平成24年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成24年3月6日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    村 上   聡
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  知事    達 増 拓 也
  副知事    上 野 善 晴
  副知事    千 葉 茂 樹

  秘書広報室長   稲 葉 比呂子
  首席調査監    杉 村   孝

  政策地域部副部長
  兼政策推進室長  木 村 卓 也
  政策地域部副部長
  兼地域振興室長兼
  復興局参事    佐々木 和 延
  政策監    大 平   尚
  市町村課総括課長 堀 江   淳

  環境生活企画室
  企画課長    伊 勢   貴

  保健福祉企画室
  企画課長    高 橋 勝 重

  商工企画室
  企画課長    飛鳥川 和 彦

  農林水産企画室
  企画課長    小 岩 一 幸

  県土整備企画室
  企画課長    及 川   朗

  理事兼復興局
  副局長    廣 田   淳
  理事兼復興局
  副局長兼
  企画課総括課長兼
  まちづくり再生課
  総括課長    平 井 節 生
  企画課計画課長兼
  政策推進室
  評価課長    森   達 也

  経営管理課
  総括課長    大 槻 英 毅

  教育企画室
  企画課長    石 川 義 晃

  議会事務局長   宮   一 夫
  議会事務局次長  及 川 伸 一
  総務課総括課長  高 坂 一 彦
  政務調査課長   安 部 光 一

  総務部長    加 藤 主 税
  総務部副部長兼
  総務室長    小 原 敏 文
  総合防災室長   小 山 雄 士
  総務室管理課長  清 水 一 夫
  入札課長    高 橋 宏 弥
  人事課総括課長  浅 沼 康 揮
  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
  法務学事課
  総括課長     紺 野 由 夫
  私学・情報
  公開課長     鈴 木   敦
  行政情報化
  推進課長    菅 野 義 克
  税務課総括課長  永 田   茂
  管財課総括課長  新 屋 浩 二
  総合防災室
  特命参事    越 野 修 三
  防災危機管理監  宮 元 隆 司
  防災消防課長   小野寺 文 也
  総務事務
  センター所長   平   哲 夫
〇喜多正敏委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第27号から議案第32号まで、議案第34号から議案第37号まで、議案第42号、議案第45号、議案第48号及び議案第49号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。久保孝喜委員。
   〔久保孝喜委員質問者席に着く〕
〇久保孝喜委員 2日目最初の質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。
 私は、防災に関する課題とJR線の復旧の問題、大きく2点についてお尋ねしたいと思います。
 最初に、防災に関してお聞きする前に、きのう、私ども議員に総合防災室長から東日本大震災津波の対応の検証についてという報告書が配付されました。私は、今回のこの質問に先立ってさまざま見ておりましたら、この検証報告書なるものがあるということに気づいて問い合わせをしたところ、2月の今議会の開会日前後に既にこの報告書ができていたということがわかったわけです。これがなぜ議員に対して、あるいは議会に対して説明や提示がなかったのかという点については、防災という観点を最大の課題にこれからしていかなければならないときに非常に不可解な動きだと思ったんですが、まずは、何ゆえ議会、議員に対する説明がないのか、この点について総務部長からお聞きしたいと思います。
〇加藤総務部長 災害対応検証につきましては、今後における災害対策、防災対策の強化、及びそれを踏まえました上で地域防災計画の見直しに反映させる、こういう目的のもとに実施したものでございます。
 検証内容につきましては、地域防災計画の見直しの説明に際しまして議員の皆様方にもその概要をお話しさせていただいたところでございますが、詳細な説明の機会を設けなかった、あるいは資料の配付がおくれました点につきましては配慮に欠けていた面があったと認識しております。そういった御指摘もいただきましたことから、昨日、おくればせながら配付させていただいたところでございます。
 今後は、このような情報の重要性に十分留意いたしまして、丁寧な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 この報告書をざっと読ませていただきました。内容に詳しくは触れませんけれども、検証の方法も、県庁内のそれぞれの組織のヒアリングあるいはアンケート、現地調査あるいは住民アンケート、防災会議幹事会等々を含めて、かなり詳細に、かつ広範囲にわたって検証されているわけです。昨年来からの議会の議論は、まさにこの震災対応が果たしてよかったのか、あるいはこれからどうするんだというところに議論が集中していたはずなんです。そういう議論の経過を考えたときに、まさに中心的な課題の防災の検証が全く示されない中で、来年度の予算も含めてどうやって議論をしていくのかという思いで、実はちょっと腹立たしい思いもしたわけです。
 この報告書は、私にとっては、これから先の、昨年の復興計画と対になるぐらいのそういう重要な文書だと思っていますので、ぜひ当局の皆さんにおいては、何も権威主義的に議会に説明がないとか資料が来ないとかということを言っているのではありません。まさにこれから先の復興をどうやって全体のものにしていくのかという観点からいえば、そういう対応というのは非常に問題がある、そのことをまず指摘しておきたいと思います。
 知事にお尋ねいたします。
 この地域防災計画ですが、県政の中でどういうふうに位置づけて、なおかつその基本的視点はどこにあるのかということについてまずお示しいただきたいと思います。
〇達増知事 地域防災計画のあり方についてでありますが、そもそも住民や地域の安全確保は、県政を推進するに当たって最も基本に据えられるものであります。
 県の地域防災計画は、防災対策に係る総合的かつ基本的な計画であり、住民や地域の安全確保に関する根本的な事項が定められるものであります。したがって、地域防災計画は、県政において大変重要な意味を有するものであります。
 計画はあらゆる災害の減災につながる実効性のあるものでなければならず、災害対応を踏まえ、不断の見直しが必要であります。また、この県の計画に基づいて市町村の防災計画が作成されるものでありますから、まちづくり計画を初めとする地域特有の事情を包摂する幅のあるものでもなければならないと考えております。
〇久保孝喜委員 今回この見直しに着手しているわけですけれども、この地域防災計画の見直しのポイントは何かお示しいただきたいと思います。
〇加藤総務部長 現在、地域防災計画の見直し中でございます。見直し、現段階での案ということでございますが、ポイントを申し上げたいと存じます。
 一つ目でございますが、最大クラスの地震、津波を想定した防災対策の推進でございます。甚大な被害をもたらす最大クラスの津波及び津波高は低いが大きな被害をもたらす津波、この二つのレベルを設定いたしまして、海岸保全施設整備等のハード対策と避難等のソフト対策を適切に組み合わせた多重防災型の対策を講じていくこととしております。
 二つ目でございますが、迅速、的確な避難の徹底と避難所支援でございます。最大クラスの津波を想定した避難計画の作成、避難場所の見直し、避難所環境の整備などを進めてまいります。
 三つ目でございます。通信、情報対策の強化でございます。通信施設の津波流失対策や衛星携帯電話、非常用電源の整備などを推進してまいります。
 四つ目、支援物資対策でございます。食料や生活必需品などの備蓄の促進や緊急輸送体制の整備などに努めてまいります。
 五つ目でございます。被災市町村への支援の強化でございます。連絡不通時には、県から調査班を派遣し災害現場の被害状況の調査等を行うほか、市町村からの要請を待たずに必要な支援を行うことなどを盛り込むこととしております。
 このほか、災害対策本部の体制を見直すなど、多岐の項目にわたりさまざまな改善を加えていく考えでございます。
〇久保孝喜委員 今のポイントの中もそうなんですが、これまで説明資料もいただいておりましたけれども、その中に、県民の命や暮らしをどうやって守っていくのかという観点でいえば、今、県南部を中心に農産物を含めて放射線対策というのが非常に大きな課題になっているわけですが、防災上の観点でこの放射線対策が盛り込まれていない、あるいは今のお話の中にもなかったという点に関してはどういうことなのか。あるいはこれから先の計画づくりの中でどういうふうに盛り込もうとしているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
〇加藤総務部長 防災計画におけます放射線影響対策の取り扱いについてでございます。
 県におきましては、放射線影響対策を推進するため、対策本部を設けまして、各種の方針を定めた上で、これらに基づきまして、市町村等とも連携しまして測定や低減措置等の対策に取り組んでおります。こういった枠組みで対策につきましては進めているということでございます。
 放射線影響対策につきましては、いわゆる地域防災計画におけます災害、起こってしまって応急対策というか、そういう局面とやや趣を異にするのではないかということでございまして、別の枠組みで現在実施しているところでございます。
 ただ、放射線影響対策を含めまして原子力防災に係る全体の枠組みにつきましては、現在、国におきまして新たな法制度を検討中でございます。防災計画上の取り扱いにつきましては、この国の方向性も踏まえまして改めて検討したいと思っております。今回の見直しにおきましては、そういう状況でございまして、この放射線影響対策につきましては別途ということで整理させていただいているところでございます。
〇久保孝喜委員 今の御答弁ですと、この地域防災計画には盛り込まない、別の計画をつくる、こういう理解でよろしいんでしょうか。
〇加藤総務部長 別の計画と申しますか、今現在は別の枠組みというか、対策本部を設けまして、それぞれ各種の方針、県としての基本的な考え方も明らかにした上で進めているということでございます。
 防災計画上の取り扱いにつきましては、国で枠組みの検討が進んでおりますし、また、本県のような立地状況にある団体におきましてどういったことが必要かという整理が進むであろうと見込まれますので、それを踏まえまして改めて考えさせていただきたいということでございます。
〇久保孝喜委員 改めて考えるのがいつになるのかよくわかりませんけれども、他県の地域防災計画、今、全国で見直し、あるいは改定作業が進んでいるわけですけれども、他県の状況ではもう既に、原子力発電所立地以外の県でも、今回の福島原発の事故災害を契機に、地域防災計画の中に原子力災害の項を新たに章立てをして、そして防災計画の中できちんと対応していくという動きがかなり出ているわけです。
 ここにインターネットからとりました長野県の例があるんですが、まずは、そもそも日常的な電力会社等の原発の情報を受けるんだと。連絡体制をどうするんだというようなことから、事故が発生した際の関係機関との調整のぐあい、あるいは情報収集を含めた放射線のモニタリングの問題、それから隣県、他県からの避難者の受け入れ態勢の問題を含めて、かなり網羅的に今回の事故の教訓を生かした取り組みを長野県や、あるいは滋賀県、それから京都府だとかさまざまな県で地域防災計画の中にきちんと盛り込んでいるんです。そういう事態、動きというのを承知して、なお岩手県は別に考える、後で考えるということでいいんでしょうか、その点もう一回お願いします。
〇加藤総務部長 今、御紹介のような他県の動きがあるということは承知しております。他県の動きにつきましては、そういった県で動きが出てきているわけでございますが、やや我が県とは状況を異にするのではないかというところもございます。原発立地地域そのものではないわけですが、非常にそこから近接しているところがございまして、そういった県におきましてはいち早く取り組んでいるということだろうと思っております。
 我が県におきましても、距離はございますが、そういったものが起こった場合の対応ということはしっかり考えていかなければならない、そういう認識は有しておりますが、まず、防災対策の見直しにおきましては、本県におきましては東日本大震災津波が起こったと。それを踏まえまして、いち早く津波対策を中心にいたしまして必要な対応を講じなければいけないという中で、時間の制約の中でまずこちらを優先させていただいたところでございまして、必要性なり、その後どうするかということにつきましては十分検討してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 非常にわかりにくい説明だと思います。県民に対してどういうふうにこの問題を県が対応していくのかというのは極めて重要だと私は思うんです。つまり、現実に農産物の被害があって、あるいは健康被害も懸念される声があって、なおかつ線量がそれなりに高くて、これから先何年続くかわからない土壌汚染もあって、春先の水質に関する汚染だって懸念されているわけです。そういうまさに防災、先ほど知事はあらゆる災害という言葉を使ってこの地域防災計画を位置づけられましたけれども、そういう意味では、原子力災害、この過酷な福島原発の事故からどう教訓を引き出すのかということは非常に大きな要素だと私は思いまして、その点はしっかりと対応をしていかなくてはいけないと思っております。
 知事にお尋ねします。
 今、全国の都道府県知事あるいは市町村長などを含めて、隣県の、原発立地県でない県の知事あるいは首長が、これから先、本来、法には今のところ規定されていませんけれども、安全協定も隣県として結ぶべきだというような声が上がっておりますけれども、知事はどのようにお考えでしょうか。
〇達増知事 まず、防災計画の見直しということの関連では、この防災計画は、命の危険にさらされる、その安全を守らなければならないような危機に直面していることに対してどう対応していくかということで、今、岩手が直面している放射能関係の課題といいますのは、まず測定をきちんとしながら、除染すべきところは除染して、そして口に入ってはいけないものについては口に入らないようにするということでありますので、それは防災計画とは別の放射能問題の対策本部としての対応を、現にしておりますし、これをしっかりやっていかなければならないと思っております。
 原発の甚大な事故、重大な事故が発生した場合に岩手県内においてどのような対応をしていくかということについては、委員御指摘の他県の取り組み等も大いに参考にさせていただきたいと思っておりまして、今、全国あるいは世界からも、あれだけの津波被害に遭った、大きな経験をした岩手が津波関係についてどういう新しい防災計画をつくっていくのかということが注目されていると思っていますので、県民に対する責任はもとより、そういう全国民、また世界に対する責任を果たしていく意味でも津波防災を中心とした新しい地域防災計画をまずしっかり立て、他県にも参考にしていただき、原発の甚大な事故が発生した場合の対応については、逆に立地県─原発が立地している県でありますとか、そことのやりとりが、経験を積んでいる県の動きも参考にしながら岩手としてもしっかり対応していきたいと思います。
〇久保孝喜委員 今の答弁ですが、例えば岩手県の地域防災計画の目的の最初の項に、県土並びに県民の生命、身体及び財産を災害から保護するためと書いているわけです。とすると、今、知事のおっしゃったようなさまざまな観点はまさに防災計画の中身だということが明白だろうと思いますので、これから先、まだ確定していませんから、ぜひ検討していただいて盛り込んでいただきたい、そのことを申し上げたいと思います。
 次に、この防災にかかわって、県と市町村との関係ということで、最近、新聞等で宮古の閉伊川の水門問題でかなり激論になっている、こういう報道がございます。県が県の事業として水門を設置するという考え方と、市の側あるいは住民の側の意見がなかなかかみ合っていかないという現状が報道されておりますけれども、そうした県事業等で地元の市町村や住民との合意形成をどのように行うのかということは非常にこれから大きな課題になってくると思いますが、その基本的な視点を知事はどのようにお考えかお知らせください。
〇達増知事 津波防災施設復旧に係る合意形成につきましては、県では、津波防災施設等の復旧に当たっては、まず、岩手県津波防災技術専門委員会において各市町村の意見を聞きながら、地域のまちづくり計画と合わせて県の事業に関する検討を行う等、各市町村との意見交換を重ねてきたところでありまして、今後もさらに市町村と連携を深めて地域の理解が得られるように努めてまいります。
〇久保孝喜委員 この問題は、非常に私は大きな課題だと思います。これから復興事業はかなりの量がどんどん行われていくという段階にあって、住民合意をどういうように取りつけていくのか、そういうコンセンサスをどうつくっていくのかという課題で、この水門はかなり象徴的な話に私はなっていると思います。
 事実の経過を見ると、新聞報道ですが、これが正しいかどうかを含めて御答弁をいただきたいわけですが、昨年の12月2日の段階では、水門の設置と堤防のかさ上げの2案を県は提示していたという報道がございます。これが12月15日になって、急遽水門の設置について市側が了承したということになったわけです。公表が1月10日になってこれまた問題になったわけですが、いずれそういう時系列の事実がございます。
 それから1月31日に、県も出席して議会に対する報告がございました。ここでもかなり大反発があったという報道がございます。さらに2月12日、市民に対して今度は説明会をやった。そこに県も出てお話ししたんですが、発言された方はほとんど水門設置反対だった、こういう報道がございます。さらにその日には、市長の側から水門は決定済みなんだ、こういう話もあったということでさらに反発が強められたということなんですが、新聞報道でこの時系列をずっと見て市長の発言などを拾っていくと、例えばこういうふうに書いています。市長が、短時間で意向の確認を求められた事情はあるものの、結果として市民に十分な説明を行うことができず、おわび申し上げると陳謝までしているんですね、議会で。そういうことは、県の事業を事実上、市町村に対して短時間の間にいわば納得させたという構図、こういうふうにとられかねない発言も多々見えるわけですが、この点に関してはどういう認識なのかお示しいただきたいと思います。
〇上野副知事 閉伊川水門計画の説明の経緯でございます。新聞報道等も引かれて幾つか御指摘ございましたが、私どもの整理で申し上げますと、12月2日の段階で、水門案と堤防案それぞれの案につきましての浸水範囲等について市に御説明をしております。その上で、12月16日という話がありましたけれども、宮古市から浸水区域の話ですとか、その後の御説明も踏まえまして水門案ということで県に要請があったと理解いたしております。その要請を受けまして、県では水門案で災害査定申請を行うという方針でやってまいりました。
 その後、災害査定が12月22日に水門案ということで行われておりまして、それを踏まえて、その後、先ほど委員御指摘のとおり、1月31日に宮古市議会議員の方々に全員協議会で県から津波防災対策について御説明をいたしております。さらに、2月12日に市民の方々に御説明をいたしております。
 ということでございまして、市民の方々への御説明というのを今やっておるところでございまして、その過程におきましては、市当局に対しては、県から、この閉伊川の防災対策についてどういう形でやっていくのがいいのか、その利害、得失についても御説明をしているところでございます。
〇久保孝喜委員 宮古市の場合は、まちづくりを住民からのボトムアップでやっていこうという形で、地域に協議会をつくって話を進めているわけです。その際に、水門をつくるか、あるいは堤防をかさ上げするかというのは前提条件なわけですよ、住民の側からすると。かさ上げでずっと話が来ていたのに、それがある日突然、水門設置ということになった、そこに大きな疑念が生まれて、反発が今、出ているわけです。
 結局、この問題は、県の側が住民合意というのは何をもって受けとめるのか。市長が了承すればそれは住民合意ということになるのかどうか、そこら辺の考え方が実はポイントなのではないかと思いますし、昨今言われているように、地域主権改革では地域のことは地域で決めるんだというような流れ、あるいは、知事が再三申し上げているように、県民の声を聞くんだ、コンセンサスを得るんだ、あるいは答えは現場にあるんだと言っていても現実こういう結果になってしまっているということは、県の側も反省をしなければならないと思うんです。
 例えば県の側がそういう地域協議会、まちづくりの協議会に出向いていって説明をしたことは一回でもあるんですか。呼ばれて、住民に対する説明会には出ました、確かに。しかし、県の側が主体的に説明に出かけていくという姿勢を今まで一回も示したことはないのではないでしょうか、どうでしょう。
〇上野副知事 今、御指摘の市民の皆様─あるいは県民の皆様でもあるわけですけれども─に対する御説明という観点で申し上げますと、私ども、確かに去年以来、宮古市のほうとかなり御議論いたしておりましたけれども、今、私の知る限りにおきましては、そうした市民の皆様に対する直接の御説明というのは必ずしも十分にしていなかったという経緯はあろうかと思います。
 いずれにせよ、今、御指摘のありましたような、今後、こういう事業を行っていく上での地元への説明につきましては、市のほうとも十分に相談をしながら、連携をとりながらきちんとした対応をしていこうと考えております。
〇久保孝喜委員 新聞報道ですが、例えば市長はこういうふうに言っている。本当は堤防をかさ上げして津波は川をさかのぼらせたほうがいいと思っていたが、それでは国道45号の宮古大橋が落ちると県から言われあきらめたという発言もなさっている。今おっしゃっているように、やはり県が主体的に行う事業だったら、市と協力しながら、関係する地域協議会に出向いてきちんと説明をするとか、そういう説明責任はだれが負うのかというところをきっちりはっきりしておかないといけないのではないかと思いますし、ある日突然、水門設置だと受けとめられていること自体が実は問題なわけです、合意形成の上では。
 その点に関して、これから先、実務上、どういう手順でこの閉伊川水門の問題を含めてやろうとなされているのか、考え方をお示しいただきたいと思います。
〇上野副知事 委員御指摘のとおり、県が事業主体となる事業でございますし、まちづくりの今後に非常に大きな影響を与える事業でもございますので、市町村と連携をとりながら、県といたしましてもきちんとした手順を踏んで、地元の地域の方々に御理解をいただけるように努めてまいりたいと思っております。
〇久保孝喜委員 どういう手順かは示されないわけですけれども、しっかりとこれは取り組んでいただきたいと思います。
 JR線の復旧についてお尋ねいたします。
 知事にまずはお聞きいたしますが、これまでも議論されてきたことですが、改めて鉄路の維持というところにポイントを置いて、今回のJR線復旧の問題、見解をお聞きしたいと思います。
〇達増知事 三陸沿岸地域の鉄道は、通学や通院など地域における重要な足であるとともに、国立公園の風景ともマッチした観光資源でもあり、地域振興の社会的基盤であります。
 鉄道が復旧されることで、地域住民の通学や通院、買い物などにおける地域間移動が確保されること、また、沿線各市町は復興計画の中で観光振興に力を入れることとしており、三陸沿岸地域の鉄道が新幹線と再びつながることで全国の観光客を呼び込む大きな力になることなどから、JR線は三陸沿岸の復興を下支えする重要な役割を担うものであります。
 こうしたことから、県としましては、鉄路の維持を求めている沿線市町の意向を踏まえて、また、JR線と三陸鉄道が一つにつながることでさまざまな面で相乗効果が発揮されることから、鉄道の早期復旧が必要であると考えております。
〇久保孝喜委員 議会としても、先日、意見書を出して要請活動も行うということをしたわけですが、不思議なのは、このJR線の復旧の前提となるべき、例えばJR線の被害金額だとか、そういうものが一切表に出ていないという事実があるんですが、このJR線、被害金額とか、あるいは復旧費用の試算というのもしていないわけはないと思うんですが一向に聞こえてこない。この辺についてはどのような認識でおられるのかお示しいただきたい。
〇千葉副知事 JR線の被害額あるいは復旧費用についてでございますけれども、JR山田線、大船渡線、岩泉線の被害金額については、いずれについてもJR東日本からは明らかにされていないところでございます。
 また、東日本大震災津波に伴いますJR在来線の復旧費用につきましても、岩手県、宮城県、福島県の3県の被災7路線で、単純に原形復旧した場合、試算として約1、000億円の費用を要するとは聞いておりますけれども、路線ごとの具体的な復旧費用についてはJR東日本から示されていないところでございます。
〇久保孝喜委員 これまで、関係自治体あるいはJRを含めて復興調整会議なるものが2回ほど開かれていると聞いておりますけれども、その復興調整会議の中で、こうした被害金額をもとにしてどういうふうに進めていくかみたいな話にならないということが私には全く不思議でしようがないんですが、その辺の事情というのをもう少し説明いただきたいと思います。
〇千葉副知事 復興調整会議につきましては国等で主宰しながら進めておりますけれども、御案内のとおり、まちづくりとの関係等を含めて、市町村あるいは関係団体等が協議する場ということで設定しているわけでございますけれども、いずれ現在、JRからは復旧関係の費用については示されていない状況でございます。
〇久保孝喜委員 示されていないから、それでそのまま引っ込んでいる話にはならないと私は思います。
 そこで、この鉄路がつながらなかった場合、現にある南北のリアス線にどういう影響を与えるのか。その影響額だとか、あるいは市町村のまちづくりにどれだけの影響が出るのかというような話がなぜ県の側から持ち出されていないんでしょうか。その辺の試算はあるんでしょうか、お示しください。
〇千葉副知事 三陸鉄道への影響等の話でございますけれども、三陸鉄道は、平成26年4月の全線運行再開に向けまして、現在、復旧工事が進められておりますが、これまでのように三陸鉄道とJR線とが連結し、沿岸を横断する鉄路が早期に復旧しなければ、三陸鉄道とJR線を乗り継いで通学する学生など沿岸の住民の利便性が損なわれ、また、県内外の観光客の誘客にも支障が生ずるということで、さまざまな影響があるものと考えております。
 例えばでございますけれども、三陸鉄道におきましては、被災以前、JR山田線を利用いたしまして久慈竏註キ間の直通列車も毎日運行していたところでございます。また、夏の目玉イベントといたしましては、八戸から仙台まで直通のリアスシーライナーを運行するなどさまざまな企画的な取り組みをしていたところでございまして、仮にJR山田線等が鉄路でなくなった場合、こういう列車の運行も当然困難となることが想定されます。
 その関連で申し上げますと、これまで毎年多くの方々がJR東日本の大人の休日倶楽部パスという、いわゆる企画切符を使用して三陸鉄道も利用しておられましたけれども、仮にJR線と接続されなかった場合、これらの切符も使用できなくなりますことから、三鉄の運営会社の収入にも大きな影響が出てくると考えております。
 また、地域住民の方々の経済的負担についても、現時点では数字的なものをお示しできませんが、さまざまな影響が出てくるものと考えているところでございます。
〇久保孝喜委員 最後に知事にお聞きしますが、こうした各般にわたる影響が鉄路がつながらないことによって生ずると。しかも、それは事実上、三鉄の負担ではあるけれども、翻って言えばそれは県民負担だという観点で、さまざまな影響数値を金額も含めて出した上で交渉していくことが必要なのではないかと思いますが、そういう観点でどのようにお考えかお聞きいたしたいと思います。
〇達増知事 今のやりとりを聞いていて思ったことでありますけれども、JRで直すのに幾らかかる、コストがこれだけかかる、直さなかった場合のマイナス、それを直したときの利益─ベネフィット、そういうBバイC計算だけで決めていい問題ではなく、むしろ地域のニーズ、そして地域のまちづくり計画の中で被災者本位に復旧を図っていく、そして復興の一翼を担うというような話の進め方がいいのかなと思うわけでありますけれども、被災者、被災地に寄り添った議論を進めていく中で、具体的な数字が必要になってくる場合にはきちんとそういう数字を踏まえた議論をしてまいりたいと思います。
〇喜多正敏委員長 次に、高田一郎委員。
   〔高田一郎委員質問者席に着く〕
〇高田一郎委員 日本共産党の高田一郎でございます。
 まず、被災自治体の国保、水道事業等の歳入不足への対応についてお伺いしたいと思います。
 被災市町村において、収入減などによって国保などの運営に大変な支障を来しております。陸前高田市からは、今年度は国保の歳入不足が補てんされたけれども、来年度の方向性が示されていないと。大槌町では、給水人口が減っても事業をやらなければならない、こういうような率直な訴えがされました。県としてどう実態を把握し、対策を講じているでしょうか。
〇達増知事 国保会計の歳入不足への対応についてでありますが、沿岸12市町村における平成23年度の国保税収入の調定額は約49億9、000万円となっており、平成22年度と比較して約17億4、000万円の減となっています。国においては、市町村が被災者に対する国保税の減免措置を行った場合に、国民健康保険災害臨時特例補助金、そして国民健康保険特別調整交付金によって財政支援を行い、沿岸12市町村に対して約18億3、000万円が補てんされる見込みであります。
 しかし、国の財政支援は平成24年9月までの措置でありまして、県としては、市町村の国保財政が安定的に運営できるよう国に対し財政支援の継続を要望してまいります。
〇高田一郎委員 今、知事からお話あったように、歳入不足に対する国の財政支援は18億円ということです。これは大変な金額だと思います。新年度の国保の運営というのは前年度の所得に対する賦課ですから、私は、9月までの財政支援だということになれば大変な問題が発生してくると思います。2月9日の通達では10月以降の財政支援は考えていないという大変な通達になっております。私は、被災自治体とも強力に連携しながら強く国に対して求めていってほしいと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
〇達増知事 県としても、市町村の国保財政が安定的に運営できるように、国に対して財政支援の継続を要望してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 強く要請していただきたいと思います。
 次に、みなし仮設住宅の課題について質問いたします。
 2年で終了するということに対して、被災自治体から、あるいは被災者から大変な不安の声が広がっています。現時点で、国の対応、考え方はどうなっているのか詳細に示していただきたいと思います。
〇達増知事 民間賃貸住宅の借り上げによる仮設住宅の供与期間については2年間とされておりますので、これまで県としては、国に対して延長を要望してきたところであります。国からは、必要があればその期間の延長をすることを考えるという回答をいただいているところでありますが、引き続き、厚生労働省に対して強く要望してまいります。
〇高田一郎委員 この間、知事も2度にわたって国に対して要望したということはお聞きしておりますが、この段階に来てまだ方向性が示されていないということは、私は大問題だと思うんです。
 そこで何点かお聞きしたいと思うんですけれども、来年の夏ごろには仮設住宅設置から2年になるわけでありますが、昨日も議論されましたけれども、災害復興住宅はこの時点でどの程度の建設を見込んでいるのでしょうか。
 もう一つですけれども、仮設住宅1戸当たりの建設費用、撤去費用を含めてどのぐらいの予算になっているのか、この点についてもお知らせください。
〇上野副知事 まず、災害公営住宅の建設見込みについてでございますが、本県では、今年度は750戸、来年度は1、000戸の建設に着手することといたしまして予算を計上しているところであります。既に釜石市の2団地160戸及び大槌町の1団地35戸で設計に着手いたしておりまして、これらの団地は来年度前半に建設工事に着工する計画といたしております。
 御指摘の、仮設住宅完成からおおむね2年後となります来年8月には、来年度着手分までの1、750戸と市町村の建設する住宅約750戸、合わせて2、500戸が着工する見込みとしているところであります。このうち800戸程度の住宅がその時点までに完成すると見込んでおります。
 2点目のお尋ねでありますが、仮設住宅1戸当たりの撤去費も含めた費用についてでございますけれども、その設置費用につきましては、外構の工事費や撤去料も含めまして、平均で見ますとおおむね600万円程度ということになっております。
