平成23年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇10番(神崎浩之君) 自由民主クラブ、一関選挙区の神崎浩之であります。
 知事を初め執行部職員の皆さんには、日夜、県勢の発展、復興に御尽力されていることに敬意を表します。
 新人議員として一般質問の機会を与えていただき、先輩議員に感謝を申し上げながら、知事演述に対する質問を初め、三つの分野から取り上げさせていただきたいと思います。
 私は、一関市議会議員に当選以来、また、今般、県議会に臨むに当たり、多くの県民、支援者から、次の2点について忠告と激励をいただいております。
 一つは、マスコミ等の批判にも見られるとおり、全国的に地方議会は首長のイエス議会になってしまった。知事提案に何の深い議論もなく、単に容認だけの機関になってしまい、議会としての機能をしていないのではないかとのおしかりであります。これに対して岩手県議会は2度の決算の不認定、それから、県立花泉病院関連では、先輩議員の皆さんが昼夜にわたり議論を重ねていると私は認識しております。
 本来、地方議員の最大の役目は、首長、執行部のチェック機関としての役目を果たすことであります。
 もう一つは、議員による政策をもって執行部に対抗する政策、条例の立案能力であります。もとより、憲法第94条は法律の範囲内で、地方自治法第14条は法令に違反しない限り条例を制定できると定めております。一方、法律に規定がない事項については地方自治法は条例で規定できるし、罰金等の罰則を設けられると承知しております。
 岩手県議会では、平成15年に、基本的な計画の議決に関する条例ということで、執行部が政策の計画立案段階での議会への説明などを義務づけており、進んでいる議会であったなと私は当時思っておりました。私たち新人議員も、県議会において、先輩に見習い、議会としてのチェック機能、政策立案能力を備え、是は是、非は非とし、予算、決算についても、内容によっては修正、否決もあり得るとの議会の権威を示すべきであると思っております。私はいまだ不勉強でありますので政策立案能力はこれからでございますが、せめて県民の負託にこたえて県政の疑問点をただし、チェック機能だけは果たしてまいりたいと思っております。
 知事からは、なかなか長い所信をお聞きいたしました。すべての分野に触れなければならず、さぞ御苦労なさったのかと思っておりますが、冒頭で、この重要な時期に県政を担当し、その責任に身の引き締まる思いと始まり、最後には、黄金に光り輝く岩手となるよう全力で邁進していく覚悟と締めくくっております。ぜひ一緒に頑張ってまいりたいと思っております。
 それでは、20ページにもわたる知事演述でございましたけれども、詳細について、まず初めに希望郷いわてでありますが、知事が発信する希望郷いわてとは具体的にどういう社会を示すのか。また、その実現に向けて取り組んでいらっしゃると思いますが、目標に対し、知事自身の評価は何点であるか伺います。
 次に、この演述では、多くの被災者の方々から感謝の言葉をいただきましたとあります。大方の住民は知事や県の対応が遅いという報道が多いと感じている中、知事は具体的にどのようなお言葉をいただいたのかお伺いいたします。
 次に、太平洋沿岸を中心に甚大な被害と述べられておりましたが、知事は、内陸部、特に県南の地震被害、特に4月の余震と言われておりますが、この被害についてどう感じていらっしゃるのかお伺いいたします。
 次に、金ケ崎以南における放射能被害、沿岸部のように形にあらわれているわけではないこの放射能被害でありますが、その深刻さは、単に農業分野にとどまらず、商業、工業製品にまで心配が寄せられ、これは将来的に大変な事態に陥るのではないかと大きな懸念を抱いております。これは牛とか米だけの話ではなく、畜産農家の家族の別居や転出による人口減少にまで及んでおります。環境はもとより、産業、健康、人口減少に大きな不安を与えている。これについて知事はどのように対応していくのかお伺いいたします。
 続きまして、現場力ということであります。
 答えは現場にある、現場力、被災者一人一人に寄り添った行政と言われておりました。知事は具体的にどのように現場力を発揮され、どのような実績を上げたのかお伺いいたします。
 放射線影響対策本部についてでございますが、3月の震災でそう認識したのであれば、放射線対策についても大いに現場力を発揮していただきたいと思っております。この際、この放射線影響対策本部を一関市に置いてはどうかということであります。また、国の放射線対策関係者も県の本部と一緒に一関市に置く、こういうふうに国に働きかけていただきたいと考えますが、知事の御所見をお願いしたいと思います。
 次に、TPPにももちろん触れてあるわけでございますが、知事演述では慎重に検討すべきものとおっしゃっておられました。今議会でも冒頭そうだったと思われますが、先ほどの後藤議員への答弁では、参加には反対だと明確におっしゃったと私、記憶しておりますが、その点について確認させていただきます。
 次に、安全確保に向けた取り組みでございますが、一つは新たな湾口防波堤の整備についてということで、今、沿岸市町村は、新たな湾口防波堤、防潮堤の存在を前提として土地のかさ上げ等による新たなまちづくりを検討しているわけでございますが、この知事演述では新たな湾口防波堤や防潮堤ができるのは5年以内と言われておりますが、果たして可能であるのかどうか、この点について確認させていただきたいと思います。
 続きまして、電力不足への対応、方策ということであります。
 電力不足については、さらなる地震や津波が来なくても、電力不足というのは今後ずっと懸念される問題だと思っております。今後、発電所の復旧までの間に計画停電が行われることとなった場合、医療施設、それから介護施設、これらの施設について電力をどのように完全供給していくのか、この対応方策についてお聞きいたします。
 続いて、環境王国いわての実現ということで、政策の6番目に環境王国いわての実現を掲げていらっしゃいますが、その推進については大いに賛同するところであります。環境施策の推進については、福島県、宮城県よりも本県が率先して実現していかなければならないと考えております。後藤議員への答弁にもいろいろと詳しくありましたけれども、知事にはその意気込みについてお話をいただきたいと思います。
 続きまして、2番目のテーマであります県南部を襲う放射線被害への対応についてということであります。
