平成23年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(小野寺好君) 公明党小野寺好であります。
 議案第5号平成23年度岩手県一般会計補正予算(第9号)について伺います。
 今回は1、326億円余の追加補正で、補正後の予算総額が1兆3、880億円を超え、平成23年度当初予算6、815億円の2倍以上で、いまだかつてない予算規模になりました。ただ、これまでもそうですが、予算の内容に関しては県議会よりもマスコミ報道が先行していて、非常に情けない限りであります。その他の案件についても、議会運営委員会では議会軽視ではないかとたびたび指摘されていることをお話ししておきます。
 以下、お尋ねいたします。
 1、当初予算では各種予定事業について丁寧な説明がありますが、今年度のこれまでの補正は、議員の立場から見ると事業名と金額の羅列がほとんどであります。補正だからと言ってしまえばそれまでですが、議会としては予算の内容を理解せずに可決できませんが、詳細に関しては聞かれれば内容を説明する、こういう当局の姿勢が目立ちます。誠実さに欠けると思いますが、知事の認識を伺います。
 2、今回の補正予算には外国からの高額な支援金というこれまでにない特徴がありますが、どのような意味合いを持つものか、県議会、県民によく理解してもらうための丁寧な説明が必要かと思いますが、いかがでしょうか。
 3、復興基金に500億円の積み立て、雇用創出特例基金に500億円の積み立てなど、高額な積立金支出は予算の使い方を不透明にするおそれがあります。ある程度具体的な将来計画を示すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 4、緊急雇用創出事業臨時特例基金積立金500億円の内容を伺います。財源は全額国庫支出金というありがたい内容で、積み立てなどと悠長なことを言っていないで、すぐにでも事業化し、活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 5、東日本大震災津波復興基金に名目500億円積み立てたことになっていますが、同時にこの基金から市町村への交付金210億円ほかを支出し、わかりにくくしていると思いますが、なぜ500億円積み立てたことにしているのか伺います。
 6、この東日本大震災津波復興基金市町村交付金210億円ですが、交付先、使途制限等、その内容を伺います。復興の主体者は被災地の住民の皆さんですが、災害弔慰金、義援金の交付対象にならなかった皆さんが大勢おります。生活費に窮し、年を越せない皆さんに、市町村はこの交付金を活用できるものかどうか伺います。社会基盤を復興させても、住民がいなくなったのでは話になりませんので、前向きな方針を伺いたいと思います。
 最後に、防災情報通信設備災害復旧事業費31億円余の対象自治体と、その機材、性能などといった内容を伺います。
〇知事(達増拓也君) 小野寺好議員の御質問にお答え申し上げます。
 補正予算の事業内容の説明についてでありますが、議会開催前の提出予定議案等説明会において、補正予算の主な事項及び内容について説明しているところでありますが、復興という重要な局面でもありますので、そういうところでの補正予算でもありますので、今後、さらにわかりやすい資料の提供や丁寧な説明となるよう努めてまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承願います。
〇総務部長(加藤主税君) まず、外国からの支援金についてでございます。
 今回提案の東日本大震災津波復興基金の原資の一部としてクウェート国からの支援金80億円を充てているところでございます。この支援金は、クウェート政府が日本政府に対しまして、東日本大震災津波の被災者支援を目的に500万バレルの原油を無償提供するものでございまして、経済産業省、石油元売会社、日本赤十字社の連携のもと、被害が甚大でございました本県、宮城県、福島県の3県に対しまして原油代金の相当額を配分するというものでございます。
 今回の補正予算におきましては、クウェート政府の支援の趣旨や、交付元の日本赤十字社におきまして複数年の活用を想定していることなどを踏まえまして復興基金へ積み立てるものでございますが、今後、これまでの他の寄附金等の例のように、資金の提供元でございますとかその提供の趣旨、活用した内容を明らかにするなど、丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。
 次に、復興基金の積み立てと市町村交付金の関係についてでございます。今回提案の東日本大震災津波復興基金の原資は、先ほど申し上げましたクウェート国からの支援金80億円と、国から交付されます取り崩し型復興基金創設のための特別交付税420億円となっております。このうち、特別交付税420億円につきましては、国が、交付先としての市町村への配慮を強く求めているものであること、また、県における基金の造成を確認した上で相当額を交付するとしていることがございます。このため、420億円全額を一たん県の基金に積み立てることといたしまして、その上で、その半分相当の210億円を市町村に交付する予算措置を講じているものでございます。
