平成23年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇17番(高橋但馬君) 民主党の高橋但馬です。
 12月定例会に当たりまして、先輩、同僚議員各位より登壇の機会を賜り、心より感謝申し上げます。一生懸命に質問いたしますので、誠意あふれる御答弁を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 質問に入ります前に、3月11日の東日本大震災津波において被災されました皆様並びに関係者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
 それでは、通告順に従い順次質問いたします。
 最初に、県の東日本大震災津波復興計画の第1期実施計画では、災害廃棄物緊急処理支援事業で災害廃棄物処理の事務委託を受けた12市町村の当該事務を県が代行して実施し、岩手県災害廃棄物処理実行計画に基づき、2年3カ月後の平成26年3月末までに終了することを目標としています。可燃物の焼却処理を行った場合の焼却灰や石こうボード等は管理型処分場に埋立処分を行う必要があるので、いわてクリーンセンターで処理することになります。平成22年度のいわてクリーンセンター廃棄物受け入れ実績約4万6、358トンのうち、無機性汚泥、燃え殻、ばいじん、ガラス、コンクリート、陶磁器、破砕物、その他であり、全体の84.6%が埋立処分となります。今年度は、例年と同等量の廃棄物のほかに東日本大震災津波による災害廃棄物も搬入されることから、過去に類を見ないほどの廃棄物が持ち込まれ、処分しなければならない状況です。
 ところが、いわてクリーンセンターの災害廃棄物などを埋め立てる最終処分場地下の地下水において、溶解物の混入ぐあいを示す伝導率が、9月21日の夜に、平常時の10倍を超える1センチ当たり2、000マイクロジーメンス以上に上昇したため、廃棄物の受け入れを9月29日より一時停止しました。地下水の電気伝導率は処分場での遮水機能が正常に働いているかどうかの目安となり、この数値が上昇したということは、廃棄物と地下水集水管の間にある遮水シートもしくは集水管のいずれかに不具合があったと考えられます。II期最終処分場のA区間は既に廃棄物が埋め立てられており、疑わしい箇所を露出させるためには、およそ6メートル堆積している廃棄物を撤去しなければなりませんでした。
 いわてクリーンセンターでは、早期再開のため、10日間、昼夜をかけ掘削作業を行い、疑わしい箇所を露出させ治水工事を行っており、11月24日に私が視察に行ったときには、電気伝導率の変化を確認するための水張り試験中でありました。9月29日より約2カ月もの間、石こうボード等埋立処分を必要とする廃棄物の受け入れが停止していたため、建設業者は現場から出た廃棄物を処分できずに非常に困窮している状態であります。また、いわてクリーンセンターでは埋立処分のほかに医療廃棄物の焼却処分も行っており、この焼却灰も埋立処分ができないために、敷地内に仮設テントを設け保管している状態であります。一昨年の10月にも同様のことが起こっていることを考えると、想定外の出来事でおさめることは難しいと考えます。県として、今後同じようなことが起きた場合、どのような対処を想定しているのか、考えをお示しください。
 岩手県災害廃棄物処理実行計画のリサイクル方法の検討では、リサイクルできない材料として、アスベスト、石こうボード、PCB入りコンデンサー等がありますが、飛散性アスベストや大量に発生する石こうボードは管理型処分を行う必要があるので、いわてクリーンセンターで処理することになると記されています。しかし、埋立量を減らすにはリサイクルを進める必要があります。石こうボードについては、経済産業省、環境省、国土交通省等及び石膏ボード工業会において、廃石こうボード中に含まれる夾雑物の除去、石こうの改質、廃石こうの用途開発など再資源化に向けた調査、検討が進んでいるとのことですが、それを踏まえて、石こうボードのリサイクルの実現についての県としての考えをお知らせください。
 次に、災害廃棄物の処理について伺います。
 11月中旬に釜石市の片岸地区災害廃棄物2次仮置き場を視察しました。釜石市は、環境省の東日本大震災に係る災害廃棄物マスタープランに基づいて試行的に災害廃棄物処理事業を行っています。8月から3カ月間行われた処理事業は、市独自に大手建設会社等からなるJVに瓦れきの処理を委託し、受託者が最終処理まで行う内容となっています。
 釜石市の災害廃棄物発生量の推計値は、瓦れき約53万トンプラス津波堆積物約29万トンの合わせて82万トンであり、既撤去率は約50%になるようです。津波浸水地区の鵜住居地区と釜石地区での災害廃棄物が、1次仮置き場を経て、ことしの10月より段階的に、ここの仮置き場に輸送されてきています。その廃棄物に含まれる柱や流木等の材木をバイオマス発電用燃料として有効利用するために破砕処理をしていました。重機1次破砕機へ投入し300ミリ程度まで破砕した後に、2次破砕機で、受け入れ企業が要求する基準50ミリ以下まで形状を整えます。処理先へ搬出前に放射能濃度検査を実施し、福島県喜多方市の企業に約730トン、岩手県一関市の企業に約60トン搬出した処理実績がありました。