 汚染稲わら、牧草、堆肥については、さきの決算特別委員会で、県南、特に一関市の大変な点についてはお話をさせていただきました。昨今の新聞でも、平泉町内でも住民から請願があったという記事がありましたけれども、県の役割と責任を明確にして、市町村における住民合意に向けた対応など、県が責任を持って実施すべきであると思いますが、知事の考えを伺いたいと思います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 それから、子供の健康被害への対応であります。
 私は、放射線については、今回は子供の放射線対策に絞って質問していきたいわけでございますけれども、子供の健康にかかわる影響調査ということで、かねてより要望をいたしていたところが今回スタートすることになって、地元としては大変うれしく感じているところであります。実施内容については各議員にファクスで資料提供されておりましたので、今後の展開についてお伺いしたいと思います。今後の展開について、検査、摂取後の対応についてをお伺いしたいと思います。
 それから、学校の放射線対応がなっていないのではないかとよく言われるのであります。放射線に一番神経を使っている子供と親と接する場面での教育の場で放射線対策がなっていないのではないかというふうにおしかりをいただくわけでございます。
 そこで、学校の校庭の除染状況についてお聞きしたいと思います。
 これについては、聞くところによりますと、岩手県の学校の除染については国よりも上乗せで補助しているというようなありがたいお話を受けておるわけなんですが、親は心配であります。学校の校庭の除染についてお伺いいたします。
 それから、学校給食であります。
 請願でも出されておりますけれども、学校給食が心配であります。例えば、その中でも牛乳や、線量が高い地場から持ち込まれる野菜等の食材は本当に使って安全なのか、そういう声であります。安全性、妥当性をどのように把握しているのか。学校給食の安全性の確保について、これは一義的には市町村立の学校が多いわけでございますが、県として市町村教育委員会をどのように指導、支援しているのかお伺いいたします。
 それから、放射線教育であります。
 一般の方、それからさまざまな関係機関、専門家もそうなんですけれども、放射線教育について早急に進めていかないと、誤解があればこれはお互いに非常にエネルギーを使うことでありますので、まず、地域住民、児童生徒、その親への教育、それから市町村等の行政職員、教職員、それから関係団体等への教育の推進状況はどういうふうになっておられるのか。また、放射線教育の担当部局についてはどうなっているのか、これについてお伺いいたします。
 最後に、三つ目でございますが、花泉における県立病院撤退後の県の医療支援についてということであります。
 これについては、私、地元でもありますし、すごく行く末が心配であります。そこで、かねてから一般質問で取り上げようと思っていたわけなんですけれども、現在、決算特別委員会の最中でございまして、そこでの質問をどう整理するかということでありますが、過去のさまざまな経過については決算特別委員会でやらせていただきまして、ここでは、私は知事の所見と、それから今後の対応についてお聞きしてまいりたいと思います。
 今回の件でございますけれども、平成21年度、平成22年度と、さまざまな形で、1億3、000万円であったり、それから介護保険料の減免ということで6、180万円とか、さまざまな多額の税金を投入していながら今回のてんまつ、ごたごたを知事はどのように思い、反省をしていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
 それから、4月以降の契約と体制ということでありますけれども、それぞれについてお伺いしたいと思います。
 それから、今回の件で、今後どうしていくのかということなんですが、県として、地域住民の意向について、また一関市の意向を今どのように把握しておるのかお尋ねしたいと思います。
 それから、賃借料の未納についてでございますけれども、賃借料の未納について、医療局は監査委員のほうにどのように報告なさっていたのかということについて質問させていただきます。
 以上、1回目の質問、この場からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
   〔10番神崎浩之君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 神崎浩之議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、希望郷いわてについてでありますが、いわて県民計画では、みんなの基本目標をいっしょに育む希望郷いわてとし、その具体的な姿として、県民一人一人が、共に支え合いながら、いきいきと働き、安心して暮らし、楽しく学んでいくことのできる希望あふれる社会を掲げています。県民計画に基づいて実施した平成22年度の県主要施策については、政策等の評価に関する条例による評価を実施して、今県議会に報告した政策評価レポート2011等により公表しているところであります。
 次に、被災者の方々からの感謝の言葉についてでありますが、仮設住宅における街頭演説で県の復興計画を紹介するなどした際に、そこにお住まいの大勢の方々から、ありがとうございます、助けていただいています、また、お世話になっていますというような言葉をいただいたところであります。これらの言葉は、県のみならず、市町村や国も含めた行政全体、特に消防、警察、自衛隊などの緊急対応機関への感謝の気持ち、さらに、医療関係者やボランティアの方々なども含む広い意味での公に対する感謝のあらわれであると受けとめております。
 次に、内陸部の地震被害についてでありますが、東日本大震災津波により、本県は沿岸部のみならず内陸部も甚大な被害を受けたものと認識しております。4月7日に発生した余震では、県南地域を中心とする内陸部において負傷者47名、建物被害777棟といった被害が生じており、私も現地に赴いて被害の状況を目の当たりにし、必ずや復旧、復興をなし遂げなければならないという思いを抱いて早期の復旧を指示したところであります。県としては、沿岸部における対応と同様に内陸部の被害に対しても迅速、的確な対応を図るため、組織を挙げて全力で取り組んできたところであります。
 県が策定した復興計画では、沿岸部だけではなく、内陸部を含めた県全体をその対象としています。今後におきましても、被災者一人一人に寄り添いながら、復興計画に掲げられた事業を推進することにより、沿岸部と内陸部が一体となった県全体の復興に強力に取り組んでまいります。
 次に、放射線被害への対応でありますが、原発事故による放射性物質を原因とする放射線被害については、空気、飲料水、土壌等から各種産業の風評被害に至るまで多岐にわたり、県民に不安が広がっているところであります。
