通行する場合は徐行し、歩行者優先というルールを遵守することなどについて、歩道を通行する自転車が多い路線で街頭指導を強化しているところであります。
〇高橋昌造委員 次に、地域交通安全活動推進委員の活動実態がどうなのかお示し願いたいと思います。
〇吉田交通部長 地域交通安全活動推進委員は、道路交通法第108条の29を根拠とする制度で、その内容は、地域における道路交通に関するモラルの向上と交通安全の確保について、住民の諸活動のリーダーとして活躍する民間のボランティアの方々に法律上の資格を付与し、その活動の促進を図ろうとするものであり、岩手県公安委員会から委嘱を受けた方々であります。岩手県内の委員数は229人で、その活動の内容は道路交通法等に定められております。
 主な活動内容といたしましては、警察官や他の交通ボランティアの方々などと連携し、高齢者が集まる会合や幼児、児童が集まる子供会に出向いての交通安全教育、自転車利用者に交通ルールを周知するためのチラシの配布や街頭指導、季節交通安全運動期間中にシートベルト着用や飲酒運転根絶を訴える街頭啓発活動、地域における交通規制や駐車問題に関して住民の相談に応じる活動など、地域における交通の安全と円滑に資する活動を行っているところであります。
〇高橋昌造委員 最後に、第3点目として、交番、駐在所の警察官による地域活動についてお伺いします。
 交番、駐在所は、管轄する地域のパトロールや地域住民からの相談受理など、地域住民の安全と安心のよりどころとなっておりますが、より地域に密着した活動を行うことにより地域の安全が図られ、住民の方々の安心感が増すものと思われます。
 そこで、特にも被災地においてはそのような活動が必要だと思いますが、交番、駐在所の警察官による地域に密着した警察活動の実態がどうなっているのか最後にお伺いいたします。
〇千田生活安全部長 交番、駐在所の警察官の活動実態についてでありますけれども、交番、駐在所に勤務する地域の警察官は、担当する地域をパトロールするとともに、家庭や事業所などを訪問し、犯罪や事故の被害防止を図っております。
 東日本大震災津波の発生に際しましては、全国の警察から数多くの部隊の応援を受けまして、被災地域のパトロールあるいは赤色回転灯を点灯しての警戒活動など、被災地域の安全・安心を確保するための活動に取り組んでまいりました。
 特に、被災直後の避難所への立ち寄り、常駐しての警戒活動、その後の、応急仮設住宅の集会所などを利用した警察官立ち寄り所の設置、移動交番車を運用しての立ち寄り警戒のほか、困り事相談の受理あるいは震災に乗じた各種犯罪や交通事故防止の広報などを行っております。
 また、本年2月からは、全国からの特別出向者による地域安全班が大船渡、釜石及び宮古警察署において、交番、駐在所の警察官と連携して巡回連絡や警戒警ら活動を行って被災地の安全確保に努めているところでございます。
〇高橋昌造委員 最後にお願いでございますが、高木本部長初め本県警察におきましては、地域社会のきずなのもと、地域における規範意識の向上のためになお一層御尽力なされますことをお願いして質問を終わります。
〇岩崎友一委員 私からは、確認の意味も含めて2点ほどお尋ねしたいと思います。
 まず1点目、警察官の特別出向についてですが、先ほど工藤大輔委員からも話がありましたけれども、みずから希望してその身分を移してまで、被災地のために、岩手のために何とか役に立ちたい、そんな気持ちで、この厳寒の中、活動されている出向警察官の方々にまずは県民の一人として敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、この特別出向に関して何点かお尋ねしたいと思うんですけれども、まず初めに、この130名の方々がそれぞれどちらから出向しているのか。聞くところによると、遠くは九州、沖縄からも来ていただいているということですが、その内訳などをお伺いしたいと思います。また、そのうち岩手出身の方はどのくらいいるのかについてもあわせてお伺いします。
〇森本警務部長 今回の特別出向者でありますけれども、全国16都県警察から出向していただいております。内訳についてでありますが、関東でいいますと、警視庁、埼玉県、神奈川県、それから北のほうからいきますと、青森県、山梨県、長野県、三重県、岡山県、広島県、徳島県、香川県、高知県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県となっております。
 それから、当県出身者でございますけれども、全部の130名のうち36名が当県出身者となっております。
〇岩崎友一委員 全国いろいろなところから来ていただいているということですけれども、被災地で勤務をするということは、出向前と比べてより厳しい環境下に身を置くというか、そういった中で働くことになるわけですけれども、その環境は別としても、給与面等の処遇面について不利益が生じることがないのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
〇森本警務部長 給与等の処遇面ということでございますけれども、今回の特別出向の方々につきましては、出向元で支給されていた給与額を下回らないような形で当県において給与を支給しているところでございます。
〇岩崎友一委員 やはり岩手は寒いですし、南から来ていただいている方もいるということで、その辺は十分御配慮いただきたいと思います。
