平成23年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇15番(久保孝喜君) 社民党の久保孝喜でございます。
 花泉事案にかかわって緊急質問をいたします。
 社会福祉法人の理事会が昨日開催されて、医療法人の会長を務める理事長が資料を配付して、これまでの経過の概要について説明を行ったということでありまして、その一部が本日報道されたところでございます。
 昨日の理事会で配付された資料に基づいて、緊急に質問をさせていただきたいと思います。
 第1点目は、公募以前の当該法人との関与についてでありますが、既に嵯峨議員、及川議員からこの点については質問がございました。あえて、この点で、知事を含めて医療局長も、そうした事実がないという答弁をいたしておりますが、事は、行政事務の適否に関する疑義が今提示をされているということでありますから、当然のことながら、先ほど来ある、行政としてのあるいは知事としての抗議なり、あるいは法的対抗措置なりをとられる可能性について、この際、言及をすべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
 第2点目、施設の賃借料及び医療器械の譲渡についてお伺いをいたします。
 1点目は、賃借料や器械代金に係る便宜的対応の事実がなかったかということについてであります。
 この点について、昨日の配付された資料によれば、賃借料については、医療局を交えた話の中で、家賃の問題については、当初、本契約をするときの4分の1の契約で、半年ぐらいでもとに戻す。しかし、すぐに黒字にならないので、再度黒字になったときに正式な家賃の契約を決めます。それまでは暫定的な措置を講じますとお話をいただきましたと記されてございます。事実はどうなんでしょうか、お尋ねをいたします。
 医療器械の問題について、医療器械に関しては1、000万円で県から譲渡を受けたが、県は、支払いは、特段支払いの期日を定めていませんでした。黒字になってから支払ってくださいと、医療局長から口頭の約束をいただいていました。(契約の2カ月前ぐらい。)
 このように、当該法人の主張が、これまで議会において説明をされた当局の答弁と、著しくそごを来たしております。この点についての明白な事実はどうだったのかを明らかにしていただきたいと思います。
 3点目は、天下りの要請についてという問題であります。
 昨日の配付資料によれば、県は、退職した職員を採用してほしいと話されて、その職員を採用し、法人が引き受けされたのは事実ですと、このように記されてございます。退職した県職員の採用を依頼したという事実はあるんでしょうか。あるいは、退職県職員が当該法人に現に就職をしているという事実はあるんでありましょうか、明確にお答えをいただきたいと思います。
 答弁によって再質問をさせていただきます。
   〔医療局長遠藤達雄君登壇〕
〇医療局長(遠藤達雄君) 賃借料の関係でございますけれども、どのような発言をされているのかちょっとわかりかねるんですが、賃借料につきましては、公募時に2分の1がベースなんですけれども、最初の年は4分の1、2年目が2分の1という形で減免措置を講じますよというのは、公募時にもそういった形で公告も出しておりますし、契約上もそういった取り扱いをしてきているところでございます。
 それから、医療器械についてでございますけれども、総額1、000万円余でございますけれども、これについても売買いたしまして、支払いについては、これは平成22年4月に所定契約等を行っている、調定等を行っているんですけれども、支払いについては500万円、500万円単位で、2回に分けて納付するといった形の契約を行っております。その辺のところの解釈が、そういった言い回しに多分なっているのではないのかなと、そこは推測いたします。
 それから、退職した職員の採用の関係でございますけれども、恐らく言われているのは、私どもの平成20年度末に退職された職員が、その1年後、恐らく診療所を開設したときに医療法人のほうで採用されているのではないかと思いますけれども、退職後の職員のそういった詳細については私ども把握しておりませんので、いずれ、私どものほうで紹介したとか引き受けてくれと頼んだとか、そういった事実はございません。
〇15番(久保孝喜君) 答弁をいただきましたけれども、最初の問題で、これまで嵯峨議員、及川議員が指摘をされた事前の関与の問題について私も通告をしておりましたが、これまでの答弁では、いずれもないと、こういう答弁でした。しかし、登壇で指摘をしたように、行政事務の適否に関する疑義の問題でありますから、この際、行政体としてあるいは知事としてこれは明確な対抗措置などを含めてとらないと、こうした疑念がひとり歩きをしていくということが懸念をされるわけですが、その可能性についてお答えをいただきたいと思います。