 県では、原発放射線影響対策本部で策定した放射線量低減に向けた取組方針や県産食材の安全確保方針などに基づき、放射線の影響を受けやすいとされる子供の健康と食の安全・安心を重視し、放射線影響対策に取り組んできているところです。
 文部科学省において実施した航空機モニタリング調査結果等によれば、比較的高い値を示している県南地域においても健康に影響を及ぼすレベルにはないと認識していますが、県民の不安を払拭するため、放射性物質の子供の健康に係る影響調査を12月から開始しましたほか、野菜の追加検査を実施するなど、きめ細かな対応に努めているところであります。引き続き測定機器の整備を進め、監視体制の充実強化を図るとともに、放射線量低減措置を積極的に推進し、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。
 次に、現場力の発揮についてでありますが、東日本大震災津波の発生以来、答えは現場にあるとの考えのもと、被災地の実態や、現場で何が必要か、何をすべきかを把握し、現場力を最大限に発揮させながら復興の取り組みを推進してきたところであります。
 具体的には、発災直後から現地に職員を交代で派遣し、被災状況及びニーズの把握に努めるとともに、被災市町村の行政機能のいち早い回復、被災地の復旧や被災市町村におけるまちづくり計画等の策定を支援するため職員の派遣を行いました。また、現地の広域振興局はもとより、私自身も含め、副知事、各部局の幹部職員が頻繁に現地の市町村に赴いて意見交換等を行ってまいりました。
 被災者の生活再建に向けては、多様化する被災者からの相談に一元的で柔軟に対応する被災者相談支援センターを設置しましたほか、被災事業者の再建のため、相談から具体的な支援までをワンストップで受けられる岩手県産業復興相談センターを開設したところであります。
 現在、庁議、政策会議、復興本部員会議など、県政の重要な政策形成過程には常時広域振興局長が参画していますことから、本庁と広域振興局が密接に情報共有、連携を図ることができ、従前にも増して県政の各分野にわたって現場のニーズを踏まえた実効性の高い施策の展開が可能となっております。
 次に、原発放射線影響対策本部についてでありますが、原発事故による放射性物質の影響は、県内全域において農林水産業や製造業、観光業等多岐にわたっており、効果的な対策を講じるためには、県内各分野の調整を図りつつ、県全体としての取り組みが必要と認識しております。このため、本部長である知事の指揮のもと県組織を挙げて取り組み、関係団体との連携を密にするため、対策本部は県庁内に置くこととしたものであります。
 県民が一体となって放射線影響対策を強力に推し進めていくためには、被害の実態を的確に把握し、市町村や地域の住民との連携を強化していくことが必要と認識しております。議員の御提案はこれらを実現していくための一つの方策と考えますが、県庁内に対策本部を置きつつも、市町村や広域振興局との連絡調整や意思疎通に意を用いることによって放射線影響対策の効果的な推進に努めているところでございます。
 なお、国に対しても、現場に赴き、被害の実態を的確に把握し、市町村や地域の住民の声をよく聞くよう、機会をとらえて働きかけていきたいと思います。
 次に、TPP協定についてでありますが、TPP協定については、農林水産分野を初めとした国民生活のあらゆる分野、特にも東日本大震災津波からの復興に向けた取り組みに大きな影響を与えることが予想されるにもかかわらず、国民に対する情報提供が不十分であり、国民的議論が進んでいない状況の中で、国がTPP交渉への参加に係る方針を表明したことは問題があると思っております。国において、成長戦略上TPP協定をどう位置づけるのか、関税撤廃がどのような効果を有するのか、農林水産業を初めとした必要な国内対応策をどう講じるのかなど、交渉に参加する前に行われるべき基本的な検討、議論が十分に行われていない現時点ではTPP交渉への参加には反対であると考えます。
 次に、環境王国いわての実現についてでありますが、これまでの取り組みをさらに進化させるとともに、東日本大震災津波後の環境変化を踏まえ、再生可能エネルギーの導入促進や環境放射能など新たな課題に取り組んでまいります。
 再生可能エネルギーについては、太陽光、風力、地熱などエネルギーの地産地消を進め、エネルギー自給率の向上や災害に強いまちづくりに取り組みます。
 環境放射能については、モニタリング体制を整備し、県民への情報提供を図るとともに、生活環境における放射線の調査及び除染などを進めます。
 また、青森県境産業廃棄物不法投棄事案については、平成24年度までの原状回復を目指して廃棄物の撤去、汚染土壌対策等を進めます。
 これらの施策の実施に当たっては、県民、企業、NPO、市町村など多様な主体と一体となった取り組みを推進します。
 次に、汚染稲わら、牧草、堆肥の一時保管場所、処理方法についてでありますが、原発事故に伴う環境の汚染への対処については、原因者である東京電力や原子力政策を推進してきた国に責任があるものと認識しておりますが、地域における生産や生活の場を守る立場から県と市町村は協働して対応していくべきものと考えており、これまでも畜産農家への指導や汚染稲わらの処理などに連携しながら取り組みを進めてきており、今後ともできる限り市町村の取り組みを支援してまいります。
 次に、花泉診療所についてでありますが、旧花泉地域診療センターについては、当直業務等により医師の負担が大きくなっていることから、岩手県立病院等の新しい経営計画に基づいて平成21年4月から休床とし、外来を中心とした診療を行うこととしたものでありますが、入院ベッドが必要であるとの地域の強い意向に沿って、地元一関市の意見も聞きながら、民間事業者のノウハウに期待して移管を進めたものであります。
 花泉診療所は、昨年7月に常勤医師が着任した以降は入院患者が徐々に増加し、地域の入院施設として定着しつつあったものと認識していましたが、今般、運営する医療法人から、現状のまま有床診療所として運営することは難しいとの意向が示されたところです。
 今後、地元一関市の考えも聞く必要がありますが、県としては、民間移管前の医療局による無床診療所に戻すことを基本に対応を検討してまいりたいと思います。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) 新たな湾口防波堤などの整備についてでありますが、11月末に東日本大震災復興対策本部が取りまとめました公共インフラの事業計画の中で、湾口防波堤につきましては、計画的な復旧を進め、おおむね5年での完了を目指すとされております。