 災害廃棄物に含まれる柱や流木等の木材を燃料チップとして活用することは、震災からの復興と再生可能エネルギーの観点からも非常に有効だと考えますが、県として、この木材の有効利用についてお考えをお知らせください。
 釜石市における災害廃棄物処理は基本的に市が独自で行っており、県としては余り関与していないのが現状と認識しています。11月26日の新聞報道によると、釜石市は2カ月間で瓦れき3.8万トンを撤去、分別し、すべて最終処理する契約をJVと結んでいましたが、福島県の原発事故による放射能汚染の懸念から搬出先となる自治体探しが難航し、契約期間を1カ月延長したものの、見つけることができませんでした。結果的に3カ月間で約4.8万トンの瓦れきを分別しましたが、最終処理できたのは、可燃物や木質チップ、鉄くずなど約2、100トンのみとのことでした。このように、独自事業により最終処理しようとしていた瓦れきが処理できない状況となっている報道を踏まえ、県としてはどのような支援を考えているのかお伺いします。
 さらには、この瓦れきの最終処分問題は釜石市だけの問題ではありません。宮古地区に関しては、国が全国の自治体に呼びかけた瓦れき広域処理第1号となる東京都による受け入れが開始されています。2013年度までに計約50万トンを受け入れる予定で、運搬から中間、最終処分を東京都が岩手県から一括受託。現地から鉄道コンテナで運び、都が選定した民間業者が木材や金属を分別して処理する。今年度中に宮古市の瓦れき1.1万トンを受け入れ、都の埋め立て中間処理施設及び最終処分場で処分するとしています。
 しかし、こうした他自治体による受け入れは十分に広がっておらず、釜石市や陸前高田市を初めとする県内の瓦れき処分には先行きの見えないところもあると思われますが、今後どのように広域連携して処理を推進しようと考えているのか、県としての考えをお示しください。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、牛肉の検査体制について伺います。
 一昨日の12月5日、全戸検査対象となっていた肉用繁殖廃用牛2頭から新たに500ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたと県から発表がありました。しかし、肉用肥育牛については、3カ月前に一関市の二つの農家が出荷した肉用肥育牛2頭から検出されて以来、国の基準値500ベクレルを超えた肉用肥育牛は出されていません。一定の安心・安全が担保されており、県も安全宣言していますが、出荷制限解除後3カ月を経過したこの間の検査結果の推移についてお示し願います。
 また、汚染された稲わらを食べさせていない農家は、1戸1頭を検査する全戸検査の対象となります。1回目の検査を県内の屠畜場で行い、50ベクレル以下であれば、2頭目からは県外屠畜場への出荷と県外への生体移動が可能となります。
 一方、汚染された稲わらを給与した疑いのある農家は全頭検査対象農家となります。1回目の検査を県内の屠畜場で行い、100ベクレル以下であれば県外屠畜場への出荷が可能となりますが、生体で出荷できる屠畜場が限られており、希望する県外屠畜場に自由に出荷できないという課題があります。
 例えば東京食肉市場に出荷する場合、全戸検査対象農家の牛は東京食肉市場に生体で出荷、東京で屠畜され、すぐに競りにかけられますが、全頭検査対象農家の牛は、岩手県内の屠畜場で屠畜、検査し、枝肉となった状態から東京に出荷されるので、屠畜から1日ないし2日たって競りにかけられます。当然、屠畜されてすぐの枝肉より肉の色が悪くなるのは避けられません。11月の県産牛の出荷状況について、A5の肉で比較すると、生体で出荷され、東京で屠畜された牛の枝肉はキロ当たり1、816円に対し、県内で屠畜された後に東京に枝肉で搬入されたものはキロ当たり1、528円になります。どちらの枝肉も同じ条件で屠畜された場合は、同等の品質の牛でありながら、出荷方法に制限を受け、生体で出荷できないことにより288円の開きが生じます。これを1頭に換算すると約12万9、000円、10頭出荷すれば約130万円の所得が減少することになります。
 これまでの全頭検査の県外屠畜の状況は、仙台ミートブランド59頭、埼玉の和光ミートセンター202頭や協業組合本庄食肉センター64頭と徐々に屠畜頭数もふえてきたようですが、東京食肉市場での屠畜はまだ行われていません。全頭検査対象農家の牛を東京食肉市場にて屠畜することが全頭検査対象農家を助けることになると考えます。生産者である全頭検査対象農家が生体で出荷できるような仕組みとすべきと思いますが、県ではどのように取り組んでいるのかを伺います。
 また、10月に東京食肉市場を視察し、市場会社の役員から、安全な食品を消費者に提供するべきだと判断したということで、9月6日より持ち込まれているすべての牛肉に放射性物質の検査を課し、1頭7、500円の検査費用は出荷者の負担としました。食の安全を求める消費者の動向は、検査した肉のほうが未検査の肉より高値がついているとのことです。東京食肉市場で全頭の検査体制が整っていることや、ここ最近の検査結果において、全頭検査対象農家と全戸検査対象農家の検査結果に大きな差異がないとすれば、今後、全頭検査対象農家に対するシステムの変更が必要と考えられますが、県の御所見を伺います。
