平成23年6月定例会 第23回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 発議案第2号発電・送電分離の法制化と次世代送電網の導入を求める意見書案に賛成の討論を行います。
 福島第一原発事故は、日本と世界の人々に大きな衝撃を与え、原発に依存したエネルギー政策をこのまま続けていいのかという重大な問題を突きつけました。そして、原発からの撤退と自然エネルギー、再生エネルギーへの大胆な転換への世界的な流れは、この事故を契機にさらに大きくなっています。国内でも、各種の世論調査で日本世論調査会の調査では、廃炉推進が82%、朝日新聞の昨日の世論調査では、原発を段階的に減らし将来はやめることに賛成が77%となっています。原発推進政策の根本的な転換、原発からの撤退は国民の圧倒的な声となっています。
 福島原発事故が明らかにしたことは、原発事故には他の事故には見られない異質の危険があること。今の原発技術は、本質的に未完成で危険なものであること。世界有数の地震国、津波国に集中立地していることの危険。安全神話への固執が深刻な結果を招いたこと。安全な原発などあり得ないことなどであります。
 重大なことは、異常な原発の推進が、地域独占と総括原価方式で守られてきた原発利益共同体によって推進されてきたことであります。原発利益共同体は、宣伝広告費という手段でマスコミまで取り込んできました。また、原発の推進政策が自然エネルギーの本格的な導入を妨げる障害にもなってきました。
 自然エネルギー、再生エネルギーの本格的な開発と普及のためには、すべての再生エネルギーを固定価格で買い取る固定価格制度が必要です。同時に、発電から送電、配電まですべて電力会社が地域独占していることが障害となっており、発電と送電を分離し、現在、東日本と西日本で異なる周波数のために分断されている問題の解決や、スマートグリッドなどの技術の開発などが促進されるべきであります。
 原発からの撤退を決断し、自然エネルギーの本格的な導入に取り組んでいるドイツでは、発電、送電、配電部門が分離されたことが固定価格買い取り制度とともに重要な意義を持ちました。ドイツでは、再生可能エネルギーを2020年までに総発電量の30%に、2050年までに80%の目標で取り組んでいます。
 日本における再生エネルギーの可能性は、太陽光、風力、バイオマスなどの合計で約12兆キロワット時とされています。これは、今ある原発の総発電電力の約40倍となるものであります。
 福島原発事故を踏まえ、今こそ原発推進政策を転換し、期限を決めた原発からの撤退を決断して、再生エネルギー、自然エネルギーの本格的な導入を図るべきであります。豊かな自然と資源に恵まれた岩手県こそ、自然エネルギー導入の先進地として発展を図るべきであります。これはエネルギーの地産地消ともなり、エネルギー自給率を高め、地域の産業と雇用拡大にも結びつくものであります。
 今回提案された発電・送電分離の法制化と次世代送電網の導入を求める発議案は、原発利益共同体と地域独占体制の解体の一歩となるものであり、自然エネルギーの本格的な導入の力となるものであり、賛成するものであります。
 以上、御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(佐々木一榮君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、発議案第2号発電・送電分離の法制化と次世代送電網の導入を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立少数であります。よって、発議案第2号発電・送電分離の法制化と次世代送電網の導入を求める意見書は否決されました。
   日程第14 発議案第3号30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度拡充及び教育予算拡充を求める意見書
〇議長(佐々木一榮君) 日程第14、発議案第3号30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度拡充及び教育予算拡充を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。高橋商工文教委員長。
   〔商工文教委員長高橋博之君登壇〕
〇商工文教委員長(高橋博之君) 発議案第3号30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度拡充及び教育予算拡充を求める意見書につきまして、商工文教委員会提案でありますので、委員長であります私から提案理由の説明を行います。
 本発議案は、今期定例会において、請願陳情受理番号第122号30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度拡充、教育予算拡充を求める請願が商工文教委員会に付託され、採択と決定したことに伴い提案するものでありますが、その趣旨を説明いたしますと、昨年度、小学校1年生の35人以下学級を実現するために必要な改正義務教育標準法が国会において成立し、国レベルでの少人数学級の推進に向けた取り組みが始まったところでありますが、日本は、他のOECD諸国に比べて1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生徒数が多いことから、一人一人の子供に丁寧な対応を行うためには、今後とも少人数学級の着実な推進が必要であります。
 また、子供たちが全国どこに住んでいても均等に一定水準の教育を受けられることは憲法の精神でありますが、GDPに占める教育費財政支出の割合はOECD加盟国の中で最下位であり、また、三位一体改革により義務教育費国庫負担制度の国負担割合は2分の1から3分の1に引き下げられ、自治体財政を圧迫していることなどから、教育予算についてはその拡充が求められております。
 将来を担い、社会の基盤づくりにつながる子供たちへの教育は極めて重要であり、未来への先行投資として、子供や若者の学びを切れ目なく支援し、雇用、就業の拡大につなげる必要があります。
 以上のことから、本意見書案においては、平成24年度の政府の予算編成において、少人数学級を引き続き推進すること、また、その具体的な学級規模は、OECD諸国並みの豊かな教育環境を整備するため30人以下とすることなど、3項目の実現を国に要望しようとするものであります。
 議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(佐々木一榮君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております発議案第3号30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度拡充及び教育予算拡充を求める意見書は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第3号30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度拡充及び教育予算拡充を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、発議案第3号30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度拡充及び教育予算拡充を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
   日程第15 発議案第4号養護老人ホームの運営及び施設整備に関する支援の拡充を求める意見書から日程第20 発議案第9号東日本大震災津波に係る高速道路無料化の制度設計の見直しを求める意見書まで
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第15、発議案第4号から日程第20、発議案第9号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第4号から発議案第9号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、発議案第4号から発議案第9号までは、原案のとおり可決されました。
   閉会
〇議長(佐々木一榮君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって本日の会議を閉じ、第23回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
   午後2時13分 閉会

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