平成23年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇26番(及川あつし君) 地域政党いわての及川あつしでございます。
 花泉地域診療センター民間移管問題につきまして、緊急質問を行います。
 花泉診療所内で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人七星会は、昨日、理事会を開催し、系列の医療法人の会長を務める橋本理事長が、資料を配付し、これまでの民間移管に至るまでの経過の概要につき説明を行い、その一部内容が、本日、毎日新聞の報道にあったところであります。
 私は、昨日の理事会で配付された資料を入手し、これまでの知事並びに県当局の説明と大きく食い違うその内容に、大変に驚いているものであります。
 同時に、昨日、決算特別委員会で、今後の方針として、2月定例会には、県営による無床診療所の復活のために設置条例を提案する方針ともされたことから、私は、設置条例の提案前までには、最低限の事項についてしっかりと事実経過を議会としても検証する必要があると考えることから、以下、緊急質問を行うものでございます。
 私の質問は、公募前に事実上の契約内定作業が進んできたと類推する証拠になり得る事項、すなわち、公募前に医療法人白光からの紹介により医師1名を採用したことなどについてであり、昨日の決算特別委員会集中審査に続いて、本日お伺いするものであります。
 昨日の答弁では、平成21年6月8日から8月21日まで勤務した医師は、あくまで医療法人白光からの紹介であり、医療局から医療法人白光へ医師の紹介の依頼をした経緯は一切ないとのことであり、私は、何度も昨日の質問で確認をいたしました。しかし、昨日開催された社会福祉法人七星会の理事会で配付された資料には─記載内容を朗読します。
 県医療局より、先生が不足になっているので医療法人白光より医師を応援してくださいとのことで、契約前に白光の医師を花泉地域診療センターに派遣したということは秘密にしていてくださいとのお話でした。(このことは、白光よりの出向ではなく、県の採用とするとのお話でした。)
 しかしながら、当方の法人が派遣した医師が必要でなくなったとのことで帰されました。(平成20年10月より1カ月間の県の採用を解除されました。)派遣医師は、プライドを傷つけられ、怒って郷里に帰ってしまいました。当法人としては、またまた医師の確保の不足が生じたのであります。
 と昨日の資料には記載をされております。事実を確認するため、以下、伺います。
 第1の質問は、決算特別委員会で配付された資料中、花泉診療所にかかわるこれまでの経過には平成20年12月3日以降の経過が報告されておりますが、記載の日以前にも移管に関する報告すべき事項はないのかお伺いします。意図的に平成20年12月3日以前の経過を報告しなかったのではないかと疑念も持たれますが、御説明をお願いいたします。
 また、報告すべき事項があるのであれば、この場で、正直にこれまでの詳細の報告を求めます。いかがでしょうか。
 第2には、七星会理事会での配付資料にある医師派遣の記述についてであります。
 医療局から医療法人白光へ医師の紹介の依頼をした経緯は一切ないと昨日繰り返し答弁されましたが、資料の記述は正反対であります。どちらが本当なのでしょうか。県医療局から、先生が不足になっているので、医療法人白光より医師を応援してくださいとのことで、契約前に白光の医師を花泉地域診療センターに派遣したということは秘密にしてくださいとのお話でしたとありますが、医療局として、この指摘についてどのように認識しているのか、記述内容の真偽も含めて御所見を伺います。
 特に、契約前に白光の医師を花泉地域診療センターに派遣したということは秘密にしてくださいとの記述に関しては、重大な問題を内包していると私は認識しております。記述内容が事実とすれば、なぜ秘密にする必要があったのでしょうか。民間移管に関して、事実上の内定作業が水面下で行われてきたと類推もできますが、事実経過と御認識を改めて知事、医療局長双方にお伺いいたします。
 第3には、医療法人白光に在籍した医師と花泉地域診療センターとの関係であります。
 これまでの説明では平成21年6月8日から8月21日のことだけが説明されてきましたが、その以前も紹介を受ける、依頼をするなどしてきた事実はないのか、これまでの経過すべてについて改めて御説明をお願いいたします。
 最後に、事実認識を再度伺いますが、公募前の県と医療法人関係者との接触について、これまでの説明では、平成21年1月28日の報道以後とされてまいりました。事実は本当に平成21年1月28日の報道以後なのか、直接的接触、仲介したとされる県議会議員との間接接触も含めて事実はどうだったのか伺います。
 また、結果として、初めから医療法人白光に民間移管することを前提に準備を進めてきて、十分な検討も、今回のような事案の発生に備えた万が一の対策の検討も不十分であったのではないか、そのことが今回の事案の発生につながったのではないかと推察できますが、認識を伺います。
 以上の点を緊急質問として伺い、答弁次第では再質問いたしますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
 御清聴まことにありがとうございました。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 民間移管に関する事実経過と認識を問うとの御質問でございますが、旧花泉地域診療センターについては、当直業務等により医師の負担が大きくなっていることから、岩手県立病院等の新しい経営計画に基づいて、平成21年4月から休床として、外来を中心とした診療を行うこととしたものでありますが、入院ベッドが必要であるとの地域の強い意向に沿って、地元一関市の意見も聞きながら、民間事業者のノウハウに期待して移管を進めたものであります。