 次に、直轄事業負担金について質問します。
 直轄事業負担金の負担割合は個別の法律または政令で定められ、地方の意見が十分に反映される仕組みとなっていないことから、その地域の必要性に合致した事業がなされるかが疑問であります。国の直轄事業であるのに地方の負担割合が高過ぎ、維持管理費用も一部負担しなければならなかったので、当時の大阪府の橋下知事が、ぼったくりバーでもやらないと表現したのは記憶に新しいと思います。11月14日に行われました衆議院東日本大震災復興特別委員会において畑浩治衆議院議員が復興事業における地方財政負担について質問をいたしました。
 一つ目は、復興事業については、補助事業の裏負担のみならず国の直轄事業についても直轄事業負担金があり、これも地方の負担となりますが、同様に負担をゼロとするという措置が震災特別交付税においてなされるのかどうか。
 二つ目は、平成23年度の補正予算関連法案ですが、復興事業は来年度以降もあり、平成24年度からの集中復興期間の中で復旧、復興事業は19兆円程度と見込まれているが、これについて来年度以降も同様の措置が講じられるのかどうか。
 三つ目は、交付税法についてはどのような対応がなされていくことになるのかという3点について川端総務大臣に伺いました。
 川端総務大臣は、震災復興特別交付税1兆6、635億円増額し、直轄事業の負担金1、005億円についても、補助事業裏負担分1兆1、956億円と同様にその全額を措置し、被災団体の負担をゼロにする。今後とも、集中復興期間中の復旧、復興事業に係る地方負担分が新たに生じる場合には、震災復興特別交付税の別枠での増額を改めて図り、被災団体に対し同様の措置を講じる。震災復興特別交付税を増額する場合には、その都度、地方交付税の総額の特例等について地方交付税法を改正することなど、対応を講じるの考えを示されました。
 県土整備部の平成23年度当初予算における直轄事業負担金の総額は85億円。これは災害復旧事業の直轄事業負担金を除いたもので、普通建設事業費であります約480億円に占める直轄事業負担金の割合は約17.7%に上ります。東日本大震災津波復興実施計画に掲げた復旧、復興のために必要な事業を実施するためには莫大な事業費が必要と考えますが、復興道路や湾口防波堤などの直轄事業負担金、県が実施する災害復旧事業や補助事業等の県負担分の事業費について、来年度以降は通常の数倍もの事業費が必要と見込まれます。現在、国直轄で事業中の復興道路の10カ所の残事業費、未着工区間の概算事業費と、それに対する直轄事業負担金は幾ら見込まれるのか、そして、湾口防波堤についてもお知らせください。
 また、2015年度までの集中復興期間で新たに生じる地方負担については、震災復興特別交付税の別枠の増額を改めて図るという総務大臣の答弁でありましたが、特別交付税による措置では必ずしも必要な額すべてが賄われる保障はなく、こうした制度自体が地方主体の復興を妨げるおそれもあることから、地域主権の観点からも直轄事業負担金廃止を求めていかなければならないと考えますが、県としての考えをお知らせください。
 次に、公益財団法人ヤマト福祉財団からの助成について伺います。
 公益財団法人ヤマト福祉財団の東日本大震災生活・産業基盤復興再生募金は、東日本大震災で被災された地域の生活基盤の復興や、水産業、農業の再生を支援することを目的に創設されました。ヤマトグループでは宅急便1個につき10円の寄附を初め広く一般からも募金を募り、130億円以上の募金、寄附が見込まれるようです。見える支援、速い支援、効果の高い支援をテーマに、単なる資金提供ではなく、新しい復興モデルを育てるために役立てていくことを目指しています。
 岩手県は、東日本大震災津波により被災した県内の水産加工事業者の生産回復を支援し、沿岸地域の基幹産業である水産業の早期復旧を促進するため、ヤマト福祉財団からの助成金を受けて実施する水産加工事業者生産回復支援事業について事業者から生産回復計画を公募した結果、このたび、計107の事業者に総額16億円の助成をすることを決定しました。
 この支援事業は、本年8月に岩手県として策定した岩手県東日本大震災津波復興計画における三つの復興の原則である安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生のうち、なりわいの再生の水産業、農林業、産地魚市場を核とした流通、加工体制の構築として位置づけられています。被災地域における基幹産業でもあり、かつ大きな被害を受けた水産加工業者、特にも漁業者に比較して制度的支援が希薄である民間事業者に対して早期復興に向けた生産機能回復を支援するため、民間水産加工事業者の水産加工用生産機器類の購入費、設置費を補助するものであります。
 この助成により、最終的には、特に地域経済を支える雇用創出にもつながることになると思われます。各事業者へは、対象事業の9分の8以内の金額を補助。スピード助成により、他に迅速な資金調達の手段のなかった多くの中小企業事業者にとっては、11月から本番を迎えている秋サケ漁業に向け、サケ関係加工機器の購入など準備が整うことになるようです。