〇高田一郎委員 今、副知事から災害復興住宅の建設状況が示されましたけれども、およそ800戸ということです。しかも、昨日は集団移転の問題が議論されましたけれども、高台移転に3年もかかるというような話もされました。こういう状況の中で、2年で期限が終わってしまうということは大変な問題が起きてくると思うんです。
 設置費用については600万円というお話をされました。この600万円と仮定した場合、みなし仮設住宅で見ますと8年から9年分程度の家賃に匹敵する金額になるわけです。これは期限を延長しても大幅な経費節減になると私は思うんですけれども、この点についてどのように考えているのでしょうか。
〇廣田理事 仮設住宅とみなし仮設住宅の経費の比較についてでございますけれども、先ほど御説明しましたとおり、応急仮設住宅の1戸当たりの金額は約600万円ということでございます。一方、民間賃貸住宅につきましては、毎年の家賃等が約73万円、それから入居時、退去時におけます一時的な経費は平均約23万円となってございまして、機械的に計算しますれば、応急仮設住宅の建設費用は民間賃貸住宅の借り上げ費用の約8年分になると考えられます。
〇高田一郎委員 家賃8年分ぐらいに匹敵する費用になっているわけですから、これをわずか2年で出ていきなさいというのはこの点からしても問題だと思いますし、それだけでも経費節減になっているわけですから、この問題を含めて、そして2年後にみなし仮設住宅から退去しなさいということになると大変大きな問題になるということを具体的に政府に迫っていく必要があると私は思うんです。
 さらに、県営住宅については県の判断で対応できると思うんです。国に対して要求していくときに、岩手県としては県営住宅は再延長したい、そういうことを考えているからぜひ国としても対応してほしいと、そういう具体的な要求を示していくことが私は大事ではないかと思うんですけれども、これについて知事はどのような考えを持っているのかお伺いしたいと思います。
〇上野副知事 私のほうからお答えいたします。
 県営住宅の入居期間の延長についてでありますが、現在は76世帯の被災者の方々が一時使用という形で県営住宅に入っておられます。県営住宅の一時使用の期間につきましては、先ほど来御指摘のございましたみなし仮設住宅の期間と合わせて2年間といたしているところであります。
 この一時使用の期間がもし終了するということになりますと、県営住宅の入居条件を満たす被災者の方々につきましては、被災者の方々の生活状況に合わせまして本来の入居者に切りかえるなどの対応を行っていくことになろうかと思います。
〇高田一郎委員 いずれこの問題というのは岩手県だけの問題ではなくて、福島県や宮城県にもかかわる、被災県の大きな課題になっていると思います。宮城県では仮設住宅以上にみなし仮設住宅が多いという状況もあります。被災県と強力に協力をして、知事を先頭に、2年間で退去するということにならないように強く働きかけてほしいということを強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次は、介護保険制度についてお伺いしたいと思います。
 新年度からは第5期の介護保険制度が始まるわけですけれども、第5期の最大の問題は、やはり保険料の大幅引き上げだと思います。介護保険料は月額5、000円が限界だとも言われていますけれども、新年度から始まる第5期の介護保険料について、これを超える自治体はどのぐらいを見ているのでしょうか。そして、現在の滞納状況も具体的に示していただきたいと思います。
〇千葉副知事 第5期の介護保険料のまず現況でございます。現在、各保険者において最終的な保険料設定を行っているところでございますけれども、現段階におきまして各保険者から報告されています金額は県平均月額で4、851円となっておりまして、お尋ねの5、000円を超える見込みの自治体は7自治体となっております。
 なお、第5期の介護保険料につきましては、御案内のとおり第4期と比較しまして大幅な上昇が見込まれましたことから、昨年6月の法改正で、平成24年度に限り介護保険財政安定化基金の一部を取り崩すことが可能とされたところでございまして、取り崩し額につきましては、基金の拠出者でございます市町村、県、国に返還し、市町村分については第5期の保険料の上昇緩和に充てることとされているところでございます。
 本県におきましては、県分9億5、500万円余につきましても保険料の上昇緩和のため市町村に上乗せ交付することとしておりまして、平成24年度当初予算案に計上しているところでございます。
 次に、介護保険料の滞納状況についてでございますが、平成22年度は東日本大震災の影響によりまして2保険者のデータがまだ確認できない状況でございますが、第1号被保険者数34万567人に対し滞納者数は3、091人で、滞納率は0.9%となっているところでございます。
〇高田一郎委員 5、000円を超える自治体は7自治体というお話でありましたが、それ以外を見てもほぼ5、000円に近い自治体が多数になっているんですよね。私は知事に質問したいと思うんですけれども、これは負担の限界を超えるような保険料だと私は思うんですけれども、知事はどのような認識でしょうか。
〇千葉副知事 委員からお話ございましたように、いわゆる5、000円の壁というようなお話も関係方面でなされているところでございます。今、私の手元にあります資料によりますとやはり4、000円台の後半になっておりまして、非常に金額的には高くなっている状況にあると認識しております。
〇高田一郎委員 1年間に限って安定化基金を取り崩して上昇抑制できるということになっていますけれども、県は40億円の基金がありますけれども、28億円の基金しか取り崩していません。これが妥当な対応だったのかということについてもお聞きしたいと思います。
〇千葉副知事 今回の取り崩し額についてでありますけれども、この後、第5期以降の基金の使途等も踏まえまして今回の取り崩し額を決定したものと考えております。
〇高田一郎委員 例えば盛岡市の場合を見てみますと、第1期のときの保険料3、031円に対して今回は5、245円、1.7倍にもなっているわけです。ところが、第1号被保険者の所得というのは、当時128万4、000円だったものが今回100万円を切っている、こういう状況であります。高過ぎて限界を超えるような負担になっていると私は思うんです。
 保険料の問題だけではなく、高齢者に高い保険料の負担を求めてきちっとサービスが受けられるのかということが大事だと思います。そこで、要介護者の利用状況、利用限度額に対する利用額はどうなっているのか。
 そして私が心配するのは、今回の東日本大震災によって、要介護者が沿岸地域を中心にふえているのではないかと思います。高齢者の状態が悪化しているのではないかということも心配されています。これをどう県として実態を把握されているのか、詳細に示していただきたいと思います。
〇千葉副知事 前の答弁に若干補足いたしますと、この負担の問題、非常に大きくなっているのは当然県も認識しておりまして、国に対しましては、この制度全体での応益負担割合の拡大とか、さまざまな要望も行っているところでございます。補足させていただきます。
 次に、要介護高齢者の実態についてでございますけれども、平成23年4月から12月までの間に新規に要介護認定を受けました65歳以上の高齢者の方は県全体で1万6、462人でございまして、前年同期間と比較いたしまして1、558人、10.5%の増となっております。そのうち、沿岸市町村の同期間の新規認定者数は4、286人で、前年同期比で1、107人、34.8%増となっておりまして、先ほど申し上げました県全体の10.5%を大幅に上回る増加率となっているところでございます。
 この沿岸市町村で新規認定者数が増加している要因でございますが、地域包括支援センターなど被災地の市町村から伺っているところによりますと、仮設住宅に居住している高齢者の方はもとより、自宅で生活している高齢者につきましても、被災後の環境の変化に伴います外出機会の減少などによりまして、例えば歩行が困難になるなどのいわゆる生活不活発病の高齢者が増加する傾向にあるとお伺いしているところでございまして、こういう状況が新たな要介護者の増加につながっているものと推測しているところでございます。
〇高田一郎委員 今、副知事からお話があったように、被災自治体では要介護者がふえているという話です。認定者数もふえているという話ですが、人口が全体として減っている中でふえているということは、私は大変な事態だと思うんです。しかも高い保険料ですよね。高い保険料を負担させておいて、今の状態の中でサービスが後退してはならないと思います。そういう視点で介護保険制度を進めていくべきだと思うんですが、この点についてはどのように考えているでしょうか。
〇千葉副知事 県といたしましては、今後も被災地域市町村とも連携を図りながら、例えば市町村が実施いたします介護予防事業に加えまして、介護予防教室の開催、あるいは高齢者健康生活便利手帳の配布など、いわゆる介護予防関連事業を重点的に実施いたしますとともに、被災地の実情に応じながら、高齢者の生活機能低下、生活不活発病の防止に対する取り組みを支援していく必要があるものと考えております。
〇高田一郎委員 時間がないので在宅の問題は触れませんけれども、今回の介護保険制度の報酬見直し、施設から在宅へと言いながら、在宅サービスの中身も大幅に見直しをされるんですね。ちょっとこれは時間がないので、施設サービスのことについてきょうは伺いたいと思います。
 高い保険料を払って施設に入所できないということがあってはならないと私は思います。被災された地域では特養の施設が全壊するなど大きな被害も受けていますけれども、現時点での特養の待機者の実態はどうなっているのでしょうか。第5期でどのぐらいの基盤整備が進むのかということについてもお伺いしたいと思います。
〇千葉副知事 まず、県で把握しております特別養護老人ホームの直近の入所待機者でございますけれども、平成23年7月末時点となりますが6、183人、このうち在宅の方は2、203人、その中でも特に市町村が早期に入所が必要と判断した方が1、253人となっているところでございます。
 当該待機者の方々につきましては、今年度整備されております特別養護老人ホームのうち941床がこの調査以降の8月以降順次開設されておりますので、相当程度対応が可能になるのではないかと考えているところでございます。
 続きまして、第5期の特養等の整備計画数でございますが、現段階におきまして、平成24年度から平成26年度までの間に各保険者が見込んでおります特別養護老人ホームの整備計画数は、広域型が約400床、地域密着型が約400床の合計800床程度となっているところでございます。
〇高田一郎委員 第5期については、早期入所が必要な方々はすべて入所できる、そういう計画なんでしょぅか。
〇千葉副知事 これまで県といたしましては、早期入所が必要と判断された在宅の待機者を対象に施設整備を図ってきたところでございまして、第4期中は、御案内のとおりでございますけれども、計画で定めておりました611床に加えまして、上乗せ、前倒し整備で528床ということで計1、139床の整備が図られたところでございます。したがいまして、当該待機者が一定程度減少することを期待しているところでございますけれども、ただ今回、震災の影響によりまして、先ほどお尋ねもございましたが、やはり要介護高齢者の増加等も懸念されるところでございまして、いずれ今後、この待機者については十分注意を払いながら、計画に盛り込むようにしていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 在宅待機者の現在の数字2、203人に対して早期入所が必要な方々が1、253人。しかし、今、副知事の説明では、必ずしもこの5期で早期入所が必要な方々がすべて入所できないという数字になっています。
 知事、医療保険ではさまざまな課題がありますよ。でも、国保税を払えば、病院に行って断られることは基本的にないわけですよね。ところが、介護保険の場合はまじめに保険料を払っても必要なサービスが受けられない、入所できない、こういう制度的欠陥があると思うんです。これに対して知事はどういうふうに考えますか。
〇達増知事 地域の中でのお互いの助け合いということと、あとは国全体の中で介護サービスを国民だれでも受けられるようにという、それが組み合わされて今の制度になっているのだと思いますけれども、特に財政力、また、経済、産業の状況等厳しい地域にとってはつらい内容の制度だと思っておりまして、そういったところを今までも国に対して制度の見直しを求めてきているところですけれども、さらにそこは力を入れて制度の見直しを求めていきたいと思います。
〇高田一郎委員 もともと制度的欠陥があった上に東日本大震災というものが加わって、さらに問題が大きくなってきたと思うんです。私は、この介護保険制度が本当に安心して利用できるような制度になるように、引き続き県としての最大限の取り組みを求めて次の質問に移りたいと思います。
 最後は、放射能から農業を守る課題についてであります。
 シイタケ汚染問題、この間の本会議でも議論になりました。産地の自治体や、あるいは生産者から県の対応に対して厳しい批判の声が出ております。県の対応に問題はなかったのか、あるいは農家や自治体から放射線の調査要望があったにもかかわらず遅くなってしまったと思いますけれども、なぜこういうふうになったのか、具体的に理由を示してください。
〇達増知事 県では生シイタケについて検査を行って、結果はすべて暫定規制値以下であったわけでありますけれども、干しシイタケの検査について、国に対して、摂食する状態の水戻しが妥当という意見を伝えていたのでありますけれども、国からは11月に、当面の間、乾燥状態でという取り扱いの提示があったわけであります。一方で、昨年末、国の審議会で4月以降の検査方法は生または水戻しという案が取りまとめられたところでありまして、県としても、国及び関係団体との調整に時間を要したものであります。
 一方、その間、2月初旬に他県において本県産の干しシイタケを乾燥状態で検査するという事例がありましたので、産地としての信用保持等の観点から、当面の間の検査方法と国から提示があった乾燥状態での検査を実施したという経緯でございます。
 県としては、国から本県が農林水産物の検査計画の策定を求められた昨年8月以来、市町村、関係団体等との打ち合わせや生産者懇談会等の場を通じて、情報提供や情報共有に努めてまいりましたが、引き続き、関係市町村や団体との連携を図りながら、放射性物質対策に当たってまいります。
〇高田一郎委員 それでは、この間のシイタケ問題に対しては、県の対応には問題がなかったということですか。
〇達増知事 干しシイタケを乾燥状態で検査した結果、1キログラム当たり500ベクレルという数値を上回ったわけでありますけれども、それを、本来、国が正式に定めた4月以降の検査方法で水戻ししてやっていれば、それは暫定基準は超えないような数字だったわけであります。したがって、岩手の干しシイタケが本来のあるべき検査のやり方をしていれば、暫定基準を超えていなかったものに対して、乾燥状態で検査すれば暫定基準を超えているということを県がいち早く周知すべきだったかと言えば、そこはやはり、産地としての適切な評価としては、国が4月から正規なやり方としているこの水戻しということを県がずっと主張していたことについては、それは産地県としては必要な措置だったと考えております。
〇高田一郎委員 産地の自治体や生産者からは、昨年の5月から、もう検査すべきだということをずっと主張してきたと聞いています。しかし、県は、国の対応が示されていないということで、ずっとこの検査を渋ってきたと。今回のほだ木の検査についても、国の基準が示されていないから県はやらないと、こういうのがずっと続いているんですよ。やっぱり国の対応待ち、ここに問題があると私は思うんですよ。やっぱり産地を守るという立場に立って対応していくと、専門家の皆さんの協力もいただいて調査をし、国に先駆けて対応するということをしないと、どんどん遅くなってしまうと私は思うんですね。賠償もおくれてしまう、農家の皆さんも意欲をなくしてしまう、こういう結果につながっていくと思うんです。
 知事はいつも、現場に答えがあるということを言っていますけれども、国の基準待ち対応にならずに、産地を守るという立場に立って、震災対応もそうですけれども、原発被害から農業を守るという問題についても、そういう姿勢で対応すべきだったのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇上野副知事 産地を守るという立場での対応についてでございますけれども、これまで東京電力への損害賠償請求に向けた取り組みを私ども支援してまいりましたし、国に対しまして、原木の新たな指標値の早期提示や、新規ほだ木造成への支援などの対策を講じるよう要請をしてまいりました。
 対策の具体化には、国の具体的な対応を踏まえる必要があるものも含まれておりますが、県としては、できる限りの対応をしながら、再生産が可能となり、産地が守られるような考え方で取り組んでまいりたいと思っています。
〇高田一郎委員 産地を守るという話をされましたけれども、農家は今、ほだ木の更新は自己負担をしてまでやれないと。あるいは、売れないのがわかっているのにつくれないということで、農家がどんどん撤退していくという状況が私の地域でも生まれています。生産から収穫までの間で、収入を補償するという支援策が本当に必要だと思うんですけれども、その辺について、知事、いかがでしょうか。
〇上野副知事 収入が補償されるような対策をとるべきだという御指摘でございますが、原発事故に起因し失われた収入の補償につきましては、原因者でございます東京電力が賠償すべきものと考えておりまして、損害は早期かつ確実に賠償されるよう、JA、県森連両損害賠償対策協議会と連携しながら取り組んでおります。
 また、県では、関係団体と損害賠償に対する考え方などの検討を進めておりますが、引き続き、国や東京電力に要請しながら、状況に応じて速やかに対応できるよう準備を進め、失われた収入が早期に賠償されるよう取り組んでいく考えでございます。
〇高田一郎委員 東京電力に対する賠償の考え方ですけれども、やっぱり3カ月に1回補償すると。あるいは、賠償金については収入扱いされるという、さまざまな課題があるんですよね。
 知事は、東京電力に対して、どういう視点に立って賠償請求をしていくのかということについてもお伺いしたいと思います。
〇達増知事 東京電力への損害賠償請求に関する考え方についてでありますが、まず、東京電力の損害賠償請求に対する支払い時期についてはルール化されておらず、また、損害に見合う支払いになっていません。東京電力には、賠償請求に対して早期かつ確実に支払うよう、これまでも強く要請してきているところでありますが、今後も同様の姿勢で臨んでまいります。
〇高田一郎委員 東京電力は加害者意識がないんですよね。やっぱり、東京電力に対して強く求めることが大事だと思います。
 知事は、この間、東京電力に行きましたか。行っていないんだったら、知事が先頭に立って、全面賠償を求める行動をすべきだと思いますけれども、最後に知事からお伺いしたいと思います。
〇達増知事 県として適切に対応してまいります。
〇喜多正敏委員長 次に、小野寺好委員。
   〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党小野寺好であります。
 先日の一般質問で、応急仮設住宅のおふろに、なぜ追いだき機能をつけなかったのかと。この問いに対し、国の災害救助費では給湯のみに限られているからであるとの答弁でありました。1、000億円余り交付されているのに、14億円節約して住民に不便を強いるようでは、ありがたさが消え、不満だけが残ります。
 国から財源を措置されていても、使途基準については権限を移譲されておらず、南国九州も積雪寒冷地東北も同じ構造のおふろということでは、実効性を欠くことは明らかであります。
 平成12年に、いわゆる地方分権一括法が施行になり、国と地方は上下関係から水平関係、協力補完し合う関係になったはずでありますが、災害救助法に限らず、まだまだ上下関係は解消されていないことを実感いたします。
 昨年4月と8月に、地域主権一括法が第1次、第2次と相次いで成立し、平成24年4月、つまり、来月から施行されることになっています。公営住宅の整備基準や市町村立幼稚園の設置届け出、地方債発行についての協議や公立学校の定数基準など、義務づけ、枠づけの見直しと条例制定権の拡大が図られることになっていますが、本県においては、地域主権がどの程度確立するものか、平成24年度以降の展望を伺います。
〇達増知事 地域主権についてでありますが、第1次及び第2次地域主権一括法の成立によって、211の法律において地方自治体の自主性の強化と自由度の拡大を図るため、義務づけ、枠づけの見直しと条例制定権の拡大、基礎自治体への権限移譲が行われるなど、地域主権改革が1歩ずつ前進しているものと評価しております。
 また、義務づけ、枠づけの見直しに係る第3次一括法が昨年11月に閣議決定され、今通常国会に提出される予定となっており、その早期成立にも期待をしております。
 一方で、義務づけ、枠づけの見直しに際して、例えば福祉施設の基準に関して定めることとされた条例に対し、法令で従うべき基準を規定するなど、条例制定における制約も散見され、地域主権改革の目的である地方の自由度の拡大という点から見ると、課題も残されております。
 国においては、第3次の見直し後においても、地方からの地域の実情に即した具体的な提案を受けて、個別の義務づけ、枠づけの見直しを検討するとしていることから、地域のことは地域に住む住民が決めるという地域主権改革の理念に沿って、真に地方の自由度が拡大されるよう、引き続き、全国知事会と連携し、一層の見直しを求めてまいります。
〇小野寺好委員 ことしはいよいよドクターヘリ導入の年を迎えることになり、達増知事の英断を高く評価したいと思います。
 昨年10月18日の県議会で、平成23年度一般会計補正予算(第7号)に関する質疑に対し、ドクターヘリの運航経費についての答弁がありました。年間総事業費は約2億1、000万円であるが、実質的な県負担は年間2、100万円となる見込みであるとのことでありました。
 昨年の東日本大震災では、他県のドクターヘリに大変お世話になりましたが、大震災以外の平常時でも、事故や救急患者の対応に期待できると思います。ただ、一部には、騒音だとか、年間2億円以上ではお金のかけ過ぎだとかの批判が想定され、尽力している関係者を落胆させるのではないかと懸念いたしますので、今から、より多くの県民の御理解と協力をいただけるような広報活動が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 前述の経費のほかに、ドクターヘリの運航システム、県内各地のランデブーポイントとその周辺住民の留意点、その他についてぜひ対応をお願いしたいと思います。
 なお、盛岡市内においては、高度救命救急センターの運営をお願いしている岩手医大附属病院のほかに、県立中央病院、その他救急病院が幾つかありますが、ドクターヘリに関してはどのような対応になる予定か、あわせて伺います。
〇千葉副知事 まず、ドクターヘリに関する広報活動についてでありますが、ドクターヘリは、救急患者の救命率の向上や後遺症の軽減に大きな効果が期待される一方、学校の校庭など、県民生活に身近な場所での離着陸も想定されますことから、騒音の発生や安全確保対策の面で、県民の皆様の十分な理解と協力が不可欠であると考えております。このため、県におきましては、これまで、県民向けの説明会あるいは講演会の開催を初め、さまざまな情報提供に努めてきたところでございます。4月から県内各地での試験訓練運航が始まります。ドクターヘリが県民の目に触れる機会が多くなりますことから、ヘリへの関心が一層高まるものと考えておりますので、1人でも多くの県民の方々に、ドクターヘリ導入の効果はもとより、騒音の問題や夜間、悪天候時には飛行できないなどの課題、さらには、運航に要する費用の実負担などについて事業の内容を十分理解していただけるよう、さまざまな機会を通じて広報活動を行っていきたいと考えております。
 次に、盛岡圏域におきますドクターヘリの運航体制についてでございますが、本県のドクターヘリは、岩手医大の矢巾キャンパスを基地へリポートとします発進基地方式で運航することとしておりまして、基地ヘリポートから救急現場に向けて出動し、患者に必要な医療行為を行ってヘリに搬入後、受け入れ医療機関まで搬送することとしております。
 この受け入れ医療機関につきましては、基地病院でございます岩手医大附属病院の高度救命救急センターが中心となるものと考えられますが、患者の症状に応じまして、それ以外の病院へも搬送することとしておりまして、盛岡圏域の場合、圏域内の中核病院でございます県立中央病院や盛岡赤十字病院へも搬送することを想定しているところでございます。
 今後は、4月の試験訓練運航等を通じて、これらの受け入れ医療機関や消防機関との密接な連携体制を構築し、安全かつ円滑な運航の実現に努めていきたいと考えております。
〇小野寺好委員 次に、被災者の生活支援について伺います。
 公明党県本部では、党本部派遣の弁護士の協力を得て、被災地において無料法律相談会を何回か持ちましたが、法律問題だけではなく、行政や税務、経営、身の上相談等々、だれにどう相談していいかという被災者の方々が多く見えました。この相談会には、経費だけではなく、よく聞いてあげるという根気が要りました。
 一方、県のホームページには、弁護士のほか司法書士、土地家屋調査士、建築士、ファイナンシャルプランナー等による毎月の専門家派遣のスケジュールが昨年から掲載されています。大変ありがたい取り組みだと思っております。ただ、土日、祭日除きの平日午前10時から午後3時までで、いかにもお役所的という印象はぬぐえません。この中に入っていない専門家の士業もありますが、これは需要がないということなのでしょうか。これまでの相談分野をお伺いいたします。
 これら専門家による相談対応は無償ボランティアなのでしょうか、あるいは費用弁償等はあるのかどうか。お願いすれば、休日も相談に乗っていただけるものでしょうか、お伺いいたします。
 被災地の特に高齢者等ネット社会に縁のない方や、休日にお目にかかって相談したい方、夜間に相談したい方等々、いつでも、どの地域からでも対応できるようにするために、また、各専門家集団との連絡調整をできるよう、県として、被災者支援相談受付センターとでもいうべきものを組織化することを望みますが、新年度の方針を伺います。
〇廣田理事 被災者等の支援センターについてでありますけれども、開設当初は士業の需要につきましては、主として被災者の生活相談に対応するため、弁護士、司法書士、税理士、建築士、土地家屋調査士を日がわりで窓口に派遣してきましたが、1月から住宅の再建や生活資金に関する相談対応を強化するため、税理士にかわってファイナンシャルプランナーを配置したところであり、相談ニーズを勘案しながら派遣する士業の決定を行っているところであります。
 相談の受け付け状況は、7月28日の開設以来2月までの実績で、相談件数全体で6、401件、そのうち専門家相談は788件となっており、その内訳は、まず第1に、相続、離婚など、家族や生活全般に係る相談が最も多く、第2に、次いで賃貸借契約、建物売却などの不動産に係る相談、第3に、債務、ローン問題等の金融、保険に係る相談の順となっておりまして、この三つで全体の94%を占めております。
 専門家の費用弁償につきましては、消費者庁の専門家派遣事業を活用しており、謝金と交通費が支給されております。
 土日等休日の相談対応につきましては、市町村と相談しながら、複数の専門家が一堂に会する合同相談会などを逐次開催してきたところでありますけれども、これまで、沿岸地域では久慈市など4市町村、内陸では北上市など3市で相談会を開催して、9月から2月まで計10回、125件実施したところであります。
 センターの組織化につきましては、新年度におきまして、沿岸、県北の広域振興局に復興推進課を設置するとともに、被災者相談支援センターを岩手県知事部局行政組織規則で明確化する予定にしており、名実ともに被災者相談支援センターの機能の充実、強化を図ってまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 次に、被災者の住宅再建について伺います。
 応急仮設住宅や公営住宅、民間借り上げ住宅、あるいは親戚等に身を寄せて生活している皆さんにとって、早く永住できる住まいに移りたいというのが共通した願いであります。
 まず、いわゆる持ち家による住宅再建についてでありますが、阪神・淡路大震災後に制定された被災者生活再建支援法でありますが、内容は、生活再建というより、むしろ住宅再建の支援で大変ありがたいのですが、住宅再建のための金額については倍増を望む声が多く寄せられています。また、加算金の申請期間、37カ月という期限に対してはだれもが不満に思っておりましたが、これを48カ月延長するとの県復興局の文書が去る2月24日に出され、一応安心したところであります。できれば、期限などつけなければと思いますが、これは可能かどうか伺います。
 将来の生活については、皆さんの心は揺れ動いているのが当たり前で、被災者アンケートの数値は同様に動いているかと思いますが、現時点で、持ち家による住宅再建を希望している皆さんの概数、国の支援金以外に県や市町の支援で支給予定となっている金額、県産材活用やエコ対応等、最大どれだけの支援を受けることができるか伺います。また、県産材活用による波及効果はいかほどでしょうか。
 公営住宅でありますが、県及び市町は4、000ないし5、000世帯分の災害公営住宅を建設すると発表しておりますが、設計等具体的に予算化したのは750戸だけであります。どの地域に、いつごろ、何戸の災害公営住宅が完成するのか、公営住宅228億円の内容について、多少の変更はあるにしても早く公表すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、昨日の答弁では、県と市町合わせて、平成25年度末までに2、500戸の完成を予定しているとありましたが、仮設あるいは借り上げのみなし仮設2カ年との間に空白期間が生じますが、仮設に住み続けることになるのでしょうか。その場合、みなし仮設の家賃はどうなるのでしょうか。今の仮設住まいが、あと何十カ月、何百日続くのか、全く見通しがないのでは希望が持てませんので、前向きの対応をお願いいたします。
 民間の貸し家、アパート等について伺います。
 優良賃貸住宅供給促進10億円とありますが、具体的に、どの地域に、幾つ予定しているのか。このほかの民間賃貸住宅供給に関する対応を伺います。
〇上野副知事 4点ほど大きくお尋ねがあったと思います。お答え申し上げます。
 まず、1点目の被災者生活再建支援金─加算支援金の申請期間につきましては、県から国に対しまして申請期間の延長を要望してきておりまして、これを受けまして、国から4年を超えない範囲で延長できる旨の通知がございました。支援金の支給事務の委託をされております財団法人都道府県会館にその延長を請求しておりましたが、2月23日付でこの法人から4年間延長し、平成30年4月10日までとするという旨の通知がございました。ですから、2月24日付で、県から市町村にその旨通知をしたところであります。
 国からの通知では、被災者の生活再建の状況によりまして、さらなる延長、再延長については、1年を超えない期間を繰り返してできるということにされていることから、今後、適時に再延長について判断をしていきたいと考えております。
 2点目の持ち家の住宅再建についてでありますが、被災者のアンケートにつきましては、昨年7月それから昨年の12月に実施をいたしております。持ち家による住宅再建の希望は、7月の調査では約57%でありましたが、12月の調査では5割を切っております。ただし、今後、居住形態を決めかねるとされている世帯が多ございますので、その点は流動的かと思っております。
 県といたしましては、引き続き、持ち家についての住宅の再建は9、000戸から9、500戸程度を見込んでいるところでございます。
 住宅再建に対する支援でございますが、国の支援金以外に、県と市町村がこのたび御提案をいたしております被災者住宅再建支援事業ということを実施いたしますと、最大100万円の補助ができるということになっております。また、県産材を活用した住宅の場合、最大40万円、バリアフリー対応の住宅の場合には、最大90万円、さらに資金の借り入れをした場合には既に措置をいただいておりますが、利子補給で最大約135万円の補助が得られるということになります。これに国の被災者生活再建支援制度による支援金、これは最大300万円でございますが、これを加えますと、公的支援金といたしましては、最大665万円の補助を受けることができるということになります。
 次に、県産材の活用についてでありますが、今後5年間程度で約9、000戸の住宅供給が行われ、試算をいたしまして年間約1、500戸の木造住宅が県産材を活用して建設されたといたしますと、約3万立方メートル程度の県産材が消費されることになります。これは、県内製材品生産量の約1割に当たりまして、川下の製材加工業のみならず、川上の素材生産者など、林業の振興に大きな波及効果があると考えております。
 3点目に、公営住宅、有料賃貸住宅についてでありますが、災害公営住宅につきましては、今年度は750戸、来年度は1、000戸に着手することとして予算を計上いたしております。これらのほとんどは、沿岸の宮古市以南の、被害の総体的に大きい市と町において建設する計画といたしております。平成25年度末までに、4、000戸から5、000戸としている供給計画の大半の住宅を、平成25年度までに完成させることを目標といたしております。
