平成23年9月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成23年11月2日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    菊 池   哲
  議事管理担当課長 岩 渕 伸 也
  主任主査    佐々木   誠
  主査    葛 西   貢
  主査    菅 原 俊 樹
  主査    村 上   聡
  主査    大 森 健 一
  主査    千 葉 智 貴
1説明員
  知事    達 増 拓 也
  副知事    宮 舘 壽 喜
  県土整備部長   若 林 治 男
  副部長兼
  県土整備企画室長 菅 原 和 弘
  道路都市担当技監 小野寺 徳 雄
  河川港湾担当技監 佐 藤   悟
  県土整備企画室
  企画課長    及 川   朗
  県土整備企画室
  管理課長    内 宮 明 俊
  建設技術振興課
  総括課長    吉 田   拓
  技術企画指導課長 八重樫 弘 明
  道路建設課
  総括課長    高 橋   修
  道路環境課
  総括課長    青 柳   天
  河川課総括課長  松 本   中
  河川開発課長   及 川   隆
  砂防災害課
  総括課長    菊 地 一 彦
  都市計画課
  総括課長    渡 邊 健 治
  まちづくり課長  小田嶋 政 義
  下水環境課
  総括課長    紺 野 岳 夫
  建築住宅課
  総括課長    大 水 敏 弘
  建築指導課長   澤 村 正 廣
  営繕課長    西 尾 高 登
  港湾課総括課長  川 村 俊 通
  空港課総括課長  木 嶋   淳

  保健福祉部長   小田島 智 弥
  副部長兼
  保健福祉企画室長 根 子 忠 美
  保健福祉企画室
  企画課長    高 橋 勝 重
  医療推進課
  総括課長兼    野 原   勝
  医師支援推進監
  地域福祉課
  総括課長     小田原 照 雄
  長寿社会課
  総括課長     岡 村 鋭 次

  医療局長    遠 藤 達 雄
  次長    佐々木   信
  経営管理課
  総括課長    大 槻 英 毅
  医師支援推進監  千 葉 雅 弘

  医師支援推進室長 川 上 裕 二

  会計管理者    菅 原 和 彦
  出納指導監    浅 沼   浩

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 千 田   永
  監査第一課
  総括課長    小 原 一 信
  監査第二課
  総括課長    佐 藤 和 彦 
 
  予算調製課
  総括課長    八重樫 幸 治
〇高橋昌造委員長 これより本日の会議を開きます。
 10月25日の秘書広報室関係の審査におきまして、斉藤信委員に対し、当職から決算審査であることの趣旨を踏まえて質疑を行うよう要請したことに関し、その発言の撤回等の申し出があった件について、10月26日及び昨日、世話人会を開催し協議いたしましたので、その協議結果を御報告いたします。
 斉藤信委員から申し出があった当職の発言の撤回等を求める件については、当職と斉藤信委員との見解の相違があるものの、当職の発言の撤回等は行う必要はないとの結論に至りましたので、御了承願います。
 次に、10月27日の保健福祉部関係の審査におきまして、高田一郎委員の発言に対し、及川あつし委員から議事進行があり、発言の撤回または議事録からの削除等を求めるとの申し出があった件について、昨日、世話人会を開催し協議いたしましたので、その協議結果を御報告いたします。
 高田一郎委員の発言については、議事録を精査した上で、保護者が求職中を理由とした保育所への入所は可能であり、この場合、保育所への入所期間は市町村によって異なることを確認した上で、その発言の訂正等は行わないとの結論に至りましたので、御了承願います。
 なお、ただいま報告いたしました保護者が求職中の場合の保育所への入所の取り扱いに係る資料については、お手元に配付してありますので、御了承願います。
〔参照〕 配布資料(PDF形式)
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成22年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第15号平成22年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算15件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部関係の質疑並びに花泉診療所事案に係る集中審査を行い、その後、決算15件について意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇若林県土整備部長 平成22年度決算の内容について御説明申し上げます前に、県土整備部所管事務事業に係る主な取り組みと成果につきまして、いわて県民計画アクションプラン政策編の四つの政策項目ごとに御説明申し上げます。
 まず、産業を支える社会資本の整備についてでありますが、物流の効率化や広域的な観光支援などを図るため、幹線道路ネットワークの構築、地域間交流・連携の基盤となる道路整備、港湾、空港整備及び利活用促進に向けた取り組みを行ったところであります。
 この結果、幹線道路ネットワークの構築につきましては、三陸縦貫自動車道釜石山田道路水海?鵜住居間や三陸北縦貫道路中野バイパスの供用等により都市間平均所要時間が短縮されるなど、着実に取り組みが進捗しております。
 また、いわて花巻空港の国内定期便利用者数は、名古屋線の運休や航空機の小型化などにより大きく低下いたしました。震災時には、災害派遣医療チームの活動や防災・消防系ヘリ、海上保安庁・自衛隊ヘリの受け入れなど、災害に強い空港としてその機能を発揮いたしました。今後もさらに、路線、便数の維持拡充に向けた取り組みや利用者数の増加に向けた取り組みを進めていく必要があると考えております。
 次に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備についてでありますが、地震や津波、洪水、土砂災害などから県民の生命、財産を守るため、河川改修や海岸保全施設などの整備、土砂災害警戒区域の指定、住宅の耐震改修などの支援に取り組んだところであります。
 また、災害時の緊急輸送や地域医療を支援する道路ネットワークの構築のため、緊急輸送道路における橋梁の耐震補強に取り組んだほか、日常生活を支える安全な道づくりのため、通学路の歩道整備などに取り組んだところであります。
 この結果、防潮堤などの防災施設整備や緊急輸送道路における橋梁の耐震化、通学路の歩道設置などのハード整備が着実に進捗したほか、本県独自に取り組みました地域の安全・安心促進基本計画(津波)が沿岸部の全12市町村において策定されましたが、そのような中で発生した東日本大震災津波による壊滅的な被害は、さらなる取り組みの必要性とともに、多重防災型まちづくりの重要性を強く認識したところであります。
 次に、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりについてでありますが、豊かな自然環境と共生しながら、快適で心地よさを感じる暮らしを創造していくため、道路、汚水処理施設などの都市基盤の整備、ユニバーサルデザインを取り入れた公共施設などの整備、岩手型住宅のブランド化や多自然川づくりの推進、美しい魅力あるまちづくりなどに取り組んだところであります。
 この結果、市街地における主要渋滞ポイントについては、一般国道455号北山バイパスの開通によりまして順調に解消、緩和されたほか、水辺空間の環境保全への主体的な活動団体や岩手型住宅の趣旨に賛同される事業者についても着実に増加が見られるなど順調に進捗した取り組みがある一方で、市町村の厳しい財政状況等を反映して、汚水処理人口普及率につきましては計画どおりの進捗が図られず、目標を下回る見込みであります。
 次に、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保についてでありますが、高齢化した橋梁などの社会資本については、予防保全型の維持管理によりまして長寿命化を図るため、施設の長寿命化修繕計画の策定を進めますとともに、道路や河川などの身近な社会資本につきましては、草刈りや清掃など、県民との協働による維持管理に取り組んだところであります。
 また、講習会の開催などによりまして、経営革新に取り組む建設企業への支援に取り組んだところであります。
 この結果、橋梁、河川、海岸、県営住宅の4分野において長寿命化修繕計画を策定いたしました。橋梁長寿命化修繕計画において早期に修繕が必要とされた67橋の修繕率については目標を大幅に上回っております。また、経営力強化をテーマといたします講習会の受講者数が前年度を大幅に上回るなど、経営革新に取り組む建設企業が着実に広がっております。
 以上が県土整備部における平成22年度の主な取り組みと成果の概要でありますが、東日本大震災津波により沿岸部を中心に大きな被害を受けましたことから、当面は、道路、汚水処理施設等の生活基盤や防潮堤などの津波防災施設など、防災施設の早期復旧に努めるとともに、三陸沿岸地域の早期復旧に向けて、復興道路を含めた災害に強く信頼性の高い道路ネットワークの構築や湾口防波堤などの整備、災害復興公営住宅の建設など、市町村の復興まちづくりと一体となって取り組みを進めてまいります。
 本県においてはいまだに整備を必要とする社会資本が数多く残っていることから、地域の実情を踏まえながら、必要な社会資本の整備、管理、利活用を効果的に進めることにより、いわて県民計画の七つの政策の一つでありますいわてを支える基盤の実現を目指して取り組んでまいります。
 それでは、平成22年度県土整備部関係の決算について御説明申し上げます。
 お手元の平成22年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きください。まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部、8款土木費、16ページの11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費であります。これらの予算現額の合計は903億4、865万円でありますが、これに対する支出済額の合計は682億3、466万円余となり、一般会計全体の支出済額に占める割合は9.8%となっております。また、翌年度繰越額の合計は210億565万円余となっております。これは、計画調整や設計、工法の検討に不測の日数を要したこと、用地交渉が難航したことなどによるもののほか、東日本大震災津波によりまして資材確保の困難などによる事業の遅延などが主な理由であります。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成22年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の262ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち当部関係の主なものは、備考欄下から4行目の農業集落排水事業費でありますが、これは、洋野町明戸地区の農業集落の汚水処理施設の整備に要した経費であります。
 次に、298ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など当部の管理運営に要した経費、国庫補助事業費の確定に伴う返還金、特別会計への繰出金などであります。2目建設業指導監督費は、建設業者の許可、指導監督並びに支援などに要した経費であります。次に、300ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認事務、木造住宅の耐震診断の支援などに要した経費であります。4目空港費の主なものでありますが、備考欄1行目の管理運営費は、職員の人件費などいわて花巻空港の管理運営に要した経費であり、2行目の空港整備費は、平行誘導路の整備に要した経費であります。
 次に、302ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費や市町村道路事業の指導監督に要した経費であります。2目道路維持費の主なものでありますが、備考欄2行目の除雪費は、県管理国道、県道の除雪に要した経費であり、次の交通安全施設整備事業費は、歩道や道路照明の整備に要した経費であり、6行目の道路維持修繕費は、県管理国道及び県道の維持修繕や舗装の補修などに要した経費であります。次に、304ページをお開き願います。3目道路新設改良費の主なものでありますが、備考欄1行目の道路改築事業費は、一般国道106号宮古西道路など28カ所の道路整備に要した経費であり、5行目の緊急地方道路整備事業費は、主要地方道盛岡和賀線花巻市笹間地区など126カ所の道路整備に要した経費であります。また、下から3行目の直轄道路事業費負担金は、国が行う東北横断自動車道釜石秋田線などの改築などに要した経費に対する県の負担金であります。4目橋りょう維持費の主なものは、橋りょう維持修繕費でありますが、これは、橋梁の維持修繕及び修繕計画策定に要した経費であります。次に、306ページをお開き願います。5目橋りょう新設改良費の主なものは、橋りょう補修事業費でありますが、これは、一般国道106号宮古市平津戸第一橋など28カ所の補修工事に要した経費であります。
 3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、備考欄1行目の河川水門管理費は、河川水門及び海岸水門の管理などに要した経費であります。309ページに参りまして、備考欄上から3行目の河川海岸等維持修繕費は、草刈りや海岸漂着物の処理に要した経費であります。2目河川改良費の主なものでありますが、備考欄2行目の基幹河川改修事業費は、盛岡市及び滝沢村の一級河川木賊川など6河川の改良工事に要した経費であり、5行目の総合流域防災事業費は、岩泉町の二級河川長内川など9河川の改良工事に要した経費であります。また、下から3行目の直轄河川事業費負担金は、国が行う北上川上流の改修費などに要した経費に対する県の負担金であります。3目砂防費の主なものでありますが、311ページに参りまして、備考欄2行目の総合流域防災事業費は、砂防堰堤及び護岸工事並びに土砂災害警戒区域等の指定に必要な基礎調査に要した経費であり、3行目の砂防激甚災害対策特別緊急事業費は、岩手・宮城内陸地震により被害のありました一関市磐井川流域におきまして、激甚な災害が発生した一連の荒廃渓流における堰堤工などによる再発防止対策に要した経費であります。また、備考欄下から3行目の直轄砂防事業費負担金は、国の一関市磐井川における特定緊急砂防事業などに要した経費に対する県の負担金であります。4目海岸保全費の主なものは、備考欄3行目の津波危機管理対策緊急事業費でありますが、これは、田野畑村の嶋之越海岸の防潮堤の改良などに要した経費であります。5目水防費は、水防警報施設の保守点検などに要した経費であります。次に、312ページをお開き願います。6目河川総合開発費は、簗川ダムなど3ダムの建設及び入畑ダムの堰堤改良などに要した経費であります。
 4項港湾費1目港湾管理費は、315ページに参りまして、大船渡港など6港の港湾施設の整備修繕などに要した経費であります。2目港湾建設費の主なものでありますが、備考欄4行目の港湾改修事業費は、大船渡港など4港の施設整備に要した経費であります。また、下から3行目の直轄港湾事業費負担金は、国の久慈港港湾改修などに要した経費に対する県の負担金であります。
 次に、316ページをお開き願います。5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでありますが、備考欄4行目の都市計画調査費は、都市計画法第18条の規定に基づく都市計画決定に要した経費であり、備考欄7行目の広域公園管理費は、花巻広域公園などの維持管理に要した経費であります。2目街路事業費の主なものでありますが、備考欄2行目の広域公園整備事業費は、御所湖広域公園の整備などに要した経費であり、備考欄3行目の緊急地方道路整備事業費は、岩手町大町地区など8カ所の都市計画道路整備に要した経費であります。次に、318ページをお開き願います。3目下水道事業費の主なものは、備考欄2行目の過疎地域公共下水道整備代行事業費でありますが、これは、二戸市浄法寺地区の下水道施設整備に要した経費であります。
 6項住宅費1目住宅管理費の主なものは、備考欄3行目の公営住宅維持管理費でありますが、これは、県営住宅など5、196戸の維持管理などに要した経費であります。次に、320ページをお開き願います。2目住宅建設費の主なものは、備考欄2行目の公営住宅建設事業費でありますが、これは、盛岡市松園東団地など72戸の住戸改善などに要した経費であります。
 次に、少し飛びまして、356ページをお開き願います。11款災害復旧費2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものは、備考欄1行目の河川等災害復旧事業費でありますが、これは、一般国道342号一関市祭畤地区など87カ所の災害復旧工事に要した経費であります。2目港湾災害復旧費は、宮古港における災害査定に向けた調査などに要した経費であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成22年度岩手県歳入歳出決算書の40ページをお開き願います。平成22年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は2億5、173万円余であり、その主なものは、土地の売払収入であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は2億5、173万円余であり、その主なものは、県債の元利償還金に要した経費であります。
 以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、46ページをお開き願います。平成22年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明を申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は92億6、717万円余であり、その主な内容は、流域下水道の維持管理費などに係る市町村負担金のほか、国庫補助金、前年度からの繰越金であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は76億5、432万円余であり、その内容は、北上川上流流域下水道の各処理区の維持管理及び建設に要した経費、県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、50ページをお開き願います。平成22年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は21億1、087万円余であり、その主な内容は、港湾施設の使用料、一般会計からの繰入金及び県債であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は19億8、338万円余であり、その主な内容は、大船渡港など6港の管理に要した経費及び県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 以上をもって県土整備部所管に係る平成22年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋昌造委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間、おおむね30分に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 おはようございます。おはようございますはこれで2度目でございます。とてもすがすがしい気持ちで質問させていただきます。
 まずもって、仮設住宅の建設に伴うふぐあいの状況についてお知らせいただきたいと思います。見直しをされた状況と、冬場を迎えるに当たりまして、以前にも質問いたしましたが、むき出しになった配管の見直し等についてどのように直されてきたのか。
 10月26日の復興局への質疑の際、軽石委員は、仮設住宅の水回りの凍結防止が岩手においては必要じゃないかと強く訴えられました。そして、対策はどのようにということでしたけれども、県当局、復興局においては、県土整備部と今後慎重に協議しながらその点についてもやっていくというお答えでしたので、その辺についてお知らせいただきたいと思います。
〇西尾営繕課長 応急仮設住宅の水回りの凍結防止対策につきましては、給湯器配管へのヒーター設置、それから給水管の断熱材の被覆、それから水抜き栓の設置等を当初から行っているところでございます。
 施工状況につきましては、団地ごとの確認を再度いたしておりますが、断熱被覆が必要な給水管について、これまで床下を含めてむき出しの状況等は確認されてございません。
 今後、各入居者に対しまして、夜間冷え込みが予想される場合の水抜きにつきまして、説明書を配布いたしまして、利用される方の利用面での御対応につきましても周知させていただく予定といたしてございます。
〇及川幸子委員 むき出しの状況が確認されていないということで、それは確かですよね。結構な量があったと思うんですよ。
 それから、水抜きの状況は、あのとき軽石委員は、やっぱり外に出ていちいちやるのは大変だと。家の中でそれができないだろうかということを質問されましたが、その点についての見直しはされないのでしょうか。
〇西尾営繕課長 応急仮設住宅の外部における配管状況でございますが、外側に出ている配管すべてが給水管ではございませんで、断熱被覆を必要としない、例えばガス管等も裸で通っている状況です。これは集中配管の関係で通常の住宅とは違う状況になってございます。そのようなものについては必要でございませんので、それについても再度、間違いはないと確認してございます。
 それから、水抜き栓の扱いでございますが、現状では、岩泉以北につきまして冬期間の寒さが宮古以南とは条件が違うだろうということで、それらについては屋内で開栓できる整備を当初から行ってございます。
 今後、それぞれの団地の状況を確認いたしまして、やはり寒さの対策、あとはそれ以外、宮古以南につきましては、各市町村に水抜きは地元でどのような対応をされているかということを確認させていただきまして、年間、多いところで大体10日から15日ぐらいという話も聞いているところでございます。ということで、現状ではさほど頻度が内陸部よりは高くないので、そこら辺のところは現状としては我々は様子を見たいと思ってございますが、山間部の団地が中にございますので、そういったものについてはこれから追加で内部から開栓できる対策をとれるように、今、検討している状況でございます。
〇及川幸子委員 力強く自信のある答弁だと思って安心しましたけれども、まず山間部に行きまして、本当に大変な状況だということはつぶさに見ていただいてやっていただきたいと思います。
 そしてまた、この件以外のふぐあいの申し入れなどによる対処はどうだったんでしょうか。
〇西尾営繕課長 保守管理センターで受け付けております苦情の処理につきましては、10月末現在で4、500ほど来ております。ただ、その前の3カ月では大体月に1、000件程度の苦情がございましたが、10月に入りまして650件程度ということで、大分収束の兆しが見えてございます。それらにつきましては引き続き迅速な対応を行いまして、改善を行っているという状況でございます。
〇及川幸子委員 月に1、000件とあっさりおっしゃいましたけれども、月に1、000件の不備の申し入れというのはすごく大きいと思うんですよね。どうぞ部局一丸となって、復興局ともいろいろ連携をとりながら、その辺のところはどんどん精査していただきたいと思います。
 次に移ります。
 被災地における建設用地のあり方についていろいろと意見があるようでございますが、市町村への指導状況はどうなっているのでしょうか。宮古市、大船渡市、陸前高田市では、きのうあたり復興計画の決定がなされたようです。その状況をお知らせいただきたいと思います。
〇渡邊都市計画課総括課長 被災市町村への指導状況ということで、復興計画の策定状況について御質問をいただきました。
 被災市町村では、それぞれ復興計画の策定に向けまして、住民アンケートとか住民説明会、それから意見交換の場としての懇談会等を行ってきているところでございまして、住民の意向を把握するためにさまざまな取り組みを行っております。
 最近、復興計画策定済みのところもございますが、大きく被災した地域におきましても具体的な案が住民に示されまして、それにつきまして住民からもさまざまな御意見をいただいているようでございます。今後、その意見を踏まえて、最終的な案にまとめていくという状況になっております。
〇及川幸子委員 これは、いろいろ市側とも、県ともやりとりを重ねながら住民にいろいろ説明していかなければ理解を得られないのではないかと思うんですが、きょうの報道を見ますと、高台に移転するくらいの用地がないのではないかと。今まで住んでいた被災地を早く借り上げていただかないとだめだという意見も随分上がっているようです。その高台に建てるという計画、その点についてはいかがでしょうか。順調に行われているのでしょうか。
〇渡邊都市計画課総括課長 住民の皆さんの意向を大きく分けますと、高台に移転されたいという方、アンケート等の大きなつかみで申し上げれば、半数ぐらいは高台移転を希望されていると聞いております。それから、被災した現位置にまた再建したいという方々も相当数おられると聞いております。
 高台移転につきましては、やはりその移転先の用地確保ということが一番の課題と考えておりまして、それぞれの市町村が主体となって移転先の地権者等と用地交渉を既に行っているところもあると聞いておりますが、これから具体化するに当たってさまざまな課題も出てくると思われますので、県といたしましても、その高台移転が円滑に進みますように、市町村と密接に連携を図りながら支援をしてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 高台移転については市町村と密接に連携をとりながらということで、もっともだと思います。
 現在、被災地の平地に建てている人も見受けられますけれども、そういう人たちに対しては今後どのようになさっていくのか。そのまま建てているのを容認しているのかどうなのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
〇澤村建築指導課長 浸水区域内に現在建てられているものをどうするかという御質問でございます。
 現在、被災地において法律に基づく建築制限というのは実施してございません。被災地の多くでは、浸水地域内の住宅建築につきまして自粛要請が行われているところでございます。これまで自粛要請につきましてはおおむね住民の方に理解をいただいている状況にあると考えております。
 今後は、法的には特に支障がないものですから、そのままの形で進むものと思ってございます。
 今後は、土地利用の方向、方針を明確にするため市町村における復興計画が急がれるものと考えておりますけれども、引き続き市町村と連携しながら、建築制限のあり方等、必要な技術支援を行ってまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 実際、法律に制限はないということで、そのまま建てるのを容認して行くということですよね。ただ、千年に一度と言いますけれども、この気候条件を見ますと、いつああいう大災害がやってくるかもしれないんですけれども、そういう有事の際に、そういうところに建てた人たちに対してどういうふうに今後のあり方について言っていくのかぐらいは指針を持っていないと大変だと思うんですが、どうでしょうか。
〇渡邊都市計画課総括課長 浸水した平場にもう既に建てている方々もいらっしゃるということでございますが、先ほど申し上げましたように、現在、市町村におきまして復興計画、さらにそれを地域に落とした地域の復興計画、プランづくりというものを、地域の皆さんの意見を聞きながら、場合によっては懇談会等で意見交換をしながら、それから市町村によりましては地域住民の皆さんから提案をいただくという形で今、取り組んでいるところでございます。早いところでは年内にその取りまとめを行うというところがほとんどではございますけれども、そういった中で、やはり復興の地域づくりを持続的に取り組んでいくためには、地域の住民の皆さんの合意形成というものが一番大事だと考えております。
 県といたしましても、その地域の復興計画づくりが迅速に早急にまとまるように、土地利用の基本的な考え方、高台移転も含めて、そういった考え方を示しながら、引き続き市町村と連携を密にして支援に取り組んでいきたいと考えております。
〇及川幸子委員 いずれ地域との合意形成が大事だとおっしゃいました。そのとおりだと思いますので、今後において、地域の方々と、それから首長さんたちと意見を重ねながらやっていただきたいと思います。
 次に移ります。
 瓦れきの撤去作業の進捗状況と業者選定の状況についてどうなっているのか。特にも地元の業者、それから県内業者の参入状況についてお聞きします。
〇及川県土整備企画室企画課長 瓦れきの撤去の進捗状況についてでございますけれども、県が管理する道路、河川、港湾などの公共土木施設の瓦れきにつきましては、これまでに道路はすべて完了しております。河川につきましても、沿岸南部の一部、具体的には陸前高田市の気仙川、大船渡市の盛川などを除き完了したほか、港湾施設においても順調に作業が進んでおり、年内にはおおむね完了する見込みです。
 なお、気仙川については、サケの遡上により、現在、作業を中止しているところです。
 次に、地元業者と県内業者の参入状況についてでございますが、県土整備部所管分につきましては、これまで75件、20億3、000万円余の契約を行っておりますが、すべて管内の地元業者と契約しているところです。
 なお、県が市町村から委託を受けて実施している民有地等の瓦れき撤去につきましては、これまで43件、28億900万円余の契約を行っております。内訳は、28件が管内の地元業者、15件が内陸部等の県内他管内の業者で、すべて県内業者と契約しております。
〇及川幸子委員 その辺のところを大分危惧して県土整備委員会に籍を置いてきましたけれども、その辺のところは、皆さん、そういう県内業者をいち早く使うということで努力なさっているようなので、今後においても、いろいろな工事、また発注ができると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に部長にお聞きします。
 私、ずっと思っているんですが、なぜこの県土整備部に女性の幹部職員がいないのか。全然努力していないのか、その辺のところを部長、どう思いますか。
〇若林県土整備部長 県土整備部の職員には女子職員もおります。女子会というものをつくりましていろいろ活動しておりまして、非常に大きなウエートを占めているということは我々も認識しております。
 ただ、若干まだ若い職員が多いものですから、きっと今後は幹部になっていくものであろうと考えております。
〇及川幸子委員 大変力強くお答えになったので、私が在籍している間に女子職員の幹部の方がこの席上にいらっしゃるのかなと思います。
 いろいろな考えもおありだと思いますが、その辺のところは十分に心に入れていただきまして、今後において進捗できるようにお願いしたいと思います。
〇工藤勝子委員 今、瓦れきの処理に関する県内業者の受注状況がございましたけれども、私は、建設業振興対策の中で、県内建設業者の受注状況についてお伺いしたいと思っております。
 県における公共事業の減少ということがかなり言われてまいりました。歳出総額の中でも現在は15.1%でありまして、ピークから50%も減少していると言われております。受注できない業者にとれば50%どころじゃない、かなりまだまだ減っているんじゃないかという話も聞かれますけれども、そういう状況の中で、非常に経営が厳しくなって倒産に追い込まれたり事業をやめたりと、建設業者は非常に厳しい中での今回の震災となったわけでございます。