 今後の見通しはまたこれからということで先ほど答弁がありましたけれども、私も地元にいますと、本当に深夜1時、2時になってもパトカーがいるとみんな安心するということで、また、子供たちの登下校時には横断歩道に立って子供の安全を守っていただいているという状況もありますし、また、被災地は、仮設団地の駐車場とか道路は、以前よりは街灯もつきましたけれどもまだ暗い場所もございますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 次に2点目、県警察学校の建てかえについてお伺いします。
 この警察学校は、大量退職時代の到来に伴って警察官採用枠が拡大したと。多くの学生を抱えることになり、現在の校舎ではその対応が困難になるという事情から、県警察のほうで国への早期建てかえを要望されていたものと認識しておりますけれども、先般その要望が認められて、東北財務局において入札が執行されたと伺っております。
 この警察学校の建てかえは国の事業として執行されるものと聞いておりますので、県警察にはあくまで参考としてお尋ねしますけれども、その建築規模と完成めどを含めた工事の計画、概要について支障のない範囲でお伺いさせていただければと思います。
 あと、通告を出していなかったんですけれども、その警察官の採用枠が拡大したことによって、その募集状況というのはどうなっているのか、もしわかれば教えていただければと思います。
〇森本警務部長 警察学校の建てかえについてでありますけれども、警察学校につきましては国費で整備する施設ということになっておりまして、建てかえそのものについても国で予算措置をなされ、それから、工事そのものは国土交通省東北地方整備局に委任されるものであります。
 現在の学校施設は昭和46年度に建設されたものでありまして、老朽化あるいは狭隘のため現在と同じ敷地内で建てかえるということで、国のほうで平成22年度から調査に要する経費等、予算措置がなされてきているところでございます。
 建築規模につきましては、本館、生徒寮、これが鉄筋コンクリートづくりの4階建て、ほかに、道場、食堂施設などが附属し、延べ約5、600平方メートルとなっております。
 工事計画についてですが、平成23年12月に設計が完了したところでございまして、今月中には請負業者と契約をすると。それから平成25年度までの3カ年で校舎施設を整備し、平成26年度は訓練場を整備する計画となっていると聞いているところでございます。
〇吉田警務部参事官兼警務課長 採用予定についての御質問がございましたけれども、手持ちで平成24年度の採用予定がありますので、御紹介させていただきます。
 警察官につきましては、警察官A、いわゆる大卒レベルですが、これが39名、それから警察官B、高卒、短大卒が41名ということでございます。それから、警察官以外の職員につきましては6名採用予定となっております。
〇岩崎友一委員 今回の震災で、私も震災後からずっと毎日警察官の方のお仕事を見させてもらって、こんなことまでするのかというような仕事もなさっているというのを身にしみて見てわかったわけでありますけれども、そういう中で、警察官にこれだけの方が平成24年度でも応募するという状況ですので、しっかりと勉強していただいて、立派な警察官を一人でも多く育てていただければと思います。それを要望して終わります。
〇高橋但馬委員 私は、1点についてお伺いいたします。
 犯罪被害者等支援事業費補助とございますけれども、この事業内容についてまず教えてください。
〇森本警務部長 犯罪被害者等支援事業についてでございますけれども、犯罪被害者は、生命、身体の直接的な被害だけではなく、精神的ショック、医療費などの経済的負担、あるいは捜査や裁判の過程におけるいわゆる2次的被害などさまざまな問題に苦しめられている現状にありますことから、警察におきましては、こうした問題の解消や軽減を図るために、犯罪被害者への情報提供、相談、カウンセリング体制の整備、犯罪被害給付制度、捜査過程における被害者の負担軽減といったような犯罪被害者を支援する取り組みを行っております。
〇高橋但馬委員 きのう、岩手県警察から資料として犯罪の被害者とその家族のためにという手引をいただいたんですけれども、その中に、被害に遭われた状況や犯人の様子などについて担当の警察官が詳しくお聞きし、供述調書などを作成します。何で作成するかというと、早期事件解決のためにこれがつながるので御協力をお願いしますということが書いてあったんですけれども、実際、例えば警察に御相談に行った場合、供述調書というか、話を聞いてその調書を作成するまでというのはどれぐらいでやってくれるものなのでしょうか。
〇森本警務部長 相談に来られてから調書を作成するまでといいますのは個別の事案に応じて異なりますので、一概にこのぐらいの時間でということはちょっと申し上げられません。
〇高橋但馬委員 ここからは私、通告を出していないので、答えられる範囲で答えていただければと思うんですけれども、平成20年の話ですけれども、出会い系サイトでメール交換をしていた女性に誘われて十数回デートをした若者がいました。10回程度会った後に指定の場所に行くと、4人─女の子1人と男性3人に取り囲まれて、脅迫されて4万円を取られた。平成20年の夏ごろからそれ以降ずっと月数回の割合で呼び出されて、平成23年10月26日まで約40回、約1、150万円を取られている。1度、平成23年10月27日に東警察署にその被害者とお父さんとお母さんがお邪魔している。相手が18歳未満の女性であれば、育成条例違反で息子さんも逮捕されるかもしれませんという話をされてから、実際に警察の方がこのお宅にお邪魔して1回目の調書をとったのが2月3日ということなんです。ということは、計算すると約3カ月間、この捜査というか……。実際この人─被害者に落ち度があったのかもしれませんけれども、これだけの金額、そして、途中で指定暴力団の組長の息子であるという話を実際にされて、警察に行ってから御自宅のほうにもその方が来ているということであります。