 来年度予算228億円の内容は、今年度着手分750戸の工事費と来年度着手分1、000戸の設計費、用地取得費、工事費などとなっております。
 復興交付金事業として認められたものについては、地区名及び年度ごとの事業費を、この3月中にも公表する予定といたしているところであります。
 次に、先にお答え申し上げますが、民間賃貸住宅供給につきましては、来年度予算案におきまして、被災者向けの賃貸住宅を建設する場合に、建設費の一部を補助する新たな制度の創設が行われておるところであります。また、サービスつきの高齢者向け住宅を建設する場合には、国から直接補助が行われます。
 県といたしましては、これらの補助制度が有効に活用されるよう、建設事業者等に周知を図りまして、民間賃貸住宅の供給を促進してまいります。
 また、不動産団体やNPO法人等と連携をいたしまして、高齢者、障がい者等の方々が円滑に入居できるように対応いたしてまいります。
 4点目でありますが、応急仮設住宅の入居期間等についてであります。
 建設いたしました応急仮設住宅につきましては、建築基準法による応急仮設住宅の存続期間がさらに1年ごとの延長が可能となったことから、国と協議をし、延長するよう求めていくことといたしております。
 一方、民間賃貸住宅の借り上げによる仮設住宅の供与期間につきましては、現在2年間とされておりますことから、これまで国に対しまして、その延長を要望してきたところでございますが、国からは、応急仮設住宅の提供期間は原則として2年間であるが、必要があればその期間の延長をすることを考えているとの回答しかいただいていないところであります。このため、もしそういうことになりますと、現状では、民間賃貸住宅につきましては、入居して2年を超えると被災者の方々が家賃を負担するということになってしまいます。こうしたことにならないように、県といたしましては、引き続き、国に対しまして、応急仮設住宅の供与期間の延長を強く要望してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 知事にちょっとお伺いしたいんですが、応急仮設に1万3、000世帯以上の方が住んでいて、仮に今お話しの9、000世帯が自分の家をこの1年以内につくるとしても、4、000世帯が公営住宅を希望すると。その4、000世帯のうち、平成25年度末までに2、500戸しか供与できない。引き算すると1、500世帯がどこに行けばいいのか。さっきに言った、9、000世帯の持ち家にしても、この1年、2年で完成するとは思えないので、数字上はよさそうな気もするんですが、あふれる人が、世帯が随分出るのかなという気がしますが、いかがでしょうか。
〇達増知事 この大震災津波によって家を失った方々の暮らしの再建をしっかり実現するというのは、これはもう県の責任でありますから、これは市町村や国と連携をしながら、それぞれの世帯について悪いようにはしないという方針でまいりたいと思います。
〇喜多正敏委員長 次に、清水恭一委員。
   〔清水恭一委員質問者席に着く〕
〇清水恭一委員 無所属の清水恭一でございます。
 質問をさせていただきます。
 まず最初に、エコツーリズム、ジオツーリズム等の促進についてお伺いをいたします。
 新年度、この4月からはいわてデスティネーションキャンペーンが展開されるなど、本県の観光産業の復興機運が高まりつつありますが、東日本大震災により、沿岸地域においては多くの観光資源を失うとともに、自粛モードの広がりや放射性物質汚染への懸念によって本県の観光客は大幅に減少し、観光関連産業は過去にない危機に直面をしております。
 先日の知事の所信表明におきまして、県北・沿岸地域におけるエコツーリズムやジオツーリズムなど、地域資源を生かした着地型旅行商品の企画、造成を促進しますと述べられたところでありますが、具体的にどのような企画を検討されているのか、お伺いをいたします。
 また、商品の企画、造成について、それぞれの地域とどのように連携をされているのか、あわせてお伺いいたします。
 また、沿岸地域の観光資源の早期復旧、復興を実現し、津波、防災等の研究拠点やジオパークなど、新たな魅力を付加した三陸沿岸観光の振興を推進されるよう期待するものでありますが、ジオツーリズムについて今後展開していくためには、いわて三陸ジオパーク等について、県民にもっと関心を持ってもらう必要があると思います。将来、被災地の支援策としても大いに期待されるところでありますが、先進地などを参考にして経済効果等についてはどのようにとらえているのか、お伺いをいたします。
〇上野副知事 着地型旅行商品の企画、造成についてでございますが、地域固有の自然環境や地質資源を活用いたしました着地型旅行商品といたしましては、例えば、第1に、安比高原では、ブナ林でのトレッキングや自然観察ツアー、第2に、久慈市では、渓流の沢登り体験や洞窟探検など、地域が主体となった先駆的な取り組みにより、教育旅行において、本県を代表する着地型旅行商品として定着しているほか、三つ目に、田野畑村では、地域住民を対象といたしまして、地層のでき方や津波の発生する仕組みの学習と、震災による遺構を見学する体験ツアーが試行されておりまして、震災経験を生かした新たな取り組みとして注目を集めているところでございます。
 県といたしましては、各地域と連携をいたしまして、旅行会社等に対して、こうした魅力的な体験メニューを紹介するとともに、事業にかかわるスタッフ、住民との交流などをPRし、回遊性が高く、滞在型の旅行商品が数多く造成されるよう、今後においても働きかけてまいります。
〇千葉副知事 ジオツーリズムの促進についてでありますが、ジオツーリズムにつきましては、県の復興計画の中で、新しい魅力を付加した観光振興として位置づけておりまして、昨年2月に、沿岸市町村等と設立いたしましたいわて三陸ジオパーク推進協議会におきまして、平成25年度の日本ジオパーク認定を目指すこととしております。このためには、さまざまな取り組みが必要でございますが、特にも、県民の関心を高め、被災地の復興につなげていく観点から、地震、津波からの防災学習も要素として取り入れ、地元学習会の開催やガイド養成などにより、地域住民の参加と理解を促進しながら、地球科学の視点であります地域資源を学ぶフィールドづくりを進めることが重要であると考えております。
 ジオツーリズムの経済効果につきまして明確に試算することはできないところでございますが、例えば世界ジオパークに認定されました糸魚川市の博物館来館者数が2年間で46%ふえるなど、教育旅行などを中心に、相当程度の効果が期待できるものと認識しているところでございます。
〇清水恭一委員 次に、6次産業化の推進と新規就農支援策について伺います。
 このほど県内の農山漁村の活性化を図ろうと、6次産業化推進県連携会議が設置されました。農林漁業生産と加工、販売の一体化や地域資源を活用した新産業の創出を促進するために、関係機関が連携を強化していくことは大変に心強いことであります。
 農林水産省でも、この取り組みを通じ、東日本大震災の被災地復興支援などが挙げられております。また、県においても、農山漁村において生産者の所得の向上を図り、地域の活性化につなげていくためには、加工販売や経営のノウハウを有する人材及び指導者の育成に取り組んできたところでありますが、今年度を振り返り、その成果をお示しいただき、また、来年度への課題など、さらに6次産業化を推進するために、起業や新ビジネスを展開しようとする際に、どのような支援を行っていくのかお示しを願います。
 また、農林水産省が新たな就農支援策を平成24年度から導入するということです。農業を志す人に研修期間も含めて最長7年間、毎年150万円ずつ支給されるということです。若い世代が農業を敬遠する中で、直接支給に踏み込んで若者たちを呼び込み、農業を活性化させるというありがたい政策であります。県でも、若い人が1人でも多く就農できるように、大いに支援策について情報をPR、知らせるべきだと考えますが、御所見を伺います。
〇上野副知事 6次産業化の推進と新規就農支援についてでございますが、まず、6次産業化の推進につきましては、県では、生産者が新たな雇用により、新商品の開発や販路の開拓などの取り組みをモデル事業として選定、委託する、いわて農林水産業6次産業化チャレンジ支援事業などを実施してきたところであります。
 この取り組みの成果といたしまして、これまで県内にはなかった自家生産の牛肉を活用した加工品の開発や直営レストランの経営など、6次産業化のビジネスモデルが展開されているところであり、あわせて、6次産業化を実践できる人材や指導的な役割を担う人材の育成が図られているところであります。
 課題といたしましては、6次産業化に対する意欲や潜在的なニーズを持ちながらも、事業を行うための資金や事業運営に必要なノウハウがないために、実施に踏み切れないなどの事例が多く見られたところであります。
 6次産業化をさらに推進するため、県では、今年度、岩手県中小企業団体中央会と共同で設置をいたしましたいわて6次産業支援センターを核といたしまして、6次産業化の構想立案から具体的な事業計画の策定、さらには商品開発や販路開拓に至るまで、生産者ごとの強みや発展段階のニーズに即して、支援センターが持つノウハウやマンパワーを最大限活用して支援しているところでございます。
 今後とも、これらの取り組みを引き続き実施するとともに、6次産業化に取り組もうとする意欲や潜在的ニーズを持つ生産者とモデル事業実践者などの交流、連携の機会を設け、生産者が抱える課題の共有と解決を図り、本県6次産業化のすそ野の拡大に取り組んでいく考えであります。
 次に、新規就農支援策についてでありますが、国の平成24年度当初予算に盛り込まれました青年就農給付金は、就農後の定着に大きな効果が期待されていることから、県といたしましても積極的に活用することとし、県の24年度予算案に、いわてニューファーマー支援事業として盛り込んでおります。
 現在、県では、市町村等関係者への情報提供と実施に向けた態勢づくりを行うとともに、県内外での就農相談や農業大学校及び農業高校への説明会などにより、広く周知に努めております。
 今後は、これまでの県単独事業による就農前の先進農家での実践研修や就農後の生産技術、経営指導、農業機械、施設導入支援などに取り組むとともに、この青年就農給付金を活用し、意欲ある若い担い手の確保、育成や早期の経営安定を支援していく考えでございます。
〇清水恭一委員 次に、瓦れき処理について伺います。
 被災地に積み上がった瓦れきの処理が滞っているわけですが、厳しい放射性物質の問題もあるわけです。安全基準などに関する国の説明も、私は大いに不足をしているように感じますし、現状のままでは、3年での処理は本当に難しいと感じております。そういった中で、秋田県初め八つの自治体の首長さんたちが、瓦れき広域処理プロジェクトを設立するということでありまして大変心強くもありますが、現実として、瓦れきの受け入れについては29道県で未検討という報道もある中、受け入れ推進に係る国のリーダーシップも、この先発揮されないのではないかと危惧を抱いております。
 このような状況の中で、もうほかの自治体にはお願いはせず、時間はかかるが被災3県と、これまでありがたく受け入れを実施または表明している自治体のみで処理することも考えていかなくてはならないのではないかと思うところであります。また、一方では、この際、無理して早く片づけなくてもいい、どっか山奥に積み上げて、10年でも20年でもかけて片づけたほうが地元に雇用の場、いわゆるお金が落ちるというような考えもある。さらには、置き場所はたくさんあるんだという声もあるわけでございます。
 改めて、今、この状況を打開するためにも、もうほかの県には頼れない、あるいは頼らない、お願いもしない。岩手県としては、これから先、同じような状況が起きた際には、今回御理解と御協力をいただかなかった地域からの受け入れは受けない、そういったいこじな声あるいは開き直ったような声を出す必要もあるのではないかと思われますが、御所見を伺います。
〇達増知事 災害廃棄物の処理についてでありますが、広域処理がなかなか進まない状況ではありますが、受け入れに向けた新たな動きもあり、被災地の早期の復旧、復興のためには、やはり3年以内の処理を目指して取り組む必要があると考えております。
 各自治体においては、被災地を助けたいという思いと、一方で、住民不安にこたえなければならないということで、板挟みに遭っている状況と認識しております。
 なお、住民の方々でありますが、きのうこの委員会で紹介したマスコミの世論調査、あれは3月3日の読売新聞でありました。全国世論調査、政府が健康に影響がないとする基準以下であれば、災害廃棄物を受け入れて構わないという人が大体75%、政府が健康に影響がないとする基準以下であっても、受け入れはだめだという人が大体15%という結果であり、困ったときはお互いさまという思いは、全国に満ちているのかなと感じているところであります。
 これをきちっとした形にしていくことが必要でありまして、さらなる広域処理支援拡大のために、県では、引き続き本県災害廃棄物の安全性と広域処理の必要性について先行事例も踏まえて丁寧に説明をして、国に対しても一層の支援を求めながら、受け入れ側住民の理解が得られるように取り組んでまいりたいと思います。
〇清水恭一委員 いずれ、頑張っていただきたいと思います。
 次に、商工業者の支援策について伺います。
 東日本大震災で被災した商工業者数は4、314事業所と、大変な数に上ります。そのうち休廃業、休んでいるところあるいは廃業者数は1、280とされ、さらに140社から150社に廃業のおそれがあると商工会連合会は分析をしております。いわゆる3分の1の企業が、地域からなくなるという恐ろしいような現実が目の前にあるわけですが、国や県のさまざまな支援制度もあるわけですが、自己資金の不足から利用を断念しているケースが相次いでいるということであります。また、県のせっかくの支援制度も、使い勝手が悪いという不満の声もあるようでございます。
 被災地では、震災後のインフラの復旧工事はどんどん進んでおりますが、被災した商工業者の多くは、事業の再開に思い悩み、苦しみながら戸惑っている状況にあります。生計を立てるために、よその地域に移って事業を再開された方もおりますが、何らかのいわゆるタイムリーな支援策がなければ、このまま地元に戻ってこられないことも懸念されております。さらには、地元での事業再開をあきらめて廃業してしまう方が本当にふえている現実の中、早急に支援策が示されなければ、地域のいわゆる小さな商工業者が途絶えてしまうのではないかというような大きな危機感も抱いているところであります。
 現在、仮設店舗で営業されている方も含めた地元商工業者の本格再営業に向けた支援策についてお伺いをいたします。
〇上野副知事 商工業者の支援策についてでございますが、発災後、直ちに商工業者の店舗、工場の修繕に対する補助事業を立ち上げたほか、中小企業基盤整備機構による仮設店舗等の整備の促進、国と共同した中小企業グループへの補助事業の実施、さらには、今2月補正で新たに個別の被災事業者に対する店舗、工事の復旧費補助、これらを措置したところでございます。
 また、資金繰りに対応するための中小企業災害復旧資金や長期、低利の中小企業東日本大震災復興資金の融資制度の創設や、他県に先駆け債権買い取りファンドを立ち上げて、窓口相談と一体となった二重債務の解消に努めているほか、新たに各支援機関が重層的に連携して、事業計画の作成や販路拡大を支援していくことといたしております。
 早期の復興に向けた支援制度や相談受け入れ体制は一通り整いつつあると考えておりまして、県といたしましては、商工業者の方々が、これらの制度を積極的に活用しながら、一日も早く本格的に営業を再開されることを期待するとともに、これらの制度の周知に努めまして、被災地の方々に寄り添ったなりわいの再生を実現してまいりたいと思っております。
〇清水恭一委員 県として、もう十二分に御理解をいただいていると思いますが、宿泊施設等にしても、沿岸では約65%が被災したと認識をいたしております。一部の早期再開ができた旅館やホテルなどは、今の復旧、復興事業に携わる人たちで込み合っているようではありますが、その後、いわゆるいろんなイベントも盛りだくさんあるようでございますが、早期に再開ができるようにしていただかなければ、いわゆる雇用の場の回復も遠のくわけでございます。さまざまな問題も山積しているわけでございますが、地域経済の建て直しのためにも大いにお力を貸していただきますように、お願いをして終わります。
〇喜多正敏委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時49分 休 憩
午後1時2分 再開
〇喜多正敏委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 次に、小泉光男委員。
   〔小泉光男委員質問者席に着く〕
〇小泉光男委員 復興元年と位置づけられる平成24年度予算は、1兆1、183億円と空前の規模であります。自主財源37.4%、依存財源は62.6%という構成だそうでありますが、こうした復興予算を組む前提として、無駄なもの、不要なものは徹底して許さない空気、毅然たる県の姿勢が必要と私はさきの一般質問で指摘いたしました。
 その中で、2月定例会初日に岩手県包括外部監査人が提出した包括外部監査の結果報告書によると、未利用公有財産の存在や、長期間にわたってほかにただ、またはただ同然で賃貸している物件が多いと指摘されております。
 ところで、きのう、高橋元委員が未利用資産件数をただしたところ、総務部長は、未利用の官公舎は12件と回答されました。そこで、未利用資産の未利用という定義についてまずお伺いいたします。
〇加藤総務部長 未利用資産の定義ということでございますが、県有財産のうち、有効に活用されていない、あるいは県が直接利用していないと判断される資産のうち、今後も県による利用が見込まれない、利用する予定のない資産を未利用資産と定義して整理させていただいております。
〇小泉光男委員 次に、外部監査人から指摘された結果報告について、県はどのような感想を持っているのか。並びに指摘、意見とされた事項について、今後どのように改善し、平成24年度予算に反映させていくのか、そのプロセスや、だれが責任者として取り仕切るのか、方針が決まっていればお教えください。
〇加藤総務部長 包括外部監査結果の取り扱いということになりますが、各所属とも日ごろから適正な事務の執行には努めておりますが、今回の監査で指摘された事項につきましては、公認会計士としての専門的な知見と第三者の視点により新たな気づきを得られた内容もございまして、事務手続を点検する貴重な機会が得られたと認識しております。
 監査の結果、指摘や意見を受けた事項につきましては総務部から各部局に流しておりまして、各部局におきましては、今月下旬までにどう措置するかを定めた計画を策定することとしております。その後、地方自治法の規定に基づきまして、指摘に係る措置状況を監査委員に報告する、そういうプロセスとなってまいります。適正な是正措置が講じられますよう、総務部が各部局を主導し、調整に努めてまいりたいと考えております。
 なお、現在、先ほども答弁申し上げましたようにこの措置計画を策定中でございまして、指摘や意見により新たに取り組む内容につきましては平成24年度当初予算には反映できておりませんが、今後、措置計画を実施していく上で必要なものにつきましては歳入歳出予算に反映し、確実に是正措置を講じてまいりたいと考えております。
〇小泉光男委員 ちなみに、報告書の中で県北広域振興局二戸合同庁舎は、職員1人当たりの床面積が51平方メートルを占めると指摘されています。先ほどの総務部長の未利用の定義からするとこの建物は利用建物に位置づけられると思われますが、私はこれこそ超一級の未利用建物だと考えています。なぜなら、床面積の問題に加え、県北で一、二番を争う大型6階建ての施設が、土曜日、日曜日、そして祝日と、年間の3分の1、120日間が閉庁しているのです。向かいの二戸市スポーツセンターや隣のシビックセンターあるいは二戸市民文化会館は終日利用者でにぎわっています。せめて上層の2ないしは3階をイベントホールや貸し室または込み合うスポーツ大会の着がえ室等に県民にひとしく利用してもらえれば、わずかではあっても利用料収入が見込め、県財政に貢献され、または県施設の有効活用となると考えるものです。設置目的が異なるということを承知の上で県当局の御所見をお伺いします。
〇加藤総務部長 二戸地区合同庁舎の活用についてのお尋ねでございます。
 二戸地区合同庁舎につきましては、二戸地区のさまざまな県の組織が入ってございますので、未利用ということでは整理しておりません。行政目的として活用が全体としてあると。その中でさまざまな会議室等も含めて利用があるということでございます。
 二戸地区合同庁舎の中の大会議室でございますとか地域交流ルーム等につきましては、土日、祝日を問わず、NPO法人、ボランティア団体及び文化サークル等に対しまして無料で広く開放しているところでございます。この実績が年間100件を上回る活用実績となっております。この取り組みでございますが、現在の合同庁舎建設以来8年余りにわたる取り組みということでございまして、ある程度地域に定着しているものと認識しております。
 これは一部の部分でございまして、その上の庁舎部分というか、執務スペース等の階につきましては貸し出しという形はとっておらないわけでございますが、これはセキュリティーの問題とか、そういうこともございます。
 今申し上げましたようなこうした事情が存しますことから、御提案につきましては、いろいろ活用していただいている地域の皆さんの御意見も伺いながら、さまざまな課題を整理して慎重に検討していきたいと考えております。
〇小泉光男委員 次は、NPOに関してお聞きします。
 沿岸被災地の復興にはいろいろな方のいろいろな方面からの支援がなされてまいり、これからも、行政のみでは手が回らない、NPO法人を活用した新しい公共による活動が不可欠と考えられる中で、震災からの復旧、復興などに大きな役割を果たしているNPO、これから果たそうとの目的で新たに設立を考えているNPO法人もふえていくと思われますが、多くのNPO法人は財務基盤が脆弱であり、多くの課題を抱えております。
 そこでお伺いいたします。まず、一昨年に大きな問題となったいわてNPOセンターの不正経理問題に関して、県は詐欺容疑などで前理事長らを告発すると言ってはいましたが、その後、続報がさっぱりありません。不正受給の返還手続の進捗状況も含めてお答えください。
〇千葉副知事 いわてNPOセンターの不正経理問題についてでございますが、平成22年に発覚いたしました財団法人岩手県長寿社会振興財団及び財団法人岩手県福祉基金からの助成金不正受領につきまして、県といたしましては、同年、盛岡東警察署への告発状の提出を行ったところでございます。
 その後、両財団において助成金交付決定の取り消し及び助成金の返還請求を実施したものの、期限までには返還されず、平成22年12月には同法人の破産手続開始が決定したものでございます。平成23年に入りまして6月に両財団への配当が行われますとともに、同月、最終の債権者集会が開催されまして、同法人の破産事件が終了し、返還手続の一切は終了したところでございます。
 なお、告発後の状況につきましては、現在、県警で捜査中であると伺っております。
〇小泉光男委員 次は、今年度、NPO法が改正され、平成24年度から税制優遇で寄附が受けやすくなる認定NPO法人の認定事務が国からそれぞれの都道府県に移管されることになります。このことについて県はどのような対応をしていくのか、その取り組みについて、また、県として、NPO法人の運営基盤強化のため来年度にどのような支援をしていかれるのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、認定NPO法人取得支援の取り組みについてでございますけれども、新しい公共の取り組みの拡大と定着を図るためには、その主な担い手でございますNPOの運営基盤を強化する必要があるものと考えております。
 認定制度はNPO法人への寄附を促進するものでございまして、NPO法人の財政基盤の強化につながりますことから、県といたしましては、より多くのNPO法人が認定取得に取り組むよう支援してまいりたいと考えております。
 具体的には、認定NPO法人の認定取得に向けました相談対応や助言、指導を専門的に行います認定NPO法人専門員を平成24年度に新たに配置いたしまして、認定取得を目指すNPO法人に対してきめ細やかな助言、指導等を行っていきたいと考えております。また、来年度実施いたします新しい公共支援事業におきましては、認定NPO法人制度に関するNPO法人向けのセミナーや寄附に関する企業への説明会を開催することとしておりまして、こうした取り組みを通じまして、寄附される側、寄附する側の両者によります認定NPO法人制度の積極的な活用を促進してまいりたいと考えております。
 次に、来年度におけますNPO法人に対する支援についてでございます。
 ただいま委員から御指摘もございましたが、県におきましても、NPO法人が活動資金の不足や税務、経理などの専門知識を持つスタッフの不足などによりまして運営上さまざまな課題を有していると認識しているところでございます。そのため、来年度、先ほど申しました新しい公共の事業の中でございますけれども、まずは資金確保に向けまして先ほど申しましたような認定NPO法人制度活用のためのさまざまな支援を行いますとともに、県内各地域において、新しい公共のモデル的な取り組みに対して本年度に引き続き資金助成を行いたいと考えております。
 また、来年度におきましては、地域における協働などをテーマにいたしましたフォーラムを開催いたしますとともに、税務や経理等の人材育成に向けまして、NPO法人を対象とする税務や経理に関するセミナーの開催や、あるいはNPO法人に対します各種専門家の派遣指導などについての支援を行っていきたいと考えております。いずれ、さまざまな取り組みを行いましてNPO法人の運営基盤の強化を図ってまいりたいと考えております。
〇小泉光男委員 最後のくくりの三つ目の質問になります。
 沿岸被災地においては、復興に必要な宅地不足並びに高台造成にも数年単位の時間を要すると予想されています。住宅用地、店舗用地、または工業用地の確保が課題になっているとも聞くところ、県が関係している宅地や工業用地について、被災者向けの優遇制度を用意して活用を図るべきではないかと考えます。
 そこでお伺いします。旧住宅供給公社の販売用不動産が大量に売れ残っていると聞きます。現状の在庫区画数、販売金額はどうなっているか、あるいは今後の販売見通しや利活用策など具体策は持っているのでしょうか。
〇千葉副知事 旧住宅供給公社の販売用不動産についてでございますけれども、岩手県住宅供給公社は平成21年3月に解散し、残余財産につきましては出資割合に応じまして分配されまして、県に係る分といたしましては、岩手県土地開発公社が住宅供給公社の所有しておりました分譲宅地9団地232区画のうち8団地163区画の寄附を受け、現在、販売を行っているところでございます。
 販売実績でございますが、平成21年度は10区画4、997万円、平成22年度は19区画8、890万円であり、今年度におきましても、2月末実績でございますが、陸前高田市等の10区画など27区画1億1、945万円の契約実績がございまして、これまでの合計は56区画で2億5、832万円となっているところでございます。したがいまして、現在、土地開発公社が保有しております在庫区画数は107区画、在庫区画に係ります販売価格の総額は3億5、713万円でございまして、うち被災地におけます在庫区画は陸前高田市の1区画のみとなっております。
 土地開発公社におきましては、エコポイント対象住宅を購入した場合に土地開発公社が一部を支援するエコ生活応援キャンペーンや、あるいは一部団地の先着購入者を対象といたします宅地価格オフキャンペーンの実施等あるいは分譲整備専門員の配置等によりまして早期の完売を目指しているところでございます。
〇小泉光男委員 次に、一般質問でも取り上げた方がいらっしゃいましたけれども、農業公社が所有している雫石町南畑地区の農地付分譲住宅の今の在庫区画数と販売総額はどうなっているのか、及び今後の販売の見通しはどうなっているのかお聞かせください。
 ちなみに、ここにはその地図がございますけれども、ほとんど売れ残っているとでも言いましょうか、青マーカーも緑も黄色も20年以上にわたって売れ残っている状況でございます。これについての今後の県の方針をお聞かせください。
〇上野副知事 農業公社の販売用不動産についてでありますが、従前から公社は南畑事業用地の販売に取り組んでまいりましたが、当該用地の有効活用に向け、公社や県、雫石町、地元NPOで構成する連絡協議会を設置いたしまして、都市との交流や定住促進等を内容とする南畑地区活性化方策を平成18年度に策定いたしました。この活性化方策を受けまして、公社では、農的暮らしを希望する者に宅地付農地として販売することとし、保有する49ヘクタールのうち、当面約4ヘクタール、10区画について販売に取り組み、これまで4区画、総額3、000万円余が販売され、現在、6区画、販売総額にして5、000万円余が残っております。
 今後の販売の見通しにつきましては、関心を示す人はいらっしゃるものの、現時点で購入を予定している方はいらっしゃらない状況にあることから、これまでの販売促進の取り組みに加え、小区画販売や、宿泊して農作業を楽しむ滞在型市民農園の開設など新たな取り組みにつきまして、関係機関、団体と連携しながら検討を進めていきたいと考えております。
〇小泉光男委員 次に、県土地開発公社が工業用地として所有している県内の在庫区画数や販売額総額、並びに今後の利活用方法などについてお聞かせください。
〇千葉副知事 県土地開発公社の工業用地についてでございますが、県土地開発公社が保有しております工業団地の本年2月末現在の在庫区画は、二戸地区拠点工業団地、久慈地区拠点工業団地、一関東第二工業団地など6団地19区画、在庫区画に係る販売価格の総額は30億9、164万円となっております。
 近年の販売実績は、平成21年度は2区画7、838万円、平成22年度は4区画6億6、109万円、平成23年度は5区画4億7、444万円となっております。
 この土地開発公社の有します工業団地の販売につきましては、県といたしましても、企業誘致活動で用地の提案を行う際に優先的な売り込みを行うなどの協力を行っているところでございまして、また、土地開発公社におきましても、これまで販売価格の値下げなどの取り組みも行っているところでありまして、今後におきましても県と公社が一体となって、こちらにつきましても早期の完売に向けて頑張っていきたいと考えております。
〇小泉光男委員 皆様への質問は以上でございますが、私は、3月11日以降、県の執行部も我々議員も大きく考えを変えなければいけないと思います。こういったような外部監査の経過報告書が出てくるようではまだまだ県民に納得してもらえないと思います。沿岸被災地の、あのようにあすの生活や将来が見えない中では、これまでは当たり前であったものであっても、本当にたたき出してそういう借金を少なくする、あるいは売れるものは売る、ただのものは適正な価格で利用していただくというようなことがぜひ必要だと思いますので、そのあたりをお願いしまして私の質問といたします。
 大変御丁寧な御答弁ありがとうございました。以上で終わります。
〇喜多正敏委員長 次に、佐々木茂光委員。
   〔佐々木茂光委員質問者席に着く〕
〇佐々木茂光委員 私が最後の総括質問ということになりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、知事にお尋ね申し上げます。
 見てのとおり、もうあすには1年になろうとしていながら、瓦れきがまだ私たち被災者の目から離れないでいる。常に私たち被災民の方々というのは、前の風景と、そして今の現状をこの1年間ずっと見続けてきているわけであります。そういった中で、早々に災害廃棄物を撤去していただいて、さらに復興へのつち音を是が非でも聞かせていただきたい、そういう強い思いで今回また災害廃棄物についての質問をいたすわけであります。
 この間の代表質問で、予定の平成26年度に向けての取り組みに既に若干おくれが見えているというようなお話も実はあったわけでありますが、今、広域処理もお願いしながらその処理を進めているわけですが、今の現状と、それから今後の取り組み等についてお話をいただければと思います。
 もう一点、その中で、やはり県内処理というものにもさらに力を入れる必要があるのではないかということを考えの中に踏まえまして、まず1点質問したいと思います。
〇達増知事 具体的な数字関係等については副知事から答弁させたいと思いますけれども、やはり被災地、被災者の皆さんにとって、瓦れきの1次仮置き場への撤去に続いて、きちっと燃やすべきものは燃やし、埋めるべきものは埋めるということが非常に重要であり、市町村とも相談し、県としても3年で処理を終わらせるという計画でございまして、これが達成できるように、広域処理も含めて頑張って取り組んでいきたいと思います。
〇千葉副知事 災害廃棄物の処理の進捗状況等でございますけれども、現在、仮置き場への撤去についてはおおむね完了し、本格的な処理の段階に移行したところでございます。
 これまでも御答弁申し上げておりますが、今年度の処理目標69万トンに対しまして現時点の処理実績は37万トンと、何とか年度末には50万トン程度まで上積みするような見込みと考えております。