 そこで、先ほど申しましたように、全体の県営建設工事の県内、県外の受注状況についてお尋ねいたします。
〇吉田建設技術振興課総括課長 平成22年度県営建設工事における県内建設業者の受注状況でございますが、まず、受注金額におきまして、全体451億円中365億円、率にいたしまして80.9%。受注件数におきましては、全体が1、728件中1、598件、率にいたしまして92.5%となってございます。
〇工藤勝子委員 ということは、かなり県内業者が占めているという形でよろしいですね。はい、わかりました。
 それでは、今回の震災の発生によって、今後いろいろな公共工事が出てくるんだろうと思っています、道路、橋の復旧、いろいろな形の中で、そういう中で、今、国の査定も行われていると伺っております。
 そこで、災害復旧というのは多分国で工期が決められるんだろうと、何年度までに完成するようにということが決められると思っています。岩手県では8年かけて復旧、復興を進めていきたいという目標も掲げられておりますが、では、これに向かって、この災害復旧は、県内業者だけとは言いませんけれども、技術的な面、人材の面で県内業者でできるという、そういう部分は大丈夫なんでしょうか、その辺をお伺いいたします。
〇吉田建設技術振興課総括課長 復旧、復興工事に係る県内業者への発注についてでございますが、地域住民の安全・安心な暮らしを守り、社会資本の復興の担い手となるべく、担い手としての地域の建設企業の必要性というのはこの大震災におきまして改めて認識が深まったと考えております。
 今後、復旧、復興工事が本格化していく中で、事業を迅速に実施していくということは当然でございますが、あわせて、地域の建設企業が将来に向けて存続していけるように、地元に配慮した発注方法について、建設業会の─施工能力についてですが─意見を伺いながら発注の方式を検討していく必要があると考えております。
〇工藤勝子委員 ぜひ県の指導並びに人材育成、今まで大変な思いをしながら、例えばこの震災が起きたときに県外の業者が来て瓦れきの撤去をしたか、そういうことはないだろうと思っています。総合落札評価方式の中にも地域貢献度とか災害貢献度という点数もちゃんと入っているわけであります。
 遠野の業者も、もう3月12日の早朝、夜明けと同時に災害地に重機30台を持っていって、早速道路、道をあけなければ何ともならないということでその作業にかかわってきたわけであります。そういうことも考慮しながら、ぜひ今後の建設業の振興対策に県としても十分な思いを持ってやっていただければと思っております。
 そこで、低入札についてですが、価格競争は県外業者と非常に難しい部分があると思いますけれども、今後、低入札の改善方向をどのように考えていらっしゃるのか、その辺のところを伺いたいと思います。
〇吉田建設技術振興課総括課長 低入札につきましては、平成20年度ころが一番低くて80%そこそこという状況でして、県としても非常に危機感を持っていたところでございます。
 そうした中で、ことし4月にある程度まとまった入札制度の改革をいたしました。それから、ことし7月には総合評価落札方式の全面的な適用ということを行いました結果、直近では大体85%台と若干ですが落札率が向上していると承知しております。
 制度改正の結果というのはある程度の期間を見て判断して次の手を打っていくということかと思いますので、若干落札率が改善しているという状況を踏まえまして、さらに必要なことはないかということを建設業界の皆様の意見を踏まえて必要な改善を行っていくという考えでございます。
〇工藤勝子委員 建設業者の人たちと話をしますと、入札業務をぜひまた県土整備部にと。結局、現場をよく熟知したところに戻してほしいという意見を常に言われるわけですけれども、この点について部長はどうお考えでしょうか。
〇若林県土整備部長 入札の事務を県土整備部に戻したらというお話であります。
 過去にいろいろな経緯があって、入札の事務については今、総務部で所管しているということになっております。我々は、県の組織として、連携を密にしながら、建設業協会を含めて企業にそういうニーズに柔軟にどう対応していくかという対応をいろいろ考えていくということが最重要点と思っておりますので、そこについては今後も連携を密にしながら、県土整備部に戻せという話が起きる、起きないという部分はありますけれども、とにかく県一体で取り組んでいければと考えております。
〇工藤勝子委員 連携を密にしてやりたいと言うんですけれども、建設業者がなぜここまで入札業務を県土整備部にと思っているのかということは、結局、総務部との連携というか、入札業務に対する不満というものが業界にあるのではないかと私は思うんです。だからこういう言葉が出てくるんだろうと思っております。ですから、その辺のところも検討されて、ぜひうちの部で所管するということを宣言してもいいんじゃないかと思うのでありますが、ぜひ御検討をお願いできればと思っております。
 次に、一般国道340号、今度、土坂も入れることにしました。県道土坂線であります。この一般国道340号立丸峠、それから県道の土坂線、今回の東日本大震災津波の発生によって寸断された国道45号、災害の代替道路として大きな役割を果たしてまいりました。緊急輸送道路でもありましたし、自衛隊、警察隊、建設業の皆さんが復旧の応援に駆けつける道路としても使われました。そしてさらに、命を守る、命をつなぐ避難道路としても大きな役割を果たしたと思っております。
 私はこの場に来て8年になるわけですけれども、毎年これを取り上げて話してきましたけれども、結局は、この340号立丸峠のトンネル化がなっていたならまだ救える命もあったのではないかと思って、非常に残念でなりません。
 そこで、発災直後、全然情報が入らない中で、大槌町の1人の男性がずぶぬれになって遠野市の災害対策本部に飛び込んできたんです、夜中に。それは、結局、今、大槌町がこういう状況だと、助けてくれということで歩いてきたんです、この男性が。それも土坂峠を越えて、立丸峠を越えて出てきたという話でありました。この男性の証言によって遠野市の後方支援活動が即始まったわけでもあります。
 結局、この復旧、復興道路、命を守る道路として果たした役割を県はどう検証し、認識されているのかお伺いいたします。
〇高橋道路建設課総括課長 立丸峠と土坂峠の今回の震災における役割という御質問でございます。
 今回の東日本大震災津波におきまして、国道340号及び主要地方道大槌小国線は、震災時の避難道路や内陸からの緊急物資の輸送道路として有効に機能したものと思っております。このことから、8月に策定いたしました復興実施計画におきまして、国道340号につきましては横断軸間を南北に連絡する復興支援道路に、大槌小国線につきましては復興関連道路に位置づけまして、交通隘路の解消や防災対策、橋梁耐震化等を推進することとしております。
〇工藤勝子委員 事業をやるとか調査をしてみるとか設計に入るとか、そういう話がなかなか聞けなくて非常に残念なんですけれども、私の使命だと思って言い続けますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 国の復興支援道路として東北横断自動車道釜石秋田線、工事が着々と進んでおります。遠野のインターチェンジもここに入ってくるんだなという姿が見えてまいりました。県の事業推進には心から感謝を申し上げます。
 でも、道路というのは、道路ネットワークがつながって、道と道がつながって初めて大きな効果が出てくるんだろうと思っています。ですから、今回の国道340号もBバイCという費用対効果では命ははかられないもの、命はそういう形でははかれないと思っております。この道路は水産業の振興にもなる道路でもあります。そしてさらに内陸と沿岸を結ぶ最短距離のアクセス道路にもなります。そして今回の防災、医療拠点のアクセス道路でもありますし、今後、平泉から沿岸を結ぶ最短の観光道路であります。ぜひ今後、私たちが要望している実現に向かって進んでほしい。
 今、待避所をつくると。国道ですけれども非常に狭い、車1台しか通れないところもありますので、その辺の改良工事が行われて、ほとんど今、立丸峠は通れない状況になっております。ぜひそういう中で、部長からもう一度、今までの震災の効果も含め、そしてこれからの重要な道づくりの一つとして御答弁をいただいて終わりたいと思います。
〇若林県土整備部長 ただいま立丸峠と土坂峠のお話をいただきました。まず、検証しますけれども、実は3月11日、発災を受けてすぐその夕方に、県土整備部の中で、いずれ鵜住居と大槌町は大変なことになっているということは大体想定できましたので、職員に遠野経由で次の朝入れということで、遠野の協会の支部とも連携をとって笛吹峠と土坂峠に入れました。3日間帰ってきませんでしたけれども、そうやってとにかく国道45号まではあけたんです。それは非常な連携だったと思います。
 今、3月5日に開通したばかりの三陸縦貫道の水海-鵜住居間の鵜住居のところに、もうそこに上がれる道路もつくったりして、そうやってとにかくまずネットワークをつくろうと。復興するための、支援するためのまず基盤をつくろうということで、職員、それから協会支部を含めていろいろ尽力をしていただきました。大変感謝しております。
 よって、必要だというのは改めて認識しておりますし、実は私も2年ほど釜石地方振興局長をしておりまして、土坂トンネルという形で亡くなった町長とともに鉢巻きを締めてやった立場でもありました。立場はちょっと変わりましたけれども、地元の思いはきちっと受けとめたいとは思います。
 復興道路、それから復興支援道路、関連道路、それからあと内陸と沿岸をどうするかという大きな議論をやっぱり進めなければいけませんので、その視点とも相まって、それぞれの箇所について今後検討を加えていきたいと思います。事業化に向けて、我々もどうできるか検討していきたいと思います。
〇工藤勝子委員 最後にします。
 さっきも言いましたけれども、結局国に要望するにしても、今回の検証を踏まえて、復興道路として国に物を申す最大のチャンスが来ているんじゃないかと思っています。地元においても、これを復興道路として整備しなければあと何年置かれるかわからないという危機感もあります。今、土淵バイパスの工事も行われております。そこができたら、地元の人たちは次は立丸峠だと言っております。そういう形の中で、国に対しても復興道路として提案していただきますようお願いして終わります。
〇五日市王委員 私からは、1点だけ手短にお伺いいたします。
 3月11日の震災後の内陸部の公共事業の状況について総体的にお伺いいたします。
 3月11日に発生した後、当然、今年度に予定してある公共事業などが見直しあるいは凍結、縮小、そういったことがなされたと思うんですが、その状況についてどういうふうになっているのかお伺いいたします。
〇及川県土整備企画室企画課長 震災後の実施事業につきましては、まず、すぐに着手できるもの、箇所、条件が整い次第着手できるもの、それから状況を見て下半期以降発注できるもの等で具体的に区分して事業仕分けを行っております。その中で継続事業につきましては、被災により予定事業そのものを中止せざるを得ない、あるいは全面的に見直しをする必要があるものを除きまして、人員、資材、機材等の確保状況を見きわめながら実施時期を延長したところであります。実際に実施事業を取りやめた箇所は沿岸部のみということでございます。内陸部ではございません。
 なお、内陸部の新規事業箇所でございますけれども、当初10カ所予定しておりましたけれども、6月補正で5カ所を計上し、9月補正でさらに4カ所を計上しております。
 なお、計上見送りした1カ所につきましては、人員体制等の事情によりまして、次年度に実施することで予定しております。
〇五日市王委員 ということは余り震災の影響はないということでよろしいわけですね。はい、了解です。
 きのうの新聞報道、お隣宮城県の予算の概要が載っておりました。来年度は通常の倍の予算。2011年度が8、400億円のものが来年度は1兆7、000億円と倍の予算を組むような報道が載っておりました。恐らく岩手県もそのような形になるのではないかと思っておりますが、ただ、この中でも通常の、いわゆる震災関連以外の公共工事に関しては全体で25%の圧縮を目指す、あるいは県単独事業も20%削減のシーリングを設定して通常の四、五倍のカットに踏み込むというような報道です。
 結局、復興費を除く通常ベースの予算規模が5.1%下回っていずれ緊縮型の予算を組むという方針が出されておりますが、岩手県とすれば、来年度に向けて、内陸部も含めた公共事業のあり方といいますか、考え方についてお伺いいたします。
〇若林県土整備部長 来年度─平成24年度の予算要求に当たって、今、県土整備部で考えていますのは、まず、実は内陸部も結構被害を受けておりまして、東日本大震災だけでも70億円強の被害を受けていますし、台風15号でも50億円弱ぐらい受けています。それをまずとにかく復旧するということが一つでありますし、あわせて沿岸部の東日本大震災津波に係る復旧、復興を進めるという形になります。
 よって、通常の事業費は少し圧縮せざるを得ないだろうと考えております。新聞報道にもありましたけれども2割ぐらい削減しようかと思っていますが、内陸については削減幅をほとんどないようにしたいと考えております。そうでなくても沿岸部は復旧、復興事業でかなり数倍というか、そういう事業費になりますので、そういうことを基本に進めさせていただければと考えております。
〇五日市王委員 何が言いたかったかといいますと、まさに今、部長にお答えいただいたように内陸部もきちんと忘れないでいただきたいということでございました。特にも県北・沿岸振興ということで、これまで県土整備部の皆様には県北、沿岸にかなり優先的に予算の配分をしていただいておりまして、来年度以降も県北、沿岸ということで、ぜひその辺をお忘れないようにお願いをしたいという意味でございましたので、最後に部長の所感をお伺いして終わります。
〇若林県土整備部長 今、委員からお話がありました県北、沿岸─沿岸はもうあれですけれども、県北も忘れないでちゃんと取り組んでまいりたいと思います。
〇岩崎友一委員 私からは大きく3点ほどお尋ねしたいと思うんですが、まず1点目は、仮設住宅の住環境についてお伺いします。これは私が仮設住宅に住んでいるということ、周りの声を聞いたり見たりしているという観点からちょっとお尋ねします。
 大分いろいろとお取り組みいただいて、私の仮設住宅にも風除室とか仮設団地の歩道の整備とか自動販売機とかついて環境は大分よくはなってきたんですが、まず1点目に、風除室、まだまだついていない仮設があると思うんですけれども、この設置状況。それと、仮設団地内の舗装の整備状況。それと、団地内の駐車場の街灯の整備状況と駐車場の水たまりの整備状況をお尋ねしたいんですが、まず、街灯に関しては、本当に仮設の駐車場が真っ暗でして、今、特に日が暮れるのが早くなって、仕事から帰ってくればもう真っ暗だということで、駐車場から自分の部屋に来るのに、みんな懐中電灯を照らしてきている状況であります。
 それと、私の仮設の近所なんかは、クマが出ると言うのですけれども、夜は、もう暗くなるのでクマがいるかどうかすらわからないという状況でして、特に女性の方が本当に心配しているということもあります。
 また、台風15号のときもそうでしたが、仮設に入って2回ほど大雨の際に水たまりができまして、結構その水深といいますか、長靴を履かないと歩けないくらい水たまりになるのですけれども、そういったことも含めてお尋ねしますが、以上の点、整備状況と、あとは、県内全仮設の整備の終了めども含めてお尋ねします。
〇西尾営繕課長 応急仮設住宅の住環境整備の状況についてでございますが、追加で整備しております風よけ室につきましては、現在、全体の過半7、700戸分について完成しております。残りすべてに設置する予定でございまして、現在すべての完成は12月上旬を予定してございます。
 次に、団地内の通路の舗装についてでございますが、それらの工事につきましては、現在、おおむね完了しているという状況です。ただ、一部団地におきまして、追加の要望等がございまして、現在、それらの要望におこたえした工事を継続している団地もございます。
 それから、駐車場の街灯の件でございますが、あわせて団地内のぬかるみの改善につきましても、これらにつきましては、入居した後でないとちょっと状況がわからなかったところもございまして、個別の要望をいただきまして、それにこたえさせていただく形で順次対応している状況でございます。
 今後も、追加の要望があれば、引き続き対応させていただきたいと考えてございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。
 まず、風除室の件ですけれども、この風除室は灯油置き場になるわけでありまして、12月上旬の前に恐らくストーブとかを使う人もいると思うので、12月上旬とは言わずに、少しでも早い段階で完成してもらえるように、まずお願いしたいと思います。
 あと、街灯と、水たまりができる件でありますけれども、これもやはり、特に水たまりよりも街灯、とにかく日が暮れるのが早くなったので本当に危険だと。この前の県警か何かの議論でもありましたけれども、やはり安全面において、街灯があるなしというのは一番重要だと思いますので、早急に取り組んでいただくようにお願いしたいと思います。
 次に移ります。次は、また仮設の火災対策でありますけれども、1点目が、火災時の水源の確保状況、現在設置されたタンクでは不十分と私も聞いておりますので、それを踏まえて御答弁をお願いしたいのと、あとは消火器、今は1棟に1台と聞いていまして、これが1世帯1台設置するとなると聞いておりますが、この設置状況と終了めど、それと、火災保険についてですけれども、聞くところによりますと、県で加入していると聞いていますが、仮設に入っている方は、それを知らずに自分で入ったという方もいらっしゃいますので、その辺の周知は徹底できているのかどうか。それとあと家財保険の加入状況についてお示しいただきたいと思います。
〇西尾営繕課長 火災時の水源確保についてでございますが、団地ごとに実態の条件が異なっておりますことから、現在、地元消防機関と緊急時を想定いたしました団地ごとの対応につきまして協議を行っているところでございます。その一環といたしまして、団地に設置しております受水槽を緊急時に消火用の水として利用できるよう、必要な設備改修を行うことを現在検討してございます。
 次に、消火器についてでございますが、現在、各棟1個が設置済みでございますが、さらなる安全性を確保するため、住宅用消火器を各戸に1個追加して設置することといたしてございます。これにつきましては、今月中に設置を完了する予定といたしてございます。
 建設を行いました応急仮設住宅の火災保険についてでございますが、県が保険に加入しているところでございますが、その状況について、入居者の皆様への周知につきましては、今時点で行っていないところでございます。今後、消火器の追加設置を予定してございますが、それにあわせまして、周知のためのお知らせの配布を行いたいと考えてございます。
 それから、家財保険についてでございますが、これらにつきましては、入居者御本人による任意の加入ということになりますので、県として、状況の把握というのは現状行っていないという状況でございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。
 それで、まず火災保険の件ですが、さっきも言ったように、それを知らずに個々に入っているということは、二重に入っているという形になりますので、その辺は早急に周知していただきたいのと、それと、皆さんに、火災保険は県で入っています、ただ、家財保険は個々で加入してくださいとしっかり言わないと、今、仮設住宅に入っている人たちというのは、もちろん全財産がその仮設の中にあるわけでありまして、それも火事になって全部焼けたとなると、またすべてを失うということになりますので、その火災保険の件と家財保険の件、早急に対応をお願いしたいと思います。
 最後になりますけれども、最後は、防潮堤の工法についてお伺いします。
 今、防潮堤の高さの議論と、あとは防潮堤の内側ですか、おか側の構造の議論が進んでいるかと思うんですけれども、私がずっと見ている中で、防潮堤が、形はそのままで下からえぐられた形でその周辺に横たわっているというか、そういう風景をよく見るわけです。
 そういうものを考えると、高さの議論とかももちろん大切なんですけれども、それと並行して、設置時の工法についても見直すべきではないかと思うんですが、その辺は検証というものがなされているのかどうかお尋ねします。
〇松本河川課総括課長 防潮堤の工法についてでございますけれども、県内の県土整備部所管の海岸は53海岸ございます。この中で、施設の整備済み延長は25キロメートルでございました。この中で、今回の震災によりまして45海岸、延長で約11キロメートルに被災がございまして、この中でまた、特に沿岸南部11海岸で破堤などの大きな被害を受けたところでございます。
 この被災の原因としては、防潮堤を越流した津波による防潮堤陸側ののりじりの洗掘、引き波による防潮堤海側の基礎の洗掘、引き波による直立堤の倒壊及び流出などが挙げられております。この内容につきましては、岩手県津波防災技術専門委員会において、専門的な知見に基づいて審議をいただいたところでございます。
〇岩崎友一委員 それでは、次が新たに設置されるときには、そういったことが生かされながら設置されるということでいいかと思うのですけれども、ぜひともその辺はよろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
〇郷右近浩委員 私からも何点か質問させていただきたいと思います。
 質問の趣旨としましては、先ほど五日市王委員が話をしていた部分と一緒でございます。もちろん今の県政の課題において、沿岸の復旧、復興は、本当に緊急かつ最大重要事である、そうした認識は持っていながらも、そして、もちろん県全体として取り組まなければいけないという思いを持っているものではあります。しかしながら、やはり同時に、県民すべからく安全・安心をつくるような施策を進めていかなければいけない、そうした思いから質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、橋梁の維持管理計画についてお伺いしたいと思います。
 それで、そこに入る前になんですけれども、実は、主要施策の成果に関する説明書、これは恐らくミスプリントだと思うのですが、151ページに実績値84%となっており、それが152ページのほうが8%となっている部分については、まず、これは訂正でよろしいのかどうかの確認から入らせていただきます。
〇青柳道路環境課総括課長 主要施策の成果に関する説明書の中で、委員御指摘のとおり、151ページに橋梁の修繕率として84%、次の152ページには8%と記載されております。ミスプリントといいますか誤植でございます。まことに申しわけありませんでした。
〇郷右近浩委員 ありがとうございます。評価はAということになっておりましたので、恐らくこれは単純なミスだったのかなということで、そのままの数字ということで質問を続けさせていただきたいと思います。
 それでなんですけれども、これまでは、平成21年に橋のアセットマネジメントということで、優先順位ではないですけれども、すぐに直さなければいけないもの、そして、中期的、長期的、またはかけかえしなければいけない橋という形で、そうした形の取りまとめ、本当にあの時点でもよくこのようなものをつくったものだという思いで見せていただきました。そうしたものから、今度はそれが維持管理計画策定へという形の流れで今現在のこの計画ができているものと理解しております。
 そうした一連の流れであったり、また、さらには、本日、部長から説明がありましたとおり、予定の67橋を大幅に上回ったということで、やはり計画をきちんとつくってやっていくという中においては、作業的にも物すごくスムーズに進んでいるのかなという認識を受けているところであります。
 そうした中でありますけれども、今回、この震災によってダメージを受けた橋が多々ありました。そうした橋につきましては、もちろん修繕、これまでも応急修繕であったり、そうした中で修繕をかけて何とか代替、復旧してきたというところでありますけれども、この部分のダメージに対しての今後のケアの仕方であったりというのは、この維持管理計画の中にどのように盛り込まれていくのか、そうした部分についてお伺いしたいと思います。
〇青柳道路環境課総括課長 橋梁の維持管理計画につきましては、委員御指摘のとおり、橋梁長寿命化修繕計画を策定いたしまして、予防保全に取り組んでいるところでございます。5年ごとの橋梁点検による損傷度を把握し、その状況に応じて見直しを行うこととしております。今回、地震津波被害によりまして損傷を受けた橋梁につきましては、被災直後に緊急的に点検を行いまして、災害復旧事業等で復旧することとしております。その復旧状況を踏まえまして、長寿命化修繕計画を見直しながら、アセットマネジメントに取り組んでいきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 わかりました。5年ごとのローリングということでございますので、そこら辺は、何かこれまでの流れを見ますと、前に前にきちんと修繕して、そして橋を長寿命というかもたせて、きちんとケアしていこう、使っていこうというところが本当にうまく回ってきているのかなと思います。しかしながら、もちろんかけかえが必要だという橋もまだまだ課題として残っているということで、先ほど委員長も、にやりとしておりましたけれども、そうした部分につきましても、きちんと対処をよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備についてお伺いしたいと思います。
 このたびの台風15号によって被害を受けた河川等が多々あると思います。この部分につきましてなんですけれども、平成19年9月の大雨災害の際にも、かなりの被害を受けたということでの記憶がまだまだ頭から離れておりません。そうした中で、県はこれまでどのような形でそうした箇所に取り組んで、不安解消に取り組んでまいられたのか、そして、その解消された地域の実績等がありましたらお知らせいただきたいと思います。
〇松本河川課総括課長 北上川沿川では、平成14年7月、平成19年9月と豪雨によりまして大きな洪水が発生しております。これにつきましては、家屋への浸水とか農地への冠水、非常に大きな洪水被害を受けておりましたので、北上川を管理している国におきましては、家屋への浸水箇所を重点的に洪水対策を講じていると聞いております。
〇郷右近浩委員 ちょっと聞き方も悪かったと思います。平成19年9月の際には、例えば奥州市内においても、数カ所道路が分断される形、そして、もちろん北上市の地域でも家屋が、すっかり道路が冠水しているという被害が多々あったと認識しております。今回も、奥州市内においては3カ所道路が冠水したという地域がありました。
 そうした中で、私自身、被害の調査報告を見ても、北上市においては今回は大丈夫だったのかなということで、やはり確実に少しずつ手当てをしている部分が、成果が出てきているのかなという認識を持っているものであります。
 そうしたことで、ぜひとも、何としても北上川の無堤地帯の解消という、私自身、やはりあの川は、一つの堤防をつくっていくと、どうしても堤防がないところに寄ってくるという部分も含めまして、きちんとした取り組みというものを考えていただきたいのでありますけれども、今後の無堤地帯の対応であったり、そしてまた、先ほどお話しさせていただきました、これまでやってきた中で、今回、大丈夫だった部分につきましての何か項目等がありましたら、お知らせいただきたいと思います。
〇松本河川課総括課長 先ほど御説明申し上げましたように、北上川を管理している国の方針でございますけれども、北上川本川には非常に無堤区間が多いということを認識はされておりまして、この洪水対策の必要性は緊急度が非常に高いものだということで、現在、平成19年より北上川上流一般河川改修事業という事業を導入いたしまして、石鳥谷地区、紫波地区、前沢地区など、県南を中心としまして河川改修に今、着手してございます。平成28年度完了を目指して重点的に現在整備を進めていると聞いてございます。
〇郷右近浩委員 ありがとうございます。わかりました。平成28年度を目指してということで。そうすると、28年度にはある程度、これまでのハザードマップというか、危険地域と思われたところが少しは緩和されるというか安心を与えられる状況になるのかなと受け取らせていただきたいと思います。
 ただ、やはり平成28年といわずに、1年でも2年でも、それだけそこに住んでいられる方々が心配だという不安をまずなくす、そうしたことに早目に取り組んでいただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。これは要望で終わります。
 次に、最後にですけれども、歩道整備についてお伺いしたいと思います。
 成果につきましては、成果に関する説明書の145、146ページの評価につきましては、CとBとなっていると。しかしながら、先ほど部長の説明では、着実に進捗しているといった御説明をいただいております。さまざまな要因があっておくれているのか、着実に進んでいるのか、その部分の整合性からお知らせいただきたいと思います。
〇青柳道路環境課総括課長 歩道の整備につきましては、C判定あるいはB判定と二つ出ておりますけれども、成果の具体的な実績値と申しますのは、歩道につきましては、ある工区を完全にというか、整備し終わった場合にオンできるという状況でございます。ですから、ある工区の一部区間を整備し終わっても、当概年度でなかなかその部分を付加できないというのが実態でございまして、年度によっては、用地補償費での取得が多い場合につきましては、どうしても数値として上がらないという状況でございます。
〇郷右近浩委員 わかりました。それで、オンできない中でも、それでも73.7%という数字ということは、実は全体論としてはもっと進捗している、そして、そこが完成した場合に、これがいきなり例えば80%になるのか、そこまでなるかどうかはともかくとして、オンしてきたときに数値が見えてくるということで、理解させていただきます。
 この部分につきましても、着実に計画を立てて進めていかなければいけないと思うわけでありますが、その中でなんですけれども、この地域の通学路等に係る歩道につきましては、やはり盛岡で物を考えているより、県庁で物を考えているより、広域振興局単位できちんと地元の、特にも、通学路であれば、子供たちが歩いている姿を見ている地域で優先順位等を考えていくほうが、私はスムーズに、優先順位のつけ方と言ったらあれですけれども、物事が進んでいくのではないかと考えるものであります。
 とするならば、振興局単位で予算を含めた形での事業の形成といったことがいいのではないかと思うものでありますけれども、この件についての御見解をいただきたいと思います。
〇青柳道路環境課総括課長 歩道整備事業に限らず、通常の事業の予算編成に当たりましては、現在、広域振興局からの要望、地域ごとの整備水準や予算配分バランスなどを考慮するとともに、公共事業評価に基づきまして予算づけを行っているところでございます。
 なお、小規模な事業につきましては、県単でございますけれども、地域づくり緊急改善事業によりまして、各広域振興局の土木部あるいは土木センターにおいて、きめ細やかな対応が可能となっているところでございます。
〇郷右近浩委員 わかりました。広域振興局ときちんと話し合ってやっているということだと思います。
 ただ、やはりそうしたときに、どうしても事業評価という部分での作業が出てくる中ではあると思いますけれども、年度内に、例えば、やはりこっちのほうが優先度が高いという地域事情みたいなものが出てきたときに、それにきちんと対応できるようコミュニケーションをきちんととっていただいて、そして、今後も、本当にここにいても見える施策をきちんととっていただきたいと要望して、終わります。