 釜石港及び大船渡港の湾口防波堤につきましては、直轄災害としての現地調査も終わりまして、さきに成立した第3次補正予算の中には湾口防波堤の復旧分も含まれていると聞いておりまして、県といたしましては、国に対し早期の完成を強く要請しております。
 また、被災した防潮堤等の復旧につきましては、すべての箇所の災害査定を年内に終了し、その後、詳細設計や用地取得等を行った上で順次復旧工事に着手し、5年以内での復旧を目指しており、現時点では可能と考えております。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、計画停電の場合の医療施設等の電力の完全供給についてでありますが、この夏、政府から、計画停電が実施された場合に通電される医療施設については、救命救急センター、周産期母子医療センター、災害拠点病院等を対象とする通知が出されたところですが、今般、この冬については節電により対応し、計画停電は実施しない旨、通知されているところであります。
 県といたしましては、患者の生命、身体の安全確保の観点から医療施設等の電力の安定供給は重要と考えておりますので、引き続き電力需給状況を注視しながら、計画停電が実施される場合には、通電される医療施設の民間医療機関への対象拡大などについて国に働きかけていきたいと考えております。
 なお、自家発電設備への補助でありますが、医療施設については、国の1次及び3次補正により救命救急センター等への補助が措置されているところですが、これまで補助対象の拡大について国に対し要望してきたところであります。介護施設につきましても、国の1次補正により医療施設と同様の補助制度が措置されたところであり、現在、53事業所が本事業を活用して自家発電設備の整備を進めているところであります。
 次に、子供の健康に係る影響調査についてであります。
 本調査は、おおむね4歳から15歳までの子供の尿中放射性物質サンプリング検査を調査対象者130人程度で実施するものであり、各市町村から事業への参加希望を募るとともに、本県の航空機モニタリング調査の結果を踏まえ、一関市、奥州市、平泉町及び金ケ崎町の2市2町、計84人を第1次分の対象者として決定し、12月7日から測定を開始したところであります。今後、残り50名弱につきましても12月中に第2次分として追加決定し、2月中をめどにすべての調査を完了したいと考えております。
 調査結果につきましては、専門家の助言等を踏まえて評価の上、個人情報については最大限配慮し、できるだけ早期に公表するとともに、個々の調査対象者に対する伝達、説明の場を確保する予定としており、必要に応じ、保健所や市町村による相談対応等の個別支援に努めてまいります。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、学校の校庭の除染の状況についてでありますが、県では、県内の小中学校等において局所的に放射線量が高い箇所の測定及び除染を進めるため、市町村等に費用の2分の1を補助する放射線調査・低減事業を創設し、この積極的な活用を呼びかけてきたところであります。
 先月半ば時点での実施状況ではありますが、学校等以外にも公園などに範囲を拡大して実施している市町村も多く、対象施設につきましては一様ではございませんが、既に事業が終了した市町村が5、年内に終了予定の市町村が8、残り20市町村についても年度内に終了するとの報告を受けているところでございます。なお、このうち学校等につきましては、今現在でほぼすべてが終了していると聞いているところでございます。
 また、県立学校につきましては、9月中旬から11月上旬に全82校の敷地内において放射線量を測定するとともに、毎時1マイクロシーベルト以上の箇所があった県南地区の10校のうち9校について除染作業が終了し、残り1校についても年内に終了予定となっております。
 次に、放射線に関する教育についてでありますが、放射線影響に関するさまざまな情報が飛び交い、多くの県民が不安を抱えていると考えております。このため、環境生活部において、モニタリング調査結果などについて県のホームページや報道機関を通じて県民に情報提供するとともに、放射能に関する基礎知識について、専門家による県民向けセミナーや、県、市町村職員向け研修会を県内各地で開催するほか、放射線に関するリーフレットを作成し、合同庁舎や市町村を通じて配布しているところでございます。
 また、教育委員会においては、学校現場での教育を進めるため、放射線等に関する補助教材を作成の上、小・中・高等学校の教員を対象に放射線学習に関する研修会を各地で開催し、児童生徒を対象とした放射線学習の実施に向けて取り組みを進めているところであります。そのほか各部及び広域振興局等においても、それぞれ県民や関係団体を対象に、県政広報誌いわてグラフ等による広報や情報提供、さらには講習会などを行っているところであります。特に県南広域振興局においては、保健所長が講師となり、これまで約20回程度の講習会を開催しております。今後とも、総合的な取り組みを通じて、より一層県民理解が図られるよう引き続き努めてまいります。
   〔医療局長遠藤達雄君登壇〕
〇医療局長(遠藤達雄君) まず、花泉診療所等に係る4月以降の対応についてでございますが、診療所を運営する医療法人からは有床診療所の継続は困難であるとの考えが示され、医療局からは、来年度の賃貸借契約の更新はできかねる旨、伝えたところでございます。今後、医療局といたしまして、民間移管前の無床診療所に戻すことを基本に対応を検討してまいりたいと考えております。
 また、特別養護老人ホームにつきましては、有床診療所の運営を基本とし、介護や福祉等との事業をあわせて行う事業として一体的に公募した経緯がございますので、原則的には診療所と同様に契約を更新しない取り扱いになるものと考えております。現に入所している方々に御不便をおかけしないように、その対応についても検討しなければならないものと考えております。
 次に、地元の意向把握についてでございますが、医療局としては、民間移管前の無床診療所に戻すことを基本に対応を考えていること、また、特別養護老人ホームの入所者の今後の対応など課題がございますので、まずは地元一関市と協議を進めていきたいと考えております。