 そういう状況で、先ほどの犯罪被害者を助けるためという部分ですけれども、一般の人であれば、やはりそういう名刺とか、それがうそのものであっても非常に精神的に負担がかかると私は考えるんですけれども、この件について御所見があればお伺いいたします。
〇遠藤刑事部長 相談されて、そして事件性があれば、我々の指導としては基本的には早期対応ということでやっている状況でございます。ただ、今、説明を受けた状況では詳細のところがわからないので、どのような形で持ち込まれて、そしてそれを事件化するためにどうやっていたのか、それから、相談者がどのように対応してほしいかというところの供述等がわからないので、この場ではお答えしかねると思います。ですから、その辺のところは調査した上で対応しなければならないのかなと感じているところであります。
〇高橋但馬委員 実際、1回目の供述調書、参考人調書をとって、事件というか、この捜査は動き出していると思いますので、その捜査に対して支障があっては困ると私も思いますのでこれ以上はお伺いいたしませんが、今後とも、このことに関して私は情報をぜひ出していっていただきたいですし、しっかりと犯罪被害者の方の気持ちに立って捜査を進めていっていただきたいと思います。
〇木村幸弘委員 私からは、手短に3点お伺いします。
 まず1点は、主要事業の中にありますけれども、非行少年を生まない社会づくり推進事業についてですが、この説明資料を見ると、大学生ボランティアによる勉学支援を通じて非行少年等の立ち直りを推進するという説明になっております。具体的に、この勉学支援を通じての立ち直り支援というのはどのような事業内容なのか、改めて内容について御説明をいただきたいと思います。
 2点目は、今回予算措置された総合指揮システム更新整備事業の取り組みでありますが、特に事業内容の中で、大規模災害発生時等の迅速、的確な情報収集及び災害警備活動の指揮等の体制を強化するということになっております。システムの具体的な更新内容と、この能力向上の改善点というか、この更新によってどれだけの強化が図られるのか、そして従来のシステムとどこが違うのか、そうした点についてお示しいただきたいと思います。
 3点目は、今回、3.11のあの大震災が発生した際に県内は大規模停電になったわけでありますけれども、その際、交差点等も大変混乱いたしたわけですが、私も盛岡、県庁から地元花巻に帰る間に、大きな幹線道路の交差点等において、恐らく民間人の方々が自発的に交差点に出て誘導しておる姿を何件か見ました。実際にこうした市民等の自発的な対応を大変私は評価したいと思うんですが、同時に、非常時あるいは災害時等において、こうした市民の協力であるとか、あるいは交差点の周辺にある事業所等とか、そういったところとの災害応援協定と言うべきなのか、その辺の仕組みはわかりませんが、いずれそういった対応、対策などについては警察としてどのような対応に取り組まれているのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
〇千田生活安全部長 最初の非行少年を生まない社会づくり推進事業についてでございますけれども、少年非行は現在減少傾向にありますけれども、非行を繰り返す少年を支援することなどによって少年非行のさらなる抑止を図ろうとする目的で、平成23年から推進しているところであります。
 具体的な事業内容につきましては、非行少年の勉学支援ということで、大学生ボランティア等をその地域に派遣いたしまして、休みの日とか、あるいは少年の都合に合わせまして直接具体的な勉学支援をやっているところであります。それからあとはスポーツ交流活動、少年や保護者に対する励ましの愛のレター作戦等により少年の立ち直り支援を図る活動をしております。
 また、少年警察ボランティアによる児童生徒の登下校時間帯における朝のあいさつ運動、愛の一声運動、学校等における非行防止教室の開催などによりまして非行防止機運の醸成を図ろうとするものでございます。
 大学生ボランティアの活用につきましては、県内の大学生20名を少年サポート隊員として委嘱しまして、少年と年齢が近くコミュニケーションをとりやすいなどの大学生の特徴を生かしまして、非行少年からの立ち直り支援活動を行っております。
 被災地にはこれまで2回の派遣要請がありまして、非行少年の立ち直り支援のための勉学支援、ミサンガづくりなどのサポート活動を行っております。
 今後とも、被災地の少年の健全育成活動に対しまして大学生ボランティアの積極的な運用を図ってまいりたいと思います。
〇遠藤刑事部長 2点目の総合指揮システムの更新内容と改善点についてお答えいたします。
 総合指揮システムは、重要事件あるいは大規模災害等が発生した場合、本部長と幹部が指揮室に集合して、ヘリテレ映像や無線情報を迅速、的確に把握して、捜査員や部隊の配置及び事件指揮等の一元化を図り、警察の総合力を発揮するシステムであります。
 現在の総合指揮室は平成15年から運用しておりまして、機器の老朽化に伴う故障等により事件対策や災害警備に支障があったことから更新整備が必要となったものであります。
 今回の更新整備の大きな特徴は、機器のデジタル化であります。ヘリテレ中継システムも同様にデジタル化されることから、一体的に活用することによってより鮮明な現場映像を確保することができ、その映像からリアルタイムに各種事案の現場状況が把握できることになっております。このように現場状況の把握が容易になることから一元的な捜査指揮が可能となり、重大事件や災害警備等に威力を発揮してくれるものと期待しているところであります。