〇神崎浩之委員 まず初めに、五日市委員に続けて、県南も忘れないでくださいということをお願いしながら、関連して、東日本大震災における宅地被害への支援についてを質問してまいります。
 このたびの震災について、内陸部には大きな宅地被害が広範囲に発生しております。3月11日もあるんですが、4月は余震と言われておりますが、県南のほうでは、4月の余震が本震で、3月11日が余震じゃないかと言われるくらい、4月のほうが大きい地震の被害がありました。
 その後も、たび重なる余震や、それから、雨が降って、大きく団地ののり面の亀裂がどんどん裂けていくという状況になっております。
 それらを含めて、被災宅地でありますが、皆さん方は、よく仙台の大きなニュータウンとか団地ののり面の崩壊ということをテレビでごらんになっていると思いますが、県南には、小規模でありますが、ああいう団地ののり面の崩壊等があるんですが、そういう被災宅地─民地、個人の住宅地でありますけれども、被害を受けた土地、家屋等で、災害復旧事業等ですくえないような事例についてはどういうものがあるのか、まずお聞きしたいと思います。
〇菊地砂防災害課総括課長 まず、災害復旧事業についてでございますけれども、災害復旧事業は、河川や道路などの公共土木施設を対象としたものでございます。土地、家屋等を対象としたものといたしましては、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業ですとか、造成宅地滑動崩落緊急対策事業などがございます。
〇神崎浩之委員 それでは、その災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の要件緩和についてということでありますが、この要件緩和について、新潟県中越沖地震のときの特例措置、それと同様の扱いに今なっていると思いますが、そのときのスキームも、国、県、市町村という負担割合があったわけですが、今現在、県の補助について決まっていないと承知しておりますが、この県の補助の分についてはどういうふうに進んでいるのかお尋ねいたします。
〇菊地砂防災害課総括課長 災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の県の支援についてでございますけれども、これにつきましては、現在、検討を進めている段階でございます。
〇神崎浩之委員 ぜひ前向きに検討をお願いしたいと思います。今、市町村は、12月補正とか来年度の予算の策定の時期でございますので、早急にお願いしたいと思います。
 あわせて、その採択の要件から外れました3メートル以下の擁壁の部分についてなんです。これは5メートルなんですけれども、それから、二次被害の可能性がある場所という要件がついておりますが、その点についても、被災者に寄り添った組み立てをしていただきたいわけです。
 あと、前の岩手県住宅供給公社等において大規模に分譲した団地があるんですね。これはいろいろ各市町村にもあると思うんですが、その中で、一関市であれば関ケ丘団地とか、あと東山の柴宿団地とか、造成していただいたところがあるんですが、そののり面がすごく高かったり、それから擁壁が大きくて、個人で1、000万円ぐらいかかるような、そういう場所もあるんです。
 3メートル以下の擁壁の要件について、それから、自分でのり面を改修するのに下や隣の住宅も絡んでくるとか、それから、団地ですから同じ擁壁がつながっているんですけれども、1軒だけ直しても効果はないわけですね。こういう事例とかがありますので、そんなことも含めて、どういうふうに前向きにお考えになっていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
〇小田嶋まちづくり課長 宅地被害の救済についてでありますけれども、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業等で対応できない被災宅地については、一関市と奥州市が行っています支援制度を勘案しながら、県といたしましても、これからの被災宅地が早期に復旧できますよう、国の動向も見きわめながら、過去に発生した大災害の事例などを参考に、支援の事業内容について検討を進めているところでございます。
 次に、関ケ丘団地や柴宿団地の被災宅地のことでございますけれども、一関市からの情報によりますと、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業等で対応できない状況ということでございますので、これらの地域の状況も踏まえながら、先ほどの支援制度を県の部分で検討してまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 今までは、個人のものについては個人でやっていただきたいというのがスタンスなわけでありますけれども、今回のその被害というのは、すごく大きいんですよね。とても個人の100万円とか200万円のレベルでないような状況であります。
 私が住んでいる山目のある団地、ニュータウンなんですけれども、今現在払っている住宅ローンを抱えながら、それから、今回宅地が崩落した、それを復旧するためにやはり1、000万円近い金額、それから、新たに新しい家を建てるということで、三重ローンぐらいを抱えて、土地を直すだけで1、000万円近くかかるものがあります。
 そんなことを市に要望しながらやってきて、市独自で宅地災害復旧工事ということで、上限100万円なんですけれども、2分の1、100万円助成するとか、それから私道の災害復旧ということをやっているわけですが、これがやっぱり要望が多くて、いいことなんですけれども、宅地については、今216件の申請を受けているということで、私道については8件ということであるのですが、被害額が4億2、000万円ぐらいあるんですよね。
 その中で補助していくということで、放っておけない状況なので、二次被害を防ぐということで、下に家があったりとか、それから、これを放っておくと道路に土砂が崩れていくとかというような、二次災害を防止するというようなものに引っかけながら寄り添った対応をしているわけですけれども、ぜひ県も、今回は未曾有のということでありますから、未曾有の対応をとっていただきたいと思っております。
 それから、細かいところであれなんですけれども、さまざま住宅再建にかかわる支援制度というものがあるわけですが、まず、新築に対して何か支援制度をつくっていただきたいということがあるんですね。
 地震でやむを得ず解体して、新築する場合には、支援金とか義援金しかないわけでありまして、全然足りない金額なんですよね。前のローンもあったりして。そんなことがありまして、それらについて何か、この省エネとか、バリアフリーとか、県産材利用とかに絡めて新たな補助金制度が創設できないかというのが一つであります。
 それから、もう一つは、一部損壊の建物に対する支援をつくっていただきたい。一部であります。半壊以上であればいろいろな制度があるんですけれども、一部損壊の場合はないので、これらの方々に対する支援制度についてやっていただきたい。
 それから、三つ目が、二重債務対策ということでありますが、建築したばかりで壊れてしまった家については、二重ローンですよね。そういうことで、その辺の対応についてもお聞きしたいと思います。
 今の3点について、お聞きいたします。
〇大水建築住宅課総括課長 被災しました住宅についての再建あるいは改修ということについてでございますけれども、岩手県復興基本計画あるいは実施計画において、被災した住宅の再建、改修に対する制度の創設、あるいは充実を進めていくということで位置づけております。
 今後の復興の進捗状況に合わせまして、そうした支援策についても検討してまいりたいと考えております。
 また、二重ローンにつきましては、さきの補正予算におきまして、既存のローン、あるいは新規で住宅ローンを組まれる方に対する利子補給制度を設けたところでございまして、5年間利子補給を行うということにしておりますが、今後、要領を定めまして、早期制度開始ということとあわせまして、被災されている方への周知に努めてまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 利子補給だけじゃ、やっぱり家を建てられないんですよね。そんなことを含めて、つらい質問になるんですけれども、だから進まないわけですよね。前のローンもあるんだ、壊さなければならないんだ、壊した後どうするんだということがありますので、これは、国に要望しながら、ぜひ、住宅の再建について県も検討いただきたいと思います。
 それから、一部損壊の建物に対する支援策でありますが、一部のほうですけれども、住宅リフォーム助成事業等を活用したりしている場合もあるんですが、この辺について、手続を簡素化してほしいんだというのがあります。例えば、住民票や納税証明書で証明書を簡略する方法等をやっておるところもありますし、それから、今回の震災に対して、さかのぼって適用していただきたいんですが、緊急に工事をしたために写真がないところがあるんですよね。前の写真がないという場合があるんですが、そういうことも対応していただきたいということであります。
 それから、あとは、リフォーム助成については、1割を助成しているんですけれども、被災された方は、1割いただいても余りありがたくないようでありまして、せめて5割とかやって、そういう仕組みにしていただきたいということもちょっと考えておるわけですけれども、御見解をお聞きしたいと思います。
〇大水建築住宅課総括課長 リフォーム助成ということでございますけれども、10分の1というのは、恐らく一関市で独自に設けている助成制度ということだと思いますが、県におきましても、リフォームの助成につきましては、請願が採択されているという状況を重く受けとめまして具体的な制度設計を行っている状況でございまして、今後、リフォームの助成につきましても、使われる方にとって使いやすい制度としていくにはどうしていったらいいのかということも含め、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 まず、ぜひ、被災された方に対しては、5割程度で、そして、3年間ぐらいはやっていただきたい、そういう仕組みで検討いただきたいと思っております。
 いずれの制度につきましても、先ほど言いましたが、復興計画も確かに出されているんですけれども、内容が詰め切れておりませんので、今ちょうど、お話ししたとおり、12月の補正の時期であったり、それから、新年度予算の要求の時期であります。これがおくれると大分おくれてしまうんですよ。そういうことで、そういうものがおくれると、一番来るのが、我々議員のところに来たりとか、市町村の窓口に行ったりいたしますので、ぜひ早目に12月補正、それから新年度予算に合わせた段取りをしていただきたいと思っております。
 内陸の被害につきましては、知事や、それから副知事も一関市等の視察をいたしまして、住民の方には、内陸の被害も沿岸と同等の規模であることを認識した、今後においては沿岸同等の支援を行っていきたいと言っておられたのにもかかわらず、どうも沿岸の被害に気持ちが傾いているようでちょっと寂しい気がしておりますので、ぜひ、岩手県からも県南にも、内陸の被害についても御支援をいただくよう、早急な組み立てをしていただくようお願いいたしまして、私の質問を終わります。
〇岩渕誠委員 私からも、内陸の被害を中心に、お願い等含めまして、お願いしてまいりたいと思います。
 まずもって、県土整備部の皆様におかれましては、本当に、震災発生以来、それぞれ凄惨な現場を見ながら復旧、復興に当たってこられましたこと、特にも沿岸部は本当に甚大な被害でございまして、その被災者の生活再建に寄り添った形で御尽力いただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。
 一方で、内陸にも被害がございますので、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
 まず、内陸被害の実態と復旧の現状につきましてお示しをいただきたいと思います。
〇菊地砂防災害課総括課長 このたびの東日本大震災によります内陸部の災害の状況あるいは復旧の状況でございますが、委員御指摘のとおり、このたび、内陸でも相当の被害が出ているところでございまして、内陸部につきましては、7月中旬に災害査定を終了してございまして、県施設で310カ所の37億7、000万円余、それから市町村施設で644カ所の38億9、000万円余、県全体では76億7、000万円余となってございまして、ちょうど平成20年の岩手・宮城内陸地震に相当する規模の災害となってございます。
 査定後、県では、本格的な復旧に向けまして工事の発注等の準備作業を進めてきたところでございまして、10月末では全体の約80%の箇所について発注を終え、12月末には98%の工事発注を終えたいと考えてございます。
 いずれ早期復旧に向けまして、内陸部につきましても、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 ありがとうございました。内陸の被災をした皆さんは、まず第1に、本当に震災によって、内陸では人的被害というのは大きくなかったということで、沿岸をおもんぱかりながら、それでもなお、うちのところにもというような、本当に慎ましいといいますか我慢強いといいますか、そういう態度で接しているわけでありますが、そういった中で、九十数%の発注ということで、大変御努力いただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 個別具体に入ってまいりますけれども、その中で、昨年度末にほぼ完成をしておりました、そして今年度早々に開通が予定されておりました真滝バイパスというものがございます。残念ながら、この震災によりまして大きな被害を受けておりまして、これは、一関市にとっては横軸の大きな改良になるわけであります。開通前の被災ということでありまして、これは、通常の災害復旧に対応しないということですので、財政的な負担もあろうかと思うんですが、これの復旧、それから開通のめどは立っておられるのかどうか、お示しいただきたいと思います。
〇高橋道路建設課総括課長 国道284号真滝バイパスの状況についてでございますけれども、発災前は、平成23年4月の供用を目標としておりましたが、東日本大震災等によりまして、盛り土の崩壊、路面沈下等の大きな被害を受けたため、土質調査等を行いまして復旧工法を決定し、現在、平成23年度末の供用を目指して復旧工事を進めているところでございます。
〇岩渕誠委員 ありがとうございました。いろいろな御努力があったと思います。
 それでは、宅地の問題に入ってまいります。
 先ほど神崎委員からも質疑があったわけでありますが、これは、地域がけの関連で申し上げますと、通常の事業でありますと人工斜面が対象にならない、それから、がけの高さが5メートルという要件があるわけでありますが、これが、震災特例が認められるのではないかということでお答えがあったわけでございます。これは、3次補正で想定されるのだと思いますけれども、これの対象地域がどれぐらいあるかお示しいただきたいと思います。
 また、あわせて、大規模宅地の崩落が起きておりますが、これまでこうしたところにつきましては、何ら対応できる補助制度というものはなかったと思います。国の3次補正で想定されております一括交付金を原資として、こうした新規の制度を立ち上げることが可能ではないかと思うんですが、現状ではどのようになっていますでしょうか。
〇菊地砂防災害課総括課長 まず、地域がけ、正式には災害関連地域防災がけ崩れ対策事業という非常に長い名前でございますけれども、これについて御説明いたしますが、今回、新潟県中越沖地震の場合と同等の要件緩和について国から示されたところでございまして、県といたしまして、こういった国の動きを踏まえまして、各市町村に、要件緩和した場合にどのくらい地域がけ事業に該当しそうな箇所があるか照会いたしましたが、その結果、一関市で3件、それから二戸市で1件、計4件の報告があったところでございまして、今後、国土交通省から正式な通知があり次第、採択に向けまして国と協議を進めてまいりたいと考えてございます。
〇小田嶋まちづくり課長 今後予定されております国の第3次補正予算で、その被災宅地の復旧に関する事業といたしまして、造成宅地の緊急対策工事に対する支援事業が創設されると聞いております。
 その中身を見ますと、対応できるところは、保全対象規模や公共施設等への影響など一定の条件があることから、現時点では、限定的な被災箇所に限られるのではないかと考えております。
〇岩渕誠委員 今の3次補正の対応で申し上げますと、限定的といいますが、一関市で大規模な住宅団地の崩落がありますが、これは対象になりますか。
〇小田嶋まちづくり課長 一関市山目の舘地区については、該当になると考えております。
〇岩渕誠委員 ありがとうございました。いずれ、国の3次補正を活用して進めていただきたいのでありますけれども、これは、要件を見ますと、国が半分持つんですが、市町村と県で残りの半分を持つ、こういうことでございます。みそはここでございまして、地域がけ対策に関していいますと、新潟県中越沖地震のときは、たしか40%を県が持っていたのではないかと。かなりのところを持っていたのではないかと思います。それから、新規の事業になります崩落対策、これも同じように2分の1のうちどれぐらい持つんですかということが問題になってくると思います。
 また、あわせて、先ほども指摘がありましたけれども、宅地崩壊、私道の崩壊について、独自にやった分について県はどうするかという問題があると思います。これの原資は、やはり東日本大震災復興交付金というものが、これを見据えて出てきているわけであります。これを県がどういうふうに使うか、これは、まさに県がどこまで被災者に寄り添えるかどうかという試金石だと思います。これは、内陸の話だけじゃなくて、沿岸の公共事業や、あるいは個人の被害の回復に当たって、このお金をどういうふうに使うのか、まさに県の姿勢が問われてきているところだと思います。
 この復興交付金の用途については、かなり自由な部分がありますから、例えば、一たん基金化をして、取り崩し的に使うことも含めて御検討になっているかと思いますが、この原資の使い方について、県土整備部としてどのようにお考えなのか、これは部長の見解をお聞きしたいと思います。
〇若林県土整備部長 今、国の3次補正関係で、復興交付金を初め、いろいろな形で新たな造成宅地の緊急対策事業とか、あと要件緩和とかという動きが見えております。よって、県土整備部としては、やはり被災者の住宅再建を基本的に考えなければいかんということで、経過としては、復興実施計画にも盛り込んだところであります。
 よって、3次補正の動向が見え始めましたので、具体な設計を今進めております。進めた結果、お示しできるのではないかと思います。
 いずれ、何らかの形で、補助事業で対応できないところについても、先ほど神崎委員の部分もありますが、幾らかでも、当然限りはありますけれども、基金造成を含めて検討してまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 ありがとうございました。
 いずれ横出し、上乗せ、いろいろな手法が物によって出てくると思いますけれども、これだけ被災は非常に大きいわけでありますから、幅を広げて、基金的に積むのであれば、それを有効に活用していただきたいと思います。
 時間がありませんので次に進みます。洪水被害対策について、1点に絞ってお尋ねしてまいります。
 沿岸での悲惨な津波被害というものもございましたけれども、内陸におきましては、毎年、洪水被害というものも発生しております。今、一関市の遊水地を中心にかなり整備が進められているわけでありますが、一方で、その下流に当たります北上川の狭隘地区、これは無堤地帯でございまして、本年度も冠水が大変大きな被害になっております。
 新年度採択を受けて、残る下流部につきましても国の事業で着手しているわけでありますが、この岩手県の最南端の狭隘部の整備については、県の道路事業ともあわせた形でやっていかないと、これはなかなか進まない部分もあるかと承知しておるのですが、この狭隘部の対策について、平成22年度から、そして今年度どのように取り組んでいるのかお示しいただきたいと思います。
〇松本河川課総括課長 北上川の狭隘地区の治水対策について、まずお答えしたいと思います。
 遊水地から下流の宮城県境まで約26キロございますけれども、両岸が非常に急峻である、それから、川の流れが非常に緩いということでございまして、洪水が発生しやすい地区となってございます。
 北上川を管理する国では、一関遊水地下流から砂鉄川合流点までの10キロにつきましては、平成18年度に土地利用一体型防災事業によりまして事業着手しまして、平成22年度に完了してございます。
 なお、残る砂鉄川合流点から宮城県境までの約16キロでございますけれども、これは、一般河川改修事業によりまして今年度から事業着手してございます。今後10年程度をめどに、輪中堤、宅地かさ上げ、移転等により治水対策を進めると国から伺っているところでございます。
〇岩渕誠委員 土地利用一体型ではない事業採択になっておりまして、そこが多少不安が残る部分があるわけでありますが、一方で、例えば、一級河川金流川とか、恐らく県が直接かかわる部分もございます。それから、一関市藤沢町の県道部分につきましては、これは当然、県の予算がついて、ここをきちんとしていかないと完了しないということになるわけでありますが、どうしても北上川の河川改修になりますと国だ、国だという話になるのですが、県として、一体その辺の見通しをどう立てておられるのか、そして、やはりこういう災害を受けて、県土の保全、防災の観点から、河川改修も含めてもう一度点検をして、やれるところはもう前倒しをしてやるというような姿勢をこの際、お示しいただくことが大事ではないかと思うんですが、この辺、狭隘地に勤務した経験のございます部長、よろしくお願いします。
〇若林県土整備部長 残る16キロにつきまして、今、国土交通省の岩手河川国道事務所が一応計画を練っておりますので、それにあわせて、県の事業がどういう形で展開すればいいのかということは、連携をとりながら進めさせていただきたいなと。あわせて、地元の意見も伺いながら、取り組んでまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 わかりました。いずれ、青写真でも構いません、ぜひ早期の提示をお願いしたいと思います。
 それから、戻りますけれども、復興交付金の使い道に関しましては、12月定例会で議論ができるように体制を整えていただきたいと思います。要望して、終わります。
〇高橋昌造委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時57分 休 憩
午後1時3分 再開
〇熊谷泉副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇及川あつし委員 通告をしておりましたとおりお願いしたいと思います。
 午前中の質疑にもございましたけれども、初めに、北上川の治水対策全般について伺いたいと存じます。
 今、タイのチャオプラヤ川の洪水でタイの状況が連日報道されておりますけれども、私も県庁に来るときに必然的に北上川の状況をいつも見ているのですが、どうも最近、北上川の洪水調整能力─ダムのお話をこれからしますけれども─が何となく落ちているんじゃないかなということをだれが見てもわかるような状況だと感じております。過般の台風15号の際もその前後についても、過去の、─きょうも話が出ましたけれども、平成19年、平成14年のときの降水量に比べたらさほどでないにもかかわらず、今回、北上川ももう少しで盛岡市内にはんらんする寸前だったと思ってございます。
 それについてまず1点伺いたいのは、きょうも下流域のいろいろな無堤地帯の話もありましたけれども、四十四田ダムというのが大もとの洪水調整機能を持っているということだと思うわけです。前任期においては小野寺好委員、久保孝喜委員からも四十四田ダムの問題が取り上げられております。問題点は、堆積物─堆砂の影響で洪水調整機能が落ちているということと、あとは堆積物に砒素が入っているという問題もあると。これは一義的には国土交通省の事業だと思うわけですが、その後いろいろな議論も重ねられてきていると思いますが、四十四田ダムの現状について、国土交通省の事業でありますけれども、県としてどういうふうに現状を見ておられ、課題についてどのように認識しているのか、その基本的な事項について、河川改良費とか河川等災害関連事業費に関連してまず伺いたいと思います。
〇及川河川開発課長 四十四田ダムについてでございますけれども、昭和43年完成以来約40年経過しておりますけれども、平成22年時点では計画堆砂量に対して約86%と堆砂が進んでおります。しかしながら、洪水調節容量といいますか、洪水調節に直接影響を及ぼす堆砂の割合というのは4%と小さい、まだそういう状況にございます。
 国では、平成21年度から堰堤改良事業を導入しまして、貯砂ダムの新設によりまして洪水調節能力等の低下を防ぐ対策を行うこととしているということでございます。
 なお、ことし9月の台風15号に伴う出水に際しましては確かに大きかったということで、ダム完成以来3番目となる毎秒934立方メートルの最大流入量を記録しております。しかしながら、計画どおりの洪水調節機能を発揮していると聞いてございます。
 県としましても、四十四田ダムは北上川唯一の本川ダムでございまして、直下には県都盛岡市が位置する重要な施設として認識しておりまして、今後も引き続き国に事業の促進を要望していきたいと考えております。
〇及川あつし委員 いずれ本当に際どかったと思うんです、この前の水かさというのは。ですから、今の御答弁では計画的なところからいうとまだ何とかということだと思うんですけれども、少し見直しも含めてやっていただきつつ、また必要であれば浸水予想区域の見直しなどもやっていかないとかなりまずいんじゃないかという感じがいたしておりますので、その点からの検討もぜひあわせて国土交通省等にお願いしたいと思います。
 あわせて、本川唯一のダムが四十四田ダムなわけでありますが、四十四田ダムよりも上流部の北上川については、今回、家屋の浸水とか農地への冠水が見られました。最近、岩手町と玉山区境がいつも冠水、浸水するわけですが、今回もその地域中心に冠水、浸水がありました。私も現地に何回もお邪魔しましたけれども、これまで県としても断続的に事業をやってこられました。堰堤のかさ上げとか築堤工事とか、これも進んできているのは確かですけれども、地域の皆さんに言わせると、常に言われるのは、災害復旧でやってもらうのはいいんだけれども、今の堰堤の高さで洪水が起きたので、災害復旧で同じ高さにされたら困るんだと。これはだめだからさらにかさ上げをしてやってもらいたいんだけれども、我々が現場で見ているところよりも低い時点で堰堤工事をやっていると。これを繰り返していたらいつまでたっても安心できないよと。今回も、浸水区域に行きましたけれども、あとここを50センチあのときやってくれていれば農地が冠水しなかったというところが何カ所かありました。
 根本的に災害復旧の場合は、前と同じようなところにやらなければいけないというルールがあるのかもしれませんけれども、そこら辺のルールも何がどうなっているのかということを住民の皆さんに説明しながら、次の洪水に備えてしっかりした対策も必要なのではないかということを考えておりますが、その点については、復旧事業との関連、どのようにお考えになっているのか御所見を賜りたいと思います。
〇松本河川課総括課長 県の洪水対策の考え方でございますけれども、先日の台風15号によりまして、国道4号の船田橋から上流については県が北上川を管理してございまして、今、委員御指摘のように、玉山区の周辺では非常に農地の冠水とか一部家屋への浸水等がございまして被害が生じたところでございます。
 洪水対策については、近年の洪水あるいは当該洪水も含めまして、家屋の浸水被害が発生した箇所を優先的に進めております。また、周辺の土地利用、それから今後の土地利用も含めまして県全体の中で優先度を決めながら進めておりますけれども、その中で、先ほど御指摘のございました災害復旧事業ですと、やはりどうしても原状復旧といいますか、護岸程度で終わるということになりますので、状況に応じまして災害対策等緊急事業推進費というものを導入したり、災害に合わせて改良復旧事業、こういうものを導入しながら一定計画で治水対策を進めるということを考えているところでございます。
〇及川あつし委員 厳しい財政環境の中ですので県土整備部の皆さんもいろいろなメニューを工夫しながらやっていると思うんですけれども、やっぱり年々気象条件が悪くなってきていて、おととしの岩手町のゲリラ豪雨の際も、気象条件であそこが雨雲の通る位置だとかという話もあってとにかく船田橋よりも上流部についてはかなり厳しい状況が続いておりますので、メニューについては私もつまびらかでありませんので、ぜひ専門的な見地から可及的速やかに対応をお願いしたいということであります。
 2点目は、建設業の振興についてでございます。
 改選後、全議員に岩手建設業対策中期プランというのが配られました。各部局で、震災後、これまでの計画を見直したほうがいいんじゃないかということで私質問してまいりましたが、県土整備部の皆さんにつきましては、いち早く環境の変化をとらえてこれからの情勢に対応していくという計画でありまして、この点については多とするものであります。
 当然に3月11日以降環境が激変していますから、この計画にもあるとおり、これから復興の期間については一時的に建設投資額が急激に増大していくという期間であるという認識のもとに建設業の振興対策を変えていくということは至極当然のことであろうと思うわけですが、私が今、懸念しているのは、完璧な対策というのはないにしても、どこかでベストミックスをつくってもらいたいというのが趣旨です。
 もちろん建設業の振興については、県庁が、共産主義じゃありませんので、市場を全部管理して業者数を何個にするとか、どういうふうに割り振るということはできない。できないけれども、きょうも質疑がありましたけれども、地元の建設業者の振興をできるだけ図りつつ、ふえたパイに対してはしっかりと少ない業者の中でも対応してもらいつつ、しかもピークが終わった後の建設業がだめにならないようにどうやるかという非常に複雑な連立方程式をこれから解いていかなければいけないと考えております。
 3月11日以前は少ないパイを多くの業者の皆さんがしのぎを削って利益を度外視して受注していたわけですが、3月11日を経て、今、環境が激変して、とにかく人がいない、業者数も足りない、物が入らない、物の値段は高い、いきなりこんな状況になってきているところであります。
 そこで基本的なものをお伺いするわけですが、このプランの中にも記されておりますが、阪神・淡路大震災の際には一時的に建設投資額が増大して業者数もふえたと。しかし、復興後は急激に事業費が激減したために、倒産する建設企業も大変に増加したという検証もなされております。ぜひこういうふうにならないようにやっていただきたいわけですが、環境の変化に伴う振興策についての基本認識をお伺いしたいと思います。
〇吉田建設技術振興課総括課長 3月11日の東日本大震災津波以降の環境変化についてと、またその対応についてでございますが、3月11日以降最も変わったことは、委員もお話しになりましたように、今後、復旧、復興事業が本格化していくにつれまして建設投資額が一時的に増加するということでございます。さらに、阪神・淡路大震災の例を見ましても、その後再び減少に転じ、阪神・淡路大震災の際は震災前よりさらに低いレベルまで下がっているということを踏まえまして、建設業の皆様には、私どもからは、そういった将来を見越した経営をしていってほしいと。
 そのためには、まず、県といたしまして、地域の建設業に期待する姿を明らかにして、それに向けて経営努力する建設企業の支援をいたしてまいります。それから、施工能力に不安があるような不良、不適格業者については厳格に排除させていただきます。また、地域の建設企業の適切な活用に配慮した受注環境の整備を行ってまいります。それから、技術や技能の承継を図るための次世代の後継者の育成も支援してまいりたい。さらに、経営改善を促進させるための総合的な支援の継続と充実を図ってまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、この復旧、復興期を通じまして地域の建設業の皆様には経営基盤の強化を図っていただく、そして来るべき建設投資の縮小の時期に備えた経営体力をつけていっていただくというのがこのプランの核心部分でございます。