 次に、賃貸料の未納についてでございますが、ことし6月29日及び30日の監査委員事務局による予備監査におきまして、平成22年度に発行した納入通知書の納入状況を記載した納入通知書原簿により未納状況を説明したところでございます。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) 学校給食についてでありますが、消費者に安全な農畜産物を提供する観点から、学校給食用牛乳にも使用される原乳については、コールドセンター及びコールドセンター機能を有する県内13の乳業施設ごとに放射性物質の調査が定期的に実施されており、これまですべての施設で放射性ヨウ素及びセシウムが不検出もしくは食品衛生法上の暫定規制値を大きく下回っていることが確認されております。また、県産野菜につきましては、出荷時期に合わせて主要作物を主要産地で検査しているほか、さきに文部科学省の航空機モニタリング調査で空間放射線量が県内で比較的高かった県南地域では追加の検査が実施されておりますが、いずれの検査結果も不検出であり、安全性が確認されたものと承知しております。このようなことから、学校給食の食材については安全なものが使用されていると考えておりますが、なお、保護者の方々の放射線への不安が解消されず、一関市や奥州市などにおいては、学校給食で使用するものを含めた地場の野菜等の放射線検査を計画しております。
 県といたしましては、各市町村教育委員会の実情に応じ必要な情報の提供や助言等に努めるほか、学校給食のより一層の安全・安心を確保する観点から、市町村の検査体制の整備に向けた必要な支援策等を早急に詰めてまいりたいと考えております。また、県立学校における検査体制の整備にも取り組んでまいりたいと考えております。
〇10番(神崎浩之君) 通告より大分割愛した部分があるので、知事には大変整理して答えていただきましてありがとうございました。
 希望郷いわてについてでありますが、知事の自己採点があればお聞きしたいわけでございますが、なければ次の質問に移っていくわけでございます。
 まず、現場力について、答えは現場にあるということで、本当にそのとおりだと思っております。これは、非常時でなくても現場力というのはやっぱり現場にあるべきだと思っております。そういうことでありますので、私はかねてより振興局の再編には大反対であったわけでございますが、現場力ということであれば、現場の重要性ということを理解されたのであれば、振興局の再編は失敗だったのではないかと思うんですが、知事の所見をお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 振興局については、今般の東日本大震災津波においても、この広域振興局の枠組みで市町村域を越えた緊急対応に迅速に対応することができ、また、県全体あるいは国とのさまざまな連携に関しても広域振興局体制が機能したと理解しております。
 そもそも4広域振興局体制では、圏域内の広域行政の責任者である広域振興局長に部長級職員を配置して、庁議、政策会議、経済・雇用対策本部会議など県政の重要な政策形成過程に常時参加させているところでありまして、このことによって本庁と広域振興局が密接に情報共有、連携を図ることができて、従前にも増して県政の各分野にわたって現場のニーズを踏まえた実効性の高い施策の展開が可能となっていると理解しております。
〇10番(神崎浩之君) いまだに二重、三重行政は解決しておらず、この放射能対策においても、県南広域振興局でも、本庁と協議しますということが相変わらず出されているということで、私は反対をしております。
 広域振興局なんですが、この際もっと踏み込んで、市町村も庁舎が狭かったり老朽化しておりますので、広域振興局はその地の市町村の第2庁舎として差し上げまして、そこに県の職員を配置して、庁舎の有効活用、県職員と住民の距離を縮める。市町村との連携をとれる保健所と保健センターは一緒、土木センターも市と県と一緒、農林も一緒、土木も一緒ということにすればいいのではないかと大胆に言うわけなんですが、これもちょっと通告しておりますので、お答えをいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 県と市町村との連携による事務の遂行については、現在、遠野農林振興センターと遠野土木センターが入っている遠野地区合同庁舎に遠野市の関係部門が配置されて、県と市が連携しながら業務を行っています。また、県南広域振興局の世界遺産推進課が平泉町役場で、世界遺産登録とその活用等の業務を町と連携しながら行っているところでありまして、今後も必要に応じて県と市町村との連携による業務の遂行を検討してまいりたいと思います。
〇10番(神崎浩之君) ありがとうございました。私も遠野の事例を学んでおりました。
 そこで、次の放射能対策を一関市にということなんですけれども、本部を本庁に置いて、そして現場に赴いてというお話でありました。これが、瓦れきにしても何でも進まない一番の原因ではないかと思っております。国も現場に置けといっても、なかなか永田町あたりでやっているし、やはり沿岸の方に聞いても、毎日毎日あの瓦れきを見ればもっとやる気が出るんじゃないかと言われております。我々も現地調査ということでたまに行くわけなんですけれども、行ったときは、確かに、いやあ、大変だなと思うんですが、また地元に戻ってくると、それ以外のことが忙しくなって、やっぱり気持ちが遠ざかっているような部分もあるわけなんです。
 そこで、毎日毎日、放射線量が高い地域で家族、子供もそこで生活して行政に取り組めば、やはりもっと県の放射線対策も進むのではないかと考えるわけでございますが、もう一度、その点を知事にお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 先般行われました部課長研修の際、知事講話として、見えないものを見る、聞こえないことを聞く、これを心がけよということを言っているんですけれども、本当に大事なことが、今、目の前に見えない、今聞こえている状況にない。しかし、本当に大事なことが現場にあるということがあるわけでありまして、そういうことにまずきちんと対応していくのが基本であるということを県全体として徹底するようにしております。そして、対策本部については、やはり県内各分野の調整、また関係団体との連携、県組織を挙げて取り組む必要性等から対策本部は県庁内に置いているわけでありますけれども、一方で、被害の実態を的確に把握し市町村や地域の住民との連携を強化していくために、市町村と広域振興局との連絡調整、また、国に対しても現場に赴くよう働きかけるなどしているところであります。
〇10番(神崎浩之君) 引き続きこれは別の機会でもやってまいりたいと思います。
 TPPについては、知事がはっきりとおっしゃってよかったなと思っております。
 それから、湾口防波堤関連についても、部長から5年以内だというお話を聞いて、安心したところであります。本当に大丈夫かなという気持ちはあるんですけれども、部長がはっきりと言っていただきました。