〇佐藤警備部長 総合指揮システムの更新整備に係る大規模災害時の情報収集能力の向上の具体的内容についてお答えいたします。
 大規模災害発生時において早期に災害情報を収集することは、このたびの災害時でもそうでありますけれども、その後の災害警備活動を効果的に実施するために重要であります。県警察では、発災後直ちに県警ヘリを被災地に出動させて、ヘリテレ映像等により被害情報等を収集しているところであります。
 今回、システムを更新整備することにより受像画面が一段と鮮明となり、ヘリテレ映像の画面が、老朽化したこれまでの画像と比較し、より鮮明に受信できますことから、例えば被災地における家屋の倒壊状況や被災地に至る道路の寸断状況など、これまで以上に被害実態を詳細に把握し、被災地に必要な部隊を投入するなどして、迅速、的確な救出、救助活動を初めとする効果的な災害警備活動が期待できるもの考えております。
〇吉田交通部長 停電による交差点等におけるいわゆる市民協力についてお答えいたします。
 昨年3月の東日本大震災発生後においては、停電により信号機が滅灯した交差点で一部市民の方に交通整理の御協力をいただいたと聞いておりますが、道路交通法第6条において、警察官または交通巡視員は、手信号その他の信号により交通整理を行うことができると規定されており、一般市民の方が交通誘導を行うことにつきましては、本条に規定する手信号等としての効力を持たないほか、何よりも交通事故に遭う危険性があることから消極的に考えております。
 停電が発生した場合の対応策でございますけれども、県内の主要交差点に停電時に自動起動する発電機を付加した信号機を設置しているほか、県内の警察署に装備した発動発電機により電源を確保し、信号機を作動させることにしております。それ以外に交通整理を必要とする交差点には警察官を配置して交通規制を実施することとしており、これにより県内の主要交差点はカバーできるものと考えております。
〇木村幸弘委員 1点目の非行少年を生まない社会づくり推進事業ですけれども、家庭教師を大学生ボランティアにお願いするような形のものと理解していいのでしょうか。そして、実際にそういうふうな勉強を支援してくれという具体的なニーズといいますか、そういった需要等は、これまでも含めてどのような実績というか、効果を含めてあるのか、もう一回お聞かせください。
 それから、今の交差点の関係ですけれども、確かにいろいろな実態を考えれば、一般市民がそのような行為を行うことは万が一のことを考えると大変だというのはわかるんですが、ただ、現実には、混乱した災害発生時、大渋滞を引き起こしている状況があった中で、逆にボランティア精神で付近の方あるいは市民の方で、心得があったかどうかは別にしても、そういう形で一定の誘導をしていただいたことによって当時の混乱状態を多少なりとも回避する作用も現実にはあったと私は思っていまして、そういう点からいうと、これからの災害対応の中で、確かに警察官が現場に急行してやっていただくのが一番ですけれども、しかし物理的に、あるいは時間的になかなかかなわない実態が現実にはあるわけでして、そういった部分でのいろいろな災害応援協定を含めた、あるいはいろいろな交通安全指導員の体制構築の中において、主要な部分での万が一そういう事態があったときの体制づくりというか、今後の教訓としてどうなのかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
〇千田生活安全部長 勉学支援の関係についてやや具体的にお話しいたしますと、大学生ボランティアの方々にお願いしております内容につきましては、大体子供たちと年齢が近いということと、それからあとは、どうしても学力の不足、あるいはそういうものを原因とする非行の実態もございますので、保護者の方、それから少年の希望を受けまして、そして了承を受けた方を対象としてこちらのほうから派遣するというふうに手順を踏んで対応しております。
 ちなみに、平成23年中は勉学支援も含めまして大学生ボランティアの方々を岩手県内に20回派遣いたしまして、34名のボランティアがこの活動に従事しております。
〇吉田交通部長 委員が先ほど述べられたとおり、災害の対応の中では、物理的または時間的に切迫している中で、一定の作用とか効果ということは考えられるのでありますけれども、交通整理におきましては、やはり権限の付与はどうなのか、けがの補償をどうするかとか、エリアをどのように設けていくのか、現段階でまだ問題を抱えておりますことから、今後、検討すべき課題であると認識しているところであります。
〇斉藤信委員 私もまず最初に、交通安全施設整備費についてお聞きしたいと思います。
 来年度予算では前年度と比べて2億590万円も削減されているんですね。この削減されている理由は何でしょうか。
〇吉田交通部長 交通安全施設整備費につきましては、平成24年度事業として見込んでおりました事業費のうち2億7、035万3、000円については、国の交付金を活用し2月補正予算に計上し、繰越明許費として承認をいただいているところであります。したがいまして、平成24年度当初予算に2月補正予算を加えた実質的な平成24年度の事業費は、前年度当初予算に比較して6、439万5、000円、約7.5%の増額となっております。
〇斉藤信委員 私お聞きしたいんだけれども、先ほども、交通信号機が、要望はたくさんあるのにどんどん減っていますよね。この3年間で159件の要望があった。平成21年は26件、平成22年は21件、平成23年は17件と。何でこんなに減っているんですか。来年度はふえるんですか。