〇及川あつし委員 今の認識のもとに実効性のある対策をぜひお願いしたいと思います。
 今こんな話をしても、恐らく各業者の皆さんはそれどころじゃないと。今とにかく仕事がどんどん舞い込んできてパイをふやすほうが最初だということでありましょうが、今御答弁あったように、阪神・淡路大震災のときのように、震災前の状況になって、さらにリバウンドでダメージが大きくなるということがないように対策を進めていっていただければと思っております。
 あわせまして、今、復旧、復興事業、まだまだ本格的なところまで至っていないわけですが、来年度以降加速するということも期待しながらでありますけれども、先ほども申し上げましたが、既に各方面で専門業者の人手が足りない、資材の調達ができない、価格が上がっている。その関連で、沿岸のこれからの復旧、復興メニューがいっぱい出てきていますけれども、今回の一連の議会でいろいろ話を聞いても、でも、建設業者の今の環境の中でこれを本当にできるのか、そういうことも同時に懸念しているわけであります。
 内陸部につきましても、きょうも議論が交わされておりますが、復旧事業についても多くの需要があるわけですが、手が回っていかないんじゃないかという感じもいたしておりますけれども、現状について県はどのような認識になっているのか、また、その対策もあるのかないのか、あるとすればどのようなことを考えているのかお知らせいただきたいと思います。
〇吉田建設技術振興課総括課長 工事の全県の状況についてでございますが、確かに地域的には既に人材の不足等によりまして民間工事の受注が受けられない地域が出てきているということも承知しております。
 そういった状況も踏まえまして、地元で受注できる工事については地元に担っていただくということを基本といたしまして、被災地域の方に担っていただく、それで例えば施工能力が追いつかないといった場合については被災地域を支援する地域、そしてさらに全県でという形で、可能な限り県内向けに発注していきたいと考えておりますが、さらに大規模な工事ですとか、あるいは高度の技術を要する工事につきましては全国規模での支援をいただくという場面が出てくるかと承知しております。
〇及川あつし委員 質問の趣旨は、商工労働観光部の質疑の中でも、一部の免許取得者の希望が多いけれども講座が足りないとか、そんなこともありました。建設業に関して言うとかなり急を要する話だと思いますし、おとといも私のところにある友人から、秋田の業者さんからの話だけれども、ユンボのオペレーターをだれか知らないかとか、そんな話が来るような状況です。待ったなしだと思いますので、早急な対策もお願いしたいという趣旨でございました。
 あとは除雪対策と流域下水道の副産物等について伺います。
 簡単に伺います。除雪対策については、昨年は大変な豪雪で、県民の皆さんから大変にいろいろな意見、苦情、要望が出されました。県土整備部の皆さんは検証されていると思いますが、平成23年度に向かってどのような検証のもとの改善点があるのかお示しください。
〇青柳道路環境課総括課長 除雪対策でございますが、平成22年の年末年始の大雪では、湿った雪質で降雪量も非常に多かったということからグレーダーによる除雪が困難をきわめ、多くの路線で除雪ドーザーやロータリー車など大型除雪機械の作業が必要となったところでございます。また、倒木や道路上の電線の垂れ下がりが発生したため、国道281号岩手町大坊峠など県内66カ所で全面通行どめとなったところでございます。
 このような状況を踏まえ、大型除雪機械の増強、倒木処理対策、道路管理者間の連携などの改善が必要と認識したところでございます。
 このため、大型除雪機械の増強につきましては、今年度、大雪被害の大きかった県北部を中心に、除雪ドーザーやロータリー車など8台を追加配置することとしております。
 また、倒木処理につきましては、道路区域における倒木処理は既に終えておりますが、民地部からの倒木につきましても電線管理者におきまして所有者の理解を得ながら進めていると聞いております。
 道路管理者間の連携につきましては、国土交通省、県、警察本部、ネクスコ東日本による岩手県道路防災情報連絡協議会の中で通行どめの措置に関する情報の共有や休日等における連絡体制の強化を図ったところでございます。
 さらに、道路利用者への気象状況に応じた速やかな情報提供を図るために、高速道路と平行しております一般国道107号及び282号におきまして道路情報板9基を設置することとしております。
〇及川あつし委員 わかりました。一定の検証のもとに改善をなされるということでありますので、もう間もなく冬将軍がやってまいります。万全の対策をお願いしたいと同時に、農林水産部の審査でも出ましたけれども、今御答弁ありましたけれども、大分倒木の処理は終わっていますけれども、山間地に行くとまだまだ垂れ下がって宙ぶらりんの状態の木がかなりございまして、雪が降る前にこれはどうなんだろうなと私ですら感じる状況でありますので、あれもこれも業務量は過大だと思うわけですが、ぜひ万全の対応をお願いしたいと思います。
 最後に、流域下水道の件でありますが、6月定例会で詳細はお尋ねしました。その後のフォローアップという意味でお尋ねいたします。
 都南浄化センターから6月11日に2、510ベクレルのものが検出されて、そのときの7月6日の部長の答弁では、8、000ベクレル以下なので、埋立処分をする方向で管理者と協議中ということになっておりました。高濃度の焼却灰等の処理についてはその後どうなったのかお尋ねします。
 あとは、当時、週1回程度、今後については放射能の測定もしていくということでございましたけれども、その後の測定のトレンドはどうなっているのか、概略で結構であります、お知らせ願います。
 あわせて、副産物の利活用の問題もございました。これについてもさまざま難しい問題があるわけですが、その後の対応はどうなっているのか御報告願います。
〇紺野下水環境課総括課長 流域下水道の焼却灰の処理についてでありますが、震災前に焼却灰を搬出しておりましたセメント製造工場が被災したために、震災後、管理型埋立処分場へ搬出しておりました。焼却灰からの放射性物質の検出を受けまして、6月3日から搬出を自粛しておりました。その後、処分場側と地元自治体との協議、それから地元自治会への説明により埋め立てに理解を得られましたことから、8月18日から焼却灰の搬出を再開しております。9月に処分場内の一部区画にふぐあいがありまして、遮水シートの点検、補修工事のため、9月29日から現在まで埋め立て中止となっております。
 このことから、再度、都南浄化センター及び北上浄化センターにおいて適切に保管しており、引き続き焼却灰の放射性物質濃度を測定するとともに、敷地境界での放射線量測定を行いまして、その結果を県のホームページで公表しております。
 なお、焼却灰中の放射性セシウム濃度は当初1キログラム当たり2、500ベクレルでありましたが、現在、1キログラム当たり1、000ベクレル前後まで下がってきております。
 放射性濃度の測定については現在も週1回続行しております。
 それから、今後でございますが、セメント工場での受け入れが可能となった場合はセメント原料としての利用を検討していきます。
〇福井せいじ委員 関連。今、及川委員から、先ほど岩手町御堂から玉山の船田橋までの北上川の流域の浸水あるいは冠水についての質疑があったわけですけれども、その地域については盛岡市からも統一要望が出されていると思います。長年の懸案になっており、やはり抜本的な対策をここで講じる必要があると感じますが、今後、この流域についてどのような構想を持って抜本的な解決に当たっていくか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
〇松本河川課総括課長 先ほど御説明申し上げましたが、台風15号によりまして、委員御指摘のように上流の各所で浸水被害が生じておりますので、岩手町に昨年度集中豪雨がございまして、岩手町で今、河川改修を行っております。それから、岩手町から下流、船田橋までを県で先ほど御説明しましたように管理しておりますが、そこの間につきまして、どのような手法がいいのか、あるいははんらんの形態がどのようになっているのか、それを現在調査中でございます。いずれ年度内に取りまとめを行いまして、治水の手法を取りまとめまして、取りまとめましたら地元にその結果を御説明したいと考えております。
〇福井せいじ委員 平成23年度中に取りまとめ、地元にまた意見を聞いていくということですけれども、その後はどのような形でこの治水対策に取り組んでいくか、その後のことについては考えておられませんか。
〇松本河川課総括課長 河川改修の場合には、上下流をずっと抜く、河道を広げてやったほうが地域にとっていいのかということもございます。ですから、四十四田ダムの容量が十二分にあるのであればそれは結構だと思うんですが、なかなか今のところそういう状況にございませんので、あるいは耕地を少し遊水地がわりに使ったり、あるいは場合によっては浸水をところどころ許容するという手法、そういうこともあわせて今検討しておりますので、その検討が取りまとまりましたら地元にまた御説明、御相談したいと思っています。
〇福井せいじ委員 四十四田ダムがそのような限定的な形でしか今、許容度が非常に低いのであれば、ぜひとも遊水地とかさまざまな手法を用いながらこの地域の治水対策に取り組んでいただきたいと私は思っております。
 近年、天候の激変により非常に、いついかなるときにそのようなゲリラ豪雨、あるいは考えられない想定外の災害が発生するやもしれないということで、この地域については県の管理、県の所管ということですから、県の責任と使命の大きさをぜひとも認識していただいて今後ともこの治水対策に取り組んでいただきたいと要望いたします。
〇木村幸弘委員 私からは1点だけお伺いいたします。
 平成22年度の事業の中で、いわゆる岩手型住宅ということで、これに賛同する事業者あるいはこれに関連するさまざまな事業が展開され約2、000万円ほどの予算が計上されたわけですが、具体的に、まず確認したいのは、この岩手型住宅の取り組みのコンセプトというかねらいが何なのかということをいま一度確認させていただきたい。
 その上に立って、指標の結果には実は出ていないんですけれども、その事業に参加する事業者数であるとか、あるいはフォーラムの開催だとかパネルの展示だとか、そういったソフト事業は展開されているわけですが、問題は、この岩手型住宅と言われるものをどういう形で整備、着工し、それを進捗させていくかというところでいえば、その具体の着工数とかその成果がどういう形で上がっているのかというのがなかなかこの指標とかの中には報告がないわけですので、その中身について、具体の成果としてどういう状況になっているのかお聞かせ願いたいと思います。
〇大水建築住宅課総括課長 岩手型住宅についてですが、この岩手型住宅は、省エネの一定の性能を確保した上で、さらに県産木材の活用など岩手らしさを表現する住宅ということで、地域の工務店などと連携して地域材の活用や、あるいは景観への配慮といった取り組みを進めていこうということで進めているものでございます。
 昨年度、フォーラムであるとか岩手型住宅の普及に関する取り組みを行ってまいりましたけれども、さらに昨年度から、住みたい岩手の家づくり事業ということで、県産材を活用した一定の省エネ性能を確保した住宅に対する補助を行っているところでございます。
 この補助の申請件数は、昨年度は55件、今年度がこれまで27件となっております。今年度は震災の影響で当初は申請件数が伸び悩んでおりましたが、7月以降は24件ということで大きく伸びてきておりますので、岩手県としましては、この補助制度と、それから岩手型住宅の内容や魅力といったことについてさらに周知を進めてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 そこで、今お話のあったように、震災以降に一たん伸び悩んでいた申請件数が7月以降伸びてきたという報告をいただいたんですけれども、昨日は農林水産部でいわゆる県産材の活用ということについても随分議論が行われ、各委員からも積極的にもっと生かすべきだというお声が出ておりました。この岩手型住宅をこれからの復興への取り組みの事業としてどう位置づけ、連携をさせていくかというところが、当初にはなかった考え方だと思うんですけれども、こういった新たに動きが出てきているとすれば、その関連した取り組みや、さらにその補助事業の中身を充実強化させていくとか、そういった観点での検討が必要になってくるんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
〇大水建築住宅課総括課長 復興に向けての地域材を活用した住宅づくりということでございますけれども、地域材を活用することによって地域経済の活性化ということにもつながりますので、そうした取り組みをさらに強化したいと思っております。
 民間レベルになりますけれども、岩手県建築士事務所協会が中心となりまして、生産者も含めた関係団体による地域型復興住宅の連絡会議というものを9月に設置しておりまして、木造住宅のモデル生産システムや設計プランの検討を行っているところでございます。
 今後さらにこうした関係団体と連携いたしまして、災害公営住宅における木造住宅の建設や民間住宅における岩手型住宅の普及を進めてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 そういった地域的な経済へのいろいろな波及効果も含めて、地元の事業者と連携をとって、なおかつ県産材が有効に活用されていくという取り組みは非常に大きな意味を持っているんだろうと思いますので、ぜひそういった取り組みを推進していただきたいし、住宅の復興に向けては大手のハウスメーカーであるとかいろいろなところも当然入ってくるわけですけれども、そこときちっと一定の対抗というか、県内の事業者により有効に波及効果が及ぶように、その参入のかかわり方であるとか、事業推進に当たっての地元の工務店との連携であるとか、いろいろなところでインセンティブをつけていくというか、いろいろな考え方も当然あっていいんだろうと思いますけれども、そうしたところについてはどのようなお考えなのかお聞きして終わりたいと思います。
〇大水建築住宅課総括課長 地域材の活用につきましては、応急仮設住宅をつくる際にも、遠野市や住田町で独自の設計による木造応急仮設住宅の建設が行われたということもございまして、こうした先進的な取り組みを参考にしまして、木材の生産から設計、施工に至るまでの連携について、地域性に配慮した住宅建設のためのネットワークづくりの促進を図ってまいりたいと考えております。
 また、岩手型住宅の補助制度もございますけれども、さらに魅力や快適性について発信を行っていくというさまざまな取り組みを進めまして、地域材の活用と岩手型住宅の建設促進を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 最初に、東日本大震災津波で被害を受けた住宅、この実情について示していただきたい。全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊、どうなっていますか。
〇大水建築住宅課総括課長 建物の被害についてでございますけれども、全壊と半壊を合わせまして県内で2万4、721棟の被害を受けているという状況になってございます。
〇斉藤信委員 私、全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊と聞いたんですよ。全壊は2万182棟、大規模半壊1、407棟、半壊3、132棟、一部損壊7、208棟、3万1、929棟ですよね。
 それで、県土整備部が仮設入居者のアンケートをやった、これは住宅要望ですよね。57%が自宅の住宅を再建したいと、自前の。一番強かったです。実際に仮設に入っている方々は85%が持ち家の人だったと。私はある意味では当然だと思います。
 ですから住宅の再建を考えるときに、まず第一に自宅の再建をどれだけ支援するか、ここにかかっていると思います。岩手県は利子補給というのを打ち出しましたけれども、これは私、半歩前進だと思います。しかし、住宅の再建のきっかけにはならない。被災者生活再建支援法、これは300万円を500万円にして、都道府県、市町村がさらに100万円、200万円上乗せする、こういう規模にならないと私は本格的な住宅の再建は進まないんじゃないかと思いますが、今まで全国で災害がありました。能登半島とか奥尻とか、全国どういう形で独自の住宅支援が行われているのか示していただきたい。
〇大水建築住宅課総括課長 住宅再建に対する補助についてですけれども、奥尻島につきましては、住宅取得費助成事業によりまして被災者みずからが居住する住宅を取得する場合の補助が行われておりまして、能登においては、被災者が住宅を建設または補修する場合に補助が行われたと聞いております。また、阪神・淡路大震災や中越地震などにおいてもそれぞれ取り組みが行われているということでございます。
 住宅確保に対する支援につきましては、さきの補正予算で住宅ローンに対する利子補給制度を設けることとしたところでございますけれども、岩手県復興基本計画及び実施計画においては住宅再建に向けた各種支援制度の創設及び充実を図ることとしておりまして、奥尻や能登の例も参考にしながら支援策を検討してまいります。
〇斉藤信委員 具体的に言ってください。奥尻では幾ら支援したのか、能登では幾ら支援したのか、それを聞いているんですよ、私は。
〇大水建築住宅課総括課長 まず、奥尻でございますけれども、義援金を活用いたしまして住宅建設補助に700万円、家財家具の費用に150万円が助成されたということでございます。それから能登におきましては、能登ふるさと住まい・まちづくり支援事業ということで、一定の条件を満たす住宅を新築または補修する場合に最大で200万円の補助が行われたということでございます。
〇斉藤信委員 奥尻はちょっと別格だとは思いますけれども、そういう支援があれば、私は、57%自前で再建をしたいという方々に最大限こたえられるのではないか。住田町では仮設を250万円でつくったんですよ。できれば500万円ぐらいで低廉な木造の復興住宅をつくりたいと言っています。先ほど話があった岩手型の復興公営住宅が700万円ぐらいということも新聞報道で出ています。これは、入居する方々のパターンがありますから、ひとり暮らしとか高齢者世帯とかそういう方であれば500万円、700万円、これでしっかりした、低廉な、そして安全な住宅ということが示されればかなり住宅の再建が進むのではないか。
 部長、ぜひそういう岩手型の低廉で安全な木を使ったこういうモデル住宅を早く打ち出してほしいし、そこに岩手県も100万円、200万円出そうじゃないかと検討すべきじゃないですか。
〇若林県土整備部長 復興実施計画におきましても被災宅地の住宅再建に対する支援というものをうたっております。先ほど能登、それから奥尻については若干上乗せになっている部分はあるんですが、今回はかなり大規模だということで、限界があるとは思います。まず、国に対しては生活支援制度の300万円の上乗せを働きかけていく必要がずっと続けてあるだろうと思います。
 とにかく自宅を再建するというものをまず基本に進めるということは、それは当然基本的な姿勢だと思っておりますので、先ほど住宅の二重ローンの部分は半歩と言われましたが、一歩進むように、今、検討を進めておりますので、よろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 一歩進むように検討しているところは大いに期待したいと思います。
 今、被災者の方々、仮設や民間を含めて、大変貧困なというか、劣悪なと言ってもいい。しかし、自宅の再建の展望が見えたら頑張れるんですよ。今、被災地に必要なのは希望なんですね、展望なんですね。そういう展望が出たら、じゃ、2年、3年頑張るかということになるので、そういう点でもぜひ早く一歩を踏み出せるようにお願いします。
 二つ目に、災害復興公営住宅ですが、岩手県は4、000から5、000戸とかなり早く打ち出しました。大変私はよかったと思います。
 一番大事な考え方は、災害復興公営住宅に入居を希望する方は全員が入れると、このメッセージが一つ必要です。
 もう一つは、これは基本的には全部県営でやるのか、市町村営の場合はどうなるのか、そのことを示していただきたい。
〇大水建築住宅課総括課長 被災者向けの公営住宅につきましては、被災者に対するアンケート結果や市町村の意向を踏まえて4、000から5、000戸程度必要なものとして計画しているところでございます。希望者の方ができる限り入居することができるよう対応してまいりたいと考えております。
 また、必要戸数は県営及び市町村営を含めたものとなっており、今後、市町村と連携しながら、必要戸数を満たすこととなるよう供給を進めてまいります。
〇斉藤信委員 できる限り入居ができるというのと、希望したすべての人が入居できる、これはえらい違いなんですよ。私は、復興公営住宅というのは、希望者がいれば全員が入居できる、こういう考え方じゃないですか。恐らくそういうことを踏まえて建設戸数が決められると思うんですよ。これまた被災者に安心感を与えるんですよ。復興公営住宅に希望すれば入居できると、そういうことではないんですか。
〇大水建築住宅課総括課長 現状としては、アンケート結果で公営住宅を希望される方がおおむね2割から3割ということでございますので、それを踏まえて4、000戸から5、000戸という設定をしてございます。
 その希望の状況は今後変わり得ると思っておりますので、まず、市町村と連携した復興まちづくりであるとか、あるいは自宅に対する再建支援ということもあわせて取り組んでいく必要があると思っておりまして、災害公営住宅の供給についてはそうした動向も踏まえて検討してまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 どうもやっぱり官僚答弁だね。やっぱり希望者の数に合わせて、基本的には入居できるように建設するということでしょう。回りくどく言わないでそういうふうにきっちりね。
 自前でつくる人、そして災害公営住宅に入りたい人、これは月日がたてばかなり定まってくると。そこで最終的な計画が決まると思うんですが、そういうことでよろしいか。
 あわせて、私は全県的には住宅リフォーム助成を早く具体化すべきだと。何回聞いても具体的に制度設計を検討しているということなんですが、高田一郎委員が本会議で聞いたときには、26市町村6、831件、59億4、200万円、こういう事業費に既に今年度なっていると。これは私、去年、ことしと比べて急速に県内に広がってその経済効果が示されているんじゃないかと思いますが、今年度の経済効果はどうなっているか。先進県であるお隣秋田県、ここではどういう実績が示されているか示していただきたい。
〇大水建築住宅課総括課長 まず、被災者向けの公営住宅につきましては、現状での希望が二、三割ということでございますので、それに基づいて設定しているものでございます。
 それから、住宅リフォームの促進につきましては、住宅の質の向上や地域経済の活性化を図っていく上で重要なものと考えております。
 県内市町村の実績は、今年度8月末までの補助件数が6、831戸、補助額5億6、000万円、工事額が59億円となっておりまして、経済効果は約92億円となっております。
 秋田県の実績につきましては、今年度のこれまでの補助件数が約1万戸、補助額が13億4、600万円、工事額が約200億円となっております。制度創設以降の工事費は約500億円となっている状況となっております。
〇斉藤信委員 ことし8月末の段階で既に92億円の経済効果と。私は、この深刻な被害を受けた中でこれだけ活用されている事業はないんじゃないかと思います。
 そして、お隣、県レベルでやっているのが秋田県なんですよ。その秋田県は事業費200億円。私、やっぱりこういうときこそ、望まれて、経済効果の波及が大変大きいこの住宅リフォームをぜひ岩手県も早く打ち出していただきたい。いつまでも検討しないで具体化していただきたい。
 次に、防潮堤、湾口防波堤についてお聞きいたします。
 防潮堤の高さが県から示されました。この防潮堤の高さというのは上限ということで受けとめていいのか、そして、最終的には各市町村、住民の合意で防潮堤の高さ、防潮堤のあり方というのは決められるべきだと思うが、どうなのか。
 そして、全体として被害も大きかったということもあって、ほとんど10メートルを超えるような大防潮堤の計画になっております。私、事業費として大変な額になるのではないかと思いますが、事業費の推計を示していただきたい。
〇松本河川課総括課長 防潮堤の高さについてでございますけれども、県では、9月26日及び10月20日に岩手県沿岸24地域につきまして防潮堤の上限値の高さを公表したところでございます。この高さの検討に当たりましては、岩手県津波防災技術専門委員会を設置して御意見をいただきながら、また、市町村との意見交換、国との協議を進めて決めたものでございます。
 なお、事業実施に当たっては、環境保全、周辺環境との調和、施工等を総合的に考慮して堤防高を設定することとしております。
 また、今回の津波で被災した防潮堤については、現在、災害復旧事業等によって復旧、整備を進めようと考えておりまして、現在、順次査定を進めているところでございます。このため総事業費はまだ確定はしてございませんが、県土整備部所管の防潮堤等については約1、900億円と見込んでおります。
〇斉藤信委員 今、各市町村でまちづくり、年内をめどに議論をされて、県が示したシミュレーションなども出ております。私は復興局でも求めたんだけれども、ぜひ県議会議員にも皆さんが示したシミュレーションを示していただきたい。我々も地域に責任を持っているわけだから、そういう形で今回並みの津波があったらどこまで浸水するのか。
 そして私は、まちづくりの問題としては百数十年に一回の津波に対応するというのが人命、財産を守る基準ですから、ここは本当に冷静な議論が必要だと思っているんです。堤防はできたけれども住む人がいなかったと、絶対こうしてはならない。なりわい、さらには環境保全、景観、こことの調和というのがやっぱり市町村での議論、住民合意の大変大事な課題になると思うので、ぜひシミュレーションは示していただきたい。
 次に、湾口防波堤の徹底した検証と見直しについて。
 これは私は復興局でも紹介したんですけれども、10月12日の地震学会で海洋研究開発機構の研究チームが、防波堤で津波の高さは差がなかったと、こういう報告をいたしました。これは学会での研究報告ということで、私は大変重いものではないかと。実際に私が何度聞いても、湾口防波堤の破壊の経過、本当の実証的な湾口防波堤の効果というのは示されていないですよ。しかし、もう湾口防波堤を再建するということを前提にして議論がされている。私はこれは異常ではないのかと思っています。
 釜石が30年、1、200億円かけた湾口防波堤が見事に破壊されました。本当にそれで効果があったのか。大船渡の場合はほとんど全滅状態です。また再びそういう湾口防波堤を建設することが本当に効果があるのか。私は、これは徹底した科学的な検証、住民にもその検証結果を示して、本当に湾口防波堤が、─これはすごいお金がかかるんですよ。釜石だけで1、200億円かかった。さっき防潮堤を聞いたら県管理の分だけで1、900億円。1、900億円というのも大きいけれども、釜石だけで1、200億円なんですよ、かかっているのが。私は、本当に費用対効果、安全、まちづくりという点で総合的な徹底した検証ということが必要だと思いますが、いかがですか。
〇川村港湾課総括課長 まず、海洋研究開発機構の研究チームによる試算についてでございますが、独立行政法人海洋研究開発機構の担当者が、2011年東北地方太平洋地震における一考察としまして10月13日に日本地震学会2011年秋期大会において発表しております。同学会のホームページにより承知しているところでありますが、発表内容についての詳細は把握しておりません。
 なお、海洋研究開発機構におきましては、10月31日にみずからのホームページにおきまして、岩手県釜石港における東北地方太平洋地震の津波シミュレーションといたしまして釜石湾口防波堤の津波軽減効果に関する津波計算を実施した結果を公表しております。
 それによりますと、沖合から釜石に伝播する津波について、湾口防波堤がある場合とない場合の2ケースについて計算を行い、防波堤ある、なしの湾内での最大津波高及び津波波形の比較を行っておりまして、その結果、釜石港湾口防波堤の存在によって湾内の最大津波高が大幅に抑えられたことが明らかになり、湾奥のある地点においては、湾口防波堤なしの場合、第1波の最大津波高は12.4メートルであるのに対し防波堤ありでは約7.3メートルと、約4割低減しているとされてございます。
 次に、湾口防波堤の検証についてでございますが、国土交通省では、交通政策審議会の港湾分科会におきまして、湾口防波堤を含めた津波防災対策について検証がなされたところでございます。中間取りまとめの段階では、防波堤には、津波高を低減する効果、港内の水位上昇を遅延させて避難時間を確保する、それから、流速を弱め破壊力を低減させる効果があるといった報告がなされております。
 具体的には、ことし3月に独立行政法人港湾技術研究所が釜石港の湾口防波堤についてシミュレーションにより検証した結果といたしまして、湾奥での津波高を約4割低く抑えるとともに、津波の第1波が防潮堤を越えるまでの時間については、防波堤がない場合と比較して6分間おくらせたとされております。
 この被災のメカニズムを含めまして詳細な検証については、港湾空港技術研究所等においてさらに行われていると聞いております。
 これまでの検証結果を踏まえまして、県としては、湾口防波堤が人命や財産の被害の減少に大きな役割を果たしたものであると認識しており、防潮堤と一体になり背後市街地を防護し、多重防災型まちづくりの基礎となるとともに、湾内の静穏度を確保する、そういうことによりまして、産業、物流を支える重要な基盤施設であることから、湾口防波堤の早期復旧の整備について国に対して強く要請しているところでございます。
 なお、各港の復旧、復興方針の策定段階におきましても港湾利用者等から湾口防波堤の早期復旧を強く求められているところでございます。
〇斉藤信委員 余り聞いていないことまで答えた。
 私、一番重大なのは、被災のメカニズムが明らかになっていない、これなんですよ。津波は4波、5波までありましたね。どこで破壊されたのかと。私は、本当に津波のメカニズム、破壊のメカニズムが示されなかったら……。何らかの効果はあったと思いますよ、もちろん。しかし、本当に1、200億円をかけた効果があったのかということなんですよ。30年かけてですよ。湾口防波堤をつくらなかったら防潮堤で遮るのですよ。その比較だって大事なのですよ。湾口防波堤をつくって、また防潮堤をつくるんですよ。二重にそうやることが本当に30年、40年かけて必要なのかということも検証されなくちゃならない。
 今、あなた方がまだメカニズムがはっきりされていない中で、釜石、大船渡、その再建に何ぼかかる推計ですか。
〇川村港湾課総括課長 湾口防波堤の破砕のメカニズムにつきましては、現在、独立行政法人港湾空港技術研究所におきまして詳細な検証を行っていると聞いておりまして、その中で明らかになってくるものと考えております。
 湾口防波堤の効果につきましては、先ほど申し上げましたとおり、人命や財産の被害の減少に大きな役割を果たしたと考えております。
 それから、湾口防波堤の復旧、整備に要する事業費でありますが、国における災害査定手続を経て決定する見込みでありますけれども、現時点での復旧、整備に要する事業費は、釜石港では四百数十億円、大船渡港では約200億円と想定していると聞いております。
〇斉藤信委員 徹底した検証を踏まえてこれは本当に再建するかどうか決めるべきですよ。1、200億円かけて破壊されて、さらに400億円だと。防潮堤全体で1、900億円でしょう。これは本当に費用対効果も含めて考えるべきですよ。