 ヤマト福祉財団のホームページには、助成を決定した事業者からのコメントが寄せられています。陸前高田市の業者からは、秋サケ漁の受け皿となる加工場を一日でも早く立ち上げなければならなかったのですが、排水処理がネックになっていました。市の浄化槽設備が機能していない中、自己資金では厳しい基準をクリアできる排水処理施設を整備することが難しかったためです。今回の助成を受けて10月中には新しい施設を完成させ、加工作業を再開することで、解雇せざるを得なかった従業員の再雇用にもつなげていきたいと思いますと、水産加工事業者にとって水産加工用生産機器がいかに必要不可欠であることと、この支援を受けたことで、仕事に対しての希望と雇用の確保、そして復興に向けての力強い思いを感じました。この助成のように、見える支援、速い支援、効果の高い支援というのが重要だと考えます。
 ヤマト福祉財団からの助成金は、東日本大震災津波の被災地を対象としたものでありますが、他県の事業の採択の状況はどのようになっているのでしょうか。また、本県での採択事業の総額は、さきに述べました水産加工事業者生産回復支援事業を含めて35億2、900万円と聞きました。その詳細をお知らせください。
 また、ヤマト福祉財団からの助成以外にも、今議会に提案されている東日本大震災津波復興基金の原資の一部にもクウェート国からの東日本大震災復興資金80億円が充当されていると理解しておりますし、さきに創設されたいわての学び希望基金についても、いち早く全国に浄財を募り、被災孤児となった方々を中心とする奨学支援制度の運用が開始されています。被災地の復旧、復興を着実に推進していくためには、国による制度的な支援はもとより、こうした民間等からの支援も積極的に受け入れ、さまざまな分野にわたる復興ニーズをきめ細かく対応していくことが肝要と考えます。
 そこで伺いますが、これまで寄せられた寄附金、助成金など民間からの本県への支援の状況や、その活用状況はどうなっているのでしょうか。また、今後の対応について基本的な考えをお示しください。
 次に、いわて花巻空港について伺います。
 今回の東日本大震災の際の花巻空港の対応について見ると、広域搬送拠点臨時医療施設が立ち上がって、広域医療搬送の臨時拠点として役割を果たしたほか、岩手、宮城両県の被災地への災害救援のための防災・消防系救援ヘリ、自衛隊ヘリ等の受け入れ、また、新幹線の運休が続く中での東京羽田便の臨時便の運航は利用率が90%を超え、岩手と首都圏とを結ぶ輸送手段を確保するなど、改めていわて花巻空港が本県の空の窓口、輸送拠点として重要な役割を果たしていることを再認識した次第です。
 一方で、震災後の空港全体の利用状況を見ると、平成22年度の利用者数は、機材の小型化や名古屋便の運休により、前年比11万4、680人、約31%減の25万2、220人と大幅に落ち込み、また、平成23年度の利用者数についても、10月末現在で前年同期比17.5%増の19万9、367人と復興需要による回復傾向はあるものの、非常に厳しい状況であることは否めません。
 国際チャーター便の利用者数についても、平成22年度の42便、6、019人に対し、本年度は11月20日現在で14便、2、381人と低迷しております。厳しい利用状況にはありますが、本年7月に平行誘導路と国際線チェックインカウンターが供用開始され、課題であった大型機の就航、そして国内線の就航する時間帯に国際線の出発手続が可能となりました。国際チャーター便の受け入れ態勢が整い、8月16日、22日は大韓航空による韓国チャーター便がこれまで運航できなかった大型機で就航、そして、先月13日のデルタ航空によるホノルルチャーター便は大型機で過去最大の288人が利用されるなど、早速成果が上がっております。
 また、国内定期便は復興需要等により本年10月現在の利用率は85%と高い水準で推移しており、5月21日から就航したFDA名古屋小牧線は8月から毎日運航され、その増便化が期待されていることなど明るい材料も見えてきているものと思われます。いずれ、一刻も早く震災の影響を払拭し、国際チャーター便、国内定期便ともに今後一層利用促進を図っていくことが求められるものと思いますが、まず、国際チャーター便の運航拡大や国内定期便の利用促進のため、これまでどのような取り組みをしてきたのかお伺いいたします。
 デルタ航空の日本支社長は、今回のチャーター便の運航は、引き続き日本を重要視していることを裏づけるものですと述べておりますが、供用開始後、国際チャーター便を運航した航空会社の評価はどうなっているかお知らせください。
 また、定住人口が減少傾向にある地方で、観光客や二地域居住者といった交流人口を拡大させることで人口減少の影響を緩和し、平泉の世界遺産登録、来年のいわてデスティネーションキャンペーンの好機を生かし、観光振興によって地域の活力を取り戻すべきと私は考えていますが、本県の空の玄関口であります花巻空港における国際チャーター便の運航拡大や国内定期便の利用促進に向け、今後どのような取り組みを強化し、その見込みがどのようになっているのかお示し願います。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高橋但馬議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、いわてクリーンセンターについてでありますが、同施設は、公共関与の廃棄物処理モデル施設として、平成7年度の開所以来、県民の信頼と地域住民の協力により適正に運営され、本県産業の健全な発展に寄与してきたところであり、今般、最終処分場において漏水が生じ、受け入れを一時休止せざるを得ない事態に至ったことは遺憾であります。