〇吉田交通部長 交通信号機の設置要望につきましては、地域住民から要望され、各警察署で実態調査等が行われて、署の交通規制対策協議会等で意見を聴取した上、その結果を踏まえて警察本部に上申されるものであります。警察本部では、さらに全県下的な観点から総合的に検討した上、公安委員会に設置案を上申して交通規制の信号機を設置することになっております。厳しい財政情勢の中で適切に予算獲得に努めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 私、具体的に、あなたが予算はふえていますと。だったら来年度は信号機はふえるのかと聞いているんですよ。設置要望はかなり吟味して地方から出ているんですよ、これ。予算の範囲内で信号機の設置を減らすということはやってはならないことですよ。先ほど熊谷委員もお話ししたように、そこの交差点で何人亡くなれば信号機をつくれるんだと、みんなこう思っていますよ。私は、県警の予算の中でも、信号機の設置というのは県民の命を守る最優先課題だと思いますよ。きちっと答えてください。来年度はふえるんですか、それとも予算の枠で減らすのですか。
〇吉田交通部長 現段階では、公共施設や沿道の関係等を総合的に検討して、全県下的な見地からこの必要性について勘案していかなければならないということであります。皆さんの要望にこたえられるよう一層の努力をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 予算は6、439万円もふやしたと答えていて、何で信号機をふやすと言えないんですか。私は、予算がこの間も減らされてきた、信号機の設置が減らされてきたということは大問題だと思いますよ。命がかかっているんだから。毎年52件、55件と要望されているわけでしょう。設置率40%じゃないですか。ふえるんですか。それとも、これだけ要望があってもこれはふやさないんですか。何で答えられないんですか。
〇吉田交通部長 先ほども申し上げましたとおり、皆さんの要望を的確に把握して、必要な箇所についてはしっかり要望し、予算をふやすかふやさないかまだここでは言えませんけれども、今後一層の努力をしてまいりたいということであります。
〇斉藤信委員 切実な要望が毎年毎年上がっているのだから、本当にこれに全面的にぜひこたえて、命を落とさなければ信号機をつけないなんて思わせないようにぜひしていただきたい。
 被災した交通安全施設の整備状況ですけれども、151カ所被災しましたが、実際に何カ所整備したのか。そして、これは基本的にはLED化されているのでしょうか。信号機全体のLED化も含めて示してください。
〇吉田交通部長 震災で被災した信号機は151カ所あり、現段階で復旧しているのは117カ所になります。3月7日現在で117カ所で、LED化されているものです。
〇斉藤信委員 信号機全体ではLED化はどこまでいっていますか。そして、LED化の計画はどうなっていますか。
〇吉田交通部長 LED化につきましては、平成23年3月の統計でありますけれども、車灯9、427灯基中2、584、あとは矢印の関係で1、264灯ありますけれども、1、055灯、それから歩灯の関係で8、078灯基中の中で2、472灯ということで、車灯については27.4%、矢印については83.5%、歩灯については30.6%という状況であります。
〇斉藤信委員 それでは、次の警察職員の超過勤務、サービス残業の改善問題についてお聞きします。
 今年度の警察職員の超過勤務時間、超過勤務手当の支給状況は2月補正段階でどうなっているでしょうか。1人当たりの時間数、総額を示していただきたい。
〇森本警務部長 今年度の超過勤務の状況でありますけれども、今年度4月から9月まででお答えいたしますが、職員1人当たり平均超過勤務時間数は238.0時間でありまして、月平均に換算しますと約39.7時間であります。
 次に、職員1人当たり平均支給時間数でありますけれども、162.0時間でありますことから、月平均に換算しますと約27.0時間となります。
 また、総額ではという御質問でありますけれども、1人当たりにつきましては、個々に単価も違いますことから一概にはお答えできませんが、今年度の4月から9月までの超過勤務手当の支給総額は9億5、796万円余となっております。
〇斉藤信委員 大震災津波の救援や遺体捜索や交通安全の対策、私は本当に頑張っていると思います。そうした中で、12月に賃下げまでやって、私は本当にこれは許されない、せめて超過勤務した分は全額支給するのが当たり前ではないかと思うんです。
 今年度は9月補正で超過勤務手当が増額されました。私はこれは評価するものですけれども、それでも月12.7時間、サービス産業です。これは6カ月でですよ。1年間にしますと、これは大変なことになります。1年間にしますと152時間になって、平均の警察職員の賃金で年間47万円になりますよ。47万円のサービス残業となります。これは大体そういうことで確認できますか。
〇森本警務部長 お尋ねの関係でありますけれども、1人当たりにつきましては、個々に単価も違いますことから数字がひとり歩きしてしまうということもございますので、1人当たりの数字については申し上げられないという状況でございます。
〇斉藤信委員 先ほどの超過勤務時間は半年間でしたから、これを年間ベースにしますと152時間のサービス残業。それを警察官の平均賃金で試算すると約47万円、大体こういうことになりますよ。
 新しい県警本部長、私いつもこの問題を取り上げているんだけれども、サービス残業というのは社会的犯罪行為なんですよ。私は、県警が率先してこの問題を改善すべきだと。ましてや大震災津波の救援やその他の活動で本当に奮闘されている職員に対して、超過勤務手当不支給なんていうことはあってはならないことだと思いますけれども、いかがですか。