 水門の問題について、防潮堤、また河川の水門の安全対策。
 今回の大震災では、水門閉鎖の活動に取り組んだ消防団員が少なからず犠牲になったと。水門の管理のあり方、安全対策、私は本当に真剣にこれは対応すべきだと思いますが、どういう検討をされているでしょうか。
〇松本河川課総括課長 防潮堤の水門対策についてでございますけれども、現在、県土整備部で所管している津波対策の水門、陸閘は約288基ございます。このうち遠隔化されているものが33基ございまして、操作が不要なものを除きますと177基が津波発生時などにおいて消防団員が現地で操作する形式となってございます。
 今回の津波で、この操作などによりまして多くの消防団員が犠牲になったところでございまして、県としても、迅速な操作と操作員の安全対策が最重要課題だと考えているところでございます。
 こういうことから、今回の津波で被災した水門等の施設のうち、越喜来海岸などの泊川水門など53基につきましては、災害復旧事業によりまして遠隔化の申請を行ってございます。また、残る施設についても、必要に応じまして、順次遠隔化に努めてまいりたいと考えているところでございます。 
 また、水門管理、日常の管理について、操作規則の検討も行ってございまして、使用頻度の少ない陸閘などは原則閉鎖にする、また、水門などにおきましては、通常時に平水位付近まで閉鎖するということを考えまして、津波発生時に消防団員による操作が最小限となるような規則の検討を行いながら、消防団員等の一層の安全確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 ぜひ、この水門対策については、今度の教訓を踏まえてやっていただきたい。
 次に、花巻空港整備事業について。今年度でこれは完成いたします。約310億円の整備事業でありましたが、一つは、これは、国の補助事業の対象にならなかった。実質上、もう県単独事業でしたよ。県費の負担は幾らだったのか。そして、当初、どういう目的、どういう利用客の目標でこの整備事業が始まって、平成22年度の実績はどうだったのか。私は、県単独事業でやった割には、もう全く目標と計画から実績は逆行したんではないか、こういう大型開発のあり方は考えるべきじゃないかと思うが、いかがですか。
〇木嶋空港課総括課長 花巻空港整備事業の県負担額でございますが、270億円でございます。
 そもそもの花巻空港整備事業の目的でございますが、地域間交流の活発化、本格的な国際化時代の到来に対応し、内外に開かれた県土の形成を推進するため、国内外との交流拠点として、空港機能の一層の充実を図ることを目的としております。
 当初の利用予測と昨年度の実績でございますが、平成14年度に需要予測いたしましたところ、平成22年度には61万2、000人の予測となっておりますが、実際のところ、平成22年度の利用者は25万2、000人というところでございます。
〇斉藤信委員 本当に321億円、そのうち県費が270億円ですよ。国も補助事業の対象にできないぐらいの大胆な事業だった。しかし、結果は、実は、当初の計画では、平成21年度で90万人の目標だったんですよ。これがその後、平成14年に見直されて61万人になったんだけれども、当初90万人の計画で25万人だったと。私は、これは指摘だけにとどめて、これからこういう大型開発をやるときに、本当にきちんとした計画を立ててやるべきだと。
 最後です。簗川ダムの問題についてお聞きいたします。
 簗川ダムは、ちょうど、つけかえ道路の工事がほぼ終了するのではないかと。この道路の進捗状況、そして、もうダムを建設する絶好のチャンスなんですね。今後、ダム本体にかかわる残事業費は幾らなのか。そして、簗川の治水対策で一番大事なのは、人口密集地帯の北上川合流点の堤防の強化なんです。ここの堤防が壊れなければ、基本的には住民の安全が守られる。堤防の点検、強化はどうなっているか。
 そして、最後の最後ですが、先ほど除雪の話がありましたが、ことしの除雪について、今まで車道、歩道分離で入札していたが、ことしから一括だと。歩道の除雪をやっていた中小の建設業者は悲鳴を上げていると。私は、やっぱりこういうものは、悲鳴を上げるような状況をつくらないで今までどおりやるべきじゃないかと思いますが、これが最後の質問です。
〇及川河川開発課長 簗川ダムについてでございますけれども、つけかえ道路事業の進捗状況ということでございますが、平成22年度末で国道106号の進捗率は事業費ベースで95%、県道盛岡大迫東和線は事業費ベースで83%となっているところでございます。
 それで、残事業費ということでございますけれども、平成24年度以降ということで申し上げますと、全体事業費530億円に対しまして、残事業費が237億円余となっております。
 それと、簗川の堤防強化についてでございますけれども、御指摘のように、北上川合流点から上流1キロメートル区間にわたりまして堤防になってございます。この堤防の区間につきましては、平成14年7月の工事のときに一部区間が被災いたしました。この区間については、災害復旧事業によりまして、低水護岸や築堤部の護岸等を施工いたしまして、あわせて一様な流れになるよう河道を整備したところでございます。これにより、被災区間の堤防の耐久性、安全性は向上しているという状況でございます。
 また、堤防の浸透に対する安全性を確認するため、国の研究機関などからの技術指導も得ながら、平成21年度までに土質調査とか安定計算などを行っておりまして、その結果、堤防の安全性については所要の安全率を確保できていることを確認しています。このことから、簗川堤防の強化につきましては、当面必要ないと判断しているところでございます。
〇青柳道路環境課総括課長 歩道除雪の件でございます。
 県では、いわゆる車道部と歩道部が連携された除雪をしていないこと、あるいは除雪に携わる請負人といいますか業者の方々が減ってきておりまして、なかなか除雪に携わっていただける方々が減少しているという状況もございまして、今までの単価契約から総価契約、公募方式による契約にしようということで、試行的に平成21年度からやっているところでございます。
 その試行結果を見ますと、歩道部と車道部の連携が図られているという結果もございます。
 平成22年度は、14公所中五つの公所でやっております。今年度も四つほどふえるかとは思いますけれども、除雪に携わる人たちの環境を何とか整えるためにどのようにしたらいいかということで、今、そういう総価契約あるいは公募方式ということで対応させていただいているところでございます。
 いずれ、今は試行でございまして、どういう問題点があるかということを踏まえながら、今後の除雪体制については検討してまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 関連。湾口防波堤に関連してお伺いしたいと思います。
 湾口防波堤は今回、本当に大きな被害を受けました。その工事に携わった潜水夫の人から聞いた話を又聞きした話でありまして、余り信憑性がないと思わないで聞いていただきたい。現場に潜った人の話であります。
 湾口防波堤をつくるには、海底に大きな石を組んでマウンドをつくって、その上に砕石を置いて、そしてケーソンを沈めてだんだん高くしていく。このケーソンというのは、言ってみれば菓子箱みたいなものをコンクリートでつくって、現地まで運んでいって、砂利を詰めて自重で沈める。そうしますと、そのマウンドに固定をするときから、そのケーソンをただただ積み重ねていって、ケーソン同士の接続がないと言うんです。したがって、絶対これは津波が来れば流れてしまうよと現場の仕事に携わった人が言っていたという話でありまして、現地をそれなりに聞いていきますと、全く接続がないようであります。
 それからもう一つは、これはどこの湾口防波堤とは言いませんが、現地の山田湾の三陸山田漁協の前の、これは既製品の波返しのついた防潮堤だと思います。15メートルから20メートル、高さが4メートルぐらい、重さは20トン、30トンなのかもしれませんが、それをベースに固定をしている鉄器が、1センチぐらいの鉄器が6本ぐらいでしかとまっていないんですね。だから、これは、本当に波返しがついていますが、ああいう今回のようなものが来たら、もろくもごろごろ転がってしまいます。そういったものをやっぱり検証していくことが必要だと思います。
 当初は、運輸省、建設省、農林水産省、それぞれがいろいろなメニューでつくってきましたから、どれが根本的に波に強い仕様なのかが、多分統一がなかったのではないかと素人目に思います。したがって、そういうものを検証して、再び挑戦をしていただかなければ意味がない、このように思うのでありますが、全く、自分で見てきた底の話ではありませんが、なるほどとうなずける話でもありますが、見解はいかがお考えですか。
〇川村港湾課総括課長 防波堤の安定についてでございますが、現在、国では、防波堤を越流しても壊れないような、いわゆる粘り強い構造にするにはどうするかということを検討してございます。
 ケーソンにつきましては、例えば、中詰めに入れるものを重くするとか、それから、湾内に押さえるような盛り土をするとか、それから、摩擦を増大するようなマットを敷くとか、いろいろなことを考えて、今後築造する構造物にそれを生かしていこうということを今考えております。
〇伊藤勢至委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 あわせて1点、また伺います。
 本年は、アイオン、カスリン台風から65年目ということで、それ以来、大きな台風といいますか、もちろん県北で何年か前に河川が越流したのがありましたが、65年間、余り大きなものがなかったと。その結果、今いろいろな河川に砂利、砂が堆積をして河道が随分上がってきていると思います。
 一方で、いよいよ三陸鉄道も復旧工事が着工するようでありますし、今言いました湾口防波堤、防潮堤、それぞれいろいろなものが動き出してくる。そうしますと、当然、生コンクリートが必要になってくる。そうすると、海砂は使わないと思いますから、絶対、川砂、川砂利だと思うんですね。したがって、今、そういうものに備えて、この堆積土砂を取り除きつつ次の工事に備えるというのは、治水の面から一石二鳥の効果があると思います。
 かつて御所ダムをつくる際には、ダム堤体ができてしまうと湖底に沈む部分の砂利、砂を早目に相当量とって、立米幾らで業者に売って、その積み上げたお金で湖岸の整備をしたとも聞いております。
 したがいまして、今こそ河川の整備を兼ねて、砂利、砂を除去して本来のみお筋を確保しておく、これは一石二鳥の効果が出ると思うんですが、これについてお考えはどうでしょうか。
〇松本河川課総括課長 河川の堆積土砂にあわせての砂利採取の件でございますけれども、現在、第9次砂利採取計画というものを県でつくって、今進めているところでございます。
 実績としますと、閉伊川とか、そういうところでさまざま公募などを行っておりますが、なかなか公募される方が少なくて、一、二年前に和賀川で1カ所実績があるのみでございます。
 これにつきましては、今、委員御指摘のとおり、河道掘削とあわせて、資材の有効利用、それから治水安全度の向上も成りますので、県としても、各関係者にさまざま働きかけながら、有効活用されるように努めてまいりたいと思っています。
〇伊藤勢至委員 相当な生コンクリートの使用量がこれから見込まれますよね。いよいよ復興局も本格的に動き出すようでありますし、権限と金を与えるという話が出てきました。青天井とまではいきませんが、相当なものがついてくると思いますから、そういうものにあらかじめ備えるという観点も必要だと思います。あわせて治水を図る、水をおさめる、これが大事になってくるんだと思いますから、第9次か、10次か、11次か知りませんが、それは置いておいて、緊急の危急のときですので、そういうふうにやっていますというのはわかりましたけれども、それに備える新しい政策としてやっていかなければいけないと思うんです。ぜひそれをやっていただきたい。そして、アイオン、カスリンの轍を踏まないようにしていただきたい、そのようにお願いします。
〇熊谷泉副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇熊谷泉副委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、集中審査のため執行部席を整理いたしますので、暫時休憩いたします。
   午後2時18分 休 憩
午後2時37分 再開
〇高橋昌造委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより、花泉診療所事案に係る集中審査を行います。
 ただいまより質疑を行いますが、あらかじめ、小田島峰雄委員、嵯峨壱朗委員、神崎浩之委員、飯澤匡委員、久保孝喜委員、斉藤信委員、小泉光男委員から質疑の申し出がありました。
 質疑の方法については、昨日の当委員会でお決めいただいたとおり、一会派につき答弁時間を含めて30分以内、また、会派に所属しない委員についても1人30分以内とし、その30分の範囲内で会派内の複数の委員が質疑を行うこととしておりますが、質疑の順番については、民主党、自由民主クラブ、地域政党いわて、社民党、日本共産党、無所属小泉光男委員の順に行いたいと思いますので、御了承願います。
 なお、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
〇小田島峰雄委員 限られた時間でございますので、簡潔にお聞きいたしてまいります。
 この花泉地域診療センター、花泉診療所問題につきましては、平成21年10月と記憶いたしておりますけれども、その本会議において、あるいは決算特別委員会の審査において、あるいは直近の担当常任委員会におきまして、実に真摯な議論が行われてきたことは、御案内のとおりであります。
 そうしたことから、この問題に関連いたしまして大きく3点お聞きをいたしたいと思います。なかなか、直近の常任委員会の委員長でありましたことから、お聞きしにくい点もございますけれども、お聞きをいたしてまいります。
 最初に、御案内のとおり、10月28日から昨日まで、複数紙により一連の報道があったところであります。まず、この報道されている内容について、確認も含めてお尋ねをしてまいりたいと思います。項目数が多いわけでありますが、一気にお聞きいたします。
 まず第1に、報道後、この医療法人との間で協議が行われたのかどうかお尋ねいたします。
 第2に、入院患者の受け入れについて困難との認識は聞いておられるのかどうか。
 第3に、夜勤の看護師の確保も入院維持の点で課題となっているとされておりますけれども、実態はどうなのか。現在の診療体制についてお尋ねいたします。
 第4に、医師確保の取り組みについてどう把握をしておられるのか。聞くところによりますと、具体的に取り組んでいると聞いておりますが、そういう認識でいいのかどうか。
 第5に、継続に向けて電子カルテの導入が進められていると聞いておりますけれども、実態はどうなのかお尋ねいたします。
 第6に、報道では、支援策を求めているようでありますけれども、その内容について具体的に聞いておられるのかどうかお尋ねいたします。
 また、第7に、これまで医療局は、経営などについてどういった指導を行ってこられたのか、お尋ねいたします。
 第8に、この医療機関の所在市であります一関市当局とは、この問題でどういった協議が今日までなされてきたのか、お尋ねいたします。
 第9に、当初の見込みより経営的に厳しい環境を訴えているようでありますけれども、課題はどこにあるとお考えなのか。
 以上9点について、まずお聞きいたします。
〇大槻経営管理課総括課長 9点のお尋ねでございました。
 まず、報道後の法人との協議についてでございますけれども、10月28日に最初の報道がございまして、報道内容につきまして、これまで法人から伺っていた内容と異なる記事がございましたことから、発言の真意を確認するため、医療局、保健福祉部、一関市の3者で法人側と面談の機会を調整して、本日、実は面談をする予定でございましたが、本日は面談をキャンセルいたしまして、後日、できるだけ早い時期に面談をすることとしたところでございます。
 それから、入院患者の受け入れの関係でございますが、これまで、報道にございました看護師の確保が困難で入院患者が受け入れられないということは、私どもでは聞いていなかったところでございます。法人側からは、今回、常勤医師の交代ということで、やむを得ず一時的に入院患者を制限しているものと聞いていたところでございまして、入院患者の受け入れが困難であるということは、聞いていないところでございます。
 夜勤の看護師の確保と現在の診療体制というお話でございました。
 看護師の確保が困難で、まず、入院患者の受け入れができないということは、先ほども申し上げましたが、法人からは聞いていなかったところでございますが、今般の報道を受けまして、発言者でございます橋本堯夫氏に発言の趣旨を電話で確認させていただきました。看護師については、これまで各看護師にお願いして夜勤に対応してきたところだというお話でございました。
 看護師の状況につきましては、法人の事務局でございますが、こちらに確認いたしましたが、入院患者の調整を実施する前の8月時点の看護職員は補助者を含めて11人でございましたが、現在は、花泉診療所に5人が勤務いたしまして、自己都合により退職したお1人を除き、1人は法人が経営する介護老人保健施設に、入院患者がいない間一時的に異動、4人は、入院を再開するまでの間休業中とのことでございました。
 また、現在の診療体制につきましては、常勤医師1名、それから非常勤医師6名、看護職員5名、放射線技師1名、検査技師1名という体制で診療に当たっていると聞いてございます。
 それから、医師確保の取り組みについてでございますが、法人事務局から随時、医師確保の状況について確認をしてまいったところでございますが、常勤医師から退職の意向を示された後、私どもで伺っている範囲でございますが、具体的には、2名の医師の方と採用について面接を行ったと聞いてございます。
 それから、電子カルテの導入というお話でございましたが、診療所の医師の負担軽減を図ることなどを目的といたしまして、医師等から電子カルテの導入について要請を受けて、診療所の事務部門が導入に向けた検討を行っていると聞いてございます。
 それから、報道でございました支援策について具体的に聞いているかとのお尋ねでございますが、法人が一関市を何度か訪問いたしまして、市、県からの診療所の運営に関する財政支援とか、市が設置者となって医療法人白光に指定管理させるなどということを口頭で要請したようでございます。市では、要請の趣旨が不明であるということで、文書で要請内容を提出するように求めましたが、いまだに文書での要請は提出されていないと一関市からは伺ってございます。
 医療局にも、法人の橋本堯夫氏から財政支援についてお話がございましたが、医療局は県立病院事業を実施する部署でございまして、地域医療全般の施策を実施する部署ではないということから、補助金等の財政支援策を実施することは困難であるとお伝え申し上げました。
 なお、これにつきましては、保健福祉部にも伝えて、情報共有を図っているところでございます。
 それから、これまでの指導等の状況についてというお尋ねでございましたが、随時、医療局が診療所、それから法人事務局に出向きまして、患者数や診療体制、経理状況等につきまして確認しているところでございます。その際、医業収入をふやすための方策や経費の節減等につきまして意見交換を行ったり、県立病院の運営状況を踏まえた指導助言も行ってきたところでございます。
 今年度は、6月1日、7月7日、7月19日、9月8日に、診療所または法人事務局において、実地に事業実施状況等を伺いながら、指導助言等を行ってまいったところでございます。
 それから、一関市との協議についてでございますが、先ほどもお話し申し上げましたが、8月に法人が一関市を訪問し、経営状況が厳しいことから診療所の運営を継続するための支援について口頭で要請がございまして、それ以後、一関市と県の保健福祉部、医療局におきまして、情報共有しながら支援等についての意見交換を行ってきたところでございます。
 それから、花泉診療所の経営課題というお尋ねでございました。
 私どもでは、入院患者数は、今年度前半は、県立で有床診療所を運営していたころと同程度となってございました。開設当初より、上位の施設基準を取得するなど診療所としても努力していたと認識してございますが、外来患者が予定していた患者数を下回って推移してございまして、患者ニーズに即した診療時間の設定とか、訪問診療ニーズへの対応などについて検討するよう、指導助言をいたしたところでございます。
 また、そのほか、有床診療所の運営に当たりましては、地域の介護老人保健施設とか特別養護老人ホーム、それから地域の開業医等との連携が必要不可欠でございますので、これらの施設と意見交換をしながら運営するよう、指導助言をしてまいったところでございます。
 今後におきましても、診療所の運営状況等を確認しながら、指導助言してまいりたいと考えてございます。
〇小田島峰雄委員 ありがとうございました。
 この一連の報道があった後、医療法人との間で協議が行われたのかという質問に対しましては、実際はまだ行われていない、こういうことのようでございます。これまでの花泉診療所をめぐるさまざまな議論を踏まえて考えてみますと、いささか迅速性に欠ける、その重要性を御認識されていないという批判は、甘んじて受けなければならないのではないかと感じます。
 ところで、公有財産の賃貸借契約というものがあるんでございますけれども、その第4条には、この法人の決算書類の提出が規定されておりますし、また、第9条には、使用状況についての現地調査を行える旨が規定されております。この公有財産の賃貸借契約に基づいて、実際に書類を審査いたしましたり、あるいは現地に赴いて調査をした事実があるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
 それから、具体的な支援策は、口頭ではあったけれども、正式にはないんだというお答えでございました。このことについて、これから具体的に正式に支援策の要請があった場合には、この支援をする準備がおありかどうか。これは、医療局ではなくて保健福祉部でございましょうか、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。
 それからまた、医師確保の取り組み、あるいは医師の負担軽減のための電子カルテの導入等、お答えがありましたように、依然としてこの医師確保、2名と面接をされたり、あるいはカルテの導入も具体的に行われているというお話でございました。新聞報道とは若干異なりまして、依然として入院ベッドの復元に向けて努力をしていると理解いたしましたが、そのとおりでいいのかどうか、再度お答えをお願いいたします。
 いずれ、こういう努力をやっているということでございますが、一時的な現象面だけをとらえて責任問題がどうの、あるいはまた、契約違反がどうのと声高に言うのもいかがなものかと思います。これからの審議の中で、そういう短絡的なお考えを持った委員はよもやいらっしゃらないとは思いますけれども、この問題は、多少時間をかけて推移を見守る忍耐も必要でありましょうし、また、さっき申し上げましたように、多少の支援できちんとした入院体制が整備できるというのであれば、これも真摯に考えていかなければならない問題だろうと思います。
 以上申し上げた点について、お答えをいただきたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 まず、契約書に基づく書類の提出とその調査といいますか審査といいますか、そういったことが行われているかということでございますけれども、法人から、契約書に基づいた格好での事業計画あるいは決算書類といったものはいただいてございまして、先ほど、実地で調査をしたといった時期が、ちょうどその6月の時期というのもございましたが、そういった機会のときに、お話を承りながら書類も審査させていただいてございます。
〇小田島保健福祉部長 支援策についてのお尋ねでございますが、正式に支援策の要請があった場合にどう対応するのかということでございますが、まず、これまで施設に対しては、貸与等のさまざまな支援策を講じてきたわけでございます。そういう上で、経営上、本当にさまざまな努力を行ってもなお不足にある状態にあるのかどうかなど、これから、いずれ法人と医療局、あるいは市、それから当保健福祉部と意見交換しながら、よく調査をして結論を出すべきことであると考えてございます。
 ただ、基本的には、法人に対しまして、個々の経営の状況によって補助をするということについては、一般的には慎重に取り扱うべきものと考えてございます。
〇小田島峰雄委員 ありがとうございました。
 昨今の医療をめぐる環境を見ますと、医師不足を初めとして、極めて困難な課題が山積いたしております。これは、民間であろうと公であろうと同じ状況であろうと思います。これまでさまざまな議論を重ねた上に、こういった民間移管ということが行われたわけでありまして、今、小田島部長から、これから関係者としっかりと協議をされるというお答えがございました。限界はあろうかと思いますけれども、県としても一定の支援の中で、また、もとのとおり入院ベッドが確保される、復元されるということは、県民の皆さん方、とりわけ花泉地域の皆さん方にとりましては、大変結構なことだと思うのであります。そういう面で、真剣にこの問題に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 次に、民間移管後の状況について若干お尋ねいたしてまいりたいと思います。
 県立でのベッドの維持が困難となる中で、この民間移管がスタートしたわけでありますけれども、ただ今の状況とは別に、1年強、曲がりなりにもベッドを民間の力で維持してきたわけでありますが、このことに伴う所感、あわせて医療と福祉と一体で進められたこの民間移管でありますけれども、これに伴う所感をお尋ねいたしたい。これは、知事にお尋ねいたしたいと思います。
 それから、万が一、民間の医療機関が撤退をするということになった際の県立での復活の可能性について、お尋ねいたしたいと思います。
 次に、今、御案内のとおり、沼宮内地域診療センター、あるいは大迫地域診療センターでもさまざまな動きがございますけれども、特にも沼宮内地域診療センターは、これから民間移管が行われるやにお聞きいたしておりますが、まず、この沼宮内地域診療センターと大迫地域診療センターの現状がどうなっているのかお尋ねいたしたいと思いますし、この両地域診療センターが新たな道に踏み出していく際の県の支援についてのお考えをお聞きしたいと思います。
〇達増知事 医療と福祉が一体になって取り組みが進められていることに対する所感でありますが、地域において必要な医療提供体制を確保していくためには、医療機関相互の機能分担と連携に加えて、介護、福祉との連携を促進し、急性期医療から在宅に至るまでの切れ目のない医療を提供していく体制を構築していく必要がございます。
 医療と福祉の一体的提供や連携を推進していくことは、それぞれの地域で事情が異なり、また、さまざまな困難が伴うものではありますが、しっかりと取り組んでいくことが重要であると考えております。
 もう一つ、入院ベッドが維持されてきたことに関する所感でありますが、花泉診療所の開設については、入院ベッドが必要であるという地域の意向に沿って、民間のノウハウに期待して進めたものであり、開設当初、常勤医師の体調不良により入院患者の受け入れができなかったところでありますが、昨年7月、常勤医師が着任した以降は、入院患者が徐々に増加し、県立で運営していた花泉地域診療センターと同程度の入院患者数を受け入れるなど、民間の力によって地域の入院施設として定着してきていたものと認識していたところであります。
〇遠藤医療局長 県立でのベッドの復活の可能性についてでございますけれども、旧花泉地域診療センターにつきましては、危機的な医師不足の中、限られた医療資源のもとで良質な医療を提供するために病床を休止することとしたものでございます。こうした状況につきましては、現在も変わらないものと認識しております。
〇大槻経営管理課総括課長 まず、岩手町の沼宮内地域診療センターと大迫地域診療センターの現状でございますが、沼宮内地域診療センターにつきましては、地元の岩手町が、今まで交渉を進めておりました医療法人と、ことしの2月に進出に向けての覚書を交わしていて、今、協議中というところでございます。
 それから、大迫地域診療センターにつきましては、地元の有志の方々が、病院の空きベッドを活用いたしまして小規模の特別養護老人ホームを設立するという動きがございまして、現在、有志の方々で社会福祉法人大迫という法人を設立されまして、今、準備に取りかかっているところでございます。
 これらの民間移管とか、それから、空きベッドの利用といった部分についての私どもの支援についてでございますけれども、まず、その地域診療センターの貸付料の支援につきましては、建物の資産価値に基づきまして、初年度は、施設改修等の初期投資を考慮いたしまして、通常の貸付料の4分の1に相当する額を上限としているところでございます。それから、開設後の2年目以降は、事業継続のための支援といたしまして、通常の貸付料の2分の1に相当する額を上限として貸し付けをすることとしているものでございます。
 また、入院ベッドを確保しまして、残った空きベッドを活用する方策として、民間事業者が有床診療所を開設し、あわせて介護保険施設を運営するといったケースがあるわけでございますけれども、この場合の支援につきまして、これは、保健福祉部の事業になりますが、介護保険施設の改修費用につきまして、平成23年度までの期限つきではございますが、介護サービス施設等整備臨時特例事業費補助金というものを創設しているところでございます。この補助金は、地元市町村が介護施設等を整備する民間事業者に補助する場合に、例えば、特別養護老人ホームの場合は1床当たり400万円、老人保健施設の場合は1施設当たり5、000万円を市町村に補助するものでございます。
 また、民間の事業者が、あわせて小規模特別養護老人ホームや小規模老人保健施設等を開設する場合には、これも保健福祉部の事業になりますが、平成23年度までの期限つきでございますが、施設開設準備経費特別対策事業費補助金というものを創設してございまして、国の交付金を活用いたしまして、開設準備経費、─例えば需用費とか備品購入費、給料等でございますが、これを支給することとしてございます。例えば、定員29人以下の特別養護老人ホームや老人保健施設を開設する場合は、1床当たり60万円を上限として支援を行うこととしているところでございます。
〇小田島峰雄委員 沼宮内地域診療センターについては、まだどうなるかちょっと不明な点もございますけれども、大迫地域診療センターについても、さまざまな支援策を講じておられるようであります。その所在市町村にとりまして、今まであったものがなくなること、あるいは今まで受けてきたサービスが受けられなくなること、これは、極めて重大な問題であると思うのであります。そういう意味で、何としてもこの花泉診療所の問題は、しっかりと前に向けていかなければならないものと思います。
 先ほど、これから正式な支援要請があったときに、きちんと関係者で協議をしながら検討していくという御答弁でございますので、ぜひとも、その点について前向きに進めていただきたいと思うところであります。
 次に、今後の対応についてお尋ねいたしたいと思います。
 特にも、所在市であります一関市と、そして、この医療法人との協議はこれから行われるようでありますけれども、いつ、具体的にどういう形で行われるかお聞きいたしたいと思います。
 それから、現状の把握と、その上での民間と行政との協力の可能性といったことについてもお尋ねいたしたいと思います。
〇遠藤医療局長 一関市を交えまして、いろいろなお話、発言等ございますので、医療政策を担当します保健福祉部、私どもの3者で、一度法人にお邪魔して実情等々を伺いたいとは考えております。日程の調整についてはまた今後ということになりますが、できるだけ早い時期にお会いしたいと考えております。