 現在、施設を運営する財団法人クリーンいわて事業団が早期の受け入れ再開に向け処分場内の漏水について調査した結果、ほぼ漏水箇所が特定され、漏水の程度も縮小傾向にあり、復旧工事に全力で取り組んでいるところであります。
 今般の漏水の原因として東日本大震災津波及びその余震の影響も疑われますことから、あわせて耐震性の向上を含めた恒久的な対策を検討するなど、再発防止に万全を期すこととしております。
 県では、事業団による今後の対応により再び漏水が発生することはないものと考えておりますが、県内には、いわてクリーンセンターの代替となる管理型最終処分場が存在しないことを踏まえ、今後、近隣県等の理解のもと、不測の事態における協力体制の構築が図られるよう努めてまいります。
 次に、石こうボードのリサイクルの実現についてでありますが、いわてクリーンセンターの最終処分場には毎年大量の廃石こうボードが埋立処分されており、このリサイクルを進めることが大きな課題であると認識しております。
 しかしながら、廃石こうボードは、製造年代の古いものに砒素等の有害物質が含まれている場合があるなど安全面での課題があることなどから、全国的にも、その一部が石こうボードやセメントの原料、土壌改良材等の添加剤として再生利用されるにとどまっています。また、コスト面での課題もありますことから、リサイクル可能な廃石こうボードが効率的に収集可能な一部の地域を除きますと再生利用が進んでいないのが現状であると伺っております。
 このため、県としては、循環型社会の構築を一層進める観点から、国に対しリサイクルに向けた取り組みを働きかけるとともに、いわて産業・地域ゼロエミッション推進事業の活用などにより、リサイクルに向けた取り組みが進展するよう努めてまいります。
 次に、直轄事業負担金の廃止についてでありますが、一昨日上京して実施しました東日本大震災津波に関する要望におきましては、直轄事業の推進に関し、復興が完了するまでの間、復興枠としての安定した予算を確保することや直轄事業負担金制度を廃止することなどを私自身から改めて政府及び与党に提言を行ったところであります。
 直轄事業負担金制度については、全国知事会の申し入れ等を踏まえ、平成22年1月に決定された関係4省によります直轄事業負担金制度の廃止に向けた工程表に基づいて本年度までに維持管理費負担金が全廃されたほか、昨年6月に閣議決定された地域主権戦略大綱においても、平成25年度までに現行の直轄事業負担金制度の廃止とその後のあり方について結論を得ることが明記されております。
 県としては、直轄事業負担金制度の改革が地域の自主、自立に向けた重要な課題でありますことから、引き続き国の動向を注視しながら、全国知事会等とも連携し、早期に制度廃止時期を明確にすることや、国と地方の役割分担等の見直し、地方への権限と財源の一体的な移譲を行うことなど、制度廃止に向けた取り組みを確実に進めるよう国に求めてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、災害廃棄物に含まれる木材の有効利用についてでありますが、焼却灰が発生しないセメント工場における原燃料としての活用のほか再生利用やエネルギー利用が有効と考えており、県では、宮古市のチップ工場と本年度約8、000トンの柱材、角材の破砕処理の契約を締結し、既に700トンを超えるチップがパーティクルボードの原料やボイラー用の燃料としてリサイクルされているところでございます。さらに、山田町や普代村などにおいて、これまでに約3、400トン余りの木材がチップ化され、再生利用されている状況でございます。
 県としては、再生利用を災害廃棄物の処理計画の基本方針の一つとして位置づけており、今後、県内はもとより、県外の活用先や新たな活用方法に関する情報を収集し、木材のさらなる有効利用を進めてまいります。
 次に、釜石市への支援についてでありますが、災害廃棄物の処理に当たり、県への委託の有無にかかわらず県全体としての処理が円滑に進むことが重要であると考えており、岩手県災害廃棄物処理詳細計画において、釜石市を含む沿岸12市町村すべてを対象としたところでございます。
 県では、この計画に基づき、現在、県内外の処理先の確保に努めているところであり、釜石市につきましても、内陸市町村の清掃センターへの搬入や焼却灰の処理先の確保、他県への搬出の調整など、さまざまな支援を行っているところでございます。今後とも、釜石市のようにみずから処理を行う市町村におくれが生じないよう、情報共有を密に行い、処理状況を把握しながら、随時相談に応ずるなど必要な支援を行ってまいります。