〇高木警察本部長 超過勤務につきましては、長時間にわたること自体改善すべき課題であると認識はしております。特に東日本大震災発生以来、職員に相当の疲労が蓄積されておりまして、健康管理の面からも勤務時間の縮減に努めることが大きな課題だと認識しております。
 今後とも、不要不急の業務の削減に努めますとともに、今回の災害がそうでありますけれども、突発的な事件、事故に対処する必要がある場合には所要の措置を講じるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 問題をすりかえてはだめなんですよ。超過勤務時間の縮減は、それはそのとおりなんです。しかし、実際に毎年、超過勤務に対する不払いが生じているんですよ。今回は特にそういうふうに多いわけです。だから私は、後段のほうで改善するという話もあるけれども、本気で改善するんですか、これ。超過勤務時間の縮減はそのとおりです。じゃ、この不払い残業は改善するということですか、警察本部長。
〇高木警察本部長 今年度の9月補正における増額補正でありますとか、努力はいたしております。
 そういう事件、事故に対処する必要がある場合には所要の措置を講じるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 所要の措置をぜひ講じて、本当に警察職員、警察官が安心して働けるようにしていただきたい。
 あわせて私お聞きしたいけれども、かなりシビアな仕事をされている警察官の心のケア、この間、そういう問題の警察官は発生しているのか。そして、警察でそういう心のケア対策はどう行われているのか、これを示してください。
〇森本警務部長 警察職員の心のケアの関係でありますが、手元にデータがありませんので数をお示しすることはできませんけれども、震災発災直後といいますか、昨年4月、それから秋と2回にわたりましてメンタルヘルスのチェックシートを作成いたしまして、これに基づきまして全職員の精神状態をチェックいたしまして、特にリスクが高い者に対しましては、臨床心理士あるいは精神科医による面接などを実施したりしまして適切な対応に努めているところでございます。
〇斉藤信委員 後でその実態はお聞きしたいと思います。
 次に、二戸警察署における人権侵害とも言うべき見込み捜査事件についてお聞きいたします。
 昨年12月14日、二戸警察署で二十の青年が逮捕されました。その容疑は、他人の財布から2万5、000円抜き取ったと、窃盗容疑でありました。22日間拘留、拘禁されましたが、1月4日まで拘禁されましたが、結局、1月5日、不起訴処分となりました。全くの誤認、見込み捜査ではなかったですか。
〇遠藤刑事部長 委員御指摘の事案は、昨年11月、二戸市内の体育館において手提げ袋の財布から現金が抜き取られた窃盗事件と承知しております。二戸警察署では、被害者からの届け出を受けて、現場の実況見分や関係者からの聴取等、所要の捜査を実施した結果、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があると認め、裁判官の逮捕状の発付を得て被疑者を通常逮捕したもので、誤認や見込み捜査ではなく、捜査は法と証拠に基づいて適切に行われたものと承知しております。
〇斉藤信委員 何で22日間も拘留になったんですか、2万5、000円の窃盗事件で。そして、1月4日まで拘留して、1月5日、二戸の検察庁は不起訴処分ですよ。あなた方が1月4日まで22日間拘留して人権侵害の捜査をして、翌日には不起訴が決まっているんですよ。なぜこうなったんですか。
〇遠藤刑事部長 捜査は法と証拠に基づいて行われたもので、被疑者として疑うに足りる相当な理由があったことから裁判官の発する逮捕状によって逮捕したもので、人権侵害に当たる行為等もなく、適切に行われたものと承知しております。
〇斉藤信委員 だったらなぜ不起訴になったんですか。それだけの証拠があったら何で不起訴になるんですか。
〇遠藤刑事部長 起訴、不起訴は検察官の判断でなされるものであります。
〇斉藤信委員 起訴に当たらなかったのですよ、あなた方が22日間も拘留して。じゃ、22日間、どんな捜査が行われたか。全く驚くべき中身ですよ。
 まず先に聞きますが、この捜査の記録、テープ、映像はありますか。
〇遠藤刑事部長 取り調べの状況につきましては、映像、テープの記録等はございません。
〇斉藤信委員 映像記録のテープは今もないんですか。そういうことはやっていないんですか。今、これ、大問題になっているじゃないですか、不当な冤罪の温床ということで。テープをとる、映像を撮る、当たり前のことじゃないですか、それをやっていないんですか。
〇遠藤刑事部長 警察における取り調べの録音、録画の試行の実施につきましては裁判員裁判対象事件となっており、その対象とならない窃盗事件では実施しておりません。
〇斉藤信委員 22日間も拘留される異常な事件でした。私は本人からこういう告発をいただきました。どういう捜査が行われたのか。おまえの生き方を見ているとこっけいだ。おまえがここから出たときにやっていないと言ってもだれも信じねえ。二戸には住めねえ、今度はどこに引っ越すのかな。今言わなきゃもっとおれたちは調べるから、迷惑かける人がどんどんふえてくるぞ。おれはおまえを信じてねえし、おれとしては留置場におまえが行けばいいと思っている。こういうのを22日間やったんですよ。
 私は、質問通告しましたけれども、そういう捜査内容を聞いていますか。
〇遠藤刑事部長 取り調べの状況につきましては、任意同行後の午前8時ころから取り調べを開始し、午後7時40分に逮捕しております。その間、4回の休憩を与えております。なお、昼については約1時間の休憩を与えているほか、午後以降は十数分から30分前後の休憩を与えて取り調べを実施しているといったような状況であります。