 それから、この問題は、これまでも議会で大変なエネルギーを費やして議論を続けてきた課題でありますが、昨日までの議論の中でも、医療局を含めて当局側の十分な指導監督体制、対応というのがなかったということがるる議員からも指摘され、その内容が明らかになってきていたわけであります。そのあげくにきょうの報道、そして昨日来の当該法人の主張といいますか、言い分といいますか、それが明らかになったと。殊さらに、この問題点の本質は、この公募以前に、県行政としてあるいは県職員が関与をしていたのではないかという、大きな疑問が今提示されているわけであります。
 その点でお尋ねしたいと思うんですが、例えば、こうした契約前に、契約の相手方と事前にさまざまな関与をするという関係性は不適切だという社会状況の世論の変化の中で制定をされた法律がございます。入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律。これは通常、官製談合防止法と言われておりますが、この防止法の中では、このようにうたっております。
 契約の相手方となるべき者をあらかじめ指名することその他特定の者を契約の相手方となるべき者として希望する旨の意向をあらかじめ教示し、又は示唆すること。これはまさに、この法律上は犯してはならない内容として法文の中に記されているものであります。
 こうした趣旨からすれば、今回の事案について言えば、公募前に何らかの接触があるという主張が一方である。一方では全くないと言っている。そういう点で、この当該法人の主張あるいは申し立てをしている今の内容が事実だとすれば、当然のことながら、こうした官製談合防止法や地方自治法あるいは地方公務員法などに抵触することになりはしないかという点で、その見解をお伺いいたすものでございます。
〇知事(達増拓也君) 法人関係者の発言に関して疑念が持たれるのではないかということに関しては、この場で明確に否定させていただきます。疑念は否定させていただきます。
 それを法人とのやりとりの中で解決すべきではないかということについては、これは、法人とのやりとりはあくまで県民本位に、花泉地域を含め県民の医療の確保ということを目的にやりとりしていくものでありますので、そうした形で、県民にとってベストのやりとりが行われていくべきものと考えます。
 また、疑念について明確に否定させていただいた以上、法的問題もございません。
〇総務部長(加藤主税君) 入札談合防止法あるいは地方自治法、地方公務員法の関係のお話がありました。制度のお話ということで、私のほうから答弁させていただきます。
 一般論として申し上げますれば、契約相手方を事前に教示するとか示唆するとか、そういったことは不適正なものでありますし、法律の趣旨からもそぐわない、法律の趣旨に合わないものだと思っております。ただ、契約前に相手方というか、相手方になるかどうかわからないんですが、事業者と接触することが一概にそれだけで不適当かというところは、それぞれの契約内容なり事案によるのだと思っております。そもそも、契約に至る段階で仕様なり条件なりを定める際に、行政側だけで事業内容を定めて出しても相手方が出てこないとか、そういうこともございますので、関係者というか、そういった事業者の見解もお伺いするということはあろうかと思います。それにつきまして、ただ、公正に、公開に、そして平等の取り扱いということがございますので、事業者間でばらつきが出ないように、あるいはそれによって得られた仕様なり契約の条件というものにつきましては、契約手続をする際には、きちっとほかの事業者も含めて明らかにしていくという整理が─整理というか、そういう対応が必要なんだろうと思っております。
 今回の事案につきましては、今現在そういう事実がなかったということでございますので、これ以上に具体の法律の問題につきましては答弁は控えさせていただきたいと存じます。
〇医療局長(遠藤達雄君) 公募につきましては、平成21年7月から公募させていただいておりました。昨日の決算特別委員会でもお答えいたしましたけれども、新聞報道等がございまして、その後2月でございますけれども、法人側と1度面談しておりますし、その後4月以降におきましても花泉地域診療センターの懇談会等を開催してございますけれども、そうした懇談会の状況等についてのお尋ねとか相談とか、そういった形のお話は受けております。これは昨日答弁したとおりでございます。
 それから企画募集提案があって、その後事業者の内定をしておるわけですけれども、先ほど契約前に接触するのはいかがかというお話がございましたけれども、公募者として内定した以降については、契約締結に向けてさまざまな形で医療法人とは協議等はさせていただいた、そういう経緯でございます。
〇議長(佐々木博君) 次に、斉藤信君。
   〔37番斉藤信君登壇〕

前へ 次へ