 次に、災害廃棄物の広域処理についてでありますが、県では、早い段階から、広域処理を円滑に進めるため、国レベルでの自治体間の調整や、放射性物質に対する不安や懸念の払拭に努めるよう強く要望してきたところであります。こうした要望にこたえる形で、国では、8月に災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドラインを策定し、10月に開催した広域処理を進めるための会議において全国の自治体関係者に対して環境大臣から広域処理への協力要請を行い、また、11月には全国知事会議において総理大臣から協力要請を行ったところであります。
 本県においても、知事みずから、本県の災害廃棄物の安全性、広域処理の必要性について北海道東北地方知事会議等において説明するなど、あらゆる機会を通じて本県の災害廃棄物の受け入れが進むよう努めているところであります。
 本県災害廃棄物の放射性物質濃度については、国のガイドラインにおいて、安全に焼却、埋立処分が可能との評価を得ているところであります。このガイドラインに基づき、宮古市において11月2日から東京都への広域処理が開始され、さらに一つでも多くの自治体の受け入れが進むよう、本県の働きかけにより、11月18日には国主催による現地意見交換会が開催され、全国29の自治体から関係者約50名が参加したところであります。
 こうしたさまざまな取り組みにより、徐々にではありますが本県災害廃棄物の安全性に対する理解も浸透し、東京都に引き続き八戸市が受け入れを表明するなど、前向きに検討する自治体もふえてきておりますことから、今後とも広域処理が円滑に進むよう鋭意取り組んでまいります。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、検査結果の推移についてでありますが、牛の出荷制限が一部解除され、屠畜が再開された8月29日から先週末の12月2日までの間に県内外を含めて放射性物質濃度の検査を受けた肉用の県産牛の数は9、185頭で、このうち暫定規制値を超えた牛は、9月に3頭、10月に1頭、12月に2頭の計6頭であります。
 なお、月別の検査頭数は、9月は2、137頭、10月は2、883頭、11月は3、690頭であり、肥育牛の出荷の滞留は徐々に解消されつつあるものと認識しております。
 次に、牛の生体出荷に向けた取り組みについてでありますが、全頭検査対象農家の県外生体出荷につきましては、これまで県外の屠畜場を管轄する自治体に働きかけた結果、仙台市、埼玉県への出荷再開が実現し、12月からは千葉県への出荷も可能となったところであります。東京都に対しましても出荷再開を要請しておりますが、出荷制限解除後3カ月を経過し、検査実績も積み上がってきており、その検査結果などをしっかり説明し、早期の出荷再開が実現できるよう取り組んでまいります。
 また、全頭検査対象農家の全戸検査対象への移行につきましては、これまでの検査実績から、適切な飼養管理が確認できる農家につきましては一定のルールを定めて全戸検査対象に移行できるよう、国と協議を重ね見直しを進めているところであり、引き続き全戸検査対象農家への移行による県外への生体出荷の拡大が図られるよう取り組んでまいります。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) まず、復興道路や湾口防波堤の直轄事業負担金についてでありますが、国の公表資料に基づきまして県が試算いたしますと、復興道路につきましては、現在事業中の10カ所の残事業費は1、500億円程度で、それに対する直轄事業負担金は260億円程度、また、県内の未着工区間14カ所の概算事業費は8、400億円程度で、それに対する直轄事業負担金は1、650億円程度、合わせて復興道路の直轄事業負担金は1、900億円程度と見込まれております。
 次に、湾口防波堤についてでありますが、現在、国直轄で整備中の久慈港湾口防波堤並びに今回の震災で大きな被害を受け、復旧、整備を行います釜石港湾口防波堤と大船渡港湾口防波堤の今後の事業費につきましては合わせて1、500億円程度で、それに対する直轄事業負担金は400億円程度と見込まれております。
 次に、花巻空港の利用促進のためのこれまでの取り組みについてでありますが、国際チャーター便は、震災や原発事故の影響によりまして海外からの誘客が厳しい状況にありますことから、岩手から海外へ旅行需要を喚起しつつ、海外からの誘客につなげるため、岩手県空港利用促進協議会を通じ、チャーター便を企画する旅行会社に対しまして広告などの支援や海外でのセールス活動を行っているところであります。
 また、国内定期便は、本年5月にフジドリームエアラインズの名古屋小牧線が就航したことから、自動車関連産業を初めとする名古屋圏の県内誘致企業等や県内市町村、旅行会社を訪問いたしまして周知に努めるとともに、レンタカーや乗り合い型タクシーであるエアポートライナーなど空港アクセスに関する割引キャンペーンを実施しているほか、臨時便の周知など、いわて花巻空港の利用を広くPRしたところであります。
 次に、航空会社の評価についてでありますが、平行誘導路の整備と国際線チェックインカウンターの完成によりまして約300人乗りの大型機を国内線の運航時間に就航できたことから、受け入れ時間の大幅な拡大や機材の大型化への対応が実証されたことに関し、航空会社からは前向きな評価をいただいているところであります。