 特に県内処理の関係でございますけれども、市町村の清掃センターでの焼却処理、あるいは太平洋セメント大船渡工場でのセメント焼却の開始、仮設焼却炉の整備及び開始とか、そういうようなただいま詳細計画で掲げました処理体制がおおむね整ったところではないかと考えているところでございます。
 いずれ、来年度以降も含めまして、県内処理についても、これも先般申し上げましたが、市町村の清掃センターでの焼却量を拡大していただけないかということについては各設置者等との御相談をしたりとか、さまざまな取り組みで県内処理についても拡大していきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 そのように予定どおり進むという前提で事は進まれていると思うんですが、今、広域処理というのは、県外に向けた処理も知事みずから御相談なりお願いをしながら進めているのが現状でありますが、最終的にというのは、やはり放射能の問題がどこまでも広がっている。まさに岩手県が全部放射能に囲まれてしまうぐらいの、今、そういうことも私は心配があります。
 そういった中で、最終的には自前で処理するということを、やはり究極の中にはそれを置いておかないとだめなのではないかと思うんです。先ほど知事は、本当の思いで言ったのか、埋めることも考える、燃やすことも考えるというのは、今、副知事が言われているような中での想定内での恐らく処理方法をとっての埋めるとか燃やすとかというようなことを言われたと思うんですが、やはり私は、今、復興に向けてということが当然ありますので、浸水した地域に対する、例えば今の現状では使えないわけですから、当然、盛り土をするなりかさ上げをするということになると、そういった復興材に向けられるものであるならば、やはりそういうようなところも早々に動かす。要は、埋却してしまうとか埋め戻しの足しにしてしまうとか、そういう考えを持ってやはり強く動き出していかなければならないのではないかと思うんです。その辺の考え方がありましたらお願いします。
〇千葉副知事 先ほどから申し上げていたところで申しますと、今、計画的に考えている範囲のお話を申し上げているところでございます。
 ただ、先ほどから御審議の中で議論が出ておりますのは、本当に進捗度がこれからどうなるんだということについていろいろな御懸念もいただいているところでございまして、やはり地域の復興を進めるためには、廃棄物の処理の計画的な進捗を進めるということについて、それをどのように考えていくか。あるいは、今、委員からもお話がございましたけれども、焼却が必要なものは183万トンということで、いわゆる復興資材に使うものも170万トンございますし、さまざまな用途、あるいは金属くずのように売却するものもございます。ただ、問題なのは、やはり可燃物、不燃物等のいわゆる焼却が必要な量でございますので、この量と計画との、あるいはこれからの復興の進捗度、それらをすべて計画の中に織り込みまして、復興計画の進捗に支障が出ないような形でさまざまな方策を考えていく必要があるものと考えております。
〇佐々木茂光委員 確かにそのような考えでやってもらいたいと思います。とにかく一日も早く、とかく行政というのは、とりあえず計画を立てました、ただ、その時点ではそういう考えであったが、今、このときに及んでまたこういうふうに状況が変わることによって計画を延ばさざるを得ない、そういう考えが往々にして多うございますので、やはり私たち被災者から見ると、やはりそれが一番私たちにとって、もう1年もたつ中でそれが苦悩であります。本当に、自分たちの住む家もまだ見つからない、仕事も見つからないという中で、瓦れきが常に選別はされていても山積されているというのは、全然復興の動きがないんですね。私たちが求めるのは、自分たちの目に見えるもので、山の木を倒してみせるとか山を崩してみせるとか、そういうものを私たちは今強く望んでおりますので、そういった計画一つ一つおくれのなきように取り計らいをお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 今、震災の復興計画ということで、各市町村がそれぞれ計画を詰めておる段階であります。そういった中で、市町村に、それぞれの自治体の考え方の中で復興計画を練ってください、それが上がってきましたら県が皆様と一緒になって国に相談をして進めていきましょうというスタンスで今、県がおりますが、やはりこういった中で、被災地というのはかなり相当のダメージがあります。職員の多くを失っているところもありますし、やはりそれは県として、岩手県の中で被災地はどういう役割があるんだ、岩手県の内陸はどういう役割があるんだ、その役割を明確にすることによって復興のスピードを上げていかなければならないと思います。
 そういった中で、私は、もっと県が、余計なことまではいいと言う自治体も意外とあるかもしれませんけれども、より強く県のほうからも指導力を持って復興計画にかかわっていただきたい、そのように思いますが、そういった考えをお示し願えればと思います。
〇平井理事 被災市町村の復興の推進についてでございますけれども、復興に当たりましては、被災地の基礎的自治体である市町村が、地域特性や住民の意向を踏まえて第一線で取り組みを進める一方、県は市町村を支援するとともに、広域的な課題解決や地域間連携を推進する役割を担うものと認識しております。
 市町村への支援といたしましては、被災の初期段階から、行政機能が大きく損なわれた市町村への人的支援や、まちづくりに関する各種技術支援などを行ってきております。最近では、12月26日の復興特区法の施行に伴い、復興整備計画や復興交付金事業計画を策定する市町村に対して、共同策定主体として、ともに作成事務を進めることや、復興推進計画の作成に当たりましては、市町村の意向を踏まえながら、県が中心となって作成事務を担っております。
 このように、県と市町村の基本的な役割分担の関係は念頭に置きつつも、具体的な取り組みに当たりましては、日々変化する行政需要を見きわめつつ柔軟に考えていく必要があると認識しております。
〇佐々木茂光委員 本当に被災地にとっては、県のほうからそういう手だてをしていただきながら、とにかく立ち上がろう、立ち上がろうという意識を非常に強く持っているはずなんです。だから私は、今言われるのはわかります。確かにやっていないとは私言っていないんですが、ある意味、自分たちのまちをこれからどうしようかとみんな頭を悩めているわけです。そういった意味で、県のほうから見て被災地をどういうふうにとらえるかなんです。いつまでもそのような状態であってはならないわけだから、早く立ち上がってもらうためには、県はいろいろなことを想定しながら各市町村に取り組んでいただきたいという考えのもとで私は言っている。やっていないという意味で私は言っているのではないんです。その辺は理解をしていただきたいんですが、もう少し強い意味で自治体の中に踏み込んでやっていただきたい、そういう思いであります。これは答弁はいりません。
 3点目に、復興道路についてお話しさせていただきたいと思います。
 国では、東北自動車道から沿岸部に向かって釜石市、宮古市と復興道路という位置づけの中で道路整備を今回挙げられたわけですが、実は残念なことに、気仙管内に高速道路たるものが見えないんですね。私は宮古市にも行きました。これは復興道路の要は起工式です。宮古市にも行きましたし、それから田野畑村にも行きました。久慈市にも行きました。そういった中で、気仙管内に、三角のこのあいているところになぜ横断道路がないのか。そういったことを強く求めているんですが、なぜそれがこの整備の中に組み込まれなかったのかお話をいただきたいと思います。
〇上野副知事 気仙圏域におけます復興道路についてでございますが、県では、東日本大震災津波以前から三陸縦貫自動車道を初めといたします規格の高い道路が緊急医療、避難、救援などに際しまして命の道として極めて重要であると考えておりまして、その早期の整備を国に強く働きかけてきたところでございます。今般の震災ではその有効性が実証されたこともありまして、県では、災害に強い高規格道路による幹線道路ネットワークの構築を被災地の復興に必要不可欠なものと位置づけておりまして、高規格幹線道路でございます三陸縦貫自動車道、八戸・久慈自動車道、東北横断自動車道釜石秋田線の3路線と地域高規格道路でございます三陸北縦貫道路、宮古盛岡横断道路の2路線を復興道路と名づけまして、これらの路線について国により整備が進められることとなったところでございます。
 大船渡、陸前高田方面におきましては、一般国道284号や343号、397号といった内陸部からのアクセス道路が今回の震災において大きな役割を果たしており、県ではこれらの道路を復興実施計画の中で復興支援道路と名づけまして、交通隘路の解消や防災対策、橋梁の耐震化などを推進することといたしておるところでございます。
〇佐々木茂光委員 私は、今、何もなくなってしまったということを考えると、これから立ち上がるということになると、内陸とのかかわりをいかに沿岸部が持てるかということなんです。だから、まちが上がると同時に、本来ならば新しい道路がこの管内にささってくることで内陸部と沿岸部の移動が出てくる。そういう中で経済的な効果が上がってくるということを考えると、やはり短時間で移動できる道路が必要だと思います。ましてや、平泉の遺産、遺産問題というと取り上げ方がちょっとあれですけれども、世界遺産の中でこれから岩手県を考えたときに、県北のほうからどんどん回ってきて、陸前高田市の竹駒の金山は平泉に実は金を持ってきているんですね。途中で盗まれたりなんかして賊に回ったというお話もありますけれども、やはりそういった流れをとったときに、そこから沿岸部を見て最後は平泉に入ってくるというルートを考えたときに、短時間で移動できる道路は絶対大事だと思うんです。やはりこれは知事の腹一つで、よし、わかったと。じゃ、とりあえず実線は書けないけれどもことしのうちに点線はつけましょうかと言うぐらいの意気込みをいただきたいんですが、知事、どうでしょうか。線を引きましょう、びっと。
〇達増知事 今回の復興道路というのは、復興で、今まで何もなかった全く新しいものを急遽思いついてつくるということではなく、釜石の奇跡という言葉もありますけれども、沿岸を縦に貫く高規格道路、高速道路、その一部しか供用されていなかった中で、それが非常に命の道路として機能した。本来であればこれはもう計画道路としてあったわけでありまして、釜石花巻、この道路もそうですし、また、宮古盛岡横断道路もその計画はもう大分前からあったわけでありますから、これができていれば、もっと人命救助、そして発災直後の物資の支援等々できたはずであろうということで、これをきちんと整備することが復興のかなめであるという趣旨で早期の整備ということになったものでございます。
 そういう意味で、一般国道284号、343号、397号の復興支援道路というものも大震災のときに人命救助や物資の支援に多いに活躍した道路でありまして、それが本来の機能を十全に発揮するような改良を復興支援道路という形で計画に盛り込んだところでございます。
〇佐々木茂光委員 時間もありませんので、今、復興のかなめという表現を知事はされましたが、まさにそのとおりだと思います。そうであるならば、復興の後にはさらに振興という言葉が入ってきます。そうしたときに気仙管内には道路がないということはその振興の妨げになるという意味ととらえれば、復興から振興に上がっていくためには、やはりあの管内には道路が必要だという見方をすれば実線になっていくのではないかと思います。もう一度その辺の考え方をお聞かせ願えればと思います。
〇達増知事 復興計画は8年計画でございまして、その中には振興に応じて見直しということも入ってくると思いますので、そのときそのときの状況に応じて必要な見直しもしながら復興の計画を進めていければと思います。
〇佐々木茂光委員 やっぱりそこには道路を引くように頑張っていただきたいと思います。
 そういった中で、今、寄り添うことという言葉をよく知事は使われますが、やはり寄り添うだけではなく、それにスピードというものを加えていかないと復興が現実のものになってこないと思うんです。そのスピードというものを上げていくためには当局はどのように考えられているか、最後にお尋ねしまして終わりたいと思います。
〇達増知事 ちょっと事前の通告になかったものですから、スピードを上げて対応していくために、ある意味すべてがスピードでありまして、発災直後の人命救助といった対応から、被災者支援、復旧、復興という流れすべて一連の流れの中でやっていることでありまして、復興というものも、8年計画ではありますけれども、できるだけ最初の6年で完成させていくような勢いでと。さらに最初の3年間の基盤復興期間のところできちんと進めていくようにと。
 さまざま計画をおくらせてしまうような要因というものも次々に新しく出てきたりするわけでありますけれども、一方で、さまざまな努力と工夫によって計画を前倒ししていくための努力は常にしていかなければならないと思っておりまして、6年以内にやればいい、8年以内にやればいいという話ではなく、まさに一人一人の被災者の皆さんの生活や仕事、そして学びということを考えれば、とにかく早ければ早いほどいい。もちろんそれはそれぞれが納得して、拙速になってはならないけれども早ければ早いほどいいというところをやっていくことが復興の本質だと思っておりますので、そういった意味で、スピードということについては復興イコールスピードということで取り組んでいきたいと思います。
〇喜多正敏委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め、執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 これより、各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
   午後1時43分 休 憩
午後2時2分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間─おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 本日は、議会、総務部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇宮議会事務局長 平成24年度の議会関係の歳出予算について御説明を申し上げます。
 予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、78ページをお開き願いたいと存じます。第1款議会費第1項議会費のうち、第1目議会費の9億4、006万円余は、議員48名分の報酬、旅費等の議会運営に要する経費であります。次に、79ページにかけてでありますが、第2目事務局費の3億7、349万円余は、議会事務局職員33名分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費であります。次に、第3目議員会館費の2、110万円は、議員会館の管理運営に要する経費であります。
 以上で議会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇嵯峨壱朗副委員長 ただいまの説明に対し質疑はございませんか。
〇斉藤信委員 まず最初に、今の説明にもありましたが、議会費が前年比で8、191万円余、事務局費が2、622万円余の減となっておりますが、この減となった具体的な理由は何でしょうか。額を含めて示していただきたい。
〇宮議会事務局長 平成24年度の議会関係歳出予算が前年比減となっている理由についてでございますが、1目の議会費につきましては、都道府県議会議員共済会負担金の算定率が引き下げられたことによりまして、共済費が7、042万円余の減額となっております。このほかに、議員報酬の特例減額によります減が1、407万円余、それから、議員の海外視察の見送りに伴います旅費が990万円余の減となっているところでございます。
 2目の事務局費につきましては、平成23年度に計上しておりました議員改選に伴う印刷費や名札の書きかえ等の経費1、429万円余の減額、そのほかに人事異動に伴います給与改定に伴う職員給与、手当、共済費など、いわゆる人件費が670万円余の減となっているものが主な減の内容でございます。
〇斉藤信委員 わかりました。
 次に、政務調査費の返還請求事件の最高裁あての上告受理申立理由書というのが12月に出されていますが、この上告は受理される見通しでしょうか。今後の裁判の見通しはどうなっているでしょうか。
 政務調査費裁判の全国的な状況はどうなっているでしょうか。この間の裁判費用を含めて示していただきたい。
〇宮議会事務局長 政務調査費の返還請求事件の件でございますが、今質問の中でもございました12月13日に上告の受理の申し立てというのをしてございます。そのほかに、12月20日に上告受理申立理由書というのを最高裁判所に送付しているところでございますが、上告の受理の見通しあるいは今後の裁判の見通しにつきましては最高裁判所の判断でございまして、現在は内容が未定でございます。
 それから、二つ目の質問でございますが、政務調査費裁判の全国的な動向についてでございますが、全国都道府県議会議長会の資料によりますと、平成23年6月現在で係争中のものは13道府県、訴訟件数で17件となっている状況でございます。
 次に、この間の費用についてでございますが、政務調査費の訴訟について一審からこれまで支出をいたしました裁判費用は、着手金、報奨金、審理日当や旅費など、いわゆる弁護士にかかる費用につきましては119万8、000円余でございます。そのほかに、訴訟にかかります印紙代、郵券代が12万5、000円余、事務局職員の旅費が8万9、000円余ということで、合計221万3、000円余となっているところでございます。
〇斉藤信委員 全国的な動向を聞きましたが、13道府県で17件と、これは係争中ということで、確定したものはまだないということですか。
〇宮議会事務局長 今申し上げましたのは係争中の動向でございまして、同じく都道府県議会議長会の資料によりますと、平成18年1月から23年7月まで判決等があった内容で申し上げますと、和解しておりますのが6件でございます。それから都道府県が勝訴しているのが14件、それから都道府県の一部敗訴というのが1件、それから訴えの取り下げが3件、合計24件という状況でございます。
〇斉藤信委員 和解の6件という中身はわかりますか。
〇宮議会事務局長 内容で申し上げますと、宮城県が4件でございます。それから福井県が1件、長野県が1件で、合計で6件というもので、それぞれの内容につきましてはいずれ政務調査費の訴訟ということで、その内容についてはいろいろでございます。
〇斉藤信委員 和解というのは議会のほうで見直しをするという中身で、恐らく決着がついているのではないかと思います。最高裁というのは書面審理なんですよね。だから、ほとんど実審理がなく一審、二審、これ敗訴していますので、本当にこれは税金の無駄遣いになるのではないか。これとあわせて、議会自身がみずから改革することが必要だと、これは指摘にとどめて、最後ですけれども、私、改選前に議会棟の全面禁煙というものを議長に申し入れをして、改選前は一定の議論があったんですね。議会棟の外に喫煙室を検討するとか、既に全庁舎は昨年の9月に全面禁煙になっているんですね。私はもう議会棟が治外法権になってはならないと。県庁と軌を一にして、議会棟もこれは全面禁煙に踏み切るべきだと思うけれども、改選後議論がないんでしょうか。事務局としても何か今後検討を準備する、そういうことはしていないのでしょうか。
〇宮議会事務局長 議会棟の禁煙の件でございますが、今お話がありましたように、経緯をちょっとお話しいたしますと、平成22年11月1日に、議員6名から議長に対しまして、議会棟の全県禁煙の早期実施を求める申し入れがありましたことから、議会運営委員会におきまして検討が重ねられました。平成23年の2月定例会期中に一定の結論を出すということとしたところでございますが、御案内のとおり、震災の発生に伴いまして実質的な協議が中断をいたしまして、その後、改選期を迎えて今に至っているというところでございます。
 なお、議会棟における喫煙室につきましては、平成23年3月15日の議会運営委員会で御了承をいただいた上で、知事部局の喫煙室の閉鎖とあわせまして、平成23年8月末で閉鎖をしたというところでございます。
〇斉藤信委員 まさに議会棟というのは、県民に開かれた場所ですよね。不特定多数の人たちが見えられる。私は控え室といえども、治外法権になってはならない。改選前でしたけれども、せっかく超党派で議長に全面禁煙実施を申し入れて一定の協議の経過がありましたので、今後、代表者会議や会派で積極的に検討されるように、これは強く求めて私の質問を終わります。
〇嵯峨壱朗副委員長 ほかに質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇加藤総務部長 総務部関係の議案につきまして説明申し上げます。
 資料の説明に入ります前に、平成24年度予算の編成に当たりましての総務部の基本的な考え方を説明申し上げたいと存じます。
 平成24年度の予算編成に当たり、総務部といたしましては、東日本大震災津波復興計画に掲げる復興に向けた取り組みの着実な推進と、いわて県民計画に掲げる希望郷いわてを実現するため、地域防災力の強化、岩手県立大学における教育、研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として掲げております。
 地域防災力の強化に関しましては、東日本大震災津波の教訓を踏まえ、減災の考えのもと、防災意識の徹底と高揚を図るための啓発に努めるとともに、自主防災組織の育成強化を図るなど、地域防災力の強化を進めてまいります。
 岩手県立大学における教育、研究の充実に関しましては、公立大学法人岩手県立大学の自主的、自律的な運営を尊重し、経営の効率化を促しながら、交付金を交付し大学の運営を支援することにより、地域の中核人材を育成し、岩手の活力を創出してまいります。
 特色ある私立学校の支援に関しましては、私立学校の教育水準の維持、向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料等の負担軽減のための助成など、各種の施策を展開することにより、私学教育を振興してまいります。
 また、歳入についても、県税収入等の歳入確保に向けた取り組みを進めてまいります。
 自主財源の大宗を占める県税につきましては、岩手県地方税特別滞納整理機構の活動や各広域振興局における市町村との連携対応を強化しながら、個人県民税の収入未済額や未済率の縮減、課税捕捉調査に努めるほか、県有資産の有効活用など、さまざまな角度から歳入確保に向けた取り組みを進めてまいります。
 あわせて、政策評価結果等を踏まえ、事業効果や効率性等を検証し、事務事業の見直しや行政の簡素効率化に取り組むとともに、政策の優先度に応じた事業の重点化を進め、さらなる創意と工夫を凝らしながら施策の展開に努めてまいります。
 以上が、平成24年度予算編成に当たりましての総務部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、議案第1号平成24年度岩手県一般会計予算の総務部関係の歳出予算について説明申し上げます。
 なお、説明におきましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な内容について申し上げます。
 予算に関する説明書の80ページをお開き願います。平成24年度当初予算一般会計の総務部関係の予算総額は、共通経費、予備費を含み1、734億円余となっており、前年度と比較し30億8、400万円余の増額で、このうち震災対応分は8億7、500万円余となっております。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費につきましては、予算額18億4、943万円余のうち、総務部関係は、説明欄のとおり14億1、400万円余となっており、その主なものは、職員の人件費や入札関係費、一般管理事務費等の管理運営費でございます。
 なお、説明欄最後に記載の共通経費1億9、859万円余は、人事異動に伴う赴任旅費などであります。
 81ページに参りまして、2目人事管理費は、職員研修費や退職手当などが主なものであり、3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送及び保存に要する経費のほか、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進に要する経費であります。82ページに参りまして、4目財政管理費は、財政調整基金などの積み立てが主なものでございます。83ページに参りまして、6目財産管理費は、県庁舎や地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理等に要する経費のほか、今年度から整備を進めております消防救急無線デジタル化整備に引き続き取り組んでまいります。84ページに参りまして、7目情報システム管理費は、情報システムの管理等に要する経費、8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要する経費、9目公会堂費は、県公会堂の管理に要する経費、10目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費であります。85ページに参りまして、11目諸費は、宗教法人設立認証事務や公益法人関係事務に要する経費及び共通経費であります。
 少し飛びまして、89ページをお開き願います。3項徴税費1目税務総務費は、税務関係職員の人件費などの管理運営費であり、2目賦課徴収は、個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費であります。
 また、少々飛びまして、96ページをお開き願います。6項防災費1目防災総務費は、防災関係職員の人件費などの管理運営費のほか、航空消防防災体制強化推進事業費が主なものであり、2目消防指導費は、危険物の規制や消防学校の運営に要する経費及び地域防災力強化プロジェクト事業費が主なものであります。
 次に、大きく飛びまして、221ページをお開き願います。10款教育費8項大学費1目大学費は、公立大学法人岩手県立大学の運営に係る交付金を交付するものであります。
 222ページに参りまして、9項私立学校費1目私立学校費は、私立高等学校等就学支援金交付金や私立学校運営費補助など、私学教育の振興及び被災した私立学校生徒の支援等を図るための経費であります。
 223ページに参りまして、11款災害復旧費1項庁舎等施設災害復旧費1目庁公舎等災害復旧費のうち、総務部関係は、説明欄のとおり1億3、550万円余となっており、被災した地区合同庁舎の災害復旧事業費でございます。
 また、少し飛びまして、234ページをお開き願います。7項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費のうち、総務部関係は、説明欄のとおり1億7、616万円余となっており、被災した私立学校等の災害復旧事業等を行う場合に経費の一部を補助するものであります。
 235ページに参りまして、12款公債費1項公債費1目元金1、012億7、880万円余のうち、総務部関係は、保健福祉部の104万円余を除く1、012億7、776万円余となっており、2目利子と合わせ、公債管理特別会計へ繰り出した上で支出する内容となっております。3目公債諸費は、公債管理特別会計への繰出金及び銀行等引受債発行手数料が主なものであります。
 また、少し飛びまして、239ページをお開き願います。13款諸支出金4項地方消費税清算金1目地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算を行う経費であります。
 次の240ページの5項利子割交付金1目利子割交付金から246ページの11項自動車取得税交付金1目自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に交付する交付金でございまして、247ページ、12項利子割精算金1目利子割精算金は、都道府県間で精算を行う経費でございます。
 248ページ、14款予備費は、前年度と同じ3億円を計上しております。
 以上が議案第1号平成24年度岩手県一般会計予算の総務部関係の歳出予算であります。
 続きまして、議案第9号平成24年度岩手県公債管理特別会計予算について説明申し上げます。
 予算に関する説明書の374ページをお開き願います。平成24年度の公債管理特別会計の歳入歳出のそれぞれ予算総額は1、976億6、166万円余で、前年度と比較して4億5、743万円余の増額となっております。376ページから379ページにかけてでありますが、この間は、公債管理特別会計の歳入となっておりまして、その内容は、県債管理基金からの財産運用収入、一般会計及び県債管理基金からの繰入金及び県債が歳入となっているものでございます。
 続きまして、380ページをお開き願います。公債管理特別会計の歳出となっております。公債管理特別会計の歳出は、県債の元金及び利子の償還、県債管理基金への積立金及び銀行等引受債発行手数料が主なものとなっております。
 続きまして、総務部の予算以外の議案について説明申し上げたいと存じます。
 恐縮でございますが、冊子がかわりまして、議案その2の1ページをお開き願います。議案第21号岩手県職員定数条例の一部を改正する条例でございます。これは、知事の事務部局及び教育委員会の事務部局における業務量の増加に伴い、職員を追加配置する必要があることから、職員定数を増加しようとするものでございます。
 続きまして、40ページをお開き願います。議案第31号岩手県県税条例の一部を改正する条例でございます。これは、東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律の施行に伴い、個人の県民税の均等割の税率を引き上げ、及び社会福祉事業等に係る自動車税の課税免除の範囲を改めようとするものでございます。
 続きまして、43ページをお開き願います。議案第32号特定非営利活動法人に係る県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例でございます。これは、障害児通所支援事業等のうち、児童発達施設、医療型児童発達支援及び放課後等デイサービスの用に供する自動車に対して課する自動車取得税及び自動車税を免除するとともに、あわせて所要の整備をしようとするものでございます。
 以上で総務部関係の議案につきまして説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇嵯峨壱朗副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木順一委員 それでは、3点についてお伺いいたします。端的にお伺いしますので、簡潔な御答弁を御期待申し上げたいと思います。
 まず最初に、消防救急無線のデジタル化につきまして、これの整備の内容及びスケジュール、また、完了の時期についてお示しをいただきたいと思います。
 また、海上には津波の観測機器があると思いますが、たしか岩手県沖には3カ所あるとお聞きしておりますが、これが今どのような状況にあるのか。さらに、今後海上だけでは不十分だと思いますので、海底の観測機器も必要だろうと思います。これは国の管轄でありますから、事業主体は県でないわけでありますが、国の第3次補正予算でも、海底における観測体制の強化をやるということでありますが、この点につきまして県ではどのような情報を把握しているのか、あわせてお伺いをいたします。
〇小野寺防災消防課長 まず、消防救急無線のデジタル化についてでございますが、当初、平成23年度に県が発注主体となりまして、全県分の電波伝搬調査など基本設計を行い、平成24年度から25年度に実施設計、平成25年度から27年度にかけて整備工事を行うこととしておりました。
 今回の東日本大震災津波におきましては、一部の消防署などが損壊したところでございますが、現在仮復旧した状態で運用しており、いずれの消防本部についても国の災害復旧費補助金を活用し、平成25年度までにデジタル方式により復旧する計画となっております。県では、復旧事業を最大限支援するために、基本設計において、被災消防本部の復旧に必要な調査などを先行して行っているところでございます。早い消防本部では、4月中にも整備工事に着手すると伺っております。
 また、内陸部の消防本部につきましては、実施設計を、県が発注主体となりまして来年度内に完了させることとなっており、平成25年度より整備工事が着手可能となる予定でございます。そのため、平成27年度内には完成させる方針となっており、これによりまして、沿岸地域、内陸地域も含めまして、県内の消防救急無線のデジタル化整備につきましては、その期限であります平成28年5月31日までに完成する見込みとなっております。
〇宮元防災危機管理監 津波の観測につきましては、久慈市、宮古市、釜石市の3カ所でGPSを設置しているということでございます。今のところは機能しているということでございます。
 それから、平成23年度の国の3次補正で津波観測施設の強化が盛り込まれているということで、より確度の高い津波警報と、そういった情報を確実に発表できるように努めているところでございます。
 文部科学省においても、平成24年度から26年度にかけて、日本海の海溝沿いにケーブル観測網を整備するといったことで体制を整えているということでございます。