 次に、防災情報通信設備災害復旧事業費についてでございます。県では、平成3年度から平成5年度にかけまして、県、市町村や防災関係機関におきまして、衛星回線網を使い、電話、ファクス、画像の送受信を行う設備を整備したところでございます。
 今般の東日本大震災津波におきましては、これらの設備について流失、損壊があったことから、復旧にあわせて、老朽化が進んだネットワーク全体の更新を行うこととしたものでございます。したがいまして、事業対象は県及び全市町村、これに加えまして全消防本部等となっております。
 整備する設備でございますが、財団法人自治体衛星通信機構の衛星通信回線を使用して、電話、ファクス及び映像配信を行う機能に加えまして、IP通信によりコンピューターをネットワークに接続して情報伝達が可能となる無線設備が中心となりますが、これに加えまして、停電時に自動起動する非常用発電機といったものもあわせて整備する予定でございます。
〇理事(平井節生君) 復興基金の活用計画についてでございますが、復興基金は、県または市町村が実施する東日本大震災津波からの復興を図るための事業に要する経費の財源に充てるため設置しようとするものであり、被災地域の実情に応じた住民生活の安定やコミュニティの再生、地域経済の振興、雇用の維持等、幅広い分野できめ細やかな対応が必要な事業に充当していこうとするものでございます。
 基金の活用につきましては、今12月県議会に提案いたしました補正予算案におきましては、市町村への交付金210億円のほか、緊急性の高いものとして、被災した住宅の補修費や宅地の復旧費の助成、被災中小企業の店舗、工場等の早期再開に向けた支援に要する経費を計上させていただいております。今後におきましても、従来の制度では対応しがたいものなどを中心に、被災者の生活の安定や被災企業への支援等に資する事業への計上を進めてまいります。
〇商工労働観光部長(齋藤淳夫君) まず、緊急雇用創出事業臨時特例基金積立金についてでありますが、この基金は、平成21年3月に緊急雇用創出事業の財源とするために条例でつくった基金でございまして、緊急雇用創出事業はすべてここに積み立てて経理して、管理するということでございます。
 先ほどの一般質問の議論の中でもお聞きになったとおり、つなぎ雇用の緊急雇用創出事業、今般、国の第3次補正で事業復興型雇用創出事業というものが新設されましたが、これも500億円の国からの交付金として一たん基金に積み立てて経理いたします。そして、それを同じ議会で再度取り崩しまして、予算化して使っております。したがいまして、歳出のほうは、今度、12月補正予算案の歳出として20億4、000万円を既に取り崩して使うことになってございまして、これは、平成27年分までの4年間で使っていけということで交付されたものでございまして、今後、計画的に使用してまいりたいと考えております。
〇政策地域部長(千葉茂樹君) 東日本大震災津波復興基金市町村交付金についてでありますけれども、この復興基金の目的、用途につきましては、ただいま平井理事より御答弁申し上げたところでございますけれども、この復興基金の運用に当たりましては、国から、市町村事業に十分配慮した運用を求められておりますことから、市町村交付金として210億円を予算案に計上したところでございます。
 県におきましては、当該交付金について市町村から自由度の高い活用を要望されているところでございまして、他の制度と重複するものを除きまして、震災復興のため公益上必要であれば、交付先、使途の制限は考えていないところでございます。
 なお、先ほど知事から御答弁申し上げましたが、市町村が速やかに活用できるよう、年内には交付金の交付決定まで行いたいと考えているところでございます。
〇38番(小野寺好君) 済みません、もう一回。
 外国からの高額な支援金は今後あるかどうかはわからないんですけれども、仮にあった場合、どこの国からでもオーケーということになるのかどうか。
 あと、今回、80億円ですが、この年末、被災地でなかなか年越しが大変だという方が結構いるかと思います。仮に10万円ずつやるとすれば8万世帯に配ることができるわけで、これは国からの交付金でもないし、県民が納めた税金でもないので、そういった今まで光の当てられなかったような皆さんにも使ってみてもいいんじゃないかと思うんですが、そういったお考えはなかったのかどうか、再度お聞きしたいと思います。
 あと、210億円の全市町村への配分と聞きましたけれども、これは、今回、県議会で通ったら、その後決めるというお話でしたけれども、各市町村に、三つの基準で恐らくもう決めているんじゃないかと思いますが、そういったものはあらかじめ出すことはできなかったものかどうか、この2点をお伺いします。
〇総務部長(加藤主税君) 外国からの支援金に係る質問でございます。
 これからあるかどうかということにつきましては、あればというか、こちらとしては、そういう浄財は広く世界からいただきたいと思っておりまして、あるに越したことはないということになろうかと思いますが、今現在、蓋然性をもって具体化されるというか、そういうところに至っているものはございません。いろいろ話があれば、その辺につきましては、当然、御支援いただけるというのは非常にありがたいお話でありますので、きちっと相手方の趣旨というか、御意向というものを十分伺って、積極的に受け入れを図っていきたいと思っております。