 次に、今後の取り組みと利用拡大の見込みについてですが、国際チャーター便は、観光関係者と一層の連携の上、旅行の安全・安心をPRするなどのセールス活動を行い、特に、これまで最も実績がありました台湾の連続チャーター便の復活を目指しますほか、平泉の世界遺産登録を契機といたしました旅行需要を掘り起こすなど、官民一体となった誘致活動に一層力を入れて取り組んでまいります。
 また、国内定期便は、復興需要等により前年度の利用率を20ポイントほど上回る85%の高い利用率となっていることから、航空会社に各路線の増便や、より大きな機材への変更など輸送力の拡大について引き続き働きかけるなど、さらなる利用拡大に取り組んでまいります。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) ヤマト福祉財団からの助成金についてでありますが、この助成金は、県や市町村、公益法人等の事業申請を財団が設置する選考委員会において審査、決定しているものでございまして、これまで2回の助成が決定されているところでございます。
 これまで決定された助成について、県、市町村、公益法人等を合算いたしました各県別の採択状況を申し上げますと、宮城県が5事業、28億円余、福島県が4事業、6億円余、これに対しまして本県が6事業、39億円余となっておりまして、本県が最も多額の助成をいただいているところでございます。
 このうち、本県分の事業として採択されましたのは、議員より御紹介のありました水産加工業者生産回復支援事業ほか3事業、35億2、900万円ということになります。
 その内容を申し上げますと、冷凍保管能力を失った水産業を支援いたします魚価安定緊急対策事業4億円、アワビや養殖ワカメの収穫に必要な巻き上げ機等の整備を支援する水産業共同利用施設復旧支援事業5億3、000万円、魚市場の製氷、貯氷施設の整備を支援する製氷・貯氷施設回復支援事業10億円となっております。
 次に、これまで寄せられました民間からの支援の状況についてでございます。
 これまで、ヤマト福祉財団からの助成金を含め、個人、法人を問わず国内外の幅広い方々より温かい御支援をいただいておりまして、11月末現在で133億円余の寄附金、助成金が寄せられております。これに加えまして、クウェート政府からの支援金80億円のように、収受していないものの、先方との調整が進みまして確実に受け取れるものとして予算計上した寄附もございます。
 これらの支援は本県の復旧、復興にとって貴重な財源となっておりまして、これまで、早急な対応が求められるものにつきましては国の予算に先んじて事業化するなど、被災地のニーズや支援者の意向を踏まえながら、いわての学び希望基金を通じた被災児童生徒への支援や被災中小企業者の負担軽減、県立高校における小型船舶実習艇の購入、養殖業に対します必要な種苗の購入など幅広い分野の事業に活用してきたところでございます。
 今後の対応についてでございますが、民間からの支援を受け入れるに当たりましては、被災地のニーズを伝えること、事業効果を考慮し、いただいた支援を適切な時期に活用すること、活用内容を明らかにすること、こういったことが重要と考えております。寄附金の募集等に当たっての事業の具体例の提示でございますとか、補正予算における適時の予算化、寄附金等の使途の公表を行ってまいりました。今後もこうした丁寧な取り組みを継続していきたいと考えております。
 また、現在、被災各市町村の復興計画が整いつつありますので、今後、まちづくりに向けたニーズが顕在してくるものと考えられます。こうしたニーズを的確にとらえながら、効果的に発信いたしまして、民間からの支援と被災地ニーズとの適切なマッチングにも努めてまいります。
〇17番(高橋但馬君) 知事を初め関係部局長、御答弁ありがとうございました。
 私のほうからは、ただいまの答弁を受けて、石こうボードのリサイクルと直轄事業負担金について再質問させていただきます。
 まず、石こうボードのリサイクルについてですけれども、このリサイクルを進めるための研究開発というのは、基本的に民間だけの技術ではなかなか厳しいものがあると私は考えます。そのためにも民間と行政が一体となって取り組んでいく必要があると思いますけれども、行政と民間の連携について、県としてどのように考えているかお知らせください。
 石こうボードのリサイクルを進めるために、その廃石こうボードを砕いて紙を取ってという作業をする機械というのは非常に高価な機器であると聞いています。こうした機器を民間が整備するにはかなり厳しいものがあると思うんですけれども、県として、民間がその機械を入れるための補助制度、こういうものの導入が私は必要と考えていますが、そこについて、今回いわてクリーンセンターがそのものを受け入れることができなかった状況を踏まえ、その新しい手段としてやっぱりリサイクルを進めていく必要があると私は考えているので、その点を踏まえて県としての考えをお知らせください。