 それから、逮捕翌日から8日間取り調べを実施しておりますけれども、1日で2時間以内の取り調べであり、任意性を欠くような取り調べはなかったと承知しております。
〇斉藤信委員 最後まで被疑者は否認しました、22日間。これはとんでもないことですよ。あなた方の執拗な22日間の拘留の中で最後まで否認を貫くというのは普通の人ではできないことですよ。
 あなたは捜査の内容を何も言わなかった。私は紹介しましたね。おまえは今後、みんなに逮捕されたっていうレッテルを張られて生きていくことになるんだ。おまえがやったんだろう、早く言え。今やりましたと認めれば、その人に謝って許してもらえるとおれは思うぞ。これからは履歴書にも逮捕と書かなきゃいけないし、大変だな。こういう捜査が22日間続いたんですよ。
 しかし、起訴にならなかったでしょう。しかし、この青年は二戸にいられなくなりました。職場もやめさせられました。拘留中に職場の人が来て退職届を書かせた。とんでもない話ですよ。
 しかし、逮捕すれば、新聞には実名が出てしまうんです。あなた方は法と証拠で逮捕したと言うけれども、22日間拘留して、起訴もできない。そして、私が今紹介したような、まさに人権侵害ですよ、証拠がないから。法と証拠に基づいたらこんな拘留は要らないのですよ。それができないから22日間も拘留した。しかし、最後まで否認し続けて起訴に至らなかった、それが事実じゃないですか。こういう捜査の中身を聞いていますか。
〇遠藤刑事部長 通告があってから、捜査の内容等については承知をしております。ただ、委員から指摘されたような状況については、正当な手続で対応したものであります。
 それから、起訴の関係については、通常我々、逮捕して、取り調べをして、送致をするわけですが、すべて起訴になるものではありません。その辺のところは御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、2万5、000円程度の窃盗で22日間拘留をされる、これは本当に異常なことだと思いますよ。そして、その結果は翌日不起訴ですよ、翌日。私は人権侵害だと思うから、あなた方も徹底して内部点検をしてください。
 首席監察官にお聞きします。私は今、かなりリアルな捜査の内容を指摘しました。刑事部長は捜査の内容を一つもつかんでいない。きちんと調べるべきじゃないですか。
〇小野寺警務部参事官兼首席監察官 今の質問に対しましては、刑事部で所管している事件でございます。刑事部で調査の結果、適切に答弁したものと承知しているところでございます。
〇斉藤信委員 あなた、そんなこと言ったら監察にならないでしょう。これはもう決着済みの事件なんですよ。私は中身を問うているんですよ、中身を。結果として、私は重大な形になったと思いますよ。
 大体、首席監察官というのは、そういうことを調べるのが仕事じゃないんですか。私は捜査中の話をしているのではないですよ。不起訴処分の決まった話をしているんですよ。そして、捜査の中にそういうことがあったということを私は具体的に指摘をした。それでも調べませんか。
〇小野寺警務部参事官兼首席監察官 本件のことにつきましては、刑事部のほうで調査したところでございます。私のほうでは、具体的な内容について承知しておりません。刑事部のほうで、今、適切に調査した結果を答弁したところでございます。
〇斉藤信委員 刑事部長は中身を全然知らないじゃないですか。中身を全然聞いていないじゃないですか。テープもない、記録もない、だから調べろと私は言っているんですよ。違いますか。そういうもう処理された事件を調べるのは、監察官の仕事じゃないですか。
〇小野寺警務部参事官兼首席監察官 現在、刑事部長のほうで答弁したとおりでございます。取り調べ監督状況につきましても適切な内容だったということで、調査の結果は申し上げたとおりでございます。刑事部のほうで対応しているということで、私のほうで現在対応するということには考えておりません。
〇斉藤信委員 警察の内部をあなたが監察しなければ、だれがするんですか。こういう内部の問題は身内意識で守る、それが県警の実態ですか。このことを私は厳しく指摘しておきますよ。
 県警本部長にこの問題の最後に聞きますけれども、こんなことでいいんですか。2万5、000円の窃盗事件で22日間二十歳の青年を拘留して、翌日には不起訴になってしまった。この青年は、結果的には二戸にいられなくなったんですよ。仕事もやめさせられましたよ。あなた方は、そういう結果に責任があるでしょう。県警本部長、このやりとりを聞いてどういう感想を持っていますか。
〇高木警察本部長 捜査をして、送致をして、検察官のほうで起訴、不起訴の判断をされるわけですけれども、証拠が十分固められずに不起訴という結果もございますが、それがすべて捜査が不適切で不適正だったかというと、そんなことはございません。
 それで、今回の捜査について、取り調べ時間については、確認いたしましたけれども、先ほど申し上げましたが、8日間の取り調べで、1日ですけれども、長い時間で2時間ぐらいということでありまして、決して二十日間のその捜査で、取り調べで、非常に長時間の取り調べを行ったというようなケースではないと思いますが、刑事部のほうで調査をして、先ほど刑事部長から申し上げたところでございます。
〇斉藤信委員 まず、22日間の拘留というのは、これは異常なことです。そして、1日2時間であろうと、その中身は、徹底して相手の人格を否定する、そういう捜査をやっているんですよ。証拠がないからです。しかし、22日間拘留したって否認をし続けたんですよ、やっていないから。