 花泉診療所は、昨年7月に常勤医師が着任した以降は、入院患者が徐々に増加して、地域の入院施設として定着しつつあったものと認識しておりましたけれども、今般、運営する医療法人から、現状のまま有床診療所として運営することは難しいとの意向が示されたところなわけであります。
 県といたしましては、一関市とも協議した結果、民間移管前の医療局による無床診療所に戻すこととし、そのために必要な準備を進めることとするわけでありますけれども、改めて、この花泉地域を含む両磐地域、さらには、岩手県民の必要な医療が必要なときにきちんと受けられるよう、地域医療を確保していくということに努めてまいりたいと思います。
   〔医療局長遠藤達雄君登壇〕
〇医療局長(遠藤達雄君) まず、1点目でございますけれども、昨日の決算特別委員会に提出しました資料の件でございますが、平成20年12月3日以降ということで経過を記してございます。それ以前について、別途、報告することがあるのかないのかというお尋ねでございますが、その点については、ございません。
 それから、2点目の医療法人からの医師の紹介の件でございますけれども、これにつきましては、理事会等でどういう御発言をされているのか承知しておりませんが、医療法人白光から医師の紹介が当該年の5月ごろにお話があって、6月に採用したという経緯でございまして、そういう事実関係でございます。
 それから、記述内容の真意等については把握しておりませんので、いずれ、医療法人からの紹介があって、それで採用したというのが事実でございます。
 それから、民間移管に関して、水面下云々というところの御質問でございますけれども、これにつきましては、一連の公募手続をとりまして、そういった形で適正に処理してきたものでございます。
 それから、白光に在籍していたということでございますけれども、いずれ、センターのほうで採用しました医師につきましては、紹介をいただいて、医療局の臨時で、非常勤臨時でございますが、そういう形で採用させていただいたということで、昨日の決算特別委員会で答弁申し上げた事実関係のとおりでございます。
 それから、最後に、一連の手続についてでございますけれども、これにつきましても、昨日、御答弁申し上げましたが、地域の声を受けまして、それぞれの地区での懇談会等を進め、また、公募には、事業者の選考に当たっては、一関市、一関地区の広域行政組合等の参加も得まして、それぞれ必要な許認可の手続を経て最終的に決定したということで、適切に処理してきたものと考えております。
〇26番(及川あつし君) それぞれ答弁をいただきましたが、極めて不満足であります。
 遠藤局長、もしかして問題がないと認識しているのではないですか。これだけ大きな問題が発生して、その問題の背景には、これまでの公募までの選定の経過が根っこにあって、皆さんが移管後もしっかりとした管理監督をやってこなかったから、こういう問題になった。そして、地域住民の方が今、最大の不安を持っているというこの事実、この事実を前提にして答弁するとすれば、今みたいな答弁が何で出るんですかね。私は本当に理解ができません。
 今、お伺いした内容にまともに、まじめにお答えをいただいていないわけでありますが、いずれにしても、白光側については、きのうもお話ししました、きょうもお話ししましたが、医療局から頼まれて契約前にお医者さんを紹介することにした。医療局のほうは、秘密にしておいてくださいねという話とか、いいですか、秘密にしておいてくださいねと言った方がいると言っているんですよ。また、どうせ白光さんが移管を受けるのだから、今、お医者さんをかしてくれてもいいじゃないか、こういう発言もあったと医療法人側は発言をしているのであります。
 遠藤局長は、当時いなかったということでありますけれども、もう一度、きのうも言いましたが、そうした発言があったかなかったかというのを検証しなければ、医療法人側から仮に訴えられたら耐えられますか。私は、そこが問題だと思うんですよ。
 医療局長にお伺いしたいのは、再度、当時局長ではなかったかもしれないけれども、そういう事実があったかなかったかということを真摯に、しっかりと検証するつもりがあるかないか、改めてこの場で御答弁をお願いします。
 達増知事にお伺いしたいのは、私が質問でお伺いしたのと全く違う答弁でありましたので、再度お伺いしますが、私は、どう考えても今回の案件は、水面下で事実上の内定作業と思われても仕方がない行動がたくさんあったのではないか。そういう証言がいっぱい出てきています。そうした件について、事実経過について、知事はどういう認識なのか。先ほど答弁されたように、本当にフェアでオープンな公募であったのかどうかという問題と、そして、今回、こうやって白光側からいろいろな問題を指摘されてきておりますけれども、知事としては、県当局並びに知事に、医療法人白光との関係において一切の瑕疵はなかったのかどうなのか、現段階における認識を改めてお尋ねいたします。
 以上をもって質問を終わります。
〇知事(達増拓也君) 民間移管に関するプロセスでありますけれども、公募、またその公募の準備段階から、これは、きちんとした行政のプロセスにのっとって、関係者とも協議をし、そして、公募自体も、公正な公募として手続的にきちっと行われた公募だと理解しておりますし、また、公募の結果、当該法人だけの応募だったわけでありますけれども、その後の選ぶプロセスも開かれた形で行われ、御指摘のような瑕疵はないと認識しております。
〇医療局長(遠藤達雄君) ドクターの採用の関係についてでございますけれども、5月ごろにそういった紹介があったということで、6月に採用したというのは、これは事実でございます。
 それから、その後、やはりドクターの場合は、その勤務場所に合う、合わないというのは日常の中でもございまして、そういった経緯もあって、その後2カ月ほどで退職したということでございます。
〇議長(佐々木博君) 次に、久保孝喜君。
   〔15番久保孝喜君登壇〕

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