 直轄事業負担金についてですけれども、平成22年6月に閣議決定されました地域主権戦略大綱というのは、現行の負担金制度の廃止とその後のあり方について結論を得る。このために、総務省、財務省、農林水産省及び国土交通省の4省の大臣政務官による直轄事業負担金制度等に関するワーキングチームにおいて、必要に応じて地方の意見を聞きながら検討を進めるということで定められているんですけれども、私がちょっと調査したところによると、このワーキングチームは昨年以降開催されていないと国のほうから答えをいただきました。実際、今の答弁にもありましたように、1、900億円、道路と湾口防波堤を含めて2、300億円というとんでもない金額、これを別に負担をしていかなければいけない、そういう部分になるわけですけれども、それを踏まえて、地域主権を実現するためにも、岩手県から毅然とした態度で、国に対して要望より強いものでアピールしていかなければならないと思うんですけれども、県としてのしっかりとした考えをお示し願います。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 行政と民間との連携、あるいは民間事業者への支援による石こうボードのリサイクルについてということでございます。
 石こうボードのリサイクルの推進につきましては、最終処分場の延命化を図るという観点からも非常に重要な課題であると認識してございます。
 本県には、民間事業者による技術開発であるとか、あるいはリサイクルを進めるための支援制度といたしましていわて産業・地域ゼロエミッション推進事業というものが実は既存制度としてございます。内容について簡単にお知らせいたしますと、リサイクルあるいは研究開発を行おうとした場合に、補助率2分の1以内、補助限度額1、000万円以下という内容でございます。これらの事業の活用につきましてまず呼びかけまして、いろいろ御提案をいただきたいと考えてございます。そういった中で行政と民間との連携、協力が図られまして、その石こうボードのリサイクルが少しでも進めばいいと考えているところでございます。
 また、石こうボードのリサイクルにつきましては、むしろ全国レベルの研究にゆだねられているところが大きいという現実がございます。国あるいは国の研究機関、そういったところでこれまで研究を積み重ねてきているという実績がございますので、県内での行政と民間との連携が図られる中で、必要に応じて国の研究機関などにも参加いただいて、一緒になって取り組むということについて、これからそういったものが進むように努めてまいりたいと考えてございます。
〇政策地域部長(千葉茂樹君) 直轄事業負担金についてでありますが、従来、全国知事会として、直轄事業につきましては、本来国が責任を持つべき事業に縮減した上で、地方が担うべき事業については権限と財源を一体的に移譲することや、また、その後の社会資本整備のあり方をどうするかなど、さまざまな課題を整理した上で、それを解決していくための具体的手順を国において工程表に盛り込むべきだということを主張、提言してきたところでございます。こうした提言を踏まえまして、国において工程表が策定され、地域主権戦略大綱に明記されたものと認識しているところでございます。
 その取り組みにつきましては、本年度までに維持管理費負担金が全廃されるなど、制度改革に向けて一定の前進が見られたところではございますが、議員御指摘のとおり、制度の廃止に向けた具体的検討はいまだ進んでいない状況にあると考えております。
 これまで、地域主権戦略大綱策定後におきましても、全国知事会として、平成25年度までの早い時期での負担金制度の廃止に向け、国と地方の協議の場等を通じて地方と十分に協議を重ねながら具体的に検討することや、負担金制度の廃止時期を明確にし、具体的な手順を盛り込んだ工程表を早急に作成することなど、直轄事業負担金制度改革の確実な推進について強く要請する提言を行ってきたところでございます。
 県といたしましても、一昨日実施いたしました東日本大震災津波に関する要望におきましても、直轄事業負担金制度の廃止について重ねて政府・与党に直接提言しているところでありまして、引き続き、国の動向を注視しながら、全国知事会とも一体となった働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇17番(高橋但馬君) ありがとうございました。
 もう一点、石こうボードのリサイクルについてお伺いしたかったんですけれども、先ほど知事から、現在、県内では最終処分場はいわてクリーンセンターしかないということの答弁があったんですけれども、広域的にそれに取り組まなければならないというお話があったんですが、近隣県で、例えば秋田県であるとか、宮城県であるとか、青森県であるとか、その処理に関して何か進んでいるお話はあるか、最後にお聞かせください。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 今回、いわてクリーンセンターの最終処分場が休止せざるを得なかったということについては本当に遺憾なことだと考えてございます。これに伴いまして、県内の廃棄物の処理が滞ったということを踏まえ、県といたしましても、近隣県等に対しまして受け入れの要請をするなど調整を図っているところでございます。具体的には、宮城県と仙台市のほうで御協力いただけるということで、一部そちらのほうに処理がゆだねられているという状況でございます。こういった仕組みを事前に構築するということに努めてまいりたいと考えているところでございます。

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