 また、その趣旨についてもお話がございましたが、趣旨というか、その使途につきましては、当然、支援されるあるいは拠出いただく外国の意向とか考えもございます。それを聞きながら、そのスポンサーと申しますか、相手方の考え方に沿って、使途なりその支出を考えていくということになります。
 クウェート国からの支援につきましては、被災者支援に使っていただきたいということで、細かい使途の制限がかかっているわけではございませんが、どういうものが適当かどうか、その辺は、一たん基金に積み立てたということにいたしましたので、その中で、全体としてどういう使い道が適当であるのか、被災者支援という相手方の趣旨にかなうのか検討してまいりまして、必要な事業化を図ってまいりたいと考えております。
 また、年末の被災者、被災地への支援ということがございました。それにつきましては、これまでの予算措置等、あるいは今回の予算措置等を通じて必要な対応を図っておりますが、また、さまざまなそういう被災地のニーズ、状況等を踏まえまして、必要な対応については引き続き考えてまいりたいと考えております。
〇政策地域部長(千葉茂樹君) 市町村交付金についてでございますけれども、先ほど知事のほうから三つの基準ということで御説明させていただきましたが、特に三つ目の被災市町村に手厚く配分する被害状況等に応じた配分の基準ということにつきまして、実はこれまでも他の義援金等でいわゆる配分のルールというものがございましたので、私どもといたしましては、当初、これまで市町村への配分で使われてきましたそういうルールを準用することで、できるだけ速やかに配分したいと考えておりましたが、市町村のほうから御意見をお伺いしたところ、御異論もございまして、改めて全市町村に照会し、それに伴って、現在その内容を調整しているところでございます。いずれ、今、最終局面になってきておりますので、できるだけ速やかに交付要綱を定めたいと考えているところでございます。
〇議長(佐々木博君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第5号から議案第48号まで及び諮問第1号は、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第3回県議会定例会 平成23年12月8日)
総務委員会
1 議案第5号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第2款
       第9款
       第11款第4項
   第3条第3表中
    1追加中 1
   第4条
2 議案第6号
3 議案第7号
4 議案第8号
5 議案第9号
6 議案第13号
7 議案第17号
8 議案第48号
9 諮問第1号
環境福祉委員会
1 議案第5号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款
       第4款
   第3条第3表中
    1追加中 2~5
    2変更中 1
2 議案第10号
3 議案第18号
4 議案第20号
5 議案第21号
6 議案第22号
7 議案第23号
商工文教委員会
1 議案第5号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款
       第7款
       第11款第3項
   第3条第3表中
    1追加中 6、7、18~29
2 議案第11号
3 議案第19号
4 議案第24号
5 議案第25号
6 議案第26号
7 議案第33号
8 議案第37号
9 議案第38号
10 議案第39号
11 議案第40号
12 議案第41号
13 議案第42号
14 議案第43号
15 議案第44号
16 議案第45号
17 議案第46号
18 議案第47号
農林水産委員会
1 議案第5号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
       第11款第1項
   第3条第3表中
    1追加中 8~14
    2変更中 2
2 議案第27号
3 議案第28号
4 議案第29号
5 議案第30号
6 議案第31号
7 議案第32号
県土整備委員会
1 議案第5号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第8款
   第2条
   第3条第3表中
    1追加中 15~17
2 議案第12号
3 議案第14号
4 議案第15号
5 議案第16号
6 議案第34号
7 議案第35号
8 議案第36号
〇議長(佐々木博君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時47分 散会

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