〇佐々木順一委員 時間がないので次に行きます。
 それでは次に、3月11日、あと1週間後にまた今度は県と陸前高田市の共催で追悼式が行われます。1年目でありますから、岩手県民こぞって犠牲者を追悼する必要が当然あるわけでありますが、この3月11日の今後の取り扱いと、そしてまた将来の位置づけについて、きのうもたしか質疑が交わされたわけでありますが、再度、加藤総務部長にお聞きしたいと思います。
 なお、今までこの災害関係では、御承知のとおり9月1日が防災の日であります。それから、1月17日は防災とボランティアの日と定められているわけであります。一方において、去年の3月11日前後にいわゆる津波対策推進法が制定されまして、そこにはたしか11月5日が津波の日と、こう、この法律には規定されているわけであります。御案内のとおり、11月5日は稲村の火の史実に基づいたその日を指定したわけでありますが、聞くところによると、国会の議論の中で、11月5日がいいのか、あるいは、3月11日の発災直後でもありましたから3月11日にするべきという意見もあったそうでありますが、しかしながら、直後であったものですから被災民の心情に配慮すると、余りにも直接過ぎて、それでは極めて感情を逆なですることになると。そういうことで11月5日に定めたとお聞きしておりますけれども、今後につきまして、部長はこの3月11日を、これは岩手県だけの話ではないと思いますが、岩手県の一つの意見という、考えというのも必要だろうと思いますので、改めてこの点につきましてお聞きしたいと思います。
〇加藤総務部長 3月11日、昨年の発災の日でございますが、この際の記憶またそれに得られました教訓ということにつきましては、忘れずに、次代、今後に引き継いでいかなければいけないと思っております。これにつきましては、記憶を紡いでそして県民の防災意識の徹底と高揚につなげ、防災のまちづくりにも生かしていかなければならないと思っております。3月11日というものは、そのためのまさにその当日でございますので、この日の前後というか、これを機会に、改めて、到来のために防災の取り組みを進めていかなければならない、そういう日だと思っております。
 3月11日につきまして、その前後にさまざまな防災の取り組みなりをやっていくということでございますが、さらにそれに加えまして、3月11日をどう位置づけるかにつきましては本会議でも知事から答弁申し上げましたが、防災意識の徹底、高揚にその位置づけはどうつながるのか、そういうことも含めて、広く県民の皆さんの御意見もいただきながら考えてまいりたいと思っております。
 また、それ以外の1月17日でございますとか11月5日という、これまで幾多の災害に我が国におきまして見舞われた、そういう日におきましても、これは節目節目としてさまざまな防災の取り組みを徹底していかなければならないと思っております。
 防災につきましては、なるべく風化しないように、区切り区切りでよく意識を喚起するというか、思い起こすということが大事だと思いますので、そうした機会として、それぞれの日というものをよくかみしめていかなければいけないと思いますし、これにあわせた防災意識の普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
 津波防災について、11月5日がいいのか3月11日がいいのかというところがございました。当面、国の法律では11月5日ということになったわけでございますが、11月5日も大事だという趣旨のことは申し上げましたが、3月11日のほうが直近でございますし、遠いところの話より、あるいは昔の話より最近の、今の、しかも経験した、そういう体験でございますので、本県におきましては一番のメーンというか、3月11日を中心に考えていくべきであろうと思っております。3月11日につきまして、いろいろ本県におきましては一番中心になって考えていくべきだと思っておりますし、また、いろいろ位置づけにつきましては、さまざまな御意見も伺いながら考えたいということを申し上げました。必要に応じまして、そのナショナルな位置づけというか、全体としての位置づけにつきましては、被災県としても、他県の動きもあるかと思いますが、そういうところとうまく調整もとりつつ、こういう意義のある日だという趣旨のことにつきましては国のほうにも申し上げまして、その取り扱い方につきまして検討ののろしというか、そういうことを申し上げてまいりたいと思っております。
〇佐々木順一委員 なるべく風化じゃなく、これは絶対風化させていけないんです。
 それで、先ほど申し上げましたが、津波対策推進法ですか、これは議員立法でつくられた法律であります。御承知のとおりでありますが、それで、確かに史実に基づいた11月5日もそれは貴重な日だろうと思いますが、これまで現代で我々が経験した中で、稲村の火の発生したあの深刻なことよりも、今回のほうがもっと深刻だと私は思いますので、全国的な国家レベルの位置づけというものがいつかの段階では─今はまだ復旧、復興の段階でありますので、それより先んじて何とかの日というのを3月11日に決めるのはまだ早いとは思いますが、いずれにしろ、被災3県でこの3月11日をどう国の中で取り扱うべきか、位置づけるべきか、そういった意見交換をしながら、津波対策基本法の11月5日の法律改正が必要だというのであれば、私は被災県の立場から強く国に求めていくべきだろうし、その内容についても、風化させないような内容を被災県から積極的に訴えていく必要があると思っておりますので、もう一度部長のお考えをお聞きしたいと思います。
〇加藤総務部長 御指摘ごもっともでございまして、まさに体験した我々といいますか、沿岸の被災地の皆さんの思い、そして、それぞれの被災地としていろんな防災の教訓が得られましたので、それを発信していくと。被災地としても重要だと思いますし、これだけの体験でございますので、国家レベルで重要な視点だと思います。また、それにふさわしい位置づけということもあってしかるべきだと思いますので、今御指摘もございましたが、被災各県ともよく連携して、そして議論をどう巻き起こすべきかということもよく考えた上で、しかるべき対応をとってまいりたいと思います。
〇佐々木順一委員 それでは、稲村の火にちょっと関連してお聞きします。
 今から申し上げるのは学校の教材の話でありますから総務部には直接関係ないわけでありますが、防災教育という観点から、御見解をお聞きしたいと思っております。
 稲村の火の史実に基づいた事柄が、今小学校5年生の教科書の教材で使われております。一部では他の教科書を使っておりますから採用していない教科書でありますので、岩手県全体でそれを教材にしているということではないわけでありますけれども、大半が使っているということであります。それは防災教育という視点からではなくて、偉人という視点で子供たちに教えているということでありますが、たまたま去年の3月11日大震災が発生したわけでありまして、その後年度がかわって、多分そのころから教科書で使ってこられたのではないかと思います。それで、一部の教科書の業者とかあるいは学校教育界の関係者から、余りにも震災直後でありますので、子供たちに教えるのはちょっと刺激が強過ぎるのではないかという指摘もあると同時に、教科書販売の業者さんからも、ちょっと考えてみたいというようなお話もあったとのことでありますが、ゆくゆく防災教育という観点からも、こういった教育を学校現場でいつかの時点ではやっていく必要は当然あるわけでありますが、その場合でも、教材の対象として、果たして過去の、しかも我々が一つの歴史の教えとして学んできたものを今の子供たちに教えるのがいいのか。しかも、岩手県がこれだけの被災した県民でありますし、その中にはいろんな郷土の津波に対して人生をかけて暮らしてきた、あるいは取り組んできた人もいるだろうし、あるいは今回の被災でいろいろな犠牲を払ったとうとい方々の事実に基づく活動も当然あったわけでありますから、私はもし学校教育の教材で使うとすれば、できるだけ直近のもの、そしてまた岩手県にゆかりのあるもの、こういったものを教材の対象にするべきではないかなと思っております。
 例えば山下文夫さんという、人生かけて津波と闘ってきた方も岩手県にいるわけでありますから、そういった視点で防災教育というものをこれから岩手県として、被災県として、まさに県内のみならず、全国に発信していく必要があるのではないかと思っております。この点についても防災教育をつかさどる部長の御見解をお聞きしたいと思います。
〇加藤総務部長 防災教育、なかんずく学校教育ということになりますが、学校教育になりますと、教科書をどうするかというのは教育委員会の所管ということでございますので、なかなか直接には申し上げにくいところがございますが、その教材について、今回津波の被害がございましたので、いろんなケアが要るという御指摘はごもっともだろうと思っておりますし、その辺の被災児童等へのケアということも考えていかなければならないと思っております。
 また、教材の内容につきましては、稲村の火のお話も感動的でございますし、非常にいいお話だとは私も思いますが、江戸時代のお話でございますので、それよりはもっと身近に─身近というか、もっと直近のもの、今に、現代に引き合わせたもの、しかもそういった教材が─教材がというか、実際に起こってしまった生きた素材というものが今岩手にはたくさんあるということでございますので、子供たちが学ぶにしても、そうしたわかりやすいというか、よく我が身に引き比べやすいような、そういったものを取り上げるような配慮はあってしかるべきではないかなと考えております。
 教科書の問題もございますし、また、復興教育、防災教育という観点で、教育委員会のほうもその教育の素材といいますか、教材を作成するという取り組みもされておりますので、これにつきまして、いろんな素材の提供ですとか防災の観点からのアドバイスというか、こちらとしての意見等も申し上げてうまく連携をとりながら、この学校現場でも防災教育は非常に重要な視点でございますし、次世代の命を守るという非常に意義ある取り組みでございますので、この実効が上がるように総務部といたしましても努力をしてまいりたいと思います。
〇佐々木順一委員 まさに本当に津波文化に、最後はそこに行き着くものだろうと思いますが、岩手県では歴史に耐え得るようないろんな史実があるわけでありますし、それだけ津波に対する文化ということからして蓄積したものがあるわけでありますので、ぜひ防災教育という観点からも身近なものを取り上げていただいて、そして必要があれば教育委員会とも連携しながら、歴史に耐え得るような事実を今後とも将来に向けて継承していっていただければと思っております。
 それから、最後に新公益法人制度の移行についてお聞きをいたします。
 これは一昨年私、委員会で聞きました。そしてまた、去年の10月の定例会で、新公益法人への移行期限延長に関する意見書、これが去年、本会議で可決されたわけでありますので、これを踏まえて簡潔にお聞きしたいと思っております。
 移行の申請期限は平成25年11月30日でありますが、残り2年を切っております。ついては、これまでの移行申請の件数はどうなっているのかお伺いをいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 これまでの移行申請の件数についてでございますが、新公益法人制度開始からこれまでの累計件数につきましては、県所管の特例民放法人300法人のうち、2月末で67件、全体の22%程度でございますが、申請を行っております。
〇佐々木順一委員 それでは、これまでの移行申請があった法人のうち、公益法人または一般法人へ移行した法人の数、そしてまた今後の申請件数の見込みにつきましてお伺いをしたいと思います。
〇紺野法務学事課総括課長 移行した法人の数でございますが、2月末現在で28法人が新公益法人への移行が認められ、そのうち登記を完了し公益法人へ移行した法人が13法人、一般法人へ移行した法人が4法人、合わせて17法人となっております。残る11法人につきましては、今後、登記を完了し、新公益法人に移行する予定となっております。
 続きまして、今後の移行申請の見込みでございますけれども、2月末現在で押さえている数字でございますけれども、平成24年度、来年度につきましては、155法人、平成25年度に予定している法人が28法人となっております。したがいまして、来年度につきましては、これまで申請済みのものを合わせまして、全体の7割の申請の完了を見込んでいるところでございます。
〇佐々木順一委員 期限が2年を切っております。かなりの法人がまだ残っているわけだと思いますし、また、東日本大震災津波によって移行申請に影響が生じた法人もあると思いますが、こうしたことについてどう対応されるのか、お伺いをいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 平成23年、昨年の9月に特例民放法人に対しまして被災状況調査を行った結果でございますけれども、震災等によりまして人的被害また物的被害があったと回答があった法人につきまして45法人ございました。このうち、移行申請に支障があると回答した法人が13法人でございます。これらの法人に対しましては、現在行っております随時の個別相談を引き続き行っていくほか、わざわざ県庁まで出向いていただく不便を解消して、気軽に御相談いただけますよう、法人の所在地に出向いて現地相談会を数多く行い、法人の個別事情に応じた支援を細やかに行ってまいります。
 また、来年度につきましては、相談件数の多い財務相談に対応するため、非常勤職員、現在1名でございますが、さらに1名を増員して、計2名体制として相談体制を強化することとしております。これらの手段を積極的に進めまして、期限までに申請が間に合わないということがないように事務を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 いろいろ配慮されていることを評価したいと思っております。
 それでは最後に、仮に期限まで間に合わない可能性が高い法人が出てきた場合は、どう対応されるのか。我々も去年意見書を出して延長を求めておりますが、この意見書の趣旨も踏まえて、この可能性の高い法人が出てきた場合どうするのか、これを聞いて終わりたいと思っております。
〇紺野法務学事課総括課長 間に合わない法人への対応でございますが、あらゆる手段を通じまして努力してまいります。しかしながら、本県におきましては、大震災津波の影響もあるため、そのような可能性が高い法人が出てくることも想定されます。このため、公益法人制度を所管する内閣府に現地の実情を把握していただくことが必要と考えまして、今年度、県内4カ所で開催した地域相談会におきまして、内閣府の職員の参加を得て、法人からの相談にも対応してもらいながら、法人の現状を知っていただく機会を設けたところでございます。
 また、昨年、委員から御指摘ございましたけれども、県議会から期限延長について意見書を国に提出していただいているところでございます。が、どうしても間に合わないような事態となった場合につきましては、県議会のさらなるお力添えをいただきながら、国に対して期間延長等の救済措置をとってもらえるように、強く要望してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 2点お聞きします。
 一つは、昨年9月、盛岡にあります県立短大跡地活用について、売却に向って検討すると当局から方針が示されましたが、その後の状況について伺います。
〇清水総務室管理課長 旧盛岡短期大学跡地につきましては、地元町内会、盛岡市の意向を調査するということでございまして、12月に盛岡市及び地元であります4町内会長さん等を尋ねまして、地元の意向を確認したところでございます。
〇福井せいじ委員 確認した後、どのような事実があったのかということを聞きたかったのですが、実は地元の城南地区の19町内会から盛岡市に対して、この跡地の活用ということで、地域の活動センターに使わせていただけないかという要望が出ておりますが、このような要望に対して、県当局に前向きに考えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
〇清水総務室管理課長 地元の町内会からの意向としましては、まず昔からある閑静な住宅地なので、周囲に調和するような住宅街などの調和するものとしてほしいということ、それから、地元の町内会が利用できる施設等につきましても御要望がございました。しかしながら、地元の町内会施設となりますと盛岡市の福祉施設でございますので、盛岡市からの意向等がございましたら、それも踏まえまして今後検討してまいりたいと考えてございます。
〇福井せいじ委員 ぜひとも地域の活性化、地域コミュニティの活性化に資する非常に大きな事案だと思いますので、ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。
 次に、寄附金についてお聞きいたします。
 今震災で世界じゅうの方々から多くの善意が寄せられたと思います。当県に寄せられた寄附金の総額はいかほどになったのかをまずお聞かせいただきたいと思います。
〇八重樫予算調製課総括課長 これまで県に対して寄せられた民間企業や個人の方からの寄附金は、助成金や見舞金の形態をとっているものを含めて、255億円余となっております。
〇福井せいじ委員 大変多くの善意が寄せられたのに対しまして心から感謝を申し上げますが、この寄附金の制度についてちょっと御提案をしたいと思います。
 ちょっと古いデータになりますけれども、2002年、アメリカの個人の寄附の総額は22兆9、900億円でした。日本の同年は2、189億円、アメリカの100分の1程度なんですね。これの違いというのは、文化、風習の違いもありますが、同時に、税金の制度の違いが挙げられます。アメリカ合衆国では、支払う税金の一部が免除されますけれども、日本では、寄附をしても税金が免除してもらえないという状況があります。今、認められているのは自治体や学校、一部の団体、狭い範囲に限られています。こうした税金の制度上、なかなか寄附も広がらないと考えられますが、そこで私は今回この震災を機に、寄附金の制度改革をこの岩手県から国に提案してはいかがかと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。
〇加藤総務部長 寄附金に係る税制の問題についてでございます。
 寄附金税制につきましては、これまでかなり長い間議論が続いておりまして、順次改正が行われまして、控除対象となる寄附先の範囲、対象限度額の拡大でございますとか、対象下限額の引き下げなど、徐々にではありますが制度の拡充が行われてきております。寄附文化の醸成と要請に一定程度対応しているものと理解しておりまして、特に最近の税制改正におきまして、大きな改正が行われたという状況でございます。
 という状況でございまして、直近の平成24年度税制改正大綱におきましては、累次にわたる制度拡充の効果検証を行った上で、寄附文化醸成にも資するよう、必要に応じて見直しを検討する旨、言及されております。
 県としても、まずはこういった大幅な税制改正が行われてきていると。まだその効果を十分見きわめる段階に至っていないということもございますので、その制度改正の効果を見きわめるべきではないかと考えております。
 先ほど紹介いたしました税制改正大綱の記載、記述でも触れられておりますように、国においても、改めて検討機会は設けるという方向でございますので、それに向けまして、市民活動を促進する観点でございますとか、また、先ほども答弁いたしましたが、本県は被災県ということで今回多大な寄附をいただいたと。その際に、この寄附税制はどういう役割を果たしたのか、そういったこともよく状況なりを把握しながら、課税庁としての立場も踏まえまして、必要に応じて提案を行っていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今部長の答弁にもありましたが、大変ありがたい寄附金をいただいたということを身を持って我々は感じているわけであります。ぜひとも、富の再配分という観点で、今までは寄附金制度に制限がありましたが、インフラがある程度整備された今の状況の中で、ぜひとも、この寄附金の効用というものを検証しながら、国に対しても制度改正を求めていただきたいと思います。
〇関根敏伸委員 私からは1点だけ端的にお伺いをいたします。ただ、非常にお答えしづらい質問なのかなと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 質問要旨に、複数年度にわたる長期的歳入確保の見通しについてという1項目を掲げさせていただきました。特にも、これは震災関連を想定しての質問であるわけでございます。この見通しがつけばこんな楽なことはないと思うんですけれども、それでさまざま御苦労はされていらっしゃるかと思いますけれども、来年度は1兆1、183億円、震災分で4、652億円と。平成22年度の補正から含めますと1兆1、634億円と。これ以降も8年間の復興期を考えますと、相当の長期的な歳入の確保、安定した財源というものを見通していかなければならないと思うんですが、現在でどのように長期的な歳入の見通しを立てていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。
〇八重樫予算調製課総括課長 財源確保の見通しと方策についてでありますが、昨年7月に国が策定しました東日本大震災からの復興の基本方針におきまして、復旧、復興事業の実施に係る地方負担分については地方交付税の加算を行うなど、確実に地方の財源の手当てを行う旨明記されておりまして、基本的には地方負担は生じないものと認識しております。そのため、平成23年度、平成24年度予算の震災対応分の財源確保につきましては一定のめどが立ったものと考えております。
 一方で、今、委員からお話のありました復興計画期間内に被災団体が行う復旧、復興のために必要な経費が国で想定する復興費用の範囲におさまるのか不明であるなど、現時点では復興完了までの財源確保の見通しについて確固たることは申し上げられないところでありますが、震災からの復旧、復興のためには国の強力な支援が不可欠であり、復興事業に係る地方負担分に対する財源措置が基本方針どおり確実になされるよう今後とも国に対して強力に要請していく考えでありますし、現在、震災復興特別交付税、平成23年度分は3月末に交付が参りますが、県としてはそれを1、116億円予算計上しておりますので、そうした財源措置が確実に得られるように国に対して要請をしていく考えでございます。
〇関根敏伸委員 まさにそのとおりだと思います。平成25年度以降がどうなのかということになるわけですが、国が想定している範囲内の復興の経費におさまるのかどうかという部分だと思っております。
 それでお聞きしたいんですが、国では、あらあら23兆円が復興に係る総額という見通しを立てて、そのうちの相当な割合を復興の基盤期に集中的に予算化する、こういう方針の中で4次の補正を立てて、新年度予算も今、審議中ということになっているわけであります。県の復興総額の見通しも、私、何度か質問しているんですが、明確な答弁がないわけであります。当初8兆円というあらあらの数値が出てまいりましたが、その後の措置された数値等も出てきていない現状であります。現在、国が見通している23兆円、それに対応したさまざまな復興債でありますとか復興増税でありますとか、そういった財源確保で国は予算立てをしているようでありますが、十分だとお考えなのでしょうか。
 それをまず1点お聞かせいただきたいと思いますし、復興交付金が1兆9、000億円程度予算化されて、今年度2、800億円程度が配分されると。それから、復興特別交付税6、855億円、このうち県が一千百数十億円というお話でございましたけれども、こういった予算が確実に平成25年度以降も地方負担が一切かからないような形で計上されることになっているのかどうか、その見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
〇加藤総務部長 復興の全体の総額、県もそうでございますし、あるいは国ということでございますが、国の23兆円、当面19兆円ということでございますが、なかなかその積算根拠は我々も判然としないところがございます。実際どうなのだろうかとやや懸念しているところもあったんですが、最近の復興交付金の交付の状況等を見ますと、やや心配というか先行き、見通しがおかしくなってきたと感じておりまして、これにつきましては、改めてもっと国におきましても精査していただきたいと思いますし、また、来年度以降も今のような財政措置なりを継続していただかないと、復興につきましてはシュリンクしてしまうというか、今後うまく進まなくなってしまうという懸念が大きくございますので、今現在、復興の枠組みはもうつくって、あとは措置していけばいいという風潮が国にあるわけですが、その辺のところにつきましては、改めてよく被災地の実情、被災団体の意見も伺って、もう一度枠組みの議論を大いに国においてはやっていただきたいと思っております。
 国もいろいろな課題があって、最近、震災からの復旧、復興についての議論のトーン、位置づけがやや弱まっているような気もいたしますので、その辺につきまして、これは当部だけではなく県全体の課題だと思いますし、そういう議論を巻き起こして、国において改めてもうちょっと、復興が1年ということでございますが、これが進んできた段階で今後どうするのか、その辺のもう一度改めてのチェック、そして今後の枠組みの再設定なりを働きかけていかなければならないと思っております。
 また、それに向けまして、復興の進捗状況とか、昨年の段階で決めるときの議論としては県としてもまだ先がなかなか、事業費なり確たるものを積み上げにくいところもあったわけですが、復興計画実施計画もございますので、それを踏まえたものをできる限り出せるようなことをやっていかなければいけないと思っております。
〇関根敏伸委員 ぜひ必要だと思うんですが、国の議論をどうやってこちらのほうから仕掛けていくのか、どういうタイミングでどういう形で、これは岩手県だけの問題ではなくて宮城県も福島県も共通課題を抱えていると思うんですけれども、今、国の議論をさらに再度始めてもらう、そういうスタートを切らせるためにどういった方策を考えていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
〇加藤総務部長 私の段階でどこまで申し上げられるかというところはございますが、まずは、やはり被災地の実情というか、復旧、復興の進捗度合い、事業の状況、そして何を被災者の皆さんは望んでいるのかをよくわかってもらうというか、それをまずこちらとしてもアピールというか主張していく。そして、そういう議論される方々、国の意思決定される方々にも被災地に入ってもらってその実情をよく見ていただく。被災地から離れ、あるいはしばらく行かないとその辺の感覚も薄れますし、時々刻々いろいろな状況変化もございますので、今の状況、そしてそれを踏まえて、何を望んでいるかをわかってもらう努力を積み重ねていくというか、地道にやっていく必要があるのだろうと思っております。
 これにつきましては、さまざまな機会をとらえて、また実際に被災地にお越しいただくような算段も要ると思いますし、こちらからもその辺の状況をどういうふうに整理して持っていくのか、いろいろなやり方、ルートが考えられると思います。具体的にまだそういう戦略という段階までいっていないと思いますし、これは庁内全体で、あるいは県だけではなくて被災市町村等ともよく連携して考えないといけないと思いますので、その辺をよく戦略を考えて、まず庁内での議論なりを進めていきたいと思っておりますし、その辺は全体で連携をとって図ってまいりたいと思います。
〇関根敏伸委員 ぜひお願いしたいんですが、その議論のスタートを切らせる前提条件として、岩手県が、先ほど話をいたしましたが、復興の総額の見込み、事業見込み、予算、それをしっかり持って、復興の進捗管理とあわせて、これだけの予算がこれだけの年数でこの時期にかかるということを示した上で国に議論を吹っかけないと、私は国としても23兆円が妥当なのかどうかということは平行線になる可能性があるのではないか、そんなふうに思っております。
 復興交付金などは、まさに達増知事初め県の皆様が一生懸命国に訴えられて、使い勝手のよいという名目で創設された交付金でありますが、ふたをあけますと、結果的に補助金が拡大された、そういったたぐいの交付金でありますし、現状、1次交付金の状況を見ても、岩手県は随分頑張って交付されたようですが、他の県を見ますと相当厳しい査定がされているという現状を見たとき、これは本当に簡単ではないと思っております。
 新年度予算は通常分を6%削って、通常分、選択と集中で予算を何とかひねり出して、震災分に国の予算と一緒に乗せて何とか予算立てをしてきているわけでありますし、それはそれでいいんですが、復興の部分については選択と集中というわけには私はいかないと思います。復興に必要な事業がこれだけあって、メニューがこれだけあって、事業費がこれだけあるということを逆算して、安定した予算をどうやって長期的に見出していくのか、こういう見通しを立てないと復興というのは本当に進まないと思います。私が懸念する岩手県から人口の社会減、流出がどんどん加速されかねない、こういう現状もあるわけですから、くどいようでありますが、もう一度復興局と予算の歳入の部分に責任を持つ総務部と、全庁的に8兆円という見立てがどうなのか、6年間、1期の基盤復興期と2期の本格復興期でどの程度の予算がどうかかっていくのかということをきっちりと精査したものを早々につくって、それをもって国に議論を改めて訴えかけていく、こういう必要があると思うんですけれども、この見立て、あるいはそういった試算、こういったものについての策定の予定等は立てられていらっしゃらないでしようか。
〇加藤総務部長 今現在すぐにいついつまでにつくるというスケジュールを持ち合わせているわけではございません。これが正直なところでございます。鶏が先か卵が先かみたいな議論なんですが、非常に不確定要素が多くて、こちらもなかなか積み上げにくいところがございます。
 ただ、いろいろな議論、今の御指摘、大変我々も貴重な御提言をいただいたと思っておりますので、なるべく1歩でも2歩でも、一挙に精密な積み上げができるたぐいのものではないと思いますが、最初につくったものよりはある程度固まったものということで、徐々にある程度ローリングするという形で一歩進んだ形のものをつくれるかもしれない、そういうこともございますので、さまざま今の状況もけみしながら、これまでよりも一歩進めないか、もっとビビッドな積み上げをつくれないかどうかにつきまして改めて議論してしかるべき対応をとらせていただきたいと思っております。
〇高橋昌造委員 私からは、大きく3点についてお伺いいたします。
 予算に関する説明書の96ページの防災総務費、消防指導費に関連して、地域防災力強化プロジェクト事業費に関連してお伺いいたします。
 先ほど加藤総務部長から東日本大震災津波の教訓を踏まえ地域防災力の強化を図るということでございますが、私もちょっと調べてみたんですが、自主防災組織のカバー率は、全国の平均が74.4%、岩手県は72.5%で下回っているんですよね。それから、消防団の団員数は平成22年4月1日現在で2万3、420人。ふえたり減ったりはあるんですが、ほとんど横ばいであると。その中で、三つのことについてお聞きしたいと思います。
 まず一つは、被災市町村を初め県内の全市町村、または防災関係機関、団体と地域防災のことについて情報提供、共有するために定期的な協議をやられておるのか、しっかり市町村との連携をやられているのかということが一つです。
 次に、このプロジェクト事業を進めるための目標設定、または具体的に取り組んでいく上で、今よく言われる見える化を具体的に指標を示してやらなければ、私は遅々として進まないと思うんです。
 防災総務費と消防指導費を合わせて3、700万3、000円なんですね。大震災津波にいち早く取り組まなければならない最重要課題だと思うんです。だから思い切った予算措置を講ずるべきではないのかということで、まず当局の考え方をお伺いします。
〇小山総合防災室長 まず第1点目、定期的な協議という御質問でございましたけれども、今、委員から御指摘にあったような定期的といった形では協議の場は設けてございません。随時市町村とのやりとりというのは業務の中においてやって連携をとるという体制はとっているつもりでございますが、そういった意味では定期的な協議はやっていないのが実情でございます。
 また、目標設定でございますが、例えば、先ほど自主防災組織の組織率というお話がございました。今回の東日本大震災津波におきましても、自主防災組織の活動が盛んなところは被害が少なかったといった実態がございます。先ほど委員からお話あった組織率といったものにつきましても、今ちょっと手元に数字がないわけでございますけれども、震災前の昨年の組織率は73.6%だったように記憶しておりますけれども、若干ずつは上がってきております。そういった意味で、自主防災組織の組織率を高める等、一つの指標化をいたしまして取り組んでまいりたい、かように思っております。
 この3、700万円が多いのか少ないのかというお話でございますけれども、今回、東日本大震災津波につきましては、昨日、おくればせながら検証結果等につきましても委員の皆様に御配付させていただいたところでございますが、ああいった検証、課題等も踏まえながら、平成24年度、例えば自主防災組織の育成強化もなお一層推進員といった専門の人員を配置する等で努めてまいりたいと思いますし、こういった金のかからない部分と言ったらおかしいんですが、そういった面でも鋭意県内の防災体制の強化に向けて施策を進めてまいりたいと考えておるところでございます。御了知いただければ幸いでございます。