 それから、医療法人の理事でございます橋本氏は、これまで1年半ほどになりますけれども、花泉診療所を具体的に経営されてこられまして、そういった経験とかいろいろなものを踏まえて、今般いろいろ御発言をなされているのかなと思っております。いずれ橋本氏の発言等の真意、それから医療法人白光としての考え、これらについては、改めて確認する必要があると考えております。
 医療局といたしましては、花泉診療所を開設した経緯、趣旨等ございますので、これに沿った形、あるいは賃貸借契約、事業計画、これらもございますので、それに沿った形で運営されるよう要請してまいりたいと考えております。
〇小田島保健福祉部長 民間と行政との協力の可能性について保健福祉部としてどう考えるか、お答えしたいと思います。
 まずは、現状におきまして、地域における医療事情あるいは住民ニーズを十分に把握することが必要であると考えてございまして、特にも、日常の総合的な医療や介護との連携あるいはみとりなどについて、十分考慮して、それらを踏まえた地域の医療体制のあり方を一関市と県が一体となって検討していくことが必要だと考えてございます。
 検討に当たりましては、両磐保健医療圏の地域医療を守る懇談会等の場も活用いたしまして、地域住民の意見も伺いながら進めていく必要があると考えてございます。
〇高橋昌造委員長 小田島委員に申し上げます。
 委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇小田島峰雄委員 しかと承りました。
 じゃ、最後にします。今までいろいろとお聞きをいたしてまいりました。そこで、知事に改めてお伺いいたしますけれども、まだまだこのあるべき姿に向かって、法人もいろいろ努力をされているようでありますが、この花泉診療所問題をどう持っていかれるおつもりなのか、最後にお聞きして、質問を終わります。
〇達増知事 医療局、また保健福祉部、それぞれきちんとやりとりをするルートを持っておりますので、そのルートの中で、きちんとしたやりとりの中で、それぞれの情報共有、意思確認等を進めながら、医療局においては、新たな入院患者の受け入れが早期に行われるよう要請しているわけであって、それがきちんと実現するよう、また、保健福祉部においては、この二次医療圏という枠の中で、県民の医療、そして福祉がきちんと守られていくという観点から、今後やりとりが進められるべきと考えています。
〇嵯峨壱朗委員 質問させていただきます。
 この件は、当初からいろいろと問題があったわけですけれども、基本的には、住民の要望する医療サービスを適切に提供する、そういった思いから来たものだと思っております。公的なものとしてはなかなか対応できないということで、民間にお願いしたという流れだったと思っておりました。
 そして、今回の一連の報道、例えば、白光の橋本会長、本来は医療法人には会長という職はないんですけれども、これ自体ちょっと疑問はあるけれども、それはそれとして、今後も入院患者を受け入れないとか、病床休止を認められなければ撤退もあり得る等々と述べておりますが、これの発言については、当局は確認したのかどうか。先ほどの話でわからないわけではないけれども、ちょっとその点をお聞きします。
〇大槻経営管理課総括課長 先ほど面談がまだできておらずということで、事実関係のみ電話で確認をさせていただきましたが、その際に、法人の橋本堯夫氏からは、今後も入院患者を受け入れないとか、病床休止を認められなければ撤退もあり得るという御発言ではございませんで、支援策の内容等を聞いてから判断するというお話でございました。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、ダブルスタンダードというか、ここにいっぱいマスコミがいますけれども、話の内容が違うということ、どっちが正しいんでしょうね。
 マスコミ報道以前に、今回の定例会でも、10月18日の一般質問、そして24日の決算特別委員会の総括質疑でこういった指摘があったわけです。本来、報道がなくても、当然、事実かどうか確認すべきだと思うんですけれども、そう思わなかったんですか。しませんでしたか。それに対して対応しましたか。
〇大槻経営管理課総括課長 私どもも、法人側には、入院患者の早期の受け入れということは今までもずっと求めてきたわけでございますけれども、そういった関係で、どのような努力をされているのかという部分では、法人側とやりとりはさせていただいてございました。
 その際には、いずれ今現在、管理者、常勤医の交代ということもあって準備が整わないので、いましばらく入院患者は控えたいというお話で承ってまいったところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 公有財産賃貸借契約書という契約を結んでいるわけですね。その中でさまざまなことが契約されていた。それに対してどうなのかということが今、議論になっているわけですけれども、議会で取り上げられる、マスコミ報道以前にああいった指摘をされたわけです。それは極めて重要だし深刻に考えるべきだと思うんですけれども、そう考えなかったですか。
〇遠藤医療局長 先般の決算特別委員会の部局審査等々における私の発言を含めての趣旨かと思いますけれども、報道されている内容と異なるのではないのか、もしそういう中身であれば、もっと事前に議会等にもきちんと報告すべきではないかといった趣旨の御発言……。
〇嵯峨壱朗委員 言っているのは、お医者さんが10月9日でしたか、そこからいなくなっているので、入院患者を受け入れていないという状況が定例会で指摘されたじゃないですか。そういった指摘を受けて、何も動かなかったのかということです。
〇遠藤医療局長 医師の交代─管理者でございますけれども─に伴いまして、一時的に入院を控えているということは法人から聞いております。したがって、早期に新規の入院患者を受け入れるようにといった要請は法人にもしておりますし、法人でも、そういった体制で準備していると伺っておりました。
〇嵯峨壱朗委員 真剣にやっているのかどうかわかりませんけれども、もう少し深刻に受けとめるべきかと私は思っていました。確かにお医者さんは人間ですから、何があってやめるとか、来られないということがあると思うので、いろいろなことがあるかと思いますけれども、もう少し迅速に対応すべきだと思います。しない結果が、こういった報道につながっているんだろうと思っておりました。
 この白光の会長の発言の中で、10年間有床診療所を維持するという話は、単なる希望の覚書、契約ではないという発言があったと報道されておりましたが、この報道を見て、県はどう感じましたか。どういう認識をしましたか。
〇大槻経営管理課総括課長 報道を受けての私どもの認識ということでございますが、公募をした際に、10年以上事業を継続することを条件としてございましたし、双方が記名押印いたしました契約書におきましても、10年間以上有床診療所を継続するものと規定してございます。私どもでは、そのような認識でとらえてございます。
〇嵯峨壱朗委員 この一連の報道をどうとらえていますか。どう思いますか。ちょっと正直な感想を聞かせてもらいたい。あなた方が言っているのは、事実確認をしていないから、報道は報道だということでしょうけれども、私も実際、間接情報ですから、これが全部本当かどうかわかりませんけれども、これまであなた方が言っていることと、そして契約上、全く違うことを言っていることを受けて、きょう会う予定だったけれども、きょう会わなかったとかというレベルの話じゃなくて、土曜日でしたか、28日に報道が最初あったわけですよね。そこで迅速に動くのが普通じゃないですか。なぜ動かなかったんですか。
〇遠藤医療局長 委員御指摘のとおり、新聞報道がございましたのは金曜日でしたか、それを受けまして、私どもも、やはりこれは法人側から真意を伺わなければならないということで、一関市、保健福祉部、私ども、3者日程調整いたしまして、会長の日程の都合もございましたけれども、その時点では、2日に会いましょうということで、その事情等を聞くための対応は行ってきたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 では、28日の報道を受けて、その日のうちに、きょう会いましょうと約束したということでいいですか。
〇遠藤医療局長 事務方は、責任者が入院しているという事情もございましたけれども、その日のうちに連絡して、会長の日程を調整してくれるようにといった形の御依頼は申し上げております。
〇嵯峨壱朗委員 報道の方々にはしょっちゅう、毎日会っているけれども、県とかには会いたくないというのですから、これはこれとして不思議な話ですけれどもね。誠意が通じなかったのかどうかわかりませんけれども、それは変な話だと思います。やっぱりちょっと対応が遅いというのは否めないですね、間違いなく。
 それで、4月の段階で既に一関市にこの有床診療所をやめたいという話を橋本会長がしていたと。市は、その話については県に届けておくという返事をしたと言っております。そしてその後、いつの時点かわかりませんけれども、知事と一関市長が何らかの会う機会があって、そこで一関市長はそのことを伝えたということを橋本会長に伝えたという話を私はお聞きしましたが、そういった事実を確認していますか。
〇大槻経営管理課総括課長 委員御指摘の4月というのは、本日の報道にあった話かと存じます。4月に一関市にそういったお話をされたということは聞いてございません。私どもで一関市からお話を伺っている限りでは、8月にそういうお話があったと伺ってございます。
〇嵯峨壱朗委員 まあ、いいでしょう。この後、だれかが追及するでしょう。
 知事にお伺いします。
 知事は、これまでこの橋本会長に会ったことがあるでしょうか。面識がありますか。
〇達増知事 衆議院議員時代、さまざまな会合に出たりとかはしていましたので、絶対どこでも会っていないということは断言できないですが、今回のこの花泉診療所に関係あるような形では会っていません。
〇嵯峨壱朗委員 今回は、県が─医療局も含めてですけれども─医療サービスを維持するために努力をした結果、無床化をやって、大変な、いろいろな問題になりました。それを受けて、やっと民間で、やってもいいという民間の事業者が出てきたということで、そういう意味で言うと非常に明るいことだったと思っていました。そういった意味で言うと、私は、知事は積極的に会って一つのきっかけにするべきだったのではないかと思っていたので確認しましたけれども、そういう意味では会っていなかったという理解でいいですか。
〇達増知事 医療局の経営ということで、随時、医療局から報告を受けていたところです。
〇嵯峨壱朗委員 これは、前に斉藤信委員も聞いておりましたけれども、この橋本会長の長男の方というのは国会議員なんですが、その方とは、当然面識がありますか。
〇達増知事 ちょっと具体的にだれなのかを言っていただけると、よりクリアに答えられるかと思うのですが、不正確な答弁をするのもあれではあろうと思いまして。
〇嵯峨壱朗委員 斉藤信委員の去年、おととしの質問でしたか、長男の方は清仁さんという方のようですけれども。この方は、実は、医療法人白光の理事にも名を連ねております。それで、どうなのかと思ってお伺いしたわけです。
〇達増知事 衆議院議員同士、本会議場でも、また、同じ政党で、代議士会でも一緒になりますし、また、私が知事になってから、例えば震災関係でも、応援か何かで岩手入りされたこともあると思っておりますし、そういう意味では何度も会っています。
〇嵯峨壱朗委員 この後の質問は神崎委員に渡しますけれども、いずれ、これは思っている以上に、恐らく、それがうまくいくことはすばらしいことなわけです。別に、これをつぶそうなんて思って質問しているわけじゃないです。ですから、もう少し真剣に、また、白光の立場に立つ部分も必要だと思いますし、どうやったら解決するかという視点を持って対応していただきたいと思います。
〇神崎浩之委員 まず初めに、知事にお伺いするわけでございますが、昨今のNHKの放送、私もおとといの晩ですが、びっくりしたわけなんですが、岩手日報、毎日新聞、岩手日日新聞の各報道を見て、花泉地域の皆さんも恐らく見ていらっしゃると。そういう中で、事実はどうかわかりませんけれども、一番心配なのは、今後、あの病院には行きづらいな、それから、あの老人ホームには頼みづらいなという声も届いているわけですが、そういうことがあって、それに拍車がかからなければいいと思っておる、そういう心配をしているわけです。
 その私の心配について、知事も恐らく同じような見解だと思いますが、その件について所感をお願いしたいと思いますし、それから、知事は、安心な医療を守るために英断したと思うんですけれども、その点について、1年足らずで入院がかなわなくなった、このことについて、二つ、知事の所見をお聞きしたいと思います。
〇達増知事 医療局として、あるいは県として、当該医療法人とのルートに沿ってきちんとやりとりをしながら、県民の利益を守るためにすべきことをやっていけば、そうそう変なことにはならないとは思っております。そのためにも、報道に関する事実関係や意思の確認等の作業をきちんとやってもらいたいということ、また、1年間入院の体制が続き、医療局が地域診療センターをやっていたときの入院水準と同じ状態を1年間維持してきたわけでありますから、早くこの入院体制を確保するよう調整が進むことを強く希望し、また、そう指導していきたいと思います。
〇神崎浩之委員 現在、地域ではさまざまな不安があるということを重ねて報告をしておきます。
 私は、実は当時、一関市の市議会議員といたしまして、また、保険者であります一関地区広域行政組合の議員として、施設整備にかかわっては1億1、000万円ほどの施設整備の議決、─私は、拙速過ぎるということで反対したわけなんですが、議会としては決定したという責任もあります。法人設立前に支出を決定するのかということもあって反対したわけですが、そういう経過があるので、責任上、質問するわけでございますが、この契約についてであります。
 契約の中で一番焦点になる有床診療所で10年間以上というのは、これは、この契約でよろしいのかどうか確認をさせてください。
〇大槻経営管理課総括課長 契約内容でございます。
 有床診療所で10年以上という契約でよいかというお話でございますが、公募した際に、最低10年事業を継続することということを条件としてございます。それから、双方が記名捺印した契約書においても、10年間以上有床診療所を継続するものと規定してございまして、契約内容と私どもでは認識してございます。
〇神崎浩之委員 私も、当時一関市からも、そういう契約内容であったと思っております。
 それから、先ほどの答弁の中で、使用状況の調査というものも契約条項の中にあるわけなんですが、6月1日、7月7日、7月19日、9月8日と実施したと。その内容について教えていただきたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 ことしに入りましてからも外来患者数が余り伸びていないということもございました。そういった部分で、契約だけではなくて、事業計画の中でもいろいろな取り組みをしていただくというお話、意見交換をさせていただいたのでございますけれども、一つは、その時期は決算の時期でございますので、決算の処理といいますか、それを見させていただきました。それからあとは増収策といいますか、そういった部分についての意見交換と調査をさせていただいたところでございます。
〇神崎浩之委員 私が思うには、当然そのときに医師の確保とか入院患者の難しさというようなことも話題になっているのではないかと思うわけですが、一切なかったんでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 7月にお邪魔した際、いろいろとお話を承ったんですが、その中では、例えば磐井病院との連携の促進ということで、重症患者について磐井病院でもう少し受けてくれないのかというお話とか、それから、経営課題としては医師の確保の話も当然ございました。それから、外来患者数の増加についての取り組みがなかなか難しいというお話も伺ってございます。こういったことについてお話をさせていただきました。
〇神崎浩之委員 そういうことが、におわされていたのであれば、そのときになぜ対応しなかったのかという疑問が残ります。
 こういう事態になることを想定されていたのではないかと思われるんですけれども、その点いかがでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 7月にお邪魔した際には、法人の事務から、今の常勤医が退職の御意向を持っているというお話で、それについて、今、慰留中なのでというお話を承ってございました。
 それから、私どもでは、これまでもお話をずっとしてきたんですけれども、常勤医をもう1人といいますか2人目の常勤医の確保ということもいろいろ要請をしてまいっておりましたので、それについての動きもお話を伺いましたけれども、並行して医師の確保についても進めているというお話を承ってございます。
〇神崎浩之委員 契約の第12条には、この契約を履行しないことにより損害の場合には損害賠償をしなければならないということもあるんですが、現在、この契約は履行されているのかどうか。もし履行されていないのであれば、損害賠償を請求するお考えを、─これは医療局と法人との契約でありますが、県としてそういうことも想定されるのか知事にお伺いしたいと思います。
〇達増知事 契約はまず履行されるべきものでありまして、特に入院体制については当該法人においてできないわけではなく、できていたわけでありますので、医師確保をきちっとやって入院体制を確保するということはできることだと思っておりますので、それを医療局からしっかり伝え、実現を図っていくということと考えています。
〇神崎浩之委員 現在、数日ではあるんですが履行されている状況なんでしょうか、されていない状況なんでしょうか。
〇遠藤医療局長 医療法人との賃貸借契約の中では10年以上有床診療所として病棟を使うという形で契約しておりますし、それから、公募の際の条件と申しますか、公募に当たっての中でもその10年ということはうたってございます。
 今の状況につきましては、これは先般の部局別審査でもお答えしたかと思うんですけれども、管理者の交代ということで一時的に入院患者の調整を行っているという状況でございます。この一事をもって、契約上、いわゆる債務不履行に該当するかどうかという点に関しましては、現時点ではそのような契約条項には該当しないのではないかと考えております。
〇神崎浩之委員 その一時というのはいつまでのことを言うのか、どういう目安で。現在は、数日であろうが契約不履行の期間でありますよね。その点についてお聞かせください。
〇遠藤医療局長 いわゆる債務不履行云々という議論になりますと若干難しいところがございますけれども、現在の状況、管理者の交代に伴って入院患者を調整しているということについて、それが債務不履行かというと、一概にはそのような表現は当たらないのではないかと思っております。
〇神崎浩之委員 先ほども確認したんですが、この契約は入院を10年間以上ということだったと思うんですが、今の答弁でよろしいんでしょうか。
〇遠藤医療局長 入院というより、契約条項上は有床診療所を10年以上という形で表現しておりますし、経営そのものとしては、毎日入院を例えば90%の病床利用率で運用するとかそういうことではございませんので、病院の、あるいは有床診療所の経営上、一時的に入院患者がなくなるということは一般にあり得ることでございますので、そういう理解でよろしいかと思います。
〇神崎浩之委員 恐らく住民にはそういうことは通らないと思います。地域住民にはそういうことは通らないと思います。地域に行ってそういう説明をしていただきたいと思います、絶対通りませんから。
 いろいろ質問があるんですが、これはそもそも法人と契約を結んでよかったかということもあるわけですが、医師がなかなかそろわなかったとか開設がおくれたとか入院がおくれたという経過があるわけですけれども、実はこの法人は以前にも、花泉診療所の賃貸借の前に県の所有施設を借りたい旨、県に申し込んで、県はこの法人を調査した上、結局は契約は結ばれなかったという過去の事実があったと聞きますけれども、こういうことがあったのかどうかお聞きいたします。
〇大槻経営管理課総括課長 医療法人白光とのかかわりでいいますと、平成19年度でございますけれども、旧南光病院の跡地についての借り受けをしたいというお話を承ったことはあると記録されてございます。その際は、私どもで、旧南光病院もその他の病院跡地もそうでございますけれども、要するにそういう旧病院跡地につきましては、まず県が使うかどうか、次に市町村が使うかどうか、それでも使う道がない場合に民間との契約で売却という流れになってございまして、その当時、─今もでございますけれども、一関市と活用について覚書を結びまして、今後の活用について協議するということで今もその形で残ってございます。そういう経緯がございましたので、お断りをしていると伺ってございます。
〇神崎浩之委員 今回の件で、県がどれだけこの法人、この事業に対して支援をしたかということを確認させていただきたいわけですが、まず、施設整備の関係で、介護施設等整備に関して、県は一関市を通して約1億1、500万円、こういう支援をしてきた。それから、介護保険料がふえる分の補完として特例交付金として6、041万円を交付しているということ、そのほかに家賃の減免であったり、それから土地の無償提供ということもやっていると思いますが、これだけの金額をこの法人運営に支援してきたということでよろしいかどうかということと、それから、これだけ多くの税金は何のために費やしたのかということをお聞きしたいと思います。
〇岡村長寿社会課総括課長 社会福祉法人七星会に対しまして県の財政支援の内容についてでございますが、一つは、平成21年度に国の緊急経済対策の一環として、国の第1次補正予算で介護基盤の緊急整備等の基金の創設が県で行われております。これらによりまして、当該法人に対しましては、平成21年度に施設整備の関係で介護サービス施設整備臨時特例事業費補助として1億150万円、また、施設開設のための準備経費といたしまして、これは備品の購入でありますとか開設前の職員の研修等に充てた経費でございますが1、740万円、合わせて1億1、890万円が県から一関市に交付されております。一関市からは当該法人に対しまして同額が補助されたと把握してございます。
 また、当該施設がございます一関圏域の関係の事業につきましては、一関地区広域行政組合が介護保険者として介護事業の運用をしているわけですけれども、平成21年度におきまして特別養護老人ホーム等の待機者が多数存するという状況におきまして、県立病院等の空き病床を積極的に介護保険事業に活用してもらう場合に、当時、平成21年度から平成23年度の第4期の介護保険事業計画が既に策定されておりまして、その間の介護保険料がそれぞれの地域で決定されておりました。そういう状況を勘案いたしまして、平成21年度から平成23年度の間におきまして、新たに県立病院等の空き病床を利用しました介護保険事業が開始された場合には、その間の1号被保険者の介護保険料あるいは介護保険者の市町村負担分についての補てんを県で行うこととして特例交付金を創設いたしました。その関係で、平成22年度には当該広域行政組合に対しまして3、080万円、また、平成23年度─今年度におきましても同額を組合に対して支出しているところでございます。
〇神崎浩之委員 答弁が長かったので、1点だけ最後に質問させてください。
〇高橋昌造委員長 はい。
〇神崎浩之委員 県は、こういう短期間の医師の確保のために県立病院の医師を派遣できる体制を要綱で定めたと思っております。今回はこういうことを発動して支援するべきだと思いますが、その点について所見をお伺いして質問を終わります。
〇遠藤医療局長 委員御案内のとおり、民間医療機関への医師の派遣要領というものを策定しておりまして、委員の御質問の趣旨は、今回のような場合に活用すべきではないかというお尋ねかと存じます。
 今般のいわゆる常勤医についてはそのとおり確保されていると認識しておりますし、なおそれから、もともと2人という形で公募しておりますので、2人目の医師についても法人のほうで鋭意努力していると伺っております。
 一方、私どもの診療応援というのは、外来とか、あるいは当直とか、そういった形の診療応援を通常、市町村の病院とか診療所にやっているわけですけれども、今の花泉診療所においては、外来とか、あるいは当直、そういった面では医師のスタッフは自前で間に合っているという状況でございますので、現状はそういう状況だということで御理解いただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 この県立花泉地域診療センターの民間移管については、激しい議論もありまして1票差で可決したという状況もございます。
 私は、ただいま知事の答弁にありましたように、医療資源、そして介護や福祉の人的資源をできる限り共有化して地域医療のために資すると、これはまさに未来型ですばらしい考え方であって、どんどんこれは推進していただきたいという立場でございます。
 このたびの花泉地域診療センターの民活化は、まさしくこれは先進モデルとして県が高らかに掲げて行ってきた政策です。
 私が出していた質問の趣旨とちょっと違うところもあるし、順番もかなり変えていきますので、その点を御留意して御答弁いただきたい。
 ただいまのやりとりを聞いておりますと、まず一つ、10月28日に久保孝喜委員が集中審査を求めて、その後、新聞報道等がございました。本日、大体この日に集中審査が行われるというのに、白光の責任者にも真意を確かめないでこの場に出ているというのはまことにおかしなことだと思いますが、その所感を求めます。
〇遠藤医療局長 確かに委員御指摘のとおり、直接お会いいたしまして、新聞等で報じられておりますさまざまなこと、日によって中身が変わっておりますけれども、いろいろ報道されております。本来であれば、そこのところをきちっと確認した上で、この集中審査に臨むのがあるべき姿だろうというのは委員御指摘のとおりだと思います。
 ただ、私どもだけの日程でそういった調整はなかなかつかないものですから、いずれ基本的には、先ほど御答弁申し上げましたとおり、新聞報道があったその日のうちに法人側とは日程調整をさせていただいて、その中で、2日、たまたまきょうと日程が重なりましたけれどもその日にということで、調整はさせていただいたということでございます。それが遅いという御意見があれば、それはそれでまた一つの考えとして受けとめたいと思います。
〇飯澤匡委員 これは議会軽視だと思いますよ。しっかりとしたやりとりができないですよね。
 それからもう一つ、指摘しておきますけれども、新聞報道各紙、そしてテレビ報道も大体、多少のニュアンスは違っても同じことを言っているわけです。こういうことを言っていますよ。常勤医は確保する、します、していますと言っているけれども、入院はやらないと言っているんですよ。あなた方のロジックは、常勤医さえ確保すれば入院は再開できるということを言っていますね。全然認識が違うわけですよ。
 そして、これは私も経営者の立場だからわかるけれども、赤字がこれだけ多大に出たらやめざるを得ない、これも経営者としての真理でしょう。その点すら確かめないというのはいかがなものですか。
 そしてまた、なおかつ、これは地域医療の先進モデルとして、私は、県が、まさに指定管理者制度とかさまざまな手順を踏んでいくべきものと思ったけれども、いきなり民間移管という形になった。これを先進モデルと称したわけです。あなた方は夜を徹してでも行って、話をして真意を確かめるのが当たり前じゃないですか。
〇遠藤医療局長 確かに報道されている事々いろいろございますけれども、直ちに夜を徹してでも行って確認すべきだというのはそのとおりのことかと思いますけれども、いずれ相手方のあることでございますので、その中での日程調整をさせていただいたということでございます。
〇飯澤匡委員 それでは、事実に基づいて質問させていただきたいと思います。
 10月6日には既に入院患者はいないわけです。これは、入院患者が退院したということではなくて、入院を勘弁してくれということで、これは病院が主体的に動いた結果で動いているわけですよね。
 そこで、この民間移管は、このような前提条件で進んでいるわけです。有床診療所を必ず運営することを条件とする、そうですよね。先ほど来10年云々という話がありましたが、これは条件になっていないじゃないですか。そして、この間、常勤医師が、いろいろな病気の状況だったり、まさに綱渡りの状況でやってきた中で、有床診療所が本当に確固たる基盤でやっているかどうか、これは皆さん方移管したんですから、それをしっかり管理監督する責任がございます。
 そこで、10月9日から入院患者がいないということをどういうふうに受けとめていますか。
〇遠藤医療局長 まさに地域の声にこたえる形で地域にベッドが必要だという経緯がございまして、一たん私どものほうで無床と─休床でございますけれども─しました地域診療センターを民間の医療機関でやるということでスタートしたという経緯がございます。これはもちろんベッドの確保というのが第一義でございます。
 今、管理者の交代等々事情がありまして入院患者を受け入れていないということについては大変残念なことと思っておりますけれども、いずれ法人からは、準備が整い次第─たまたま一時的に退院要請をかけているんですけれども─対応するというのはこれまで聞いてきているところでございまして、私どももそういった形で入院患者を早期に受け入れるよう要請してきているところでございます。
 いずれ、いろいろな発言等が報道されておりますけれども、その辺につきましては医療法人に真意を確認したいと考えております。
〇飯澤匡委員 これじゃ、花泉地域の方々、一関市民の方はどう思うんですか、この状況に対して。我々は地域の代表としてここに来て、責任を持った立場で発言して質問しているわけですよ。それじゃ全然話が進まないじゃないですか。かなり不満ですね、これは、委員長。後でその取り計らいについては最後に申し上げたいと思います。
 医療局はこの白光を選定して、地域医療を支える県の責務についてこれからお伺いしたいと思います。
 医療局長は、花泉地域診療センターが民間移管となった後も広域の基幹病院である磐井病院と連携して対応すると断言しています。花泉地域の地域医療を県はどのように支えてきたのか具体的に示していただきたい。
 それから、収益性の問題についても医療局長はこう答えています。いわゆる中途撤退する可能性について、病院と特養等の複合型経理を前提とした体制であるから大丈夫だという認識を示していました。当時の県の認識と全く正反対になっている現状に関して私は県の責任というのはあると思うんですが、その点の認識についてお伺いします。
〇遠藤医療局長 地域医療を支える県の責務についてでございますけれども、県立病院におきましては、地域医療福祉連携室を設置いたしまして、県立病院と開業医間における患者の紹介あるいは介護保険施設の連携などを行ってきているところでございます。
 花泉診療所における患者の紹介状況等を例に申し上げますと、花泉診療所から圏域の基幹病院である県立磐井病院に対する患者紹介数は、平成23年4月から6月までの3カ月間がそれぞれ6人、7月が9人となっております。一方、磐井病院から花泉診療所への紹介者数は、平成23年4月が7人、5月が15人、6月は8人、7月は15人という形で推移しているところでございまして、連携が図られているものと認識してございます。
 現在、花泉診療所では、常勤医師の交代ということでやむを得ず入院患者を制限している状況にございますけれども、新たな入院患者が早期に受け入れられるよう要請してまいりたいと考えております。
 それから、花泉地域診療センターの民間移管に当たりましては、民間の医療資源も活用しまして、有床診療所や特別養護老人ホームを複合的に運営することにより、地域における医療や福祉の提供体制が構築されることを期待していたところでございます。
 現在、花泉診療所においては、常勤医師の交代ということで一時的に入院患者の受け入れが行われていない状況になっておりますので、医療法人に対しましては、引き続き早期に入院患者の受け入れが行われるように法人に対して強く要請していきたいと考えております。
〇小田島保健福祉部長 保健福祉部といたしましては、本年度、当初予算で措置いたしました地域医療介護連携モデル事業の取り組みにおきまして、有床診療所と他の病院、診療所との連携の推進について具体化を図り、医療機関相互の患者紹介あるいは住民による症状に応じた身近な地域での受診を促進していくことなどについて一関市と協議をしてきたところでございます。