 次に、電力不足の医療機関、介護施設等なんですけれども、私も、9月の計画停電時に通電される医療機関ということで、盛岡の日赤、岩手医大、あとは県立病院ぐらいだったので、一般の医療機関、介護施設も大変だなと思っていたんですけれども、そういう予定ではないということなんですが、先ほども述べましたけれども、災害のみの電力計画停電ではありませんので、今後も国に働きかけながら、安全な医療体制ができる支援をお願いしたいと思っております。
 次に、放射線についてでありますけれども、稲わら等については先ほどの答弁も聞いております。これからは子供の健康被害についてお聞きするわけでございますが、今回の調査でありますけれども、130人のサンプリングという中で、一関市においては36人の枠に対して2、344人が申し込んでいる。36人に対して2、300人が申し込んでいるという状況について、この希望を満たすような予定があるのかどうかが一つ。
 それから、仮に1ミリシーベルト以上の数値が出た場合に県はどうしていくのか、この点についてお聞きいたします。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 対象者の130人という希望に対して一関市では2、000人を超える希望の方がいらっしゃって、その中から、いろんな観点から振り分けをさせていただきまして、一関市については36人を選ばせていただいたところでございます。
 なぜ、調査対象者について全体として130人に絞り込んだかということの基本的な考え方について申し上げますと、まず、前提といたしまして、福島第一原子力発電所事故に係る福島県の住民の検査結果等を踏まえますと、現時点においては、本県県民に対する内部被曝検査の必要性は高くないと考えているものの、やはりこの事故による放射線の影響を心配する県民の方も少なくないということで、今回、本県においては健康に影響を及ぼすレベルにないことを確認するという意味から、健康調査をサンプリング調査として実施することにしたものでございます。
 この数字につきましては、福島県におきます先行調査が122人でございます。国立保健医療科学院によります母乳中の放射性物質濃度等に関する調査は108人でございまして、そういった調査人数からしまして、集団における傾向を把握するためのサンプリング調査としての規模としては妥当であると考えたところでございます。この人数につきましては、環境保健研究センターで現在実施している飲料水あるいは牛肉、野菜等の検査に支障が出ないように配慮しつつ、検査精度を得るために必要な測定時間や迅速な結果説明等の条件を踏まえて、専門家の意見をお聞きしながら判断したものでございます。
 それから、2点目のお尋ねの仮に1ミリシーベルト以上の数値が出た場合の県の対応ということでございますが、先行する福島県の警戒区域や計画的避難区域等の住民の調査結果では、生涯の累積線量である預託実効線量は99%以上の方が1ミリシーベルト未満でありまして、1から3ミリシーベルトの方が0.3%いるものの、全員健康に影響が及ぶ数値ではないと評価されております。こうしたことから、本県において警戒区域等の住民と同レベルの結果は想定しにくい状況であると考えておりますけれども、比較的高い数値が検出された場合も含めて、調査結果については、専門家の方々あるいは国としっかり相談させていただきながら、必要に応じて再調査や経過観察のための検査等について検討することになると考えております。
〇10番(神崎浩之君) 1ミリシーベルト、生涯70歳ということで推計するわけなんですけれども、やっぱり親御さんは、今現在、自分の子供がどのぐらい被曝して、それがどういう病気になるか心配だ。例えば甲状腺がんとか、今どのぐらい被曝して、それが言われているがん、障がい等についてどうなのかということを心配しているので、ベクレルをシーベルト換算して70歳のと言われても、なかなか納得いかないということを話されます。
 そこで、今の検査データでありますけれども、70歳に換算するということで、尿量の中に物すごく出ない限りは1ミリシーベルト以下じゃないかと言っているわけなんです。県は、子供の健康を心配するためのものではなくて、県の立場の弁解のために生涯70歳でやっているんじゃないかということを言っているわけなんですけれども、今々の内部被曝の現状、それの病気に対する影響について知りたいと言っているんですけれども、この点についてどうお考えでしょうか。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 親御さん方が非常に御心配をされているということにつきましては、いろんな場面でお伺いしているところでございます。今回の調査についての基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、そのもととなるさまざまな科学的な治験ですとか、あるいは調査結果の分析につきましても専門家の方の御意見を伺いながら評価をしていくということでありますので、いわゆる行政として、これは絶対大丈夫だと評価するためのものというよりは、客観的に評価し、それが安全だということを確かめるものとしてサンプリング調査を位置づけておりますので、仮にその安全性に問題が出るような結果が出れば、先ほど申し上げましたとおり、例えば国ですとか、あるいはそのほかの関係専門機関と対応について協議してまいりたいと考えております。
〇10番(神崎浩之君) この尿検査も、県として実施するというのは福島県以外では宮城県もやっていない。岩手県が先駆けてやっていると私は評価しております。福島県も国がやっておりますので、この点については岩手県は本当に先駆けてやっていると思っております。
 そこで、福島県はさらに甲状腺検査とかもやっているわけなんですけれども、これについて岩手県でも実施しろという話もあるんですが、福島県で実施しているもの、その中で福島県並みにちょっと線量が高い地域について、この点についてはどうお考えなのかお聞きいたします。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 福島県レベルの検査をということでございますが、まず、全体的なお話を申し上げますと、福島県の警戒区域あるいは計画的避難区域等の地域住民の調査結果を踏まえますと、現時点において、当該区域の住民と同レベルの対応まで今回行う必要はないものと判断してございます。福島県の隣県であります茨城県、群馬県、宮城県における専門家の意見を踏まえた検討結果では、県民への健康影響は認められないという結論だと伺っているところでございます。