〇高橋昌造委員 わかったようなわからないような答弁で、何か響くものが一つもないんですよね。先ほどの総括のときの加藤総務部長の答弁も、私に言わせればまさに不誠実な答弁だと思うんですよ。
 いずれ、この地域防災は本当に真剣に取り組んでもらわなければならない。市町村との連携をしっかり取り組んでやっていただきたい。
 これ以上言ってまたおしかりを受けては大変なので、次に、同じく予算に関する説明書の89ページの賦課徴収に関することでお聞きしますが、まず一つは、納税貯蓄組合です。これは国税、県税、市町村税、大きな役割を組合として果たしてきたわけですが、今は電子申告納付で、今後、納税貯蓄組合のあり方もやはり考えていかなければならない時期に来ているのではないかということで、今まで県税なり市町村税の関係、特に市町村税が納税貯蓄組合を通してどのぐらいの納付率になっているのか、その実態がわかれば。
 そして、今後、この納税の仕組みとか、これからの納税貯蓄組合のあり方を検討する時期に来ているのではないかということで、まずそこをお伺いいたしたい。
 次に、岩手県地方税特別滞納整理機構の実態がどうなっているのか。滞納整理のために一定の役割を果たされていると思うんですが、滞納整理がどのように具体的に進捗されているのか、その徴収の実態をまずお示し願いたい。
 次に、自動車税の関係ですが、大震災津波による課税客体である自動車の実態をどのように把握しているのか。また、税収にどのような影響があるのか、もし被災市町村の関係の部分で把握しているのであればお聞きしたい。
 それから、軽油引取税の関係では、不正軽油の取り締まり実態がどうなっているのかお示し願いたいと思います。
〇永田税務課総括課長 納税貯蓄組合についてでございますが、納税貯蓄組合というのは、納税貯蓄組合法によりまして租税の納期内完納の推進という目的で組織された団体でございまして、現在、2、934組合ほどございます。
 活動については、組合員への納税通知書の配付、それからパンフレットの配布、研修などを行っておりまして、県としてもその連合会に対して助成を行っているところでございます。
 この納税貯蓄組合を通しての納付率ということでございますが、これについては資料がございません。
 次に、岩手県地方税特別滞納整理機構のお尋ねでございますが、滞納整理機構は、個人県民税、それから市町村税に係る大口滞納事案、それから徴収困難事案について滞納整理により徴収確保を図ることを目的に平成18年10月から設立して、県と市町村が一体となって滞納整理を行ってきたところでございます。
 機構の活動実態、成果ということでございますが、個人県民税、市町村税の事案につきまして機構移管予告書というものを発付して─アナウンス効果ということでございますが─、それによって納税を促すということがございます。その後、機構が市町村から引き受けし、機構として滞納整理を進めているということでございます。
 平成18年度から平成23年12月末までの状況でございますが、機構移管予告書を発付し納付された額は39億4、200万円余、機構が市町村から引き受けし徴収した額は11億6、000万円余、合わせて51億2、000万円余(後刻「51億200万円」と訂正)となっているところでございます。
 次に、自動車税についてでございますが、平成23年度は大震災の影響がございまして非常に自動車税にも影響があったところでございますが、全県におきまして納期限を延長し、津波被害が甚大な地域につきましては自動車税の課税を保留してきたところでございます。
 その後の被災自動車の状況でございますが、その把握に当たっては、岩手運輸支局、それから各市町村、それと広域振興局の税務担当等で情報共有を行いまして、自動車の個々の状況調査を実施してきたところでございます。その後、納税者の皆様からも随時はがきあるいは電話等によりまして車の実態をお知らせしていただいておりまして、その結果、使用することが可能と判明した自動車については随時課税を行ってきたところでございます。
 現在の時点で被災した自動車については1万5、937台となっておりまして、さらに、現在、不明の自動車は全県で275台、これがまだ車の状況がわからないというものになってございます。被災自動車の割合は、全県で51万6、000台ほどございますが、その中で3%前後ということになってございます。
 最後に、軽油引取税についてでございますが、課税捕捉調査を毎年行っておりまして、平成22年度の数値でございますが、324業者を調査いたしておりまして、調査件数543件、これの課税捕捉額は616万円ほどとなってございます。これらの内容につきましては、混和と言いますけれども、軽油に重油なり灯油なりを混和したといった事例。それから免税軽油というものがございますが、これは用途によって免税券を発行しておるものでございますが、その用途外使用というものがございまして、それの捕捉額でございます。
 なお、平成23年度につきましては、大震災の影響がございまして、毎年行っております運輸支局等との合同路上調査を中止せざるを得なくなってございます。
 先ほどの滞納整理機構の成果についてでございますが、平成18年度から平成23年12月までの累計ということで51億2、000万円と答弁しましたが、正しくは51億200万円でございます。訂正させていただきます。
〇嵯峨壱朗副委員長 この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いします。通告していると思うので、ちゃんと事前に用意するべきだと思いますけれども。
〇高橋昌造委員 基本的なことは私もわかっておりますので、もっと細かくお聞きすればよかったのか書いておあげすればよかったんですが、当たり前のことだと思って私は、今後気をつけます。一から十まで今度は出させていただきます。
 次に、予算に関する説明書の81ページ、人事管理費に関係してお伺いいたしたいと思います。
 まず、職員の服務規律についてお伺いいたしたいということで、基本的に、県職員の人事管理というのは当然地方公務員法とか、その他関係法令に基づいて実施、また管理されているわけですが、地方公務員法とか関係法令に違反して処分された内容、またはその原因は何なのか。今後、そういった不祥事が発生しないようにするためにどのような取り組みをなされているのか、服務の規律ですね。
 次に、職員研修でございますが、職員能力を発揮させるためにいろいろな研修に取り組まれていると思うんですが、これについて、例えば平成24年度、具体的にどのようなことに取り組まれるのか、その辺のところ。
 そして、職員の厚生福利についても医療とか健康増進とか保健事業、いろいろあるんですが、職員研修とこの厚生福利の中で、特にも大震災津波を受けて、職員のメンタルヘルスの関係での研修とか、またはそういうようなサポートすることについてどのように平成24年度取り組まれるのか、その辺のところのお考えをひとつ。
 それから再任用制度の関係で、これは私から言うまでもなく、退職なされる職員の知識や経験を即戦力として、どういう職種が多いかあれなんですが、特にも技術職員とかなんか今足りないということを言われているんですが、平成24年度でどのような再任用をなされるのか。そして、今までの3年なり5年ぐらいの推移、再任用の状況はどうなっているのか、その辺がもしわかればお知らせしていただければと。
 最後に、服務規律とか職員研修とか厚生福利とかかたい話ばかりしてあれなので一つやわらかいお話をさせていただきたいと思いますが、国会なんかでも、農協職員がいろいろなこと、それから市町村の職員もマスコミの報道で善行というかよい行いをしていろいろなところで取り上げられているんですが、県庁の職員だって私はおると思うんです。そういう職員の表彰制度とか、そういったものの実態がどうなのか。
 それから、大震災津波を受けての職員の提案制度、こういったことについてどのような状況になっているのか。私はどんどん吸い上げて、こういうようなものを取り入れていったらどうなのかと。
 最後に、通告はしておらなかったんですが、事務事業の円滑、効率的な執行を図るために、職員の人事管理に適正を期するために職員の人事異動基準というのがあると思うんです。それで、平成24年度の人事異動の特徴的な、または基本的な考え方をもしお示しできるのであればお示し願いたい。
〇浅沼人事課総括課長 多くの質問をいただきました。順番にいきたいと思います。
 まず、服務規律という観点で、処分の件数、原因、その対策というのが1点目だったと思いますが、今年度の懲戒処分の件数でございますが、合計いたしますと13件となってございます。4月以降2月1日時点までということになります。
 内容としましては、一般服務違反2件、事務不適切3件、一般非行4件、道交法違反2件、及び関連いたします監督責任2件という内訳になってございます。
 その対策でございますけれども、懲戒処分のコンプライアンスの徹底という部分につきましては、従前からコンプライアンスの日などを設けまして取り組んできております。なかなか減らない状況にもあるわけですけれども、所属長から職員に対します注意喚起を繰り返し行ってきているところでございますし、後ほどもお答えしますが、職員研修の中でもそういった公務員倫理及び綱紀の保持等々に関する研修は繰り返し行ってきているところでございます。
 今後という部分になりますけれども、本会議でも答弁があったところではございますが、第2期アクションプランでは職員憲章というものを基本理念に据えることにしてございます。その中に法令遵守というのも大きな項目の一つして掲げているところでございます。いま一度基本に立ち返りまして、そういった職員憲章の取り組み、所属内での所属長と職員の対話の中でのそういった意識づけの徹底、そういった部分、基本に立ち返った取り組みが必要な状況ではないかと考えているところでございます。
 2点目、研修という御質問がございました。来年度の職員研修につきましては、発災を踏まえまして大きな特徴と申しますと、何より市町村との合同研修という部分ではないかと思っております。今般の対応の過程におきまして、県職員と市町村との連携が大事であろうという気づきをいただきましたので、来年度におきましては市町村との合同研修を重視してまいりたいということで、現在、関係団体と調整を進めているところでございますし、その一方で、eラーニング、在宅でも研修が受けられるような、育児休業の職員等への配慮という部分、そういったようなものにも、今年度試行してみましたが評価が高うございましたので本格的に取り組んでまいりたいと考えております。
 三つ目が、厚生福利につきましてはまた別でございますので、再任用について私から答弁させていただきますが、再任用につきまして、まず、過去3年の状況でございますが、平成21年度32名、平成22年度40名、平成23年度57名となってございます。平成24年度でございますが、知事部局で61名ということで、前年度に対し4名の増加となってございます。
 発災を踏まえての対応ということで申し上げますと、人数に関して申し上げますと、従前は半日勤務を原則とするということで対応してまいりましたが、今般の職員数の不足という事態を踏まえまして、この春に退職して再任用を予定する方にはフルタイム勤務、1日の勤務をお願いしておりまして、相当数の方々がこれに応諾していただける状況となってございます。
 次が表彰の関係でございます。
 表彰に関しましては、現在、私どもいろいろ制度を持ってございますが、知事表彰という形で、事績顕著者表彰─これが最高位でございますが─、そのほか部局長表彰、総括課長表彰とそれぞれ階層ごとの表彰を持ってきてございます。今回の発災などを含めまして、さまざまな職員の取り組みについては積極的に対応していくべきものと思っております。職員のモチベーションの向上という部分は大事でございますので、御意見をいただきましたので、従前にも増して積極的に対応に取り組んでいきたいと思ってございます。
 それから六つ目、職員提案制度のお話もございました。今、手元に数字はございませんけれども、これらにつきましても、今後、復興に当たりましては、職員のそういった提案というものを生かした取り組みは非常に大事になってくると思っておりますので、この部分につきましても従前にも増して積極的な対応は必要だと強く認識しております。
 最後に、人事異動の関係でございますけれども、御案内のとおり、沿岸部におきましての復興が急務になってございます。したがいまして、人事異動はまだ調整中でございますので結果の部分ではお話しできませんけれども、復興にかかわるセクション及び、両方になってしまいますが、内陸での例えば産業振興、保健福祉サイドの配慮、こういったもののバランスをとりながら人事異動を進めてまいりたいということで、今、最終調整を行っている段階でございます。
〇平総務事務センター所長 厚生福利についてでありますが、主たる事業としては職員の健康管理に要する事業を実施しておりまして、本年度は、とりわけ発災直後から被災地等の各職場を精神科嘱託医等が巡回訪問いたしまして、所属長面談や職員の健康相談に対応しております。さらに、定期健康診断の際に全職員を対象としてメンタルヘルスセルフチェックを実施して、精神科医師による面談を事後指導という形でメンタルヘルス対策に本年度努めているところでございます。新年度も引き続き、災害復興に従事する職員を初め、職員のメンタルヘルス対策の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
〇永田税務課総括課長 先ほど納税貯蓄組合を通じた納付率の御質問がございましたが、納税貯蓄組合を通じた納税とそれ以外による納税について、これを区分しての集計はしておりませんので、何とぞ御了承願います。
〇岩渕誠委員 私からは、大きく防災の観点、それから財政の観点、2点お伺いしてまいります。
 まず初めに、防災の観点でお伺いしてまいります。
 昨年度は大震災発生ということで県の総合防災訓練が中止ということになったわけでありますけれども、新年度以降、県の防災訓練のあり方についてお尋ねしてまいります。
 まず、どのようなコンセプトで実施していくのか。それから、3.11大震災を受けて、その教訓をどうとらえて防災訓練に反映させていくおつもりなのかお示しいただきたいと思います。
〇宮元防災危機管理監 防災訓練のコンセプトでございますけれども、今後の防災訓練につきましては、人命が失われるような津波被害は今回で終わりにするという県民一人一人の思いをもとに、住民も主体的に参加する実践的な訓練としていくべきだと考えております。
 それから、教訓の防災訓練への反映でございますけれども、今回、東日本大震災津波検証の結果、得られた通信、情報とか避難行動とか物資輸送、備蓄などのさまざまな課題を解決していくことを重点として実施していきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 トータル的なお話はわかりましたが、その実践的訓練というのは具体に何を示しているのか。
 それから、今いろいろな教訓ということで、総括的なお話ととらえましたけれども、今までなかったことで、教訓としてあらわれたものが具体にこれとこれがあるんだと。したがって、この防災訓練はこれとこれをやるという具体的なものが頭に描けないとなかなか得心がいかないわけでありまして、そこをもう一度、具体がありましたらお示しいただきたいと思います。
〇宮元防災危機管理監 今回の災害対応での課題でございますけれども、避難計画、避難所、今までの避難計画では今回の津波に対応できなかったこととか、通信、情報とか停電とか、庁舎も被災して通信手段が限定され、なかなか情報が行き届かなかった。それから、発災当初、水とか食料とか毛布の物資が不足してなかなか被災避難所等に届けられなかったこと。それから、今回の大きな特徴であります燃料の不足、そういった課題がございますので、こういった課題を克服できるようなことに着意して訓練等に取り組みたいと考えております。
〇岩渕誠委員 具体的なお話を期待したのですがなかなか出てこないので、もう一回聞きたいところですが、時間もないので先に進みます。
 いずれ今までの県の総合防災訓練というのは、おおむね内陸と沿岸と交互に行われてきたわけであります。それぞれ目的も違ったと私は思っているのですが、そのあたり、やはり震災を踏まえて、訓練の交互実施とか、そういった中身というのは見直していくものなのでしょうか。
〇小山総合防災室長 今後の防災訓練の実施のあり方についてでございますけれども、御案内のとおり、これまで9月1日を防災の日ということで総合防災訓練を市の持ち回りという形で実施してきたわけでございます。
 ちなみに、来年度─平成24年度につきましては、今年度開催予定地であった釜石市におきまして実施することで今、動いておるところでございます。
 訓練の関係でございますけれども、先ほど総務部長からも答弁がありましたけれども、3.11という日は、後世にこの教訓を伝えていくといった意味からも、また、こういった被災があった、災害があったということを後世に伝えながら地域に防災文化を根づかせていくという意味からも非常に大事な日であると考えております。そういった面から、この3.11におきましても、教育訓練、もしくは、先ほど実践的なというお話をさせていただきましたけれども、地域に防災力強化という意味で、そういった力がつくような訓練を実施していく必要があるだろう、かようには思っております。
 ただ、先々、この3.11がどういった形で、例えば追悼という行事とかも当然予定されてくると思いますので、そういった状況も踏まえながら、全体としてどういった訓練がよろしいのか、今後、検討してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 やはり今、9月1日に固定されている防災訓練の日にちを3月11日にシフトしていくということが必要であろうと。あるいは2回やるということも必要だろうと思います。実際に沿岸では、震災前は、3月3日昭和の大津波は釜石市でやっていました。それから、5月25日に近い日曜日のところで大船渡市は防災訓練をやっていた。それから、6月の明治三陸大津波で被害が大きかった沿岸の北のほうはその日に合わせてやっている、こういう実態でございますので、ぜひそれに合わせる形でやっていただきたいと思います。
 それから、当面、沿岸のほうが中心の訓練になるかわかりませんが、実践的なという言葉の中で私一つお願いをしたいのは、午前中もいろいろ議論があったところでありますが、原発事故に対しての訓練をどうしていくかというのも一つの見直しの観点ではないかと思っています。安全協定の議論がありましたが、私はむしろ議論の余地はなくて、やるかやらないか。やるしかないだろうと思います。
 私のところは多分一番原発から近い地域で、私、多分一番近いところに住んでいると思います。40キロとか50キロ圏内であります。何かあれば、今回のケースを当てはめると私は自宅に戻れない、こういうところにもなるわけであります。
 そこで、安全協定はもちろんですけれども、原発事故を万が一想定した形での訓練というものもどこかに盛り込んでいく必要があると思うんですが、御見解をお示しいただきたいと思います。
〇小山総合防災室長 原発事故を想定した訓練ということで御質問に答えさせていただきたいと思います。
 今回の福島の事故に関しましては、いわゆる放射性物質が飛んできたという実態がございます。また国におきましては、先ほど委員のお話にあった30キロとか50キロというエリアでどういった対応が必要かという検討が今なされていると理解しております。
 委員御指摘の原発事故に対応した訓練というのは、午前中にもお話がありました地域防災計画への盛り込みというのも含めまして、国がその対応をどういうふうにするべきかというのもあわせ持ちながら検討していかなければいけないと考えております。これはやらないという意味ではなくて、そういった状況も踏まえながら、全体として、例えば避難措置が必要なのかとか、どういう想定をしてどういう行動が必要なのかということを踏まえなければなかなかできないのではないかと存じております。そういったことで、今後国がどういった方向に検討が進むのか、そこら辺を注視しながら検討させていただきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 いずれ実践的訓練でございます。実践的訓練の中には当然そういったものも入ってくると私は認識しております。勉強の段階ということなのかもしれませんが、実現に向けて最大限の努力をしていただきたいと思います。
 防災の拠点ということに質問を変えていきたいと思いますが、今後、学校施設というのは非常に重要になってくると思いますし、ハード面だけではなく、その機能を充実させるにはソフト面をどう充実していくかということが非常に大切だと思っております。今回も教育現場が防災の避難所だったり、いろいろな役割を果たしたわけでありますが、今まで防災における教育現場と地域の連携はとれていたとお感じになっていますでしょうか。その辺の検証はどうなっているのでしょうか。
 私が思うに、子供たちを守るという意味からも、それから地域の拠点ということで防災の価値を高めていくためにも、やはり教育現場と共同の地域の訓練というものをやらなければいけないのではないかと思っています。学校は学校独自で避難訓練をしよう、地域は地域でやろうというのではまさに実践的ではないと思っておりまして、このあたりをどのようにお考えなのかお示しください。
〇小山総合防災室長 委員御指摘のとおりだと思っております。
 まず、検証の状況でございますけれども、今回、事前の避難所運営というのは、おおむね市町村の防災計画では、市町村の職員もしくは地域の区長とか、そういう方々がおやりになるという規定が多かったと存じておりますが、実際、避難した際においては学校の教職員の方々にその運営に鋭意携わっていただきまして、運営がうまくいったという事例が報告されております。
 そういった意味からも、また、例えば今回は児童生徒が在校中というのが多かったんですが、登下校の最中といった場合、地域の方々と一体となった防災の取り組みが必要だと思っております。
 そういった意味で、まさしく実践的な訓練という意味で、学校の教職員の方々、そして地域の方々が一体となった訓練は非常に重要だと認識しておりまして、今後、今回の地域防災計画の見直し等につきましても、市町村の皆様方に例えば会議等を通じてお話しする機会を設けていこうと考えておりますけれども、そういったことも踏まえつつ、そういった訓練の必要性についても周知といいますか、お話しさせていただきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 ぜひ教育委員会ともよく話をして実現に努力していただきたいと思います。
 それでは、財政の面でまとめてお聞かせいただきたいと思います。
 先ほど復興財源についての議論が関根委員からありました。規模をどうするかというお話がありましたけれども、私は、規模とともに、必要なことは財政の自由度がどれぐらいあるかということがもう一つのポイントだと思っております。
 そこでお尋ねいたします。新年度予算において自由度がどうだったかという指標の一つは、いわゆるひもつき補助金がどの程度あったのかということで推しはかれると思うんですが、ここ最近の変化を示していただきたい。また、ひもつき補助金というのは、震災対応分あるいは通常分で差があるのかどうか。
 それから、今回、復興基金を財源とするということでかなり自由度が増した部分があるかとは思うんですが、復興基金を財源とすることで予算編成に利点となった点はあったのか、あるいは財政の自由度が高まったことにより実現した予算措置を挙げていただきたい。
 また、実現の過程で、国から何らかの関与があったのかどうか。例えばこれはやってはいけないとか、それに対して、対抗して独自性をどのように発揮されたのかお示しいただきたいと思います。
〇八重樫予算調製課総括課長 まず、補助金についてでありますけれども、補助金とは奨励または助成的な意味から特定の事務事業に対して交付されるものでありますので、その意味ですべて事業に付随しているものでありますが、本年の国庫補助金の予算計上額につきましては、平成23年度最終予算が3、494億円余、平成24年度当初予算が764億円余となっているところであります。
 いわゆるひもつき補助金につきましては、国の地域主権戦略大綱において、国から地方へのひもつき補助金を廃止し、基本的に地方が自由に使える一括交付金にするとの方針のもと、現行の補助金、交付金等を改革すると位置づけられており、平成23年度より内閣府に一括して予算を計上し、対象事業の範囲内で地方自治体が自主的に事業を選択する地域自主戦略交付金が導入されたところであります。
 本県における地域自主戦略交付金の額は、平成23年度最終見込み額が107億円余であるのに対して平成24年度当初予算では139億円余と増加しておりまして、さきに申し上げました国庫補助金に占める割合が18.2%となっているところであります。また、震災対応分については復興交付金が別途措置されるところとなっております。
 次に、復興基金についてのお尋ねであります。
 まず、復興基金を活用した予算編成での利点についてでありますけれども、今回の大震災津波では国の支援や制度の拡充等が図られてきましたが、個人の生活再建や事業者の事業再開のための資産形成などに関してはなおすき間が生じてきたものであります。財政基盤の弱い本県が、このようなすき間を埋め、きめ細かな取り組みを進める上での財源として復興基金は大きく役立ったところであります。
 財政の自由度が高まったことにより実現した予算についてでありますが、復興基金については、被災者や事業者支援に必要不可欠な事業の財源として活用してきたところであり、三陸鉄道の再開に向けた支援、被災者の住宅再建に向けた助成、中小企業再建に向けた施設等の復旧、整備に対する助成などが挙げられます。
 国からの指導等に対する県の独自性の発揮についてでありますけれども、復興基金の創設に当たって、国から措置されました特別交付税には、阪神・淡路大震災以後に制度化されました被災者生活再建支援制度に相当する分は除かれていたものでありますけれども、被災者の多くが待ち望む持ち家の再建には資金面での充実が必要と考えまして、県独自に被災者の住宅再建に向けた助成に対して予算化を行ったところであります。
〇岩渕誠委員 特に最後にお話しされた生活再建支援制度の関係はかなり国も抵抗したとお聞きしておりますが、それに対して、財政の自由度があるということで、かなり上乗せ、横出しというところを県独自でやったということはまさに評価すべきところだと思っております。
 どこかの大臣で知恵を出すなら金を出すと言ってやめた人がいましたけれども、これを聞く限り、知恵はあるから逆に金を出してくれと今まさに言わなければいけないところだと思うんですが、一方で、自主的な財源の中にもかなり復興財源として導入できるものがあるのではないかと思っています。例えばですが、県独自の目的税になっている森林税があります。これは大体6億円から7億円オーダーであるかと思うんですけれども、通常であれば公益的機能の発揮のためにこれをやるということでありますけれども、こうした震災時にあって、こうした財源を幅広に使えるような形にして復興財源に繰り入れていくということが私は必要だと思っているんですが、どのようにお考えですか。
〇加藤総務部長 独自課税の復興財源への繰り入れというか充当ということでございます。
 独自課税は条例に基づく課税ということになりますので、税収の使途、範囲あるいは課税期間が定められております。今現在、復興基本計画におきましても、制度趣旨に基づく範囲において復興のために活用ということになっております。条例の縛りがあるわけでございまして、税でございますので、税を創設した際の趣旨も十分尊重しなくてはいけない。当然負担者がいらっしゃるわけでございますので、負担者の理解も得なければならないということでございまして、全くこれまでと違う形の充て込みというのは難しい面はございますが、その趣旨にそぐう中でのやりくりということにつきましては、復興計画にもその趣旨が明記されておりますので、工夫してまいりたいと思います。制度の大きな枠につきましてはなかなか難しい面はありますが、その中で柔軟な対応を図りたいということでございます。
〇岩渕誠委員 今の森林税の事業を見ますと、1、000万円程度でしたか、被災地向けの事業ということで新年度にたしかあったと思います。そういうような形でやるのはいいんですが、それは本当にごく一部なんですね。6億幾らは森林整備ということ。森林整備ももちろん大事です。だから、それを全部振り分けろという話ではなくて、やっぱり今、川下の部分が木材でもいろいろなところで被害を受けている。その復興がなければ、今度、川上の森林整備が生きてこない、こういうこともありますから、それはやっぱり幅広に運用の中で検討するということは必要ではないかと思っております。
 最後の質問ですが、いずれあらゆる面から復興を急がなければならないんですが、それにしても財政面から地域主権を実現しなければならないということは間違いのないところだと思います。ある程度の規模と自由度があれば極めて有効な政策が打ち出せるということが新年度予算の中にも散見されていると思うんですが、これについて、やはりもう1段階アクセルを踏み込んで、国に対してきちんと、この自由度の部分に関しても、相当、規模と合わせてですけれども、制度の拡充というものをやっていかなければならないということで強く訴えるべきだと思うんですが、総務部長に見解を聞いて終わります。
〇加藤総務部長 いろいろ制度なり財源の御指摘もございました。いわゆる一括交付金につきましては、議論の中でも申し上げましたが、一定の評価ができるものであるということでございまして、これにつきましては、大きな方向性としては拡充していくという方向が出ておりますが、これにつきまして加速できるように、こちらとしてもいろいろ意見を申し上げていきたいと思っております。
 復興基金についても同様でございます。来年度の予算編成に当たりましては大変うまくやりくりできる、そういう財布になったという面もございます。先のことを考えるといろいろいただいてはいるんですが、まだ足りない面もあろうかと思いますので、この辺のさらなる獲得につきましては、これまで以上に強く要請をしていきたいと思います。
 こういったことも含めて、さらなる自由度の拡大ということでございますので、一番いいのは、全く色のついていない、ひものないものでございますので交付税ということになろうかと思います。交付税を含めた地方一般財源総額の確保、これは先ほど言いました個別のものもございますし、それをトータルで見たさらに地方一般財源ということになりますが、この財源確保につきましては、これまで以上にまた戦略的に取り組んでいきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 防災に関連して1点のみをお伺いあるいは提言をしたいと思います。
 放射能の問題でありますが、岩手県の取り組みはちょっと生ぬるいのではないかと思います。
 これは歴史に学ぶべきでありまして、南部藩の時代、かつて三陸沿岸の県北、沿岸地域でありますが、天明の大飢饉というのがあったようでありまして、これは長野県の浅間山の山体半分以上が吹っ飛んだ大爆発であったようでありますが、これが気流に乗りまして、本県の沿岸地域の上空はるかにやってきて、稲の穂が出る、結実をする大事な時期に、2週間ぐらい太陽を遮ったということが原因のようだと言われております。また、今回、福島原発の爆発が、台風シーズンに当たらなくてよかったなと思います。本県の場合は、必ず風は大体南から吹いてくるわけでありまして、あるいは中国からの黄砂という話もあって、日本海なんか一飛びで来るわけであります。
 それから、第二次大戦当時は、日本軍は風船爆弾というのをつくりまして、上空150キロの気流に乗っけてアメリカに飛ばして、アメリカのあたりでぼつぼつ爆弾が落ちるような、何発か届いたようでありますけれども、そういうのまで考えますとあり得ることだと思いまして、想定外ということはあり得ないと思います。したがいまして、平面的な考えではなくて、天井も、あるいはもっと海という部分も見ていかなければ、岩手県は大変なことになりはしないか。想定は、最悪の条件掛ける最悪の条件、二乗でもいいと思いますけれども、そういう取り組みを、もっと過去にさかのぼった例をひもときながら考えていくべきではないかと思います。いかかでしょうか。
〇加藤総務部長 放射能災害、原子力災害を踏まえた防災の取り組みということでございます。これにつきまして、今御指摘もございましたが私どもも、いろいろ想定外ということはあり得ない。今回、実際、原発災害も起こってしまっているということでございまして、大変危機感はございます。それにつきましても、何らかの対応が必要になってくることも考えなくてはいけないと思っております。ただ、我々もちょっと限界もございます。─限界もございますというか、知識的になかなか追いつかない面がございまして、その辺はもっと知識を広げなくちゃいけないと思っていますので、さまざまなそういう知識を吸収して、あるいは国がどういう動きをするのかということも踏まえた上で、対応を考えていきたいと思っております。
