平成23年6月定例会 第23回岩手県議会定例会 会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 請願陳情受理番号第126号国家公務員の賃金引き下げ法案の撤回、東日本大震災の復旧・復興と公務公共サービス拡充のために国家公務員の増員を求める請願が、民主党・ゆうあいクラブ、自由民主クラブ、地域政党いわてなどの反対で不採択とされたことは極めて残念な結果であります。違法無法な賃下げを容認する請願の不採択に反対の討論を行います。
 第1に、国家公務員の賃金を1割、3年間にわたって引き下げるという法案は、東日本大震災津波、福島原発事故という戦後最大の大災害に不眠不休で取り組んでいる公務員に対し、それを顕彰するどころか賃下げで対応するという冷たい、逆立ちしたやり方であり、許されないものであります。
 私はハローワーク大船渡を訪問してまいりましたが、ハローワークの職員は2カ月で1年分の仕事をしたとのことであります。地方整備局の職員も国道や港湾の復旧に不眠不休で取り組みました。県職員、市町村職員も同様であります。こうした公務員に賃金引き下げを押しつけるやり方は許されないものであります。
 第2に、国家公務員の賃金は、人事院勧告を受けて決めるというのが国家公務員法第28条で定められたルールであります。労働基本権を剥奪した代償としての人事院制度まで無視する賃金引き下げは、人事院自身が反対しているように違法無法なやり方であります。
 第3に、国家公務員の賃金引き下げは地方公務員まで影響を与えます。国家公務員で3、000億円の賃下げですが、625万人の公務員が1割の賃金引き下げということになるなら、GDP―国民総生産で3兆円減少するという試算が労働総研から出されています。日本経済にも、地域経済にも大きな打撃を与えるものであります。とりわけ被災県である岩手県の経済に与える影響はさらに大きなものとなりかねません。
 第4に、この間、10年以上にわたって公務員の賃金が連続的に引き下げられてきました。県職員の場合、12年連続の賃金引き下げで、1人当たり平均126万円の減収となっています。総額では年間247億円で、地域経済へのマイナスの波及効果は380億円に及んでいます。公務員の賃金が下がれば民間の賃金も下がるという賃金引き下げの悪循環に陥っているのであります。この悪循環を断ち切ってこそ、地域経済を打開する道が開けてまいります。
 第5に、日本経済のゆがみを正すことこそ、財政再建と経済危機打開の道だということであります。公務員はもとより民間労働者の賃金もこの10年間で引き下げとなりました。10年間で労働者の賃金が下がった国は、先進国で日本だけであります。一方で、大企業はこの10年間余で100兆円も内部留保をふやし、244兆円もの内部留保をため込んでいます。使い道のない手元資金だけで60兆円を超えています。ところが、民主党政権は、こうした大企業、大資産家に対して2兆円もの法人税減税、証券優遇税制を行っているのであります。まさに逆立ちした財政、経済対策と言わなければなりません。
 第6に、国家公務員の賃金1割、3年間の引き下げは、余りにも違法無法なことから、国会の委員会でも全く審査がされていません。撤回すべきものであります。国会では自民党の議員も反対の質問を行っています。なぜ、岩手県議会の民主党、自民党は賃金引き下げの推進役を買って出ているのでしょうか。
 本県議会には、福島原発事故にかかわって、原発に依存しない自然エネルギーの推進を求める請願、原発から期限を決めて撤退し、自然エネルギーの本格的な導入を求める請願が提出されましたが、七、八割を超える原発からの撤退を求める国民の声に背を向けて、民主党と自民党は採決を避け、審議未了、事実上の不採択としました。
 東日本大震災津波の救援、復興で不眠不休で頑張っている公務員の賃下げは推進する。原発からの撤退と自然エネルギーの導入を求める国民、県民の願いには背を向ける民主党、自民党の立場は県民から厳しく検証されるべきであることを申し上げ、私の討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。
〇議長(佐々木一榮君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第122号及び受理番号第127号を一括して採決いたします。
 各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第122号及び受理番号第127号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第126号国家公務員の賃金引き下げ法案の撤回、東日本大震災の復旧・復興と公務公共サービス拡充のために国家公務員の増員を求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立多数であります。よって、受理番号第126号国家公務員の賃金引き下げ法案の撤回、東日本大震災の復旧・復興と公務公共サービス拡充のために国家公務員の増員を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第10号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(佐々木一榮君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第10号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第12 委員会の閉会中の継続調査の件
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第12、委員会の閉会中の継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
 各委員会の閉会中の継続調査事件
1 継続調査
   総務委員会 ・東日本大震災津波による被害への対応状況等について
   環境福祉委員会 ・東日本大震災津波による被害への対応状況等について
   商工文教委員会 ・東日本大震災津波による被害への対応状況等について
   農林水産委員会 ・東日本大震災津波による被害への対応状況等について
   県土整備委員会 ・東日本大震災津波による被害への対応状況等について
〇議長(佐々木一榮君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続調査の件につきましては、各委員長からお手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木一榮君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第13 発議案第2号発電・送電分離の法制化と次世代送電網の導入を求める意見書
〇議長(佐々木一榮君) 次に、日程第13、発議案第2号発電・送電分離の法制化と次世代送電網の導入を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。高橋博之君。
   〔14番高橋博之君登壇〕

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