〇飯澤匡委員 県の管理体制についてお伺いします。
 先ほど賃貸借契約の中にも盛り込まれているという指摘がありましたが、医療法第25条に、県が必要あると認めたとき必要な報告を命じることや立ち入ることができるとされていますが、監督責任に対してどのような対応をしたのかお尋ねいたします。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 医療法第25条によりまして、知事は、必要があると認めるときは診療所に立入検査をさせることができるとされております。医療法上、個別の病院や診療所から医療従事者の情報について逐一情報をもらうことにはなってございませんが、地域を所管する保健所が必要に応じて診療所から聞き取り等を行うほか、県が定めます病院等立入検査実施要領に基づきまして、医療従事者、管理体制、帳簿、記録関係、構造設備関係等、医療法に定める基準に適合した適正な運営が行われているか定期的に検査をしているものでございます。
 当該診療所に対しましては、所管する一関保健所が平成22年9月24日に立入検査を実施したところであり、その際にはおおむね良好に運営されていると認められていたものでございます。
 なお、今般、11月1日、一関保健所が当該診療所へ確認したところでは、現在の管理者については、10月中は週4日勤務体制、月、火のみの勤務となっており、金、土は休暇を取得していること、11月からは週4日勤務体制となると説明を受けたところであり、保健所からは、診療所の運営管理責任を適切に果たすよう注意を喚起したところでございます。
 今後、計画的に実施している定例の立入検査等において勤務状況等を確認し、必要に応じて医療法に基づく措置をとるなど適切に指導していくこととしております。
〇飯澤匡委員 ただいま保健所からも厳正な指摘があったということが判明いたしました。
 それで、いわゆる公募型の民間移管について県にも発注者の責任はあると考えております。
 まず第1に、これは新聞報道によればということを言わざるを得ないんですけれども、この公募に関して、立候補してほしいと言うから立候補したという橋本会長の話がありますが、これは本当ですか、どうですか。
〇遠藤医療局長 医療法人の橋本氏がそのような発言をしているというのは新聞で読んでおりますけれども、真意についてはよくわからないところがございまして、まして立候補してほしいから云々ということにつきましてもちょっと真意がわかりかねるところでございます。
〇飯澤匡委員 その確認がとれていない部分についてはおいておいて、橋本氏の言葉の端々に県に対する不満、そして、おんぶにだっこでは困るから入院患者の受け入れを中止したなどと強硬な発言がされておりますが、どう見ても県との信頼関係は随分希薄になっていると思っております。地域医療に対する貢献意識、これについても疑いを持たざるを得ないと思うんですが、こういう医療法人と契約した県の責任についてどういうふうに考えておりますか。
〇遠藤医療局長 信頼関係も含めてのお話でございます。
 今回のような有床診療所として10年以上当該建物を用途を限定して使用するといった形の長期の賃貸借契約でございます。こういった長期の賃貸借契約におきましては、やはり借り主、貸し主間の信頼関係というのが基本になると考えております。今の状況をもって双方の信頼関係が壊れたとか、そういった認識は今時点で私も持っておりませんで、いずれ発言の真意とかそういったものは確認していかなければならないし、また、法人としての考え方についても確認していかなければならないだろうと考えております。
 ただ、今般、こういった形で入院患者が実質不在、受け入れていないという状況になりまして、地域の皆様方にさまざまな御心配やら御迷惑をおかけしているということについては大変残念なことだと考えております。
〇飯澤匡委員 まさに地域医療先進モデルということで高らかにスタートしたわけですが、ただいま、地域の方には御迷惑をかけて申しわけないという答弁がございました。(「残念だ」と呼ぶ者あり)残念だという答弁がありました。
 そこで知事にお伺いしますが、この地域医療の先進モデルについて、これまでもまさに綱渡り状態で私は経営してきたものと思っております。現在、10月9日から入院患者がいないという状況は、まさに県が想定している場面を逸脱しております。住民の期待も裏切っております。県立病院等設置条例で地域診療センターを廃止してまで推進した民間移管、これがまさしく暗礁に乗り上げたと思っておりますが、知事はこの事実をどういうふうに受けとめ、私は地域に対しても何らかの言葉を発する責任があると思うんですが、どのように思うんですか。
〇達増知事 医療局の当初の計画どおりであれば、花泉を無床化し、入院はもう去年の春から全くできない状況になっていたであろうところを、まず1年間、入院が従来と同じくらいのペースでできるような形になり、また29床から成る介護施設も併設されて、そこはほぼ満床の状態として活用されているということは、当初の医療局の計画に比べますとプラスになっているわけでありまして、その約束どおりきちんと入院できる体制を続けてもらう。そのために、県の保健福祉部では医療法に基づく監督をしているわけでありますが、医療局としては、経営面に関してさまざま、─県の医療局の病院や診療所も医師不足問題の中でさまざま赤字から黒字に立ち直った実績があるわけですので、そういったことを参考にしながらさまざまな助言をしているということですので、医療局においてそこをしっかりやってほしいと考えています。
〇飯澤匡委員 まさにスタンスが違うんですね。入院が受け入れられないという住民サイドのスタンスと、あなた方は、お医者さんさえいれば、医療局の計画さえしっかりしていれば、これはうまくいっているんだと。ところが、今回の併設型の公募条件は、要は前提は有床診療所を必ず運営するということにあるわけです。この前提が崩れたら、幾ら特養が満床でうまくいったって、医療と保健一体型の先進モデルというその目的を果たしていないわけです。
 私は、民間移管を目的化して、住民との意識の共有と成熟がないまま医療局が拙速に進めてきたことが今日の状況を招いていると考えます。花泉地域の住民は、私は、一方的な情報と、ベッドが必要か必要でないか極めて二者択一的な判断を迫られ、結局、医療局の判断に翻弄されてまことに悲劇的な結果となったと思っています。
 この現実に対して改めて、さっきは知事に聞きましたから医療局長に、これを推進してきた責任者でございますので、どのような思いを持っているかお伺いしたい。
〇遠藤医療局長 ただいま委員からお話ございましたとおり、花泉診療所の開設に当たりましては、有床診療所の運営という地域の意向に沿って進めてきたものでございまして、当初、常勤医師が診療に携われない時期とかいろいろございましたけれども、昨年7月に常勤医師が着任した以降は入院患者も徐々に増加し、県立で運営しておりました花泉地域診療センターと大体同程度の入院患者数を受け入れるなど、民間の力により、地域の入院施設として定着してきたと認識していたところでございます。
 現在は、常勤医師の交代ということで、診療所は、やむを得ず入院患者の制限をしているという状況でございますので、新たな入院患者の受け入れが早期に行われるよう要請してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 これ、要請だけで済まされるんですか、県の責任は。先進モデルなんでしょう、地域医療の。これをうまく続けるか続けられないかというのは、まさしく今後の県の医療政策の根幹をなす大きな試金石じゃないですか。先ほど来、事実に基づいた答弁ができないと。確認もできていないということについては大きな問題であると私は思っております。
 私は、今回の民間移管、この間もたくさんの議論がありましたが、要は住民の意識の共有という部分が非常におざなりにされてきた。要は地域医療の先進モデルとしてロケットは発射したものの、途中で燃料切れになって失速してしまったという状況だと思います。この状況を立て直すには、あなた方の言っている、医師さえ確保すれば本当に入院患者受け入れがまた再開できるんでしょうか。それを断言できますか。だって、そういうロジックのもとに今まで答弁しているじゃないですか。お願いします。
〇遠藤医療局長 今般の入院患者の受け入れの制限については、常勤医師の─管理者でございますけれども─交代ということで調整をかけている、そういう視点でずっと答弁していたわけですけれども、常勤医師云々というのは診療所の経営の面での一側面でしかございませんで、私ども医師の要請だけを、ただ単に早く2人目とか、そういうことだけをしているわけではなくて、やはり診療所の経営自体がしっかりしないと2階部分の特養との連携もうまくいかないというのは委員が御指摘しているとおりでございまして、したがって、有床診療所もしっかりと経営していただきたい。そういう面では、県立病院自体は赤字の病院経営でやっておりますけれども、県立病院の持っているノウハウで役に立てることがあればということで、日ごろ随時お邪魔して医療法人に経営面でのアドバイスとか、そういった形の指導もしてきているところでございますし、今後においても、花泉の有床診療所が維持されるように、いろいろと法人から実情も聞きながら対応していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 どうもやっぱり議論が進みませんね。既に報道では、各紙が11月末だとか、もう具体的に撤退を示唆しているわけで、ある意味これは、白光側の県側に対する条件闘争というようにも見受けられるわけです。主体がもう白光側にあって、県はその中で翻弄されているというイメージで、その下にいる住民はどこへ行ったんだという感じですよね。
 これは本当に問題だと思います。したがって、今回の集中審査は、まるで私たちが想定している内容がつかみ取れないものですから、このままでは納得しかねます。いずれ取りまとめの段階の中で、この審議の継続についてもしっかりと議論をしていただくことを望むものでございますし、何しろ住民が主体となった地域医療の考え方にどうも立っていないという当局の考え方について私は疑問を呈しますし、今後、いろいろな医療資源や福祉、介護の資源を有効に使うというまさにこれからというときに、この部分で頓挫をしたというのは非常に残念でございます。
 いずれ、この審議が未成熟に終わったということを強く指摘して私は質問を終わらせていただきます。
〇宮舘副知事 先ほど委員から議会を軽視しているのではないかという御発言がございましたので一言答弁させていただきますけれども、県といたしましては、先ほどから御答弁申し上げていますとおり、知り得た情報についてはできるだけ速やかに議会の皆様方に御説明をしてまいったつもりでございますし、また、これからも地域の情報、あるいは白光との話し合い、こういったものを含めまして、できるだけ皆様に誠心誠意、御説明を尽くしてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
〇久保孝喜委員 私も今までのやりとりを聞いて、飯澤委員がおっしゃったように、ここでの集中審査の限界性を実は感じてしまっているわけです。どんなに事実経過をただしたとしても、報道されている内容と当局の皆さん方の受けとめ方にこれほど距離があるとすれば、これは議論の前提が全く違うわけですので、どういう方向性を見出していくのかも含めて、極めて遺憾な状態に今なっていると思っております。
 しかし、私自身の責任を全うすべく幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、先ほど医療局長が、報道されている内容が事実かどうかも含めて、本人も含めた確証がとれていない、したがって、信頼関係が損なわれているとは言いがたい旨の話があったように聞いたわけですが、新聞報道だけではなくて、出ておりますようにテレビのニュース報道などでも既に放映されております。私はその最後の部分を若干メモったんですが、自分が診療所をやりたいと考えればやる、やりたくなければやめるというだけの話だと、こういう契約当事者の言葉があるわけです。10年有床の契約をした当事者が、ここまでいわばテレビという公器に向かってお話をしている。そのもう一方の契約当事者が信頼関係はまだ損なわれていないという認識だとすれば、これは驚くべき話なのではないでしょうか。もう一度その点お答えください。
〇遠藤医療局長 委員がお話しされましたテレビの報道は私も聞きましたけれども、どういう状況の中でそのような御発言をされたのか等々についてはテレビの報道でしか知り得ないわけでございまして、私ども、これまで法人との間ではいろいろやりとりさせてきていただいている、経営状況も含めてやりとりさせてきていただいておりますが、そういった中で、先般報道されたような発言は私どももこれまで聞いたことはございませんし、そういう話をされたこともございません。
 それは橋本氏がそのようなお話をされたと受けとめておりますけれども、私どもは基本的に、厳密な意味で申し上げれば医療法人と医療局との間で今般の契約をしておるわけでございまして、これが医療法人として正式な考えだという形で表明されたのであれば、それはそれなりにまた大変著しい問題が生じるのかなと思っています。
 ただ、今般の一連の御発言については、いずれ1年6カ月、実際に花泉診療所を経営、運営してこられて、その中で看護師とか医師とか、あるいは思ったように患者数が伸びないがために、報道されているように経営上もなかなか大変だとか、いろいろな問題といいましょうか、経営上の課題がいろいろ出ているのだろうなと。そういったところを今般いろいろお話しされているのだろうなというふうに憶測といいますか推測はしておりますけれども、いずれ、なかなか橋本氏との直接のコンタクトがとれませんので、電話で─31日ですか─差し当たり報道された部分の事実確認の形はとりましたけれども、いずれ電話でございましたので、直接やはり御本人と面談した上で、その辺の真意とか、そういうのを確認する必要があるなと思っています。
〇久保孝喜委員 ほとんどそれでは議論にならないというのは先ほど来のお話に出たとおり、結局、今回の事態を受けて、医療局や保健福祉部、県行政全体がモデルとまで言った花泉診療所の民間移管をこの先どういう方向に持っていくのかということを聞きたいがためにこの集中審査をしたんですが、その入り口にすらも入れない、こういうことになるのではないか。
 そういう事実確認をするための会談が、先ほど来の話で実は本日予定していたんだと、こういう話でありますが、何時からどこで、しかもこれは何でキャンセルをしたのか、そこを改めてお聞きします。
〇大槻経営管理課総括課長 法人にお願いした話でございますが、本日2時から法人のシルバーヘルス一関、こちらで、橋本堯夫氏ほか事務のスタッフも含めた格好で面談を予定してございました。
 本日の集中審査の関係もございまして、一たんそれを延期といいますか、改めて日程調整をさせていただくということで申し入れしたものでございます。
〇久保孝喜委員 それはいつの段階で判断したんですか。
〇大槻経営管理課総括課長 集中審査が決まった日でございまして、ちょっと今、日にちは失念しておりますが、審査が決まるということが明らかになったときに延期させていただきました。
〇久保孝喜委員 普通の対応であれば、先ほど来出ているように、ここに集中審査があると。しかもその日にたまたま時間が重なって会談が不可能になったと。ならば、それを午前中に早めるとか、あるいは前の晩にするとか、何かそういう手だてはあったのではないかと。それは相手方の都合ということでお逃げになるつもりですか。
〇大槻経営管理課総括課長 相手方の都合でというお話を先にされておりますが、当初、10月31日月曜日にお会いしたいということで申し入れたところでございます。法人の御都合で11月1日と31日はちょっとお会いできないというお話をされましたので、前に持ってくることが不可能でございまして、改めてという形にさせていただいたものでございます。
〇久保孝喜委員 そこも含めて、私どもとしては、この集中審査に臨む医療局及び県行政の姿勢というものが問われているということが先ほど来お話があったんだろうと思います。
 そこで、もう一つ事実関係をお聞きしたいんですが、報道によればと言うのも残念なんですが、報道によれば、赤字でこれ以上の負担は避けたいというふうにお話をしているという報道がございます。一方で、医療法に基づく決算の書類が既に提出されているということですから、この決算の評価といいますか、全体評価がいわゆる有床を含めたこれまでの診療体制を継続できない状態であったのかどうか、あるいは決算以後の経営も含めてどういう御認識をお持ちなのかお聞きしたいと思います。
〇大槻経営管理課総括課長 赤字でこれ以上の負担は避けたいというお話で、まず私どもで、先ほど嵯峨委員に御答弁申し上げた際に4月、8月というお話がございましたけれども、一関市に対しまして、赤字があるので財政支援等の要請をしたいという要請が口頭であったということが8月と市から承ってございます。
 決算等々につきましては、私どもで見させていただいてございますが、評価という部分については、個別個別の経営状況に関する話に踏み込む話ではございませんけれども、特に私どもで指導助言をした点ということで申し上げますと、入院患者は計画どおりに推移してきたのでございますけれども、外来患者が非常に伸び悩んでいるということで、これがかなり影響が大きいのではないかということを申し上げてございます。
 それから、計画時点から、初年度につきましては診療所運営につきましては赤字にならざるを得ない、創業赤字といいますか、そういった格好になってございますので、その中で努力をされて、計画でも入院、外来が計画どおり進みますと、ある程度数年後には黒字に転換するという計画でございましたので、何とかそういう計画に沿った形で運営していただけるようにお話をしてきたところでございます。
〇久保孝喜委員 8月の段階だったと言いましたか、財政支援の要望が医療局にもあった、こういう話でしたよね。その前段では一関市にもあったという話で、それらを含めて医療局は財政支援という立場ではないという話をしたという答弁だったように思うんですが、その段階でも既にこの法人がどういう姿勢で経営に臨んでいるかということを含めた判断はできただろうと思うんですが、その際の対応はどういうふうになさったんですか。
〇大槻経営管理課総括課長 直接8月の時点で法人からという話ではなくて、市にそういうお話があったと。それが財政支援というお話だけではなくて、例えば市で施設を設置した形で自分たちが受託するというような方法とか、いろいろなお話を口頭でなさったようでございます。このことを市から承っているということでございまして、私ども医療局といたしましても、久保委員御指摘のとおり、私どもで補助金とかそういった財政支援の部分についてはお話ができる立場ではございませんので、市とか、それから保健福祉部と情報共有をさせていただきましてこれまで意見交換をしてきたところでございます。
〇久保孝喜委員 きょう、県にも10月21日に電話をしたという新たな事実が報道されていますが、これについてはどうですか。
〇大槻経営管理課総括課長 10月21日に橋本堯夫氏からお電話が医療局にございまして、そのときに県の支援策というものを24日までに示せと。示した後に今後の対応を考えるという趣旨のお話がございまして、その際には私どもで、医療局は県立病院事業を実施する部署なので、地域医療全般の施策を実施する部署ではないので補助金等の支援策というのは困難であると申し上げまして、それはそのようにお伝えさせていただきましたし、あと、21日、24日という土、日を挟んだお話でもございましたので、そういった部分について正式にお話がない状態で検討するのも御返事するのもなかなか難しいんだろうというお話をさせていただきました。
〇久保孝喜委員 21日にそういう話があって医療法人側が何らかの企業経営の根幹にかかわる話を持ちかけているにもかかわらず、27日の段階の医療局審査でその話は1回も出ていませんよね。なぜですか。
〇大槻経営管理課総括課長 橋本堯夫氏からそういうお電話がございました。しかしながら医療法人では、一方で医師確保、それから入院の再開に向けていろいろな努力をされている最中でございました。そういったこともございましてこれについてはお話をしていないところでございます。
〇久保孝喜委員 いろいろな努力をされている法人がやりたければやる、やりたくなければやめるという話をするのかどうか、その辺の大きな距離感があるわけです、私らからすると。そういう点で事実上も民間移管は破綻をしたのではないかとさえ思われてならないわけですが、知事にお聞きしますが、一連の報道について、医療法人の経営者としてのこの橋本氏の発言、あるいはその後の医療局の対応を含めて知事はどのようにその感想をお持ちですか。
〇達増知事 行政として責任ある対応をとっていくためには、やはり行政側と当事者との間で直接会ってきちんとやりとりをすることが必要だと思っておりまして、医療局と保健福祉部においてその調整をしているということなので、それを待ちたいと思います。
〇久保孝喜委員 どういう感想をお持ちなのかと聞いてもそういうふうにしかお答えいただけない。残念でありますけれども、この問題は、議会においても最終的には民間移管が23対22という際どい票差で議決されるという経過を歩んで、民間移管後も、開催されるたびの委員会でも相当な議論を費やしてきた案件でもございます。
 その際にずっと言われ続けてきたのは、当初の段階では公募のあり方を含めた法人の適格性の問題だったわけです。書類の問題であったり、あるいは公募に至る経過の問題だったり。二つ目は、有床10年というこの契約を担保するに足る信頼性の問題だったわけです、法人に対する。さらに、この民間移管のそもそも論として、民間移管という方法を選択した妥当性の問題、私はこの三つがこれまでの大きな論点だったと思っておりますが、この花泉の民間移管にかかわって、知事は、これまでの議会における論点をどのように整理されているのかお聞きしておきたいと思います。
〇達増知事 先ほど副知事からも申し上げましたが、議会において、さまざまこういう場の設定でありますとか、また、さまざまな質疑でありますとか、そういったことについてはきちっと執行部として対応してまいりましたし、これからも対応してまいる所存でございます。
〇久保孝喜委員 行政トップとして、議論の経過を踏まえ、そして、県行政の方向性なり方針を決めていくという、そのスタンスをずっととり続けてこられたんだと思うんですが、その際に、今こういう事態が起きていると。だとすれば、これまでの議論を振り返って、知事自身がどういう論点の中で、この部分についてはこういう方向で行こうではないかという考え方をお持ちでないのでしょうか。今の段階では。
〇達増知事 議会におけるそれぞれの質問は、それぞれの議員の質問権としてすべて等しく尊重しなければならないと思っておりますので、それに対して、どれはどういう内容だとか、どういう流れがあるとかということを執行部から整理するということについては、控えさせていただきたいと思います。
 また、当該診療所の問題につきましては、医療局の経営計画の中では、二次保健医療圏の中で高度な医療の体制の確保ということも含め、無床化という内容だったわけで、そして、県としてもそれを了としていたわけでありますけれども、花泉の地元の皆さんを中心に、やはりベッドが欲しい、入院体制を確保するためにそういった民間導入ということも、地元の皆さんを初め、一関市当局も、その可能性に、その選択肢をとり、県、医療局ともにセットした中で、先ほどから議論になっているような、10年間有床施設として続けるという約束が交わされているわけですので、その地域の皆さんの期待にもこたえるよう、その方向で調整されるべきと考えています。
〇久保孝喜委員 重ねてお尋ねしますが、それでは、今現在、契約書を取り交わした10年というその文言を、契約の当事者として、この契約そのものをどうしようということは考えない、とりあえずはその契約を履行していただくように、この契約を保持したまま対応していくということでよろしいんですか。
〇達増知事 地域の皆さんが期待しているのもそうだと思いますし、医療局としても、その約束の履行を求める、一日も早く入院できるようにということでさまざま経営指導的なこともあわせながら既にしてきており、また、今回の報道を受けて、その報道の内容に関する事実関係の確認や意思の確認等を別途行わなければならなくなってはいるわけでありますけれども、それとあわせて、きちんと決まったことというのは、それは県や、医療局や、また住民の意思、一関市当局の意思が反映されてできているものでありますから、それを尊重していくことが肝要と考えています。
〇久保孝喜委員 話は堂々めぐりになるわけで、だからこそ、事実確認はこの審議の前段にしておかなかったら意味がなかったということを申し上げたいわけですよね。本当にこれは残念な話であります。
 しかも、議会にとっても、この間のこの花泉案件については、その出発の当初、もちろん議案としての審議もさることながら、地元の皆さん方からの請願審査という過程でも大きな議論を呼んだ案件でもございました。民間移管が果たされてから、なかなか入院対応ができていないということ、あるいは医師の確保ができていないということを心配された住民の方からの請願については、具体的な支援策あるいは事業計画を履行するように求める請願だったわけですが、残念ながら、結果的には、3回の継続をしながら、最終的には委員会では可否同数で、これが委員長判断によって否決をされる、不採択になる、そういう経過をたどった案件でもあったわけですね。
 したがって、これまで議論の中で当局の皆さんがずっと言ってきたのは、先ほど言った三つの論点、的確性の問題、信頼性の問題、妥当性の問題、これに対して終始一貫言ってきたのは、人的支援を含めた支援だと、それから、もう一つは適切な指導、この二つをまさにオウム返しのように繰り返し、繰り返し言ってきたわけです。
 人的な支援、これは、今まで一回でも果たされたことがあるんですか。
〇遠藤医療局長 人的支援という今の御質問の趣旨は、医師の派遣という趣旨でしょうか。4月、当該法人診療所発足当初、諸般の事情があって、常勤医が診療行為等を事実上行っていない状況が続いた中で、医師の人的支援といった話─ちょっと申しわけないですが、質問の趣旨が、恐らく人的支援というのはドクターの派遣という趣旨かと理解して答弁させていただきますけれども─それについては、先ほど御答弁申し上げましたが、基本的に、昨年8月に、請願審査の中で、常勤医が着任しまして、それ以降は入院患者も回復してきて、一定の軌道に乗ったという状況が続いていたという事実がございます。
 それから、外来等、当直等、診療応援についても、医療法人で自前のルートでそれぞれドクター等も確保していたという実情もございまして、そういった経緯もございまして、人的な支援という形の対応は、これまで行ってはおりません。
〇久保孝喜委員 よくおわかりになっていないようですので御紹介申し上げますが、平成21年10月7日の環境福祉委員会の議事録がございます。その中で、さんざんにこの支援のあり方を含めた議論がなされているときに、医療局長が、例えばお医者さんが急にやめられて大変な状況だということが想定されるわけですので、我々とすれば、そういう場合には、県立病院として人的な支援を含めてやりたいと思っていますし、やらなければならないと思っておりますと発言されています。
 さらに、平成21年10月16日、これは決算特別委員会、保健福祉部の審査の際ですが、医療局分で、一時的にさまざまな事情でお医者さんがいらっしゃらないということで、例えばベッドを維持するのが難しくなるとか、そういうケースが想定される、そのときに、きちっとバックアップをして支えていくんだということでございますので、御理解いただきたい、こういうふうに答弁していますね。
 したがって、この花泉問題は、終始一貫あいまいな形での支援策、しかも、発言をし、答弁をした内容とは全く異なる経過をこれまで歩んできたということになりませんか。
〇遠藤医療局長 先ほど答弁申し上げましたとおり、常勤医の関係については、昨年の常勤医が着任して以降、入院患者等々についても対応してきております。それから、診療応援、いわゆる外来等々、そういった形についても、法人で自前のルートでドクターを確保しているという状況にございます。
 したがいまして、民間医療機関への診療応援のスキームといいますか、そういう要領は策定してございますけれども、それを具体的に発動するという状況には、法人側からそういった要請等が出ているわけでもございませんし、県から出しますよという話でもなかろうかと。
 それで、今般、昨年から着任した常勤医が、退職するといった一連の動きの中で、新たな常勤医が来る、そういった一連の中で、入院患者を調整していると法人からは伺っております。
 一方、これも真意を確認する必要があるんですが、新聞報道等においては、看護師がいないから入院患者は受け入れられないという報道もなされておりますし、その中で、ドクターがいないから入院患者が受け入れられないという形での発言等は見当たらないところでございまして、そういった中で考えていただければと思います。
〇久保孝喜委員 何のためにこうやって議論しているのかということさえ、もう見失うほどの今の答弁ですよ。結局、民間移管をしました、しかし、契約当事者が、何らかの財政的支援がなければもうやめるとまで言って、しかもこういう事態になっているわけでしょう。その契約当事者が一方でそうなのに、それを集中審査しようと決めているのに、その事実確認もないまま、ここに並んでお座りになって答弁なさっている。そういう姿勢も含めて、そもそもこの集中審査の前提がない中でやることは、冒頭お話ししたとおり、私は大変遺憾なことだと思うわけです。
 時間が来ましたのでやめますけれども、今回のこの審査は、引き続き、県側の事実確認と、そして方向性が明示されない限り、終結することはできない案件になってしまっているということを申し上げておきたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、まず最初に、花泉診療所の常勤医師、管理者不在、入院患者不在に至る事実経過についてお聞きしたい。
 医療局は、7月に常勤医師、管理者が退職の意向だということを把握していたと。8月下旬から新規の入院患者を調整していたと私の質問に答えています。だれから管理者の退職の意向を把握したのか。知事は、こういう経過を報告されていたでしょうか。
〇大槻経営管理課総括課長 管理者が退職の意向であるということにつきましては、7月にお邪魔した際に、常勤医師が退職の意向を持っているが慰留しているという内容のお話を、法人事務局の方からお聞きいたしました。(斉藤信委員「だれから聞いているんだよ」と呼ぶ)法人の事務局の方でございます。
 それから、その後、随時、電話により、その状況を伺っているものでございます。
〇達増知事 今、経営管理課総括課長が答えた内容について、私は、10月14日に聞いたところであります。
〇斉藤信委員 事実、7月の入院患者は1日平均9人、8月は7人、そして9月は2人になりまして、10月は1人でしたね。実は、この最後の1人はどうなったかというと、シルバーヘルス一関に強制的に転院させられた。先日亡くなりました。夜中に亡くなって、医者が立ち会っていない。ここにも管理者がいるのですよ、医者の。翌朝ですよ、死亡診断書を書いたのは。それが、こういう事態が実は2例続いたと。
 保健所の担当に聞くけれども、これは正常なことですか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 医師の死亡診断書の関係につきましては、そのときに主治医たる者がきちんと診断をしていれば、時系列的に判断されればいいとされているものであると認識してございます。
 委員御指摘の老健施設での事例につきましては、保健所では把握してございませんが、そこら辺につきましては、きちんと詳細を把握した上で評価すべきものではないかと考えております。
〇斉藤信委員 入院患者が無理やり転院されて、こういう事態が起きている。そして、そういう事態が起きたにもかかわらず、夜10時に亡くなったのに、医者が立ち会わず、電話をかけても出てこない。死亡診断書を書いたのは翌朝ですよ。これが2例続いたと。これが、シルバーヘルス一関、医療法人白光の実態ですよ。