 防災計画の見直しに当たって、なかなかそこの部分が盛り込めていないんじゃないかということで御指摘を賜っておりますが、今回につきましてはこの1年の間に津波対策、それに対して今後の実効ある防災体制づくり、なかんずく、その中でも、まず第一歩としての防災計画の見直しを何とかこぎつけるということで、そちらを優先してまいりました。ただ、防災計画につきましては、午前中も知事のほうから答弁申し上げましたように、これは不断の見直しが必要だと。常にきちっとした想定なりいろいろなことを考えてやらなくちゃいけないという趣旨のことも申し上げておりますので、まずは今回はその応急的な、本県における今一番喫緊の課題ということで対応を進めさせていただいておりますが、原子力災害の観点も含めてそういったいろんなことは当然ございますので、この辺につきましてもどう盛り込むべきか、どうすべきかということにつきましては、アンテナを高くして今後対応を考えていきたいと思っております。そういう中でただいまの御提言につきましても、十分検討させていただきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 これは県土整備部にかかわる部分かとは思いますけれども、一応防災という観点でお話をしたいんですが、沿岸地域では急傾斜地の整備を進めてきました。これはこれで山崩れに備えるということでありがたいことではありましたが、今回急傾斜地が全部コンクリートで、とってつけみたいな鉄製のはしご、そういったもので全然避難の場合に役に立たなかった。逆に、避難を阻害してしまったという点があるんだと思います。したがいまして、今後の急傾斜地整備あるいは避難路の確保につきましても、防災の観点から、ぜひ県土整備部とやりとりをしていただいて考えていただきたいと思います。提言をして終わりますが、何かありましたら一言お願いします。
〇加藤総務部長 御指摘の事項も今回の災害における貴重な教訓だと思います。避難の状況、その避難路、避難施設がどうであったかということも含めて、十分県土整備部を初めとする関係部局と調整いたしまして、また市町村にもそうした観点もお伝えしまして、今後の整備対応に生かさせていただきたいと思います。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 きょう、何度か原子力災害の防災計画への盛り込みについての答弁がございました。知事、総務部長、総合防災室長。答弁するごとにニュアンスが変わっているんですよね。何が間違っているとは言いませんけれども、わかりにくい。何が、今後皆さんが進めようとしている方向なのか、きょうの答弁ではわからない部分がありますので、今見解を求めませんけれども、再度、原子力災害事故に対する本県の防災計画の見直しにはどのような方向で取り組むのかということについて答弁をまとめていただきたいと思うので、きょうとは申しませんので、世話人会において協議の上、総務部長から再度きちっとした答弁を出すべきだと思いますので、取り計らいをお願いします。
〇嵯峨壱朗副委員長 世話人会を開いて協議したいと思います。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後4時11分 休 憩
午後4時28分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、総務部関係の審査では、この後6人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇高橋但馬委員 私は電子県庁一本に絞って質問させていただきます。
 平成24年2月14日に閣議決定されて国会に提出されましたいわゆるマイナンバー制度法案がもし可決された場合、多くの情報システムに影響があると考えられます。納税、医療、そして介護、年金など、かかわる番号を個人ごとに、このばらばらのものを一元化して情報を集約する共通番号制度、いわゆるマイナンバー制度なんですけれども、これが導入された場合、国ではシステム連携のため番号制度を使用する予定としているが、県の情報システムでも使用することとなるのでしょうか。
〇紺野法務学事課総括課長 県システムでの利用ということでございますが、委員御指摘のように、税ですとか社会保障、防災等々の幅広い分野で番号制度を利用していく方針と伺っております。県の情報システムにおきましても、国や他の地方自治体のシステムと連携している分野におきまして、番号を利用するということになろうかと見込んでおります。
〇高橋但馬委員 番号の利用に当たっては、県が保有する既存の業務システムについて、当該地方団体のシステムの状況等に応じて番号制度を導入するシステムの改修が必要となりますけれども、経費負担、そこはどのようになっているのか。
 このシステムの構築は国主導で行われていることですので、当然、国が経費負担をすることが適切であると私は考えているんですが、その点について国との十分な協議は行われているんでしょうか。
〇紺野法務学事課総括課長 御指摘のとおり、マイナンバー制につきましては国策として導入されるということでございますので、導入に係るシステム改修経費につきましては、国の負担が当然と考えております。既に全国知事会におきまして、システム改修等に伴う経費負担につきましては国に求めておりまして、現在、総務省で所要の経費について国費負担を検討していると伺っております。
 県としましても、全国知事会等とさまざまな機会をとらえまして、国に対して適切な負担を要望してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 引き続き国のほうで負担できるように要望し続けていっていただきたいと思います。
 今回の3.11の東日本大震災津波のような災害が起きた場合に、かかりつけの病院が被災した場合でも、別の医療機関で番号から投薬情報や持病の確認などもできますし、支援金の給付にも活用できると。このような番号制度の使用に当たっては、マイナンバー法案の広範な利用範囲が規定され影響範囲が広いんですけれども、個別にシステム開発、改修することは、県にとってコスト高になるのではないかと考えるんですが、システムのコスト縮減についてどのように県として考えているのか、お知らせください。
〇紺野法務学事課総括課長 マイナンバー法案におきまして、都道府県関連の27の事務が番号制度の利用範囲とされておりまして、地方税初めさまざまな事務が対象とされております。これらの個別システム開発を行うということは、委員御指摘のとおり、コスト増につながるおそれがございます。
 現在、番号を利用するシステム開発、改修の具体的内容につきましては、総務省の地方公共団体における番号の活用に関する研究会等におきまして検討されております。その結果を参考としながら、システム設計を共通で使えないかどうか等々を初め多角的に検討を行いまして、経費縮減につなげていきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 番号制度は県の広範なシステムに利用される見込みとのことでありますけれども、標的型メールなど特定の機関や企業をねらうサイバーテロが発生するなど、情報システムの攻撃は次第に巧妙化、高度化していると思います。私も自治体クラウドや電子県庁、そこの部分で過去何度も質問させていただいているんですけれども、情報システムのセキュリティーの問題というのは必ず言われるところでありまして、まず情報が漏れれば、今回の場合、所得から社会保障給付などプライバシーが丸裸にされるだけに、マイナンバーを利用するに当たっての県情報システムのそのセキュリティーの確保についてお伺いいたします。
〇紺野法務学事課総括課長 現在、県の情報セキュリティーの確保につきましては、岩手県情報セキュリティポリシーに基づきまして、日ごろから対策を講じているところでございます。しかしながら、マイナンバー利用に関しましては、県システムと連携させる手順が現時点で国から詳細に示されてございません。したがいまして、現行セキュリティポリシーによる監視体制等で、安全かどうか判断できない状況となってございます。したがいまして、今後、国から利用手順が示され次第、早急にセキュリティー確保について検討し、必要があれば、国に対して一層の対応を要請してまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 もし、法案が可決された場合、県にとって、今後、数年間にわたるマイナンバーにかかわるシステムの開発、その開発規模や影響範囲から見て非常に重要であると私は考えますけれども、そのマイナンバーへ適切に対応して経費縮減や業務効率化を実現するための対応はどのようなものを考えられているんでしょうか。
〇紺野法務学事課総括課長 まず、事務の効率化等は避けて通れないことでございますので、現行システムの効率化に資するかどうか等々も考え、また、経費縮減にもつながるか等も考え合わせて、マイナンバー制の導入を検討していきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 最後の質問になりますけれども、マイナンバーは、短期間で多くのシステムの改修が見込まれるということはわかったんですけれども、県そして市町村では、番号利用に加え、特別な仕組みで番号カードを交付する予定と聞いているんですけれども、市町村のシステム対応は県以上に課題があると考えられます。その影響や支援について、県ではどのように考えているんでしょうか。
〇菅野行政情報課推進課長 市町村側の対応といたしましては、既存システムとしまして、住民記録であるとか税業務といったもののシステム改修作業が当然発生いたします。それに加えまして、住民に対して市町村長による個人番号通知という業務が発生します。さらには、申請によりますけれども、ICカードというもの、個人番号カード、これを交付するという業務が新たに加わると聞いております。
 システム改修の詳細につきましては、県同様、市町村につきましても、今後、国から示されるということになっておりますけれども、昨今の国会の議決であるとか、もしくはそれが可決された後の開発状況、それによりましては、最終的に市町村システムの開発、それから職員の業務確認期間の短縮が懸念されるということを認識しているものであります。
 県といたしましては、国の開発状況やシステム詳細の入手に努めまして、県内市町村が参加します岩手県電子自治体推進協議会等におきまして、県の対応状況も交えながら情報共有を図っていきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 県のほうでは、電子県庁であるとか市町村にも先じて動いていると思います。この部分におきましても、しっかりとマイナンバー制度に向けて支援を確実なものにしていってほしいと思います。要望で終わります。
〇佐々木朋和委員 民主党の佐々木朋和でございます。
 私のほうから、3点質問をさせていただきます。
 まず第1点目、消防団の安全の確保についてお聞きしたいと思います。
 先ほど佐々木順一委員の御質問によりまして、消防救急無線のデジタル化の流れが明らかになったわけでありますが、その中で消防団の団波、消防団員の情報連絡ツールの整備についてはどうなっているでしょうか。
 今般の大震災津波によりまして、消防団の方々のとうとい犠牲がありましたが、防災救助活動の指揮命令のためだけではなくて、団員の安全確保のためには、まず第一に、情報源の確保が重要と考えられます。しっかりとした安全の確保がなければ、沿岸地域の消防団活動の継続もままならないと思いますし、各地域でなり手の不足が懸念されている中で、その影響が県全域に及ぶ可能性もあると思います。御所見をお願いいたします。
〇小野寺防災消防課長 まず、消防団における情報ツールの充実改善の御質問でございましたが、県では、確かに委員から話がありましたとおり、今回の震災津波における災害対応の検証を行った中で、やはり消防団員に対する確実な情報伝達の重要性というものについて改めて認識されたところでございます。また、実際に災害対応に携わった消防団の関係者の方々からもお話を伺ったところ、やはり情報手段の確保が重要との多数の意見が上がってきているということでございます。このため、当面、市町村に対しまして、国庫補助事業を活用して安全確保のため、まず通信ツールとして、トランシーバー等の整備を働きかけたところでございまして、これにつきましては、4月以降、順次、配備される予定ということでございます。
 先ほども言いましたとおり、トランシーバーの部分について現場活動にしか使えないと、距離が短いという部分がございまして、根本的な解決策とはなっていないということでございまして、先ほど答弁申し上げたとおり、平成28年を目途とする消防救急無線のデジタル化を進める中で、市町村と連携しながら、消防団無線強化の部分につきましても検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ進めていただきたいと思います。
 その中にありまして、今御答弁の中でも今回のことを検討という話も出てきましたが、私は今回の大震災津波を受けて、多くの犠牲を出した消防団の安全確保について、トータルで考える機会ではないかと思います。例えば、装備品についても、市町村によって違うとは思いますけれども、はっぴなどについても、昔は火事のときに水をつけて、含ませて防火の役割を果たすものだったが、今は水も吸わないようなものであったり、ヘルメットも、何十年も前のものだという現場から声を聞いたりもしております。この装備品については一例ですが、それを含めた安全の確保、ひいては、今後、継続可能な消防団活動に向けてトータルで検討すべきと思いますが、御所見をお願いいたします。
〇小野寺防災消防課長 消防団の装備における安全対策の取り組みについてのお尋ねでございますけれども、まず消防団活動の安全を促進するための装備につきましては、当面、先ほど申した国の3次補正の絡みで、安全確保策の装備品としてライフジャケットなどの装備が措置されたところでございます。市町村に対しましては、この事業の活用を呼びかけているところでございます。
 なお、このトータルな安全対策の検討、検証という形でございますけれども、現在、県の消防協会と連携いたしまして、特に沿岸市町村の消防団長など関係者の参画を得まして、地震直後の消防団の活動について現在安全確保策に関する検証を行っているというところでございまして、この検証を踏まえまして、消防団の安全対策を総合的に進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今回、消防団の重要性、また、勇姿とともに危険度もクローズアップされたと思います。今後、地域に欠かすことのできない存在だと思いますので、県としても、今後も消防団が継続していけるような取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
 次に2点目、県立大学における教育研究の充実について伺いたいと思います。
 このたびの過去に経験のない大震災そして放射線被害に対して、住民の方々からは、県ではどのような研究を今現在進めているのかというお話をよく伺います。これまでの経験、蓄積が通用しないということが行政の対応についても大きなネックでありますし、住民の皆さんにとっても大きな不安ですし、農家の皆さんには負担となっていると思います。そのような中で、県も国に任せるだけではなくて、県立大学と連携を図りながら積極的に研究、実証をしていくべきだと思いますが、県立大学の震災後の、また震災前からでもいいですけれども、震災関係の研究、実証の取り組みをお教えいただきたいと思います。
〇清水総務室管理課長 県立大学における震災に対する研究、実証の取り組みでございますけれども、県立大学では、震災発災後の応急対策といたしまして、情報通信の途絶を受けまして、地域における情報途絶の解消や避難所のニーズ把握のためのシステム開発等に携わったところでございます。また、平成23年4月に地域政策研究センターを設置いたしまして、暮らしの分野では、被災地における社会的孤立の防止と生活支援型コミュニティづくりなど4課題、産業経済分野では、被災地における経済復興への課題など6課題、社会・生活分野では、在宅療養者の被災実態と防災教育の取り組みの方向性など5課題、全体で15件を震災復興研究の課題として取り組んでおり、県全体の震災復興に研究成果を反映させることとしているところでございます。
 なお、放射線に対する研究につきましては、専門とする教授がいないことから、現在取り組んでいないところでございます。
〇佐々木朋和委員 これから住民の皆さん同士の中でも、また、これまでの間でも、まちづくりにおいての安全性の問題だとか、もしくは立地の問題などで意見の集約がなかなかできずに、住民同士の争いになるという場面もあったように聞いております。そのような中で、学術的な見地からアドバイスすることで、円滑に物事が進んでいくということもあると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思いますし、また、農林水産分野について、放射線については関係部署でまたお聞きしたいと思いますが、放射線については特にも目に見えないものですので、学術的な下支えがなければ県民の信頼を得られませんし、また、そのメカニズムが解明されていくと除染についての負担も大幅に、住民の皆さん、農家の皆さんも軽減されると思いますので、ぜひこれからも御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 最後にお聞きしたいと思います。突然の通告で申しわけございませんでしたが、放射線量の情報発信について伺いたいと思います。
 現在までは県はホームページを中心に行っているところで、随時細かく表示をしていただいてありがたいと思っておりますが、現在の課題と今後の展開についてお聞きをしたいと思います。
 先に私見を述べさせていただきますが、現在の情報発信については、課題として、ホームページだとなかなか能動的にとりに行かなければ情報が得られない。また、受動的に入ってくる報道などについては、継続的にもう大丈夫になったものまでは報道していただけないというところで、住民の不安の解消になかなか至っていないのではないかと思います。現に、一つの農作物について値が出たという報道があると、では、これはどうなんだ、あれはどうなんだと、私のところへも電話がかかってきまして、それが実際には何カ月前にもう大丈夫だと出ていたものだったり、また、井戸水について大丈夫だったという検査が出た後に電話がかかってきまして、その前に水道水を調べるべきだと。もう水道水は調べてあるわけですが、そういうような話で、知識がなかなか列をなしていかないという状態があるように思います。
 その点で、例えばなんですが、今テレビがデジタル放送になっている、もしくはこれからなるという状態なんですけれども、データ放送などを使って、今ボタン一つでそういうような情報をとれるというシステムもありますので、そのような形もとったりしながら、よりわかりやすい情報発信もするべきだと思いますが、御所見をお聞きしたいと思います。
〇小山総合防災室長 ただいまの放射線量の測定結果等の情報発信についてでございますけれども、委員の御指摘のとおり、ホームページには逐次更新といった形で提示アップしているわけでございますけれども、積極的にとりに行かなければいけないと、そのとおりでございまして、県の広報につきまして、現在、広報媒体の一つとしてデジタルデータ放送を有しておるということでございまして、ただ、これは災害情報として今現在使っておるという状況でございまして、この状況が変わりましたらというのはおかしいんですけれども、放射線の測定結果等を載せられるようになりましたら、そういったものを活用するように、関係部局と調整してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 そのようなデジタル放送の下地もあるということで、ぜひ期待をしたいと思いますし、ぜひ住民の皆さんが情報リテラシーをしっかりして、正確な判断、情報を得られるように、ぜひこれからも取り組んでいただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 地方消費税について1点のみお伺いします。
 平成24年度予算では、歳入で地方消費税清算金として240億円余、また、諸支出金、歳出の方としては110億円と計上されております。私は歳入のほうはすべて一般財源であるという認識ですが、これをまず確認したいとともに、今、社会保障と税の一体改革、どうなるかわかりませんけれども、その内容を見ますと、この改革の消費税の増税分について、これはすべて国民に還元するよう、金額を社会保障に財源化するという方針が定められていて、仮に、もし消費税が増税されるとなると、地方の負担分、いわゆるこの部分についても目的税化されるのではないかというような懸念がございます。そういうことを一つ一つちょっと確認をして、これから地方分権の推進に当たって、岩手県が自由裁量度の高い財源をいかに確保するかという観点と、いかに発信をしているかという観点からこの質問をするものでございますので、よろしくお願いします。
〇八重樫予算調製課総括課長 地方消費税清算金、平成24年度当初、収入は245億3、700万円ございますが、すべて一般財源でございます。
〇飯澤匡委員 それで、ただいま国会で審議をされております社会保障と税の一体改革、消費税で賄うと。こういう社会保障に使途を限定すると、地方側として、地方自治体としての岩手県の評価、これはいかなるものでしょうか、お答え願います。
〇永田税務課総括課長 地方消費税の評価についてでございますが、現在、地方消費税は、国の消費税と同一の課税方式をとっておりまして、当分の間、消費税と合わせて国によって賦課徴収するということで、地方の自主的な判断により変えることができない制度となっております。
 また、評価のほうでございますが、偏在性が少なく安定的な税源、それから納税者の利便性、賦課徴収に要するコストが低廉であることなど、税制としては合理的な側面を有しているということも事実でございます。
 また、平成24年度税制改正大綱におきまして、地方自治体の執行の責任、それから住民の利便性の向上等の観点から、消費税、地方消費税に係る地方自治体の役割の拡大を進めることが必要と言及されておりまして、当面は現行制度の中で、申告書の収受、納税相談等の取り組みを通じまして、課税庁として、県税としての説明責任を果たしていきたいと考えております。
〇加藤総務部長 済みません。ちょっと質問の趣旨と違う答弁になってしまって恐縮でございます。
 社会保障財源に消費税をアップして充てるということについての県の考え方ということでございます。
 今後、高齢化が進んでいくということで、社会保障の財源につきましては、社会保障の経費につきましては増加が避けられない状況でございまして、これについてその財源をどう考えていくかというのは、我が国において避けられない課題であると考えております。それに対しまして消費税を充てるということも一つの方策でございますが、消費税、今現在、増税をするかどうかという議論もございますが、その増税なりをどういう待命で行っていくかどうかということにつきましては本会議でも御議論がありましたが、知事から答弁したとおりでございまして、社会構造の変化の分析、現実の経済状況等を十分踏まえまして、国民的議論を経て慎重に判断していただきたいというのが県の立場でございます。
〇飯澤匡委員 いや、私の言いたいのは、きょうの代表質疑の議論にもありましたように、今、第3次の地方分権改革が進んでいる中で、地方の自由度の拡大を期待したいと。要は財源の確保もいかに─先ほども今回の東日本大震災にかかっての一括交付金であれ復興基金という議論もありました。やはりここは地方の、自治体の立場として、地方分権を推進する意味において、ここはしっかり情報発信と、岩手県としての構えを示すべきだと私は思うわけです。ですから、消費税の増税に対する知事の答弁は本会議でも私も聞きましたから、それはそれとして、地方の側として、社会保障に使途を限定することについての私は評価を求めたいわけです。そうしないと、いつまでたってもこれは、消費税が増税すると、知らない間に、これは国の消費税と連動していますから、そうすると、地方の分け分は今回も大きな議論があったようですけれども、自然に増収が入ってくると。ところが、増収分は我々の社会的ニーズに合っているか合っていないか、これはよくわからないと。それでは全く地方分権の推進の観点に照らしては全然合致しないわけですよね。ですから、私は岩手県の構えを今の時点で聞いておきたいと、そういう趣旨でございます。
〇加藤総務部長 今現在議論されている消費税の使途につきましては、社会保障財源という議論が強くなっているというか、そういう方向が出ているという状況でございます。これに対しまして、岩手県としてはということでございますが、社会保障、県の財政なり財政管理、あるいはそういう財政運営の見地から申し上げれば、先ほども御答弁申し上げました、一番一般財源でいただくことが望ましいことは確かでございます。財源が拡充されるのであれば一般財源でいただく、それを県としての判断でいろいろな事業に充てていきたいというのが最もな御意見でございまして、それを一番望んでおります。ただ、現下の議論の中におきましては、国民負担を求める中でどういう使途なりに充てることがいいのか、それについていかに国民の御理解をいただくかという中で、社会保障、これはどなたも国民であればその恩恵というか、効果を受ける、社会保障に充てるということが一番理解が得られるだろうということでこの議論が出てきているところでございまして、それにつきましては、社会保障がかなり大きなウエートを占める、また、地方、県の財政運営におきましても、社会保障の部分につきましても例年増嵩しておりますので、それについての財源ということも我々にとっても大きな関心事というか、どうするか非常に難しい問題になってきておりますので、これを社会保障に充てるという考え方、増収分についてそれに充てるという考え方につきましては、一定の理解をせざるを得ない、するものであるという考えでございます。
〇飯澤匡委員 では、これは通告をしていますから聞きますが、それでは本県の社会保障のニーズ、それは今後増嵩される、増嵩が予定、推察される社会保障費の中で、実際に生の部分で岩手県が必要だと思われる概算額というのは見積もっていらっしゃいますでしょうか。
〇八重樫予算調製課総括課長 社会保障関係経費についてでありますが、平成24年度当初予算における医療、介護、高齢者福祉、子ども、子育て、障がい者福祉等に係る経費は、予算額で980億円程度、一般財源ベースで830億円程度となっているところであります。
〇飯澤匡委員 それで、今後の動向を見て、岩手県としてはどういう判断をしているか。シミュレーションは恐らくなさっていると思うんですが、ざっくりでいいですから御説明を願いたいと思います。
〇八重樫予算調製課総括課長 全国知事会等を通じまして、社会保障関係経費に関する地方負担額の将来推計というのが行われておりまして、社会保障関係経費が増嵩するという数字が出ておりますが、本県として、将来どの程度の社会保障関係経費になるかという推計はいたしておらないところでございます。
〇飯澤匡委員 まさにその点が、私、一般質問で地方政府という言葉を申し上げましたが、それから納税者に対して説明責任を果たしていくには、これからの時代を見据えた場合、保障費がどれぐらいになるんだろうというのは、岩手県でもしっかりつかまえておく必要があると思うんです。
 今回の社会保障と税の一体改革の議論の中でも、地方側が一般財源で充当している部分もかなり多いと。したがって、消費税の中の国の分と地方分との奪い合いがあって、その部分についても大きなせめぎ合いがあったと聞いております。
 今回の質問の趣旨は、いかに地方自治体と言われるものが地方政府にかわるときに、岩手県が国の大きな制度改革の中で、消費税の自分たちの取り分がどういう部分でどれだけ情報発信できるか、どれだけ抵抗できるかについてはまさに懐疑的な部分がありますけれども、私が申し上げたいのは、自分たちの地域は自分たちで守っていくと、責任ある自治体を目指すためには、それなりの構えをしておかなければだめなんだろうという思いでございます。国税の中に隠れる地方税ということがずっと継続してくるようであれば、これはもう完全にわかりにくい状況が永遠と続くことになります。やはり分権改革に沿った地方消費税の構築に向かうということが、我々地方自治体にとっても大事な観点だと思うわけですが、その点について総務部長の見解を聞きましょうか。
〇加藤総務部長 地方消費税の仕組みにつきましては先ほど税務課総括課長のほうから答弁があったところでございますが、この仕組み、極めて異例なというか、イレギュラーな仕組みであることは事実でございます。本来、地方税であるのにもかかわらず、自分たちでとれていない、しかも税率の設定が自分たちでできないということでございますので、まさに財政需要という観点でどこまでとるべきなのか、どういう形で御負担いただくのかというところのセッティングといいますか、その制度設計が自分たちでできないという仕組みになっておりまして、これは異例でございますし、本来的なあり方とは違うものだと。本来、もっといい、合理的な実効可能な仕組みがあれば、そちらに移っていくべきものであろうと。あくまでも過渡的なものではないかと思っております。ただ、今現在こういう仕組みがございまして、一定の合理性もあるという答弁も課長から申し上げました。なかなかそういう形で、本来的なあり方とは違うわけなんですが、今ある仕組みそして今回の消費税議論の中でも、ここの部分まで動かすという議論は残念ながら進んでいないということでございますので、当面、今のこの仕組みの中で、ただ、消費税についても、御負担いただく中に地方としての負担があるということも含めて課税庁としての責任を果たしたい。そういう中で、受益と負担という観点もございますが、この税によってこういう形で行政サービスが展開されているという部分につきましても、説明責任を果たしていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 私からは2点ほどお伺いしたいと思いますが、短く進めたいと思います。
 まず1点目は、先ほど来午前中の議論もありまして、放射線の対策についてまずお伺いしたいわけですが、県として今回の原発事故を受けて今影響対策本部特命チームを立ち上げて、それぞれの部局ごとにさまざまな対策を講じて進めてきております。1月24日に県政記者クラブの皆さんに出した取り組み状況の資料などを拝見しているわけですが、それぞれの部局ごとの取り組みの経過や今後の課題と対応方向ということで、これまた部局ごとにはそれぞれの考え方が示されております。ただ、新年度に向かってあるいは新年度以降、これからの中長期的なこの放射能問題に対する本県の対策という方針や方向性については、具体的なものがなかなか見えてこないと感じております。そうした意味で、中長期的な取り組みとしての県の姿勢というものがどうなのかということについて、まずお伺いしたいということです。
 それから、この特命プロジェクトチームの中で、それぞれの部局ごとには対策を講じ、いろんな状況が伝わってくるわけですけれども、これをトータルして全体のものとして統一的に、いわゆる横断的な対応としてどう進もうとするのかというところに実はまとまったものが見えないわけです。その辺も含めて具体的な内容を示していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇加藤総務部長 放射能影響対策についてのお尋ねでございます。
 原発事故による放射性物質でございますが、広く県民生活に影響を及ぼしまして、その影響もまた長期にわたるものと見込まれます。
 中長期の方針ということでございますが、県としましては、これまで策定した各種の方針、これが方針ということでございますので、これがある一定の考え方を示しているものと考えております。これに基づきまして、県民の安全・安心の確保、風評被害の防止を図るためにさまざまな対策をとっているということでございまして、状況の変化に応じまして、この方針につきましては適宜修正、改正等を施しまして、これに基づきまして、各般の施策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
 また、各部局が連携した取り組み、横断的な取り組みというお尋ねでございます。
 それぞれ具体の対応ということになりますと、各部局における取り組みということになってまいりますが、適時に本部員会議を開催いたしまして、情報あるいは問題意識の共有を図りまして、部局間の調整を図っているところでございます。そういう中で、具体的にさまざま調整をいたしまして、整合性のある対策というものに努めているところでございます。
 その見せ方なりが不十分ではないかという御指摘もございました。これにつきましては、そういう対外的な説明の仕方等につきましては、工夫を重ねたいと考えております。
 横断的な対策ということで幾つか具体例を申し上げますと、例えば農林水産部が実施いたしております本県産の農林水産物の検査につきましては、環境生活部と一体となりまして、その設備、機器類等も活用いたしまして、放射性物質濃度の測定を行っている例がございます。
 また、市町村が学校等において局所的に放射線量の高い箇所を測定、調査し、低減措置を講じる事業につきましては、予算の計上の環境生活部において、補助金の執行等の環境生活部が中心となってということでございますが、環境生活部が市町村と調整に当たっておりますが、関係部局の意見を取り入れまして、環境生活部の所管ということに限らず、公園や公共施設等に対象を広げていると、こういう取り組みも展開しております。
 また、学校給食の食材検査につきましては、教育委員会が市町村の測定機器整備に対し支援を行っておりますが、この測定の精度確保でございますとか、測定の対応に関しましては環境生活部や農林水産部等、庁内の関係部と一体となって支援をしていくと、こういう状況でございます。