 お尋ねの甲状腺の検査についてでありますけれども、福島県の現地対策本部が、いわき市、川俣町、飯舘村のゼロ歳から15歳の小児を対象として、3月24日から30日に実施いたしました小児の甲状腺簡易測定の結果、1、080人全員が問題となるレベルではなかったと公表されているところでございます。そういうことも踏まえますと、本県において、こういう甲状腺検査を、今も始めまして福島県レベルの対応をとる必要性には現時点ではないものと考えております。
〇10番(神崎浩之君) 今現在、親御さんは、子供さんが何か最近疲れやすいんだ、おしっこをするときに痛みが出ている、鼻血がとまらないというような症状があるということで、実に心配されております。
 そこで、チェルノブイリの反省から、症状チェックリストというものがあるんです。めまいがありますか、頭がぼうっとしますか、髪の毛が抜けませんか等々の症状チェックリストというものがあるんです。自分でやるんですけれども、こういうようなものを本県でも実施して予防に努めるべきではないかと思うんですが、その点についてお尋ねいたします。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 今回の尿検査の際には問診票をいただくことにしてございまして、尿採取の日にちですとか、あるいは放射線対策として日常生活の中で特に気をつけていることがある場合は記入をお願いしますというような項目の問診票がございますが、そういうものを活用いたしまして、今のようなお話を生かさせていただければと考えます。
〇10番(神崎浩之君) ぜひ、幅を広げて実施していただきたいと思います。
 次に、学校のほうでありますけれども、おかげさまをもちましてというか、これも岩手県は校庭の除染等は早かったわけでございますけれども、風も吹いてきますし、雪も降ってきますし、どんどん状況が変わってまいりますので、1回やったからいいということではなくて、今後も定期的に検査していただいて、そして除染に努めていただきたい。
 それから、学校の近隣の自宅の中にも、今、そういう掃除機があるんですね。セシウムを回収する掃除機があって、それを海外に送るとちゃんと出るというものがあるんだそうですが、校舎の中もぜひ調べてほしいという要望があります。そのこともあわせてお願いしておきます。
 それから、学校給食です。先ほどもお話ししたとおり、今議会でも同僚議員のほうから地産地消、食育という話があって、農林のほうから支援する立場なわけでございますけれども、残念ながら、一関市は、給食現場におきまして地産地消とか食育とか、口がはばかられるような悲しい現状にあります。そこも含めて親御さんに給食は心配ないようなことを示していただきたいと思うんですけれども、答弁をお願いいたします。
〇教育長(菅野洋樹君) おっしゃるとおり、県といたしましても県教委といたしましても、地産地消ということで、本来、安全な地域でとれる農畜産物を使った給食というものを推進してきたところでございます。そういったところでこういった事態になり、むしろ地域でとれる農畜産物に不安を抱えているというのは、非常にやはり私どもとしても残念なことだと思ってございます。
 先ほど御答弁申し上げましたとおり、県といたしましていろいろな調査、検査を行ってございまして、本県内の農畜産物については安全性がそれなりに確認されているところでございますが、やはりそれでもなお不安を訴える御意見がございます。したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、市町村においてそれぞれ、特に県南の市町村においては、県で行っている調査に加えまして市町村独自でも調査をして、より安全性を高めたいということを計画していただいておりますので、私どもとしても、その体制整備、機器整備の問題もございますので、そういったところで何が支援できるか、早急にこれは詰めてまいりたいと思ってございますし、これは県立学校についても同地域について同じ問題がございますので、市町村と歩調を合わせるようなものが速やかにできるよう体制整備に努めてまいりたいと考えております。
〇10番(神崎浩之君) 市町村立学校にあっては給食も市町村でやっているということで、なかなか県に言ってもということもあるんですが、やはり県立学校、清明支援学校等、給食提供をしているところもありますし、市町村と連携をとって対応していただきたいと思います。
 それからあと、こういう状況の中で、外で遊ばせていいのか、運動会はどうなんだ、それから野外活動はどうなんだ、山に行ってキノコをとってくるとか、そういうことがやられているということで非常に不安になっております。これについても、設置者の話なのか、岩手の教育ということにもかかわってくると思いますので、ぜひ市町村と連携をとりながら真剣に進めていただきたいと思います。
 次に、花泉診療所の関係でございます。
 これは知事になんですけれども、このごたごたてんまつでありますが、知事や県議会議員の一部の先輩も、これは県のモデルと絶賛した新聞記事がありました。これが県のモデルであったのか。今、他の地域でも無床化される状況の中で、その足かせ、悪い見本、マイナスの事例にならないのか心配でありますが、その点について御答弁をお願いいたします。
〇知事(達増拓也君) 今回のことで、およそ民間の医療法人なり社会福祉法人なり、そうした力をかりることはもう金輪際やめるということではないわけでありまして、そういう意味では、モデルという表現は表現として、御指摘の懸念には及ばないと考えます。
 一方で、先ほどの医療局の新しい経営計画のとおりにすることを基本にということを述べたわけですけれども、医療局として、そして県として責任ある対応をきちっとしていくことが必要と考えています。
〇10番(神崎浩之君) 私はこの当時一関市議会におりまして県からのいろいろな議決にかかわってきた者でありますが、知事は、この組み立て、民間移管、法人選定には関与していたのかいなかったのかお尋ねいたします。
〇知事(達増拓也君) 急なことでちょっと正確な記憶ではないんですけれども、庁議の形式を経たのであったか、あるいは医療局からの報告であったのか、御質問の趣旨に沿えば医療局の報告は随時受けていました。
〇10番(神崎浩之君) 医療局は昨今の法人側からの報道の最中にヒアリングをしているわけなんですけれども、報道によりますと地元の県議会議員が関与したような新聞記事があったわけでございます。私も地元の県議会議員であるんですけれども、この報道の地元の議員とはどなたのことなのか、もしおわかりになるのであれば教えていただきたいと思います。