 本当にこういう結果をあなた方みずから点検しなかったら、警察のやることは何でもいいことだとなってしまいますよ。一つ一つ点検すべきだと厳しく指摘をしておきます。中身が問われているんです、捜査の中身が。
 最後、あと残された時間で幾つか質問します。
 雫石町の監禁殺人未遂事件がありました。私は、これは本来食いとめられる事件だったと思います。これまでどれだけ被害届が出ていたのか。秋田県警には家族から保護願も出ていた。これに早く対応していたら、ああいう事件は起きなかったと思うけれども、どれだけ被害届と、秋田県警に保護願が出ていたか把握していますか。
〇森本警務部長 被害届についてでございますが、被害届については、事件の取り扱いというのは、この逮捕監禁事件の前にはございませんでした。ただし、発生地である町営住宅でのトラブルに関しまして、住民からの警察安全相談という、被害届ではありませんが、警察安全相談という形では、平成18年7月以降25件寄せられているところであります。平成20年以降で言いますと、20年が1件、21年が5件、22年が5件となっているところでございます。
〇千田生活安全部長 保護願の関係についてでございますけれども、住民等からの保護願につきましては、願い出は出ておりません。
 本人の家族の方が、平成22年9月に青森県警に、本人と連絡がとれないということで行方不明者の届け出をしております。内容につきましては、犯罪被害に遭うおそれがある場合などの緊急を要する内容ではございませんでした。
〇斉藤信委員 とんでもない話でしょう、緊急を要するどころか、その後、事件が起きたでしょうが。25件も安全相談、これは、被害届を安全相談にしてしまったんでしょう。そして、家族からの保護願が出たのにもかかわらず対応しなかったと。私は、これは本当にミステークだと思いますよ。
 もう一つお聞きします。盛岡西署のF警部補が9月17日に自殺をしました。この要因と背景をどう把握していますか。
〇小野寺警務部参事官兼首席監察官 盛岡西警察署の警部補の自殺の関係でございます。
 自殺の要因等につきましては、個人のプライバシー、死者の尊厳にかかわることでございますので、詳細な答弁は差し控えさせていただきます。
 なお、同警部補につきましては、東日本大震災発生当時から盛岡西警察署に異動になる6月6日まで、大船渡警察署で勤務しておりましたが、昨年4月中に実施しました、先ほど警務部長も御答弁しましたけれども、ストレスチェック、精神面のチェックでございますが、こういう結果、あるいは関係者等からの聴取等によりまして、自殺の要因が震災の影響によるものとは判断しておりません。
〇斉藤信委員 6月まで確かに大船渡署に交通指導係で勤務していましたね。それで、8月17日に大船渡署管内で免許停止処分を免れさせた、これは、署長についてインターネットにそういう情報が掲載されたと。この自殺はこの1カ月後ですよ。このインターネット情報というのは確認していますか。
〇小野寺警務部参事官兼首席監察官 私のほうでは把握しておりません。
〇喜多正敏委員長 斉藤信委員に申し上げます。委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 大船渡署管内で免許停止を免れさせた、こういう事例は報告されていますか、されていませんか。本当にインターネット情報をだれも把握していないんですか。
〇森本警務部長 御指摘の件につきましては、そういう情報があったということでありますけれども、その後の調査の結果によりまして、その情報は事実とは異なっているということを確認しております。
〇佐々木茂光委員 私から1点だけ、交通安全施設にちょっと関連して御質問いたしたいと思います。
 震災以降、交通の道路事情が大きく変わったことによりまして、今まで通らなかったところが、建設関係の大きな重機やそういう作業車を含め、そこは通学路にもなっておりまして、非常に危険な状態にあるという、そういったような要望等についての状況はどのようになっておりますでしょうか。
〇吉田交通部長 陸前高田市内につきましては、道路環境やまちの復興計画を勘案しながら、現在、信号機等の復旧をさせることで推進しているところであります。
 今、委員から御指摘ありましたが、道路状況の要望等はどのようになっているかということでありますけれども、本部では、道路がいわゆる渋滞状況とか大変横断できない状況だというのは、把握されておりません。
〇佐々木茂光委員 それでは、パトロールをしながら、状況がいろいろ警察の方々も半ば承知されているところもあろうかと思います。もう一度、その辺は地元のほうから事情を聞いていただきながら対策を練っていただければと思います。
 いずれ、ちょうど子供たちの時間帯というのは、作業する人たちの交通量もかなりふえているということも心配されますので、事が起きる前に何らかの手を打っていただきたい、そのように要望して終わります。
〇吉田交通部長 現在、工事車両等が多く通行して、歩行者が道路を横断できない状況であるということでありますから、今後、その実態について、大船渡警察署と連携を図りながら調査し、必要に応じて交差点等に警察官を配置するなど対策を講じてまいりたいと思います。
 また、同時に、工事車両の運転者に対しては、交通ルール等や交通事故防止のための広報、啓発活動をしっかり推進してまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇喜多正敏委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時32分 散 会

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