〇木村幸弘委員 そこで、いろいろと今御答弁いただいた取り組みについてはそのとおり、それぞれの部局ごとに大変御苦労をいただきながら取り組みをしていることは承知しているわけですけれども、きょうの午前中の審議と、そしてこの間、午後もいろいろ各委員からも意見が出ていましたが、その防災計画との関係の中で、今後の放射能の対応、対策をどのように取り組んでいくのかという位置づけを考えていく必要があるんだと私は思っておりまして、そういう意味で言えば、この間の対策本部が取り組んできた経過、経緯に対しての検証をきちんと行うべきだろうと思っています。
 きょう、災害対応に対する検証報告書の議論も午前中久保委員からなされましたけれども、同様に、これから長期にわたってこの放射能に対する対策をどういう形で本県がしっかりと体系的に対策を講じていくのかということを県民にもしっかり示していく、そしてこの間の取り組みの経過やそれらの課題を明らかにしていくということも含めて、情報を明確にしていくべきだろうと思うんですね。そういう観点から言えば、この検証というものをやって、その報告を取りまとめながら今後の課題や対応についての方針と、そしてそれらに基づく防災計画への位置づけ、対応などについての検討ということで、しっかりとそういった取り組みをやるべきではないかと思うんですけれども、その点についてどうでしょうか。
〇加藤総務部長 放射線影響対策の検証、また、今後の位置づけということでございます。
 今現在、放射線影響対策につきましては、まださまざまな対策を講じている最中でございます。また、今後もいろいろな展開が考えられる─考えられるというか、起きてしまうかもしれませんし、いろいろ策を講じなければいけないという状況かと思っております。検証といいますか、まだその段階ではなくて、今どうしていくかという状況だと思っております。
 県の施策、対策等につきましてどういう形で行ったか、それに対して県としてどう考えているのか、今後どう改善していくのかということにつきましては、政策評価の仕組みもございますので、放射線影響対策につきましてもどういう形で政策評価の中に取り込んでいくのかどうか、この辺につきましては関係部局等も含めて検討させていただきたいと思っております。
 それから、防災計画上の放射線影響対策の取り扱いということでございます。
 放射線影響対策につきましては、今さまざまな対策を講じております。これにつきまして、いわゆる防災計画に盛り込む災害事象と同じ─同じというか、同列のものなのか、同種のものなのかどうかというところもございます。ということで、ちょっと防災計画に盛り込むかどうか、この辺につきましては検討課題と考えております。
 そういった放射線影響対策も含めまして、原子力防災、例えば福島県のような事態になりますと、これはもうまさに災害対応という観点だと思いますが、こういったことも含めて原子力防災に係る全体の枠組みにつきましては、国において新たな枠組みというか、それを検討中ということでございますので、この防災計画上のこういった原子力防災の取り扱いにつきましては、この方向性も踏まえまして改めて検討したいと考えております。
〇木村幸弘委員 今年度の予算の中で、地域防災力強化プロジェクト事業費で、公助の部分として、市町村の地域防災計画の見直しを支援するんだということも書かれております。そういう方針でいくと、例えば市町村レベルにおいても、この防災計画の見直しや検討を進める際に、特に県南地区の内陸の市町村などについては、当然、直接的に今回さまざまな影響を受けているこの原発事故に伴う放射能の問題について、みずからの防災計画の中に、さまざまな観点で当然この考え方を入れていくような検討がなされるのではないかと思うわけであります。そうしたことを考えると、県の取り組む防災の計画の方向性や方針やその考え方が、市町村レベルの段階で取り組もうとするこういった見直しなどの作業としっかり整合性をとれるような取り組みが求められてくるんじゃないかと思います。国の別枠問題、この間ずっと答弁の中で繰り返し述べられてきているわけでありますけれども、しかし、本県における今回の原発事故に伴ってのさまざまな影響は、明らかに本県も被災者の立場に立ってこの事故というものをきちんと見据えたときに、それに対してどう臨むべきなのかという防災の計画の方向性はしっかりと入れ込んでいくのが当然ではないかと思います。そのことをぜひ踏まえた検討を強くお願いしておきたいと思います。
 2点目ですが、端的にお聞きします。
 いわゆる特定規模電気事業者、最近このネーミング、通称PPSと言われております。このPPSから電気を購入するという考え方が、この原発事故に伴ってエネルギー不足の議論がされ、あるいはここ最近では電力各社の値上げ問題、こういったものの一連の議論が取りざたされる中において注目をされてきているわけでありますが、本県においてはいわゆる電気の利用実態といいますか、コストがどのような状況に今なっているのかについてお伺いしたい。
 それから、本県として仮にこのPPS、いわゆる特定規模電気事業者からの利用というものを考えるということについて、この間、何らかの検討やあるいはそういった情報等を収集してきた取り組みの経過があるのかどうか。そして、加えて言えば、今の現状の県のそうした電気料金のコストの実態に合わせて、今回例えば東北電力が引き上げようとする電気料金にかかわってどれだけのコスト増になっていくのか、そういった点についてお答えできればお願いしたいと思います。
〇新屋管財課総括課長 県の電気利用実態でございますが、県庁舎では、平成23年度から東北電力と5年間の長期継続契約を結んでおりまして、電気の使用料金は平成22年度が5、400万円余、平成23年度は、1月末での対前年同月対比で9.4%の減となっております。
 各地区合同庁舎におきましては、それぞれの庁舎管理者が東北電力と単年度の随意契約を行っており、電気の使用料金は、地区合庁の合計が、平成22年度で1億500万円余となっております。
 2点目といたしまして、本県としてのPPSの利用への検討についてでございますが、平成18年度に、県庁舎への電力供給が可能なPPS1社が確認された段階で検討しておりますが、その段階では、安定供給への不安等などから利用を見送っております。その後、平成21年度にPPS1社から具体的な料金の削減額についての提案がありまして、平成22年度にコスト面を含めた詳細な検討を行ったところでございます。
 その結果、コストの削減につきましては、東北電力との長期契約とした場合、提案料金と差がないこと─実態は東北電力のほうが低い額でございました。2点目といたしましては、東北電力とは、防災とか企業誘致、環境施策などさまざまな事業で連携していること、3点目といたしましては、本県は、公営電気事業者、全国で26都道府県が事業運営しているわけでございますが、全国で第4位の発電設備を有しておりまして、発電した電力は東北電力へ全量を売電し、売電額も年間四十数億円に上っていることから電力入札を行うメリットはその段階では少ないということで、平成23年度から東北電力と長期継続契約を締結して現在に至っております。
 なお、県庁舎及び各地区合同庁舎の電力需給契約につきましては、今後もさまざまな情報を分析、検討し、庁舎に対して最も適した契約を行っていくこととしたいと考えてございます。
 それから、今後の東北電力の値上げを見込んだコストの増につきましては今のところ計算してございません。ただ、先ほど、今年度の利用が夏季の節電、冬季の節電に努めておりまして料金で9.4%の減となってございますが、利用量でいいますと1月末現在で前年対比15.9%の減ということで使用量が抑えられてございます。
〇木村幸弘委員 具体的にPPSとの経過を御報告いただいて、実態がどういうものなのかということも正直なかなか見えにくいものがありましたので、お答えいただいた部分は感謝申し上げます。
 そういうことでいえば、5年間の契約ですから、今回の電力会社の値上げについては、この契約事項からいうと引き上げ前の契約ということで、その価格などは据え置きの形で対応されるということになるんでしょうか。
〇新屋管財課総括課長 手元に資料がございませんが、契約内容によりまして途中での変更契約が可能かどうかは確認してございませんので、御了承いただきたいと思います。
〇木村幸弘委員 今のいろいろなエネルギー政策を考える中で、こういう新たな特定規模電気事業者と言われるPPSの利用のあり方というものも全国的には随分話題になってきている部分であります。本県のいろいろな事情を踏まえての今、御説明をいただいたわけでありますけれども、全体としての県財政に与える影響等を含めたランニングコスト、電気料だけではなく総体的にいろいろな課題を当然持っているわけでありますけれども、その一つの中で、今お答えいただいた部分についてしっかりと十分に今後ともその見通しや状況を踏まえた対応をしていただくように要望しておきます。
〇斉藤信委員 まず最初に、大震災津波の被害総額と、各分野ごとの被害額がわかるか。
 そして、この間の県としての大震災津波関係の予算化の各分野ごとの状況を示していただきたい。
〇小山総合防災室長 東日本大震災に係る被害額でございますけれども、この被害額につきましては、さきに復興計画におきまして一定の額をお示ししたところでございますが、その後、農林水産関係、それから公共土木関係の被害額が変更、確定しておりますので、その状況においてお話しさせていただきたいと思います。
 商工業関係につきましては1、661億円、農林水産業関係につきましては総額で6、633億円余、それから公共土木関係で2、479億円余、それから復興計画には盛られていなかったんですが、教育施設被害として334億円余、その他、公園等の関係で19億円余で、総額といたしまして1兆1、126億円余の分野別の被害額となってございます。
〇八重樫予算調製課総括課長 県としての復興に係る予算化、各分野ごとの状況についてであります。
 平成22年度の補正から平成24年度の当初予算までの累計で申し上げますが、復興対応分といたしまして1兆2、649億円の予算措置をしております。
 復興計画に掲げる安全、暮らし、なりわいの3区分ごとに申し上げますと、安全の分野で3、138億円、うち瓦れき処理等の防災のまちづくりが2、283億円であります。暮らしの分野では2、314億円、うち仮設住宅等生活再建の支援で1、701億円となっております。なりわいの分野で4、628億円、うち水産業振興の部分が2、571億円、以上でございます。
〇斉藤信委員 次に、今度の大震災津波の全国的な被害想定はどうなっているか、そして、その岩手県分はどうなっているか。
 国の復興予算、今まで議論して20兆円とか19兆円とか言われていますが、国の復興予算はどうなっているか改めて示してください。
〇小山総合防災室長 申しわけございません。国の全体の被害額という数字については押さえておりませんでした。
〇八重樫予算調製課総括課長 国の補正予算に係る震災関係分の予算、これまで4次補正まで措置されていますが、18兆8、687億円と把握しております。内訳として主なものを申し上げますと、災害廃棄物の処理事業費で1兆821億円、災害対応の公共事業関係費で2兆7、806億円、災害関連の融資関係経費で1兆4、333億円、それと地方交付税が3兆2、388億円措置されているところでございます。
〇斉藤信委員 私なぜこれを聞いたかというと、国全体の被害総額で復興予算が決まるんですよ、大体。だから、岩手県の場合だと、ストックを含めて被害額が約4兆円という試算がありました。恐らくそれは全国レベルで出ている話ですから、4県合計だとこれが16兆3、730億円ですか。全国でいくと約20兆円。これには原発が入っていませんから。大体そういう被害総額で復興予算が決まって、その枠内でさまざまな事業がされるというので私、聞いたんです。
 今、国の補正予算が大体18兆8、600億円ということですから、被害想定そのものが正確にされないと復興予算の規模、復興の規模が小さくされてしまうのではないか。そういう意味でいけば、やっぱりこれ自身を正確にして、議論もありましたけれども、本当に復興に必要な予算を獲得する、これがすごく大事な課題だと思います。
 同時に、この復興予算も、今やっているのは高速道路だ、防潮堤だ、湾口防波堤だ、公共事業にどんどん投入される。私は、知事が、人間の復興でなくちゃならない、被災者一人一人の復興でなくちゃならない、こういうことでいったら被災者の自立を助けることこそ最優先にすべきだと思いますが、総務部長、まず総論のところでお聞きしておきます。
〇加藤総務部長 被害想定につきましては─実際に被害が起こっているわけですが─、これは全国的な被害の推計、被害の集計ということでございますが、これは国全体でまとめていただかないと私どもとしても十分できかねるところがございます。
 委員の御紹介の資料につきましては、これは政策投資銀行から岩手県が4兆2、000億円ということで出ておりまして、我々も内訳等どうなるのかという試算等を試みたのでございますが、なかなかうまく数字が当てつかないところがございまして、これにつきましては国における全体的なそういう対応を待ちたいと思いますし、またその中で、岩手県としても、必要なそういう動きがありますれば必要な資料なり情報は出してまいりたいと考えております。
 また、復興の予算措置、予算の内容等について御指摘がございました。さまざまな復興の予算につきましては、復興計画も踏まえまして、さまざまな被災者、被災現地の課題がございます。これにつきまして、できる限り応じるという方向でいろいろな予算措置、財政措置、これは国もだと思いますし、またそれを受けまして本県もということになりますし、また、本県はそれをさらに知事のリーダーシップのもと意識的に行ってきたつもりでございまして、被災者に寄り添った施策なりにつきましては盛り込めているのではないかと考えております。
〇斉藤信委員 復興予算全体、そしてその進め方、例えば20兆円規模でこの事業をするときに、今、急ぐべきは被災者の自立です。暮らしを守り、事業を再建させて被災地で生活できる。逆にいくと、公共事業というのはある意味で時間をかけてやるべきなんですよ。それが逆に地元の仕事をふやす。これを5年間なんかでやったら、あとの5年間は仕事がなくなっちゃうんですよ。私はそういう意味で、やっぱり岩手県の復興の取り組みも、急ぐべきものは急ぐけれども、そういうバランスを考えてぜひ進めていただきたい。
 次に、大きな二つ目ですが、大震災津波の災害対応の検証報告について。
 立派な検証をしたと思っています。じっくり読ませていただきました。きょうは全面的にはできないので、一つは、避難行動の問題です。避難行動の問題について取り上げたいんですけれども、避難行動を考えるときに、気象庁の警報はどういうふうに出されたのか、これを正確に言ってください。そして、津波はいつの時点で第1波、そして第2波が到達したのか示してください。
〇宮元防災危機管理監 今回の東日本大震災津波では、岩手県に地震発生から3分後に津波警報が発表されました。予想される津波の高さは3メートルでございました。以降、15時14分には6メートル、それから15時30分には10メートル以上へと2度にわたり修正されました。しかし、発災から40分後の15時26分には、宮古市に設置された気象庁の観測施設において8.5メートル以上の津波が観測されていた、こういうことでございます。
〇斉藤信委員 私は、この気象庁の津波警報は極めて重大だったと思います。最初3メートルでしょう、そして15時14分で6メートル、15時30分で10メートルということは、もう既に15時26分で津波が来ているわけです、宮古市はもう8.5メートル以上。津波が来た後に10メートルなんて警報を出したって、これは何の役にも立たない。ましてやその直後に停電があって、6メートルの、私はその見直しも十分徹底されなかったと思うんです。
 この問題は、どうなんですか、消防庁、気象庁、その他で、国のレベルでどういうふうに検証されているんですか。
〇小山総合防災室長 この津波予報につきましては、現在、気象庁におきまして、津波警報の発表基準と津波警報の内容、発表のタイミング等につきまして見直しがされております。具体的な審議の経過については、今、資料がありませんので御答弁できませんけれども、こういった表現の仕方等について、住民が即座に避難できるような表現はどうあるべきか等々の現場的な対応といいますか、発表の仕方について検討されていると理解しております。
〇斉藤信委員 私は、本当にこの3メートルという津波警報が避難をおくらせた一つの要因になったと思いますし、当事者からは、リストラで、十分な解析、分析の体制がなかったという話も聞きます。やっぱりこういう問題は、どれだけの体制を構築していざというときに正確な警報ができるかということだと思うので、まず第1に、この問題が一つ避難行動に大きな影響を与えたのではないか。釜石市の資料を見ますと、3時21分に9.3メートルの津波が来ているんです。
 次に、二つ目に、しかし同時に、岩手県内では5、900名を超える甚大な犠牲者を出しました。私は、こういう甚大な犠牲者を出した要因というのを本当に徹底して検証して今後に生かすべきだと思いますが、この甚大な犠牲者を出した要因、問題点、打開策をどういうように検証されているでしょうか。
〇宮元防災危機管理監 多数の犠牲者を出した要因としましては、津波規模の過小評価であったり、防潮堤等の効果を過信したことによる避難開始のおくれであると分析しております。
 また、亡くなられた方の年代別の割合として60歳以上の方の割合が高かったこと、そして、避難支援に当たった消防団員の方、それから警察官等が多数犠牲になっていることから、高齢者、障がい者等の要援護者の避難とその支援のあり方に課題があったのではないかと認識しております。
 このため、迅速な避難の重要性を含めた住民の防災意識の徹底、高揚が図られるよう住民向けの啓発活動を積極的に展開していくとともに、要援護者への情報伝達や避難誘導の的確な支援が得られるようしてまいりたいと思っています。
〇斉藤信委員 陸前高田市や釜石市などで専門家がさまざまな調査を行っています。私、一般質問でも紹介しましたが、釜石市の場合は群馬大学が約4、000世帯のアンケートを回収して、36.3%が自宅で犠牲になった、避難先で犠牲になったのが10.3%あった、こういうことでした。特に釜石市の場合は全体で931人犠牲になっているんですが、そのうち鵜住居地区が583人、鵜住居地区の犠牲が本当に特徴的でした。陸前高田市の場合は、これは静岡大学の牛山教授が分析しているんですけれども、浸水区域で犠牲になった率は女川市の次に陸前高田市が高かったと。11.13%です、浸水地域の住民の数に対しての犠牲者の数。陸前高田市は女川市に次いで第2位と。低地で、標高が低くて人口密度が高いところで犠牲があったと。
 あくまでも今、分析のデータしか出ていないんですけれども、私は、こうした専門家の分析を踏まえて、そういう犠牲の実態を徹底して検証して、これを生かすようにしていただきたい。
 やっぱり決定的な問題は避難なんですね。釜石市の場合でも36%が自宅で犠牲になったというんですから、避難しなかった、できなかった、この問題だと思います。ですから、津波のときにはやっぱり迅速に避難するということが最大の教訓。そのためには、真っ先に避難道、避難場所の整備ということを今度の教訓からやる必要があるのではないか。
 陸前高田市に行って、私も我々の感覚と違うなと思ったのは、被害を受けた保育所は毎月避難訓練をやっているんですよ。保育所の裏に避難道路をつくっているんですよ、もう。市役所の職員のさまざまな調査に同行しますと、ラジオをかけっ放しでやるんですよ。余震が起きたり津波警報が出たらすぐに避難できるようにとラジオをかけながらさまざまな説明をする。やっぱり被災地というのは、こういう形で、直ちに避難する、避難できる、こういう態勢を今の段階でも最優先に考えて対応しているんですね。
 私は、そういう避難場所、避難施設の整備こそ最大の教訓として進めるべきだと思いますが、いかがですか。
〇小山総合防災室長 委員御指摘のとおり、早期の避難がまさしく被害を少なくするといいますか、減災の第一歩であろうと津波災害については考えておるところでございます。
 そのため、県としましても、先ほど答弁いたしましたとおり、そういった早期避難のための意識啓発等を今後とも進めてまいらなければならないと考えておりますし、それを支援するためにも避難路等の整備は重要であると認識しております。
 ただ、こういった避難路の整備につきましては時間等もかかることでございますし、今後、防災まちづくりの中でもそういった取り組みは十分なされていかなければならないものと感じておりますので、当面、そういった早期の避難に向けた意識啓発といいますか、そういったもので取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 釜石の奇跡と言われる釜石東中学校、鵜住居小学校の取り組み、しかし、その同じ鵜住居地区で釜石市は最大の犠牲者を出したんです。釜石の悲劇とも言われているんです。だから私は、そういうすばらしい防災教育、防災訓練があってその成果が出た一方で、甚大な悲劇もそこの同じ場所で起きているということもしっかり見て取り組む必要があると。
 避難場所の問題について、これは今までもそうでしたけれども、避難場所が余りにも貧困なんです。暖房はない、備蓄はない、何もない。だから小規模な地震のときに避難の規模が小さいのは、ああいうところに行っても、お年寄りなんか行って生活できないというのがあるわけです。私は、避難場所にしっかり暖房施設も整備するし、備蓄も食料も毛布も一定程度の備蓄ということを今度こそしっかりやるべきだと思いますが、いかがですか。
〇小山総合防災室長 その点につきましても、今回の検証、また地域防災計画の見直しの中で、避難場所における例えば暖房器具の設置とか備蓄等についても盛り込んでおるところでございますし、これを踏まえまして、市町村の会議等におきまして、市町村の地域防災計画の策定もしくは避難計画の策定等に生かしていただくようお話ししてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 再生可能エネルギーの公共施設への設備の事業もありますけれども、例えば葛巻町なんかは去年の段階ですべての公民館に自家発電装置と蓄電池を設置しているんですよ。そういうことこそしっかりやって、避難場所に行けばしっかり情報も得られる、温かい食事も出るぐらいのことにしていかなければならないと。
 次に、消防団員の犠牲の問題についてお聞きしたいと思います。
 この検証報告の中にも消防団員の死者が117名で行方不明者が2名ということで、本当に消防団員の場合には、今度の津波の救援、避難行動で最前線に立った。しかし、それだけに犠牲が大きかった。この犠牲者の要因をどういうふうに把握していますか。
〇小野寺防災消防課長 今回の震災で亡くなられた消防団員の方の人的被害という御質問でございましたが、委員御指摘の死者117名、行方不明者2名ということで、消防団活動中に被災した消防団員については90名ということでございました。その活動の内訳としましては、水門閉鎖中が4名、それから避難誘導中が59名、救助、介助中が6名、それから避難広報中が3名、出動途上が17名、活動指揮中が1名というような内訳になっております。
 この要因ということでございますが、県が行った災害対応に係る検証の中で、その要因としましては、やはり避難すべき基準が不明確であったことや、先ほど連絡手段─情報ツールという部分がありましたが、連絡手段がなかったことなどが挙げられております。
〇斉藤信委員 きのう消防庁の検討会が開かれて、消防団員の退避優先のルールを決めるべきだ、こういう中間報告も出されたようですので、私は本当にこういうルール化が必要だと思います。
 今、消防団活動の途中で犠牲になったのは90人と。そうすると、公務災害認定は90人ということになりますか。そして、こういう方々には賞じゅつ金はもう既に支給されているのかどうか確認します。
〇小野寺防災消防課長 消防団活動中に亡くなった90名の方はすべて公務災害適用ということでございます。それに加えまして、県、国、市町村とそれぞれ賞じゅつ金が決定されているところでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。
 では次に、消費税増税と復興増税の県政、県民への影響についてお聞きしますが、消費税が10%に増税された場合の県民の負担というのはどういうふうになるでしょうか。
 そして、今度の議案には復興増税の住民税値上げの議案も出されていますが、どれだけの県民の負担が提起されているでしょうか。
 そして、先ほど税務課総括課長は大変な答弁をしたんだけれども、私は、消費税増税というのは県民を苦しめる大変なものだと思いますよ。効率性がいいとか、とんでもない話。法人事業税対象の事業者数と率、赤字の法人事業者というのはどのぐらいあるのか、そのこともあわせて示してください。
〇永田税務課総括課長 消費税の増税でございますが、現在、国において検討されているところで詳細な試算等はまだできない段階でございますが、平成22年度の地方消費税の決算額、これは岩手県のものですが116億5、000万円余、これから推計すると、税率が10%になった場合、消費税、地方消費税を含めてでございますが1、165億8、000万円余、現在より582億9、000万円余の増と推計できるところでございます。
 それから、個人県民税に係る均等割の引き上げでございますが、平成26年度から平成35年度までの10年間、税を500円引き上げるということでございますが、この影響額は、単年度で2億7、245万7、000円税収がふえると見込んでいるところでございます。
 最後に、法人事業税についてでございますが、事業税の申告義務のある法人のうち事業税が発生していない法人でございますが、平成22年度の数字で、申告義務のある法人2万1、880社のうち事業税が発生していない法人は1万4、877社、68%でございます。
〇斉藤信委員 恐らく県分の負担増が582億円ということだと思います。市町村も含めると、約その倍で1、273億円となります。地方消費税清算後の額は255億円ですよね。その5倍ということになるとそういう額になると思います。
 それと、法人事業税68%というのは大企業を含めてですから、中小企業を含めるとこれは75%ぐらいになるんじゃないでしょうか。後で中小企業の部分を示してください。
 放射性物質対策について最後にお聞きいたします。
 私は、県がこの間、東京電力に対して、いつ、どういう対策と賠償を求めてきたか示していただきたい。
 損害賠償の支払いが仮払いで昨年末に19億円でしょう。3カ月に1回なんていう賠償だったら被災者の生活は成り立ちませんよ、農家も。毎月の支払いということで早く解決すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、これは議論になったので蒸し返しませんが、原発問題というのはチェルノブイリに続く世界的な大災害ですよ。この教訓を踏まえて地域防災計画の見直しにきちんと提起するというのは当然の話だと思います。盛岡で250キロでしょう。女川原発だって紙一重だったんですよ。あの女川原発で同じことが起きたら盛岡だって避難せざるを得なかった。そういう意味でいくと、やっぱりそういう事件が起きたということ、そして今も被害が現在進行形だということを考えたら、この問題をきちんと地域防災計画に位置づけるべきだと思いますが、改めてこのことを聞いて終わります。
〇小山総合防災室長 東京電力に対する損害賠償の請求の状況でございますが、まず、農林水産物に関しまして、いわゆるJAグループでつくっている協議会がございます。その請求の状況についてまずお話しさせていただきますが、第1次が9月30日、このとき2、900万円ほど、それから第2次が10月31日、10億円余、それから第3次が11月15日、11億7、100万円余、第4次がことしに入りまして1月31日で19億6、400万円、第5次が2月24日、最近でございますが6億1、000万円、計47億8、800万円という要求状況になってございます。
 また、1月26日、県及び市町村の損害賠償請求を県庁内におきまして知事が直接東京電力に対して行ったところで、これが約1億円余となってございます。
〇加藤総務部長 放射線影響対策に応じた原子力災害の防災計画への位置づけについてでございます。
 余り国がということは言いたくないわけでございますが、この問題に関して申し上げますと、もしそういう災害が起こった場合どういう情報伝達があるのか。その際、例えば避難しなければいけない場合、どこにどういう形で避難するのか、そういったことにつきましては、なかなか県だけの知見あるいは県の対応だけではままならない面が正直ございます。そういうこともございますので、国の枠組みなり、この辺の議論が深まるのを待っているというか、それを見定めた上で県として必要な対応を考えていきたい。そういう中で防災計画の対応につきましても検討させていただきたいということでございます。
〇永田税務課総括課長 事業税が発生していない法人ということで、中小法人でございますが、2万132社のうち1万4、763社、73.3%が事業税が発生していない法人でございます。
〇工藤勝博委員 大変お疲れさまです。多分最後だと思いますので、簡潔に1点お伺いいたします。
 防災力の強化ということで再三答弁もありました。消防団の確保、そして充実、それから地域防災組織の充実と強化、これはいわゆる地上戦であります。もう一方、デジタル情報の無線化、これは空中戦。空中戦の中にもう一つ大事なものがあります。岩手県には防災ヘリひめかみがあります。昨年の震災において、そのひめかみの成果、そしてまた、多分相当な課題も出てきただろうと思います。それらをお示ししていただきたいと思います。
〇小野寺防災消防課長 岩手県の防災ヘリコプターひめかみの状況についてでございます。まず、運航実態についてでございますが、平成23年、これは1月から12月までの暦年でございますけれども、運航件数については287件、約340時間となっておりまして、昨年との比較で47件、35時間の減となっております。このうち、災害用務という部分でございますが、178件、約217時間ということで、昨年と比較しまして、19件、約49時間の増となっており、これは東日本大震災津波における活動による増と考えております。
 防災ヘリコプターの効用と課題ということでございますが、今回の東日本大震災津波におきましても、発災直後、大規模停電などによりまして通信手段が限定されまして情報収集が困難であったということに加えまして、瓦れきなどにより道路網が寸断されて孤立地域が多数発生したという状況下において、このヘリコプターにつきまして、救助や患者搬送、消火活動など、このような災害対応で効果的に活動が行われたということで、災害時における有用性が改めて実証されたということでございます。
 しかし、その課題としましては、本県の防災ヘリコプターについては平成8年に導入しているということで、以来15年を経過してございまして、運航時間も5、000時間を超えているということで、維持管理費等の経費的な面の増加が懸念されているところでございます。
〇工藤勝博委員 私もこのひめかみの運航実態、平成8年に導入したというのをきょう初めて伺いましたけれども、いずれ広い県土を持つ岩手県、短時間に災害救助なり、あるいはまたいろいろな情報収集のためには欠かせざるものだと思っております。
 去年の秋口でしたか、飛行中に機体の一部が落下したという事故もありました。その整備状況なり、また今後の運航に際しての支障が出ているのかどうか、まず先にお伺いしたいと思います。
〇小野寺防災消防課長 防災ヘリコプターについては、定期的なオーバーホール、点検が航法上決められてございまして、その中で常時点検も含めた形で常に活動できるような状況になっているということでございます。
 昨年10月に発生しました落下事故につきましては、この部分について、現在、検証中ということでございまして、本来の安全運航の面からは、このような事故を踏まえて、今後の安全運航のマニュアル見直しとか何かという部分について検証して、より一層安全運航の維持、確保に努めてまいる所存でございます。
〇工藤勝博委員 15年も経過しているひめかみでありますけれども、いろいろな維持管理費が当然膨らむということも実態としてあるということを伺いましたけれども、おととしでしたか、知事の公用車を7年で更新したということもありました。こういう最も大事な機体の更新時期というのはどう考えているのか、今後の予定がもしあればお示し願いたいと思います。
〇小野寺防災消防課長 ヘリコプターの耐用年数という部分は、その使い方等によりまして大分違ってくるということでございまして、経済性とか安全運航の観点も含めまして、トータルにヘリコプターの部分については、更新の時期を検討しながら、他県の状況なども踏まえながら今後調査していきたいと考えております。
〇新屋管財課総括課長 先ほどの木村委員からの質問に対する補足説明でございます。
 県庁は5年間の長期契約を結んでいるわけでございますが、契約における1キロワット時当たりの単価は変更されないものですが、燃料費調整の仕組みというものが電気料金にはありまして、燃料の価格に応じて変動することになってございます。
〇嵯峨壱朗副委員長 ほかに質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時1分 散 会

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