〇医療局長(遠藤達雄君) 節目節目でさまざまな御発言が報道されておりますので、それをすべて私どもで確認しているわけではございません。ただ、私どもが訪問した際にはそのようなお話はございませんでしたので、発言の真意についてはちょっとわかりかねます。
〇10番(神崎浩之君) 今回、知事の記者会見の中で県の直営の無床に戻すということなんですが、地元の要望は有床だということであります。そこで、今回、この県の直営の無床に戻すということについては、地元の方、地元の医療機関、医師会、住民等との調整とか相談とかはあったのかどうか確認させてください。
〇医療局長(遠藤達雄君) 地元の意向把握でございますけれども、当然、民間移管してきた経緯等もございますので、地元の意向を確認する必要はあると考えております。
 今後につきましては、今、議会で審査中、決算特別委員会もございますのでなかなか時間がとれないところではございますけれども、まずは地元一関市、こちらのほうから意向を把握したいという手順を踏んでいきたいと考えております。
〇10番(神崎浩之君) そういうふうなやり方であるので、実施後、地域、それから地域の医療機関では混乱するのであります。ですから、きちっと医師会等と直接相談、協議をしながらこういうものは進めないと、恐らく、唐突にこういう問題が記事に出ますと、地域の医療機関もびっくりしているんじゃないかと思っております。地域の医療機関も有床が欲しいわけです。外来だけであれば地域にはあるわけなんです。そういうことで、ちょっと疑問を持っているようなところもあると思うわけなんです。
 今回はあくまでも無床だということであります。ということであれば、県で運営する無床をあの地域でやるということは、地域の住民、それから地域の医療機関にとって、納得できる、求められる無床の医療機関を設置するということはどういう形があるかどうかわかりますか。
〇医療局長(遠藤達雄君) 議員御指摘のとおり、それぞれの地域でさまざまな医療課題と申しましょうか状況がございますので、その点につきましては、今後、地元の声を聞いて対応していきたいと考えております。
〇10番(神崎浩之君) 例えば、地元にない整形外科とか眼科であるとか、そういうものであれば地元の医療機関もいいのかどうか、これはわからないですけれども、こういうものも含めて協議していただきたいと思います。
 それから、代表監査委員にお聞きいたしますが、先ほど報告があったということで、この賃借料の未納について監査委員はどのような監査をし、医療局に対してどのような指導をしたのか。また、決算審査意見書にはその記述がなかったのでありますが、それはどういうことだったのかお聞きしたいと思います。
〇監査委員(伊藤孝次郎君) 我々の監査は抽出監査でございます。御質問の賃貸料の未納、それから、きょうは御質問ございませんでしたけれども、医療器械及び備品の売買、これらの未納についてはその抽出監査の中で我々も把握いたしました。さっき医療局長から答弁がありましたけれども、把握して、どうして未納になったのかという理由を逆にお聞きしたというのが事実と思いますが、そういう経緯でございます。
 未収金につきましては、これは単に医療局だけの問題ではなくて、県全体としても大きな課題であると我々はとらえております。しかも金額も件数も多いということでございまして、個々の指摘はなかなかできかねるということで、総体として未収金の削減について努力するようにというようなことを普通会計のほう、あるいは医療局のほうの監査意見書にも記載しておるところでございます。
〇10番(神崎浩之君) 最後になりますが、今回の件については、特に未納については、県議会は何をやっていたのか、監査は何をやっていたんだというような声を聞くわけです、反省しながら言っているんですけれども。ないように努めたいと思います。
 最後に、一関市に放射線影響本部をという話でありますが、廣田副局長、ぜひ東京のほうから専門家を一関市に引っ張っていただきたい。それから、千葉茂樹政策地域部長、ぜひ一関の振興局に。故佐藤正春議員は、お2人の仕事ぶりを岩手医大の解剖室からきっと眺めていると思います。ぜひこたえていただくようお願いいたしまして私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(柳村岩見君) 以上をもって神崎浩之君の一般質問を終わります。
〇副議長(柳村岩見君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時14分 休 憩
出席議員(48名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木 茂 光 君
3  番 小 泉 光 男 君
4  番 清 水 恭 一 君
5  番 佐々木 朋 和 君
6  番 名須川   晋 君
7  番 佐々木   努 君
8  番 軽 石 義 則 君
9  番 後 藤   完 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
12  番 福 井 せいじ 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 高 橋 但 馬 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 小 野   共 君
20  番 郷右近   浩 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 喜 多 正 敏 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
25  番 工 藤 勝 博 君
26  番 及 川 あつし 君
27  番 飯 澤   匡 君
28  番 高 橋 昌 造 君
29  番 五日市   王 君
30  番 関 根 敏 伸 君
31  番 小田島 峰 雄 君
32  番 大 宮 惇 幸 君
33  番 工 藤 大 輔 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 佐々木   博 君
41  番 田 村   誠 君
42  番 及 川 幸 子 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   午後3時33分 再開
〇副議長(柳村岩見君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。木村幸弘君。
   〔14番木村幸弘君登壇〕(拍手)

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