 それで、では、管理者が交代したと言うけれども、管理者の勤務は今どうなっていますか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 保健所に管理者の変更の届がございましたので、その観点の事実だけ御報告させていただきます。
 管理者の変更届につきましては、10月19日に変更に係る届が出されまして、同日受理したところでございます。
 また、現在の状況でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたが、一関保健所が当該診療所に昨日確認したところ、現在の管理者につきましては、10月中は週4日勤務体制、月、火のみの勤務となっており、金、土は休暇を取得していること、11月からは週4日勤務体制となると説明を受けたところでございまして、保健所から診療所の運営管理責任を適切に果たすよう注意を喚起したところでございます。
〇斉藤信委員 私が医療局からいただきました勤務表です。これは、10月21日の医師体制、常勤の医師は、勤務実態が月、火、金ですよ。これで管理者の責任を果たせるんですか。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 医師の体制等につきましては、医療法上、個別の病院、診療所から逐一状況を確認することにはなってございませんが、管理の体制につきましては、管理者として、医師として勤務をすること、また、常勤医師として管理をしていくこと等が定められていると理解しております。
〇斉藤信委員 だから、私は、週3日の勤務体制で管理者の責任が果たせるかと聞いたんですよ。果たしていないでしょう。何回も聞かせるなよ。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 管理の体制でございますが、管理者の勤務は、一時的に、例えば休暇や病気等によりまして体調が悪いということで管理者がその勤務をなさないということはあり得ることでございまして、そのことをもって直ちに医療法に反するとは考えてございませんが、これが当面、非常に引き続くといったようなことになれば、きちんと適切に指導していくということでございます。
〇斉藤信委員 先ほど課長は、週4日、月、火、金、土と言った。土曜日は今、診療日になっていないんですよ。今は月から金ですよね。だから金、土は休暇だと。だったら2日しか勤務していない。これが管理者なんですか。
 管理者という人は、今まで非常勤で来た人が管理者になったんですか、新しい人がなったんですか。そこを示してください。
〇野原医療推進課総括課長兼医師支援推進監 私ども管理者の情報を確認しましたところ、これまで勤務していた方が、新たに管理者になったと理解してございます。
〇斉藤信委員 だから、非常勤の医師が常勤に名前を変えただけで、実態は変わっていないんですよ。医療局長はこの実態を聞いていますか。把握していますか。名前と年齢を聞いていますか。
〇遠藤医療局長 管理者の届け出が保健所に出されているということで、その内容については了知しております。
〇斉藤信委員 そんな無責任なことだから、こんな事態に陥ったときに、そんな無責任な医療局長だから対応できないんですよ。いいですか、医師は、やめると言ったのは7月なんですよ。8月からもう入院をやめているんですよ。そして、ついにやめてしまった。こんな非常事態で、だれが次の管理者になるのか、あなた方は、厳格にそれに対応しなかったらだめでしょう。今、実態は、この花泉診療所は管理者不在なんです。これが1年数カ月の花泉診療所の実態ですよ。
 それで、私は、まず知事にお聞きしたい。この新聞報道について、私は、大体同じような中身を決算特別委員会で聞きました。私の独自調査でこういう実態を把握しておりました。しかし、改めて新聞でこういうふうに報道されると、これは重みが違います。
 特に今後は入院患者は受け入れられない、11月にも外来も経営もやめたいと、完全な居直りですよ、責任放棄ですよ。知事は、この発言をどういうふうに受けとめましたか。
〇達増知事 行政として責任ある対応をとるためには、きちんと当事者と直接会って、情報の確認、意思の確認をすべきと考えております。
〇斉藤信委員 私は、議会でもこのことを指摘したし、新聞報道でも同じ趣旨の中身が当人の発言として出たのですよ。当人の発言として。第三者じゃないんですよ、これ。確認しなくてもわかるじゃないですか。知事、これだけテレビにも出て、新聞にも出た中身を、確認しなければわからないんですか。
〇達増知事 第三者の伝聞によって判断すべき内容ではないと考えておりまして、そこは、医療局、また保健福祉部において、きちんと当事者の意思あるいは事実関係を確認すると。また、現段階で事務当局から確認しているところでは、常勤医師の交代ということで入院を控えているが、入院を再開できるよう努力しているということが正式には県に伝わっているところなので、その確認も含めてしなければならないと考えています。
〇斉藤信委員 医療局長、入院を回復させるために努力しているとだれが言ったのですか。
〇遠藤医療局長 医療法人の担当、職名は法人局長でございます。
〇斉藤信委員 会長が発言しているときに、法人局長に聞いたってどうしようもないのではないでしょうか。その上司が発言しているんですよ。
 それで、私が不思議なのは、何で理事長が出てこないんですか。法人の理事長は全然出てこない。あなた方も法人の理事長に会おうとしない。何なんですか、これは。法人の理事長は対応能力がないんですか、責任能力がないんですか。理事長にどういうふうにこの間対応してきましたか。
〇遠藤医療局長 私はお会いしたことがございませんが、医療法人は一つの経営体でございますので、それぞれの課題、テーマについて、医療法人の理事である、─委員は会長とおっしゃっていましたけれども、その表現をかりれば、会長が対応されるのか、あるいは理事長が対応されるのか、それは医療法人の中での役割分担と申しましょうか、そういった対応ではなかろうかと思います。
〇斉藤信委員 医療法人の理事長といったら、県でいけば知事ですよ。理事は、ただの部長なんですよ。知事と部長ぐらい違うんですよ、理事と理事長というのは。理事長というのは、そういう責任がある人なんですよ。そういう人が責任がないというのだったら、それは、それが医療法人白光の実態なのです。責任者が責任能力がないということでしょう。全然出てこない。あなた方もそれで対応しようとしていない。そんなばかな話はないでしょう。そういう医療法人なんですか。理事長が責任持って対応できない、それが実態ですか。
〇遠藤医療局長 先ほど申し上げましたとおり、それぞれの法人の執行組織と申しましょうか、そういった中で、どういった分担で業務を遂行するかというのは、それは、法人固有の運営の仕方だろうと思っております。
 それから、あえて申し上げますれば、確かに、理事長の発言は、今般の新聞報道等に出ておりません。委員おっしゃるとおり、医療法人においては理事長が基本的な執行機関を代表する立場にございます。理事は、そういう意味では、法人を代表するというか、そういった立場にはございませんので、今いろいろ巷間、新聞等で報道等されていますのは、理事の橋本氏の発言でございます。いずれ私どもとしては、医療法人の真意が何なのかということについては、今後確認していきたいと思っております。
〇斉藤信委員 医療法人がそういう実態だということを、私は、死亡例も含めて指摘をいたしました。私は一貫して、この医療法人の信頼性が問われているとまで言ってきた。
 例えば老健について、あの地域の介護関係者は何と言っているか。老健施設で一番評判の悪い施設だと。医療関係者は何と言っていたか、あそこにだけはやらせてほしくない、これが実態を知っている人の発言でしたよ。
 それで、実はこの間の新聞報道で一番重大なのは、コンペに出てくれと言うから出たんだ、頼まれたからやったんだと、これですよ。いいですか、医療局長、頼んだことがありますか、ないですか、はっきり答えてください。
〇遠藤医療局長 どういう趣旨でそのような発言をされているのかわかりませんが、私というより、医療局で頼んだということはないと考えております。
〇斉藤信委員 実は、この医療法人白光は、3年前の12月に民間移管の方針を持ったんです。そして、一昨年の1月18日の新聞に、医療法人白光が、まだ無床化も決まっていない時期に、民間移管をやりますと手を上げたんですよ。公募があったら私たちは必ず公募に手を出します、これが1月18日の報道ですよ。2月の時点でこの会長は、花泉地域診療センターは私たちがやることになったと第三者に話しています。これは、医療法人だけでは絶対に言えないことですよ。違いますか。
〇遠藤医療局長 民間の医療法人がどういった定款の変更をされるかどうかということについては、私のほうでは了知しておりません。
〇斉藤信委員 では、もう一つ言いましょう。2月の段階で、もう既に花泉地域診療センターは白光がやることになったと第三者に話したと。そして、3月6日に、この医療法人は定款を変更したんです。3月6日ですよ。4月から無床化になった。診療所運営ということを定款に入れたのです。そして、4月に無床化されて、もう6月の医療懇談会で民間移管の方針を決めるんです。7月31日から8月25日に公募して、8月25日に申請をした。申請したのは医療法人白光だけだった。全く経過は、医療法人白光ありきのシナリオで進んだのではないか。それ以外に考えられないじゃないですか。医療局長。
〇遠藤医療局長 ビジネスチャンスと申しましょうか、いろいろな動きがあるときに、事前にそういった準備行為をして臨むというのは、民間の経営においては通常あることでございますので、委員の御指摘のような見方も委員としてはおありかと思いますが、通常の準備行為をやられたのかなと思います。
〇斉藤信委員 では、もう一回聞きましょう。知事は、実はこの新聞報道の前の12月にシルバーヘルス一関に電話をかけて、会長に電話をかけましたね。そして、1月に新聞報道が出てから、医療局は、この医療法人と何度も話し合っているんですよ。何度も話し合っているでしょう。そういう中で、無床化からわずかもう2カ月、3カ月で民間移管が決められていくのですよ。この経過は違いますか、知事。
〇達増知事 電話云々については、前にも議会のどこかで質問を受けたと思いますけれども、そういう事実はありません。
〇斉藤信委員 医療局長に聞いてみて。1月から話し合ったんでしょう。質問を聞いていないの。知らないのか。
〇遠藤医療局長 失礼いたしました。
 無床化の一連の流れの中で、民間移管とかといった議論もされてきた経緯もございますので、そうした中で、やってみたいという法人があれば、それは一切受け付けないとかそういうお話ではないと思いますので、そういう御希望のある医療法人等、あるいは社会福祉法人等がございますれば、それは、事前にお話を伺うことは、業務の中では通常あることだろうと思っています。
〇斉藤信委員 これは、平成21年1月28日の岩手日報の報道ですけれども、当時の田村医療局長は、具体的な内容を聞いてから、市とも相談した上で検討したい。仮にその業者が手を上げるのならば、新経営計画案がまとまる2月中以降に公募の手続に入ることになるだろう。当時の医療局長がここまで話しているんですよ。もう医療法人白光目当ての民間移管を相談しながら進められたということじゃないですか。違いますか。
〇遠藤医療局長 そういった、委員指摘のような前提で進められたものとは理解しておりません。
〇斉藤信委員 ただ否定するだけでは意味はないですよ。大体、この1月というのは、無床化に反対して、県立地域診療センターを守ってほしいと花泉で5、000人の署名が集まっているときですよ。無床化を許すか許さないかが問題になっているときに民間移管の話をしているんですよ。これが異常だということです。
 そして、もう一つ異常なのは、大体一つの有床診療所をやるときに、7月31日に公募して、締め切りが8月25日。26日間で、医師を確保して、見通しを立てて、手を上げられる医療法人がありますか。医療局長、あると思いますか。
〇遠藤医療局長 移管に当たっての手続というのは、それぞれ地域の懇談会とかといったものを開いて、手順を踏んで進めてきたという経緯もございます。それから、そういう短期間でそのような公募に応募してくる法人があるかということについては、医療法人白光が応募してきたということでございます。
〇斉藤信委員 だから、ほかの一般の良識のある医療法人は、26日の間で医師を確保して、来年の4月から有床診療所をやるなんていう準備はできないのです。医師不足の中で、そんなことはできないですよ。だから、もうこれは完全な出来レースだった。ところが、この出来レースは、出来の悪いのが相手だった。
 医療法人白光は、8月25日に事業計画を出しました。このときの医師、常勤医師2名、非常勤医師3名、1カ月後の9月定例会で議論したときには全部変わっていました。医師確保の計画は全くでたらめだったと。それを確認したい。
〇大槻経営管理課総括課長 当時の審査の中で、医師については、一つは、ヒアリングの際に法人側からお医者さんの年齢をお伺いいたしました。その後、事業計画書の中で医師の2人ということで、それについても名前を隠した形で最初いただいたと記憶してございます。そういったことで、9月定例会の時点で、そのお医者さんのお名前が一部変わっていたということは、そのとおり事実でございまして、そこの部分については、医師確保の過程で生じた話だと考えてございます。
〇斉藤信委員 一部じゃない、5人みんな違っていたんですよ。年齢がみんな違っていました。だめです、そんなでたらめな答弁をしたら。
 それで、いいですか、その8月25日のものを、8月27日にヒアリングして、8月31日に選考した。医師確保の見通しが明るいから認めたんですよ。これが真っ赤なうそだったら選考されなかったのですよ。あなた方の公募条件に、虚偽の内容があったらこの申請はもうやめにするとなっているじゃないですか。事実は、虚偽の報告であなた方をだましたということになりませんか。
〇大槻経営管理課総括課長 公募に際しまして、虚偽ということではなく、先ほど委員御指摘の、私のほうでお話がちょっと食い違っていたという部分でございますけれども、最初にヒアリングをした際には、お医者さんの年齢だけを口頭でお伺いしたところでございます。口頭でお伺いしたお話でございますので、年齢についての若干のそごは生じることもあろうかと思います。
 事業計画の中では、具体的なお医者さんの名前を出していただいてございます。その後もございましたけれども、実際に契約をするまでの間に、その後も、お医者さんの変更は実際ございました。それは、実際に法人の医師の確保の中でのお話かと思っております。
〇斉藤信委員 でたらめを言ってはだめです。いいですか、最初、事業計画を公募で申請したときに、9月2日の地元の懇談会で報告しているんです。常勤医師、36歳、42歳、非常勤医師、67歳、70歳。いいですか、地域の懇談会で、こういう医師が確保されたと報告しているんですよ。9月定例会のときに履歴書が出された。そのときの年齢は、常勤医師、75歳、35歳、非常勤医師、48歳、36歳、37歳、一人も合っていない。これは、公募の事業計画を偽造したということでしょう。違いますか。
〇大槻経営管理課総括課長 9月2日の懇談会の際に年齢についてはお話を申し上げましたが、ヒアリングの際に、法人側から口頭で承った年齢をそのまま申し上げたものでございます。基本的に、9月の時点で履歴書を議会にお出しいたしましたが、その履歴書が正しいものと考えてございます。
〇斉藤信委員 今、重大な発言をしましたよ。9月議会のほうが正しいと。事業申請書は偽りだったと。偽った公募で医療法人は決まったのですよ。これは本当に重大だ。これが誤りの出発点でした。
 4月からスタートするときに、3月25日に改めて事業計画書を提出した。このときに、常勤医師は内科系2名、非常勤医師は外科系3名。それを受けて3月29日にあなた方は賃貸借契約をしているのですよ。しかし、4月からこの常勤医師、内科系2名はいましたか。いなかったじゃないですか。7月まで、診療する常勤医師、管理者は、事実上不在だった。違いますか。
〇大槻経営管理課総括課長 まず、事業実施の4月からのお話でございますけれども、3月の時点で、契約する前に、それぞれの常勤医2人、非常勤医3人の履歴書はいただいたところでございます。その後、4月のスタートの時点で、常勤医が1人、それから非常勤医が5人という体制でスタートという格好になったのでございますけれども、その後、7月までの間については、そこにいらっしゃいました常勤医が、途中で体調不良になりまして、おいでになれないという状況が生じたものと考えてございます。
〇斉藤信委員 3月25日に内科系の常勤医師を2人確保したと。しかし、4月から出てこなかったんですよ。体調不良というけれども、最初から体調不良。最初からですよ。だれ一人診療していないんですよ。名前だけだった。だから、事実上、管理者不在だったんです。このときもごまかしたんですよ。事業計画をごまかして、あなた方は賃貸借契約を結んだ。これだけだまされて、この医療法人を信用しろって、できますか。
 知事、申請書類もごまかした、去年契約する3月25日の事業計画もごまかした、こういう医療法人を信頼しろと言うのは無理じゃないでしょうか。いかがですか。
〇達増知事 医療局の対応については、医療局の経営の範囲内で、経営判断として適切に対応していたと考えます。
〇斉藤信委員 これは適切じゃないんですよ。これはもう共犯になるんですよ。だました医療法人と医療局は、一体となって、この異常な事態を隠してきたと。今、隠し切れなくなったというだけの話なんですよ。私は、本当にこれは重大だと思う。
 それで、新聞報道でも私も聞いているけれども、赤字が6、000万円でとてもやれないと。これは、私は極めて重要な事実だと思う。収支決算報告書、大体これは合っていますか。大体これだけの赤字だったら、やっていけないのではないですか。病院に対する、医師に対する信頼もなくなっているわけだから、私は、ここに頑張ってやらせるんだというのは無理な話だと思いますけれども、いかがですか。
〇遠藤医療局長 経営上の収支については、決算書類等をいただいておりますけれども、これは、契約書に基づきまして、長期の事業の継続性という観点でいただいているものであります。
 それから、6、000万円の赤字ということを発言されているという報道は承知しておりますけれども、それが6、000万円なのかどうかということについては、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 私は、もう医師確保という点でも破たんしているし、信頼性もなくなっているし、経営的にも破たんしたら、ここにやれと言ったって無理だと思いますよ。やはり信頼ある医療法人を本格的に探すとか、その間は県が責任を持つとか、そういうことをやらなかったら、こういうごまかしにごまかしてきた医療法人に期待するなんていうのは、無理なことじゃないでしょうか。
 家賃の賃貸料は毎月払いになっていますけれども、これはきちんと入っていますか。
〇大槻経営管理課総括課長 賃貸料でございます。昨年分につきましては、4月分が納入されてございますけれども、5月分以降につきましては未納となってございまして、法人と支払い方法等について協議をしているところでございます。
〇斉藤信委員 もう家賃も払えなくなっているということですね。
 もう時間ですから、最後に私は知事にお聞きをしたい。
 この医療法人白光が民間移管を受けるというこの経過、そして事業計画、実施後の実態、これで本当に任せられるのかと。県立花泉地域診療センターは、戦後50年以上にわたって地域医療を守ってきた、それを廃止して任せたんですよ。私は、この重みをしっかり受けとめて、責任ある対応を知事を先頭にすべきだと思いますけれども、最後に、知事のしっかりした所感をお聞きしたい。
〇達増知事 医療局の新しい計画の中で花泉診療所無床化ということになり、県もそれを了としたわけでありますけれども、地域の皆さんの有床、ベッドへの強い要望、また、一関市からも同様の要望があり、そして、関係者が協議する中で、県の無床診療所として存続するよりも、民間の力で有床で存続させたいという思いが、この10年間有床診療所として存続するという契約に実っているわけであり、かつ、その間、入院できる診療所として入院の実績もあり、また外来の実績もあるわけですから、これをしっかり10年間続けることができるようにするということが基本と考えております
〇小泉光男委員 今まで、諸先輩の委員の議論あるいは、私もこれまで、過去に議会でこの問題が上げられた部分の議事録をできるだけ読ませてもらいました。その点で、今の整理も含めて、皆さんでまたもう一度確認したいと思います。
 その前に、無医村といいますか、今、僻地という言葉が使われるのだそうですけれども、僻地に医師を手当てして、ずっと診療してもらうことの大変さは、本当に医療局の皆さん、御尽力なさっていると思います。
 田野畑村の無医村に医者を何としても呼ぼうという吉村昭の梅の蕾という小説を読まれた方もいらっしゃると思いますけれども、本当にこれは、地域医療の問題と、そこでの地方自治体の奮闘が小説になって、最後、私はとても涙なくして読めない本でございます。ぜひ、議員の皆様も、少しヒートアップせずに、まず、この本を、短編でございますので、お目通しをしていただきたいということを申し上げます。
 それで、まず、少し時間をちょうだいしましたので、整理をしたいと思います。
 本件は、今、皆様がおっしゃったようなことが事実でしょうけれども、私は、まず、この場合の契約の本旨はどこにあったのか、何だったのかという部分を知りたいと思っております。本当に単なる土地の使用貸借と建物の賃貸借契約でやってくださいという契約だったのか、そうではなくて、白光という法人もやれるだけやる、県もサポートして、民間に先駆的に移した病院経営をともにやっていこうというような申し合わせ、背景があったとすれば、必ずしも、向こうの法人だけを責めることはできないし、五十何年も花泉診療所がうまくいかない、赤字だ、何とかして地域医療を残して有床にもできるようにするために知恵を出し合おうということであったとすれば、私は、単なる診療所の賃貸契約ではなくて、診療所の共同運用契約なる意味合いがあったととらえたいと思っています。
 先ほど医療局長が、契約前の準備行為なんかもあったということですけれども、このような契約には、契約締結準備行為ということで、契約書は案外あっさりしたもの、あるいは、文字ではつまらない法律用語を羅列するけれども、実際には、その前の折衝段階、本件で言えば、公募案件からの前後の契約締結準備行為の中で、お二方、契約当事者同士、そういった目的のもとに、何とか地域医療の灯を消すまいという背景があってやったのではないか、そういうものがあったのではないか。
 だとすれば、私は、先ほどの単なる建物のあれではなくて、お互いにこの診療所を支えていこうと。久保委員が話されましたけれども、議会の答弁にも、田村前局長は、人的な支援も含めてそういった対応をしていくのだということは、私は2月定例会の時点から申し上げておりますという議事録から含めても、やっぱり背景には、そういった部分を酌まなければいけないと思っているところです。ですから、契約の本旨を私は知りたいということですね。
 そういった意味では、実際にその字面となってくる契約の骨格というのは、恐らく10年間、有床の診療所をやりましょうという内容になっているんでしょう。しかし、さっき言いましたような契約締結準備行為の一貫した契約の本旨を一番重要にとらえていかないと、本件は解決にならない。
 したがって、そういう契約の本旨をつかまえれば、委員の中から、債務不履行だという部分でいきなり言いましたけれども、債務不履行の中にも、民法的には三つぐらいあると言われていますよね。履行不能だ、あるいは履行遅滞だ、それから不完全履行だと。
 本件の白光という医療法人は、債務不履行の中でも、不完全履行かもしれません。それは、1から10まであるうちの10が一番いいけれども、たまたまいろいろな事情で2とか3しかやっていなくて、それが県民へのサービスという意味で非常に見劣りするものであるかもしれません。でも、それが不完全履行であるとするなれば、直ちに債務不履行ということで騒ぐのではなくて、治癒できないか、追完できる不完全履行ではないかというような側面からの検討も必要だろうと思います。
 ここまでの中で、局長のお考えをお聞きしたいと思います。
〇遠藤医療局長 まさに委員御指摘のとおりでございます。今般の花泉診療所につきましては、もともと休床化ということでベッドがなくなると、これはもう医療局で決定しておりましたので、そうした中で、やはり地域でベッドが必要だという地元の声が上がりまして、私ども直営ではそれは難しいということで、民間のノウハウの活用ということで、公募でそういった形をとってきたと。
 当然、地域の声にこたえる形でそういう形態をとってまいりましたので、もちろん、これは議会の皆様方も全く同じ気持ちだと思っているんですが、やはり地域の医療を支えるんだと。私ども県直営ではできないけれども、民間の手法があるのであれば、何とかベッドを維持してほしい、これは議員の皆さんもひとしくそういうお考えだろうと思っております。
 それに当たって、契約書上は、確かに委員御指摘のとおり、極めてシンプルな契約書になっておりますけれども、公募を開始した経緯、あるいはその公募に至った経緯とか、そういったもろもろのもの、当然公募で、一般の医療法人全般に公募をかけておりますので、それぞれの公募に応じてくる法人というのは、そういった趣旨も理解した上で応募してくるということでございます。
 県の準備行為として公募手続を行いますし、一方、法人は法人として、これは別に、すり合わせをするとかということではなくて、公募の中で、こういう趣旨ですよというのは一般に知らしめておりますので、あとは、医療法人は医療法人で、それにあわせた自前の、みずからの準備行為を行ってやっていく、そういう手続で今日に至っているということでございます。
 それから、私も先ほどの債務不履行かという答弁の中で、委員が言われたように、強いて言えば不完全履行かなという感じで言おうと思ったんですが、ちょっと余りマニアックな表現なので、その表現は避けましたけれども、まさに委員御指摘のとおり、今の状況というのは、そういった、履行はしているんだけれども十分ではない、法律的に言えばそういった形態であろうと私も理解しております。
〇小泉光男委員 したがって、その契約書を私も見ておりませんけれども、あるいは入っていなければですが、恐らく、県の努力義務というものも向こうの当事者はあると理解していると思います。新聞などの記事を読みますと。そういう努力義務をずっと果たしてまいりますのでよろしくというものが背景にあってきている感じがするので、そのように、私は、皆様と見方がちょっと違うかなということで聞かせてもらいました。
 ただ、やはり契約当事者は県と白光という法人ですけれども、契約効果が及ぶのは県民なんです。県民医療のサービスという観点からすれば、やっぱり大きく見劣っておりますので、お互いによかれと思ってやり始めたことのボタンのかけ違いがあった、いろいろあるんでしょう。だとすれば、やっぱり県民にいい診療サービスの効果が反映するように、もう一遍ここでボタンを整然と直して、そして、やっぱり信頼関係の破壊を取り戻す、信頼関係を構築していく方策はないのかという観点を、医療局の仕事をさせてもらえば、私なら、そういう観点で努力もしてみたいとも思っております。
 この件について、知事の所見をお伺いして、私の質問とさせていただきます。
〇達増知事 そういう意味で、この第三者が、メディア等が、だれそれがこう言っているということに基づいて直ちに判断を下すべきではないと思っておりまして、当事者と、行政と当該法人との間できちんとしたやりとりをし、その中で事実関係、そして意思の確認をきちんとやっていく。その中で、行政側、県、そしてまた、直接的には、医療局としては、県民の医療、地域医療を守るために最善を尽くすという、そのスタンスを失わなければ、悪いようにはならないと考えております。
〇高橋昌造委員長 以上で花泉診療所事案に係る集中審査を終わります。
 執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労様でした。
 次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において、世話人の方々で御協議を願い、その結果を待って、委員会を開き、結論を出すことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」、「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 我々は、世話人会を傍聴もできませんし、オブザーバーでもありませんし、意見を申し上げる機会もありませんので、その取り扱いについて意見を申し上げたいと存じます。
 本日、集中審査もございました。今の一連の質疑の中で明らかになったとおり、平成22年度一般会計決算議案、認定第4号ですか、あとは、医療局の病院事業等会計決算、認定第1号につきましては、現状で審議は不十分でありますので、継続審査にしていただきたいということを取り扱いとして、意見として申し上げますので、世話人会において御協議いただきますようにお願いします。
〇高橋昌造委員長 それでは、ただいまの及川あつし委員の発言を含めて世話人の方々で協議をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、そのほかにございませんか。よろしいですか。
 それでは、この際、意見の取りまとめのため、暫時休憩いたします。
   午後5時25分 休 憩
午後7時12分 再開
〇高橋昌造委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 当委員会に付託されました決算15件について、世話人の方々で協議した結果を御報告申し上げます。
 認定第1号平成22年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第4号平成22年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、今回の花泉診療所事案に関し、事実関係の確認等になお時間を要すると認められ、認定の可否について、現時点では判断することは困難と考えられることから、継続審査とすることで意見が一致したところであり、認定第2号、認定第3号及び認定第5号から認定第15号までは、認定することといたした次第であります。
 これより採決いたします。
 お諮りします。認定第1号及び認定第4号については、継続審査とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇高橋昌造委員長 起立全員であります。よって、認定第1号及び認定第4号については、継続審査とすることに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第3号について賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇高橋昌造委員長 起立多数であります。よって、認定第3号については、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号及び認定第5号から認定第15号までの12件について賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇高橋昌造委員長 起立全員であります。よって、認定第2号及び認定第5号から認定第15号までの12件については、認定することに決定いたしました。
 なお、ただいま継続審査と決定いたしました認定第1号平成22年度岩手県立病院等事業会計決算及び認定第4号平成22年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、別途、議長に対し、閉会中の継続審査の申し出を行うこととしますので、御了承願います。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。大変御苦労さまでした。(拍手)
   午後7時15分 散会

前へ 次へ